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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】脂質化ポリミキシン類似体
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/62 20060101AFI20240725BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C07K7/62
A61K38/12
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508678
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 IB2022057488
(87)【国際公開番号】W WO2023017450
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】779028
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504448092
【氏名又は名称】オークランド ユニサービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AUCKLAND UNISERVICES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ブリンブル,マーガレット・アン
(72)【発明者】
【氏名】クック,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ダビッドソン,アラン・ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ポール・ウィリアム・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】サンダー,ベロニカ
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA17
4C084BA28
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZB35
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA14
4H045BA50
4H045BA55
4H045CA11
4H045EA20
4H045EA29
4H045FA20
4H045FA33
(57)【要約】
【要約】
本発明は、ペプチドバックボーンを介して新規な2-チオエチルエステル結合によって固定された独特の脂質を含むポリミキシン類似体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【化1】
(ただし、
Aは、
【化2】
【化3】
および
【化4】
から選択され、
ここで、Rは、Hまたは-C(O)-(C~C10)アルキルであり、nは1または2であり、RはHまたはCHであり、
は、存在しないか、Dabであり、
は、Thrであり、
は、Dab、Dap、またはD-Serからなる群から選択され、
は、Dab、Lys、Orn、またはDapからなる群から選択され、
は、D-Pheまたは
【化5】
であり、
は、Leu、または
【化6】
であり、
ここで、R、R、およびRは、独立に、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、-(C~C10)アルキルアリール、ピリジル(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルピリジルから選択され、
ここで、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、およびピリジルは、それぞれ独立に、ハロ、-(C~C)アルキル、-(C~C)シクロアルキル、-O-(C~C)アルキル、-O-(C~C)シクロアルキル、-S(C~C)アルキル、-S(C~C)シクロアルキル、-NH(C~C)アルキル、またはNH(C~C)シクロアルキルで任意に置換されており、
およびRは、独立に、HまたはCHから選択される。)
【請求項2】
前記Aは、
【化7】
(ここで、nは1であり、XはDabであり、Rは請求項1に定義される通りである。)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記Aは、下記のものである、請求項1に記載の化合物。
【化8】
【請求項4】
前記nは1であり、前記Xは存在せず、前記Rは請求項1に定義される通りである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記AはA2であり、前記nは1であり、前記Rは請求項1に定義される通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記Aは、下記のものである、請求項1に記載の化合物。
【化9】
【請求項7】
はHである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記Rは-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルアリールからなる群から選択され、好ましくは-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリールYL(C~C10)アルキルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記XはDabである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
前記XはLysまたはDabである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
前記XはD-Pheである、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
前記XはLeuである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
前記AはA1であり、前記nは1であり、Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、前記Rは、Hまたは-C(O)-(C~C10)アルキルであり、前記XはDabであり、前記XはThrであり、前記XはDabであり、XはDabまたはLysであり、前記XはD-Pheまたは
【化10】
であり、ここで、Rは、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルアリールからなる群から選択され、好ましくは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルであり、前記Xは、Leuまたは
【化11】
であり、ここで、Rは、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルアリールからなる群から選択され、好ましくは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記AはA1であり、前記nは1であり、前記Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、前記RはHであり、前記Xは存在せず、前記XはDab、DapまたはD-Serであり、前記XはDabであり、前記XはD-Pheであり、前記Xは、Leuである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
前記AはA2であり、前記nは1であり、前記Rは、-C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、前記RはHであり、前記XはDabであり、前記XはDabであり、前記XはDabまたはLysであり、前記XはD-Pheであり、前記XはLeuである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記AはA1であり、前記nは2であり、前記Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる選択され、前記RはHであり、前記XはDabであり、前記XはDabであり、前記XはDabまたはLysであり、前記XはD-Pheであり、前記XはLeuである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物は、表1または表3に定義されるポリミキシン類似体からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
29、44、59、60、76および79化合物からなる群から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【化12】
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、その薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量を被験体に投与することを含む、被験体の細菌感染を治療または予防する方法。
【請求項21】
細菌を、殺菌量の請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と接触させることを含む、細菌を死滅させる方法。
【請求項22】
