(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】多重穿孔コアドリル装置
(51)【国際特許分類】
B28D 1/14 20060101AFI20240725BHJP
B28D 7/02 20060101ALI20240725BHJP
B23B 39/16 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B28D1/14
B28D7/02
B23B39/16 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506149
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2022010840
(87)【国際公開番号】W WO2023013943
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0101223
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522205404
【氏名又は名称】イーグン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ソン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ チェ ムン
【テーマコード(参考)】
3C036
3C069
【Fターム(参考)】
3C036BB30
3C069AA04
3C069BA09
3C069BB01
3C069BB03
3C069BB04
3C069BC02
3C069BC04
3C069CA10
3C069DA06
3C069EA01
(57)【要約】
本発明に係る3穴穿孔コアドリル装置は、本体部;前記本体部に昇降可能に装着される昇降キャリッジ;前記昇降キャリッジの一側面に結合され、モーターの駆動軸を回転可能に支持する固定板;回動角度を変更する条件下で前記固定板に締結される回動板;前記回動板の両側に移動可能に締結される一対の移動板;前記駆動軸に結合された駆動ギア、及び前記一対の移動板に回転可能に装着された一対の従動軸に結合された一対の従動ギア;前記駆動ギアと前記一対の従動ギアとの間に装着された一対の移動ギア;前記駆動軸に結合される第1コアビット;及び前記一対の従動軸に結合される第2コアビット及び第3コアビット;を含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部;
前記本体部に昇降可能に装着される昇降キャリッジ;
前記昇降キャリッジの一側面に結合され、モーターの駆動軸を回転可能に支持する固定板;
回動角度を変更する条件下で前記固定板に締結される回動板;
前記回動板の両側に移動可能に締結される一対の移動板;
前記駆動軸に結合された駆動ギア、及び前記一対の移動板に回転可能に装着された一対の従動軸に結合された一対の従動ギア;
前記駆動ギアと前記一対の従動ギアとの間に装着された一対の移動ギア;
前記駆動軸に結合される第1コアビット;及び
前記一対の従動軸に結合される第2コアビット及び第3コアビット;を含む、3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項2】
前記固定板は、円弧状に貫通形成された回動ガイドスリットを備えており、
前記回動板は、上下に貫通形成された複数の締結孔を備えており、
前記複数の締結孔と前記回動ガイドスリットを通じて締結部材を締結することによって、前記回動板が前記固定板に対して所定の回動位置で固定される、請求項1に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項3】
前記回動板は、幅方向に長く形成された複数の移動ガイドスリットを備えており、
前記一対の移動板は、上下に貫通形成された複数の締結孔を備えており、
前記複数の締結孔と前記複数の移動ガイドスリットを通じて締結部材を締結することによって、前記一対の移動板が前記回動板に対して長さ方向に所定の位置で固定される、請求項1に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項4】
前記移動板は、幅方向に長く形成された複数の移動ガイドスリットを備えており、
前記一対の移動板は、上下に貫通形成された複数の締結孔を備えており、
前記複数の締結孔と前記複数の移動ガイドスリットを通じて締結部材を締結することによって、前記一対の移動板が前記回動板に対して長さ方向に所定の位置で固定される、請求項2に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項5】
前記一対の移動板は、前記一対の移動ギアが回転可能に装着される締結軸部材を装着するために、長さ方向に対して傾斜して形成される一対の長孔を備える、請求項3に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項6】
前記一対の移動板は、前記一対の移動ギアが回転可能に装着される締結軸部材を装着するために、長さ方向に対して傾斜して形成される一対の長孔を備える、請求項4に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項7】
前記駆動軸と前記一対の従動軸の下部にはそれぞれ水供給ホースが連結され、冷却水が供給される、請求項3に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項8】
