(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】二相化粧品組成物を分配するためのパッケージ
(51)【国際特許分類】
A61K 8/41 20060101AFI20240725BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240725BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240725BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240725BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20240725BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20240725BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q5/12
A61K8/02
A61K8/34
A61K8/19
A61K8/23
A61K8/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508606
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2021114220
(87)【国際公開番号】W WO2023023927
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ツー ファーン チュワ
(72)【発明者】
【氏名】チャーン ピン ゴー
(72)【発明者】
【氏名】ロン ホー
(72)【発明者】
【氏名】チアオ リー
(72)【発明者】
【氏名】マーカス テイ ジン ウェン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン チャン ショウ リー
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ジー ジャン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB211
4C083AB361
4C083AB362
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC151
4C083AC152
4C083AC302
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD042
4C083AD052
4C083AD152
4C083BB06
4C083BB60
4C083CC33
4C083DD05
4C083DD47
4C083EE03
4C083EE21
4C083FF04
4C083FF10
(57)【要約】
温感及びヘアコンディショニングを提供することができる二相リンスオフヘアトリートメント組成物を収容することができる多室チューブパッケージを有するリンスオフヘアトリートメント製品。多室チューブパッケージは、コンディショニング組成物を収容する外側チャンバを有する外側チューブと、加温組成物を収容する内側チャンバを有する内側チューブとを有するチューブインチューブパッケージであってよい。内側チャンバは、内側ノズルチャネルによって1つ以上の中央オリフィスに流体接続され、外側チャネルは、外側チャネルによって1つ以上の外側オリフィスに流体接続される。外側オリフィスに対する中央オリフィスの面積の比は、1より大きくてよい。これらの比は、2つの可視相を有する単一の流れとして製品を分配するのに役立ち得、このことは、消費者に組成物を直感的に混合するように促し、それによって温感を活性化することが見出されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンスオフヘアトリートメント製品であって、
a.加温組成物と、チューブパッケージ(1)であって、
i.内側チューブ壁(44)及び内側チャンバ(41)を含む内側チューブ(4)、
ii.外側チューブ壁(34)、前記外側チューブ壁(44)と前記内側チューブ壁(34)との間に形成される外側チャンバ(31)を含む外側チューブ(3)、
iii.1つ以上の外側ノズルチャネル(33)によって前記外側チャンバ(31)に流体接続された1つ以上の外側オリフィス(53)、
iv.1つ以上の内側ノズルチャネル(43)によって前記内側チャンバ(41)に流体接続された1つ以上の中央オリフィス(54)、
を含み、
前記1つ以上の外側オリフィス(53)の面積に対する前記1つ以上の中央オリフィス(54)の面積の比が、2~6、好ましくは2.5~5.5、より好ましくは3~5、更により好ましくは3.5~4.5である、チューブパッケージ(1)と、
b.二相ヘアトリートメント組成物であって、
i.ある粘度を有する加温組成物(46)、
ii.ある粘度を有するコンディショニング組成物(36)
を含む、二相ヘアトリートメント組成物と、
を含み、
前記加温組成物(46)の前記粘度が、前記コンディショニング組成物(36)の前記粘度よりも高く、
前記内側チャンバ(41)が、前記加温組成物(46)を収容し、
前記外側チャンバ(31)が、前記コンディショニング組成物(36)を収容し、
前記加温組成物(46)及び前記コンディショニング組成物(36)が、前記チューブパッケージ(1)内で物理的に分離されている、
リンスオフトリートメント製品。
【請求項2】
前記加温組成物の前記粘度が、前記コンディショニング組成物の前記粘度よりも少なくとも1.25倍、好ましくは少なくとも1.4倍、より好ましくは1.5倍高い、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記加温組成物が、27℃、950s
-1において190~420Paの粘度を有し、前記コンディショニング組成物が、27℃、950s
-1において420Paの粘度を有する、請求項1又は2に記載の製品。
【請求項4】
前記加温組成物に対する前記コンディショニング組成物の重量比が、1~5、好ましくは1.25~2.25、より好ましくは1.35~1.9、更により好ましくは1.5~1.75である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記1つ以上の中央オリフィス(54)が1つのオリフィスを含み、前記1つ以上の外側オリフィス(53)が1つのオリフィスを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記内側オリフィス(54)が、円形又は楕円形である、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
前記外側オリフィス(53)が、スリット、好ましくは湾曲スリットである、請求項5~6に記載の製品。
【請求項8】
前記内側オリフィス(54)が、2mm
2~9mm
2、好ましくは3mm
2~7mm
2、より好ましくは4mm
2~6mm
2、更により好ましくは4.5mm
2~5.5mm
2の面積を有し、前記外側オリフィス(53)が、0.25mm
2~5mm
2、好ましくは0.5mm
2~3.5mm
2、より好ましくは0.75mm
2~2.5mm
2、更により好ましくは1mm
2~1.5mm
2の面積を有する、段落5~7に記載の製品。
【請求項9】
前記外側チューブ壁(34)及び前記内側チューブ壁(44)が、ポリマー及びアルミニウムバリアを含む積層フィルムを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記コンディショニング組成物(36)及び前記加温組成物(46)が、異なる色である、請求項1~9のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
前記加温組成物(46)が、水と混合することによって熱を発生させる無機発熱剤を含み、前記コンディショニング組成物が、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含むカチオン性界面活性剤系を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の製品。
【請求項12】
前記無機発熱剤が、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される無水無機塩である、請求項12に記載の製品。
【請求項13】
前記加温組成物(46)が、前記カチオン性界面活性剤、前記高融点脂肪族化合物、及び前記水性担体の少なくとも一部を含むゲルマトリックスを含む、段落A~Pに記載の製品。
【請求項14】
毛髪を処理する方法であって、
a.段落A~Sに記載のリンスオフヘアトリートメント製品を提供することと、
b.前記外側チューブ壁(34)に圧力を印加し、前記二相ヘアトリートメント組成物を単一ストランドとしてユーザの手のひらに分配することと、
c.前記二相ヘアトリートメント組成物を混合し、それによって温感を促進することと、
d.前記二相ヘアトリートメント組成物をユーザの毛髪及び/又は頭皮に塗布することと、
e.前記ユーザの毛髪及び/又は頭皮から前記二相ヘアトリートメント組成物をすすぐことと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記ストランド中の分配された前記加温組成物に対する分配された前記コンディショナー組成物の重量比が、1~3、好ましくは1.1~2、より好ましくは1.3~1.5である、段落Tに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二相化粧品組成物、特に温感及びヘアコンディショニングを提供する二相リンスオフヘアトリートメント組成物のためのパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、リーブオントリートメント及びリンスオフトリートメントを含む様々なヘアトリートメント製品を利用可能である。一般に、ヘアトリートメントは、毛髪の感触、外観、及び扱い易さを改善するために使用される。一部の消費者は、優れたヘアコンディショニングを提供するだけでなく、ユーザの手の中で擦ったとき並びに/又はユーザの毛髪及び/若しくは頭皮に塗布したときに温感などの心地よいユーザエクスペリエンスも提供するヘアトリートメントを望む場合がある。
【0003】
優れたコンディショニング及び温感の両方を提供する1つの方法は、二相リンスオフヘアトリートメント組成物を使用することである。しかしながら、二相組成物を保存及び分配することは困難であり得る。第1に、二相組成物は、多くの場合、各組成物中の活性成分が互いに相互作用するのを防ぐために、例えば多室パッケージに別々に保存する必要がある。第2に、消費者は、一般に、組成物が均一に分配され、したがって、両組成物がほぼ同時に使い切られ、パッケージ内に残留物がほとんど残らないことを好む。各組成物の処方及び粘度が異なることから分配速度が異なる場合があるので、これは困難であり得る。第3に、分配された製品がユーザの手のひらで美しい外観を有するかどうかは、ユーザエクスペリエンスにとって重要であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、保存中に相を分離し、美しい外観を有する組成物を均一に分配する二相ヘアトリートメント組成物用のパッケージが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(a)加温組成物と、チューブパッケージであって、(i)内側チューブ壁及び内側チャンバを含む内側チューブ、(ii)外側チューブ壁、当該外側チューブ壁と当該内側チューブ壁との間に形成される外側チャンバを含む外側チューブ、(iii)1つ以上の外側ノズルチャネルによって当該外側チャンバに流体接続された1つ以上の外側オリフィス、(iv)1つ以上の内側ノズルチャネルによって当該内側チャンバに流体接続された1つ以上の中央オリフィス、を含み、当該1つ以上の外側オリフィスに対する当該1つ以上の中央オリフィスの面積の比が、約2~約6、好ましくは約2.5~約5.5、より好ましくは約3~約5、更により好ましくは約3.5~約4.5である、チューブパッケージと、(b)二相ヘアトリートメント組成物であって、(i)ある粘度を有する加温組成物、(ii)ある粘度を有するコンディショニング組成物を含む、二相ヘアトリートメント組成物と、
を含み、当該加温組成物の粘度が、当該コンディショニング組成物の粘度よりも高く、当該内側チャンバが、当該加温組成物を収容し、当該外側チャンバが、当該コンディショニング組成物を収容し、当該加温組成物及び当該コンディショニング組成物が、当該チューブパッケージ内で物理的に分離されている、リンスオフトリートメント製品。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本特許又は出願書類には、色彩を付して作成された少なくとも1つの図面が含まれる。カラー図面を有する本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁より提供されるであろう。
【0007】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で締めくくられているが、本発明は、添付の図面に関連した以下の説明からより容易に理解することができると考えられる。
【
図1A】ヘアトリートメント組成物を分配するためのチューブパッケージの斜視図である。
【
図1B】キャップを含む、ヘアトリートメント組成物を分配するためのチューブパッケージの斜視図である。
【
図1C】
図1Bのキャップを含むチューブパッケージのY軸に沿った断面図である。
【
図2】実施例1~4のオリフィス設計及び分配された組成物を示す表である。
【
図3】実施例5~8のオリフィス設計及び分配された組成物を示す表である。
【
図4A】実施例9~11のオリフィス設計及び分配された組成物を示す表である。
【
図4B】実施例12~14のオリフィス設計及び分配された組成物を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
分配前に組成物を別々に保つために、一般的にニ室又は多室パッケージが使用される。ニ室パッケージの一例は、あるチューブが別のチューブに挿入され、ここで内側チューブの上部のノズルが外側チューブのノズルチャネル内に挿入されているものである。この「チューブインチューブパッケージ」の2本のチューブの端部は、スナップ嵌めプラグシールによって接合することができる。2本のチューブは、内部チャンバ及び外部チャンバを画定し、これらのチャンバは、共有上部領域又は共有吐出領域につながる。別の例では、分離壁が、可撓性チューブ材料の形態のチューブを2つの隣接する(「並んだ」)チャンバに分離する。チューブインチューブパッケージと同様に、この設計のノズルチャネルは、チューブ首部の端部におけるオリフィス領域に達するまで合流しない。チューブインチューブパッケージ及びサイドバイサイドパッケージの両方において、組成物は、パッケージに圧力が印加されると直ちにパッケージから吐出される。
