(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】ナビゲーション方法および自己移動型装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240725BHJP
G05D 1/622 20240101ALI20240725BHJP
G05D 1/648 20240101ALI20240725BHJP
【FI】
G05D1/43
G05D1/622
G05D1/648
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507959
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2022080015
(87)【国際公開番号】W WO2023019922
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110963412.5
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523065214
【氏名又は名称】北京石頭創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Roborock Innovation Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 1201, Floor 12, Building 3, Yard 17, Anju Road, Changping District, Beijing 102206, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】宋 健
(72)【発明者】
【氏名】朱 海
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB11
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL06
5H301QQ04
5H301QQ06
(57)【要約】
本出願は、自己移動型装置の技術分野に関し、ナビゲーション方法および自己移動型装置を開示し、前記ナビゲーション方法は自己移動型装置に適用され、現在作業タスクが完了した後、補充予定走行領域を決定するステップと、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するステップと、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法であって、前記ナビゲーション方法は、
現在作業タスクが完了した後、補充予定走行領域を決定するステップと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するステップと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御するステップと、を含む、ナビゲーション方法。
【請求項2】
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在しないことに応答して、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルするように前記自己移動型装置を制御するステップをさらに含む、請求項1に記載のナビゲーション方法。
【請求項3】
前記補充予定走行領域を決定するステップは、
データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定し、前記データ情報は現在作業タスクの完了過程における前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報を含むことと、
取得された環境データ情報に基づいて障害物が通過可能障害物であり、かつ、前記障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置すると判定することに応答して、前記障害物の前記走行済み領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定することと、を含む、請求項1に記載のナビゲーション方法。
【請求項4】
前記環境データ情報は、構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含む、請求項3に記載のナビゲーション方法。
【請求項5】
前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定し、前記データ情報は、前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は、履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含むことと、
前記履歴作業タスクのデータ情報に基づいて、現在作業タスクで到達された走行済み領域が、履歴作業タスクで到達された領域における1つまたは複数の部分領域を含まないと判定することに応答して、前記1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定することと、を含む、請求項1に記載のナビゲーション方法。
【請求項6】
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するステップは、
走行済み領域の前記補充予定走行領域に隣接する隣接部を決定し、隣接部と前記補充予定走行領域との境界に通過可能障害物のみが存在することに応答して、前記隣接部を前記到達可能位置として決定することを含む、請求項3または5に記載のナビゲーション方法。
【請求項7】
前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御するステップは、
前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行するように、前記自己移動型装置を制御することを含む、請求項6に記載のナビゲーション方法。
【請求項8】
前記通過可能障害物は敷居および/またはカーペット縁を含む、請求項3に記載のナビゲーション方法。
【請求項9】
複数の前記到達可能位置があることに応答して、所定順序に従って到達可能位置を選択し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御する、請求項1に記載のナビゲーション方法。
【請求項10】
自己移動型装置に適用されるナビゲーション装置であって、前記ナビゲーション装置は、
