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特表2024-528987抗PLA2G2D構築物およびその使用
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  • 特表-抗PLA2G2D構築物およびその使用 図1
  • 特表-抗PLA2G2D構築物およびその使用 図2
  • 特表-抗PLA2G2D構築物およびその使用 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】抗PLA2G2D構築物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/40 20060101AFI20240725BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240725BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240725BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240725BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240725BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240725BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240725BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240725BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20240725BHJP
   A61K 31/537 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/475 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/215 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20240725BHJP
   C07D 498/18 20060101ALN20240725BHJP
   C07H 15/252 20060101ALN20240725BHJP
   C07D 519/04 20060101ALN20240725BHJP
   C07D 305/14 20060101ALN20240725BHJP
   C07D 491/22 20060101ALN20240725BHJP
   C07D 493/20 20060101ALN20240725BHJP
   C07D 277/28 20060101ALN20240725BHJP
   C07D 309/28 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
C07K16/40 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61P35/00
A61P31/12
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P37/04
A61K47/68
A61K47/65
A61K31/537
A61K31/704
A61K31/475
A61K31/337
A61K31/4745
A61K31/352
A61K31/427
A61K31/351
A61K31/215
A61K31/155
C07D498/18
C07H15/252
C07D519/04
C07D305/14
C07D491/22
C07D493/20
C07D277/28
C07D309/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506669
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022074496
(87)【国際公開番号】W WO2023015225
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,437
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522304729
【氏名又は名称】エーペックスイミューン セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リー, リー-フェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー, カン
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】ウー, マデリン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, アリエル ユシン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C057
4C076
4C084
4C085
4C086
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BD14
4B065CA25
4B065CA44
4C057BB02
4C057CC04
4C057DD03
4C057JJ50
4C076AA94
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC35
4C076CC41
4C076CC42
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF32
4C076FF34
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB33
4C084ZC75
4C085AA14
4C085EE01
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA02
4C086BA07
4C086BC82
4C086CA01
4C086CB21
4C086CB22
4C086EA10
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA07
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA02
4C206GA30
4C206HA31
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA11
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZB33
4C206ZC75
4H045AA11
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本出願は、PLA2G2Dに結合する抗PLA2G2D構築物(例えば、抗PLA2G2D抗体)、抗PLA2G2Dのアミノ酸配列をコードする核酸分子、核酸分子を含むベクター、ベクターを含む宿主細胞、抗PLA2G2D構築物を調製する方法、抗PLA2G2D構築物を含む医薬組成物、および抗PLA2G2D構築物または組成物を使用する方法を提供する。別の態様における本出願は、PLA2G2Dの結合エピトープについて上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかと競合する抗PLA2G2D構築物を提供する
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗体部分を含む抗PLA2G2D構築物であって、
1)前記Vは、配列番号131のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号134のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
2)前記Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号140のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号141のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号142のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
3)前記Vは、配列番号150のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号151のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
4)前記Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号146のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
5)前記Vは、配列番号157のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
6)前記Vは、配列番号160のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
7)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号162のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
8)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号165のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
9)前記Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号278のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
10)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号170のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号171のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
11)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号174のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号175のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
12)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号188のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
13)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号181のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
14)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
15)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
16)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号200のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
17)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号203のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
18)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号185のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
19)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号206のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号207のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号208のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
20)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号195のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号196のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号197のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
21)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号211のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
22)前記Vは、配列番号214のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号215のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号216のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号217のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号218のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号219のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
23)前記Vは、配列番号222のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号223のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号224のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
24)前記Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号228のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
25)前記Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号231のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号232のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号233のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号234のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
26)前記Vは、配列番号237のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号238のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
27)前記Vは、配列番号241のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号242のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
28)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号261のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号262のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号263のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号264のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
29)前記Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号267のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号269のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号270のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
30)前記Vは、配列番号45のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号47のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号48のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
31)前記Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
32)前記Vは、配列番号25のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号29のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
33)前記Vは、配列番号77のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号78のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号79のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
34)前記Vは、配列番号82のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号83のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号84のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号85のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号86のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
35)前記Vは、配列番号124のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号125のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号126のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号127のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号128のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
36)前記Vは、配列番号89のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号91のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号92のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号94のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
37)前記Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号105のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
38)前記Vは、配列番号245のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号248のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号249のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
39)前記Vは、配列番号253のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号256のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号257のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号258のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
40)前記Vは、配列番号9のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号14のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
42)前記Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
43)前記Vは、配列番号1のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号4のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
44)前記Vは、配列番号51のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号56のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
45)前記Vは、配列番号116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号119のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
46)前記Vは、配列番号59のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号62のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号63のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号64のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
47)前記Vは、配列番号108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号111のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号112のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号113のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
49)前記Vは、配列番号37のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号39のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号40のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号42のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
50)前記Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号275のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
51)前記Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号100のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号101のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む;
52)前記Vは、配列番号279のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号280のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133、140、145、151、162、165、170、174、178、185、188、192、196、203、206、216、223、228、232、238、242、262、または268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号281のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号282のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号283のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
53)前記Vは、配列番号284または285のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号286または287のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号288、47、または19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号289のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号290のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
54)前記Vは、配列番号291のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号292のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号293のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250、258、94、または106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
55)前記Vは、配列番号294のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246または254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247または255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250、258、94、または106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
56)前記Vは、配列番号9、32、または67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10、33、68、または274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11、34、または69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号297のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号298のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
57)前記Vは、配列番号1、51、または116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2、52、117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3、53、または118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号299のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号300のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6、56、または121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
58)前記Vは、配列番号59または108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60または109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61または110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号301のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号302のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号303のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;
59)前記Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68、274、または304のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号305のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む;または
60)前記Vは、配列番号306または97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号307または98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番39、99、または53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、前記Vは、配列番号308または54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41、101、または55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号309または102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む、抗PLA2G2D構築物。
【請求項2】
PLA2G2Dに特異的に結合する抗体部分を含む抗PLA2G2D構築物であって、
1)配列番号7に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号8に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
2)配列番号15に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号16に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
3)配列番号23に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号24に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
4)配列番号30に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号31に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
6)配列番号43に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号44に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
7)配列番号49に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号50に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
8)配列番号57に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号58に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
9)配列番号65に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号66に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
10)配列番号70に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号71に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
11)配列番号75に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号76に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
12)配列番号80に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号81に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
13)配列番号87に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号88に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
14)配列番号95に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号96に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
15)配列番号103に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号104に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
16)配列番号103に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号107に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
17)配列番号114に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号115に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
18)配列番号122に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号123に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
19)配列番号129に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号130に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
20)配列番号137に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号138に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
21)配列番号143に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号144に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
22)配列番号148に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号149に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
23)配列番号153に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号154に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
24)配列番号158に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号159に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
25)配列番号155に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号156に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
26)配列番号163に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号164に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
27)配列番号168に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号169に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
28)配列番号172に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号173に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
29)配列番号166に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号167に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
30)配列番号176に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号177に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
31)配列番号183に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号184に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
32)配列番号186に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号187に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
33)配列番号190に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号191に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
34)配列番号179に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号180に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
35)配列番号193に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号194に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
36)配列番号198に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号199に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
37)配列番号201に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号202に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
38)配列番号204に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号205に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
39)配列番号209に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号210に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
40)配列番号212に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号213に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
41)配列番号220に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号221に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
42)配列番号225に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号226に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
43)配列番号229に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号230に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
44)配列番号235に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号236に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
45)配列番号239に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号240に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
46)配列番号243に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号244に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
47)配列番号251に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号252に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
48)配列番号259に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号260に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
49)配列番号265に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号266に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
50)配列番号271に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号272に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;または
51)配列番号276に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号277に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む、抗PLA2G2D構築物。
【請求項3】
前記Vが、配列番号7、15、23、30、35、43、49、57、65、70、75、80、87、95、103、114、122、129、137、143、148、153、158、155、163、168、172、166、176、183、186、190、179、193、198、201、204、209、212、220、225、229、235、239、243、251、259、265、271、および276のいずれか1つのアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;および/または、前記Vが、配列番号8、16、24、31、36、44、50、58、66、71、76、81、88、96、104、107、115、123、130、138、144、149、154、159、156、164、169、173、167、177、184、187、191、180、194、199、202、205、210、213、221、226、230、236、240、244、252、260、266、272、および277のいずれか1つのアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、請求項1または請求項2に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物であって、
1)前記Vが、配列番号7のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号8のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
2)前記Vが、配列番号15のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号16のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
3)前記Vが、配列番号23のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号24のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
4)前記Vが、配列番号30のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号31のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
6)前記Vが、配列番号43のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号44のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
7)前記Vが、配列番号49のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号50のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
