(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】工作機械上の工具を交換するための工具搬送システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/157 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
B23Q3/157 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507006
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2022068847
(87)【国際公開番号】W WO2023011835
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】102021120497.6
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506381599
【氏名又は名称】ディッケル マホ プロンテン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーデル,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】トレンクル,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3C002
【Fターム(参考)】
3C002DD16
(57)【要約】
本発明は、中央工具マガジンと1つ以上の工作機械との間で工具を交換するための工具搬送システムに関する。ガイド付き搬送モジュールPは、支持ガイドによって異なる停止部間を移動することができる。搬送モジュールPは、複数の工具Wを保持するための少なくとも1つの工具搬送ストリップE2を有する搬送プラットフォームPTを有する。搬送プラットフォームPTは、搬送モジュールPおよび支持ガイドFから垂直方向に下方に離隔している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央工具マガジン(ZWM)と1つ以上の工作機械(WZM)との間で工具を交換するための工具搬送システムであって、
前記工具搬送システムが、
搬送経路に沿って中央工具マガジン(ZWM)と1つ以上の工作機械(WZM)との間を往復するためのガイド付き搬送モジュール(P)と、
前記搬送モジュール(P)を受け入れ、前記搬送モジュール(P)の前記搬送経路を決定するための支持ガイド(F)と
を備え、
前記搬送モジュール(P)が、複数の工具(W)を受け入れるための少なくとも1つの工具搬送ストリップ(E2)を有する搬送プラットフォーム(PT)を備え、前記搬送プラットフォーム(PT)が、好ましくは、垂直方向において前記搬送モジュール(P)から下方に離隔している、工具搬送システム。
【請求項2】
前記搬送プラットフォーム(PT)が、前記工具搬送ストリップ(E2)の空間的な向きを変更するために、垂直軸を中心に回転可能であるように構成される、請求項1に記載の工具搬送システム。
【請求項3】
前記搬送プラットフォーム(PT)を受け入れて回転可能に取り付けるための支持フレーム(PR)が設けられ、前記支持フレーム(PR)が、好ましくは、少なくとも1つの平面内で前記搬送プラットフォーム(PT)を完全に枠付けし、前記支持フレーム(PR)が、好ましくは、前記搬送モジュール(P)に吊り下げられて設けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項4】
前記搬送モジュール(P)が、前記搬送経路に沿って移動するための第1の駆動装置(A1)と、垂直軸を中心に前記搬送プラットフォーム(PT)を回転させるための第2の駆動装置(A2)とを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項5】
前記支持ガイド(F)が、前記中央工具マガジン(ZWM)および/または前記工作機械(WZM)から垂直に離隔して配置され、前記支持ガイド(F)が、好ましくは、前記中央工具マガジン(ZWM)および/または前記工作機械(WZM)の上方に少なくとも部分的に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項6】
前記支持ガイド(F)が、前記搬送モジュール(P)のガイド手段(S)が係合する少なくとも1つのレール(S1、S2)を備え、前記搬送モジュール(P)が変位可能であり、好ましくは前記支持ガイド(F)上にのみ取り付けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項7】
前記搬送プラットフォームが、好ましくは互いに対向して配置された、第1の工具搬送ストリップ(E2)と第2の工具搬送ストリップ(E2)とを含み、各工具搬送ストリップ(E2)が、工具(W)を格納するための複数の搬送ホルダ(E3)を備え、前記第1または第2の工具搬送ストリップ(E2)による工具変更が、好ましくは前記搬送プラットフォーム(PT)の長手方向軸である前記垂直軸を中心に前記搬送プラットフォーム(PT)を回転させることによって可能にされる、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項8】
前記搬送プラットフォーム(P)が、取付けシャフト(PTL)上に受け入れられ、前記取付けシャフト(PTL)が、前記支持フレーム(PR)上に取り付けられ、前記第2の駆動装置(A2)が、係合手段によって前記取付けシャフト(PTL)に接続され、前記搬送プラットフォーム(PT)を回転させるために前記取付けシャフト(PTL)を回転させる、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項9】
