(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】タンディッシュユニットのための交換システム、交換システムのためのタンディッシュユニット、霧化設備、並びに、金属溶融物の霧化のための方法
(51)【国際特許分類】
B22F 9/08 20060101AFI20240725BHJP
B22D 41/12 20060101ALI20240725BHJP
B22D 41/01 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B22F9/08 A
B22D41/12
B22D41/01
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024506890
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022071787
(87)【国際公開番号】W WO2023012207
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】102021208605.5
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイラント・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】リヒター・カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ゲリングス・ルーカス
【テーマコード(参考)】
4E014
4K017
【Fターム(参考)】
4E014AA01
4E014AA02
4E014HA00
4K017EB02
4K017FA04
4K017FA14
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備1のタンディッシュユニット7のための交換システム2に関し、この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニット7の収容のための、少なくとも1つのチャンバー18を備えており、前記チャンバー18が、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔3または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、この交換システムが、前記交換システム2内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット7の準備のための手段を備えており、更にこの交換システムが、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット7の収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーション22を備えており、並びに、この交換システムが、移動システムを備えており、この移動システムが、1つのタンディッシュユニット7が作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット7の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されている。本発明は、更に、タンディッシュユニット7、霧化設備1、並びに、金属溶融物の霧化のための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備(1)のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)であって、
この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニット(7)の収容のための、少なくとも1つのチャンバー(18)を備えており、
前記チャンバー(18)が、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔(3)または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
この交換システムが、前記交換システム(2)内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)の準備のための手段を備えており、
更にこの交換システムが、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)の収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーション(22)を備えており、
並びに、この交換システムが、移動システムを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニット(7)が作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されていることを特徴とする交換システム(2)。
【請求項2】
前記移動システムは、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニット(7)が待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項3】
少なくとも1つの交換ステーションは、側方の開口部を介して、前記チャンバー(18)と接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の交換システム(2)。
【請求項4】
多数の交換ステーション(22)が設けられており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバー(18)と接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項5】
前記チャンバー(18)内に配置された回転テーブル(26)が設けられており、
この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニット(7)を収容することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項6】
前記回転テーブル(26)の上に配置されたタンディッシュユニット(7)は、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の交換システム(2)。
【請求項7】
タンディッシュユニット(7)のそれぞれの位置に、少なくとも1つのドッキングステーション(27)が割り当てされており、
前記ドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の交換システム(2)。
【請求項8】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、少なくとも1つのドッキングステーション(27)を有しており、
このドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、排気可能に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項10】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、真空滑り弁(21)を介して、前記チャンバー(18)と結合可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項11】
前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔(3)または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁(21)として形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項12】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、
少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の予熱のための、加熱ステーションとして形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項13】
前記移動システムは、リニアガイドを備えており、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニット(7)が、移動可能に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一つに記載の交換システム(2)の使用のためのタンディッシュユニット(7)において、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパー(8)と鋳造ノズル(9)とを収容しているタンディッシュ容器(10)と、
前記鋳造ホッパー(8)及び/または前記鋳造ノズル(9)の加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つのドッキングステーション(27)とを備えており、
このドッキングステーションが、前記交換システム(2)の媒体連結装置に対して相補的に形成されている、
ことを特徴とするタンディッシュユニット(7)。
【請求項15】
移動可能な台枠が設けられており、この台枠が、前記交換システム(2)の前記移動システムに対して相補的に形成されていることを特徴とする請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項16】
前記タンディッシュ容器(10)は、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることを特徴とする請求項15に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項17】
前記タンディッシュ容器(10)は、ばね弾性的に台枠の上で支承されており、且つ、作業位置において、前記交換システム(2)の押圧体と協働することを特徴とする請求項14または15に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項18】
少なくとも1つの滑りガイドが設けられており、
前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働することを特徴とする請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項19】
少なくとも1つの密閉手段が、前記鋳造ノズル(9)のノズルプレート(12)の下側に設けられており、
この密閉手段が、前記チャンバーの下側の接続部(20)の領域内における、真空滑り弁(21)の密閉面と協働することを特徴とする請求項14から18のいずれか一つに記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一つに記載の、交換システム(2)と複数のタンディッシュユニット(7)とを有することを特徴とする霧化設備(1)。
【請求項21】
請求項20に記載の霧化設備(1)であって、この霧化設備(1)が少なくとも1つの第1の霧化塔(3)を備えており、
この霧化塔が、前記交換システム(2)の前記チャンバー(18)の接続部と気密に接続可能であることを特徴とする霧化設備(1)。
【請求項22】
少なくとも1つの第2の霧化塔(3)が設けられており、
前記交換システム(2)が、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔(3)と接続可能であることを特徴とする請求項20または21に記載の霧化設備(1)。
【請求項23】
複数のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)を有する、霧化設備(1)内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法において、
この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)が、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)が、前記交換システム(2)から取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム(2)内の作業位置における第1のタンディッシュユニット(7)内への、装填装置としての鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズル(9)の下に配置されている霧化塔(3)または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニット(7)の該鋳造ノズル(9)を通しての、前記溶融物の霧化とを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に従う方法であって、請求項1から13のいずれか一つに記載の交換システム(2)を使用することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に従う方法であって、請求項14から19のいずれか一つに記載の少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)を使用することを特徴とする方法。
【請求項26】
前記溶融流動状態の金属の前記供給は、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット(7)内における金属表面に依存して制御されることを特徴とする請求項23から25のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備のタンディッシュユニットのための交換システム関する。本発明は、更に、そのような交換システムのためのタンディッシュユニット、霧化設備、並びに、金属溶融物の霧化のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
霧化設備もしくは粉末霧化設備は、液状金属から、保護ガス雰囲気内における霧化を用いて粉末を生成する設備である。この粉末は、引き続いてガスから析出され、且つ、後処理される。
【0003】
特許文献1から、金属粉末の製造のための装置が公知である。
この公知の装置は、溶融流動状態の原材料のための貯蔵容器と、少なくとも1つの交換可能な鋳造ホッパーと、少なくとも1つの霧化設備と、および、この霧化設備の下に配置されている、生成された金属粉末の凝固のための少なくとも1つの落下ダクトとを備えている。
落下ダクトの上に、貯蔵容器と鋳造ホッパーとを取り囲むチャンバーが配置されている。この鋳造ホッパーおよびこれら鋳造ホッパーを容易に交換可能とするために、このチャンバーは、鋳造ホッパーの領域内において、閉鎖可能な側方の開口部を備えており、この開口部に、少なくとも1つの鋳造ホッパーの挿入のための、ロックゲートチャンバーが取り付けられている。
ガイドレールの上で、選択的に、チャンバー内へと引き込み可能、且つ、完全にロックゲートチャンバー内へと引き返し可能な車両が配置されており、この車両の下側に、鋳造ホッパーの数に相応する数の霧化ノズルが固定されている。これら鋳造ホッパーは、上方から、車両の上に載置可能である。
落下ダクトは連結装置を備えており、この連結装置が、落下ダクトの上方での鋳造ホッパーと霧化ノズルとから成る同軸の構造部品群の位置決めの後、この落下ダクトと霧化設備との間の気密の結合を形成する。
【0004】
この装置において、鋳造ホッパーは、この装置のその他の部分の換気無しに、簡単な構造およびやり方で交換可能であるべきであり、且つ、それに加えて、この鋳造ホッパーと霧化ノズルの正確な位置決めが可能であるべきである。
【0005】
特許文献2に従う方法において、他の鋳造ホッパーが予熱される間じゅう、常に1つの鋳造ホッパーが作業位置に在る。従って、これら鋳造ホッパーを、使用の以前に、最適な作業温度にすることは可能である。チャンバーからの、これら鋳造ホッパーの取り出しおよび交換がそれぞれに対で行われ、そのために、この方法は、必然的に中断される必要がある。
【0006】
更に別の従来技術は、特許文献3、4、5、6、7、8、および、9から公知である。
【0007】
もちろん、鋳造ノズル及び/または鋳造ホッパーの交換は、磨耗の理由から、時々、必要である。特許文献1に従う方法の際のように、重複的な鋳造ホッパーが準備される場合、更に別の霧化機構ユニットをこのシステム内に導入するために、比較的に短い時間の後、霧化プロセスの中断が必要である。
これら霧化機構ユニットの内の1つの霧化機構ユニットが、保護ガス雰囲気のもとで、再び作動温度に到達した際に、霧化設備の作動は、初めて、再び開始され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第41 29 991 C1号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第41 42 991 C1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第33 11 343 A1号明細書
