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特表2024-529117前臨床アルツハイマー病を検出するための組成物、キットおよび方法
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  • 特表-前臨床アルツハイマー病を検出するための組成物、キットおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】前臨床アルツハイマー病を検出するための組成物、キットおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
G01N33/53 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508404
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 IL2022050865
(87)【国際公開番号】W WO2023017513
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/231,034
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524052457
【氏名又は名称】ニューロクエスト リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファン, シン
(72)【発明者】
【氏名】リー, イーハン
(72)【発明者】
【氏名】ドーク, ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】グ, バイジュン
(57)【要約】
ヒト患者におけるアルツハイマー病(AD)を診断および予後診断するための組成物およびキットは、フルオロフォア等の検出可能な部分にコンジュゲートされたバイオマーカーに対するモノクローナル抗体等の結合剤を含み、バイオマーカーは、CD163、CD91、CD59、MerTKおよび他の食作用関連分子から選択される。更なる組成物およびキットは、スカベンジャー受容体を含むバイオマーカーに対するフルオロフォアコンジュゲート化モノクローナル抗体のパネルを用いる。バイオマーカーの相対的発現を決定し、ADを診断し、食作用促進剤およびスカベンジャー受容体アゴニスト等のAD治療候補の有効性を決定するための方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、キット。
【請求項2】
前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項1および2のいずれか一項に記載のキット。
【請求項4】
CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
請求項1に記載のキット。
【請求項5】
CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、請求項4および5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、請求項4および5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、請求項4および5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項9】
組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、組成物。
【請求項10】
前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項9および10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、請求項12および13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、請求項12および13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、請求項12および13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD91に対する結合剤、CD59に対する結合剤およびCD163に対する結合剤の使用。
【請求項18】
前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
CD91に対する前記結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD59に対する前記結合剤が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD163に対する前記結合剤が、第3の検出可能な部分とコンジュゲートしている、
17および18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年8月9日に出願された「アルツハイマー病を検出するための組成物、キットおよび方法」という名称の米国仮特許出願第63/231,034号のPCT第I章第8条に基づく優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府の資金提供を受けた研究開発に関する記述
本発明は、National Health and Medical Research Council(オーストラリア)によって授与されたAPP 1048082(2013-2015)、APP 1061419(2014-2016)、APP 1120095(2017-2019)の下で政府の支援を受けてなされた。オーストラリア政府は、本発明において一定の権利を有し得る。更なる支援は、Bethlehem Griffiths Research Foundationによって提供された。
【0003】
発明の分野
本発明は、場合によっては臨床的に有意な症状が現れる前のアルツハイマー病の検出および予後に関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
アルツハイマー病(AD)の原因はあまり理解されていないが、この疾患は、その最も進行した段階に罹患している患者の生活の質の劇的な低下および高い介護費用と相関する。ADは典型的には数年にわたって発症する。認知機能正常(CN)から軽度認知障害(MCI)を経て臨床的AD認知症に進行すると、患者は、感情鈍麻、社会的引きこもり、および孤立の増加と共に、短期記憶、注意力、および抽象的思考の減少を経験する。オリゴマーおよびプラークの形態のアミロイドベータ(Aβ)タンパク質の蓄積が、ADの家族性および散発性の両方の例において検出されている。
【0005】
新規な仮説を用いて、本出願人らは、ADの潜在的なバイオマーカーとしての脳Aβ蓄積との関連についてフローサイトメトリー技術を使用して一連の細胞表面白血球バイオマーカーを調べた。その研究は、CN、MCI、およびAD患者群について、ADの診断および予後を可能にする驚くべき相関をもたらした。出願人らの発見により、本明細書に開示される本発明の組成物および方法が得られた。
【発明の概要】
【0006】
発明の要旨
本発明の特定の実施形態は、以前にADと関連していなかった個々のバイオマーカーの使用を可能にする。本出願人らは、予期せぬことに、本発明の方法、組成物およびキットに適したいくつかのバイオマーカー、例えば、CD163、CD91およびMerTKを同定した。それらのバイオマーカーは、CN患者と比較して、AD患者およびMCI患者において減少または増加(ダウンレギュレートまたはアップレギュレート)することが分かっており、単独で、または1もしくはそれを超える他のバイオマーカーと組み合わせて、ADの診断および予後診断における有用性を示している。具体的には、CD163およびMerTKはADにおいてダウンレギュレーションされ、CD91はアップレギュレーションされる。表1を参照されたい。したがって、本発明のいくつかの組成物は、CD163、CD91およびMerTK等のバイオマーカーに対する抗体等の結合剤を含み、抗体は、フルオロフォア等の検出可能な部分にカップリングされる。さらに、そのような組成物は、特定の結合剤、例えば、それらおよび他のバイオマーカーに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体の使用を含み得る。組成物は、必要に応じて抗凝固剤、および場合によりヒト全血を含む。例えばバイオマーカーに対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートを含むキットも、本発明の実施形態に記載される。
【0007】
更なる実施形態は、有用な方法においてこれらの抗体-フルオロフォアコンジュゲートを使用する。したがって、出願人らは、例えば、ヒト患者におけるADの診断のための方法における特定のバイオマーカーに対する結合剤の使用を発明した。特定の実施形態は、ヒト患者のADを診断するための方法に関し、そのような1つの方法は、
ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、血液試料を得てから3時間以内に血液試料を試験することと、
血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対する抗体と反応させて、結合したバイオマーカーを得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって血液試料中の結合バイオマーカーの濃度を測定することと、
濃度を健康なヒトにおけるバイオマーカーの濃度範囲と比較することと、
血液試料中のバイオマーカーの濃度変化を観察することと、
それによって、ヒト患者のADを診断することと、を含む。
【0008】
他の態様は、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定するための方法に関し、そのような1つの方法は、
(A)ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第1の血液試料を得てから3時間以内に第1の血液試料を試験することと、
第1の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対する抗体と反応させて、第1の結合バイオマーカーを得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって第1の血液試料中の第1の結合バイオマーカーの第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第2の血液試料を得てから3時間以内に第2の血液試料を試験することと、
第2の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対する抗体と反応させて、第2の結合したバイオマーカーを得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって第2の血液試料中の第2の結合バイオマーカーの第2の濃度を測定することと、
(D)第1の結合バイオマーカーの第1の濃度から第2の結合バイオマーカーの第2の濃度への変化を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0009】
更なる実施形態は、ADの診断およびADの薬物有効性の評価のためのバイオマーカーのパネルに関する。したがって、いくつかの追加の実施形態は、組成物およびキット、例えば、第1の検出可能な部分とコンジュゲートした第1のバイオマーカーに対する第1の結合剤、および第2の検出可能な部分とコンジュゲートした第2のバイオマーカーに対する第2の結合剤を含む組成物またはキットを含む。他の実施形態は、第3の検出可能な部分とコンジュゲートした第3のバイオマーカーに対する第3の結合剤を含む。更に他の実施形態は、各々が検出可能な部分とコンジュゲートしたより多くの結合剤を含有する。理想的には、いくつかのフルオロフォアの発光スペクトルは、有意に重ならないか、そうでなければいくつかのバイオマーカーの存在の定量的評価のために区別することができる。抗体-フルオロフォアコンジュゲートのパネルは、組成物またはキットに現れる場合がある。組成物は単一の混合物中の1またはそれを超える成分を示し、キットは1またはそれを超える組成物を含む。
【0010】
ADの診断およびADの薬物効力の評価のための好適なバイオマーカーとしては、例えば、1つのパネルで、CD11c、CD59およびCD163が挙げられる。別の例としては、CD11b、CD11cおよびCD18に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートが挙げられる。追加のパネルとしては、例えば、CD91、CD59およびCD163に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートが挙げられる。更なるパネルは、1またはそれを超えるスカベンジャー受容体およびそれらの調節因子に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートを含む。別のパネルは、1またはそれを超えるスカベンジャー受容体およびそれらの調節因子に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートと、1またはそれを超える白血球CDマーカーに対する1つ以上の抗体-フルオロフォアコンジュゲートとを含む。スカベンジャー受容体およびそれらの調節因子としては、限定されないが、CD163、CD91、P2X7、MerTK、CD59、CD11c、CD11bおよびCD18が挙げられる。更なるスカベンジャー受容体は、文献、例えばM.PrabhuDasら、’’Standardizing Scavenger Receptor Nomenclature,’’J.Immunol.,192(5),(2014)1997-2006において同定されている。白血球CDマーカーとしては、限定されないが、CD14、CD15、CD16、CD19およびCD3が挙げられる。他のパネルとしては、1またはそれを超えるCD33、CD35、CD36、CD59、CD91、P2X7およびRAGE対する抗体-フルオロフォアコンジュゲート、ならびに1またはそれを超えるCD11b、CD11c、CD18、CD163およびMerTKが挙げられる。更に別のパネルは、1またはそれを超えるCD11c、CD11b、CD18、CD59、ならびに1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートを含む。更なるパネルには、1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTK、ならびに1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートが含まれる。更に他のパネルとしては、3つの群、例えば、1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTK;1またはそれを超えるCD11c、CD11b、CD18、CD59;ならびに1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲートが挙げられる。
【0011】
本発明の更に他の例は、ヒト患者におけるバイオマーカーの相対的発現を測定する方法に関し、そのような1つの方法は、
ヒト患者から全血の試料を得ることと、
フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対するモノクローナル抗体と試料を接触させて、結合バイオマーカーを形成することと、
フルオロフォアの蛍光を測定することと、
それによってバイオマーカーの相対的発現を決定することを含む。
【0012】
更に追加の実施形態は、ヒト患者のADを診断するための方法に関し、そのような1つの方法は、
ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、血液試料を得てから3時間以内に血液試料を試験することと、
血液試料を、
フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対するモノクローナル抗体と反応させて、結合バイオマーカーを形成することと、
フルオロフォアの蛍光によって血液試料中の結合バイオマーカーの濃度を測定することと、
健康なヒトにおけるバイオマーカーの濃度範囲に対する結合バイオマーカーの各々の濃度の変化を観察することと、
それによって、ヒト患者におけるADを診断することと、を含む。
【0013】
更に態様は、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定するための方法に関し、そのような1つの方法は、
(A)ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第1の血液試料を得てから3時間以内に第1の血液試料を試験することと、
第1の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対するモノクローナル抗体の第1のアリコートと反応させて、第1の結合バイオマーカーを得ることと、
第1の結合バイオマーカーの第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第2の血液試料を得てから3時間以内に第2の血液試料を試験することと、
第2の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対するモノクローナル抗体の第2のアリコートと反応させて、第2の結合バイオマーカーを得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって第2の結合バイオマーカーの第2の濃度を測定することと、
(D)ヒト患者における第1の結合バイオマーカーの第1の濃度から第2の結合バイオマーカーの第2の濃度への変化を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0014】
本発明の他の例は、ヒト患者におけるADを診断するための方法に関し、別のこのような方法は、
ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、血液試料を得てから3時間以内に血液試料を試験することと、
血液試料を、
フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するモノクローナル抗体と反応させて、結合スカベンジャー受容体を得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって血液試料中の結合スカベンジャー受容体の濃度を測定することと、
健康なヒトにおけるスカベンジャー受容体の濃度範囲と比較した結合スカベンジャー受容体の濃度の減少を観察することと、
それによって、ヒト患者におけるADを診断することと、を含む。
【0015】
また更なる実施形態は、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定するための方法に関し、そのような1つの方法は、
(A)ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第1の血液試料を得てから3時間以内に第1の血液試料を試験することと、
第1の血液試料を、
複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第1のアリコートと反応させることであって、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートのそれぞれが、フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するモノクローナル抗体を含む、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第1のアリコートと反応させることと、
