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特表2024-529124超臨界流体に基づく乾燥装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】超臨界流体に基づく乾燥装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
H01L21/304 651B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508445
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2021111600
(87)【国際公開番号】W WO2023015417
(87)【国際公開日】2023-02-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ショオナ
(72)【発明者】
【氏名】タオ シァオフォン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ビン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ シン
(72)【発明者】
【氏名】スン インナン
(72)【発明者】
【氏名】リー ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン フゥピン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シァオイェン
(72)【発明者】
【氏名】チュウ ジェンミン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダユン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB33
5F157AC03
5F157CB14
5F157CB26
5F157CB27
5F157CF16
5F157CF22
5F157DC51
(57)【要約】
本発明は、超臨界流体に基づく乾燥装置を開示する。乾燥装置は、上部カバー(1)と、上部カバー(1)の下方に配置されており、鉛直方向において上部カバー(1)と相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室(120)を形成することができる基材(2)と、基材(2)の上に配置されており、基板(w)を保持するように構成されている基板トレイ(3)と、上部カバー(1)の頂壁に配置されており、密閉室(120)の内部に超臨界流体を供給して密閉室(120)を大気圧状態から超臨界状態に到達させるように構成されている第一流体供給管(4)と、第一流体供給管(4)の下方に配置されている流体撹乱板(5)と、上部カバー(1)の第一側壁に配置されており、超臨界流体を密閉室(120)の内部に供給するように構成されている第二流体供給管(6)と、上部カバー(1)の第二側壁に配置されている流体排出管(7)と、を備える。また、閉鎖室(120)の内部空間は、上述乾燥装置を使用することで最大限に小さくすることができ、それにより超臨界流体の使用量と使用コストを減らすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超臨界流体に基づく乾燥装置であって、
上部カバーと、
前記上部カバーの下方に配置された基材であって、前記上部カバーと鉛直方向において相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室を形成することができる基材と、
前記基材上に配置されており、基板を保持するように構成されている基板トレイと、
前記上部カバーの頂壁に配置されており、前記密閉室の内部に超臨界流体を供給して前記密閉室を大気圧状態から超臨界状態に到達させるように構成されている第一流体供給管と、
前記第一流体供給管の下方に配置されている流体撹乱板と、
前記上部カバーの第一側壁に配置されており、前記超臨界流体を超臨界状態の前記密閉室の内部に供給することで、前記密閉室内における基板に乾燥処理を行うように構成されている第二流体供給管と、
前記上部カバーの第二側壁に配置されている流体排出管と、を備える乾燥装置。
【請求項2】
前記流体撹乱板と前記基板との間の隙間が設定値よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記設定値が0~10mmであることを特徴とする、請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記上部カバーの第一側壁に複数の第一貫通孔が均等かつ水平に配置されており、前記複数の第一貫通孔は前記第二流体供給管に接続されており、また、前記超臨界流体がそれらを通じて前記密閉室の内部に均等に入るのに使用されることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記上部カバーの第一側壁に第一キャビティが設けられており、前記第一キャビティの下面は前記基板の上面と平行であり、また、前記第一貫通孔から入る前記超臨界流体が前記第一キャビティを通過して前記基板の上面に均等に配置されるのに使用されることを特徴とする、請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第一貫通孔は円錐形の穴であることを特徴とする、請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項7】
複数の第二貫通孔が前記上部カバーの第二側壁に均等かつ水平に配置されており、前記複数の第二貫通孔は前記流体排出管に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記上部カバーの第二側壁に第二キャビティが設けられており、前記第二キャビティの下面は前記基板の上面と平行であることを特徴とする、請求項7に記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記第二貫通孔は円錐形の穴であることを特徴とする、請求項7に記載の乾燥装置。
【請求項10】
前記第二流体供給管の管径は前記第一流体供給管の管径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項11】
前記上部カバーは固定されており、前記基材は鉛直方向に上昇するように調整されており、それにより閉鎖して前記密閉室を形成することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項12】
前記基材は固定されており、前記上部カバーは鉛直方向に下降するように調整されており、それにより閉鎖して前記密閉室を形成することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項13】
前記上部カバーには複数の錠が設けられており、前記複数の錠は、前記上部カバーと前記基材が相対的に移動して前記密閉室を形成する際に前記基材を締結し、それにより密閉室をロックするために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項14】
前記上部カバーの外観は正方形のカバーであり、前記基材は正方形のプレートであり、前記密閉室の中空部分は円形のチャンバーであることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項15】
前記超臨界流体は超臨界二酸化炭素であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項16】
前記基材と前記基板トレイが一体成型されていることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項17】
超臨界流体に基づく乾燥方法は、
乾燥させる基板を基板トレイに配置し、基材と上部カバーを鉛直方向に相対的に移動させて閉鎖させ、それにより耐圧密閉室を形成させるステップS1と、
前記密閉室の上方から第一流体供給管を介して超臨界流体を供給し、前記流体は前記第一流体供給管の下方で流体撹乱板を迂回してから前記基板の側方からその上面に到達し、前記密閉室が超臨界状態になった後、前記密閉室の上方からの前記超臨界流体の供給を停止するステップS2と、
第二流体供給管を介して前記密閉室の第一側から超臨界流体を供給し、前記基板に乾燥処理を行うステップS3と、
前記乾燥処理が完了した後、前記第二流体供給管を閉鎖し、前記密閉室の内部圧力を低下させ、前記超臨界流体を、気体に変換し、流体排出管を介して前記密閉室の第二側から排出するステップS4と、
前記密閉室の内部圧力が大気圧状態になった時に、前記密閉室を開放して前記基板を取り出すステップS5と、を備える。
【請求項18】
ステップS5で前記基板を取り出す前に、ステップS2からステップS4までの複数の繰り返し作業が行われることを特徴とする、請求項17に記載の乾燥方法。
【請求項19】
前記第二流体供給管は、前記密閉室の第一側から前記超臨界流体を、前記基板の上面に平行な流れ角で供給することを特徴とする、請求項17に記載の乾燥方法。
【請求項20】
