(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】胃腸管及び姿勢の支持のための衣類
(51)【国際特許分類】
A61F 5/37 20060101AFI20240725BHJP
A41C 1/02 20060101ALI20240725BHJP
A41C 1/00 20060101ALI20240725BHJP
A41D 27/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61F5/37 Z
A41C1/02 B
A41C1/00 E
A41C1/00 Z
A41C1/00 B
A41D27/00 C
A41D27/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507180
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 AU2022050828
(87)【国際公開番号】W WO2023010165
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524047512
【氏名又は名称】ピージーピー ヘルス ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PGP Health Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ラティフィ, アーディアン
【テーマコード(参考)】
3B035
3B131
4C098
【Fターム(参考)】
3B035AA02
3B035AA03
3B035AB07
3B035AB12
3B035AB17
3B131AA04
3B131AB10
3B131AB11
3B131AB12
3B131BA01
3B131BA02
3B131BA11
3B131BA21
4C098AA10
4C098BB05
4C098BC03
4C098BC13
4C098BC50
(57)【要約】
胃腸(GI:gastrointestinal)管を圧迫し支持するため、及びに姿勢を支持するための衣類、体重低減を促進する方法であって、GI管を同時に圧迫し持ち上げる医療用衣類を使用するステップを含む方法を含めた、使用及び治療の関連方法。本発明に係る衣類は、着用者の腹側部分を受容するように構成されている正面部であり、着用者によって着用されるときに、衣類が少なくとも下部胃腸管を同時に持ち上げ圧迫するように、第1の材料を有する少なくとも中央正面区分を備える正面部と、着用者の背側部分を受容するように構成されている背面部であり、着用者によって着用されるときに、背面部が、着用者の背側部分をさらに圧迫及び/又は支持するように配置されており、正面部による下部胃腸管の持上げを支持する背面部とを具備する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃腸管の機能を増進し、姿勢を支持するために、持ち上げ及び圧迫するための衣類であって、
着用者の腹側部分を受容するように構成されている正面部であり、前記着用者によって着用されるときに、前記衣類が少なくとも下部胃腸管を同時に持ち上げ圧迫するように、第1の材料を有する少なくとも中央正面区分を備える正面部と、
着用者の背側部分を受容するように構成されている背面部であり、前記着用者によって着用されるときに、前記背面部が、前記着用者の背側部分をさらに圧迫及び/又は支持するように配置されており、前記正面部による下部胃腸管の持上げを支持する背面部と、
を具備する衣類。
【請求項2】
第2の材料を備える少なくとも1つのパネルであって、前記少なくとも1つのパネルが、少なくとも前記背面部と積層されており、前記着用者によって着用されるときに、前記少なくとも1つのパネルが前記着用者の少なくとも背側部分を圧迫及び/又は支持するように配置されるように、延在する、少なくとも1つのパネルをさらに具備する請求項1に記載の衣類。
【請求項3】
前記正面部が、中央正面区分と、少なくとも2つの側方正面区分とを備える、請求項1又は2に記載の衣類。
【請求項4】
前記衣類が、前記背面部の中に組み込まれた中央弾性脊柱をさらに含み、前記着用者によって着用されるときに、前記中央弾性脊柱が、脊柱支持を実現するように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項5】
前記背面部が、少なくとも2つの背面区分を備える、請求項4に記載の衣類。
【請求項6】
前記少なくとも2つの背面区分が、前記第1の材料で提供されている、請求項5に記載の衣類。
【請求項7】
前記第2の材料が、前記第1の材料よりも大きな剛比を有する、請求項2に記載の衣類。
【請求項8】
前記第1の材料が、100%合成織物であり、好ましくはナイロン及びエラスタンから成る、請求項1~7のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項9】
前記第2の材料が、パワーメッシュ織物である、請求項7に記載の衣類。
【請求項10】
前記中央弾性脊柱が、前記第1の材料、及び好ましくはさらに前記第2の材料よりも大きな剛比を有する第3の材料から作製されている、請求項4に記載の衣類。
【請求項11】
前記第3の材料が、前記衣類を着用しているときに前記着用者が前方にかがむことを可能にしながら、前記衣類及び前記着用者の背部の中心に対する側方の支持を実現するために、垂直方向に伸びている2方向伸縮性を有する、請求項10に記載の衣類。
【請求項12】
前記中央弾性脊柱が、前記背面部に沿って中央に伸びている前記衣類の全高を拡大する、請求項4又は7に記載の衣類。
【請求項13】
前記少なくとも2つの背面区分が、前記中央弾性脊柱の両側に接合された側方区分である、請求項5に記載の衣類。
【請求項14】
前記衣類が、前記着用者の前記体にわたって下に引張られるベスト構造を形成し、前記中央正面区分が、前記パネルの残りと比較して前記ベストが容易に胃領域の上に引張られることを可能にするために必要な伸縮性をもたらす、請求項1~13のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項15】
