(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】滅菌製品サイクルにおけるスマートポート-多機能読み取り装置/検出装置
(51)【国際特許分類】
A61B 90/90 20160101AFI20240725BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20240725BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240725BHJP
A61B 90/96 20160101ALI20240725BHJP
A61B 90/98 20160101ALI20240725BHJP
A61B 90/92 20160101ALI20240725BHJP
【FI】
A61B90/90
G06K7/00 004
G06K7/10 476
G06K7/10 264
A61B90/96
A61B90/98
A61B90/92
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506536
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022071746
(87)【国際公開番号】W WO2023012184
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】102021120340.6
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク レンツェンヒューバー
(72)【発明者】
【氏名】ローランド-アロイス ヒューゲル
(57)【要約】
本開示は、それぞれ異なる検出技術を備える、好ましくはモジュール式の、複数のモジュールによって、医療製品(2)を検出するおよび読み取るためのスマートポート(1)に関する。本開示はまた、スマートポート(1)と、選別バスケット(18)と、医療製品(2)を保持し、選別バスケットに導入可能な器具ホルダ(19)と、を備えるシステム(17)に関する。本開示はさらに、スマートポート(1)が取り付けられた、または一体化されたロボットアーム(21)、および医療製品を識別および評価するための人工知能を備える装置にも関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好きなように組み合わせ可能な複数の別個のモジュールによって、医療製品(2)を個別に検出および読み取るためのスマートポート(1)であって、
前記モジュールのそれぞれが、異なる検出技術を備えるように構成されており、
少なくとも1つの光学検出技術ならびに無線検出技術の使用が提供される、スマートポート(1)。
【請求項2】
前記スマートポート(1)は、前記スマートポート(1)の周囲に、前記医療製品(2)を読み取ることができる空間を画定することを特徴とする、請求項1に記載のスマートポート(1)。
【請求項3】
前記スマートポート(1)、特に前記スマートポート(1)の演算ユニット又は前記スマートポート(1)内の演算ユニットは、前記医療製品(2)を検出し、所定の及び/又は予め定められた時間ウィンドウ内、特に2~3秒以内に信号を送信するように提供及び構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスマートポート(1)。
【請求項4】
前記光学検出技術と前記無線検出技術とを、前記時間ウィンドウ内で互いに比較することができることを特徴とする、請求項3に記載のスマートポート(1)。
【請求項5】
前記スマートポート(1)は、特に光学的および/または音響的に、少なくとも2つの異なるフィードバック信号を出力するように提供及び構成されており、これにより、割り当ての正誤を認識することができることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項6】
検出および読み出されたデータをクラウド(3)ベースのインフラストラクチャにロードし、インターフェース(4)を介して、顧客の機器データ管理システム(5)および/または製造業者の機器データ管理システム(20)と通信するように提供及び構成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項7】
前記スマートポート(1)が、データコレクタとして機能し、前記データが取得されるまで、前記データを不揮発性メモリ、特にSDカード、ハードディスクおよび/またはUSBスティックに保存するように提供及び構成されていることを特徴とする、請求項6に記載のスマートポート。
【請求項8】
第1のモジュール(6)、好ましくはスキャナが設けられており、医療製品(2)に適用され、読み取り可能に提供及び構成されているデータマトリックスコード(7)および/またはバーコード(8)を読み取るように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項9】
第2のモジュール(9)、好ましくはRFIDモジュール、特にNFCモジュールが設けられており、医療製品(2)に収容され、読み取り可能および/または書き込み可能に提供及び構成されたRFIDタグ(11)、特にNFCタグ(10)を読み取るように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項10】
前記第2のモジュール(9)は、HF、UHFおよび/またはSHFの周波数範囲で動作することを特徴とする、請求項9に記載のスマートポート(1)。
【請求項11】
第3のモジュール(12)、好ましくはライダーセンサ(26)が設けられており、少なくとも1つの医療製品(2)の表面スキャン(13)を行うように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項12】
