(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】1’-アルキル修飾リボース誘導体及び使用方法
(51)【国際特許分類】
C07H 17/04 20060101AFI20240725BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20240725BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240725BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20240725BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C07H17/04
A61K47/54
A61K48/00
A61K31/713
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507164
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 US2022039517
(87)【国際公開番号】W WO2023014938
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524047327
【氏名又は名称】セーンジーン バイオ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ウェイミン ワン
(72)【発明者】
【氏名】シアオチョアン ツァイ
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C057AA17
4C057BB02
4C057DD01
4C057KK02
4C076AA95
4C076DD69
4C076EE59
4C084AA13
4C084NA05
4C084ZC02
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA05
4C086ZC02
(57)【要約】
本開示は、式(I)又は(II)のリンカー化合物:
その薬学的に許容される塩、並びに関連する足場及びコンジュゲートを提供する。より具体的には、式(I-A)、(II-A)のリンカー化合物が提供される。本開示はまた、例えば、核酸の送達及び/又は疾患の治療若しくは予防における、リンカー化合物、足場、及びコンジュゲートの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は(II)の化合物であって、
【化1】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、又はアミノ置換基であり、
Xが、H、ハロゲン、又は-OR
Xであり、
R
Xが、H、C
1~C
6アルキル、又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)であり、前記C
1~C
6アルキル又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)が、1つ以上のR
Xaで任意選択で置換され、
各R
Xaが、独立して、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、又は-O-(C
1~C
6アルキル)であり、前記C
1~C
6アルキル又は-O-(C
1~C
6アルキル)が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換され、
Yが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zが、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであるか、
又は式(I)中のY及びZが、一緒になって-Si(R
L)
2-O-Si(R
L)
2-を形成し、各R
Lが、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり、
各R
aが、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、又は2つの隣接する炭素原子上の2つのR
aが、前記2つの隣接する炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し、
各R
bが、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
1が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
2が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
3が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
4が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
各R
5が、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nが、約0~約10の範囲の整数である、化合物。
【請求項2】
足場又はその薬学的に許容される塩であって、前記足場が、
(i)リガンド、及び
(ii)リンカー単位であって、前記リンカー単位が、
【化2】
である、リンカー単位を含み、
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnが、請求項1で定義され、#が、前記リガンドへの結合を示す、足場又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
足場又はその薬学的に許容される塩であって、前記足場が、
(i)1つ以上の核酸剤、及び
(ii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位が、独立して、
【化3】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、W、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnが、請求項1で定義され、##が、前記核酸剤への結合を示す、足場又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、前記コンジュゲートが、
(i)1つ以上の核酸剤、
(ii)1つ以上のリガンド、及び
(iii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位が、独立して、
【化4】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b及びnが、請求項1に記載されており、#が、前記リガンドへの結合を示し、##が、前記核酸剤への結合を示す、コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Wが、Hである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項6】
Wが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項7】
Wが、アミノ置換基である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項8】
Wが、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、任意選択で置換されたアシル、トリフルオロアセチル(TFA)、ベンジル、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、又はトルエンスルホニル(Ts)である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項9】
Xが、Hである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項10】
Xが、ハロゲンである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項11】
Xが、-OR
Xである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項12】
Yが、Hである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項13】
Yが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項14】
Yが、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項15】
Yが、ヒドロキシ保護基である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項16】
Zが、Hである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項17】
Zが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項18】
Zが、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項19】
Zが、ヒドロキシ保護基である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項20】
式(I)中のY及びZが一緒になって、-Si(R
L)
2-O-Si(R
L)
2-を形成する、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲート。
【請求項21】
前記化合物が、式(I’-1)、(I’-2)、(II’-1)、又は(II’-2):
【化5】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物が、式(I-A)、(II-A)、(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、又は(II-A’-2):
【化6】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物が、式(I-B)、(II-B)、(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)、又は(II-B’-2):
【化7】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
前記化合物が、表Lに記載されている化合物及びその薬学的に許容される塩から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
前記足場が、(リンカー単位)
p-((核酸剤)-(リンカー単位)
s)
r-(核酸剤)
qであり、
各リンカー単位が、別のリンカー単位から独立しており、各核酸剤は、別の核酸剤から独立しており、
各rが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
各sが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
pが、0~10の範囲の整数であり、
qが、0又は1であり、
前記足場が、少なくとも1つのリンカー単位及び少なくとも1つの核酸剤を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の足場。
【請求項26】
前記足場が、
【化8】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Yが、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zが、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nが、約0~約10の範囲の整数である、先行請求項のいずれか一項に記載の足場。
【請求項27】
前記足場が、表S1の足場から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の足場。
【請求項28】
前記足場が、
【化9】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wが、アミノ置換基であり、
nが、約0~約10の範囲の整数である、先行請求項のいずれか一項に記載の足場。
【請求項29】
前記足場が、表S2の足場から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の足場。
【請求項30】
前記コンジュゲートが、(リンカー単位-(リガンド)
0-1)
p-((核酸剤)-(リンカー単位-(リガンド)
0-1)
s)
r-(核酸剤)
qであり、式中、
各リンカー単位が、別のリンカー単位から独立しており、各核酸剤は、別の核酸剤から独立しており、各リガンドは、別のリガンドから独立しており、
各rが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
各sが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
pが、0~10の範囲の整数であり、
qが、0又は1であり、
前記コンジュゲートが、少なくとも1つのリンカー単位、少なくとも1つの核酸剤、及び少なくとも1つのリガンドを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項31】
前記コンジュゲートが、表Cのコンジュゲートから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項32】
前記リガンドが、
【化10】
を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の足場又はコンジュゲート。
【請求項33】
前記リガンドが、
【化11】
を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の足場又はコンジュゲート。
【請求項34】
前記リガンドが、脂質、ペプチド部分、又は抗体部分を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の足場又はコンジュゲート。
【請求項35】
前記核酸剤が、オリゴヌクレオチドを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の足場又はコンジュゲート。
【請求項36】
先行請求項のいずれか一項に記載の化合物、足場、又はコンジュゲートを含む、医薬組成物。
【請求項37】
標的遺伝子の発現の調節を必要とする対象においてそれを行うか、核酸剤の送達を必要とする対象においてそれを行うか、又は疾患の治療若しくは予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療有効量の先行請求項のいずれか一項に記載のコンジュゲートを前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項38】
標的遺伝子の発現の調節を必要とする対象においてそのための、核酸剤の送達を必要とする対象においてそのための、又は疾患の治療若しくは予防を必要とする対象においてそのための、先行請求項のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項39】
標的遺伝子の発現の調節を必要とする対象においてそのための、核酸剤の送達を必要とする対象においてそのための、又は疾患の治療若しくは予防を必要とする対象においてそのための医薬の製造における、先行請求項のいずれか一項に記載のコンジュゲートの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年8月05日に出願された米国仮特許出願第63/229,628号に対する優先権及び利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
RNAなどの遺伝物質のインビボでの細胞への効率的な送達には、特異的な標的化及び細胞外環境、特に血清タンパク質からの保護が必要である。特異的な標的化を達成する1つの方法は、標的化部分を核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)にコンジュゲートさせることである。標的化部分は、核酸を目的の部位に方向付けるのを助ける。標的化部分は、受容体媒介エンドサイトーシスによる送達を改善することができる。このプロセスは、受容体への特異的リガンドの結合に続く細胞表面又は膜受容体の活性化を介して開始される。ガラクトース、マンノース、マンノース-6-リン酸などの糖、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質、ビタミンB12、インスリン、及び上皮成長因子(EGF)などのペプチド及びタンパク質を認識するものを含む、多くの受容体媒介エンドサイトーシス系が知られている。アシアロ糖タンパク質受容体(ASGP-R)は、高容量受容体であり、肝細胞上に非常に豊富に存在する。ASGP-Rは、D-GalよりもN-アセチル-D-ガラクトシルアミン(GalNAc)に対して高い親和性を示す。最近、特定の炭水化物コンジュゲートは、核酸送達のためのリポソームの貴重な代替物であることが示されている。更に、細胞への送達が成功した後、細胞環境における核酸の安定性は、望ましい治療効果を達成するために重要である。
【0003】
したがって、核酸送達のための新規なリンカー及びコンジュゲートが引き続き必要とされている。本開示は、この必要性を満たすものである。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの態様では、本開示は、式(I)又は(II)の化合物であって、
【化1】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wは、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、又はアミノ置換基であり、
Xは、H、ハロゲン、又は-OR
Xであり、
R
Xは、H、C
1~C
6アルキル、又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)であり、C
1~C
6アルキル又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)は、1つ以上のR
Xaで任意選択で置換され、
各R
Xaは、独立して、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、又は-O-(C
1~C
6アルキル)であり、C
1~C
6アルキル又は-O-(C
1~C
6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換され、
Yは、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zは、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであるか、
又は式(I)中のY及びZは、一緒になって-Si(R
L)
2-O-Si(R
L)
2-を形成し、各R
Lは、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり、
各R
aは、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであるか、又は2つの隣接する炭素原子上の2つのR
aは、2つの隣接する炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し、
各R
bは、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
1は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
2は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
3は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
4は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
各R
5は、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nは、約0~約10の範囲の整数である、化合物を提供する。
【0005】
いくつかの態様では、本開示は、足場又はその薬学的に許容される塩を提供し、足場は、
(i)リガンド、及び
(ii)リンカー単位であって、リンカー単位が、
【化2】
である、リンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b及びnは、本明細書に記載されており、#は、リガンドへの結合を示す。
【0006】
いくつかの態様では、本開示は、足場又はその薬学的に許容される塩を提供し、足場は、
(i)1つ以上の核酸剤、及び
(ii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位は、独立して、
【化3】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、W、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnは、本明細書に記載されており、##は、核酸剤への結合を示す。
【0007】
いくつかの態様では、本開示は、コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を提供し、コンジュゲートは、
(i)1つ以上の核酸剤、
(ii)1つ以上のリガンド、及び
(iii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位は、独立して、
【化4】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnは、本明細書に記載されており、#は、リガンドへの結合を示し、##は、核酸剤への結合を示す。
【0008】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される化合物の同位体誘導体である、化合物を提供する。
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される化合物、足場、又はコンジュゲートを含む、医薬組成物を提供する。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、対象における標的遺伝子の発現を調節する方法であって、本明細書に記載されるコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、核酸剤を対象に送達する方法であって、本明細書に記載されるコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
いくつかの態様では、本開示は、疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療有効量の本明細書に記載されるコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0013】
いくつかの態様では、本開示は、対象における標的遺伝子の発現を調節するための医薬の製造における、本明細書に記載されるコンジュゲートの使用を提供する。
【0014】
いくつかの態様では、本開示は、核酸剤を対象に送達するための医薬の製造における、本明細書に記載されるコンジュゲートの使用を提供する。
【0015】
いくつかの態様では、本開示は、疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそのための医薬の製造における、本明細書に記載されるコンジュゲートの使用を提供する。
【0016】
特に定義されない限り、本明細書で使用されている全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有している。本明細書において、単数形は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形も含む。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本開示の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書において言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用された参考文献は、特許請求される本発明に対する先行技術であると認められない。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先するものとする。更に、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に開示される化合物の化学構造と名称との間に矛盾がある場合、化学構造が優先される。
【0017】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】CD-1雌マウスの単回0.5mg/kg s.c.注射、続いて4日目のHDI投与(標的ヒト遺伝子2のプラスミド、20μg)の後5日目の肝臓における標的遺伝子2に対するsiRNA二本鎖の遺伝子サイレンシング活性、を示す。
【0019】
【
図2】CD-1雌マウスの単回0.5mg/kg s.c.注射、続いて4日目のHDI投与(標的ヒト遺伝子1のプラスミド、10μg)の後5日目の肝臓における標的遺伝子1に対するsiRNA二本鎖の遺伝子サイレンシング活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、核酸送達のための本明細書に記載される化合物、リンカー、足場、及びコンジュゲートを提供する。本開示はまた、例えば、核酸の送達及び/又は疾患の治療若しくは予防における、化合物、リンカー、足場、及びコンジュゲートの使用に関する。
【0021】
本開示のリンカー化合物
いくつかの態様では、本開示は、式(I)又は(II)の化合物であって、
【化5】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wは、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、又はアミノ置換基であり、
Xは、H、ハロゲン、又は-OR
Xであり、
R
Xは、H、C
1~C
6アルキル、又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)であり、C
1~C
6アルキル又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)は、1つ以上のR
Xaで任意選択で置換され、
各R
Xaは、独立して、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、又は-O-(C
1~C
6アルキル)であり、C
1~C
6アルキル又は-O-(C
1~C
6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換され、
Yは、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zは、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであるか、
又は式(I)中のY及びZは、一緒になって-Si(R
L)
2-O-Si(R
L)
2-を形成し、各R
Lは、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり、
各R
aは、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、又は2つの隣接する炭素原子上の2つのR
aは、2つの隣接する炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し、
各R
bは、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
1は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
2は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
3は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
4は、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
各R
5は、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nは、約0~約10の範囲の整数である、化合物を提供する。
【0022】
本開示の化合物に関して、可変要素W、X、RX、RXa、Y、RY、Z、RZ、RL、Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、R5及びnは、各々、適用可能な場合、本明細書に記載される基から選択することができ、可変要素W、X、RX、RXa、Y、RY、Z、RZ、RL、Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、R5及びnのいずれかについて本明細書に記載される任意の基は、適用可能な場合、可変要素W、X、RX、RXa、Y、RY、Z、RZ、RL、Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、R5及びnの残りの1つ以上について本明細書に記載される任意の基と組み合わせることができることが理解される。
【0023】
可変要素W、X、RX、RXa、Y、RY、Z、RZ、及びRL
いくつかの実施形態では、Wは、Hである。
【0024】
いくつかの実施形態では、Wは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0025】
いくつかの実施形態では、Wは、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0026】
いくつかの実施形態では、Wは、メチル、エチル、又はプロピルである。
【0027】
いくつかの実施形態では、Wは、アミノ置換基、すなわち、アミノ保護基などのアミノ部分の水素を置換するのに適した基である。
【0028】
いくつかの実施形態では、Wは、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、任意選択で置換されたアシル、トリフルオロアセチル(TFA)、ベンジル、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、又はトルエンスルホニル(Ts)を含むがこれらに限定されないアミノ保護基である。
【0029】
いくつかの実施形態では、Wは、任意選択で置換されたアシル(例えば、-C(=O)(C1~C30アルキル)であり、C1~C30アルキルは、任意選択で置換される)である。
【0030】
いくつかの実施形態では、Wは、置換アシル(例えば、
【化6】
)である。
【0031】
いくつかの実施形態では、Wは、トリフルオロアセチル(TFA)である。
【0032】
いくつかの実施形態では、Wは、アミノ置換基、すなわち、-C(=O)(C1~C30アルキル)、-C(=O)NH(C1~C30アルキル)、-C(=S)(C1~C30アルキル)、又は-C(=S)NH(C1~C30アルキル)などのアミノ部分の水素を置換するのに適した基であり、C1~C30アルキルは任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、Wは、-C(=O)(C1~C25アルキル)、-C(=O)NH(C1~C25アルキル)、-C(=S)(C1~C25アルキル)、又は-C(=S)NH(C1~C25アルキル)であり、C1~C25アルキルは、任意選択で置換される。
【0033】
いくつかの実施形態では、Xは、Hである。
【0034】
いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0035】
いくつかの実施形態では、Xは、F又はClである。
【0036】
いくつかの実施形態では、Xは、Fである。
【0037】
いくつかの実施形態では、Xは、-ORXである。
【0038】
いくつかの実施形態では、Xは、-OHである。
【0039】
いくつかの実施形態では、Xは、1つ以上のRXaで任意選択で置換された-O-(C1~C6アルキル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)である。
【0040】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-(C1~C6アルキル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)である。
【0041】
いくつかの実施形態では、Xは、-OCH3、-OCH2CH3、又は-OCH2CH2OCH3である。
【0042】
いくつかの実施形態では、Xは、-OCH3又は-OCH2CH3である。
【0043】
いくつかの実施形態では、Xは、-OCH2CH2OCH3である。
【0044】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-(C1~C6アルキル)-O-(C1~C6アルキル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)である。
【0045】
いくつかの実施形態では、Xは、1つ以上のRXaで任意選択で置換された-O-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である。
【0046】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である。
【0047】
いくつかの実施形態では、Xは、
【化7】
である。
【0048】
いくつかの実施形態では、Xは、1つ以上のR
Xaで任意選択で置換された
【化8】
である。
【0049】
いくつかの実施形態では、Xは、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換された
【化9】
である。
【0050】
いくつかの実施形態では、Xは、1つ以上のC
1~C
6アルキル又は-O-(C
1~C
6アルキル)で任意選択で置換された
【化10】
であり、C
1~C
6アルキル又は-O-(C
1~C
6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換される。
【0051】
いくつかの実施形態では、RXは、Hである。
【0052】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のRXaで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0053】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換された-O-(C1~C6アルキル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)である。
【0054】
いくつかの実施形態では、RXは、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0055】
いくつかの実施形態では、RXは、メチル、エチル、又はプロピルである。
【0056】
いくつかの実施形態では、RXは、メチルである。
【0057】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0058】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上の-O-(C1~C6アルキル)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)であり、-O-(C1~C6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換される。
【0059】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のRXaで任意選択で置換された-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である。
【0060】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換された-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)、又は-O-(C1~C6アルキル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)であり、C1~C6アルキル又は-O-(C1~C6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換される。
【0061】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換された-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である。
【0062】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上のC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)で任意選択で置換された-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換される。
【0063】
いくつかの実施形態では、RXは、1つ以上の-O-(C1~C6アルキル)で任意選択で置換された-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)であり、-O-(C1~C6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換される。
【0064】
いくつかの実施形態では、RXは、-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である。
【0065】
いくつかの実施形態では、RXは、ベンジルである。
【0066】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRXaは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0067】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRXaは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRXaは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換された-O-(C1~C6アルキル)(例えば、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシルである)である。
【0069】
いくつかの実施形態では、Yは、Hである。
【0070】
いくつかの実施形態では、Yは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0071】
いくつかの実施形態では、Yは、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0072】
いくつかの実施形態では、Yは、メチル、エチル、又はプロピルである。
【0073】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(RY)2、-P(ORY)(N(RY)2)、-P(=O)(ORY)RY、-P(=S)(ORY)RY、-P(=O)(SRY)RY、-P(=S)(SRY)RY、-P(=O)(ORY)2、-P(=S)(ORY)2、-P(=O)(SRY)2、-P(=S)(SRY)2である。
【0074】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(RY)2である。
【0075】
いくつかの実施形態では、Yは、-PH2である。
【0076】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(ORY)(N(RY
2)である。
【0077】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(OH)(NH2)である。
【0078】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(O(C1~C6アルキル))(N(C1~C6アルキル)2)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0079】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(ORY)RYである。
【0080】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(OH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0081】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(ORY)RYである。
【0082】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(OH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0083】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(SRY)RYである。
【0084】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(SH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0085】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(SRY)RYである。
【0086】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(SH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0087】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(ORY)2である。
