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特表2024-529089STINGアンタゴニストとしての小分子ウレア誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】STINGアンタゴニストとしての小分子ウレア誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/12 20060101AFI20240725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240725BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/5415 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 31/538 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C07D413/12
A61P43/00 111
A61P1/16
A61P11/00
A61P17/02
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P3/10
A61P27/02
A61P25/00
A61P29/00
A61P1/18
A61P9/00
A61P13/12
C07D417/12 CSP
A61K31/5415
A61K31/538
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508026
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 IB2022057491
(87)【国際公開番号】W WO2023017452
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202111036319
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522032372
【氏名又は名称】キュラデブ ファーマ ピーブイティー. リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CURADEV PHARMA PVT. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バナジー, モナリ
(72)【発明者】
【氏名】バス, ソウラブ
(72)【発明者】
【氏名】シュリバスタバ, リテーシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】プライド, デイヴィッド キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】ミディヤ, サンディップ クマール
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ, ラジブ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーダブ, ダーメンドラ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】スーリヤ, アージュン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC74
4C086BC89
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物に関する。本化合物を使用して、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質と拮抗することができ、それによって、肝線維症、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線維症、狼瘡、敗血症、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、乳児期発症STING関連血管症(SAVI)、エカルディ・グティエール症候群(AGS)、家族性凍瘡状狼瘡(FCL)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、網膜血管症、神経炎症、全身性炎症反応症候群、膵炎、心血管疾患、腎線維症、脳卒中及び加齢性黄斑変性症(AMD)を処置することができる。


【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形。
【化1】

[式中、Xは、CR又はNであり、
はCRであり、且つXは、CR若しくはNであるか、又はXはNであり、且つXはCRであり、
は、C=O又はCRであり、
Zは、CR10又はNRであり、
は、S、SO、SO、O、NR11又はCR1112であり、
Aは、任意選択で置換されたC~C12アルキレン、任意選択で置換されたC~C12アルケニレン、任意選択で置換されたC~C12アルキニレン、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキレン又は任意選択で置換された3~6員ヘテロシクリレンであり、
nは、0、1又は2であってもよく、
、R及びRは、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール及び任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環からなる群からそれぞれ独立的に選択されており、
~R12は、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立的に選択されており、
及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、XがCRであり、且つXがCRであるとき、R及びRの他方は、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール及び任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環からなる群から選択されており、
は、H、COOR13、CONR1314、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環及びL-L-R16からなる群から選択されており、
は、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環及びL-L-R16からなる群から選択されており、
ここで、R及びRのうちの最大1つは-L-L-R16であり、
13及びR14は、H、ハロゲン、OH、CN、COOH、CONH、NH、NHCOH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、任意選択で置換されたC~Cアルコキシカルボニル基、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたヘテロアリールオキシ及び任意選択で置換されたヘテロシクリルオキシからなる群からそれぞれ独立的に選択されており、
は存在しないか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン、任意選択で置換されたC~Cアルキニレン、O、S、S=O、SO若しくはNR19であり、
は存在しないか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン、任意選択で置換されたC~Cアルキニレン、O、S、S=O、SO若しくはNR19であり、
15は、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であり、
16は、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であり、
17~R19は、独立的にH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル又はCNである。]
【請求項2】
がCRであり、Rが、H、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がCRであり、XがCRである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRの一方が-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、R及びRの他方が、H、ハロゲン、OH、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであり、R13及びR14が、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル及び任意選択で置換されたC~Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立的に選択されている、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
及びRの一方が-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、R及びRの他方が、H、ハロゲン、OH、CN、CONR1314、NR1314、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであり、R13及びR14が、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立的に選択されている、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン又は任意選択で置換されたC~Cアルキニレンであり、当該アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンが、非置換であるか、又はハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル若しくは任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、-CH-、
【化2】

である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
17及びR18が、独立的にH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
15が、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、H、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が-L-L-R16である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
が存在しないか、任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン又は任意選択で置換されたC~Cアルキニレンである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が存在しないか、O、S、S=O、SO又はNR19である、請求項11又は12に記載の化合物。
【請求項14】
16が、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環である、請求項11~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
が、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
がCRであり、R及びRが、独立的にH、ハロゲン、OH、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
がCOである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
nが1である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
ZがCR10であり、
がS、SO、SO、O又はNR11であり、
及びR10が、独立的にH、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであり、
13及びR14が、独立的にH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであり、
11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
ZがNRであり、
がCR1112であり、
が、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであり、
11及びR12が、独立的にH、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;
(S)-3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;
(R)-3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-3,4-ジヒドロキシブチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパン酸;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
(R)-1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
(S)-1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-(1H-インドール-6-イル)-3-((4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)尿素;
1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-(1H-インドール-6-イル)-3-((4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)メチル)尿素;
1-(1H-インドール-6-イル)-3-((4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-7-イル)メチル)尿素;
1-(1H-インドール-6-イル)-3-((4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)尿素;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-モルホリノプロピル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパンアミド;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-ヒドロキシプロピル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-(1-(4-ベンジル-1-オキシド-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3,4-ジヒドロキシブチル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-メチルプロパンアミド;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-オキソ-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-メトキシ-N-メチルプロパンアミド;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-オキソプロピル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-モルホリノ-3-オキソプロピル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルプロパンアミド;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-シクロプロピル-N-メチルプロパンアミド;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-(2-メトキシエチル)-N-メチルプロパンアミド;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-(ピリジン-3-イル)プロパンアミド;
3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)プロパンアミド;
1-(1-(4-(2-クロロ-6-フルオロベンジル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-3-(1H-インドール-6-イル)尿素;又は
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-3-(1H-インドール-3-イル)尿素
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形と、薬学的に許容できるビヒクルとを含む医薬組成物。
【請求項23】
医薬としての使用のための、請求項1~21のいずれか一項に定義された通りの化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形、或いは請求項22により定義された通りの医薬組成物。
【請求項24】
インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質の調節における使用のための、請求項1~21のいずれか一項に定義された通りの化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形、或いは請求項22により定義された通りの医薬組成物。
【請求項25】
肝線維症、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線維症、狼瘡、敗血症、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、乳児期発症STING関連血管症(SAVI)、エカルディ・グティエール症候群(AGS)、家族性凍瘡状狼瘡(FCL)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、網膜血管症、神経炎症、全身性炎症反応症候群、膵炎、心血管疾患、腎線維症、脳卒中及び加齢性黄斑変性症(AMD)から選択される疾患の処置、寛解又は防止における使用のための、請求項1~21のいずれか一項に定義された通りの化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形、或いは請求項22により定義された通りの医薬組成物。
【請求項26】
前記疾患が線維症であり、当該線維症が、肝線維症、肺線維症又は腎線維症からなる群から選択される、請求項25に記載の使用のための化合物又は組成物。
【請求項27】
前記疾患が脂肪性肝疾患であり、当該脂肪性肝疾患が、非アルコール性(又は単純)脂肪肝又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、請求項25に記載の使用のための化合物又は組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質の小分子アンタゴニストに関する。したがって、小分子アンタゴニストは、様々な炎症性疾患、例えば脂肪性肝疾患、肺線維症、膵炎、狼瘡などの処置において有用であり得る。本発明は、化合物それ自体の医薬組成物、化合物を製造する方法及びこれらの化合物を使用してSTINGタンパク質を調節する方法に及ぶ。
【0002】
STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)は、サイトゾルDNAに対する免疫応答の媒介において極めて重要な役割を果たす自然シグナル伝達分子である。
【0003】
ヒト免疫系は、健康な宿主を維持するために異なるタイプの脅威及び病原体を認識し、且つそれらに応答するように進化してきた。免疫系の自然アームは、細菌、ウイルス及び他の感染脅威による細胞又は組織損傷に関連する危険信号に対する迅速な初期炎症反応の主な原因となる。自然免疫系は、パターン認識受容体(PRR)と呼ばれる一連のセンチネルタンパク質を通じてこれらの損傷関連分子パターン(DAMP)又は微生物産物病原体関連分子パターン(PAMP)に応答して、広範囲の脅威に対する広範且つ持続的な保護を宿主に提供する(P.Brozら、Nat.Revs Immunol.、2013、13、551)。
【0004】
PAMP及びDAMPは、しばしば細胞内病原体の構成成分又は複製中間体である。PRRは、Toll様受容体(TLR;エンドソーム核酸によって活性化される)、C型レクチン受容体、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIGI様受容体;サイトゾルRNAによって活性化される)、NOD様受容体(NLR)並びに二本鎖DNAセンサーを含む(Dieboldら、Science、2004、303、1529~1531;O.Takeuchiら、Cell、2010、140、805;Pichlmairら、2006、314、997)。PRRは、1型インターフェロン及びサイトカインを上方制御することによりDAMP及びPAMPに応答する。遊離サイトゾル核酸(DNA及びRNA)は、既知のPAMP/DAMPである。サイトゾルDNAの主要センサーはcGAS(サイクリックGMP-AMP合成酵素)である。サイトゾルdsDNAを認識すると、cGASは、環状ジヌクレオチド(CDN)cGAMPの1つの特定の異性体、c[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]の生成をトリガーする(Gaoら、Cell、2013、153、1094)。
【0005】
CDNは、多様な細菌により生成されるセカンドメッセンジャーシグナル伝達分子であり、且つホスホジエステル結合を介して接続されて環状構造を作っている2つのリボヌクレオチドからなる。CDNシクロ-ジ(GMP)(c-diGMP)、シクロ-ジ(AMP)(c-diAMP)及びハイブリッドシクロ-(AMP/GMP)(cGAMP)誘導体(A.Ablasserら、Nature、2013、498、380)はすべて、ER-膜貫通アダプタータンパク質STINGに強く結合する(D.L.Burdetteら、Nature、2011、478、515;H.Ishikawa、Nature、2008、455、674)。
【0006】
STINGは、そのサイトゾルのカルボキシ末端ドメインを通じてCDNを認識し、これは、ホモ二量体を形成し、且つCDNを結合するV字形の結合ポケットの形を採る(Zhangら、Mol.Cell、2013、51、226;G.N.Barberら、Nat.Immunol、2011、12、929)。STINGのリガンド誘導活性化は、ゴルジへのその再配置及びTBK1への結合を容易にするコンフォメーション変化をトリガーする。ひいては、TBK1は、転写因子IRF-3、STAT6及びNFBを通じてシグナルを送り、I型インターフェロン及び他のサイトカイン及びインターフェロン刺激遺伝子を誘導する(C.Greenhill、Nat.Revs,Endocrinol.、2018、14、192;Y.Li、H.L.Wilson、及びE.Kiss-Toth、J.Inflamm.、2017、14、11)。その活性化の後、STINGは、正常な応答において速やかに分解される。
【0007】
STINGの過剰な活性化は、インターフェロノパシーと呼ばれる様々な単一遺伝子自己炎症性障害に関連する(Y.J.Crow及びN.Manel、Nat.Revs Immunol.、2015、15、429~440)。ヒトDNAse Trex1における機能喪失変異は、cGAMPレベルの上昇並びに稀だが重篤な炎症性疾患エカルディ・グティエール症候群(AGS)、家族性凍瘡状狼瘡(FCL)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)及び網膜血管症などの自己免疫疾患に関連する(Y.Crowら、Hum.Mol Gen.、2009、18、R130)。
【0008】
シリカ粒子の吸入は、肺細胞死及びdsDNA産物の放出により引き起こされる肺炎症及び肺線維症をもたらし得る。Benmerzougらは、循環dsDNAのこの増加が、STINGを活性化し、且つCXCL10レベルの上昇及びIFNシグナル伝達を介して肺炎症を生じることを報告している(S.Benmerzougら、Nat.Comm、2018、、5226)。
【0009】
関節リウマチ(RA)患者から採取された線維芽細胞様滑膜細胞(FLS)において、dsDNAのレベルがリウマチ性滑膜炎の重症度と相関しているサイトゾルdsDNAの増加が検出された(J.Wangら、Int.Immunopharm.、2019、76、105791)。これらの知見は、dsDNAの増加が、RA FLSにおいてSTING経路を介して炎症反応を促進し、且つSTINGの発現増加につながることを示し、サイトゾルDNA蓄積が、RA関連炎症における重要な要素であることを示唆した。
【0010】
常染色体優性の機能獲得型変異をSTINGに有する患者は、SAVI(乳児期発症STING関連血管症)と呼ばれる小児自己炎症性状態を有し、高い罹患率及び死亡率に関連する異常なIFN産生及び全身性炎症によって特徴付けられる皮疹、血管症、ループス様症候群及び肺線維症を臨床的に示す(N.Konig,ら、Ann.Rheum,Dis.、2017、76、468)。ヒトにおける特徴付けられる変異は、膜貫通ドメインとリガンド結合ドメインとの間の界面領域にすべて位置し、且つリガンド非依存性恒常的活性化タンパク質を生じるV147L、N154S、V155M及びG166Eを含む。さらに最近では、STING凝集を促進し、且つC末端テール領域との複合体形成を嫌うことが提案されているクラスター領域において3つの他の機能獲得型STING変異C206Y、R281Q及びR284Sが同定されている(H.Konno,ら、Cell Rep.2018、23、1112及びI.Melki,ら、J Allergy Clin Immunol.2017、140(2)、543。
【0011】
Habtezionらによる最近の報告は、急性膵炎を有するマウスにおいて、STINGが、壊死細胞からのDNAを検出することにより腺房細胞死に応答し、且つ急性膵炎症を促進することを示した(A.Habtezionら、Gastroenterology、2018、154、1822)。STINGノックアウトマウスは、あまり重篤でない急性膵炎(より少ない浮腫、より少ない炎症)を有していたが、STINGアゴニストの投与は、より重篤な膵炎をもたらした。
【0012】
Luoらは、最近、非アルコール性脂肪性肝疾患を有する患者からの肝組織において、及び高脂肪食誘発性脂肪肝を有するマウスにおいてSTINGのレベルが増加することも示した。この場合も、STINGノックアウトマウスは、あまり重篤でない肝線維症及びより少ない急性炎症反応を起こした(X.Luoら、Gastroenterology、2018、155、1971)。
【0013】
SLE患者の末梢血単核細胞内cGAMPレベルの上昇は、より高い疾患スコアに関連しており(J.Anら、Arthritis Rheum.、2017、69、800)、狼瘡における疾患重症度とSTING経路の活性化との間の関連を示唆した。
【0014】
線維症を有する対象の腎尿細管細胞はミトコンドリア転写因子A(TFAM)が欠如していることが示されている。尿細管TFAMが欠如しているマウスは、ミトコンドリアDNAの異常なパッケージング及びサイトゾルへのその移行によって引き起こされる激しいミトコンドリア減少及びエネルギー不足を起こし、ここでSTING経路が活性化された(K.W.Chung、Cell Metab.、2019、30、1)。その後のサイトカイン発現及び炎症は腎線維症を招いた。
【0015】
Bennionらは、機能獲得型変異N153Sノックインマウスが、ウイルス感染に対する感受性の向上を示し、且つ重篤な自己炎症及び肺線維症を伴うマウスガンマヘルペスウイルスγHV68による感染に応答することを実証した(B.Bennionら、J.Virol.、2019、93、e01806)。
【0016】
過剰な免疫系活性化がSTING経路活性化に関連し得る他の状態は、全身性炎症反応症候群(R.K.Boyapatiら、F1000 Res.、2017、、169)、心血管疾患(K.R.Kingら、Nat.Med、2017、23、1481)、脳卒中(A.M.Jeffriesら、Neurosci.Lett、2017、658、53)及び加齢性黄斑変性症(N.Kerurら、Nat.Med、2018、24、50)を含む。
【0017】
したがって、STING経路をブロック、阻害又は拮抗することが、いくつかの状態及び疾患状態において治療上の利益を有し得るという説得力のある証拠がある。
【0018】
例えばT.Siuら(ACS Med Chem Letts、2019、10(1)、92)により報告されたSTINGタンパク質の小分子アンタゴニストはわずかしかないが、その中に記載された化合物は、報告によると低い細胞ベースの効力を有する。STINGアンタゴニストの他の報告は、S.Haagら(Nature、2018、559(7713)、269)及びZ.Hongら(PNAS、2021、118(24)、e2105465118)を含む。
【0019】
したがって、STING経路の改善された小分子ブロッカー、特にSTINGタンパク質の小分子直接アンタゴニストが差し迫って必要とされている。
【0020】
本発明は、STINGタンパク質モジュレーターの同定を試みる本発明者らの研究から生じた。
【0021】
本発明の第1の態様によれば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形が提供される。
【化1】

