(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】交互圧力サポート及び患者ベッド並びに動作のための方法
(51)【国際特許分類】
A61G 7/057 20060101AFI20240725BHJP
A61G 5/12 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61G7/057
A61G5/12 701
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506900
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022072282
(87)【国際公開番号】W WO2023017003
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021120696.0
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522366990
【氏名又は名称】ノクビ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Nocubi AG
【住所又は居所原語表記】Hauptstrasse 15 8274 Taegerwilen Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】スパレク・マルクス
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA01
4C040BB06
4C040EE04
4C040EE05
(57)【要約】
本発明は、交互圧力サポート(1)、その交互圧力サポート(1)を有する患者ベッド(50)及びその交互圧力サポート(1)を動作させるための方法に関する。交互圧力サポートは、複数の支持要素(2)と、横断方向(Q)に相互に対向し、長手方向(L)に延在し、ガイド内で支持要素(2)が対向端部(2a、2b)において可動に取り付けられた少なくとも2つのガイド(3a、3b)を有するガイドシステムと、を備える。本発明によると、支持要素(2)は、それらに掛かる荷重、すなわち、交互圧力サポート(1)に負担される荷重を弾性的に支持するために設計される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互圧力サポート(1)であって、複数の支持要素(2)と、横断方向(Q)に相互に対向して配置され、長手方向(L)に延在し、前記支持要素(2)が対向端部(2a、2b)において可動に取り付けられた少なくとも2つのガイド(3a、3b)を有するガイド構成と、を有し、
前記支持要素(2)は、前記ガイド構成上で前記支持要素に作用する荷重を弾性的に支持するために設計される、交互圧力サポート(1)。
【請求項2】
前記支持要素(2)の少なくとも一部が、少なくとも一部の単数又は複数の部分において弾性的な設計のものである、請求項1に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項3】
前記支持要素(2)の少なくとも一部は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、弾性変形可能なそれぞれの支持用構成(20)を有する、請求項1又は2に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項4】
前記支持用構成(20)は前記支持要素(2)の軸方向部分に対する回転可能固定接続のためのベース(20a)及び前記支持要素(2)のシェルに対する回転可能固定接続のためのスリーブ(20b)を有し、前記ベース(20a)は前記スリーブ(20b)に少なくとも1つの弾性変形可能な要素によって接続されている、請求項3に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項5】
前記支持要素(2)の少なくとも一部が、それぞれの車軸要素(9)及び該車軸要素(9)に弾性的に接続された少なくとも1つの支持ローラー(4)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項6】
前記支持ローラー(4)は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、前記車軸要素(9)周りの円管として設計され、前記支持用構成(20)は前記車軸要素(9)と前記支持ローラー(4)の間に配置されている、請求項3又は4のいずれか一項及び請求項5に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項7】
前記支持用構成(20)は前記車軸要素(9)に据え付けられ、前記支持ローラー(4)は前記支持用構成(20)に据え付けられる、請求項6に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項8】
前記支持要素(2)の少なくとも一部が、それぞれの弾性変形可能な発泡体(21)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項9】
前記支持要素(2)の少なくとも一部が、それぞれの弾性変形可能な形材(22)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項10】
