(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置、制御方法、制御装置及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20240725BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240725BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505335
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2021109223
(87)【国際公開番号】W WO2023004678
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】杜靖
(72)【発明者】
【氏名】胡平
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼恒恒
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC21
4B162AD08
4B162AD22
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(100)、制御方法、制御装置及び可読記憶媒体において、エアロゾル発生装置(100)は霧化室(103)及びマイクロ波モジュール(104)を含む。霧化室(103)はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュール(104)は霧化室(103)にマイクロ波を供給するために用いられる。制御方法は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュール(104)を制御すること、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室(103)内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュール(104)の動作状態を制御すること、を含む。マイクロ波モジュール(104)の掃引動作によって霧化室(103)の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室(103)内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室(103)へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置(100)の使用寿命を延ばす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置の制御方法であって、
前記エアロゾル発生装置は霧化室及びマイクロ波モジュールを含み、前記霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、前記マイクロ波モジュールは前記霧化室にマイクロ波を供給するために用いられ、
前記制御方法は、
マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するよう前記マイクロ波モジュールを制御すること、
前記目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、前記霧化室内の前記エアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、
前記エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、前記マイクロ波モジュールの動作状態を制御すること、を含む方法。
【請求項2】
上記の前記目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、前記霧化室内の前記エアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に、
前記目標マイクロ波周波数が前記設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定すること、
前記目標マイクロ波周波数が前記設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定すること、
前記目標マイクロ波周波数が前記設定周波数範囲内であることに基づき、前記目標マイクロ波周波数と前記設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、前記霧化室内の前記エアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、を含む請求項1に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項3】
上記の前記目標マイクロ波周波数と前記設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、前記霧化室内の前記エアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に、
前記目標マイクロ波周波数が前記周波数平均値よりも大きいことに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定すること、
前記目標マイクロ波周波数が前記周波数平均値以下であることに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定すること、を含む請求項2に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項4】
上記の前記エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、前記マイクロ波モジュールの動作状態を制御するステップは、具体的に、
前記エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で前記霧化室にマイクロ波を供給するよう前記マイクロ波モジュールを制御すること、
前記エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するよう前記マイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力すること、を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項5】
前記マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含み、前記マイクロ波アンテナは前記マイクロ波生成装置に接続され、前記マイクロ波アンテナは、前記マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を前記霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するために用いられ、上記のマイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するよう前記マイクロ波モジュールを制御するステップは、具体的に、
前記マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、前記霧化室内にマイクロ波を発射するよう前記マイクロ波モジュールを制御すること、
各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバック信号のフィードバックパワー値を検出すること、
上記の各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別すること、を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項6】
上記の各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に、
前記マイクロ波モジュールが出力した各前記マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出すること、
各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値と前記動作パワー値について比率計算を行ってパワー比率を取得すること、
各前記マイクロ波周波数に対応する前記パワー比率に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の前記目標マイクロ波周波数を選択すること、を含む請求項5に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項7】
上記の各前記マイクロ波周波数に対応する前記パワー比率に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の前記目標マイクロ波周波数を選択するステップは、具体的に、
各前記マイクロ波周波数に対応する前記パワー比率のうちの最小パワー比率を特定すること、
前記最小パワー比率に対応する前記マイクロ波周波数を検索して、前記目標マイクロ波周波数を決定すること、を含む請求項6に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項8】
上記の各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に、
各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定すること、
前記フィードバックパワー最小値に対応する前記マイクロ波周波数を検索して、前記目標マイクロ波周波数を決定すること、を含む請求項5に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項9】
エアロゾル発生装置の制御装置であって、
前記エアロゾル発生装置は霧化室及びマイクロ波モジュールを含み、前記霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、前記マイクロ波モジュールは前記霧化室にマイクロ波を供給するために用いられ、
前記エアロゾル発生装置の制御装置は、
マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するよう前記マイクロ波モジュールを制御する検索ユニットと、
前記目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、前記霧化室内の前記エアロゾル発生基質の存在状態を特定する検出ユニットと、
前記エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、前記マイクロ波モジュールの動作状態を制御する制御ユニット、を含む装置。
【請求項10】
前記検出ユニットは、更に、前記目標マイクロ波周波数が前記設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定し、
前記検出ユニットは、更に、前記目標マイクロ波周波数が前記設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定し、
前記検出ユニットは、更に、前記目標マイクロ波周波数が前記設定周波数範囲内であることに基づき、前記目標マイクロ波周波数と前記設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、前記霧化室内の前記エアロゾル発生基質の存在状態を特定する請求項9に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項11】
前記検出ユニットは、更に、前記目標マイクロ波周波数が前記周波数平均値よりも大きいことに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定し、
前記検出ユニットは、更に、前記目標マイクロ波周波数が前記周波数平均値以下であることに基づき、前記霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する請求項10に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項12】
前記制御ユニットは、更に、前記エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で前記霧化室にマイクロ波を供給するよう前記マイクロ波モジュールを制御し、
前記制御ユニットは、更に、前記エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するよう前記マイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する請求項9~11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項13】
前記マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含み、前記マイクロ波アンテナは前記マイクロ波生成装置に接続され、前記マイクロ波アンテナは、前記マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を前記霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するために用いられ、
前記制御ユニットは、更に、前記マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、前記霧化室内にマイクロ波を発射するよう前記マイクロ波モジュールを制御し、
前記検出ユニットは、更に、各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバック信号のフィードバックパワー値を検出し、
前記検索ユニットは、更に、各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する請求項9~11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項14】
前記検出ユニットは、更に、前記マイクロ波モジュールが出力した各前記マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出し、
前記制御装置は、更に、
各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値と前記動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する計算ユニットを含み、
前記検索ユニットは、更に、各前記マイクロ波周波数に対応する前記パワー比率に基づき、前記マイクロ波周波数の範囲内の前記目標マイクロ波周波数を選択する請求項13に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項15】
前記検索ユニットは、更に、各前記マイクロ波周波数に対応する前記パワー比率のうちの最小パワー比率を特定し、
前記検索ユニットは、更に、前記最小パワー比率に対応する前記マイクロ波周波数を検索して、前記目標マイクロ波周波数を決定する請求項14に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項16】
前記検索ユニットは、更に、各前記マイクロ波周波数に対応する前記フィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定し、
前記検索ユニットは、更に、前記フィードバックパワー最小値に対応する前記マイクロ波周波数を検索して、前記目標マイクロ波周波数を決定する請求項13に記載のエアロゾル発生装置の制御装置。
【請求項17】
エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、
前記霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュールと、
前記マイクロ波モジュールに接続される請求項9~16のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御装置、を含むエアロゾル発生装置。
【請求項18】
プログラム又は命令が記憶されているメモリと、
前記メモリ内に記憶されているプログラム又は命令を実行することで請求項1~8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ、を含むエアロゾル発生装置。
【請求項19】
プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される際に、請求項1~8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法のステップが実現される可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子霧化の技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生装置の制御方法、エアロゾル発生装置の制御装置、エアロゾル発生装置及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、エアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を燃焼させることなく加熱する電子機器である。加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが、燃焼には至らない温度まで高温で加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0003】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱針等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB器具の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が高くなりすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0004】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝導ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0005】
b.加熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0006】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い応えの一致性が高くなり、吸い応えが一段とタバコに近似する。
【0007】
しかし、従来のマイクロ波加熱式のHNB器具には空洞の空焚きリスクが存在し、器具の使用寿命を短縮させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これに鑑みて、第1の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。制御方法は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御すること、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御すること、を含む。
【0010】
本願で提供する制御方法は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0011】
エアロゾル発生装置は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0012】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0013】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置の制御方法は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0014】
可能な設計において、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定すること、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定すること、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、を含む。
【0015】
当該設計において、設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0016】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0017】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0018】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0019】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0020】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0021】
可能な設計において、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定すること、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定すること、を含む。
【0022】
当該設計では、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0023】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0024】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0025】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出可能であり、エアロゾル発生基質の存在有無についての検出精度が更に向上する。よって、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0026】
