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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】調整可能なインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/72 20060101AFI20240725BHJP
   A61F 2/28 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61B17/72
A61F2/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506678
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022038622
(87)【国際公開番号】W WO2023014564
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,014
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510116244
【氏名又は名称】ニューベイシブ スペシャライズド オーソペディックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ロペス カマチョ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】プレイシー,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】モーラー,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA02
4C097BB04
4C097CC05
4C097CC06
4C097SC10
4C160LL27
4C160LL29
4C160LL70
(57)【要約】
本開示の一態様は、調整可能なインプラントであって、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつハウジングに対して移動可能な、第1の調整可能な部材と、第1の調整可能な部材内に配置され、かつハウジングに対して第1の調整可能な部材を移動させるように構成された、第1の作動アセンブリと、を含む、調整可能なインプラントに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能なインプラントであって、
ハウジングであって、内ねじを有し、かつ前記ハウジング内に空洞を画定する、ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、前記空洞内で前記ハウジングに対して移動可能な、第1の調整可能な部材と、
前記第1の調整可能な部材内に配置され、かつ前記ハウジングに対して前記第1の調整可能な部材を移動させるように構成された、第1の作動アセンブリであって、
外部調整装置によって作動されるように構成されたアクチュエータ、
前記アクチュエータに結合されたギアアセンブリ、
前記ギアアセンブリに結合された出力ドライバ、及び
前記出力ドライバを少なくとも部分的に取り囲むように配設され、かつ前記ハウジングの前記内ねじと連通するように構成された外ねじを有するナット、を含む、第1の作動アセンブリと、を備える、調整可能なインプラント。
【請求項2】
前記ナットが、前記出力ドライバの少なくとも1つの相補的な平坦な外面に係合するように構成された少なくとも1つの平坦な内面を含み、
前記出力ドライバが、前記ギアアセンブリの相補的な鍵付き部分に係合するように構成された鍵付き部分を含み、
前記ギアアセンブリが、少なくとも1つの遊星ギアを含み、
前記調整可能なインプラントが、前記第1の調整可能な部材内の前記出力ドライバの少なくとも一部分の周りに配置されたスラストベアリングを更に備える、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項3】
前記ハウジングと前記調整可能な部材との間に配置された中間部材であって、前記調整可能な部材の外面に面する少なくとも1つの溝及び前記ハウジングの内面に面する少なくとも1つの溝を含む、中間部材と、
前記調整可能な部材の前記外面に面する前記少なくとも1つの溝内に配置された、ラジアルシール、Oリング、又はリテーナと、
前記ハウジングの前記内面に面する前記少なくとも1つの溝内に配置された、ラジアルシール、Oリング、又はリテーナと、を更に備え、
前記調整可能な部材が、長円形の外側断面を含み、前記中間部材が、長円形の内側断面を含む、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項4】
前記第1の調整可能な部材の反対側の前記空洞内に配置されたジャム防止機能を更に備え、前記ジャム防止機能が、ばねタブを含み、
前記作動アセンブリの前記出力ドライバは、前記調整可能なインプラントが完全に後退した状態にあるときに、前記ジャム防止機能の前記ばねタブに係合するように構成された相補的なタブを含み、
前記ばねタブは、前記調整可能なインプラントが前記完全に後退した状態にあるときに、前記出力ドライバに対してばね力を提供するように構成されている、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項5】
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配設され、かつ前記ハウジングに対して移動可能な、第2の調整可能な部材を更に備え、前記第2の調整可能な部材が、前記第1の調整可能な部材に対して前記ハウジングの反対側の端部内に配置されている、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項6】
前記第1の作動アセンブリが、逆ローラねじを含む、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項7】
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配設され、かつ前記ハウジングに対して移動可能な、第2の調整可能な部材と、
前記第2の調整可能な部材を前記ハウジングに対して移動させるように構成された、前記第2の調整可能な部材内の第2の作動アセンブリと、を更に備え、
前記第2の調整可能な部材が、前記第1の調整可能な部材に対して前記ハウジングの反対側の端部内に配置されている、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項8】
前記アクチュエータが、回転磁場の印加時に回転するように構成された磁気アセンブリを含む、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項9】
前記アクチュエータに近接して配置され、かつ前記回転磁場が存在しない場合に前記磁気アセンブリの位置を維持するように構成された、維持部材を更に備える、請求項8に記載の調整可能なインプラント。
【請求項10】
前記アクチュエータの作動に応答して、ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されたキーパーを更に備え、
前記キーパーが、前記ロック位置では前記出力ドライバの回転に抵抗し、前記ロック解除位置では前記出力ドライバの回転を可能にするように構成されている、請求項1に記載の調整可能なインプラント。
【請求項11】
前記キーパーが、
本体と、
前記本体における鍵付き開口部であって、前記鍵付き開口部が、駆動ギアの相補的な鍵付き部分を受容するように構成されており、前記キーパー及び前記駆動ギアが、互いに回転可能に固定されている、鍵付き開口部と、
前記駆動ギアの中心ピンを受容するように構成され、前記本体が前記中心ピンに対して軸方向に並進することを可能にするように更に構成されている、前記本体における開口部と、
前記本体の第1の端部上に配設されたロック歯であって、リングギア上の歯と解放可能に噛合するように構成されている、ロック歯と、を備える、請求項10に記載の調整可能なインプラント。
【請求項12】
調整可能なインプラントであって、
空洞を画定するハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ前記空洞内で前記ハウジングに対して移動可能な、第1の調整可能な部材と、
前記第1の調整可能な部材内に配置され、かつ前記ハウジングに対して前記第1の調整可能な部材を移動させるように構成された、第1の作動アセンブリであって、
外部調整装置によって作動されるように構成されたアクチュエータ、
前記アクチュエータに結合されたギアアセンブリ、
前記ギアアセンブリに結合されたローラドライバ、
前記ローラドライバ及び前記ハウジングの内ねじの両方の周りに放射状に配置され、それらとねじ係合された少なくとも1つのねじ付きローラ、並びに
前記ローラドライバを実質的に取り囲み、その中に前記少なくとも1つのねじ付きローラを受容するように構成された少なくとも1つの開口部を画定するケージを含む、第1の作動アセンブリと、を備える、調整可能なインプラント。
【請求項13】
前記少なくとも1つのねじ付きローラが、前記ローラドライバの周りに約90°離れて配置された4つのねじ付きローラを含み、
前記少なくとも1つの開口部が、4つの開口部を含み、各開口部が、その中にそれぞれのねじ付きローラを受容するように構成されている、請求項12に記載の調整可能なインプラント。
【請求項14】
前記外部調整装置による前記アクチュエータの作動時に、前記ローラドライバが、回転し、それによって、前記少なくとも1つのねじ付きローラを回転させるように構成されており、
前記少なくとも1つのねじ付きローラが、前記ハウジングの前記内ねじと相互作用して、前記第1の調整可能な部材を前記ハウジングに対して移動させるように構成されている、請求項12に記載の調整可能なインプラント。
【請求項15】
前記第1の調整可能な部材の反対側の前記空洞内に配置されたジャム防止機能を更に備え、
前記ジャム防止機能が、ばねタブを含み、前記作動アセンブリの前記ケージが、相補的なタブを含み、前記ケージの前記タブは、前記調整可能なインプラントが完全に後退した状態にあるときに、前記ジャム防止機能の前記ばねタブに係合するように構成されており、
前記ばねタブは、前記調整可能なインプラントが前記完全に後退した状態にあるときに、前記ケージに対してばね力を提供するように構成されている、請求項12に記載の調整可能なインプラント。
【請求項16】
前記ローラドライバが、前記ギアアセンブリの相補的な鍵付き部分に係合するように構成された鍵付き部分を含み、
前記ギアアセンブリが、少なくとも1つの遊星ギアを含み、
前記調整可能なインプラントが、前記第1の調整可能な部材内の前記ローラドライバの少なくとも一部分の周りに配置されたスラストベアリングを更に含む、請求項12に記載の調整可能なインプラント。
【請求項17】
前記アクチュエータが、回転磁場の印加時に回転するように構成された磁気アセンブリを含む、請求項12に記載の調整可能なインプラント。
【請求項18】
前記アクチュエータに近接して配置され、かつ前記回転磁場が存在しない場合に前記磁気アセンブリの位置を維持するように構成された、維持部材を更に含む、請求項17に記載の調整可能なインプラント。
【請求項19】
前記アクチュエータの作動に応答して、ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されたキーパーを更に備え、
前記キーパーが、前記ロック位置では出力ドライバの回転に抵抗し、前記ロック解除位置では前記出力ドライバの回転を可能にするように構成されている、請求項12に記載の調整可能なインプラント。
【請求項20】
前記キーパーが、
本体と、
前記本体における鍵付き開口部であって、前記鍵付き開口部が、駆動ギアの相補的な鍵付き部分を受容するように構成されており、前記キーパー及び前記駆動ギアが、互いに回転可能に固定されている、鍵付き開口部と、
前記本体における開口部であって、前記駆動ギアの中心ピンを受容するように構成され、前記本体が、前記中心ピンに対して軸方向に並進することを可能にするように更に構成された、開口部と、前記本体の第1の端部上に配設されたロック歯であって、前記ロック歯が、リングギア上の歯と解放可能に噛合するように構成されている、ロック歯と、を備える、請求項19に記載の調整可能なインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年8月3日に出願された米国特許仮出願第63/229,014号の優先権を主張する。前述の出願は、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように、参照により援用される。