前記形材(22)は、断面において星形設計のものである、請求項9に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項11】
前記支持要素(2)の少なくとも一部が、それぞれのスプリング構成(23)を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項12】
前記支持要素(2)の各々が、車軸要素(9)と、前記対向端部(2a、2b)の各々において、前記車軸要素(9)に弾性的に接続されたそれぞれのガイド(3a、3b)内での可動な取付けのためのそれぞれの走行ローラー(8)と、を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項13】
前記支持要素(2)を交互に前記長手方向(L)に沿って及びそれと反対に振動運動させるために構成された請求項1から12のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)。
【請求項14】
フレーム(51)と、該フレーム(51)に支持された請求項1から13のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)と、を有する患者ベッド(50)。
【請求項15】
特に請求項1から13のいずれか一項に記載の交互圧力サポート(1)の動作のための方法であって、複数の支持要素(2)がガイド構成の少なくとも2つのガイド(3a、3b)内で移動され、該少なくとも2つのガイドは横断方向(Q)に相互に対向して配置され、長手方向(L)に延在し、前記少なくとも2つのガイドにおいて前記支持要素(2)が対向端部(2a、2b)において可動に取り付けられ、前記ガイド構成上で前記支持要素(2)がそれらに作用する荷重を弾性的に支持する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交互圧力サポート、その交互圧力サポートを有する患者ベッド及びその交互圧力サポートの動作のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
寝たきり患者の在宅での及び/又は専門的な介護において、患者が床擦れ(「褥瘡」)を起こす問題が起こり得る。このシナリオでは、皮膚への血液供給を阻害する長期間の圧迫に起因して皮膚及びその皮下の組織の局所的損傷がある。
【0003】
この問題に対処するため、「褥瘡マットレス」(褥瘡防止マットレスともいう)が知られている。これらは、例えば、患者に対するより大きな支持面又は圧力分布がより均一となる臥位姿勢によって最大支圧の低減を実現するものである。あるいは又はさらに、これらのマットレスには、血液供給の持続的な阻害を回避するために交互圧力システムを有するものもあり、それによって身体上の点が交互に荷重を受け又は荷重から解放され得る。一般に、これらの交互圧力システムは複数の空気室を備え、空気室は選択的に空気が供給可能であり、又は空気室において空気圧が適合可能である。
【発明の概要】
【0004】
周知の褥瘡防止システムに対する代替物を規定することが本発明の課題である。特に、そのような褥瘡防止システムにおける患者の快適性を向上し及び/又は褥瘡防止システムの効果を高めることが本発明の課題である。
【0005】
この課題は、独立請求項に係る交互圧力サポート及びこの種の交互圧力サポートを有する患者ベッドによって並びにこの種の交互圧力サポートの動作のための方法によって達成される。
【0006】
有利な実施形態が、従属請求項及び以下の説明の主題を構成する。
【0007】
本発明の第1の態様によると、特に褥瘡を予防するための交互圧力サポートは、複数の支持要素と、横断方向に相互に対向して配置され、長手方向に延在し、支持要素が対向端部において可動に取り付けられた少なくとも2つのガイドを有するガイド構成と、を有する。本発明によると、支持要素は、ガイド構成上で支持要素に作用する荷重、すなわち、交互圧力サポートによって支持される荷重を弾性的に支持するために設計される。
【0008】
本発明に係る意味における可動な支持とは、特に、支持要素が長手方向に沿って、すなわち、長手方向に及び/又は長手方向とは反対に、特に並進して移動可能なことを意味するものと理解されるべきである。可動な支持は、支持要素の転動円運動及び振動前後移動の双方を適宜有利に可能とする。
【0009】
本発明に係る意味における荷重の弾性的な支持とは、特に、荷重のスプリング支持又は減衰支持を意味するものと理解されるべきである。ここで、弾性的な支持は、支持要素又は支え要素の弾性変形性によって適宜有利に実現される。弾性的な支持のために構成された支持要素は、例えば、荷重に応じて、一部の単数若しくは複数の部分又は特定の単数若しくは複数の点において変形され得る。荷重の作用がなくなると、支持要素は適宜有利にはそれらの元の形状に復帰する。
【0010】
本発明の一態様は、好ましくは交互圧力サポートの臥位又は座位面を画定する支持要素を有する交互圧力サポートを提供するアプローチに基づく。ここで、支持要素は、交互圧力サポートによって負担される荷重の弾性的な支持のために適宜有利に構成され、したがって、臥位又は座位面は弾性変形可能であり、好ましくはスプリング支持され、特にスプリング減衰支持される。さらに、支持要素が、2つのガイドを備えるガイド構成の補助によって、例えば、交互圧力サポート上の臥位の患者の下部で、長手方向に沿って移動可能であると好ましい。言い換えると、患者に対する移動の場合、好ましくは横断方向に延在する支持要素が、患者の下部で転動又は摺動可能となり、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、荷重に応じて患者の輪郭に適合可能となるように規定され得る。したがって、支圧の連続的又は少なくとも断続的な変更、及び同時に患者に対する快適な支持が可能となる。このように、床擦れの形成が効果的に緩和可能となり、又は褥瘡が既に発生している場合には症状の悪化が防止若しくは少なくとも遅延可能となる。同時に、臥位又は座位の際の支圧の均一な分布及びそれによる患者に対する高い快適性が可能となる。
