(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】腎代替療法のための医療液の生成
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A61M1/16 161
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508084
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022072179
(87)【国際公開番号】W WO2023016955
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プーシュリン, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ボルクヴィスト, ペル‐オロフ
(72)【発明者】
【氏名】フォルス, ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, オロフ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC02
4C077CC04
4C077EE03
4C077HH02
4C077HH16
4C077JJ02
4C077JJ17
(57)【要約】
腎代替療法、RRT、による血液の治療において使用するための医療液は、容器(23A、23B)から液体を、その中で混合するための液体チャネル(21)に送り込むためのポンプ(25A、25B)を備えるシステム(20)において生成される。ポンプ(25A、25B)は、液体間の所与の混合比を達成するように、容器(23A、23B)が配されたはかり(24A、24B)からの出力信号(S1、S2)に基づいて制御される。システムは、ポンプ(25A、25B)およびはかり(24A、24B)を備えるマシンに使い捨てアレンジメントを配することによって構成されてもよい。使い捨てアレンジメントは、液体チャネル(21)および容器(23A、23B)を定義してもよく、マシンは、RRT装置であってもよい。システム(20)は、RRT装置のための医療液をオンラインで生成するように動作させてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液を生成する方法であって、前記方法は、
第1液体を第1はかり(24A)に配された第1容器(23A)から第1液体チャネル(21)を通して送り込むように、第1ポンプ(25A)を動作させること(201)であって、前記第1液体は前記医療液の構成要素であることと、
第2液体を第2はかり(24B)に配された第2容器(23B)から第2液体チャネル(22B)を通して前記第1液体チャネル(21)のジャンクション(26B)で前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第2液体を混合するように、第2ポンプ(25B)を動作させること(202)であって、前記第2液体は前記医療液の構成要素であることと、
前記ジャンクション(26B)への前記第1液体の第1流量と前記ジャンクション(26B)への前記第2液体の第2流量との間の第1比率を達成するように、前記第1および第2はかり(24A、24B)からの第1および第2出力信号(S1、S2)に基づいて、前記第1および第2ポンプ(25A、25B)を制御すること(204)と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2液体チャネル(21、22B)、および、前記第1および第2容器(23A、23B)は、前記腎代替療法中に交換される、または、前記腎代替療法が完了したときに廃棄される、使い捨てアレンジメント(120)を形づくるように組み合わされる、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記制御すること(204)は、前記第1および第2出力信号(S1、S2)に基づいて、前記第1はかり(24A)の単位時間当たりの第1重量変化、および、前記第2はかり(24B)の単位時間当たりの第2重量変化を決定することと、単位時間当たりの前記第1および第2重量変化の間の前記第1比率を達成するように、前記第1および第2ポンプ(25A、25B)を動作させることと、を含む、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法であって、前記第1出力信号(S1)に基づいて、前記第1容器(23A)を補充する必要性を検出すること(205~206)と、液体供給源(10)から前記第1容器(23A)内に前記第1液体を選択的に入れること(208)と、をさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法であって、第3液体を前記第2はかり(24B)に配された第3容器(23C)から第3液体チャネル(22C)を通して前記ジャンクション(26B)または前記第1液体チャネル(21)のさらなるジャンクション(26C)で前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第3液体を混合するように、第3ポンプ(25C)を動作させること(203)であって、前記第3液体は前記医療液の構成要素であることをさらに含み、前記第3ポンプ(25C)は、前記ジャンクション(26B)への前記第2液体の前記第2流量と、前記ジャンクション(26B)または前記さらなるジャンクション(26C)への前記第3液体の第3流量と、の間の第2比率を達成するように動作する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記第3ポンプ(25C)は、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)の既知のストロークボリュームに基づいて、前記第2ポンプ(25B)のポンピング速度に関連して前記第3ポンプ(25C)のポンピング速度を設定することによって、前記第2比率を達成するように動作する、方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の方法であって、前記方法は、
前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)がそれぞれの初期速度で動作する間に、前記第2および第3流量の初期合成値を決定すること(601)と、
前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち一方の前記ポンピング速度の、その初期速度から第1僅かの変更を生じさせること(602)と、
前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第1僅かの変更の結果として得られる前記第2および第3流量の後続合成値を決定すること(603)と、
前記初期合成値、前記後続合成値および前記第1僅かの変更に基づいて、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方のポンピング精度を評価すること(612)と、
を含む検証手順(600)をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記ポンピング精度を評価すること(612)は、(Q
BC,0-Q
BC,1)/(1-α1)として推定流量値を計算することと、前記推定流量値を、前記第1変更の前の前記第2または第3流量の設定値と比較することと、を含み、Q
BC,0は前記初期合成値であり、Q
BC,1は前記後続合成値であり、α1は前記第1僅かの変更である、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記推定流量値と前記設定値との間の差が制限値を超える場合に、専用アクションを実行すること(613)をさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング速度を前記初期速度に戻す変更をすること(604)と、前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記ポンピング速度を前記初期速度に戻す前記変更をすることの結果として得られる前記第2および第3流量のさらなる後続合成値を決定すること(605)と、前記初期合成値と前記さらなる後続合成値とを比較すること(606)と、を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記初期合成値と前記さらなる後続合成値との間の差が制限値を超える場合に、専用アクションを実行すること(608)をさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法であって、前記検証手順(600)は、
前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)がそれぞれのさらなる初期速度で動作する間に、前記第2および第3流量のさらなる初期合成値を決定すること(605)と、
前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング速度の、そのさらなる初期速度から第2僅かの変更を生じさせること(609)であって、前記第2僅かの変更は前記ポンピング速度を増加させ、前記第1僅かの変更は前記ポンピング速度を減少させる、または、その逆である、ことと、
前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第2僅かの変更の結果として得られる前記第2および第3流量のさらなる後続合成値を決定すること(610)と、
をさらに含み、
前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング精度もまた、前記さらなる初期合成値、前記さらなる後続合成値および前記第2僅かの変更に基づいて評価される、方法。
【請求項13】
請求項7乃至12の何れか1項に記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記第1僅かの変更の結果として得られる前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方によって送り込まれる液体の量の増加または減少を打ち消すように、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング速度を一定の期間にわたり変更すること(604、609、611)を含む、方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法であって、
前記第1液体チャネル(21)の前記ジャンクション(26B)と出口(21B)との中間に、前記第1液体チャネル(21)からバイパスチャネル(121)への通路を開くように、バルブアレンジメント(27A;27’、27’’)を動作させること(1101)と、
前記第1液体を前記第1容器(23A)から前記第1液体チャネル(21)を介して前記バイパスチャネル(121)内に送り込むように、前記第1ポンプ(25A)を動作させること(1102)と、
前記第2液体を前記第2容器(23B)から前記第2液体チャネル(22B)、前記第1ジャンクション(26B)および前記第1液体チャネル(21)を介して前記バイパスチャネル(121)に送り込み、前記バイパスチャネル(121)に前記第1および第2液体の混合物を提供するように、前記第2ポンプ(25B)を動作させること(1103)と、
センサ(36)によって、前記混合物の前記組成関連パラメータを測定すること(1104)と、
前記センサ(36)が前記組成関連パラメータの目標値を測定するまで、前記第1および第2ポンプ(25A、25B)のうち少なくとも一方のポンピング速度を調整すること(1105)と、
前記第1および第2はかり(24A、24B)からの第1および第2出力信号(S1、S2)に基づいて、前記センサが前記目標値を測定する間、前記第1はかり(24A)の第1重量変化と前記第2はかり(24B)の第2重量変化との間の関係として前記第1比率を決定すること(1106)と、
をさらに含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記第1および第2液体の前記混合物が、前記バルブアレンジメントを動作させること(1101)と、前記第1ポンプを動作させること(1102)と、前記第2ポンプを動作させること(1103)と、によって前記センサ(36)に導かれるように、前記バイパスチャネル(121)は、前記センサ(36)まで延びている、方法。
【請求項16】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法であって、第3液体を第3はかり(24C)に配された第3容器(23C)から第3液体チャネル(22C)を通して前記ジャンクション(26B)または前記第1液体チャネル(21)のさらなるジャンクション(26C)で前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第3液体を混合するように、第3ポンプ(25C)を動作させること(203)であって、前記第3液体は前記医療液の構成要素であることをさらに含み、前記第3ポンプ(25C)は、前記第3はかり(24C)からの第3出力信号(S3)に基づいて、前記ジャンクション(26B)への前記第2液体の前記第2流量と、前記ジャンクション(26B)または前記さらなるジャンクション(26C)への前記第3液体の第3流量と、の間の第2比率を達成するように制御される、方法。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1項に記載の方法であって、前記ジャンクション(26B)の下流で前記医療液のサンプルを採取し、前記サンプルの組成データの入力を要求すること(204A)と、前記組成データの前記入力に応じて、前記組成データに基づいて、前記第1比率を調整すること(204B)と、をさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法であって、前記第1および第2ポンプを制御すること(204)は、前記第1液体チャネル(21)から前記医療液を受け取るように接続された腎代替療法のための装置(100)における前記医療液の消費速度と一致する流量で、前記医療液を生成するように、前記第1流量を制御することを含む、方法。
【請求項19】
プロセッサ(41)によって実行された場合に、前記プロセッサ(41)に請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法を実行させるコンピュータ命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液を生成するためのシステムであって、前記システムは、
第1はかり(24A)と、
前記第1はかり(24A)に配された第1容器(23A)と、
前記第1容器(23A)から第1液体を受け取るように配された第1液体チャネル(21)と、
前記第1液体チャネル(21)を通して液体を送り込むように配された第1ポンプ(25A)と、
第2はかり(24B)と、
前記第2はかり(24B)に配され、第2液体チャネル(22B)によってジャンクション(26B)で前記第1液体チャネル(21)に接続された第2容器(23B)と、
第2液体を前記第2容器(23B)から前記第2液体チャネル(22A)を通して前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第2液体を混合するように配された第2ポンプであって、前記第1および第2液体は、前記医療液の構成要素である、第2ポンプと、