それによって、第1の結合スカベンジャー受容体を形成することと、
フルオロフォアの蛍光によって第1の血液試料中の第1の結合したスカベンジャー受容体の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第2の血液試料を得てから3時間以内に第2の血液試料を試験することと、
第2の血液試料を、
複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第2のアリコートと反応させることと、
それによって、第2の結合スカベンジャー受容体を形成することと、
前記フルオロフォアの蛍光によって第2の血液試料中の第2の結合スカベンジャー受容体の第2の濃度を測定することと、
(D)ヒト患者における第1の濃度の第1の結合スカベンジャー受容体から第2の濃度の第2の結合スカベンジャー受容体への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0016】
本発明の更に別の実施形態は、患者のADリスク、AD薬の有効性、および他の用途を評価するために最適化された組成物、キット、および方法に関する。いくつかの場合、それらの実施形態は、検出可能な部分とコンジュゲートした特定のバイオマーカーに対する結合剤を含む。例えば、これらの実施形態のいくつかは、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物に関する。
【0017】
別の例では、これらの実施形態の他の実施形態は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物に関する。
【0018】
本発明の更なる例は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含むキットに関する。
【0019】
他の例は、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、キットに関する。
【0020】
本発明の様々な実施形態では、例えばマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体等の任意の適切な抗体を使用することができる。
【0021】
別の態様は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物に関する。
【0022】
追加の態様は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物に関する。
【0023】
更なる態様は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含むキットに関する。
【0024】
特定の追加の態様では、キットは、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含み得る。
【0025】
なお更なる態様は、CD11c、CD14、CD59およびCD163に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲート等の結合剤-検出可能部分コンジュゲートを含む組成物およびキットを使用することであって、(1)ヒト患者におけるそれらのバイオマーカーの相対的発現を決定するための、(2)ヒト患者におけるADを診断するための、および(3)ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定するための、CD11c、CD14、CD59およびCD163に対する抗体-フルオロフォアコンジュゲート等の結合剤-検出可能部分コンジュゲートを含む組成物およびキットを使用することに関し、それらの方法が本明細書に記載される。
【0026】
本開示は特定の特定の実施形態を提供するが、本発明はそれらの実施形態に限定されない。当業者は、本明細書の説明から、記載された実施形態に修正を加えることができ、したがって、本明細書が記載された実施形態よりも範囲が広いことを理解するであろう。したがって、全ての例は非限定的である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明を理論に拘束することなく、本発明のいくつかの実施形態の有用性を説明し得る機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。図面は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの特徴は特定の構成要素の詳細を示すために誇張されている場合がある。したがって、本明細書に開示された特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、および本発明を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0029】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の用語に複数の定義がある場合、特に明記しない限り、本開示の定義が優先する。
【0030】
「例えば(for example)」、「等(such as)」、「含む(including)」等の句が本明細書で使用される場合はいつでも、特に明記しない限り、「限定するものではない」という句が続くと理解される。同様に、「一例」、「例示的」等は非限定的であると理解される。
【0031】
「実質的に」という用語は、意図された目的に悪影響を及ぼさない記述子からの逸脱を可能にする。記述的な用語は、「実質的に」という単語が明示的に列挙されていなくても、「実質的に」という用語によって修飾されると理解される。
【0032】
「約」という用語は、数値に関連して使用される場合、実際の所与の値、およびそのような所与の値に対する実験条件および/または測定条件による近似を含む、当業者によって合理的に推測されるそのような所与の値への近似を指す。
【0033】
「含む(comprising)」および「含む(including)」および「有する(having)」および「含む(involving)」(同様に、「含む(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」、および「含む(involves)」)等の用語は、交換可能に使用され、同じ意味を有する。具体的には、各用語は、「含む(comprising)」という共通の米国特許法の定義と一致して定義され、したがって、「少なくとも以下」を意味するオープンタームであると解釈され、追加の特徴、制限、態様等を排除しないと解釈される。したがって、例えば、「構成要素a、b、およびcを有する装置」は、装置が少なくとも構成要素a、bおよびcを含むことを意味する。同様に、「工程a、b、およびcを含む方法」という語句は、方法が少なくとも工程a、b、およびcを含むことを意味する。
【0034】
バイオマーカーは、人体で発現される特定の化学的部分である。抗体は、特定のバイオマーカーに結合するように適合された免疫学的タンパク質である。抗体は、モノマー形態またはポリマー形態で存在することができる。「フルオロフォア」は、検出および定量の目的で、励起波長の光を吸収し、発光波長の蛍光を発する化学種を示す。当技術分野で知られているように、フルオロフォアは、特徴的な吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す。抗体-フルオロフォアコンジュゲートは、抗体と、抗体がバイオマーカーに結合し、連結されたフルオロフォアの蛍光強度によって検出または定量され得るように、互いに化学的に連結された少なくとも1つのフルオロフォアとを含む。
【0035】
キットは、本明細書に記載されるような2またはそれを超える組成物を含む。必要に応じて、キットは、試料調製試薬、収集管、対照試料、使用説明書、またはそのような項目の組み合わせ等の他の有用な項目を含む。
【0036】
本明細書で使用される特定の略語およびその定義には、以下のものが含まれる。
【0037】
Aβアミロイドβペプチド
【0038】
ADアルツハイマー病
【0039】
AIBL Australian Imaging、バイオマーカーおよび生活習慣研究
【0040】
APC アロフィコシアニン
【0041】
APOE ヒトアポリポタンパク質E(遺伝子の記号はイタリック体であり、タンパク質の記号はイタリック体ではない)。
【0042】
APP アミロイド前駆体タンパク質
【0043】
ATN アミロイド、タウ、神経変性
【0044】
AUC 曲線下面積
【0045】
CDR 臨床的認知症尺度
【0046】
CN 認知機能正常
【0047】
CSF 脳脊髄液
【0048】
FACS 蛍光活性化細胞選別
【0049】
FCIP フローサイトメトリー免疫表現型決定
【0050】
FITC フルオレセインイソチオシアネート
【0051】
GWAS ゲノムワイド関連研究
【0052】
IDI 統合識別改善度
【0053】
mAb モノクローナル抗体
【0054】
MAC 膜侵襲複合体
【0055】
MCI 軽度認知障害
【0056】
MFI 平均蛍光強度
【0057】
MRI 磁気共鳴画像法
【0058】
MMSE ミニメンタルステート検査
【0059】
PACC 前臨床期アルツハイマー病認知機能複合
【0060】
PE R-フィコエリトリン
【0061】
PerCP ペリジニン-クロロフィル-タンパク質複合体
【0062】
PET ポジトロン断層法
【0063】
RAGE 高度糖化最終産物に対する受容体
【0064】
ROC 受信者動作特性
【0065】
文脈が明らかにそうでないことを要求しない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」等の単語は、排他的または網羅的な意味ではなく包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「~を含むが、限定されない」という意味である。
【0066】
本明細書を通しての先行技術のいかなる議論も、そのような先行技術が広く知られていること、または当分野における共通の一般知識の一部を形成することの承認と決して見なされるべきではない。
【0067】
本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点を克服または改善すること、または有用な代替案を提供することである。
【0068】
I.個々のバイオマーカー
上記のように、本出願人らは、予期せぬことに、そのような方法および組成物に適したいくつかのバイオマーカー、例えば、CD163、CD91およびMerTKを同定した。これらのバイオマーカーは、CN患者と比較して、AD患者およびMCI患者において変化していることを見い出した。具体的には、CD163およびMerTKはADにおいてダウンレギュレーションされ、CD91はADと強い相関を伴ってアップレギュレーションされる。以下の表1を参照されたい。それらは、ADおよび他の用途を診断するために、個別にまたは互いにおよび/または他のバイオマーカーと組み合わせて使用することができる。表1は、実施例に記載のプロトコルに従って得られた結果を含む。
【表1-1】
【表1-2】
【0069】
本発明の実施形態は、例えば、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせからのバイオマーカーに対する結合剤を使用する。結合剤は、所望のバイオマーカーに対して十分な選択性および親和性を示すべきである。本発明の実施形態では、任意の適切な抗体を使用することができる。例えば、抗体はモノクローナルであり得、例えばハイブリドーマを介して、マウス、ウマ、ウサギまたはブタに由来し得る。いくつかの場合、抗体は、バイオマーカーに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である。例えばヘパリン等の抗体阻害剤の存在を避けるように注意すべきである。
【0070】
更なる実施形態は、検出可能な部分、例えば、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせを使用する。検出可能な部分は、検出技術を混乱させるそれらのシグナル伝達の重複を回避するように選択されるべきである。例えば、同じ放射性同位体は、同じキット内の異なる結合剤にコンジュゲートされるべきではない。同様に、重複する発光スペクトルを避けるためにフルオロフォアを選択すべきである。本発明の実施形態では、任意の適切なフルオロフォアを使用することができる。適切なフルオロフォアとしては、限定されないが、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)647等のAlexa Fluor(登録商標)の商標で販売されているもの;アロフィコシアニン;フルオレセインイソチオシアネート、フルオレセインアミダイト、6-カルボキシフルオレセイン等のフルオレセイン化合物;R-フィコエリトリン;エリスロシン;PerCPとして知られているもの等のペリジニン-クロロフィル-タンパク質複合体;カルボキシテトラメチルローダミン、テトラメチルローダミン、スルホローダミン等のローダミン系色素;クマリン;ランタニド蛍光体;量子ドット;および当技術分野で公知の他のフルオロフォアが挙げられる。密接に重なり合う発光スペクトルを有する2つのフルオロフォアの使用を避けるように注意すべきである。例えば、Alexa Fluor(登録商標)647は、アロフィコシアニンと共に使用されるべきではない。Alexa Fluor(登録商標)488は、フルオレセインイソチオシアネートと共に使用されるべきではない。また、場合によっては、非特異的結合を排除するために、当技術分野で知られているようなブロッキング/漂白試薬を使用してもよい。
【0071】
フルオロフォアの更なる例としては、限定されないが、Becton,Dickinson and Company(ニュージャージー州フランクリンレイクス)によって販売されている色素のBD Horizon(商標)およびBD Horizon Brilliant(商標)Ultravioletファミリー、例えば、BUV395;BUV563;BUV615;BUV661;BUV737;BUV805;BV421;BV480;BV510;BV605;BV650;BV711;BV750;およびBV786として知られているフルオロフォアが挙げられる。更なるフルオロフォアとしては、BF Horizon(商標)タンデムコンジュゲートPE-CF594;Becton,Dickinson and Company(ニュージャージー州フランクリンレイクス)によって提供されるPerCP-Cy(商標)5.5として知られるシアニン色素を有するタンデムコンジュゲートPerCP;R-フィコエリトリン(PE);およびBD Horizon(商標)Red 718;またはこれらの2もしくはそれを超える組み合わせが挙げられる。追加の例としては、現在Thermo Fisher Scientific Inc.(マサチューセッツ州ウォルサム)の一部であるPhitonex,Inc.によって提供されるNovaFluor(商標)ブランドの蛍光標識、例えば、NovaFluor(商標)Blue 510、NovaFluor(商標)Blue 530、NovaFluor(商標)Blue 555、NovaFluor(商標)Blue 610-30 S、NovaFluor(商標)Blue 610-70 S、NovaFluor(商標)Blue 660-120 S、NovaFluor(商標)Blue 660-40 S、NovaFluor(商標)Yellow 570、NovaFluor(商標)Yellow 610、NovaFluor(商標)Yellow 660、NovaFluor(商標)Yellow 690、NovaFluor(商標)Yellow 700、NovaFluor(商標)Yellow 720、NovaFluor(商標)Red 660、NovaFluor(商標)Red 685、NovaFluor(商標)Red 700、またはそれらの組み合わせとして知られているフルオロフォア等が挙げられる。
【0072】
更に他のフルオロフォアは、GFP、YFP、RFP、eGFP、mCherry、tdtomato、FITC、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 750、Pacific Blue、クマリン、BODIPY FL、Pacific Green、Oregon Green、Cy3、Cy5、Pacific Orange、TRITC、Texas Red、およびそれらの組み合わせ等の蛍光タンパク質から選択され得る。
【0073】
抗体-フルオロフォアコンジュゲートの具体例としては、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素とコンジュゲートしたマウス抗ヒトCD163抗原;フルオレセインイソチオシアネートとコンジュゲートしたマウス抗ヒトCD91抗原;BD Horizon Brilliant(商標)Blue 700(Beckton,Dickinson and Company、ニュージャージー州フランクリンレイクス)の商標で販売されている蛍光色素とコンジュゲートしたマウス抗ヒトMerTK抗原が挙げられる。
【0074】
結合剤を検出可能な部分、例えばフルオロフォアに対する抗体にコンジュゲートさせることは、任意の適切な方法によって達成することができる。例えば、既知の化学は十分に開発され、市販されている。フルオロフォアコンジュゲート化抗体は、例えば、Becton,Dickinson and Companyから入手可能である。18F等の放射性同位体およびH等の安定同位体は、結合剤に、または結合剤に安定に結合する分子に組み込むことができる。例えば、18Fを含むフルオロデオキシグルコースまたは重水素化分子を用いることができる。抗体等の結合剤にコンジュゲートした量子ドットも言及され得る。
【0075】
本発明において有用な組成物は限定されない。特定の例は、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、少なくとも1つの抗凝固剤とを含む組成物を提供する。例えば、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせ等、任意の適切な抗凝固剤を本発明の様々な実施形態で使用することができる。任意の適切な塩が使用されてもよく、例えば、一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、三ナトリウム塩、または四ナトリウム塩等のアルカリ金属塩等が言及され得る。他の例は、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせと、ヒト患者の全血と、を含む、組成物に関する。これらの組成物のいずれも、例えばウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウム等の追加の有用な成分を含むことができる。
【0076】
様々な方法が本発明の実施形態に記載される。いくつかの方法は、ヒト患者におけるADの診断に関する。これらの方法いくつかは、ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、冷凍を含むことができる、血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、血液試料を得てから3時間以内に血液試料を試験することと、
血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163、CD91、またはMerTK等のバイオマーカーに対するモノクローナル抗体と反応させて、結合バイオマーカーを得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって血液試料中の結合バイオマーカーの濃度を測定することと、
濃度を、健康なヒトにおけるバイオマーカーの濃度範囲と比較することと、
血液試料中のバイオマーカーの濃度の変化を観察することと、