【0088】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(OH)2である。
【0089】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(ORY)2である。
【0090】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(OH)2である。
【0091】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(SRY)2である。
【0092】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=O)(SH)2である。
【0093】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(SRY)2である。
【0094】
いくつかの実施形態では、Yは、-P(=S)(SH)2である。
【0095】
いくつかの実施形態では、Yは、ヒドロキシ保護基(例えば、シリル、Tr、DMTr、アシル、又はベンジル)である。
【0096】
いくつかの実施形態では、Yは、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、又はトリイソプロピルシリル)である。
【0097】
いくつかの実施形態では、Yは、トリフェニルメチル(Tr)又は4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)である。
【0098】
いくつかの実施形態では、Yは、任意選択で置換されたアシル(例えば、任意選択で置換されたアセチル)又はベンジルである。
【0099】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRYは、Hである。
【0100】
いくつかの実施形態では、各RYは、Hである。
【0101】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRYは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0102】
いくつかの実施形態では、各RYは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0103】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRYは、Hであり、少なくとも1つのRYは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0104】
いくつかの実施形態では、Zは、Hである。
【0105】
いくつかの実施形態では、Zは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0106】
いくつかの実施形態では、Zは、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0107】
いくつかの実施形態では、Zは、メチル、エチル、又はプロピルである。
【0108】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(RZ)2、-P(ORZ)(N(RZ)2)、-P(=O)(ORZ)RZ、-P(=S)(ORZ)RZ、-P(=O)(SRZ)RZ、-P(=S)(SRZ)RZ、-P(=O)(ORZ)2、-P(=S)(ORZ)2、-P(=O)(SRZ)2、-P(=S)(SRZ)2である。
【0109】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(RZ)2である。
【0110】
いくつかの実施形態では、Zは、-PH2である。
【0111】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(ORZ)(N(RZ)2)である。
【0112】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(OH)(NH2)である。
【0113】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(O(C1~C6アルキル))(N(C1~C6アルキル)2)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0114】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(ORZ)RZである。
【0115】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(OH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0116】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(ORZ)RZである。
【0117】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(OH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0118】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(SRZ)RZである。
【0119】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(SH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0120】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(SRZ)RZである。
【0121】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(SH)(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキルは、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換される。
【0122】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(ORZ)2である。
【0123】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(OH)2である。
【0124】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(ORZ)2である。
【0125】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(OH)2である。
【0126】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(SRZ)2である。
【0127】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=O)(SH)2である。
【0128】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(SRZ)2である。
【0129】
いくつかの実施形態では、Zは、-P(=S)(SH)2である。
【0130】
いくつかの実施形態では、Zは、ヒドロキシ保護基(例えば、シリル、Tr、DMTr、アシル、又はベンジル)である。
【0131】
いくつかの実施形態では、Zは、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、又はトリイソプロピルシリル)である。
【0132】
いくつかの実施形態では、Zは、トリフェニルメチル(Tr)又は4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)である。
【0133】
いくつかの実施形態では、Zは、置換されたアシル(例えば、任意選択で置換されたアセチル)又はベンジルである。
【0134】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRZは、Hである。
【0135】
いくつかの実施形態では、RZは、Hである。
【0136】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRZは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0137】
いくつかの実施形態では、各RZは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0138】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRZは、Hであり、少なくとも1つのRZは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0139】
いくつかの実施形態では、式(I)中のY及びZは一緒になって、-Si(RL)2-O-Si(RL)2-を形成する。
【0140】
いくつかの実施形態では、式(I)中のY及びZは一緒になって、-Si(C1~C6アルキル)2-O-Si(C1~C6アルキル)2-を形成する。
【0141】
いくつかの実施形態では、式(I)中のY及びZは一緒になって、-SiH(C1~C6アルキル)-O-Si(C1~C6アルキル)2-を形成する。
【0142】
いくつかの実施形態では、式(I)中のY及びZは一緒になって、-Si(C1~C6アルキル)2-O-SiH(C1~C6アルキル)-を形成する。
【0143】
いくつかの実施形態では、式(I)中のY及びZは一緒になって、-SiH(C1~C6アルキル)-O-SiH(C1~C6アルキル)-を形成する。
【0144】
いくつかの実施形態では、式(I)中のY及びZは一緒になって、-Si(iPr)2-O-Si(iPr)2-を形成する。
【0145】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRLは、Hである。
【0146】
いくつかの実施形態では、各RLは、独立して、C1~C6アルキルである。
【0147】
いくつかの実施形態では、各RLは、独立して、メチル、エチル、又はプロピル(例えば、iPr)である。
【0148】
可変要素Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、R5、及びn
いくつかの実施形態では、各Raは、Hである。
【0149】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRaは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)、又は1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0150】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRaは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0151】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRaは、F又はClである。
【0152】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRaは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0153】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRaは、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0154】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRaは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0155】
いくつかの実施形態では、Rbは、Hである。
【0156】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRbは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)、又は1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0157】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRbは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0158】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRbは、F又はClである。
【0159】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRbは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0160】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRbは、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0161】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRbは、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0162】
いくつかの実施形態では、R1は、Hである。
【0163】
いくつかの実施形態では、R1は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0164】
いくつかの実施形態では、R1は、F又はClである。
【0165】
いくつかの実施形態では、R1は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0166】
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0167】
いくつかの実施形態では、R1は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0168】
いくつかの実施形態では、R2は、Hである。
【0169】
いくつかの実施形態では、R2は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0170】
いくつかの実施形態では、R2は、F又はClである。
【0171】
いくつかの実施形態では、R2は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0172】
いくつかの実施形態では、R2は、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0173】
いくつかの実施形態では、R2は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0174】
いくつかの実施形態では、R3は、Hである。
【0175】
いくつかの実施形態では、R3は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0176】
いくつかの実施形態では、R3は、F又はClである。
【0177】
いくつかの実施形態では、R3は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0178】
いくつかの実施形態では、R3は、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0179】
いくつかの実施形態では、R3は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0180】
いくつかの実施形態では、R4は、Hである。
【0181】
いくつかの実施形態では、R4は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0182】
いくつかの実施形態では、R4は、F又はClである。
【0183】
いくつかの実施形態では、R4は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0184】
いくつかの実施形態では、R4は、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0185】
いくつかの実施形態では、R4は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0186】
いくつかの実施形態では、R5は、Hである。
【0187】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR5は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、若しくはI)、又は1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、若しくはI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、若しくはヘキシル)である。
【0188】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR5は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
【0189】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR5は、F又はClである。
【0190】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR5は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で任意選択で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0191】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR5は、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0192】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR5は、1つ以上のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)で置換されたC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、又はヘキシル)である。
【0193】
いくつかの実施形態では、Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、及びR5の各々は、Hである。
【0194】
いくつかの実施形態では、nは、約1~約10の範囲の整数である。
【0195】
いくつかの実施形態では、nは、約2~約10の範囲の整数である。
【0196】
いくつかの実施形態では、nは、約3~約10、約4~約10、約5~約10、又は約6~約10の範囲の整数である。
【0197】
いくつかの実施形態では、nは、約1~約8、約1~約7、約1~約6、約1~約5、約1~約4、又は約1~約3の範囲の整数である。
【0198】
いくつかの実施形態では、nは、約2~約8、約2~約7、約2~約6、約2~約5、約2~約4、又は約2~約3の範囲の整数である。
【0199】
いくつかの実施形態では、nは、0である。
【0200】
いくつかの実施形態では、nは、1である。
【0201】
いくつかの実施形態では、nは、2である。
【0202】
いくつかの実施形態では、nは、3である。
【0203】
いくつかの実施形態では、nは、4である。
【0204】
いくつかの実施形態では、nは、5である。
【0205】
いくつかの実施形態では、nは、6である。
【0206】
いくつかの実施形態では、nは、7である。
【0207】
いくつかの実施形態では、nは、8である。
【0208】
いくつかの実施形態では、nは、9である。
【0209】
いくつかの実施形態では、nは、10である。
【0210】
化合物の例示的な実施形態
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I’-1)、(I’-2)、(II’-1)、又は(II’-2):
【化11】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0211】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-A)又は(II-A):
【化12】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0212】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、又は(II-A’-2):
【化13】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0213】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-B)又は(II-B):
【化14】
のもの、又は
【化15】
又はその薬学的に許容される塩である。
【0214】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)、又は(II-B’-2):
【化16】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である。
【0215】
いくつかの実施形態では、Yは、ヒドロキシ保護基(例えば、シリル、Tr、DMTr、アシル、又はベンジル)であり、Zは、ヒドロキシ保護基(例えば、シリル、Tr、DMTr、アシル、又はベンジル)であるか、又は式(I)、(I’-1)、(I’-2)、(I-A)、(I-A’-1)、(I-A’-2)、(I-B)、(I-B’-1)若しくは(I-B’-2)中のY及びZは一緒になって、-Si(RL)2-O-Si(RL)2-を形成し、各RLは、独立して、H又はC1~C6アルキルである。
【0216】
いくつかの実施形態では、Yは、ヒドロキシ保護基(例えば、シリル、Tr、DMTr、アシル、又はベンジル)であり、Zは、ヒドロキシ保護基(例えば、シリル、Tr、DMTr、アシル、又はベンジル)である。
【0217】
いくつかの実施形態では、式(I)、(I’-1)、(I’-2)、(I-A)、(I-A’-1)、(I-A’-2)、(I-B)、(I-B’-1)、又は(I-B’-2)中のY及びZは一緒になって、-Si(RL)2-O-Si(RL)2を形成し、各RLは、独立して、H又はC1~C6アルキルである。
【0218】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【化17】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Yは、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基(例えば、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、又はトリイソプロピルシリル)、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、置換アシル(例えば、任意選択で置換されたアセチル)、又はベンジル)であり、
各R
Yは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zは、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基(例えば、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、又はトリイソプロピルシリル)、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、置換アシル(例えば、任意選択で置換されたアセチル)、又はベンジル)であり、
各R
Zは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
C
1~C
30アルキルは、任意選択で置換される。
【0219】
いくつかの実施形態では、化合物は、表Lに記載されている化合物及びその薬学的に許容される塩から選択される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0220】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される式の化合物のいずれか1つの同位体誘導体(例えば、同位体標識化合物)である化合物を提供する。
【0221】
同位体誘導体は、様々な当該分野で認識されている技術のいずれかを使用して調製することができることが理解される。例えば、同位体誘導体は、概して、同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることによって、本明細書のスキーム及び/又は実施例に開示される手順を実施することによって調製することができる。
【0222】
いくつかの実施形態では、同位体誘導体は、重水素標識化合物である。
【0223】
いくつかの実施形態では、同位体誘導体は、本明細書に開示される式の化合物のいずれか1つの重水素標識化合物である。
【0224】
本明細書で使用される場合、用語「同位体誘導体」は、1つ以上の原子が同位体濃縮又は標識されている化合物の誘導体を指す。例えば、式(I)又は(II)の化合物の同位体誘導体は、対応する式(I)又は(II)の化合物と比較して、1つ以上の同位体に関して同位体濃縮されているか、又はそれで標識されている。いくつかの実施形態では、同位体誘導体は、2H、13C、14C、15N、18O、29Si、32P、及び34Sから選択される1つ以上の原子に関して濃縮されるか、又はそれで標識される。いくつかの実施形態では、同位体誘導体は、重水素標識化合物である(すなわち、その1つ以上の原子に関して2Hで濃縮されている)。いくつかの実施形態では、化合物は、2H標識化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、13C標識化合物又は14C標識化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、18F標識化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、123I標識化合物、124I標識化合物、125I標識化合物、129I標識化合物、131I標識化合物、135I標識化合物、又はそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、化合物は、32P標識化合物又は32P標識化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、33S標識化合物、34S標識化合物、35S標識化合物、36S標識化合物、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0225】
同位体誘導体は、様々な当該分野で認識されている技術のいずれかを使用して調製することができることが理解される。例えば、同位体誘導体は、概して、同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることによって、本明細書に記載されるスキーム及び/又は実施例に開示される手順を実施することによって調製することができる。
【0226】
同位体置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加又は投薬必要量の減少から生じる特定の治療的利点を提供し得ることも理解される。
【0227】
誤解を避けるために、本明細書において基が「本明細書に記載される」によって条件付けされる場合、当該基は、最初に生じる最も広い定義、並びにその基についての特定の定義の各々及び全てを包含することを理解されたい。
【0228】
本明細書に開示される化合物は、1つの特定の立体配置で提示されてもよいことが理解されるであろう。そのような特定の立体配置は、本開示を1つ又は別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体に限定するものと解釈されるべきではなく、異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体の混合物を排除するものでもない。いくつかの実施形態では、特定の立体配置での本明細書における化合物の提示は、化合物の利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、及び立体異性体の各々、又はそれらの任意の混合物を包含し、指すことを意図し、提示は、化合物の特定の立体配置を指すことを更に意図する。
【0229】
一方、本明細書に開示される化合物は、特定の立体配置を伴わずに(例えば、特定の立体化学を伴わずに)提示され得ることが理解されるであろう。そのような提示は、化合物の全ての利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、及び立体異性体を包含することを意図する。いくつかの実施形態では、特定の立体配置を伴わない本明細書における化合物の提示は、化合物の利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、及び立体異性体の各々、又はそれらの任意の混合物を指すことを意図する。
【0230】
本明細書で使用される場合、用語「異性体」とは、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の順序、又は空間におけるそれらの原子の配置が異なる化合物を意味する。同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質若しくは順序又は空間におけるそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体(エナンチオマー)」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、4つの異なる基に結合している場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けることができ、Cahn及びPrelogのR及びS順位則によって、又は分子が偏光面を回転させる様式によって記載され、右旋性又は左旋性として(すなわち、それぞれ(+)又は(-)-異性体として)指定される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体又はその混合物のいずれかとして存在することができる。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0231】
本開示の化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得、したがって、そのような化合物は、個々の(R)-若しくは(S)-立体異性体として、又はそれらの混合物として生成することができる。別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲における特定の化合物の記載又は命名は、個々の鏡像異性体及びラセミ体又はそれ以外のその混合物の両方を含むことが意図される。立体化学の決定及び立体異性体の分離のための方法は、当該分野で周知であり(discussion in Chapter 4 of「Advanced Organic Chemistry」,4th edition J.March,John Wiley and Sons,New York,2001を参照されたい)、例えば、光学活性出発物質からの合成によるか、又はラセミ形態の分割による。本開示の化合物のいくつかは、幾何異性体中心(E及びZ異性体)を有し得る。本開示は、インフラマソーム阻害活性を有する全ての光学異性体、ジアステレオ異性体及び幾何異性体並びにそれらの混合物を包含することを理解されたい。
【0232】
本明細書で使用される場合、用語「キラル中心」は、4つの同一でない置換基に結合した炭素原子を指す。
【0233】
本明細書で使用される場合、用語「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、又は「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在し得る。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(R又はS)によって特徴付けることができる。絶対配置は、キラル中心に結合した置換基の空間における配置を指す。検討中のキラル中心に結合した置換基は、Cahn、Ingold及びPrelogの順位則に従って格付けされる。(Cahn et al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511、Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612、Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)。
【0234】
本明細書で使用される場合、用語「幾何異性体」は、存在が二重結合又はシクロアルキルリンカー(例えば、1,3-シクロブチル)の周りの回転障害によるものである、ジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、Cahn-Ingold-Prelog則に従って、基が分子中の二重結合の同じ側又は反対側にあることを示す接頭辞シス及びトランス、又はZ及びEによってそれらの名称において区別される。
【0235】
本開示の化合物は、異なるキラル異性体又は幾何異性体として示され得ることを理解されたい。また、化合物がキラル異性体又は幾何異性体を有する場合、全ての異性体が本開示の範囲に含まれることが意図され、化合物の命名はいかなる異性型も除外せず、全ての異性体が同じレベルの活性を有し得るわけではないことが理解されるべきである。
【0236】
本開示において議論される構造及び他の化合物は、その全てのアトロプ異性体を含むことを理解されたい。全てのアトロプ異性体が同じレベルの活性を有し得るわけではないことも理解されるべきである。
【0237】
本明細書で使用される場合、用語「アトロプ異性体」は、2つの異性体の原子が空間において異なって配置されている立体異性体の一種である。アトロプ異性体は、それらの存在が、中心結合の周りの大きな基の回転の障害によって引き起こされる回転束縛によるものである。そのようなアトロプ異性体は、典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術における最近の進歩の結果として、選択された場合に2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能になっている。
【0238】
本明細書で使用される場合、用語「互変異性体」は、平衡状態で存在し、1つの異性型から別の異性型に容易に変換される2つ以上の構造異性体のうちの1つである。この変換は、隣接する共役二重結合の切り替えを伴う水素原子の形式的な移動をもたらす。互変異性体は、溶液中で互変異性セットの混合物として存在する。互変異性化が可能な溶液中では、互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒及びpHを含むいくつかの因子に応じて異なる。互変異性化によって相互変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。可能である様々なタイプの互変異性のうち、2つが一般的に観察される。ケト-エノール互変異性では、電子及び水素原子の同時シフトが起こる。環-鎖互変異性は、糖鎖分子中のアルデヒド基(-CHO)が同じ分子中のヒドロキシ基(-OH)の1つと反応して、グルコースによって示されるような環状(環の形をした)形態をそれに与える結果として生じる。
【0239】
本開示の化合物は、異なる互変異性体として示され得ることを理解されたい。化合物が互変異性型を有する場合、全ての互変異性型が本開示の範囲に含まれることが意図され、化合物の命名はいかなる互変異性型も除外しないこともまた理解されるべきである。特定の互変異性体は、他のものよりも高いレベルの活性を有し得ることが理解されるであろう。
【0240】
本明細書に記載される任意の式の化合物は、化合物自体、並びに適用可能な場合、それらの塩及びそれらの溶媒和物を含むことを理解されたい。塩は、例えば、アニオンと本明細書に開示される置換化合物上の正に荷電した基(例えば、アミノ)との間で形成することができる。好適なアニオンとしては、クロライド、ブロマイド、ヨーダイド、硫酸アニオン、重硫酸アニオン、スルファミン酸アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、クエン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、グルタミン酸アニオン、グルクロン酸アニオン、グルタル酸アニオン、リンゴ酸アニオン、マレイン酸アニオン、コハク酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、トシル酸アニオン、サリチル酸アニオン、乳酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、及び酢酸アニオン(例えば、トリフルオロ酢酸アニオン)が挙げられる。
【0241】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容されるアニオン」という用語は、薬学的に許容される塩を形成するのに適したアニオンを指す。同様に、塩はまた、カチオンと本明細書に開示される置換化合物上の負に荷電した基(例えば、カルボン酸塩)との間で形成され得る。好適なカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオン又はジエチルアミンイオンなどのアンモニウムカチオンが挙げられる。本明細書に開示される置換化合物には、第四級窒素原子を含有する塩も含まれる。
【0242】
本開示の化合物、例えば、化合物の塩は、水和形態若しくは非水和(無水)形態のいずれかで、又は他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができることを理解されたい。水和物の非限定的な例としては、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
【0243】
本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」とは、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、固定モル比の溶媒分子を結晶性固体状態で捕捉し、それによって溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコレートである。水和物は、水がその分子状態をH2Oとして保持する物質の1つの分子と、1つ以上の水分子との組み合わせによって形成される。
【0244】
本明細書で使用される場合、用語「類似体」は、別のものと構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる(異なる元素の原子による1つの原子の置換、又は特定の官能基の存在下、又は別の官能基による1つの官能基の置換など)化学化合物を指す。したがって、類似体は、参照化合物に対して、機能及び外観において類似又は匹敵するが、構造起源においてそうではない化合物である。
【0245】
本明細書で使用される場合、用語「誘導体」は、共通のコア構造を有し、本明細書に記載される様々な基で置換された化合物を指す。
【0246】
本明細書で使用される場合、用語「生物学的等価体」は、原子又は原子群の、別の概ね類似の原子又は原子群との交換から生じる化合物を指す。生物学的等価性置換の目的は、親化合物と類似の生物学的特性を有する新規化合物を作製することである。生物学的等価性置換は、物理化学的ベースであっても位相幾何学的ベースであってもよい。カルボン酸生物学的等価体の例としては、アシルスルホンアミド、テトラゾール、スルホネート及びホスホネートが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Patani and LaVoie,Chem.Rev.96,3147-3176,1996を参照されたい。
【0247】
本明細書に開示される式のいずれか1つの特定の化合物は、溶媒和形態に加えて非溶媒和形態で、例えば、水和形態などで存在し得ることも理解されたい。好適な薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、半水和物、一水和物、二水和物又は三水和物などの水和物である。本開示は、インフラマソーム阻害活性を有する全てのそのような溶媒和形態を包含することを理解されたい。
【0248】
本明細書に開示される式のいずれか1つの特定の化合物が多形性を示し得ること、及び本開示が、インフラマソーム阻害活性を有する全てのそのような形態又はそれらの混合物を包含することも理解されたい。結晶性物質は、X線粉末回折分析、示差走査熱量測定、熱重量分析、拡散反射赤外フーリエ変換(DRIFT)分光法、近赤外(NIR)分光法、溶液及び/又は固体状態核磁気共鳴スペクトル法などの従来技術を使用して分析することができることが概ね公知である。そのような結晶性物質の含水量は、カールフィッシャー分析によって決定することができる。
【0249】
本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物は、多数の異なる互変異性型で存在してもよく、式のいずれか1つの化合物への言及は、全てのそのような型を含む。誤解を避けるために、化合物がいくつかの互変異性型のうちの1つで存在することができ、1つのみが具体的に記載又は示されている場合、それにもかかわらず、他の全てが本明細書に開示されている式に包含される。互変異性型の例としては、例えば、以下の互変異性の対:ケト/エノール(以下に示す)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、及びニトロ/アシニトロにおけるような、ケト型、エノール型、及びエノレート型が挙げられる。
【化18】
【0250】