【0002】
(発明の分野)
本明細書に記載される主題は、髄内延長(intramedullary distraction)及び圧縮装置及び/又は調整可能な脊椎ロッドを含む、調整可能なインプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
仮骨延長(distraction osteogenesis)は、様々な欠損を有する患者において新しい骨を成長させるために使用されてきた技術である。例えば、肢延長(limb lengthening)は、骨、例えば大腿骨又は脛骨の長さを増加させることができる技術である。骨における皮質骨切除術又は骨切断術(骨を貫く切断)を行うことによって、結果として生じる骨の2つのセクションが、特定の速度(例えば、1日当たり1(1.0)mm)で離れることができ、それらが離れるにつれて、2つのセクションの間に新しい骨を再生することを可能にする。この肢延長の技術は、以前の骨折が正しく治癒しなかった患者、又は成長板が成熟する前に罹患又は損傷した患者など、一方の肢が他方の肢よりも長い場合に使用することができる。一部の患者では、身長を伸ばすことが望まれ、両方の大腿骨及び/又は両方の脛骨を長くして患者の身長を伸ばすことによって達成される。
【0004】
肢延長は、外部固定を使用して行われることが多く、外部延長フレームが、皮膚を貫通するピンによって、骨の2つのセクションに取り付けられる。ピンは、感染の部位となる可能性があり、ピン配置部位又は「ピン刺入路(pin tract)」が、治療プロセス全体を通して創傷がやや開いたままであるので、患者にとって痛みを伴うことが多い。また、外部固定フレームはかさばるため、患者が快適に座り、眠り、動くことを困難にさせる。米国特許出願公開第2011/0060336号(参照により本明細書に援用される)に記載されているような髄内延長装置も存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様は、調整可能なインプラントを提供し、インプラントが、ハウジングであって、内ねじを有し、かつハウジング内に空洞を画定する、ハウジングと;ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ空洞内でハウジングに対して移動可能な、第1の調整可能な部材と;第1の調整可能な部材内に配置され、かつハウジングに対して第1の調整可能な部材を移動させるように構成された、第1の作動アセンブリと;を含む。第1の作動アセンブリは、外部調整装置によって作動するように構成された、アクチュエータと;アクチュエータに結合された、ギアアセンブリと;ギアアセンブリに結合された、出力ドライバと;出力ドライバを少なくとも部分的に取り囲むように配設され、かつハウジングの内ねじと連通するように構成された外ねじを有する、ナットと;を含む。
【0006】
本開示の第2の態様は、調整可能なインプラントを提供し、インプラントが、空洞を画定する、ハウジングと;ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ空洞内でハウジングに対して移動可能な、第1の調整可能な部材と;第1の調整可能な部材内に配置され、かつハウジングに対して第1の調整可能な部材を移動させるように構成された、第1の作動アセンブリと;を備える。第1の作動アセンブリは、外部調整装置によって作動するように構成された、アクチュエータと;アクチュエータに結合された、ギアアセンブリと;ギアアセンブリに結合された、ローラドライバと;ローラドライバ及びハウジングの内ねじの両方の周りに放射状に配置され、かつそれらとねじ係合された、少なくとも1つのねじ付きローラと;ローラドライバを実質的に取り囲み、その中に少なくとも1つのねじ付きローラを受容するように構成された少なくとも1つの開口部を画定する、ケージと;を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に援用され、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本明細書で開示される主題のある特定の態様を示し、本明細書と一緒に、開示された実装形態と関連する原理のいくつかを説明するのに役立つ。
図1】本開示の実施形態による、調整可能なインプラントの上面図を示す。
図2図1の調整可能なインプラントの断面図を示す。
図3図2のボックスAにおける調整可能なインプラントの拡大断面図を示す。
図4】本開示の実施形態による、ナット、出力ドライバ、及び駆動シャフトの分解斜視図を示す。
図5図2のボックスBにおける断面図を示す。
図6】本開示の実施形態による、ジャム防止機能の斜視図を示す。
図7】本開示の実施形態による、調整可能なインプラントの上面図を示す。
図8図7の調整可能なインプラントの断面図を示す。
図9図8のボックスCにおける調整可能なインプラントの拡大断面図を示す。
図10】本開示の実施形態による、ローラねじの正面斜視図を示す。
図11】本開示の実施形態による、ローラねじの背面斜視図を示す。
図12】本開示の実施形態による、ケージを取り外したローラねじの正面斜視図を示す。
図13図12に示される実施形態による、ケージを取り外したローラねじの正面図を示す。
図14】本開示の別の実施形態による、調整可能なインプラントの上面図を示す。
図15図14の調整可能なインプラントの断面図を示す。
図16】本開示の別の実施形態による、調整可能なインプラントの上面図を示す。
図17図16の調整可能なインプラントの断面図を示す。
図18】本開示の別の実施形態による、調整可能なインプラントの上面図を示す。
図19図18の調整可能なインプラントの断面図を示す。
図20図19のボックスDにおける調整可能なインプラントの拡大断面図を示す。
図21】本開示の実施形態による、ギアアセンブリ、磁石アセンブリ、及び磁石ロック機構の分解斜視図を示す。
図22】本開示の実施形態による、図21の磁石ハウジングの拡大斜視図を示す。
図23】本開示の実施形態による、それぞれ、図21のロック機構に配置されたキーパーの斜視図、正面図、及び背面図を示す。
図24】本開示の実施形態による、それぞれ、図21のロック機構に配置されたキーパーの斜視図、正面図、及び背面図を示す。
図25】本開示の実施形態による、それぞれ、図21のロック機構に配置されたキーパーの斜視図、正面図、及び背面図を示す。
図26】本開示の実施形態による、図21のロック機構に配置された鍵付き駆動ギアの斜視図を示す。
図27】本開示の実施形態による、図21のロック機構に配置された鍵付き駆動ギアの斜視図を示す。
図28】本開示の実施形態による、ロック機構を含む、例示的な延長及び圧縮装置の一部分の断面図を示す。
図29】本開示の実施形態による、図28の線A-Aに沿った断面図を示し、ここで、図29は、ロック位置を示し、図30は、ロック解除位置を示す。
図30】本開示の実施形態による、図28の線A-Aに沿った断面図を示し、ここで、図29は、ロック位置を示し、図30は、ロック解除位置を示す。
図31】本開示の実施形態による、ロック機構を含む、例示的な延長及び圧縮装置の一部分の断面図を示す。
図32】本開示の実施形態による、磁石アセンブリ及び磁石ロック機構の分解斜視図を示す。
図33】本開示の実施形態による、図32の磁石ハウジングの拡大斜視図を示す。
図34】本開示の実施形態による、それぞれ、図32のロック機構に配置されたキーパーの斜視図、正面図、及び背面図を示す。
図35】本開示の実施形態による、それぞれ、図32のロック機構に配置されたキーパーの斜視図、正面図、及び背面図を示す。
図36】本開示の実施形態による、それぞれ、図32のロック機構に配置されたキーパーの斜視図、正面図、及び背面図を示す。
図37】本開示の実施形態による、少なくとも図32のロック機構に配置された鍵付き駆動出力部の斜視図を示す。
図38】本開示の実施形態による、少なくとも図32のロック機構に配置された鍵付き駆動出力部の斜視図を示す。
図39】本開示の実施形態による、ロック機構を含む、例示的な延長及び圧縮装置の一部分の断面図を示す。
図40】本開示の実施形態による、図39の線A-Aに沿った断面図を示し、ここで、図40は、ロック位置を示す。
図41】本開示の実施形態による、図39の線A-Aに沿った断面図を示し、ここで、図41は、ロック解除位置を示す。
図42】本開示の実施形態による、調整可能なインプラントを非侵襲的に調整するための外部調整装置の内部構成要素を示す。
図43】本開示の実施形態による、大腿骨内に埋め込まれた調整可能なインプラントを調整するための構成における、外部調整装置を示す。
図44】本開示の実施形態による、脛骨内に埋め込まれた調整可能なインプラントを調整するための構成における、外部調整装置を示す。
【0008】
主題の図面は、必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、主題の典型的な態様のみを示すことが意図されており、したがって、開示された主題の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号は、図面間で同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、調整可能なインプラントの様々な実施形態を説明し、そのような実施形態には、髄内延長及び圧縮装置、並びに/又は調整可能な脊椎ロッドが含まれる。調整可能なインプラントは、外部調整装置によって外部から制御されるように構成され、したがって、非侵襲的に調整可能である。調整可能なインプラントは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつハウジングに対して移動可能な、第1の調整可能な部材と、第1の調整可能な部材内に配置され、かつハウジングに対して第1の調整可能な部材を移動させるように構成された、第1の作動アセンブリと、を含む。いくつかの実施形態では、作動アセンブリは、ギアアセンブリを含む。他の実施形態では、作動アセンブリは、ローラねじアセンブリを含む。更に別の実施形態では、作動アセンブリは、磁気アセンブリに結合された出力ドライバを含む。調整可能な部分内に作動アセンブリを位置付けることにより、調整可能なインプラントを全体的により小さくすることが容易になる。
【0010】
図1図2は、第1の実施形態による、調整可能なインプラント100を示す。この実施形態では、調整可能なインプラント100は、ハウジング102及び調整可能な部材104を含む。調整可能な部材104は、ハウジング102内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング102に対して移動可能である。示されるように、ハウジング102及び調整可能な部材104の各々は、ハウジング102及び調整可能な部材104を骨のそれぞれのセクションに取り付けるために、その中に固定要素(例えば、骨ねじ)を受容するための1つ以上の固定開口部106を含み得る。
【0011】
ハウジング102は、第1の位置で骨に取り付けられるように構成され、調整可能な部材104は、第2の位置で骨に取り付けられるように構成されている。第1の位置及び第2の位置は、同じ骨の別々のセクションに配設され得、例えば、脊椎ロッドの場合、別々の骨に配置され得る。骨を成長させるか又は長くするために、骨は、事前に分離されているか、又はこの分離を作り出すように意図的に切断若しくは破壊されるか(例えば、骨切断術によって)のいずれかであり、骨が第1のセクション及び第2のセクションに分割される。切断は、調整可能なインプラント100が移植及び固定される前に行われてもよく、又は調整可能なインプラント100が移植された後に行われてもよい(例えば、柔軟なGigliソーを使用することによって)。本明細書に記載されるように、調整可能な部材104は、ハウジング102に対して収縮する(例えば、圧縮のため)及び/又は延長する(例えば、肢延長のため)ように構成されている。調整可能なインプラント100は、非侵襲的な遠隔制御によってハウジング102に対して調整可能な部材104の制御された正確な並進を提供し、したがって、ハウジング102に固定された骨セグメントに対して調整可能な部材104に固定された骨セグメントの制御された正確な並進を提供するように構成されている。
【0012】
