IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アドヒーシブズ・リサーチ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-528985充填ポリイソブテン系感圧接着剤、並びにそれらの製造方法及びそれらの使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】充填ポリイソブテン系感圧接着剤、並びにそれらの製造方法及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C09J 123/22 20060101AFI20240725BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20240725BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240725BHJP
   C09J 9/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C09J123/22
C09J11/04
C09J7/38
C09J9/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506667
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022038800
(87)【国際公開番号】W WO2023014591
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/228,246
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596037426
【氏名又は名称】アドヒーシブズ・リサーチ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Adhesives Research, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】水原 司
(72)【発明者】
【氏名】タイソン・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ハンリー
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA07
4J004AB01
4J004CB03
4J004CB04
4J004DB03
4J004EA06
4J004FA05
4J040DA141
4J040HA026
4J040HA306
4J040JA09
4J040JB09
4J040JB10
4J040KA03
4J040KA26
4J040KA42
4J040LA01
4J040LA06
4J040MA02
4J040MA09
4J040NA17
4J040NA19
(57)【要約】
ポリイソブテン樹脂及びある特定の充填剤を含む充填ポリイソブテン系(PIB)感圧接着剤(PSA)であって、充填剤が、シリカ、アルミナ、及び/又はアセチレン(カーボン)ブラック(及び任意選択で他の充填剤)、並びにそれらの混合物を含む、充填ポリイソブテン系感圧接着剤。ある特定の実施形態において、シリカ及びアルミナ充填剤は、表面処理も、他の方法で変性もされていない一方、他の実施形態では、これらの充填剤は、オルガノシラン、オルガノシロキサン又はオルガノシラザンを含む組成物で表面処理されているが、最終PSA中では未反応のままである。PIB PSAは、バリア接着剤として、又は導電性若しくは非導電性テープの成分としての用途を含む様々な用途に使用されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び(c)表面処理されていないフュームドシリカを含むか、それらから本質的になるか、若しくはそれらのみからなる充填剤約8~約25重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる感圧接着剤であって、ここで重量%は組成物中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項2】
表面処理されていないフュームドシリカが、約15重量%~約25重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項3】
表面処理されていないフュームドシリカが、約20重量%~約25重量%の範囲の量で存在する、請求項2に記載の感圧接着剤。
【請求項4】
表面処理されていないフュームドシリカが、約21重量%~約23重量%の範囲の量で存在する、請求項3に記載の感圧接着剤。
【請求項5】
70℃及び500グラムでのPSA(感圧接着剤)の静的せん断強度が、少なくとも約100分である、請求項1から4のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項6】
70℃及び500グラムでのPSA(感圧接着剤)の静的せん断強度が、少なくとも約10,000分である、請求項1から5のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項7】
ステンレス鋼表面へのPSA(感圧接着剤)の剥離強度が、約10~約60oz(オンス)/インチの範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項8】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:3の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項9】
(a)上面及び下面を備える基材、
(b)基材の上側部分の少なくとも一部の上の、請求項1から8のいずれか一項に記載の感圧接着剤、並びに
(c)感圧接着剤の少なくとも一部分に接触した表面を有する剥離ライナー
を備えるか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるテープ。
【請求項10】
組成物の一部分と接触した剥離ライナーの表面がシリコーンである、請求項9に記載のテープ。
【請求項11】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、
(c)表面処理されていないフュームドアルミナを含むか、それから本質的になるか、又はそれのみからなる充填剤約20~約30重量%
を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項12】
表面処理されていないフュームドアルミナが、約22重量%~約30重量%の範囲の量で存在する、請求項11に記載の感圧接着剤。
【請求項13】
表面処理されていないフュームドアルミナが、約25重量%~約30重量%の範囲の量で存在する、請求項11又は12に記載の感圧接着剤。
【請求項14】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:1~約1:4の範囲である、請求項10から12のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項15】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:3の範囲である、請求項11から14のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項16】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約10分である、請求項11から15のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項17】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約100分である、請求項11から16のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項18】
ステンレス鋼表面上での接着剤の剥離強度が、約20~約65oz(オンス)/インチの範囲である、請求項11から17のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項19】
(a)上面及び下面を備える基材、
(b)基材の上側部分の少なくとも一部の上の、請求項11から18のいずれか一項に記載の感圧接着剤、並びに
(c)感圧接着剤の少なくとも一部分に接触した表面を有する剥離ライナー
を備えるか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるテープ。
【請求項20】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び
(c)アセチレンブラックを含むか、それから本質的になるか、又はそれのみからなる充填剤約8~約22重量%
を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる導電性感圧接着剤であって、
重量パーセントが、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、導電性感圧接着剤。
【請求項21】
アセチレンブラックの重量%が、感圧接着剤の約15~約20重量%の範囲である、請求項20に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項22】
樹脂(a)対樹脂(b)の比が、約1:1~約1:4の範囲である、請求項20又は21に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項23】
接着剤が、約0.01~約0.5ohm(オーム)-cmの範囲の電気抵抗を有する、請求項20から22のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項24】
70℃及び500グラムでの接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約50分である、請求項20から23のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項25】
ステンレス鋼表面上での感圧接着剤の剥離強度が、約10~約70oz(オンス)/インチの範囲である、請求項20から24のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項26】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:3の範囲である、請求項20から25のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項27】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、並びに
(c)アセチレンブラック及びアルミナを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる充填剤
を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる導電性感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、導電性感圧接着剤。
【請求項28】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約5~約20重量%の範囲であり、アルミナがフュームドアルミナであり、感圧接着剤中、約1~約20重量%の範囲の量である、請求項27に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項29】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約5~約15重量%の範囲であり、アルミナがフュームドアルミナであり、感圧接着剤中、約5~約15重量%の範囲の量である、請求項27又は28に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項30】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約10~約15重量%の範囲であり、アルミナがフュームドアルミナであり、感圧接着剤中、約10~約15重量%の範囲の量である、請求項27から29のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項31】
アルミナが、表面処理されていないフュームドアルミナである、請求項27から30のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項32】
PSA(感圧接着剤)が、本明細書に記載されるプロトコルを使用して、約0.25~約250mOhm(mオーム)の抵抗、又は4端子法を使用して決定して約1~約1000mohm(mオーム)・cmのPSA(感圧接着剤)の体積抵抗を有する、請求項27から31のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項33】
以下の特性:約10~約150分の範囲の静的せん断強度(70℃、500g)、約20~約55oz(オンス)/インチの範囲の、ステンレス鋼表面への接着剤の剥離強度、又は約15~約40g/2インチの範囲のタイトライナー剥離性のうちの少なくとも1つを示す、請求項27から32のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項34】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:3の範囲である、請求項27から33のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項35】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び
(c)アセチレンブラック及びシリカを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる充填剤
を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる導電性感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、導電性感圧接着剤。
【請求項36】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約5~約20重量%の範囲であり、シリカがフュームドシリカであり、かつ、感圧接着剤中、約1~約20重量%の範囲の量である、請求項35に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項37】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約5~約15重量%の範囲であり、シリカがフュームドシリカであり、かつ、感圧接着剤中、約5~約15重量%の範囲の量である、請求項35又は36に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項38】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約10~約15重量%の範囲であり、シリカがフュームドシリカであり、かつ、感圧接着剤中、約10~約15重量%の範囲の量である、請求項35から37のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項39】
シリカが、表面処理されているフュームドシリカである、請求項35から38のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項40】
PSA(感圧接着剤)が、本明細書に記載されるプロトコルを使用して、約0.25~約250ohm(オーム)の抵抗、又は4端子法を使用して決定して約1~約1000mohm(mオーム)・cmのPSA(感圧接着剤)の体積抵抗を有する、請求項35から39のいずれか一項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項41】
