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特表2024-528889ひずみゲージドリフト検出を備えたハンドヘルド電気機械外科用デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】ひずみゲージドリフト検出を備えたハンドヘルド電気機械外科用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A61B17/115
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505041
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 IB2022057159
(87)【国際公開番号】W WO2023012659
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/395,309
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ハート, アレクサンダー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】デルボ, ジェイムズ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】コーラル, チャールズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ストラスナー, ヘイリー イー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC36
4C160KL06
4C160NN23
(57)【要約】
本開示の一実施形態によると、外科用デバイスが開示される。外科用デバイスは、モータと、モータにより移動可能な伝達組立体とを含む。外科用デバイスはまた、伝達組立体にかけられた力を測定するように構成された力センサを含む。デバイスはまた、伝達組立体を始動位置に移動させるためにモータを制御し、センサ信号を受信するために力センサに問い合わせ、センサ信号を閾値と比較し、センサ信号と閾値の比較に基づいて力センサが故障しているかどうかを決定するように構成されたコントローラを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用デバイスであって、
モータと、
前記モータにより移動可能な伝達組立体と、
前記伝達組立体にかけられた力を測定するように構成された力センサと、
コントローラであって、
前記伝達組立体を始動位置に移動させるために前記モータを制御し、
センサ信号を受信するために前記力センサに問い合わせ、
前記センサ信号を閾値と比較し、
前記センサ信号と前記閾値の前記比較に基づいて前記力センサが故障しているかどうかを決定するように構成されたコントローラと
を含む外科用デバイス。
【請求項2】
前記力センサが、ひずみゲージである、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項3】
前記コントローラが、前記ひずみゲージがひずみゲージドリフトを有するかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項2に記載の外科用デバイス。
【請求項4】
前記始動位置が、前記伝達組立体が機械的負荷を受けない位置である、請求項2に記載の外科用デバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、前記センサ信号の絶対値を取得し、前記絶対値を前記閾値と比較するようにさらに構成される、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項6】
ディスプレイをさらに含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項7】
前記コントローラが、前記力センサが故障しているという表示を前記ディスプレイに出力するようにさらに構成される、請求項6に記載の外科用デバイス。
【請求項8】
前記コントローラが、前記力センサが故障していることに応答して、前記モータの作動を防ぐようにさらに構成される、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項9】
前記伝達組立体に結合されたトロカール組立体をさらに含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項10】
複数のステープルを含むリロードをさらに含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項11】
外科用デバイスであって、
アダプタ組立体であって、
伝達組立体と、
前記伝達組立体にかけられた力を測定するように構成された力センサと
を含むアダプタ組立体と、
ハンドル組立体であって、
前記伝達組立体を移動させるように構成されたモータと、
コントローラであって、