可能な設計において、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御するステップは、具体的に、エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御すること、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力すること、を含む。
【0027】
当該設計において、エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0028】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、霧化室は空洞状態である。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0029】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波アンテナはマイクロ波生成装置に接続される。マイクロ波アンテナは、マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するために用いられる。マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップは、具体的に、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御すること、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出すること、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別すること、を含む。
【0030】
当該設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0031】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0032】
可能な設計において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に、マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出すること、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行ってパワー比率を取得すること、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択すること、を含む。
【0033】
当該設計では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0034】
N=P1/P2
【0035】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0036】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0037】
可能な設計において、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択するステップは、具体的に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定すること、最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定すること、を含む。
【0038】
当該設計では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0039】
可能な設計において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定すること、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定すること、を含む。
【0040】
当該設計では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0041】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【0042】
第2の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。エアロゾル発生装置の制御装置は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御する検索ユニットと、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する検出ユニットと、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御する制御ユニット、を含む。
【0043】
本願で提供する制御装置は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0044】
検索ユニットは、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。検出ユニットは、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。制御ユニットは、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0045】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0046】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置の制御装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0047】
可能な設計において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0048】
当該設計において、設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0049】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0050】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0051】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0052】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0053】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0054】
可能な設計において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0055】
当該設計では、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と、設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0056】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0057】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0058】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出可能であり、エアロゾル発生基質の存在有無についての検出精度が更に向上する。よって、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0059】
可能な設計において、制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する。
【0060】
当該設計では、エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0061】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、霧化室は空洞状態である。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0062】
可能な設計において、制御ユニットは、更に、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御する。検出ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0063】
当該設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0064】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0065】
可能な設計において、検出ユニットは、更に、マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出する。制御装置は、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する計算ユニットを含む。検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択する。
【0066】
当該設計では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0067】
N=P1/P2
【0068】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0069】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0070】
可能な設計において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定する。検索ユニットは、更に、最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0071】
当該設計では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0072】
可能な設計において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定する。検索ユニットは、更に、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。当該設計では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0073】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【0074】
第3の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュールと、マイクロ波モジュールに接続される上記第2の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置、を含む。
【0075】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、霧化室、マイクロ波モジュール及びエアロゾル発生装置の制御装置を含む。エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0076】
エアロゾル発生装置の制御装置は、マイクロ波モジュールに接続されて、マイクロ波モジュールの動作を制御する。エアロゾル発生装置の制御装置には、上記第2の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置が選択される。よって、上記第2の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0077】
第4の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、プログラム又は命令が記憶されているメモリと、メモリ内に記憶されているプログラム又は命令を実行することで上記第1の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ、を含む。従って、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0078】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、更に、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられる。マイクロ波がエアロゾル発生基質に作用することで、エアロゾル発生基質は熱を受けて霧化する。マイクロ波モジュールはプロセッサに接続される。プロセッサは、エアロゾル発生装置の制御方法を実行することで、エアロゾル発生装置のマイクロ波モジュールを制御する。
【0079】
第5の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、ハウジングと、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュールと、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御し、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定し、エアロゾル発生基質の存在状態に基づきマイクロ波モジュールの動作状態を制御する制御装置、を含む。
【0080】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、ハウジング、霧化室、マイクロ波モジュール及び制御装置を含む。ハウジング内には霧化室が設けられている。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられる。マイクロ波モジュールの出力端は霧化室と連通している。マイクロ波モジュールが通電して動作し、マイクロ波を霧化室内に供給すると、エアロゾル発生基質がマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0081】
制御装置は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって、霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0082】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0083】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0084】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは、制御装置に接続されるマイクロ波生成装置と、マイクロ波生成回路に接続されて、マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するマイクロ波アンテナと、制御装置に接続され、収集端子がマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作パワー値を検出する第1パワー検出装置と、制御装置に接続され、収集端子がマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する第2パワー検出装置、を含む。
【0085】
当該設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置、マイクロ波アンテナ、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。また、第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0086】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは方向性結合器を更に含む。方向性結合器は、第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子を含む。第1端子はマイクロ波生成装置に接続され、第2端子はマイクロ波アンテナに接続され、第3端子は第1パワー検出装置に接続され、第4端子は第2パワー検出装置に接続される。
【0087】
当該設計において、マイクロ波モジュールは方向性結合器を更に含む。方向性結合器の第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子は、それぞれ、マイクロ波生成装置、マイクロ波アンテナ、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置に接続される。
【0088】
第1パワー検出装置は、方向性結合器を通じてマイクロ波生成装置の動作パワー値を検出可能である。また、第2パワー検出装置は、マイクロ波アンテナが検出したフィードバック信号のフィードバックパワー値を方向性結合器を通じて検出可能である。マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波信号は、方向性結合器を通じてマイクロ波アンテナに伝送され、マイクロ波アンテナはマイクロ波を霧化室内に供給する。
【0089】
マイクロ波生成装置、マイクロ波アンテナ、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置は方向性結合器を通じて互いに接続されるため、マイクロ波モジュール内の電気接続ケーブルが減少する。これにより、マイクロ波モジュールの占有スペースが減少するため、エアロゾル発生装置の体積をいっそう小さくすることができ、製品の小型化ニーズに合致する。
【0090】
可能な設計において、マイクロ波生成装置は、制御装置に接続されるマイクロ波発生器と、制御装置に接続されるパワーアンプを含む。パワーアンプの入力端子はマイクロ波発生器に接続され、パワーアンプの出力端子は方向性結合器の第1端子に接続される。
【0091】
当該設計において、マイクロ波生成装置はマイクロ波発生器及びパワーアンプを含む。マイクロ波発生器はマイクロ波信号を発生可能である。マイクロ波発生器は制御装置に接続され、制御装置はマイクロ波発生器の動作を制御可能である。マイクロ波発生器の出力端子はパワーアンプの入力端子に接続され、パワーアンプの出力端子は方向性結合器に接続される。制御装置は、マイクロ波発生器の動作パワーを制御可能なだけでなく、パワーアンプの増幅率も制御可能である。
【0092】
可能な設計において、マイクロ波生成装置は、更に、パワーレギュレータを含む。パワーレギュレータの第1端子は制御装置に接続され、パワーレギュレータの第2端子はパワーアンプに接続される。
【0093】
当該設計において、電子霧化装置は更にパワーレギュレータを含む。パワーレギュレータはパワーアンプに接続される。制御装置は、出力されるマイクロ波のパワーを調節するようパワーレギュレータを制御可能である。これにより、発射されるマイクロ波のパワーについて調整範囲の拡大が実現される。
【0094】
可能な設計において、パワーレギュレータはパワーアンプに統合して設けられる。
【0095】
当該設計において、パワーレギュレータはパワーアンプに統合して設けられる。即ち、パワーレギュレータとパワーアンプは統合された電子部品である。統合された電子部品は、パワーの調節及び増幅という2種類の機能を有する。パワーレギュレータとパワーアンプを統合して設けることで、エアロゾル発生装置内におけるマイクロ波モジュールの占有スペースを更に減少させられる。
【0096】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、霧化室に設けられて、霧化室を収容室と共振空洞に分割し、収容室がエアロゾル発生基質を収容するために用いられるスペーサと、共振空洞の底壁に設けられる共振棒、を含む。
【0097】
当該設計において、エアロゾル発生装置は、更に、霧化室内に設けられるスペーサを含む。スペーサは、霧化室を収容室と共振空洞に分割する。収容室は、エアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールは、マイクロ波を共振空洞内に供給する。マイクロ波は、共振空洞を通過して収容室に伝達され、収容室内のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱可能である。
【0098】
収容室と共振空洞はスペーサにより隔離されているため、収容室内のエアロゾル発生基質が霧化されたあとに発生する液体ごみ又は固体ごみが共振空洞内に進入するのを回避可能である。これにより、共振空洞へのごみの進入に起因するマイクロ波モジュールの故障の発生が回避される。
【0099】
選択可能に、スペーサはハウジングに取り外し可能に接続され、収容室はスペーサ内に設けられる。スペーサを取り外すことで、収容室を単独で分解洗浄できるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0100】
理解し得るように、スペーサは、セラミックス、ガラス等の材質からなるようにする。これにより、共振空洞内のマイクロ波を収容室内に伝達して、収容室内のエアロゾル発生基質を加熱可能とする。
【0101】
可能な設計において、共振棒はマイクロ波アンテナに接続される。
【0102】
当該設計では、共振棒によりマイクロ波を共振空洞内に供給する。共振棒の第1端は共振空洞の底壁に接続され、共振棒の第2端は収容室に対向して設けられる。マイクロ波は、共振棒の第1端から第2端に向かう方向に伝達されて、収容室内のエアロゾル発生基質を加熱する。
【0103】