第4のモジュール(14)、好ましくは撮像モジュールが設けられており、医療製品(2)の少なくとも1つの画像(15)を保存するように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項13】
人工知能が、前記第3のモジュール(12)および前記第4のモジュール(13)に設けられていることを特徴とする、請求項11または12に記載のスマートポート(1)。
【請求項14】
第5のモジュール(16)、好ましくは量子ドットセンサ(27)が設けられており、色の違いで医療製品(2)のデータを保存するように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のスマートポート(1)と、ふるいバスケット(18)と、前記ふるいバスケット(18)に挿入可能であり、前記医療製品(2)を保持する器具ホルダ(19)と、を備えたシステム(17)であって、
前記スマートポート(1)は、前記ふるいバスケット(18)および/または前記器具ホルダ(19)にある少なくとも1つの医療製品(2)のデータおよび情報を読み出し、さらなる処理のために、顧客の機器データ管理システム(5)、クラウド(3)および/または製造業者の機器データ管理システム(20)へ送信するように提供及び構成されていることを特徴とする、システム(17)。
【請求項16】
請求項1から14の1つに記載のスマートポート(1)が取り付けられた、または一体化されたロボットアーム(21)。
【請求項17】
個々の医療製品(2)の形状に基づいて前記医療製品(2)を認識および評価し、好ましくはそれらの耐用年数を特定するための人工知能を備えた装置。
【請求項18】
医療製品(2)の検出および読み取り装置として使用される、請求項1から14のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、それぞれが異なる検出技術を備えるように構成された、好ましくはモジュール式の、複数のモジュールによって、医療製品を検出および読み取るためのスマートポートに関する。本開示はさらに、スマートポートと、ふるいバスケットと、ふるいバスケットに挿入可能であり、医療製品を保持する器具ホルダと、を備えるシステムに関する。さらに、本開示は、スマートポートが取り付けられた又は組み込まれたロボットアーム、および人工知能を備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている製品ラベル/製品データキャリアは、読み取りおよび/または書き込み装置を使って読み取ることができ、必要に応じて、様々な医療製品によって書き込むこともできる。現在、診療所では、医療製品をマーキングするためのさまざまなソリューションがある。
【0003】
このような製品マーキングの背景には、例えば、診療所での滅菌サイクルが可能な限り追跡可能かつ検証可能であるべきだということがある。所在、摩耗、年数、状態、メンテナンスなどを完全に記録することによって、診療所は、例えば、患者が負傷してしまった場合などに、使用した医療製品が完璧な状態であったことを証明することができる。
【0004】
現在、商品番号やシリアル番号などの製品ラベルは、QRコード(登録商標)やバーコードとしても知られているデータマトリックスコード(GTIN)を使って、時には検出するためにRFIDタグを使って、直接(手作業で)記録される。RFIDタグが現在まだほとんど使用されていないのは、タグ/チップの多様性が診療所にとって難題であるからである。製品ラベリング技術のそれぞれに対して、個別の読み取りおよび/または書き込み装置が必要であり、これらの装置が、対応する医療製品に関する情報を複数の機器データ管理システムへ送る。
【0005】
医療製品とは、例えば、手術器具や滅菌の必要があるすべての製品である。
【0006】
図1は、NFC技術/NFCタグ10を備え、マルチプレクサの有無にかかわらずインテリジェント制御ユニットを用いて読み取り可能な、自社製造された先行技術の医療製品2を示している。さらに、NFCタグは、すでにNFCインターフェース4を提供しているスマートポート1または読み取りおよび/もしくは書き込み装置を使って、読み取ることができる。
【0007】
一方、第三者の医療製品2には他の技術が搭載されている。これらの技術には、例えば、
図1においてNFC技術の下に示されるオプション、例えば、双方向メモリとしてのRFID-NFC、RDIF-LF、RFID-HF、RFID-UHF、RFID-SHF11などのほか、固定データメモリとしてデータマトリックスコード7、バーコード8、量子ドットなども含まれる。必要に応じて、ケーブル接続も考えられるが、ここではこれ以上説明しない。
【0008】
換言すると、第三者の医療製品は、個別の読み取り装置または適切な検出システムを用いて記録されるということである。これにより、ハードウェアの在庫が増えてしまい、取り扱いが非常に複雑になってしまうので、ハードウェアごとにトレーニングや指導を行わなければならない。
【0009】
先行技術
EP 0 630 820 B1には、滅菌品処理準備中のマテリアルフローを監視するための方法が開示されており、この方法は、滅菌品が滅菌ユニット内に包装されるステップと、このように形成された滅菌ユニットを特徴づけるデータが、滅菌ユニットに接続可能なデータキャリアに記録及び保存されるステップと、滅菌ユニットが滅菌装置で滅菌され、滅菌工程を特徴づけるデータが検出及び登録されるステップと、滅菌ユニットを特徴付けるデータが、滅菌装置に接続されたデータ処理装置に入力されるステップと、滅菌ユニットを特徴づけるデータに応じて、適切な滅菌工程が選択されるステップと、滅菌ユニットを特徴づけるデータと滅菌工程を特徴づけるデータとが一緒に保存されるステップと、を含む。
