(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】有線接続された土工機械用摩耗要素組立体およびその保護装置
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20240725BHJP
E02F 9/28 20060101ALI20240725BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20240725BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E02F3/40
E02F9/28
H02G3/30
H02G3/04 018
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024505524
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022071378
(87)【国際公開番号】W WO2023006958
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521251741
【氏名又は名称】メタロジェニア リサーチ アンド テクノロジーズ ソシエダッド リミターダ
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【氏名又は名称】生富 成一
(72)【発明者】
【氏名】ヒメノ トルデラ、アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルヴェ ベルトラン、ニル
(72)【発明者】
【氏名】フェランディス ボラス、ビセント
【テーマコード(参考)】
2D012
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
2D012GC00
5G357DB01
5G357DB02
5G357DC12
5G357DD14
5G363BA01
5G363DA11
5G363DC01
(57)【要約】
土工機械のための組立体であって、第1の部材と、第1の部材と結合された第2の部材とを備え、第1の部材は、掘削器具のための摩耗要素であり、第2の部材は、掘削器具または掘削器具のための第2の摩耗要素であり、第1の部材は、少なくとも1つのセンサーを受け入れるように適合された第1のキャビティと、少なくとも1つの電線を受け入れるように適合されたチャネルと、少なくとも1つの電線とを備え、その1つまたは複数の電線は、チャネルおよび第1のキャビティの両方に導入され、第2の部材に取り付けられる。また、上記組立体を含む土工機械、および配線方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機械のための組立体(5)であって、
第1の部材(11a-11c,15,16)および前記第1の部材に結合された第2の部材(1,12a,12b)を備え、前記第1の部材(11a-11c,15,16)は、掘削器具(1)のための摩耗要素であり、前記第2の部材(1,12a,12b)は、掘削器具(1)または掘削器具のためのリップ(12a,12b)であり、
前記第1の部材(11a-11c,15,16)は、少なくとも1つのセンサー(35)を受け入れるように適合された第1のキャビティ(30)を備え、
前記第1の部材(11a-11c,15,16)は、少なくとも1つの電線(50,51a-51c)を受け入れるように適合されたチャネル(40a-40f)をさらに備え、
前記組立体は、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)をさらに備え、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの電線は、前記チャネル(40a-40f)および前記第1のキャビティ(30)の両方に導入されており、且つ前記第2の部材(1,12a,12b)に取り付けられている、組立体。
【請求項2】
前記チャネル(40a-40f)は、前記第1のキャビティ(30)から延びている、請求項1記載の組立体(5)。
【請求項3】
前記チャネル(40a-40f)の少なくとも一部は、
前記第1の部材(11a-11c,15,16)に形成された貫通孔(40a-40b)、
前記第1のキャビティ(30)を少なくとも部分的に充たす材料に形成された貫通孔(40c)、および
前記第1の部材(11a-11c,15,16)の少なくとも1つの表面に形成されたスロット(40e-40f)、
の1つまたはより多くを備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項4】
前記チャネル(40a-40f)の少なくとも1つの端部は、前記第2の部材(1,12a,12b)を受入れまたは係合するように適合された第2の表面(26)に対向する前記第1の部材(11a-11c,15,16)の第1の表面(25)上にある、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項5】
前記第2の部材(1,12a,12b)は、前記リップ(12a,12b)であり、前記組立体(5)は、第3の部材(1)をさらに備え、前記第3の部材は、前記掘削器具(1)であり、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)は、前記第3の部材(1)の少なくとも1つの表面にさらに取り付けられている、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項6】
前記第1の部材(11a-11c,15,16)の前記チャネル(40a-40f)の少なくとも一部は、前記第1の部材の1つまたはより多くの第1の表面と前記第2の部材(1,12a,12b)の1つまたはより多くの第2の表面との間のキャビティ(40d)を通ってさらに延びる、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項7】
前記第1または第2の部材(1,11a-11c,12,15,16)の少なくとも1つの表面に取り付けられた1つまたはより多くのプロテクター(60a-60e,61a-61d)をさらに備え、前記少なくとも1つの表面および前記1つまたはより多くのプロテクター(60a-60e,61a-61d)の両方は、前記少なくとも1つの表面と前記1つまたはより多くのプロテクター(60a-60e,61a-61d)の各々との間に第2のキャビティ(62)が形成されるような形状であり、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの電線が、前記第2のキャビティ(62)の少なくとも1つに導入される、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項8】
複数の前記第1の部材(11a-11c,15,16)をさらに備え、前記第2の部材(1,12a,12b)は、前記複数の第1の部材に結合されており、前記組立体は、N個のT字型コネクタ(55)をさらに備え、Nは、前記複数の第1の部材(11a-11c,15,16)における第1の部材の数から1を引いた数に等しいかまたはそれより大きく、前記N個のT字型コネクタ(55)は、それらの間がカスケード方式で電気的に接続されており、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)は、少なくとも、前記複数の第1の部材(11a-11c,15,16)の数と同じ数の電線を含み、各電線(50,51a-51c)は、前記N個のT字型コネクタ(55)の1つと電気的に接続されている、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項9】
少なくとも1つのセンサー(35)をさらに備え、前記少なくとも1つのセンサーの1つまたはより多くのセンサー(35)は、前記第1のキャビティ(30)内に導入されている、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサーの1つまたはより多くのセンサー(35)は、歪を感知するように構成されている、請求項9記載の組立体(5)。
【請求項11】
前記第1の部材(11a-11c,15,16)は、アダプタ(11a-11c)である、先行する請求項のいずれか一項に記載の組立体(5)。
【請求項12】
先行する請求項のいずれか一項に記載の1つまたはより多くの組立体(5)を備えた、土工機械のための掘削器具。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の1つまたはより多くの組立体(5)、および/または請求項12記載の掘削器具を備えた、土工機械。
【請求項14】
請求項13記載の土工機械であって、さらに、ワイヤ接続パネルと、ワイヤ接続パネルと電気的に接続された制御ユニットと、を備え、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの電線の端部は、前記ワイヤ接続パネルと電気的に接続され、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの電線の端部は、前記1つまたはより多くの組立体(5)の1つまたはより多くのセンサー(35)に電気的に接続されており、それにより、各接続されたセンサー(35)と前記制御ユニットとの間でデータを転送可能とし、各接続されたセンサー(35)は、好ましくは、512kbpsと等しいかまたはそれよりも大きいレートでデータを送信および/または受信するように構成されており、前記制御ユニットは、各接続されたセンサー(35)から受信されたデータに基づいて前記土工機械を操作するように構成されている、土工機械。
【請求項15】
第1の部材(11a-11c,15,16)を配置する工程であって、前記第1の部材は、土工機械の掘削器具(1)のための摩耗要素であり、前記摩耗要素は、少なくとも1つのセンサー(35)を受け入れるように適合された第1のキャビティ(30)を備える、工程と、
前記第1の部材(11a-11c,15,16)を第2の部材(1,12a,12b)に結合する工程であって、前記第2の部材は、掘削器具(1)または土工機械の掘削器具のためのリップ(12a,12b)である、工程と、
前記少なくとも1つのセンサーの1つまたはより多くのセンサー(35)を前記第1のキャビティ(30)内に導入する工程と、
少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの電線の端部を前記少なくとも1つのセンサーの1つまたはより多くのセンサー(35)に電気的に接続する工程と、を備え、
前記摩耗要素は、前記1つまたはより多くの電線(50,51a-51c)を受け入れるように適合されたチャネル(40a-40f)をさらに備え、
前記方法は、さらに、
前記1つまたはより多くの電線(50,51a-51c)の少なくとも第1の部分を前記チャネル(40a-40f)内に導入する工程と、
前記1つまたはより多くの電線(50,51a-51c)の少なくとも第2の部分を前記第2の部材(1,12a,12b)に取り付ける工程と、を備える方法。
【請求項16】
前記第2の部材(1,12a,12b)は、リップ(12a,12b)である、請求項15記載の方法であって、前記方法は、さらに、
前記第2の部材(1,12a,12b)を第3の部材と結合する工程、および前記1つまたはより多くの電線(50,51a-51c)の少なくとも第3の部分を、前記1つまたはより多くの電線(50,51a-51c)の各々が前記土工機械のスティックに向かって配線されるように、第3の部材に取り付ける工程であって、前記第3の部材は、前記掘削器具(1)である、工程、と、
前記掘削器具(1)または前記機械の前記スティックにワイヤ接続パネルを配置する工程と、
前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの端部を前記ワイヤ接続パネルに電気的に接続し、前記少なくとも1つのセンサー(35)と前記ワイヤ接続パネルおよび/または前記電源との間でデータを転送可能にする、工程と、
前記土工機械に制御ユニットを配置する工程と、
前記制御ユニットを前記ワイヤ接続パネルに電気的に接続する工程と、
前記少なくとも1つのセンサー(35)の各々で、前記土工機械の操作中に1つまたはより多くのパラメータまたは物理的な大きさを測定する工程と、
各接続されたセンサー(35)からの測定値を、前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)を介して前記制御ユニットに送信する工程と、
前記制御ユニットによって、各センサー(35)が受けた力および摩耗の少なくとも1つを決定するように、受け取った前記測定値を処理する工程と、