第6の局面において、本願の実施例は可読記憶媒体を提供する。可読記憶媒体にはプログラム又は命令が記憶されており、プログラム又は命令がプロセッサにより実行される際に、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップが実現される。従って、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0104】
本願の付加的局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0105】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】
図1は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート1を示す。
【
図2】
図2は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート2を示す。
【
図3】
図3は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート3を示す。
【
図4】
図4は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート4を示す。
【
図5】
図5は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート5を示す。
【
図6】
図6は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート6を示す。
【
図7】
図7は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャートを示す。
【
図8】
図8は、本願の第3の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【
図9】
図9は、本願の第4の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略ブロック図を示す。
【
図10】
図10は、本願の第5の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略ブロック図を示す。
【
図11】
図11は、本願の第6の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図1を示す。
【
図12】
図12は、本願の第6の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図2を示す。
【
図13】
図13は、本願の第6の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図3を示す。
【発明を実施するための形態】
【0107】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0108】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制約されない。
【0109】
以下に、
図1~
図13を参照して、本願のいくつかの実施例に基づくエアロゾル発生装置の制御方法、エアロゾル発生装置の制御装置、エアロゾル発生装置及び可読記憶媒体について記載する。
【実施例1】
【0110】
図1に示すように、本願の第1の実施例では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0111】
エアロゾル発生装置の制御方法は、以下を含む。
【0112】
ステップ102:マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0113】
ステップ104:目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0114】
ステップ106:エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御する。
【0115】
本実施例で提供する制御方法は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0116】
霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0117】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0118】
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に以下を含む。
【0119】
ステップ202:設定周波数範囲を取得する。
【0120】
ステップ204:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいか否かを判断し、判断結果がNOの場合にはステップ206を実行し、判断結果がYESの場合にはステップ212を実行する。
【0121】
ステップ206:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がNOの場合にはステップ208を実行し、判断結果がYESの場合にはステップ214を実行する。
【0122】
ステップ208:設定周波数範囲内の周波数平均値を取得する。
【0123】
ステップ210:目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ214を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ212を実行する。
【0124】
ステップ212:霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定し、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0125】
ステップ214:霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0126】
本実施例では、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0127】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0128】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0129】
設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0130】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0131】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0132】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0133】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0134】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0135】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に以下を含む。
【0136】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0137】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0138】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0139】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0140】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0141】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0142】
理解し得るように、エアロゾル発生装置の工場出荷前に、設定周波数範囲内の周波数を設定しておく。設定周波数範囲内の最大値とは、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているときに、マイクロ波モジュールが霧化室にマイクロ波を供給する際の最適な周波数値である。また、設定周波数範囲内の最小値とは、霧化室が空洞状態のときに、マイクロ波モジュールが霧化室にマイクロ波を供給する際の最適な周波数値である。
【0143】
いくつかの実施例において、設定周波数範囲には複数の設定周波数値が含まれており、小さい方から順に、F1、F2、・・・Fnというように並んでいる。また、以下の公式から設定周波数範囲の平均値が計算される。
【0144】
FAVG=(F1+F2・・・+Fn)/n
【0145】
FAVGは周波数平均値であり、F1、F2、・・・Fnは設定周波数範囲内の各周波数値であり、nは設定周波数範囲内の設定周波数値の数である。
【0146】
別のいくつかの実施例において、設定周波数範囲には複数の設定周波数値が含まれており、設定周波数範囲内の周波数最小値及び周波数最大値を抽出して、周波数最大値及び周波数最小値に基づき設定周波数範囲内の周波数平均値を算出する。設定周波数範囲の平均値は、以下の公式により計算される。
【0147】
FAVG=(Fmin+Fmax)/2
【0148】
FAVGは周波数平均値であり、Fminは周波数最小値であり、Fmaxは周波数最大値である。
【0149】
エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御するステップは、具体的に以下を含む。
【0150】
エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0151】
また、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する。
【0152】
エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0153】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室が空洞状態の場合には、霧化室内にエアロゾル発生基質が存在しない。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0154】
図3に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。
【0155】
マイクロ波アンテナはマイクロ波生成装置に接続される。マイクロ波アンテナは、マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するために用いられる。
【0156】
マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップは、具体的に以下を含む。
【0157】
ステップ302:マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0158】
ステップ304:各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。
【0159】
ステップ306:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0160】
本実施例において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0161】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0162】
説明すべき点として、目標マイクロ波周波数とは、マイクロ波モジュールが現時点の霧化室内にマイクロ波を供給する際の最適な周波数点である。霧化室が空洞状態の場合、検出される目標マイクロ波周波数は、空の霧化室内にマイクロ波を供給する際にマイクロ波モジュールが出力するマイクロ波の最適な周波数点である。また、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の場合、検出される目標マイクロ波周波数は、エアロゾル発生基質が収容されている霧化室内にマイクロ波を供給する際にマイクロ波モジュールが出力するマイクロ波の最適な周波数点である。
【0163】
図4に示すように、上記いずれかの実施例において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に以下を含む。
【0164】
ステップ402:マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出する。
【0165】
ステップ404:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する。
【0166】
ステップ406:各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択する。
【0167】
当該設計では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0168】
N=P1/P2
【0169】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0170】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0171】
理解し得るように、Nの数値範囲は1よりも小さい。
【0172】
いくつかの実施例において、マイクロ波周波数の数は3つであり、それぞれ、Fa、Fb及びFcであるとする。また、計算の結果、Faに対応するパワー比率Naが0.1、Fbに対応するパワー比率Nbが0.5、Fcに対応するパワー比率Ncが0.3であったとする。Na、Nb及びNcを数値の大きさの順に並べると、Na<Nc<Nbとなる。パワー比率の数値が小さいほどマイクロ波の吸収率は高いため、パワー比率Naに対応するマイクロ波周波数Faで霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御すれば、最も優れた加熱効果を達成可能であると判定される。よって、Faが目標マイクロ波周波数となる。
【0173】
図5に示すように、上記いずれかの実施例において、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択するステップは、具体的に以下を含む。
【0174】
ステップ502:各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定する。
【0175】
ステップ504:最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0176】
当該設計では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0177】
図6に示すように、上記いずれかの実施例において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に以下を含む。
【0178】
ステップ602:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定する。
【0179】
ステップ604:フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0180】
当該設計では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0181】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【実施例2】
【0182】
図7に示すように、本願の第1の実施例では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0183】
エアロゾル発生装置の制御方法は、以下を含む。
【0184】
ステップ702:動作開始命令に応答して、各マイクロ波周波数で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。
【0185】
ステップ704:掃引動作過程における各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。
【0186】
ステップ706:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0187】
ステップ708:設定周波数範囲を取得する。
【0188】
ステップ710:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ718を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ712を実行する。
【0189】
ステップ712:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ720を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ714を実行する。
【0190】
ステップ714:設定周波数範囲内の周波数平均値を取得する。
【0191】
ステップ716:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲の周波数平均値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ720を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ718を実行する。
【0192】
ステップ718:霧化室が空洞状態のため、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0193】
ステップ720:霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態のため、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0194】
本実施例では、エアロゾル発生装置が動作開始命令を受信すると、霧化室に対し掃引・検出を行うようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標マイクロ波周波数を決定する。即ち、マイクロ波モジュールが現状態の霧化室にマイクロ波を供給する際の最適な周波数点を決定する。掃引動作の過程では、各マイクロ波周波数で順に霧化室内にマイクロ波を供給するとともに、対応するフィードバック信号を受信して、各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0195】
フィードバックパワー値は、霧化室のマイクロ波吸収効果を反映可能である。理解し得るように、フィードバックパワー値が小さいほど霧化室のマイクロ波吸収効果が強いことを表し、フィードバックパワー値が大きいほど霧化室のマイクロ波吸収効果が弱いことを表す。目標マイクロ波周波数としては、マイクロ波吸収効果が最も強いフィードバックパワー値に対応するマイクロ波周波数を選択する。
【0196】
エアロゾル発生装置の工場出荷前に、設定周波数範囲内の周波数を設定しておく。設定周波数範囲内の最大値とは、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているときに、マイクロ波モジュールがマイクロ波を出力する際の最適な周波数値である。また、設定周波数範囲内の最小値とは、霧化室が空洞状態のときに、マイクロ波モジュールがマイクロ波を出力する際の最適な周波数値である。
【0197】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていないと判定されるため、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御して、霧化室の空焚きを回避する。
【0198】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていると判定する。この場合には、掃引により選出した目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生基質によるマイクロ波の吸収効率を向上させて、エアロゾル発生基質の霧化効果を高める。
【0199】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲の周波数平均値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていないと判定されるため、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御して、霧化室の空焚きを回避する。
【0200】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲の周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていると判定する。この場合には、掃引により選出した目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生基質によるマイクロ波の吸収効率を向上させて、エアロゾル発生基質の霧化効果を高める。
【0201】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。これにより、検出誤差に起因する判定エラーを回避して、霧化室内にエアロゾル発生基質が存在するか否かの判断の精度を更に向上させる。また、これにより、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生を回避することで、エアロゾル発生装置が空洞状態の霧化室に対しマイクロ波加熱を行わないよう保証するとともに、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【実施例3】
【0202】
図8に示すように、本願の第3の実施例では、エアロゾル発生装置の制御装置800を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0203】
エアロゾル発生装置の制御装置800は、以下を含む。