前記伝達組立体を始動位置に移動させるために前記モータを制御し、
センサ信号を受信するために前記力センサに問い合わせ、
前記センサ信号を閾値と比較し、
前記センサ信号と前記閾値の前記比較に基づいて前記力センサが故障しているかどうかを決定するように構成されたコントローラと
を含むハンドル組立体と
を含む外科用デバイス。
【請求項12】
前記力センサが、ひずみゲージである、請求項11に記載の外科用デバイス。
【請求項13】
前記コントローラが、前記ひずみゲージがひずみゲージドリフトを有するかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項12に記載の外科用デバイス。
【請求項14】
前記始動位置が、前記伝達組立体が機械的負荷を受けない位置である、請求項12に記載の外科用デバイス。
【請求項15】
前記コントローラが、前記センサ信号の絶対値を取得し、前記絶対値を前記閾値と比較するようにさらに構成される、請求項11に記載の外科用デバイス。
【請求項16】
ディスプレイをさらに含み、前記コントローラが、前記力センサが故障しているという表示を前記ディスプレイに出力するようにさらに構成される、請求項11に記載の外科用デバイス。
【請求項17】
前記コントローラが、前記力センサが故障していることに応答して、前記アダプタ組立体の作動を防ぐようにさらに構成される、請求項11に記載の外科用デバイス。
【請求項18】
前記アダプタ組立体が、記憶デバイスをさらに含み、前記コントローラが、故障している力センサに関連する故障コードを前記記憶デバイスに記憶するように構成される、請求項11に記載の外科用デバイス。
【請求項19】
前記伝達組立体に結合されたトロカール組立体をさらに含む、請求項11に記載の外科用デバイス。
【請求項20】
複数のステープルを含むリロードをさらに含む、請求項11に記載の外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
円形ステープラが、予め横に切断された直腸部分を再び取り付けるための外科的処置又は同様の処置において使用される。従来の円形の締付、切断及び縫合計器は、ピストル又は線形把持様式構造であって、そこから延在する長尺状シャフトと長尺状シャフトの先端に支持されたステープルカートリッジとを有するピストル又は線形把持様式構造を含む。この例において、医師が、円形の縫合計器のアンビル組立体を、切込みを通じて及び横に切断された直腸部分に向かって挿入し得る。医師は次いで、(カートリッジ組立体を含む)円形の縫合計器の残りの部分を患者の直腸に導入し得るとともに、デバイスを、横に切断された直腸部分に向かって患者の結腸管を上へ操作し得る。アンビル及びカートリッジ組立体は互いに向かって近似され、ステープルは、端から端までの吻合に影響を及ぼすように組織におけるステープルを形成するために、カートリッジ組立体からアンビル組立体に向かって取り出され、環状ナイフが、締め付けられた組織部分の一部を取るために進められる。端から端までの吻合がもたらされた後で、円形の縫合装置は手術部位から除去される。
【0002】
バッテリ電源を含む動力電気機械外科用ステープラは、吻合処置の部位を締付、縫合、及び切断中に、動力外科用ステープラの様々な構成要素を作動させるためにモータを用いる。そのようなステープラは、経年で劣化し誤った読取を出力し得る、ひずみゲージを含む様々なセンサを利用する。したがって、センサドリフトを検出して対処するシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、組織を締め付け、縫合し、及び切断するように構成された動力外科用ステープラを提供する。動力外科用ステープラは、力フィードバックを提供するために使用されるひずみゲージなどの力センサを含む。したがって、センサデータは、各段階、すなわち締付、縫合、及び切断を安全に作動することができる。ひずみゲージなどのセンサはアナログセンサであるので、信号出力は非常に弱く、その結果、手術室内の水の侵入、洗剤の堆積、及び湿気などの環境因子により容易に影響を受ける。したがって、不規則なセンサ信号の早期の警報検出は、患者の危険を手術前に最小化するために有用である。
【0004】
動力外科用ステープラは、ソフトウェア命令として実現され得る監視アルゴリズムを実行するように構成されたコントローラを含む。アルゴリズムは、オートクレーブサイクルにわたるひずみゲージドリフトを原因とし得る、あらゆる予期しない高値に対するセンサデータを監視する。そのような値が検出された場合、コントローラはエラーとしてこれにフラグを立て、ステープルの発射が潜在的に不良なひずみゲージを起こすのを防ぐ。エラーの監視は、トロカールが完全に格納されている間などの力の測定がされないと予期されるときに起き得る。監視アルゴリズムは、負荷がない状態のためにセンサ信号がないと予期し、校正が成功した後に設定値の絶対値閾値が満たされた場合に、入力されるセンサ信号を評価する。ドリフトが特定の閾値より大きい場合、ユーザは音声及び/又は視覚警報を介して通知され得、動力外科用ステープラのさらなる作動が防止される。
【0005】
