(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】外科手術ロボットアーム及び器具の取り外し
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20240725BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507115
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 GB2022052108
(87)【国際公開番号】W WO2023017279
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516263638
【氏名又は名称】シーエムアール サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】グラント,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】フォフト,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】コステロ,ピーター
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA04
4C130AA13
4C130AA19
4C130AA32
4C130AA42
4C130AB01
4C130AD01
(57)【要約】
外科手術ロボットアームは、一連の中間ジョイントを介して端末リンク(503)に接続された基部を備える。端子リンク(503)は、駆動アセンブリインターフェース要素(1101a、b、c)を備える駆動アセンブリインターフェースを備える。各駆動アセンブリインターフェース要素は、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するときに、ロボット外科手術器具の器具インターフェースの器具インターフェース要素(901a、b、c)と係合することと、器具インターフェース要素に係合したときに、その器具インターフェース要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して駆動アセンブリインターフェースに対して移動することと、を行うように構成されている。駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面にわたって配置されており、これにより、ロボット外科手術器具は、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、平面に対して平行な取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ロボットアームであって、
駆動アセンブリインターフェースを備える端子リンクを備え、前記駆動アセンブリインターフェースが、駆動アセンブリインターフェース要素を備え、各駆動アセンブリインターフェース要素が、
前記外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するときに、前記ロボット外科手術器具の器具インターフェースの器具インターフェース要素と係合することと、
前記器具インターフェース要素に係合したときに、その器具インターフェース要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動することと、を行うように構成されており、
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置されており、これにより、前記ロボット外科手術器具が、前記器具に対して前記器具インターフェース要素を移動させることなく、前記平面に対して平行な取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、外科手術ロボットアーム。
【請求項2】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上に配置されており、これにより、最大量を超えて、前記端末リンクの前記長手方向軸と平行な方向に前記外科手術ロボットアームに対して、前記ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、前記ロボット外科手術器具が、前記平面に対して平行な前記取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、請求項1に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項3】
前記最大量が、(i)ゼロ、又は(ii)患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記駆動アセンブリインターフェース要素を前記器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量のいずれかである、請求項2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項4】
各駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に沿って、又はそれに対して平行に、前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項5】
各駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な方向に、前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項6】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、互いに対して平行に移動するように構成されている、請求項5に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項7】
各駆動アセンブリインターフェース要素が、前記取り外し方向に対して垂直な方向に、前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成されている、請求項6に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項8】
各駆動アセンブリインターフェース要素の前記動作範囲が、前記取り外し方向に対して垂直な前記方向における別の駆動アセンブリインターフェース要素の前記動作範囲と重複しない、請求項7に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項9】
各駆動アセンブリインターフェース要素が、他の駆動アセンブリインターフェース要素がそれらのそれぞれの器具インターフェース要素と係合するように構成されている位置から、前記端子リンクの前記長手方向軸に対して垂直にオフセットされた位置で、そのそれぞれの器具インターフェース要素と係合するように構成されている、請求項7又は8に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項10】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、互いに対して非平行方向に移動するように構成されている、請求項5に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項11】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な同じ平面上を移動するように構成されている、請求項5~10のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項12】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上では階段状の配置にあり、前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内で移動するように構成されている、請求項5~9のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項13】
前記駆動アセンブリインターフェース要素の各々が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項14】
前記外科手術ロボットアームが、前記ロボット外科手術器具が前記外科手術ロボットアームから取り外されるときに、前記ロボット外科手術器具が前記取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、それらの動作範囲内の特定の構成に前記駆動アセンブリインターフェース要素を駆動するように構成されている、請求項13に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項15】
前記駆動アセンブリインターフェースが、突出部を更に備え、前記突出部が、前記器具インターフェース上の対応する突出部と連動するように構成されており、かつ前記突出部により、患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記駆動アセンブリインターフェース要素を前記器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にするわずかな許容量だけ前記器具が前記端末リンクの前記長手方向軸と平行な方向に移動することを可能にする、請求項13又は14に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項16】
一連の中間ジョイントを介して前記端末リンクに接続された基部を更に備える、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項17】
ロボット外科手術器具であって、
シャフトと、
前記シャフトの遠位端で関節連結部を駆動して、エンドエフェクタを関節式に連結するために、前記シャフトを通って動く駆動要素と、
前記シャフトの近位端にある器具インターフェースであって、前記器具インターフェースが、器具インターフェース要素を備え、各器具インターフェース要素が、前記駆動要素のうちの1つに取り付けられており、かつ
前記ロボット外科手術器具が前記外科手術ロボットアームと係合するときに、外科手術ロボットアームの駆動アセンブリインターフェースの駆動アセンブリインターフェース要素と係合することと、
前記駆動アセンブリインターフェース要素に係合したときに、前記駆動アセンブリインターフェース要素から、取り付けられた前記駆動要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して前記器具インターフェースに対して移動することと、を行うように構成されている、器具インターフェースと、を備え、前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置されており、これにより、前記ロボット外科手術器具が、前記器具に対して前記器具インターフェース要素を移動させることなく、前記平面に対して平行な取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、ロボット外科手術器具。
【請求項18】
前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上に配置されており、これにより、最大量を超えて、前記シャフトの前記長手方向軸と平行な方向に前記外科手術ロボットアームに対して、前記ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各器具インターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、前記ロボット外科手術器具が、前記平面に対して平行な取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、請求項17に記載のロボット外科手術器具。
【請求項19】
前記最大量が、(i)ゼロ、又は(ii)患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記駆動アセンブリインターフェース要素を前記器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量のいずれかである、請求項18に記載のロボット外科手術器具。
【請求項20】
各器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に沿って、又はそれに対して平行に、前記器具インターフェースに対して移動するように構成されている、請求項17~19のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項21】
各器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な方向に、前記器具インターフェースに対して移動するように構成されている、請求項17~19のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項22】