アミン官能基を含有する、本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物はまた、N-オキシドを形成し得る。アミン官能基を含有する本明細書の式のいずれか1つの化合物への本明細書での言及は、N-オキシドも含む。化合物がいくつかのアミン官能基を含む場合、1つ又は2つ以上の窒素原子が酸化されてN-オキシドを形成してもよい。N-オキシドの特定の例は、第三級アミン又は窒素含有複素環の窒素原子のN-オキシドである。N-オキシドは、対応するアミンを過酸化水素又は過酸(例えば、パーオキシカルボン酸)などの酸化剤で処理することによって形成することができ、例えば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pagesを参照されたい。より具体的には、N-オキシドは、L.W.Deady(Syn.Comm.1977,7,509-514)の手順によって製造することができる。その手順では、アミン化合物を、例えば、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中でメタ-クロロパーオキシ安息香酸(mCPBA)と反応させる。
【0251】
本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物は、ヒト又は動物の体内で分解されて本開示の化合物を放出するプロドラッグの形態で投与されてもよい。プロドラッグは、本開示の化合物の物理的特性及び/又は薬物動態特性を変更するために使用され得る。プロドラッグは、本開示の化合物が、特性改変基が結合され得る好適な基又は置換基を含む場合に形成することができる。
【0252】
したがって、本開示は、有機合成によって利用可能にされた場合、及びそのプロドラッグの切断によってヒト又は動物の体内で利用可能にされた場合の、本明細書で先に定義された本明細書に開示された式のいずれか1つの化合物を含む。したがって、本開示は、有機合成手段によって生成される本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物、及び前駆体化合物の代謝によってヒト又は動物の体内で生成される化合物も含み、すなわち、本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物は、合成的に生成された化合物であっても代謝的に生成された化合物であってもよい。
【0253】
本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物の好適な薬学的に許容されるプロドラッグは、望ましくない薬理活性がなく、過度の毒性がなく、ヒト又は動物の体への投与に好適であるとの妥当な医学的判断に基づくものである。様々な形態のプロドラッグは、例えば以下の文献に記載されている:a)Methods in Enzymology,Vol.42,p.309-396,edited by K.Widder,et al.(Academic Press,1985)、b)Design of Pro-drugs,edited by H.Bundgaard,(Elsevier,1985)、c)A Textbook of Drug Design and Development,edited by Krogsgaard-Larsen and H.Bundgaard,Chapter 5「Design and Application of Pro-drugs」,by H.Bundgaard p.113-191(1991)、d)H.Bundgaard,Advanced Drug Delivery Reviews,8,1-38(1992)、e)H.Bundgaard,et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences,77,285(1988)、f)N.Kakeya,et al.,Chem.Pharm.Bull.,32,692(1984)、g)T.Higuchi and V.Stella,「Pro-Drugs as Novel Delivery Systems」,A.C.S.Symposium Series,Volume 14、及びh)E.Roche(editor),「Bioreversible Carriers in Drug Design」,Pergamon Press,1987。
【0254】
本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物のインビボ効果は、本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物の投与後にヒト又は動物の体内で形成される1つ以上の代謝産物によって部分的に発揮され得る。先に述べたように、本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物のインビボ効果は、前駆体化合物(プロドラッグ)の代謝によっても発揮され得る。
【0255】
好適には、本開示は、本明細書で定義される生物学的活性を有していないいかなる個々の化合物も除外する。
【0256】
リンカーを含有する足場及びコンジュゲート
本明細書で使用される場合、用語「足場」は、本開示のリンカーを含む化合物又は複合体を指し、リンカーは、リガンド又は核酸剤のいずれかに共有結合される。
【0257】
本明細書で使用される場合、用語「コンジュゲート」は、本開示のリンカーを介してリガンドに共有結合している核酸剤を含む化合物又は複合体を指す。
【0258】
いくつかの態様では、本開示は、足場又はその薬学的に許容される塩を提供し、足場は、
(i)リガンド、及び
(ii)リンカー単位であって、リンカー単位が、
【化19】
である、リンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b及びnは、本明細書に記載されており、#は、リガンドへの結合を示す。
【0259】
いくつかの実施形態では、結合「#」は、リガンドへの直接結合であり、すなわち、いかなる連結部分もない。
【0260】
いくつかの実施形態では、結合「#」は、リガンドへの間接結合であり、すなわち、リンカー単位とリガンドとの間に連結部分が存在する。いくつかの実施形態では、連結部分は、C1~C15アルキレン鎖であり、任意選択で、アルキレン鎖中の1つ以上の炭素原子は、独立して、1つ以上の-C(O)-、-C(O)0-、-OC(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、-C(S)-、-C(S)0-、-OC(S)-、-C(S)NH-、-NHC(S)-、又は-NHC(S)NH-で置き換えられていてもよく、アルキレン鎖は、例えば、C1~C6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、C1~C6アルコキシ、CN、及びCOOHから独立して選択される1つ以上の基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、連結部分は、2つ、3つ、又はそれ以上のC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖であり、任意選択で、アルキレン鎖の各々における1つ以上の炭素原子は、独立して、1つ以上の-C(O)-、-C(O)0-、-OC(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、-C(S)-、-C(S)0-、-OC(S)-、-C(S)NH-、-NHC(S)-、又は-NHC(S)NH-で置き換えられていてもよく、アルキレン鎖の各々は、独立して、例えば、C1~C6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、C1~C6アルコキシ、CN、及びCOOHから独立して選択される1つ以上の基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、連結部分は、2つのC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、連結部分は、3つのC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、連結部分は、4つのC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖である。
【0261】
いくつかの態様では、本開示は、足場又はその薬学的に許容される塩を提供し、足場は、
(i)1つ以上の核酸剤、及び
(ii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位は、独立して、
【化20】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、W、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnは、本明細書に記載されており、##は、核酸剤への結合を示す。
【0262】
いくつかの実施形態では、結合「##」は、核酸剤への直接結合であり、すなわち、いかなる連結部分もない。
【0263】
いくつかの実施形態では、結合「##」は、核酸剤への間接結合であり、すなわち、リンカー単位と核酸剤との間に連結部分が存在する。いくつかの実施形態では、連結部分は、本明細書においてY又はZについて定義される基のいずれかから形成されるラジカルである。例えば、連結部分は、-P(N(CH3)2)(O)-、すなわち、-P(N(CH3)2)(OH)から形成されるラジカルである。いくつかの実施形態では、連結部分は、-P(RY)2、-P(ORY)(N(RY)2)、-P(=O)(ORY)RY、-P(=S)(ORY)RY、-P(=O)(SRY)RY、-P(=S)(SRY)RY、-P(=O)(ORY)2、-P(=S)(ORY)2、-P(=O)(SRY)2、若しくは-P(=S)(SRY)2のいずれかから、又は-P(RZ)2、-P(ORZ)(N(RZ)2)、-P(=O)(ORZ)RZ、-P(=S)(ORZ)RZ、-P(=O)(SRZ)RZ、-P(=S)(SRZ)RZ、-P(=O)(ORZ)2、-P(=S)(ORZ)2、-P(=O)(SRZ)2、若しくは-P(=S)(SRZ)2のいずれかから形成されるラジカルである。
【0264】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)を含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1つ以上のリンカー単位を含む。
【0266】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1~10リンカー単位(例えば、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、又は1~3リンカー単位)、2~10リンカー単位(例えば、2~10、2~9、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4、又は2~3リンカー単位)、3~10リンカー単位(例えば、3~10、3~9、3~8、3~7、3~6、3~5、又は3~のリンカー単位)、4~10リンカー単位(例えば、4~10、4~9、4~8、4~7、4~6、又は4~5リンカー単位)、5~10リンカー単位(例えば、5~10、5~9、5~8、5~7、又は5~6リンカー単位)、又は6~10リンカー単位(例えば、6~10、6~9、6~8、又は6~7リンカー単位)を含む。
【0267】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1リンカー単位、2リンカー単位、3リンカー単位、4リンカー単位、5リンカー単位、6リンカー単位、7リンカー単位、8リンカー単位、9リンカー単位、又は10リンカー単位を含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1つ以上のリンカー単位を含み、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合され、
二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置(3’末端位置と5’末端位置との間の位置)における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられ、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)が、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖(例えば、3’末端位置又は5’末端位置)に連続的に又は離散的に結合され、並びに/又は
アンチセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0269】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1つ以上のリンカー単位を含み、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合され、
二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置(3’末端位置と5’末端位置との間の位置)における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0270】
いくつかの実施形態では、足場は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1つ以上のリンカー単位を含み、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)が、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖(例えば、3’末端位置又は5’末端位置)に連続的に又は離散的に結合され、
アンチセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0271】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合される。
【0272】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)の3’末端位置でセンス鎖に連続的に又は離散的に結合される。
【0273】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)の5’末端位置でセンス鎖に連続的に又は離散的に結合される。
【0274】
いくつかの実施形態では、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0275】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合される。
【0276】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)の3’末端位置でアンチセンス鎖に連続的に又は離散的に結合される。
【0277】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)の5’末端位置でアンチセンス鎖に連続的に又は離散的に結合される。
【0278】
いくつかの実施形態では、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0279】
いくつかの実施形態では、足場は、(リンカー単位)p-((核酸剤)-(リンカー単位)s)r-(核酸剤)qであり、
各リンカー単位は、別のリンカー単位から独立しており、各核酸剤は、別の核酸剤から独立しており、
各rは、独立して、0~10の範囲の整数であり、
各sは、独立して、0~10の範囲の整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
qは、0又は1であり、
足場は、少なくとも1つのリンカー単位及び少なくとも1つの核酸剤を含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、足場は、(リンカー単位)p-((核酸剤)-(リンカー単位)s)r-(核酸剤)である。
【0281】
いくつかの実施形態では、足場は、(リンカー単位)p-((核酸剤)-(リンカー単位)s)rである。
【0282】
いくつかの実施形態では、足場は、(リンカー単位)p-(核酸剤)である。
【0283】
いくつかの実施形態では、足場は、(核酸剤)-(リンカー単位)s-(核酸剤)である。
【0284】
いくつかの実施形態では、足場は、
【化21】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Yは、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基(例えば、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、又はトリイソプロピルシリル)、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、置換アシル(例えば、任意選択で置換されたアセチル)、又はベンジル)であり、
各R
Yは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zは、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基(例えば、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、又はトリイソプロピルシリル)、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、置換アシル(例えば、任意選択で置換されたアセチル)、又はベンジル)であり、
各R
Zは、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nは、約0~約10の範囲の整数である。
【0285】
いくつかの実施形態では、足場は、本明細書に記載されるリンカー化合物のいずれかに基づくリンカー単位をリガンドと連結することによって形成される。
【0286】
いくつかの実施形態では、足場は、
【化22】
から選択されるリンカー化合物のいずれかに基づくリンカー単位を
リガンドと連結することによって形成される。
【0287】
いくつかの実施形態では、足場は、表Lから選択されるリンカー化合物のいずれかに基づくリンカー単位をリガンドと連結することによって形成される。
【0288】
いくつかの実施形態では、リガンドは、GalNAcである。
【0289】
いくつかの実施形態では、足場は、表S1に記載される足場から選択される。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0290】
いくつかの実施形態では、足場は、
【化23】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wは、アミノ置換基(例えば、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、任意選択で置換されたアシル、トリフルオロアセチル(TFA)、ベンジル、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、又はトルエンスルホニル(Ts)、アシル(例えば、-C(=O)(C
1~C
30アルキル))、置換アシル(例えば、
【化24】
)、トリフルオロアセチル(TFA)、-C(=O)(C
1~C
30アルキル)、-C(=O)NH(C
1~C
30アルキル)、-C(=S)(C
1~C
30アルキル)、又は-C(=S)NH(C
1~C
30アルキル)(式中、C
1~C
30アルキルは、任意選択で置換される))であり、
nは、約0~約10の範囲の整数である。
【0291】
いくつかの実施形態では、足場は、本明細書に記載されるリンカー化合物のいずれかに基づくリンカー単位を核酸剤と連結することによって形成される。
【0292】
いくつかの実施形態では、足場は、
【化25】
から選択されるリンカー化合物のいずれかに基づくリンカー単位を
核酸剤と連結することによって形成される。
【0293】
いくつかの実施形態では、足場は、表Lから選択されるリンカー化合物のいずれかに基づくリンカー単位を核酸剤と連結することによって形成される。
【0294】
いくつかの実施形態では、足場は、表S2に記載される足場から選択される。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【0295】
いくつかの態様では、本開示は、コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を提供し、コンジュゲートは、
(i)1つ以上の核酸剤、
(ii)1つ以上のリガンド、及び
(iii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位は、独立して、
【化26】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnは、本明細書に記載されており、#は、リガンドへの結合を示し、##は、核酸剤への結合を示す。
【0296】
いくつかの実施形態では、結合「#」は、リガンドへの直接結合であり、すなわち、いかなる連結部分もない。
【0297】
いくつかの実施形態では、結合「#」は、リガンドへの間接結合であり、すなわち、リンカー単位とリガンドとの間に連結部分が存在する。いくつかの実施形態では、連結部分は、C1~C15アルキレン鎖であり、任意選択で、アルキレン鎖中の1つ以上の炭素原子は、独立して、1つ以上の-C(O)-、-C(O)0-、-OC(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、-C(S)-、-C(S)0-、-OC(S)-、-C(S)NH-、-NHC(S)-、又は-NHC(S)NH-で置き換えられていてもよく、アルキレン鎖は、例えば、C1~C6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、C1~C6アルコキシ、CN、及びCOOHから独立して選択される1つ以上の基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、連結部分は、2つ、3つ、又はそれ以上のC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖であり、任意選択で、アルキレン鎖の各々における1つ以上の炭素原子は、独立して、1つ以上の-C(O)-、-C(O)0-、-OC(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、-C(S)-、-C(S)0-、-OC(S)-、-C(S)NH-、-NHC(S)-、又は-NHC(S)NH-で置き換えられていてもよく、アルキレン鎖の各々は、独立して、例えば、C1~C6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、C1~C6アルコキシ、CN、及びCOOHから独立して選択される1つ以上の基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、連結部分は、2つのC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、連結部分は、3つのC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、連結部分は、4つのC1~C15アルキレン鎖を含む分岐アルキレン鎖である。
【0298】
いくつかの実施形態では、結合「##」は、核酸剤への直接結合であり、すなわち、いかなる連結部分もない。
【0299】
いくつかの実施形態では、結合「##」は、核酸剤への間接結合であり、すなわち、リンカー単位と核酸剤との間に連結部分が存在する。いくつかの実施形態では、連結部分は、本明細書においてY又はZについて定義される基のいずれかから形成されるラジカルである。例えば、連結部分は、-P(N(CH3)2)(O)-、すなわち、-P(N(CH3)2)(OH)から形成されるラジカルである。いくつかの実施形態では、連結部分は、-P(RY)2、-P(ORY)(N(RY)2)、-P(=O)(ORY)RY、-P(=S)(ORY)RY、-P(=O)(SRY)RY、-P(=S)(SRY)RY、-P(=O)(ORY)2、-P(=S)(ORY)2、-P(=O)(SRY)2、若しくは-P(=S)(SRY)2のいずれかから、又は-P(RZ)2、-P(ORZ)(N(RZ)2)、-P(=O)(ORZ)RZ、-P(=S)(ORZ)RZ、-P(=O)(SRZ)RZ、-P(=S)(SRZ)RZ、-P(=O)(ORZ)2、-P(=S)(ORZ)2、-P(=O)(SRZ)2、若しくは-P(=S)(SRZ)2のいずれかから形成されるラジカルである。
【0300】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)、1つ以上のリガンド、及び1つ以上のリンカー単位を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1~10リンカー単位(例えば、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、又は1~3リンカー単位)、2~10リンカー単位(例えば、2~10、2~9、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4、又は2~3リンカー単位)、3~10リンカー単位(例えば、3~10、3~9、3~8、3~7、3~6、3~5、又は3~4リンカー単位)、4~10リンカー単位(例えば、4~10、4~9、4~8、4~7、4~6、又は4~5リンカー単位)、5~10リンカー単位(例えば、5~10、5~9、5~8、5~7、又は5~6リンカー単位)、又は6~10リンカー単位(例えば、6~10、6~9、6~8、又は6~7リンカー単位)を含む。
【0302】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)及び1リンカー単位、2リンカー単位、3リンカー単位、4リンカー単位、5リンカー単位、6リンカー単位、7リンカー単位、8リンカー単位、9リンカー単位、又は10リンカー単位を含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)、1つ以上のリガンド、及び1つ以上のリンカー単位を含み、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合され、
二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられ、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)が、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖(例えば、3’末端位置又は5’末端位置)に連続的に又は離散的に結合され、並びに/又は
アンチセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0304】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)、1つ以上のリガンド、及び1つ以上のリンカー単位を含み、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合され、
二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0305】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)、1つ以上のリガンド、及び1つ以上のリンカー単位を含み、
1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)が、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖(例えば、3’末端位置又は5’末端位置)に連続的に又は離散的に結合され、
アンチセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0306】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合される。
【0307】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖3’末端位置に連続的に又は離散的に結合される。
【0308】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖5’末端位置に連続的に又は離散的に結合される。
【0309】
いくつかの実施形態では、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0310】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖(例えば、3’末端又は5’末端の位置)に連続的に又は離散的に結合される。
【0311】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)の3’末端位置でアンチセンス鎖に連続的に又は離散的に結合される。
【0312】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)は、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)の5’末端位置でアンチセンス鎖に連続的に又は離散的に結合される。
【0313】
いくつかの実施形態では、二本鎖RNA(例えば、二本鎖siRNA)のアンチセンス鎖の1つ以上の連続した又は離散した内部位置における1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドは、1つ以上のリンカー単位(例えば、1~3リンカー単位)で置き換えられる。
【0314】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、(リンカー単位-(リガンド)0-1)p-((核酸剤)-(リンカー単位-(リガンド)0-1)s)r-(核酸剤)qであり、式中、
各リンカー単位は、別のリンカー単位から独立しており、各核酸剤は、別の核酸剤から独立しており、各リガンドは、別のリガンドから独立しており、
各rは、独立して、0~10の範囲の整数であり、
各sは、独立して、0~10の範囲の整数であり、
pは、0~10の範囲の整数であり、
qは、0又は1であり、
コンジュゲートは、少なくとも1つのリンカー単位、少なくとも1つの核酸剤、及び少なくとも1つのリガンドを含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、(リンカー単位-(リガンド)0-1)p-((核酸剤)-(リンカー単位-(リガンド)0-1)s)r-(核酸剤)である。
【0316】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、(リンカー単位-(リガンド)0-1)p-((核酸剤)-(リンカー単位-(リガンド)0-1)s)rである。
【0317】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、(リンカー単位-(リガンド)0-1)p-(核酸剤)である。
【0318】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、(核酸剤)-(リンカー単位-(リガンド)0-1)s-(核酸剤)である。
【0319】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、表Cに記載されるコンジュゲートから選択され、核酸剤は、##で結合され、##は、本明細書に記載される直接又は間接結合である。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【0320】
リンカー単位
本明細書で使用される場合、「リンカー単位」又は「リンカー単位」は、W、Y、及び/又はZがリガンド及び/又は核酸剤への結合で置き換えられるリンカー化合物に対応する部分を指す。いくつかの実施形態では、結合、例えば、本明細書に記載される#又は##は、本明細書に記載される直接又は間接結合である。
【0321】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる。いくつかの実施形態では、結合、例えば、本明細書に記載される#は、本明細書に記載される直接又は間接結合である。
【0322】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I)のものであり、式中、Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。いくつかの実施形態では、結合、例えば、本明細書に記載される##は、本明細書に記載される直接又は間接結合である。
【0323】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I)のものであり、式中、
Wは、リガンドへの結合で置き換えられ、
Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0324】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I’-1)、(I’-2)、(II’-1)、又は(II’-2)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる。
【0325】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I’-1)、(I’-2)、(II’-1)、又は(II’-2)のものであり、式中、Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0326】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-A)又は(II-A)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる。
【0327】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-A)又は(II-A)のものであり、式中、Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0328】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-A)又は(II-A)のものであり、式中、
Wは、リガンドへの結合で置き換えられ、
Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0329】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、又は(II-A’-2)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる。
【0330】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、又は(II-A’-2)のものであり、式中、Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0331】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、又は(II-A’-2)のものであり、式中、
Wは、リガンドへの結合で置き換えられ、
Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0332】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-B)又は(II-B)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる。
【0333】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-B)又は(II-B)のものであり、式中、Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0334】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-B)又は(II-B)のものであり、式中、
Wは、リガンドへの結合で置き換えられ、
Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0335】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)、又は(II-B’-2)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる。
【0336】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)、又は(II-B’-2)のものであり、式中、Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0337】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、式(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)、又は(II-B’-2)のものであり、式中、
Wは、リガンドへの結合で置き換えられ、
Y及び/又はZは、核酸剤への結合で置き換えられる。
【0338】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、本明細書に記載されるリンカー化合物である。
【0339】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0340】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、式(I’-1)、(I’-2)、(II’-1)若しくは(II’-2)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0341】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、式(I-A)若しくは(II-A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0342】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、式(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、若しくは(II-A’-2)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0343】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、式(I-B)若しくは(II-B)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0344】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、式(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)、若しくは(II-B’-2)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0345】
いくつかの実施形態では、結合前のリンカー単位は、表Lに記載されている化合物から選択される化合物及びその薬学的に許容される塩である。
【0346】
上記の実施形態のいずれかでは、結合、例えば、本明細書に記載される#又は##は、本明細書に記載される直接又は間接結合である。
【0347】
リガンド
本明細書で使用される場合、用語「リガンド」は、核酸剤(例えば、オリゴヌクレオチド)に共有結合された場合に、標的部位(例えば、標的細胞又は組織)へのその侵入を媒介し得るか、又は標的部位へのその送達を容易にし得る部分を指す。リガンド又はリガンドは、リンカー単位と一緒になって、本明細書に記載されるような足場を形成するか、又は1つ以上のリガンド又はリガンドは、1つ以上のリンカー単位及び1つ以上の核酸剤と一緒になって、本明細書に記載されるようなコンジュゲートを形成する。
【0348】
いくつかの実施形態では、リガンドは、オリゴヌクレオチドの肝臓への取り込みを指示し得る糖リガンド部分(例えば、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc))を含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、リガンドは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に結合する。いくつかの実施形態では、リガンドは、肝臓の実質細胞など、肝臓に(例えば、ASGPRを介して)結合する。
【0350】
好適なリガンドとしては、Winkler(Ther.Deliv.,2013,4(7):791-809)、国際公開第2016/100401号、同第2012/089352号、及び同第2009/082607号、並びに米国特許出願公開第2009/0239814号、同第2012/0136042号、同第2013/0158824号、及び同第2009/0247608号(これらの各々は参照により組み込まれる)に開示されているリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0351】
いくつかの実施形態では、リガンドは、炭水化物部分を含む。
【0352】
本明細書で使用される場合、「炭水化物部分」は、各々が少なくとも6個の炭素原子(これは、直鎖、分岐又は環状であり得る)を有し、各炭素原子に結合した酸素、窒素又は硫黄原子を有する、1つ以上の単糖単位を含む部分を指す。いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、単糖、二糖、三糖、又は四糖を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、約4~9個の単糖単位を含有するオリゴ糖を含む。いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、多糖(例えば、デンプン、グリコーゲン、セルロース、又は多糖ガム)を含む。
【0353】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、単糖、二糖、三糖、又は四糖を含む。
【0354】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、オリゴ糖(例えば、約4~約9個の単糖単位を含有する)を含む。