前記流体排出管は、前記基材の上面に平行な流れ角で前記超臨界流体を排出することを特徴とする、請求項17に記載の乾燥方法。
【請求項21】
前記第二流体供給管によって供給される前記超臨界流体の流量が、前記第一流体供給管によって供給される前記超臨界流体の流量よりも大きいことを特徴とする、請求項17に記載の乾燥方法。
【請求項22】
洗浄および乾燥設備であって、
基板を配置するように構成された基板搬入口と、
バッファ装置と、
前記基板搬入口と前記バッファ装置の間で前記基板を移動させるように構成されている前端ロボットと、
前記基板に対して洗浄処理を実行するように構成されている洗浄室と、
洗浄された前記基板に対して乾燥処理を実行するように構成された超臨界流体に基づく乾燥装置と、を備え、前記乾燥装置は、
上部カバーと、
前記上部カバーの下方に配置された基材であって、前記上部カバーと鉛直方向において相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室を形成することができる基材と、
前記基材上に配置されており、基板を保持するように構成されている基板トレイと、
前記上部カバーの頂壁に配置されており、前記密閉室の内部に超臨界流体を供給して前記密閉室を大気圧状態から超臨界状態に到達させるように構成されている第一流体供給管と、
前記第一流体供給管の下方に配置されている流体撹乱板と、
前記上部カバーの第一側壁に配置されており、前記超臨界流体を超臨界状態の前記密閉室の内部に供給することで、前記密閉室内における基板に乾燥処理を行うように構成されている第二流体供給管と、
前記上部カバーの第二側壁に配置されている流体排出管と、を備える乾燥装置と、
前記バッファ装置、前記洗浄室、および前記乾燥装置の間で前記基板を移動させるように構成された処理ロボットと、を備える洗浄および乾燥設備。
【請求項23】
前記処理ロボットの両側に対称に配置されている複数の乾燥装置があり、前記複数の乾燥装置の上方または下方に配置されかつ前記複数の乾燥装置とそれぞれ対応する複数の洗浄室があることを特徴とする、請求項22に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項24】
六つの乾燥装置があり、前記六つの乾燥装置は前記処理ロボットの各側に三つずつ配置されており、前記六つの乾燥装置とそれぞれ対応する六つの洗浄室があることを特徴とする、請求項23に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項25】
前記処理ロボットの第一側に前記複数の乾燥装置が配置されており、前記複数の洗浄室が前記処理ロボットの第二側に配置されており、前記複数の乾燥装置は前記複数の洗浄室とそれぞれ対応していることを特徴とする、請求項22に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項26】
前記複数の洗浄室は、単一基板洗浄またはバッチ式基板洗浄に使用されることを特徴とする、請求項25に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項27】
バッチ式基板洗浄のために、前記複数の洗浄室は、化学液浄化槽、高速脱イオン水すすぎ槽、IPA槽、およびフリッピングIPA湿潤機構のうちいずれか一つ以上を備えることを特徴とする、請求項26に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項28】
複数の乾燥装置があり、前記複数の乾燥装置は、前記処理ロボットの第一側において、鉛直方向における複数の層に分布しており、また、複数の洗浄室があり、前記複数の洗浄室は、前記処理ロボットの第二側において、鉛直方向における複数の層に分布していることを特徴とする、請求項25に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項29】
六つの乾燥装置があり、前記六つの乾燥装置は、前記処理ロボットの第一側において、鉛直方向における二つの層に分布しており、また、六つの洗浄室があり、前記六つの洗浄室は、前記処理ロボットの第二側において、鉛直方向における二つの層に分布していることを特徴とする、請求項28に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項30】
洗浄および乾燥設備であって、
基板を配置するように構成された基板搬入口と、
バッファ装置と、
前記基板搬入口と前記バッファ装置の間で前記基板を移動させるように構成されている前端ロボットと、
前記基板に対して洗浄処理を実行するように構成されている複数の洗浄室と、
洗浄された前記基板に対して乾燥処理を実行するように構成された超臨界流体に基づく複数の乾燥装置と、
前記バッファ装置、前記複数の洗浄室、および前記複数の乾燥装置の間で前記基板を移動させるように構成された処理ロボットと、を備え、
前記処理ロボットの両側に対称に配置された複数の乾燥装置があり、
前記複数の乾燥装置の上方または下方に配置されかつ前記複数の乾燥装置とそれぞれ対応する複数の洗浄室があることを特徴とする、洗浄および乾燥設備。
【請求項31】
洗浄および乾燥設備であって、
基板を配置するように構成された基板搬入口と、
バッファ装置と、
前記基板搬入口と前記バッファ装置の間で前記基板を移動させるように構成されている前端ロボットと、
前記基板に対して洗浄処理を実行するように構成されている洗浄室と、
洗浄された前記基板に対して乾燥処理を実行するように構成された超臨界流体に基づく乾燥装置と、
前記バッファ装置、前記洗浄室、および前記乾燥装置の間で前記基板を移動させるように構成された処理ロボットと、を備え、
前記処理ロボットの第一側に前記乾燥装置が配置されており、前記洗浄室が前記処理ロボットの第二側に配置されており、前記乾燥装置は前記洗浄室とそれぞれ対応していることを特徴とする、洗浄および乾燥設備。
【請求項32】
複数の乾燥装置があり、前記複数の乾燥装置は、前記処理ロボットの第一側において、鉛直方向における複数の層に分布しており、また、複数の洗浄室があり、前記複数の洗浄室は、前記処理ロボットの第二側において、鉛直方向における複数の層に分布していることを特徴とする、請求項31に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項33】
前記洗浄室は、単一基板洗浄またはバッチ式基板洗浄に使用されることを特徴とする、請求項31に記載の洗浄および乾燥設備。
【請求項34】
バッチ式基板洗浄のために、前記洗浄室は、化学液浄化槽、高速脱イオン水すすぎ槽、IPA槽、およびフリッピングIPA湿潤機構のうちいずれか一つ以上を備えることを特徴とする、請求項33に記載の洗浄および乾燥設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造技術分野に関し、特に、超臨界流体に基づく乾燥装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造処理において、ウェハなどの基板のウェット処理は製品の収率に影響を与える重要な処理である。現在のウェット処理において、通常、ウェットエッチングまたは洗浄用ウェハはウェハチャックに保持され、ウェハチャックによって回転させられる。また、ウェット薬液を噴霧されることで、ウェハの表面が処理される。ウェットエッチングまたは洗浄処理の後、基板に対して乾燥処理を実行する必要がある。
【0003】
現在、従来の乾燥処理においては、窒素またはイソプロピルアルコール(IPA)を使用して基板に乾燥処理を実行することがほとんどである。しかしながら、基板の乾燥処理中に窒素を使用して基板に乾燥処理を実行すると、基板上の微細パターン構造が容易に吹き飛ばされ、基板が損傷することがある。また、窒素とIPAを使用して基板に乾燥処理を実行する際、基板の表面に付着したIPAが表面張力によって基板上の微細パターン構造を容易に崩壊させ、その結果、基板が損傷することがある。
【0004】
基板が乾燥処理中に損傷を受けるのを防ぐために、表面張力ゼロの超臨界流体に基づく乾燥処理が採用される。本処理は、基板の表面をIPAで覆い、基板の表面のIPAを超臨界流体に置き換えて、基板の表面が超臨界流体に覆われるようにする。表面張力ゼロの超臨界流体が揮発しても、基板上の微細パターン構造が崩壊することはない。これにより、基板の損傷を回避することができる。
【0005】
2007年6月14日に中国特許出願200710108454.0号により開示された乾燥装置は、基板が上方から入った後に密閉室を形成し、本密閉室の側方から超臨界流体を注入して、基板が配置されている環境を超臨界状態に到達させ、超臨界状態の基板に対して乾燥処理を実行するように構成されている。2017年11月2日にまた別の中国特許出願201711066490.5号により開示された乾燥装置は、基板が一方側から入った後に密閉室を形成し、本密閉室の下部および他方側から超臨界流体を注入して、基板に対して乾燥処理を実行するように構成されている。
【0006】
しかし、基板を上方または側方から密閉室に積み込むように構成されている上述の二つの乾燥装置だと、処理効率が低い、密閉室の内部空間が大きいため超臨界流体が大量に使用される、などの問題がある。
【0007】