肢延長のための治療期間にわたって、骨は定期的に延長され、新たな分離が生じ、そこに骨形成が生じ得る。「定期的に延長される」とは、定期的又は周期的に(毎日又は数日ごと程度であり得る)肢延長が生じることを示すことを意味する。例示的な延長速度は、1日当たり1ミリメートルであるが、他の延長速度も用いられ得る。すなわち、典型的な延長レジメンは、調整可能なインプラント100の長さを、毎日約1ミリメートル増加させることを含み得る。これは、例えば、各回0.25mmの延長を有する、1日当たり4回の延長期間によって行うことができる。調整可能なインプラント100は、以下により詳細に開示されるように、磁気駆動システムを含んでもよい。磁気駆動システムは、調整可能な部材104をハウジング102から伸縮的に伸長させ、したがって、骨の第1のセクションと第2のセクションとを互いに引き離す。
【0013】
図3を見ると、ハウジング102は、一端に、調整可能な部材104を受容するための開口部108を有する。1つ以上のOリング、ラジアルシール、又はリテーナが、調整可能な部材104とハウジング102との間に、調整可能な部材104の周りに配置され得る。いくつかの実施形態では、中間部材110が、ハウジング102と調整可能な部材104との間に配置される。中間部材110は、改善された封止及び/又は保持を提供する。具体的には、中間部材110は、ハウジング102に対して調整可能な部材104の回転を防止する回転防止機構を提供することができる。例えば、調整可能な部材104の外側形状及び中間部材110の内側形状は、互いに補完し、嵌合的に係合することができる。例えば、調整可能な部材104は、長円形、楕円形などの断面形状を有してもよく、ハウジング102の開口部108は、調整可能な部材104の断面形状と相補的である断面形状(したがって、長円形、楕円形など)を有してもよい。いくつかの実施形態では、調整可能な部材104の外側断面形状及び中間部材110の内側断面形状は、互いに嵌合的に係合するように構成された1つ以上の平坦面を含んでもよい。中間部材110は、調整可能な部材104の外面に面する少なくとも1つの溝と、ハウジング102の内面に面する少なくとも1つの溝とを含んでもよい。第1のラジアルシール、Oリング、又はリテーナ112は、調整可能な部材104の外面に面する少なくとも1つの溝内に配置され得る。第2のラジアルシール、Oリング、又はリテーナ112は、ハウジング102の内面に面する少なくとも1つの溝内に配置され得る。いくつかの実施形態では、調整可能な部材104の外面の一部分及び/又はハウジング102の内面の一部分は、第1及び/又は第2のラジアルシール、Oリング、又はリテーナ112を収容するように凹んでいてもよい。すなわち、調整可能な部材104の外面及び/又はハウジング102の内面の一部分は、その中にラジアルシール、Oリング、又はリテーナ112を受容するための、中間部材110内に形成された溝に面する相補的な溝を含んでいてもよい。ラジアルシール、Oリング、又はリテーナ112を含む中間部材110は、調整可能なインプラント100が埋め込まれたときに体液がハウジング102に入らないように、ハウジング102と調整可能な部材104との間の適切な封止を容易にするのに役立ち得る。本開示の態様から逸脱することなく、ラジアルシール、Oリング、又はリテーナ112の任意の組み合わせを中間部材110内で使用することができることを理解されたい。更に、2022年6月1日に出願された国際出願第PCT/US2022/031709号に記載されている封止又は保持機構のいずれも、本開示の態様から逸脱することなく使用することができる。国際出願第PCT/US2022/031709号は、あたかも本明細書に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0014】
図2及び図3を見ると、調整可能なインプラント100はまた、調整可能な部材104内に配置され、かつ調整可能な部材104をハウジング102に対して移動させるように構成された、作動アセンブリ116を含む。調整可能な部材104は、ハウジング102の空洞131内で移動するように構成されている。作動アセンブリ116は、外部調整装置400(図42図44を参照)によって作動するように構成されたアクチュエータ118と、アクチュエータ118に結合されたギアアセンブリ120と、ギアアセンブリ120に結合された出力ドライバ122と、出力ドライバ122を少なくとも部分的に取り囲むように配設されたナット124と、を含む。ギアアセンブリ120は、少なくとも1段の遊星ギアを含み得る。図3に例解される実施形態は、本明細書で更に考察されるように、第1段224、第2段236、及び第3段242を含む、3段のギアを含む。ナット124は、ハウジング102の内ねじ144と連通するように構成された外ねじ142(図4に詳細に示されている)を含んでもよい。
【0015】
引き続き図3を参照すると、アクチュエータ118は、調整可能な部材104内に配置する回転可能な磁気アセンブリ201を含む。磁気アセンブリ201は、磁石ハウジング204内に収容された円筒形の放射状に分極した永久磁石202を含む。永久磁石202は、ネオジム-鉄-ホウ素などの希土類磁石材料を含み得る。永久磁石202は、保護フェノールコーティングを有し、エポキシ又は他の接着剤によって磁石ハウジング204内に静的に保持され得る。磁石ハウジング204及びエポキシは、永久磁石202を更に保護するためのシールを形成する。磁石ハウジング204はまた、気密シールを作るために溶接されてもよい。製造及びアセンブリを容易にするために、磁石ハウジング204は、その中に永久磁石202を収納するための別個の磁石カップ207、208(図21及び図32を参照)を含んでもよい。磁石ハウジング204の一端は、低摩擦回転を可能にするラジアルベアリング212の内径内に嵌合する円筒形の延長部又は軸210を含む。ラジアルベアリング212の外径は、維持部材214の空洞内に嵌合する。
【0016】
維持部材214は、調整可能なインプラント100が患者の動きによって誤って調整されることを防止する。維持部材214は、調整可能なインプラント100内で、磁気アセンブリ201に近接して、軸方向に離れて配置される。維持部材214は、400シリーズステンレス鋼などの透磁性材料から作製され得る。維持部材214は、回転磁場が存在しない場合、磁気アセンブリ201の位置を維持するように構成され得る。調整可能なインプラント100が調整されていない場合(例えば、図42図44に示されている外部調整装置400を使用して)、放射状に分極した円筒形の磁石202の磁極は、維持部材214によって磁気的に引き付けられる。しかしながら、放射状に分極した円筒形の磁石202に対する十分に大きい回転磁場の効果により、磁気アセンブリ201が回転を強いられると、磁気アセンブリ201は、維持部材214の比較的弱い引力に打ち勝つ。維持部材の更なる詳細は、2019年1月17日に公開された米国特許公開第20190015138号(あたかもその全体が記載されているかのように、参照により本明細書に援用される)に見出すことができる。2022年1月20日に公開された国際公開第2022/015898(A1)号、2014年5月27日に公開された米国特許第8,734,488号、及び2013年12月19日に公開された米国特許公開第20130338714号(これらの各々は、あたかもその全体が記載されているかのように、参照により本明細書に援用される)に開示されているような他の維持部材も使用することができる。
【0017】
磁気アセンブリ201は、ギアアセンブリ120の第1の入力端部でギアアセンブリ120に結合される。ギアアセンブリ120は、その反対側の出力端部で出力ドライバ122に結合するように構成され、それによって、磁気アセンブリ201を出力ドライバ122に結合する。図3を参照すると、磁気アセンブリ201は、軸210の反対側の端部で、磁石ハウジング204と一体化され得る第1の太陽ギア218で終端する。第1の太陽ギア218はまた、別個の構成要素として作製され、例えば、溶接によって磁石ハウジング204に固定されてもよい。第1の太陽ギア218は、外部位置から患者に印加された移動磁場の印加により、磁気アセンブリ201の回転と共に(1:1の様式で)回転する。第1の太陽ギア218は、第1のギアステージ224の開口部内に挿入されるように構成され、第1のギアステージ224は、複数の遊星ギア226(例えば、3つの遊星ギア226)を含み、これらは、軸232(図21に見られる)によってフレーム228内に回転可能に保持される。第1のギアステージ224の出力である第2の太陽ギア234は、第1のギアステージ224のフレーム228と共に回転する。同一の構成要素が、第3の太陽ギア238に出力する第2のギアステージ236、及び駆動ステージ250で終端する第3のギアステージ242に存在する。駆動ステージ250は、磁石アセンブリ201から最も遠いギアアセンブリ120の端部に配置される。ギアステージ224、236、242が延在する長さに沿って、リングギア246の内壁244は、内歯248を有し、遊星ギア226の外側に延在する歯は、それらが回転する際に、内歯に沿って係合する(例えば、図21及び図28図30に例解されている)。例解された各ギアステージ224、236、242は、4:1のギア比を有し、したがって、駆動ステージ250は、磁気アセンブリ201が64回転するごとに1回転する。
【0018】
第3のギアステージ242のフレームは、駆動ステージ250を含む。図4を見ると、駆動ステージ250は、鍵付き内面254を有する開口部252を含む。鍵付き内面254は、出力ドライバ122の端部の鍵付き外面140と嵌合的に係合するように構成されている。鍵付き表面254、140の係合は、出力ドライバ122及び駆動ステージ250の互いに対する回転を防止する。鍵付き表面254、140は、例えば、六角形であってもよい。しかしながら、駆動ステージ250に対する出力ドライバ122の回転を防止する他の形状も、本開示によって企図される。出力ドライバ122を駆動ステージ250内に更に維持するために、第1のリテーナクリップ150(図3)が、駆動ステージ250の開口部252内に提供され、鍵付き外面140の近位の出力ドライバ122を少なくとも部分的に取り囲むことができる。具体的には、リテーナクリップ150は、開口部252内の凹んだ部分又はより小さい直径部分の周りに配置される。
【0019】
上で考察されたように、円筒形の永久磁石202に対する回転磁場の作用によって磁気アセンブリ201に加えられるトルクは、出力ドライバ122の回転トルクに関して64倍程度増大する。これにより、調整可能な部材104を高精度で移動させることが可能になる。64:1のギア比のために、調整可能なインプラント100は、調整可能な部材104に結合された骨セグメントを、例えば、軟組織によって作り出される強い抵抗力に抗して軸方向に変位することができる。
【0020】
図3に戻って参照すると、1つ以上のスラストベアリング146もまた、調整可能なインプラント100内に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、スラストベアリング146が、調整可能な部材104内の出力ドライバ122の少なくとも一部分の周りに配置される。スラストベアリング146は、駆動システムの磁気アセンブリ201及びギアアセンブリ120を任意の有意な圧縮応力又は引張応力から保護する役割を果たす。インプラント100に対する圧縮力が存在する場合、例えば、骨を延長させ、したがって、軟組織の引張強度に抵抗する場合、スラストベアリング146は、リテーナクリップ150及び/又はレッジ147(ledge)に当接する。
【0021】
加えて、ある特定の圧縮用途では、2つの骨折した骨のセクションを一緒に保持することが目標となる。骨が不均一な又は粉砕されたパターンで骨折している可能性があるため、調整可能なインプラント100が埋め込まれて完全に取り付けられるまで、所望の長さを決定することが難しい場合がある。これらの状況では、わずかに伸長した調整可能なインプラント100を配置し、インプラント100を固定し、次いで、調整可能なインプラント100が骨片内に固定された後、調整可能なインプラント100を磁気的に後退させることが好ましい場合がある。このようにして、インプラント100は、2つの骨片の間に所望の圧縮を加えることができる。そのような圧縮用途では、調整可能なインプラント100は、張力下にあり、スラストベアリング146は、リテーナクリップ150又はレッジ147に当接するであろう。両方の状況において、駆動システムの磁気アセンブリ201又はギアアセンブリ120ではなく、スラストベアリング146及びレッジ147が大きい応力を受ける。
【0022】