少なくとも1つの細菌種の増殖を阻害する方法であって、前記細菌種を、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と静菌量で接触させることを含む、方法。
【請求項23】
前記細菌はグラム陰性菌である、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記グラム陰性菌は、アシネトバクター、アクチノバチルス、バルトネッラ、ボルデテラ、ブルセラ、バークホルデリア、カンピロバクター、シアノバクテリア、エンテロバクター、エンビニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、クレブシエラ、レジオネラ、モラクセラ、モルガネラ、ナイセリア、パスツレラ、プロテウス、プロビデンシア、シュードモナス、サルモネラ、セラティア、赤ブドウ球菌、ステノトロフォモナス、トレポネーマ、ビブリオ、およびエルシニアの属から選択される1つまたは複数の種を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記細菌は、緑膿菌、アシネトバクター・バウマンニー、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、エンテロバクター・クロアカエ、シトロバクター・フロインディ、大腸菌、およびサルモネラ・エンテリカからなる群から選択される、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記細菌は、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、拡張スペクトルβ-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌、コリスチン耐性大腸菌、カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマンニー(CRAB)、またはカルバペネム耐性緑膿菌(CRPA)として表現型を特徴付けられる分離株からなる群から選択される、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物は、ポリミキシンBおよび/またはコリスチンよりも腎臓毒性が低い、請求項20~26のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ペプチドバックボーンを介して新規な2-チオエチルエステル結合によって固定された独特の脂質を含むポリミキシン類似体に関する。
【背景技術】
【0002】
世界は新しい抗生物質を必要としている。抗生物質発見の「黄金時代」(1940-1960年)以降、抗生物質研究は大幅に減速しており、過去20年間で臨床使用に進んだ新しい化合物は30種類のみである。この差し迫った抗生物質の危機は、大腸菌や緑膿菌のような一部のグラム陰性菌の現在の最前線の抗生物質に対する耐性の増大によってさらに複雑化している。グラム陰性菌感染症は、透過性の低い二重膜の細胞エンベロープを持つ病原体の細胞構造のため、治療がより複雑である。残念ながら、新たに承認された抗生物質のほとんどはグラム陽性菌を対象としたものであり、臨床パイプラインに残っている抗生物質の中でグラム陰性菌を標的としたものはほとんどない。
【0003】
したがって、病原性細菌、特にグラム陰性病原性細菌の追加の種および株を効果的に標的とすることができる、新しく改良された抗生物質が必要とされている。
【0004】
本発明の目的は、病原性細菌、特にグラム陰性病原性細菌を効果的に標的とすることができる少なくとも1つの新規かつ改良された抗生物質を提供することによって、この必要性を満たすために少なくとも何らかの方法で取り組むこと、および/または少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。本発明の他の目的は、単なる例として与えられる以下の説明から明らかになることである。
【0005】
本明細書では、特許明細書および他の文書を含む外部情報源への参照が行われているが、これは一般に、本発明の特徴を議論するための文脈を提供することを目的としている。いかなる国・地域においても、別段の記載がない限り、そのような情報源への引用は、そのような情報源が先行技術であること、またはその分野の共通の常識の一部を構成することを認めるものと解釈してはならない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ペプチドバックボーンを介して新規な2-チオエチルエステル結合によって固定された1つまたは複数の独特な脂質を含む新規なポリミキシン類似体に関する。
【0007】
一態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
【0008】
【化1】
(ただし、
Aは、
【化2】
【化3】
および
【化4】
から選択され、
ここで、Rは、Hまたは-C(O)-(C~C10)アルキルであり、nは1または2であり、RはHまたはCHであり、
は、存在しないか、Dabであり、
はThrであり、
は、Dab、Dap、またはD-Serからなる群から選択され、
Gは、Dab、Lys、Orn、またはDapからなる群から選択され、
は、D-Phe、または
【化5】
であり、
は、Leuまたは
【化6】
であり、
ここで、R、R、およびRは、独立に、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、-(C~C10)アルキルアリール、ピリジニル(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルピリジニルからなる群から選択され、
ここで、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、およびピリジニルは、それぞれ独立に、ハロ、-(C~C)アルキル、-(C~C)シクロアルキル、-O-(C~C)アルキル、-O-(C~C)シクロアルキル、-S(C~C)アルキル、S(C~C)シクロアルキル、-NH(C~C)アルキル、またはNH-(C~C)シクロアルキルで任意に置換されており、
およびRは、独立に、HまたはCHから選択される。)
【0009】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0010】
別の態様本発明は、被験体の細菌感染を処置または予防するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量を被験体に投与することを含む、被験体の細菌感染を治療または予防する方法を提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、被験体における細菌感染の治療または予防のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0013】
上記の態様では、一実施形態では、細菌感染はグラム陰性菌感染である。
【0014】
別の態様では、本発明は、殺菌量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と細菌を接触させることを含む、細菌を殺菌する方法を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を静菌量で細菌と接触させることを含む、細菌の増殖を阻害する方法を提供する。
【0016】
上記の態様では、一実施形態ではでは、細菌はグラム陰性菌である。
【0017】
本明細書で開示されている数値範囲(例えば、1~10)の参照は、この範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)およびこの範囲内の任意の有理数範囲(例えば、2~8、1.5~5.5および3.1~4.7)をも含むので、本明細書で明示的に開示されているすべての範囲のすべてのサブ範囲は、本明細書で明示的に開示されている。これらは特定の意図の一例にすぎず、列挙された最低値と最高値との間の可能なすべての数値の組み合わせは、同様の方法で本明細書に明示的に記載されているものとみなされるべきである。
【0018】
本発明は、概して上記で定義されているが、これに限定されるものではなく、本発明は、以下の実施形態に記載される実施形態をさらに含むことが当業者には理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明を説明する。
図1】ポリミキシンBのS-脂質化類似体を調製するためのS-脂質化ビルディングブロックを用いた固相合成戦略を示すスキームである。試薬と条件:ii)反復FmocSPPS、DMF中20%ピペリジン(v/v)、2×5分、室温、次いでFmoc-Xaa-OH、HATU、DIPEA、DMF、20分、室温;ii)DMF中の20%ピペリジン(v/v)、2×5分、室温;iii)ビルディングブロック、3a~3f、DIPEA、DMF、1時間、室温。iii)DMF中の20%ピペリジン、iv)Boc2O、DMF、2時間;v)DMF中の2%N.HO、3x5分、室温。vi)Fmoc-Thr(tBu)-OH、HATU、DIPEA、DMF、20分、vii)Pd(PPh、PhSiH、CHCl:DMF(1:1、v/v)、3時間、室温。viii)DMF中20%ピペリジン(v/v)、2×5分、室温。ix)PyBOP、HOAt、NMM、DMF、12時間、室温。x)90%TFA、5%TIPS、5%HO(v/v/v)、2時間、室温。