導電性感圧接着剤が、以下の特性:約10~約10,000分の範囲の静的せん断強度(70℃、500g)、約20~約50oz(オンス)/インチの範囲の、ステンレス鋼表面への接着剤の剥離強度、又は約10~約40g/2インチの範囲のタイトライナー剥離性のうちの少なくとも1つを示す、請求項35から40のいずれか一項に記載の導電性充填PIB感圧接着剤。
【請求項42】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:3の範囲である、請求項37から41のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項43】
(a)上面及び下面を備える基材、
(b)基材の上側部分の少なくとも一部の上の、請求項20から42のいずれか一項に記載の感圧接着剤、並びに
(c)感圧接着剤の少なくとも一部分に接触した表面を有する剥離ライナー
を備えるか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる導電性テープ。
【請求項43】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、
(c)オルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン、又はそれらの混合物を含む組成物で表面処理されたシリカを含むか、それから本質的になるか、又はそれらのみからなる充填剤約8~約25重量%
を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項44】
オルガノシランが、メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ヘキサデシルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、ジメチルジクロロシラン、又はトリメチルアルコキシシランのうちの1つ又は複数である、請求項44に記載の感圧接着剤。
【請求項45】
オルガノシラザンが、ヘキサメチルジシラザンである、請求項43又は44に記載の感圧接着剤。
【請求項46】
シリカがフュームドシリカである、請求項43から45のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項47】
シリカがフュームドシリカであり、フュームドシリカが、感圧接着剤中の不揮発性成分に対して約15~約25重量%の範囲の量で存在する、請求項43から46のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項48】
シリカがフュームドシリカであり、フュームドシリカが、感圧接着剤中約20~約25重量%の不揮発性成分の範囲の量で存在する、請求項43から46のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項49】
シリカがフュームドシリカであり、フュームドシリカが、感圧接着剤中約22~約25重量%の不揮発性成分の範囲の量で存在する、請求項43から46のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項50】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:7の範囲である、請求項43から49のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項51】
表面処理されたシリカが架橋していない、請求項43から50のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項52】
表面処理されたシリカと架橋することになる化合物を含まない、請求項43から50のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項53】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約8分である、請求項43から52のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項54】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約90分である、請求項43から53のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項55】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約240分である、請求項43から54のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項56】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約10,000分である、請求項43から55のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項57】
ステンレス鋼表面上での感圧接着剤の剥離強度が、約10~約60oz(オンス)/インチの範囲である、請求項43から56のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項58】
感圧接着剤のタイトライナー剥離性が、少なくとも約40g/2インチである、請求項43から57のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項59】
感圧接着剤のWVTRが、約100g-ミル/m/日以下である、請求項43から58のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項60】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:7の範囲である、請求項42から58のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項61】
(a)上面及び下面を備える基材、
(b)基材の上側部分の少なくとも一部の上の、請求項43から60のいずれか一項に記載の感圧接着剤、並びに
(c)感圧接着剤の少なくとも一部分に接触した表面を有する剥離ライナー
を備えるか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるテープ。
【請求項62】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び
(c)オルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン又はそれらの混合物を含む組成物で表面処理されたアルミナを含むか、それから本質的になるか、若しくはそれのみからなる充填剤約20~約30重量%
を含む感圧接着剤であって、
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:1~約1:4であり、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項63】
オルガノシランが、メタクリロイルシラン、オクチルメトキシシラン、ヘキサデシルシラン、又はジメチルジクロロシランのうちの1つ又は複数である、請求項62に記載の感圧接着剤。
【請求項64】
オルガノシラザンが、ヘキサメチルジシラザンである、請求項62に記載の感圧接着剤。
【請求項65】
樹脂の重量比が約1:2~約1:3の範囲である、請求項62から64のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項66】
アルミナがフュームドアルミナである、請求項62から65のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項67】
アルミナがフュームドアルミナであり、かつ、約22重量%~約30重量%の範囲の量で感圧接着剤中に存在する、請求項62から66のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項68】
アルミナがフュームドアルミナであり、かつ、約25重量%~約30重量%の範囲の量で感圧接着剤中に存在する、請求項62から67のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項69】
感圧接着剤中の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2.5~約1:3の範囲である、請求項62から68のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項70】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約10分である、請求項62から69のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項71】
70℃及び500グラムでの感圧接着剤の静的せん断強度が、少なくとも約100分である、請求項62から70のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項72】
ステンレス鋼表面上での感圧接着剤の剥離強度が、約20~約65oz(オンス)/インチの範囲である、請求項62から71のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項73】
感圧接着剤のタイトライナー剥離性が、少なくとも約40g/2インチである、請求項62から72のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項74】
感圧接着剤のWVTRが、約100g-ミル/m/日以下である、請求項62から73のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項75】
(a)上面及び下面を備える基材、
(b)基材の上側部分の少なくとも一部の上の、請求項62から74のいずれか一項に記載の感圧接着剤、並びに
(c)感圧接着剤の少なくとも一部分に接触した表面を有する剥離ライナー
を備えるか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるテープ。
【請求項76】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、
(b)アセチレンブラック、及び
(c)STフュームドシリカを含むか、それから本質的になるか、若しくはそれのみからなる充填剤約8~約20重量%
を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる導電性感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、導電性感圧接着剤。
【請求項77】
低vMW樹脂が、約45,000~約65,000g/molの範囲であり、かつ、高vMW樹脂が約700,000~約1,500,000g/molの範囲である、請求項1から76のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項78】
低vMW樹脂が、約50,000~約60,000g/molの範囲であり、かつ、高vMW樹脂が約900,000~約1,200,000g/molの範囲である、請求項1から76のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項79】
低vMW樹脂が、約45,000~約65,000g/molの範囲であり、かつ、高vMW樹脂が約700,000~約1,500,000g/molの範囲である、請求項9、19、43、61、又は75のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項80】
低vMW樹脂が、約50,000~約60,000g/molの範囲であり、かつ、高vMW樹脂が約900,000~約1,200,000g/molの範囲である、請求項9、19、43、61、又は75のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項81】
粘着付与剤を更に含む、請求項1から80のいずれか一項に記載の感圧接着剤。
【請求項82】
粘着付与剤が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対して約1~約60重量%の範囲の量で感圧接着剤中に存在する、請求項81に記載の感圧接着剤。
【請求項83】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、(a)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び(c)シリカ(望ましくはフュームドシリカ)、アルミナ(望ましくはフュームドアルミナ)、二酸化チタン、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アセチレンブラック、グラフィン、グラフィン系微粒子、及びそれらの組合せを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる少なくとも2つの充填剤を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項84】
感圧接着剤中の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:1~約1:5の範囲である、請求項83に記載の感圧接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に充填ポリイソブテン系(PIB)感圧接着剤(PSA)に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、一般に、充填ポリイソブテン系(PIB)感圧接着剤(PSA)として有用な組成物、並びにそれらの調製のための方法及び使用に関し、組成物は、PIB樹脂、及びある特定の量の少なくとも1つの充填剤を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなり、充填剤は、シリカ(望ましくは、フュームドシリカ)、アルミナ(望ましくは、フュームドアルミナ)、及び/又はアセチレン(カーボン)ブラック、並びに二酸化チタン、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、グラフィン(graphine)、グラフィン系微粒子、及びそれらの組合せ等の任意選択によって含んでいてもよい充填剤を含むか、充填剤はそれらから本質的になるか、又はそれらのみからなる。
【0003】
本発明のPSAは、既存のPSAと比べて少なくとも1つ、望ましくは複数の性能の利点をもたらす。例示として、限定することなく、本発明のある特定の実施形態は、既存の接着剤と比べて、より高温における改善された静的せん断強度、比較的低いクリープ(クリープ抵抗と呼ばれることもある)を示す充填PIB PSAを提供し、関連実施形態ではまた、前述の改善された静的せん断強度をもたらしうる一方、極性面(例えば、ステンレス鋼及び/又はガラス)への接着、タイトライナー剥離性(tight liner release)、水蒸気透過速度(WVTR)、及び充填剤のうちの少なくとも1つとしてアセチレンブラックが使用される場合、望ましいレベルの電気伝導率を含めた、少なくとも1つ、望ましくは複数の追加の有益な特性も示す。
【0004】
望ましくは、本発明のPSAのある特定の実施形態は、他の用途の中でも、接着テープの成分又はバリア接着剤として使用されてもよく、後者は、一般に、それを通した水及び酸素透過を限定し、ある度合いの電気伝導性からの絶縁をもたらすと認識される。少なくともアセチレンブラックを含有する実施形態は、接着剤を通した導電性経路を有するPSAを提供し、前述の導電性を必要とする用途に使用することができる。本発明のPSAの追加の使用は様々であり、本明細書に更に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の様々な実施形態は、少なくとも1つのPIB樹脂を含む。PIB樹脂は、一般に、主鎖又は側鎖にPIB樹脂骨格を有する樹脂である。一部の実施形態では、PIB樹脂は、実質的にイソブチレンのホモポリマーである。
