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特表2024-529113容器用クロージャ並びに容器及びクロージャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】容器用クロージャ並びに容器及びクロージャ
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20240725BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B65D41/04 100
B65D43/08 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508391
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 GB2022051444
(87)【国際公開番号】W WO2023017234
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】2111484.8
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512313230
【氏名又は名称】スレッドレス クロージャーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレイザー、アンソニー ヘンリー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイン、ジョン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084AB02
3E084CA01
3E084CC01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC01
3E084DC03
3E084FB01
3E084FB05
3E084FB06
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
(57)【要約】
容器20用クロージャ10であって、容器が、側面21と、開口部23及び開口部に垂直な開口部軸Aを画定する縁部22とを有し、クロージャが、容器の開口部を覆うように構成されている頂部11と、頂部に連結されており、クロージャが容器と連結されているときに容器の側面の上領域を囲むように構成されているスカート部12と、を備え、スカート部が、クロージャが容器に対して開口部軸周りに回転する際の容器に対する開口部軸と平行な方向へのクロージャの動きを定義するために、容器の側面に設けられた1つ又は複数のねじ山部26と協働するように構成されている、1つ又は複数のねじ山部13を備え、クロージャが、クロージャの頂部の表面にわたって延在し頂部から離れてスカート部の少なくとも途中までにわたって延在するライナ90をさらに備え、ライナが、クロージャが容器と連結されているときに容器の開口部をシールするように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用クロージャであって、前記容器が、側面と、開口部及び前記開口部に垂直な開口部軸を画定する縁部とを有し、前記クロージャが、
前記容器の前記開口部を覆うように構成されている頂部と、
前記頂部に連結されており、前記クロージャが前記容器と連結されているときに容器の前記側面の上領域を囲むように構成されている、スカート部と、を備え、
前記スカート部が、前記クロージャが前記容器に対して前記開口部軸周りに回転する際の前記容器に対する前記開口部軸と平行な方向への前記クロージャの動きを定義するために、容器の前記側面に設けられた1つ又は複数のねじ山部と協働するように構成されている、1つ又は複数のねじ山部を備え、
前記クロージャが、前記クロージャの前記頂部の表面にわたって延在し前記頂部から離れて前記スカート部の少なくとも途中までにわたって延在するライナをさらに備え、
前記ライナが、前記クロージャが前記容器と連結されているときに容器の前記開口部をシールするように構成されている、容器用クロージャ。
【請求項2】
前記ライナが、前記クロージャが容器と連結されているときにシール領域が前記容器の前記側面と前記クロージャの前記スカート部との間に流体密封シールを形成するように構成されている、前記シール領域を含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記ライナが、前記クロージャが容器と連結されているときに前記ライナの前記シール領域が前記容器の前記縁部に接触しないように構成されている、請求項2に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記クロージャが、前記クロージャが容器と連結されているときに前記クロージャの前記頂部の前記表面にわたって延在する前記ライナの一部が前記容器の前記縁部に対して液体密封シールを形成するように構成されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記ライナが単一の構成要素として一体形成されている、請求項1から4までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記ライナが架橋ゴムから形成されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記ライナと前記クロージャの前記頂部及び前記スカート部のうちの少なくとも1つとの間に提供される潤滑剤をさらに備える、請求項1から6までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記ライナと前記クロージャの前記頂部及び前記スカート部のうちの少なくとも1つとの間に提供される抗菌材料をさらに備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記潤滑剤が抗菌材料を備える、請求項7に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記ライナを形成するために使用される材料が滑剤及び抗菌材料のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から9までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記クロージャの内面よりも高い、手係合領域と人間の手との間の静的摩擦係数を有するように構成されている前記手係合領域を、前記クロージャの外面上にさらに備える、請求項1から10までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記手係合領域が、前記クロージャの前記頂部及び/又は前記スカート部を形成するために使用される材料よりも高い、材料の層と人間の手との間の静的摩擦係数を有する前記材料の層を備える、請求項11に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記手係合領域が、前記クロージャの前記頂部及び/又は前記スカート部の少なくとも一部上に設けられるテクスチャ付き表面を備える、請求項11又は12に記載のクロージャ。