なされた決定に基づいて、前記制御ユニットによって、前記土工機械を操作するための1つまたはより多くの指示を導出する工程と、を備えた方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、前記測定値の送信は、少なくとも、前記土工機械が地盤(90)に挿入されているときおよび/または挿入されたときに行われる、方法。
【請求項18】
請求項15ないし17のいずれか一項に記載の方法であって、前記少なくとも1つのセンサーの前記1つまたはより多くのセンサー(35)は、歪を感知するように構成されている、方法。
【請求項19】
前記第1の部材(11a-11c,15,16)は、アダプタ(11a-11c)である、請求項15ないし18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
土工機械のための掘削器具のための摩耗要素であって、
少なくとも1つのセンサー(35)を受け入れるように適合されたキャビティ(30)と、
少なくとも1つの電線(50,51a-51c)を受け入れるように適合されたチャネル(40a-40f)と、
前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)と、を備え、
前記少なくとも1つの電線(50,51a-51c)の1つまたはより多くの電線は、前記チャネル(40a-40f)および前記第1のキャビティ(30)の両方に導入されており、
前記摩耗要素は、アダプタ(11a-11c)、鋳造ノーズ(15)、溶接ノーズまたはシュラウド(16)の1つである、摩耗要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土工機械(アースムービングマシン(earth moving machine))の分野に関する。より詳細には、本発明は、通信および/または電力供給(energization)のための有線接続を含む電子機器を備えた、摩耗要素を持つ組立体および土工機械に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば掘削機、ローダー、ショベルなどのような土工機械は、掘削器具、例えばバケット、ショベル、浚渫ヘッドなどを備えており、それによって物質(material)が押され、貫入され、掘削され、スクラッチされ、引っ張られ、積載され、および/または収集される。機械、掘削器具、および物質の係合中に掘削器具の移動および回転に関与するすべての構成要素(例えば、ブーム、スティックなど)は、機械の構成要素の特性、および係合される物質または土壌の特性(その硬さ、形状、重量などを含むが、これらに限定されない)を考慮して、注意深く操作される必要がある。このような操作は、土壌上での機械の適切な動き(すなわち、機械に指令された動き)および物質の積み下ろしのためだけでなく、機械とオペレータ(もしいれば)の両方の健康と安全のためにも重要である。
【0003】
物質の係合は掘削器具に損傷を与え、掘削器具は、次第に摩耗し、変形し、前記器具を破損する可能性がある高強度の負荷、衝撃、および応力を受ける。従って、これらの有害な現象から様々な部分を保護するために、複数の摩耗要素が掘削器具に取り付けられる。摩耗要素は、それらの摩耗要素が紛失したり損傷したりしたときに、掘削器具が被る地盤との係合に起因する摩耗や変形を被る。摩耗要素は、土工機械の分野では地盤係合ツールとも呼ばれ、長年にわたって土工機械にとって不可欠な要素となっている。
【0004】
摩耗要素は現在、採石場や鉱山の物質と接触する土工機械の表面となっているため、摩耗や変形に耐えるように設計されているだけでなく、土壌を移動させ、切り開き、侵入しやすくするためにより効果的な方法で物質と係合するように設計されている。
【0005】
通常、掘削器具には、リップ、アダプタ、歯、摩耗キャップ、シュラウドなど、多数の摩耗要素が配置されている。これらの摩耗要素はそれぞれ、地盤物質から大きな力を受け、摩耗要素にトルクを発生させる。異なる摩耗要素が機械的に結合されているため、力とトルクは両方、摩耗要素間で伝達される。力とトルクの強さによって、また時間の経過によって、摩耗要素は最終的に破損し、掘削器具から脱落することさえある。力の強さは、土工機械のデューティサイクル中に摩耗要素内の単一のセンサーによって測定された力の大きさを示す
図10に示すように、衝突、スクラッチ、積載の各作業で特に大きくなる。
【0006】
摩耗要素の交換は必要であるが、掘削器具を損傷する可能性や、破損した摩耗要素が掘削器具に地盤物質とともに装填される可能性を避けるために、交換時期を適時に決定または把握することが非常に重要である。さらに、予知保全を行い、摩耗要素を交換する頻度を減らすように機械を運転することも、同様に非常に重要である。予知保全を行うことで、機械をより安全に運転し、コストと時間を節約し、地盤との係合能力をすべて活用することができる。摩耗要素を最適に管理することで、機械の効率が向上し、特に機械の稼働率が高まる。摩耗要素の予定外のメンテナンスや修理のために機械を停止しなければならない場面が少なくなるからである。それだけでなく、摩耗要素にかかる負荷に関するデータが瞬時に得られるため、掘削器具が地盤物質にどのように噛み合うかを調整することで、機械の効率を向上させることも可能である。
【0007】
したがって、機械の運転を向上させるためには、機械が作動している間、摩耗要素がその寿命期間中にどのように作用するかを知る必要がある。つまり、摩耗要素が受ける歪や力を知る必要があり、その強さだけでなく、摩耗要素にかかる方向やかかるポイントも知る必要がある。
【0008】
センサーはこれらの物理的な大きさを測定することができるが、摩耗要素内に配置されているため、測定値は制御ユニットやキャビンのような機械の他の部分、あるいはコントロールセンターのような機械から離れた場所に伝送されなければならない。また、送信は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムでの反応を可能にするのに十分に完全かつ高速でなければならず、これは、十分なデータが受信されなければならず、測定値の受信における待ち時間が1秒をはるかに下回らなければならない(例えば、100
ms以下)ことを意味し、そうでなければ、ひとたび摩耗要素または機械の別の部分(例えば、油圧システム)が損傷すると、問題のある地盤係合に対する反応が起こり得る。
【0009】
スペースと設置の複雑さを考慮し、測定値の送信は無線で行われる。高周波電子機器がセンサーとともに設置され、センサーの測定値はアンテナによって電磁波信号として送信される。
【0010】
機械に配置される摩耗要素は1つだけではないため、ほとんどの(またはそれぞれの)摩耗要素の物理的な大きさを測定して送信する必要がある。これは、各摩耗要素が他の摩耗要素とは異なる瞬間的負荷を受けるからである。各センサーに無線システムを設置することもできるが、すべてのセンサーの測定値を短い時間ウィンドウで送信する必要がある。これにより、機械の動作を監視し、(必要に応じて)是正措置を取ることが(ほぼ)リアルタイムで可能になる。
【0011】
周波数帯域内で複数の伝送を共存させることは、特に厳しい伝送要件と、規制された電磁スペクトルによる限られた帯域幅と放射パワーの両方を考慮すると、無線システムを完全にスケーラブルなものにはできない。しかし、より重要なことは、異なる電磁波信号の重なりや、エラーなしに受信デバイスに到達するために伝送が克服しなければならない損失のために、伝送が信頼できない傾向があることである。
【0012】
伝送における損失に関しては、最も機械的な負荷がかかる作業(すなわち、衝突、スクラッチ、積載の各作業)は、摩耗要素と掘削器具を地盤物質内に挿入することを伴う。センサーと高周波電子機器も同様に地盤物質内に挿入されるため、部分的または完全に物質内に埋没する。物質の中に挿入されることで、電磁波の伝搬損失が増加する。物質の種類や湿度などの特性も、気象条件(雨や雪などがあると伝搬損失が大きくなる)と同様に、損失に関与する。例として、2.4GHzの場合、高周波電子機器のアンテナが物質に挿入される深さ10cmごとの損失は、物質が乾燥した土の場合は5.6dB、湿った土の場合は27.0dBとなる。通常、積載作業ではアンテナを数十センチから数メートル挿入する(これは例えば
図11の掘削器具の図から理解できる)ので、このような条件では大きな伝搬損失があることは明らかである。
【0013】
損失を克服するために、アンテナはより大きな電力で放射しなければならず、それによって消費電力が増加する。アンテナ(センサーとともに)が摩耗要素によってより保護され、これは、摩耗要素にかかる負荷や、これらの部品に付着する粒子や微粉による高周波電子機器やセンサーの誤作動を避けるために望ましいが、摩耗要素内に、より内側に配置されるにつれて、損失はさらに増加する。
【0014】
無線エネルギー消費はまた、より低い電力消費がより環境に優しいという理由だけでなく、無線システムが電池のような電力供給手段を含み、その電力が消費されるという理由からも問題である。電力供給手段のエネルギー切れが早くなると、電力供給手段の交換頻度が高くなり、機械の停止頻度も高くなる。また、電池が使えなくなったら、適切に処理するためにリサイクルしなければならない。
【0015】
このため、無線システムは、特に機械の動作の最も重要な瞬間や、より多くの摩耗要素を監視する必要がある場合に、土工機械の適切な操作にとって重要な測定値を、信頼性が高く、時間内に伝送するためのシステムとして問題となる。無線システムの問題動作は、一般に、摩耗要素の動作における高いデューティサイクルのために、複数の摩耗要素内のセンサーのデータを送信および/または受信しなければならない場合に現れる。そして、摩耗要素内のセンサーの数が多くなるにつれて、または摩耗要素の数が多くなるにつれて(掘削器具のサイズおよび/または係合する地盤の特殊性に依存する)、グローバルパケットエラーレートが増加する。この問題が発生し、センサーが送信するデータに基づいて何らかの是正措置をとらなければならない場合、是正措置が遅延するか、またはデータが欠落していると判断されるかのいずれかであり、いずれの結果も、機械またはその構成要素の誤動作、修理を超えるそれらのいずれかの損傷などを引き起こす可能性がある。
【0016】
有線システム(wired system)は、設計上の懸念があるため、掘削器具に容易に組み込むことができない。配線は、データを送受信する装置から、あるいは電力を供給する装置から、掘削器具および/または摩耗要素の大部分を通って延びる。配線が機械のある構成要素にどのように設置されるかは、それが機械のさらなる構成要素にどのように設置されなければならないか、また、配線の挿入、修理、交換のために構成要素をどのように操作しなければならないかに影響する。後者の作業は、時間のかかる面倒な構成要素の分解を伴う場合は複雑であり、それによって機械を停止しなければならない時間が長くなる。もう一つの設計上の懸念は、配線が機械の構成部品の邪魔になり、掘削器具の可動範囲を狭めてしまう可能性があることである。
【0017】
データを高速かつ確実に送信することができるように、掘削器具内に配置された検知装置の測定値を送信すること、および機械を保守のために停止しなければならない回数を減らすように検知装置に電力を供給することの一方または両方が必要とされている。前者に関して、自己制御型土工機械、すなわち自律型土工機械は、より少ない待ち時間でより多くのデータを有することによって機械をより効果的に動作させることができる。
【発明の概要】
【0018】
以下の態様は、少なくとも前述の問題を克服するためのものである。
【0019】
本開示の第1の態様は、土工機械のための組立体に関し、
第1の部材および第1の部材と結合された第2の部材を備え、第1の部材は、掘削器具のための摩耗要素であり、第2の部材は、掘削器具または掘削器具のためのリップであり、第1の部材は、少なくとも1つのセンサーを受け入れるように適合された第1のキャビティと、少なくとも1つの電線(electric wire:電気ワイヤ)を受け入れるように適合されたチャネルと、を備え、
少なくとも1つの電線であって、その1つまたはより多くの電線が、チャネルおよび第1のキャビティの両方に導入され、第2の部材に取り付けられている。
【0020】
土工機械と結合可能、特に例えば掘削器具(この場合、第2の部材はリップである)またはスティック(この場合、第2の部材は掘削器具である)と結合可能であるように適合された組立体は、物理的な大きさまたはパラメータの測定のためにセンサーが配置可能である1つまたは複数の摩耗要素を有する。そして、センサーは、掘削器具の向こう側に位置する装置にデータを送信すること、および装置から電気エネルギーを受信することの少なくとも一方が可能であり、1つまたは複数の有線接続を介してそれを行う。
【0021】