【0006】
ある特定の実施形態において有用なPIB樹脂はまた、官能基(例えば、反応性二重結合)を含まないもの、官能基を含むもの(例えば、少なくとも約60mol%の末端二重結合を含むPIB)、又はこれらの樹脂の混合物であってもよい。しかし、非官能性PIBは、非常に低濃度、典型的には約5、4、3、又は2mol%未満の、反応性二重結合又はそれらの製造の残留物である他の官能基を有しうることが認識されるべきである。
【0007】
官能性PIBが本発明の実施形態に含まれる場合、そのような実施形態は、官能性PIBと反応する、例えば、架橋反応を受けるどのような成分も含むべきではなく、そのような反応を開始すると考えられるどのような条件にも供されるべきではないことが理解されるべきである。
【0008】
非官能性である好適な市販のPIB樹脂の例示としては、OPPANOL(登録商標)B及びNシリーズ(BASF社)のもの、例えば、OPPANOL B10(約40,000g/mol、粘度平均分子量(vMW))、B11(約47,000vMW) B12(約55,000vMW)、B13(約65,000vMW)、B14(約73,000vMW)、B15(約85,000vMW)、N50(約425,000vMW) N80(約800,000vMW)、N100(約1,100,000vMW)、及びN150(約2,600,000vMW)が挙げられ、その各々は、約1~約500ppmの安定剤、例えばBHTを含有してもよい。好適な市販の官能性PIBの例示としては、GLISSOPAL(登録商標)シリーズ(BASF社)のもの、例えば、1000、1300及び2300、並びにVシリーズのもの、例えば、V190、V230、V430、V500、V640、V700、V800、V950及びV1500が挙げられる。
【0009】
一部の実施形態では、PIB樹脂は、イソブチレンのコポリマー、例えば、イソブチレンが別のモノマーと共重合した合成ゴムを含んでもよい。合成ゴムは、少量のイソプレンとの大部分がイソブチレンのコポリマーであるブチルゴム、例えば、ブチルゴムを含む。
そのような好適な市販の合成ゴムの例示としては、商品名VISTANEX(登録商標)(Exxon Chemical Co.社)及びJSR BUTYL(登録商標)(Japan Butyl Co.,Ltd.社)で入手可能なものが挙げられる。
【0010】
前述の合成ゴムはまた、スチレン、n-ブテン又はブタジエンとの、大部分がイソブチレンのコポリマーを含みうる。一部の実施形態では、イソブチレンホモポリマー及びブチルゴムの混合物が使用されてもよい。他の有用なコポリマーとしては、スチレンイソブチレンジブロックコポリマー(SIB)及び商品名SIBSTAR(登録商標)(Kaneka Corporation社)で入手可能なスチレン-イソブチレン-スチレントリブロックコポリマー(SIBS)が挙げられる。
【0011】
PIB樹脂は、望ましくは、約40,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有しうる。
【0012】
望ましくは、一部の実施形態では、異なるvMWを有する2つのPIB樹脂を使用してもよい。これらの実施形態では、樹脂は、少なくとも1つの比較的低vMW樹脂、及び少なくとも1つの比較的高vMW樹脂を含む。本発明の実施形態において有用な低vMW樹脂は、約35,000~約100,000g/mol、望ましくは約40,000~約75,000g/mol、より望ましくは約45,000~約65,000g/mol、更により望ましくは約50,000~約60,000g/molの範囲のvMWを有してもよい。本発明の実施形態において有用な高vMW樹脂は、約300,000~約3,000,000g/mol、望ましくは約400,000~約2,500,000g/mol、より望ましくは約500,000~約2,000,000g/mol、更により望ましくは約700,000~約1,500,000g/molの範囲のvMW平均を有してもよい。好ましくは、高vMW樹脂は、約800,000~約1,300,000g/mol、より好ましくは約900,000~約1,200,000g/mol、更により好ましくは約900,000~約1,100,000g/molの範囲のvMWを有してもよい。
【0013】
本発明の充填PIB PSAは、少なくとも1つの充填剤を更に含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり、充填剤は、シリカ(望ましくはフュームドシリカ)、アルミナ(望ましくはフュームドアルミナ)、及び/又はアセチレンブラックを、二酸化チタン、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、グラフィン、グラフィン系微粒子、沈降シリカ(ワックス処理)、沈降炭酸カルシウム、及びそれらの組合せを含む任意選択の充填剤とともに含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。充填剤は、微粒子の形態であるべきであり、約1~約400m/gの範囲のBET比表面積を有してもよい。
【0014】
本発明のある特定の実施形態は、PSA中の1つの充填剤として、望ましくは唯一の充填剤として、シリカを含む。これらのシリカは、好ましくはフュームドシリカであり、当業者に周知である。更に、望ましくはある特定の実施形態では、これらのフュームドシリカは表面処理されておらず(NST)、したがって、一般に、親水性であると関連分野において考えられる。一部の実施形態では、NSTシリカは、約50~約400m/グラム、それらの実施形態においてより望ましくは、約150~約300m/グラムの範囲のBET比表面積を有してもよく、及び/又は粒状ではない。市販のNSTシリカの例示としては、AERO SIL(登録商標)フュームドシリカ(Evonik社、Germany)、例えば、AEROSIL(登録商標)150、200、300及び380、並びにCAB-O-SIL(登録商標)及びCAB-O-SPERSE(登録商標)フュームドシリカ(Cabot Corp社、Boston、MA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
アルミナ、望ましくはフュームドアルミナもまた、本発明のある特定の実施形態において充填剤として、望ましくは唯一の充填剤として、有用である。これらのアルミナは、当業者に周知である。望ましくは、ある特定の実施形態では、フュームドアルミナは、表面処理されておらず、したがって、NSTシリカについての記載と一致して、一般に、親水性であると関連分野において考えられる。一部の実施形態では、NSTアルミナは、約50~約400m/グラム、それらの実施形態においてより望ましくは、約80~約150m/グラムの範囲のBET比表面積を有してもよい。市販のNSTアルミナの例示としては、AEROXIDE(登録商標)Alu C(Evonik社、Germany)、及びSpectrAl(登録商標)フュームドアルミナ(Cabot Corp.社、Boston、MA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明の他の実施形態は、表面処理された(ST)シリカ及びSTアルミナ、望ましくはSTフュームドシリカ及びアルミナの、充填剤としての使用、より望ましくは各々が唯一の充填剤であることを意図している。これらのSTシリカ及びSTアルミナは周知であり、それらは疎水性成分で表面処理されているため、一般に、疎水性であると関連分野において考えられる。これらのSTシリカ及びアルミナの表面は、オルガノシラン(オルガノハロシラン及びアミノシランを含む)、オルガノシロキサン、オルガノシラザン、又はそれらの混合物を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる。
【0017】
好ましくは、オルガノシランは、メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、アミノプロピルシラン、オクチルトリアルコキシシラン(例えば、オクチルトリメトキシシラン、OCTMO)、ヘキサデシルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、ジメチルジクロロシラン、及びトリメチルアルコキシシランのうちの1つ又は複数であってもよく、一方、オルガノシロキサンはポリメチルシロキサンであってもよく、オルガノシラザンはヘキサメチルジシラザンであってもよい。
【0018】
STフュームドシリカは、様々であってもよいBET比表面積を有し、一部の実施形態では、約80~約400m/グラム、それらの実施形態においてより望ましくは約100~約350m/グラム、更により望ましくは約125~約300m/グラムの範囲であってもよい。STフュームドアルミナはまた、様々なBET比表面積を有してもよく、一部の実施形態では、約50~約150m/グラム、それらの実施形態においてより望ましくは約75~約110m/グラムの範囲であってもよい。
【0019】
市販のSTシリカの例示としては、AEROSIL(登録商標)及びCAB-O-SIL(登録商標)STフュームドシリカ、例えば、AEROSIL(登録商標)R711、AEROSIL(登録商標)R805、AEROSIL(登録商標)R974及びAEROSIL(登録商標)RA200HS(Evonik社、Germany)が挙げられるが、これらに限定されず、一方、市販のSTアルミナの例示としては、AEROXIDE(登録商標)STフュームドアルミナ、例えば、AEROXIDE(登録商標)Alu C 805(Evonik社、Germany)が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、「R」シリーズAEROSIL(登録商標)及びCAB-O-SIL(登録商標)STフュームドシリカは、メタクリロイル又はアミノ基を含まないが、例外として、R711はメタクリロイル基を含み、RA200HSはアミノ基を含む。
【0020】
アセチレンブラック(例えば、カーボンブラック)もまた、本発明の様々な実施形態において、特に導電性PSAが望ましい場合に、充填剤として有用でありうる。ある特定の実施形態では、アセチレンブラックは、単一の充填剤であってもよく、一方、他のより望ましい実施形態では、アセチレンブラックは、本明細書に記載されるアルミナ及び/又はシリカ充填剤と組み合わせて存在してもよい。アセチレンブラックは当業者に周知であり、表面処理されていない。アセチレンブラックは様々なBET比表面積を有してもよく、ある特定の実施形態では、アセチレンブラックは、約60~約150m/グラムの範囲のBET比表面積を有してもよい。
【0021】
市販のアセチレンブラックの例示としては、AB 50%-01、AB 75%-01、AB 100%-01、及びABHC-01(Soltex社、Houston、TX)、DENKA BLACK(Denka Co.,Ltd.社、Tokyo、Japan)、並びにY50A(Orion Engineered Carbons社、Houston、Texas)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本発明の実施形態に含まれてもよい他の任意選択の充填剤は、二酸化チタン(より望ましくは、約30~約70m/gの範囲のBET比表面積を有するフュームドNST親水性TiO)、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、グラフィン及びグラフィン系微粒子のうちの1つ又は複数、望ましくはそれらのうちの1つのみを含む。
【0023】
前述の及び他の成分を含むPIB PSA、並びにそれらのPSAを組み込む製品を意図する本発明の様々な実施形態を、以下により詳細に記載する。
【0024】
本発明のある特定の実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び(c)NSTフュームドシリカ約8重量%、より望ましくは約15重量%~約25重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる充填PIB PSAを提供するための組成物及び充填PIB PSAを企図し、樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は約1:1~約1:5、望ましくは約1:2~約1:3の範囲であり、重量パーセントは、組成物又は充填PIB PSA中の不揮発性成分(例えば、トルエン等の溶媒)に対するものである。
【0025】
約1:2~約1:3、好ましくは約1:2の比較的高vMW樹脂対比較的低vMW樹脂の重量比(本明細書において樹脂重量比とも呼ばれる)を有するこれらの実施形態は、予想外に、NSTフュームドシリカローディング(充填量)が約8重量%であった場合、比較対象の非充填PIB PSA(すなわち、充填剤を含まないPIB PSA)によって示される静的せん断強度よりも少なくとも5倍高い(例えば、少なくとも10分長い、本明細書における「分」への言及は、本明細書に記載される静的せん断強度試験プロトコルを実施した際に観察される時間を指す)静的せん断強度(70℃、500グラム)を示すPSAを提供することが見出された。NSTフュームドシリカの量の更なる増加もまた、予想外に、静的せん断強度の非線形増加をもたらすことが見出され、静的せん断強度は、約15重量%~約25重量%のフュームドシリカローディング(充填量)で少なくとも100分に増加し、約20重量~約25重量%のNSTフュームドシリカローディング(充填量)で少なくとも約10,000分(10,000分は、静的せん断強度試験についての実務上の時間限界として選択される)に更に増加し、ローディング(充填量)は、好ましくは約21重量%~約23重量%の範囲であった。更に、予想外に、NSTフュームドシリカローディング(充填量)の23重量%超への増加は、WVTRの望ましくない増加及びタイトライナー剥離性特性に起因して望ましくないことが発見された。
【0026】
更に、前述のPSAはまた、望ましくは、許容される剥離強度を示す。剥離強度は、接着剤と接着剤が適用された表面との間の結合を破壊するのに必要な力として記載することができ、剥離強度が高いほど望ましい(ただし、一般に、約120oz(オンス)/インチを超えない)。本発明のこの実施形態との関連において、剥離強度は、約8重量%~約25重量%のNSTフュームドシリカローディングで、少なくとも約10又は20oz/インチ~少なくとも約40又は50oz/インチかつ最大約60、65、75、85又は100oz/インチの範囲である。剥離強度が、前述のNSTフュームドシリカローディングレベル(充填量レベル)で少なくとも約40、45又は50oz/インチのままであった一方、静的せん断強度は実質的に(及び非線形に)増加したこともまた、本発明のPSAのこの実施形態の予想外かつ望ましい特性であった。
【0027】
このPSAの更に予想外の態様は、約20重量%以下のNSTフュームドシリカローディングにおいて、シリコーンライナーとのタイトライナー剥離性が約1、5、10、15、20、25、30又は35グラム/2インチ~約100、80、60、50又は40グラム/2インチ以下であったことである。
【0028】
前述のPSAは、前述の特性、例えば、少なくとも約10、50、100、200、300、400又は500分~最大約1,000、2,500、5,000又は10,000分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約10、20又は25oz/インチ~最大少なくとも約40、50、60、65、75、85又は100oz/インチの範囲の剥離強度、及び約1、5、10、15、20、25、30又は35グラム/2インチ~約100、80、60、50又は40グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性のうちの少なくとも2つ、又は望ましくは3つ全てをもたらすことが望ましい。
【0029】