【0355】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、多糖(例えば、デンプン、グリコーゲン、セルロース、又は多糖ガム)を含む。
【0356】
いくつかの実施形態では、リガンドは、ヒトアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)、例えば、ヒトアシアロ糖タンパク質受容体2(ASGPR2)に結合することができる。
【0357】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、糖(例えば、1、2、又は3つの糖)を含む。
【0358】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、ガラクトース又はその誘導体(例えば、1、2、又は3つのガラクトース又はその誘導体)を含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、N-アセチルガラクトサミン又はその誘導体(例えば、1、2、又は3つのN-アセチルガラクトサミン又はその誘導体)を含む。
【0360】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、N-アセチル-D-ガラクトシルアミン又はその誘導体(例えば、1、2、又は3つのN-アセチル-D-ガラクトシルアミン又はその誘導体)を含む。
【0361】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、N-アセチルガラクトサミン(例えば、1、2、又は3つのN-アセチルガラクトサミン)を含む。
【0362】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、N-アセチル-D-ガラクトシルアミン(例えば、1、2、又は3つのN-アセチル-D-ガラクトシルアミン)を含む。
【0363】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、マンノース又はその誘導体(例えば、マンノース-6-リン酸)を含む。
【0364】
いくつかの実施形態では、炭水化物部分は、1つ以上の糖(例えば、N-アセチル-D-ガラクトシルアミン)をリンカー単位と接続する、連結部分を更に含む。
【0365】
いくつかの実施形態では、連結部分は、チオエーテル(例えば、チオスクシンイミド、又はその加水分解類似体)、ジスルフィド、トリアゾール、ホスホロチオエート、ホスホジエステル、エステル、アミド、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0366】
いくつかの実施形態では、連結部分は、三価連結部分である。
【0367】
好適なリガンドとしては、国際公開第2015/006740号、同第2016/100401号、同第2017/214112号、同第2018/039364号、及び同第2018/045317号(これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されているリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0368】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化27】
(例えば、1、2、又は3つの
【化28】
)を含む。
【0369】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化29】
(例えば、1、2、又は3つの
【化30】
)を含む。
【0370】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化31】
(例えば、1、2、又は3つの
【化32】
)を含む。
【0371】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化33】
(例えば、1、2、又は3つの
【化34】
)を含む。
【0372】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化35】
(例えば、1、2、又は3つの
【化36】
)を含む。
【0373】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化37】
(例えば、1、2、又は3つの
【化38】
)を含む。
【0374】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化39】
(例えば、1、2、又は3つの
【化40】
)を含む。
【0375】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化41】
(例えば、1、2、又は3つの
【化42】
)を含む。
【0376】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化43】
を含む。
【0377】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化44】
を含む。
【0378】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化45】
を含む。
【0379】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化46】
を含む。
【0380】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化47】
を含む。
【0381】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化48】
を含む。
【0382】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化49】
を含む。
【0383】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
【化50】
を含む。
【0384】
いくつかの実施形態では、リガンドは、脂質部分(例えば、1、2、又は3つの脂質部分)を含む。
【0385】
いくつかの実施形態では、脂質部分は、(例えば、1つの、2つの、3つの)C8~C24脂肪酸、コレステロール、ビタミン、ステロール、リン脂質、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0386】
いくつかの実施形態では、リガンドは、ペプチド部分(例えば、1つの、2つの、又は3つのペプチド部分)を含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、ペプチド部分は、(例えば、1つの、2つの、又は3つの)インテグリン、インスリン、グルカゴン様ペプチド、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0388】
いくつかの実施形態では、リガンドは、抗体部分(例えば、トランスフェリン)を含む。
【0389】
いくつかの実施形態では、リガンドは、1つの、2つの、又は3つの抗体部分(例えば、トランスフェリン)を含む。
【0390】
いくつかの実施形態では、リガンドは、オリゴヌクレオチド(例えば、アプタマー又はCpG)を含む。
【0391】
いくつかの実施形態では、リガンドは、1つの、2つの、又は3つのオリゴヌクレオチド(例えば、アプタマー又はCpG)を含む。
【0392】
いくつかの実施形態では、リガンドは、
1つの、2つの、若しくは3つの糖(例えば、N-アセチル-D-ガラクトシルアミン)、
1つの、2つの、若しくは3つの脂質部分、
1つの、2つの、若しくは3つのペプチド部分、
1つの、2つの、若しくは3つの抗体部分、
1つの、2つの、若しくは3つのオリゴヌクレオチド、又は
それらの任意の組み合わせを含む。
【0393】
核酸剤
いくつかの実施形態では、核酸剤は、オリゴヌクレオチドを含む。
【0394】
いくつかの実施形態では、核酸剤(例えば、オリゴヌクレオチド)は、1つ以上のリン酸基又はリン酸基の1つ以上の類似体を含む。
【0395】
いくつかの実施形態では、リンカー単位は、核酸剤中のリン酸基又はリン酸基の類似体を介して、核酸剤(例えば、オリゴヌクレオチド)に結合される。
【0396】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1~40ヌクレオチド、10~40ヌクレオチド、12~35ヌクレオチド、15~30ヌクレオチド、18~25ヌクレオチド、又は20~23ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、19、20、21、22、又は23ヌクレオチドの長さを有する。
【0397】
いくつかの実施形態では、核酸剤は、RNA、DNA、又はそれらの混合物を含む。
【0398】
いくつかの実施形態では、核酸剤は、RNAを含む。
【0399】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、siRNA(例えば、一本鎖siRNA(例えば、ヘアピン一本鎖siRNA)又は二本鎖siRNA)、マイクロRNA、抗マイクロRNA、マイクロRNA模倣体、抗miR、アンタゴミル(antagomir)、dsRNA、ssRNA、アプタマー、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、デコイオリゴヌクレオチド、スプライス改変オリゴヌクレオチド、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、G-四重鎖、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0400】
いくつかの実施形態では、核酸剤は、二本鎖RNA(dsRNA)を含み、二本鎖RNAは、本明細書に記載されるように、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0401】
いくつかの実施形態では、核酸剤は、二本鎖siRNA(ds-siRNA)を含み、二本鎖siRNAは、本明細書に記載されるように、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0402】
センス鎖は、パッセンジャー鎖としても知られており、用語「センス鎖」及び「パッセンジャー鎖」は、本明細書において互換的に使用されることが理解される。
【0403】
アンチセンス鎖は、ガイド鎖としても知られており、用語「アンチセンス鎖」及び「ガイド鎖」は、本明細書において互換的に使用されることが理解される。
【0404】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、iRNAである。
【0405】
用語「iRNA」は、標的遺伝子(例えば、siRNA)、例えば、内因性又は病原体標的RNAの発現をダウンレギュレーションすることができるRNA剤を指す。理論に束縛されるものではないが、iRNAは、標的mRNAの転写後切断(当該分野においてRNAiと称される)、又は転写前若しくは翻訳前機構を含む、いくつかの機構のうちの1つ以上によって作用し得る。iRNAは、一本鎖を含み得るか、又は2本以上の鎖を含み得、例えば、二本鎖iRNAであり得る。iRNAが一本鎖である場合、それは、1つ以上のリン酸基又はリン酸基の1つ以上の類似体を含む5’修飾を含むことができる。いくつかの実施形態では、iRNAは、二本鎖である。いくつかの実施形態では、二本鎖iRNAの一方又は両方の鎖を修飾、例えば5’修飾することができる。
【0406】
iRNAは、典型的には、iRNA又はその断片が標的遺伝子のダウンレギュレーションを媒介することができるように、標的遺伝子に対して十分な相同性の領域を含み、ヌクレオチドに関して十分な長さである。iRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に、いくつかの実施形態では完全に相補的である領域であるか、又はそれを含む。必ずしもiRNAと標的との間に完全な相補性が存在する必要はないが、対応は、iRNA又はその切断産物が、例えば、標的RNA、例えば、mRNAのRNAi切断によって、配列特異的サイレンシングを指向することを可能にするのに十分であり得る。
【0407】
iRNA中のヌクレオチドは、修飾され得る(例えば、1つ以上のヌクレオチドは、2’-F若しくは2’-OCH3基を含み得るか、又はヌクレオチド代用物であり得る)。iRNAの一本鎖又は二本鎖領域は、修飾されてもよく、又はヌクレオチド代用物を含んでもよく、例えば、ヘアピン構造の不対領域、例えば、2つの相補的領域を連結する領域は、修飾又はヌクレオチド代用物を有し得る。例えばエキソヌクレアーゼに対して、iRNAの1つ以上の3’末端又は5’末端を安定化するための修飾。修飾には、C3(又はC6、C7、C12)アミノリンカー、チオールリンカー、カルボキシルリンカー、非ヌクレオチドスペーサー(C3、C6、C9、C12、脱塩基、トリエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール)、ホスホラミダイトとして提供され、別のDMT保護ヒドロキシル基を有する特定のビオチン又はフルオレセイン試薬が含まれ得、RNA合成中に複数のカップリングを可能にする。修飾にはまた、例えば、リボース糖の2’OH基における修飾の使用、例えば、リボヌクレオチドの代わりのデオキシリボヌクレオチド、例えば、デオキシチミジンの使用、及びリン酸基における修飾、例えば、ホスホチオエート修飾が含まれ得る。いくつかの実施形態では、異なる鎖は、異なる修飾を含む。
【0408】
いくつかの実施形態では、鎖は、iRNAが分子の一方の末端又は両方の末端に一本鎖又は不対領域を含むように選択される。二本鎖iRNAは、オーバーハング、例えば、1つ又は2つの5’又は3’オーバーハング(例えば、2~3ヌクレオチドの少なくとも3’オーバーハング)を有し得る。いくつかの実施形態では、iRNAは、各末端に1、2、又は3ヌクレオチドの長さのオーバーハング、例えば3’オーバーハングを有する。オーバーハングは、一方の鎖が他方の鎖よりも長い結果であり得るか、又は同じ長さの2つの鎖が互い違いになっている結果であり得る。
【0409】
いくつかの実施形態では、iRNAの鎖間の二本鎖領域の長さは、6~30ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、二本鎖領域は、15~30、最も好ましくは18、19、20、21、22、及び23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、二本鎖領域は、6~20ヌクレオチド、最も好ましくは6、7、8、9、10、11及び12ヌクレオチドの長さである。
【0410】
オリゴヌクレオチドは、米国特許公開第2009/0239814号、同第2012/0136042号、同第2013/0158824号、又は同第2009/0247608号に記載されているものであってもよく、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0411】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、siRNAである。
【0412】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、一本鎖siRNAである。
【0413】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、二本鎖siRNA、例えば、本明細書に記載される二本鎖siRNAである。
【0414】
本明細書で使用される「一本鎖siRNA」は、鎖内対合によって形成される二本鎖領域を含む、一本鎖から構成されるsiRNAであり、例えば、それは、ヘアピン又はパンハンドル構造であってもよく、又はそれを含んでもよい。一本鎖siRNAは、標的分子に関してアンチセンスであり得る。
【0415】
一本鎖siRNAは、RISCに入り、標的mRNAのRISC媒介性切断に関与することができるほど十分に長くてもよい。一本鎖siRNAは、少なくとも14ヌクレオチドの長さであり、いくつかの実施形態では、少なくとも15、20、25、29、35、40、又は50ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、一本鎖siRNAは、200、100、80、60、50、40、又は30ヌクレオチドの長さである。
【0416】
いくつかの実施形態では、一本鎖siRNAは、10~40ヌクレオチド、12~35ヌクレオチド、15~30ヌクレオチド、18~25ヌクレオチド、又は20~23ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、一本鎖siRNAは、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、一本鎖siRNAは、20、21、22、又は23ヌクレオチドの長さを有する。
【0417】
ヘアピンsiRNAは、17、18、19、20、21、22、23、24、若しくは25ヌクレオチド対に相当する二本鎖領域又は少なくとも17、18、19、20、21、22、23、24、若しくは25ヌクレオチド対の二本鎖領域を有し得る。二本鎖領域は、200、100、又は50ヌクレオチド対以下の長さであり得る。いくつかの実施形態では、二本鎖領域についての範囲は、15~30、17~23、19~23、及び19~21ヌクレオチド対の長さである。ヘアピンは、一本鎖オーバーハング又は末端不対領域を有し得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、2~3ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オーバーハングは、ヘアピンのセンス側にあり、いくつかの実施形態では、ヘアピンのアンチセンス側にある。
【0418】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、二本鎖siRNAである。
【0419】
本明細書で使用される「二本鎖siRNA」は、鎖間ハイブリダイゼーションが二本鎖構造の領域を形成することができる、2本以上の、場合によっては2本の鎖を含むsiRNAである。
【0420】
いくつかの実施形態では、二本鎖siRNAのセンス鎖は、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、若しくは60ヌクレオチドの長さに相当するか、又は少なくともその長さであり得る。二本鎖siRNAのセンス鎖は、200、100、又は50ヌクレオチド以下の長さであり得る。範囲は、17~25、19~23、19~21、21~23、又は20~22ヌクレオチドの長さであり得る。
【0421】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、10~40ヌクレオチド、12~35ヌクレオチド、15~30ヌクレオチド、18~25ヌクレオチド、又は20~23ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、センス鎖は、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、センス鎖は、20、21、22、又は23ヌクレオチドの長さを有する。
【0422】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、18、19、20、21、又は22ヌクレオチドの長さを有する。
【0423】
いくつかの実施形態では、二本鎖siRNAのアンチセンス鎖は、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、若しくは60ヌクレオチドの長さに相当するか、又は少なくともその長さであり得る。二本鎖siRNAのアンチセンス鎖は、200、100、又は50ヌクレオチド以下の長さであり得る。範囲は、17~25、19~23、19~21、21~23、又は20~22ヌクレオチドの長さであり得る。
【0424】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、10~40ヌクレオチド、12~35ヌクレオチド、15~30ヌクレオチド、18~25ヌクレオチド、又は20~23ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20、21、22、又は23ヌクレオチドの長さを有する。
【0425】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20、21、22、23、又は24ヌクレオチドの長さを有する。
【0426】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、18、19、20、21、又は22ヌクレオチドの長さを有し、アンチセンス鎖は、20、21、22、23、又は24ヌクレオチドの長さを有する。
【0427】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さを有し、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さを有する。
【0428】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さを有し、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さを有する。
【0429】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さを有し、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さを有する。
【0430】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さを有し、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さを有する。
【0431】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さを有し、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さを有する。
【0432】
二本鎖siRNAの二本鎖部分は、長さが14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、若しくは60ヌクレオチド対の長さに相当するか、又は少なくともその長さであり得る。それは、200、100、又は50ヌクレオチド対以下の長さであり得る。範囲は、15~30、17~23、19~23、及び19~21ヌクレオチド対の長さであり得る。
【0433】
いくつかの実施形態では、siRNAは、内因性分子によって、例えば、ダイサーによって切断されて、より小さいsiRNA、例えば、siRNA剤を産生することができるほど十分に大きい。
【0434】
センス鎖及びアンチセンス鎖は、二本鎖siRNAが分子の一方の末端又は両方の末端に一本鎖又は不対領域を含むように選択することができる。したがって、二本鎖siRNAは、オーバーハング、例えば、1つ若しくは2つの5’若しくは3’オーバーハング、又は1~3ヌクレオチドの3’オーバーハングを含有するように対合されたセンス鎖及びアンチセンス鎖を含有し得る。オーバーハングは、一方の鎖が他方の鎖よりも長い結果であり得るか、又は同じ長さの2つの鎖が互い違いになっている結果であり得る。いくつかの実施形態は、少なくとも1つの3’オーバーハングを有する。いくつかの実施形態では、siRNA分子の両末端は、3’オーバーハングを有する。いくつかの実施形態では、オーバーハングは、2ヌクレオチドである。
【0435】
いくつかの実施形態では、二本鎖領域の長さは、15~30、又は18、19、20、21、22、及び23ヌクレオチドの長さであり、例えば、上記のssiRNA範囲である。ssiRNAは、長さ及び構造において、長いdsiRNAからの天然のダイサー処理産物に類似し得る。ssiRNAの2本の鎖が結合している、例えば、共有結合している実施形態も含まれる。必要とされる二本鎖領域及び3’オーバーハングを提供するヘアピン又は他の一本鎖構造もまた企図される。
【0436】
二本鎖siRNA及び一本鎖siRNAを含む、本明細書に記載されるsiRNAは、標的RNA、例えば、mRNA、例えば、タンパク質をコードする遺伝子の転写物のサイレンシングを媒介することができる。便宜上、そのようなmRNAはまた、本明細書において、サイレンシングされるべきmRNAとも呼ばれる。そのような遺伝子は、標的遺伝子とも呼ばれる。概して、サイレンシングされるべきRNAは、内因性遺伝子又は病原体遺伝子である。更に、mRNA以外のRNA、例えば、tRNA及びウイルスRNAもまた、標的化され得る。
【0437】
本明細書で使用される場合、句「RNAiを媒介する」は、配列特異的様式で、標的RNAをサイレンシングする能力を指す。理論に束縛されるものではないが、サイレンシングは、RNAi機構又はプロセス及びガイドRNA、例えば、21~23ヌクレオチドのssiRNAを使用すると考えられる。
【0438】
いくつかの実施形態では、siRNAは、siRNAが標的mRNAによってコードされるタンパク質の産生をサイレンシングするように、標的RNA、例えば、標的mRNAに「十分に相補的」である。別の実施形態では、siRNAは、標的RNAに「正確に相補的」であり、例えば、標的RNA及びsiRNAはアニールし、例えば、正確な相補性の領域においてワトソン-クリック塩基対のみから作製されたハイブリッドを形成する。「十分に相補的な」標的RNAは、標的RNAに正確に相補的である(例えば、少なくとも10ヌクレオチドの)内部領域を含み得る。更に、いくつかの実施形態では、siRNAは、単一ヌクレオチドの差異を特異的に識別する。この場合、siRNAは、正確な相補性が単一ヌクレオチド差異の領域(例えば、その7ヌクレオチド以内)に見出される場合にのみRNAiを媒介する。
【0439】
マイクロRNA:マイクロRNA(miRNA)は、植物及び動物のゲノム中のDNAから転写されるが、タンパク質に翻訳されない高度に保存された低RNA分子の一種である。処理されたmiRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれる一本鎖の約17~25ヌクレオチド(nt)RNA分子であり、発生、細胞増殖、アポトーシス及び分化の重要な調節因子として特定された。それらは、特定のmRNAの3’-非翻訳領域に結合することによって遺伝子発現のレギュレーションにおいて役割を果たすと考えられる。RISCは、翻訳阻害、転写切断、又はその両方を介して遺伝子発現のダウンレギュレーションを媒介する。RISCはまた、広範な真核生物の核における転写サイレンシングに関与している。
【0440】
現在までに特定されたmiRNA配列の数は多く、増え続けており、その実例は、例えば、「miRBase:microRNA sequences,targets and gene nomenclature」Griffiths-Jones S,Grocock R J,van Dongen S,Bateman A,Enright A J.NAR,2006,34,Database Issue,D140-D144;「The microRNA Registry」Griffiths-Jones S.NAR,2004,32,Database Issue,D109-D111に見出すことができる。
【0441】
アンチセンスオリゴヌクレオチド:いくつかの実施形態では、核酸は、標的ポリヌクレオチドに方向付けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドである。用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」又は単に「アンチセンス」は、標的ポリヌクレオチド配列に相補的であるオリゴヌクレオチドを含むことを意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、選択された配列、例えば、標的遺伝子mRNAに相補的であるDNA又はRNAの一本鎖である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、相補的mRNAに結合することによって遺伝子発現を阻害すると考えられる。標的mRNAへの結合は、それに結合することによって相補的mRNA鎖の翻訳を妨げることによって、又は標的mRNAの分解をもたらすことによって、遺伝子発現の阻害をもたらすことができる。アンチセンスDNAを使用して、特定の相補的(コード又は非コード)RNAを標的化することができる。結合が起こる場合、このDNA/RNAハイブリッドは、酵素RNase Hによって分解することができる。いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約10~約50ヌクレオチド、より好ましくは約15~約30ヌクレオチドを含有する。この用語はまた、所望の標的遺伝子に正確に相補的でなくてもよいアンチセンスオリゴヌクレオチドを包含する。したがって、非標的特異的活性がアンチセンスで見出される場合、又は標的配列との1つ以上のミスマッチを含有するアンチセンス配列が特定の使用のために最も好ましい場合が企図される。
【0442】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、タンパク質合成の有効な標的阻害剤であることが実証され、したがって、標的遺伝子によるタンパク質合成を特異的に阻害するために使用することができる。タンパク質合成を阻害するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性は、十分に確立されている。例えば、ポリガラクツロナーゼ及びムスカリン2型アセチルコリン受容体の合成は、それらのそれぞれのmRNA配列に方向付けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害される(米国特許第5,739,119号及び同第5,759,829号(これらの各々は参照により組み込まれる))。更に、アンチセンス阻害の例は、核タンパク質サイクリン、多剤耐性遺伝子(MDG1)、ICAM-1、E-セレクチン、STK-1、線条体GABAA受容体及びヒトEGFで実証されている(Jaskulski et al.,Science.1988 Jun.10;240(4858):1544-6;Vasanthakumar and Ahmed,Cancer Commun.1989;1(4):225-32;Peris et al.,Brain Res Mol Brain Res.1998 Jun.15;57(2):310-20、米国特許第5,801,154号、同第5,789,573号、同第5,718,709号及び同第5,610,288号(これらの各々は参照により組み込まれる))。更に、様々な異常な細胞増殖(例えば、癌)を阻害し、治療するために使用することができるアンチセンス構築物もまた記載されている(米国特許第5,747,470号、同第5,591,317号、及び同第5,783,683号(これらの各々は参照により組み込まれる))。
【0443】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを産生する方法は、当該分野で公知であり、任意のポリヌクレオチド配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを産生するように容易に適合させることができる。所与の標的配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の選択は、選択された標的配列の分析並びに二次構造、Tm、結合エネルギー、及び相対的安定性の決定に基づく。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、宿主細胞における標的mRNAへの特異的結合を減少させるか又は妨げる二量体、ヘアピン、又は他の二次構造を形成する相対的不能性に基づいて選択され得る。mRNAの非常に好ましい標的領域としては、AUG翻訳開始コドン又はその付近の領域、及びmRNAの5’領域に実質的に相補的な配列が挙げられる。これらの二次構造分析及び標的部位選択の考慮は、例えば、OLIGOプライマー分析ソフトウェアのv.4(Molecular Biology Insights)及び/又はBLASTN 2.0.5アルゴリズムソフトウェア(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.1997,25(17):3389-402)を用いて行うことができる。
【0444】
アンタゴミル:アンタゴミルは、RNase保護並びに組織及び細胞取り込みの増強などの薬理学的特性のための様々な修飾を有するRNA様オリゴヌクレオチドである。アンタゴミルは、例えば、糖の完全な2’-O-メチル化、ホスホロチオエート骨格、及び例えば、3’末端のコレステロール部分で、正常なRNAとは異なる。アンタゴミルは、アンタゴミル及び内因性miRNAを含む二本鎖を形成し、それによってmiRNA誘導性遺伝子サイレンシングを防止することによって、内因性miRNAを効率的にサイレンシングするために使用され得る。アンタゴミル媒介性miRNAサイレンシングの例は、Krutzfeldt et al.,Nature,2005,438:685-689に記載されているmiR-122のサイレンシングであり、これは参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。アンタゴミルRNAは、標準的な固相オリゴヌクレオチド合成プロトコルを用いて合成することができる。米国特許出願公開第2007/0123482号及び同第2007/0213292号(これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0445】
アンタゴミルは、リガンドコンジュゲートモノマーサブユニット及びオリゴヌクレオチド合成のためのモノマーを含み得る。例示的なモノマーは、米国特許出願公開第2005/0107325号に記載されており、これは参照によりその全体が組み込まれる。アンタゴミルは、国際公開第2004/080406号(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されているものなどのZXY構造を有することができる。アンタゴミルは、両親媒性部分と複合化することができる。オリゴヌクレオチド剤で使用するための例示的な両親媒性部分は、国際公開第2004/080406号に記載されており、これは参照によりその全体が組み込まれる。
【0446】
アプタマー:アプタマーは、高い親和性及び特異性で目的の特定の分子に結合する核酸又はペプチド分子である(Tuerk and Gold,Science 249:505(1990);Ellington and Szostak,Nature 346:818(1990)、これらの各々はその全体が参照により組み込まれる)。大きなタンパク質から小さな有機分子までの多くの異なる実体に結合するDNA又はRNAアプタマーを産生することに成功している。Eaton,Curr.Opin.Chem.Biol.1:10-16(1997),Famulok,Curr.Opin.Struct.,J.Biol.9:324-9(1999)、及びHermann and Patel,Science 287:820-5(2000)を参照されたい(これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる))。アプタマーは、RNA又はDNAベースであってもよく、リボスイッチを含んでもよい。リボスイッチは、小標的分子に直接結合することができ、その標的の結合が遺伝子の活性に影響を及ぼすmRNA分子の一部である。したがって、リボスイッチを含有するmRNAは、その標的分子の存在又は非存在に応じて、それ自体の活性のレギュレーションに直接関与する。概して、アプタマーは、小分子、タンパク質、核酸、更には細胞、組織及び生物などの様々な分子標的に結合するように、インビトロ選択の繰り返し又は同等にSELEX(指数関数的濃縮によるリガンドの系統的進化)を通じて操作される。アプタマーは、合成法、組換え法、及び精製法を含む任意の公知の方法によって調製することができ、単独で、又は同じ標的に特異的な他のアプタマーと組み合わせて使用することができる。更に、本明細書においてより十分に記載されるように、用語「アプタマー」は、具体的には、2つ以上の既知のアプタマーを所与の標的と比較することに由来するコンセンサス配列を含有する「二次アプタマー」を含む。
【0447】
リボザイム:別の実施形態によれば、核酸-脂質粒子はリボザイムと会合している。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を有する特異的な触媒ドメインを有するRNA分子複合体である(Kim and Cech,Proc Natl Acad Sci USA.1987 December;84(24):8788-92;Forster and Symons,Cell.1987 Apr.24;49(2):211-20)。例えば、多数のリボザイムは、高度の特異性でホスホエステル転移反応を加速し、多くの場合、オリゴヌクレオチド基質中のいくつかのホスホエステルのうちの1つのみを切断する(Cech et al.,Cell.1981 December;27(3 Pt 2):487-96;Michel and Westhof,J Mol Biol.1990 Dec.5;216(3):585-610;Reinhold-Hurek and Shub,Nature.1992 May 14;357(6374):173-6)。この特異性は、基質が化学反応の前に特異的塩基対合相互作用を介してリボザイムの内部ガイド配列(「IGS」)に結合するという要件に起因している。
【0448】
天然に存在する酵素RNAの少なくとも6つの基本的な種類が現在知られている。各々は、生理学的条件下でRNAホスホジエステル結合の加水分解を移動中に触媒することができる(したがって、他のRNA分子を切断することができる)。概して、酵素的核酸は、最初に標的RNAに結合することによって作用する。そのような結合は、標的RNAを切断するように作用する分子の酵素部分に密接して保持される酵素的核酸の標的結合部分を介して生じる。したがって、酵素的核酸は、最初に標的RNAを認識し、次いで相補的塩基対形成を介して標的RNAに結合し、正しい部位に結合すると、酵素的に作用して標的RNAを切断する。そのような標的RNAの戦略的切断は、コードされたタンパク質の合成を指向するその能力を破壊する。酵素的核酸は、そのRNA標的に結合して切断した後、別の標的を探すためにそのRNAから放出され、新しい標的に繰り返し結合して切断することができる。
【0449】
酵素的核酸分子は、例えば、ハンマーヘッド、ヘアピン、δ型肝炎ウイルス、I群イントロン又はRNaseP RNA(RNAガイド配列と会合している)又はNeurospora VS RNAモチーフにおいて形成され得る。ハンマーヘッドモチーフの具体例は、Rossi et al.Nucleic Acids Res.1992 Sep.11;20(17):4559-65に記載されている。ヘアピンモチーフの例は、Hampel et al.(欧州特許公開第0360257号)、Hampel and Tritz,Biochemistry 1989 Jun.13;28(12):4929-33、Hampel et al.,Nucleic Acids Res.1990 Jan.25;18(2):299-304及び米国特許第5,631,359号に記載されている。δ型肝炎ウイルスモチーフの例は、Perrotta and Been,Biochemistry.1992 Dec.1;31(47):11843-52に記載されており、RNasePモチーフの例は、Guerrier-Takada et al.,Cell.1983 December;35(3 Pt 2):849-57に記載されており、Neurospora VS RNAリボザイムモチーフは、Collins(Saville and Collins,Cell.1990 May 18;61(4):685-96;Saville and Collins,Proc Natl Acad Sci USA.1991 Oct.1;88(19):8826-30;Collins and Olive,Biochemistry.1993 Mar.23;32(11):2795-9)に記載されており、I群イントロンの例は、米国特許第4,987,071号に記載されている。使用される酵素的核酸分子の重要な特徴は、それらが標的遺伝子DNA又はRNA領域の1つ以上に相補的である特異的基質結合部位を有すること、及びそれらが分子にRNA切断活性を付与する基質結合部位内又はその周囲のヌクレオチド配列を有することである。したがって、リボザイム構築物は、本明細書で言及される特定のモチーフに限定される必要はない。
【0450】
任意のポリヌクレオチド配列を標的とするリボザイムを産生する方法は、当該分野で公知である。リボザイムは、国際公開第93/23569号及び国際公開第94/02595号(各々は参照により本明細書に具体的に組み込まれる)に記載されているように設計することができ、それらに記載されているように、インビトロ及びインビボで試験されるように合成することができる。
【0451】
リボザイム活性は、リボザイム結合アームの長さを変更することによって、又は血清リボヌクレアーゼによるそれらの分解を防止する修飾を有するリボザイムを化学的に合成すること(例えば、国際公開第92/07065号、国際公開第93/15187号、及び国際公開第91/03162号、欧州特許出願第92110298.4号、米国特許第5334711号、及び国際公開第94/13688号を参照されたい(これらは酵素的RNA分子の糖部分に加えることができる様々な化学修飾について記載している))、細胞内での効力を高める修飾、及びRNA合成時間を短縮し、必要な化学物質を減らすための、ステムII塩基の除去によって最適化することができる。
【0452】
免疫刺激性オリゴヌクレオチド:脂質粒子と会合した核酸は、哺乳動物又は他の患者であり得る対象に投与された場合に免疫応答を誘導することができる免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS、一本鎖又は二本鎖)など、免疫刺激性であってもよい。ISSは、例えば、ヘアピン二次構造をもたらす特定のパリンドローム(Yamamoto S.,et al.(1992)J.Immunol.148:4072-4076(その全体が参照により組み込まれる)を参照されたい)、又はCpGモチーフ、並びに他の公知のISS特徴(例えば、マルチGドメイン、国際公開第96/11266号(その全体が参照により組み込まれる)を参照されたい)を含む。
【0453】
免疫応答は、自然免疫応答又は適応免疫応答であり得る。免疫系は、脊椎動物のより自然な免疫系と獲得適応免疫系とに分けられ、獲得適応免疫系は、更に体液性細胞成分に分けられる。いくつかの実施形態では、免疫応答は、粘膜性であり得る。
【0454】
いくつかの実施形態では、免疫刺激性核酸は、脂質粒子と組み合わせて投与される場合にのみ免疫刺激性であり、その「遊離形態」で投与される場合には免疫刺激性ではない。そのようなオリゴヌクレオチドは、免疫刺激性であるとみなされる。