8)前記Vが、配列番号57のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号58のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
9)前記Vが、配列番号65のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号66のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
10)前記Vが、配列番号70のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号71のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
11)前記Vが、配列番号75のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号76のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
12)前記Vが、配列番号80のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号81のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
13)前記Vが、配列番号87のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号88のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
14)前記Vが、配列番号95のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号96のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
15)前記Vが、配列番号103のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号104のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
16)前記Vが、配列番号103のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号107のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
17)前記Vが、配列番号114のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号115のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
18)前記Vが、配列番号122のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号123のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
19)前記Vが、配列番号129のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号130のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
20)前記Vが、配列番号137のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号138のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
21)前記Vが、配列番号143のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号144のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
22)前記Vが、配列番号148のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号149のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
23)前記Vが、配列番号153のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号154のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
24)前記Vが、配列番号158のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号159のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
25)前記Vが、配列番号155のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号156のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
26)前記Vが、配列番号163のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号164のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
27)前記Vが、配列番号168のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号169のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
28)前記Vが、配列番号172のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号173のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
29)前記Vが、配列番号166のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号167のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
30)前記Vが、配列番号176のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号177のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
31)前記Vが、配列番号183のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号184のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
32)前記Vが、配列番号186のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号187のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
33)前記Vが、配列番号190のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号191のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
34)前記Vが、配列番号179のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号180のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
35)前記Vが、配列番号193のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号194のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
36)前記Vが、配列番号198のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号199のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
37)前記Vが、配列番号201のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号202のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
38)前記Vが、配列番号204のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号205のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
39)前記Vが、配列番号209のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号210のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
40)前記Vが、配列番号212のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号213のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
41)前記Vが、配列番号220のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号221のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
42)前記Vが、配列番号225のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号226のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
43)前記Vが、配列番号229のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号230のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
44)前記Vが、配列番号235のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号236のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
45)前記Vが、配列番号239のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号240のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
46)前記Vが、配列番号243のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号244のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
47)前記Vが、配列番号251のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号252のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
48)前記Vが、配列番号259のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号260のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
49)前記Vが、配列番号265のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号266のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、
50)前記Vが、配列番号271のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号272のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、または
51)前記Vが、配列番号276のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;前記Vが、配列番号277のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む、抗PLA2G2D構築物。
【請求項5】
前記抗体部分が、全長抗体、二重特異性抗体、一本鎖Fv(scFv)フラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)、Fv-Fc融合物、scFv-Fc融合物、scFv-Fv融合物、ダイアボディ、トリボディ、およびテトラボディからなる群より選択される抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項6】
前記抗体部分が全長抗体である、請求項5に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項7】
前記抗体部分が、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM由来のFcフラグメント、ならびにそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択されるFcフラグメントを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項8】
前記Fcフラグメントが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからのFcフラグメントからなる群より選択される、請求項7に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項9】
前記Fcフラグメントが、対応する野生型Fcフラグメントと比較して低下したエフェクター機能を有する、請求項7または請求項8に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項10】
前記Fcフラグメントが、対応する野生型Fcフラグメントと比較して増強されたエフェクター機能を有する、請求項7または請求項8に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項11】
前記構築物が、全長抗体、融合タンパク質、または免疫コンジュゲートである、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項12】
前記PLA2G2DがヒトPLA2G2Dである、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物。
【請求項13】
PLA2G2Dの結合エピトープについて、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物と競合する、抗PLA2G2D構築物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物と、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物またはその一部をコードする単離された核酸。
【請求項16】
請求項15に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項17】
請求項15に記載の単離された核酸または請求項16に記載のベクターを含む単離された宿主細胞。
【請求項18】
抗PLA2G2D構築物を産生する方法であって、
a)請求項16に記載の単離された宿主細胞を、前記抗PLA2G2D構築物を発現するのに有効な条件下で培養することと、
b)発現された前記抗PLA2G2D構築物を前記宿主細胞から得ることと、
を含む、方法。
【請求項19】
個体における疾患または症状を処置する方法であって、前記個体に、有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の抗PLA2G2D構築物、または請求項14に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項20】
前記疾患または症状ががんであり、必要に応じて前記がんが固形腫瘍である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記がんが進行性または悪性の腫瘍である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記がんが、増大した発現レベルのPLA2G2Dを有する、請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記がんが、肺がん、乳がん、肝臓がん、胃がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、膵臓がん、腎臓がん、前立腺がん、尿路上皮がん、精巣がん、卵巣がんおよび黒色腫からなる群より選択される、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記疾患または症状がウイルス感染である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
感染部位におけるPLA2G2Dの発現レベルが非感染部位よりも高い、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第二の薬剤を投与することをさらに含む、請求項19~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第二の薬剤が、化学療法剤、免疫調節薬、抗血管形成剤、成長阻害剤および抗新生物剤からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第二の薬剤が免疫調節薬である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記免疫調節薬が免疫チェックポイント阻害剤である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-L1、PD-L2、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、TIGIT、GITR、TIM3、LAG3、CD27、4-1BBまたはB7H4を特異的に標的とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第二の薬剤が、腫瘍抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体を含む細胞を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記抗PLA2G2D構築物と前記第二の薬剤が同時または同時発生的に投与される、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記抗PLA2G2D構築物と前記第二の薬剤が逐次的に投与される、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記抗PLA2G2D構築物および/または前記第二の薬剤が非経口投与される、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記抗PLA2G2D構築物が、がん組織または感染部位に直接投与される、請求項19~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記抗PLA2G2D構築物が、約0.001μg/kg~約100mg/kgの用量で投与される、請求項19~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記個体が、前記抗PLA2G2D構築物の投与後に前記がん組織または前記感染部位において免疫細胞の数が増加している、請求項19~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記免疫細胞がT細胞である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記T細胞が活性化T細胞である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記がん組織または前記感染部位における免疫細胞の数が、前記抗PLA2G2D構築物の投与後に少なくとも約5%増加する、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記がん組織または前記感染部位の免疫細胞が、前記抗PLA2G2D構築物の投与後に増加したレベルのサイトカインを産生する、請求項20~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記サイトカインがIFNγおよび/またはIL-2である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記サイトカインのレベルが、前記抗PLA2G2D構築物の投与後に少なくとも約5%増加する、請求項41または42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年8月4日に出願された米国仮出願第63/229,437号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、抗PLA2G2D構築物(抗PLA2G2D抗体など)およびその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
免疫系が感染または疾患に応答する機構は、自然免疫および適応免疫の要素間の複雑な相互作用に依存する。免疫応答の望ましくない抑制は、患者自身の免疫系または疾患もしくは感染と戦うための免疫療法などの有望な処置にとって大きな障害として残っている。例えば、免疫療法で患者を処置する努力における基本的な問題は、腫瘍担持状態が腫瘍および宿主の妨害された免疫系の両方に由来する免疫抑制機構に関連し、それによって治療が理想的な有効性を達成するのを妨げることである。
【0004】
グループIID分泌ホスホリパーゼA2は、ヒトにおいてPLA2G2D遺伝子によってコードされる酵素である。PLA2G2D(sPLA2-IID)は、脾臓およびリンパ節で豊富に発現され、抗炎症性ω3 PUFA代謝産物を動員することによってTh1およびTh17免疫応答を減弱させる。
【0005】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の簡潔な概要
一態様における本出願は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗体部分を含む抗PLA2G2D構築物を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号131のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号134のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号140のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号141のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号142のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号150のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号151のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号146のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号157のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号160のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号162のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号165のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号278のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号170のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号171のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号174のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号175のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号188のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号181のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号200のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号203のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号185のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号206のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号207のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号208のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号195のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号196のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号197のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号211のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号214のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号215のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号216のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号217のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号218のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号219のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号222のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号223のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号224のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号228のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号231のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号232のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号233のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号234のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号237のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号238のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号241のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号242のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号261のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号262のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号263のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号264のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号267のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号269のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号270のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号45のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号47のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号48のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号25のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号29のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号77のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号78のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号79のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号82のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号83のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号84のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号85のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号86のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号124のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号125のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号126のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号127のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号128のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号89のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号91のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号92のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号94のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号105のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号245のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号248のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号249のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号253のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号256のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号257のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号258のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号9のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号14のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号1のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号4のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号51のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号56のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号119のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号59のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号62のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号63のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号64のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号111のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号112のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号113のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号37のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号39のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号40のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号42のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号275のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号100のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号101のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号279のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号280のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133、140、145、151、162、165、170、174、178、185、188、192、196、203、206、216、223、228、232、238、242、262、または268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号281のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号282のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号283のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号284または285のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号286または287のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号288、47、または19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号289のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号290のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号291のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号292のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号293のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250、258、94、または106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号294のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246または254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247または255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250、258、94、または106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号9、32、または67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10、33、68、または274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11、34、または69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号297のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号298のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号1、51、または116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2、52、117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3、53、または118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号299のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号300のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6、56、または121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号59または108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60または109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61または110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号301のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号302のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号303のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68、274、または304のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号305のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号306または97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号307または98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番39、99、または53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号308または54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41、101、または55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号309または102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、本出願は、PLA2G2Dに特異的に結合する抗体部分を含む抗PLA2G2D構築物であって、
1)配列番号7に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号8に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
2)配列番号15に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号16に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
3)配列番号23に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号24に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
4)配列番号30に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号31に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
6)配列番号43に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号44に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
7)配列番号49に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号50に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
8)配列番号57に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号58に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
9)配列番号65に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号66に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
10)配列番号70に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号71に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
11)配列番号75に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号76に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
12)配列番号80に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号81に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
13)配列番号87に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号88に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
14)配列番号95に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号96に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
15)配列番号103に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号104に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
16)配列番号103に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号107に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
17)配列番号114に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号115に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
18)配列番号122に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号123に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
19)配列番号129に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号130に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
20)配列番号137に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号138に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
21)配列番号143に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号144に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
22)配列番号148に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号149に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