自己移動型装置が現在作業タスクを完了した後に、補充予定走行領域を決定するための補充予定走行領域決定ユニットと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するための到達可能位置決定ユニットと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御するための制御ユニットと、備える、ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記制御ユニットはさらに、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在しないことに応答して、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルするように前記自己移動型装置を制御するために使用される、請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記補充予定走行領域を決定することは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含み、前記データ情報は現在作業タスクの完了過程における前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報を含み、
前記補充予定走行領域決定ユニットは、取得された環境データ情報に基づいて障害物が通過可能障害物であり、かつ、前記障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置すると判定することに応答して、前記障害物の前記走行済み領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定するように構成される、請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記環境データ情報は、構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含む、請求項12に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記補充予定走行領域を決定することは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含み、前記データ情報は前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含み、
前記補充予定走行領域決定ユニットは、前記履歴作業タスクのデータ情報に基づいて、現在作業タスクによって到達された走行済み領域が、履歴作業タスクにおいて到達された領域における1つまたは複数の部分領域を含まないと判定することに応答して、前記1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定するように構成される、請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記到達可能位置決定ユニットは、走行済み領域の前記補充予定走行領域に隣接する隣接部を決定し、隣接部と前記補充予定走行領域との境界に通過可能障害物のみが存在することに応答して、前記隣接部を前記到達可能位置として決定するように構成される、請求項12または14に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記制御ユニットは、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行するように、前記自己移動型装置を制御するように構成される、請求項15に記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記通過可能障害物は敷居および/またはカーペット縁を含む、請求項12に記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
複数の前記到達可能位置があることに応答して、前記制御ユニットは、所定順序に従って到達可能位置を選択し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御するように構成される、請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
プロセッサおよびメモリを備える自己移動型装置であって、前記メモリに前記プロセッサによって実行され得るコンピュータプログラム指令が記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラム指令を実行すると、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法ステップを実施する、ことを特徴とする自己移動型装置。
【請求項20】
コンピュータプログラム指令が記憶され、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサによって呼び出され、実行されると、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法ステップを実施する、ことを特徴とする非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年8月20日に出願された中国特許出願第202110963412.5号の優先権を主張し、上記中国特許出願のすべての開示内容は本出願の一部として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、自己移動型装置の技術分野に関し、具体的に、ナビゲーション方法および自己移動型装置に関し、特に自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法およびこのナビゲーション方法を使用する自己移動型装置に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の発展に伴い、掃きロボット、モップ掛けロボット、掃除機、除草機など、様々なインテリジェントな自己移動型装置が登場している。これらのロボットは、清掃経路を自動的に識別し、清掃経路に基づいて清掃モードを選択することができ、労働力を解放するだけでなく、人件費を削減することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの実施例は、自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法を提供し、
現在作業タスクが完了した後、補充予定走行領域を決定するステップと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するステップと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御するステップと、を含む。
【0005】