有線接続は、土工機械の運転中に特に問題となる干渉のないデータ伝送を可能にする。これは、機械が地盤に係合し、掘削器具が地盤物質に埋め込まれるときなどの特定の瞬間において、これらの瞬間が、摩耗要素および掘削器具が地盤から受ける荷重のために摩耗要素および掘削器具の健全性にとって重要であるので、なおさらである。摩耗要素および掘削器具の軌道および迎え角は、それらに加えられる荷重に影響を及ぼすので、時間通りにデータを受信することによって、機械および掘削器具の動作を調整する(または調整しない)ことが可能である。有線接続はまた、センサーに近接しておらず、かつ第1の部材内にない電源によるセンサーの電力供給を可能にする。
【0022】
チャネルは、1つ以上の電線が掘削器具の操作、すなわち、掘削器具がどのように移動および回転されるかのような操作にほとんど影響を与えずにチャネルを通過するように形成される。さもなければ、1つ以上の電線は、掘削器具の異なる表面や、スティック、ブームなどの機械の他の部分の邪魔になる可能性があり、掘削器具の特定の動きを妨げたり、掘削器具の動きを妨げないとしても、掘削器具が最終的に電線を切断したり、器具が動くときに電線が壊れるまで電線を引っ張ることになる。
【0023】
掘削器具の動きが制限されると、土工機械の効率が低下し、機械の操作が難しくなることは言うまでもない。動きの制限とは、掘削器具のエンベロープが狭くなることである(つまり、掘削器具の可動域が制限される)。
【0024】
いくつかの実施形態では、チャネルは第1のキャビティから延びている。
【0025】
チャネルは、第1のキャビティの容積内に端部を有するか、または第1のキャビティに隣接する端部を有することによって、第1のキャビティから延び、それによって、少なくとも接続が行われる場所、すなわち、少なくとも1つの電線がセンサーと接続する場所で、少なくとも1つの電線を保護する。
【0026】
第1のキャビティに対する端部の隣接とは、端部が第1のキャビティを形成する開口部から5.08センチメートル(または2.0インチ)以下、好ましくは2.54センチメートル(または1.0インチ)以下の距離だけ離れていることを意味し、端部が第1のキャビティの容積内にある場合、距離はゼロである。距離を短くすることにより、少なくとも1つのワイヤ(電線)は、摩耗要素の他の要素またはそれと結合されたときの第2の部材との干渉が少なくなり、さらに、少なくとも1つのワイヤの長さを短くすることができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電線の1つまたは複数の電線は、第1の部材にさらに取り付けられる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の電線は、少なくとも、第1の部材に取り付けるために第1のキャビティに取り付けられる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の電線は、少なくとも、第1のキャビティとは異なる第1の部材の表面に取り付けられる。
【0028】
第1の部材に取り付けることで、機械の運転中に電線が緩む可能性がさらに低くなり、電線の故障を引き起こしたり、掘削器具の邪魔になったりして、そのエンベロープを縮小する可能性が低くなる。
【0029】
いくつかの実施形態において、チャネルの少なくとも一部は、第1の部材に形成された貫通孔、第1のキャビティを少なくとも部分的に満たす材料に形成された貫通孔、および第1の部材の少なくとも1つの表面に形成されたスロット、のうちの1つまたは複数を備える。いくつかの実施形態では、チャネルの異なる部分は、1つまたは複数の貫通孔および/またはスロットを備える。
【0030】
貫通孔は、第1のキャビティが形成されている面とは異なる面を介して、少なくとも1つのワイヤを第2の部材の方へ導くことにより、少なくとも1つのワイヤを保護し、その位置に起因して、異なる物理的大きさまたはパラメータを感知するのに適していない可能性のある、少なくとも1つのワイヤを収容するための異なる容積の使用を可能にする。貫通孔は、第1の部材自体に形成されてもよく、または第1のキャビティを少なくとも部分的に充填し、センサーおよびセンサーが備える任意の他の電子機器を保護することが意図される材料に形成されてもよく、材料は、ポッティングプロセスによって提供され得る。
【0031】
スロットは、少なくとも1つのワイヤを、第1のキャビティが形成された表面を経由して第2の部材の方へ導く。スロットはまた、ワイヤが第1の部材の表面上に直接ではなく凹部にあるので、少なくとも1つのワイヤを保護する。
【0032】
いくつかの実施形態では、チャネルの少なくとも1つの端部は、第2の部材を受入れまたは係合するように適合された第2の表面と対向する第1の部材の第1の表面上にある。
【0033】
チャネルの少なくとも一部(1つの端部を含む)が第1の部材の外面を貫通しているため、第1のキャビティが第1の部材の外面にある場合でも少なくとも1つの電線を保護することができ、外面にセンサーを配置することが可能となる。
【0034】
このようなチャネルの配置により、組立体および/または掘削器具全体を分解することなく、少なくとも1つの電線の設置および保守作業を行うことも可能になる。実際、鉱山によっては、安全上の理由から、作業者が掘削器具の下に入ることが禁止されている。例えば、機械の運転中に1つ以上のワイヤが切れた場合、作業者はワイヤの状態を確認し、ワイヤを修理したり、新しいワイヤと交換したりすることができる。この配置はまた、第1の部材の関連する部分が、少なくとも1つのセンサーで測定することができる歪、すなわち単一の変形を受けやすいため、測定の観点からも好都合である。
【0035】
さらに、チャネルの前記部分は、質量が大きい第1の表面の一部に位置することができ、それにより、第1の部材の耐性(resistance)に与える影響が低減される。第1の部材がアダプタである場合はなおさらである。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のキャビティは第1の表面に形成されている。
【0037】
第1の部材の外面にセンサーを配置することで、第1の部材の内面にセンサーを配置する場合よりも、いくつかのパラメータを測定したり、より正確に測定したりすることが可能になる。例えば、係合する物質の種類やその湿度の感知などである。さらに、ワイヤと同様に、第1のキャビティが外面にある場合、センサーの設置やメンテナンスを行うオペレータがセンサーにアクセスしやすくなる。第1のキャビティが内面にある場合、センサーにアクセスするためには、通常、まず1つまたは複数の要素を取り外し、引き出す必要がある。
【0038】
いくつかの実施形態では、第2の部材はリップであり、組立体は第3の部材をさらに含み、第3の部材は掘削器具であり、少なくとも1つの電線は第3の部材の少なくとも1つの表面にさらに取り付けられる。
【0039】
配線は、摩耗要素から別の摩耗要素、特にリップを通過して掘削器具に至る。このことは、配線が掘削器具にすぐ隣接する摩耗要素にのみ到達することに限定されず、むしろ他の摩耗要素と結合した摩耗要素に到達することができることを意味する。このようにして、センシングは、掘削器具をさらに越えて、摩耗要素が地盤と接触している状態で実施することができる。このような摩耗要素では、通常、アンテナや電池のような装置を配置できるスペースがさらに少なくなる。このような摩耗要素では、無線でデータを送受信する問題が悪化する。
【0040】
いくつかの実施形態では、摩耗要素は、アダプタ、鋳造ノーズ、溶接ノーズ、またはシュラウドのうちの1つを備えている。鋳造ノーズは、当該技術分野で知られているように、歯のような別の摩耗要素と嵌合する嵌合構造と、鋳造ノーズをリップに取り付けるための取り付け部品とを備える摩耗要素である。
【0041】
いくつかの実施形態において、摩耗要素はアダプタを備え、チャネルは少なくとも第1の部材から第2の部材まで、好ましくは2つの部材の上面を通って延び、第1の部材および/または第2の部材はその表面に形成された開口部を有する。これらの実施形態において、少なくとも1つの電線は、開口部を通って、リップが掘削器具と結合する結合領域に達し、および/または、チャネルは、第1の部材および/または第2の部材の表面に形成された開口部までさらに延びて、結合領域に達する。
【0042】
電気配線は、リップと掘削器具との間の界面である結合領域を介して、掘削器具および機械の他の部分に配線され得る。電気配線は、好ましくは、結合領域に配線されることによって、掘削器具の下側に達する。
【0043】
結合領域において、配線は、掘削器具の2つの側面の1つに到達するように、掘削器具の横方向に進むように配置され得る。さらに、いくつかの実施形態では、組立体は、少なくとも1つの電線を例えば地盤との接触から保護するために、結合領域に取り付けられた保護装置をさらに備える。保護装置は、掘削器具の横方向に結合領域の一部または全体にわたって延在し、少なくとも1つの電線および(もしあれば)他の構成要素を、掘削器具の側縁に配線されたときに保護することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、摩耗要素は、鋳造ノーズまたは溶接ノーズを備え、チャネルは、第1のチャネルであり、第2の部材は、リップであり、そして第1および/または第2の部材は、少なくとも第1および/または第2の部材を通って延びる第2のチャネルを備え、特にそれは、少なくとも第1のチャネルの一部または端部からリップの後端の凹部または溝まで延びる。これらの実施形態では、少なくとも1つの電線は、第1および第2のチャネルの両方を通過して凹部または溝に達する。
【0045】
電気配線は、第1の部材および/または第2の部材の内側に形成された第2のチャネルを通る。第1のチャネルは第2のチャネルと接続し、電気配線をその中に受け入れて、通常リップの下側に形成されるリップの凹部または溝に達する。この点で、各ノーズは、リップの後端にそれぞれの凹部または溝を有し、凹部または溝は、通常、それぞれのノーズと整列しているか、または実質的に整列している。
【0046】
凹部または溝は、リップ内の凹部であり、少なくとも1つの電線が通ることができるいくらかの自由空間を有し、機械の動作中に係合する物質からいくらかの保護を提供する。しかし、いくつかの実施形態では、摩耗要素は、凹部または溝に取り付けられた保護装置をさらに備え、少なくとも1つの電線および他の構成部品(もしあれば)を、例えば地盤との接触からさらに保護する。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2の部材は、1つまたは複数の第3のチャネルを備え、各第3のチャネルは、隣接する凹部または溝のそれぞれの対の間に延在する。これらの実施形態において、少なくとも1つの電線は、1つまたは複数の第3のチャネルの少なくとも1つを通り、好ましくは、それぞれの電線がコーナーノーズ、すなわち、リップおよび掘削器具の端部の1つに最も近いノーズの凹部または溝に達するまで通る。
【0048】
電気配線は、掘削器具の横方向に沿うように、1つまたは複数の第3のチャネルを使用して、掘削器具の横側面に配線することができる。その横側面から、電気配線は、好ましくは、掘削器具の上部および機械の他の部分に配線される。
【0049】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の保護チューブが各第2のチャネル、および/または各第3のチャネルに導入される。
【0050】
電気配線はチャネルと保護チューブの両方を通るため、ワイヤが損傷する危険性が低くなる。
【0051】
いくつかの実施形態において、第1の部材のチャネルの少なくとも一部は、第1の部材の1つまたは複数の第1の表面と第2の部材の1つまたは複数の第2の表面との間のキャビティを通ってさらに延びる。
【0052】
配線は、2つの部材が結合されたときのそれらの間の利用可能な空間を通り、少なくとも1つのワイヤではなく第1および第2の部材の一方が地盤に接触し、その存在によって摩耗から保護される。これは、部材に追加のキャビティを形成することなく達成されるため、少なくとも1つの電線は、部材の結合とその間に形成された空間の恩恵を受けて、機械の他の部分に向かって延び、配線される。
【0053】
いくつかの実施形態において、第2の部材は、少なくとも1つの電線を受け入れるように適合されたチャネルを備える。いくつかの実施形態では、第1の部材のチャネルは、その端部が第2の部材のチャネルの端部に接触するように配置される。
【0054】
第2の部材は、1つ以上の電線を配線するための独自のチャネルを含むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、組立体は、第1または第2の部材の少なくとも1つの表面に取り付けられた1つまたは複数のプロテクターをさらに備え、少なくとも1つの表面および1つまたは複数のプロテクターの両方は、少なくとも1つの表面と1つまたは複数のプロテクターの各々との間に第2のキャビティが形成されるような形状であり、少なくとも1つの電線の1つまたは複数のワイヤは、第2のキャビティの少なくとも1つに導入される。
【0056】