【0204】
検索ユニット802:マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0205】
検出ユニット804:目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0206】
制御ユニット806:エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御する。
【0207】
本実施例で提供する制御装置は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0208】
検索ユニット802は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。検出ユニット804は、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。制御ユニット806は、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0209】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0210】
上記の実施例において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0211】
検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0212】
検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0213】
本実施例において、設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0214】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0215】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0216】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0217】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0218】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0219】
上記いずれかの実施例において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0220】
検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0221】
本実施例では、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0222】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0223】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0224】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出可能であり、エアロゾル発生基質の存在有無についての検出精度が更に向上する。よって、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0225】
上記いずれかの実施例において、制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0226】
制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する。
【0227】
本実施例では、エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0228】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、霧化室は空洞状態である。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0229】
上記いずれかの実施例において、制御ユニットは、更に、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0230】
検出ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。
【0231】
検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0232】
本実施例において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0233】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0234】
上記いずれかの実施例において、検出ユニットは、更に、マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出する。
【0235】
制御装置は、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する計算ユニットを含む。
【0236】
検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択する。
【0237】
本実施例では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0238】
N=P1/P2
【0239】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0240】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0241】
上記いずれかの実施例において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定する。検索ユニットは、更に、最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0242】
本実施例では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0243】
上記いずれかの実施例において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定する。検索ユニットは、更に、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。本実施例では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0244】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【実施例4】
【0245】
図9に示すように、本願の第4の実施例では、エアロゾル発生装置900を提供する。当該エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュール902を含む。上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置800は、マイクロ波モジュール902に接続される。
【0246】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置は、霧化室、マイクロ波モジュール902及びエアロゾル発生装置の制御装置800を含む。エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュール902は霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0247】
エアロゾル発生装置の制御装置800は、マイクロ波モジュール902に接続されて、マイクロ波モジュール902の動作を制御する。エアロゾル発生装置の制御装置800には、上記実施例2のいずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置800が選択される。よって、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置800の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【実施例5】
【0248】
図10に示すように、本願の第5の実施例では、エアロゾル発生装置1000を提供する。当該エアロゾル発生装置は、プログラム又は命令が記憶されているメモリ1002と、メモリ1002内に記憶されているプログラム又は命令を実行することで、上記実施例1のいずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ1004、を含む。従って、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0249】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置1000は、更に、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられる。マイクロ波がエアロゾル発生基質に作用することで、エアロゾル発生基質は熱を受けて霧化する。マイクロ波モジュールはプロセッサ1004に接続される。プロセッサ1004は、エアロゾル発生装置の制御方法を実行することで、エアロゾル発生装置1000のマイクロ波モジュールを制御する。
【実施例6】
【0250】
図11に示すように、本願の第6の実施例では、ハウジング102、霧化室103、マイクロ波モジュール104及び制御装置105を含むエアロゾル発生装置100を提供する。
【0251】
霧化室103はハウジング102内に設けられる。霧化室103はエアロゾル発生基質108を収容するために用いられる。
【0252】
マイクロ波モジュール104は、霧化室103内にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0253】
制御装置105は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュール104を制御する。そして、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在状態を特定する。また、エアロゾル発生基質108の存在状態に基づき、マイクロ波モジュール104の動作状態を制御する。
【0254】
本実施例のエアロゾル発生装置100は、ハウジング102、霧化室103、マイクロ波モジュール104及び制御装置105を含む。ハウジング102内には霧化室103が設けられている。霧化室103はエアロゾル発生基質108を収容するために用いられる。マイクロ波モジュール104の出力端は霧化室103と連通している。マイクロ波モジュール104が通電して動作し、マイクロ波を霧化室103内に供給すると、エアロゾル発生基質108がマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0255】
制御装置105は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュール104を制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室103内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュール104を制御する。そして、霧化室103内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室103の状態でマイクロ波モジュール104が動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室103内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在状態、即ち、霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在状態に基づき、マイクロ波モジュール104の動作を制御する。霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュール104の動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質108を加熱により霧化させる。一方、霧化室103が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置100の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュール104を制御する。本願では、マイクロ波モジュール104の掃引動作によって、霧化室103の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室103へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置100の使用寿命を延ばす。
【0256】
理解し得るように、霧化室103が空洞状態の場合と、霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0257】
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュール104は、マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044を含む。
【0258】
マイクロ波生成装置1041は制御装置105に接続される。
【0259】
マイクロ波アンテナ1042はマイクロ波生成回路に接続される。マイクロ波アンテナ1042は、マイクロ波生成装置1041が生成したマイクロ波を霧化室103に発射するとともに、フィードバック信号を受信する。
【0260】
第1パワー検出装置1043は制御装置105に接続される。また、第1パワー検出装置1043の収集端子は、マイクロ波生成装置1041に接続されており、マイクロ波生成装置1041の動作パワー値を検出するために用いられる。
【0261】
第2パワー検出装置1044は制御装置105に接続される。また、第2パワー検出装置1044の収集端子は、マイクロ波アンテナ1042に接続されており、マイクロ波アンテナ1042が受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出するために用いられる。
【0262】
本実施例において、マイクロ波モジュール104は、マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044を含む。マイクロ波モジュール104は、マイクロ波生成装置1041及びマイクロ波アンテナ1042を含む。マイクロ波生成装置1041は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナ1042は、対応周波数のマイクロ波を霧化室103内に供給可能である。マイクロ波が霧化室103に進入したあと、マイクロ波アンテナ1042は、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュール104は、更に、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044を含む。第1パワー検出装置1043はマイクロ波生成装置1041に接続されており、マイクロ波生成装置1041の動作過程でマイクロ波生成装置1041の動作パワー値を収集可能である。また、第2パワー検出装置1044はマイクロ波アンテナ1042に接続されており、マイクロ波アンテナ1042が受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0263】
上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュール104は方向性結合器1048を更に含む。方向性結合器1048は、第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子を含む。第1端子はマイクロ波生成装置1041に接続され、第2端子はマイクロ波アンテナ1042に接続され、第3端子は第1パワー検出装置1043に接続され、第4端子は第2パワー検出装置1044に接続される。
【0264】
本実施例において、マイクロ波モジュール104は方向性結合器1048を更に含む。方向性結合器1048の第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子は、それぞれ、マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044に接続される。
【0265】
第1パワー検出装置1043は、方向性結合器1048を通じてマイクロ波生成装置1041の動作パワー値を検出可能である。また、第2パワー検出装置1044は、マイクロ波アンテナ1042が検出したフィードバック信号のフィードバックパワー値を方向性結合器1048を通じて検出可能である。マイクロ波生成装置1041が生成したマイクロ波信号は、方向性結合器1048を通じてマイクロ波アンテナ1042に伝送され、マイクロ波アンテナ1042はマイクロ波を霧化室103内に供給する。
【0266】
マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044は方向性結合器1048を通じて互いに接続されるため、マイクロ波モジュール104内の電気接続ケーブルが減少する。これにより、マイクロ波モジュール104の占有スペースが減少するため、エアロゾル発生装置100の体積をいっそう小さくすることができ、製品の小型化ニーズに合致する。
【0267】
図13に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波生成装置1041は、マイクロ波発生器10412及びパワーアンプ10414を含む。
【0268】
マイクロ波発生器10412は制御装置105に接続される。
【0269】
パワーアンプ10414は制御装置105に接続される。パワーアンプ10414の入力端子はマイクロ波発生器10412に接続され、パワーアンプ10414の出力端子は方向性結合器1048の第1端子に接続される。
【0270】
本実施例において、マイクロ波生成装置1041は、マイクロ波発生器10412及びパワーアンプ10414を含む。マイクロ波発生器10412はマイクロ波信号を発生可能である。マイクロ波発生器10412は制御装置105に接続され、制御装置105はマイクロ波発生器10412の動作を制御可能である。マイクロ波発生器10412の出力端子はパワーアンプ10414の入力端子に接続され、パワーアンプ10414の出力端子は方向性結合器1048に接続される。制御装置105は、マイクロ波発生器10412の動作パワーを制御可能なだけでなく、パワーアンプ10414の増幅率も制御可能である。
【0271】
図13に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波生成装置1041はパワーレギュレータ10416を更に含む。パワーレギュレータ10416の第1端子は制御装置105に接続され、パワーレギュレータ10416の第2端子はパワーアンプ10414に接続される。
【0272】
本実施例において、電子霧化装置は更にパワーレギュレータ10416を含む。パワーレギュレータ10416はパワーアンプ10414に接続される。制御装置105は、出力されるマイクロ波のパワーを調節するようパワーレギュレータ10416を制御可能である。これにより、発射されるマイクロ波のパワーについて調整範囲の拡大が実現される。
【0273】
上記いずれかの実施例において、パワーレギュレータ10416はパワーアンプ10414に統合して設けられる。
【0274】
本実施例において、パワーレギュレータ10416はパワーアンプ10414に統合して設けられる。即ち、パワーレギュレータ10416とパワーアンプ10414は統合された電子部品である。統合された電子部品は、パワーの調節及び増幅という2種類の機能を有する。パワーレギュレータ10416とパワーアンプ10414を統合して設けることで、エアロゾル発生装置100内におけるマイクロ波モジュール104の占有スペースを更に減少させられる。
【0275】
図11に示すように、上記いずれかの実施例において、エアロゾル発生装置100はスペーサ106を更に含む。スペーサ106は霧化室103に設けられる。スペーサ106は、霧化室103を収容室1032と共振空洞1034に分割する。収容室1032は、エアロゾル発生基質108を収容するために用いられる。また、共振棒107が共振空洞1034の底壁に設けられる。
【0276】
本実施例において、エアロゾル発生装置100は、更に、霧化室103内に設けられるスペーサ106を含む。スペーサ106は、霧化室103を収容室1032と共振空洞1034に分割する。収容室1032は、エアロゾル発生基質108を収容可能である。マイクロ波モジュール104は、マイクロ波を共振空洞1034内に供給する。マイクロ波は、共振空洞1034を通過して収容室1032に伝達され、収容室1032内のエアロゾル発生基質108をマイクロ波加熱可能である。
【0277】
収容室1032と共振空洞1034はスペーサ106により隔離されているため、収容室1032内のエアロゾル発生基質108が霧化されたあとに発生する液体ごみ又は固体ごみが共振空洞1034内に進入するのを回避可能である。これにより、共振空洞1034へのごみの進入に起因するマイクロ波モジュール104の故障の発生が回避される。
【0278】
いくつかの実施例において、スペーサ106はハウジング102に取り外し可能に接続され、収容室1032はスペーサ106内に設けられる。スペーサ106を取り外すことで、収容室1032を単独で分解洗浄できるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0279】
理解し得るように、スペーサ106は、セラミックス、ガラス等の材質からなるようにする。これにより、共振空洞1034内のマイクロ波を収容室1032内に伝達して、収容室1032内のエアロゾル発生基質108を加熱可能とする。
