(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質及びこれを含む潰瘍性大膓炎予防又は治療用組成物
(51)【国際特許分類】
C07K 14/485 20060101AFI20240725BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240725BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240725BHJP
A61K 38/18 20060101ALI20240725BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240725BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C07K14/485 ZNA
C12N15/12
C12N15/63 Z
A61K38/18
A61P1/04
A61P29/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508073
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2022015344
(87)【国際公開番号】W WO2023080460
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0151300
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518160702
【氏名又は名称】ネクセル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チュンソン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ドンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミンギョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンチュル
(72)【発明者】
【氏名】キム、チャングン
(72)【発明者】
【氏名】キム、グクド
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェフン
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA44
4C084CA53
4C084DB53
4C084MA55
4C084MA59
4C084MA65
4C084NA14
4C084ZA66
4C084ZB11
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、乳脂防球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor 8,MFG-E8)タンパク質に基づいて組み換えられた潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質であって、配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、予防又は治療対象に投与されることで、発病した潰瘍性大膓炎の予防或いは治療が期待できる。なお、本発明は、配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなるように乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質に基づいて組み換えられた潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質を有効成分として含む薬学組成物に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳脂防球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor 8,MFG-E8)タンパク質ベースの組換えタンパク質であって、配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなることを特徴とする、
潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質。
【請求項2】
前記組換えタンパク質は、予防又は治療対象大腸(Large Intestine)組織内粘膜の陰窩損傷(Crypt Damage)程度、炎症細胞の侵襲度(Inflammation Severity)、及び炎症細胞の侵襲範囲(Inflammation Extent)を、前記組換えタンパク質の非投与状況に比べて減少させることを特徴とする、
請求項1に記載の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質。
【請求項3】
前記組換えタンパク質は、予防又は治療対象大腸(Large Intestine)組織内粘膜のびらん(Erosion)程度及び上皮過剰増殖(Epidermal Hyperplasia)程度を、前記組換えタンパク質の非投与状況に比べて減少させることを特徴とする、
請求項1に記載の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質。
【請求項4】
前記組換えタンパク質は、予防又は治療対象の血中インターロイキン-6(Interleukin 6,IL-6)濃度を、前記組換えタンパク質の非投与状況に比べて減少させることを特徴とする、
請求項1に記載の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質。
【請求項5】
前記組換えタンパク質は、予防又は治療対象の潰瘍性大膓炎によって誘発される体重減少程度及び大腸長さの縮小程度を、非投与状況に比べて減少させることを特徴とする、
請求項1に記載の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質。