【0011】
この場合、支持要素は、好ましくは、ガイド構成、特に2つの相互に対向するガイド上で患者を弾性的に支持するように構成される。各支持要素は、好ましくは、長手方向に横断して延びる横断方向に相互に対向して配置された2つのガイドにおける支持要素の2つの相互に対向する端部において可動に取り付けられる。それにより、患者の重量が、ガイドによって負担され得る。ここで、ガイドを維持するために、衝撃が支持要素によって減衰され得る。同時に、支持要素は、柔軟な臥位又は座位面を画定し得る。この場合、ガイドは、好ましくは長手方向に延び、これにより、支持要素が長手方向に及び/又は長手方向とは反対に移動可能となる。
【0012】
この支持要素の移動時に、患者の身体に沿う支点は、血液供給の阻害を回避し又は少なくとも軽減するだけでなく皮膚への血液供給、特に静脈の働きを促進するために、実質的に連続的に又は少なくとも断続的に変動し得る。特に、血管を摩ることさえも可能である。この血流の促進は、血栓症を緩和することもできる。言い換えると、交互圧力サポートは、血栓症の予防及びリンパ排出の向上をさらに可能とする。
【0013】
原則として、支持要素の直径及び相互に対する特に長手方向に沿う個々の支持要素間の間隔は、患者のサイズ及び/又は患者の重量に応じて選択され得る。これらの支持要素径及びこれらの支持要素間隔は、好ましくは、体重の快適な支持が実現されるが、同時に、充分な皮膚領域が完全に荷重から解放されて、それにより血液が供給されるように選択される。これらの効果は、例えば、長手方向に1cm~20cm、好ましくは2cm~10cm、特に約5cmの長さを有する支持要素径によって実現可能であり、支持要素間隔は1cm~45cm、好ましくは2cm~15cm、特に約8cmであり得る。
【0014】
既に上記したように、交互圧力サポートは、褥瘡の危険のある患者をその上に支持するために「簀の子状フレーム」として使用可能である。一方で、座位面又は少なくとも座位サポート若しくは「シートクッション」として、例えば、車椅子、肘掛け椅子、自動車用座席及び/又はその他として適切に寸法取りされた交互圧力サポートを使用することも考えられる。あるいは又はさらに、この種の交互圧力サポートは、例えば、充分な血液供給を脚及び/又は身体の他の部位に確保するために、例えば、脚サポートとして又は全身のサポートとして長い動作の場合に使用可能でもある。
【0015】
本発明の好適な実施形態及びその展開例を以下に説明する。明示的に除外しない限り、これらの各々を、相互に、及び以下に説明する本発明の態様と、任意の所望の態様で組み合せることができる。
【0016】
好適な実施形態では、支持要素の少なくとも一部は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において弾性的な設計のものである。例えば、個々の又はさらには全ての支持要素でも、例えば、支圧に応じて支持要素の変形を可能とする弾性材料又は弾性構造物を少なくとも部分的に備え得る。特に、この背景において、1以上の支持要素の支持ローラーが完全に弾性的な設計のもの、例えば、弾性材料から製造されたものであることが考えられる。そのような支持要素の少なくとも一部の設計によって、特に低い複雑性及び特に省スペース態様で荷重の弾性的な支持を実現することができる。
【0017】
他の好適な実施形態では、支持要素の少なくとも一部は、それぞれの支持用構成を有する。この場合、支持用構成は、適宜有利には少なくとも一部の単数又は複数の部分において弾性変形可能である。特に、支持用構成は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において屈曲可能及び/又は圧縮可能な設計のものであり得る。支持用構成は、例えば、衝撃があった場合に作用する力の少なくとも一部を吸収可能とするために、例えば、減衰又はスプリング機構として設計され得る。支持用構成は、好ましくは、支持要素に一体化され、例えば、支持要素に組み込まれ、特に、支持要素の内部に配置される。1以上の支持用構成を設けることによって、支持要素によって画定される臥位又は座位面の柔軟さを容易かつ選択的に調整することができる。必要であれば、必要に応じて柔軟さを適合可能とするために、支持用構成を交換可能とすることも可能である。同時に、支持要素に一体化された支持用構成は、外的影響及びそれによる損傷から一層容易に保護され得る。
【0018】
他の好適な実施形態では、支持用構成-又は支持用構成の各々-は、支持要素の軸方向部分に対する回転可能固定接続のためのベース、及び支持要素のシェルに対する回転可能固定接続のためのスリーブを有する。これにより、支持要素への支持用構成の一体化が容易化可能となる。例えば、ベースは、支持要素の車軸要素(axle element)上に又はあるいは車軸要素周りの支持用構成の回転を可能とするハブ若しくは軸受構成上に容易に直接滑着され得る。
【0019】
