(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20240725BHJP
A61M 5/155 20060101ALI20240725BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61M5/145 502
A61M5/155
A61M5/20 530
A61M5/20 540
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508593
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 KR2022012008
(87)【国際公開番号】W WO2023018248
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0106471
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520139848
【氏名又は名称】キム ヨンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンヒョン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD03
4C066DD12
4C066EE06
4C066EE14
4C066QQ32
4C066QQ35
4C066QQ92
(57)【要約】
本開示の実施例による薬液注入装置は、内部に薬液が保存され得るように構成されたチャンバ;前記チャンバに保存された前記薬液を加圧するように前記チャンバに所定の加圧方向にスライディング可能に構成されるピストン;及び前記ピストンを加圧するように前記ピストンの前記加圧方向の反対方向に形成された加圧空間に気体の圧力を増加させるように構成された加圧動作部;を含み、前記加圧動作部は、液体物質及び前記液体物質と接触すると気体を発生させる固体物質を収容するレセプタクル;前記液体物質と前記固体物質との間に配置され、前記液体物質と前記固体物質を隔離する隔壁部;前記レセプタクルに回転可能に結合される回転部;及び前記回転部の回転に伴って前記レセプタクルと近づく第1方向に加圧されて移動し、前記第1方向に移動することによって前記レセプタクルを加圧して前記隔壁部の隔離を解除させるように構成される加圧部を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に薬液が保存され得るように構成されたチャンバ;
前記チャンバに保存された前記薬液を加圧するように前記チャンバに所定の加圧方向にスライディング可能に構成されるピストン;及び
前記ピストンを加圧するように前記ピストンの前記加圧方向の反対方向に形成された加圧空間に気体の圧力を増加させるように構成された加圧動作部;を含み、
前記加圧動作部は、
液体物質及び前記液体物質と接触すると気体を発生させる固体物質を収容するレセプタクル;
前記液体物質と前記固体物質との間に配置され、前記液体物質と前記固体物質を隔離する隔壁部;
前記レセプタクルに回転可能に結合される回転部;及び
前記回転部の回転に伴って前記レセプタクルと近づく第1方向に加圧されて移動し、前記第1方向に移動することによって前記レセプタクルを加圧して前記隔壁部の隔離を解除させるように構成される加圧部を含む、
薬液注入装置。
【請求項2】
前記回転部の前記レセプタクルに対する回転運動の回転軸は、前記第1方向に平行である、請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項3】
前記回転部は、前記回転部の第1回転方向に沿って前記第1方向への高さが低くなる第1傾斜面を含む少なくとも1つのガイド部を含み、
前記回転部が前記第1回転方向に回転する時、前記加圧部は前記ガイド部の前記第1傾斜面に沿ってスライディングすることによって前記第1方向に移動するように構成される、請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガイド部は、前記回転部の前記第1回転方向の反対方向である第2回転方向に沿って前記第1方向への高さが低くなる第2傾斜面をさらに含み、
前記回転部が前記第2回転方向に回転する時、前記加圧部は前記ガイド部の前記第2傾斜面に沿ってスライディングすることによって前記第1方向に移動するように構成される、請求項3に記載の薬液注入装置。
【請求項5】
前記加圧部は、
前記回転部の内側に配置され、前記レセプタクルを加圧可能に構成されたプレート部;及び
前記ガイド部と接触し、前記プレート部から外側方向に延びた少なくとも1つの突起部を含む、請求項3に記載の薬液注入装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガイド部は、前記回転部の回転方向に沿って配列された複数のガイド部を含み、
前記少なくとも1つの突起部は、前記複数のガイド部にそれぞれ接触するように前記プレート部の周りに沿って配列された複数の突起部を含む、請求項5に記載の薬液注入装置。
【請求項7】
前記レセプタクルは、前記突起部が挿入される挿入溝を含み、
前記挿入溝は、前記突起部の前記第1方向への移動をガイドし、前記第1方向を横切る横方向への移動を制限するように、前記第1方向に延長形成された、請求項5に記載の薬液注入装置。
【請求項8】
前記加圧部は、前記第1方向に凸に突出し、前記レセプタクルの所定の部分を加圧するように構成された凸部を含む、請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項9】
前記レセプタクルは、
前記液体物質を収容する液体収容部;及び
前記液体収容部を見る方向に開放された開口部を有し、前記固体物質を収容し、前記所定の部分が位置する固体収容部を含み、前記隔壁部は、閉鎖位置で前記開口部を閉鎖することによって前記液体物質と前記固体物質を隔離する、請求項8に記載の薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬液注入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者に薬品を供給するために、患者に液状の薬品を注入する薬液注入装置が知られている。薬液注入装置を用いて、所定の保存空間内にある薬液が患者と連結される通路(例えば、管及び注射針の内部空間)を通じて患者の体内に流入する。
【0003】
従来の薬液注入装置は、内部に薬液を保存できるチャンバと、チャンバに保存された薬液を加圧するピストンを含む。ピストンを加圧して移動させるために気体の圧力を用いる気体発生式薬液注入装置が知られている。気体発生式薬液注入装置では、生成される高い気体圧力によってシリンダ内の注入ピストンを安定的に徐々に前進移動させ、このような注入ピストンの前進移動によってチャンバ内の薬液保存空間に充填された薬液を一定の流量で安定的かつ持続的に患者に注入する。
【0004】
気体発生式薬液注入装置は、クエン酸のような液体物質と重炭酸ナトリウムのような固体物質を反応させて気体(例えば、二酸化炭素)を発生させ、このように発生した気体の圧力を用いてピストンを前進させて薬液を注入する。
【0005】
気体発生式薬液注入装置において、気体を発生させるための液体物質と固体物質は隔壁部によって互いに隔離され、使用前状態では気体の発生が防止される。使用者は薬液注入装置の使用が必要な時、隔壁部の隔離を解除させることによって液体物質と固体物質を互いに接触させることができる。
【0006】