前記少なくとも1つのパネルが、前記正面部及び/又は前記背面部の前記内側に積層されている、請求項2に記載の衣類。
【請求項16】
2つのセットのパネルが、上部セットのパネル及び下部セットのパネルを形成するように、片方が他方の上方に設けられている、請求項2又は15に記載の衣類。
【請求項17】
前記上部セットのパネルが、前記脊柱から下向きの角度で、前記背面部の前記縁部に向かって延在する、請求項16に記載の衣類。
【請求項18】
前記上部セットのパネルが、前記着用者の肩甲骨の下に整列するように配置されている、請求項16又は17に記載の衣類。
【請求項19】
前記下部セットのパネルが、前記衣類の前記下部裾に又は前記衣類の前記下部裾に隣り合って置かれている、請求項16~18のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項20】
前記下部セットのパネルが、下部胃腸管と整列するように、及びその領域に圧迫と持上げの要素とを提供するように配置されている、請求項16~19のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項21】
追加の圧迫要素が、前記中央正面区分を横切って延在するベルトの形で設けられている、請求項1~20のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項22】
着用者の胃腸管を圧迫し支持するための方法であって、
請求項1~21のいずれか一項に記載の衣類を前記着用者に着用させることによって、前記着用者の胃腸管を持ち上げ圧迫するステップ、
を含む方法。
【請求項23】
体重低減を促進する方法であって、胃腸管を同時に圧迫し持ち上げる医療用衣類を使用するステップを含む方法。
【請求項24】
着用者の胃腸機能を改善するために衣類を使用する方法であって、
前記着用者の胃腸管を同時に圧迫し持ち上げる衣類を用意するステップと、
前記衣類を前記着用者に、平均で1日あたり少なくとも8時間、少なくとも連続5日間着用させるステップと、
を含む方法。
【請求項25】
以下の生理的異常及び形態異常:肥満などの代謝障害、水貯留、異常な腸運動、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、セリアック病、クローン疾患)などの炎症疾患、膨満、消化不良、胃腸逆流症、低活力レベル、大きな食欲、腸内毒素症、ヘルニア、背部の痛み、手のしびれ、脊椎機能不全、関節の変性、頭痛、不良なバランス、呼吸困難、丸まった肩、太鼓腹などの課題に関係する不良姿勢、尿失禁、便秘、胸やけ、又は遅い消化のうちの少なくとも1つの治療における装置として使用される、請求項1~21のいずれか一項に記載の衣類。
【請求項26】
請求項1~21のいずれか一項に記載の少なくとも第1の衣類を前記患者に提供して、前記着用者を前記衣類内に置いて、前記衣類を1日あたり少なくとも8時間着用するように前記着用者に指示するステップと、前記着用者が着用している前記衣類の前記圧迫レベルを、胃腸管の前記圧迫を増大するように経時的に調整するステップとを含む、肥満の治療のための方法。
【請求項27】
以下の生理的異常及び形態異常:肥満などの代謝障害、水貯留、異常な腸運動、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、セリアック病、クローン疾患)などの炎症疾患、膨満、消化不良、胃腸逆流症、低活力レベル、大きな食欲、腸内毒素症、ヘルニア、背部の痛み、手のしびれ、脊椎機能不全、関節の変性、頭痛、不良なバランス、呼吸困難、丸まった肩、太鼓腹などの課題に関係する不良な姿勢、尿失禁、便秘、胸やけ、又は遅い消化のうちの少なくとも1つの治療のための方法であって、
前記着用者の胴部位を測定するステップと、
前記着用者への正しい合い具合、並びに要求される正しい圧迫及び/又は持上げ及び/又は背部支持で、請求項1~21のいずれか一項に記載の衣類を選択するステップと、
初期の期間の間、前記衣類を着用するように前記着用者に指示するステップと、
前記初期の期間の後に、進捗を評定するステップと、
第2の期間の間により大きな圧迫を持つ衣類が要求されるか否かを評定するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、胃腸(GI:gastrointestinal)管を圧迫し支持するため、及び支持姿勢のための衣類、並びに使用及び治療の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002](病原体、制御されていない炎症、生理的異常及び形態異常、遺伝的性質、消化管腸内毒素症によって引き起こされる)胃腸疾患、並びにメタボリックシンドローム(例えば肥満)は、世界中で広まって、高い罹患率及び死亡率を引き起こしてきた。
【0003】
[0003]胃腸(GI)疾患に寄与する要因のいくつかは、非ステロイドの抗炎症薬、遺伝的素因、不健康な生活様式、抗生物質の使用、病原体等である。
【0004】
[0004]最も一般的なGI疾患は、過敏性腸疾患、クローン疾患、セリアック病、潰瘍性大腸炎、膨満、胃酸逆流、便秘、腹痛、異常腸症候群、体液貯留、及び様々な胃腸関係の癌を含む。
【0005】
[0005]GI疾患に対する現在の治療は、オピオイド、運動性増進剤、抗炎症剤、下剤、下痢止め、制吐薬、食事の変更、及び抗癌剤治療を含む。
【0006】
[0006]メタボリックシンドロームは、不良な食事、年齢、民族性、不健康な生活様式に関連付けられており、条件として、心血管疾患、糖尿病、脳卒中、高血圧、及び他の健康疾患についての増加された危険性と相関する。
【0007】
[0007]世界の人口のおよそ60%が、過体重又は肥満体でいることによる影響を受けており、20%が胃酸逆流、30%が異形成、12%が便秘、0.3%が過敏性腸疾患、11.2%が異常腸症候群、26%が胃腸関係の癌を患い、毎年17億件の子供の下痢がある。
【0008】
[0008]これらの疾患の下にある原因は、早期に治療されなければしばしば生命に関わり、肥満体であることに関係した合併症の結果として、毎年少なくとも280万の人々が死亡している。そのような深刻な合併症は、2型糖尿病、心血管医学的状態、高血圧、特定の癌(乳癌、結腸癌、子宮内膜癌、及び胃腸管癌)、脳卒中、並びに自己免疫疾患の危険性を含む。さらに、およそ160万の人々が、2017年には世界的に下痢性疾患により死亡し、世界中で関係した死が340万あった。