本発明の更なる実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び(c)NSTフュームドアルミナ約20重量%~約30重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる充填PIB PSAを提供するための組成物及び充填PIB PSAを企図し、樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は約1:1~約1:5、望ましくは約1:2~約1:3の範囲、より望ましくは約1:2であり、重量パーセントは、組成物又は充填PIB PSA中の不揮発性成分(例えば、トルエン等の溶媒)に対するものである。
【0030】
これらの実施形態では、約1:2~約1:3、好ましくは約1:2.5~約1:3の比較的高vMW樹脂対比較的低vMW樹脂の樹脂重量比は、比較対象の非充填PIB PSA(すなわち、充填剤、この場合フュームドシリカ又はフュームドアルミナを含まないPIB PSA)によって示される静的せん断強度よりも少なくとも約5倍大きい(例えば、少なくとも10分長い)望ましい静的せん断強度(70℃、500グラム)を予想外に示すPSAをもたらしたが、この増加を得るために必要なNSTフュームドアルミナローディング(充填量)は、同じ樹脂キャリア組成物中で充填剤としてNSTフュームドシリカを使用した場合に必要な量と比較して大幅に高かった(少なくとも約20重量%)ことが見出された。少なくとも約30、50、80、100又は140分、望ましくは最大約200、250、300、400又は500分の静的せん断強度(70℃、500グラム)が、この実施形態によってもらされうる。
【0031】
比較的高vMW樹脂対比較的低vMW樹脂のある特定の比は、同じNSTフュームドアルミナローディングレベルでPSAも静的せん断強度に対して予想外かつ望ましい効果を有したことが更に見出された。具体的には、約1:2.5~約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は、約1:2の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比を使用する(及び同じ量のNSTフュームドアルミナを含む)PSAによって示される静的せん断強度と比べて、静的せん断強度(70℃、500グラム)の大幅な増加(例えば、約1:2.5比で約2倍、及び約1:3比で少なくとも約4倍)をもたらしたことが見出された。
【0032】
更に、やはり予想外に、NSTフュームドアルミナの量の比較的小さな増加が、静的せん断強度の非線形増加をもたらしたことが見出された。例えば、約1:2.5の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比では、NSTフュームドアルミナ含有量の約22重量%~約25重量%の増加は、少なくとも約2~3倍の静的せん断強度(70℃、500グラム)の増加をもたらした。同様に、約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比では、約22重量%~約30重量%のNSTフュームドアルミナ含有量の増加は、少なくとも約2倍の静的せん断強度の増加をもたらした。
【0033】
更に、本発明のPSAのこの実施形態はまた、望ましくは、最大約30重量%のNSTフュームドアルミナローディング(充填量)で、少なくとも約20、25、30、40、45又は50oz(オンス)/インチかつ最大約55、60、65、70、75、85、95又は100oz/インチの許容される剥離強度(ステンレス鋼基材への)を示すことが更に見出された。剥離強度が、前述のNSTフュームドアルミナローディングレベルで少なくとも約40、望ましくは少なくとも約45oz/インチであった一方、静的せん断強度は実質的に増加したこともまた、NSTフュームドアルミナ含有PSAを含む本発明のこの実施形態の予想外かつ望ましい特性であった。
【0034】
また、前述のNSTフュームドアルミナ含有PSAは、前述の特性、例えば、少なくとも約10、20、30、50、80、100又は120分~最大約150、200、250、300、400、500、1,000又は2,000分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約20、25、30、40、45、50、55又は60oz/インチ~最大約65、70、75、85、95又は100oz/インチの範囲の剥離強度、及び約10、20又は30グラム/2インチ~約100、80、60、50又は40グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性のうちの少なくとも2つ、又はより望ましくは3つ全てをもたらすことが望ましい。
【0035】
本発明の他の実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約40重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約40~約80重量%、(c)STフュームドシリカ約8重量%~約30重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる充填PIB PSAを提供するための組成物及び充填PIB PSAを企図し、樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は約1:2~約1:7、より好ましくは約1:2~約1:3、更により好ましくは約1:2.5~約1:3の範囲、又は約1:3であり、重量パーセントは、組成物又は充填PIB PSA中の不揮発性成分(例えば、トルエン等の溶媒)に対するものである。
【0036】
本明細書でより詳細に議論される通り、PSA中で未反応のままであるSTフュームドシリカのPIB PSAにおける使用は、驚くべきことに、STフュームドシリカもフュームドアルミナも含まないPIB PSAと比べて、及びNSTフュームドシリカを含むPIB PSAと比べて、利点を提供する。
【0037】
本発明の充填PIB PSAのこの実施形態は、同じ樹脂(a)対樹脂(b)の重量比(約1:2)を使用する、充填剤を有さないPSAと比べて、約8重量%のSTフュームドシリカを含むPSAにおいて、静的せん断強度(70℃、500グラム)の少なくとも約2倍の増加をもたらす。STフュームドシリカローディングの増加により更なる増加が観察されたが、しかし、約15重量%~約30重量%の間のSTフュームドシリカローディング(充填量)では、約1:2~約1:7の間の樹脂の重量比を有するPIB PSAにおいて、充填剤を有さないPSAの静的せん断強度の少なくとも約10倍の静的せん断強度(70℃、500グラム)、例えば、少なくとも約10、20、50、100、200、1,000、2,000、5,000、又は10,000分(10,000分は、静的せん断強度試験についての実務上の時間限界として選択される)の静的せん断強度の非線形増加をもたらしたことが、予想外に見出された。
【0038】
オクチルトリアルコキシシラン(例えば、オクチルトリメトキシシラン、OCTMO)を含むSTフュームドシリカもまた、約20~約30重量%の範囲のローディングレベル(充填量レベル)で、アルキルシラン(例えば、メチルシラン)を含む組成物で処理したフュームドシリカと比べて比較的高い静的せん断強度をもたらすことが予想外に見出された。
【0039】
約20重量%~約30重量%の間のローディングレベル(充填量レベル)でSTフュームドシリカを使用して、静的せん断強度の強化もまた予想外に見出され、約22重量%~約25重量%が好ましかった。
【0040】
これらの実施形態におけるある特定の樹脂の重量比の使用はまた、約1:2.5~約1:3、望ましくは約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比で静的せん断強度に影響し、同じSTフュームドシリカローディングレベルのより低い(例えば、1:2)又はより高い(最大1:7)樹脂(a)対樹脂(b)の重量比を使用する組成物と比べてより高い強度をもたらすことが見出された。
【0041】
更に、これらのPSAはまた、望ましくは、約8重量%~約25重量%の表面処理されたフュームドシリカローディングで、少なくとも約20、25、30、40、45、50又は55oz/インチかつ最大約60、65、70、75、85又は100oz/インチの許容される剥離強度(ステンレス鋼基材への)を示すことが更に見出された。剥離強度が、前述の表面処理されたフュームドシリカローディングレベル(充填量レベル)で実質的に一定のままであった一方、静的せん断強度は実質的に(かつ非線形に)増加したこともまた、これらの本発明のPSAの予想外かつ望ましい特性であった。
【0042】
このPSAの更に予想外の態様は、約8重量%~約25重量%のSTフュームドシリカローディングにおいて、シリコーンライナーへのタイトライナー剥離性が、許容されるもの、例えば、望ましくは約1、5又は10グラム/2インチ~約40、30、25又は20グラム/2インチ以下であったことである。更に、また驚くべきことに、約1:2~約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の比、及び約22重量%~約25重量%のSTフュームドシリカローディングを有するPSAは、約3~約11g-ミル/m/日のWVTR値を示し、約1:2の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比を有するPSAは、少なくとも約100分の静的せん断強度(70℃、500グラム)、最大約40グラム/2インチの許容されるタイトライナー剥離性(シリコーンライナー)、及び約3g-ミル/m/日以下のWVTRをもたらした。
【0043】
また、STフュームドシリカを含む前述の実施形態は、前述の特性、例えば、少なくとも約10、20、30、50、80、又は100分かつ最大約200、250、500、1,000、2,500、5,000又は10,000分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約20、25、30、40、45、50又は55oz/インチかつ最大約60、65、70、75、85又は100oz/インチの範囲の剥離強度、約1、5、又は10グラム/2インチ~約40、30、25又は20グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性、及び約1又は2~最大約3、5、7、9又は11g-ミル/m/日のWVTRのうちの少なくとも2つ、3つ、又はより望ましくは4つ全てをもたらすことが望ましい。
【0044】
本発明の更なる実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約20~約30重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約40~約60重量%、(c)STフュームドアルミナ約20~約35重量%、望ましくは約20重量%~約30重量%、より望ましくは約25重量%~約30重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる充填PIB PSAを提供するための組成物及び充填PIB PSAを提供し、樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は約1:2~約1:3、より望ましくは約1:2.5~約1:3の範囲であり、重量パーセントは、組成物又は充填PIB PSA中の不揮発性成分(例えば、トルエン等の溶媒)に対するものである。
【0045】
本明細書でより詳細に議論される通り、表面処理されている(本明細書に記載される通り)が、最終PSA中で未反応のままであるフュームドアルミナのこれらの実施形態における使用は、予想外に、フュームドシリカもフュームドアルミナも含まないPIB PSAと比べて、及び更に予想外なことにまた、NSTフュームドシリカ又はフュームドアルミナを含むPIB PSAと比べて、利点をもたらす。
【0046】
例えば、STフュームドアルミナを含む本発明の充填PIB PSAのこれらの実施形態は、約1:2の樹脂(a)対樹脂(b)の樹脂重量比を使用する充填剤-PSAと比べて、約20重量%のSTフュームドアルミナの含有により静的せん断強度(70℃、500グラム)の増加、望ましくは、約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の樹脂重量比を使用した場合少なくとも約4倍の増加をもたらす。約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比を有するPIB PSAにおいて、STフュームドアルミナローディングの増加により更なる増加が観察されるが、しかし、約20重量%~約35重量%の間のSTフュームドアルミナローディングが、望ましい静的せん断強度(70℃、500グラム)、例えば、少なくとも約10、20、50、75、100、125又は150分かつ最大約175、200、250、300、400又は500分をもたらしたことが予想外に見出された。
【0047】
約25重量%~約35重量%の間のローディングレベルでSTフュームドシリカを使用して、強化されたPSAの静的せん断強度が予想外に見出され、約28重量%~約32重量%が好ましかった。比較的高いレベル、例えば、40重量%超及び約1:3の樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は、驚くべきことに、無視できる静的せん断強度のPSAをもたらすことが見出された。
【0048】
更に、PSAはまた、望ましくは、約20重量%~約35重量%の表面処理されたフュームドアルミナローディング(ヒュームドアルミナ充填量)で、少なくとも約20、30、40、45、50又は55oz/インチかつ最大約60、65、70、75、80、85、90又は100oz/インチの許容される剥離強度(ステンレス鋼基材への)を示す。剥離強度が、前述のSTフュームドアルミナローディングレベルで少なくとも約40、50又は60oz/インチのままであった一方、静的せん断強度は実質的に増加したこともまた、これらの本発明のPSAの予想外かつ望ましい特性であった。
【0049】
本発明のある特定の実施形態は、PSAにおいていくつかの許容される特性をもたらすことが見出された。これらの実施形態のうちの1つは、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約15~約25重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約20~約40重量%、(c)STフュームドシリカ約20~約25重量%(表面処理は、望ましくは、オクチルトリアルコキシシランを含む)、及び(d)粘着付与剤約20~約40重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるPSAを構成し、PSAは、約40~約150分の静的せん断強度、約40~約70oz/インチの剥離強度、約20~約40グラム/2インチのタイトライナー剥離性、及び約2~約20g-ミル/m/日のWVTRの全4つのうちの1つ、2つ、3つを示し、重量パーセントは、PSA中の不揮発性成分に対するものである。更なるそのような実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約25重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約40重量%、(c)STフュームドシリカ約15~約20重量%(表面処理は、望ましくは、ジメチルジクロロシランを含む)、及び(d)粘着付与剤約15~約25重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるPSAを構成し、PSAは、約50~約150分の静的せん断強度、約40~約70oz/インチの剥離強度、約20~約40グラム/2インチのタイトライナー剥離性、及び約2~約20g-ミル/m/日のWVTRのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つ全てを示し、重量パーセントは、PSA中の不揮発性成分に対するものである。
【0050】