各プロテクターは、配線または以下に説明するようなT字型コネクタを保護するように適合され、これは、いくつかの実施形態において組立体に含まれる。各プロテクターは、少なくとも1つの部材の表面を通過する際に少なくとも1つの配線の一部を覆い、従って、摩耗に曝され、またはT字型コネクタを覆う。各プロテクターは、好ましくは鋼製であり、より好ましくはHardox 500のように溶接可能で耐摩耗性に適合した鋼製であり、配線またはT字型コネクタを覆うように表面に取り付けられる。このため、プロテクターは、配線が通過するか、あるいはT字型コネクタが配置される第2のキャビティを形成する形状となっている。
【0057】
いくつかの実施形態では、組立体は、複数の第1の部材をさらに備える。
【0058】
いくつかの実施形態において、第2の部材は、複数の第1の部材と結合され、組立体は、N個のT字型コネクタをさらに含み、Nは、前記複数の第1の部材のうちの第1の部材の数から1を引いた数以上であり、N個のT字型コネクタは、それらの間をカスケード式に電気的に接続され、少なくとも1つの電線は、少なくとも、複数の第1の部材の数と同じ数の電線を備え、各電線は、N個のT字型コネクタのうちの1つと電気的に接続される。組立体が1つまたは複数のプロテクターを備えるいくつかの実施形態では、プロテクターの少なくとも1つは、各T字型コネクタが第2のキャビティ内にあるように1つのT字型コネクタを覆う。
【0059】
配線は、カスケード接続されたT字型コネクタを使用することにより、分散された方法で、より少ない配線で、異なる第1の部材に到達する。T字型コネクタは3つの異なる配線を接続するので、1つのT字型コネクタと別のコネクタとの接続は、最初と最後のT字型コネクタを除いて、各T字型コネクタが同時に2つのT字型コネクタと接続されるように行われる。各T字型コネクタから1つのワイヤが1つの第1の部材に向かって延びることができる。最後のT字型コネクタは2つのコネクタと接続されていないため、その端子の2つを2つの第1の部材に向かう配線の接続に使用することができる。
【0060】
それにもかかわらず、本開示の範囲内にある第1の部材を配線するための他のT字型コネクタ構成も可能であることに留意されたい。例えば、Nは第1の部材の数と等しくてもよく、各T字型コネクタは単一の第1の部材と接続される。
【0061】
カスケード構成は、バスのような方法でデータを伝送する場合に特に便利である。
【0062】
いくつかの実施形態では、N個のT字型コネクタは結合領域に配置されている。
【0063】
いくつかの実施形態では、N個のT字型コネクタの各T字型コネクタは、凹部または溝のそれぞれに配置される。
【0064】
結合領域と凹部または溝は、電気配線とT字型コネクタを受け入れるための自由空間を提供する。さらに、これらの場所は係合される物質から保護されているため、T字型コネクタが損傷する危険性が低くなる。
【0065】
T字型コネクタを結合領域または凹部のいずれかに配置することにより、電気配線を接続することができ、同時に、掘削器具の側方に配線を通し、そこから機械の他の部分に配線を延ばすことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、組立体は、追加部材(例えば、第3の部材、または第4の部材)をさらに含み、追加部材は、第1の要素に取り付けられ、第1のキャビティを覆うように適合された摩耗要素である。
【0067】
第1のキャビティは、追加部材がキャビティ内のセンサーとキャビティ内の電気配線を保護する機能も果たすように配置することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、組立体は、少なくとも1つのセンサーをさらに備え、少なくとも1つのセンサーの各センサーは、1つの第1のキャビティ内に導入される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサーまたは少なくとも1つのセンサーの各センサーは、歪、摩耗、圧力、温度、加速度、位置(例えばGPS)、物質/土壌(その識別のため)、および摩耗要素の脱落のうちの1つまたは複数を感知するように構成される。
【0069】
センサーの測定値は、処理されるか(センサーが、測定値を処理して処理の結果データを出力するように構成されたコンピューティングデバイスを含む場合)、または処理されないかにかかわらず、配線を介して組立体または機械の他の部分に送信することができる。追加的に、または代替的に、少なくとも1つのセンサーは、配線を通じて電力を供給される。
【0070】
いくつかの実施形態では、チャネルは、1.27センチメートル以下の最大開口部を含む。
【0071】
その開口部の最大サイズは1.27センチメートル(すなわち半インチ)を超えず、好ましくは1.0センチメートルを超えず、このようにすることで、第1の部材の機械的特性は、チャネルがない場合に有するものとより類似する。本開示の文脈では、開口部の最大サイズは、チャネルの全断面における最大直径または最大長さ(後者は、開口部が円周方向でない場合)を指す。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電線は、第2の部材に取り付けられ、(1つ以上の電線が第1の部材にも取り付けられるいくつかの実施形態では)接着剤(例えばシリコーン)、上記に開示したようなプロテクターへの導入、2つの部材の間に形成されたキャビティへの導入、または電線とそれが取り付けられる部材との間の摩擦のうちの1つによって第1の部材に取り付けられる。
【0073】
本開示の第2の態様は、本開示の第1の態様による1つまたは複数の組立体を備える土工機械に関する。
【0074】
土工機械は、組立体によって保護され、組立体の1つまたは複数の摩耗要素内に配置されたセンサーを用いてパラメータおよび大きさを測定する能力を有する掘削器具を有する。さらに、組立体のおかげで、センサーの測定値は、高いデータレートと帯域幅で機械の異なる部分に確実に伝送され、干渉がなく、および/または、センサーは、組立体自体に配置可能な電池なしで電気的に駆動することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、機械は、ワイヤ接続パネルと、ワイヤ接続パネルと電気的に接続された制御ユニットと、をさらに備え、少なくとも1つの電線の1つまたは複数の電線の端部は、ワイヤ接続パネルと電気的に接続され、少なくとも1つの電線の1つまたは複数の電線の端部は、1つまたは複数の組立体の1つまたは複数のセンサーと電気的に接続され、それにより、接続された各センサーと制御ユニットとの間でデータを転送可能にする。
【0076】
ワイヤ接続パネルは、配線の管理と、組立体を含む機械のさまざまな部分に向けた配線の引き回し(routing)を簡素化する。次に、掘削器具のエンベロープの減少が引き起こす可能性のある操作における制限をさらに減少させる、配線が掘削器具や、スティック、ブームなどの機械の他の部分の邪魔にならないからである。
【0077】
ワイヤ接続パネルは、掘削器具上、好ましくはその外面側で、掘削器具が機械のスティックと結合される場所に隣接または近接する表面(例えば、2メートル、1メートル、またはそれ以下の距離)に配置することができる。ワイヤ接続パネルも同様に、スティック自体に配置することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、接続された各センサーは、512kbps以上のレートでデータを送信および/または受信するように構成されている。
【0079】
この意味で、1つ以上の電線は、好ましくはバス構成で配置され、これによりデータの送受信はバス構成、例えばモドバス(Modbus)のようなバス構成に従って行われる。これにより、センサー1個あたり512kbpsまたはそれ以上のデータレートを提供しながら、多数のセンサーに対応する土工機械の配線をコスト効率よく行うことができ、また、最大100メートル以上の伝送長でもバスを管理する。
【0080】
電線と接続され、データを送信および/または受信するように構成された制御ユニット、またはマシンの別個のコントローラのいずれかがバスを管理し、好ましくは、その負荷容量の60%と80%(端点は範囲に含まれる)の間の最大バス負荷を強制するように行う。負荷容量の一部を利用可能なままにするこのような構成は、パケット間の衝突の数を減らし、ひいてはパケット損失を回避し、および/またはグローバルパケットエラーレートを最小化する。
【0081】
土工機械のための無線システムでは、上記のデータレートでは伝送の信頼性が低く、センサーの数および/またはデータレートが大きくなると信頼性はさらに低下する。無線システムでは、受信装置に到着しないパケットの量や、到着してもエラーのあるパケットの量のため、センサーの数が制限される。無線システムでこの問題にある程度対処する方法は、送信電力を増やす(しかし、チャネルの帯域幅の制限も問題になるかもしれない)、センサーの数を減らす、または単位時間当たりの送信データを少なくすることである。これらはすべて、いくつか例を挙げると、より大きな電池が必要であるか、または電池がより頻繁に交換されること、および機械の動作を監視するために利用可能なデータが少ないこと、というかなりの欠点を有する。
【0082】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、接続された各センサーから受信したデータに基づいて土工機械を動作させるように構成されている。
【0083】
制御ユニットは、前述のように摩耗要素内にある接続されたセンサーから受信したデータを処理して、摩耗要素および掘削器具がどのように作用しているか、または係合した物質の特性が何であるかを決定する。制御ユニットは、そのような決定を行った後、機械の動作を調整するための1つまたは複数の指示(測定値から必要であると判断された場合)を導き出し、例えば、機械によって加えられる力を調整する、掘削器具の迎え角を変更する、掘削器具の軌道を変更する、のうちの1つまたは複数を行う。
【0084】
制御ユニットは、そこに設定された複数の所定の閾値を有することができ、摩耗要素および掘削器具のそれぞれが耐える力、またはその時点でそれらが受けた摩耗のいずれかに関して、摩耗要素および掘削器具の挙動の決定を行うことができる。1つまたは複数のセンサーの力または摩耗が、1つ、いくつか、またはすべての所定の閾値(例えば、所定の過剰な力の閾値)を超えるかどうか、および/または計算された力が最適な動作レベル(例えば、所定の最適な力の閾値)よりも小さいかどうかに応じて、導出される命令は、一方または他方である。
【0085】
制御ユニットは、機械によって加えられる力、掘削器具の迎え角、および掘削器具の軌道の少なくとも1つを自動的に調整、調節、および修正するための指示によって、機械のオペレータを支援することができる。このような指示は、摩耗要素および/または掘削器具の破損の低減または回避を含め、制御ユニットに設定された所定の閾値に基づいて、オペレータが掘削および積載作業を最も最適で生産的な方法で実施するのを支援する。これにより、予定外の停止が防止され、移動トンあたりのコストが改善される。
【0086】
調整、調節、および補正が行われる方法は、地盤に係合するときに掘削器具に、より大きなまたはより小さな力を加えること(すなわち、油圧システムのシリンダにより大きなまたはより小さな圧力が加えられる)、掘削および積載作業中に掘削器具が地盤に接触する迎え角を変えること、および/または掘削および積載作業中に掘削器具がたどる軌道を変えることであり、後者は機械のブームおよびスティックを動かすことによって達成される。
【0087】
制御ユニットによって実行される処理は、好ましくは、摩耗要素および任意選択で機械の状態および動作をより正確に漸進的に決定するように機械学習を実行することを含み、これによって、摩耗要素および機械が置かれている状況により適した指示を提供することが可能になる。この点で、制御ユニットは、摩耗要素および/または機械の動作の履歴データ、機械の動作中に受信した機械からの入力および/またはその履歴データなどを使用することができる。
【0088】
本開示の第3の態様は、以下を含む方法に関する:
第1の部材を配置し、該第1の部材は、土工機械の掘削器具用の摩耗要素であり、該摩耗要素は、少なくとも1つのセンサーを受け入れるように適合された第1のキャビティと、1つまたは複数の電線を受け入れるように適合されたチャネルとを備え、
第1の部材を第2の部材に結合し、第2の部材は土工機械の掘削器具または掘削器具のための用リップであり、
少なくとも1つのセンサーの1つまたは複数のセンサーを第1のキャビティに導入し、
少なくとも1つの電線の1つまたは複数のワイヤの端部を、少なくとも1つのセンサーの1つまたは複数のセンサーに電気的に接続し、
1つまたは複数のワイヤの少なくとも第1の部分をチャネルに導入し、
1つまたは複数のワイヤの少なくとも第2の部分を第2の部材に取り付ける。
【0089】