【0009】
温感及びコンディショニングを提供することができる二相ヘアトリートメント組成物のような別々に保存しなければならない組成物の場合、現行の多室パッケージでは、消費者が許容できる製品が分配されない。各ヘアトリートメント組成物は固有の処方及び粘度を有するので、現行の二相包装では製品が均一に分配されず、その結果、製品が適切な外観、温感、及び/又はコンディショニング性能を提供せず、一方の組成物が使い切られた後にパッケージ内で無駄になる余剰の組成物が存在し得るので、ユーザエクスペリエンスが悪化する。更に、放出されたストランドにおいて両組成物が可視である場合、それはユーザにとってより美しく、見て楽しいだけでなく、ユーザが直感的に製品を互いに混合し、それによって直ちに温感及び改善されたユーザエクスペリエンスがもたらされることも見出された。
【0010】
図1A、1B、及び1Cは、2つのヘアトリートメント組成物を保存するための「チューブインチューブ」方式で形成されたチューブパッケージ1を示す。チューブパッケージ1は、互いに分離されたチャンバの共有パッケージ内に2つのヘアトリートメント組成物を保存することができる。2つの組成物の混合又は合流は、製品が使用されるまで生じない。ニ室チューブパッケージは、外側チューブ3及び内側チューブ4を含み得る。外側チューブ3は、外側チューブ壁34と内側チューブ壁44との間に形成された外側チャンバ31を有する。外側チャンバ31は、コンディショナー組成物36を保存及び分配するように適合され得る。外側チャンバ31は、加温組成物46を保存及び分配するように適合された内側チャンバ41を形成する内側チューブ壁44を有するパイプ状内側チューブ4を同軸状に取り囲む。
【0011】
2つのチャンバ31及び41は、互いに対して特定の所定の比率であり得る異なる容積を有する。無駄になる製品の量が最も少ない最良の製品性能を有するようにするために、満杯のとき(例えば、購入時、任意選択で内側チャンバ又は外側チャンバ内のヘッドスペースを含み得る)、外側チューブ4内のコンディショニング組成物36は、内側チューブ内の加温組成物よりも多くの重量の製品を収容していてよく、したがって、加温組成物に対するコンディショニング組成物の重量比は、1超、あるいは1超~約5、あるいは約1.1~約4、あるいは約1.2~約2.5、あるいは約1.25~約2.25、あるいは約1.3~約2、あるいは約1.35~約1.9、あるいは約1.4~約1.8、あるいは約1.5~約1.75であってよいことが特定された。
【0012】
内側チューブ内の分配される組成物の重量に対する外側チューブ内の分配される組成物の重量比は、1超、あるいは1~約3、あるいは約1.1~約2、あるいは約1.2~約1.75、あるいは約1.3~約1.5、あるいは約1.4であってよい。
【0013】
ノズル5は、キャップ2上の雌ねじ21と係合するように適合した雄ねじ51を有するので、ノズル5及びキャップ2を互いにねじ留めすることができる。
【0014】
ノズル5は、内側ノズルチャネル43及び内側チャンバ41と流体連通している少なくとも中央オリフィス54と、1つ以上の外側ノズルチャネル33及び外側チャンバ31と流体連通している外側オリフィス53とを含み得る。中央オリフィス54及び1つ以上の外側オリフィス53は、任意の形状であってよい。いくつかの例では、中央オリフィス54は、円形又は楕円形であってよく、1つ以上の外側オリフィスは、直線スロット、湾曲スロット、半円形、円弧三角形、又はこれらの組み合わせであってよい。いくつかの例では、中央オリフィスは1つのオリフィスであってよく、他の例では、中央オリフィスは1つを超えるオリフィスを有していてもよい。いくつかの例では、外側オリフィスは単一のオリフィスであってよく、あるいは外側オリフィスは2つ又は3つのオリフィスであってもよく、あるいは外側オリフィスは2つ以上のオリフィスであってもよい。
【0015】
中央オリフィスの面積が2つ以上の外側オリフィスの面積よりも大きくてもよい。外側オリフィスに対する中央オリフィスの面積の比は、1:1以上、あるいは約1~約10、あるいは約1.3~約7、あるいは約2~約6、あるいは約2.5~約5.5、あるいは約3~約5、あるいは約3.5~約4.5、あるいは約4であってよい。
【0016】
中央オリフィスは、1つ以上のオリフィスを含み得る。いくつかの例では、中央オリフィスは1つのオリフィスのみを含む。中央オリフィスは、約2mm2~約9mm2、あるいは約3mm2~約7mm2、あるいは約4mm2~約6mm2、あるいは約4.5mm2~約5.5mm2の面積を有し得る。
【0017】
外側オリフィスは、1つ以上のオリフィスを含み得る。いくつかの例では、外側オリフィスは、1つのオリフィスのみを含む。外側オリフィスは、約0.25mm2~約5mm2、あるいは約0.5mm2~約3.5mm2、あるいは約0.75mm2~約2.5mm2、あるいは約1mm2~約1.5mm2の面積を有し得る。
【0018】
1つ以上の外側ノズルチャネル33は、内側ノズルチャネル43とは異なっていてもよく、したがって、パッケージに圧力が印加されたとき、特に外側チューブ壁34に圧力が印加されたとき、コンディショナー組成物36が外側オリフィス53を出て、加温組成物46が中央オリフィス54を出て、ユーザの手のひら及び/又は洗浄器具上で共有ストランドになるまで、コンディショナー組成物36及び加温組成物46は、最初は別々に搬送されてよい。この例では、外側チューブ3及び内側チューブ4は、可撓性材料、例えば、アルミニウムバリア及び/又はポリマーから作製されたリサイクル可能な積層フィルム材料から作製することができ、外側チューブ3及び内側チューブ4の両方は、任意の好適な手段、例えば、熱融着又は圧着される接合部によって、ノズルの反対側の後部で封着することができる。いくつかの例では、内側チューブ及び外側チューブは、同じ積層材料から作製されてよい。他の例では、内側チューブ及び外側チューブは、異なる材料から作製されてもよい。消費者は、パッケージが絞り易く、ヘアトリートメント組成物を分配し易くなる比較的柔らかい材料から作製されたパッケージを好むだけでなく、組成物の温感をより顕著にするパッケージも好むことが見出された。別の例では、外側チューブ壁は、アルミニウム、エチレンビニルアルコール、又はこれらの組み合わせなどの障壁を含み得る積層構造であってもよい。外側チューブ壁及び内側チューブ壁は、同じ材料から作製され、同じ厚さ及び同じ構造を有していてよい。あるいは、外側チューブ壁及び内側チューブ壁は、異なる厚さ、異なる材料、及び/又は異なる構造を有していてもよい。別の例では、外側チューブ壁及び内側チューブ壁は、高密度ポリエチレンを実質的に含まないか、又は含まない。チューブパッケージは、リサイクル可能であってよい。
【0019】
外側チューブ3は、約3.0N~約9.5N、あるいは約3.0N~約5.5N、あるいは約3.2N~約4.0Nの剛性、並びに約300μm~約600μm、約300μm~約500μm、及び約300μm~約400μmの壁厚を有する本体を有していてよい。内側チューブ4は、約2.9N~約9.5N、あるいは約3.0N~約6.0N、あるいは4.0N~約5.0Nの剛性、並びに約200μm~約600μm、約300μm~約500μm、約400μm~約500μmの壁厚を有する本体を有していてよい。
【0020】
二相組成物は、混合されると直ちに温かくなることができ、組成物は、毛髪の芯に急速に吸収され、浸透して、優れた全体的なコンディショニングを提供することができる。二相組成物は、傷んだ毛髪を修復することができ、芯から健康で強い毛髪の感触を残すことができる。加えて、二相コンディショナーは、毛髪の質感を改善し、毛髪を光沢があり健康的に見えるようにし、毛髪のボリューム及び/又はふくらみを改善し、毛髪の破損を防止し、従来の単相のヘアコンディショナーと比較して毛髪を滑らかで柔らかく保ち、内部及び/又は芯から毛髪に栄養を与え及び/又は毛髪を治癒し、使用するたびに毛髪の質を改善することができる。二相組成物は、毛髪を芯から治癒することができ、毛髪を芯から弾力性のある強いものにすることができる。
【0021】
チューブパッケージは、二次パッケージに包装してもよい。いくつかの例では、二次カートンは、パルプベースのカートンであってよい。二次パッケージは、任意の好適な数のチューブパッケージを収容することができる。一例では、二次パッケージは、単一のチューブパッケージ、あるいは2~3本のチューブ、あるいは2~5本のチューブ、あるいは3~7本のチューブ、あるいは3~10本のチューブ、あるいは4~12本のチューブを収容することができる。一例では、二次パッケージは、複数のチューブ、例えば7本のチューブを収容することができ、ユーザは、連続使用により改善された効果を得ることができる。例えば、チューブを1本使用すれば毛髪が滑らかになるのを助けることができ、3本のチューブを使用すればツヤを改善することができ、7本のチューブを使用すれば毛髪の強度を改善することができる。
【0022】
いくつかの例では、外側チューブは加温組成物を収容してよく、内側チューブはコンディショニング組成物を収容してよく、上述の重量比、分配比、及びオリフィス比は、同じままであってもよく、又は逆であってもよい。
【0023】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列記された原料に関連するこのような重量は全て、活性レベルに基づいており、したがって市販の材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。
【0024】
用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記載のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0025】
本発明の化粧品組成物は、第1の組成物及び第2の組成物を含んでもよく、第1の組成物及び第2の組成物は、分配されるまで互いに分離された状態を維持される。化粧品組成物は、リンスオフヘアトリートメント組成物であり得る。第1の組成物は、加温組成物であってよく、無機発熱剤を含有してよく、第2の組成物は、コンディショニング組成物であってよく、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含むカチオン性界面活性剤系を含有してよい。
【0026】
加温組成物は、コンディショニング組成物の粘度よりも高い粘度を有していてよい。例えば、加温組成物の粘度は、コンディショニング組成物の粘度よりも少なくとも1.25倍高く、あるいは1.3倍高く、あるいは1.4倍高く、あるいは1.5倍高く、あるいは2倍高くてよい。加温組成物は、950s-1において約600~約1200Paの粘度を有し得る。コンディショニング組成物は、950s-1において約190~約420Paの粘度範囲を有し得る。粘度は、コーンC75-1を備えたコーンプレート型Brookfield RSレオメータを使用して、2s-1の一定剪断速度、27℃、3分で、2.5mLの組成物の試料に対して測定することができる。
【0027】
第1の組成物及び第2の組成物は、異なる色であってもよく、これは、分配された製品流に美しい審美的外観を与えることができ、また、ユーザに組成物を直感的に混合するように促し、それによって温感を活性化することができる。第1の組成物及び第2の組成物は、分配されるまで別々に保持されているが、ユーザの手のひらに分配された際に接触する。
【0028】
第1の組成物(加温組成物)
トリートメント組成物の一方の相は、水と混合することによって熱を発生させる無機発熱剤を含む加温組成物を含有し得る。加熱反応は水と混合されるまで開始しないので、第1の組成物の担体は無水であってよい。
【0029】
本発明で使用するとき、「無水」とは、組成物が5%以下、あるいは3%以下、あるいは1%以下の水を含有する、あるいは水を実質的に含まない、あるいは水を含まないことを意味する。無水組成物は、約25℃~約80℃、あるいは約30℃~約60℃、あるいは約35℃~約45℃の温度に加温することができる。この温度は、例えば、発熱剤、発熱剤の量、及び発熱反応を制御することができる追加の剤を選択することによって調整することができる。
【0030】
硫酸カルシウムなどの使用され得る無機発熱剤は、一般に、約-19.2kJ mol-1以下のエンタルピー変化を有する。本明細書で有用な無機発熱剤としては、例えば、塩化カルシウム(CaCl2、CaCl2.H2O、CaCl2.2H2O)、塩化マグネシウム(MgCl2、MgCl2.2H2O、MgCl2.4H2O)、塩化アルミニウム(AlCl3、AlCl3.6H2O)、塩化第二鉄(FeCl3、FeCl3.2H2O)、及び塩化亜鉛(ZnCl2)などの塩化物;硫酸マグネシウム(MgSO4、MgSO4.H2O、MgSO4.4H2O)、硫酸亜鉛(ZnSO4.H2O)、硫酸第一鉄(FeSO4、FeSO4.H2O)、及び硫酸カルシウム(CaSO4、CaSO4.1/2H2O、CaSO4.H2O)などの硫酸塩;乾燥ミョウバン;酸化カルシウム(CaO);酸化マグネシウム(MgO);炭酸カリウム(K2CO3)及び炭酸ナトリウム(Na2CO3)などの炭酸塩;臭化マグネシウム(MgBr2)、臭化カルシウム(CaBr2)、及び臭化アルミニウム(AlBr3)などの臭化物;ヨウ化マグネシウム(MgI2、MgI2.6H2O)、ヨウ化カルシウム(CaI2)、ヨウ化アルミニウム(AlI3)などのヨウ化物;ゼオライト;並びにリン酸水素ナトリウム(Na2HPO4)を挙げることができる。いくつかの実施形態は、無水無機塩、例えば、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、酸化カルシウム(CaO)、及びそれらの混合物を、それらの効果的な発熱、毛髪及び/又は皮膚に対する穏やかさ、及び容易な取り扱いの観点から含み得る。いくつかの実施形態は、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)を含み得る。
【0031】
本明細書で有用な無機発熱剤は、ざらつき感を防止する観点から、好ましくは約0.01μm~約200μm、より好ましくは約0.05μm~約30μm、更により好ましくは約0.1μm~約20μmの平均直径を有し得る。
【0032】
無機発熱剤は、第1の組成物の約5重量%~約60重量%、いくつかの実施形態では約8重量%~約50重量%、他の実施形態では約10重量%~約35重量%、約10重量%~約30重量%、約12重量%~約20重量%の濃度で本組成物中に含み得る。
【0033】
相転移剤
無水化粧品組成物は、不活性担体中に分散した相転移剤を含み得る。相転移剤は、特定の融点を有し得、その相を固体から液体に変化させることによって発熱剤から熱を吸収し、次いで、その相を液体から固体に変化させることによって熱をゆっくりと放出することができると考えられる。したがって、相転移剤は、コーティングされた発熱剤を使用することなく、組成物が期待するよりも高い温度まで加温されるのを防ぎ、組成物から長時間加温を提供することができると考えられる。
