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特表2024-529084子宮内膜症を治療する方法及び有効な避妊を提供する方法
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  • 特表-子宮内膜症を治療する方法及び有効な避妊を提供する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】子宮内膜症を治療する方法及び有効な避妊を提供する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/585 20060101AFI20240725BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 15/18 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61K31/585
A61P15/00
A61P15/18
A61K9/20
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/04
A61K47/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507980
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2022072511
(87)【国際公開番号】W WO2023017109
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】21382757.9
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523050140
【氏名又は名称】キーモ リサーチ エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コッリ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス サルスチアーノ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076CC17
4C076DD29C
4C076DD41C
4C076DD67
4C076EE31
4C076FF05
4C076GG14
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA13
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA10
(57)【要約】
本発明は、ドロスピレノンを二相レジメンで投与することを含む、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンに関する。本発明は更に、避妊薬として、また、無月経を誘発するためにかかる二相レジメンで投与されるドロスピレノンの使用、並びにかかる二相レジメンで投与されるドロスピレノンを含む医薬組成物及びキットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロスピレノンを二相レジメンで被験体に投与することを含む、女性被験体における子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンであって、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量が、約2.5mg~3.5mg、好ましくは約2.6mg~3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、ドロスピレノン。
【請求項2】
1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの前記1日量が4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンの前記より少ない1日量が2.8mgである、請求項1に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
【請求項3】
前記治療が、避妊も提供する、請求項1又は2に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
【請求項4】
避妊薬としてのドロスピレノンの使用であって、二相レジメンでドロスピレノンを投与することを含み、第1相の間、ドロスピレノンの1日量が投与され、第2相ではドロスピレノンのより少ない1日量が投与され、好ましくは、前記ドロスピレノンの投与が無月経を誘発する、ドロスピレノンの使用。
【請求項5】
ドロスピレノンの前記1日量を、1日目から24日目に1日1回投与し、その後、ドロスピレノンのより少ない1日量を、25日目から28日目に1日1回投与する、請求項4に記載のドロスピレノンの使用。
【請求項6】
1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの前記1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項5に記載のドロスピレノンの使用。
【請求項7】
25日目から28日目に投与されるドロスピレノンの前記より少ない1日量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項4~6のいずれか一項に記載のドロスピレノンの使用。
【請求項8】
キット、好ましくは避妊キットであって、1つ以上の包装単位を含み、各包装単位は、少なくとも28個の活性1日投与単位を含み、
a)少なくとも24個の1日投与単位が、第1の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、かつ、前記量が第2の量のドロスピレノンの1日投与単位におけるドロスピレノンの量よりも多く、
b)少なくとも4個の1日投与単位が、前記第2の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、ドロスピレノンの前記量が、前記第1の量のドロスピレノンを含む1日投与単位よりも少ない、
キット。
【請求項9】
前記少なくとも28個の活性1日投与単位が、エストロゲンを含まず、好ましくは、ドロスピレノンが、前記少なくとも28個の活性1日投与単位において唯一の避妊有効成分である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
ドロスピレノンの前記第1の量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項8又は9に記載のキット。
【請求項11】
ドロスピレノンの前記第2の量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項8~10のいずれか一項に記載のキット。
【請求項12】
請求項1~3のいずれか一項に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンを含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤を更に含み、好ましくは、前記薬学的に許容可能な添加剤が、少なくとも1つの結合剤及び少なくとも1つの充填剤であり、
(i)ドロスピレノンの量が、1重量%~10重量%を占め、
(ii)前記少なくとも1つの結合剤の量が、50重量%~65重量%を占め、
(iii)前記少なくとも1つの充填剤の量が、25重量%~35重量%を占め、
前記重量パーセントが、前記医薬組成物の総重量に関するものである、
医薬組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの滑剤及び少なくとも1つの滑沢剤を更に含み、
(iv)前記少なくとも1つの滑剤の量が、0.2重量%~6重量%を占め、
(v)前記少なくとも1つの滑沢剤の量が、0.2重量%~0.6重量%を占め、
前記重量パーセントが、前記医薬組成物の総重量に関するものである、
請求項12に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
(i)前記少なくとも1つの結合剤が、微結晶セルロースであり、
(ii)前記少なくとも1つの充填剤が、無水ラクトースであり、
(iii)前記少なくとも1つの滑剤が、二酸化ケイ素であり、
(iv)前記少なくとも1つの滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、
請求項12又は13に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載の医薬組成物における、請求項4~7のいずれか一項に記載の避妊薬としてのドロスピレノンの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性の健康分野、より具体的には子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛及び/又は月経困難症の治療に関する。したがって、本発明は、ドロスピレノンを二相レジメンで投与することを含む、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンに関する。本発明は更に、避妊薬として、また、無月経を誘発するためにかかる二相レジメンで投与されるドロスピレノンの使用、並びにかかる二相レジメンで投与されるドロスピレノンを含む医薬組成物及びキットに関する。
【背景技術】
【0002】
子宮内膜症は、卵巣及びその他の骨盤構造を含む子宮外の子宮内膜組織の存在を特徴とする、エストロゲン依存性の慢性疾患である。これらの病変は慢性的な炎症反応を引き起こし、瘢痕組織の生成及び癒着につながる可能性がある。子宮内膜症の女性は、月経困難症、月経前の痛み、性交疼痛症及び慢性疲労の症状(非特許文献1)と並んで、排卵時の痛み、便秘、及び排尿時の痛み(非特許文献2)といったあまり一般的ではない症状を頻繁に経験する。さらに、異所性子宮内膜の存在は不妊の原因となり得て、これは子宮内膜症を有する女性の最大50%にみられ得る(非特許文献3)。したがって、子宮内膜症を有する女性は、子宮内膜症に伴う痛みと不妊という2つの大きな問題の一方又は両方に直面する。症状の重症度は骨盤疾患の程度又は病変の大きさと必ずしも相関しない。ごく軽度の子宮内膜症を有する女性の多くは、激しい骨盤痛を訴える(非特許文献4)。
【0003】
子宮内膜症は、生殖可能年齢の女性の10%が罹患すると推定されており、これは世界で約1億9000万人の女性に外挿される。
【0004】
現在、子宮内膜症の治療法はない。子宮内膜症を有する女性には、病状の継続的、協力的、支持的な管理、並びに病状が生活の質に及ぼし得る重大な影響の理解が依然として必要である。治療の主な目的は、疼痛及びその他の症状の緩和、子宮内膜病変の軽減、及び罹患者の生活の質の向上である。
【0005】
子宮内膜症に伴う痛みに対する現在のホルモン治療は、全身的又は局所的なエストロゲンの抑制、組織の増殖及び炎症の阻害、又はその両方に焦点を当てている。併用経口避妊薬(COC)は、子宮内膜症が推定されるか否かにかかわらず、特に子宮内膜症を有する青年期において、月経困難症又は慢性骨盤痛の第一選択薬として広く使用されている(非特許文献5)。それにもかかわらず、エストロゲンは子宮内膜の代謝活性に刺激的な影響を与える。したがって、COC投与によりエストロゲン優位となり、病変の進行リスクをもたらす可能性がある(非特許文献6)。
【0006】
子宮内膜症に随伴する骨盤痛に対する、また子宮内膜病変の程度を抑えるための第一選択療法として、プロゲスチン単独治療も用いられている。子宮内膜症、続発性無月経、及び異常子宮出血の治療としてFDAが承認した1つのプロゲスチンは、酢酸ノルエチステロン(NETA)(5mg錠)である。原則として、NETAは、28日間継続して投与した場合、0.35mg/日の投与量から開始して排卵阻害を提供することもできるが、子宮内膜症の治療に必要な高投与量(5mg/日~15mg/日)は排卵阻害に必要な投与量(0.35mg/日)の10倍以上であり、避妊用途については承認されていない。治療法は、この高投与量レベルで、最大6ヶ月~9ヶ月間、又は破綻出血が治療の一時的な中止を要求するまで保持されることがある。さらに、かかる高投与量では、NETAは、にきび、多毛症、体重増加、及び一部の女性ではわずかに重症の変声等のアンドロゲン性の副作用を生み出す可能性がある。
【0007】
もう1つの承認済みプロゲスチンであるディナゲスト(Dienogest:DNG)は、現在欧州で子宮内膜症の臨床治療に使用されている合成プロゲスチンであり、1日量2mg(Visanne(商標)2mg錠)である。アンドロゲン活性を持たないDNGは、NETAよりも忍容性である。1日2mgのDNGは排卵阻害作用を提供するが、卵巣活動は完全には抑制されないため避妊薬としては承認されていない(非特許文献7)。したがって、使用者は子宮内膜症の治療にDNGを使用する際に、バリア避妊又はその他の非ホルモン代替法を採用するよう事前に通知される(非特許文献8)。
【0008】
現在承認されている子宮内膜症に伴う疼痛の治療法には避妊の適応はない。さらに、一部のFDA又は欧州で承認されている子宮内膜症に対する薬物(例えば、最近承認された製品Elagolix等のGnRH拮抗薬又はディナゲストとしてのプロゲスチン)とホルモン避妊薬の併用は認められていない。バリア避妊の使用の必要性は、これらの製品のコンプライアンスを制限し、中止率を高める可能性がある。したがって、ホルモン避妊を求める女性の子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)を治療する治療法は決定的に必要である。