この方法によって、少なくとも1つの電線を介して機械の異なる部分に測定値を送信し、および/または機械の異なる部分から電力を供給されるセンサーを、土工機械の摩耗要素に組み込むことが可能になる。
【0090】
いくつかの実施形態において、本方法は、1つまたは複数のワイヤの第1の部分および/または第3の部分を第1の部材に取り付けることをさらに含み、例えば、第1のキャビティに取り付けられるか、または第1のキャビティとは異なる第1の部材の表面に取り付けられる。
【0091】
これらの実施形態のいくつかにおいて、本方法は、ポッティングによって第1のキャビティを材料(例えば樹脂)で少なくとも部分的に充填することをさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、チャネルは第1のキャビティから延びている。
【0093】
いくつかの実施形態では、チャネルの少なくとも一部は、第1の部材に形成された貫通孔、第1のキャビティを少なくとも部分的に満たす材料に形成された貫通孔、および第1の部材の少なくとも1つの表面に形成されたスロットのうちの1つまたは複数を備える。
【0094】
いくつかの実施形態では、チャネルの少なくとも1つの端部は、第2の部材を受入れまたは係合するように適合された第2の表面と対向する第1の部材の第1の表面上にある。
【0095】
いくつかの実施形態では、第1のキャビティは第1の表面に形成されている。
【0096】
いくつかの実施形態では、摩耗要素は、アダプタ、鋳造ノーズ、溶接ノーズ、シュラウドのうちの1つを備える。
【0097】
いくつかの実施形態において、摩耗要素は、アダプタを構成し、チャネルは、少なくとも第1の部材から第2の部材まで、好ましくは2つの部材の上面を通って延び、第1の部材および/または第2の部材は、その表面に形成された開口部を有する。これらの実施形態において、本方法は、リップが掘削器具と結合する結合領域に到達するために、開口部内に1つまたは複数のワイヤの第2の部分または第3の部分を導入することをさらに含む。追加的または代替的に、チャネルは、第1の部材および/または第2の部材の表面に形成された開口部までさらに延びて、結合領域に達する。
【0098】
いくつかの実施形態において、摩耗要素は、鋳造ノーズまたは溶接ノーズを備え、チャネルは、第1のチャネルであり、第2の部材は、リップであり、そして第1および/または第2の部材は、少なくとも第1および/または第2の部材を通って延びる第2のチャネルを備え、特にそれは、少なくとも第1のチャネルの一部または端部からリップの後端の凹部または溝まで延びる。これらの実施形態において、本方法は、凹部または溝に到達するために、第2のチャネル内に1つまたは複数のワイヤの第2の部分または第3の部分を導入することをさらに含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、第2の部材は、1つまたは複数の第3のチャネルを備え、各第3のチャネルは、隣接する凹部または溝のそれぞれの対の間に延在する。これらの実施形態において、本方法は、好ましくは、それぞれのワイヤがコーナーノーズの凹部または溝に到達するまで、1つまたは複数の第3のチャネルの少なくとも1つに、1つまたは複数のワイヤの第2の部分または第3の部分を導入することをさらに含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、本方法は、各第2のチャネル、および/または各第3のチャネルに1つまたは複数の保護チューブを導入することをさらに含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1の部材のチャネルの少なくとも一部は、第1の部材の1つまたは複数の第1の表面と第2の部材の1つまたは複数の第2の表面との間のキャビティを通ってさらに延び、少なくとも第2の部分は、1つまたは複数の第1の表面と1つまたは複数の第2の表面との間に形成されたキャビティ内で第2の部材に取り付けられる。
【0102】
いくつかの実施形態では、第2の部材はリップであり、この方法はさらに、第2の部材を第3の部材と結合することと、1つまたは複数のワイヤの少なくとも第3の部分を、1つまたは複数のワイヤの各々が土工機械のスティックに向かって配線されるように第3の部材に取り付けることとを含み、第3の部材は掘削器具である。
【0103】
いくつかの実施形態において、第2の部材は、1つまたは複数のワイヤを受け入れるように適合されたチャネルを備え、本方法は、第2の部材のチャネル内に1つまたは複数のワイヤの少なくとも第2の部分または第3の部分を導入することをさらに備える。いくつかの実施形態では、第1の部材のチャネルは、その端部が第2の部材のチャネルの端部に接触するように配置される。
【0104】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、掘削器具または機械のスティック上にワイヤ接続パネルおよび/または電源を配置することと、少なくとも1つのセンサーとワイヤ接続パネルおよび/または電源との間でデータおよび/または電力が転送可能であるように、少なくとも1つの電線の1つまたは複数の端部をワイヤ接続パネルおよび/または電源と電気的に接続すること、とを含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、本方法は、さらに、土工機械に制御ユニットを配置することと、制御ユニットをワイヤ接続パネルと電気的に接続することと、土工機械の動作中に、少なくとも1つのセンサーの各々で、1つまたは複数のパラメータまたは物理的な大きさを測定することと、接続された各センサーからの測定値を、少なくとも1つの電線を介して制御ユニットに送信することと、制御ユニットによって、各センサーが受けた力および摩耗の少なくとも1つを決定するように、受信した測定値を処理することと、決定された決定に基づいて、制御ユニットによって、土工機械を動作させるための1つまたは複数の命令を導出すること、とを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、測定値の送信は、少なくとも、土工機械が地盤に係合しているとき(すなわち、地盤に挿入されているとき、および/または、地盤に挿入されたとき)に行われる。
【0107】
例えば、センサーの測定値のようなデータの無線伝送は、土工機械が物質、例えば地盤をすくい上げる間、通常、信頼性のある方法で、かつ/または十分なデータレートで行うことができず、その理由は、高周波電子機器が部分的または完全に地盤の中に埋もれる間、物質自体が損失を生じるからである。
【0108】
土工機械のデューティサイクルのかなりの部分において、摩耗要素は部分的または完全に埋もれる。摩耗要素と掘削器具に最悪の機械的問題が発生するのは、デューティサイクルのこの部分においてである。微粉や粒子などに加え、摩耗要素にかかる力もセンサーに達する。先行技術において摩耗要素が通常、摩耗要素の深いキャビティ内に導入されている主な理由は、これらの現象を防ぐためである。摩耗要素のかなり内側にあるアンテナの無線伝送は、ファラデーケージの影響を受けるため、伝送は、環境や気象に依存する空気伝搬損失はもちろんのこと、ファラデーケージの追加損失と、アンテナが積載される物質に埋まっていることによる損失の両方を克服しなければならない。
【0109】
摩耗要素が受ける力および荷重に関連する測定値は、特に上記で説明したような最も過酷な状況において、当該測定値をリアルタイムまたはほぼリアルタイムで機械の動作を調整するために使用する場合、20Hz以上のサンプリングレートで提供することが望ましい。機械の動作の調整における遅延(例えば200ミリ秒、500ミリ秒、1秒など)は、摩耗要素の故障(例えば破損)または脱落を経験するか、そのような事象を回避するかの分かれ目となる。例えば、掘削器具の迎え角の変化の形態の迅速な反応、または掘削器具によって物質に印加される力の低減は、1つまたは複数の摩耗要素破損を回避することができる。
【0110】
前述したように、無線システムにおけるこの制限を克服するためには、より大きな送信電力が必要であり、それによってより多くのエネルギーを使用するか、受信装置を送信装置に近づける必要があるが、これは通常不可能なことである。これとは対照的に、有線接続は、高周波電子装置が物質の中に埋もれていても、信頼できる通信チャネルを提供する。
【0111】
いくつかの実施形態では、本方法は、制御ユニットまたは土工機械のキャビンにおいて、各センサーの測定値を512kbps以上のデータレートで利用可能にすることをさらに含む。
【0112】
掘削器具と機械の両方を制御すること、および/または掘削器具と機械の両方を制御する際のオペレータへの支援は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで行うことができるが、無線による代替手段では通信が不可能であるか、または十分な信頼性がないため、特にオペレータを必要としない自律型土工機械の操作が制限される。これらの実施形態では、機械またはオペレータは、入力された測定値に迅速に反応し、測定値に従って機械の動作を調整することができ、例えば、軌道、迎え角などを変更することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の指示は、土工機械によって加えられる力、地盤に係合するときの掘削器具の迎え角、および地盤に係合するときの掘削器具の軌道のうちの1つまたは複数を含んでいる。
【0114】
いくつかの実施形態において、この方法は、各プロテクターが少なくとも1つの電線の1つまたは複数のワイヤ(電線)をその第1および第2の部材に接触していない側で取り囲むように、1つまたは複数のプロテクター(すなわち、保護のための装置)を第1または第2の部材の少なくとも1つの表面に取り付けることをさらに含み、各プロテクターは、それぞれのワイヤに面するその少なくとも1つの表面と、プロテクターが取り付けられている第1または第2の部材の少なくとも1つの表面との間にキャビティが形成されるように付形されている。
【0115】
いくつかの実施形態において、本方法は、さらに、複数の第1の部材を配置し、複数の第1の部材の各第1の部材を第2の部材と結合し、少なくとも1つのセンサーは、少なくとも第1の部材の数と同じ数のセンサーを備え、1つまたは複数のセンサーが各第1の部材の第1のキャビティ内に導入され、N個のT字型コネクタを、それらの間がカスケード式に電気的に接続されるように配置し、Nは、複数の第1の部材における第1の部材の数から1を引いた数以上であり、少なくとも1つの電線は、少なくとも、複数の第1の部材の数と同数の電線を備え、さらに、センサーと電気的に接続された各電線の端部を、N個のT字型コネクタのうちの1つと電気的に接続することを含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、N個のT字型コネクタは結合領域に配置されている。
【0117】
いくつかの実施形態では、N個のT字型コネクタの各T字型コネクタは、それぞれの凹部または溝に配置される。
【0118】
いくつかの実施形態において、この方法は、第1のキャビティを保護するように、第1の部材に付加的な部材(例えば、第3の部材、または第4の部材)を取り付けることをさらに含み、付加的な部材は摩耗要素である。
【0119】
いくつかの実施形態では、チャネルは、1.27センチメートル以下の最大開口部を備える。
【0120】
本開示の第4の態様は、土工機械用の電気配線のためのプロテクター、すなわち保護装置であって、それと機械的に結合可能な複数の部材であって、各部材は平面への取り付けに適合され、各部材は鋼製(例えばHardox 500)であり、各部材は、平面への部材の取り付け時に電気配線の導入に適合されたキャビティを形成するためのC字形状またはU字形状を有する、部材と、を備える。
【0121】
CまたはU字形状は、電気配線を配線し保護するためのキャビティを提供する。プロテクターは、その材料により、摩耗要素や掘削器具の表面に溶接可能である。
【0122】
いくつかの実施形態では、プロテクターはさらに、C字形状またはU字形状の外面に丸みを帯びたエッジを有する。
【0123】
丸みを帯びたエッジは、プロテクターが受ける摩耗を軽減し、耐用年数を延ばす。
【0124】
本開示の第5の態様は、少なくとも1つのセンサーを受け入れるように適合されたキャビティと、少なくとも1つの電線を受け入れるように適合されたチャネルと、を備える、土工機械用の掘削器具のための摩耗要素に関する。摩耗要素は、アダプタ、鋳造ノーズ、溶接ノーズ、またはシュラウドのうちの1つである。
【0125】
摩耗要素は、第1の態様による摩耗要素組立体および第2の態様で説明されるような土工機械の掘削器具に容易に設置可能である。摩耗要素、特にキャビティ内およびチャネル内にセンサーおよび電気配線を導入することにより、センサーから機械内の別の端点に延びる有線接続が、例えばデータ伝送のため、センサーに電力を供給するためなどに可能となる。
【0126】
