(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】患者の顎弓形状のモデルベースの事前知識による口外パノラマ画像の最適化
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20240725BHJP
【FI】
A61B6/51 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507154
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022070891
(87)【国際公開番号】W WO2023011977
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】アイヒナー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】エルバーズ、ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA12
4C093CA01
4C093DA05
4C093EC28
(57)【要約】
本発明は、パノラマ画像を生成する方法に関し、以下のステップ:(S1)患者(10)の解剖学的構造に関するモデルベースの事前知識として、患者の1つ以上の以前のパノラマ画像または3D画像または1つ以上の光学3Dスキャンに基づいて、顎弓形状(11a)を決定するステップと、(S2)モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される患者(10)のパノラマ画像のための患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)を決定し、それにより、顎弓形状(11a)、特に歯(11b)の位置を最適に露出して撮像することができるステップと、(S3)撮像データを取得するために、決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に基づいて撮像を実行するステップと、(S4)決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に従って再構成パラメータを調整するステップと、(S5)モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される患者(10)のパノラマ画像のための患者固有の焦点曲線(14)を決定し、それにより、決定された顎弓形状(11a)、特に歯(11b)の位置を最適に再構成できることができるステップと、(S6)取得された撮像データ、決定された患者固有の焦点曲線(14)を含む調整された再構成パラメータ、及び決定された顎弓形状(11a)と重なる撮像される層を使用してパノラマ画像を再構成するステップと、ここで、患者固有の焦点曲線(14)が前記撮像される層内にあり、(S7)再構成されたパノラマ画像を表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パノラマ画像を生成する方法であって、
(S1)患者(10)の解剖学的構造に関するモデルベースの事前知識として、前記患者の1つ以上の以前のパノラマ画像または3D画像または光学3Dスキャンに基づいて、顎弓形状(11a)を決定するステップと、
(S2)前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される前記患者(10)の前記パノラマ画像のための患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)を決定し、それにより、前記決定された顎弓形状(11a)、特にその歯(11b)の位置を最適に露出して撮像することができるステップと、
(S3)撮像データを取得するために、前記決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に基づいて撮像を実行するステップと、
(S4)前記決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に従ってX線デバイス(2)の再構成パラメータを調整するステップと、
(S5)前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される前記患者(10)の前記パノラマ画像のための前記患者固有の焦点曲線(14)を決定し、それにより、前記決定された顎弓形状(11a)、特にその中の前記歯(11b)の位置を最適に再構成することができるステップと、
(S6)前記取得された撮像データ、前記決定された患者固有の焦点曲線(14)を含む前記調整された再構成パラメータ、および前記決定された顎弓形状(11a)と重なる撮像される層を使用して前記パノラマ画像を再構成するステップと、ここで、前記患者固有の焦点曲線(14)が前記撮像される層内にあり、
(S7)前記再構成されたパノラマ画像を表示するステップとを備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記顎弓形状(11a)は、ニューラルネットワークを使用して決定され、ここで、前記ニューラルネットワークは、それぞれが3Dボリュームとその中にマークされた前記顎弓形状(11a)とを含むか、または光学3Dスキャンとその中にマークされた前記顎弓形状(11a)とを含むデータ対によって訓練されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