【0280】
上記いずれかの実施例において、共振棒107はマイクロ波アンテナ1042に接続される。
【0281】
本実施例では、共振棒107によりマイクロ波を共振空洞1034内に供給する。共振棒107の第1端は共振空洞1034の底壁に接続され、共振棒107の第2端は収容室1032に対向して設けられる。マイクロ波は、共振棒107の第1端から第2端に向かう方向に伝達されて、収容室1032内のエアロゾル発生基質108を加熱する。
【実施例7】
【0282】
本願の第7の実施例では可読記憶媒体を提供する。可読記憶媒体にはプログラムが記憶されており、プログラムがプロセッサにより実行される際に上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法が実現される。従って、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有する。
【0283】
可読記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等である。
【0284】
明確にすべき点として、本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、別途明確に限定している場合を除き、「上」、「下」等の用語が示す方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本願をより記載しやすくし、且つ記載過程を更に簡便にするためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が、記載した特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するためのものではない。よって、これらの記載は、本願を制約するものと解釈すべきではない。また、「接続する」、「取り付ける」、「固定する」等の用語はいずれも広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、複数の対象間の固定的な接続であってもよいし、複数の対象間の取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよい。且つ、複数の対象間の直接的な連なりであってもよいし、複数の対象間の中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、上記用語の具体的状況に基づき、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0285】
本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0286】
以上は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0287】
100 エアロゾル発生装置
102 ハウジング
103 霧化室
1032 収容室
1034 共振空洞
104 マイクロ波モジュール
1041 マイクロ波生成装置
10412 マイクロ波発生器
10414 パワーアンプ
10416 パワーレギュレータ
1042 マイクロ波アンテナ
1043 第1パワー検出装置
1044 第2パワー検出装置
1048 方向性結合器
105 制御装置
106 スペーサ
107 共振棒
108 エアロゾル発生基質
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子霧化の技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生装置の制御方法、エアロゾル発生装置の制御装置、エアロゾル発生装置及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、エアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を燃焼させることなく加熱する電子機器である。非燃焼・加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが、燃焼には至らない温度まで高温で加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0003】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱針等をエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB器具の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が高くなりすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0004】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝導ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0005】
b.加熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0006】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い応えの一致性が高くなり、吸い応えが一段とタバコに近似する。
【0007】
しかし、従来のマイクロ波加熱式のHNB器具には空洞の空焚きリスクが存在し、器具の使用寿命を短縮させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これに鑑みて、第1の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。制御方法は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御すること、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御すること、を含む。
【0010】
本願で提供する制御方法は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0011】
エアロゾル発生装置は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0012】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0013】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置の制御方法は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0014】
可能な設計において、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定すること、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定すること、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定すること、を含む。
【0015】
当該設計において、設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0016】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0017】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0018】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0019】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0020】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0021】
可能な設計において、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定すること、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定すること、を含む。
【0022】
当該設計では、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0023】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0024】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0025】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出可能であり、エアロゾル発生基質の存在有無についての検出精度が更に向上する。よって、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0026】
可能な設計において、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御するステップは、具体的に、エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御すること、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力すること、を含む。
【0027】
当該設計において、エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0028】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、霧化室は空洞状態である。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0029】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波アンテナはマイクロ波生成装置に接続される。マイクロ波アンテナは、マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するために用いられる。マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップは、具体的に、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御すること、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出すること、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別すること、を含む。
【0030】
当該設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0031】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別し、これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0032】
可能な設計において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に、マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出すること、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行ってパワー比率を取得すること、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択すること、を含む。
【0033】
当該設計では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0034】
N=P1/P2
【0035】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0036】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0037】
可能な設計において、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択するステップは、具体的に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定すること、最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定すること、を含む。
【0038】
当該設計では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0039】
可能な設計において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定すること、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定すること、を含む。
【0040】
当該設計では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0041】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【0042】
第2の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。エアロゾル発生装置の制御装置は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御する検索ユニットと、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する検出ユニットと、エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御する制御ユニット、を含む。
【0043】
本願で提供する制御装置は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0044】
検索ユニットは、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。検出ユニットは、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。制御ユニットは、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0045】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0046】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置の制御装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0047】
可能な設計において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0048】
当該設計において、設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0049】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0050】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0051】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0052】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0053】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0054】
可能な設計において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0055】
当該設計では、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と、設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0056】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0057】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0058】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出可能であり、エアロゾル発生基質の存在有無についての検出精度が更に向上する。よって、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0059】
可能な設計において、制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する。
【0060】
当該設計では、エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0061】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、霧化室は空洞状態である。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0062】
可能な設計において、制御ユニットは、更に、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御する。検出ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0063】
当該設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0064】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別し、これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0065】
可能な設計において、検出ユニットは、更に、マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出する。制御装置は、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する計算ユニットを含む。検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択する。
【0066】
当該設計では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0067】
N=P1/P2
【0068】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0069】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0070】
可能な設計において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定する。検索ユニットは、更に、最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0071】
当該設計では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0072】
可能な設計において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定する。検索ユニットは、更に、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。当該設計では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0073】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【0074】
第3の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュールと、マイクロ波モジュールに接続される上記第2の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置、を含む。
【0075】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、霧化室、マイクロ波モジュール及びエアロゾル発生装置の制御装置を含む。エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0076】
エアロゾル発生装置の制御装置は、マイクロ波モジュールに接続されて、マイクロ波モジュールの動作を制御する。エアロゾル発生装置の制御装置には、上記第2の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置が選択される。よって、上記第2の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0077】
第4の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、プログラム又は命令が記憶されているメモリと、メモリ内に記憶されているプログラム又は命令を実行することで上記第1の局面のいずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ、を含む。従って、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0078】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、更に、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられる。マイクロ波がエアロゾル発生基質に作用することで、エアロゾル発生基質は熱を受けて霧化する。マイクロ波モジュールはプロセッサに接続される。プロセッサは、エアロゾル発生装置の制御方法を実行することで、エアロゾル発生装置のマイクロ波モジュールを制御する。