本開示の一実施形態によると、外科用デバイスが開示される。外科用デバイスは、モータと、モータにより移動可能な伝達組立体とを含む。外科用デバイスはまた、伝達組立体にかけられた力を測定するように構成された力センサを含む。デバイスはまた、伝達組立体を始動位置に移動させるためにモータを制御し、センサ信号を受信するために力センサに問い合わせ、センサ信号を閾値と比較し、センサ信号と閾値の比較に基づいて力センサが故障しているかどうかを決定するように構成されたコントローラを含み得る。
【0006】
上記実施形態の実装形態は以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。上記実施形態の一態様によると、力センサは、ひずみゲージであり得る。コントローラは、ひずみゲージがひずみゲージドリフトを有するかどうかを決定するようにさらに構成され得る。始動位置は、伝達組立体が機械的負荷を受けない位置であり得る。コントローラは、センサ信号の絶対値を取得し、絶対値を閾値と比較するようにさらに構成され得る。外科用デバイスは、ディスプレイを含み得る。コントローラは、力センサが故障しているという表示をディスプレイに出力するようにさらに構成され得る。コントローラは、力センサが故障していることに応答して、モータの作動を防ぐようにさらに構成され得る。外科用デバイスはまた、伝達組立体に結合されたトロカール組立体をさらに含み得、リロードは複数のステープルを含み得る。
【0007】
本開示の別の実施形態によると、外科用デバイスが開示される。外科用デバイスは、伝達組立体と、伝達組立体にかけられた力を測定するように構成された力センサとを有するアダプタ組立体を含む。外科用デバイスはまた、伝達組立体を移動させるように構成されたモータと、コントローラであって、伝達組立体を始動位置に移動させるためにモータを制御し、センサ信号を受信するために力センサに問い合わせ、センサ信号を閾値と比較し、センサ信号と閾値の比較に基づいて力センサが故障しているかどうかを決定するように構成され得るコントローラとを有するハンドル組立体を含み得る。
【0008】
上記実施形態の実装形態は以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。上記実施形態の一態様によると、力センサはひずみゲージであり得る。コントローラは、ひずみゲージがひずみゲージドリフトを有するかどうかを決定するようにさらに構成され得る。始動位置は、伝達組立体が機械的負荷を受けない位置であり得る。コントローラは、センサ信号の絶対値を取得し、絶対値を閾値と比較するようにさらに構成され得る。外科用デバイスは、ディスプレイを含み得る。コントローラは、力センサが故障しているという表示をディスプレイに出力するようにさらに構成され得る。コントローラは、力センサが故障していることに応答して、モータの作動を防ぐようにさらに構成され得る。外科用デバイスはまた、伝達組立体に結合されたトロカール組立体を含み得、リロードは複数のステープルを含み得る。アダプタ組立体はまた、記憶デバイスを含み得、コントローラは、故障している力センサに関連する故障コードを記憶デバイスに記憶するように構成され得る。
【0009】
本開示の実施形態が添付図面を参照して本明細書において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態による、ハンドル組立体と、アダプタ組立体と、エンドエフェクタとを含むハンドヘルド手術器具の斜視図である。
図2図1のハンドル組立体、アダプタ組立体、及びエンドエフェクタの概略図である。
図3】アダプタ組立体及びエンドエフェクタ、本開示の実施形態による図1のアダプタ組立体に取り付けられた環状のリロード及びアンビル組立体の斜視側面図である。
図4】部分的に想像線で示された、図1のアダプタ組立体内に配置された締付伝達組立体の斜視図である。
図5】部分的に想像線で示された、図1のアダプタ組立体内に配置された縫合伝達組立体の斜視図である。
図6図1のエンドエフェクタのリロードの断面図である。
図7】ひずみゲージ組立体を備えた、部分的に分解された状態で示されたアダプタ組立体の斜視図である。
図8】本開示の実施形態による図1の手術器具のひずみゲージを監視するための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において開示された外科用デバイス、及び外科用デバイスのためのアダプタ組立体及び/又はハンドル組立体の実施形態が図面を参照して詳細に説明され、図面において、同様の参照符号はいくつかの図の各々において同一の又は対応する要素を指す。本明細書で使用される場合、「先端」という用語は手術器具又はその構成要素の、ユーザから遠い方の部分を指す一方で、「基端」という用語は、手術器具又はその構成要素の、ユーザに近い方の部分を指す。
【0012】
本開示は、ハンドル組立体と、ハンドル組立体に結合されたアダプタ組立体と、アダプタ組立体に結合されたエンドエフェクタとを有する動力外科用ステープラ10を提供する。ステープラは、3つの機能、すなわち締付、縫合、及び切断の完全な、独立した制御を可能にする。これは、組織が理想的でない状況を呈する場合、ステープラの特定の部分を適応させることを可能にする。