【0034】
本発明の相転移剤は、約30℃~約70℃、好ましくは約30℃~約60℃、より好ましくは約35℃~約50℃の融点を有し得る。この融点は、1種類の材料の融点であり得る。融点は、2種類又はそれ以上の材料が互いに混和性である場合、2種類又はそれ以上の材料の混合物であってもよい。この場合、各材料は必ずしも約30℃~約70℃の融点を有するわけではないが、それらの混合物は約30℃~約70℃の融点を有する。
【0035】
本明細書で有用な相転移剤としては、例えば、アミドアミン;脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物などの脂肪族化合物;固体パラフィンなどの炭化水素;及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な脂肪族化合物は、「高融点脂肪族化合物」という名称で以下に開示される。本明細書で有用なアミドアミンは、「アミドアミン」という名称で以下に開示される。好ましい相転移剤は、コンディショニング効果を提供する観点から、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体及びこれらの混合物などの脂肪族化合物;アミドアミン;及びこれらの混合物である。セチルアルコール(融点=46~55℃)、ステアリルアルコール(融点=54~61℃)、及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールがより好ましく、セチルアルコールのステアリルアルコールに対する重量比が約10:90~約99:1(融点=約48℃~約58℃)であるセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物が更により好ましい。相転移剤として機能するために、これらの材料は不活性担体中に分散できるが溶解はできない。材料は不活性担体に完全に溶解することができ、たとえ融点が約30℃~約70℃であっても、本発明の相転移剤として機能することができない。例えば、特開平11-228332号公報には、融点が41~43℃のミリスチン酸ミリスチル5重量%とステアリン酸オクチル担体65重量%とを含有する組成物(実施例9)が開示されているが、ミリスチン酸ミリスチル5重量%はステアリン酸オクチル担体65重量%に完全に溶解しているため、本発明の相転移剤として機能することができない。
【0036】
本発明において、相転移剤を不活性担体中に分散させるためには、不活性担体に不溶な物質を用いるか、あるいは不活性担体中にその飽和点以上の濃度で物質を含有させる。不活性担体に対する溶解度が低い材料を使用することができる。この溶解度は、相転移剤と不活性担体の各組み合わせに依存する。例えば、相転移剤と不活性担体の好ましい組み合わせとしては、相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としてのポリエチレングリコールとの組み合わせ;相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としてのグリセリンとの組み合わせ;相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としての低融点エステル油との組み合わせ;相転移剤としての高融点脂肪族化合物と、不活性担体としての流動パラフィンとの組み合わせ;相転移剤としての固体パラフィンなどの炭化水素と、不活性担体としてのポリエチレングリコールとの組み合わせ、を挙げることができる。追加の例としては、相転移剤としてのセチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールと、不活性担体としてのポリエチレングリコールとの組み合わせ;相転移剤としてのセチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールと、不活性担体としてのグリセリンとの組み合わせ;相転移剤としてのセチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪アルコールと、不活性担体としてのペンタエリスリトールエステル油との組み合わせ、を挙げることができる。相変化剤は、好ましくは約0.2重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、更により好ましくは約1重量%~約10重量%の濃度で本組成物中に含まれ得る。
【0037】
ポリオキシアルキレン誘導体
無水の第1の加温組成物は、ポリオキシアルキレン誘導体を含み得る。ポリオキシアルキレン誘導体は、不活性担体中の無機発熱剤の分散を助けることができ、したがって、皮膚及び/又は毛髪にザラザラした感触を引き起こす無機発熱剤の凝集を防止することができると考えられる。また、いくつかのポリオキシアルキレン誘導体はつるつるした感触を提供することができ、これは無機発熱剤によって引き起こされるザラザラした感触を和らげると考えられる。
【0038】
本明細書で有用なポリオキシアルキレン誘導体は、水溶性ポリオキシアルキレン誘導体であり得る。本明細書で有用なポリオキシアルキレン誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルエステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルエステル、ポリオキシエチレングリセリルエステル、ポリオキシプロピレングリセリルエステル、及びこれらの混合物を挙げることができる。これらの中でも、無機発熱剤の凝集を防止する観点から、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーを使用してよく、つるつるした感触を付与する観点から、ポリオキシエチレングリセリルエステルを使用してよい。
【0039】
無機発熱剤の凝集を防止する観点からポリオキシアルキレン誘導体を使用する場合、ポリオキシアルキレン誘導体は、約0.1重量%~約10重量%、あるいは約0.5重量%~約10重量%、あるいは約1重量%~約5重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。つるつるした感触を提供する観点からポリアルキレン誘導体を使用する場合、ポリオキシアルキレン誘導体は、約10重量%~約90重量%、あるいは約15重量%~約85重量%、あるいは約20重量%~約80重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0040】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、例えば、式RO(CH2CH2O)nH(式中、nは1~約200、好ましくは約20~約100であり、Rは約8~約22個の炭素原子を有するアルキルである)のものを含み得る。
【0041】
ポリオキシエチレングリセリルエステルとしては、例えば、以下の(i)及び(ii)を挙げることができる。
【0042】
(i)以下の構造を有するPEG-修飾グリセリド:
【0043】
【化1】
式中、R基の1つ以上は、動物油又は植物油、例えば、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸又はリノール酸に由来する飽和又は不飽和脂肪酸部分から選択され、式中、脂肪酸部分は12及び22の炭素長鎖を有し、任意の他のR基は水素であり、x、y、zは独立して0以上であり、x+y+zの平均合計(エトキシ化度)は約10~約45に等しい。PEG修飾グリセリドは、約20以下、あるいは約15以下、あるいは約11以下のHLB値を有し得る。PEG修飾グリセリドは、2~3個の脂肪酸R基、あるいは3個の脂肪酸R基を有し得る(PEG修飾トリグリセリド)。好ましくは、x+y+zの平均合計(エトキシ化度)は約20~約30に等しくてよく、あるいは平均合計が約5である。3個のオレイン酸R基を有し、平均エトキシ化度が約25であるPEG置換トリグリセリド(PEG-25グリセリルトリオレエート)。市販のPEG修飾トリグリセリドとしては、Tagat(登録商標)TOO、Tegosoft(登録商標)GC、Tagat(登録商標)BL276(3つ全てEvonik Industries(登録商標)AG製)、及びCrovol(商標)A-40、Crovol(商標)M-40(Croda Corporation製)を挙げることができる。他の好ましい市販のPEG修飾トリグリセリドとしては、Tagat(登録商標)S及びTagat(登録商標)S2(Evonik Industries(登録商標)AG製)が挙げられる。
【0044】
(ii)以下の構造を有するPEG修飾グリセリル脂肪酸エステル:
【0045】
【化2】
式中、n(エトキシ化度)は約4~約200、あるいは約5~約150、あるいは約20~約120であり、式中、Rは約5~約25個の炭素原子、あるいは約7~約20個の炭素原子を有する脂肪族ラジカルを含む。グリセリドの適切なポリエチレングリコール誘導体は、硬化ヒマシ油のポリエチレングリコール誘導体であり得る。例えば、PEG-20硬化ヒマシ油、PEG-30硬化ヒマシ油、PEG-40硬化ヒマシ油、PEG-45硬化ヒマシ油、PEG-50硬化ヒマシ油、PEG-54硬化ヒマシ油、PEG-55硬化ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-80硬化ヒマシ油、及びPEG-100硬化ヒマシ油である。いくつかの例では、組成物は、PEG-60硬化ヒマシ油を含み得る。グリセリドの他の適切なポリエチレングリコール誘導体は、ステアリン酸のポリエチレングリコール誘導体、例えば、PEG-30ステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-50ステアレート、PEG-75ステアレート、PEG-90ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-120ステアレート、及びPEG-150ステアレートであり得る。本明細書の組成物に使用するのに好ましいのは、PEG-100ステアレートである。
【0046】
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーとしては、例えば、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダムコポリマー及びポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを挙げることができる。これらのポリオキシアルキレン誘導体の中でも、その懸濁効果の観点から、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダムコポリマー及びポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含むポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーを本発明の組成物において使用してよい。ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを使用してよく、いくつかの例では、組成物は、約5:10~約8:10のポリオキシエチレンのポリオキシプロピレンに対する重量比を有するポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、あるいは8:10の比を有するブロックコポリマーを含み得る。
【0047】
本明細書で有用な市販のポリオキシアルキレン誘導体としては、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられ;CTFA名Poloxamer 338を有し、商品名Pluronic F-108でBASF(登録商標)から入手可能であり、商品名Newpol PE-108でSanyo(登録商標)Chemicalからも入手可能であり、またCTFA名Poloxamer 288を有し、商品名Pluronic(登録商標)F-98でBASF(登録商標)から入手可能であり、商品名Newpol(登録商標)PE-98でSanyo(登録商標)Chemicalからも入手可能である。
【0048】
不活性担体
本発明の無水の第1の組成物は、好ましくは不活性担体を含む。不活性担体は、第1の組成物の約3重量%~約90重量%、あるいは約25重量%~約90重量%、あるいは約30重量%~約85重量%、あるいは約10重量%~約70重量%の濃度で第1の組成物中に含まれ得る。
【0049】
本明細書において有用な不活性担体としては、液体担体、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール又はプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、エタノール、ソルビトール、ジグリセリン、ポリグリセロールなどの液状多価アルコール;流動パラフィン;鉱物油;植物油;ペンタエリスリトールテトライソステアレートなどの低融点油、及びこれらの混合物、を挙げることができる。ポリエチレングリコールなどの液体多価アルコールも追加の発熱剤として使用することができる。粘度及び流動性などの物性の点から、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、流動パラフィン、鉱油、植物油、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物が好ましい。水との混合による発熱能力並びに粘度及び流動性などの物性の点からポリエチレングリコールがより好ましい。
【0050】
本明細書で有用なポリエチレングリコールは、次式を有するものである。
H(OCH2CH2)n-OH
式中、nは4~12の平均値を有する。
【0051】
上記ポリエチレングリコールは、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンとしても知られている。特に好ましい本明細書で有用なポリエチレングリコールは、nが約4の平均値を有するPEG-200である。市販の好ましいポリエチレングリコールとしては、例えば、BASFから入手可能な商品名Pluracare E 200を有するPEG-4が挙げられる。
【0052】
反応制御剤
本発明の無水の第1の組成物は、好ましくは、無機発熱剤の発熱反応を制御することができる反応制御剤を含有する。反応制御剤は、反応を遅くするか、又は反応を促進することができる。反応制御剤はまた、第1の組成物が温まる温度を制御することができる。
【0053】