を備える、システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、第1液体チャネル(21)内の前記第1液体への前記第2液体の混合を促進するように構成されたデバイス(264)をさらに備える、システム。
【請求項22】
請求項20または21に記載のシステムであって、前記第1液体チャネル(21)は、液体供給源(10)から前記第1液体を受け取るように構成された第1端部(21A)をさらに備え、前記第1容器(23A)は、前記第1端部(21A)と前記第1ポンプ(25A)との間で前記第1液体チャネル(21)と流体連通して接続される、システム。
【請求項23】
請求項20乃至22の何れか1項に記載のシステムであって、前記ジャンクション(26B)は、3ウェイコネクタであり、前記第1液体チャネル(21)は、前記3ウェイコネクタの第1および第2ポート(261、262)に取り付けられたチューブ(21’、21’’)によって少なくとも部分的に定義され、前記第2液体チャネル(22B)は、前記3ウェイコネクタの第3ポート(263)に取り付けられたチューブ(22’)によって少なくとも部分的に定義される、システム。
【請求項24】
請求項20乃至23の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1および第2液体チャネル(21、22B)、および、前記第1および第2容器(23A、23B)は、使い捨てアレンジメント(120)を形づくるように組み合わせられる、システム。
【請求項25】
請求項20乃至24の何れか1項に記載のシステムであって、前記ジャンクション(26B)と前記医療液のための出口(21B)との中間で前記第1液体チャネル(21)に接続されるバイパスチャネル(121)と、前記出口(21B)または前記バイパスチャネル(121)のうち一方に液体を選択的に導くように動作可能なバルブアレンジメント(27A;27’、27’’)と、をさらに備える、システム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、組成関連パラメータを測定するように構成されたセンサ(36)をさらに備え、前記バイパスチャネル(121)は、前記センサ(36)まで延びている、システム。
【請求項27】
請求項20乃至26の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2ポンプ(25B)は、前記第2液体チャネル(22B)内に配され、前記第1ポンプ(25A)は、前記ジャンクション(26B)と前記医療液のための出口(21B)との中間の前記第1液体チャネル(21)内に配される、システム。
【請求項28】
請求項20乃至27の何れか1項に記載のシステムであって、請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法を実行するように構成された制御デバイス(40)をさらに備える、システム。
【請求項29】
装置(100)に取り付けるための使い捨てアレンジメントであって、前記使い捨てアレンジメントは、
前記装置(100)の第1はかり(24A)に取り付けるように構成された第1容器(23A)と、
前記第1容器(23A)から第1液体を受け取るように配された第1液体チャネル(21)と、
前記第1液体チャネル(21)のジャンクション(26B)に接続された第2液体チャネル(22B)と、
を備え、
前記第1液体チャネル(21)は、前記装置(100)の第1ポンプ(25A)と係合するための第1係合部(E1)を定義し、
前記第2液体チャネル(22B)は、前記第1液体チャネル(21)内で第2液体を混合するように、前記第2液体チャネル(22B)を通して前記第1液体チャネル(21)内に前記第2液体を送り込むための前記装置(100)の第2ポンプ(25B)と係合するための第2係合部(E2)を定義し、
前記第1および第2液体は、腎代替療法による血液の治療における使用のための医療液の構成要素であり、
前記使い捨てアレンジメントは、前記装置(100)に取り付けられ、動作する場合に、前記第1液体チャネル(21)内に前記医療液を生成するように構成されている、
使い捨てアレンジメント。
【請求項30】
請求項29に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第1液体チャネル(21)は、液体供給源(10)から前記第1液体を受け取るように構成された入口端部(21A)をさらに備え、前記第1容器(23A)は、前記入口端部(21A)と前記ジャンクション(26B)との間で前記第1液体チャネル(21)と流体連通して接続される、使い捨てアレンジメント。
【請求項31】
請求項29または30に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第1容器(23A)は空である、使い捨てアレンジメント。
【請求項32】
請求項29乃至31の何れか1項に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第1液体は水である、使い捨てアレンジメント。
【請求項33】
請求項29乃至32の何れか1項に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第2液体チャネル(22B)と流体連通する第2容器(23B)、または、前記第2容器(23B)を取り付けるための前記第2液体チャネル(22B)のコネクタ(22B’)のうち少なくとも1つをさらに備え、前記第2容器(23B)は、前記装置(100)の第2はかり(24B)に取り付けるように構成されている、使い捨てアレンジメント。
【請求項34】
請求項33に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第2容器(23B)は、前記第2液体を保持する、使い捨てアレンジメント。
【請求項35】
請求項33または34に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第2液体は、液体濃縮物である、使い捨てアレンジメント。
【請求項36】
請求項33乃至35の何れか1項に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記ジャンクション(26B)、または、前記第1液体チャネル(21)のさらなるジャンクション(26C)に接続された第3液体チャネル(22C)をさらに備え、前記第3液体チャネル(22C)は、前記第1液体チャネル(21)内で第3液体を混合するように、前記第3液体チャネル(22C)を通して前記第1液体チャネル(21)内に前記第3液体を送り込むための前記装置(100)の第3ポンプ(25C)と係合するための第3係合部を定義し、前記第3液体は、前記医療液の構成要素である、使い捨てアレンジメント。
【請求項37】
請求項36に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第3液体チャネル(22C)と流体連通する第3容器(23B)、または、前記第3容器(23C)を取り付けるための前記第3液体チャネル(22)のコネクタのうち少なくとも1つをさらに備え、前記第3容器(23C)は、前記装置(100)の前記第2はかり(24B)または第3はかりに取り付けるように構成されている、使い捨てアレンジメント。
【請求項38】
請求項37に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第3容器(23C)は、前記第3液体を保持する、使い捨てアレンジメント。
【請求項39】
請求項29乃至38の何れか1項に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記ジャンクション(26B)の下流の前記第1液体チャネル(21)にサンプリングポート(28)をさらに備え、前記サンプリングポート(28)は、サンプリングのために、前記第1液体チャネル(21)内の前記医療液へのアクセスを提供するように構成されている、使い捨てアレンジメント。
【請求項40】
請求項29乃至39の何れか1項に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記ジャンクション(26B)と前記医療液のための出口端部(21B)との中間で前記第1液体チャネル(21)と流体連通するバイパスチャネル(121)をさらに備え、前記バイパスチャネル(121)は、組成関連パラメータを測定するためのセンサ(36)への取り外し可能な取り付けのためのコネクタ(21C)を備える、使い捨てアレンジメント。
【請求項41】
請求項40に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記装置(100)のバルブアレンジメント(105)に取り付けられるように構成されており、前記バルブアレンジメントは、前記出口(21B)または前記バイパスチャネル(121)のうち一方に、前記第1液体チャネル(21)内の液体を選択的に導くように動作可能である、使い捨てアレンジメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、腎代替療法の分野に関し、具体的には、そのような治療において使用するための医療液の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
腎代替療法(RRT)は、腎臓の正常な血液濾過機能を代替する治療である。腎不全として知られ、急性腎不全および慢性腎疾患を含む腎臓が十分に機能していないときに使用される。RRTは、例えば、透析(血液透析、HD、または、腹膜透析、PD)、血液濾過、または、血液透析濾過によって、腎不全に罹患している患者の血液からの溶質の除去を伴う。モダリティに応じて、RRTは、手動で、または、マシンの使用によって実行されうる。
【0003】
RRTにおいて、特定の組成の1つ以上の医療液が、血液の治療に使用される。そのような医療液は、所謂、透析液および置換液を含む。長期にわたるRRTは、大量の医療液を消費する。
【0004】
RRTのいくつかのモダリティにおいて、予め作られた医療液が、事前充填されたバッグで、例えば、集中治療室や患者の家などのケアポイントにデリバリされる。大量の医療液の使用は、輸送を通じて環境に著しく影響を与える。集中治療室において、ケアポイントでの事前充填されたバッグの管理およびハンドリングが、スタッフに負担をかけ、時間が要し、スタッフの注意を他のタスクからそらす。
【0005】
例えば、従来のPDは、事前充填されたバッグの使用によって実行される。HDにおいて、急性腎不全(AKI)の患者および慢性腎疾患(CKD)の患者の治療のために、異なるタイプのマシンが使用される。AKIの患者の治療のためのHDマシンは、一般に、医療液の事前充填されたバッグを使用するように構成されるが、CKDの患者の治療のためのHDマシンは、一般に、1つ以上の濃縮物を水と混合することによって、オンデマンドで医療液を生成する、所謂、オンライン液体生成の機能が組み込まれている。近年、オンライン液体生成の機能が組み込まれたPDマシンも提案されている。
【0006】
液体生成機能が組み込まれたRRTのためのマシンは、医療液の事前充填されたバッグを使用するように構成されたRRTのためのマシンと比較して、比較的複雑であり、コストがかかる。
【発明の概要】
【0007】
従来技術の1つ以上の制限を少なくとも部分的に克服することが目的である。
【0008】
さらなる目的は、RRTによる血液の治療において使用するための医療液を生成するためのマシンの複雑さを低減することである。
【0009】
別の目的は、マシンの使用によって医療液を生成するコストを低減することである。
【0010】
これらの目的のうちの1つ以上、および、以下の説明から明らかになりうるさらなる目的は、従属請求項によって定義される、医療液を生成する方法、コンピュータ可読媒体、医療液を生成するためのシステム、および、使い捨てアレンジメントによって少なくとも部分的に達成される。
【0011】
第1態様は、腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液を生成する方法である。方法は、第1液体を第1はかりに配された第1容器から第1液体チャネルを通して送り込むように第1ポンプを動作させることであって、第1液体は医療液の構成要素であることと、第2液体を第2はかりに配された第2容器から第2液体チャネルを通して第1液体チャネルの第1ジャンクションで第1液体チャネル内に送り込み、第1液体チャネル内で第2液体を混合するように第2ポンプを動作させることであって、第2液体は医療液の構成要素であることと、ジャンクションへの第1液体の第1流量とジャンクションへの第2液体の第2流量との間の第1比率を達成するように、第1および第2はかりからの第1および第2出力信号に基づいて、第1および第2ポンプを制御することと、を含む。
【0012】
第1態様は、第1および第2はかりによる測定、したがって、第1および第2液体の消費を示す第1および第2出力信号に基づいて、医療液の生成を制御する。それによって、第1および第2出力信号は、経時的な質量または重量の変化を示し、したがって、医療液の生成中の第1および第2液体の質量流量に関する情報を含む。第1態様は、それによって、はかりの出力信号によって与えられる流量に基づいて、第1および第2液体の混合比を制御することによって、医療液を生成する簡単で十分に制御された方法を提供する(重量流量測定)。さらに、第1態様によると、第2液体は、第1液体チャネル自体の中で混合される。第1態様は、従来の混合タンクなどを必要とせずに、第1液体チャネルにおいて十分な混合が達成されうるという洞察に基づく。第1液体チャネル内における第2液体の混合は、必要に応じて、生成された医療液を、RRTのための下流の装置にオンデマンドで供給することを可能にする。それはまた、医療液を生成するシステムのサイズ、構造の複雑さ、および、コストの低減を可能にする。
【0013】
第2態様は、プロセッサによって実行されると、第1態様またはその実施形態の何れかの方法をプロセッサに実行させるコンピュータ命令を備えるコンピュータ可読媒体である。
【0014】
第3態様は、腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液を生成するためのシステムである。システムは、第1はかりと、第1はかりに配された第1容器と、第1容器から第1液体を受け取るように配された第1液体チャネルと、第1液体チャネルを通して液体を送り込むように配された第1ポンプと、第2はかりと、第2はかりに配され、第2液体チャネルによってジャンクションで第1液体チャネルに接続された第2容器と、第2液体を第2容器から第2液体チャネルを通して第1液体チャネルに送り込み、第1液体チャネル内で第2液体を混合するように配された第2ポンプと、を備える。
【0015】
第2および第3態様は、第1態様と技術的な利点を共有する。
【0016】
第4態様は、装置に取り付けるための使い捨てアレンジメントである。使い捨てアレンジメントは、装置の第1はかりに取り付けるように構成された第1容器と、第1容器から第1液体を受け取るようにハイされた第1液体チャネルと、第1液体チャネルのジャンクションに接続された第2液体チャネルと、を備え、第1液体チャネルはジャンクションの上流で装置の第1ポンプと係合するための第1係合部を定義し、第2液体チャネルは、第1液体チャネル内に第2液体チャネルを通して第2液体を送り込み、第1液体チャネル内で第2液体を混合するための、装置の第2ポンプと係合するための第2係合部を定義する。第1および第2液体は、腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液の構成要素であり、使い捨てアレンジメントは、装置に取り付けられたときに、第1液体チャネル内に医療液を生成するように動作可能である。