【請求項14】
前記頂部及び前記スカート部が非金属材料、任意選択でプラスチック材料、から形成されている、請求項1から13までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項15】
前記頂部及び前記スカート部が金属から形成されている、請求項1から13までのいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか一項に記載のクロージャと共に使用するための容器。
【請求項17】
請求項1から15までのいずれか一項に記載のクロージャを備える、容器及びクロージャ。
【請求項18】
飲料を容れるための請求項17に記載の容器及びクロージャの使用。
【請求項19】
容器を飲料で満たす方法であって、前記容器を飲料で満たすステップと、クロージャを前記容器の開口部と連結するステップとを含み、前記クロージャが請求項1から15までのいずれか一項に記載のクロージャである、容器を飲料で満たす方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は容器とその容器用のクロージャに関する。そのような容器は飲料又は他の液体若しくは流体を収容するために使用されてもよい。容器は様々なサイズであってもよく、例えば広口容器又はボトルであってもよい。いくつかの場合において、容器は炭酸飲料を容れるために設計されてもよい。本開示は、別個の容器、その容器と使用するためのクロージャ、そのような容器及びクロージャの製造、そのような容器及びクロージャの使用、並びにそのような容器及びクロージャを飲料で満たす方法、にも関する。
【背景技術】
【0002】
容器並びに広口容器及びボトル用のクロージャは、例えばWO2006/000774、WO2011/151630、WO2014/006418、WO2017/109463、WO2017/017415、及びWO2019/141973といった、出願人の先行出願に記載されるものなどが知られている。これらは、例えば輸送中に且つ/又は高温を受けたときに、内容物が高圧になり得る容器を確実に閉鎖することが可能でありつつも、消費者が取り除くことは比較的容易なままであるクロージャを提供しようとするものである。
【0003】
広口容器は、飲料(又は他の内容物)の保存のために、且つクロージャが取り除かれた後の飲用器物として、どちらのためにも使用されてもよい。いくつかの場合において、クロージャは、容器を再閉鎖及び/又は再シールするために使用され得るようにも設計されていてもよい。典型的な広口容器は55mmから65mmまでの範囲内の直径又は幅の口を有してもよいが、この用語は40mmから90mmまでの範囲内の直径又は幅の口を有する容器にも適用されてもよい。
【0004】
ボトルは、典型的には、飲料(又は他の内容物)を飲用器物に注ぐ前に保存するために使用される。ビール及び他の飲料を保存するために使用されるボトルなどの一般的に使用されるボトルは、典型的には、約28mmの直径の口を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2006/000774
【特許文献2】WO2011/151630
【特許文献3】WO2014/006418
【特許文献4】WO2017/109463
【特許文献5】WO2017/017415
【特許文献6】WO2019/141973
【発明の概要】
【0006】
上記の文献に記載されるクロージャは多くの場合において十分である一方、本開示は改良を提供しようとするものである。
【0007】
本開示の一態様によれば、容器用クロージャであって、上記容器が、側面と、開口部及び上記開口部に垂直な開口部軸を画定する縁部とを有し、上記クロージャが、
上記容器の上記開口部を覆うように構成されている頂部と、
上記頂部に連結されており、上記クロージャが上記容器と連結されているときに容器の上記側面の上領域を囲むように構成されている、スカート部と、を備え、
上記スカート部が、上記クロージャが上記容器に対して上記開口部軸周りに回転する際の上記容器に対する上記開口部軸と平行な方向への上記クロージャの動きを定義するために、容器の上記側面に設けられた1つ又は複数のねじ山部と協働するように構成されている、1つ又は複数のねじ山部を備え、
上記クロージャが、上記クロージャの上記頂部の表面にわたって延在し上記頂部から離れて上記スカート部の少なくとも途中までにわたって延在するライナをさらに備え、
上記ライナが、上記クロージャが上記容器と連結されているときに容器の上記開口部をシールするように構成されている、容器用クロージャが提供される。
【0008】
一構成において、ライナは、クロージャが容器と連結されているときにシール領域が容器の側面とクロージャのスカート部との間に流体密封シールを形成するように構成されている、シール領域を含む。
【0009】
一構成において、ライナは、クロージャが容器と連結されているときにライナのシール領域が容器の縁部に接触しないように構成されている。
【0010】
一構成において、クロージャは、クロージャが容器と連結されているときに、クロージャの頂部の表面にわたって延在するライナの一部が容器の縁部に対して液体密封シールを形成するように構成されている。
【0011】
一構成において、ライナは単一の構成要素として一体形成されている。
【0012】
一構成において、ライナは架橋ゴム(cross-linked rubber)から形成されている。
【0013】
一構成において、クロージャは、ライナとクロージャの頂部及びスカート部のうちの少なくとも1つとの間に提供される潤滑剤をさらに備える。
【0014】
一構成において、潤滑剤は抗菌材料を備える。
【0015】
一構成において、クロージャは、ライナとクロージャの頂部及びスカート部のうちの少なくとも1つとの間に提供される抗菌材料を備える。
【0016】
一構成において、ライナを形成するために使用される材料は、滑剤(slip agent)及び抗菌材料のうちの少なくとも1つを備える。
【0017】
一構成において、クロージャは、クロージャの内面よりも高い、それと人間の手との間の静的摩擦係数を有するように構成されている手係合領域を、クロージャの外面上にさらに備える。
【0018】
一構成において、手係合領域は、クロージャの頂部及び/又はスカート部を形成するために使用される材料よりも高い、それと人間の手との間の静的摩擦係数を有する材料の層を備える。
【0019】
一構成において、手係合領域は、クロージャの頂部及び/又はスカート部の少なくとも一部上に設けられるテクスチャ付き表面を備える。
【0020】
一構成において、頂部及びスカート部は非金属材料、任意選択でプラスチック材料、から形成されている。
【0021】
一構成において、頂部及びスカート部は金属から形成されている。
【0022】
本開示の一態様によれば、上記の態様又は構成のうちのいずれか1つによるクロージャと共に使用するための容器が提供される。
【0023】
本開示の一態様によれば、上記の態様又は構成のうちのいずれか1つによるクロージャを備える、容器及びクロージャが提供される。
【0024】
