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特表2024-529080薬物過敏反応診断用SNPおよびこれを用いた診断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】薬物過敏反応診断用SNPおよびこれを用いた診断方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20180101AFI20240725BHJP
   C12Q 1/6874 20180101ALI20240725BHJP
   C12Q 1/6883 20180101ALI20240725BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20240725BHJP
【FI】
C12Q1/68
C12Q1/6874 Z
C12Q1/6883 Z
C12Q1/6851 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507953
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2022012149
(87)【国際公開番号】W WO2023018312
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0107164
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515267910
【氏名又は名称】ジ アサン ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】517301162
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ウルサン ファウンデーション フォー インダストリー コーオペレイション
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF ULSAN FOUNDATION FOR INDUSTRY COOPERATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ-ボム
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、薬物過敏反応診断用SNPおよびこれを用いた診断方法等に関し、本発明者らは、薬物過敏反応患者のゲノムDNAのタンパク質コーディング部位を解析した結果、rs35372932を含む特定SNPが薬物過敏反応の発病と密接に関連していることを糾明したところ、これを用いて薬物過敏反応の診断または発病予測のための遺伝子診断試薬を開発するのに用いることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
dbSNPデータベースrs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項2】
前記薬物過敏反応は、即時型薬物過敏反応または遅延型薬物過敏反応であることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項3】
前記SNPが、1)rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、およびrs206887084からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から薬物過敏反応の診断または発病予測用であり、
前記SNPが、2)rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、およびrs3924164からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から即時型薬物過敏反応の診断または発病予測用であり、
前記SNPが、3)rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、およびrs144130219からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から遅延型薬物過敏反応の診断または発病予測用であり、
前記SNPが、4)rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、即時型薬物過敏反応と遅延型薬物過敏反応の区別用であることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項4】
前記SNPは、rs35372932またはrs139141104であることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項5】
前記薬物過敏反応は、韓国人で発病したことを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項6】
前記検出製剤は、請求項1に記載のSNPを検出できるプローブであることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項7】
前記検出製剤は、請求項1に記載のSNPを検出できるプライマーであることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物を含む、薬物過敏反応の診断用キット。
【請求項9】
前記キットは、RT-PCRキットまたはマイクロアレイチップキットであることを特徴とする請求項8に記載のキット。
【請求項10】
被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法。
【請求項11】
被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測に必要な情報を提供する方法。
【請求項12】
薬物過敏反応患者から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体を遅延型薬物過敏反応であると判定する段階を含む遅延型薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法。
【請求項13】
前記方法は、シーケンシング(sequencing)、エクソームシーケンシング(exome sequencing)、マイクロアレイによるハイブリダイゼーション(microarray hybridization)、対立遺伝子特異的なPCR(allele specific PCR)、ダイナミック対立遺伝子ハイブリダイゼーション法(dynamic allele-specific hybridization)、PCR伸長解析およびTaqman法からなる群から選択される1つ以上の方法で行われることを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断方法。
【請求項15】
被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測方法。
【請求項16】
dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む組成物の薬物過敏反応の診断または発病予測使用。
【請求項17】
薬物過敏反応の診断または発病予測用製剤を製造するためのdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNP検出製剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物過敏反応診断用SNPおよびこれを用いた診断方法等に関する。
【0002】
本出願は、2021年08月13日に出願された韓国特許出願第10-2021-0107164号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