[式中、Xは、CR又はNであり、
はCRであり、且つXは、CR若しくはNであるか、又はXはNであり、且つXはCRであり、
は、C=O又はCRであり、
Zは、CR10又はNRであり、
は、S、SO、SO、O、NR11又はCR1112であり、
Aは、任意選択で置換されたC~C12アルキレン、任意選択で置換されたC~C12アルケニレン、任意選択で置換されたC~C12アルキニレン、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキレン又は任意選択で置換された3~6員ヘテロシクリレンであり、
nは、0、1又は2であってもよく、
、R及びRは、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール及び任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環からなる群からそれぞれ独立的に選択されており、
~R12は、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立的に選択されており、
及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、XがCRであり、且つXがCRであるとき、R及びRの他方は、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール及び任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環からなる群から選択されており、
は、COOR13、CONR1314、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環及びL-L-R16からなる群から選択されており、
は、H、ハロゲン、OR13、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環及びL-L-R16からなる群から選択されており、
ここで、R及びRのうちの最大1つは-L-L-R16であり、
13及びR14は、H、ハロゲン、OH、CN、COOH、CONH、NH、NHCOH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、任意選択で置換されたC~Cアルコキシカルボニル基、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたヘテロアリールオキシ及び任意選択で置換されたヘテロシクリルオキシからなる群からそれぞれ独立的に選択されており、
は存在しないか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン、任意選択で置換されたC~Cアルキニレン、O、S、S=O、SO若しくはNR19であり、
は存在しないか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン、任意選択で置換されたC~Cアルキニレン、O、S、S=O、SO若しくはNR19であり、
15は、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であり、
16は、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であり、
17~R19は、独立的にH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル又はCNである。]
式(I)の化合物は、医薬として使用され得る。
【0022】
したがって、第2の態様において、医薬としての使用のための式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形が提供される。
【0023】
本発明者らは、式(I)の化合物がインターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質の調節において有用であることを見出した。
【0024】
したがって、第3の態様において、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質の調節における使用のための式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形が提供される。
【0025】
好ましくは、式(I)の化合物は、STINGタンパク質の阻害、又は不活化における使用のためである。式(I)の化合物は、細胞インターフェロンβ産生、インターフェロン刺激遺伝子の細胞レベル、サイトカインの産生並びに転写因子IRF-3及びNF-κBのリン酸化からなる群から選択される1つ又は複数の生物学的作用の低下から分かるようなSTING機能活性の阻害、又は不活化における使用のためであってもよい。
【0026】
STINGタンパク質を阻害することにより、肝線維症、脂肪性肝疾患、肺線維症、狼瘡、関節リウマチ(RA)、乳児期発症STING関連血管症(SAVI)、膵炎、心血管疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患及び腎線維症を処置、寛解又は防止することが可能である。
【0027】
STINGタンパク質を阻害することにより、肝線維症、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線維症、狼瘡、関節リウマチ(RA)、乳児期発症STING関連血管症(SAVI)、エカルディ・グティエール症候群(AGS)、家族性凍瘡状狼瘡(FCL)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、網膜血管症、神経炎症、全身性炎症反応症候群、膵炎、心血管疾患、腎線維症、脳卒中及び加齢性黄斑変性症(AMD)を処置、寛解又は防止することが可能である。
【0028】
したがって、第4の態様において肝線維症、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線維症、狼瘡、敗血症、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、乳児期発症STING関連血管症(SAVI)、エカルディ・グティエール症候群(AGS)、家族性凍瘡状狼瘡(FCL)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、網膜血管症、神経炎症、全身性炎症反応症候群、膵炎、心血管疾患、腎線維症、脳卒中及び加齢性黄斑変性症(AMD)から選択される疾患の処置、寛解又は防止における使用のための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形が提供される。
【0029】
第5の態様において、対象においてSTINGタンパク質を調節する方法であって、こうした処置を必要とする対象に、治療的有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0030】
好ましくは、本方法は、STINGタンパク質を阻害するステップを含む。
【0031】
好ましくは、方法は、STINGタンパク質を阻害、又は不活化する方法である。
【0032】
第6の態様において、肝線維症、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線維症、狼瘡、敗血症、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、乳児期発症STING関連血管症(SAVI)、エカルディ・グティエール症候群(AGS)、家族性凍瘡状狼瘡(FCL)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、網膜血管症、神経炎症、全身性炎症反応症候群、膵炎、心血管疾患、腎線維症、脳卒中及び加齢性黄斑変性症(AMD)から選択される疾患を処置、寛解又は防止する方法であって、こうした処置を必要とする対象に、治療的有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容できる複合体、塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0033】
「を防止すること」という用語は、「の可能性を低減すること」を意味し得ると理解することができる。
【0034】
1つの好ましい実施形態において、疾患は線維症である。線維症は、肝線維症、肺線維症又は腎線維症からなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態において、線維症患者は、健常対象のものと比較して、組織において上方制御されたSTING発現及び/又はSTING活性を有してもよい。
【0035】
代替の好ましい実施形態において、疾患は脂肪性肝疾患である。脂肪性肝疾患は、非アルコール性(又は単純)脂肪肝又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)であってもよい。
【0036】
文脈が特に示さない限り、本発明の化合物に関連して以下の定義が使用される。
【0037】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体にわたって、「を含む(comprise)」という語並びに「を含む(comprising)」及び「を含む(comprises)」などの他の形態の語は、を含むがこれらに限定されない(including but not limited to)を意味し、例えば、他の添加剤、成分、整数、又はステップを排除することは意図されない。
【0038】
本説明及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が特に明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「組成物(a composition)」への言及は、2種以上のこうした組成物の混合物を含む。
【0039】
「任意選択の(optional)」又は「任意選択で(optionally)」は、続いて記載される事象、操作若しくは状況が起こり得るか、又は起こり得ないこと、並びに説明が、事象、操作又は状況が発生する場合の例、及び事象、操作又は状況が発生しない場合の例を含むことを意味する。
【0040】
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、特に指定のない限り、飽和直線状又は分岐状炭化水素を指す。特定の実施形態において、アルキル基は、一級、二級、又は三級炭化水素である。特定の実施形態において、アルキル基は、1~6個の炭素原子、すなわちC~Cアルキルを含む。C~Cアルキルは、例えばメチル、エチル、n-プロピル(1-プロピル)及びイソプロピル(2-プロピル、1-メチルエチル)、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル及びイソヘキシルを含む。アルキル基は、非置換であり得るか、又はハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。したがって、任意選択で置換されたC~Cアルキルは、任意選択で置換されたC~Cハロアルキル、すなわち少なくとも1個のハロゲンで置換された、且つOR20、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ又は複数で任意選択でさらに置換されたC~Cアルキルであってもよいことが理解されるであろう。任意選択で置換されたC~Cアルキルは、ポリフルオロアルキル、好ましくはC~Cポリフルオロアルキルであってもよい。
【0041】
20及びR21は、H、ハロゲン、OH、CN、COOH、CONH、NH、NHCOH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルキルスルホニル、任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、任意選択で置換されたC~Cアルコキシカルボニル基、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたヘテロアリールオキシ及び任意選択で置換されたヘテロシクリルオキシからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。R20及びR21は、H及びハロゲンからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0042】
「アルキレン」という用語は、本明細書において使用されるとき、特に指定のない限り、二価の飽和直線状又は分岐状炭化水素を指す。特定の実施形態において、アルキレン基は、一級、二級、又は三級炭化水素である。特定の実施形態において、アルキレン基は、1~6個の炭素原子、すなわちC~Cアルキレンを含む。C~Cアルキレンは、例えばメチレン、エチレン、n-プロピレン及びイソプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、イソブチレン、sec-ブチレン、tert-ブチレン、イソペンチレン、ネオペンチレン、及びイソヘキシレンを含む。アルキレン基は、アルキル基に関して上記で定義された通りであってもよいが、アルキル基から水素原子が除去されて、基が二価になっている。アルキレンが、例えば、エタ-1,1-イレンと記載されている場合は、構造の残部との両方の結合点が1位にあると理解することができる。
【0043】
「halo」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ(-F)、クロロ(-Cl)、ブロモ(-Br)及びヨード(-I)を含む。
【0044】
「ポリフルオロアルキル」という用語は、2個以上の水素原子がフッ素原子によって置き換えられているC~Cアルキル基を表してもよい。この用語は、ペルフルオロアルキル基、すなわち、すべての水素原子がフッ素原子によって置き換えられているC~Cアルキル基を含んでもよい。したがって、用語C~Cポリフルオロアルキルは、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、及び2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチルを含むがこれらに限定されない。
【0045】
「アルコキシ」は、R22が、任意選択で置換されたC~Cアルキル基、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル基、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである基R22-O-を指す。例示的なC~Cアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ(1-プロポキシ)、n-ブトキシ及びtert-ブトキシを含むがこれらに限定されない。アルコキシ基は、非置換であり得るか、又はハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0046】
「アリール」は、芳香族6~12員炭化水素基を指す。用語は、環の一方が芳香族であり、他方が芳香族ではない二環式基を含む。C~C12アリール基の例は、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル及びインダニルを含むがこれらに限定されない。アリール基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0047】
「アリーレン」は、二価の芳香族6~10員炭化水素基を指す。アリーレン基は、アリール基に関して上記で定義された通りであってもよいが、アリール基から水素原子が除去されて、基が二価になっている。
【0048】
本明細書において使用される「二環」又は「二環式」という用語は、2個の縮合環を特徴とする分子を指し、縮合環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールである。1つの実施形態において、環は、2個の原子間の結合にわたって縮合されている。縮合により形成された二環式部分は、環間の結合を共有する。別の実施形態において、二環式部分は、環の一連の原子にわたって2個の環を縮合して橋頭を形成することにより形成される。同様に、「架橋」は、多環式化合物の2個の橋頭を接続する1個又は複数の原子の非分岐鎖である。別の実施形態において、二環式分子は、「スピロ」又は「スピロ環式」部分である。スピロ環式基は、スピロ環式部分の単一の炭素原子を介して炭素環式又は複素環式部分の単一の炭素原子に結合されているC~Cシクロアルキル又は単環式若しくは二環式の3~8員複素環であってもよい。1つの実施形態において、スピロ環式基は、シクロアルキルであり、別のシクロアルキルに結合されている。別の実施形態において、スピロ環式基は、シクロアルキルであり、ヘテロシクリルに結合されている。さらなる実施形態において、スピロ環式基は、ヘテロシクリルであり、別のヘテロシクリルに結合されている。さらに別の実施形態において、スピロ環式基は、ヘテロシクリルであり、シクロアルキルに結合されている。スピロ環式基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0049】
「シクロアルキル」は、非芳香族、飽和、部分飽和、単環式、二環式又は多環式炭化水素の3~6員環系を指す。C~Cシクロアルキルの代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを含むがこれらに限定されない。シクロアルキル基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0050】
「シクロアルキレン」は、二価の非芳香族、飽和、部分飽和、単環式、二環式又は多環式炭化水素の3~6員環系を指す。シクロアルキレン基は、シクロアルキル基に関して上記で定義された通りであってもよいが、シクロアルキル基から水素原子が除去されて、基が二価になっている。
【0051】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環原子がヘテロ原子である単環式又は二環式の芳香族5~10員環系を指す。用語は、環の一方が芳香族であり、他方が芳香族ではない二環式基を含む。このヘテロ原子又は各ヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立的に選択されてもよい。5~10員ヘテロアリール基の例は、フラン、チオフェン、インドール、アザインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N-メチルピロール、ピラゾール、N-メチルピラゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-トリアゾール、1-メチル-1,2,4-トリアゾール、1H-テトラゾール、1-メチルテトラゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイミダゾール、N-メチルベンゾイミダゾール、アザベンゾイミダゾール、インダゾール、キナゾリン、キノリン、及びイソキノリンを含む。二環式の5~10員ヘテロアリール基は、フェニル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン又はピリダジン環が5又は6員単環式のヘテロアリール環に縮合されたものを含む。ヘテロアリール基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0052】
「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の環原子がヘテロ原子である3~8員単環式、二環式又は架橋分子を指す。このヘテロ原子又は各ヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立的に選択されてもよい。複素環は、飽和していても、又は部分飽和していてもよい。例示的な3~8員複素環基は、アジリジン、オキシラン、オキシレン、チイラン、ピロリン、ピロリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジチオラン、ピペリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-イル、テトラヒドロピラン、ピラン、モルホリン、ピペラジン、チアン、チイン、ピペラジン、アゼパン、ジアゼパン及びオキサジンを含むがこれらに限定されない。複素環基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0053】
「ヘテロシクリレン」は、少なくとも1個の環原子がヘテロ原子である二価の3~8員単環式、二環式又は架橋分子を指す。ヘテロシクリレン基は、ヘテロシクリル基に関して上記で定義された通りであってもよいが、複素環基から水素原子が除去されて、基が二価になっている。
【0054】
「アルケニル」は、非分岐状又は分岐状であり得るオレフィン性不飽和炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルケニル基は、2~6個の炭素を有し、すなわちアルケニル基はC~Cアルケニルである。C~Cアルケニルは、例えばビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルを含む。アルケニル基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0055】
「アルキニル」は、非分岐状又は分岐状であり得るアセチレン性不飽和炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルキニル基は、2~6個の炭素を有し、すなわちアルキニル基はC~Cアルキニルである。C~Cアルキニルは、例えばプロパルギル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルを含む。アルキニル基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。R20及びR21は、上記で定義された通りであってもよい。R20及びR21は、H、ハロゲン及び任意選択で置換されたC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立的に選択されてもよい。
【0056】
「アルケニレン」という用語は、本明細書において使用されるとき、特に指定のない限り、二価のオレフィン性不飽和直線状又は分岐状炭化水素を指す。アルケニレン基は、アルケニル基に関して上記で定義された通りであってもよいが、アリール基から水素原子が除去されて、基が二価になっている。アルケニレンが、例えば、エテン-1,1-イレンと記載されている場合は、構造の残部との両方の結合点が1位にあると理解することができる。
【0057】
「アルキニレン」という用語は、本明細書において使用されるとき、特に指定のない限り、二価のアセチレン性不飽和直線状又は分岐状炭化水素を指す。アルキニレン基は、アルキニル基に関して上記で定義された通りであってもよいが、アリール基から水素原子が除去されて、基が二価になっている。アルキニレンが、例えば、エチン-1,1-イレンと記載されている場合は、構造の残部との両方の結合点が1位にあると理解することができる。
【0058】
「アルキルスルホニル」は、アルキルが、任意選択で置換されたC~Cアルキルであり、上記のように定義された通りである基アルキル-SO-を指す。
【0059】
「アルコキシカルボニル」は、アルキルが、任意選択で置換されたC~Cアルキルである基アルキル-O-C(O)-を指す。アルコキシカルボニル基は、非置換であり得るか、又は任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換され得る。
【0060】
「アリールオキシ」は、上記で定義された通り、Arが、単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール基である基Ar-O-を指す。
【0061】
「ヘテロアリールオキシ」は、ヘテロアリールが、単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリールであり、上記で定義された通りである基ヘテロアリール-O-を指す。
【0062】
「ヘテロシクリルオキシ」は、複素環が、任意選択で置換された単環式又は二環式の3~8員複素環であり、上記のように定義された通りである基複素環-O-を指す。
【0063】
式(I)の化合物の複合体は、薬物及び少なくとも1種の他の成分が化学量論量又は非化学量論量で存在する多成分複合体であると理解することができる。複合体は、塩又は溶媒和物以外であってもよい。このタイプの複合体は、クラスレート(薬物-ホスト包接複合体)及び共結晶を含む。後者は、非共有結合相互作用を通じて互いに結合されている中性分子構成成分の結晶複合体と典型的に定義されるが、塩との中性分子の複合体でもあり得る。溶融結晶化によるか、溶媒からの再結晶によるか、又は成分を一緒に物理的に摩砕することにより共結晶が調製されてもよい-参照により本明細書に組み込まれている、O.Almarsson及びM.J.Zaworotko(2004)によるChem Commun、17、1889~1896を参照されたい。多成分複合体の一般的な総説については、参照により本明細書に組み込まれている、Haleblian(1975年8月)によるJ Pharm Sci、64(8)、1269~1288を参照されたい。
【0064】
「薬学的に許容できる塩」という用語は、その生物学的特性を保持し、毒性ではないか、又はさもなければ薬学的使用に望ましくないわけではない本明細書に記載の化合物の任意の塩を指すと理解することができる。こうした塩は、当技術分野において周知の様々な有機及び無機対イオンから誘導されてもよい。こうした塩は、以下を含むがこれらに限定されない:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、ケイ皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸及び同様の酸などの有機酸又は無機酸により生成される酸付加塩;或いは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、(a)金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン若しくはアルミニウムイオン、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、及び水酸化バリウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアによって置き換えられるか、或いは(b)アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、N-メチルグルカミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの脂肪族、脂環式、又は芳香族有機アミンなどの有機塩基により配位されると生成される塩基付加塩。
【0065】
薬学的に許容できる塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、並びに化合物が塩基性官能基を含むとき、ハロゲン化水素酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩、硫酸塩又は重硫酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、安息香酸塩、イセチオン酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、ピクリン酸塩、ケイ皮酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、エタンスルホン酸塩、1,2-エタン-ジスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、4-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、4-トルエンスルホン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸塩、グルコヘプトン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、tert-ブチル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ムコン酸塩、キシナホ酸塩などの非毒性の有機酸又は無機酸の塩を含んでもよい。
【0066】
酸及び塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩も生成されてもよい。前述の塩は、対イオンが光学活性である塩、例えばD-乳酸塩、又はラセミである塩、例えばDL-酒石酸塩を含むことを当業者は理解するであろう。
【0067】
適した塩に関する総説については、Stahl及びWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたい。
【0068】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、以下の3つの方法のうちの1つ又は複数により調製されてもよい:
(i)式(I)の化合物を所望の酸若しくは塩基と反応させることによる方法、
(ii)所望の酸若しくは塩基を使用して式(I)の化合物の適した前駆体から酸若しくは塩基不安定性の保護基を除去することによる方法、或いは
(iii)適切な酸若しくは塩基との反応によるか、又は適したイオン交換カラムにより式(I)の化合物のある塩を別の塩に変換することによる方法。
【0069】
すべての3つの反応が溶液中で典型的に行われる。得られた塩は、析出して濾過により捕集することができるか、又は溶媒の蒸発により回収することができる。得られた塩におけるイオン化度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで様々であってもよい。
【0070】
「溶媒和物」という用語は、非共有結合分子間力により結合された化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む、本明細書に記載の化合物又はその塩を指すと理解することができる。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。本発明による薬学的に許容できる溶媒和物は、結晶化溶媒が同位体で置換されてもよいもの、例えばDO、d-アセトン及びd-DMSOを含む。
【0071】
有機水和物の現在受け入れられている分類体系は、隔離部位、チャネル、又は金属イオン配位水和物を定義するものである-参照により本明細書に組み込まれている、K.R.MorrisによるPolymorphism in Pharmaceutical Solids(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995)を参照されたい。隔離部位水和物は、水分子が、介在する有機分子により互いとの直接接触から隔離されている水和物である。チャネル水和物では、水分子が他の水分子の隣にある格子チャネル内に水分子がある。金属イオン配位水和物では、水分子は金属イオンに結合されている。
【0072】
溶媒又は水が堅く結合されているとき、複合体は、湿度とは無関係の明確な化学量論を有することになる。しかし、溶媒又は水が弱く結合されているとき、チャネル溶媒和物及び吸湿性化合物でのように、水/溶媒含有量は、湿度及び乾燥条件に依存することになる。こうした場合、非化学量論が標準になることになる。
【0073】
本発明の化合物は、完全な非晶質から完全な結晶質までの範囲の連続した固体状態で存在してもよく、前記結晶材料の多形を含む。「非晶質」という用語は、材料が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度に応じて、固体又は液体の物理的特性を示すことがある状態を指す。典型的には、こうした材料は、独特のX線回折パターンを与えず、固体の特性を示しながらも、より形式的には液体として記載される。加熱すると、状態の変化、典型的には二次(「ガラス転移」)によって特徴付けられる、固体特性から液体特性への変化が起こる。「結晶質」という用語は、材料が、分子レベルで規則配列した内部構造を有し、明確なピークを有する独特のX線回折パターンを与える固相を指す。こうした材料も、十分に加熱されると、液体の特性を示すことになるが、固体から液体への変化は、相変化、典型的には一次(「融点」)によって特徴付けられる。
【0074】
本発明の化合物は、適した条件に曝されると、中間状態(中間相又は液晶)で存在することがある。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(融解物又は溶液のいずれか)との間の中間である。温度変化の結果として生じる液晶性は「サーモトロピック」と記載され、水又は別の溶媒などの第2の成分の添加の結果生じる液晶性は「リオトロピック」と記載される。リオトロピック中間相を形成する可能性を有する化合物は「両親媒性」と記載され、イオン性(-COONa、-COO、若しくは-SO Naなど)又は非イオン性(-N(CHなど)極性頭部基を持つ分子からなる。さらなる情報については、参照により本明細書に組み込まれている、N.H.Hartshorne及びA.StuartによるCrystals and the Polarizing Microscope、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
【0075】
式(I)の化合物は、1つ又は複数の不斉中心を含んでもよく、したがって、エナンチオマー及びジアステレオマーなどの光学異性体として存在してもよい。すべてのこうした異性体及びそれらの混合物が、本発明の範囲内に含まれる。
【0076】
上記の化合物は、エナンチオマー及びジアステレオ異性体対として存在してもよいことが理解されるであろう。これらの異性体も、本発明のさらなる実施形態となる。
【0077】
個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技法は、適した光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、或いは例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する、ラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。
【0078】
代替的に、ラセミ体(又はラセミ前駆体)を、適した光学活性な化合物、例えば、アルコールと、又は式(I)の化合物が酸性若しくは塩基性部分を含む場合、1-フェニルエチルアミン又は酒石酸などの塩基若しくは酸と反応させてもよい。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶により分離することができ、ジアステレオ異性体のうちの一方又は両方を、当業者に周知の手段により、(1種又は複数種の)対応する純粋なエナンチオマーに変換することができる。
【0079】
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、0~50体積%、典型的には2%~20%のイソプロパノールと、0~5体積%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンとを含む炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンからなる移動相を使用する不斉樹脂でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用して、鏡像異性的に濃縮された形態で得られてもよい。溶出液の濃縮は、濃縮混合物を与える。
【0080】
立体異性体の混合物は、当業者に既知の従来の技法により分離することができ、例えば、E.L.Eliel及びS.H.Wilenによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994)を参照されたい。
【0081】
「STING」という用語は、インターフェロン遺伝子刺激因子(インターフェロン及び炎症性サイトカインの産生につながる、環状ジヌクレオチドによって機能的に活性化されるアダプタータンパク質)を指す。
【0082】
「アンタゴニスト」、又は「阻害剤」は、これらがリガンド及びSTINGに関係するとき、STING活性を阻害、抑制、下方制御、及び/又は脱感作する分子、分子の組合せ、又は複合体を含むことが理解されるであろう。「アンタゴニスト」は、STINGの構成的活性を阻害する任意の試薬を包含する。構成的活性は、リガンド/STING相互作用の不在下で明らかであるものである。「アンタゴニスト」は、STINGの刺激された(又は制御された)活性を阻害又は防止する任意の試薬も包含する。
【0083】
好ましくは、式(I)の化合物は、STINGタンパク質の阻害剤である。
【0084】
いくつかの実施形態において、XはCRである。Rは、H、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。Rは、H、ハロゲン、OH、CN、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、RはHである。
【0085】
代替の実施形態において、XはNである。
【0086】
がCRであり、且つXが、CR若しくはNであるか、又はXがNであり、且つXがCRであるので、R及びRのうちの少なくとも1つは式(I)の化合物中に存在すると理解することができる。XがCRであり、且つXがCRである実施形態において、R及びRの両方が式(I)の化合物中に存在する。
【0087】
上記で指定された通り、R及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。したがって、Rが存在し、且つRが存在しない実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15になる。逆に、Rが存在しないが、Rが存在する実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15になる。最後に、R及びRの両方が存在する実施形態において、R及びRの一方のみが-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。
【0088】
1つの実施形態においてXはNであり、XはCRである。この実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。
【0089】
代替の実施形態において、XはCRであり、XはNである。この実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。
【0090】
しかし、好ましい実施形態において、XはCRであり、XはCRである。いくつかの実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。代替の実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。したがって、化合物は、式(Ia)又は式(Ib)の化合物であってもよい。
【化2】
【0091】
好ましくは、R及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、R及びRの他方は、H、ハロゲン、OH、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであり、R13及びR14は、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル及び任意選択で置換されたC~Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立的に選択されている。より好ましくは、R及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、R及びRの他方は、H、ハロゲン、OH、CN、CONR1314、NR1314、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであり、R13及びR14は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立的に選択されている。好ましくは、R及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、R及びRの他方は、H、臭素又はCONHである。好ましい実施形態において、R及びRの一方は-A-NR17-C(O)-NR18-R15であり、R及びRの他方はHである。
【0092】
好ましくは、Aは、任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン又は任意選択で置換されたC~Cアルキニレンである。したがって、Aは、任意選択で置換されたメチレン、任意選択で置換されたエチレン、任意選択で置換されたプロピレン、任意選択で置換されたブチレン、任意選択で置換されたペンチレン、任意選択で置換されたヘキシレン、任意選択で置換されたエテニレン、任意選択で置換されたプロペニレン、任意選択で置換されたブテニレン、任意選択で置換されたペンテニレン、任意選択で置換されたヘキセニレン、任意選択で置換されたエチニレン、任意選択で置換されたプロピニレン、任意選択で置換されたブチニレン、任意選択で置換されたペンチニレン又は任意選択で置換されたヘキシニレンであってもよい。Aは、任意選択で置換されたメチレン、任意選択で置換されたエタ-1,1-イレン、任意選択で置換されたプロパ-1,1-イレン、任意選択で置換されたブタ-1,1-イレン、任意選択で置換されたペンタ-1,1-イレン、任意選択で置換されたヘキサ-1,1-イレン、任意選択で置換されたエテン-1,1-イレン、任意選択で置換されたプロペン-1,1-イレン、任意選択で置換されたブテン-1,1-イレン、任意選択で置換されたペンテン-1,1-イレン、任意選択で置換されたヘキセン-1,1-イレン、任意選択で置換されたプロピン-1,1-イレン、任意選択で置換されたブチン-1,1-イレン、任意選択で置換されたペンチン-1,1-イレン又は任意選択で置換されたヘキシン-1,1-イレンであってもよい。いくつかの実施形態において、Aは、任意選択で置換されたメチレン、任意選択で置換されたエタ-1,1-イレン、任意選択で置換されたプロパ-1,1-イレン、任意選択で置換されたブタ-1,1-イレン又は任意選択で置換されたプロパ-2-エン-1,1-イレンである。
【0093】
アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンは、非置換であっても、或いはハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル又は任意選択で置換された3~8員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。好ましくは、アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンは、非置換であるか、又はOR20、オキソ、COOR20、CONR2021、任意選択で置換された5若しくは6員ヘテロアリール若しくは任意選択で置換された5若しくは6員複素環のうちの1つ若しくは複数で置換されている。R20及びR21は、それぞれ独立的に、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であってもよい。アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシは、非置換であっても、或いはハロゲン、OH、CN又はC1~6アルコキシのうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。好ましくはR20及びR21は、それぞれ独立的にH、メチル、OCH、CHCHOH、CHCHOCH、シクロプロピル又はピリジニルである。
【0094】
Aが、任意選択で置換されたアリールで直接的又は間接的に置換されているとき、任意選択で置換されたアリールは、任意選択で置換されたフェニルであってもよい。Aが、任意選択で置換されたヘテロアリールで直接的又は間接的に置換されているとき、任意選択で置換されたヘテロアリールは、任意選択で置換された1H-ピロリル、任意選択で置換されたピラゾリル、任意選択で置換されたイミダゾリル、任意選択で置換された1,2,3-トリアゾリル、任意選択で置換された1,2,4-トリアゾリル、任意選択で置換されたテトラゾリル、任意選択で置換されたフラニル、任意選択で置換されたチオフェニル、任意選択で置換されたオキサゾリル、任意選択で置換されたイソオキサゾリル、任意選択で置換されたイオスチアゾリル、任意選択で置換されたチアゾリル、任意選択で置換されたピリジニル、任意選択で置換されたピリダジニル、任意選択で置換されたピリダジニル、任意選択で置換されたピリミジンイル、任意選択で置換されたピラジニル、任意選択で置換された1,2,4-トリアジニル又は任意選択で置換された1,2,5-トリアジニルであってもよい。Aが、任意選択で置換されたシクロアルキルで直接的又は間接的に置換されているとき、任意選択で置換されたシクロアルキルは、任意選択で置換されたシクロプロピル、任意選択で置換されたシクロブチル、任意選択で置換されたシクロペンチル又は任意選択で置換されたシクロヘキシルであってもよい。Aが、任意選択で置換された複素環で直接的又は間接的に置換されているとき、任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換されたピロリジニル、任意選択で置換されたピラゾリジニル、任意選択で置換されたイミダゾリニル、任意選択で置換されたテトラヒドロフラニル、任意選択で置換されたテトラヒドロチオフェニル、任意選択で置換されたピペリジニル、任意選択で置換されたピペラジニル、任意選択で置換されたテトラヒドロピラニル、任意選択で置換された1,3-ジオキサニル、任意選択で置換された1,4-ジオキサニル、任意選択で置換されたチアニル、任意選択で置換された1,3-ジチアニル、任意選択で置換された1,4-ジチアニル又は任意選択で置換されたモルホリニルであってもよい。アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環は、非置換であっても、或いはハロゲン、OH、CN又はC1~6アルキルのうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環は、非置換であるか、又はOHで置換されている。
【0095】
いくつかの実施形態において、Aは-CH-、
【化3】