【0013】
図1は、アダプタ組立体200との選択的接続のために構成されたハンドル組立体100を含む、例えば、端々吻合(「EEA」)を形成するための動力外科用ステープラ10などの外科用デバイスを示す。アダプタ組立体200は、リロード400とアンビル組立体500とを含む、エンドエフェクタ300との選択的接続のために構成される。エンドエフェクタ300は、エンドエフェクタ300内に把持された組織を締付、縫合、及び切断することにより、患者の組織に外科的効果を生じる、すなわち、構造(例えば腸、結腸など)の2つの部分を接続することにより吻合を形成するために構成される。
【0014】
ハンドル組立体100は、パワーハンドル101と、パワーハンドル101を選択的に受ける及び包み込むように構成された外側シェルハウジング11とを含む。シェルハウジング11は、先端半部10aと、先端半部10aに枢動可能に接続された基端半部10bとを含む。接合されると、先端及び基端半部10a、10bは中にパワーハンドル101が配置されるシェル空洞を画定する。
【0015】
シェルハウジング11の先端及び基端半部10a、10bは、アダプタ組立体200の長手方向軸「X」を横断する平面に沿って分割される。シェルハウジング11の先端半部10aは、アダプタ組立体200の対応する駆動結合組立体210(図3)を受け入れるように構成された接続部分20を画定する。シェルハウジング11の先端半部10aはトグル制御ボタン30を支持する。トグル制御ボタン30は、4つの方向(例えば左、右、上及び下)に作動され得る。
【0016】
図1及び2を参照すると、パワーハンドル101は、主コントローラ回路基板142と、ハンドル組立体100の電気構成要素のいずれかに電力を供給するように構成された充電式バッテリ144と、バッテリ144に結合された複数のモータ152とを含む。パワーハンドル101はまたディスプレイ146を含む。実施形態において、モータ152は、電気エネルギーをモータ152に提供するように構成された任意の好適な電源、例えばAC/DC変圧器に結合され得る。モータ152の各々は、バッテリ144からモータ152への電気エネルギーのフローを含む、対応するモータ152の動作を制御するモータコントローラ143に結合される。パワーハンドル101を制御する主コントローラ147が提供される。主コントローラ147は、パワーハンドル101の動作を制御する締付、縫合、及び切断アルゴリズムなど本明細書において開示されたアルゴリズムを実現するソフトウェア命令を実行するように構成される。
【0017】
モータコントローラ143は、モータ152及びバッテリ144の動作状態を測定するように構成された複数のセンサ408a…408nを含む。センサ408a~nは、ひずみゲージ408bを含み、また、電圧センサ、電流センサ、温度センサ、テレメトリセンサ、光学センサ、及びこれらの組合せを含み得る。センサ408a~408nは、バッテリ144により供給された電気エネルギーの電圧、電流、及び他の電気特性を測定し得る。センサ408a~408nはまた、モータ152の毎分回転数(RPM)としての角速度(例えば回転速度)、トルク、温度、電流引き込み、及び他の動作特性を測定し得る。センサ408aはまた、モータ152の回転又は他の指標をカウントするように構成されたエンコーダを含み、これは次いで、モータ152により移動可能な構成要素の線形移動を計算するために主コントローラ147により使用される。角速度は、モータ152又はモータ152に結合されモータ152により回転可能なドライブシャフト(図示せず)の回転を測定することにより決定され得る。様々な軸方向に移動可能なドライブシャフトの位置はまた、シャフトにおいて又はシャフトに近接して配置された様々な線形センサを使用することにより決定され得る、又は、RPM測定値から推定され得る。実施形態において、トルクは、一定のRPMでの、モータ152の調節された電流引き込みに基づき計算され得る。さらなる実施形態において、モータコントローラ143及び/又は主コントローラ147は、例えば測定された値の変化率を決定するために、時間を測定し得るとともに、上で説明された値を、積分及び/又は微分を含み、時間に応じて処理し得る。主コントローラ147はまた、モータ152の回転をカウントすることにより、アダプタ組立体200及び/又はエンドエフェクタ300の様々な構成要素の移動距離を決定するように構成される。
【0018】
モータコントローラ143は主コントローラ147に結合され、主コントローラ147は、モータコントローラ143とインターフェイスを取るための複数の入力及び出力を含む。特に、主コントローラ147は、モータ152の動作状態に関する測定されたセンサ信号をモータコントローラ143から受信し、バッテリ144は、今度は、モータコントローラ143へ制御信号を出力し、センサ読み取り値及び特定のアルゴリズム命令に基づきモータ152の動作を制御する。主コントローラ147はまた、ユーザインターフェイス(例えば主コントローラ147に結合されたスイッチ、ボタン、タッチスクリーンなど)から複数のユーザ入力を受け入れるように構成される。