【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許第35 339 64 C1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第40 113 92 A1号明細書
【特許文献6】ドイツ連邦共和国特許第100 44 364 C1号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第197 38 682 A1号明細書
【特許文献8】国際公開第2018/189708 A1号
【特許文献9】中国特許出願公開第109641276 A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式の交換システムを提供することであり、この交換システムが、製造設備のほぼ連続的な作動を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1の特徴を有する交換システムによって解決される。交換システムの有利な構成は、当該の従属請求項から与えられる。
【0011】
この課題は、更に、本発明に従う交換システムの使用のための、請求項14に従うタンディッシュユニットの提供によって解決される。
【0012】
この課題は、要するに、本発明に従う交換システムと複数のタンディッシュユニットとを有する霧化設備の提供によって、並びに、請求項23の特徴を有する霧化のための方法の提供によって解決される。
【0013】
特に本発明に従う交換システムによって、金属溶融物を、金属粉末へと、ほぼ連続的な方法において提供することは可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の観点により、特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備のタンディッシュユニットのための交換システムが提供され、
その際、この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニットの収容のための、少なくとも1つのチャンバーを備えており、
その際、前記チャンバーが、有利には鋳造装置の形態での、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
その際、この交換システムが、更に、前記交換システム内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニットの準備のための手段と、
少なくとも1つの第3のタンディッシュユニットの収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーションと、並びに、移動システムとを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニットが作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニットの前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されている。
【0015】
ほぼ連続的な霧化を可能とするために、作業位置に在るタンディッシュユニットもしくは霧化ユニットは、連続的に、液状の金属によって充填される。
ノズルの耐用期間に基づいて、それらタンディッシュユニット内において、霧化が行われ得る複数の該タンディッシュユニットを準備することが必要であるので、本発明に従い、複数のタンディッシュユニットを、交換システム内において編成することは意図されている。
本発明に従い、少なくとも3つ、有利には、しかしながら、4つのタンディッシュユニットが、交換システム内において設けられている。従って、後に作業位置に在るタンディッシュユニットと交換され得るために、更に別のタンディッシュユニットが正に増設または予熱される間じゅう、常に、1つのタンディッシュユニットが作動状態にあることは可能である。
【0016】
タンディッシュユニット内への溶融物の鋳込み、および、このタンディッシュユニット(同様に霧化ユニットとも称される)の作動は、保護ガス雰囲気内において行われる。
【0017】
タンディッシュユニットの交換が、保護ガス雰囲気のもとで行われ得るために、本発明に従う交換システムは、少なくとも1つのタンディッシュユニットの収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーションを備えている。
【0018】
本発明に従う前記交換システムの前記移動システムは、有利には、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニットが待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニットの前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されている。
【0019】
少なくとも1つの交換ステーションが、例えば、側方の開口部を介して、前記チャンバーと接続されていることは可能である。
【0020】
交換ステーションと同様に、チャンバーも、有利には、排気可能(evakuierbar)であり、且つ、不活性ガスもしくは保護ガスによって満たされ得る。
【0021】
本発明に従う交換システムの1つの実施形態において、この交換システムが、多数の交換ステーションを有しており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバーと接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されている。
【0022】
この交換システムの、特に有利な変形例において、総じて4つの交換ステーションが設けられていることは意図されており、これら交換ステーションが、それぞれに側方で、ほぼ中央に配置されているチャンバーと接続されている。
交換ステーションは、例えば、チャンバーと共に、移動交差部(Verschiebekreuz)を形成可能である。それぞれの交換ステーションは、有利には、一種の回廊を形成し、この回廊が、半径方向に、チャンバーの中心から延在している。
チャンバーの中心において、例えば、作業位置におけるタンディッシュユニットが配置されていることは可能である。2つの交換ステーションにおいて、それぞれに1つのタンディッシュユニットが、待機位置において予熱され得、他方、1つの交換ステーションにおいて、1つのタンディッシュユニットが交換され得る。
【0023】
本発明に従う第2の実施例において、交換システムは、前記チャンバー内に配置された回転テーブルを備えており、この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニットを収容する。
これらタンディッシュユニットは、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能である。
【0024】
回転テーブルを備えている本発明に従う交換システムの合目的な構成において、この回転テーブルの上での、タンディッシュユニットの位置に、少なくとも1つの媒体連結装置が割り当てられており、前記媒体連結装置が、タンディッシュユニットの、相補的に形成された媒体連結装置と接続可能である。
媒体連結装置と、有利には、電流、冷却水、不活性ガス、等々のための媒体供給装置が接続されている。
【0025】
付加的または選択的に、それぞれの交換ステーションにおいて、少なくとも1つの媒体連結装置が設けられていることは可能であり、この媒体連結装置が、タンディッシュユニットの相補的に形成された媒体連結装置と接続可能である。
【0026】
合目的に、少なくとも1つの交換ステーションは、排気可能に形成されている。
【0027】
少なくとも1つの交換ステーションは、少なくとも1つの真空滑り弁を介して、前記チャンバーと結合可能である、もしくは、前記真空滑り弁を介して、このチャンバーから分離可能である。
【0028】
有利には、全ての交換ステーションは、チャンバーに関して、気密に遮断可能、および、排気可能である。このことによって、交換ステーションを、比較的に迅速に、タンディッシュユニットの取り出しの以前に、空気によって満たすことは可能である。
【0029】
有利には、前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁として形成されている。装填装置として、例えば、真空誘導鋳造装置が意図されていることは可能であり、この真空誘導鋳造装置と、交換システムが、気密に接続可能である。
【0030】
少なくとも1つの交換ステーションは、有利には、少なくとも1つのタンディッシュユニットの予熱のための、加熱ステーションとして形成されている。
【0031】
本発明に従う前記移動システムが、リニアガイドを備えていることは可能であり、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニットが、移動可能に配置されている。
リニアガイドとして、例えば、ガイドレールが意図されていることは可能であり、これらガイドレールが、滑りガイドとして、または、タンディッシュユニットの移動可能な台枠の収容のために、形成されていることは可能である。
【0032】
本発明の対象は、更に、前述された様式の交換システムの使用のためのタンディッシュユニットであり、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパーと鋳造ノズルとを収容しているタンディッシュ容器と、
前記鋳造ホッパー及び/または前記鋳造ノズルの加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つの媒体連結装置とを備えており、
この媒体連結装置が、前記交換システムの媒体連結装置に対して相補的に形成されている。
【0033】
タンディッシュユニットが、滑動体、または、少なくとも1つの滑りガイドを、ノズルプレートの下側において有していることは可能である。選択的に、タンディッシュユニットが、移動可能な台枠を有していることは可能であり、この台枠が、前記交換システムの前記移動システムに対して相補的に形成されている。
【0034】
タンディッシュユニットのノズルプレートと、霧化ダクト滑り弁との間の十分な密閉性を保証するために、例えば、前記タンディッシュ容器が、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることは意図され得、従って、このタンディッシュユニットの作業位置において、霧化プロセス室、例えば、霧化塔または霧化ダクトに対する真空密の結合が形成される。
このことによって、霧化ダクトプロセス室内への妨害ガスの流入は、高い信頼性で防止される。前記台枠に対して相対的な、前記タンディッシュ容器の垂直方向の移動可能性は、密閉材の係合および係脱の引き起こしを生起する。
【0035】
タンディッシュユニットは、不活性ガスで作動される空気圧シリンダーを介して、移動システム内において上昇および降下され得る。ノズルプレートと霧化ダクト滑り弁との間の密閉性を保証するために、タンディッシュユニットは、作業位置において降下される。
【0036】
選択的に、タンディッシュユニットが作業位置において前記交換システムの押圧体と協働するように、このタンディッシュユニットがばね弾性的に台枠の上で支承されていることが意図されていることは可能である。
チャンバー内における当該のステーションが、シリンダーによって作動される押圧体を備えていることは可能である。タンディッシュユニットは、その場合に、押圧体によって、霧化ダクト滑り弁に対して押圧される。タンディッシュユニットのばね付勢された支承によって、このタンディッシュユニットは、押圧体の持ち上げの際に、自動的に霧化ダクト滑り弁から解離する。
【0037】
移動可能な台枠の代わりに、タンディッシュユニットが、少なくとも1つの滑りガイドを有していることは可能であり、前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働する。
【0038】
有利には、タンディッシュユニットは、少なくとも1つの密閉手段を、前記鋳造ノズルのノズルプレートの下側で備えており、この密閉手段が、霧化ダクト滑り弁真空滑り弁の密閉面と協働する。密閉手段が、例えば、滑り密閉材または摩擦密閉材として構成されていることは可能である。
選択的に、移動システムもしくはリニアガイドの傾斜が意図されていることは可能であり、従って、タンディッシュユニットは、この傾斜を介して、位置決めの際に、このタンディッシュユニットの自重によって、霧化ダクト滑り弁の密閉面の上に設置される。
【0039】
本発明の更に別の観点により、前述された様式の、交換システムと複数のタンディッシュユニットとを有する霧化設備が提供される。
【0040】
霧化設備が、少なくとも1つの第1の霧化塔を備えていることは可能であり、この霧化塔が、前記交換システムの前記チャンバーの接続部と気密に接続可能である。
【0041】
本発明に従う霧化設備の特に有利な変形例において、この霧化設備が、少なくとも1つの第2の霧化塔を備えており、前記交換システムが、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔と接続可能であることは意図されている。
【0042】
本発明の更に別の観点は、複数のタンディッシュユニットのための交換システムを有する、霧化設備内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法に関し、この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニットが、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニットが、前記交換システムから取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム内の作業位置における第1のタンディッシュユニット内への、装填装置としての真空誘導鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズルの下に配置されている霧化塔または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニットの該鋳造ノズルを通しての、前記溶融物の霧化とを含む。
【0043】
この方法は、合目的に、前述された様式の交換システムを使用し、並びに、有利には、前述された様式の少なくとも1つのタンディッシュユニットを使用する。
【0044】
この方法において、前記溶融流動状態の金属の前記供給を、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット内における金属表面に依存して制御することが意図されていることは可能である。その際、例えば、液体レベルは、レーザー間隔測定装置を用いて検出され得る。
【0045】
以下で、複数の実施例に基づいて、添付された図との関連のもとで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2】本発明に従う交換システムの第1の実施例の透視図である。
【
図3】本発明に従う交換システムの第2の実施例の透視図である。
【
図7】本発明に従うタンディッシュユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1内において図示されている霧化設備1は、交換システム2を備えており、この交換システムが、図示されていない鋳造装置の下方に配置されている。交換システム2は、真空密に、霧化塔3と接続されており、この霧化塔内において、液状の金属が、粉末冶金的な目的のために、金属粉末へと霧化される。
この霧化は、不活性ガス雰囲気のもとで行われる。この粉末は、引き続いて、ガスから分離され、且つ、後処理される。この分離は、サイクロン段4、および、後接続されたフィルター設備5を介して行われる。分離された金属粉末は、異なる粉末容器6内へと捕捉され、且つ、引き続いて更に別の使用に供される。
【0048】
液状の金属の霧化は、例えば
図7内において図示されているタンディッシュユニット7によって行われ、このタンディッシュユニットが、鋳造ホッパー8と鋳造ノズル9とを備えている。
鋳造ホッパー8は、溶融流動状態の金属のための中間容器を形成し、この溶融流動状態の金属が、交換システム2の上方の図示されていない鋳造装置から、タンディッシュユニット7に連続的に供給される。その際、鋳造ホッパー8内における液体レベルは、レーザー及び/または超音波を用いて検出される。この液体レベルに依存して、鋳造装置の栓止棒の制御は意図されている。
タンディッシュユニット7は、耐火性内張り11を有するタンディッシュ容器10を備えており、この耐火性内張りが、鋳造ホッパー8を囲んでいる。鋳造ホッパー8は、鋳造ノズル9へと開口しており、この鋳造ノズルが、ノズルプレート12内において配設されている。
図7に従う図示において、鋳造ノズル9は、下方へと、ノズルプレート12を通って突出している。鋳造ノズル9が、同様に、完全にノズルプレート12内にぴったり嵌ることも可能であり、このことは、真空滑り弁フランジ(Vakuum-Schieber-Flansch)に対する密閉に関して必要である可能性がある。
【0049】
タンディッシュ容器10の耐火性内張り11の内部に、黒鉛ヒーターが設けられており、この黒鉛ヒーターの抵抗加熱要素13がこの耐火性内張り11の中に埋設されている。同様に鋳造ノズル9も、部分的に、耐火性内張り11によって囲まれており、この耐火性内張り内において、同様に、抵抗加熱要素13が埋設されており、これら抵抗加熱要素が、ノズル加熱を生じさせる。