したがって、上述の問題を解決するため、新しい超臨界流体に基づく乾燥装置および方法を提案する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
上述の従来技術の欠点を考慮すると、本発明の目的は、処理効率の低さ、密閉室の内部空間が大きいことによる超臨界流体の大量使用、などを含む従来技術における問題を解決する超臨界流体に基づく乾燥装置および方法を提供することである。
【0009】
上述の目的およびその他の関連する目的を達成するため、本発明は、超臨界流体に基づく乾燥装置を提供する。本乾燥装置は、
上部カバーと、
前記上部カバーの下方に配置された基材であって、前記上部カバーと鉛直方向において相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室を形成することができる基材と、
前記基材上に配置されており、基板を保持するように構成されている基板トレイと、
前記上部カバーの頂壁に配置されており、前記密閉室の内部に超臨界流体を供給して前記密閉室を大気圧状態から超臨界状態に到達させるように構成されている第一流体供給管と、
前記第一流体供給管の下方に配置されている流体撹乱板と、
前記上部カバーの第一側壁に配置されており、前記超臨界流体を超臨界状態の前記密閉室の内部に供給することで、前記密閉室内における基板に乾燥処理を行うように構成されている第二流体供給管と、
前記上部カバーの第二側壁に配置されている流体排出管と、を備える。
【0010】
前記流体撹乱板と前記基板との間の隙間が設定値よりも小さいことを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0011】
前記設定値が0~10mmであることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0012】
前記上部カバーの第一側壁に複数の第一貫通孔が均等かつ水平に配置されており、前記複数の第一貫通孔は前記第二流体供給管に接続されており、また、前記超臨界流体がそれらを通じて前記密閉室の内部に均等に入るのに使用されることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0013】
前記上部カバーの第一側壁に第一キャビティが設けられており、前記第一キャビティの下面は前記基板の上面と平行であり、また、前記第一貫通孔から入る前記超臨界流体が前記第一キャビティを通過して前記基板の上面に均等に配置されるのに使用されることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0014】
前記第一貫通孔は円錐形の孔であることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0015】
複数の第二貫通孔が前記上部カバーの第二側壁に均等かつ水平に配置されており、前記複数の第二貫通孔は前記流体排出管に接続されていることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0016】
前記上部カバーの第二側壁に第二キャビティが設けられており、前記第二キャビティの下面は前記基板の上面と平行であることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0017】
前記第二貫通孔は円錐形の穴であることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0018】
前記第二流体供給管の管径は前記第一流体供給管の管径よりも大きいことを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0019】
前記上部カバーは固定されており、前記基材は鉛直方向に上昇するように調整されており、それにより閉鎖して前記密閉室を形成することを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0020】
前記基材は固定されており、前記上部カバーは鉛直方向に下降するように調整されており、それにより閉鎖して前記密閉室を形成することを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0021】
前記上部カバーには複数の錠が設けられており、前記複数の錠は、前記上部カバーと前記基材が相対的に移動して前記密閉室を形成する際に前記基材を締結し、それにより前記密閉室をロックするために使用されることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0022】
前記上部カバーの外観は正方形のカバーであり、前記基材は正方形のプレートであり、前記密閉室の中空部分は円形のチャンバーであることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0023】
前記超臨界流体は超臨界二酸化炭素であることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0024】
前記基材と前記基板トレイが一体的に形成されていることを特徴とする、上述の乾燥装置。
【0025】
また、本発明は、超臨界流体に基づく乾燥方法を提供する。本乾燥方法は、
乾燥させる基板を基板トレイに配置し、基材と上部カバーを鉛直方向において互いに相対的に移動させて閉鎖させ、それにより耐圧密閉室を形成させるステップS1と、
前記密閉室の上方から第一流体供給管を介して超臨界流体を供給し、前記流体は前記第一流体供給管の下方で流体撹乱板を迂回してから前記基板の側方からその上面に到達し、前記密閉室が超臨界状態になった後、前記密閉室の上方からの前記超臨界流体の供給を停止するステップS2と、
第二流体供給管を介して前記密閉室の第一側から超臨界流体を供給し、前記基板に乾燥処理を行うステップS3と、
前記乾燥処理が完了した後、前記第二流体供給管を閉鎖し、前記密閉室の内部圧力を低下させ、前記超臨界流体を、気体に変換し、流体排出管を介して前記密閉室の第二側から排出するステップS4と、
前記密閉室の内部圧力が大気圧状態になった時に、前記密閉室を開放して前記基板を取り出すステップS5と、を備える。
【0026】
ステップS5で前記基板を取り出す前に、ステップS2からステップS4までの複数の繰り返し作業が行われることを特徴とする、上述の乾燥方法。
【0027】
前記第二流体供給管は、前記密閉室の第一側から前記超臨界流体を、前記基板の上面に平行な流れ角で供給することを特徴とする、上述の乾燥方法。
【0028】
前記流体排出管は、前記基材の上面に平行な流れ角で前記超臨界流体を排出することを特徴とする、上述の乾燥方法。
【0029】
前記第二流体供給管によって供給される前記超臨界流体の流量が、前記第一流体供給管によって供給される前記超臨界流体の流量よりも大きいことを特徴とする、上述の乾燥方法。
【0030】
また、本発明は、洗浄および乾燥設備を提供する。本洗浄および乾燥設備は、
基板を配置するように構成された基板搬入口と、
バッファ装置と、
前記基板搬入口と前記バッファ装置の間で前記基板を移動させるように構成されている前端ロボットと、
前記基板に対して洗浄処理を実行するように構成されている洗浄室と、
洗浄された前記基板に対して乾燥処理を実行するように構成された超臨界流体に基づく乾燥装置と、を備え、前記乾燥装置は、
上部カバーと、
前記上部カバーの下方に配置された基材であって、前記上部カバーと鉛直方向において相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室を形成するように調整されている基材と、
前記基材上に配置されており、基板を保持するように構成されている基板トレイと、
前記上部カバーの頂壁に配置されており、前記密閉室の内部に超臨界流体を供給して前記密閉室を大気圧状態から超臨界状態に到達させるように構成されている第一流体供給管と、
前記第一流体供給管の下方に配置されている流体撹乱板と、
前記上部カバーの第一側壁に配置されており、前記超臨界流体を超臨界状態の前記密閉室の内部に供給することで、前記密閉室内における基板に乾燥処理を行うように構成されている第二流体供給管と、
前記上部カバーの第二側壁に配置されている流体排出管と、を備える乾燥装置と、
前記バッファ装置、前記洗浄室、および前記乾燥装置の間で前記基板を移動させるように構成された処理ロボットと、を備える洗浄および乾燥設備。
【0031】
前記処理ロボットの両側に対称に配置されている複数の乾燥装置があり、前記複数の乾燥装置の上方または下方に配置されかつ前記複数の乾燥装置とそれぞれ対応する複数の洗浄室があることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0032】
六つの乾燥装置があり、三つの乾燥装置は前記プロセスロボットの一方側に配置されており、残り三つの乾燥装置は前記処理ロボットの他方側に配置されており、前記六つの乾燥装置とそれぞれ対応する六つの洗浄室があることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0033】