【0019】
主コントローラ147はまたメモリ141に結合される。メモリ141は、パワーハンドル101を動作させるためのソフトウェア命令を含むデータを記憶するように構成された揮発性(例えばRAM)及び不揮発性記憶装置を含み得る。主コントローラ147はまた、有線又は無線接続を使用してアダプタ組立体200のひずみゲージ408bに結合されるとともに、パワーハンドル101の動作中に使用されるひずみゲージ408bからひずみ測定値を受信するように構成される。
【0020】
パワーハンドル101は、複数のモータ152であって、各々、それらから延在するとともにそれぞれの伝達組立体を駆動するように構成されたそれぞれのモータシャフト(明確には図示せず)を含む複数のモータ152を含む。それぞれのモータによるモータシャフトの回転は、ハンドル組立体100の様々な操作を実施するためにアダプタ組立体200のシャフト及び/又は歯車構成要素を駆動するように機能する。特に、パワーハンドル101のモータ152は、アダプタ組立体200のトロカール組立体270のトロカール部材274(図4)を選択的に伸長させる/格納するためにアダプタ組立体200のシャフト及び/又は歯車構成要素を駆動するように構成される。トロカール部材274の伸長/格納は、(アンビル組立体500がトロカール組立体270のトロカール部材274に接続されると)エンドエフェクタ300を開き/閉じ、リロード400のステープル423の環状の配列を発射し、リロード400の環状ナイフ(明確には図示せず)を移動させる。
【0021】
リロード400は、始動締付力、最大締付力、力係数などを含むリロード400の動作パラメータを記憶するように構成された記憶デバイス402を含む。各タイプのリロード400は、対応する始動締付力を有することができ、対応する始動締付力は、始動締付力値を記憶デバイス402から読み取ることにより主コントローラ147が自動的に取得することができ、及び/又は、リロード400のタイプ若しくは締付力のいずれかを直接選択することによりユーザにより手動で設定され得る。始動締付力は、約100ポンド~約200ポンドの任意の好適な閾値であってもよく、実施形態において、標的締付力は約150ポンドであり得る。実施形態において、33mmの大きさのリロード400は約150lbsの締付力を有し得る。
【0022】
ここで図3及び4を見ると、アダプタ組立体200は、外側ノブハウジング202とノブハウジング202の先端から延在する外筒206とを含む。ノブハウジング202及び外筒206は、アダプタ組立体200の構成要素を収納するように構成及び寸法決めされる。ノブハウジング202は、電気接続部312とそれに結合された記憶デバイス310とを含む。記憶デバイス310は、アダプタ組立体200に関連する様々な動作パラメータを記憶するように構成される。アダプタ組立体200は、ハンドル組立体100の結合シャフト(明確には図示せず)の回転を、アダプタ組立体200のトロカール組立体270、アンビル組立体500、及び/又はリロード400のステープルドライバ430又はナイフ組立体(明確には図示せず)を動作させるために有用な軸方向並進運動へ変換するように構成される。
【0023】
アダプタ組立体200は、外筒206の先端において取り外し可能に支持されたトロカール組立体270をさらに含む。トロカール組立体270は、トロカール部材274と、トロカール部材274を外筒206に対して軸方向に移動させるためのトロカール部材274内に動作可能に受け入れられた打ち込みねじ276を含む。トロカール部材274の先端274bは、トロカール部材274の軸方向移動が、打ち込みねじ276の回転を介して、アンビル組立体500の付随する軸方向移動をもたらすように、アンビル組立体500に選択的に係合するように構成される。
【0024】
図4を参照すると、締付伝達組立体240は、モータ152のうちの1つに結合された第1回転可能基端ドライブシャフト212、第2回転可能基端ドライブシャフト281、回転可能先端ドライブシャフト282、及び結合部材286を含み、これらは各々アダプタ組立体200の外筒206内で支持される。締付伝達組立体240は、アダプタ組立体200のトロカール組立体270のトロカール部材274を伸長させる/格納するように、及び、アンビル組立体510がトロカール部材274に接続されるとアンビル組立体510を開く/閉じるように機能する。
【0025】
図5を参照すると、アダプタ組立体200は、モータ152のうちの1つ及びリロード400の第2軸方向並進可能ドライバ部材を相互接続するための縫合伝達組立体250を含み、縫合伝達組立体250は、リロード400から及びアンビル組立体510に対してステープル423を発射させるために、モータ152のうちの1つの回転をアダプタ組立体200の外側可撓性バンド組立体255の軸方向並進へ、ひいては、リロード400のステープルドライバ430へ変換する及び伝達する。
【0026】
