(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】sBCMAバリアント及びそのFC融合タンパク質を使用するIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/00 20060101AFI20240725BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240725BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240725BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20240725BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240725BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240725BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240725BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240725BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61K39/00 H
A61P37/02
A61P43/00 105
A61P13/12
A61P21/04
A61P25/00
A61P19/02
A61P11/00
A61P1/16
A61P17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508471
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022074868
(87)【国際公開番号】W WO2023019223
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523449768
【氏名又は名称】アクソ バイオファーマシューティカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【氏名又は名称】西藤 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【氏名又は名称】西藤 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100207295
【氏名又は名称】寺尾 茂泰
(72)【発明者】
【氏名】ジアッシア アマト ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ユー
(72)【発明者】
【氏名】チャン シン エリック
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085AA06
4C085BB11
4C085EE01
(57)【要約】
本発明は、自己免疫疾患及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生(例えば、IgA、IgM、及び/又はIgGなど)を低減する方法であって、対象に、sBCMAバリアント及び/又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物を投与することを含む、方法を対象とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己免疫疾患又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法であって、前記方法が、前記対象に、治療有効用量の可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含み、前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、
a)配列番号1と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、前記アミノ酸置換が、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、及び54からなる群から選択される位置番号にあり、番号付けが、EUインデックスによるものである、バリアントsBCMAドメインと、
b)任意選択的なリンカーと、
c)Fcドメインと、を含む、方法。
【請求項2】
正常なB細胞の生存率が変化しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、IgAの産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、IgMの産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、IgGの産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、IgA及びIgMの両方の産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、IgA及びIgGの両方の産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、IgM及びIgGの両方の産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、IgA、IgM、及びIgGの産生を低減する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記対象が、前記自己免疫疾患と診断されている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記自己免疫疾患が、IgA腎症、全身性エリテマトーデス、Churg-Strauss症候群、重症筋無力症、多発性硬化症、及び関節リウマチからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、前記線維症と診断されている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記線維症が、特発性肺線維症、非アルコール性脂肪性肝炎、強皮症、及び腎線維症からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記融合タンパク質が、N末端からC末端へ、
a)前記バリアントsBCMAドメインと、
b)前記任意選択的なリンカーと、
c)前記Fcドメインと、を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記融合タンパク質が、N末端からC末端へ、
a)前記Fcドメインと、
b)前記任意選択的なリンカーと、
c)前記バリアントsBCMAドメインと、を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記アミノ酸置換(複数可)が、前記位置のうちの1つ、前記位置のうちの2つ、前記位置のうちの3つ、前記位置のうちの4つ、前記位置のうちの5つ、前記位置のうちの6つ、前記位置のうちの7つ、前記位置のうちの8つ、又は前記位置のうちの9つで生じる、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記アミノ酸置換(複数可)が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記アミノ酸置換(複数可)が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、及びN53Eからなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記アミノ酸置換(複数可)が、S16G、H19Y、及びT36Aからなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、及びM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号67のアミノ酸配列を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号68のアミノ酸配列を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号69のアミノ酸配列を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号49のアミノ酸配列を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号74のアミノ酸配列を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記Fcドメインが、ヒトIgG Fcドメイン又はバリアントヒトIgG Fcドメインである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ヒトIgG Fcドメインが、ヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記Fcドメインが、バリアントヒトIgG Fcドメインである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記Fcドメインが、ヒトIgG1 Fcドメインである、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記リンカーが、配列番号87である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記リンカーが、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、及び(GGGS)nからなる群から選択され、式中、nが、1、2、3、4、及び5からなる群から選択される、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記リンカーが、配列番号88である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号80のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項45】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号81のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項46】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号82のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項47】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号83のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項48】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号84のアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
I.技術分野
本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生(例えば、IgA、IgM、及び/又はIgGなど)を低減する方法であって、対象に、可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアント及び/又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物を投与することを含む、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
II.背景技術
B細胞成熟抗原(BCMA)は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーのメンバーである。BCMAの細胞外ドメインのアミノ酸配列を、
図30に示す。例えば、BCMAは、TNFファミリーのβ細胞活性化因子(BAFF)及び増殖誘導リガンド(APRIL)の受容体である。抗体薬物コンジュゲート(ADC)を含む抗BCMA抗体は、BCMA二重特異性T細胞エンゲージング抗体及びBCMAを使用するCAR-T構築物と同様に、初期の試験におけるがんの治療で初期成功を示した。
【0003】
BAFFは、以前に、WO/0012964及びUS9,650,430B2(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。BAFFの細胞外ドメインのアミノ酸配列を、
図7に示す。BAFFは、B細胞の細胞生存及び成熟因子であり、BAFFの過剰産生は、全身性自己免疫疾患と関連している。ヒトでは、自己免疫性リウマチ性疾患、特に、全身性エリテマトーデス及びシェーグレン症候群を有する一定の割合の患者の血中に、高レベルのBAFFが検出可能である(Groom et al.J.Clin.Invest.,2002,109:59、Zhang et al.J.Immunol.,2001,166:6、Cheema et al.Arthritis Rheum.2001,44:1313(これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる))。BAFFはまた、T細胞の有効な共刺激因子であり、この共刺激は、もっぱらBAFF-Rを介して生じる(Ng et al.J.Immunol.,2004,173:807、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0004】
APRILは、以前に、WO99/12965及びUS7,276,241B2(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。APRILの細胞外ドメインのアミノ酸配列を、
図30に示す。APRILの発現及び機能の研究では、腫瘍細胞がこのタンパク質を利用して、急速な増殖を誘導することが示唆されている。加えて、APRILは、他の疾患環境、例えば、一部の自己免疫疾患(例えば、ループス)に関連して生じる疾患などの細胞増殖性疾患、又は細胞集団が急速に増殖する炎症性疾患(例えば、細菌性敗血症)(US7,276,241B2(これは、参照により本明細書に組み込まれる))においても作用する可能性がある。
【0005】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー13B(TNFRSF13B)としても知られている、膜貫通活性化因子及びCAML相互作用因子(TACI)は、III型膜貫通タンパク質である。いくつかのタンパク質(BAFF/BLys、APRIL、Syndecan-2)が、TACIリガンドとして特定されている。TACIとそのリガンドとの相互作用は、転写因子NFAT、AP1、及びNF-κBの活性化を誘導し、B細胞の増殖及び生存を調節することによって体液性免疫において決定的な役割を果たす。B細胞のTACI活性化は、抗体アイソタイプスイッチ及びT細胞非依存性抗体産生を含む、それらの分化及び成熟をもたらす(Chinen et al.J Allergy Clin Immunol.2011,127(6):1579、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0006】
APRIL及びBAFFは、BCMA、BAFF受容体(BAFFR)及びTACIなどの受容体に結合することができ、したがって、中和APRIL及び/又はBAFFを、BCMA、BAFFR、及び/又はTACIを介して変化したシグナル伝達経路から生じる疾患(例えば、がん、自己免疫疾患、及び線維症)の治療に使用することができる。
【0007】
患者(特に、免疫グロブリンのレベルが高い患者)における自己免疫疾患及び/又は線維性障害に対する現在の治療は、有効性が低いこと、生存率への影響が低いこと、重篤な副作用を引き起こす毒性、又はそれらの組み合わせにより不十分である。したがって、IgA、IgM、及び/又はIgGのレベルが高い患者において自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症を治療するための更なる方法を開発する必要がある。本発明は、少なくともこの必要性を満たす。
【0008】
本発明の目的は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維性障害(複数可)と診断された対象における免疫グロブリンの産生(例えば、IgA、IgM、及び/又はIgGなど)を低減する方法であって、対象に、可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアント及び/又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物を投与することを含む、方法を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
III.発明の概要
本発明は、とりわけ、自己免疫疾患及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量の可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアントタンパク質及び/又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、自己免疫疾患と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、自己免疫疾患と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。
【0010】
本発明は、とりわけ、自己免疫疾患及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量の可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアントタンパク質及び/又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、自己免疫疾患と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、自己免疫疾患と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgAの産生を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgMの産生を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgGの産生を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgA及びIgMの両方の産生を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgA及びIgGの両方の産生を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgM及びIgGの両方の産生を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、IgA、IgM、及びIgGの産生を低減する。
【0011】