酸は、無機発熱剤の反応を促進するための反応制御剤として使用することができる。本明細書で有用な酸としては、例えば、クエン酸、二リン酸ナトリウム、二リン酸カリウム、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L-グルタミン酸塩酸塩、酒石酸、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、及びこれらの混合物が挙げられる。上記酸の中でも、本明細書ではクエン酸を使用することが好ましい。いくつかの酸はまた、以下に記載されるようなコンディショニング効果を提供するためにアミドアミンと一緒に使用され得る。この酸は、無機発熱剤と酸とのモル比が、約1:0.1~約1:10、好ましくは約1:0.5~約1:5となるような濃度で含有され得る。吸水性ポリマーは、無機発熱剤の反応を遅くするための反応制御剤として使用することができる。本明細書で有用な吸水性ポリマーとしては、例えば、CTFA名カルボマーを有する架橋アクリル酸ポリマーなどのビニルポリマー、CTFA名アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマーを有するアクリル酸/アルキルアクリレートコポリマーなどのカルボン酸/カルボキシレートコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、他のガム、デンプン系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、アクリレートポリマー、約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコール、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの吸水性ポリマーは、以下に記載する粘度調整剤としても使用することができる。
【0054】
上記吸水性ポリマーの中でも、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマーが好ましく、ヒドロキシエチルセルロースがより好ましい。吸水性ポリマーは、第1の組成物中に、好ましくは約0.2重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、更により好ましくは約1重量%~約10重量%の濃度で含まれ得る。
【0055】
蓄熱材
本発明の無水の第1の組成物は、熱を蓄えることができる蓄熱材を含有し得る。蓄熱材は、加熱を長引かせるために使用することができ、加温速度を遅くするために使用することができ、化粧品組成物が温まる温度を制御することもできる。
【0056】
蓄熱材としては、例えば、シリカゲル、カルボキシメチルセルロースゲル、相転移材、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な相転移材は、約25℃~約80℃の融点を有するものである。本明細書で有用な相転移材としては、例えば、脂肪族アルコール及び脂肪酸などの脂肪族化合物、炭化水素、炭化水素と発泡ポリオレフィンとの混合物、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な脂肪族化合物は、高融点脂肪族化合物として以下に開示される。
【0057】
蓄熱材は、第1の組成物中に、好ましくは約0.2重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、更により好ましくは約1重量%~約10重量%の濃度で含まれ得る。
【0058】
粘度調整剤
本発明の無水の第1組成物は、粘度調整剤を含有し得る。本明細書で有用な粘度調整剤としては、例えば、CTFA名カルボマーを有する架橋アクリル酸ポリマーなどのビニルポリマー、CTFA名アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマーを有するアクリル酸/アルキルアクリレートコポリマーなどのカルボン酸/カルボキシレートコポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、他のガム、デンプン系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、アクリレートポリマー、約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコール、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、及び無水ケイ酸などの無機水溶性材料、並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載のポリマーは、粘度調整剤としても使用することができる。本明細書に記載されるいくつかのポリアルキレングリコールは、ヘアコンディショニング剤として使用することもできる。
【0059】
粘度調整剤は、好ましくは約0.01重量%~約5重量%、より好ましくは約0.05重量%~約3重量%、更により好ましくは約0.1重量%~約3重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0060】
追加の発熱剤
本発明の無水の第1の組成物は、無機発熱剤に加えて、水と混合することによって熱を発生する追加の発熱剤を含有し得る。本明細書で有用なこのような追加の発熱剤としては、例えば、多価アルコールなどの有機発熱剤が挙げられる。
【0061】
本明細書で有用な多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール又はプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、2-プロパノール、エリスリトール、トレイトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、ジグリセリン、ポリグリセロール、ポリグリセロール脂肪酸エステル、及びこれらの混合物が挙げられる。これらは、上述の不活性担体として使用することもできる。
【0062】
このような追加の発熱剤は、第1の組成物中に、あるいは約2重量%~約85重量%、あるいは約5重量%~約85重量%、あるいは約10重量%~約85重量%の濃度で含まれ得る。
【0063】
ヘアコンディショニング組成物
無水組成物は、ヘアコンディショニング組成物を含み得る。無水ヘア組成物は、上述の発熱剤、相転移剤、及び不活性担体に加えてヘアコンディショニング剤を含有し得る。本明細書で有用なヘアコンディショニング剤としては、例えば、高融点脂肪族化合物、アミドアミン、酸、カチオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーなどのカチオン性コンディショニング剤、低融点油、シリコーン化合物、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。これらのヘアコンディショニング剤の中で、好ましいのは、高融点脂肪族化合物、アミドアミン、酸及びこれらの混合物である。
【0064】
高融点脂肪族化合物
本発明の組成物は、好ましくは、高融点脂肪族化合物を含み得る。高融点脂肪族化合物は、上述の「相転移剤」として使用することができる。
【0065】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書の本項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することがあり、例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体として分類されることもあるということが、当業者には理解される。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に依存して、特定の必須炭素原子を有する特定の化合物の融点が25℃未満であり得ることも当業者には理解される。低融点のこのような化合物は、この項に含めることを意図していない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0066】
高融点脂肪族化合物は、本組成物中に、好ましくは約0.1重量%~約30重量%、より好ましくは約0.2重量%~約0.25重量%、更により好ましくは約0.5重量%~約15重量%の濃度で含まれ得る。
【0067】
本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、あるいは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖又は分枝鎖のアルコールであり得る。脂肪族アルコールの非限定的な例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0068】
本明細書で有用な脂肪酸は、約10~約30個の炭素原子、あるいは約12~約22個の炭素原子、あるいは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪酸は飽和しており、直鎖又は分枝鎖の酸であり得る。また、本明細書の要件を満たす、二酸、三酸、及び他の多酸も包含される。また本明細書には、これらの脂肪酸の塩も包含される。脂肪酸の非限定例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0069】
本明細書で有用な脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体としては、脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル、エステル化可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体の非限定例としては、メチルステアリルエーテル;セテス-1~セテス-45などの一連のセテス化合物(これらは、セチルアルコールのエチレングリコールエーテルであり、この数値表示は、エチレングリコール部分の存在数を指す);ステアレス1~10などの一連のステアレス化合物(これらは、ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであり、この数値表示は、エチレングリコール部分の存在数を指す);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテアレス1~セテアレス10、すなわち、主にセチル及びステアリルアルコールを含有する脂肪族アルコールの混合物(この数値表示は、エチレングリコール部分の存在数を指す);直前に記載のセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のCι~C30アルキルエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールの群から選択される純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が好ましい場合がある。「純粋な」とは、本明細書において、化合物が、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の純度を有することを意味する。これらの高純度の単一化合物は、消費者が組成物を洗い流すときに、毛髪からの良好な洗い流し易さをもたらす。
【0071】
本明細書で有用な市販の高融点脂肪族化合物としては、新日本理化(大阪、日本)から入手可能なCONOLシリーズ及びNOF(東京、日本)から入手可能なNAAシリーズの商品名を有するセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールが挙げられる。
【0072】
アミドアミン
本発明のヘアコンディショニング組成物は、好ましくは、以下の一般式のアミドアミンを含む。
【0073】
R1 CONH(CH2)m N(R2)2
式中、R1はC11~C24脂肪酸の残基であり、R2はC1~C4アルキルであり、mは1~4の整数である。
【0074】
アミドアミンは、本組成物中に、好ましくは約0.05重量%~約10重量%、より好ましくは約0.05重量%~約8重量%、更により好ましくは約0.1重量%~約5重量%の濃度で含まれ得る。
【0075】
有用なアミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン(arachidamidoethyldimethylamme)、及びこれらの混合物、より好ましくは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、及びそれらの混合物を挙げることができる。本明細書で有用な市販のアミドアミンとしては、Inolexから入手可能な商品名SAPDMA及びNikkoから入手可能な商品名アミドアミンMPSを有するステアラミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。
【0076】
酸
本発明のヘアコンディショニング組成物は、好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L-グルタミン酸塩酸塩、酒石酸及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、好ましくは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸を含む。本明細書に記載の酸は、上記の「反応制御剤」としても使用することができる。酸は、アミドアミンと酸とのモル比が、好ましくは約1:0.3~約1:1、より好ましくは約1:0.5~約1:0.9であるような濃度で含有され得る。
【0077】
本明細書で有用な市販の酸としては、L-グルタミン酸、味の素から入手可能なL-グルタミン酸(化粧品グレード)が挙げられる。
【0078】
カチオン性コンディショニング剤
本発明のヘアコンディショニング組成物は、カチオン性コンディショニング剤を含有し得る。
【0079】
カチオン性コンディショニング剤は、好ましくは約0.1重量%~約10重量%、あるいは約0.25重量%~約8重量%、あるいは約0.5重量%~約3重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0080】
カチオン性コンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0081】
カチオン性界面活性剤
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤は、当業者に公知であり、以下に記載される。
【0082】
本明細書において有用なカチオン性界面活性剤は、一般式(I):
【0083】
【化3】
に対応するものであり、式中、R
1、R
2、R
3及びR
4のうちの少なくとも1つは、8~30個の炭素原子の脂肪族基、又は最大で約22個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から選択され、R
1、R
2、R
3及びR