【0009】
ドロスピレノン(DRSP)はスピロノラクトンの誘導体であり、プロゲスト模倣性活性、抗ミネラロコルチコイド活性、及び抗アンドロゲン活性を有する。避妊成分としてのドロスピレノンは、Yasmin(商標)(3mg DRSP/30μgエチニルエストラジオール)、Yaz(商標)(3mg DRSP/20μgエチニルエストラジオール)、及びYasminelle(商標)(3mg DRSP/20μgエチニルエストラジオール)の名称で販売されているもの等の経口複合ピルで入手可能である。これらの錠剤は、ドロスピレノンの排卵阻害効果を高め、避妊及びサイクルコントロールを確実にする作用を持つエチニルエストラジオールを含む。
【0010】
欧州及び米国では最近、DRSPが生殖可能年齢の女性の避妊用POP(Slinda(商標)/Slynd(商標))として承認された。承認された薬量学は、最初の24日間は毎日1錠の白色活性錠(DRSP 4mg)であり、その後の4日間は毎日1錠の緑色不活性錠である。DRSP POP製剤は、例えば特許文献1又は特許文献2に記載される従来技術で説明される方法で調製される場合がある。DRSP 24/4レジメンの背後にある論理的根拠は、各サイクルでホルモンフリーな4日を含めて、予測可能な予定された出血を提供し、そうでない場合はプロゲストーゲン単独の避妊と関連しない、プロゲストーゲン単独法を作り出すことであった(非特許文献9)。
【0011】
継続的な投薬レジメンによって達成される「無月経」と呼ばれる月経の回避又は欠如は、治療方法の遵守の改善、日常生活及び特別なイベントへの干渉の減少、並びに職場又は学校での月経関連の常習的な欠席の減少を含めて、患者の観点から望ましい可能性がある特徴を有する(非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)。患者調査の過去のデータ及びホルモン避妊薬の臨床試験の参加者の意見から、かなりの割合の女性が継続投薬レジメンに伴う月経頻度の減少又は無月経を好むことが示唆されている(非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18)。北米、南米、及び欧州の生殖可能年齢の女性4000人超を対象とした大規模な調査では、応答者の60%が月経出血の延期を望んでいる(非特許文献19)。したがって、避妊の安全性及び信頼性が高く、同時に月経中間期出血(月経)を減少させる、すなわち無月経を誘発する避妊法を提供する必要もある。
【0012】
性的に活発な女性を対象における最大13回の28日間の治療サイクルの2つの第III相試験は、米国及び欧州における経口DRSP 4mg 24/4日レジメンの避妊効果及び安全性を評価した(非特許文献20及び非特許文献21)。一般に、経口DRSP 4mg 24/4日レジメンの9サイクル~13サイクルの使用の後、使用者のおよそ40%が無月経を報告した。しかしながら、経口DRSPの使用のより少ないサイクルの後に、より多くの女性が、出血が少ない又は出血が全くないという利益を得ることができる、より迅速かつ効率的な無月経の誘発方法を提供する必要が依然としてある。
【0013】
第II相研究(研究報告CF111/203、2014年)では、50人の健康な女性における2つのレジメンのホルモン活動及び卵巣活動によって反映される排卵阻害能を評定するため、2つの異なる投薬レジメン、すなわち、現在承認されているDRSP 4.0mg(Slynd(商標))による24+4投薬レジメンと比較した、28日間のDRSP 2.8mg用量による継続レジメンを2サイクルにわたって評価した。本研究の成果は公表されているが(EudraCT番号:2011-004085-15)、試験開示では女性の出血パターンに関する詳細は提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2012/00981号
【特許文献2】国際公開第2016/207298号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Schindler, 2011
【非特許文献2】Taylor et al., 2017
【非特許文献3】Vercellini et al., 2014
【非特許文献4】Norwitz E.R and Schorge J.O. 2013
【非特許文献5】Vercellini and Buggio 2018
【非特許文献6】Casper 2017
【非特許文献7】Caruso, 2019
【非特許文献8】Vercellini, 2016
【非特許文献9】Slinda Public Assessment Report, Swedish MPA template version, 2019
【非特許文献10】Cote et al., 2002
【非特許文献11】Rose et al., 2008
【非特許文献12】Edelman et al., 2014
【非特許文献13】Loudon et al., 1977
【非特許文献14】Rutter et al., 1988
【非特許文献15】den Tonkelaar et al., 1999
【非特許文献16】Glasier et al., 2003
【非特許文献17】Wiegratz et al., 2004
【非特許文献18】Ferrero et al., 2006
【非特許文献19】Szarewski et al., 2012
【非特許文献20】Palacios, 2019
【非特許文献21】Kimble et al. 2020
【発明の概要】
【0016】
したがって、1つの態様において、本発明は、ドロスピレノンを二相レジメンで被験体に投与することを含む、女性被験体における子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンであって、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相においては、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、ドロスピレノンに関する。
【0017】
本発明の方法の一実施の形態においては、上記1日量のドロスピレノンが、1日目から24日目まで1日1回投与され、その後25日目から28日目まで上記より少ない1日量のドロスピレノンが1日1回投与される。
【0018】
本発明の方法の一実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0019】
本発明の方法の更なる実施の形態においては、25日目から28日目まで投与されるより少ない1日量のドロスピレノンが、約2.5mg~3.5mg、好ましくは約2.6mg~3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。
【0020】
本発明の方法の好ましい実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量が2.8mgである。
【0021】
本発明の方法の更に好ましい実施の形態においては、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する上記方法は、避妊も提供する。
【0022】
本発明の方法の一実施の形態においては、エストロゲンは、投与されない。
【0023】
本発明は、更なる態様においては、女性被験体に避妊を提供する方法において使用されるドロスピレノンであって、ドロスピレノンが二相レジメンで上記被験体に投与され、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相においては、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、ドロスピレノンに関する。
【0024】
この方法の好ましい一実施の形態においては、上記ドロスピレノンの投与が、無月経を誘発する。この方法の更により好ましい実施の形態においては、上記ドロスピレノンの投与は、2回の投与サイクル後に女性被験体の25%超、好ましくは30%超で無月経を誘発する。
【0025】
この方法の好ましい一実施の形態においては、上記ドロスピレノンの投与は、3回又は更には2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0026】
更により好ましい実施の形態においては、上記ドロスピレノンの投与は、1回の投与サイクル後すでに、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0027】
この方法の別の好ましい実施の形態においては、上記ドロスピレノンの投与は、6回の投与サイクル後に、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0028】
この方法の一実施の形態においては、ドロスピレノンの上記1日量を、1日目から24日目に1日1回投与し、その後、ドロスピレノンのより少ない1日量を、25日目から28日目に1日1回投与する。
【0029】
更なる実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0030】
更なる実施の形態においては、25日目から28日目に投与されるドロスピレノンのより少ない1日量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。
【0031】
更なる実施の形態においては、本発明は、女性被験体における避妊薬としてのドロスピレノンの使用であって、ドロスピレノンを二相レジメンで上記被験体に投与することを含み、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相においては、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、使用に関する。
【0032】
尚更なる実施の形態においては、ドロスピレノンの上記使用は、無月経を誘発する。より好ましい実施の形態においては、ドロスピレノンの上記使用は、4回、好ましくは3回、最も好ましくは2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは30%の女性被験体に無月経を誘発する。
【0033】
好ましい一実施の形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、3回又は更には2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0034】
更により好ましい実施の形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、1回の投与サイクル後すでに、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0035】
好ましい一実施の形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、6回の投与サイクル後に、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0036】
本発明のドロスピレノンの使用の一実施の形態においては、上記1日量のドロスピレノンを、1日目から24日目まで1日1回投与し、その後、上記より少ない1日量のドロスピレノンを、25日目から28日目まで1日1回投与する。
【0037】
上記使用の更なる実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0038】
上記使用の尚更なる実施の形態においては、25日目から28日目に投与されるドロスピレノンのより少ない1日量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。
【0039】
上記使用の好ましい実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量は約4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量は約2.8mgである。
【0040】
本発明の使用の一実施の形態においては、エストロゲンは、投与されない。
【0041】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法、並びに本発明の避妊薬としてのドロスピレノンの使用の一実施の形態においては、投与経路は、経口投与、経皮投与、又は経粘膜投与から選択され、投与経路は経口投与が好ましい。
【0042】
本発明は更に、キット、好ましくは避妊キットであって、1つ以上の包装単位を含み、各包装単位は、少なくとも28個の活性1日投与単位を含み、
a)少なくとも24個の1日投与単位が、第1の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、かつ、量が第2の量のドロスピレノンの1日投与単位におけるドロスピレノンの量よりも多く、
b)少なくとも4個の1日投与単位が、第2の量のドロスピレノン量を含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、ドロスピレノンの量が、第1の量のドロスピレノンを含む1日投与単位よりも少ない、
キットに関する。
【0043】