医学的に薬物アレルギー(drug allergy)とは、薬物に感作された患者で免疫学的な機序によって媒介される反応であり、一般人や患者が薬物副作用や薬物アレルギーがあると言うのとは異なる意味である。一般的に言う薬物副作用や薬物アレルギーは、薬物有害反応(adverse drug reaction)を意味する場合が多いが、薬物有害反応とは、薬物によって発生する有害反応の大部分を含むものであり、WHOでは、予防、診断および治療のために適切な投与経路で常用量の薬物を投与したとき、治療効果以外に意図しない人体に有害な反応が現れるものであると定義した。薬物有害反応は、大きく、薬の用量に関係して現れる予測可能なA型反応と、薬の用量とは関係なく現れる予測不可能なB型反応とに分けることができる。予測可能なA型薬物有害反応は、全体薬物有害反応の80%程度であり、主に薬物の固有な薬理作用によって発生するので、用量依存的に薬物中毒、副作用、間接効果、薬物相互作用等である。予測が不可能なB型薬物有害反応は、残りの15~20%程度を占め、薬物による過敏反応(hypersensitivity)、特異体質(idiosyncrasy)、不耐症(intolerance)、仮性アレルギー反応(pseudoallergic reaction)等が挙げられる。
【0004】
WAO(the World Allergy Organization)は、薬物アレルギーを薬物露出後に症状が発現するまでかかる時間によって、即時型(immediate、1時間以内)と遅延型(delayed、1時間以上)に区分するように推奨している。The Gell & Coombs分類によれば、薬物だけでなく、他の環境的要素による過敏反応を4種の類型に分けるが、これらのうち薬物アレルギーと関連したものは、主にIgEが関与するtype I、およびT-cellが関与するtype IVである。
【0005】
Type Iは、即時型であり、IgE、肥満細胞(mast cell)、好塩球(basophils)等が媒介された体液性免疫反応であり、アナフィラキシー(anaphylaxis)、血管性浮腫(angioedema)、気管支攣縮(bronchospasm)、じんましん(urticaria、hives)等が属する。このtypeの反応を示す代表的な薬物としては、β系抗生剤(ペニシリン系とセファロスポリン系)、筋肉神経系遮断薬物キノロン系、カルボプラチンとオキサリプラチンn等の白金類化合物、セツキシマブ(cetuximab)とリツキシマブ(rituximab)等の単クローン抗体がある。
【0006】
Type II~IVは、遅延型であり、type IIは、IgMまたはIgG抗体と補体によって媒介される体液性の細胞毒性反応(cytotoxic reaction)を言い、溶血性貧血(hemolytic anemia)、血小板減少症(thrombocytopenia)、好中球減少症(neutropenia)等が属する。代表的な薬物としては、β-lactam系抗生剤(ペニシリン系とセファロスポリン系)、NSAIDs(Non-steroidal AntiInflammtory Drugs)、キニーネ/キニジン、バンコマイシン、カルバマゼピン、プロピルチオウラシル(propylthiouracil)、フレカイニド(flecainide)等がある。
【0007】
このように、薬物過敏反応は、アレルギー反応の最も深刻な形態であり、医学的に緊急事態と思われているところ、事前に薬物過敏反応の発生を予測することは非常に重要である。
【0008】
これより、本発明者らは、薬物過敏反応を事前に予測し、診断するために、GWAS解析を行った結果、薬物過敏反応と有意な関連性を有するSNPを確認し、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これより、本発明の目的は、dbSNPデータベースrs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記組成物を含む薬物過敏反応の診断用キットを提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測に必要な情報を提供する方法を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、薬物過敏反応患者から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体を遅延型薬物過敏反応であると判定する段階を含む遅延型薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法を提供することにある。
【0014】
しかしながら、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当該分野における通常の技術者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本発明は、dbSNPデータベースrs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物を提供する。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記薬物過敏反応は、即時型薬物過敏反応または遅延型薬物過敏反応であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0017】
本発明の他の実施形態において、前記SNPが、1)rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、およびrs206887084からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から薬物過敏反応の診断または発病予測用であり、
【0018】
前記SNPが、2)rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、およびrs3924164からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から即時型薬物過敏反応の診断または発病予測用であり、
【0019】
前記SNPが、3)rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、およびrs144130219からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から遅延型薬物過敏反応の診断または発病予測用であり、
【0020】
前記SNPが、4)rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、即時型薬物過敏反応と遅延型薬物過敏反応の区別用であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0021】
本発明のさらに他の実施形態において、前記SNPは、rs35372932またはrs139141104であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0022】
本発明のさらに他の実施形態において、前記薬物過敏反応は、韓国人で発病したものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0023】
本発明のさらに他の実施形態において、前記検出製剤は、前記SNPを検出できるプローブであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
本発明のさらに他の実施形態において、前記検出製剤は、前記SNPを検出できるプライマーであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0025】
また、本発明は、前記組成物を含む、薬物過敏反応の診断用キットを提供する。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記キットは、RT-PCRキットまたはマイクロアレイチップキットであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0027】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測に必要な情報を提供する方法を提供する。
【0029】
また、本発明は、薬物過敏反応患者から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体を遅延型薬物過敏反応であると判定する段階を含む遅延型薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法を提供する。