23)配列番号153に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号154に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
24)配列番号158に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号159に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
25)配列番号155に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号156に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
26)配列番号163に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号164に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
27)配列番号168に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号169に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
28)配列番号172に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号173に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
29)配列番号166に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号167に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
30)配列番号176に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号177に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
31)配列番号183に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号184に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
32)配列番号186に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号187に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
33)配列番号190に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号191に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
34)配列番号179に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号180に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
35)配列番号193に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号194に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
36)配列番号198に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号199に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
37)配列番号201に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号202に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
38)配列番号204に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号205に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
39)配列番号209に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号210に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
40)配列番号212に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号213に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
41)配列番号220に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号221に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
42)配列番号225に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号226に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
43)配列番号229に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号230に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
44)配列番号235に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号236に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
45)配列番号239に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号240に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
46)配列番号243に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号244に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
47)配列番号251に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号252に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
48)配列番号259に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号260に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
49)配列番号265に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号266に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;
50)配列番号271に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号272に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3;または
51)配列番号276に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号277に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む、抗PLA2G2D構築物を提供する。
【0066】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号7、15、23、30、35、43、49、57、65、70、75、80、87、95、103、114、122、129、137、143、148、153、158、155、163、168、172、166、176、183、186、190、179、193、198、201、204、209、212、220、225、229、235、239、243、251、259、265、271、および276のいずれか1つのアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;および/または、Vが、配列番号8、16、24、31、36、44、50、58、66、71、76、81、88、96、104、107、115、123、130、138、144、149、154、159、156、164、169、173、167、177、184、187、191、180、194、199、202、205、210、213、221、226、230、236、240、244、252、260、266、272、および277のいずれか1つのアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0067】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号7のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号8のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0068】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号15のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号16のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0069】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号23のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号24のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0070】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号30のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号31のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0071】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号35のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号36のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0072】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号43のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号44のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0073】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号49のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号50のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0074】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号57のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号58のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0075】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号65のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号66のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0076】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号70のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号71のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0077】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号75のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号76のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0078】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号80のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号81のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0079】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号87のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号88のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0080】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号95のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号96のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0081】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号103のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号104のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0082】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号103のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号107のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0083】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号114のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号115のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0084】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号122のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号123のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0085】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号129のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号130のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0086】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号137のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号138のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0087】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号143のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号144のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0088】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号148のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号149のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0089】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号153のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号154のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0090】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号158のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号159のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0091】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号155のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号156のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0092】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号163のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号164のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0093】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号168のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号169のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0094】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号172のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号173のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0095】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号166のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号167のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0096】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号176のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号177のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0097】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号183のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号184のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0098】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号186のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号187のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0099】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号190のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号191のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0100】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号179のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号180のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0101】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号193のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号194のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0102】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号198のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号199のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0103】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号201のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号202のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0104】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号204のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号205のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0105】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号209のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号210のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0106】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号212のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号213のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0107】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号220のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号221のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0108】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号225のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号226のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0109】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号229のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号230のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0110】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号235のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号236のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0111】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号239のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号240のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0112】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号243のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号244のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0113】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号251のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号252のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0114】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号259のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号260のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0115】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号265のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号266のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0116】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号271のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号272のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0117】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、Vが、配列番号276のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vが、配列番号277のアミノ酸配列、または少なくとも約80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0118】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗体部分が、全長抗体、二重特異性抗体、一本鎖Fv(scFv)フラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)、Fv-Fc融合物、scFv-Fc融合物、scFv-Fv融合物、ダイアボディ、トリボディ、およびテトラボディからなる群より選択される抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗体部分が全長抗体である。
【0119】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗体部分が、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM由来のFcフラグメント、ならびにそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択されるFcフラグメントを有する。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからのFcフラグメントからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントが、対応する野生型Fcフラグメントと比較して低下したエフェクター機能を有する。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントが、対応する野生型Fcフラグメントと比較して増強されたエフェクター機能を有する。
【0120】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、構築物が、全長抗体、融合タンパク質、または免疫コンジュゲートである。
【0121】
上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、PLA2G2DがヒトPLA2G2Dである。
【0122】
別の態様における本出願は、PLA2G2Dの結合エピトープについて上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかと競合する抗PLA2G2D構築物を提供する。
【0123】
別の態様における本出願は、上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかと、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0124】
別の態様における本出願は、上記の抗PLA2G2D構築物のいずれかをコードする単離された核酸を提供する。
【0125】
別の態様における本出願は、上記の単離された核酸のいずれかを含むベクターを提供する。
【0126】
別の態様における本出願は、上記の単離された核酸またはベクターのいずれかを含む単離された宿主細胞を提供する。
【0127】
別の態様における本出願は、抗PLA2G2D構築物を産生する方法であって、a)上記の単離された宿主細胞のいずれかを、抗PLA2G2D構築物を発現するのに有効な条件下で培養することと、b)発現された抗PLA2G2D構築物を宿主細胞から得ることとを含む方法を提供する。
【0128】
別の態様における本出願は、個体における疾患または症状を処置する方法であって、有効量の上記の抗PLA2G2D構築物または医薬組成物のいずれかを個体に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患または症状はがんであり、必要に応じてがんは固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、進行性または悪性の腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、増加したレベルのPLA2G2Dを有する。いくつかの実施形態では、がんは、肺がん、乳がん、肝臓がん、胃がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、膵臓がん、腎臓がん、前立腺がん、尿路上皮がん、精巣がん、卵巣がんおよび黒色腫からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、疾患または症状はウイルス感染である。いくつかの実施形態では、感染部位におけるPLA2G2Dの発現レベルは、非感染部位よりも高い。
【0129】
上記の処置方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、本方法は、第二の薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、化学療法剤、免疫調節薬、抗血管形成剤、成長阻害剤および抗新生物剤からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1、PD-L2、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、TIGIT、GITR、TIM3、LAG3、CD27、4-1BBまたはB7H4を特異的に標的とする。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、腫瘍抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体を含む細胞を含む。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物と第二の薬剤は、同時または同時発生的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物と第二の薬剤は、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物および/または第二の薬剤は、非経口投与される。
【0130】
上記の処置方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、がん組織または感染部位に直接投与される。
【0131】
上記の処置方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、約0.001μg/kg~約100mg/kgの用量で投与される。
【0132】
上記の処置方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、個体は、抗PLA2G2D構築物の投与後にがん組織または感染部位において免疫細胞の数が増加している。いくつかの実施形態では、免疫細胞はT細胞である。いくつかの実施形態では、T細胞は活性化T細胞である。いくつかの実施形態では、がん組織または感染部位における免疫細胞の数は、抗PLA2G2D構築物の投与後に少なくとも約5%増加する。
【0133】
上記の処置方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、がん組織または感染部位の免疫細胞は、抗PLA2G2D構築物の投与後に増加したレベルのサイトカインを産生する。いくつかの実施形態では、サイトカインはIFNγおよび/またはIL-2である。いくつかの実施形態では、サイトカインのレベルは、抗PLA2G2D構築物の投与後に少なくとも約5%増加する。
【図面の簡単な説明】
【0134】
図1図1は、フローサイトメトリーによって検出された、HEK-293T細胞表面上に安定に発現されたヒトおよびマウスPLA2G2D-TM、またはトランスフェクトされていない親HEK-293T細胞に結合する抗PLA2G2D抗体またはアイソタイプ対照抗体の重ね合わせたヒストグラムを示す。
【0135】
図2図2は、PBMC培養物中の活性化T細胞に結合するPLA2G2D-Fcの平均蛍光強度(MFI)が抗PLA2G2D抗体の存在によって遮断され得ることを示す。
【0136】
図3図3は、T細胞活性化PBMC培養物におけるIL-2分泌のPLA2G2D-Fc媒介性抑制が、抗PLA2G2D抗体の添加によって逆転され得ることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0137】
本発明の詳細な説明
本出願は、PLA2G2Dに特異的に結合する新規な抗PLA2G2D構築物(例えば、抗PLA2G2Dモノクローナル抗体または多重特異性抗体)、抗PLA2G2D構築物を調製する方法、および構築物を使用する方法(例えば、疾患または症状を処置する方法)を提供する。
【0138】
I.定義
本明細書で「含む(comprising)」という用語で記載される本出願の実施形態は、「からなる(consisting)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」ことを含むことが理解される。
【0139】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書に記載の方法または材料と類似または同等の任意の方法または材料を、本出願の実施において使用することができる。本出願の目的のために、以下の用語が定義される。
【0140】
「抗体」という用語は、その最も広い意味で使用され、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、全長抗体およびその抗原結合フラグメントを含むがこれらに限定されない様々な抗体構造を包含する。「抗体部分」という用語は、全長抗体またはその抗原結合フラグメントを指す。
【0141】
全長抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗原結合を担う。重鎖および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ「V」および「V」と呼ばれることがある。両方の鎖の可変領域は、一般に、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つの高度に可変なループを含む(LC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む軽鎖(LC)CDR、およびHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含む重鎖(HC)CDR)。本明細書に開示される抗体および抗原結合フラグメントのCDR境界は、Kabat、Chothia、またはAl-Lazikani(Al-Lazikani 1997;Chothia 1985;Chothia 1987;Chothia 1989;Kabat 1987;Kabat 1991)の慣例によって定義または同定され得る。重鎖または軽鎖の3つのCDRは、CDRよりも高度に保存されており、超可変ループを支持するための足場を形成するフレームワーク領域(FR)として公知の隣接するストレッチの間に介在する。重鎖および軽鎖の定常領域は抗原結合に関与しないが、様々なエフェクター機能を示す。抗体は、その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいてクラスに割り当てられる。抗体の5つの主要なクラスまたはアイソタイプは、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMであり、それぞれα、δ、ε、γおよびμ重鎖の存在を特徴とする。主要な抗体クラスのいくつかは、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、lgA1(α1重鎖)、またはlgA2(α2重鎖)などのサブクラスに分けられる。
【0142】
本明細書で使用される「抗原結合フラグメント」という用語は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、一本鎖Fv(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1またはそれを超えるCDRを含む抗体の一部から形成された多重特異性抗体、ラクダ科(camelid)単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、または抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体フラグメントを含む抗体フラグメントを指す。抗原結合フラグメントは、親抗体または親抗体フラグメント(例えば、親scFv)が結合する同じ抗原に結合することができる。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、1つまたはそれより多い異なるヒト抗体由来のフレームワーク領域にグラフト化された特定のヒト抗体由来の1またはそれを超えるCDRを含み得る。
【0143】
「Fv」は、完全な抗原認識および結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。このフラグメントは、1つの重鎖可変領域ドメインと1つの軽鎖可変領域ドメインとが密接に非共有結合した二量体からなる。これらの2つのドメインのフォールディングから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に抗原結合特異性を付与する6つの超可変ループ(それぞれ重鎖および軽鎖からの3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、抗原を認識して結合する能力を有するが、結合部位全体よりも低い親和性であることが多い。
【0144】
「単鎖Fv」(「sFv」または「scFv」とも略される)は、単一のポリペプチド鎖に接続されたVおよびV抗体ドメインを含む抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする、VドメインとVドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの総説については、Plueckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。
【0145】
本明細書で使用される場合、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内に見られる不連続な抗原結合部位を意味することを意図している。これらの特定の領域は、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977);Kabat et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,「Sequences of proteins of immunological interest」(1991);Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987);Al-Lazikani B.et al.,J.Mol.Biol.,273:927-948(1997);MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996);Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Lefranc M.P.et al.,Dev.Comp.Immunol.,27:55-77(2003);およびHonegger and Plueckthun,J.Mol.Biol.,309:657-670(2001)に記載されており、ここで、定義は、互いに比較した場合のアミノ酸残基の重複またはサブセットを含む。それにもかかわらず、抗体またはグラフト化抗体またはその変異体のCDRを指すためのいずれかの定義の適用は、本明細書で定義および使用される用語の範囲内であることが意図される。上記で引用した参考文献のそれぞれによって定義されるCDRを包含するアミノ酸残基を、比較として以下の表1に示す。CDR予測アルゴリズムおよびインターフェースは当技術分野で公知である(例えば、Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Ehrenmann F.et al.,Nucleic Acids Res.,38:D301-D307(2010);およびAdolf-Bryfogle J.et al.,Nucleic Acids Res.,43:D432-D438(2015))。この段落で引用された参考文献の内容は、本出願で使用するため、および本明細書の1またはそれを超える請求項中の包含の可能性のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるCDR配列は、IMGT定義に基づく。例えば、CDR配列は、VBASE2ツール(http://www.vbase2.org/vbase2.php、統合V遺伝子データベースであるRetter I,Althaus HH,Muench R,Mueller W:VBASE2も参照されたい。Nucleic Acids Res.2005 Jan 1;33(データベース発行):D671-4、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって決定され得る。
表1:CDR定義
【表1】
【0146】
「Kabatにおける可変ドメイン残基ナンバリング」または「Kabatにおけるアミノ酸位置ナンバリング」という表現およびその変形は、上記のKabatらの抗体の編集の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用されるナンバリングシステムを指す。このナンバリングシステムを使用して、実際の線状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたは超可変領域(HVR)の短縮または挿入に対応するより少ないまたは追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後の単一のアミノ酸挿入(Kabatによる残基52a)および重鎖FR残基82の後の挿入残基(例えば、Kabatによる残基82a、82bおよび82cなど)を含み得る。残基のKabatナンバリングは、抗体の配列と「標準的な」Kabatナンバリング配列との相同性領域でのアラインメントによって、所与の抗体について決定され得る。
【0147】
本明細書中で他に示されない限り、免疫グロブリン重鎖における残基のナンバリングは、上記のKabatらにおけるEUインデックスのナンバリングである。「KabatにおけるEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基ナンバリングを指す。
【0148】
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で定義されるCDR残基以外の可変ドメイン残基である。
【0149】
非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体に由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。ほとんどの部分で、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域(HVR)由来の残基が、所望の抗体特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基で置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見られない残基を含むことができる。これらの改変は、抗体の性能をさらに改良するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、必要に応じて、免疫グロブリン定常領域(Fc)(典型的にはヒト免疫グロブリンのもの)の少なくとも一部を含む。さらなる詳細については、Jones et al.,Nature321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature332:323-329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照のこと。