【0010】
US 10 783 991 A1には、カテーテルに取り付けられた複数のRFIDチップと、データ検出装置と、サーバー装置と、を備えるシステムが記載されている。データ検出器は、RFIDチップのうちの第1のRFIDチップに無線で電力を送り、第1のRFIDチップが受電装置によって作動されると、第1のRFIDチップから第1の医療データを受信する。データ検出機は、サーバ装置に送信すべき第1の医療データを示す第1のメッセージを生成する。サーバー装置は、第1の医療データに基づいて、位置やリスク状態などのカテーテルの特徴を特定することができる。
【0011】
EP 1 402 904 B1には、中央滅菌部署で医療器具を再処理するためのシステムが記載されており、器具には、滅菌部署の包装エリアで包装とスクリーニングのために使用され、中央データベースを更新するために使用される識別コードが提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記を鑑み、本開示の目的は、スマートポートまたは多機能の読み取りおよび/または書き込み装置を使用して、記録間違いを回避し、必要な時間と労力を削減することである。さらに、自己の医療製品および第三者の医療製品を検出するために必要なハードウェアを少なくすることが、本開示の狙いである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、請求項1の特徴を備えたスマートポート/多機能の読み取り/書き込み装置によって達成される。
【0014】
したがって、本開示の核心は、医療製品を検出および読み取るためのスマートポート/多機能の読み取りおよび/または書き込み装置が、好ましくはモジュール式の、複数のモジュールによって提供され、複数のモジュールのそれぞれが、異なる検出技術(場合によっては、互いに異なる検出範囲)を備えるよう構成されることである。
【0015】
換言すると、スマートポートは、複数の異なる検出技術が統合され得る又は統合された多機能装置であるということである。このようなスマートポートには、読み取りおよび/または検出のために、第三者の医療製品用の/他の医療製品用の別の読み取り装置を必要としないという利点がある。スマートポートは、様々な製品マーキングに適合した、すべての必要な検出技術を含む/備える。
【0016】
従って、核となる発明は、より広範な用途に対応できるように、(互いに異なる)複数の技術を1つの装置/機器で組み合わせることであり、好ましくは人工知能を使用する。
【0017】
本明細書では、近い将来に確立されるか又は確立される可能性のあるモジュールおよび未来の技術についても説明する。このように、本開示の狙いは、スマートポートでほぼすべての技術を網羅し、すべての識別システムに対応できるようにすることである。
【0018】
本開示には、CSSD担当者に使いやすい読み書き装置を提供するという利点がある。ハードウェアがコンパクトになるので、取り扱いが非常にシンプルになり、スペースが節約される。スマートポートを使用することで、プロセスを効率化および最適化することができる。さらに、必要なハードウェアが少なくて済み、耐用年数に関する重要な質問には人工知能の助けを借りて答えることができる。半自動化および/または完全自動化によってコスト削減も可能である。
【0019】
従属請求項によるさらに好ましい態様を、以下により詳細に説明する。
【0020】
スマートポートが、スマートポートの周囲に医療製品を読み取り可能な空間を画定することが好ましい。換言すると、スマートポートの周囲に、医療製品を検出し読み取るように提供及び構成された視覚的な三次元空間が形成されるということである。
【0021】
スマートポート、特にスマートポートの演算ユニットまたはスマートポート内の演算ユニットが、医療製品を検出して、所定のおよび/または予め設定された時間ウィンドウ内、特に2~3秒以内に、信号を生成するように提供及び構成されていると有利である。この信号は、検出された医療製品の記録を容易にし、医療製品の検出とほぼ同時に、割り当ての正誤を記録するために提供される。割り当ての正確さを保証するために、時間ウィンドウ内で光学検出技術と無線検出技術とを互いに比較できると有利である。
【0022】
スマートポートが、特に光学的および/または音響的に、少なくとも2つの異なるフィードバック信号を出力するように構成されており、それによって割り当ての正誤が認識できると好ましい。割り当てが正しい場合のフィードバック信号は、例えば、短い音響ビープ音および/またはスマートポートの緑色の点滅であってよい。割り当てが誤っている場合は、より長いまたは二重のビープ音および/またはスマートポートの赤色の点滅で知らせてよい。
【0023】
好ましい実施形態によれば、スマートポートは、中央滅菌サービス部署(CSSD)、および/または医療機器の再処理部署(RUMED)、および/または包装ステーションの中央滅菌サービス部署(CSSD)、または使用されたあらゆる医療製品がサイクル処理される中央の場所に配置されるのが好ましい。換言すると、医療製品は、この場所で、検査され、管理され、ふるいバスケットに割り当てられるということである。再処理および滅菌が必要な医療製品はすべてここを通過する。
【0024】
好ましい実施形態によれば、スマートポートは、検出されて読み出されたデータ(それ自体)をクラウドベースのインフラストラクチャにロードし、インターフェースを介して顧客の機器データ管理システムおよび/または製造業者の機器データ管理システムと通信するように提供及び構成されている。通信には、WLAN、UMTS、LORAWAN(長距離広域ネットワーク)などが使用されることが好ましい。
