(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】測位方法、測位装置及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20240725BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240725BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20240725BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
H04W64/00 140
H04W72/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507099
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2022105520
(87)【国際公開番号】W WO2023011129
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110902414.3
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】方 榮一
(72)【発明者】
【氏名】任 斌
(72)【発明者】
【氏名】張 振宇
(72)【発明者】
【氏名】任 曉涛
(72)【発明者】
【氏名】ダー レン
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC11
5J062EE01
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ53
5K067KK02
(57)【要約】
本願の実施例は、測位方法、測位装置及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供している。当該測位方法は、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信することと、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することとを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置管理機能(LMF)によって実行される測位方法であって、
少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信することと、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することとを含む、測位方法。
【請求項2】
第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又は前記ターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、上述の前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することは、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び前記参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
前記第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、
前記最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、前記ターゲットUEの位置として確定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上述の前記ターゲットUEの位置を確定することの前には、
複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、前記複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、前記複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、前記各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、
前記ターゲットUE又は前記参照UEから報告された、前記複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又は前記ターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、上述の前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することは、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、前記複数の基地局の既知位置座標、及び前記各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
前記第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、
前記最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、前記ターゲットUEの位置として確定することとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上述の前記ターゲットUEの位置を確定することの前には、
前記ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び前記参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、前記複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することと、
前記ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、前記参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、
前記参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、前記二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上述の前記ターゲットUEの位置を確定することの前には、
複数の基地局から報告された、前記ターゲットUE及び前記参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信することと、
前記複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、前記ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、前記複数の基地局の中の参照基地局から報告された、前記ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、前記各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定することと、
前記複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、前記参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、前記複数の基地局の中の参照基地局から報告された、前記参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、前記各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定することと、
前記第一単一差分レイテンシ値と前記第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、
前記参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、前記二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又は前記ターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、上述の前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することは、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、前記参照UEの既知位置座標及び前記単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
前記第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、
前記最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、前記ターゲットUEの位置として確定することとを含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチパス情報には、
受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は前記複数本のパス間のレイテンシ差と、
前記特定パスの電力と、
前記特定パスの位相と、
異なる受信アンテナ間の位相差と、
異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、
異なる受信アンテナ間の電力差と、
前記受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、
前記受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、
前記受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、
前記受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれ、
ここで、前記受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、前記ターゲットUEの受信アンテナ又は前記参照UEの受信アンテナであり、前記特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、前記N及びMは、両方とも正整数である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記時間偏差情報には、
クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、
クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、
クロック同期誤差の変化率と、
送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、
送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、
送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ターゲットUE又は参照UEによって実行される測位方法であって、
基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信することと、
前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定することと、
LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告することとを含む、測位方法。
【請求項11】
基地局によって実行される測位方法であって、
ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信することと、
前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定することと、
LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告することとを含む、測位方法。
【請求項12】
LMFに適用され、メモリ、送受信機、プロセッサを含む測位装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記送受信機は、前記プロセッサの制御の下で、データを送受信するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み取って、
少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信する操作と、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定する操作を実行するように構成される、測位装置。
【請求項13】
ターゲットUE又は参照UEに適用され、メモリ、送受信機、プロセッサを含む測位装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記送受信機は、前記プロセッサの制御の下で、データを送受信するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み取って、
基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信する操作と、
前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定する操作と、
LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告する操作とを実行するように構成される、測位装置。