それによって、ヒト患者におけるADを診断することと、を含む。
【0077】
場合によっては、血液試料は、ヒト患者から得られ、必要に応じて氷上または冷蔵で保存される。本明細書で使用される場合、「氷上で保存する」は、保存方法が試料に害を及ぼさない限り、食品を含まない冷蔵庫から氷浴までドライアイスまでの任意の種類の冷蔵を含む。試料は、引き抜かれてから3時間以内等、任意の適切な時間内に試験することができる。試料は、血液試料と、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対する抗体とを反応させて結合バイオマーカーを得、フルオロフォアの蛍光によって血液試料中の結合バイオマーカーの濃度を測定することによって試験される。蛍光は、フローサイトメトリー分析等の任意の適切な技術によって測定することができる。
【0078】
特定の例は、問題の患者におけるバイオマーカーの濃度と健康なヒトにおけるバイオマーカーの濃度範囲との比較を可能にする。この比較は、任意の適切な方法で達成することができる。健常者のデータは、文献に見出すことができ、またはそうでなければADもしくはMCIを有しないと判定された多数の健康な人を試験することによって開発することができる。これらの健常者は、例えば、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有する等、健康の任意の適切な指標を示すことができる。濃度は、任意の適切なレベルで比較することができる。場合によっては、全血中の濃度を比較する。他の場合では、濃度を白血球で比較する。更に他の場合では、例えば、白血球が単球、C14+単球、CD14+CD16-単球、好中球、CD14-好中球、CD14-CD16+好中球、リンパ球、Bリンパ球、Tリンパ球、ナチュラルキラー細胞、およびそれらの組み合わせから選択される等、白血球のサブセットで濃度を比較する。白血球のサブセットは、任意の適切な方法に従って同定することができる。細胞選別を行うことができ、または細胞を、例えばフローサイトメトリーにおいて公知の方法に従ってゲーティングすることができる。
【0079】
検出可能な部分の濃度は、任意の適切な方法によって測定することができる。シンチレーションカウンティング、質量分析および蛍光が言及され得る。結合バイオマーカーの濃度を測定することは、例えば、フルオロフォアにコンジュゲートした結合バイオマーカーの平均蛍光強度を測定することを含む。CD163の場合、血液試料中のCD163の濃度の減少を観察することは、アミロイドPET画像法によって測定された<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD163の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、または少なくとも約19%の平均蛍光強度の減少を測定することを意味し得る。
【0080】
血液試料中のCD91の濃度の増加を観察することは、アミロイドPET画像法によって測定された<25CLを有するヒト患者のプールについての結合CD91の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約44%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約59%の平均蛍光強度の増加を測定することを意味し得る。
【0081】
血液試料中のMerTKの濃度の減少を観察することは、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト患者のプールについての結合MerTKの平均蛍光強度と比較して少なくとも約12%の平均蛍光強度の減少を測定することを含む。
【0082】
他の方法は、AD治療候補物がADの発症を処置、予防、または遅延させる薬物として有効であるかどうかを調べるためのAD治療候補物の試験に関する。これらの方法のいくつかは、
(A)ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第1の血液試料を得てから3時間以内に第1の血液試料を試験することとであって、
試験が、第1の血液試料と、
フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163、CD91、またはMerTK等のバイオマーカーに対するモノクローナル抗体の第1のアリコートを反応させて、第1の結合バイオマーカーを得ることによって行われる、第1の血液試料を得てから3時間以内に第1の血液試料を試験することと、
フルオロフォアの蛍光によって第1の血液試料中の第1の結合バイオマーカーの第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第2の血液試料を得てから3時間以内に第2の血液試料を試験することと、
第2の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたバイオマーカーに対するモノクローナル抗体の第2のアリコートと反応させて、第2の結合バイオマーカーを得ることと、
フルオロフォアの蛍光によって第2の血液試料中の第2の結合バイオマーカーの第2の濃度を測定することと、
(D)第1の結合バイオマーカーの第1の濃度から第2の結合バイオマーカーの第2の濃度への変化を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。CD163およびMerTKの場合、それらのバイオマーカーはADにおいてダウンレギュレーションされるので、有効なAD治療候補は、ヒト患者におけるそれらのバイオマーカーの濃度をアップレギュレーションまたは増加させるであろう。CD91の場合、このバイオマーカーはADにおいてアップレギュレーションされるので、有効なAD治療候補は、ヒト患者におけるそのバイオマーカーの濃度をダウンレギュレーションまたは低下させるであろう。
【0083】
任意の適切なAD治療候補を使用することができる。いくつかの場合、AD治療候補は、食作用促進剤、スカベンジャー受容体アゴニスト、またはその両方である。したがって、候補薬物は食作用を促進するように作用することができる。それはスカベンジャー受容体上のアゴニストとして作用することができるか、または両方の活動が記載される場合がある。もちろん、他の作用機序もこのプロトコルによって試験することができる。適切なAD治療候補は、例えば、方法が特定の患者に対する候補の有効性を調査していることから、治験薬から市販後監視を必要とする承認された治療薬まで、任意の規制上の承認状態を有することができる。AD治療候補は、任意の適切な経路によって、任意の適切な量で投与することができる。いくつかの場合において、その量は、治療有効量、または疑われる治療有効量である。例えば、AD治療候補は、1日当たり患者の体重1kg当たり1g未満の量で患者に投与することができる。別の例では、AD治療候補は、1日当たり患者の体重1kg当たり約1ng超の量で患者に投与することができる。他の場合では、AD治療候補は、1日当たり約0.1μg/kg以下、約1μg/kg以下、約10μg/kg以下、または約100μg/kg以下の量で患者に投与することができる。例えば、1日、5日間、10日間、30日間、60日間、90日間、180日間、365日間、または365日間もしくはそれを超える等、任意の適切な期間を使用することができる。例えば、経口投与、静脈内または筋肉内経路を介した注射、経皮パッチ、インプラント等を使用することができる。
【0084】
II.バイオマーカーの組み合わせ
本出願人らは、バイオマーカーの組み合わせが、ADの診断および予後診断ならびに薬物有効性評価において予測値を保持することを見出した。これらのバイオマーカーは、例えば、食細胞調節分子等の単一の機構の指標を表すことができる。または、それらのバイオマーカーは、例えば、CD14(単球)、CD16(単球、NK細胞、好中球)、CD15(好中球)、CD19(Bリンパ球)およびCD3(Tリンパ球)を含む1またはそれを超える白血球CDマーカーと組み合わせた1またはそれを超える食作用調節分子等、患者の健康の2つを超える機構または態様を示すことができる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態は、ADを診断または予後診断するための1またはそれを超えるスカベンジャー受容体の発現をプローブする。上記の表1は、スカベンジャー受容体を含む特定のバイオマーカーの予想される活性を記載している。スカベンジャー受容体および他のバイオマーカーの特定のパネルとしては、例えば、
CD11c、CD59およびCD163;
CD11b、CD11cおよびCD18;
CD91、CD59およびCD163;
1またはそれを超えるCD33、CD35、CD36、CD59、CD91、P2X7およびRAGEと、1またはそれを超えるCD11b、CD11c、CD18、CD163およびMerTK;
1またはそれを超えるCD163、CD91、P2X7、MerTK CD59、CD11c、CD11bおよびCD18と、1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3;
1またはそれを超えるCD11c、CD11b、CD18およびCD59と、1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3;
1またはそれを超えるCD11c、CD11b、CD18およびCD59と、1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3;
1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKと、1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3;
1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKと、1またはそれを超えるCD11c、CD11b、CD18およびCD59、ならびに1またはそれを超えるCD14、CD15、CD16、CD19およびCD3と、を含む。
【0086】
これらのパネルは、フルオロフォア等の適切な検出可能な部分とコンジュゲートした特定のバイオマーカーに対するモノクローナル抗体等の結合剤の存在によって表される。抗体-フルオロフォアコンジュゲートの任意の組み合わせにおいて、フルオロフォアは、それらの発光スペクトルに有意なまたは分解不可能な重複がないように、または重複するスペクトルの相対強度を容易に決定することができないように選択されるべきであることが理解され得る。場合によっては、定性的情報を得ることができるように、励起パラメータにも注意を払うべきである。全てのフルオロフォアは、使用される励起強度下で十分に照射されるべきであり、その結果、定量的データが記載される。本発明のいくつかの実施形態は、バイオマーカーの相対濃度、または健常者のものに対する患者の試料中の1またはそれを超えるバイオマーカーの濃度に依存する。
【0087】
特定の例は、組成物およびキットに関する。例えば、1つの例は、第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するモノクローナル抗体と、第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物またはキットに関する。別の例は、第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体とを含む組成物またはキットに関する。更なる例は、第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体とを含む組成物またはキットに関する。適切なフルオロフォアとしては、上記のものが挙げられる。場合によっては、第1のフルオロフォアは、アロフィコシアニンまたはフルオレセインイソチオシアネートであり、第2のフルオロフォアは、R-フィコエリトリンであり、第3のフルオロフォアは、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である。
【0088】
必要に応じて、組成物またはキットは、少なくとも1つの抗凝固剤を含む。上記のように、任意の適切な抗凝固剤を使用することができる。例えば、ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウム等の任意の適切な追加の成分も現れ得る。
【0089】
本発明による組成物は、ヒト患者由来の全血を含み得る。そのような組成物は、患者からの試料が本発明に従って試験されている場合に記載される。
【0090】
様々な方法が本発明のいくつかの実施形態に記載される。いくつかの方法は、患者における特定のバイオマーカーの相対的発現を測定することに関する。MCI患者およびAD患者では、CN患者と比較して、特定のバイオマーカーは増加するが、他のバイオマーカーは減少することを見い出した。例えば、そのような1つの方法は、ヒト患者におけるCD11c、CD59およびCD163の相対的発現を測定することに関し、この方法は、
ヒト患者から全血の試料を得ることと、
試料を
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と接触させて、結合CD11c、結合CD59および結合CD163を形成することと、
第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、および第3のフルオロフォアの蛍光を測定することによって、CD11c、CD59、およびCD163の相対的発現を決定することとを含む。上記で説明したように、任意の適切な抗体およびフルオロフォアを使用することができる。表1を参照すると、CD11cおよびCD163がダウンレギュレーションされているように見え、CD59がアップレギュレーションされているように見える場合、患者をMCIまたはADについて評価することができ、更なる処置または予防措置をとることができる。
【0091】
別のそのような1つの方法は、ヒト患者におけるCD91、CD59およびCD163の相対的発現を測定することに関し、この方法は、
ヒト患者から全血の試料を得ることと、
試料を
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と接触させて、結合CD91、結合CD59および結合CD163を形成することと、
第1のフルオロフォア、第2のフルオロフォア、および第3のフルオロフォアの蛍光を測定することによって、CD91、CD59、およびCD163の相対的発現を決定することとを含む。上記で説明したように、任意の適切な抗体およびフルオロフォアを使用することができる。表1を参照すると、CD91およびCD59がアップレギュレーションされているように見え、CD163がダウンレギュレーションされているように見える場合、患者をMCIまたはADについて評価することができ、更なる処置または予防措置をとることができる。
【0092】
ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、患者がCN診断、MCI診断、またはAD診断に該当するかどうかを評価することを含み得る方法は、バイオマーカーの組み合わせを使用することもできる。そのような1つの方法は、
患者からの血液試料を複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートと反応させることであって、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートのそれぞれが、フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含む、患者からの血液試料を複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートと反応させることと、それにより、結合スカベンジャー受容体を形成することと、
フルオロフォアの蛍光によって血液試料中の結合スカベンジャー受容体の濃度を測定することと、
健康なヒトにおける対応するスカベンジャー受容体の濃度範囲に対する少なくとも1つの結合スカベンジャー受容体の濃度の減少を観察することと、それによって、ヒト患者のADを診断することと、を含む。いくつかの場合、スカベンジャー受容体は、CD163、MerTK、CD11b、CD11c、CD18、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0093】
結合バイオマーカーの濃度の測定は、任意の適切な方法で進めることができる。全血、白血球、または白血球のサブセットを検査することができる。例えば、1つのバイオマーカーは白血球の1つのサブセットで検査することができ、別のバイオマーカーは白血球の異なるサブセットで検査することができる。場合によっては、例えば、結合バイオマーカーの濃度を測定することは、結合バイオマーカーの平均蛍光強度を測定することを含む。同様に、結合バイオマーカーの濃度の変化(増加または減少)を観察することは、ヒト患者の結合バイオマーカーについての平均蛍光強度を、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合バイオマーカーの平均蛍光強度と比較することを含み得る。例えば、結合CD11cの濃度の減少を観察することは、アミロイドPET画像法によって測定された<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD11cの平均蛍光強度と比較して、少なくとも約15%、少なくとも約19%、少なくとも約22%、少なくとも約25%、少なくとも約28%、少なくとも約30%、または少なくとも約34%の平均蛍光強度の減少を測定することを含み得る。別の例では、結合CD59の濃度の増加を観察することは、アミロイドPET画像法によって測定された<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD59の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約27%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約78%の平均蛍光強度の増加を測定することを含む。
【0094】
特定の場合には、バイオマーカーの濃度を測定することは、特定の細胞と相関する。例えば、バイオマーカーの濃度は、特定の細胞で測定した場合に、健常者との有意差を示し得る。細胞集団サブセットは、任意の適切な方法で同定することができ、他のバイオマーカーと相関させることができる。例えば、白血球は全血から単離することができ、CD163の濃度は白血球のみで測定することができる。または、白血球またはそのサブセットは、フローサイトメトリーにおいて有用な公知の方法に従ってゲーティングすることができる。例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、古典的単球、中間単球、非古典的単球および成熟好中球をゲーティングし、CD163、CD91およびMerTK等の1またはそれを超えるバイオマーカーの発現についてプローブすることができる。そのようなゲーティング戦略は、典型的には、例えば、単球(CD14+)、好中球(CD15+またはCD16+)、Bリンパ球(CD19+)、Tリンパ球(CD3+)、ナチュラルキラー細胞(CD16+)、およびそれらの組み合わせを含む細胞特異的CDマーカーの表面発現と共に、リンパ球、単球および好中球の前方散乱および側方散乱を含む。本明細書で使用される場合、古典的単球はCD14+CD16-として説明することができ、非古典的単球はCD14dimCD16+であり、中間単球はCD14+CD16+である。
【0095】
特定の更なる実施形態は、バイオマーカーの組み合わせを使用して、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することに関する。そのような1つの方法は、
(A)ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