タンディッシュユニット7は、ガスノズル28を備えており、このガスノズルが、両側で、不活性ガス供給部14と接続されている。鋳造ノズル9から流出する溶融流動状態の金属は、ガスノズル28を通って供給される不活性ガスによって、霧化設備1の霧化塔3内において粉末へと霧化される。
【0050】
記載された実施例において、タンディッシュ容器10は移動可能な台枠を備えており、この台枠が、単に示唆的に、図内において図示されている。
タンディッシュ容器10の車輪15を介して、このタンディッシュ容器は、交換システム2のレール16の上で移動され得る。タンディッシュ容器10は、更に環状室17を備えており、この環状室が、冷却水でもって作用可能であり、且つ、冷却ジャケットを形成し、この冷却ジャケットを介して、必要に応じて、鋳造ホッパー8が冷却可能である。冷却ジャケットは、プロセス室の所望されない同時加熱を防止する。
【0051】
以下で、
図2が引き合いに出され、この
図2は、本発明に従う交換システム2の第1の実施例を示している。
交換システム2は、真空密で閉鎖可能なチャンバー18を備えており、このチャンバーが、鋳造装置に対する上側の接続部19と、霧化塔3に対する下側の接続部20とを有している。上側の接続部19と同様に、下側の接続部20も、真空滑り弁21を介して、閉鎖可能である。
上側の接続部19、もしくは、当該の真空滑り弁21は、開放可能なベローズバイザー(Balgvisier)を備えており、このベローズバイザーが、鋳造装置もしくはこの鋳造装置の保温炉に対する、補償体もしくは折畳みベローズに対して連結可能である。
下側の接続部20の真空滑り弁21は、霧化ダクト滑り弁(Verduesungsschacht-Schieber)として構成されており、この霧化ダクト滑り弁が、同様に、開放可能なベローズバイザーを備えている。
【0052】
交換システム2は、4つの交換ステーション22を備えており、これら交換ステーションが、それぞれに、ロックゲートチャンバーとして形成されており、且つ、チャンバー18の側方の開口部と接続されている。交換ステーション22は、交換滑り弁23を介して、それぞれに、真空密もしくは気密に、チャンバー18に対して相対的に遮断可能である。
完全に排気可能であり且つ真空システムとの相応する接続を有する、交換ステーション22は、取り外し可能な蓋24を介してアクセス可能である。蓋24は、密に閉鎖可能に、交換ステーション22の上の相応する開口部25の上に配置されている。
【0053】
交換ステーション22は、記載された実施例において円形の断面を有するチャンバー18に対して相対的に、十字形に配置されており、従って、それぞれの交換ステーション22が、チャンバー18の外周において、隣接する交換ステーション22に対して相対的に90°の角度間隔を有して延在している。
既に上述されているように、交換ステーション22とチャンバー18とを通って、レール16(例えば
図4を参照のこと)が延在しており、これらレールの上で、交換システム2の内部に配置されたタンディッシュユニット7が移動可能である。
【0054】
タンディッシュユニット7は、図示されていないクレーンを介して、開口部25を通って、交換ステーション22内へと導入され、これら交換ステーションが、それぞれに、同様に、これらタンディッシュユニット7の予熱のための加熱ステーションとしても形成されており、且つ、それぞれに、相応する媒体連結装置を備えている。
【0055】
交換ステーション22は、全長さにわたって、交換可能な耐火性-放射線シールドを備えている。これら交換ステーション22は、それぞれに、別個に、真空ポンプを介して排気可能であり、且つ、選択的に、不活性ガス(アルゴンまたは窒素)、または、空気でもって満たされ得る。
交換ステーション22の数は、1700と1800℃の間の温度への、タンディッシュユニット7の耐火性内張り11の必要な加熱時間から与えられる。約300℃の温度以上では、タンディッシュユニット7の加熱は、不活性ガスだけのもとで行われ得る。何故ならば、さもなければ、タンディッシュ容器の黒鉛が加熱して燃焼するからである。
タンディッシュユニット7のエネルギーおよび媒体供給は、不活性ガスのための高圧チューブを用いて行われる。電力供給および熱電素子導管(Stromversorgung und Thermoelement-Leitungen)は、ケーブルとして構成されている。冷却水供給は、チューブを用いて行われる。
【0056】
交換システム2の内部での、タンディッシュユニット7の直線移動および位置決めのために、可変の調節可能な速度と変位測定システムとを有する、電気シリンダーまたは直接駆動装置が設けられている。
【0057】
図2内において、チャンバー18内において配置されているタンディッシュユニット7は、作業位置に在り、この作業位置において、上側の接続部19および下側の接続部20の真空滑り弁21が開放されている。
1つのタンディッシュユニット7は、交換位置に在る。前もって、不活性ガスを用いて、タンディッシュユニット7の黒鉛ヒーターは、300℃よりも低い温度に冷却される。当該の交換ステーション22への交換滑り弁23は閉鎖されている。
【0058】
当該の交換ステーション22の蓋24が開放され得る以前に(図内において、交換ステーション22が、既に開放された状態において図示されている)、この交換ステーション22は排気され、且つ、空気によって満たされる。行われた交換工程の後、蓋24は再び閉鎖され、排気され、不活性ガスによって満たされ、且つ、温度制御された加熱プロセスが開始される。
少なくとも2つのタンディッシュユニット7は、それぞれに、他の交換ステーション22内における保温位置に在る。加熱工程は、温度制御されて行われる。既に上述されているように、タンディッシュユニット7は、作業位置、即ち霧化位置に在る。
【0059】
図3は、本発明に従う第2の実施例を示している。同じ構造部材は、同じ参照符号を備えている。
第2の実施例に従う交換システム2は、1つのチャンバー18、並びに、側方の開口部を介して接続された1つの交換ステーション22を備えており、この交換ステーションが、同様に、交換滑り弁23によって、このチャンバー18から分離可能である。この交換ステーション22は、第1の実施例に従う交換ステーションに相応して形成されている。
【0060】
図3に従う実施例は、
図2に従う実施例と、チャンバー18内において1つの回転テーブル26が配置されており、この回転テーブルの上に、多数のタンディッシュユニット7、記載された実施例において4つのタンディッシュユニットが配置されていることによって相違する。
チャンバー18の下側の接続部20は、偏心的に配置されている。回転テーブル26は、回転軸線を中心として、待機位置への、作業位置に在るタンディッシュユニット7の交換が行われるように位置調節され得、その際、回転テーブル26の上に配置されている、更に別のタンディッシュユニット7が、作業位置に移動される。
この目的のために、交換滑り弁23が開放され、作業位置に在るタンディッシュユニット7が、
図3内において図示されていないレール16を介して、交換ステーション22に移動され、且つ、待機位置に在るタンディッシュユニット7が、回転テーブル26の回転を介して、作業位置に移動される。
タンディッシュユニット7が、交換ステーション22の内部の交換位置に在る場合、不活性ガスを用いて、黒鉛ヒーターは、しかも300℃以下の温度へと冷却される。その際、チャンバー18への交換滑り弁23は、閉鎖されている。その後、交換ステーション22は排気され、且つ、空気によって満たされる。
行われた交換工程の後、蓋24が閉鎖され、交換ステーション22が排気され、且つ、不活性ガスによって満たされる。次いで、タンディッシュユニット7の温度制御される加熱プロセスが開始される。チャンバー18に対する、行われた圧力の平衡の後、交換滑り弁23は開放される。装入されたタンディッシュユニット7は、直線的に回転テーブル26の自由なスペース上に位置決めされる。
タンディッシュユニット7は、媒体供給に対して、回転テーブル26の上の、ただ示唆的にだけ図示されたドッキングステーション27を用いて連結される。回転テーブル26の上でのそれぞれの位置に、ドッキングステーション27が割り当てられている。ドッキングステーション27を介して、タンディッシュユニット7は、媒体を供給される。
少なくとも2つのタンディッシュユニット7は、回転テーブル26の待機位置に在り、この待機位置において、1700℃から1800℃への加熱及び/または保温が行われる。交換滑り弁23は、通常は、閉鎖された状態にあり、圧力の平衡を形成するために、この交換滑り弁が、タンディッシュユニット7の取り出しおよび装着の際にだけ開放される。
【0061】
既に上述されているように、作業位置へのタンディッシュユニット7の移動の際に、ノズルプレート12と真空滑り弁21との間の密閉は必要である。真空滑り弁21は、チャンバー18の下側の接続部20を具現する。そのような密閉は、相応する滑り密閉材または摩擦密閉材を用いて、一方ではノズルプレートと、他方では真空滑り弁21の密閉面との間で行われ得る。
【0062】
選択的に、タンディッシュユニット7が、垂直方向に移動可能であり、且つ、作業位置において降下可能であることが意図されていることは可能であり、従って、密閉手段が、ノズルプレート、及び/または、霧化滑り弁フランジにおいて、その際、互いに係合状態にされる。タンディッシュユニット7は、例えば、不活性ガスで作動される空気圧シリンダーを介して、レールシステム内において上昇および降下され得る。
ノズルプレート12と真空滑り弁21との間の密閉性を保証するために、タンディッシュユニット7は、位置決めの際に降下される。タンディッシュユニット7の選択的な構成は、このタンディッシュユニット7が、ばね弾性的に、車輪の上に支承されており、且つ、作業位置において、図示されていない押圧体によって、密閉される位置で保持されることを意図する。
押圧体は、ノズルプレート12を、真空滑り弁21のフランジに対して押圧する。押圧体の持ち上げの際に、タンディッシュユニット7は、自動的に、真空滑り弁21から解離可能である。
【0063】
図1内において概略的に図示されているように、霧化設備1が、複数の霧化塔3を有していることは可能である。交換システム2が、選択的に、一方の、または、他方の霧化塔3と接続されることは可能である。
【0064】
霧化塔3は、水冷される。これら霧化塔が、それに加えて、付加的に電気的な水予熱装置を備えていることは可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 霧化設備
2 交換システム
3 霧化塔
4 サイクロン段
5 フィルター設備
6 粉末容器
7 タンディッシュユニット
8 鋳造ホッパー
9 鋳造ノズル
10 タンディッシュ容器1
11 耐火性内張り
12 ノズルプレート
13 抵抗加熱要素
14 不活性ガス供給部
15 車輪
16 レール
17 環状室
18 チャンバー
19 チャンバーの上側の接続部
20 チャンバーの下側の接続部
21 真空滑り弁
22 交換ステーション
23 交換滑り弁
24 蓋
25 開口部
26 回転テーブル
27 ドッキングステーション
28 ガスノズル
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備のタンディッシュユニットのための交換システム関する。本発明は、更に、そのような交換システムのためのタンディッシュユニット、霧化設備、並びに、金属溶融物の霧化のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
霧化設備もしくは粉末霧化設備は、液状金属から、保護ガス雰囲気内における霧化を用いて粉末を生成する設備である。この粉末は、引き続いてガスから析出され、且つ、後処理される。
【0003】
特許文献1から、金属粉末の製造のための装置が公知である。
この公知の装置は、溶融流動状態の原材料のための貯蔵容器と、少なくとも1つの交換可能な鋳造ホッパーと、少なくとも1つの霧化設備と、および、この霧化設備の下に配置されている、生成された金属粉末の凝固のための少なくとも1つの落下ダクトとを備えている。
落下ダクトの上に、貯蔵容器と鋳造ホッパーとを取り囲むチャンバーが配置されている。この鋳造ホッパーおよびこれら鋳造ホッパーを容易に交換可能とするために、このチャンバーは、鋳造ホッパーの領域内において、閉鎖可能な側方の開口部を備えており、この開口部に、少なくとも1つの鋳造ホッパーの挿入のための、ロックゲートチャンバーが取り付けられている。
ガイドレールの上で、選択的に、チャンバー内へと引き込み可能、且つ、完全にロックゲートチャンバー内へと引き返し可能な車両が配置されており、この車両の下側に、鋳造ホッパーの数に相応する数の霧化ノズルが固定されている。これら鋳造ホッパーは、上方から、車両の上に載置可能である。
落下ダクトは連結装置を備えており、この連結装置が、落下ダクトの上方での鋳造ホッパーと霧化ノズルとから成る同軸の構造部品群の位置決めの後、この落下ダクトと霧化設備との間の気密の結合を形成する。
【0004】
この装置において、鋳造ホッパーは、この装置のその他の部分の換気無しに、簡単な構造およびやり方で交換可能であるべきであり、且つ、それに加えて、この鋳造ホッパーと霧化ノズルの正確な位置決めが可能であるべきである。
【0005】
特許文献2に従う方法において、他の鋳造ホッパーが予熱される間じゅう、常に1つの鋳造ホッパーが作業位置に在る。従って、これら鋳造ホッパーを、使用の以前に、最適な作業温度にすることは可能である。チャンバーからの、これら鋳造ホッパーの取り出しおよび交換がそれぞれに対で行われ、そのために、この方法は、必然的に中断される必要がある。
【0006】
更に別の従来技術は、特許文献3、4、5、6、7、8、および、9から公知である。
【0007】
もちろん、鋳造ノズル及び/または鋳造ホッパーの交換は、磨耗の理由から、時々、必要である。特許文献1に従う方法の際のように、重複的な鋳造ホッパーが準備される場合、更に別の霧化機構ユニットをこのシステム内に導入するために、比較的に短い時間の後、霧化プロセスの中断が必要である。
これら霧化機構ユニットの内の1つの霧化機構ユニットが、保護ガス雰囲気のもとで、再び作動温度に到達した際に、霧化設備の作動は、初めて、再び開始され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第41 29 991 C1号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第41 42 991 C1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第33 11 343 A1号明細書
【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許第35 339 64 C1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第40 113 92 A1号明細書
【特許文献6】ドイツ連邦共和国特許第100 44 364 C1号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第197 38 682 A1号明細書
【特許文献8】国際公開第2018/189708 A1号
【特許文献9】中国特許出願公開第109641276 A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式の交換システムを提供することであり、この交換システムが、製造設備のほぼ連続的な作動を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1の特徴を有する交換システムによって解決される。交換システムの有利な構成は、当該の従属請求項から与えられる。
【0011】
この課題は、更に、本発明に従う交換システムの使用のための、請求項14に従うタンディッシュユニットの提供によって解決される。
【0012】
この課題は、要するに、本発明に従う交換システムと複数のタンディッシュユニットとを有する霧化設備の提供によって、並びに、請求項23の特徴を有する霧化のための方法の提供によって解決される。
【0013】
特に本発明に従う交換システムによって、金属溶融物を、金属粉末へと、ほぼ連続的な方法において提供することは可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の観点により、特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備のタンディッシュユニットのための交換システムが提供され、
その際、この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニットの収容のための、少なくとも1つのチャンバーを備えており、
その際、前記チャンバーが、有利には鋳造装置の形態での、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
その際、この交換システムが、更に、前記交換システム内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニットの準備のための手段と、