いくつかの実施例では、前記ナビゲーション方法は、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在しないことに応答して、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルするように前記自己移動型装置を制御するステップをさらに含む。
【0006】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定し、前記データ情報は現在作業タスクの完了過程における前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報を含むことと、取得された環境データ情報に基づいて障害物が通過可能障害物であり、かつ、前記障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置すると判定することに応答して、前記障害物の前記走行済み領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定することと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例では、前記環境データ情報は、構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定し、前記データ情報は前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含むことと、前記履歴作業タスクのデータ情報に基づいて、現在作業タスクで到達された走行済み領域が、履歴作業タスクにおいて到達された領域における1つまたは複数の部分領域を含まないと判定することに応答して、前記1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定することと、を含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するステップは、走行済み領域の前記補充予定走行領域に隣接する隣接部を決定し、隣接部と前記補充予定走行領域との境界に通過可能障害物のみが存在することに応答して、前記隣接部を前記到達可能位置として決定することを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御するステップは、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行するように、前記自己移動型装置を制御することを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記通過可能障害物は敷居および/またはカーペット縁を含む。
【0012】
いくつかの実施例では、複数の前記到達可能位置があることに応答して、所定順序に従って到達可能位置を選択し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例は、自己移動型装置に適用されるナビゲーション装置を提供し、前記ナビゲーション装置は、
自己移動型装置が現在作業タスクを完了した後に、補充予定走行領域を決定するための補充予定走行領域決定ユニットと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するための到達可能位置決定ユニットと、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御するための制御ユニットと、を備える。
【0014】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットはさらに、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在しないことに応答して、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルするように前記自己移動型装置を制御するように構成される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域を決定することは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含み、前記データ情報は現在作業タスクの完了過程中、前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報を含み、
前記補充予定走行領域決定ユニットは、取得された環境データ情報に基づいて障害物が通過可能障害物であり、かつ、前記障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置すると判定することに応答して、前記障害物の前記走行済み領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定するように構成される。
【0016】
いくつかの実施例では、前記環境データ情報は、構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域を決定することは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含み、ここで、前記データ情報は前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含み、
前記補充予定走行領域決定ユニットは、前記履歴作業タスクのデータ情報に基づいて現在作業タスクによって到達された走行領域が、履歴作業タスクにおいて到達された領域における1つまたは複数の部分領域を含まないと判定することに応答して、前記1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定するように構成される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記到達可能位置決定ユニットは、走行済み領域の前記補充予定走行領域に隣接する隣接部を決定し、隣接部と前記補充予定走行領域との境界に通過可能障害物のみが存在することに応答して、前記隣接部を前記到達可能位置として決定するように構成される。
【0019】
いくつかの実施例では、前記制御ユニットは、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行するように、前記自己移動型装置を制御するように構成される。
【0020】
いくつかの実施例では、前記通過可能障害物は敷居および/またはカーペット縁を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、複数の前記到達可能位置があることに応答して、前記制御ユニットは、所定順序に従って到達可能位置を選択し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御するように構成される。
【0022】