4の残りは、独立して、1~約22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大で約22個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは、ハロゲン、(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩及びアルキルスルホン酸塩ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル連結基、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。R
1、R
2、R
3、及びR
4が独立してCi~約C
22アルキルから選択される場合が好ましい。本発明において有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下のCTFA名称、クオタニウム-8、クオタニウム-14、クオタニウム-18、クオタニウム-18メトサルフェート、クオタニウム-24を有する材料、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0084】
一般式(I)のカチオン性界面活性剤のうち、少なくとも16個の炭素を有する少なくとも1つのアルキル鎖を分子中に含有するものが好ましい。このような好ましいカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、例えば、CrodaからINCROQUAT TMC-80の商品名で、また三洋化成工業からECONOL TM22の商品名で入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;日光ケミカルズ株式会社から例えばCA-2350の商品名で入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド、水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキル(14-18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ(べヘニル/アラキジル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジべヘニルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルプロピレングリコールホスフェートジメチルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロリド、及びN-(ステアロイルコルアミノホルミルメチル)ピリジニウムクロリドが挙げられる。
【0085】
また、置換基のうちの少なくとも1つが、置換基として又はラジカル鎖中の結合として存在する、1つ以上の芳香族、エーテル、エステル、アミド、又はアミノ部分を含有し、R1~R4ラジカルのうちの少なくとも1つが、アルコキシ(好ましくはC1~C3アルコキシ)、ポリオキシアルキレン(好ましくはC1~C3ポリオキシアルキレン)、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を含む、親水性置換カチオン性界面活性剤も好ましい。好ましくは、親水性置換カチオン性コンディショニング界面活性剤は、上記範囲内に位置する2~約10個の非イオン性親水性部分を含有する。好ましい親水性置換カチオン性界面活性剤としては、以下の式(II)~(VIII)のものが挙げられる:
【0086】
【化4】
(式中、nは8~約28であり、x+yは2~約40であり、Z
1は短鎖アルキル、好ましくはC
1~C
3アルキル、より好ましくはメチル、又は(CH
2CH
2O)zHであり、式中x+y+zは最大で60であり、Xは先に定義した塩形成アニオンである);
【0087】
【化5】
(式中、mは1~5であり、R
5、R
6、及びR
7のうちの1つ以上は独立してC
1~C
30アルキルであり、残りはCH
2CH
2OHであり、R
8、R
9、及びR
10のうちの1つ又は2つは独立してC
1~C
30アルキルであり、残りはCH
2CH
2OHであり、Xは上述の塩形成アニオンである);
【0088】
【化6】
(式中、式(IV)及び式(V)について独立して、Z
2はアルキル、好ましくはC
1~C
3アルキル、より好ましくはメチルであり、Z
3は短鎖ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルであり、p及びqは独立して2以上4以下の整数、好ましくは2以上3以下の整数、より好ましくは2であり、R
11及びR
12は独立して置換又は非置換ヒドロカルビル、好ましくはC
12~C
20アルキル又はアルケニルであり、Xは先に定義した塩形成アニオンである);
【0089】
【化7】
(式中、R
13はヒドロカルビル、好ましくはC
1~C
3アルキル、より好ましくはメチルであり、Z
4及びZ
5は独立して短鎖ヒドロカルビル、好ましくはC
2~C
4アルキル又はアルケニル、より好ましくはエチルであり、aは2~約40、好ましくは約7~約30であり、Xは先に定義した塩形成アニオンである);
【0090】
【化8】
(式中、R
84及びR
85は独立してC
1~C
3アルキル、好ましくはメチルであり、Z
6はC
12~C
22ヒドロカルビル、アルキルカルボキシ又はアルキルアミドであり、Aはタンパク質、好ましくはコラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、絹、大豆タンパク質、小麦タンパク質又はそれらの加水分解形態であり、Xは先に定義した塩形成アニオンである);
【0091】
【化9】
(式中、bは2又は3であり、R
16及びR
17は独立してC
1~C
3ヒドロカルビル、好ましくはメチルであり、Xは先に定義した塩形成アニオンである)。本発明で有用な親水性置換カチオン性界面活性剤の非限定例としては、以下のCTFA名称を有する物質:クオタニウム-16、クオタニウム-26、クオタニウム-27、クオタニウム-30、クオタニウム-33、クオタニウム-43、クオタニウム-52、クオタニウム-53、クオタニウム-56、クオタニウム-60、クオタニウム-61、クオタニウム-62、クオタニウム-70、クオタニウム-71、クオタニウム-72、クオタニウム-75、クオタニウム-76加水分解コラーゲン、クオタニウム-77、クオタニウム-78、クオタニウム-79加水分解コラーゲン、クオタニウム-79加水分解ケラチン、クオタニウム-79加水分解乳タンパク質、クオタニウム-79加水分解絹、クオタニウム-79加水分解大豆タンパク質、及びクオタニウム-79加水分解小麦タンパク質、クオタニウム-80、クオタニウム-81、クオタニウム-82、クオタニウム-83、クオタニウム-84、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
非常に好ましい親水性置換カチオン性界面活性剤としては、ジアルキルアミドエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキルアミドエチルジモニウム塩、ジアルキロイルエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキロイルエチルジモニウム塩、及びこれらの混合物が挙げられ、例えば、商品名TETRANYL CO-40で市販されているKao Chemicals製のものが挙げられる。
【0093】
第2の組成物(コンディショニング組成物)
第2の組成物は、油相及び水相を含み得る。
【0094】
油相組成物の詳細
油相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含み得る。油相は、第2の組成物に使用される界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の総量の、好ましくは約50重量%~約100重量%、より好ましくは約60重量%~約100重量%、更により好ましくは約70重量%~約100重量%の界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含む。
【0095】
界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、油相中に、他の成分の有無にかかわらず、油相の好ましくは約35重量%~約100重量%、より好ましくは約50重量%~約100重量%、更により好ましくは約60重量%~約100重量%の濃度で存在する。
【0096】
油相は、水、及び低級アルキルアルコール、及び多価アルコールなどの水性担体を含有し得る。それらが含まれる場合、油相中の水性担体の濃度は、本発明の効果を提供する観点から、油相の最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%、更により好ましくは最大で約25重量%、更により好ましくは最大で約15重量%である。水性担体の中でも、油相中の水の濃度が、油相の好ましくは最大で約40重量%、より好ましくは最大で約25重量%、更により好ましくは最大で約15重量%、更により好ましくは最大で約10重量%になるように、油相中の水の濃度を制御することが更に好ましい。油相は、水を実質的に含まなくてもよい。本発明において、「油相が水を実質的に含まない」とは、油相が水を含まないことを意味する。油相は、成分の不純物以外に水を含まないか、又は、油相が水を含有する場合、かかる水の濃度は非常に低い。本発明において、油相中のこのような水の総濃度は、それが含まれる場合、油相の好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。
【0097】
油相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物及び水性担体以外の成分を含有し得る。このような他の成分は、例えば、水不溶性成分及び/又は感熱性成分、例えば、水不溶性シリコーン、水不溶性香料、水不溶性防腐剤、例えば、パラベン及び非感熱性防腐剤、例えば、ベンジルアルコールである。本発明において、「水不溶性成分」とは、その成分の25℃における水への溶解度が1g/水100g未満(1g/水100を除く)、好ましくは0.7g/水100g以下、より好ましくは0.5g/水100g以下、更に好ましくは0.3g/水100g以下であることを意味する。それが含まれる場合、油相中のこのような他の成分の濃度は、本発明の効果を提供する観点から、油相の最大で約50重量%、より好ましくは最大で約40重量%であることが好ましい。
【0098】
水相組成物の詳細
水相は水性担体を含む。水相は、第2の組成物に使用される水性担体の総量の、好ましくは約50重量%~約100重量%、より好ましくは約70重量%~約100重量%、更により好ましくは約90重量%~約100重量%、更により好ましくは約95重量%~約100重量%の水性担体を含む。
【0099】
水性担体は、水相中に、他の成分の有無にかかわらず、水相の約50重量%~約100重量%、より好ましくは約70重量%~約100重量%、更により好ましくは約90重量%~約100重量%、更により好ましくは約95重量%~約100重量%の濃度で存在する。
【0100】
水相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含み得る。それが含まれる場合、水相中の界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の合計濃度は、本発明の利点を提供する観点から、水相の最大で20重量%、より好ましくは最大で約10重量%、更により好ましくは最大で約7重量%であることが好ましい。更により好ましくは、水相は、界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を実質的に含まない。本発明において、「水相が界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を実質的に含まない」とは、水相が界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含まないことを意味するか、又は、水相が界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を含有する場合、かかる界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の濃度が非常に低いことを意味する。本発明において、水相中のこのような界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の総濃度は、それらが含まれる場合、水相の好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。
【0101】
水相は、界面活性剤、高融点脂肪族化合物及び水性担体以外の成分を含み得る。そのような他の成分は、例えば、水溶性成分及び/又は感熱性成分、例えば、水溶性pH調整剤、水溶性ポリマー及び水溶性防腐剤、例えば、フェノキシエタノール、Kathon(登録商標)及び安息香酸ナトリウムである。本発明において、「水溶性成分」とは、その成分の25℃における水への溶解度が、少なくとも1g/水100g、好ましくは少なくとも1.2g/水100g、より好ましくは少なくとも1.5g/水100g、更により好ましくは少なくとも2.0g/水100であることを意味する。それが含まれる場合、水相中のそのような他の成分の濃度は、本発明の利点を提供する観点から、水相の最大で約20重量%、より好ましくは最大で約10重量%であることが好ましい。
【0102】
本発明の第2の組成物は、界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含み得る。界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体は、エマルジョンの形態である。
【0103】
カチオン性界面活性剤系
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤系を含み得る。カチオン性界面活性剤系は、本発明の利点を提供する観点から、第2の組成物の約0.5重量%、好ましくは約1重量%、より好ましくは約1.5重量%、更により好ましくは約1.8重量%、更により好ましくは約2.0重量%から約8重量%、好ましくは約5重量%、より好ましくは約4重量%の濃度で組成物中に含まれ得る。
【0104】
好ましくは、本発明では、界面活性剤は非水溶性である。本発明において、「水不溶性界面活性剤」とは、その界面活性剤の25℃における水への溶解度が1g/水100g未満(1g/水100を除く)、好ましくは0.7g/水100g以下、より好ましくは0.5g/水100g以下、更に好ましくは0.3g/水100g以下であることを意味する。
【0105】