前記駆動軸と前記一対の従動軸の下部にはそれぞれ水供給ホースが連結され、冷却水が供給される、請求項4に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項9】
前記本体部は、
穿孔しようとする構造物に固定されるベース部;及び
前記ベース部に垂直に結合され、一側面にギアが形成されたスタンド部;を含み、
前記昇降キャリッジは、前記ギアに噛み合わされるピニオンギアを備えており、前記スタンド部に昇降可能に装着されるように備えられる、請求項1に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【請求項10】
前記ギアはラックギアを含む、請求項9に記載の3穴穿孔コアドリル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアドリル装置に関し、より詳細には、多重穿孔コアドリル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コアドリル装置(Core Drilling Machine)は、建築物の配管施工時、壁体や天井などに穴を穿孔するための機械装置であって、通常、コアドリルを操作するための各種装置と共にコアドリルアセンブリを構成する。
【0003】
現在使用されている一般的なコアドリルアセンブリは、穴を穿孔しようとする構造物にアンカーボルトで固定されるベース部と、ベース部と直角をなし、一側面にラックギアが形成されるスタンド部と、スタンド部に噛み合わされるピニオンギアが内蔵され、取っ手の回転作動でスタンド部に沿って昇・下降する駆動ボディーと、駆動ボディーに装着され、構造物の特定の部位を穿孔させるコアドリルと、を含んで構成される。ここで、コアドリルは、構造物との摩擦接触によって構造物に穴を穿孔するコアビットと、コアビットを高速回転させる駆動モーターとからなる。
【0004】
このような構成を有するコアドリルアセンブリの作動を説明すると、多数のアンカーボルトを用いてベース部を構造物の壁体又は底面に固定させた後、駆動ボディーに設置された取っ手を回すと、駆動ボディーのピニオンギアとスタンド部のラックギアとが噛み合わされながら、駆動ボディーがスタンド部に沿って昇・下降して移動するようになる。このとき、駆動モーターに電源が印加されると、コアビットが回転するようになり、高速回転するコアビットが前進移動しながら構造物に穴を穿孔するようになる。
【0005】
ところが、従来のコアドリル装置は、一つのコアビットのみを装着して穿孔するので、多数の穴を穿孔するためには、一つの穴を穿孔した後で穴の位置ごとにいちいち移動し、アンカーボルトで装置を固定して穿孔する作業をしなければならないので、作業者の作業が煩雑になり、作業時間が長くかかるという問題があった。
【0006】
特に、多くの穿孔が必要で、且つ迅速に穿孔する必要がある大規模の工場での作業環境では、既存のコアドリル装置のみでは作業時間が長くかかるという問題があるだけでなく、多くの作業者が投入されなければならないので、多くの費用が算出されるという問題もあった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するための多重穿孔コアドリル装置を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、多重穿孔コアドリル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を達成するための本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置は、本体部;前記本体部に昇降可能に装着される昇降キャリッジ;前記昇降キャリッジの一側面に結合され、モーターの駆動軸を回転可能に支持する固定板;回動角度を変更する条件下で前記固定板に締結される回動板;前記回動板の両側に移動可能に締結される一対の移動板;前記駆動軸に結合された駆動ギア、及び前記一対の移動板に回転可能に装着された一対の従動軸に結合された一対の従動ギア;前記駆動ギアと前記一対の従動ギアとの間に装着された一対の移動ギア;前記駆動軸に結合される第1コアビット;及び前記一対の従動軸に結合される第2コアビット及び第3コアビット;を含むことができる。
【0010】
前記固定板は、円弧状に貫通形成された回動ガイドスリットを備えており、前記回動板は、上下に貫通形成された複数の締結孔を備えており、前記複数の締結孔と前記回動ガイドスリットを通じて締結部材を締結することによって、前記回動板が前記固定板に対して所定の回動位置で固定され得る。前記回動板は、幅方向に長く形成された複数の移動ガイドスリットを備えており、前記一対の移動板は、上下に貫通形成された複数の締結孔を備えており、前記複数の締結孔と前記複数の移動ガイドスリットを通じて締結部材を締結することによって、前記一対の移動板が前記回動板に対して長さ方向に所定の位置で固定され得る。前記一対の移動板は、前記一対の移動ギアが回転可能に装着される締結軸部材を装着するために、長さ方向に対して傾斜して形成される一対の長孔を備えることができる。前記駆動軸と前記一対の従動軸の下部にはそれぞれ水供給ホースが連結され、冷却水が供給され得る。前記本体部は、穿孔しようとする構造物に固定されるベース部;及び前記ベース部に垂直に結合され、一側面にギアが形成されたスタンド部;を含むことができ、前記昇降キャリッジは、前記ギアに噛み合わされるピニオンギアを備えており、前記スタンド部に昇降可能に装着され得る。ここで、前記ギアはラックギアを含むことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置によると、3個のコアビットを同時に回転させることによって3個の穴を同時に穿孔することができる。