前記処理ロボットの第一側に前記複数の乾燥装置が配置されており、前記複数の洗浄室が前記処理ロボットの第二側に配置されており、前記複数の乾燥装置は前記複数の洗浄室とそれぞれ対応していることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0034】
前記複数の洗浄室は、単一基板洗浄またはバッチ式基板洗浄に使用されることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0035】
バッチ式基板洗浄のために、前記複数の洗浄室は、化学液浄化槽、高速脱イオン水すすぎ槽、IPA槽、およびフリッピングIPA湿潤機構のうちいずれか一つ以上を備えることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0036】
複数の乾燥装置があり、前記複数の乾燥装置は、前記処理ロボットの第一側において、鉛直方向における複数の層に分布しており、また、複数の洗浄室があり、前記複数の洗浄室は、前記処理ロボットの第二側において、鉛直方向における複数の層に分布していることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0037】
六つの乾燥装置があり、前記六つの乾燥装置は、前記処理ロボットの第一側において、鉛直方向における二つの層に分布しており、また、六つの洗浄室があり、前記六つの洗浄室は、前記処理ロボットの第二側において、鉛直方向における二つの層に分布していることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0038】
また、本発明は、洗浄および乾燥設備を提供する。本洗浄および乾燥設備は、
基板を配置するように構成された基板搬入口と、
バッファ装置と、
前記基板搬入口と前記バッファ装置の間で前記基板を移動させるように構成されている前端ロボットと、
前記基板に対して洗浄処理を実行するように構成されている洗浄室と、
洗浄された前記基板に対して乾燥処理を実行するように構成された超臨界流体に基づく乾燥装置と、
前記バッファ装置、前記洗浄室、および前記乾燥装置の間で前記基板を移動させるように構成された処理ロボットと、を備え、
前記処理ロボットの両側に対称に配置された複数の乾燥装置があり、
前記複数の乾燥装置の上方または下方に配置されかつ前記複数の乾燥装置とそれぞれ対応する複数の洗浄室があることを特徴とする、洗浄および乾燥設備。
【0039】
また、本発明は、洗浄および乾燥設備を提供する。本洗浄および乾燥設備は、
基板を配置するように構成された基板搬入口と、
バッファ装置と、
前記基板搬入口と前記バッファ装置の間で前記基板を移動させるように構成されている前端ロボットと、
前記基板に対して洗浄処理を実行するように構成されている洗浄室と、
洗浄された前記基板に対して乾燥処理を実行するように構成された超臨界流体に基づく乾燥装置と、
前記バッファ装置、前記洗浄室、および前記乾燥装置の間で前記基板を移動させるように構成された処理ロボットと、を備え、
前記処理ロボットの第一側に前記乾燥装置が配置されており、前記洗浄室が前記処理ロボットの第二側に配置されており、前記乾燥装置は前記洗浄室とそれぞれ対応していることを特徴とする、洗浄および乾燥設備。
【0040】
複数の乾燥装置があり、前記複数の乾燥装置は、前記処理ロボットの第一側において、鉛直方向における複数の層に分布しており、また、複数の洗浄室があり、前記複数の洗浄室は、前記処理ロボットの第二側において、鉛直方向における複数の層に分布していることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0041】
前記洗浄室は、単一基板洗浄またはバッチ式基板洗浄に使用されることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0042】
バッチ式基板洗浄のために、前記洗浄室は、化学液浄化槽、高速脱イオン水すすぎ槽、IPA槽、およびフリッピングIPA湿潤機構のうちいずれか一つ以上を備えることを特徴とする、上述の洗浄および乾燥設備。
【0043】
上述したように、本発明で提案される超臨界流体に基づく乾燥装置および方法は、従来技術と比較して、以下の有益な効果を有している。
1.本発明で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置では、基板を基材上に配置し、基材と上部カバーを互いに相対的に移動させて密閉室を形成することで、密閉室の内部空間を最小限にすることができる。それによって、超臨界流体の使用量を減らし、使用コストを削減することができる。
2.本発明で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置では、第一流体供給管と基板の間に流体撹乱板を配置することにより、第一流体供給管を通る超臨界流体が基板の表面に直接噴霧されて基板上のIPAが吹き飛ばされ、基板に損傷を引き起こすことを回避する。
3.本発明で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置では、上部カバーの側壁に複数の第一貫通孔と第二貫通孔が均等に設けられており、それぞれ第二流体供給管と流体排出管に接続されている。それによって、第二流体供給管と流体排出管の循環効率が向上することにより、基板に対する乾燥処理の処理効率が効果的に向上する。
4.本発明で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置では、第一貫通孔および第二貫通孔にそれぞれ接続されている第一キャビティおよび第二キャビティが、上部カバーの側壁に設けられている。第一キャビティおよび第二キャビティは基板の上面と平行であるため、第一貫通孔から入った超臨界流体が、第一キャビティを介して基板の上面に均等に分布することができる。乾燥処理中の超臨界流体および乾燥処理後の密閉室内の流体は、第二キャビティおよび第二貫通孔を通じて密閉室から迅速に排出される。それによって、超臨界流体の乾燥処理の処理速度が向上することにより、基板に対する乾燥処理の処理効率が効果的に向上する。
本発明の特徴および性能は、以下の実施形態および添付の図面でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1A図1Aは、本発明の第1実施形態で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置の構造を示す模式図である。
図1B図1Bは、本発明の第1実施形態で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置の構造を示す、別の模式図である。
図2A図2Aは、本発明の第1実施形態で提供される上部カバーの構造を示す概略図である。
図2B図2Bは、本発明の第1実施形態で提供される上部カバーの底面図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置の斜視図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置の断面図である。
図5A図5Aは、本発明の第1実施形態で提供される超臨界流体に基づく乾燥装置の断面図である。
図5B図5Bは、本発明の第1実施形態における、図5Aの点線の箱の拡大図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態で提供される基板および基板トレイの構造を示す概略図である。
図7A図7Aは、本発明の第1実施形態で提供される支持部材を用いて、基板を基板トレイに配置する際の概略図である。
図7B図7Bは、本発明の第1実施形態における、図7Aの上面図である。
図8A図8Aは、基板を基板トレイ上に配置した後に引き抜く際の、本発明の第1実施形態で提供される支持部材の概略図である。
図8B図8Bは、本発明の第1実施形態における、図8Aの上面図である。
図9A図9Aは、本発明の第4実施形態および第8実施形態で提供される、洗浄および乾燥設備の上面図である。
図9B図9Bは、本発明の第4実施形態および第8実施形態で提供される、洗浄および乾燥設備の正面図である。
図9C図9Cは、本発明の第5実施形態および第9実施形態で提供される、洗浄および乾燥装置の正面図である。
図10A図10Aは、本発明の第6実施形態および第10実施形態で提供される、洗浄および乾燥設備の上面図である。
図10B図10Bは、本発明の第6実施形態および第10実施形態において提供される、洗浄および乾燥設備の正面図である。
図11図11は、本発明の第7実施形態および第11実施形態において提供される、洗浄および乾燥設備の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に、具体例を通して、本発明の実施形態を説明する。当業者は、本明細書に開示された内容から、本発明の他の利点や効果を容易に理解することができる。本発明は、その他の特定の実施形態を通して実施または適用することもできる。本明細書の様々な詳細は、本発明の範囲の趣旨から逸脱することなく、異なる観点や応用例に基づいて、様々な方法で修正または変更することもできる。
【0046】