顎弓形状(11b)が、前記患者の解剖学的特徴を考慮して、手動で、または画像処理によって自動的にマーキングされていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(S6)における再構成の間、前記顎弓形状(11a)と前記撮像される層との重なりが最大であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コンピュータ化された口外X線システム(1)によって実行されるとき、前記コンピュータ化された口外X線システム(1)に、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法に係る各ステップを実行させるコンピュータ読取可能コードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項6】
X線デバイス(2)と、請求項5に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成された計算ユニット(8)とを備える、コンピュータ化された口外X線システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張出願EP21190056.8の全内容は、PCTの規定の下で、この国際出願を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、口外X線デバイスを用いてデジタルパノラマ画像を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
パノラマ画像を生成するとき、口外X線デバイスのデフォルト撮像軌道は、患者の顎内の経験的に見出されたデフォルト焦点曲線をマッピングする。この基準からの偏差がある場合、患者の不正確な位置決めによるものであれ、デフォルトの焦点曲線から逸脱する顎弓形状によるものであれ、パノラマ画像品質の劣化が生じる。
【0004】
通常、下流オートフォーカス手順を使用して、パノラマ画像内で局所的に最適な鮮明度を見つける。強い解剖学的異常及び/又は好ましくないX線ビーム角度は、この手順では補正することができない。これらの手順は常に下流のソフトウェアソリューションであり、その結果、より精巧な再構成が必要になるが、これは、デフォルトの撮像軌道に基づいて生成されたデータを使用することしかできない。
【発明の概要】
【0005】
現在、本発明者らは、患者の解剖学的構造の事前知識を使用して、再構成されるデフォルト撮像軌道及びデフォルト焦点曲線を患者の顎弓に正確に一致させることができる先行技術を認識していない。
【0006】
本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を克服することができるX線デバイスを使用してデジタルパノラマ画像を生成する方法を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1にしたがって実現されるシステムによって達成される。従属請求項の主題事項は、更なる展開及び好ましい実施形態に関する。
【0008】
本発明は、口外X線デバイスを使用して患者のデジタルパノラマ画像を生成するためのコンピュータ実装方法を提供する。この方法は、下記のステップを備える:患者の1つ以上の以前のパノラマ画像又は3D画像又は光学3Dスキャンに基づいて、患者の解剖学的構造に関するモデルベースの事前知識として顎弓形状を決定するステップと、前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される患者のパノラマ画像のための患者固有のX線デバイス撮像軌道を決定し、それにより、決定された顎弓形状、特にその歯の位置を最適に露出して撮像することができるステップと、撮像データを取得するために、決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道に基づいて撮像を実行するステップと、決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道に従ってX線デバイスの再構成パラメータを調整する又は新たに設定するステップと、前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される患者のパノラマ画像のための患者固有の焦点曲線を決定し、それにより、決定された顎弓形状、特にその中の歯の位置が最適に再構成することができるステップと、取得された撮像データ、決定された患者固有の焦点曲線を含む調整されたまたは新たに設定された再構築パラメータ、および決定された顎弓形状と重なる撮像される層を使用してパノラマ画像を再構築するステップと、ここで、患者固有の焦点曲線が前記撮像される層内にあり、再構築されたパノラマ画像を表示するステップと、を含む。
【0009】
本発明の有利な効果は、要するに、改善されたパノラマ画像品質により、医師にとって追加の診断価値を生み出すことである。以前の患者固有のデータを使用することによって、繰り返しの照射及び追加のスカウトショットが回避される。これにより、線量を低減することができ、又は画質を改善することができる。
【0010】
本発明のさらなる有利な効果は、顎弓形状又は顎弓ジオメトリが、適切な患者固有の撮像軌道及び適切な患者固有の焦点曲線を決定するために、以前のパノラマ画像、以前の3Dボリューム画像又は以前の表面スキャンに基づいて患者について導出されることができ、それにより、再構成、従ってパノラマ画像が完全に患者固有であることができることである。
患者固有の部分撮像軌道および患者固有の部分焦点曲線を使用して、パノラマ画像の患者固有の部分セクションを作成することも可能である。
【0011】