【0009】
[0009]喫煙、ストレス、アルコールの消費、不健康な食事、及び身体活動の欠如を含む社会的要因並びに環境的要因は、肥満及び他の胃腸関係の疾患に寄与する。例えば、不良なすなわち仕事での座り姿勢と組み合わされた身体不活動は、明らかに急速な体重増加を引き起こすことが実証されてきた。
【0010】
[0010]肥満体の個人の目立った体の特徴は、
図1に示すような洋ナシ形状型のウエストラインである。ウエストラインがより大きくなると、上記で述べた深刻な合併症の危険性がより高くなる。
【0011】
[0011]これらの深刻な合併症は、GI管の下部端部、腹部部位/胴体、又は腹に貯蔵される内臓脂肪の蓄積から生じる。この脂肪は、腕、尻、太ももなどの体の他の部分の周囲に蓄積する脂肪とは異なる。内臓脂肪は、大量の有毒物質を含む多くの種類のホルモン及び化学物質を合成することが可能な内分泌器官である。
【0012】
[0012]内臓脂肪によって生成されたこれらの有毒物質の蓄積は、小腸及び大腸の大きさの改変、抗生物質治療の結果としての微生物叢の損失、有毒廃棄物及びガスの増強、微小炎症、過剰な体液等を引き起こし得る。有毒物質はまた、腹壁内で血管を閉塞させ得、又は腹壁の外側に蓄積し得る。
【0013】
[0013]血管の狭窄又は閉塞が、高血圧、心血管疾患、及び体の多くの部分における炎症につながることは一般的な知識である。特に、内臓脂肪は、インターロイキン-6(IL-6)、IL-1、及び腫瘍壊死因子(TNF:tumor necrosis factor)などのサイトカインを生成する免疫系を損なう。最後に、代謝経路の乱れも、内臓脂肪の蓄積に関連付けられている。
【0014】
[0014]さらに、長期間にわたって蓄積した内臓脂肪は、上記で説明したように、内臓脂肪の有害な影響及び生理的変化のため低減するのが困難である。
【0015】
[0015]以上より、体重を低減し、解毒を増進し、過剰な体液及びガスを低減し、食欲を抑制し、膨満及び炎症を低減し、経時的に引き起こされた進行中の損傷から体が体自体を治癒することを次第に可能にすることの必要性があると理解されよう。
【0016】
[0016]圧迫療法は、足の血流の活性を増大させ、心臓への全血流を改善して、腫脹を減少させ、局所炎症を低減することによって、いくつもの医学的状態を治療する効果的な手段として長年使用されてきた。同様に、ヨガ実践で使用される圧迫姿勢は、胃及び下腹部を圧迫することを通じて消化を改善することが示されてきた。
【0017】
[0017]本発明は、GI管能力を改善することを援助する着用可能な製品を提供することによって、上記の課題のうちのいくつかに対処すること、及び先行技術の欠点を少なくとも部分的に矯正することを目指す。
【0018】
[0018]本明細書におけるいずれの先行技術の参照も、この先行技術がいずれかの司法権において共通の一般的な知識の一部を形成すること、又はこの先行技術が当業者によって理解され、関係すると考慮され、及び/若しくは先行技術の他の断片と組み合わされると合理的に期待され得ることの自認或いは示唆ではない。
【発明の概要】
【0019】
[0019]本発明は、少なくとも下部GI管の圧迫及び持上げの両方が、機能を改善するという発明者の認識から生まれた。加えて、下部GI管内及び下部GI管の周囲の重い重量により、しばしば不良な姿勢が引き起こされるので、これらの人々の上部及び下部の背部を支持することによって、彼らの姿勢を改善することが有益であろう。
【0020】
[0020]第1の態様によれば、胃腸(GI)管の機能を増進し、姿勢を支持するために、持ち上げ及び圧迫するための衣類であって、
着用者の腹側部分を受容するように構成されている正面部であり、着用者によって着用されるときに、衣類が少なくとも下部GI管を同時に持ち上げ圧迫するように、第1の材料を有する少なくとも中央正面区分を備える正面部と、
着用者の背側部分を受容するように構成されている背面部であり、それにより、着用者によって着用されるときに、背面部が、着用者の背側部分をさらに圧迫及び/又は支持するように配置されており、正面部による下部GI管の持上げを支持する背面部と
を具備する衣類が提供される。
【0021】
[0021]一実施形態において、第2の材料を備える少なくとも1つのパネルであって、少なくとも1つのパネルが、少なくとも背面部と積層されており、着用者によって着用されるときに、少なくとも1つのパネルが着用者の少なくとも背側部分を圧迫及び/又は支持するように配置されるように、延在する、少なくとも1つのパネルが、提供されてもよい。
【0022】
[0022]正面部は、中央正面区分と、少なくとも2つの側方正面区分とを備えてもよい。
【0023】
[0023]一実施形態において、背面部の中に組み込まれた中央弾性脊柱が提供されてもよく、それにより、着用者によって着用されるときに、中央弾性脊柱は、脊柱支持を実現するように配置されている。背面部は、少なくとも2つの背面区分を備えてもよい。少なくとも2つの背面区分は、第1の材料で提供されていてもよい。
【0024】
[0024]第2の材料は、第1の材料よりも大きな剛比を有することが好ましい。第1の材料は、100%合成織物であってもよく、好ましくはスパンデックスなどのナイロン及びエラスタンから成ってもよい。第1の材料は、液体チタニウム織物であってもよい。第1の材料は、4方向伸縮性を有することが好ましい。
【0025】
[0025]第2の材料はまた、4方向伸縮性を有することが好ましい。第2の材料は、パワーメッシュ織物であることが有利である。パワーメッシュ織物は、ポリエステル、ナイロン、及びエラストマー織物から作製されてもよい。
【0026】
[0026]中央弾性脊柱は、第1の材料、及び理想的にはさらに第2の材料よりも大きな剛比を有することが好ましい第3の材料で作製されている。中央弾性脊柱は、背面部に沿って中央に伸びている衣類の全高を拡大する。一実施形態において、少なくとも2つの背面区分は、中央弾性脊柱の両側に接合された側方区分である。第3の材料は、衣類を着用しているときに着用者が前方にかがむことを可能にしながら、衣類及び着用者の背部の中心に対する側方の支持を実現するために、垂直方向に伸びている2方向伸縮性を有することが理想である。