本開示の一態様によれば、容器を飲料で満たすステップとクロージャを容器の開口部と連結するステップとを含み、クロージャが上記の態様又は構成のうちのいずれか1つによるクロージャである、容器を飲料で満たす方法が提供される。
【0025】
本開示の一態様によれば、飲料を容れるために上記の態様のうちのいずれか1つによる容器及びクロージャを使用する方法が提供される。
【0026】
本開示の実施例が、添付図面を参照して単に実例として以下より説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示によるクロージャの上部斜視図である。
図2】本開示によるクロージャの下部斜視図である。
図3】本開示による容器の斜視図である。
図4図3の容器の頂部を示す立面図である。
図5】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図6】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図7】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図8】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図9】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図10】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図11】本開示による容器からクロージャを取り除く工程を図解する概略図である。
図12】シールの構成を有するクロージャを図解する概略断面図である。
図13】容器に取り付けられた際の図12のクロージャを図解する概略断面図である。
図14】シールの代替的構成を有するクロージャを図解する概略断面図である。
図15】容器に取り付けられた際の図14のクロージャを図解する概略断面図である。
図16】代替的シール構成を有するクロージャを図解する概略断面図である。
図17】容器に取り付けられた際の図16のクロージャを図解する概略断面図である。
図18】ねじ山部の代替的構成を有する容器を図解する図である。
図19】ねじ山部の代替的構成を有するクロージャを図解する図である。
図20図18の容器の頂部を図解する立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び図2は、それぞれ、上方/外側及び下方/内側からの視点で、本開示によるクロージャ10を図解する。
【0029】
示されるように、クロージャ10は、頂部11から延在するスカート12によって囲まれる、容器の開口部を覆うための頂部11を含む。スカート12は、クロージャ10が取り付けられる容器に対するクロージャ10の動きを定義するために容器のねじ山部と係合するように構成されている、ねじ山部13を含む。
【0030】
図3及び図4は、図1及び図2に図解されるクロージャ10と共に使用すべき容器20の実例を図解する。容器20は、外部側面21と、開口部23を画定している縁部22とを含む。縁部22は、開口部23が内部に位置する平面に垂直に延在する開口部軸Aも画定している。容器20は、飲料又は液体を容れる主目的を有する他区画24と、クロージャ10と係合する主機能を有する上部25とを含む。
【0031】
容器20は、クロージャ10が容器20に取り付けられる間及び/又はクロージャ10が容器20から取り除かれる間の容器20に対するクロージャ10の動きを定義するために、クロージャ10のねじ山部13と係合するように構成されているねじ山部26を含む。
【0032】
図2に図解される構成に示されるように、クロージャ10は、クロージャ10の内面に固定されたシール14を含んでいてもよい。クロージャ10、シール14、及び容器20は、クロージャ10が容器20に取り付けられているときにシール14がクロージャ10と容器20との間の流体密封シールを提供するように構成されていてもよい。
【0033】
一構成において、シール14はクロージャ10と異なる材料から形成されていてもよい。これにより、それぞれの機能に有益な性質を有する材料が各々選択されることが可能となる。例えば、シール14は、クロージャ10を形成するために使用される材料より弾性のある材料から形成されることが望ましい場合がある。従って、一実例において、クロージャ10はシール14を形成するためには好適でない可能性がある金属から形成されていてもよい。
【0034】
図1及び図2に図解される構成に示されるように、シール14は、クロージャ10のスカート12内に形成される凹部すなわちグランド15内に保定されていてもよい。凹部すなわちグランド15は、クロージャ10が開口部軸Aに平行な方向に容器20上へ進む際に、シール14の圧縮及び/又は製造公差によって生じ得る小さな動きを前提としてクロージャ10に対するシール14のその方向の位置が実質的に固定されるように、構成されていてもよい。
【0035】
従って、クロージャ10が容器20に対して開口部軸Aに平行な方向に移動すると、シール14も容器20に対して同一の方向に移動する。一構成において、シール14は、クロージャ10を容器20に取り付ける工程中、及び/又はクロージャ10を容器20から取り除く工程中に、容器の側面21の3つの領域31、32、33を横断される。
【0036】
第1の領域31において、クロージャ10及び容器20の構成は、容器20に対するクロージャ10の動きによってシール14が第1の領域31を横切って移動されるのに際し、シールが圧縮の状態の間で切り替えられ得るように構成されていてもよい。1つの状態において、シール14はクロージャ10及び容器20のそれぞれの表面間で圧縮される。一構成において、シール14は、容器の側面21とシール14が内部に嵌合する凹部すなわちグランド15の表面との間で圧縮されてもよい。他の状態において、シール14は圧縮されないか又はあまり圧縮されず、すなわちシール14が流体密封シールを提供するために使用され得る程度までは圧縮されない。
【0037】
一構成において、クロージャ10及び容器20は、クロージャ10を容器20に取り付ける工程中、シールが非圧縮状態から容器20の側面21とクロージャ10の内面との間に圧縮される状態へ結果的に移行するように、シール14が容器20の側面の第1の領域31を横断させられるように構成されていてもよい。
【0038】
逆に、クロージャ10を容器20から取り外す工程中、容器20に対するクロージャ10の動きに起因して、シールが圧縮状態から非圧縮状態へ移行するようにシール14が容器の側面21の第1の領域31を横断してもよい。
【0039】
図4に示されるように、容器20の側面21の第1の領域31において、表面28は開口部軸Aに対して傾斜していてもよい。開口部23が円形である構成において、傾斜表面28は円錐台形であってもよい。シール14が傾斜表面28を含む領域31を横断すると、容器20の側面21とシール14が保定されているクロージャ10の表面との間の間隔は小さくなる。結果的に、シール14が側面21の第1の領域31を横断すると、シール14は圧縮される。
【0040】
一構成において、傾斜表面28の開口部軸Aに対する角度は5°から30°までの範囲内にあり、任意選択で10°から20°までの範囲内にある。
【0041】