少なくとも1つの第3のタンディッシュユニットの収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーションと、並びに、移動システムとを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニットが作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニットの前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されている。
【0015】
ほぼ連続的な霧化を可能とするために、作業位置に在るタンディッシュユニットもしくは霧化ユニットは、連続的に、液状の金属によって充填される。
ノズルの耐用期間に基づいて、それらタンディッシュユニット内において、霧化が行われ得る複数の該タンディッシュユニットを準備することが必要であるので、本発明に従い、複数のタンディッシュユニットを、交換システム内において編成することは意図されている。
本発明に従い、少なくとも3つ、有利には、しかしながら、4つのタンディッシュユニットが、交換システム内において設けられている。従って、後に作業位置に在るタンディッシュユニットと交換され得るために、更に別のタンディッシュユニットが正に増設または予熱される間じゅう、常に、1つのタンディッシュユニットが作動状態にあることは可能である。
【0016】
タンディッシュユニット内への溶融物の鋳込み、および、このタンディッシュユニット(同様に霧化ユニットとも称される)の作動は、保護ガス雰囲気内において行われる。
【0017】
タンディッシュユニットの交換が、保護ガス雰囲気のもとで行われ得るために、本発明に従う交換システムは、少なくとも1つのタンディッシュユニットの収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーションを備えている。
【0018】
本発明に従う前記交換システムの前記移動システムは、有利には、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニットが待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニットの前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されている。
【0019】
少なくとも1つの交換ステーションが、例えば、側方の開口部を介して、前記チャンバーと接続されていることは可能である。
【0020】
交換ステーションと同様に、チャンバーも、有利には、排気可能(evakuierbar)であり、且つ、不活性ガスもしくは保護ガスによって満たされ得る。
【0021】
本発明に従う交換システムの1つの実施形態において、この交換システムが、多数の交換ステーションを有しており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバーと接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されている。
【0022】
この交換システムの、特に有利な変形例において、総じて4つの交換ステーションが設けられていることは意図されており、これら交換ステーションが、それぞれに側方で、ほぼ中央に配置されているチャンバーと接続されている。
交換ステーションは、例えば、チャンバーと共に、移動交差部(Verschiebekreuz)を形成可能である。それぞれの交換ステーションは、有利には、一種の回廊を形成し、この回廊が、半径方向に、チャンバーの中心から延在している。
チャンバーの中心において、例えば、作業位置におけるタンディッシュユニットが配置されていることは可能である。2つの交換ステーションにおいて、それぞれに1つのタンディッシュユニットが、待機位置において予熱され得、他方、1つの交換ステーションにおいて、1つのタンディッシュユニットが交換され得る。
【0023】
本発明に従う第2の実施例において、交換システムは、前記チャンバー内に配置された回転テーブルを備えており、この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニットを収容する。
これらタンディッシュユニットは、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能である。
【0024】
回転テーブルを備えている本発明に従う交換システムの合目的な構成において、この回転テーブルの上での、タンディッシュユニットの位置に、少なくとも1つの媒体連結装置が割り当てられており、前記媒体連結装置が、タンディッシュユニットの、相補的に形成された媒体連結装置と接続可能である。
媒体連結装置と、有利には、電流、冷却水、不活性ガス、等々のための媒体供給装置が接続されている。
【0025】
付加的または選択的に、それぞれの交換ステーションにおいて、少なくとも1つの媒体連結装置が設けられていることは可能であり、この媒体連結装置が、タンディッシュユニットの相補的に形成された媒体連結装置と接続可能である。
【0026】
合目的に、少なくとも1つの交換ステーションは、排気可能に形成されている。
【0027】
少なくとも1つの交換ステーションは、少なくとも1つの真空滑り弁を介して、前記チャンバーと結合可能である、もしくは、前記真空滑り弁を介して、このチャンバーから分離可能である。
【0028】
有利には、全ての交換ステーションは、チャンバーに関して、気密に遮断可能、および、排気可能である。このことによって、交換ステーションを、比較的に迅速に、タンディッシュユニットの取り出しの以前に、空気によって満たすことは可能である。
【0029】
有利には、前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁として形成されている。装填装置として、例えば、真空誘導鋳造装置が意図されていることは可能であり、この真空誘導鋳造装置と、交換システムが、気密に接続可能である。
【0030】
少なくとも1つの交換ステーションは、有利には、少なくとも1つのタンディッシュユニットの予熱のための、加熱ステーションとして形成されている。
【0031】
本発明に従う前記移動システムが、リニアガイドを備えていることは可能であり、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニットが、移動可能に配置されている。
リニアガイドとして、例えば、ガイドレールが意図されていることは可能であり、これらガイドレールが、滑りガイドとして、または、タンディッシュユニットの移動可能な台枠の収容のために、形成されていることは可能である。
【0032】
本発明の対象は、更に、前述された様式の交換システムの使用のためのタンディッシュユニットであり、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパーと鋳造ノズルとを収容しているタンディッシュ容器と、
前記鋳造ホッパー及び/または前記鋳造ノズルの加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つの媒体連結装置とを備えており、
この媒体連結装置が、前記交換システムの媒体連結装置に対して相補的に形成されている。
【0033】
タンディッシュユニットが、滑動体、または、少なくとも1つの滑りガイドを、ノズルプレートの下側において有していることは可能である。選択的に、タンディッシュユニットが、移動可能な台枠を有していることは可能であり、この台枠が、前記交換システムの前記移動システムに対して相補的に形成されている。
【0034】
タンディッシュユニットのノズルプレートと、霧化ダクト滑り弁との間の十分な密閉性を保証するために、例えば、前記タンディッシュ容器が、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることは意図され得、従って、このタンディッシュユニットの作業位置において、霧化プロセス室、例えば、霧化塔または霧化ダクトに対する真空密の結合が形成される。
このことによって、霧化ダクトプロセス室内への妨害ガスの流入は、高い信頼性で防止される。前記台枠に対して相対的な、前記タンディッシュ容器の垂直方向の移動可能性は、密閉材の係合および係脱の引き起こしを生起する。
【0035】
タンディッシュユニットは、不活性ガスで作動される空気圧シリンダーを介して、移動システム内において上昇および降下され得る。ノズルプレートと霧化ダクト滑り弁との間の密閉性を保証するために、タンディッシュユニットは、作業位置において降下される。
【0036】
選択的に、タンディッシュユニットが作業位置において前記交換システムの押圧体と協働するように、このタンディッシュユニットがばね弾性的に台枠の上で支承されていることが意図されていることは可能である。
チャンバー内における当該のステーションが、シリンダーによって作動される押圧体を備えていることは可能である。タンディッシュユニットは、その場合に、押圧体によって、霧化ダクト滑り弁に対して押圧される。タンディッシュユニットのばね付勢された支承によって、このタンディッシュユニットは、押圧体の持ち上げの際に、自動的に霧化ダクト滑り弁から解離する。
【0037】
移動可能な台枠の代わりに、タンディッシュユニットが、少なくとも1つの滑りガイドを有していることは可能であり、前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働する。
【0038】
有利には、タンディッシュユニットは、少なくとも1つの密閉手段を、前記鋳造ノズルのノズルプレートの下側で備えており、この密閉手段が、霧化ダクト滑り弁真空滑り弁の密閉面と協働する。密閉手段が、例えば、滑り密閉材または摩擦密閉材として構成されていることは可能である。
選択的に、移動システムもしくはリニアガイドの傾斜が意図されていることは可能であり、従って、タンディッシュユニットは、この傾斜を介して、位置決めの際に、このタンディッシュユニットの自重によって、霧化ダクト滑り弁の密閉面の上に設置される。
【0039】
本発明の更に別の観点により、前述された様式の、交換システムと複数のタンディッシュユニットとを有する霧化設備が提供される。
【0040】
霧化設備が、少なくとも1つの第1の霧化塔を備えていることは可能であり、この霧化塔が、前記交換システムの前記チャンバーの接続部と気密に接続可能である。
【0041】
本発明に従う霧化設備の特に有利な変形例において、この霧化設備が、少なくとも1つの第2の霧化塔を備えており、前記交換システムが、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔と接続可能であることは意図されている。
【0042】
本発明の更に別の観点は、複数のタンディッシュユニットのための交換システムを有する、霧化設備内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法に関し、この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニットが、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニットが、前記交換システムから取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム内の作業位置における第1のタンディッシュユニット内への、装填装置としての真空誘導鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズルの下に配置されている霧化塔または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニットの該鋳造ノズルを通しての、前記溶融物の霧化と、
を含む。
【0043】
この方法は、合目的に、前述された様式の交換システムを使用し、並びに、有利には、前述された様式の少なくとも1つのタンディッシュユニットを使用する。
【0044】
この方法において、前記溶融流動状態の金属の前記供給を、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット内における金属表面に依存して制御することが意図されていることは可能である。その際、例えば、液体レベルは、レーザー間隔測定装置を用いて検出され得る。
【0045】
以下で、複数の実施例に基づいて、添付された図との関連のもとで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2】本発明に従う交換システムの第1の実施例の透視図である。
【
図3】本発明に従う交換システムの第2の実施例の透視図である。
【
図7】本発明に従うタンディッシュユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1内において図示されている霧化設備1は、交換システム2を備えており、この交換システムが、図示されていない鋳造装置の下方に配置されている。交換システム2は、真空密に、霧化塔3と接続されており、この霧化塔内において、液状の金属が、粉末冶金的な目的のために、金属粉末へと霧化される。
この霧化は、不活性ガス雰囲気のもとで行われる。この粉末は、引き続いて、ガスから分離され、且つ、後処理される。この分離は、サイクロン段4、および、後接続されたフィルター設備5を介して行われる。分離された金属粉末は、異なる粉末容器6内へと捕捉され、且つ、引き続いて更に別の使用に供される。
【0048】
液状の金属の霧化は、例えば
図7内において図示されているタンディッシュユニット7によって行われ、このタンディッシュユニットが、鋳造ホッパー8と鋳造ノズル9とを備えている。
鋳造ホッパー8は、溶融流動状態の金属のための中間容器を形成し、この溶融流動状態の金属が、交換システム2の上方の図示されていない鋳造装置から、タンディッシュユニット7に連続的に供給される。その際、鋳造ホッパー8内における液体レベルは、レーザー及び/または超音波を用いて検出される。この液体レベルに依存して、鋳造装置の栓止棒の制御は意図されている。
タンディッシュユニット7は、耐火性内張り11を有するタンディッシュ容器10を備えており、この耐火性内張りが、鋳造ホッパー8を囲んでいる。鋳造ホッパー8は、鋳造ノズル9へと開口しており、この鋳造ノズルが、ノズルプレート12内において配設されている。
図7に従う図示において、鋳造ノズル9は、下方へと、ノズルプレート12を通って突出している。鋳造ノズル9が、同様に、完全にノズルプレート12内にぴったり嵌ることも可能であり、このことは、真空滑り弁フランジ(Vakuum-Schieber-Flansch)に対する密閉に関して必要である可能性がある。
【0049】
タンディッシュ容器10の耐火性内張り11の内部に、黒鉛ヒーターが設けられており、この黒鉛ヒーターの抵抗加熱要素13がこの耐火性内張り11の中に埋設されている。同様に鋳造ノズル9も、部分的に、耐火性内張り11によって囲まれており、この耐火性内張り内において、同様に、抵抗加熱要素13が埋設されており、これら抵抗加熱要素が、ノズル加熱を生じさせる。
タンディッシュユニット7は、ガスノズル28を備えており、このガスノズルが、両側で、不活性ガス供給部14と接続されている。鋳造ノズル9から流出する溶融流動状態の金属は、ガスノズル28を通って供給される不活性ガスによって、霧化設備1の霧化塔3内において粉末へと霧化される。
【0050】
記載された実施例において、タンディッシュ容器10は移動可能な台枠を備えており、この台枠が、単に示唆的に、図内において図示されている。
タンディッシュ容器10の車輪15を介して、このタンディッシュ容器は、交換システム2のレール16の上で移動され得る。タンディッシュ容器10は、更に環状室17を備えており、この環状室が、冷却水でもって作用可能であり、且つ、冷却ジャケットを形成し、この冷却ジャケットを介して、必要に応じて、鋳造ホッパー8が冷却可能である。冷却ジャケットは、プロセス室の所望されない同時加熱を防止する。
【0051】
以下で、
図2が引き合いに出され、この
図2は、本発明に従う交換システム2の第1の実施例を示している。
交換システム2は、真空密で閉鎖可能なチャンバー18を備えており、このチャンバーが、鋳造装置に対する上側の接続部19と、霧化塔3に対する下側の接続部20とを有している。上側の接続部19と同様に、下側の接続部20も、真空滑り弁21を介して、閉鎖可能である。
上側の接続部19、もしくは、当該の真空滑り弁21は、開放可能なベローズバイザー(Balgvisier)を備えており、このベローズバイザーが、鋳造装置もしくはこの鋳造装置の保温炉に対する、補償体もしくは折畳みベローズに対して連結可能である。
下側の接続部20の真空滑り弁21は、霧化ダクト滑り弁(Verduesungsschacht-Schieber)として構成されており、この霧化ダクト滑り弁が、同様に、開放可能なベローズバイザーを備えている。
【0052】
交換システム2は、4つの交換ステーション22を備えており、これら交換ステーションが、それぞれに、ロックゲートチャンバーとして形成されており、且つ、チャンバー18の側方の開口部と接続されている。交換ステーション22は、交換滑り弁23を介して、それぞれに、真空密もしくは気密に、チャンバー18に対して相対的に遮断可能である。
完全に排気可能であり且つ真空システムとの相応する接続を有する、交換ステーション22は、取り外し可能な蓋24を介してアクセス可能である。蓋24は、密に閉鎖可能に、交換ステーション22の上の相応する開口部25の上に配置されている。
【0053】
交換ステーション22は、記載された実施例において円形の断面を有するチャンバー18に対して相対的に、十字形に配置されており、従って、それぞれの交換ステーション22が、チャンバー18の外周において、隣接する交換ステーション22に対して相対的に90°の角度間隔を有して延在している。