【0027】
[0027]衣類は、着用者の体にわたって下に引張られるベスト構造を形成することが好ましく、中央正面区分は、残りの少なくとも1つのパネルと比較してベストが容易に胃領域の上に引張られることを可能にするために必要な伸縮性をもたらす。
【0028】
[0028]少なくとも1つのパネルは、正面部及び/又は背面部の外側に積層されてもよいが、より好ましくは内側で積層されている。少なくとも1つのパネルは、層の互いに対する動きを回避するために、2つの層を通って縫い付けられてもよい。少なくとも1つのパネルは、脊柱の両側から側方に少なくとも背面部の縁部まで延在する2つのパネルであってもよい。少なくとも1つのパネルは、脊柱から中央正面区分の縁部に回って延在してもよい。
【0029】
[0029]2つのセットのパネルは、上部セットのパネル及び下部セットのパネルを形成するように、片方が他方の上方に設けられていてもよい。上部セットのパネルは、中央弾性脊柱から下向きの角度で、背面部の縁部に向かって延在してもよい。上部セットのパネルは、着用者の肩甲骨の下に整列するように配置されていてもよい。
【0030】
[0030]下部セットのパネルは、衣類の下部裾に又は衣類の下部裾に隣り合って置かれていてもよい。一実施形態において、下部セットのパネルは、脊柱において衣類の裾の上方で始まり、衣類の正面において裾に向かって下向きに湾曲してもよい。下部セットのパネルは、下部胃腸(下部GI)管と整列するように、及びその領域に圧迫と持上げの要素とを提供するように配置されていることが有利である。
【0031】
[0031]中央正面区分を横切って延在するベルトの形をとってもよい追加の圧迫要素が、提供されてもよい。一実施形態において、ベルトは、下部セットのパネルの端部を接合するため、及び下部GI領域の周囲の圧迫ループを完了するための延長部を提供する。ベルトは、第2の材料よりも大きな剛性であることが理想である任意の適切な織物で作製されてもよく、多数の層の第2の材料を積層してベルトを作り出すことによって作製されてもよい。ベルトの一方の端部は、正面中央領域の縁部に好ましく縫い付けられており、他の端部は、反対側の側方正面区分にわたって延在し、反対側の側方正面区分に留められることができる。留め具は、例えば、着用者によって圧迫の程度が調整されることを可能にするホック及び面ファスナーであってもよい。
【0032】
[0032]ベストの形状は、袖ぐりが正面よりも背部でさらに切り込まれており、このことが、残りの衣類の特徴と組み合わせて着用者の肩が後ろに引張られることにつながるように、袖ぐりが提供されるようなものであってもよい。
【0033】
[0033]第2の態様によれば、着用者の胃腸(GI)管を圧迫し支持するための方法であって、
本発明の第1の態様による衣類を着用者に着用させることによって、着用者のGI管を持ち上げ圧迫するステップ
を含む方法が提供される。本発明は、本発明の第1の態様による衣類を着用することによってGI健康を改善するために人を治療する方法に、さらに拡大してもよい。
【0034】
[0034]本発明の第3の態様によれば、体重低減を促進する方法であって、GI管を同時に圧迫し持ち上げる医療用衣類を使用するステップを含む方法が提供される。
【0035】
[0035]本発明の第4の態様によれば、着用者のGI機能を改善するために衣類を使用する方法であって、
着用者のGI管を同時に圧迫し持ち上げる衣類を用意するステップと、
衣類を着用者に、平均で1日あたり少なくとも8時間、少なくとも連続5日間着用させるステップと
を含む方法が提供される。
【0036】
[0036]着用者は、継続時間を、1日あたり8時間から超えた時間に最大24時間まで、増加させることが理想である。
【0037】
[0037]本発明の第5の態様によれば、以下の生理的異常及び形態異常:肥満などの代謝障害、水貯留、異常な腸の動き、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、セリアック病、クローン疾患)などの炎症疾患、膨満、消化不良、胃腸逆流症、低活力レベル、大きな食欲、腸内毒素症、ヘルニア、背部の痛み、手のしびれ、脊椎機能不全、関節の変性、頭痛、不良なバランス、呼吸困難、丸まった肩、太鼓腹などの課題に関係する不良な姿勢、尿失禁、便秘、胸やけ、又は遅い消化のうちの少なくとも1つの治療における装置として使用される第1の態様による衣類が提供される。
【0038】
[0038]本発明の第6の態様によれば、第1の態様による少なくとも第1の衣類を患者に提供して、着用者を衣類内に置いて、衣類を1日あたり少なくとも8時間着用するように着用者に指示するステップと、着用者が着用している衣類の圧迫レベルを、GI管の圧迫を増大するように経時的に調整するステップとを含む、肥満の治療のための方法が提供される。
【0039】
[0039]本発明の第6の態様によれば、使用される衣類は、着用者の胴体を横切る調整可能ベルトを含むことが好ましい。代替的には、着用者には、異なる圧迫等級及び大きさのいくつもの衣類が提供されてもよい。
【0040】
[0040]本発明の第7の態様によれば、以下の生理的異常及び形態異常:肥満などの代謝障害、水貯留、異常な腸の動き、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、セリアック病、クローン疾患)などの炎症疾患、膨満、消化不良、胃腸逆流症、低活力レベル、大きな食欲、腸内毒素症、ヘルニア、背部の痛み、手のしびれ、脊椎機能不全、関節の変性、頭痛、不良なバランス、呼吸困難、丸まった肩、太鼓腹などの課題に関係する不良な姿勢、尿失禁、便秘、胸やけ、又は遅い消化のうちの少なくとも1つの治療のための方法であって、
着用者の胴部位を測定するステップと、
着用者への正しい合い具合、並びに要求される正しい圧迫及び/又は持上げ及び/又は背部支持で、第1の態様による衣類を選択するステップと、
初期の期間の間、衣類を着用するように着用者に指示するステップと、
初期の期間の後に、進捗を評定するステップと、
第2の期間の間により大きな圧迫を持つ衣類が要求されるか否かを評定するステップと
を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