【0025】
さらに好ましい実施形態によれば、スマートポートで使われる個々のモジュールは、モジュール形式で使用されてよく、省略されてもよい。同時に、スマートポートに、新しい/追加の技術を装備/供与してもよい。
【0026】
さらに好ましい実施形態によれば、第1のモジュール、好ましくはスキャナが、医療製品に適用された読み取り可能に提供及び構成されたデータマトリックスコードおよび/またはバーコードを読み取るように、提供及び構成されている。
【0027】
データマトリックスコードは、今日標準となっている機械読み取り可能なコードである。このコードは、医療製品に適用され、GTIN(商品識別コード)情報を含む。装置は、一般的なデータマトリックスコードをすべて扱うことができる。
【0028】
バーコードは、通常、ラベルに印刷され、スキャンされて処理される。バーコードも標準化されている。
【0029】
スキャナとして構成される第1のモジュールは、単方向性/一方向性である。つまり、データマトリックスコードとバーコードのデータ内容は読み取られるだけである。機器管理システム(IMS)または追加の装置によるさらなる処理が可能であり、提供される。
【0030】
さらなる好ましい実施形態によれば、第2のモジュール、好ましくはRFIDモジュール、特にNFCモジュールが、医療製品に収容され、読み取り可能および/または書き込み可能であるように提供及び構成された少なくとも1つのRFIDタグ、特に少なくとも1つのNFCタグを読み取るように提供及び構成されている。
【0031】
NFCモジュールは、好ましくは、今後製品に使用される少なくとも1つのNFCタグを読み取る、処理する、さらに書き換えるように提供及び構成されている。この目的のために、医療製品がアンテナの非常に近くに配置されていると有利である。
【0032】
RFIDモジュールは、好ましくは、今後医療製品に使用される少なくとも1つのRFIDタグを読み取る、処理する、さらに書き換えるように提供及び構成されている。NFCモジュールで可能な環境よりも広い環境に医療製品を配置できることが有利である。この距離は、ソフトウェアが少なくとも1つのRFIDタグのRSSI値を認識でき、RFIDタグがすぐ近くにあるときに判断できるようなものでなければならない。これが相違点である。
【0033】
NFCモジュールおよび/またはRFIDモジュールとして構成される第2のモジュールは、双方向性であるように構成されていることが好ましい。したがって、NFCタグまたはRFIDタグのデータ内容を読み取り、書き換えることができる。統合管理システム(IMS)または追加の装置によるさらなる処理が可能であり、提供される。
【0034】
第2のモジュールが、追加的または代替的に、HF、UHFおよび/またはSHFの周波数範囲で動作すると有利である。ここで、HF(短波)は約3~30MHzの周波数を意味し、UHF(極超短波)は約0.3~3GHzの周波数を意味し、SHF(センチメートル波)は約3~30GHzの周波数を意味すると理解される。
【0035】
さらなる好ましい実施形態によれば、第3のモジュール、好ましくはライダーモジュールが、少なくとも1つの医療製品の表面スキャンをするように提供及び構成されている。換言すると、レーダーやソナーと同様に、ライダーを使用して表面をスキャンしてよい。これには、非常に小さな設置サイズで機能するという利点がある。ライダーは、光パルスに基づいており、とりわけ自動運転にうまく使われる。この技術は、医療製品をその形状に基づいて認識するために提供される。同時に、この技術を使って医療製品を目標状態と比較し、欠陥や変形を検出することもできる。さらに、例えば、ツールの刃先をスキャンして、刃先がまだ無傷なのか、もう使える状態ではないのかを評価することもできる。
【0036】
さらに好ましい実施形態によれば、第4のモジュール、好ましくは画像検出モジュールが、少なくとも1つの画像に基づいて医療製品を検出するように提供及び構成されている。換言すると、第4のモジュールを使って、医療製品をその形状に基づいて認識することができる。同時に、この技術を使用して医療製品を目標状態と比較し、欠陥/変形を検出することもできる。また、例えば、ツールの刃先をスキャンし、刃先がまだ無傷なのか、もう使用できる状態ではないのかを評価することもできる。
【0037】
さらに、ライダーとカメラを使用して、製品カテゴリを特定してもよい。カメラスキャンでデータマトリックスコードを読み取り、シリアル番号を記録してよい。
【0038】
商品番号とシリアル番号は、通常、レーザーで製品に刻印されている。この識別情報は、製品がRFIDチップなどのデータキャリアを含んでいなくても、カメラでも読み取ることができる。
【0039】
直前の2つの実施形態の好ましいさらなる発展によれば、第3のモジュールおよび第4のモジュールに人工知能が設けられる。人工知能を使って、医療製品の目標状態との比較を実行および評価することで、欠陥/変形が認識される。本開示は、人工知能と組み合わせることにより、耐用年数に関する質問に対する直接的な回答を提供するためのツールを提供する。
【0040】
換言すると、人工知能は、好ましくは、製品をその形状に基づいて認識し、必要であれば、医療製品の摩耗限界の同時評価と、その結果廃棄したのか、更新したのか、修正したのか、保守したのか、および/または新調したのかを製品と紐づけることを可能にするために記述される。これにより、特に、医療製品の耐用年数の評価が可能となる。
【0041】
さらに好ましい実施形態によれば、第5のモジュール、好ましくは量子ドットセンサが、色の違いによって医療製品のデータを保存するように提供及び構成されている。換言すると、データマトリックスコードと同様に、量子ドットセンサを使用して、色の違いによってデータを保護し、識別を実行することができる。