図2】オフレジン脂質化戦略を用いたビスS-脂質化ポリミキシンを調製するための固相合成戦略を示すスキームである。試薬と条件:i)反復FmocSPPS、DMF(v/v)中の20%ピペリジン、2x5分、室温、その後Fmoc-Xaa-OH、HCTU、DIPEA、DMF、20分、室温。ii)DMF中20%ピペリジン(v/v)、2×5分、室温;iii)BocO、DMF、20分、室温。iv)NHOH・HCl、イミダゾール、NMP、5時間、室温;v)Fmoc-Thr(tBu)-OH、HCTU、DIPEA、DMF、20分、室温;vi)Pd(PPh、PhSiH3、CH2Cl2、3時間、室温。vii)DMF中20%ピペリジン(v/v)、2×5分、室温。viii)PyBOP、HOAt、DIPEA、DMF、12時間、室温;ix)94%TFA、2%TIPS、2%HO、2%EDT(v/v/v/v)、2時間、室温。x)ビニルエステル、DMPA、TIPS、tert-ノナンチオール、NMP中5%TFA(v/v)、1時間、365nm、室温;xi)AgOAc、HO中50%CHCN(v/v)、12時間、室温、次いでDTT、HO中50%CHCN(v/v)、1時間、室温;xii)ビニルエステル、DMPA、TIPS、tert-ノナンチオール、NMP中5%TFA(v/v)、1時間、365nm、室温。
図3】環外部分とシステイニルハンドルが異なるモノS-脂質化ポリミキシンの別の固相合成を示すスキームである。試薬と条件:i)反復FmocSPPS、DMF中20%ピペリジン(v/v)、2×5分、室温、次いでFmoc-Xaa-OH、HATU、DIPEA、DMF、20分、室温;ii)NHOH.HCl、イミダゾール、NMP、5時間、室温;iii)Alloc-Thr(tBu)-OH、DIC、HOAt、DMF、16時間;iv)Pd(PPh、PhSiH、CHCl、3時間;v)PyAOP、HOAt、DIPEA、DMF、12時間、室温;vi)反復FmocSPPS、DMF(v/v)中の20%ピペリジン、2x5分、室温、その後Fmoc-Xaa-OH、HATU、DIPEA、DMF、20分間、室温、Aについては、Fmoc-Cys(Trt)-OHまたはFmoc-D-Cys(Trt)-OHまたはTrtSCHCHCOH、またはホモ-L-Cys(Trt)-OHのいずれかHATU、HOAt、DIPEA、DMF:DCM(1:1)、1時間。viii)20%ピペリジンDMF(v/v)溶液、2x5分。ix)95%TFA、2%TIPS、1%HO、2%EDT(v/v/v/v)、2時間、室温。x)プロピオン酸ビニル、DMPA、TIPS、tert-ノナンチオール、NMP中5%TFA(v/v)、1時間、365nm、室温。
図4】モノS-脂質化ポリミキシンを調製するための化学酵素的液相合成を示すスキームである。i)酵素加水分解、パパイン(1.5~10単位/mg)、DTT、リン酸緩衝液(0.1M、pH6.8)、28時間、37°C。ii)Boc-ON、NEt、MeOH:HO(2:1v/v)、30分、室温。iii)Boc-L-Thz-OHまたはBoc-D-Thz-OH、HATU、DIPEA、CHCl、2時間、室温。iv)TFA:CHCl(1:1v/v)、1時間、室温。v)MeONH・HO溶液(0.2M、pH4)、24時間、室温または37℃。vi)ビニルエステル、TIPS、tert-ノナンチオール、DMPA、NMP中の5%TFA(v/v)、365nm、1時間、室温。
図5】アポトーシスの定量化を示すグラフである。ポリミキシン処理オルガノイド(100m~1mMポリミキシンBおよび化合物29および35)のパラフィン切片上でアポトーシス(TUNEL+)細胞を定量する。条件ごとにnは10個以上のオルガノイドである。****p値≦0.0001以下、一元配置分散分析。
図6】示された化合物濃度の関数として細胞生存を示すグラフである。データは3回の実験を表している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
5.1 定義
「含む(comprising)」という用語は、ここで用いられるように、「少なくとも部分的に構成される」という意味である。本明細書および各請求項における各「包括」という用語を解釈するときに、その項またはその項目の前面にあるもの以外の特徴も存在することがある。「含む(comprise)」と「含む(comprises)」などの関連用語は、同じ解釈で解釈される。
【0021】
本明細書で使用されるように、「および/または」という用語は、「および」または「または」、あるいはその両方を意味する。
【0022】
本文で用いるように、名詞の後に続く「(複数可)」は、名詞の複素数形および/または単数形を意味する。
【0023】
不斉中心は、本明細書に記載された化合物中に存在し得る。不斉中心は、キラル炭素原子での3次元空間における置換基の配置に依存して、(R)または(S)と指定することができる。特定の立体化学または異性体形が示されていない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ体が意図されている。ジアステレオマー、エナンチオマーおよびエピマー形、ならびにd体およびl体を含む化合物のすべての立体化学異性体形、ならびにエナンチオマーが富化された立体化学異性体混合物およびジアステレオマーが富化された立体化学異性体混合物を含むそれらの混合物は、本発明の範囲内にある。したがって、本発明は、アミノ酸残基の不斉中心に関して、例えば、約90%を超える、約95%から約97%を超える、または99%を超える、実質的に純粋な立体異性体の形態の化合物に関する。このようなジアステレオマーは、例えばキラル中間体を用いた不斉合成によって調製することができ、または混合物はクロマトグラフィーまたは他の従来の方法を使用して分割することができる。。
【0024】
個々のエナンチオマーは、市販のエナンチオマー純粋な出発物質から合成的に、またはエナンチオマー混合物を調製し、その混合物を個々のエナンチオマーに分割することによって調製することができる。分割方法は、(a)カイラル固定相上でのクロマトグラフィーによるエナンチオマー混合物の分離、および(b)エナンチオマー混合物のジアステレオマー混合物への変換、ならびに、例えば再結晶またはクロマトグラフィーおよび当技術分野で知られている他の任意の適切な方法によるジアステレオマーの分離を含む。決定された立体化学の出発物質は、商業的に入手または製造することができ、必要に応じて、当該技術分野で公知の技術により分割することができる。キラル炭素(CH-LG部分をsecoの形で有する炭素)に「天然」の配置を有するエナンチオマーが好ましい。
【0025】
本明細書に記載の化合物は、シス、トランス、シン、アンチ、エントゲーゲン(E)およびズサンメン(Z)異性体を含む配座異性体または幾何異性体として存在することもできる。これらのすべての異性体およびその任意の混合物は、本発明の範囲内にある。
【0026】
また、記載された化合物の任意の互変異性体またはその混合物も本発明の範囲内である。当業者が理解するように、様々な官能基および他の構造は互変異性を示し得る。例としては、ケトン/エノール、イミン/エナミン、チオン/エンチオール互変異性体が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書に記載の化合物は、ここで化合物中の1つまたは複数の原子が異なる同位体で置換されているアイソトポローグおよびアイソトポマーとしても存在し得る。好適な同位体は、例えば、H、H(D)、H(T)、12C、13C、14C、16O、および18Oを含む。このような同位体を本明細書に記載された化合物に組み込む方法は、当業者にとって明らかであり、本明細書に記載された化合物のアイソトポローグおよびアイソトポマーも本発明の範囲内にある。
【0028】
本発明の範囲には、薬学的に許容される塩、本明細書に記載の化合物の塩も含まれる。これらの塩としては、酸付加塩、塩基付加塩、塩基性窒素基含有第4級塩が含まれる。酸付加塩は、遊離塩基の形態の化合物と無機酸または有機酸とを反応させることにより製造することができる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などが含まれるが、これらに限定されない。有機酸の例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ステアリン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、スルホン酸、アジピン酸、酪酸、ピバル酸などが含まれるが、これらに限定されない。塩基付加塩は、遊離酸の形態の化合物と無機または有機塩基とを反応させることにより製造することができる。無機塩基付加塩の例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムまたは亜鉛塩などの生理学的に許容される他の金属塩が含まれる。有機塩基付加塩の例としては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミンの塩などのアミン塩が含まれる。化合物中の塩基性窒素含有基の第4級塩は、例えば、化合物を、メチル、エチル、プロピル、ブチルの塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化アルキル、ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジアミル硫酸塩等のジアルキル硫酸塩と反応させることにより製造することができる。
【0029】
本明細書で説明されている化合物は、様々な溶媒で溶媒和物として形成または存在し得る。本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、別段の指示がない限り、1つまたは複数の溶媒分子と本明細書に記載の化合物との会合を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物、例えば一水和物、二水和物、三水和物と呼ぶことができる。この項で記述されている化合物の溶解された形態および未溶解された形態はすべて、発明の範囲内にある.