これらの実施形態の更に予想外の態様は、約20重量%~約35重量%、より望ましくは約27~約33重量%のSTフュームドアルミナローディングにおいて、シリコーンライナーへのPSAのタイトライナー剥離性が、許容されるもの、例えば、約1、5、10又は15グラム/2インチ~約100、75、50、25又は20グラム/2インチ以下であったことである。
【0051】
また、STフュームドシリカを含む前述の実施形態は、前述の特性、例えば、少なくとも約10、20、50、75、100、125、又は150分~最大約175、200、250、300、400又は500分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約20、30、40、45、50又は55oz/インチ~最大約60、65、70、75、80、85、90又は100oz/インチの範囲の剥離強度、約1、5、10又は15グラム/2インチ~約100、75、50、25又は20グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性、及び約2~約20g-ミル/m/日のWVTRのうちの少なくとも2つ、3つ、又はより望ましくは4つ全てをもたらすことが望ましい。
【0052】
述べたように、本発明の実施形態では、ある特定の条件下で、官能基を含む別の成分と化学反応しうる官能基を含有するSTシリカ及びアルミナは、未反応のままである(例えば、架橋されない)ことが更に企図される。これに関して、STシリカ及びアルミナを含むPSAは、架橋剤及び/又は触媒(例えば、化学物質)をも含むべきではなく、STシリカ又はアルミナ中の官能基が受ける化学反応を引き起こすと考えられる条件(例えば、照射又は加熱)に意図的に供されるべきでもない。しかしながら、最小限の程度の架橋又は他の反応が、触媒、又は照射若しくは加熱の適用の非存在下でさえ、本発明の実施形態において起こることが見出されることがあり、そのようなものは本発明の実施形態を構成することが理解されるべきである。
【0053】
本発明の更なる実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約30~約60重量%、及び(c)アセチレンブラック約1~約25重量%(望ましくは約5重量%~約22重量%、より望ましくは約8重量%~約15又は20重量%)を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる導電性充填PIB PSAを企図し、樹脂(a)対樹脂(b)の重量比は約1:2~約1:3の範囲であり、重量パーセントは、PSA中の不揮発性成分(例えば、トルエン等の溶媒)に対するものである。
【0054】
少なくとも約8重量%の量のアセチレンブラックの含有は、導電性PSAの静的せん断強度の予想外の増加をもたらし、前記予想外の増加は、少なくとも約15重量%のローディング(充填量)でより顕著であったことが見出された。また、この静的せん断強度の増加は、最大約22重量%のアセチレンブラックローディングレベルまで観察され続けたが、この強度は、剥離強度の望ましくない損失を伴い、望ましいアセチレンブラックローディングは約22重量%以下、好ましくは約20重量%以下となることが見出された。この22重量%のアセチレンブラック組成物に粘着付与剤を添加しても、30重量%の量でさえ、剥離強度には影響しなかった。
【0055】
これらの導電性PSAは、望ましくは、少なくとも約10、20、30、40又は50~約60、80、90、100、150、200又は250分の範囲の静的せん断強度(70℃、500グラム)、少なくとも約10、20、30又は40~約50、55、60、65、75、85又は100oz(オンス)/インチの範囲の剥離強度(ステンレス鋼基材への)、少なくとも約10、15、20、25、30又は35~最大約40、50、60、70、80、90又は100グラム/2インチの範囲のタイトライナー剥離性(AR-W4をライナーとして使用)、及び約2~約20、15、10又は7g-ミル/m/日以下のWVTRのうちの1つ又は複数を示す。これらのPSAは、第5の特性である抵抗(導電率の逆数であり、そのため、導電率を記載するために使用できる)を更に示し、これは、望ましくは、約0.1又は1~約2、5、7、10、15、20又は25mOhm(11lbで5ミクロン)、又は約1、5又は10~約15、20、25、50、100、200、300、400又は500mOhm(11lbで1ミル)の範囲であってもよい。或いは、導電性PSAは、4端子比抵抗法(本明細書に記載される)を介して単位ohm-cmで測定して、約0.01~約0.5ohm(オーム)-cmの範囲の電気抵抗を有してもよい。
【0056】
本発明のある特定の実施形態は、PSAにおいていくつかの許容される特性をもたらすことが見出された。これらの実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約15重量%、(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約45~約55重量%、(c)アセチレンブラック約3~約5重量%、及び(d)粘着付与剤約27~約32重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなるPSAを構成し、PSAは、約10~約50分の静的せん断強度、約40~約70oz/インチの剥離強度、約20~約40グラム/2インチのタイトライナー剥離性、及び約2~約20g-ミル/m/日のWVTRのうちの1つ、2つ、3つ、又は4つ全てを示し、重量パーセントは、PSA中の不揮発性成分に対するものである。
【0057】
関連する実施形態では、アルミナは、約5~約30重量%、より望ましくは約5~約20重量%、更により望ましくは約7、又はより望ましくは約10~約15重量%の範囲の量で前述のアセチレンブラック含有PSAに添加されてもよく、アルミナは、好ましくはフュームドアルミナ、より好ましくはNSTフュームドアルミナである。望ましくは、これらの実施形態では、アセチレンブラックが、約5、7、又は好ましくは約10~約15重量%の範囲の量で、より望ましくは約10~約15重量%のアルミナと組み合わせて、含まれてもよい。
【0058】
驚くべきことに、アルミナは非導電性材料であるにもかかわらず、アセチレンブラック含有PIB PSAへのアルミナの含有により、強化された導電率を示すPSAが得られたことが見出された。NSTアルミナは、同じ重量パーセンテージで組成物又はPSAに含まれる場合、STアルミナと比べて増加した静的せん断強度、及びより良好な剥離強度特性をもたらしたことが更に見出された。これらの予想外の特性についての更なる情報及びデータは、実施例の節において見出すことができる。
【0059】
前述の実施形態(アセチレンブラックを含むアルミナ)は、以下の特性、例えば、少なくとも約10、20又は30分~最大約50、75、100、125、150又は200分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約15、20又は25oz(オンス)/インチ~最大約40、45又は50oz/インチの範囲の剥離強度、及び約10、15又は20グラム/2インチ~約100、75、50、40又は30グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性のうちの少なくとも1つ、2つ、又はより望ましくは3つ全てを有するPSAを提供することが更に望ましい。
【0060】
なお別の関連実施形態では、シリカは、約5~約30重量%、望ましくは約5~約20重量%、更により望ましくは約7、又はより好ましくは約10~約15重量%の範囲の量で前述のアセチレンブラック含有PSAに添加されてもよく、シリカは、好ましくはフュームドシリカ、より好ましくはSTフュームドアルミナである。望ましくは、これらの実施形態では、アセチレンブラックは、約5、7、又は好ましくは10~約15重量%の範囲の量で、より望ましくは約10~約15重量%のシリカと組み合わせて、含まれてもよい。
【0061】
驚くべきことに、本発明のアセチレンブラック含有実施形態にシリカを含有することにより、シリカを含まなかった場合に示されたものと同様の導電率、剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTR値を示しながら、また、静的せん断強度の望ましい増加ももたらすPSAが得られたことが見出された。これらの予想外の特性についての更なる情報及びデータは、実施例の節において見出すことができる。前述の実施形態(シリカとアセチレンブラック)は、以下の特性、少なくとも約10、20又は30分~最大約100、250、500、1,000、2,500、5,000又は10,000分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約15、20又は25oz/インチ~最大約40、45又は50oz/インチの範囲の剥離強度、約10、15又は20グラム/2インチ~約100、75、50、40又は30グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性、及び約3~約10g-ミル/m/日の範囲のWVTRのうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、又はより望ましくは4つ全てをもたらすことが更に望ましい。
【0062】
別の関連実施形態では、シリカ及びアルミナは、約5~約20重量%、より望ましくは約5~約15重量%、更により望ましくは約7、又はより好ましくは約10~約15重量%の範囲の合わせた量で前述のアセチレンブラック含有PSAに添加されてもよく、シリカ及びアルミナは、各々好ましくはフュームドであり、より好ましくはSTフュームドシリカ及びNSTアルミナである。望ましくは、これらの実施形態では、アセチレンブラックは、約5、7又は好ましくは10~約15重量%の範囲の量で、含まれてもよい。この実施形態により良好な静的せん断強度、タイトライナー剥離性及びWVTRを有するPSAが得られた一方、剥離強度は最適に満たなかった。これらの予想外の特性に関する更なる情報及びデータは、実施例の節において見出すことができる。
【0063】
本発明のPSAの前述の実施形態(シリカ、アルミナ、及びアセチレンブラックを含有する)は、以下の特性、少なくとも約10、20、50分~最大約100、125、150又は200分の範囲の静的せん断強度、少なくとも約10、15、20又は25oz/インチ~最大約30、35、40又は50oz/インチの範囲の剥離強度、約10、15又は20グラム/2インチ~約100、75、50、40又は30グラム/2インチ以下のタイトライナー剥離性、及び約3~約10g-ミル/m/日のWVTRのうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、又はより望ましくは4つ全てをもたらすことが更に望ましい。これらのPSAは、約0.1又は1~約2、5、7、10、15、20又は25mオーム(11lbで5ミクロン)、又は約1、5又は10~約15、20、25、50、100、200、300、400又は500mオーム(11lbで1ミル)の範囲の抵抗を更に示してもよい。或いは、導電性PSAは、4端子比抵抗法(本明細書に記載される)を介して単位オーム-cmで測定して、約0.01~約0.5オーム-cmの範囲の電気抵抗を有してもよい。
【0064】
関連実施形態では、実質的に比較的高vMW PIB樹脂のみを含有する(例えば、比較的低vMW PIB樹脂は0重量%(検出不可能量)~最大約1重量%以下)アセチレンブラック含有PSAは、望ましい静的せん断、及び一部の好ましい実施形態では、望ましい剥離強度をもたらしうることが見出された。この実施形態は、(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB樹脂約10~約30重量、(b)望ましくは約0.1~約5重量%の範囲の量のアセチレンブラック、及び(c)STフュームドシリカを含むか、それらから本質的になるか、若しくはそれらからなる充填剤約8~約20重量%を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる導電性感圧接着剤を提供し、重量パーセントは感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである。この実施形態は、望ましくは、粘着付与剤を、より望ましくは、約10~約60重量%、更により望ましくは約30~約60重量%の範囲の量で更に含む。この実施形態では、静的せん断強度は、約25分、100分、500分、1,000分、2,500分及び5,000分(250グラムで)に達しうる。
【0065】
前述のアセチレンブラック含有PSAの使用は様々であってもよく、1つの例示的な使用は、導電性テープの成分である。この実施形態は、(a)上面及び下面を備える基材、(b)本明細書の上に記載される導電性充填PIB PSA、並びに(c)充填PIB接着剤の少なくとも一部に接触した剥離ライナーを備えるか、それらから本質的になるか、又はそれらのみからなる。
【0066】
本明細書に記載されるPSAは、充填剤としてクレイを含んでもよいが、望ましくは含まず、そのため、クレイの量は、望ましくは限定される。例えば、本発明の実施形態では、クレイ充填剤が存在する場合、約1重量%以下、より好ましくは約0.5重量%以下、更により望ましくは約0.1重量%以下を構成し、最も望ましくは検出不可能であることが望ましい。
【0067】
粘着付与剤は、本発明のある特定の実施形態において、任意選択であるが望ましい成分を含む。一般的に述べると、粘着付与剤は、粘着付与剤を含まないPIB PSAと比べて、PIB PSAの粘着性を強化する物質である。粘着性は、2つの面が軽い圧力で一緒にされたときにいかに素早く接着剤による結合が形成されるかの尺度として記載することができ、2つの面がより速く結合するほど、粘着性が高い。粘着付与剤の含有はまた、比較的少量のPIB樹脂を使用して、極性表面上への許容される接着を示すPIB PSAの調製を可能にしうる。本明細書に記載される本発明のPSAに含まれる場合、粘着付与剤は、有利には、PSAの静的せん断強度に対して限られた効果を有することが見出された。
【0068】
粘着付与剤は、それが含まれる場合、任意の量で含まれてもよいが、望ましくは、組成物又は充填PIB PSA中の不揮発性成分に対して、約1~約60重量%、より望ましくは約1~約30重量%、更により望ましくは約5~約20重量%、好ましくは約10~約15重量%の範囲の量で含まれる。粘着付与剤は、反応性官能基を含んでもよいものの、それらは、組成物又はPSA中でどのような反応、例えば架橋反応、も受けるべきではない。本発明の様々な実施形態において有用でありうる粘着付与剤の例示としては、テルペン、例えば、テルペンフェノール酸エステル、脂肪族又は芳香族修飾C~C炭化水素、ロジンエステル、比較的低vMW(約500vMW~約5,000vMW)を有するクマリンインデン樹脂PIB、及びそれらの混合物が挙げられる。好適な市販の粘着付与剤の例示としては、Arkon P及びMシリーズ水素化炭化水素樹脂(Arakawa Chemical社、Japan)及びIndopol Hシリーズポリブテン(Palmer Holland社、USA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
粘着付与剤が、STフュームドシリカを含む実施形態に、例えば、約10~約30重量%の粘着付与剤で含まれる場合、予想外に、PSAの静的せん断強度は減少せず、代わりに、非充填粘着付与剤不含PIB PSAと比べて、一部の場合には、1桁以上、強化される。この望ましい特性は、STフュームドシリカが比較的高濃度、例えば、約20~約35重量%、望ましくは約25~約30重量%で含まれる場合でさえ、観察された。本明細書に記載されるSTフュームドシリカのうちの任意のものを使用してもよいものの、オクチルトリアルコキシシラン、更により望ましくはOCTMOを含むSTフュームドシリカを使用することが望ましい。更に、これらの実施形態では、それらが、少なくとも約16重量%の高vMW PIB樹脂(例えば、N100)~最大約20又は25重量%を含有すること、及び高vMW PIB樹脂N100:低vMW PIB樹脂の重量比が、約1:1~約1:3の範囲であることが更に望ましい。
【0070】