【請求項6】
前記組換えタンパク質は、病変内投与、血管内投与、皮下投与、鼻腔内投与又は腹腔内投与用に剤形化されることを特徴とする、
請求項1に記載の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項による潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質を有効成分として含む潰瘍性大膓炎予防又は治療用組成物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項による潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質をコードする遺伝子。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項による潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質及びこれを含む潰瘍性大膓炎予防又は治療用組成物をはじめとする様々な用途としての関連実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
潰瘍性大膓炎(Ulcerative colitis)は、大腸に炎症が発生して粘膜と粘膜下層を炎症細胞が侵犯する形態で現れるが、その代表症状として血便症状があり、さらには、下痢、粘液便、腹痛、我慢できない便意、しぶり腹などのような症状をはじめとして体重減少、発熱、食欲不振、全身衰弱、吐き気、嘔吐などの全身症状まで現れることがある。
正常な大腸組織は、粘膜、粘膜下組織、筋肉層、漿膜に分けられているが、潰瘍性大膓炎の発生によって粘膜と粘膜下組織で病理学的な変化が発生し、正確な原因は未だ知られていないが、環境的要因、遺伝的要因に加え、腸内に正常に存在する細菌に対する身体の過度な免疫反応などが主な発病要因とされている慢性再発性疾患である。
このような潰瘍性大膓炎は、従来、米国やヨーロッパのように主に肉食をする地域で発病率が高く、米国では毎年百万人程度の患者が発生する疾患であったが、最近では、韓国を含めてアジア地域でも患者数が益々増え、2020年傷病コードK51の韓国内潰瘍性大膓炎の入院及び外来診療患者は2010年に比し約1.7倍増加しており、療養給与費用も2010年に比し3倍以上増加して1,632億ウォン程度に至っている。
また、潰瘍性大膓炎の標準薬物治療剤として5-アミノサルチル酸(5-aminosalicylic acid,5-ASA)、及び生物学的製剤が使用されているが、患者の20%~40%が薬物治療に失敗したり副作用によって大腸切除術を受けることになる。
これと関連して、潰瘍性大膓炎治療用薬学組成物の従来技術として大韓民国登録特許公報第10-2319078号の「潰瘍性大膓炎の治療用医薬組成物」(特許文献1)がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、潰瘍性大膓炎の発病を遅延させるか、疾患を治療できる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質及びこれを有効成分として含む組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明に係る潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質は、乳脂肪球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor 8,MFG-E8)タンパク質ベースの組換えタンパク質で、配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる。
ここで、MFG-E8タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質は、予防又は治療対象大腸(Large Intestine)組織内粘膜の陰窩損傷(Crypt Damage)程度、炎症細胞の侵襲度(Inflammation Severity)、及び炎症細胞の侵襲範囲(Inflammation Extent)を、前記組換えタンパク質の非投与状況に比べて減少させることができる。
また、MFG-E8タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質は、予防又は治療対象大腸(Large Intestine)組織内の粘膜のびらん(Erosion)程度及び上皮過剰増殖(Epidermal Hyperplasia)程度を、前記組換えタンパク質の非投与状況に比べて減少させることができる。
なお、MFG-E8タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質は、予防又は治療対象の血中インターロイキン-6(Interleukin 6,IL-6)濃度を、前記組換えタンパク質の非投与状況に比べて減少させることができる。
また、MFG-E8タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質は、予防又は治療対象の潰瘍性大膓炎によって誘発される体重減少程度及び大腸長さの縮小程度を、非投与状況に比べて減少させることができる。
また、MFG-E8タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質は、病変内投与、血管内投与、皮下投与、鼻腔内投与又は腹腔内投与用に剤形化されてよい。
一方、上記の目的を達成するために、本発明に係る潰瘍性大膓炎予防又は治療用組成物は、乳脂肪球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor 8,MFG-E8)ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質を有効成分として含む。