本明細書で使用される一般的な化学用語は、それらの通常の意味を持っている。
【0030】
化学基の標準的な略称は、その分野でよく知られており、その一般的な意味を持っている。例えば、Me=メチル、Et=エチル、Bu=ブチル、t-Bu=t-ブチル、Cys=システイン、Ph=フェニル、Leu=ロイシン、Phe=フェニルアラニン、Thr=スレオニン、Dab=2,4,-ジアミノブタン酸、Dap=2,3-ジアミノプロピオン酸、DMF=ジメチルホルムアミド、Orn=2,5-ジアミノ吉草酸、DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン、Fmoc=9-フルオレニルメトキシカルボニル、Boc=t-ブチル-ブトキシカルボニル、HATU=1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロリン酸、PyBOP=ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、HOAt=1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール、NMM=N-メチルモルホリン、およびTFA=トリフルオロ酢酸。
【0031】
特に明記されていない限り、これらの省略名は次のすべての例に適用される。
【0032】
別段の記載がない限り、本明細書で単独または他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の非環式炭化水素基を意味する。いくつかの実施形態では、アルキルは、1~15、1~13、1~11、1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、2~12、2~9、2~8、2~6、2~4、3~9、3~8、4~9、4~15、6~15、8~15、10~15、または1、2または3個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキルは飽和している。このようなアルキルの例としては、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、-n-ヘキシル、-n-ヘプチル、-n-オクチル、-n-ノニル、-n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、-ネオペンチル、2-メチルブチル、-イソヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2,3,4-トリメチルペンチル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、3,5-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルペンチル、2-メチルヘプチル、3-メチルヘプチル、n-ヘプチル、イソヘプチル、イソオクチル、イソノニル、イソデシル、イソデシル、イソドデシル、イソトリデシル、イソテトラデシル、およびイソペンタデシルなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキルは不飽和である。このようなアルキルの例としては、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、-アセチレニル、-プロピニル、-1-ブチニル、-2-ブチニル、-1-ペンチニル、-2-ペンチニル、-3-メチル-1-ブチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。接頭辞「C-Cy」は(xおよびyはともに整数である)は、「アリール」という用語と組み合わせて使用される場合、アリール中の環式炭素原子数を意味する。
【0033】
別段の記載がない限り、本明細書で単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキル」という用語は、単環または多環(例えば、縮合、架橋またはスピロ)の非芳香族炭化水素基を意味する。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは飽和している。接頭辞「C-Cy」(xおよびyは整数である)は、「シクロアルキル」という用語と組み合わせて使用される場合、シクロアルキル中の環炭素原子数を意味する。
【0034】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、環状ヘテロ原子を含まない環状芳香族炭化水素基を意味する。アリールは、単環系および二環系を含む。アリールの例としては、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、およびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリールは、環内に6~20個、6~14個、6~12個、または6~10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリールはフェニルまたはナフチルである。アリールは、芳香族炭素環縮合環系を含む。例として、インダニルおよびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。接頭辞「C-Cy」は(xおよびyはともに整数である)は、「アリール」という用語と組み合わせて使用される場合、アリール中の環式炭素原子数を意味する。一実施形態では、アリールはフェニルである。
【0035】
本明細書で単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される用語「ピリジニル」は、別段の指示がない限り、1つの窒素原子を含む芳香族6員環を指す。
【0036】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、窒素、硫黄、セレン、またはリンを含むことを意図する。いくつかの実施形態では、ヘテロ原子は、酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される。
【0037】
本明細書で単独または他の用語と組み合わせて使用される「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素、塩素および臭素、より好ましくはフッ素および塩素を意味する。
【0038】
本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、α炭素と呼ばれる炭素原子に結合したアミノ基とカルボキシル基の両方を含む分子を指す。アミノ酸は天然に存在していてもよいし、非天然に存在していてもよい。天然に存在するアミノ酸には、A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびWの一文字略語として知られているタンパク質アミノ酸、並びにPhe、Leu、Ser、Gly、Cys等の3文字略語が含まれるが、これらに限定されない。また、天然に存在しないアミノ酸も、アミノやカルボキシル基を介した結合によってペプチド鎖を形成したり、ペプチド鎖に含まれたりすることがある。非天然アミノ酸としては、Dab、Dap、およびOrnが挙げられる。本発明は、同じアミノ酸のL型およびD型を組み込んだ化合物を含む、L型およびD型の両方のアミノ酸の使用を企図する。別段の記載がない限り、本発明で使用するために記載されるアミノ酸はL-アミノ酸である。