本発明のキットの一実施の形態においては、少なくとも28個の活性1日投与単位が、エストロゲンを含まない。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態においては、ドロスピレノンが、少なくとも28個の活性1日投与単位における唯一の避妊有効成分である。
【0045】
本発明のキットの一実施の形態においては、ドロスピレノンの上記第1の量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0046】
本発明のキットの更なる実施の形態においては、ドロスピレノンの上記第2の量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgである。
【0047】
本発明のキットの好ましい実施の形態においては、ドロスピレノンの上記第1の量は約4.0mgであり、ドロスピレノンの上記第2の量は約2.8mgである。
【0048】
本発明は更に、本明細書において上に記載される子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンを含む医薬組成物に関し、医薬組成物は、更に、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤を含む。
【0049】
本発明の医薬組成物の一実施の形態においては、上記薬学的に許容可能な添加剤が、少なくとも1つの結合剤及び少なくとも1つの充填剤であり、
(i)ドロスピレノンの量が、1重量%~10重量%を占め、
(ii)少なくとも1つの結合剤の量が、50重量%~65重量%を占め、
(iii)少なくとも1つの充填剤の量が、25重量%~35重量%を占め、
重量パーセントが、上記医薬組成物の総重量に関するものである。
【0050】
本発明の更なる実施の形態においては、医薬組成物が、少なくとも1つの滑剤及び少なくとも1つの滑沢剤を更に含み、
(iv)少なくとも1つの滑剤の量が、0.2重量%~6重量%を占め、
(v)少なくとも1つの滑沢剤の量が、0.2重量%~0.6重量%を占め、
重量パーセントが、上記医薬組成物の総重量に関するものである。
【0051】
本発明の医薬組成物の好ましい実施の形態においては、
(i)少なくとも1つの結合剤が、微結晶セルロースであり、
(ii)少なくとも1つの充填剤が、無水ラクトースであり、
(iii)少なくとも1つの滑剤が、二酸化ケイ素であり、かつ、
(iv)少なくとも1つの滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである。
【0052】
本発明は更に、本明細書において上記で定義するドロスピレノンの本明細書において上記で定義する医薬組成物における避妊薬としての使用に関する。
【0053】
本発明は更に、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の治療を必要とする女性被験体における、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の治療方法であって、ドロスピレノンを二相レジメンで女性被験体に投与することを含み、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相では、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、治療方法に関する。
【0054】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の上記治療方法の一実施の形態においては、1日量のドロスピレノンが、1日目から24日目までは1日1回投与され、その後、上記より少ない1日量のドロスピレノンが、25日目から28日目までは1日1回投与される。
【0055】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症の上記治療方法の一実施の形態においては、1日目から24日目まで投与される1日量のドロスピレノンは、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0056】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症の上記治療方法の更なる実施の形態においては、25日目から28日目まで投与されるより少ない1日量のドロスピレノンは、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。
【0057】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症の上記治療方法の好ましい実施の形態においては、1日目から24日目まで投与される1日量のドロスピレノンは、約4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるより少ない1日量のドロスピレノンは、約2.8mgである。
【0058】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法の更なる実施の形態においては、避妊も提供する。
【0059】
子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法の更なる実施の形態においては、エストロゲンは、投与しない。
【0060】
本発明の実施の形態は、更に、避妊を必要とする女性被験体に避妊を提供する方法であって、ドロスピレノンを二相レジメンで上記女性被験体に投与することを含み、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相においては、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、方法に関する。
【0061】
避妊を提供する上記方法の一実施の形態においては、上記1日量のドロスピレノンを、1日目から24日目まで1日1回投与し、その後、上記より少ない1日量のドロスピレノンを、25日目から28日目まで1日1回投与する。
【0062】
避妊を提供する上記方法の一実施の形態においては、1日目から24日目まで投与される1日量のドロスピレノンは、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0063】
避妊を提供する上記方法の更なる実施の形態においては、25日目から28日目に投与されるより少ない1日量のドロスピレノンは、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。
【0064】
避妊を提供する上記方法の好ましい実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量は約4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量は約2.8mgである。
【0065】
避妊を提供する方法の更なる実施の形態においては、エストロゲンは投与されない。
【0066】
本発明は更に、女性被験体において無月経を誘発する方法であって、ドロスピレノンを二相レジメンで上記女性被験体に投与することを含み、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相では、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、方法に関する。
【0067】
上記方法の一実施の形態においては、ドロスピレノンの上記1日量を、1日目から24日目に1日1回投与し、その後、ドロスピレノンのより少ない1日量を、25日目から28日目に1日1回投与する。
【0068】
上記方法の一実施の形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの上記1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0069】
上記方法の一実施の形態においては、25日目から28日目に投与されるドロスピレノンの上記より少ない1日量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。
【0070】
上記方法の更なる実施の形態においては、投与経路は、経口投与、経皮投与、又は経粘膜投与から選択され、投与経路は、経口投与が好ましい。
【0071】
本発明は、また、一態様においては、ドロスピレノンを継続レジメンで女性被験体に投与することを含む、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の治療を必要とする女性被験体において子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンに関し、ドロスピレノンを、1日目から28日目まで1日1回、約2.5mg~3.5mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンの量で投与する。
【0072】
尚更に好ましい実施の形態においては、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する上記方法は、無月経も誘発する。
【0073】
より好ましい実施の形態においては、上記方法は、4回、好ましくは3回、最も好ましくは2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも30%の女性被験体に無月経を誘発する。
【0074】
好ましい一実施の形態においては、上記方法は、3回又は更には2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0075】
更により好ましい実施の形態においては、上記方法は、1回の投与サイクル後すでに、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0076】
好ましい一実施の形態においては、上記方法は、6回の投与サイクル後に、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】実施例1及び表1において更に詳細に開示される、DRSP 4.0mg(24+4治療)と比較した、DRSP 2.8mg継続治療で観察されたサイクル別の無月経を有する被験体の数(FAS)を開示する図である。
図2】実施例1及び表2において更に詳細に開示される、DRSP 4.0mg(24+4)と比較した、DRSP 2.8mg継続治療で得られたエストラジオールの血清レベル(pmol/L)を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
定義
本明細書で使用される場合、「活性1日投与単位」又は「1日投与単位」という用語は、ドロスピレノン等の必要量の有効成分を供給するために被験体に投与することができる単位投与量として適した物理的に分離された単位を指す。
【0079】
本明細書で使用される場合、「無月経」という用語は、女性被験体、好ましくは生殖可能年齢の女性において、少なくとも28日間又は1回の投与サイクルの間に出血/微量出血がないこと/欠如することを指す。
【0080】
本明細書で使用される場合、「二相」又は「二相レジメン」という用語は、第1相で投与される有効成分の量が、第2相で投与される有効成分の量とは異なる、2相を有する投与量レジメンを指す。各相で投与される有効成分は一定であり、すなわち、各相で投与される各1日剤形に有効成分が同量存在する。各相において、有効成分は各1日剤形で投与され、すなわち、1日剤形が有効成分を含まないということはない。
【0081】
本明細書で使用される場合、「避妊キット」という用語は、女性患者に対し、指示に従って1日有効量で投与した場合に、妊娠の予防に役立つキットを指す。
【0082】
本明細書で使用される場合、「避妊法」は、妊娠を予防する方法に関する。
【0083】
本明細書で使用される場合、「ドロスピレノン」という用語は、ドロスピレノンそのもの、すなわちCAS登録番号67392-87-4で識別される化学物質、ドロスピレノンの溶媒和物、及びドロスピレノンの誘導体又はプロドラッグを指す。ドロスピレノンは、例えば、米国特許第4129564号、国際公開第9806738号、欧州特許第11746101号、又は国際公開第2006061309号に記載される従来技術で説明されているよく知られた方法により調製され得る。国際公開第2006061309号に記載されている方法は、ドロスピレノンの調製に特に適している場合がある。
【0084】
本明細書で使用される場合、「月経困難症」という用語は、子宮収縮によって起こる痛みを伴う月経期間に関する医学用語を指す。原発性月経困難症は、再発性疼痛を指すが、続発性月経困難症は、生殖器系の障害によるものである。
【0085】
本明細書で使用される場合、「子宮内膜症」、及び「子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)」という用語は、エストロゲン依存性の慢性疾患を指し、それぞれ、卵巣及びその他の骨盤構造を含む子宮外の子宮内膜病変の形成、並びに骨盤痛として報告されるその最も多く共通する徴候の1つを特徴とする。表在性、嚢胞性、深部浸潤性、腹壁性、及び月経随伴性の子宮内膜症を含む、子宮内膜症の全てのサブタイプが含まれる。子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)の管理の有効性は、当業者によく知られている視覚的アナログスケール(VAS)又は数値評価スケール(NRS)等の異なる評価尺度を使用して評定することができる(例えば、Gerlinger et al. (2010)及びBreivik et al. (2008)を参照されたい)。評価スケールに応じて、例えば、0~10のNRSスケールで、少なくとも1.0、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、少なくとも3.0のプラセボに対する差は、すでに、臨床的意義があり、患者に真の利益をもたらすものと見なすことができる。