一態様では、本発明は、自己免疫疾患又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量の可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含み、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、
a)配列番号1と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、当該アミノ酸置換が、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、及び54からなる群から選択される位置番号にあり、番号付けが、EUインデックスによるものである、バリアントsBCMAドメインと、
b)任意選択的なリンカーと、
c)Fcドメインと、を含む。
【0012】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、正常なB細胞の生存率が変化しない、方法を提供する。
【0013】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgAの産生を低減する、方法を提供する。
【0014】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgMの産生を低減する、方法を提供する。
【0015】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgGの産生を低減する、方法を提供する。
【0016】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgA及びIgMの両方の産生を低減する、方法を提供する。
【0017】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgA及びIgGの両方の産生を低減する、方法を提供する。
【0018】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgM及びIgGの両方の産生を低減する、方法を提供する。
【0019】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgA、IgM、及びIgGの産生を低減する、方法を提供する。
【0020】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、対象が、自己免疫疾患と診断されている、方法を提供する。
【0021】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、自己免疫疾患が、IgA腎症、全身性エリテマトーデス、Churg-Strauss症候群、重症筋無力症、多発性硬化症、及び関節リウマチからなる群から選択される、方法を提供する。追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、自己免疫疾患が、ループスである、方法を提供する。
【0022】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、対象が、線維症と診断されている、方法を提供する。
【0023】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、線維症が、特発性肺線維症、非アルコール性脂肪性肝炎、強皮症、及び腎線維症からなる群から選択される、方法を提供する。
【0024】
更なる態様では、本開示は、本明細書に開示される方法であって、当該融合タンパク質が、N末端からC末端へ:
a)当該バリアントsBCMAドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該Fcドメインと、を含む、方法を提供する。
【0025】
更なる態様では、本開示は、本明細書に開示される方法であって、当該融合タンパク質が、N末端からC末端へ:
a)当該Fcドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該バリアントsBCMAドメインと、を含む、方法を提供する。
【0026】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0027】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、当該位置のうちの1つ、当該位置のうちの2つ、当該位置のうちの3つ、当該位置のうちの4つ、当該位置のうちの5つ、当該位置のうちの6つ、当該位置のうちの7つ、当該位置のうちの8つ、又は当該位置のうちの9つで生じる、方法を提供する。
【0028】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される、方法を提供する。
【0029】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、及びN53Eからなる群から選択される、方法を提供する。
【0030】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、S16G、H19Y、及びT36Aからなる群から選択される、方法を提供する。
【0031】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、及びM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択される、方法を提供する。
【0032】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0033】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0034】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0035】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0036】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0037】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0038】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0039】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0040】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0041】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0042】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号67のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0043】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号68のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0044】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号69のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0045】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号49のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0046】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号74のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0047】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該Fcドメインが、ヒトIgG Fcドメイン又はバリアントヒトIgG Fcドメインである、方法を提供する。
【0048】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該ヒトIgG Fcドメインが、ヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む、方法を提供する。
【0049】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該Fcドメインが、バリアントヒトIgG Fcドメインである、方法を提供する。
【0050】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該Fcドメインが、ヒトIgG1 Fcドメインである、方法を提供する。
【0051】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該リンカーが、配列番号87である、方法を提供する。
【0052】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該リンカーが、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、及び(GGGS)nからなる群から選択され、式中、nが、1、2、3、4、及び5からなる群から選択される、方法を提供する。
【0053】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該リンカーが、配列番号88である、方法を提供する。
【0054】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号80のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0055】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号81のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0056】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号82のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0057】
更なる態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号83のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0058】
追加の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号84のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
IV.図面の簡単な説明
【
図2】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルの免疫細胞数を示す。
図2A、CD3+CD4+Tリンパ球。
図2B、CD3+CD8+細胞傷害性T細胞。
図2C、CD3-CD16+NK細胞。
図2D、CD3-CD19+PanB細胞。
図2E、CD3-CD20+成熟B細胞。
【
図3】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルの免疫細胞数を示す。
図3A、CD3+CD4+Tリンパ球。
図3B、CD3+CD8+細胞傷害性T細胞。
図3C、CD3-CD16+NK細胞。
図3D、CD3-CD19+PanB細胞。
図3E、CD3-CD20+成熟B細胞。
【
図4】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄(
図4A)及び雌(
図4B)カニクイザルの経時的な体重を示す。
【
図5】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄(
図5A)及び雌(
図5B)カニクイザルの経時的な総リンパ球数を示す。
【
図6】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける免疫グロブリンレベルの経時的な変化を示す。
【
図7】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける免疫グロブリンの経時的な変化を示す。
【
図8】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける血液学パネルIを示す。略語:RBC(赤血球)、HGB(ヘモグロビン)、HCT(ヘマトクリット)、MCV(平均赤血球体積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、RDW(赤血球分布幅)、RET(網状赤血球(絶対値))。
【
図9】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける血液学パネルIIを示す。略語:PLT(血小板)、WBC(白血球)、NEUT(好中球(絶対値))、LYMP(リンパ球(絶対値))、MONO(単球(絶対値))、EOS(好酸球(絶対値))、BASO(好塩基球(絶対値))。
【
図10】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける血液学パネルIを示す。略語:RBC(赤血球)、HGB(ヘモグロビン)、HCT(ヘマトクリット)、MCV(平均赤血球体積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、RDW(赤血球分布幅)、RET(網状赤血球(絶対値))。
【
図11】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける血液学パネルIIを示す。略語:PLT(血小板)、WBC(白血球)、NEUT(好中球(絶対値))、LYMP(リンパ球(絶対値))、MONO(単球(絶対値))、EOS(好酸球(絶対値))、BASO(好塩基球(絶対値))。
【
図12】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける凝固パネルを示す。略語:PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、FIB(フィブリノーゲン)。
【
図13】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける凝固パネルを示す。略語:PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、FIB(フィブリノーゲン)。
【
図14】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける化学パネルIを示す。略語:ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALP(アルカリホスファターゼ)、GGT(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ)、CK(クレアチンキナーゼ)、TBIL(総ビリルビン)、GLU(グルコース)。
【
図15】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける化学パネルIIを示す。略語:UREA(尿素)、CREA(クレアチニン)、TG(トリグリセリド)、CHOL(総コレステロール)、TP(総タンパク質)、ALB(アルブミン)、GLOB(グロブリン)。
【
図16】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおける化学パネルIIIを示す。略語:A/G(アルブミン/グロブリン比)、Na(ナトリウム)、K(塩化カリウム)、Cl(塩化物)、IgA(免疫グロブリンA)、IgG(免疫グロブリンG)、IgM(免疫グロブリンM)。
【
図17】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける化学パネルIを示す。略語:ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALP(アルカリホスファターゼ)、GGT(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ)、CK(クレアチンキナーゼ)、TBIL(総ビリルビン)、GLU(グルコース)。
【
図18】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける化学パネルIIを示す。略語:UREA(尿素)、CREA(クレアチニン)、TG(トリグリセリド)、CHOL(総コレステロール)、TP(総タンパク質)、ALB(アルブミン)、GLOB(グロブリン)。
【
図19】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおける化学パネルIIIを示す。略語:A/G(アルブミン/グロブリン比)、Na(ナトリウム)、K(塩化カリウム)、Cl(塩化物)、IgA(免疫グロブリンA)、IgG(免疫グロブリンG)、IgM(免疫グロブリンM)。
【
図20】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおけるサイトカインパネルIを示す。略語:PrD0M(投与前0分)、1HPD(投与後1時間)、3HPD(投与後3時間)、8HPD(投与後8時間)。
【
図21】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雄カニクイザルにおけるサイトカインパネルIIを示す。略語:PrD0M(投与前0分)、1HPD(投与後1時間)、3HPD(投与後3時間)、8HPD(投与後8時間)。
【
図22】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおけるサイトカインパネルIを示す。略語:PrD0M(投与前0分)、1HPD(投与後1時間)、3HPD(投与後3時間)、8HPD(投与後8時間)。
【
図23】単回用量毒性研究における、ビヒクル対照、並びに0.1mg/kg、1mg/kg、10mg/kg、及び100mg/kgのバリアントsBCMA Fcで処置された雌カニクイザルにおけるサイトカインパネルIIを示す。略語:PrD0M(投与前0分)、1HPD(投与後1時間)、3HPD(投与後3時間)、8HPD(投与後8時間)。
【
図24A】Febバッチ培養中11日目のsBCMAバリアントクローンプールの生細胞密度を示す。各行は、HyCell CHO又はBalanCD CHOで増殖したプールされたクローンの細胞増殖を表す。
【
図24B】Febバッチ培養中11日目のsBCMAバリアントクローンプールの生存率を示す。各行は、HyCell CHO又はBalanCD CHOで増殖したプールされたクローンの細胞増殖を表す。
【
図25】非還元(上)又は還元(下)形態のSDS-PAGEを使用する、PNGaseFの存在下及び不在下でのHyCell CHO又はBalanCD CHOにおけるsBCMAバリアントクローンのProA精製材料及びグリコシル化研究を示す。
【