【0042】
さらに、本開示は、スマートポートと、ふるいバスケットと、ふるいバスケットに挿入可能であり、医療製品を保持する器具ホルダと、を備えるシステムであって、スマートポートは、ふるいバスケットおよび/または器具ホルダにある少なくとも1つの医療製品のデータおよび情報を読み出し、さらなる処理のために、当該データおよび情報を顧客の機器データ管理システム、クラウド、および/または製造業者の機器データ管理システムへ送信するように提供及び構成されている、システムに関する。
【0043】
さらに、本開示は、先述の態様の1つによるスマートポートが取り付けられた、または一体化されたロボットアームに関する。換言すると、スマートポートは、ロボットアームに取り付けられるモジュールとして、またはロボットアームと一体的に構成されるモジュールとして構成されてもよい。このようなロボットは、CSSDで使用され、医療製品を自動的に認識して、医療製品からデータを読み出す。このデータは利用可能となり、別のデータ処理ユニットへ渡される。
【0044】
そうすることで完全に自動化されたCSSDへの道が開け、コストを削減できるということが利点である。ここでは、1年を通して1日中(24時間、7日間、365日)医療製品を再処理し続ける再処理ライン全体が想定されている。
【0045】
さらに、スマートポートの別の好ましい用途は、データハブとしての利用である。換言すると、インテリジェント制御ユニット下でメッシュネットワークを構築することで、互いに全体的に通信して、データ交換できるようにすることが目的である。スマートトレイとして機能するソリューションを確立するために、スマートポートは中央データハブとして機能するように拡張される、すなわち、スマートポートは、BLE(Bluetooth)または他の無線技術を使用してインテリジェント制御ユニットからデータを収集し、社内のIMSおよびデータベース、またはサーバベースまたはクラウドベースまたはブロックチェーンベースのデータストレージソリューションに収集したデータを保存する。
【0046】
これらはすべて、インテリジェント制御ユニットがスマートポートの有効範囲内に入るとすぐに起こる。つまり、再処理サイクルの度に少なくとも1回は起こる。再処理サイクルのデータは、サイクル数、商品番号、シリアル番号、サイクル自体、LifeCycleCounterなどである。この機能は、双方向に動作するものである。つまり、すべてのインテリジェント制御ユニットが、同じデータステータスを受信し、スマートポートの所へ来るたびに更新されるということである。
【0047】
本開示のさらに好ましい用途は次の通りである。今日、消耗品は滅菌包装された状態で配達され、その後、それらを検出する必要がある。同様に、診療所には、個別に包装されて滅菌された個別包装の器具がある。スマートポートは、好ましくは、滅菌バリアを開けることなく、滅菌包装越しに医療製品をスキャンするように提供及び構成されている。
【0048】
要約すると、本開示は以下の重要な機能を果たす。
-滅菌:滅菌製品サイクルでは、病院内で、好ましくは中央ポイントに、特にCSSDに、中央の読み取りポイント/検出場所が設置され、確立されたあらゆる技術を使ってすべての医療製品を検出する。
-ロボット工学:RUMEDにおける医療製品の半自動検出への道。
-人工知能:画像認識とシステム学習を用いた医療製品の認識、特に、直径0.5mmのダイヤモンドカッタなどの非常に小さな製品の認識。
【0049】
さらに、本開示では、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多い数の異なるモジュールを任意の所望の組み合わせでスマートポートに装備することが好ましい。
【0050】
本開示ではさらに、先述の態様の1つによるスマートポートが、医療製品の検出および読み取り装置として使用されるように構成/提供される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】先行技術による医療製品の読み取りシステムを説明するための図である。
【
図4】スマートポートを備えた医療製品の読み取りシステムを説明するための図である。
【
図7】NFCタグおよびRFIDタグと共に第2モジュールを示す図である。
【
図9】第3のモジュールであるライダーセンサの設置サイズと形状を示す。
【
図10】第4のモジュールの2つの検出画像の図である。
【
図11】第5のモジュールであるQUANTUMDOT(量子ドット)センサの図である。
【
図12】スマートポートが取り付けられた、あるいは一体化されたロボットアームの図である。
【
図14】動作中のスマートポートの通信接続を示す図である。
【
図15】スマートポートと、ふるいバスケットと、顧客の機器データ管理システムと、クラウドと、製造業者の機器データ管理システムとを備えたシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
構成例の説明
本開示の好ましい構成例を、関連する図に基づいて以下に説明する。
【0053】
図1については、本明細書の冒頭ですでに述べたとおりである。
【0054】
図2は、スマートポート1の図である。
図2では、スマートポート1/多機能読み書き装置とその技術について特に説明する。スマートポート1は、概略的に示されているだけであり、別のモジュール構造で構成されてもよい。したがって、
図2には、すべての機能/検出技術が組み合わされたスマートポート1の概略図が示されている。人間工学的に必要であれば、個々のモジュールの配置が異なってもよい。
【0055】