であってもよい。
【0096】
17及びR18は、独立的に、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。R17及びR18は、独立的に、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、R17及びR18は、H又はメチルである。最も好ましくは、R17及びR18はHである。
【0097】
15は、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であってもよい。
【0098】
15がアリールである実施形態において、それは、任意選択で置換されたフェニル、任意選択で置換された5,6,7,8-テトラヒドロナフタレニル又は任意選択で置換された2,3-ジヒドロ-1H-インデニルであってもよい。R15が任意選択で置換された5~10員ヘテロアリールである実施形態において、それは、任意選択で置換されたピロリル、任意選択で置換されたフラニル、任意選択で置換されたチオフェニル、任意選択で置換されたオキサゾリル、任意選択で置換されたチアゾリル、任意選択で置換されたイソオキサゾリル、任意選択で置換されたイソチアゾリル、任意選択で置換されたイミダゾリル、任意選択で置換されたピラゾリル、任意選択で置換されたピリジニル、任意選択で置換されたピリダジニル、任意選択で置換されたピリミジニル、任意選択で置換されたピラジニル、任意選択で置換されたインドリニル、任意選択で置換された1H-インドリル、任意選択で置換された7-アザインドリル、任意選択で置換された1H-ピロロ[3,2-b]ピリジニル、任意選択で置換されたベンゾフラニル、任意選択で置換されたアザインドリル、任意選択で置換されたベンゾイソオキサゾリル、任意選択で置換されたアザベンゾイミダゾリル、任意選択で置換されたインダゾリル、任意選択で置換されたベンゾ[b]チオフェニル、任意選択で置換されたベンゾイミダゾリル、任意選択で置換されたベンゾ[d]オキサゾリル、任意選択で置換されたベンゾ[d]チアゾリル、任意選択で置換された1,4-ベンゾジオキサニル、任意選択で置換された1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、任意選択で置換されたキナゾリニル、任意選択で置換されたキノリニル、任意選択で置換されたイソキノリニル、任意選択で置換された1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、任意選択で置換された3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジル又は任意選択で置換された7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニルであってもよい。R15が3~8員複素環である実施形態において、それは任意選択で置換されたテトラヒドロフラニル、任意選択で置換されたテトラヒドロチオフェニル、任意選択で置換されたピロリジニル、任意選択で置換されたピペリジニル、任意選択で置換されたピペラジニル、任意選択で置換されたテトラヒドロピラニル、任意選択で置換されたチアニル、任意選択で置換されたモルホリニル、任意選択で置換されたチオモルホリニル、任意選択で置換された1,2-オキサジニル、任意選択で置換された1,3-オキサジニル、任意選択で置換された1,4-オキサジニル、任意選択で置換されたアゼパニル、任意選択で置換された1,2-ジアゼピニル、任意選択で置換された1,3-ジアゼピニル、任意選択で置換された1,4-ジアゼピニル又は任意選択で置換された3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジンであってもよい。好ましい実施形態において、R15は、任意選択で置換された1H-インドリルである。R15は、任意選択で置換された1H-インドール-6-イル又は任意選択で置換された1H-インドール-3-イルであってもよい。
【0099】
15が、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロアリール、任意選択で置換されたシクロアルキル又は任意選択で置換された複素環であるとき、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環は、非置換であっても、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、ハロゲン、OH、オキソ、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~Cアルコキシ、NR2021、CONR2021、CN、C(O)R20、COOR20、NO、アジド、SO20、C(O)R20及びNR20COR21からなる群から選択される1個若しくは複数の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環が、任意選択で置換されたアルキルで置換されているとき、アルキルは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、C~Cアルコキシ、NR2021、C(O)R20、CN、オキソ、OP(O)(OR20)(OR21)、OC(O)R20、COOR20、CONR2021、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、=NOR20、NR20C(O)R21、SO20及びSONR2021からなる群から選択される1個若しくは複数の置換基で置換されていてもよい。ハロゲンは、F又はClであってもよい。好ましくは、ハロゲンはFである。R20及びR21は、独立的に、H又はメチルであってもよい。したがって、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環は、F、オキソ、CN、NH、C(O)CH、CONH、CH及びCHCOOHからなる群から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよい。
【0100】
は、H、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。Rは、H、ハロゲン、OH、CN、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、RはHである。
【0101】
は-L-L-R16であってもよい。
【0102】
好ましくは、Lは、存在しない、任意選択で置換されたC~Cアルキレン、任意選択で置換されたC~Cアルケニレン又は任意選択で置換されたC~Cアルキニレンである。アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、CN、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021及びオキソのうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。R20及びR21は、独立的に、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であってもよい。好ましくは、R20及びR21は、独立的にH、メチル又はシクロプロピルである。好ましくは、Lは、存在しない、CH、CHCH、CO、
【化4】

である。最も好ましくは、Lは存在しないかCHである。
【0103】
いくつかの実施形態において、Lは存在しない。
【0104】
或いは、Lは、O、S、S=O、SO又はNR19であってもよい。R19は、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、Lは、O又はSであり、最も好ましくはOである。
【0105】
16は、任意選択で置換された単環式若しくは二環式のC~Cシクロアルキル、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環であってもよい。好ましくは、R16は、単環式若しくは二環式の任意選択で置換されたC~C12アリール、単環式若しくは二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール又は任意選択で置換された単環式若しくは二環式の3~8員複素環である。単環式又は二環式の任意選択で置換されたC~C12アリールは、任意選択で置換されたフェニルであってもよい。任意選択で置換された単環式又は二環式のC~Cシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであってもよい。単環式又は二環式の任意選択で置換された5~10員ヘテロアリールは、任意選択で置換されたオキサゾリル、任意選択で置換されたチアゾリル、任意選択で置換されたイソオキサゾリル、任意選択で置換されたイソチアゾリル、任意選択で置換されたイミダゾリル、任意選択で置換されたピラゾリル、任意選択で置換された1,2,3-オキサジアゾリル、任意選択で置換された1,2,4-オキサジアゾリル、任意選択で置換された1,2,5-オキサジアゾリル、任意選択で置換された1,3,4-オキサジアゾリル、任意選択で置換されたピリジニル、任意選択で置換されたピリダジニル、任意選択で置換されたピリミジニル、任意選択で置換されたピラジニル、任意選択で置換された1H-インドリル、任意選択で置換されたアザインドリル、任意選択で置換されたベンゾイソオキサゾリル、任意選択で置換された4-アザベンゾイミダゾリル、任意選択で置換された5-ベンゾイミダゾリル、任意選択で置換されたインダゾリル、任意選択で置換されたベンゾイミダゾリル、任意選択で置換されたベンゾフラニル、任意選択で置換されたベンゾ[b]チオフェニル、任意選択で置換されたベンゾ[d]イソオキサゾリル、任意選択で置換されたベンゾ[d]イソチアゾリル、任意選択で置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジニル、任意選択で置換されたキナゾリニル、任意選択で置換されたキノリニル、任意選択で置換されたイソキノリニル、任意選択で置換されたベンゾチアゾール、任意選択で置換された1,3-ベンゾジオキソリル、任意選択で置換されたベンゾフラニル、任意選択で置換された2,1,3-ベンゾチアジアゾリル、任意選択で置換された3,4-ジヒドロ-2H,1,4-ベンゾオキサジニル、又は任意選択で置換されたベンゾ-1,4-ジオキサニルであってもよい。単環式又は二環式の3~8員複素環は、任意選択で置換されたピロリジニル、任意選択で置換されたテトラヒドロフラニル、任意選択で置換されたテトラヒドロチオフェニル、任意選択で置換されたピペリジニル、任意選択で置換されたピペラジニル、任意選択で置換されたテトラヒドロピラニル、任意選択で置換されたジオキサニル、任意選択で置換されたチアニル、任意選択で置換されたジチアニル又は任意選択で置換されたモルホリニルであってもよい。
【0106】
16がアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又は複素環であるとき、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又は複素環は、非置換であっても、又は任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル、任意選択で置換されたC~Cアルキニル、ハロゲン、OR20、CN、オキソ、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021、OP(O)(OR20)(OR21)、任意選択で置換されたC~C12アリール、任意選択で置換された5~10員ヘテロアリール、任意選択で置換されたC~Cシクロアルキル及び任意選択で置換された3~8員複素環からなる群から選択される1個若しくは複数の置換基で置換されていてもよい。ハロゲンは、F又はClであってもよい。アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又は複素環が、任意選択で置換されたアルキル、アルケニル、又はアルキニルで直接的又は間接的に置換されているとき、アルキル、アルケニル、又はアルキニルは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、C~Cアルコキシ、NR2021、CONR2021、C(O)R20、CN、オキソ、OP(O)(OR20)(OR21)、OC(O)R20、COOR20、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、=NOR20、NR20C(O)R21、SO20及びSONR2021からなる群から選択される1個若しくは複数の置換基で置換されていてもよい。好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環が、任意選択で置換されたアルキル、アルケニル、又はアルキニルで直接的又は間接的に置換されているとき、アルキル、アルケニル、又はアルキニルは非置換であるか、又はハロゲン及びOHのうちの1つ若しくは複数で置換されている。アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環が、任意選択で置換されたアリール又は任意選択で置換されたヘテロアリールで置換されているとき、それは、任意選択で置換されたフェニル又は任意選択で置換された5若しくは6員ヘテロアリールで置換されていてもよい。R20及びR21は、独立的に、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、R20及びR21は、独立的にH及び任意選択で置換されたメチルであり、より好ましくはH、CH又はCFである。したがって、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又は複素環は、非置換であっても、又はF、Cl、オキソ、OH、CN、NH、メチル、t-ブチル、CF、CHOH、OCH、OCHF、OCF、SCF、COCH、COOH、COOCH、CONH、SOCH、1,2,4-トリアゾリル及びフェニルのうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は複素環は、好ましくは非置換であるか、又は1個若しくは2個の置換基で置換されている。
【0107】
したがって、R16は、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニル、
【化5】

であってもよい。より好ましくは、R16はフェニル又は
【化6】

である。
【0108】
代替の実施形態において、Rは、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである。Rは、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。アルキル、アルケニル又はアルキニルは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、CN及びオキソのうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。Rは、CH又はCHCNであってもよい。
【0109】
1つの実施形態において、Xは、CRである。R及びRは、独立的に、H、ハロゲン、OH、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。R及びRは、独立的に、H、ハロゲン、OH、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。R13及びR14は、好ましくはH、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニル、最も好ましくはHである。アルキル、アルケニル又はアルキニルは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、オキソ、CN、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021及びOP(O)(OR20)(OR21)のうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。R20及びR21は、独立的に、H又はメチルであってもよい。好ましくは、R及びRは、独立的にH、CN、CONH、CHNH、CHCHOH、
【化7】