液体物質と固体物質を隔離する隔壁部を解除するために使用者が直接手を用いて固体物質と液体物質が収容されるレセプタクルの特定の部分を加圧する気体発生式薬液注入装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施例は、回転式解除構造を備える薬液注入装置を提供する。
【0008】
使用者が直接加圧して隔壁部を解除するように構成された従来の薬液注入装置は、使用者が所定の力を加えるのに適切ではない状況である場合(例えば、使用者が力が不十分な病弱な患者などである場合)、薬液注入装置の使用に困難が発生するという問題がある。本開示の実施例は、このような従来技術の問題を解決する。
【0009】
従来の薬液注入装置において、使用者が直接加圧して隔壁部を解除する場合、使用者は所定以上の力を入れなければならないので使い勝手が悪く、使用者が所定以上の力を入れられずに隔壁部が解除されなかったにもかかわらず、使用者が隔壁部を解除したと誤認し得る問題がある。本開示の実施例は、隔壁部の隔離を更に容易かつ確実に解除させることができる構造を備え、上述の問題点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一側面は、薬液注入装置の実施例を提供する。代表的な実施例による薬液注入装置は、内部に薬液が保存され得るように構成されたチャンバ;前記チャンバに保存された前記薬液を加圧するように前記チャンバに所定の加圧方向にスライディング可能に構成されるピストン;及び前記ピストンを加圧するように前記ピストンの前記加圧方向の反対方向に形成された加圧空間に気体の圧力を増加させるように構成された加圧動作部;を含み、前記加圧動作部は、液体物質及び前記液体物質と接触すると気体を発生させる固体物質を収容するレセプタクル;前記液体物質と前記固体物質との間に配置され、前記液体物質と前記固体物質を隔離する隔壁部;前記レセプタクルに回転可能に結合される回転部;及び前記回転部の回転に伴って前記レセプタクルと近づく第1方向に加圧されて移動し、前記第1方向に移動することによって前記レセプタクルを加圧して前記隔壁部の隔離を解除させるように構成される加圧部を含む。
【0011】
一実施例において、前記回転部の前記レセプタクルに対する回転運動の回転軸は、前記第1方向に平行であってもよい。
【0012】
一実施例において、前記回転部は、前記回転部の第1回転方向に沿って前記第1方向への高さが低くなる第1傾斜面を含む少なくとも1つのガイド部を含み、前記回転部が前記第1回転方向に回転する時、前記加圧部は前記ガイド部の前記第1傾斜面に沿ってスライディングすることによって前記第1方向に移動するように構成され得る。
【0013】
一実施例において、前記少なくとも1つのガイド部は、前記回転部の前記第1回転方向の反対方向である第2回転方向に沿って前記第1方向への高さが低くなる第2傾斜面をさらに含み、前記回転部が前記第2回転方向に回転する時、前記加圧部は前記ガイド部の前記第2傾斜面に沿ってスライディングすることによって前記第1方向に移動するように構成され得る。
【0014】
一実施例において、前記加圧部は、前記回転部の内側に配置され、前記レセプタクルを加圧可能に構成されたプレート部;及び前記ガイド部と接触し、前記プレート部から外側方向に延びた少なくとも1つの突起部を含み得る。
【0015】
一実施例において、前記少なくとも1つのガイド部は、前記回転部の回転方向に沿って配列された複数のガイド部を含み、前記少なくとも1つの突起部は、前記複数のガイド部にそれぞれ接触するように前記プレート部の周りに沿って配列された複数の突起部を含み得る。
【0016】
一実施例において、前記レセプタクルは、前記突起部が挿入される挿入溝を含み、前記挿入溝は、前記突起部の前記第1方向への移動をガイドし、前記第1方向を横切る横方向への移動を制限するように、前記第1方向に延長形成され得る。
【0017】
一実施例において、前記加圧部は、前記第1方向に凸に突出し、前記レセプタクルの所定の部分を加圧するように構成された凸部を含み得る。
【0018】
一実施例において、前記レセプタクルは、前記液体物質を収容する液体収容部;及び前記液体収容部を見る方向に開放された開口部を有し、前記固体物質を収容し、前記所定の部分が位置する固体収容部を含み、前記隔壁部は、閉鎖位置で前記開口部を閉鎖することによって前記液体物質と前記固体物質を隔離し得る。
【発明の効果】
【0019】
本開示の実施例によれば、使用者は回転部を回転させて隔壁部の隔離を更に容易かつ確実に解除させることができる。
【0020】
本開示の実施例によれば、使用者が力が不十分な病弱な患者などである場合にも困難なく隔壁部の隔離を解除することによって、薬液注入装置を容易に用いることができる。
【0021】
本開示の一実施例によると、回転部の回転方向と関係なく、隔壁部の隔離が解除されることができる。これにより、使用者が薬液注入装置を用いる時の利便性が増加することができ、薬液注入装置をより効率的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1は、一実施例による薬液注入装置の斜視図である。
【0023】
図2は、
図1に示された薬液注入装置のA-A’断面図である。
【0024】
図3は、
図1に示された薬液注入装置のA-A’断面斜視図である。
【0025】
図4は、
図1に示された薬液注入装置の分解斜視図である。
【0026】
図5は、
図4に示された薬液注入装置において、薬液流入部を拡大して示した図面である。
【0027】
図6は、
図5に示された薬液流入部のキャップ部とベース部が分離された状態で一部を切った断面斜視図である。
【0028】
図7は、
図3に示された薬液注入装置において、薬液流入部を含む一部を拡大して示した図面である。
【0029】
図8は、
図7において、パッキング部が外部から加圧されて弾性変形される時の薬液流入部を含む一部を示した図面である。
【0030】
図9は、
図2に示された薬液流入部と疎水性フィルターを矢印B及びB’方向に見た立面図である。
【0031】
図10は、
図9において、疎水性フィルターを除いた図面である。
【0032】
図11は、
図9に示された疎水性フィルターの分解斜視図である。
【0033】
図12は、
図11に示された疎水性フィルターにおいて、第1及び第2疎水性フィルター層の積層方向に垂直な横方向での断面図である。
【0034】
図13は、
図2に示された薬液注入装置において、加圧動作部を拡大して示した図面である。
【0035】
図14は、
図13に示された加圧動作部のC-C’断面図である。
【0036】
図15は、
図14において、複数の加圧部フィルターを除いた図面である。
【0037】
【0038】
図17は、
図13に示された加圧動作部の一態様での透視図である。
【0039】
図18は、
図17に示された加圧動作部のD-D’断面図である。
【0040】
図19は、
図17に示された加圧動作部の他の態様での透視図である。
【0041】
図20は、
図19に示された加圧動作部のE-E’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が以下に提示される実施例やこれら実施例に関する具体的な説明に限定されるわけではない。
【0043】
本開示において「実施例」は、本開示の技術的思想を容易に説明するための任意の区分であって、実施例のそれぞれが互いに排他的である必要はない。例えば、一実施例に開示された構成は他の実施例に適用及び具現され得、本開示の範囲を逸脱しない限度で変更されて適用及び具現され得る。