図3及び図4に示すように、出力ドライバ122は、鍵付き部分140の反対側の端部にフランジ付き部分126を含んでもよい。フランジ付き部分126は、ナット124に当接し、出力ドライバ122に対してナット124の位置を維持するように構成されている。出力ドライバ122はまた、フランジ部分126から延在するタブ128(図4)を含む。タブ128は、ジャム防止機能130(図2及び図5図6)と相互作用するように構成されている。ジャム防止機能130は、調整可能な部材104が完全に後退した状態でジャム又は失速を防止するように構成されている。具体的には、ジャム防止機能130は、調整可能な部材104がジャム又は失速する状況において、調整可能な部材104の摩擦力に打ち勝つように適合されたばね力を提供する。ジャム防止機能130は、調整可能な部材104を受容する開口部118の反対側の端部の空洞131内に配置される。ジャム防止機能130は、ばねタブ132を含む。出力ドライバ122のタブ128は、ばねタブ132を補完し、調整可能なインプラント100が完全に後退した状態にあるとき、ばねタブ132に嵌合的に係合するように構成されている。ばねタブ132は、調整可能なインプラント100が完全に後退した状態にあるときに、出力ドライバ122に対してばね力を提供して、出力ドライバ122がハウジング102内で完全に後退した状態で詰まる又は動かなくなるのを防止するように構成されている。図6に示すように、ジャム防止機能部130は、ハウジング102(図5)の空洞131内にねじ込まれるように構成されたねじ部分134を含み、そのため、ジャム防止機能130は、定位置に配置されると、ハウジング102に対して回転しない。ジャム防止機能部130はまた、カラー136の放射状に外向きの表面に配設されたスリット138を有する実質的に環状のカラー136を含む。スリット138は、カラー136の一部分を通って延在し、ばね部分139を形成することができる。ばね部分139は、スリット138によってカラー136の残りの部分から軸方向に分離され得る。ばねタブ132は、ねじ部分134の反対側にあるカラー136の端面のばね部分139上に配置される。
【0023】
合わせて、出力ドライバ122のジャム防止機能130及びタブ128は、調整可能な部材104が完全に後退した状態でジャム又は失速することを防止する。例えば、調整可能部材104は、完全に後退した状態において、後退した状態での摩擦力により動かなくなる可能性がある。したがって、外部調整装置400(図42図44)によって提供されるトルクよりも大きいトルクが、ジャム状態における摩擦力をジャンプスタート又は克服するために必要とされ得る。結果として、ジャム防止機能部130は、調整可能なインプラント100内に内蔵機構を提供して、外部調整装置400によって提供される力を上回る追加の力を提供し、それによって、そのようなジャンプスタート力を提供する。具体的には、ジャム状態において、外部調整装置400は、磁気アセンブリ201、したがって出力ドライバ122を回転させるが、調整可能な部材104は、ジャムに起因して軸方向に移動しない場合がある。ジャム状態では、タブ128は、ジャム防止機能130のばねタブ132と係合する。これにより、ばね部分139は、スリット138を横切ってカラー136の部分に向かって付勢される。外部調整装置400が出力ドライバ122を回転させ、ばね部分139がカラー136の残りの部分に向かって付勢された圧縮位置にあるとき、ばね部分139は、カラー136の残りの部分から離れて出力ドライバ122に向かって弾む。出力ドライバ122は、ジャム防止機能部130との接触を維持し、それによって、調整可能な部分104をジャム状態に保持する摩擦力に打ち勝つのに十分な力を提供する。結果として、これは、調整可能な部分104が、詰まりがなくなるようにする。
【0024】
図3に戻ると、外部調整装置400(図42図44)によるアクチュエータ118の作動時に、ナット124の外ねじ142は、ハウジング102の内ねじ144と相互作用して、調整可能な部材104をハウジング102に対して移動させるように構成されている。より具体的には、外部調整装置400によるアクチュエータ118の作動は、アクチュエータ118を回転させ、次に、ギアアセンブリ120を回転させ、次に、出力ドライバ122及びナット124を回転させる。
【0025】
図4の実施形態に示されるように、出力ドライバ122は、少なくとも1つの平坦な外面129を含むことができ、ナット124は、出力ドライバ122の少なくとも1つの平坦な外面129に係合するように構成された少なくとも1つの対応する平坦な内面125を含むことができる。この構成は、出力ドライバ122がナット124に対して回転することを防止する。したがって、出力ドライバ122が回転すると、ナット124が回転する。外部調整装置400(図42)によって磁気的に駆動される円筒形の永久磁石202の回転は、出力ドライバ122及びナット124の回転をもたらす。次いで、出力ドライバ122及びナット124の回転は、ナット124とハウジング102との間の螺合相互作用により、ハウジング102に対する調整可能な部材104の軸方向の動きに変換される。
【0026】
図7図9を見ると、調整可能なインプラント200の別の実施形態が示されている。調整可能なインプラント200は、調整可能なインプラント100と実質的に同じであり、したがって、同様の番号付けは、同じ構成要素を表し、その説明は、簡潔にするために本明細書では繰り返さない。調整可能なインプラント200は、作動アセンブリ116が、調整可能なインプラント100の出力ドライバ122及びナット124の代わりに、逆ローラねじ310(図9図13)を含むという点で、調整可能なインプラント100とは異なる。逆ローラねじ310は、摩擦を低減し、それによって、全体的な摩擦損失において、調整可能なインプラントがより効率的になる。
【0027】
より具体的には、この実施形態による作動アセンブリ116は、外部調整装置400によって作動されるように構成されたアクチュエータ118と、アクチュエータ118に結合されたギアアセンブリ120と、ギアアセンブリ120に結合されたローラドライバ312と、ローラドライバ312の周りに放射状に配置され、かつそれとねじ係合された少なくとも1つのねじ付きローラ314と、ローラドライバ312を実質的に取り囲むケージ316と、を含む。アクチュエータ118及びギアアセンブリ120は、本明細書で先に説明したものと同一であり、したがって、その説明の繰り返しは、簡潔にするために除外されている。
【0028】
ケージ316は、その中に少なくとも1つのねじ付きローラ314を受容するように構成されている、少なくとも1つの軸方向に延在する開口部322を含む。いくつかの実施形態では、ローラドライバ312は、図13に最もよく示されているように、ローラドライバ312の周りに互いに約90°離れて配置された4つのねじ付きローラ314を含む。そのような実施形態では、ケージ316は、ローラドライバ312(図10図11)の周りに互いに約90°離れて配置された4つの軸方向に延在する開口部322を含んでもよく、開口部322の各々は、その中にそれぞれのねじ付きローラ314を受容するように構成されている。しかしながら、本開示の態様から逸脱することなく、任意の数のねじ付きローラ314及び対応する開口部322(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8つ以上のねじ付きローラ314及び対応する開口部322)を含むことができることを理解されたい。
【0029】
各ねじ付きローラ314は、少なくとも1つの開口部322に近接してケージ316内に形成された切欠又はポケット320内に着座するように構成されているベアリング又はタブ318を各端部に含む。少なくとも1つの開口部322の各開口部322は、ケージ316の全厚を通って延在し、それによって、それぞれのねじ付きローラ314がケージ316を通って放射状に延在して、ローラドライバ312及びハウジング102の両方に係合することが可能になる。少なくとも1つのねじ付きローラ314の各ねじ付きローラ314は、ケージ316内のそれぞれの開口部322を通って延在し、ハウジング102の内ねじ144に係合するように構成されている。
【0030】
少なくとも1つのねじ付きローラ314及びローラドライバ312の各々は、異なるねじ構成を有する部分を含んでもよい。これにより、トルクを出力ドライバ122及びハウジング102に伝達することが可能になる。例えば、ねじ構成のうちの1つは、ハウジング102の内ねじ144と噛み合い、相互作用するように構成され得る。別のねじ構成は、ローラ314と噛み合い、相互作用するように構成され得る。
【0031】
図2図4のインプラント100に関連して上で考察された出力ドライバ122と同様に、インプラント200のローラドライバ312(図8図9など)は、駆動ステージ250の開口部252(図4)内に受容されるように構成された鍵付き部分326を含む。開口部252の鍵付き内面254は、図2図4に示されている出力ドライバ122の端部の鍵付き外面140に関して説明したのと同じ様式で、ローラドライバ312の端部の鍵付き外面326に嵌合的に係合するように構成されている。鍵付き表面254、326の係合は、ローラドライバ312及び駆動ステージ250の互いに対する回転を防止する。鍵付き表面254、326は、例えば、六角形であってもよい。しかしながら、駆動ステージ250に対するローラドライバ312の回転を防止する他の形状も、本開示によって企図される。
【0032】
加えて、出力ドライバ122と同様に、逆ローラねじ310のケージ316は、図11に示されるように、その端部に配置されたタブ328を含んでもよい。タブ328は、鍵付き部分326の反対側にあるケージ316の端部に配置され得る。タブ328(図11)は、タブ128(図4及び図20)に関して説明したのと同じ様式で、ジャム防止機能130(図2図5図6、及び図8)と相互作用して、本明細書に記載されるハウジング102に対する調整可能な部材104のジャムを防止し、かつ/又はジャムを解除するように構成されている。
【0033】
外部調整装置400によるアクチュエータ118の作動時、アクチュエータ118(すなわち、回転磁気アセンブリ201)が回転し、次に、ギアアセンブリ120を回転させる。これにより、ローラドライバ312が回転し、それによって、少なくとも1つのねじ付きローラ314も回転する。ねじ付きローラ314が回転すると、ねじ付きローラ314は、ハウジング102の内ねじ144と相互作用して、調整可能な部材104をハウジング102に対して移動させるように構成されている。
【0034】
図14及び図15は、本開示の態様による調整可能なインプラント500の別の実施形態を示す。この実施形態では、調整可能なインプラント500は、調整可能なインプラント100の鏡像構成を含む、二重ロッド調整インプラントを提供する。この実施形態では、調整可能なインプラント500は、ハウジング502と、第1の調整可能な部材504aと、第2の調整可能な部材504bと、を含む。第1の調整可能な部材504aは、ハウジング502内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング502に対して移動可能(例えば、並進可能)である。第1の調整可能な部材504aは、第1の調整可能な部材504aを骨に取り付けるために、その中に固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの固定開口部506aを含む。第2の調整可能な部材504bは、第2の調整部材504bを骨に取り付けるために、その中に固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの固定開口部506bを含む。この実施形態では、ハウジング502は、固定開口部を含まなくてもよい。第2の調整部材504bは、ハウジング502内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング502に対して移動可能(例えば、並進可能)である。第1の調整可能な部材504a及び第2の調整可能な部材504bは、互いに対してハウジング502の反対側に配置される。すなわち、第2の調整可能な部材504bは、第1の調整可能な部材504aに対してハウジング502の反対側の端部内に配置される。ハウジング502は、それぞれの調整可能な部材504a、504bをその中に受容するための2つの別個の空洞531a、531bを含む。調整可能なインプラント500は、第1の調整可能な部材504aをハウジング502に対して移動させるように構成された第1の作動アセンブリ516aと、第2の調整可能な部材504bをハウジング502に対して移動させるように構成された第2の作動アセンブリ516bと、を含み、各それぞれの調整可能な部材504a、504bはそのそれぞれの作動アセンブリ516a、516bによって個別に制御される。この実施形態では、作動アセンブリ516a、516bは、図2図4の作動アセンブリ116と実質的に同様である。すなわち、作動アセンブリ516a、516bは、各々、外部調整装置によって作動されるように構成されたアクチュエータ118と、アクチュエータ118に結合されたギアアセンブリ120と、ギアアセンブリ120に結合された出力ドライバ122と、出力ドライバ122を少なくとも部分的に取り囲むように配設されたナット124と、を含み得る。ナット124は、ハウジングの内ねじと連通するように構成された外ねじ142(図4)を含み得る。調整可能な部材500はまた、それぞれの空洞531a、531b内に配置された第1のジャム防止機能530a及び第2のジャム防止機能530bを含む。ジャム防止機能530a、530bは、本明細書に記載のジャム防止機能130(図2図5図6、及び図8)と同一である。