有利な実施形態では、1つ以上のニューラルネットワークが使用される。顎弓形状は、ニューラルネットワークを使用して決定することができる。ニューラルネットワークは、3Dボリュームとその中にそれぞれマークされた顎弓形状とを含む、または光学3Dスキャンとその中にそれぞれマークされた顎弓形状とを含むデータ対によって訓練される。この目的のために、顎弓形状は、患者の解剖学的な歯の特徴を考慮しながら、手動で、または画像処理によって自動的にマークされていてもよい。
【0012】
パノラマ画像の再構成における有利な実施形態では、顎弓と撮像される層との重なりが最大であり、ここで、患者固有の焦点曲線は撮像層内にあり、上顎弓及び下顎弓を可能な限り良好にマッピングする。
【0013】
本発明はまた、この方法を実施するためのコンピュータ化された口外X線システムを提供する。口外X線システムは、撮像データを取得し、再構成されたパノラマ画像を提供することができ、ここで、計算ステップは、同じ口外X線システム上で、またはローカルもしくはクラウド内にあり得るその別個の遠隔コンピュータ上で行われることができる。
【0014】
下記の説明において、例示的な実施形態を使用し、図面を参照することによって、本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による口外X線システムの概略図を示す。
【
図2】
図2は、決定された患者固有の撮像軌道及び患者固有の焦点曲線に従った口外パノラマ撮像の概略図を示す。
【0016】
図面に示される参照番号は、下記に列挙される要素を示し、例示的な実施形態の以下の説明において参照される。
1. 口外X線システム
2. X線デバイス
3. X線源
4. X線検出器
5. 制御ユニット/パネル
6. 頭部固定
7. 咬合ブロック
8. コンピュータ
9. ディスプレイ
10. 患者
11a.顎弓型
11b.歯
12. 撮像軌道(患者固有)
12a.X線源軌道
12b.X線検出器軌道
13. 撮像軌道(X線デバイスデフォルト)
13a.X線源軌道
13b.X線検出器軌道
14. 焦点曲線(患者固有)
15. 焦点曲線(X線デバイスデフォルト)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による方法は、パノラマ画像を生成するために使用される。
【0018】
第1のステップS1において、患者の1つ以上の以前のパノラマ画像または1つ以上の以前の3D画像または1つ以上の以前の光学3Dスキャンに基づいて、顎弓形状(11a)(
図2参照)が、患者(10)の解剖学的構造に関するモデルベースの事前知識として決定される。この事前知識は、任意選択で、後の使用のために記憶し、取り出すことができる。さらなるステップS2において、顎弓形状(11a)、特に歯(11b)の位置が最適に露出され記録されるように、モデルベースの事前知識を使用して、生成される患者(10)のパノラマ画像のための患者固有の撮像軌道(12)(
図2参照)を決定する。患者固有の撮像軌道(12)は、患者固有のX線源軌道(12a)及び患者固有のX線検出器軌道(12b)からなる。
図2が示すように、更なるステップS3において、決定された患者固有の撮像軌道(12)に基づいて撮像が実行される。患者固有の撮像軌道(12)は、上顎及び下顎の顎弓形状(11a)に沿った歯構造がX線源によって照射され、X線検出器によって完全に検出されることができるように調整される。X線デバイスのデフォルトの撮像軌道(13)は、前記歯構造、例えば、特に臼歯又は前歯を完全に又は正確に露出し、記録しない場合がある。比較のために、X線デバイスデフォルト撮像軌道(13)も
図2に示される。X線デバイスデフォルト撮像軌道(13)は、X線源デフォルト軌道(13a)及びX線検出器デフォルト軌道(13b)からなる。更なるステップS4において、再構成パラメータは、決定された患者固有の撮像軌道(12)に従って調整される。再構成パラメータは、患者固有の方法で上顎および下顎の顎弓形状に適合される。さらなるステップS5において、モデルベースの事前知識を使用して、下顎弓形状(11a)および特に歯(11b)の位置を最適に再構築することができるように、生成される患者(10)のパノラマ画像の患者固有の焦点曲線(14)(
図2参照)を決定する。あるいは、別個の患者固有の焦点曲線(14)を、前記事前知識に基づいて上顎および下顎の再建に使用することができる。比較のために、X線デバイスデフォルト焦点曲線(15)も
図2に示されている。さらなるステップS6において、パノラマ画像が、露光データ、決定された患者固有の焦点曲線(14)を含む調整された再構成パラメータ、及び決定された顎弓形状(11a)と重なる撮像される層を使用して再構成される。患者固有の焦点曲線(14)は、撮像されるべき前記層(鮮鋭層)内にある。顎弓形状(11a)鮮鋭層との重なりは、好ましくは最大である。さらなるステップS7において、再構成されたパノラマ画像が表示される。再構成されたパノラマ画像が表示されるとき、鮮鋭層内の歯の構造が表示される。鮮鋭層は、パノラマ画像にマッピングされる顎弓形状(11a)の歯構造を含む。パノラマ画像の再構成のために、患者固有の撮像軌道に沿った取得中に得られる取得された2DX線投影画像は、例えばシフト及び加算手順によって、撮像される層の位置に基づいて計算される。他の既知の方法が、使用されることもできる。
【0019】
本発明による方法は、コンピュータにより実施される方法であり、コンピュータ支援口外X線システム(1)上で実行されることができる。
図1は、口外X線システム(1)の例を示している。本発明による方法は、コンピュータ読取可能コードを含むコンピュータプログラムによって実施される。コンピュータプログラムは、データ記憶デバイス上に提供されてもよい。