【0039】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、別段の記載がない限り、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される有機塩または無機塩を指す。例えば、本明細書に記載の化合物はアミノ基を含むことがあり、したがってこのアミノ基を用いて酸付加塩を形成することができる。塩の例としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレンビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸))塩が挙げられる宇賀、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオンのような他の分子を含んでもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定化する任意の有機または無機部分であってもよい。さらに、薬学的に許容される塩は、その構造内に複数の荷電原子を有してもよい。複数の荷電原子が薬学的に許容される塩の一部である場合は、複数の対イオンを有してもよい。したがって、薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の荷電原子および/または1つまたは複数の対イオンを有してもよい。
【0040】
本明細書に記載の抗微生物化合物または組成物において使用される用語「治療有効量」は、治療中または治療予定の細菌感染に関連する症状の少なくとも緩和を達成するのに十分な量、または細菌の成長の減少を達成するのに十分な量、または他の治療薬または自然免疫学的除去に対する細菌の感受性を増加させるのに十分な量である。
【0041】
本明細書に記載の抗菌性化合物または組成物において使用される用語「殺菌量」は、細菌を死滅させるのに十分な量である。
【0042】
抗菌性化合物または組成物に関する本明細書中の用語「静菌量」は、細菌の増殖を遅らせるのに十分な量である。
【0043】
本明細書で使用される用語「治療」および「治療する」は、動物の被験体(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)の障害または疾患に対するあらゆる治療を含み、以下を含む。(i)細菌の感染を阻害すること、例えば、細菌の増殖を阻止すること、(ii)細菌感染を軽減すること(例えば、感染症の重症度を軽減させること)、または(iii)細菌感染に起因する障害、例えば感染症の症状を緩和すること。本明細書で使用される用語「予防」および「予防する」は、動物の被験体(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)における障害または疾患の予防または予防を含み、感染しやすいかもしれないが感染と診断されていない被験体における細菌感染の発生を防止することを含む。
【0044】
5.2本発明のDNA-PK阻害剤化合物
ポリミキシンは、環状リポペプチドの一種で、大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌およびアシネトバクター・バウマンニーなどの主要なグラム陰性病原体に対して選択的に対抗する有効な抗菌剤である。副作用とより安全な代替品の導入により、それらは20世紀70年代に臨床使用から徐々に退出した。しかし、その後、既知の抗生物質に対するグラム陰性菌の耐性が急増したため、ポリミキシンが最前線の抗生物質として再び登場した。
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
ポリミキシンB(1)およびポリミキシンノナペプチド(1a)
【0047】
構造上、ポリミキシンは、中心環状ヘプタペプチドコアと、N-アシル化脂質で終端する直鎖状のトリペプチドまたはジペプチドスペーサーとからなる(上記ポリミキシンB、1およびポリミキシンBノナペプチド、1a参照)。これらは、脂質の長さと分岐、6位と7位の疎水性アミノ酸、および環状コアと環状テールに存在する非標準アミノ酸2,4-ジアミノ酪酸(Dab)のポリカチオン性によって定義される。2種類のポリミキシン、ポリミキシンBおよびポリミキシンE(コリスチンとも呼ばれる)は、関連する神経および腎臓毒性があるものの、多剤耐性グラム陰性細菌感染症に臨床的に使用されており、慎重な投与と腎臓のモニタリングが必要である。
【0048】
本発明者らは、ペプチドバックボーンを介して、N末端、6位、7位、またはいくつかの部位の組み合わせにおいて、新規な2-チオエチルエステル結合によってアンカーされた、特殊の脂質を含む、ポリミキシンBおよびポリミキシンノナペプチド類似体のシリーズを調製した。これらの化合物はポリミキシンBと同様の活性を有し、腎臓毒性が低いことを見出した。
【0049】
したがって、一態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
【0050】
【化9】
(ただし、
Aは、
【化10】
【化11】
および
【化12】
から選択され、
ここで、Rは、Hまたは-C(O)-(C~C10)アルキルであり、nは1または2であり、RはHまたはCHであり、
は、存在しないか、Dabであり、
は、Thrであり、
は、Dab、Dap、またはD-Serからなる群から選択され、
Gは、Dab、Lys、Orn、またはDapからなる群から選択され、
は、D-Pheまたは
【化13】
であり、
は、Leuまたは
【化14】
であり、
ここで、R、R、Rは、独立に、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、-(C~C10)アルキルアリール、ピリジニル(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルピリジニルからなる群から選択され、
ここで、-(C~C10)シクロアルキル、アリールおよびピリジルは、それぞれ独立に、ハロ、-(C~C)アルキル、-(C~C)シクロアルキル、-O-(C~C)アルキル、-O-(C~C)シクロアルキル、-S(C~C)アルキル、S(C~C)シクロアルキル、-NH(C~C)アルキル、またはNH-(C~C)シクロアルキルで任意に置換されており、
およびRは、独立に、HまたはCHから選択される。)
【0051】
一実施形態では、XはA1である。一実施形態では、Xは、
【化15】
である。
【0052】
一実施形態では、A1は
【化16】
であり、nは1であり、XはDabである。
【0053】
一実施形態では、A1は
【化17】
であり、nは1であり、Xは存在しない。
【0054】
一実施形態では、AはA2である。一実施形態では、AはA2であり、nは1である。
【0055】
一実施形態では、AはA3である。一実施形態では、A3は、
【化18】
である。
【0056】
一実施形態では、Rは、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルアリールからなる群から選択される。
【0057】
一実施形態では、RはHである。
【0058】
一実施形態では、XはDabである。
【0059】
一実施形態では、XはDabである。
【0060】
一実施形態では、XはLysまたはDabである。
【0061】
一実施形態では、XはD-Pheである。
【0062】
一実施形態では、XはLeuである。
【0063】
一実施形態では、AはA1であり、nは1であり、Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、Rは、Hまたは-C(O)-(C~C10)アルキルであり、XはDabであり、XはThrであり、XはDabであり、XはDabまたはLysであり、XはD-Pheまたは
【化19】
であり、ここで、Rは、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルアリールからなる群から選択され、好ましくは-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルであり、Xは、Leuまたは
【化20】
であり、ここで、Rは、-(C~C10)アルキル、-(C~C10)シクロアルキル、アリール、アリール(C~C10)アルキル、および-(C~C10)アルキルアリールからなる群から選択され、好ましくは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルである。好ましくは、Rは、-(C~C10)アルキルである。
【0064】
一実施形態では、AはA1であり、nは1であり、Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、RはHであり、Xは存在せず、Xは、Dab、DapまたはD-Serであり、XはDabであり、XはD-Pheであり、XはLeuである。好ましくは、Rは、-(C~C10)アルキルである。