本開示のいくつかの実施例は、プロセッサおよびメモリを備える自己移動型装置を提供し、前記メモリに前記プロセッサによって実行され得るコンピュータプログラム指令が記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラム指令を実行すると、前記方法ステップを実施する。
【0023】
本開示のいくつかの実施例は、非一過性コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラム指令が記憶され、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサによって呼び出され、実行されると前記実施例に記載の方法ステップを実施する。
【発明の効果】
【0024】
本開示の実施例の上記解決策は関連技術と比較すると、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0025】
自己移動型装置、例えば掃きロボットなどのナビゲーション方法は、環境データ情報および/または履歴作業タスクのデータ情報に基づいて補充予定走行領域補充予定走行領域を検出し、該補充予定走行領域に到達可能かを判定し、後続の清掃操作に参照を提供し、清掃カバー率を向上させる。
【0026】
ここでの添付図面は本明細書の一部として本明細書に組み込まれ、本開示の実施例を図示し、明細書とともに本開示の原理を解釈するために使用される。明らかに、以下で説明される添付図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの添付図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置の構造概略図
【
図2】本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法のフローチャート
【
図3】本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法のシナリオ図
【
図4】本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置の制御装置の概略図
【
図5】本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置の電子構造の概略図
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の実施例の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下では、本開示の実施例における技術的解決策について、添付図面を参照しながら明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、本開示の実施例の一部であるが、すべての実施例ではない。当業者は、本開示の実施例に基づいて、創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0029】
なお、「含む」、「備える」または任意の他の変形という用語は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、一連の要素を含む商品または装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはそのような商品または装置に固有の要素も含む。さらなる限定がない限り、「1つ~を含む」という表現で定義されるという事実は、前記要素の商品または装置に同種の他の要素の存在を排除するものではない。
【0030】
自己移動型装置、例えば掃きロボットは、差動シャーシを使用してもよく、カメラ、深度撮像装置、レーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)、走行距離計、慣性測定ユニット(Inertial Measurement Unit、IMU)のような1つ以上のセンサを使用して環境認識を実行してもよい。非ランダム衝突型掃きロボットの場合、掃きロボットソフトウエアはセンサデータに基づいて、リアルタイム位置決めと地図構築(Simultaneous Localization and Mapping, SLAM)、深度推定、障害物検出などの操作を行い、ナビゲーションに必要な位置地図、障害物情報を取得し、障害物回避などの機能を回避する。
【0031】
掃きロボットが清掃作業を実行する際に、特に障害物回避機能が不十分な場合、掃きロボットが家具、小さな障害物に衝突する可能性がある。この場合、掃きロボットの衝突により家具が破損しやすく、同時に、衝突による予定外の動きにより掃きロボットが挟まれたり、破損したりしやすく、清掃の実施に影響を与える。本開示は、掃除機器の前端に、障害物を検出可能な深度センサ、例えば二重線構造化光を配置し、環境を検出し、衝突回避の目的を達成する解決策を提案する。
【0032】
前記深度センサの障害物回避態様では、衝突回避モードで、次のような問題が発生する可能性がある。すなわち、深度センサは前方障害物を判定できないため、深度センサの1回観測に基づく障害物検出では、敷居、カーペット縁などが回避すべき障害物と見なされる可能性がある。その結果、敷居後方の部屋、カーペット領域の清掃がスキップされてしまい、清掃効率が大幅に低下する。
【0033】
本開示は、掃きロボットなどの自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法を提供し、前記ナビゲーション方法は少なくとも以下のステップを含む。すなわち、
現在作業タスクが完了した後、補充予定走行領域を決定し、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定し、
前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御する。
【0034】
本開示のナビゲーション方法により、自己移動型装置、例えば掃きロボットなどのナビゲーション方法では、環境データ情報および/または履歴作業タスクのデータ情報に基づいて補充予定走行領域を検出し、該補充予定走行領域に到達可能かを判定し、後続の清掃操作に参照を提供し、清掃カバー率を向上させる。ここで、環境データ情報は例えば構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含む。
【0035】
以下、添付図面を参照しながら本開示の選択可能な実施例を詳細に説明する。
【0036】
図1は、本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置の構造概略図であり、
図1に示すように、自己移動型装置100、例えば掃きロボットは、掃きロボット本体110の頂部に配置されたレーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10、およびロボット本体110の側壁に配置された画像センサ20を含み、画像センサ20は例えば構造化光撮像部材を含み、さらに、画像センサ20は可視光撮像部材をさらに含んでもよい。レーザ距離センサ10は、自己移動型装置周囲の障害物を検出し、障害物と自己移動型装置100間の距離を検出し、具体的に自己移動型装置100の本体よりも高い障害物を検出するように構成される。画像センサ20は、自己移動型装置100の走行方向上の障害物の画像を取得するように構成される。