【請求項14】
基地局に適用され、メモリ、送受信機、プロセッサを含む測位装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記送受信機は、前記プロセッサの制御の下で、データを送受信するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み取って、
ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信する操作と、
前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定する操作と、
LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告する操作とを実行するように構成される、測位装置。
【請求項15】
LMFに適用される測位装置であって、
少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信するように構成される第一処理ユニットと、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定するように構成される第二処理ユニットとを含む、測位装置。
【請求項16】
ターゲットUE又は参照UEに適用される測位装置であって、
基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信するように構成される第三処理ユニットと、
前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するように構成される第四処理ユニットと、
LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するように構成される第五処理ユニットとを含む、測位装置。
【請求項17】
基地局に適用される測位装置であって、
ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信するように構成される第六処理ユニットと、
前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するように構成される第七処理ユニットと、
LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するように構成される第八処理ユニットとを含む、測位装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項1~11の何れか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるためのものである、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年8月6日に中国国家知的財産局に出願された出願番号CN202110902414.3の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全ては、援用により全体として本願に組み込まれる。
本願は、無線通信技術の分野に関し、具体的に、本願は、測位方法、測位装置及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、指紋測位(Finger-Printing positioning)は、パターンマッチング測位(Pattern-Matching positioning)とも呼ばれ、指紋測位は、NLOS(Non Line of Sight、見通し外)による影響の克服に極めて良い効果を持っており、指紋測位の態様としては、受信された信号指紋を、事前に築かれた位置指紋ライブラリとマッチングすることで、ターゲットUE(User Equipment、ユーザ機器)に対する測位を実現する。当該態様は、主に、位置指紋ライブラリを構築するオフライン訓練段階と、指紋マッチングを行うオンライン測位段階との2部分で構成される。位置指紋ライブラリを構築するオフライン段階は、主に、各監視局により捕捉された信号指紋の整理、及び、監視領域内の各位置の指紋収集を完了し、指紋マッチングを行うオンライン測位段階は、主に、ターゲットUEの指紋とデータベースとのマッチング、及び、最終的な位置推定を完了する。例えば、セルラーネットワークに対して指紋測位を行う場合、オフライン訓練段階では、既知位置の参照UEのCSI(Channel State Information、チャネル状態情報)を指紋として収集し、収集された指紋に基づいて指紋ライブラリを構築し、オンライン測位段階では、未知位置のターゲットUEのCSI指紋を、構築された指紋ライブラリとマッチングすることで、最適にマッチングされている位置座標をターゲットUEの位置として選択する。
【発明の概要】
【0003】
本願は、測位方法、測位装置及び非一時的なコンピュータ記憶媒体を提案する。
【0004】
第一局面には、位置管理機能(LMF)によって実行される測位方法であって、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信することと、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することとを含む、測位方法が提供されている。
【0005】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0006】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定することの前には、前記測位方法は、複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、ターゲットUE又は参照UEから報告された、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することを更に含む。
【0007】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0008】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定することの前には、前記測位方法は、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することと、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む。
【0009】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定することの前には、前記測位方法は、複数の基地局から報告された、ターゲットUE及び参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信することと、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定することと、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定することと、第一単一差分レイテンシ値と第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、
参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む。
【0010】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0011】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、ターゲットUEの受信アンテナ又は参照UEの受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0012】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0013】
第二局面には、ターゲットUE又は参照UEによって実行される測位方法であって、基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信することと、PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定することと、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告することとを含む、測位方法が提供されている。
【0014】
第三局面には、基地局によって実行される測位方法であって、ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信することと、SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定することと、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告することとを含む、測位方法が提供されている。
【0015】
第四局面には、LMFに適用され、メモリ、送受信機、プロセッサを含む、測位装置が提供されている。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものである。送受信機は、プロセッサの制御の下で、データを送受信するためのものである。プロセッサは、メモリ内のコンピュータプログラムを読み込んで、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信する操作と、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定する操作と実行するためのものである。
【0016】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0017】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する操作の前には、プロセッサは、複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、ターゲットUE又は参照UEから報告された、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信する操作を実行するために更に使用される。
【0018】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0019】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する操作の前には、プロセッサは、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信する操作と、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得る操作と、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換する操作とを実行するために更に使用される。
【0020】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する操作の前には、プロセッサは、複数の基地局から報告された、ターゲットUE及び参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信する操作と、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定する操作と、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定する操作と、第一単一差分レイテンシ値と第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得る操作と、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換する操作とを実行するために更に使用される。
【0021】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0022】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、ターゲットUEの受信アンテナ又は参照UEの受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0023】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0024】
第五局面には、ターゲットUE又は参照UEに適用され、メモリ、送受信機、プロセッサを含む、測位装置が提供されている。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものである。送受信機は、プロセッサの制御の下で、データを送受信するためのものである。プロセッサは、メモリ内のコンピュータプログラムを読み込んで、基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信する操作と、PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定する操作と、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告する操作とを実行するためのものである。
【0025】
第六局面には、基地局に適用され、メモリ、送受信機、プロセッサを含む、測位装置が提供されている。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものである。送受信機は、プロセッサの制御の下で、データを送受信するためのものである。プロセッサは、メモリ内のコンピュータプログラムを読み取って、ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信する操作と、SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定する操作と、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告する操作とを実行するためのものである。