第1の血液試料を複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第1のアリコートと反応させることであって、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートのそれぞれが、フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含む、第1の血液試料を複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第1のアリコートと反応させることと、それにより、第1の結合スカベンジャー受容体を形成することと、フルオロフォアの蛍光によって第1の血液試料中の第1の結合スカベンジャー受容体の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
第2の血液試料を複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第2のアリコートと反応させることと、それにより、第2の結合スカベンジャー受容体を形成ことと、
フルオロフォアの蛍光によって第2の血液試料中の第2の結合スカベンジャー受容体の第2の濃度を測定することと、
(D)ヒト患者における第1の濃度の第1の結合スカベンジャー受容体から第2の濃度の第2の結合スカベンジャー受容体への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。例えば、食作用促進剤、スカベンジャー受容体アゴニスト、または両方の機構を示す候補等、任意の適切なAD治療候補を試験することができる。
【0096】
III.2つのパネル
本出願人らは、本発明のいくつかの組成物、キット、および方法のうちの特定のものにおいて有用なバイオマーカーの2つの組み合わせを見出した。1つの組み合わせは、バイオマーカーCD163、CD59、CD11cおよびCD14に関する。第2の組み合わせは、バイオマーカーCD163、CD59、CD91およびCD14に関する。それらの組み合わせは、フルオロフォア等の特有の検出可能な部分とコンジュゲートした、モノクローナル抗体等のバイオマーカーに対する結合剤によって表すことができる。したがって、一実施形態は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物に関する。別の実施形態は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含む組成物に関する。これらのモノクローナル抗体は、任意の適切な抗体、例えばマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含むことができる。上記のように、例えばハイブリドーマを介して、マウス、ウマ、ウサギまたはブタに由来するモノクローナル抗体を使用することができる。少なくとも1つの抗凝固剤もまた、これらの組成物に記載されることができ、例えば、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせ等である。適切な追加の成分、例えば、ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウム、または別の例では、リン酸緩衝生理食塩水、ゼラチンおよびアジ化ナトリウムが存在し得る。
【0097】
検出可能な部分としては、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせが挙げられる。密接に重なり合う発光スペクトルを有する2つのフルオロフォアの使用を避けるように注意しながら、任意の適切なフルオロフォアをそれらの結合剤とコンジュゲートさせることができる。場合によっては、第1のフルオロフォアは、フルオレセインイソチオシアネート、アロフィコシアニン、またはそれらの組み合わせである。更なる場合には、第2のフルオロフォアは、ペリジニン-クロロフィル-タンパク質複合体である。更に別の場合では、第3のフルオロフォアは、R-フィコエリトリンである。追加の事例では、第4のフルオロフォアは、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である。更に別の場合には、組成物は、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない。組成物は、例えば、患者がADについて評価されているときに、ヒト患者からの全血を含み得る。
【0098】
これらの組み合わせを使用するキットも本発明に記載される。したがって、別の実施形態は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD11cに対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含むキットを提供する。更なる実施形態は、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD14に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第4のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、を含むキットを提供する。
【0099】
それらのキットは、抗体等の結合剤、フルオロフォア等の検出可能な部分、抗凝固剤、および上記の追加の成分を含むことができる。いくつかの例では、組成物およびキットは、特定の抗体、例えば、それらおよび他のバイオマーカーに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体の使用を含み得る。組成物は、必要に応じて抗凝固剤、および場合によりヒト全血を含む。適切な抗凝固剤としては、限定されないが、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。組成物およびキットは、任意の適切な更なる成分、例えば、ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウム、ならびに別の例としてリン酸緩衝生理食塩水、ゼラチンおよびアジ化ナトリウムを更に含み得る。
【0100】
適切なフルオロフォアとしては、上記のものが挙げられる。場合によっては、第1のフルオロフォアは、フルオレセインイソチオシアネート、アロフィコシアニン、またはそれらの組み合わせである。更なる場合には、第2のフルオロフォアは、ペリジニン-クロロフィル-タンパク質複合体である。追加の場合では、R-フィコエリトリンが第3のフルオロフォアとして提供される。更に他の場合は、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である第四のフルオロフォアに関する。
【0101】
これらの組み合わせのバイオマーカーを使用する方法も記載される。本明細書に記載の相対的発現を決定し、ヒト患者のADを診断し、AD治療候補の有効性を決定する方法を使用することができる。
【0102】
図面の詳細な説明
本発明の更なる実施形態は、添付の図面を参照することによって理解することができる。
【0103】
図1は、提案された機構を示す。理論に束縛されることを望むものではないが、提案された機構は、本発明の特定の実施形態の有用性を説明し得る。更なる説明は、以下の考察に記載される。
【実施例
【0104】
ADの指標としてのバイオマーカーの試験
本出願人らは、フローサイトメトリー技術を使用して、合計418人のヒト患者におけるADの潜在的なバイオマーカーとしての脳アミロイド-β(Aβ)蓄積との関連について、一連の一般的な細胞表面白血球バイオマーカーを検査した。これらの患者には、241人の認知機能正常(CN)、106人の軽度認知障害(MCI)および71人の臨床的AD認知症患者が含まれた。
【0105】
2.方法:
【0106】
2.1.対象および倫理的承認
【0107】
第I相、第II相および第III相の参加者は、オーストラリアのイメージング、バイオマーカーおよびライフスタイル研究(AIBL)から募集した。この研究は、神経イメージング、バイオマーカー、生活様式、臨床および神経心理学的分析からのデータを統合する。AIBL研究によって収集された参加者の99%は、英語が流暢な遺伝的北欧系白人である。AIBL参加者の分類は、Aβ蓄積の臨床的および神経イメージング/CSFの両方の証拠に基づく。この試験は、オーストラリア国メルボルンのSt Vincent’s HospitalのResearch Governance UnitのHuman Research Ethics Committeeによって承認された(参照番号:HREC-A 028/06)。全ての参加者および患者の介護者は、参加前に書面によるインフォームドコンセントを完了した。AIBL参加者の全ての臨床情報および人口統計情報を、全ての生物学的測定値の収集までマスクした。第IV相については、試料を、無症候性アルツハイマー病における抗アミロイド処置(A4)研究に参加している対象からランダムに集めた。この相では、無症候性AD(A4)臨床試験(例えば、A4 Biobank Addendum、PI Rissman)における抗アミロイドのスクリーニングプロセスの一部として、米国の施設で認められた対象のコホートから盲目的かつ無作為に選択された112名の参加者から全血を得た[52]。
【0108】
2.2.Aβ-PET画像法およびセンチロイド(CL)スケール
【0109】
参加者は、以前に記載されたようにAβ-PET画像法を受けた[17、18]。スクリーニングおよびAβ-PET画像との共位置合わせのために、3D T1強調MRIを得た。血液評価に関与する研究者は、統計分析の報告まで全てのAβ-PETおよび臨床データを盲検化した。Aβ-PET状態は、センチロイド(CL)に基づく:陰性<25CL(境界線>15CLおよび<25CLを含む)および陽性≧25CL。閾値は、疾患進行のリスクとの関連に従って選択される。
【0110】
2.3.エピソード記憶および前臨床アルツハイマーの認知複合(PACC)スコア
【0111】
エピソード記憶複合スコアおよびPACCスコアを開発するために使用される方法は、他の場所[19、20]で公開されている。
【0112】
2.4.採血
【0113】
第I~III相については、一晩絶食後の8:00am~10:30amに末梢全血を静脈穿刺によって採取した。全血をEDTA抗凝固剤Vacutainer(登録商標)チューブ(Becton Dickinson Biosciences)内に保ち、輸送中は氷上に保った。全血の処理は、採取後3時間以内に完了した。第IV相については、静脈穿刺による全血を一晩絶食した参加者から採取した。採取した血液を周囲温度のゲルパックで一晩輸送し、分析のために翌朝処理した。
【0114】
2.5.細胞フローサイトメトリー染色
【0115】
細胞表面染色手順を、BD標準プロトコルを使用して行った:100μLの新鮮血液のアリコートを、予め混合した抗体カクテルを含む蛍光活性化細胞選別(FACS(登録商標))チューブに添加した。FITC、PE、PerCPおよびAPCチャネルで励起されたフルオロフォアとコンジュゲートしたマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体(mAb)を使用して、白血球を染色した(以下の表A.1)。全血のみを含む自家蛍光チューブおよびIgGアイソタイプ対照(BD Australia)チューブを各AIBL試料について調製した。抗体の最適濃度を滴定試験によって決定した。細胞内染色のため、細胞を固定し、透過処理した後、BD標準プロトコルに従って抗体カクテルと混合した。FACSCalibre(BD Biosciences)を使用してフローサイトメトリーによって免疫表現型検査を行った。全てのフローデータをデジタル形式で保存した。
【0116】
2.6.第I相、第II相、第III相および第IV相の定義
【0117】
第I相は、16個の表面マーカーおよび2個の細胞内マーカーからなる三色サイトメトリーパネルであった。第II相は、18個の表面マーカーを含む四色サイトメトリーパネルであった。第I相、第II相は、いくつかの主要な白血球CDマーカーをカバーした。相IIIは19個の表面マーカーを有し、四色サイトメトリーパネルでもあり、先天性免疫の経路がADの病因において重要な役割を果たし得るという新たな証拠を反映するために濃縮された。合計で34個の白血球マーカーを検査した。抗体-フルオロフォアコンジュゲートパネルを、使用した製品のカタログ番号と共に表A.1に示す。
【0118】
【表A.1.1】
【0119】
【表A.1.2】
【0120】
【表A.1.3】
【0121】
【表A.1.4】
【0122】
FlowJoソフトウェア(V10、FlowJo,LLC)を使用してフローデータを分析した。出願人らは、前方散乱、側方散乱を使用して、リンパ球、単球および好中球をゲーティングした。次いで、特定のマーカーの蛍光強度に基づいて亜集団をゲーティングした。第III相では、出願人らは、抗CD14および抗CD16 mAbの蛍光強度を使用して、ナチュラルキラー(NK)細胞、Bリンパ球およびTリンパ球、古典的単球、中間単球、非古典的単球、成熟好中球、ならびに未成熟好中球をゲーティングした。亜集団の細胞数および頻度を計算した。異なる細胞群上の異なるマーカーの平均蛍光強度(MFI)も測定した。
【0123】
2.7.統計分析
【0124】
統計分析は、GraphPad Prism for Windows(登録商標)(米国カリフォルニア州サンディエゴ、バージョン8.4.2)およびIBM SPSS(登録商標)Statistics Software(バージョン25.0、ニューヨーク州アーモンク:IBM Corp)で行った。mAbの蛍光強度を、一元配置ANOVAを使用してCN、MCIおよびAD群の間で比較した。mAbの蛍光強度とPET Aβセンチロイド、エピソード記憶およびPACCスコアとの間の関係の強さを調べるために、ピアソン積率相関分析を行った。予測分析のために、受信者動作特性(ROC)分析を使用して、感度、特異度および精度の値を定義した。閾値は、ヨーデン指標を介して選択した。ロジスティック回帰後の転帰を予測するために、個々のバイオマーカー、共変量について調整された個々のバイオマーカーおよびバイオマーカーの組み合わせセットについてモデルを計算した。GraphPad Prism for Windows(登録商標)(米国カリフォルニア州サンディエゴ、バージョン8.4.2)で図を作成し、R(バージョン4.0)を用いて統計分析を行った。
【0125】
2.8 バイオマーカー評価
【0126】
ここで、出願人らは、新しいバイオマーカーを追加することが疾患リスクをより良好に予測できるかどうかを発見しようとしている。本出願人らは、rms Rパッケージを用いて作成し、rap Rパッケージを用いて評価したロジスティック回帰モデルにおいてバイオマーカーの性能を評価した。Rバージョン4.0.2を使用した。受信者動作特性曲線下面積(AUC)の変化、統合識別改善度(IDI)メトリック、およびBrierスキルスコアを使用して、ベースラインモデルに対するバイオマーカーの加算値を評価した。AUCの変化は、ベースラインモデルおよび新しいモデルの確率のランキングの変化を反映する。IDIは、関心事象の有無にかかわらず別々に提示される。それらは、事象を有する者(IDI事象)の正味の平均リスク増加を表し、事象を有さない者(IDI非事象)の平均リスク減少を表す。Brier改善は、ベースラインモデルからのBrierスコアの相対的改善である。Brierスコアは、モデルの平均二乗誤差であり、Brierの改善は、バイオマーカーの添加による精度の改善率を与える。
【0127】
モデル作成のプロセスは、簡潔には、対象の脳Aβ-PET状態を予測するための人工ベースラインロジスティック回帰モデルを構築することであった。まず、変数を、神経心理学的診断を人口統計学(すなわち、年齢、性別、および教育年数)と一緒に縮小することによって変数の数を減少させる変数減少技術、主成分回帰によって選択した。第2に、出願人らは、各バイオマーカーをベースラインモデルに1つずつ追加して、新しいバイオマーカーがベースラインモデルの診断性能を改善したかどうかを評価した。これらが「新モデル」である。最後に、出願人らは、最適な性能を達成するために、最良の性能のバイオマーカーをバイオマーカーのパネルに組み合わせた。ここで、出願人らは、第III相モデル1について、単にセンチロイド>25CLによって疾患状態を定義した。第III相モデル2では、特定のバイオマーカーが、疾患の初期段階(すなわち、境界線)の分化に役立つ生理学的価値を有するかどうかを探求しようとした。しかしながら、AIBLの境界範囲、>15CLおよび<25CLは、十分な症例を含めるには狭すぎた。したがって、出願人らは、任意に定義したセンチロイド≧25CLおよび<100CL、ならびにセンチロイド>100CLを有する個体によるADの初期段階を削除した。モデル3は、研究コホートを健常対照(CN&<25CL)、前臨床(CN&≧25CL)、または前駆(MCI、およびCLを考慮しない)およびAD(CLを考慮しない)段階に層別化するために、Aβ状態と一緒に患者の臨床状態を更に考慮した。次いで、出願人らは、前臨床段階と前駆段階を組み合わせることによって(AD段階を削除した)モデル3の疾患状態を任意に定義した。コルモゴロフ-スミルノワ(Kolmogorov-Smirnova)およびシャピロ-ウィルク(Shapiro-Wilk)法によってデータの歪度を検定した。
【0128】
3.結果
【0129】
3.1.人口統計学
【0130】
この横断研究は4つの相を含み、第I、II相は発見データセットとして機能し、第III、IV相は検証データセットとして機能した。出願人らは、第I、II、およびIII相のAIBL試験から76,142人および200人の参加者を募集し、第IV相のA4試験から112人の参加者を募集した。全てのデータセットは、CN、MCIおよびAD認知症として臨床的に分類されたバランスのとれた数の個体を含んでいた。全ての試料は、対応するAβ-PETおよび認知データを有していた。研究の人口統計学を、第III相モデル2および3を除いて、高Aβ負荷または低Aβ負荷によって単純に層別化した(方法2.8を参照)。
【0131】
3.2.第I相および第II相の候補バイオマーカー
【0132】
第I相は、CD11cおよびP2X7を候補バイオマーカーとして同定した(以下の表A.2.1)。CN群と比較して、CD11cのMFIはMCI群およびAD群で19~34%減少し(P<0.05)、P2X7は20~42%減少した(P<0.01)。それらはまた、Aβ CLとの負の相関を示し、その結果、より高いAβ負荷対象は、より低いCD11cおよびP2X7の発現レベルを有した。第II相はCD11c、CD11bおよびCD33を同定し、候補バイオマーカーとしてP2X7ではない(以下の表A.2.2)。CD11c、CD11bおよびCD33のMFIは、CN群と比較して、MCI群およびAD群でそれぞれ14~23%(P<0.05)、14~21%(P<0.05)および16~18%(P<0.05)減少した。しかしながら、NK細胞上のCD11cのみがAβ-PETデータと相関した。
【0133】
3.3 第III相の候補バイオマーカー
【0134】
第III相で、本出願人らは、CN、MCIおよびAD群間で異なり(以下の表A.2.3の上位10個)、Aβ負荷量と相関するCD11c、CD59、CD91およびCD163のMFIに関連する10個の候補マーカーを同定した。CD11cおよびCD163のMFIは、CN群と比較して、MCI群およびAD群でそれぞれ15~19%(P<0.01)および11~16%(P<0.01)減少したが、CD59およびCD91のMFIは、MCI群およびAD群でそれぞれ27~78%(P<0.0001)および44~59%(P<0.001)増加した。MerTK、CD18およびRAGEに関連する表A.2.3の下の4つは、試料サイズが小さいため除外した。それにもかかわらず、CN群と比較して、MCI群およびAD群では、CD18およびMerTKのMFIがそれぞれ20~26%(P<0.05)および12%(P<0.05)減少し、RAGEのMFIが単球上で31%(P<0.05)増加した。全ての潜在的なバイオマーカーの変化およびADに対するそれらの関連性を上記の表1に列挙する。
