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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】機械的循環補助装置のためのシール
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/178 20210101AFI20240725BHJP
   A61M 60/242 20210101ALI20240725BHJP
   A61M 60/411 20210101ALI20240725BHJP
   A61M 60/827 20210101ALI20240725BHJP
【FI】
A61M60/178
A61M60/242
A61M60/411
A61M60/827
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506615
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022039209
(87)【国際公開番号】W WO2023014742
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,436
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/365,298
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】ミッツェ,マルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴ,ヴラディミール
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ケネス,エム.
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】シェレンベルク,インガ
(72)【発明者】
【氏名】ブルグハウス,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】デーリング,トム
(72)【発明者】
【氏名】フェルヒ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ストッツ,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】ベット,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼンメイ,ダーヴィト
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD10
4C077EE01
4C077FF04
4C077KK17
(57)【要約】
本開示は、概して、血液の移動を支援するために医療分野で使用される機械的心血管補助システムを対象とする。特に、本開示は、インペラが回転駆動シャフトを介してモータに接続されており、モータがモータ区画内に包有されており、回転駆動シャフトがモータ区画から延在し、機械的シール、例えば、回転シャフトリップシールが、血液がモータ区画に入るのを防止する、機械的心血管補助システムを対象とする。シールは、他の特徴の中でも特に、反転した半径方向シャフトシールを有し得、2つの対向する半径方向シャフトシールを有し得、かつ/又は1つ以上のエラストマーディスクを有し得る。
【選択図】図16A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓ポンプのためのシールであって、前記シールが、
前記心臓ポンプのモータシャフトを取り囲むように構成された遠位半径方向シャフトシールであって、遠位に面する前記遠位半径方向シャフトシールの平坦な側面、及び近位に面する前記遠位半径方向シャフトシールの開口した側面を有する、遠位半径方向シャフトシールと、
近位半径方向シャフトシールであって、前記近位半径方向シャフトシールが、前記遠位半径方向シャフトシールよりも前記ポンプのインペラから遠くに位置し、近位に面する前記近位半径方向シャフトシールの平坦な側面、及び遠位に面する前記近位半径方向シャフトシールの開口した側面を有するように、前記近位半径方向シャフトシールが前記シャフトを取り囲み、前記遠位半径方向シャフトシールの近位に位置するように構成された、近位半径方向シャフトシールと、を備える、シール。
【請求項2】
前記遠位半径方向シャフトシールが、前記シャフトに接触しかつ前記遠位半径方向シャフトシールの前記平坦な側面から近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを備える、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記遠位半径方向シャフトシールの前記開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ前記遠位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップを前記シャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された遠位ばねを更に備える、請求項1に記載のシール。
【請求項4】
前記近位半径方向シャフトシールの前記開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ前記近位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップを前記シャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された近位ばねを更に備える、請求項3に記載のシール。
【請求項5】
前記シャフトの外径よりも小さいように構成された内径を有する中央開口部を備える1つ以上のディスクを更に備える、請求項1に記載のシール。
【請求項6】
前記ディスクの各々の前記中央開口部の半径方向内縁が、前記シャフトの回転に応答して摩耗するように構成されている、請求項5に記載のシール。
【請求項7】
前記遠位半径方向シャフトシールと中間ディスクとの間、及び前記中間ディスクと前記近位半径方向シャフトシールとの間に位置するグリースを更に備える、請求項6に記載のシール。
【請求項8】
前記シールが、前記心臓ポンプとともに組み立てられかつカテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシール。
【請求項9】
遠位端壁及び前記遠位端壁から近位に延在する円筒形側壁を有するハウジングを更に備え、前記遠位端壁が、血流に接触するように構成された遠位側面を有し、かつ中央開口部であって、前記シャフトを、前記中央開口部を通して受容するように構成された、中央開口部を有し、前記遠位半径方向シャフトシールが、前記ハウジング内に少なくとも部分的に、前記遠位端壁の近位に位置するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシール。
【請求項10】
心臓ポンプのためのシール組立体であって、
遠位端壁及び円筒形側壁を有するハウジングであって、前記側壁が、前記遠位端壁から軸方向及び近位に延在して空洞を画定し、前記遠位端壁が、血流に接触するように構成された遠位側面を有し、かつ中央開口部であって、外径を有するシャフトを、前記中央開口部を通して受容するように構成された、中央開口部を有する、ハウジングと、
前記遠位端壁の近位に位置する前記空洞の内側の遠位ディスクと、
前記遠位ディスクの近位に位置する前記空洞の内側の遠位半径方向シャフトシールであって、遠位に面する平坦な側面及び近位に面する開口した側面を有する、遠位半径方向シャフトシールと、
前記遠位半径方向シャフトシールの近位に位置する前記空洞の内側の近位半径方向シャフトシールであって、近位に面する平坦な側面及び遠位に面する開口した側面を有する、近位半径方向シャフトシールと、
前記遠位半径方向シャフトシールの近位及び前記近位半径方向シャフトシールの遠位に位置する前記空洞の内側の中間ディスクと、を備える、シール組立体。
【請求項11】
前記近位半径方向シャフトシールの近位に位置し、かつ前記近位半径方向シャフトシール上に、遠位方向に圧迫力を加えるために、前記心臓ポンプとともに組み立てられたときにばね式に装填されるように構成された近位ディスクを更に備える、請求項10に記載のシール組立体。
【請求項12】
前記遠位半径方向シャフトシールの前記開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ前記遠位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップを前記シャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された遠位ばねと、
前記近位半径方向シャフトシールの前記開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ前記近位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップを前記シャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された近位ばねと、を更に備える、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項13】
前記遠位ディスク及び前記中間ディスクの各々が、前記シャフトの前記外径よりも小さいように構成された内径を有する中央開口部を備える、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項14】
前記遠位ディスク及び前記中間ディスクの各々の前記中央開口部の半径方向内縁が、前記シャフトの回転に応答して摩耗するように構成されている、請求項13に記載のシール組立体。
【請求項15】
前記遠位半径方向シャフトシールと前記中間ディスクとの間、及び前記中間ディスクと前記近位半径方向シャフトシールとの間に位置するグリースを更に備える、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項16】
前記遠位半径方向シャフトシール及び前記近位半径方向シャフトシールの各々が、前記シャフトに接触する半径方向内側リップを有する、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項17】
前記遠位半径方向シャフトシール及び前記近位半径方向シャフトシールの各々が、前記ハウジングに接触する半径方向外側リップを有する、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項18】
前記シール組立体が、前記シャフトの上に統合されたユニットとして、かつ心臓ポンプハウジング内に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項19】
前記シール組立体が、前記心臓ポンプとともに組み立てられかつカテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項20】
前記ハウジングが、前記心臓ポンプのモータを補助するモータハウジングと結合されるように構成されたシールハウジングである、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項21】
前記ハウジングが、前記心臓ポンプのモータを補助するように構成されたモータハウジングである、請求項10又は11に記載のシール組立体。
【請求項22】
心臓ポンプ(22)であって、
ロータを有するモータ(145)と、
血流を提供するためのインペラ(72)と、
前記ロータ及び前記インペラに接続された駆動シャフト(140)と、
前記モータと前記インペラとの間に配設されたシール要素(156)と、を備え、
前記シール要素(156)が、前記駆動シャフト(140)をシーリング接触で受容するための中央アパーチャを含む、心臓ポンプ(22)。
【請求項23】
前記モータ(145)が、モータハウジング(164)内に包有されており、前記駆動シャフト(140)の一部分が、前記モータハウジングから延在する、請求項22に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項24】
前記シール要素(156)が、前記モータハウジング(164)の壁と前記駆動シャフト(140)との間に配設されている、請求項23に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項25】
前記シール要素(156)が、前記モータハウジング内に少なくとも部分的に位置決めされている、請求項22~24のいずれか一項に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項26】
前記シール要素(156)が、前記モータハウジング(164)に接続されている、請求項22~24のいずれか一項に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項27】
前記モータハウジングが、5mm以下の外径を有する、請求項23又は24に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項28】
前記モータハウジングが、33mm以下、任意選択的に25.5mm以下の長さを有する、請求項23又は24に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項29】
前記シール要素(156)が、シールハウジング(240)内に少なくとも部分的に包有されている、請求項23又は24に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項30】
前記シールハウジング(240)が、外側表面凹部(245)を備え、前記モータハウジングが、内側表面を有し、前記外側表面凹部が、前記内側表面と噛み合わせられている、請求項29に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項31】
前記シールハウジング(240)が、外側表面ラベット(246)を有し、前記モータハウジングが、外側表面ラベット(247)を有し、前記シールハウジングは、シールハウジングラベットがモータハウジングラベットと接する場所で溶接により前記モータハウジング(164)に取り付けられている、請求項30に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項32】
前記駆動シャフト(140)が、29~34mmの範囲の長さを有する、請求項31に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項33】
前記インペラ(72)が、前記インペラの近位端で前記駆動シャフト(140)に接続されている、請求項32に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項34】
前記インペラの遠位端が、自由に浮遊している、請求項33に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項35】
前記インペラ(72)が、中央ハブ(146)を備え、前記中央ハブが、中央ボア(226)を備え、前記駆動シャフト(140)が、前記中央ボア内に位置決めされている、請求項33に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項36】
前記インペラ(72)が、前記中央ボア(226)と連通する少なくとも1つの側部ボア(227)を更に備える、請求項35に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項37】
前記側部ボア(227)が、前記駆動シャフト(140)の遠位にある、請求項36に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項38】
インペラ基部プレート(152)が、前記駆動シャフト(140)及び前記インペラ(72)に接続されている、請求項35に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項39】
前記インペラ(72)が、前記インペラの回転軸に対して垂直な平面上に配置された半径方向流ブレード(177)を備える、請求項22に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項40】
前記インペラが、基部フランジ(150)を有し、前記半径方向流ブレード(177)が、インペラ基部フランジ(150)の近位表面上にある、請求項39に記載のポンプ(22)。
【請求項41】
インペラ基部プレート(152)が、前記駆動シャフト(140)及び前記インペラ(72)に接続されており、前記半径方向流ブレード(177)が、前記インペラ基部プレート(152)の近位表面上にある、請求項39に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項42】
前記半径方向流ブレード(177)が、前記インペラ(72)の回転軸から半径方向に延在する突出部又はくぼみである、請求項39~41のいずれか一項に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項43】
前記半径方向流ブレード(177)が、直線状又は湾曲状のうちの1つである、請求項39~42のいずれか一項に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項44】
前記シール要素(156)及び前記半径方向流ブレード(177)が、軸方向ギャップ(174)によって分離されており、前記軸方向ギャップが、0.08mm~0.3mmの範囲の距離を有する、請求項39~43のいずれか一項に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項45】
前記半径方向流ブレード(177)が、前記インペラ(72)の回転軸を中心として半径方向に対称であるように配置されている、請求項39~44のいずれか一項に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項46】
前記シール要素が、少なくとも12時間機能性を維持するように構成されている、請求項22に記載の心臓ポンプ(22)。
【請求項47】
前記シール要素が、12時間後に摩耗により機能性を失うように構成されている、請求項22に記載の心臓ポンプ(22)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、概して、機械的循環補助を提供するために、患者の循環系、例えば、左室及び大動脈に送達可能な装置を対象とする。本開示は、より具体的には、機械的循環補助装置のためのシールを対象とする。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、機械的循環補助システムのためのシールに関する。このようなシステムは、モータによって回転するインペラを有し得、シールは、モータが位置する区画に血流が入るのを軽減又は防止する。本明細書に開示された実施形態は各々、いくつかの態様を有し、そのうちの1つのみが単独で本開示の望ましい属性に対して責任を負うわけではない。本開示の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴をここで簡単に考察する。この考察を検討した後、特に「発明を実施するための形態」と題されたセクションを読んだ後、本明細書に記載の実施形態の特徴が、機械的循環補助システムの既存のシステム、装置、及び方法と比べてどのように利点を提供するかを理解するであろう。
【0003】
以下の開示は、機械的循環補助装置のためのシールの一部の実施形態の非限定的な例を説明する。例えば、開示されたシステム及び方法の他の実施形態は、本明細書に記載された特徴を含んでも含まなくてもよい。更に、開示された利点及び利益は、特定の実施形態にのみ適用することができ、本開示を限定するために使用されるべきではない。
【0004】
本開示の第1の態様は、心臓ポンプのためのシールであって、シールが、心臓ポンプのシャフトを取り囲むように構成された遠位半径方向シャフトシールであって、遠位に面する遠位半径方向シャフトシールの平坦な側面、及び近位に面する遠位半径方向シャフトシールの開口した側面を有する、遠位半径方向シャフトシールと、近位半径方向シャフトシールであって、近位半径方向シャフトシールが、遠位半径方向シャフトシールよりもポンプのインペラから遠くに位置し、近位半径方向シャフトシールの平坦な側面が、近位に面し、近位半径方向シャフトシールの開口した側面が、遠位に面する状態のように、近位半径方向シャフトシールがシャフトを取り囲み、遠位半径方向シャフトシールの近位に位置するように構成された、近位半径方向シャフトシールと、を備える、シールである。
【0005】
第2の態様は、遠位半径方向シャフトシールが、シャフトに接触しかつ遠位半径方向シャフトシールの平坦な側面から近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを備える、態様1に記載のシールである。
【0006】
第3の態様は、遠位半径方向シャフトシールの開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ遠位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップをシャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された遠位ばねを更に備える、態様1又は2に記載のシールである。
【0007】
第4の態様は、近位半径方向シャフトシールの開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ近位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップをシャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された近位ばねを更に備える、態様1~3のいずれかに記載のシールである。
【0008】
第5の態様は、シャフトの外径よりも小さいように構成された内径を有する中央開口部を備える1つ以上のディスクを更に備える、態様1~4のいずれかに記載のシールである。
【0009】
第6の態様は、ディスクの各々の中央開口部の半径方向内縁が、シャフトの回転に応答して摩耗するように構成されている、態様5に記載のシールである。
【0010】
第7の態様は、遠位半径方向シャフトシールと中間ディスクとの間、及び中間ディスクと近位半径方向シャフトシールとの間に位置するグリースを更に備える、態様1~6のいずれかに記載のシールである。
【0011】
第8の態様は、遠位半径方向シャフトシール及び近位半径方向シャフトシールの各々が、ハウジングの内側に接触するように構成された半径方向外側リップを有する、態様1~7のいずれかに記載のシールである。
【0012】
第9の態様は、シールが、心臓ポンプとともに組み立てられかつカテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、態様1~1のいずれかに記載のシールである。
【0013】
第10の態様は、遠位端壁及び遠位端壁から近位に延在する円筒形側壁を有するハウジングを更に備え、遠位端壁が、血流に接触するように構成された遠位側面を有し、かつ中央開口部であって、シャフトを、中央開口部を通して受容するように構成された、中央開口部を有し、遠位半径方向シャフトシールが、ハウジング内に少なくとも部分的に、遠位端壁の近位に位置するように構成されている、態様1~8のいずれかに記載のシールである。