【0026】
第七局面によれば、本願には、LMFに適用される測位装置であって、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信するための第一処理ユニットと、前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定するための第二処理ユニットとを含む、測位装置が提供されている。
【0027】
第八局面によれば、本願には、ターゲットUE又は参照UEに適用される測位装置であって、基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信するための第三処理ユニットと、前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するための第四処理ユニットと、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するための第五処理ユニットとを含む、測位装置が提供されている。
【0028】
第九局面によれば、本願には、基地局に適用される測位装置であって、ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信するための第六処理ユニットと、前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するための第七処理ユニットと、LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するための第八処理ユニットとを含む、測位装置が提供されている。
【0029】
第十局面には、コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムは、第一局面、第二局面又は第三局面に記載の方法をプロセッサに実行させるためのものである、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供されている。
【0030】
本願の付加的な局面及び利点は、以下の記述において部分的に掲示され、それらは、以下の記述から明らかになるか、又は本願の実践によって把握される。
【0031】
本願の実施例における技術態様をより明確に説明するために、以下、本願の実施例の記述で使用する必要のある図面を簡単に紹介する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本願の実施例によるシステムアーキテクチャの模式図である。
【
図2】本願の実施例による測位方法のフロー模式図である。
【
図3】本願の実施例による別の測位方法のフロー模式図である。
【
図4】本願の実施例による更に別の測位方法のフロー模式図である。
【
図5】本願の実施例による測位装置の構造模式図である。
【
図6】本願の実施例による測位装置の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例による測位装置の構造模式図である。
【
図8】本願の実施例による測位装置の構造模式図である。
【
図9】本願の実施例による測位装置の構造模式図である。
【
図10】本願の実施例による測位装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本願の実施例を詳細に記述する。前記実施例の例示は、図面に示されており、そのうち、終始同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素、あるいは、同一又は類似の機能を有する要素を示す。以下に図面を参照して記述される実施例は、例示的であり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を制限するものとして解釈されてはならない。
【0034】
当業者であれば理解できるように、特に断らない限り、ここで使用される単数形「一」、「一つ」、「前記」、及び「当該」は、複数形を含んでもよい。さらに理解すべきものとして、本願の明細書で使用される「含む」という表現は、前記特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を意味するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を除外するものではない。理解すべきなのは、要素が他の要素に「接続」又は「結合」されると言う場合、この要素が他の要素に直接接続又は結合されてもよく、あるいは、中間的な要素が介在してもよい。なお、ここで使用される「接続」又は「結合」は、無線接続又は無線結合を含んでもよい。ここで使用される「及び/又は」という表現は、1つ又は複数の関連付けられた列挙項目の全て、あるいは、いずれか1つ及び組み合わせの全てを含む。
【0035】
本願の実施例において、いくつかの「及び/又は」とは、関連対象の相関関係を記述するものであり、3つの関係があり得ることを示す。例えば、A及び/又はBとは、Aのみが存在する、A及びBの両方が存在する、及び、Bのみが存在するという3つのケースを示し得る。記号「/」は、一般的に、その前後にある関連対象間の「又は」の関係を示すものである。本願の実施例において、いくつかの「複数」とは、2つ又はそれ以上を意味し、他の数量詞についても同様である。
【0036】
本願の実施例における態様をよりよく理解及び説明するために、以下、本願の実施例に係るいくつかの技術用語を簡単に説明する。
【0037】
AI(Artificial Intelligence、人工知能)技術は、測位にも適用されており、一般的な態様としては、ニューラルネットワークモデルを確立し、即ち、訓練用のチャネル特徴をニューラルネットワークモデルに入力し、大量のデータによる訓練を通じて、ニューラルネットワークモデルのパラメータを最適化していき、訓練後のニューラルネットワークモデルを得るものである。最終的に測位するとき、実際のチャネル特徴を訓練後のニューラルネットワークモデルに入力して、最終的な位置推定が得られる。
【0038】
内積は通常、ドット積を指し、スカラー積とも呼ばれるドット積は、実数R上の2つのベクトルを受け取り、実数値のスカラーを1つ返す二項演算を指し、ドット積は、ユークリッド空間の標準的な内積である。
【0039】
時間誤差は、主に以下の2部分で構成される。
(1)CE(Clock Error、クロック偏差)であり、CEは、基地局同士間、基地局及びUE間の時間基準の違いによってもたらされ、
(2)送受信時間誤差(Tx/Rx TE(Time Error、時間誤差))であり、送受信時間誤差は、送受信フィルタの非線形性によってもたらされる。
【0040】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術態様を明確且つ完全に記述するが、明らかなことに、記述される実施例は、本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られた他の実施例は、何れも本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0041】
図1には、本願の実施例によるネットワークアーキテクチャの模式図が示されており、当該ネットワークアーキテクチャは、位置管理機能(Location Management Function、LMF)、UE及び基地局を含む。本願の実施例において、LMFとは、位置管理機能を実現できるハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを指す。例えば、LMFは、ネットワークエレメントであってもよい。例えば、LMFは、サーバ、コンピューティング機器であってもよい。例えば、LMFは、ソフトウェアであってもよい。LMFは、例えば
図1におけるLMF110であり、UEは、例えば
図1におけるUE120(ターゲットUE)及びUE130(参照UE)であり、基地局は、例えば
図1における基地局140である。基地局は、アクセスネットワークに展開され、例えば、基地局140は、5GシステムにおけるアクセスネットワークNG-RAN(New Generation-Radio Access Network、新世代無線アクセスネットワーク)に展開される。UEと基地局とは、何らかのエアインターフェース技術を介して互いに通信し、例えばセルラー技術を介して互いに通信してもよい。
【0042】
本願の実施例に係るUEとは、音声及び/又はデータ接続をユーザに提供する機器、無線接続機能を有するハンドヘルド機器、又は無線モデムに接続される他の処理機器等であってもよい。UEは、携帯電話、車両ユーザ端末、タブレットパソコン、ラップトップパソコン、パーソナルデジタルアシスタント、モバイルインターネット装置、ウェアラブル機器等を含んでもよい。
【0043】
本願の実施例に係る基地局は、UEにサービスを提供する複数のセルを含んでもよい。異なる具体的な応用場面に応じて、基地局は、アクセスポイント、又はアクセスネットワークにおける無線インターフェースにて1つ又は複数のセクタを介してUEと通信する機器、又は他の名称と呼ばれてもよい。基地局は、受信した無線フレームとインターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)パケットを相互に転換するために使用されてもよい。基地局は、UEとアクセスネットワークの残り部分との間のルータとして使用されてもよい。アクセスネットワークの残り部分は、インターネットプロトコル(IP)通信ネットワークを含んでもよい。基地局は、無線インターフェースに対する属性管理を協調してもよい。例えば、本願の実施例に係る基地局は、グローバル移動通信システム(Global System for Mobile communications、GSM(登録商標))又は符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)におけるネットワーク機器(Base Transceiver Station、BTS)であってもよく、広帯域符号分割多元接続(Wide-band Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))におけるネットワーク機器(NodeB)であってもよく、長期進化(long term evolution、LTE(登録商標))システムにおける進化型ネットワーク機器(evolutional Node B、eNB又はe-NodeB)、5Gネットワークアーキテクチャ(next generation system)における5G基地局(gNB)であってもよく、ホームエボリューション基地局(Home evolved Node B、HeNB)、中継ノード(relay node)、ホーム基地局(femto)、ピコ基地局(pico)等であってもよいが、本願の実施例では、これらに限定されない。
【0044】
本願の特徴、技術態様及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照して本願の実施形態を更に詳しく記述する。
【0045】
本願の実施例は、LMFによって実行される測位方法を提供しており、
図2には、当該方法のフロー模式図が示されており、当該方法は、ステップS101及びS102を含んでもよい。
【0046】
ステップS101において、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報を受信する。第一情報には、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる。
【0047】
一実施例において、LMFは、基地局から報告された第一情報を受信し、当該第一情報には、マルチパス情報及び時間偏差情報が含まれる。第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、及びターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が更に含まれてもよい。
【0048】
一実施例において、LMFは、ターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報を受信する。ターゲットUEから報告された第一情報には、マルチパス情報及び時間偏差情報が含まれる。ターゲットUEから報告された第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、及びターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が更に含まれてもよい。参照UEから報告された第一情報には、マルチパス情報及び時間偏差情報が含まれる。参照UEから報告された第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、及びターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が更に含まれてもよい。
【0049】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのCIR(Channel Impulse Response、チャネルインパルス応答)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのCFR(Channel Frequency Response、チャネル周波数応答)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのPDP(Power Delay Profile、電力遅延プロファイル)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、ターゲットUEの受信アンテナ又は参照UEの受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0050】