既に上述されているように、交換ステーション22とチャンバー18とを通って、レール16(例えば
図4を参照のこと)が延在しており、これらレールの上で、交換システム2の内部に配置されたタンディッシュユニット7が移動可能である。
【0054】
タンディッシュユニット7は、図示されていないクレーンを介して、開口部25を通って、交換ステーション22内へと導入され、これら交換ステーションが、それぞれに、同様に、これらタンディッシュユニット7の予熱のための加熱ステーションとしても形成されており、且つ、それぞれに、相応する媒体連結装置を備えている。
【0055】
交換ステーション22は、全長さにわたって、交換可能な耐火性-放射線シールドを備えている。これら交換ステーション22は、それぞれに、別個に、真空ポンプを介して排気可能であり、且つ、選択的に、不活性ガス(アルゴンまたは窒素)、または、空気でもって満たされ得る。
交換ステーション22の数は、1700と1800℃の間の温度への、タンディッシュユニット7の耐火性内張り11の必要な加熱時間から与えられる。約300℃の温度以上では、タンディッシュユニット7の加熱は、不活性ガスだけのもとで行われ得る。何故ならば、さもなければ、タンディッシュ容器の黒鉛が加熱して燃焼するからである。
タンディッシュユニット7のエネルギーおよび媒体供給は、不活性ガスのための高圧チューブを用いて行われる。電力供給および熱電素子導管(Stromversorgung und Thermoelement-Leitungen)は、ケーブルとして構成されている。冷却水供給は、チューブを用いて行われる。
【0056】
交換システム2の内部での、タンディッシュユニット7の直線移動および位置決めのために、可変の調節可能な速度と変位測定システムとを有する、電気シリンダーまたは直接駆動装置が設けられている。
【0057】
図2内において、チャンバー18内において配置されているタンディッシュユニット7は、作業位置に在り、この作業位置において、上側の接続部19および下側の接続部20の真空滑り弁21が開放されている。
1つのタンディッシュユニット7は、交換位置に在る。前もって、不活性ガスを用いて、タンディッシュユニット7の黒鉛ヒーターは、300℃よりも低い温度に冷却される。当該の交換ステーション22への交換滑り弁23は閉鎖されている。
【0058】
当該の交換ステーション22の蓋24が開放され得る以前に(図内において、交換ステーション22が、既に開放された状態において図示されている)、この交換ステーション22は排気され、且つ、空気によって満たされる。行われた交換工程の後、蓋24は再び閉鎖され、排気され、不活性ガスによって満たされ、且つ、温度制御された加熱プロセスが開始される。
少なくとも2つのタンディッシュユニット7は、それぞれに、他の交換ステーション22内における保温位置に在る。加熱工程は、温度制御されて行われる。既に上述されているように、タンディッシュユニット7は、作業位置、即ち霧化位置に在る。
【0059】
図3は、本発明に従う第2の実施例を示している。同じ構造部材は、同じ参照符号を備えている。
第2の実施例に従う交換システム2は、1つのチャンバー18、並びに、側方の開口部を介して接続された1つの交換ステーション22を備えており、この交換ステーションが、同様に、交換滑り弁23によって、このチャンバー18から分離可能である。この交換ステーション22は、第1の実施例に従う交換ステーションに相応して形成されている。
【0060】
図3に従う実施例は、
図2に従う実施例と、チャンバー18内において1つの回転テーブル26が配置されており、この回転テーブルの上に、多数のタンディッシュユニット7、記載された実施例において4つのタンディッシュユニットが配置されていることによって相違する。
チャンバー18の下側の接続部20は、偏心的に配置されている。回転テーブル26は、回転軸線を中心として、待機位置への、作業位置に在るタンディッシュユニット7の交換が行われるように位置調節され得、その際、回転テーブル26の上に配置されている、更に別のタンディッシュユニット7が、作業位置に移動される。
この目的のために、交換滑り弁23が開放され、作業位置に在るタンディッシュユニット7が、
図3内において図示されていないレール16を介して、交換ステーション22に移動され、且つ、待機位置に在るタンディッシュユニット7が、回転テーブル26の回転を介して、作業位置に移動される。
タンディッシュユニット7が、交換ステーション22の内部の交換位置に在る場合、不活性ガスを用いて、黒鉛ヒーターは、しかも300℃以下の温度へと冷却される。その際、チャンバー18への交換滑り弁23は、閉鎖されている。その後、交換ステーション22は排気され、且つ、空気によって満たされる。
行われた交換工程の後、蓋24が閉鎖され、交換ステーション22が排気され、且つ、不活性ガスによって満たされる。次いで、タンディッシュユニット7の温度制御される加熱プロセスが開始される。チャンバー18に対する、行われた圧力の平衡の後、交換滑り弁23は開放される。装入されたタンディッシュユニット7は、直線的に回転テーブル26の自由なスペース上に位置決めされる。
タンディッシュユニット7は、媒体供給に対して、回転テーブル26の上の、ただ示唆的にだけ図示されたドッキングステーション27を用いて連結される。回転テーブル26の上でのそれぞれの位置に、ドッキングステーション27が割り当てられている。ドッキングステーション27を介して、タンディッシュユニット7は、媒体を供給される。
少なくとも2つのタンディッシュユニット7は、回転テーブル26の待機位置に在り、この待機位置において、1700℃から1800℃への加熱及び/または保温が行われる。交換滑り弁23は、通常は、閉鎖された状態にあり、圧力の平衡を形成するために、この交換滑り弁が、タンディッシュユニット7の取り出しおよび装着の際にだけ開放される。
【0061】
既に上述されているように、作業位置へのタンディッシュユニット7の移動の際に、ノズルプレート12と真空滑り弁21との間の密閉は必要である。真空滑り弁21は、チャンバー18の下側の接続部20を具現する。そのような密閉は、相応する滑り密閉材または摩擦密閉材を用いて、一方ではノズルプレートと、他方では真空滑り弁21の密閉面との間で行われ得る。
【0062】
選択的に、タンディッシュユニット7が、垂直方向に移動可能であり、且つ、作業位置において降下可能であることが意図されていることは可能であり、従って、密閉手段が、ノズルプレート、及び/または、霧化滑り弁フランジにおいて、その際、互いに係合状態にされる。タンディッシュユニット7は、例えば、不活性ガスで作動される空気圧シリンダーを介して、レールシステム内において上昇および降下され得る。
ノズルプレート12と真空滑り弁21との間の密閉性を保証するために、タンディッシュユニット7は、位置決めの際に降下される。タンディッシュユニット7の選択的な構成は、このタンディッシュユニット7が、ばね弾性的に、車輪の上に支承されており、且つ、作業位置において、図示されていない押圧体によって、密閉される位置で保持されることを意図する。
押圧体は、ノズルプレート12を、真空滑り弁21のフランジに対して押圧する。押圧体の持ち上げの際に、タンディッシュユニット7は、自動的に、真空滑り弁21から解離可能である。
【0063】
図1内において概略的に図示されているように、霧化設備1が、複数の霧化塔3を有していることは可能である。交換システム2が、選択的に、一方の、または、他方の霧化塔3と接続されることは可能である。
【0064】
霧化塔3は、水冷される。これら霧化塔が、それに加えて、付加的に電気的な水予熱装置を備えていることは可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 霧化設備
2 交換システム
3 霧化塔
4 サイクロン段
5 フィルター設備
6 粉末容器
7 タンディッシュユニット
8 鋳造ホッパー
9 鋳造ノズル
10 タンディッシュ容器1
11 耐火性内張り
12 ノズルプレート
13 抵抗加熱要素
14 不活性ガス供給部
15 車輪
16 レール
17 環状室
18 チャンバー
19 チャンバーの上側の接続部
20 チャンバーの下側の接続部
21 真空滑り弁
22 交換ステーション
23 交換滑り弁
24 蓋
25 開口部
26 回転テーブル
27 ドッキングステーション
28 ガスノズル
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備(1)のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)であって、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパー(8)と鋳造ノズル(9)とを収容しているタンディッシュ容器(10)と、
前記鋳造ホッパー(8)及び/または前記鋳造ノズル(9)の加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つのドッキングステーション(27)とを備えており、
このドッキングステーションが、前記交換システム(2)の媒体連結装置に対して相補的に形成されており、
この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニット(7)の収容のための、少なくとも1つのチャンバー(18)を備えており、
前記チャンバー(18)が、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔(3)または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
この交換システムが、前記交換システム(2)内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)の準備のための手段を備えており、
更にこの交換システムが、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)の収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーション(22)を備えており、
並びに、この交換システムが、移動システムを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニット(7)が作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されていることを特徴とする交換システム(2)。
【請求項2】
前記移動システムは、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニット(7)が待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項3】
少なくとも1つの交換ステーションは、側方の開口部を介して、前記チャンバー(18)と接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の交換システム(2)。
【請求項4】
多数の交換ステーション(22)が設けられており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバー(18)と接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項5】
前記チャンバー(18)内に配置された回転テーブル(26)が設けられており、
この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニット(7)を収容することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項6】
前記回転テーブル(26)の上に配置されたタンディッシュユニット(7)は、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の交換システム(2)。
【請求項7】
タンディッシュユニット(7)のそれぞれの位置に、少なくとも1つのドッキングステーション(27)が割り当てされており、
前記ドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の交換システム(2)。
【請求項8】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、少なくとも1つのドッキングステーション(27)を有しており、
このドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、排気可能に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項10】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、真空滑り弁(21)を介して、前記チャンバー(18)と結合可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項11】
前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔(3)または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁(21)として形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項12】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、
少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の予熱のための、加熱ステーションとして形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項13】
前記移動システムは、リニアガイドを備えており、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニット(7)が、移動可能に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一つに記載の交換システム(2)の使用のためのタンディッシュユニット(7)において、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパー(8)と鋳造ノズル(9)とを収容しているタンディッシュ容器(10)と、
前記鋳造ホッパー(8)及び/または前記鋳造ノズル(9)の加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つのドッキングステーション(27)とを備えており、
このドッキングステーションが、前記交換システム(2)の媒体連結装置に対して相補的に形成されている、
ことを特徴とするタンディッシュユニット(7)。
【請求項15】
移動可能な台枠が設けられており、この台枠が、前記交換システム(2)の前記移動システムに対して相補的に形成されていることを特徴とする請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項16】
前記タンディッシュ容器(10)は、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることを特徴とする請求項15に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項17】
前記タンディッシュ容器(10)は、ばね弾性的に台枠の上で支承されており、且つ、作業位置において、前記交換システム(2)の押圧体と協働することを特徴とする請求項14または15に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項18】
少なくとも1つの滑りガイドが設けられており、
前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働することを特徴とする請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項19】
少なくとも1つの密閉手段が、前記鋳造ノズル(9)のノズルプレート(12)の下側に設けられており、
この密閉手段が、前記チャンバーの下側の接続部(20)の領域内における、真空滑り弁(21)の密閉面と協働することを特徴とする請求項14から18のいずれか一つに記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一つに記載の、交換システム(2)と複数のタンディッシュユニット(7)とを有することを特徴とする霧化設備(1)。
【請求項21】
請求項20に記載の霧化設備(1)であって、この霧化設備(1)が少なくとも1つの第1の霧化塔(3)を備えており、
この霧化塔が、前記交換システム(2)の前記チャンバー(18)の接続部と気密に接続可能であることを特徴とする霧化設備(1)。
【請求項22】
少なくとも1つの第2の霧化塔(3)が設けられており、
前記交換システム(2)が、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔(3)と接続可能であることを特徴とする請求項20または21に記載の霧化設備(1)。
【請求項23】