そして、上記の目的を達成するために、本発明は、乳脂肪球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor 8,MFG-E8)タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質をコードする遺伝子を他の態様として提供する。
また、上記の目的を達成するために、本発明は、乳脂肪球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor 8,MFG-E8)タンパク質ベースの組み替えられた配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列からなる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクターをさらに他の態様として提供する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、次のような効果がある。
第一に、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質の投与により、予防又は治療対象に発病した潰瘍性大膓炎の予防或いは治療を期待することができる。
第二に、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質により、予防又は治療対象大腸(Large Intestine)組織内粘膜の陰窩損傷(Crypt Damage)程度、炎症細胞の侵襲度(Inflammation Severity)、及び炎症細胞の侵襲範囲(Inflammation Extent)を顕著に下げることができる。
第三に、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質により、予防又は治療対象大腸(Large Intestine)組織内粘膜のびらん(Erosion)程度及び上皮過剰増殖(Epidermal Hyperplasia)程度を顕著に下げることができる。
第四に、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質により、予防又は治療対象の血中インターロイキン-6(Interleukin 6,IL-6)濃度を顕著に下げることができる。
第五に、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質により、予防又は治療対象の潰瘍性大膓炎によって誘発される体重減少程度及び大腸長さの縮小程度を顕著に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の第1実施例に係るアミノ酸配列を示す。
【
図2】
図5に示すバックボーンベクター(Backbone Vector)の構造内に挿入可能であり、本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の第1実施例に係るアミノ酸配列をコードする遺伝子のDNA塩基配列を示す。
【
図3】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の第2実施例に係るアミノ酸配列を示す。
【
図4】
図5に示すバックボーンベクターの構造内に挿入可能であり、本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の第2実施例に係るアミノ酸配列をコードする遺伝子のDNA塩基配列を示す。
【
図5】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)をコードする遺伝子が挿入されたバックボーンベクターの構造を示す。
【
図6】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの作製過程を示す模式図である。
【
図7】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの大腸組織内粘膜の陰窩損傷及び炎症細胞浸潤程度を分析した結果を示す。
【
図8】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの体重変化様相及び差異を比較したグラフである。
【
図9】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの大腸長さ変化様相及び差異を比較したグラフである。
【
図10】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの作製過程を示す模式図である。
【
図11】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの大腸組織内粘膜の陰窩損傷及び炎症細胞浸潤程度を分析した結果を示す。
【
図12】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの体重変化様相及び差異を比較したグラフである。
【
図13】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの大腸長さ変化様相及び差異を比較したグラフである。
【
図14】本発明の潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証のために設計された動物実験モデルの血中インターロイキン-6(IL-6)濃度変化様相及び差異を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の好ましい実施例について添付の図面を参照してより具体的に説明する。ただし、周知の技術的部分については、簡潔な説明のために説明を省略又は圧縮するものとする。
【0008】
1.潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)に関する説明
本発明に係る潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)が収得される過程及び収得されたタンパク質の構造的特徴について、以下、
図1~
図5を参照して詳細に説明する。