説明すべきなのは、第一情報が基地局から報告されたものであれば、第一情報に含まれるマルチパス情報に係る受信アンテナは、当該基地局の受信アンテナとなる。第一情報がターゲットUEから報告されたものであれば、第一情報に含まれるマルチパス情報に係る受信アンテナは、当該ターゲットUEの受信アンテナとなる。第一情報が参照UEから報告されたものであれば、第一情報に含まれるマルチパス情報に係る受信アンテナは、当該参照UEの受信アンテナとなる。
【0051】
一実施例において、第一パスは、直接波パスであってもよい。
【0052】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0053】
一実施例において、NLOS指示情報は、ハード指示又はソフト指示であってもよい。ソフト指示は、周波数領域の分散、時間領域のライスファクタ、偏波メトリック情報、コヒーレンス帯域幅等を含むが、これらに限定されない。
【0054】
ステップS102において、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定する。
【0055】
一実施例において、事前設定された測位データベースは、人工知能技術による訓練を通じて得られたCNN(Convolutional Neural Networks、畳み込みニューラルネットワーク)モデルであってもよい。
【0056】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することは、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含む。
【0057】
一実施例において、基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とに従って、1つの配列を得る。当該配列には、基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とが含まれている。当該配列は、第一特徴ベクトルに対応する。第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとの間でそれぞれ内積計算を行って、最大の内積、即ち最大のマッチング度を得て、最も第一特徴ベクトルとの内積の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する。
【0058】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定することの前には、測位方法は、複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、ターゲットUE又は参照UEから報告された、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することを更に含む。
【0059】
一実施例において、レイテンシ値は、RTOA(Relative Time Of Arrival、相対到着時間)値であってもよく、単一差分レイテンシ値は、TDOA(Time Difference of Arrival、到着時間差)値であってもよい。LMFがTDOAを確定する2つの方式は、次の通りである。
方式1:LMFが、複数の基地局から報告されたRTOA値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたRTOA値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたRTOA値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOAを確定する方式である。
方式2:LMFが、ターゲットUE又は参照UEから報告された、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOAを受信する方式である。
【0060】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、ステップS102は、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含んでもよい。
【0061】
一実施例において、複数の基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、1つの配列を得る。当該配列には、複数の基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とが含まれている。当該配列は、第一特徴ベクトルに対応する。第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとの間でそれぞれ内積計算を行って、最大の内積、即ち最大のマッチング度を得て、最も第一特徴ベクトルとの内積の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する。
【0062】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定することの前には、測位方法は、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することと、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む。
説明すべきなのは、単一差分レイテンシ値は、TDOA値であってもよい。
【0063】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定することの前には、測位方法は、複数の基地局から報告された、ターゲットUE及び参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信することと、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定することと、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定することと、第一単一差分レイテンシ値と第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む。
説明すべきなのは、レイテンシ値は、RTOA値であってもよく、第一単一差分レイテンシ値及び第二単一差分レイテンシ値は、TDOA値であってもよい。
【0064】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、ステップS102は、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定することとを含んでもよい。
【0065】
一実施例において、基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、1つの配列を得る。当該配列には、基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とが含まれている。当該配列は、第一特徴ベクトルに対応する。第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとの間でそれぞれ内積計算を行って、最大の内積、即ち最大のマッチング度を得て、最も第一特徴ベクトルとの内積の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する。
【0066】
一実施例において、基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び二重差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定する。
【0067】
本願の実施例において、LMFが基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報を受信し、基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報に従って、ターゲットUEの位置を確定することで、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、時間誤差の時変性による影響の解消、ターゲットUEの測位精度の向上を実現した。
【0068】
本願の実施例は、ターゲットUE又は参照UEによって実行される測位方法を提供しており、
図3には、当該方法のフロー模式図が示されており、当該方法は、ステップS201、S202及びS203を含む。
【0069】
ステップS201において、基地局から送信されたPRS(Positioning Reference Signal、測位参照信号)を受信する。
【0070】
一実施例において、ターゲットUE又は参照UEは、複数の基地局それぞれから送信されたPRSを受信することが可能である。
【0071】
ステップS202において、PRSのパイロットに従って、第一情報を確定する。第一情報には、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる。
【0072】
一実施例において、ターゲットUEは、複数の基地局のPRSのパイロットに従って、第一情報を確定してもよく、参照UEは、複数の基地局のPRSのパイロットに従って、第一情報を確定してもよい。
【0073】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、ターゲットUEの受信アンテナ又は参照UEの受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0074】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0075】
ステップS203において、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告する。
【0076】
一実施例において、ターゲットUE及び参照UEは、それぞれ、LMFに第一情報を報告してもよい。LMFは、第一情報に従ってターゲットUEの位置を確定してもよい。
【0077】
本願の実施例において、ターゲットUE及び参照UEがそれぞれLMFに第一情報を報告することで、時間誤差の時変性による影響を解消しており、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、ターゲットUEの測位精度を向上させた。
【0078】
本願の実施例は、基地局によって実行される測位方法を提供しており、
図4には、当該方法のフロー模式図が示されており、当該方法は、ステップS301、S302及びS303を含む。
【0079】
ステップS301において、ターゲットUE又は参照UEから送信されたSRS(Sounding Reference Signal、サウンディング参照信号)を受信する。
【0080】
ステップS302において、SRSのパイロットに従って、第一情報を確定する。第一情報には、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる。
【0081】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、基地局の受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0082】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0083】
ステップS303において、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告する。
【0084】
一実施例において、基地局は、LMFに第一情報を報告してもよい。LMFは、第一情報に従って、ターゲットUEの位置を確定してもよい。
【0085】
本願の実施例において、基地局がLMFに第一情報を報告することで、時間誤差の時変性による影響を解消しており、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、ターゲットUEの測位精度を向上させた。
【0086】
以下の実施例を通じて、本願の上記実施例の測位方法を全面的かつ詳細に紹介する。
【0087】
本願の一実施例は、以下の通りである。
本実施例は、下りリンク測位シーンであり、二重差分測位方式を採用する。本実施例は、主に、測位データベースを構築するオフライン訓練段階と、ターゲットUEの位置を確定するオンライン測位段階との2段階を含む。
【0088】
(1)オフライン訓練段階
オフライン訓練段階では、1つの格子点におけるUE(訓練に参加するターゲットUE又は訓練に参加する参照UE)の位置の関連データを収集し、ステップA1~ステップA7を含む。オフライン訓練段階は、大量のデータ収集作業を必要とし、UEを使用して複数の格子点でステップA1~ステップA7を繰り返す必要がある。
【0089】
ステップA1は、基地局が、PRS及びPRSのパイロットをUEに送信し、基地局の既知位置座標をLMFに報告することである。
【0090】
ステップA2は、UEが、基地局から送信されたPRS及びPRSのパイロットを受信することである。
【0091】
ステップA3は、UEが、PRSのパイロットに従って、第一情報を確定することである。第一情報には、マルチパス情報、時間偏差情報、NLOS指示情報、送受信ビーム方向情報、及び訓練に参加するターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が含まれる。
【0092】
本実施例では、マルチパス情報には、UEの各受信アンテナによって測定された最もエネルギーの強い上位の5本のパスのレイテンシ、電力及び位相が含まれる。
【0093】
本実施例では、時間偏差情報には、現在の測定値に対応する受信時間誤差群及び送信時間誤差群が含まれる。
【0094】
ステップA4は、UEが、異なる基地局のRTOA値と参照基地局のRTOA値との間で単一差分処理を行って、複数のTDOA値を得ることである。
【0095】
ステップA5は、UEが、第一情報、UEの位置座標、UEの複数本の受信アンテナの位置座標、TDOA値等をLMFに報告することである。