【0030】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断方法を提供する。
【0031】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測方法を提供する。
【0032】
本発明の一実施形態において、前記方法は、シーケンシング(sequencing)、エクソームシーケンシング(exome sequencing)、マイクロアレイによるハイブリダイゼーション(microarray hybridization)、対立遺伝子特異的なPCR(allele specific PCR)、ダイナミック対立遺伝子ハイブリダイゼーション法(dynamic allele-specific hybridization)、PCR伸長解析およびTaqman法からなる群から選択される1つ以上の方法で行われてもよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
また、本発明は、dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む組成物の薬物過敏反応の診断用途を提供する。
【0034】
また、本発明は、dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む組成物の薬物過敏反応の発病予測用途を提供する。
【0035】
また、本発明は、薬物過敏反応の診断または発病予測用製剤を製造するためのdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNP検出製剤の用途を提供する。
【発明の効果】
【0036】
本発明者らは、薬物過敏反応患者のゲノムDNAのタンパク質コーディング部位を解析した結果、一塩基多型(SNP)部位であるdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999が、薬物過敏反応の発病と密接に関連していることを糾明し、これを用いて薬物過敏反応の診断または発病予測のための遺伝子診断試薬を開発するのに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1a-1b】図1aおよび図1bは、本発明の一実施形態による品質管理(QC)プロセスフローを要約した図であり、図1aは、発見解析上の品質管理プロセスフロー図であり、図1bは、複製解析上の品質管理プロセスフロー図である。
図2図2は、1000Gデータセットを発見データの多次元スケーリング(MDS)プロットで示す図であり、青色、黄色および灰色は、それぞれ、対照群、ケース(DHR、即時型+遅延型)、および1000G母集団を示すものである。
図3a-3c】図3a~図3cは、解析データの分位数(Q-Q)プロットを示す図であり、図3aは、対照群対DHR、図3bは、対照群対即時型反応、図3cは、対照群対遅延型反応の解析結果を示す図である。
図4図4は、発見解析による対照群対DHR(即時型+遅延型)のマンハッタンプロットを示す図であり、赤線は、Bonferroni補正の有意レベルを示す。
図5a-5b】図5aおよび図5bは、領域プロットを示す図であり、図5aは、対照群対DHRに対するロジスティック回帰解析結果であり、図5bは、対照群対遅延型反応に対する一般化した多項ロジットモデルを示す図である。
図6図6は、発見解析によるマイアミプロットを示す図であり、上段は、即時型反応と対照群の比較結果であり、下段は、遅延型反応と対照群の比較結果を示す図である。点線は、Bonferroni補正の有意レベルを示す。
図7図7は、異なる有病率による遺伝子型SNPによって説明された表現型変異の割合を示す図であり、遺伝子型SNP、hSNPによって説明された表現型変異の割合は、GCTAで計算された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明は、dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む薬物過敏反応の診断または発病予測用組成物に関することである。
【0039】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0040】
本明細書において、「ポリヌクレオチド(polynucleotide)」または「核酸」は、単鎖または二本鎖の形態からなるデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)またはリボ核酸(ribonucleic acid、RNA)を言う。他の制限がない限り、自然的に生成されるヌクレオチドと同様の方法で核酸にハイブリダイゼーションされる天然ヌクレオチドの既知のアナログも含まれる。一般的に、DNAは、アデニン(adenine、A)、グアニン(guanine、G)、シトシン(cytosine、C)、チミン(thymine、T)等4種の塩基で構成されており、RNAは、チミンの代わりに、ウラシル(Uracil、U)を持っている。核酸二本鎖においてAは、TまたはU、Cは、G塩基と水素結合を成すが、このような塩基の関係を「相補的(complementary)」と言う。
【0041】
本明細書において、遺伝子の変異を表記するとき、「c.」は、タンパク質コーディング部位の変異を意味し、「(塩基位置)(塩基1文字)(記号>)(塩基1文字)」は、当該塩基位置で先行表記された塩基が後行表記された塩基に置換されることを意味する。
【0042】
本明細書において、「多型(polymorphism)」とは、遺伝的に決定された集団内で2以上の代替配列または対立形質(または対立遺伝子)の発生を意味し、「一塩基多型(single nucleotide polymorphism、SNP)」は、1つの塩基の多型を意味する。具体的には、ゲノムにおいて一塩基(A、T、CまたはG)が種のメンバー間または一個体(individual)のペア染色体間に発生するDNA配列の多様性を意味する。例えば、互いに異なる個体の3つのDNA断片(例えば、AAGT[A/A]AG、AAGT[A/G]AG、AAGT[G/G]AG)のように一塩基において差異を含む場合、2つの対立遺伝子(AまたはG)と呼び、一般的にほぼすべてのSNPは、2つの対立遺伝子を有する。また、SNPが特定の疾患と遺伝的に密接に関連している場合には、SNPは、確認された健常者(normal)または野生型(wild-type、WT)個体または対立遺伝子と比較して、特定の位置の1つの塩基に変異が発生したことを意味することがある。
【0043】
なお、「mRNA(messenger RNAまたはメッセンジャーRNA)」は、タンパク質合成過程で特定遺伝子の塩基配列の遺伝情報をリボソーム(ribosome)に伝達し、ポリペプチド合成(タンパク質翻訳、translation)の青写真の役割をするRNAである。遺伝子を鋳型(template)にして一本鎖のmRNAが転写(transcription)過程を通じて合成される。
【0044】
本明細書において「タンパク質」は、「ポリペプチド(polypeptide)」または「ペプチド(peptide)」と互換的に使用され、例えば、自然状態のタンパク質で一般的に発見されるようにアミノ酸残基の重合体を言う。
【0045】
本明細書に使用されたアミノ酸の1文字(3文字)は、生化学分野における標準略語規定によって次のアミノ酸を意味する:A(Ala):アラニン;C(Cys):システイン;D(Asp):アスパラギン酸;E(Glu):グルタミン酸;F(Phe):フェニルアラニン;G(Gly):グリシン;H(His):ヒスチジン;I(IIe):イソロイシン;K(Lys):リシン;L(Leu):ロイシン;M(Met):メチオニン;N(Asn):アスパラジン;O(Ply):ピロリシン;P(Pro):プロリン;Q(Gln):グルタミン;R(Arg):アルギニン;S(Ser):セリン;T(Thr):スレオニン;U(Sec):セレノシステイン;V(Val):バリン;W(Trp):トリプトファン;Y(Tyr):チロシン。
【0046】
本明細書に表記される「(アミノ酸1文字)(アミノ酸位置)(アミノ酸1文字)」は、野生型タンパク質(wild-type protein)の当該アミノ酸位置で先行表記されたアミノ酸が後行表記されたアミノ酸に置換されることを意味する。
【0047】