ベースは、適宜有利には少なくとも1つの弾性変形可能な要素によって、例えば、1以上のスプリング、ウェブ若しくはピラーなどの弾性構造物、又は発泡体などの弾性体によってスリーブに接続される。これにより、支持用構成の小型で、同時に安定した構成が可能となる。
【0020】
他の好適な実施形態では、支持要素の少なくとも一部は、好ましくは荷重を支持するための、それぞれの車軸要素及び少なくとも1つの支持ローラーを有する。車軸要素は、充分な屈曲強度及び/又は破断強度を有するようにするために、好ましくは鋼材から製造される。あるいは、軽量化のために、車軸要素が他の何らかの材料、好ましくはアルミニウムから製造されること及び/又は中空形材の形態とすることも可能である。車軸要素は、適宜有利にはロッド型設計のものであり、及び/又は2つのガイドの一方から2つのガイドの一方の反対側に横断方向に延在するように寸法取りされる。車軸要素は、好ましくは、0.5cm~2cm、特に0.5cm~1cmの直径を有する。
【0021】
支持ローラーは、好ましくは、荷重を支持するのに構成される側方面を有する。支持ローラーの少なくとも一部の側方面の水平接線が略水平な-したがって特に快適な-座位又は臥位面を画定するように、支持要素が適宜有利に配置され及び/又は支持ローラーが設計され、特に寸法取りされる。あるいは、一方で、種々の側方面の水平接線が種々の相互に平行な水平面内にあるように、支持要素が配置され及び/又は支持ローラーが設計され、特に寸法取りされることも考えられる。例えば、支持ローラーの側方面は、交互に異なる直径を有してもよい。これにより、平坦でなく、結果として、血液供給を促進する際に特に有効な座位又は臥位面を画定することができる。
【0022】
支持ローラーは、適宜有利に車軸要素に弾性的に接続される。言い換えると、支持ローラーは、適宜有利に車軸要素上に弾性的に支持される。結果として、支持ローラーは、長手方向への又は長手方向とは反対への移動時に、その上に座り又は横たわる患者の下部を転動し、同時に、スプリング作用を受けてそれによる患者に対する快適な支持を実現することができる。
【0023】
他の好適な実施形態では、支持ローラーは、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、車軸要素周りの円管として設計される。この場合、支持用構成は、車軸要素と支持ローラーの間に適宜有利に配置される。言い換えると、支持用構成は、車軸要素と円管の間の空洞に適宜有利に配置される。この場合、支持用構成は、好ましくは車軸要素上の支持ローラーを支持する。それにより、支持用構成は、外的影響から保護可能となり、同時に、支持要素の幅全体にわたって支持要素に作用する荷重を緩衝することができる。
【0024】
無荷重状態では、支持ローラー及び車軸要素は、好ましくは同軸に配置される。荷重下では、支持用構成の弾性変形によって、支持ローラーの対称軸が、適宜有利には車軸要素によって画定される回転軸に対して移動する。
【0025】
他の好適な実施形態では、支持用構成は、車軸要素に据え付けられる。さらに、支持ローラーは、適宜有利に支持用構成に据え付けられる。この場合、支持用構成は、車軸要素に対して直接又は間接的に据え付けられ得る。例えば、支持用構成は、車軸要素に対して直接かつ回転可能固定の態様で据え付け可能である。あるいは、車軸要素に対する支持用構成の回転を-及びしたがって支持ローラーの回転も-可能とするために、ハブ又は軸受構成が支持用構成と車軸要素の間に配置され得る。
【0026】
他の好適な実施形態では、支持要素の少なくとも一部が、いずれも、少なくとも1つの弾性変形可能な、好ましくは弾性圧縮可能な発泡体を有する。ここで、発泡体は、ポリウレタンフォーム(PUフォーム)、低温硬化フォーム及び/又は3D印刷構造物から製造可能である。この場合、発泡体は、適宜有利には支持用構成の少なくとも一部を形成する。例えば、発泡体は、円管として設計された支持ローラーと車軸要素との間の空洞を充填し得る。したがって、支持要素による荷重の弾性的な支持は、特に軽量な態様で実施可能である。同時に、発泡体は、支持要素の周縁に対して特に均一な減衰を可能とする。
【0027】
発泡体に代えて又はそれに加えて、ガス充填ホース、特に空気充填ホースを設けることも可能である。ここで、ホースに収容されるガスは、好ましくは所定の圧力を受ける。したがって、弾性的な支持は、特に低い複雑性でかつ経済的な態様で実施可能である。
【0028】
他の好適な実施形態では、支持要素の少なくとも一部が、いずれも、少なくとも1つの弾性変形可能な、好ましくは屈曲可能な形材を有する。この背景において、形材(profile)は、特に、内部の表面又はさらには空洞における、例えば、溝の形態の軸方向に延在する凹部を有する細長い部品を意味するものとして理解される。形材によって、中実体に対する軽量化を実現することができる。
【0029】
形材は、適宜有利には、弾性変形可能な材料、例えば、シリコーンから製造される。形材は、好ましくは耐荷重支柱を有する。これらの支柱は、好ましくは、荷重の作用下で弾性的に屈曲するように寸法取りされる。結果として、形材は、非常に小型な形態で製造可能となる。
【0030】
他の好適な実施形態では、形材は、特に長手範囲に対して垂直な断面において星形設計のものである。すなわち、耐荷重支柱は、適宜有利に星形に径方向外向きに延在する。それにより、略均一の、すなわち、周縁にわたって同じの形材の弾性変形性を実現することができる。
【0031】