本発明のPSAは、装置、条件(例えば、温度、湿度)、及び望ましい堆積方法に関して当技術分野で公知の任意の標準的な混合方法論に従って、調製することができる。固体充填剤粒子は、限定なしに、高速分散、ローター/ステーター混合、湿式メディアミリング、遊星型ミリング及び押出コンパウンドを含む任意の公知の方法を介してPSAに組み込まれてもよい。
【0071】
本発明の実施形態を調製するために使用される成分の量は、PSA中の不揮発性成分の重量に対するものである。これに関して、当業者であれば十分理解するように、本明細書に記載される組成物は、揮発性成分(例えば、トルエン、ヘプタン)で約10~約20重量%の間の固体含有量に希釈し、均質組成物が得られるまで混合してもよい。この希釈により組成物の粘度が低下し、組成物を表面上にコーティングし、実質的に均一なコーティング層を得ることが可能になる。コーティング後、希釈物は揮発され、使用準備済みのフィルムとして充填PIB PSAが残る。或いは、本発明のPSA組成物は、加熱押出プロセス、例えば、ダイ押出又はカレンダー処理を使用して、基材上にコーティングされてもよい。当業者であれば認識するように、加熱押出プロセスを介して適用されたPSA組成物は、望ましくは、揮発性成分(例えば、トルエン、ヘプタン)を含まない。
【0072】
本発明のPSAは、限定なしに、水分バリアテープ、並びに光起電力電池、エレクトロクロマティックウィンドウ、ディスプレイアセンブリ(例えば、LCD、LED、及びOLED、e-ペーパー/e-インク等)及び電池(EV及び他の用途)を含むエレクトロニクス用途のための接着剤、電子機器用途のための化学抵抗性バリアテープ、例えば、電池(Liイオン、固体Li、亜鉛イオン、及び他の電解質化学を含む)、皮膚接着剤(例えば、経皮パッチ、サージカルテープ、及び創傷被覆材)、並びにミクロ流体デバイス及びPCRアセンブリを含む医療用デバイスを含む様々な目的のために使用することができる。
【0073】
本発明のPSAは、前述の及び他の従来のコーティング技術を使用して、種々の可撓性及び非可撓性材料上に適用してPSAコーティング材料を生成することができる。
【0074】
可撓性基材は、本明細書において、テープバッキングとして従来から利用されているか又は任意の他の可撓性材料のものであってもよい任意の材料として定義される。例としては、プラスチックフィルム、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、及びエチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。フォームバッキングが使用されてもよい。非可撓性基材の例としては、金属、金属ポリマーフィルム、酸化インジウムスズコーティングガラス及びポリエステル、PMMAプレート、ポリカーボネートプレート、ガラス、又はセラミックシート材料が挙げられるが、これらに限定されない。接着剤コーティングシート材料は、接着剤組成物とともに利用されることが従来から公知の任意の物品の形態、例えば、ラベル、テープ、サイン、カバー、マーキングインデックス、ディスプレイ部品、タッチパネル等をとりうる。マイクロレプリケート表面を有する可撓性バッキング材料も企図される。
【0075】
PSAはまた、感圧接着剤転写テープの成分として使用されてもよく、このとき、接着剤の少なくとも1つの層が後に二次基材への適用のために剥離ライナーに堆積される。PSAはまた、単一コーティング又は二重コーティングテープとして提供されてもよく、このとき、接着剤は、永久バッキングに堆積される。バッキングは、プラスチック(例えば、二軸配向ポリプロピレンを含むポリプロピレン、ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエステル、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、不織物(例えば、紙、布、不織スクリム)、金属箔、フォーム(例えば、ポリアクリル、ポリエチレン、ポリウレタン、ネオプレン)等から作製されうる。
【0076】
フォームは、様々な供給元、例えば、3M社、Voltek社、Sekisui社及びその他から市販されている。フォームは、フォームの片側若しくは両側に接着剤を有する共押出シートとして形成されてもよく、又は接着剤が、それに積層されていてもよい。接着剤がフォームに積層される場合、フォーム又は他のタイプのバッキングのうちの任意のものへの接着剤の接着を改善するために表面を処理することが好ましい場合がある。そのような処理は、典型的には、接着剤の材料及びフォーム又はバッキングの材料の性質に基づいて選択され、プライマー及び表面変性(例えば、コロナ処理、表面研磨)が含まれる。追加のテープ構成としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,602,221号(Bennettら)に記載のものが含まれる。当業者であればまた、追加の有益な特性をもたらすために、他の添加剤、例えば、抗酸化剤、安定剤及び着色剤が接着剤とブレンドされてもよいことを認識するであろう。
【0077】
片側テープの場合、接着剤が堆積される側とは反対側のバッキング面は、典型的には、好適な剥離材料でコーティングされる。剥離材料は公知であり、例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリカルバメート、ポリアクリル等の材料が含まれる。二重コーティングテープの場合、接着剤の別の層が本発明の接着剤の発明が堆積される側とは反対側のバッキング面に堆積される。接着剤の他の層は、本発明の接着剤とは異なり、例えば、従来のアクリルPSAであってもよく、又は、それは、同じ若しくは異なる組成を有する同じ接着剤であってもよい。二重コーティングテープは、典型的には、剥離ライナーで実施される。
【0078】
上記の溶媒希釈PSA組成物は、特定の基材に応じて修正された従来のコーティング技術を使用して、基材上に適用することができる。例えば、これらの組成物は、ローラーコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、及びダイコーティング等の方法によって様々な固体基材に適用することができる。或いは、溶媒希釈(例えば、トルエン、ヘプタン)されていない場合、本発明の組成物は、加熱押出プロセス、例えば、ダイ押出又はカレンダー処理を使用して、基材上にコーティングされてもよい。
【0079】
これらの様々なコーティング方法により、PSA組成物を様々な厚さで基材に適用することが可能となり、したがって、より広範囲の使用が可能になる。コーティング厚さは、用途に応じて様々であってもよいが、0.1~約10、20又は30ミル(乾燥厚さ)、好ましくは、約0.1~10ミル、より好ましくは約0.1~約3ミル(乾燥厚さ)のコーティング厚さが企図される。
【0080】
本発明によって企図されるPSAは、限定なしに、望ましい静的せん断強度、比較的低いクリープ抵抗、剥離強度、ライナー剥離性、及びWVTR値を含む1つ又は複数の有利な特性をもたらす。比較的低WVTRを(好ましくは、本明細書に記載される他の特性と組み合わせて)示すPSAは、ある特定の用途において非常に望ましい。
【0081】
<試験用接着剤の調製>
本明細書に記載される試験において使用する充填PIB PSAは、指定量の各成分(表に記載される通り)を容器に導入し、それらの成分をトルエン又はヘプタンで約14~約20%の固体含有量に希釈し、分散器ブレード(3500rpm)を使用して15分間室温で希釈内容物を混合し、それによって液体組成物を得ることによって調製した。得られた液体組成物を、ナイフオーバーロールダウンコーター(例えば、Chemlnstruments Laboratory Drawdown Coater)を使用して、希釈物が揮発した後に、乾燥フィルム厚さが1ミル(又はアセチレン(カーボン)ブラックを含有するコーティングの場合、0.2ミル)のとなる厚さでシリコーン剥離ライナー上にコーティングした。次いで、液体組成物を65℃で3分間、次いで150℃で5分間焼成することによって揮発を進めた。次いで、得られた露出したPSAを第2の剥離ライナー(例えば、シリコーンコーティングPET剥離ライナー)によって被覆して、PSA試験標本を得た。
【0082】
<静的せん断強度>
PSAの静的せん断強度は、以下の通り決定した。
【0083】
接着剤が適用されたPressure Sensitive Tape Council(PSTC)ステンレス鋼(SS)パネルを、高純度ウレタングレードの2-ブタノンで清浄した。0.5インチ×3インチのPSA試験標本(上記の通り調製)を、4.5lb、80デュロメータ、硬質ローラーを使用して0.5インチ×0.5インチ(12.7mm×12.7mm)の面積のPSTCステンレス鋼パネル上に積層した。
【0084】
30分の滞留時間後、試験標本を接着したSS(ステンレス鋼)パネルを、70℃に予熱した(及び試験の継続時間にわたって70℃で維持した)チャンバー内に垂直に設置し、250又は500グラムの錘をPSA試験標本のSSパネルに接着していない部分から吊り下げることによって静的せん断試験を開始した。この組合せは、本明細書において一般に、例えば、「70℃、500g」の形式で呼ばれる)。重量が減少するまでの経過時間(分)を、PSAの静的せん断強度として記録した。
【0085】
この試験方法論に準じた本発明のPSAの様々な実施形態の静的せん断強度が本明細書に記載されるが、一般に、少なくとも約10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000又は10,000分であってもよい。実務上の理由で10,000分(ほぼ7日)に達したら試験を終了した。したがって、10,000分は、本発明を記載する目的で、静的せん断強度の許容される上限として役立ちうる。しかし、本発明の様々な実施形態は10,000分で接着したままであり、したがって、10,000分を超える静的せん断強度をもたらすと予想されたことが理解されるべきである。
【0086】
<剥離強度>
PSAの剥離強度は、以下の通り決定した。
【0087】
試験対象のPSAは、先に記載したのと同じ方式で調製した。
【0088】
接着剤が適用されたPressure Sensitive Tape Council(PSTC)ステンレス鋼(SS)パネルを、高純度ウレタングレードの2-ブタノンで清浄した。1インチ×10インチのPSA試験標本(上記の通り調製)を、4.5-lb、80デュロメータ、硬質ローラーを使用してPSTC SSパネル上に積層した。
【0089】
試験は、制御温度(70°F)及び湿度(50%RH)環境で実施した。15分間の滞留時間後、テープを12インチ/分の速度で180度の角度でPSTC SSプレートから引くことによって、剥離試験を開始した。荷重及び変位は一般に、試験の最初の1インチで最大に増加し、次いで、試験が完了するまで一定のままであった。剥離強度は、パネルでの1~5インチの変位(1インチのサンプル幅に基づく)間で観察された荷重(oz)の平均をとることによって決定し、それによって、oz(オンス)/インチ値を得た。これがPSA剥離強度である。
【0090】
この試験方法論に準じた本発明のPSAの様々な実施形態の剥離強度が本明細書に記載されるが、一般に、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、100、150又は200oz(オンス)/インチであってもよく、200oz(オンス)/インチは、本発明を一般に記載する目的で剥離強度についての上限として役立ちうる。
【0091】
<水蒸気透過速度>
PSAの水蒸気透過速度(WVTR)の試験は、Mocon Permatran-W 3/33 MA(Ametech-Mocon社、Brooklyn Park、MN)を使用して、以下の通りに実施した。
【0092】
試験対象のPSAは、先に記載したのと同じ方式で調製した。
【0093】
Mocon Permatranデバイスにおいて試験を開始する前に、PSAを被覆するライナーを取り外し、PSAをCelgard(登録商標)シート上に置き、PSAサンプルをMocon 032-076アルミ箔シート上に置いて、1cmのシートの穴を被覆し、試験に供した。PSAのWVTR値は、プラトー値として特定し、これに達したのは、一般に、約12~36時間であった。
【0094】
この試験方法論に準じた本発明のPSAの様々な実施形態のWTVRが本明細書に記載されるが、一般に、約100、80、70、50、40、30、25、20、10又は5g-ミル/m/日以下のWVTRを有してもよく、0.1g-ミル/m/日は、本発明を一般に記載する目的でWVTRについての下限として役立ちうる。
【0095】
<タイトライナー剥離性>
PSAのタイトライナー剥離性についての試験は、TMI Lab Master(登録商標)Release & Adhesion Tester(New Castle社、Delaware)を使用して、以下の通りに実施した。
【0096】
試験対象のPSAは、先に記載したのと同じ方式で調製した。
【0097】
試験は、制御温度(70°F)及び湿度(50%RH)環境で実施した。2インチ×10インチのPSA試験標本をデバイスで試験に供し(180度で300インチ/分)、PSA組成物を堆積したライナー(「タイト」ライナーと呼ばれることがある)からの接着剤の剥離を、1~5インチの変位間(注:サンプル幅は2インチ)の平均荷重(oz)に基づいて決定し、それによってグラム/2インチ値を得、これがタイトライナー剥離性である。
【0098】
表に特定される通り、この試験に使用したライナーは、以下の通りであった。AR-W2:Adhesives Research W-5002(シリコーン);AR-W4:Adhesives Research W-5004(AR-W2と比べてよりタイトなライナー剥離性を有するシリコーン;AR-R6:Mitsubishi 2PKRN 1.5ミルPET(シリコーンコーティング);及びAR-R7:Mitsubishi 2PKRN 2.0ミルPET(シリコーンコーティング)。
【0099】
この試験方法論に準じた本発明のPSAの様々な実施形態のタイトライナー剥離性が本明細書に記載されるが、一般に、約100、90、80、70、50、40、30又は20グラム/2インチ未満のタイトライナー剥離性を有してもよく、約5グラム/2インチは、本発明を一般に記載する目的でタイトライナー剥離性についての下限として役立ちうる。
【0100】
<導電率>
PSAの導電率は、Keithley Micro-オームメーター(モデル580)を使用して、以下の通りに評価した。
【0101】
試験対象のPSAは、先に記載したのと同じ方式で調製し、次いで、接着剤を取外し可能なAR-W4ライナー上に5又は25.4μmの初期厚さ(後者はまた、厚さ1ミルと呼ばれることもある)で適用し、次いで、第2の取外し可能なMitsubishi 2PKRN 2.0ミルPETライナーで被覆してサンプルを得た。
【0102】
サンプルから第2のライナーを取り外してPSA層の片側を露出させることによって、試験プロトコルを開始した。1インチ×1インチの大きさの金めっきしたステンレス鋼電極を、新たに露出させたPSA接着剤層と接触させ、しっかり押しつける。しっかり押しつけながら、PSA接着剤及びAR-W4ライナーを電極の形状に切り出し、より大きなサンプルから分離する。その後、AR-W4ライナーを新たに切り出した1平方インチのPSA接着剤/AR-W4ライナーから分離し、第2の金めっきしたステンレス鋼電極を、新たに露出させたPSA接着剤上に押しつけ、両方の電極の端部同士を揃え、互いに面を向けるようにしてアセンブルされた電極を得た。
【0103】
次いで、アセンブルされた電極を、ジグに置き、導電性ワニ口クリップを取り付ける余地を残しつつ、電極上に等しい圧力を加えた。その後、100mAの電流を電極に印加し、抵抗値(単位mOhm(mオーム))を、11lbの力で、サンプルが平衡に達するように30秒間待った後、装置から得た。抵抗値が低いほど、対応するサンプルの導電率は高くなり、アセチレンブラックを含有するPSA組成物の場合、より高い導電率値が望ましい。
【0104】
本発明のPSAの様々な実施形態の目的で、導電性PSAは、約0.25~約250mOhm(上に記載されるプロトコルを使用して決定して)の抵抗値を有してもよい。
【0105】