図1A図11を参照されたい。本実施形態における図面は、本発明の基本的な概念を模式的に示しているにすぎないことに留意されたい。図面は本発明に関連する部品を示しているにすぎず、実際に本発明が実施される際の部品の数、形、および大きさを参照して描かれているわけではない。実際に実施される際は、各部品の形、数量、および割合を任意に変更することができ、また部品のレイアウトパターンもより複雑になっていてもよい。
【0047】
第1実施形態
図1A図8Bを参照されたい。第1実施形態は、洗浄された基板wに対して乾燥処理を実行するために使用される、超臨界流体に基づく乾燥装置を提供する。本実施形態において、洗浄された基板wの表面はIPAの層で覆われている。
【0048】
図1A図4に示すように、超臨界流体に基づく乾燥装置は、上部カバー1と、上部カバー1の下方に配置されており、鉛直方向において上部カバー1と相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室120を形成することができる基材2と、基材2の上に配置されており、基板wを保持するように構成されている基板トレイ3とを備える。上部カバー1と基材2が閉鎖して閉鎖室120を形成する際、基板wは閉鎖室120内に位置しており、表面がIPAで覆われている基板wに対して乾燥処理を行う。また、乾燥装置は、上部カバー1の頂壁に配置されており、密閉室120の内部に超臨界流体を供給するように構成されている第一流体供給管4を備える。乾燥流体を付加し続けることで、閉鎖室120内の圧力が上昇し続け、やがて閉鎖室120内の圧力が乾燥流体の臨界圧力を上回り、乾燥流体が超臨界状態に到達する。また、乾燥装置は、第一流体供給管4の下方かつ第一流体供給管4と基板wとの間に配置されている流体撹乱板5であり、第一流体供給管4から入った超臨界流体を、流体撹乱板5を経由させたあと基板wの側方から上面に到達させ、効果的に超臨界流体の勢いをやわらげて、流れの早すぎる超臨界流体が直接基板wの上面に噴射され、基板wの表面上のIPAを吹き飛ばすのを回避させる流体撹乱板5と、上部カバー1の第一側壁に配置されており、超臨界流体を、超臨界状態の密閉室120の内部に供給し、超臨界流体を基板wの表面を覆っているIPAと置き換え、乾燥処理を閉鎖室120内の基板wの表面に対して実行するように構成されている第二流体供給管6と、上部カバー1の第二側壁に配置されている流体排出管7と、を備える。
【0049】
本乾燥装置において、第一流体供給管4が開放しており、超臨界流体が供給されているとき、密閉室120内の空気と流体は、流体排出管7を通じて密閉室120から排出され、密閉室120内のすべての空気が流体に置き換えられる。そして、超臨界流体の供給が増え続け、密閉室120内の圧力が臨界圧力を上回る。密閉室120の内部が超臨界状態に到達した後、第一流体供給管4が閉鎖し、密閉室120の上方から行われる超臨界流体の供給が停止する。
【0050】
第二流体供給管6が開放しているとき、超臨界流体によって、密閉室120内の基板に対して乾燥処理が行われる。このとき、流体排出管7から排出される流体は超臨界流体である。
【0051】
乾燥処理が完了した後、第二流体供給管6が閉鎖され、密閉室120内の流体が流体排出管7から排出され続ける。これによって、密閉室120の内部圧力が低下し、超臨界流体が気体に変換されて流体排出管7を通じて密閉室120から排出される。
【0052】
基板wを基材2上に配置し、基材2と上部カバー1を互いに相対的に移動させて密閉室120を形成することで、密閉室120の内部空間を最小限にすることができる。それによって、超臨界流体の使用量を減らし、使用コストを削減することができる。
【0053】
図1A図2Bに示すように、第一流体供給管4と基板wの間に流体撹乱板5を配置することにより、第一流体供給管4を通る超臨界流体が基板wの表面に直接噴霧されて基板wの表面上のIPAが吹き飛ばされることを回避する。
【0054】
流体撹乱板5と基板wとの間の隙間は、0-10mmの範囲で設定される設定値よりも小さい。本実施形態では、最適な設定値は2mmである。密閉室120の内部空間をさらに小さくするために、設定値を1mmに設定するなど、より小さく設定することもできる。流体撹乱板5と基板wの間の隙間が小さいほど、密閉室120の内部空間も小さくなり、密閉室120内の基板wの表面のIPAと超臨界流体との間の置換の効率が高くなる。したがって、基板wの表面に対する乾燥処理の処理効率を効果的に向上させつつ、超臨界流体の使用量を減らし、使用コストを削減することができる。
【0055】
図1Aおよび図1Bに示すように、基材2と上部カバー1は鉛直方向に互いにおいて相対的に移動することで閉鎖して、耐圧密閉室120を形成する。本実施形態では、上部カバー1は固定されており、基材2が鉛直方向において上方に移動することで閉鎖して、耐圧密閉室120を形成する。一実施形態では、基板トレイ3と基材2は一体的に形成されている。
【0056】
図1A図1B、および図2Aに示すように、上部カバー1には錠110が設けられている。錠110は、上部カバー1と基材2が相対的に移動して密閉室120を形成する際に基材2を締結し、密閉室120をロックするために使用される。これにより、密閉室120の耐圧性が向上する。他の実施形態では、基材2にも錠を設けて密閉室120をロックすることができる。
【0057】
図1Aおよび図1Bに示すように、本実施形態において、上部カバー1の外観は正方形のカバーであり、基材2は正方形のプレートであり、密閉室120の中空部分は円形で基板wと基板トレイ3を収容するように構成されている。密閉室120の中空部分を円形にすることで、密閉室120の内部空間を減らすことできる。それによって、超臨界流体の使用量を減らし、使用コストを削減することができる。
【0058】
図1A図1B、および図2Aに示すように、第二流体供給管6の管径は第一流体供給管4の管径よりも大きいため、第二流体供給管6から供給される超臨界流体の流量は第一流体供給管4から供給される超臨界流体の流量よりも大きい。第一流体供給管4から供給される超臨界流体の流量は小さいため、超臨界流体が第一流体供給管4を通じてゆっくり入る場合は基板wの表面上のIPAが吹き飛ばされないことを確実にする。第二流体供給管6から供給される超臨界流体の流量は大きいため、第二流体供給管6が超臨界流体を供給する効率がよくなる。それにより、超臨界流体の乾燥処理の速度が向上し、基板wに対する超臨界流体の乾燥処理の効率が向上する。
【0059】
図2B図3に示すように、上部カバー1の第一側壁に複数の第一貫通孔101が均等かつ水平に配置されている。また、複数の第一貫通孔101は第二流体供給管6に接続されている。超臨界流体は、複数の第一貫通孔101を通じて密閉室120内に均等に入るため、複数の第一貫通孔101を通じて密閉室120内にすばやく均等に入ることができる。それにより、超臨界流体の供給効率を効果的に向上させ、超臨界流体の乾燥処理の速さが向上し、基板wの表面に対する乾燥処理の処理効率が良くなる。
【0060】
図2B図5Bに示すように、上部カバー1の第一側壁には第一キャビティ102も設けられている。また、第一キャビティ102は複数の第一貫通孔101に接続されている。複数の第一貫通孔101を通じて入ってくる超臨界流体は、第一キャビティ102の内部で分散し、また、基板wの上面においてより均等に分布することができる。それによって、基板wの表面において超臨界流体が不均一になる現象を回避する。図5Aの点線の箱の拡大図である図5Bに示すように、第一キャビティ102の下面は基板wの上面と平行である。第一キャビティ102の下面が基板wの上面と同一面上に位置しているとより好ましい。したがって、第一貫通孔101から入ってくる超臨界流体は、第一キャビティ102を通じて基板wの上面に対して平行に作用することができる。それによって、超臨界流体の使用量を減らし、超臨界流体の浪費を回避する。
【0061】
本実施形態において、図5Bに示すように、第一貫通孔101は円錐形の孔である。第一貫通孔101の一端は第一キャビティ102に対して大きく開口しており、第一貫通孔101を通過する超臨界流体の効率と基板wの表面に対する乾燥処理の処理速度を向上させるように構成されている。
【0062】
同様に、図2B図5Bに示すように、上部カバー1の第二側壁に複数の第二貫通孔103が均等かつ水平に配置されている。また、第二貫通孔103は流体排出管7に接続されている。それによって、流体は複数の第二貫通孔103を通じて密閉室120からすばやく排出されることができるため、流体の排出速度、超臨界流体の乾燥処理の速度、および基板wの表面に対する乾燥処理の処理効率が向上する。
【0063】
図5Aに示すように、上部カバー1の第二側壁に第二キャビティ104が設けられている。第二キャビティ104の下面は基板wの上面と平行である。第二キャビティ104の下面が基板wの上面と同一面上に位置することで、密閉室120内の流体が、第二キャビティ104と複数の第二貫通孔103を通じて密閉室120からすばやく均等に排出されることができることがより好ましい。これによって、超臨界流体の乾燥処理を早め、処理効率を向上させる。
【0064】
本実施形態において、図5Bに示すように、第二貫通孔103は円錐形の孔である。第二貫通孔103の一端は第二キャビティ104に対して大きく開口しており、第二貫通孔103から排出される超臨界流体の効率と基板wの表面に対する乾燥処理の処理速度を向上させるように構成されている。