【0455】
免疫刺激性核酸は、免疫応答を誘発するために標的ポリヌクレオチドに特異的に結合し、その発現を減少させることが要件とされない場合、非配列特異的であるとみなされる。したがって、特定の免疫刺激性核酸は、天然に存在する遺伝子又はmRNAの領域に対応する配列を含み得るが、それらはなお、非配列特異的免疫刺激核酸とみなされ得る。
【0456】
いくつかの実施形態では、免疫刺激性核酸又はオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチド又はCpGジヌクレオチドは、メチル化されていなくてもメチル化されていてもよい。別の実施形態では、免疫刺激性核酸は、メチル化シトシンを有する少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、単一のCpGジヌクレオチドを含み、当該CpGジヌクレオチド中のシトシンは、メチル化されている。別の実施形態では、核酸は、少なくとも2つのCpGジヌクレオチドを含み、CpGジヌクレオチド中の少なくとも1つのシトシンは、メチル化されている。更なる実施形態では、配列中に存在するCpGジヌクレオチド中の各シトシンは、メチル化されている。別の実施形態では、核酸は、複数のCpGジヌクレオチドを含み、当該CpGジヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、メチル化シトシンを含む。
【0457】
リンカー単位と、核酸剤と、リガンドとの間の結合
いくつかの実施形態では、リンカー単位と核酸剤との間の結合は、結合である。
【0458】
いくつかの実施形態では、リンカー単位と核酸剤との間の結合は、部分(例えば、切断可能基を含む部分)である。
【0459】
いくつかの実施形態では、リンカー単位とリガンドとの間の結合は、結合である。
【0460】
いくつかの実施形態では、リンカー単位とリガンドとの間の結合は、部分(例えば、切断可能基を含む部分)である。
【0461】
いくつかの実施形態では、リンカー単位とリガンドとの間の結合は、リンカー単位に接続された-C(=O)-を含む。
【0462】
この基は、切断可能であっても非切断可能であってもよい。好適な基としては、例えば、-NR-、-C(=O)-、-C(=O)NH-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NH、又は限定されないが、アルキレン、アルケニレンアルキニレンアリールアルキレンアリールアルケニレンアリールアルキニレンヘテロアリールアルキレンヘテロアリールアルケニレンヘテロアリールアルキニレンヘテロシクリルアルキレンヘテロシクリルアルケニレンヘテロシクリルアルキニレンアリーレンヘテロアリーレンヘテロシクリレンシクロアルキレンシクロアルケニレンアルキルアリールアルキレンアルキルアリールアルケニレンアルキルアリールアルキニレンアルケニルアリールアルキレンアルケニルアリールアルケニレンアルケニルアリールアルキニレンアルキニルアリールアルキレンアルキニルアリールアルケニレンアルキニルアリールアルキニレンアルキルヘテロアリールアルキレンアルキルヘテロアリールアルケニレンアルキルヘテロアリールアルキニレンアルケニルヘテロアリールアルキレンアルケニルヘテロアリールアルケニレンアルケニルヘテロアリールアルキニレンアルキニルヘテロアリールアルキレンアルキニルヘテロアリールアルケニレンアルキニルヘテロアリールアルキニレンアルキルヘテロシクリルアルキレンアルキルヘテロシクリルアルケニレンアルキルヘテロシクリルアルキニレンアルケニルヘテロシクリルアルキレンアルケニルヘテロシクリルアルケニレンアルケニルヘテロシクリルアルキニレンアルキニルヘテロシクリルアルキレンアルキニルヘテロシクリルアルケニレンアルキニルヘテロシクリルアルキニレンアルキルアリーレンアルケニルアリーレンアルキニルアリーレンアルキルヘテロアリーレンアルケニルヘテロアリーレンアルキニルヘロアリーレンなどの原子の鎖が挙げられ、これらの各々は、置換又は置換されていなくてもよく、1つ以上のメチレンは、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-NR-、-C(=O)-、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、又は置換若しくは非置換複素環によって中断又は終端されていてもよく、Rは、水素、アシル、脂肪族又は置換脂肪族である。
【0463】
切断可能基は、細胞外では十分に安定であるが、標的細胞に入ると切断されて、基が一緒に保持している2つの部分を放出する基である。好ましい実施形態では、切断可能基は、標的細胞中で、又は対象の血液中よりも、第1の参照条件(例えば、細胞内条件を再現又は代表するように選択され得る)下で、若しくは第2の参照条件(例えば、血液又は血清中で見出される条件を再現又は代表するように選択され得る)下で、少なくとも10倍以上、好ましくは少なくとも100倍速く切断される。
【0464】
切断可能基は、切断剤(例えば、pH、酸化還元レドックス電位又は分解性分子の存在)に対して感受性である。概して、切断剤は、血清又は血液中よりも細胞内でより優勢であるか、又はより高いレベル若しくは活性で見出される。そのような分解剤の例としては、以下が挙げられる:特定の基質に対して選択されるか、又は基質特異性を有していないレドックス剤(例えば、細胞内に存在する酸化酵素若しくは還元酵素又はメルカプタンなどの還元剤で、還元によってレドックス切断可能基を分解することできる)、エステラーゼ;エンドソーム又は酸性環境を作り出すことができる剤、例えば、5以下のpHをもたらすもの、一般酸、ペプチダーゼ(基質特異的であり得る)、ホスファターゼとして作用することにより、酸切断可能基を加水分解又は分解することができる酵素。
【0465】
切断可能基、例えば、ジスルフィド結合は、pHに感受性であり得る。ヒト血清のpHは、7.4であるが、平均細胞内pHは、わずかに低く、約7.1~7.3の範囲である。エンドソームは、5.5~6.0の範囲のより酸性のpHを有し、リソソームは、約5.0の更により酸性のpHを有する。いくつかのリンカーは、好ましいpHで切断される切断可能基を有し、それによって細胞内のリガンドから、又は細胞の所望の区画内にカチオン性脂質を放出する。
【0466】
コンジュゲートは、特定の酵素によって切断可能な切断可能基を含むことができる。コンジュゲートに組み込まれる切断可能基のタイプは、標的化されるべき細胞に応じて異なり得る。例えば、肝臓標的化リガンドは、エステル基を含む化学部分を介してカチオン性脂質に結合され得る。肝細胞は、エステラーゼが豊富であり、したがって、この基は、エステラーゼが豊富でない細胞型よりも肝細胞においてより効率的に切断される。エステラーゼが豊富な他の細胞型としては、肺、腎皮質、及び精巣の細胞が挙げられる。
【0467】
ペプチド結合を含有するカップリング基は、肝細胞及び滑膜細胞などのペプチダーゼが豊富な細胞型を標的とする場合に使用することができる。
【0468】
概して、候補切断可能基の好適性は、候補基を切断する分解剤の能力(又は条件)を試験することによって評価することができる。血液中で、又は他の非標的組織と接触した場合に切断に抵抗する能力について、候補切断可能基を試験することもまた望ましい。したがって、第1の条件と第2の条件との間の切断に対する相対的な感受性を決定し得、第1の条件は、標的細胞における切断を示すように選択され、第2の条件は、他の組織又は生物学的流体、例えば、血液又は血清における切断を示すように選択される。評価は、無細胞系において、細胞において、細胞培養において、器官若しくは組織培養において、又は動物全体において行うことができる。最初の評価を無細胞又は培養条件で行い、動物全体における更なる評価によって確認することが有用であり得る。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液又は血清(又は細胞外条件を再現するように選択されたインビトロ条件下)と比較して、細胞(又は細胞内条件を再現するように選択されたインビトロ条件下)において少なくとも2、4、10又は100倍速く切断される。
【0469】
レドックス切断可能基。切断可能基の1つのクラスは、還元又は酸化の際に切断されるレドックス切断可能基である。還元的切断可能基の例は、ジスルフィド連結基(-S-S-)である。候補切断可能基が好適な「還元的切断可能連結基」であるか、又は例えば、特定のiRNA部分及び特定の標的化剤で使用するのに好適であるかを決定するために、本明細書に記載される方法を検討することができる。例えば、候補は、細胞、例えば、標的細胞において観察される切断速度を再現する当該分野で公知の試薬を使用して、ジチオスレイトール(DTT)又は他の還元剤とのインキュベーションによって評価することができる。候補はまた、血液又は血清条件を再現するように選択される条件下で評価することができる。好ましい実施形態では、候補化合物は、血液中で多くとも10%切断される。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液(又は細胞外条件を再現するように選択されたインビトロ条件下)と比較して、細胞(又は細胞内条件を再現するように選択されたインビトロ条件下)において少なくとも2、4、10又は100倍速く分解される。候補化合物の切断速度は、細胞内媒体を再現するように選択された条件下で標準的な酵素動態アッセイを使用して決定し、細胞外媒体を再現するように選択された条件と比較することができる。
【0470】
ホスフェートベースの切断可能基。ホスフェートベースの切断可能基は、ホスフェート基を分解又は加水分解する剤によって切断される。細胞内のホスフェート基(リン酸基)を切断する剤の例は、細胞内のホスファターゼなどの酵素である。いくつかの実施形態では、ホスフェートベースの連結基は、-O-P(=O)(ORk)-O-、-O-P(=S)(ORk)-O-、-O-P(=S)(SRk)-O-、-S-P(=O)(ORk)-O-、-O-P(=O)(ORk)-S-、-S-P(=O)(ORk)-S-、-O-P(=S)(ORk)-s-、-S-P(=S)(ORk)-O-、-O-P(=O)(Rk)-O-、-O-P(=S)(Rk)-O-、-S-P(=O)(Rk)-O-、-S-P(=S)(Rk)-O-、-S-P(=O)(Rk)-S-、又は-O-P(=S)(Rk)-S-である。いくつかの実施形態では、ホスフェートベースの連結基は、-O-P(=O)(OH)-O-、-O-P(=S)(OH)-O-、-O-P(=S)(SH)-O-、-S-P(=O)(OH)-O-、-O-P(=O)(OH)-S-、-S-P(=O)(OH)-S-、-O-P(=S)(OH)-S-、-S-P(=S)(OH)-O-、-O-P(=O)(H)-O-、-O-P(=S)(H)-O-、-S-P(=O)(H)-O-、-S-P(=S)(H)-O-、-S-P(=O)(H)-S-、又は-O-P(=S)(H)-S-である。いくつかの実施形態では、ホスフェートベースの連結基は、-O-P(=O)(OH)-O-である。
【0471】
酸切断可能基。酸切断可能基は、酸性条件下で切断される連結基である。好ましい実施形態では、酸切断可能基は、約6.5以下(例えば、約6.0、5.5、5.0以下)のpHを有する酸性環境において、又は一般酸として作用し得る酵素などの剤によって切断される。細胞において、エンドソーム及びリソソームなどの特定の低pHオルガネラは、酸切断可能連結基のための切断環境を提供することができる。酸切断可能基の例としては、ヒドラゾン、エステル、及びアミノ酸のエステルが挙げられるが、これらに限定されない。酸切断可能基は、一般式-C=NN-、C(O)O、又は-OC(O)を有することができる。好ましい実施形態は、エステル(アルコキシ基)の酸素に結合した炭素が、アリール基、置換アルキル基、又はジメチルペンチル若しくはt-ブチルなどの第三級アルキル基である場合である。これらの候補は、上記の方法と類似の方法を使用して評価することができる。
【0472】
エステルベースの切断可能基。エステルベースの切断可能基は、細胞中のエステラーゼ及びアミダーゼなどの酵素によって切断される。エステルベースの切断可能基の例としては、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレン基のエステルが挙げられるが、これらに限定されない。エステル切断可能連結基は、一般式-C(O)O-又は-OC(O)-を有する。これらの候補は、上記の方法と類似の方法を使用して評価することができる。
【0473】
ペプチドベースの切断可能基。ペプチドベースの切断可能基は、細胞中のペプチダーゼ及びプロテアーゼなどの酵素によって切断される。ペプチドベースの切断可能基は、アミノ酸間に形成されてオリゴペプチド(例えば、ジペプチド、トリペプチドなど)及びポリペプチドを生じるペプチド結合である。ペプチドベースの切断可能基は、アミド基(-C(O)NH-)を含まない。アミド基は、任意のアルキレン、アルケニレン又はアルキニレンの間で形成することができる。ペプチド結合は、アミノ酸間に形成されてペプチド及びタンパク質を生じる特定のタイプのアミド結合である。ペプチドベースの切断可能基は、概して、ペプチド及びタンパク質を生じるアミノ酸間に形成されるペプチド結合(すなわち、アミド結合)に限定され、アミド官能基全体を含むものではない。ペプチドベースの切断可能連結基は、一般式-NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)-を有し、式中、RA及びRBは、2つの隣接するアミノ酸のR基である。これらの候補は、上記の方法と類似の方法を使用して評価することができる。本明細書で使用される場合、「炭水化物」とは、少なくとも6個の炭素原子(これは、直鎖、分岐又は環状であり得る)を有し、各炭素原子に結合した酸素、窒素若しくは硫黄原子を有する1つ以上の単糖単位から本質的に構成される炭水化物である化合物、又は各々少なくとも6個の炭素原子(これは、直鎖、分岐又は環状であり得る)を有し、各炭素原子に結合した酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を有する1つ以上の単糖単位から構成される炭水化物部分を一部として有する化合物のいずれかを指す。代表的な炭水化物としては、糖(単糖、二糖、三糖及び約4~9個の単糖単位を含有するオリゴ糖)、並びにデンプン、グリコーゲン、セルロース及び多糖ガムなどの多糖が挙げられる。具体的な単糖としては、C5及び上記の(好ましくはC5~C8)糖が挙げられ、二糖及び三糖としては、2つ又は3つの単糖単位(好ましくはC5~C8)を有する糖が挙げられる。
【0474】
合成方法
いくつかの態様では、本開示は、本開示の化合物を調製する方法を提供する。
【0475】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される化合物を調製するための方法によって得ることができるか、又は得られる化合物を提供する。
【0476】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される化合物を調製するための方法において使用するのに適した、本明細書に記載される中間体を提供する。
【0477】
本開示の化合物は、当該分野で公知の任意の好適な技術によって調製することができる。これらの化合物の調製のための特定のプロセスは、付随する実施例において更に記載される。
【0478】
本明細書に記載される合成方法の説明において、及び出発物質を調製するために使用される任意の参照合成方法において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験期間及びワークアップ手順を含む全ての提案される反応条件は、当業者によって選択され得ることを理解されたい。
【0479】
分子の様々な部分に存在する官能基は、利用される試薬及び反応条件と適合性である必要があることが、有機合成の当業者によって理解される。
【0480】
本明細書で定義されるプロセスにおける本開示の化合物の合成中、又は特定の出発物質の合成中、特定の置換基を保護して、それらの望まない反応を防止することが望ましい場合があることが理解されるであろう。熟練した化学者は、そのような保護がいつ必要とされるか、及びそのような保護基がどのようにして適所に置かれ、後に除去され得るかを理解するであろう。保護基の例については、主題に関する多くの一般文書の1つ、例えば、‘Protective Groups in Organic Synthesis’by Theodora Green(publisher:John Wiley & Sons)を参照されたい。保護基は、問題の保護基の除去に適切であるとして文献に記載されているか又は熟練した化学者に知られている任意の好都合な方法によって除去することができ、そのような方法は、分子中の他の場所の基の妨害を最小限にして保護基の除去を行うように選択される。したがって、反応物が、例えば、アミノ、カルボキシ又はヒドロキシなどの基を含む場合、本明細書で言及される反応のいくつかにおいて、この基を保護することが望ましい場合がある。
【0481】
例として、アミノ又はアルキルアミノ基に適した保護基は、例えば、アシル基、例えば、アセチルなどのアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はt-ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、又はアロイル基、例えばベンゾイルである。ヒドロキシ基又はアルキルヒドロキシ基に好適な保護基は、例えば、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、β-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ジメトキシトリチル(DMT)、メトキシメチルエーテル(MOM)、メトキシトリチル(MMT)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、p-メトキシフェニルエーテル(PMP)、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、トリチル(トリフェニルメチル、Tr)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリ-イソ-プロピルシリルオキシメチル(TOM)、及びトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル)、メチルエーテル、又はエトキシエチルエーテル(EE)であり得る。1,2-ジオールに好適な保護基は、例えば、アセタールであり得る。1,3-ジオールに好適な保護基は、例えば、テトライソプロピルジシロキサニリデン(TIPDS)であり得る。
【0482】
上記保護基の脱保護条件は、保護基の選択によって必然的に変化する。したがって、例えば、アルカノイル又はアルコキシカルボニル基又はアロイル基などのアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムなどの好適な塩基による加水分解によって除去することができる。あるいは、tert-ブトキシカルボニル基などのアシル基は、例えば、塩酸、硫酸若しくはリン酸又はトリフルオロ酢酸などの好適な酸で処理することによって除去することができ、ベンジルオキシカルボニル基などのアリールメトキシカルボニル基は、例えば、炭素担持パラジウムなどの触媒上で水素化することによって、又はルイス酸、例えばホウ酸トリス(トリフルオロアセテート)で処理することによって除去することができる。第一級アミノ基に好適な代替の保護基は、例えば、フタロイル基であり、これは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミン、又はヒドラジンで処理することによって除去することができる。
【0483】
ヒドロキシ基に好適な保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルなどのアルカノイル基、アロイル基、例えばベンゾイル、又はアリールメチル基、例えばベンジルである。上記保護基の脱保護条件は、保護基の選択によって必然的に変化する。したがって、例えば、アルカノイルなどのアシル基又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又はアンモニアなどの好適な塩基による加水分解によって除去することができる。あるいは、ベンジル基などのアリールメチル基は、例えば、炭素担持パラジウムなどの触媒上での水素化によって除去することができる。
【0484】
カルボキシ基に好適な保護基は、例えば、エステル化基、例えば、水酸化ナトリウムなどの塩基による加水分解によって除去することができるメチル若しくはエチル基、又は例えば、酸、例えば、トリフルオロ酢酸などの有機酸による処理によって除去することができるtert-ブチル基、又は例えば、炭素担持パラジウムなどの触媒上での水素化によって除去することができるベンジル基である。
【0485】
好都合には、化合物の反応は、好ましくはそれぞれの反応条件下で不活性である好適な溶媒の存在下で行われる。好適な溶媒の例としては、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、又はキシレンなどの炭化水素;トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルム、又はジクロロメタンなどの塩素化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、又はtert-ブタノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、又はジオキサンなどのエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル又はエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)などのグリコールエーテル;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、又はブタノンなどのケトン;アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリジノン(NMP)などのアミド、アセトニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、ニトロメタン又はニトロベンゼンなどのニトロ化合物;酢酸エチル若しくは酢酸メチルなどのエステル、又は当該溶媒の混合物若しくは水との混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0486】
反応温度は、使用される反応ステップ及び条件に応じて、好適には約-100℃~300℃である。
【0487】
反応時間は、概ね、それぞれの化合物の反応性及びそれぞれの反応条件に応じて、数分の1分~数日の範囲である。好適な反応時間は、当該分野で公知の方法(例えば、反応モニタリング)によって容易に決定可能である。上記の反応温度に基づいて、好適な反応時間は概ね10分~48時間の範囲にある。
【0488】
更に、当分野における通常の技術と併せて、本明細書に記載される手順を利用することによって、本開示の更なる化合物を容易に調製することができる。当業者は、以下の調製手順の条件及びプロセスの公知のバリエーションが、これらの化合物を調製するために使用され得ることを容易に理解する。
【0489】
有機合成の当業者によって理解されるように、本開示の化合物は、様々な合成経路によって容易に入手可能であり、そのいくつかは、付随する実施例において例示される。当業者は、本開示の化合物を得るために、どの種類の試薬及び反応条件が使用されるべきか、並びにそれらが任意の特定の場合(必要な場合又は有用な場合はいつでも)にどのように適用及び適合されるべきかを容易に認識するであろう。更に、本開示の化合物のいくつかは、好適な条件下で本開示の他の化合物を反応させることによって、例えば、還元、酸化、付加又は置換反応のような標準的な合成方法を適用することによって、本開示の化合物又はその好適な前駆体分子中に存在する1つの特定の官能基を別のものに変換することによって、容易に合成することができ、これらの方法は、当業者に周知である。同様に、当業者は、必要な場合又は有用な場合はいつでも、合成保護(又は保護)基、好適な保護基を適用し、またそれらを導入及び除去するための方法は、化学合成の当業者に周知であり、より詳細には、例えば、P.G.M.Wuts,T.W.Greene,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」,4th edition(2006)(John Wiley & Sons)に記載されている。
【0490】
本出願の化合物の一般的な調製経路は、本明細書のスキーム1に記載されている。
【化51】
【0491】
生物学的アッセイ
上記の方法によって設計、選択、調製及び/又は最適化された化合物、足場又はコンジュゲートは、生成されると、化合物、足場又はコンジュゲートが生物学的活性を有するかどうかを決定するために、当業者に公知の様々なアッセイを使用して特徴付けることができる。例えば、化合物、足場、又はコンジュゲートは、それらが所望の活性、例えば、標的結合活性及び/又は特異性及び/又は安定性を有するかどうかを決定するために、以下に記載されるアッセイを含むがこれらに限定されない従来のアッセイによって特徴付けられ得る。
【0492】
更に、ハイスループットスクリーニングを使用して、そのようなアッセイを使用する分析を高速化することができる。結果として、当該分野で公知の技術を使用して、活性について本明細書に記載される分子を迅速にスクリーニングすることが可能であり得る。ハイスループットスクリーニングを実施するための全般的な方法論は、例えば、Devlin(1998)High Throughput Screening,Marcel Dekker、及び米国特許第5,763,263号に記載されている。ハイスループットアッセイは、以下に記載されるものを含むがこれらに限定されない1つ以上の異なるアッセイ技術を使用することができる。
【0493】
様々なインビトロ又はインビボ生物学的アッセイが、本開示の化合物、足場、又はコンジュゲートの効果を検出するのに好適であり得る。これらのインビトロ又はインビボ生物学的アッセイとしては、酵素活性アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存率アッセイ、及び本明細書に記載されるアッセイが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0494】
いくつかの実施形態では、生物学的アッセイは、本明細書の実施例に記載されている。
【0495】
医薬組成物
いくつかの態様では、本開示は、活性成分として本開示の化合物、足場、又はコンジュゲートを含む、医薬組成物を提供する。
【0496】
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、並びに特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図される。
【0497】
注射用途に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即席調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与の場合、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,NJ)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌である必要があり、容易に注射できる程度に流動的である必要がある。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定している必要があり、細菌及び真菌などの微生物の夾雑作用から保護する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって防止することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、及びソルビトールなどのポリアルコール、並びに塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含めることによってもたらすことができる。
【0498】
滅菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に適切な溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。概して、分散液は、塩基性分散媒及び上記に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥を含み、予め滅菌濾過された溶液から、活性成分及び任意の更なる所望の成分の粉末が得られる。
【0499】
本開示の製剤は、水性ビヒクルを含む水溶液の形態であってもよい。水性ビヒクル成分は、水及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含み得る。好適な許容される賦形剤としては、溶解促進剤、キレート剤、保存剤、等張化剤、粘度/懸濁化剤、緩衝液、及びpH調節剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0500】
任意の好適な溶解促進剤を使用することができる。溶解促進剤の例としては、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ランダムメチル化-β-シクロデキストリン、エチル化-β-シクロデキストリン、トリアセチル-β-シクロデキストリン、全アセチル化-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、硫酸化β-シクロデキストリン(S-β-CD)、マルトシル-β-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンスルホブチルエーテル、分岐-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ランダムメチル化-γ-シクロデキストリン、及びトリメチル-γ-シクロデキストリン、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるものなどのシクロデキストリンが挙げられる。
【0501】
任意の好適なキレート剤を使用することができる。好適なキレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸及びその金属塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、及びエデト酸四ナトリウム、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0502】
任意の好適な保存剤を使用することができる。保存剤の例としては、第四級アンモニウム塩、例えばハロゲン化ベンザルコニウム(好ましくは塩化ベンザルコニウム)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化ベンジル、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、ネオデカン酸フェニル水銀、メルチオレート、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、プロピルアミノプロピルビグアニド、及びp-ヒドロキシ安息香酸ブチル、及びソルビン酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0503】
水性ビヒクルはまた、張度(浸透圧)を調節するために等張化剤を含んでもよい。等張化剤は、グリコール(プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなど)、グリセロール、デキストロース、グリセリン、マンニトール、塩化カリウム、及び塩化ナトリウム、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0504】
製剤を許容pH(典型的には約5.0~約9.0、より好ましくは約5.5~約8.5、特に約6.0~約8.5、約7.0~約8.5、約7.2~約7.7、約7.1~約7.9、又は約7.5~約8.0のpH範囲)に調整するために、製剤は、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤は、典型的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び塩酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択される鉱酸又は金属水酸化物塩基であり、好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は塩酸である。これらの酸性及び/又は塩基性pH調節剤は、製剤を目標許容pH範囲に調整するために添加される。したがって、酸及び塩基の両方を使用する必要はない場合があり、製剤に応じて、酸又は塩基の一方を添加するだけで、十分に混合物を所望のpH範囲にすることができる。
【0505】
水性ビヒクルはまた、pHを安定化するために緩衝液を含有してもよい。使用される場合、緩衝液は、リン酸緩衝液(リン酸二水素ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウムなど)、ホウ酸緩衝液(ホウ酸、又は四ホウ酸二ナトリウムを含むその塩など)、クエン酸緩衝液(クエン酸、又はクエン酸ナトリウムを含むその塩など)、及びε-アミノカプロン酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0506】
本開示の更なる態様によれば、本明細書で定義される本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩、水和物若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に含む、医薬組成物が提供される。
【0507】
本開示の組成物は、経口使用(例えば、錠剤、トローチ、硬若しくは軟カプセル、水性若しくは油性懸濁液、エマルジョン、分散性粉末若しくは顆粒、シロップ又はエリキシルとして)、局所使用(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性溶液若しくは懸濁液として)、吸入による投与(例えば、微細粉末若しくは液体エアロゾルとして)、送気による投与(例えば、微細粉末として)又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、筋内、腹膜内若しくは筋肉内投与のための滅菌水性若しくは油性溶液として、又は直腸投与のための坐剤として)に適した形態であってもよい。
【0508】
本開示の組成物は、当該分野で周知の従来の医薬賦形剤を使用して従来の手順によって得ることができる。したがって、経口使用を意図した組成物は、例えば、1つ以上の着色剤、甘味剤、香味剤及び/又は保存剤を含有してもよい。
【0509】
療法における使用のための本開示の化合物の有効量は、本明細書で言及されるインフラマソーム関連状態を治療若しくは予防し、その進行を遅らせ、及び/又はその状態に関連する症状を低減するのに十分な量である。
【0510】
療法における使用のための本開示の化合物の有効量は、本明細書で言及されるインフラマソーム関連状態を治療し、その進行を遅らせ、及び/又はその状態に関連する症状を低減するのに十分な量である。
【0511】
式(I)又は(II)の化合物の治療又は予防目的のための用量の大きさは、当然ながら、よく知られている医学の原理に従って、状態の性質及び重症度、動物又は患者の年齢及び性別、並びに投与経路に従って変化する。
【0512】
使用方法
いくつかの態様では、本開示は、対象における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、低減又は排除する)方法であって、本開示のコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0513】
いくつかの態様では、本開示は、対象の細胞又は組織における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、低減又は排除する)方法であって、本開示のコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0514】
いくつかの態様では、本開示は、核酸剤を対象に送達する方法であって、本開示のコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0515】
いくつかの態様では、本開示は、疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療有効量の本開示のコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0516】
いくつかの態様では、本開示は、対象における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、低減又は排除する)ための、本開示のコンジュゲートを提供する。
【0517】
いくつかの態様では、本開示は、対象の細胞又は組織における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、低減又は排除する)ための、本開示のコンジュゲートを提供する。
【0518】
いくつかの態様では、本開示は、対象に核酸剤を送達するための、本開示のコンジュゲートを提供する。
【0519】
いくつかの態様では、本開示は、疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそのための、本開示のコンジュゲートを提供する。
【0520】
いくつかの態様では、本開示は、対象における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、低減又は排除する)ための医薬の製造における、本開示のコンジュゲートの使用を提供する。
【0521】
いくつかの態様では、本開示は、対象の細胞又は組織における標的遺伝子の発現を調節する(例えば、低減又は排除する)ための医薬の製造における、本開示のコンジュゲートの使用を提供する。
【0522】
いくつかの態様では、本開示は、核酸剤を対象に送達するための医薬の製造における、本開示のコンジュゲートの使用を提供する。
【0523】
いくつかの態様では、本開示は、疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそのための医薬の製造における、本開示のコンジュゲートの使用を提供する。
【0524】
いくつかの実施形態では、対象は、細胞である。
【0525】
いくつかの実施形態では、対象は、組織である。
【0526】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0527】
いくつかの実施形態では、標的遺伝子は、第VII因子、Eg5、PCSK9、TPX2、apoB、SAA、TTR、HBV、HCV、RSV、PDGFベータ遺伝子、Erb-B遺伝子、Src遺伝子、CRK遺伝子、GRB2遺伝子、RAS遺伝子、MEKK遺伝子、JNK遺伝子、RAF遺伝子、Erk1/2遺伝子、PCNA(p21)遺伝子、MYB遺伝子、JUN遺伝子、FOS遺伝子、BCL-2遺伝子、サイクリンD遺伝子、VEGF遺伝子、EGFR遺伝子、サイクリンA遺伝子、サイクリンE遺伝子、WNT-1遺伝子、ベータ-カテニン遺伝子、c-MET遺伝子、PKC遺伝子、NFKB遺伝子、STAT3遺伝子、サバイビン遺伝子、Her2/Neu遺伝子、トポイソメラーゼI遺伝子、トポイソメラーゼIIアルファ遺伝子、p73遺伝子、p21(WAF1/CIP1)遺伝子、p27(KIP1)遺伝子、PPM1D遺伝子、RAS遺伝子、カベオリンI遺伝子、MIB I遺伝子、MTAI遺伝子、M68遺伝子、腫瘍抑制遺伝子における変異、p53腫瘍抑制遺伝子、LDHA、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0528】
いくつかの実施形態では、疾患は、標的遺伝子の望まない発現によって特徴付けられる。
【0529】
いくつかの実施形態では、投与は、対象における標的遺伝子の発現の低減又は排除をもたらす。
【0530】
いくつかの実施形態では、疾患は、ウイルス感染、例えば、HCV、HBV、HPV、HSV又はHIV感染である。
【0531】
いくつかの実施形態では、疾患は、癌である。
【0532】
いくつかの実施形態では、癌は、胆道癌、膀胱癌、移行上皮癌、尿路上皮癌、脳癌、神経膠腫、星状細胞腫、乳癌、化生性癌、子宮頸癌、子宮頸扁平上皮癌、直腸癌、結腸直腸癌、結腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、結腸直腸腺癌、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮内膜癌、子宮内膜間質肉腫、食道癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌、眼メラノーマ、ブドウ膜メラノーマ、胆嚢癌、胆嚢腺癌、腎細胞癌、明細胞腎細胞癌、移行上皮癌、尿路上皮癌、ウイルムス腫瘍、白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性(CLL)、慢性骨髄性(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、肝臓癌、肝臓癌、肝癌、肝細胞癌、胆管癌、肝芽腫、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、中皮腫、B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫、多発性ミエローマ、鼻咽頭癌(NPC)、神経芽細胞種、中咽頭癌、口腔扁平上皮癌、骨肉種、卵巣癌、膵臓癌、膵管腺癌、偽乳頭新生物、腺房細胞癌である。前立腺癌(Prostate cancer)、前立腺癌(prostate adenocarcinoma)、皮膚癌、メラノーマ、悪性メラノーマ、皮膚メラノーマ、小腸癌、胃癌、胃癌、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮癌、又は子宮肉腫。
【0533】
いくつかの実施形態では、癌は、肝臓癌、肝臓癌、肝癌、肝細胞癌、胆管癌、又は肝芽腫である。
【0534】
いくつかの実施形態では、疾患は、増殖性、炎症性、自己免疫性、神経性、眼性、呼吸性、代謝性、皮膚、聴覚性、肝臓、腎臓、又は感染性疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は、肝臓の疾患である。
【0535】
定義
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される以下の用語は、以下に記載される以下の意味を有する。
【0536】