図26】フェッドバッチ実験12日目のsBCMAバリアント単一細胞クローンの力価、IVCD、及び生存率を示す。IVCD(生細胞密度の積分)。
【
図27】フェッドバッチ実験12日目のsBCMAバリアントの上位10クローンのN-グリカンプロファイルを示す。
【
図28A】配列番号1に示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較した、sBCMAバリアントクローンの配列を示す。S3クローン#1~12の配列を示す。
【
図28B】配列番号1に示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較した、sBCMAバリアントクローンの配列を示す。S4クローン#13~41の配列を示す。
【
図28C】配列番号1に示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較した、sBCMAバリアントクローンの配列を示す。S5クローン#42~74の配列を示す。
【
図28D】配列番号1に示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較した、sBCMAバリアントクローンの配列を示す。S6クローン#75~118の配列を示す。
【
図29】配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、及び配列番号84に示されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。バリアントsBCMAドメインは下線で示され、リンカードメインは太字で示され、ヒトIgG1 Fcドメインは斜体で示されている。
【
図30】野生型ヒトBCMAの細胞外ドメイン(配列番号1)、APRILの細胞外ドメイン(配列番号85)、BAFFの細胞外ドメイン(配列番号86)、リンカードメイン(配列番号87)、及び別のリンカードメイン(配列番号88)のアミノ酸配列を示す。
【
図31】NZBWF1/Jマウス+PristaneにおけるループスモデルでのsBCMAバリアントの評価からの結果を示す。
【
図32】NZBWF1/Jマウス+PristaneにおけるループスモデルでのsBCMAバリアントの評価からの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
V.発明を実施するための形態
特許請求される本発明の主題をより明確かつ簡潔に指摘するために、以下の書面による説明及び添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語について、以下の定義が提供される。
【0061】
A.序論
本発明は、アミノ酸修飾を含むヒトBCMAの可溶性形態、例えば、バリアントsBCMAタンパク質の使用を対象とする。これらのバリアントsBCMAタンパク質は、BCMAリガンドであるヒトBAFF及び/又はヒトAPRILの一方又は両方に、野生型ヒトBCMAより強い親和性で結合する。APRIL及びBAFFは、BCMA、BAFFR、及びTACIなどの受容体に結合することができ、したがって、中和APRIL及び/又はBAFFを、BCMA、BAFFR、及び/又はTACIを介して変化したシグナル伝達経路から生じる疾患の治療に使用することができる。これらの疾患には、自己免疫疾患及び線維症が含まれる。中和APRIL単独が、APRILへの結合によって活性化されるBCMA及びTACI又は他の受容体を高レベルで発現する自己免疫疾患及び線維症の治療に有効であり得る。中和BAFF単独が、BAFFへの結合によって活性化されるBCMA、BAFFR、及びTACI、又は他の受容体を発現する線維症及び自己免疫疾患の治療に有効であり得る。したがって、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、より強固に結合することによって、したがって、優先的にリガンド(複数可)(例えば、APRIL及び/又はBAFF)に結合することによって、したがって、そうでなければ細胞の表面上のBCMA、BAFFR、及び/又はTACIとAPRIL又はBAFFとの間で生じるであろう正常な受容体シグナル伝達を変化させることによって、APRIL及び/又はBAFFとの結合を介して活性化されるBCMA、BAFFR、TACI、及び/又は任意の他の受容体を発現する免疫調節障害及び/又は線維性疾患を治療するために使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgG、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0064】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgAの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0065】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0066】
追加的に、いくつかの実施形態では、sBCMAバリアントは、概して、血流から迅速に除去される小さなタンパク質であるため、本発明は、本明細書で考察されるヒト又はバリアントFcドメインにsBCMAバリアントを連結する融合タンパク質を提供する。Fcドメインは、FcRn受容体への結合によって血清中での半減期を延長するため、sBCMAバリアント-Fcドメイン融合タンパク質の生成は、改善された療法をもたらす。したがって、本発明は、本明細書で「融合タンパク質」とも称されるsBCMAドメイン-Fcドメイン融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される融合タンパク質のsBCMAバリアント又はバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、APRILに対して増強された結合親和性を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される融合タンパク質のsBCMAバリアント又はバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、BAFFに対して増強された結合親和性を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される融合タンパク質のsBCMAバリアント又はバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、APRIL及びBAFFに対して増強された結合親和性を示す。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgG、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgAの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0071】
B.定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段の指定がない限り、それらに帰する意味を有する。
【0072】
本明細書で使用される「a」、「an」、又は「the」という用語は、1つのメンバーを有する態様を含むだけでなく、2つ以上のメンバーを有する態様も含む。例えば、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈による別途明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「薬剤」への言及は、当業者に既知の1つ以上の薬剤への言及を含むなどである。
【0073】
本明細書で使用される場合、本明細書における「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、及びペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を意味する。
【0074】
「単離された」という用語は、その自然環境を実質的に含まず、他のタンパク質を含まない分子を指す。例えば、単離されたタンパク質は、それが由来する細胞又は組織源からの細胞性材料又は他のタンパク質を実質的に含まない。「単離された」という用語はまた、単離されたタンパク質が、薬学的組成物として投与されるのに十分に純粋であるか、又は少なくとも約70%~80%、80%~90%、若しくは90%~95%(w/w)純粋であるか、又は少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%(w/w)純粋である、調製物を指す。具体的には、ポリペプチドは、「本質的に純粋な形態」であること、すなわち、ポリペプチド調製物が、天然に会合している他のポリペプチド材料を本質的に含まないことが好ましい。これは、例えば、周知の組換え方法によって、又は古典的な精製方法によって、ポリペプチドを調製することによって達成され得る。
【0075】
B細胞成熟抗原「BCMA」という用語は、Gras et al.International Immunology,1995,7:1093、Y.Laabi et al.EMBO J.,1992,11:3897に記載されているB細胞の成熟のためのタンパク質を指す。BCMAは、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。例えば、BCMAは、APRIL及びBAFFの受容体である。野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)を、表3及び
図30に示す。
【0076】
「リガンド」という用語は、生物学的目的を果たすために標的細胞の表面上に存在する受容体などの第2の生体分子に結合し、複合体を形成することが可能である、生体分子を指す。リガンドは、概して、例えば、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子-双極子結合、又はファンデルワールス力などの分子間力によって、標的タンパク質上の部位に結合する、エフェクター分子である。本発明において、APRIL及びBAFFは、リガンドタンパク質である。
【0077】
「受容体」という用語は、リガンドなどの第2の生体分子に結合し、複合体を形成することが可能である、標的細胞の表面上に存在する、生体分子を指す。受容体は、概して、特定のシグナル伝達経路を活性化する。例えば、BCMAは、TNFファミリーのメンバーであるAPRIL及びBAFFの受容体である。
【0078】
本明細書で使用される「位置」とは、タンパク質の配列中の場所を意味する。本発明のいくつかの実施形態では、位置は、成熟タンパク質(例えば、
図28に示されているヒトBCMAタンパク質)の最初のアミノ酸から開始して連続的に番号付けされる。いくつかの場合では、例えば、本明細書に記載の融合タンパク質のFcドメイン部分の場合、Fcドメインの位置は、連続的に、又は確立された形式(例えば、EUインデックス)に従って番号付けされ得る。EUインデックス、又はKabatにおけるようなEUインデックス、又はEU番号付けスキームは、EU番号付けを指す(SEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th edition,NIH publication,No.91-3242,E.A.Kabat et al.(参照により全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたく、また、Edelman et al.,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78-85(参照により全体が本明細書に組み込まれる)も参照されたい)。
【0079】
本明細書における「アミノ酸修飾」又は「アミノ酸配列修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、及び/又は欠失を意味する。
【0080】
本明細書で使用される「親タンパク質」とは、バリアントを生成するように後に修飾される出発タンパク質を意味する。親タンパク質は、天然に存在するタンパク質、又は天然に存在するタンパク質のバリアント若しくは操作されたバージョンであってもよい。親タンパク質は、タンパク質自体、親タンパク質を含む組成物、又はそれをコードするアミノ酸配列を指し得る。この文脈では、「親Fcドメイン」は、列挙されたバリアントに関連するものであり、したがって、「バリアントヒトIgG Fcドメイン」はヒトIgGの親Fcドメインと比較され、例えば、「バリアントヒトIgG1 Fcドメイン」はヒトIgG1の親Fcドメインと比較されるなどである。
【0081】
本明細書における「野生型」又は「WT」とは、対立遺伝子変異を含む、天然に見出されるアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を意味する。WTタンパク質は、天然には存在しない配列に意図的に修飾されていないアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を有する。
【0082】
本明細書で使用される「バリアントタンパク質」又は「タンパク質バリアント」又は「バリアント」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親タンパク質のそれとは異なるアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。例えば、本明細書で使用される「バリアントsBCMA」又は「sBCMAバリアント」とは、以下に概説されるように、少なくとも1つのアミノ酸配列の修飾に基づいて親sBCMAタンパク質のそれとは異なるが、依然として同族リガンドに結合する能力を保持するアミノ酸配列を有するタンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、親タンパク質は、ヒト野生型配列である。いくつかの実施形態では、親タンパク質は、バリアントを含むヒト配列である。タンパク質バリアントは、タンパク質自体、タンパク質を含む組成物、又はそれをコードするアミノ配列を指し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質バリアントは、1つの位置、2つの位置、3つの位置、4つの位置、5つの位置、6つの位置、7つの位置、8つの位置、9つの位置、又は10の位置にアミノ酸置換(複数可)を有する。本明細書におけるタンパク質バリアント配列は、親タンパク質配列と少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、又は98%の配列同一性を有し、好ましくは、少なくとも約85%、86%、88%、90%、93%、又は95%の配列同一性を有する。2つのアミノ酸配列間、又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」又は「同一性」によって説明される。本発明のアミノ酸配列(「本発明の配列」)と、特許請求の範囲で言及される親アミノ酸配列(例えば、配列番号1)との間の同一性の程度は、「本発明の配列」の長さ又は親アミノ酸配列の長さのうちの短い方で割った、2つの配列のアライメントにおける正確な一致の数として計算される。その結果は、以下で計算されるパーセント同一性で表される。
【0083】
本発明の目的のために、配列番号1に示されるsBCMAの細胞外ドメインを親タンパク質として使用して、sBCMAバリアントにおける対応するアミノ酸配列修飾を決定する。sBCMAバリアントタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列とアライメントされ、そのアライメントに基づいて、配列番号1に開示される任意のアミノ酸残基に対応するアミノ酸位置番号は、EMBOSSパッケージのNeedleプログラムで実装されるNeedleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443-453)(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)(好ましくはバージョン5.0.0以降)を使用して決定される。使用されるパラメータは、ギャップオープンペナルティが10、ギャップエクステンションペナルティが0.5、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。「最長の同一性」とラベル付けされたNeedleの出力(-ノーブリーフ(nobrief)オプションを使用して取得された)は、パーセント同一性として使用され、以下のように計算される:
【0084】
(同一の残基×100)/(アライメントの長さ-アライメントのギャップの総数)。
【0085】
別のsBCMAバリアントにおける対応するアミノ酸残基の特定は、限定されないが、MUSCLE(対数期待値による多重配列比較;バージョン3.5以降;Edgar,2004,Nucleic Acids Research 32:1792-1797)、MAFFT(バージョン6.857以降;Katoh and Kuma,2002,Nucleic Acids Research 30:3059-3066;Katoh et al.,2005,Nucleic Acids Research 33:51 1-518;Katoh and Toh,2007,Bioinformatics 23:372-374;Katoh et al.,2009,Methods in Molecular Biology 537:39-64;Katoh and Toh,2010,Bioinformatics 26:1899-1900)、ClustalWを用いるEMBOSS EMMA(1.83以降;Thompson et al.,1994,Nucleic Acids Research 22:4673-4680)、及びClustal Omegaを用いるEMBL-EBI(Sievers and Higgins,2014,Methods Mol Biol.2014;1079:105-16)を含むいくつかのコンピュータプログラムを使用して、それぞれのデフォルトパラメータを使用して、複数のポリペプチド配列をアライメントすることによって決定することができる。
【0086】
他のバリアントポリペプチドが野生型sBCMAから分岐しており、それらの関係が従来の配列ベースの比較では検出できない場合(Lindahl and Elofsson,2000,J.Mol.Biol.295:613-615)、他のペアワイズ配列比較アルゴリズムを使用することができる。ポリペプチドファミリー(プロファイル)の確率的表現を利用してデータベースを検索する検索プログラムを使用して、配列ベースの検索の感度を更に高めることができる。例えば、PSI-BLASTプログラムは、反復データベース検索プロセスによってプロファイルを生成し、遠隔のホモログを検出することができる(Atschul et al.,1997,Nucleic Acids Res.25:3389-3402)。ポリペプチドのファミリー又はスーパーファミリーが、タンパク質構造データベースに1つ以上の代表例を有する場合、更に高い感度を達成することができる。GenTHREADER(Jones,1999,J.Mol.Biol.287:797-815; McGuffin and Jones,2003,Bioinformatics 19:874-881)などのプログラムは、様々なソース(PSI-BLAST、二次構造予測、構造アライメントプロファイル、及び溶媒和電位)からの情報を、クエリ配列の構造的折り畳みを予測するニューラルネットワークへの入力として利用する。同様に、Gough et al.,2000,J.Mol.Biol.313:903-919の方法を使用して、未知の構造の配列を、SCOPデータベースに存在するスーパーファミリーモデルとアライメントさせることができる。これらのアライメントは、次に、ポリペプチドの相同性モデルを生成するために使用することができ、そのようなモデルは、その目的のために開発された様々なツールを使用して、精度について評価することができる。