本明細書において使用される用語「相補的(complementary)」は、所定のハイブリダイゼーションまたはアニーリング条件、具体的には、生理学的条件下(細胞内)で核酸分子内ターゲッティングモイアティがターゲット(例えば、本発明のSNP)に選択的にハイブリダイゼーションするほど十分に相補的であることを意味し、1つまたはそれ以上のミスマッチ(mismatch)塩基配列を有していてもよく、実質的に相補的(substantially complementary)および完全に相補的(perfectly complementary)ものを全部包括する意味を有し、より具体的には、完全に相補的であることを意味する。
【0048】
本明細書において前記組成物は、dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPを診断マーカーで検出する。
【0049】
本明細書においてSNP rs35372932は、染色体6上の32597208番目の塩基がCからTに置換されたものである。
【0050】
本明細書においてSNP rs79736818は、染色体5上の148357581番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0051】
本明細書においてSNP rs3129871は、染色体6上の32438565番目の塩基がCからAに置換されたものである。
【0052】
本明細書においてSNP rs9557291は、染色体13上の99761210番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0053】
本明細書においてSNP rs11724428は、染色体4上の112598451番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0054】
本明細書においてSNP rs11123552は、染色体2上の120454245番目の塩基がCからGに置換されたものである。
【0055】
本明細書においてSNP rs62124613は、染色体2上の20386466番目の塩基がCからTに置換されたものである。
【0056】
本明細書においてSNP rs77389536は、染色体10上の102408368番目の塩基がTからCに置換されたものである。
【0057】
本明細書においてSNP rs206887084は、染色体12上の94620980番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0058】
本明細書においてSNP rs9557291は、染色体13上の99761210番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0059】
本明細書においてSNP rs372025は、染色体4上の107077214番目の塩基がTからCに置換されたものである。
【0060】
本明細書においてSNP rs8058114は、染色体16上の12603772番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0061】
本明細書においてSNP rs143395859は、染色体7上の27293404番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0062】
本明細書においてSNP rs57833801は、染色体2上の121777405番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0063】
本明細書においてSNP rs139830888は、染色体7上の147872742番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0064】
本明細書においてSNP rs9384423は、染色体6上の156089071番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0065】
本明細書においてSNP rs6097064は、染色体20上の37952348番目の塩基がAからCに置換されたものである。
【0066】
本明細書においてSNP rs2175562は、染色体4上の140398639番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0067】
本明細書においてSNP rs3924164は、染色体18上の76737927番目の塩基がCからTに置換されたものである。
【0068】
本明細書においてSNP rs11206477は、染色体1上の54941621番目の塩基がCからAに置換されたものである。
【0069】
本明細書においてSNP rs62225078は、染色体22上の47740975番目の塩基がTからAに置換されたものである。
【0070】
本明細書においてSNP rs73202933は、染色体12上の89819306番目の塩基がTからCに置換されたものである。
【0071】
本明細書においてSNP rs72622187は、染色体3上の6078051番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0072】
本明細書においてSNP rs139141104は、染色体6上の31021244番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0073】
本明細書においてSNP rs9994092は、染色体4上の65570396番目の塩基がCからAに置換されたものである。
【0074】
本明細書においてSNP rs1762852884は、染色体6上の30994936番目の塩基がAからCに置換されたものである。
【0075】
本明細書においてSNP rs2335545は、染色体16上の2916111番目の塩基がCからTに置換されたものである。
【0076】
本明細書においてSNP rs9688895は、染色体6上の38465523番目の塩基がCからAに置換されたものである。
【0077】
本明細書においてSNP rs144130219は、染色体13上の98725782番目の塩基がTからCに置換されたものである。
【0078】
本明細書においてSNP rs78831487は、染色体19上の6537140番目の塩基がTからCに置換されたものである。
【0079】
本明細書においてSNP rs456449は、染色体21上の38851003番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0080】
本明細書においてSNP rs13250548は、染色体8上の35650882番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0081】
本明細書においてSNP rs77068773は、染色体21上の23204196番目の塩基がAからTに置換されたものである。
【0082】
本明細書においてSNP rs3025035は、染色体6上の43783622番目の塩基がCからTに置換されたものである。
【0083】
本明細書においてSNP rs2088142は、染色体15上の33691285番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0084】
本明細書においてSNP rs1276175は、染色体5上の30945691番目の塩基がGからAに置換されたものである。
【0085】
本明細書においてSNP rs144157017は、染色体6上の50740465番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0086】
本明細書においてSNP rs59594955は、染色体6上の38443346番目の塩基がAからCに置換されたものである。
【0087】
本明細書においてSNP rs28717999は、染色体4上の65571223番目の塩基がAからGに置換されたものである。
【0088】
前記言及されたSNPは、それぞれ、配列番号1~配列番号38の塩基配列上に位置していてもよい。前記言及された配列番号1~配列番号38の塩基配列は、本発明によるSNP位置に該当する塩基をrで表示し、前記SNP位置を基準として、5’方向の配列10nt、3’方向の配列10ntを表示したものである。例えば、配列番号1(rs_id、rs35372932)の塩基配列は、SNP位置をrで表示し、これを基準としてそれぞれ長さ10ntの塩基配列を両側に表示したものであり、全長21ntの配列が表示されたものである。また、rで表示した塩基が、例えば、多数対立遺伝子であるTまたは少数対立遺伝子であるCと確認された場合、配列目録の識別番号<223>項目にr=t or cで表示した。前記配列番号1~配列番号38の塩基配列は、個体、特にヒトにおいてSNPの位置を特定するための目的で使用されるものであり、したがって、前記配列番号1~配列番号38の塩基配列が有する長さや表示した範囲によって本発明が制限されるわけではない。