他の好適な実施形態では、支持要素の少なくとも一部は、適宜有利には複数のスプリング、特に圧縮スプリング又は引張りスプリングを備えるそれぞれのスプリング構成を有する。スプリング構成は、好ましくは星形設計のものである。例えば、個々のスプリングは、径方向に配列され得る。スプリング構成によって、支持要素の弾力性を特に正確に調整することができる。
【0032】
他の好適な実施形態では、支持要素の各々は車軸要素を有し、対向端部の各々において、それぞれのガイドにおける可動な取付けのためのそれぞれの走行ローラーを有する。走行ローラーは、適宜有利に車軸要素に弾性的に接続される。言い換えると、走行ローラーは、適宜有利に車軸要素に弾性的に支持される。例えば、それぞれの支持用構成は、衝撃ダンパーを有する車両と同様に走行ローラーの各々に対して設けられてもよい。弾性的に取り付けられる走行ローラーを設けることで、設置スペースを節約することができる。
【0033】
この場合、走行ローラーは、例えば、対応する軸受構成、例えば、ボール軸受によって、車軸要素周りに回転可能となるように取り付けられ得る。あるいは、一方で、走行ローラーが車軸要素に対して回転可能固定の態様で据え付けられることも考えられる。この場合、車軸要素は、走行ローラーがガイド内を転動するにつれて同時に回転する。この過程中に交互圧力サポートにおける患者の下部での転動動作を可能とするために、支持ローラーは、好ましくは、それぞれの車軸要素周りに回転可能となるように取り付けられる。
【0034】
他の好適な実施形態では、交互圧力サポートは、支持要素を交互に長手方向に沿って及びそれと反対に振動運動させるために構成される。この場合、交互圧力サポートは、好ましくは能動的に駆動され、特にモータ駆動される支持要素の移動のために構成される。この目的のため、交互圧力サポートは、ドライブ、特にモータを有し得る。振動運動の制限は、転動(循環)システムよりも、支持要素の戻りが不要であるという有利な効果を有する。それによって実現される設置スペースの節約によって、支持要素の振動運動による交互圧力サポートは、例えば、車椅子での使用に特に適する。
【0035】
本発明の第2の態様によると、患者ベッドは、フレーム及びそのフレームに支持される本発明の第1の態様に係る交互圧力サポートを有する。この場合、交互圧力サポートは、従来の簀の子状フレームに代わり得るものであり、特に、従来の簀の子状フレームの代わりに、フレームに挿入可能となる。
【0036】
この場合、交互圧力サポートは、非破壊的な、特に工具不要の、フレームに対する取外し可能な接続のために構成可能である。例えば、交互圧力サポートは、係止又はクリップ機構を有してもよく、それによって交互圧力サポートがフレームに締結され又はフレーム内に引掛けられ、特にそこに係止又はクリップされ得る。これにより、交互圧力サポートが任意選択的に従来の患者ベッドでも使用可能となる。特に、従来の患者ベッドが、褥瘡の予防のための交互圧力サポートに対して取付け又は後付け可能である。同時に、交互圧力サポートは、必要に応じて再度迅速に取外し可能でもある。
【0037】
本発明の第3の態様によると、特に本発明の第1の態様に係る交互圧力サポートの動作のための方法において、横断方向に相互に対向して配置されて長手方向に延在する、ガイド構成の少なくとも2つのガイドにおいて、複数の支持要素が移動される。この場合、支持要素は、ガイドにおける対向端部において可動に取り付けられ、ガイド上でそれらに作用する荷重を弾性的に支持する。
【0038】
この場合、支持要素の移動は、モータ駆動デバイスによって及び/又は手動で、例えば、手動で作動可能な駆動デバイスによって実現可能である。移動の制御は、好ましくは、適宜の態様でモータ駆動デバイスを制御可能な制御デバイスによって実行される。特に、異なる動作モード、例えば、支持要素の再円運動移動、支持要素の(振動)前後移動、支持要素の連続的移動及び/又は支持要素の断続的な移動を検討することができる。
【0039】
本発明を、以下に図面を参照してより詳細に説明する。同じ動作を有する要素には、それが好都合である限り、ここでは同じ符号が付される。本発明は、図面に示す例示的実施形態に限定されず、機能的特徴に関しても限定されない。これまで与えられた説明及び以降の図面の説明は、場合によっては従属請求項における群においてともに再現される多数の特徴を含む。一方で、これらの特徴並びにさらには上記及び以降の図面の説明に開示した他の全ての特徴も、さらに好都合な組合せを与えるように当業者によって個々に及び組み合わせて検討される。特に、記載した全ての特徴の各々は、個々に組み合わせられてもよいし、かつ本発明の第1の態様に係る交互圧力サポート、本発明の第2の態様に係る患者ベッド、及び本発明の第3の態様に係る方法との任意の適宜の組合せにおいて組み合わせられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、再円運動する支持要素を有する交互圧力サポートの一例を少なくともある程度模式的に示す。
【
図2】
図2は、交互圧力サポートの足部側の領域における
図1の詳細を、戻りの図示を省略して少なくともある程度模式的に示す。
【
図3】
図3は、交互圧力サポートの頭部側の領域における
図1の詳細を少なくともある程度模式的に示す。
【
図4】
図4は、戻りのない交互圧力サポートの一例を少なくともある程度模式的に示す。
【
図5】
図5は、支持要素の一例を少なくともある程度模式的に示す。
【
図6】
図6は、支持デバイスの例を断面で少なくともある程度模式的に示す。
【
図7】