【0086】
本明細書で使用される場合、「エストロゲン」という用語は、女性の身体特性の発達及び維持を促進するステロイドホルモン群を定義する。合成エストロゲンは、経口避妊薬において、又は更年期障害及び月経障害を治療するためによく知られており、一般的に使用されている。
【0087】
本発明の剤形について、本明細書で使用される場合、「経口(の)」、「経口剤形」、「経口医薬剤形」、「経口投与」、「経口組成物」、「経口医薬組成物」、「経口避妊用組成物」、「経口錠剤」、「経口カプセル」、「経口摂取」、「経口(で)」、「経口経路」、等の用語は、いずれも口から投与する任意の方法を指す。本発明の経口剤形は、通常、そのまま摂取されるが、改変(例えば、粉砕)されて摂取されてもよく、通常、水又は飲料の助けを借りて、口腔内の通過を早めてもよい。
【0088】
本明細書で使用される場合、「プロゲストーゲン単独避妊薬」又は「プロゲストーゲン単独ピル」(「POP」とも呼ばれる)とは、プロゲストーゲンを唯一の避妊有効成分として含み、エストロゲンを一切含まないピル又は避妊薬を意味する。
【0089】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」とは、疾患の発症若しくは進行の著しい遅延、又は1つ以上の症状の重症度の著しい減少等、1つ以上の治療結果等の望ましい治療結果を達成するために必要な投与量で及び期間に有効な量を指す。治療有効量はまた、典型的には、治療上有益な効果が有効成分又は医薬組成物の任意の毒性又は有害作用を上回る量のことである。
【0090】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する(こと)」又は「治療する」とは、(i)疾患、障害、及び/又は状態に罹患しやすい可能性があるが、まだ罹患したと診断されていない被験体において、疾患、障害若しくは状態が発生するのを予防又は遅らせること、(ii)疾患、障害若しくは状態を阻止すること、すなわち、その発症若しくは進行を停止すること若しくは遅らせること、及び/又は(iii)疾患、障害若しくは状態を緩和すること、すなわち、疾患、障害、及び/又は状態の後退を引き起こすことを指す。或る特定の実施形態においては、かかる用語は、疾患又は疾患に関連する症状の改善又は根絶を指す。
【0091】
本発明の方法
本発明は、ドロスピレノンを二相レジメンで被験体に投与することを含む、女性被験体における子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンであって、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相では、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、ドロスピレノンに関する。
【0092】
これまでに承認されているドロスピレノンの投薬レジメンは、24+4レジメンであり、つまり、24日間継続してドロスピレノンを投与するのに対し、25日目から28日目はプラセボを投与するホルモンブレイクに使用される。本発明は、異なる種類の24+4レジメンを想定している。1日量のドロスピレノンを最初の24日間投与し、次いでプラセボを投与する代わりに、本発明者らによって、1日目から24日目まで毎日1回或る量のドロスピレノンを投与し、その後25日目から28日目まではより少ない1日量のドロスピレノンを1日1回投与することを含む、2相スケジュールを使用することが提案される。1日目から24日目まで投与される1日量のドロスピレノンは、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。25日目から28日目まで投与されるより少ない1日量のドロスピレノンは、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。最も好ましい実施形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量は4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量は2.8mgである。
【0093】
本発明の方法の好ましい実施形態においては、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する上記方法はまた、投与サイクル全体を通じて確実な避妊を提供する。上に記載されるように、プロゲストーゲン単独ピル(POP)は、従来の避妊薬併用ピルと比較して、エストロゲンの併用投与を避けることができるという利点がある。したがって、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の治療を必要とする女性被験体において、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の治療を達成すると同時に、1回のみの1日剤形を投与することにより、確実な避妊を提供することは、本発明の1つの目的である。好ましくは、この剤形は、避妊効果に有益である一方、エストロゲン誘発性子宮内膜症の治療にとって有害となり得るいかなるエストロゲンも含有しないものとする。
【0094】
子宮内膜症の治療には、6ヶ月又は1年ごとのホルモンフリーインターバルの継続レジメンが好ましい場合がある。
【0095】
更なる態様においては、本発明はまた、女性被験体における性交疼痛症、月経前疼痛、筋腫、子宮腺筋腫、子宮線維症、子宮筋腫又は子宮内膜ポリープのうち1つ以上の疾患又は障害の治療に使用される、本発明書において上に記載されるドロスピレノンを必要とする女性被験体に投与されるドロスピレノンに関する。
【0096】
使用
本発明は更に、避妊薬を必要とする女性被験体に対する避妊薬としてのドロスピレノンの使用であって、ドロスピレノンを二相レジメンで上記被験体に投与することを含み、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相では、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、使用に関する。
【0097】
本発明の方法に関して上で既に述べたように、従来技術で提案された24+4レジメンとは異なる種類のレジメンが想定される。或る量のドロスピレノンを最初の24日間投与し、次いでプラセボを投与する代わりに、本発明者らによって、1日目から24日目まで毎日1回1日量のドロスピレノンを投与し、その後25日目から28日目まではより少ない1日量のドロスピレノンを1日1回投与することが提案される。1日目から24日目まで投与される1日量のドロスピレノンは、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。25日目から28日目まで投与されるより少ない1日量のドロスピレノンは、約2.5mg~3.5mg、好ましくは約2.6mg~3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである。最も好ましい実施形態においては、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量は4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量は2.8mgである。
【0098】
実施例1に要約される第II相研究CF111/203では、現在承認されているDRSP 4.0mg(Slynd(商標))による24+4投薬のレジメンと比較した、DRSP 2.8mg用量による28日間にわたる継続レジメンの2つの異なる投薬レジメンを2サイクルにわたって評価した。まだ公表されていない研究結果は、驚くべきことにDRSP 2.8mg継続レジメンが両方のサイクルでより高い割合の被験体において無月経を誘発することを示した。DRSP 4.0mg群の被験体の3人(12.0%)と比較して、7人(28.0%)の被験体であった。サイクル1では、DRSP 2.8mgの被験体12人(48.0%)、及びDRSP 4.0mgの被験体6人(24.0%)が無月経を報告した。サイクル2では、DRSP 2.8mgの被験体9人(36.0%)、及びDRSP 4.0mgの被験体4人(16.0%)が無月経であった(実施例1、表1を参照されたい)。
【0099】
以上をまとめると、両方の治療サイクルにおいてDRSP 2.8mg群の方がDRSP 4.0mg群に比べて無月経の被験体の割合が高かった。上に記載されるように、ホルモン避妊薬の臨床研究では、かなりの割合の女性が継続投薬レジメンに伴う月経頻度の減少又は無月経を好むことが示唆されている。したがって、2.8mgの1日用量で与えられるドロスピレノンの継続レジメンは、出血パターンを制御し、望ましい無月経を達成するために女性の特定のニーズに対処する有用な選択肢であることを示した。
【0100】
ドロスピレノンは、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンの産生を遮断することで作用するプロゲスチンであり、生殖腺刺激ホルモンの減少及びエストロゲン産生の低下を引き起こす。第II相研究CF111/203は、DRSP 2.8mg継続レジメンの被験体と比較して、DRSP 4.0mg 24+4レジメンの被験体は、被験体1人あたりの血清エストラジオールレベルの平均及び中央値が低い傾向があることを示した。群間の差は統計的に有意ではなかった。さらに、いずれの治療もエストラジオールレベルの低下に臨床的に意味のある影響はなかった(実施例1を参照されたい)。例えば、骨粗鬆症等の望ましくない副作用につながる低すぎるエストロゲンレベルと、子宮内膜症等のエストロゲン依存性疾患にとって有害である高すぎるエストロゲンレベルの間で慎重なバランスを保つ必要がある。したがって、同時に確実な避妊効果を提供しながら、エストロゲンバランスを維持する無月経の利点を提供することは、本発明のもう1つの更なる目的である。
【0101】
本発明の一実施形態においては、本明細書において上に記載されるように、避妊薬としてのドロスピレノンの使用が、無月経を誘発する。より好ましい実施形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、4回、好ましくは3回、最も好ましくは2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも30%の被験体に無月経を誘発する。
【0102】
好ましい一実施形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、3回又は更には2回の投与サイクル後に、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0103】
更により好ましい実施形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、1回の投与サイクル後すでに、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、より好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、又は少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0104】
好ましい一実施形態においては、上記ドロスピレノンの使用は、6回の投与サイクル後に、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%の被験体に無月経を誘発する。
【0105】
別の実施形態においては、プラセボ投与後の膣出血量と比較して、3回の投与サイクル後に膣出血量が減少し、6回の投与サイクル後に更に減少する。
【0106】
3回の投与サイクル後の膣出血の減少が好ましく、その結果、1サイクル(月)あたり約2.0日~5.5日の膣出血量をもたらし、好ましくは、1サイクル(月)あたり約4.5日未満の膣出血量をもたらし、最も好ましくは、1サイクル(月)あたり約4.0日未満の膣出血量をもたらす。更により好ましい実施形態においては、上記膣出血の減少は、2回又は更には1回の投与サイクルの後に起こる。
【0107】
好ましい実施形態においては、6回の投与サイクル後の膣出血量は、1サイクル(月)あたり約2.0日~5.5日の膣出血量をもたらし、好ましくは、1サイクル(月)あたり約4.5日未満の膣出血量をもたらし、最も好ましくは、1サイクル(月)あたり約3.5日未満の膣出血量をもたらす。膣出血は、微量出血を含む場合があると理解される。
【0108】
更に好ましい実施形態においては、上記出血は、予定外の出血も含む。
【0109】
別の実施形態においては、予定外の出血の量及び/又は出血の強度は、6回の投与サイクル後、好ましくは3回の投与サイクル後に減少し、2回又は1回の投与サイクル後に減少することが最も好ましい。
【0110】
本発明による使用の更なる利点は、4個のピルが避妊薬を含んでいなかった以前の24+4レジメンにおいて、4日のインターバルに近接して飲み忘れられたピルによる避妊失敗に関連するリスクが回避されることである。