【0089】
本明細書において、用語「検出」は、目的する物質の存在(発現)の有無を測定および確認すること、または目的する物質の存在レベル(発現レベル)の変化を測定および確認することを全部含む意味である。同じ脈絡で、本発明において前記SNPの発現レベルを測定することは、発現の有無を測定すること(すなわち、発現有無を測定すること)、または前記SNPの質的、量的変化レベルを測定することを意味する。前記測定は、定性的な方法(解析)と定量的な方法を全部含んで制限なく行われ得る。SNP存在の有無の測定において定性的方法と定量的方法の種類は、当業界においてよく知られており、本明細書において記述した実験法がこれに含まれる。各方法別に具体的SNPレベル比較方式は、当業界においてよく知られている。
【0090】
本明細書において、「薬物過敏反応」は、薬物アレルギーとも命名され、薬物に感作された患者において免疫学的な機序によって媒介される反応を意味する。薬物アレルギーは、薬物本来の薬理作用と関係なく、免疫機序によって有害反応が発生する場合であり、B型反応で6~10%程度を占める。発生機序によって第1型から第4型まで過敏反応(type 1-4 hypersensitivity reactions)に分けられ、薬剤によって多様に現れ、同じ薬剤が患者によって異なる機序の過敏反応を誘発することができる。一例として、多用される抗生剤であるセファロスポリン(cephalosporin)は、患者によって第1型過敏反応であるじんましんやアナフィラキシーを誘発することができ、第4型過敏反応である紅斑性発疹(exanthematous rash)も頻繁に現れる。最近使用が増加しているキロノン(quinolone)系抗生剤による過敏反応も、頻繁に見られ、じんましん等の第1型過敏反応およびDRESS症候群、SJS、TENのようなひどい第4型過敏反応も報告されていて、注意を要する。
【0091】
本明細書において、「即時型薬物過敏反応」は、一般的に薬物服用後1時間以内に発生し、じんましん、血管性浮腫、アナフィラキシー等の症状が主に現れる。即時型反応は、主にIgE抗体媒介型免疫反応または薬剤が直接的に肥満細胞を刺激して発生し、じんましん、血管性浮腫、鼻炎、気道収縮、かゆみ症、嘔吐、下痢、アナフィラキシー等の反応が1つあるいは複合的に現れる。
【0092】
本明細書において、「遅延型薬物過敏反応」とは、薬物投与後、数日から数週後に発生し、補体系の活性、抗原-抗体複合体の形成および免疫細胞の活性による機序で血管炎、血球異常、発疹(固定薬疹、剥脱性皮膚炎、急性全身発疹性膿疱症(AGEP)、DRESS症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)、関節痛、タンパク尿、リンパ節腫脹等が観察される。遅延型過敏反応は、主に投薬後1週から8週間に発生するが、以前に感作されて、軽微な症状があった患者の場合は、投薬後に即時発現することもある。
【0093】
本明細書において、前記薬物過敏反応は、アナフィラキシー、血管性浮腫、じんましん、斑点状丘疹、DRESS症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、および固定薬疹からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0094】
本明細書において、前記薬物は、NSAID(含アスピリン)、アセトアミノフェン、セファロスポリン、抗生剤、放射線造影剤、化学療法剤、H2遮断剤、アロプリノール、および抗けいれん剤からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0095】
本明細書において、前記NSAIDSは、アセメタシン、アセチルサリチル酸、ブフェキサマク、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ジピロン(メタミゾール)、メタミゾールナトリウム、エテンザミド、エトフェナメート、フルフェナム酸、フルルビフロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、イソシカム、ケブゾン、ケトプロフェン、ケトロラック、ロナゾラック、ロルノキシカム、メクロフェナム酸、メフェナム酸、モフェブタゾン、ナブメトン、ナプロキセン、(+)-イブプロフェン、(-)-イブプロフェン、(+)-ナプロキセン、ニフルム酸、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、プロピフェナゾン、サリチルアミド、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸、SC560、スルファサラジンおよびトルメチンからなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0096】
本明細書において、前記放射線造影剤は、イオヘキソール(Iohexo)、イオパミドール(Iopamidol)、イオバーソル(Ioversol)、イオジキサノール(Iodixanol)、イオプロミド(Iopromide)、イオキサグレート(Ioxaglate)、およびジアトリゾエート(Diatrizoate)からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0097】
本明細書において、前記抗生剤は、β-lactam系抗生剤(ペニシリン系またはセファロスポリン系)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0098】
本明細書において、前記薬物過敏反応は、韓国人で発病したものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0099】
本明細書において、用語「診断」は、特定の病気または疾患に対する1つの対象体の感受性(susceptibility)を判定すること、1つの対象体が特定の病気または疾患を現在持っているかどうかを判定すること、特定の病気または疾患に罹患した1つの対象体の予後(prognosis)を判定すること、またはテラメトリックス(therametrics)(例えば、治療効能に関する情報を提供するために対象体の状態をモニタリングすること)を全部含む概念である。本明細書において、前記診断は、好ましくは、早期診断または発病予測を意味し得るが、これに限定されるものではない。
【0100】
本明細書において、前記診断は、薬物過敏反応の診断を意味する。本発明において薬物過敏反応は、好ましくは、遺伝的素因(genetic factor)によって誘発される遺伝性(hereditary)薬物過敏反応であってもよく、遺伝的素因に環境的な影響が加えられて、症状が重くなったものであってもよい。
【0101】
本明細書において、「プライマー(primer)」は、DNA合成の開始点(starting point)として作用する短い一本鎖オリゴヌクレオチド(single strand oligonucleotide)である。プライマーは、好適な緩衝液(buffer)と温度条件で鋳型(template)のポリヌクレオチドに特異的に結合し、DNA重合酵素がプライマーに鋳型DNAに相補的塩基を有するヌクレオシドトリホスフェートを追加して連結することによってDNAが合成される。プライマーは、一般的に15~30個の塩基配列からなり、塩基の構成と長さによって鋳型鎖に結合する温度(melting temperature、Tm)が変わる。プライマーの配列は、鋳型の一部の塩基配列と完全に相補的配列を有する必要はなく、鋳型とハイブリダイゼーションされてプライマー固有の作用ができる範囲内での十分な相補性を有すれば十分である。したがって、本発明において、前記SNP部位のcDNAまたはgenomic DNAの塩基配列を参照して、本発明による検出製剤であるプライマーペアを容易にデザインすることができる。SNPを検出するためのプライマーは、各遺伝子配列に完ぺきに相補的配列を有する必要はなく、DNA合成を通じてmRNAまたはcDNAの特定区間を増幅してmRNAの量を測定しようとする目的に合う長さと相補性を有するものであれば十分である。前記増幅反応のためのプライマーは、増幅しようとするmRNAの特定区間の両端部の鋳型(またはセンス、sense)と反対側(アンチセンス、antisense)にそれぞれ相補的に結合するワンセット(ペア)で構成される。