【0037】
図2は、本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法のフローチャートであり、
図2に示すように、該ナビゲーション方法は以下のステップを含む。
ステップS220において、現在作業タスクが完了した後、補充予定走行領域を決定する。
ここでいう現在作業タスクとは、自己移動型装置100、例えば掃きロボットがユーザ指令に従って、障害物に接触または衝突することなく、一度だけ実行される清掃タスクとして理解され得る。具体的に、自己移動型装置100、例えば掃きロボットは、清掃作業を実行する際に衝突回避モードを採用し、すなわち、掃きロボットが検出した障害物を迂回し、掃きロボットが家具、小障害物に衝突して家具などが破損し、または掃きロボットがはさまれたり破損したりすることを回避し、清掃作業を円滑に行うことができる。このとき、識別精度および正確率に限界があるため、自己移動型装置100は、敷居、カーペット縁などを障害物と見なして回避することがあり、その結果、敷居の後方の部屋、カーペット領域などの清掃がスキップされてしまい、敷居の後方の部屋、カーペット領域などは明らかに清掃が必要な領域であり、これらの領域を補充予定走行領域として特定する必要がある。該補充予定走行領域は、障害物との接触や衝突を避けるために、現在作業タスクにおいて掃きロボットが回避され清掃されない領域である。
【0038】
ステップS240において、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定する。
具体的に、補充予定走行領域が決定された後、自己移動型装置100、例えば掃きロボットは、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを判定し、すなわち、前記補充予定走行領域に進入する入口または通路があるかどうかを判定する必要がある。前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在する場合、以下のステップS260を実行し、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在しない場合、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルし、補充予定走行領域の清掃をスキップするように前記自己移動型装置100を制御する。
【0039】
ステップS260において、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御する。
【0040】
具体的に、自己移動型装置100は、到達可能位置まで移動するように制御され、補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置100を制御し、試行の結果、自己移動型装置100が補充予定走行領域に進入した場合、自己移動型装置100は補充予定走行領域内の清掃作業を実行し、試行の結果、自己移動型装置100が依然として補充予定走行領域に進入できない場合、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルし、補充予定走行領域の清掃をスキップするように前記自己移動型装置100を制御する。
【0041】
いくつかの実施例では、ステップS220において、前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含む。前記データ情報は現在作業タスクの完了する過程において、前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報を含み、環境データ情報に基づいて障害物が通過可能障害物であり、かつ、前記障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行領域の境界位置に位置すると判定する場合、前記障害物の前記走行領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定する。
【0042】
具体的に、前記環境データ情報は、構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含む。構造スポットクラウド情報は画像センサ20中の構造化光撮像部材によって取得され、レーザ距離測定情報はレーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10によって取得され、画像情報は画像センサ20中の可視光撮像部材によって取得される。
【0043】
自己移動型装置100は、レーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10、画像センサ20中の構造化光撮像部材および可視光撮像部材によって取得された障害物に関する情報、例えば障害物の輪郭、障害物と自己移動型装置100間の距離などを取得することができ、これらの情報は前記環境データ情報にも属する。具体的に、自己移動型装置100は、レーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10によって、自己移動型装置の周囲環境中の障害物情報、特に自己移動型装置100の本体よりも高い障害物の情報、例えば障害物の各点と自己移動型装置100間の距離情報を取得し、これにより、障害物の輪郭情報およびそれと自己移動型装置100間の位置関係を取得することができる。自己移動型装置100は、画像センサ20中の構造化光撮像部材によって自己移動型装置の走行方向の障害物の構造スポットクラウド情報を取得し、障害物が自己移動型装置100の本体の高さよりも低くても、構造化光撮像部材は該障害物を検出でき、障害物の輪郭形態および自己移動型装置100との距離情報を含む、構造スポットクラウド情報を取得することができる。自己移動型装置100は、画像センサ20中の可視光撮像部材によって自己移動型装置の走行方向の障害物の画像を直接撮像することができる。
【0044】
自己移動型装置100は衝突回避モードで清掃作業を実行する過程において、レーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10、画像センサ20中の構造化光撮像部材および可視光撮像部材によって障害物に関する情報を取得し、障害物を迂回して清掃作業を実行し、自己移動型装置100と障害物の衝突を回避する。自己移動型装置100が衝突回避モードでの清掃作業を完了した後、清掃済領域は走行済み領域となり、その後、自己移動型装置100は、自己移動型装置100が衝突回避モードで清掃作業を実行する過程に取得された障害物に関する構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報などを含む、環境データ情報に基づいて、障害物が通過可能障害物であるか、および障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置するかどうかを判定する。