【0096】
ステップA6は、LMFが、訓練に参加するターゲットUEから報告されたTDOA値と、訓練に参加する参照UEから報告されたTDOA値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得て、訓練に参加する参照UEの既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換することである。
【0097】
ステップA7は、LMFが、訓練に参加するターゲットUE及び訓練に参加する参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、訓練に参加する参照UEの既知位置座標及び単一差分値とをベクトル群として、訓練に参加するターゲットUEの位置とバインディングして、特徴指紋ベクトル、即ち第二特徴ベクトルを生成することである。
【0098】
説明すべきなのは、複数の第二特徴ベクトルを通じて測位データベースが構築される。訓練に参加する異なる参照UEの既知位置座標に従って、異なる測位データベースが構築されてもよい。
【0099】
(2)オンライン測位段階
オンライン測位段階は、ステップB1~ステップB7を含む。
【0100】
ステップB1は、基地局が、PRS及びPRSのパイロットをUE(ターゲットUE又は参照UE)に送信し、基地局の既知位置座標をLMFに報告することである。
【0101】
ステップB2は、UEが、基地局から送信されたPRS及びPRSのパイロットを受信することである。
【0102】
ステップB3は、UEが、PRSのパイロットに従って、第一情報を確定することである。第一情報には、マルチパス情報、時間偏差情報、NLOS指示情報、送受信ビーム方向情報、及びターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が含まれる。
【0103】
本実施例では、マルチパス情報には、UEの各受信アンテナによって測定された最もエネルギーの強い上位の5本のパスのレイテンシ、電力及び位相が含まれる。
【0104】
本実施例では、時間偏差情報には、現在の測定値に対応する受信時間誤差群及び送信時間誤差群が含まれる。
【0105】
ステップB4は、UEが、異なる基地局のRTOA値と参照基地局のRTOA値との間で単一差分処理を行って、複数のTDOA値を得ることである。
【0106】
ステップB5は、UEが、第一情報、参照UEの既知位置座標、参照UEの複数本の受信アンテナの位置座標、TDOA値等をLMFに報告することである。
説明すべきなのは、参照UEの既知位置座標及び参照UEの複数本の受信アンテナの位置座標は、何れも参照UEによってLMFに報告される。
【0107】
ステップB6は、LMFが、ターゲットUEから報告されたTDOA値と参照UEから報告されたTDOA値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得て、参照UEの既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換することである。
【0108】
ステップB7は、LMFが、ターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、1つの配列を得ることである。当該配列には、ターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とが含まれている。当該配列は、第一特徴ベクトルに対応する。第一特徴ベクトルを、測位データベース内の各第二特徴ベクトルとの間でそれぞれ内積計算を行って、最大の内積、即ち最大のマッチング度を得て、最も第一特徴ベクトルとの内積の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する。
【0109】
本願の実施例による技術態様は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本願の実施例において、ターゲットUE及び参照UEがそれぞれLMFに第一情報を報告することで、時間誤差の時変性による影響を解消しており、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、ターゲットUEの測位精度を向上させた。
【0110】
本願の一実施例は、以下の通りである。
本実施例は、上りリンク測位シーンであり、単一差分測位方式を採用する。本実施例は、主に、測位データベースを構築するオフライン訓練段階と、ターゲットUEの位置を確定するオンライン測位段階との2段階を含む。
【0111】
(1)オフライン訓練段階
オフライン訓練段階では、1つの格子点におけるUE(訓練に参加するターゲットUE)の位置の関連データを収集し、ステップC1~ステップC6を含む。オフライン訓練段階は、大量のデータ収集作業を必要とし、UEを使用して複数の格子点でステップC1~ステップC6を繰り返す必要がある。
【0112】
ステップC1は、UEが、SRS及びSRSのパイロットを基地局に送信し、UEの既知位置座標をLMFに報告することである。
【0113】
ステップC2は、基地局が、UEから送信されたSRS及びSRSのパイロットを受信することである。
【0114】
ステップC3は、基地局が、SRSのパイロットに従って、第一情報及びRTOA値を確定することである。第一情報には、マルチパス情報、時間偏差情報、NLOS指示情報、送受信ビーム方向情報、及び訓練に参加するターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が含まれる。
【0115】
本実施例では、マルチパス情報には、訓練に参加するターゲットUEと、訓練に参加する参照UEとの受信アンテナ間で測定された最もレイテンシの小さい上位の5本のパスのレイテンシ差、電力差及び位相差が含まれる。
【0116】
本実施例では、時間偏差情報には、送受信時間誤差の変化推定値が含まれる。
【0117】
ステップC4は、基地局が、第一情報、RTOA値、基地局の既知位置座標、基地局の複数の受信アンテナの位置等をLMFに報告することである。
【0118】
ステップC5は、LMFが、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたRTOA値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたRTOA値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOA値を確定することである。
【0119】
ステップC6は、LMFが、複数の基地局から報告された第一情報、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOA値をベクトル群として、UEの位置とバインディングして、特徴指紋ベクトル、即ち第二特徴ベクトルを生成することである。
説明すべきなのは、複数の第二特徴ベクトルを通じて測位データベースが構築される。
【0120】
(2)オンライン測位段階
オンライン測位段階は、ステップD1~ステップD6を含む。
【0121】
ステップD1は、ターゲットUEが、SRS及びSRSのパイロットを基地局に送信することである。
【0122】
ステップD2は、基地局が、ターゲットUEから送信されたSRS及びSRSのパイロットを受信することである。
【0123】
ステップD3は、基地局が、SRSのパイロットに従って、第一情報及びRTOA値を確定することである。第一情報には、マルチパス情報、時間偏差情報、NLOS指示情報、送受信ビーム方向情報、及びターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が含まれる。
【0124】
本実施例では、マルチパス情報には、ターゲットUEと参照UEとの受信アンテナ間で測定された最もレイテンシの小さい上位の5本のパスのレイテンシ差、電力差及び位相差が含まれる。
【0125】
本実施例では、時間偏差情報には、送受信時間誤差の変化推定値が含まれる。
【0126】
ステップD4は、基地局が、第一情報、RTOA値、基地局の既知位置座標、基地局の複数の受信アンテナの位置等をLMFに報告することである。
【0127】
ステップD5は、LMFが、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたRTOA値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたRTOA値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOA値を確定することである。
【0128】
ステップD6は、LMFが、複数の基地局から報告された第一情報、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOA値に従って、1つの配列を得ることである。当該配列には、複数の基地局から報告された第一情報、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応するTDOA値が含まれている。当該配列は、第一特徴ベクトルに対応する。第一特徴ベクトルを、測位データベース内の各第二特徴ベクトルとの間でそれぞれ内積計算を行って、最大の内積、即ち最大のマッチング度を得て、最も第一特徴ベクトルとの内積の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する。
【0129】
本願の実施例による技術態様は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本願の実施例において、基地局がLMFに第一情報を報告することで、時間誤差の時変性による影響を解消しており、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、ターゲットUEの測位精度を向上させた。
【0130】
本願の一実施例は、以下の通りである。
本実施例は、上りリンク測位シーンであり、非差分測位方式を採用する。本実施例は、主に、測位データベースを構築するオフライン訓練段階と、ターゲットUEの位置を確定するオンライン測位段階との2段階を含む。
【0131】
(1)オフライン訓練段階
オフライン訓練段階では、1つの格子点におけるUE(訓練に参加するターゲットUE)の位置の関連データを収集し、ステップE1~ステップE5を含む。オフライン訓練段階は、大量のデータ収集作業を必要とし、UEを使用して複数の格子点でステップE1~ステップE5を繰り返す必要がある。
【0132】
ステップE1は、UEが、SRS及びSRSのパイロットを基地局に送信し、UEの既知位置座標をLMFに報告することである。
【0133】
ステップE2は、基地局が、UEから送信されたSRS及びSRSのパイロットを受信することである。
【0134】
ステップE3は、基地局が、SRSのパイロットに従って、第一情報を確定することである。第一情報には、マルチパス情報、時間偏差情報、NLOS指示情報、送受信ビーム方向情報、及び訓練に参加するターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が含まれる。
【0135】
本実施例では、マルチパス情報には、訓練に参加するターゲットUEの各受信アンテナのCFRが含まれる。
【0136】
本実施例では、時間偏差情報には、現在の時間誤差の推定値が含まれる。
説明すべきなのは、クロック同期誤差と送受信時間誤差との和を計算することで、現在の時間誤差を得る。
【0137】
ステップE4は、基地局が、第一情報、基地局の既知位置座標、基地局の複数の受信アンテナの位置等をLMFに報告することである。
【0138】
ステップE5は、LMFが、基地局から報告された第一情報、基地局の既知位置座標、基地局の複数の受信アンテナの位置及びUEの既知位置座標をベクトル群として、UEの位置とバインディングして、特徴指紋ベクトル、即ち第二特徴ベクトルを生成することである。
説明すべきなのは、複数の第二特徴ベクトルを通じて測位データベースが構築される。
【0139】
(2)オンライン測位段階
オンライン測位段階は、ステップF1~ステップF5を含む。
【0140】
ステップF1は、ターゲットUEが、SRS及びSRSのパイロットを基地局に送信することである。
【0141】
ステップF2は、基地局が、ターゲットUEから送信されたSRS及びSRSのパイロットを受信することである。
【0142】
ステップF3は、基地局が、SRSのパイロットに従って、第一情報を確定することである。第一情報には、マルチパス情報、時間偏差情報、NLOS指示情報、送受信ビーム方向情報、及び訓練に参加するターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報が含まれる。
【0143】
本実施例では、マルチパス情報には、ターゲットUEの各受信アンテナのCFRが含まれる。
【0144】
本実施例では、時間偏差情報には、現在の時間誤差の推定値が含まれる。
説明すべきなのは、クロック同期誤差と送受信時間誤差との和を計算することで、現在の時間誤差を得る。
【0145】
ステップF4は、基地局が、第一情報、基地局の既知位置座標、基地局の複数の受信アンテナの位置等をLMFに報告することである。
【0146】
ステップF5は、基地局から報告された第一情報と、基地局の既知位置座標又は基地局の複数の受信アンテナの位置とに従って、1つの配列を得ることである。当該配列には、基地局から報告された第一情報と、基地局の既知位置座標又は基地局の複数の受信アンテナの位置とが含まれている。当該配列は、第一特徴ベクトルに対応する。第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとの間でそれぞれ内積計算を行って、最大の内積、即ち最大のマッチング度を得て、最も第一特徴ベクトルとの内積の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する。
【0147】