【0012】
また、本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置は、3個のコアビットの相対的な回動角度と3個のコアビットの間の距離を調節できるので、穿孔する3個の穴の間の距離を所定の範囲で任意に調節することによって3個の穴を一度に容易に穿孔することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置を概略的に示す斜視図である。
【0014】
【
図2】本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置の内部構造を概略的に示す正面図である。
【0015】
【
図3】3穴穿孔コアドリル装置の回動角度及び長さ調節構造を示す上面図である。
【0016】
【
図4】
図3において、移動板を固定板に対して移動させた後、移動板が固定板に結合される状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有し得るので、特定の実施例を例示し、これを詳細な説明で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物及び代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0018】
本発明で使用した用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎなく、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な各実施例を詳細に説明する。このとき、添付の図面における同一の構成要素は、可能な限り、同一の符号で示していることに留意する。また、本発明の要旨を不明瞭にし得る公知の機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。同様の理由で、添付の図面における一部の構成要素は、誇張又は省略したり、概略的に図示した。
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置を概略的に示す斜視図で、
図2は、本発明の一実施例に係る3穴穿孔コアドリル装置の内部構造を概略的に示す正面図である。
【0021】
本発明の3穴穿孔コアドリル装置100は、穿孔しようとする構造物(例:コンクリート床など)に固定されるベース部110と、ベース部に垂直に結合され、一側面にギア(例えば、ラックギア)122が形成されたスタンド部120と、ラックギアに噛み合わされるピニオンギアを備えており、スタンド部120に昇降可能に装着される昇降キャリッジ130と、昇降キャリッジ130の一側面に結合され、モーター150の駆動軸152を回転可能に支持する固定板140と、回動角度を変更する条件下で固定板140に締結される回動板160と、回動板160の両側に移動可能に締結される一対の移動板170、180と、駆動軸152に結合された駆動ギア154、及び一対の移動板に回転可能に装着された一対の従動軸172、182に結合された一対の従動ギア171、181と、駆動ギア154と一対の従動ギア171、181との間に装着された一対の移動ギア175、185と、駆動軸に結合される第1コアビット190と、一対の従動軸に結合される第2コアビット190及び第3コアビット190と、を含むことができる。
【0022】
このような本発明に係る多重穿孔コアドリル装置100の詳細な構成要素のうち、ベース部110及びスタンド部120を本体部と称することができる。
【0023】
3穴穿孔コアドリル装置100は、コンクリート構造物の水平な床や壁体、多様な形状の傾斜面又は曲面に3個の穴を一度に穿孔するコアドリル装置である。
【0024】
ベース部110は、少なくとも一対のアンカーボルト112を備えており、構造物の表面に固定され得る。
図1では、アンカーボルト112がベース部110の両端にある場合のみを示しているが、ベース部110の中心部にはホールが位置し、このホールを通じてアンカーボルト112が構造物の表面に固定され得る。また、ベース部110は、少なくとも一対のホイール114を備えており、3穴穿孔コアドリル装置100全体を容易に移動させることができる。
【0025】
スタンド部120は、ベース部110に対して垂直に結合される。スタンド部120は、四角柱の形態で形成され得る。スタンド部120の中間部とベース部110との間には連結フレーム116が結合され、ベース部110に対してスタンド部120を支持することができる。スタンド部120の一側面にはラックギア122が形成され、スタンド部120に装着された昇降キャリッジ130を昇降させることができる。
【0026】
昇降キャリッジ130は、内部にラックギア122に噛み合わされるピニオンギア(図示せず)を備えており、スタンド部120に昇降可能に装着され得る。昇降キャリッジ130は、ピニオンギアを回転させるレバー135を備えており、作業者が3穴穿孔コアドリル装置100を作動させるとき、レバー135を回すことによって昇降キャリッジ130を昇降させることができる。また、スタンド部120の両側面にはガイド溝124が形成され、昇降キャリッジ130の昇降を案内して支持することができる。
【0027】