【0009】
(1)潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の収得
まず、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の発現過程を説明すると、MFG-E8タンパク質構造改良のためにOrigene社のMFG-E8(NM_005928)ヒトcDNAクローン(Human cDNA Clone)(Cat.No.RG217163)を購入し、これを鋳型(Template)として用いてPCRを行い、
図2又は
図4に示すようなDNA断片(fragments)を得た。
その後、
図5に示すような構造の哺乳動物細胞用発現ベクター(Mammalian expression Vector)であるpLGCFベクターのHindIII及びSalI制限酵素部位(
図5のA部位)に、PCR増幅によって得た
図2又は
図4のDNA断片(fragments)を挿入するクローニングを行った。
その後、プラスミドDNAを抽出してHEK293細胞に形質導入(Transfection)し、2日後に培養液を集めてFLAG樹脂(resinで)免疫沈降反応(Immunoprecipitation,IP)させ、ウェスタンブロッティング(Western Blotting)で潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の発現を確認したし、意図したNP-011塩基配列(
図2又は
図4のような配列番号2又は配列番号4の塩基配列)が挿入されたコロニーを選別し、それを大量生産及び精製に利用する。
次に、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の大量生産過程を説明すると、発現を確認したプラスミドDNAをMaxi prepで多量確保した後、HEK293細胞を準備して大量のプラスミドDNAをHEK293細胞に形質導入し、潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)に該当する組換えタンパク質の大量生産を行うことができる。
次に、選別されたコロニーは50mL規模のフラスコ培養後にNP-011発現を検証して生産性の最も高いクローンを選定したし、5L規模の流加(fed-batch)培養(pH 6.0)で7日培養して一次的に回収した培養液を、Q-セファロースカラム(Sepharose column)を用いて不純タンパク質を除去し、二次的にSp-セファロースカラムを用いてNP-011タンパク質のみを吸着して純度95%以上に精製する過程により、遠心分離ベースで純粋なNP-011を精製する。
このような精製過程は、それぞれのタンパク質のC末端にFLAG遺伝子が発現しているため、FLAGアフィニティー樹脂を用いて標的タンパク質のみを結合させた後、洗浄緩衝液(Washing Buffer)で洗浄して標的タンパク質以外のタンパク質を除去することができる。
その後、溶出緩衝液(Elution Buffer)を用いて純粋な標的タンパク質のみを抽出した後、最終的に得たタンパク質の確認のためにSDS-PAGEを行い、クマシーブルー(Coomassie Blue)染色及び抗FLAG抗体を用いたウェスタンブロッティング(Western Blotting)で標的タンパク質の生産及び純度を確認することができる。
このような乳脂防球EGF因子-8(Milk fat globule-EGF factor8,MFG-E8)タンパク質に基づいて組み替えられて備えられる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の発現のためのクローニング、大量生産及び精製などのために前述した一連の具体的過程は、それに限定されず、後述する組換えタンパク質の具体的なアミノ酸配列構造(配列番号1(
図1)又は配列番号3(
図3))の構築のために当業界における技術者に公知されて自明なレベルの技術を用いて様々な方式によって具現可能である。
例えば、乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質に基づいて組み替えられて備えられる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)のクローニングに用いられる発現ベクターの構造、形質転換対象、生産条件及び形態、精製条件及び形態などの技術は、様々に実施可能である。
なお、乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質に基づいて組み替えられて備えられる潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の発現と関連して、発現ベクターにクローニングされるDNA断片(fragments)の構造も、配列番号2(
図2)又は配列番号4(
図4)の構造を基本とするが、実施によって、特定シグナルペプチド(Signal Peptide)をコードする特定DNA塩基配列がさらにDNA断片(fragments)に連結される形態で実施されてもよい。
【0010】
(2)潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の構造
前述した、組換えタンパク質のクローニング、分離、生産、精製などの過程を経て最終的に備えられる乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)は、下記の配列目録内の配列番号1(
図1)又は配列番号3(
図3)に示すようなアミノ酸配列構造を備える。
特徴的には、乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)は、MFG-E8タンパク質の構造的構成であるEGF用ドメイン、C1ドメイン及びC2ドメインのうち、EGF様ドメイン及びC1ドメインを含む構造として組み替えられる。
言い換えると、本発明の乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)は、「EGF様ドメイン+C1ドメイン」のアミノ酸配列をなすことを基本構造としており、構造上、C2ドメインが排除されることを特徴とする。