【0135】
全血中のCD14-リンパ球の絶対パーセンテージは、CN群(以下の表A.2.4)と比較してMCI群およびAD群で11%低下し(P<0.01)、CL、エピソード記憶およびPACCスコアと相関していた。CN、MCIおよびAD群間の全血中の単球のパーセンテージの差はごくわずかであったため、出願人は、全単球集団をCD14+CD16+、CD14+CD16-およびCD14-CD16+亜集団に分割し、全単球集団からのそれらの相対的パーセンテージを評価した。CD14+CD16-単球の相対的パーセンテージは、CN群と比較してAD群およびMCI群で13%増加した(P<0.01)(表A.2.4)。興味深いことに、CD14+CD16+単球の相対的パーセンテージは、CN群と比較してMCI群で30%減少した(P=0.02)が、ADおよびCNは群差を示さなかった。また、MCI群におけるCD14-CD16+単球のより低い相対的パーセンテージ(-29%P=0.02)も、より小さい試料サイズを有する別のチューブにおいて観察された。その後、CD14-リンパ球およびCD14+CD16-単球のパーセンテージを上記10個に加え、更なる評価のために12個のバイオマーカーを作製した。
【表A.2.1】
【表A.2.2】
【表A.2.3】
【0136】
【表A.2.4】
【0137】
3.5.バイオマーカー評価
【0138】
表3では、第III相で選択された12個のバイオマーカーを、バイオマーカー1(BM1)、バイオマーカー2(BM2)、...およびバイオマーカー12(BM12)と命名した。分布試験は、バイオマーカー7およびバイオマーカー8がほぼ正規分布に従うことを見出した(表A.6)。その他は自然対数(lnBM)と平方根(sqrtBM)の両方を用いて変換した。共線性試験を使用して、独立したバイオマーカーのみをパネルに組み合わせる場合に選択した(表A.7)。
【0139】
【表3.1-1】
【表3.1-2】
【表3.1-3】
【0140】
【表3.2-1】
【表3.2-2】
【表3.2-3】
【0141】
【表3.3-1】
【表3.3-2】
【表3.3-3】
【0142】
【表3.4-1】
【表3.4-2】
【表3.4-3】
【0143】
【表3.5-1】
【表3.5-2】
【0144】
【表A.6.1】
【0145】
【表A.6.2】
【表A.6.3】
【0146】
【表A.7.1】
【0147】
【表A.7.2】
【0148】
モデル1(表3.1)では、ベースライン1は、AUC 0.85(0.79~0.91)で<25CLと>25CLとを識別した。好中球(lnBM8)上のCD163のMFIは、0.89(0.84~0.94)の最良の改善されたAUC、16%のBrier改善、0.06(0.024~0.096)の事象を伴うIDI、および0.041(0.015~0.067)の事象を伴わないIDIを有した。2つの他の実行中バイオマーカー、CD14-CD16+単球上のCD59のMFI(lnBM5)および全好中球上のCD11cのMFI(lnBM3)を含めて、バイオマーカーのパネル:新規1を形成した。新規1は、AUCが0.91(0.86~0.95)、Brier改善が17.8%、事象ありおよびなしでそれぞれIDIが0.085(0.049~0.12)および0.050(0.019~0.081)であった。新規1は、ヨーデン指標のカットオフ点(表A.8.1)で89.9%の感度(95%CI 80.2%~95.8%)、76.9%の特異度(66.0%~85.7%)および83.0%の全体的な精度を有していた。
【0149】
【表A.8.1】
【0150】
モデル2(上記の表3.2)では、ベースライン2は、AUC0.84(0.77から0.91)で<25CLと、>25CLおよび<100CLとを識別した。好中球(lnBM8)上のCD163のMFIは、0.90(0.84~0.96)の最良の改善されたAUC、20%のBrier改善、0.106(0.050~0.162)の事象を伴うIDIおよび0.051(0.024~0.077)の事象を伴わないIDIを有した。注目すべきことに、モデル2は52症例しか有しておらず、1つのバイオマーカーのみをモデルに適合しないように加えて、新規2を形成した。新規2は、ヨーデン指数のカットオフ点(表A.8.1)で90.0%の感度(76.3%~97.2%)、76.5%の特異度(65.8%~85.3%)および81.0%の全体的な精度を有していた。
【0151】
モデル3(上記の表3.3)では、全てのMCI対象が症例として分類されていたため、ベースライン3が過剰に集約された。好中球(lnBM8)上のCD163のMFIは、0.96(0.93~0.99)の最良の改善されたAUC、24.4%の大幅な改善、0.049(0.013~0.085)の事象を伴うIDIおよび0.035(0.009~0.062)の事象を伴わないIDIを有した。2つの他の実行中バイオマーカー、CD14-CD16-リンパ球上のCD59のMFI(sqrtBM4)および全血中のCD14-リンパ球の絶対パーセンテージ(sqrtBM11)もまた、バイオマーカーのパネル:New3を形成するために含めた。新規3は、AUCをベースラインから6%改善した。新規3は、ヨーデン指数のカットオフ点(表A.8.1)で91.2%の感度(80.7%~97.1%)、93.9%の特異度(85.2%~98.3%)および92.7%の全体的な精度を有していた。
【0152】
全体として、異なるモデルにおいて、異なるバイオマーカー、複合体またはパネルが提案された。3つの候補バイオマーカー:CD11c、CD59およびCD163は非常に良好に機能したが、CD163は常に最良の機能を有していた。各バイオマーカーのモデルカットオフ値、感度、特異性および精度は、表A.8.2~4に見出すことができる。
【0153】
【表A.8.2】
【表A.8.3】
【表A.8.4】
【0154】
3.6.第IV相の結果
【0155】
第III相は、年齢、性別、教育およびAPOEε4対立遺伝子状態についての補正後に、PET Aβ陽性(Cl>25)の個体とPET Aβ陰性(CL<25)の個体とを区別するための潜在的なバイオマーカーとして、CD11c、CD59、CD91およびCD163を同定した(モデル1、P=0.021)。次いで、本出願人らは、それらを独立コホート(相IV、N=112)で検証した。いくつかの白血球マーカーは、臨床診断との関連または類水晶体との関連を示し、これらは第III相と一致する。検証コホートの多変量モデルは、CD59とCD91との組み合わせがAβ状態、CL>25またはCL<25を識別し、AUCは0.91(CI:0.81~0.99)であることを見出した。AUCは、0.81(CI:0.72~0.9)ならびに年齢、性別、教育およびAPOEε4対立遺伝子状態に対する補正後に、平均ベースモデルAUCよりも0.1高かった(p=0.072)。CD11c、CD59およびCD91の組み合わせを試みたところ、補正後のAUCはベースモデルより0.95(CI:0.86~1)、0.14上、p=0.05であったが、この値は比較的小さい試料サイズ(表3.5の詳細)のために過剰適合を反映し得る。
【0156】
4.考察:
【0157】
CN、MCIおよびADの群間で比較した場合、および/またはAβ-PETデータと関連した場合、白血球表面マーカーは差次的発現を示した。第I相および第II相の設計は、そのスクリーニング能力を制約した様々な主要CDマーカーにおいて最大であった。第III相における白血球表面マーカーの新しい範囲は、GWASおよびミクログリア/単球経路における食作用/エンドサイトーシスがADの病因において重要な役割を果たし得るという他の証拠を反映するように調整された[7、21]。正確な分子機構は不明なままであるが、食作用性受容体、MerTKおよびP2X7;スカベンジャー受容体、CD36およびCD163;ならびにインテグリン、CD11b、CD11cおよびCD18の発現の減少は、AD患者における単球食作用機能障害を推測する本発明者らの以前の研究[7]の一部と密接に一致する(表1;図1左)。CD18が、補体受容体3および4としても知られるCD11b/CD18およびCD11c/CD18の共通のサブユニットであることも注目に値する(CR3、CR4)。この研究によって、CR3およびCR4の両方がADにおいてダウンレギュレーションされることが見出された。CD59は、膜侵襲複合体(MAC)の主要な阻害剤である[22]。本出願人らが、ADにおけるCD59のアップレギュレーションが細胞溶解および食作用クリアランスを妨げ得ることを見出した。図1右側を参照されたい。2またはそれを超える経路における調整された変化は、オプソニン化、食作用および病原性因子の除去に関連するADの機能的阻害を表す。
【0158】
この研究では、3つのマーカー、CD33、CD35/CR1およびCD91は、GWASメタ分析[23、24]または他の遺伝子関連研究によって報告されたADリスク遺伝子のタンパク質産物である[25~27]。CD35およびCD91の両方が、この研究によってADにおいてアップレギュレーションされることが見出された。Bradshawら[28]は、CD33リスク対立遺伝子rs3865444Cが、若齢および高齢個体の単球におけるCD33のより大きな細胞表面発現に関連することを見出した。しかし、Aβ42の内在化の減少、神経突起タウ陽性変化の蓄積および活性化ヒトミクログリアの数の増加に関連していた。rs3865444Cリスク遺伝子型を有する個体における単球上のCD33の過剰発現は、その機能喪失を補う機構であり得る。CD35/CR1は補体因子C3bおよびC4bの受容体であるが[29]、ADとの関連性は不明である。CD91は、ApoEに対する受容体であり、分泌されたアミロイド前駆体タンパク質(APP)のエンドサイトーシスおよび分解であり[30]、単一の経路がADの病態生理学にかかわる2つの分子を結びつけることを示唆している。
【0159】
CD 91の他に、RAGEはAβの受容体でもある。Yanら[31]は、RAGEの発現がADにおいて、特にAβの沈着物および神経原線維変化に近いニューロンにおいて増加したことを報告した。マウスにおいて、Deaneら[32]は、RAGEが血液脳関門を通過するヒトAβ40およびAβ42の輸送を媒介し、炎症促進性サイトカインおよびエンドセリン-1の発現をもたらしたことを示した。Arancioら[33]は、RAGEがAβ誘導性神経摂動の補因子であり、トランスジェニックマウスにおけるミクログリア細胞活性化に関与することを示した。本研究では、RAGEの発現は、Yanら[31]と一致してADにおいて増加し、脳常在性ミクログリアにおいて起こることの鏡を提供し得る。CD36は、この研究においてADではダウンレギュレーションされることが見出された。CD36は、酸化型低密度リポタンパク質(LDL)の受容体[34]およびAβの受容体[35]である。固定化Aβオリゴマー結合CD36-Fcタンパク質は、RAGE-FcおよびTREM2-Fcの親和性と同程度の親和性を示した[36]。
【0160】
血液型分類からの出願人のデータは、リンパ球および単球サブセットのパーセンテージに異常がある可能性があることを示唆している。造血老化は、機能障害を伴う造血幹細胞(HSC)の増殖を特徴とし、より多くの骨髄系およびより少ないリンパ系娘細胞が生成され、これは骨髄偏重(myeloid-biased)造血[37、38]と呼ばれる。血液中の各タイプの白血球のパーセンテージは、主に幹細胞活性の違いによって決定され、したがって、リンパ球の減少は、この骨髄造血に起因する可能性がある[39]。しかしながら、そのような違いは、反対方向に変化した他の単球サブセットの観察されたパターンを説明しない。CD14+CD16+単球(組織マクロファージに似た高度に食作用性の細胞)が脳内のAβプラークの部位に滲出し、MCIの一過性低下およびADの不完全な回復をもたらす可能性があり、これはおそらく走化性機能の不全または閉塞性継代によるものであり、U字形の応答を表す。CD14-CD16+単球のパターンから、これらの2つの小さな単球サブセットは同様の応答を有したが、CD14-CD16+単球はADの回復がより低かったことが明らかである。CD14+CD16+のパーセンテージまたはCD14-CD16+のパーセンテージのいずれも、このU字形応答のために、CL、EMまたはPACCのいずれとも相関しなかった。おそらくこのサブセットの不一致のために、血液中の単球のパーセンテージが変化しなかったことに注目することは興味深い。
【0161】
出願人らは、CN個体のかなりのパーセンテージ(30%)がCSFにおいて高いAβ PETレベルおよび低いAβ42レベルを示すことを見出し、これらの人々は現在、前臨床ADとして分類される。軽度認知障害(MCI)はADの前駆期と考えられており、40~60%の人々がMCIの基準を満たし、最終的に臨床的ADに進行するか、または1年当たり約5~25%が臨床的ADに進行する[40]。診断意思決定は2クラスの予測問題であるため、出願人らは、バイナリ分類因子、すなわち健康および疾患を確立し、分類器境界をロジスティックモデルによって決定した。残念なことに、ADの診断は、臨床的考察、認知、行動、高度なイメージングおよびCSFバイオマーカーを含む多次元基準に基づいており、更に、早期検出のための特定の基準も、前臨床段階の明確な定義もなく、したがって、本出願人らは、モデル1および2の段階を識別するための単純な代用としてCLを使用したが、本出願人らは、NIA-AA[13]およびIWG[41]によって行われた最新の動きを反映するためにモデル3に臨床分類を更に追加した。
【0162】
出願人の所見は、神経画像またはCSFバイオマーカーの明らかな変化なしにADの前臨床徴候を監視し、早期介入を開始するために、遺伝的要因(例えばAPOE)のリスクが高い個人の早期診断に意味を持ち得る。ADに対する血漿バイオマーカーの使用は、最近、NakamuraらおよびFossatiら[15、42]によって実証されているため、AD診断のために血液ベースのバイオマーカーを使用する理由を正当化し、本出願人の新規な所見は、関連する場合、血液中のADタンパク質症に起因し得る。PU.1等のこれらのプロセスを調節する際の変化した白血球バイオマーカーまたは血液型分類または転写ネットワーク[21、43]の役割は、依然として決定されていないが、ADの分子病理に寄与し得る。
【0163】
4.7.結論として、本出願人の結果は、白血球バイオマーカーがAD進行の客観的で測定可能な指標であり、早期診断に有用であり得ることを示唆している。さらに、白血球バイオマーカーは、コストおよび単純さの点で優れており、診療所で容易に使用することができ、新規の有効な薬物の開発ならびに臨床試験の全ての相の転帰測定のための白血球バイオマーカーの重要性を確認する。
【0164】
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【0165】
条項
項1.組成物であって、
検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する結合剤を含む、組成物。
【0166】
項2.CD163に対する前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項1に記載の組成物。
【0167】
項3.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【0168】
項4.組成物であって、
フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせと、
を含む、組成物。
【0169】
項5.組成物であって、
フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせと、
ヒト患者の全血と、
を含む、組成物。
【0170】
項6.組成物であって、
フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
少なくとも1つの抗凝固剤と、
を含む、組成物。
【0171】
項7.前記少なくとも1つの抗凝固剤が、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせから選択される、項6に記載の組成物。
【0172】
項8.前記組成物が、ヘパリンを含有しない、項4~7のいずれか一項に記載の組成物。
【0173】
項9.前記組成物が、アロフィコシアニンを含有しない、項4~8のいずれか一項に記載の組成物。
【0174】
項10.ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウムを更に含む、項4~9のいずれか一項に記載の組成物。
【0175】
項11.前記フルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネート、アロフィコシアニン、またはそれらの組み合わせから選択される、項4~10のいずれか一項に記載の組成物。
【0176】
項12.前記フルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素、商標Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)で販売されている蛍光色素;BUV395;BUV563;BUV615;BUV661;BUV737;BUV805;BV421;BV480;BV510;BV605;BV650;BV711;BV750;BV786;FITC;PE;PE-CF594;PerCP-Cy(商標)5.5;R718、またはこれらの2もしくはそれを超える組み合わせから選択される、項4~10のいずれか一項に記載の組成物。
【0177】
項13.前記フルオロフォアが、フルオレセイン、ローダミン、ランタニド蛍光体、およびそれらの誘導体から選択される、項4~10のいずれか一項に記載の組成物。フルオロフォアの例としては、限定されないが、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)(例えば、5-FITC)、フルオレセインアミダイト(FAM)(例えば、5-FAM)、エオシン、カルボキシフルオレセイン、エリスロシン、Alexa Fluor(登録商標)(例えば、Alexa 350、405、430、488、500、514、532、546、555、568、594、610、633、647、660、680、700または750)、カルボキシテトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンおよびスルホローダミンが挙げられる。
【0178】
項14.前記フルオロフォアが、GFP、YFP、RFP、eGFP、mCherry、tdtomato、FITC、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 750、Pacific Blue、クマリン、BODIPY FL、Pacific Green、Oregon Green、Cy 3、Cy 5、Pacific Orange、TRITC、Texas Red、R-フィコエリトリン、アロフィコシアニン、または当技術分野で公知の他のフルオロフォア等の蛍光タンパク質から選択される、項4~10のいずれか一項に記載の組成物。
【0179】
項15.Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項4~14のいずれか一項に記載の組成物。
【0180】
項16.前記組成物が、ヘパリンを含有しない、項4~15のいずれか一項に記載の組成物。
【0181】
項17.前記組成物が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたスカベンジャー受容体およびそれらの調節因子のうちの1またはそれを超えるものに対する第2の結合剤を更に含む、項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【0182】
項18.前記第2の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項17に記載の組成物。
【0183】
項19.前記第2の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項17~18のいずれか一項に記載の組成物。