【0017】
第4態様の使い捨てアレンジメントは、医療液の生成のために装置を構成することを可能にする簡単な方法を提供する。第1および第2はかり、および、第1および第2ポンプを備える任意の既存の装置は、医療液を生成する新しい機能を提供するために、使い捨てアレンジメントと組み合わせられうる。例えば、スケールは、所謂、CRRT(持続的腎代替療法)のために構成され、AKIの患者の治療のために使用されるRRTマシンにおいて一般的である。第4態様は、医療液を生成する簡単でコスト効果が高い技術を提供し、装置内に組み込まれた液体生成ユニットの必要性を排除することが実現される。医療液は、オンラインで生成されてもよく、これは、医療液がそれが生成される速度で医療液を消費する進行中のRRTに提供されることを意味する。進行中のRRTは、装置自体によって、または、RRTのための別の装置によって実行されうる。代わりに、医療液が、1つ以上の容器に貯蔵するために生成され、その後、RRTで使用するために分配されてもよい。使い捨て装置のアレンジメントはまた、医療液の生成のための組み込まれた(恒久的な)ユニットを有する任意の装置において必要である、装置の定期的な消毒の必要性を軽減または排除する。
【0018】
さらに他の目的、態様および利点、ならびに、特徴および実施形態は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、ならびに、図面から明らかになりうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、透析液を生成するための例示的なシステムの概略図である。
【
図2B】
図2Aは、腎代替療法(RRT)において使用するための医療液を生成する例示的な方法のフローチャートであり、
図2Bは、RRTのための例示的な調製プロセスのフローチャートである。
【
図3】
図3Aは、RRTのための例示的な装置の正面図であり、
図3Bは、
図3Aの装置に設置するための例示的な使い捨てアレンジメントの平面図であり、
図3Cは、
図1のシステムにおける例示的な混合注入デバイスの平面図である。
【
図4】
図4は、
図1のシステムを動作させる例示的な方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、例示的な検証手順のフローチャートである。
【
図7】
図7A~7Bは、検証手順中の時間に応じたポンプスピードの例示的なグラフである。
【
図8】
図8は、RRTのための例示的な体外血液回路の概略図である。
【
図11】
図11は、
図10のシステムによって実行される例示的な手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態を、すべてではないがいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照しながら、より完全に説明する。実際、本開示の主題は、多くの異なる形態で具現化されうり、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たしうるように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0021】
また、可能であれば、本明細書に記載および/または企図される実施形態のいずれかの利点、特徴、機能、デバイス、および/または、動作態様のいずれかは、本明細書に記載および/または企図される他の実施形態のいずれかに含められうり、および/または、その逆もありうることが理解されよう。追加して、可能な場合、本明細書において単数形で表現された任意の用語は、別段の明示的な記載がない限り、複数形も含むこと、および/または、その逆も含むことを意味する。本明細書で用いられる場合、「少なくとも1つ」は、「1つ以上」を意味し、これらの語句は、交換可能であることが意図される。したがって、「a」および/または「an」という用語は、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味するものとするが、「1つ以上の」または「少なくとも1つの」というフレーズも本明細書で使用される。本明細書で用いられる場合、文脈が言葉または必要な含意を表現するために別途必要とする場合を除き、単語「含む(comprise)」、または、「複数(comprises)」または「複数(comprising)」などの変形は、包括的な意味で、すなわち、述べられた特徴の存在を特定するが、種々の実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除しないように使用される。
【0022】
さらに、第1、第2などの用語は種々の要素を説明するために本明細書で使用されうるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲を逸脱することなく、第1要素は第2要素とすることができ、同様に、第2要素は第1要素とすることができる。本明細書で用いられる場合、用語「多数の(multiple)」、「複数の(plural)」および「複数(plurality)」という用語は、2つ以上の要素の提供を意味することを意図している。「および/または」という用語は、関連する列挙された要素のうちの1つまたは複数の任意のおよびすべての組合せを含む。
【0023】
本明細書で用いられる場合、「HDマシン」は、当技術分野で「急性透析」として知られるAKIの患者の治療、および/または、当技術分野で「慢性透析」として知られるCKDの患者の治療に専用の任意のマシンを指す。いくつかの実施形態は、急性透析のためのHDマシンに特に適しており、その理由は、そのようなHDマシンが一般に、はかりのセットを含むからである。
【0024】
本明細書で用いられる場合、「医療液」は、透析液、置換液(replacement fluid)(置換液(substitution fluid)としても知られる)または任意の他の注入液を含む、腎代替療法(RRT)による血液治療における使用のために供給されうる任意の液体を指す。そのような医療液は、血液の治療において使用するために供給され、したがって、そのような血液とは異なることに留意されたい。本明細書で用いられる場合、RRTは、血液透析(HD)、血液濾過(HF)、血液透析濾過(HDF)、腹膜透析(PD)などを含むが、これらに限定されるものではない。以下の説明は、任意の形態のRRTによる血液治療のために使用されうる任意の医療液に適用可能である。
【0025】
よく知られている機能または構造は、簡潔さおよび/または明瞭さのために詳細に説明されない場合がある。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0026】
図1は、医療液を生成するための例示的なシステム20の概略図である。システム20は、第1液体を第2液体と混合することによって、医療液を生成する。したがって、第1および第2液体は、医療液の成分である。以下の説明は、第1液体が水であり、第2液体が液体濃縮物であり、医療液がHDで使用するための透析液であると仮定する。システム20は、例えば、汚染物質、細菌細胞数、および、エンドトキシンの観点から、要求される品質の水を供給するように構成された供給源10から水を受け取るように構成される。水の供給源10は、集中型システムまたは水道水出口に接続されたローカルなスタンドアロンデバイスであってもよい。
【0027】
システム20は、供給源10から血液フィルタ(「透析器」)30まで延びる第1液体チャネル21(「メインチャネル」)を備える。第1容器23Aが、ジャンクション26Aにおいてメインチャネル21に接続する第1接続液体チャネル22Aを介してメインチャネル21と流体連通している。制御バルブ27が、システム20への水の流入を制御するために、供給源10と第1接続液体チャネル22Aとの間のメインチャネル21に配される。容器23Aは、容器23Aの重量を示す測定信号または出力信号S1を提供するように構成されたはかり24Aに配される。容器は、本明細書でははかりのフック状部材に吊り下げられて示されているが、代わりに、はかりに載置されてもよい。システム20は、濃縮物をメインチャネル21に供給するためのサブシステムをさらに備える。サブシステムは、濃縮物を収容する第2容器23Bを含む。容器23Bは、容器23Bの重量を示す測定信号または出力信号S2を提供するように構成されたはかり24Bに配される。容器23Bは、第2接続液体チャネル22Bを介してメインチャネル21と流体連通している。液体チャネル22Bは、ジャンクション26Bにおいてメインチャネル21に接続されている。
【0028】
システム20は、2つの液体ポンプをさらに備える。第1液体ポンプ25Aが、メインチャネル21、中間ジャンクション26A、26Bの中または上に配され、メインチャネル21に沿ってジャンクション26Bに向かって水を送り込む。第2液体ポンプ25Bが、濃縮物を容器22Bからジャンクション26Bに向かって、したがって、メインチャネル21に送り込むように配される。以下では、ジャンクション26Bへの水および濃縮物の流量が、
図1の角括弧内に示されるように、それぞれQ
AおよびQ
Bで示される。結果として得られた透析液の流量は、Q
ABで示される。水および濃縮物の液体流は、ジャンクション26Bで合流し、ジャンクション26Bの下流でメインチャネル21内で混合される。
図1には示されていないが、システム20は、混合を促進するように構成された1つ以上のデバイスを、例えば、メインチャネル21内のジャンクション26Bの内側またはジャンクション26Bの下流に含みうる。いくつかの実施形態において、ジャンクション26Bは、3ウェイコネクタである。さらなる詳細は、
図3Cを参照して以下に与えられる。
【0029】
図10(後述)に含まれる変形例において、メインチャネル21は、別個の液体チャネル29を介して供給源10と流体連通する容器23Aから延び、制御バルブ27は、システム20への水の流入を制御するために別個の液体チャネル29に配される。
【0030】
図10にも含まれる別の変形例において、第1液体ポンプ25Aが代わりに、ジャンクション26Bの下流のメインチャネル21内またはメインチャネル21上に配される。それによって、ポンプ25Aは、Q
ABを定義し、また、Q
Bがポンプ25Bによって定義されるように、Q
Aを間接的に定義する。
【0031】
図1の例において、システム20は、ジャンクション26Bの下流にサンプリングポート28をさらに含む。サンプリングポート28は、その中の液体のサンプルの抽出のためにメインチャネル21へのアクセスを提供する任意の従来の構成でありうる。
【0032】
図1に示されるように、センサ36が、通過する液体の導電率または通過する液体中の1つ以上の物質の濃度を測定するために、メインチャネル21内に配されうる。図示されるように、センサ36は、測定信号または出力信号S3を提供する。
【0033】
図1には示されていない、さらなる変形例において、システム20は、例えば、ジャンクション26Bの下流のメインチャネル21内に、1つ以上の滅菌グレードのフィルタをさらに備える。フィルタは、生菌(無菌性)およびエンドトキシンの観点から、医療液が超高純度透析液体の基準、または、置換液の基準を満たすことを確実にするように構成されうる。そのようなフィルタは、当技術分野において周知である。
【0034】
図1において、システム20は、HD治療のためのアレンジメントに含まれ、透析液のオンライン生成のために構成される。オンライン生成は、本明細書で用いられる場合、医療液の生成速度がRRT中の医療液の消費速度と一致することを意味する。
図1のHD治療のためのアレンジメントは、当技術分野で周知のように、半透膜33によって分離された第1および第2コンパートメント31、32を定義する透析器30を備える。メインチャネル21は、第1コンパートメント31に接続され、透析液が矢印によって示されるように、第1コンパートメント31を通り、図示されるように、ドレーン38に開口する廃液チャネル37、または、使用済み透析液を収集するための容器(「廃液」)に流れることを可能にする。さらなるポンプ25D(「廃液ポンプ」)が、透析器30からの廃液の流量を制御するために、廃液チャネル37内または廃液チャネル37上に配される。
図1にも示されるように、第1および第2血液ライン34、35が、矢印によって示されるように、患者からの血液が第2コンパートメント32を通して送り込まれることを可能にするために、第2コンパートメントに接続される。それによって、透析器30において血液が治療される。血液透析の原理は、当業者に周知であり、本明細書ではさらに説明しない。
【0035】
図9に示されるシステム20の変形例では、バイパスチャネル121が、透析器30の第1コンパートメント31と並行して追加される。バイパスチャネル121は、メインチャネル21とドレーン38との間に追加の液体経路を確立する。バルブアレンジメント27’、27’’が、メインチャネル21内の流れを透析器30の代わりにバイパスチャネル121に選択的に導くように動作可能である。図示されるように、センサ36は、バイパスチャネル121内に配されることが考えられる。液体の流れは、
図1のポンプ25A、25Bによって、バイパスチャネル121の中へ、および、バイパスチャネル121を通って駆動される。
【0036】
いくつかの実施形態において、システム20は、RRTのための装置内の恒久的なユニットである。そのような恒久的なユニットにおいて、液体チャネル21、22A、22Bは、チューブによって定義されてもよく、または、固体ブロック内の通路として構成されてもよく、液体ポンプ25A、25Bおよび制御バルブ27は、任意のタイプであってもよい。容器23Bは、必要に応じて、補充のために濃縮物の供給源に接続されてもよいことが理解される。代わりに、容器23Bが取り外され、空のときに充填された容器と交換されてもよい。そのような恒久的なユニットは、液体チャネルおよび液体に遭遇する任意の他の構成要素の洗浄および消毒のための装置に接続される必要があることが理解される。
【0037】
いくつかの実施形態において、システム20は、RRTのための装置に医療液を供給するように配された別個の液体生成装置の恒久的なユニットである。
【0038】
図3A~3Bを参照して以下でさらに詳細に説明されるいくつかの実施形態において、システム20は、液体チャネル21、22A、22Bおよび容器23A、23Bを定義する使い捨てアレンジメントを備え、はかり、ポンプ、バルブなどのシステム20の他の構成要素を備える装置またはマシンと係合して配される。マシンは、以下において「モニタ」とも示されるHDマシン、または、HDマシンとは別個の液体生成装置であってもよい。使い捨てアレンジメントにおいて、液体チャネル21、22A、22Bは、チューブによって定義されてもよく、容器23A、23Bはフレキシブルバッグまたはリジッド容器によって定義されてもよい。いくつかの実施形態において、使い捨てアレンジメントは、プラスチック材料から作られる。液体ポンプ25A、25Bは、チューブの外側に係合してチューブの移動圧縮を生成し、液体をチューブに沿って移動させる蠕動ポンプであってもよい。従来、蠕動ポンプの使用を可能にするために、チューブは、蠕動ポンプの圧縮要素によって係合されるように構成された、ポンプセグメントとしても知られる専用の係合部分を備える。同様に、バルブ27は例えば、液体の通過を阻止するようにチューブを選択的に圧迫することによって、チューブを通る流れを制御するためにチューブの外側に係合するクランプ、ピンチバルブなどであってもよい。
【0039】