前記器具インターフェース要素が、互いに対して平行に移動するように構成されている、請求項21に記載のロボット外科手術器具。
【請求項23】
各器具インターフェース要素が、前記取り外し方向に対して垂直な方向に、前記器具インターフェースに対して移動するように構成されている、請求項22に記載のロボット外科手術器具。
【請求項24】
各器具インターフェース要素の前記動作範囲が、前記取り外し方向に対して垂直な前記方向における別の器具インターフェース要素の前記動作範囲と重複しない、請求項23に記載のロボット外科手術器具。
【請求項25】
各器具インターフェース要素が、他の器具インターフェース要素がそれらのそれぞれの駆動アセンブリインターフェース要素と係合するように構成されている位置から、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直にオフセットされた位置で、そのそれぞれの駆動アセンブリインターフェース要素と係合するように構成されている、請求項23又は24に記載のロボット外科手術器具。
【請求項26】
前記器具インターフェース要素が、互いに対して非平行方向に移動するように構成されている、請求項21に記載のロボット外科手術器具。
【請求項27】
前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な同じ平面上を移動するように構成されている、請求項21~26のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項28】
前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上では階段状の配置にあり、前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内で移動するように構成されている、請求項21~25のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項29】
前記器具インターフェース要素の各々が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転するように構成されている、請求項17~19のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項30】
前記器具インターフェース要素が、前記ロボット外科手術器具が前記外科手術ロボットアームから取り外されるときに、前記ロボット外科手術器具が前記取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、それらの動作範囲内の特定の構成に駆動するように配置されている、請求項29に記載のロボット外科手術器具。
【請求項31】
前記器具インターフェースが、突出部を更に備え、前記突出部が、前記駆動アセンブリインターフェース上の対応する突出部と連動するように構成されており、かつ前記突出部により、患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記器具インターフェース要素を前記駆動アセンブリインターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にするわずかな許容量だけ前記器具が前記シャフトの前記長手方向軸と平行な方向に移動することを可能にする、請求項29又は30に記載のロボット外科手術器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外科手術を補助及び実施するためにロボットを使用することが知られている。
図1は、典型的な外科手術ロボットシステムを例示する。外科手術ロボット100は、基部102、アーム104、及び器具106からなる。基部は、ロボットを支持し、それ自体が、例えば、手術室の床、手術室の天井、又はカートにしっかりと取り付けられ得る。アームは、基部と器具との間に延在する。アームは、その長さに沿って、外科手術器具を患者に対して所望の場所に位置特定するために使用される複数の可撓性ジョイント108によって関節式に連結される。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端に取り付けられる。外科手術器具は、外科手術部位にアクセスするように、ポートで患者の身体を貫通する。外科手術器具は、接合された関節連結部によって遠位エンドエフェクタ110に接続されたシャフトを備える。エンドエフェクタは、外科手術手技に従事する。
図1では、例示のエンドエフェクタは、一対の顎である。
【0002】
外科医は、遠隔外科医コンソール112を介して外科手術ロボット100を制御する。外科医コンソールは、1つ以上の外科医入力装置114を備える。これらは、ハンドコントローラ又はフットペダルの形態を取り得る。外科医コンソールはまた、ディスプレイ116を備える。
【0003】
制御システム118は、外科医コンソール112を外科手術ロボット100に接続する。制御システムは、外科医入力装置114から入力を受信し、これらをロボットアーム104のジョイント及び器具106を移動させるための制御信号に変換する。制御システムは、これらの制御信号をロボットに送信し、それに応じて、対応するジョイントが駆動される。
【0004】
並進運動などのエンドエフェクタ110のいくつかの移動は、ロボットアーム104を関節式に連結することによってのみ可能になる。エンドエフェクタの姿勢を変更する、又はエンドエフェクタの顎を開閉するなど、エンドエフェクタ110の他の移動は、器具の関節連結部におけるジョイントを関節式に連結することによって可能になる。器具のジョイントを駆動するための機械的駆動は、ロボットアームからその2つのジョイントの間のインターフェースで器具に伝達される。
【0005】
いくつかの器具は、典型的には、外科手術手技の過程中に使用される。ロボットアームの中間手術で1つの器具を別の器具と交換することを容易にするために、器具はロボットアームから簡単に取り外し可能であり、かつロボットアームに取り付け可能であることが望ましい。典型的には、器具の交換は、まずロボットアームを患者から離れるように移動させることによって実施され、器具を外科手術部位から器具のシャフトの方向に沿って、かつ患者の身体から引き出す。器具が患者の身体の外側にあると、ロボットアームから手動で器具を取り外すことができる。ロボットアーム及び/又は器具は、ロボットアーム及び/又は器具を取り外すことを可能にするために、取り外し構成を採用する必要がある場合がある。ロボットアームから器具を取り外すことは、ロボットアームから解放され得る前に、ロボットアームの端部の長手方向軸に沿ってロボットアームから離れるように器具を移動させることを必要とし得る。こうした要件は、器具が患者の身体の外側に位置する場合には重要ではない。しかしながら、ロボットアームによるシステム障害又は電源障害/中断の場合、ロボットアームをロボット制御して、患者の身体から器具を取り出すように移動させること、又はロボットアーム及び/若しくは器具をロボット制御して、取り外し構成を採用することは不可能であり得る。したがって、安全手段として、器具が外科手術部位に位置する間に、ロボットアームから器具を安全に取り外すことができることが望ましい。したがって、ロボットアーム/器具インターフェースの目的は、器具が外科手術部位にある間に、器具をロボットアームから安全に手動で取り外すことを可能にすることである。
【0006】
また、ロボットアーム/器具インターフェースの目的は、アームから器具に力を効率的に伝達する機械的に堅牢な様式で、ロボットアームから器具への機械的駆動を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様によると、外科手術ロボットアームが提供されており、外科手術ロボットアームは、
駆動アセンブリインターフェースを備える端子リンクを備え、駆動アセンブリインターフェースは、駆動アセンブリインターフェース要素を備え、各駆動アセンブリインターフェース要素は、
外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するときに、ロボット外科手術器具の器具インターフェースの器具インターフェース要素と係合することと、
器具インターフェース要素に係合したときに、その器具インターフェース要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して駆動アセンブリインターフェースに対して移動することと、を行うように構成されており、
駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置されており、これにより、ロボット外科手術器具は、平面に対して平行な取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【0008】
駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置され得、これにより、ロボット外科手術器具は、器具に対して器具インターフェース要素を移動させることなく、外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【0009】
駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置され得、これにより、最大量を超えて、端末リンクの長手方向軸と平行な方向に外科手術ロボットアームに対して、ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、ロボット外科手術器具は、平面に対して平行な取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【0010】
当該最大量は、(i)ゼロ、又は(ii)患者への損傷を回避するには十分に小さいは、駆動アセンブリインターフェース要素を器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、ロボット外科手術器具を外科手術ロボットアームから取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量のいずれかであり得る。
【0011】
各駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に沿って、又はそれに対して平行に、駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成され得る。
【0012】
各駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な方向に、駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成され得る。
【0013】
駆動アセンブリインターフェース要素は、互いに対して平行に移動するように構成され得る。
【0014】
各駆動アセンブリインターフェース要素は、取り外し方向に対して垂直な方向に、駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成され得る。
【0015】
各駆動アセンブリインターフェース要素の動作範囲は、取り外し方向に対して垂直な方向における別の駆動アセンブリインターフェース要素の動作範囲と重複しなくてもよい。
【0016】
各駆動アセンブリインターフェース要素は、他の駆動アセンブリインターフェース要素がそれらのそれぞれの器具インターフェース要素と係合するように構成されている位置から、端子リンクの長手方向軸に対して垂直にオフセットされた位置で、そのそれぞれの器具インターフェース要素と係合するように構成され得る。
【0017】
駆動アセンブリインターフェース要素は、互いに対して非平行方向に移動するように構成され得る。
【0018】
駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な同じ平面上を移動するように構成され得る。
【0019】
駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な当該平面上では階段状の配置にあり得、駆動アセンブリインターフェース要素は、端末リンクの長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内で移動するように構成され得る。
【0020】
駆動アセンブリインターフェース要素の各々は、端末リンクの長手方向軸に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転するように構成され得る。
【0021】
外科手術ロボットアームは、ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームから取り外されるときに、ロボット外科手術器具が取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である、それらの動作範囲内の特定の構成に駆動アセンブリインターフェース要素を駆動するように構成され得る。