【0087】
タンパク質の構造が既知である場合、構造アライメントを取得及び生成するためのいくつかのツール及びリソースが利用可能である。例えば、タンパク質のSCOPスーパーファミリーは構造的にアライメントされており、それらのアライメントは、アクセス可能かつダウンロード可能である。2つ以上のタンパク質構造を、距離アライメントマトリックス(Holm and Sander,1998,Proteins 33:88-96)又はコンビナトリアルエクステンション(Shindyalov and Bourne,1998,Protein Engineering 11:739-747)などの様々なアルゴリズムを使用してアライメントさせることができ、これらのアルゴリズムの実装を更に利用して、可能な構造ホモログを発見するために、目的の構造で構造データベースを照会することができる(例えば、Holm and Park,2000,Bioinformatics 16:566-567)。
【0088】
本発明のバリアントを説明する際、以下に記載される命名法は、参照しやすいように適合されている。標準的に受け入れられているIUPACの1文字又は3文字のアミノ酸の略語が用いられている。
【0089】
アミノ酸置換に関して、以下の命名法が本明細書で使用される:元のアミノ酸、位置、置換されたアミノ酸。したがって、43位のアラニンのバリンへの置換は、「Ala43Val」又は「A43V」として示される。複数の変異は、スラッシュマーク(「/」)で区切られる。例えば、「N11D/S16G/N31S」は、それぞれ、11位、16位、及び31位での置換を表す。表1に、20種類のアミノ酸の各々の名前、3文字の略語、及び1文字の略語を示す。
【表1】
【0090】
「核酸構築物」という用語は、一本鎖又は二本鎖のいずれかであり、天然に存在する遺伝子から単離されるか、又はそうでなければ天然に存在しない若しくは合成である様式で核酸のセグメントを含むように修飾され、1つ以上の対照配列を含む核酸分子を指す。
【0091】
「作動可能に連結された」という用語は、制御配列がコード配列の発現を指示するように、制御配列がポリヌクレオチドのコード配列に対して適切な位置に配置されている構成を指す。
【0092】
本明細書で使用される「Fcバリアント」又は「バリアントFc」は、親Fcドメインと比較して少なくとも1つのアミノ酸配列修飾を含む、タンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、親Fcドメインは、IgG1、IgG2、又はIgG3からのFc領域などの、ヒト野生型Fc配列である。いくつかの実施形態では、親Fcドメインは、バリアントを含むヒトFc配列である。ヒトIgGのFcドメインに関する本発明で考察される全ての位置については、別途記載がない限り、アミノ酸位置の番号付けは、EUインデックスに従う。修飾は、本明細書に概説される付加、欠失、置換、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。代替的には、バリアントFcドメインは、親Fcドメインに対する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20のアミノ酸修飾を有し得る。追加的に、本明細書で考察されるように、本明細書におけるバリアントFcドメインは、非変性ゲル電気泳動などの本明細書に記載の既知の技術を使用して測定して、別のFcドメインとともに二量体を形成する能力、並びにFcRn受容体に結合する能力を依然として保持する。
【0093】
本明細書における「可溶性BCMA」又は「sBCMA」という用語は、細胞外ドメイン(ECD)又はその断片若しくは切断されたバージョンを含むが、BCMAの膜貫通ドメイン又は細胞質(細胞内)ドメイン全体を含むわけではない、BCMAの可溶性部分を意味する。ヒト野生型sBCMAのECDを、配列番号1として示す。いくつかの実施形態では、親野生型sBCMAドメインは、後述するように、切断された野生型sBCMAが生物学的活性(例えば、APRIL及び/又はBAFFに結合する生物学的活性)を保持している限り、N末端切断及び/又はC末端切断を有し得る。
【0094】
「sBCMAバリアント」又は「バリアントsBCMA」という用語は、少なくとも1つのアミノ酸配列修飾に基づいて、親sBCMAタンパク質のバリアントを指す。いくつかの実施形態では、親タンパク質は、ヒト野生型sBCMAである。いくつかの実施形態では、sBCMAバリアントは、APRIL及び/又はBAFFなどのTGFファミリーメンバー(複数可)への特異的結合を保持するが、アミノ酸配列修飾(例えば、アミノ酸置換)を有し、野生型sBCMAと比較して、N末端又はC末端切断を有し得る。この場合の特異的結合は、ELISA、Biacore、Sapidyne KinExA、又はフローサイトメトリー結合分析などの任意の適切な結合アッセイによって判定されるものであり、これらのアッセイはまた、以下に概説されるように、結合親和性を判定するために使用することができる。本明細書で考察されるように、sBCMAバリアントは、場合によっては、野生型sBCMAと比較して、TGFファミリーメンバー(例えば、APRIL及び/又はBAFF)に対する増加した結合親和性を有し得る。
【0095】
「結合親和性」という用語は、タンパク質、例えば、受容体又はそのバリアントと配位結合を形成する、リガンド又はそのバリアントの能力を指す。リガンドとタンパク質との間の結合親和性は、平衡解離定数(equilibrium dissociation constant、Kd)、リガンドとタンパク質(例えば、受容体又はそのバリアント)との間のkoff/kon比によって表すことができる。Kd及び結合親和性は、反比例する。例えば、Kd値は、TGFファミリーメンバーに結合するのに必要なsBCMAバリアントの濃度に関連し、より低いKd値(より低いsBCMAバリアント濃度)は、TGFファミリーメンバーに対するより高い結合親和性に対応する。高い結合親和性は、リガンドとタンパク質との間のより高い分子間力に対応する。低い結合親和性は、リガンドとタンパク質との間のより低い分子間力に対応する。いくつかの場合では、リガンドの結合親和性の増加は、例えば、少なくとも1.4倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.8倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも500倍、又はそれ以上のオフ速度の減少として表すことができる。
【0096】
特定のリガンド又はそのバリアントへの「特異的結合」、又は「~に特異的に結合する」、又は「~に特異的である」とは、測定可能なほどに非特異的相互作用とは異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、概して、結合活性を持たない同様の構造の分子である対照分子の結合と比較した分子の結合を判定することによって、測定することができる。例えば、特異的結合は、標的に類似する対照分子との競合によって判定することができる。いくつかの実施形態では、結合親和性は、標準的なBiacoreアッセイなどの、上で考察したような当業者によって理解される任意の適切なアッセイを使用して測定される。
【0097】
特定のリガンド又はそのバリアントに対する特異的結合は、例えば、別のリガンドタンパク質に対して、少なくとも約10-4M、少なくとも約10-5M、少なくとも約10-6M、少なくとも約10-7M、少なくとも約10-8M、少なくとも約10-9M、あるいは少なくとも約10-10M、少なくとも約10-11M、少なくとも約10-12M、少なくとも約10-15M、又はそれ以上のKdを有するタンパク質によって示され得、Kdは、特定のタンパク質-リガンド相互作用の解離速度を指す。いくつかの実施形態では、本発明のバリアントsBCMA(複数可)は、対照分子と比較して、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1,000倍、5,000倍、10,000倍、又はそれ以上大きい結合親和性でリガンドに結合する。
【0098】
本明細書で使用される「残基」とは、タンパク質における位置及びその関連するアミノ酸同一性を意味する。例えば、アスパラギン297(Asn297又はN297とも称される)は、ヒト抗体IgG1中の297位の残基である。
【0099】
本明細書において「ヒンジ」又は「ヒンジ領域」又は「抗体ヒンジ領域」又は「ヒンジドメイン」とは、抗体の第1の定常ドメインと第2の定常ドメインと間のアミノ酸を含む可動性ポリペプチドを意味する。構造的に、IgG CH1ドメインはEUの215位で終わり、IgG CH2ドメインは残基EUの231位で始まる。したがって、IgGの場合、抗体のヒンジは、216位(IgG1ではE216)から230位(IgG1ではP230)を含むように本明細書で定義され、番号付けは、KabatにおけるようなEUインデックスに従う。いくつかの場合では、「ヒンジ断片」が使用され、これは、ヒンジドメインのN末端又はC末端のいずれか又は両方により少ないアミノ酸を含む。本明細書に概説されるように、いくつかの場合では、ヒンジを含むFcドメインが使用され、ヒンジは、概して可動性リンカーとして使用される。(追加的に、本明細書で更に記載されるように、ヒンジを有するか又は有さないかのいずれかの追加の可動性リンカー成分が使用され得る)。
【0100】
本明細書で使用される「Fc」又は「Fc領域」若しくは「Fcドメイン」とは、IgG分子のCH2-CH3ドメインを含むポリペプチドを意味し、いくつかの場合では、ヒンジを含む。ヒトIgG1のEU番号付けでは、CH2-CH3ドメインは、アミノ酸231~447を含み、ヒンジは、216~230である。したがって、「Fcドメイン」の定義には、アミノ酸231~447(CH2-CH3)若しくは216~447(ヒンジ-CH2-CH3)の両方、又はそれらの断片が含まれる。したがって、Fcは、IgA、IgD、及びIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、IgE及びIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメインを指し、いくつかの場合では、これらのドメインに対する可動性ヒンジN末端を含む。IgA及びIgMでは、Fcは、J鎖を含み得る。IgGでは、Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCγ2及びCγ3を含み、いくつかの場合では、Cγ1とCγ2との間に下部ヒンジ領域を含む。この文脈における「Fcフラグメント」は、N末端及びC末端のいずれか又は両方のより少ないアミノ酸を含んでもよいが、概して、サイズに基づく標準的な方法(例えば、非変性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなど)を使用して検出できるように、別のFcドメイン又はFcフラグメントとダイマーを形成する能力を依然として保持する。ヒトIgG Fcドメインは、本発明において特に有用であり、ヒトIgG1、IgG2、又はIgG3からのFcドメインであり得る。一般に、IgG1及びIgG2が、IgG3よりも頻繁に使用される。いくつかの実施形態では、例えば、1つ以上のFcγR受容体若しくはFcRn受容体への結合を変化させるために、及び/又はインビボでの半減期を増加させるために、Fc領域に対してアミノ酸配列修飾が行われる。
【0101】
本明細書で使用される「IgGサブクラス修飾」又は「アイソタイプ修飾」とは、1つのIgGアイソタイプの1個のアミノ酸を、異なる、アライメントしたIgGアイソタイプの対応するアミノ酸に交換するアミノ酸配列修飾を意味する。例えば、EUの296位においてIgG1はチロシンを含み、IgG2はフェニルアラニンを含むので、IgG2におけるF296Y置換は、IgGサブクラス修飾であるとみなされる。同様に、241位に、IgG1はプロリンを有し、IgG4はセリンを有するため、S241Pを有するIgG4分子は、IgGサブクラス修飾であるとみなされる。本明細書では、サブクラス修飾はアミノ酸置換とみなされることに留意されたい。
【0102】
本明細書で使用される「アミノ酸」及び「アミノ酸同一性」とは、DNA及びRNAによってコードされている20種の天然に存在するアミノ酸のうちの1つを意味する。
【0103】
本明細書で使用される「エフェクター機能」とは、抗体Fc領域とFc受容体又はリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を意味する。エフェクター機能としては、限定されないが、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)、及び補体依存性細胞傷害(CDC)が挙げられる。多くの場合において、異なるIgGアイソタイプ(例えば、IgG4)又はFcドメインにおけるアミノ酸置換のいずれかを使用して、ほとんど又は全てのエフェクター機能を除去することが望ましく、しかしながら、FcRn受容体への結合を保持することが望ましいのは、これがヒト血清中の融合タンパク質の半減期に寄与するためである。
【0104】
本明細書で使用される「FcRn」又は「新生児Fc受容体」とは、IgG抗体のFc領域に結合し、少なくとも部分的にFcRn遺伝子によってコードされるタンパク質を意味する。
【0105】
本明細書で使用される「標的細胞」とは、標的ポリペプチド又はタンパク質を発現する細胞を意味する。
【0106】
本明細書の本発明によるバリアントsBCMA又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を産生する文脈における「宿主細胞」とは、バリアントsBCMA又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の成分をコードする外因性核酸を含み、好適な条件下でそのようなバリアントsBCMA又はFc融合タンパク質を発現できる細胞を意味する。好適な宿主細胞については、以下に記載する。
【0107】
本明細書において「改善された活性」又は「改善された機能」とは、少なくとも1つの生化学的特性の望ましい変化を意味する。この文脈における改善された機能は、所望の特性の増加(例えば、APRIL及び/又はBAFFに対する結合親和性及び/又は特異性の増加、タンパク質の安定性の増加、インビボでの半減期の増加など)を伴う、特定の活性のパーセンテージの増加又は減少として、又は「倍率」の変化として測定することができる。一般に、パーセンテージ変化は、100%未満の生化学的活性の変化について記載するために使用され、倍率変化は、(親タンパク質と比較して)100%超の生化学的活性の変化について記載するために使用される。本発明では、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、及び99%の生化学的活性のパーセンテージ変化(通常は増加)を達成することができる。本発明では、「増加倍数」(又は減少倍数)は、親タンパク質と比較して測定される。多くの実施形態では、改善は、少なくとも1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、50倍、100倍、200倍、又はそれ以上である。
【0108】
C.sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質
本発明のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、バリアントsBCMAドメイン、Fcドメイン、及び任意選択的に、バリアントsBCMAドメインをFcドメインと連結するリンカーを含む組成物を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される組成物であって、当該融合タンパク質が、N末端からC末端へ、
a)当該バリアントsBCMAドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該Fcドメインと、を含む、組成物を提供する。
【0110】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される組成物であって、当該融合タンパク質が、N末端からC末端へ、
a)当該Fcドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該バリアントsBCMAドメインと、を含む、組成物を提供する。
【0111】
D.バリアントsBCMAタンパク質及びドメイン
本発明は、バリアントsBCMAタンパク質を、独立して、及びFcドメインと融合されたsBCMAドメインとしての融合タンパク質構築物として提供する。本発明のバリアントsBCMAタンパク質は、ヒトBCMAの可溶性ECDの少なくとも一部分、概して、アミノ酸バリアントを有する、
図30に示されるECDドメイン全体(配列番号1)を含む。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質又はsBCMAバリアントは、Biacore又はOctetアッセイなどの、当該技術分野における結合親和性アッセイによって判定され、以下に考察される野生型sBCMAと比較して、APRIL及び/又はBAFFに対する増加した結合親和性及び/又は特異性を示す。
【0112】
いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、APRIL及び/又はBAFFに結合して、内因性BCMA、BAFFR、及びTACI受容体とのそれらの相互作用を緩和又は遮断するアンタゴニストである。バリアントsBCMAタンパク質をアンタゴニストとして使用して、BCMA、BAFFR、TACI、並びに/又はAPRIL及び/若しくはBAFFへの結合によって活性化される他の受容体、具体的には、腫瘍療法/化学療法、免疫調節及び/若しくは線維性疾患を介して変化したシグナル伝達経路に関連する状態を治療することができる。
【0113】
追加の実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、APRILを発現する自己免疫疾患を有する対象におけるAPRILの活性を阻害する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0114】
追加の実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、BCMA、TACI、及び/又はAPRILへの結合によって活性化される他の受容体を発現する自己免疫疾患を有する対象におけるAPRILの活性を阻害する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0115】
更なる実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、APRILを発現する線維症を有する対象におけるAPRILの活性を阻害する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0116】
更なる実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、BCMA、TACI、及び/又はAPRILへの結合によって活性化される他の受容体を発現する線維症を有する対象におけるAPRILの活性を阻害する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0117】