【0065】
本実施形態において、上部カバー1の両側壁に複数の第一貫通孔101と第二貫通孔103が均等に設けられており、それぞれ第二流体供給管6と流体排出管7に接続されている。それによって、第二流体供給管6と流体排出管7の循環効率が効果的に向上し、超臨界流体と処理された流体がそれぞれすばやく密閉室120に出入りすることで、超臨界流体の乾燥処理の処理速度と、基板wの表面に対する乾燥処理の処理効率が向上する。
【0066】
本実施形態において、底面が基板wの上面と平行である第一キャビティ102および第二キャビティ104が設けられており、第一貫通孔101から入ってくる超臨界流体が第一キャビティ102を通じて基板wの上面に均等かつ確実に分布することができる。また、超臨界流体が第二キャビティ104を通じて第二貫通穴103から均等かつ確実に排出されることができる。これによって、超臨界流体の乾燥処理の処理速度と基板wの表面に対する乾燥処理の処理効率が向上する。
【0067】
第一キャビティ102および第二キャビティ104の厚さ(図中の垂直の寸法)は、流体撹乱板5と基板wとの間の隙間とほぼ一致している。流体撹乱板5と基板wとの間の隙間が狭くなると、それに応じて第一キャビティ102および第二キャビティ104の厚さを減少させて、密閉室120の内部空間を小さくすることができる。これによって、超臨界流体の使用量を減らし、使用コストを削減することができる。
【0068】
図1図5に示すように、上部カバー1と流体撹乱板5との間には、上部カバー1と流体撹乱板5とを接続するための複数の接続部品105が設けられている。本実施形態では四つの接続部品105があり、第一流体供給管4の周りに均等に配置されている。
【0069】
図6に示すように、基板トレイ3には複数の溝301が設けられており、複数の支持部材9が基板トレイ3から基板wを取り上げる、または、基板トレイ3に基材wを積み上げることを容易にする。溝301の数は支持部材9の数と一致している。本実施形態では、溝301の数は四つである。図7Bおよび図8Bに示すように、支持部材9の数も四つである。
【0070】
具体的には、図7Aおよび図8Aに示すように、四つの支持部材9は、例えばモーター等の第一駆動装置801の作用下で基板wを持ち上げて、基板トレイ3に配置する。図7Bおよび図8Bに示すように、基板wが基板トレイ3に配置された後、第二駆動装置802は支持部材9を駆動して基板トレイ3の溝301から引き抜く。次に、第三駆動装置803が基材2を垂直方向に上昇させて上部カバー1と共に閉鎖させ、密閉室120を形成する。その後、錠110が基材2の下側に挿入され、続く乾燥処理のために、基板wが耐圧密閉室120の内部にあるようにする。
【0071】
基板wに対する乾燥処理が完了した後、第二駆動装置802は支持部材9を駆動して基板トレイ3の溝301に挿入し、支持部材9を基板wの底部に位置させる。第一駆動装置801は支持部材9を駆動して基板wを上昇させ、それにより基板wを基板トレイ3から取り上げる。本実施形態において、支持部材9は支持ピンまたはエジェクタピンであってもよい。
【0072】
図7A図8Bに示すように、超臨界流体に基づく乾燥装置は、IPA補充機構10をさらに有する。このIPA補充機構10は、基板wの表面を覆うIPAが表面を覆いきれなくなった際にIPAを補充して、基板wの表面上のIPAが表面を完全に覆い、かつ、一定の厚さに到達させるよう構成されている。図7Bおよび図8Bに示すように、IPA補充機構10のノズル1011は回転可能に調整できる。基板wの表面にIPAを補充する必要がある場合、IPA補充機構10のノズル1011は、初期位置から基板wの上方に回転する。IPAの補充が完了した後、IPA補充機構10のノズル1011は初期位置まで回転する。
【0073】
図1A図6に示すように、基材2は、基材2および上部カバ-1が互いに相対的に移動して密閉室120を閉鎖する際に密閉室120を封止するための、複数のシールリング201をさらに有する。
【0074】
図1A図1Bおよび図2に示すように、超臨界流体に基づく乾燥装置は加熱装置11をさらに備える。本加熱装置11は上部カバー1の縁部に設けられており、密閉室120、第一流体供給管4、および第二流体供給管6を加熱して、基板wに対する乾燥処理中、密閉室120全体に臨界温度を上回らせるためのものである。
【0075】
本実施形態において、超臨界流体は超臨界二酸化炭素である。
【0076】
第2実施形態
図1A図8Bを参照されたい。第2実施形態もまた超臨界流体に基づく乾燥装置を提供する。第1実施形態と比較した違いは以下のとおりである。
【0077】
図1Aおよび図1Bに示すように、基材2と上部カバー1は鉛直方向において互いに相対的に移動することで閉鎖して、耐圧密閉室120を形成する。ただし、基材2は固定されたままであり、上部カバー1が鉛直方向において下方に移動することで閉鎖して耐圧密閉室120を形成する。
【0078】
本実施形態における残りの構成は第1実施形態と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0079】
第3実施形態
図1図8Bを参照されたい。第3実施形態は超臨界流体に基づく乾燥方法を提供する。本乾燥方法は、上述の第1実施形態または第2実施形態における超臨界流体に基づく乾燥装置によって実施されるものであり、以下の工程を備えている。
S1:複数の支持部材9によって、乾燥させる基板wを第一駆動装置801の作用下で持ち上げて基板トレイ3に配置する。基板wを配置した後で支持部材9を基板トレイ3における溝301から引き抜く。そして、基材2と上部カバー1を鉛直方向において互いに相対的に移動させて閉鎖させることで耐圧密閉室120を形成し、基板wが耐圧密閉室120の内部にあるようする。密閉室120、第一流体供給管4、および第二流体供給管6を加熱して密閉室120の内部が臨界温度を上回る温度に到達するようにする。
S2:第一流体供給管4を通して密閉室120の上方から内部に超臨界流体を供給する。流体が第一流体供給管4の下方において流体撹乱板5を経由した後に基板wの側方からその上面に到達する。超臨界流体を供給し続けることで密閉室120内の圧力を上昇させ続けて臨界圧力を上回らせ、密閉室120を超臨界状態に到達させる。密閉室120を超臨界状態に到達させた後、密閉室120の上方から第一流体供給管4を通して行われる超臨界流体の供給を停止させる。
S3:第二流体供給管6を通して密閉室120の第一側から内部に超臨界流体を供給し、基板wに対して乾燥処理を行う。
【0080】
第二流体供給管6を通じて入ってくる超臨界流体の流量は、第一流体供給管4を通じて入ってくる超臨界流体の流量よりも大きい。
【0081】
図3図5Bに示すように、第二流体供給管6は、複数の第一貫通孔101および第一キャビティ102を順次通して、密閉室120の第一側から超臨界流体を供給する。複数の第一貫通孔101と第一キャビティ102は、第二流体供給管6に接続されている。第一キャビティ102の出口において、超臨界流体の流れ角は基板wの上面と平行のままである。超臨界流体は、密閉室120の第二側から、順次に第二キャビティ104、複数の第二貫通孔103、および流体排出管7を通じて排出される。また、第二キャビティ104から排出される超臨界流体の流れ角は基板wの上面と平行である。これによって、超臨界流体の使用量を減らし、超臨界流体の浪費を回避する。
【0082】
S4:乾燥工程の完了後、第二流体供給管6を閉鎖し、閉鎖室120の第一側からの超臨界流体の供給を停止し、閉鎖室120の内部圧力を減少させて超臨界流体を気体に変換し、流体排出管7を通して密閉室120の第二側から排出させる。
S5:閉鎖室120の内部圧力が大気圧状態になった時に、上部カバー1と基材2を鉛直方向において互いに相対的に移動させて密閉室120を開放し、支持部材9を用いて基板wを持ち上げて取り出す。
【0083】
ステップS5で基板wを取り出す前に、プロセス要件に応じてステップS2からS4までの複数の繰り返し作業を行い、密閉室120内の基板wに対して完全な乾燥処理を行うことができる。
【0084】
図4図5Bに示すように、超臨界流体は気体に変換され、順次に第二キャビティ104、複数の第二貫通孔103、および流体排出管7を通じて密閉室120の第二側から排出される。それによって、流体排出管7の排出速度、および基板wに対する乾燥処理の処理効率が向上する。
【0085】
第4実施形態