【0079】
第5の局面において、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、ハウジングと、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュールと、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御し、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定し、エアロゾル発生基質の存在状態に基づきマイクロ波モジュールの動作状態を制御する制御装置、を含む。
【0080】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、ハウジング、霧化室、マイクロ波モジュール及び制御装置を含む。ハウジング内には霧化室が設けられている。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられる。マイクロ波モジュールの出力端は霧化室と連通している。マイクロ波モジュールが通電して動作し、マイクロ波を霧化室内に供給すると、エアロゾル発生基質がマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0081】
制御装置は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって、霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0082】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0083】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0084】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは、制御装置に接続されるマイクロ波生成装置と、マイクロ波生成回路に接続されて、マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するマイクロ波アンテナと、制御装置に接続され、収集端子がマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作パワー値を検出する第1パワー検出装置と、制御装置に接続され、収集端子がマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する第2パワー検出装置、を含む。
【0085】
当該設計において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置、マイクロ波アンテナ、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。また、第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0086】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは方向性結合器を更に含む。方向性結合器は、第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子を含む。第1端子はマイクロ波生成装置に接続され、第2端子はマイクロ波アンテナに接続され、第3端子は第1パワー検出装置に接続され、第4端子は第2パワー検出装置に接続される。
【0087】
当該設計において、マイクロ波モジュールは方向性結合器を更に含む。方向性結合器の第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子は、それぞれ、マイクロ波生成装置、マイクロ波アンテナ、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置に接続される。
【0088】
第1パワー検出装置は、方向性結合器を通じてマイクロ波生成装置の動作パワー値を検出可能である。また、第2パワー検出装置は、マイクロ波アンテナが検出したフィードバック信号のフィードバックパワー値を方向性結合器を通じて検出可能である。マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波信号は、方向性結合器を通じてマイクロ波アンテナに伝送され、マイクロ波アンテナはマイクロ波を霧化室内に供給する。
【0089】
マイクロ波生成装置、マイクロ波アンテナ、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置は方向性結合器を通じて互いに接続されるため、マイクロ波モジュール内の電気接続ケーブルが減少する。これにより、マイクロ波モジュールの占有スペースが減少するため、エアロゾル発生装置の体積をいっそう小さくすることができ、製品の小型化ニーズに合致する。
【0090】
可能な設計において、マイクロ波生成装置は、制御装置に接続されるマイクロ波発生器と、制御装置に接続されるパワーアンプを含む。パワーアンプの入力端子はマイクロ波発生器に接続され、パワーアンプの出力端子は方向性結合器の第1端子に接続される。
【0091】
当該設計において、マイクロ波生成装置はマイクロ波発生器及びパワーアンプを含む。マイクロ波発生器はマイクロ波信号を発生可能である。マイクロ波発生器は制御装置に接続され、制御装置はマイクロ波発生器の動作を制御可能である。マイクロ波発生器の出力端子はパワーアンプの入力端子に接続され、パワーアンプの出力端子は方向性結合器に接続される。制御装置は、マイクロ波発生器の動作パワーを制御可能なだけでなく、パワーアンプの増幅率も制御可能である。
【0092】
可能な設計において、マイクロ波生成装置は、更に、パワーレギュレータを含む。パワーレギュレータの第1端子は制御装置に接続され、パワーレギュレータの第2端子はパワーアンプに接続される。
【0093】
当該設計において、マイクロ波生成装置は更にパワーレギュレータを含む。パワーレギュレータはパワーアンプに接続される。制御装置は、出力されるマイクロ波のパワーを調節するようパワーレギュレータを制御可能である。これにより、発射されるマイクロ波のパワーについて調整範囲の拡大が実現される。
【0094】
可能な設計において、パワーレギュレータはパワーアンプに統合して設けられる。
【0095】
当該設計において、パワーレギュレータはパワーアンプに統合して設けられる。即ち、パワーレギュレータとパワーアンプは統合された電子部品である。統合された電子部品は、パワーの調節及び増幅という2種類の機能を有する。パワーレギュレータとパワーアンプを統合して設けることで、エアロゾル発生装置内におけるマイクロ波モジュールの占有スペースを更に減少させられる。
【0096】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、霧化室に設けられて、霧化室を収容室と共振空洞に分割し、収容室がエアロゾル発生基質を収容するために用いられるスペーサと、共振空洞の底壁に設けられる共振棒、を含む。
【0097】
当該設計において、エアロゾル発生装置は、更に、霧化室内に設けられるスペーサを含む。スペーサは、霧化室を収容室と共振空洞に分割する。収容室は、エアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールは、マイクロ波を共振空洞内に供給する。マイクロ波は、共振空洞を通過して収容室に伝達され、収容室内のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱可能である。
【0098】
収容室と共振空洞はスペーサにより隔離されているため、収容室内のエアロゾル発生基質が霧化されたあとに発生する液体ごみ又は固体ごみが共振空洞内に進入するのを回避可能である。これにより、共振空洞へのごみの進入に起因するマイクロ波モジュールの故障の発生が回避される。
【0099】
選択可能に、スペーサはハウジングに取り外し可能に接続され、収容室はスペーサ内に設けられる。スペーサを取り外すことで、収容室を単独で分解洗浄できるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0100】
理解し得るように、スペーサは、セラミックス、ガラス等の材質からなるようにする。これにより、共振空洞内のマイクロ波を収容室内に伝達して、収容室内のエアロゾル発生基質を加熱可能とする。
【0101】
可能な設計において、共振棒はマイクロ波アンテナに接続される。
【0102】
当該設計では、共振棒によりマイクロ波を共振空洞内に供給する。共振棒の第1端は共振空洞の底壁に接続され、共振棒の第2端は収容室に対向して設けられる。マイクロ波は、共振棒の第1端から第2端に向かう方向に伝達されて、収容室内のエアロゾル発生基質を加熱する。
【0103】
第6の局面において、本願の実施例は可読記憶媒体を提供する。可読記憶媒体にはプログラム又は命令が記憶されており、プログラム又は命令がプロセッサにより実行される際に、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップが実現される。従って、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0104】
本願の付加的局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0105】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】
図1は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート1を示す。
【
図2】
図2は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート2を示す。
【
図3】
図3は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート3を示す。
【
図4】
図4は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート4を示す。
【
図5】
図5は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート5を示す。
【
図6】
図6は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート6を示す。
【
図7】
図7は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャートを示す。
【
図8】
図8は、本願の第3の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【
図9】
図9は、本願の第4の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略ブロック図を示す。
【
図10】
図10は、本願の第5の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略ブロック図を示す。
【
図11】
図11は、本願の第6の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図1を示す。
【
図12】
図12は、本願の第6の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図2を示す。
【
図13】
図13は、本願の第6の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図3を示す。
【発明を実施するための形態】
【0107】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0108】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制約されない。
【0109】
以下に、
図1~
図13を参照して、本願のいくつかの実施例に基づくエアロゾル発生装置の制御方法、エアロゾル発生装置の制御装置、エアロゾル発生装置及び可読記憶媒体について記載する。
【実施例1】
【0110】
図1に示すように、本願の第1の実施例では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0111】
エアロゾル発生装置の制御方法は、以下を含む。
【0112】
ステップ102:マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0113】
ステップ104:目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0114】
ステップ106:エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御する。
【0115】
本実施例で提供する制御方法は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0116】
霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0117】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0118】
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に以下を含む。
【0119】
ステップ202:設定周波数範囲を取得する。
【0120】
ステップ204:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいか否かを判断し、判断結果がNOの場合にはステップ206を実行し、判断結果がYESの場合にはステップ212を実行する。
【0121】
ステップ206:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がNOの場合にはステップ208を実行し、判断結果がYESの場合にはステップ214を実行する。
【0122】
ステップ208:設定周波数範囲内の周波数平均値を取得する。
【0123】
ステップ210:目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ214を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ212を実行する。
【0124】
ステップ212:霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定し、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0125】
ステップ214:霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0126】
本実施例では、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0127】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0128】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0129】
設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0130】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0131】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0132】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0133】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0134】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0135】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定するステップは、具体的に以下を含む。
【0136】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0137】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0138】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0139】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0140】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0141】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0142】
理解し得るように、エアロゾル発生装置の工場出荷前に、設定周波数範囲内の周波数を設定しておく。設定周波数範囲内の最大値とは、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているときに、マイクロ波モジュールが霧化室にマイクロ波を供給する際の最適な周波数値である。また、設定周波数範囲内の最小値とは、霧化室が空洞状態のときに、マイクロ波モジュールが霧化室にマイクロ波を供給する際の最適な周波数値である。
【0143】
いくつかの実施例において、設定周波数範囲には複数の設定周波数値が含まれており、小さい方から順に、F1、F2、・・・Fnというように並んでいる。また、以下の公式から設定周波数範囲の平均値が計算される。
【0144】
FAVG=(F1+F2・・・+Fn)/n
【0145】
FAVGは周波数平均値であり、F1、F2、・・・Fnは設定周波数範囲内の各周波数値であり、nは設定周波数範囲内の設定周波数値の数である。
【0146】
別のいくつかの実施例において、設定周波数範囲には複数の設定周波数値が含まれており、設定周波数範囲内の周波数最小値及び周波数最大値を抽出して、周波数最大値及び周波数最小値に基づき設定周波数範囲内の周波数平均値を算出する。設定周波数範囲の平均値は、以下の公式により計算される。
【0147】
FAVG=(Fmin+Fmax)/2
【0148】
FAVGは周波数平均値であり、Fminは周波数最小値であり、Fmaxは周波数最大値である。
【0149】
エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御するステップは、具体的に以下を含む。
【0150】
エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0151】
また、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する。
【0152】
エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0153】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室が空洞状態の場合には、霧化室内にエアロゾル発生基質が存在しない。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0154】
図3に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。
【0155】
マイクロ波アンテナはマイクロ波生成装置に接続される。マイクロ波アンテナは、マイクロ波生成装置が生成したマイクロ波を霧化室に発射するとともに、フィードバック信号を受信するために用いられる。
【0156】
マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップは、具体的に以下を含む。
【0157】
ステップ302:マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0158】
ステップ304:各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。
【0159】
ステップ306:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0160】
本実施例において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0161】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別し、これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0162】
説明すべき点として、目標マイクロ波周波数とは、マイクロ波モジュールが現時点の霧化室内にマイクロ波を供給する際の最適な周波数点である。霧化室が空洞状態の場合、検出される目標マイクロ波周波数は、空の霧化室内にマイクロ波を供給する際にマイクロ波モジュールが出力するマイクロ波の最適な周波数点である。また、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の場合、検出される目標マイクロ波周波数は、エアロゾル発生基質が収容されている霧化室内にマイクロ波を供給する際にマイクロ波モジュールが出力するマイクロ波の最適な周波数点である。
【0163】
図4に示すように、上記いずれかの実施例において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に以下を含む。
【0164】
ステップ402:マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出する。
【0165】
ステップ404:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する。
【0166】
ステップ406:各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択する。
【0167】
当該設計では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0168】