スマートポート1は、第1のモジュール6を有し、第1のモジュール6は、スキャナとして構成されており、バーコードおよび/またはデータマトリックスコードまたは他の2Dコードをスキャンするまたは読み取るように設計されている。さらに、スマートポート1は、第2のモジュール9を有し、第2のモジュール9は、NFCモジュールおよび/またはRFIDモジュールとして構成されており、少なくとも1つのNFCタグ10および/または少なくとも1つのRFIDタグ11を読み取るように、場合によっては書き換えるように設計されている。スマートポート1は、第3のモジュール12を有し、第3のモジュール12は、ライダーを使って表面スキャン13を実行し、少なくとも1つの医療製品2をその形状に基づいて認識および評価するように設計されている。さらに、スマートポート1は、第4のモジュール14を有し、第4のモジュール14は、カメラシステムとして構成されており、医療製品2の少なくとも1つの画像15を検出し、AI(人工知能)を用いて画像を評価するように設計されている。スマートポート1はまた、第5のモジュール16を有し、第5のモジュール16は、量子ドットセンサ27として構成されており、色の違いによって医療製品2のデータを検出するように設計されている。
【0056】
スマートポート1の形状は様々であってよい。
図2では、スマートポート1は長方形のハウジング23で構成されている。第1のモジュール6はハウジング23内へ奥まって設置されており、第2のモジュール9はハウジング23の平坦面上に配置されており、第3、第4、第5のモジュール12、14、16は上方傾斜構造24に組み込まれている。
【0057】
図3は、スマートポート1の位置を示す図である。スマートポート1は、サイクル22においてあらゆる使用済み医療製品2が処理される包装ステーションに配置される。このようなサイクル22には、CSSD、RUMEDなどの部署のうちの1つが関与し得る。ここで、医療製品2が検査され、管理され、ふるいバスケット18に割り当てられる。スマートポート1は、製造業者の機器データ管理システム20および顧客の機器データ管理システム5とデータを交換するように構成されている。スマートポート1の位置は追跡ポイント24として追跡することができる。
【0058】
図4は、医療製品2のためのスマートポート1を備える読み取りシステムを説明するための図である。スマートポート1は、ありとあらゆる検出技術を網羅することができる。スマートポート1に統合され得るモジュール6、9、12、14、16によって、製品マーキングの種類に関係なく、1つのスマートポート1だけで各医療製品2を検出でき、データを顧客の機器データ管理システム5へ送ることができる。
【0059】
図5は、データマトリックスコード7の図である。
図5の右側では、データマトリックスコード7は医療製品2に取り付けられており、
図2に示される第1のモジュール6によって読み取られる。
【0060】
図6は、バーコード8の図である。バーコード8はラベル25に印刷されており、ラベル25は医療製品2に適用されるように構成されている。
【0061】
図7は、NFCタグ10およびRFIDタグ11と共に第2のモジュール9を示す図である。
図7の左側には2つのスマートポート1が示されており、そのうちの1つはNFCタグ10を検出するための例として、もう1つは図示された医療製品2のRFIDタグ11を検出するための例として示されている。
図7の右側には、NFCタグ10またはRFIDタグ11を備える例示的な医療製品2が一例として示されている。
【0062】
図8は、
図2の第3のモジュール12によって実行される表面スキャン13の図である。
【0063】
図9は、スマートポート1の第3のモジュール12であるライダーセンサ26の設置サイズと形状を示す。ここでは、例示的なライダーセンサ26の設置サイズは、手のひらの約5分の1である。
【0064】
図10は、第4のモジュール14の異なるアイテムを含む2つの検出画像15の図であり、アイテムの認識が枠線で示されている。
【0065】
図11は、第5のモジュール16であるQUANTUMDOTセンサ27の図である。
【0066】
図12は、スマートポート1が取り付けられた、または一体化されたロボットアーム21の図である。
図12は、スマートポート1が円筒形状を有してもよいことを示しており、この場合、モジュール6、9、12、14、16は1つの端面に統合される。円筒形のスマートポート1は、ロボットアーム21の一端に固定/取り付けられ、医療製品2を認識/検出するように設計されている。
【0067】
【0068】
図14は、動作中のスマートポート1の通信接続28の図である。
【0069】
図15は、スマートポート1と、ふるいバスケット18と、ふるいバスケット18に挿入可能であり、医療製品2を保持する器具ホルダ19と、を備えるシステムの図であり、スマートポート1は、ふるいバスケット18および/または器具ホルダ19にある少なくとも1つの医療製品2のデータおよび情報を読み出し、さらなる処理のために、顧客の機器データ管理システム5、クラウド3、および/または製造業者の機器データ管理システム20へそのデータおよび情報を送信するように提供及び構成されている。
図15はさらに、医療製品2とふるいバスケット18との間のブルートゥース(登録商標)による通信接続28を示している。
【0070】
図16は、滅菌包装29に入ったハサミの形態の医療製品2の図であり、滅菌バリアを開けずにスキャンすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1:スマートポート
2:医療製品
3:クラウド
4:インターフェース
5:顧客の機器データ管理システム
6:第1のモジュール
7:データマトリックスコード
8:バーコード
9:第2のモジュール
10:NFCタグ
11:RFIDタグ
12:第3のモジュール
13:表面スキャン
14:第4のモジュール
15:画像
16:第5のモジュール
17:システム