いくつかの実施形態において、摩耗要素は、少なくとも1つの電線をさらに含み、少なくとも1つの電線の1つまたは複数の電線は、チャネルと第1のキャビティの両方に導入される。
【0127】
いくつかの実施形態において、摩耗要素は、その少なくとも1つの表面に取り付けられた第4の態様によるプロテクターをさらに備える。
【0128】
いくつかの実施形態では、チャネルは、上記の態様に記載されているようなチャネルである。
【0129】
いくつかの実施形態では、キャビティは、上記の態様に記載されているようなチャネルである。
【0130】
いくつかの実施形態では、チャネルおよびキャビティの一方または両方は、別の摩耗要素または掘削器具と摩耗要素との結合を確保するための手段(キャビティ、貫通孔など)に隣接している。
【0131】
本開示の第6の態様は、土工機械用の配線組立体に関し、少なくとも1つの電線と;本開示の第4の態様によるプロテクターと、を備え、プロテクターは、少なくとも1つの電線の1つまたは複数の電線を覆うように配置される。
【0132】
いくつかの実施形態において、配線組立体は、本開示の第5の態様による摩耗要素を備え、プロテクターは、摩耗要素に取り付けられる。
【0133】
本開示の第7の態様は、土工機械用の掘削器具に関し、
第1の態様による1つまたは複数の組立体、および/または
第4の態様による1つまたは複数のプロテクター、および/または
第5の態様による1つまたは複数の摩耗要素、および/または
第6の態様による1つまたは複数の配線組立体、を備える。
【0134】
本開示の第8の態様は、土工機械に関し、
第4の態様による1つまたは複数のプロテクター、および/または
第5の態様による1つまたは複数の摩耗要素、および/または
第6の態様による1つまたは複数の配線組立体、および/または
第7の態様による掘削器具、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0135】
説明を完結させるため、および本開示のより良い理解を提供するために、図面のセットが提供される。当該図面は、本明細書の不可欠な部分を形成し、本開示の実施形態を例示するものであり、本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、本開示がどのように実施され得るかの単なる例として解釈されるべきである。図面は、以下の図を含む。
【
図1】
図1および
図3は、実施形態に係る組立体のアダプタの断面を示し、
図2A-2Bは、実施形態に係る組立体のアダプタおよびその断面を示す。
【
図2A】
図1および
図3は、実施形態に係る組立体のアダプタの断面を示し、
図2A-2Bは、実施形態に係る組立体のアダプタおよびその断面を示す。
【
図2B】
図1および
図3は、実施形態に係る組立体のアダプタの断面を示し、
図2A-2Bは、実施形態に係る組立体のアダプタおよびその断面を示す。
【
図3】
図1および
図3は、実施形態に係る組立体のアダプタの断面を示し、
図2A-2Bは、実施形態に係る組立体のアダプタおよびその断面を示す。
【
図4】
図4は、実施形態に係る組立体の断面を示す。
【
図7】
図7は、実施形態に係る組立体のT字型コネクタT字型コネクタとプロテクターを示す。
【
図8A】
図8A-8Dは、実施形態に係るプロテクターの断面図である。
【
図8B】
図8A-8Dは、実施形態に係るプロテクターの断面図である。
【
図8C】
図8A-8Dは、実施形態に係るプロテクターの断面図である。
【
図8D】
図8A-8Dは、実施形態に係るプロテクターの断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る組立体のセンサーによって測定された力を示すグラフである。
【
図11】
図11は、掘削器具による地盤との係合と物質のすくい上げを図式的に示したものである。
【
図12A】
図12A-12Eは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図12B】
図12A-12Eは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図12C】
図12A-12Eは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図12D】
図12A-12Eは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図12E】
図12A-12Eは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図13A】
図13A-13Fは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図13B】
図13A-13Fは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図13C】
図13A-13Fは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図13D】
図13A-13Fは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図13E】
図13A-13Fは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図13F】
図13A-13Fは、実施形態に係る組立体(および掘削器具)の異なる図を示す。
【
図14】
図14は、実施形態に係る組立体(および掘削器具)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0136】
図1は、実施形態による組立部品のアダプタ11aの断面を示す。土工機械の摩耗要素であるアダプタ11aは、別の摩耗要素、例えば歯、中間アダプタ等と結合するために適合された第1の端部27と、掘削器具、例えばバケット、ショベル、浚渫ヘッド等、例えばプレートリップまたはそのブレードと結合するために適合された第1の端部27とは反対側の第2の端部28とを有する。アダプタ11aは、当技術分野で知られているように、溶接によって、またはその上に鋳造されることによって、より確実に掘削器具と結合することができる。この実施形態では、第1の端部27は雄部を備え(しかし、他の実施形態では、第1の端部27は雌部を備える)、第2の端部28は取り付け端部である。
【0137】
アダプタ11aはまた、他の摩耗要素との結合を固定するための手段41を備え、この場合、手段41は、アダプタ11aに結合されたときに歯を貫通するピンを受けるための貫通孔である。他の手段41も当技術分野で知られているように可能である。アダプタ11aはまた、当該技術分野で慣用されているように、リフティングアイ22を備えている。
【0138】
アダプタ11aは、第1の表面25、特に、地盤に直接当たる装置が歯であっても、土工機械の運転中に地盤物質が通常到達するアダプタ11aの外面に形成されたセンサーを受け入れるように適合されたキャビティ30を有する。第1の表面25は、アダプタ11aの最表面である。キャビティ30は、前記表面上の凹部である。
【0139】
アダプタ11aはさらに、第1の表面25から、より詳細にはキャビティ30から、第1の表面25に対向する第2の表面26に向かう貫通孔の形態のチャネル40を有する。第2の表面26は、内面であり、特にこの実施形態では、掘削器具を受け入れるためのキャビティの表面である。チャネル40は、少なくとも1つの電線を受け入れるように適合されている。
【0140】
チャネル40のおかげで、組立体の1つまたは複数の電線50は、キャビティ30に設置されたセンサーから、アダプタ11aを通って掘削器具または別の摩耗要素にさえ到達することができる。以下のいくつかの実施形態と同様に、電線50は、アダプタ11aの後部、すなわち第2の端部28に向かうが、これは電線50をアダプタ11a自体で保護するためである。
【0141】
図2Aは、実施形態による組立品のアダプタ11bを示し、
図2Bは、アダプタ11bの断面を示す。
【0142】
アダプタ11bにおいて、センサー用キャビティ30は、第1の表面25上に形成されているが、アダプタ11bの側面に形成されている。この実施形態では、キャビティ30は、ピンを受け入れるための貫通孔41に隣接して形成されている。
【0143】
1つまたは複数の電線50は、センサー35の各1つ(この場合、キャビティ30内に2つのセンサー35がある)から、貫通孔41を通ってアダプタ11bの内面26に延び、貫通孔41の内側部分から第2の端部28に向かって内面26に達するまで延びるチャネル40b(
図2Bに見られる)を通って、アダプタ11bの内面26に延びる。アダプタ11bがリップまたは掘削器具と結合されると、1つまたは複数の電線50は、土工機械の他の部分に向けて配線されるように、その表面に取り付けることができる。
【0144】
図3は、実施形態に従った組立体のアダプタ11cの断面を示す。
【0145】
アダプタ11cは、内面26に形成されたセンサー用のキャビティ30と、キャビティ30内のセンサーと電気的に接続される組立体の1つまたは複数の電線50が土工機械の他の部分に到達できるように、そこから内面26に向かって延びるチャネル40cとを備える。この場合、図示していないが、キャビティ30は、ポッティングプロセスによって、例えば樹脂のような材料で充填される。ポッティングは、センサーがすでにキャビティ30内にあるときに行われ、チャネル40cは、センサーから内面26まで延びるように、ポッティングプロセスの材料を通過する。
【0146】
キャビティ30は、好ましくは、貫通孔41に隣接するように、他の摩耗要素または掘削器具を受け入れるキャビティの最前部(すなわち、地盤に係合する端部に最も近い)に形成される。
【0147】
【0148】
組立体5は、第1の部材と第2の部材を備える。第1の部材は、
図1に関連して説明したようなアダプタ11aであるが、同様に、
図2A、
図2Bおよび
図3に関連して説明したようなアダプタ11b、11c、または別の摩耗要素であってもよい。第2の部材は、掘削器具用のプレートリップ12aである。組立体5は、プレートリップ12aと結合された、または結合可能な複数のアダプタ11aを含むことができ、それによって、各アダプタ11aにおいてセンサー35でパラメータを測定することが可能になり、センサー25の各1つからプレートリップ12aに向かって、プレートリップ12a自体よりもさらに向こう側、例えば、スティック、ブーム、キャビン、掘削器具の別の表面などに、1つまたは複数の電線50を供給することが可能になる。
【0149】
組立体5は、同様に、ピン45および/または(歯と結合するための)中間アダプタの助けを借りてアダプタ11aに結合または結合可能な歯10、および/または摩耗キャップ13を含んでいてもよい。後者については、
図4のような好ましい実施形態では、センサー35のためのキャビティ30は、摩耗キャップ13がアダプタ11aの外面に結合されてキャビティ30を保護するように、アダプタ11aの外面に形成される。摩耗キャップ13は、アダプタ11aとセンサー35の両方を保護する。
【0150】
図4から分かるように、各アダプタ11aのチャネル40aは、アダプタ11aの内面とプレートリップ12aの外面との間にも延びており、2つの摩耗要素が結合されるとチャネルキャビティ40dが形成される。配線50は、プレートリップ12aの後端に向かうようにチャネルキャビティ40dを貫通している。
【0151】
組立体5は、第2の部材の表面に取り付けられるように適合されたプロテクター60aを備えることもできる。プロテクター60aは、プレートリップ12aの表面との間にそれ自体のキャビティを形成する。1つまたは複数の電線50がプロテクター60aのキャビティを貫通している。土工機械が地盤を掘削するとき、掘削された物質はプロテクター60aに到達するが、電線50には到達しない。プロテクター60aは、好ましくは、ケーブルが第1の部材を出た位置から保護し始めるように配置され、例えばアダプタ11aの後端に達した直後から保護し始める。電線50は、この実施形態で図示されているようにT字型コネクタ55で接続することができるが、他の実施形態ではT字型コネクタは設けられていない。T字型コネクタ55用のプロテクター60bは、組立体がT字型コネクタ55を含む場合に好適に配置される。
【0152】
図5Aおよび
図5Bは、実施形態による組立体を示しており、
図5Bでは、摩耗キャップ13は示されておらず、電線51a、51bが、明瞭化のために示されている。
【0153】
組立体は、鋳造ノーズ15(しかし同様に溶接ノーズでもよい)の形の複数の第1の部材と、掘削器具と結合可能な、例えば鋳造リップの形のリップ12bの形の第2の部材とを備える。組立体は、歯、シュラウド、摩耗キャップ13のような他の摩耗要素を備えるか、または備え得る。
【0154】
各ノーズ15は、センサー35を受け入れるためのキャビティ30を備え、キャビティ30は、