図3及び図4に図解される構成において、容器20の側面21の第2の領域32では、複数の溝27が側面21周りに広がった位置に設けられている。シール14が容器20の側面21の第2の領域32に隣接して位置されるとき、シール14が圧縮状態であっても、溝27は流体がシール14を迂回することを可能にする。これにより、例えば、クロージャ10が容器20に部分的に取り付けられている間に高圧ガスを放出することが可能になり得る。シール14が容器20の側面21の第2の領域32に接触しているときに圧縮状態となるようにクロージャ10及び容器20が構成されている構成において、容器20の縁部22とシール14との間よりも溝27を通して高圧ガスを放出することで、シールが急速に動きユーザを妨害するおそれのある雑音を出すことを防止できる。
【0042】
任意の数の溝27が設けられてもよく、溝27は容器20の側面21の周りに等間隔に離隔される必要はないことを理解されたい。任意選択で、単一の溝27が設けられてもよい。図示されない代替的構成において、1つ又は複数の隆起が第2の領域32における容器20の側面21に設けられてもよい。そのような隆起は、シール14が容器20の側面21に対する流体密封シールを形成することを阻害できる。特に、シール14を迂回する放出路がそのような隆起のいずれかの側に設けられてもよい。
【0043】
容器20の頂部25の第3の領域33において、側面は、シール14が容器20とクロージャ10との間に流体密封シールを形成することで容器20とクロージャ10との組み合わせの内部に飲料などの流体を容れることができるように構成されていてもよい。
【0044】
一構成において、第3の領域33における容器20の側面21は、開口部軸Aの周りに配置された円筒形状又は実質的円筒形状であってもよい。同様のことが、シールの周りに流体用迂回路を形成するために使用される任意の溝及び/又は隆起を除いて、容器20の側面21の第2の領域32に当てはまってもよい。
【0045】
そのような構成は、容器20の側面21の第2及び/又は第3の領域32、33内のシール14の任意の位置において、容器の側面21とシールに隣接するクロージャ10の表面との間の間隔が実質的に同一になることを保証してもよい。このことは、シール14の一貫した圧縮を保証し、第2の領域32内の任意の迂回路を除く流体密封シールを保証してもよい。
【0046】
一構成において、第2及び/又は第3の領域32、33における容器20の側面21は、開口部軸Aに対して小さい角度をなしていてもよい。これは形成工程で使用される型から容器20の頂部区画25を離型することを補助してもよい。そのような構成において、容器20の側面21の第3の領域33は、表面内の線が開口部軸Aに対して5°未満、任意選択で3°未満、の角度をなすように構成されていてもよい。容器20の側面21の第2の領域32は、表面内の線が開口部軸Aに対して10°未満、任意選択で2°から10°までの範囲内、の角度をなすように構成されていてもよい。上記線は、接平面が第2及び/又は第3の領域32、33における容器20の側面21の曲面に接触する線であってもよい。
【0047】
第2及び/又は第3の領域32、33における容器20の側面21が僅かに傾斜している構成において、側面21とシール14に隣接するクロージャ10の表面との間の間隔の変化は第2及び/又は第3の領域32、33にわたって十分に小さく、シール14の圧縮の範囲の変化は顕著ではないことを理解されたい。
【0048】
一構成において、容器20の側面21は、第3の領域33において第2の領域より傾斜が小さくてもよい。これにより、開口部軸Aに対して最小の角度をなしているか又は全く角度をなしていない第3の領域33から、第2の領域32を通り、上記のようにクロージャ10が容器20に取り付けられているときシール14を圧縮するために使用される傾斜表面28を含み得る第1の領域31へ、徐々に移行することが可能になってもよい。この結果、ユーザの知覚が向上されてもよい。代替的に又は追加的に、容器20の側面21は、第2の領域32において第1の領域より傾斜が小さくてもよい。この結果、この場合もユーザの知覚が向上されてもよい。
【0049】
図5から図11は、容器20からクロージャ10を取り除く工程中の、クロージャ10及び容器20のそれぞれのねじ山部13、26の係合を概略的に図解する。示される画像において、容器20及びその側面21並びにねじ山部26は固定位置で示されている。明示化のため、クロージャ10自体は示されていないが、クロージャ10の残部に対してどちらも実質的固定位置を有するクロージャ10のねじ山部13及びシール14の相対位置は示されている。
【0050】
図解において、クロージャ10が容器20に対して開口部軸Aの周りを回転すると、図解されるねじ山部13は徐々に視認できなくなる。しかし、クロージャ10を囲うシール14は全ての図において視認可能なままである。実際には、クロージャ10は、1つのねじ山部13が開口部軸Aの周りを回転し視認できなくなると他のねじ山部13が視認可能となるような複数のセットのねじ山部13を有していてもよいことを理解されたい。しかし、この図解の明示化のため、単一のねじ山部13のみが図解されている。
【0051】
図5に示されるように、完全な閉鎖位置において、クロージャ10のねじ山部13の第1の部分41は、最初は容器20のねじ山部26の下に保持されている。この位置において、シール14は容器20の側面21の第3の領域33内に配置されている。従って、流体密封シールが保たれ得る。
【0052】
図6に示されるように、クロージャ10が容器20に対して開口部軸Aの周りを回転されるとき、回転の初期角度について、クロージャ10のねじ山部13の第1の部分41は容器20のねじ山部26の下に留まる。これにより、開口部軸Aと平行な方向における容器20に対するクロージャ10の位置が保たれる。従って、シール14は容器20の側面21の第3の領域33内に留まり、流体密封シールを保つ。
【0053】
図7に示されるように、クロージャ10が容器20に対して開口部軸Aの周りをさらに回転されると、容器20のねじ山部26とクロージャ10のねじ山部13との間の係合がクロージャ10のねじ山部13の第2の部分42に移動する。クロージャ10のねじ山部13の第2の部分42は、クロージャ10が回転するにつれ開口部軸Aと平行な方向にも移動するように、第1の部分41に対して傾斜している。この動きにより、シール14は第3の領域33から容器20の側面21の第2の領域32に移動する。上述のように、シール14が容器20の側面21の第2の領域32に接触しているとき、炭酸飲料からのガスなどの高圧流体が溝27を通ってシール14を迂回することによって放出されてもよい。
【0054】
上述のように、一構成において、シール14が容器20の側面21の第2及び第3の領域32、33の両方に接触しているとき、シールは圧縮状態のままであってもよい。そのような構成において、シール14を第2の領域32から第3の領域33に戻すことはシール14の圧縮を必要としない。そのような構成において、ユーザは、シール14が第2の領域32に接触する位置からシール14が容器20の側面21の第3の領域33に接触する位置へ、クロージャ10を容易に移動できる。
【0055】