【0014】
別の態様は、心臓ポンプ(22)であって、ロータを有するモータ(145)と、血流を提供するためのインペラ(72)と、ロータ及びインペラに接続された駆動シャフト(140)と、モータとインペラとの間に配設されたシール要素(156)と、を備え、シール要素(156)は、モータ(145)が血流からシールされるように、摺動シーリング接触で駆動シャフト(140)を受容するための中央アパーチャを含む、心臓ポンプ(22)である。
【0015】
別の態様は、バリア流体を使用して、血液が心臓ポンプのモータに入るのを防止する心臓ポンプである。したがって、心臓ポンプの動作時間を延長することができる。対応する心臓ポンプは、ハウジング、インペラ、モータ、シーリング要素、及びバリア流体を備える。ハウジングは、内部及び内部への開口部を有する。インペラは、少なくとも1つのブレードを有し、インペラは、開口部の隣に位置決めされている。モータは、ハウジングの内部に位置し、開口部を通過しかつインペラに結合されてインペラを駆動するシャフトを有する。シーリング要素は、インペラとモータハウジングとの間に位置し、インペラとハウジングとの間のギャップをシールするように設計されている。バリア流体は、シール要素とシャフトとの間に位置し、それらは、媒体が心臓ポンプを取り囲む環境からモータの内部に入るのを防止するように配置及び設計されている。インペラは、シャフトを介してモータによって駆動される。シーリング要素は、リング形状であり得る。シーリング要素は、インペラに取り付けられ得る。これにより、シーリング要素がインペラとともに回転することが可能になる。代替的に、シーリング要素はモータハウジングに取り付けられ得る。装着様式にかかわらず、インペラとモータハウジングとの間のギャップが、シール要素を使用してシールされ得る。バリア流体はまた、モータの内側に位置し得る。この場合、バリア流体が開口部を通して内部に入るのを防止するための追加的なシーリング要素の必要性はない。設計形態によると、シーリング要素は、接触シール又は非接触シールとして設計され得る。したがって、任意の好適なシーリング形態を使用することができる。更に、シーリング要素は、ラビリンスシールとして、及び追加的又は代替的にギャップシールとして設計され得る。このようなシールは摩耗がなく、摩擦が低い。更に、心臓ポンプは、第2のシーリング要素を有し得る。第2のシーリング要素は、開口部に位置し得、モータハウジングとインペラとの間の空間に対してモータハウジングの内部をシールするように設計され得る。バリア流体は、ギャップ内に位置し得る。このようにして、バリア流体がモータ内部に入るのを防ぐことができる。更に、心臓ポンプは、少なくとも1つのベアリングを有し得、ベアリングは、ハウジングの内側のシャフトを補助するように設計されている。有利なことに、シャフトはまた、少なくとも1つのベアリングによって中心に置かれ得る。バリア流体は、生体適合性媒体であり得る。これは、バリア流体が、心臓ポンプの漏れが発生した場合に、患者に悪影響を及ぼさないことを意味する。1つの設計によると、バリア流体はグルコース及び/又は内因性脂肪からなり得る。これにより、最適な生体適合性が確保される。
【0016】
本開示の前述及び他の特徴は、添付の図面と併せて捉えた、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを描写しており、その範囲を限定するものとみなされるべきではないと理解して、添付の図面の使用を通して本開示を更に具体的にかつ詳細に説明する。以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、同様の記号は、典型的には同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。他の実施形態を利用してもよく、他の変更が、本明細書に示した主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく行われてもよい。本開示の態様は、概して本明細書に記載されており、図面に図示されているように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、及び設計することができ、それら全ては明示的に企図され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】カテーテルによって補助されており、大動脈弁を横切って位置決めされた機械的循環補助(MCS)システムの実施形態の遠位端の断面図である。
図2】大腿動脈から左室へのアクセス経路を介して体内に挿入されたMCSシステムの実施形態を概略的に示す。
図3】本明細書に記載された様々な特徴を組み込み得るMCSシステムの実施形態の側面立面図である。
図4】イントロデューサシースが取り外されており、挿入ツール及びガイドワイヤ引戻し装填補助具を含む、図3のシステムである。
図5】本明細書に記載された様々なMCSシステム及び方法とともに使用され得る、シース及びダイレータを有するイントロデューサキットを示す。
図6】本明細書に記載された様々なMCSシステム及び方法とともに使用され得る位置付けガイドワイヤを示す。
図7図1のMCSシステムの遠位ポンプ領域の斜視部分図である。
図8】定位置にあるガイドワイヤ経路及びガイドワイヤ引戻し装填補助具を示す、図1のMCSシステムの遠位領域の側面立面図である。
図9A図1のMCSシステムで使用され得るMCS装置の一実施形態の側面図である。
図9B】シールの実施形態を示す、図9AのMCS装置の部分断面図である。
図10】遠位に面するリップシール及び遠位保護ディスクを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図11】遠位に面するリップシール、遠位保護ディスク、及び近位ディスクを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図12】近位に面するリップシール及び近位ディスクを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図13A】遠位に面するリップシールと、輪郭付けされた面を有する遠位保護ディスクと、一致する輪郭を有するインペラと、を有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図13B】遠位に面するリップシールと、輪郭付けされた面を有する遠位保護ディスクと、非一致する輪郭(例えば、平坦)を有するインペラと、を有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図14A】任意選択的に1つのガータばね又は2つのガータばねを有する互いに面する2つのリップシールを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図14B】遠位リップシール上の任意選択の前縁を示す、互いに面する2つのリップシールを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図14C】遠位保護ディスク上の任意選択の前縁を示す、互いに面する2つのリップシールを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図15】圧力バランシング潤滑剤貯蔵部を有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図16A】シールハウジング内に包有された、互いに面する2つのリップシール、遠位ディスク、中間ディスク、及び近位ディスクを有するMCS装置の別の実施形態の部分断面図である。
図16B図16Aのシール構成要素の部分的に切り取られた等角分解図である。
図16C】製造及び組み立てを容易にするために部分組立体として個別に示された、図16Aのシール構成要素の断面図である。
図16D】近位ディスクが、拡張された半径方向接触表面及び軸方向接触表面を有する、シール組立体の別の実施形態の側面断面図である。
図16E】シール組立体が、遠位にテーパ付けされた遠位シール容器を有する、シール組立体及びインペラの実施形態の斜視断面図である。
図16F】シール組立体が、遠位にテーパ付けされた遠位シール容器及び出口支柱補助部材を有し、明確にするために透明なハウジングとされている、シール組立体、インペラ、及び流れチャネルの様々な図である。
図16G】シール組立体が、遠位にテーパ付けされた遠位シール容器及び出口支柱補助部材を有し、明確にするために透明なハウジングとされている、シール組立体、インペラ、及び流れチャネルの様々な図である。
図17A】滑らかな基部表面を有するインペラの実施形態の等角図である。
図17B】例えば、図9B、10、11、12、14A、14B、14C、15、16A、16B、又は16Cに示すものなど、本明細書に記載された任意のMCS装置又はシールとともに任意選択的に使用され得、図17Aのインペラとは対照的に、近位ベーンを有するインペラの実施形態の等角図である。
図17C】例えば、図9B、10、11、12、14A、14B、14C、15、16A、16B、又は16Cに示すものなど、本明細書に記載された任意のMCS装置又はシールとともに任意選択的に使用され得、図17Aのインペラとは対照的に、近位ベーンを有するインペラの実施形態の等角図である。
図18A】本明細書に記載された様々なMCSシステムで使用され得る、インペラ基部プレートを介して駆動シャフトに緊結されたインペラの実施形態の断面図である。
図18B】本明細書に記載された様々なMCSシステムで使用され得る、駆動シャフトに直接緊結されたインペラの実施形態の断面図である。
図18C】本明細書に記載された様々なMCSシステムで使用され得る、ロックキーを有する駆動シャフトに緊結されたインペラの実施形態の等角切り取り図である。
図19】本明細書に記載された様々なMCSシステムで使用され得る、軸方向リップシール及び半径方向面リップシールを有するMCS装置の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の開示は、機械的循環補助(MCS)システム、及びモータによって駆動される駆動シャフトに接続されたインペラを有する装置に関し、血液は、1つ以上のシール及び/又は他のバリア機構によりモータに入ることが防止される。以下の詳細な説明は、特定の具体的な実施形態を対象とする。この説明では、図面を参照し、明確化のために、同様の部分又はステップは、全体を通して同様の数字で指定される場合がある。本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、又は「一部の実施形態では(in some embodiments)」についての言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書中の様々な場所における「一実施形態」、「実施形態」、又は「一部の実施形態では」の語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指すわけではなく、別個の又は代替的な実施形態が必ずしも他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。更に、一部の実施形態によって呈され、他の実施形態によって呈されない場合がある様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態では要件となり得るが、他の実施形態では要件とならない可能性がある、様々な要件が説明される。次に、本発明の実施形態について詳細に言及し、その例を添付の図面に示す。
【0019】
A.機械的循環補助(MCS)システム
本明細書に記載されたシーリング構成要素は、以下の説明のシステムなどの機械的循環補助(MCS)装置又はMCSシステム10の一部であり得る。
【0020】
図1及び2に示すように、MCSシステム10は、重度の冠動脈疾患及び/又は左室駆出率の低下を伴う選択的な又は緊急の血行力学的に安定した患者に実行される、高リスクの経皮的冠動脈インターベーション(PCI)などの様々な処置中に使用するための一時的(一般に、約6時間以下、又は約3時間以下、4時間以下、5時間以下、7時間以下、8時間以下、若しくは9時間以下)な左室補助ポンプ22を含み得る。システム10は、心臓外科医を含む心臓チームが、高リスクPCIが適切な治療選択肢であると決定した場合に使用され得る。システム10は、例えば単一の大腿動脈アクセスを介して大動脈弁を横切るように位置付けされる。
【0021】
MCSシステム10は、8フレンチ(Fr)カテーテル16などのカテーテル上に装着されたロープロファイル軸方向回転式血液ポンプを含み、ここで、1Frは1/3ミリメートル(mm)に等しい。ポンプは、MCSポンプ又はMCS装置と称され得る。定位置にあるとき、MCSポンプは、MCSコントローラ180によって駆動されて、約60mmHgで、最大約4.0リットル/分の部分的な左室補助を提供することができる。モータがシールされているため、システムのパージは必要ない。また、改善されたベアリング設計により、パージの必要性を回避することができる。「パージ」とは、血液によるモータの汚染を防止するために、システムが管を通してシステム内に繰り返し導入されるグルコース又は他の種類の液体パージを必要としないことを意味する。したがって、MCSシステム10は、パージを必要とするシステムに関連する複雑さを回避し、使用がより簡単である、より単純かつ安価な装置をもたらす。システムは、蛍光透視下で可視化され得、センサを使用した位置付けの必要性が排除される。
【0022】
システムは、拡張可能なシース12を更に含み得る。シース12は、挿入及び接近を容易にするために8~10Frの初期アクセスサイズを可能にし得、14Fr及び18Frのポンプ装置の導入を可能にするために拡張可能であり、ポンプが通過すると、約8Frカテーテルのより狭い直径に戻り得る。この特徴は、血管内のせん断力を最小限に抑えながら、血管系を通じた心臓ポンプの通過を可能にし、出血及び治癒合併症のリスクを有利に軽減し得る。動脈切開の膨隆又は伸張は、血管に害の少ない最小限のせん断で放射状の伸張によって行われ得る。アクセスは、経大腿、経腋窩、経大動脈、又は経心尖アプローチを介して達成され得る。
【0023】
図1は、8Frカテーテル16の先端上に装着されたポンプ22を有するMCSシステム10の遠位端を更に示している。本明細書で使用される場合、「遠位」及び「近位」は、図3及び9Bに例として更に示されているように、使用中のMCSシステム10に沿った、それぞれ身体からより遠い方向及び身体により近い方向を指す。装置の入口管部分70は、大動脈弁202を横切って延在する。インペラは、入口管の流出セクション68に位置し、左室203から入口管70を通して血液を引き込み、血液を流出セクション68から上行大動脈204内に排出する。モータ145は、シールされたハウジング内で、インペラのすぐ近位であり得るインペラの近位に装着されており、使用前又は使用中にモータをフラッシュする必要性が排除される。この構成は、高リスクPCI中の血行力学的補助、低侵襲的アプローチ(開腹外科手術ではない)による完全な血行再建のための時間及び安全性を提供する。
【0024】
システムは、モータのフラッシングの必要性を排除するように設計されている。システムはまた、せん断応力を最小限に抑える数値流体力学(CFD)で最適化されたインペラにより、60mmHgで最大4.0l/分までの流量性能の向上及び安全な溶血を実現する。本明細書に記載されたシール及び他の特徴は、これらの及び他の利点に寄与する。
【0025】
MCS装置10は、血液を心室から上行大動脈内及び体循環にポンピングする(図1及び2に示す)ことによって、左室の負担を能動的に軽減する。定位置にあるとき、MCS装置は、相補的なMCSコントローラによって駆動されて、0.4リットル/分(l/分)~最大4.0l/分の部分的な左室補助を提供することができる。
【0026】
一般に、全体的なMCSシステム10は、以下のうちの1つ以上を含む、一連の関連するサブシステム及び付属品を含み得る。
●MCS装置10は、ポンプ、シャフト、近位ハブ、挿入ツール、近位ケーブル、感染シールド、及びガイドワイヤ補助具を含み得る。MCS装置は、滅菌されて提供され得る。
●MCSシャフトは、電気ケーブルと、オーバーザワイヤ挿入のためのガイドワイヤルーメンと、を包含し得る。
●近位ハブは、止血を維持しかつMCS装置をMCSコントローラに接続する近位ケーブルにMCSシャフトを接続するための弁を有する、ガイドワイヤ出口を包有し得る。
●近位ケーブルは、3.5メートル(m)(約177インチ(in))の長さであり得、滅菌野からMCSコントローラが位置する非滅菌野まで延在し得る。
●MCS挿入ツールは、MCS装置10の一部であり得、イントロデューサシース内へのポンプの挿入を容易にし、かつイントロデューサシースを通過する際の潜在的な損傷又は干渉から入口管及び弁を保護し得る。
●剥離式ガイドワイヤ補助具は、MCS装置10上に予め装着され得、0.018インチ位置付けガイドワイヤのポンプ内及びMCSシャフト内への挿入を容易にし得る。
●左室内への非外傷性ワイヤ位置決めのための柔らかいコイル状の事前成形された先端を有する、3メートルの長さの0.018インチ位置付けガイドワイヤが使用され得る。ガイドワイヤは、滅菌されて提供され得る。
●使用可能な長さ275mmの14Frイントロデューサシースは、大腿動脈内へのアクセスを維持し、かつ0.035インチガイドワイヤ、診断用カテーテル、0.018インチ位置付けガイドワイヤ、及び挿入ツールの止血を実現するために使用され得る。イントロデューサシースのハウジングは、MCS挿入ツールを収容するように設計され得る。イントロデューサシースは、滅菌されて提供され得る。
●イントロデューサダイレータは、イントロデューサシースと互換性があり得、イントロデューサシースの大腿動脈内への非外傷性挿入を容易にし得る。イントロデューサダイレータは、滅菌されて提供され得る。
●MCSコントローラは、使用され得、これは、MCS装置を駆動しかつ/又は動作させ、その性能及び状態を観察しかつエラー及び状況の情報を提供する。動力付きコントローラは、少なくとも約12時間の連続動作を補助するように設計され得、患者に提供される補助のレベルを示し、調整するための基本的なインターフェースを包有し得る。更に、コントローラは、システムが動作中にエラーを検出した場合、光警報及び可聴警報通知を提供し得る。MCSコントローラは、非滅菌状態で提供されてもよく、滅菌野の外部でクリーニング及び再使用されるように設計されたエンクロージャ内に包含され得る。コントローラエンクロージャは、延長ケーブルが差し込まれるソケットを包有し得る。
【0027】
図3を参照すると、本開発の一態様による全体的なMCSシステム10が図示されており、そのサブコンポーネントについて以下でより詳細に説明する。システム10は、MCSシャフト16を軸方向に移動可能に受容するための中央ルーメンを有する近位イントロデューサハブ14を有するイントロデューサシース12を含む。MCSシャフト16は、近位ハブ18と遠位端20との間に延在する。ハブ18には、装置識別及び実行時間の追跡のための統合マイクロコントローラ又はメモリ記憶装置が設けられ得、マイクロコントローラ又はメモリ記憶装置は、過剰使用を防止して過度な摩耗又は他の技術的誤動作を避けるために使用され得る。マイクロコントローラ又はメモリ装置は、例えば、使用済み装置の使用を防止するために、装置を無効化し得る。マイクロコントローラ又はメモリ装置は、装置に関する情報又はその使用についてのメッセージを表示し得るコントローラと通信し得る。放射線不透過性材料を用いた非外傷性カニューレ先端により、X線透視下において植え込み/解釈が目に見えるようになる。
【0028】
ポンプ22は、MCSシャフト16の遠位領域によって支持されている。システム10には、ガイドワイヤ24を軸方向に移動可能に受容するための少なくとも1つの中央ルーメンが設けられている。近位ハブ18には、感染シールド26が追加的に設けられている。近位ケーブル28は、典型的には滅菌野の外側の制御システムへの解除可能な接続のために近位ハブ18とコネクタ30との間に延在して、ポンプ22を駆動する。ポンプ22は、図9B~16C、18A、18B、又は19で説明され図示されたものなど、本明細書に記載されたシール実施形態のうちのいずれかを含み得る。
【0029】
図4を参照すると、システム10は、約85mm~約160mm(例えば、約114mm)の範囲内の長さ、及び約4.5mm~約6.5mm(例えば、約5.55mm)の範囲内の内径を有する細長い管状体36を有し、近位ハブ34から遠位に延在する挿入ツール32を追加的に含む。管状体36は、中央ルーメンを含み、中央ルーメンは、中央ルーメンを通してMCSシャフト16及びポンプ22を軸方向に移動可能に受容するように適合されており、また管状体36は、イントロデューサシースの止血作用弁を通過させられた際の開存性を維持するのに十分な耐圧潰性を含む。図4に示すように、ポンプ22は、イントロデューサハブ14の近位端上の止血作用弁を通るポンプ22の通過を容易にするなどのために、管状体36内に位置決めされ得る。マーカ37(図7)は、マーカ37がハブ34の近位側面に見える限り、ポンプが管状体36内にあることを臨床医が見分けがつくように、遠位先端64から近位に間隔を置いたシャフト16上に設けられている。
【0030】
ハブ34には、挿入ツールをイントロデューサシース内にロックするために、イントロデューサシース上の相補的な第2の係合構造体と係合するための第1の係合構造体39が備えられ得る。ハブ34にはまた、MCS装置が心臓内の所望の場所に位置決めされた際に、シャフト16が挿入ツールを通って近位又は遠位に摺動するのを防止するために、シャフト16上にクランプするためのロック機構41が設けられ得る。ハブ34には、シャフト16の周りをシールし、またポンプを含むより大きな直径のMCS装置の通路を収容するための止血弁が追加的に設けられ得る。システムの1つの商業的提示では、パッケージ化されたMCS装置が、挿入ツール内に予め位置決めされており、ガイドワイヤ補助具が、図4に示すように、MCS装置及びシャフト16内に予め装填されている。
【0031】
ガイドワイヤ補助具38(図8にも示す)は、入口管70の遠位端において、ポンプ入口66の窓を画定する遠位先端64及び/又は支柱の上を摺動し取り外し可能に受容するように構成された近位開口部90を含む。ガイドワイヤガイド管83は、ガイドワイヤガイド管83を通るルーメンを有し、近位開口部90内に位置決めされており、遠位先端64のガイドワイヤポート76を通過するように整列されている。ガイドワイヤガイド管83のルーメンは、遠位方向に断面がより大きくなる遠位フレア状の漏斗状開口部92と連通している。ガイドワイヤ補助具38は、ガイドワイヤ経路に沿って、例えば、ポート76を通ってMCSポンプ22内に入り、入口管70内の流体経路の一部分を通り、ポート78を通ってMCSポンプ22から抜け、MCSポンプの外部に沿って、かつポート80を通ってシャフト16内に入るように予め装填されたガイドワイヤガイド管83を有するMCSポンプ22上に組み立てられて提供され得る。これは、ユーザにとって、ガイドワイヤの近位端を、ガイドワイヤ経路を通して漏斗92内に、及びMCSシャフト16のガイドワイヤルーメン内にガイドするのに役立つ。ガイドワイヤの装填後、ガイドワイヤガイド管83を含むガイドワイヤ補助具の把持及び取り外しを容易にするために、プルタブ94がガイドワイヤ補助具38上に設けられ得る。ガイドワイヤ補助具38は、例えば漏斗92、近位開口部90、及びガイドワイヤガイド管83に沿って、MCSポンプ22及びガイドワイヤ100からのガイドワイヤ補助具38の取り外しを容易にするために、長手方向スリット又は引き裂き線を有し得る。
【0032】