【0035】
図16及び図17は、本開示の態様による調整可能なインプラント600の別の実施形態を示す。この実施形態では、調整可能なインプラント600は、調整可能なインプラント200の鏡像構成を含む二重ロッド調整可能なインプラントを提供する。この実施形態では、調整可能なインプラント600は、ハウジング602と、第1の調整可能な部材604aと、第2の調整可能な部材604bと、を含む。第1の調整可能な部材604aは、ハウジング602内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング602に対して移動可能(例えば、並進可能)である。第1の調整可能な部材604aは、第1の調整可能な部材604aを骨に取り付けるために、その中に固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの固定開口部606aを含む。第2の調整可能な部材604bは、第2の調整可能な部材604bを骨に取り付けるために、その中に固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの固定開口606bを含む。この実施形態では、ハウジング602は、固定開口部を含まなくてもよい。第2の調整可能な部材604bは、ハウジング602内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング602に対して移動可能(例えば、並進可能)である。第1の調整可能な部材604a及び第2の調整可能な部材604bは、互いに対してハウジング602の反対側に配置される。すなわち、第2の調整可能な部材604bは、第1の調整可能な部材604aに対してハウジング602の反対側の端部内に少なくとも部分的に配置される。ハウジング602は、それぞれの調整可能な部材604a、604bをその中に受容するための2つの別個の空洞631a、631bを含む。調整可能なインプラント600は、第1の調整可能な部材604aをハウジング602に対して移動させるように構成された第1の作動アセンブリ616aと、第2の調整可能な部材604bをハウジング602に対して移動させるように構成された第2の作動アセンブリ616bと、を含み、各調整可能な部材604a、604bは、それぞれの作動アセンブリ616a、616bによって個別に制御される。この実施形態では、作動アセンブリ616a、616bは、図8図13の作動アセンブリ116と実質的に同様である。すなわち、作動アセンブリ616a、616bは、各々、外部調整装置400(図42図44)によって作動されるように構成されたアクチュエータ118と、アクチュエータ118に結合されたギアアセンブリ120と、ギアアセンブリ120に結合されたローラドライバ312と、ローラドライバ312の周りに放射状に配置され、かつそれとねじ係合された少なくとも1つのねじ付きローラ314と、ローラドライバ312を実質的に取り囲むケージ316と、を含むことができる。調整可能なインプラント600はまた、それぞれの空洞631a、631b内に配置された第1のジャム防止機能630a及び第2のジャム防止機能630bを含む。ジャム防止機能部630a、630bは、ジャム防止機能部130(図2図5図6、及び図8)と同一である。
【0036】
図18図20は、本開示の態様による調整可能なインプラント700の別の実施形態を示す。調整可能なインプラント700は、患者の脊椎の曲率を調整するために非侵襲的に作動されるように構成された調整可能な脊椎ロッドとして使用することができる。調整可能なインプラント700は、脊椎の周りに配置された複数の椎弓根ねじに受容されるように構成されている。示されるように、調整可能なインプラント700は、ハウジング702と、第1の調整可能な部材704aと、第2の調整可能な部材704bと、を含む。第1の調整可能な部材704aは、ハウジング702内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング702に対して移動可能(例えば、並進可能)である。第2の調整可能な部材704bは、ハウジング702内に少なくとも部分的に配設され、かつハウジング702に対して移動可能(例えば、並進可能)である。第1の調整可能な部材704a及び第2の調整可能な部材704bは、互いに対してハウジング702の反対側に配置される。すなわち、第2の調整可能な部材704bは、第1の調整可能な部材704aに対してハウジング702の反対側の端部内に配置される。ハウジング702は、それぞれの調整可能な部材704a、704bをその中に受容するための2つの別個の空洞731a、731bを含む。調整可能なインプラント700は、第1の調整可能な部材704aをハウジング702に対して移動させるように構成された第1の作動アセンブリ716aと、第2の調整可能な部材704bをハウジング702に対して移動させるように構成された第2の作動アセンブリ716bと、を含み、各調整可能な部材704a、704bは、それぞれの作動アセンブリ716a、716bによって個別に制御される。
【0037】
図20に、作動アセンブリ716aの詳細を示す。図20の考察は、作動アセンブリ716aに関するものであるが、作動アセンブリ716bにも同様に適用可能であることを理解されたい。作動アセンブリ716aは、図2図3の作動アセンブリ116のものと同様であり、したがって、同様の番号は同様の特徴を表し、その説明は簡潔にするために本明細書では繰り返さない。作動アセンブリ716aは、出力ドライバ122がアクチュエータ118(すなわち、磁気アセンブリ201)に直接結合されるという点で、前述の実施形態とは異なる。すなわち、作動アセンブリ716aは、外部調整装置400によって作動されるように構成されたアクチュエータ118と、アクチュエータ118に結合された出力ドライバ122と、出力ドライバ122を少なくとも部分的に取り囲むように配設されたナット124と、を含む。ギアアセンブリは含まれていない。この実施形態では、磁石ハウジング204は、駆動ステージ250(図3)の開口部252と同様の鍵付き内面を有する開口部720を有する延長部718を含み、それにより、出力ドライバ122の鍵付き部分140が開口部720内に受容され、磁石ハウジング204に直接結合される。したがって、外部から印加された磁場によって磁気アセンブリ201が回転すると、出力ドライバ122も1:1の比で回転する。別の実施形態(図示せず)では、逆ローラねじ310が、作動アセンブリ716a、716b内の出力ドライバ122及びナット124の代わりに使用されてもよい。
【0038】
図21図41を参照すると、ドライバの回転をロック及びロック解除するように構成され得るロック機構を含む、調整可能なインプラント300が提供される。
【0039】
図21図30を参照すると、ロック機構800は、ドライバ、例えば、磁気アセンブリ201が、ドライバの回転に応答して、順方向又は逆方向のいずれかに駆動すること、すなわち、所望の延長又は圧縮用途に応じて、いずれかの方向に回転することを可能にするように構成され得る。したがって、ロック解除位置では、ロック機構800は、ドライバによって作動されると、ドライバ及び駆動ギアシステム120が時計回りの方向又は反時計回りの方向のいずれかに回転することを可能にする。しかしながら、ロック位置では、ロック機構800は、ドライバの回転が存在しない場合、いかなる回転にも抵抗し、いくつかの実施形態では完全に防止する。結果として、ロック位置にあるとき、ロック機構800は、負荷側に対する負荷によって引き起こされた逆駆動及び延長損失に抵抗、低減、最小化、又は防止する。ロック機構800は、インプラント100、500、及び700に示されるような出力ドライバ122及びナット124、インプラント200及び600に示されるような反転ローラねじ310、又はインプラント300に示されるような親ねじ222と組み合わせて使用することができる。前述のトルク受容構成要素の各々は、例えば、図21に示される駆動ステージ250に係合するように構成され得る、鍵付き機能140、326を含む。
【0040】
インプラント300は、ドライバを含み、これは、回転運動の任意のアクチュエータであり得る。図21に示される実施形態では、ドライバは、本明細書で先に説明した磁気アセンブリ201であり、これは、磁場の印加によって回転するように構成されている円筒形の永久磁石202と、円筒形の永久磁石202の周りに配設された磁石ハウジング204と、を含む。磁石ハウジング204は、図21に示されるように、別個の磁石カップ207、208から構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、ドライバは、例えば、モータであってもよい。更に、様々な実施形態では、駆動ギアシステムは、本明細書に記載されるギアアセンブリ120であってもよく、特に、遊星ギアシステム(複数の遊星ギア226(図21参照)を介してリングギア246(図28図30図32図40図41参照)に係合するように構成されている太陽ギア218を含む)であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、駆動ギアアセンブリは、例えば、サイクロイドギアアセンブリであってもよい。更に他の実施形態では、磁気アセンブリ201は、磁気アセンブリ201と、親ねじ、出力ドライバ、又は逆ローラねじとの間に駆動ギアアセンブリを介在させることなく、インプラント700(図18図20)の様式で、親ねじ、出力ドライバ、又は逆ローラねじに直接係合してもよい。
【0041】
上述したように、図21図22は、ドライバが、磁石ハウジング204内に配設された円筒形の永久磁石202を含む磁気アセンブリ201の形態にある実施形態を例解する。磁石ハウジング204は、第1の駆動ピン802及び第2の駆動ピン804を含む。図22に最もよく示されているように、第1の駆動ピン802及び第2の駆動ピン804の各々は、磁石ハウジング204の第1の端部から、円筒形の磁石202及び磁石ハウジング204の長手方向軸に平行な方向に延在する。第1の駆動ピン802及び第2の駆動ピン804は、磁石ハウジング204の端面上で互いに約180度離れて実質的に反対側に配設されるように、磁石ハウジング204の端面上に配置されてもよい。磁石ハウジング204は、磁石ハウジング204の第1の端部に開口し、第1の駆動ピン802と第2の駆動ピン804との間に配設されている中心凹部807を更に含んでもよい。中心凹部807は、円筒形の磁石202及び磁石ハウジング204の長手方向軸、すなわち回転軸を中心とするか、又はそれと同心円状であってもよい。
【0042】
図21に戻って参照すると、鍵付き駆動ギア820は、本明細書で更に考察されるキーパー(keeper)830を介して、ドライバによって(例えば、磁石ハウジング204によって)駆動されるように構成されている。図26図27に詳細に示されている鍵付き駆動ギア820は、鍵付き部分824に結合された中心ピン822と、鍵付き部分824が中心ピン822に結合されている端部の反対側の端部で鍵付き部分824に結合されたギア218と、を含む。したがって、鍵付き部分824は、中心ピン822とギア218との間に配設され、その各々は、駆動ギア820の鍵付き部分824にその両端で結合される。中心ピン822、鍵付き部分824、及びギア218は、互いに実質的に同軸にあってもよい。上述したように、ギア218は、遊星ギアシステムの太陽ギアであってもよい。組み立てられると、中心ピン822は、磁石ハウジング204の中心凹部807内に少なくとも部分的に配設されるように構成されている(例えば、図21図22を参照)。鍵付き部分824は、トルクを伝達するように構成された任意の非円形の鍵付き断面形状(例えば、正方形、六角形、長方形、星形など)を有してもよい。特定の実施形態では、鍵付き部分824は、正方形の断面形状を有してもよい。