又は
【化8】

である。最も好ましくは、R及びRはHである。したがって、Xは、CH
【化9】

である。好ましくはXはCHである。
【0110】
代替の実施形態において、Xは、COである。
【0111】
1つの実施形態において、nは0である。XはCR1112であってもよい。R11及びR12は、独立的に、H、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、R11及びR12は、独立的にH又はメチルである。最も好ましくは、R11及びR12はHである。
【0112】
代替の実施形態において、nは1である。
【0113】
1つの実施形態において、ZはCR10であり、Xは、S、SO、SO、O又はNR11である。R及びR10は、独立的に、OR13、H、ハロゲン、CN、COOR13、CONR1314、NR1314、NR13COR14、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。R13及びR14は、独立的に、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。アルキル、アルケニル又はアルキニルは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、オキソ、CN、C(O)R20、COOR20、OC(O)R20、CONR2021、NR2021、NR20C(O)R21、=NOR20、SR20、SO20、OSO20、SONR2021及びOP(O)(OR20)(OR21)のうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。R20及びR21は、独立的に、H又はメチルであってもよい。好ましくは、R及びR10は、独立的にH、メチル、CHCONH又はCHCNである。より好ましくは、R及びR10はHである。R11は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、R11は、H又はメチルである。より好ましくは、Xは、S、O、SO又はNR11である。最も好ましくは、Xは、S又はOである。
【0114】
代替の実施形態において、ZはNRであり、XはCR1112である。Rは、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。Rは、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、Rはメチルである。R11及びR12は、独立的に、H、ハロゲン、OH、CN、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。R11及びR12は、独立的に、H、ハロゲン、OH、CN、C~Cアルキル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであってもよい。好ましくは、R11及びR12は、H又はメチルである。XがCR1112であり、且つR11及びR12が異なる実施形態において、R11及びR12が結合されている炭素はキラル中心を定義する。キラル中心は、S又はRキラル中心であってもよい。いくつかの実施形態において、キラル中心はSキラル中心である。
【0115】
1つの実施形態において、nは1である。ZはCR10であってもよく、Xは、S、SO、SO、O又はNR11であってもよい。或いは、ZはNRであってもよく、XはCR1112であってもよい。したがって、化合物は、式(II)又は(III)の化合物であってもよい。
【化10】
【0116】
代替の実施形態において、nは0である。XはCR1112であってもよい。したがって、化合物は、式(IV)の化合物であってもよい。
【化11】
【0117】
いくつかの実施形態において、XはCRであり、XはCRである。いくつかの実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。代替の実施形態において、Rは-A-NR17-C(O)-NR18-R15である。したがって、式(II)又は(III)の化合物は、式(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IVa)又は(IVb)の化合物であってもよい。
【化12】
【0118】
式(II)、(III)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IVa)又は(IVb)の化合物の1つの実施形態においてRは、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルである。Rは、H、任意選択で置換されたC~Cアルキル、任意選択で置換されたC~Cアルケニル又は任意選択で置換されたC~Cアルキニルであってもよい。アルキル、アルケニル又はアルキニルは、非置換であっても、又はハロゲン、OH、CN及びオキソのうちの1つ若しくは複数で置換されていてもよい。好ましくは、Rは、H又はCHである。
【0119】
式(II)、(III)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IVa)又は(IVb)の化合物の代替の実施形態において、Rは-L-L-R16である。したがって、化合物は、式(IIc)、(IId)、(IIIc)、(IIId)、(IVc)又は(IVd)の化合物であってもよい。
【化13】
【0120】
いくつかの実施形態において、Lは存在しなくてもよく、Rは-L-R16であってもよい。したがって、化合物は、式(IIci)、(IIdi)、(IIIci)、(IIIdi)、(IVci)又は(IVdi)の化合物であってもよい。
【化14】
【0121】
式(II)、(III)、(IIa)~(IIdi)、(IIIa)~(IIIdi)又は(IVa)~(IVdi)の化合物中、Xは、C=O又はCRであってもよい。いくつかの実施形態において、XはC=Oである。
【0122】
式(II)又は(IIa)~(IId)の化合物中、Xは、S又はOであってもよい。好ましくは、XはSである。
【0123】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形が、STINGタンパク質を調節するために、及び/又は疾患を処置、寛解若しくは防止するために、単独療法(すなわち化合物単独の使用)において使用されてもよい医薬に使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0124】
代替的に、本化合物又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形は、STINGタンパク質を調節するために、及び/又は疾患を処置、寛解若しくは防止するために既知の療法の補助剤として、或いは既知の療法と組み合わせて使用されてもよい。
【0125】
式(I)の化合物は、組成物が使用されることになる方法に特に応じていくつかの異なる形態を有する組成物中で組み合わせられてもよい。したがって、例えば、組成物は、粉末、錠剤、カプセル、液体、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、エアロゾル、スプレー、ミセル溶液、経皮パッチ、リポソーム懸濁液の形態、又は処置を必要とするヒト若しくは動物に投与され得る任意の他の適した形態であってもよい。本発明による医薬のビヒクルが、それが与えられる対象によって良好な忍容性が示されるものであるべきであることが理解されるであろう。
【0126】
本明細書に記載の化合物を含む医薬は、いくつかの方法で使用されてもよい。適した投与モードは、経口、腫瘍内、非経口、局所、吸入/鼻腔内、直腸/膣内、及び眼/耳投与を含む。
【0127】
前述の投与モードに適した製剤は、即時及び/又は調節放出のために製剤化されてもよい。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出を含む。
【0128】
本発明の化合物は、経口的に投与されてもよい。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下を含んでもよいか、又は化合物が口から直接的に血流に入る頬側若しくは舌下投与が使用されてもよい。経口投与に適した製剤は、錠剤などの固形製剤、微粒子、液体、又は粉末を含むカプセル、ロゼンジ(液体充填ロゼンジを含む)、咀嚼剤、マルチ及びナノ微粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム、卵形剤(ovule)、スプレー、液体製剤並びに頬側/粘膜付着性パッチを含む。
【0129】
液体製剤は、懸濁液、溶液、シロップ及びエリキシルを含む。こうした製剤は、軟又は硬カプセルの充填剤として使用されてもよく、キャリア、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は適した油、並びに1種若しくは複数種の乳化剤及び/又は懸濁化剤を典型的に含む。液体製剤は、固体の再構成により、例えば、サシェから調製することもできる。
【0130】
本発明の化合物は、Liang及びChen(2001)によるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981~986に記載のものなどの速溶性、速崩壊性の剤形で使用することもできる。
【0131】
錠剤剤形については、用量に応じて、薬物が、剤形の1重量%~80重量%、より典型的には剤形の5重量%~60重量%を構成してもよい。薬物に加えて、錠剤は崩壊剤を一般に含む。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムを含む。一般には、崩壊剤は、剤形の1重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%を構成することになる。
【0132】
錠剤製剤に粘着質を与えるために結合剤が一般に使用される。適した結合剤は、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース並びにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン及び第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含むこともできる。
【0133】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80などの界面活性剤、並びに二酸化ケイ素及びタルクなどの滑剤を任意選択で含むこともできる。存在するとき、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%~5重量%を構成してもよく、滑剤は、錠剤の0.2重量%~1重量%を構成してもよい。
【0134】
錠剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウムとのステアリン酸マグネシウムの混合物などの滑沢剤も一般に含む。滑沢剤は、錠剤の0.25重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%を一般に構成する。他の可能な原料は、抗酸化剤、着色料、香味剤、保存料及び矯味剤を含む。
【0135】
例示的な錠剤は、最大約80%の薬物、約10重量%~約90重量%の結合剤、約0重量%~約85重量%の希釈剤、約2重量%~約10重量%の崩壊剤、及び約0.25重量%~約10重量%の滑沢剤を含む。錠剤ブレンドを直接か、又はローラーにより圧縮して、錠剤を形成することができる。錠剤ブレンド又はブレンドの一部が代替的に打錠前に湿式造粒、乾式造粒、若しくは溶融造粒、溶融凝固、又は押出しされてもよい。最終製剤は、1つ若しくは複数の層を含んでもよく、被覆されていても、又は被覆されていなくてもよく、最終製剤はカプセル化されることさえある。錠剤の製剤は、H.Lieberman及びL.Lachman(Marcel Dekker、New York、1980)による「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」、第1巻で論じられている。
【0136】
本発明の目的に適した調節放出製剤が米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散並びに浸透圧性及び被覆粒子などの他の適した放出技術の詳細は、Vermaら(2001)による「Pharmaceutical Technology On-line」、25(2)、1~14に見出される。制御放出を達成するためのチューインガムの使用が国際公開第00/35298号に記載されている。
【0137】
本発明の化合物は、血流中、筋肉内、又は内臓内に直接投与されてもよい。非経口投与に適した手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下を含む。非経口投与に適したデバイスは、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器及び注入技法を含む。
【0138】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物及び緩衝化剤(好ましくは3~9のpHまで)などの賦形剤を含んでもよい水性溶液であるが、いくつかの用途については、非経口製剤は、滅菌非水性溶液としてか、又は滅菌パイロジェンフリー水などの適したビヒクルと併せて使用されることになる乾燥形態として、より好適に製剤化され得る。
【0139】
滅菌条件下での、例えば凍結乾燥による、非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な薬学的技法を使用して容易に達成することができる。
【0140】
非経口溶液の調製において使用される式(I)の化合物の溶解性は、溶解性向上剤の取込みなどの適切な製剤技法の使用により増加させることができる。非経口投与のための製剤は、即時及び/又は調節放出のために製剤化されてもよい。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出を含む。したがって本発明の化合物は、活性化合物の調節放出を実現する移植デポーとしての投与のための固体、半固体、又は揺変性液体として製剤化されてもよい。こうした製剤の例は、薬物被覆ステント及びポリ(dl-乳酸-コグリコール)酸(PGLA)マイクロスフェアを含む。
【0141】
本発明の化合物は、皮膚又は粘膜に、すなわち、皮膚にか、又は経皮的に、局所的に投与されてもよい。この目的のための典型的な製剤は、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、ドレッシング材、泡、フィルム、皮膚パッチ、オブラート、インプラント、スポンジ、繊維、包帯及びマイクロエマルションを含む。リポソームも使用されてもよい。典型的なキャリアは、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールを含む。浸透促進剤が組み込まれてもよい-例えば、Finnin及びMorgan(1999年10月)によるJ Pharm Sci、88(10)、955~958を参照されたい。
【0142】
局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス及びマイクロニードル又は無針(例えばパウダージェクト(Powderject)(商標)、バイオジェクト(Bioject)(商標)など)注射による送達を含む。
【0143】
本発明の化合物は、典型的にはドライパウダー吸入器からのドライパウダーの形態で(単独で、混合物、例えば、ラクトースとのドライブレンド中の混合物として、若しくは混合成分粒子、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合成分粒子として)、又は加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザ(好ましくは微細なミストを生成するために電気流体力学を使用するアトマイザ)、若しくはネブライザからのエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2-テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適した噴射剤の使用ありか、又はなしで、鼻腔内にか、又は吸入により投与することもできる。鼻腔内の使用については、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサン又はシクロデキストリンを含んでもよい。
【0144】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザ、又はネブライザは、例えば、エタノール、水性エタノール、又は活性物質の分散、可溶化、若しくは放出延長に適した代替の薬剤と、溶媒としての(1種又は複数種の)噴射剤と、ソルビタントリオレエート、オレイン酸、又はオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性物質とを含む、本発明の(1種又は複数種の)化合物の溶液又は懸濁液を含む。
【0145】
ドライパウダー又は懸濁製剤における使用の前に、薬物製品は、吸入による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)まで微粒子化される。これは、スパイラルジェットミル粉砕、流動層ジェットミル粉砕、及びナノ粒子を生成するための超臨界流体加工、高圧均質化、又は噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕法により達成することができる。
【0146】
カプセル(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製)、ブリスター、及び吸入器又は注入器における使用のためのカートリッジが、本発明の化合物と、ラクトース又はデンプンなどの適した粉末基剤と、L-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤との粉末混合物を含むように製剤化されてもよい。ラクトースは、無水であっても、又は一水和物の形態であってもよく、好ましくは後者であってもよい。他の適した賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース及びトレハロースを含む。
【0147】
微細なミストを生成するために電気流体力学を使用するアトマイザにおける使用に適した溶液製剤は、作動あたり1μg~20mgの本発明の化合物を含んでもよく、作動体積は、1μl~100μlで様々であってもよい。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用されてもよい代替の溶媒は、グリセロール及びポリエチレングリコールを含む。
【0148】
吸入/鼻腔内投与が意図された本発明の製剤に、メンソール及びレボメントールなどの適した香料、又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料が加えられてもよい。
【0149】
ドライパウダー吸入器及びエアロゾルの場合、投与量単位は、計量された量を送達する弁により決定される。本発明による単位は、1μg~100mgの式(I)の化合物を含む計量された用量又は「パフ」を投与するように典型的に準備される。全1日用量は、単一用量で、又はより一般には、1日を通して分割用量として投与されてもよい1μg~200mgの範囲内に典型的になる。
【0150】
本発明の化合物は、直腸又は腟に、例えば、坐剤、ペッサリー、殺菌薬、膣リング又は浣腸の形態で投与されてもよい。カカオバターが従来の坐剤基剤であるが、様々な代替が適宜使用されてもよい。
【0151】
本発明の化合物は、眼又は耳に、典型的には等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の微粒子化懸濁液又は溶液の液滴の形態で直接投与されてもよい。眼及び耳投与に適した他の製剤は、軟膏、生分解性(例えば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)及び非生分解性(例えばシリコーン)インプラント、オブラート、レンズ、並びにニオソーム又はリポソームなどの微粒子系又は小胞系を含む。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはメチルセルロース、又はヘテロ多糖ポリマー、例えば、ジェランガムなどのポリマーが、塩化ベンザルコニウムなどの保存料と一緒に組み込まれてもよい。こうした製剤は、イオントフォレーシスにより送達することもできる。
【0152】
本発明の化合物は、活性薬物物質を含む溶液又は懸濁液の注入により関心部位に直接投与されてもよい。関心部位は腫瘍であってもよく、化合物は、腫瘍内注入を介して投与されてもよい。典型的な注入溶液は、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムからなる。プロピレングリコールの代わりに使用されてもよい代替の溶媒は、グリセロール及びポリエチレングリコールを含む。
【0153】
本発明の化合物は、前述の投与モードのいずれかにおける使用のためのその溶解性、溶解速度、味マスキング、バイオアベイラビリティ及び/又は安定性を改善するために、シクロデキストリン及びその適した誘導体又はポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性巨大分子実体と組み合わせられてもよい。
【0154】
薬物-シクロデキストリン複合体は、例えば、大部分の剤形及び投与経路に一般に有用であることが見出される。包接複合体及び非包接複合体の両方が使用されてもよい。薬物との直接的な複合体形成の代替として、シクロデキストリンが補助的な添加剤として、すなわちキャリア、希釈剤、又は可溶化剤として使用されてもよい。これらの目的のために最も一般に使用されるのは、アルファ-、ベータ-及びガンマ-シクロデキストリンであり、これらの例は、国際特許出願番号国際公開第91/11172号、国際公開第94/02518号及び国際公開第98/55148号に見出すことができる。
【0155】
必要とされる化合物の量が、化合物の生物学的活性及びバイオアベイラビリティにより決定され、ひいては、これが、投与モード、化合物の生理化学的特性、及び化合物が単独療法として使用されているか、又は併用療法において使用されているかに依存することが理解されるであろう。投与頻度は、処置されている対象内の化合物の半減期にも影響されることになる。投与されるべき最適な投与量は、当業者により決定することができ、使用中の特定の化合物、医薬組成物の強度、投与モード、及び疾患の進行により変わることになる。対象の年齢、体重、性別、食餌、及び投与の時間を含め、処置されている特定の対象に応じた追加の因子は、投与量を調整する必要をもたらすことになる。
【0156】
一般には、ヒトへの投与については、本発明の化合物の総1日用量は、典型的には、1mg~1g、例えば10mg~500mgなど、100μg~10gの範囲内である。例えば、経口投与は、25mg~250mgの総1日用量を必要とし得る。総1日用量は、単一用量又は分割用量で投与されてもよく、医師の裁量で、本明細書に記載の典型的な範囲から外れてもよい。これらの投与量は、約60kg~70kgの体重を有する平均的なヒト対象に基づく。医師は、乳児及び高齢者など、体重がこの範囲から外れる対象に対する用量を容易に決定することができるであろう。
【0157】
本化合物は、処置されることになる疾患の発症前、発症中又は発症後に投与されてもよい。
【0158】
医薬産業により従来使用される手順などの既知の手順(例えばin vivo実験、臨床試験など)を使用して、本発明による化合物を含む特定の製剤を生成し、正確な治療レジメ(化合物の1日用量及び投与頻度など)を形成することができる。本発明者らは、本発明の化合物の使用に基づいた、疾患を処置するための医薬組成物を記載するのは本発明者らが最初であると考える。
【0159】
したがって、本発明の第7の態様において、第1の態様による化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形と、薬学的に許容できるビヒクルとを含む医薬組成物が提供される。
【0160】
本発明は、第8の態様において、第7の態様による組成物を製造するためのプロセスであって、治療的有効量の第1の態様の化合物、又はその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、互変異性体若しくは多形と、薬学的に許容できるビヒクルとを接触させるステップを含む、プロセスも提供する。
【0161】
「対象」は、脊椎動物、哺乳動物、又は飼育動物であってもよい。したがって、本発明による化合物、組成物及び医薬は、任意の哺乳動物、例えば家畜(例えばウマ)、ペットを処置するために使用されてもよいか、又は他の獣医学的用途において使用されてもよい。しかし、最も好ましくは、対象はヒトである。
【0162】
化合物の「治療有効量」は、対象に投与されたとき、標的疾患を処置するか、又は所望の効果を生じる、すなわちSTINGタンパク質を阻害するために必要とされる薬物の量である任意の量である。
【0163】
例えば、使用される治療的有効量の化合物は、約0.01mg~約800mg、好ましくは約0.01mg~約500mgであってもよい。化合物の量が約0.1mg~約250mg、最も好ましくは約0.1mg~約20mgの量であることが好ましい。
【0164】
本明細書において言及される「薬学的に許容できるビヒクル」は、医薬組成物の製剤化において有用であることが当業者に既知である任意の既知の化合物又は既知の化合物の組合せである。
【0165】
1つの実施形態において、薬学的に許容できるビヒクルは固体であってもよく、組成物は、粉末又は錠剤の形態であってもよい。固体の薬学的に許容できるビヒクルは、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、色素、充填剤、滑剤、圧縮助剤、不活性結合剤、甘味料、保存料、色素、コーティング、又は錠剤崩壊剤としても作用し得る1種又は複数種の物質を含んでもよい。ビヒクルはまた、カプセル化材料であってもよい。粉末では、ビヒクルは、本発明による微細化活性剤(すなわち第1の態様による化合物)と混合している微細化固体である。錠剤では、活性化合物は、必要な圧縮特性を有するビヒクルと適した割合で混合され、望まれる形状及びサイズに圧縮されてもよい。粉末及び錠剤は、好ましくは、最大99%の活性化合物を含む。適した固体ビヒクルは、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、ポリビニルピロリジン、低融点ワックス及びイオン交換樹脂を含む。別の実施形態において、医薬ビヒクルはゲルであってもよく、組成物は、クリームなどの形態であってもよい。
【0166】
しかし、医薬ビヒクルは液体であってもよく、医薬組成物は、溶液の形態である。液体ビヒクルは、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、エリキシル及び加圧組成物の調製において使用される。本発明による化合物は、水、有機溶媒、両方の混合物又は薬学的に許容できる油若しくは脂肪などの薬学的に許容できる液体ビヒクルに溶解又は懸濁させてもよい。液体ビヒクルは、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存料、甘味料、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定剤又は浸透圧調整剤などの他の適した医薬添加剤を含むことができる。経口及び非経口投与のための液体ビヒクルの適した例は、水(上記のような添加剤、例えばセルロース誘導体を部分的に含む水、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えばグリコールを含む)及びその誘導体、並びに油(例えば分別ココナッツ油及び落花生油)を含む。非経口投与については、ビヒクルは、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルでもあり得る。滅菌液体ビヒクルは、非経口投与のための滅菌液体形態組成物において有用である。加圧組成物のための液体ビヒクルは、ハロゲン化炭化水素又は他の薬学的に許容できる噴射剤であり得る。
【0167】
滅菌溶液又は懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、くも膜下腔内、硬膜外、腹腔内、静脈内、特に皮下の注射により利用することができる。本化合物は、滅菌水、生理食塩水、又は他の適切な滅菌注射用媒体を使用して、投与の時間に溶解又は懸濁させてもよい滅菌固体組成物として調製されてもよい。
【0168】
本発明の化合物及び組成物は、他の溶質又は懸濁化剤(例えば、溶液を等張にするのに十分な生理食塩水又はグルコース)、胆汁酸塩、アカシア、ゼラチン、ソルビタンモノオレエート(sorbitan monoleate)、ポリソルベート80(エチレンオキシドと共重合された、ソルビトール及びその無水物のオレイン酸エステル)などを含む滅菌溶液又は懸濁液の形態で投与されてもよい。本発明にしたがって使用される化合物は、液体又は固体組成物形態のいずれかで経口的に投与することもできる。経口投与に適した組成物は、丸剤、カプセル、顆粒、錠剤、及び粉末などの固体形態、並びに溶液、シロップ、エリキシル、及び懸濁液などの液体形態を含む。非経口投与に有用な形態は、滅菌溶液、エマルション、及び懸濁液を含む。
【0169】
活性薬物原料が、体内で活性薬物物質へと変換される代謝的に不安定な誘導体であるプロドラッグへと変換されてもよいことが当業者に既知であろう。本発明の範囲内に同じく含まれるのは、in vivoで式(I)の活性薬物へと変換される代謝的又は加水分解的に不安定な部分を含む式(I)の化合物であるプロドラッグである。プロドラッグが活性薬物物質へと変換されるプロセスは、Beaumontら、Curr.Drug Metab.、2003、、461~485及びHuttenenら、Pharmacol.Revs.、2011、63、750~771に記載されているようなエステル又はカーボネート又はカルバメート加水分解、リン酸エステル加水分解、S-酸化、N-酸化、脱アルキル及び代謝的酸化を含むがこれらに限定されない。こうしたプロドラッグ誘導体は、親薬物物質と比較して改善された溶解性、安定性若しくは透過性を与え得るか、又は薬物物質が代替の投与経路により、例えば静脈内溶液として投与されるのをよりよく可能にし得る。
【0170】
本発明の範囲内に同じく含まれるのは、in vivoで不活性誘導体へと変換される代謝的又は加水分解的に不安定な部分を含む式(I)の化合物であるソフトドラッグ又はアンテドラッグである。活性薬物物質が不活性誘導体へと変換されるプロセスは、例えばPearceら、Drug Metab.Dispos.、2006、34、1035~1040及びComprehensive Medicinal Chemistry II、第5巻、Elsevier、Oxford、2007、1009~1041ページのB.Testa、Prodrug and Soft Drug Design及びBodor,N.Chem.Tech.1984、14、28~38に記載されているようなエステル加水分解、S-酸化、N-酸化、脱アルキル及び代謝的酸化を含むがこれらに限定されない。
【0171】
本発明の範囲は、同じ原子番号を有するが、自然界で優勢である原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって1個又は複数の原子が置き換えられている、本発明のすべての薬学的に許容できる同位体標識化合物を含む。
【0172】
本発明の化合物中の含有に適した同位体の例は、H及びHなどの水素、11C、13C及び14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123I及び125Iなどのヨウ素、13N及び15Nなどの窒素、15O、17O及び18Oなどの酸素、32Pなどのリン、並びに35Sなどの硫黄の同位体を含む。
【0173】
本発明のある種の同位体標識化合物、例えば放射性同位体を取り込んでいるものは、薬物及び/又は基質組織分布調査において有用である。放射性同位体三重水素、すなわちH、及び炭素-14、すなわち14Cは、それらの取込みの容易さ及び迅速な検出手段に鑑みて、この目的のために特に有用である。重水素、すなわちHなどの同位体での置換は、より大きい代謝安定性の結果生じるある種の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の延長又は投与量要件の軽減をもたらすことがあり、したがって、ある状況においては好ましいことがある。11C、18F、15O及び13Nなどの陽電子放射同位体での置換は、基質受容体占有を調べるための陽電子放射断層撮影(Positron Emission Topography)(PET)研究において有用であり得る。
【0174】
同位体標識された式(I)の化合物は、従来使用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、当業者に既知の従来の技法又は添付の実施例及び調製に記載されるプロセスと類似のプロセスにより、一般に調製することができる。
【0175】
本明細書に記載のすべての特徴(任意の添付の特許請求の範囲及び要約書を含む)、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップのすべては、こうした特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互排他的である組合せを除いて、上記の態様のいずれかと任意の組合せで組み合わせられてもよい。
【0176】
一般的なスキーム
一般的なスキーム1
式(IVe)及び(IVf)の化合物が、以下に示されるように、ウレア結合形成反応を使用して式(VIa)及び(VIb)の化合物から調製されてもよい。
【化15】
【0177】
式(VIa)又は(VIb)の化合物の芳香族アミンの活性化のための典型的な反応条件は、4-ニトロフェニルクロロホルメート又はトリホスゲンを使用して活性化中間体を生成し、活性化中間体は、アミン(Va)などの適した求核剤により攻撃されて、式(IVe)又は(IVf)のウレア化合物を与えることができる。好ましい有機塩基は、DCM、DMF、DMA又はMeCNなどの適した有機溶媒中のDIPEA又はTEAを含む。反応は、室温で振盪又は撹拌されてもよい。
【0178】
或いは、式(IVe)又は(IVf)の化合物は、THF、DMF又はMeCNなどの適した溶媒中のイソシアネートR15NCO(Vb)と、TEA又はDIPEAなどの好ましい有機塩基とを用いて調製することもできる。反応は、室温で振盪又は撹拌されてもよい。
【0179】
式(V)及び(VI)の化合物は、市販されているか、又は当業者により合成されてもよい。特に、式(VI)の化合物を合成する方法が、一般的なスキーム2~4に記載される。
【0180】
一般的なスキーム2
式(X)の化合物が、式(VII)[ここで、Rは、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである。]のエステルから加水分解反応により合成されてもよい。
【化16】
【0181】
式(VII)のエステルが、ボラン-THF、NaBH4、DIBAL又はLiAlH4などの適した還元剤を用いて還元されて、対応するアルコール(VIII)を与えてもよい。次いで、ヒドロキシル官能基が、例えば塩化チオニル又は塩化オキサリルを用いて塩素化されて、対応する塩化物(IX)を与えてもよく、次いで、これが、任意の適した一級又は二級アミン、例えばアンモニアを用いてアミノ化されて、式(X)のアミンを与えてもよい。
【0182】
一般的なスキーム3
式(X)の化合物が、式(VII)[ここで、Rは、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである。]のエステルから加水分解反応により合成されてもよい。
【化17】
【0183】
式(VII)のエステルが、適した条件を使用して、例えばアルカリNaOH、LiOH又はKOHを使用して加水分解されて、酸(XI)を与えてもよく、次いで、これが、標準的なアミドカップリング反応を使用してアミド(XII)へと変換されてもよい。典型的な条件は、適した有機塩基及び適したカップリング剤を使用するカルボン酸(XI)の活性化を使用する。好ましいカップリング剤は、HOBt、TP、HATU、HBTU又はBOPを伴うEDCIのいずれかである。好ましい有機塩基は、DCM、DMF、DMA又はMeCNなどの適した有機溶媒中のDIPEA又はTEAのいずれかを含む。反応は、室温で振盪又は撹拌されてもよい。次いで、これらのアミド(XII)が、塩化チオニル又は五酸化リンなどの適した脱水試薬を用いる脱水反応に供されて、対応するニトリル(XIII)を与えてもよく、次いで、これが、LiAlH4などの適した還元剤を用いて還元されて、対応するアミン(X)を与えてもよい。或いは、アミド(XII)が、典型的にはエーテル又はTHFなどのアルコール性溶媒中のLiAlH4などの適した還元剤を用いて式(X)のアミンに直接還元されて、アミン(X)を与えてもよい。
【0184】
一般的なスキーム4
式(XVI)の化合物が、式(XIV)の化合物に対するアルキル化/アシル化/スルホニル化反応を介して当業者により合成されてもよく、ここで、Xは、任意選択で置換されたアルキルアリール(het)、アルキル、アリール(het)、シクロアルキル、ハロゲン化アルキルシクロアルキル、トリフレート又はトシレートなどの脱離基である。
【化18】
【0185】
式(XIV)の化合物を、NaH、NaHCO又はTEAなどの適した塩基の存在下で式(XV)の化合物と反応させて、式(XVI)の化合物を与えてもよい。適した反応溶媒は、THF、DMA及びDMFを含む。
【0186】
一般的なスキーム5
或いは、式(XIV)の化合物が、式(XVII)[ここで、Rは、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである。]の化合物から、以下に示されるように、2ステッププロセスで調製されてもよい。
【化19】
【0187】
最初に、式(XVII)の化合物が、式(XVIII)[ここで、Rは、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである。]の化合物との求核置換反応を経て、式(XIX)の化合物を生成する。求核置換反応は、DBU、NaH、TEA、DIPEA、KCO、CsCO又はKHCOなどの穏やかな塩基の存在下で実施されてもよい。使用される溶媒は、1,4-ジオキサン、アセトン、MeCN、THF又はDMFであってもよい。
【0188】
次いで、式(XIX)の化合物のニトロ基が、EtOH、MeOH又はTHFなどの適した溶媒中のFe/AcOH、Zn/HCl、Zn/NHCl、Zn/HCOONH、SnCl/HCl又はPd/C/Hなどの適した還元剤を使用してアミノ基に還元されてもよい。その後のアミノ化合物は、典型的には、in-situ環化を経、式(XIV)の化合物の生成につながる。
【0189】
式(XIV)の化合物は、RがHであり、XがC=Oである式(VII)の化合物であることが理解されるであろう。
【0190】
一般的なスキーム6
式(XXI)の化合物が、式(XX)[ここで、Rは、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである。]の化合物から調製されてもよい。
【化20】
【0191】
式(XX)の化合物のラクタムカルボニル基を、典型的には低温で、THFなどの適した溶媒中のボラン-THF溶液を使用して、式(XXI)の化合物の対応するメチレン基に還元することができる。
【0192】
式(XXI)の化合物は、XがCHである式(XVI)の化合物であることが理解されるであろう。
【0193】
一般的なスキーム7
式(XXIII)の化合物が、式(XXII)[ここで、Rは、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである。]の化合物から調製されてもよい。
【化21】
【0194】
式(XXII)の化合物が、塩基性反応媒体中の1,2-ジブロモエタンとの環化を経て、式(XXIII)の縮合モルホリン誘導体化合物を与えてもよい。
【0195】
式(XXIII)の化合物は、X及びZがCHであり、XがOであり、RがHである式(VII)の化合物であることが理解されるであろう。
【0196】
一般的なスキーム8
式(XXIV)の化合物が、Rがメチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである以下のスキームに記載される1ステップ反応で式(XIV)の化合物から調製されてもよい。
【化22】
【0197】
式(XIV)の化合物が、適した触媒及び塩基の存在下で、適したボロン酸/ボロン酸エステルとのチャン-ラムカップリング反応を経て、式(XXIV)の化合物を与えてもよい。
【0198】
式(XXIV)の化合物は、XがC=Oである式(VII)の化合物であることが理解されるであろう。
【0199】
一般的なスキーム9
式(XXVI)の化合物が、Rがメチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである以下のスキームに記載される1ステップ反応で式(XXV)の化合物から調製されてもよい。
【化23】
【0200】
式(XXV)の化合物が、適したハロゲン化芳香族(R-X)とのバックワルドカップリング反応を経て、式(XXVI)の化合物を与えてもよい。
【0201】
式(XXVI)の化合物は、XがCRである式(VII)の化合物であることが理解されるであろう。
【0202】
一般的なスキーム10
式(XXXII)の化合物が、RがH、アルキル、シクロ(het)アルキル、アリール(het)である以下のスキームに記載される一連の反応において式(VIII)の化合物から調製されてもよい。
【化24】
【0203】
アルコール(VIII)が、適した酸化条件、例えばSwern、Dess-Martinペルヨージナン、TPAP/NMO又はPCCを使用して対応するアルデヒド(XXVII)へと変換されてもよい。次いで、アルデヒド(XXVII)が、tert-ブチルスルホンアミドでの処理によりスルホキシミン(XXVIII)へと変換されてもよく、次いで、これを、適した求核試薬、例えば必要なハロゲン化物から誘導されたグリニャール又は他の有機金属試薬と反応させて、付加生成物(XXIX)を与えてもよい。この反応は、スルホキシミンを調製するために適したキラルな非ラセミスルホンアミド試薬を使用して非ラセミ材料を調製するように適合することができる可能性がある。示された例において、付加生成物(XXIX)は、例えばアルカリ条件を使用して、加水分解反応を経て、対応する酸(XXX)を与えることができる。次いで、酸(XXX)を使用して、任意の標準的なアミドカップリング条件を使用してアミド(XXXI)を生成することができる。典型的な条件は、適した有機塩基及び適したカップリング剤を使用するカルボン酸(XI)の活性化を使用する。好ましいカップリング剤は、HOBt、TP、HATU、HBTU又はBOPを伴うEDCIのいずれかである。好ましい有機塩基は、DCM、DMF、DMA又はMeCNなどの適した有機溶媒中のDIPEA又はTEAのいずれかを含む。反応は、室温で振盪又は撹拌されてもよい。最後に、酸性条件、例えば水性HClを使用するスルホキシル基の除去により標的アミン(XXXII)を得ることができる。
【0204】
一般的なスキーム11
式(XXXIV)の化合物が、Rがアルキ、シクロ(het)アルキル、アリール(het)である以下のスキームに記載される2ステップ反応で式(XXVIII)の化合物から調製されてもよい。
【化25】
【0205】
一般的なスキーム10と同様に、スルホキシミン(XXVIII)を単純なグリニャール試薬と反応させて付加生成物(XXXIII)を与えることができ、これがスルホキシル基の酸性除去の後にアルキルアミン(XXXIV)を与える同様の順序を使用して式(XXXIV)のアルキルアミンを得ることができる。
【0206】
一般的なスキーム12
式(XXXV)の化合物が、Rがメチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルである以下のスキームに記載される1ステップ反応で式(XXVII)の化合物から調製されてもよい。
【化26】
【0207】
或いは、一般的なスキーム10において調製されるような式(XXVII)のアルデヒドは、最初のイミンを生成するために酢酸アンモニウムを使用して式(XXXV)のアミンへの直接変換を経てもよく、次いで、これが、イミンに付加するのに適したマロン酸エステルで処理され、脱炭酸後にアミン(XXXV)を生成する。
【0208】
一般的な合成手順
一般的な精製法及び分析法
すべての最終化合物が、Combi-flash又はprep-HPLC精製のいずれかにより精製され、以下の条件のうちの1つにしたがってUPLC又はLCMSにより純度及び生成物同一性に関して分析された。
【0209】
prep-HPLC
分取HPLCは、16.0~25.0mL/分の流量で周囲温度で動作するGemini C18カラム(250×21.2mm、10μm)を使用してWaters自動精製装置で行われた。
【0210】
移動相1:A=水中の0.1%ギ酸、B=アセトニトリル;勾配プロファイル:移動相 80% A及び20% Bの初期組成、次いで、3分後に60% A及び40% Bまで、次いで、20分後に30% A及び70% Bまで、次いで、21分後に5% A及び95% Bまで、カラム洗浄のためにこの組成で1分間保持され、次いで、3分にわたって初期組成に戻される。
【0211】
移動相2:A=水中の10mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル;勾配プロファイル:移動相 90% A及び10% Bの初期組成、次いで、2分後に70% A及び30% Bまで、次いで、20分後に20% A及び80% Bまで、次いで、21分後に5% A及び95% Bまで、カラム洗浄のためにこの組成で1分間保持され、次いで、3分にわたって初期組成に戻される。
【0212】
LCMS法
一般的な5分の方法:周囲温度及び1.2mL/分の流量で動作するGemini C18カラム(50×4.6mm、5μm)。移動相:A=水中の10mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル;勾配プロファイル:1.5分で90% A及び10% Bから70% A及び30 Bまで、次いで、3.0分で10% A及び90% Bまで、この組成で1.0分間保持され、最後に2.0分にわたって初期組成に戻される。
【0213】
UPLC法
UPLCは、周囲温度及び1.5ml/分の流量でKinetex Evo C18カラム(100×2.1mm、1.7μm)を使用してWaters UPLCで行われた。
【0214】
移動相1:A=水中の5mM酢酸アンモニウム、B=90:10 アセトニトリル/水中の5mM酢酸アンモニウム;勾配プロファイル 2分で95% A及び5% Bから65% A及び35% Bまで、次いで、3.0分で10% A及び90% Bまで、この組成で2.0分間保持され、最後に6.0分にわたって初期組成に戻される。
【0215】
移動相2:A=水中の0.05%ギ酸、B=アセトニトリル;勾配プロファイル 1分にわたって95% A及び5% Bから、次いで、1分にわたって90% A及び10% B、次いで、4分にわたって2% A及び98% B、次いで、6分にわたって初期組成に戻る。
【0216】
一般的な手順1(方法a)
【化27】