【0022】
駆動アセンブリインターフェースは、突出部を更に備え得、突出部は、器具インターフェース上の対応する突出部と連動するように構成されており、かつ突出部により、患者への損傷を回避するには十分に小さいが、駆動アセンブリインターフェース要素を器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、ロボット外科手術器具を外科手術ロボットアームから取り外し方向に取り外すことを可能にするわずかな許容量だけ器具が端末リンクの長手方向軸と平行な方向に移動することを可能にする。
【0023】
外科手術ロボットアームは、一連の中間ジョイントを介して端末リンクに接続された基部を更に備え得る。
【0024】
本発明の別の態様によると、ロボット外科手術器具が提供されており、ロボット外科手術器具は、
シャフトと、
シャフトの遠位端で関節連結部を駆動して、エンドエフェクタを関節式に連結するために、シャフトを通って動く駆動要素と、
シャフトの近位端にある器具インターフェースであって、器具インターフェースが、器具インターフェース要素を備え、各器具インターフェース要素が、駆動要素のうちの1つに取り付けられており、かつ
ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームと係合するときに、外科手術ロボットアームの駆動アセンブリインターフェースの駆動アセンブリインターフェース要素と係合することと、
駆動アセンブリインターフェース要素に係合したときに、駆動アセンブリインターフェース要素から、取り付けられた駆動要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して器具インターフェースに対して移動することと、を行うように構成されている、器具インターフェースと、を備え、
器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置されており、これにより、ロボット外科手術器具は、平面に対して平行な取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【0025】
器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置され得、これにより、ロボット外科手術器具は、器具に対して器具インターフェース要素を移動させることなく、外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【0026】
器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置され得、これにより、最大量を超えて、シャフトの長手方向軸と平行な方向に外科手術ロボットアームに対して、ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各器具インターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、ロボット外科手術器具は、平面に対して平行な取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である。
【0027】
当該最大量は、(i)ゼロ、又は(ii)患者への損傷を回避するには十分に小さいが、駆動アセンブリインターフェース要素を器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、ロボット外科手術器具を外科手術ロボットアームから取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量のいずれかであり得る。
【0028】
各器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に沿って、又はそれに対して平行に、器具インターフェースに対して移動するように構成され得る。
【0029】
各器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な方向に、器具インターフェースに対して移動するように構成され得る。
【0030】
器具インターフェース要素は、互いに対して平行に移動するように構成され得る。
【0031】
各器具インターフェース要素は、取り外し方向に対して垂直な方向に、器具インターフェースに対して移動するように構成され得る。
【0032】
各器具インターフェース要素の動作範囲は、取り外し方向に対して垂直な方向における別の器具インターフェース要素の動作範囲と重複しなくてもよい。
【0033】
各器具インターフェース要素は、他の器具インターフェース要素がそれらのそれぞれの駆動アセンブリインターフェース要素と係合するように構成されている位置から、シャフトの長手方向軸に対して垂直にオフセットされた位置で、そのそれぞれの駆動アセンブリインターフェース要素と係合するように構成され得る。
【0034】
器具インターフェース要素は、互いに対して非平行方向に移動するように構成され得る。
【0035】
器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な同じ平面上を移動するように構成され得る。
【0036】
器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な当該平面上では階段状の配置にあり得、器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内で移動するように構成され得る。
【0037】
器具インターフェース要素の各々は、シャフトの長手方向軸に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転するように構成され得る。
【0038】
器具インターフェース要素は、ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームから取り外されるときに、ロボット外科手術器具が取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である、それらの動作範囲内の特定の構成に駆動するように配置され得る。
【0039】
器具インターフェースは、突出部を更に備え得、突出部は、駆動アセンブリインターフェース上の対応する突出部と連動するように構成されており、かつ突出部により、患者への損傷を回避するには十分に小さいが、器具インターフェース要素を駆動アセンブリインターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、ロボット外科手術器具を外科手術ロボットアームから取り外し方向に取り外すことを可能にするわずかな許容量だけ器具がシャフトの長手方向軸と平行な方向に移動することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
ここで、添付図面を参照して、本発明を例として説明する。図は、以下の通りである。
【
図1】外科手術手技を実施するための外科手術ロボットシステムを例示する。
【
図4a】例示的な外科手術器具の遠位端を例示する。
【
図4b】例示的な外科手術器具の遠位端を例示する。
【
図5】ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して平行な平面に配置された駆動アセンブリインターフェース要素を有する駆動アセンブリインターフェースを例示する。
【
図6】
図5の駆動アセンブリインターフェースと係合するように構成された器具インターフェースを例示する。
【
図7】ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面に配置された駆動アセンブリインターフェース要素を有する駆動アセンブリインターフェースを例示する。
【
図8】
図7の駆動アセンブリインターフェースと係合するように構成された器具インターフェースを例示する。
【
図9】
図11の駆動アセンブリインターフェースと係合するように構成された器具インターフェースを例示する。
【
図10】
図9の器具インターフェース及び
図11の駆動アセンブリインターフェースを散在するように構成された滅菌バリアを例示する。
【
図11】ロボットアームの端子リンクの長手方向軸に対して垂直な平面に配置されており、かつ移動可能な駆動アセンブリインターフェース要素を有する駆動アセンブリインターフェースを例示する。
【
図12】一緒に係合したときの、
図9の器具インターフェース、
図10の滅菌バリア、及び
図11の駆動アセンブリインターフェースの組み合わせを例示する。
【
図13】ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面において、重複しない構成で配置された駆動アセンブリインターフェース要素を有する駆動アセンブリインターフェースを例示する。
【
図14】ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面において非平行方向に移動するように配置された駆動アセンブリインターフェース要素を有する駆動アセンブリインターフェースを例示する。
【
図15】ロボットアームの端末リンクの駆動アセンブリインターフェースの斜視図を示す。
【
図16】
図15に示す駆動アセンブリインターフェースの正面図を示す。
【
図17】器具の器具インターフェースに接続されている、
図15に示す駆動アセンブリインターフェースの第1の断面図を示す。
【
図18】器具の器具インターフェースに接続されている、
図15に示す駆動アセンブリインターフェースの第2の断面図を示す。
【
図19】器具の器具インターフェースに接続されている、
図15に示す駆動アセンブリインターフェースの第3の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下は、外科手術ロボットアームと外科手術器具との間の例示的なインターフェースを説明する。外科手術ロボットアーム及び外科手術器具は、
図1に例示されるタイプの外科手術ロボットシステムの一部を形成する。
【0042】
図2は、例示的なロボット200を例示する。ロボットは、外科手術手技が実施されるときに定位置に固定される基部201を備える。好適には、基部201は、シャーシに装着される。そのシャーシは、例えば、ロボットをベッドの高さに装着するためのベッドサイドカートなどのカートであり得る。代替的に、シャーシは、天井に装着された装置、又はベッドに装着された装置であり得る。
【0043】
ロボットアーム202は、ロボットの基部201から外科手術器具204に取り付けられ得る端末リンク203まで延在する。アームは、可撓性である。アームは、その長さに沿って複数の可撓性ジョイント205によって関節式に連結される。ジョイント間にあるのは、剛性アームリンク206である。
図2のアームは、8つのジョイントを有する。ジョイントは、1つ以上のロールジョイント(ジョイントのいずれかの側上のアーム部材の長手方向に沿った回転軸を有する)、1つ以上のピッチジョイント(前のアーム部材の長手方向に対して横方向の回転軸を有する)、及び1つ以上のヨージョイント(また、前のアーム部材の長手方向に対して横方向であり、かつ同じ場所に位置するピッチジョイントの回転軸に対しても横方向の回転軸を有する)を含む。
図2の実施例では、ジョイント205a、205c、205e、及び205hはロールジョイントであり、ジョイント205b、205d、及び205fはピッチジョイントであり、ジョイント205gはヨージョイントである。ピッチジョイント205f及びヨージョイント205gは、交差する回転軸を有する。基部201からロボットアームの端末リンク203までのジョイントの順番は、したがって、ロール、ピッチ、ロール、ピッチ、ロール、ピッチ、ヨー、ロールである。しかしながら、アームは、別様に連結され得る。例えば、アームは、8つより少ない、又は8つより多いジョイントを有する場合がある。アームは、ジョイント、例えば、テレスコピックジョイントのそれぞれの側面の間の回転以外の動きを許容するジョイントを含み得る。ロボットは、ドライバ207のセットを備える。各ドライバ207は、ジョイント205のうちの1つ以上を駆動するモータを有する。ロボットアームの端末リンク203は、外科手術器具を接合及び駆動するための駆動アセンブリを備える。駆動アセンブリは、以下でより詳細に説明される。
【0044】
図3は、外科手術器具204を例示する。外科手術器具は、細長いプロファイルを有し、シャフト301は、ロボットアームに取り付けられるその近位端と、患者体内の外科手術部位にアクセスするその遠位端との間にわたる。シャフトは剛直であるのが好適である。シャフトは直線であり得る。外科手術器具の近位端及び器具シャフトは、互いに対して剛性であり、ロボットアームの遠位端に取り付けられたとき、ロボットアームの遠位端に対して剛性であり得る。器具の近位端で、シャフト301は、器具インターフェース302に接続される。器具インターフェースは、以下でより詳細に説明するように、ロボットアームの遠位端で駆動アセンブリインターフェースと係合する。外科手術器具の遠位端では、シャフトの遠位端は、関節連結部304によってエンドエフェクタ303に接続される。エンドエフェクタ303は、外科手術部位で外科手術手技に従事する。エンドエフェクタは、任意の好適な形態を取り得る。例えば、エンドエフェクタは、一対の弯剪刀、一対のモノポーラ剪刀などの電気外科手術器具、針ホルダ、一対の顎、又は有窓把持具であり得る。