前記支持ガイド(F)が前記搬送経路に沿った停止部(H)を有し、前記停止部(H)の各々が、前記中央工具マガジン(ZWM)および前記少なくとも1つの工作機械(WZM)に割り当てられ、かつ前記搬送モジュール(P)が工具交換のために前記停止部(H)に停止する、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項10】
前記搬送モジュール(P)が、前記支持ガイド(F)の前記レールに沿って前記搬送モジュール(P)を駆動する自動駆動装置を含むローラを有するシャトル車であり、前記自動駆動装置が、特に前記第1の駆動装置(A1)である、先行する請求項のいずれか1項に記載の工具搬送システム。
【請求項11】
少なくとも1つの工作機械(WZM)と、工具(W)を格納するための中央工具マガジン(ZWM)と、先行する請求項の少なくとも1項に記載の工具搬送システムとを備える生産システムであって、
前記中央工具マガジン(ZWM)および前記少なくとも1つの工作機械(WZM)が各々、前記搬送モジュール(P)の前記工具搬送ストリップ(E2)を用いて工具を交換するための移送位置に移動することができる工具供給ストリップ(E1B)を含む、生産システム。
【請求項12】
前記工具供給ストリップ(E1B)が、前記移送位置へ垂直上方に移動し、戻ることができ、前記工具供給ストリップ(E1B)が、前記移送位置において前記工具を前記工具搬送ストリップ(E2)に移送するために、上方へのリフト動作または下方へのリフト動作を実行するように構成される、請求項11に記載の生産システム。
【請求項13】
前記工具(W)を移送するために、前記工具搬送ストリップ(E2)および前記工具供給ストリップ(E1B)の工具把持部が上下に配置されるように、前記工具搬送ストリップ(E2)が前記工具供給ストリップ(E1B)と重なり合う位置に移動するように構成される、請求項11または12の少なくとも1項に記載の生産システム。
【請求項14】
工具搬送システムによって中央工具マガジン(ZWM)と1つ以上の工作機械(WZM)との間で工具を交換するための方法であって、
前記中央工具マガジン(ZWM)および前記少なくとも1つの工作機械(WZM)が各々、工具供給ストリップ(E1B)を含み、前記工具搬送システムが、少なくとも1つの工具搬送ストリップ(E2)を有するガイド付き搬送モジュール(P)と、前記搬送モジュール(P)を受け入れ、前記搬送モジュール(P)の搬送経路を決定するための支持ガイド(F)とを備え、
前記方法が、
搬送経路に沿った中央工具マガジン(ZWM)および1つ以上の工作機械(WZM)における前記搬送経路上の停止部(H)間で前記搬送モジュール(P)を往復させることと、
前記工具供給ストリップ(E1B)のリフト動作によって前記停止部(H)で工具(W)を交換することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記工具供給ストリップ(E1B)を移送位置へ垂直上方に移動させ、次に、好ましくは、前記工具搬送ストリップ(E2)を前記工具供給ストリップ(E1B)と重なり合う位置に移動させること、
前記移送位置において前記工具(W)を前記工具搬送ストリップ(E2)に移送するために、前記工具供給ストリップ(E1B)の上方へのリフト動作または下方へのリフト動作を実行すること、および/または
前記搬送プラットフォーム(PT)を垂直軸を中心に回転させて、前記工具(W)を交換するための前記工具搬送ストリップ(E2)の空間的な向きを変更すること
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の工具を格納する中央工具マガジンと1つ以上の工作機械との間で工具を交換するための工具搬送システムに関する。さらに、複数の異なる工具を受け入れるために中央工具マガジンを使用して工作機械上の工具を交換する方法が提案される。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2750828号明細書は、工作機械の工具マガジン上の工具変更装置を記載している。工具は、1つ以上の工具マガジンホイールを有する工具マガジン上にマニピュレータによって挿入される。ここでは、工具マガジン自体は手動で装填される。
【0003】
独国特許出願公開第102018201426号明細書は、工具またはワークピースマガジンを部分的に自動化された方法で装填することを可能にする、工作機械の工具マガジン用の送り装置を示す。ここでは、オペレータが手動で装填することができる追加の工具ストリップが提供される。手動で装填された工具を有する工具ストリップはその後、オペレータがアクセス可能な装填位置から、送り装置のリフトおよび回転装置を介して移送位置に供給され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、公知の工作機械および工具マガジンを始めとして、様々な工作機械に工具を容易に供給することができる効率的な工具搬送システムを提供することを目的とする。異なる工作機械からの工具の効率的な交換を可能にすることも目的である。さらに、工作機械上の工具の交換を効率的に、好ましくは加工サイクルを中断することなく行うことができる方法を提案することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
目的を達成するために、独立請求項の特徴が提案される。好ましいさらなる発展形態は、従属請求項に見出すことができる。
【0006】