[0041]本発明のさらなる態様、及び前の段落で説明された態様のさらなる実施形態は、例として且つ添付図面を参照して与えられる以下の説明から明らかになる。
【
図1】体格指標を用いて定義された肥満体及び過体重の人々の表示を示す図である。
【
図2】通常の機能のGI管A対過体重のGI管Bの表示を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による衣類の正面図である。
【
図5】例示の容易さのために内部の積層された複数のパネルを示す、本発明の第2の実施形態による衣類の正面図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態による衣類の正面図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態による衣類の正面図である。
【
図11】本発明の第5の実施形態による衣類の正面図である。
【
図13】本発明の第6の実施形態による衣類の正面図である。
【
図15】本発明の第7の実施形態による衣類の正面図である。
【
図17】使用者が本発明の衣類を着用した後の、改善された機能のGI管Cの表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0060]本発明の衣類10の一実施形態が
図3に示されている。衣類10は、肥満体、過体重、又は必要に応じて他の者に着用される筒状の構造を持つ、解毒を増進し、彼らの代謝/活力レベルを増加させ、腸の動きを調整し、膨満及び炎症を低減するための医療用ベストである。概して、重量が増えると、下部GI管、小腸、及び大腸は、特に、毒、ガス、及び過剰な体液の増強により、身体的に拡張された状態になって、痛み及び他の身体的異常を引き起こす。このことは
図2に示されており、
図2は、絵Aにおける通常機能のGI管対絵Bにおける過体重又は肥満体のGI管の間の、GI管における変化の表示を示している。次いで、GI管のこれらの変化は、GI管の機能を鈍化させ、抑圧して、いくつもの体重増加に関係した既知の疾患を引き起こす。したがって本発明者は、GI管を持ち上げ、圧迫して、時間の関数としてGI管の通常の状況に逆戻りさせるような生理学変化を可能にし、このようにしてGI管機能の改善を可能にすることを目指す。
【0043】
[0061]本発明者は、GI管全体を圧迫することが、着用者の食欲を抑制すること、いずれの過剰な体液/ガスをも体が排除するように役立つこと、及び筋収縮を支持することによって、GI管の機能をさらに支持し、炎症及び膨満を低減することを認識した。さらに、GIを持ち上げることにより、大腸、小腸、及び骨盤内器官は、この領域に蓄積された重い重量からのいずれの妨害もなく、通常の生理的状態と同様の方法で、より良く機能することが可能になる。
【0044】
[0062]本発明は、健康及びGI管の能力を改善する圧迫特性及び持上特性の有益な効果に関する発明者による認識から生じる。発明者は、圧迫特性のみを持つウエストラインシェイパーの効果が、胃酸逆流の増加、領域の周囲の痛い感覚、及び呼吸の困難さを引き起こすことを観察した。それゆえ本発明は、上述の合併症を回避しながら、自然な方法で、不良な姿勢、運動の欠如、不良な食事、ストレス、アルコール、遺伝的性質の下にあるもの、及び他の有力な要因によって長期の時間にわたって発生したものでもよい生理的変化を、次第に逆戻りさせることによって、GI管及び姿勢を改善するための代替的で新規の手法を提供する。
【0045】
[0063]衣類10は、正面部12(
図3に示されている)と、背面部14(
図4に示されている)とを備える。正面部12は着用者の腹側部分を覆い、一方で背面部14は着用者の背側部分を覆う。
図3に示す実施形態では、正面部12は、正面部12の中心に沿って配置されている中央正面区分16と、中央正面区分16の両側に側方に縫われている2つの側方正面区分18a、18bから造られている。中央正面区分16の縁部は、縫目20a、20bを作り出す。
【0046】
[0064]
図4に示す背面部14は、中央弾性脊柱24から離れて側方に延在する2つの背面区分22a、22bを備える。脊柱24は、他部とは異なる材料を表すために、図面において対照的な色で表されており、この異なる材料は以下でさらに説明される。
【0047】
[0065]正面部10の中央正面区分16、及び背面部14の背面区分22a、22bは、着用者の肩の上に延在するつながった一片の織物として作り出されており、その結果、肩の縫目はない。2つの側方正面区分18a、18b及び背面区分22a、22bは、側部縫目24a、24bでそれぞれ連結されている。
【0048】
[0066]本発明の他の実施形態では、2つの側方正面区分18a、18b及び背面区分22a、22bは、側部の縫目なしで、つながった一片の織物として延在することができると理解されよう。
【0049】
[0067]衣類は、100%合成織物などの第1の材料で主に作製されてもよく、好ましくはスパンデックスなどのナイロン及びエラスタンから成ってもよい。第1の材料は、
図3~
図6において灰色の区分によって図示されている。さらに、第1の材料は、液体チタニウム織物であってもよい。本実施形態において、ベストを作り出すために使用されている織物は、液体チタニウム75%及びスパンデックス25%から成る。
【0050】
[0068]液体チタニウムの特性は、50+の高UV率、柔軟で快適な感覚、優れた伸縮性及び形状保持、高い保持能力、優れた4方向伸縮性、撥水性を含み、速乾性の織物である。
【0051】
[0069]液体チタニウム織物は、圧迫の有無によらず血流を増加させることが既知である。液体チタニウム織物は、熱を放射し、皮膚の皮下組織で体温を上げて、免疫系を強め、鎮痛及び解毒をもたらし、代謝及び活力レベルを増大させ、抗菌/抗生特性及び消臭を有する。かくして、この織物は、ヘッドバンド、スポーツ用衣服、リストバンド、及び他の多くの関節用バンドなどの製品に幅広く使用されている。
【0052】
[0070]衣類10の正面部12及び背面部14は、GI管の全体を通して、特に下部GI管の周りの腹部領域に、持上げ及び圧迫を作り出すように構成されている。中央正面区分16の周囲の液体チタニウム織物の4方向伸縮特性は、下部裾26より垂直方向に引張る手法によって働く。材料は、ベストを大腸及び小腸の全体にわたって引張るために要求される伸縮性をもたらし、結果としてこのことが、着用者の胃に対する影響を有する。一旦ベストが下部GI管上に引張られると、着用者の肩上に延在するベストである衣類と組み合わされた第1の織物の圧迫性質は、GI管領域全体を持ち上げ圧迫することになる。