この記述によって限定されることを望むものではないが、可変要素に対する様々な選択肢が本明細書に記載されている一方、本開示は、選択肢の組み合わせを有する動作可能な実施形態を包含することを意図していることが理解される。本開示は、選択肢の特定の組み合わせによって引き起こされる動作不能な実施形態を除外するものとして解釈され得る。
【0537】
本明細書で使用される場合、「アルキル」、「C1、C2、C3、C4、C5又はC6アルキル」又は「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5又はC6直鎖(直鎖状)飽和脂肪族炭化水素基、及びC3、C4、C5又はC6分岐飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、C1~C6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5及びC6アルキル基を含むことが意図される。アルキルの例としては、1~6個の炭素原子を有する部分、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、又はn-ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは、6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC1~C6、分岐鎖についてはC3~C6)を有し、別の実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは、4個以下の炭素原子を有する。
【0538】
本明細書で使用される場合、用語「任意選択で置換されたアルキル」は、非置換アルキル、又は炭化水素骨格の1つ以上の炭素上の1つ以上の水素原子を置換する指定された置換基を有するアルキルを指す。そのような置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。
【0539】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、上記のアルキルと長さ及び可能な置換が類似しているが、少なくとも1つの二重結合を含有する不飽和脂肪族基を含む。例えば、用語「アルケニル」は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、及び分岐アルケニル基を含む。いくつかの実施形態では、直鎖又は分岐アルケニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC2~C6、分岐鎖についてはC3~C6)を有する。用語「C2~C6」は、2~6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。用語「C3~C6」は、3~6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。
【0540】
本明細書で使用される場合、用語「任意選択で置換されたアルケニル」は、非置換アルケニル、又は1つ以上の炭化水素骨格炭素原子上の1つ以上の水素原子を置換する指定された置換基を有するアルケニルを指す。そのような置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。
【0541】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、上記のアルキルと長さ及び可能な置換が類似しているが、少なくとも1つの三重結合を含有する不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、及び分岐アルキニル基を含む。いくつかの実施形態では、直鎖又は分岐アルキニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC2~C6、分岐鎖についてはC3~C6)を有する。用語「C2~C6」は、2~6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。用語「C3~C6」は、3~6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。本明細書で使用される場合、「C2~C6アルケニレンリンカー」又は「C2~C6アルキニレンリンカー」は、C2、C3、C4、C5又はC6鎖(直鎖又は分枝鎖)二価不飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、C2~C6アルケニレンリンカーは、C2、C3、C4、C5及びC6アルケニレンリンカー基を含むことが意図される。
【0542】
本明細書で使用される場合、用語「任意選択で置換されたアルキニル」は、非置換アルキニル、又は1つ以上の炭化水素骨格炭素原子上の1つ以上の水素原子を置換する指定された置換基を有するアルキニルを指す。そのような置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。
【0543】
他の任意選択で置換された部分(例えば、任意選択で置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール)は、非置換部分及び1つ以上の指定された置換基を有する部分の両方を含む。例えば、置換ヘテロシクロアルキルは、2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジニル及び2,2,6,6-テトラメチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジニルなどの1つ以上のアルキル基で置換されたものを含む。
【0544】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、3~30個の炭素原子を有する(例えば、C3~C12、C3~C10、又はC3~C8)飽和又は部分不飽和炭化水素単環式又は多環式(例えば、縮合、架橋、又はスピロ環)系を指す。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。多環式シクロアルキルの場合、シクロアルキル中の環の1つだけは非芳香族である必要がある。
【0545】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、別段の指定がない限り、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1個以上のヘテロ原子(O、N、S、P、又はSeなど)、例えば、1若しくは1~2若しくは1~3若しくは1~4若しくは1~5若しくは1~6個のヘテロ原子、又は例えば1、2、3、4、5、若しくは6個のヘテロ原子を有する、飽和若しくは部分不飽和の3~8員単環式、7~12員二環式(縮合、架橋、又はスピロ環)、又は11~14員三環式環系(縮合、架橋、又はスピロ環)を指す。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニル、1,4-ジアゼパニル、1,4-オキサゼパニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカニル、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカニル、1-オキサスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカニル、3’H-スピロ[シクロヘキサン-1,1’-イソベンゾフラン]-イル、7’H-スピロ[シクロヘキサン-1,5’-フロ[3,4-b]ピリジン]-イル、3’H-スピロ[シクロヘキサン-1,1’-フロ[3,4-c]ピリジン]-イル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾリル、3,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-メチル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-メチル-2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-アザスピロ[4.5]デカニル、2-メチル-2-アザスピロ[4.5]デカニル、2-オキサ-アザスピロ[3.4]オクタニル、2-オキサ-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。多環式ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロシクロアルキル中の環の1つだけは非芳香族(例えば、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[c]イソオキサゾリル)である必要がある。
【0546】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、1つ以上の芳香環を有し、環構造中にヘテロ原子を全く含有しない「共役」又は多環系を含む、芳香族性を有する基を含む。アリールという用語は、一価種及び二価種の両方を含む。アリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。好都合には、アリールは、フェニルである。
【0547】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1個以上のヘテロ原子、例えば、1若しくは1~2若しくは1~3若しくは1~4若しくは1~5若しくは1~6個のヘテロ原子、又は例えば1、2、3、4、5、若しくは6個のヘテロ原子からなる安定な5、6若しくは7員の単環式又は7、8、9、10、11若しくは12員の二環式芳香族複素環を含むことが意図される。窒素原子は置換されていても非置換であってもよい(すなわち、N又はNRであり、式中、Rは、H又は定義された他の置換基である)。窒素及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化されていてもよい(すなわち,N→O及びS(O)p式であり、式中、p=1又は2である)。芳香族複素環中のS及びO原子の総数は1以下であることに留意すべきである。ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンなどが挙げられる。ヘテロアリール基はまた、多環式系(例えば、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[c]イソオキサゾリル)を形成するように、芳香族ではない脂環式又は複素環式環と縮合又は架橋することもできる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、チオフェニル又はベンゾチオフェニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、チオフェニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ベンゾチオフェニルである。
【0548】
更に、用語「アリール」及び「ヘテロアリール」は、多環式アリール及びヘテロアリール基、例えば、三環式、二環式、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、インドリジンを含む。
【0549】
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール環は、1つ以上の環位置(例えば、環形成炭素又はNなどのヘテロ原子)において、上記のような置換基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分で置換することができる。アリール及びヘテロアリール基は、多環式系(例えば、テトラリン、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルなどのメチレンジオキシフェニル)を形成するように、芳香族ではない脂環式又は複素環式環と縮合又は架橋することもできる。
【0550】
本明細書で使用される場合、用語「置換された」は、指定された原子上の任意の1つ以上の水素原子が、示された基から選択されたもので置き換えられることを意味し、但し、指定された原子の通常の価数を超えず、置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。置換基がオキソ又はケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素原子が置き換えられる。ケト置換基は、芳香族部分には存在しない。環二重結合は、本明細書で使用される場合、2つの隣接する環原子の間に形成される二重結合である(例えば、C=C、C=N又はN=N)。「安定な化合物」及び「安定な構造」は、反応混合物からの有用な程度の純度への単離、及び有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分にロバストである化合物を示すことを意味する。
【0551】
置換基への結合が、環内の2つの原子を接続する結合と交差するように示されている場合、そのような置換基は、環内の任意の原子に結合していてもよい。置換基が、そのような置換基が所与の式の化合物の残部に結合している原子を示すことなく列挙されている場合、そのような置換基は、そのような式中の任意の原子を介して結合していてもよい。置換基及び/又は可変要素の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0552】
任意の可変要素(例えば、R)が、化合物の任意の構成要素又は式において2回以上出現する場合、各出現におけるその定義は、他の全ての出現におけるその定義から独立している。したがって、例えば、ある基が0~2個のR部分で置換されたことが示されている場合、その基は、最大2個のR部分で任意選択で置換されていてもよく、各出現におけるRは、Rの定義から独立して選択される。また、置換基及び/又は可変要素の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合のみにのみ許容される。
【0553】
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、-OH又は-O-を有する基を含む。
【0554】
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。
【0555】
用語「ハロアルキル」又は「ハロアルコキシル」は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル又はアルコキシルを指す。
【0556】
本明細書で使用される場合、用語「任意選択で置換されたハロアルキル」は、1つ以上の炭化水素骨格炭素原子上の1つ以上の水素原子を置換する指定された置換基を有する非置換ハロアルキルを指す。そのような置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。
【0557】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」又は「アルコキシル」は、酸素原子に共有結合した置換及び非置換アルキル、アルケニル及びアルキニル基を含む。アルコキシ基又はアルコキシルラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ及びペントキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。置換アルコキシ基の例としては、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分などの基で置換されていてもよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ及びトリクロロメトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0558】
本明細書で使用される場合、表現「A、B、又はCのうちの1つ以上」、「1つ以上のA、B、又はC」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、「1つ以上のA、B、及びC」、「A、B、及びCからなる群から選択される」、「A、B、及びCから選択される」などは、互換的に使用され、全て、別段の指示がない限り、A、B、及び/又はCからなる群からの選択、すなわち、1つ以上のA、1つ以上のB、1つ以上のC、又はそれらの任意の組み合わせを指す。
【0559】
本開示は、本明細書に記載される化合物、足場、及びコンジュゲートの合成のための方法を提供することを理解されたい。本開示はまた、本明細書のスキーム並びに実施例に示されるスキームに従って、様々な開示される化合物、足場、及びコンジュゲートを合成するための詳細な方法を提供する。
【0560】
説明全体を通して、組成物が特定の成分を有する、含む、又は備えると記載されている場合、組成物はまた、列挙された成分から本質的になる、又は列挙された成分からなることが企図されることを理解されたい。同様に、方法又はプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含む、又は備えると記載されている場合、プロセスはまた、列挙されたプロセスステップから本質的になる、又は列挙されたプロセスステップからなる。更に、ステップの順序、特定の動作を実行する順序は、本発明が動作可能なままである限り重要ではないことを理解されたい。更に、2つ以上のステップ又は動作を同時に行うことができる。
【0561】
本開示の合成プロセスは、多種多様な官能基を許容することができ、したがって、様々な置換された出発物質を使用することができることを理解されたい。これらのプロセスは、概して、プロセス全体の終了時又は終了近くで所望の最終化合物を提供するが、特定の場合では、化合物をその薬学的に許容される塩に更に変換することが望ましい場合がある。
【0562】
本開示の化合物、足場、及びコンジュゲートは、市販の出発物質、文献で知られている化合物を使用して、又は容易に調製される中間体から、当業者に知られているか、又は本明細書の教示に照らして当業者に明らかである標準的な合成方法及び手順を用いることによって、様々な方法で調製することができることを理解されたい。有機分子の調製並びに官能基変換及び操作のための標準的な合成方法及び手順は、関連する科学文献から、又は当該分野における標準的な教科書から得ることができる。任意の1つ又はいくつかのソースに限定されないが、本明細書に参照により組み込まれる、Smith,M.B.,March,J.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition,John Wiley & Sons:New York,2001;Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons:New York,1999;R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents forganic Synthesis,John Wiley and Sons(1994)、及びL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents forganic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)などの代表的なテキストは、当業者に公知の有機合成の有用かつ認められた参考教科書である。
【0563】
当業者は、本明細書に記載される反応順序及び合成スキーム中、保護基の導入及び除去などの特定のステップの順序が変更され得ることに留意するであろう。当業者は、特定の基が、保護基の使用による反応条件からの保護を必要とし得ることを認識するであろう。保護基はまた、分子中の類似の官能基を区別するために使用され得る。保護基のリスト並びにこれらの基を導入及び除去する方法は、Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons:New York,1999に見出すことができる。
【0564】
特に明記しない限り、治療又は予防方法の任意の記載は、本明細書に記載されるような治療又は予防を提供するための、化合物、足場、及びコンジュゲートの使用を含むことを理解されたい。特に明記しない限り、治療又は予防方法の任意の記載は、そのような状態を治療又は予防するための医薬を調製するための、化合物、足場、及びコンジュゲートの使用を含むことを更に理解されたい。治療又は予防には、ヒト又はげっ歯類を含む非ヒト動物及び他の疾患モデルの治療又は予防が含まれる。
【0565】
特に明記しない限り、治療方法の任意の記載は、本明細書に記載されるような治療を提供するための、化合物、足場、及びコンジュゲートの使用を含むことを理解されたい。特に明記しない限り、治療方法の任意の記載は、そのような状態を治療するための医薬を調製するための、化合物、足場、及びコンジュゲートの使用を含むことを更に理解されたい。治療には、ヒト又はげっ歯類を含む非ヒト動物及び他の疾患モデルの治療が含まれる。
【0566】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、用語「それを必要とする対象」と互換であり、その両方は、疾患を有するか、又は疾患を発症するリスクが高い対象を指す。「対象」は、哺乳動物を含む。哺乳動物は、例えば、ヒト又は適切な非ヒト哺乳動物、例えば霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、又はブタであり得る。対象は、鳥又は家禽であってもよい。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害を有すると以前に診断又は特定された対象であり得る。必要とする対象はまた、本明細書に開示される疾患又は障害に罹患している対象であり得る。あるいは、必要とする対象は、集団全体と比較してそのような疾患又は障害を発症するリスクが高い対象(すなわち、集団全体と比較してそのような障害を発症しやすい対象)であり得る。必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害(すなわち、治療に応答しないか、又はまだ応答していない本明細書に開示される疾患又は障害)に不応性又は抵抗性を有し得る。対象は、治療の開始時に抵抗性であってもよく、又は治療中に抵抗性になってもよい。いくつかの実施形態では、必要とする対象は、本明細書に開示される疾患又は障害のための全ての既知の有効な療法を受け、失敗した。いくつかの実施形態では、必要とする対象は、少なくとも1つの先行する治療を受けた。
【0567】
本明細書で使用される場合、用語「治療すること」又は「治療する」は、疾患、状態、若しくは障害と闘う目的のための患者の管理及びケアを説明し、疾患、状態、若しくは障害の症状若しくは合併症を緩和するため、又は疾患、状態、若しくは障害を排除するための、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩、多形体、若しくは溶媒和物の投与を含む。「治療する」という用語はまた、インビトロでの細胞又は動物モデルの治療を含むことができる。「治療する」又は「治療」への言及は、状態の確立された症状の緩和を含むことを理解されたい。したがって、状態、障害、若しくは状態を「治療すること」又は、状態、障害、若しくは状態の「治療」は、(1)状態、障害、若しくは状態に罹患しているか若しくは罹患しやすい可能性があるが、状態、障害、若しくは状態の臨床的若しくは臨床前症状をまだ経ていない若しくは示していないヒトにおいて発症する状態、障害、若しくは状態の臨床症状の出現を予防又は遅延させること、(2)状態、障害、若しくは状態を阻害すること、すなわち、疾患の発症若しくはその再発(維持治療の場合)、又はその少なくとも1つの臨床的若しくは臨床前症状を停止、低減、若しくは遅延させること、又は(3)疾患を軽減若しくは減弱させること、すなわち、状態、障害、若しくは状態、又はその少なくとも1つの臨床的若しくは臨床前症状の退行を引き起こすことを含む。
【0568】
本開示の化合物、足場、及びコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩、多形体若しくは溶媒和物はまた、関連する疾患、状態、若しくは障害を予防するために使用され得るか、又はそのような目的のための好適な候補を特定するために使用され得ることを理解されたい。
【0569】
本明細書で使用される場合、用語「予防すること」、「予防する」又は「から保護すること」は、そのような疾患、状態、又は障害の症状又は合併症の発症を低減又は排除することを説明する。
【0570】
本開示はまた、本明細書に記載の任意の化合物、足場、又はコンジュゲートを、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物を提供することを理解されたい。
【0571】
本明細書で使用される場合、用語「医薬組成物」は、対象への投与に適した形態で、本開示の化合物、足場、又はコンジュゲートを含有する製剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、バルク又は単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、又はバイアルを含む様々な形態のいずれかである。組成物の単位用量中の活性成分(例えば、開示される化合物又はその塩、水和物、溶媒和物若しくは異性体の製剤)の量は、有効量であり、関与する特定の治療に従って変動する。当業者であれば、患者の年齢及び状態に応じて投薬量を日常的に変更することが必要な場合があることを理解するであろう。投薬量は、投与経路にも応じて異なる。経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、頬側、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻腔内などを含む様々な経路が企図される。本開示の化合物の局所又は経皮投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び必要とされる任意の保存剤、緩衝液、又は噴霧剤と混合される。
【0572】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合っている、化合物、足場、コンジュゲート、アニオン、カチオン、材料、組成物、担体、及び/又は剤形を指す。
【0573】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される賦形剤」とは、全般的に安全であり、非毒性であり、そして生物学的にも他の点でも望ましくないものではない、医薬組成物を調製する際に有用である賦形剤を意味し、そして獣医学的使用及びヒト薬学的使用のために許容される賦形剤を含む。本明細書及び特許請求の範囲で使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、1つの賦形剤及び2つ以上のそのような賦形剤の両方を含む。
【0574】
本開示の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように製剤化されることを理解されたい。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、摂取)、吸入、経皮(局所)、及び経粘膜投与が挙げられる。非経口、皮内、又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分:滅菌希釈剤、例えば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩、並びに等張性調整剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロースを含むことができる。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非経口調製物は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ又は複数回投与バイアルに封入することができる。
【0575】
本開示の化合物又は医薬組成物は、化学療法治療のために現在使用されている周知の方法の多くにおいて対象に投与することができることを理解されたい。例えば、本開示の化合物は、血流若しくは体腔に注射され得るか、又は経口的に摂取され得るか、又はパッチを用いて皮膚を通して適用され得る。選択される用量は、有効な治療を構成するのに十分である必要があるが、許容できない副作用を引き起こすほど高くない必要がある。疾患状態(例えば、本明細書に開示される疾患又は障害)の状態及び患者の健康状態は、好ましくは、治療中及び治療後の妥当な期間にわたって綿密にモニタリングされるべきである。
【0576】
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、特定された疾患若しくは状態を治療、改善若しくは予防するための、又は検出可能な治療効果若しくは阻害効果を示すための薬剤の量を指す。効果は、当技術分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出することができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、サイズ、及び健康状態、状態の性質及び程度、並びに投与のために選択される治療剤又は治療剤の組み合わせに応じて異なる。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技術及び判断の範囲内である日常的な実験によって決定することができる。
【0577】
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、特定された疾患若しくは状態を治療若しくは改善するための、又は検出可能な治療効果若しくは阻害効果を示すための薬剤の量を指す。効果は、当技術分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出することができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、サイズ、及び健康状態、状態の性質及び程度、並びに投与のために選択される治療剤又は治療剤の組み合わせに応じて異なる。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技術及び判断の範囲内である日常的な実験によって決定することができる。
【0578】
任意の化合物について、治療有効量は、例えば、新生物細胞の細胞培養アッセイにおいて、又は動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ、若しくはブタにおいて最初に推定することができることを理解されたい。動物モデルはまた、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するために使用され得る。次いで、そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量及び投与経路を決定することができる。治療/予防効力及び毒性は、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順によって、例えば、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)、及びLD50(集団の50%に対して致死的な用量)によって決定され得る。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が好ましい。投薬量は、使用される剤形、患者の感受性、及び投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。
【0579】
投薬量及び投与は、十分なレベルの活性薬剤を提供するように、又は所望の効果を維持するように調整される。考慮され得る因子としては、疾患状態の重症度、対象の全身的な健康状態、対象の年齢、体重、及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わせ、反応感受性、並びに治療に対する忍容性/応答が挙げられる。長時間作用型医薬組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス速度に応じて、3~4日毎、毎週、又は2週間に1回投与することができる。
【0580】
本開示の活性化合物を含有する医薬組成物は、概ね公知の様式で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、薬学的に使用され得る調製物への活性化合物の加工を容易にする、賦形剤及び/又は補助剤を含む1つ以上の薬学的に許容される担体を使用して、従来の様式で製剤化され得る。当然ながら、適切な製剤は、選択される投与経路に応じて異なる。
【0581】
注射用途に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即席調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与の場合、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌である必要があり、容易に注射できる程度に流動的である必要がある。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定している必要があり、細菌及び真菌などの微生物の夾雑作用から保護する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって防止することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、及びソルビトールなどのポリアルコール、並びに塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含めることによってもたらすことができる。
【0582】
滅菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に適切な溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。概して、分散液は、塩基性分散媒及び上記に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥を含み、予め滅菌濾過された溶液から、活性成分及び任意の更なる所望の成分の粉末が得られる。
【0583】
経口組成物は、概して、不活性希釈剤又は食用の薬学的に許容される担体を含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入するか、又は錠剤に圧縮することができる。経口治療投与の目的のために、活性化合物は、賦形剤と共に組み込むことができ、錠剤、トローチ、又はカプセルの形態で使用することができる。経口組成物はまた、うがい薬として使用するための流体担体を使用して調製され得、流体担体中の化合物は、経口的に適用され、うがいされ、吐き出されるか、又は飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、及び/又は補助材料は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分又は同様の性質の化合物:微結晶セルロース、トラガカントゴム、又はゼラチンなどの結合剤;デンプン又はラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel、又はコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はSterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、サリチル酸メチル、若しくはオレンジ香味剤などの香味剤;のうちのいずれかを含有することができる。
【0584】
吸入による投与のために、化合物は、好適な噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを入れた加圧容器若しくはディスペンサ、又はネブライザからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0585】
鼻腔内投与のために、化合物は、溶液又は固体製剤で送達される。いくつかの実施形態では、化合物は、ミスト、点滴、又はスワブとして溶液で送達される。いくつかの実施形態では、化合物は、粉末として送達される。いくつかの実施形態では、化合物は、鼻腔内アプリケーターを更に含むキットに含まれる。
【0586】
全身投与は、経粘膜又は経皮手段によるものであってもよい。経粘膜又は経皮投与の場合、浸透されるバリアに適切な浸透剤が製剤に使用される。このような浸透剤は、当該分野で概ね公知であり、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー又は坐剤の使用によって達成することができる。経皮投与のために、活性化合物は、当該分野で概ね公知であるように、軟膏、膏薬、ゲル、又はクリームに製剤化される。
【0587】
活性化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などの、身体からの急速な排除から化合物を保護する薬学的に許容される担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。材料はまた、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に得ることができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染細胞に標的化されたリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されているように、当業者に公知の方法に従って調製することができる。
【0588】
投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、経口又は非経口組成物を単位剤形で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される単位剤形は、治療される対象のための単位用量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の単位剤形の仕様は、活性化合物の固有の特徴及び達成されるべき特定の治療効果によって決定され、それらに直接応じて異なる。
【0589】
治療用途において、本開示に従って使用される医薬組成物の投薬量は、選択された投薬量に影響を及ぼす因子の中でもとりわけ、薬剤、レシピエント患者の年齢、体重、及び臨床状態、並びに治療を施す臨床医又は開業医の経験及び判断に応じて変動する。概して、用量は、本明細書に開示される疾患又は障害の症状を遅らせ、好ましくは退行させ、また好ましくは疾患又は障害の完全な退行を引き起こすのに十分であるべきである。投与量は、約0.01mg/kg/日~約5000mg/kg/日の範囲であり得る。医薬品の有効量は、臨床医又は他の資格のある観察者によって認められる客観的に識別可能な改善を提供する量である。生存及び成長の改善は、退行を示す。本明細書で使用される場合、用語「用量有効様式」は、対象又は細胞において所望の生物学的効果を生じる活性化合物の量を指す。
【0590】
医薬組成物は、投与のための説明書と一緒に容器、パック、又はディスペンサに含まれ得ることを理解されたい。
【0591】
塩を更に形成することができる本開示の化合物、足場、又はコンジュゲートについて、これらの形態の全てもまた、特許請求される開示の範囲内で企図されることを理解されたい。
【0592】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸又は塩基塩を作製することによって修飾されている、本開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、例えば非毒性無機有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル(glycollyarsanilic)酸、ヘキシルレソルシン(hexylresorcinic)酸、ヒドラバミン(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、次酢酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び一般に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機酸及び有機酸から誘導されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0593】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ジエチルアミン塩、コリン塩、メグルミン塩、ベンザチン塩、トロメタミン塩、アンモニア塩、アルギニン塩、又はリジン塩である。
【0594】
薬学的に許容される塩の他の例としては、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ムコン酸などが挙げられる。本開示はまた、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオンによって置換される場合、又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合する場合のいずれかで、形成される塩を包含する。塩形態において、化合物と塩のカチオン又はアニオンとの比は、1:1、又は1:1以外の任意の比、例えば、3:1、2:1、1:2、又は1:3であり得ることが理解される。
【0595】
薬学的に許容される塩への全ての言及は、同じ塩の、本明細書で定義される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形体)を含むことを理解されたい。
【0596】
化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口、経鼻、経皮、肺、吸入、口腔、舌下、腹腔内、皮下、筋肉内、静脈内、直腸、胸膜内、髄腔内及び非経口で投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、経口投与される。当業者は、特定の投与経路の利点を認識するであろう。
【0597】
化合物を利用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別及び医学的状態を含む様々な因子、治療されるべき状態の重症度、投与経路、患者の腎機能及び肝機能、並びに使用される特定の化合物又はその塩に従って選択される。通常の熟練した医師又は獣医は、状態の進行を予防、それに対抗、又はそれを停止するのに必要な薬物の有効量を容易に決定及び処方することができる。通常の熟練した医師又は獣医は、状態の進行に対抗又はそれを停止するのに必要な薬物の有効量を容易に決定及び処方することができる。