THF、DMF、MeCN又はDCMなどの適した溶媒(8mL/mmol)中の式(VIa)の芳香族アミン(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でp-ニトロフェニルクロロホルメート(1.2当量)が加えられ、全体が室温で1~3時間撹拌された。次いで、アミンR15-NH-R18(Va)(1.1当量)及びTEA又はDIPEA(6当量)が0~5℃で順次滴加され、全体が室温で1~5時間さらに撹拌された。反応の進行がTLC/LCMSにより監視され、完了後、反応塊が水で希釈され、EtOAcで抽出された。合わせられた有機層がNaHCO又は1N NaOHなどの適した無機塩基の希薄溶液、続いて1N HClで、最後にブラインで洗浄された。有機層が無水NaSOで乾燥され、真空中で蒸発させて残留物が得られ、これがカラムクロマトグラフィー又はcombi-flash又はprep-HPLCにより精製されて、式(IVe)の化合物(収率6~70%)が固体として得られた。同様の手順にしたがって、式(IVe)のすべてのウレアを合成することができる。
【0217】
一般的な手順1(方法b)
【化28】

THF、DMF、MeCN又はDCMなどの適した溶媒(5.5mL/mmol)中の式(VIb)の芳香族アミン(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でR15NCO(Vb)(1.08当量)、続いてTEA(1.08当量)が加えられ、全体が同じ温度で5~10分間撹拌された。反応混合物がゆっくり室温にされ、1~2時間撹拌された。反応の進行がTLC及びLC-MSにより監視された。完了後、反応混合物が水で希釈され、EtOAcで抽出された。合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、濾過され、減圧下で蒸発させて粗固体が得られ、これがカラムクロマトグラフィー又はcombi-flash又はprep-HPLCにより精製されて、式(IVf)の化合物(収率10~70%)が固体として得られた。同様の手順にしたがって、式(IVe)のすべてのウレア類を合成することができる。
【0218】
一般的な手順1(方法c)
【化29】

THF(10mL/mmol)中の式(Va)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でトリホスゲン(0.5当量)が加えられた。合わせられた混合物が室温で1時間撹拌された。反応の第1の段階の完了がTLC又はUPLC-MSにより確認された後、式(VIa)の化合物(0.9mmol)及びTEA(2.5当量)が反応混合物に加えられ、撹拌が室温で1~2時間続けられた。反応の進行がTLC及び/又はUPLC-MSにより監視された。反応の完了後、溶媒を真空中で蒸発させて粗材料が得られ、これがカラムクロマトグラフィー又はprep-HPLCにより精製されて、式(IVe)の化合物(収率12~50%)が固体として得られた。
【0219】
一般的な手順2a
【化30】