追加の実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、バリアントsBCMAタンパク質がBAFFに結合する、対象におけるB細胞増殖、免疫グロブリン産生、又はその両方を阻害する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0118】
更なる実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、BCMA、BAFFR、TACI、及び/又はBAFFへの結合によって活性化される他の受容体を発現するB細胞過形成又は自己免疫疾患を有する対象におけるBAFFの活性を阻害する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0119】
追加の実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、対象においてBCMA、BAFFR、TACI、及びBAFFに結合することによって活性化される他の受容体(複数可)からなる群から選択される少なくとも1つの受容体を発現する自己免疫疾患を治療する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0120】
更なる実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、対象においてBAFF及び/又はAPRILを発現する自己免疫疾患を治療する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0121】
追加の実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、対象におけるBCMA、BAFFR、及び/又はTACIを発現する線維症を治療する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0122】
追加の実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質(単離されたタンパク質として、又は本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインとしてのいずれか)は、対象におけるBAFF及び/又はAPRILを発現する線維症を治療する方法で使用することができ、当該方法は、対象に、治療有効用量の本明細書に開示される1つ以上の当該バリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAタンパク質は、野生型sBCMAと比較して、アミノ酸の置換、欠失、若しくは挿入、又はそれらの任意の組み合わせを含み、野生型sBCMAと比較して、APRIL、BAFFのいずれか又は両方へのそれらの結合活性を増加させる。
【0124】
本開示は、親sBCMAと比較して、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)の位置に少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAタンパク質(複数可)を提供する。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAは、親sBCMAと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%、しかし100%未満の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、親sBCMAドメインは、ヒト野生型sBCMAである。いくつかの実施形態では、親sBCMAドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAは、配列番号1と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%、しかし100%未満の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、バリアントsBCMAは、切断されたバリアントsBCMAが本明細書に概説される結合アッセイのうちの1つによって測定される生物学的活性(例えば、APRIL及び/又はBAFFへの結合活性)を保持する限り、野生型sBCMAと比較して、N末端及び/又はC末端切断を有し得る。明確にするために、本発明のバリアントBCMAは、配列番号1と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、したがって、配列番号1ではない。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のバリアントsBCMAは、野生型sBCMAポリペプチド/ドメインよりも強い、TGFファミリーメンバー(すなわち、APRIL及び/又はBAFF)に対する結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAは、野生型sBCMAのものよりも少なくとも1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、又はそれ以上である、APRIL及び/又はBAFFに対する結合親和性を有する。
【0126】
特定の実施形態では、APRIL及び/又はBAFFに対するバリアントsBCMAの結合親和性は、野生型sBCMAのものと比較して、少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又はそれ以上増加する。他の実施形態では、本発明のバリアントsBCMAタンパク質は、APRIL及び/又はBAFFとの結合に対して約1×10-8M、1×10-9M、1×10-10M、1×10-12M、又は1×10-15M未満のKd値を有する。更に他の実施形態では、sBCMAバリアントは、インビボ、インビトロのいずれか又は両方でのAPRIL及び/又はBAFFへの野生型sBCMAの結合を阻害するか又はそれらに競合する。
【0127】
1.特定のバリアントsBCMAタンパク質
本発明は、配列番号1と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAを含む組成物であって、当該アミノ酸置換が、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、及び54からなる群から選択される位置番号にあり、番号付けが、EUインデックスによるものである、組成物を提供する。
【0128】
好ましい実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで1位のメチオニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、プロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、及びM1Vから選択される。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで2位のロイシンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、プロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、L2C又はL2Sである。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで3位のグルタミンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、Q3P又はQ3Rである。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで4位のメチオニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、M4E、M4I、M4T、及びM4Vから選択される。
【0133】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで5位のアラニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、A5Tである。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで6位のグリシンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、G6Eである。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで7位のグルタミンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、Q7Rである。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで9位のセリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、S9A、S9F、及びS9Pから選択される。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで10位のグルタミンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、Q10H、Q10P、及びQ10Rから選択される。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで11位のアスパラギンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、N11D又はN11Sである。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで12位のグルタミン酸のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、E12Kである。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで14位のフェニルアラニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、F14Lである。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで16位のセリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、S16G、S16N、及びS16Rから選択される。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで19位のヒスチジンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、H19L又はH19Yである。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで20位のアラニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、A20V又はA20Tである。
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで22位のイソロイシンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、I22M又はI22Vである。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで23位のプロリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、P23Sである。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで25位のグルタミンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、Q25Rである。
【0147】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで26位のロイシンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、L26Fである。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで29位のセリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、S29Aである。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで31位のアスパラギンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、N31D又はN31Sである。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで32位のスレオニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、T32A、T32I、及びT32Pから選択される。
【0151】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで35位のロイシンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、L35S又はL35Pである。
【0152】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで36位のスレオニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、T36A、T36I、及びT36Pから選択される。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで38位のグルタミンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、Q38Rである。
【0154】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで39位のアルギニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、R39Hである。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで42位のアスパラギンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、N42D、N42R、及びN42Sから選択される。
【0156】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで43位のアラニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、A43T又はA43Vである。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで44位のセリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、S44D、S44G、S44N、及びS44Rから選択される。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで45位のバリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、V45A又はV45Mである。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで46位のスレオニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、T46A又はT46Iである。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで47位のアスパラギンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、N47D、N47K、N47R、及びN47Sから選択される。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで48位のセリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、S48L、S48P、及びS48Tから選択される。
【0162】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで49位のバリンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、V49A又はV49Mである。
【0163】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで50位のリジンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、K50E、K50G、K50R、及びK50Tから選択される。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで51位のグリシンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、G51Eである。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで52位のスレオニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19種類の天然に存在するアミノ酸、セリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、T52A又はT52Mである。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで53位のアスパラギンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、N53D、N53K、及びN53Sから選択される。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、成熟領域から始まる位置番号付けで54位のアラニンのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、及びチロシンのうちの任意の他のものによるものであり、いくつかの実施形態では、システイン(ジスルフィド形成の可能性に起因する)又はプロリン(立体効果に起因する)を利用しない。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、A54V又はA54Tである。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、及びN53Eからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、S16G、H19Y、及びT36Aからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、及びM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0178】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0180】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0181】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0182】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号67のアミノ酸配列を有する。