【0044】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、特に定義されない限り、本開示の属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示を更に明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0045】
本開示において用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で特に言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)と理解されるべきである。
【0046】
本開示において記述された単数形の表現は、特に言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは特許請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0047】
本開示において用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するわけではない。
【0048】
本開示において用いられる「上側」、「上」等の方向指示語は、
図1を参照して、加圧動作部(300)を基準としてチャンバ(100)が配置される方向を意味し、「下側」、「下」等の方向指示語は、上側方向の反対方向を意味する。また、本開示において「水平方向」は「上下方向」を横切る方向のいずれか1つの方向を意味する。これはあくまでも本開示が明確に理解できるように説明するための基準であり、基準をどこに置くかによって上側及び下側を異なって定義することもできるのはもちろんである。
【0049】
以下、添付した図面を参照して、本開示の実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素が、ある実施例に含まれないと意図されるわけではない。
【0050】
図1は、一実施例による薬液注入装置(10)の斜視図である。
図2は、
図1に示された薬液注入装置のA-A’断面図であり、
図3は、
図1に示された薬液注入装置のA-A’断面斜視図である。
【0051】
薬液注入装置(10)は、チャンバ(100)、ピストン(200)及び加圧動作部(300)を含み得る。
【0052】
図1~
図3を参照すると、チャンバ(100)はチャンバハウジング(101)を含み得る。チャンバハウジング(101)は略円筒状であり得る。チャンバハウジング(101)の内側面には潤滑剤が塗布され得る。チャンバ(100)は、薬液がチャンバ(100)に流入可能に構成された薬液流入部(110)を含み得る。チャンバ(100)は、保存された薬液を排出可能に構成された薬液注入部(120)を含み得る。薬液注入部(120)を通じて排出された薬液は、連結管(図示せず)、注射針(図示せず)及び/又はカテーテル(図示せず)等を通じて患者に注入されることができる。本実施例において、薬液流入部(110)と薬液注入部(120)は別途の分離された構成として図示されているが、これは1つの実施例に過ぎず、薬液流入部(110)と薬液注入部(120)は同一の一構成として構成されることもできる。図示されていない他の例示において、チャンバ(100)は、薬液が流入及び排出可能に構成された1つの構成(即ち、薬液流入部及び薬液注入部の機能をいずれも行う構成)を含み得る。
【0053】
チャンバ(100)の内部には薬液保存空間(105)が形成される。薬液保存空間(105)は、薬液流入部(110)を通じて流入した薬液を保存できるように構成され得る。薬液保存空間(105)に保存された薬液は、薬液注入部(120)を通じて排出され得る。
【0054】
図4は、
図1に示された薬液注入装置(10)の分解斜視図である。
図4を共に参照すると、薬液流入部(110)はキャップ部(111)を含み得る。キャップ部(111)は、薬液をチャンバ(100)の内部に流入させるための薬液流入ツール(例えば、シリンジ)と接触する部分であり得る。薬液流入部(110)は、中央に薬液流入ホール(1121)が形成された、フレキシブル(flexible)な材質のパッキング部(112)を含み得る。本開示で用いられるフレキシブルな材質とは、外部から加圧される時に弾性的に変形され得る材質であって、例えば、ゴム、ポリマーなどであり得る。フレキシブルな材質のパッキング部(112)は、外部から加圧される時、曲がったり圧縮されたりして所定の大きさだけ変形され得る。薬液流入ホール(1121)は、外部からチャンバ(100)の内部に薬液が流入可能に構成され得る。薬液流入部(110)は、パッキング部(112)を介してキャップ部(111)と結合するベース部(113)を含み得る。キャップ部(111)、パッキング部(112)及びベース部(113)は、順に上側から下側へ配置され得る。キャップ部(111)、パッキング部(112)及びベース部(113)は、気密な状態を有することができるように互いに結合し得る。薬液流入部(110)の構成であるキャップ部(111)、パッキング部(112)及びベース部(113)と関連し、開閉及び閉鎖可能な気体通路については、
図5~
図8を参照して後述する。
【0055】
薬液注入装置(10)は、液体は透過不能で、気体は透過可能に構成される疎水性フィルター(20)を含み得る。疎水性フィルター(20)は、所定の通路に配置され、所定の通路を、気体は通過可能にし、液体は通過できないようにすることができる。疎水性フィルター(20)については、
図9~
図12を参照して後述する。
【0056】
再び、
図2及び
図3を参照すると、ピストン(200)は、チャンバ(100)に保存された薬液を加圧するように構成され得る。ピストン(200)は、チャンバ(100)に保存された薬液を加圧するようにスライディング可能に構成され得る。ピストン(200)は、チャンバハウジング(101)の内側面と気密な状態を維持しながら移動することができる。ピストン(200)は、薬液流入部(110)を通じて薬液が流入して充填される薬液保存空間(105)と、加圧動作部(300)で発生した気体が供給されて圧力が増加し得る加圧空間(205)を区画することができる。
【0057】
ピストン(200)は、チャンバ(100)の薬液保存空間(105)に向かい合う加圧面を含む。前記加圧面は、チャンバ(100)内部の薬液と接触して、薬液を直接押すことができる。前記加圧面を有するピストン(200)は、所定の加圧方向(Ap1)に移動することによって、チャンバ(100)内部の薬液を加圧することができる。ここで、加圧方向(Ap1)は薬液注入部(120)と近づく方向であり得る。
【0058】
チャンバ(100)内部の薬液保存空間(105)に薬液が充填される途中である時、前記加圧面は前記加圧方向(Ap1)の反対方向(Ap2)に移動する。
図2及び
図3には、前記加圧方向(Ap1)に所定距離だけ移動した時のピストン(200’)が示されている。ただし、ピストン(200)の位置は図面に示された位置によって制限されない。
【0059】
ピストン(200)は、前記加圧面を有する第1パート(210)と、前記第1パート(210)に結合される第2パート(220)を含み得る。第2パート(220)は、第1パート(210)の下側で第1パート(210)と結合され得る。第2パート(220)は、第1パート(210)と一体に移動するように構成される。
【0060】
加圧動作部(300)は、ピストン(200)が前記加圧方向(Ap1)に移動するように動力を提供するように構成され得る。図示されていない一例として、加圧動作部(300)は、使用者がつかむことができる部分を提供して、使用者の力でピストン(200)を前記加圧方向(Ap1)に移動させることができる。図示されていない他の例として、加圧動作部(300)は、バルーン(balloon)等の弾性体の弾性力を用いて液体を加圧するように構成され得る。この場合、加圧動作部(300)は、前記バルーン内の液体が加圧されるように構成され得る。