【0065】
一実施形態では、AはA2であり、nは1であり、Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、RはHであり、XはDabであり、XはDabであり、XはDabまたはLysであり、XはD-Pheであり、XはLeuである。好ましくは、Rは、-(C~C10)アルキルである。
【0066】
一実施形態では、AはA1であり、nは2であり、Rは、-(C~C10)アルキル、アリール、およびアリール(C~C10)アルキルからなる群から選択され、RはHであり、XはDabであり、XはDabであり、XはDabまたはLysであり、XはD-Pheであり、XはLeuである。好ましくは、Rは-(C~C10)アルキルである。
【0067】
別の態様では、本発明は、表1および表3のいずれかに定義されるポリミキシン類似体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される化合物を提供する。
【0068】
一実施形態では、式(I)の化合物は、29、44、59、60、76、および79からなる群から選択され、
【0069】
【化21】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0070】
本明細書に記載された本発明の任意の実施形態は、本明細書に記載された本発明の任意の態様に関する。本明細書に記載される実施形態および優先事項は、単独で、または本明細書に記載される本発明の任意の態様の任意の2つ以上と組み合わせて関連し得る。
【0071】
本発明のポリミキシンBおよびポリミキシンノナペプチド類似体は、固体ペプチド合成(SSPS)を使用して調製することができる。ペプチドバックボーンへの新規な2-チオエチルエステル結合を介して、1つまたは複数の脂質化システイン残基を構造に組み込む。
【0072】
2-チオエチルエステル結合は、システイン残基の遊離メルカプタンと脂肪酸ビニルエステル上の末端sp炭素原子との間のラジカルによるメルカプタン-エン反応を利用して、発明者独自のClipPA(ペプチドまたはアミノ酸上の(システイン脂質化)技術を用いて導入することができる(Yang,Harris,Williams,Brimble,2016)(Wrightら,2013)。
【0073】
ビニルエステル成分は、Magroneら(Magrone,Cavallo,Panzeri, Passarella, & Riva, 2010)が説明したように、酢酸水銀(Hg(OAc))および硫酸の存在下、対応するカルボン酸酢酸ビニルを還流することにより製造することができる。
【0074】
調製されると、脂質化されたシステイン残基は、ポリミキシンBまたはポリミキシンノナペプチド類似体を構成するペプチド鎖に組み込まれる。
【0075】
化合物のN末端の脂質化L-システイン残基は、D-Cys、Desアミノ-Cys(スルフヒドリルプロパン酸)またはホモCys(4-アミノ-4-スルファニルブタン酸)などのシステイン変異体で置き換えてもよい。
【0076】
ポリミキシンペプチドフレームワークは、当技術分野で知られている任意のペプチド合成技術を使用して調製することができる。一実施形態では、FmocベースのSPPSは、線状ペプチドを組み立てるのに好ましく、その後、溶液中または固相上で環化される。
【0077】
ClipPA技術は、一連の新規ポリミキシンリポペプチド類似体を合成するために使用されている。合成の詳細については、実施例1~3で説明される。
【0078】
実施例4に記載されているように、大腸菌に対する本発明のポリミキシン類似体をスクリーニングし、合成ポリミキシンB3の既知の活性スペクトルと比較した。実施例5では、選択されたポリミキシンB類似体の腎臓毒性を測定した。これらの細胞毒性を実施例6において評価した。実施例7では、本発明の化合物を、臨床的に関連する多剤耐性グラム陰性病原体のパネルに対して試験した。実施例8では、臨床的に関連する多剤耐性グラム陰性病原体のパネルを使用して、選択された化合物に対して表現型の抗菌薬感受性試験を行った。
【0079】
要約すると、調製され試験された本発明の化合物の半分以上は、大腸菌に対して1~2μg/mLのMICの抗菌活性を示した。注目すべきことに、この活性は、臨床的に使用されているPMB製剤とコリスチン製剤の両方で報告されている範囲内にある。また、カルバペネム耐性腸内細菌やカルバペネム耐性アシネトバクター・バウマニなど、臨床的に重要な病原体の種類に対する有望な活性も観察された。腎臓毒性によるポリミキシンの用量制限は、感染症の治療において重要な要素である。本発明者らは、驚くべきことに、本発明の化合物が一般に、腎臓小器官モデルにおいて高用量でほとんどまたは全く毒性を示さないことを見出した。
【0080】
したがって、本発明の化合物は、微生物感染症の治療に利用できる、非常に望ましい特性を有する新規抗生物質を構成する。
【0081】
5.3医薬組成物および本発明の化合物の使用
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。一実施形態では、組成物は医薬組成物である。
【0082】
用語「薬学的に許容される担体」とは、一般的に安全で無毒であり、生物学的にも他の点においても好ましくない、式(I)の化合物とともに被験体に投与され得る担体、希釈剤または賦形剤を意味し、獣医およびヒトの医薬用途に適した担体を含む。
【0083】
組成物に使用することができる薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤は、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸などの自己乳化型薬物送達系(SEDDS)、Tweensなどの薬物剤形の界面活性剤、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物などの緩衝物質、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸エステル、ワックス、ポリエチレンポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、羊毛脂肪を含んでもよいが、これらに限定されない。α-、β-およびγ-シクロデキストリンのようなシクロデキストリン、または2-および3-ヒドロキシプロピル-3-シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリンのような化学的に修飾された誘導体、または他の溶解された誘導体も、送達を増強するために有利に使用され得る。油溶液または油懸濁液は、長鎖アルコールの希釈剤または分散剤、またはカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤を含むこともあり、これらは乳濁液および/または懸濁液などの薬学的に許容される剤形の製剤化に一般的に使用され得る。
【0084】
一態様では、本発明は、被験体の細菌感染を治療または予防するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0085】
一態様では、本発明は、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を対象に投与することを含む、被験体における細菌感染症を治療または予防する方法に関する。
【0086】
一態様では、本発明は、被験体における細菌感染の治療または予防のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用に関する。
【0087】
一実施形態では、細菌感染はグラム陰性菌感染である。
【0088】
いくつかの実施形態では、グラム陰性菌感染は、1つまたは複数の属から選択される1つまたは複数の種によって引き起こされ得る:アシネトバクター、アクチノバチルス、バルトネッラ、ボルデテラ、ブルセラ、バークホルデリア、カンピロバクター、シアノバクテリア、エンテロバクター、エンビニア、エシェリヒア;フランシセラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、クレブシエラ、レジオネラ;モラクセラ、モルガネラ、ナイセリア、パスツレラ、プロテウス、プロビデンシア、シュードモナス、サルモネラ、セラティア、赤ブドウ球菌、ステノトロフォモナス、トレポネーマ、ビブリオ;、およびエルシニア。