【0150】
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体であり、および/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製されている。ヒト抗体のこの定義は、具体的には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む当技術分野で公知の様々な技術を使用して産生することができる。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。また、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能なのは、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86-95(1991)に記載される方法である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-74(2001)も参照のこと。ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してそのような抗体を産生するように改変されているが、その内因性遺伝子座が無効化されているトランスジェニック動物、例えば免疫化ゼノマウスに抗原を投与することによって調製することができる(例えば、XENOMOUSE(商標)に関する米国特許第6,075,181号および第6,150,584号を参照のこと)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体に関するLi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)も参照のこと。
【0151】
本明細書で同定されるポリペプチドおよび抗体配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」または「相同性」は、任意の保存的置換を配列同一性の一部として考慮して配列を整列させた後の、比較されるポリペプチド中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、Megalign(DNASTAR)、またはMUSCLEソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当技術分野の技術の範囲内である様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書の目的のために、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムMUSCLE(Edgar,R.C.,Nucleic Acids Research 32(5):1792-1797,2004;Edgar,R.C.,BMC Bioinformatics 5(1):113,2004)を使用して生成される。
【0152】
「相同」とは、2つのポリペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性または配列同一性を指す。2つの比較された配列の両方の位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットによって占められている場合、例えば、2つのタンパク質分子のそれぞれの位置がリジンによって占められている場合、または2つのDNA分子のそれぞれの位置がアデニンによって占められている場合、分子はその位置で相同である。二つの配列間の相同性のパーセントは、比較した位置の数で割った2つの配列が共有する一致または相同位置の数を100倍した関数である。例えば、2つの配列中の10個の位置のうち6個が一致または相同である場合、2つの配列は60%相同である。例として、タンパク質配列SGTSTDおよびTGTSDAは、50%の相同性を共有する。一般に、2つの配列が最大の相同性を得るように並べられた場合に比較が行われる。
【0153】
「定常ドメイン」という用語は、抗原結合部位を含む免疫グロブリンの他の部分、可変ドメインと比較してより保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のC1、C2およびC3ドメイン(集合的にC)ならびに軽鎖のCHL(またはC)ドメインを含む。
【0154】
任意の哺乳動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)およびラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。
【0155】
「CH1ドメイン」(「H1」ドメインの「C1」とも呼ばれる)は、通常、約アミノ酸118から約アミノ酸215に及ぶ(EUナンバリングシステム)。
【0156】
「ヒンジ領域」は、一般に、ヒトIgG1のGlu216~Pro230に対応するIgG中の領域として定義される(Burton,Molec.Immunol.22:161-206(1985))。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖間S-S結合を形成する最初および最後のシステイン残基を同じ位置に配置することによってIgG1配列と整列させることができる。
【0157】
ヒトIgG Fc領域の「CH2ドメイン」(「C2」ドメインとも呼ばれる)は、通常、約アミノ酸231から約アミノ酸340に及ぶ。CH2ドメインは、別のドメインと密接に対になっていないという点で独特である。むしろ、2つのN結合分枝炭水化物鎖が、インタクトな天然IgG分子の2つのCH2ドメインの間に挟まれている。炭水化物は、ドメイン-ドメイン対合の代替物を提供し、CH2ドメインの安定化を助け得ると推測されている。Burton,Molec Immunol.22:161-206(1985)。
【0158】
「CH3ドメイン」(「C2」ドメインとも呼ばれる)は、Fc領域中のCH2ドメインに対してC末端側の残基のストレッチ(すなわち、約アミノ酸残基341から抗体配列のC末端、典型的にはIgGのアミノ酸残基446または447まで)を含む。
【0159】
本明細書における「Fc領域」または「フラグメント結晶化可能領域」という用語は、天然配列Fc領域および変異体Fc領域を含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、位置Cys226のアミノ酸残基またはPro230のアミノ酸残基からそのカルボキシル末端まで伸びるように定義される。Fc領域のC末端リジン(EUナンバリングシステムによる残基447)は、例えば、抗体の産生もしくは精製中に、または抗体の重鎖をコードする核酸を組換え操作することによって除去され得る。したがって、インタクトな抗体の組成物は、すべてのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、およびK447残基を有するおよび有しない抗体の混合物を有する抗体集団を含み得る。本明細書中に記載される抗体において使用するための好適な天然配列Fc領域としては、ヒトIgG1、IgG2(IgG2A、IgG2B)、IgG3およびIgG4が挙げられる。
【0160】
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記載する。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合し、FcγRI、FcγRII、FcRN、およびFcγRIIIサブクラスの受容体を含むものであり、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的にスプライシングされた形態を含み、FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害性受容体」)を含み、これらは主にその細胞質ドメインが異なる類似のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含む。阻害性受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン阻害性モチーフ(ITIM)を含有する。(M.Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203-234(1997)を参照のこと。FcRNは、抗体の血清半減期の増加を可能にする血液への抗体の再利用にとって重要である。FcRは、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-92(1991);Capel et al.,Immunomethods 4:25-34(1994);およびde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330-41(1995)で概説されている。将来同定されるものを含む他のFcRは、本明細書において「FcR」という用語に包含される。
【0161】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗体または抗体部分が結合する抗原上の原子またはアミノ酸の特定の群を指す。2つの抗体または抗体部分は、抗原に対する競合的結合を示す場合、抗原内の同じエピトープに結合し得る。
【0162】
本明細書で使用される場合、第一の抗体またはそのフラグメントは、第一の抗体またはそのフラグメントが等モル濃度の第一の抗体またはそのフラグメントの存在下で第二の抗体またはそのフラグメントの標的抗原結合を少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%のいずれか1つ)阻害する場合、標的抗原への結合について第二の抗体またはそのフラグメントと「競合」し、またはその逆も同様である。交差競合に基づく抗体の「ビニング」のための高スループットプロセスは、PCT公開番号WO 03/48731に記載されている。
【0163】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」および「に特異的である」という用語は、生物学的分子を含む不均一な分子集団の存在下で標的の存在を決定する、標的と抗体または抗体部分との間の結合などの測定可能かつ再現可能な相互作用を指す。例えば、標的(エピトープであり得る)を特異的に認識する抗体または抗体部分は、他の標的への結合よりも高い親和性、アビディティで、より容易に、および/またはより長い持続時間でこの標的に結合する抗体または抗体部分である。いくつかの実施形態では、無関係な標的に対する抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定して、標的に対する抗体の結合の約10%未満である。いくつかの実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、≦10-5M、≦10-6M、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9M、≦10-10M、≦10-11M、または≦10-12Mの解離定数(K)を有する。いくつかの実施形態では、抗体は、異なる種由来のタンパク質間で保存されているタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、それを必要としない。抗体または抗原結合ドメインの結合特異性は、当技術分野で公知の方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウエスタンブロット、ELISA-、BLI、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BIACORE(商標)-試験およびペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0164】
「単離された」または「精製された」抗体(または構築物)は、その産生環境の構成要素(例えば、天然または組換え)から同定、分離および/または回収されたものである。好ましくは、単離されたポリペプチドは、その産生環境からの他のすべての構成要素と会合していない。
【0165】
本明細書に記載の構築物、抗体、またはその抗原結合フラグメントをコードする「単離された」核酸分子は、それが産生された環境においてそれが通常会合している少なくとも1つの汚染核酸分子から同定および分離される核酸分子である。好ましくは、単離された核酸は、産生環境に関連するすべての構成要素と会合していない。本明細書中に記載されるポリペプチドおよび抗体をコードする単離された核酸分子は、それが自然界で見出される形態または状況以外の形態である。したがって、単離された核酸分子は、細胞内に天然に存在する本明細書に記載のポリペプチドおよび抗体をコードする核酸とは区別される。単離された核酸は、その核酸分子を通常含む細胞に含まれる核酸分子を含むが、その核酸分子は染色体外に、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0166】
「制御配列」という用語は、特定の宿主生物における作動可能に連結されたコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に適した制御配列には、例えば、プロモーター、必要に応じてオペレーター配列、およびリボソーム結合部位が含まれる。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを利用することが公知である。
【0167】
核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれた場合に「作動可能に連結される」。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドのためのDNAに作動可能に連結されており;プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結されており;またはリボソーム結合部位は、翻訳を促進するように配置されている場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結されている」とは、連結されているDNA配列が連続していることを意味し、分泌リーダーの場合、連続しており、リーディングフレーム内にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは連続している必要はない。連結は、好都合な制限部位でのライゲーションによって達成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが従来の実施に従って使用される。
【0168】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが連結されている別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
【0169】
本明細書で使用される「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」という用語は、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、外因性核酸でトランスフェクト、形質転換または形質導入された細胞である。細胞は、初代対象細胞およびその子孫を含む。
【0170】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」および「宿主細胞培養物」という用語は互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞および継代数を問わずそれに由来する子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸含有量が完全に同一でなくてもよく、突然変異を含有してもよい。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体子孫が本明細書に含まれる。
【0171】
「免疫コンジュゲート」という用語は、本明細書に記載の抗体部分などの抗体に対する治療剤または検出可能な標識の共有結合への言及を含む。連結は、直接的であり得るか、またはリンカー(ペプチドリンカーなど)を介して間接的であり得る。
【0172】
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」または「処置する(treating)」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本出願の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果には、それだけに限らないが、以下のうちの1つまたは複数が含まれる:疾患に起因する1またはそれを超える症状の緩和、疾患の程度の縮小、疾患の安定化(例えば、疾患の悪化の予防または遅延)、疾患の拡大(例えば、転移)の予防または遅延、疾患の再発の予防または遅延、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の改善、疾患の寛解(部分的または全体)の提供、疾患を処置するに必要な1またはそれを超える他の医薬の用量の低下、疾患の進行の遅延、生活の質の向上もしくは改善、体重増の増加、および/または生存の延長。がん(例えば、腫瘍体積など)の病理学的結果の減少も「処置」に包含される。本出願の方法は、処置のこれらの態様のいずれか1またはそれを超える態様を企図する。
【0173】
がんの文脈において、「処置する」という用語は、がん細胞の増殖を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および疾患に関連する1またはそれを超える症状を改善することのいずれかまたはすべてを含む。
【0174】
「阻害」または「阻害する」という用語は、任意の表現型特性の減少もしくは停止、またはその特性の発生率、程度もしくは可能性の減少もしくは停止を指す。「低減する」または「阻害する」ことは、基準と比較して活性、機能、および/または量を減少、低減または停止することである。特定の実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、20%またはそれを超える全体的な減少を引き起こす能力を意味する。別の実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、50%またはそれを超える全体的な減少を引き起こす能力を意味する。さらに別の実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、75%、85%、90%、95%、またはそれを超える全体的な減少を引き起こす能力を意味する。
【0175】
本明細書で使用される「基準」は、比較目的で使用される任意の試料、標準、またはレベルを指す。基準は、健康および/または非疾患の試料から得ることができる。いくつかの例では、基準は、未処理試料から得ることができる。いくつかの例では、基準は、個体の非疾患または非処置の試料から得られる。いくつかの例では、基準は、個体または患者ではない1またはそれを超える健康な個体から得られる。
【0176】
本明細書で使用される場合、「疾患の発症を遅延させる」とは、疾患(がんなど)の発症を延期(defer)、妨害、減速、阻止、安定化、抑制および/または延期(postpone)することを意味する。この遅延は、処置される疾患および/または個体の病歴に応じて、様々な時間長であり得る。当業者に明らかなように、十分なまたは有意な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含し得る。例えば、転移の発生などの後期がんが遅延され得る。
【0177】
本明細書で使用される「予防する」は、疾患の素因を有し得るが、疾患とまだ診断されていない個体における疾患の発生または再発に関して予防を提供することを含む。
【0178】
本明細書で使用される場合、機能または活性を「抑制する」ことは、関心のある条件またはパラメータを除いて他の点では同じ条件と比較した場合、または別の条件と比較した場合に、機能または活性を減少させることである。例えば、腫瘍成長を抑制する抗体は、抗体の非存在下での腫瘍の成長速度と比較して、腫瘍の成長速度を低減させる。
【0179】
「対象」、「個体」、および「患者」という用語は、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類を含むがこれらに限定されない哺乳動物を指すために本明細書では互換的に使用される。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
【0180】
薬剤の「有効量」は、所望の治療的または予防的結果を達成するために、必要な投与量および期間で有効な量を指す。具体的な用量は、選択される特定の薬剤、従うべき投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、画像化される組織、およびそれが担持される物理的送達系のうちの1つまたは複数に応じて変化し得る。
【0181】
本出願の物質/分子、アゴニストまたはアンタゴニストの「治療有効量」は、個体の疾患状態、年齢、性別および体重、ならびに物質/分子、アゴニストまたはアンタゴニストが個体において所望の応答を誘発する能力などの因子に従って変化し得る。治療有効量はまた、物質/分子、アゴニストまたはアンタゴニストの任意の毒性または有害効果よりも治療上有益な効果が上回る量である。治療有効量は、1またはそれを超える投与で送達され得る。
【0182】
「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するために、必要な投与量および期間で有効な量を指す。必ずしもそうとは限らないが、典型的に予防用量は疾患の前または疾患の初期段階で対象に使用されるので、予防有効量は治療有効量よりも少ない。
【0183】
「医薬製剤」および「医薬組成物」という用語は、有効成分(複数可)の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、製剤が投与される個体に対して許容できないほど毒性である追加の構成要素を含まない調製物を指す。そのような製剤は無菌であり得る。
【0184】
「薬学的に許容され得る担体」は、個体への投与のための「医薬組成物」を一緒に含む治療剤と共に使用するための、当技術分野で慣用的な非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料、製剤補助剤または担体を指す。薬学的に許容され得る担体は、使用される投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、製剤の他の成分と適合性である。薬学的に許容され得る担体は、使用される製剤に適している。
【0185】
「無菌」製剤は、無菌であるか、または生きている微生物およびその胞子を本質的に含まない。
【0186】
1またはそれを超えるさらなる治療剤と「組み合わせた」投与は、任意の順序での同時(同時発生的に)および連続または逐次投与を含む。
【0187】
「同時発生的に」という用語は、本明細書では、投与の少なくとも一部が時間的に重複するか、または1つの治療剤の投与が他の治療剤の投与と比較して短期間内に入る2またはそれを超える治療剤の投与を指すために使用される。例えば、2またはそれを超える治療剤は、約60分以下、例えば約30、15、10、5、または1分のいずれか以下の時間間隔で投与される。
【0188】
「逐次的に」という用語は、本明細書では、1またはそれを超える他の薬剤の投与を中止した後に1またはそれを超える薬剤の投与が継続する2またはそれを超える治療剤の投与を指すために使用される。例えば、2またはそれを超える治療剤の投与は、約15分を超える、例えば約20、30、40、50もしくは60分、1日、2日、3日、1週間、2週間もしくは1ヶ月のいずれかまたはそれを超える時間間隔で投与される。
【0189】
本明細書で使用される場合、「と組み合わせて」とは、別の処置モダリティに加えて1つの処置モダリティを投与することを指す。したがって、「と組み合わせて」は、個体への他の処置モダリティの投与前、投与中または投与後の1つの処置モダリティの投与を指す。
【0190】
「添付文書」という用語は、治療用製品の市販パッケージに通例含まれる指示であって、そのような治療用製品の使用に関する適応症、使用用法、投与量、投与、併用療法、禁忌および/または警告に関する情報を含む指示を指すために使用される。
【0191】
「製造品」は、少なくとも1つの試薬、例えば疾患または障害(例えば、がん)を処置するための医薬品、または本明細書に記載のバイオマーカーを特異的に検出するためのプローブを含む任意の製造品(例えば、パッケージまたは容器)またはキットである。特定の実施形態では、製造品またはキットは、本明細書に記載の方法を実施するためのユニットとして販売促進、配布、または販売される。
【0192】
本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変動を含む(および説明する)。例えば、「約X」という記載は、「X」という記載を含む。
【0193】
本明細書で使用される場合、値またはパラメータ「ではないもの」への言及は、一般に、値またはパラメータ「以外」を意味し、説明する。例えば、本方法がタイプXのがんを処置するために使用されないとは、本方法がタイプX以外のがんを処置するために使用されることを意味する。
【0194】
ここでいう「約X~Y」は、「約X~約Y」と同義である。
【0195】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「or」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0196】
II.抗PLA2G2D構築物
一態様における本出願は、本明細書に記載のPLA2G2Dに特異的に結合する抗PLA2G2D抗体部分を含む抗PLA2G2D構築物を提供する。
【0197】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号131のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号134のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0198】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号131のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号134のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号137に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号138に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号137のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号138のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号140のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号141のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号142のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0202】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号140のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号141のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号142のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号143に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号144に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号143のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号144のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号150のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号151のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0206】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号150のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号151のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号153に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号154に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号153のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号154のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号146のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0210】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号139のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号146のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号148に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号149に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号148のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号149のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号157のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0214】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号157のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号158に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号159に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号158のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号159のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号160のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0218】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号160のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号145のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号155に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号156に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号155のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号156のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号162のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0222】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号162のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号163に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号164に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号163のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号164のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号165のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0226】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号165のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号168に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号169に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号168のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号169のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号278のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0230】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号278のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号166に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号167に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号166のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号167のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号170のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号171のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0234】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号170のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号171のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号172に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号173に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号172のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号173のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0237】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号174のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号175のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0238】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号174のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号175のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号176に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号177に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号176のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号177のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号188のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0242】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号188のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号190に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号191に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号190のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号191のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号181のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0246】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号181のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号183に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号184に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号183のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号184のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0250】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号178のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号179に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号180に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号179のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号180のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0254】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号193に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号194に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号193のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号194のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号200のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0258】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号192のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号200のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号201に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号202に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号201のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号202のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号203のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0262】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号203のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0263】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号204に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号205に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号204のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号205のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号185のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0266】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号185のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0267】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号186に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号187に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号186のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号187のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号206のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号207のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号208のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0270】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号206のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号207のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号208のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0271】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号209に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号210に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0272】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号209のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号210のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0273】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号195のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号196のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号197のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0274】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号195のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号196のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号197のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0275】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号198に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号199に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0276】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号198のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号199のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号211のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0278】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号211のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号147のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0279】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号212に