乾燥THF(5mL/mmol)中の式(VII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でボラン-THF(9当量、THF中1M)が加えられ、得られた溶液を室温で3時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物がメタノールでクエンチされ、真空中で濃縮されて粗化合物が得られ、これがカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式(VIII)の化合物(収率70~75%)がオフホワイト色固体として得られた。
【0220】
一般的な手順2b
【化31】

THF(5mL/mmol)中の式(XX)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液が0~5℃まで冷却され、ボラン-THF複合体(THF中1M溶液)(10mL/mmol、10当量)が分割して加えられた。得られた反応混合物が室温まで昇温され、次いで、1~2時間加熱還流された。反応の進行がUPLC-MSにより監視され、これは、式(XXI)の化合物の生成を示した。完了後、反応混合物がメタノールで希釈され、これを5~10分間還流させ、溶媒を蒸発させて粗材料が得られ、これがCombi-flash又はカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式(XXI)の化合物が無色油として得られた。
【0221】
一般的な手順3
【化32】

DCM(7mL/mmol)中の式(VIII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温で数滴のDMFが加えられ、その後、SOCl2(2.0当量)の添加が続いた。全体が室温で1~2時間撹拌された。反応(LCMSにより監視された)の完了後、反応混合物がEtOAcで希釈され、水、続いてブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、濾過され、真空中で蒸発させて、式(IX)の化合物が濃い粗油として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0222】
一般的な手順4
【化33】

THF(3mL/mmol)を含む封管中の式(IX)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でメタノール(6mL/mmol)中のアンモニアが加えられた。反応混合物が80℃で10~18時間撹拌された。反応の進行がTLC及びLCMSにより監視された。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、残留物がDCM中10% MeOHに取られ、残留する固体が濾別された。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物が得られ、これがヘキサン及びジエチルエーテルと研和されて、式(X)の化合物が粗固体として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0223】
一般的な手順5
【化34】

MeOH又はTHF(6.5mL/mmol)及び水(0.8mL/mmol)の混合物中のエステル(VII)(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でLiOH、NaOH又はKOH(2.0当量)が加えられ、得られた反応混合物が室温で2~16時間撹拌された。TLCは、エステル(VII)の完全消費を示した。溶媒を真空中で蒸発させ、得られた残留物がエーテルで洗浄された。次いで、残留物が1N HClでpH5~6まで酸性化され、これが沈殿物の生成をもたらし、これが濾過され、水で洗浄され、次いで、共沸蒸留によるか、又は減圧下50~60℃で乾燥されて、式(XI)の所望のカルボン酸(収率70~85%)が固体として得られた。
【0224】
一般的な手順6
【化35】

DMF(3mL/mmol)中の酸(XI)(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でHATU(1.2当量)及びTEA(3.0当量)が加えられた。全体が室温で10~15分間撹拌され、その後、ギ酸アンモニウム(10.0当量)の添加が続いた。得られた反応混合物が室温で16~20時間撹拌された。反応の進行がLCMS/TLCにより監視され、反応の完了後、反応混合物が水で希釈され、EtOAcで抽出され、有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、濾過され、真空中で蒸発させて、式(XII)の化合物が粗製物として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0225】
一般的な手順7
【化36】

THF(3mL)/mmol中のアミド(XII)(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でTEA(5.0当量)及びトリフルオロ酢酸無水物(5.0当量)が加えられた。全体が室温で1~2時間保持された。反応の進行がLCMS/TLCにより監視され、反応の完了後、反応混合物が氷水でクエンチされ、EtOAcで抽出され、有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、濾過され、真空中で蒸発させて、式(XIII)の化合物が粗製物として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0226】
一般的な手順8
【化37】

MeOH(4mL/mmol)中の式(XIII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、5~10℃で(Boc)O(2.0当量)、NiCl.5HO(0.5当量)及びNaBH(2.5当量)が加えられ、混合物が10~15℃から室温で0.5~1時間保持された。反応(TLC/LCMSにより監視された)の完了後、これが冷水で希釈され、溶媒を蒸発させ、EtOAcで抽出され、有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、濾過され、真空中で蒸発させて粗生成物が得られ、これが研和により精製されて、中間Boc保護アミンが得られた。これが、不活性雰囲気下でDCM(8mL/mmol)中の20% TFAに溶解され、室温で0.5~1時間撹拌された。反応の完了がLCMSにより確認され、次いで、反応塊が飽和NaHCO溶液(pH約8)でクエンチされ、DCMで抽出され、有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、濾過され、真空中で蒸発させて、式(X)の化合物が粗製物として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0227】
一般的な手順9
【化38】

オプションA
DMF又はTHF(4mL/mmol)中の式(XIV)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、KCO、CsCO、NaCO、NaOH又はNaH(1.1当量)が加えられた。NaOHが使用された場合、TBAB(0.1当量)も相間移動触媒として加えられ、その後、式(XV)の化合物(1.05当量)の添加が続き、混合物を室温で0.5~1時間撹拌させた。反応がTLCにより監視された。反応の完了後、反応混合物がNHClの飽和溶液でクエンチされ、氷冷水で希釈され、EtOAc又はMTBEで抽出された。有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、真空中で蒸発させて粗生成物が得られ、これが、溶離液としてヘキサン中EtOAcの混合物を使用してCombi-flashにより精製されて、式(XVI)の化合物(収率60~80%)が無色油として得られた。
【0228】
オプションB
或いは、DCM又はMeCN又はTHF(4mL/mmol)中の式(XIV)の化合物(1,0当量)の撹拌溶液に、TEA又はDIPEA(2.0当量)が加えられるか、又は塩基なしで、その後、式(XV)の化合物(1.5当量)の添加が続き、全体を室温で0.5~1時間撹拌させた。反応の進行がTLCにより監視された。反応の完了後、混合物が水で希釈され、EtOAcで抽出され、合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥された。有機層を真空中で蒸発させて粗生成物が得られ、これが、溶離液としてヘキサン中EtOAcの混合物を使用してCombi-flashにより精製されて、式(XVI)の化合物(収率60~80%)が無色油として得られた。
【0229】
一般的な手順10
【化39】

1,4-ジオキサン、MeCN、DMF又はTHFなどの適した溶媒(3mL/mmol)中の式(XVII)の化合物(1.0当量)及び適した求核剤(XVIII)(1.25当量)の撹拌溶液に、氷浴で冷却しながらTEA、DBU、NaH又はKCOなどの適した塩基(1.5当量)が滴加されるか、又は分割して加えられ、合わせられた混合物を0~25℃で1~16時間撹拌させた。反応の進行がTLC又はLCMSにより監視され、反応が完了したら、混合物が、NHClの飽和水性溶液でクエンチされ、EtOAcで抽出された。合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、真空中で蒸発乾固させた。固体として得られた式(XIX)の粗化合物(収率60~95%)は、さらに精製されることなく次のステップで直接使用されるのに十分に純粋であった。
【0230】
一般的な手順11
【化40】

オプションA(Fe/Zn-AcOH/HCl/NH Clによる還元)
EtOH又はMeOH(2mL/mmol)中の式(XIX)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でAcOH又は水性HCl(3mL/mmol)など、適した酸、続いて鉄粉又は亜鉛粉末(4.0当量)が加えられた。いくつかの場合においてNHClも水素の源として使用された。反応混合物が75~85℃で1~5時間撹拌された。反応がTLC又はLCMSにより監視され、完了後、反応混合物が氷冷水に注がれ、短いセライト床に通して濾過された。濾液がEtOAcで抽出され、次いで、水性NaHCO、次いで、ブラインで洗浄された。回収された有機層は、無水NaSOで乾燥され、真空中で濃縮されて、式(XIV)の化合物(収率60~80%)が粗固体として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0231】
オプションB:(ジチオン酸ナトリウムによる還元)
MeCN/HO又はTHF/HO(12mL/mmol、2:1)のいずれかの混合物中の式(XIX)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でハイドロサルファイトナトリウム(8.0当量)、テトラ-ブチルアンモニウムハイドロサルフェート(0.5当量)及びKCO(6.0当量)が加えられ、次いで、混合物が1時間撹拌された。反応の進行がTLC及び/又はLCMSにより監視された。反応の完了後、溶媒を真空中で蒸発させて油状液体が得られ、これが1N HClに溶解され、EtOAcで抽出された。合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥された。有機物が濾過され、真空中で蒸発させて、式(XIV)の化合物(収率80~90%)が固体として得られた。
【0232】
オプションC:(Pd/C/H による還元)
EtOAc、MeOH又はEtOH(9.4mL/mmol、120mL)中の式(XIX)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、不活性雰囲気下室温で10% Pd-C(水中50% w/w)(77.8mg/mmol)が加えられた。反応混合物が、バルーン圧を使用してHガスでパージされ、次いで、室温で3~5時間さらに撹拌させた。反応の過程がTLC及び/又はLCMSにより監視された。反応の完了後、混合物がEtOAcで希釈され、セライト床に通して注意深く濾過され、残留する化合物を母液がTLCにより示さなくなるまでEtOAcで4~5回洗浄された。次いで、回収された有機層が無水NaSOで乾燥され、濾過され、減圧下で濃縮されて、式(XIV)の化合物(収率80~85%)が半固体として得られた。生成物は、さらに精製されることなく次のステップで使用するのに十分に純粋であった。
【0233】
一般的な手順12
【化41】

DMF又はTHF(1.6mL/mmol)中の式(XXII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でKCO、CsCO、NaCO、NaOH又はNaH(4.0当量)が加えられ、次いで、1,2-ジブロモエタン(4.0当量)が加えられ、反応塊が80~85℃で10~16時間保持された。反応の進行がTLC及びUPLC-MSにより監視され、これは、所望の生成物の生成を示した。反応の完了後、反応混合物が水で希釈され、EtOAcで抽出された。合わせられた有機物がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、真空中で蒸発させて粗材料が得られ、これが適した溶媒を使用してCombi-flashにより精製されて、式(XXIII)の化合物(収率50~55%)が固体として得られた。
【0234】
一般的な手順13
【化42】

EDC(1.1mL/mmol)中の式(XIV)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でEDC又はトルエン(1.1mL/mmol)中のR-B(OH)/ボロネート(1.5当量)、DBU(2.0当量)及びCu(OAc)(2.0当量)の溶液が加えられた。得られた反応混合物が室温で20~24時間撹拌された。反応の進行がLCMSにより監視され、完了後、反応混合物が水で希釈され、EtOAcで抽出された。有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、真空中で蒸発させて粗材料が得られ、これが適した溶媒を使用してCombi-flashにより精製されて、式(XXIV)の化合物(収率34~40%)が固体として得られた。
【0235】
一般的な手順14
【化43】

トルエン又はジオキサン又はEDC(6mL/mmol)中の式(XXV)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温でR-X[ここで、Xは、適した脱離基である。](1.5当量)、炭酸セシウム(2.0当量)及びBINAP(0.2当量)が加えられた。全体が窒素で20分間脱気され、次いで、酢酸パラジウム(0.1当量)が反応混合物に加えられ、撹拌が100~110℃で20~24時間続けられた。反応の進行がUPLC-MSにより監視され、完了後、反応混合物が真空中で濃縮されて粗材料が得られ、これが適した溶媒を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式(XXVI)の化合物(収率30~35%)が固体として得られた。
【0236】
一般的な手順15
【化44】

DCM(6mL/mmol)中の式(VIII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、MnO(10.0当量)が加えられ、反応混合物が室温で10~16時間撹拌された。反応の完了がLCMSにより確認され、次いで、反応混合物がセライト床に通して濾過され、減圧下で濃縮されて粗生成物が得られ、これが、適した溶媒を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式(XXVII)の化合物(収率50~60%)が得られた。
【0237】
一般的な手順16
【化45】

THF(8mL/mmol)中の式(XXVII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温で2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1.5当量)が加えられた。次いで、チタンイソプロポキシド(2.0当量)が同じ温度で溶液に滴加され、反応混合物が15~20時間撹拌された。反応の完了がLCMSにより確認され、次いで、反応混合物が飽和NaHCO溶液でクエンチされ、EtOAcで抽出された。合わせられた有機層がブライン溶液で洗浄され、無水NaSOで乾燥され、減圧下で蒸発させて粗材料が得られ、これが、適した溶媒を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式の化合物(収率55~60%)が得られた。
【0238】
一般的な手順17
【化46】

THF(10mL/mmol)中のZn(10.当量)の撹拌懸濁液に、室温でヨウ素(0.1当量)が加えられ、全体が30分間還流加熱された。次いで、反応混合物にTHF(6mL/mmol)中の式(XXVIII)の化合物(1.0当量)及びブロモ酢酸アルキル(4.0当量)の混合物が加えられた。得られた反応混合物を2~3時間還流させた。反応の進行がLCMSにより監視され、完了後、反応物がセライト床に通して濾過された。濾液が水でクエンチされ、有機部分がEtOAcで抽出された。合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、減圧下で濃縮されて粗生成物が得られた。粗製物が適した溶媒を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製されて、表題化合物(収率60~65%)が得られた。
【0239】
一般的な手順18
【化47】

EtOH(11mL/mmol)中の式(XXXI)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、0~5℃でMeOH(2.3mL/mmol)中の1.25M HClが加えられ、全体が1~2時間撹拌された。反応(LCMSにより監視された)の完了後、過剰な溶媒を減圧下で蒸発させ、反応塊が飽和NaHCO溶液でクエンチされ、10% MeOH-DCMで抽出された。合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、減圧下で濃縮されて、式(XXXII)の化合物が粗製物として得られ、これがさらに精製されることなく次のステップで使用された。
【0240】
一般的な手順19
【化48】

THF(6mL/mmol)中の式(XXVIII)の化合物(一般的な手順16に記載された方法にしたがって調製された)(1.0当量)の溶液が-78℃でR-Mg-Br(3.0当量;ジエチルエーテル中1M)の遅い添加によりチャージされた。混合物が同じ温度で1~2時間撹拌された。反応の完了後、反応混合物がNHClの飽和溶液でクエンチされ、EtOAcで抽出された。合わせられた有機層がブラインで洗浄され、無水NaSOで乾燥され、減圧下で濃縮されて粗生成物が得られた。粗製物が適した溶媒を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式(XXXIII)の化合物(収率70~75%)が得られた。
【0241】
一般的な手順20
【化49】

MeOH(10mL/mmol)中の式(XXVII)の化合物(1.0当量)の撹拌溶液に、室温で過剰なNHOAc(34当量)及び3-アルキル-3-オキソプロパン酸(2.0当量)が加えられた。全体を室温で2~3時間撹拌させた。次いで、NHOAcの別の部分(34当量)が加えられ、合わせられた混合物が80~85℃で15~20時間加熱された。反応の進行がTLC/LCMSにより監視され、反応の完了後、溶媒を蒸発させて粗生成物が得られ、これが、適した溶媒を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製されて、式(XXXV)の化合物(収率10~15%)が得られた。
【0242】
[実施例]
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提案された構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主要ピークの呼称の従来の略記:例えばs、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br、ブロードを使用して、テトラメチルシランからの百万分率低磁場(H-NMRの場合)及びトリクロロ-フルオロ-メタンからの百万分率高磁場(19F NMRの場合)で示される。一般的な溶媒については、以下の略記が使用されている:CDCl、ジュウテロクロロホルム;d-DMSO、ジュウテロジメチルスルホキシド;及びCDOD、ジュウテロメタノール。
【0243】
エレクトロスプレーイオン化(ESI)を使用して質量スペクトル、MS(m/z)を記録した。関連性があり、特に記載のない限り、記載されるm/zデータは、同位体19F、35Cl、79Br及び127Iに関するものである。
【0244】
すべての化学薬品、試薬及び溶媒を商業的供給源から購入し、さらに精製することなく使用した。特に記載のない限り、すべての反応を窒素雰囲気下で実施した。
【0245】
Combi-Flashプラットホームでプレパックシリカゲルカートリッジを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーを行った。上記の一般的な精製法及び分析法にしたがってprep-HPLC精製を行った。Merckシリカゲル60プレート(5729)で薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。特に記載のない限り、上記の一般的な精製法及び分析法に記載されたLCMS又はUPLC分析法で判断して、すべての最終化合物が純度95%超であった。
【0246】
例1:1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化50】

一般的な手順1~4、9~11に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例1を調製した。
【0247】
調製1:(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタンアミン
【化51】
【0248】
ステップ1:メチル4-((2-エトキシ-2-オキソエチル)チオ)-3-ニトロベンゾエート
【化52】

メチル4-フルオロ-3-ニトロベンゾエート(10.0g、50.2mmol)をMeCN(2.0L)に取り、TEA(7.61g、75.38mmol)を溶液に加えた。反応混合物を0~5℃まで冷却し、チオグリコール酸エチル(7.25g、62.7mmol)を滴加した。反応混合物を氷冷温度で30分間撹拌した。次いで、これをEtOAcで希釈し、NHClの飽和溶液及びブラインで洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、真空中で蒸発乾固させて、表題化合物(14.0g、46.82mmol、収率93%)を黄色固体として得、これは、さらに精製することなく次のステップで使用されるのに十分に純粋であった。LCMS m/z: 300.06 [M+H].
【0249】
ステップ2:メチル3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b-1,4]チアジン-6-カルボキシレート
【化53】

酢酸(50mL)中のメチル4-((2-エトキシ-2-オキソエチル)チオ)-3-ニトロベンゾエート(調製1、ステップ1)(5.0g、16.7mmol)の撹拌溶液に、鉄粉(3.73g、66.8mmol)を加えた。得られた反応混合物を80℃で3時間撹拌した。完了したら(TLCにより監視された)、反応を室温まで冷却し、1N HCl(250mL)に注ぎ、次いで、1時間撹拌した。得られた白色沈殿物を濾別し、水で洗浄した。得られた残留物をDCM(50mL)中の5% MeOHに再溶解し、セライト床に通して濾過した。濾液を真空中で蒸発乾固させて、表題化合物(3.5g、15.6mmol、収率91%)を淡黄色固体として得た。LCMS m/z: 222.05 [M-H].
【0250】
ステップ3:メチル4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート
【化54】

0~5℃でDMF(50mL)中のメチル3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b-1,4]チアジン-6-カルボキシレート(調製1、ステップ2)(5.0g、22.2mmol)の撹拌溶液に、NaH(0.98g、24.4mmol)を分割して加え、全体を同じ温度でさらに5~10分間撹拌した。次いで、ベンジルブロミド(2.8mL、23.3mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。反応の完了をTLC及びLC-MSにより監視した。完了後、反応混合物をNHClの飽和溶液でクエンチし、氷冷水で希釈した。水性反応混合物をMTBEで抽出し、ブラインで洗浄した。次いで、分離された有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、表題化合物(9.0g)を粗淡黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 314.16 [M+H].
【0251】
ステップ4:(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタノール
【化55】

THF(15mL)中のメチル4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート(調製1、ステップ3)(1.4g、4.47mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でボラン-THF複合体(13.4mL、13.4mmol;THF中1M溶液)を加え、反応混合物全体を2時間還流させた。UPLCは、所望の化合物の生成を示し、反応の完了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール(20mL)で希釈した。得られた混合物を10分間さらに還流させ、次いで、溶媒を蒸発させて粗材料を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(500mg)を白色固体として得た。LCMS m/z: 274 [M+H].
【0252】
ステップ-5:4-ベンジル-6-(クロロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン
【化56】