図5及び6を参照すると、イントロデューサキット110は、ガイドワイヤ100、イントロデューサシース112、ダイレータ114、及び/又は例えば上述のガイドワイヤ補助具38を含み得る。ガイドワイヤ100は、近位端102と遠位端104との間に延在する細長い可撓性本体101を含み得る。本体101の遠位ゾーンは、図6に示すように、J字先端又はピッグテールに予め成形されて、非外傷性の遠位先端を提供し得る。近位ゾーン106は、MCS装置を通すねじ込みを容易にするように構成されており、近位端102と移行部108との間に延在する。近位ゾーン106は、約100mm~約500mm(例えば、約300mm)の範囲内の軸方向長さを有する。
【0033】
イントロデューサキット110は、シース112及びダイレータ114を備える。シース112は、近位端118と遠位端120との間に延在する細長い管状体116を備える。管状体116は、近位ハブ122内で近位に終結する。任意選択的に、管状体116は拡張可能であるか、又は剥離することができる。近位ハブ122は、管状体116の長さにわたって延在しかつ遠位開口部を通って外に抜ける中央ルーメンと連通し、細長いダイレータ114を軸方向に取り外し可能に受容するよう構成された、近位端ポート124を含む。近位ハブ122には、側部ポート126、患者に対して縫合を容易にするための目128などの少なくとも1つ及び任意選択的に2つ以上の取り付け機構、並びに標準的な0.035インチガイドワイヤ、5Fr又は6Fr診断用カテーテル、0.018インチ位置付けガイドワイヤ100、及び挿入ツール32などの様々な導入された構成要素の周りにシールを提供するための、少なくとも1つ及び任意選択的に複数の止血弁が追加的に設けられている。
【0034】
MCSシステムの遠位ポンプ領域の更なる詳細を図7に示す。ポンプゾーン60が、シャフト16の遠位端のベンドリリーフ62と遠位先端64との間に延在する。ポンプ入口66は、入口管70を通って軸方向に延在する流路によってポンプ出口68と流体連通している。ポンプ入口は、入口管と遠位先端64の近位端との間の移行部の周りに位置決めされ得、一般に遠位ポート76から約5cm以下以内又は3cm以下以内にあり得る。一部の実施形態では、遠位先端64は放射線不透過性である。例えば、遠位先端64は、硫酸バリウム、ビスマス、タングステン、ヨウ素などの放射線乳白剤を含有するポリマーから作製され得る。一部の実施形態では、MCS装置全体は放射線不透過性である。一部の実施形態では、放射線不透過性マーカは、ポンプ出口68とガイドワイヤポート78との間の入口管上に位置決めされて、大動脈弁の現在の位置を示す。入口管70は、流路を隔絶するために、ポリマー(例えば、ポリウレタン)管層を有する高可撓性のスロット付き(例えば、レーザ切断)金属(例えば、ニチノール)管を備え得る。入口管は、約60mm~約100mmの範囲内の軸方向長さを有し得、一実装形態では、約67.5mmである。外径は、典型的には約4mm~約5.4mmの範囲内であり得、一実装形態では、約4.66mmである。入口管と遠位先端との間の、及びモータへの接続は、レーザ溶接、接着剤、ねじ込み、又は他の締まりばめ係合構造の使用などによって固設されてもよく、圧入によってでもよい。
【0035】
インペラ72は、ポンプ入口66とポンプ出口68との間の流路内に位置決めされ得る。図示の実施形態では、インペラ72は、ポンプ出口68に隣接して位置決めされている。以下で更に論じるように、インペラ72は、インペラ72の近位側面にあるモータハウジング74内に包含されたモータによって回転駆動される。
【0036】
MCS装置は、迅速交換で又はワイヤ構成によってのいずれかで設けられ得る。第1のガイドワイヤポート76は、遠位先端構成要素64及び入口管内の流路の少なくとも一部分を通る第1のガイドワイヤルーメンを介して、入口管70の側壁を通って延在しかつインペラ72の遠位にある第2のガイドワイヤポート78と連通している。これは、第2のガイドワイヤポート78からカテーテルと並んで近位に延在するガイドワイヤとの迅速交換に使用され得る。
【0037】
カテーテルは、ガイドワイヤがガイドワイヤルーメンを通ってカテーテルの長さ全体にわたって近位に延在する、オーバーザワイヤ構成で設けられ得る。しかしながら、図7に示すオーバーザワイヤの実施形態では、ガイドワイヤは、第2のガイドワイヤポート78を介してカテーテルを出て、インペラ及びモータハウジングの外側にわたって近位に延在し、そして第3のガイドワイヤポート80を介してカテーテルシャフト16に再び入る。図8も参照されたい。第3のガイドワイヤポート80は、モータの近位に位置しており、図示の実施形態では、ベンドリリーフ62上に位置する。第3のガイドワイヤポート80は、シャフト16の長さ全体にわたって近位に延在し近位ハブ18によって支持された近位ガイドワイヤポートで出る、ガイドワイヤルーメンと連通している。
【0038】
ポンプは、第1のガイドワイヤポート76から先端64を通って近位に、第2のガイドワイヤポート78を介して入口管の外側に、そして第3のガイドワイヤポート80を介してカテーテル内に入る、ガイドワイヤの意図された経路を辿るガイドワイヤガイド管83を有する取り外し可能なガイドワイヤ補助具38と一緒に組み立てられて提供され得る。図示の実装形態では、ガイドワイヤガイド管は、カテーテル内を近位端81まで近位に延在し、近位ハブ18まで延在するガイドワイヤルーメンと連通するか、又はガイドワイヤルーメン内に延在する。ガイドワイヤガイド近位端81は、シャフト16の遠位端の約5mm又は10mm以内に位置決めされ得るか、又は約10mm~約50mmの範囲内など、少なくとも約10mm又は20mmだけ、カテーテルシャフトガイドワイヤルーメン内に延在し得る。ガイドワイヤの近位端102は、漏斗92内に挿入され、第1の(遠位)ガイドワイヤポート76を通過し、ガイドワイヤガイド管の内側を辿ることによって意図された経路に沿ってガイドされ得る。次に、ガイドワイヤガイド管は取り外され、ガイドワイヤは定位置に残され得る。
【0039】
一実装形態では、ガイドワイヤガイド管83の遠位端は、ガイドワイヤ補助具38のプルタブ94に取り付けられており、弱体化線、スロット線、又はミシン目のある引き裂き可能な線などの軸方向に延在する分割線が設けられている。取り外しは、プルタブ94を把持し、分割線に沿ってガイドワイヤ管を分割して剥離しながらガイドワイヤ管を引き出すことなどによって達成され得る。ガイド管83の内表面には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの潤滑コーティングが設けられ得る。
【0040】
図9Aは、MCSシステム10で使用され得るMCS装置の一実施形態の側面図である。図9Bは、他の特徴の中でも特に、シールの実施形態を示す、図9Aに示すMCS装置の領域の部分断面図である。図9A及び9Bを参照すると、インペラ72は、比較的短くてもよい(例えば、29mm~34mmの範囲の)剛直なモータ駆動シャフト140に取り付けられている。シーリング要素(159)などの本明細書に開示された特徴のうちの一部は、本体の外部に保たれておりかつ1200mm~1500mmの範囲の長さを有し得る長い可撓性の駆動シャフトで心臓内にあるインペラに接続されたモータを有する、心臓ポンプとともに使用されるように適合され得る。図示の実装形態では、駆動シャフト140は、インペラハブ146上の近位延在部154などを通って、インペラ72内の近位に面する中央ルーメン142内に遠位に延在し、圧入、レーザ溶接、接着剤、又は他の接合技術によって固設され得る。インペラ72は、半径方向外向きに延在する螺旋ブレード178を含み、螺旋ブレード178の最大外径において、管状インペラハウジング82の内表面から間隔が置かれている。ブレード178は、約40μm~約120μmの範囲内の間隔が置かれ得る。インペラハウジング82は、入口管70内に形成されたスロット71の近位側面の入口管70の近位延在部であり得、インペラの遠位に可撓性を提供する。管状外膜73は、入口管を包囲し、スロット71をシールする一方で、入口管の可撓性を持ち続ける。ポンプ出口68は、例えば、インペラの近位部分(例えば、インペラの近位25%~50%の部分)と軸方向に整列した、インペラハウジングの側壁内に形成されている。
【0041】
インペラ72は、医療グレードのチタンを含み得る。これにより、数値流体力学(CFD)で最適化されたインペラ設計が可能になり、せん断応力を最小限に抑えて血液細胞の損傷(溶血)を軽減し、非一定の傾斜で効率を高める。この後者の特徴は、モールドベースの製作方法では達成することができない。表面の電気研磨により、表面粗さを減少させて、溶血への影響を最小限に抑える。
【0042】
一部の実施形態では、インペラハブ146は、近位方向に半径方向外向きにフレアして、出口68から出る血流を方向付け得るインペラ基部150を形成する。インペラ基部150の近位表面は、モータシャフト140に固設された半径方向外向きに延在するフランジの形態であり得るインペラ基部プレート152に固設されている。この目的のために、インペラ基部プレート152には、モータシャフト140を受容するための中央アパーチャが設けられ得、モータシャフト140に接合されるように適合された管状スリーブ154と一体的に形成されても接合されてもよい。一実装形態では、インペラ基部プレート152は、最初にモータシャフト140に取り付けられ、接着剤の使用などを介して接合される。第2のステップでは、インペラ72は、シャフトの上を前進されられ得、インペラ基部150は、レーザ溶接などによってインペラ基部プレート152に接合され得る。
【0043】
インペラ基部プレート152のアパーチャ内の遠位開口部は、接着剤の塗布を容易にするために、遠位方向の直径が増大していてもよい。管状スリーブ154の近位端は、以下に更に論じられるように、近位方向の外径が減少しており、スリーブをモータシャフトの上に近位に、モータシール156を通して前進させることを容易にするためのとば口傾斜路を形成し得る。
【0044】
ポンプは、高リスクPCIの短い使用時間(一部の実施形態では、約6時間以下)のために、フラッシング又はパージすることなく使用されるように構成された、血流からシールされたモータ145を含む。これは、以下で更に詳細に論じられるように、インペラ72をモータシャフト140上に直接接合する機会を提供し、追加の剛性長さ、スペース要件、又はポンプ効率など、磁気結合に関連する問題を取り除く。
【0045】
モータ145は、モータシャフト140に対して回転的に固設された複数の磁石を含み得る、モータアーマチュア(ロータ)160を包囲する空洞を取り囲む導電性巻線を有するステータ158を含む。モータシャフト140は、モータ145から回転ベアリング162を通り、更にシール156を通って延在し、その後、シールされたモータハウジング164から出る。
【0046】
シール156は、ポリマーシールリングなどの環状シールリング167を補助するシールホルダ166を含む。シールリング167は、スリーブ154又は代替的に駆動シャフト140を受容するための中央アパーチャを含み、スリーブ154に対して半径方向内側に付勢されて、回転可能なスリーブ154と摺動シーリング接触状態でシールリングを維持する。ばね168、例えば、ばねステンレス鋼又は超弾性ニチノールから作製され得るガータばねは、環状シール167とシールホルダ166との間の溝内に嵌合し、可撓性環状シール167に対して内向きに面する力を加え、これにより次に、環状シール167のリップ169と中央アパーチャ内の回転するシャフト140又はスリーブ154との間の接触力を維持する。スリーブ154又は駆動シャフト140の外表面には、シール上の摩耗を最小限に抑えるために、電気研磨などにより滑らかな表面が設けられ得る。スリーブ154又は駆動シャフト140の外表面には、シール上の摩耗を最小限に抑えるために、適用されたコーティング又はマイクロパターン表面などの疎水性又は疎水性処理などの表面処理又はコーティングが設けられ得る。
【0047】
図9Bに示すように、シールの配向は、環状シール167をシールホルダ166の近位に置き、シールホルダをインペラ72に向かって遠位に向けることを含み、シールホルダ166の遠位面は流れる血液と接触する。シール156は、血液が環状シールを通過してシールの近位にあるモータハウジング内に入るのを防止する。
【0048】
これは、MCS装置及びポンプ22とともに使用され得るシールの一例に過ぎない。様々なMCS装置上で使用され得るシールの他の実施形態が、例えば、図10~16C、18A、18B、及び19に関して、本明細書に記載されている。
【0049】
更に、本明細書に記載されたシール、ベーン、及び他の特徴は、様々な異なるMCSシステム及び装置とともに使用されてもよく、その逆もまた同様である。例えば、本明細書に記載されたシール、ベーン、及び/又は他の特徴のうちのいずれかは、特徴のうちのいずれか、例えば、2020年11月20日に出願され、Mechanical Left Ventricular Support System for Cardiogenic Shockと題する米国仮出願第63/116616号、2020年11月20日に出願され、Mechanical Circulatory Support System for High Risk Coronary Interventionsと題する米国仮出願第63/116686号、2021年7月21日に出願され、Guidewireと題する米国仮出願第63/224326号、2019年9月26日に出願され、Sealed Micropumpと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/076002号、2019年5月16日に出願され、Permanent-magnetic radial rotating joint and micropump comprising such a radial rotating jointと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/062731号、2019年5月16日に出願され、Rotor bearing systemと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/062746号、2019年6月6日に出願され、Line device for a ventricular assist device and method for producing a line deviceと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/064775号、2019年6月6日に出願され、Sensor head device for a minimal invasive ventricular assist device and method for producing such a sensor head deviceと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/064780号、2019年5月30日に出願され、Line device for conducting a blood flow for a heart support system, and production and assembly methodと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/064136号、2019年6月6日に出願され、Method for determining a flow speed of a fluid flowing through an implanted, vascular assistance system and implantable, vascular assistance systemと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/064807号、2019年8月7日に出願され、Device and method for monitoring the state of health of a patientと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/071245号、2019年8月7日に出願され、Bearing device for a heart support system, and method for rinsing a space in a bearing device for a heart support systemと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/071233号、2019年7月9日に出願され、Impeller housing for an implantable, vascular support systemと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/068434号、2019年7月19日に出願され、Feed line for a pump unit of a cardiac assistance system, cardiac assistance system and method for producing a feed line for a pump unit of a cardiac assistance systemと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/069571号、及び/又は2019年9月24日に出願され、Method and system for determining a flow speed of a fluid flowing through an implanted, vascular assistance systemと題する国際PCT出願第PCT/EP2019/075662号に記載されたMCSシステム及び装置の特徴とともに使用され得、その各々の開示全体が、全ての目的のために参照により本明細書に援用され、本明細書及び説明の一部を形成する。
【0050】
B.回転シャフトシールを有する装置によるモータ速度の制御
コントローラ180は、消費電流が変化したときでさえも、モータ145に電力を供給して目標モータ速度を維持するように適合され得る。インペラの回転速度は、インペラと駆動シャフトとが堅固に接続されているため、駆動シャフトの回転速度に直接関連する。インペラによって移動させられる血液の流量は、インペラの回転速度の関数である。回転シャフトシールのリップ又はエラストマー流体バリアの接触表面は、使用持続時間の間に摩耗するように設計され得る。これらの部品によって回転シャフトに加えられる摩擦力は、部品が摩耗するにつれて経時的に減少することが予想され得る。摩擦力の関数であるブラシレスDCモータにおけるモータ消費電流、及び圧力差などの他の要因は、同様に、摩擦の減少に応答して経時的に減少し得る。コントローラがモータ速度を検出する1つの方法は、MCSポンプ22又は装置の別の部分におけるホールセンサの使用を含み得、これは、回転速度の表示である信号をコントローラに提供する。代替的に、フィールド指向制御(FOC)モータが使用され得、これは、追加のセンサの必要性を除外することによってMCS装置を有益により小さくすることを可能にする。より小型のMCS装置(例えば、<18FR、<16FR、<14FR、約14Fr)は、高リスクPCI処置に特に有利であり得る。FOCモータは、モータがスピンしている間に発生する逆EMFを測定するために使用され得る。この逆EMFは、モータの回転の周波数を表すリズム特性(例えば、正弦波)を有し、これは、PID(比例積分微分)制御の形態を含み得る制御アルゴリズムのフィードバック信号としてコントローラによって検出され得る。コントローラは、フィードバック信号に従ってモータへの電流送達を調整してモータ速度を調整し、それによって目標速度と一致するようにし得、目標速度には、目標周辺の小さな変動に対する許容値が含まれ得、例えば、目標モータ速度の±0.006%の変動(例えば、40k rmpの目標速度に対して約250rpm)は、コントローラがモータ電流を調整することなく許容され得る。
【0051】
C.シール構成及びシーリングの原理
理論に束縛されるものではないが、回転シャフトリップシールは、典型的には、リップが高圧側、すなわち、シールが他方の側に流れるのを防止することを目的とした流体を有する側を向くように配向されている。例えば、図9B、10、11、13A、及び13Bに示すシールは、このように配向されて示されている。例えば、図9Bに示すように、シール167は、シール167の近位側面165から遠位に延在する半径方向内側リップ169を有する。空洞を有するシール167の開口した遠位側面は、流体側及びインペラ72に向かって遠位に面し、平坦であり得る反対側の近位側面165は、モータ145に向かって反対方向に近位に面する。
【0052】
従来のシーリング配置は、説明したように、開口した側面が遠位に面するシール167を有し得、また、回転するシャフトに接触する内側リップ169を有し得る。シールのこの開口したリップ側の液体は、接触リップ169と回転するシャフト140との交点と接触し得、非常に少量の液体がリップ169とシャフト140との間に層を形成し得る。その液体が血液である場合、タンパク質などの血液のいくつかの成分は、このエリア内の機械的な力又は熱によって影響を受け、それらのシャフトへの凝固又は付着を引き起こす場合があり、シール材料の寿命、又はシールの機能性の持続時間を低下させるか、又は患者に安全上の危険をもたらす場合がある。グリース、遠位保護ディスク、輪郭付けされた面を有する遠位保護ディスク、及び/又はインペラ近位ベーンなどの図9B、10、11、13A、及び13Bに関連して説明された特徴は、このリスクを軽減し得る。
【0053】
逆に、リップ及びシール空洞が血液とは反対側を向くようにシールを反対方向(例えば、図12に示す配向など)に配向し、シール空洞内に潤滑グリースの供給を含めると、リップシャフト交点に接触する液体は、優先的に潤滑剤であり得、これは血液粒子の堆積を減速又は排除し得る。本明細書に記載された実施形態のうちの一部は、シールのこの「逆」又は「後方」配向の発見に基づく。
【0054】
更に、シーリングに対する従来のアプローチは、「流体を遮断する」ことである。しかしながら、本明細書に記載されたシール構成は、「潤滑剤を内に保つ」原理に基づいて設計され得、これにより次に、流体(血液など)を遮断するのに優れた効果を有する。例えば、図14A、14B、14C、15、16A、又は19などに示すように、互いに面する2つのシールを含むことにより、更なる利点を提供し得る。各シール空洞は、グリースなどの潤滑剤の貯蔵所として機能し得る。互いに面する2つのシール空洞は、グリースのためのより大きな貯蔵所を作り出し得、シールは、グリースを貯蔵所内に留め、グリースが漏れるのを防止又は遅らせるように機能し得、一方、機械的又は熱的応力に耐えるように設計されたグリースの潤滑は、血液ではなくリップシャフト交点に接触する液体である。したがって、シーリング配置により、グリースを保つ原理に基づいて、血液の遮断がもたらされる。
【0055】
D.単一のシール及び遠位ディスクを有する実施形態