【0089】
特定の実施形態では、細菌感染は、緑膿菌、アシネトバクター・バウマンニー、肺炎桿菌、クレブシエラ・オキシトカ、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、エンテロバクター・クロアカエ、シトロバクター・フロインディ、大腸菌、およびサルモネラ・エンテリカ.からなる群から選択される細菌によって引き起こされ得る。
【0090】
特定の実施形態では、細菌感染は、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、拡張スペクトルβ-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌、コリスチン耐性大腸菌、カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマンニー(CRAB)またはカルバペネム耐性緑膿菌(CRPA)として表現型的に特徴付けられる分離株からなる群から選択される細菌によって引き起こされ得る。
【0091】
ポリミキシンBおよびコリスチン(ポリミキシンE)の使用がテストされ、一部の多剤耐性(MDR)細菌感染症に対して有効であることが示されている。しかし、現在、これらは重篤な場合の最終防衛として使用されているが、腎毒性の副作用が観察されているため、その有用性は限られている。
【0092】
腎臓毒性も現在ポリコリスチンの主な用量制限要素である。従って、改善された腎臓毒性特性を有する化合物は、感染症をより効果的に治療し、ポリコフィシン耐性の発現を阻害するために、より高用量の投与を可能にする。
【0093】
したがって、一実施形態ではでは、本方法は、細菌感染の治療または予防のために、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を被験体に投与することを含み、ここで、この化合物は、ポリミキシンBおよび/またはコリスチンよりも低い腎臓毒性を有する。本明細書では、腎臓毒性を評価するための例示的な方法が記載されており、当業者に知られている他の方法を含むことができる。
【0094】
さらなる実施形態では、本発明は、血清中に存在する抗菌剤または宿主防御機構補体に対してグラム陰性菌を感作するための方法および化合物を提供する。本明細書で使用される「感作する」という用語は、感受性を高める、抗菌剤に対して感受性を高める、または細菌を感受性にするあらゆる能力を含むことを意図する。
【0095】
本発明の治療方法では、本発明の医薬組成物は、単用量または多用量の処方として、あるいは単独の治療薬として、あるいは同時に、逐次的に、あるいは個別に、1つまたは複数の追加の治療薬と組み合わせて投与することができる。1つまたは複数の追加の治療薬は、治療すべき疾患または障害、または他の望ましい治療上の利点に依存する。当業者に知られているように、1つまたは複数の追加の治療薬は、特定の薬剤に対して指示されたまたは承認された治療量で使用することができる。
本発明の医薬組成物は、経口投与または胃腸外(局所、皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与を含むがこれらに限定されない任意の選択的経路で被験体への投与を可能にするように配合されている。いくつかの実施形態では、この組成物は、経口投与、静脈内投与、皮下投与、筋内投与、経皮投与、腹膜内投与、または他の薬学的に許容可能な経路で投与するために配合される。例えば、この組成物は、期待される投与経路および標準的な薬学的慣行に応じて選択された適切な薬学的に受容可能な担体(賦形剤、希釈剤、助剤およびそれらの組み合わせを含む)を用いて調製することができる。例えば、粉末、液体、錠剤、カプセル剤として経口投与したり、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤として局所投与したりすることができる。適切な製剤は、必要に応じて、乳化剤、抗酸化剤、矯味剤または着色剤を含む追加の薬剤を含んでもよく、即時放出、遅延放出、修飾放出、持続放出、パルス放出または制御放出に適合させてもよい。
【0096】
この組成物は、胃腸外経路を介して投与されてもよい。胃腸外剤形の例としては、活性剤の水溶液、等張食塩水または5%ブドウ糖、または他のよく知られた薬学的に許容される賦形剤が挙げられる。例えば、シクロデキストリンまたは当業者に公知の他の可溶化剤は、治療薬を送達するための薬物賦形剤として使用することができる。
【0097】
経口投与に適した剤形の例としては、錠剤、カプセル剤、錠剤または類似の形態、またはシロップ、水溶液、エマルジョンなどの治療有効量の組成物を提供することができる任意の液体形態が挙げられるが、これらに限定されない。カプセルは、ゼラチンまたはセルロースのような任意の標準的な薬学的に許容される材料を含んでもよい。錠剤は、活性成分と固体担体および滑沢剤との混合物を圧縮することにより、従来の手順に従って製剤化することができる。固体担体の例としては、デンプンおよびシュガーベントナイが挙げられる。活性成分はまた、ラクトースまたはマンニトールのような結合剤、従来の充填剤および打錠剤を含むハードシェル錠剤またはカプセルの形態で投与されてもよい。
【0098】
経皮投与に適した剤形の例としては、経皮パッチ、経皮包帯などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
組成物の局所投与に適した剤形の例には、皮膚に直接適用されるか、またはパッド、パッチなどの中間体を介して適用されるかにかかわらず、任意のローション、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ゲルなどが含まれる。
【0100】
組成物の座薬投与に適した剤形の例としては、身体の開口部に挿入される任意の固体剤形、特に直腸、膣および尿道に挿入される剤形が挙げられる。
【0101】
組成物の注射に適した剤形の例としては、静脈内注射、皮下、真皮下および筋肉内投与または経口投与による単回または複数回投与などのボーラスによる送達が挙げられる。
【0102】
組成物の蓄積投与に適した剤形の例としては、活性物質(複数可)が生分解性ポリマー、マイクロエマルション、リポソームのマトリックスに捕捉されているか、またはマイクロカプセル化されているペレットまたは固体形態が挙げられる。
【0103】
組成物用の注入装置の例としては、所望の用量数または定常状態の投与を提供するための注入ポンプが挙げられ、埋め込み型薬物ポンプが挙げられる。組成物用の移植可能な注入装置の例には、活性物質(複数可)が生分解性ポリマーまたは合成ポリマー、例えばシリコーン、シリコーンゴム、シラスティックもしくは同様のポリマー内にカプセル化されるか、またはその全体に分散される任意の固体形態が含まれる。
【0104】
組成物の経粘膜送達に適した剤形の例としては、活性成分に加えて当分野で知られている適切な担体を含む、浣腸剤、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、噴霧溶液、粉末、および類似の製剤のためのデポジトリ溶液が挙げられる。このような剤形には、薬学的に許容される水性もしくは有機溶媒中の溶液および/または懸濁液、あるいはそれらの混合物および/または粉末を含む組成物を含む、組成物の吸入または吹送に適した形態が含まれる。組成物の経粘膜投与は、任意の粘膜を利用し得るが、一般に、鼻、頬、膣および直腸の組織を利用する。組成物の経鼻投与に適した製剤は、液体形態、例えば点鼻スプレー、点鼻薬で、またはポリマー粒子の水性もしくは油性溶液を含むネブライザーによるエアロゾル投与によって投与することができる。製剤は、水溶液、例えば生理食塩水、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野で公知の他の可溶化剤または分散剤を使用する溶液として調製され得る。
【0105】
組成物の口腔内または舌下投与に適した剤形の例としては、錠剤、錠剤などが挙げられる。組成物の眼科投与に適した剤形の例としては、薬学的に受容可能な水性または有機溶媒中の溶液および/または懸濁液を含むインサートおよび/または組成物が挙げられる。