図1に示すように、コンピュータ化された口外X線システム(1)は、患者の撮像を実行するためのX線デバイス(2)を備え、それによって個々の2DのX線画像が生成される。X線ユニット(2)は、X線源(3)及びX線検出器(4)を有し、これらは、照射中に患者の頭部の周りを回転する。X線デバイス(2)は回転機構を有し、それによって、X線源(3)及びX線検出器(4)は、決定された患者固有の撮像軌道曲線(12)に従って、又は代替的にX線デバイスデフォルト撮像軌道(13)に従って、患者の頭部の周りを回転することができる。回転機構は、患者固有の撮像軌道(12)が横断されることを可能にする。X線デバイス(2)は、X線デバイス(2)のデフォルト撮像軌道(13)が横断されるように制御されることもできる。軌道(12;13)は、円形経路を描くことができる。代替的に、複数のアクチュエータを使用することによって、これとは異なるより複雑な曲線形状を想定することができる。照射前に、患者の頭部は、咬合阻止器(7)及び頭部固定具(6)と共にX線デバイス(2)内に位置決めされる。
図1に示すように、コンピュータ化された口外X線システム(1)は、操作ユニット(5)、好ましくはX線デバイス(2)に接続することができる別個のコンピュータ(8)又は計算ユニット、及び好ましくは、とりわけ本方法から得られるデータセットを視覚化するための別個のディスプレイ(9)を有する。コンピュータ(8)は、ローカルネットワーク(図示せず)を介して、又は代替的にインターネットを介してX線デバイス(2)に接続されることができる。コンピュータ(8)は、クラウドの一部であってもよい。代替的に、コンピュータ(8)は、X線デバイス(2)に統合されてもよい。計算は、コンピュータ(8)またはクラウドで行うことができる。このために、生の撮像データは圧縮された形で送信される。コンピュータ(8)は、コンピュータプログラムを実行し、ディスプレイ(9)上の視覚化を含むデータセットを提供する。ディスプレイ(9)は、X線デバイス(2)から空間的に分離されることができる。好ましくは、コンピュータ(8)は、X線デバイス(2)を制御することもできる。あるいは、制御および画像処理のために別個のコンピュータ(8)を使用してもよい。本発明によれば、上記実施形態によって生成されたデータセットは、視覚化のために、特に診断目的のために、好ましくはディスプレイ(9)又はプリントアウトによって医師に提示されてもよい。
【0020】
好ましい実施形態では、顎弓形状(11a)は、1つ以上のニューラルネットワークを使用して決定される。ニューラルネットワークは、例えば3Dボリュームとその中にマークされた顎弓形状(11a)と、または例えば光学3Dスキャンとその中にマークされた顎弓形状(11a)とをそれぞれ含むデータ対によって訓練される。顎弓形状(11b)は、解剖学的な歯の特徴を考慮して、手動で、または画像処理によって自動的にマークされていてもよい。ニューラルネットワークは、口外X線システム(1)と一体化されて提供されてもよい。あるいは、ニューラルネットワークは、別々に提供されることができる。口外X線システム(1)は、ローカルに又はネットワークを介してニューラルネットワークに接続されてもよい。ニューラルネットワークは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実装されることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パノラマ画像を生成する方法であって、
(S1)患者(10)の解剖学的構造に関するモデルベースの事前知識として、前記患者の1つ以上の以前のパノラマ画像又は3D画像又は光学3Dスキャンに基づいて、顎弓形状(11a)を決定するステップと、
(S2)前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される前記患者(10)の前記パノラマ画像のための患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)を決定し、それにより、前記決定された顎弓形状(11a)、特にその歯(11b)の位置を最適に露出して撮像することができるステップと、
(S3)撮像データを取得するために、前記決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に基づいて撮像を実行するステップと、
(S4)前記決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に従ってX線デバイス(2)の再構成パラメータを調整するステップと、
(S5)前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される前記患者(10)の前記パノラマ画像のための前記患者固有の焦点曲線(14)を決定し、それにより、前記決定された顎弓形状(11a)、特にその中の前記歯(11b)の位置を最適に再構成することができるステップと、
(S6)前記取得された撮像データ、前記決定された患者固有の焦点曲線(14)を含む前記調整された再構成パラメータ、及び前記決定された顎弓形状(11a)と重なる撮像される層を使用して前記パノラマ画像を再構成するステップと、ここで、前記患者固有の焦点曲線(14)が前記撮像される層内にあり、
(S7)前記再構成されたパノラマ画像を表示するステップとを備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記顎弓形状(11a)は、ニューラルネットワークを使用して決定され、ここで、前記ニューラルネットワークは、それぞれが3Dボリュームとその中にマークされた前記顎弓形状(11a)とを含むか、又は光学3Dスキャンとその中にマークされた前記顎弓形状(11a)とを含むデータ対によって訓練されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記顎弓形状(11