複数のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)を有する、霧化設備(1)内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法
であって、
この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)が、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)が、前記交換システム(2)から取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム(2)内の作業位置における第1のタンディッシュユニット(7)内への、装填装置としての鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズル(9)の下に配置されている霧化塔(3)または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニット(7)の該鋳造ノズル(9)を通しての、前記溶融物の霧化とを含む、
前記方法において、
請求項1から13のいずれか一つに記載の交換システム(2)を使用する、
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に従う方法であって、請求項14から19のいずれか一つに記載の少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)を使用することを特徴とする方法。
【請求項25】
前記溶融流動状態の金属の前記供給は、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット(7)内における金属表面に依存して制御されることを特徴とする請求項
23または24に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備のタンディッシュユニットのための交換システム関する。本発明は、更に、そのような交換システムのためのタンディッシュユニット、霧化設備、並びに、金属溶融物の霧化のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
霧化設備もしくは粉末霧化設備は、液状金属から、保護ガス雰囲気内における霧化を用いて粉末を生成する設備である。この粉末は、引き続いてガスから析出され、且つ、後処理される。
【0003】
特許文献1から、金属粉末の製造のための装置が公知である。
この公知の装置は、溶融流動状態の原材料のための貯蔵容器と、少なくとも1つの交換可能な鋳造ホッパーと、少なくとも1つの霧化設備と、および、この霧化設備の下に配置されている、生成された金属粉末の凝固のための少なくとも1つの落下ダクトとを備えている。
落下ダクトの上に、貯蔵容器と鋳造ホッパーとを取り囲むチャンバーが配置されている。この鋳造ホッパーおよびこれら鋳造ホッパーを容易に交換可能とするために、このチャンバーは、鋳造ホッパーの領域内において、閉鎖可能な側方の開口部を備えており、この開口部に、少なくとも1つの鋳造ホッパーの挿入のための、ロックゲートチャンバーが取り付けられている。
ガイドレールの上で、選択的に、チャンバー内へと引き込み可能、且つ、完全にロックゲートチャンバー内へと引き返し可能な車両が配置されており、この車両の下側に、鋳造ホッパーの数に相応する数の霧化ノズルが固定されている。これら鋳造ホッパーは、上方から、車両の上に載置可能である。
落下ダクトは連結装置を備えており、この連結装置が、落下ダクトの上方での鋳造ホッパーと霧化ノズルとから成る同軸の構造部品群の位置決めの後、この落下ダクトと霧化設備との間の気密の結合を形成する。
【0004】
この装置において、鋳造ホッパーは、この装置のその他の部分の換気無しに、簡単な構造およびやり方で交換可能であるべきであり、且つ、それに加えて、この鋳造ホッパーと霧化ノズルの正確な位置決めが可能であるべきである。
【0005】
特許文献2に従う方法において、他の鋳造ホッパーが予熱される間じゅう、常に1つの鋳造ホッパーが作業位置に在る。従って、これら鋳造ホッパーを、使用の以前に、最適な作業温度にすることは可能である。チャンバーからの、これら鋳造ホッパーの取り出しおよび交換がそれぞれに対で行われ、そのために、この方法は、必然的に中断される必要がある。
【0006】
更に別の従来技術は、特許文献3、4、5、6、7、8、および、9から公知である。
【0007】
もちろん、鋳造ノズル及び/または鋳造ホッパーの交換は、磨耗の理由から、時々、必要である。特許文献1に従う方法の際のように、重複的な鋳造ホッパーが準備される場合、更に別の霧化機構ユニットをこのシステム内に導入するために、比較的に短い時間の後、霧化プロセスの中断が必要である。
これら霧化機構ユニットの内の1つの霧化機構ユニットが、保護ガス雰囲気のもとで、再び作動温度に到達した際に、霧化設備の作動は、初めて、再び開始され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第41 29 991 C1号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第41 42 991 C1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第33 11 343 A1号明細書
【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許第35 339 64 C1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第40 113 92 A1号明細書
【特許文献6】ドイツ連邦共和国特許第100 44 364 C1号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第197 38 682 A1号明細書
【特許文献8】国際公開第2018/189708 A1号
【特許文献9】中国特許出願公開第109641276 A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された様式の交換システムを提供することであり、この交換システムが、製造設備のほぼ連続的な作動を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1の特徴を有する交換システムによって解決される。交換システムの有利な構成は、当該の従属請求項から与えられる。
【0011】
この課題は、更に、本発明に従う交換システムの使用のための、請求項14に従うタンディッシュユニットの提供によって解決される。
【0012】
この課題は、要するに、本発明に従う交換システムと複数のタンディッシュユニットとを有する霧化設備の提供によって、並びに、請求項23の特徴を有する霧化のための方法の提供によって解決される。
【0013】
特に本発明に従う交換システムによって、金属溶融物を、金属粉末へと、ほぼ連続的な方法において提供することは可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の観点により、特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備のタンディッシュユニットのための交換システムが提供され、
その際、この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニットの収容のための、少なくとも1つのチャンバーを備えており、
その際、前記チャンバーが、有利には鋳造装置の形態での、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
その際、この交換システムが、更に、前記交換システム内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニットの準備のための手段と、
少なくとも1つの第3のタンディッシュユニットの収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーションと、並びに、移動システムとを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニットが作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニットの前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されている。
【0015】
ほぼ連続的な霧化を可能とするために、作業位置に在るタンディッシュユニットもしくは霧化ユニットは、連続的に、液状の金属によって充填される。
ノズルの耐用期間に基づいて、それらタンディッシュユニット内において、霧化が行われ得る複数の該タンディッシュユニットを準備することが必要であるので、本発明に従い、複数のタンディッシュユニットを、交換システム内において編成することは意図されている。
本発明に従い、少なくとも3つ、有利には、しかしながら、4つのタンディッシュユニットが、交換システム内において設けられている。従って、後に作業位置に在るタンディッシュユニットと交換され得るために、更に別のタンディッシュユニットが正に増設または予熱される間じゅう、常に、1つのタンディッシュユニットが作動状態にあることは可能である。
【0016】
タンディッシュユニット内への溶融物の鋳込み、および、このタンディッシュユニット(同様に霧化ユニットとも称される)の作動は、保護ガス雰囲気内において行われる。
【0017】
タンディッシュユニットの交換が、保護ガス雰囲気のもとで行われ得るために、本発明に従う交換システムは、少なくとも1つのタンディッシュユニットの収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーションを備えている。
【0018】
本発明に従う前記交換システムの前記移動システムは、有利には、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニットが待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニットの前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されている。
【0019】
少なくとも1つの交換ステーションが、例えば、側方の開口部を介して、前記チャンバーと接続されていることは可能である。
【0020】
交換ステーションと同様に、チャンバーも、有利には、排気可能(evakuierbar)であり、且つ、不活性ガスもしくは保護ガスによって満たされ得る。
【0021】
本発明に従う交換システムの1つの実施形態において、この交換システムが、多数の交換ステーションを有しており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバーと接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されている。
【0022】
この交換システムの、特に有利な変形例において、総じて4つの交換ステーションが設けられていることは意図されており、これら交換ステーションが、それぞれに側方で、ほぼ中央に配置されているチャンバーと接続されている。
交換ステーションは、例えば、チャンバーと共に、移動交差部(Verschiebekreuz)を形成可能である。それぞれの交換ステーションは、有利には、一種の回廊を形成し、この回廊が、半径方向に、チャンバーの中心から延在している。
チャンバーの中心において、例えば、作業位置におけるタンディッシュユニットが配置されていることは可能である。2つの交換ステーションにおいて、それぞれに1つのタンディッシュユニットが、待機位置において予熱され得、他方、1つの交換ステーションにおいて、1つのタンディッシュユニットが交換され得る。
【0023】
本発明に従う第2の実施例において、交換システムは、前記チャンバー内に配置された回転テーブルを備えており、この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニットを収容する。
これらタンディッシュユニットは、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能である。
【0024】
回転テーブルを備えている本発明に従う交換システムの合目的な構成において、この回転テーブルの上での、タンディッシュユニットの位置に、少なくとも1つの媒体連結装置が割り当てられており、前記媒体連結装置が、タンディッシュユニットの、相補的に形成された媒体連結装置と接続可能である。
媒体連結装置と、有利には、電流、冷却水、不活性ガス、等々のための媒体供給装置が接続されている。
【0025】
付加的または選択的に、それぞれの交換ステーションにおいて、少なくとも1つの媒体連結装置が設けられていることは可能であり、この媒体連結装置が、タンディッシュユニットの相補的に形成された媒体連結装置と接続可能である。
【0026】
合目的に、少なくとも1つの交換ステーションは、排気可能に形成されている。
【0027】
少なくとも1つの交換ステーションは、少なくとも1つの真空滑り弁を介して、前記チャンバーと結合可能である、もしくは、前記真空滑り弁を介して、このチャンバーから分離可能である。
【0028】
有利には、全ての交換ステーションは、チャンバーに関して、気密に遮断可能、および、排気可能である。このことによって、交換ステーションを、比較的に迅速に、タンディッシュユニットの取り出しの以前に、空気によって満たすことは可能である。
【0029】
有利には、前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁として形成されている。装填装置として、例えば、真空誘導鋳造装置が意図されていることは可能であり、この真空誘導鋳造装置と、交換システムが、気密に接続可能である。
【0030】
少なくとも1つの交換ステーションは、有利には、少なくとも1つのタンディッシュユニットの予熱のための、加熱ステーションとして形成されている。
【0031】
本発明に従う前記移動システムが、リニアガイドを備えていることは可能であり、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニットが、移動可能に配置されている。
リニアガイドとして、例えば、ガイドレールが意図されていることは可能であり、これらガイドレールが、滑りガイドとして、または、タンディッシュユニットの移動可能な台枠の収容のために、形成されていることは可能である。
【0032】
本発明の対象は、更に、前述された様式の交換システムの使用のためのタンディッシュユニットであり、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパーと鋳造ノズルとを収容しているタンディッシュ容器と、
前記鋳造ホッパー及び/または前記鋳造ノズルの加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つの媒体連結装置とを備えており、
この媒体連結装置が、前記交換システムの媒体連結装置に対して相補的に形成されている。
【0033】
タンディッシュユニットが、滑動体、または、少なくとも1つの滑りガイドを、ノズルプレートの下側において有していることは可能である。選択的に、タンディッシュユニットが、移動可能な台枠を有していることは可能であり、この台枠が、前記交換システムの前記移動システムに対して相補的に形成されている。
【0034】
タンディッシュユニットのノズルプレートと、霧化ダクト滑り弁との間の十分な密閉性を保証するために、例えば、前記タンディッシュ容器が、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることは意図され得、従って、このタンディッシュユニットの作業位置において、霧化プロセス室、例えば、霧化塔または霧化ダクトに対する真空密の結合が形成される。
このことによって、霧化ダクトプロセス室内への妨害ガスの流入は、高い信頼性で防止される。前記台枠に対して相対的な、前記タンディッシュ容器の垂直方向の移動可能性は、密閉材の係合および係脱の引き起こしを生起する。
【0035】
タンディッシュユニットは、不活性ガスで作動される空気圧シリンダーを介して、移動システム内において上昇および降下され得る。ノズルプレートと霧化ダクト滑り弁との間の密閉性を保証するために、タンディッシュユニットは、作業位置において降下される。
【0036】
選択的に、タンディッシュユニットが作業位置において前記交換システムの押圧体と協働するように、このタンディッシュユニットがばね弾性的に台枠の上で支承されていることが意図されていることは可能である。
チャンバー内における当該のステーションが、シリンダーによって作動される押圧体を備えていることは可能である。タンディッシュユニットは、その場合に、押圧体によって、霧化ダクト滑り弁に対して押圧される。タンディッシュユニットのばね付勢された支承によって、このタンディッシュユニットは、押圧体の持ち上げの際に、自動的に霧化ダクト滑り弁から解離する。
【0037】
移動可能な台枠の代わりに、タンディッシュユニットが、少なくとも1つの滑りガイドを有していることは可能であり、前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働する。
【0038】