【0184】
項20.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、
前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD163を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記血液試料中の結合CD163の濃度を測定することと、
前記濃度を健康なヒトにおけるCD163の濃度範囲と比較することと、
前記血液試料中のCD163の濃度の減少を観察することと、
それによって、塩基ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0185】
項21.前記結合CD163の濃度を測定することが、白血球上の結合CD163の平均蛍光強度を測定する工程を含む、項20に記載の方法。
【0186】
項22.前記濃度を比較することが、前記ヒト患者についての結合CD163の前記平均蛍光強度を、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD163の前記平均蛍光強度と比較することを含む、項20~21のいずれか一項に記載の方法。
【0187】
項23.前記血液試料中のCD163の濃度の減少を観察することが、アミロイドPET画像法によって測定された<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD163の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、または少なくとも約19%の平均蛍光強度の減少を測定することを含む、項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【0188】
項24.フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対する前記マウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体が、Alexa Fluor(商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素とコンジュゲートしたマウス抗ヒトCD163抗原を含む、項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【0189】
項25.ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定する方法であって、
(A)前記ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を得てから3時間以内に前記第1の血液試料を試験することと、
前記第1の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第1の結合CD163を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記第1の血液試料中の第1の結合CD163の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)前記ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を得てから3時間以内に前記第2の血液試料を試験することと、
前記第2の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第2の結合CD163を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記第2の血液試料中の前記第2の結合CD163の第2の濃度を測定することと、
(D)前記第1の結合CD163の前記第1の濃度から前記第2の結合CD163の前記第2の濃度への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0190】
項26.前記AD治療候補が食作用促進剤である、項25に記載の方法。
【0191】
項27.前記AD治療候補がスカベンジャー受容体アゴニストである、項25に記載の方法。
【0192】
項28.前記第1の濃度を測定することが、白血球上の前記第1の濃度を測定することを含み、前記第2の濃度を測定することが、白血球上の前記第2の濃度を測定することを含む、項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【0193】
項29.検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する結合剤を含む、組成物。
【0194】
項30.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項29に記載の組成物。
【0195】
項31.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項29~30のいずれか一項に記載の組成物。
【0196】
項32.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD163に対する結合剤の使用。
【0197】
項33.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項32に記載の使用。
【0198】
項34.前記結合剤が、検出可能な部分とコンジュゲートしている、項32~33のいずれか一項に記載の使用。
【0199】
項35.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項34に記載の使用。
【0200】
項36.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD163に対する結合剤。
【0201】
項37.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項36に記載のCD163に対する結合剤。
【0202】
項38.前記結合剤が、検出可能な部分とコンジュゲートしている、項36~37のいずれか一項に記載のCD163に対する結合剤。
【0203】
項39.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項38に記載のCD163に対する結合剤。
【0204】
項40.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、
前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD91を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記血液試料中の結合CD91の濃度を測定することと、
前記濃度を健康なヒトにおけるCD91の濃度範囲と比較することと、
前記血液試料中のCD91の濃度の増加を観察することと、
それによって、塩基ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0205】
項41.前記結合CD91の濃度を測定することが、白血球上の結合CD91の平均蛍光強度を測定する工程を含む、項40に記載の方法。
【0206】
項42.前記濃度を比較することが、前記ヒト患者についての結合CD91の前記平均蛍光強度を、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD91の前記平均蛍光強度と比較することを含む、項40~41のいずれか一項に記載の方法。
【0207】
項43.前記血液試料中のCD91の濃度の増加を観察することが、アミロイドPET画像法によって測定された<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD91の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約44%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約59%の平均蛍光強度の増加を測定することを含む、項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【0208】
項44.ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定する方法であって、
(A)前記ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を得てから3時間以内に前記第1の血液試料を試験することと、
前記第1の血液試料を、
フルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第1の結合CD91を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記第1の血液試料中の前記第1の結合CD91の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)前記ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を得てから3時間以内に前記第2の血液試料を試験することと、
前記第2の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第2の結合CD91を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記第2の血液試料中の前記第2の結合CD91の第2の濃度を測定することと、
(D)前記第1の結合CD91の前記第1の濃度から前記第2の結合CD91の前記第2の濃度への減少を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0209】
項45.前記AD治療候補が食作用促進剤である、項44に記載の方法。
【0210】
項46.前記AD治療候補がスカベンジャー受容体アゴニストである、項44に記載の方法。
【0211】
項47.前記第1の濃度を測定することが、白血球上の前記第1の濃度を測定することを含み、前記第2の濃度を測定することが、白血球上の前記第2の濃度を測定することを含む、項44~46のいずれか一項に記載の方法。
【0212】
項48.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD91に対する結合剤の使用。
【0213】
項49.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項48に記載の使用。
【0214】
項50.前記結合剤が、検出可能な部分とコンジュゲートしている、項48~49のいずれか一項に記載の使用。
【0215】
項51.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項50に記載の使用。
【0216】
項52.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD91に対する結合剤。
【0217】
項53.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項52に記載のCD91に対する結合剤。
【0218】
項54.前記結合剤が、検出可能な部分とコンジュゲートしている、項51~53のいずれか一項に記載のCD91に対する結合剤。
【0219】
項55.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項54に記載のCD91に対する結合剤。
【0220】
項56.検出可能な部分とコンジュゲートしたMerTKに対する結合剤を含む、組成物。
【0221】
項57.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項56に記載の組成物。
【0222】
項58.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項56~57のいずれか一項に記載の組成物。
【0223】
項59.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、
前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたMerTKに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合MerTKを得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記血液試料中の結合MerTKの濃度を測定することと、
前記濃度を健康なヒトにおけるMerTKの濃度範囲と比較することと、
前記血液試料中のMerTKの濃度の減少を観察することと、
それによって、塩基ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0224】
項60.前記結合MerTKの濃度を測定することが、白血球上の結合MerTKの平均蛍光強度を測定する工程を含む、項59に記載の方法。
【0225】
項61.前記濃度を比較することが、前記ヒト患者についての結合MerTKの前記平均蛍光強度を、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合MerTKの前記平均蛍光強度と比較することを含む、項59~60のいずれか一項に記載の方法。
【0226】
項62.前記血液試料中のMerTKの濃度の減少を観察することが、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合MerTKの平均蛍光強度と比較して、少なくとも約12%の平均蛍光強度の減少を測定することを含む、項59~61のいずれか一項に記載の方法。
【0227】
項63.ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定する方法であって、
(A)前記ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を得てから3時間以内に前記第1の血液試料を試験することと、
前記第1の血液試料を、
フルオロフォアとコンジュゲートしたMerTKに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第1の結合MerTKを得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記第1の血液試料中の前記第1の結合MerTKの第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)前記ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を得てから3時間以内に前記第2の血液試料を試験することと、
前記第2の血液試料を、フルオロフォアとコンジュゲートしたMerTKに対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第2の結合MerTKを得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記第2の血液試料中の前記第2の結合MerTKの第2の濃度を測定することと、
(D)前記第1の結合MerTKの前記第1の濃度から前記第2の結合MerTKの前記第2の濃度への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0228】
項64.前記AD治療候補が食作用促進剤である、項63に記載の方法。
【0229】
項65.前記AD治療候補がスカベンジャー受容体アゴニストである、項63に記載の方法。
【0230】
項66.前記第1の濃度を測定することが、白血球上の前記第1の濃度を測定することを含み、前記第2の濃度を測定することが、白血球上の前記第2の濃度を測定することを含む、項63~65のいずれか一項に記載の方法。
【0231】
項67.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、MerTKに対する結合剤の使用。
【0232】
項68.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項67に記載の使用。
【0233】
項69.前記結合剤が、検出可能な部分とコンジュゲートしている、項67~68のいずれか一項に記載の使用。
【0234】
項70.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項69に記載の使用。
【0235】
項71.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、MerTKに対する結合剤。
【0236】
項72.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項71に記載のMerTKに対する結合剤。
【0237】
項73.前記結合剤が、検出可能な部分とコンジュゲートしている、項84~85のいずれか一項に記載のMerTKに対する結合剤。
【0238】
項74.前記検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項73に記載のMerTKに対する結合剤。
【0239】
項75.組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第2の結合剤と、
を含む、組成物。
【0240】
項76.前記第1の結合剤および前記第2の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項75に記載の組成物。
【0241】
項77.前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項75~76のいずれか一項に記載の組成物。
【0242】
項78.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0243】
項79.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0244】
項80.少なくとも1つの抗凝固剤を更に含む、項78~79のいずれか一項に記載の組成物。
【0245】
項81.少なくとも1つの抗凝固剤が、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせを含む、項78~80のいずれか一項に記載の組成物。
【0246】
項82.前記組成物が、ヘパリンを含有しない、項78~81のいずれか一項に記載の組成物。
【0247】
項83.前記組成物が、アロフィコシアニンを含有しない、項78~82のいずれか一項に記載の組成物。
【0248】
項84.前記組成物が、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項78~83のいずれか一項に記載の組成物。
【0249】
項85.ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウムを更に含む、項78~84のいずれか一項に記載の組成物。
【0250】
項86.前記組成物が、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項78~85のいずれか一項に記載の組成物。
【0251】
項87.前記第1のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項78~86のいずれか一項に記載の組成物。
【0252】
項88.前記第2のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項78~87のいずれか一項に記載の組成物。
【0253】
項89.ヒト患者由来の全血を更に含む、項78~88のいずれか一項に記載の組成物。