【0045】
具体的に、障害物が通過可能障害物であるかを判定する方法は以下の通りであり、障害物が自己移動型装置100のレーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10によって検出できる場合、すなわち、障害物の高さが自己移動型装置100の本体110の高さよりも高いと、該障害物が通過不可能障害物であると判定し、これは、敷居、カーペット縁などは一般に自己移動型装置100の本体110よりも高くはないからである。障害物が自己移動型装置100のレーザ距離センサ(Laser Distance Sensor、LDS)10によって検出できないが、自己移動型装置100の構造化光撮像部材または可視光撮像部材によって検出でき、障害物の高さが第1閾値よりも低い場合、該障害物が通過可能障害物であると判定し、第1閾値は例えば自己移動型装置100の本体110の高さよりも小さく、第1閾値は例えば自己移動型装置100の本体110の地面からの高度以下である。障害物が通過可能障害物であるかは、障害物の画像情報に基づいて判定されてもよく、例えば、障害物の画像情報を分析し、具体的に、例えば畳み込みニューラルネットワークを用いて前記障害物の画像情報を処理して前記障害物の種類を判定し、障害物が敷居、またはカーペット縁などであると判定した場合、該障害物が通過可能障害物であると判定する。
【0046】
以上、障害物が通過可能障害物であるかのいくつかの判定態様を列挙したが、本開示中の実施例はこれに限定されなく、例えば、障害物の構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報を総合的に考慮して分析することにより判定を行ってもよい。
【0047】
障害物が通過可能障害物であるかを判定した後、障害物が通過可能障害物であり、かつ、該通過可能障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置すると判定した場合、前記障害物の前記走行領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定する。このように、通過可能障害物が走行済み領域と補充予定走行領域の境界に位置し、自己移動型装置100は通過可能障害物を通過して補充予定走行領域に進入する可能性がある。
【0048】
いくつかの実施例では、ステップS220において、前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定し、前記データ情報は前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報に基づいて、現在作業タスクで到達された走行済み領域が、履歴作業タスクで到達された領域中の1つまたは複数の部分領域を含まないと判定した場合、前記1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定すること、を含む。
【0049】
具体的に、自己移動型装置が清掃操作を実行するたびに、作業タスクのデータ情報を記憶し、該作業タスクのデータ情報は、その走行領域の地図情報およびナビゲーション情報を含み、地図情報は自己移動型装置が清掃可能な領域を示し、ナビゲーション情報は自己移動型装置が清掃作業を実行する経路を示す。
【0050】
自己移動型装置100が衝突回避モードでの清掃作業を完了した後、清掃済の領域は走行済み領域となり、自己移動型装置100は、現在作業タスクで到達された走行済み領域が履歴作業タスクで到達された領域中の1つまたは複数の部分領域を含むかどうかを判定する。自己移動型装置100は、現在作業タスクで到達された走行済み領域が、履歴作業タスクで到達された領域中の1つまたは複数の部分領域を含まないと判定した場合、該1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定する。
【0051】
前記実施例では、現在作業タスクの完了過程において、前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定する態様、および前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報に基づいて補充予定走行領域を決定する態様を列挙した。本開示では具体的に限定されなく、補充予定走行領域の決定は、上記2つの態様を組み合わせて総合的に判定されてもよい。
【0052】
いくつかの実施例では、ステップ240において、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するステップは、走行済み領域の前記補充予定走行領域に隣接する隣接部を決定し、隣接部と前記補充予定走行領域との境界に通過可能障害物のみが存在することに応答して、前記隣接部を前記到達可能位置として決定する。
【0053】
具体的に、まず、自己移動型装置100の現在作業において清掃した走行済み領域と先に決定された前記補充予定走行領域が隣接しているかどうか、すなわち、走行済み領域に前記補充予定走行領域に隣接する隣接部が存在するかどうかを判定する。走行済み領域に前記補充予定走行領域に隣接する隣接部が存在しないと判定した場合、自己移動型装置100は、走行済み領域から補充予定走行領域に進入することができなく、このとき、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルし、補充予定走行領域の清掃をスキップするように、前記自己移動型装置100を制御する。
【0054】
走行済み領域に前記補充予定走行領域に隣接する隣接部が存在する場合、さらに前記隣接部と前記補充予定走行領域の境界に通過可能障害物のみが存在するかと判定する。前記隣接部と前記補充予定走行領域の境界に通過可能障害物が存在せず、または通過可能障害物が存在するが通過不可能障害物も存在する場合、自己移動型装置100は走行済み領域から補充予定走行領域に進入することができなく、このとき、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルし、補充予定走行領域の清掃をスキップするように、前記自己移動型装置100を制御する。前記隣接部と前記補充予定走行領域の境界に通過可能障害物のみが存在し、通過不可能障害物が存在しない場合、自己移動型装置100は、前記隣接部から前記補充予定走行領域に進入して補充清掃作業を行い、前記隣接部を到達可能位置としてもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、ステップS260において、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御するステップは、