昇降キャリッジ130の一側面の上部にはモーター150が結合され、昇降キャリッジ130の一側面の下部には固定板140が結合され得る。モーター150は、一例として、電気モーターであってもよく、その駆動軸152は固定板140に装着されるベアリング142によって回転可能に支持され得る。
【0028】
固定板140の上面には、回動板160が駆動軸152を中心に回動可能に装着され得る。回動板160は、その回動角度を変更する条件下で固定板140に締結部材を締結することによって固定することができる。
【0029】
また、回動板160の両側部の上面には、一対の移動板170、180がそれぞれ移動できるように、すなわち、一対の移動板170、180の相対的な位置を変更する条件下で一対の移動板170、180が回動板160に対して長さ方向に締結されて固定され得る。
図2に示したように、一対の移動板は、回動板160の右側の上部に移動可能に締結される第1移動板170と、回動板160の左側の上部に移動可能に締結される第2移動板180とを含むことができる。第1移動板170には、第1従動軸172が第1ベアリング173によって回転可能に装着され、第2移動板180には、第2従動軸182が第2ベアリング183によって回転可能に装着され得る。
【0030】
駆動軸152には駆動ギア154が結合され、第1従動軸172には第1従動ギア171が結合され、第2従動軸182には第2従動ギア181が結合され得る。
【0031】
駆動ギア154と一対の従動ギア171、181との間には一対の移動ギア175、185が装着され、モーター150が駆動軸152、第1従動軸172及び第2従動軸182を同時に回転させることができる。
【0032】
駆動軸152の下端には第1コアビット190が結合され、第1従動軸172の下端には第2コアビット190が結合され、第2従動軸182の下端には第3コアビット190が結合され得る。第1コアビット190、第2コアビット190及び第3コアビット190は同一の大きさを有し得るが、駆動軸152、第1従動軸172及び第2従動軸182には、多様な大きさを有する3個のコアビットが結合され得る。
【0033】
本発明に係る3穴穿孔コアドリル装置100によると、第1コアビット190、第2コアビット190及び第2コアビット190は、その回動角度位置と相対的な長さを調整した状態でベース部110に対して固定することができる。そのため、3穴穿孔コアドリル装置100を基準にして3個の穴の相対的な回動角度と長さを適宜調節しながら、3個の穴を一度に穿孔することができる。
【0034】
図3は、3穴穿孔コアドリル装置の回動角度及び長さ調節構造を示す上面図で、
図4は、
図3において、移動板を固定板に対して移動させた後、移動板が固定板に結合される状態を示す上面図である。
【0035】
固定板140は、前方側の辺が円弧状である長方形の板材形状に形成され得る。固定板140の後方側の辺は昇降キャリッジ130に結合され、固定板140は昇降キャリッジ130と共に昇降し得る。固定板140の前方側の辺の縁部付近には、円弧状の回動ガイドスリット145が貫通形成され得る。
【0036】
回動板160は、固定板140の上面に固定板140と同一の中心である駆動軸152を中心に回動可能に装着され得る。回動板160は、昇降キャリッジ130側の一辺が円弧状に形成され、両側の辺が固定板140の両側の辺より長く延長された長方形の形状に形成され得る。回動板160には、固定板140の回動ガイドスリット145に対応する位置に一対の締結孔162が上下に貫通形成され得る。
【0037】
図2に示したように、回動板160の一対の締結孔162と固定板140の回動ガイドスリット145を通じてボルト及びナットで構成された締結部材168を締結し、回動板160を固定板140上に所定の回動位置で固定することができる。
【0038】
図2及び
図3に示したように、回動板160は、両側に幅方向に長く形成された二対の移動ガイドスリット166を備えることができる。二対の移動ガイドスリット166は、回動板160に互いに平行に所定の長さだけ貫通形成され得る。回動板160において一対の移動板170、180が重なる部位は、その厚さが薄くなり、段差を有するように形成され得る。この場合、二対の移動ガイドスリット166は薄い段差部に形成され、段差により、一対の移動板170、180が回動板160側に移動する制限位置を設定することができる。
【0039】
図3に示したように、一対の移動板170、180は、二対の移動ガイドスリット166に対応する位置に四対の締結孔174、184が貫通形成され得る。すなわち、第1移動板170には二対の第1締結孔174が貫通形成され、第2移動板180には二対の第2締結孔184が貫通形成され得る。
図2に示したように、回動板160の両側の上部が段差を有するように形成される場合、一対の移動板170、180の一側の下部も、その厚さが薄くなり、段差を有するように形成され得る。一対の移動板170、180は、板材の形態で形成され、その上に装着される一対の従動ギア171、181と一対の移動ギア175、185を覆うカバーが一対の移動板170、180に結合され得る。これと異なり、一対の移動板170、180は、板材とカバーとが一体に結合されることによってケースの形態で構成することもできる。
【0040】
図2乃至
図4に示したように、一対の移動板170、180の複数の締結孔174、184と回動板160の二対の移動ガイドスリット166を通じて締結部材168を締結することによって、第1移動板170と第2移動板180を回動板160に対して長さ方向に所定の位置で固定することができる。締結部材168はボルト及びナットで構成され、二対の締結孔177は一対の移動ギア175、185の中心軸の幅方向の外側に配置され、一対の移動ギア175、185がボルトに干渉することを防止することができる。