より具体的には、乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)が下記の配列目録内の配列番号1(
図1)又は配列番号3(
図3)として実施されることは、乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質が遺伝子のID(Gene ID)が同一であるが、単一核酸塩基多型現象(Single Nucleotide polymorphism,SNP)の変異によって様々なバージョンが存在するためである。
実際に、NCBIのヒトゲノム配列(Human Genome Sequencing)情報がアップデートされ、且つヨーロッパのタンパク質データベース(protein data base)であるUniProtBKにおいて乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)のオリジン(Origin)配列情報とやや異なる配列情報がアップデートされたし、Lを開始コドンにして配列番号1の53番目のアミノ酸であるMがLに修正されている。
要するに、配列番号3の53番目のアミノ酸が、
図3に下線部分のようにLに修正されている点は、
図4の下線部分のようにDNA断片(fragments)の構造上、DNA塩基配列のうち配列番号3の53番目のアミノ酸Lに対応するトリプレットコードが「ATG」から「CTG」へとSNP変異によって変換されているためである。
これにより、本発明の乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)は、SNP変異による様々なバージョンの全てを基準とするが、構造上、「C2ドメイン」が排除され、「EGF様ドメイン+C1ドメイン」のアミノ酸配列をなすことが好ましい。
このような本発明の乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)は、潰瘍性大膓炎予防又は治療用に用いられる薬学的組成物の主要有効成分として用いられてよい。
なお、本発明の乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)及びこれを主要有効成分とする薬学的組成物は、病変内投与、血管(動脈、静脈など)内投与、皮下投与、鼻腔内投与、腹腔内投与又は特定組織(肺組織)内投与用に剤形化されてよい。
一方、本発明の乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)は、前述した組換えタンパク質の発現と関連して、発現ベクターにクローニングされるDNA断片(fragments)の構造的実施形態の範囲に対応し、実施によって特定シグナルペプチド構造がさらに連結されてもよい。
例えば、特定シグナルペプチド構造は、「MPRPRLLAALCGALLCAPSLLVA」のようなアミノ酸配列を備えてEGF様ドメイン先端に連結される形態で実施可能であるが、これに限定されるものではない。
【0011】
2.潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)の効果検証試験結果に関する説明
本発明の乳脂防球EGF因子-8(MFG-E8)タンパク質ベースの潰瘍性大膓炎予防又は治療用組換えタンパク質(NP-011)と関連して、当該組換えタンパク質に起因する潰瘍性大膓炎予防又は治療の効果レベル検証を実験によって確認したし、当該実験は、当業界における技術者らに自明な手段による性質などを定義するための目的で下記の実験方法を用いた。
【0012】
(1)潰瘍性大膓炎動物モデルの作製及び実験設計
まず、DSS(Dextran sulfate sodium)を用いて潰瘍性大膓炎が誘導されたネズミに該当する動物モデルは、血便、体重減少、大腸の縮小及び粘膜潰瘍などが発生し、組織学的に大腸上皮細胞に損傷を誘発して上皮層の腸腺が炎症無しに落ち、粘膜内に様々な免疫物質の量が増加して腸管の炎症を誘発することから、DSS(Dextran sulfate sodium)は実験動物モデルの作製に広く用いられている。
具体的には、9週齢C57BL/6雌マウスに2% DSSを自由に摂取させ、一般的なDSS誘導大膓炎モデルにおいて1匹のC57BL/6マウスが1日に5mlの水分を摂取すると仮定して実験を行うので、同じ方法で2% DSS含有の水を提供する。
7日間は何ら処理せずに2% DSS含有の水のみを摂取させ、7日から11日までの5日間、2% DSS含有の水を提供すると同時に、NP-011タンパク質をはじめとする様々な比較対象物質を様々な濃度で微静脈注射して潰瘍性大膓炎(Ulcerative colitis)誘導動物モデルを作製する。
図6及び
図10に示すように、対照群に該当する「NTC」対照群は、0日から続けて水のみを供給し、陽性対照群に該当する「UC CONTROL」対照群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給した。
また、
図6に示すように、実験群に該当する「MFG-E8」実験群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給したし、160μg/kgのMFG-E8タンパク質を7日から5日間、1日1回で総5回投与した。
次に、
図10に示すように、実験群に該当する「Cyclosporin A」実験群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給したし、80μg/kgのCyclosporin A成分を7日から2日間隔で1日1回、総3回投与した。
また、
図10に示すように、実験群に該当する「Adalimumab」実験群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給したし、80mg/kgのAdalimumab成分を7日目及び11日目にそれぞれ1日1回、総2回投与した。
次に、