N=P1/P2
【0169】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0170】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0171】
理解し得るように、Nの数値範囲は1よりも小さい。
【0172】
いくつかの実施例において、マイクロ波周波数の数は3つであり、それぞれ、Fa、Fb及びFcであるとする。また、計算の結果、Faに対応するパワー比率Naが0.1、Fbに対応するパワー比率Nbが0.5、Fcに対応するパワー比率Ncが0.3であったとする。Na、Nb及びNcを数値の大きさの順に並べると、Na<Nc<Nbとなる。パワー比率の数値が小さいほどマイクロ波の吸収率は高いため、パワー比率Naに対応するマイクロ波周波数Faで霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御すれば、最も優れた加熱効果を達成可能であると判定される。よって、Faが目標マイクロ波周波数となる。
【0173】
図5に示すように、上記いずれかの実施例において、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択するステップは、具体的に以下を含む。
【0174】
ステップ502:各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定する。
【0175】
ステップ504:最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0176】
当該設計では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0177】
図6に示すように、上記いずれかの実施例において、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別するステップは、具体的に以下を含む。
【0178】
ステップ602:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定する。
【0179】
ステップ604:フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0180】
当該設計では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0181】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【実施例2】
【0182】
図7に示すように、本願の第
2の実施例では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0183】
エアロゾル発生装置の制御方法は、以下を含む。
【0184】
ステップ702:動作開始命令に応答して、各マイクロ波周波数で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。
【0185】
ステップ704:掃引動作過程における各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。
【0186】
ステップ706:各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0187】
ステップ708:設定周波数範囲を取得する。
【0188】
ステップ710:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ718を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ712を実行する。
【0189】
ステップ712:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ720を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ714を実行する。
【0190】
ステップ714:設定周波数範囲内の周波数平均値を取得する。
【0191】
ステップ716:目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲の周波数平均値よりも大きいか否かを判断し、判断結果がYESの場合にはステップ720を実行し、判断結果がNOの場合にはステップ718を実行する。
【0192】
ステップ718:霧化室が空洞状態のため、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0193】
ステップ720:霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態のため、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0194】
本実施例では、エアロゾル発生装置が動作開始命令を受信すると、霧化室に対し掃引・検出を行うようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標マイクロ波周波数を決定する。即ち、マイクロ波モジュールが現状態の霧化室にマイクロ波を供給する際の最適な周波数点を決定する。掃引動作の過程では、各マイクロ波周波数で順に霧化室内にマイクロ波を供給するとともに、対応するフィードバック信号を受信して、各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0195】
フィードバックパワー値は、霧化室のマイクロ波吸収効果を反映可能である。理解し得るように、フィードバックパワー値が小さいほど霧化室のマイクロ波吸収効果が強いことを表し、フィードバックパワー値が大きいほど霧化室のマイクロ波吸収効果が弱いことを表す。目標マイクロ波周波数としては、マイクロ波吸収効果が最も強いフィードバックパワー値に対応するマイクロ波周波数を選択する。
【0196】
エアロゾル発生装置の工場出荷前に、設定周波数範囲内の周波数を設定しておく。設定周波数範囲内の最大値とは、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているときに、マイクロ波モジュールがマイクロ波を出力する際の最適な周波数値である。また、設定周波数範囲内の最小値とは、霧化室が空洞状態のときに、マイクロ波モジュールがマイクロ波を出力する際の最適な周波数値である。
【0197】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていないと判定されるため、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御して、霧化室の空焚きを回避する。
【0198】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていると判定する。この場合には、掃引により選出した目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生基質によるマイクロ波の吸収効率を向上させて、エアロゾル発生基質の霧化効果を高める。
【0199】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲の周波数平均値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていないと判定されるため、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御して、霧化室の空焚きを回避する。
【0200】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲の周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていると判定する。この場合には、掃引により選出した目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生基質によるマイクロ波の吸収効率を向上させて、エアロゾル発生基質の霧化効果を高める。
【0201】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。これにより、検出誤差に起因する判定エラーを回避して、霧化室内にエアロゾル発生基質が存在するか否かの判断の精度を更に向上させる。また、これにより、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生を回避することで、エアロゾル発生装置が空洞状態の霧化室に対しマイクロ波加熱を行わないよう保証するとともに、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【実施例3】
【0202】
図8に示すように、本願の第3の実施例では、エアロゾル発生装置の制御装置800を提供する。エアロゾル発生装置は、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0203】
エアロゾル発生装置の制御装置800は、以下を含む。
【0204】
検索ユニット802:マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0205】
検出ユニット804:目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0206】
制御ユニット806:エアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作状態を制御する。
【0207】
本実施例で提供する制御装置は、エアロゾル発生装置の制御に用いられ、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0208】
検索ユニット802は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、霧化室内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室の状態でマイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。検出ユニット804は、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを判断可能である。制御ユニット806は、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態に基づき、マイクロ波モジュールの動作を制御する。霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュールの動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質を加熱により霧化させる。一方、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御する。本願では、マイクロ波モジュールの掃引動作によって霧化室の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置の使用寿命を延ばす。
【0209】
理解し得るように、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0210】
上記の実施例において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0211】
検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0212】
検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内であることに基づき、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係から、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を特定する。
【0213】
本実施例において、設定周波数範囲内の最大値は、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態の場合の最適な周波数点である。また、設定周波数範囲内の最小値は、霧化室が空洞状態の場合、即ち、エアロゾル発生基質が非存在状態の場合の最適な周波数点である。
【0214】
目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最小値よりも小さいことが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0215】
また、目標マイクロ波周波数が設定周波数範囲内の最大値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0216】
また、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、更に、マイクロ波周波数の範囲の平均値と目標マイクロ波周波数との数値の関係に基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質の状態を検出する。
【0217】
目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲内の数値を比較することで、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かの判断の精度が向上する。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出できるため、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0218】
説明すべき点として、霧化室が空洞状態の場合と、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態とでは最適な周波数点が異なる。霧化室が空洞状態の場合の最適な周波数点をaとし、霧化室がエアロゾル発生基質を収容している状態の最適な周波数点をbとすると、aとbの差は25~35MHZとなる。また、掃引により得られる目標マイクロ波周波数は、通常、a±2MHZ又はb±2MHZとなる。そこで、設定周波数範囲をa~bに設定し、目標マイクロ波周波数とa及びbとの数値の関係に基づくことで、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判断可能となる。
【0219】
上記いずれかの実施例において、検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態であると特定する。
【0220】
検出ユニットは、更に、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることに基づき、霧化室内のエアロゾル発生基質が非存在状態であると特定する。
【0221】
本実施例では、目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内であることが検出された場合には、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲の周波数平均値との数値の関係を判断し、この数値の関係に基づいて、更に、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を判断する。
【0222】
目標マイクロ波周波数が周波数平均値よりも大きいことが検出された場合には、霧化室内のエアロゾル発生基質が存在状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に位置すると判定する。
【0223】
また、目標マイクロ波周波数が周波数平均値以下であることが検出された場合には、霧化室が現時点では空洞状態である、即ち、エアロゾル発生基質が霧化室内に存在しないと判定する。
【0224】
目標マイクロ波周波数がマイクロ波周波数の範囲内である場合には、目標マイクロ波周波数と周波数平均値との数値の比較によって、霧化室内のエアロゾル発生基質の存在状態を正確に判定可能である。上記の検出方式によれば、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されているか否かを正確に検出可能であり、エアロゾル発生基質の存在有無についての検出精度が更に向上する。よって、判定エラーに起因して空の霧化室に対しマイクロ波加熱を行うとの事態の発生が回避される。
【0225】
上記いずれかの実施例において、制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が存在状態であることに基づき、目標マイクロ波周波数で霧化室にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0226】
制御ユニットは、更に、エアロゾル発生基質が非存在状態であることに基づき、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御するとともに、注意喚起情報を出力する。
【0227】
本実施例では、エアロゾル発生基質が存在状態であることが検出された場合、即ち、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、この時点ではエアロゾル発生基質を通常通りにマイクロ波加熱して霧化させることが可能と判定し、目標マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。目標マイクロ波周波数は、マイクロ波モジュールが掃引により決定したマイクロ波周波数である。目標マイクロ波周波数のマイクロ波を霧化室内に供給することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を最適な霧化状態にすることができる。即ち、エアロゾル発生基質が目標マイクロ波周波数のマイクロ波について奏し得る吸収効果が最適となる。これにより、エアロゾル発生装置のエネルギー消費が減少するだけでなく、エアロゾル発生基質の霧化効率も向上するため、エアロゾル発生基質の受ける熱が不均一となることで発生する有害物質が減少する。
【0228】
エアロゾル発生基質が非存在状態であることが検出された場合、霧化室は空洞状態である。この場合には、動作を停止するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波モジュールが空洞状態の霧化室にマイクロ波を供給し続けることで招来されるエアロゾル発生装置の使用寿命の短縮を回避する。且つ、霧化室が空洞状態であることが検出された場合には、注意喚起情報を出力することで、エアロゾル発生基質を霧化室内に載置するようユーザに注意喚起して、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0229】
上記いずれかの実施例において、制御ユニットは、更に、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、霧化室内にマイクロ波を発射するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0230】
検出ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出する。
【0231】
検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別する。
【0232】
本実施例において、マイクロ波モジュールは、マイクロ波生成装置及びマイクロ波アンテナを含む。マイクロ波生成装置は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナは、対応周波数のマイクロ波を霧化室内に供給可能である。マイクロ波が霧化室に進入したあと、マイクロ波アンテナは、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュールは、更に、第1パワー検出装置及び第2パワー検出装置を含む。第1パワー検出装置はマイクロ波生成装置に接続されており、マイクロ波生成装置の動作過程でマイクロ波生成装置の動作パワー値を収集可能である。第2パワー検出装置はマイクロ波アンテナに接続されており、マイクロ波アンテナが受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0233】
マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御するとは、マイクロ波周波数の異なるマイクロ波を順に霧化室内に発射するようマイクロ波モジュールを制御することである。マイクロ波モジュールがマイクロ波を発射する過程では、各マイクロ波周波数に対応するフィードバック信号を同時に受信し、第2パワー検出装置により各フィードバック信号のフィードバックパワー値を特定する。そして、検出されたフィードバックパワー値に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選別し、これにより、霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定する。掃引動作方式により、マイクロ波周波数の範囲内のマイクロ波を選別することで、現時点の霧化室内での吸収効果に最も優れた目標マイクロ波周波数を決定可能である。これにより、霧化室内にエアロゾル発生基質が収容されている場合には、霧化室内に目標マイクロ波周波数のマイクロ波を供給することで、エアロゾル発生基質の霧化効果を向上させられる。
【0234】
上記いずれかの実施例において、検出ユニットは、更に、マイクロ波モジュールが出力した各マイクロ波周波数のマイクロ波に対応する動作パワー値を検出する。
【0235】
制御装置は、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値と動作パワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得する計算ユニット808を含む。
【0236】
検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を選択する。