有利には、タンディッシュユニットは、少なくとも1つの密閉手段を、前記鋳造ノズルのノズルプレートの下側で備えており、この密閉手段が、霧化ダクト滑り弁真空滑り弁の密閉面と協働する。密閉手段が、例えば、滑り密閉材または摩擦密閉材として構成されていることは可能である。
選択的に、移動システムもしくはリニアガイドの傾斜が意図されていることは可能であり、従って、タンディッシュユニットは、この傾斜を介して、位置決めの際に、このタンディッシュユニットの自重によって、霧化ダクト滑り弁の密閉面の上に設置される。
【0039】
本発明の更に別の観点により、前述された様式の、交換システムと複数のタンディッシュユニットとを有する霧化設備が提供される。
【0040】
霧化設備が、少なくとも1つの第1の霧化塔を備えていることは可能であり、この霧化塔が、前記交換システムの前記チャンバーの接続部と気密に接続可能である。
【0041】
本発明に従う霧化設備の特に有利な変形例において、この霧化設備が、少なくとも1つの第2の霧化塔を備えており、前記交換システムが、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔と接続可能であることは意図されている。
【0042】
本発明の更に別の観点は、複数のタンディッシュユニットのための交換システムを有する、霧化設備内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法に関し、この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニットが、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニットが、前記交換システムから取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム内の作業位置における第1のタンディッシュユニット内への、装填装置としての真空誘導鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズルの下に配置されている霧化塔または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニットの該鋳造ノズルを通しての、前記溶融物の霧化と、
を含む。
【0043】
この方法は、合目的に、前述された様式の交換システムを使用し、並びに、有利には、前述された様式の少なくとも1つのタンディッシュユニットを使用する。
【0044】
この方法において、前記溶融流動状態の金属の前記供給を、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット内における金属表面に依存して制御することが意図されていることは可能である。その際、例えば、液体レベルは、レーザー間隔測定装置を用いて検出され得る。
【0045】
以下で、複数の実施例に基づいて、添付された図との関連のもとで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2】本発明に従う交換システムの第1の実施例の透視図である。
【
図3】本発明に従う交換システムの第2の実施例の透視図である。
【
図7】本発明に従うタンディッシュユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1内において図示されている霧化設備1は、交換システム2を備えており、この交換システムが、図示されていない鋳造装置の下方に配置されている。交換システム2は、真空密に、霧化塔3と接続されており、この霧化塔内において、液状の金属が、粉末冶金的な目的のために、金属粉末へと霧化される。
この霧化は、不活性ガス雰囲気のもとで行われる。この粉末は、引き続いて、ガスから分離され、且つ、後処理される。この分離は、サイクロン段4、および、後接続されたフィルター設備5を介して行われる。分離された金属粉末は、異なる粉末容器6内へと捕捉され、且つ、引き続いて更に別の使用に供される。
【0048】
液状の金属の霧化は、例えば
図7内において図示されているタンディッシュユニット7によって行われ、このタンディッシュユニットが、鋳造ホッパー8と鋳造ノズル9とを備えている。
鋳造ホッパー8は、溶融流動状態の金属のための中間容器を形成し、この溶融流動状態の金属が、交換システム2の上方の図示されていない鋳造装置から、タンディッシュユニット7に連続的に供給される。その際、鋳造ホッパー8内における液体レベルは、レーザー及び/または超音波を用いて検出される。この液体レベルに依存して、鋳造装置の栓止棒の制御は意図されている。
タンディッシュユニット7は、耐火性内張り11を有するタンディッシュ容器10を備えており、この耐火性内張りが、鋳造ホッパー8を囲んでいる。鋳造ホッパー8は、鋳造ノズル9へと開口しており、この鋳造ノズルが、ノズルプレート12内において配設されている。
図7に従う図示において、鋳造ノズル9は、下方へと、ノズルプレート12を通って突出している。鋳造ノズル9が、同様に、完全にノズルプレート12内にぴったり嵌ることも可能であり、このことは、真空滑り弁フランジ(Vakuum-Schieber-Flansch)に対する密閉に関して必要である可能性がある。
【0049】
タンディッシュ容器10の耐火性内張り11の内部に、黒鉛ヒーターが設けられており、この黒鉛ヒーターの抵抗加熱要素13がこの耐火性内張り11の中に埋設されている。同様に鋳造ノズル9も、部分的に、耐火性内張り11によって囲まれており、この耐火性内張り内において、同様に、抵抗加熱要素13が埋設されており、これら抵抗加熱要素が、ノズル加熱を生じさせる。
タンディッシュユニット7は、ガスノズル28を備えており、このガスノズルが、両側で、不活性ガス供給部14と接続されている。鋳造ノズル9から流出する溶融流動状態の金属は、ガスノズル28を通って供給される不活性ガスによって、霧化設備1の霧化塔3内において粉末へと霧化される。
【0050】
記載された実施例において、タンディッシュ容器10は移動可能な台枠を備えており、この台枠が、単に示唆的に、図内において図示されている。
タンディッシュ容器10の車輪15を介して、このタンディッシュ容器は、交換システム2のレール16の上で移動され得る。タンディッシュ容器10は、更に環状室17を備えており、この環状室が、冷却水でもって作用可能であり、且つ、冷却ジャケットを形成し、この冷却ジャケットを介して、必要に応じて、鋳造ホッパー8が冷却可能である。冷却ジャケットは、プロセス室の所望されない同時加熱を防止する。
【0051】
以下で、
図2が引き合いに出され、この
図2は、本発明に従う交換システム2の第1の実施例を示している。
交換システム2は、真空密で閉鎖可能なチャンバー18を備えており、このチャンバーが、鋳造装置に対する上側の接続部19と、霧化塔3に対する下側の接続部20とを有している。上側の接続部19と同様に、下側の接続部20も、真空滑り弁21を介して、閉鎖可能である。
上側の接続部19、もしくは、当該の真空滑り弁21は、開放可能なベローズバイザー(Balgvisier)を備えており、このベローズバイザーが、鋳造装置もしくはこの鋳造装置の保温炉に対する、補償体もしくは折畳みベローズに対して連結可能である。
下側の接続部20の真空滑り弁21は、霧化ダクト滑り弁(Verduesungsschacht-Schieber)として構成されており、この霧化ダクト滑り弁が、同様に、開放可能なベローズバイザーを備えている。
【0052】
交換システム2は、4つの交換ステーション22を備えており、これら交換ステーションが、それぞれに、ロックゲートチャンバーとして形成されており、且つ、チャンバー18の側方の開口部と接続されている。交換ステーション22は、交換滑り弁23を介して、それぞれに、真空密もしくは気密に、チャンバー18に対して相対的に遮断可能である。
完全に排気可能であり且つ真空システムとの相応する接続を有する、交換ステーション22は、取り外し可能な蓋24を介してアクセス可能である。蓋24は、密に閉鎖可能に、交換ステーション22の上の相応する開口部25の上に配置されている。
【0053】
交換ステーション22は、記載された実施例において円形の断面を有するチャンバー18に対して相対的に、十字形に配置されており、従って、それぞれの交換ステーション22が、チャンバー18の外周において、隣接する交換ステーション22に対して相対的に90°の角度間隔を有して延在している。
既に上述されているように、交換ステーション22とチャンバー18とを通って、レール16(例えば
図4を参照のこと)が延在しており、これらレールの上で、交換システム2の内部に配置されたタンディッシュユニット7が移動可能である。
【0054】
タンディッシュユニット7は、図示されていないクレーンを介して、開口部25を通って、交換ステーション22内へと導入され、これら交換ステーションが、それぞれに、同様に、これらタンディッシュユニット7の予熱のための加熱ステーションとしても形成されており、且つ、それぞれに、相応する媒体連結装置を備えている。
【0055】
交換ステーション22は、全長さにわたって、交換可能な耐火性-放射線シールドを備えている。これら交換ステーション22は、それぞれに、別個に、真空ポンプを介して排気可能であり、且つ、選択的に、不活性ガス(アルゴンまたは窒素)、または、空気でもって満たされ得る。
交換ステーション22の数は、1700と1800℃の間の温度への、タンディッシュユニット7の耐火性内張り11の必要な加熱時間から与えられる。約300℃の温度以上では、タンディッシュユニット7の加熱は、不活性ガスだけのもとで行われ得る。何故ならば、さもなければ、タンディッシュ容器の黒鉛が加熱して燃焼するからである。
タンディッシュユニット7のエネルギーおよび媒体供給は、不活性ガスのための高圧チューブを用いて行われる。電力供給および熱電素子導管(Stromversorgung und Thermoelement-Leitungen)は、ケーブルとして構成されている。冷却水供給は、チューブを用いて行われる。
【0056】
交換システム2の内部での、タンディッシュユニット7の直線移動および位置決めのために、可変の調節可能な速度と変位測定システムとを有する、電気シリンダーまたは直接駆動装置が設けられている。
【0057】
図2内において、チャンバー18内において配置されているタンディッシュユニット7は、作業位置に在り、この作業位置において、上側の接続部19および下側の接続部20の真空滑り弁21が開放されている。
1つのタンディッシュユニット7は、交換位置に在る。前もって、不活性ガスを用いて、タンディッシュユニット7の黒鉛ヒーターは、300℃よりも低い温度に冷却される。当該の交換ステーション22への交換滑り弁23は閉鎖されている。
【0058】
当該の交換ステーション22の蓋24が開放され得る以前に(図内において、交換ステーション22が、既に開放された状態において図示されている)、この交換ステーション22は排気され、且つ、空気によって満たされる。行われた交換工程の後、蓋24は再び閉鎖され、排気され、不活性ガスによって満たされ、且つ、温度制御された加熱プロセスが開始される。
少なくとも2つのタンディッシュユニット7は、それぞれに、他の交換ステーション22内における保温位置に在る。加熱工程は、温度制御されて行われる。既に上述されているように、タンディッシュユニット7は、作業位置、即ち霧化位置に在る。
【0059】
図3は、本発明に従う第2の実施例を示している。同じ構造部材は、同じ参照符号を備えている。
第2の実施例に従う交換システム2は、1つのチャンバー18、並びに、側方の開口部を介して接続された1つの交換ステーション22を備えており、この交換ステーションが、同様に、交換滑り弁23によって、このチャンバー18から分離可能である。この交換ステーション22は、第1の実施例に従う交換ステーションに相応して形成されている。
【0060】
図3に従う実施例は、
図2に従う実施例と、チャンバー18内において1つの回転テーブル26が配置されており、この回転テーブルの上に、多数のタンディッシュユニット7、記載された実施例において4つのタンディッシュユニットが配置されていることによって相違する。
チャンバー18の下側の接続部20は、偏心的に配置されている。回転テーブル26は、回転軸線を中心として、待機位置への、作業位置に在るタンディッシュユニット7の交換が行われるように位置調節され得、その際、回転テーブル26の上に配置されている、更に別のタンディッシュユニット7が、作業位置に移動される。
この目的のために、交換滑り弁23が開放され、作業位置に在るタンディッシュユニット7が、
図3内において図示されていないレール16を介して、交換ステーション22に移動され、且つ、待機位置に在るタンディッシュユニット7が、回転テーブル26の回転を介して、作業位置に移動される。
タンディッシュユニット7が、交換ステーション22の内部の交換位置に在る場合、不活性ガスを用いて、黒鉛ヒーターは、しかも300℃以下の温度へと冷却される。その際、チャンバー18への交換滑り弁23は、閉鎖されている。その後、交換ステーション22は排気され、且つ、空気によって満たされる。
行われた交換工程の後、蓋24が閉鎖され、交換ステーション22が排気され、且つ、不活性ガスによって満たされる。次いで、タンディッシュユニット7の温度制御される加熱プロセスが開始される。チャンバー18に対する、行われた圧力の平衡の後、交換滑り弁23は開放される。装入されたタンディッシュユニット7は、直線的に回転テーブル26の自由なスペース上に位置決めされる。
タンディッシュユニット7は、媒体供給に対して、回転テーブル26の上の、ただ示唆的にだけ図示されたドッキングステーション27を用いて連結される。回転テーブル26の上でのそれぞれの位置に、ドッキングステーション27が割り当てられている。ドッキングステーション27を介して、タンディッシュユニット7は、媒体を供給される。
少なくとも2つのタンディッシュユニット7は、回転テーブル26の待機位置に在り、この待機位置において、1700℃から1800℃への加熱及び/または保温が行われる。交換滑り弁23は、通常は、閉鎖された状態にあり、圧力の平衡を形成するために、この交換滑り弁が、タンディッシュユニット7の取り出しおよび装着の際にだけ開放される。
【0061】
既に上述されているように、作業位置へのタンディッシュユニット7の移動の際に、ノズルプレート12と真空滑り弁21との間の密閉は必要である。真空滑り弁21は、チャンバー18の下側の接続部20を具現する。そのような密閉は、相応する滑り密閉材または摩擦密閉材を用いて、一方ではノズルプレートと、他方では真空滑り弁21の密閉面との間で行われ得る。
【0062】
選択的に、タンディッシュユニット7が、垂直方向に移動可能であり、且つ、作業位置において降下可能であることが意図されていることは可能であり、従って、密閉手段が、ノズルプレート、及び/または、霧化滑り弁フランジにおいて、その際、互いに係合状態にされる。タンディッシュユニット7は、例えば、不活性ガスで作動される空気圧シリンダーを介して、レールシステム内において上昇および降下され得る。
ノズルプレート12と真空滑り弁21との間の密閉性を保証するために、タンディッシュユニット7は、位置決めの際に降下される。タンディッシュユニット7の選択的な構成は、このタンディッシュユニット7が、ばね弾性的に、車輪の上に支承されており、且つ、作業位置において、図示されていない押圧体によって、密閉される位置で保持されることを意図する。
押圧体は、ノズルプレート12を、真空滑り弁21のフランジに対して押圧する。押圧体の持ち上げの際に、タンディッシュユニット7は、自動的に、真空滑り弁21から解離可能である。
【0063】
図1内において概略的に図示されているように、霧化設備1が、複数の霧化塔3を有していることは可能である。交換システム2が、選択的に、一方の、または、他方の霧化塔3と接続されることは可能である。
【0064】
霧化塔3は、水冷される。これら霧化塔が、それに加えて、付加的に電気的な水予熱装置を備えていることは可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備(1)のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)であって、
この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニット(7)の収容のための、少なくとも1つのチャンバー(18)を備えており、
前記チャンバー(18)が、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔(3)または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
この交換システムが、前記交換システム(2)内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)の準備のための手段を備えており、
更にこの交換システムが、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)の収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーション(22)を備えており、
並びに、この交換システムが、移動システムを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニット(7)が作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されていることを特徴とする交換システム(2)。
2.