或いは、周知の4端子法を利用して、PSAの体積抵抗、表面抵抗、及び導電率を評価してもよい。この方法は、一般に、互いに対して間隔を空けた既知直径の4端子を有するプローブを必要とし、これを対象PSAフィルムに接触させ、このとき、外側の2端子に既知電流を印加し、残りの内側の2端子は電圧計に接続する。抵抗は、以下の公知の等式:
ρ=27πS(V/I)
(式中、ρ=抵抗(ohm・cm)、S=ニードル間隔(cm)、V=内側プローブ間の電圧(V)、及びI=外側プローブを通る電流)を介して決定することができる。更に公知の通り、試験対象のフィルムの厚さが端子間隔の5倍未満の場合、補正係数が適用されるべきである。また、フィルムの厚さが端子間隔の5倍以上の場合、式に適用される補正係数は、0.1%未満である。
【0106】
4端子法を使用して、PSAの体積抵抗は、望ましくは、約1~約1000ohm・cmの範囲であってもよい。
【0107】
以下の実施例は本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を限定しないものと理解されるべきである。
【実施例1】
【0108】
様々な量の表面処理されていないフュームドシリカ(NSTフュームドシリカ)を含むいくつかのPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)B12を含む)を調製し、フュームドシリカを含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表1に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分の総重量に対する重量パーセントとして表1に示されている。
【0109】
調製後、接着剤を、本明細書に記載される通りに試験し、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、ライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルに従って分析した。得られた値を表1に示す。
【0110】
この実施例は、NSTフュームドシリカを含むPSA組成物が、公知の接着剤と比べて強化された静的せん断強度をもたらしたことを実証し、観察された増加は、予想外に、使用したNSTフュームドシリカの量に対して非線形であった。更に、剥離強度(ステンレス鋼)は、試験した各NSTフュームドシリカ含有組成物について許容される値内のままであったが、ライナー剥離性(シリコーンライナーを使用)は、8重量%及び15重量%NSTフュームドシリカ含有組成物についてのみ許容された。低WVTR(例えば、約5g-ミル/m/日未満)を必要とする用途では、少なくとも8重量%のNSTフュームドシリカを含む組成物は、NSTフュームドシリカを含有しないPSA(A)と比べて、一桁高い(又はそれ以上の)WVTRをもたらしたことが見出された。
【0111】
【表1】
【実施例2】
【0112】
約85~約115m/グラムの範囲の比表面積(BET)を有する、様々な量の表面処理されていないフュームドアルミナ(NSTフュームドアルミナ)を含むいくつかのPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)B12を含む)を調製し、フュームドアルミナを含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表2に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分の総重量に対する重量パーセントとして示される。
【0113】
調製後、接着剤を、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、ライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルに従って分析した。得られた値を表2に示す。
【0114】
この実施例は、NSTフュームドアルミナを含むPSA組成物が、NSTフュームドシリカを含む組成物と比べて比較的高いローディング(充填量)であっても、公知の接着剤と比べて強化された静的せん断強度をもたらしたことを実証している。予想外に、より高い静的せん断強度値が、約1:3の高vMW PIB樹脂(OPPANOL(登録商標)N100):低vMW PIB樹脂(OPPANOL(登録商標)B12)を使用した場合に見出され、そのような予想外の有益な増加は、約20~約30重量%の範囲のNSTフュームドアルミナローディングで、約1:2.5の重量比で開始することが見出された。NSTフュームドアルミナはまた、予想外に、同様の量のNSTフュームドシリカを含む組成物と比べて改善されたタイトライナー剥離性及びWVTRをもたらすことが見出された。
【0115】
【表2】
【実施例3】
【0116】
様々な量の表面処理された(ST)フュームドアルミナ(すなわち、オルガノシランを含む組成物で表面処理されたフュームドアルミナ、このフュームドアルミナは、約75~約105m/グラムの範囲の比表面積(BET)を有する)を含むいくつかのPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)B12を含む)を調製し、フュームドアルミナを含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表3に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分に対する重量パーセントとして示される。
【0117】
調製後、接着剤を、静的せん断強度(70℃、500グラム)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、タイトライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルに従って分析した。得られた値を表3に示す。
【0118】
この実施例は、STフュームドアルミナを含むPSA組成物が、比較的高いローディングレベル、例えば、約22~約30重量%であっても、公知の接着剤と比べて強化された静的せん断強度をもたらしたことを実証する。予想外に、より高い静的せん断強度値は、STフュームドアルミナを約30重量%で使用した場合に見出され、この組成物はまた、比較的高いが、なお許容される剥離強度を、更に許容されるタイトライナー剥離性とともに示す。40重量%のローディングは、組成物が接着の損失を示し、このため静的せん断強度及び剥離強度を決定できなかったため、望ましくないことが見出された。約1:3~約1:3.5の高vMW PIB樹脂:低vMW PIB樹脂の樹脂重量比は、約22重量%~約30重量%の範囲のローディング、更に約22~約25重量%のローディングで、表面処理されたフュームドアルミナとの使用に最も望ましいことが見出され、望ましくは、約30g-ミル/m/日未満のWVTR値をもたらした。
【0119】
【表3】
【実施例4】
【0120】
様々な量の表面処理された(ST)フュームドシリカ(すなわち、オルガノシラン(A)、オルガノシロキサン(B)又はオルガノシラザン(C)を含む組成物で表面処理されたフュームドシリカ、このフュームドシリカは約125~約300m/グラムの範囲の比表面積(BET)を有する)を含むいくつかのPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)B12樹脂を含む)を調製し、フュームドシリカを含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表4に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分に対する重量パーセントとして示される。STフュームドシリカはどのような反応も受けなかった。
【0121】
調製後、接着剤を、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、タイトライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルに従って分析した。得られた値を表4に示す。
【0122】
この実施例は、STフュームドシリカを含むPSA組成物が、予想外に、定義した範囲内の比較的高いローディングレベル、例えば、約12~約25重量%、望ましくは約15重量%~約25重量%、より望ましくは約18重量%~約25重量%、更により望ましくは約22~約25重量%であっても、公知の接着剤と比べて強化された静的せん断強度をもたらしたことを実証し、せん断強度は、27重量%ローディングで予想外の減少が示されるまで、組成物中のシリカの量に対して非線形方式で増加した。
【0123】
予想外に、より高い静的せん断強度値は、STフュームドシリカを約30重量%で使用した場合に見出され、この組成物はまた、比較的高いが、なお許容される剥離強度を、更に、望ましいタイトライナー剥離性とともに示した。30重量%のローディングは、接着の損失をもたらし、その結果、静的せん断強度及び剥離強度の評価が可能ではなかったことが見出された。約1:2~約1:7の高vMW PIB樹脂:低vMW PIB樹脂の樹脂重量比は、約12重量%~約25重量%のSTフュームドシリカを含む組成物との使用に最も望ましいことが見出され、より望ましくは、約20~約25重量%のシリカローディングで約1:2~約1:3の比であり、好ましい比は約1:3であった。
【0124】
【表4A】
【0125】
【表4B】
【0126】
約1:2~約1:3の間の重量比の高vMW PIB樹脂:低vMW PIB樹脂、及び約22~約25重量%のSTフュームドシリカローディングを含む接着剤組成物は、望ましい静的せん断、剥離強度及びシリコーンタイトライナー剥離性特性を、比較的低WVTRとともにもたらすことが見出された。1つの例外は、18分の比較的低静的せん断をもたらした24であり、これは、望ましくない粒子凝集に起因すると考えられる。
【実施例5】
【0127】
22重量%の表面処理されていない(NST)親水性フュームド二酸化チタンを含むPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100を含む)を調製し、フュームド材料を含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分表5に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分の総重量に対する重量パーセントとして示される。NSTフュームドTiOは、どのような反応も受けなかった。
【0128】
調製後、接着剤を、本明細書に記載される通りに試験し、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、タイトライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルを使用して分析した。得られた値を表5に示す。
【0129】
この実施例は、NSTフュームドTiOを含むPSA組成物が、公知の接着剤と比べて強化された静的せん断強度をもたらしたことを実証する。
【0130】
【表5】
【実施例6】
【0131】
表面処理された疎水性フュームドシリカ(AEROSIL(登録商標)R 805、OCTMOによる表面処理)を含む様々な量のPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPP ANOL(登録商標)B12を含む)を調製し、フュームド材料を含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表6に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分の総重量に対する重量パーセントとして示される。STフュームドシリカは、どのような反応も受けなかった。
【0132】
調製後、接着剤を、本明細書に記載される通りに試験し、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、タイトライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルを使用して分析した。得られた値を表6に示す。
【0133】
この実施例は、粘着付与剤を配合物に添加するとせん断強度は低下すると予想されたが、配合物への粘着付与剤の添加により、本発明のPSA組成物が、静的せん断強度、及びより少ない程度の剥離強度の予想外の増加をもたらしたことを実証する。更に、データは、約1:1~約1:3のN100:B12重量比で少なくとも約16重量%のN100(粘着付与剤を含む)、及び比較的高ローディング(例えば、約25~約30重量%の範囲の量で)(未反応の)反応性の表面処理されたフュームドシリカを含む充填組成物が、比較配合物A(粘着付与剤及び充填剤を含有せず、重量比1:2でN100:B12を含有する)よりも少なくとも一桁大きい静的せん断を有する配合物をもたらしたことを示した。
【0134】
これらのデータは、これらの特定のPSA組成物について、シリカの種類のみを変更した場合、優れた静的せん断強度を、許容される剥離、タイトライナー剥離性及びWVTRとともに有するPSAは、望ましくないWVTR値を示すAEROSIL(登録商標)200と比べて好ましいAEROSIL(登録商標)R805又はAEROSIL(登録商標)R974を使用して調製されうることを更に示唆している。
【0135】
【表6】
【実施例7】
【0136】
アセチレンブラックを含む様々な量のPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)B12を含む)調製し、アセチレンブラックを含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表7に示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分の総重量に対する重量パーセントとして示される。
【0137】
調製後、接着剤を、本明細書に記載される通りに試験し、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、タイトライナー剥離性、及び水分バリア(WVTR)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルを使用して分析した。得られた値を表7に示す。
【0138】
この例は、アセチレンブラックを約8重量%で含んだ場合、静的せん断強度が増加したことを実証し、この成分が約15重量%かつ最大約22重量%で含まれた場合に、より大幅な増加が見出された。しかし、剥離強度はアセチレンブラックが約15重量%で低下し、22重量%では、バッキング基材(後者は、この場合、PET)への不十分な接着に起因して、一部のサンプルでは測定が困難であった。粘着付与剤(30重量%)の添加は、剥離強度に影響しなかった。これは、静的せん断強度を最適にしながら、また、許容される剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTRを維持するためのアセチレンブラックの有用な範囲として約10~約20重量%、より望ましくは約12~約18重量%を示唆している。
【0139】
【表7】
【実施例8】
【0140】
アセチレンブラック、並びに(i)アルミナ、(ii)シリカ又は(iii)アルミナ及びシリカを含む様々な量のPIB PSA組成物(高vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)N100、及び低vMW PIB樹脂としてOPPANOL(登録商標)B12を含む)を調製し、アセチレンブラック、アルミナ又はシリカをいずれも含有しない接着剤(A)と比べて試験した。接着剤を調製するのに使用した成分を表8A、8B及び8Cに示し、表中、各成分の量は、組成物中の不揮発性成分の総重量に対する重量パーセントとして示される。
【0141】
調製後、接着剤を、本明細書に記載される通りに試験し、静的せん断強度(70℃、500グラム重量)、ステンレス鋼表面への接着(剥離強度)、タイトライナー剥離性、水分バリア(WVTR)、及び導電率(Z軸抵抗の決定を介して評価、低い抵抗は高い導電率に対応する)特性について、本明細書に記載される試験プロトコルを使用して分析した。得られた値を表8A、8B及び8Cに示す。
【0142】