【0111】
避妊目的で使用される場合、組成物は、出産年齢、すなわち思春期から閉経期の女性被験体に投与される。出産適齢期の女性は、閉経期前後の女性も含む。
【0112】
キット
本発明はまた、上記避妊方法及び治療方法における使用に特に適したキット、好ましくは避妊キットを提供する。
【0113】
したがって、本発明はまた、キット、好ましくは避妊キットであって、1つ以上の包装単位を含み、各包装単位は、少なくとも28個の活性1日投与単位を含むキットに関する。
【0114】
キットの少なくとも24個の1日投与単位は、第1の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、かつ、この量は、第2の量のドロスピレノンの1日投与単位におけるドロスピレノンの量よりも多い。
【0115】
少なくとも4個の1日投与単位は、第2の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、ドロスピレノンの量は、第1の量のドロスピレノンを含む1日投与単位よりも少ない。
【0116】
本発明のキットの一実施形態においては、少なくとも28個の活性1日投与単位が、エストロゲンを含まない。避妊目的で一般的に使用されるエストロゲンとしては、限定されるものではないが、エストラジオール、スルファミン酸エストラジオール、吉草酸エストラジオール、安息香酸エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストロール、エストロン、エストリオール、コハク酸エストリオール、植物エストロゲン、及び結合型エストロゲンが挙げられる。
【0117】
本発明の好ましい実施形態においては、ドロスピレノンが、少なくとも28個の活性1日投与単位における唯一の避妊有効成分である。
【0118】
本発明のキットの一実施形態においては、ドロスピレノンの上記第1の量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである。
【0119】
本発明のキットの更なる実施形態においては、ドロスピレノンの上記第2の量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgである。
【0120】
本発明のキットの好ましい実施形態においては、ドロスピレノンの上記第1の量は約4.0mgであり、ドロスピレノンの上記第2の量は約2.8mgである。
【0121】
上記キットは、1つ以上の包装単位を含む。1つ以上の包装単位としては、1包装単位、2包装単位、3包装単位、4包装単位、5包装単位及び6包装単位が挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
幾つかの実施形態においては、キットは、各包装単位が28個の1日投与単位を含み、薬学的に許容可能なプラセボの1日投与単位が含まれていない点に特徴がある。かかるキットは、避妊薬を与えないプラセボ相を一切伴わずに、DRSPを「持続的に」投与することからなる本発明の方法を実行するために特に適切である。
【0123】
上に記載される包装単位は、通常経口避妊薬に用いられる従来の形態のうちの1つを有し得る。例えば、包装単位は、厚紙、板紙、箔、又はプラスチックの台紙で密封されたブリスターパック(例えばアルミニウムブリスター)に適切な数の投与単位を含み、適切なカバーに封入された従来のブリスターパックであってもよい。各ブリスター容器は、コンプライアンスを容易にするために、便宜的に番号又はマークが付けられてもよい。包装単位は、服用する順序で1日投与単位を含んでもよい。
【0124】
本発明のキットは、後に本明細書に開示される医薬組成物のいずれかを含んでもよい。
【0125】
本発明のキットは、使用説明書等の他の適切な構成要素を更に含んでもよい。
【0126】
医薬組成物
本発明は更に、本明細書において上に記載される子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症の治療を必要とする女性被験体において、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用される、又は本明細書において上に記載される使用のためのドロスピレノンを含む医薬組成物に関し、医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤を更に含む。
【0127】
本発明の組成物の薬学的に許容可能な添加剤としては、限定されるものではないが、薬学分野において従来用いられてきた結合剤、充填剤、滑剤、滑沢剤、造粒助剤、着色剤、固化防止剤、可塑剤、崩壊剤、色素、酸化防止剤、接着防止剤、軟化剤、防腐剤及び香料が挙げられる。
【0128】
本発明の組成物の好適な結合剤としては、限定されるものではないが、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ガム(トラガカントガム、アカシアガム及びゼラチン等)及び/又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、微結晶セルロースを用いる。結合剤は、組成物の総重量の約0.5重量%~約20重量%、好ましくは1重量%~10重量%、より好ましくは2重量%~7重量%、好ましくは約5重量%の量で存在し得る。
【0129】
好適な充填剤は希釈剤としても知られ、限定されるものではないが、デンプン、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、変性デンプン、粉末セルロース、微結晶セルロース、珪化セルロース、ラクトース一水和物、無水ラクトース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、フルクトース、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、硫酸カルシウム三水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム及び/又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、無水ラクトースを用いる。充填剤は、組成物の総重量の約20重量%~約95重量%、好ましくは30重量%~90重量%、より好ましくは35重量%~80重量%、更により好ましくは30重量%~60重量%の量、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、及び約60重量%を含む量で存在し得る。
【0130】
本発明に適した滑沢剤としては、限定されるものではないが、タルク、ステアリン酸のアルカリ土類塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、パルミトステアリン酸グリセリン、フマル酸ステアリル、ステアリン酸亜鉛、プロピレングリコール、PEG、植物油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、鉱物油、ポリオキシエチレンモノステアレート及び/又はそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態においては、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は、組成物の総重量に対して、約0重量%~5重量%、好ましくは、約1重量%~約3重量%(例えば、約2重量%)の量で存在し得る。
【0131】
滑剤の例としては、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、及び三塩基性リン酸カルシウム及び/又はそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態においては、滑剤は、二酸化ケイ素である。
【0132】
本発明の医薬組成物を製剤化するために使用され得る薬学的に許容可能な添加剤は、特に、米国医薬品協会医薬品添加剤ハンドブック(Pharmaceutical Press; 6th Revised edition, 2009)に記載されている。
【0133】
幾つかの実施形態においては、本発明の医薬組成物は、結合剤、充填剤、滑剤及び滑沢剤の群から選択される少なくとも1つ以上の添加剤を含む。
【0134】
本発明の医薬組成物の一実施形態においては、上記薬学的に許容可能な添加剤が、少なくとも1つの結合剤及び少なくとも1つの充填剤であり、
(i)ドロスピレノンの量が、1重量%~10重量%を占め、
(ii)少なくとも1つの結合剤の量が、50重量%~65重量%を占め、
(iii)少なくとも1つの充填剤の量が、25重量%~35重量%を占め、
重量パーセントが、上記医薬組成物の総重量に関するものである。
【0135】
本発明の更なる実施形態においては、医薬組成物が、少なくとも1つの滑剤及び少なくとも1つの滑沢剤を更に含み、
(iv)少なくとも1つの滑剤の量が、0.2重量%~6重量%を占め、
(v)少なくとも1つの滑沢剤の量が、0.2重量%~0.6重量%を占め、
重量パーセントが、上記医薬組成物の総重量に関するものである。
【0136】
本発明の医薬組成物の好ましい実施形態においては、
(i)少なくとも1つの結合剤が、微結晶セルロースであり、
(ii)少なくとも1つの充填剤が、無水ラクトースであり、
(iii)少なくとも1つの滑剤が、二酸化ケイ素であり、
(iv)少なくとも1つの滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである。
【0137】
本発明による剤形は、崩壊剤を含むこともできる。崩壊剤は、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、及び/又はそれらの混合物からなる群より選択され得る。崩壊剤は、組成物の総重量の約2重量%~約50重量%、好ましくは約5重量%~約45重量%、より好ましくは10重量%~40重量%の量で存在し得る。
【0138】
本発明の幾つかの実施形態においては、DRSPは多粒子の形態である。「多粒子」という用語は、ビーズ、ペレット、及びその他経口投与され得るあらゆる多粒子系を包含するものと定義される。本発明の幾つかの実施形態においては、DRSPが、マトリックスに分散している。本発明の幾つかの実施形態においては、DRSPは、マトリックスに分散するか、又はカプセルに封入することができる多粒子の形態である。本発明の幾つかの実施形態においては、DRSPは、ペレットの形態のマトリックス内にある。本発明の幾つかの実施形態においては、DRSPはコーティングされたビーズ内にある。
【0139】
上記態様の一実施形態においては、薬学的に許容可能なマトリックスは、高分子マトリックス、非高分子マトリックス、又はそれらの組合せである。
【0140】
高分子マトリックスとしては、限定されるものではないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシメチルセルロース;カルボキシメチルセルロース;カルボキシルメチルセルロースナトリウム;カルボキシメチルセルロースカルシウム;ポリビニルピロリドン;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;メチルセルロース;エチルセルロース;プロピルセルロース;エチルメチルセルロース;イソプロピルセルロース;エチルプロピルセルロース;ブチルセルロース;ベンジルセルロース;酢酸セルロース、酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、及び酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロースエステル;シアノエチルセルロース、シアノメチルセルロース、シアノエチルメチルセルロース、及びシアノプロピルセルロース等のセルロースシアノアルキルエーテル;メタクリル酸-アクリル酸共重合体(例えば、Eudragit RS、Eudragit RL、Eudragit NE、Eudragit RS PO、及びEudragit RL PO)、メタクリル酸共重合体;フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート;酢酸フタル酸セルロース並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0141】
非高分子マトリックスとしては、限定されるものではないが、糖及び糖アルコール、例えば、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、ラフィノース、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、スレイトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、ズルシトール、イノシトール、トレハロース、イソマルト、30イヌリン、及びマルトデキストリン;シクロデキストリン、例えば、13-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-13-シクロデキストリン;ポリエチレングリコール;ポリエチレングリコールエステル;中鎖トリグリセリド;脂肪酸;脂肪アルコール;ワックス;脂肪酸エステル並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0142】