図1に示されるように、制御デバイス40が、システム20の動作を制御するために提供される。システム20がHDマシンによって動作する場合、制御デバイス40は、HDマシンのコントローラであってもよいし、別個のコントローラであってもよい。図示される例では、制御デバイス40は、コンピュータ命令を含む制御プログラムに従って、バルブ27のための制御信号C1、ポンプ25A、25Bのための制御信号C2、C3を生成するように構成される。制御プログラムはまた、はかり24A、24Bおよびセンサ36(存在する場合)から制御デバイス40によって受信された測定信号S1~S3に基づいて動作するように構成される。制御デバイス40は、プロセッサ41およびコンピュータメモリ42を備える。制御プログラムは、メモリ42に記憶され、プロセッサ41によって実行される。制御プログラムは、有形(非一時的)製品(例えば、磁気媒体、光ディスク、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリなど)、または、伝搬信号でありうるコンピュータ可読媒体で制御デバイス40に供給されうる。図示される例では、制御デバイス40は、システム20に制御信号を供給し、システム20から測定信号を受信するための信号インタフェース43Aを備えている。制御デバイス40はまた、ユーザが制御データを入力することを可能にする1つ以上の入力デバイス44に接続するための入力インタフェース43Bと、ユーザにフィードバックデータを提供するための1つ以上の出力デバイス45に接続するための出力インタフェース43Cと、を備える。例えば、入力デバイス44は、キーボード、キーパッド、コンピュータマウス、制御ボタン、タッチスクリーン、プリンタ、マイクロフォンなどを備えていてもよく、出力デバイス45は、ディスプレイデバイス、タッチスクリーン、インジケータランプ、アラームデバイス、スピーカなどを備えていてもよい。ユーザは、医師または看護師などの臨床経験がある人、または、患者であってもよい。
【0040】
制御デバイス40は、さらなる制御信号を生成し、さらなる測定信号を受信するように構成されうることが理解される。例えば、システム20がHDマシンの一部である場合、制御デバイス40は、
図1の廃液ポンプ25Dのための制御信号C4によって示されるように、HDマシン内のさらなるポンプ、バルブなどのための制御信号を生成してもよい。
【0041】
図2Aは、透析液を生成するために
図1のシステムを動作させる例示的な方法200のフローチャートである。方法200は、制御信号C1~C3を介することによって、制御デバイス40によって実行されうる。方法200は、バルブ27を開くことによって、水が供給源10から第1容器23Aに入ったと推定する。ステップ201において、ポンプ25Aは、第1液体(ここでは水)を容器23Aからメインチャネル21を通して送り込むように動作する。ステップ202において、ポンプ25Bは、第2液体(ここでは濃縮物)を容器23Bから接続液体チャネル22Bを通ってジャンクション26Bのメインチャネル21内に送り込み、メインチャネル内の第2液体が混合するように動作する。ステップ204は、はかり24A、24Bからの測定信号S1、S2に基づいて、ポンプ25A、25Bを制御し、ジャンクション26Bへの第1流量(Q
A)とジャンクション26Bへの第2流量(Q
B)との間の指定された比率を達成するように、ステップ201および202と同時に実行される。指定された比率は、濃縮物と水との間の所望の混合比をもたらす。指定された比率は、ユーザによって決定されてもよく、制御デバイス40によって計算されてもよく、または、専用のチューニング手順(
図11、以下)において決定されてもよい。
【0042】
方法200は、測定信号S1、S2に基づいてポンプ25A、25Bの開ループまたは閉ループ制御を実行するステップ204によって、透析液を生成する単純で十分に制御された技術を提供する。
【0043】
第1液体が水であるとき、ステップ204は、透析液の目標組成を達成するために、容器23Bからの濃縮物を効果的に希釈する。
【0044】
ステップ204は、信号S1、S2から、ポンプ25A、25Bが動作している間に、第1期間中の第1はかり24Aの第1重量変化と、第2期間中の第2はかり24Bの第2重量変化と、を決定することを含みうる。第1および第2重量変化、および、第1および第2期間の長さに基づいて、ステップ204は、第1および第2はかり24A、24Bのそれぞれについて単位時間当たりの重量変化を決定しうる。単位時間当たりの重量変化は、質量流量QA、QBを示す。次いで、ステップ204は、指定された比率、例えば、QA/QB=R1、または、QA/QAB=R1’に対応する質量流量の間の関係を達成するように、ポンプ25A、25Bのスピードを設定する。ステップ204は、S1およびS2に基づいてそれぞれのポンプ25A、25Bのストロークボリュームの較正値を計算し、R1またはR1’を満たすようにそれぞれのポンプのスピードを設定することによって、開ループ制御を実行してもよい。代わりに、ステップ204は、S1およびS2を考慮し、QaおよびQBがR1またはR1’を満たすQAおよびQBの目標値を達成するように、それぞれのポンプを制御することによって、閉ループ制御を実行してもよい。ステップ204を実行して、結果として得られる透析液の特性を表すセンサ36(存在する場合)からの測定信号S3も考慮することによって、さらに高い精度が達成されうる。したがって、測定信号S3に応じて、ステップ204は、ポンプ25A、25Bのうちの少なくとも1つのスピードを調整してもよい。
【0045】
ステップ204はまた、例えば、システム20がオンライン液体生成のために構成される場合、結果として得られる透析液の所与の流量Q
ABを達成するように、ポンプ25A、25Bを制御してもよい。Q
ABの制御は、ジャンクション26Bの下流にポンプ25Aを配することによって容易にすることができる(
図10参照)。
【0046】
方法200は、2つの液体の混合に適用可能であるだけでなく、任意の数の液体の混合に拡張されてもよい。この例として、
図2Aの方法200は、第3ポンプを動作させて、第3液体、例えば別の濃縮物を、第2はかりまたは第3はかりの第3容器から、メインチャネル内に送り込み、メインチャネル内の第3液体を混合するステップ203を含む。ステップ203の実施形態、および、ステップ204の対応する修正は、
図5A~
図5Bを参照して以下に例示される。
【0047】
図2Aはまた、方法200がサンプリングポート(
図1の28)で、結果として得られた透析液のサンプルを採取し、サンプルの組成データを入力するようにユーザに要求するステップ204Aを含みうることを示している。組成データは、例えば、その導電率または1つ以上の物質の濃度を決定するために、サンプルの従来の分析によって得ることができる。要求は、出力デバイス45(
図1)で生成されてもよく、組成データは、入力デバイス44(
図1)を介して入力されてもよい。方法200は、組成データを受信すると、透析液の1つ以上の特性を調整するためにステップ204によって実行される制御を更新するステップ204Bをさらに含みうる。例えば、ステップ204Bは、容器23B内の濃縮物の組成の公称組成からの逸脱、はかり24A、24Bの測定の不正確さなどを補正しうる。いくつかの実施形態において、方法200は、容器23Bが再充填または交換されたときはいつでも、ステップ204A~204Bを実行する。
【0048】
図2Bは、装置、例えば上述のモニタを使用することによってRRTを実行するための例示的な方法220のフローチャートである。方法220は、モニタのユーザによって実行される。ステップ221において、ユーザは、透析回路を定義するために、モニタに第1使い捨てアレンジメントを設置する。
図1を参照すると、透析回路は、透析器30、廃液ライン37、廃液ポンプ25D、および、血液ライン34、35を含む体外血液回路を備える。そのような第1使い捨てアレンジメントおよびその使用は、当技術分野で周知であり、詳細には説明しない。第1使い捨てアレンジメントは、少なくとも透析器30、廃液ライン37、および、血液ライン34、35を定義するラインセットを含む。ラインセットはまた、ドリップチャンバ、患者の血液循環系への接続のための血液ライン34、35上の1つ以上のアクセスデバイスなどを含んでもよい。ステップ222において、第2使い捨てアレンジメントが、液体生成システム20を定義するためにモニタに設置され、第2使い捨てアレンジメントにまだ含まれていない場合、水の供給源(
図1の10)および濃縮物の容器(
図1の23B)に接続される。第2使い捨てアレンジメントおよびその設置の例が、
図3A~
図3Bを参照して以下に説明される。ステップ223において、モニタは、RRTを同時に実行し、RRTで使用するための医療液、例えば透析液を生成するように動作する。代わりに、ステップ221は省略され、ステップ223は、医療液のみを生成するようにモニタを動作させる。さらなる代替例では、ステップ222が省略され、代わりにシステム20がモニタに統合される。
【0049】
図3Aは、モニタ100の概略的な例を示す。モニタ100は、この例では、モニタ100の再配置を容易にするための車輪が設けられているスタンド102に取り付けられたシャーシ101を有する。はかり24A~24Dは、シャーシ101に配され、モニタ100のユーザによって容器が配されうる突出するフック状エレメントに接続される。ポンプアレンジメント25が、ユーザがアクセス可能な複数の蠕動ポンプ25A~25Dを定義するように、シャーシ101に提供される。モニタ100は、シャーシ101内のセンサに接続されたセンサポート103のセットをさらに備える。センサは、圧力、温度、導電率などを測定するように構成されてもよい。
図3Aの例では、モニタ100は、エア検出器104A、透析器のためのホルダ104B、および、クランプ105のセットをさらに備える。制御ユニット40は、シャーシ101内に配され、エア検出器104A、センサおよびはかり24A~24Dから測定データを取得することによって、および、ポンプ25A~25Dおよびクランプ105を選択的に作動させることによって、モニタ100の動作を制御するように構成される。タッチスクリーンが、制御デバイス40に接続され、ユーザとの対話のための複合入出力デバイス44/45を形成する。
【0050】
図3Aのモニタ100は、単に非限定的な例として与えられていることが強調されるべきである。含まれる構成要素は、機能および数の両方が異なりうる。しかしながら、モニタ100は、少なくとも2つのはかり、少なくとも2つの蠕動ポンプ、および、クランプを備えると仮定される。これらの構成要素は、
図1のシステム20のはかり24A、24B、ポンプ25A、25Bおよびバルブ27を実現する。このタイプのモニタは、急性腎不全の患者、所謂、急性透析によってAKIを治療するために一般に使用される。急性透析において、患者は、典型的にはRRTによって連続的に治療され、この治療は、CRRTとして一般に知られている。急性透析の連続的な特質は、液体除去(「限外濾過」)の正確な制御を必要とする。液体の除去を正確にモニタおよび制御するために、急性透析のためのマシンは、通常、透析液があらかじめ充填された容器、および、廃液を受け取るための空の容器を取り付けるためのはかりを有する。
【0051】
背景技術の項で述べたように、透析液の充填済み容器の分配およびハンドリングには、多くの固有の欠点がある。これらの欠点は、
図3Bに示される使い捨てアレンジメント120(「使い捨て品」)の使用によって克服されうる。使い捨て品120は、
図1の液体生成システム20を定義するために、モニタ100に設置されてもよい。
図3Bの例において、使い捨て品120は、入口コネクタ21Aから出口コネクタ21Bまで延びるメインチャネル21を定義する。入口コネクタ21Aは、供給源10(
図1)に接続するように構成され、出口コネクタ21Bは、透析器30またはモニタ100のセンサポート103(以下を参照)に接続するように構成される。使い捨て品120は、
図1を参照して説明したように、第1容器23A、第1接続液体チャネル22A、ジャンクション26B、第2接続液体チャネル22B、および、第2容器23Bをさらに備える、または、定義する。上述の代替例において、入口コネクタ21Aが代わりに、メインチャネル21とは別個であり、第1容器23Aから延びる接続ラインの端部に配されてもよい(
図10参照)。使い捨て品120は、メインチャネル21に第1係合部E1、液体チャネル22Bに第2係合部E2をさらに備える。係合部E1、E2は、上述のように、それぞれの蠕動ポンプによって係合されるように構成される。変形例において、係合部E1は、代わりに、ジャンクション26Bの下流に配される。破線で示されるように、使い捨て品120はまた、
図1を参照して説明したように、サンプリングポート28を含みうる。図示されていないが、使い捨て品120はまた、センサ36および/またはバイパスチャネル121(
図9~
図10)および/または廃液ライン37および/または上述の滅菌グレートのフィルタを含んでもよい。
【0052】
図2Bのステップ222によれば、使い捨て品120は、システム20を定義するためにモニタ100に設置されてもよい。このとき、第1容器23Aは空であり、第2容器23Bには濃縮物が充填されている。使い捨て品120は、使い捨て品120をモニタ100に取り付ける前または取り付けている間に、単一の構成要素として、または、ユーザによって接合される部品としてデリバリされてもよい。例えば、第2容器23Bは、別個にデリバリされ、ユーザによって、液体チャネル22Bの端部のコネクタ22B’に取り付けられてもよい。
【0053】
図3Aのモニタへの
図3Bの使い捨て品120の設置は、容器23Aをはかり24Aに吊り下げること、容器23Bをはかり24Bに吊り下げること、コネクタ22B’を容器23Bに取り付けること、ポンプ25Aに係合部E1を配すること、ポンプ25Bに係合部E2を配すること、クランプ105にメインチャネル21を配し、それによって、
図1のバルブ27として動作すること、を含む。さらに、入口コネクタ21Aは、モニタ100とは別個でありうる供給源10に接続され、出口コネクタ21Bは透析器30に接続されうる。使い捨て品120がバイパスチャネル121(
図9)を備える場合、メインチャネル21およびバイパスチャネル121は、2つのさらなるクランプ105に配されえ、それによって、
図9のバルブ構成27’、27’’を形成する。使い捨て品120がセンサ36(
図1)を含む場合、センサ36のワイヤが、信号S3をモニタ100に転送するためにモニタ100のデータ入力ポート(図示せず)に接続されうる。変形例において、センサ36がモニタ100内で利用可能である場合、出口コネクタ21Bは、モニタ100の専用センサポート103に接続されてもよく、モニタ100の出口ポート(図示せず)は、透析器30と流体連通して接続されてもよい。それによって、システム20によって生成された透析液は、センサポート103を介してセンサ36を通り、出口ポートを介して透析器30の第1コンパートメント31(
図1)に導かれる。
【0054】
モニタ100は、第1および第2使い捨てアレンジメントの両方を収容するのに十分な構成要素を有する必要があることが理解される。例えば、
図3Bの使い捨て装置120の設置に要求される構成要素に加えて、第1使い捨てアレンジメント(
図2Bのステップ221)の設置は、体外血液回路の廃液ポンプ(
図1の25D参照)および血液ポンプとして動作する少なくとも2つの空ポンプと、廃液を受け取るための空容器が取り付けられる少なくとも1つの空はかりと、を必要としうる。
【0055】
図1のシステム20の例示的な動作は、使い捨て品120(
図3A)をモニタ100(
図3B)に取り付けた後、
図4のフローチャートを参照して説明される。システム20の初期状態は、第1容器23Aが空であり、第2容器23Bがある量の濃縮物を保持することである。
図4に示されていない最初のステップにおいて、ポンプ25Aが停止されている間に、バルブ27が開かれて第1容器23Aに水を入れる。はかり24Aによって示されるように、所定の量の水が容器23Aに入ると、バルブ27は閉じられる。次に、システム20は、