18:ふるいバスケット
19:器具ホルダ
20:製造業者の機器データ管理システム
21:ロボットアーム
22:サイクル
23:ハウジング
24:構造
25:ラベル
26:ライダーセンサ
27:QUANTUMDOTセンサ
28:通信接続
29:滅菌包装
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートポートを有するシステムであって、
前記スマートポートは、少なくとも1つの医療製品のデータおよび情報を読み出し、さらなる処理のために、顧客の機器データ管理システム、クラウド、および/または製造業者の機器データ管理システムへ前記データおよび情報を送信するように提供及び構成されており、
少なくとも1つの前記医療製
品を個別に検出および読み取るための
前記スマートポー
トは、好きなように組み合わせ可能な複数の別個のモジュールを備え、
前記モジュールのそれぞれが、
少なくとも1つの前記医療製品の前記データおよび情報を検出および読み出すための異なる検出技術を備えるように構成されており、
少なくとも1つの光学検出技術ならびに無線検出技術の使用が提供され
、
前記スマートポート、特に前記スマートポートの演算ユニット又は前記スマートポート内の演算ユニットは、
少なくとも1つの前記医療製品を検出し、所定の及び/又は予め定められた時間ウィンドウ内で信号を送信するように提供及び構成されており、前記信号は、前記医療製品の検出によって割り当ての正誤を記録するために提供され、
前記割り当ての正確さを保証するために、前記時間ウィンドウ内で、前記光学検出技術と前記無線検出技術とを互いに比較するように提供及び構成されていることを特徴とする、
システム。
【請求項2】
前記スマートポー
トは、前記スマートポー
トの周囲に、前記医療製
品を読み取ることができる空間を画定することを特徴とする、請求項1に記載の
システム。
【請求項3】
前
記時間ウィンドウ
は、2~3秒以内
であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
システム。
【請求項4】
前記スマートポー
トは、特に光学的および/または音響的に、少なくとも2つの異なるフィードバック信号を出力するように提供及び構成されており、これにより、
前記割り当ての正誤を認識することができることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項5】
検出および読み出されたデータをクラウ
ドベースのインフラストラクチャにロードし、インターフェー
スを介して、顧客の機器データ管理システ
ムおよび/または製造業者の機器データ管理システ
ムと通信するように提供及び構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項6】
前記スマートポー
トが、データコレクタとして機能し、前記データが取得されるまで、前記データを不揮発性メモリ、特にSDカード、ハードディスクおよび/またはUSBスティックに保存するように提供及び構成されていることを特徴とする、請求項
5に記載の
システム。
【請求項7】
前記モジュールは、第1のモジュー
ル、好ましくはスキャナ
を備え、
前記第1のモジュールは、医療製
品に適用され、読み取り可能に提供及び構成されているデータマトリックスコー
ドおよび/またはバーコー
ドを読み取るように構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項8】
前記モジュールは、第2のモジュー
ル、好ましくはRFIDモジュール、特にNFCモジュール
を備え、
前記第2のモジュールは、医療製
品に収容され、読み取り可能および/または書き込み可能に提供及び構成されたRFIDタ
グ、特にNFCタ
グを読み取るように構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項9】
前記第2のモジュー
ルは、HF、UHFおよび/またはSHFの周波数範囲で動作することを特徴とする、請求項
8に記載の
システム。
【請求項10】
前記モジュールは、第3のモジュー
ル、好ましくはライダーセン
サを備え、
前記第3のモジュールは、少なくとも1つの医療製
品の表面スキャ
ンを行うように構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項11】
前記モジュールは、第4のモジュー
ル、好ましくは撮像モジュール
を備え、
前記第4のモジュールは、医療製
品の少なくとも1つの画
像を保存するように構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項12】
前記モジュールのうちの1つのモジュールは、少なくとも1つの医療製品をその形状に基づいて認識し、前記医療製品の目標状態と比較するように提供及び構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項13】
前記モジュールは、第5のモジュー
ル、好ましくは量子ドットセン
サを備え、
前記第5のモジュールは、色の違いで医療製
品のデータを保存するように構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の
システム。
【請求項14】
前記スマートポートには、個々の医療製
品の形状に基づいて前記医療製
品を認識および評価し、好ましくはそれらの耐用年数を特定するための人工知能を備えた装置
が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
好ましくは滅菌品サイクルで、医療製
品の検出および読み取り装置として使用される、請求項
1に記載の
システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
図16は、滅菌包装29に入ったハサミの形態の医療製品2の図であり、滅菌バリアを開けずにスキャンすることができる。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
好きなように組み合わせ可能な複数の別個のモジュールによって、医療製品(2)を個別に検出および読み取るためのスマートポート(1)であって、
前記モジュールのそれぞれが、異なる検出技術を備えるように構成されており、
少なくとも1つの光学検出技術ならびに無線検出技術の使用が提供される、スマートポート(1)。
(項目2)
前記スマートポート(1)は、前記スマートポート(1)の周囲に、前記医療製品(2)を読み取ることができる空間を画定することを特徴とする、項目1に記載のスマートポート(1)。
(項目3)
前記スマートポート(1)、特に前記スマートポート(1)の演算ユニット又は前記スマートポート(1)内の演算ユニットは、前記医療製品(2)を検出し、所定の及び/又は予め定められた時間ウィンドウ内、特に2~3秒以内に信号を送信するように提供及び構成されていることを特徴とする、項目1又は2に記載のスマートポート(1)。
(項目4)
前記光学検出技術と前記無線検出技術とを、前記時間ウィンドウ内で互いに比較することができることを特徴とする、項目3に記載のスマートポート(1)。
(項目5)
前記スマートポート(1)は、特に光学的および/または音響的に、少なくとも2つの異なるフィードバック信号を出力するように提供及び構成されており、これにより、割り当ての正誤を認識することができることを特徴とする、項目1から4のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目6)
検出および読み出されたデータをクラウド(3)ベースのインフラストラクチャにロードし、インターフェース(4)を介して、顧客の機器データ管理システム(5)および/または製造業者の機器データ管理システム(20)と通信するように提供及び構成されていることを特徴とする、項目1から5のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目7)
前記スマートポート(1)が、データコレクタとして機能し、前記データが取得されるまで、前記データを不揮発性メモリ、特にSDカード、ハードディスクおよび/またはUSBスティックに保存するように提供及び構成されていることを特徴とする、項目6に記載のスマートポート。
(項目8)
第1のモジュール(6)、好ましくはスキャナが設けられており、医療製品(2)に適用され、読み取り可能に提供及び構成されているデータマトリックスコード(7)および/またはバーコード(8)を読み取るように構成されていることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目9)
第2のモジュール(9)、好ましくはRFIDモジュール、特にNFCモジュールが設けられており、医療製品(2)に収容され、読み取り可能および/または書き込み可能に提供及び構成されたRFIDタグ(11)、特にNFCタグ(10)を読み取るように構成されていることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目10)
前記第2のモジュール(9)は、HF、UHFおよび/またはSHFの周波数範囲で動作することを特徴とする、項目9に記載のスマートポート(1)。
(項目11)
第3のモジュール(12)、好ましくはライダーセンサ(26)が設けられており、少なくとも1つの医療製品(2)の表面スキャン(13)を行うように構成されていることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目12)
第4のモジュール(14)、好ましくは撮像モジュールが設けられており、医療製品(2)の少なくとも1つの画像(15)を保存するように構成されていることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目13)
人工知能が、前記第3のモジュール(12)および前記第4のモジュール(13)に設けられていることを特徴とする、項目11または12に記載のスマートポート(1)。
(項目14)
第5のモジュール(16)、好ましくは量子ドットセンサ(27)が設けられており、色の違いで医療製品(2)のデータを保存するように構成されていることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
(項目15)
項目1から14のいずれか一項に記載のスマートポート(1)と、ふるいバスケット(18)と、前記ふるいバスケット(18)に挿入可能であり、前記医療製品(2)を保持する器具ホルダ(19)と、を備えたシステム(17)であって、
前記スマートポート(1)は、前記ふるいバスケット(18)および/または前記器具ホルダ(19)にある少なくとも1つの医療製品(2)のデータおよび情報を読み出し、さらなる処理のために、顧客の機器データ管理システム(5)、クラウド(3)および/または製造業者の機器データ管理システム(20)へ送信するように提供及び構成されていることを特徴とする、システム(17)。
(項目16)
項目1から14の1つに記載のスマートポート(1)が取り付けられた、または一体化されたロボットアーム(21)。
(項目17)
個々の医療製品(2)の形状に基づいて前記医療製品(2)を認識および評価し、好ましくはそれらの耐用年数を特定するための人工知能を備えた装置。
(項目18)
医療製品(2)の検出および読み取り装置として使用される、項目1から14のいずれか一項に記載のスマートポート(1)。
【国際調査報告】