幾つかの特に好ましい実施形態においては、本発明の剤形は、DRSPが口腔(例えば、舌、口腔粘膜)、口咽頭粘膜表面、食道又は胃と実質的に直接接触しないようにコーティングされた経口製剤(例えば、錠剤又はカプセル)を含む。幾つかの好ましい実施形態においては、本発明の剤形は、フィルム又はポリマーで被覆された経口製剤を含む。
【0143】
好ましい実施形態においては、本発明による医薬組成物は、相当量の界面活性剤を含まない。相当量の界面活性剤は、DRSPの初期溶解速度を増加させることで、DRSPのin vitro溶解プロファイルを損なう可能性がある。好適な界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、リン脂質、モノオレイン酸グリセロール、ドクサートナトリウム等のイオン性界面活性剤、又は非イオン界面活性剤、ポリソルベート80等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群より選択され得る。
【0144】
存在する場合、界面活性剤は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは、約0.01重量パーセント(重量%)~約5重量%の量、より好ましくは約0.1重量%~約1重量%の量である。最も好ましい実施形態においては、医薬組成物は、界面活性剤を含まない。
【0145】
本発明による医薬組成物又は避妊用組成物は、経口投与に適したガレノス形態で製剤化されてもよい。かかる形態としては、錠剤、カプレット剤、顆粒剤、ピル、カプセル剤、粉末、及び懸濁液が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態においては、避妊用組成物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、カプレット剤、及びピル等の経口投与用の固体形態で製剤化される。かかる固体形態は、本発明によるキットにおける1日活性投与単位として使用されるのに特に適している。
【0146】
医薬組成物又は避妊用組成物が、錠剤又はピル等の固体形態で製剤化される場合、上記固体形態を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロース等の好適な皮膜形成剤で便宜的に被覆し、これに、好適な添加剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート又はトリ酢酸グリセロール等の軟化剤、スクロース、ソルビトール、キシリトール、グルコース若しくはラクトース等の充填剤、又は水酸化チタン等の着色剤を任意に添加してもよい。
【0147】
錠剤、ピル又は顆粒剤の形態の医薬組成物又は避妊用組成物は、直接打錠、乾式造粒、及び湿式造粒等の従来の方法で調製され得る。
【0148】
本明細書に記載される医薬組成物又は避妊用組成物は、様々な投与レジメンにおける1日活性経口形態として投与に適している場合があり、好ましい投与レジメンは、避妊薬に関して、また本明細書で言及されている医学的目的に関して、本明細書の上記に記載されている。
【0149】
特定の実施形態においては、上記組成物は、連続する28日間の活性経口形態の投与を含むレジメンにおいて、1日活性経口形態として、それを必要とする女性被験体に対する投与に適しており、キットの少なくとも24個の1日投与単位は第1の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位がそれぞれ同量のドロスピレノンを含み、かつ、この量は、第2の量のドロスピレノンの1日投与単位中のドロスピレノンの量よりも多い。少なくとも4個の1日投与単位は、第2の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、ドロスピレノンの量は、第1の量のドロスピレノンを含む1日投与単位よりも少ない。
【0150】
本明細書に記載されるいかなる特徴も、任意に、本発明の任意の医療上又は避妊上の用途、組成物、キット、避妊方法、治療方法又は製造方法の実施形態のいずれかと組み合わせることができ、また、本明細書において検討されるあらゆる実施形態が、これらのいずれに関しても実施され得ることが企図される。本明細書に記載される特定の実施形態は、本発明の限定としてではなく、例示として示されていると理解される。
【0151】
全ての出版物及び特許出願は、個々の出版物又は特許出願が引用することで本明細書の一部をなすと具体的かつ個別に示された場合と同様に、引用することで本明細書の一部をなす。
【0152】
「1つの(a)」又は「1つの(an)」という言葉の使用は、「1つ」を意味する場合もあるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又は2つ以上」といった意味にも合致する。「別の」という用語の使用は、1つ以上を指す場合がある。請求項における「又は」という用語の使用は、代替物のみを参照するか、代替物が相互に排他的であることを明示しない限り、「及び/又は」を意味するために使用される。
【0153】
本明細書及び請求項(複数の場合もある)で使用される場合、「含む(comprising)」(並びに「comprise」及び「comprises」等のcomprisingの任意の形態)、「有する(having)」(並びに「have」及び「has」等のhavingの任意の形態)、「含む/挙げられる(including)」(並びに「includes」及び「include」等のincludingの任意の形態)、又は「含む/含有する(containing)」(並びに「contains」及び「contain」等のcontainingの任意の形態)という言葉は、包含的又は開放的であり、追加の、述べられていない要素又は方法工程を除外するものではない。「含む(comprises)」という用語は、「のみからなる(consists of)」及び「本質的に~のみからなる(consists essentially of)」という用語も包含し、明示的に開示している。本明細書で使用される場合、「本質的に~のみからなる」という語句は、請求項の範囲を指定された材料又は工程、及び請求項に記載の発明の基本的かつ新規な特性(複数の場合もある)に重大な影響を与えないものに限定する。本明細書で使用される場合、「のみからなる」という語句は、例えば要素又は制限に通常付随する不純物以外の、請求項に明示されていない任意の要素、工程、又は成分を除外する。
【0154】
本明細書で使用される場合、「又はそれらの組合せ」という用語は、この用語に先行する全ての項目の順列及び組合せをいう。例えば、「A、B、C、又はそれらの組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを含むことを意図し、特定の状況で順序が重要な場合はまた、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABの少なくとも1つを含むことを意図する。この例に続き、明示的に含まれるのは、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB等、1つ以上の項目又は用語の繰り返しを含む組合せである。当業者は、文脈から特に明らかでない限り、典型的には、項目の数又は用語の任意の組合せに制限がないことを理解する。
【0155】
本明細書で使用される場合、限定されないが、「約」、「前後」、「およそ」等の近似語は、そのように修飾された場合、必ずしも絶対的又は完璧ではないと理解され、当業者にとって、その状態が存在すると指定することを保証するのに十分近いと考えられる状態を指す。記述がどの程度異なり得るかは、どれほど大きな変化を起こせるか、また、当業者に、変更後の機能が、まだ変更前の機能に必要な特性と能力を持っていると認めさせることができるかによる。一般的に、前の議論を前提とすると、「約」等の近似語で修飾される本明細書の数値は、±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±6%、±7%、±8%、±9%、又は±10%、記載値と異なる場合がある。したがって、「約」という用語は、指示値の±5%を意味し得て、好ましくは指示値の±2%を意味し得て、最も好ましくは「約」という用語は正確に指示値(±0%)を意味する。
【0156】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例
【0157】
実施例1:健康な若い女性50人において、2回の治療サイクルにわたる、2つの異なる投与量のドロスピレノン(24日間4.0mg又は28日間毎日2.8mgのいずれか)のホルモン及び卵巣活動への影響を評価するオープンラベル無作為化研究
試験の主な目標:
ドロスピレノン(DRSP)の2つの異なる投与量及び摂取レジメンのホルモン及び卵巣の活動によって反映される排卵阻害能を50人の健康な女性で評定した。被験体を、前周期の排卵日について層別化した後、2つの治療レジメンのうちの1つに割り当てた。
【0158】
採用の詳細:
健康な閉経前の女性、人種は問わない(18歳~35歳、両端の値を含む);(喫煙者は30歳未満;喫煙歴30年以下、毎日10本まで)、BMI 18kg/m~30kg/m、規則的な周期歴、5分間安静にした後の血圧が90mmHg~140mmHg(収縮期)及び50mmHg~90mmHg(拡張期)等。
【0159】
アーム:
50人の被験体を、2回の治療サイクルにわたって、治療1(4.0mg DRSPを24日間、続いて4日間のプラセボ錠)又は治療2(2.8mg DRSPを28日間)のいずれかに割り当てた。
【0160】
アームの説明:
アームタイプ実験
a)治療1
-治験医薬品の名称:ドロスピレノン4.0mgコーティング錠
-薬学的形態:錠剤
-投与経路:経口用途
-投与量及び投与の詳細:28錠のコーティング錠、経口、1日1回、24錠は4.0mg DRSPを含み、4錠はプラセボ
-添加剤4mg DRSP錠(白):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライII白
-添加剤プラセボ錠(緑):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライII緑
【0161】
b)治療2
-治験医薬品の名称:ドロスピレノン2.8mgコーティング錠
-薬学的形態:錠剤
-投与経路:経口用途
-投与量及び投与の詳細:28錠のコーティング錠、経口、1日1回
-添加剤2.8mg DRSP(ピンク):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライIIピンク
【0162】
この第II相研究は、2回のサイクルについて2つの異なる投薬レジメンを評価し、ドロスピレノン(DRSP)2.8mg用量による28日間の継続レジメンを、現在承認されているDRSP 4.0mg(Slynd(商標))による24+4回投薬レジメンと比較した。
【0163】
1.)結果の概要:排卵阻害能
この臨床試験における有効性評定は、Hooglandスコア(卵胞サイズ、エストラジオールレベル及びプロゲステロンレベルの複合パラメーター)、並びにLHレベル及びFSHレベル、子宮内膜厚、及び出血パターンであった。主要評価項目は、Hooglandスコア(FAS)であった。1人のDRSP 2.8mgの被験体は、サイクル1のHooglandスコアが「5」であり、おそらく付随する下痢で説明され得る。2人のDRSP 4.0mgの被験体はHooglandスコア「6」(1人はサイクル1、もう1人はサイクル2)を有した。サイクル2の「6」のHooglandスコアは、おそらくは付随する嘔吐で説明され得る。ただし、プロゲステロンレベル(それぞれ、最大5.34nmol/L、5.34nmol/L、及び6.17nmol/L)は持続せず、正常な黄体期レベルを下回っていた。
【0164】
全体として、卵巣活動の抑制は、DRSP 2.8mg 28/0レジメンよりもDRSP 4.0mg 24/4レジメンの方が顕著であった。
【0165】
プロトコルで予見されていたHooglandスコア4以下及び4超の二値応答によるロジスティック回帰モデルは、サイクル2のデータには不適切であることが判明した。そこで、Hooglandスコア3以下及び3超の二値応答による追加のロジスティック回帰モデルを計算した。
【0166】
サイクル1では、Hooglandスコア3以下の被験体の割合は、DRSP 2.8mg群で8人(32.0%)、及びDRSP 4.0mg群で10人(40.0%)であった。サイクル2では、Hooglandスコア3以下の被験体の割合はDRSP 2.8mg群で7人(28.0%)、及びDRSP 4.0mg群で11人(44.0%)であった。したがって、高用量レジメンの選好の差は、サイクル2でより顕著であった。
【0167】
HooglandスコアがDRSP 4.0mg 24/4レジメンとDRSP 2.8mg 28/0レジメンで3以下である場合の推定オッズ比(95%CI)は、サイクル1で1.4167(0.4449;4.6240)、サイクル2で2.0202(0.6317;6.8038)であった。CIはこれらの結果が統計的に有意でないことを示した。カイ二乗検定は、Hooglandスコア(p=0.5563、サイクル1及びp=0.2417、サイクル2)に治療群が有意な影響を与えなかったことを示した。
【0168】
2回の治療サイクルを通して、DRSP 4.0mg群の卵胞はDRSP 2.8mg群よりも小さくなる傾向があった。この違いはサイクル2よりもサイクル1の方が顕著であった。DRSP 2.8mg群では、サイクル1で平均(SD)最大卵胞径17.81(6.19)mm、サイクル2で19.03(6.57)mmであった。DRSP 4.0mg群では、サイクル1で平均(SD)14.89(4.45)mm、サイクル2で16.66(6.64)mmであった。DRSP 4.0mg群では4日間のホルモン休憩があったにもかかわらず、最大卵胞サイズは顕著に増加せず、サイクル2の初期にDRSP 2.8mg群の最大卵胞サイズを下回ったままであった。