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号213に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号212のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号213のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0281】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号214のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号215のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号216のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号217のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号218のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号219のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0282】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号214のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号215のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号216のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号217のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号218のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号219のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号220に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号221に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0284】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号220のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号221のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0285】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号222のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号223のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号224のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0286】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号222のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号223のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号224のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号225に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号226に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号225のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号226のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号228のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0290】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号228のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0291】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号229に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号230に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号229のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号230のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0293】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号231のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号232のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号233のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号234のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0294】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号227のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号231のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号232のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号233のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号234のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0295】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号235に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号236に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号235のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号236のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0297】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号237のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号238のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0298】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号237のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号238のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号189のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0299】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号239に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号240に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0300】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号239のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号240のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号241のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号242のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0302】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号241のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号132のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号242のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号152のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号136のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号243に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号244に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号243のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号244のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0305】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号261のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号262のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号263のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号264のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0306】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号261のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号262のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号263のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号135のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号264のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0307】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号265に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号266に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号265のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号266のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号267のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号269のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号270のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0310】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号161のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号267のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号269のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号270のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号182のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号271に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号272に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0312】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号271のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号272のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号45のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号47のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号48のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0314】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号45のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号47のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号48のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号49に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号50に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号49のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号50のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0318】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号17のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号20のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0319】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号23に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号24に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0320】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号23のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号24のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0321】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号25のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号29のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0322】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号25のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号29のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号30に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号31に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0324】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号30のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号31のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号77のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号78のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号79のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0326】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号77のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号78のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号27のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号28のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号79のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号80に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号81に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0328】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号80のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号81のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0329】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号82のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号83のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号84のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号85のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号86のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0330】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号82のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号83のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号84のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号85のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号86のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号87に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号88に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0332】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号87のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号88のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号124のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号125のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号126のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号127のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号128のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0334】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号124のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号125のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号126のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号127のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号128のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0335】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号129に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号130に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号129のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号130のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号89のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号91のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号92のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号94のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0338】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号89のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号91のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号92のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号94のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0339】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号95に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号96に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0340】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号95のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号96のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0341】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号105のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0342】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号105のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0343】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号103に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号107に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0344】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号103のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号107のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号245のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号248のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号249のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0346】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号245のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号248のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号249のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0347】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号251に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号252に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号251のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号252のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号253のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号256のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号257のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号258のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0350】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号253のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号256のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号257のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号258のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0351】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号259に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号260に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0352】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号259のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号260のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0353】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号9のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号14のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0354】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号9のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号14のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0355】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号15に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号16に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0356】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号15のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号16のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0357】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0358】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号75に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号76に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0360】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号75のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号76のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0361】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号1のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号4のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0362】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号1のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号4のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0363】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号7に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号8に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0364】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号7のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号8のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0365】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号51のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号56のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0366】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号51のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号56のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0367】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号57に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号58に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0368】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号57のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号58のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0369】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号119のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0370】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号119のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0371】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号122に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号123に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0372】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号122のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号123のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0373】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号59のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号62のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号63のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号64のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0374】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号59のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号62のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号63のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号64のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0375】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号65に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号66に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0376】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号65のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号66のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0377】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号111のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号112のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号113のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0378】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号111のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号112のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号113のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0379】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号114に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号115に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0380】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号114のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号115のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0381】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号37のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号39のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号40のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号42のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0382】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号37のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号39のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号40のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号42のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0383】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号43に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号44に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0384】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号43のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号44のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0385】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号275のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0386】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号275のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号276に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号277に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0388】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号276のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号277のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0389】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;前記Vは、配列番号100のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号101のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に最大5、4、3、2、または1個のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0390】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含む抗PLA2G2D抗体に由来するヒト化抗体であり、Vは、配列番号97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み;Vは、配列番号100のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号101のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0391】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、配列番号103に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号104に示される配列を有するV鎖領域内のCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0392】
いくつかの実施形態では、Vは、配列番号103のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含み;Vは、配列番号104のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む変異体を含む。