図7は患者ベッドの一例を少なくともある程度模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、褥瘡を予防するための交互圧力サポート1の一例を示し、長手方向Lに沿って相互に前後に配置された複数の支持要素2を有する。交互圧力サポート1は相互に対向して配置された2つのガイド3a、3bを有するガイド構成を有し、支持要素2は2つのガイド3a、3bにそれらの2つの対向端部2a、2bにおいて可動に取り付けられる。言い換えると、ガイド3a、3b及び支持要素2は、支持要素2がガイド3a、3bの補助によって長手方向Lに又は長手方向Lとは反対に移動可能となるように設計される。
【0042】
同時に、支持要素2は、ガイド構成上で支持要素に作用する荷重、すなわち、交互圧力サポートによって支持される荷重を弾性的に支持するために設計される。この目的のため、支持要素2は、少なくとも一部の単数又は複数の部分において弾性変形可能となるように適宜有利に設計される。例えば、支持要素2の各々は、少なくとも1つの弾性変形可能な支持用構成を有し得る(
図5参照)。結果として、例えば、患者が交互圧力サポート1上に横たわり又は座る場合に支持要素2の側方面が撓むことが可能となる。したがって、患者は「弾性的に」、すなわち、スプリング支持又は減衰支持の態様で支持され得る。
【0043】
図示する例では、支持要素2の各々は支持ローラー4を有し、それは長手方向Lに横断して配列され、すなわち、横断方向Qに平行に延在する回転軸周りに自由に回転可能となるように取り付けられる。支持ローラー4の回転軸は、例えば、支持ローラー4が装着又は滑着され得る車軸要素(
図1では視認されない)の長手軸によって画定され得る。
【0044】
一方で、支持ローラー4の代わりに、患者の下部で摺動するように設計された摺動要素(不図示)を設けることも考えられる。このような摺動要素は、例えば、摺動を促進して又は摺動摩擦を少なくとも低減するために摺動面及び/又は楕円断面を有し得る。
【0045】
図1に示すように、交互圧力サポート1は、褥瘡を起こし易い患者、例えば、少なくとも部分的に麻痺した患者、あるいは動けない患者が支持され得る一種の簀の子状フレームを構成する。支持要素2の可動な取付けによって、このフレームの「簀の子」は静止又は固定しては配置されず、変動する位置で、すなわち、動的に配置される。この支持要素2の可動性によって、支持される患者に対して様々な位置で圧力が付与可能となり、血液供給の(持続的な)局部的阻害並びに関連する局部組織損傷及び壊死さえも効果的かつ確実に緩和可能となる。
【0046】
一方で、
図1に示すものからは離れたものとして、この種の交互圧力サポートは、他の態様で、例えば、座面若しくはサポートとして又は脚置きとしても-場合によっては異なる寸法で-使用され得る。
【0047】
図1に示す実施形態では、支持要素2の支持ローラー4は患者を弾性的に支持するように構成され、支持要素2は、同様に支持要素2の各々の2つの端部2a、2bがガイド3a、3bに据え付けられることによってガイド構成によって支持される。長手方向Lにおける支持要素2の移動の場合、支持ローラー4は、それらの自由回転による支持によって患者の下部を転動可能である。言い換えると、支持ローラー4は、支持ローラー4によって支持される患者に対して支持要素2が移動可能となることを確保する。この場合、患者は、交互圧力サポート1又はガイド構成に対して静止したままとなる。
【0048】
この目的のため、柔軟な支持要素カバー(不図示)が設けられてもよく、それにより同時に、患者の快適性及び/又は交互圧力サポート1の運用上の安全性を高めることができる。この場合、支持要素カバーは、好ましくは支持ローラー4上に張設され、例えば、ガイド3a、3bに固定され、それにより、支持ローラー4が、支持ローラー4を向く面を、すなわち、支持要素カバーの下面を転動することが可能となる。結果として適所に固定される支持要素カバーは、支持要素2の間の隙間に物体又は身体部位が入り込んでしまうことを防止するだけでなく、支持ローラー4に支持されて支持要素カバー上に横たわる患者が支持要素2の移動時に同時に移動されてしまうことも防止できる。
【0049】
図1に示す例では、ガイド構成は送り5a及び戻り5bを有し、送り5a及び戻り5bは相互に上下に、すなわち、積層配置される。これにより、交互圧力サポート1の簀の子状フレーム型構成が実現される。ただし、理論上は、送り5a及び戻り5bの相互に対する他の構成も考えられる。特に、戻り5bなしの変形例も考えられる(
図4参照)。
【0050】
送り5a及び戻り5bの双方が、相互に対向して配置された2つのガイド3a、3bを有する。送り5a及び戻り5bによって、支持要素2は、円運動態様で、すなわち、閉じた経路上で移動可能となる。例えば、支持要素2は送り5aによって長手方向Lに、例えば、交互圧力サポート1の足部側6bから交互圧力サポート1の頭部側6aに移動可能であり、一方、支持要素2は戻り5bによって長手方向Lとは反対に頭部側6aから足部側6bに送り戻される。これにより、例えば、血栓症のリスクを低減するために、例えば、患者の脚の血管を胴体に向けて連続的に摩ることが可能となる。
【0051】
図示する例では、ガイド3a、3bは、複数のガイド要素10から構成される。あるいは、一方で、ガイド3a、3bが1つのみ又は数個のガイド要素10からなることも考えられる。不図示の変形例では、ガイド3a、3bの各々は、3個のガイド要素10を有し得る。この場合、3個のガイド要素10のうちの1つは足部側6bを画定し得るものであり、それは任意選択的に上昇及び/又は傾斜可能となり得る。この場合、3個のガイド要素10のうちの他の1つが頭部側6aを画定し得るものであり、それは任意選択的に上昇可能となり得る。そして、3個のガイド要素10のうちの頭部側6aと足部側6bの間に配置された3番目のものは、連続的な臥位又は座位面を画定し得る。