DCM(25mL)中の4-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-3(4H)-オン(調製1、ステップ4)(900mg、3.32mmol)の撹拌溶液に、室温で数滴のDMFを加え、その後、SOCl(790mL、6.63mmol)の添加が続いた。全体を室温で1時間撹拌した。反応(LCMSにより監視された)の完了後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、続いてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて、表題化合物(1.0g、粗製物)を褐色がかった濃い油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 290 [M+H].
【0253】
ステップ-6:(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタンアミン
【化57】

THF(10mL)を含む封管中の4-ベンジル-6-(クロロメチル)-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-3(4H)-オン(調製1、ステップ5)(900mg、3.11mmol)の撹拌溶液に、室温でメタノール(20mL)中のアンモニアを加えた。反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSにより監視した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、残留物をDCM中10% MeOHに溶解し、残留する固体を濾別した。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物を得、これをヘキサン及びジエチルエーテルと研和して、表題化合物(450mg、粗製物)を灰色がかった固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 271 [M+H].
【0254】
調製2:1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(例1)
【化58】

THF(5mL)中の6-NH-インドール(54mg、0.406mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でトリホスゲン(54mg、0.406mmol)を加え、温度を室温で1時間保持した。TLCが反応の完了を示し、次いで、(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタンアミン(調製1、ステップ6)(100mg、0.369mmol)及びTEA(0.176mL、1.217mmol)を室温で加え、混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSにより監視し、反応の完了後、これをEtOAcで希釈し、水、続いてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて粗生成物を得、これをprep-HPLCにより精製して、表題化合物(7mg、収率4.4%)を薄い褐色がかった固体として得た。HPLCによる純度: 97.99%; 1H NMR (400 MHz; DMSO-d6):δ 3.06 (t, J = 5.04 Hz, 2H), 3.63 (t, J = 4.8 Hz, 2H),4.09 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 6.30 (s, 1H), 6.35-6.40 (m, 1H),6.52 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 6.77 (d, J = 8.64 Hz, 1H), 6.93 (d, J =7.88 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 2.68 HZ, 1H), 7.21-7.23 (m, 1H), 7.28-7.30 (m, 4H),7.34 (d, J = 8.32 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 10.84 (s, 1H); LCMS m/z:429.13 [M+H].
【0255】
例2:1-((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化59】

一般的な手順1~2、5~11に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例2を調製した。
【0256】
調製3:7-(アミノメチル)-4-ベンジル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【化60】
【0257】
ステップ1:メチル3-(2-メトキシ-2-オキソエトキシ)-4-ニトロベンゾエート
【化61】

1,4-ジオキサン(50mL)中のNaH(1.5g、376mmol)の撹拌溶液に、5~10℃でメチル2-ヒドロキシアセテート(3.39g、376mmol)を加え、反応混合物を同じ温度で30分間保持し、その後、1,4-ジオキサン(25mL)溶液中の市販のメチル3-フルオロ-4-ニトロベンゾエート(5.0g、251mmol)の添加が続いた。全体を室温で16時間撹拌した。反応(LCMSにより監視された)の完了後、反応混合物を氷冷水でクエンチし、15分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、表題化合物(5.0g、粗製物)を淡黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 269.98 [M+H].
【0258】
ステップ2:メチル3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキシレート
【化62】

AcOH(25mL)中のメチル3-(2-メトキシ-2-オキソエトキシ)-4-ニトロベンゾエート(調製3、ステップ1)(5.0g、18.57mmol)の撹拌溶液に、室温でFe粉末(4.15g、74.304mmol)を加えた。反応混合物を90℃で2時間撹拌した。反応をLCMS/TLCにより監視し、完了後、反応混合物を氷冷水(500mL)中にクエンチし、30分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、過剰な水で洗浄し、次いで、真空下で乾燥して、表題化合物(3.8g、粗製物)を灰色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 207.98 [M+H].
【0259】
ステップ3:メチル4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキシレート
【化63】

DMF(20mL)中のメチル3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキシレート(調製3、ステップ2)(2.0g、9.65mmol)の撹拌溶液に、0~10℃でNaH(425mg、10.62mmol)、続いてベンジルブロミド(1.27mL、10.62mmol)を加えた。全体を10℃から室温で1時間撹拌した。反応をLCMS/TLCにより監視し、完了後、反応混合物を氷冷水で希釈し、沈殿した固体を濾別し、過剰な水で洗浄し、真空中で乾燥して、表題化合物(2.6g、粗製物)を褐色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 298.88 [M+H].
【0260】
ステップ4:4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボン酸
【化64】

THF(30mL)及びMeOH(15mL)中のメチル4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキシレート(調製3、ステップ3)(2.6g、8.75mmol)の撹拌溶液に、水(15mL)中のLiOH.HO(1.83g、43.73mmol)の溶液を加え、混合物を室温で24時間保持した。反応の完了後、溶媒を蒸発させて残留物を得、これを水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄し、水性部分を6N HClで酸性化した。沈殿した固体を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、表題化合物(2.2g、粗製物)をオフホワイト色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 284.02 [M+H].
【0261】
ステップ5:4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキサミド
【化65】

DMF(5mL)中の4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボン酸(調製3、ステップ4)(500mg、1.765mmol)の撹拌溶液を0~5℃まで冷却し、その後、HATU(803mg、2.12mmol)及びTEA(0.764mL、5.23mmol)の添加が続いた。全体を室温で10分間撹拌し、その後、ギ酸アンモニウム(1.1g、17.65mmol)の添加が続き、全体を室温で16時間保持した。反応の進行をLCMS/TLCにより監視し、反応の完了後、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて、表題化合物(500mg、粗製物)を淡黄色油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 283 [M+H].
【0262】
ステップ6:4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボニトリル
【化66】

THF(5mL)中の4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキサミド(調製3、ステップ5)(0.5g、1.77mmol)の撹拌溶液を0~5℃まで冷却し、その後、TEA(1.28mL、8.85mmol)及びトリフルオロ酢酸無水物(0.744mL、5.313mmol)の添加が続き、全体を室温で1時間保持した。反応の進行をLCMS/TLCにより監視し、反応の完了後、反応混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて、表題化合物(500mg、粗製物)を薄黄色油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 264.98 [M+H].
【0263】
ステップ7:tert-ブチル((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)カルバメート
【化67】

MeOH(5mL)中の4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボニトリル(調製3、ステップ6)(0.3g、1.14mmol)の撹拌溶液に、5~10℃で(Boc)O(0.496mL、2.27mmol)、NiCl.5HO(135mg、0.57mmol)及びNaBH(108mg、2.84mmol)を加え、混合物を10℃から室温で0.5時間保持した。反応(TLC/LCMSにより監視された)の完了後、これを冷水で希釈し、溶媒を蒸発させ、EtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて粗生成物を得、これを研和により精製して、表題化合物(300mg、粗製物)をオフホワイト色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 369 [M+H].
【0264】
ステップ8:7-(アミノメチル)-4-ベンジル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【化68】

不活性雰囲気下のDCM(10mL)中の20% TFA中のtert-ブチル((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)カルバメート(調製3、ステップ7)(300mg、0.81mmol)の溶液を室温で0.5時間撹拌した。反応の完了をLCMSにより確認し、次いで、反応塊を飽和NaHCO溶液(pH約8)でクエンチし、DCMで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて、表題化合物(180mg、粗製物)をオフホワイト色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 269.8 [M+H].
【0265】
調製4:1-((4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(例2)
【化69】

THF(5mL)中の6-アミノインドール(48mg、0.368mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でトリホスゲン(50mg、0.167mmol)を加え、混合物を室温で1時間保持した。TLCが反応の完了を示し、次いで、7-(アミノメチル)-4-ベンジル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(90mg、0.335mmol)(調製3、ステップ8)及びTEA(0.16mL、1.105mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の進行をLCMS/TLCにより監視し、完了後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、続いてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて粗生成物を得、これをprep-HPLCにより精製して、表題化合物(20mg、収率14%)をオフホワイト色固体として得た。HPLCによる純度: 98.72%; 1H NMR (400 MHz; DMSO-d6):δ 4.21 (d, J = 8.84 Hz, 2H), 4.78 (s, 2H), 5.15 (s,2H), 6.29 (s, 1H), 6.48 (t, J = 5.92 Hz, 1H), 6.76-6.78 (m, 1H), 6.89-6.90 (m,1H), 6.96-7.00 (m, 2H), 7.17 (t, J = 2.64 Hz, 1H), 7.22-7.24 (m, 1H), 7.26-7.28 (m, 2H), 7.30 (bs, 1H), 7.32-7.35 (m, 2H), 7.72 (s, 1H), 8.39 (s,1H), 10.83 (s, 1H); LCMS m/z: 427.08 [M+H].
【0266】
例3:1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化70】

一般的な手順1~4、10~11に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例3を調製した。
【0267】
調製5:(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メタンアミン
【化71】
【0268】
ステップ1:(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メタンアミン
【化72】

ボラン-THF(4.3mL、4.25mmol)中の4-ベンジル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-カルボキサミド(調製3、ステップ5)(0.2g、0.71mmol)の撹拌溶液を60℃で1時間還流させた。反応の完了後、反応混合物をメタノールでクエンチし、真空下での溶媒の蒸発が続いた。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、水、続いてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて、表題化合物(180mg、粗製物)を薄黄色油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 255.14 [M+H].
【0269】
調製6:1-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(例3)
【化73】

THF(6mL)中の6-アミノインドール(180mg、0.79mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でトリホスゲン(117mg、0.39mmol)を加え、混合物を室温で1時間保持した。TLCが反応の完了を示し、次いで、(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-7-イル)メタンアミン(調製5、ステップ1)(125mg、0.95mmol)及びTEA(0.327mL、2.36mmol)を加え、合わせられた混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応の進行をLCMSにより監視し、完了後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、続いてブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて粗生成物を得、これをprep-HPLCにより精製して、表題化合物(20mg、収率6%)をオフホワイト色固体として得た。HPLCによる純度: 98.72%; 1HNMR:(500 MHz; DMSO-d6): δ 4.16 (d, J = 5.3 Hz,2H), 4.26 (t, J = 4.15 Hz, 2H), 4.52 (S, 2H), 6.35 (s, 1H), 6.39 (t, J = 6.15Hz, 1H), 6.67-6.74 (m, 4H), 6.81-6.83 (dd, J1 = 1.6 Hz, J2 = 8.4 HZ, 1H), 7.23(t, J = 2.55 Hz, 1H), 7.30-7.41 (m, 7H), 7.81 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 10.90 (s,1H); LCMS m/z: 385.16 [M+H].
【0270】
例4:3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド
【化74】

一般的な手順1~2、6、9、15~18に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例4を調製した。
【0271】
調製7:3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロパン酸
【化75】
【0272】
ステップ1:4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルバルデヒド
【化76】

DCM(30.0mL)中の(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-イル)メタノール(調製1、ステップ4)(1.3g、4.79mmol)の撹拌溶液にMnO(4.16g、47.9mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了をLCMSにより確認し、次いで、反応混合物をセライト床に通して濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5~10% EtOAc-ヘキサン)により精製して、表題化合物(700mg、収率54.3%)を黄色固体として得た。
【0273】
ステップ2:N-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化77】

THF(30.0mL)中の4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-カルバルデヒド(調製7、ステップ1)(1.0g、3.71mmol)の撹拌溶液に、室温で2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(675mg、5.57mmol)を加えた。次いで、チタンイソプロポキシド(2.25mL、7.42mmol)を同じ温度で溶液に滴加し、反応混合物を16時間撹拌した。反応の完了をLCMSにより確認し、次いで、反応混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン溶液(1×30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させて粗製物を得た。粗材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10~15% EtOAc-ヘキサン)により精製して、表題化合物(800mg、収率57.9%)を黄色固体として得た。LCMS m/z: 372.2 [M+H].
【0274】
ステップ3:エチル3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロパノエート
【化78】

THF(30.0mL)中のZn(2.11g、32.3mmol)の撹拌懸濁液に、室温でヨウ素(82mg、0.32mmol)を加え、全体を30分間還流加熱した。次いで、THF(20mL)中のN-[(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-イル)メチレン]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(調製7、ステップ2)(1.2g、3.23mmol)及びブロモ酢酸エチル(1.43mL、12.9mmol)の混合物を反応混合物に加えた。得られた反応混合物を2時間還流させた。反応の進行をLCMSにより監視し、完了後、反応物をセライト床に通して濾過した。濾液を水(50mL)でクエンチし、有機部分をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40~60% EtOAc-ヘキサン)により精製して、表題化合物(900mg、収率64.6%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 460.9 [M+H].
【0275】
ステップ4:3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロパン酸
【化79】

THF:MeOH:HO(20mL、2:1:1)中のエチル3-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-イル)-3-(tert-ブチルスルフィニルアミノ)プロパノエート(調製7、ステップ3)(1.0g、2.17mmol)の撹拌溶液に、室温でLiOH(104mg、4.35mmol)を加え、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。反応の進行をLCMSにより監視し、完了後、溶媒を蒸発させて残留物を得、これを水で希釈し、1N HCl溶液でpH3~5まで酸性化した。生成物を10% MeOH-DCM(3×50mL)で抽出し、合わせられた有機層をブライン(1×30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3~5% MeOH-DCM)により精製して、表題化合物(700mg、収率74.4%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 433.2 [M+H].
【0276】
調製8:ステップ1:3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-3-((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-N,N-ジメチルプロパンアミド
【化80】

DMF(10mL)中の3-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-イル)-3-(tert-ブチルスルフィニルアミノ)プロパン酸(調製7、ステップ4)(700mg、1.62mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でHATU(1.23g、3.24mmol)、DIPEA(0.85mL、4.86mmol)及びジメチルアミン(4.05mL、8.1mmol、THF中2M)を加え、得られた反応混合物を同じ温度で16時間撹拌した。反応の進行をLCMSにより監視し、完了後、反応混合物を水でクエンチし、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせられた有機層を氷冷水(5×30mL)、ブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3~5% MeOH-DCM)により精製して、表題化合物(450mg、収率60.4%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 460.4 [M+H].
【0277】
ステップ2:3-アミノ-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド
【化81】

EtOH(10.0mL)中の3-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-イル)-3-(tert-ブチルスルフィニルアミノ)-N,N-ジメチル-プロパンアミド(調製8、ステップ1)(400mg、0.87mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でMeOH(2.09mL、2.61mmol)中の1.25M HClを加え、全体を1時間撹拌した。反応(LCMSにより監視された)の完了後、過剰な溶媒を減圧下で蒸発させ、反応塊を飽和NaHCO溶液でクエンチし、10% MeOH-DCMアセテート(3×50mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン(1×30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、表題化合物(300mg、粗製物)を得た。粗製物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z: 356.38 [M+H].
【0278】
ステップ3:3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド(例4)
【化82】

THF(5mL)中の6-アミノインドール(123mg、0.93mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でp-ニトロフェニルクロロホルメート(255mg、1.67mmol)を加え、全体を室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物に、同じ温度でTEA(0.58mL、4.23mmol)及び3-アミノ-3-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-イル)-N,N-ジメチル-プロパンアミド(調製8、ステップ2)(300mg、0.85mmol)を加え、合わせられた混合物をさらに2時間撹拌した。反応の進行をLCMSにより監視し、完了後、反応混合物を水でクエンチし、EtOAc(3×20mL)で抽出した。次いで、合わせられた有機層をブライン溶液(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3~5%アセトン-DCM)により精製して、表題化合物(150mg、収率34.6%)をオフホワイト色固体として得た。HPLCによる純度: 96.47%; 1HNMR:(400 MHz; DMSO-d6): δ 2.55-2.60 (m, 2H),2.71 (s, 3H), 2.78 (s, 3H), 3.04 (t, J = 5.12 Hz, 2H), 3.61 (t, J = 4.8 Hz,2H), 4.53 (s, 2H), 4.93-4.95 (m, 1H), 6.27 (bs, 1H), 6.54-6.59 (m, 2H), 6.68(s, 1H), 6.73-6.75 (dd, J1 = 1.28 Hz, J2 = 8.32 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.92 Hz,1H), 7.14 (t, J = 2.52 Hz, 1H), 7.19-7.22 (m, 1H), 7.29-7.33 (m, 5H), 7.70 (bs,1H), 8.45 (s, 1H), 10.81 (s, 1H); LCMS m/z: 514.52 [M+H].
【0279】
例4のキラル分離
ラセミ化合物3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド(例4)(50mg)をキラル分離に供して、2種のエナンチオマーを得た
エナンチオマー1:例5 8 mg, HPLC純度 96.2%; 1H NMR: (400 MHz; DMSO-d6): δ 2.55-2.59 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.80 (s, 3H), 3.04 (s, 2H), 3.61(m, 2H), 4.54 (s, 2H), 4.93 (t, J = 5.04 Hz, 1H), 6.27 (bs, 1H), 6.54-6.59 (m,2H), 6.68 (s, 1H), 6.74 (d, J = 5.12 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.08 Hz, 1H), 7.14(bs, 1H), 7.20-7.22 (m, 1H), 7.29-7.33 (m, 5H), 7.70 (bs, 1H), 8.45 (s, 1H),10.80 (s, 1H); LCMS m/z: 514.51 [M+H].
エナンチオマー2:例6 7 mg, HPLC純度 94.36%; 1HNMR: (400 MHz; DMSO-d6):δ 2.55-2.59 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.76 (s, 3H), 3.05(d, J = 4.96 Hz, 2H), 3.61 (d, J = 4.36 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.94 (t, J =7.68 Hz, 1H), 6.27 (bs, 1H), 6.54-6.59 (m, 2H), 6.68 (s, 1H), 6.74 (d, J = 4.52Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.96 Hz, 1H), 7.14 (bs, 1H), 7.21-7.22 (m, 1H), 7.29-7.33(m, 5H), 7.70 (bs, 1H), 8.44 (s, 1H), 10.80 (s, 1H); LCMS m/z: 514.51 [M+H].
【0280】
キラル分離法:
カラム Chiralpak IA(250×20mm)5u;
溶解 MeOH
波長 240nm
移動相 ヘキサン/EtOH/DCM:70/15/15
運転時間 20分;
流速 25g/分
【0281】
例7及び8:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-3,4-ジヒドロキシブチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化83】

一般的な手順1~2、9、15~16、19に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例7及び8を調製した。
【0282】
調製9:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化84】
【0283】
ステップ1:N-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化85】

THF(5mL)中のN-((4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(調製7、ステップ2の合成について記載された方法にしたがって調製された)(300mg、0.84mmol)の溶液を-78℃でアリル-Mg-Br(2.53mL、2.53mmol、ジエチルエーテル中1M)の遅い添加により処理した。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をNHClの飽和溶液でクエンチし、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30~50% EtOAc-ヘキサン)により精製して、表題化合物(250mg、収率74.4%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 399.2 [M+H].
【0284】
ステップ2:1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-アミン
【化86】

EtOH(5.0mL)中のN-[1-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル)ブタ-3-エニル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(調製9、ステップ1)(250mg、0.70mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でMeOH(1.68mL、2.11mmol)中の1.25M HClを加え、全体を3時間撹拌した。反応の完了後、過剰な溶媒を減圧下で濃縮し、反応混合物をNaHCO溶液でクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。次いで、合わせられた有機層をブライン溶液(1×30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗製物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3~5% MeOH-DCM)により精製して、表題化合物(150mg、収率72.6%)をオフホワイト色固体として得た。
【0285】
ステップ3:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化87】