【0598】
本開示の開示される化合物の製剤化及び投与のための技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)に見出すことができる。一実施形態では、本明細書に記載される化合物及びその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて医薬調製物中で使用される。好適な薬学的に許容される担体としては、不活性固体充填剤又は希釈剤及び滅菌有機水溶液が挙げられる。化合物は、このような医薬組成物中に、本明細書に記載の範囲内の所望の投薬量を提供するのに十分な量で存在する。
【0599】
本明細書で使用される全ての百分率及び比率は、別段の指示がない限り、重量による。本開示の他の特徴及び利点は、様々な実施例から明らかである。提供される実施例は、本開示を実施する際に有用な異なる構成要素及び方法論を例示する。実施例は、特許請求された開示を限定するものではない。本開示に基づいて、当業者は、本開示を実施するのに有用な他の成分及び方法を特定し、使用することができる。
【0600】
本明細書に記載される合成スキームにおいて、化合物は、簡略化のために1つの特定の立体配置で描かれ得る。そのような特定の立体配置は、本開示を1つ又は別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体に限定するものと解釈されるべきではなく、異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体の混合物を排除するものでもない。しかしながら、所与の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体は、別の異性体、互変異性体、位置異性体、又は立体異性体よりも高いレベルの活性を有し得ることが理解されるであろう。
【0601】
全ての刊行物及び特許文献は、各々のそのような刊行物又は特許文献が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物及び特許文献の引用は、いずれも関連する先行技術であると認めることを意図するものではなく、その内容又は日付に関するいかなる承認も構成しない。本発明を書面による説明によって説明してきたが、当業者であれば、本発明は様々な実施形態で実施することができ、前述の説明及び以下の実施例は例示を目的としており、以下の実施形態及び特許請求の範囲を限定するものではないことを認識するであろう。
【0602】
更なる実施形態
実施形態1.式(I)又は(II)の化合物であって、
【化52】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、又はアミノ置換基であり、
Xは、H、ハロゲン、又は-OR
Xであり、
R
Xが、H、C
1~C
6アルキル、又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)であり、C
1~C
6アルキル又は-(C
1~C
6アルキル)-(C
6~C
10アリール)が、1つ以上のR
Xaで任意選択で置換され、
各R
Xaが、独立して、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、又は-O-(C
1~C
6アルキル)であり、C
1~C
6アルキル又は-O-(C
1~C
6アルキル)が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換され、
Yが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zが、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキル、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであるか、
又は式(I)中のY及びZが、一緒になって-Si(R
L)
2-O-Si(R
L)
2-を形成し、各R
Lが、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり、
各R
aが、独立して、H、ハロゲン、若しくは1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであるか、又は2つの隣接する炭素原子上の2つのR
aが、2つの隣接する炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し、
各R
bが、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
1が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
2が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
3が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
R
4が、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
各R
5が、独立して、H、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nが、約0~約10の範囲の整数である、化合物。
【0603】
実施形態2.足場又はその薬学的に許容される塩であって、足場が、
(i)リガンド、及び
(ii)リンカー単位であって、リンカー単位が、
【化53】
である、リンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b、及びnが、実施形態1に記載されており、#が、リガンドへの結合を示す、足場又はその薬学的に許容される塩。
【0604】
実施形態3.足場又はその薬学的に許容される塩であって、足場が、
(i)1つ以上の核酸剤、及び
(ii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位が、独立して、
【化54】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、W、X、Y、Z、R
a、R
b及びnが、実施形態1に記載されており、##が、核酸剤への結合を示す、足場又はその薬学的に許容される塩。
【0605】
実施形態4.コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、コンジュゲートが、
(i)1つ以上の核酸剤、
(ii)1つ以上のリガンド、及び
(iii)1つ以上のリンカー単位であって、各リンカー単位が、独立して、
【化55】
である、1つ以上のリンカー単位を含み、
式中、可変要素R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X、Y、Z、R
a、R
b及びnが、実施形態1に記載されており、#が、リガンドへの結合を示し、##が、核酸剤への結合を示す、コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【0606】
実施形態5.Wが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0607】
実施形態6.Wが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0608】
実施形態7.Wが、アミノ置換基である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0609】
実施形態8.Wが、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、任意選択で置換されたアシル、トリフルオロアセチル(TFA)、ベンジル、トリフェニルメチル(Tr)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、又はトルエンスルホニル(Ts)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0610】
実施形態9.Wが、任意選択で置換されたアシルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0611】
実施形態10.Wが、トリフルオロアセチル(TFA)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0612】
実施形態11.Xが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0613】
実施形態12.Xが、ハロゲンである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0614】
実施形態13.Xが、-ORXである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0615】
実施形態14.Xが、-OHである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0616】
実施形態15.Xが、-O-(C1~C6アルキル)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0617】
実施形態16.Xが、-O-(C1~C6アルキル)-O-(C1~C6アルキル)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0618】
実施形態17.Xが、1つ以上のRXaで任意選択で置換された-O-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0619】
実施形態18.Xが、-O-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0620】
実施形態19.RXが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0621】
実施形態20.RXが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキル、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換された-O-(C1~C6アルキル)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0622】
実施形態21.RXが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換された-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)、C1~C6アルキル、又は-O-(C1~C6アルキル)であり、C1~C6アルキル又は-O-(C1~C6アルキル)は、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換される、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0623】
実施形態22.RXが、-(C1~C6アルキル)-(C6~C10アリール)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0624】
実施形態23.Yが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0625】
実施形態24.Yが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0626】
実施形態25.Yが、-P(RY)2、-P(ORY)(N(RY)2)、-P(=O)(ORY)RY、-P(=S)(ORY)RY、-P(=O)(SRY)RY、-P(=S)(SRY)RY、-P(=O)(ORY)2、-P(=S)(ORY)2、-P(=O)(SRY)2、-P(=S)(SRY)2である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0627】
実施形態26.Yが、ヒドロキシ保護基である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0628】
実施形態27.Yが、シリルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0629】
実施形態28.Yが、トリフェニルメチル(Tr)又は4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0630】
実施形態29.Yが、任意選択で置換されたアシル又はベンジルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0631】
実施形態30.少なくとも1つのRYが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0632】
実施形態31.少なくとも1つのRYが、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0633】
実施形態32.少なくとも1つのRYが、Hであり、少なくとも1つのRYが、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0634】
実施形態33.Zが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0635】
実施形態34.Zが、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0636】
実施形態35.Zが、-P(RZ)2、-P(ORZ)(N(RZ)2)、-P(=O)(ORZ)RZ、-P(=S)(ORZ)RZ、-P(=O)(SRZ)RZ、-P(=S)(SRZ)RZ、-P(=O)(ORZ)2、-P(=S)(ORZ)2、-P(=O)(SRZ)2、-P(=S)(SRZ)2である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0637】
実施形態36.Zが、ヒドロキシ保護基である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0638】
実施形態37.Zが、シリルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0639】
実施形態38.Zが、トリフェニルメチル(Tr)又は4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0640】
実施形態39.Zが、置換アシル又はベンジルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0641】
実施形態40.少なくとも1つのRZが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0642】
実施形態41.少なくとも1つのRZが、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0643】
実施形態42.少なくとも1つのRZが、Hであり、少なくとも1つのRZが、1つ以上のハロゲン又はシアノで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0644】
実施形態43.式(I)中のY及びZが一緒になって、-Si(RL)2-O-Si(RL)2-を形成する、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0645】
実施形態44.少なくとも1つのRLが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0646】
実施形態45.各RLが、独立して、C1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0647】
実施形態46.各Raが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0648】
実施形態47.少なくとも1つのRaが、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0649】
実施形態48.各Rbが、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0650】
実施形態49.少なくとも1つのRbが、ハロゲン、又は1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0651】
実施形態50.R1が、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0652】
実施形態51.R1が、ハロゲンである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0653】
実施形態52.R1が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0654】
実施形態53.R2が、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0655】
実施形態54.R2が、ハロゲンである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0656】
実施形態55.R2が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0657】
実施形態56.R3が、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0658】
実施形態57.R3が、ハロゲンである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0659】
実施形態58.R3が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0660】
実施形態59.R4が、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0661】
実施形態60.R4が、ハロゲンである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0662】
実施形態61.R4が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0663】
実施形態62.R5が、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0664】
実施形態63.R5が、ハロゲンである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0665】
実施形態64.R5が、1つ以上のハロゲンで任意選択で置換されたC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0666】
実施形態65.Ra、Rb、R1、R2、R3、R4、及びR5の各々が、Hである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0667】
実施形態66.nが、約1~約10、約2~約10、約3~約10、約4~約10、約5~約10、又は約6~約10の範囲の整数である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0668】
実施形態67.nが、約2~約8、約2~約7、約2~約6、約2~約5、約2~約4、又は約2~約3の範囲の整数である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲート。
【0669】
実施形態68.化合物が、式(I’-1)、(I’-2)、(II’-1)、又は(II’-2):
【化56】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0670】
実施形態69.化合物が、式(I-A)又は(II-A):
【化57】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0671】
実施形態70.化合物が、式(I-A’-1)、(I-A’-2)、(II-A’-1)、又は(II-A’-2):
【化58】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0672】
実施形態71.化合物が、式(I-B)又は(II-B):
【化59】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0673】
実施形態72.化合物が、式(I-B’-1)、(I-B’-2)、(II-B’-1)又は(II-B’-2):
【化60】
のもの、
又はその薬学的に許容される塩である、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0674】
実施形態73.
Yが、ヒドロキシ保護基であり、Zが、ヒドロキシ保護基であるか、又は
式(I)、(I’-1)、(I’-2)、(I-A)、(I-A’-1)、(I-A’-2)、(I-B)、(I-B’-1)若しくは(I-B’-2)中のY及びZが一緒になって、-Si(RL)2-O-Si(RL)2-を形成し、各RLが、独立して、H又はC1~C6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0675】
実施形態74.化合物が、
【化61】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Yが、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zが、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルである、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0676】
実施形態75.化合物が、表Lに記載されている化合物及びその薬学的に許容される塩から選択される、先行する実施形態のいずれか1つの化合物。
【0677】
実施形態76.先行する実施形態のいずれか1つの化合物の同位体誘導体である、化合物。
【0678】
実施形態77.足場が、(リンカー単位)p-((核酸剤)-(リンカー単位)s)r-(核酸剤)qであり、
各リンカー単位が、別のリンカー単位から独立しており、各核酸剤が、別の核酸剤から独立しており、
各rが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
各sが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
pが、0~10の範囲の整数であり、
qが、0又は1であり、
足場が、少なくとも1つのリンカー単位及び少なくとも1つの核酸剤を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場。
【0679】
実施形態78.足場が、
【化62】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Yが、-P(R
Y)
2、-P(OR
Y)(N(R
Y)
2)、-P(=O)(OR
Y)R
Y、-P(=S)(OR
Y)R
Y、-P(=O)(SR
Y)R
Y、-P(=S)(SR
Y)R
Y、-P(=O)(OR
Y)
2、-P(=S)(OR
Y)
2、-P(=O)(SR
Y)
2、-P(=S)(SR
Y)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Yが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
Zが、-P(R
Z)
2、-P(OR
Z)(N(R
Z)
2)、-P(=O)(OR
Z)R
Z、-P(=S)(OR
Z)R
Z、-P(=O)(SR
Z)R
Z、-P(=S)(SR
Z)R
Z、-P(=O)(OR
Z)
2、-P(=S)(OR
Z)
2、-P(=O)(SR
Z)
2、-P(=S)(SR
Z)
2、又はヒドロキシ保護基であり、
各R
Zが、独立して、H、又は1つ以上のハロゲン若しくはシアノで任意選択で置換されたC
1~C
6アルキルであり、
nが、約0~約10の範囲の整数である、先行する実施形態のいずれか1つの足場。
【0680】
実施形態79.足場が、表S1に記載される足場から選択される、先行する実施形態のいずれか1つの足場。
【0681】
実施形態80.足場が、
【化63】
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
Wが、アミノ置換基であり、
nが、約0~約10の範囲の整数である、先行する実施形態のいずれか1つの足場。
【0682】
実施形態81.足場が、表S2に記載される足場から選択される、先行する実施形態のいずれか1つの足場。
【0683】
実施形態82.コンジュゲートが、(リンカー単位-(リガンド)0-1)p-((核酸剤)-(リンカー単位-(リガンド)0-1)s)r-(核酸剤)qであり、式中、
各リンカー単位が、別のリンカー単位から独立しており、各核酸剤が、別の核酸剤から独立しており、各リガンドが、別のリガンドから独立しており、
各rが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
各sが、独立して、0~10の範囲の整数であり、
pが、0~10の範囲の整数であり、
qが、0又は1であり、
コンジュゲートが、少なくとも1つのリンカー単位、少なくとも1つの核酸剤、及び少なくとも1つのリガンドを含む、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲート。
【0684】
実施形態83.コンジュゲートが、表Cに記載されるコンジュゲートから選択される、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲート。
【0685】
実施形態84.リンカー単位が、式(I)のものであり、式中、Wは、リガンドへの結合で置き換えられる、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0686】
実施形態85.リンカー単位が、式(I)のものであり、式中、Y及び/又はZが、核酸剤への結合で置き換えられる、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0687】
実施形態86.リガンドが、炭水化物部分を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0688】
実施形態87.炭水化物部分が、単糖、二糖、三糖、又は四糖を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0689】
実施形態88.炭水化物部分が、ガラクトース又はその誘導体を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0690】
実施形態89.リガンドが、
【化64】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0691】
実施形態90.リガンドが、
【化65】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0692】
実施形態91.リガンドが、
【化66】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0693】
実施形態92.リガンドが、
【化67】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0694】
実施形態93.リガンドが、
【化68】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0695】
実施形態94.リガンドが、
【化69】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0696】
実施形態95.リガンドが、
【化70】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0697】
実施形態96.リガンドが、
【化71】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0698】
実施形態97.リガンドが、
【化72】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0699】
実施形態98.リガンドが、
【化73】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0700】
実施形態99.リガンドが、
【化74】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0701】
実施形態100.リガンドが、
【化75】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0702】
実施形態101.リガンドが、
【化76】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0703】
実施形態102.リガンドが、
【化77】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0704】
実施形態103.リガンドが、
【化78】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0705】
実施形態104.リガンドが、
【化79】
を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0706】
実施形態105.リガンドが、脂質を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0707】
実施形態106.リガンドが、ペプチド部分を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0708】
実施形態107.リガンドが、抗体部分を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0709】
実施形態108.核酸剤が、オリゴヌクレオチドを含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0710】
実施形態109.核酸剤が、1つ以上のリン酸基又はリン酸基の1つ以上の類似体を含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0711】
実施形態110.リンカー単位が、核酸剤中のリン酸基又はリン酸基の類似体を介して、核酸剤に結合される、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0712】
実施形態111.核酸剤が、RNAを含む、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0713】
実施形態112.オリゴヌクレオチドが、siRNA、マイクロRNA、抗マイクロRNA、マイクロRNA模倣体、抗miR、アンタゴミル(antagomir)、dsRNA、ssRNA、アプタマー、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、デコイオリゴヌクレオチド、スプライス改変オリゴヌクレオチド、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、G-四重鎖、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである、先行する実施形態のいずれか1つの足場又はコンジュゲート。
【0714】
実施形態113.先行する実施形態のいずれか1つの化合物、足場、又はコンジュゲートを含む、医薬組成物。
【0715】
実施形態114.対象における標的遺伝子の発現を調節する方法であって、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法。
【0716】
実施形態115.核酸剤を対象に送達する方法であって、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法。
【0717】
実施形態116.疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療有効量の先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲートを対象に投与することを含む、方法。
【0718】
実施形態117.対象における標的遺伝子の発現を調節するための、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲート。
【0719】
実施形態118.核酸剤を対象に送達するための、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲート。
【0720】
実施形態119.疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそのための、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲート。
【0721】
実施形態120.対象における標的遺伝子の発現を調節するための医薬の製造における、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲートの使用。
【0722】
実施形態121.核酸剤を対象に送達するための医薬の製造における、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲートの使用。
【0723】
実施形態122.疾患の治療又は予防を必要とする対象においてそのための医薬の製造における、先行する実施形態のいずれか1つのコンジュゲートの使用。
【0724】
実施形態123.対象が、ヒトである、先行する実施形態のいずれか1つの方法、コンジュゲート、又は使用。
【実施例】
【0725】
実施例1.1’-脱塩基-アルファ-C-アルキル-GalNAcの合成。
【化80】
(2R,3R,4S,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-アリルテトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(1-2)の合成。MeCN(500mL)中の化合物1-1(50.0g、157.1mmol)及び化合物1a(52.1g、455.58mmol)の溶液に、TMSOTf(41.9g、188.52mmol)を0℃で添加し、混合物を15℃で2時間撹拌した。次いで、混合物をNaHCO
3水溶液(500mL)でクエンチし、EtOAc(3×5mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1から1/1まで)によって精製して、化合物1-2(45.6g、収率96.7%)を黄色油として得た。
1H NMR:400MHz,DMSO-d
6,δ5.75-5.67(m,1H),5.31-5.30(m,1H),5.29-5.22(m,1H),5.10(d,J=1.6Hz,1H),5.06-5.01(m,1H),4.25-4.16(m,2H),4.09-4.06(m,2H),2.50-2.24(m,2H),2.09(s,3H),2.03(s,3H),1.98(s,3H)。
【0726】
(2R,3R,4S,5R)-2-アリル-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(1-3)の合成。MeOH(456mL)中の化合物1-2(45.6g、151.85mol)の溶液に、NaOMe(2.73g、15.18mmol、純度30%)を0℃で添加した。混合物を15℃で1時間撹拌し、AcOH(0.1mL)で中和した。混合物を真空下で濃縮して、化合物1-3(32.1g、粗製物)を黄色油として得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。
【0727】
(6aR,8R,9S,9aS)-8-アリル-2,2,4,4-テトライソプロピルテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]-トリオキサジシロシン-9-オール(1-4)の合成。Py(265mL)中の化合物1-3(26.5g、151.84mmol)の溶液に、TIPSCl(52.7g、167.03mmol)を0℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、20mLのMeOHでクエンチし、真空下で濃縮した。次いで、残渣をEtOAc(300mL)に溶解し、クエン酸水溶液(300mL×2)及びブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1から1/1まで)によって精製して、化合物1-4(48.3g、収率76.3%)を黄色油として得た。1H NMR:400MHz,DMSO-d6,δ5.82-5.73(m,1H),5.10-4.98(m,2H),4.71(d,J=4.0Hz,1H),4.23-4.20(m,1H),3.94-3.89(m,1H),3.82-3.74(m,4H),2.36-2.20(m,2H),1.04-0.95(m,29H)。
【0728】
(6aR,8R,9S,9aR)-8-アリル-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-メトキシテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(1-5)の合成。DMF(199mL)中の化合物1-4(19.9g、47.76mmol)の溶液に、MeI(13.6g、95.51mmol)を0℃で添加し、次いでNaH(2.9g、71.63mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、NH4Cl水溶液(400mL)でクエンチし、EtOAc(400mL×2)で抽出した。有機層をブライン(400mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1から3/1まで)によって精製して、化合物1-5(35.0g、収率85.1%)を黄色油として得た。1H NMR:400MHz,DMSO-d6,δ5.78-5.68(m,1H),5.10-5.00(m,2H),4.35-4.32(m,1H),3.97-3.80(m,5H),3.50(s,3H),2.31-2.17(m,2H),1.15-0.91(m,33H)。
【0729】
3-((6aR,8R,9S,9aR)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-メトキシテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)プロパン-1-オール(1-6)の合成。THF(163.5mL)中の化合物1-5の溶液に、9-BBN(0.5M、151.8mL、75.92mmol)を添加し、15℃で2時間撹拌した。次いで、NaBO3・4(H2O)(35.0g、227.76mmol)及びH2O(57.0g、3.17mol)を添加し、15℃で2時間撹拌した。反応混合物をブライン(400mL)で洗浄し、酢酸エチル(400mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1から0/1まで)によって精製して、化合物1-6(35g、収率96.0%)を黄色油として得た。1H NMR:400MHz,DMSO-d6,δ4.37(t,J=5.0Hz,1H),4.34-4.31(m,1H),3.82-3.80(m,3H),3.68-3.66(m,2H),3.50(s,3H),3.40-3.33(m,2H),1.55-1.43(m,5H),1.17-0.90(m,30H)。
【0730】
3-(6aR,8R,9S,9aR)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-メトキシテトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン-8-イル)プロピルメタンスルホネート(I-7)の合成。DCM(350mL)中の化合物1-6の溶液に、TEA(15.8g、155.99mmol)を添加した。次いで、混合物を0℃に冷却し、0℃でMsCl(10.8g、93.84mmol)で処理し、15℃で1時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3水溶液(400mL)に注ぎ、DCM(400ml)で抽出し、ブライン(400mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1から0/1まで)によって精製して、化合物1-7(32.5g、収率79.1%)を無色油として得た。1H NMR:400MHz DMSO-d6,δ4.32-4.31(m,1H),4.21-4.17(m,2H),3.83-3.72(m,5H),3.71(s,3H),3.15(s,3H),1.68-1.52(m,4H),1.17-0.85(m,29H)。
【0731】
(6aR,8R,9S,9aR)-8-(3-アジドプロピル)-2,2,4,4-テトライソプロピル-9-メトキシ-テトラヒドロ-6H-フロ[3,2-f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン(1-8)の合成。DMF(325mL)中の化合物1-7(32.5g、61.69mmol)の溶液に、NaN3(8.0g、123.38mmol)を15℃で添加し、次いで50℃で1時間撹拌した。次いで、反応物をpH≧9に調整し、EtOAc(500mL)で希釈し、NaHCO3水溶液(500mL×2)及びブライン(500mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、化合物1-8(28.4g、粗製物)を黄色油として得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。
【0732】
(2R,3R,4R,5R)-5-(3-アジドプロピル)-2-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシ-テトラヒドロフラン-3-オール(I-9)の合成。MeOH(284mL)中の化合物1-8(28.4g、59.95mmol)の溶液に、NH4F(22.2g、599.47mmol)を15℃で添加し、60℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を真空下で濃縮し、濾過した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1から0/1まで)によって精製して、化合物1-9(9.5g、収率68.3%)を無色油として得た。1H NMR:400MHz,DMSO-d6,δ4.85(d,J=6.8Hz,1H),4.58(t,J=5.8Hz,1H),4.03-4.00(m,1H),3.85-3.52(m,1H),3.60-3.52(m,3H),3.49(s,3H),3.42-3.31(m,4H),1.61-1.17(m,4H)。