【0393】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号279のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号280のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号133、140、145、151、162、165、170、174、178、185、188、192、196、203、206、216、223、228、232、238、242、262、または268のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号281のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号282のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号283のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0394】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号284または285のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号286または287のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号288、47、または19のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号289のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号290のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0395】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号291のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号292のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号293のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250、258、94、または106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0396】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号294のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号246または254のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号247または255のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号295のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号250、258、94、または106のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0397】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号9、32、または67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号10、33、68、または274のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号11、34、または69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号297のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号298のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0398】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号1、51、または116のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号2、52、117のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号3、53、または118のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号299のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号300のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号6、56、または121のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0399】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号59または108のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号60または109のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号61または110のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号301のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号302のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号303のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0400】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号67のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号68、274、または304のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号69のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号305のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号273のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0401】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は重鎖可変領域(V)および軽鎖可変領域(V)を含み、Vは、配列番号306または97のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号307または98のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番39、99、または53のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、Vは、配列番号308または54のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号41、101、または55のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号309または102のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0402】
いくつかの実施形態では、Vおよび/またはVは、シグナル伝達ペプチドをさらに含む。いくつかの実施形態では、シグナル伝達ペプチドは、Vおよび/またはVのN末端に融合される。いくつかの実施形態では、シグナル伝達ペプチドは、配列番号310~340のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する。
【0403】
いくつかの実施形態では、構築物は、全長抗体、二重特異性抗体、一本鎖Fv(scFv)フラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)、VH、Fv-Fc融合物、scFv-Fc融合物、scFv-Fv融合物、ダイアボディ、トリボディ、およびテトラボディからなる群より選択される抗体またはその抗原結合フラグメントを含むか、またはそれらである。
【0404】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は全長抗体である。
【0405】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、scFvである。
【0406】
いくつかの実施形態では、上記の抗PLA2G2D抗体部分は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM、ならびにそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択される免疫グロブリンのFcフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、上記の抗PLA2G2D抗体部分または全長抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、ならびにそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択される免疫グロブリンのFcフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、対応する野生型Fcフラグメントと比較して低下したエフェクター機能を有する。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、対応する野生型Fcフラグメントと比較して増強されたエフェクター機能を有する。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、対応する野生型Fcフラグメントと比較して血清半減期が増加するように変更されている。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、対応する野生型Fcフラグメントと比較して血清半減期が低下するように変更されている。
【0407】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、本明細書に記載の抗体部分のいずれかのヒト化抗体を含む。
【0408】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、抗PLA2G2D融合タンパク質を含むか、または抗PLA2G2D融合タンパク質である。
【0409】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、多重特異性抗PLA2G2D構築物(二重特異性抗体など)を含むか、または多重特異性抗PLA2G2D構築物である。
【0410】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、抗PLA2G2D免疫コンジュゲートを含むか、または抗PLA2G2D免疫コンジュゲートである。
【0411】
いくつかの実施形態では、PLA2G2DはヒトPLA2G2Dである。
【0412】
PLA2G2D
PLA2G2D(ホスホリパーゼA2グループIID、sPLA2-IID)は、ホスホリパーゼA2ファミリーの分泌メンバーである。ホスホリパーゼA2ファミリーメンバーは、グリセロリン脂質のsn-2脂肪酸エステル結合を加水分解してリゾリン脂質および遊離脂肪酸を産生する。現在までに、10個のsPLA2アイソフォーム(IB、IIA、IIC、IID、IIE、IIF、III、V、XおよびXII)が哺乳動物において同定されている。グループIIIアイソフォームを除くこれらのアイソフォームは、高度に保存された触媒部位、Ca 2+結合ループ、および14~19kDaの共通分子量を有する。これらのsPLA2アイソフォームのうち、sPLA2-IIA、sPLA2-IIC、sPLA2-IID、sPLA2-IIE、sPLA2-IIFおよびsPLA2-Vは、グループIIサブファミリーsPLA2と呼ばれることが多い同じ染色体遺伝子座(1p34-p36)を有する。グループIIサブファミリーsPLA2の生物学的特徴は、sPLA2-IIC(ヒトの偽遺伝子)を除くほとんどすべてのアイソフォームが炎症および免疫過程に関連することである。
【0413】
ヒトPLA2G2Dは、正確に保存された位置に14個のシステインを有する塩基性タンパク質(pI約8.7)である。PLA2G2Dは、おそらくそのカチオン性のために、培養細胞で過剰発現された場合に、インビトロでヘパリンまたは細胞表面上の硫酸ヘパリンに結合する。
【0414】
いくつかの実施形態では、PLA2G2Dは、配列番号349または350に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PLA2G2Dは、配列番号353または354に記載のアミノ酸配列を含む。
【0415】
a)抗体親和性
抗体部分の結合特異性は、当技術分野で公知の方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウエスタンブロット、ELISA-、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BLI、BIACORE(商標)-試験、フローサイトメトリーおよびペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0416】
いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの結合のKは、約10-7M~約10-12M、約10-7M~約10-8M、約10-8M~約10-9M、約10-9M~約10-10M、約10-10M~約10-11M、約10-11M~約10-12M、約10-7M~約10-12M、約10-8M~約10-12M、約10-9M~約10-12M、約10-10M~約10-12M、約10-7M~約10-11M、約10-8M~約10-11M、約10-9M~約10-11M、約10-7M~約10-10M、約10-8M~約10-10M、または約10-7M~約10-9Mである。いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの間の結合のKは、約10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、または10-12Mのいずれか1つよりも強い。いくつかの実施形態では、PLA2G2DはヒトPLA2G2Dである。
【0417】
いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの間の結合のKonは、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、または約10-1-1~約10-1-1である。いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの間の結合のKonは、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、または約10-1-1~約10-1-1である。いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの間の結合のKonは、約10-1-1、10-1-1、10-1-1、10-1-1、10-1-1または10-1-1のいずれか1つ以下である。いくつかの実施形態では、PLA2G2DはヒトPLA2G2Dである。
【0418】
いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの間の結合のKoffは、約1s-1~約10-6-1、約1s-1~約10-2-1、約10-2-1~約10-3-1、約10-3-1~約10-4-1、約10-4-1~約10-5-1、約10-5-1~約10-6-1、約1s-1~約10-5-1、約10-2-1~約10-6-1、約10-3-1~約10-6-1、約10-4-1~約10-6-1、約10-2-1~約10-5-1、または約10-3-1~約10-5-1である。いくつかの実施形態では、抗体部分とPLA2G2Dとの間の結合のKoffは、少なくとも約1s-1、10-2-1、10-3-1、10-4-1、10-5-1または10-6-1のいずれか1つである。いくつかの実施形態では、PLA2G2DはヒトPLA2G2Dである。
【0419】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分または抗PLA2G2D構築物の結合親和性は、既存の抗PLA2G2D抗体(例えば、抗ヒトPLA2G2D抗体)よりも高い(例えば、K値がより小さい)。
【0420】
b)キメラ抗体またはヒト化抗体
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号;およびMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス由来の可変領域)およびヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、その抗原結合フラグメントが含まれる。
【0421】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(またはその一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはその一部)がヒト抗体配列に由来する1またはそれを超える可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、必要に応じて、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換される。
【0422】
ヒト化抗体およびその作製方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に概説されており、例えば以下にさらに記載されている:Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号、第7,527,791号、第6,982,321号、および第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)グラフト化を記載);Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「リサーフェシング(resurfacing)」を記載);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」を記載);ならびにOsbourn et al.,Methods 36:61-68(2005)およびKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252-260(2000)(FRシャッフリングに対する「ガイド選択」アプローチを記載)。
【0423】
ヒト化のために使用され得るヒトフレームワーク領域としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:「ベストフィット」法を使用して選択されたフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照);軽鎖可変領域または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);およびPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照);およびFRライブラリーのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)およびRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照)。
【0424】
マウス由来抗体のヒト化は、一般的かつ日常的に使用されている技術であることが理解される。したがって、配列表に開示される抗PLA2G2D抗体のいずれかおよびすべてのヒト化フォーマットは、前臨床または臨床の状況で使用することができることが理解される。参照される抗PLA2G2D抗体またはその抗原結合領域のいずれかのヒト化フォーマットがそのような前臨床または臨床の状況で使用される場合、ヒト化フォーマットは、元の非ヒト化フォーマットと同一または類似の生物学的活性およびプロファイルを有すると予想される。
【0425】
c)ヒト抗体
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分はヒト抗体(ヒトドメイン抗体またはヒトDAbとして知られている)である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の様々な技術を使用して産生することができる。ヒト抗体は、一般に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001),Lonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)、およびChen,Mol.Immunol.47(4):912-21(2010)に記載されている。完全ヒト単一ドメイン抗体(またはDAb)を産生することができるトランスジェニックマウスまたはラットは、当技術分野で公知である。例えば、US20090307787A1、米国特許第8,754,287号、US20150289489A1、US20100122358A1、およびWO2004049794を参照のこと。
【0426】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製され得る。そのような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、染色体外に存在するか、または動物の染色体にランダムに組み込まれた、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含む。そのようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は一般に不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照のこと。例えば、米国特許第6,075,181号および第6,150,584号(XENOMOUSE(商標)技術を記載);米国特許第5,770,429号(HuMab(登録商標)を記載);米国特許第7,041,870号(K-M MOUSE(登録商標)を記載)、および米国特許出願番号2007/0061900(VelociMouse(登録商標)を記載)を参照のこと。そのような動物によって生成されたインタクトな抗体からのヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによってさらに改変され得る。
【0427】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)もまた、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することができる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株が記載されている(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);およびBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照のこと)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体もまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。さらなる方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載)およびNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載)に記載されているものが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)はまた、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)およびVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)に記載されている。
【0428】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって作製され得る。次いで、そのような可変ドメイン配列を所望のヒト定常ドメインと組み合わせることができる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。
【0429】
d)ライブラリー由来抗体
本明細書中に記載される抗PLA2G2D抗体部分は、所望の1つまたは複数の活性を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離され得る。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作製し、所望の結合特性を有する抗体についてそのようなライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が当技術分野で公知である。そのような方法は、例えば、HoogenboomらのMethods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に概説されており、さらに例えばMcCafferty et al.,Nature 348:552-554;Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);and Lee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)に記載されている。単一ドメイン抗体ライブラリーを構築するための方法が記載されている(例えば米国特許第7371849号を参照)。
【0430】
ある特定のファージディスプレイ法では、VおよびV遺伝子のレパートリーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別々にクローニングし、ファージライブラリーにおいてランダムに組み替え、次いでこれを、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されるように抗原結合ファージについてスクリーニングできる。ファージは、典型的には、scFvフラグメントまたはFabフラグメントのいずれかとして抗体フラグメントを提示する。免疫化された供給源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要なしに免疫原に対する高親和性抗体を提供する。あるいは、Griffiths et al.,EMBO J,12:725-734(1993)に記載されているように、一切免疫化することなく、ナイーブレパートリーをクローニングして(例えば、ヒト由来)、広範囲の非自己抗原および同様に自己抗原に対する単一の抗体供給源を提供することができる。最後に、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)によって記載されるように、幹細胞から再編成されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含有するPCRプライマーを使用して高度に可変のCDR3領域をコードし、インビトロで再編成を達成することによって、ナイーブライブラリーを合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載する特許公開としては、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許出願公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号および同第2009/0002360号が挙げられる。
【0431】
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体フラグメントは、本明細書ではヒト抗体またはヒト抗体フラグメントと見なされる。
【0432】
e)置換、挿入、欠失および変異体
いくつかの実施形態では、1またはそれを超えるアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異誘発のための目的の部位としては、HVR(またはCDR)およびFRが挙げられる。保存的置換を「好ましい置換」という見出しの下で表2に示す。より実質的な変化は、「例示的な置換」という見出しの下で表2に提供されており、アミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載される。アミノ酸置換を目的の抗体に導入し、その産物を、所望の活性、例えば、保持された/改善された抗原結合、低下した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングすることができる。
表2.アミノ酸置換
【表2】
【0433】
アミノ酸は、一般的な側鎖特性に従ってグループ分けされ得る:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;および(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0434】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴う。
【0435】
1つのタイプの置換変異体は、親抗体(例えば、ヒト化抗体またはヒト抗体)の1またはそれを超える超可変領域残基を置換することを含む。一般に、さらなる研究のために選択された得られた変異体(複数可)は、親抗体と比較して特定の生物学的特性(例えば、親和性の増加、免疫原性の低下)に改変(例えば、改善)を有する、および/または親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持する。例示的な置換変異体は親和性成熟抗体であり、例えば、本明細書に記載されるものなどのファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を使用して簡便に生成することができる。簡潔には、1またはそれを超えるHVR残基を変異させ、変異体抗体をファージ上に提示し、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
【0436】
例えば、抗体親和性を改善するために、HVRに変更(例えば、置換)を行ってもよい。そのような変更は、HVR「ホットスポット」、すなわち体細胞成熟プロセス中に高頻度で突然変異を受けるコドン(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照)および/またはSDR(a-CDR)によってコードされる残基において行われ得、得られた変異体VまたはVは結合親和性について試験される。二次ライブラリーを構築して再選択することによる親和性成熟は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001))に記載されている。親和性成熟のいくつかの実施形態では、多様性は、様々な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、またはオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)のいずれかによって成熟のために選択された可変遺伝子に導入される。次に、二次ライブラリーが作成される。次いで、ライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性または分子挙動を有する任意の抗体変異体を同定する。多様性を導入する別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4~6残基)をランダム化するHVR指向アプローチを含む。抗原結合に関与するHVR残基は、例えばアラニンまたはヒスチジンスキャニング突然変異誘発またはモデリングを使用して特異的に同定され得る。特に、HC-CDR3およびLC-CDR3がしばしば標的化される。
【0437】
いくつかの実施形態では、置換、挿入または欠失は、そのような変更が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、1またはそれを超えるHVR内で起こり得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的変化(例えば、本明細書で提供される保存的置換)をHVRにおいて行うことができる。そのような変更は、HVR「ホットスポット」またはCDRの外側であり得る。
【0438】
突然変異誘発の標的となり得る抗体の残基または領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085に記載されている「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基(例えば、Arg、Asp、His、LysおよびGluなどの荷電残基)の残基または群が同定され、中性または負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)で置き換えられて、抗体と抗原との相互作用が影響を受けるかどうか決定される。さらなる置換を、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入することができる。あるいは、またはさらに、抗体と抗原との間の接触点を同定するための抗原-抗体複合体の結晶構造である。そのような接触残基および隣接残基は、置換の候補として標的化または排除され得る。変異体をスクリーニングして、それらが抗体の所望の特性を含むかどうかを決定することができる。
【0439】
アミノ酸配列挿入には、1つの残基から100個またはそれを超える残基を含有するポリペプチドに及ぶ長さのアミノ末端および/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入変異体には、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPT用)またはポリペプチドに対する抗体のN末端またはC末端への融合が含まれる。
【0440】
f)グリコシル化変異体
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、構築物がグリコシル化される程度を増加または減少させるように変更される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1またはそれを超えるグリコシル化部位が作成または除去されるようにアミノ酸配列を変更することによって都合よく達成され得る。
【0441】
抗体部分がFc領域を含む場合、それに結合した炭水化物は変更され得る。哺乳動物細胞によって産生されるネイティブ抗体は、典型的には、Fc領域のC2ドメインのAsn297にN結合によって一般に結合している分岐型の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトースおよびシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「ステム」においてGlcNAcに結合したフコースを含み得る。いくつかの実施形態では、抗体部分のオリゴ糖の修飾は、特定の改善された特性を有する抗体変異体を作製するために行われ得る。
【0442】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、Fc領域に(直接的または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する。例えば、そのような抗体中のフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%または20%~40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI-TOF質量分析によって測定した場合のAsn297に結合したすべての糖構造の合計(例えば、複合、ハイブリッドおよび高マンノース構造)に対する、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域の約297位に位置するアスパラギン残基を指すが(Fc領域残基のEUナンバリング);Asn297はまた、抗体におけるわずかな配列変異に起因して、位置297の約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、位置294と300との間に位置する場合がある。そのようなフコシル化変異体は、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許出願公開番号US2003/0157108(Presta,L.);US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体変異体に関連する刊行物の例としては以下が挙げられる:US2003/0157108;WO2000/61739;WO2001/29246;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;WO2003/085119;WO2003/084570;WO2005/035586;WO2005/035778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠損したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願番号US2003/0157108A1,Presta,L;およびWO2004/056312A1,Adams et al.、特に実施例11)、およびノックアウト細胞株、例えばアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);およびWO2003/085107)が挙げられる。
【0443】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されている、二分されたオリゴ糖を有する。そのような抗体変異体は、フコシル化の減少および/またはADCC機能の改善を有し得る。そのような抗体変異体の例は、例えばWO2003/011878(Jean-Mairetら);米国特許第6,602,684号(Umanaら);およびUS2005/0123546(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体変異体も提供される。そのような抗体変異体は、改善されたCDC機能を有し得る。そのような抗体変異体は、例えばWO1997/30087(Patelら);WO1998/58964(Raju,S.);およびWO1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
【0444】
g)Fc領域変異体
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分は、Fcフラグメントを含む。
【0445】
「Fc領域」、「Fcドメイン」、「Fcフラグメント」または「Fc」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端非抗原結合領域を指す。この用語は、天然Fc領域および変異体Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226からカルボキシル末端まで延在する。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、Fc領域の構造または安定性に影響を及ぼすことなく、存在しても存在しなくてもよい。本明細書において別段の指定がない限り、IgGまたはFc領域中のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されているように、EUインデックスとも呼ばれる抗体のEUナンバリングシステムに従う。
【0446】
いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択される免疫グロブリンに由来する。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択される免疫グロブリンに由来する。
【0447】
いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、対応する野生型Fcフラグメントと比較して減少したエフェクター機能(例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)のレベルによって測定して、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%または95%減少したエフェクター機能)を有する。
【0448】
いくつかの実施形態では、FcフラグメントはIgG1 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態において、IgG1 Fcフラグメントは、L234A突然変異および/またはL235A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、FcフラグメントはIgG2またはIgG4 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、S228P、F234Aおよび/またはL235A突然変異を含むIgG4 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、N297A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、N297G突然変異を含む。
【0449】
いくつかの実施形態では、1またはそれを超えるアミノ酸修飾を抗体部分のFc領域に導入し、それによってFc領域変異体を生成することができる。Fc領域変異体は、1またはそれを超えるアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域)を含み得る。
【0450】
いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、すべてではないが一部のエフェクター機能を有し、これにより、インビボでの抗体部分の半減期が重要であるが、特定のエフェクター機能(補体およびADCCなど)が不要または有害である適用の望ましい候補となる。CDCおよび/またはADCC活性の減少/枯渇を確認するために、インビトロおよび/またはインビボ細胞傷害アッセイを行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実施して、抗体がFcγR結合を欠く(したがって、おそらくADCC活性を欠く)が、FcRn結合能を保持することを確実にすることができる。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現し、一方単球はFcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現を、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464頁の表2に要約する。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照)およびHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);5,821,337(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を使用してもよい(例えば、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA;およびCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害アッセイ(Promega,Madison,WIを参照のこと)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替において、または、加えて、目的とする分子のADCC活性は、インビボにおいて、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されるような動物モデルにおいて評価され得る。抗体がC1qに結合することができず、したがってCDC活性を欠くことを確認するために、C1q結合アッセイを行うこともできる。例えば、国際公開第2006/029879号および国際公開第2005/100402号のC1qおよびC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施することができる(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);およびCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照のこと)。FcRn結合およびインビボでのクリアランス/半減期の決定もまた、当該分野で公知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照のこと)。
【0451】
エフェクター機能が低下した抗体には、Fc領域残基238、265、269、270、297、327および329のうちの1またはそれを超える置換がされたものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異体には、残基265および297がアラニンに置換されたいわゆる「DANA」Fc変異体(米国特許第7,332,581号)を含む、アミノ酸位置265、269、270、297および327のうちの2つまたはそれを超える置換を有するFc変異体が含まれる。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、N297A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、N297G突然変異を含む。
【0452】
FcRへの結合が改善または減少した一定の抗体変異体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号、およびShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照のこと。)
【0453】
いくつかの実施形態では、FcフラグメントはIgG1 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態において、IgG1 Fcフラグメントは、L234A突然変異および/またはL235A突然変異を含む。いくつかの実施形態において、IgG1 Fcフラグメントは、L235A突然変異および/またはG237A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、FcフラグメントはIgG2またはIgG4 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、S228P、F234Aおよび/またはL235A突然変異を含むIgG4 Fcフラグメントである。
【0454】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、ADCCを改善する1またはそれを超えるアミノ酸置換、例えばFc領域の298、333および/または334の位置の置換(残基のEUナンバリング)を有するFc領域を含む。
【0455】
いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、およびIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載されるように、C1q結合および/または補体依存性細胞傷害(CDC)の変更(すなわち、改善または減少のいずれか)をもたらすFc領域に変更が加えられる。
【0456】
いくつかの実施形態では、抗体部分変異体は、半減期を変更させるおよび/または新生児型Fc受容体(FcRn)への結合を変化させる1またはそれを超えるアミノ酸置換を含む変異体Fc領域を含む。半減期が増加し、母体IgGの胎児への移行(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)およびKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))を担う新生児型Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体は、US2005/0014934A1(Hintonら)に記載されている。これらの抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を変更させる1またはそれを超える置換を有するFc領域を含む。そのようなFc変異体には、1またはそれを超えるFc領域残基に置換(例えばFc領域残基434の置換)を有するものが含まれる(米国特許第7,371,826号)。
【0457】
Fc領域変異体の他の例に関するDuncan&Winter,Nature322:738-40(1988);米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;およびWO94/29351も参照のこと。