【0254】
項90.キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第2の結合剤と、
を含む、キット。
【0255】
項91.前記第1の結合剤および前記第2の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項90に記載のキット。
【0256】
項92.前記第1の検出可能な部分および前記第2の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項90~91のいずれか一項に記載のキット。
【0257】
項93.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0258】
項94.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0259】
項95.前記組成物が、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項93~94のいずれか一項に記載のキット。
【0260】
項96.前記第1のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項93~95のいずれか一項に記載のキット。
【0261】
項97.前記第2のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項93~96のいずれか一項に記載のキット。
【0262】
項98.ヒト患者におけるCD59およびCD163の相対的発現を測定する方法であって、
前記ヒト患者から全血の試料を得ることと、
前記試料を
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第1の結合剤、および
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第2の結合剤と接触させて、
結合CD59および結合CD163を形成することと、
前記第1の検出可能な部分および前記第2の検出可能な部分の濃度を測定することと、
それにより、CD59およびCD163の相対的発現が決定されることと、
を含む、ヒト患者におけるCD59およびCD163の相対的発現を測定する方法。
【0263】
項99.前記濃度を測定することが、白血球上の濃度を測定することを含む、項98に記載の方法。
【0264】
項100.ヒト患者におけるCD59およびCD163の相対的発現を測定する方法であって、
前記ヒト患者から全血の試料を得ることと、
前記試料を
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体、および
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と接触させて
結合CD59および結合CD163を形成することと、
前記第1のフルオロフォアおよび前記第2のフルオロフォアの蛍光を測定することと、
それにより、CD59およびCD163の相対的発現が決定されることと、
を含む、ヒト患者におけるCD59およびCD163の相対的発現を測定する方法。
【0265】
項101.ヒト患者におけるCD59およびCD163の相対的発現を測定する方法であって、
前記ヒト患者から全血の試料を得ることと、
前記試料を
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体、および
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と接触させて
結合CD59および結合CD163を形成することと、
前記第1のフルオロフォアおよび前記第2のフルオロフォアの蛍光を測定することと、
それにより、CD59およびCD163の相対的発現が決定されることと、
を含む、ヒト患者におけるCD59およびCD163の相対的発現を測定する方法。
【0266】
項102.CD59およびCD163の相対的発現が、白血球上のCD59およびCD163の相対的発現である、項100~101のいずれか一項に記載の方法。
【0267】
項103.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD59を得ることと、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD163を得ることと、
前記第1のフルオロフォア、前記第2のフルオロフォアの蛍光によって、前記血液試料中の結合CD59の濃度および結合CD163の濃度を測定することと、
健康なヒトにおけるCD59の濃度範囲と比較した結合CD59の前記濃度の増加を観察することと、
健康なヒトにおけるCD163の濃度範囲と比較した結合CD163の前記濃度の減少を観察することと、
それによって、ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0268】
項104.前記濃度を測定することが、白血球上の濃度を測定することを含む、項103に記載の方法。
【0269】
項105.前記結合CD59の濃度を測定することが、結合CD59の平均蛍光強度を測定することを含む、項103~104のいずれか一項に記載の方法。
【0270】
項106.前記結合CD163の濃度を測定することが、結合CD163の平均蛍光強度を測定することを含む、項103~105のいずれか一項に記載の方法。
【0271】
項107.結合CD59の前記濃度の増加を観察することが、前記ヒト患者についての結合CD59の平均蛍光強度を、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD59の平均蛍光強度と比較することを含む、項103~106のいずれか一項に記載の方法。
【0272】
項108.前記結合CD59の濃度の増加を観察することが、アミロイドPET画像法によって測定される<15CLを有するヒト患者のプールについての結合CD59の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約27%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約78%の平均蛍光強度の増加を測定することを含む、項107に記載の方法。
【0273】
項109.結合CD163の前記濃度の減少を観察することが、前記ヒト患者についての結合CD163の平均蛍光強度を、アミロイドPET画像法によって測定される<25CLを有するヒト参加者のプールについての結合CD163の平均蛍光強度と比較することを含む、項103~108のいずれか一項に記載の方法。
【0274】
項110.結合CD163の前記濃度の減少を観察することが、アミロイドPET画像法によって測定された<15CLを有するヒト患者のプールについての結合CD163の平均蛍光強度と比較して、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、または少なくとも約19%の平均蛍光強度の減少を測定することを含む、項109に記載の方法。
【0275】
項111.ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定する方法であって、
(A)前記ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を得てから3時間以内に前記第1の血液試料を試験することと、
前記第1の血液試料を、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第1の結合CD59を得ることと、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、前記第1の結合CD163を得ることと、
前記第1のフルオロフォアおよび前記第2のフルオロフォアの蛍光によって、前記第1の血液試料中の前記第1の結合CD59の第1の濃度および前記第1の結合CD163の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)前記ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を得てから3時間以内に前記第2の血液試料を試験することと、
前記第2の血液試料を、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第2の結合CD59を得ることと、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第2の結合CD163を得ることと、
前記第1のフルオロフォアおよび前記第2のフルオロフォアの蛍光によって前記第2の血液試料中の前記第2の結合CD59の第2の濃度および前記第2の結合CD163の第2の濃度を測定することと、
(D)前記ヒト患者における第1の結合CD59の前記第1の濃度から第2の結合CD59の前記第2の濃度への減少を観察することと、
第1の結合CD163の前記第1の濃度から第2の結合CD163の前記第2の濃度への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0276】
項112.前記AD治療候補が食作用促進剤である、項111に記載の方法。
【0277】
項113.前記AD治療候補がスカベンジャー受容体アゴニストである、項111に記載の方法。
【0278】
項114.前記第1の濃度を測定することが、白血球上の前記第1の濃度を測定することを含み、前記第2の濃度を測定することが、白血球上の前記第2の濃度を測定することを含む、項111~113のいずれか一項に記載の方法。
【0279】
項115.ADの診断を必要とするヒト患者における、ADの診断のためのCD59に対する結合剤およびCD163に対する結合剤の使用。
【0280】
項116.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項115に記載の使用。
【0281】
項117.前記CD59に対する結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
前記CD163に対する結合剤が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしている、
項115~116のいずれか一項に記載の使用。
【0282】
項118.前記第1の検出可能な部分および前記第2の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項117に記載の使用。
【0283】
項119.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、
前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、
フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合スカベンジャー受容体を得ることと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記血液試料中の前記結合スカベンジャー受容体の濃度を測定することと、
健常ヒトにおけるスカベンジャー受容体の濃度範囲と比較した前記結合スカベンジャー受容体の前記濃度の減少を観察することと、
それによって、前記ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0284】
項120.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、
前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、
複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートと反応させることであって、前記複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートのそれぞれが、フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含む、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートと反応させることと、
それによって、結合スカベンジャー受容体を形成することと、
前記フルオロフォアの蛍光によって前記血液試料中の前記結合スカベンジャー受容体の濃度を測定することと、
健康なヒトにおける対応するスカベンジャー受容体の濃度範囲に対する少なくとも1つの結合スカベンジャー受容体の前記濃度の減少を観察することと、
それによって、前記ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0285】
項121.前記スカベンジャー受容体が、CD163、MerTK、CD18およびそれらの組み合わせから選択される、項119~120のいずれか一項に記載の方法。
【0286】
項122.前記スカベンジャー受容体が、白血球上で発現される、項119~121のいずれか一項に記載の方法。
【0287】
項123.ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定する方法であって、
(A)ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第1の血液試料を得てから3時間以内に第1の血液試料を試験することと、
第1の血液試料を、
複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第1のアリコートと反応させることであって、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートのそれぞれが、フルオロフォアとコンジュゲートしたスカベンジャー受容体に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含む、複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第1のアリコートと反応させることと、
それによって、第1の結合スカベンジャー受容体を形成することと、
フルオロフォアの蛍光によって第1の血液試料中の第1の結合スカベンジャー受容体の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、第2の血液試料を得てから3時間以内に第2の血液試料を試験することと、
第2の血液試料を、
複数の抗体-フルオロフォアコンジュゲートの第2のアリコートと反応させることと、
それによって、第2の結合スカベンジャー受容体を形成することと、
前記フルオロフォアの蛍光によって第2の血液試料中の第2の結合スカベンジャー受容体の第2の濃度を測定することと、
(D)ヒト患者における第1の濃度の第1の結合スカベンジャー受容体から第2の濃度の第2の結合スカベンジャー受容体への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0288】
項124.前記AD治療候補が食作用促進剤である、項123に記載の方法。
【0289】
項125.前記AD治療候補がスカベンジャー受容体アゴニストである、項123に記載の方法。
【0290】
項126.前記第1の濃度を測定することが、白血球上の前記第1の濃度を測定することを含み、前記第2の濃度を測定することが、白血球上の前記第2の濃度を測定することを含む、項123~125のいずれか一項に記載の方法。
【0291】
項127.前記スカベンジャー受容体が、CD163、MerTK、CD18およびそれらの組み合わせから選択される、項123~126のいずれか一項に記載の方法。
項128.組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD18に対する第1の結合剤を含む、組成物。
【0292】
項129.前記第1の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項128に記載の組成物。
【0293】
項130.前記第1の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項128~129のいずれか一項に記載の組成物。
【0294】
項131.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するモノクローナル抗体を含む、組成物。
【0295】
項132.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含む、組成物。
【0296】
項133.ヒト患者由来の全血を更に含む、項131~132のいずれか一項に記載の組成物。
【0297】
項134.キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD18に対する第1の結合剤を含む、キット。
【0298】
項135.前記第1の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項134に記載のキット。
【0299】
項136.前記第1の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項134~135のいずれか一項に記載のキット。
【0300】
項137.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するモノクローナル抗体を含む、キット。
【0301】
項138.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体を含む、キット。
【0302】
項139.ヒト患者におけるCD18の相対的発現を測定する方法であって、
前記ヒト患者から全血の試料を得ることと、
前記試料を
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するモノクローナル抗体と接触させて、
結合CD18を形成することと、
前記第1のフルオロフォアの蛍光を測定することと、
それによってCD18の前記相対的発現を決定することと、
を含む、ヒト患者におけるCD18の相対的発現を測定する方法。
【0303】
項140.ヒト患者におけるCD18の相対的発現を測定する方法であって、
前記ヒト患者から全血の試料を得ることと、
前記試料を
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と接触させて、
結合CD18を形成することと、
前記第1のフルオロフォアの蛍光を測定することと、
それによってCD18の前記相対的発現を決定することと、
を含む、ヒト患者におけるCD18の相対的発現を測定する方法。
【0304】
項141.CD18の前記相対的発現が、白血球上のCD18の相対的発現である、項139~140のいずれか一項に記載の方法。
【0305】
項142.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、
前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD18を得ることと、
前記第1のフルオロフォアの蛍光によって前記血液試料中の前記結合CD18の濃度を測定することと、
健常ヒトにおけるCD18の濃度範囲と比較した前記結合CD18の前記濃度の減少を観察することと、
それによって、前記ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0306】
項143.前記濃度を測定することが、白血球上の濃度を測定することを含む、項142に記載の方法。
【0307】
項144.ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD18に対する結合剤の使用。
【0308】
項145.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項144に記載の使用。
【0309】
項146.