【0053】
[0071]ベストが効果的であるために、大抵の場合、ベストの少なくとも4cmが、着用者の胃の上で下に伸縮する(引張られる)必要があり、このことが、GI管に対して十分な持上げを引き起こすことになる。
【0054】
[0072]背面部14において、液体チタニウムの4方向伸縮性が、上体を後方に、そして背部の下部部分を内側に引張って、背部支持を実現する。中央弾性脊柱24は、衣類10の全高を拡大して背面部14に沿って中央に伸びている。本実施形態において、中央弾性バンドは、縫目28において2つの背面区分22a22bを接合する。中央弾性脊柱24は、第1の材料よりも大きな剛比を有することが好ましい材料で作製されている。この織物は、衣類を着用中に着用者が前方にかがむことを可能にしながら、衣類及び着用者の背部の中心に対する側方の脊柱支持を実現するために、脊柱に沿って垂直方向に伸びている2方向伸縮性を有することが理想である。
【0055】
[0073]追加の姿勢支持は、着用者の肩を後ろに引張って不適当な姿勢を正すために、正面よりも背面でさらに切り込まれている袖ぐり30a、30bを備えている。今度は、この追加の姿勢支持が、着用者が全体的に適正な姿勢を維持することを可能にし、生理的変化を本来の形状及び形態に戻して、次第に且つ安全な方法で、着用者の全体的な健康を改善する。改善された姿勢は、GI管機能を改善することを援助する。
【0056】
[0074]衣類の造りは、衣類の襟ぐり32、袖ぐり30a、30b、及び下部裾26それぞれに沿って延在する折り重ねられたゴム紐など、美的及び機能的な特徴をさらに補足するための追加の仕上げを含む。下部裾26は、着用者の皮膚を優しく掴んで使用中に衣類が持ち上がることを防止するために、内側表面に沿ったシリコーン帯を含んでもよい。
【0057】
[0075]衣類における追加の有益な圧迫は、衣類の有効性を高めるように明確に形状を定められ配置された複数のパネルによって実現されることができる。これらのパネルは、
図5及び
図6に示す実施形態に表されている。複数のパネルが正面部並びに背面部の第1の織物の層に対して内部及び外部のいずれに配置されてもよいことが理解される一方、複数のパネルは、内側表面に配置されていることが好ましい。しかしながら表示の容易さのために、
図5及び
図6では、複数のパネルは図において見えている。縫付けは、層の互いに対する動きを回避するために、織物の2つの層を通って延在する。
【0058】
[0076]1つのセットのパネルのみが設けられてもよい一方、本実施形態は、2つのセット、上部セット及び下部セットを含む。複数のパネルは、第2の材料又は第2の材料の二重層で作製されていることが好ましい。第2の材料は、4方向伸縮性を持つパワーメッシュ織物であってもよく、第1の材料よりも大きな剛比を有することが理想である。パワーメッシュ織物は、ポリエステル及びナイロンから作製されてもよい。パワーメッシュは、湿気を逃すことが可能であり体を涼しく保つので活動用の服に適切な、軽量且つ通気性のある材料であることが既知である。これらのより硬い材料の追加のパネルは、重要な場所において衣類に追加の圧迫及び支持をもたらすことを意図されている。
【0059】
[0077]
図6を見てみると、
図6は、衣類の背面を示しており、弾性脊柱24が襟ぐり32から裾26まで中央に伸びていることがわかる。脊柱24は、襟ぐりにおいてわずかに幅広く、着用者の脊柱の中心に沿って内側に次第に湾曲している。
【0060】
[0078]上部セットのパネル34a、34bは、脊柱24の側部縫目28a、28bから下向きの角度で、背面部の縁部に向かって側部縫目24a、24bまで延在する。上部セットのパネルは、着用者の肩甲骨の下に整列するように配置されてもよい。比較的より硬い材料のこの上部セットのパネルは、着用者の姿勢を改善することを援助し、また着用者の下部GI管及び胃の重量の一部を上部の肩の区分に移送する。
【0061】
[0079]下部パネルのセット36a、36bは、衣類10の下部裾26に隣り合って置かれて、脊柱24の側部縫目28a、28bから側方に延在する。パネル36a、36bは、衣類10の下部裾26のわずかに上方から始まって、解剖学的に着用者の臀部の外方湾曲の上方に載っている。次いで、パネル36a、36bは、着用者の胴の周囲を包み込むように下部裾18に向かって下向きに湾曲している。
図5に示すように、パネル36a、36bは、正面部14に回って延在し、中央正面区分16の正面縫目20a、20bで終わっている。
【0062】
[0080]上記で述べた特徴により、本発明は、筋肉、靭帯、関節、及び椎間板に対する持上げ並びに支持のさらなる要素を提供しながら、圧迫のさらなる要素を提供するために、パネル26a、26bを下部GI管と整列させたことが有利である。これらの解剖学的な構造物は、コンピュータの前に座っている間の不適当な姿勢、身体的損傷、高度免疫等によって損傷を受けてきた場合があり、このようして、体が体自体を治癒することを次第に可能にする。
【0063】
[0081]この例示的な実施形態において、パネル36a、36bは、中央正面区分16及び着用者の胃を横切って延在しないことに留意されたい。このことが、着用者が衣類の中に入るため、及び胃領域を超えてベストを伸縮させるために要求される伸縮性並びに可撓性をもたらす。胃領域の圧迫及び持上げをさらに増進するために、調整可能ベルト38が、中央正面区分16を横切って延在する。調整可能ベルト38は、下部GI領域の周囲を、縫目20aから正面区分16を超え、反対側の縫目20bを過ぎて、反対側の側方正面区分18bに留まるように延在する。本実施形態において、留め具は、調整可能ベルト38の内部側に配置されたオスのベロクロ(Velcro)(登録商標)40aの形である。
図5に示すように、オスのベロクロ(登録商標)40aは、側方正面区分18bの外側にあるメスのベロクロ(登録商標)40bに留まる。留め具は、着用者によって圧迫の程度が調整されることを可能にする任意の適切な留め具であってもよいことが理解される。
【0064】