a)が、前記患者の解剖学的特徴を考慮して、手動で、又は画像処理によって自動的にマーキングされていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(S6)における再構成の間、前記顎弓形状(11a)と前記撮像される層との重なりが最大であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コンピュータ化された口外X線システム(1)によって実行されるとき、前記コンピュータ化された口外X線システム(1)に、請求項1
又は2に記載の方法に係る各ステップを実行させるコンピュータ読取可能コードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項6】
X線デバイス(2)と、請求項5に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成された計算ユニット(8)とを備える、コンピュータ化された口外X線システム(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
好ましい実施形態では、顎弓形状(11a)は、1つ以上のニューラルネットワークを使用して決定される。ニューラルネットワークは、例えば3Dボリュームとその中にマークされた顎弓形状(11a)、または例えば光学3Dスキャンとその中にマークされた顎弓形状(11a)をそれぞれ含むデータ対によって訓練される。顎弓形状(11a)は、解剖学的な歯の特徴を考慮して、手動で、または画像処理によって自動的にマークされていてもよい。ニューラルネットワークは、口外X線システム(1)と一体化されて提供されてもよい。あるいは、ニューラルネットワークは、別々に提供されることができる。口外X線システム(1)は、ローカルに又はネットワークを介してニューラルネットワークに接続されてもよい。ニューラルネットワークは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実装されることができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] パノラマ画像を生成する方法であって、
(S1)患者(10)の解剖学的構造に関するモデルベースの事前知識として、前記患者の1つ以上の以前のパノラマ画像または3D画像または光学3Dスキャンに基づいて、顎弓形状(11a)を決定するステップと、
(S2)前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される前記患者(10)の前記パノラマ画像のための患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)を決定し、それにより、前記決定された顎弓形状(11a)、特にその歯(11b)の位置を最適に露出して撮像することができるステップと、
(S3)撮像データを取得するために、前記決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に基づいて撮像を実行するステップと、
(S4)前記決定された患者固有のX線デバイス撮像軌道(12)に従ってX線デバイス(2)の再構成パラメータを調整するステップと、
(S5)前記モデルベースの事前知識を使用することによって、生成される前記患者(10)の前記パノラマ画像のための前記患者固有の焦点曲線(14)を決定し、それにより、前記決定された顎弓形状(11a)、特にその中の前記歯(11b)の位置を最適に再構成することができるステップと、
(S6)前記取得された撮像データ、前記決定された患者固有の焦点曲線(14)を含む前記調整された再構成パラメータ、および前記決定された顎弓形状(11a)と重なる撮像される層を使用して前記パノラマ画像を再構成するステップと、ここで、前記患者固有の焦点曲線(14)が前記撮像される層内にあり、
(S7)前記再構成されたパノラマ画像を表示するステップとを備えることを特徴とする、方法。
[2] 前記顎弓形状(11a)は、ニューラルネットワークを使用して決定され、ここで、前記ニューラルネットワークは、それぞれが3Dボリュームとその中にマークされた前記顎弓形状(11a)とを含むか、または光学3Dスキャンとその中にマークされた前記顎弓形状(11a)とを含むデータ対によって訓練されていることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 顎弓形状(11b)が、前記患者の解剖学的特徴を考慮して、手動で、または画像処理によって自動的にマーキングされていることを特徴とする、[2]に記載の方法。
[4] ステップ(S6)における再構成の間、前記顎弓形状(11a)と前記撮像される層との重なりが最大であることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] コンピュータ化された口外X線システム(1)によって実行されるとき、前記コンピュータ化された口外X線システム(1)に、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法に係る各ステップを実行させるコンピュータ読取可能コードを含む、コンピュータプログラム。
[6] X線デバイス(2)と、[5]に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成された計算ユニット(8)とを備える、コンピュータ化された口外X線システム(1)。
【国際調査報告】