【0102】
本明細書において、「プローブ(probe)」は、特定遺伝子のmRNAやcDNA(complementary DNA)、DNA等に特異的に結合できる短くは数個~長くは数百個の塩基(base pair)の長さのRNAまたはDNA等のポリヌクレオチドの断片を意味し、標識(labeling)されていて、結合する対象mRNAやcDNAの存在の有無、発現量等を確認することができる。プローブの選択およびハイブリダイゼーション条件は、当業界において一般的に知られている技術によって適宜選択することができる。前記プローブは、対立形質(または対立遺伝子、allele)を検出するための診断方法等に使用することができる。前記診断方法には、サザンブロット等のような核酸のハイブリダイゼーションに基づく検出方法が含まれ、DNAチップを用いた方法でDNAチップの基板にあらかじめ結合した形態で提供されることもできる。本発明において前記プライマーまたはプローブは、ホスホロアミダイト(phosphoramidite)固体支持体合成法やその他広く知られている方法を用いて化学的に合成することができる。
【0103】
本明細書において、プライマーまたはプローブは、ホスホロアミダイト(phosphoramidite)固体支持体合成法やその他広く知られている方法を用いて化学的に合成することができる。また、プライマーまたはプローブは、検出しようとする標的となるポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを妨害しない範囲で当該技術分野に一般的に知られている方法により多様に修飾することができる。このような修飾の例としては、メチル化、キャップ化、天然ヌクレオチド1つ以上の同族体への置換およびヌクレオチド間の修飾、例えば、荷電していない連結体(例:メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロジアミデート、カルバマート等)または荷電した連結体(例:ホスホロチオエート、ホスホロジチオアート等)、および蛍光または酵素を用いた標識物質(labeling material)の結合等がある。
【0104】
また、本発明は、前記組成物を含む薬物過敏反応の診断用キットを提供する。
【0105】
本明細書において、前記キットは、RT-PCRキットまたはマイクロアレイチップキットであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0106】
前記キットは、薬物過敏反応の診断用マーカーであるSNPマーカーを増幅を通じて確認したり、SNPマーカーの発現レベルをmRNAの発現レベルを確認することによって、薬物過敏反応の発病を予測または早期診断することができる。
【0107】
前記RT-PCRキットは、前記SNP部位を含む核酸を増幅できるそれぞれのプライマーペアを含んでもよいし、その他テストチューブまたは他の適切なコンテナ、反応緩衝液、デオキシヌクレオチド(dNTPs)、Taq-重合酵素および逆転写酵素のような酵素、DNase、RNAse抑制剤、DEPC水(DEPC-water)、滅菌水等を含んでもよい。また、定量対照群に使用される遺伝子に特異的なプライマーペアを含んでもよい。
【0108】
前記マイクロアレイチップキットは、前記SNP部位を含む核酸が固定化されている基板を有するマイクロアレイを含んでもよい。前記マイクロアレイは、本発明のポリヌクレオチド、プライマーまたはプローブを含むことを除いて、通常のマイクロアレイからなってもよい。マイクロアレイ上での核酸のハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション結果の検出は、当業界においてよく知られている。前記検出は、例えば、核酸試料を蛍光物質、例えば、Cy3およびCy5のような物質を含む検出可能なシグナルを発生させることができる標識物質で標識した後、マイクロアレイ上にハイブリダイゼーションし、前記標識物質から発生するシグナルを検出することによって、ハイブリダイゼーション結果を検出することができる。
【0109】
本発明において用語「個体」または「対象体」は、発病予測または診断をするための被験者を意味する。
【0110】
本発明において「試料」は、発病予測または診断しようとする対象体から採取されたものであれば、制限なく使用することができ、例えば、生検等で得られた細胞や組織、血液、全血、血清、血漿、唾液、脳脊髄液、各種分泌物、尿、便等でありうる。好ましくは、血液、血漿、血清、唾液、鼻液、喀痰、腹水、膣分泌物および尿からなる群から選択することができ、好ましくは、血液、血漿、または血清であってもよい。前記試料は、検出または診断に使用する前に前処理してもよい。例えば、均質化(homogenization)、ろ過、蒸留、抽出、濃縮、妨害成分の不活性化、試薬の添加等を含んでもよい。
【0111】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法を提供する。
【0112】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測に必要な情報を提供する方法を提供する。
【0113】
また、本発明は、薬物過敏反応患者から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体を遅延型薬物過敏反応であると判定する段階を含む遅延型薬物過敏反応の診断に必要な情報を提供する方法を提供する。
【0114】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の診断方法を提供する。
【0115】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測方法を提供する。
【0116】
本明細書において、前記方法は、シーケンシング(sequencing)、エクソームシーケンシング(exome sequencing)、マイクロアレイによるハイブリダイゼーション(microarray hybridization)、対立遺伝子特異的なPCR(allele specific PCR)、ダイナミック対立遺伝子ハイブリダイゼーション法(dynamic allele-specific hybridization)、PCR伸長解析およびTaqman法からなる群から選択される1つ以上の方法で行われ得るが、これに限定されるものではない。
【0117】
また、本発明は、被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階と、
【0118】
前記被検体が薬物過敏反応を発症したと判定された場合、被検体の薬物過敏反応を治療する段階と、を含む薬物過敏反応の治療方法を提供することができる。
【0119】
本発明において、前記「治療」は、目的する病気とそれによる代謝異常症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味し、化学療法、外科的手術、または生物学的療法等の方法を使用することができる。
【0120】
本発明において、前記薬物過敏反応の治療のために通常使用される治療方法を使用したり、通常使用される薬物過敏反応の治療薬物を投与することができ、例えば、抗ヒスタミン剤、ステロイド、エピネフリン、または気管支拡張剤等を投与することができるが、これに限らない。
【0121】
また、本発明は、dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む組成物の薬物過敏反応の診断または発病予測用途を提供する。
【0122】
また、本発明は、薬物過敏反応の診断または発病予測用製剤を製造するためのdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNP検出製剤の用途を提供する。