図10に示すように、実験群に該当する「NP-011」第1実験群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給したし、20μg/kgのNP-011組換えタンパク質を7日から5日間、1日1回で総5回投与した。
また、
図6及び
図10に示すように、実験群に該当する「NP-011」第2実験群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給したし、80μg/kgのNP-011組換えタンパク質を7日から5日間、1日1回で総5回投与した。
最後に、
図6及び
図10に示すように、実験群に該当する「NP-011」第3実験群は、0日から7日まで2% DSS含有の水のみを供給した後、7日から14日までは一般の水を供給したし、320μg/kgのNP-011組換えタンパク質を7日から5日間、1日1回で総5回投与した。
これによって作製された全ての動物モデルを用いた下記実験は、(株)ネクセル実験動物倫理委員会の承認の下に行われたし、動物管理規定を遵守した。
【0013】
(2)潰瘍性大膓炎動物モデルの病症緩和有無の検証-大腸粘膜の損傷関連
まず、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「MFG-E8」実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別に大腸組織のうち盲腸(cecum)を除去し、基部側(proximal)1~2cm、肛門(anus)1cmを確保して4%パラホルムアルデヒドで固定した。
続いて、4%パラホルムアルデヒドで固定された組織を、株式会社ケイピーエヌティーに依頼して染色(Hematoxylin & Eosin stain)及び病理組織学的検査まで行ったし、病理学的判読は、国際標準毒性病理用語集であるINHANDを参考して所見名を決め、各動物モデルグループに大腸(Large Intestine)組織内粘膜の陰窩損傷(Crypt Damage)程度、炎症細胞の侵襲度(Inflammation Severity)、及び炎症細胞の侵襲範囲(Inflammation Extent)を測定して比較した。その結果は
図7及び下表1の通りである。(参考文献-J Toxicol Pathol2016;29(1 Suppl):1S-124S)
【0014】
【0015】
図7及び表1の結果から分かるように、潰瘍性大膓炎誘導後に、陽性対照群と比較してMFG-E8 160μg/kg、NP-011 80μg/kg、NP-011 320μg/kgの順に粘膜の陰窩損傷(Crypt Damage)程度、炎症細胞の侵襲度(Inflammation Severity)、及び炎症細胞の侵襲範囲(Inflammation Extent)が減少し、全体的な大腸粘膜の損傷程度を下げていることが確認できる。
次に、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「Cyclosporin A」実験群、「Adalimumab」実験群、「NP-011」第1実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別に大腸組織のうち盲腸(cecum)を除去し、基部側(proximal)1~2cm、肛門(anus)1cmを確保して4%パラホルムアルデヒドで固定した。
続いて、4%パラホルムアルデヒドで固定された組織を株式会社ケイピーエヌティーに依頼して染色(Hematoxylin & Eosin stain)及び病理組織学的検査まで行ったし、病理学的判読は、国際標準毒性病理用語集であるINHANDを参考して所見名を決め、各動物モデルグループに対して大腸(Large Intestine)組織内粘膜のびらん(Erosion,mucsoa)、上皮過剰増殖(Epithelial hyperplasia)程度を測定して病変を比較した。その結果は、
図11及び下表2に示す通りである。(参考文献-J Toxicol Pathol 2016;29(1 Suppl):1S-124S)
【0016】
【0017】
図11及び表2の結果から分かるように、潰瘍性大膓炎誘導後に、陽性対照群と比較してCyclosporin A、NP-01120μg/kgでは同一程度に、その次にAdalimumab、NP-011 80μg/kg、NP-011 320μg/kgの順に大腸(Large Intestine)組織内粘膜のびらん(Erosion)程度及び上皮過剰増殖(Epidermal Hyperplasia)程度が減少し、全体的な大腸粘膜の損傷程度を下げていることが確認できる。
(3)潰瘍性大膓炎動物モデルの病症緩和有無の検証-体重変化関連
まず、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「MFG-E8」実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別に毎日体重を測定したし、薬物投与以前に測定して投与による誤差を減らした。
また、陽性対照群に対比して体重の増加又は減少を分析したし、これと関連した体重変化に対する総合結果は、
図8及び下表3に示す通りである。
【0018】
【0019】
図8及び表3の結果から分かるように、潰瘍性大膓炎誘導後に、陽性対照群(UC)と比較して、8日から、NP-011第2実験群及び第3実験群から統計学的に有意味な程度の重さ減少が改善されることを確認した。(**** P<0.0001、*** P<0.001、** P<0.01、* P<0.05)
次に、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「Cyclosporin A」実験群、「Adalimumab」実験群、「NP-011」第1実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別に毎日体重を測定したし、薬物投与以前に測定して投与による誤差を減らした。
また、最初体重を基準にして体重の増加又は減少を分析するとともに、陽性対照群に対比して体重の増加又は減少のレベルも分析したし、これと関連した体重変化に対する総合結果は、