THF(3mL)中の6-アミノインドール(74.1mg、0.56mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でp-ニトロフェニルクロロホルメート(154mg、0.77mmol)を加え、全体を室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物に、同じ温度でTEA(0.35mL、2.55mmol)及び1-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-アミン(調製9、ステップ2)(150mg、0.51mmol)を加え、合わせられた混合物をさらに2時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAc(3×20mL)で抽出した。次いで、合わせられた有機層をブライン溶液(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3~5%アセトン-DCM)により精製して、表題化合物(100mg、収率43.3%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 453.49 [M+H].
【0286】
調製10:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-3,4-ジヒドロキシブチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化88】

アセトン:HO(3mL、9:1)中の1-[1-(4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル)ブタ-3-エニル]-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(調製9、ステップ3)(100mg、0.22mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でN-メチルモルホリンN-オキシド(51.8mg、0.44mmol)及びOsO(5.63mg、0.02mmol)を加え、全体を同じ温度で2時間撹拌した。反応の進行をLCMSにより監視し、反応の完了後、過剰な溶媒を真空中で蒸発させて残留物を得、これを水で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。次いで、合わせられた有機層をブライン溶液(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、表題化合物(50mg、粗製物)を褐色固体として得た。LCMS m/z: 487.52 [M+H].
【0287】
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-3,4-ジヒドロキシブチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(調製10)のキラル分離
ラセミ化合物1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-3,4-ジヒドロキシブチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(調製10)(50mg)を順相キラルHPLC分離に供して、2種のエナンチオマーを淡褐色固体として得た。
【0288】
エナンチオマー1:例7。4 mg, HPLC純度 98.28%; 1H NMR: (400 MHz; DMSO-d6): δ 1.62 (bs, 1H), 1.70 (bs, 1H), 3.22-3.29 (m, 4H), 4.14 (s, 2H),4.43-4.47 (m, 4H), 4.69 (d, J = 6.08 Hz, 1H), 6.22 (s, 1H), 6.36 (d, J =7.72 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 8.56 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 8.04 Hz, 1H), 6.71 (d, J= 8.52 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.22-7.23 (m, 1H), 7.30-7.33 (m,5H), 7.69 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 10.80 (s, 1H); LCMS m/z: 487.4 [M+H].
エナンチオマー2:例8。5 mg, HPLC純度 98.26%; 1HNMR: (400 MHz; DMSO-d6):δ 1.47 (bs, 1H), 1.70-1.73 (bs, 1H), 3.19-3.23 (m, 3H),3.50 (bs, 1H), 4.15 (s, 2H), 4.43-4.45 (m, 3H), 4.61 (d, J = 4.64 Hz, 1H), 4.77(bs, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.40 (d, J = 8.36 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 8.2 Hz, 1H),6.63 (d, J = 8.36 Hz, 1H), 6.72-6.74 (m, 2H), 7.15 (s, 1H), 7.22 (d, J = 6.32Hz, 1H), 7.27-7.34 (m, 5H), 7.70 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 10.81 (s, 1H); LCMSm/z: 487.4 [M+H].
【0289】
キラル分離法:
カラム Chiralpak IA(250×20mm)5u;
溶解 MeOH
波長 240nm
移動相 ヘキサン/EtOH/DCM:70/15/15
運転時間 20分;
流速 25g/分
【0290】
調製11:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-イル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(例9)
【化89】

乾燥THF(3.0ml)中の6-アミノインドール(32.8mg、0.25mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でTEA(0.09ml、0.68mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(68.2mg、0.34mmol)を加えた。得られた反応混合物を0~5℃で30分間撹拌し、次いで、1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)ブタ-3-エン-1-アミン(調製9、ステップ2の合成について記載された方法にしたがって調製された)(70.0mg、0.23mmol)が0~5℃で加えられた。全体を窒素雰囲気下で16時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSにより監視し、反応の完了後、溶媒を減圧下で蒸発させ、水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせられた有機層を水(2×20mL)、続いてブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させて粗生成物を得、これをCombi-flashにより精製して、表題化合物(13mg、収率12.3%)を褐色固体として得た。HPLCによる純度: 94.01%; 1HNMR:(400 MHz; DMSO-d6): δ 2.31-2.40 (m, 2H),2.97 (d, J = 2.68 Hz, 2H), 3.63 (s, 2H), 4.55 (bs, 3H), 4.91-4.97 (m, 2H),5.52-5.57 (m, 1H), 6.28-6.32 (m, 2H), 6.51 (d, J = 8.32 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H),6.71 (d, J = 8.04 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 7.72 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.21 (bs,1H), 7.29-7.34 (m, 5H), 7.68 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 10.80 (s, 1H); LCMS m/z:469.27 [M+H].
【0291】
例10:3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパン酸
【化90】

一般的な手順1~2、5、9、15、20に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例10を調製した。
【0292】
調製12;ステップ1:メチル3-アミノ-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパノエート
【化91】

4-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾチアジン-6-カルバルデヒド(調製7、ステップ1)(600mg、2.23mmol)をMeOH(25mL)に溶解した。次いで、NHOAc(515.79mg、77.08mmol)及び3-メトキシ-3-オキソプロパン酸(0.47ml、4.46mmol)を室温で反応混合物に加えた。全体を室温で2時間撹拌させた。次いで、NH4OAcの別の部分(515.79mg、77.08mmol)を加え、合わせられた混合物を80℃で16時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSにより監視し、反応の完了後、溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% MeOH-DCM)により精製して、表題化合物(100mg、収率13.1%)を黄色固体として得た。LCMS m/z: 343.66 [M+H].
【0293】
ステップ2:メチル3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパノエート
【化92】

メチル3-アミノ-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパノエート(調製12、ステップ1)(100mg、0.29mmol)及びTEA 0.13ml、0.87mmol)の反応混合物に、窒素雰囲気下0~5℃でDCM(2mL)中のトリホスゲン(87mg、0.29mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を0~5℃で30分間撹拌し、次いで、DCM(5mL)中の6-アミノインドール(48mg、0.292mmol)の溶液を0~5℃で滴加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSにより監視し、反応の完了後、混合物を飽和水性NaHCO溶液でクエンチし、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせられた有機層を水(2×20mL)、ブライン(2×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空中で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(60~70% EtOAc-ヘキサン)により精製して、表題化合物(40mg、収率28%)を黄色固体として得た。LCMS m/z: 501.3 [M+H].
【0294】
ステップ3:3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパン酸(例10)
【化93】

MeOH-THF-HOの混合物(10mL、3:1:1)中のメチル3-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-3-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)プロパノエート(調製12、ステップ2)(40mg、0.08mmol)の撹拌溶液にLiOH(4.8mg、0.2mmol)を加え、得られた溶液を室温で16時間撹拌した。反応(LCMSにより監視された)の完了後、反応塊を3N HClを使用してpH5まで酸性化し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して粗生成物を得、これをRP HPLCにより精製して、表題化合物(6mg、収率15%)をオフホワイト色固体として得た。HPLCによる純度: 97.72%; 1HNMR:(400 MHz; DMSO-d6): δ 2.55-2.57 (m, 2H),3.03 (t, J = 5.12 Hz, 2H), 3.59 (t, J = 4.84 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.88-4.93(m, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.54-6.58 (m, 2H), 6.74 (t, J = 8.76 Hz, 2H), 6.63 (s,1H), 6.91 (d, J = 7.88 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 7.22-7.34 (m, 5H),7.69 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 10.81 (s, 1H); LCMS m/z: 487 [M+H].
【0295】
例11:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア
【化94】

一般的な手順1~2、5、9に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例11を調製した。
【0296】
調製13:メチル2-アミノ-2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)アセテート
【化95】
【0297】
ステップ1:メチル2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-((ジフェニルメチレン)アミノ)アセテート
【化96】

トルエン(8mL)中の4-ベンジル-6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン(一般的な手順2及び9に記載されたように環状アミドの還元とその後に続くベンジル化により市販の6-ブロモ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-3(4H)-オンから調製された)(360mg、1.12mmol)の撹拌溶液に、メチル2-((ジフェニルメチレン)アミノ)アセテート(313mg、1.23mmol)、KPO(716mg、3.34mmol)及びビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(5mg、0.01mmol)を加えた。得られた反応混合物をNガスで10分間脱気した。この時間の後、反応混合物全体にキャップをし、100℃で20時間撹拌した。反応(LCMSにより監視された)の完了後、反応混合物を水でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン溶液(1×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空中で蒸発させて、表題化合物(200mg、粗製物)を赤みがかったゴム状油として得た。LCMS m/z: 493.2 [M+H].
【0298】
ステップ2:メチル2-アミノ-2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)アセテート
【化97】

ジオキサン(4.2mL、17.0mmol)中の4M HCl中のメチル2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-((ジフェニルメチレン)アミノ)アセテート(調製13、ステップ-1)(840mg、1.70mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗残留物をNaHCO溶液で中和し、10% MeOH/DCM(4×100mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン溶液(1×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空中で蒸発させて、表題化合物(400mg、収率72%)をゴム状固体として得た。LCMS m/z: 329.2 [M+H].
【0299】
調製14;ステップ1:メチル2-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)アセテート
【化98】

乾燥THF(6.0mL)中の6-アミノインドール(80.51mg、0.60mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でTEA(0.255mL、1.82mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(184mg、0.91mmol)を加えた。反応物全体を同じ温度で30分間撹拌した。TLCにより、出発材料が消費されたことを確認した。次いで、メチル2-アミノ-2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)アセテート(調製13、ステップ2)(200mg、0.60mmol)を0~5℃で反応混合物に加え、撹拌を一晩続けた。TLCが1つの極性スポットを示し、次いで、生成物生成をLCMSにより確認した。反応が完了したら、反応混合物を蒸発させて残留物を得、これを水(20mL)で希釈し、EtOAC(2×20mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて粗製物を得た。粗製物をCombi-flash(1~2%アセトン-DCM)により精製して、表題化合物(53mg、収率18%)を褐色固体として得た。LCMS m/z: 487.2 [M+H].
【0300】
ステップ2:1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(例11)
【化99】

THF(2mL)中のメチル2-(3-(1H-インドール-6-イル)ウレイド)-2-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)アセテート(調製14、ステップ1)(70mg、0.14mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でDIBAl-H(0.29mL、0.29mmol、トルエン中1M)を滴加した。反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を0~5℃でのロッシェル塩の飽和溶液の滴加によりクエンチし、得られた溶液を同じ温度で1時間撹拌した。反応塊をセライト床に通して濾過した。セライト床をEtOAcで洗浄した。濾液をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせられた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを逆相prep-HPLCにより精製して、表題化合物(14mg、収率21%)をオフホワイト色固体として得た。HPLCによる純度: 99.34%; 1HNMR:(400 MHz; DMSO-d6): δ 3.04-3.06 (m, 2H),3.40-3.44 (m, 1H), 3.48-3.52 (m, 1H), 3.59-3.61 (m, 2H), 4.51-4.53 (m, 3H),4.83 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.42 (d, J = 7.88 Hz, 1H), 6.53 (d, J =7.96 Hz, 1H), 6.68 (s, 1H), 6.71-6.74 (dd, J1 = 1.6 Hz, J2 = 8.48 Hz, 1H), 7.91(d, J = 7.88 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 7.1-7.23 (m, 1H), 7.29-7.34 (m,5H), 7.68 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 10.80 (s, 1H); LCMS m/z: 459.2 [M+H].
【0301】
1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(例11)のキラル分離
ラセミの1-(1-(4-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル)-3-(1H-インドール-6-イル)ウレア(調製14、ステップ2)(14mg)を順相キラルHPLC分離に供して、2種のエナンチオマーを得た。
【0302】
エナンチオマー1:例12。4.22 mg, HPLC純度 92.71%; 1H NMR: (400 MHz; DMSO-d6): δ 3.04 (t, J = 5.56 Hz, 2H), 3.41-3.42 (m, 1H), 3.48-3.51 (m, 1H),3.59-3.61 (m, 2H), 4.53 (s, 3H), 4.87 (bs, 1H), 6.28 (d, J = 2.56 Hz, 1H), 6.54(t, J = 8.92 Hz, 2H), 6.69 (s, 1H), 6.74 (d, J = 8.16 Hz, 1H), 6.90 (d, J =7.84 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.20-7.21 (m, 1H), 7.27-7.34 (m, 5H),7.68 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 10.80 (s, 1H); LCMS m/z: 459.15 [M+H].
エナンチオマー2:例13。5.12 mg, HPLC純度 91.26%; 1HNMR: (400 MHz; DMSO-d6):δ 3.04 (t, J = 4.68 Hz, 2H), 3.41-3.42 (m, 1H),3.48-3.50 (m, 1H), 3.59-3.60 (m, 2H), 4.53 (s, 3H), 4.87 (bs, 1H), 6.28 (bs,1H), 6.53 (d, J = 7.76 Hz, 2H), 6.68 (s, 1H), 6.73 (d, J = 8.56 Hz, 1H), 6.91(d, J = 7.84 Hz, 1H), 7.14 (bs, 1H), 7.20-7.21 (m, 1H), 7.29-7.34 (m, 5H), 7.68(s, 1H), 8.47 (s, 1H), 10.80 (s, 1H); LCMS m/z: 487.4 [M+H].
【0303】
キラル分離法:
カラム Chiralpak IA(250×21mm)5u;
溶解 MeOH
波長 240nm
移動相 ヘキサン/EtOH/DCM:50/25/25
運転時間 15分;
流速 21mL/分
【0304】
例14:1-(1H-インドール-6-イル)-3-((4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)ウレア
【化100】

一般的な手順1~4、9、14に記載された方法及び以下に記載される方法にしたがって例14を調製した。
【0305】
調製15:(4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタンアミン
【化101】
【0306】
ステップ1:メチル3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート
【化102】

乾燥THF中のメチル3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート(調製1、ステップ2)(2.5g、11mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でボラン-THF(22.4mL、22.42mmol、THF中1M)を加え、得られた溶液を室温で3時間撹拌させた。反応の完了後、反応混合物をメタノールでクエンチし、真空下で濃縮して粗化合物を得、これをCombi-flashクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.8g、収率77%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 210.0 [M+H].
【0307】
ステップ2:メチル4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート
【化103】

トルエン中のメチル3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート(調製15、ステップ1)(850mg、4.06mmol)の脱気溶液に、ヨードベンゼン(0.907mL、8.12mmol)、KPO(2.58g、12.2mmol)、X-Phos(194mg、0.40mmol)及びPd(dba)(372.5mg、0.40mmol)を加えた。得られた反応混合物を窒素雰囲気下100℃で16時間加熱した。反応の進行をLCMSにより監視し、完了後、反応塊をセライト床に通して濾過し、減圧下で濃縮して粗製物を得た。粗製物をCombi-flashクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(500mg、収率47%)をゴム状固体として得た。LCMS m/z: 286.24 [M+H].
【0308】
ステップ3:4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボン酸
【化104】

THF:MeOH:HOの混合物(50mL 2:2:1)中のメチル4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキシレート(調製15、ステップ2)(1.0g、3.50mmol)の撹拌溶液に水酸化リチウム一水和物(737mg、17.54mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を真空下で除去し、反応塊を0~5℃の1N水性HClでクエンチした。中和された反応混合物を10% MeOH-DCMで抽出し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して、表題化合物(800mg、収率84%)を白色固体として得た。LCMS m/z: 270.0 [M+H].
【0309】
ステップ4:4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキサミド
【化105】

DCM(7mL)中の4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボン酸(調製15、ステップ3)(400mg、1.47mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でオキサリルクロリド(0.25ml、2.95mmol)を加え、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。ジオキサン(8.84mL)中の0.5M NHを0~5℃で反応混合物に滴加した。反応混合物全体を室温で一晩撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗反応塊をEtOAc(25mL)に取った。有機部分を水(2×15mL)、ブライン(2×15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して、表題化合物(350mg、収率88%)をオフホワイト色固体として得た。LCMS m/z: 271.22 [M+H].
【0310】
ステップ5:(4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタンアミン
【化106】

THF(5mL)中の4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-カルボキサミド(調製15、ステップ4)(200mg、0.74mmol)の撹拌溶液に、0~5℃でボラン-THF(THF中1M溶液、4.2mL)を加え、反応混合物を3時間加熱還流した。反応をLCMSにより監視し、完了後、反応混合物を氷浴中で冷却し、メタノールでクエンチし、真空下で濃縮乾固させた。粗生成物をCombi-flashカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(100mg、収率52.7%)をオフホワイト色固体として得た。GCMS m/z: 256.1.
【0311】
調製15:1-(1H-インドール-6-イル)-3-((4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メチル)ウレア(例14)
【化107】

DCM(1mL)中の(4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]チアジン-6-イル)メタンアミン(調製15、ステップ5)(55mg、0.21mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下0~5℃でTEA(0.09mL、0.64mmol)及びDCM(1mL)中のトリホスゲン(0.63mg、0.21mmol)の溶液を加えた。全体を同じ温度で1時間撹拌し、次いで、6-アミノインドール(22.68mg、0.17mmol)を反応混合物に加え、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。完了(LCMSにより監視された)後、溶媒を真空下で除去し、粗生成物をCombi-flashクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(14mg、収率15%)をオフホワイト色固体として得た。HPLC純度 99.44%; 1HNMR:(400 MHz; DMSO-d6): δ 3.08 (t, J = 5.12 Hz,2H), 3.87-3.87 (m, 2H), 4.07 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 6.28 (s, 1H), 6.33 (t, J =5.88 Hz, 1H), 6.72-6.77 (m, 3H), 7.01 (t, J = 7.32 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 7.96Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.72 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 2.52 Hz, 1H), 7.27-7.34 (m,3H), 7.67 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 10.81 (s, 1H); LCMS m/z: 425.09 [M+H].
【0312】
例15~37
適切なアミンを使用して一般的な手順1~20に記載されたように例1~14を製造するために使用された上記の方法にしたがって以下の表中の例を調製した。精製は、前述の方法に記載された通りであった
【0313】
【表1】



【0314】
生物学的アッセイ
THP-1細胞におけるレポーター遺伝子発現アッセイ
THP1-Dual(商標)細胞(Invivogen)は、2つの誘導性レポーターコンストラクトの安定な組込みにより、ヒトTHP-1単球細胞株から誘導された。結果として、THP1-Dual(商標)細胞は、分泌型ルシフェラーゼ(Lucia)の活性を評価することによるIRF経路の研究と、分泌型SEAPの活性を監視することによるNF-κB経路の研究とを同時に可能にする。5×10個のTHP1-Dual(商標)細胞を384ウェルプレートで成長培地に播種し、新規な化合物で10分間プレインキュベートし、その後、5μM 2’,3’-cGAMPによる刺激が続いた。20時間の刺激後、上清を取り出し、IRF経路レポータータンパク質を、Spectramax i3XルミノメーターでQUANTI-Luc(商標)(Invivogen)(ルシフェラーゼ検出試薬)を使用して細胞培養上清で容易に測定した。
【0315】
以下の表に、例示的な化合物のIC50値範囲を記載する。IC50範囲は、1μM以下の値については「A」、1μM超10μM以下の値については「B」、10μM超の値については「C」と示される。
【0316】
活性データ
【表2】

【国際調査報告】