図10は、代替的なシール構成を有するMCS装置のインペラ領域の別の実施形態の断面図である。この実施形態は、遠位保護ディスク255(遠位ディスク255とも称される)が環状シールの遠位に配設されていることを除いて、図9Bの実施形態と類似している。遠位保護ディスクは、患者の血液と、シールホルダ166、シールリップ169を有する環状シール167、及びガータばね168を備える環状シール組立体との間に少なくとも部分的なバリアを提供する。遠位保護ディスクは、シールが最初に挿入されるモータハウジング164内の開口部の大部分を閉鎖することによって、血液とシールとの間の接触を軽減するように機能する。したがって、遠位保護ディスクは、そうでなければ血液に曝されるシールの大部分を覆う。また、遠位保護ディスクは、血液がシールに到達するまでに血液が移動する距離をより長くし、血液とモータ又はシールなどの装置の熱生成領域との間の断熱材として作用して、血液損傷又は凝固のリスクを軽減する。遠位保護ディスク255は、駆動シャフトが通過し得る中央穴171、及び厚さ172、例えば均一な厚さを有する、円形ディスクのような形状であり得る。遠位保護ディスク255は、モータハウジング164に対して緊密に嵌合し得(例えば、密封され得)、したがって、モータハウジングの内径と等しいか、又はわずかに大きい直径を有して、緊密な嵌合(例えば、摩擦嵌合)を形成する。任意選択的に、遠位保護ディスクは、追加的な固設及びシーリングのために、その外周の周りの突出リング、又はモータハウジング164の形態嵌合機構と噛み合う溝などの形態嵌合機構173を有し得る。任意選択的に、遠位保護ディスクは、接着剤又は溶接でモータハウジングに接着され得る。中央穴171は、遠位保護ディスク255とモータ駆動シャフト140との間に非常に小さなギャップ(例えば、0.05mm以下、0.01mm以下のギャップ)を有するようにサイズ設定されており、ギャップは、中央穴を通過するインペラ近位延在部154を含み得る。一部の実施形態では、遠位保護ディスクは、中央穴を通過する駆動シャフト140と接触せず、これにより、追加の摩擦が生成されないか、又は追加のトルク損失が発生しないことが確実になる。例えば、中央穴171は、駆動シャフト(140)の直径に小さなギャップの2倍を加えたものと等しい直径を有し得る(例えば、駆動シャフトが0.6mmの直径を有する場合、中央穴は0.62~0.70mmの範囲の直径を有し得る)。任意選択的に、中央穴の一部分は、駆動シャフトの外径よりも小さい内径を有して、流体に対するバリアとして接触及び機能し得る。厚さ172は、0.1mm~1.5mm(例えば、0.3~1.2mm、約1mm)の範囲であり得る。遠位保護ディスクは、PEEK、PTFE、又は弾性ポリウレタンなどのポリマーから作製され得、これは、断熱材として有益に機能し得、モータハウジング内に嵌合するときにわずかな変形を可能にし得るか、又は駆動シャフト(140)がディスクに一時的若しくは不注意に接触する状況における摩擦を最小限に抑え得る。更に、材料の滑りやすい表面は、軸方向ギャップ174、すなわち、インペラ72と、この場合はモータハウジング164又は遠位保護ディスクなどのインペラに面する静止構成要素との間の空間における、血液の流れを高め得る。代替的に、遠位保護ディスクは、チタン又は鋼などの金属から作製されてもよい。遠位保護ディスク255の別の機能は、シール空洞176内に潤滑グリース175を包含することである。
【0056】
シール空洞176は、グリースが貯蔵され得るシール内の空間の容積である。例えば、図10に示すシール空洞176は、シールホルダ166、環状シール167、及び遠位保護ディスク173によって画定された空間の容積であり得る。また、ガータばね168が、シール空洞176内に包有され得る。図10に示す構成では、シール空洞176は、遠位に、すなわち、インペラに向かって面する。
【0057】
図10に示すように、インペラ72は、任意選択的にインペラ基部プレート152に接続され得、インペラ基部プレートは、任意選択的に近位ベーン177を有し得る。代替的に、インペラは、モータ駆動シャフト140に直接接続されてもよく、装置は、近位ベーンを有しても有さなくてもよい。
【0058】
図10に示す装置を製造する方法は、シール構成要素(例えば、シールホルダ166、環状シール167、ばね168)をモータハウジング164内に組み立てる前に、ガータばね168を包有するシール空洞176内にグリースを分注することを含み得る。シール空洞を完全に充填し、ばねをグリースで包囲するために、分注されたグリースを包有するシール構成要素を遠心分離器内でスピンさせるか、又は真空チャンバ内で減圧して、気泡を除去し得る。次いで、シール構成要素は、モータハウジング内に押し込まれ得、遠位保護ディスク255で覆う前に、追加のグリースがシール空洞内又は環状シール167の遠位に加えられ得る。
【0059】
E.遠位ディスク及び近位ディスクを有する単一のシールを有する実施形態
図11に示すように、MCS装置は、例えば、図10に関連して説明された遠位保護ディスク255と、環状シール167に隣接して近位に、かつモータベアリング162及びモータの遠位に配設された近位ディスク275(近位ディスクとも称される)と、の両方を有し得る。近位ディスク275は、経路の大部分をシーリングし、かつ血液がモータに到達する前に血液が移動する距離をより長くすることによって、モータベアリング又はモータと血液との間の接触を軽減するように機能し得る。例えば、血液が遠位保護ディスク255及び環状シール167を通過してしまった場合、近位ディスク275は、血液がモータハウジング内に更に流れるのを防止するための追加的な手段として作用し得る。1つ以上の環状シール167の遠位にある遠位保護ディスク255と1つ以上の環状シール167の近位にある近位ディスク275との組み合わせは、外部環境からモータへの血液の通過を制限又は軽減し得、モータ若しくはベアリング162から環状シール167への、又は外部環境内の血液への、又は血液接触表面への熱伝達を軽減し得る。
【0060】
別の利益は、近位ディスク275が環状シールとともに、環状シール167の近位側面に、潤滑剤又はグリースの第2の貯蔵物が中に位置し得る近位空洞189を画定し得ることである。任意選択的に、潤滑剤又はグリースの第1の貯蔵物は、この場合、環状シール167の遠位側面にあるシール空洞176内に位置し得る。環状シールの各側に潤滑剤又はグリースの第1及び第2の貯蔵物を有することは、より大量のグリースを提供することによって、又は環状シールの各側にグリースを提供して、環状シールリップ169と駆動シャフト140又はインペラ近位延在部154などのリップと相互作用する可動部品との間に連続的なグリースの層があることを確実にすることによって、環状シールと駆動シャフトとの間の摩擦を更に軽減し得、それによって、シールの完全性の持続時間が延長される。任意選択的に、シール空洞176内に包有された第1の潤滑剤と、近位空洞189内に包有された第2の潤滑剤とは、異なる物質であり得る。例えば、第1の潤滑剤は、より高い稠度のグリース(例えば、NLGLグレード3~4)であり得、これは、シール空洞176内にほとんど包有されたままであり、少なくとも使用持続時間の間、血液がガータばね168に入るのを防止するために、ガータばね168を取り囲むように機能し得る。第2の潤滑剤は、シールリップ169を主に潤滑するように機能し得る、比較的低い稠度のグリースであり得る。第2の潤滑剤の一部分はまた、シールリップ169、相互作用する移動表面、又は遠位保護ディスクに接触して、低摩擦相互作用を提供し得る。代替的に、シール空洞176及び近位空洞189内で同じグリースが使用されてもよい。
【0061】
図11の装置を製造する方法は、図10に関連して上述したグリース分注ステップとともに、シール構成要素をモータハウジング内に押し込む前に、近位ディスク275をモータハウジング164内に押し込み、グリース又は潤滑剤の第1の貯蔵物を近位空洞189内に分注する追加のステップを含み得る。
【0062】
F.単一の反転シール及び近位ディスクを有する実施形態
シールされた回転シャフトを有するMCS装置の別の実装形態が、図12の断面図に示されており、ここでは回転シャフトリップシール167は、その接触リップ169及びシール空洞176、又はその「開口した」側面が、近位に、すなわちシールされたモータ145に向かい、インペラ72から離れる方向を向くように配向されている。示すように平坦であり得る反対側の遠位側面は、流体側及びインペラに面する。近位ディスク275は、リップシール167の近位に位置決めされており、潤滑グリースは、シール空洞175及び近位ディスク275によって画定された空間内に堆積されている。任意選択的に、MCS装置は、軸方向ギャップ174内の血流を増加させるための近位ベーンを有するインペラを有し得、これは、シール接触領域から熱を有益に除去して、血液凝固のリスクを軽減し得る。任意選択的に、リップシール167は、血液がシールを通過するのを更に防止するための前縁231(図14Bを参照)を有し得る。
【0063】
G.遠位保護ディスク及び輪郭付けされた流れ表面を有する実施形態
シールされた回転シャフトを有するMCS装置の別の実装形態を、図13Aの断面図に示す。図示のように、MCS装置の断面図は、遠位に面するリップシール167と、凹状の輪郭を有する遠位に面する円錐形表面214を有する遠位保護ディスク212と、輪郭付けされた面と一致する近位領域211を有するブレードを有するインペラ210と、を有する。遠位保護ディスク212は、PTFE、PEEK又は化合物などのエラストマー材料から作製され得、中心ボア213を有し、中心ボア213は、中心ボア内の回転シャフト位置よりもわずかに大きい内径を有し、それによって接触が最小限に抑えられるか又は回避される。例えば、回転シャフト140と遠位保護ディスク212との間の半径方向のギャップは、40μm~75μmの範囲(例えば、約0.05mm)であり得る。任意選択的に、遠位保護ディスクは、回転シャフトと少なくとも部分的に接触し得る。任意選択的に、中央開口部213の少なくとも一部分は、任意選択的に0.01~0.05mmの範囲の差だけ駆動シャフト140の外径よりも小さい直径を有する。遠位保護ディスク212は、モータハウジング164から突出し得(例えば、1~2mmの範囲の距離だけ突出し得)、これは、シール167と流れる血液との間の距離を増加させ得、これにより次に、血液がより長い期間にわたってシールに入るのを防止し得るか、又はモータ内で発生した熱から血液を断熱し得る。遠位保護ディスクの突出部は、輪郭付けされた表面、例えば、任意選択的に凹状表面を有するテーパ状又は円錐形部分214、及び平坦な表面部分215を有し得る。平坦な表面部分215は、インペラ210の基部の平坦な部分の直径と等しいか、又は同様(例えば、0.01mm以内)の直径を有し得る。テーパ状部分214の形状は、インペラハブ146の形状から滑らかに移行し得、これは、入口管70から出口窓68の外へ血流を方向付けることを容易にし得る。狭い軸方向ギャップ174は、輪郭付けされた面と一致する近位領域211を有するブレードを有するインペラ210の間にある。
【0064】
代替的に、図13Bに示すように、MCS装置は、遠位に面するリップシールを有し、輪郭付けされた面を有する遠位保護ディスクは、平坦な近位縁225などの一致しない近位形状を有するインペラ72を有し得る。
【0065】
代替的な実装形態は、輪郭付けされた面を有する遠位保護ディスクと、図13Aに示すような一致する輪郭を有するインペラ、又は図13Bに示すような一致しない輪郭を有するが、近位に面するリップシール及び任意選択の近位ディスクを有するインペラと、を有し得る。
【0066】
H.2つの半径方向シャフトシールを有する実施形態
シールされた回転シャフトを有するMCS装置の他の実施形態を、図16A~16Gに示す。図16Aは、シールハウジング内に包有された、互いに面する2つのリップシール(別名、半径方向シャフトシール)、遠位ディスク、中間ディスク、及び近位ディスクを有するMCS装置の部分断面図であり、図16Bは、その部分的に切り取られた等角分解図であり、図16Cは、部分組立体として個別に示されたシール構成要素の断面図である。図16Dは、拡張された半径方向接触表面及び軸方向接触表面を有する近位ディスクを有するシール組立体の代替的な実施形態を示しており、図16Eは、シールされた回転シャフト及びテーパ状の容器を有するMCS装置の実施形態を示しており、図16F及び16Gは、本明細書に更に記載されるように、シールされた回転シャフト及び出力支柱を有するテーパ状の容器を有するMCS装置の実施形態を示している。
【0067】
図16A~16Cに示すように、装置は、シール空洞176aを形成する半径方向内向き接触リップ267を有する遠位環状半径方向又は回転シャフトシール266を含む。遠位シール266の接触リップ267及びシール空洞176aは、近位に面する。したがって、遠位シール266は、モータに向かって近位に面する「開口した側面」と、インペラ及び血液に向かって遠位に面する「平坦な側面」と、を有する。したがって、遠位シール266は、従来的な配向から「後方」に配向されている。一部の実施形態では、「開口した側面」は、上部及び/若しくは下部フランジ又はシール266のリップによって部分的に形成されたシール266の側面であり得る。空洞は、シール266の開口した側面によって形成され得る。空洞は、シール266の端部壁とシール266の1つ以上のフランジ又はリップとの間に形成され得る。空洞は、その中に位置するばね及び/又はグリースを有し得る。端部壁、リップなどの更なる詳細を本明細書に記載する。
【0068】
装置は更に、シール空洞176bを形成する半径方向内向き接触リップ271を有する、近位環状半径方向又は回転シャフトシール270を含む。近位環状シール270の接触リップ271及びシール空洞176bは、遠位に面する。したがって、近位シール270は、モータに向かって遠位に面する(上述した)「開口した側面」と、インペラ及び血液に向かって近位に面する「平坦な側面」と、を有する。したがって、シール組立体は、近位環状シール270及び反対の配向を有する遠位環状シール266を含み、それらの接触リップ267、271及びシール空洞176a、176bは互いに面する。
【0069】
リップ267、271は、シャフト140に接触している。リップ267、271は、シャフト140に沿って延在し得る。リップ267、271の1つの又は複数の半径方向内向き表面の全て又は一部が、シャフト140に接触してもよい。リップ267、271は、例えば、図16Cに関して、本明細書に更に詳細に記載されるように、平坦であってもよく、かつ/又は非平坦な特徴を有してもよい。
【0070】
シール266、270は、半径方向外側リップ263、264を含み得る。リップ263、264は、ハウジングの半径方向内向き表面、又はシール区画の他の構成要素と接触してもよい。リップ263、264は、ハウジング又は他の構成要素に沿って延在し得る。リップ263、264は、シール266、270とハウジング又は他の構成要素との間の空間をシールし得る。リップ263、264の半径方向外側表面は、平坦、非平坦、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0071】
リップ263、264は、それぞれの端部壁262、259から延在し得る。リップ263は、端部壁262から遠位に延在する。リップ264は、端部壁259から近位に延在する。端部壁262、259は、本明細書に記載される「平坦な」側面を指し得る。半径方向内側リップ267、271は、記載されるように、端部壁262、259から延在し得る。外側リップ263、264は、外力がかかっていないとき、及び/又はシール区画内に設置されたときのいずれかにおいて、端部壁262、259に対して垂直に延在し得る。外側リップ263、264は、前縁、溝、又は凹部など、内側リップ267、271と同じ又は同様の特徴を有し得る。
【0072】
一部の実施形態では、中間エラストマーディスク260は、近位環状シール270と遠位環状シール266との間に位置決めされ得る。遠位エラストマーディスク255は、遠位環状シール266の遠位に位置決めされ得る。近位エラストマーディスク275は、近位環状シール270の近位に位置決めされ得る。
【0073】
任意選択的に、遠位シール容器240及び任意選択のシール容器キャップ278(図16B、16C、及び16Dを参照)で作製されたシールハウジングは、シール構成要素を部分組立体内に包有し得る。部分組立体は、駆動シャフト140の上のモータハウジング164内に挿入され得る。代替的に、シール構成要素は、構成要素を別個に、順次、駆動シャフト140の上のモータハウジング内の空洞内に挿入することによって、モータハウジング内に組み立てられてもよい。次に、シール構成要素は、モータハウジングに取り付けられ得る(例えば、溶接、摩擦嵌合、形態嵌合、糊付けされ得る)近位(近位)シールキャップ278で覆われ得る。
【0074】
遠位エラストマーディスク255及び中間エラストマーディスク260の両方は、PTFEなどのエラストマー生体適合性材料、弾性ポリウレタン、又はPTFE及びポリイミドなどの化合物材料から作製され得る。図16Bに示すように、ディスク255、260のうちの1つ以上は、内径が接触する図10に示すものなどのインペラ近位延在部154を任意選択的に含み得る、駆動シャフト140の外径(OD)よりも小さい内径(ID)256、261を有し得る。例えば、ID256、261は、OD141の80%~95%の範囲(例えば、約87%)であり得る。一実装形態では、ID256、261は0.52mm+/-0.02mmであり、OD141は0.60mm+/-0.01mmである。この寸法差により、エラストマーディスク255、260と駆動シャフトとの間に高干渉が生じてシールが維持される。例えば、理想的な干渉は、0.070mm~0.080mmの範囲であり得るエラストマーディスク255、260は、両方とも80μm~140μmの範囲(例えば、約100μm)の厚さを有し得る。
【0075】
高干渉、材料デュロメータ(例えば、70~85ショアの範囲)、及び厚さなどのエラストマーディスク255、260の性質により、駆動シャフトの上に挿入されたときにディスクが変形することが可能になり得る。例えば、ディスクIDが伸張し得るように、ディスクは外向きに圧縮され得、又はディスクの平面は、特にIDに近い領域で湾曲し得る。ディスクの変形は、ディスク材料が経時的に摩耗しても、駆動シャフト140との接触圧力を提供し得る。更に、高干渉は、接触圧力がゼロに減少する前に摩耗され得る量の材料を提供し、これは、血液バリアとして作用するように、ディスク255、260の機能的持続時間を引き延ばし得る。更に、高干渉は、ディスク内の駆動シャフトの偏心の小さな公差を補償し得る。
【0076】
ディスク255、260の性質により、摩擦又はトルク伝達の減少を最小限に抑えながら、MCS装置が使用される意図された持続時間の少なくとも一部の間、ディスク255、260が流体バリアとして作用することが可能になり得る。更に、遠位エラストマーディスク255は、使用持続時間の少なくとも一部の間、血液に対する第1のバリアとして機能し得る。中間エラストマーディスク260は、血液がより遠位のバリアを通過してしまった場合、血液に対する追加的なバリアとして機能し得る。また、ディスク260は、遠位環状シール空洞176aと近位環状シール空洞176bとの間の仕切りとして作用し、これらの空洞内に包有されたグリースを各環状シールの隣に保つのに役立ち得、これにより次に、環状シールの機能持続時間を引き延ばす。任意選択的に、遠位シール空洞176a内に分注されたグリース又は潤滑剤は、近位シール空洞176b内に分注されたグリース又は潤滑剤と同じであっても異なっていてもよい。一部の実施形態では、近位ディスク276は、遠位及び中間ディスク255、260と同じ又は同様の特徴を有し得る。
【0077】
それらの相対的な位置及び配向以外に、遠位シール266及び近位シール270は、互いに又は他の実装形態に関連して開示された他のシール156と同様の性質を有し得る。例えば、遠位及び近位シールの両方は、シールホルダ265、274、接触リップ267、271を有する環状シール、シールホルダ及び環状シールによって部分的に画定されたシール空洞176a、176b、並びに/又はそれぞれのシール空洞176a、176b内に保持されたガータばね269、273を有し得る。シール266、270は、同じ内径及びリップ寸法を有し得る。任意選択的に、シール266、270は、主に異なる外径を有し得、そのため、それらは製造中に互いに容易に区別可能である。
【0078】
ガータばね269、273の代替として、シールは、Oリングなどの半径方向内向きの力を加える異なる構成要素を包有してもよく、又は力を加える別個の構成要素を有さなくてもよく、ここでは接触リップを有するエラストマー環状シールの性質は、半径方向内向きの接触力を自己で加える。
【0079】
遠位及び近位環状シール266、270は、PTFEなどの生体適合性エラストマー材料、弾性ポリウレタン、又はPTFE及びポリイミドなどの化合物材料から作製され得、これらは、耐久性を強化するために1つ以上の添加剤を任意選択的に有し得る。グリースは、一方又は両方のシール空洞176a、176b、及び任意選択的に、近位シールと近位ディスク275との間に保持された第3のグリース貯蔵部内に包有され得、同じグリースであっても異なるグリースであってもよい。一実装形態では、第1のグリースが遠位シール空洞内に堆積されており、これは、近位シール空洞内に堆積された第3のグリース(例えば、NLGLクラス2)、又は近位シールと近位ディスクとの間に保持された第3のグリース貯蔵部内に保持された第2のグリースよりも高い粘度及びグリース稠度(例えば、NLGLクラス4以上)を有し得る。別の実装形態では、グリースが遠位シール空洞に堆積されており(例えば、NLGLクラス4以上)、油が近位シール空洞内に堆積されている。
【0080】
任意選択的に、遠位シール266は、その遠位面上に前縁231を有し得、前縁231は、接触するリップ267に加えて、駆動シャフト140などの回転部品と接触する遠位シールの表面である。前縁231は、前縁231の近位に位置する接触するリップ267の一部分の内径よりも小さい内径を有する遠位環状シール266の一部分である。前縁231は、内径が噛み合うモータ駆動シャフト140の外径よりも小さい内径を有する遠位環状シール266の一部分であってもよい。例えば、前縁のIDは、OD141の75%~95%の範囲(例えば、80%~90%、約87%)であり得る。一実装形態では、IDは0.52mmであり、OD141は0.60mmである。シールの遠位面上において回転するシャフト140への同一平面接続を行うことによって、前縁は、接触するリップ267の下に積極的に引き込まれる血液の発生を低減するように機能し得、これは、シールの寿命の延長に寄与し得る。遠位環状シール266は、図示のように、前縁231と接触リップ267との間に溝を有するように作製され得る。前縁231は、リップ267の内側表面内に形成された隣接する溝又は凹部によって部分的に形成され得る。代替的に、前縁231は、接触リップ267への滑らかな移行部を有し得る。
【0081】
接触リップ271及びシール空洞176bが遠位に向けられる、近位シール270の配向は、いくつかの方法で全体のシーリング機能を促進し得、例えば、潤滑グリースが、遠位シール266と近位シール270との間の空洞176b及び176a内に保持されており、これは、接触リップ267、271と駆動シャフト140との間の接触表面を覆って、摩耗を軽減し、トルク伝達の減少又は熱生成を最小限に抑え、かつ血液の進入に抵抗し、近位側面に比べて高いシール270の遠位側面の圧力は(例えば、シール空洞176b内に保持された圧迫されたグリースのため、又は血液がより遠位の血液バリアを通過してしまった場合)、接触リップ271の接触圧力を補助し得る。シャフトに接触する接触リップ271の一部分の軸方向長さは、0.3~0.8mmの範囲(例えば、約0.5mm)であり得る。
【0082】