中央工具マガジンと1つ以上の工作機械との間で工具を交換するための工具搬送システムは、中央工具マガジンと1つ以上の工作機械との間を搬送経路に沿って往復移動するためのガイド付き搬送モジュールと、搬送モジュールを受け入れ、搬送モジュールの搬送経路を決定するための支持ガイドとを少なくとも備えてもよく、搬送モジュールは、複数の工具を受け入れるための少なくとも1つの工具搬送ストリップを有する搬送プラットフォームを備え、搬送プラットフォームは、好ましくは、搬送モジュールから垂直方向において下方に離隔している。この配置および中央工具マガジンの使用により、加工サイクルを中断することなく、かつ工作機械の周りの空間(工作機械への水平アクセス領域)を妨げることなく、複数の工具を工作機械上の中央マガジンから効率的に挿入/取り外しすることが可能である。したがって、中央工具マガジンおよび回転可能な搬送プラットフォームと組み合わされた垂直工具送りは、工具を挿入する極めて効率的な方法である。
【0007】
搬送プラットフォームは、好ましくは、工具搬送ストリップの空間的な向きを変更するために、垂直軸を中心に回転可能であるように構成され得る。この配置は、搬送プラットフォームが工具変更のために柔軟かつ効率的に使用されることを可能にする。装填されたストリップは、工具の安全で低振動の搬送を可能にするために、搬送プラットフォームの並進移動のための移動方向に回転させることができる。回転はまた、例えば追加の工具搬送ストリップを使用して、工具を変更するために搬送プラットフォームの背面を使用することを可能にする。したがって、ただ1つのシャトル経路で、工作機械またはマガジン上での挿入および取り外しが可能である。
【0008】
搬送プラットフォームを受け入れて回転可能に取り付けるための支持フレームを設けてもよく、支持フレームは、好ましくは、安全で低振動の支持を確実にするために、搬送プラットフォームを少なくとも1つの平面で完全に枠付けし得る。アクセスを改善し、したがって迅速な工具変更を可能にするために、支持フレームを搬送モジュールに吊り下げて設けてもよい。
【0009】
搬送モジュールは、搬送経路に沿って移動するための第1の駆動装置と、搬送プラットフォームを垂直軸を中心に回転させるための第2の駆動装置とを含み得る。この構成は、駆動装置を小型に保ち、低振動で堅牢な移動を可能にするためにそれらを移動軸に近づけることを可能にする。さらに、これらの一体型駆動装置は、効率的なエネルギー伝達を可能にするためにレール上の電源を介して給電されることが有利である。好ましい発展形態では、搬送プラットフォーム自体の垂直移動は許容されず(すなわち、垂直方向の剛性配置)、その結果、搬送プラットフォームの重量をさらに低減することができ、したがって、移動される質量を最小限に抑えることが可能になる。
【0010】
支持ガイドは、中央工具マガジンおよび/または工作機械から垂直に離隔して配置されてもよく、支持ガイドは、好ましくは、中央工具マガジンおよび/または工作機械の上方(例えば、マシンホールのホール屋根上、または工作機械を越えて垂直に延在する柱上)に少なくとも部分的に配置される。頭上配置は、工具変更のために工作機械を直接制御するために、好ましくは最小の搬送距離で、工作機械にわたって工具を自由に搬送することを可能にする。
【0011】
支持ガイドは、搬送モジュールのガイド手段が係合する少なくとも1つのレールを備えてもよく、搬送モジュールは変位可能であり、好ましくは支持ガイドにのみ取り付けられる。レールは、有利には、工具マガジンと工作機械との間に直接経路を確立して、効率的な工具搬送を可能にする。搬送モジュールをレールのみに係合して取り付けることにより、エネルギー要件を低減した効率的な組み立ておよび迅速な工具搬送が可能になる。
【0012】
搬送プラットフォームは、好ましくは互いに対向して(好ましくは互いに離隔して平行に)配置された、第1の工具搬送ストリップと第2の工具搬送ストリップとを含み得る。各工具搬送ストリップは、装填方向で工具を取り付けるための複数の搬送ホルダを含み得る。第1および第2の工具搬送ストリップの装填方向は、反対方向になるように構成されてもよい。好ましくは搬送プラットフォームの長手方向軸である垂直軸を中心に搬送プラットフォームを回転させることによって、第1または第2の工具搬送ストリップを使用して工具を変更することができる。このような構成により、1回の変更作業で複数の工具の工具変更を特に効率的に行うことができる。
【0013】
搬送プラットフォームは、取付けシャフトに受け入れられてもよく、取付けシャフトは、支持フレームに取り付けられてもよく、第2の駆動装置は、係合手段によって格納シャフトに接続され、搬送プラットフォームを回転させるために格納シャフトを回転させる。これにより、搬送プラットフォームの効率的で低振動の回転が可能になる。
【0014】
支持ガイドは、搬送経路に沿った停止部を有し得、停止部の各々は、中央工具マガジンおよび少なくとも1つの工作機械に割り当てられ、かつ搬送モジュールが工具を変更するために停止部に停止する。
【0015】
有利には、搬送モジュールは、支持ガイドのレールに沿って搬送モジュールを駆動する自動駆動装置を含む、迅速に移動するためのローラを有するシャトル車であってもよく、自動駆動装置は特に第1の駆動装置である。
【0016】
生産システムは、少なくとも1つの工作機械と、工具を格納するための中央工具マガジンと、工具搬送システムとを含み得る。中央工具マガジンおよび少なくとも1つの工作機械は各々、搬送モジュールの工具搬送ストリップで工具を変更するための移送位置に移動することができる工具供給ストリップを含み得る。
【0017】
工具供給ストリップは、移送位置へ垂直上方に移動可能であり得、戻り得ることが有利であり、工具供給ストリップは、移送位置において工具を工具搬送ストリップに移送するために、上方へのリフト動作または下方へのリフト動作を実行するように構成され得る。独国特許出願公開第102018201426号明細書およびAKZ独国特許出願公開第102020211672.5号明細書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
工具を移送するために、工具搬送ストリップは、有利には、工具搬送ストリップおよび工具供給ストリップの工具把持部が上下に配置されるように、工具供給ストリップと重なり合う位置に移動するように構成され得る。
【0019】