図2Aを参照して説明したように、ステップ201~204、および、任意でステップ204A~204Bに従って動作する。上述のように、ステップ204は、質量流量Q
AとQ
Bとの間の指定された比率の目標値、および、任意で透析液の流量Q
ABのための目標値を達成するように、ポンプ25A、25Bを動作させうる。これらの目標値のいずれも、動作中の任意の時点で変更されてもよい。結果として得られる透析液の予想される組成は、制御デバイス40が濃縮物の組成についての情報を有する場合、計算され、出力デバイス45上でユーザに表示されうる。
【0056】
図4では、システム20の動作がステップ205~208によって示される、第1容器23Aを補充するための第1チェック手順と、ステップ209~213によって示される、第2容器23Bを交換するための第2チェック手順と、を含む。
【0057】
第1チェック手順は、容器23Aを補充または補充する必要性を検出するために、はかり24Aからの測定信号S1を評価するステップ205を含む。例えば、ステップ205は、はかり24Aによって測定された現在の重量を基準重量と比較し、現在の重量が基準重量を下回ったときに補充の必要性を決定することができる。基準重量は、システム20の始動時、すなわち、空のとき、容器23Aの重量に関連して予め定義または設定されうる。補充の必要性が検出されない場合、ステップ206は、手順をステップ204に戻す。そうでない場合、ステップ206は、ステップ207に進み、ポンプ25A、25Bを停止させ、それによって透析液の流れを一時的に停止させる。RTTが液体の生成と同時に実行される場合、廃液ポンプ25Dも停止されうる。ステップ207の後に、ステップ208において、バルブ27が開かれ容器23Aに水を入れる。はかり24Aによって示されるように、所定の量の水が容器23Aに入ると、バルブ27は閉じられ、その後、手順はポンプをスタートし、ステップ204に戻る。
【0058】
第2チェック手順は、容器23Bを交換する必要性を検出するために、はかり24Bからの測定信号S2を評価するステップ209を含む。例えば、ステップ205は、はかり24Bによって測定された現在の重量を基準重量と比較し、現在の重量が基準重量を下回ったときに補充の必要性を決定することができる。基準重量は、システム20の始動時、すなわち、満杯のとき、容器23Bの重量に関連して予め定義または設定されうる。補充の必要性が検出されない場合、ステップ210は、手順をステップ204に戻す。そうでない場合、ステップ210は、ステップ211に進み、ステップ207と同様に動作を停止する。ステップ211の後に、ユーザは、出力デバイス45を介して、コンテナ23Bを切り離し、新しい満杯の容器23Bを設置するように命令される(ステップ212)。次に、システム20は、入力デバイス44を介したユーザによる確認を待つ。確認が受信され(ステップ213)、任意で、はかり24Bが十分な重量を測定したことが提供されると、手順はポンプをスタートし、ステップ204に戻る。はかり24Bによって測定された重量が低すぎる場合、または、ステップ213が長すぎる待機(タイムアウト)の場合、ステップ212によって新しい命令が提供されうる。
【0059】
図3Cは、3つのポート261、262、263を有する内部マニホールドを定義する3ウェイコネクタによって実装されるジャンクション26Bの模式図である。メインチャネル21のセクション21’、21’’は、ポート261、262に接続され、接続液体チャネル22Bのセクション22’は、ポート263に接続される。セクション21’、21’’、22’は、ポート261、262、263に恒久的にまたは取り外し可能に接続されてもよく、チューブとして構成されてもよい。ポート261、263での流入流(Q
A、Q
B)は、内部マニホールド内で合流し、ポート262を通る合成流(Q
AB)を形成する。3ウェイコネクタ26Bは、流入流の混合を促進または強化するためのデバイス264を備える。この混合促進デバイス264は、合成流および/または流入流の何れかのレイノルズ数を増加させるように構成されうる。いくつかの実施形態において、混合促進デバイス264は、デバイス264の下流で乱流を生成または増加させるように構成されうる。いくつかの実施形態において、デバイス264は、断面が縮小され、次いで拡張される通路を形成し、内部マニホールド内の任意の場所に配されうる狭窄部を定義する。混合促進デバイスを有する3ウェイコネクタの非限定的な例は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2009/030973豪に開示されている。この既知の3ウェイコネクタは、血液への溶液の注入のために構成されるが、当業者は、より低い粘度の液体およびシステム20で使用される流量に教示を適合させることができる。変形例において、混合促進デバイス264は、ジャンクション26Bから分離され、ジャンクション26Bの下流に配されてもよい。そのような別個のデバイス264は、上述の集積デバイスと同じ構成であってもよい。代わりに、別個のデバイス264は、従来のスタティックミキサー、または、合成流が循環され、透析器に運ばれる前に混合を促進する再循環回路として構成されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、混合促進デバイス264は、液体の効率的かつ即時の混合を確実にするように構成される。他の実施形態において、例えば、ジャンクション26Bと透析器30との間の距離、またはRRTのタイプに応じて、透析器30に到達するときに液体が十分に混合される限り、より少ないまたはより遅い混合度が許容されうる。例えば、CRRTは、現在、不完全な混合に対してより寛容であると考えられている。しかしながら、必要とされる混合の程度は、液体の化学的特性にも依存しうる。例えば、
図5A~5Bを参照して例示されるように、2つの濃縮物が水と混合される場合、不完全な混合の場合、局所的な化学的不安定性が生じうる。例えば、混合が不完全である場合、重炭酸塩濃縮物は、他の濃縮物のカルシウムと沈殿する傾向がありうる。
【0061】
図5Aは、3つの液体を混合することによって、透析液を生成するように構成されたシステム20を示す。以下の説明は、
図1のシステム20との相違点のみに焦点を当てる。
図1と比較して、システム20は、第3はかり24C、第3はかり24Cの第3容器23C、第3容器23Cとジャンクション26Bの下流のメインチャネル21の第2ジャンクション26Cとの間に延びる第3接続液体チャネル22Cを備える。液体ポンプ25Cは、第3容器23Cからジャンクション26Cに向かって、したがってメインチャネル21に第3液体を送り込むように配される。ジャンクション26Cは、第3液体が混合される、第1および第2液体の合成流を受け取る。以下において、
図5Aの括弧内に示すように、ジャンクション26Bからの合成流の流量をQ
ABで示し、第3液体の流量をQ
Cで示し、結果として得られる透析液の流量をQ
ABCで示す。ジャンクション26Cは、例えば、
図3Cを参照して説明したように、ジャンクション26Bと同じ構成を有していてもよい。以下において、第1液体が水であり、第2および第3液体が透析液の成分である第1および第2液体濃縮物であると仮定する。当技術分野で公知の任意の濃縮物が使用されうる。
【0062】
上述のように、
図2の方法200は、3つの液体の混合にも適用可能である。
図5Aの例において、ステップ203がポンプ25Cを動作させ、第2濃縮物を容器23Cから第3接続液体チャネル22Cを通りメインチャネル21内に送り込み、メインチャネル21内で第2濃縮物を混合する。Q
AとQ
Bとの間の第1比率を達成するようにポンプ25A、25Bを制御することに加えて、ステップ204は、はかり24Cからの信号S4に基づいてポンプ25Cを制御し、第1ジャンクション26Bへの第1濃縮物の流量(Q
B)と第2ジャンクション26Cへの第2濃縮物の流量(Q
C)との間の第2比率を達成する。ポンプ25Cの制御は、ポンプ25A、25Bの制御と同様に行われうる。ポンプ25Cは第2比率を達成するために、ポンプ25A、25Bの何れかに関連して設定されうることに留意されたい。最終的に、ステップ204は、ポンプ25A、25B、25Cを制御し、透析液の処方に適合するQ
A、Q
B、Q
C間の関係(混合比率)を達成する。理解されるように、ステップ204はまた、例えば、システム20がオンライン液体生成のために構成される場合、結果として得られる透析液の所与の流量Q
ABCを達成するように、ポンプ25A、25B、25Cを制御してもよい。
【0063】
図5Aのシステム20を動作させるために、
図1の制御デバイス40は、はかり24Cから測定信号S4を受信し、ポンプ25Cのための制御信号C5を出力するようにさらに構成される。さらに、
図4に従う動作は、第2チェック手順に対応するが、容器23Cを交換する必要性を検出するためにはかり24Cからの信号S4を評価する第3チェック手順を含みうる。
【0064】
また、
図5Aのシステム20は、
図3Bの使い捨てアレンジメント120(「拡張された使い捨て品」)の修正バージョンによって実装されてもよいことを理解されたい。
図3Bの使い捨て品と比較して、拡張された使い捨て品は、液体チャネル22Cと、第2ジャンクション26Cと、液体チャネル22Cの第3係合部と、をさらに備える。第3係合部は、ポンプ25Cと係合するように構成されている。第2濃縮物で満たされた第3容器23Cは、液体チャネル22Cに接続または接続可能であってもよい。
【0065】
拡張された使い捨て品の変形例、および、
図5Aのシステムにおいて、液体チャネル22Cが、液体チャネル22Bまたは第1ジャンクション26Bに液体的に接続され、第2ジャンクション26Cは省略される。
【0066】
図5Aのシステムは、
図1のシステムの単純かつ直接的な拡張である。しかしながら、それは、追加のはかり24Cの利用可能性を仮定する。例えば、拡張された使い捨て品が、液体生成のための2つの空のはかりのみを有するマシンに配される場合、追加のはかりが利用可能でない状況がありうる。
【0067】
図5Bは、3つの液体を混合するために2つのはかりのみを必要とする例示的なシステム20を示す。
図5Bのシステムは、第2および第3容器23B、23Cが第2はかり24Bに配されている点のみが、
図5Aのシステムと構造的に異なる。したがって、はかり24Bの測定信号S2は、容器23B、23Cの合計重量を示す。
【0068】
方法200はまた、
図5Bのシステム20に適用可能である。ステップ203は、
図5Aのシステムについて上述したように、第3ポンプ25Cを動作させる。Q
AとQ
Bとの間の第1比率を達成するようにポンプ25A、25Bを制御することに加えて、ステップ204は、第1ジャンクション26Bへの第1濃縮物の流量(Q
B)と第2ジャンクション26Cへの第2濃縮物の流量(Q
C)との間の第2比率を達成するようにポンプ25Cを制御する。1つの実施形態において、ステップ204は、第2および第3ポンプ25B、25Cが第1および第2比率を達成するように制御されるとき、透析液Q
ABCの所望の(目標)流量をもたらす流量Q
Aを生成するようにポンプ25Aを制御しうる。ステップ204はさらに、それぞれのポンプ25B、25Cのストロークボリュームに基づいて、第1および第2比率に従ってQ
BおよびQ
Cを生成するように、第2および第3ポンプ25B、25Cを共同で制御しうる。具体的には、ステップ204がポンプ25B、25C間の相対速度を維持することができ、その結果、それらの予想される流量の間の第2比率(各ポンプの速度とストロークボリュームの積によって与えられる)が得られる。ステップ204は、Q
AとQ
Bとの間の第1比率を達成するために、ポンプ25A、25Bの間の相対速度を維持しながら、ポンプ25A、25Bの速度をさらに設定してもよい。ストロークボリュームは、それぞれのポンプ25B、25Cについて予め定義または測定してもよい。例えば、ストロークボリュームの較正値は、ポンプ25B、25Cのうちの1つのみを動作させ、単位時間当たりのストローク数(「ポンピング速度」)を実行し、信号S2から対応する重量変化(「質量流量」)を決定することによって、較正手順中に決定することができる。本明細書で用いられる場合、ストロークボリュームは、ポンピングストローク当たりのボリュームまたは質量の観点から与えられてもよい。上記の例では、質量流量をポンピング速度で割ることによって、質量によるストロークボリュームを計算することができる。
【0069】
ステップ204は、S1を考慮してQAの目標値を達成するようにポンプ25Aを制御することによって、および、QB+QCの目標値を達成するようにS2を考慮してポンプ25B、25Cを共同で制御することによって、閉ループ制御を実行することができる。ステップ204は、センサ36(存在する場合)からの測定信号S3を考慮することも考えられる。したがって、測定信号S3に応じて、ステップ204は、ポンプ25A、25B、25Cのうちの少なくとも1つのスピードを調整してもよい。
【0070】
図5A~
図5Bのシステムは、代わりに、ジャンクション26Cの下流にポンプ25Aを配するように修正されてもよい。それによって、ポンプ25AはQ
ABCを定義し、また、間接的にQ
Aを画定する。方法200は、ポンプ25A、25B、25Cを制御してQ
A、Q
B、Q
C間の任意の所望の混合比率を達成するために、ポンプ25Aのこの配置にも同様に適用可能であることが理解される。
【0071】
図5Bのシステム20を動作させるために、
図1の制御デバイス40は、ポンプ25Cのための制御信号C5を出力するようにさらに構成される。
図4の第1および第2チェック手順は、
図5Bのシステムにおいても使用されうる。例えば、第2および第3容器23B、23Cがほぼ同時に枯渇すると予想される場合、第2チェック手順は、はかり24Bによって測定された現在の重量が基準重量を下回ったときに、両方の容器23B、23Cを交換する必要性を推測し、信号を送ってもよい。代わりに、第2チェック手順のステップ209~210は、それぞれの容器23B、23Cから送り出された液体の累積量を計算し、この容器の累積量が基準量を超えたときに容器の1つを再充填する必要性を検出するように修正されてもよい。累積量は、デッドレコニングによって、例えば、ストローク数をカウントし、ストローク数にストローク量を乗算することによって計算されてもよい。
【0072】
図5Bにおいて、流量Q
BおよびQ
Cがそれらのストロークボリュームに基づいてポンプ25B、25Cのスピードを設定することによって制御されるとき、流量Q
BおよびQ
Cがそれらのそれぞれの目標値に合致することを検証することが望ましい場合がある。
図6は
図2Aの方法200に含まれ、流量Q
BおよびQ
Cを定量化するために、液体生成中に少なくとも1回または間欠的に実行されうる、検証手順600のフローチャートである。任意のステップは、
図6において破線によって示される。以下では、第2および第3液体の合成流量(Q
B+Q
C)が、Q
BCによって示される。
図7A~7Bは、手順600中のポンプ25B、25Cのうち一方の速度を時間的に例示する役割を果たす。
【0073】
手順600の開始時に、ポンプ25B、25Cは、
図7Aの一方のポンプについてω0として示されるそれぞれの初期速度で動作し、流量Q
B,0およびQ
C,0が結果として得られる。ステップ601において、測定された時間的な重量変化に基づいて、測定信号S2から合成流量Q
BCが決定される。これによって、初期の合成流量Q
BC,0が得られる。ステップ602において、ポンプ25B、25C(「選択されたポンプ」)のうちの一方の速度が、所定の僅かの量α1だけ変更される。これは、
図7Aのω0からω1へのステップ変化71として見られる。速度は、