図9Aおよび図9Bを参照されたい。第4実施形態は洗浄および乾燥設備を提供する。本洗浄および乾燥装置は、基板wを配置するように構成されている基板搬入口001と、バッファ装置002と、基板搬入口001とバッファ装置002の間で基板wを移動させるように構成されている前端ロボット005と、基板wを洗浄するように構成されている洗浄室003と、上述の第1実施形態または第2実施形態において開示されており、洗浄された基板wに対して乾燥処理を実行するように構成されている超臨界流体に基づく乾燥装置004と、を備える。図1A図8Bに示すように、超臨界流体に基づく乾燥装置004は、上部カバー1と、上部カバー1の下方に配置されており、鉛直方向において上部カバー1と互いに相対的に移動することで閉鎖して耐圧密閉室120を形成することができる基材2と、基材2の上に配置されており、基板wを保持するように構成されている基板トレイ3と、上部カバー1の頂壁に配置されており、密閉室120の内部に超臨界流体を供給するように構成されている第一流体供給管4と、第一流体供給管4の下方かつ第一流体供給管4と基板wとの間に配置されている流体撹乱板5であり、第一流体供給管4から入った超臨界流体を、流体撹乱板5を経由させたあと基板wの側方から上面に到達させ、効果的に超臨界流体の勢いをやわらげて、流れが早すぎる超臨界流体が直接基板wの上面に噴射されることを回避させる流体撹乱板5と、上部カバー1の第一側壁に配置されており、超臨界流体を、超臨界状態の密閉室120の内部に供給し、乾燥処理を閉鎖室120内の基板wの表面に対して実行するように構成されている第二流体供給管6と、上部カバー1の第二側壁に配置されている流体排出管7と、バッファ装置002、洗浄室003、および乾燥装置004の間で基板wを移動させるように構成されている処理ロボット006と、を備える。また、上部カバー1と基材2が閉鎖して閉鎖室120を形成する際、基板wは閉鎖室120内に位置している。さらに、超臨界流体を供給し続けることで、閉鎖室120内の圧力が上昇し続け、やがて閉鎖室120の圧力が第一流体供給管4を介して密閉室120に供給される流体の臨界圧力を上回り、流体が超臨界状態に到達する。
【0086】
具体的には、前端ロボット005は、洗浄される基板wを基板搬入口001から取り出してバッファ装置002に配置する。処理ロボット006は、洗浄される基板wをバッファ装置002から取り出して洗浄室003に配置し、基板wに対して洗浄処理を実行する。洗浄処理の完了後、処理ロボット006は洗浄された基板wを洗浄室003から取り出して、上述の第1実施形態または第2実施形態における支持部材9上に配置する。洗浄された基板wは、支持部材9を介して基板トレイ3上に配置され、乾燥処理を施される。乾燥処理の完了後、処理ロボット006は支持部材9から乾いた基板wを取り出してバッファ装置002に配置する。その後、前端ロボット005は乾いた基板wをバッファ装置002から取り出して基板搬入口001に配置する。
【0087】
図9Aに示すように、複数の乾燥装置004が処理ロボット006の両側に対称に配置されている。図9Bに示すように、複数の洗浄室003が乾燥装置004の下方に、乾燥装置004とそれぞれ対応するように配置されている。
【0088】
本実施形態において、六つの乾燥装置004と六つの洗浄室003がある。図9Aに示すように、六つの乾燥装置004は、処理ロボット006に沿って、処理ロボット006の各側に三つずつ対称に配置されている。洗浄室003および乾燥装置004はそれぞれ対応している。図9Bに示すように、乾燥装置004は対応する洗浄室003の上方に配置されている。また、複数の第一管路システム007が乾燥装置004の上方に、乾燥装置004内に超臨界流体を供給するために配置されている。複数の第二管路システム008が洗浄室003の下方に、洗浄室003内に化学液を供給するために配置されている。
【0089】
第4実施形態において提供される洗浄および乾燥設備において、乾燥装置004が洗浄室003の上方に配置されているため、処理ロボット006が洗浄された基板を直接、乾燥装置004の内部に上昇させることができる。これによって、処理速度を早め、基板の表面上のIPAが滴り落ちることを回避する。
【0090】
第5実施形態
図9A図9Cを参照されたい。本実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。第4実施形態と比較した違いは以下の通りである。
【0091】
図9Aに示すように、超臨界流体に基づく複数の乾燥装置004が、処理ロボット006の両側に対称に配置されている。図9Cに示すように、複数の洗浄室003が乾燥装置004の上方に、乾燥装置004とそれぞれ対応するように配置されている。
【0092】
第5実施形態において、図9Cに示すように、六つの乾燥装置004と六つの洗浄室003がある。六つの洗浄室003は乾燥装置004の上方に配置されている。図9Aに示すように、六つの乾燥装置004は、処理ロボット006に沿って、処理ロボット006の各側に三つずつ対称に配置されている。洗浄室003および乾燥装置004はそれぞれ対応している。
【0093】
第5実施形態において、乾燥装置004が対応する洗浄室003の下方に配置されているため、処理ロボット006が洗浄された基板wを直接、乾燥装置004の内部に降下させることができる。
【0094】
本実施形態における残りの構成は第4実施形態と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0095】
第6実施形態
図10A図10Bを参照されたい。第6実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。第4実施形態と比較した違いは以下の通りである。
【0096】
図10Aに示すように、複数の乾燥装置004が処理ロボット006の第一側に配置されている。また、複数の洗浄室003が処理ロボット006の第二側に配置されている。乾燥装置004および洗浄室003はそれぞれ対応している。ただし、複数の乾燥装置004は、処理ロボット006の第一側において、鉛直方向に沿っていくつかの層に分布している。また、複数の洗浄室003は、処理ロボット006の第二側において、鉛直方向に沿っていくつかの層に分布している。第5実施形態において、図10Aおよび図10Bに示すように、処理ロボット006の第一側において六つの乾燥装置004が鉛直方向に沿って二層に分布している。また、複数の第一管路システム007が、乾燥装置004からなる各層の下方に、乾燥装置004内に超臨界流体を供給するために配置されている。図10Bには図示されていないが、処理ロボット006の第二側において、六つの洗浄室003が鉛直方向に沿って二層に分布している。
【0097】
本実施形態における残りの構成は第4実施形態と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0098】
第7実施形態
図11を参照されたい。第7実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。第6実施形態と比較した違いは以下の通りである。
【0099】
複数の乾燥装置004が処理ロボット006の第一側に配置されている。また、複数の洗浄室003が処理ロボット006の第二側に配置されている。ただし、複数の乾燥装置004は、処理ロボット006の第一側において、鉛直方向に沿っていくつかの層に分布している。また、複数の洗浄室003は、処理ロボット006の第二側において、鉛直方向に沿っていくつかの層に分布している。
【0100】
洗浄室003は、単一基板洗浄またはバッチ式基板洗浄を実行することができる。具体的には、図11に示すように、洗浄室003は、バッチ式基板洗浄のために、化学液浄化槽0031、高速脱イオン水すすぎ槽(DI-QDR)0032、IPA槽0033、およびフリッピングIPA湿潤機構0034のうちいずれか一つ以上を備える。
【0101】
化学液浄化槽0031内の化学液は、HF、DHF、SC1、SPM、リン酸、SC2のうちいずれか一つ以上である。処理の必要に応じて、化学液浄化槽0031は複数の浄化槽を含むことができる。この場合、各浄化槽は異なる化学液を収容することができる。高速脱イオン水すすぎ槽(DI-QDR)0032は、基板の表面における粒子の不純物や残留する化学液を除去して基板の表面を清潔に保つように構成されている。洗浄処理の後、IPA槽0033は、イソプロピルアルコール(IPA)と水の相互溶解の原理を利用して基板の表面から湿気を除去する。フリッピングIPA湿潤機構0034は、基板をIPA槽0033から乾燥装置004に移動させる処理中に、基板の表面がIPAで覆われたままにするよう構成されている。
【0102】
具体的には、前端ロボット005は、洗浄される基板wを基板搬入口001から取り出してバッファ装置002に配置する。処理ロボット006は、洗浄される基板wをバッファ装置002から取り出してリン酸浄化槽0031、高速脱イオン水すすぎ槽(DI-QDR)0032、IPA槽0033、およびフリッピングIPA湿潤機構0034に順次に配置し、基板wに対して洗浄処理を実行する。洗浄処理の完了後、処理ロボット006は洗浄された基板wを洗浄室003から取り出して乾燥装置004に配置し、基板wに対して乾燥処理を行う。乾燥処理の完了後、処理ロボット006は乾燥装置004から乾いた基板wを取り出してバッファ装置002に配置する。その後、前端ロボット005は乾いた基板wをバッファ装置002から取り出して基板搬入口001に配置する。
【0103】
第7実施形態において、乾燥装置004は六つあり、六つの乾燥装置004は、処理ロボット006の第一側において、鉛直方向に沿って二層に分布している。また、洗浄室003は二つあり、二つの洗浄室003は、処理ロボット006の第二側において、鉛直方向に沿って二層に分布している。
【0104】
本実施形態における残りの構成は第6実施形態と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0105】
第8実施形態