【0043】
キーパー830は、駆動ギア820の少なくとも一部分の上に配設され、駆動ギア820とドライバとの間に介在する。キーパー830は、ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)の回転に応答して(例えば、回転することによって)、ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されている。ロック位置では、キーパー830は、駆動ギアシステム120に対する負荷の下で、駆動ギア820及び磁石ハウジング204の回転に抵抗する、低減する、最小化する、又はある特定の実施形態では防止するように構成され、ロック解除位置では、キーパー830は、駆動ギア820及びドライバ(例えば、磁石ハウジング204)の回転を可能にするように構成されている。
【0044】
図23図25で最もよく分るように、キーパー830は、第1の面834及び第2の面836を有する本体を含み、第1の面834は、ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)に係合するように構成され、第2の面836は、鍵付き駆動ギア820を介して駆動ギアシステムに係合するように構成されている。
【0045】
鍵付き開口部841が本体内に配設され、かつ第2の面836に対して開口している。鍵付き開口部841は、駆動ギア820の鍵付き部分824を受容し、回転可能に係合するように構成されている。鍵付き開口部841は、キーパー830の本体の第2の面836からキーパー830の部分的な厚さを通って延在してもよい。鍵付き開口部841は、例えば、鍵付き部分824がキーパー830の鍵付き開口部841内に雄/雌係合で嵌合するように、駆動ギア820の鍵付き部分824との相補的な嵌合を提供するような形状及び寸法である。例えば、鍵付き部分824が正方形、六角形、長方形、星形、又は他の形状を有する場合、鍵付き開口部841は、相補的な正方形、六角形、長方形、星形、又は他の鍵付き形状を締まり嵌めで受容するような寸法である対応する正方形、六角形、長方形、星形、又は他の形状を有することができる。その結果、キーパー830及び駆動ギア820は、鍵付き開口部841を介して互いに回転可能に固定される。例えば、鍵付き部分824が正方形である実施形態では、鍵付き開口部841も正方形であり得る。
【0046】
キーパー830はまた、駆動ギア820の中心ピン822を受容するように構成されている開口部832を本体内に含み得る。開口部は、キーパー830の第1の面834から本体の少なくとも部分的な厚さを通って延在してもよい。開口部832及び鍵付き開口部841は、開口部832及び鍵付き開口部841が互いに部分的に重なり得るように、互いに流動的に結合され得る。したがって、開口部832は、第1の面834からキーパー830の本体の全厚を通って特定の領域の第2の面836まで効果的に(effectively:有効に)延在してもよい。鍵付き開口部841は、駆動ギア820の鍵付き部分824の回転を駆動するように構成されている、駆動面840によって境界付けられてもよく、一方、開口部832は、中心ピン822の並進を可能にするように構成されている、シャフト逃げ面842によって境界付けられてもよい。特に、開口部832は、図25図29、及び図30に示されているように、シャフト逃げ面842によって画定される長円形又はスロット形状部分を含んでもよい。この長円形は、図29のロック位置から図30のロック解除位置への中心ピン822及び開口部832の相対位置の変化に例解されるように、キーパー830の本体が動作中に中心ピン822に対して並進することを可能にし得る。キーパー830は、図23に示されているように、駆動面840とシャフト逃げ面842との間に配設された段差面838を更に含んでもよい。
【0047】
キーパー830は、キーパー830の第1の端部に配設され、そこから軸方向に延在する少なくとも1つのロック歯854を更に含む。ロック歯854は、使用時に、駆動ギアシステムのリングギア248の内壁244上の内歯248と解放可能に噛合又は係合するように構成されている(図29及び図30を参照)。
【0048】
キーパー830は、キーパー830の第1の面834上に配設された第1の戻り止め846を更に含むことができ、第1の戻り止め846は、第1の駆動ピン802に係合するように構成されている。第1の戻り止め846は、特に、開口部832と本体の第1の端部(ロック歯854を含む)との間に配設されてもよい。キーパー830は、キーパー830の第1の面834にまた配設された第2の戻り止め850を更に含むことができ、第2の戻り止め850は、第2の駆動ピン804に係合するように構成されている。第2の戻り止め850は、特に、キーパー830の第1の端部の反対側の第2の端部に配設され、開口部832と流動的に接続され得る。同じ結果を得るには、代替的に、第1の戻り止め846が第2の駆動ピン804を受容してもよく、第2の戻り止め850が第1の駆動ピン802を受容してもよいことに留意されたい。
【0049】
第1の戻り止め846及び第2の戻り止め850の各々は、それぞれの傾斜面848、852を含んでもよく、それぞれの駆動ピン802、804は、傾斜面に沿って移動するように構成されている。第1の傾斜部848及び第2の傾斜部852は、各々、ほぼ又は実質的にu字形又はv字形の傾斜面を有するように湾曲又は傾斜するように構成され得る。各傾斜部848、852は、互いに横方向に位置合わせされ、キーパー830上のロック歯854とも横方向に位置合わせされる天頂を含むことができる。したがって、第1の戻り止め846及び第2の戻り止め850の各々に配設された駆動ピン802、804は、キーパー830がロック位置にあるとき、第1の傾斜部848及び第2の傾斜部852の天頂に配置される。それぞれの第1の戻り止め846及び第2の戻り止め850の各々に配設された駆動ピン802、804は、キーパー830がロック解除位置に移動するとき、それぞれの第1の傾斜部848及び第2の傾斜部852を上方に移動させるように構成されている。このようにして、第1の戻り止め846及び第2の戻り止め850は、第1の傾斜部848及び第2の傾斜部852の長さによって制限される程度まで、キーパー830に対するドライバ(例えば、磁石ハウジング204)の回転を可能にするように構成されている。ある特定の実施形態では、第1の戻り止め846及び第2の戻り止め850は、各々、キーパー830の部分的な厚さを通って延在する。
【0050】
図23に例解されているように、キーパー830は、鍵付き開口部841からキーパー830の第2の端部を通って延在する穴844を更に含む。キーパー830の第2の端部は、ロック歯854が配設されている第1の端部の反対側の端部である。駆動ギア820のキー部分824はまた、穴828(図26図27を参照)を含み、これは、図28のように組み立てられると、穴844と位置合わせされる。したがって、キーパー830の穴844及び828と、駆動ギア820の鍵付き部分824とは、実質的に連続した穴又はチャネルを形成する。ロック機構800は、位置合わせされた穴844及び828内に配設された付勢部806を更に含む。付勢部806は、例えば、ばねであってもよい。付勢部806は、磁石ハウジング204及び駆動ギア820の長手方向軸を横切って、又はそれに実質的に垂直な方向で、キーパー830を付勢するように構成され得る。図21を参照すると、ロック機構800は、ラジアルベアリング808を更に含んでもよく、これは、磁石ハウジング204、キーパー830、及び鍵付き駆動ギア820の少なくとも一部分の周りに配設することができ、磁石ハウジング204、キーパー830、及び鍵付き駆動ギア820の端部のうちの2つ以上の間の同軸関係を維持するように構成することができる。
【0051】
動作中、キーパー830を含むロック機構800は、ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)が静止しているとき、デフォルトでロック位置になる(図29参照)。ロック位置では、付勢部806は、キーパー830上のロック歯854が付勢されてリングギア246の内面244の歯248と噛合係合するように、リングギア246及び駆動ギア820に対してキーパー830を付勢するように構成されている。特に、ロック歯854は、その拡張状態において、付勢部806の付勢力の下でリングギア246の2つの歯248の間の係合を維持することができる。この付勢力は、磁石ハウジング204及び鍵付き駆動ギア820の長手方向軸を横切って、又は垂直に加えられ得る。戻り止めの形状により、第1の駆動ピン802及び第2の駆動ピン804は、ロック位置でそれぞれの傾斜部848、852の各々の天頂位置に配設される。この位置で、キーパー830は、駆動ギア820及び磁石ハウジング204の回転に抵抗する。回転に対するこの抵抗は、駆動ギアシステム上のいかなる負荷とも無関係である。
【0052】
ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)が回転すると、かつそれに応答して、キーパー830は、ロック位置からロック解除位置に移行する。磁石ハウジング204が時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に回転すると、駆動ピン802、804は、傾斜部848、852の湾曲又は傾斜に従って天頂位置から移動する。図30に示されている実施形態では、磁石ハウジング204は反時計回りの方向に回転していたが、キーパー830は、回転が時計回りである場合と同様に機能するであろう。この回転により、キーパー830は、傾斜部848、852と駆動ピン802、804との間の相互作用によって付勢されて、第1の端部の反対側の第2の端部の方向に中心ピン822に対して軸方向に並進する。ロック歯854は、ロック解除位置に向かうキーパー830の並進に対して、キーパー830の後端部に配設される。キーパー830のこの並進は、付勢部806(図28)を圧縮し、ロック歯854をリングギア246から係合解除させる。ロック歯854がリングギア246の歯248から係合解除されると、キーパー830は、そのロック解除位置に移動し、そこで、鍵付き駆動ギア820、したがって、磁石ハウジング204及び駆動ギアアセンブリ120は、リングギア246に対して自由に回転することができる。
【0053】
磁石ハウジング204の回転が停止すると、かつそれに応答して、反対のプロセスが起こる。磁石ハウジング204の回転がない場合、付勢部806の付勢力の下で、駆動ピン802、804は、傾斜部848、852に沿って下方に移動して、図29に示されている天頂位置に戻り、キーパー830は、中心ピン822に対して軸方向に並進する。ロック歯854は、ロック位置に向かうこの並進運動に関して、キーパー830の先端部にある。ロック歯854は、リングギア246の歯248と係合し、それによって、キーパー830の回転を防止し、したがって、キーパー830に回転可能に固定されている鍵付き駆動ギア820の回転を防止する。鍵付き駆動ギア820が回転可能にロックされると、太陽ギア218、ギアアセンブリ120のバランス、及び親ねじ222又は他のトルク受容構成要素若しくは要素も回転可能にロックされる。このようにして、親ねじ222及びギアアセンブリ120にかかる負荷にかかわらず、又はそれとは無関係に、延長又は圧縮損失が抵抗され、いくつかの実施形態では防止され得る。
【0054】
図31図41を参照すると、調整可能なインプラント300は、前述のロック機構800を含むインプラント300に代替的な実施形態を提供し得る、ロック機構900を含んでもよい。ロック機構800と同様に、ロック機構900は、例えば、調整可能なインプラント100、500、及び700の文脈で例解されているような出力ドライバ122及びナット124、又は調整可能なインプラント200及び600の文脈で例解されているような逆ローラねじ310などのドライバ及び親ねじ222又は他のトルク受容性能若しくは構成要素の回転をロック及びロック解除するように構成されている。
【0055】