本明細書で有用なカチオン性界面活性剤系は、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含み、いくつかの実施形態は、ジアルキルカチオン性界面活性剤を含み得る。モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤とジアルキルカチオン性界面活性剤とのこのような組み合わせは、12~30個の炭素原子を有する1本の長いアルキル鎖を有するモノアルキルカチオン性界面活性剤のみの使用と比較して、迅速なすすぎ感及び/又は毛髪全体に容易に広がる感触を提供すると考えられる。カチオン性界面活性剤系において、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤とジアルキルカチオン性界面活性剤との重量比は、レオロジーの安定性及びコンディショニング効果の観点から、約1:1~約10:1、より好ましくは約1.5:1~約7:1、更により好ましくは約2:1~約5:1であることが好ましい。
【0106】
モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本明細書で有用なモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、コンディショニング効果の観点から、好ましくは12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の1本の長いアルキル鎖を有するものである。本明細書において有用なそのようなモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、例えば、式(I):
【0107】
【化10】
を有するものであり、式中、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの1つは、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大で約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は、最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、X
-は、ハライド(例えば、クロリド及びブロミド)、C1~C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル連結基、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、約16個以上の炭素の脂肪族基は、飽和又は不飽和であり得る。好ましくは、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの1つは、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、独立して、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、CH
2C
6H
5、及びこれらの混合物から選択される。
【0108】
これらのうち、より好ましいカチオン性界面活性剤は、より長鎖のアルキル基、すなわち、C18~22アルキル基を有するものである。このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、硫酸メチル又は硫酸エチル、及び塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸メチル又は硫酸エチルが挙げられる。
【0109】
ジアルキルカチオン性界面活性剤
本明細書で有用なジアルキルカチオン性界面活性剤は、例えば、二長アルキル四級化アンモニウム塩などの、12~30個の炭素原子、より好ましくは16~24個の炭素原子、更により好ましくは18~22個の炭素原子の2つの長いアルキル鎖を有するものである。本明細書において有用なそのようなジアルキル四級化アンモニウム塩は、式(I)を有するものであり:
【0110】
【化11】
式中、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくは18~22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、1~約8個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は、最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、X
-は、ハライド(例えば、クロリド及びブロミド)、C1~C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル連結基、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、約16個以上の炭素の脂肪族基は、飽和又は不飽和であり得る。好ましくは、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、好ましくは16~24個の炭素原子、より好ましくは18~22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R
71、R
72、R
73、及びR
74の残りは、独立して、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、CH
2C
6H
5、及びこれらの混合物から選択される。
【0111】
このような好ましいジアルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0112】
高融点脂肪族化合物
高融点脂肪族化合物は、本発明の効果を提供する観点から、第2の組成物の約0.5重量%、好ましくは約1.0重量%、より好ましくは約1.5重量%、更により好ましくは約2重量%、更により好ましくは約4重量%から約15重量%、好ましくは約6重量%の濃度で第2の組成物中に含まれ得る。
【0113】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、エマルジョン、特にゲルマトリックスの安定性という観点から、25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、更により好ましくは50℃以上の融点を有する。好ましくは、このような融点は、より容易な製造及びより容易な乳化の観点から、最高約90℃、より好ましくは最高約80℃、更により好ましくは最高約70℃、更により好ましくは最高約65℃である。本発明では、高融点脂肪族化合物は、単一化合物として、又は少なくとも2種の高融点脂肪族化合物のブレンド若しくは混合物として使用することができる。このようなブレンド又は混合物として使用される場合、上記の融点は、ブレンド又は混合物の融点を意味する。
【0114】
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書の本項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することがあり、例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体として分類されることもあるということが、当業者には理解される。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、当業者は、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に応じて、特定の必須炭素原子を有する特定の化合物が、上記の本発明において好ましい融点未満の融点を有する場合があることを理解している。低融点のこのような化合物は、この項に含めることを意図していない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0115】
様々な高融点脂肪族化合物のうち、脂肪族アルコールが本発明の組成物において使用され得る。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、好ましくは約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖又は分枝鎖アルコールであってもよい。
【0116】
例えば、好ましい脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58~59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、上記の融点を有することが知られている。しかし、これらは多くの場合、供給されるときにより低い融点を有しており、その理由はこのような供給される製品は多くの場合、主なアルキル鎖がセチル、ステアリル又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるからである。本発明において、より好ましい脂肪族アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物である。
【0117】
本明細書で有用な市販の高融点脂肪族化合物としては、新日本理化(大阪、日本)から入手可能なCONOLシリーズ及びNOF(東京、日本)から入手可能なNAAシリーズの商品名を有するセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールが挙げられる。
【0118】
ゲルマトリックス
好ましくは、本発明において、第2の組成物のエマルジョンはゲルマトリックスの形態である。ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤系、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含む。ゲルマトリックスは、濡れた毛髪へ塗布している間のつるつるした感触、並びに乾燥した毛髪の柔らかさ及び保湿感などの様々なコンディショニング効果を提供するのに適している。
【0119】
好ましくは、特にゲルマトリックスが形成される場合、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物の総量は、本発明の利点を提供することを考慮して、本組成物の約1.0重量%から、好ましくは約2.0重量%から、より好ましくは約3.0重量%からであり、展延性及び製品外観を考慮して、本組成物の約15重量%まで、好ましくは約14重量%まで、より好ましくは約13重量%まで、更により好ましくは約10重量%までである。更に、ゲルマトリックスが形成される場合、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善されたウェットコンディショニング効果を提供する観点から、カチオン性界面活性剤の高融点脂肪族化合物に対する重量比が、好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは約1:1~約1:4、更により好ましくは約1:2~約1:4の範囲内になるような濃度で含有される。
【0120】
好ましくは、ゲルマトリックスが形成される場合、本発明の組成物は、ゲルマトリックスの安定性という観点から、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない。本発明において、「組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない」とは、本組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを含まないことを意味するか、又は、本組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを含有する場合、かかるアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの濃度が非常に低いことを意味する。本発明において、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの総濃度は、含まれる場合には、組成物の好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下である。最も好ましくは、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの総濃度は、組成物の0重量%である。
【0121】
水性キャリア
本発明の第2の組成物は、水性担体を含み得る。担体の濃度及び種類は、他の成分との相溶性及び製品の他の所望の特性に従って選択される。
【0122】
本発明で有用な担体としては、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコールであり、より好ましくは、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0123】
好ましくは、水性担体は、実質的に水である。好ましくは、脱イオン水が使用される。製品の所望の特性に応じて、ミネラルカチオンを含む天然源からの水も使用することができる。一般に、本発明の第2の組成物は、第2の本組成物の約20重量%~約99重量%、好ましくは約30重量%~約95重量%、より好ましくは約80重量%~約90重量%の水を含む。
【0124】
シリコーン化合物
第2の組成物は、シリコーン化合物を含有し得る。シリコーン化合物は、乾燥した毛髪に滑らかさ及び柔らかさを与えることができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは第2の組成物の約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約10重量%、更により好ましくは約1重量%~約8重量%の濃度で使用することができる。
【0125】
好ましくは、シリコーン化合物は、組成物中で約1ミクロン~約50ミクロンの平均粒径を有し得る。
【0126】
本明細書で有用なシリコーン化合物は、単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド若しくは混合物として、又は少なくとも1つのシリコーン化合物及び少なくとも1つの溶媒のブレンド若しくは混合物として、25℃において好ましくは約1,000~約2,000,000mPa・sの粘度を有する。
【0127】
粘度は、Dow Corning Corporateの試験法CTM0004(1970年7月20日)に記載されているガラスキャピラリー粘度計により測定することができる。好適なシリコーン流体としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノ置換シリコーン、四級化シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0128】
好ましいポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ジメチコーンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。これらのシリコーン化合物は、例えば、General Electric CompanyからそれらのViscasil(登録商標)及びTSF451シリーズで、及びDow CorningからそれらのDow Corning SH200シリーズで入手可能である。
【0129】
上記のポリアルキルシロキサンは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として利用可能である。かかる混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s~約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。このような混合物は、好ましくは、(i)25℃において約100,000mPa・s~約30,000,000mPa・s、好ましくは約100,000mPa・s~約20,000,000mPa・sの粘度を有する第1のシリコーンと、(ii)25℃において約5mPa・s~約10,000mPa・s、好ましくは約5mPa・s~約5,000mPa・sの粘度を有する第2のシリコーンと、を含む。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコーンと200mPa・sの粘度を有するジメチコーンとのブレンド、及びGE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコーンとシクロペンタシロキサンとのブレンドが挙げられる。
【0130】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、シリコーンゴムが挙げられる。本明細書で使用するとき、「シリコーンゴム」という用語は、25℃において1,000,000センチストーク以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載されるシリコーンガムが、上に開示されたシリコーン化合物といくらか重複する場合もあり得ることが認識される。この重複は、これらの材料のいずれかを限定することを意図したものではない。「シリコーンゴム」は、典型的には、約200,000超、一般に約200,000~約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンゴムは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、Shin-Etsuから入手可能なゴム/シクロメチコーンブレンドが挙げられる。
【0131】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、アミノ置換材料が挙げられる。好ましいアミノシリコーンとしては、例えば、一般式(I):
(R1)aG3-a-Si-(-OSiG2)n-(-OSiGb(R1)2-b)m-O-SiG3-a(R1)a
に適合するものが挙げられ、式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1~C8アルキル、好ましくはメチルであり、aは、0、又は1~3の値を有する整数であり、好ましくは1であり、bは、0、1、又は2であり、好ましくは1であり、nは、0~1,999の数であり、mは、0~1,999の整数であり、nとmとの合計は、1~2,000の数であり、aとmは両方とも0ではなく、R1は、一般式CqH2qLに適合する一価のラジカルであり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、-N(R2)CH2-CH2-N(R2)2、-N(R2)2、-N(R2)3A-、-N(R2)CH2-CH2-NR2H2A-、の基から選択され、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1~約C20のアルキルラジカルであり、A-は、ハロゲン化物イオンである。
【0132】
非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約1500~約1700、より好ましくは約1600であり、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、より好ましくは-NH2である。別の非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約400~約600、より好ましくは約500であり、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、より好ましくは-NH2である。シリコーン鎖の一端又は両端が窒素含有基によって終端されているため、このような非常に好ましいアミノシリコーンを、末端アミノシリコーンと呼ぶことができる。
【0133】
上述のアミノシリコーンは、第2の組成物中に組み込まれる場合、より低い粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒としては、例えば、極性又は非極性の揮発性又は不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、好ましいものは、非極性、揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性線状シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。本明細書で有用な不揮発性直鎖シリコーンは、25℃において約1~約20,000センチストークス、好ましくは約20~約10,000センチストークスの粘度を有するものである。好ましい溶媒のうち、極めて好ましいのは、アミノシリコーンの粘度を低下させ、乾燥した毛髪の摩擦が低減するなどの改善されたヘアコンディショニング効果を提供するという観点から、非極性で揮発性の炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンである。かかる混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s~約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。
【0134】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物としては、シリコーン主鎖のペンダント基としてアルキルアミノ置換を有するものが挙げられる。非常に好ましいものは、「アモジメチコーン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコーンとしては、例えば、Dow Corningから入手可能なBY16-872が挙げられる。
【0135】
シリコーン化合物は、エマルジョンの形態で第2の組成物中に更に組みこむことができ、ここで、当該エマルジョンは、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を用いて又は用いずに、機械的混合によって又は乳化重合による合成段階において作製される。
【0136】
追加成分
本発明の第2の組成物は、他の追加の成分を含んでもよく、これらは最終製品の所望の特性に応じて当業者が選択することができ、また第2の組成物を美容上若しくは審美上より受け入れられるようにするのに適しており、又は第2の組成物に更なる使用上の利点を与えるのに適している。このような他の追加成分は、概して、組成物の約0.001重量%~約10重量%、好ましくは最大約5重量%の濃度で個々に用いられる。
【0137】
多種多様な他の追加成分を本発明の組成物に配合することができる。これには、他のコンディショニング剤(例えば、Hormelから入手可能な商品名Peptein 2000の加水分解コラーゲン、Eisaiから入手可能な商品名Emix-dのビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、Rocheから入手可能なパントテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素);防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素);pH調節剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム);着色剤(例えば、FD&C又はD&C染料のいずれか);香料、及び封鎖剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム);紫外線・赤外線遮蔽吸収剤(例えば、ベンゾフェノン);及びフケ防止剤(例えば、亜鉛ピリチオン及びピロクトンオラミン)が挙げられる。
【0138】
製造方法
本発明は、パーソナルケア組成物を調製する方法を対象とし、第1の組成物は、米国特許出願公開第20030103930(A1)号に記載のとおり調製することができ、第2の組成物は、米国特許出願第13/617240号に記載のとおり調製することができる。
【0139】
本発明の化粧品組成物は、分配されるまで別々に保持される第1の組成物及び第2の組成物を含むという点で多相組成物であってよい。分配されるまで分離された状態を維持されるが、第1の組成物及び第2の組成物は分配時に接触させられる。化粧品組成物が分配され、第1の組成物及び第2の組成物が相互作用するまでは加温効果が生じない可能性がある。多相製品を分配するために、様々な手法を使用することができる。一般的な方法は、多室チューブ又はボトルである。本明細書で使用するとき、「第1の組成物と第2の組成物とが互いに分離された状態を維持される」とは、例えば、2つのチャンバを有するパッケージにおいて、第1の組成物が第1のチャンバに収容され、第2の組成物が別個の第2のチャンバに収容されていることを意味する。このようなパッケージは、チューブ、ポンプ、ボトル、又は上下逆さまのボトル、サシェ、及びブリスターパックとして成形することができる。
【0140】
本発明において、第1の組成物と第2の組成物とは、使用前に混合されない。第1の組成物及び第2の組成物は、約35:65~約98:2、より好ましくは約90:10、更により好ましくは約40:60~約60:40の比で混合されることが好ましい。
【0141】
加温コンディショナーは知られているが、現在の無水の加温コンディショナーは、ゲル網又はゲルマトリックスの使用による優れたシリコーン送達などのトップコンディショニング効果を必ずしももたらすことができない。同様に、一部の高性能コンディショナーは、その性能上の効果を犠牲にすることなく加温効果を提供する能力を欠いている。したがって、本発明は、加温効果も提供しながら、高性能コンディショニング効果をもたらすことができる。本発明者らは、本明細書に記載の第1の組成物及び第2の組成物の特定の比及び粘度が、依然として優れたシリコーン付着を提供しながら、既存の加温コンディショナーと比較して相乗的な加温効果を提供し得ることを発見した。
【0142】
無水無機塩を使用する加温コンディショナーは、水と混合されるまで活性化されない。典型的には、このような加温剤を使用するコンディショナーは、加温を開始するのに必要な水を提供するために、例えばシャワーの水を当てにする。本発明は、いくつかのことを発見した。第1に、加温剤の活性化、すなわち加温剤が水と混合されることで始まる熱の誘発が、たとえ毛髪及び頭皮へ塗布する前であってもユーザの手の中で起こり得る場合、有利になる場合がある。これにより、以下に説明するように、優れた加温効果が得られる。しかし、活性化が手の中で起こるためには、活性化のための水は、ただの水のように薄くて流れ易いものではない形態で提供されなければならない。すなわち、加温剤は、本発明の第2の組成物のように、十分に粘性であるが水性の組成物と混合されなければならない。加えて、このより長持ちする混合物は、手から毛髪へとより容易に移動し、熱が頭部上で十分に感じられること、すなわち、迅速かつ容易に洗い流されるものではないことを可能にする。
【0143】
本組成物の加温効果は、第1の組成物又は第2の組成物のいずれか単独の加温効果よりも優れている。第1の組成物が加温剤を含むとしても、第1の組成物単独の使用は、優れたシリコーン付着も提供しない一方で、本発明の多相組成物の加温効果をもたらすこともできない。
【0144】
例えば、
図1は、以下に詳述する最大温度変化試験方法の下でヘアコンディショナーが生じさせる温度の最大変化のグラフである。このグラフは、第1及び第2の組成物、具体的には表2の組成物の混合物である様々なコンディショナーの最大温度変化を示す。表1は、
図1及び
図2のデータである。
図1の右端にx印を有するグラフはまた、表2の100%の第1の組成物であって、無機発熱剤、この場合は15%無水硫酸マグネシウムを含む組成物であるヘアコンディショナーの最大温度変化を示す。驚くべきことに、100%の第1の組成物であるコンディショナーは、最高の最大温度変化をもたらさない。両方の組成物が混合される場合、加温剤(硫酸マグネシウム)の総パーセンテージは減少する。しかし、減少した量の加温剤で、本発明の配合物は、より大きな最大温度変化を有する。
【0145】
100%の第1の組成物であるコンディショナーは、摂氏約13(12.63)度以上の最大温度変化をもたらす一方で、40%、50%、55%、70%、80%、90%、93%、95%、及び98%の第1の組成物であるコンディショナーミックスは、それぞれ、摂氏17.1、17.4、19.5、25.4、29.6、29.1、24.6、20、及び14.6度の最大温度変化をもたらす。
図1のグラフが示すように、無機発熱剤を含む第1の組成物実施例Iの割合が減少しても、発熱剤を含まない第2の組成物とのいくつかの組み合わせは、第1の組成物単独よりも高い最大温度変化を生じさせる。すなわち、混合物全体における発熱剤の重量百分率がより低くても、より大きな加温効果が得られる。第1の組成物中の無機発熱剤の濃度が上昇すると、より強い加温が生じ、その後最大温度変化が増加する。
【0146】
より少ない量の硫酸マグネシウムを使用すると、少なくとも加温効果が減少することが予想される。しかしながら、本発明の多相組成物の加温効果は維持され、更にはより高い。本発明者らは、第1の組成物と特定の粘度及び特定の範囲内の比で送達された第2の組成物中の水が、硫酸マグネシウムの発熱反応に対する相乗的ブーストを可能にすると考えている。
【0147】