【0733】
(2R,3R,4R,5R)-5-(3-アジドプロピル)-2-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)-メトキシ)メチル)-4-メトキシテトラヒドロフラン-3-オール(1-10)の合成。Py(95mL)中の化合物1-9(9.5g、40.95mmol)の溶液に、DMTrCl(15.3g、45.05mmol)を15℃で添加し、1時間撹拌した。反応物をEtOAc(100mL)に溶解し、クエン酸水溶液(100mL×2)及びブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1から3/1まで、0.1%TEA)によって精製して、化合物1-10(21.5g、収率98.4%)を黄色油として得た。1H NMR:400MHz,DMSO-d6,δ7.42(d,J=7.6Hz,2H),7.32-7.19(m,7H),8.05(s,1H),6.87(d,J=8.4Hz,4H),4.92(d,J=7.2Hz,1H),4.08-4.06(m,1H),3.93(s,1H),3.80(s,1H),3.73(s,6H),3.55-3.53(m,1H),3.45-3.34(m,5H),3.06-2.94(m,2H),1.73-1.17(m,4H)。
【0734】
(2R,3R,4R,5R)-5-(3-アミノプロピル)-2-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)-メトキシ)メチル)-4-メトキシテトラヒドロフラン-3-オール(1-11)の合成。THF(108mL)中の化合物1-10(10.8g、20.15mmol)の溶液に、Pd/C(4.3g、炭素上10%)を添加し、H2(15psi)下で1時間撹拌した。混合物を濾過し、真空下で濃縮して、化合物1-11(19.5g、粗製物)を白色固体として得、これを次のステップに直接使用した。
【0735】
(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-((3-((2R,3R,4R,5R)-5-((ビス(4 - メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-ヒドロキシ-3-メトキシテトラヒドロフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイルジアセテート(1-12)の合成。DMF(108mL)中の化合物1-11(10.8g、21.18mmol)及び化合物10(9.5g、21.18mmol)の溶液に、HCTU(13.1g、31.77mmol)及びNMM(6.4g、63.53mmol)を15℃で添加した。混合物を15℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をNaHCO3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1から0/1まで、0.1%TEA)によって精製して、化合物1-12(23.5g、収率59.2%)を黄色油として得た。1H NMR:400MHz,DMSO-d6,δ7.81-7.77(m,2H),7.40(d,J=7.6Hz,2H),7.31-7.20(m,8H),6.86(d,J=8.8Hz,2H),5.21(s 1H),4.98-4.95(m,1H),4.87(d,J=7.2Hz,1H),4.48(d,J=8.4Hz,1H),3.88-3.72(m,12H),3.51-3.32(m,5H),3.07-3.04(m,5H),2.09(s,6H),1.98(s,5H),1.88(s,3H),1.77(s,3H),1.54-1.17(m,9H)。
【0736】
(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-((3-((2R,3S,4R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-(((2-シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)-3-メトキシテトラヒドロフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイルジアセテート(GalNAc 1a)の合成。DCM(110mL)中の化合物1-12(11.1g、11.85mmol)の溶液に、DCI(1.5g、13.03mmol)、NMI(1.5g、17.77mmol)及び化合物a(7.1g、23.69mmol)を15℃で添加した。混合物を15℃で1時間撹拌し、次いで、NaHCO3(100mL)でクエンチし、DCM(100mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。混合物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1から0/1まで、0.1%TEA)によって精製して、GalNAc 1a(9.8g、収率66.7%)を白色固体として得た。1H NMR:400MHz,CD3CN,δ7.45(s,2H),7.35-7.31(m,7H),6.87-6.84(m,5H),6.50-6.45(m,2H),5.27(d,J=3.2Hz,1H),5.01-4.97(m,1H),4.51-4.49(m,1H),4.38-4.08(m,1H),4.07-3.93(m,7H),3.78-3.76(m,10H),3.65(s,1H),3.52-3.20(m,11H),2.64-1.54(m,30H),1.13-1.10(m,9H),0.94(d,J=6.8Hz,3H)。
【0737】
実施例2.1’-脱塩基-ベータ-C-アルキル-GalNAcの合成。
【化81】
(3aR,6R,6aR)-6-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチル-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-オール(2-2)の合成。アセトン(500mL)中のD-リボフラノシド(2-1)(50g、333.04mmol、1当量)の撹拌溶液に、H
2SO
4(1.5mL、28.14mmol、0.08当量)をAr雰囲気下、室温で滴下した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。得られた混合物を飽和NaHCO
3水溶液でpH7に中和し、濃縮して大部分のアセトン(約400mL)を除去した。300mLの水を混合物に添加し、水層をEA(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、DCM中3%MeOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3aR,6R,6aR)-6-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチル-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-オール(51g、収率80.5%)を黄色油として得た。
1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ5.43(s,1H),4.84(d,J=6.0Hz,1H),4.59(d,J=6.0Hz,1H),4.45-4.39(m,1H),3.74(t,J=3.0Hz,2H),1.50(s,3H),1.34(s,3H)。
【0738】
[(3aR,4R,6aR)-6-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチル-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メチルアセテート(2-3)の合成。ピリジン(200mL)中の(3aR,6R,6aR)-6-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチル-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-オール(50g、262.88mmol、1当量)の撹拌溶液に、Ac2O(107.35g、1051.55mmol、4当量)をAr雰囲気下、室温で滴下した。反応混合物を4時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、EA中30%PEで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、[(3aR,4R,6aR)-6-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチル-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メチルアセテート(55g、収率76.2%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ6.00(s,1H),4.87-4.74(m,2H),4.40-4.33(m,1H),4.15-4.01(m,2H),2.05(s,3H),2.02(s,3H),1.42(s,3H),1.29(s,3H)。
【0739】
[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メチルアセテート(2-4)の合成。ニトロメタン(1L)中の[(3aR,4R,6aR]-6-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチル-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メチルアセテート(50g、182.31mmol、1当量)及びZnBr2(102.64g、455.75mmol、2.5当量)の撹拌溶液に、トリメチル(プロパ-2-エン-1-イル)シラン(93.74g、820.36mmol、4.5当量)をAr雰囲気下、室温で滴下した。得られた混合物をAr雰囲気下、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を200mLの飽和NaHCO3水溶液で希釈し、沈殿した固体を濾過によって除去し、DCM(3×50mL)で洗浄した。300mLの水を濾液に添加し、水層をDCM(3×300mL)で再抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(150mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。次いで、粗生成物を、PE中40%EAで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メチルアセテート(36g、収率77.1%)を黄色油として得た。1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ5.93-5.74(m,1H),5.25-5.08(m,2H),4.53-4.46(m,1H),4.44-4.37(m,1H),4.34-4.24(m,1H),4.18-4.07(m,2H),4.05-3.98(m,1H),2.45-2.36(m,2H),2.11(s,3H),1.55(s,3H).1.36(s,3H)。
【0740】
[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メタノール(2-5)の合成。MeOH(450mL)中の[(3aR,4R,6S,6aS]-2,2-ジメチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メチルアセテート(36g、140.46mmol、1当量)の撹拌溶液に、MeOH溶液中の30%ナトリウムメチレート(5mol/L、33.7mL、1.2当量)をAr雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物を室温に温め、1時間撹拌した。混合物をNH4Clで中和した。沈殿した固体を濾過によって除去し、MeOH(3×50mL)で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(250mL)/水(200mL)で分液した。水層を酢酸エチル(2×10mL)で再抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、黄色シロップを得た。次いで、残渣を、PE中50%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メタノール(21g、収率69.7%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ5.89-5.77(m,1H),5.24-5.06(m,2H),4.64-4.54(m,1H),4.41-4.33(m,1H),4.06-3.93(m,2H),3.86-3.79(m,1H),3.70-3.64(m,1H),2.45-2.36(m,2H),1.54(s,3H),1.34(s,3H)。
【0741】
(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(プロパ-2-エン-1-イル)オキソラン-3,4-ジオール(2-6)の合成。EtOH(120mL)中の[(3aR,4R,6S,6aS]-2,2-ジメチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]メタノール(21g、98.01mmol、1当量)の撹拌溶液に、1 MのHCl(9.8mL、0.1当量)をAr雰囲気下、0℃で添加した。得られた混合物をAr雰囲気下、室温で12時間撹拌した。混合物をNa2CO3水溶液で中和した。沈殿した固体を濾過によって除去し、MeOH(3×30mL)で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、黄色残渣を得、これをDCM中10%MeOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって更に精製して、(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(プロパ-2-エン-1-イル)オキソラン-3,4-ジオール(13g、収率76.1%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ5.89-5.76(m,1H),5.14-4.95(m,2H),4.69(d,J=1.6Hz,1H),4.67(d,J=2.2Hz,1H),4.62-4.56(m,1H),3.75-3.69(m,1H),3.65-3.57(m,2H),3.54-3.50(m,1H),3.46-3.38(m,1H),3.39-3.35(m,1H),2.33-2.25(m,1H),2.23-2.09(m,1H)。
【0742】
(4aR,6S,7S,7aS)-2,2-ジ-tert-ブチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-7-オール(2-7)の合成。ピリジン(150mL)中の(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(プロパ-2-エン-1-イル)オキソラン-3,4-ジオール(13g、74.62mmol、1当量)の撹拌溶液に、ジ-tert-ブチル[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]シリルトリフルオロメタンスルホネート(36.16g、82.09mmol、1.1当量)をAr雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物をAr雰囲気下、0℃で15分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、DCM(100mL)と冷水(100mL)とで分液した。有機層を回収し、飽和NaHCO3(2×50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、黄色シロップを得た。粗生成物を、EA中15%PEで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって更に精製して、(4aR,6S,7S,7aS)-2,2-ジ-tert-ブチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-7-オール(15g、収率63.9%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ5.81-5.72(m,1H),5.14-5.02(m,2H),4.99(d,J=3.6Hz,1H),4.31-4.24(m,1H),3.91-3.85(m,1H),3.84-3.72(m,3H),3.71-3.64(m,1H),2.27-2.21(m,2H),1.03 -0.96(m,18H)。
【0743】
(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン(2-8)の合成。THF(200mL)中の(4aR,6S,7S,7aS)-2,2-ジ-tert-ブチル-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-7-オール(15g、47.69mmol、1当量)の溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、2.86g、71.54mmol、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を30分間撹拌した。MeI(10.15g、71.54mmol、1.5当量)を添加し、次いで、混合物を室温まで温め、更に2時間撹拌した。反応混合物を150mLの飽和NH4Cl水溶液の添加によって0℃でクエンチした。水層をEA(3×100mL)で再抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、黄色シロップを得た。次いで、残渣を、PE中8%EAで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン(10g、収率63.8%)を黄色油として得た。1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ5.85-5.71(m,1H),5.20-5.06(m,2H),4.44-4.34(m,1H),4.02-3.75(m,4H),3.59-3.49(m,4H),2.46-2.18(m,2H),1.06-0.99(m,18H)。
【0744】
3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロパン-1-オール(2-9)の合成。THF(150mL)中の(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-6-(プロパ-2-エン-1-イル)-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン(10g、30.43mmol、1当量)の撹拌溶液に、THF中1MのBH3(91mL、91.31mmol、3当量)をAr雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物をAr雰囲気下、0℃で3時間撹拌した。反応物を0℃で300mLの3MのNaOH水溶液でクエンチし、続いて300mLの30%H2O2溶液を添加した。反応混合物を室温に温め、更に1.5時間撹拌した。得られた混合物をDCM(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、黄色シロップを得た。次いで、残渣を、PE中35%EAで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロパン-1-オール(8g、収率75.8%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ4.40-4.35(m,1H),3.96-3.78(m,4H),3.70-3.63(m,2H),3.57-3.50(m,4H),1.79-1.54(m,4H),1.06-1.01(m,18H)。
【0745】
(4aR,6S,7S,7aR)-6-(3-アジドプロピル)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン(2-10)の合成。トルエン(100mL)中の3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロパン-1-オール(8g、23.08mmol、1当量)及びDBU(5.27g、34.62mmol、1.5当量)の撹拌溶液に、DPPA(8.26g、30.01mmol、1.3当量)をAr雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物を110℃に温め、6時間撹拌した。150mLの水を添加し、水層をEA(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(120mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、黄色シロップを得た。次いで、残渣を、PE中20%EAで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(4aR,6S,7S,7aR)-6-(3-アジドプロピル)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン(6.2g、収率72.2%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ4.39-4.34(m,1H),3.95-3.74(m,4H),3.55(s,3H),3.52-3.49(m,1H),3.35-3.29(m,2H),1.73-1.57(m,4H),1.08-1.01(m,18H)。
【0746】
3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロパン-1-アミン(2-11)の合成。THF(50mL)及び水(5mL)中の(4aR,6S,7S,7aR)-6-(3-アジドプロピル)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン(4g、10.76mmol、1当量)の撹拌溶液に、トリメチルホスファン(2.46g、32.29mmol、3当量)をAr雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物をAr雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをDCM中10%MeOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって更に精製して、3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロパン-1-アミン(3.25g、収率90.0%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ4.39-4.35(m,1H),3.96-3.76(m,4H),3.57-3.48(m,4H),2.75-2.69(m,2H),1.64-1.47(m,4H),1.07-1.01(m,18H)。
【0747】
[(2R,3R,4R,5R,6R)-6-[4-({3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロー4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]-3,4-ビス(アセチルオキシ)-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(2-12)の合成。DCM(30mL)中の3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロパン-1-アミン(900mg、2.60mmol、1当量)、5-{[(2R,3R,4R,5R,6R)-4,5-ビス(アセチルオキシ)-6-[(アセチルオキシ)メチル]-3-アセトアミドオキサン-2-イル]オキシ}ペンタン酸(1.17g、2.60mmol、1当量)、HOBT(422.32mg、3.12mmol、1.2当量)及びEDC-HCl(848.79mg、4.42mmol、1.7当量)の撹拌溶液に、2,4,6-トリメチルピリジン(946.84mg、7.81mmol、3当量)をAr雰囲気下、0℃で滴下した。得られた混合物を室温に温め、16時間撹拌した。30mLの水を添加し、水層をDCM(3×30mL)で再抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。次いで、粗生成物を、DCM中5%MeOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、[(2R,3R,4R,5R,6R)-6-[4-({3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]-3,4-ビス(アセチルオキシ)-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(1.05g、収率52.1%)を白色固体として得た。MS ESI(m/z)=775.50[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.03-5.99(m,2H),5.38 -5.34(m,1H),5.21-5.15(m,1H),4.60(d,J=8.4Hz,1H),4.40-4.33(m,1H),4.21-4.06(m,3H),3.97-3.75(m,6H),3.58-3.48(m,5H),3.33-3.21(m,2H),2.27 -2.11(m,5H),2.05(s,3H),2.01(s,3H),1.96(s,3H),1.85-1.76(m,1H),1.68-1.53(m,7H),1.09-0.99(m,18H)。
【0748】
[(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-5-アセトアミド-6-[4-({3-[(2S,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]オキサン-2-イル]メチルアセテート(2-13)の合成。DCM(15mL)中の[(2R,3R,4R,5R,6R)-6-[4-({3-[(4aR,6S,7S,7aR)-2,2-ジ-tert-ブチル-7-メトキシ-テトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサシリン-6-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]-3,4-ビス(アセチルオキシ)-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(1g、1.29mmol、1当量)の撹拌溶液に、ピリジン(15mL)中の65%HF-ピリジン(0.23mL、2.58mmol、2当量)の溶液をAr雰囲気下、0℃でゆっくり添加した。得られた混合物を1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをDCM中15%MeOHで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって更に精製して、[(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-5-アセトアミド-6-[4-({3-[(2S,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシン]オキサン-2-イル]メチルアセテート(618mg、収率75.4%)を白色固体として得た。MS ESI(m/z)=635.20[M+H]+。1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ6.59-6.28(m,2H),5.36(d,J=3.3Hz,1H),5.22-5.14(m,1H),4.61(d,J=8.1Hz,1H),4.24-4.05(m,4H),3.98-3.78(m,5H),3.73-3.63(m,1H),3.57-3.51(m,1H),3.47-3.38(m,5H),3.33-3.19(m,1H),2.34-2.12(m,9H),2.05(s,3H),2.01(s,3H),1.98(s,3H),1.83-1.76(m,1H),1.71-1.54(m,7H)。
【0749】
(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-6-[4-({3-[(2S,3R,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシ-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}-カルバモイル)ブトキシ]-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(2-14)の合成。[(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-5-アセトアミド-6-[4-({3-[(2S,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]オキサン-2-イル]メチルアセテート(600mg、0.94mmol、1.00当量)及びDMAP(11.55mg、0.09mmol、0.1当量)の混合物を、乾燥ピリジン(3×5mL)と共蒸発させ、次いでAr雰囲気下でピリジン(10mL)に再溶解した。混合物に、Et3N(143.49mg、1.41mmol、1.5当量)を滴下し、続いて、5mLのピリジン(10mL)中の1-[クロロ(4-メトキシフェニル)ベンジル]-4-メトキシベンゼン(480.47mg、1.41mmol、1.5当量)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をEA(30mL)/水(30mL)で分液した。水層をEA(2×20mL)で再抽出した。合わせた有機層を回収し、ブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。残渣を以下の条件で逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル、移動相、水中ACN、35分間で5%から95%までの勾配、検出器、UV254nm。移動相から回収した純粋な生成物の新鮮な溶液を減圧下で濃縮して、[(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-6-[4-({3-[(2S,3R,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシ-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(580mg、収率65.4%)を白色固体として得た。MS ESI(m/z)=935.40[M-H]-。1H NMR(300MHz,アセトニトリル-d3)δ7.55-7.44(m,2H),7.39-7.22(m,7H),6.95-6.87(m,4H),6.49(d,J=9.1Hz,2H),5.32-5.29(m,1H),5.06-4.98(m,1H),4.52(d,J=8.4Hz,1H),4.17-4.10(m,1H),4.08-3.92(m,4H),3.84-3.77(m,8H),3.53-3.38(m,5H),3.24-3.16(m,3H),3.10-2.96(m,2H),2.19(s,2H),2.12(s,3H),2.01(s,3H),1.94(s,3H),1.85(s,3H),1.72-1.47(m,8H)。
【0750】
[(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-6-[4-({3-[(2S,3S,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-{[(2-シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)-ホスファニル]オキシ}-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(GalNAc 1b)の合成。[(2R,3R,4R,5R,6R)-3,4-ビス(アセチルオキシ)-6-[4-({3-[(2S,3R,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシ-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)ブトキシ]-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテートの一部分(550mg、0.58mmol、1.00当量)を、乾燥MeCN(3×10mL)と共蒸発させ、次いでDCM(10mL)に再溶解し、溶液Aとしてマークし、これを使用前にArで保護した。3-([ビス[(プロパン-2-イル)アミノ]ホスファニル]オキシ)プロパンニトリル(265.37mg、0.88mmol、1.5当量)も乾燥MeCN(3×10mL)と共蒸発させ、次いでDCM(10mL)に再溶解し、溶液Bとマークした。1H-イミダゾール-4,5-ジカルボニトリル(55.45mg、0.47mmol、0.8当量)を溶液Bに添加し、続いて周囲温度で溶液Aを添加した。得られた混合物にアルゴンを充填し、室温で1時間撹拌した。反応の完了後、混合物をDCM(60mL)で希釈し、飽和NaHCO3(50mL×2)及びブライン(50mL)でそれぞれ洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。濾液を真空中で濃縮した。残渣を以下の条件で逆相フラッシュクロマトグラフィーによって精製した:カラム、C18シリカゲル、移動相、水中ACN、40分間で5%から95%までの勾配、検出器:UV254nm。生成物含有画分を合わせ、真空下で回転蒸発させて、[(2R,3R,4R,5R,6R]-3,4-ビス(アセチルオキシ)-6-[4-({3-[(2S,3S,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-{[(2-シアノエトキシ)-(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ}-3-メトキシオキソラン-2-イル]プロピル}カルバモイル)-ブトキシル]-5-アセトアミドオキサン-2-イル]メチルアセテート(406mg、収率60.8%)を白色固体として得た。MS ESI(m/z)=1137.70[M+H]+。1H NMR(400MHz,アセトニトリル-d3)δ7.54-7.45(m,2H),7.43-7.31(m,6H),7.29-7.20(m,1H),6.92-6.86(m,4H),6.52-6.45(m,2H),5.31-5.28(m,1H),5.04-4.99(m,1H),4.53(d,J=8.4Hz,1H),4.29-4.21(m,1H),4.18-3.93(m,6H),3.88-3.74(m,9H),3.66-3.44(m,5H),3.42-3.36(m,3H),3.27-3.15(m,3H),3.05-2.97(m,1H),2.69-2.63(m,1H),2.15-2.07(m,5H),2.01(s,3H),1.94(s,3H),1.85(s,3H),1.73-1.49(m,8H),1.21-1.11(m,8H),1.02(d,J=6.8Hz,4H)。
【0751】
コンジュゲートC-1の調製。C-1のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、固相合成によって生成され、次いでアニーリングされてC-1二本鎖を得た。2’-F又は2’-OMeなどのS1-1及び2’-修飾ヌクレオシドホスホルアミダイトを、オリゴヌクレオチド合成に使用した。合成は、標準的なオリゴヌクレオチド合成手順を使用して、固体支持体上で3’から5’方向において行った。概して、カップリング時間は、活性化剤として5-エチルチオ-1H-テトラゾール(ETT)を用いて300秒であった。生成した亜リン酸トリエステルをピリジン及び水の存在下でヨウ素により酸化した。ホスホロチオエート結合は、3-[(ジメチルアミノメチレン)アミノ]-3H-1,2,4-ジチアゾール-5-チオン(DDTT)の溶液を用いて生成した。次いで、合成されたオリゴヌクレオチドを脱保護し、固体支持体から切断し、SAX-HPLCで精製した。純粋な画分を合わせ、濃縮し、脱塩し、凍結乾燥して、C-1のセンス鎖及びアンチセンス鎖を得た。センス鎖及びアンチセンス鎖を水に再溶解し、それらの濃度をODによって決定した。それらの濃度に基づいて、2つの一本鎖をアニーリングして、>95%純度の二本鎖C-1を得た。コンジュゲートC-2、C-3、及びC-4を、C-1を生成するための上記と同様の手順を使用して調製した。
【0752】
実施例3.GalNAc G1bが標的遺伝子2にコンジュゲートしたsiRNA二本鎖のmRNAノックダウン活性。
表1に列挙したsiRNA二本鎖を用いて遺伝子サイレンシング活性を試験した。これらのsiRNA二本鎖を、標的遺伝子2への肝臓送達のために、GalNAc GC3(Glen Research、カタログ番号10-1974)又はGalNAc G1bのいずれかとコンジュゲートした。
図1に示すように、GalNAc G1bは、GalNAc GC3よりも良好な送達効率及びノックダウン活性を提供する。
【0753】
CD-1雌マウスに、GalNAcとコンジュゲートした0.5mg/kgのsiRNA二本鎖を皮下投与した。対照群にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を投与した。処置の4日後、次いで、動物に、pcDNA3.1(+)中の20μgの標的遺伝子2を尾静脈から流体力学的に注射した(HDI)。マウスを処置後1日目に屠殺した。肝臓組織を収集し、RNAlater(登録商標)中に4℃で一晩保存し、mRNA分析のためにRNAlater除去後に-80℃に移した。標的mRNAの減少を、CFX384 TOUCH(商標)Real-Time PCR Detection System(BioRad Laboratories,Inc.,Hercules,CA)を用いてqPCRによって測定した。全ての試料をPBS処置対照動物に対して正規化し、GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software Inc.,La Jolla,CA)を使用してプロットした。
【表5】
「f」及び「m」の小文字は、アデノシン、シチジン、グアノシン及びウリジンへのそれぞれ2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)及び2’-O-メチル(2’-OMe)糖修飾を示す。文字「s」は、ホスホロチオエート(PS)結合を示し、EPは、5’末端でのエチルホスホネート修飾を示し、GC3及びG1bは、以下に示されるようなGalNAc構造を示す:
【化82】
【0754】
実施例4.GalNAc G1bが標的遺伝子1にコンジュゲートしたsiRNA二本鎖のmRNAノックダウン活性。
表2に列挙したsiRNA二本鎖を用いて遺伝子サイレンシング活性を試験した。これらのsiRNA二本鎖を、標的遺伝子1への肝臓送達のためにGalNAc L96又はGalNAc G1bのいずれかとコンジュゲートした。
図2に示すように、GalNAc G1bは、GalNAc L96よりも良好な送達効率及びKD活性を提供する。
【0755】
CD-1雌マウスに、GalNAcとコンジュゲートした0.5mg/kgのsiRNA二本鎖を皮下投与した。対照群にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を投与した。処置の4日後、次いで、動物に、pcDNA3.1(+)中の10μgの標的遺伝子1を尾静脈から流体力学的に注射した(HDI)。マウスを処置後1日目に屠殺した。肝臓組織を収集し、RNAlater(登録商標)中に4℃で一晩保存し、mRNA分析のためにRNAlater除去後に-80℃に移した。標的mRNAの減少を、CFX384 TOUCH(商標)Real-Time PCR Detection System(BioRad Laboratories,Inc.,Hercules,CA)を用いてqPCRによって測定した。全ての試料をPBS処置対照動物に対して正規化し、GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software Inc.,La Jolla,CA)を使用してプロットした。
【表6】
「f」及び「m」の小文字は、アデノシン、シチジン、グアノシン及びウリジンへのそれぞれ2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)及び2’-O-メチル(2’-OMe)糖修飾を示す。文字「s」は、ホスホロチオエート(PS)結合を示し、EPは、5’末端でのエチルホスホネート修飾を示し、L96及びG1bは、以下に示されるようなGalNAc構造を示す:
【化83】
【0756】
均等物
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、上記の付随する明細書に記載される。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料を本開示の実施又は試験において使用することができるが、ここで好ましい方法及び材料を記載する。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数の対象物を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される全ての特許及び刊行物は、参照により組み込まれる。
【0757】
前述の説明は、例示の目的のためにのみ提示されており、開示された正確な形態に本開示を限定するものではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることを意図している。
【国際調査報告】