このことは、例えば容器20内の飲料が炭酸飲料である場合に、ユーザがクロージャ10を最初に開けたときに過剰な放出を感じたならば有益な可能性がある。そのような例において、ユーザは、容器20に対して開放方向とは反対の方向にクロージャ10を容易に回転させ、シール14をそれが流体密封シールを形成する第3の領域33に戻し、放出溝27を通る流体の流れを止めることができる。
【0056】
クロージャ10が容器20に対して引き続き回転される図8に示されるように、クロージャ10は、クロージャ10のねじ山部13の第3の部分43が容器20のねじ山部26と係合する位置に達し、開口部軸Aと平行な方向で結果的にクロージャ10が容器20から取り除かれる方向への容器20に対するクロージャ10のさらなる移動を防止する。
【0057】
クロージャのねじ山部13の第4の部分44は、図8に示されるように、クロージャ10が容器20に対して開口部軸Aの周りをさらに回転することを最初は制限するように構成されていてもよい。クロージャ10及び容器20は、この位置においてシール14が容器20の側面21の第2の領域32に留まるように構成されていてもよい。このことは、クロージャ10が容器20から完全に取り除かれる前に任意の高圧流体の放出を完了することを補助してもよい。
【0058】
そのような構成において、図9に示されるように、ユーザは、クロージャ10のねじ山部13の第4の部分44が容器20のねじ山部26を超えるために、クロージャ10を開口部軸A周りに回転させるのと同時に、クロージャ10を容器20の方へ開口部軸Aと平行な方向に押し戻すことが必要であってもよい。
【0059】
図10に示されるように、容器20に対するクロージャ10の開口部軸A周りのさらなる回転で、クロージャ10のねじ山部13の第4の部分44と容器20のねじ山部26とが係合する結果、シール14がクロージャ20の側面21の第1の領域31を横断する。上述のように、シールが第1の領域31を横断するとき、シール14は圧縮状態から非圧縮状態に移行する。
【0060】
図11に示されるように、さらなる回転で、クロージャ10のねじ山部13は容器20のねじ山部26から係脱し、その結果クロージャ10は容器20から完全に取り除かれ得る。
【0061】
クロージャ10を容器20に連結するために、上記のステップが逆行され、クロージャ10が容器20に対して開口部軸Aの周りを反対方向に回転されることを理解されたい。そのような閉鎖工程中、シール14は容器20の側面21の第1の領域31を横断する際に圧縮される。その後、シール14は、溝27を通ってシール14を迂回する比較的高圧の流体によって放出が起き得る第2の領域32を横断する際も、圧縮されたままであってもよい。さらなる回転の後、シール14は、シール14がクロージャ10と容器20との間に流体密封シールを形成できる容器20の側面21の第3の領域33に移る。
【0062】
上述の構成と異なる構成において、溝27のうちの1つ又は複数は、容器20の側面21の第1の領域31に延びていてもよい。そのような構成において、クロージャ10が容器20に取り付けられるか又は容器20から取り除かれる際にそれぞれシール14が圧縮されるか又は圧縮から解放される間に、放出が起きてもよい。
【0063】
上述の構成において、シール14は、クロージャ10を容器20に取り付ける工程中に圧縮されるものとして記載されている。シール14は弾性材料から作製されていてもよい。一構成において、シール14は、Oリング、すなわち円形断面を有する材料のループから形成されたガスケット、から形成されていてもよい。例えば、Dリング、Uリング、Vリング、又は正方形リングを含む異なる断面を有するガスケットなどの、代替的シール構成が使用されてもよい。また、他の公知の圧縮性シールが使用されてもよい。
【0064】
例えば容器20の縁部22に圧縮シールを単に形成するよりも容器20の側面とクロージャ10のスカート12との間で圧縮されるそのようなシール14は、特に容器20内における炭酸飲料などの高い圧力の内容物に対して、極めて信頼性の高いシールを提供することができる。そのようなシナリオにおいて、容器20の内容物と容器20を取り囲む環境との間に圧力差が確立されることを理解されたい。この圧力差はシール14にわたって作用する。しかし、容器20からの漏れを助長する方向のシール14にわたる圧力差により、結果的にシール14は、例えばそれが収まっているグランドすなわち凹部から、容器20とクロージャ10との間の間隙へ変形し、よりしっかりと間隙を埋める。これによりシール14の漏れに抵抗する能力が高まる。結果として、容器20の内容物の圧力が高いほど、シール14は漏れへのより良好な抵抗性を発揮する。
【0065】
上記に説明されるように、クロージャ10が容器20に固定されるとき、シール14は、容器の縁部22から離れた位置で容器20の側面と係合する。例えば、図4に示される構成において、シール14は溝27の下に位置されてもよい。クロージャ10のスカート12に設けられたねじ山部13と係合するように構成されている容器20のねじ山部26は、この領域の下に設けられている。従って、容器20のねじ山部26は容器20の縁部22から分離していてもよい。例えば、容器20のねじ山部26と容器の縁部22との間の空間は、容器20の表面のねじ山部26によって占有される空間の少なくとも2~3倍であってもよい。一構成において、容器の縁部22からの容器20のねじ山部26のこの間隔は、ユーザが容器20から飲用するときにユーザの唇が容器20のねじ山部26に触れない十分な空間を提供するように構成されていてもよい。これにより、容器20から飲用する際のユーザの満足感を高めることができる。
【0066】
クロージャ10及び容器20の一方又は両方は金属から形成されていてもよい。代替的に又は追加的に、クロージャ10及び容器20のうちの一方又は両方はプラスチック材料などの非金属材料から形成されていてもよい。
【0067】
上記の記載はクロージャ10のシール14が容器20の外部側面21と係合する構成に関するが、一構成において、クロージャ10のシール14は容器20の内部側面と係合してもよいことを理解されたい。そのような構成において、クロージャ10は、閉鎖位置においてスカートが容器20の開口部の内側に延びるように構成されている内部スカートを含んでいてもよい。そのような構成において、シールは、内部スカート・クロージャ10と容器20の内部側面との間に流体密封シールを形成してもよい。そのような構成において、クロージャ10は、容器20の外側側面に設けられた対応するねじ山部と係合するねじ山部を有する外部スカートを有していてもよい。
【0068】
図12及び図13は、上述のシール構成の変形形態を有するクロージャ10を概略的に図解する。示されるように、クロージャ10と容器20との間に気密シールをもたらすことができ、且つ容器の側面21に対して作用する第1のシール14に加え、クロージャは第2のシール50を含んでいてもよい。第2のシール50は、容器20の縁部22に対して圧縮シール又は屈曲シールを形成してもよい。
【0069】
図12及び図13に図解される構成で示されるように、第2のシール50は容器20の縁部22の最も上の表面に対して作用してもよい。一構成において、第2のシール50は、例えば縁部22の最も上の表面より僅かに下の領域において、容器の縁部22の内面及び/又は外面に対して代替的に又は追加的に作用してもよい。一構成において、第2のシール50は、縁部22の先細りする内面又は外面に対して作用してもよい。