任意選択的に、装置は、図16Aに示すように、近位シール270の近位に位置決めされた近位ディスク275を有し得る。近位ディスクは、血液が駆動シャフトベアリング162又はモータ区画に入るのを防ぐ別のバリアとして機能し得る。更に、近位ディスクは、駆動シャフトの偏心における小さな公差を考慮するのに役立ち得る。近位ディスク275は、PTFE若しくは弾性ポリウレタンなどの生体適合性エラストマー材料又は化合物から作製され得、駆動シャフト140が通過し、接触する内径276を有する中心穴を有する略ディスク形状を有し得る。ID276は、OD141の80%~97%の範囲(例えば、約93%)であり得る。一実装形態では、IDは0.56mmであり、OD141は0.6mmであり、これは、トルク伝達損失への影響をより少なくするために、遠位ディスク255又は中間ディスク260のIDよりも大きくてもよい。任意選択的に、近位ディスク275は、図16Aに示すように、遠位又は中間ディスク255、260よりも厚さが大きくてもよく、これは、近位ディスクが遠位シール容器240とモータハウジング164上の縁部との間で圧迫されたとき、ディスクのエラストマー性質とともに、シーリング構成要素の軸方向の圧迫を提供し得る。例えば、近位、中間、及び遠位ディスクの厚さは、0.10mm~0.15mmの範囲であり得る。近位ディスク275は、軸方向のシール構成要素のスタックの寸法及びスタックを圧迫するハウジング内の空間によって、軸方向に圧迫され得る。一部の実施形態では、近位ディスク275は、圧迫を提供するために、非平坦、例えば、ベルヴィルワッシャ形状などの球状であり得る。
【0083】
図16B及び16Cは、図16Aの装置を示しているが、比較的より薄い近位ディスク275を有し、更にシール容器キャップ278が追加されている。この実装形態では、例えば部分組立体として、全てのシーリング構成要素がシール容器内に包含されている。シール容器は、遠位シール容器240及びシール容器キャップ278を含み得、両方とも、ステンレス鋼又はチタンなどの金属から作製され得、例えば、摩擦嵌合、形態嵌合、ねじ込み、又は溶接でしっかりと接続され得る。
【0084】
図16Dは、別段の記載がない限り、図16Bのシールと同じ特徴及び機能を有するシール156を示している。例えば、図16Dのシール156は、軸方向に第1の厚さ282、及び軸方向に第1の厚さ282よりも大きい第2の厚さ283を有する近位ディスク275を含む。第2の厚さ283は、第1の厚さ282に対して中心軸185のより近くに位置し得る。第2の厚さ283は、第1の厚さ282とシール容器キャップ278の厚さとの組み合わせと少なくとも同じ厚さであり得る。第2の厚さ283は、第1の厚さ282とシール容器キャップ278の厚さとの組み合わせよりも厚くてもよく、その結果、近位に面する突出表面284がキャップ278から近位方向(すなわち、図の向きでは右側)に突出する。組み立てられたとき、近位に面する突出表面284は、駆動シャフトベアリング162の少なくとも一部分の遠位に面する表面(図16Aを参照)に摺動可能に接触して、別のシーリングの層を提供し得る。増加した第2の厚さ283は、モータシャフト140との摺動可能な接触を提供するより大きな半径方向内側表面285を可能にし、これは、シーリング性能を高め得る。
【0085】
図16Bを参照すると、遠位シール容器240は、シール構成要素をシール容器キャップ278とともに、又はシール容器キャップ278なしで包含し、製造を容易にするように機能する。遠位シール容器は、より柔らかい、より脆弱なシール構成要素を保護しながら、シール構成要素をモータハウジング164内に機械的に押し込むための表面を提供する、平坦で剛直な遠位表面241を有し得る。平坦で剛直な表面241はまた、表面241とインペラとの間の軸方向ギャップ174が一貫していることを確実にし、その結果、軸方向ギャップ内の血液が放出され、回転するインペラの近位面が不用意にシール構成要素に接触することがない。表面241は、駆動シャフト140の外径よりも大きい内径を有する中央穴242を有する。例えば、穴242は、穴を通過する回転部品の外径よりも0.080mm~0.150mmの範囲で大きい直径(例えば、約0.100mm)を有し得、これは、リスク管理手段として、容器から粒子が漏れるのを防止する物理的フィルタとして機能し得る。例えば、穴242は、駆動シャフトが0.60mmの直径を有する場合、0.68mm~0.75mmの範囲(例えば、約0.70mm)であり得る。換言すれば、駆動シャフトと容器240との間の半径方向ギャップは、0.040mm~0.075mmの範囲(例えば、約0.050mm)であり得る。遠位シール容器は、シールの完全性又は寿命を損なう可能性のある横方向の移動がないことを確実にする、シール構成要素を制約するように機能する内側表面248を有する円筒形側壁を有する。近位面取り部244は、製造中にモータハウジング内への挿入を容易にする。遠位面取り部243は、入口管70の挿入、又は代替的に遠位シール容器240の上のインペラハウジング82の挿入を容易にする。更に、遠位シール容器240は、モータハウジング164内に挿入するための陥凹した外側表面245を有し得る。図16Aに示すようなシール要素156を有する心臓ポンプ22の実施形態は、長さが25.5mm以下のモータハウジングを有し得る。シール部分組立体及びモータハウジングの近位端に接続された任意選択の配線モジュールによってモータハウジングに追加された追加の長さにより、モータハウジングの長さは33mm以下まで延長され得る。
【0086】
別の実施形態では、図16Eに示すように、MCS装置は、シール組立体の形態のシール156を有し得、遠位シール容器240は、図16Aに示すように平坦な遠位面241を有さず、代わりに遠位にテーパ状になっている、例えば円錐形の面321を有する。遠位にテーパ状になっている円錐形の面321は、(図16Eに示すような)直線の傾斜を有し得るか、又は代替的に、湾曲した傾斜、例えば、図13Aに示す表面214のような凹状輪郭、若しくは凸状円錐形輪郭、又はそれらの組み合わせを有してもよい。平坦な遠位面と比較して円錐形の遠位面321を有するシール容器の内側幾何学的形状により、シール構成要素の一部分は、遠位シール容器240のテーパ状部分内部に延在し得る。これにより、剛直なモータハウジングの長さが短くなり得る。より短い剛直なモータハウジングは、大動脈弓などの曲線をより容易に有益に横断する。
【0087】
更に、遠位シール容器240内の中央穴242は、平坦な形状の容器(図16D)と比較して円錐形状の容器(図16E)内でより長く、この追加の長さは、更なるシーリング機能のための空間を提供する。遠位ディスク255は、中央穴242の内側表面を裏打ちする管状延在部322を有し得る。管状延在部322は、遠位ディスク255の一部であってもよく、遠位ディスク255と同じ材料、例えばPTFEであってもよく、任意選択的に中央穴242の表面に接着され得る。管状延在部322の内側表面は、モータシャフト140と摺動可能に係合して別のシーリング機能を作り出すことによって、シーリング性能の持続時間を更に延ばすように構成され得る。一部の実施形態では、管状延在部322は、モータシャフト140に少なくとも部分的に接触することが意図された内側表面上に表面テクスチャ又は処理を有し得る。表面テクスチャ又は処理は、血液の通過を防止又は潤滑を保持するように機能し得る、親水性又は疎水性であり得る突出する円周リブ、へこみ、又はマイクロパターン上に含まれ得る。一部の実施形態では、遠位ディスク255及び/又は管状延在部322は、フェルトなど、潤滑剤を保持する材料から作製され得る。一部の実施形態では、空洞は、潤滑を保持するために、遠位シール容器240の円錐形部分内に作製され得る。管状延在部322は、その遠位軸方向面232が遠位シール容器240内の遠位開口部と同一平面になるように終端し得るか、又は容器240を越えて延在し、任意選択的にインペラハブ146と接触して軸方向面シールを作り出し得る。シール容器240を越えて延在する管状延在部322の長さは、インペラと遠位シール容器との間に適切な空間を提供するために、約100ミクロンであり得る。図16Eに示す構成では、インペラ72は、図17に示すようなインペラ基部150を含まなくてもよい。更に、インペラベーン又はブレード178は、図13B及び16Gに示すように平坦な近位縁225を有し得るか、又は図13A、16E、若しくは16Fに示すように、遠位シール容器240の遠位輪郭214、321に従って近位に延在する近位縁211を有し得る。「平坦な近位縁」225は、中心軸に対して実質的に直交する縁を有し得る。一部の実施形態では、各インペラベーン178の平坦な近位縁225又は輪郭付けされた近位縁211は、インペラハブ146を介して互いに接続され得るが、図17A、17B、及び17Cに示すインペラ基部150、又は図14Aに示すインペラ基部プレート152などのインペラ基部を介して接続されなくてもよい。換言すれば、インペラブレード178によって画定された開放空間が存在し得、そこを通して血流が軸方向及び近位方向に、遠位にテーパ付けされた表面321に向けて方向付けられ得、そこで血流が出口窓68を通して半径方向外向きに方向付けられる。
【0088】
図16F及び図16Gはそれぞれ、シール容器240、インペラ72、及び入口管70をより明確に図示するために、モータ、モータハウジング、及びモータシャフトが取り外された、MCS装置の一部分の異なる実施形態の斜視図及び側面図である。入口管70は、インペラ72及びシール容器240を明らかにするために透明に示されている。図16F及び16GのMCS装置は、図16C図16Dなどのシール組立体など、本明細書に記載のシール組立体のうちのいずれかを含み得る。
【0089】
図16F及び16Gは、出口支柱195を更に有する、遠位シール容器240の代替的な実施形態を示している。更に示されているように、一部の実施形態では、装置は、出口支柱補助体325を有する出口支柱195を含み得る。出口開口部又は窓68は、カニューレを通して入口から出口窓へと血液を移動させるインペラを包有する入口管70又はインペラケージなどの円筒形流れカニューレ内の開口部である。出口支柱195は、カニューレをモータハウジングに直接的又は間接的に保持する構造体である。出口支柱195は、軸方向に細長くかつカニューレの長手方向軸の周りに半径方向に配置された、1つ又は2つ又は3つ又は4つ以上のウェブを含み得る。出口支柱195は、入口流れカニューレ70内の出口窓68をレーザ切断することによって作製され得、出口窓間の残りの材料は、幾何学的形状が実質的に等しくあり得る出口支柱195であり得る。
【0090】
出口支柱補助体325は、遠位シール容器240に接続され得るか、又は遠位シール容器240の一部として機械加工され得、出口支柱の剛性及び曲げ抵抗を増大させるために、各々が、遠位シール容器240と出口支柱195との間に、好ましくはその近位端と遠位端との間の出口支柱の位置上にまたがる、剛性構造体を含み得る。出口支柱補助体325は、出口支柱長さ327の一部分(例えば、最大100%、最大50%、最大30%、約30%)である軸方向長さ326を有し得る。出口支柱補助体325は、遠位シール容器240の円錐形部分321の軸方向長さの一部分(例えば、最大100%、最大50%、最大30%、約30%)である軸方向長さ326を有し得る。例えば、図16Gは、円錐形部分321の長さの100%である軸方向長さ326を有する出口支柱補助体325を示しており、図16Fは、円錐形部分321の長さの約40%である軸方向長さ326を有する出口支柱補助体325を示している。出口支柱補助体325は、出口支柱195に接触し得るか、又は出口支柱195に接着され得、出口支柱195に対して曲げに対する強度又は抵抗の増加を提供する剛性材料で作製され得る。
【0091】
出口支柱補助体325は、出口支柱195の内側から出口窓68に向けて血液の流れを方向付けるように更に機能し得る。例えば、出口支柱補助体325は、出口支柱195の半径方向内側表面上の場所から出口支柱の半径方向外側縁上の場所まで、血流の方向に(すなわち、遠位から近位まで)、又は出口窓68空間内に、角度付けされた表面を有し得る。出口支柱補助体325は、血流内の上流に面するように構成されておりかつ丸みを帯び得る、前縁328を有し得る。図16Fでは、前縁328は、出口支柱195の幅の中央に位置決めされており、出口支柱補助体325は各々、前縁325から出口支柱補助体の各側面上の各隣接する出口窓68まで角度付けされた表面を有する。代替的に、図16Gに示すように、出口支柱補助体325は、出口支柱195上に、例えば、出口支柱の縁の近く、例えば、血流の半径方向の構成要素に面する出口支柱の縁の近くに、非対称に位置決めされた前縁328を有し得る。
【0092】
シール部分組立体を製造する方法は、限定されるものではないが、本明細書に記載された順序及び配向でシール構成要素を遠位シール容器内に挿入すること、シール空洞内に任意選択的に順次又は同時にグリースを分注すること、遠心分離器又は真空チャンバを使用して気泡を放出すること、及びシール容器をシール容器キャップ278で閉じることを含み得る。シール部分組立体は、駆動シャフト140の上に、任意選択的にモータハウジング内に挿入され得、例えば、遠位シール容器240のラベット246及びモータハウジングのラベット247を含み得る交点をレーザ溶接することによって、モータハウジングに接続され得る。インペラは、例えば、図9B、18A、又は18Bに関連して本明細書に記載された配置で、駆動シャフトに接続され得る。一体化されたインペラハウジングを有するインペラハウジング82又は入口管70は、モータハウジング及び/又は遠位シール容器240に接続され得る。装置は、シール内に分注されたグリースの乾燥を防止するために、空気が排出された気密パッケージ内にパッケージ化され得る。
【0093】
図16Aに示す概念の代替的な実装形態が図14A、14B、及び14Cに示されており、これらは、それらの接触リップが互いに面する状態で配向された2つの回転シャフトリップシールを有する。図14A、14B、及び14Cの実施形態は、図16A~16Cのシールに関して説明した特徴と同じ又は同様の特徴を有し得、その逆もまた同様である。
【0094】
図14Aに示すように、シールは、遠位、中間、及び近位ディスクを有さなくてもよい。任意選択的に、2つのシールのうちの1つのみが、ガータばねを包有してもよく、これは、ガータばねを包有するシール空洞176aに加えて、より多くのグリースをシール空洞176b内に堆積させることを可能にし得る。2つのシールは、モータハウジング164内に挿入され得、剛直な金属キャップは、シールの上に位置決めされ、モータハウジングに溶接され得る。代替的に、2つのシールは、図16Cに示されたもののようなシールされた容器240内に包有され、モータハウジング内に構成要素として挿入され得る。
【0095】
図14Bは、同様の実装形態を示しているが、遠位シール及び近位シールの両方内にガータばねを有する。更に、遠位シールは、接触リップの遠位にある回転シャフトに接触するように構成された前縁231を有する。
【0096】
図14Cは、別の類似の実装形態を示しているが、遠位シールは前縁を有さない。代わりに、装置は、血液に対する追加的なバリアとして機能し得る接触圧力で回転シャフトに接触するようにサイズ設定されたエラストマー遠位ディスク255を有する。
【0097】
I.圧力バランシング機構を有する実施形態
図15の実施形態は、圧力バランシング機構を含む。任意選択的に、図9B~16C、18A、18B、又は19に示すものなどの1つ以上の回転シャフトシールを有するMCS装置は、圧力バランシング機構を含み得る。
【0098】
圧力バランシング機構は、周囲の血液とシール空洞内に保持されたグリースとの間で圧力を伝達又はその他の方法で伝え得る。理論に束縛されるものではないが、シール構成要素の外側にかかる周囲の血液の圧力とシール構成要素の内側にかかるグリースの圧力との間の圧力勾配は、血液がシールに入るか、又は潤滑剤がシールを離れる原因となり得る。圧力のバランスを取り、圧力勾配を減少させるか又は排除することによって、血液又は潤滑剤の流動が最小限に抑えられ得る。これにより、装置は血液の逆行を防止し、機能性の持続時間を延長することが可能になり得る。圧力バランシング機構は、本明細書に開示されたシール実装形態のうちのいずれかとともに採用され得、1つ若しくは2つ以上の回転シャフトリップシール、1つ以上の軸方向面リップシール、シールディスク、シール容器とともに、又は遠位若しくは近位に配向されたシールとともに、特に、そのシール空洞が近位に配向された少なくとも1つのシールとともに使用され得る。
【0099】
例えば、図15に示すように、圧力バランシング機構は、それらのシール空洞176a、176bを互いに向けて配向した2つの回転シャフトシールとともに採用され得る。圧力バランシング機構は、少なくとも1つのシール空洞と、左室内などのシールと接触する外部環境と同じ又は同様の圧力特性を有する外部環境との間の圧力伝達を提供する少なくとも1つのポート又はハウジングチャネル294を含む。例えば、圧力バランシングハウジングチャネル294は、ハウジングチャネル294及び軸方向ギャップ174の両方が左室内に位置決めされるように、軸方向ギャップ174の20mm以内(例えば、15mm以内、10mm以内、5mm以内)に位置決めされ得る。流体密封され、更に可撓性のダイアフラム292は、各ハウジングチャネル294を塞いで、血液又は潤滑剤の通過を防止するが、受動的に変形して圧力を伝達し、外部血液と内部潤滑剤との間の圧力差を減少させる。心臓内の周囲圧力がシール要素内の圧力を超えて増加する場合、ダイアフラム292は内向きに屈曲し、シールされた空洞内部の圧力を増加させて、血液進入に対するより高い抵抗を提供することとなる。逆に、周囲圧力がシール要素内の圧力未満に減少する場合、ダイアフラム292は外向きに屈曲し、シールされた空洞内部の圧力を低下させて、その中に貯蔵されたグリース及び潤滑剤への外向きの力をより少なくすることとなる。
【0100】
図15に示すように、任意選択的に第2のシール空洞176bに連結されたシール空洞176aは、グリースで充填されてもよい。1つ以上のシール空洞は、ダイアフラム292と流体連通するハウジングチャネル294と流体連通するシールチャネル291と流体連通する。代替的に、ディスク間仕切りが、2つのシール空洞間に位置決めされてもよく、1つ、好ましくは遠位シール空洞は、チャネル(図示せず)と流体連通し得る。シールチャネル291は、シールホルダ内又は2つのシールホルダ166a、166b間の半径方向のボア又は通路であり得る。ハウジングチャネル294は、シールを包有する1つ以上のハウジングを通る少なくとも1つの(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの)ボアであり得る。例えば、ハウジングチャネル294は、図示のようにモータハウジング164を通り得、又はシールが図16Aに示すように容器内に保持されている場合はシールハウジングを通り得る。更に、MCS装置がモータハウジング164の上に位置決めされたインペラハウジング又は入口管70を有する実装形態では、ハウジングチャネルは、該インペラハウジング又は入口管を通る穴293を介して延在し得、ダイアフラム292は、任意選択的に穴293を充填し得る。代替的に、穴293は、ダイアフラムがなくてもよく、ダイアフラムを定位置に繋止するために、ダイアフラムを包有する穴292よりも小さい直径を有してもよい。ダイアフラムは、シリコーンであり得る。任意選択的に、潤滑剤貯蔵部290は、シールチャネル及びハウジングチャネルの両方と流体連通し得る。潤滑剤貯蔵部290は、モータハウジング内の環状溝を機械加工することによって作製され得、追加の潤滑剤を保持するように、又はシールの周りに圧力を均等に分散するように機能し得る。任意選択的に、潤滑剤貯蔵部は、グルコースを含む滅菌水などのグリースとは異なる流体で充填され得る。任意選択的に、潤滑剤は、0.30~1.30mPasの範囲の粘度を有する。
【0101】
製造方法は、ダイアフラムを適用する前に、ハウジングチャネル294のうちの少なくとも1つを通して潤滑剤を分注することを含み得る。シール空洞及び第1のハウジングチャネルと流体連通する第2のハウジングチャネルは、潤滑剤が注入される際に空気が逃れることを可能にする通気孔として機能し得、圧力のバランスを取る能力を改善し得る。
【0102】
任意選択的に、ウェーブワッシャ(図示せず)などの軸方向に圧縮可能なワッシャが、近位シール167bの近位に位置決めされ、シール容器キャップ(図示せず)などの隆起又は表面に対して置かれ得る。圧縮可能なワッシャは、近位シールに軸方向の力を加え、グリースで充填されたシール空洞内の圧力を増加させ得るか、又は装置が大気圧にあるとき、若しくは血圧に曝されたときに比較的中立位置付近で変動する場合に、ダイアフラムをわずかに外向きに膨らませ得る。
【0103】
J.回転シャフトシール及びバリア流体を有する軸方向面シールを有する実施形態
図19は、設計例による心臓ポンプ22の概略図を示している。心臓ポンプ22は、ハウジング164、インペラ72、モータ115、シーリング要素300、及びバリア流体301を備える。心臓ポンプ22は、血液ポンプ、典型的には軸流ポンプを表し、これは、一体型電動モータの形態でモータ115によって駆動され、心臓ポンプ22が患者の体内に実装するときにインペラ72によって必要な血流を発生させる。
【0104】
ハウジング164は、内部302及び内部302への開口部303を有する。内部302は、モータ115を収容するように形作られている。モータ115は、内部302内に位置し、シャフト140を有する。モータ115は、シャフト140を駆動するように形作られている。シャフト140は開口部303を通過し、インペラ72に結合されてインペラ72を駆動する。インペラ72は、少なくとも1つのブレード178を有し、ここでは例示的に、血液をポンピングするのに好適な2つのブレード178を有する。インペラ72は、モータハウジングから延在する駆動シャフト140上に配置されている。シーリング要素300は、インペラ72とモータハウジング164との間に位置し、インペラ72とモータハウジング164との間の軸方向ギャップ174をシールするように設計されている。シーリング要素300は、インペラ72に取り付けられ得る。代替的に、シーリング要素300は、モータハウジング164に取り付けられる。シーリング要素300は、ギャップ174の周りを完全にシールためにリング形状である。シーリング要素300は、軸方向面シールであり得る。任意選択的に、心臓ポンプ22は、更なるシーリング要素167を有し、それによって、更なるシーリング要素167は、開口部303に位置し、モータハウジング164とインペラ72との間の空間305に対してモータハウジング164の内部302をシールするように設計される。この場合、空間305は、シーリング要素300によって心臓ポンプ22の環境に対してシールされ、更なるシーリング要素167によって内部302に対してシールされる。任意選択的に、更なるシーリング要素167は、リップシール、又は複数のリップシールなど、本明細書の他の箇所で開示された他の半径方向回転シャフトシーリング要素の形態であり得るか、又はそれらの他の特徴を有し得る。
【0105】
この例によると、空間305内のバリア流体301は、シーリング要素300、174によって空間305内に保持されている。バリア流体301は、心臓ポンプ22の環境からの媒体がモータ115の内部に貫通するのを防止する。追加のシーリング要素167が省略されている場合、空間305は、ハウジング164の内部302に流体接続されている。この場合、バリア流体301は、モータ115の内部に拡張し得る。したがって、モータ内部は、バリア流体301で満たされ得る。
【0106】
シャフト140は、ハウジング164の反対側に装着されている。この目的のために、2つのベアリング162は、シャフト140を補助する例として内部302内に配置される。1つの設計例によると、心臓ポンプ22の動作中、流体としても説明され得る血液は、インペラ72に軸方向に供給され、ここで吸引され、半径方向及び対角線方向に、例えば、開口部68を通して放出される。インペラ72は、モータ115のシャフト140に固定されており、これにより必要な駆動電力が供給される。設計例によると、シャフト140は、少なくとも1つの半径方向及び/又は少なくとも1つの軸方向ベアリング162によって補助されている。任意選択的に、ベアリング162はまた、半径方向-軸方向ベアリング162と組み合わせて使用され得る。
【0107】