【0061】
以下、加圧動作部(300)は気体を発生させる構成である実施例を基準に説明するが、本開示はこれに制限されるわけではない。
【0062】
一実施例において、加圧動作部(300)は、ピストン(200)の加圧方向(Ap1)の反対方向に形成された加圧空間(205)に気体の圧力を増加させるように構成され得る。加圧動作部(300)は、液体物質(7)及び液体物質(7)と接触すると気体を発生させる固体物質(6)を収容するレセプタクル(310)を含み得る。加圧動作部(300)は、液体物質(7)と固体物質(6)を隔離する隔壁部(320)を含み得る。
【0063】
図2~
図4を参照すると、レセプタクル(310)は、内部から加圧空間(205)へ延びる延長部(313)を含み得る。延長部(313)は、レセプタクル(310)の内部と連結される中空部を形成するものの、前記中空部は加圧空間(205)に連結されないように栓によって塞がれている。延長部(313)は、略円筒状に形成され得る。レセプタクル(310)の製造時に液体物質(7)は延長部(313)を通過してレセプタクル(310)内部に移動することができる。液体物質(7)が延長部(313)を通過してレセプタクル(310)内部に収容された後、延長部(313)は栓によって塞がれることができる。延長部(313)を通じた液体物質(7)の移動は栓によって遮断されることができる。
【0064】
レセプタクル(310)は、加圧空間(205)に延びたボス(314)を含み得る。ボス(314)には気体の圧力が予め設定された圧力以上に超えることを防止する圧力調節バルブ(315)が提供され得る。圧力調節バルブ(315)は、薬液が患者に所定の流速より速く注入されることを防止するために、加圧空間(205)の圧力が予め設定された圧力より高くなると、加圧空間(205)を外部(例えば、大気)に連結して加圧空間(205)の気体を外部に流出させる。その結果、加圧空間(205)の圧力は一定に維持されることができる。
【0065】
加圧動作部(300)にはレセプタクル(310)内部から加圧空間(205)へ移動する気体が通過するように構成されたエアーベントホール(301)が形成され得る。薬液注入装置(10)は、エアーベントホール(301)を通じて加圧空間(205)へ移動する気体が通過するように配置される加圧部フィルター(30)を含み得る。加圧部フィルター(30)は、液体は透過不能で、気体は透過可能に構成され得る。加圧部フィルター(30)は疎水性であり得る。加圧部フィルター(30)については
図13~
図16を参照して後述する。
【0066】
レセプタクル(310)は、液体物質(7)を収容する液体収容部(305)を有し得る。レセプタクル(310)は、液体収容部(305)を見る方向に開放された開口部(307)を有し得る。レセプタクル(310)は、固体物質(6)を収容する固体収容部(306)を含み得る。レセプタクル(310)は、上部レセプタクルハウジング(311)及び下部レセプタクルハウジング(312)を含み得る。液体収容部(305)は、上部レセプタクルハウジング(311)の内部に形成され得る。固体収容部(306)は、下部レセプタクルハウジング(312)の内部に形成され得る。
【0067】
レセプタクル(310)の液体収容部(305)及び固体収容部(306)は、隔壁部(320)により分離され得る。隔壁部(320)は、閉鎖位置で開口部(307)を閉鎖することによって液体物質(7)と固体物質(6)を隔離することができる。前記閉鎖位置は、
図2及び
図3に示されたとおり、隔壁部(320)が液体物質(7)と固体物質(6)を隔離するようにレセプタクル(310)に結合された位置であり得る。
【0068】
隔壁部(320)は、接着剤によりレセプタクル(310)に結合され得る。隔壁部(320)は、下部レセプタクルハウジング(312)に結合され得る。下部レセプタクルハウジング(321)にワックス(wax)が塗布され得る。ワックスが塗布された下部レセプタクルハウジング(321)の表面に隔壁部(320)が接着され得る。隔壁部(320)は、接着剤またはUV(Ultra Violet)接着などを用いて下部レセプタクルハウジング(312)に接着され得る。
【0069】
隔壁部(320)は、レセプタクル(310)に外力が加えられると、前記閉鎖位置から離脱するように構成され得る。レセプタクル(310)に外力が加えられると、レセプタクル(310)に対する隔壁部(320)の結合が解除され、隔壁部(320)が下部レセプタクルハウジング(312)から離れていくことができる。
【0070】
一例として、レセプタクル(310)の下部レセプタクルハウジング(312)は、フレキシブルな材質で形成され得る。フレキシブルな材質の下部レセプタクルハウジング(312)は、外力によって加圧され、弾性変形され得る。下部レセプタクルハウジング(312)が弾性変形されて固体物質(6)を加圧すると、固体物質(6)が隔壁部(320)を加圧し得る。これにより、隔壁部(320)が前記閉鎖位置から離脱し得る。
【0071】
隔壁部(320)が前記閉鎖位置から離脱すると、固体物質(6)が液体収容部(305)へ抜け出し、液体物質(7)と固体物質(6)が互いに接触し得る。液体物質(7)と固体物質(6)が接触すると、気体(例えば、二酸化炭素)が発生し得る。レセプタクル(310)内で発生した気体は、エアーベントホール(301)を通じて加圧空間(205)に移動することができ、これにより、加圧空間(205)内の空気の圧力が増加することができる。加圧空間(205)内の空気の圧力が増加することによって、ピストン(200)は前記加圧方向(Ap1)に移動することができる。
【0072】
固体収容部(306)は、固体物質(6)と共にブースティング物質(5)を収容し得る。ブースティング物質(5)は、隔壁部(320)が前記閉鎖位置から離脱する瞬間に、固体物質(6)より液体物質(7)と先に接触し、反応初期に気体の発生量を急激に増加させることができる。これにより、固体物質(6)と液体物質(7)の反応が十分ではない反応初期にも、加圧空間(205)の気体の圧力が十分に増加することができる。
【0073】
固体物質(6)は、例えば、重炭酸ナトリウムを主成分とするペレット形態で構成され得る。液体物質(7)は、固体物質(6)との反応時に二酸化炭素を発生させるクエン酸のような酸性の液体物質(7)であり得る。ブースティング物質(5)は、高濃度の固体物質(6)、即ち、高濃度の重炭酸ナトリウムを主成分とすることができる。
【0074】
一方、加圧動作部(300)は、レセプタクル(310)に回転可能に結合される回転部(330)を含み得る。加圧動作部(300)は、回転部(330)の回転に伴ってレセプタクル(310)と近づく方向に移動するように構成された加圧部(340)を含み得る。回転部(330)と加圧部(340)の構成については
図17~
図20を参照して後述する。
【0075】
図5は、
図4に示された薬液注入装置(10)において、薬液流入部(110)を拡大して示した図面である。
図6は、
図5に示された薬液流入部(110)のキャップ部(111)とベース部(113)が分離された状態で一部を切った断面斜視図である。
【0076】
図5及び
図6を参照すると、パッキング部(112)は、第1柱部(1122)を含み得る。パッキング部(112)は、第1柱部(1122)の下端に連結される第2柱部(1123)を含み得る。第2柱部(1123)は、第1柱部(1122)の外径より更に大きい外径を有し得る。