【0183】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号68のアミノ酸配列を有する。
【0184】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号69のアミノ酸配列を有する。
【0185】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号49のアミノ酸配列を有する。
【0186】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号74のアミノ酸配列を有する。
【0187】
表2に、クローン番号、配列番号1のアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換、及び例示的なバリアントsBCMAタンパク質の割り当てられた配列番号を示す。
【表2-1】
【表2-2】
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号1と比較して、APRIL又はBAFFに対する増強された結合親和性を示す。
【0189】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号1と比較して、APRIL及びBAFFに対する増強された結合親和性を示す。
【0190】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号80のアミノ酸配列を有する。
【0191】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号81のアミノ酸配列を有する。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号82のアミノ酸配列を有する。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号83のアミノ酸配列を有する。
【0194】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号84のアミノ酸配列を有する。
【0195】
2.結合親和性を測定するためのアッセイ
本明細書に概説されるように、本発明は、ヒトAPRIL及び/又はヒトBAFFのいずれか又は両方に対して増加した結合親和性を示すこれらのバリアントを含むsBCMAバリアント及び融合タンパク質を提供する。この文脈において、増加した結合親和性は、以下に概説されるように、インビトロ又はエクスビボ研究で、ヒト野生型BCMA又は配列番号1と比較される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、野生型sBCMAポリペプチド/ドメイン及び/又は配列番号1よりも強いTGFファミリーメンバー(例えば、APRIL及び/又はBAFF)に対する結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAドメインは、野生型sBCMA及び/又は配列番号1よりも少なくとも1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、又はそれ以上であるAPRIL及び/又はBAFFに対する結合親和性を有する。
【0196】
APRIL及び/又はBAFFに結合するsBCMAバリアントの能力は、例えば、アッセイプレート上にコーティングされたAPRIL及び/又はBAFFに結合する推定リガンドの能力によって判定することができる。代替的には、APRIL及び/又はBAFFに対するsBCMA(バリアント)の結合親和性は、微生物細胞表面、例えば、酵母細胞表面上にsBCMA(バリアント)を提示し、結合した複合体を、例えば、フローサイトメトリーによって検出することによって判定することができる(実施例3を参照されたい)。APRIL及び/又はBAFFに対するsBCMA(バリアント)の結合親和性は、限定されないが、放射性リガンド結合アッセイ、非放射性(蛍光)リガンド結合アッセイ、Biacore(商標)、Octet(商標)などの表面プラズモン共鳴(SPR)、プラズモン-導波路型共鳴(PWR)、熱力学的結合アッセイ、全細胞リガンド結合アッセイ、及び構造に基づくリガンド結合アッセイを含む、当業者によって理解されるであろう任意の適切な方法を使用して測定することができる。
【0197】
3.融合タンパク質の形式
本明細書に記載されるように、融合タンパク質の形式は、いくつかの構成をとる場合があり、成分ドメインが、タンパク質中で順序が切り替わる(N末端からC末端へ)。一実施形態では、融合タンパク質は、N末端からC末端へ、バリアントsBCMAドメイン-ドメインリンカー-Fcドメインを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、N末端からC末端へ、Fcドメイン-ドメインリンカー-バリアントsBCMAドメインを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは使用されず、その場合、融合タンパク質は、N末端からC末端へ、バリアントsBCMAドメイン-Fcドメイン又はFcドメイン-バリアントsBCMAドメインのいずれかを含む。いくつかの場合では、同じ融合タンパク質が、いくらか異なってラベル付けされ得ることに留意されたい。例えば、Fcドメインがヒンジドメインを含む場合、バリアントsBCMAドメイン-Fcドメインを含む融合タンパク質は、ヒンジドメインの形態のリンカーを依然として含む。代替的には、この同じタンパク質は、Fcドメインに含まれるヒンジドメインを有さない場合があり、その場合、融合タンパク質は、バリアントsBCMAドメイン-CH2-CH3を含む。
【0198】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるバリアントsBCMA-Fc融合タンパク質を提供し、Fcドメインが、ヒンジドメインを含み、バリアントsBCMAドメインが、ヒンジドメイン:バリアントsBCMAドメイン-ヒンジドメイン-CH2-CH3によってFcドメインと連結される。
【0199】
いくつかの実施形態では、本開示は、上記のバリアントsBCMA-Fc融合タンパク質を提供し、Fcドメインが、ヒンジドメインを含み、バリアントsBCMAドメインが、本明細書に記載される追加のリンカーによってFcドメインと連結される。すなわち、融合タンパク質は、N末端からC末端へ、バリアントsBCMAドメイン-ドメインリンカー-ヒンジドメイン-CH2-CH3、バリアントsBCMAドメイン-ドメインリンカー-CH2-CH3、ヒンジドメイン-CH2-CH3-ドメインリンカー-バリアントsBCMAドメイン、又はCH2-CH3-ドメインリンカー-バリアントsBCMAドメインであり得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、本開示は、上記のバリアントsBCMA-Fc融合タンパク質を提供し、Fcドメインが、ヒンジドメインを含まず、バリアントsBCMAドメインが、本明細書に記載されるドメインリンカー(例えば、非ヒンジ)によってFcドメインと連結される。
【0201】
いくつかの実施形態では、本開示は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、
a)配列番号1と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、当該アミノ酸置換が、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、及び54からなる群から選択される位置番号にあり、番号付けが、EUインデックスによるものである、バリアントsBCMAドメインと、
b)任意選択的なリンカーと、
c)Fcドメインと、を含む、組成物を提供する。
【0202】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、N末端からC末端へ、
a)当該バリアントsBCMAドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該Fcドメインと、を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、N末端からC末端へ、
a)当該Fcドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該バリアントsBCMAドメインと、を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のバリアントsBCMAドメインは、APRIL及び/又はBAFFに対する結合親和性を増加させるのに役立つ。様々な実施形態では、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の(バリアント)Fcドメインは、融合タンパク質の半減期を増加させる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、線維症及び/又は免疫調節性疾患を治療するために使用される。
【0205】
表3に、指定されたタンパク質/タンパク質ドメイン及び対応するアミノ酸配列の名前をそれぞれ列挙する。
【表3】
【0206】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、野生型sBCMAと比較して、APRIL、BAFFのいずれか又はその両方への結合活性を増加させる、配列番号1のアミノ酸配列へのアミノ酸置換(複数可)、欠失(複数可)、若しくは挿入(複数可)、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0207】
本開示は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)の位置に少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインを提供する。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAドメインは、親sBCMAドメインと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、しかし100%未満の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、親sBCMAドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、バリアントsBCMAドメインは、配列番号1と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%、しかし100%未満の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、バリアントsBCMAドメインは、切断されたバリアントsBCMAが本明細書に概説される結合アッセイのうちの1つによって測定される生物学的活性(例えば、APRIL及び/又はBAFFへの結合)を保持する限り、野生型sBCMAと比較して、N末端及び/又はC末端切断を有し得る。明確にするために、本発明のバリアントBCMAドメインは、少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、したがって、配列番号1のアミノ酸配列ではない。
【0208】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、1つの位置、2つの位置、3つの位置、4つの位置、5つの位置、6つの位置、7つの位置、8つの位置、9つの位置、又は10の位置にアミノ酸置換(複数可)を有する。
【0209】
特定の実施形態では、APRIL及び/又はBAFFに対する本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインの結合親和性は、野生型sBCMAのものと比較して、少なくとも約0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又はそれ以上増加する。他の実施形態では、本発明のバリアントBCMAドメインは、APRIL及び/又はBAFFに対して約1×10-8M、1×10-9M、1×10-10M、1×10-12M、又は1×10-15M未満の結合親和性を有する。更に他の実施形態では、本明細書に記載されるバリアントBCMAドメインは、インビボ、インビトロのいずれか又は両方でのAPRIL及び/又はBAFFへの野生型sBCMAの結合を阻害するか又はそれに競合する。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、当該アミノ酸置換が、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、及び54からなる群から選択される位置番号にあり、番号付けが、EUインデックスによるものである。
【0211】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、及びN53Eからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、S16G、H19Y、及びT36Aからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、及びM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0222】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0223】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0225】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0226】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号67を有する。
【0227】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号68を有する。
【0228】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号69を有する。
【0229】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号49を有する。
【0230】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号74を有する。
【0231】
表2に、クローン番号、配列番号1のアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換、及び例示的なバリアントsBCMAドメインの割り当てられた配列番号を示す。
【0232】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、APRILに対する増強された結合親和性を示す。
【0233】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、BAFFに対する増強された結合親和性を示す。
【0234】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して、APRIL及びBAFFに対する増強された結合親和性を示す。
【0235】
4.Fcドメイン
本明細書で考察されるように、上記のsBCMAバリアントドメインに加えて、本発明の融合タンパク質はまた、限定されないが、IgG1、IgG2、及びIgG3を含むいくつかのサブクラスを有するIgGクラスに概して、基づく抗体のFcドメインを含む。本明細書に記載されるように、Fcドメインは、任意選択的に、IgG抗体のヒンジドメインを含む。
【0236】
ヒトIgG Fcドメインは、本発明において特に有用なものであり、ヒトIgG1、IgG2、又はIgG3からのFcドメインに由来し得る。一般に、IgG1及びIgG2が、IgG3よりも頻繁に使用される。
【0237】
本発明の融合タンパク質に含まれるヒトIgGタンパク質のFcドメインは、融合タンパク質の半減期の有意な増加を付与することができ、Ig分子との追加の結合又は相互作用を提供することができる。いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、単量体バリアントsBCMAポリペプチドと比較して、他の分子の精製、多量体化、結合、及び中和を容易にすることができる。
【0238】
Fcドメインはまた、必要に応じて機能を変化させるFcバリアントを含み得る。しかしながら、多くの実施形態によれば、Fcバリアントは、概して、二量体を形成する能力、並びにFcRnに結合する能力の両方を保持する必要がある。したがって、本明細書における実施形態のうちの多くは、ヒトIgG1ドメインの使用に依存するが、他のIgGドメインにおける機能を増強又は無効にするFcバリアントが作製され得る。したがって、例えば、当業者によって理解されるであろうように、IgG1又はIgG2におけるエフェクター機能を低減若しくは排除する除去バリアントが使用され得、かつ/又はFcRn受容体へのより強固な結合を付与するFcRnバリアントが使用され得る。
【0239】
一実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG Fcドメイン又はバリアントヒトIgG Fcドメインである。
【0240】
別の実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインである。
【0241】
更なる実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む。
【0242】
別の実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1のCH2-CH3を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、本開示のFcドメインは、ヒトIgG2又はIgG3などの、IgG1以外の他のIgGからのFcドメインであり得る。一般に、IgG2が、IgG3よりも頻繁に使用される。
【0244】
追加の実施形態では、Fcドメインは、バリアントヒトIgG Fcドメインである。しかしながら、本明細書のバリアントFcドメインは、既知のものを使用して測定して、別のFcドメインと二量体を形成する能力、並びにFcRnに結合する能力を依然として保持しているため、これは、本明細書の融合タンパク質の血清半減期の増加に有意に寄与する。
【0245】
バリアントIgG Fcドメインは、親ヒトIgG Fcドメインと比較して、付加、欠失、置換、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、本発明のバリアントヒトIgG Fcドメインは、(上で考察された同一性アルゴリズムを使用し、一実施形態では、デフォルトパラメータを使用して、当該技術分野で既知のBLASTアルゴリズムを利用して)対応する親ヒトIgG Fcドメインと少なくとも約80%、85%、90%、95%、95%、97%、98%、又は99%の同一性を有し得る。
【0247】