シーリング要素300は、例えば、ラビリンスシール若しくはギャップシールとして、又は両方の組み合わせとして、接触又は非接触とすることができる。更に、シャフト140をハウジング164に対してシールするために、少なくとも1つの追加的なシーリング要素167が任意選択的に提供される。シーリング要素300とモータハウジング164との間の空間は、理想的に生体適合性のバリア流体301で充填されており、これにより、心臓ポンプ22の必要な動作時間及び耐用年数全体にわたって、ポンピングされる媒体(血液)がモータの内部に浸透することが防止される。任意選択的に、追加のシーリング要素167は、モータ内部のバリア流体301の漏れを軽減する。別の可能な設計例によると、モータの内部全体が、バリア流体301で充填されている。バリア流体301は、理想的には、生体適合性媒体、例えばグルコース又は内因性脂肪からなる。更に、流体の粘度は、摩擦損失を過剰に引き起こさず、かつその低い粘度により、動作中に空間305から蒸発しないことが好ましい。更に、モータ構成要素との良好な互換性を追求しなければならない。
【0108】
例えば、心臓ポンプ22は、一時的又は短期の補助人工心臓(VAD)又は機械的循環補助(MCS)ポンプとして利用可能であり、これは非常に迅速に植え込むことができる。この目的のために、心臓ポンプ22は、設計例による単純なシステムとして設計されている。利点は、心臓ポンプ22は外部エネルギー供給を必要とするが、血液浸透からモータ115を保護する役割を果たす灌注媒体を必要としないことである。心臓ポンプ22は、そのような外部の強制的なフラッシングを必要としない。
【0109】
1つの設計例によれば、心臓ポンプ22は、インペラ72と、シーリング要素300と、から本質的になり、シーリング要素300は、インペラ72にしっかりと接続されており、ハウジング164に対して、又は代替的に、モータハウジング164にしっかりと接続された対応するシーリング要素に対してシーリング機能を有し、かつインペラ72に対するシーリング機能を有する。更に、心臓ポンプ22は、ハウジング164を回転するシャフト178に対してシールする任意選択のシーリング要素167を有する。ここでの特別な特徴は、2つのシーリング要素300、167間の空間305がバリア流体で充填されており、これにより、ポンピングされた媒体(血液)が動作期間にわたってモータの内部に浸透するのが防止されることである。
【0110】
K.表面処理を用いた実施形態
任意選択的に、血液若しくは血液粒子の凝固物が表面に固着するのを防止するのを助けるために、又は血液の移動を促進するために、又はシールリップ若しくはディスクと回転シャフトとの間の摩擦を軽減するために、1つ以上の部品に表面処理が適用され得る。例えば、表面処理は、インペラの近位表面、回転シャフト、シール容器241の遠位表面に適用され得る。表面処理は、3~5μmの範囲の厚さを有するポリビニルピロリドン(PVP)などの親水性コーティング、又は10~20μmの範囲の厚さを有するペルフルオロアルコキシ(PFA)などの疎水性コーティングであり得る。表面処理は、親水性又は疎水性の性質を有するマイクロパターン表面であり得る。シールホルダ166などの構成要素を作製するために使用される表面処理又は材料には、窒化チタン、セラミック、又はPTFEを含浸させたセラミックが含まれ得る。
【0111】
L.超吸収体を有する実施形態
任意選択的に、MCS装置は、本明細書に開示されたものなどの回転シャフトシール組立体内に超吸収体を包有し得る。例えば、超吸収体材料は、箔又はセルロースの薄い片などのキャリア材料上に提供され得、シール空洞内又はシール空洞と接触してなど、シール組立体内に位置決めされ得る。キャリア(図示せず)は、中心穴を有するディスクの形態であり得、図16Aに示す実装形態の中間ディスク260の遠位側面、中間ディスク260の近位側面、又は近位ディスク275の遠位側面のうちの1つ以上の上に位置決めされ得る。代替的又は追加的に、超吸収体は、シール空洞内に位置付けされたカプセル化された超吸収体造粒物であり得、任意選択的にグリースに混合され得る。回転シャフトリップシール又はシール若しくはディスクの前縁などの他の特徴は、血液進入に対する一次バリアを提供し得るが、一部の血液がシールに入る場合、超吸収体は血液を吸収し、更に血液がモータ内へ通過すること、又はリップと回転シャフトとの間の凝固を防止し得る。超吸収体の親水性挙動は、グリースから油を吸収することを回避し得る。血液が吸収される場合、吸収体は体積が増加し、シールリップに圧力を加えて、血液が入ることを更に防止し得る。超吸収体は、少量(例えば、<50マイクロリットル)のポリアクリル酸ナトリウムを含み得る。
【0112】
M.インペラ近位ベーンを有する実施形態
MCS装置は、本明細書に開示された実装形態の特徴を有し得、任意選択的に、中央インペラハブ146、ハブ146から半径方向に延在する軸流ブレード(例えば、2つのブレード)178、ハブ146の近位端にあるインペラ基部150及びハブの軸に対して垂直の平面上に配置された半径方向流ブレード177、並びにハブ内の、かつハブと同軸の中央ボア226を有するインペラ72を更に含み得る。任意選択的に、インペラは、インペラ基部150の近位面上に近位ベーン177を有し得る。
【0113】
理論に束縛されるものではないが、近位ベーンは、インペラが回転するときに軸方向ギャップ174内の流体の流れを高める、インペラ基部の近位表面上に半径方向に延在する構造的な突出部、又は代替的にくぼみであり、これにより、対流熱輸送が改善され、効率が向上し、血液細胞の損傷が軽減され得る。熱は、モータ及びベアリング内で、シールと回転シャフトとの間の摩擦によって発生し、血液粒子を凝固させる可能性がある。このエリアから熱を除去することにより、血液凝固のリスクが軽減され得る。小さな軸方向ギャップは、大きなギャップよりも好ましく、これは、効率及び渦エリアの損失を発生させる可能性があり、これにより次に、圧力を高め、効率を低下させ、かつ血液に損傷を与える可能性がある。近位ベーンは、流れを増加させながら、非常に小さな軸方向ギャップ、例えば、0.08mm~0.3mmの範囲の軸方向ギャップを可能にする。更に、近位ベーンは、混合された軸方向及び半径方向の血流の半径方向の構成要素を増加させて、血液を出口窓68の外に移動させ得るか、又は軸方向ギャップ174内の流体圧力を減少させ得、これは、シールの機能を改善し得る。
【0114】
図17Aは、近位ベーンを有さないが、代わりにインペラ基部150上に滑らかな近位表面225を有するMCS装置のインペラ72の等角概略図を示している。対照的に、図17B及び17Cは、2つのバージョンの近位ベーン177を有するインペラを示している。好ましくは、インペラは、振動することなく滑らかに回転するように、その中心軸の周りでバランスが取られている。インペラのバランスを取るために、近位ベーン177は、半径方向に対称であるように作製され得、例えば、等しい重量及び形状の両側にある少なくとも2つの近位ベーンは、半径方向の対称性を提供し得、図17B及び17Cに示すように、中心軸の周りに120度で位置決めされた3つの近位ベーンは、半径方向の対称性を提供し得、中心軸の周りに90度で位置決めされた4つの近位ベーンは、半径方向の対称性を提供し得る。図17Bに示すように、近位ベーン177は、インペラ基部150に平行な平面内にあってもよく、半径方向外向きに血液の流れを促進するように湾曲していてもよい。例えば、近位ベーンの湾曲は、回転方向に凸状であり得る。代替的に、近位ベーンは、図17Cに示すように、直線状であってもよく、中心ボア226から半径方向に延在してもよい。近位ベーンは、任意選択的に、図17Bに示すように互いに接続されていない内縁を有してもよく、又は図17Cに示すように互いに接続されていてもよい。インペラ近位ベーン177は、図18Bに示すようにインペラ基部150上に直接、例えば機械加工若しくは成形されて作られてもよく、又は代替的に、図18Aに示すようにインペラに接続されたインペラ基部プレート152などの別個の構成要素上に作られてもよい。
【0115】
N.インペラを駆動シャフトに接続する実施形態
インペラ72は、一貫した軸方向ギャップ174を有して、回転シャフトシールを汚染又は損傷するリスクを軽減する堅固な方法で、駆動シャフト140に接続され得る。図9Bに示す第1の例示的な実装形態では、インペラ72は、まずインペラ基部プレート152を駆動シャフトに接続することによって駆動シャフト140に接続され得、基部プレートは、近位に延在する管状近位延在部154を有する。この実装形態は、上記で詳細に説明されている。任意選択的に、基部プレート152は、軸方向ギャップ174に面する基部プレート152の近位面上にインペラ近位ベーン177を有し得る。
【0116】
図18Aに示す第2の例示的な実装形態では、管状延在部154を有するインペラ基部プレート152が、最初に駆動シャフト140に接続され得る。図9Bの実装形態とは対照的に、基部プレート152は、管状延在部154が遠位を向くように配向され得る。任意選択的に、管状延在部は、インペラを管状延在部及び基部プレートに回転方向にロックするための非円形円筒形延在部を有し得る。基部プレートは、レーザ溶接又は接着剤によって駆動シャフト140に接続され得る。例えば、スペーサが軸方向ギャップ174内に一時的に位置付けされて、一貫したギャップ及び直線整列を確実にする間に、管状延在部154の遠位端と駆動シャフト140との間の境界面にレーザ溶接を適用し得る。次いで、インペラ72は、管状延在部154をインペラ内の中央ボア266内に挿入することによって、基部プレート152に接続され得る。インペラ72は、例えば、インペラ中央ボア226内に糊を分注し、インペラを駆動シャフトの上に摺動させることによって、駆動シャフト140に接続され得、側部ボア227は、空気又は余分な糊を任意選択的に逃がすことを可能にし、基部プレートは、軸方向ギャップ174に向かうその近位面上にインペラ近位ベーン177を有し得る。
【0117】
図18Bに示す第3の例示的な実装形態では、インペラ72は、例えば、基部プレートなしで、駆動シャフト140に直接接続され得る。インペラ72は、例えば、インペラ中央ボア226内に糊を分注し、インペラを駆動シャフトの上に摺動させることによって、駆動シャフト140に接続され得、側部ボア227は、例えば、製造治具を実装することによって、又はギャップ174内にスペーサを挿入することによって、既知の距離の軸方向ギャップ174を確保にしながら、空気又は余分な糊を逃がすことを可能にする。
【0118】
図18Cに示す第4の例示的な実装形態では、インペラ72及びインペラ基部プレート152は、キー309を有する駆動シャフト140に接続され得る。インペラ基部プレート152は、任意選択的に、近位に配向された管状延在部を有し得、任意選択的に、軸方向ギャップ174内に近位に配向されたインペラ近位ベーン117を有し得る。インペラ基部プレート152は、キー309が凹部310から延在する部分と緊密に嵌合する凹部310を有し得る。インペラ72はまた、凹部310から延在するキー309の一部分が噛み合い得る凹部311を有し得る。凹部311は、キー309の遠位面上及びシャフト140の周りに溶接シームのための空間を作るための追加の空間を有し得る。キー309、凹部310、及び凹部311は、噛み合い形状を有し、回転軸に対して横断する平面において非円形であるため、キー309は凹部内でスピンすることができないが、代わりに、少なくとも部分的にキー309を通してシャフト140からインペラ基部プレート152及びインペラ72に回転力を伝達する。組み立ての方法は、モータから延在する駆動シャフト140の上にシールを組み立てることと(例えば、図16A、16B、若しくは16Cに示すものなどのシール部分組立体、又は本明細書に開示されたシールの別の実装形態)、例えば一時的なスペーサを用いて、所望の軸方向ギャップ174を維持しながら、駆動シャフト上に凹部310を有するインペラ基部プレート152を位置決めすることと、キー309を駆動シャフト140の上でありかつ凹部310内に位置決めすることと、キー309を駆動シャフト140にレーザ溶接して、溶接シーム312を作成することと、駆動シャフト140がインペラの中央ボア226内に挿入され、キー309がインペラの凹部311内に挿入され、かつインペラの基部がインペラ基部プレート152と接触するように、組立体上にインペラ72を位置決めすることと、を含み得る。インペラ72は、基部プレート152にレーザ溶接されて、溶接シーム313を作成し得る。任意選択的に、駆動シャフトを挿入する前に、接着剤がインペラの中央ボア226内に加えられ得、その場合、側部ポート227は、余分な接着剤又は空気が逃れることを可能にし得る。任意選択的に、接着剤が、インペラ72とインペラ基部プレート152との間に、基部プレート152とシャフト140との間に、又はキー309とインペラ若しくは基部プレートとの間に加えられ得る。任意選択的に、この実装形態では、インペラ72及びインペラ基部プレート152は、異なる材料から作製され得る。この場合、接着剤を使用してそれらを一緒に接合し、キー309をそれらの間の空洞内に保持しシャフト140に溶接してもよい。
【0119】
O.修正
本開示に記載された実装形態に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書に定義される一般原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示す実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された特許請求の範囲、原理、及び新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。「例」という語は、本明細書では、「例、実例、又は例解として役立つ」ことを意味するためにのみ使用される。本明細書に「例」として記載された任意の実装形態は、別段の記載がない限り、必ずしも他の実装形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0120】
別個の実装形態の文脈で本明細書に記載された特定の特徴は、単一の実装形態に組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で記載された様々な特徴は、複数の実装形態で別々に、又は任意の好適なサブコンビネーションで実装することができる。更に、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、当初はそのように特許請求された場合もあるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合により、その組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象とすることができる。
【0121】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、このような動作が、示される特定の順序で、若しくは連続した順序で実行されること、又は図示された全ての動作が実行されることを必要とするとは理解されるべきでない。更に、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の事例では、特許請求の範囲に列挙された行為は、異なる順序で実行されてもよく、それでも望ましい結果を達成することができる。
【0122】
P.用語
概して、本明細書で使用される用語は概して、「オープン」な用語として意図されていることを、当業者は理解するであろう(例えば、用語「含む(including)」は、「含む(including)が限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は、「含む(includes)が限定されない」などと解釈されるべきである)。導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記述され、そのような記述がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記述を導入するための導入語句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含み得る。しかしながら、こうした語句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による特許請求の範囲の記述の導入が、同じ特許請求の範囲が、導入語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、そのような導入された特許請求の範囲の記述を含む任意の特定の特許請求の範囲を、そのような記述を1つのみ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲の記述を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。更に、導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が明示的に記述されているとしても、当業者は、このような記述は、典型的には、少なくとも記述された数字を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしで「2つの記述」の単なる記述は、典型的には、少なくとも2つの記述、又は2つ以上の記述を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B、及びCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B、及びCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、又は図面において、2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の離接語及び/又は語句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図していると理解されるべきであると、当技術分野の者によって更に理解されるであろう。例えば、語句「A又はB」は、「A」若しくは「B」、又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0123】
Q.例示的な実施形態
以下は、番号付けされた例示的な実施形態の非網羅的なリストである。
1.心臓ポンプのためのシールであって、シールが、
心臓ポンプのモータシャフトを取り囲むように構成された遠位半径方向シャフトシールであって、遠位に面する遠位半径方向シャフトシールの平坦な側面、及び近位に面する遠位半径方向シャフトシールの開口した側面を有する、遠位半径方向シャフトシールと、
近位半径方向シャフトシールであって、近位半径方向シャフトシールが、遠位半径方向シャフトシールよりもポンプのインペラから遠くに位置し、近位に面する近位半径方向シャフトシールの平坦な側面、及び遠位に面する近位半径方向シャフトシールの開口した側面を有するように、近位半径方向シャフトシールがシャフトを取り囲み、遠位半径方向シャフトシールの近位に位置するように構成された、近位半径方向シャフトシールと、を備える、シール。
2.遠位半径方向シャフトシールが、シャフトに接触しかつ遠位半径方向シャフトシールの平坦な側面から近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを備える、実施形態1に記載のシール。
3.遠位半径方向シャフトシールの開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ遠位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップをシャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された遠位ばねを更に備える、実施形態1又は2に記載のシール。
4.近位半径方向シャフトシールの開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ近位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップをシャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された近位ばねを更に備える、実施形態1~3のいずれかに記載のシール。
5.シャフトの外径よりも小さいように構成された内径を有する中央開口部を備える1つ以上のディスクを更に備える、実施形態1~4のいずれかに記載のシール。
6.ディスクの各々の中央開口部の半径方向内縁が、シャフトの回転に応答して摩耗するように構成されている、実施形態5に記載のシール。
7.遠位半径方向シャフトシールと中間ディスクとの間、及び中間ディスクと近位半径方向シャフトシールとの間に位置するグリースを更に備える、実施形態1~6のいずれかに記載のシール。
8.遠位半径方向シャフトシール及び近位半径方向シャフトシールの各々が、ハウジングの内側に接触するように構成された半径方向外側リップを有する、実施形態1~7のいずれかに記載のシール。
9.シールが、心臓ポンプとともに組み立てられかつカテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、実施形態1~8のいずれかに記載のシール。
10.遠位端壁及び遠位端壁から近位に延在する円筒形側壁を有するハウジングを更に備え、遠位端壁が、血流に接触するように構成された遠位側面を有し、かつ中央開口部であって、シャフトを、中央開口部を通して受容するように構成された、中央開口部を有し、遠位半径方向シャフトシールが、ハウジング内に少なくとも部分的に、遠位端壁の近位に位置するように構成されている、実施形態1~9のいずれかに記載のシール。
11.心臓ポンプのためのシールであって、心臓ポンプが、軸を中心としてシャフトを介してインペラを回転させるように構成されたモータを有し、シールが、
インペラに向かって遠位に面するように構成された遠位側面と、シャフトと接触しかつ遠位側面からモータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップと、を有する遠位半径方向シャフトシールを備える、シール。
12.モータに向かって近位に面するように構成された近位側面と、シャフトに接触しかつ近位側面からインペラに向かって遠位方向に延在するように構成された半径方向内側リップと、を有する近位半径方向シャフトシールを更に備える、実施形態11に記載のシール。
13.シャフトの外径よりも小さい内径を有する開口部を有する1つ以上のディスクを更に備える、実施形態11又は12に記載のシール。
14.モータを補助するように構成されたモータハウジングと結合するように構成されたシールハウジングを更に備え、遠位半径方向シャフトシールが、シールハウジング内に少なくとも部分的に位置する、実施形態11~13のいずれかに記載のシール。
15.遠位半径方向シャフトシール及びシールハウジングが、シャフトの上に統合されたユニットとして挿入されるように構成されている、実施形態14に記載のシール。
16.心臓ポンプであって、
インペラと、
軸を中心としてシャフトを介してインペラを回転させるように構成されたモータと、
インペラに向かって遠位に面するように構成された遠位側面、及びシャフトと接触しかつ遠位側面からモータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを有する遠位半径方向シャフトシールを備えるシールと、を備える、心臓ポンプ。
17.モータに向かって近位に面するように構成された近位側面と、シャフトに接触しかつ近位側面からインペラに向かって遠位方向に延在するように構成された半径方向内側リップと、を有する近位半径方向シャフトシールを更に備える、実施形態16に記載の心臓ポンプ。
18.シャフトの外径よりも小さい内径を有する開口部を有する、ハウジング内の1つ以上のディスクを更に備える、実施形態16又は17に記載の心臓ポンプ。