【0458】
h)システイン操作抗体変異体
いくつかの実施形態では、抗体の1またはそれを超える残基がシステイン残基で置換されているシステイン操作抗体部分、例えば「チオMAb」を作製することが望ましい場合がある。特定の実施形態では、置換残基は、抗体のアクセス可能な部位に存在する。それらの残基をシステインで置換することによって、反応性チオール基はそれによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書にさらに記載されるように、抗体を薬物部分またはリンカー-薬物部分などの他の部分に結合体化して免疫コンジュゲートを作製するために使用され得る。いくつかの実施形態では、以下のいずれか1またはそれを超える残基がシステインで置換され得る:重鎖のA118(EUナンバリング);および重鎖Fc領域のS400(EUナンバリング)。システイン操作された抗体部分は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されているように生成され得る。
【0459】
i)抗体誘導体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分は、当技術分野で公知であり、容易に入手可能なさらなる非タンパク質性部分を含むようにさらに修飾され得る。抗体の誘導体化に適した部分には、水溶性ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、およびデキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中での安定性のために、製造において利点を有し得る。ポリマーは、任意の分子量であってもよく、分岐していても分岐していなくてもよい。抗体に結合するポリマーの数は様々であり得、1よりも多くのポリマーが結合する場合、それらは同じまたは異なる分子であり得る。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数および/または種類は、改善される抗体の特定の特性または機能、抗体誘導体が定義された条件下で診断に使用されるかどうかなどを含むがこれらに限定されない検討事項に基づいて決定することができる。
【0460】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、1またはそれを超える生物学的に活性なタンパク質、ポリペプチドまたはそれらのフラグメントを含むようにさらに改変され得る。「生物活性」または「生物学的に活性」は、本明細書で互換的に使用される場合、特定の機能を実行するための体内の生物学的活性を示すことを意味する。例えば、タンパク質、DNAなどの特定の生体分子との組み合わせ、次いでそのような生体分子の活性の促進または阻害を意味し得る。いくつかの実施形態では、生物活性タンパク質またはそのフラグメントは、疾患または症状の予防または処置のために活性薬物物質として患者に投与されるタンパク質およびポリペプチド、ならびに診断目的に使用されるタンパク質およびポリペプチド、例えば診断試験またはインビトロアッセイで使用される酵素、ならびに疾患を予防するために患者に投与されるタンパク質およびポリペプチド(ワクチンなど)を含む。
【0461】
抗PLA2G2D融合タンパク質
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、抗PLA2G2D抗体部分(例えば、抗PLA2G2D scFv)および第二の部分を含む。
【0462】
いくつかの実施形態では、第二の部分は、半減期延長部分を含む。いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、アルブミン結合部分(例えば、アルブミン結合抗体部分)である。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分および半減期延長部分は、リンカー(「リンカー」の章に記載されるリンカーのいずれかなど)を介して連結される。
【0463】
抗PLA2G2D免疫コンジュゲート
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物は、第二の部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の部分は、治療剤を含む。いくつかの実施形態において、第二の部分は、標識を含む。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体部分および第二の部分は、リンカー(「リンカー」の章に記載されるリンカーのいずれかなど)を介して連結される。
【0464】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は細胞傷害剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は成長阻害剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物もしくは動物起源の酵素的に活性な毒素、またはそのフラグメント)である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は放射性アイソタイプ(すなわち、放射性結合体)である。
【0465】
免疫コンジュゲートは、組織(腫瘍など)への薬物部分の標的化送達、およびいくつかの実施形態ではその中の細胞内蓄積を可能にし、結合体化されていない薬物の全身投与は、正常細胞に対して許容できないレベルの毒性をもたらし得る(Polakis P.(2005)Current Opinion in Pharmacology 5:382-387)。
【0466】
抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、強力な細胞傷害性薬物を抗原発現腫瘍細胞に標的化することによって抗体および細胞傷害性薬物の両方の特性を組み合わせ(Teicher,B.A.(2009)Current Cancer Drug Targets 9:982-1004)、それによって有効性を最大化し、オフターゲット毒性を最小化することによって治療指数を増強する標的化化学療法分子である(Carter,P.J.and Senter P.D.(2008)The Cancer Jour:14(3):154-169;Chari,R.V.(2008)ACC.Chen.Res.41.98-107。
【0467】
がんの処置との関連において、本出願のADC化合物には、抗がん活性を有するものが含まれる。いくつかの実施形態では、ADC化合物は、薬物部分に結合体化された、すなわち共有結合した抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、リンカーを介して薬物部分に共有結合している。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、リンカー(本明細書に記載のリンカーなど)を介して抗PLA2G2D抗体部分に接続される。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能である。いくつかの実施形態では、リンカーは切断不能である。
【0468】
本出願の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、有効用量の薬物を腫瘍組織に選択的に送達し、それにより、治療指数(「治療ウインドウ(therapeutic window)」)を増加させながら、より大きな選択性、すなわちより低い有効用量が達成され得る。抗体-薬物コンジュゲート(ADC)の薬物部分は、細胞傷害効果または細胞増殖抑制効果を有する任意の化合物、部分または基を含み得る。薬物部分は、チューブリン結合、DNA結合またはインターカレーション、ならびにRNAポリメラーゼ、タンパク質合成、および/またはトポイソメラーゼの阻害を含むがこれらに限定されない機構によって、それらの細胞傷害効果および細胞増殖抑制効果を付与し得る。例示的な薬物部分には、メイタンシノイド、ドラスタチン、アウリスタチン、カリケアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、ネモビシンおよびその誘導体、PNU-159682、アントラサイクリン、デュオカルマイシン、ビンカアルカロイド、タキサン、トリコテセン、CC1065、カンプトテシン、エリナフィド、ならびに細胞傷害活性を有するそれらの立体異性体、同配体、類似体、および誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0469】
本明細書に記載の免疫コンジュゲートの産生は、例えば、米国特許第9,562,099号および米国特許第7,541,034号に見出すことができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0470】
リンカー
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物は、2つの部分(例えば、上記の構築物中の抗PLA2G2D抗体部分および半減期延長部分、抗PLA2G2D抗体部分および第二の結合部分)の間に1またはそれを超えるリンカーを含む。抗PLA2G2D構築物に使用されるリンカー(複数可)の長さ、柔軟性の程度および/または他の特性は、1またはそれを超える特定の抗原またはエピトープに対する親和性、特異性またはアビディティを含むがこれらに限定されない特性に何らかの影響を及ぼし得る。例えば、より長いリンカーは、2つの隣接するドメインが互いに立体的に干渉しないことを確実にするように選択され得る。いくつかの実施形態では、リンカー(ペプチドリンカーなど)は、隣接するドメインが互いに対して自由に動くことができるように、柔軟な残基(グリシンおよびセリンなど)を含む。例えば、グリシン-セリンダブレット(glycine-serine doublet)は、適切なペプチドリンカーであり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは非ペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーはペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは切断不能なリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能なリンカーである。
【0471】
他のリンカーの検討事項には、得られる化合物の物理的または薬物動態学的特性、例えば溶解度、親油性、親水性、疎水性、安定性(安定性がより高いまたはより低いおよび計画された分解)、剛性、柔軟性、免疫原性、抗体結合の調節、ミセルまたはリポソームに組み込まれる能力などへの影響が含まれる。
【0472】
a)ペプチドリンカー
ペプチドリンカーは、天然に存在する配列または天然に存在しない配列を有し得る。例えば、重鎖のみの抗体のヒンジ領域に由来する配列が、リンカーとして使用され得る。例えば、WO1996/34103を参照されたい。
【0473】
ペプチドリンカーは、任意の適切な長さであり得る。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100またはそれを超えるアミノ酸長のいずれかである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、約100、75、50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5個以下またはそれよりも少ないアミノ酸長のいずれかである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーの長さは、約1アミノ酸~約10アミノ酸、約1アミノ酸~約20アミノ酸、約1アミノ酸~約30アミノ酸、約5アミノ酸~約15アミノ酸、約10アミノ酸~約25アミノ酸、約5アミノ酸~約30アミノ酸、約10アミノ酸~約30アミノ酸長、約30アミノ酸~約50アミノ酸、約50アミノ酸~約100アミノ酸、または約1アミノ酸~約100アミノ酸のいずれかである。
【0474】
このようなペプチドリンカーの本質的な技術的特徴は、前記ペプチドリンカーが重合活性を一切含まないことである。二次構造の促進の非存在を含むペプチドリンカーの特徴は当技術分野で公知であり、例えばDall’Acqua et al.(Biochem.(1998)37,9266-9273),Cheadle et al.(Mol Immunol(1992)29,21-30)およびRaag and Whitlow(FASEB(1995)9(1),73-80)に記載されている。「ペプチドリンカー」の状況における特に好ましいアミノ酸はGlyである。さらに、二次構造も一切促進しないペプチドリンカーが好ましい。ドメインの互いに対する連結は、例えば、遺伝子操作によって提供することができる。融合され操作可能に連結された二重特異性一本鎖構築物を調製し、それらを哺乳動物細胞または細菌において発現させるための方法は、当技術分野で周知である(例えば、国際公開第99/54440号、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,Green Publishing Associates and Wiley Interscience,N.Y.1989 and 1994またはSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2001)。
【0475】
ペプチドリンカーは、プロテアーゼ、特にマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)によって切断されない安定なリンカーであり得る。
【0476】
リンカーは、柔軟なリンカーであってもよい。例示的な柔軟なリンカーとしては、グリシンポリマー(G)(配列番号341)、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)(配列番号342)、(GSGGS)(配列番号343)、(GGGGS)(配列番号344)、および(GGGS)(配列番号345)を含み、nは少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、および当技術分野で公知の他の柔軟なリンカーが挙げられる。グリシンおよびグリシン-セリンポリマーは比較的構造化されていないため、成分間の中性テザーとして機能することができる。グリシンは、アラニンよりもはるかに多くのphi-psi空間にアクセスし、より長い側鎖を有する残基よりもはるかに制限されない(Scheraga,Rev.Computational Chem.11 173-142(1992)を参照のこと)。当業者は、抗体融合タンパク質の設計が、全体または部分的に柔軟であるリンカーを含むことができ、その結果、リンカーが、柔軟なリンカー部分、ならびに所望の抗体融合タンパク質構造を提供するために柔軟性が低い構造を与える1またはそれを超える部分を含み得ることを認識するであろう。
【0477】
さらに、例示的なリンカーはまた、(GGGGS)(配列番号344)などのアミノ酸配列を含み、nは1~8の整数であり、例えば、(GGGGS)(配列番号346;以下「(G4S)3」または「GS3」という)、または(GGGGS)(配列番号347;以下「(G4S)6」または「GS6」という)。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、(GSTSGSGKPGSGEGS)(配列番号348)のアミノ酸配列を含み、nは1~3の整数である。
【0478】
b)非ペプチドリンカー
2つの部分のカップリングは、両方の構成要素がそれぞれの活性、例えば、それぞれ抗PLA2G2D多重特異性抗体中のPLA2G2Dおよび第二の薬剤への結合を保持する限り、2つの分子を結合する任意の化学反応によって達成され得る。この結合は、多くの化学的機構、例えば共有結合、親和性結合、インターカレーション、配位結合および錯化を含み得る。いくつかの実施形態では、結合は共有結合である。共有結合は、既存の側鎖の直接縮合または外部架橋分子の組み込みのいずれかによって達成することができる。多くの二価または多価連結剤は、この文脈においてタンパク質分子をカップリングするのに有用であり得る。例えば、代表的なカップリング剤は、チオエステル、カルボジイミド、スクシンイミドエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼンおよびヘキサメチレンジアミンなどの有機化合物を含むことができる。この列挙は、当技術分野で公知の様々なクラスのカップリング剤を網羅することを意図するものではなく、むしろ、より一般的なカップリング剤の例である(Killen and Lindstrom,Jour.Immun.133:1335-2549(1984);Jansenら、Immunological Reviews 62:185-216(1982);およびVitettaら、Science 238:1098(1987)を参照のこと)。
【0479】
本出願において適用され得るリンカーは、文献に記載されている(例えば、MBS(M-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)の使用を記載しているRamakrishnan,S.ら、Cancer Res.44:201-208(1984)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される非ペプチドリンカーとしては:(i)EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸塩;(ii)SMPT(4-スクシンイミジルオキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-プリジル-ジチオ)-トルエン(Pierce Chem.Co.,Cat.(21558G);(iii)SPDP(スクシンイミジル-6[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem.Co.,Cat#21651G);(iv)スルホ-LC-SPDP(スルホスクシンイミジル6[3-(2-ピリジルジチオ)-プロピアンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem.Co.Cat.#2165-G);および(v)EDCに結合体化したスルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミド:Pierce Chem.Co.,Cat.#24510)が挙げられる。いくつかの実施形態では、リンカーはPEG含有リンカーである。
【0480】
上記のリンカーは、異なる属性を有する構成要素を含み、したがって、異なる生理化学的特性を有する二重特異性抗体をもたらし得る。例えば、アルキルカルボキシレートのスルホ-NHSエステルは、芳香族カルボキシレートのスルホ-NHSエステルよりも安定である。NHSエステル含有リンカーは、スルホ-NHSエステルよりも可溶性が低い。また、リンカーSMPTは、立体障害ジスルフィド結合を含み、安定性の高い抗体融合タンパク質を形成することができる。ジスルフィド結合はインビトロで切断されて利用可能な抗体融合タンパク質が少なくなるため、ジスルフィド結合は一般に、他の結合よりも安定性が低い。特に、スルホ-NHSは、カルボジイミド・カップリングの安定性を高めることができる。カルボジイミド・カップリング(EDCなど)は、スルホ-NHSと組み合わせて使用すると、カルボジイミド・カップリング反応単独よりも加水分解に対して耐性の高いエステルを形成する。
【0481】
III.調製方法
いくつかの実施形態では、PLA2G2Dに特異的に結合する抗PLA2G2D構築物または抗体部分、および抗PLA2G2D構築物または抗体部分の調製中に産生されるポリヌクレオチド、核酸構築物、ベクター、宿主細胞、または培養培地などの組成物を調製する方法が提供される。本明細書中に記載される抗PLA2G2D構築物または抗体部分または組成物は、下記において、より具体的には実施例において一般的に記載されるようないくつかのプロセスによって調製され得る。
【0482】
1.抗体の発現および産生
本明細書に記載される抗体(抗PLA2G2Dモノクローナル抗体、抗PLA2G2D二重特異性抗体、および抗PLA2G2D抗体部分を含む)は、以下および実施例に記載されるものを含む、当技術分野における任意の公知の方法を使用して調製することができる。
【0483】
c)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、実質的に均一な抗体の集団から得られ、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する可能性のある突然変異および/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同一である。したがって、修飾語「モノクローナル」は、別々の抗体の混合物ではないという抗体の特徴を示す。例えば、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法を使用して作製され得るか、または組換えDNA法(米国特許第4,816,567号)によって作製され得る。ハイブリドーマ法では、マウスまたは他の適切な宿主動物、例えばハムスターまたはラマを上記のように免疫化して、免疫化に使用したタンパク質に特異的に結合する抗体を産生するかまたは産生することができるリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化することができる。次いで、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を使用して骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成するGoding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986)。ラクダにおける免疫化については実施例1も参照されたい。
【0484】
免疫化剤は、典型的には、抗原タンパク質またはその融合変異体を含む。一般に、ヒト起源の細胞が望まれる場合は末梢血リンパ球(「PBL」)が使用されるか、または、非ヒト哺乳動物供給源が望まれる場合は脾臓細胞もしくはリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を使用してリンパ球を不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する。Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press(1986),pp.59-103。
【0485】
不死化細胞株は、通常、形質転換された哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が使用される。このようにして調製されたハイブリドーマ細胞は、好ましくは、融合されていない親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1またはそれを超える物質を含有する適切な培養培地に播種されて成長する。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマの培養培地には、典型的には、HGPRT欠損細胞の成長を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンが含まれる(HAT培地)。
【0486】
好ましい不死化骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高レベル産生を支持し、HAT培地などの培地に感受性であるものである。これらの中でも、ネズミ骨髄腫株、例えば、MOPC-21およびMPC-11マウス腫瘍(Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,Calif.USAから入手可能)、およびSP-2細胞(およびその誘導体、例えばX63-Ag8-653)(American Type Culture Collection,Manassas,Va.USA.から入手可能)に由来するものが好ましい。ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
【0487】
ハイブリドーマ細胞が成長している培養培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって、またはインビトロ結合アッセイ、例えばフローサイトメトリー、ラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定される。
【0488】
ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、所望の抗原に対するモノクローナル抗体の存在についてアッセイすることができる。好ましくは、モノクローナル抗体の結合親和性および特異性は、免疫沈降によって、またはインビトロ結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合アッセイ(ELISA)、もしくはBLIによって決定することができる。そのような技術およびアッセイは、当技術分野において公知である。例えば、結合親和性は、Munsonら、Anal.Biochem.,107:220(1980)のScatchard分析によって決定され得る。
【0489】
所望の特異性、親和性および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、限界希釈手順によってクローンをサブクローニングし、標準的な方法(Goding、上記)によって成長させることができる。この目的に適した培養培地には、例えば、D-MEMまたはRPMI-1640培地が含まれる。さらに、ハイブリドーマ細胞を、哺乳動物において腫瘍としてインビボで成長させることができる。
【0490】
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィなどの従来の免疫グロブリン精製手順によって培養培地、腹水、または血清から適切に分離される。
【0491】
モノクローナル抗体はまた、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号明細書に記載されている方法によって、上記に記載されているように作製され得る。モノクローナル抗体をコードするmRNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードするcDNAに特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され、配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、そのようなmRNAの好ましい供給源として働く。単離されると、cDNAは発現ベクターに入れられてもよく、発現ベクターはその後、免疫グロブリンタンパク質を他に産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトされ、そのような組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体を合成する。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現に関する総説論文としては、Skerraら、Curr.Opinion in Immunol.,5:256-262(1993)およびPlueckthun,Immunol.Revs.130:151-188(1992)が挙げられる。
【0492】
さらなる実施形態では、McCaffertyら、Nature,348:552-554(1990)に記載されている技術を使用して生成された抗体ファージライブラリーから抗体を単離することができる。Clacksonら、Nature,352:624-628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.,222:581-597(1991)には、ファージライブラリーを使用したマウス抗体およびヒト抗体の単離がそれぞれ記載されている。その後の刊行物は、鎖シャッフリングによる高親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生(Marksら、Bio/Technology,10:779-783(1992))、ならびにコンビナトリアル感染およびインビボ組換え(Waterhouseら、Nucl.Acids Res.,21:2265-2266(1993))を、非常に大きなファージライブラリーを構築するための戦略として記載している。したがって、これらの技術は、モノクローナル抗体を単離するための従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替法である。
【0493】
DNAはまた、例えば、相同マウス配列の代わりにヒト重鎖定常ドメインおよび軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することによって(米国特許第4,816,567号;Morrisonら、Proc.Natl Acad.Sci.USA,81:6851(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部または一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合することによって改変され得る。典型的には、そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインの代わりに使用されるか、または抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインの代わりに使用され、抗原に対して特異性を有する1つの抗原結合部位および異なる抗原に対して特異性を有する別の抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作製する。
【0494】
本明細書に記載のモノクローナル抗体は一価であってもよく、その調製は当技術分野で周知である。例えば、1つの方法は、免疫グロブリン軽鎖および改変重鎖の組換え発現を含む。重鎖は、重鎖架橋を防ぐために、一般にFc領域の任意の点でトランケートされる。あるいは、関連するシステイン残基は、架橋を防ぐために、別のアミノ酸残基で置換されていてもよく、または欠失されていてもよい。インビトロ法はまた、一価抗体を調製するのにも適している。そのフラグメント、特にFabフラグメントを産生するための抗体の消化は、当技術分野で公知の日常的な技術を用いて達成することができる。
【0495】
キメラ抗体またはハイブリッド抗体はまた、架橋剤を含む方法を含む合成タンパク質化学における公知の方法を使用してインビトロで調製され得る。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形成することによって構築され得る。この目的に適した試薬の例としては、イミノチオラートおよびメチル-4-メルカプトブチリミデートが挙げられる。
【0496】
2.抗体部分をコードする核酸分子
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物または抗体部分のいずれか1つをコードするポリヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるような方法のいずれか1つを使用して調製されるポリヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、抗体部分(例えば、抗PLA2G2D抗体部分)の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、抗体部分(例えば、抗PLA2G2D抗体部分)の重鎖をコードするポリヌクレオチドおよび軽鎖をコードするポリヌクレオチドの両方を含む。いくつかの実施形態では、第一の核酸分子は、重鎖をコードする第一のポリヌクレオチドを含み、第二の核酸分子は、軽鎖をコードする第二のポリヌクレオチドを含む。
【0497】
いくつかのこのような実施形態では、重鎖および軽鎖は、1つの核酸分子から、または2つの別個の核酸分子から、2つの別個のポリペプチドとして発現される。いくつかの実施形態では、例えば抗体がscFvである場合、単一ポリヌクレオチドは、共に連結された重鎖と軽鎖の両方を含む単一ポリペプチドをコードする。
【0498】
いくつかの実施形態では、抗体部分(例えば、抗PLA2G2D抗体部分)の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、翻訳されると重鎖または軽鎖のN末端に位置するリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含む。上述のように、リーダー配列は、天然の重鎖または軽鎖リーダー配列であってもよく、または別の異種リーダー配列であってもよい。
【0499】
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはDNAである。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはRNAである。いくつかの実施形態では、RNAはmRNAである。
【0500】
核酸分子は、当技術分野で従来の組換えDNA技術を使用して構築され得る。いくつかの実施形態では、核酸分子は、選択された宿主細胞における発現に適した発現ベクターである。
【0501】
d)核酸構築物
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドのいずれか1つを含む核酸構築物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製された核酸構築物が提供される。
【0502】
いくつかの実施形態では、核酸構築物は、ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは遺伝子に対応し、プロモーターは遺伝子の野生型プロモーターである。
【0503】
3.ベクター
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗PLA2G2D抗体部分)または本明細書に記載の核酸構築物のいずれか1つの重鎖および/または軽鎖をコードする任意のポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製されたベクターが提供される。抗体、scFv、融合タンパク質または本明細書に記載される構築物の他の形態(例えば、抗PLA2G2D scFv)などの抗PLA2G2D構築物のいずれかをコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。そのようなベクターとしては、限定されないが、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、ベクターは、重鎖をコードする第一のポリヌクレオチド配列および軽鎖をコードする第二のポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、重鎖および軽鎖は、2つの別個のポリペプチドとしてベクターから発現される。いくつかの実施形態では、重鎖および軽鎖は、例えば抗体がscFvである場合など、単一のポリペプチドの一部として発現される。
【0504】
いくつかの実施形態では、第一のベクターは、重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第二のベクターは、軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第一のベクターおよび第二のベクターは、同様の量(同様のモル量または同様の質量など)で宿主細胞にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、5:1~1:5のモル比または質量比の第一のベクターおよび第二のベクターが宿主細胞にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、重鎖をコードするベクターと軽鎖をコードするベクターについて1:1~1:5の質量比が使用される。いくつかの実施形態では、重鎖をコードするベクターと軽鎖をコードするベクターについて1:2の質量比が使用される。
【0505】
いくつかの実施形態では、CHOもしくはCHO由来細胞またはNSO細胞におけるポリペプチドの発現に最適化されたベクターが選択される。例示的なそのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.,Biotechnol.Prog.20:880-889(2004)に記載されている。
【0506】
4.宿主細胞
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のポリペプチド、核酸構築物および/またはベクターを含む宿主細胞が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製された宿主細胞が提供される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、発酵条件下で、本明細書に記載の抗体部分のいずれかを産生することができる。
【0507】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗PLA2G2D抗体部分)は、原核細胞、例えば細菌細胞;または真核細胞、例えば真菌細胞(酵母など)、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞で発現され得る。そのような発現は、例えば、当技術分野で公知の手順に従って行われ得る。ポリペプチドを発現するために使用され得る例示的な真核細胞には、COS7細胞を含むCOS細胞;293-6E細胞を含む293細胞;CHO細胞(CHO-S、DG44Lec13 CHO細胞、CHOZN(登録商標)およびFUT8 CHO細胞を含む);PER.C6(登録商標)細胞(Crucell);およびNSO細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗PLA2G2D抗体部分)は、酵母で発現され得る。例えば、米国特許出願公開第2006/0270045号を参照されたい。いくつかの実施形態では、特定の真核宿主細胞は、抗体部分の重鎖および/または軽鎖に所望の翻訳後修飾を行う能力に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態では、CHO細胞は、293細胞で産生される同じポリペプチドよりも高いレベルのシアリル化を有するポリペプチドを産生する。
【0508】
所望の宿主細胞への1またはそれを超える核酸の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染などを含むがこれらに限定されない任意の方法によって達成され得る。非限定的な例示的方法は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)に記載されている。核酸は、任意の適切な方法に従って、所望の宿主細胞に一過性または安定にトランスフェクトされ得る。
【0509】
本出願はまた、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドまたはベクターのいずれかを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、抗PLA2G2D抗体を含む宿主細胞を提供する。目的の抗体、ポリペプチドまたはタンパク質をコードする遺伝子を単離する目的で、異種DNAを過剰発現することができる任意の宿主細胞を使用することができる。哺乳動物宿主細胞の非限定的な例には、COS、HeLaおよびCHO細胞が含まれるが、これらに限定されない。PCT公開番号WO87/04462も参照されたい。適切な非哺乳動物宿主細胞には、原核生物(例えば、E.coliまたはB.subtillis)および酵母(例えば、S.cerevisae、S.pombe;またはK.lactis)が含まれる。
【0510】
いくつかの実施形態では、抗体部分は無細胞系で産生される。非限定的な例示的な無細胞系は、例えば、Sitaramanら、Methods Mol.Biol.498:229-44(2009);Spirin,Trends Biotechnol.22:538-45(2004);Endoら、Biotechnol.Adv.21:695-713(2003)に記載されている。
【0511】
5.培養培地
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の抗体部分、ポリヌクレオチド、核酸構築物、ベクター、および/または宿主細胞を含む培養培地が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製された培養培地が提供される。
【0512】
いくつかの実施形態では、培地は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよび/またはチミジン(例えば、HAT培地)を含む。いくつかの実施形態では、培地は血清を含まない。いくつかの実施形態では、培地は血清を含む。いくつかの実施形態では、培地はD-MEMまたはRPMI-1640培地である。いくつかの実施形態では、培地は化学的に規定された培地である。いくつかの実施形態では、化学的に規定された培地は、宿主細胞株に対して最適化される。
【0513】
6.抗体部分の精製
抗PLA2G2D構築物(例えば、抗PLA2G2Dモノクローナル抗体または多重特異性抗体)は、任意の適切な方法によって精製され得る。そのような方法には、アフィニティーマトリックスまたは疎水性相互作用クロマトグラフィの使用が含まれるが、これらに限定されない。適切なアフィニティーリガンドとしては、ROR1 ECDおよび抗体定常領域に結合するリガンドが挙げられる。例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、または抗体アフィニティカラムを使用して定常領域に結合し、Fcフラグメントを含む抗PLA2G2D構築物を精製することができる。疎水性相互作用クロマトグラフィ、例えばブチルまたはフェニルカラムもまた、抗体などのいくつかのポリペプチドの精製に適し得る。イオン交換クロマトグラフィ(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィおよび/または陽イオン交換クロマトグラフィ)もまた、抗体などのいくつかのポリペプチドの精製に適し得る。混合モードクロマトグラフィ(例えば、逆相/陰イオン交換、逆相/陽イオン交換、親水性相互作用/陰イオン交換、親水性相互作用/陽イオン交換など)もまた、抗体などのいくつかのポリペプチドの精製にも適し得る。ポリペプチドを精製する多くの方法が当技術分野で公知である。
【0514】
IV.処置方法
本出願は、一態様では、個体における疾患または症状(がんまたは感染症など)を処置する方法であって、有効量の抗PLA2G2D構築物(本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかなど)を個体に投与するステップを含む方法を提供する。本明細書中に記載される方法は、簡潔さのために一般的に記載されるが、本明細書中に記載される抗PLA2G2D構築物のそれぞれに独立して適用されることが意図されることに留意されたい。
【0515】
いくつかの実施形態では、個体におけるがん(固形腫瘍、結腸がん、黒色腫、またはT細胞リンパ腫など)を処置する方法であって、有効量の抗PLA2G2D構築物(本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかなど)を個体に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、抗PLA2G2D抗体部分および第二の部分、例えばサイトカイン(炎症促進性サイトカインなど)を含む第二の部分を含む融合タンパク質または免疫コンジュゲートである。いくつかの実施形態では、PLA2G2DはヒトPLA2G2Dである。いくつかの実施形態では、がん組織は、参照組織(例えば、健常個体における対応する組織)と比較して、増加した発現レベルのPLA2G2Dを有する。いくつかの実施形態では、がんは、進行性または悪性の腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、肺がん、乳がん、肝臓がん、胃がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、膵臓がん、腎臓がん、前立腺がん、尿路上皮がん、精巣がん、卵巣がんおよび黒色腫からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、本方法は、第二の薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、化学療法剤、免疫調節薬、抗血管形成剤、成長阻害剤および抗新生物剤からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1、PD-L2、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、TIGIT、GITR、TIM3、LAG3、CD27、4-1BBまたはB7H4を特異的に標的とする。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、腫瘍抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体を含む細胞を含む。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物と第二の薬剤は、同時または同時発生的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物と第二の薬剤は、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物および/または第二の薬剤は、非経口投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、疾患組織に直接投与される。
【0516】
いくつかの実施形態では、個体における感染症(ウイルス感染症など)を処置する方法であって、有効量の抗PLA2G2D構築物(本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかなど)を個体に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、抗PLA2G2D抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、抗PLA2G2D抗体部分および第二の部分を含む融合タンパク質または免疫コンジュゲートである。いくつかの実施形態では、第二の部分は、サイトカイン(例えば、炎症促進性サイトカイン)を含む。いくつかの実施形態では、PLA2G2DはヒトPLA2G2Dである。いくつかの実施形態では、感染部位は、参照組織(例えば、健常個体における対応する組織)と比較して、増加した発現レベルのPLA2G2Dを有する。いくつかの実施形態では、本方法は、第二の薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は免疫治療を含む。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物と第二の薬剤は、同時または同時発生的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物と第二の薬剤は、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物および/または第二の薬剤は、非経口投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、疾患組織に直接投与される。
【0517】