【0041】
図3及び
図4に示したように、一対の移動板170、180は、一対の移動ギア175、185が回転可能に装着される締結軸部材177、187を装着するために、長さ方向に対して傾斜して形成される一対の長孔176、186を備えることが好ましい。
【0042】
第1移動板170には、第1移動ギア175が駆動ギア154と第1従動ギア171との間に噛み合うように装着され、第2移動板180には、第2移動ギア185が駆動ギア154と第2従動ギア181との間に噛み合うように装着され得る。このために、第1移動板170には、長さ方向に対して傾斜して配置された第1長孔176が貫通形成され、第2移動板180には、長さ方向に対して傾斜して配置された第2長孔186が貫通形成され得る。第1移動ギア175は、第1長孔176に締結される第1締結軸部材177に回転可能に装着され、第2移動ギア185は、第2長孔186に締結される第2締結軸部材187に回転可能に装着され得る。第1締結軸部材177と第2締結軸部材187は、第1移動ギア175と第2移動ギア185を第1移動板170と第2移動板180の上面で所定高さだけ回転できるように装着することができる。
【0043】
図3に示したように、一対の移動板170、180が回動板160に近くなるように締結されると、駆動ギア154と一対の従動ギア171、181との間の距離が近くなる。この場合、
図3を基準にすると、一対の移動ギア175、185の中心は、駆動ギア154と一対の従動ギア171、181の中心より相対的に上側に配置され得る。
【0044】
その一方で、
図4に示したように、一対の移動板170、180が回動板160から遠くなるように締結されると、駆動ギア154と一対の従動ギア171、181との間の距離が近くなる。この場合、一定の長さの移動ギア175は相対的にさらに緩むようになる。そのため、一対の移動ギア175、185の中心は、
図3の場合に比べて、駆動ギア154と一対の従動ギア171、181の中心に近くなるように相対的に下側に配置され得る。
【0045】
このように、一対の移動ギア175、185は、一対の従動ギア171、181が移動した場合にも、駆動ギア154と一対の従動ギア171、181に同時に噛み合うように移動した位置で締結されて固定され得る。
【0046】
一方、
図1に示したように、駆動軸152、第1従動軸172及び第2従動軸182の下部にはそれぞれ水供給ホース195が連結され、冷却水が供給され得る。すなわち、本発明のドリル装置100は、水を供給しながらコアビットを回転させることによって穿孔する湿式コアドリル装置である。
図2では、便宜上、水供給ホース195を省略した。
【0047】
水供給ホース195は、バルブを備える水道配管から着脱可能に連結され、駆動軸152、第1従動軸172及び第2従動軸182の内部を経て各コアビット190の内部に連通した流路に沿って水を供給するように並列に連結され得る。駆動軸152、第1従動軸172及び第2従動軸182の間の距離が変化するので、駆動軸152、第1従動軸172及び第2従動軸182の間に連結される水供給ホース195は、柔軟な材質で形成され、十分な長さを有して連結され得る。
【0048】
本発明の3穴穿孔コアドリル装置によると、3個のコアビットを同時に回転させることによって3個の穴を同時に穿孔することができる。
【0049】
また、3個のコアビットの相対的な回動角度と3個のコアビットの間の距離を調節できるので、穿孔する3個の穴の間の距離を所定の範囲で任意に調節することによって3個の穴を一度に容易に穿孔することができる。
【0050】
以上、本発明の一実施例に対して説明したが、該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除又は追加などによって本発明を多様に修正及び変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれると言えるだろう。
【符号の説明】
【0051】
100:3穴穿孔コアドリル装置
【0052】
110:ベース部 112:アンカーボルト
【0053】
114:ホイール 116:連結フレーム
【0054】
120:スタンド部 122:ラックギア
【0055】
124:ガイド溝 130:昇降キャリッジ
【0056】
135:レバー 140:固定板
【0057】
142:ベアリング 145:回動ガイドスリット
【0058】
150:モーター 152:駆動軸
【0059】
154:駆動ギア 160:回動板
【0060】
162:締結孔 166:移動ガイドスリット
【0061】
168:締結部材
【0062】
170:第1移動板 171:第1従動ギア
【0063】
172:第1従動軸 173:第1ベアリング
【0064】
174:第1締結孔 175:第1移動ギア
【0065】
176:第1長孔 177:第1締結軸部材
【0066】
180:第2移動板 181:第2従動ギア
【0067】
182:第2従動軸 183:第2ベアリング
【0068】
184:第2締結孔 185:第2移動ギア
【0069】
186:第2長孔 187:第2締結軸部材
【0070】
190:コアビット 195:水供給ホース
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る多重穿孔コアドリル装置は、建設現場で建設作業及び解体などのために産業上に利用可能である。
【国際調査報告】