19.シールハウジングを更に備え、シール及びシールハウジングが、シャフトの上に統合されたユニットとして挿入されるように構成されている、実施形態16~18のいずれかに記載の心臓ポンプ。
20.心臓ポンプが、カテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、実施形態16~19のいずれかに記載の心臓ポンプ。
21.心臓ポンプのためのシール組立体であって、
遠位端壁及び円筒形側壁を有するハウジングであって、側壁が、遠位端壁から軸方向及び近位に延在して空洞を画定し、遠位端壁が、血流に接触するように構成された遠位側面を有し、かつ中央開口部であって、外径を有するシャフトを、中央開口部を通して受容するように構成された、中央開口部を有する、ハウジングと、
遠位端壁の近位に位置する空洞の内側の遠位ディスクと、
遠位ディスクの近位に位置する空洞の内側の遠位半径方向シャフトシールであって、遠位に面する平坦な側面及び近位に面する開口した側面を有する、遠位半径方向シャフトシールと、
遠位半径方向シャフトシールの近位に位置する空洞の内側の近位半径方向シャフトシールであって、近位に面する平坦な側面及び遠位に面する開口した側面を有する、近位半径方向シャフトシールと、
遠位半径方向シャフトシールの近位及び近位半径方向シャフトシールの遠位に位置する空洞の内側の中間ディスクと、を備える、シール組立体。
22.近位半径方向シャフトシールの近位に位置し、かつ近位半径方向シャフトシール上に、遠位方向に圧迫力を加えるために、心臓ポンプとともに組み立てられたときにばね式に装填されるように構成された近位ディスクを更に備える、実施形態21に記載のシール組立体。
23.遠位半径方向シャフトシールの開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ遠位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップをシャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された遠位ばねと、
近位半径方向シャフトシールの開口した側面内に少なくとも部分的に位置し、かつ近位半径方向シャフトシールの半径方向内側リップをシャフト上に半径方向内向きに圧迫するように構成された近位ばねと、を更に備える、実施形態21又は22に記載のシール組立体。
24.遠位ディスク及び中間ディスクの各々が、シャフトの外径よりも小さいように構成された内径を有する中央開口部を備える、実施形態21~23のいずれかに記載のシール組立体。
25.遠位ディスク及び中間ディスクの各々の中央開口部の半径方向内縁が、シャフトの回転に応答して摩耗するように構成されている、実施形態24に記載のシール組立体。
26.遠位半径方向シャフトシールと中間ディスクとの間、及び中間ディスクと近位半径方向シャフトシールとの間に位置するグリースを更に備える、実施形態21~25のいずれかに記載のシール組立体。
27.遠位半径方向シャフトシール及び近位半径方向シャフトシールの各々が、シャフトに接触する半径方向内側リップを有する、実施形態21~26のいずれかに記載のシール組立体。
28.遠位半径方向シャフトシール及び近位半径方向シャフトシールの各々が、ハウジングに接触する半径方向外側リップを有する、実施形態21~27のいずれかに記載のシール組立体。
29.シール組立体が、シャフトの上に統合されたユニットとして、かつ心臓ポンプハウジング内に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている、実施形態21~28のいずれかに記載のシール組立体。
30.シール組立体が、心臓ポンプとともに組み立てられかつカテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、実施形態21~29のいずれかに記載のシール組立体。
31.ハウジングが、心臓ポンプのモータを補助するモータハウジングと結合されるように構成されたシールハウジングである、実施形態21~30のいずれかに記載のシール組立体。
32.ハウジングが、心臓ポンプのモータを補助するように構成されたモータハウジングである、実施形態21~30のいずれかに記載のシール組立体。
33.心臓ポンプのためのシール組立体であって、心臓ポンプが、軸を中心としてシャフトを介してインペラを回転させるように構成されたモータを有し、シール組立体が、
ハウジングと、
インペラに向かって遠位に面するように構成された平坦な側面、及びシャフトに接触しかつ平坦な側面からモータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを有する、ハウジング内の遠位半径方向シャフトシールと、を備える、シール組立体。
34.モータに向かって近位に面するように構成された平坦な側面と、平坦な側面からシャフトに沿ってインペラに向かって遠位方向に延在するように構成された半径方向内側リップと、を有する、ハウジング内の近位半径方向シャフトシールを更に備える、実施形態33に記載のシール組立体。
35.シャフトの外径よりも小さい内径を有する開口部を有する、ハウジング内の1つ以上のディスクを更に備える、実施形態33又は34に記載のシール組立体。
36.シール組立体が、シャフトの上に統合されたユニットとして挿入されるように構成されている、実施形態33~35のいずれかに記載のシール組立体。
37.遠位半径方向シャフトシールが、エラストマーである、実施形態33~36のいずれかに記載のシール組立体。
38.ハウジングが、心臓ポンプのモータを補助するモータハウジングと結合されるように構成されたシールハウジングである、実施形態33~37のいずれかに記載のシール組立体。
39.ハウジングが、心臓ポンプのモータを補助するように構成されたモータハウジングである、実施形態33~37のいずれかに記載のシール組立体。
40.心臓ポンプであって、
インペラと、
軸を中心としてシャフトを介してインペラを回転させるように構成されたモータと、
シール組立体と、を備え、シール組立体が、
ハウジングと、
インペラに向かって遠位に面するように構成された平坦な側面、及びシャフトに接触しかつ平坦な側面からモータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを有する、ハウジング内の遠位半径方向シャフトシールと、を備える、心臓ポンプ。
41.モータに向かって近位に面するように構成された平坦な側面と、シャフトに接触しかつ平坦な側面からインペラに向かって遠位方向に延在するように構成された半径方向内側リップと、を有する、ハウジング内の近位半径方向シャフトシールを更に備える、実施形態40に記載の心臓ポンプ。
42.シャフトの外径よりも小さい内径を有する開口部を有する、ハウジング内の1つ以上のディスクを更に備える、実施形態40又は41に記載の心臓ポンプ。
43.シール組立体が、シャフトの上に統合されたユニットとして挿入されるように構成されている、実施形態40~42のいずれかに記載の心臓ポンプ。
44.心臓ポンプが、カテーテルを介して心臓に送達されるように構成されている、実施形態40~43のいずれかに記載の心臓ポンプ。
45.ハウジングが、モータを補助するモータハウジングと結合されるように構成されたシールハウジングである、実施形態40~44のいずれかに記載の心臓ポンプ。
46.ハウジングが、モータを補助するように構成されたモータハウジングである、実施形態40~44のいずれかに記載の心臓ポンプ。
47.心臓ポンプ(22)であって、
ロータを有するモータ(145)と、
血流を提供するためのインペラ(72)と、
ロータ及びインペラに接続された駆動シャフト(140)と、
モータとインペラとの間に配設されたシール要素(156)と、を備え、
シール要素(156)が、駆動シャフト(140)をシーリング接触で受容するための中央アパーチャを含む、心臓ポンプ(22)。
48.モータ(145)が、モータハウジング(164)内に包有されており、駆動シャフト(140)の一部分が、モータハウジングから延在する、実施形態47に記載の心臓ポンプ(22)。
49.シール要素(156)が、モータハウジング(164)の壁と駆動シャフト(140)との間に配設されている、実施形態48に記載の心臓ポンプ(22)。
50.シール要素(156)が、モータハウジング内に少なくとも部分的に位置決めされている、先行実施形態47~49のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
51.シール要素(156)が、モータハウジング(164)に接続されている、先行実施形態48~50のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
52.シール要素(156)が、駆動シャフト(164)に接続されている、先行実施形態48~50のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
53.モータハウジングが、4~5mmの範囲の外径を有する、先行実施形態48~52のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
54.モータハウジングが、5mm以下の外径を有する、先行実施形態48~52のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
55.モータハウジングが、33mm以下、任意選択的に25.5mm以下の長さを有する、先行実施形態48~54のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
56.シール要素(156)が、シールハウジング(240)内に少なくとも部分的に包有されている、先行実施形態48~55のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
57.モータハウジング(164)が、シールハウジング(240)に溶接されるように構成されている、実施形態56に記載の心臓ポンプ(22)。
58.シールハウジング(240)が、外側表面凹部(245)を備え、モータハウジングが、内側表面を有し、外側表面凹部が、内側表面と噛み合わせられている、実施形態57に記載の心臓ポンプ(22)。
59.シールハウジング(240)が、外側表面ラベット(246)を有し、モータハウジングが、外側表面ラベット(247)を有し、シールハウジングは、シールハウジングラベットがモータハウジングラベットと接する場所で溶接によりモータハウジング(164)に取り付けられている、実施形態57又は58に記載の心臓ポンプ(22)。
60.駆動シャフト(140)、ロータ、インペラ(72)、及びシール要素(156)が各々、中心軸を共有する、先行実施形態47~59のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
61.駆動シャフト(140)の少なくとも一部分が、可撓性である、先行実施形態47~59のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
62.駆動シャフトが、スリーブ154を備える、実施形態60又は61に記載の心臓ポンプ(22)。
63.駆動シャフトが、表面処理を含み、任意選択的に、電気研磨、窒化、親水性コーティング(任意選択的に、3~5μmの範囲の厚さを有するポリビニルピロリドン)、疎水性コーティング(任意選択的に、10~20μmの範囲の厚さを有するペルフルオロアルコキシ)、又はマイクロパターン表面を含む、先行実施形態60~62のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
64.駆動シャフト(140)が、1200mm~1500mmの範囲の長さを有する、先行実施形態60~63のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
65.駆動シャフト(140)が、29~34mmの範囲の長さを有する、実施形態64に記載の心臓ポンプ(22)。
66.インペラ(72)が、インペラの近位端で駆動シャフト(140)に接続されている、先行実施形態47~65のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
67.インペラの遠位端が、自由に浮遊している、実施形態66に記載の心臓ポンプ(22)。
68.インペラ(72)が、中央ハブ(146)を備え、中央ハブが、中央ボア(226)を備え、駆動シャフト(140)が、中央ボア内に位置決めされている、実施形態66又は67に記載の心臓ポンプ(22)。
69.インペラ(72)が、中央ボア(226)と連通する少なくとも1つの側部ボア(227)を更に備える、実施形態68に記載の心臓ポンプ(22)。
70.側部ボア(227)が、駆動シャフト(140)の遠位にある、実施形態69に記載の心臓ポンプ(22)。
71.インペラ基部プレート(152)が、駆動シャフト(140)及びインペラ(72)に接続されている、先行実施形態68~70のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
72.インペラ基部プレート(152)の少なくとも一部分が、駆動シャフト(140)と中央ボア(226)との間に位置決めされている、実施形態71に記載の心臓ポンプ(22)。
73.インペラ基部プレート(152)が、駆動シャフトの一部である管状延在部(154)を備える、実施形態71に記載の心臓ポンプ(22)。
74.インペラが、基部フランジ(150)を有する、先行実施形態47~73のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
75.中央ハブ(146)が、滑らかな凹状の曲線又はテーパで基部フランジ(150)に移行する、実施形態68と組み合わせられた実施形態74に記載の心臓ポンプ(22)。
76.基部フランジが、モータハウジング(164)の外径よりも0mm~0.1mm小さい直径を有する、実施形態48と組み合わせられた実施形態74に記載の心臓ポンプ(22)。
77.インペラ(72)が、インペラの回転軸に対して垂直な平面上に配置された半径方向流ブレード(177)を備える、先行実施形態47~76のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
78.半径方向流ブレード(177)が、インペラ基部フランジ(150)の近位表面上にある、実施形態74と組み合わせられた実施形態77に記載の心臓ポンプ(22)。
79.半径方向流ブレード(177)が、インペラ基部プレート(152)の近位表面上にある、実施形態71と組み合わせられた実施形態77に記載の心臓ポンプ(22)。
80.半径方向流ブレード(177)が、インペラ(72)の回転軸から半径方向に延在する突出部又はくぼみである、先行実施形態77~79のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
81.半径方向流ブレード(177)が、直線状又は湾曲状のうちの1つである、先行実施形態77~80のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
82.シール要素(156)及び半径方向流ブレード(177)が、軸方向ギャップ(174)によって分離されており、軸方向ギャップが、0.08mm~0.3mmの範囲の距離を有する、先行実施形態77~81のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
83.半径方向流ブレード(177)が、インペラ(72)の回転軸を中心として半径方向に対称であるように配置されている、先行実施形態77~82のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
84.半径方向流ブレード(177)が、表面処理を含み、任意選択的に、電気研磨、窒化、親水性コーティング(任意選択的に、3~5μmの範囲の厚さを有するポリビニルピロリドン)、疎水性コーティング(任意選択的に、10~20μmの範囲の厚さを有するペルフルオロアルコキシ)、又はマイクロパターン表面を含む、先行実施形態77~83のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
85.シール要素(156)が、シールホルダ(166)を有する回転シャフトリップシール、エラストマー環状シール(167)、シール空洞(176)、及びシール空洞内に位置決めされたガータばね(168)を備え、エラストマー環状シール(167)が、接触リップ(169)を備える、先行実施形態47~84のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
86.シールホルダ(166)が、モータハウジング(164)に対して静止したままであるように構成されており、接触リップ(169)が、駆動シャフト(140)と接触するように構成されている、実施形態2と組み合わせられた実施形態85に記載の心臓ポンプ(22)。
87.シールホルダ(166)が、駆動シャフト(140)に対して静止したままであるように構成されており、接触リップ(169)が、モータハウジング(164)と接触するように構成されている、実施形態2と組み合わせられた実施形態85に記載の心臓ポンプ(22)。
88.シール空洞(176)が、シールホルダ(166)及びエラストマー環状シール(167)によって少なくとも部分的に画定されている、先行実施形態85~87のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
89.第1のグリース(175)が、シール空洞(176)内に配設されている、先行実施形態85~88のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
90.シール空洞(176)が、遠位に配向されている、先行実施形態85~89のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
91.シール空洞(176)が、近位に配向されている、先行実施形態85~89のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
92.シール要素(156)の遠位に位置する遠位ディスク(255)を更に備える、先行実施形態85~91のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
93.遠位ディスク(255)が、使用時に血液に接触するように構成された遠位表面を有する、実施形態92に記載の心臓ポンプ(22)。
94.遠位ディスク(255)が、ステンレス鋼、チタン、PTFE、PEEK、又はポリウレタンから少なくとも部分的に作製されている、先行実施形態92又は93に記載の心臓ポンプ(22)。
95.遠位ディスク(255)が、任意選択的に0.02~0.1mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも大きい内径を有する中央開口部を備える、先行実施形態92~94のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
96.遠位ディスク(255)が、任意選択的に0.02~0.1mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも小さい内径を有する中央開口部を備える、先行実施形態92~94のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
97.遠位ディスク(255)が、均一でありかつ0.1mm~1.5mmの範囲の、任意選択的に約1.0mmの厚さ(172)を有する、先行実施形態92~96のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
98.遠位ディスク(255)が、モータハウジング(164)への緊密な接続を提供するように構成された形態嵌合機構(173)を備える、実施形態48と組み合わせられた先行実施形態92~97のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
99.遠位ディスク(255)の少なくとも遠位表面が、表面処理を含み、任意選択的に、電気研磨、窒化、親水性コーティング(任意選択的に、3~5μmの範囲の厚さを有するポリビニルピロリドン)、疎水性コーティング(任意選択的に、10~20μmの範囲の厚さを有するペルフルオロアルコキシ)、又はマイクロパターン表面を含む、先行実施形態92~98のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
100.シール要素(156)に隣接しかつ近位に位置する近位ディスク(275)を更に備える、先行実施形態85~99のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
101.近位ディスク(275)が、ステンレス鋼、チタン、PTFE、PEEK、又はポリウレタンから少なくとも部分的に作製されている、実施形態100に記載の心臓ポンプ(22)。
102.近位ディスク(275)が、任意選択的に0.02~0.1mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも大きい内径を有する中央開口部を備える、先行実施形態100又は101に記載の心臓ポンプ(22)。
103.近位ディスク(275)が、任意選択的に0.02~0.1mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも小さい内径を有する中央開口部を備える、先行実施形態100又は101に記載の心臓ポンプ(22)。
104.近位ディスク(275)が、均一でありかつ0.1mm~1.5mmの範囲の、任意選択的に約1.0mmの厚さを有する、先行実施形態100~103のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
105.近位ディスク(275)が、モータハウジング(164)への緊密な接続を提供するように構成された形態嵌合機構を備える、実施形態48と組み合わせられた先行実施形態100~104のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
106.近位ディスクが、軸方向にばね式に装填されている、先行実施形態100~105のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
107.近位空洞(189)が、近位ディスク(275)及びシール要素(156)によって少なくとも部分的に画定されており、第2のグリースが、近位空洞(189)内に位置する、先行実施形態100~105のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
108.第2のグリースが、第1のグリースよりも低い稠度を有する、実施形態107に記載の心臓ポンプ(22)。
109.遠位保護ディスク(212)を更に備え、遠位保護ディスク(212)が、中央開口部(213)、及び凹状輪郭を有する遠位に面する円錐形表面(214)を備える、実施形態90又は91に記載の心臓ポンプ(22)。
110.中央開口部(213)の少なくとも一部分が、任意選択的に0.08~0.15mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも大きい直径を有する、実施形態109に記載の心臓ポンプ(22)。
111.中央開口部(213)の少なくとも一部分が、任意選択的に0.01~0.05mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも小さい直径を有する、実施形態110に記載の心臓ポンプ(22)。