本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物の投与はまた、局所免疫応答を促進し、免疫細胞(T細胞など)の増殖および/または活性化を促進し、好ましい腫瘍微小環境を促進するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、がん(固形腫瘍など)を有する個体のがん組織における局所免疫応答を促進する方法であって、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、感染(ウイルス感染など)を有する個体の感染部位における局所免疫応答を促進する方法であって、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。
【0518】
いくつかの実施形態では、がん(固形腫瘍など)を有する個体のがん組織におけるT細胞の増殖および/または活性化を促進する方法であって、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、感染(ウイルス感染など)を有する個体の感染部位におけるT細胞の増殖および/または活性化を促進する方法であって、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、T細胞はCD4+T細胞である。いくつかの実施形態では、T細胞はCD8+T細胞である。
【0519】
いくつかの実施形態では、がん(固形腫瘍など)を有する個体のがん組織における好ましい腫瘍微小環境を促進する方法であって、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、感染(ウイルス感染など)を有する個体の感染部位における好ましい腫瘍微小環境を促進する方法であって、本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。「好ましい腫瘍微小環境を促進すること」は、一般に、がん治療(免疫療法など)に耐性の腫瘍組織の、がん治療に対する耐性が低い腫瘍組織への変換を指すか、またはそれを含む。
A.疾患または症状
【0520】
本明細書中に記載される方法は、疾患のあまり効果的でない処置に少なくとも部分的に寄与する免疫応答が身体において抑制される疾患および症状に適用可能である。例示的な疾患には、癌または感染性疾患(ウイルス感染性疾患など)が含まれる。
【0521】
7.癌
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される疾患または症状は、癌である。本明細書中に記載される方法のいずれかを使用して処置され得る癌には、任意のタイプの癌が含まれる。本出願に記載の薬剤で処置される癌のタイプには、癌腫、芽細胞腫、肉腫、良性および悪性腫瘍、ならびに悪性腫瘍、例えば肉腫、癌腫、および黒色腫が含まれるが、これらに限定されない。成人腫瘍/癌および小児腫瘍/癌も含まれる。
【0522】
様々な実施形態において、癌は、早期癌、非転移性癌、原発性癌、進行癌、局所進行癌、転移性癌、寛解状態の癌、再発性癌、アジュバント環境における癌、ネオアジュバント環境における癌、または治療に対して実質的に抵抗性の癌である。
【0523】
いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。
【0524】
いくつかの実施形態では、癌は液体腫瘍である。
【0525】
いくつかの実施形態では、PLA2G2Dの発現レベルが(例えば、免疫組織化学によって評価される)、参照組織におけるPLA2G2Dの発現レベルよりも少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%高い場合、癌組織はPLA2G2Dの高い発現レベルを有する。いくつかの実施形態では、PLA2G2Dの発現レベルが(例えば、免疫組織化学によって評価される)、参照組織におけるPLA2G2Dの発現レベルの少なくとも約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、または50倍である場合、癌組織はPLA2G2Dの高い発現レベルを有する。いくつかの実施形態では、参照組織は、健常個体における対応する組織である。いくつかの実施形態では、参照組織中のPLA2G2Dの発現レベルは、同一または類似の癌を有する個体の群(10、30、50、100個体など)中の同じ組織中のPLA2G2Dの平均発現レベルである。いくつかの実施形態では、参照組織は、バイオマーカー(例えば、高M2マクロファージ、またはPD-1もしくはPD-L1などの免疫チェックポイント剤の高発現)によって示されるように、癌も有するが癌組織における免疫応答の抑制がより少ない個体における対応する組織である。
【0526】
いくつかの実施形態では、癌組織は、癌組織中に高いT細胞浸潤(例えば、高CD3T細胞、高CD8T細胞、高CD4T細胞、活性化T細胞、活性化CD8T細胞、または活性化CD4T細胞)を有する。いくつかの実施形態では、癌組織は、癌中のT細胞の数が、参照組織中の対応するT細胞の数よりも少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%多い場合、高いT細胞浸潤を有する。いくつかの実施形態では、癌中のT細胞の数が、参照組織中の対応するT細胞の数の少なくとも約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍である場合、高いT細胞浸潤が存在する。いくつかの実施形態では、参照組織は、健常個体における対応する組織である。いくつかの実施形態では、参照組織中の対応するT細胞の数は、同一または類似の癌を有する個体の群(10、30、50、100個体など)中の同じ組織中の対応するT細胞の平均数である。いくつかの実施形態では、参照組織は、バイオマーカー(例えば、高M2マクロファージ、PD-1またはPD-L1などの免疫チェックポイント剤の高発現、PLA2G2Dの高発現レベル)によって示されるように、癌も有するが癌組織における免疫応答の抑制がより少ない個体における対応する組織である。
【0527】
いくつかの実施形態では、癌は、参照組織と比較して、癌組織中の免疫細胞(例えば、活性化T細胞、活性化CD4+T細胞、または活性化CD8+T細胞)の数が低下(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)している。いくつかの実施形態では、癌は、参照組織と比較して、癌組織中の活性化免疫細胞(例えば、活性化T細胞、活性化CD4+T細胞、または活性化CD8+T細胞)の数が低下(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)している。いくつかの実施形態において、癌組織は、参照組織と比較して、サイトカイン(例えば、炎症促進性サイトカイン、例えば、IFNγまたはIL-2)の低下したレベル(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)を有する。
【0528】
いくつかの実施形態では、参照組織は、健常個体における対応する組織である。いくつかの実施形態では、参照組織は、癌も有するが癌組織における免疫応答の抑制がより少ない個体における対応する組織である。免疫応答の抑制は、a)免疫細胞(例えば、CD3+細胞)の数;b)免疫細胞の増殖/拡大状態;c)免疫細胞の活性化状態;および/またはd)サイトカインレベルを測定することによって評価することができる。いくつかの実施形態では、a)~d)のうちのいずれか1つまたは複数は、癌組織において測定される。いくつかの実施形態では、免疫細胞はT細胞である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はCD8+T細胞(活性化CD8+T細胞など)である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はCD4+T細胞(活性化CD4+T細胞など)である。
【0529】
本出願の方法によって処置され得る癌の例としては、限定されないが、肛門癌、星細胞腫(例えば、小脳および大脳)、基底細胞癌腫、膀胱癌腫、骨癌、(骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳または大脳星細胞腫(例えば、星状細胞腫、悪性神経膠腫、髄芽腫および神経膠芽腫)、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌(例えば、子宮癌)、食道癌、眼癌(例えば、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫)、胃部(胃)癌、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌(例えば、肝癌腫および肝細胞腫)、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌腫)、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、骨髄異形成症候群、鼻咽頭癌、神経芽腫、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺癌、腹膜の癌、下垂体腫瘍、直腸癌、腎癌、腎盂および尿管癌(移行細胞癌)、横紋筋肉腫、皮膚癌(例えば、非黒色腫(例えば、扁平上皮癌)、黒色腫およびメルケル細胞癌腫)、小腸癌、扁平上皮癌、精巣癌、甲状腺癌、および結節性硬化症が挙げられる。癌のさらなる例は、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,19th Edition,§on Hematology and Oncology,published by Merck Sharp&Dohme Corp.,2011(ISBN 978-0-911910-19-3);The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,20th Edition,§on Hematology and Oncology,published by Merck Sharp&Dohme Corp.,2018(ISBN 978-0-911-91042-1)(Merck Manualsのインターネット・ウェブサイトの2018 年デジタルオンライン版);およびSEER Program Coding and Staging Manual 2016に見出すことができ、これらはそれぞれ、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0530】
いくつかの実施形態では、疾患または症状は結腸癌である。
【0531】
いくつかの実施形態では、疾患または症状は黒色腫である。
【0532】
いくつかの実施形態では、疾患または症状はT細胞リンパ腫である。
【0533】
8.感染性疾患
いくつかの実施形態では、疾患または症状は感染性疾患である。いくつかの実施形態では、感染性疾患はウイルス感染性疾患である。
【0534】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染性疾患は、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、風疹ウイルス、脳炎ウイルス、狂犬病ウイルス、ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、RSV、アデノウイルス、黄熱病ウイルス、デングウイルス、パラインフルエンザウイルス、出血性ウイルス、水痘ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、パラインフルエンザウイルス、レオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、パルボウイルス、アフリカブタ熱ウイルス、麻疹、コロナウイルス(例えば、SAR-CoV、MERS-CoV、2019-nCoV)、エボラウイルス、流行性耳下腺炎またはノーウォークウイルスによる感染を特徴とする。いくつかの実施形態では、ウイルス感染性疾患は、CMV、EBV、HBV、KSHV、HPV、MCV、HTLV-1、HIV-1、またはHCVなどの発癌性ウイルスによる感染を特徴とする。いくつかの実施形態では、ウイルス感染性疾患の発症および/または進行に関与するタンパク質をコードする1またはそれを超える遺伝子には、RSVヌクレオカプシド、Pre-gen/Pre-C、Pre-S1、Pre-S2/S、X、HBV保存配列、HIV Gagポリタンパク質(p55)、HIV Polポリタンパク質、HIV Gag-Pol前駆体(p160)、HIVマトリックスタンパク質(MA、p17)、HIVカプシドタンパク質(CA、p24)、HIVスペーサーペプチド1(SP1、p2)、HIVヌクレオカプシドタンパク質(NC、p9)、HIVスペーサーペプチド2(SP2、p1)、HIV P6タンパク質、HIV逆転写酵素(RT、p50)、HIV RNase H(p15)、HIVインテグラーゼ(IN、p31)、HIVプロテアーゼ(PR、p10)、HIV Env(gp160)、gp120、gp41、HIVトランス活性化因子(Tat)、ビリオンタンパク質の発現のHIV調節因子(Rev)、HIVレンチウイルスタンパク質R(Vpr)、HIV Vif、HIV陰性因子(Nef)、HIVウイルスタンパク質U(Vpu)、ヒトCCR5、miR-122、EBOVポリメラーゼL、VP24、VP40、GP/sGP、VP30、VP35、NPC1、およびTIM-1(これらの突然変異体を含む)をコードする遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。
【0535】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染性疾患は、コロナウイルスによる感染を特徴とする。いくつかの実施形態では、ウイルス感染性疾患は、インフルエンザウイルスによる感染を特徴とする。
【0536】
感染部位とは、ウイルスがかなりの数で出現し、および/またはかなりの損傷を引き起こす体内の組織を指す。いくつかの実施形態では、感染部位は、参照組織と比較して、増加した発現レベルのPLA2G2Dを有する。いくつかの実施形態では、感染部位におけるPLA2G2D発現レベルは、参照組織と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%増加する。いくつかの実施形態では、感染部位におけるPLA2G2D発現レベルは、参照組織と比較して、少なくとも約1倍、2倍、3倍、4倍、または5倍増加する。
【0537】
いくつかの実施形態では、感染部位は、参照組織と比較して、感染部位中の免疫細胞(例えば、活性化T細胞、活性化CD4+T細胞、または活性化CD8+T細胞)の数が低下(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)している。いくつかの実施形態では、感染部位は、参照組織と比較して、感染部位中の活性化免疫細胞(例えば、活性化T細胞、活性化CD4+T細胞、または活性化CD8+T細胞)の数が低下(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)している。いくつかの実施形態において、感染部位は、参照組織と比較して、サイトカイン(例えば、炎症促進性サイトカイン、例えば、IFNγまたはIL-2)の低下したレベル(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)を有する。
【0538】
いくつかの実施形態では、参照組織は、健常個体における対応する組織である。いくつかの実施形態では、参照組織は、ウイルス感染(同じタイプのウイルス感染など)も有するが感染部位での免疫応答の抑制が少ない個体における対応する組織である。免疫応答の抑制は、a)免疫細胞の数;b)免疫細胞の増殖/拡大状態;c)免疫細胞の活性化状態;および/またはd)サイトカインレベルを測定することによって評価することができる。いくつかの実施形態では、循環中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、疾患組織中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、リンパ組織(リンパ節など)中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、免疫細胞はT細胞である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はCD8+T細胞(活性化CD8+T細胞など)である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はCD4+T細胞(活性化CD4+T細胞など)である。
【0539】
B.個体
いくつかの実施形態では、個体は、哺乳動物(ヒトなど)である。
【0540】
いくつかの実施形態では、個体は、疾患組織におけるPLA2G2Dの高発現に基づいて、処置のために選択される。いくつかの実施形態では、組織は癌組織である。いくつかの実施形態では、組織は感染部位である。
【0541】
いくつかの実施形態では、感染部位におけるPLA2G2D発現レベルは、参照組織と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%増加する。いくつかの実施形態では、感染部位におけるPLA2G2D発現レベルは、参照組織と比較して、少なくとも約1倍、2倍、3倍、4倍、または5倍増加する。
【0542】
いくつかの実施形態では、個体は、抑制された免疫応答の指標に基づいて、処置のために選択される。いくつかの実施形態では、個体は、疾患組織において抑制された免疫応答を有する。いくつかの実施形態では、組織は癌組織である。いくつかの実施形態では、組織は感染部位である。
【0543】
上記のように、免疫応答の抑制は、a)免疫細胞の数;b)免疫細胞の増殖/拡大状態;c)免疫細胞の活性化状態;および/またはd)サイトカインレベルを測定することによって評価することができる。いくつかの実施形態では、循環中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、疾患組織中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、リンパ組織(リンパ節など)中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、免疫細胞はT細胞である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はCD8+T細胞(活性化CD8+T細胞など)である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はCD4+T細胞(活性化CD4+T細胞など)である。
【0544】
いくつかの実施形態では、個体は、参照組織と比較して、組織(癌組織または感染部位など)中の免疫細胞(例えば、活性化T細胞、活性化CD4+T細胞、または活性化CD8+T細胞)の数が低下(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)している。いくつかの実施形態では、個体は、参照組織と比較して、組織(癌組織または感染部位など)中の活性化免疫細胞(例えば、活性化T細胞、活性化CD4+T細胞、または活性化CD8+T細胞)の数が低下(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)している。いくつかの実施形態では、個体は、参照組織と比較して、組織(例えば癌組織または感染部位)中のサイトカイン(例えば、炎症促進性サイトカイン、例えば、IFNγまたはIL-2)の低下したレベル(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の低下)を有する。
【0545】
いくつかの実施形態では、参照組織は、健常個体における対応する組織である。いくつかの実施形態では、参照組織は、同一または類似の疾患または症状も有するが癌組織における免疫応答の抑制がより少ない個体における対応する組織である。
【0546】
いくつかの実施形態では、個体は、免疫系が損なわれている。
【0547】
いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約60、65、70、75、80、85、または90歳である。
【0548】
いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも1つの以前の治療を有する。いくつかの実施形態では、以前の治療は、放射線治療、化学療法および/または免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、個体は、以前の治療に対して抵抗性、難治性、または再発性である。
【0549】
C.併用治療
本出願はまた、疾患または症状(がんまたは感染症など)を処置するために、有効量の抗PLA2G2D構築物を個体に投与する方法であって、第二の薬剤または治療を投与することをさらに含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は、疾患または症状を処置するための標準的なまたは一般的に使用される薬剤または治療である。
【0550】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、第二の薬剤または治療と同時に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、第二の薬剤または治療と同時発生的に投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、第二の薬剤または治療と逐次的に投与される。
【0551】
癌のための例示的な併用療法
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は手術を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は放射線治療を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は細胞治療(例えば、免疫細胞(例えば、CAR T細胞)を含む細胞治療)を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は血管形成阻害剤を含む。
【0552】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、化学療法剤、免疫調節薬、抗血管形成剤、成長阻害剤および抗新生物剤からなる群から選択される。
【0553】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は代謝拮抗剤である。いくつかの実施形態では、代謝拮抗剤は5-FUである。
【0554】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1、PD-L2、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、TIGIT、GITR、TIM3、LAG3、CD27、4-1BBまたはB7H4を特異的に標的とする。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、抗PD-1抗体またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、抗PD-L1抗体またはそのフラグメントである。
【0555】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、腫瘍抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体を含む細胞(例えば免疫細胞、例えばT細胞)を含む。
【0556】
感染性疾患(ウイルス感染性疾患など)のための例示的な併用療法。
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はヌクレオチド類似体を含む。
【0557】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はヌクレオシド類似体を含む。
【0558】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はプロテアーゼ阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はロピナビルを含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はリトナビルを含む。
【0559】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はノイラミニダーゼ阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はザナミビルを含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はオセルタミビルを含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はペラミビルを含む。
【0560】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はCap依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はバロキサビルを含む。
【0561】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療はシアリダーゼを含む。
【0562】
第二の薬剤および抗PLA2G2D構築物は、逐次的に、同時発生的にまたは同時に投与することができる。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、抗PLA2G2D構築物の前に投与される。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、抗PLA2G2D構築物の後に投与される。
【0563】
D.投薬レジメンおよび投与経路
個体(ヒトなど)に投与される本明細書に記載される抗PLA2G2D構築物およびいくつかの実施形態では第二の薬剤の用量は、特定の組成物、投与方法、ならびに処置される疾患または症状の特定の種類およびステージによって異なり得る。量は、疾患または症状に対する治療応答などの望ましい応答をもたらすのに十分でなければならない。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物および/または第二の薬剤の量は、治療有効量である。
【0564】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、個体における免疫応答の抑制を低下させるのに十分な量である。免疫応答の抑制の低下の有無および抑制の低下の程度は、以下のいずれかによって示すことができる。
【0565】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、抗PLA2G2D構築物の投与後に免疫細胞(例えばT細胞、例えばCD4+および/またはCD8+T細胞)の数を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、循環中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、疾患組織中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、リンパ組織(リンパ節など)中の免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、免疫細胞は骨髄性細胞(樹状細胞など)を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞はNK細胞を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、CD4+および/またはCD8+T細胞などのT細胞を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞の数は、抗PLA2G2D構築物の投与から約1、2、3、4、5、6、または7日後に評価される。
【0566】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、抗PLA2G2D構築物の投与後に活性化免疫細胞(例えば活性化CD4+および/またはCD8+T細胞)の数を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、循環中の活性化免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、疾患組織中の活性化免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、リンパ組織(リンパ節など)中の活性化免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、免疫細胞は骨髄性細胞(樹状細胞など)を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞はNK細胞を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、CD4+および/またはCD8+T細胞などのT細胞を含む。いくつかの実施形態では、活性化免疫細胞の数は、抗PLA2G2D構築物の投与から約1、2、3、4、5、6、または7日後に評価される。
【0567】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、抗PLA2G2D構築物の投与後に免疫細胞または活性化免疫細胞の増殖を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、循環中の免疫細胞または活性化免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、疾患組織中の免疫細胞または活性化免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、リンパ組織(リンパ節など)中の免疫細胞または活性化免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、免疫細胞は骨髄性細胞(樹状細胞など)を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞はNK細胞を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、CD4+および/またはCD8+T細胞などのT細胞を含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞または活性化免疫細胞の増殖は、抗PLA2G2D構築物の投与から約1、2、3、4、5、6、または7日後に評価される。
【0568】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、抗PLA2G2D構築物の投与後にサイトカインレベル(例えば、炎症促進性サイトカイン、例えば、IFNγまたはIL-2)を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%増加させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、疾患組織中のサイトカインレベルが評価される。いくつかの実施形態では、サイトカインのレベルは、抗PLA2G2D構築物の投与から約1、2、3、4、5、6、または7日後に評価される。
【0569】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、投与後に抑制性免疫細胞を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%低下させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、抑制性免疫細胞は制御性T細胞を含む。いくつかの実施形態では、抑制性免疫細胞は骨髄由来サプレッサー細胞を含む。いくつかの実施形態では、循環中の抑制性免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、疾患組織中の抑制性免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、リンパ組織(リンパ節など)中の抑制性免疫細胞が評価される。いくつかの実施形態では、抑制性免疫細胞の数は、抗PLA2G2D構築物の投与から約1、2、3、4、5、6、または7日後に評価される。
【0570】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、抗PLA2G2D構築物の投与後に個体における体液性免疫応答を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加させるのに十分な量である。体液性免疫応答は、疾患関連抗原を標的とする抗体(IgG抗体など)または循環中にそのような抗体を産生する形質芽球を測定することによって評価することができる。いくつかの実施形態では、体液性免疫応答は、抗PLA2G2D構築物の投与から約7~28日(例えば、約7~14日)後に評価される。
【0571】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物の量は、処置前の同じ個体における対応する腫瘍サイズ、がん細胞の数、または腫瘍成長速度と比較して、または処置を受けていない他の個体における対応する活性と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%のいずれかだけ腫瘍のサイズの低下をもたらす、がん細胞の数を低下させる、または腫瘍の成長速度を低下させるのに十分な量である。
【0572】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、総体重1kgあたり約0.001μg~約100mg、例えば、約0.005μg/kg~約50mg/kg、約0.01μg/kg~約10mg/kg、または約0.01μg/kg~約1mg/kgの用量で投与される。
【0573】
本明細書に記載される方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物および/または第二の薬剤組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内(intravesicularly)、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、局所、経皮、経口、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物および/または第二の薬剤は、静脈内投与される。
【0574】
いくつかの実施形態では、抗PLA2G2D構築物は、疾患組織に直接投与される。
【0575】
V.組成物、キットおよび製造品
本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物または抗PLA2G2D抗体部分、抗体部分をコードする核酸、抗体部分をコードする核酸を含むベクター、または核酸もしくはベクターを含む宿主細胞のいずれか1つを含む組成物(製剤など)も本明細書で提供される。
【0576】
本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物の適切な製剤は、所望の程度の純度を有する抗PLA2G2D構築物または抗PLA2G2D抗体部分を必要に応じた薬学的に許容され得る担体、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))と、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で混合することによって得ることができる。許容され得る担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/または非イオン性界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などを含む。皮下投与に適した凍結乾燥製剤は、国際公開第97/04801号に記載されている。そのような凍結乾燥製剤は、適切な希釈剤を用いて高タンパク質濃度に再構成することができ、再構成製剤は、本明細書で画像化、診断、または処置される個体に皮下投与することができる。
【0577】
インビボ投与に使用される製剤は滅菌されていなければならない。これは、例えば、滅菌濾過膜による濾過によって容易に達成される。
【0578】
本明細書に記載の抗PLA2G2D構築物または抗PLA2G2D抗体部分のいずれか1つを含むキットも提供される。キットは、本明細書に記載の細胞組成物または処置を調節する方法のいずれかに有用であり得る。
【0579】
いくつかの実施形態では、PLA2G2Dに特異的に結合する抗PLA2G2D構築物を含むキットが提供される。
【0580】
いくつかの実施形態では、キットは、抗PLA2G2D構築物を個体に送達することができるデバイスをさらに含む。非経口送達などの適用のためのデバイスの1つのタイプは、組成物を対象の体内に注射するために使用されるシリンジである。吸入デバイスは、特定の適用にも使用され得る。
【0581】
いくつかの実施形態では、キットは、疾患または症状、例えばがん、感染症、自己免疫疾患、または移植を処置するための治療剤をさらに含む。
【0582】
本出願のキットは適切な包装中にある。適切な包装には、バイアル、ボトル、瓶、フレキシブル包装(例えば、密封されたマイラーまたはビニール袋)などが含まれるが、これらに限定されない。キットは、必要に応じて、緩衝液および解釈情報などの追加の成分を提供し得る。
【0583】
したがって、本出願は製造品も提供する。製造品は、容器と、容器上のまたは容器に関連付けられたラベルまたは添付文書とを含むことができる。適切な容器には、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、瓶、フレキシブル包装などが含まれる。一般に、容器は組成物を保持し、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、静脈内溶液バッグであってもよいし、皮下注射針で穿刺可能な栓を有するバイアルであってもよい)。ラベルまたは添付文書は、組成物が個体における特定の症状を画像化、診断または処置するために使用されることを示す。ラベルまたは添付文書は、組成物を個体に投与し、個体を画像化するための指示をさらに含む。ラベルは、再構成および/または使用のための指示を示し得る。組成物を保持する容器は、再構成製剤の反復投与(例えば、2~6回の投与から)を可能にする複数回使用バイアルであり得る。添付文書は、診断用製品の市販パッケージに通例含まれる指示であって、そのような診断用製品の使用に関する適応症、用法、投与量、投与、禁忌および/または警告に関する情報を含む指示を指す。さらに、製造品は、静菌性注射用水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容され得る緩衝液を含む第二の容器をさらに含み得る。さらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含む、商業的およびユーザーの観点から望ましい他の材料を含んでもよい。
【0584】
キットまたは製造品は、複数の単位用量の組成物および使用についての指示を含み得、薬局、例えば病院の薬局および調剤薬局での保管および使用に十分な量で包装され得る。
【0585】
当業者は、本発明の範囲および主旨の範囲内でいくつかの実施形態が可能であることを認識するであろう。以下の非限定的な例を参照して、本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然のことながら、その範囲を限定するものとして解釈されるべきでは決してない。
【実施例
【0586】
以下の実施例は、本出願の純粋に例示を意図しており、したがって、決して本出願を限定すると見なされるべきではない。以下の実施例および詳細な説明は、限定ではなく例示として提供される。
【0587】
実施例1.抗PLA2G2D抗体の生成
ハイブリドーマ生成
【0588】
PLA2G2Dに対する抗体を生成するために、Balb/cマウスもしくはNZB/Wマウス、PLA2G2D KOマウス、またはLewisラットを、組換えヒトまたはマウスPLA2G2D Fcタグ付きタンパク質またはヒトPLA2G2Dを細胞表面上に異所性に発現するHEK293T細胞(ヒトPLA2G2DがメプリンAベータサブユニットの膜貫通領域とC末端で融合されているPLA2G2D-TM)のいずれかで免疫化した。複数回のブーストのためにフロイント完全アジュバント(CFA)またはRIBIアジュバントを使用して、マウスを複数の部位で免疫化した。最後のブーストの7日後に伏在静脈穿刺によって試験出血を行った。抗体力価が十分に高いとき、マウスに、外側尾静脈を介して最終的なIVブーストを与えた。最後のブーストの4日後、免疫化した動物を屠殺し、脾臓を単離した。脾細胞とSp2/0骨髄腫細胞との電気融合によってハイブリドーマを生成した。融合細胞をHAT選択培地中の96ウェルプレートに播種し、10~14日間増殖させてハイブリドーマクローンを作製した。
【0589】
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
【0590】
ハイブリドーマクローンを、ELISAによってヒトPLA2G2Dタンパク質への結合についてアッセイした。96ウェル高結合プレートをPBS中の組換えヒトまたはマウスPLA2G2Dタンパク質でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。ウェルを、0.5% Tween(登録商標)-20(PBST)を含有するPBSで2回洗浄し、0.5% FCSを含有するPBSTで室温にて1時間ブロッキングした。洗浄後、上清を加え、室温で1時間インキュベートした。次いで、上清を除去し、PBSTでウェルを3回洗浄した後、0.5% FBSを含有するPBST中の最適希釈でホースラディッシュペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗マウスIgGまたはヤギ抗ラットIgG抗体(Jackson Immuno)を1時間添加した。ウェルをPBSTで3回洗浄し、室温で15~30分間、50μlのABTS基質(Sigma Aldrich)で発色させ、405nmで読み取った。PLA2G2Dに反応性の親ハイブリドーマを限界希釈によってサブクローニングし、それらのPLA2G2Dへの結合をELISAによって再確認した。陽性結合物(positive binder)を増殖させ、上清中の抗体をプロテインG(HiTrap Protein G HP,GE Healthcare)によって精製した。
【0591】
フローサイトメトリー
【0592】
ELISA陽性クローンからの上清または精製抗体を、HEK-293T細胞の細胞表面に発現されるヒトおよびマウスPLA2G2D(上記のPLA2G2D-TM融合タンパク質)に結合する能力について、フローサイトメトリーによってさらに試験した。PLA2G2D-TM発現293T細胞を回収し、ウェルあたり1×10細胞を96ウェルU底プレートに播種し、上清を除去した。指定された希釈または濃度の50μlのハイブリドーマ上清または精製抗体を各ウェルに添加し、4℃で30分間インキュベートした。アッセイプレートをPBSで2回洗浄し、抗体結合を、PBS中1:400希釈のPE標識ヤギ抗マウスまたは抗ラット抗体(Biolegend)を使用して4℃で30分間検出した。プレートを2回洗浄し、BD LSRFortessa X-20フローサイトメーター(Becton Dickinson)で分析した。
【0593】
表3~5Aに示される配列を有する全ての抗体は、ヒトPLA2G2Dに結合することができた。図1は、代表的な抗体がすべて、293T細胞上に発現されたヒトPLA2G2Dに結合することを示す。いくつかの抗体は、マウスPLA2G2Dにも結合する。
【0594】
配列解析
【0595】
すべての構築物からの配列データを分析し、重鎖および軽鎖のコンセンサス配列を決定した。様々な抗PLA2G2D抗体のV、VおよびCDR配列ならびにコンセンサス配列を列挙する表3~5を参照されたい。
表3.様々な抗体のV CDRおよびコンセンサス配列。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
表4.様々な抗体のV CDRおよびコンセンサス配列。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
表5.様々な抗体のVおよびVアミノ酸配列。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0596】
実施例2.モノクローナル抗体のインビトロ機能的特徴付け
抗PLA2G2D抗体による活性化T細胞へのPLA2G2D結合の遮断
【0597】
PLA2G2Dが活性化T細胞に優先的に結合するが、休止T細胞には最小限しか結合しないことが以前に見出されており、PLA2G2DがT細胞の活性化時にT細胞に直接結合することによって抑制的シグナル伝達を付与し得ることが示唆された。したがって、抗PLA2G2D抗体が活性化T細胞へのPLA2G2D結合を妨害し、潜在的に免疫抑制を遮断し得るかどうかを決定するアッセイが考案された。ヒトPBMC培養物内のT細胞を、37℃で24時間、抗CD3および抗CD28抗体(Invitrogen)で刺激した。次いで、PBMC培養物を回収し、洗浄し、10μg/mlのPLA2G2D抗体またはマウスIgG2aアイソタイプ対照抗体(Invitrogen)の存在下、2μg/mlのヒトPLA2G2D-Fcタンパク質または対照ヒトIgG1-Fcタンパク質と共に4℃で30分間インキュベートした。細胞をPBSで3回洗浄し、次いで、フルオロフォア結合体化抗CD3抗体、抗CD4抗体および抗CD8抗体(Biolegend)ならびにLive/Dead Fixable死細胞染色剤(Molecular Probes)と共にPE結合体化ヤギ抗ヒトIgG1抗体(Invitrogen)で4℃で30分間染色し、洗浄し、次いで、FACSによって分析した。
【0598】
図2に示されるように、多くのPLA2G2D抗体は、ゲーティングされたT細胞上のPLA2G2D-Fc染色の平均蛍光強度(MFI)によって測定されるように、活性化されたT細胞へのPLA2G2Dの結合を減少させることができた。対照的に、対照マウスIgG2aアイソタイプ対照は、PLA2G2D結合に有意な影響を及ぼさなかった。
【0599】
抗PLA2G2D抗体によるPBMC培養物におけるPLA2G2D依存性T細胞抑制の逆転
【0600】
PLA2G2D抗体がT細胞機能のPLA2G2D依存性抑制を中和することができるかどうかを決定するために、PLA2G2D抑制活性を実証することが以前に示されたもの(図2)と同様のアプローチを使用した。96ウェル丸底プレートのウェルあたり2×10個のPBMCを含有する3連ウェルを、示されるように、200μlのRPMI(Corning)の最終容量で、1μg/mlの可溶性ヒトPLA2G2D-Fcタンパク質(Sino Biological)および10μg/mlのPLA2G2D抗体または対照mIgG2aアイソタイプ対照抗体(Invitrogen)の存在下で、1μg/mlの抗CD3(OKT3、Invitrogen)および0.2μg/mlの抗CD28(CD28.2、Invitrogen)で刺激した。PBMC培養物を37℃で48時間インキュベートした後、上清を回収し、MSD V-plexアッセイ(Meso Scale Discovery)を使用してIL-2レベルについて測定した。
【0601】
表3~5に開示される抗体は、ヒトPLA2G2に結合するだけでなく、T細胞活性化PBMCにおけるIL-2分泌のPLA2G2媒介性抑制を逆転させる。図3に示されるように、代表的な抗PLA2G2D抗体は、このアッセイにおいてIL-2分泌のPLA2G2D媒介性抑制を逆転させることができ、多くの場合、IL-2産生をベースラインよりも増強した。
配列表
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表6-7】
【表6-8】
【表6-9】
【表6-10】
【表6-11】
【表6-12】
【表6-13】
【表6-14】
【表6-15】
【表6-16】
【表6-17】
【表6-18】
【表6-19】
【表6-20】
【表6-21】
【表6-22】
【表6-23】
【表6-24】
【表6-25】
【表6-26】
【表6-27】
【表6-28】
【表6-29】
図1
図2
図3
【配列表】
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【国際調査報告】