【0045】
外科手術ロボットシステムのセットアップ中に、仮想ピボット点が決定され得る。仮想ピボット点は、器具が患者の身体内を移動する際の、剛性シャフトを有するその器具の回転の自然な中心である。言い換えると、仮想ピボット点は、外科手術ロボットアームの構成が、患者の身体内のポートの内側にある間に変更されたときに、周りで外科手術器具が枢動する支点である。例えば、ポートは、患者の腹壁内に挿入され得、ポートの長さは、2~10cmの範囲であり得る。この実施例では、器具はポートを通して患者の身体内に挿入されており、仮想ピボット点は、ポートの長さに沿って存在する。仮想ピボット点の正確な場所は、患者の解剖学的構造に依存し、したがって患者ごとに異なっている。
【0046】
図4a及び
図4bは、一対の顎をエンドエフェクタ303として有する例示的な器具の遠位端を例示する。シャフト301は、関節連結部304によってエンドエフェクタ303に接続されている。関節連結部304は、数個のジョイントを備える。これらのジョイントは、エンドエフェクタの姿勢を、器具シャフトの方向に対して変更することを可能にする。
図4a及び
図4bには示されていないが、エンドエフェクタはまた、ジョイントを備え得る。
図4a及び
図4bの実施例では、関節連結部304は、ピッチジョイント401を備える。ピッチジョイント401は、ピッチ軸402を中心に回転し、ピッチ軸402は、シャフト301の長手方向軸403に対して垂直である。ピッチジョイント401は、支持体404(以下に記載)、それゆえエンドエフェクタ303が、シャフトに対してピッチ軸402を中心に回転することを可能にする。
図4a及び
図4bの実施例では、関節連結部はまた、第1のヨージョイント405及び第2のヨージョイント407を備える。第1のヨージョイント405は、第1のヨー軸406を中心に回転する。第2のヨージョイント407は、第2のヨー軸408を中心に回転する。ヨー軸406及び408は、両方、ピッチ軸402に対して垂直である。ヨー軸406及び408は、平行であり得る。ヨー軸406及び408は、同一線上であり得る。関節連結部304は、支持体404を備える。一方の端部で、支持体404は、ピッチジョイント401によってシャフト301に接続される。その他の端部では、支持体404は、ヨージョイント405及び407によってエンドエフェクタ303に接続される。この支持体は、関節連結部の他の構造がより見やすくなるように、図示を容易にするために
図4aでは省略されている。
【0047】
図示されたエンドエフェクタ303は、2つのエンドエフェクタ要素409、410を備える。代替的に、エンドエフェクタは、単一のエンドエフェクタ要素を有し得る。
図4a及び
図4bに示すエンドエフェクタ要素409、410は、対向する顎である。しかしながら、エンドエフェクタ要素は、任意のタイプの対向するエンドエフェクタ要素であり得る。第1のヨージョイント405は、第1のエンドエフェクタ要素409と固定されており、第1のエンドエフェクタ要素409が、支持体404及びピッチジョイント401に対して第1のヨー軸406を中心に回転することを可能にする。第2のヨージョイント407は、第2のエンドエフェクタ要素410と固定されており、第2のエンドエフェクタ要素410が、支持体404及びピッチジョイント401に対して第2のヨー軸408を中心に回転することを可能にする。
図4a及び
図4bでは、エンドエフェクタ要素409、410は、顎が当接する閉じた構成で示されている。
【0048】
図4a及び
図4bに図示したジョイントは、対の駆動要素によって駆動される。これらの駆動要素は、器具インターフェースから関節連結部までシャフトを通って動く。駆動要素は、細長い。それらは、それらの長手方向の範囲に対して横方向に可撓性である。それらは、それらの長手方向の範囲に沿った圧縮及び/又は張力に抵抗する。第1の対の駆動要素A1、A2は、第1のヨージョイント405の周りを移動するように制限される。駆動要素A1、A2は、第1のヨー軸406を中心に第1のエンドエフェクタ要素409を回転させる。
図4a及び
図4bは、第2のヨージョイント407の周りを移動するように制限されている、駆動要素の第2の対B1、B2を示している。駆動要素B1、B2は、第2のヨー軸408を中心に第2のエンドエフェクタ要素410を回転させる。
図4a及び
図4bはまた、ピッチジョイント401の周りを移動するように制限されている、駆動要素の第3の対C1、C2を示している。駆動要素C1、C2は、ピッチ軸402を中心にエンドエフェクタ303を回転させる。駆動要素C1及び/又はC2に張力をかけることによって、エンドエフェクタ303をピッチ軸402を中心に回転させることができる。ピッチジョイント401及びヨージョイント405、407は、それらのそれぞれの駆動要素によって個別に駆動される。
図4a及び
図4bの実施例において、関節連結部のジョイントを駆動する駆動要素の3つの対がある。代替的な実施例において、関節連結部のジョイントを駆動する駆動要素の2つの対のみがあり得る。
【0049】
ここで、係合可能な器具インターフェース及び駆動アセンブリインターフェースの実施例のいくつかのセットを説明する。記載される駆動アセンブリインターフェースの各々は、上述のロボットアームの末端部に取り付けられること、及び対応する器具インターフェースとの係合を介して記載される器具の各々を駆動することに好適である。記載される器具インターフェースの各々は、本明細書に記載される器具のうちのいずれかの近位端に取り付けられること、対応する駆動アセンブリインターフェースとの係合を介してそれ自体が駆動されるときに、記載される駆動要素を介して器具のエンドエフェクタの関節連結部を駆動することに好適である。
【0050】
図5及び
図6は、第1の係合可能な器具インターフェース302及び駆動アセンブリインターフェース501のセットを示している。器具インターフェース302及び駆動アセンブリインターフェース501のセットのカバーは、
図5及び
図6には示されていない。
図5に示す駆動アセンブリインターフェースは、ロボットアームの端末リンク503に取り付けられている。駆動アセンブリインターフェース501は、複数の駆動アセンブリインターフェース要素502a、502b、502cを備える。
図5は、3つの駆動アセンブリインターフェース要素を例示する。これらの駆動アセンブリインターフェース要素は全て、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504に対して平行な同じ平面にある。各駆動アセンブリインターフェース要素は、駆動アセンブリインターフェース内で移動可能である。各駆動アセンブリインターフェース要素は、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して平行に変位可能である。この実施例では、各駆動アセンブリインターフェース要素は、ねじ係合している親ねじによって、その動作範囲に沿って駆動される。各親ねじは、次に、ロボットアーム内のモータによって駆動される。したがって、各駆動アセンブリインターフェース要素は、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504に対して平行な同じ平面において、他の駆動アセンブリインターフェース要素に対して平行に移動する。
【0051】
図6は、
図5の駆動アセンブリインターフェースと係合するように構成された器具インターフェース302を例示する。器具インターフェース302は、器具のシャフト301に取り付けられている。器具インターフェース302は、複数の器具インターフェース要素601a、601b、601cを備える。
図6は、3つの器具インターフェース要素を例示する。各器具インターフェース要素は、一対の駆動要素A1、A2、B1、B2、C1、C2に取り付けられる(駆動要素B2は
図6では見えないことに留意されたい)。器具インターフェース要素601a、601b、601cは全て、器具のシャフト301の長手方向軸403に対して平行な同じ平面内にある。各器具インターフェース要素は、器具インターフェース内で移動可能である。各器具インターフェース要素は、器具シャフトの長手方向軸に対して平行に変位可能であり、それによって、取り付けられた駆動要素を変位させる。各器具インターフェース要素は、器具のシャフト301の長手方向軸403に対して平行な同じ平面で、他の器具インターフェース要素に対して平行に移動する。
【0052】
図6の器具インターフェースを有するロボット外科手術器具は、ロボットアームの端末リンク504及び器具シャフト403の長手方向軸に対して垂直な方向Yにおいて、
図5の駆動アセンブリインターフェースを有する外科手術ロボットアームと係合する。ロボットアーム及び器具が係合するときに、ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸は、器具シャフトの長手方向軸403に対して平行である。ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸は、器具シャフトの長手方向軸403と整列し得る。ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームと係合するときに、器具インターフェース要素601aは、駆動アセンブリインターフェース要素502aと係合し、器具インターフェース要素601bは、駆動アセンブリインターフェース要素502bと係合し、器具インターフェース要素601cは、駆動アセンブリインターフェース要素502cと係合する。各駆動アセンブリインターフェース要素が、駆動アセンブリインターフェースに対してその動作範囲にわたって移動すると、駆動アセンブリインターフェース要素は、係合している器具インターフェース要素に駆動を伝達する。したがって、その器具インターフェース要素は、その動作範囲にわたって器具インターフェースに対して移動し、それによって、その取り付けられた一対の駆動要素に駆動を伝達する。
【0053】
図5及び
図6の実施例では、駆動アセンブリインターフェース要素は、器具/ロボットアームの係合/係合解除の方向Yに対して垂直な同じXZ平面に配置される。同様に、器具インターフェース要素は、器具/ロボットアームの係合/係合解除の方向Yに対して垂直な同じXZ平面に配置される。これにより、その動作範囲における各器具インターフェース要素/駆動アセンブリインターフェース要素の位置とは独立して、器具をロボットアームから取り外すことが可能になる。したがって、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、ロボットアームも器具も特定の取り外し構成を採用する必要はない。更に、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、器具インターフェース要素又は駆動アセンブリインターフェース要素を移動させる必要はない。器具がアームに取り付けられるときに(駆動アセンブリインターフェース及び器具インターフェースを介して)、係止機構(例えば、ラッチ、ねじなど)を使用して、駆動アセンブリインターフェースと器具インターフェースとの間の係合を維持することができる。ユーザは、係止機構と係合し、係止機構を係合解除することができる。器具がアームから取り外されるときに、ユーザは、例えば、バネ付きラッチを押すことによってロック機構を係合解除し、これにより、次に、器具を取り外し方向(すなわち、Y方向)に移動することによって器具をアームから取り外すことができる。
【0054】
しかしながら、
図5の各駆動アセンブリインターフェース要素の動作範囲は、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して平行である。したがって、
図5の駆動アセンブリインターフェースは、駆動アセンブリインターフェース要素をそれらの動作範囲にわたって駆動するには十分な、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸の方向の長さを有する。ロボットアームが長くなるほど、取り付けられた器具のエンドエフェクタで必要な動作の精度を提供するために、その長さに沿って必要とされる剛性、及びしたがって重量が大きくなる。したがって、駆動アセンブリインターフェースの長さを、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸の方向に減少させることが望ましい。更に、駆動アセンブリの長さを低減することは、アームの手首ジョイント(例えば、ジョイント205f及び205g)が、外科手術部位の近く(すなわち、仮想ピボット点の近く)に位置付けられ得ることを意味し、これは、ロボットのワークスペース及び操作性を増加させるのに有利である。上述のように、器具は、アームの移動を制限する仮想ピボット点を中心として枢動する。
【0055】
図5及び