【0077】
パッキング部(112)は、外側に延びる挟まれ部(1124)を含み得る。挟まれ部(1124)は、第2柱部(1123)の下側端部から外側に延び得る。挟まれ部(1124)は、キャップ部(111)とベース部(113)との間に介在して固定されるように構成され得る。
【0078】
パッキング部(112)は、薬液流入ホール(1121)を含み得る。パッキング部(112)は、薬液流入ホール(1121)を用いて薬液の流動を調節することができる。パッキング部(112)は、外部からチャンバ(100)の内部への薬液の流動を許容するように薬液流入ホール(1121)が開放され、チャンバ(100)の内部から外部への薬液の流動を防止するように薬液流入ホール(1121)が閉鎖されるように構成され得る。これにより、薬液流入ホール(1121)は、薬液がチャンバ(100)内部から外部に移動する薬液の逆流を防止することができる。薬液流入ホール(1121)は、例えば、チェックバルブ(one‐way valve)の機能を行うことができる。
【0079】
一実施例において、パッキング部(112)は、薬液流入の流れの方向に突出した突出部(1125)を含み得る。突出部(1125)の突出末端に薬液流入ホール(1121)が形成される。前記ホール(751a)は、フラッシング用液体が通過するために形成される。薬液流入ホール(1121)は、薬液の流動方向によって開閉如何が変わる。薬液流入ホール(1121)は、薬液が外部からチャンバ(100)の内部に流動する時、突出部(1125)が両側に広がって開放され、薬液がチャンバ(100)の内部から外部に流動する時、突出部(1125)が狭まって閉鎖される。
【0080】
キャップ部(111)は、第1シリンダ部(1111)を含み得る。キャップ部(111)は、第1シリンダ部(1111)の内径より更に大きい内径を有する第2シリンダ部(1112)を含み得る。キャップ部(111)は、キャップ部(111)の中央を貫通しながら延びる貫通ホールを区画する。前記貫通ホールは、第1シリンダ部(1111)及び第2シリンダ部(1112)を貫通しながら延び得る。前記貫通ホールにはシリンジのような薬液流入ツール(S、
図8参照)が挿入され得る。第1シリンダ部(1111)には少なくとも1つの陥没部(111B)が形成され得る。
図6に示されたとおり、キャップ部(111)は、パッキング部(112)の挟まれ部(1124)に向かう方向に突出した押圧部(1113)を含み得る。押圧部(1113)は、挟まれ部(1124)に接触して挟まれ部(1124)を固定させ得る。押圧部(1113)には少なくとも1つの開放口(1114)が形成され得る。押圧部(1113)は、パッキング部(112)の挟まれ部(1124)を加圧することによって、パッキング部(112)をキャップ部(111)とベース部(113)との間の所定位置に固定させることができる。押圧部(1113)に形成された少なくとも1つの開放口(1114)は、空気が通過するように構成され得る。例えば、少なくとも1つの開放口(1114)は、押圧部(1113)の外周に沿って形成され得、空気は開放口(1114)を通過して外部に排出され得る。
【0081】
図7は、
図3に示された薬液注入装置(10)において、薬液流入部(110)を含む一部を拡大して示した図面である。
【0082】
図7を参照すると、キャップ部(111)の内側面(111A)は、チャンバ(100)内部の薬液保存空間(105)を外部と流体連通させるエアー排気ホール(114)を区画することができる。エアー排気ホール(114)は、キャップ部(111)とパッキング部(112)との間、及び/又は、キャップ部(111)とベース部(113)との間に形成された空気が流動できる所定の通路空間であり得る。エアー排気ホール(114)は、薬液保存空間(105)に延びたエアー排気ホール(114)の入口(114A)を含む。エアー排気ホール(114)の入口(114A)は、ベース部(113)の下側面に形成され、ベース部(113)の上側面まで延び得る。
【0083】
パッキング部(112)の外側面(112A)は、キャップ部(111)の内側面(111A)に接触してエアー排気ホール(114)を閉鎖させるように構成され得る。パッキング部(112)の上面(112A1)は、エアー排気ホール(114)の一部を区画するキャップ部(111)の第1シリンダ部(1111)の下面(111A1)と気密に接触してエアー排気ホール(114)を閉鎖させることができる。エアー排気ホール(114)がパッキング部(112)により閉鎖されることによって、エアー排気ホール(114)を通じた流体の連通は不可能である。
図7に示されたとおり、パッキング部(112)に外力が加えられずにパッキング部(112)が変形されていない状態である時、薬液保存空間(105)内の気体はエアー排気ホール(114)を通過できないため、エアー排気ホール(114)を通じた流体の連通は不可能である。
【0084】
パッキング部(112)の外周面(112A2)とキャップ部(111)の内周面(111A2)は、互いに向かい合い得る。パッキング部(112)の外周面(112A2)とキャップ部(111)の内周面(111A2)との間には所定の離隔空間(115)が形成され得る。離隔空間(115)は、パッキング部(112)の第1柱部(1122)の外周面(112A2)と、エアー排気ホール(114)の一部を区画する第2シリンダ部(1112)の内周面(111A2)との間に形成され得る。
【0085】
図8は、
図7において、パッキング部(112)が外部から加圧されて弾性変形される時の薬液流入部(110)を含む一部を示した図面である。
【0086】
図8を参照すると、パッキング部(112)が外部から加圧されて弾性変形される時、パッキング部(112)の外側面(112A)とキャップ部(111)の内側面(111A)との間に流体連通可能なギャップ(gap、g)が形成され得る。前記ギャップ(g)が形成され、エアー排気ホール(114)が開放されるように構成され得る。パッキング部(112)は、例えば、薬液を流入させるための薬液流入ツール(S)により加圧され得る。薬液流入ツール(S)は、例えば、シリンジであり得る。パッキング部(112)が外部から加圧される時、パッキング部(112)の一部は弾性変形され、離隔空間(115;
図7参照)に導入可能に構成され得る。パッキング部(112)が外部から加圧されると、パッキング部(112)の一部は圧縮されて離隔空間(115)に導入され、第1シリンダ部(1111)の下面(111A1)とパッキング部(112)の上面(112A1)の接触が円滑に解除され、ギャップ(g)が形成され得る。パッキング部(112)の一部が圧縮されて導入され得る離隔空間(115)が提供されることによって、前記ギャップ(g)が効果的に生成されることができる。前記ギャップ(g)が形成されることによって、エアー排気ホール(114)が開放されることができる。エアー排気ホール(114)が開放されることによって、薬液保存空間(105)内部の空気はエアー排気ホール(114)を通じて外部に排出されることができる。薬液保存空間(105)内部の空気は、エアー排気ホール(114)の入口(114A)に流入し、その後、前記ギャップ(g)を通じて外部に排出されることができる。これにより、エアー排気ホール(114)を通じた流体の連通が可能である。
【0087】