前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行するように、前記自己移動型装置を制御することを含む。
【0056】
具体的に、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置100を制御する場合、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、例えば自己移動型装置100によって収集された対応の通過可能障害物のデータ情報、例えば通過可能障害物の構造スポットクラウド情報を無視し、自己移動型装置100は、衝突回避モードで前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行することができる。いくつかの実施例では、衝突回避モードを終了するように自己移動型装置100を制御し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を直接通過して前記補充予定走行領域に向かって走行してもよい。
【0057】
自己移動型装置100が補充予定走行領域への進入に成功した場合、自己移動型装置100が補充予定走行領域で補完清掃作業を実行し、自己移動型装置100が補充予定走行領域への進入に失敗した場合、自己移動型装置100が走行済み領域から補充予定走行領域に進入することができないと判定し、このとき、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルし、補充予定走行領域の清掃をスキップするように、前記自己移動型装置100を制御する。
【0058】
いくつかの実施例では、自己移動型装置100が前記補充予定走行領域への進入を試行する場合、ある到達可能位置に、自己移動型装置100の走行速度、駆動電力などの様々な要因によって、自己移動型装置100が1回の試行だけで補充予定走行領域に進入できない可能性があるため、同一の到達可能位置に対して、自己移動型装置100は複数回の試行操作を行ってもよい。いくつかの実施例では、自己移動型装置100の駆動電力を増加させることによって、自己移動型装置100が補充予定走行領域に進入する成功率を増加させることができる。
【0059】
いくつかの実施例では、到達可能位置の数は1つまたは複数であってもよく、自己移動型装置100は複数の到達可能位置のいずれか1つから補充予定走行領域への進入を試みてもよい。いくつかの実施例では、自己移動型装置100は、それとの距離に基づいて各到達可能位置をソートすることができる。例えば、到達可能位置はM個の到達可能位置、すなわち、第1到達可能位置、第2到達可能位置……第M到達可能位置を含む。第1到達可能位置、第2到達可能位置……第M到達可能位置と、自己移動型装置100までの距離が順次増加し、自己移動型装置100は最も近い距離の第1到達可能位置を選択し、補充予定走行領域への進入を試みてもよい。該第1到達可能位置から試しても、自己移動型装置100が補充予定走行領域に進入できないと、自己移動型装置100は第2到達可能位置を選択して補充予定走行領域への進入を試み、該第2到達可能位置から試しても、自己移動型装置100が補充予定走行領域に進入できないと、自己移動型装置100は第3到達可能位置を選択して補充予定走行領域への進入を試みる。自己移動型装置100は補充予定走行領域への進入に成功したまで、M個の到達可能位置を経って上記試行操作を行う。
【0060】
本開示の実施例に記載のナビゲーション方法により、環境データ情報および/または履歴作業タスクのデータ情報に基づいて補充予定走行領域を検出し、該補充予定走行領域に到達可能かを判定し、後続の清掃操作に参照を提供し、清掃カバー率を向上させる。
【0061】
いくつかの実施例では、
図3は本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置に適用されるナビゲーション方法のシナリオ図であり、
図3では、自己移動型装置100、例えば掃きロボットは、居間310で清掃作業を開示し、自己移動型装置100が清掃作業を実行するとき衝突回避モードを使用し、自己移動型装置100が敷居330を検出すると、敷居330を障害物として障害物回避作業を実行し、その結果、自己移動型装置100が敷居330を通過して寝室320に進入して清掃作業を実行することができない。自己移動型装置100が居間310の清掃作業を完了した後、今回の清掃作業について、居間310は走行済み領域となり、敷居330は通過可能障害物に属し、寝室320は清掃対象領域であり、居間310の敷居330に隣接する領域311は到達可能領域である。
【0062】
本開示の実施例は、自己移動型装置、例えば掃きロボットのナビゲーション装置をさらに提供し、各ユニットは上記の実施例に記載の方法ステップを実行し、同じ方法ステップは同じ技術的効果を有し、本明細書では繰り返さなく、
図4は、本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置のナビゲーション装置の概略図であり、
図4に示すように、ナビゲーション装置400は、具体的に以下を含む。
【0063】
補充予定走行領域決定ユニット420は、現在作業タスクが完了した後、補充予定走行領域を決定するように構成される。
【0064】
到達可能位置決定ユニット440は、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があるかどうかを決定するように構成され、
制御ユニット460は、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置があることに応答して、前記到達可能位置に到達するように自己移動型装置を制御し、補充予定走行領域の作業を実行するために、前記補充予定走行領域への進入を試みるように前記自己移動型装置を制御するように構成される。
【0065】
いくつかの実施例では、前記制御ユニット460はさらに、前記補充予定走行領域に隣接する到達可能位置が存在しないことに応答して、前記補充予定走行領域への進入をキャンセルするように前記自己移動型装置を制御するように構成される。
【0066】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含み、ここで、前記データ情報は現在作業タスクの完了過程中、前記自己移動型装置によって取得された環境データ情報を含み、前記環境データ情報は例えば構造スポットクラウド情報、レーザ距離測定情報および画像情報の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを含む。前記補充予定走行領域決定ユニット440は、環境データ情報に基づいて障害物が敷居および/またはカーペット縁を含む通過可能障害物であり、前記障害物が現在作業タスクにおいて前記自己移動型装置によって到達された走行済み領域の境界位置に位置すること応答して、前記障害物の前記走行領域に背向する側を前記補充予定走行領域として決定するように構成される。