112.遠位保護ディスク(212)が、モータハウジング(164)に接続されている、実施形態2と組み合わせられた先行実施形態109~111のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
113.遠位保護ディスク(212)が、エラストマー材料、任意選択的にPTFE又はPEEKから作製されている、先行実施形態109~112のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
114.円錐形表面(214)が、ハブ(146)の表面と整列している、実施形態21と組み合わせられた先行実施形態109~113のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
115.遠位保護ディスク(212)が、円錐形表面(214)に隣接する平坦な表面部分(215)を備え、ハブ(146)が、平坦な基部を有し、平坦な表面部分(215)が、平坦な基部の直径の0.01mm以内の直径を有する、実施形態21と組み合わせられた先行実施形態109~114のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
116.インペラ(72)が、少なくとも2つのインペラブレード(178)を備えるオーバーラップインペラ(210)を備え、少なくとも2つのインペラブレード(178)が各々、円錐形表面(214)に従うように形作られた近位部分(211)を備える、先行実施形態109~115のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
117.インペラ(72)が、少なくとも2つのインペラブレード(178)を備え、少なくとも2つのインペラブレード(178)が各々、平坦な縁(225)を有する近位部分(211)を備える、先行実施形態109~115のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
118.シール要素(156)が、第2のシールホルダ(166b)と、第2のエラストマー環状シール(167b)と、第2のシール空洞(176b)と、を有する第2の回転シャフトリップシールを更に備え、第2のエラストマー環状シール(167b)が、第2の接触リップ(169b)を備える、先行実施形態85~117のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
119.第2のシール空洞(176b)内に位置決めされた第2のガータばね(168b)を更に備える、実施形態118に記載の心臓ポンプ(22)。
120.第2のシール空洞(176b)が、第1のシール空洞(176、176a)に向かって配向されている、先行実施形態118又は119に記載の心臓ポンプ(22)。
121.接触リップ(169、169a)及び第2の接触リップ(169b)が、互いに向かって配向されている、先行実施形態118~120のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
122.第1のグリースが、第2のシール空洞(176b)内に配設されている、実施形態89と組み合わせられた先行実施形態118~121のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
123.第3のグリースが、第2のシール空洞(176b)内に配設されており、第3のグリースが、第1のグリースとは異なる性質を有する、実施形態89と組み合わせられた先行実施形態118~121のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
124.回転シャフトリップシールと第2の回転シャフトリップシールとの間に軸方向に位置する中間ディスク(260)を更に備える、先行実施形態118~123のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
125.中間ディスク(260)が、エラストマー材料、任意選択的にPTFE又はPEEKから作製されている、実施形態124に記載の心臓ポンプ(22)。
126.中間ディスク(260)が、中央開口部を有し、中央開口部の少なくとも一部分が、任意選択的に0.01~0.05mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径よりも小さい直径(261)を有する、先行実施形態124又は125に記載の心臓ポンプ(22)。
127.第3のグリース及び第1のグリースが、中間ディスク(260)によって分離されている、実施形態123と組み合わせられた先行実施形態124又は125に記載の心臓ポンプ(22)。
128.エラストマー環状シール(167、167a)及び第2のエラストマー環状シール(167b)のうちの少なくとも1つが、前縁を備え、前縁が、駆動シャフト(140)の外径よりも小さい中央穴を有する、先行実施形態118~127のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
129.前縁中央穴が、駆動シャフト(140)の外径の80%~90%の範囲内である、実施形態128に記載の心臓ポンプ(22)。
130.前縁が、接触リップ(169)及び第2の接触リップ(169b)の遠位に位置する、先行実施形態128又は129に記載の心臓ポンプ(22)。
131.インペラ(72)の近位に位置決めされた軸方向面リップシール(300)を更に備え、軸方向面リップシール(300)が、インペラの近位端に摺動可能に接触するように構成されたリップを備える、先行実施形態47~130のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
132.流体バリア貯蔵部が、軸方向面リップシール(300)、インペラ(72)の基部、及び回転シャフトリップシールによって画定されており、流体が、流体バリア貯蔵部内に堆積されている、実施形態85と組み合わせられた実施形態131に記載の心臓ポンプ(22)。
133.シール要素(156)が、シールハウジング(240)内に少なくとも部分的に包有されている、先行実施形態47~132のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
134.シールハウジング(240)が、遠位端壁及び円筒形側壁を備え、側壁が、遠位端壁から軸方向及び近位に延在して空洞(248)を画定し、遠位端壁が、血流に接触するように構成された遠位側面(241)を有し、かつ中央開口部(242)であって、外径(141)を有するシャフト(140)を、中央開口部(242)を通して受容するように構成された、中央開口部(242)を有する、実施形態133に記載の心臓ポンプ(22)。
135.遠位側面(241)が、滑らかで平坦な表面である、実施形態134に記載の心臓ポンプ(22)。
136.遠位側面(241)が、表面処理を含み、任意選択的に、電気研磨、窒化、親水性コーティング(任意選択的に、3~5μmの範囲の厚さを有するポリビニルピロリドン)、疎水性コーティング(任意選択的に、10~20μmの範囲の厚さを有するペルフルオロアルコキシ)、又はマイクロパターン表面を含む、先行実施形態134又は135に記載の心臓ポンプ(22)。
137.シールハウジング(240)に接続しされておりかつシール要素(156)を包有するように構成されたシール容器キャップ(278)を更に備える、先行実施形態133~136のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
138.シールハウジング(240)及びシール容器キャップ(278)が両方とも、任意選択的に0.08~0.15mmの範囲の差だけ、駆動シャフト(140)の外径(141)よりも大きい内径を有する中央開口部を有する、実施形態137に記載の心臓ポンプ(22)。
139.シールハウジング(240)が、モータハウジング(164)内に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている、実施形態2と組み合わせられた先行実施形態133~138のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
140.シール要素(156)と流体連通する圧力バランシング要素を更に備え、圧力バランシング要素が、使用時に患者の心臓内の血圧の変化に応答する、先行実施形態47~139のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
141.圧力バランシング要素が、
シール空洞(176、176a)と心臓ポンプ(22)の外部の環境との間のチャネルと、
チャネルを覆うダイアフラムと、を備える、実施形態85と組み合わせられた実施形態140に記載の心臓ポンプ(22)。
142.圧力バランシング要素が、潤滑剤貯蔵部(290)を更に備える、先行実施形態140又は141に記載の心臓ポンプ(22)。
143.潤滑剤貯蔵部(290)が、モータハウジング(164)内の凹部である、実施形態2と組み合わせられた実施形態142に記載の心臓ポンプ(22)。
144.潤滑剤貯蔵部(290)が、モータハウジング(164)の内側表面内の環状溝である、実施形態2と組み合わせられた実施形態142又は143に記載の心臓ポンプ(22)。
145.潤滑剤が、圧力バランシング要素内に堆積されている、先行実施形態140~144のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
146.潤滑剤が、潤滑剤貯蔵部(290)内に堆積されている、先行実施形態142~145のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
147.潤滑剤が、0.30~1.30mPa.sの範囲の粘度を有する、実施形態145又は146に記載の心臓ポンプ(22)。
148.チャネルが、シールホルダチャネル(291)、シールハウジングチャネル、モータハウジングチャネル(294)、又は入口管チャネル(293)のうちの少なくとも1つを含む、先行実施形態141~147のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
149.チャネルが、第2のシール空洞(176b)と流体連通している、実施形態118と組み合わせられた先行実施形態141~148のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
150.心臓ポンプの外部の環境が、軸方向ギャップ(174)の20mm以内にある、実施形態35と組み合わせられた先行実施形態141~149のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
151.心臓ポンプの外部の環境が、患者の左室内にある、先行実施形態141~150のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
152.ダイアフラム(292)が、シリコーンから作製されている、先行実施形態141~151のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
153.ダイアフラム(292)が、チャネルの半径方向外側部分に位置決めされている、先行実施形態141~152のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
154.ダイアフラム(202)の直径よりも小さい直径を有する圧力バランシングポート(293)を有する入口管(70)を備え、ダイアフラム(292)が、パート(293)の下に半径方向に位置決めされている、先行実施形態141~153のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
155.チャネルが、複数の半径方向に延在するチャネルを含む、先行実施形態141~154のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
156.シール要素(156)内に位置する超吸収体を更に備える、先行実施形態47~155のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
157.超吸収体が、1片の箔又はセルロース上に支持されている、実施形態156に記載の心臓ポンプ(22)。
158.超吸収体が、シール空洞(176a)内、第2のシール空洞(176b)内、遠位ディスク(255)上、中間ディスク(260)上、近位ディスク(275)上、グリース(175)上、第2のグリース上、又は第3のグリース上のうちの少なくとも1つに位置決めされている、先行実施形態156又は157に記載の心臓ポンプ(22)。
159.超吸収体が、ポリアクリル酸ナトリウムを含む、先行実施形態156~158のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
160.インペラ(72)が、インペラ基部プレート(152)に接続されており、インペラ基部プレート(152)が、駆動シャフト(140)に接続されている、先行実施形態47~159のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
161.インペラ基部プレート(152)が、管状延在部(154)を備える、実施形態160に記載の心臓ポンプ(22)。
162.管状延在部(154)が、インペラ(72)の中央ボア(226)内に少なくとも部分的に位置決めされている、実施形態161に記載の心臓ポンプ(22)。
163.管状延在部(154)が、シール要素(156)内に少なくとも部分的に位置決めされている、実施形態161に記載の心臓ポンプ(22)。
164.インペラ(72)が、凹部(311)を備え、インペラ基部プレート(152)が、凹部(310)を備え、キー(309)が、凹部(311)及び凹部(310)内に位置決めされている、先行実施形態160~163のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
165.キー(309)が、駆動シャフト(140)に溶接されている、実施形態164に記載の心臓ポンプ(22)。
166.キー(309)が、インペラ(72)の回転軸に対して横断する植物において非円形である、先行実施形態164又は165に記載の心臓ポンプ(22)。
167.インペラ(72)が、インペラ基部プレート(152)に溶接されている、先行実施形態160~166のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
168.インペラ(72)及びインペラ基部プレート(152)が、異なる材料である、先行実施形態160~166のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
169.シール要素が、少なくとも12時間機能性を維持するように構成されている、先行実施形態47~168のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
170.シール要素が、12時間後に摩耗により機能性を失うように構成されている、先行実施形態47~168のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
171.心臓ポンプのモータに電力を提供するためのコントローラであって、制御アルゴリズムを備え、モータが、フィールド指向制御モータであり、制御アルゴリズムが、フィールド指向制御モータからのフィードバック信号に基づいて電力を調整して、モータを回転速度設定点範囲内に維持する、コントローラ。
172.回転速度設定点範囲が、回転速度±1%である、実施形態171に記載のコントローラ。
173.先行実施形態47~168のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)と、実施形態171又は172に記載のコントローラと、を備える、システム。
174.心臓ポンプ(22)であって、心臓ポンプ(22)が、以下の特徴である、
内部(302)及び内部(302)への開口部(303)を有するハウジング(164)と、
少なくとも1つのブレード(178)を有するインペラ(72)であって、インペラ(72)が、開口部(303)に近接して位置する、インペラ(72)と、
内部(302)内に配設されており、開口部(303)を通過しかつインペラ(72)を駆動するためにインペラ(72)に結合されたシャフト(140)を有するモータ(115)と、
インペラ(72)とハウジング(164)との間に配置されており、インペラ(72)とハウジング(164)との間のギャップ174をシールするように適合されたシーリング要素(300)と、
シール部材(300)とシャフト(140)との間に配設されており、心臓ポンプ(22)の環境からモータ(115)の内部への媒体の進入を防止するように適合されたバリア流体(301)と、を有する、心臓ポンプ(22)。
175.シーリング要素(300)が、インペラ(72)に取り付けられている、実施形態174に記載の心臓ポンプ(22)。
176.シーリング要素(300)が、ハウジング(164)に取り付けられている、実施形態174に記載の心臓ポンプ(22)。
177.バリア流体(301)が、モータ(115)の内部に更に包有されている、先行実施形態のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
178.シーリング要素(300)が、接触シール又は非接触シールとして形成されている、先行実施形態のうちの1つに記載の心臓ポンプ(22)。
179.シーリング要素(300)が、ラビリンスシール及び/又はギャップシールとして設計されている、先行実施形態のうちの1つに記載の心臓ポンプ(22)。
180.更なるシーリング要素(167)を有し、更なるシーリング要素(167)が、開口部(303)に配置されており、かつハウジング(164)とインペラ(72)との間に位置する流体に対してハウジング(164)の内部空間(302)をシールするように形成されており、バリア流体(301)が、空間(305)内に配置されている、先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
181.少なくとも1つのベアリング(162)を有し、ベアリング(162)が、ハウジング(164)に対してシャフト(140)を収納するように設計されている、先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
182.バリア流体(301)が、生体適合性媒体である、先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
183.バリア流体(301)が、グルコース及び/又は内因性脂肪からなる、先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
184.近位シーリングディスク(275)が、ベアリングと摺動可能に係合されたその近位側面上に軸方向面シールを備える、実施形態100と組み合わせられた先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
185.シールハウジング(240)が、遠位に面する円錐形表面321を有する、実施形態56と組み合わせられた先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
186.遠位ディスク(255)が、半径方向内向き表面を有する管状延在部(322)を備え、半径方向内向き表面の少なくとも一部分が、モータシャフト(140)に接触する、実施形態185に記載の心臓ポンプ(22)。
187.管状延在部(322)が、半径方向内向き表面上に表面テクスチャ又は処理を有し、表面テクスチャ又は処理が、任意選択的に、円周リブ、へこみ、親水性マイクロパターン、又は疎水性マイクロパターンを含む、実施形態186に記載の心臓ポンプ(22)。
188.管状延在部が、生体適合性エラストマーから作製されている、実施形態186に記載の心臓ポンプ(22)。
189.管状延在部が、エラストマー又は熱可塑性物質から作製されており、空洞が、任意選択的にシールハウジング(240)内の管状延在部に隣接し、空洞が、潤滑剤を保持しかつ潤滑剤を管状延在部に送達するように構成されている、実施形態186に記載の心臓ポンプ(22)。
190.管状延在部が、シールハウジング(240)の遠位端と同一平面上にある遠位表面(323)を有する、実施形態184~189のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
191.管状延在部が、シールハウジング(240)を越えて遠位に、任意選択的に0~200ミクロンの範囲に、好ましくは約100ミクロン延在する遠位表面(323)を有する、実施形態184~189のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
192.遠位表面(323)が、インペラ(72)に摺動可能に接触する軸方向面シールである、実施形態191に記載の心臓ポンプ(22)。
193.出口支柱補助体(325)を更に備える、実施形態185~192のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
194.出口支柱補助体の各々が、少なくとも出口支柱(195)の近位端と遠位端との間の位置で出口支柱(195)に接続されている、実施形態193に記載の心臓ポンプ(22)。
195.出口支柱補助体(325)が、シールハウジング(240)、任意選択的に遠位に面する円錐形面(321)に接続されているか、又はその一部である、実施形態194に記載の心臓ポンプ(22)。
196.出口支柱補助体(325)が、出口支柱長さの一部分である軸方向長さ(326)を備え、任意選択的に、一部分が、出口支柱長さの最大30%、最大50%、又は最大100%である、実施形態195に記載の心臓ポンプ(22)。
197.出口支柱補助体(325)が、円錐面(321)の軸方向長さの一部分である軸方向長さ(326)を備え、任意選択的に、部分が、円錐面の軸方向長さの最大30%、最大50%、又は最大100%である、実施形態195に記載の心臓ポンプ(22)。
198.出口支柱補助体(325)が、丸みを帯びた前縁(328)を備える、実施形態193~197のいずれかに記載の心臓ポンプ(22)。
199.出口支柱補助体(325)が、前縁(328)から隣接する出口窓(68)まで角度付けされた表面を備える、実施形態198に記載の心臓ポンプ(22)。
200.前縁(328)が、接続出口支柱(195)の幅内の中心にある、実施形態198又は199に記載の心臓ポンプ(22)。
201.前縁(328)が、接続出口支柱(195)の幅内に、かつ血流の半径方向の成分に面する側の接続出口支柱(195)の縁の近く又はそれに隣接して位置決めされている、実施形態198又は199に記載の心臓ポンプ(22)。
202.近位シーリングディスク(275)が、第1の厚さ(282)と、第1の厚さ(282)よりも厚く、かつ第1の厚さ(282)よりも中心軸(185)により近い第2の厚さ(283)と、を備える、実施形態100と組み合わせられた先行実施形態のいずれか1つに記載の心臓ポンプ(22)。
203.第2の厚さ(283)が、第1の厚さ(282)とシール容器キャップ(278)の厚さとの組み合わせよりも大きい、実施形態137と組み合わせられた実施形態202に記載の心臓ポンプ(22)。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9A
図9B
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図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
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【国際調査報告】