工具搬送システムによって中央工具マガジンと1つ以上の工作機械との間で工具を交換するための方法であって、中央工具マガジンおよび少なくとも1つの工作機械は各々、工具供給ストリップを含み、工具搬送システムは、少なくとも1つの工具搬送ストリップを有するガイド付き搬送モジュールと、搬送モジュールを受け入れ、搬送モジュールの搬送経路を決定するための支持ガイドとを備え、方法は、搬送経路に沿った中央工具マガジンおよび1つ以上の工作機械における搬送経路上の停止部間で搬送モジュールを往復させることと、工具供給ストリップのリフト動作によって停止部で工具を交換することとを含む。
【0020】
さらに、工具供給ストリップを移送位置へ垂直上方に移動させ、次に、好ましくは、工具搬送ストリップを工具供給バーと重なり合う位置に移動させること、移送位置において工具を工具搬送ストリップに移送するために、工具供給バーの上方へのリフト動作または下方へのリフト動作を実行すること、および/または搬送プラットフォームを垂直軸を中心に回転させて、工具を交換するための工具搬送ストリップの空間的な向きを変更することが有利に提供され得る。
【0021】
そのさらなる態様および利点、ならびに上記の態様および特徴のための特別な実装オプションは、以下のセクションおよび説明において明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】搬送モジュール(P)を含む工具搬送システムの第1の概要を示す。
【
図2】搬送プラットフォームが中立位置にある(工具搬送ストリップ(E2)がレールに沿って搬送経路に対して直角である)工具搬送システムのさらなる図を示す。
【
図3】搬送プラットフォーム(PT)を含む搬送モジュールの詳細図を示す。
【
図4】中央工具マガジンと、その上方に配置された工具搬送システムの概要を示す。
【
図5】中央工具マガジンおよび個々の工作機械の上方に配置された工具搬送システムのさらなる図を示す。
【
図6】中央工具マガジンおよび工作機械の上方の工具搬送システムの側面図を示す。
【
図8】工作機械と中央工具マガジンとを有する工具搬送システムの上面図を示す。
【
図9】移動経路に対してねじれた位置にある搬送プラットフォーム(PT)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の例または実施形態は、添付の図を参照して以下で詳細に説明される。図中の同じまたは類似の要素は、同じ参照符号で指定され得るが、適切な場合には異なる参照符号でも指定され得る。
【0024】
本発明は、決して以下に記載される例示的な実施形態およびその実施形態の特徴に限定されるものではなく、例示的な実施形態の修正形態、特に記載される例の特徴を修正することによって、または記載される例の特徴の1つ以上を組み合わせることによって特許請求の範囲の保護範囲内に含まれるものをさらに含むことに留意されたい。
【0025】
工具供給ストリップまたは工具搬送ストリップからの工具の装填または取出しに関して以下に説明する動作は、好ましくは常に双方向に実行することができる。すなわち、1つの取出し工程または1つの装填工程のみが以下に記載される場合があっても、取出しおよび装填の両方が可能である。
【0026】
図1は、中央工具マガジンZWMと工作機械WZMとの間で工具を交換するための工具搬送システムを示す。工具搬送システムは、シャトルモジュールとも呼ばれる搬送モジュールPを含む。シャトルモジュールは、自動駆動装置を有し、支持ガイドFに沿って並進移動することができる。搬送モジュールPはまた、搬送モジュールPに吊り下げ式に装着された搬送プラットフォームPTを含む。したがって、搬送プラットフォームPTは、好ましくは単一面にのみ装着され、他の面は自由である。
【0027】
支持ガイドFは、水平支持体F3および垂直支持体F4を介して、工作機械WZMまたは中央工具マガジンZWMの上方の領域に配置される。工作機械および中央工具マガジンに対するこの頭上配置は、好ましくは直接経路上で、個々の工作機械および中央工具マガジンにわたって搬送モジュールPによって対応する工具を搬送することを可能にする。これにより、工作機械の周りまたは中央工具マガジンの周りの作業領域が自由に保たれ、加工サイクルを中断することなく効率的な工具交換が可能になる。言い換えると、支持ガイドFは、好ましくは、第1および第2のレールF1およびF2によって、個々の工作機械および/または中央工具マガジンの上端よりも垂直方向に高く配置される。したがって、搬送モジュールPは、個々の工作機械および中央工具マガジンの上端部よりも、工作機械および工具マガジンが設けられる床から離れている。
【0028】
支持ガイドFは、例えばI形支持体として構成される第1のレールF1と、好ましくは同じくI形支持体として構成される第2のレールF2とを含む。これらのレールの底側に、作業場の床に向かって、スライダまたはローラを介して搬送モジュールPを設けてもよく、搬送モジュールPは、レールに沿ってスライドまたは転動することができる。レールのガイド面は、好ましくは、作業場の床または床に面している。あるいは、支持ガイドFは、搬送経路に沿って配置されたプロファイル支持体を備え、レールが底側に固定されている。好ましくは、2つのプロファイル支持体が設けられ、各プロファイル支持体にはそれ自体のレール、すなわち、好ましくは搬送経路に沿って互いに平行に延在する、第1のレールF1および第2のレールF2が割り当てられる。
【0029】
支持ガイドFのプロファイル支持体は、好ましくは、ストラットF6を介して互いにしっかりと接続され、その結果、ビーム間または第1のレールF1と第2のレールF2との間の距離は、搬送経路全体にわたって一定に確保される。プロファイル支持体を有する支持ガイドFはまた、レール上に吊り下げて設けられた搬送モジュールPの全重量および荷重を吸収するように構成される。
【0030】