【0052】
図2は、交互圧力サポートの足部側6bの領域における
図1の詳細を、戻りの図示を省略して示す。それは、相互に対向する端部において配置された接続要素7による支持要素2の接続、特にチェーン状接続を示す(
図2では、2つの対向端部の各々の一方の端部2aのみが視認可能である)。これにより、ガイド3aにおいて移動可能な支持要素2のチェーンが構成される。ここで、接続要素7の各々は、支持ローラー4と走行ローラー8の間に適宜有利に配置される。車軸要素9の各々が少なくとも1つの軸受構成又はハブを有すると好適であり、それにより、支持ローラー4及び/又は走行ローラー8はそれぞれの車軸要素9に関して回転可能に取り付けられる。例えば、支持ローラー4及び/又は走行ローラー8がそのような軸受構成に対して据え付けられることが考えられる。これにより、接続要素7及び/又は走行ローラー8が、さらに適用可能な場合には支持ローラー4も、それぞれの車軸要素9に装着又は取付け可能となる。例えば、走行ローラー8又は支持ローラー4は、ともに回転するそれぞれの車軸要素9に、締まり嵌めによって-及び/又は接続要素7がすきま嵌めによって-装着又は取付け可能である。これに対して、走行ローラー8及び支持ローラー4の双方が車軸要素9に回転可能に取り付けられた場合、接続要素7も締まり嵌めによって装着又は取付け可能となる。
【0053】
走行ローラー8によって、支持要素2が、好適な態様でガイド3aに可動に取り付けられる。支持要素2の特に高い信頼性の案内を可能とするために、ガイド3aは、走行ローラー8を受容するためのチャネル型凹部又は溝を有し得る(
図4参照)。
【0054】
代替の実施形態では、支持要素2は、走行ローラー8の代わりに、ガイド内を摺動するように構成された摺動部分(不図示)を有する。
【0055】
接続要素7によって、支持要素2は、相互に対して可動となるように配置される。これにより、例えば、戻り(不図示)によって長手方向Lとは反対に移動されている支持要素2が、交互圧力サポートの足部側6bで送り5a側に偏向されることが可能となる。
【0056】
図3は、交互圧力サポートの頭部側6aの領域における
図1の詳細を示す。ここで、頭部側6aは、上昇可能となるように設計される。この目的のため、ガイド構成は、ヒンジ要素11を、例えば、各ガイド3aに少なくとも1つを有する。ここで、ヒンジ要素11の各々は、好ましくは、2つの隣接するガイド要素10が相互に対して傾斜することを可能とするように構成される。このようなヒンジ要素11によって、頭部側6aは、例えば、40°まで上昇可能となる。
【0057】
図4は、戻りのない交互圧力サポート1の一例を示す。ここで、複数の支持要素2が、ガイド構成の2つの相互に対向するガイド3a、3bにおいて長手方向Lに沿って可動となるように取り付けられ、ガイド構成において支持要素2に作用する荷重を弾性的に支持するように構成される。この場合、ドライブ12は、支持ローラー4の長手方向の移動に対して設けられる。
【0058】
端部において、支持要素2は、例えば、摺動ジャーナルによって又はガイドローラー(
図2参照)によってガイド3a、3bの対応するガイド溝13内に横断方向Qに係合可能である。斜視図のために、ガイド3bのガイド溝13のみが視認可能である。
【0059】
ドライブ12、例えば、モータは、ガイド3a、3bにおける支持要素2の振動移動のために、すなわち、支持要素2の前後移動のために適宜有利に構成される。
【0060】
この目的のため、支持要素2の数は、長手方向Lに支持ローラー4によって画定される臥位又は座位面の範囲がガイド3a、3bの長さよりも小さくなるように適宜有利に選択される。したがって、支持要素2は、ある部分における2つのガイド3a、3bの間には存在しない。したがって、
図1に示す状態では、臥位又は座位面は、交互圧力サポート1の足部側6bの端部の範囲までは達しない。一方で、足部側6bに向かう支持要素2の移動時に、このガイド3a、3bの間の隙間は減少する。同時に、対応する隙間が、頭部側6aの領域においてガイド3a、3bの間に形成される。
【0061】
このように設計された交互圧力サポート1は、
図1に示す交互圧力サポートよりも、設置スペースをより節約するという有利な効果を有する。したがって、
図4に示す交互圧力サポート1は、例えば、車椅子での使用のために、動作時に個々の四肢を支持するために及び/又はその他のために特に適する。
【0062】
図5は、支持要素2の一例を示し、それはガイド構成において支持要素2に作用する荷重の弾性的な支持のための構成である(
図1及び4参照)。この目的のため、支持要素2は、弾性変形可能な支持用構成20を有し、結果として、支持要素2に作用する荷重の一部、特にそれに作用する衝撃を吸収し、適用可能な場合には、減衰させることができる。
【0063】
本例では、支持用構成は、支持要素2に一体化され、特に支持要素2に設置されている。この場合、支持用構成20は、ハッチングで図示された弾性変形可能な発泡体21によって構成され、それは車軸要素9と、円管として設計されて適宜有利には剛体的な支持ローラー4との間に配置される。結果として、支持要素2は、支持ローラー4、特に支持ローラーカバーの外部の側方面によって患者の下部を転動可能となり、一方、支持ローラー4に作用する荷重の一部が発泡体21の圧縮によって同時に吸収される。