図6の実施例に対する修正では、駆動アセンブリインターフェース要素は、互いに対して平行な異なる平面及びXZ平面にあり得る。この修正された実施例では、器具インターフェース要素はまた、互いに対して平行な異なる平面及びXZ平面にある。器具インターフェース要素の平面は、駆動アセンブリインターフェース要素の平面に相補的であり、これにより、器具がロボットアームに係合したときに、各対応する器具インターフェース要素及び駆動アセンブリインターフェース要素の対は、駆動アセンブリインターフェース要素が、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して平行、かつ器具シャフトの長手方向軸に対して平行な方向に沿って、器具インターフェース要素に駆動を伝達することができるように、互いに係合する。この修正された実施例では、器具は、ロボットアームの端末リンク及び器具シャフトの長手方向軸に対して垂直な方向Yで、ロボットアームから依然として取り外される。駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素は、各個々の駆動アセンブリインターフェース要素/器具インターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、器具をロボットアームから取り外すことができるように、XZ平面にわたって依然として分布される。したがって、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、ロボットアームも器具も特定の取り外し構成を採用する必要はない。更に、ロボットアームから器具を取り外すときに、いかなる駆動アセンブリインターフェース要素又は器具インターフェース要素も移動する必要はない。言い換えれば、器具は、器具インターフェース要素を移動することなく取り外し可能である。したがって、ロボットアームから器具を取り外すときにエンドエフェクタへの駆動の伝達はなく、そのため、ロボットアームから器具を取り外すときにエンドエフェクタは移動しない。
【0056】
係合可能な器具インターフェース及び駆動アセンブリインターフェースの以下の実施例は各々、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面にわたって配置された駆動アセンブリインターフェース要素と、器具シャフトの長手方向軸に対して垂直な平面にわたって配置された器具インターフェース要素とを有する。各器具は、ロボットアームの端末リンク及び器具シャフトの長手方向軸に対して垂直な方向で、ロボットアームから取り外される。したがって、駆動アセンブリインターフェース要素は、器具及びロボットアームの取り外しの方向に対して平行な平面にわたって配置される。同様に、器具インターフェース要素は、器具及びロボットアームの取り外しの方向に対して平行な平面にわたって配置される。
【0057】
図7及び
図8は、更なる係合可能な器具インターフェース302及び駆動アセンブリインターフェース501のセットを例示する。
図7に示す駆動アセンブリインターフェースは、ロボットアームの端末リンク503に取り付けられている。駆動アセンブリインターフェース501は、複数の駆動アセンブリインターフェース要素701a、701b、701c、701dを備える。
図7は、4つの駆動アセンブリインターフェース要素を例示する。これらの駆動アセンブリインターフェース要素は全て、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504に対して垂直な同じ平面にある。これは、
図7に示すXY平面であり、ここで、Zは、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504の方向である。駆動アセンブリインターフェース要素は、2つの上部駆動アセンブリインターフェース要素701a、701b及び2つの下部駆動アセンブリインターフェース要素701c、701dが存在するように、XY平面にわたって分布される。各駆動アセンブリインターフェース要素は、駆動アセンブリインターフェース内で移動可能である。各駆動アセンブリインターフェース要素は、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504に対して平行に変位可能である、プッシュロッドである。各プッシュロッドは、ロボットアーム内のモータによってその動作範囲に沿って駆動される。したがって、各駆動アセンブリインターフェース要素は、他の駆動アセンブリインターフェース要素に対して平行に、全ての駆動アセンブリインターフェース要素が横たわるXY平面に対して垂直な方向に移動する。
【0058】
図8は、
図7の駆動アセンブリインターフェースに係合するように構成された器具インターフェース302を例示する。器具インターフェース302は、器具のシャフト301に取り付けられている。器具インターフェース302は、複数の器具インターフェース要素801a、801b、801c、801dを備える。
図8は、4つの器具インターフェース要素を例示する。各器具インターフェース要素は、器具の関節連結部の1つ以上のジョイントを駆動するための駆動要素に取り付けられている。器具インターフェース要素801a、801b、801c、801dは全て、器具のシャフト301の長手方向軸403に対して垂直な同じ平面内にある。器具インターフェース要素は、2つの上部器具インターフェース要素801a、801b及び2つの下部器具インターフェース要素801c、801dが存在するように、XY平面にわたって分布される。各器具インターフェース要素は、器具インターフェース内で移動可能である。各器具インターフェース要素は、器具シャフトの長手方向軸に対して平行に変位可能であり、それによって、取り付けられた駆動要素を変位させる。各器具インターフェース要素は、他の器具インターフェース要素に対して平行に、全ての器具インターフェース要素が横たわるXY平面に対して垂直な方向に移動する。
図8では、器具インターフェース要素は、プッシュロッドである。
【0059】
図8の器具インターフェースを有するロボット外科手術器具は、ロボットアームの端末リンク504及び器具シャフト403の長手方向軸に対して垂直な方向Yにおいて、
図7の駆動アセンブリインターフェースを有する外科手術ロボットアームと係合する。ロボットアーム及び器具が係合するときに、ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸は、器具シャフトの長手方向軸403に対して平行である。ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸は、器具シャフトの長手方向軸403と整列し得る。XY平面における器具インターフェースにわたる器具インターフェース要素の配置は、XY平面における駆動アセンブリインターフェースにわたる駆動アセンブリインターフェース要素の配置と一致する。したがって、ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームと係合するときに、器具インターフェース要素801aは、駆動アセンブリインターフェース要素701aと係合し、器具インターフェース要素801bは、駆動アセンブリインターフェース要素701bと係合し、器具インターフェース要素801cは、駆動アセンブリインターフェース要素701cと係合し、器具インターフェース要素801dは、駆動アセンブリインターフェース要素701dと係合する。具体的には、駆動アセンブリインターフェースの各プッシュロッドの露出した端部は、器具インターフェースの対応するプッシュロッドの露出した端部と接触する。この接触は、駆動アセンブリインターフェースのプッシュロッドが器具インターフェースのプッシュロッドと整列するような接触である。したがって、駆動アセンブリインターフェースのプッシュロッドがその動作範囲にわたって駆動アセンブリインターフェースに対して押されると、それが係合している器具インターフェースのプッシュロッドを押すように、駆動係合している。これにより、ロボットアームから器具への効率的かつ直接的な力伝達が提供される。したがって、器具インターフェースのプッシュロッドは、その動作範囲にわたって器具インターフェースに対して移動し、それによって、その取り付けられた駆動要素に駆動を伝達する。
【0060】
図7及び
図8の実施例では、駆動アセンブリインターフェース要素は、器具/ロボットアームの係合/係合解除の方向Yに対して平行な同じXY平面に配置される。同様に、器具インターフェース要素は、器具/ロボットアームの係合/係合解除の方向Yに対して平行な同じXY平面に配置される。駆動アセンブリインターフェース要素は、X方向に、すなわち、ロボットアームZの端末リンクの取り外し方向Y及び長手方向軸504の両方に対して垂直に、駆動アセンブリインターフェース要素がX方向に重複しないように、分布される。言い換えれば、駆動アセンブリインターフェース要素は、取り外し方向Yに沿って見たときに、それらが重複しないように配置される。別の言い方をすると、駆動アセンブリインターフェース要素の位置は、X方向に重複しない構成要素を有する。同様に、器具インターフェース要素は、X方向に、すなわち、装置シャフトZの取り外し方向Y及び長手方向軸403の両方に対して垂直に、器具インターフェース要素がX方向に重複しないように、分布される。言い換えれば、器具インターフェース要素は、取り外し方向Yに沿って見たときに、それらが重複しないように配置される。別の言い方をすると、器具インターフェース要素の位置は、X方向に重複しない構成要素を有する。これにより、各個々の駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素がその動作範囲内にある場合、取り外し方向Yにアームに対して器具を移動させることによって、器具をロボットアームから取り外すことができることが確実になる。言い換えれば、器具は、その動作範囲における各器具インターフェース要素/駆動アセンブリインターフェース要素の位置とは独立して、ロボットアームから取り外され得る。したがって、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、ロボットアームも器具も特定の取り外し構成を採用する必要はない。更に、器具をロボットアームから取り外すことを可能にするために、器具インターフェース要素又は駆動アセンブリインターフェース要素を移動させる必要はない。
【0061】
図9及び
図11は、更なる係合可能な器具インターフェース302及び駆動アセンブリインターフェース501のセットを例示する。
図10は、
図9に示す器具インターフェースと
図11に示す駆動アセンブリインターフェースとの間に嵌合して、滅菌器具を非滅菌ロボットアームから分離する滅菌バリアを例示する。駆動アセンブリインターフェースは、ロボットアームの端末リンク503に取り付けられている。駆動アセンブリインターフェース501は、複数の駆動アセンブリインターフェース要素1101a、1101b、1101cを備える。
図11は、3つの駆動アセンブリインターフェース要素を例示する。これらの駆動アセンブリインターフェース要素は、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504に対して垂直な平面上では階段状の配置にある。これは、
図11に示すXY平面であり、Zは、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504の方向であり、Yは、器具及びロボットアームの取り外しの方向である。駆動アセンブリインターフェース要素は、積み重ねられた構成でXY平面にわたって分布されている。これらは、Y方向に互いにオフセットされている。駆動アセンブリインターフェース要素が各々、それらの動作範囲の中心にある場合、それらは、X方向に整列される。
【0062】
図11の各駆動アセンブリインターフェース要素は、駆動アセンブリインターフェース内で移動可能である。各駆動アセンブリインターフェース要素は、駆動アセンブリインターフェースに対して、端子リンク504の長手方向軸に対して垂直な方向に、すなわち、全ての駆動アセンブリインターフェース要素が横たわるXY平面内で移動する。各駆動アセンブリインターフェース要素は、取り外し方向Yに対して垂直な方向に駆動アセンブリインターフェースに対して移動する。言い換えれば、各駆動アセンブリインターフェース要素は、X方向に移動する。各駆動アセンブリインターフェース要素は、他の駆動アセンブリインターフェース要素に対して平行に移動する。駆動アセンブリインターフェース要素は、任意の好適な手段によって、X方向におけるそれらの動作範囲に沿って変位するように駆動され得る。
図11は、ラックアンドピニオンドライブによって駆動される各駆動アセンブリインターフェース要素を例示する。各駆動アセンブリインターフェース要素1101a、1101b、1101cは、駆動アセンブリ内のそれぞれのラック1102a、1102b、1102cに固定して取り付けられている。各ラックは、X方向に沿って延在している。各ラック1102a、1102b、1102cは、それぞれのピニオン1103a、1103b、1103cと係合する。各ピニオンは、ロボットアーム内のモータによって駆動されるドライブシャフトによって回転される。ピニオンの回転は、ラックをX方向に直線的に移動させ、それによって、駆動アセンブリインターフェース要素をX方向に直線的に変位させる。
【0063】