図1の実施形態のアダプタ11aと同じ位置に形成されている。ノーズ15はまた、1つまたは複数の電線51a、51bを受け入れるための複数のチャネル40eまたは複数のチャネル40fを、本例においてはスロットとして備える。いくつかの実施形態では複数のチャネル40fが形成され、いくつかの他の実施形態では複数のチャネル40eが形成される。
【0155】
さらに、これらの実施形態では、リップ12bは、リップ12bの前面、特にリップ12bの各対のノーズ15の間に形成されたスロットとしてのチャネル40fを含むこともできる。
【0156】
組立体はさらに電線を含み、明確にするために、2つの代替配線51a、51bのオプションが図示されており、その各々は、1つまたは他の実施形態に含まれ、チャネル40eとチャネル40fとの間の1つまたは他のオプションに対応する。
【0157】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの配線51aが組立体の一部であり、それにより、1つまたは複数の電線51aがセンサーのキャビティ30からチャネル40eを通過してセンサーの他のキャビティ30に向かう。電線51aは、プロテクター60cによってリップ12bの前面で保護することができる。リップ12bは、この部分に形成されたチャネル(図示せず)を備えることもでき、プロテクター60cが配置される実施形態では、それはチャネル内またはチャネル上に配置される。
【0158】
いくつかの他の実施形態では、第2のタイプの配線51bが組立体の一部であり、それにより、1つまたは複数の電線51aが、センサーのキャビティ30から、ノーズ15の上部外面にスロットとして形成されたチャネル40fを通過して他のセンサーのキャビティ30に向かい、いくつかの実施形態ではリップ12bがその上部外面にスロットとして形成されたチャネル40gと、特に各対のキャビティ30の間で接続される。
【0159】
図5Aおよび
図5Bに見られるように、また以下のいくつかの実施形態と同様に、電線51a、51bはそれぞれのキャビティ30から側方に出ている。
【0160】
【0161】
この組立体は、
図5A-5Bに示すものと同様であるが、他の実施形態による組立体に存在する別のタイプの配線51cおよびチャネル40gも示している。第3のタイプの配線51cは、鋳造ノーズ15(または他の実施形態では溶接ノーズ)の上部外面にスロットとして形成されたチャネル40gを通るが、実質的にノーズ15の長手方向に沿っている。このようにして、1つまたは複数の電線51cは、リップ12b(例えば鋳造リップ)に到達するように、キャビティ30からノーズ15のより後部まで延び、したがって、掘削器具により近接する。
【0162】
チャネル40gはリフティングアイ22に隣接して通ることができるので、リフティングアイ22がチャネル40gによって機械的な影響を受けることもなく、電気配線51cがリフティングアイ22に絡まることもない。リップ12bの側部18用の溝40g(左側に1つ示されている)は、その側部を貫通することができる。
【0163】
さらに、この組立体は、1つまたは複数の電線51cがリップ12bのより後部から各キャビティのセンサー35に到達できるように、カスケード状に配置された複数のT字型コネクタ55を備え、配線を節約している。この意味で、左側のT字型コネクタ55は、まず、ページの内側(図面の上側)に向かって進む1つまたは複数の電線50を有し、これらの電線は、すべてのセンサー35をワイヤ接続パネル、および/または制御ユニット、および/または電源などと接続することを目的としている。いくつかの実施形態では、両側のT字型コネクタ55は、接続が両側を通して達成されるように、そのような電線(単数または複数)50を有するが、いくつかの他の実施形態では、接続は片側からのみ行われる。前記T字型コネクタ55は、同様に、そこから
図6の最も左側のセンサーに向かう1つ以上の第2の電線51cと、別のT字型コネクタ55と電気的に接続される1つ以上の第3の電線50とを有し、この電線は、さらに別のT字型コネクタ55と1つのセンサーとに接続される、などである。T字型コネクタ55の使用は、バス状の構成を使用する場合に好ましい。他の実施形態では、各電線51cはどのT字型コネクタ55にも接続されず、ワイヤ接続パネル、制御ユニット、電源などのような他のものに接続される。これは、ひいては、より多くの配線を必要とし、組立体の総重量を増加させる。
【0164】
これらの実施形態とは別に、T字型コネクタ55の配置は、
図1乃至
図5Bに基づく実施形態などの他の実施形態にも存在し得る。
【0165】
図7は、実施形態による組立体のT字型コネクタ55とプロテクター60a、60bを示す。
【0166】
T字型コネクタ55は、電気的に接続される3つの端子を有する。端子に電気配線50を接続すると、異なるワイヤ50間でデータおよび/または電力を伝送することができる。
【0167】
T字型コネクタ55は、プロテクター60bそれ自体と、プロテクター60b(およびT字型コネクタ55)が配置される表面、例えば、プレートリップ12a、鋳造リップ12b、掘削器具1の外面との間にキャビティを形成するプロテクター60bによって保護することができる。
【0168】
プロテクター60bは、電線50がT字型コネクタ55に到達する前に電線50を保護するように、電線用のプロテクター60aもプロテクター60bと機械的に結合することができるような形状であることが好ましい。センサーに向かう電気配線用のプロテクター60aは、電線50を完全に保護するために、この実施形態ではアダプタ11の端部から延びることが好ましい。
【0169】
図8A乃至
図8Dは、実施形態によるプロテクター61a-61dの断面を示しており、各プロテクター61a-61dは、キャビティ62と、摩耗要素、鋳造リップまたは掘削器具の表面に接触するように適合された表面63とを有するC字形状またはU字形状を有する。異なるプロテクター61a-61dは、
図1乃至
図7および
図9Aおよび
図9Bの実施形態を参照して説明した配線のための任意のプロテクター60a、60c、60dに使用され得る。
【0170】
第1のプロテクター61aは、作動中の過度の摩耗を避けるために、その外周部分に丸みを帯びたエッジを有する。第2のプロテクター61bは、そのような丸みを帯びたエッジを含まない。第3のプロテクター61cは、摩耗要素、鋳造リップまたは掘削器具へのプロテクター61cの溶接を容易にするために適合された、表面63とその側方エッジとの間の接続エッジを有する。第4のプロテクター61dは、第3のプロテクター61cと同様であり、第1のプロテクター61aの丸みを帯びたエッジも含む。
【0171】
図9Aおよび
図9Bは、実施形態に従った組立体5を示し、
図9Bは、
図9Aの拡大版であり、また、明瞭さのためだけに
図9Aには示されていないシュラウド16も示している。
【0172】
組立体5は、アダプタ11の形態の複数の第1の部材と、プレートリップ12aの形態の第2の部材とを備える。プレートリップ12aは、掘削器具1と結合または結合可能であり、いくつかの実施形態では、掘削器具1も組立体5に含まれる。
【0173】
各アダプタ11は、センサーを受け入れるためのキャビティと、組立体の1つまたは複数の電線がそれぞれのキャビティから第2の部材、すなわちプレートリップ12aに通るようなチャネルとを備え、1つまたは複数のワイヤが掘削器具1の側部2に設けられ、掘削器具1を越えて、例えばスティック、ブーム、キャビンなどに接続を行うことができるように、1つまたは複数の電線がプレートリップ12aに(例えば接着剤で)取り付けられ、側部に進む。
【0174】
上記で説明したように、組立体5はまた、好ましくはアダプタ11のキャビティを覆う摩耗キャップ13を備える。
【0175】
組立体5はまた、プレートリップ12aの外面に取り付けられる1つまたは複数のプロテクター60dを備える。配線またはその少なくとも一部は、プロテクター60dとプレートリップ12aの外面によって形成されたキャビティを貫通している。配線の位置は、掘削器具1に接触するプレートリップ12aのエッジから離間されるような位置であり、したがって、プレートリップ12aが機械的な装置によって取り付けられるのではなく、掘削器具1に溶接される場合、配線は溶接から離間され、それによって損傷を回避する。同様に、配線の前記位置により、電線はプレートリップ12a上で直線的に延び、それにより、組立体5の配線に必要な電線の長さが短縮される。
【0176】
プレートリップ12aの片側または両側では、電気配線がプレートリップ12aまたは最端アダプタ11から掘削器具1に通じている。組立体5によって構成されていてもいなくてもよいプロテクター60eは、好ましくは、その内側2に隣接して掘削器具1上に配置される。配線およびプロテクター60eは、好ましくは、掘削器具1の内側2全体を通って延びており、その位置において、配線は、好ましくは、配線を受け入れるために形成された貫通孔によって、掘削器具1の外側に達している。
【0177】
外側から、電気配線は、掘削器具が機械のスティックと結合される位置に近接または隣接して掘削器具の表面に配置されたワイヤ接続パネルと接続することができる。その後、1つ以上の他の電線がワイヤ接続パネルからスティックまで延びる。あるいは、掘削器具のワイヤ接続パネルと接続する代わりに、電気配線がさらにスティックまで延びるか、追加の電気配線または土工機械のスティック上のワイヤ接続パネルと接続してもよい。
【0178】
掘削器具の外側からスティックに延びる電気配線は、好ましくは、可撓性保護チューブまたは可撓性ケーブルハーネス内にある。
【0179】
スティックから、電気配線は、好ましくは、マシンの照明用配線、および/またはマシンの油圧用配線などのマシンの他の配線と一緒に延びる。
【0180】
配線は、単一の電線または複数の電線を含むことができることに留意されたい。
【0181】
図9Bに示すように、プレートリップ12aのシュラウド16は、電気配線にさらなる保護レベルを追加するように、プロテクター60dの上に配置することができる。そのために、シュラウド16は、その形状がプロテクター60dの存在に適合し、したがってプロテクター60dの形状に適合するように製造されなければならないかもしれない。プロテクターが配置されていない場合、シュラウド16は、電気配線がシュラウド16の下を通るように寸法決めされるか、電気配線のための通路を作るためにその上に形成されたスロットを有する。
【0182】
図示されていないが、これらの実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態では、各シュラウド16は、好ましくはその下側(すなわち、プレートリップ12aに接触する表面)に、センサーを受け入れるためのキャビティ、電気配線用のチャネル、およびセンサーも含む。例えば、シュラウド16は、
図3のアダプタ11cと同様のキャビティをシュラウド16の下面に有していてもよく、このキャビティは、ポッティングプロセスによって材料で充填または部分的に充填されていてもよい。
【0183】
図10は、実施形態に従った組立体のセンサーによって測定された力を示すグラフである。
【0184】
このグラフは、掘削器具が土に衝突してスクラッチし始め100、土に衝突してスクラッチして積載し101、土を搬送し102、土を降ろす103ときに、摩耗要素内のキャビティ内の単一のセンサーによって測定された力を示している。
【0185】
これらの動作から、より確実に、より多くのデータを用いて監視される必要があるのは、掘削器具およびその摩耗要素の健全状態に最大の影響を及ぼし、また、積載される物質の量を変化させるので、衝突動作100およびスクラッチ動作101である。
【0186】
衝突動作100およびスクラッチ動作101の間、センサーは実質的に土中に埋もれているが、それが生成するデータは、機械のオペレータまたはコントロールセンターに提供されなければならない。このようにして、進行中の地盤との係合は、土と掘削器具の両方の状態に基づいて調整および/または停止されることができる。さもなければ、摩耗要素が破損するか、または掘削器具の軌道または迎え角が準最適になる可能性がある。土中のセンサーの存在は、無線通信の有効性を低下させる。通常、掘削器具は、高いサンプリング周波数を有する複数のセンサーを内蔵しており、したがって、無線通信は、これらの要求すべてに対処しなければならないことに留意されたい。対照的に、現在開示されている組立体は、センサーが土中にある場合でもデータを送信することができる。
【0187】
センサーの測定値およびその送信は、特に衝突動作100およびスクラッチ動作101中に、摩耗要素がどのような角度でどのような力を受けるかを知るために重要であり、土工機械の動作中の異なる事象(例えば、作業時間、掘削時間、掘削器具の充填時間など)を検出し、動作および土壌を決定および分類するために重要である。これらすべては、土工機械の1つまたは複数のコンピューティングデバイスまたは制御ユニットによってデジタル処理され、土工機械の動作を自動的に調整する、すなわち自律的に動作させるか、または土工機械のオペレータが機械を管理するのを自動的に支援することもでき、この場合、コンピューティングデバイスまたは制御ユニットは、加えられる力、軌道、および/または掘削器具の迎え角を修正する。