アダプタ組立体200の縫合伝達組立体250は、ステープルドライバ結合器254に固定された外側可撓性バンド組立体255を含む。第2回転可能基端ドライブシャフト220はモータ152のうちの1つに結合されるとともに、当該ステープルドライバ結合器254を作動させるように構成され、これは回転移動を長手方向移動に変換する。外側可撓性バンド組立体255は、第1及び第2可撓性バンド255a、255bであって、横方向に間隔を空けて配置されるとともにその基端で支持リング255cに及びその先端で先端プッシャ255dの基端に接続された第1及び第2可撓性バンド255a、255bを含む。第1及び第2可撓性バンド255a、255bの各々は、支持リング255c及び先端プッシャ255dに取り付けられる。外側可撓性バンド組立体255は、支持リング255cから基端側に延在する第1及び第2接続延長部255e、255fをさらに含む。第1及び第2接続延長部255e、255fは、外側可撓性バンド組立体255を縫合伝達組立体250のステープルドライバ結合器254に動作可能に接続するように構成される。
【0027】
図6を参照すると、リロード400のステープルドライバ430は、ドライバアダプタ432とドライバ434とを有するステープルカートリッジ420を含む。ドライバアダプタ432の基端432aは、アダプタ組立体200の縫合伝達組立体250の外側可撓性バンド組立体255の先端プッシャ255dとの選択的接触及び当接のために構成される。動作中、上述のとおり、外側可撓性バンド組立体255の先端側への前進中に、外側可撓性バンド組立体255の先端プッシャ255dは、ドライバアダプタ432の基端432aを接触させて、ドライバアダプタ432及びドライバ434を第1又は基端位置から第2又は先端位置へ前進させる。ドライバ434は、複数のドライバ部材436であって、ステープル423との接触のためのステープルカートリッジ420のステープルポケット421と整列させられた複数のドライバ部材436を含む。対応して、ステープルカートリッジ420に対するドライバ434の前進は、ステープルカートリッジ420からのステープル423の取り出しを引き起こす。
【0028】
トロカール部材274の作動中の力、エンドエフェクタ300の閉鎖(例えばリロード400に対するアンビル組立体500の格納)、及びリロード400からのステープル423の取り出し、並びにナイフ組立体440の前進は、様々なプロセス、例えば、リロード400からのステープル423の発射を監視及び制御する、ステープル423がリロード400から取り出されている際のステープル423の発射及び形成中の力を監視する、組織の異なる症状についてステープル423がリロード400から取り出されている際のステープル423の形成(例えばステープル波形高さ)を最適化する、並びにリロード400の環状ナイフの発射を監視及び制御するためにひずみゲージ408bにより測定され得る。
【0029】
図7を参照すると、アダプタ組立体200のひずみゲージ408bはひずみゲージハウジング320内に配置される。ひずみゲージ408bは、トロカール部材274の格納並びにリロード400からのステープル423の取り出し及び形成を測定する及び監視する。エンドエフェクタ300の閉鎖中、アンビル組立体500が組織、障害物、リロード400の組織接触表面、ステープル取り出しなどに接すると、略先端方向の反力がアンビル組立体500にかけられる。この先端側に向けられる反力は、アンビル組立体500からひずみゲージ408bへ伝えられる。ひずみゲージ408bは次いで、信号をハンドル組立体100のパワーハンドル101の主コントローラ回路基板142へ伝える。グラフィックがこのとき、ハンドル組立体100のディスプレイ146に表示されて、ユーザに図10に示すリアルタイムステータス情報を提供する。
【0030】
トロカール組立体270は、アダプタ組立体200の外筒206内で軸方向に動かないように及び回転しないように固定される。図6を参照すると、アダプタ組立体200は、外筒206内に動かないように配置された支持ブロック292を含む。ひずみゲージハウジング320は、支持ブロック292とコネクタスリーブ290との間に配置される。リロード400は、コネクタスリーブ290に取り外し可能に結合される。
【0031】
動作中、アダプタ組立体200のひずみゲージ408bは、ひずみゲージ408bを通過するトロカール部材274の格納を測定する及び監視する。第1及び第2可撓性バンド255a、255bもまたひずみゲージ408bを通過するため、アダプタ組立体200のひずみゲージ408bはまた、リロード400からのステープル423の取り出しを測定する及び監視する。締付、縫合及び切断中、反力がアンビル組立体500及びリロード400にかけられ、これは支持ブロック292に伝えられ、これは次いで、反力をひずみゲージ408bのひずみセンサに伝える。
【0032】
ひずみゲージ408bのひずみセンサは、物体が変形すると、ひずみセンサの金属の箔もまた変形し、その電気抵抗を変化させ、この抵抗の変化が次いで、トロカール組立体270が受ける負荷を計算するのに使用されるように、それがくっついている物体(例えば支持ブロック292)のひずみ(大きさの無い量)を測定するように構成された任意のデバイスであり得る。ひずみゲージ408bは、第1、第2及び第3力/回転伝達/変換組立体により提示される発射/締付負荷へ閉鎖ループフィードバックを提供する。