パッキング部(112)が外部から加圧される時、第1シリンダ部(1111)の内周面(111A2)に第1シリンダ部(1111)の上面(1111A2)から下面(111A1)まで延びるように形成された少なくとも1つの陥没部(111B)は、前記ギャップ(g)と連結され得る。複数の陥没部(111B)と対応する位置で、第1シリンダ部(1111)の下面と接触するパッキング部(112)の上面の一部分の接触が解除され得る。複数の陥没部(111B)は、ギャップ(g)と連結され、エアー排気ホール(114)を通じた流体の連通をより円滑に行われるようにすることができる。
【0088】
上述のエアー排気ホール(114)の開放及び閉鎖により、薬液が充填される時、即ち、パッキング部(112)が加圧されて変形される時、薬液保存空間(105)内の気体が薬液注入装置(10)の外部に排出されることができる。従って、薬液保存空間(105)内の気体が外部に円滑に抜け出すことができ、薬液が外部に流出されることを防止することができる。
【0089】
図9は、
図2に示された薬液流入部と疎水性フィルターを矢印B及びB’方向に見た立面図であり、
図10は、
図9から疎水性フィルターを除いた図面である。
【0090】
図9及び
図10を参照すると、疎水性フィルター(20)は、液体は透過不能で、気体は透過可能に構成され得る。疎水性フィルター(20)により、疎水性フィルター(20)が配置された部分に気体のみが透過可能にすることができる。疎水性フィルター(20)は、薬液流入部(110)のベース部(113)の下側面に配置され得る。ここで、ベース部(113)の下側面にはエアー排気ホール(114)の入口(114A)が形成され得る。疎水性フィルター(20)は、エアー排気ホール(114)の入口(114A)を下側から覆うように配置され得る。疎水性フィルター(20)は、チャンバ(100、
図2参照)内部からエアー排気ホール(114)の入口(114A)を通じて外部に移動する空気が疎水性フィルター(20)を通過するように配置され得る。疎水性フィルター(20)は、チャンバ(100)内部に保存された液体(例えば、薬液)がエアー排気ホール(114)の入口(114A)を通じて外部に移動できないように配置され得る。
【0091】
図11は、
図9に示された疎水性フィルター(20)の分解斜視図である。
【0092】
図11を参照すると、疎水性フィルター(20)は、第1疎水性フィルター層(20a)及び第2疎水性フィルター層(20b)を含み得る。第1疎水性フィルター層(20a)と第2疎水性フィルター層(20b)が互いに接着して疎水性フィルター(20)を形成し得る。
【0093】
図12は、
図11に示された疎水性フィルター(20)において、第1及び第2疎水性フィルター層(20b)の積層方向に垂直な横方向への断面図である。
【0094】
図9~
図12を参照すると、第1疎水性フィルター層(20a)と第2疎水性フィルター層(20b)が互いに接着し、複数のブロック境界(21)が形成され得る。
図9に示されたとおり、複数のブロック境界(21)は環状に配置され得る。複数のブロック境界(21)は、第1疎水性フィルター層(20a)及び第2疎水性フィルター層(20b)の積層方向に垂直な横方向にそれぞれ液体の移動可能範囲を区画することができる。複数のブロック境界(21)は、それぞれ液体の移動可能範囲として複数のブロック境界領域(25)を区画することができる。複数のブロック境界(21)は、いずれか1つのブロック境界領域(25)から前記横方向に隣接した他のブロック境界領域(25)への液体の移動を防止することができる。複数のブロック境界(21)がそれぞれ前記横方向への液体の移動可能な範囲である複数のブロック境界領域(25)を区画することによって、ブロック境界領域(25)単位で液体が疎水性フィルター(20)を通過することを防止することができる。即ち、2つの疎水性フィルター層(20a、20b)の間で横方向への液体の流れが防止されるので、1つのブロック境界(21)により区切られた1つのブロック境界領域(25)内の第1疎水性フィルター層(20a)の一部が損傷し、更に他のブロック境界(21)で区切られた更に他のブロック境界領域(25)内の第2疎水性フィルター層(20b)の一部が損傷する場合にも、液体が疎水性フィルター(20)を通過しないようにすることができる。従って、疎水性フィルター(20)の一部の損傷による影響を最小化し、薬液の漏出を効果的に防止することができる。
【0095】
一例として、第1疎水性フィルター層(20a)は、第1ブロック境界形成部(22a)を含み得る。第2疎水性フィルター層(20b)は、第2ブロック境界形成部(22b)を含む。第1ブロック境界形成部(22a)と第2ブロック境界形成部(22b)は、共に複数のブロック境界(21)を形成し得る。第1ブロック境界形成部(22a)及び第2ブロック境界形成部(22b)は、それぞれ第1疎水性フィルター層(20a)及び第2疎水性フィルター層(20b)で互いに向かい合う方向に突出し得る。
【0096】
他の例として、第1疎水性フィルター層(20a)と第2疎水性フィルター層(20b)は、互いに一部分に沿って接着することによって、接着した部分によって複数のブロック境界(21)が形成されることができる。接着した部分は、第1疎水性フィルター層(20a)及び第2疎水性フィルター層(20b)を積層方向に連結する構造(22a、22b)を形成し得る。第1疎水性フィルター層(20a)と第2疎水性フィルター層(20b)は、互いに対して熱接着され得る。例えば、第1疎水性フィルター層(20a)と第2疎水性フィルター層(20b)を接触させた後、熱を加えることになると、第1疎水性フィルター層(20a)と第2疎水性フィルター層(20b)が前記構造(22a、22b)に沿って互いに対して密着しながら接着され得る。
【0097】
図9を共に参照すると、エアー排気ホール(114)の入口(114A)は、ベース部(113)の下側面に形成され得る。複数のブロック境界領域(25)全体は、エアー排気ホール(114)の入口(114A)に対応するように形成され得る。エアー排気ホール(114)の入口(114A)は、複数のブロック境界(21)が区画する各ブロック境界領域(25)に対応する位置に形成される。
【0098】
一例として、エアー排気ホール(114)の入口(114A)は、複数のブロック境界領域(25)全体に対応するように環状にベース部(113)の下側面に延長形成され得る。
【0099】
図示されていない他の例として、エアー排気ホール(114)の入口(114A)は複数に形成され得る。複数のエアー排気ホール(114)は、周りに沿って互いに離隔されて形成され得る。疎水性フィルター(20)の複数のブロック境界領域(25)は、互いに離隔されて形成されたエアー排気ホール(114)の入口(114A)のそれぞれに対応するように配置され得る。
【0100】
チャンバ(100)内部の空気は、エアー排気ホール(114)を通じて外部に抜け出す必要がある。ただし、形成されたエアー排気ホール(114)を通じて液体も流動し得るが、この場合、チャンバ(100)内部に保存された液体、例えば、薬液が漏出し得る。本開示による疎水性フィルター(20)は、複数のブロック境界(21)を形成し、ブロック境界(21)を単位として液体が透過することを防止することができる。
【0101】
図13は、
図2に示された薬液注入装置(10)において、加圧動作部(300)を拡大して示した図面である。
【0102】
図13を参照すると、加圧動作部(300)は、レセプタクル(310)内で発生した気体を加圧空間(205)に案内するエアーベントホール(301)を形成し得る。エアーベントホール(301)は、レセプタクル(310)に収容された固体物質(6)と液体物質(7)が反応することによって発生した気体が流動できる所定の通路空間であり得る。例えば、レセプタクル(310)内で発生した二酸化炭素がエアーベントホール(301)を通じて加圧空間(205)に移動することができる。加圧空間(205)に移動した気体によって加圧空間(205)の気体圧力が増加し、ピストン(200)が加圧方向(Ap1、