この相乗効果を実現する際に、本発明者らは、この効果が存在する特定の範囲を探し出した。それは単に加温剤を含む組成物を何らかの他の水性組成物と組み合わせるという問題ではなく、相乗的な加温効果を生じさせる即時とは言わないまでも迅速な混合を達成するために、第1の組成物及び第2の組成物の比とそれらのそれぞれの粘度とのバランスをとるという問題になる。粘度は、組成物がどれだけ流動性であるか、ひいては組成物をどれだけ容易に一緒に混合することができるかの尺度である。100s-1の剪断速度での粘度は、この低い剪断速度が消費者による手のひら上での組成物のゆっくりとした混合をシミュレートすることから、選択される。データによって示されるように、特定の比及び粘度の範囲外である製剤は、相乗的な加温効果を生じないが、本明細書に記載される比及び粘度の範囲内の製剤は、予想外の加温効果を示す。本発明において、第1の組成物と第2の組成物との間の粘度差は、好ましくは2.5Pa.s未満、より好ましくは2.0Pa.s未満であり得る。予期せぬ加温効果を示すための粘度の差には上限があると考えられる。この上限を超えると、粘度差が非常に大きすぎて不均一な混合を引き起こし、その結果、特定の比で加温効果が遅延するか、低下するか、又は全くなくなる。
【0148】
図2は、混合物中の第1の組成物のパーセントに対する混合物中の水と硫酸マグネシウムとのモル比をプロットしたグラフである。このグラフは、相乗的な加温効果をもたらす水と硫酸マグネシウムとのモル比が約75~約0.75であり得ることを示す。いくつかの実施形態では、第2の組成物中の水と第1の組成物中の無機加熱剤とのモル比は、約75~約0.75であり得、これにより、予想外の加温効果をもたらすことができる。水と無機加熱剤とのモル比がこの範囲外である場合、加温効果が生じない場合がある。有効であるモル比は、特定の加熱剤のエンタルピーに依存し得、当該加熱剤のエンタルピーに基づくモル比には上限及び下限が存在し得、例えば、塩化カルシウム(CaCl
2、CaCl
2・H
2O、CaCl
2・2H
2O)、塩化マグネシウム(MgCl
2、MgCl
2・2H
2O、MgCl
2・4H
2O)、塩化アルミニウムが挙げられる。
【実施例】
【0149】
以下の実施例では、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は、例示目的でのみ提供され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。適用可能な場合には、成分を、化学名又はCTFA名で特定し、そうでない場合は、以下で定義する。
【0150】
【0151】
【0152】
成分の定義
*1 BTMS/IPA:80%のベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート及び20%のイソプロピルアルコール
*2 BTAC/IPA:80%のベヘントリモニウムクロリド及び20%のイソプロピルアルコール
*3 CTAC/IPA:50%のセトリモニウムクロリド及び50%のイソプロピルアルコール
*4 シリコーン化合物:Dow Corning製の商品名Xiameter PMX-200を有する、約12,500センチストークの粘度を有するジメチコーン。
*5 シリコーン化合物:Momentiveから入手可能で、粘度10,000mPa・sを有し、以下の式(I)を有する:
(R1)aG3-a-Si-(-OSiG2)n-(-OSiGb(R1)2-b)m-O-SiG3-a(R1)a (I)
(式中、Gは、メチルであり、aは、整数の1であり、bは、0、1、又は2であり、好ましくは1であり、nは、400~約600の数であり、mは、整数の0であり、R1は、一般式CqH2qLに適合する一価のラジカルであり、式中、qは整数の3であり、Lは-NH2である)。
*6 ポリエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー:Sanyo(登録商標)ChemicalからNewpol-108の商品名で入手可能。
*7 ポリプロピレングリコール:Sanyo(登録商標)ChemicalからNewpol PPG-34 L又はNewpol PPG-2000の商品名で入手可能
*8 メチルビス-(オレイルアミドエチル)2-ヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート:Tetranyl CO-40の商品名でKao Chemicalsから入手可能
*9 ポリエチレングリコール:商品名Pluracare E200でBASFから入手可能
【0153】
図2、3、4A、及び4B、並びに以下の付随する文章は、一方のチューブは、実施例Aのコンディショニング組成物(表1を参照)を含有し、他方は、実施例Bの温感組成物(表2を参照)を含有するチューブインチューブパッケージにおける異なる中央オリフィス及び外側オリフィスの形状及びサイズの分配試験からの結果を示す。ノズルから離れてチューブの上方に約1/3(すなわち、チューブの封着された端部から下方に2/3)、ユーザの親指と他の指との間でチューブの外壁を絞ることによって、分配試験を行った。
【0154】
コンディショニング組成物及び加温組成物が分配されたとき、二相組成物は、ユーザの手の中で美しく見えるだけでなく、両方の組成物を明確に示す美しい外観を有することが重要であり、これにより、塗布前に組成物を十分に混合し、それによって加熱機構を活性化し、洗浄効果を送達するようにユーザを誘導する視覚的合図が提供される。
【0155】
図2の表は、実施例1~4においてオリフィスを通して分配されたときの分配された組成物を示す。実施例1~4では、実施例B(加温組成物)は内側チャンバ内にあり、実施例A(コンディショニング組成物)は外側チャンバ内にあった。
図2に示すように、分配された組成物はいずれも所望の外観を有していなかった。実施例1~2では、外側オリフィスを通して分配されるコンディショニング組成物が、中央オリフィスを通して分配される加温組成物を包み込んでいる。これらの例では、消費者は両方の組成物を見ることができないので、加温効果を活性化し、より良好なコンディショニング効果を得るために組成物を混合することが直感的には分からないであろう。
【0156】
同様に、実施例1~2と比較して25%大きいオリフィス面積を有する実施例3~4では、いくつかの部分において、コンディショニング組成物が加温組成物を包み込み、他の領域では、分配されたストランドが剥がれているように見え、加温組成物のみが見える。一貫性がなく、高品質のヘアトリートメント組成物を暗示しないので、この外観は消費者に好まれない。また、ユーザは、この外観を有する組成物を直感的に混合することはできないと考えられる。
【0157】
図3の表は、実施例5~8においてオリフィスを通して分配されたときの分配された組成物を示す。実施例5~6では、実施例B(加温組成物、表2を参照)は内側チャンバ内にあり、実施例A(コンディショニング組成物、表1を参照)は外側チャンバ内にあった。実施例5も6も、消費者が許容できる外観を有していなかった。代わりに、濃い塊が分配され、コンディショニング組成物を加温組成物と区別することが困難であった。
【0158】
実施例7~8は、それぞれ実施例5~6と同じオリフィスを使用した。しかしながら、実施例A(コンディショニング組成物、表1を参照)は、内側チャンバ内にあり、中央オリフィスを通して分配され、実施例B(加温組成物、表2を参照)は、外側チャンバ内にあり、外側オリフィスを通して分配された。実施例7及び8で分配されたストランドはいずれも、消費者が好む美しい外観を有していた。
図3に示すように、実施例7~8の分配された組成物は、滑らかなストランドを有する均一な外観を有し、全体にわたって両方の組成物が可視である。消費者が実施例7又は8のような外観を有する組成物を分配した場合、直感的に組成物を混合し、それによって温感を更に活性化することが見出された。場合によっては、実施例7~8は、外側チャンバ内のコンディショニング組成物及び内側チャンバ内の加温組成物でチャンバを充填することが困難であり得るため、あまり好ましくない場合がある。
【0159】
図4A及び4Bの表は、実施例9~14においてオリフィスを通して分配された場合の分配された組成物を示す。実施例9~14では、実施例B(加温組成物、表2を参照)は内側チャンバ内にあり、実施例A(コンディショニング組成物、表1を参照)は外側チャンバ内にあった。実施例9~14は全て、加温組成物及びコンディショナー組成物の両方が可視である分配された組成物を有し、このことは、加温を更に活性化するために組成物を混合するように消費者を促し得る。
【0160】
実施例9及び10の外観は、以下の理由で消費者に好まれ得る。第1に、1:0.25(4:1)の内側オリフィスの面積対外側オリフィスの面積の比が、最初の使用から最後の使用までコンディショニング組成物及び加温組成物を最も均一に分配することが見出された。第2に、複数の外側オリフィスは、分配されたストランドが審美的に美しくないヌードル状の外観を有する原因となるので、1つのより大きな外側オリフィスが、複数(例えば、2又は3)のより小さなオリフィスよりも好ましい場合があることが確定した。更に、より小さなオリフィスは、一体化したストランドとして分配するのではなく、コンディショナー組成物を加温組成物から引き離すことができるより高い圧力で分配する傾向がある。第3に、丸い形状もヌードルのように分配することができ、加温相及びコンディショナー相を引き離すことができるので、スロット形状、特に湾曲スロット形状が、丸い円形又は楕円形よりも好ましい場合があることが見出された。
【0161】
組み合わせ
1.リンスオフヘアトリートメント製品であって、
a.加温組成物と、チューブパッケージ(1)であって、
i.内側チューブ壁(44)及び内側チャンバ(41)を含む内側チューブ(4)、
ii.外側チューブ壁(34)、当該外側チューブ壁(44)と当該内側チューブ壁(34)との間に形成される外側チャンバ(31)を含む外側チューブ(3)、
iii.1つ以上の外側ノズルチャネル(33)によって当該外側チャンバ(31)に流体接続された1つ以上の外側オリフィス(53)、
iv.1つ以上の内側ノズルチャネル(43)によって当該内側チャンバ(41)に流体接続された1つ以上の中央オリフィス(54)、を含み、
当該1つ以上の外側オリフィス(53)の面積に対する当該1つ以上の中央オリフィス(54)の面積の比が、約2~約6、好ましくは約2.5~約5.5、より好ましくは約3~約5、更により好ましくは約3.5~約4.5である、チューブパッケージと、
b.二相ヘアトリートメント組成物であって、
i.ある粘度を有する加温組成物(46)、
ii.ある粘度を有するコンディショニング組成物(36)を含む、二相ヘアトリートメント組成物と、
を含み、
当該加温組成物(46)の粘度が、当該コンディショニング組成物(36)の粘度よりも高く、
当該内側チャンバ(41)が、当該加温組成物(46)を収容し、
当該外側チャンバ(31)が、当該コンディショニング組成物(36)を収容し、
当該加温組成物(46)及び当該コンディショニング組成物(36)が、当該チューブパッケージ(1)内で物理的に分離されている、リンスオフトリートメント製品。
2.当該加温組成物の粘度が、当該コンディショニング組成物の粘度よりも少なくとも1.25倍、好ましくは少なくとも1.4倍、より好ましくは1.5倍高い、段落Aに記載の製品。
3.当該加温組成物が、27℃、950s-1において約190~約420Paの粘度を有し、当該コンディショニング組成物が、27℃、950s-1において約420Paの粘度を有する、段落A~Bに記載の製品。
4.当該加温組成物に対する当該コンディショニング組成物の重量比が、約1~約5、好ましくは約1.25~約2.25、より好ましくは約1.35~約1.9、更により好ましくは約1.5~約1.75である、段落A~Cに記載の製品。
5.当該1つ以上の中央オリフィス(54)が1つのオリフィスを含み、当該1つ以上の外側オリフィス(53)が1つのオリフィスを含む、段落A~Dに記載の製品。
6.当該内側オリフィス(54)が、円形又は楕円形である、段落Eに記載の製品。
7.当該外側オリフィス(53)が、スリット、好ましくは湾曲スリットである、段落E~Fに記載の製品。
8.当該内側オリフィス(54)が、約2mm2~約9mm2、好ましくは約3mm2~約7mm2、より好ましくは約4mm2~約6mm2、更により好ましくは約4.5mm2~約5.5mm2の面積を有する、段落E~Gに記載の製品。
9.当該外側オリフィス(53)が、約0.25mm2~約5mm2、好ましくは約0.5mm2~約3.5mm2、より好ましくは約0.75mm2~約2.5mm2、更により好ましくは約1mm2~約1.5mm2の面積を有する、段落E~Hに記載の製品。
10.当該外側チューブ壁(34)及び当該内側チューブ(44)壁が、ポリマー及びアルミニウムバリアを含む積層フィルムを含む、段落A~Iに記載の製品。
11.当該コンディショニング組成物(36)及び当該加温組成物(46)が、異なる色である、段落A~Jに記載の製品。
12.当該加温組成物(46)が、水と混合することによって熱を発生させる無機発熱剤を含み、当該コンディショニング組成物が、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性担体を含むカチオン性界面活性剤系を含む、段落A~Kに記載の製品。
13.当該ヘアトリートメント組成物の加温効果が、当該コンディショナー組成物(36)及び加温組成物(46)が分配された後の摂氏約13度を超える最大温度変化である、段落Lに記載の製品。
14.当該無機発熱剤が、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される無水無機塩である、段落L~Mに記載の製品。
15.当該無機発熱剤が、硫酸マグネシウムである、段落Nに記載の製品。
16.当該加温組成物(46)が、ジアルキルカチオン性界面活性剤を更に含む、段落l~Oに記載の製品。
17.当該加温組成物(46)が、当該カチオン性界面活性剤、当該高融点脂肪族化合物、及び当該水性担体の少なくとも一部を含むゲルマトリックスを含む、段落A~Pに記載の製品。
18.当該カチオン性界面活性剤と当該高融点脂肪族化合物との重量比が、約1:1~約1:4の範囲内である、段落A~Qに記載の製品。
19.当該コンディショナー組成物(36)中の当該無機発熱剤に対する当該加温組成物(46)中の水のモル比が約75~約0.75である、段落A~Rに記載の製品。
20.毛髪を処理する方法であって、
a.段落A~Sに記載のリンスオフヘアトリートメント製品を提供することと、
b.外側チューブ壁(34)に圧力を印加し、二相ヘアトリートメント組成物を単一ストランドとしてユーザの手のひらに分配することと、
c.当該二相ヘアトリートメント組成物を混合し、それによって温感を促進することと、
d.当該二相ヘアトリートメント組成物をユーザの毛髪及び/又は頭皮に塗布することと、
e.当該ユーザの毛髪及び/又は頭皮から当該二相ヘアトリートメント組成物をすすぐことと、
を含む、方法。
21.当該ストランド中の分配された加温組成物に対する分配されたコンディショナー組成物の重量比が、1~約3、好ましくは約1.1~約2、より好ましくは約1.3~約1.5である、段落Tに記載の方法。
【0162】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0163】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0164】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】