【0033】
ひずみゲージ408bのひずみセンサは次いで、信号を主コントローラ回路基板142に伝える。グラフィックはこのとき、ハンドル組立体100のディスプレイ146に表示されて、ユーザにハンドル組立体100の発射のステータスに関連するリアルタイム情報を提供する。ひずみゲージ408bはまた、基端及び先端ハーネス組立体314、316を介して電気接続部312(図3)に電気的に接続される。
【0034】
円形ステープラ及びその構成要素の構成及び動作に関するさらなる詳細について、2019年7月3日に出願された国際公開第PCT/US2019/040440号パンフレットが参照されてもよく、その内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
図8を参照すると、最初に動力外科用ステープラ10が校正される。これは、アダプタ組立体200のみで、及びリロード400をアダプタ組立体200に取り付けた状態で、パワーハンドル101を校正することを含み得る。校正が行われた後、トロカール組立体270及び特に締付伝達組立体240は、動力外科用ステープラ10で外科的処置を開始する前に、始動位置に格納される。始動位置では、トロカール組立体270は停止され、「負荷のない」構成であり、その間にトロカール組立体170は機械的負荷を受けず、例えば通常トロカール組立体270にひずみ又は力をかけるはずである組織と係合されない。「負荷のない」構成の間、ひずみゲージ408bは、ゼロ又は最小センサ信号を出力しているはずである。対照的に、機能不全のひずみゲージ408b、例えば環境曝露又は他の要因によりセンサドリフトを受けるひずみゲージ408bは、誤ったセンサ信号を出力するはずである。対応して、主コントローラ147は、ひずみゲージ408bに問い合わせる一方で、トロカール組立体170は「負荷のない構成」に配置される。主コントローラ147は、センサ信号をひずみゲージ408bにおける故障を示す閾値と比較する。主コントローラ147は、センサ信号の絶対値を取得し、センサ信号の絶対値を閾値と比較し得る。
【0036】
センサ信号又はその絶対値が閾値を超えない場合、動力外科用ステープラ10は、動力外科用ステープラ10を患者の中に導入することを含み得る、外科的処置を開始し、締付、縫合、切断プロセスを行うために使用され得る。しかしながら、センサ信号又はその絶対値が、ひずみゲージ408bにおける故障を示す閾値を超える場合は、主コントローラ147は、ひずみゲージ408bが故障していることを示すエラーをディスプレイ146に出力する。さらに、主コントローラ147は、新しいアダプタ組立体200がパワーハンドル101に取り付けられるまで、モータ152の作動を含む動力外科用ステープラ10のさらなる作動を防ぐ。主コントローラ147は、記憶デバイス310にエラー又は故障コードを書き込み得、これは、アダプタ組立体200を使用する前に主コントローラ147によって読み取られるはずであり、その後のそのいかなる使用も防ぐ。
【0037】
本明細書において開示された動力外科用ステープラの実施形態には様々な修正がなされ得ることが理解される。したがって、上記は限定としてではなく、実施形態の例示としてのみ解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲及び趣旨内で他の修正形態を想定し得る。
【0038】
1つ又は複数の例において、説明された技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその任意の組合せにおいて実装され得る。ソフトウェアにおいて実装された場合、機能はコンピュータ可読媒体に1つ又は複数の命令又はコードとして記憶され得るとともにハードウェアベースの処理ユニットにより実行され得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体であって、有形の媒体、例えばデータ記憶媒体(例えばRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は命令又はデータ構造の形で望ましいプログラムコードを記憶するために用いることができるとともにコンピュータによりアクセスされ得る他の任意の媒体)に対応する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0039】
命令は、1つ又は複数のプロセッサ、例えば1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又は他の同等の集積又は離散論理回路により実行され得る。対応して、「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用される場合、前述の構造又は説明された技術の実装に好適な他の任意の物理的構造のいずれかを指し得る。また技術は、1つ又は複数の回路又は論理素子において完全に実装され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】