【0169】
15mm以上の卵胞径を3回連続で測定した被験体の割合は、DRSP 4.0mg 24/4レジメン(サイクル1で28.0%、サイクル2で36.0%)の方が、DRSP 2.8mg 28/0レジメン(サイクル1で52.0%、サイクル2で60.0%)よりも低かった。プロゲステロンのレベルは、2つのグループで類似していた。高用量製剤では、サイクルごとの平均(SD)最大レベルは、サイクル1で3.89(1.10)nmol/L、サイクル2で3.74(1.01)nmol/Lであった。低用量製剤では、サイクルごとの平均(SD)最大レベルは、サイクル1で3.54(1.06)nmol/L、サイクル2で3.48(1.11)nmol/Lであった。
【0170】
被験体の大半はエストラジオールレベルが低いが、一部の被験体(特に低用量群)はエストラジオールレベルが上昇していた。全体として、DRSP 4.0mg群の血清エストラジオールレベルはDRSP 2.8mg群よりも低かった。DRSP 4.0mgレジメンでは、サイクルごとの最大値の中央値はサイクル1で287.0pmol/L、サイクル2で309.0pmol/Lであったが、DRSP 2.8mgレジメンではサイクル1で450.0pmol/L、サイクル2で377.0pmol/Lであった。
【0171】
卵胞の活動は、その大きさだけでなく、それに伴う血清エストラジオールレベルによっても増加する。したがって、更なる分析では、卵胞サイズ及び血清エストラジオールレベルを組み合わせた:13mm超の卵胞サイズを有する被験体のうち、E2レベル275pmol/L以上を有する被験体の割合は、DRSP 4.0mg群(サイクル1:8人(32.0%)の被験体、サイクル2:11人(44.0%)の被験体)では、DRSP 2.8mg群(サイクル1:13人(52.0%)の被験体、サイクル2:16人(64.0%)の被験体)よりも低かった。
【0172】
子宮内膜厚については、治療群間に関連差はなかった。サイクル1では、1サイクルあたりの平均(SD)最大子宮内膜厚は、DRSP 2.8mg群(6.50(1.44)mm)でDRSP 4.0mg群(6.33(1.23)mm)よりも高かった。対照的に、サイクル2では、1サイクルあたりの平均(SD)最大子宮内膜厚はDRSP 2.8mg群(6.57(1.70)mm)でDRSP 4.0mg群(6.60(1.38)mm)よりも低かった。
【0173】
いずれの治療群においても、血清LHレベルは両治療サイクルを通じて排卵期閾値14.0U/Lを明らかに下回っていた。平均(SD)血清LHレベルは、DRSP 2.8mg群(6日目/サイクル1で観察された訪問最大7.67(2.87)U/L)でDRSP 4.0mg群(3日目/サイクル1での訪問最大6.30(1.78)U/L)よりも高かった。
【0174】
平均(SD)血清FSHレベルは4.67(1.75)U/L(DRSP 4.0mg群、サイクル2の9日目)から6.71(2.43)U/L(DRSP 2.8mg群、サイクル1の3日目)の範囲であった。全体として、FSHレベルには治療群間の関連差はなかった。
【0175】
要約すると、DRSP 4.0mg 24/4レジメンの被験体は卵胞が小さく、DRSP 2.8mg 28/0レジメンの被験体よりもエストラジオールとLHのレベルが低い傾向があった。子宮内膜厚、プロゲステロン、及びFSHレベルに関しては、2つのレジメン間に顕著な差は認められなかった。
【0176】
2).結果の概要:無月経の誘発
DRSP 2.8mg継続アームでは、両サイクルにおける無月経の被験体の割合がDRSP 4.0mg群の被験体3人(12.0%)と比較して7人(28.0%)の被験体と高かった。サイクル1では、DRSP 2.8mgの被験体12人(48.0%)、及びDRSP 4.0mgの被験体6人(24.0%)で無月経が報告された。サイクル2では、DRSP 2.8mgの被験体9人(36.0%)、及びDRSP 4.0mgの被験体4人(16.0%)が無月経であった。以上をまとめると、いずれの治療サイクルにおいてもDRSP 2.8mg群の方がDRSP 4.0mg群に比べて無月経の被験体の割合が高かった(表1及び図1を参照されたい)。
【0177】
【0178】
さらに、DRSP 4.0mg 24/4レジメンの被験体は、DRSP 2.8mg 28/0レジメンの被験体よりも、被験体あたりの血清エストラジオールレベルの平均及び中央値が低い傾向が見られた。しかしながら、グループ間の差は統計的に有意ではなかった。
【0179】
【0180】
本試験のこれまでの未公表の結果は、図1に示すように、2.8mgレジメンにおいてより高い割合の患者が無月経を呈したことを示す。さらに、データは、継続的な治療が、治療開始を下回るエストラジオールレベルの低下に影響を及ぼさないことを示す。
【0181】
実施例2:3回の薬物治療サイクルに続く3回のオープンラベル薬物治療サイクル後にプラセボと比較される、子宮内膜症の治療におけるLPRI-CF113の有効性及び安全性を評定するための多施設共同第III相二重盲検無作為化臨床試験
本明細書に記載される情報は、3回の薬物治療サイクルに続いて3回のオープンラベル薬物治療サイクルを経た後、プラセボと比較される、第III相臨床試験、すなわち子宮内膜症の治療におけるLPRI-CF113の有効性及び安全性を評定するための多施設共同二重盲検無作為化臨床試験の研究プロトコルの抜粋である。
【0182】
材料及び方法
主要目的及び主要評価項目
主要目的は、3回の薬物治療サイクル後に、数値評価スケール(NRS)で評定した子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)の管理におけるLPRI-CF113の有効性を実証することである。
【0183】
副次的目的及び副次的評価項目
治療への応答に関して、LPRI-CF113対プラセボの有効性を評定する。
【0184】
主な副次的評価項目
1.月経困難症のベースラインと比較した、1回、3回、及び6回の薬物治療サイクル後の変化(NRS疼痛スコアを介して評定)
2.非月経性骨盤痛のベースラインと比較した、1回、3回、及び6回の薬物治療サイクル後の変化(NMPP、NRS疼痛スコアを介して評定)
3.頓服薬の摂取におけるベースラインと比較した、1回、3回、及び6回の薬物治療サイクル後の変化
4.EAPPにおけるベースラインと比較した、1回及び6回の薬物治療サイクル後の変化(NRS疼痛スコアを介して評定)
【0185】
その他の副次的有効性評価項目
1.性交疼痛症におけるベースラインと比較した1回、3回、及び6回の薬物治療サイクル後の変化
2.無月経を伴う被験体の数及び割合
3.膣出血パターン
【0186】
副次的安全性評価項目
1.有害事象
2.検査室の値の平均絶対変化及び平均相対変化
3.バイタルサイン
【0187】
全体的な計画
これは、子宮内膜症の病理組織学的な確定診断を有する15歳以上45歳以下の初潮後及び閉経前であって、試験登録前の3ヶ月間のEAPPスコアが3以上である女性被験体における多施設共同臨床試験である。臨床試験は、スクリーニング期間(最長100日)、3回のプラセボ対照二重盲検薬物治療サイクルからなる治療期間、及びオープンラベル継続期間からなり、その間、全ての被験体は、3サイクルにわたってLPRI-CF113による積極的な治療を受ける。
【0188】
訪問1aでは、インフォームドコンセント/同意を得て、スクリーニング手続きを行う。加えて、電子日誌を配布し、被験体に記入方法を指導する。該当する場合、スクリーニング期間中に1回の月経周期の子宮内膜症の治療のためのホルモン避妊薬又はホルモン療法のウォッシュアウトが、訪問1aで要請される。ウォッシュアウトサイクル後の被験体の次の月経周期をベースラインサイクルとする。ウォッシュアウトサイクルを必要としない被験体では、IP開始前の月経周期をベースラインサイクルとする。ベースラインサイクルの長さは21日から35日の間で許容される。訪問1bはV1aの少なくとも29日後、ベースラインサイクルの予想される最終日の前にスケジュールしなければならない。
【0189】
訪問1bでは、適格性を確認した後、被験体をLPRI-CF113又はプラセボに対して無作為化し、被験体には治験薬(IP)が提供される。IPの初回摂取は、訪問1b後の次の月経出血の初日となる。夕方から月経出血が始まり、被験体が朝にIPを服用することを好む場合、翌日(月経出血2日目)に最初のIP摂取を開始してもよい。その後、被験体は、1回目と3回目の薬物治療サイクルの20日目(+6)に訪問2及び訪問3で来院する。治療終了訪問(訪問4/早期中止訪問(EDV))は、薬物治療サイクル6の最後のIP摂取から3日後までで行われる。
【0190】
さらに、各薬物治療サイクルの1日目(+2)に施設スタッフが定期的に被験体に電話し、特に発生した可能性のあるあらゆるAEに関する基本情報を収集し、電子日誌のコンプライアンスを確認する。さらに、6回目の薬物治療サイクルの最後のIP摂取から10日後(+4)にフォローアップ訪問(電話又は施設で)を行う。
【0191】
被験体は、必要に応じて、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を頓服薬として試験中に服用することが認められている。被験体は、試験を通して頓服薬として同じ(強度を含む)NSAIDを服用しなければならない。試験登録前に服用した1つのNSAIDを継続するか、別のNSAIDに切り替えるか、又は医学的に可能であれば、訪問1aで選択したNSAID(以前にNSAIDを使用していなかった場合)の使用を開始することが認められる。ただし、訪問1a及び予防的NSAID摂取後に別のNSAIDに切り替えることは認められず、試験中に新たな鎮痛薬を開始してはならない。
【0192】
研究集団
被験体数(予定):
スクリーニング済み:被験体およそ236名。十分な数の被験体が治療に割り当てられるまでスクリーニングを継続する。
無作為化:無作為化比3:1で被験体は少なくとも212名
【0193】
LPRI-CF113(28日サイクルあたり、24日間4mg/日、続いて4日間2.8mg/日)又はプラセボのいずれかを受けるため無作為化される、子宮内膜症の組織学的な確定診断を有する、少なくとも3ヶ月にわたりNRSでEAPPスコア3以上である、初潮後及び閉経前の年齢15歳以上45歳以下の女性被験体。各IPを少なくとも1回服用し、ベースライン後のアウトカム測定を少なくとも1回受けた被験体(最大の解析対象集団(FAS))を分析する。
【0194】
治療
治験薬(複数の場合もある)のアイデンティティ
試験薬名(複数の場合もある):LPRI-CF113
剤形:経口投与用フィルムコーティング錠
有効成分:ドロスピレノン(DRSP)
強度/濃度:4mg/2.8mg DRSP(24/4)
添加剤4mg DRSP錠(白):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライII85F18422白
添加剤2.8mg DRSP錠(ピンク):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライIIピンク
提示:白色錠剤24錠、次いでピンク色錠剤4錠
【0195】
参照薬(マッチングプラセボ):
名称(複数の場合もある):LPRI-CF113プラセボ
剤形:経口投与用フィルムコーティング錠
有効成分:該当なし
強度/濃度:該当なし
添加剤プラセボ錠(白):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライII85F18422白
添加剤プラセボ錠(ピンク):無水ラクトース、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、オパドライIIピンク
提示:白色錠剤24錠、次いでピンク色錠剤4錠
【0196】
各被験体ごとの用量の選択及び時期
各被験体は、試験参加の最初の3回の薬物治療サイクルの間にLPRI-CF113又はマッチングプラセボを服用する。その後、各被験体は更に3回の薬物治療サイクルにわたってLPRI-CF113による積極的な治療を受ける。訪問1b(LPRI-CF113/プラセボ)及び訪問3(LPRI-CF113)では、3回の薬物治療サイクルと1回の予備サイクルのための薬物治療パッケージが提供される。薬物治療の詳しい使用方法は、治験責任医師及び被験体情報シートに記載された情報によって提供される。
【0197】
被験体は、訪問1b後の次の月経出血の日に最初の錠剤を服用しなければならない。夕方から月経出血が始まり、被験体が朝にピルを服用することを好む場合、翌日(月経出血2日目)に最初のIP摂取を開始してもよい。薬物治療サイクルの1日目から28日目まで、1日1回、1錠をブリスターパックから押し出し、丸ごと飲み込む。2錠の摂取間隔が常に24時間になるように、錠剤を毎日ほぼ同じ時間に摂取しなければならない。錠剤は、ブリスターに表示されている順に服用しなければならない。次のブリスターからの最初の錠剤は、前のブリスターの最後の錠剤を服用した後、すなわちピルなしの間隔をあけずに、かつ、出血が起こったか、止んだか、まだ続いているかにかかわらず、翌日に直接服用することとなる。各薬物治療サイクルは、同じ曜日から始まる。IPの投与は、このように計6回の薬物治療サイクルで継続するようになっている。
【0198】