【0123】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物や代替物を含むものと理解すべきである。本発明を説明するに際して、関連した公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすることができると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0124】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は、ただ本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0125】
[実施例]
実施例1.実験方法
対象
2012年から2017年までソウルアサン病院に訪問したDHR(Drug Hypersensitivity Reactions)患者378人を募集した。本研究は、ヘルシンキ宣言によって行われ、プロトコルは、ソウルアサン病院機関審査委員会(2011-0939)の承認を受けた。登録および血液サンプル採取に対しては、すべての参加者から書面同意を受けた。各被験者から血液サンプルを収集し、K-CHIPを用いて遺伝子型を解析した。K-CHIPは、K-CHIPコンソーシアム(http://kogo.or.kr)を通じて提供され、韓国保健研究院のゲノム科学センターで設計した。対照群データ(N=3,780)は、韓国セブランス病院の健康診断センターのデータを使用し、K-CHIPを用いて遺伝子型を解析した(図1参照)。Batch効果を最小化するために、K-medoidクラスタリングに基づく呼び出し方式を用いてSNP遺伝子型を解析した。統合データにEIGENSTRATアクセス方式を適用し、対照群と患者グループ間に主成分スコア(PC(Principal component)スコア)を計算した(類似の遺伝情報を有する被験者を一致させるために)、患者当たり合計10個の対照群が類似のスコアで一致した。PCスコアは、遺伝的背景のない被験者を識別するのに使用された。多次元スケーリングプロットは、図2に示した。
【0126】
複製解析
2012年から2015年までソウルアサン病院で募集された追加DHR患者185人を対象に遺伝子型の解析を繰り返した。この患者は、Axiom Asian chip(Affymetrix)を用いて遺伝子型を指定した。対照群は、セブランス病院の健康診断センター(N=2,312)に登録し、K-CHIPを用いて遺伝子型を解析した。すべてのデータをプールし、対象代入を行った(図1参照)。
【0127】
データ解析グループ
DHR患者を即時反応と遅延反応の2つのグループに分けた。比較解析は、総DHRを対照群と比較し、各DHR群を対照群と比較し、最後に即時型反応群と遅延型反応群を比較した。
【0128】
品質管理
SNPと被験者のクォリティー、すなわち品質を評価した。品質管理のすべての段階は、PLINKとONETOOLを用いて行われた。Hardy-Weinberg平衡(HWE)テストに対するP値が1×10-5未満、MAF(マイナー対立遺伝子頻度)が0.05未満または遺伝子型解析率が0.95未満のSNPを除いた。また、欠測率(missing rate)が0.05より大きかったり、他の個体と共にIBS(Identity-By-State)が0.9より大きい個体を除いた。このようなフィルタリング手続きは、各ケースと対照群に別に適用され、ケースと対照群を統合した。また、2つのグループ両方に存在するSNPを考慮し、プールされたデータに同じ品質管理手続きを適用した。また、Fisherの正確確率検定を用いて各ケースと対照群間の平均欠測率の同等性をテストし、1×10-5有意性レベルで有意味なSNPをGWASから除去した。このようなプロセスは、要約して図1aに示した。
【0129】
遺伝子型代入および推論された遺伝子型を用いた統計的解析
発見データがあるGWASは、一般化ロジスティック回帰(GLR)を用いて行われた。年齢と性別を共変量に含ませた。また、ロジスティック回帰(LR)モデルを用いて2進反応(対照群対DHR)を予測した。GLRとLRは、いずれも、R統計ソフトウェア(R Project for Statistical Computing、Vienna、Austria;www.r-project.org)を用いて適用された。5×10-8有意レベルでゲノム全般にわたる有意味なSNPが選択された。微細マッピングのために全長ゲノムで有意なSNPの±5,000塩基対内に位置するSNPを推論(imputation)した。推論は、Sanger推論サービス(https://imputation.sanger.ac.uk)を用いて行われた。Haplotype Reference Consortium release v1.1を使用し、64,940ハプロタイプで構成されたヨーロッパ系アジア人(CHB/JPT)16を主な参照パネルとして考慮した。SHAPEIT17およびPBWT18を用いてPre-phasingおよび推論を行い、INFOメトリックを用いて推論正確度を評価した。
【0130】
実施例1.被験者の特性の確認
研究参加者の人口統計学的特性は、表1に要約した。
【0131】
研究に登録されたDHR患者(N=378)の平均年齢は、42.03±14.82歳であり、247人の患者(65.34%)が女性であった。これらのうち295ケース(78.04%)は、即時型過敏反応を示し、83ケース(21.96%)は、遅延型/非即時型反応を示した。即時型過敏反応を誘発する最も一般的な原因薬物は、NSAIDs、抗生剤の順であった。原因薬物の詳しい目録は、下記表2に示した。
【0132】
遅延型反応群では、原因薬物として抗生剤が最も多く、抗けいれん剤がその後に続いた。対照群(N=3,779)の平均年齢は、43.07±9.85歳であり、合計1236人の患者(32.7%)が女性であった。複製解析で登録された185人のDHR患者の平均年齢は、50.38±16.58歳であり、105人の女性(56.76%)が含まれた。185人の患者のうち80人の患者は、即時型過敏反応を示したのに対し、105人の患者は、遅延型過敏反応を示した。対照群は、合計921人の女性(39.84%)を含んで2,312人の被験者で構成され、被験者の平均年齢は、46.96±10.72歳であった。複製グループでは、NSAIDが最も一般的な原因薬物であり、抗生剤がその後に続いた(表2)。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
実施例2.GWAS解析結果の確認
合計265,878個のSNPが品質管理を通過した(遺伝子型解析率(call rate)>98%、MAF>0.05)。まず、2つのグループのDHR(即時型および遅延型反応)間の関連性を解析した。LRに対するQ-Qプロットは、図3に示し、解析結果は、統計的に有意であった。
【0136】
なお、図4に示されたように、ただ1つのSNPのみがゲノム全体有意レベル(rs35372932、p=7.99E-08)に近いことが分かった。前記ゲノム次元のSNPは、rs35372932であり、これは、染色体6にあるHLA-DRB1遺伝子のアップストリーム領域に存在することが確認された(表3参照)。
【0137】
【表3】
【0138】
また、図5aに示されたように、遺伝子型および代替SNPを用いた領域プロットで紫色で充填された点は、rs35372932を示し、他の点の色相は、rs35372932との相関関係を示す。すなわち、最も有意なSNPは、rs35372932であった。
【0139】
次に、即時型反応と遅延型反応を独立的に分けて解析を繰り返した。GLRに対するQ-Qプロットは、図3bおよび図3cに示した。
【0140】
なお、遅延型過敏反応と対照群の間で全長ゲノム上の5個の有意味なSNP(rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187およびrs139141104)を比較した(表3および表4参照)。
【0141】
前記表3に示されたように、最も有意なSNP rs139141104は、6番染色体のMUC22遺伝子のイントロン領域に存在する。
【0142】
図6に示されたように、合計5個のSNP(rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187およびrs139141104)が全長遺伝子で有意であることを確認した。これは、表4に示されたのと同じ結果である。
【0143】
なお、遺伝子型および代替SNPを用いて準備した図5bの領域プロットで紫色で充填された点は、rs139141104を示し、他の点の色相は、これとの相関関係を示す。
【0144】
最後に、本発明者らは、薬物過敏反応の表現型を比較した。