図11の駆動アセンブリインターフェース要素は、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸504の方向に沿って異なる位置で終端する。この階段状の構成は、
図12でより容易に見られ、
図12は、3つの構成要素が全て一緒に係合されたときの駆動アセンブリインターフェース、滅菌バリア、及び器具インターフェースの断面を示す。駆動アセンブリインターフェース要素1101aは、長手方向軸504の方向に沿った位置uで終端し、駆動アセンブリインターフェース要素1101bは、長手方向軸504の方向に沿った位置vで終端し、駆動アセンブリインターフェース要素1101cは、長手方向軸504の方向に沿った位置wで終端する。u、v、及びwは全て、長手方向軸504の方向に沿って離間している。
【0064】
図9は、
図10の滅菌バリアを介して、
図11の駆動アセンブリインターフェースに係合するように構成された器具インターフェース302を例示する。器具インターフェース302は、器具のシャフト301に取り付けられている(
図12を参照)。器具インターフェース302は、複数の器具インターフェース要素901a、901b、901cを備える。
図9は、3つの器具インターフェース要素を例示する。各器具インターフェース要素は、器具の関節連結部の1つ以上のジョイントを駆動するための駆動要素902a、902b、902cに取り付けられている。器具インターフェース要素901a、901b、901cは、器具のシャフト301の長手方向軸403に対して垂直な平行な平面にある。言い換えれば、器具インターフェース要素は、器具シャフトの長手方向軸403のZ方向に沿って離間している。この階段状の構成は、
図12でより簡単に見ることができる。器具インターフェース要素は、器具インターフェース要素(901a、901b、901c)の各々が、それぞれの変位の大きさだけZ方向に平面1202から変位するように、器具のシャフトの長手方向軸403に対して垂直である平面(
図12の破線1202によって示される)上では階段状の配置にあるとみなすことができる。変位の大きさは、より大きなY成分値を有する器具インターフェース要素に対してより大きい。特に、最小のY成分値を有する器具インターフェース要素901cは、負のZ方向に沿った方向における第1の変位の大きさだけ平面1202から変位し、中間のY成分値を有する器具インターフェース要素901bは、負のZ方向に沿った方向の第2の変位の大きさだけ平面1202から変位し、ここで、第2の変位の大きさは、第1の変位の大きさよりも大きく、最大のY成分値を有する器具インターフェース要素901aは、負のZ方向に沿った方向に第3の変位の大きさだけ平面1202から変位し、ここで、第3の変位の大きさは、第2の変位の大きさよりも大きい。このようにして、器具インターフェース要素は、器具及びロボットアームの取り外し方向Yに積み重ねられた構成で分布される。これらは、Y方向に互いにオフセットされている。器具インターフェース要素が各々、その動作範囲内の特定の位置にある場合、それらは、X方向に対して垂直な方向に整列される。器具インターフェース要素が各々、それらの動作範囲内の特定の位置にある場合、それらは、X方向に整列され(すなわち、それらの位置は、X方向に同じ成分を有する)、これにより、それらは全て、X方向に対して垂直な同じ平面、すなわち、YZ平面に対して平行な平面にある。例えば、器具インターフェース要素の動きの範囲内の特定の位置は、その動きの範囲の中心であり得る。他の実施例では、器具インターフェース要素の動きの範囲内の特定の位置は、器具インターフェース要素の移動限界とは異なる距離であり得る。整列の方向は、3つの器具インターフェース要素の任意の部分(例えば、中心)と交差する直線として表され得ることに留意されたい。器具インターフェース要素が全て特定の位置にあるときに、エンドエフェクタはまた、直線構成であり得る。これは、エンドエフェクタのみを見ることによって、インターフェースが、器具がアームから取り外される(又はアームに取り付けられる)のにほぼ正しい構成にあるかどうかをユーザが決定することができるため、有用であり得る。これにより、エンドエフェクタを真っ直ぐにすることによって、インターフェース要素をほぼ正しい構成に位置付けることができる。更に、器具をポートを通して引き込むために、エンドエフェクタが真っ直ぐであることがより簡単である(又は場合によっては必要である)場合がある。この場合、制御システムは、器具がポートを通して引き込まれる前にエンドエフェクタを真っ直ぐにするために1つの直線化動作(のみ)を実施し得、これはまた、アームから取り外される器具に対してインターフェース要素を正しい構成に設定し得る。
【0065】
図9の各器具インターフェース要素は、器具インターフェース内で移動可能である。各器具インターフェース要素は、X方向に沿って器具シャフトの長手方向軸に対して垂直に変位可能であり、それによって、その取り付けられた駆動要素を変位させる。取り付けられた駆動要素はまた、器具インターフェース要素に取り付けられているX方向に沿って、器具シャフトの長手方向軸に対して垂直な方向に変位する。次に、取り付けられた駆動要素は、1つ以上のプーリ903のセットによって器具シャフト301の下を経路指定される。各器具インターフェース要素は、他の器具インターフェース要素に対して平行にX方向に移動する。器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内を移動する。
【0066】
図9の器具インターフェースを有するロボット外科手術器具は、ロボットアームの端末リンク504及び器具シャフト403の長手方向軸に対して垂直な方向Yにおいて、
図11の駆動アセンブリインターフェースを有する外科手術ロボットアームと係合する。ロボットアーム及び器具が係合するときに、ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸は、器具シャフトの長手方向軸403に対して平行である。ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸は、器具シャフトの長手方向軸403と整列し得る。XY平面の駆動アセンブリインターフェースにわたる駆動アセンブリインターフェース要素の分布(各々が、その動作範囲の中心にあるときの)は、XY平面の器具インターフェースにわたる器具インターフェース要素の分布(各々が、その動作範囲の中心にあるときの)と一致する。
【0067】
外科手術器具及びロボットアームと係合するために、まず、滅菌バリア1000が、駆動アセンブリインターフェース501の上に係合される。
図12に示すように、各駆動アセンブリインターフェース要素1101a、1101b、1101cは、滅菌バリアの一方の側のそれぞれのカップ1002a、1002b、1002c内にスロットする。各器具インターフェース要素901a、901b、901cは、滅菌バリアの反対側のそれぞれのホルダ1001a、1001b、1001cに係合する。したがって、ロボット外科手術器具が滅菌バリアを介して外科手術ロボットアームと係合するときに、器具インターフェース要素901aは、滅菌バリアのホルダ1001a及びカップ1002aを介して駆動アセンブリインターフェース要素1101aと係合し、器具インターフェース要素901bは、滅菌バリアのホルダ1001b及びカップ1002bを介して駆動アセンブリインターフェース要素1101bと係合し、器具インターフェース要素901cは、滅菌バリアのホルダ1001c及びカップ1002cを介して駆動アセンブリインターフェース要素1101cと係合する。駆動アセンブリインターフェース要素は、駆動アセンブリインターフェース要素(1101a、1101b、1101c)の各々が、それぞれの変位の大きさだけZ方向に平面1204から変位されるように、ロボットアームの端末リンク504の長手方向軸403に対して垂直である平面(
図12の破線1204によって示される)上では階段状の配置にあるとみなすことができる。変位の大きさは、より大きなY成分値を有する駆動アセンブリインターフェース要素に対してより小さい。特に、最小のY成分値を有する駆動アセンブリインターフェース要素1101cは、正のZ方向に沿った方向における第1の変位の大きさだけ平面1204から変位し、中間のY成分値を有する駆動アセンブリインターフェース要素1101bは、正のZ方向に沿った方向の第2の変位の大きさだけ平面1204から変位し、ここで、第2の変位の大きさは、第1の変位の大きさよりも小さく、最大のY成分値を有する駆動アセンブリインターフェース要素1101aは、正のZ方向に沿った方向の第3の変位の大きさだけ平面1204から変位し、ここで、第3の変位の大きさは、第2の変位の大きさよりも小さい。X方向に沿った駆動アセンブリインターフェース要素の間隔は、X方向に沿った器具インターフェース要素の間隔と一致する。したがって、器具がロボットアームに係合したときに、各駆動アセンブリインターフェース要素は、その対応する器具インターフェース要素と駆動係合する。滅菌バリアの各カップ1002a、1002b、1002c及びホルダ1001a、1001b、1001cは、対応する器具インターフェース要素の動きの範囲にわたってX方向に沿って直線的に移動可能である。したがって、各駆動アセンブリインターフェース要素が、その動作範囲にわたって駆動アセンブリインターフェースに対して駆動されると、駆動アセンブリインターフェース要素は、滅菌バリアを介して係合している器具インターフェース要素を駆動する。したがって、器具インターフェース要素は、その動作範囲にわたって器具インターフェースに対して移動し、それによって、その取り付けられた駆動要素に駆動を伝達する。
【0068】
駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素は、Z方向に沿って離間しているため(上述の階段状の配置に起因して)、器具は、各個々の駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素がその動作範囲内にある場合、Y方向に沿ってロボットアームから取り外され得る。言い換えれば、器具は、その動作範囲における各器具インターフェース要素/駆動アセンブリインターフェース要素の位置とは独立して、ロボットアームから取り外され得る。したがって、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、ロボットアームも器具も特定の取り外し構成を採用する必要はない。更に、ロボットアームからの器具の取り外しを可能にするために、器具インターフェース要素又は駆動アセンブリインターフェース要素を移動させる必要はない。
【0069】
図13は、駆動アセンブリインターフェース要素1301a、1301b、1301cが、それらの動作範囲全体にわたってX方向に沿って離間している、
図9~
図12の実施例に対する修正を例示する。したがって、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内にある場合、各駆動アセンブリインターフェース要素は、他の駆動アセンブリインターフェース要素の各々がその動作範囲内にある場合のX方向における他の駆動アセンブリインターフェース要素と重複しない。言い換えれば、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内にある場合、取り外し方向Yに沿って見たときに、駆動アセンブリインターフェース要素は、互いに重複していないように見える。別の言い方をすると、駆動アセンブリインターフェース要素の位置は、それらの動作範囲内にある場合に、X方向に重複しない構成要素を有する。
図13に例示されるように、駆動アセンブリインターフェース要素1301a、1301b、1301cの動作範囲k、l、mはそれぞれ、X方向に重複しない。駆動アセンブリインターフェース要素は、
図9~
図12に関して記載されるように、ラックアンドピニオンドライブによって駆動され得る。対応する滅菌バリア(図示せず)のカップ及びホルダ、並びに対応する器具インターフェース(図示せず)の器具インターフェース要素はまた、駆動アセンブリインターフェース要素の分布と一致するように、XY平面にわたって分布される。この実施例では、駆動アセンブリインターフェース要素、並びに滅菌バリアのカップ及びホルダ、並びに器具インターフェース要素は、Z方向に沿って離間配置で配置されていない。したがって、駆動アセンブリインターフェース要素の全ては、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な同じXY平面上を移動する。同様に、器具インターフェース要素の全てが、器具シャフトの長手方向軸に対して垂直な同じXY平面上を移動する。駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素は、X方向に沿って離間しているため、器具は、各個々の駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素がその動作範囲内にある場合、Y方向に沿ってロボットアームから取り外され得る。言い換えれば、器具は、その動作範囲における各器具インターフェース要素/駆動アセンブリインターフェース要素の位置とは独立して、ロボットアームから取り外され得る。したがって、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、ロボットアームも器具も特定の取り外し構成を採用する必要はない。更に、ロボットアームから器具を取り外すときに、器具インターフェース要素又は駆動アセンブリインターフェース要素を移動させる必要はない。