前記CD18に対する結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしている、項144~145のいずれか一項に記載の使用。
【0310】
項147.前記第1の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項146に記載の使用。
【0311】
項148.ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定する方法であって、
(A)前記ヒト患者から第1の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第1の血液試料を得てから3時間以内に前記第1の血液試料を試験することと、
前記第1の血液試料を、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第1の結合CD18を得ることと、
前記第1のフルオロフォアの蛍光によって前記第1の血液試料中の前記第1の結合CD18の第1の濃度を測定することと、
(B)AD治療候補を前記ヒト患者に投与することと、
(C)前記ヒト患者から第2の血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記第2の血液試料を得てから3時間以内に前記第2の血液試料を試験することと、
前記第2の血液試料を、第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD18に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、第2の結合CD18を得ることと、
前記第1のフルオロフォアの蛍光によって前記第2の血液試料中の前記第2の結合CD18の第2の濃度を測定することと、
(D)前記第1の結合CD18の前記第1の濃度から前記第2の結合CD18の前記第2の濃度への増加を観察することと、
(E)それによって、ヒト患者におけるAD治療候補の有効性を決定することと、を含む。
【0312】
項149.前記AD治療候補が食作用促進剤である、項148に記載の方法。
【0313】
項150.前記AD治療候補がスカベンジャー受容体アゴニストである、項148に記載の方法。
【0314】
項151.前記第1の濃度を測定することが、白血球上の前記第1の濃度を測定することを含み、前記第2の濃度を測定することが、白血球上の前記第2の濃度を測定することを含む、項148~150のいずれか一項に記載の方法。
【0315】
項152.組成物であって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD33、CD35、CD36、CD59、CD91、P2X7およびRAGEに対する1またはそれを超える第1の結合剤と、
1またはそれを超える第2の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18、CD163およびMerTKに対する1またはそれを超える第2の結合剤と、
を含む、組成物。
【0316】
項153.組成物であって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD33、CD35、CD36、CD59、CD91、P2X7およびRAGEに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
1またはそれを超える第2のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18、CD163およびMerTKに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0317】
項154.少なくとも1つの抗凝固剤を更に含む、項152~153のいずれか一項に記載の組成物。
【0318】
項155.ヒト患者由来の全血を更に含む、項152~154のいずれか一項に記載の組成物。
【0319】
項156.キットであって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD33、CD35、CD36、CD59、CD91、P2X7およびRAGEに対する1またはそれを超える第1の結合剤と、
1またはそれを超える第2の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18、CD163およびMerTKに対する1またはそれを超える第2の結合剤と、
を含む、キット。
【0320】
項157.キットであって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD33、CD35、CD36、CD59、CD91、P2X7およびRAGEに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
1またはそれを超える第2のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18、CD163およびMerTKに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0321】
項158.組成物であって、
異なるフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるスカベンジャー受容体およびそれらの調節因子CD163、CD91、P2X7、MerTKCD59、CD18に対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体を含み、
前記フルオロフォアが、多色フローサイトメトリー分析において、異なるが適合する発光スペクトルおよび励起スペクトルを有する、
組成物。
【0322】
項159.組成物であって、
異なる第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるスカベンジャー受容体およびそれらの調節因子CD163、CD91、P2X7、MerTKCD59、CD18に対する1またはそれを超える第1の結合剤を含む、組成物。
【0323】
項160.キットであって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18およびCD59に対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体を含む、キット。
【0324】
項161.キットであって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした、1またはそれを超えるCD18およびCD59に対する1またはそれを超える第1の結合剤を含む、キット。
【0325】
項162.組成物であって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体を含む、組成物。
【0326】
項163.組成物であって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超える第1の結合剤を含む、組成物。
【0327】
項164.キットであって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体、を含む、キット。
【0328】
項165.キットであって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超える第1の結合剤を含む、キット。
【0329】
項166.組成物であって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
1またはそれを超える第2のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18およびCD59に対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0330】
項167.組成物であって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超える第1の結合剤と、
1またはそれを超える第2の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18およびCD59に対する1またはそれを超える第2の結合剤と、
を含む、組成物。
【0331】
項168.キットであって、
1またはそれを超える第1のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
1またはそれを超える第2のフルオロフォアとコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18およびCD59に対する1またはそれを超えるモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0332】
項169.キットであって、
1またはそれを超える第1の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD91、CD163、P2X7およびMerTKに対する1またはそれを超える第1の結合剤と、
1またはそれを超える第2の検出可能な部分とコンジュゲートした1またはそれを超えるCD18およびCD59に対する1またはそれを超える第2の結合剤と、
を含む、キット。
【0333】
項170.キットであって、
第1の検出可能な部分をコンジュゲートした、1またはそれを超えるCD163、CD91、およびMerTKに対する第1の結合剤を含む、キット。
【0334】
項171.前記第1の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項170に記載のキット。
【0335】
項172.前記第1の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項170~171のいずれか一項に記載のキット。
【0336】
項173.組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第2の結合剤と、
を含む、組成物。
【0337】
項174.前記第1の結合剤および前記第2の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項173に記載の組成物。
【0338】
項175.前記第1の検出可能な部分および前記第2の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから選択される、項173~174のいずれか一項に記載の組成物。
【0339】
項176.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0340】
項177.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0341】
項178.少なくとも1つの抗凝固剤を更に含む、項176~177のいずれか一項に記載の組成物。
【0342】
項179.前記少なくとも1つの抗凝固剤が、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせから選択される、項176~178のいずれか一項に記載の組成物。
【0343】
項180.ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウムを更に含む、項176~179のいずれか一項に記載の組成物。
【0344】
項181.リン酸緩衝生理食塩水、ゼラチンおよびアジ化ナトリウムを更に含む、項176~180のいずれか一項に記載の組成物。
【0345】
項182.前記組成物が、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項176~181のいずれか一項に記載の組成物。
【0346】
項183.前記第1のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項176~182のいずれか一項に記載の組成物。
【0347】
項184.前記第2のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項176~183のいずれか一項に記載の組成物。
【0348】
項185.ヒト患者由来の全血を更に含む、項176~184のいずれか一項に記載の組成物。
【0349】
項186.キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第2の結合剤と、
を含む、キット。
【0350】
項187.前記第1の結合剤および前記第2の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項186に記載のキット。
【0351】
項188.前記第1の検出可能な部分および前記第2の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項186~187のいずれか一項に記載のキット。
【0352】
項189.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0353】
項190.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0354】
項191.前記キットが、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項189~190のいずれか一項に記載のキット。
【0355】
項192.前記第1のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項189~191のいずれか一項に記載のキット。
【0356】
項193.前記第2のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項189~192のいずれか一項に記載のキット。
【0357】
項194.ADの診断を必要とするヒト患者における、ADの診断のためのCD59に対する結合剤およびCD163に対する結合剤の使用。
【0358】
項195.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項194に記載の使用。
【0359】
項196.前記CD59に対する結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
前記CD163に対する結合剤が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしている、
項194~195のいずれか一項に記載の使用。
【0360】
項197.前記第1の検出可能な部分および前記第2の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項196に記載の使用。
【0361】
項198.組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、組成物。
【0362】
項199.前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項198に記載の組成物。
【0363】
項200.前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項198~199のいずれか一項に記載の組成物。
【0364】
項201.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0365】
項202.組成物であって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
を含む、組成物。
【0366】
項203.少なくとも1つの抗凝固剤を更に含む、項201~202のいずれか一項に記載の組成物。
【0367】
項204.前記少なくとも1つの抗凝固剤が、エチレンジアミン四酢酸、その少なくとも1つの塩、クエン酸、その少なくとも1つの塩、または前述のいずれかの組み合わせから選択される、項201~203のいずれか一項に記載の組成物。
【0368】
項205.ウシ血清アルブミンおよびアジ化ナトリウムを更に含む、項201~204のいずれか一項に記載の組成物。
【0369】
項206.リン酸緩衝生理食塩水、ゼラチンおよびアジ化ナトリウムを更に含む、項201~205のいずれか一項に記載の組成物。
【0370】
項207.前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、項201~206のいずれか一項に記載の組成物。
【0371】
項208.前記組成物が、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項201~207のいずれか一項に記載の組成物。
【0372】
項209.前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項201~208のいずれか一項に記載の組成物。
【0373】
項210.前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項201~209のいずれか一項に記載の組成物。
【0374】
項211.ヒト患者由来の全血を更に含む、項201~210のいずれか一項に記載の組成物。
【0375】
項212.キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、キット。
【0376】
項213.前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項212に記載のキット。
【0377】
項214.前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項212~213のいずれか一項に記載のキット。
【0378】
項215.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0379】
項216.キットであって、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と、
を含む、キット。
【0380】
項217.前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、項215~216のいずれか一項に記載のキット。
【0381】
項218.前記キットが、Alexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素を含まない、項215~217のいずれか一項に記載のキット。
【0382】
項219.前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項215~218のいずれか一項に記載のキット。
【0383】
項220.前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項215~219のいずれか一項に記載のキット。
【0384】
項221.ADの診断を必要とするヒト患者における、ADの診断のためのCD91に対する結合剤、CD59に対する結合剤およびCD163に対する結合剤の使用。
【0385】
項222.前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項221に記載の使用。
【0386】
項223.CD91に対する前記結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD59に対する前記結合剤が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD163に対する前記結合剤が、第3の検出可能な部分とコンジュゲートしている、
項221~222のいずれか一項に記載の使用。
【0387】
項224.前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項223に記載の使用。
【0388】
項225.組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、組成物。
【0389】
項226.前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項225に記載の組成物。
【0390】
項227.前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項225~226のいずれか一項に記載の組成物。
【0391】
項228.CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
項225に記載の組成物。
【0392】
項229.CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
項228に記載の組成物。
【0393】
項230.前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、項228~229のいずれか一項に記載の組成物。
【0394】
項231.前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項228~230のいずれか一項に記載の組成物。
【0395】
項232.前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項228~231のいずれか一項に記載の組成物。
【0396】
項233.ヒト患者由来の全血を更に含む、項225~232のいずれか一項に記載の組成物。
【0397】
項234.少なくとも1つの抗凝固剤を更に含む、項225~233のいずれか一項に記載の組成物。
【0398】
項235.ヒト患者におけるADを診断するための方法であって、前記ヒト患者から血液試料を得ることと、
必要に応じて、前記血液試料を氷に保存することと、
必要に応じて、前記血液試料を得てから3時間以内に前記血液試料を試験することと、
前記血液試料を、
第1のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD91を得ることと、
第2のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD59を得ることと、
第3のフルオロフォアとコンジュゲートしたCD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体と反応させて、結合CD163を得ることと、
前記第1のフルオロフォア、前記第2のフルオロフォアおよび前記第3のフルオロフォアの蛍光によって、前記血液試料中の結合CD91の濃度、結合CD59の濃度および結合CD163の濃度を測定することと、
健康なヒトにおけるCD91の濃度範囲と比較した結合CD91の前記濃度の増加を観察することと、
健康なヒトにおけるCD59の濃度範囲と比較した結合CD59の前記濃度の増加を観察することと、
健康なヒトにおけるCD163の濃度範囲と比較した結合CD163の前記濃度の減少を観察することと、
それによって、ヒト患者におけるADを診断することと、
を含む、ヒト患者におけるADを診断するための方法。
【0399】
前述のように、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。多くの修正および他の変形が、以下に特許請求される本発明の意図された範囲内にあることが理解されよう。さらに、様々な実施形態の前述の説明は、必ずしも除外を意味するものではない。例えば、「いくつかの」実施形態は、本発明の範囲内の「他の」および「更なる」実施形態の全部または一部を含むことができる。また、「a」は、「1つだけ」を意味するものではなく、「a」は、「1およびそれを超える」を意味することができる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、キット。
【請求項2】
前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項1および2のいずれか一項に記載のキット。
【請求項4】
CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
請求項1に記載のキット。
【請求項5】
CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、請求項に記載のキット。
【請求項7】
前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、請求項に記載のキット。
【請求項8】
前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、請求項に記載のキット。
【請求項9】
組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、組成物。
【請求項10】
前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項9および10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のためのCD91に対する結合剤、CD59に対する結合剤およびCD163に対する結合剤を含むキット
【請求項18】
前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項17に記載のキット
【請求項19】
CD91に対する前記結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD59に対する前記結合剤が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD163に対する前記結合剤が、第3の検出可能な部分とコンジュゲートしている、
請求項17および18のいずれか一項に記載のキット
【請求項20】
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、請求項19に記載のキット
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0399
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0399】
前述のように、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。多くの修正および他の変形が、以下に特許請求される本発明の意図された範囲内にあることが理解されよう。さらに、様々な実施形態の前述の説明は、必ずしも除外を意味するものではない。例えば、「いくつかの」実施形態は、本発明の範囲内の「他の」および「更なる」実施形態の全部または一部を含むことができる。また、「a」は、「1つだけ」を意味するものではなく、「a」は、「1およびそれを超える」を意味することができる。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
キットであって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、キット。
(項目2)
前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項目1に記載のキット。
(項目3)
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項目1および2のいずれか一項に記載のキット。
(項目4)
CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
項目1に記載のキット。
(項目5)
CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
項目4に記載のキット。
(項目6)
前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、項目4および5のいずれか一項に記載のキット。
(項目7)
前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項目4および5のいずれか一項に記載のキット。
(項目8)
前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項目4および5のいずれか一項に記載のキット。
(項目9)
組成物であって、
第1の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD91に対する第1の結合剤と、
第2の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD59に対する第2の結合剤と、
第3の検出可能な部分とコンジュゲートしたCD163に対する第3の結合剤と、
を含む、組成物。
(項目10)
前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記第3の結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項目9に記載の組成物。
(項目11)
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項目9および10のいずれか一項に記載の組成物。
(項目12)
CD91に対する前記第1の結合剤が、CD91に対するモノクローナル抗体であり、前記第1の検出可能な部分が、第1のフルオロフォアであり、
CD59に対する前記第2の結合剤が、CD59に対するモノクローナル抗体であり、前記第2の検出可能な部分が、第2のフルオロフォアであり、
CD163に対する前記第3の結合剤が、CD163に対するモノクローナル抗体であり、前記第3の検出可能な部分が、第3のフルオロフォアである、
項目9に記載の組成物。
(項目13)
CD91に対する前記モノクローナル抗体が、CD91に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD59に対する前記モノクローナル抗体が、CD59に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体であり、
CD163に対する前記モノクローナル抗体が、CD163に対するマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体である、
項目12に記載の組成物。
(項目14)
前記第1のフルオロフォアが、フルオレセインイソチオシアネートである、項目12および13のいずれか一項に記載の組成物。
(項目15)
前記第2のフルオロフォアが、R-フィコエリトリンである、項目12および13のいずれか一項に記載の組成物。
(項目16)
前記第3のフルオロフォアが、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン)の商標で販売されている蛍光色素である、項目12および13のいずれか一項に記載の組成物。
(項目17)
ADの診断を必要とするヒト患者におけるADの診断のための、CD91に対する結合剤、CD59に対する結合剤およびCD163に対する結合剤の使用。
(項目18)
前記結合剤が、一本鎖可変フラグメント、抗体模倣物、抗体フラグメント、抗体、モノクローナル抗体、およびそれらの組み合わせから選択される、項目17に記載の使用。
(項目19)
CD91に対する前記結合剤が、第1の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD59に対する前記結合剤が、第2の検出可能な部分とコンジュゲートしており、
CD163に対する前記結合剤が、第3の検出可能な部分とコンジュゲートしている、
17および18のいずれか一項に記載の使用。
(項目20)
前記第1の検出可能な部分、前記第2の検出可能な部分、および前記第3の検出可能な部分が、放射性同位体、安定同位体、フルオロフォア、およびそれらの組み合わせから独立して選択される、項目19に記載の使用。
【国際調査報告】