前記移動システムは、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニット(7)が待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されていることを特徴とする上記1に記載の交換システム(2)。
3. 少なくとも1つの交換ステーションは、側方の開口部を介して、前記チャンバー(18)と接続されていることを特徴とする上記1または2に記載の交換システム(2)。
4. 多数の交換ステーション(22)が設けられており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバー(18)と接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されていることを特徴とする上記1から3のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
5. 前記チャンバー(18)内に配置された回転テーブル(26)が設けられており、
この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニット(7)を収容することを特徴とする上記1から4のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
6. 前記回転テーブル(26)の上に配置されたタンディッシュユニット(7)は、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能であることを特徴とする上記5に記載の交換システム(2)。
7. タンディッシュユニット(7)のそれぞれの位置に、少なくとも1つのドッキングステーション(27)が割り当てされており、
前記ドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする上記5または6に記載の交換システム(2)。
8. 少なくとも1つの交換ステーション(22)は、少なくとも1つのドッキングステーション(27)を有しており、
このドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする上記1から7のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
9. 少なくとも1つの交換ステーション(22)は、排気可能に形成されていることを特徴とする上記1から8のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
10. 少なくとも1つの交換ステーション(22)は、真空滑り弁(21)を介して、前記チャンバー(18)と結合可能であることを特徴とする上記1から9のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
11. 前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔(3)または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁(21)として形成されていることを特徴とする上記1から10のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
12. 少なくとも1つの交換ステーション(22)は、
少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の予熱のための、加熱ステーションとして形成されていることを特徴とする上記1から11のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
13. 前記移動システムは、リニアガイドを備えており、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニット(7)が、移動可能に配置されていることを特徴とする上記1から12のいずれか一つに記載の交換システム(2)。
14. 上記1から13のいずれか一つに記載の交換システム(2)の使用のためのタンディッシュユニット(7)において、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパー(8)と鋳造ノズル(9)とを収容しているタンディッシュ容器(10)と、
前記鋳造ホッパー(8)及び/または前記鋳造ノズル(9)の加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つのドッキングステーション(27)とを備えており、
このドッキングステーションが、前記交換システム(2)の媒体連結装置に対して相補的に形成されている、
ことを特徴とするタンディッシュユニット(7)。
15. 移動可能な台枠が設けられており、この台枠が、前記交換システム(2)の前記移動システムに対して相補的に形成されていることを特徴とする上記14に記載のタンディッシュユニット(7)。
16. 前記タンディッシュ容器(10)は、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることを特徴とする上記15に記載のタンディッシュユニット(7)。
17. 前記タンディッシュ容器(10)は、ばね弾性的に台枠の上で支承されており、且つ、作業位置において、前記交換システム(2)の押圧体と協働することを特徴とする上記14または15に記載のタンディッシュユニット(7)。
18. 少なくとも1つの滑りガイドが設けられており、
前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働することを特徴とする上記14に記載のタンディッシュユニット(7)。
19. 少なくとも1つの密閉手段が、前記鋳造ノズル(9)のノズルプレート(12)の下側に設けられており、
この密閉手段が、前記チャンバーの下側の接続部(20)の領域内における、真空滑り弁(21)の密閉面と協働することを特徴とする上記14から18のいずれか一つに記載のタンディッシュユニット(7)。
20. 上記1から19のいずれか一つに記載の、交換システム(2)と複数のタンディッシュユニット(7)とを有することを特徴とする霧化設備(1)。
21. 上記20に記載の霧化設備(1)であって、この霧化設備(1)が少なくとも1つの第1の霧化塔(3)を備えており、
この霧化塔が、前記交換システム(2)の前記チャンバー(18)の接続部と気密に接続可能であることを特徴とする霧化設備(1)。
22. 少なくとも1つの第2の霧化塔(3)が設けられており、
前記交換システム(2)が、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔(3)と接続可能であることを特徴とする上記20または21に記載の霧化設備(1)。
23. 複数のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)を有する、霧化設備(1)内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法において、
この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)が、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)が、前記交換システム(2)から取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム(2)内の作業位置における第1のタンディッシュユニット(7)内への、装填装置としての鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズル(9)の下に配置されている霧化塔(3)または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニット(7)の該鋳造ノズル(9)を通しての、前記溶融物の霧化とを含む、
ことを特徴とする方法。
24. 上記23に従う方法であって、上記1から13のいずれか一つに記載の交換システム(2)を使用することを特徴とする方法。
25. 上記24に従う方法であって、上記14から19のいずれか一つに記載の少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)を使用することを特徴とする方法。
26. 前記溶融流動状態の金属の前記供給は、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット(7)内における金属表面に依存して制御されることを特徴とする上記23から25のいずれか一つに記載の方法。
【符号の説明】
【0065】
1 霧化設備
2 交換システム
3 霧化塔
4 サイクロン段
5 フィルター設備
6 粉末容器
7 タンディッシュユニット
8 鋳造ホッパー
9 鋳造ノズル
10 タンディッシュ容器1
11 耐火性内張り
12 ノズルプレート
13 抵抗加熱要素
14 不活性ガス供給部
15 車輪
16 レール
17 環状室
18 チャンバー
19 チャンバーの上側の接続部
20 チャンバーの下側の接続部
21 真空滑り弁
22 交換ステーション
23 交換滑り弁
24 蓋
25 開口部
26 回転テーブル
27 ドッキングステーション
28 ガスノズル
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に粉末冶金的な目的のための、金属溶融物の霧化のための霧化設備(1)のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)であって、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパー(8)と鋳造ノズル(9)とを収容しているタンディッシュ容器(10)と、
前記鋳造ホッパー(8)及び/または前記鋳造ノズル(9)の加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つのドッキングステーション(27)とを備えており、
このドッキングステーションが、前記交換システム(2)の媒体連結装置に対して相補的に形成されており、
この交換システムが、作業位置における、少なくとも1つの第1のタンディッシュユニット(7)の収容のための、少なくとも1つのチャンバー(18)を備えており、
前記チャンバー(18)が、装填装置との少なくとも1つの接続部と、霧化塔(3)または霧化ダクトとの少なくとも1つの接続部とを有しており、
この交換システムが、前記交換システム(2)内の待機位置における、少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)の準備のための手段を備えており、
更にこの交換システムが、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)の収容及び/または導入及び/または取り出しのための、ロックゲートチャンバーとして形成された、少なくとも1つの交換ステーション(22)を備えており、
並びに、この交換システムが、移動システムを備えており、
この移動システムが、1つのタンディッシュユニット(7)が作業位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように、形成されていることを特徴とする交換システム(2)。
【請求項2】
前記移動システムは、第2の及び/または更に別のタンディッシュユニット(7)が待機位置に在る間じゅう、少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の前記導入及び/または前記取り出しが行われ得るように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項3】
少なくとも1つの交換ステーションは、側方の開口部を介して、前記チャンバー(18)と接続されていることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項4】
多数の交換ステーション(22)が設けられており、
これら交換ステーションが、それぞれに側方で、前記チャンバー(18)と接続しており、且つ、これら交換ステーションの少なくとも1つ、有利には全てが、ロックゲートチャンバーとして形成されていることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項5】
前記チャンバー(18)内に配置された回転テーブル(26)が設けられており、
この回転テーブルが、多数のタンディッシュユニット(7)を収容することを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項6】
前記回転テーブル(26)の上に配置されたタンディッシュユニット(7)は、作業位置から、複数の待機位置へと回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の交換システム(2)。
【請求項7】
タンディッシュユニット(7)のそれぞれの位置に、少なくとも1つのドッキングステーション(27)が割り当てされており、
前記ドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする
請求項5に記載の交換システム(2)。
【請求項8】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、少なくとも1つのドッキングステーション(27)を有しており、
このドッキングステーションが、タンディッシュユニット(7)の、相補的に形成されたドッキングステーション(27)と接続可能であることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、排気可能に形成されていることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項10】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、真空滑り弁(21)を介して、前記チャンバー(18)と結合可能であることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項11】
前記装填装置との接続部、および、前記霧化塔(3)または霧化ダクトとの接続部は、真空滑り弁(21)として形成されていることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項12】
少なくとも1つの交換ステーション(22)は、
少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)の予熱のための、加熱ステーションとして形成されていることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項13】
前記移動システムは、リニアガイドを備えており、これらリニアガイドの上で、または、これらリニアガイドに沿って、前記タンディッシュユニット(7)が、移動可能に配置されていることを特徴とする
請求項1に記載の交換システム(2)。
【請求項14】
請求項1に記載の交換システム(2)の使用のためのタンディッシュユニット(7)において、
このタンディッシュユニットが、
鋳造ホッパー(8)と鋳造ノズル(9)とを収容しているタンディッシュ容器(10)と、
前記鋳造ホッパー(8)及び/または前記鋳造ノズル(9)の加熱及び/または冷却のための手段と、
少なくとも1つのドッキングステーション(27)とを備えており、
このドッキングステーションが、前記交換システム(2)の媒体連結装置に対して相補的に形成されている、
ことを特徴とするタンディッシュユニット(7)。
【請求項15】
移動可能な台枠が設けられており、この台枠が、前記交換システム(2)の前記移動システムに対して相補的に形成されていることを特徴とする請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項16】
前記タンディッシュ容器(10)は、前記台枠に対して相対的に、垂直方向に移動可能であることを特徴とする請求項15に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項17】
前記タンディッシュ容器(10)は、ばね弾性的に台枠の上で支承されており、且つ、作業位置において、前記交換システム(2)の押圧体と協働することを特徴とする
請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項18】
少なくとも1つの滑りガイドが設けられており、
前記滑りガイドが、前記移動システムの相応するガイド手段と協働することを特徴とする請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項19】
少なくとも1つの密閉手段が、前記鋳造ノズル(9)のノズルプレート(12)の下側に設けられており、
この密閉手段が、前記チャンバーの下側の接続部(20)の領域内における、真空滑り弁(21)の密閉面と協働することを特徴とする
請求項14に記載のタンディッシュユニット(7)。
【請求項20】
請求項14に記載の、交換システム(2)と複数のタンディッシュユニット(7)とを有することを特徴とする霧化設備(1)。
【請求項21】
請求項20に記載の霧化設備(1)であって、この霧化設備(1)が少なくとも1つの第1の霧化塔(3)を備えており、
この霧化塔が、前記交換システム(2)の前記チャンバー(18)の接続部と気密に接続可能であることを特徴とする霧化設備(1)。
【請求項22】
少なくとも1つの第2の霧化塔(3)が設けられており、
前記交換システム(2)が、選択的に、前記第1霧化塔または前記第2の霧化塔(3)と接続可能であることを特徴とする
請求項20に記載の霧化設備(1)。
【請求項23】
複数のタンディッシュユニット(7)のための交換システム(2)を有する、霧化設備(1)内における金属粉末への金属溶融物の霧化のための方法であって、
この方法が、
少なくとも1つの第2のタンディッシュユニット(7)が、待機位置において予熱され、且つ、少なくとも1つの第3のタンディッシュユニット(7)が、前記交換システム(2)から取り出されるかまたはこの交換システム内へと導入される間じゅうの、
前記交換システム(2)内の作業位置における第1のタンディッシュユニット(7)内への、装填装置としての鋳造装置からの、溶融流動状態の金属の供給と、
鋳造ノズル(9)の下に配置されている霧化塔(3)または霧化ダクト内への、前記タンディッシュユニット(7)の該鋳造ノズル(9)を通しての、前記溶融物の霧化とを含む、前記方法において、
請求項1に記載の交換システム(2)を使用する、
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に従う方法であって、
請求項14に記載の少なくとも1つのタンディッシュユニット(7)を使用することを特徴とする方法。
【請求項25】
前記溶融流動状態の金属の前記供給は、前記作業位置に在る前記タンディッシュユニット(7)内における金属表面に依存して制御されることを特徴とする
請求項23に記載の方法。
【国際調査報告】