【0237】
本実施例では、第1パワー検出装置により各マイクロ波周波数に対応する動作パワー値を検出する。そして、動作パワー値と、対応するフィードバックパワー値について比率計算を行うことでパワー比率を取得可能である。パワー比率の計算式は次の通りである。
【0238】
N=P1/P2
【0239】
P1はフィードバックパワー値であり、P2は動作パワー値であり、Nはパワー比率である。
【0240】
Nの数値が小さいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果が良好なことを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果が良好なことを表す。また、Nの数値が大きいほど、霧化室内でのマイクロ波の結合効果に劣ることを表す。即ち、霧化室内でのマイクロ波の吸収効果に劣ることを表す。
【0241】
上記いずれかの実施例において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率のうちの最小パワー比率を特定する。検索ユニットは、更に、最小パワー比率に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。
【0242】
本実施例では、各マイクロ波周波数に対応するパワー比率を数値の大きさの順に並べることで、数値が最小のパワー比率に対応する動作周波数を目標マイクロ波周波数とする。パワー比率を計算することで、掃引段階における誤差部分をフィルタリングできるため、目標マイクロ波周波数の選別精度が向上する。これにより、目標マイクロ波周波数についての判定エラーが回避される。
【0243】
上記いずれかの実施例において、検索ユニットは、更に、各マイクロ波周波数に対応するフィードバックパワー値のうちのフィードバックパワー最小値を特定する。検索ユニットは、更に、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を検索して、目標マイクロ波周波数を決定する。本実施例では、フィードバックパワー値をそのまま数値の大きさの順に並べることで、フィードバックパワー最小値を特定する。そして、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数を目標マイクロ波周波数とする。
【0244】
理解し得るように、マイクロ波生成装置が周波数の異なるマイクロ波を出力する際の動作パワーの変化は小さい。そのため、フィードバックパワー最小値に対応するマイクロ波周波数をそのまま目標マイクロ波周波数として選択すれば、目標マイクロ波周波数の選択精度を保証することを前提に、データ処理量が減少する。
【実施例4】
【0245】
図9に示すように、本願の第4の実施例では、エアロゾル発生装置900を提供する。当該エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室と、霧化室内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波モジュール902を含む。上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御装置800は、マイクロ波モジュール902に接続される。
【0246】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置は、霧化室、マイクロ波モジュール902及びエアロゾル発生装置の制御装置800を含む。エアロゾル発生装置はエアロゾル発生基質の加熱に用いられる。エアロゾル発生基質は、固体のエアロゾル発生基質であってもよいし、液体状のエアロゾル発生基質であってもよい。エアロゾル発生装置内には、エアロゾル発生基質を収容するための霧化室が設けられている。マイクロ波モジュール902は霧化室内にマイクロ波を供給可能であり、エアロゾル発生基質はマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0247】
エアロゾル発生装置の制御装置800は、マイクロ波モジュール902に接続されて、マイクロ波モジュール902の動作を制御する。エアロゾル発生装置の制御装置800には、上記実施例のいずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置800が選択される。よって、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置800の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【実施例5】
【0248】
図10に示すように、本願の第5の実施例では、エアロゾル発生装置1000を提供する。当該エアロゾル発生装置は、プログラム又は命令が記憶されているメモリ1002と、メモリ1002内に記憶されているプログラム又は命令を実行することで、上記実施例1のいずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ1004、を含む。従って、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0249】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置1000は、更に、霧化室及びマイクロ波モジュールを含む。霧化室はエアロゾル発生基質を収容するために用いられ、マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられる。マイクロ波がエアロゾル発生基質に作用することで、エアロゾル発生基質は熱を受けて霧化する。マイクロ波モジュールはプロセッサ1004に接続される。プロセッサ1004は、エアロゾル発生装置の制御方法を実行することで、エアロゾル発生装置1000のマイクロ波モジュールを制御する。
【実施例6】
【0250】
図11に示すように、本願の第6の実施例では、ハウジング102、霧化室103、マイクロ波モジュール104及び制御装置105を含むエアロゾル発生装置100を提供する。
【0251】
霧化室103はハウジング102内に設けられる。霧化室103はエアロゾル発生基質108を収容するために用いられる。
【0252】
マイクロ波モジュール104は、霧化室103内にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0253】
制御装置105は、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行って、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を検索するようマイクロ波モジュール104を制御する。そして、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在状態を特定する。また、エアロゾル発生基質108の存在状態に基づき、マイクロ波モジュール104の動作状態を制御する。
【0254】
本実施例のエアロゾル発生装置100は、ハウジング102、霧化室103、マイクロ波モジュール104及び制御装置105を含む。ハウジング102内には霧化室103が設けられている。霧化室103はエアロゾル発生基質108を収容するために用いられる。マイクロ波モジュール104の出力端は霧化室103と連通している。マイクロ波モジュール104が通電して動作し、マイクロ波を霧化室103内に供給すると、エアロゾル発生基質108がマイクロ波の作用で熱を受けて霧化する。
【0255】
制御装置105は、霧化開始命令を受信すると、マイクロ波周波数の範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュール104を制御する。具体的には、マイクロ波周波数の範囲内の各マイクロ波周波数で、順に霧化室103内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュール104を制御する。そして、霧化室103内のパラメータの変化に基づき、マイクロ波周波数の範囲内の目標マイクロ波周波数を決定する。目標マイクロ波周波数とは、現時点の霧化室103の状態でマイクロ波モジュール104が動作する際の最適な周波数点である。即ち、霧化室103内でのマイクロ波の吸収量が最大となるマイクロ波周波数である。また、目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係に基づき、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在状態、即ち、霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されているか否かを判断可能である。そして、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在状態に基づき、マイクロ波モジュール104の動作を制御する。霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されていることが検出された場合には、マイクロ波モジュール104の動作を通常通り制御することで、エアロゾル発生基質108を加熱により霧化させる。一方、霧化室103が空洞状態であることが検出された場合には、空洞内へのマイクロ波の供給によりエアロゾル発生装置100の使用寿命が短縮するのを回避するために、動作を停止するようマイクロ波モジュール104を制御する。本願では、マイクロ波モジュール104の掃引動作によって、霧化室103の現状態における目標マイクロ波周波数を決定することで、霧化室103内のエアロゾル発生基質108の存在有無を検出する。これにより、空洞状態の霧化室103へのマイクロ波の供給を回避することで、エアロゾル発生装置100の使用寿命を延ばす。
【0256】
理解し得るように、霧化室103が空洞状態の場合と、霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されている状態では、掃引により決定される目標マイクロ波周波数に大きな違いがある。よって、掃引により得られる目標マイクロ波周波数と設定周波数範囲との数値の関係から、霧化室103内にエアロゾル発生基質108が収容されているか否かを正確に判断可能である。
【0257】
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュール104は、マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044を含む。
【0258】
マイクロ波生成装置1041は制御装置105に接続される。
【0259】
マイクロ波アンテナ1042はマイクロ波生成回路に接続される。マイクロ波アンテナ1042は、マイクロ波生成装置1041が生成したマイクロ波を霧化室103に発射するとともに、フィードバック信号を受信する。
【0260】
第1パワー検出装置1043は制御装置105に接続される。また、第1パワー検出装置1043の収集端子は、マイクロ波生成装置1041に接続されており、マイクロ波生成装置1041の動作パワー値を検出するために用いられる。
【0261】
第2パワー検出装置1044は制御装置105に接続される。また、第2パワー検出装置1044の収集端子は、マイクロ波アンテナ1042に接続されており、マイクロ波アンテナ1042が受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出するために用いられる。
【0262】
本実施例において、マイクロ波モジュール104は、マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044を含む。マイクロ波モジュール104は、マイクロ波生成装置1041及びマイクロ波アンテナ1042を含む。マイクロ波生成装置1041は対応周波数のマイクロ波を生成可能であり、マイクロ波アンテナ1042は、対応周波数のマイクロ波を霧化室103内に供給可能である。マイクロ波が霧化室103に進入したあと、マイクロ波アンテナ1042は、マイクロ波に対応するフィードバック信号を受信可能である。マイクロ波モジュール104は、更に、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044を含む。第1パワー検出装置1043はマイクロ波生成装置1041に接続されており、マイクロ波生成装置1041の動作過程でマイクロ波生成装置1041の動作パワー値を収集可能である。また、第2パワー検出装置1044はマイクロ波アンテナ1042に接続されており、マイクロ波アンテナ1042が受信したフィードバック信号のフィードバックパワー値を検出可能である。
【0263】
上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュール104は方向性結合器1048を更に含む。方向性結合器1048は、第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子を含む。第1端子はマイクロ波生成装置1041に接続され、第2端子はマイクロ波アンテナ1042に接続され、第3端子は第1パワー検出装置1043に接続され、第4端子は第2パワー検出装置1044に接続される。
【0264】
本実施例において、マイクロ波モジュール104は方向性結合器1048を更に含む。方向性結合器1048の第1端子、第2端子、第3端子及び第4端子は、それぞれ、マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044に接続される。
【0265】
第1パワー検出装置1043は、方向性結合器1048を通じてマイクロ波生成装置1041の動作パワー値を検出可能である。また、第2パワー検出装置1044は、マイクロ波アンテナ1042が検出したフィードバック信号のフィードバックパワー値を方向性結合器1048を通じて検出可能である。マイクロ波生成装置1041が生成したマイクロ波信号は、方向性結合器1048を通じてマイクロ波アンテナ1042に伝送され、マイクロ波アンテナ1042はマイクロ波を霧化室103内に供給する。
【0266】
マイクロ波生成装置1041、マイクロ波アンテナ1042、第1パワー検出装置1043及び第2パワー検出装置1044は方向性結合器1048を通じて互いに接続されるため、マイクロ波モジュール104内の電気接続ケーブルが減少する。これにより、マイクロ波モジュール104の占有スペースが減少するため、エアロゾル発生装置100の体積をいっそう小さくすることができ、製品の小型化ニーズに合致する。
【0267】
図13に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波生成装置1041は、マイクロ波発生器10412及びパワーアンプ10414を含む。
【0268】
マイクロ波発生器10412は制御装置105に接続される。
【0269】
パワーアンプ10414は制御装置105に接続される。パワーアンプ10414の入力端子はマイクロ波発生器10412に接続され、パワーアンプ10414の出力端子は方向性結合器1048の第1端子に接続される。
【0270】
本実施例において、マイクロ波生成装置1041は、マイクロ波発生器10412及びパワーアンプ10414を含む。マイクロ波発生器10412はマイクロ波信号を発生可能である。マイクロ波発生器10412は制御装置105に接続され、制御装置105はマイクロ波発生器10412の動作を制御可能である。マイクロ波発生器10412の出力端子はパワーアンプ10414の入力端子に接続され、パワーアンプ10414の出力端子は方向性結合器1048に接続される。制御装置105は、マイクロ波発生器10412の動作パワーを制御可能なだけでなく、パワーアンプ10414の増幅率も制御可能である。
【0271】
図13に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波生成装置1041はパワーレギュレータ10416を更に含む。パワーレギュレータ10416の第1端子は制御装置105に接続され、パワーレギュレータ10416の第2端子はパワーアンプ10414に接続される。
【0272】
本実施例において、マイクロ波生成装置1041は更にパワーレギュレータ10416を含む。パワーレギュレータ10416はパワーアンプ10414に接続される。制御装置105は、出力されるマイクロ波のパワーを調節するようパワーレギュレータ10416を制御可能である。これにより、発射されるマイクロ波のパワーについて調整範囲の拡大が実現される。
【0273】
上記いずれかの実施例において、パワーレギュレータ10416はパワーアンプ10414に統合して設けられる。
【0274】
本実施例において、パワーレギュレータ10416はパワーアンプ10414に統合して設けられる。即ち、パワーレギュレータ10416とパワーアンプ10414は統合された電子部品である。統合された電子部品は、パワーの調節及び増幅という2種類の機能を有する。パワーレギュレータ10416とパワーアンプ10414を統合して設けることで、エアロゾル発生装置100内におけるマイクロ波モジュール104の占有スペースを更に減少させられる。
【0275】
図11に示すように、上記いずれかの実施例において、エアロゾル発生装置100はスペーサ106を更に含む。スペーサ106は霧化室103に設けられる。スペーサ106は、霧化室103を収容室1032と共振空洞1034に分割する。収容室1032は、エアロゾル発生基質108を収容するために用いられる。また、共振棒107が共振空洞1034の底壁に設けられる。
【0276】
本実施例において、エアロゾル発生装置100は、更に、霧化室103内に設けられるスペーサ106を含む。スペーサ106は、霧化室103を収容室1032と共振空洞1034に分割する。収容室1032は、エアロゾル発生基質108を収容可能である。マイクロ波モジュール104は、マイクロ波を共振空洞1034内に供給する。マイクロ波は、共振空洞1034を通過して収容室1032に伝達され、収容室1032内のエアロゾル発生基質108をマイクロ波加熱可能である。
【0277】
収容室1032と共振空洞1034はスペーサ106により隔離されているため、収容室1032内のエアロゾル発生基質108が霧化されたあとに発生する液体ごみ又は固体ごみが共振空洞1034内に進入するのを回避可能である。これにより、共振空洞1034へのごみの進入に起因するマイクロ波モジュール104の故障の発生が回避される。
【0278】
いくつかの実施例において、スペーサ106はハウジング102に取り外し可能に接続され、収容室1032はスペーサ106内に設けられる。スペーサ106を取り外すことで、収容室1032を単独で分解洗浄できるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0279】
理解し得るように、スペーサ106は、セラミックス、ガラス等の材質からなるようにする。これにより、共振空洞1034内のマイクロ波を収容室1032内に伝達して、収容室1032内のエアロゾル発生基質108を加熱可能とする。
【0280】
上記いずれかの実施例において、共振棒107はマイクロ波アンテナ1042に接続される。
【0281】
本実施例では、共振棒107によりマイクロ波を共振空洞1034内に供給する。共振棒107の第1端は共振空洞1034の底壁に接続され、共振棒107の第2端は収容室1032に対向して設けられる。マイクロ波は、共振棒107の第1端から第2端に向かう方向に伝達されて、収容室1032内のエアロゾル発生基質108を加熱する。
【実施例7】
【0282】
本願の第7の実施例では可読記憶媒体を提供する。可読記憶媒体にはプログラムが記憶されており、プログラムがプロセッサにより実行される際に上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法が実現される。従って、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有する。
【0283】
可読記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0284】
明確にすべき点として、本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、別途明確に限定している場合を除き、「上」、「下」等の用語が示す方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本願をより記載しやすくし、且つ記載過程を更に簡便にするためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が、記載した特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するためのものではない。よって、これらの記載は、本願を制約するものと解釈すべきではない。また、「接続する」、「取り付ける」、「固定する」等の用語はいずれも広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、複数の対象間の固定的な接続であってもよいし、複数の対象間の取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよい。且つ、複数の対象間の直接的な連なりであってもよいし、複数の対象間の中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、上記用語の具体的状況に基づき、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0285】
本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0286】
以上は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0287】
100 エアロゾル発生装置
102 ハウジング
103 霧化室
1032 収容室
1034 共振空洞
104 マイクロ波モジュール
1041 マイクロ波生成装置
10412 マイクロ波発生器
10414 パワーアンプ
10416 パワーレギュレータ
1042 マイクロ波アンテナ
1043 第1パワー検出装置
1044 第2パワー検出装置
1048 方向性結合器
105 制御装置
106 スペーサ
107 共振棒
108 エアロゾル発生基質
【国際調査報告】