図9A図9Bを参照されたい。第8実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。本洗浄および乾燥装置は、基板wを配置するように構成されている基板搬入口001と、バッファ装置002と、基板搬入口001とバッファ装置002の間で基板wを移動させるように構成されている前端ロボット005と、基板wを洗浄するように構成されている洗浄室003と、洗浄された基板wに対して乾燥処理を実行するように構成されている超臨界流体に基づく乾燥装置004と、バッファ装置002、洗浄室003、および乾燥装置004の間で基板wを移動させるように構成されている処理ロボット006と、を備える。
【0106】
具体的には、前端ロボット005は、洗浄される基板wを基板搬入口001から取り出してバッファ装置002に配置する。処理ロボット006は、洗浄される基板wをバッファ装置002から取り出して洗浄室003に配置し、基板wに対して洗浄処理を実行する。洗浄処理の完了後、処理ロボット006は洗浄された基板wを洗浄室003から取り出して乾燥装置004内に配置し、基板wに対して乾燥処理を行う。乾燥処理の完了後、処理ロボット006は乾燥装置004から乾いた基板wと取り出してバッファ装置002に配置する。その後、前端ロボット005は基板wをバッファ装置002から取り出して基板搬入口001に配置する。
【0107】
図9Aに示すように、複数の乾燥装置004が処理ロボット006の両側に対称に配置されている。図9Bに示すように、複数の洗浄室003が乾燥装置004の下方に、乾燥装置004とそれぞれ対応するように配置されている。
【0108】
第8実施形態において、六つの乾燥装置004と六つの洗浄室003がある。図9Aに示すように、六つの乾燥装置004は、処理ロボット006に沿って、処理ロボット006の各側に三つずつ対称に配置されている。洗浄室003および乾燥装置004はそれぞれ対応している。図9Bに示すように、乾燥装置004は対応する洗浄室003の上方に配置されている。また、複数の第一管路システム007が乾燥装置004の上方に、乾燥装置004内に超臨界流体を供給するために配置されている。複数の第二管路システム008が洗浄室003の下方に、洗浄室003内に化学液を供給するために配置されている。
【0109】
第8実施形態において提供される洗浄および乾燥設備において、乾燥装置004が洗浄室003の上方に配置されているため、処理ロボット006が洗浄された基板を直接、乾燥装置004の内部に上昇させることができる。これによって、処理速度を早め、基板の表面上のIPAが滴り落ちることを回避する。
【0110】
第9実施形態
図9A図9Cを参照されたい。第9実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。第8実施形態と比較した違いは以下の通りである。
【0111】
図9Aに示すように、超臨界流体に基づく複数の乾燥装置004が、処理ロボット006の両側に対称に配置されている。図9Cに示すように、複数の洗浄室003が乾燥装置004の上方に、乾燥装置004とそれぞれ対応するように配置されている。
【0112】
第9実施形態において、図9Cに示すように、六つの乾燥装置004と六つの洗浄室003がある。六つの洗浄室003は乾燥装置004の上方に配置されている。図9Aに示すように、六つの乾燥装置004は、処理ロボット006に沿って、処理ロボット006の各側に三つずつ対称に配置されている。洗浄室003および乾燥装置004はそれぞれ対応している。
【0113】
本実施形態における残りの構成は第8実施形態と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0114】
第10実施形態
図10A図10Bを参照されたい。第10実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。本洗浄および乾燥装置は、基板wを配置するように構成されている基板搬入口001と、バッファ装置002と、基板搬入口001とバッファ装置002の間で基板wを移動させるように構成されている前端ロボット005と、基板wを洗浄するように構成されている洗浄室003と、洗浄された基板wに対して乾燥処理を実行するように構成されている超臨界流体に基づく乾燥装置004と、バッファ装置002、洗浄室003、および乾燥装置004の間で基板wを移動させるように構成されている処理ロボット006と、を備える。
【0115】
具体的には、前端ロボット005は、洗浄される基板wを基板搬入口001から取り出してバッファ装置002に配置する。処理ロボット006は、洗浄される基板wをバッファ装置002から取り出して洗浄室003に配置し、基板wに対して洗浄処理を実行する。洗浄処理の完了後、処理ロボット006は洗浄された基板wを洗浄室003から取り出して乾燥装置004内に配置し、基板wに対して乾燥処理を行う。乾燥処理の完了後、処理ロボット006は乾燥装置004から乾いた基板wと取り出してバッファ装置002に配置する。その後、前端ロボット005は基板wをバッファ装置002から取り出して基板搬入口001に配置する。
【0116】
図10Aに示すように、複数の乾燥装置004が処理ロボット006の第一側に配置されている。また、複数の洗浄室003が処理ロボット006の第二側に配置されている。乾燥装置004および洗浄室003はそれぞれ対応している。複数の乾燥装置004は、処理ロボット006の第一側において、鉛直方向に沿っていくつかの層に分布している。また、複数の洗浄室003は、処理ロボット006の第二側において、鉛直方向に沿っていくつかの層に分布している。
【0117】
第10実施形態において、図10Aおよび図10Bに示すように、処理ロボット006の第一側において、六つの乾燥装置004が鉛直方向に沿って二層に分布している。また、複数の第一管路システム007が、乾燥装置004からなる各層の下方に、乾燥装置004内に超臨界流体を供給するために配置されている。処理ロボット006の第二側において、六つの洗浄室003が鉛直方向に沿って二層に分布している。
【0118】
第11実施形態
図11を参照されたい。第11実施形態もまた洗浄および乾燥設備を提供する。第10実施形態と比較した違いは以下の通りである。
【0119】
複数の乾燥装置004が処理ロボット006の第一側に配置されている。また、複数の洗浄室003が処理ロボット006の第二側に配置されている。
【0120】
洗浄室003は、単一基板洗浄またはバッチ式基板洗浄を実行することができる。具体的には、図11に示すように、洗浄室003は、バッチ式基板洗浄のために、化学液浄化槽0031、高速脱イオン水すすぎ槽(DI-QDR)0032、IPA槽0033、およびフリッピングIPA湿潤機構0034のうちいずれか一つ以上を備える。
【0121】
化学液浄化槽0031内の化学液は、HF、DHF、SC1、SPM、リン酸、SC2のうちいずれか一つ以上である。処理の必要に応じて、化学液浄化槽0031は複数の浄化槽を含むことができる。この場合、各浄化槽は異なる化学液を収容することができる。高速脱イオン水すすぎ槽(DI-QDR)0032は、基板の表面における粒子の不純物や残留する化学液を除去して基板の表面を清潔に保つように構成されている。洗浄処理の後、IPA槽0033は、イソプロピルアルコール(IPA)と水の相互溶解の原理を利用して基板の表面から湿気を除去する。フリッピングIPA湿潤機構0034は、基板をIPA槽0033から乾燥装置004に移動させる処理中に、基板の表面がIPAで覆われたままにするよう構成されている。
【0122】
具体的には、前端ロボット005は、洗浄される基板wを基板搬入口001から取り出してバッファ装置002に配置する。処理ロボット006は、洗浄される基板wをバッファ装置002から取り出してリン酸浄化槽0031、高速脱イオン水すすぎ槽(DI-QDR)0032、IPA槽0033、およびフリッピングIPA湿潤機構0034に順次に配置し、基板wに対して洗浄処理を実行する。洗浄処理の完了後、処理ロボット006は洗浄された基板wを洗浄室003から取り出して乾燥装置004に配置し、基板wに対して乾燥処理を行う。乾燥処理の完了後、処理ロボット006は乾燥装置004から乾いた基板wを取り出してバッファ装置002に配置する。その後、前端ロボット005は乾いた基板wをバッファ装置002から取り出して基板搬入口001に配置する。
【0123】
第11実施形態において、乾燥装置004は六つあり、六つの乾燥装置004は、処理ロボット006の第一側において、鉛直方向に沿って二層に分布している。また、洗浄室003は二つあり、二つの洗浄室003は、処理ロボット006の第二側において、鉛直方向に沿って二層に分布している。
【0124】
本実施形態における残りの構成は第10実施形態と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0125】
本発明の内容は、上記の好ましい実施形態を通じて詳細に説明されているが、上記の説明は本発明を限定するものとして考えられるべきではないと認識されたい。上記の説明を参照した当業者にとっては、本発明に対する様々な変形例や代替例が自明であるだろう。したがって、本発明の特許の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
【国際調査報告】