いくつかの実施形態では、本発明のバリアントヒトIgG Fcドメインは、親ヒトIgG Fcドメインと比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個のアミノ酸配列修飾を有し得る。
【0248】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるFcドメインは、ヒトIgG Fcドメイン又はバリアントヒトIgG Fcドメインである。
【0249】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるFcドメインは、ヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるFcドメインは、バリアントヒトIgG Fcドメインである。
【0251】
5.リンカー
本発明の融合タンパク質は、sBCMAドメインをFcドメインに接続するための任意選択的なリンカーを含むことができる。
【0252】
本明細書で使用される「リンカー」又は「リンカーペプチド」とは、それらが所望の活性を保持するように互いに対して正しい立体配座であると仮定するような方式で、2つの分子を連結するのに十分な長さを有する。一実施形態では、リンカーは、約1~20アミノ酸長、好ましくは約1~10アミノ酸長である。一実施形態では、4~10アミノ酸長のリンカーが使用されてもよい。有用なリンカーとしては、例えば、IEGRMD、又は(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、及び(GGGS)n(式中、nは、少なくとも1つの整数(概して、3~4)である)を含むグリシン-セリンポリマー、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、並びに他の可動性リンカーが挙げられる。代替的に、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、又はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマーを含むがこれらに限定されない様々な非タンパク質性ポリマーが、リンカーとして使用され得る。
【0253】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインを一緒に連結するために(例えば、バリアントsBCMAドメインとFcドメインを連結するために)使用される「ドメインリンカー」である。上で考察したように、多くの好適なリンカーを使用して、各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さ及び柔軟性を有する2つのドメインの組換え結合を可能にすることができる。本明細書で考察されるように、特に有用なドメインリンカーは、IgG1のヒンジドメインに結合されたIEGRMDリンカーである。
【0254】
様々な実施形態では、2つのドメイン(例えば、sBCMAバリアントドメイン及びFcドメイン)は、概して、本明細書に記載されるドメインリンカーを使用して連結される。多くの実施形態では、2つのドメインは、2つのドメインが独立して作用することができるような方法で、可動性リンカーを使用して結合される。可動性の結合は、従来のリンカー及び/又はヒンジリンカーを使用して、様々な方法で達成することができる。
【0255】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるリンカーは、IEGRMD(配列番号87)である。
【0256】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるリンカーは、GGGGS(配列番号88)である。
【0257】
いくつかの実施形態では、ヒトIgG抗体のヒンジドメインが使用される。いくつかの場合では、ヒンジドメインは、アミノ酸置換も含み得る。
【0258】
いくつかの実施形態では、ドメインリンカーは、IgG1ヒンジとIEGRMDリンカーとの組み合わせなどの、ヒンジドメインと可動性リンカーとの組み合わせである。
【0259】
一実施形態では、リンカーは、約1~50アミノ酸長、好ましくは約1~30アミノ酸長、より好ましくは約4~10アミノ酸である。
【0260】
6.本発明の特定の実施形態
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号80と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。
【0261】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号81と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。
【0262】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号82と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。
【0263】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号83と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。
【0264】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号84と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。
【0265】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号80に示されるアミノ酸配列を有する。
【0266】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号81に示されるアミノ酸配列を有する。
【0267】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号82に示されるアミノ酸配列を有する。
【0268】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号83に示されるアミノ酸配列を有する。
【0269】
いくつかの実施形態では、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号84に示されるアミノ酸配列を有する。
【0270】
E.治療方法
1.治療に適合する対象
様々な実施形態は、治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書に記載される1つ以上のバリアントsBCMAタンパク質を投与することを含む方法を対象とする。
【0271】
様々な実施形態は、治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書に記載される1つ以上のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む方法を対象とする。
【0272】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0273】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0274】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgG、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0275】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgAの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0276】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0277】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0278】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、正常なB細胞の生存率には影響しない。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫疾患と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、線維症と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0279】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象における免疫グロブリンの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0280】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0281】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgG、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG、IgM、又はその両方の産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0282】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgAの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0283】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgG及びIgMの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0284】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患(複数可)及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及びIgGの産生を低減する方法であって、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(複数可)を投与することを含む、方法を提供する。
【0285】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、正常なB細胞の生存率には影響しない。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫疾患と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、線維症と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0286】
本発明は、とりわけ、自己免疫疾患及び/又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質及び/又はsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、自己免疫疾患と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、自己免疫疾患と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアントタンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、とりわけ、線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、本発明は、自己免疫疾患又は線維症と診断された対象におけるIgA、IgM、及び/又はIgGの産生を低減する方法を提供し、当該方法は、対象に、治療有効用量のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与することを含み、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、
a)配列番号1と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、当該アミノ酸置換が、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、及び54からなる群から選択される位置番号にあり、番号付けが、EUインデックスによるものである、バリアントsBCMAドメインと、
b)任意選択的なリンカーと、
c)Fcドメインと、を含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、正常なB細胞の生存率が変化しない、方法を提供する。
【0289】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、対象が、自己免疫疾患と診断されている、方法を提供する。
【0290】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgAの産生を低減する、方法を提供する。
【0291】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgGの産生を低減する、方法を提供する。
【0292】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgMの産生を低減する、方法を提供する。
【0293】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgA及びIgMの両方の産生を低減する、方法を提供する。
【0294】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgA及びIgGの両方の産生を低減する、方法を提供する。
【0295】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgM及びIgGの産生を低減する、方法を提供する。
【0296】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、本方法が、IgA、IgM、及びIgGの両方の産生を低減する、方法を提供する。
【0297】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、自己免疫疾患が、IgA腎症、全身性エリテマトーデス、Churg-Strauss症候群、重症筋無力症、多発性硬化症、及び関節リウマチからなる群から選択される、方法を提供する。
【0298】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、対象が、線維症と診断されている、方法を提供する。
【0299】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、線維症が、特発性肺線維症、非アルコール性脂肪性肝炎、強皮症、及び腎線維症からなる群から選択される、方法を提供する。
【0300】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示される方法であって、当該融合タンパク質が、N末端からC末端へ:
a)当該バリアントsBCMAドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該Fcドメインと、を含む、方法を提供する。
【0301】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該融合タンパク質が、N末端からC末端へ、
a)当該Fcドメインと、
b)当該任意選択的なリンカーと、
c)当該バリアントsBCMAドメインと、を含む、方法を提供する。
【0302】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0303】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、当該位置のうちの1つ、当該位置のうちの2つ、当該位置のうちの3つ、当該位置のうちの4つ、当該位置のうちの5つ、当該位置のうちの6つ、当該位置のうちの7つ、当該位置のうちの8つ、又は当該位置のうちの9つで生じる、方法を提供する。
【0304】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される、方法を提供する。
【0305】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、及びN53Eからなる群から選択される、方法を提供する。
【0306】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換(複数可)が、S16G、H19Y、及びT36Aからなる群から選択される、方法を提供する。
【0307】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、及びM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択される、方法を提供する。
【0308】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0309】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0310】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0311】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0312】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aを含み、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、及びA54Tからなる群から選択される少なくとも1つの更なるアミノ酸置換を含む、方法を提供する。
【0313】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0314】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0315】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0316】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0317】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する、方法を提供する。
【0318】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号67のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0319】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号68のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0320】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号69のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0321】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号49のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0322】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該バリアントsBCMAドメインが、配列番号74のアミノ酸配列を有する、方法を提供する。