【0070】
図14は、駆動アセンブリインターフェース要素1401a、1401b、1401cが、互いに対して直線状であるが非平行な方向に移動する、
図9~
図12の実施例に対する別の修正を例示する。駆動アセンブリインターフェース要素1401a、1401b、1401cは、それらの動作の全範囲にわたってX方向に沿って離間している。したがって、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内にある場合、各駆動アセンブリインターフェース要素は、他の駆動アセンブリインターフェース要素の各々がその動作範囲内にある場合のX方向における他の駆動アセンブリインターフェース要素と重複しない。言い換えれば、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内にある場合、取り外し方向Yに沿って見たときに、駆動アセンブリインターフェース要素は、互いに重複していないように見える。別の言い方をすると、駆動アセンブリインターフェース要素の位置は、それらの動作範囲内にある場合に、X方向に重複しない構成要素を有する。
図14に例示されるように、駆動アセンブリインターフェース要素1401a、1401b、1401cの動作範囲p、q、rはそれぞれ、X方向に重複しない。駆動アセンブリインターフェース要素は、
図9~
図12に関して記載されるように、ラックアンドピニオンドライブによって駆動され得る。対応する滅菌バリアのカップ及びホルダ、並びに対応する器具インターフェースの器具インターフェース要素はまた、駆動アセンブリインターフェース要素の分布と一致するように、XY平面にわたって分布される。この実施例では、駆動アセンブリインターフェース要素、並びに滅菌バリアのカップ及びホルダ、並びに器具インターフェース要素は、Z方向に沿って離間配置で配置されていない。したがって、駆動アセンブリインターフェース要素の全ては、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な同じXY平面上を移動する。同様に、器具インターフェース要素の全てが、器具シャフトの長手方向軸に対して垂直な同じXY平面上を移動する。駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素は、X方向に沿って離間しているため、器具は、各個々の駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素がその動作範囲内にある場合、Y方向に沿ってロボットアームから取り外され得る。言い換えれば、器具は、その動作範囲における各器具インターフェース要素/駆動アセンブリインターフェース要素の位置とは独立して、ロボットアームから取り外され得る。したがって、ロボットアーム及び器具を取り外すことを可能にするために、ロボットアームも器具も特定の取り外し構成を採用する必要はない。更に、ロボットアームから器具を取り外すときに、器具インターフェース要素又は駆動アセンブリインターフェース要素を移動させる必要はない。
【0071】
図9~
図14の実施例は全て、ロボットアームの端末リンクの長手方向軸に対して垂直なXY平面内で移動するように駆動される、駆動アセンブリインターフェース要素を有する。したがって、これらの実施例の駆動アセンブリインターフェースは、端子リンクの長手方向軸の方向においてよりコンパクトである。これにより、
図5~
図8の実施例と比較して、ロボットアームの長さが低減される。ロボットアームが長くなるほど、取り付けられた器具のエンドエフェクタで必要な動作の精度を提供するために、その長さに沿って必要とされる剛性、及びしたがって重量が大きくなる。更に、駆動アセンブリの長さを低減することは、アームの手首ジョイント(例えば、ジョイント205f及び205g)が、外科手術部位の近く(すなわち、仮想ピボット点の近く)に位置付けられ得ることを意味し、これは、ロボットのワークスペース及び操作性を増加させるのに有利である。
【0072】
図15~
図19は、回転インターフェース(前の実施例における線形インターフェースではなく)が使用される実施例を例示する。特に、
図15は、ロボットアームの端末リンクの駆動アセンブリインターフェースの斜視図を示しており、
図16は、駆動アセンブリインターフェースの正面図を示しており、
図17~
図19は、器具の器具インターフェースに接続されている駆動アセンブリインターフェースの断面図を示している。共通の参照番号は、異なる図の同じ構成要素を示すために
図15~
図19で使用される。
図15~
図19の各々は、X、Y、及びZ軸の方向を示しており、ここで、Z方向は、端末リンクの長手方向軸に沿って、かつ器具のシャフトの長手方向軸に沿っており、ここで、Y方向は、取り外し方向である。駆動アセンブリインターフェースは、4つの駆動要素、1501a、1501b、1501c、及び1501dを備える。この実施例では、駆動要素は、端子リンクの長手方向軸504に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転することができる(すなわち、Z方向に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転することができる)回転駆動要素である。上述の実施例と同様に、駆動要素は、端子リンクの長手方向軸504に対して垂直な(Z方向に対して平行である)平面に配置される。特に、駆動要素は、取り外し方向(すなわち、Y方向に沿った)に対して平行な平面に配置される。
【0073】
駆動アセンブリインターフェース要素(1501a、1501bなど)の各々は、器具(
図17~
図19に示す)の器具インターフェースの対応する器具インターフェース要素(1701a、1701bなど)に係合する。アームは、駆動アセンブリインターフェース要素1501を回転させることができ、これは次に、器具インターフェース要素1701を回転させる。このようにして、回転力(すなわち、トルク)を、駆動アセンブリインターフェース要素から器具インターフェース要素にインターフェース上で伝達することができる。器具インターフェースは、器具のシャフト301に取り付けられている。各器具インターフェース要素は、駆動要素1706が周りに巻かれ得る、キャプタン1704(スピンドルと呼んでもよい)に取り付けられている。駆動要素1706a、1706bは、器具の関節連結部の1つ以上のジョイントを駆動するためのものである。この実施例では、駆動要素(1706a、1706b)は、可撓性ケーブルであり、可撓性ケーブルは、駆動要素がキャプタン(1704a、1704b)の周りに巻かれることを可能にする。駆動要素1706の各々は、それぞれの方向転換プーリ1703の周りを、かつ器具のシャフト301を通して移動するように配置されている。器具インターフェース要素1701が回転すると、対応するキャプタン1704が回転し、これにより、対応する駆動要素1706がシャフトの長手方向軸403に対して平行な方向にシャフト301を通って移動する。
【0074】
器具をアームから取り外すために、器具インターフェースは、駆動アセンブリインターフェース(すなわち、
図15~
図19の上向き)に対して取り外し方向(Y方向に対して平行)に移動することができる。しかしながら、駆動アセンブリインターフェース要素1501と器具インターフェース要素1701との係合は、駆動アセンブリインターフェース要素(及び対応する器具インターフェース要素)が特定の構成にない場合、取り外し方向に沿った器具の移動を防止し得る。駆動アセンブリインターフェース要素(及び対応する器具インターフェース要素)は、特定の方向と整列することができるように、細長い形状を有する。特に、
図15及び
図16に最もよく例示されるように、器具は、駆動要素が全て垂直である、すなわち、全て取り外し方向と整列しているときにのみ、アームから取り外され得る(又はアームに取り付けられ得る)。例えば、
図16に示す駆動アセンブリインターフェース要素1501b及び1501cは、器具をアームから取り外すために正しい構成にある(すなわち、それらの細長い形状が取り外し方向と整列している)が、
図16に示す駆動アセンブリインターフェース要素1501a及び1501dは、器具をアームから取り外すために正しい構成にはない(すなわち、それらの細長い形状が取り外し方向と整列していない)。外科手術ロボットアームは、ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームから取り外されるときに、ロボット外科手術器具が取り外し方向に外科手術ロボットアームから取り外し可能である、(例えば、垂直にするために)それらの動作範囲内の特定の構成に駆動アセンブリインターフェース要素を駆動するように構成されている。次に、ロボット外科手術器具は、ロボットアームを取り外し方向(すなわち、Y方向)に移動させることによって、外科手術ロボットアームから取り外され得る。
【0075】
図15及び
図16に示す実施例では、駆動アセンブリインターフェース要素1501の各々は、1の回転対称度を有する。例えば、
図15及び
図16に示すように、駆動アセンブリインターフェース要素1501の各々は、他方の端部よりも厚い1つの端部を有し得、それらが係合する対応する器具インターフェース要素は、一貫した形状を有し、すなわち、1の回転対称度をまた有する。これは、駆動アセンブリインターフェース要素1501が対応する器具インターフェース要素1701に係合する、全360度の回転全体を通して1つの位置のみがあることを意味する。したがって、制御システムは、インターフェース要素が高次の回転対称性を有する場合よりも曖昧性が低いエンドエフェクタの姿勢を決定することができる。
【0076】
一部の実施例(図には示されない)では、Y成分値が大きい位置を有するインターフェース要素は、Y成分値が小さい位置を有するインターフェース要素よりも薄い。これらの実施例について、通常の動作では、器具が取り外される場合、アームは、インターフェース要素1501を説明した特定の構成(例えば、底部のより厚い端部を有する垂直配向)に駆動し、その後、器具は、取り外し方向に沿って(すなわち、Y方向に沿って)移動することによって取り外され得る。この実施例では、インターフェース要素1501が垂直であるが、上部に厚い端部を有する場合、器具は、取り外し方向に沿って(すなわち、Y方向に沿って)移動させることによって取り外すことができなかった。したがって、この実施例では、各インターフェース要素は、器具がアームから取り外され得る1つの特定の構成(例えば、底部のより厚い端部を有する垂直配向)のみを有する。他の実施例では、各インターフェース要素は、器具がアームから取り外され得る、複数の特定の構成を有し得ることが可能であり、例えば、インターフェース要素の端部は、同じ厚さであり得るが、おそらくは、依然として異なる形状であり、それにより、それらが依然として1の回転対称度を有することを可能にする。
【0077】
しかしながら、より大きなY成分値を有する位置を有するインターフェース要素が、より小さなY成分値を有する位置を有するインターフェース要素よりも薄くない、
図15~
図19に示すものなどの実施例では、器具は、取り外し方向に沿って(すなわち、Y方向に沿って)のみ移動することによって取り外し可能ではない場合がある。更に、本明細書に記載される実施例のうちのいずれかでは、アームが故障した場合、器具を安全に取り外すために、インターフェース要素を特定の配向(例えば、記載された垂直配向)に駆動することは可能ではない場合がある。これは、障害が発生したときに、器具のエンドエフェクタが患者に近接するか、又は患者の内部にあるかどうかの問題を引き起こす場合がある。
【0078】
したがって、この問題に対処し、かつインターフェース要素が垂直配向に駆動されることを防止するアームとの障害の場合に器具をアームから取り外すための安全な方法を提供するために、駆動アセンブリインターフェース及び器具インターフェースには、連動突出部1502及び1702が提供される。駆動アセンブリインターフェース内の突出部1502は、溝(特にU字形状の溝)として
図15~
図19に示されており、器具内の突出部1702は、器具がアームに取り付けられたときに溝1502内に収容される。連動突出部は、器具をZ方向に沿って患者に向かって(すなわち、インターフェース平面から離れて、それに対して垂直な方向に)、小さな許容量だけ(ただし、この小さな許容量を超えないように)移動させることを可能にする。この小さな許容量は、4mmであり得る。より一般的には、小さな許容量は、3mm~5mmであり得る。更により一般的には、小さな許容量は、2mm~6mmであり得る。小さな許容される移動は、患者への損傷(例えば、器具が患者の内部にある場合)を回避(又は無視できるレベルまで減少)するには十分に小さいが、駆動アセンブリインターフェース要素1501を器具インターフェース要素1701から係合解除するには十分な大きさである。器具及びインターフェースが係合解除されると、器具は、インターフェース平面に対して平行な取り外し方向(Y方向)に上向きに引っ込められ、それによって、ロボットアームから器具を取り外すことができる。器具が駆動アセンブリインターフェースに係合する通常の動作では、器具上の突出部1702は、U字形状の溝1502内に収容されており、かつ上述の小さな許容量よりも、器具が患者内に更に引っ張られることを物理的に停止する。