出血又は微量出血が起きた場合は、IPの摂取を継続する。異常に出血が多い場合、被験体は治験責任医師に診断の明確化を求めるべきである。出血を治療するためのホルモン製剤の投与は、結果に影響する可能性があるため、治験期間中は認められていない。
【0199】
被験体がIPを1回飲み忘れた場合、2錠同時に服用することを意味するとしても、飲み忘れた錠剤は思い出したらすぐに服用すべきである。次の錠剤を、いつもの時間に服用すべきである。錠剤摂取後3時間~4時間以内に嘔吐又は下痢が起きた場合は、できるだけ早く予備ブリスターから新しい(交換用の)錠剤を服用しなければならない。新しい(交換用の)錠剤は、できれば通常の錠剤服用時間から12時間以内に服用すべきである。2回以上飲み忘れた場合は、最後に飲み忘れた錠剤(1錠のみ)を服用すべきである。その他の飲み忘れた錠剤(複数の場合もある)は、ブリスターに残しておかなければならない。
【0200】
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【0201】
本発明の項目
1.ドロスピレノンを二相レジメンで被験体に投与することを含む、女性被験体における子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンであって、第1相の間は、1日量のドロスピレノンが投与され、第2相では、より少ない1日量のドロスピレノンが投与される、ドロスピレノン。
2.上記1日量のドロスピレノンが、1日目から24日目まで1日1回投与され、その後25日目から28日目まで上記より少ない1日量のドロスピレノンが1日1回投与される、請求項1に記載の子宮内膜症及び/又は子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
3.1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項1又は2に記載の子宮内膜症及び/又は子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
4.25日目から28日目まで投与されるより少ない1日量のドロスピレノンが、約2.5mg~3.5mg、好ましくは約2.6mg~3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項1~3に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
5.1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンのより少ない1日量が2.8mgである、請求項1~4に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
6.上記治療が、避妊も提供する、請求項1~5に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
7.避妊薬としてのドロスピレノンの使用であって、ドロスピレノンを二相レジメンで避妊薬を必要とする女性被験体に投与することを含み、第1相の間、1日量のドロスピレノンが上記被験体に投与され、第2相では、より少ない1日量のドロスピレノンが上記被験体に投与される、ドロスピレノンの使用。
8.上記ドロスピレノンの投与が、無月経を誘発する、請求項7に記載のドロスピレノンの使用。
9.ドロスピレノンの上記1日量を、1日目から24日目に1日1回投与し、その後、ドロスピレノンのより少ない1日量を、25日目から28日目に1日1回投与する、請求項7又は8に記載のドロスピレノンの使用。
10.1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項7~9のいずれか一項に記載のドロスピレノンの使用。
11.25日目から28日目に投与されるドロスピレノンのより少ない1日量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項7~10のいずれか一項に記載のドロスピレノンの使用。
12.投与経路が、経口投与、経皮投与又は経粘膜投与から選択され、好ましくは、投与経路は経口投与である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法に使用されるドロスピレノン及び請求項7~11のいずれか一項に記載のドロスピレノンの使用。
13.キット、好ましくは避妊キットであって、1つ以上の包装単位を含み、各包装単位は、少なくとも28個の活性1日投与単位を含み、
a)少なくとも24個の1日投与単位が、第1の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、かつ、量が第2の量のドロスピレノンの1日投与単位におけるドロスピレノンの量よりも多く、
b)少なくとも4個の1日投与単位が、第2の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、ドロスピレノンの量が、第1の量のドロスピレノンを含む1日投与単位よりも少ない、
キット。
14.少なくとも28個の活性1日投与単位が、エストロゲンを含まない、請求項13に記載のキット。
15.ドロスピレノンが、少なくとも28個の活性1日投与単位における唯一の避妊有効成分である、請求項13又は14に記載のキット。
16.ドロスピレノンの上記第1の量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項13~15のいずれか一項に記載のキット。
17.ドロスピレノンの上記第2の量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項13~16のいずれか一項に記載のキット。
18.請求項1~6のいずれか一項に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症の治療を必要とする女性被験体における、子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンを含む医薬組成物であって、医薬組成物が、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤を更に含む、医薬組成物。
19.組成物が、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤を更に含む、避妊用組成物における請求項7~12のいずれか一項に記載のドロスピレノンの使用。
20.上記薬学的に許容可能な添加剤が、少なくとも1つの結合剤及び少なくとも1つの充填剤であり、
(i)ドロスピレノンの量が、1重量%~10重量%を占め、
(ii)少なくとも1つの結合剤の量が、50重量%~65重量%を占め、
(iii)少なくとも1つの充填剤の量が、25重量%~35重量%を占め、
重量パーセントが、上記医薬組成物の総重量に関するものである、
請求項18に記載の医薬組成物、又は請求項19に記載の避妊用組成物。
21.少なくとも1つの滑剤及び少なくとも1つの滑沢剤を更に含み、
(iv)少なくとも1つの滑剤の量が、0.2重量%~6重量%を占め、
(v)少なくとも1つの滑沢剤の量が、0.2重量%~0.6重量%を占め、
重量パーセントが、上記医薬組成物の総重量に関するものである、
請求項20に記載の医薬組成物。
22.(i)少なくとも1つの結合剤が、微結晶セルロースであり、
(ii)少なくとも1つの充填剤が、無水ラクトースであり、
(iii)少なくとも1つの滑剤が、二酸化ケイ素であり、
(iv)少なくとも1つの滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、
請求項21に記載の医薬組成物又は避妊用組成物。
23.請求項12~14のいずれか一項に記載の医薬組成物における、請求項4~7のいずれか一項に記載の避妊薬としてのドロスピレノンの使用。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロスピレノンを二相レジメンで被験体に投与することを含む、女性被験体における子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンであって、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンの1日量が、1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの1日量より少ない、ドロスピレノン。
【請求項2】
1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの前記1日量が4.0mgであり、25日目から28日目まで投与されるドロスピレノンの前記より少ない1日量が2.8mgである、請求項1に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
【請求項3】
前記治療が、避妊も提供する、請求項1又は2に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノン。
【請求項4】
避妊薬としてのドロスピレノンの使用であって、二相レジメンでドロスピレノンを投与することを含み、第1相の間、ドロスピレノンの1日量が投与され、第2相ではドロスピレノンのより少ない1日量が投与され、好ましくは、前記ドロスピレノンの投与が無月経を誘発する、ドロスピレノンの使用。
【請求項5】
ドロスピレノンの前記1日量を、1日目から24日目に1日1回投与し、その後、ドロスピレノンのより少ない1日量を、25日目から28日目に1日1回投与する、請求項4に記載のドロスピレノンの使用。
【請求項6】
1日目から24日目まで投与されるドロスピレノンの前記1日量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項5に記載のドロスピレノンの使用。
【請求項7】
25日目から28日目に投与されるドロスピレノンの前記より少ない1日量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項4~6のいずれか一項に記載のドロスピレノンの使用。
【請求項8】
キット、好ましくは避妊キットであって、1つ以上の包装単位を含み、各包装単位は、少なくとも28個の活性1日投与単位を含み、
a)少なくとも24個の1日投与単位が、第1の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、かつ、前記量が第2の量のドロスピレノンの1日投与単位におけるドロスピレノンの量よりも多く、
b)少なくとも4個の1日投与単位が、前記第2の量のドロスピレノンを含み、これらの1日投与単位の各々が、同量のドロスピレノンを含み、ドロスピレノンの前記量が、前記第1の量のドロスピレノンを含む1日投与単位よりも少ない、
キット。
【請求項9】
前記少なくとも28個の活性1日投与単位が、エストロゲンを含まず、好ましくは、ドロスピレノンが、前記少なくとも28個の活性1日投与単位において唯一の避妊有効成分である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
ドロスピレノンの前記第1の量が、約2.0mg~6.0mg、好ましくは約3.0mg~5.0mg、より好ましくは約3.5mg~4.5mg、更により好ましくは約3.8mg~4.2mg、最も好ましくは約4.0mgのドロスピレノンである、請求項8又は9に記載のキット。
【請求項11】
ドロスピレノンの前記第2の量が、約2.5mg~約3.5mg、好ましくは約2.6mg~約3.2mg、より好ましくは約3.0mg、最も好ましくは約2.8mgのドロスピレノンである、請求項8~10のいずれか一項に記載のキット。
【請求項12】
請求項1~3のいずれか一項に記載の子宮内膜症、子宮内膜症随伴性骨盤痛(EAPP)、及び/又は月経困難症を治療する方法に使用されるドロスピレノンを含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤を更に含み、好ましくは、前記薬学的に許容可能な添加剤が、少なくとも1つの結合剤及び少なくとも1つの充填剤であり、
(i)ドロスピレノンの量が、1重量%~10重量%を占め、
(ii)前記少なくとも1つの結合剤の量が、50重量%~65重量%を占め、
(iii)前記少なくとも1つの充填剤の量が、25重量%~35重量%を占め、
前記重量パーセントが、前記医薬組成物の総重量に関するものである、
医薬組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの滑剤及び少なくとも1つの滑沢剤を更に含み、
(iv)前記少なくとも1つの滑剤の量が、0.2重量%~6重量%を占め、
(v)前記少なくとも1つの滑沢剤の量が、0.2重量%~0.6重量%を占め、
前記重量パーセントが、前記医薬組成物の総重量に関するものである、
請求項12に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
(i)前記少なくとも1つの結合剤が、微結晶セルロースであり、
(ii)前記少なくとも1つの充填剤が、無水ラクトースであり、
(iii)前記少なくとも1つの滑剤が、二酸化ケイ素であり、
(iv)前記少なくとも1つの滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、
請求項12又は13に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載の医薬組成物における、請求項4~7のいずれか一項に記載の避妊薬としてのドロスピレノンの使用。
【国際調査報告】