【0067】
いくつかの実施例では、前記補充予定走行領域を決定するステップは、データ情報に基づいて補充予定走行領域を決定することを含み、ここで、前記データ情報は前記自己移動型装置によって記録された履歴作業タスクのデータ情報を含み、前記履歴作業タスクのデータ情報は履歴地図情報および/または履歴ナビゲーション情報を含む。前記補充予定走行領域決定ユニット440は、前記履歴作業タスクのデータ情報に基づいて、現在作業タスクによって到達された走行領域が、履歴作業タスクにおいて到達された領域中の1つまたは複数の部分領域を含まないと判定することに応答して、前記1つまたは複数の部分領域を補充予定走行領域として決定するように構成される。
【0068】
いくつかの実施例では、前記到達可能位置決定ユニット440は、走行領域の前記補充予定走行領域に隣接する隣接部を決定し、隣接部と前記補充予定走行領域との境界に通過可能障害物のみが存在することに応答して、前記隣接部を前記到達可能位置として決定するように構成される。
【0069】
いくつかの実施例では、前記制御ユニット460は、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界における前記通過可能障害物を無視し、前記到達可能位置と前記補充予定走行領域の境界を通過して前記補充予定走行領域に向かって走行するように、前記自己移動型装置を制御するように構成される。
【0070】
いくつかの実施例では、前記到達可能位置の数は複数であり、前記制御ユニット460は、所定順序に従って到達可能位置を選択し、前記補充予定走行領域への進入を試みるように自己移動型装置を制御するように構成される。
【0071】
本開示の実施例に記載のナビゲーション装置により自己移動型装置をナビゲーション制御し、環境データ情報および/または履歴作業タスクのデータ情報に基づいて補充予定走行領域を検出し、該補充予定走行領域に到達可能かを判定し、後続の清掃操作に参照を提供し、清掃カバー率を向上させる。
【0072】
本開示の実施例は、コンピュータプログラム指令が記憶された非一過性コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサによって呼び出され、実行されると上記のいずれか1つの方法ステップを実施する。
【0073】
本開示の実施例は、プロセッサおよびメモリを備える自己移動型装置100、例えば掃きロボットを提供し、前記メモリに前記プロセッサによって実行され得るコンピュータプログラム指令が記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラム指令を実行すると、上記のいずれか1つの実施例の方法ステップを実施する。
【0074】
図5は本開示のいくつかの実施例が提供する自己移動型装置の電子構造の概略図であり、
図5に示すように、自己移動型装置は、読み取り専用メモリ(ROM)502に記憶されたプログラムまたは記憶装置508からランダムアクセスメモリ(RAM)503にロードされたプログラムに従って、様々な適切な動作および処理を実行し得る処理装置(例えば中央プロセッサ、グラフィックプロセッサ等)501を含み得る。RAM503には、電子ロボットの動作に必要な各種プログラムおよびデータが記憶されている。処理装置501、ROM502およびRAM503はバス504を介して互いに接続される。入力/出力(I/O)インタフェース505もバス504に接続される。
【0075】
通常、I/Oインタフェース505には、例えばタッチスクリーン、タッチパッド、キーボード、マウス、カメラ、マイク、加速度計、ジャイロスコープなどを含む入力装置506、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、スピーカ、バイブレータなどを含む出力装置507、例えばハードディスクなどを含む記憶装置508、および通信装置509が接続される。通信装置509は、自己移動型装置が他の装置と無線または有線通信を介してデータを交換することができる。
図5には、様々な装置を備えた自己移動型装置が図示されているが、図示されたすべての装置を実装または具備する必要はないことを理解されたい。代替的に、より多くまたはより少ない装置を実装または具備してもよい。
【0076】
添付図面のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施例に従ったシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能なアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図の各ボックスは、1つのモジュール、プログラムセクション、またはコードの一部を表す場合があり、このモジュール、プログラムセクション、またはコードの一部は指定されたロジック機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。また、代替としてのいくつかの実装では、ボックス内に示された機能は、添付図面に示された順序と異なる順序で発生する可能性もあることに留意されたい。例えば、連続して表現された2つのボックスは実際には実質的に並行して実行されることがあり、関連する機能によって、逆の順序で実行されることもある。また、ブロック図および/またはフローチャート中の各ボックス、およびブロック図および/またはフローチャート中のボックスの組み合わせは、指定された機能または操作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実装されてもよいし、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせで実装されてもよいことに留意されたい。
【0077】
最後に、本明細書における各実施例は、各実施例が他の実施例との相違点に着目して漸進的に説明されており、各実施例の同一部分及び類似部分については、互いに関して各実施例を参照すれば十分であることに留意されたい。また、実施例に開示されたシステム又は装置については、実施例に開示された方法に対応するものであるため、説明は比較的簡単であり、方法の項の説明を参照すればよい。
【0078】
以上の実施例は、制限するものではなく、本開示の技術的解決策を説明するためのものであり、前記実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者であれば、前記各実施例に記載の技術的解決策を修正し、または一部の技術的特徴を等価置換することができ、これらの修正または置換は、関連する技術的解決策の本質を本開示の各実施例の技術的解決策の精神および範囲から逸脱させるものではないことを理解されたい。
【国際調査報告】