この実施例は、例示の組成物の多くにおいて、アルミナ及び/又はシリカのアセチレンブラックとの組合せが、他の望ましい特性の大幅な損失なしに強化された静的せん断強度をもたらしたことを実証する。
【0143】
PSAにおいてアセチレンブラックを異なるアルミナ(AEROXIDE(登録商標)Alu C対AEROXIDE(登録商標)Alu C 805)と組み合わせた場合に得られた特性の比較は、アルミナ(同じ量で含まれた場合、Alu CはAlu C 805と比べてより高い静的せん断強度をもたらす)を使用した場合、非アルミナ含有組成物と比べて、比較的高い静的せん断強度を、許容される剥離強度及びタイトライナー剥離性値とともに実証した。表8Aを参照されたい。これらの値は、アセチレンブラックが約10~約11重量%で含まれ、Alu Cが約11~約15重量%で含まれた場合に最適化され、静的せん断強度もまた、少なくとも1つのアルミナを約10~約15重量%の範囲で含む場合、特にAlu C 805をアルミナ成分として使用した場合に最適化された。また、8重量%のアセチレンブラック単独と比べて、7.5重量%のアセチレンブラック及び7.5重量%のアルミナで静的せん断強度の強化が観察されたことが見出された。アセチレンブラックへの様々な量のアルミナの含有は、他の測定した特性、すなわち、剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTRに大幅な変化をもたらさなかった。表8Aを参照されたい。
【0144】
【表8】
【0145】
PSAにおいてアセチレンブラックを異なるシリカ(AEROSIL(登録商標)R805及びAEROSIL(登録商標)R974)と組み合わせた場合に得られた特性の比較は、シリカ(同じ量で含まれた場合、AEROSIL(登録商標)R974は、R805と比べてより高い静的せん断強度をもたらす)を含む場合、非シリカ含有組成物と比べて、比較的高い静的せん断強度を、許容される剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTR値とともに実証した。表8Bを参照されたい。これらの値は、アセチレンブラックが約10~約11重量%で含まれ、AEROSIL(登録商標)R974により、シリカが、約11~約15重量%で含まれた場合に最適化され、やはり、驚くべきことに、少なくとも1つのシリカ、特に、AEROSIL(登録商標)R974が約10~約15重量%で含まれる場合に、高静的せん断強度を実証する。また、8重量%のアセチレンブラック単独と比べて、7.5重量%のアセチレンブラック及び7.5重量%のシリカで静的せん断強度の強化が観察されたことが見出された。また、アセチレンブラックへの様々な量のシリカの含有は、他の測定した特性、すなわち、剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTRに大幅な変化をもたらさなかったことが認められた。しかし、AEROSIL(登録商標)R974を約11~約15重量%の範囲の量で含む場合、静的せん断強度、剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTRの優れた値が観察された。表8Bを参照されたい。
【0146】
【表9】
【0147】
PSAにおいてアセチレンブラックをシリカ(AEROSIL(登録商標)R805)及びアルミナ(AEROXIDE(登録商標)Alu C)と組み合わせた場合に得られた特性の比較は、非シリカ含有組成物と比べて比較的高い静的せん断強度を、許容される剥離強度、タイトライナー剥離性及びWVTR値とともに実証した。表8Cを参照されたい。しかし、驚くべきことに、アセチレンブラック、R805及びAlu Cのこの特定の組合せは、良好な静的せん断強度及び剥離強度をもたらしながら、許容されるWVTRを有することが見出された。表8Cを参照されたい。
【0148】
【表10】
【0149】
STシリカ及びアルミナを含まない組成物と比べた、PSAにおいてアセチレンブラックをSTシリカ(AEROSIL(登録商標)R974)及びSTアルミナ(AEROXIDE(登録商標)Alu C)と組み合わせた場合に得られた特性の比較、及び比較的高vMW PIB樹脂のみの、望ましくは、ある特定の量での使用は、予想外に、非シリカ含有組成物と比べて比較的高い静的せん断強度を実証し、更に、許容される剥離強度を示した。表8Dを参照されたい。表8Dに実証される通り、約8~約20重量%、より望ましくは約12~約18重量%の間のSTシリカの含有は、比較的高vMW PIB樹脂のみを(例えば、約20~約30重量%の範囲の量)、望ましくは、約50~約60重量%の範囲の量の粘着付与剤とともに含むPSAにおいてさえ最適であることが見出された。STシリカを約25重量%で含むと、フィルムを形成できない組成物となったことが更に見出された。表8Dを参照されたい。
【0150】
【表11】
【実施例9】
【0151】
抵抗の評価(導電率のプロキシとして、低抵抗値は、相対性、及び望ましくはこの文脈では、高導電率値に対応する)は、アセチレンブラックを(i)アルミナ(AEROXIDE(登録商標)Alu C及びAEROXIDE(登録商標)Alu C 805)、(ii)シリカ(AEROSIL(登録商標)R974及びAEROSIL(登録商標)R805)、及び(iii)それらの混合物と組み合わせた様々な組成物(これらの組成物の多くの追加の特性は、表7、8A、8B及び8Cに提供されている)について行った。表9を参照されたい。
【0152】
驚くべきことに、アルミナは非導電性であるにもかかわらず、アセチレンブラック及びアルミナを含有するPSA組成物の抵抗は、アセチレンブラックのみを含有する組成物と比べて低かった。アルミナをアセチレンブラックとともに含む場合の抵抗に対するこの一般に望ましい効果は、シリカ及びアセチレンブラックの組合せを使用した場合、同じ程度には観察されなかった(後者のシリカ組合せの抵抗は、一般に、前者のアルミナ組合せより一桁高く、最も有望な抵抗値は、組成物がAEROXIDE(登録商標)Alu C及びアセチレンブラックの組合せを含有した場合に得られた。表9を参照されたい。
【0153】
シリカ及びアセチレンブラックの組合せを含有するPSA組成物において、予想外に、約10~約11重量%のアセチレンブラック及び約10~約15重量%の未反応の疎水性フュームドシリカ(DDS(ジメチルジクロロシラン)で処理されたAEROSIL(登録商標)R974、又はAEROSIL(登録商標)R805)を含有する組成物が、各々7.5重量%のアセチレンブラック及び同じフュームドシリカのみを含有する同様の組成物と比べて大幅に低い抵抗を示したことが見出された。約10~約15重量%の範囲の量のAEROSIL(登録商標)R974の場合、驚くべきことに、抵抗は、各々7.5重量%のアセチレンブラック及び同じフュームドシリカのみを含有する組成物と比べて一桁低かったことが見出された。
【0154】
【表12】
【0155】
本明細書で引用される刊行物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が、個々に具体的に、参照により組み込まれていると示され、その全体が本明細書に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0156】
本発明を記載する文脈において(とりわけ、以下の特許請求の文脈において)、「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」及び「少なくとも1つ」という用語、並びに同様の指示語の使用は、本明細書において別途示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されることになる。1つ又は複数の項目のリストに続く「少なくとも1つ」という用語の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)は、本明細書において別途示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙された項目から選択される1つの項目(A又はB)、又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈されることになる。「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」及び「含有する」という用語は、別途述べられない限り、オープンエンドな用語(すなわち、「含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈されることになる。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書で別途示されない限り、単にその範囲内に入る各々別々の値を個々に指す簡略表記法として役立つことを意図し、各別個の値は、それが個々に本明細書で述べられているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で別途示されない限り、又は他に文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で提供される任意の全ての例、又は例示の語(例えば、「例示」、「例えば」)の使用は、単に本発明をより良好に明らかにすることを意図し、別途特許請求されない限り、本発明の範囲に限定を付与しない。本明細書におけるどのような語も、特許請求されていない要素が本発明の実施に必須であることを示すと解釈されるべきではない。
【0157】
本明細書における重量パーセントへの言及は、表現語又は文脈と矛盾しない限り、充填PIB PSA組成物中の不揮発性成分に対する成分(component)又は成分(ingredient)の量を記載すると理解されるべきである。
【0158】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されるが、それらの好ましい実施形態の変形例が、前述の記載を読むことで当業者に明らかになりうる。本発明者らは、当業者がそのような変形例を適宜用いることを予期しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されるのとは別様に実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法が認める通り、本明細書に添付の特許請求の範囲において列挙される主題の全ての変更及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形例における上記の要素の任意の組合せは、本明細書に別途示されない限り、又は他に文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約30~約60重量%、並びに
(c)アセチレンブラック及びアルミナを含む充填剤
を含む導電性感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、導電性感圧接着剤。
【請求項2】
感圧接着剤中のアセチレンブラックの量が、約5~約15重量%の範囲であり、アルミナがフュームドアルミナであり、感圧接着剤中、約5~約15重量%の範囲の量である、請求項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項3】
感圧接着剤中のフュームドアルミナの量が、感圧接着剤中、約10~約15重量%の範囲の量である、請求項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項4】
感圧接着剤中の約10~約15重量%のヒュームドアルミナが、表面処理されていないフュームドアルミナである、請求項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項5】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約30~約60重量%、及び
(c)アセチレンブラック及びシリカを含む充填剤
を含む導電性感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、導電性感圧接着剤。
【請求項6】
約5~約15重量%のアセチレンブラック及び約5~約15重量%のシリカを含み、前記シリカがフュームドシリカである、請求項に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項7】
約5重量%~約20重量%の表面処理されたヒュームドシリカを含む、請求項5に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項8】
約5重量%~約15重量%のアセチレンブラックと、約5重量%~約15重量%の表面処理されたシリカを含む、請求項7に記載の導電性感圧接着剤。
【請求項9】
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:2~約1:3の範囲である、請求項に記載の感圧接着剤。
【請求項10】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約30~約60重量%、
(c)オルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン、又はそれらの混合物を含む組成物で表面処理されたシリカを含む充填剤約8~約25重量%
を含む感圧接着剤であって、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項11】
感圧接着剤中の約8~約25重量%の量の表面されたシリカが、メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、オクチルトリアルコキシシラン、ヘキサデシルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、ジメチルジクロロシラン、又はトリメチルアルコキシシランのうちの1つ又は複数であるオルガノシランで処理されたものである、請求項10に記載の感圧接着剤。
【請求項12】
感圧接着剤中の約8~約25重量%の表面処理されたシリカがジメチルジクロロシランで処理されたものである、請求項10に記載の感圧接着剤。
【請求項13】
シリカがフュームドシリカであり、フュームドシリカが、感圧接着剤中の不揮発性成分に対して約15~約25重量%の範囲の量で存在する、請求項10に記載の感圧接着剤。
【請求項14】
シリカがフュームドシリカであり、フュームドシリカが、感圧接着剤中の不揮発性成分に対して約20~約25重量%の量で存在する、請求項13に記載の感圧接着剤。
【請求項15】
(a)300,000~約3,000,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約10~約30重量%、
(b)約35,000~約100,000g/molの範囲のvMWを有するPIB(ポリイソブテン)樹脂約30~約60重量%、及び
(c)オルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン又はそれらの混合物を含む組成物で表面処理されたアルミナを含む充填剤約20~約30重量%
を含む感圧接着剤であって、
樹脂(a)対樹脂(b)の重量比が、約1:1~約1:4であり、
ここで重量%が、感圧接着剤中の不揮発性成分に対するものである、感圧接着剤。
【請求項16】
アルミナがフュームドアルミナであり、かつ、約22重量%~約30重量%の範囲の量で感圧接着剤中に存在する、請求項15に記載の感圧接着剤。
【請求項17】
接着剤中約20~約30重量%の表面処理されたアルミナが、メタクリロイルシラン、オクチルメトキシシラン、ヘキサデシルシラン、又はジメチルジクロロシランのうちの1つ又は複数で表面処理されたものである、請求項15に記載の感圧接着剤。
【請求項18】
接着剤中約20~約30重量%の表面処理されたアルミナが、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたものである、請求項15に記載の感圧接着剤。
【請求項19】
(a)上面及び下面を備える基材、
(b)基材の上側部分の少なくとも一部の上の、請求項1から18のいずれか一項に記載の感圧接着剤、並びに
(c)感圧接着剤の少なくとも一部分に接触した表面を有する剥離ライナー
を備えるテープ。
【国際調査報告】