【0070】
一構成において、第1のシール14は、クロージャ10が容器20に取り付けられているときに主要な気密シールをもたらしてもよく、例えば炭酸飲料の状態を保つために十分なシールをもたらす。第2のシール50は、容器20内部からの任意の液体が第1のシール14の頂部上で止まる位置まで縁部22を通過することを防止するように機能してもよい。
【0071】
一構成において、第2のシール50は、気密シールをもたらすためには不十分であってもよい。従って、第1のシール14と第2のシール50との間の領域51内のガス圧が容器20の本体内のガス圧と等しくなってもよい。しかし、第2のシール50は、液体が容器20の縁部22を通過することを防止するためには十分であってもよい。第1のシール14の上方、すなわち第1のシール14と第2のシール22との間の空間51内に液体が存在することを防止するか又は最小限にすることで、特に圧力下で保存された液体にとって問題となる場合がある、クロージャ10を容器20から取り除く間の液体の望ましくない漏れを防止することができる。
【0072】
一構成において、第1のシール14及び第2のシール50は一体形成されていてもよく、すなわち同じ材料から同時に形成されていてもよい。一構成において、図12及び図13に図解されるように、第1のシール14及び第2のシール50は、第1のシール14及び第2のシール50を同時に形成することを容易にし且つ/又はシール14、50をクロージャ10内に搭載することを容易にし得る、比較的薄いウェブ52によって連結されていてもよい。一構成において、第1のシール14、連結ウェブ52、及び第2のシール50は、単一の構成要素として一体形成されていてもよい。
【0073】
一構成において、第1のシール14及び第2のシール50のうちの少なくとも1つはクロージャ10と共成形されていてもよい。オーバーモールドとも呼ばれるそのような工程において、容器20の開口部を覆う頂部11と頂部11から延びるスカート12とを含むクロージャ10の本体が、使用対象の材料に応じて、任意の好適な工程によって最初に形成されてもよい。次に、少なくとも1つのシール14、50が内部で形成される型の一部を既に形成されたクロージャ10が形成するようなクロージャ10の内部で、少なくとも1つのシール14、50が形成されてもよい。図12に図解されるような構成について、第1のシール14、ウェブ52、及び第2のシール50は、クロージャ10の本体が型の一部を提供する単一の射出成形工程において形成されてもよい。
【0074】
そのような工程は、共成形工程の結果として第1及び第2のシール14、50のうちの少なくとも1つがクロージャ10の本体に密着し得るため、有益な場合がある。この結果、クロージャ10は取り扱いに対してより頑健になり、すなわちシールの一方がクロージャ10の残部からより外れにくくなってもよい。代替的に又は追加的に、シール14、50のうちの少なくとも1つをクロージャ10の本体と共成形することによって、シール14、50とクロージャ10の本体との間に隙間が存在する可能性を低下させるか又は排除することが可能になってもよい。そのような隙間は清掃が難しいおそれがあり、且つ/又は望ましくない微生物活動が起こりかねない空間を生ずるおそれがあるため、例えば飲料などの液体を保持するために使用される容器20及びクロージャ10にとって、そのような隙間は望ましくない場合がある。
【0075】
第1のシール14及び第2のシール50のうちの少なくとも1つはクロージャ10の本体と共成形されてもよいが、一構成において、第1のシール14及び第2のシール50のうちの少なくとも1つはクロージャ10の本体と別個に形成され、後にクロージャ10の残部に取り付けられてもよい。そのような構成において、上述のように、シール14、50は、シール14、50を適所に保持するのに十分であり得る好適なサイズのグランドすなわち凹部15内に嵌合していてもよい。一構成において、シール14、50のうちの少なくとも1つは接着剤によってクロージャ10の本体に取り付けられていてもよい。
【0076】
図14及び図15は、図12及び図13で示される構成の変形形態を図解する。図14及び図15で図解される構成の大半は図12及び図13で示されるものに一致しており、その説明は繰り返さない。また、上述の図12及び図13で示される構成の変形形態は、図14及び図15で図解される構成にも適用されることも理解されたい。
【0077】
図14に示されるように、構成間の差異は、図14において第1のシール60が図12に示されるDリングではなくUリング又はVリングである点である。図14に示されるように、Uリング60は、クロージャ10のスカート12内の凹部すなわちグランド15内に嵌合できる第1の肢61を含むように構成されていてもよい。Uリング60はまた、一端が第1の肢61に連結されており他端が空間63によって第1の肢61から分離されている、第2の肢62を含んでいてもよい。第2の肢62はクロージャ62の中心に向かって、すなわち開口部軸Aに向かって突出していてもよい。図15に示されるように、クロージャ10が容器20に取り付けられるとき、Uリング60の第1の肢62は変形して第1の肢61に近づき、それらの間の間隔63のサイズを縮小してもよい。
【0078】
図14及び図15に示されるように、クロージャ10の通常の構成において、Uリング60の第2の肢62は略内方向及び上方向に突出しているが、これが反転されてもよく、且つ第2の肢62が概略的に内方向及び下方向に突出していてもよいことを理解されたい。
【0079】
上述のように、第1のシール14及び第2のシール50のうちの少なくとも1つは弾性材料から形成されていてもよい。一構成において、第1のシール14及び第2のシール50のうちの少なくとも1つは架橋ゴムから形成されていてもよい。そのような材料は、より良好なシール、すなわち熱可塑性エラストマー(一般にTPEと呼ばれる)を含む合成エラストマーなどの他の選択肢のシール材料よりも圧力下で保存されたガスの段階的放出に対して抵抗力があるシール、を有益には提供できる。架橋ゴムは型から取り出す工程中に大きく変形されることができ、それでも所望の形状に戻るため、架橋ゴムを使用することはまた有益であり得る。これによって、図14及び図15に図解されるようなシール60の形成を容易にすることができる。
【0080】
図16及び図17は、図14及び図15で示される構成の変形形態を図解する。図16及び図17で図解される構成の大半は図12から図15までに示されるものに一致しており、その説明は繰り返さない。また、上述の図12から図15までに示される構成の変形形態は、図16及び図17で図解される構成にも適用されることも理解されたい。
【0081】
図16及び図17で図解される構成において、シールは、シール機能を果たせるクロージャ10内に設けられるライナ90に置き換えられていてもよい。ライナは、クロージャ10内に設けられていてもよく、すなわちクロージャ10が容器20に連結されているときにライナ90がクロージャ10と容器20との間に位置されるように位置されていてもよい。
【0082】