ロック機構800と同様に、ロック機構900は、ドライバが、ドライバの回転に応答して、順方向又は逆方向のいずれかに駆動すること(すなわち、所望の延長又は圧縮用途に応じて、時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に回転すること)を可能にするように構成され得る。したがって、ロック解除位置では、ロック機構900は、ドライバによって作動されると、ドライバ及び親ねじが時計回りの方向又は反時計回りの方向のいずれかに回転することを可能にする。しかしながら、ロック位置では、ロック機構900は、ドライバの回転が存在しない場合にいかなる回転にも抵抗し、いくつかの実施形態では完全に防止する。結果として、ロック機構900は、ロック位置にあるとき、親ねじ222に対する負荷によって引き起こされた延長損失に抵抗、低減、最小化、又は防止する。
【0056】
様々な実施形態では、ドライバは、回転運動の任意のアクチュエータであってもよい。例えば、図31図41に示される実施形態では、ドライバは、磁場の印加によって回転するように構成されている、円筒形の永久磁石202を含む、本明細書に説明される磁気アセンブリ201である。磁石ハウジング204は、円筒形の永久磁石202の周りに配設することができる。磁石ハウジング204は、図32に示されているように、別個の磁石カップ207、208から構成されてもよい。他の実施形態では、ドライバは、例えば、モータであってもよい。
【0057】
上述したように、図32図33は、ドライバが磁石ハウジング204内に配設された円筒形の永久磁石202(図39)の形態にある実施形態を例解する。磁石ハウジング204は、第1の駆動ピン902及び第2の駆動ピン904を含む。図33に最もよく示されているように、第1の駆動ピン902及び第2の駆動ピン904の各々は、磁石ハウジング204の第1の端部から、円筒形の永久磁石202の回転軸に平行な方向に軸方向に延在する。第1の駆動ピン902及び第2の駆動ピン904は、磁石ハウジング204の端面上で互いに約180度離れて実質的に反対側に配設されるように配置され得る。
【0058】
図37図38に詳細に示され、図31図32、及び図39図41に関連して示されている鍵付き駆動ステージ920は、ドライバによって(例えば、磁石ハウジング204)によって駆動されるように構成されている。鍵付き駆動ステージ920は、トルク入力端部(図38に最もよく見られる)上に、第1の回転スロット922及び第2の回転スロット924を含み、各々は、第1の駆動ピン902及び第2の駆動ピン904のうちの1つを受容するように構成されている。したがって、第1の回転スロット922及び第2の回転スロット924は、それらが互いに実質的に反対側に配置され、鍵付き駆動ステージ920の入力端部上で互いに約180度離れて配設されるように配置され得る。第1の回転スロット922及び第2の回転スロット924の各々は、回転スロット922、924に対するドライバの限られた量の回転を可能にするように構成された弓形の形状を有してもよい。入力端部は、本明細書に記載されるように、キーパー930を受容し、本明細書で更に説明されるように、キーパー930が鍵付き駆動ステージ920の回転軸を横切って並進することを可能にするような形状及び寸法の凹部927を更に含み得る。なお更に、凹部927は、キーパー930の並進経路上でキーパー930を画定又は案内するように構成された垂直案内面929を含み得る。凹部927は、本明細書で更に説明されるように、キーパー930が、鍵付き駆動ステージ920の端部の外周を越えて、又はそれを横切って並進することを可能にし、キーパー930が、鍵付き駆動ステージ920の周りに配設されたリングギア246と係合することを可能にするように更に構成され得る。
【0059】
鍵付き駆動ステージ920の第2のトルク出力端部(図37に最もよく示されている)には、本明細書の他箇所で記載されるように、鍵付き内面254を有する開口部252が設けられている。開口部252は、例えば、親ねじ222の端部上の外部鍵付き表面140などの鍵付き雄機能を嵌合的に受容し、かつ係合し、トルクを伝達するように構成され得る。代替的に、出力ドライバ122の端部上の外部鍵付き表面140又は逆ローラねじ310の端部上の外部鍵付き表面326は、鍵付き駆動ステージ920内の開口部252と同様に係合してもよい。鍵付き開口部252は、トルクを伝達するように構成された任意の断面形状、例えば、正方形、長方形、六角形、又は星形を有することができる。鍵付き駆動ステージ920は、例えば、図3図9図20図31、及び図39に関して本明細書に記載されるリテーナ150を更に含むことができる。
【0060】
図34図36に詳細に示され、図31図32、及び図39図41の文脈で示されているキーパー930は、鍵付き駆動ステージ920の凹部927内に配設されるように構成され得る。キーパー930は、ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)の回転に応答して、ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されている。具体的には、キーパー930は、ドライバの回転に応答して、回転及び並進し、それによって、ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されている。ロック位置では、キーパー930は、親ねじ222に対する負荷の下で、鍵付き駆動ステージ920及び磁石ハウジング204の回転に抵抗する、低減する、最小化する、又はある特定の実施形態では防止するように構成されている。ロック解除位置では、キーパー930は、鍵付き駆動ステージ920及びドライバ(例えば、磁石ハウジング204)の回転を可能にするように構成されている。
【0061】
図34図36で最もよく分るように、キーパー930は、鍵付き駆動ステージ920の凹部927(図38)内に受容するように構成された本体を含む。キーパー930は、凹部927上の垂直案内面929と協働して、キーパー930が凹部927に沿って並進することを可能にし、かつキーパー930が鍵付き駆動ステージ920の回転を駆動することを可能にするように構成されている駆動面940を含むことができる。駆動面940は、互いに平行又は実質的に平行であり、鍵付き駆動ステージ920の回転軸に垂直である、真っ直ぐな又は実質的に真っ直ぐな面であってもよい。
【0062】
キーパー930は、キーパー930の第1の端部に配設され、そこから軸方向に延在する少なくとも1つのロック歯954を含んでもよい。ロック歯954は、使用時に、リングギア248の内壁244上の内歯248と解放可能に噛合又は係合するように構成されている(図40及び図41を参照)。ロック歯は、任意の嵌合する雄/雌形状、例えば、正方形又は三角形の歯形状であってもよい。キーパー930は、第1の戻り止め946を更に含み、これは、ロック歯954の近くの第1の端部に配設されてもよく、ロック歯954と横方向に位置合わせされてもよい。第1の戻り止め946は、使用時に、第1の駆動ピン902に係合するように構成され得る。キーパー930は、第1の端部の反対側のキーパー930の第2の端部に配設された第2の戻り止め950を更に含むことができ、第2の戻り止め950は、第2の駆動ピン904と係合するように構成されている。第2の戻り止めはまた、第1の戻り止め946及びロック歯954と横方向に位置合わせされてもよい。代替的に、第1の戻り止め946は、第2の駆動ピン904と係合してもよく、第2の戻り止め950は、同等の効果で、第1の駆動ピンと係合され得ることに留意されたい。
【0063】
第1の戻り止め946及び第2の戻り止め950の各々は、それぞれの傾斜面948、952を含んでもよく、それぞれの駆動ピン902、904は、傾斜面に沿って移動するように構成されている。第1の傾斜部948及び第2の傾斜部952は、各々、ほぼ又は実質的にu字形又はv字形の傾斜部面を有する、キーパー830上の第1の傾斜部848及び第2の傾斜部852(図25を参照)と同様に、湾曲又は傾斜するように構成され得る。各傾斜部948、952は、他方と横方向に位置合わせされ、キーパー930上のロック歯954とも横方向に位置合わせされる天頂を含むことができる。したがって、第1の戻り止め946及び第2の戻り止め950の各々に配設された駆動ピン902、904は、キーパー930がロック位置にあるときに、第1の傾斜部948及び第2の傾斜部952の天頂に配置され、ロック歯954と整列する。それぞれの第1の戻り止め946及び第2の戻り止め950の各々に配設された駆動ピン902、904は、キーパー930がロック解除位置に移動するときに、それぞれの第1の傾斜部948及び第2の傾斜部952を上方に移動させるように構成されている。ある特定の実施形態では、第1の戻り止め946及び第2の戻り止め950は、各々、キーパー930の全厚を通って延在する。
【0064】
図34図36に示すように、キーパー930は、ばね案内スロット944を更に含む。戻り止め946及び950とは異なり、ばね案内スロット944は、キーパー930の部分的な厚さのみを通って延在してもよい。ばね案内スロット944は、湾曲していてもよく、その中に付勢部又はばね906(図32参照)の一部分を受容するように構成されてもよい。したがって、ばね案内スロット944の形状及びサイズは、ばね906の一部分の形状及びサイズと相補的であってもよい。
【0065】
ロック機構900は、部分的にばね案内スロット944内に配設され、部分的に凹部927内のばね輪郭928内に配置され得る付勢部又はばね906を更に含む。付勢部906は、ばね輪郭928から離れるようにキーパー930を付勢するように構成されてもよい。凹部927は、ばね輪郭928の反対側にある端部926で開口してもよい。したがって、付勢部は、ロック歯954が鍵付き駆動ステージ920の外周を越えて延在するように、磁石アセンブリの回転軸を横切って、又はそれに対して実質的に垂直な方向にキーパー930を付勢するように構成され得る。使用中、これにより、ロック機構900は、図40に示されているロック位置を達成することが可能になる。
【0066】
図31図32、及び図39を参照すると、ロック機構900は、ラジアルベアリング908を更に含んでもよく、これは、磁石ハウジング204の少なくとも一部分の周りに配設されてもよく、磁石ハウジング204、キーパー930、及び鍵付き駆動ステージ920の間の空間的関係を維持するのを助けるように構成され得る。
【0067】
動作中、キーパー930を含むロック機構900は、ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)が静止しているとき、デフォルトでロック位置になる(図40参照)。ロック位置では、付勢部906は、キーパー930を開口端部926に向かって付勢し、凹部927のばね輪郭928に対して付勢するように構成されている。拡張状態にある付勢部906の力の下で、キーパー930は、回転軸を横切り、凹部927の開口端926に向かって、かつ少なくとも部分的にそれを通って並進し、その結果、キーパー930上のロック歯954は、鍵付き駆動ステージ920の外周を越えて延在し、リングギア246の内面244上の歯248と噛み合い係合するように付勢される。第1の戻り止め946及び第2の戻り止め950の形状により、第1の駆動ピン902及び第2の駆動ピン904は、それぞれの傾斜部948、952の各々の天頂位置に配設される。この位置において、キーパー930は、鍵付き駆動ステージ920の回転に、親ねじ222(図39を参照)に対する負荷の下で抵抗する。
【0068】
ドライバ(例えば、磁石ハウジング204)が回転すると、かつそれに応答して、キーパー930は、ロック位置からロック解除位置に移行する。磁石ハウジング204が時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に回転すると、駆動ピン902、904は、傾斜部948、952の湾曲又は傾斜に従って天頂位置から移動する。図41に示されている位置では、磁石ハウジング204は反時計回りの方向に回転していたが、キーパー930は、回転が時計回りである場合と同様に機能するであろう。この回転により、キーパー930は、開口端926から離れる方向に、凹部927に対して軸方向に並進する。この並進運動に対して、ロック歯954は、キーパー930の後端部に配設される。この並進により、ロック歯954がリングギア246から係合解除され、付勢部906がキーパー930によって、特に、ばね案内スロット944によって、圧縮される。ロック歯954がリングギア246の歯248から係合解除されると、キーパー930は、そのロック解除位置に移動し、そこで、鍵付き駆動ステージ920、したがって、親ねじ222は、リングギア246に対して自由に回転することができる。
【0069】