本願の実施例による技術態様は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本願の実施例において、基地局がLMFに第一情報を報告することで、時間誤差の時変性による影響を解消しており、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、ターゲットUEの測位精度を向上させた。
【0148】
同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、LMFに適用される測位装置を更に提供している。
図5には、当該装置の構造模式図が示されており、当該装置は、プロセッサ1310、メモリ1320及び送受信機1300を含んでもよく、当該送受信機1300は、プロセッサ1310の制御の下で、データを送受信するためのものである。
【0149】
図5において、バスアーキテクチャは、任意数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、具体的には、プロセッサ1310を代表とした1つ又は複数のプロセッサと、メモリ1320を代表としたメモリとの各種回路が繋げられている。バスアーキテクチャは、周辺機器、電圧レギュレータや電力管理回路等の様々な他の回路を互いに繋げることも可能であるが、これらは、当分野において公知されているため、本明細書において、さらなる記述をしない。バスインターフェースは、インターフェースを提供するものである。送受信機1300は、複数の要素であってもよく、即ち送信機及び受信機を含んでもよく、伝送媒体にて様々な他の装置と通信するための手段を提供するものである。これらの伝送媒体には、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブル等の伝送媒体が含まれる。プロセッサ1310は、バスアーキテクチャ及び一般的な処理の管理を担っており、メモリ1320は、プロセッサ1310による操作実行時に使用されるデータを記憶可能である。
【0150】
プロセッサ1310は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又は複合プログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device、CPLD)であってもよい。プロセッサは、マルチコアアーキテクチャーを採用してもよい。
【0151】
プロセッサ1310は、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み込んで、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信する操作と、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定する操作とを実行するために使用される。
【0152】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、プロセッサ1310は、具体的に、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定する操作と、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定する操作と、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する操作とを実行するために使用されてもよい。
【0153】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する操作の前には、プロセッサ1310は、複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、ターゲットUE又は参照UEから報告された、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信する操作を更に実行してもよい。
【0154】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、プロセッサ1310は、具体的に、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定する操作と、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定する操作と、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する操作とを実行してもよい。
【0155】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する操作の前には、プロセッサ1310は、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信する操作と、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得る操作と、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換する操作とを更に実行してもよい。
【0156】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する操作の前には、プロセッサ1310は、複数の基地局から報告された、ターゲットUE及び参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信する操作と、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定する操作と、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定する操作と、第一単一差分レイテンシ値と第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得る操作と、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換する操作とを更に実行してもよい。
【0157】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、プロセッサ1310は、具体的に、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定する操作と、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定する操作と、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定する操作とを実行するために使用されてもよい。
【0158】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、ターゲットUEの受信アンテナ又は参照UEの受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0159】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0160】
ここで説明すべきなのは、本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例によって実現された全ての方法ステップを実現できるとともに、同じ技術的効果を奏することもできるが、本実施例における方法の実施例と同じ部分及び有益な効果をここで詳細に繰り返して述べない。
【0161】
同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、ターゲットUE又は参照UEに適用される測位装置を更に提供している。
図6には、当該装置の構造模式図が示されており、当該装置は、プロセッサ1410、メモリ1420、ユーザインターフェース1430及び送受信機1400を含んでもよく、当該送受信機1400は、プロセッサ1410の制御の下で、データを送受信するためのものである。
【0162】
図6において、バスアーキテクチャは、任意数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、具体的には、プロセッサ1410を代表とした1つ又は複数のプロセッサと、メモリ1420を代表としたメモリとの各種回路が繋げられている。バスアーキテクチャは、周辺機器、電圧レギュレータや電力管理回路等の様々な他の回路を互いに繋げることも可能であるが、これらは、当分野において公知されているため、本明細書において、さらなる記述をしない。バスインターフェースは、インターフェースを提供するものである。送受信機1400は、複数の要素であってもよく、即ち送信機及び受信機を含んでもよく、伝送媒体にて様々な他の装置と通信するための手段を提供するものである。これらの伝送媒体には、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブル等の伝送媒体が含まれる。様々なユーザ機器に対して、ユーザインターフェース1430は、必要なデバイスを外部接続可能なインターフェースであってもよい。外部接続されるデバイスは、小型キーボード、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック等を含むが、これらに限定されない。
【0163】
プロセッサ1410は、バスアーキテクチャ及び一般的な処理の管理を担っており、メモリ1420は、プロセッサ1410による操作実行時に使用されるデータを記憶可能である。
【0164】
選択的に、プロセッサ1410は、CPU(中央処理装置)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)、FPGA(Field-Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はCPLD(Complex Programmable Logic Device、複合プログラマブルロジックデバイス)であってもよい。プロセッサは、マルチコアアーキテクチャーを採用してもよい。
【0165】
プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出すことで、得られた実行可能命令に従い、本願の実施例による第二局面に記載の方法を実行するために使用される。プロセッサとメモリとは、物理的に分離して配置されてもよい。
【0166】
プロセッサ1410は、メモリ1420内のコンピュータプログラムを読み込んで、基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信する操作と、PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定する操作と、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告する操作とを実行するために使用される。
【0167】
ここで説明すべきなのは、本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例によって実現された全ての方法ステップを実現できるとともに、同じ技術的効果を奏することもできるが、本実施例における方法の実施例と同じ部分及び有益な効果をここで詳細に繰り返して述べない。
【0168】
同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、基地局に適用される測位装置を更に提供している。
図7には、当該装置の構造模式図が示されており、当該装置は、プロセッサ1510、メモリ1520及び送受信機1500を含んでもよく、当該送受信機1500は、プロセッサ1510の制御の下で、データを送受信するためのものである。
【0169】
図7において、バスアーキテクチャは、任意数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、具体的には、プロセッサ1510を代表とした1つ又は複数のプロセッサと、メモリ1520を代表としたメモリとの各種回路が繋げられている。バスアーキテクチャは、周辺機器、電圧レギュレータや電力管理回路等の様々な他の回路を互いに繋げることも可能であるが、これらは、当分野において公知されているため、本明細書において、さらなる記述をしない。バスインターフェースは、インターフェースを提供するものである。送受信機1500は、複数の要素であってもよく、即ち送信機及び受信機を含んでもよく、伝送媒体にて様々な他の装置と通信するための手段を提供するものである。これらの伝送媒体には、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブル等の伝送媒体が含まれる。プロセッサ1510は、バスアーキテクチャ及び一般的な処理の管理を担っており、メモリ1520は、プロセッサ1510による操作実行時に使用されるデータを記憶可能である。
【0170】
プロセッサ1510は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又は複合プログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device、CPLD)であってもよい。プロセッサは、マルチコアアーキテクチャーを採用してもよい。
【0171】
プロセッサ1510は、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み込んで、ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信する操作と、SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定する操作と、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される第一情報を報告する操作とを実行するために使用される。
【0172】
ここで説明すべきなのは、本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例によって実現された全ての方法ステップを実現できるとともに、同じ技術的効果を奏することもできるが、本実施例における方法の実施例と同じ部分及び有益な効果をここで詳細に繰り返して述べない。