図16及び図17に示されるように、ライナ90は、クロージャ10の頂部11の表面にわたって延在する第1の部分91と、頂部11から離れてクロージャのスカート部12の途中まで延在する第2の部分92とを含んでいてもよい。一構成において、ライナ90の第2の部分92は、クロージャ10のスカート部12に設けられたねじ山部13に達するのに十分なほどクロージャのスカート部12の下方までは延在しないように構成されていてもよい。
【0083】
クロージャ10の残部内にそのようなライナ90を設けることで、容器10の開口部23を封入し容器20の側面21の途中まで延びる構成要素を提供し、従って容器20内に保持される液体の封じ込めを向上させることができる。
【0084】
一構成において、ライナ90は、クロージャ10が容器20に連結されているときにクロージャ10のスカート区画12と容器20の側面21との間で圧縮されるように構成されている、シール領域93を含む。そのような構成において、シール領域93は、容器20の側面21とクロージャ10のスカート部12との間に流体密封シールを形成してもよい。
【0085】
ライナ90のシール領域93は容器20の側面21と係合する上述のシールと同一の機能を果たせることを理解されたい。上述のそのようなシールの変形形態はライナ90のシール領域93にも等しく適用されてもよい。ライナ90は、クロージャ10が容器20に連結されるときにシール領域93が容器20の縁部22から離れた位置で容器の側面21に位置されるように、すなわちシール領域93が縁部22と接触しないように、構成されていてもよいことをさらに理解されたい。
【0086】
一構成において、クロージャ10は、クロージャ10が容器20と連結されているときに、クロージャ10の頂部11の表面にわたって延在するライナ90の第1の部分91が容器20の縁部22と係合し容器20の縁部22に対して液体密封シールを形成するように、構成されていてもよい。容器20の側面21とクロージャ10のスカート部12との間に流体密封シールを形成するシール領域93、及び容器20の縁部22に対して液体密封シールを形成する第1の部分91を有するライナ90の構成は、図12から図15までに図解される構成と関連して上述された利益と同様の利益をもたらしてもよい。例えば、容器20からの液体がシール領域93の上方で容器20の側壁21の外部に閉じ込められることを防止できる容器10の縁部22に対する第2のシールと協働して、炭酸飲料の状態を保つことが可能な高品質の流体密封シールが提供される。
【0087】
さらに、容器20の開口部23を封入し少なくとも1つの一体形成されたシールを含む、クロージャ10の頂部11及びスカート部12によって画定される体積内のライナ90を設けることで、容器20からの流体がクロージャ10内に嵌合されるシールとクロージャの残部との間の位置に漏れ出る可能性を大きく減じることができる。これにより、その食品衛生上の性能を向上することができる。
【0088】
一構成において、ライナ90は、例えば単一工程で、単一の構成要素として一体形成されていてもよい。これにより、製造コストを削減でき、またライナを通した漏出の可能性を減じることができる。ライナ90は、クロージャ10の残部、すなわち頂部11及びスカート部12と別個に形成され、その後それに組み立てられてもよい。
【0089】
ライナ90は、シールの形成での使用に好適なものとして上述された任意の材料から形成されていてもよい。特に、ライナ90は架橋ゴムから形成されていてもよい。
【0090】
一構成において、食品用シリコン・スプレー潤滑剤などの潤滑剤が、ライナ90とクロージャ10の頂部11及びスカート部12のうちの少なくとも1つとの間に提供されてもよい。例えば、潤滑剤は組み立て前に、ライナ90の外面、並びに/又はクロージャ10の頂部11及び/若しくはスカート部12の内面に提供されてもよい。
【0091】
そのような潤滑剤を提供することで、クロージャ10の容器20への連結、及び/又はクロージャ10の容器20からの取り除きを補助することができる。具体的には、広口容器20について、容器20が炭酸飲料を保存している場合、クロージャ10と容器20との間に生じる力が顕著な場合がある。容器20と接触するライナ90の広い表面積と組み合わせると、この結果、容器20に対してライナ90を回転させるために必要なトルクが大きくなる場合がある。しかし、ライナ90とクロージャ10の残部との間の摩擦力を低減することによって、ライナ90が容器20に対して静止したままであっても、ユーザがクロージャ10の頂部11及びスカート部12を容器20に対して回転させることが可能になる。
【0092】
一構成において、銀含有抗微生物剤などの抗菌材料が、ライナ90とクロージャ10の頂部11及びスカート部12のうちの少なくとも1つとの間に提供されてもよい。これは、潤滑剤のように、ライナ90をクロージャ10の頂部11及びスカート部12と組み合わせる前にいずれかの表面に提供されてもよい。抗菌材料は、特に液体が容器20内部から漏れ出るか又は外部源から漏れ込むかのいずれかによりライナ90とクロージャ10の残部との間に閉じ込められる何らかのリスクがある場合、クロージャ10の食品衛生上の性能を向上することができる。任意選択で、潤滑剤及び抗菌剤の両方として機能する単一の材料がライナ90とクロージャ10の残部との間で使用されてもよい。
【0093】
一構成において、ライナ90は滑剤及び抗菌材料のうちの少なくとも1つを含む材料から形成されていてもよい。そのような構成は、ライナ90とクロージャ10の残部との間に潤滑剤及び/又は細菌材料を提供することに対する上述の利益の一部又は全てをもたらしてもよい。しかし、そのような材料をライナ90内に提供することで製造工程を容易にできる。
【0094】
さらに、滑剤をライナ90内に提供することでライナ90と容器20との間の摩擦力を低減できる。これにより、容器20に対するライナ90のいくらかの移動を容易にし、ユーザがクロージャ10を容器20から取り除くとき、不満足なユーザ体験をもたらすおそれのある軋み(squeaking)及び/又は震動(juddering)のリスクを低減することができる。
【0095】
ライナとクロージャ10の残部との間、及び/又はライナ90と容器20との間の摩擦力が低減されていても、容器20の開口部23を封入するライナ90を有するクロージャ10を取り除くために比較的高いトルクが必要とされる場合がある。この結果、不満足なユーザ体験が生ずるおそれがある。従って、任意選択で、ユーザが容器20に対してクロージャ10を回転させることをより容易にする手係合領域95がクロージャ10に設けられていてもよい。
【0096】
一構成において、手係合領域95は、それと人間の手との間の静的摩擦係数が手と手係合領域95が設けられていないクロージャ10との間の静的摩擦係数より大きいように構成されていてもよい。そのような構成は容器20からクロージャ10を取り除くために必要な実際のトルクは低減しないが、例えばクロージャと手との間の摩擦が増加することは、必要とされるトルクを加えることができるほどユーザがクロージャ10を強く把持する必要はないことを意味し、ユーザの労力を軽減するため、感覚的トルク、すなわちユーザが必要だと感じるトルクの水準は低減され得る。
【0097】