磁石ハウジング204の回転が停止すると、かつそれに応答して、反対のプロセスが起こる。磁石ハウジング204の回転がない場合、付勢部906の付勢力の下で、駆動ピン902、904は、傾斜部948、952に沿って下方に移動して、図40に示されている天頂位置に戻り、キーパー930は、凹部927に対して軸方向に並進する。ロック歯954は、この並進運動に関して、キーパー930の先端部にある。ロック歯954は、リングギア246の歯248と係合し、それによって、鍵付き駆動ステージ920の回転を防止する。鍵付き駆動ステージ920が回転可能に固定される場合、親ねじ222も回転可能に固定される。このようにして、親ねじ222又は他のトルク受容構成要素若しくは機能にかかる負荷にかかわらず、又はそれとは無関係に、逆駆動及び結果として生じる延長又は圧縮損失が阻止され、いくつかの実施形態では防止され得る。
【0070】
図42図44は、記載されるように、調整可能なインプラント100、200、300、500、600、700内の永久磁石202を回転させることによって、調整可能なインプラント100、200、300、500、600、700の非侵襲的な調整を可能にするために、移動磁場を印加するように構成された外部調整装置400を例解する。図42は、外部調整装置400の内部構成要素を例解し、明確な参照のために、アセンブリの残りの部分を除いて、調整可能なインプラント100、200、300、500、600、700の永久磁石202を示す。外部調整装置400の内部動作構成要素は、ある特定の実施形態では、米国特許出願公開第2012/0004494号(参照により本明細書に援用される)に記載されているものと同様であってもよい。ギアボックス404を備えたモータ402は、モータギア406に出力する。モータギア406は、第1の磁石ギア410及び第2の磁石ギア412を同一の回転速度で回転させるための適切な数の歯を有する、中心(アイドラ)ギア408に係合し、回転する。第1の磁石414及び第2の磁石416は、それぞれ、第1の磁石ギア410及び第2の磁石ギア412と連動して回転する。各磁石414、416は、それぞれの磁石カップ418(部分的に示されている)内に保持される。例示的な回転速度は、60RPM以下である。この速度範囲は、体組織及び体液に誘導された電流密度の量を制限するために、国際的なガイドライン又は基準を満たすために望ましい場合がある。図42に見られるように、第1の磁石414のS極422は、第2の磁石416のN極424と同じ方向に向いており、同様に、第1の磁石414は、第2の磁石416のS極428と同じ方向に向いているN極426を有する。これらの2つの磁石414、416が同期して一緒に回転すると、それらは、N極432及びS極434を有する放射状に分極した永久磁石202に相補的かつ相加的な移動磁場を印加する。複数のN極(例えば、2つ)及び複数のS極(例えば、2つ)を有する磁石もまた、装置の各々において企図される。2つの磁石414、416が第1の回転方向442(例えば、反時計回り)に回転すると、磁気結合により、永久磁石202が反対の第2の回転方向444(例えば、時計回り)に回転する。モータ402の回転方向及び磁石414、416の対応する回転方向は、ボタン446、448によって制御される。1つ以上の回路基板452は、磁石414、416の回転を感知すること、及び磁石414、416の回転を制御することの両方のための制御回路を含む。
【0071】
図43及び図44は、大腿骨(図43)又は脛骨(図44)に配置された調整可能なインプラント100、200、300、500、600、又は脊柱弯曲に沿って配置された調整可能なインプラント700と共に使用するための外部調整装置400を示す。外部調整装置400は、外部調整装置400を運ぶ又は固定するための、例えば、(図43のように)上腿456又は(図44のように)下腿457に対して安定させるための第1のハンドル454を有する。調整可能なハンドル458は、枢動点460、462で外部調整装置400に回転可能に取り付けられる。枢動点460、462は、ハウジング464に対して調整可能なハンドル458を所望の角度に調整し、向きをロックすることができるように、ばね仕掛けのブレーキ、ラチェット、又は締め付けねじなどの容易にロック可能/ロック解除可能な機構を有する。調整可能なハンドル458は、図43及び図44において、2つの異なる位置で示されている。図43において、調整可能なハンドル458は、ループ468の天頂466がハウジング464に凭れるように設定される。この位置において、患者470は、調整手順(例えば、0.10mm~1.50mmの間で骨を移動すること)が行われている間、グリップ472、474の一方又は両方を握ることができる。手順は、骨延長装置のための延長手順又は骨の外部に取り付けられる延長プレートのための延長手順であってもよいことが企図される。図44を見ると、調整可能なインプラント100、200、300、500、600が脛骨に埋め込まれるとき、調整可能なハンドル458は、外部調整装置400の磁石領域476が、永久磁石202を含む調整可能なインプラント100、200、300、500、600の部分の上に保持されるように、患者470が頂部466を掴むことができる位置に変更されてもよい。いずれの場合も、患者470は、ディスプレイ482を含む制御パネル478をはっきり見ることができる。図42における2つの方向ボタン414、416とは異なる構成において、制御パネル478は、スタートボタン484、ストップボタン486、及びモードボタン488を含む。外科医は、回路基板452上に含まれる制御回路を使用して、各特定の患者の特定の態様に関する重要な情報を記憶することができる。例えば、一部の患者では、インプラントを脛骨内に順行的に配置することができる。他の患者では、インプラントは、大腿骨の周りに順行的又は逆行的にのいずれかで配置され得る。更に他の患者では、インプラントは、患者の脊柱の弯曲領域の周りに配置されてもよい。これらの各々の場合において、骨を遠位から近位に、又は近位から遠位に移動させることが望ましい場合がある。外部調整装置400内の各特定の患者に特有のこの種の情報を記憶する能力を有することによって、外部調整装置400は、磁石414、416を自動的に正しい方向に回転させるように指示するように構成することができ、一方、患者は、外部調整装置400を所望の位置に配置し、スタートボタン484を押すだけでよい。1日当たりの最大許容骨輸送長及び1セッション当たりの最大許容骨輸送長の情報はまた、安全目的のために外科医によって入力及び記憶することができる。これらは、SDカード若しくはUSB装置を介して、又はワイヤレス入力によって追加することもできる。追加の特徴は、皮膚の上に配置される外部調整装置400の部分にあるカメラである。例えば、カメラは、第1の磁石414と第2の磁石416との間に配置されてもよい。埋め込まれた永久磁石202を直接覆う皮膚は、消えないインクでマークされ得る。次いで、カメラからのライブ画像が、制御パネル478のディスプレイ482上に表示され、ユーザが、第1の磁石414及び第2の磁石416を、皮膚にマークされた領域の真上に配置することが可能になる。ディスプレイ482上で、十字線をライブ画像の上に重ねることができ、ユーザが十字線の間の皮膚上のマークを位置合わせし、したがって、外部調整装置400を最適に配置することが可能になる。
【0072】
他の外部調整装置が、本明細書に記載の延長装置の作動を引き起こすために使用され得る。このような外部調整装置は、例えば、2013年2月26日に公開された米国特許第8,382,756号、2016年2月2日に公開された米国特許第9,248,043号、2015年7月14日に公開された米国特許第9,078,711号、2015年6月2日に公開された米国特許第9,044,281号、2022年2月15日に公開された米国特許第11,246,694号、2016年4月28日に公開された米国特許出願公開第2016/0113683(A1)号、2020年11月17日に公開された米国特許第10,835,290号、及び2020年8月13日に国際公開第2020/163800(A1)号として公開された国際出願第PCT/US2020/017338号に記載されているものを含む(これらは全て、あたかもそれらの全体が記載されているかのように、参照により本明細書に援用される)。
【0073】
上記の実施形態は、主に外部磁気駆動システムに関連しているが、他の駆動システムも使用することができる。例えば、磁石ベースの駆動に加えて、又はその代わりに、駆動要素のうちの1つ以上は、埋め込まれた電気モータの形態をとることができる。埋め込まれた電気モータは、外部電源(例えば、高周波リンクを介して、超音波エネルギー伝達技術を介して、誘導接続を介して、別の技術を介して、若しくはそれらの組み合わせを介して)又は埋め込まれた電源(例えば、外部電源によって充電され得るバッテリ)によって電力供給される。埋め込まれた電源は、インプラント内(例えば、そのハウジング内)にあってもよく、又はインプラントから分離され、ケーブルを介してインプラントに結合されてもよい。
【0074】
上記の明細書及び特許請求の範囲において、「~のうちの少なくとも1つ」又は「~のうちの1つ以上」などの語句は、要素又は特徴の連言的なリストが後に続く場合がある。「及び/又は」という用語は、2つ以上の要素又は特徴のリストに現れる場合がある。別段、使用される文脈と暗黙的又は明示的に矛盾しない限り、そのような語句は、列挙された要素若しくは特徴のいずれかを個別に、又は列挙された要素若しくは特徴のいずれかを他の列挙された要素若しくは特徴のいずれかと組み合わせて意味することが意図される。例えば、語句「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの1つ以上」、並びに「A及び/又はB」は、各々、「Aのみ、Bのみ、又はAとBとの組み合わせ」を意味することが意図される。同様の解釈は、3つ以上の項目を含むリストについても意図される。例えば、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、並びに「A、B、及び/又はC」は、各々、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとの組み合わせ、AとCとの組み合わせ、BとCとの組み合わせ、又はAとBとCとの組み合わせ」を意味することが意図される。上記及び特許請求の範囲における「に基づく」という用語の使用は、列挙されていない特徴又は要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図されている。
【0075】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「第1」、「第2」などの用語は、順序、量、又は重要性を示すものではなく、むしろある要素を別の要素から区別するために使用され、また、本明細書における「1つの(a,an」」という用語は、量の限定を示すものではなく、参照される項目のうちの少なくとも1つの存在を示す。本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではない点が、更に理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「実質的に」とは、主に、ほとんどの場合、完全に特定されたもの、又は本開示と同じ技術的利点を提供する任意のわずかな逸脱を指す。
【0076】
前述の説明で記載された実装形態は、本明細書で説明される主題と一致する全ての実装形態を表すわけではない。むしろ、それらは、説明された主題に関連する態様と一致するいくつかの例にすぎない。本明細書ではいくつかの変形例を詳細に説明してきたが、他の修正又は追加も可能である。特に、更なる特徴及び/又は変形例が、本明細書に記載されるものに加えて提供され得る。例えば、上記の実装形態は、開示された特徴の様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせ、並びに/又は本明細書で開示されたものに加えて、1つ若しくは複数の特徴の組み合わせ及び部分的な組み合わせを対象とすることができる。加えて、添付の図面に示され、及び/又は本明細書で説明される論理フローは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序又は連続した順序を必ずしも必要としない。以下の特許請求の範囲の範囲は、他の実装形態又は実施形態を含み得る。
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【国際調査報告】