プロファイルビームは、例えばねじ接続または溶接接続を介して、水平ビームF3にしっかりと接続される。好ましくは、搬送モジュールPのすべての構造的構成要素、特に搬送プラットフォームPTは、垂直方向において支持ガイドFの下に配置される。搬送モジュールPの吊り下げ配置はまた、レールに係合している搬送モジュールPのスライダまたはローラへの安全かつ容易なアクセスを可能にし、その結果、効率的なメンテナンスが可能になる。支持ガイドの底側、すなわち作業場の床に面する側には、好ましくはラックF5があり、これは、搬送モジュールPが自動駆動装置を使用して搬送経路に沿って移動することを可能にするために使用することができる。1つのみのラックF5が設けられることが特に好ましく、これは第1のレールF1に沿って設けられ、搬送モジュールPによる位置認識のためのマーキングを有する。したがって、搬送モジュールPが搬送経路に沿って自身の位置を常に自律的に認識することが特に好ましい。
【0031】
プロファイル支持体を介して水平支持体F3に装着される支持ガイドFは、相互接続された支持体F3およびF4がL字形を形成するように、水平支持体F3が垂直支持体F4の1つの側にのみ装着されるように構成されることが好ましい。2つの支持体は、好ましくは互いに溶接され、垂直支持体F4は、垂直支持体F4と水平支持体F3との接続点の反対側の作業場床にねじ止めされる。この支持構成は、好ましくは、搬送経路に沿って搬送モジュールPの少なくともすべての停止部に設けられる。これにより、搬送モジュールPから、停止部H1、H2、H3、H4に割り当てられたそれぞれの工作機械または中央工具マガジンへの安定した工具移送が保証される。特に、移送工程中に生じ得る機械的振動を効率的に吸収することができ、その結果、工具の安全で正確な移送を達成することができる。
【0032】
搬送モジュールPは、支持ガイドFの底側に吊り下げられて設けられる。搬送モジュールPのスライダまたはローラなどの係合手段は、支持ガイドFのレール上に係合し、その結果、レールまたは支持ガイドFのプロファイル支持体上の搬送モジュールPのスライドマウントを達成することができる。搬送モジュールPは、レールに沿って並進移動可能に構成され、特に有利には、この移動は、第1の駆動装置A1によって制御することができる。第1の駆動装置A1は、搬送モジュールBに直接装着され、好ましくは水平の向きを有する。第1の駆動装置A1は、搬送経路に沿って搬送モジュールBを前進または後退させるために、適切なギヤホイールを介してラックF5に係合することができる。エネルギーは、例えば、プロファイル支持体上に設けられ、搬送モジュールBと共に運ぶことができる適切なケーブル接続を介して、第1の駆動装置に伝達される。有利には、エネルギー伝達は、レールに沿って引きずられるキャリアを介して行われる。あるいは、非接触エネルギー伝達が、例えば誘導によって提供される。
【0033】
したがって、第1の駆動装置A1は、好ましくは、支持ガイドFのレールに直接隣接して、搬送モジュールPの頂部に設けられる。同じ側に、好ましくは第1の駆動装置A1に隣接して、第2の駆動装置A2が設けられ、これは、好ましくは垂直向きの長手方向軸を有し、搬送プラットフォームPTの回転運動を実行するように意図される。搬送プラットフォームPTは、工具搬送ストリップE2を含み、そこに複数の工具Wを挿入可能である。
図1に示す例では、工具搬送ストリップE2において、8個の工具Wを使用することができる。同じく複数の工具Wを保持することができる別の工具搬送バーが、工具搬送ストリップE2の反対側に示されている。搬送プラットフォームPTは、第2の駆動装置A2によって回転可能であるように構成され、搬送経路に対する工具搬送ストリップの向きまたはレールの長手方向を決定することができる。搬送プラットフォームPTを180°回転させることによって、第1または第2の工具搬送ストリップE2を、搬送モジュールの前方にあり、したがって搬送経路に沿った移動方向にあるように配置することができる。逆に、搬送プラットフォームPTの回転は、当然のことながら、工具搬送ストリップE2が搬送モジュールPの後方に向かって、すなわち搬送経路に沿った移動方向に逆らって配置されるように、それを回転させるために使用することもできる。
【0034】
したがって、工具を移送する目的で対応する停止部にナビゲートするとき、搬送プラットフォームPTの回転運動によって、工作機械WZMまたは中央工具マガジンZWMの受け入れ装置に接触するための、工具搬送ストリップE2上の対応する工具位置を確立することが可能である。搬送プラットフォームPTの回転運動はまた、搬送モジュールPのただ1回のシャトル運動で、2つの停止部間で工具Wを挿入および取り外しすることを可能にする。例えば、第1の工具搬送ストリップE2を使用して対応する工具Wを挿入してもよく、工具を取り外すために、搬送プラットフォームPTは、第2の工具搬送ストリップE2が工作機械WZMまたは中央工具マガジンZWMの移送ユニットとの接触領域内に移動するように回転されてもよい。したがって、挿入と同時に取り外す工程のために、搬送モジュールPが2つの停止部間で複数回移動する必要はない。
【0035】
停止部に近づくと、回転可能な搬送プラットフォームPTは、例えば、第1の工具搬送ストリップE2*に工具を挿入し、第2の工具搬送ストリップE2から工具を取り外すことを可能にし、その結果、工具変更工程において最大の柔軟性および効率を達成することができる。
【0036】
搬送プラットフォームの回転運動は、搬送モジュールPに直接設けられた搬送モジュール制御部PSによって直接制御されることが特に好ましい。挿入動作自体については、搬送プラットフォームPTが垂直移動を実行する必要はなく、これは、この垂直移動が、例えば工作機械側の上向きストロークまたは下向きストロークとして実行されるためである。搬送プラットフォームのこの垂直移動を回避することによって、搬送モジュールを特に軽くすることが可能であり、その結果、移動される質量を大幅に低減することができ、搬送経路に沿ったより速い搬送を達成することができる。