この有益な効果は、広口容器及び対応するクロージャに対して特に明らかであってもよい。前述のように、炭酸飲料を含むそのような容器について、クロージャ10と容器20との間の力は細口容器よりも大きい。しかし、そのような容器20については、指のみがクロージャ20と係合できる細口容器と対照的に、手のひらを含む手全体がクロージャ10と係合できる。
【0098】
一構成において、手係合領域95はクロージャ10の頂部11の外面に設けられていてもよい。任意選択で、手係合領域95はクロージャ10の頂部11を覆っていてもよい。代替的に又は追加的に、手係合領域はクロージャ10のスカート部12の少なくとも一部の外面に設けられていてもよい。
【0099】
手係合領域は、クロージャ10の頂部11又はスカート部12の少なくとも一部の外面に設けられており、クロージャ10の頂部及び/又はスカート部12を形成するために使用される材料よりも高いそれと人間の手との間の静的摩擦係数を有する、材料の層を含んでいてもよい。例えば、クロージャ10の頂部11又はスカート部12の少なくとも一部は、エポキシ樹脂系ラッカー又は非BPA置き換え均等物(non-BPA replacement equivalent)で被覆されていてもよい。代替的に又は追加的に、手係合領域は、例えばクロージャ10のスカート部12の少なくとも一部の外面に、テクスチャ付き表面を設けることを含んでもよい。
【0100】
図18及び図19は、上述の構成と大部分は同様だがねじ山部の構成に変形形態を有する容器70及び対応するクロージャ80を概略的に図解する。ねじ山部のこの構成は上述の任意の変形形態と組み合わされてもよいことを理解されたい。
【0101】
示される構成において、容器70は6つのねじ山部を有する。図18で視認可能な容器70の側部上の3つのねじ山部71、72、73は、第1の隔螺式ねじ山(interrupted thread)を提供する。図18で視認できない容器70の残りのねじ山部は、第2の隔螺式ねじ山を形成する。示されるように、容器70のねじ山部は、隔螺式ねじ山を形成する容器のねじ山部がいずれも容器70の他のねじ山部と重ならないように配置されている。言い換えれば、開口部軸方向においていずれかのねじ山部のどの部分も、他のねじ山部の一部の上、又は2つ以上の他のねじ山部により形成される仮想ねじ山の一部の上には配置されていない。
【0102】
図19は、図18に示される容器70と共に使用すべきクロージャ80を図解する。示されるように、この構成において、クロージャ80は2つの連続的なねじ山81、82を形成するねじ山部を有する。クロージャ80が容器70と係合するとき、クロージャの連続的なねじ山81、82のそれぞれは、容器70上に1つの隔螺式ねじ山を形成するねじ山部とそれぞれ係合する。
【0103】
図20は、図18に図解される容器70の頂部の側立面を図解する。特に、図20は、容器70上に単一の隔螺式ねじ山を形成するねじ山部71、72、73を図解する。示されるように、容器70の隔螺式ねじ山を形成するねじ山部71、72、73の下縁は、ねじ山に沿った方向に容器70の開口部に向かって斜角で延在する。一構成において、容器70の隔螺式ねじ山のそれぞれを形成するねじ山部71、72、73は、仮想螺旋状ねじ山を形成するように配置されていてもよい。クロージャ80内に設けられた連続的なねじ山は対応する角度で配置されていることを理解されたい。
【0104】
また、図18から図20までに図解される構成において、容器70は容器70に2つの隔螺式ねじ山が設けられるように配置された6つのねじ山部を有するが、他の構成が使用されてもよいことも理解されたい。具体的には、容器70には任意の数の隔螺式ねじ山を形成するために組み合わさるねじ山部が設けられていてもよく、各隔螺式ねじ山は任意の複数のねじ山部から形成されていてもよい。
【0105】
図18から図20までに図解される構成に加えて、容器70の好都合な構成は、それぞれが2つのねじ山部から形成される3つの隔螺式ねじ山を有してもよい。代替的に、好都合な構成において、容器70は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、又は10個のねじ山部から形成される単一の隔螺式ねじ山を有してもよい。各構成において、クロージャ80には、容器70に設けられた隔螺式ねじ山のそれぞれに対応する連続的なねじ山が設けられてもよい。
【0106】
重ならない隔螺式ねじ山を容器70に設けることで、容器70のねじ山部とクロージャ80のねじ山部との間の摩擦力が十分に低く保たれてクロージャ80を容器70から取り除くことがユーザにとって難しくならない構成を提供することが可能になってもよい。代替的に又は追加的に、容器70での1つ又は複数の隔螺式ねじ山の使用、すなわち隔螺式ねじ山を形成する容器70のねじ山部間にねじ山部の幅より顕著に大きい間隔などの実質的な間隔を有する構成は、過剰なガス圧力にねじ山部を通過させるための圧力を逃がす追加的特徴が設けられる必要がないことを保証してもよい。代替的に又は追加的に、重ならない隔螺式ねじ山を設けることで、容器にねじ山部が存在する容器から飲用するユーザへの影響を軽減してもよい。代替的に又は追加的に、容器70に形成されるねじ山部のサイズを最小化することで容器70の製造が容易になってもよい。
【0107】
一構成において、容器70のねじ山部のそれぞれのねじ山に沿った方向の長さは、隣接するねじ山部間の間隔とほぼ同一であってもよい。そのような構成において、容器70と連結するクロージャ80の連続的なねじ山のうちの1つと係合される容器70のねじ山部の全長は、容器70の円周の約50%を表すことになる。そのような構成は、容器のねじ山部のサイズを最小化するという所望と、容器70内での高い圧力の飲料の封じ込めにより加えられる応力下で容器に形成されているねじ山部の材料がその完全性を保つのに十分なねじ山部の係合を有するための必要条件と、の間の良好な妥協点を提供することができる。構成において、容器70のねじ山部のねじ山に沿った方向の長さ、及びそれらの間の間隔は、ねじ山部の合わせた長さが容器70の円周の約25%から約75%までの範囲内となるように構成されていてもよい。
【0108】
しかし、1つ又は複数の隔螺式ねじ山を有する容器70を対応する連続的なねじ山を有するクロージャと組み合わせることによって、クロージャ80を取り除くためにクロージャ80は容器70に対して開口部軸周りに十分に大きい角度を回転されなくてはならないことから、クロージャ80が偶然取り除かれるリスクを許容可能なレベルまで低減することができる構成が可能となる。
【0109】
この点において、容器70のねじ山部はいずれも容器の他のねじ山部と重ならないように配置されている一方で、1つ又は複数の連続的なねじ山を形成するクロージャ80のねじ山部は、それらが十分に長いことによりクロージャ80を容器70から取り除くために必要な回転が十分に大きいことを保証するために重なっていてもよいことを理解されたい。例えば、クロージャの連続的なねじ山を形成するクロージャのねじ山部がクロージャの円周の少なくとも半分の周りに延在することを保証することが望ましい場合がある。図19に示される構成において、クロージャ80に各々の連続的なねじ山を形成するねじ山部81、82のそれぞれは、クロージャ80の円周のほぼ全体に延在する。
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【国際調査報告】