【0173】
前述した実施例と同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、LMFに適用される測位装置を更に提供している。
図8には、当該装置の構造模式図が示されている。測位装置40は、第一処理ユニット401及び第二処理ユニット402を含んでもよい。
【0174】
第一処理ユニット401は、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報を受信するためのものである。第一情報には、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる。
【0175】
第二処理ユニット402は、前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定するためのものである。
【0176】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。第二処理ユニット402は、具体的に、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定し、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定し、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定するために使用される。
【0177】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する前には、第二処理ユニット402は、複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、ターゲットUE又は参照UEから報告された、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信するために更に使用される。
【0178】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、第二処理ユニット402は、具体的に、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、複数の基地局の既知位置座標、及び各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定し、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定し、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定するために使用される。
【0179】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する前には、第二処理ユニット402は、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信し、ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得て、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換するために更に使用される。
【0180】
一実施例において、ターゲットUEの位置を確定する前には、第二処理ユニット402は、複数の基地局から報告された、ターゲットUE及び参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定し、複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、複数の基地局の中の参照基地局から報告された、参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定し、第一単一差分レイテンシ値と第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得て、参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、二重差分値を単一差分値に変換するために更に使用される。
【0181】
一実施例において、第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又はターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれる。この場合、第二処理ユニット402は、具体的に、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、参照UEの既知位置座標及び単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定し、第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定し、最も第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、ターゲットUEの位置として確定するために使用される。
【0182】
一実施例において、マルチパス情報には、受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は複数本のパス間のレイテンシ差と、特定パスの電力と、特定パスの位相と、異なる受信アンテナ間の位相差と、異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、異なる受信アンテナ間の電力差と、受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれる。
受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、ターゲットUEの受信アンテナ又は参照UEの受信アンテナである。特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、N及びMは、両方とも正整数である。
【0183】
一実施例において、時間偏差情報には、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、クロック同期誤差の変化率と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0184】
ここで説明すべきなのは、本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例によって実現された全ての方法ステップを実現できるとともに、同じ技術的効果を奏することもできるが、本実施例における方法の実施例と同じ部分及び有益な効果をここで詳細に繰り返して述べない。
【0185】
前述した実施例と同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、ターゲットUE又は参照UEに適用される測位装置を更に提供している。
図9には、当該装置の構造模式図が示されている。測位装置50は、第三処理ユニット501、第四処理ユニット502及び第五処理ユニット503を含んでもよい。
【0186】
第三処理ユニット501は、基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信するためのものである。
【0187】
第四処理ユニット502は、前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するためのものである。
【0188】
第五処理ユニット503は、LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するためのものである。
【0189】
ここで説明すべきなのは、本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例によって実現された全ての方法ステップを実現できるとともに、同じ技術的効果を奏することもできるが、本実施例における方法の実施例と同じ部分及び有益な効果をここで詳細に繰り返して述べない。
【0190】
前述した実施例と同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、基地局に適用される測位装置を更に提供している。
図10には、当該装置の構造模式図が示されている。測位装置60は、第六処理ユニット601、第七処理ユニット602及び第八処理ユニット603を含んでもよい。
【0191】
第六処理ユニット601は、ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信するためのものである。
【0192】
第七処理ユニット602は、前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するためのものである。
【0193】
第八処理ユニット603は、LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するためのものである。
【0194】
ここで説明すべきなのは、本願の実施例による上記装置は、上記方法の実施例によって実現された全ての方法ステップを実現できるとともに、同じ技術的効果を奏することもできるが、本実施例における方法の実施例と同じ部分及び有益な効果をここで詳細に繰り返して述べない。
【0195】
説明すべきなのは、本願の実施例におけるユニットに対する分割は、模式的なものであり、論理機能での分割に過ぎず、実際の実現の際、他の分割方式もあり得る。また、本願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットは、物理的に別個に存在してもよいし、2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。上記統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0196】
上記統合されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本願の技術態様の本質的部分、又は従来技術に対する貢献をもたらす部分、或いは当該技術態様の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化可能である。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本願の各実施例に記載の方法における全部又は一部のステップを、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器等であり得る)又はプロセッサ(processor)に実行させるためのいくつかの命令を含む。前述した記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、ポータブルハードディスク、読取専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなどのプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0197】
同じ発明構想に基づいて、本願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ記憶媒体を更に提供しており、当該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されるときに、本願の実施例の中の何れか1つの実施例又は何れか1つの選択的な実施形態によって提供される何れか1つの測位方法のステップを実現するためのものである。
【0198】
非一時的なコンピュータ記憶媒体は、プロセッサがアクセスできる任意の利用可能な媒体又はデータ記憶機器であってもよく、磁気記憶装置(例えばフロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク(MO)等)、光記憶装置(例えばCD、DVD、BD、HVD等)、及び半導体記憶装置(例えばROM、EPROM、EEPROM、不揮発性メモリ(NAND FLASH)、ソリッドステートドライブ(SSD))等を含むが、これらに限定されない。
【0199】
当業者であれば、本願の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ると理解できる。従って、本願は、完全にハードウェアの実施例、完全にソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例の形態を取り得る。しかも、本願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ及び光学メモリなどを含むが、それらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。
【0200】
本願は、本願の実施例による方法、機器(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照にして記載されている。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令により実現され得ると理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、嵌め込み式プロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供して1つのマシンを形成し、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令により、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能を実現するための装置を形成する。
【0201】