【0037】
搬送モジュールPの別の構成要素は、吊り下げ式に装着された支持フレームPRである。支持フレームPRは、搬送プラットフォームPTを囲み、好ましくはそれを少なくとも1つの平面内で枠付けするように構成される。このフレームは、回転可能な搬送プラットフォームPTのための安定化および支持機構として機能する。回転可能な搬送プラットフォームPTは、回転シャフトを介して支持フレームPRに回転可能に取り付けられる。搬送モジュール制御部PSは、横支持フレームPRに設けられる。
【0038】
図1では、搬送モジュールPは、工作機械WZMの工具供給ストリップとの係合位置に示されている。工作機械WZMは、垂直上方に移動することができる装填ストリップE1Bを有する工具リフトE1を含む。係合動作のために、垂直方向において工具搬送ストリップE2内に保持された工具は、工作機械の工具リフトのリフト動作によって工具搬送ストリップE2からリフトすることができ、または下方へのリフト動作によって工具搬送ストリップE2内に挿入することができる。したがって、工具搬送ストリップE2からの工具は、工作機械の工具供給ストリップのリフト動作によって交換することができる。したがって、搬送モジュールPのリフト動作を回避することができる。
【0039】
工具搬送システムのさらなる図を
図2に示す。図示の搬送プラットフォームPTは、搬送プラットフォームPTの頂部と底部とを接続する中央中間片を含む。したがって、この中央プラットフォームレセプタクルPT2は、軸方向範囲が搬送プラットフォームPTの軸に沿って位置合わせされるように配置される。さらなる安定化のために、中央プラットフォームレセプタクルPT2の左右に横方向に離隔した側部プラットフォームレセプタクルPT1がある。中央プラットフォームレセプタクルPT2および側部プラットフォームレセプタクルPT1の両方は、上部接続部および下部接続部で一緒に開いている。中間領域には、搬送プラットフォームPTの振動特性を最適化し、さらに軽量化するために、開口部PT3が設けられている。側部プラットフォームレセプタクルおよび中央プラットフォームレセプタクルPT1、PT2に好ましくは直接接続され、締結部が底側にある工具搬送ストリップE2、E2*は、下部締結部に設けられる。搬送プラットフォームはまた、搬送プラットフォームPTの上側および底側に垂直方向に突出する回転シャフトPTLを含む。これらの突出部は、回転シャフトを形成する。この回転シャフトは、搬送プラットフォームPTを受け入れて格納するための搬送プラットフォームPTの底側の下部回転軸部PT4と、搬送プラットフォームPTの回転経路を支持し、重量力などの軸方向力を吸収するための搬送プラットフォームPTの上側の上部回転軸部PT5とを提供する。
【0040】
上下回転軸部の回転シャフトは、支持フレームPRのそれぞれの回転シャフトレセプタクルに開口している。支持フレームPRのレセプタクルは、回転シャフトが回転することを可能にする。回転シャフトは、取付けシャフト軸を中心とした回転運動を可能にしながら搬送プラットフォームPTの取付けを実現するので、取付けシャフトPTLとも呼ばれ得る。取付けシャフト軸は、垂直軸である。
【0041】
支持フレームPRは、2つの対向する側部支持体PR1およびPR2を含む。これらの側部支持体は各々、断面がテーパ状の断面として構成され、したがって、作業場床に向かって小さくなり、支持体としてまたはプロファイルとして形成される。側部支持体PR1およびPR2の底側には、第1および第2の側部支持体PR1およびPR2を互いにしっかりと接続する、下部キャリア支持体PR4がある。側部支持体PR1およびPR2の上側には、側部支持体PR1およびPR2を互いにしっかりと接続する上部キャリア支持体PR3がある。第1および第2の駆動装置を制御し、搬送プラットフォームの回転位置および搬送経路に沿った搬送モジュールの位置の両方の位置を検出するために使用することができる搬送モジュール制御部PSは、側部支持体PR2の外側面に設けられることが好ましい。
【0042】
図2はまた、垂直支持体F4およびそれに装着された水平支持体F3を有する、L字形支持装置を示す。支持装置は、上側で支持ガイドを受け入れる。スライダを介してレール上に設けられた搬送モジュールPは、下方に吊り下げられながらスライダにしっかりと装着された支持フレームPRにしっかりと接続されている。取付けシャフトPTLの回転軸はまた、搬送プラットフォームPTが可能な限り少ない振動で効果的に回転することを可能にするために、搬送モジュールPのスライダ間に設けられる。
【0043】
図3は、搬送モジュールPの詳細図を示す。搬送モジュールの上側には、搬送モジュールP全体をレール上で支持する役割を果たすレールスライダSがある。また、レールグライダの代替として、レールに係合することができ、対応する動力伝達に適したローラを設けてもよい。
図3に示すレールスライダは、レールを案内することができるガイド通路を有する。この通路の断面は本質的に、T字形、すなわち一端に向かって広がるより狭い断面に対応する。レールスライダの側面は、左顎部S2と右顎部S1とによって形成されており、レール上の力伝達面を兼ねている。これらのレールスライダ、またはプロファイルスライダはまた、溝スライダとして構成されてもよく、支持ガイドFは、レールの代わりに、溝を有する対応するプロファイルを有し、溝スライダがそれに応じて係合する。スライダは、搬送経路に沿った搬送モジュールPの堅牢な案内を可能にする。提案されたレールスライダは、特にメンテナンスに優しく堅牢であり、したがって信頼できる移動を可能にする。
【0044】