図12及び下記の表4及び表5に示す通りである。
【0020】
【0021】
【0022】
図12、表4及び表5の結果から分かるように、陽性対照群(UC control)、Adalimumab、Cyclosporine A、NP-011(20~80μg/kg)においていずれも重さ減少が観察されたし、陽性対照群と比較して、NP-011(80μg/kg)、Cyclosporine Aが同一程度に、その次にNP-011(20μg/kg)、NP-011(320μg/kg)、Adalimumabの順に、大膓炎から誘発される重さ減少抑制効果を示すことが確認できる。(**** P<0.0001、*** P<0.001、** P<0.01、* P<0.05)
【0023】
(4)潰瘍性大膓炎動物モデルの病症緩和有無の検証-大腸長さ変化関連
まず、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「MFG-E8」実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別に大腸を摘出して大腸の長さを分析した。その結果は
図9の通りである。
具体的には、大腸長さ分析のために、各動物モデルは、最後の投与3日後に、二酸化炭素の漸進的な増加によって安楽死させ、大腸を摘出した。摘出した大腸を長さ測定機構(30cmの定規)と共に写真を撮り、確保された写真はimage Jによって数値化した。
図9の結果から分かるように、潰瘍性大膓炎誘導後に、非投与対照群と比較して、MFG-E8、NP-011(80、320μg/kg)において統計学的に有意味な程度の大腸長さ減少抑制による増加が観察されたし、大腸長さの減少を抑制させる程度は、「MFG-E8」実験群に比べて「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群がより優れていることが確認できる。
ここで、
図9に示すそれぞれの箱内の中央の黒色十字架は平均を意味し、箱は、それぞれのグループにおいて値の分布を25%から75%まで拡張して示している。(**** P<0.0001、*** P<0.001、** P<0.01、* P<0.05)
次に、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「Cyclosporin A」実験群、「Adalimumab」実験群、「NP-011」第1実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別に大腸を摘出して大腸の長さを分析した。その結果は
図13の通りである。
具体的には、大腸長さ分析のために、各動物モデルは、最後の投与3日後に、二酸化炭素の漸進的な増加によって安楽死させ、大腸を摘出した。摘出した大腸を長さ測定機構(30cmの定規)と共に写真を撮り、確保された写真はimage Jによって数値化した。
図13の結果から分かるように、潰瘍性大膓炎誘導後に、陽性対照群と比較して、NP-011タンパク質濃度別(20、80、320μg/kg)に大腸長さが統計学的に有意味な程度に増加していることが確認できる。
ここで、
図13に示されたそれぞれの箱内に中央の黒色十字架は、平均を意味し、箱は、それぞれのグループにおいて値の分布を25%から75%まで拡張して示している。(**** P<0.0001、*** P<0.001、** P<0.01、* P<0.05)
【0024】
(5)潰瘍性大膓炎動物モデルの病症緩和有無の検証-血中IL-6濃度関連
まず、「NTC」対照群、「UC CONTROL」対照群、「Cyclosporin A」実験群、「Adalimumab」実験群、「NP-011」第1実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれに該当する動物モデルを用いて、各動物モデルグループ別にヘパリン添加カピラリイチューブ(Heparinized capillary tube)で採取した血液を氷で30分間保管し、12,000rpm、15分、4℃で遠心分離して血餅(blood clot)を除外した血清(serum)を分離して零下80℃に保管後に、分析のために4℃で徐々に溶かした後、PBS(1% BSA)で希釈し、ELISAキットを用いてIL-6の血中濃度を測定した。その結果は、
図14に示した通りである。
ここで、インターロイキン-6(Interleukin 6,IL-6)は、TNF-α、IL-1βをはじめとして炎症性疾患を診断する際に広く確認する前炎症性サイトカインで、多くの炎症性疾患と関連したJAK/STAT経路を通じて信号を送るサイトカインの一つであり、ナイーブT細胞をTh17細胞に分化するために必要であり、このようなTh17細胞は炎症を発生させ得る。
したがって、「UC CONTROL」対照群と比較して「NP-011」第1実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれが低いIL-6の血中濃度を示し、炎症悪化を抑制することに寄与すると見なされる。
要するに、「NP-011」第1実験群、「NP-011」第2実験群、及び「NP-011」第3実験群のそれぞれは、「UC CONTROL」対照群に対比して統計学的に有意味な程度のIL-6の血中濃度が減少することが、
図14より確認できる。
ここで、
図14に示すそれぞれの箱内に中央の黒色十字架は、平均を意味し、箱は、それぞれのグループにおいて値の分布を25%から75%まで拡張して示している。(**** P<0.0001、*** P<0.001、** P<0.01、* P<0.05)
本発明に開示の実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。保護範囲は、添付する特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内における技術思想はいずれも本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【配列表】
【国際調査報告】