[0082]本実施形態において、調整可能ベルト38は、下部GI領域の周囲に追加の圧迫要素を提供するために、4つの層のパワーメッシュで作製されている。ベルトはまた、使用されているすべての他の材料よりも大きな剛性であることが理想である任意の適切な織物で作製されてもよく、多数の層の材料を積層してベルトを作り出すことによって作製されてもよいことが理解される。
【0065】
[0083]
図7及び
図8は、本発明の異なる実施形態の正面図及び背面図を示している。
図3~
図6に表した実施形態において既に開示した
図7及び
図8における衣類10の特徴は、さらに議論されない。
【0066】
[0084]
図7では、縫目側20aから縫目側20bまで中央正面区分16の中間点を横切って延在する下地パネル17cによって上部GI領域への追加の圧迫を追加する。この上部GI領域への追加の圧迫は、着用者の食欲の抑制を促進し、このことが着用者の減量の道のりを援助する。
【0067】
[0085]
図8において、下部パネルのセット46a、46bは、衣類10の下部裾26に隣り合って置かれて、脊柱24の側部縫目28から側方に延在し、GIの上部部分に圧迫をもたらすために、袖ぐり30a、30bの底部まで長手方向に上に延在する。下部パネル46a、46bは、パワーメッシュの内部パネルとして最適に造られており、一方で衣類の外層は液体チタニウム織物から作製されている。上部セットのパネル34a、34bもまた、パワーメッシュベルト38と同様にこの実施形態に含まれている。
【0068】
[0086]
図9及び
図10に示す衣類10の実施形態は、他の変形例よりも軽い圧迫を有するので、
図3及び
図4に示した変形例と同様に、
図5~
図8に表された実施形態のスポーツの変形例又はより軽い変形例として使用されることができる。持上げ及び背部支持は、上記で説明した下部パネルのセット46a、46b及び上部セットのパネル34a、34bによって実現される。
【0069】
[0087]
図11及び
図12に示す衣類10の実施形態は、深刻な過体重ではない個人向けに設計されている。これらの個人は、一般的に、追加の脊柱又は背部支持を必要としない。特に、衣類の背面部分は、縫目24aから縫目24bまで側方に延在する1つの背面区分19を備える。下部内部パネル21は、衣類10の下部裾26に隣り合って置かれて、縫目24aから縫目24bまで側方に延在する。パネル21は、衣類10の下部裾26の上にあって、解剖学的に着用者の臀部の外方湾曲に載っている。
図12に示すように、パネル21は、正面部14に回って延在し、中央正面区分16の正面縫目20a、20bで終わっている。この実施形態は、ベルト38を含んでもよい。この実施形態は、
図7の実施形態に示したものと同様に、上部GIパネルを追加的に含んでもよい。
【0070】
[0088]
図13及び
図14は、衣類10が、正面部712と背面部714とを備えるさらなる実施形態を示している。正面部712は着用者の腹側部分を覆い、一方で背面部714は着用者の背側部分を覆う。正面部712は、中央正面区分716、及び着用者の胃を横切って配置されている下部パネル738から造られている。バックル付きのストラップ771a、771bは、中央正面区分716に沿って垂直方向に延在して、正面区分716の頂部に接合している。バックル付きのストラップ771a、771bは、着用者の胃領域の調整可能な持上げを実現するためのバックル調整具772a、772bを備える。
【0071】
[0089]中央正面区分716及びバックル付きのストラップ771a、771bは、コットンドリルなどの静的材料で主に作製されてもよい。下部パネル738は、下部GI管を横切る圧迫を実現するために、弾性材料から作製されている。
【0072】
[0090]背面部714は、背面区分770、722a、722bを備える(
図14)。背面区分770は、着用者の上部背側部分を覆って、側部縫目724aから側部縫目724bまで延在する。背面区分770は、コットンドリルなどの静的材料で主に作製されてもよい。
【0073】
[0091]背面部714の背面区分770、及び正面部712のバックル付きのストラップ771a、771bは、着用者の肩の上に延在するつながった一片の織物として作り出されており、その結果、肩の縫目はない。
【0074】
[0092]側方背面区分722a、722bは、中央弾性脊柱724から離れて側方に延在する(
図14)。2つの側方背面区分722a、722bは、縫目728において中央弾性脊柱724に連結されている。2つの後の背面区分722a、722b及び中央弾性脊柱724は、縫目750において背面区分770を接合している。
【0075】
[0093]中央弾性脊柱724は、衣類を着用中に着用者が前方にかがむことを可能にしながら、衣類及び着用者の背部の中心に対する側方の脊柱支持を実現するために、脊柱に沿って垂直方向に伸びている1方向伸縮性を有する材料で作製されている。背面区分722a、722bは、コットンドリルなどの静的材料で主に作製されてもよい。
【0076】
[0094]胃領域の圧迫及び持上げをさらに増進するために、ベルト738が、調整可能であり、衣類を側方背面区分722bに留めるように下部GI領域の周囲を延在する。ベルトは、任意の適切な弾性織物で作製されてもよい。
【0077】
[0095]本実施形態において、留め具は、ベロクロ(登録商標)の形であるが、留め具は、ホック及びアイクロージャなどの、着用者によって圧迫の程度が調整されることを可能にする任意の適切な留め具であってもよいことが理解される。
【0078】
[0096]本発明のさらなる実施形態が、中央弾性脊柱を装備しておらず、側部縫目間に配置されている静的材料での単一の背面パネルのみである背面部714を有することによって、
図13及び
図14における実施形態とは異なってもよいことが理解されよう。
【0079】
[0097]
図15及び
図16は、本発明の別の実施形態の正面図及び背面図を示している。この実施形態において、衣類10は、正面部912(
図15)と背面部914(
図16)とを備える。正面部912は着用者の腹側部分を覆い、一方で背面部914は着用者の背側部分を覆う。正面部912は、正面部912に沿って配置されている正面区分916から造られている。
【0080】