図7Aに示されるように減少されてもよいし、または、増加されてもよい。他のポンプの速度は、手順600の全体にわたって固定される。僅かの量は、任意の値、例えば、1~20%の範囲でありうる。ステップ603において、合成流量Q
BCが測定信号S2から再度決定され、第1後続の合成流量Q
BC,1が結果として得られる。次いで、
図7Aのステップ変化72によって示されるように、選択されたポンプをその初期速度ω0に戻すステップ604によって、僅かの変化を反転することが好ましい場合がある。これは、透析液の組成に対する手順600の影響を制限する。次いで、手順600は、ポンピング精度、すなわち、Q
BC,0、Q
BC,1およびα1に基づいてQ
BおよびQ
Cの精度を評価するステップ612に進みうる。評価は、ポンプ25Bが選択されたポンプであると仮定して、以下の式のセットに基づき、
Q
BC,0=ω0・V
B+ω
C・V
C
Q
BC,1=ω1・V
B+ω
C・V
C=α1・ω0・V
B+ω
C・V
C
V
Bは、ポンプ25Bのストロークボリュームであり、V
Cは、ポンプ25Cのストロークボリュームであり、ω
Cは、ポンプ25Cの速度である。これらの式は、ストロークボリュームV
B、V
Cがステップ601、603の間で変更されないことを仮定し、Q
BC,0-Q
BC,1=ω0・V
B・(1-α1)=Q
B,0・(1-α1)のように再構成されてもよい。したがって、手順600の開始時における流量Q
BおよびQ
Cは、ステップ612によって計算されうる。
Q
B,0=(Q
BC,0-Q
BC,1)/(1-α1)
Q
C,0=(Q
BC,0-Q
B,0)
【0074】
ポンプ25Cが代わりに選択されたポンプである場合、対応する式のセットが与えられうる。
【0075】
次いで、ステップ613は、結果として得られたQ
B,0およびQ
C,0の値を目標値に関して評価する。十分な大きさの逸脱が見つからない場合、ステップ613はステップ204(
図2A)に進む。そうではなく、逸脱が制限値を超える場合、ステップ613はステップ614に進み、Q
BおよびQ
Cをよりよく目標値に一致させるように、ポンプ25B、25Cの速度を修正し、次いで、場合によっては、Q
ABCの目標値を達成するために、ポンプ25A、25B、25Cの速度を共同で修正しうる。例えば、ステップ614は、更新されたストロークボリュームのためのQ
B、Q
Cの目標値を生成するために、ストロークボリュームV
B、V
Cの更新された値を計算し、ポンプ25B、25Cの速度を設定してもよい。逸脱が過大である場合、ステップ614は、液体生成を停止し、および/または、ユーザに警告を出力してもよい。
【0076】
手順600は、ステップ602がストロークボリュームV
B、V
Cを変更した場合に検出するように働くステップ605~608を含んでいてもよい。ステップ605において、ステップ604による反転の後、ステップ601と同様に、測定信号S2から合成流量QBCが決定される。これによって、
図7Aに示すように、第2後続の合成流量Q
BC,2が得られる。ステップ606は、Q
BC,2とQ
BC,0とを比較することによって、ストロークボリュームの整合性を評価する。ステップ606は、ストロークボリュームの変化がQ
BCのヒステリシスとして現れる可能性が高いとの認識に基づいている。制限値を超える逸脱が見つかった場合、ステップ607は、液体生成を停止し、および/または、ユーザに警告を出力しうるステップ608に進む。
【0077】
手順600は、ステップ602および604によって引き起こされる透析液の組成の変化を補償するのに役立つステップ609および611を含みうる。ステップ609において、選択されたポンプの速度は、第2僅かの量α2だけ変更される。これは、
図7Bのω0からω2へのステップ変化73として見られる。ステップ609のステップ変化は、ステップ602のステップ変化とは逆方向に行われる。したがって、ステップ602が速度を増加させる場合、ステップ609は速度を減少させ、逆もまた同様である。ステップ611は、
図7Bのステップ変化74によって示されるように、選択されたポンプをその元の速度ω0に戻すために、第2僅かの変更を反転する。ステップ609~611は、全体として検証手順600にわたってω0に等しい平均ポンピング速度を選択されたポンプに提供するために含まれる。
【0078】
手順600は、ステップ601と同様に、測定信号S2からの合成流量Q
BCを決定するステップ610を含んでもよい。これによって、
図7Bに示すように、第3後続の合成流量Q
BC,3が得られる。ステップ611は、Q
BC,2、Q
BC,3およびα2も考慮するように修正されてもよく、それによって、ステップ612、614の精度を向上しうる過剰決定される式のシステムを提供する。
【0079】
図7Bに示され、
図6のステップ609および611を参照して説明されるような補償は、単なる一例であることに留意されたい。1つの代替例において、選択されたポンプのポンピング速度が補償中に変化する。別の代替例では、ステップ604~608が省略され、
図7Bのω1から補償が行われる。一般に、補償は、ステップ602による第1僅かの変更の結果として選択されたポンプによって送り込まれる液体の量の増加または減少を打ち消すように、選択されたポンプのポンピング速度を一定の期間にわたり(
図7BのΔT)、変更させることを含むと見なすことができる。
【0080】
いくつかの実施形態において、システム20は、透析液の組成が目標組成から逸脱する可能性が高いと判断される場合、例えば、始動などの一時的な段階の間、または、目標組成が大幅に変化する場合に、バイパスチャネル121(
図9)に液体流を導くように操作されうる。例えば、液体流は、手順600中にバイパスチャネル121を通って方向付けられうる。さらに、液体流は、それぞれのポンプ25B、25Cのストロークボリュームの較正値を決定するための上述の較正手順中に、バイパスチャネル121に導かれうる。
【0081】
図8は、液体生成システム20と組み合わせて使用されうる体外血液回路(EBC)130の非限定的な例を提供するために含まれる。EBC130は、例えば、CRRTにおいて使用されうる。
図8において、EBC130は、脱血端および返血端において患者Pに接続される。接続は、針またはカテーテルなどの任意の従来のデバイスによって実行されうる。EBC130は、RRT装置(
図3Aの100参照)のポンプ132、135A、135Bに取り付けられた使い捨て品131を備える。使い捨て品131は、脱血経路34および返血経路35を定義する血液ラインまたはチューブを備える。透析器30は、脱血経路34と返血経路35との間に接続される。血液ポンプ132が、患者Pから血液を引き出し、透析器30の血液コンパートメントを介して血液を患者Pに送り返すように配される。透析器30は、液体経路21の透析液を受け取り、液体経路37の廃液を出力するように接続される。図示の例において、EBC130は、血液ポンプ132と透析器30との中間の脱血経路34に液体ライン134Aによって接続された置換液の第1供給源133Aをさらに備える。液体ポンプ135Aが、置換液を供給源133Aから脱血経路34内に送り込むように配される。EBC130は、液体ライン134Bによって返血経路35に接続された置換液の第2供給源133Bをさらに備える。液体ポンプ135Bが、置換液を供給源133Bから返血経路25内に送り込むように配される。CRRTの例において、EBC130はまた、抗凝固剤、例えばクエン酸塩もしくはヘパリンの注入のためのアレンジメント、または、カルシウム含有溶液の注入のためのアレンジメントを含んでもよい。
【0082】
本明細書に記載の液体生成システム20は、
図8の透析器30に透析液を提供するように接続されてもよいことが理解される。代わりにまたは追加で、置換液は、そのようなシステム20によって生成されてもよい。
【0083】
上述のように、
図8は単なる一例であり、EBC130は、クランプ、圧力センサ、エア検出器、ドリップチャンバなどの他の従来の構成要素を含みる。また、置換液の前注入および/または後注入は省略されてもよい。
【0084】
本明細書に記載の液体生成システム20で使用することができる市販の濃縮物がある。
【0085】
いくつかの実施形態において、血液透析、血液濾過または血液透析濾過による慢性腎疾患(CKG)の患者の治療のための透析液は、単一濃縮物を体積比で10~50倍の希釈率で水と混合することによって生成される。非限定的な例では、単一の濃縮物は、乳酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、グルコースおよび塩化物を含む。このような濃縮物は、例えば、NxStageからPureFlow SLシステムのために市販されている。代わりに、透析液が、2つの濃縮物を水と混合することによって生成されてもよい。例えば、重炭酸塩濃縮物および酸濃縮物が、10~50倍の希釈率で水と混合されうる。このような濃縮物は市販されており、当技術分野で周知である。非限定的な例では、重炭酸塩濃縮物は、重炭酸塩を含み、酸濃縮物は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、グルコース、酢酸塩および塩化物を含む。いくつかの酸濃縮物において、酢酸塩は、別の酸、例えばクエン酸によって置き換えられるかまたは補充される。
【0086】
いくつかの実施形態において、急性腎不全(AKI)の患者のCRRT治療のための透析液が、少なくとも1つの濃縮物を水と混合することによって生成される。非限定的な例では、そのような透析液は、重炭酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコース、酢酸塩および塩化物を含む。一例において、塩基濃縮物および電解質濃縮物が、透析液を形成するために水と混合されうる。例えば、塩基濃縮物は、アルカリ性炭酸水素塩溶液であってもよく、電解質濃縮物は、酸性グルコース系電解質溶液であってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、腹膜透析(PD)に使用するための透析液が、少なくとも1つの濃縮物を水と混合することによって生成される。個々にまたは組み合わせて水と混合されるPD濃縮物の例示的な組成は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0021501号明細書および国際公開第2017/193069号に開示されている。
【0088】
前述の開示は、医療液の生成のための3つよりも多い液体の混合に等しく適用可能である。例えば、
図5Aのシステム20は、設置される各追加の容器のためのさらなるはかりを含むようにさらに拡張されてもよい。
図5Aにおいて、
図5Bと同様に、2つの容器を1つのはかりに配することも考えられる。さらなる変形例では、
図5Aまたは
図5Bにおいて、3つ以上の容器が1つのはかりに配されてもよい。
【0089】
図1に戻り、制御デバイス40は、入力インタフェース43Bを介して受信した入力制御データに基づいて、システム20を動作させる。入力制御データは、ユーザによって少なくとも部分的に手動で入力されてもよい。いくつかの実施形態において、入力制御データは、システムに設置された濃縮物、および、生成される医療液の目標組成を示す。例えば、入力制御データは、それぞれの濃縮物の公称組成または実際の組成を特定してもよく、それによって、制御デバイス40は、目標組成を達成するために、濃縮物と水との間の上述の比率を決定することを可能にする。いくつかの実施形態において、入力インタフェース43Bは、専用のリーダデバイス(44参照)に接続され、リーダがそれぞれの容器のバーコードまたはRFIDタグを識別するか、それぞれの容器のラベルの光学文字認識(OCR)を実行することによって、公称または実際の組成が与えられる。代わりの実施形態において、液体間のそれぞれの比率が、ユーザによって直接入力される。入力制御データはまた、生成されるべき医療液の流量の目標値を示してもよい。システム20がオンライン液体生成のために動作する場合、この目標値は、RRTの設定、または、RRTによる医療液の現在の消費を示す信号によって与えられうる。
【0090】
安全機能が液体生成システム20に含まれてもよいことも理解されたい。そのような安全機能は、誤動作の検出を可能にするための独立した第2はかりシステムの設置、容器の誤接続を防止するためにキー付きコネクタの使用、誤接続の検出を可能にするために異なる容器の異なる重量の使用、容器の正しい接続を容易にするために色分けの使用などを含む。
【0091】
上述のように、システム20は、生成された医療液(
図1参照)の導電率を測定するためのセンサ36を含みうる。システム20内の液体ポンプは、はかりからの測定信号に基づいて、流量間の指定された比率または割合を達成するように制御されえ、測定された導電率は、逸脱を検出し、保護措置をとるように構成された保護機能によって使用されうる。代わりに、システム20内の液体ポンプが、測定された導電率に基づいて比率を達成するように制御されてもよく、はかりからの測定信号は、保護機能によって使用されてもよい。センサ36を設けることによって、システム20は、誤った容器が設置されたかどうかを検出することができ、組成の大きな誤差を伴う医療液のデリバリを防止することができる。
【0092】
図2Aを参照して述べたように、方法200は、サンプリングポート28(
図1参照)の使用を含むステップ204Aを含みうる。オンライン生成において、ステップ204Aは、例えば、新しい容器がシステム20に設置されたときはいつでも、医療液のサンプルを採取し、1つ以上の電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、重炭酸塩など)、または、グルコースなどの1つ以上の添加物のその含有量についてサンプルを分析するように、ユーザに命令してもよい。この組成チェック要求は、連続する容器が濃縮物の同じバッチに関連する場合、無視されるか、省略されうる。ステップ204Aは、固定または調整可能でありうる時間枠内、例えば、新しい容器の設置後30~120分以内に分析結果をユーザが入力することを要求してもよい。調節可能な時間枠は、透析ドーズに依存して設定されえ、より大きな透析ドーズはより短い時間枠をもたらす。内容物が予想される組成から著しく逸脱することが判明した場合、方法200は、RRTを中断/一時停止し、ユーザに、設置された濃縮物が正しいかどうかをチェックするように要求してもよい。逸脱がより小さい場合、方法200は、ユーザに新しいサンプルを採取し、分析するように命令してもよい。逸脱が新たなサンプルに存続する場合、方法200は、ステップ204Bにおいて、比率を調整してもよい。新しいサンプルに逸脱が見つからない場合、方法200は、医療液を生成するための現在の設定を使用するように進みうる。
【0093】
本明細書に記載される液体生成のためのシステムおよび方法は、HDに限定されず、任意のタイプのRRTに適用される。
図10は、任意のタイプのRRTのための医療液を生成するための例示的なシステム20を示す。図示されるシステム20は、2つの液体を混合することによって医療液を生成するように構成されるが、
図5Aまたは
図5Bと同様に、必要に応じてさらなる液体を混合するように拡張されてもよい。
図1および
図10の構成要素は、それらに同じ参照番号が付されている限り、同一である。そのような構成要素については説明を繰り返さない。
【0094】
図10では、メインチャネル21の出口が、受容デバイス30’に液体的に結合される。受容デバイス30’は、システム20が
図2Aの方法200に従って動作する場合に、メインチャネル21内で生成される医療液を受け取るように構成される。いくつかの実施形態において、医療液は、HDまたはHDFなどの体外血液治療で使用するための透析液であり、受容デバイス30’は、透析器30(