【0064】
図示する例では、車軸要素9及び支持ローラー4は、支持用構成20によって回転可能固定の態様で相互に接続される。言い換えると、車軸要素9は、支持ローラー4が患者の下部を転動する際にともに回転する。したがって、走行ローラー(
図2参照)は、車軸要素9の端部に適宜有利に設けられ、当該走行ローラーは車軸要素9に回転可能に取り付けられ、したがって、ガイド構成における支持要素2の可動性を確保するとともに、支持用構成20及び支持ローラー4との車軸要素9の自由回転を可能とする。
【0065】
図5に示す例の代替として、支持ローラー4が全体的に弾性材料からなること、すなわち、例えば、発泡体21によって構成されることも規定され得る。言い換えると、支持用構成20は、支持ローラーを構成し得る。これは、製造プロセスに関して有利となり得るとともに、患者に対して特に柔軟な支持を可能とし得る。
【0066】
【0067】
図6Aでは、支持用構成20は、弾性変形可能な形材22を備える。ここで、形材22は、軸方向に、すなわち、図面の平面に垂直に延在する。支持用構成20は、径方向内側のベース20a及び径方向外側のスリーブ20bを有する。この場合、ベース20aは、少なくとも一部の単数又は複数の部分において、ただし、好ましくは形材22の全長に沿ってスリーブ20bによって囲まれる。ベース20a及びスリーブ20bは、形材22の支柱22aによって相互に適宜有利に接続される。支柱22aは、好ましくは、それらが力の作用下で屈曲可能となるように寸法取りされる。これにより、支持用構成20の弾性変形性を実現することができる。
【0068】
ベース20a及びスリーブ20bは、適宜有利にはホース型又は管状の設計のものであり、有利には形材22の一部である。これにより、形材22が、組立て時に、任意選択的に締まり嵌めによって、ハッチングで図示された車軸要素9に引っ張られることが可能となり、その結果、
図6Aに示すように、ベース20aは、車軸要素9に対して回転可能固定の態様で据え付けられることになる。あるいは又はさらに、支持ローラー(
図5参照)は、形材22に滑着可能であり、その結果、支持ローラーはスリーブ20bに対して回転可能固定の態様で据え付けられる。
【0069】
あるいは、一方で、形材22が、車軸要素9に据え付けられる軸受構成(
図6B参照)に引っ張られ、その結果、形材22が-任意選択的に支持ローラーとともに-車軸要素9周りに回転可能となるように取り付けられることも考えられる。
【0070】
図示する例では、支柱22aはウェブ型設計のものである。言い換えると、支柱22aは、ベース20aとスリーブ20bの間において図面の平面内に軸方向に延在する。一方で、所望の弾力性に応じて、代替例として、支柱22aが柱型設計のものであり、ベース20aをスリーブ20bの特定の箇所のみに接続することも可能である。
【0071】
図6Aでは、形材22は、断面において星形設計のものである。言い換えると、支柱22aは、ベース20aからスリーブ20bまでの範囲で径方向に直線状に延在する。あるいは、一方で、支柱22aの他の構成及び/又は形状が考えられる。
【0072】
図6Bに示す支持用構成20は、支柱がスプリング構成23のスプリング23aによって構成されることを相違点として、実質的に
図6Aに示す支持用構成に対応する。スプリング構成23は、支持ローラー(
図5参照)と車軸要素9の間に径方向に配置され得る。この目的のために、支持用構成20は、
図6Bに示すように、ベース20a及びそのベース20aを囲むスリーブ20bを有し得る。この場合、ベース20a及びスリーブ20bは、スプリング23aによって接続され、好ましくはスプリング構成23の一部となる。
【0073】
同様に
図6Bに示すように、ベース20aは車軸要素9周りの軸受構成24に据え付け可能であり、一方、支持ローラーはスリーブ20bに対して回転可能固定の態様で据え付けられる。あるいは、一方で、車軸要素9が自由に回転可能に取り付けられる場合、ベース20aが車軸要素9に対して直接かつ回転可能固定の態様で据え付け可能となる(
図6A参照)。スプリング構成23のスプリング23aが車軸要素9及び/又は支持ローラーに直接固定されることも同様に考えられる。この場合、支持用構成20又はスプリング構成23は、ベース20a及び/又はスリーブ20bを有していなくてもよい。
【0074】
図7は、フレーム51及び交互圧力サポート1を有する患者ベッド50の一例を示す。交互圧力サポート1及びフレーム51は、交互圧力サポート1、特に相互に対向して配置された2つのガイド3a、3bを有するガイド構成がフレーム51によって少なくとも部分的に収容されるように設計される。この場合、交互圧力サポート1は係止又はクリップ機構を有し得るものであり、それにより、交互圧力サポート1が、非破壊的に及び/又は工具なしで取外し可能となるようにフレーム51に固定可能となる。
【符号の説明】
【0075】
1 交互圧力サポート
2 支持要素
2a、2b 端部
3a、3b ガイド
4 支持ローラー
5a、5b 送り、戻り
6a、6b 頭部側、足部側
7 接続要素
8 走行ローラー
9 車軸要素
10 ガイド要素
11 ヒンジ要素
12 ドライブ
13 ガイド溝
20 支持用構成
20a、20b ベース、スリーブ
21 発泡体
22 形材
22a 支柱
23 スプリング構成
23a スプリング
24 軸受構成
50 患者ベッド
51 フレーム
L 長手方向
Q 横断方向
【国際調査報告】