図3に示すように、合計4つのレールスライダS、S3、S4、S5が設けられる。レールスライダは、好ましくは、搬送モジュールPの上部キャリア支持体PR3上に互いに距離を置いて、すなわち直接接触することなく設けられる。レールスライダの互いからの距離を増加させるために、レールスライダSを上部キャリア支持体PR3に装着するための別個のプラットフォームを設けることを提案することが特に有利である。プラットフォームは、締結プレートS8と、締結プレートを横方向に支持し、好ましくは上部キャリア支持体にしっかりと接続された、例えば溶接された、2つの側部支持プレートS6およびS7とを含む。各レールスライダSは、取付けプレートS8に強固に設けられ、例えばねじ止めされる。プラットフォームは、支持ガイドのレールに沿って上部キャリア支持体の側壁から延在する。対応する締結プラットフォームを有する2つのレールスライダが、好ましくは搬送モジュールPの前側に設けられ、それに対向して、上部キャリア支持体PR3またはその側壁から反対方向に突出する2つのレールスライダが、支持ガイドFのレールに沿って搬送モジュールPの後側に設けられる。言い換えると、2つのレールスライダは、上部キャリア支持体PR3の側壁から第1の方向に突出するそれぞれのプラットフォームを備え、2つの対向するレールスライダは、上部キャリア支持体の側壁から反対方向に突出するそれぞれのプラットフォームに順に設けられる。この構成により、上部キャリア支持体の一方の側および上部キャリア支持体の他方の側のレールスライダ間の移動経路に沿った距離が最大化され、搬送モジュールPの特に好ましい安定化を達成することができ、その結果、安全な案内および迅速な搬送を達成することができる。
【0045】
レールグライダの長手方向は、好ましくは、それぞれのレールに平行に向けられる。搬送プラットフォームPTの回転軸は、レールスライダS4とレールスライダS5との間に設けられ、結果として、発生する振動を最小限に抑えることができるように、搬送プラットフォームPTの特に安定した信頼できる回転運動をもたらす。
【0046】
図3から分かるように、第1の駆動装置A1は水平に配置されている。したがって、駆動装置の長手方向軸は水平方向を向いている。駆動装置は、フランジZ4を介して支持フレームに接続されている。動力は、対応するギヤを介して、または直接すなわちギヤなしで、ギヤZ1を介してカウンタベアリング装置Z3を通して伝達される。ギヤZ1は、好ましくは、ラックF5との直接係合を達成し、それによって搬送プラットフォームの移動を達成するために使用される。ここで、側部プレートZ2は、ギヤを安定させ、ラックF5とギヤF1との接触を確保する役割を果たす。一例として、エネルギーコレクタEが、上部キャリア支持体PR3の上部角に設けられる。エネルギーを供給し、測定および/または制御信号を搬送プラットフォームに送信するために、それは上部キャリア支持体PR3、例えばクロスストラットを介して互いに溶接された側壁を含む。上部キャリア支持体PR3の両端には、好ましくは上部キャリア支持体PR3から90°で下方に延在し、テーパ状の断面を有する1つの側部支持体が各々存在する。
【0047】
側部支持体PR2およびPR1への接続点における上部キャリア支持体の角領域には、2つの補強プレートPR9があり、これらは上部キャリア支持体PR3および側部支持体PR2またはPR1にしっかりと接続され、好ましくは溶接される。この補強材の断面は、好ましくは、上部キャリア支持体PR3の中心に向かってテーパ状になっている。
【0048】
第2の支持体PR2の下側角部には、下部自由領域PR10があり、これは下部キャリア支持体PR4と側部支持体PR2との接続領域でもある。この角領域には、下部キャリア支持体PR4と側部支持体PR1との間の接続点で反対側の角にも存在するような補強材PR7もある。下部キャリア支持体PR4はまた、収集トラフPR6への接続部を有する。収集トラフPR6は、例えば、搬送ホルダ内の取り替えられた工具から作業場の床に向かってZ方向に滴下する潤滑剤および液体を収集するために設けられる。収集トレイPR6は、工具が搬送されるとき、たとえ潤滑剤、チップまたは汚れで汚れたとしても、これらの汚染物質のいずれも搬送経路に沿って工作機械または作業場の床に残らないようにする。特に好ましくは、収集トラフPR6は、搬送ホルダと工作機械の工具供給ストリップまたは中央工具マガジンとの特に良好な接触を可能にするために、少なくとも部分的に変位可能である。
【0049】
収集トラフPR6は、搬送モジュールPの最外下方に設けられ、周方向側壁PR5をさらに有しているので、収集トラフPR6の容量を向上させることができる。下部キャリア支持体PR4の途中には、取付けシャフトPTLが取り付けられる取付け点が設けられている。この下部回転軸部PT4は、下部キャリア支持体PR4の中央に配置されることが好ましい。側部支持体PR1は、下部キャリア支持体PR4にしっかりと接続され、好ましくは対応する支持プレートPR7を介して溶接および補強される。支持プレートは、好ましくは、テーパ状の断面を有し、断面は、上部キャリア支持体PR3の方向にテーパ状である。
【0050】
搬送プラットフォームPTは、上部および下部キャリア支持体上の回転シャフトを使用して360°回転可能に取り付けられる。回転運動は、搬送モジュールの上側に配置された第2の駆動装置A2を介して開始され、動力は、第2の駆動装置A2から、例えばVベルト機構またはギヤボックスを介して回転シャフトに伝達される。PT搬送プラットフォームの底側には、工具用の複数の受け入れ空間を有する工具搬送ストリップE2がある。受け入れ空間は各々、周囲に受け入れられる工具を少なくとも部分的に囲む第1および第2の把持部アームを含む。把持部アームは、把持部を開閉して工具を囲むことができるように、剛性または代替的に移動可能であってもよい。図示の例では、工具搬送ストリップE2ごとに8つの受け入れ空間が設けられている。工具搬送ストリップE2の裏側には、反対側の搬送ホルダE3*があり、これは、好ましくは搬送ホルダE3と同一に構成されるが、中央プラットフォームホルダの反対側に配置される。
【0051】