[0098]上部パネル917は、中央正面区分916の上部部分において、縫目側924aから縫目側924bまで長手方向に延在する。上部パネル917は、着用者の上部の胴を横切る追加の持上げ及び圧迫を実現することが理解される。正面区分916及び上部パネル917は、クールメッシュなどの軽量材料で主に作製されてもよい。
【0081】
[0099]
図16における実施形態の背面部914は、縫目側924aから縫目側924まで延在するつながった一片の織物としてのパネル919を備える。パネル919は、着用者の肩の上にさらに延在し、ベロクロ(登録商標)留め具972a、972bは、正面区分916上で留まって、着用者によって持上げの程度が調整されることを可能にする。パネル919は、伸縮性のある静的織物で主に作製されてもよい。
【0082】
[0100]
図16における中央弾性脊柱924は、背面部914において長手方向に接合されている。中央弾性脊柱924は、衣類を着用中に着用者が前方にかがむことを可能にしながら、衣類及び着用者の背部の中心に対する側方の脊柱支持を実現するために、脊柱に沿って垂直方向に伸びている1方向伸縮性を有する材料で作製されている。
【0083】
[0101]本発明のさらなる実施形態が、
図3~
図16において開示された実施形態のうちの正面部及び背面部の異なる組合せを備え得ることが理解される。
【0084】
[0102]
図17は、GI管を示す着用者上の本発明によるベストの表示を示している。矢印は、GI機能を改善するための衣類の下部領域の周囲の水平方向で半径方向の圧迫、及び垂直方向のGI管の持上げを示している。
【0085】
[0103]
図18aは、異なる体の大きさ及び形状の男性の着用者を収容することができる、異なる大きさの衣類10を備える表を示している。
図18bは、異なる体の大きさ及び形状の女性の着用者を収容することができる、異なる大きさを備える別の表を示している。体重低減により使用者が大きさにおいて低減するときに、その人は、衣類の大きさを下に移す必要があることがある。使用者は、彼らの体が衣類の着用に慣れる間は、最小の圧迫を有する衣類で開始してもよい。彼らは、調整可能ベルトを組み込む衣類で始めてもよく、そうして彼らは、経時的に圧迫及び持上げを増大させることができる。大きさが低減すると、彼らはまた、食欲を抑制するための特定の上部GI圧迫を持つものを含めた、より大きなレベルの圧迫を有する衣類に移ることが提案されることがある。
【0086】
[0104]本発明は、衣類を着用することによってGI健康を改善するために人を治療する方法にさらに拡大してもよい。ベストを1日4時間から着用し、1日8時間に次いで1日12時間に進める10未満の個人の小さな群において、発明者は、1週間後に、腸の動きの改善、ウエストラインの2.5cm及び全体的な重量の1.5~2kgの低減、胃酸逆流の低減、並びに改善された姿勢を観察した。これらの数字は、着用者の元の大きさに応じて、4週間の期間にわたって増加する。
【0087】
[0105]本発明は、過体重、肥満体、及び毎日の生活をこなすGI管の機能を改善する必要性のある人々によって、彼らの着衣のすぐ下に着用されることができ、彼らが着用しているときに、医学的治療又は彼らの身体能力の増進を実現している着用可能な衣類を提供する。本衣類は、着用者の姿勢を改善し、このこと自体が、GI系の機能に対する影響を有し、下部GI管をより良い機能位置まで持上げ、下部GI管の機能をさらに改善し不健康な体液を低減するための圧迫を実現する。
【0088】
(事例研究実施例)
[0106]以下の事例研究実施例は、健康及びGI管の能力を改善するための、本発明の圧迫特性及び持上特性の有益な効果を強調する。概して、着用者によって言及された全体的な改善は、とりわけ、低減された背部の痛み、改善された姿勢、炎症の低減、低減された膨満、低減された関節の腫脹、減量、改善された活力レベル、腸の動きの調整、低減された胃酸逆流を含んだ。
【0089】
[0107]事例研究1:健康評価者として働いている30代の女性が、本衣類を3週間、概ね1日24時間着用した。女性は、初めの3~4日後に健康改善を観察した。衣類を着用する前、女性は深刻な背部の痛み(等級9/10)を有し、膨満及び水貯留を伴っていた。3週間後、女性は2~3kg減らした。衣類はまた、膨満、体液、及びガスを低減することにも役立った。女性は、背部の下部部分の顕著に低減された痛み(等級5/10)を報告した。
【0090】
[0108]事例研究2:映画及びテレビ業界で働いている30代の男性が、本衣類を5~6カ月間、概ね1日24時間着用した。男性は、初めの7~8日後に健康改善を観察した。衣類を着用する前、男性は悪い姿勢及び深刻な背部の痛み(等級9/10)を有していた。男性はまた、膨満及び胃食道酸逆流を患っていた。5~6週間後、衣類は、膨満を低減することに役立ち、胃酸逆流の発生を顕著に低減した。背部の痛みが低減した(等級7/10)。
【0091】
[0109]事例研究3:会計士として働いている50代の男性は、本衣類を8カ月間、概ね1日24時間着用した。男性は、初めの5~6日後に健康改善を観察した。衣類を着用する前、男性は悪い姿勢を有していた。男性はまた、過体重であり、膨満を患っていた。衣類の有益な効果として、男性は、姿勢を改善し、7kg減らした。
【0092】
[0110]事例研究4:年金受給者の70代の男性が、本衣類を16カ月間、継続的ではなく着用した。男性は、初めの7~10日後に健康改善を観察した。衣類を着用する前、男性は悪い姿勢を有していた。男性はまた、肥満、膨満を患っており、胃食道酸逆流のために投薬中だった。衣類の有益な効果として、男性は、8kg及び体の外周の周囲を6cm減らした。さらに、男性は、膨満がより少なくなり食欲が低減し、胃食道酸逆流のための投薬は、もはや要求されなくなった。
【0093】
[0111]事例研究5:事業主の50代の女性が、本衣類を1カ月間着用したり脱いだりした。着用する前、その人は、余分な重量による主要な背部の問題を有し、過敏性腸症候群による便の漏れを患っていた。衣類を5~6日間着用した後、その人は、もはや便の漏れを経験せず、GI機能の全体的な改善に言及した。
【0094】
[0112]この明細書において開示され定義された本発明は、述べられ又は文章若しくは図面から明白である2つ以上の個別の特徴のうちのすべての代替的な組合せに拡大することが理解されよう。これらの異なる組合せのすべては、本発明の多様な代替的態様を構成する。
【国際調査報告】