【0079】
図15~
図19に示す実施例では、モータからの回転駆動は、キャプタンの周りの駆動要素の回転に変換される。これは、回転駆動がインターフェースにわたって線形駆動に変換されるシステムよりも、ロボットアームの駆動アセンブリからエンドエフェクタに力を伝達するためのより効率的なシステムであり得る。
【0080】
本明細書に記載の駆動アセンブリインターフェース及び器具インターフェースの実施例は、よりコンパクトな駆動アセンブリインターフェースを可能にすることを提供する。駆動アセンブリインターフェース要素及び器具インターフェース要素の配置はまた、ロボットアーム又は器具の構成に関係なく、ロボットアーム/器具シャフトの端末リンクの長手方向軸に対して垂直な方向に、器具をアームから取り外すことを可能にする。また、ロボットアームから器具を取り外すときに、器具インターフェース要素又は駆動アセンブリインターフェース要素を移動させる必要はない。更に、器具をロボットアームから取り外すために、患者に向けた器具/ロボットアームの移動(又は非常に少ない移動)は必要とされない。特に、本明細書に記載の実施例では、ロボット外科手術器具は、最大量を超えて、端末リンクの長手方向軸と平行な方向に外科手術ロボットアームに対して、ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、取り外し方向(すなわち、Y方向)に外科手術ロボットアームから取り外し可能である。端末リンクの長手方向軸は、器具のシャフトの長手方向軸に対しても平行(例えば、同一直線上)なZ方向であることに留意されたい。
図7~
図14に示す実施例では、「最大量」はゼロである。
図15~
図19に示される実施例では、「最大量」は、(患者への損傷を回避するには十分に小さいが、駆動アセンブリインターフェース要素を器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、ロボット外科手術器具を外科手術ロボットアームから取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量である。したがって、これらの実施例の全てにおいて、器具は、器具が外科手術部位に依然として位置している間に、かつロボットアームの制御システムからの動力を必要とすることなく、ロボットアームから安全に手動で取り外され得る。これは、システム障害又は低バッテリー状態の場合の安全機能として有用であり、安全な様式で、ロボット制御下で器具が患者の身体から引き抜かれることを防止する。更に、器具は、器具インターフェース要素を移動することなく取り外し可能であるため、ロボットアームから器具を取り外すときにエンドエフェクタへの駆動の伝達はなく、そのため、ロボットアームから器具を取り外すときにエンドエフェクタは移動しない。更に、本明細書に記載の実施例は、汎用性に対して有用な、よりコンパクトな手首設計を提供する。
【0081】
本明細書に説明されるロボットは、外科手術以外の目的のものであり得る。例えば、ポートは、自動車エンジンなどの製造品内の検査ポートであり得、ロボットは、エンジン内部を見るための視認ツールを制御し得る。
【0082】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴及び2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴又は組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴又は特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴又は特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ロボットアームであって、
駆動アセンブリインターフェースを備える端子リンクを備え、前記駆動アセンブリインターフェースが、駆動アセンブリインターフェース要素を備え、各駆動アセンブリインターフェース要素が、
前記外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するときに、前記ロボット外科手術器具の器具インターフェースの器具インターフェース要素と係合することと、
前記器具インターフェース要素に係合したときに、その器具インターフェース要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動することと、を行うように構成されており、
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置されており、これにより、前記ロボット外科手術器具が、前記器具に対して前記器具インターフェース要素を移動させることなく、前記平面に対して平行な取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、外科手術ロボットアーム。
【請求項2】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上に配置されており、これにより、最大量を超えて、前記端末リンクの前記長手方向軸と平行な方向に前記外科手術ロボットアームに対して、前記ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各駆動アセンブリインターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、前記ロボット外科手術器具が、前記平面に対して平行な前記取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、請求項1に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項3】
前記最大量が、(i)ゼロ、又は(ii)患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記駆動アセンブリインターフェース要素を前記器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量のいずれかである、請求項2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項4】
各駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な方向に、前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成されている、
先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項5】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、互いに対して平行に移動するように構成されており、各駆動アセンブリインターフェース要素が、前記取り外し方向に対して垂直な方向に、前記駆動アセンブリインターフェースに対して移動するように構成されている、請求項
4に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項6】
各駆動アセンブリインターフェース要素の前記動作範囲が、前記取り外し方向に対して垂直な前記方向における別の駆動アセンブリインターフェース要素の前記動作範囲と重複しない、請求項
5に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項7】
前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上では階段状の配置にあり、前記駆動アセンブリインターフェース要素が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内で移動するように構成されている、請求項
4に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項8】
前記駆動アセンブリインターフェース要素の各々が、前記端末リンクの前記長手方向軸に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項9】
前記駆動アセンブリインターフェースが、突出部を更に備え、前記突出部が、前記器具インターフェース上の対応する突出部と連動するように構成されており、かつ前記突出部により、患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記駆動アセンブリインターフェース要素を前記器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にするわずかな許容量だけ前記器具が前記端末リンクの前記長手方向軸と平行な方向に移動することを可能にする、請求項
8に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項10】
ロボット外科手術器具であって、
シャフトと、
前記シャフトの遠位端で関節連結部を駆動して、エンドエフェクタを関節式に連結するために、前記シャフトを通って動く駆動要素と、
前記シャフトの近位端にある器具インターフェースであって、前記器具インターフェースが、器具インターフェース要素を備え、各器具インターフェース要素が、前記駆動要素のうちの1つに取り付けられており、かつ
前記ロボット外科手術器具が前記外科手術ロボットアームと係合するときに、外科手術ロボットアームの駆動アセンブリインターフェースの駆動アセンブリインターフェース要素と係合することと、
前記駆動アセンブリインターフェース要素に係合したときに、前記駆動アセンブリインターフェース要素から、取り付けられた前記駆動要素に駆動を伝達するように、動作範囲を通して前記器具インターフェースに対して移動することと、を行うように構成されている、器具インターフェースと、を備え、
前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの長手方向軸に対して垂直な平面上に配置されており、これにより、前記ロボット外科手術器具が、前記器具に対して前記器具インターフェース要素を移動させることなく、前記平面に対して平行な取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、ロボット外科手術器具。
【請求項11】
前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上に配置されており、これにより、最大量を超えて、前記シャフトの前記長手方向軸と平行な方向に前記外科手術ロボットアームに対して、前記ロボット外科手術器具を最初に移動させることなく、各器具インターフェース要素がその動作範囲内の任意の場所にあるときに、前記ロボット外科手術器具が、前記平面に対して平行な取り外し方向に前記外科手術ロボットアームから取り外し可能である、請求項
10に記載のロボット外科手術器具。
【請求項12】
前記最大量が、(i)ゼロ、又は(ii)患者への損傷を回避するには十分に小さいが、前記駆動アセンブリインターフェース要素を前記器具インターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にする非ゼロ量のいずれかである、請求項
11に記載のロボット外科手術器具。
【請求項13】
各器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な方向に、前記器具インターフェースに対して移動するように構成されている、請求項
10~12のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項14】
前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な前記平面上では階段状の配置にあり、前記器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な重複しない平面内で移動するように構成されている、請求項
13に記載のロボット外科手術器具。
【請求項15】
前記器具インターフェース要素の各々が、前記シャフトの前記長手方向軸に対して平行なそれぞれの軸を中心として回転するように構成されて
おり、前記器具インターフェースが、突出部を更に備え、前記突出部が、前記駆動アセンブリインターフェース上の対応する突出部と連動するように構成されており、かつ前記突出部により、患者への損傷を回避するには十分小さいが、前記器具インターフェース要素を前記駆動アセンブリインターフェース要素から係合解除するには十分に大きく、それによって、前記ロボット外科手術器具を前記外科手術ロボットアームから前記取り外し方向に取り外すことを可能にするわずかな許容量だけ前記器具が前記シャフトの前記長手方向軸と平行な方向に移動することを可能にする、請求項
10~12のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【国際調査報告】