図4は、中央工具マガジンZWMおよびその上方に位置する搬送プラットフォームPTの概要を示す。この図は、手動装填のための中央工具マガジンの工具供給ストリップE1Bを示し、追加の工具供給ストリップE1Tおよび伸縮リフトは、工具Wを移送するために搬送プラットフォームPTに対して垂直上方に移動される。ここで、中央工具マガジンの工具リフトTは、装着された工具供給ストリップE1Tを伸長させることができるように、伸縮要素を含む。工具供給ストリップE1Bは、中立位置、すなわち伸縮リフトTが引き込まれる位置にある、中央工具マガジンのマニピュレータによって、適切な工具を装填してもよい。また、マニピュレータは、工具供給ストリップE1T、E1Bおよび中央工作機械のホイールマガジンのホイールから、対応する工具を適宜配置してもよい。
【0052】
工具供給ストリップE1Tを装備した後、それは、搬送プラットフォームPTとの係合位置に達するために、中央工具マガジンの上側を越えて工具リフトを介して垂直方向に上方に移動することができる。工具供給ストリップE1BおよびE1Tは、好ましくは例えば8つ、すなわち搬送プラットフォームPTの工具搬送ストリップE2の搬送ホルダE3の数に対応する、工具ホルダを含む。工具供給ストリップE1Tは、工具搬送ストリップE20の搬送ブラケットE3と重なり合う位置にもたらされ、工具を把持することができる。対応する上向きストロークまたは下向きストロークによって、工具を取り外すことができ、または工具を工具搬送ストリップE2に挿入することができる。この垂直ストロークは、好ましくは工具リフトTを介して実施される。移送が成功した後、工具供給ストリップE1Tは、移送位置から中立位置に戻されてもよく、その結果、中央工作機械の上側から部品が突出せず、搬送経路に沿った搬送プラットフォームPTまたは搬送モジュールPの移動が可能である。しかしながら、代替的に、搬送プラットフォームPTが回転運動を実行することも可能であり、その結果、対向する搬送ホルダE3*がここで前方に配置され、対向する搬送ホルダE3*の工具搬送ストリップE2が移送位置にもたらされ、その結果、工具リフトTの対応する垂直運動により、工具供給ストリップを移送位置に移動させることができ、対向する搬送ホルダE3*の工具の移送を実行することができる。
【0053】
したがって、搬送プラットフォームPTの回転運動は、両方の工具搬送ストリップに工具または取り外される工具を装備することを可能にする。例えば、複数の新しい工具が第1の工具搬送ストリップE2に挿入されてもよい。搬送プラットフォームPTの回転後、例えば、工具を第2の工具搬送ストリップから取り外すことができ、その結果、例えば、もはや必要とされない工具を中央工具マガジンに再び挿入することができる。したがって、本発明による搬送プラットフォームPTは、工具を別の停止部にナビゲートする必要なく、同時に挿入および取り外しすることを可能にする。
【0054】
支持ガイドFは、
図4に示すように、第1および第2のレールF1、F2を有する。レールは各々、レールが搬送経路に沿って延在する締結点F7を有する。例えば
図4に示す第1の停止部H1は、中央工具マガジンの真上に配置される。第2の停止部H2は、第1の工作機械WZMの上方に配置される。各停止部Hは、好ましくは、工具移送工程中に搬送モジュールを安定させるために、垂直支持体F4および水平支持体F3からなる支持装置を有する。
【0055】
生産システム全体のさらなる図を
図5に示す。中央工具マガジンZWMは、支持ガイドFの搬送経路の端部または端に配置される。あるいは、特に有利なさらなる発展形態では、中央工具マガジンは、搬送モジュールが中央工具マガジンから両側の異なる工作機械に移動することができるように、搬送経路の中央に配置される。
【0056】
図5には、例えば、3つの工作機械WZM1、WZM2、WZM3が示されている。これらの工作機械は、支持ガイドFに沿って順次配置されている。各工作機械は、それ自体の停止部H2、H3、H4を有する。
図5では、例えば、搬送プラットフォームPTを有する第1の工作機械WZM1における工具の移送が示されており、この目的のために、工作機械の工具供給ストリップが移送位置Uに移動される。工作機械WZM1~WZM3と並行して、例えば第1および第2のドア開口部B1、B2を有する装填部Bがある。例えば、ワークピースまたはブランクが、工作機械に供給または取り外しされ得る。
【0057】
図6および
図7は、
図5に示す生産システムのさらなる側面図を示す。図から明らかなように、搬送モジュールは、工具を挿入または取り外しするために、個々の停止部H1~H4の間で支持ガイドF上の搬送経路に沿って移動する。
図6に示すように、工具リフトは、垂直に延伸した位置にあってもよく、その結果、移送位置に到達し、工具供給ストリップE1は、搬送モジュールPの工具搬送ストリップE2に接触するように構成される。移送工程の後、搬送モジュールは、例えば
図7に示すように、工具をそこに受け入れまたは供給するために、1つの停止部から次の停止部に移動してもよい。
図8は、搬送経路に沿った互いに平行な生産システムおよび工作機械の配置の上面図を示す。
【0058】
図9は、搬送プラットフォームPTが回転運動している状態で、搬送モジュールが停止部の領域に示されている図を示す。例えば、第1の工具搬送ストリップE2を用いて工具変更工程が実行されていてもよく、ここで、第2の工具搬送ストリップを用いてさらなる変更工程が実行されてもよい。
図9に示すように、工具リフトは垂直に延伸した位置にあり、その結果、工具供給ストリップは移送位置にある。搬送モジュールの搬送ホルダと工具供給ストリップとの間の接触を可能にするために、収集トラフPR6は、少なくとも部分的に後退または折り畳まれてもよい。
【0059】
以上、添付の図面を参照して、本発明の例または実施形態、ならびにその修正および利点を詳細に説明した。しかしながら、以下の発明は、上記の例示的な実施形態および特徴に決して限定または制限されず、例示的な実施形態のさらなる変更が、特に特許請求の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】