これらのプロセッサ実行可能命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器を特定の方式で動作させるように導ける非一時的なコンピュータメモリに格納されてもよく、当該非一時的なコンピュータ可読メモリに格納される命令により、命令装置を含む製品を形成する。当該命令装置は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能を実現する。
【0202】
これらのプロセッサ実行可能命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器にロードされてもよく、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器で一連の操作ステップを実行することにより、コンピュータで実現される処理を形成し、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器で実行される命令により、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能を実現するためのステップを提供する。
【0203】
本願の実施例による技術態様は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
LMFが、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信し、少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットUE及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、ターゲットUEの位置を確定することで、複雑なマルチパス環境であるとともに時間誤差が時変性を有するシーンでは、マルチパス情報によって提供される識別度のより高いチャネル空間特徴と、時間特徴を反映できる時間偏差情報との間の協働により、時空間一貫性を備えるマッチングメカニズムを実現し、時間誤差の時変性による影響を解消し、ターゲットUEの測位精度を向上させた。
【0204】
明らかなことに、当業者であれば、本願の精神及び範囲を逸脱せずに、本願に対して様々な修正や変形をすることが可能である。よって、本願のこれらの修正や変形が、本願の特許請求の範囲及びその同等技術の範囲に属するものであれば、本願には、これらの修正や変形も含むこととする。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置管理機能(LMF)によって実行される測位方法であって、
少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信することと、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することとを含む、測位方法。
【請求項2】
第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又は前記ターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、上述の前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することは、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標及び前記参照UEの既知位置座標とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
前記第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、
前記最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、前記ターゲットUEの位置として確定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上述の前記ターゲットUEの位置を確定することの前には、
複数の基地局から報告されたレイテンシ値を受信し、前記複数の基地局の中の各非参照基地局から報告されたレイテンシ値をそれぞれ、前記複数の基地局の中の参照基地局から報告されたレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、前記各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を確定するか、又は、
前記ターゲットUE又は前記参照UEから報告された、前記複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又は前記ターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、上述の前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することは、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、前記複数の基地局の既知位置座標、及び前記各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
前記第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、
前記最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、前記ターゲットUEの位置として確定することとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上述の前記ターゲットUEの位置を確定することの前には、
前記ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値及び前記参照UEから報告された単一差分レイテンシ値であって、前記複数の基地局の中の各非参照基地局にそれぞれ対応する単一差分レイテンシ値を受信することと、
前記ターゲットUEから報告された単一差分レイテンシ値と、前記参照UEから報告された単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、
前記参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、前記二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上述の前記ターゲットUEの位置を確定することの前には、
複数の基地局から報告された、前記ターゲットUE及び前記参照UEにそれぞれ対応するレイテンシ値を受信することと、
前記複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、前記ターゲットUEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、前記複数の基地局の中の参照基地局から報告された、前記ターゲットUEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、前記各非参照基地局にそれぞれ対応する第一単一差分レイテンシ値を確定することと、
前記複数の基地局の中の各非参照基地局から報告された、前記参照UEに対応するレイテンシ値をそれぞれ、前記複数の基地局の中の参照基地局から報告された、前記参照UEに対応するレイテンシ値との間で単一差分処理を行って、前記各非参照基地局にそれぞれ対応する第二単一差分レイテンシ値を確定することと、
前記第一単一差分レイテンシ値と前記第二単一差分レイテンシ値との間で二重差分処理を行って、二重差分値を得ることと、
前記参照UEから報告された既知位置座標及び基地局の既知位置座標に従って、前記二重差分値を単一差分値に変換することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第一情報には、見通し外(NLOS)指示情報、送受信ビーム方向情報、又は前記ターゲットUEの所在する位置が屋内であるかそれとも屋外であるかを指示する指示情報のうち、少なくとも1つが更に含まれ、上述の前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定することは、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、基地局の既知位置座標、前記参照UEの既知位置座標及び前記単一差分値とに従って、第一特徴ベクトルを確定することと、
前記第一特徴ベクトルを、事前設定された測位データベース内の各第二特徴ベクトルとそれぞれマッチングして、最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルを確定することと、
前記最も前記第一特徴ベクトルとのマッチング度の大きい第二特徴ベクトルに対応する位置座標を、前記ターゲットUEの位置として確定することとを含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチパス情報には、
受信アンテナに対応する複数本のパスの中の特定パスのレイテンシ又は前記複数本のパス間のレイテンシ差と、
前記特定パスの電力と、
前記特定パスの位相と、
異なる受信アンテナ間の位相差と、
異なる受信アンテナ間のレイテンシ差と、
異なる受信アンテナ間の電力差と、
前記受信アンテナのチャネルインパルス応答(CIR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、
前記受信アンテナのチャネル周波数応答(CFR)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、
前記受信アンテナの電力遅延プロファイル(PDP)に対応する配列内の全部又は一部のデータと、
前記受信アンテナの擬似スペクトル情報とのうち、少なくとも1つが含まれ、
ここで、前記受信アンテナは、基地局の受信アンテナ、前記ターゲットUEの受信アンテナ又は前記参照UEの受信アンテナであり、前記特定パスには、最もレイテンシの小さい上位のN本のパス、第一パス又は最も電力の強いM本のパスのうち、少なくとも1つが含まれ、前記N及びMは、両方とも正整数である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記時間偏差情報には、
クロック同期誤差又はクロック同期誤差群と、
クロック同期誤差又はクロック同期誤差群の変化と、
クロック同期誤差の変化率と、
送受信時間誤差又は送受信時間誤差群と、
送受信時間誤差又は送受信時間誤差群の変化と、
送受信時間誤差の変化率とのうち、少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ターゲットUE又は参照UEによって実行される測位方法であって、
基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信することと、
前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定することと、
LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告することとを含む、測位方法。
【請求項11】
基地局によって実行される測位方法であって、
ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信することと、
前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定することと、
LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告することとを含む、測位方法。
【請求項12】
LMFに適用される測位装置であって、
少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又はターゲットユーザ機器(UE)及び参照UEからそれぞれ報告された第一情報であって、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を受信するように構成される第一処理ユニットと、
前記少なくとも1つの基地局から報告された第一情報、又は前記ターゲットUE及び前記参照UEからそれぞれ報告された第一情報と、事前設定された測位データベースとに従って、前記ターゲットUEの位置を確定するように構成される第二処理ユニットとを含む、測位装置。
【請求項13】
ターゲットUE又は参照UEに適用される測位装置であって、
基地局から送信された測位参照信号(PRS)を受信するように構成される第三処理ユニットと、
前記PRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するように構成される第四処理ユニットと、
LMFに、ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するように構成される第五処理ユニットとを含む、測位装置。
【請求項14】
基地局に適用される測位装置であって、
ターゲットUE又は参照UEから送信されたサウンディング参照信号(SRS)を受信するように構成される第六処理ユニットと、
前記SRSのパイロットに従って、マルチパス情報又は時間偏差情報のうち、少なくとも1つが含まれる第一情報を確定するように構成される第七処理ユニットと、
LMFに、前記ターゲットUEの位置を前記LMFが確定するために使用される前記第一情報を報告するように構成される第八処理ユニットとを含む、測位装置。
【請求項15】
コンピュータプログラムを記憶し
たコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項
1に記載の方法
をコンピュータに実行
させ、又は、請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させ、又は、請求項11に記載の方法をコンピュータに実行させるためのものである
、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】