図2参照)に移動することができる。薬液注入装置(10)は、加圧部フィルター(30)を含み得る。加圧部フィルター(30)は、レセプタクル(310)内部からエアーベントホール(301)を通じて加圧空間(205)に移動する気体が通過するように配置され得る。
【0103】
図14は、
図13に示された加圧動作部(300)のC-C’断面図であり、
図15は、
図14から複数の加圧部フィルター(30)を除いた図面である。
【0104】
図13~
図15を参照すると、エアーベントホール(301)は、複数のエアーベントホール(301)の入口(301A)を含み得る。レセプタクル(310)内で発生した二酸化炭素は、複数のエアーベントホール(301)の入口(301A)を通じてエアーベントホール(301)に流入し、その後、加圧空間(205)に移動し得る。
【0105】
複数の加圧部フィルター(30)は、液体は透過不能で、気体は透過可能に構成され得る。加圧部フィルター(30)により、加圧部フィルター(30)が配置された部分に気体のみが透過可能にすることができる。複数の加圧部フィルター(30)は、互いに対して離隔され、それぞれ複数のエアーベントホール(301)の入口(301A)を覆うように配置され得る。複数の加圧部フィルター(30)は、複数のエアーベントホール(301)の入口(301A)のそれぞれと対応する位置に配置され得る。加圧部フィルター(30)は、レセプタクル(310)内部から加圧空間(205)に移動する気体が加圧部フィルター(30)を通過するように配置され得、レセプタクル(310)内部に保存された液体はエアーベントホール(301)を通じて外部に移動できないように配置され得る。
【0106】
一例示として、
図14に示されたとおり、エアーベントホール(301)の入口(301A)が前記加圧方向に平行な軸を中心に周方向に形成され得る。複数の加圧部フィルター(30)も前記加圧方向に平行な軸を中心とした周方向に互いに離隔されて配置され得る。ここで、エアーベントホール(301)の入口(301A)は、対応する加圧部フィルター(30)の中心(30C)より前記軸から遠い位置に形成され得る。エアーベントホール(301)の入口(301A)は、対応する加圧部フィルター(30)の中心(30C)より上部レセプタクルハウジング(311)に更に近く位置し得る。
【0107】
図16は、
図14に示された加圧部フィルター(30)の斜視図である。
【0108】
図14及び
図16を参照すると、複数の加圧部フィルター(30)のそれぞれは、積層された複数の疎水性フィルター層を含み得る。一例示として、加圧部フィルター(30)は、第1加圧部フィルター層(30a)を含み得る。加圧部フィルター(3)は、第2加圧部フィルター層(30b)を含み得る。第1加圧部フィルター層(30a)と第2加圧部フィルター層(30b)は、互いに接着して形成され得る。ここで、第1加圧部フィルター層(30a)と第2加圧部フィルター層(30b)は、互いに対して熱接着され得る。例えば、第1加圧部フィルター層(30a)と第2加圧部フィルター層(30b)を接触させた後、熱を加えることになると、第1加圧部フィルター層(30a)と第2加圧部フィルター層(30b)が互いに対して密着しながら接着され得る。ここで、第1加圧部フィルター層(30a)のエッジ部分と第2加圧部フィルター層(30b)のエッジ部分が互いに接着され得る。
【0109】
図示されていない他の例示として、
図9~
図12を参照して説明した、疎水性フィルター(20)がレセプタクル(310)内部からエアーベントホール(301)を通じて加圧空間(205)に移動する気体が通過するように配置され得る。疎水性フィルター(20)の複数のブロック境界(21)は、複数のブロック境界領域(25)を区画するが、疎水性フィルター(20)は、複数のブロック境界領域(25)のそれぞれが複数のエアーベントホール(301)のそれぞれを覆うように配置され得る。複数のエアーベントホール(301)の入口(301A)は、それぞれ複数のブロック境界が区画する複数のブロック境界領域(25)に対応する位置に形成され得る。
【0110】
図17は、
図13に示された加圧動作部(300)の一態様での透視図であり、
図18は、
図17に示された加圧動作部(300)のD-D’断面図である。
【0111】
図17及び
図18を参照すると、加圧動作部(300)の回転部(330)は、レセプタクル(310)に対して回転可能に構成され得る。例えば、回転部(330)は、レセプタクル(310)の下部レセプタクルハウジング(312)に回転可能に結合され得る。加圧動作部(300)の加圧部(340)は、回転部(330)の回転に伴ってレセプタクル(310)と近づく方向である上側方向(以下、第1方向(D1))に加圧されて移動するように構成され得る。加圧部(340)は、前記第1方向(D1)に移動することによって、レセプタクル(310)を加圧して隔壁部(320)の隔離を解除させるように構成され得る。加圧部(340)は、レセプタクル(310)を加圧することによって、隔壁部(320)を閉鎖位置から離脱させることができる。
【0112】
回転部(330)は、上下方向軸、即ち、前記第1方向(D1)に平行な軸を回転軸としてレセプタクル(310)に対して回転運動することができる。一例示として、回転部(330)は、前記第1方向(D1)に平行な軸(仮想の軸)を回転軸として、
図17に示された第1回転方向(R1)及び第1回転方向(R1)の反対方向である第2回転方向(R2)に沿って回転することができる。ここで、第1回転方向(R1)及び第2回転方向(R2)は、回転部(330)の回転方向の説明の便宜上、提示された方向である。
【0113】
使用者は、薬液注入装置(10、
図1参照)の使用が必要である時、回転部(330)以外の部分を把持したまま、回転部(330)をレセプタクル(310)に対して回転させることができる。使用者は、前記第1回転方向(R1)または前記第2回転方向(R2)に沿って回転部(330)を回転させることができる。これにより、回転部(330)がレセプタクル(310)に対して回転することになり、回転部(330)の回転に伴って加圧部(340)が前記第1方向(D1)に移動することができる。
【0114】
加圧部(340)は、回転部(330)の内側に配置され、レセプタクル(310)を加圧可能に構成されたプレート部(342)を含み得る。プレート部(342)は略円板状であり得る。加圧部(340)は、前記第1方向(D1)に凸に突出してレセプタクル(310)の所定の部分を加圧するように構成された凸部(343)を含み得る。凸部(343)は、プレート部(342)から前記第1方向(D1)、即ち、レセプタクル(310)と近づく上側方向に向かって凸に突出し得る。凸部(343)は、加圧部(340)がレセプタクル(310)と近づく時、レセプタクル(310)を加圧し得る。本実施例において、加圧部(340)は、レセプタクル(310)と離隔された状態からレセプタクル(310)と近づく方向に移動してレセプタクル(310)を加圧するように構成されるが、図示されていない他の実施例において、加圧部(340)は、レセプタクル(310)と既に接触した状態からレセプタクル(310)に近づく方向に移動してレセプタクル(310)を加圧するように構成されることもできる。凸部(343)は、レセプタクル(310)に加えられる圧力を所定の部分に集中させることができる。
【0115】
加圧部(340)は、回転部(330)と接触する少なくとも1つの突起部(341)を含み得る。突起部(341)は、プレート部(342)から外側方向に延び得る。