【0323】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該Fcドメインが、ヒトIgG Fcドメイン又はバリアントヒトIgG Fcドメインである、方法を提供する。
【0324】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該ヒトIgG Fcドメインが、ヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む、方法を提供する。
【0325】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該Fcドメインが、バリアントヒトIgG Fcドメインである、方法を提供する。
【0326】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該Fcドメインが、ヒトIgG1 Fcドメインである、方法を提供する。
【0327】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該リンカーが、配列番号87である、方法を提供する。
【0328】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該リンカーが、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、及び(GGGS)nからなる群から選択され、式中、nが、1、2、3、4、及び5からなる群から選択される、方法を提供する。
【0329】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、当該リンカーが、配列番号88である、方法を提供する。
【0330】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号80のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0331】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号81のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0332】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号82のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0333】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号83のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0334】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に開示される方法であって、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が、配列番号84のアミノ酸配列を含む、方法を提供する。
【0335】
2.治療的投与
特定の実施形態では、1つ以上のバリアントsBCMAタンパク質を有する治療的に有効な組成物又は製剤は、個体に全身的に投与され得るか、又は当該技術分野で既知の他の投与経路を介して投与され得る。
【0336】
特定の実施形態では、1つ以上のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を有する治療的に有効な組成物又は製剤は、個体に全身的に投与され得るか、又は当該技術分野で既知の他の投与経路を介して投与され得る。
【0337】
3.投薬
いくつかの実施形態では、例えば、線維性障害又は免疫調節障害の治療のための有効用量の本開示の治療実体は、投与手段、標的部位、患者(患者がヒト又は動物である)の生理学的状態、投与される他の医薬品、及び治療が予防的又は治療的であるかを含む、多くの異なる要因に応じて変動する。治療投薬量は、安全性及び効力を最適化するために滴定され得る。
【実施例】
【0338】
VI.実施例
A.実施例1:カニクイザル単回用量毒性研究
本研究の目的は、カニクイザルへの静脈内注入によるAB001(sBCMAクローン#71-Fc融合タンパク質)の単回投与後の急性毒性を評価し、その後の毒性研究及び臨床試験の設計のための参照として最大耐容用量(MTD)を提供し、毒物動態及び免疫原性を特徴付けることであった。合計10匹のカニクイザル(1匹の動物/性別/群)を5つの群に割り当て、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(0.1、1、10、及び100mg/kg)又はビヒクルの単回静脈内注入を与え、6週間観察した。用量体積は、動物の最新の体重に応じて調整した。実際の注入時間は、名目注入時間の5%を超えなかった(
図1)。
【0339】
評価されたパラメータには、臨床観察、体重、摂食量、血液学、凝固、血漿化学、リンパ球の免疫表現型、免疫グロブリン、サイトカイン、及び肉眼的病理が含まれた。臨床観察は、列挙された頻度に従って、無作為化の翌日から実験の完了まで、毎日行った。非投薬日:午前中に1回、午後に1回。投薬日:投与前に1回、投与後1時間以内及び3時間~6時間以内に1回。投薬前段階中に体重を監視した:それぞれ-13日目と-6日目に1回、投与後1日目、2日目、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、及び42日目に1回。投薬前段階中に血液採取を行った:-13日目、-6日目、-3日目(M1305、M1407)、1日目(投薬前)、及び投薬段階:4回、2日目、7日目、14日目、及び42日目(このうち、7日目及び14日目には凝固は含まれなかった)。観察期間の終了時(43日目)に動物を剖検した。剖検前、動物を一晩(24時間以内)絶食させた(
図1)。結論として、観察期間中、各群の動物において、薬物関連の体重の異常は観察されなかった(
図4)。血液学的所見には以下が含まれる:100mg/kg:2日目の雄動物(
図5A)及び7日目の雌動物(57%)(
図5B)では、1日目の投薬前の値と比較して、LYMPの減少(56%)が認められた。10mg/kg:7日目の雌動物では、1日目の投薬前の値と比較して、LYMPの減少(31%)が認められた(
図5B)。雄動物では、有意な異常は認められなかった(
図5A)。1mg/kg:7日目の雌動物では、1日目の投薬前の値と比較して、LYMPの減少(26%)が認められた(
図5B)。雄動物では、有意な異常は認められなかった。0.1mg/kg:雌動物又は雄動物では、有意な異常は認められなかった(
図5)。2日目、7日目、及び/又は14日目に、各群の雌動物及び雄動物で、RBC、HGB、及びHCTの減少が観察された。実験中に多くの血液が採取されたことを考慮すると、RBC、HGB、及びHCTの減少は、血液採取に関連している可能性があると考えられた(
図8~11)。各群の雌動物又は雄動物において、凝固パラメータの異常は認められなかった(
図12~13)。各群の雌動物又は雄動物において、血漿化学パラメータの異常は認められなかった(
図14~19)。各群の雌動物又は雄動物において、免疫表現型の異常は認められなかった。いずれの動物においても、病理学的な肉眼的異常は存在しなかった(
図2及び3)。サイトカイン分析により、100mg/kgで、投薬前の値又はビヒクルと比較して、1日目、2日目又は3日目に、雄動物においてIL-10、IFN-γ、IL-17Aの増加が認められたことを示した(
図20及び21)。雌動物では、サイトカインの異常は認められなかった(
図22及び23)。他の群の雌動物又は雄動物では、サイトカインの異常は認められなかった。重要なことに、雌及び雄の両方の処置群において、免疫グロブリンレベルの差異が認められた。特に、100mg/kg:投薬前の値と比較して、2日目~42日目の間、雌動物及び/又は雄動物において、IgA、IgM、及び/又はIgGの減少が観察された。10mg/kg:投薬前の値と比較して、7日目~42日目の間、雌動物及び/又は雄動物において、IgA、IgM、及び/又はIgGの減少が観察された。1mg/kg:投与前値と比較して、7日目及び14日目に、雌動物及び/又は雄動物において、IgA及びIgMの減少が観察された。0.1mg/kg:雌動物又は雄動物において、免疫グロブリンの異常は認められなかった(
図6及び7、
図16及び19)。
【0340】
B.実施例2:細胞発生及びクローン選択
CHO-K1-C6-4G5 SCB細胞バンクから解凍したCHO-K1-C6-4G5宿主細胞は、数回の継代において、HyCell TranFx-C培地で対数期に維持されている。トランスフェクション当日に、細胞を、27mLの細胞培養物(125mLの振盪フラスコ)中で生細胞密度1E+06細胞/mLに調整した。50μgの線状化した発現プラスミドを2.5mLのOptiPRO SFMに希釈することによって、トランスフェクション混合物を調製した。次いで、FreeStyle MAX溶液を、DNA溶液と混合し、室温で10~20分間放置した。インキュベーション後、CHO-K1-C6培養物(125mLの振盪フラスコ内で25mL)に、溶液を添加した。トランスフェクトした細胞を、130rpm、37℃、5%のCO2のインキュベーターでインキュベートした。トランスフェクションの48時間後、トランスフェクトした細胞の一部分を、安定なプールを生成するために使用した。
【0341】
トランスフェクションの48時間後に、トランスフェクトした細胞に薬物選択を施した。細胞を、選択薬物(15μg/mLのピューロマイシン+800nMのMTX)を含む150Tフラスコ中の30mLの培地(4mMのL-グルタミン及び0.1%のF-68を含有するHyCell TransFx-C)中で5E+05細胞/mLの密度で播種した。0日目に、細胞を、37℃、8%のCO2の静的インキュベーターでインキュベートした。
【0342】
5~7日後、細胞生存率は、15~25%に低下するであろう。細胞培養物を、200g、5分、22℃で遠心分離した。細胞培養培地を除去し、細胞ペレットを、75Tフラスコ中の10mLの新鮮な選択培地に再懸濁し、37℃、8%のCO2の静的インキュベーターでインキュベートした。更に10~15日で、細胞を、生存率が40~60%まで徐々に回復させ、75Tフラスコで10mLの培養物中で維持する。細胞生存率が50~60%以上に達したら、細胞を、125mL振盪フラスコで20~25mL培養物に増殖させ、130rpm、37℃、5%のCO2のインキュベーターでインキュベートする。更に8~10日で、各プールは、約90%の生存率まで回復するであろう。各プールがその後の培養によって90%の生存率に達したら、1プール当たり少なくとも2つのバイアルで凍結保存を行った。
【0343】
全てのプールが90%の生存率に回復し、凍結保存が行われると、各プールを解凍し、11日間のフェッドバッチ培養実験によって評価する。0日目として、50mLスピンチューブ中の2つの異なる10mLの培地HyCell CHO又はBalanCD CHOに、約5.5E+05細胞/mLの生細胞密度で細胞の各プールを接種し、180rpm、37℃、5%のCO
2のインキュベーターでインキュベートした。生細胞密度及び生存率を、BIORAD TC20細胞カウンターによって記録した(
図24A及びB)。
【0344】
11日目に細胞培養液を採取し、続いて、2000g、20分、22℃で遠心分離した。培養上清を0.22μmフィルターに通し、力価測定の準備をした。濾過した上清の一部分は、GEプロテインA HP SpinTrapカラムを使用したsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のクローンの精製のための原料であった。ProA精製材料を、非還元及び還元SDS-PAGEに供した(
図25A及びB)。
【0345】
sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の2つのプールを、その力価及び性能に基づいて選択し、解凍し、約1週間、15μg/mLのピューロマイシン及び800nMのMTX、又は60μg/mLのピューロマイシン及び3000nMのMTXを含む4mMのL-グルタミンを含有するHyCell CHO培地に適合させた。プールを対数期で維持し、130rpm、37℃、及び5%のCO2のインキュベーターでインキュベートした。SCC実験の1日前、選択薬物を用いて、細胞を、生細胞密度5~7E+05細胞/mLで播種した。SCC実験当日、細胞の条件は、約1.4E+06細胞/mLの生細胞密度、≧90%の生存率を達成する必要がある。200μLのクローニング培地を、96ウェルプレートの各ウェルに分注した。各プールについて4つのプレートが存在した。各プレートを、バーコードでラベル付けした。セルストレーナー(例えば、40μmナイロンメッシュセルストレーナー)を使用して、少なくとも3mLの均一な単一細胞懸濁液を得る。次いで、細胞を、4mMのL-グルタミンを含むHyCell CHO培地で生細胞密度約7E+05細胞/mLに調整した。70μLの細胞を、SCP(商標)のカートリッジにロードする。単一細胞プリンタのパラメータを設定して、96ウェルプレートの各ウェルに単一の細胞を分注した。次いで、プレートを200g、22℃で5分間遠心分離した。画像は、CloneSelect Imager(CSI)によって、0日目、1日目、及び2日目の高解像度モードで撮影した。次いで、プレートを、37℃、8%のCO2の静的インキュベーターでインキュベートした。14日目又は18日目に、CSIによって再び画像を撮影した。
【0346】
2つのsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のプールの96ウェルプレートから、それぞれ35個及び22個のクローンを採取した。スケールアッププロセス中に選択薬剤の濃度を徐々に増加させて100%の選択圧に戻すと、一部のクローンは増殖することができなかった。最終的に、50mLスピンチューブで増殖することができ、最終的に≧95%以上の生存率及び≧1E+06細胞/mLの生細胞密度を達成したクローンを凍結保存した。40個のクローンが凍結保存された。
【0347】
2つのプールからの40個のクローンを、12日間のフェッドバッチ培養の実験によってスクリーニングした。各クローンからの細胞を、合計10mLの生細胞密度5.5E+05細胞/mLで培養した。50mLスピンチューブ中の選択薬物を含まない培地(6mMのL-glnを含有するHyCell CHO)を、180rpm、37℃、5%のCO
2のインキュベーターでインキュベートした。12日目に細胞培養液を採取し、続いて、2000g、20分、22℃で遠心分離した。培養上清を0.22μmフィルターに通し、ProA-HPLCを使用して力価決定の準備をした。濾過した上清の一部分は、GEプロテインA HP SpinTrapカラムを使用したJHL9931抗体の精製のための原料であった。上位のクローンは、ProA-HPLC力価及び12日目の細胞生存率に基づいて選択した(
図26)。加えて、上位クローンからの精製されたProA材料を、N-グリカンプロファイルについてUPLC-FLR分析に供した(
図27)。
【0348】
上記の実施例は、当業者に本発明の組成物、システム、及び方法の実施形態を作製及び使用する方法の完全な開示及び説明を与えるために提供されるものであり、本発明者らが発明とみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者に明らかである、本発明を実施するための上述の形態の修正は、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。本明細書で言及される全ての特許及び刊行物は、本発明が関連する当業者の技術レベルを示す。本開示で引用される全ての参考文献は、あたかも各参考文献が参照によりその全体が個別に組み込まれるのと同じ程度に、参照により組み込まれる。
【0349】
全ての見出し及びセクションの指定は、明確化及び参照の目的でのみ使用され、いかなる様式でも限定的であるとみなされるべきではない。例えば、当業者であれば、本明細書に記載の本発明の趣旨及び範囲に従って、異なる見出し及びセクションからの様々な態様を適切に組み合わせることの有用性を理解するであろう。
【0350】
本明細書で引用される全ての参考文献は、刊行物又は特許又は特許出願の各々が、全ての目的のために参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されたのと同じ程度に、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0351】
当業者には明らかなように、本出願の多くの修正及び変形を、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に記載の特定の実施形態及び実施例は、例としてのみ提供される。
【0352】
C.実施例3:NZBWF1/Jマウス+プリスタンにおけるループスモデルに対するsBCMAバリアントの評価
プリスタンを腹腔内注射したNZBWF1/Jマウスにおけるループスモデルに対する被験物質の効果を評価した。11~12週のNZBWF1/Jマウスを4つの群に無作為に割り当て、モデル群の動物にプリスタンを投与した。C57BL/6マウスを、正常対照として使用した。
【0353】
NZB/W F1マウスは、NZBとNZW株の間のF1ハイブリッドによって生成された古典的なループスモデルである。これらのハイブリッドマウスは、ループス患者と同様の重篤なループス様表現型を発症する。これらのループス様表現型には、リンパ節腫脹、脾腫大、抗dsDNA IgGを含む血清抗核自己抗体(ANA)の上昇、及び免疫複合体媒介性糸球体腎炎(GN)が含まれる。SLE患者の場合、NZB/W F1株の疾患は、部分的にはエストロゲンレベルに起因して、雌に強く偏っている。
【0354】
プリスタンの腹腔内注射は、複数の核抗原に対するループス関連自己抗体の形成を刺激する。これは、ループス様自己免疫の発症を伴う慢性炎症をもたらし、これは特に、SLEに特徴的な抗体の形成、並びにヒトSLEとの高度の類似性を有する免疫複合体腎炎を含む。
【0355】
48匹のNZBWF1/Jマウスを、実験前の体重及び尿タンパク質レベルに基づいて、各群12匹ずつ、4つの群に無作為化した。全てのNZBWF1/Jマウスに、腹腔内注射によって、0.5mLの体積のプリスタンを投与した。群1には、プリスタンとともに生理食塩水ビヒクル対照を投与した。群2には、プリスタンとともに、週2回、10mg/kgのテリタシセプトを投与した。群3には、プリスタンとともに、週に2回、1mg/kgのsBCMAバリアントを投与した。群4には、プリスタンとともに、週に2回、10mg/kgのsBCMAバリアントを投与した。
【0356】
処置後14日目に蛋白尿レベル(mg/ml)を測定し、処置群2、3及び4で蛋白尿レベルの低減が観察された(
図31)。リンパ節腫脹スコアを記録した(
図32)。ビヒクル処置群は、他の処置群と比較して、リンパ節腫脹の最高スコアを示し、10mg/kgのsBCMAバリアントで処置された動物は、リンパ節腫脹が観察されなかった。
【国際調査報告】