【0188】
図11は、土工機械(図示せず)の掘削器具1による地盤との係合と物質のすくい取りを図式化したものである。
【0189】
機械は、ブームとそのスティックによって、バケット110を、地盤90を歯10のような摩耗要素に係合させて地盤物質をすくうように意図された軌道75に従って移動させ、それによって、掘削器具1に充填物質91を持たせる。
図10のグラフにおける衝突動作100およびスクラッチ動作101に対応する係合およびすくい取りの間、掘削器具1は、掘削器具1ひいては歯10の迎え角を変化させる回転運動76に従って回転させられる。
【0190】
地盤90に係合し、すくい上げる間に、摩耗要素の一部と、通常は掘削器具1の一部が地盤90に挿入される。位置80は、明瞭性のみのために示されている。センサーおよび対応する電子装置は、摩耗要素および掘削器具1とともに地盤90に挿入される。そして、電子機器がデータの無線通信のためのRFIDタグまたはアンテナを含む場合、地盤90に挿入されることによって、無線通信が十分な電力で受信装置に到達するために克服しなければならない損失が増大し、その損失は、RFIDタグまたはアンテナがより挿入されるほど大きくなる。
【0191】
本開示によるセンサー自体から延びる有線通信により、データは、高いデータレートで、低遅延で、確実に伝送され、それにより、機械が地盤などの物質に係合する間、生成されたデータを、例えば機械のキャビンまたは制御センターで利用可能にすることができる。
【0192】
図12A-12Eは、実施形態による組立体5、および掘削器具1の異なる図を示す。
【0193】
掘削器具1および組立体5は、少なくとも、アダプタ11の形態の第1の部材と、プレートリップ12aの形態の第2の部材とを備え、プレートリップ12aは、好ましくは少なくとも溶接接合部66によって掘削器具1と結合される(1つの溶接接合部66が
図12Eに図示されている)。この例では、複数の第1の部材が存在する。掘削器具1は、いくつかの実施形態では、組立体5の第3の部材であってもよい。
【0194】
各アダプタ11は、1つまたは複数のセンサーを受け入れるためのキャビティ30を備えている。各アダプタ11はまた、アダプタ11の内面とプレートリップ12aの外面との間に形成されたチャネルを有する。好ましくは、チャネルはプレートリップ12aの上面にある。1つまたは複数の電線が、アダプタ11内の1つまたは複数のセンサーから、プレートリップ12aの(上)表面に形成された、または掘削器具1の(上)表面に形成された、またはプレートリップ12aの表面と掘削器具1の表面の両方に形成された開口部まで延びる。開口部は、プレートリップ12aが掘削器具1と結合する結合領域19と連通している。1つまたは複数の電線は、結合領域19に達するまで、同様に前記開口部を通過する。
【0195】
結合領域19は、プレートリップ12aの後端部および掘削器具1の前端部にあり、掘削器具1の下面、すなわち、掘削器具1の通常の動作時に地盤に近い面にある。結合領域19は、2つの構成要素が一緒に結合される態様と、プレートリップ12aまたはブレードの特徴である大きな厚さのために、側面から見たときにL字形を形成する。従って、配線とプロテクターが共に配置されるのは、前記L字形によって形成されるキャビティである。
【0196】
摩耗キャップ13および/またはアダプタ11自体が、センサーから開口部までの経路において、結合領域19に到達するまでの1つまたは複数の電線50を保護するが、1つまたは複数の電線が受ける可能性のある損傷を低減するために、例えば1つまたは複数の電線が延びるプレートリップ12aの(上)表面などにプロテクター60aを配置してもよい。
【0197】
プロテクター65aは、好ましくは結合領域19上に配置される。プロテクター65aは、プレートリップ12aと掘削器具1の両方に結合され、電線が通るためのキャビティを提供する。プロテクター65aはさらに、各アダプタ11の1つまたは複数の電線を残りのアダプタ11の1つまたは複数の電線と接続するために結合領域19上に配置され得るT字型コネクタ55(
図12A、
図12Bおよび
図12Dに示す)を保護する。プロテクター65aも同様に、プレートリップ12a上の開口部56を結合領域19の側から覆っている。
【0198】
プロテクター65aの拡大側面図が
図12Bに示されており、これは
図12Aに図示された円形部分を拡大したものを示している。
【0199】
図12Cは、結合領域19およびプロテクター65aをより良く図示するために、組立体5および掘削器具1を後者の下側から示しており、一方、
図12Dは、同じ視点から組立体5および掘削器具1を示しているが、プロテクター65aは図示していない。
図12Dで理解できるように、T字型コネクタ55は、電線が掘削器具1の側部の1つに達することができるように、電線が掘削器具1に対して横方向に延びることができるように結合領域19に設けられている。プロテクター65aが掘削器具1の横方向(横方向とは、
図12Aの図において、紙面に入る方向または紙面から出る方向である)に延びているので、結合領域19の電気配線およびT字型コネクタ55は両方とも保護され、特に、掘削器具がその動作中に被係合物質に接触する際の衝撃および侵食から保護される。
【0200】
図12Eは、2つのT字型コネクタ55、およびそれぞれの電線50がそれを通りT字型コネクタ55に到達し得る開口部56、および/またはT字型コネクタ55が導入される開口部56を示す、
図12Dの円で示した部分を拡大したものである。
【0201】
結合領域19の1つの端部、この場合は
図12Eに図示された端部において、配線は開口56を通ってプレートリップ12aの他方の表面、この場合は上面に達するようにされ、掘削器具の方へ、また土工機械の別の部分まで配線されるようにされる。さらに、結合領域19の1つの端部、この場合には
図12Eに示されていない端部には、少なくとも2つのアダプタのセンサーの配線が掘削器具に向かって配線され、その端部を通って土工機械の別の部分まで配線されない限り、すなわち、電線が掘削器具の両側に存在し、両側において機械に向かって配線されない限り、少なくとも3つの電線の接合部がないので、T字型コネクタ55は通常設けられていない。
【0202】
図13A-13Fは、実施形態に従った組立体5、および掘削器具1の異なる図を示す。
【0203】
掘削器具1および組立体5は、少なくとも、ノーズ15の形態の第1の部材と、掘削器具1と結合された、例えばそれに溶接された鋳造リップ12bの形態の第2の部材とを備える。この場合、複数の第1の部材が存在する。掘削器具1は、いくつかの実施形態では、組立体5の第3の部材であってもよい。
【0204】
各ノーズ15は、少なくとも、1つまたは複数のセンサー35を受け入れるためのキャビティ30と、
図13Aの断面図に示されるように、第2のチャネル40hと連通する、そこに形成された第1のチャネル40aとを有する。第2のチャネル40hは、第1のチャネル40aからリップ12bの後端の凹部または溝17まで延びている。いくつかの実施形態では、第2のチャネル40hは、ピンを受け入れるためのノーズ15の孔46から凹部または溝17まで延びることができる。
【0205】
この目的のために、各ノーズ15と位置合わせされて、
図13Bに最もよく見られるように、リップ12bの後端に形成された凹部17がある。好ましくは、第2のチャネル40hは、床と第2のチャネル40hとの間に多くの物質を有するように、リップ12b内で可能な限り高い位置にある。第2のチャネル40hは、凹部17におけるその開口が凹部17の上面と同一平面になるような高さであってもよいし、上面との間に可能な限り短い隙間があってもよい。
【0206】
凹部17は、そこに収容されるものを保護し、
図14の実施形態と同様に、収容される部品を囲むようにプロテクター65bを配置することができる。
【0207】
1つまたは複数の電線50は、センサー35から第1のチャネル40aおよび第2のチャネル40hを通って凹部17に達する。異なる第1の部材のセンサー35から来る電線50を接続するために、凹部17内にT字型コネクタ55を配置することができる。さらに、異なる第1の部材の電線50は、
図13Fに示すように、隣接する凹部17の各対の間に形成された第3のチャネル40iによって接続することができる。
【0208】
図13Cおよび
図13Eのそれぞれの拡大部は、
図13Bおよび
図13Dの円で示した部分を図示し、凹部17内のT字型コネクタ55の配置を、対応するノーズのセンサーの両方と接続する電線50、および掘削器具1の横方向に隣接する凹部17の電線50とともに示す。
【0209】
少なくともリップ12bのコーナノーズ15の一方に対応する凹部17において、電線50を凹部17から後方部に配線することにより、掘削器具1や土工機械の他の部分に向けて電線50を引き出すことができる。リップ12bまたは掘削器具1に開口56を形成して、電線を下面から上面に通すことができる。
図12A-12Eを参照して説明したように、電気配線は、組立体5または掘削器具1の一端だけで引き出すことができるが、いくつかの実施形態では、電気配線は、今説明した方法で組立体5または掘削器具1の両端で引き出される。
【0210】
さらに、いくつかの実施形態では、電線50が通過する第2のチャネル40hおよび/または第3のチャネル40i内に保護チューブ67が配置される。
【0211】
図13Fは、リップ12b、特にその半分の部分の断面図である。この断面図により、隣接する凹部17間の電線50の配線を見ることができる。各凹部17には、好ましくは、異なる電線50を接続するためのT字型コネクタ55が設けられる。同様に、電線50をその中で保護するために、保護チューブ67をチャネル40i内に配置することもできる。
【0212】
第1、第2および第3のチャネル40a、40h、40iの1つ、いくつかまたはそれぞれは、好ましくは、リップ12bの鋼鋳造工程中に形成される。例えば、鋳造工程で典型的な温度に耐えることができるチューブがリップ12bの鋳型内に入れられる。一例として、セラミックチューブは鋳造温度に耐える傾向がある。チューブは、いくつかの実施形態では、ワイヤの配線と保護のために、製造されたリップ12b内に残されることがある。
【0213】
鋳造工程中にチャネルを形成することにより、チャネルの形成に必要な機械加工が少ないか、全く必要ないため、得られるリップ12bは、よりコスト効率よく製造される。
【0214】
図14は、実施形態による組立体(および掘削器具)を示す。
【0215】
組立体は、歯のキャビティに係合するノーズ15の最前端に、センサー35用のキャビティ30を有する。キャビティ30は、ピンを受け入れるための孔46よりもさらに前側にあり、キャビティ30と孔46の間に延びる第1のチャネル40a、および孔46と凹部または溝17の間に延びる第2のチャネル40hによって、凹部または溝17と接続されている。
【0216】
第1および第2のチャネル40a、40hは、好ましくは、上記で説明したように、鋳造工程中に形成される。
【0217】
少なくとも1つの電線50は、センサー35のキャビティ30から、ノーズ15、孔46、リップ12bを通り、第1および第2のチャネル40a、40hを介して凹部または溝17に至る。
【0218】
好ましくは、異なるノーズ15のセンサー35から来る配線50は、
図13A-13Fの実施形態を参照して説明したように、凹部または溝17に配置された1つまたは複数のT字型コネクタ55と相互接続され、配線は開口部56および第3のチャネルを通る。
【0219】
配線50は、例えば
図13-13Fの実施形態を参照して説明したように、1つまたは複数の開口部および/またはチャネルを介して機械の他の部分と接続するために、リップ12bの背後から(
図14の最も右側の部分に図示されているように)引き出すことができる。
【0220】
凹部または溝17の内側に配置された部品は、プロテクター65bでさらに保護することができる。プロテクター65bは、好ましくは溶接接合で凹部または溝17のエッジに取り付けられる鋼または他の合金でできた板であってもよい。他のタイプのプロテクター65bも可能である。
【0221】
本明細書において、用語「備える、含む(comprise)」およびその派生語(「備えている、含んでいる(comprising)」など)は、排他的な意味で理解されるべきではなく、すなわち、これらの用語は、記載および定義されているものがさらなる要素、ステップなどを含み得る可能性を排除するものとして解釈されるべきではない。
【0222】
一方、本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されないことは明らかであるが、特許請求の範囲に定義された本発明の一般的な範囲内において、当業者であれば(例えば、材料、寸法、構成要素、構成などの選択に関して)考え得るあらゆる変形例も包含する。
【国際調査報告】