図17に示されたとおり、少なくとも1つの突起部(341)は、プレート部(342)の外周に沿って互いに離隔配置された複数の突起部(341)であり得る。複数の突起部(341)は、プレート部(342)に対して同じ高さで互いに同一の間隔で離隔配置され得る。本実施例において、3つの突起部(341)が備えられるが、突起部(341)の個数はこれに制限されない。
【0116】
レセプタクル(310)は、突起部(341)が挿入される挿入溝(316)を含み得る。挿入溝(316)は、レセプタクル(310)の下部レセプタクルハウジング(312)に形成され得る。プレート部(342)から外側方向に延びる突起部(341)は、下部レセプタクルハウジング(312)に形成された挿入溝(316)を内側から外側に通過し得る。挿入溝(316)は、前記第1方向(D1)に延長形成され得る。前記第1方向(D1)に延長形成された挿入溝(316)は、突起部(341)の前記第1方向(D1)への移動をガイドし得る。挿入溝(316)は、前記第1方向(D1)を横切る水平方向への移動を制限し得る。挿入溝(316)の水平方向の幅は、突起部(341)が挿入されるものの、突起部(341)が水平方向に移動することは防止するように突起部(341)の水平方向の幅に対応する大きさであり得る。
【0117】
回転部(330)は、少なくとも1つのガイド部(331)を含む。少なくとも1つのガイド部(331)は複数であり得る。少なくとも1つのガイド部(331)は、回転部(330)の内側面に沿って形成され得る。少なくとも1つのガイド部(331)は、加圧部(340)と接触し得る。少なくとも1つのガイド部(331)は、突起部(341)と接触し得る。少なくとも1つのガイド部(331)は、回転部(330)の前記第1回転方向(R1)に沿って前記第1方向(D1)への高さが低くなる第1傾斜面(332a)を含み得る。第1傾斜面(332a)は、前記第1回転方向(R1)の反対方向である前記第2回転方向(R2)に沿って前記第1方向(D1)への高さが高くなり得る。
【0118】
また、少なくとも1つのガイド部(331)は、前記第1回転方向(R1)の反対方向である第2回転方向(R2)に沿って前記第1方向(D1)への高さが低くなる第2傾斜面(332b)を含み得る。第2傾斜面(332b)は、前記第1回転方向(R1)に沿って前記第1方向(D1)への高さが高くなり得る。
【0119】
図17及び
図18に示された作動前の状態で、使用者が回転部(330)を前記第1回転方向(R1)に回転させれば、加圧部(340)の突起部(341)は第1傾斜面(332a)に沿ってスライディングすることができる。前記作動前の状態で、使用者が回転部(330)を前記第2回転方向(R2)に回転させれば、加圧部(340)の突起部(341)は第2傾斜面(332b)に沿ってスライディングすることができる。使用者が回転部(330)を前記第1回転方向(R1)または前記第2回転方向(R2)に回転させることによる加圧動作部(300)の他の態様は
図19及び
図20に示される。
【0120】
図19は、
図17に示された加圧動作部(300)の他の態様での透視図であり、
図20は、
図19に示された加圧動作部(300)のE-E’断面図である。
【0121】
図19及び
図20を参照すると、回転部(330)の前記第1回転方向(R1)への回転に伴って、少なくとも1つのガイド部(331)も前記第1回転方向(R1)に共に回転する。少なくとも1つのガイド部(331)が前記第1回転方向(R1)に沿って回転すると、第1傾斜面(332a)も前記第1回転方向(R1)に回転する。第1傾斜面(332a)が前記第1回転方向(R1)に回転すると、加圧部(340)がスライディングする第1傾斜面(332a)の前記第1方向(D1)への高さは増加する。これにより、加圧部(340)が前記第1方向(D1)に移動してレセプタクル(310)を加圧することができる。加圧部(340)は、少なくとも1つのガイド部(331)の第1傾斜面(332a)に沿ってスライディングすることによって、前記第1方向(D1)に移動するように構成され得る。ここで、加圧部(340)の構成のうち、突起部(341)が少なくとも1つのガイド部(331)の第1傾斜面(332a)に沿ってスライディングすることができる。突起部(341)は、挿入溝(316)に挿入されたまま第1傾斜面(332a)に沿ってスライディングすることができる。挿入溝(316)が水平方向への移動を制限することにより、突起部(341)は第1傾斜面(332a)に沿って前記第1回転方向(R1)に回転することはできず、前記第1方向(D1)のみに移動することができる。突起部(341)の前記第1方向(D1)への移動により、プレート部(342)及び凸部(343)も前記第1方向(D1)に移動することができる。
【0122】
回転部(330)の前記第2回転方向(R2)への回転に伴って、少なくとも1つのガイド部(331)も前記第2回転方向(R2)に共に回転する。少なくとも1つのガイド部(331)が前記第2回転方向(R2)に沿って回転すると、第2傾斜面(332b)も前記第2回転方向(R2)に回転する。第2傾斜面(332b)が前記第2回転方向(R2)に回転すると、加圧部(340)がスライディングする第2傾斜面(332b)の前記第1方向(D1)への高さは増加する。これにより、加圧部(340)が前記第1方向(D1)に移動してレセプタクル(310)を加圧することができる。加圧部(340)は、少なくとも1つのガイド部(331)の第2傾斜面(332b)に沿ってスライディングすることによって、前記第1方向(D1)に移動するように構成され得る。上述したのと実質的に同一に、突起部(341)は、挿入溝(316)に挿入されたまま第2傾斜面(332b)に沿ってスライディングすることができる。この時、突起部(341)は、前記第2回転方向(R2)に回転することはできず、前記第1方向(D1)のみに移動することができる。
【0123】
回転部(330)は、前記第1回転方向(R1)に回転する時、及び、前記第2回転方向(R2)に回転する時のいずれも、加圧部(340)を前記第1方向(D1)に移動させるように構成され得る。これにより、使用者が回転部(330)を回転させる方向と関係なく、加圧部(340)が前記第1方向(D1)に移動することができる。即ち、使用者が回転部(330)を前記第1回転方向(R1)及び前記第2回転方向(R2)に関する区分なく、任意の一方向に回転させることができ、これにより、加圧部(340)はレセプタクル(310)と近づくことができる。ここで、加圧部(340)のうち凸部(343)がレセプタクル(310)の所定の部分を加圧することができ、凸部(343)がレセプタクル(310)の所定の部分を加圧することによって隔壁部(320)の隔離が解除されることができる。
【0124】
使用者は回転部(330)を回転させ、隔壁部(320)の隔離を更に容易かつ確実に解除させることができる。また、回転部(330)の回転方向と関係なく、隔壁部(320)の隔離が解除され得ることによって、使用者が薬液注入装置(10)を用いる時の利便性を増加することができる。従って、薬液注入装置(10)を更に効率的に用いることができる。
【0125】
以上、一部の実施例と添付の図面に示された例によって本開示の技術的思想が説明されたが、本開示の属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更が行われ得るという点を理解すべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の特許請求の範囲内に属すると考えられなければならない。
【国際調査報告】