図1)およびさらなる従来の構成要素を備える。いくつかの実施形態において、医療液は、HFまたはHDFで使用するための置換液であり、受容デバイス30’は、脱血経路34および/または返血経路35(
図1)に注入ポート(図示せず)を備える。いくつかの実施形態において、医療液は、PDで使用するための透析液であり、受容デバイス30’は、PDサイクラに取り付けられた使い捨てまたは再使用可能な液体回路を備える。受容デバイス30’は、そのようなものとして腹膜腔に対応することも考えられる。すべてのタイプのRRTに適用可能であるいくつかの実施形態において、受容デバイス30’は、RRTにおけるその後の使用のために医療液を収集するためのリザーバである。そのような実施形態において、医療液は、典型的にはオンデマンドで生成されない。リザーバは、RRTのための装置に接続されていてもいなくてもよく、または、装置の一部であってもよい。破線で示されるように、例えば、HD、HDF、HF、またはPDで生成された廃液を処分するために、廃液チャネル37が、受容デバイス30’からドレーン38まで延びていてもよい。
【0095】
図9と同様に、
図10のシステム20は、メインチャネル21からドレーン38への液体経路を定義するバイパスチャネル121を備える。バイパスチャネル121は、受容デバイス30’の上流のメインチャネル21に接続されている。
図9のバルブ27’、27’’に対応するバルブアレンジメント27Aは、メインチャネル21内の液体流を、受容デバイス30’の代わりにバイパスチャネル121に選択的に導くように動作可能である。バルブアレンジメント27Aは、制御デバイス40(
図1)からの制御信号C6によって動作する。CRPセンサ36は、通過する液体の組成関連パラメータ(CRP)を測定し、対応する測定信号S3を生成するために、バイパスチャネル121内に配される。CRPは、導電率、または、同等の抵抗率を示しうる。変形例において、CRPは、液体中の物質、具体的には未使用の医療液中に存在する物質、例えば、重炭酸塩、または、電解質、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物などの濃度を示す。医療液がPDでの使用のために生成される場合、物質は、代わりに、グルコースなどの浸透圧剤であってもよい。さらなる代替例では、CRPは、例えば、pH値の形態で水素イオンの濃度を示しうる。本明細書において参照符号36によって示される任意のセンサは、CRPセンサであってもよい。
【0096】
図2Aの方法200に戻ると、メインチャネル21内の液体の混合によって生成される医療液の組成は、液体の流量間の指定された比率の精度に依存する。上述のように、比率は、医療液の目標組成を達成するために、含まれる液体の公称組成または実際の組成に基づいて、制御デバイス40によって計算されうる。代わりに、所定の比率が、ユーザによって制御デバイス40に直接入力されてもよい。しかしながら、システムに設置される実際の液体の比率を自動的に決定することが望ましい場合がある。そのような自動決定は、バイパスチャネル121およびCRPセンサ36を使用することによって、
図10のシステム20によって可能になる。
【0097】
図11は、
図10の流量Q
A、Q
B間の比率を自動的に決定するための例示的なチューニング手順1100のフローチャートである。チューニング手順1100は、制御デバイス40によって実行される。ステップ1101において、バルブアレンジメント27Aは、メインチャネル21を閉じ、バイパスチャネル121を開くように動作する。それによって、液体はCRPセンサ36を通過しながら、メインチャネル21からバイパスチャネル121を介してドレーン38に導かれる。ステップ1102では、ポンプ25Aが、第1液体(水)を第1容器23Aからメインチャネル21を介してバイパスチャネル121内に運ぶように動作する。
図10において、ポンプ25Bは閉塞しており、それによって、動作していないときに液体チャネル22Bを本質的に遮断していると仮定される。必要に応じて、制御可能なオン/オフバルブ(図示せず)が、第2容器23Bからの第2液体の流れを選択的に遮断するために、液体チャネル22Bに沿って配されてもよい。ステップ1103において、ポンプ25Bは、第2液体(濃縮物)を第2容器23Bからメインチャネル21を介してバイパスチャネル121内に運ぶように動作する。このとき、第1液体と第2液体との混合物がCRPセンサ36を通過する。ステップ1104において、CRPセンサ36からの信号S3は、現在のCRP値の決定のために評価され、現在のCRP値は、生成されるべき医療液の必要な特性を定義する目標CRP値TVと比較される。TVは、予め定義され、制御デバイス40の内部メモリ42に記憶されていてもよく、また、入力デバイス44(
図1参照)を介してユーザによって入力されてもよい。現在のCRP値がTVから逸脱することが判明した場合、ステップ1105において、ポンプ25Aおよび/またはポンプ25Bの速度が調整される。ステップ1104~1105は、現在のCRP値がTVと一致するまで繰り返される。したがって、ステップ1104~1105は、チューニング動作を定義する。いくつかの実施形態において、ステップ1105では、メインチャネル21内の所望の流量Q
ABを達成するように、ポンプ25Aが調整されうる。現在のCRP値がTVと一致する場合、ステップ1106において、はかり24A、24Bからの信号S1、S2を使用して、重量変化の関係(WCR)が決定される。WCRは指定された比率に対応し、現在のCRP値がTVに一致する場合に、容器23Aの単位時間当たりの重量変化と容器23Bの単位時間当たりの重量変化との間の関係として決定される。単位時間当たりの重量変化は、それぞれの信号S1、S2に対して任意の従来の微分アルゴリズムを動作させることによって決定されうる。WCRが決定されると、医療液がメインチャネル121内に生成される。したがって、ステップ1107において、バルブアレンジメント27Aは、バイパスチャネル121を閉じ、メインチャネル21を開いて、医療液を受容デバイス30’内に導くように操作されうる。チューニング手順1100は、方法200の一部として実行されてもよく、ステップ1101~1102は、ステップ201において実行され、ステップ1103は、ステップ202において実行され、ステップ1104~1107は、ステップ204の一部として実行されることに留意されたい。ステップ1107に続いて、制御デバイス40は、信号S1、S2がWCRを満たすようにポンプ25A、25Bの速度を連続的に制御してもよく、所望の組成の医療液が生成される。
【0098】
変形例において、ポンプ25A、25Bは、ステップ1106の後に停止され、ステップ1107が実行されてもよいし、実行されなくてもよい。次いで、方法200は、指定された比率としてWCRを使用して後で実行される。方法200の始動時に、ステップ204が指定された比率(WCR)を達成するまで、バイパスチャネル121を介して液体をドレーン38に導くように、バルブアレンジメント27Aが操作されてもよい。次いで、バルブアレンジメント27Aは、バイパスチャネル121を閉じ、医療液を受容デバイス30’内に導くように操作されうる。任意で、医療液は、信号S3によって与えられる現在のCRP値がTVと一致する場合にのみ、受容デバイス30’に向けられる。
【0099】
図11の調整手順1100は、2つ以上の液体、例えば、
図5A~5Bに示されるような3つの液体を混合することによって医療液が生成される場合、拡張されうる。例えば、ステップ1102~1106は、利用可能な液体の別の組合せについて繰り返され、上述の第2比率を形成する第2WCRの決定をもたらすことができる。
【0100】
本明細書で提案される技術において、医療液の2つ以上の構成液が、それぞれの構成液を保持する容器に関連するはかりからの測定信号に基づいて、メインチャネル内で混合するために適切な量で供給される。これは、医療液が正しい組成で生成されることを確実にするための、CRPセンサからの連続的なフィードバックの必要性を排除する。
図10の例において、代わりにCRPセンサ36が、バイパスチャネル121に配され、調整手順1100中のみ構成液に曝される。それによって、医療液は、受容デバイス30’に向かう途中でCRPセンサ36を通過せず、したがって、CRPセンサ36内に存在しうる微生物に曝されない。これは、CRPセンサ36の間欠的な消毒の必要性、および、CRPセンサ36を間欠的に交換する必要性を軽減する。さらに、医療液への曝露を制限することによって、CRPセンサ36の汚損は、例えば、スケーリングの点で低減される。それによって、CRPセンサ36の動作寿命が延ばされ、恒久的なCRPセンサを使用することさえ可能である。CRPセンサは、一般に高価であるので、大幅なコスト削減が可能である。
【0101】
この理由のため、CRPセンサ36は、システム20の使い捨てアレンジメントに取り外し可能に接続されてもよく、その結果、CRPセンサ36は、使い捨てアレンジメントが治療間に廃棄される間に再使用される。
図10のシステムにおいて、使い捨てアレンジメントは、第1容器23A、液体チャネル29、21、22B、121を含む。さらに、使い捨てアレンジメントは、供給源10に接続するための入口コネクタ21A、受容デバイス30’に接続するための出口コネクタ21B、CRPセンサ36に接続するためのバイパスチャネル121の端子コネクタ21C、第2容器23Bに接続するための入口コネクタ22B’を備える。
図10には示されていないが、使い捨てアレンジメントは、ポンプ25A、25B(
図3BのE1、E2参照)と係合するための係合部を備えていてもよい。
【0102】
図10のシステム20の変形例において、CRPセンサ36は、代わりに、バルブアレンジメント27Aの上流のメインチャネル21内に配される。
図11の調整手順1100は、この変形例にも同様に適用可能である。しかしながら、上記から理解されるように、CRPセンサ36の動作寿命は、この位置でより制限されうる。
【0103】
本開示の主題は、現在最も実際的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して説明されたが、本開示の主題は、開示された実施形態に限定されるべきではなく、逆に、添付の特許請求の均等物の趣旨および均等物内に含まれる種々の変形態および均等な構成を包含することが意図されることを理解されたい。
【0104】
以下では、前述で開示された本発明のいくつかの態様および実施形態を要約するために、条項のセットが列挙される。
【0105】
C1. 腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液を生成する方法であって、前記方法は、第1液体を第1はかり(24A)に配された第1容器(23A)から第1液体チャネル(21)を通して送り込むように、第1ポンプ(25A)を動作させること(201)であって、前記第1液体は前記医療液の構成要素であることと、第2液体を第2はかり(24B)に配された第2容器(23B)から第2液体チャネル(22B)を通して前記第1液体チャネル(21)のジャンクション(26B)で前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第2液体を混合するように、第2ポンプ(25B)を動作させること(202)であって、前記第2液体は前記医療液の構成要素であることと、前記ジャンクション(26B)への前記第1液体の第1流量と前記ジャンクション(26B)への前記第2液体の第2流量との間の第1比率を達成するように、前記第1および第2はかり(24A、24B)からの第1および第2出力信号(S1、S2)に基づいて、前記第1および第2ポンプ(25A、25B)を制御すること(204)と、を含む、方法。
【0106】
C2. C1に記載の方法であって、前記第1および第2液体チャネル(21、22B)、および、前記第1および第2容器(23A、23B)は、前記腎代替療法中に交換される、または、前記腎代替療法が完了したときに廃棄される、使い捨てアレンジメント(120)を形づくるように組み合わされる、方法。
【0107】
C3. C1またはC2に記載の方法であって、前記制御すること(204)は、前記第1および第2出力信号(S1、S2)に基づいて、前記第1はかり(24A)の単位時間当たりの第1重量変化、および、前記第2はかり(24B)の単位時間当たりの第2重量変化を決定することと、単位時間当たりの前記第1および第2重量変化の間の前記第1比率を達成するように、前記第1および第2ポンプ(25A、25B)を動作させることと、を含む、方法。
【0108】
C4. 先の条項の何れかに記載の方法であって、前記第1出力信号(S1)に基づいて、前記第1容器(23A)を補充する必要性を検出すること(205~206)と、液体供給源(10)から前記第1容器(23A)内に前記第1液体を選択的に入れること(208)と、をさらに含む、方法。
【0109】
C5. 先の条項の何れかに記載の方法であって、第3液体を前記第2はかり(24B)に配された第3容器(23C)から第3液体チャネル(22C)を通して前記ジャンクション(26B)または前記第1液体チャネル(21)のさらなるジャンクション(26C)で前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第3液体を混合するように、第3ポンプ(25C)を動作させること(203)であって、前記第3液体は前記医療液の構成要素であることをさらに含み、前記第3ポンプ(25C)は、前記ジャンクション(26B)への前記第2液体の前記第2流量と、前記ジャンクション(26B)または前記さらなるジャンクション(26C)への前記第3液体の第3流量と、の間の第2比率を達成するように動作する、方法。
【0110】
C6. C5に記載の方法であって、前記第3ポンプ(25C)は、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)の既知のストロークボリュームに基づいて、前記第2ポンプ(25B)のポンピング速度に関連して前記第3ポンプ(25C)のポンピング速度を設定することによって、前記第2比率を達成するように動作する、方法。
【0111】
C7. C5またはC6に記載の方法であって、前記方法は、前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)がそれぞれの初期速度で動作する間に、前記第2および第3流量の初期合成値を決定すること(601)と、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち一方の前記ポンピング速度の、その初期速度から第1僅かの変更を生じさせること(602)と、前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第1僅かの変更の結果として得られる前記第2および第3流量の後続合成値を決定すること(603)と、前記初期合成値、前記後続合成値および前記第1僅かの変更に基づいて、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方のポンピング精度を評価すること(612)と、を含む検証手順(600)をさらに含む、方法。
【0112】
C8. C7に記載の方法であって、前記ポンピング精度を評価すること(612)は、(QBC,0-QBC,1)/(1-α1)として推定流量値を計算することと、前記推定流量値を、前記第1変更の前の前記第2または第3流量の設定値と比較することと、を含み、QBC,0は前記初期合成値であり、QBC,1は前記後続合成値であり、α1は前記第1僅かの変更である、方法。
【0113】
C9. C8に記載の方法であって、前記推定流量値と前記設定値との間の差が制限値を超える場合に、専用アクションを実行すること(613)をさらに含む、方法。
【0114】