【0145】
表4に示されたように、即時型過敏反応と遅延型過敏反応を比較したときには、有意味なSNPが確認されなかった。
【0146】
【表4】
【0147】
実施例3.複製解析
代替を用いて複製解析を行った。合計75,077個のSNPが品質管理を通過した(遺伝子型解析率>98%、MAF>0.03)(図1)。
【0148】
表5に示されたように、ディスカバリーデータ解析で有意味なものと確認されたSNPのうち6番染色体のHLA-DRB1上流領域であるrs35372932(p=0.008)のみが統計的に有意であることが分かった。これは、rs35372932が特定薬物過敏反応の表現型または原因薬物に限定されない一般的なマーカーとして使用可能であることを裏付ける結果である。
【0149】
【表5】
【0150】
実施例4.GCTA(Genome-wide Complex Trait Analysis)解析
GCTAは、遺伝可能性を推定する方法の1つであり、SNPの遺伝力を推定できる方法の1つである。
【0151】
本発明者らは、遺伝子型SNPのhSNP(additive SNP heritability)を用いて表現型変異の割合を計算した。結果は、有病率によるhSNPの推定値を示した。
【0152】
図7に示されたように、薬物過敏反応有病率を2×10-2に設定した結果、責任尺度でhSNPが39.12%であった。これは、従来の研究に照らしてみて、薬物過敏反応が相対的に高い遺伝性を有することを裏付ける結果である。
【0153】
前記実施例によって薬物過敏反応とその細部類型である即時型薬物過敏反応および遅延型薬物過敏反応において臨床的有意性があると判断されるSNPが選別されたところ、本発明のSNPは、薬物過敏反応の早期診断および発病予測に有用に用いることができることが期待される。
【0154】
上述した本発明の説明は、例示のためのものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に修飾が可能であることが理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明において薬物過敏反応の発病と密接に関連しているものと確認した特定SNPは、薬物過敏反応の診断または発病予測のための遺伝子診断試薬を開発するのに有用に用いることができることが期待されるところ、産業上の利用可能性がある。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図6
図7
【配列表】
2024529080000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
dbSNPデータベースrs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項2】
前記薬物過敏反応は、即時型薬物過敏反応または遅延型薬物過敏反応であることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項3】
前記SNPが、1)rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、およびrs206887084からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から薬物過敏反応の判定または発病予測用であり、
前記SNPが、2)rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、およびrs3924164からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から即時型薬物過敏反応の判定または発病予測用であり、
前記SNPが、3)rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、およびrs144130219からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、健常者から遅延型薬物過敏反応の判定または発病予測用であり、
前記SNPが、4)rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の場合、前記組成物は、即時型薬物過敏反応と遅延型薬物過敏反応の区別用であることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項4】
前記SNPは、rs35372932またはrs139141104であることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項5】
前記薬物過敏反応は、韓国人で発病したことを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項6】
前記検出製剤は、請求項1に記載のSNPを検出できるプローブであることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項7】
前記検出製剤は、請求項1に記載のSNPを検出できるプライマーであることを特徴とする請求項1に記載の薬物過敏反応の判定または発病予測用組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物を含む、薬物過敏反応の判定用キット。
【請求項9】
前記キットは、RT-PCRキットまたはマイクロアレイチップキットであることを特徴とする請求項8に記載のキット。
【請求項10】
被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症したものと判定する段階を含む薬物過敏反応の判定に必要な情報を提供する方法。
【請求項11】
被検体から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体が薬物過敏反応を発症するリスクが高いものと判定する段階を含む薬物過敏反応の発病予測に必要な情報を提供する方法。
【請求項12】
薬物過敏反応患者から収得した試料中のSNP部位の塩基配列にdbSNP database rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上の一塩基多型が存在する場合、被検体を遅延型薬物過敏反応であると判定する段階を含む遅延型薬物過敏反応の判定に必要な情報を提供する方法。
【請求項13】
前記方法は、シーケンシング(sequencing)、エクソームシーケンシング(exome sequencing)、マイクロアレイによるハイブリダイゼーション(microarray hybridization)、対立遺伝子特異的なPCR(allele specific PCR)、ダイナミック対立遺伝子ハイブリダイゼーション法(dynamic allele-specific hybridization)、PCR伸長解析およびTaqman法からなる群から選択される1つ以上の方法で行われることを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
dbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNPの検出製剤を含む組成物の薬物過敏反応の判定または発病予測使用。
【請求項15】
薬物過敏反応の判定または発病予測用製剤を製造するためのdbSNP database rs35372932、rs79736818、rs3129871、rs9557291、rs11724428、rs11123552、rs62124613、rs77389536、rs206887084、rs9557291、rs372025、rs8058114、rs143395859、rs57833801、rs139830888、rs9384423、rs6097064、rs2175562、rs3924164、rs11206477、rs62225078、rs73202933、rs72622187、rs139141104、rs9994092、rs1762852884、rs2335545、rs9688895、rs144130219、rs78831487、rs456449、rs13250548、rs77068773、rs3025035、rs2088142、rs1276175、rs144157017、rs59594955、およびrs28717999からなる群から選択された1つ以上のSNP検出製剤の使用。
【国際調査報告】