C10. C7~C9の何れか1つに記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング速度を前記初期速度に戻す変更をすること(604)と、前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記ポンピング速度を前記初期速度に戻す前記変更をすることの結果として得られる前記第2および第3流量のさらなる後続合成値を決定すること(605)と、前記初期合成値と前記さらなる後続合成値とを比較すること(606)と、を含む、方法。
【0115】
C11. C10に記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記初期合成値と前記さらなる後続合成値との間の差が制限値を超える場合に、専用アクションを実行すること(608)をさらに含む、方法。
【0116】
C12. C7~C9の何れか1つに記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)がそれぞれのさらなる初期速度で動作する間に、前記第2および第3流量のさらなる初期合成値を決定すること(605)と、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング速度の、そのさらなる初期速度から第2僅かの変更を生じさせること(609)であって、前記第2僅かの変更は前記ポンピング速度を増加させ、前記第1僅かの変更は前記ポンピング速度を減少させる、または、その逆である、ことと、前記第2出力信号(S2)に基づいて、前記第2僅かの変更の結果として得られる前記第2および第3流量のさらなる後続合成値を決定すること(610)とをさらに含み、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング精度もまた、前記さらなる初期合成値、前記さらなる後続合成値および前記第2僅かの変更に基づいて評価される、方法。
【0117】
C13. C7~C12の何れか1つに記載の方法であって、前記検証手順(600)は、前記第1僅かの変更の結果として得られる前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方によって送り込まれる液体の量の増加または減少を打ち消すように、前記第2および第3ポンプ(25B、25C)のうち前記一方の前記ポンピング速度を一定の期間にわたり変更すること(604、609、611)を含む、方法。
【0118】
C14. 先の条項の何れかに記載の方法であって、前記第1液体チャネル(21)の前記ジャンクション(26B)と出口(21B)との中間に、前記第1液体チャネル(21)からバイパスチャネル(121)への通路を開くように、バルブアレンジメント(27A;27’、27’’)を動作させること(1101)と、前記第1液体を前記第1容器(23A)から前記第1液体チャネル(21)を介して前記バイパスチャネル(121)内に送り込むように、前記第1ポンプ(25A)を動作させること(1102)と、前記第2液体を前記第2容器(23B)から前記第2液体チャネル(22B)、前記第1ジャンクション(26B)および前記第1液体チャネル(21)を介して前記バイパスチャネル(121)に送り込み、前記バイパスチャネル(121)に前記第1および第2液体の混合物を提供するように、前記第2ポンプ(25B)を動作させること(1103)と、センサ(36)によって、前記混合物の前記組成関連パラメータを測定すること(1104)と、前記センサ(36)が前記組成関連パラメータの目標値を測定するまで、前記第1および第2ポンプ(25A、25B)のうち少なくとも一方のポンピング速度を調整すること(1105)と、前記第1および第2はかり(24A、24B)からの第1および第2出力信号(S1、S2)に基づいて、前記センサが前記目標値を測定する間、前記第1はかり(24A)の第1重量変化と前記第2はかり(24B)の第2重量変化との間の関係として前記第1比率を決定すること(1106)と、をさらに含む、方法。
【0119】
C15. C14に記載の方法であって、前記第1および第2液体の前記混合物が、前記バルブアレンジメントを動作させること(1101)と、前記第1ポンプを動作させること(1102)と、前記第2ポンプを動作させること(1103)と、によって前記センサ(36)に導かれるように、前記バイパスチャネル(121)は、前記センサ(36)まで延びている、方法。
【0120】
C16. C1~C4の何れか1つに記載の方法であって、第3液体を第3はかり(24C)に配された第3容器(23C)から第3液体チャネル(22C)を通して前記ジャンクション(26B)または前記第1液体チャネル(21)のさらなるジャンクション(26C)で前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第3液体を混合するように、第3ポンプ(25C)を動作させること(203)であって、前記第3液体は前記医療液の構成要素であることをさらに含み、前記第3ポンプ(25C)は、前記第3はかり(24C)からの第3出力信号(S3)に基づいて、前記ジャンクション(26B)への前記第2液体の前記第2流量と、前記ジャンクション(26B)または前記さらなるジャンクション(26C)への前記第3液体の第3流量と、の間の第2比率を達成するように制御される、方法。
【0121】
C17. 先の条項の何れかに記載の方法であって、前記ジャンクション(26B)の下流で前記医療液のサンプルを採取し、前記サンプルの組成データの入力を要求すること(204A)と、前記組成データの前記入力に応じて、前記組成データに基づいて、前記第1比率を調整すること(204B)と、をさらに含む、方法。
【0122】
C18. 先の条項の何れかに記載の方法であって、前記第1および第2ポンプを制御すること(204)は、前記第1液体チャネル(21)から前記医療液を受け取るように接続された腎代替療法のための装置(100)における前記医療液の消費速度と一致する流量で、前記医療液を生成するように、前記第1流量を制御することを含む、方法。
【0123】
C19. プロセッサ(41)によって実行された場合に、前記プロセッサ(41)に先の条項の何れかに記載の方法を実行させるコンピュータ命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【0124】
C20. 腎代替療法による血液の治療において使用するための医療液を生成するためのシステムであって、前記システムは、第1はかり(24A)と、前記第1はかり(24A)に配された第1容器(23A)と、前記第1容器(23A)から第1液体を受け取るように配された第1液体チャネル(21)と、前記第1液体チャネル(21)を通して液体を送り込むように配された第1ポンプ(25A)と、第2はかり(24B)と、前記第2はかり(24B)に配され、第2液体チャネル(22B)によってジャンクション(26B)で前記第1液体チャネル(21)に接続された第2容器(23B)と、第2液体を前記第2容器(23B)から前記第2液体チャネル(22A)を通して前記第1液体チャネル(21)内に送り込み、前記第1液体チャネル(21)内で前記第2液体を混合するように配された第2ポンプであって、前記第1および第2液体は、前記医療液の構成要素である、第2ポンプと、を備える、システム。
【0125】
C21. C20に記載のシステムであって、第1液体チャネル(21)内の前記第1液体への前記第2液体の混合を促進するように構成されたデバイス(264)をさらに備える、システム。
【0126】
C22. C20またはC21に記載のシステムであって、前記第1液体チャネル(21)は、液体供給源(10)から前記第1液体を受け取るように構成された第1端部(21A)をさらに備え、前記第1容器(23A)は、前記第1端部(21A)と前記第1ポンプ(25A)との間で前記第1液体チャネル(21)と流体連通して接続される、システム。
【0127】
C23. C20~C22の何れか1つに記載のシステムであって、前記ジャンクション(26B)は、3ウェイコネクタであり、前記第1液体チャネル(21)は、前記3ウェイコネクタの第1および第2ポート(261、262)に取り付けられたチューブ(21’、21’’)によって少なくとも部分的に定義され、前記第2液体チャネル(22B)は、前記3ウェイコネクタの第3ポート(263)に取り付けられたチューブ(22’)によって少なくとも部分的に定義される、システム。
【0128】
C24. C20~C23の何れか1つに記載のシステムであって、前記第1および第2液体チャネル(21、22B)、および、前記第1および第2容器(23A、23B)は、使い捨てアレンジメント(120)を形づくるように組み合わせられる、システム。
【0129】
C25. C20~C24の何れか1つに記載のシステムであって、前記ジャンクション(26B)と前記医療液のための出口(21B)との中間で前記第1液体チャネル(21)に接続されるバイパスチャネル(121)と、前記第1液体チャネル(21)または前記バイパスチャネル(121)のうち一方に液体を選択的に導くように動作可能なバルブアレンジメント(27’、27’’)と、をさらに備える、システム。
【0130】
C26. C25に記載のシステムであって、組成関連パラメータを測定するように構成されたセンサ(36)をさらに備え、前記バイパスチャネル(121)は、前記センサ(36)まで延びている、システム。
【0131】
C27. C20~C26の何れか1つに記載のシステムであって、前記第2ポンプ(25B)は、前記第2液体チャネル(22B)内に配され、前記第1ポンプ(25A)は、前記ジャンクション(26B)と前記医療液のための出口(21B)との間の前記第1液体チャネル(21)内に配される、システム。
【0132】
C28. C20~C27の何れか1つに記載のシステムであって、C1~C18の何れか1つに記載の方法を実行するように構成された制御デバイス(40)をさらに備える、システム。
【0133】
C29. 装置(100)に取り付けるための使い捨てアレンジメントであって、前記使い捨てアレンジメントは、前記装置(100)の第1はかり(24A)に取り付けるように構成された第1容器(23A)と、前記第1容器(23A)から第1液体を受け取るように配された第1液体チャネル(21)と、前記第1液体チャネル(21)のジャンクション(26B)に接続された第2液体チャネル(22B)と、を備え、前記第1液体チャネル(21)は、前記装置(100)の第1ポンプ(25A)と係合するための第1係合部(E1)を定義し、前記第2液体チャネル(22B)は、前記第1液体チャネル(21)内で第2液体を混合するように、前記第2液体チャネル(22B)を通して前記第1液体チャネル(21)内に前記第2液体を送り込むための前記装置(100)の第2ポンプ(25B)と係合するための第2係合部(E2)を定義し、前記第1および第2液体は、腎代替療法による血液治療における使用のための医療液の構成要素であり、前記使い捨てアレンジメントは、前記装置(100)に取り付けられた場合に、前記第1液体チャネル(21)内に前記医療液を生成するために動作可能である、使い捨てアレンジメント。
【0134】
C30. C29に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第1液体チャネル(21)は、液体供給源(10)から前記第1液体を受け取るように構成された入口端部(21A)をさらに備え、前記第1容器(23A)は、前記入口端部(21A)と前記ジャンクション(26B)との間で前記第1液体チャネル(21)と流体連通して接続される、使い捨てアレンジメント。
【0135】
C31. C29またはC30に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第1容器(23A)は空である、使い捨てアレンジメント。
【0136】
C32. C29~C31の何れか1つに記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第1液体は水である、使い捨てアレンジメント。
【0137】
C33. C29~C32の何れか1つに記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第2液体チャネル(22B)と流体連通する第2容器(23B)、または、前記第2容器(23B)を取り付けるための前記第2液体チャネル(22B)のコネクタ(22B’)のうち少なくとも1つをさらに備え、前記第2容器(23B)は、前記装置(100)の第2はかり(24B)に取り付けるように構成されている、使い捨てアレンジメント。
【0138】
C34. C33に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第2容器(23B)は、前記第2液体を保持する、使い捨てアレンジメント。
【0139】
C35. C33またはC34に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第2液体は、液体濃縮物である、使い捨てアレンジメント。
【0140】
C36. C33~C35の何れか1つに記載の使い捨てアレンジメントであって、前記ジャンクション(26B)、または、前記第1液体チャネル(21)のさらなるジャンクション(26C)に接続された第3液体チャネル(22C)をさらに備え、前記第3液体チャネル(22C)は、前記第1液体チャネル(21)内で第3液体を混合するように、前記第3液体チャネル(22C)を通して前記第1液体チャネル(21)内に前記第3液体を送り込むための前記装置(100)の第3ポンプ(25C)と係合するための第3係合部を定義し、前記第3液体は、前記医療液の構成要素である、使い捨てアレンジメント。
【0141】
C37. C36に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第3液体チャネル(22C)と流体連通する第3容器(23B)、または、前記第3容器(23C)を取り付けるための前記第3液体チャネル(22C)のコネクタのうち少なくとも1つをさらに備え、前記第3容器(23C)は、前記装置(100)の前記第2はかり(24B)または第3はかりに取り付けるように構成されている、使い捨てアレンジメント。
【0142】
C38. C37に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記第3容器(23C)は、前記第3液体を保持する、使い捨てアレンジメント。
【0143】
C39. C29~C38の何れか1つに記載の使い捨てアレンジメントであって、前記ジャンクション(26B)の下流の前記第1液体チャネル(21)にサンプリングポート(28)をさらに備え、前記サンプリングポート(28)は、サンプリングのために、前記第1液体チャネル(21)内の前記医療液へのアクセスを提供するように構成されている、使い捨てアレンジメント。
【0144】
C40. C29~C39の何れか1つに記載の使い捨てアレンジメントであって、前記ジャンクション(26B)と前記医療液のための出口端部(21B)との中間で前記第1液体チャネル(21)と流体連通するバイパスチャネル(121)をさらに備え、前記バイパスチャネル(121)は、組成関連パラメータを測定するためのセンサ(36)への取り外し可能な取り付けのためのコネクタ(21C)を備える、使い捨てアレンジメント。
【0145】
C41. C40に記載の使い捨てアレンジメントであって、前記装置(100)のバルブアレンジメント(105)に取り付けられるように構成されており、前記バルブアレンジメントは、前記出口(21B)または前記バイパスチャネル(121)のうち一方に、前記第1液体チャネル(21)内の液体を選択的に導くように動作可能である、使い捨てアレンジメント。
【国際調査報告】