【0106】
組成物の配合例は、Sweetman, S. C. (Ed.). Martindale. 完全な医薬品リファレンス,第33版,製薬プレス,シカゴ, 2002, 2483 pp.; Aulton, M. E. (Ed.) Pharmaceutics. 剤形設計の科学. Churchill Livingstone, Edinburgh, 2000, 734 pp.; およびAnsel, H. C, Allen, L. V. およびPopovich, N. G. 医薬品の剤形および薬物送達系,第7版., Lippincott 1999, 676 ppに記載されている。薬物送達系の製造のための賦形剤は、当業者に知られている種々の出版物、例えばKibbe、E.H.Handbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、アメリカ薬物協会、ワシントン、2000年、665ページなどに記載されている。USPはまた、錠剤またはカプセルに配合されたものを含む、改良された放出経口剤形の例を提供する。例えば、米国薬局方23/国家処方集18、米国薬事局条約機構、Rockville MD,1995(以下「USP」という)を参照すると、徐放性および遅延放出性の錠剤およびカプセルの薬物放出能を決定するための特定の試験についても記述されている。米国薬局方の徐放性および遅延放出性物品の薬物放出試験は、投与単位の薬物溶出度と経過試験時間に基づいている。様々なテスト機器やプログラムの説明はUSPにある。FDAは、徐放性剤形の分析に関するさらなるガイドラインを提供している(業界向けのガイダンスを参照してください。徐放性経口剤形:in vitro/in vivo相関関係の開発、評価、および応用。メリーランド州ロックビル:食品医薬品局医薬品評価研究センター、1997年参照)。
【0107】
本明細書に記載される剤形は、治療される対象に対する単位投与量として使用するのに適した物理的に別個の単位の形態であってもよく、各単位は、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性物質を含む。剤形単位は、約0.1から約2000mgの各活性成分を含み得る。
【0108】
医薬組成物中の活性成分の用量レベルは、患者に対して毒性(有効量)がなく、特定の患者に必要な治療効果を効果的に達成するための活性成分量、組成物、および投与方法を提供するために変化させてもよい。細胞培養試験および動物研究から得られたデータを用いて、ヒト被験体に対する適切な投与範囲を決定することができる。
【0109】
選択される用量レベルは、使用される特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用される本発明の特定の化合物の排泄率、使用される特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態および既往歴、ならびに医学分野で公知の類似因子を含む種々の薬物動態因子に依存する。一般的に、1日当たりの量またはプログラムは、本発明の化合物の体重1kgあたり約0.01mg~約2000mgの範囲内であるべきである。
【0110】
別の態様では、本発明は、細菌を殺菌量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と接触させることを含む、細菌を死滅させる方法を提供する。
【0111】
本開示の文脈において、細菌を「殺滅させる」とは、本明細書に記載された本発明の化合物に曝露された細菌細胞の集団中の残存する細菌の数が、処理されていない集団中の生存細菌の数と比較して減少することを意味する。
【0112】
いくつかの実施形態では、細菌の「殺滅」は、抗菌性組み合わせの存在下での培養中の設定時点での生存細菌細胞数の減少を測定することによって決定される(「死滅時間曲線」)。
【0113】
別の態様では、少なくとも1つの細菌種の増殖を阻害する方法であって、該細菌種を、制菌量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と接触させることを含む方法が提供される。
【0114】
本開示の文脈において、少なくとも1つの細菌種の「増殖を「阻害する」とは、細菌の増殖を刺激する条件下(抗菌性の組み合わせがない場合)において、細菌の存在数および/または細菌の存在または感染の持続時間が検出可能な増加を示さないことを意味する。
【0115】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細菌種の「阻害された増殖」は、600nmにおける、本明細書に記載された抗菌性組成物または組成物で処理された細菌培養物との経時的光学濃度を比較することによって決定される。いくつかの実施形態では、処理された培養物の光学密度が対照培養物と比較して光学密度の10%未満である場合に阻害が観察される。
【0116】
上記の態様では、一実施形態ではでは、細菌はグラム陰性菌である。
【0117】
6.実施例
一般的な方法と材料
すべての試薬は試薬グレードとして購入し、さらに精製せずに使用する。反応に使用する溶媒は、使用前に標準手順に従って蒸留される。
【0118】
代替の一般的な方法および方法が示されていない限り、上記の一般的な方法および方法は、以下のすべての例に適用される。
【0119】
実施例1:ポリミキシンB類似体を調製するためのビルディングブロックの合成
システインとビニルエステル(ClipPA)とのメルカプタン-エン反応により脂質化アミノ酸ビルディングブロックを調製し、S-脂質化Nα-Fmocアミノ酸を得た。Fmoc SPPSに組み込むための脂質化システイン残基を調製するためのこの反応の使用は、Yang et al., 2016 および Wright, et al., 2013に以前に記載されている。
【0120】
この方法を使用して、短鎖または中鎖脂質(3a-3c)、分岐脂質(3d)、および芳香族脂質(3eおよび3f)を組み込んだ6つの多様な脂質化システインを調製した(スキーム1)。
【0121】
【化22】
スキーム1
【0122】
すべての化合物は、中程度(41%)から優れた(95%)収率で得られ、SPPSへの組み込みの準備のためにFmoc保護されたS-脂質化システインを大量に提供するために、標準シリカゲルラピッドクロマトグラフィーによって効率的に精製される。
【0123】
(R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ-3-((2-(プロピオニルオキシ)エチル)チオ)プロパン酸(3a):
[α]
【化23】
+ 14.8 (c 0.014, CHCl); H NMR (400 MHz, CDCl): δ = 1.12 (t, J = 7.2, 3H, CH, H-1), 2.32 (q, J = 7.6, 2H, CH, H-2), 2.78 (t, J = 6.4 Hz, 2H, CH, H-6), 3.04-3.17 (m, 2H, CH, H-8), 4.23 (t, J = 6.8 Hz, 2H, CH, H-5), 4.42 (d, J = 6.8 Hz, 2H, CH, H-13), 4.65 (d, J = 6.8 Hz, 1H, CH, H-14), 5.74 (d, J = 1.8 Hz, 1H, CH, H-9), 7.31 (t, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × CH, H-17 + H-24), 7.39 (t, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-18 + H-23), 7.60 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-16 + H-25), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-19 + H-22)。13C NMR (100 MHz, CDCl): δ = 9.0 (CH, C-1), 27.4 (CH, C-2), 31.2 (CH, C-6), 34.4 (CH, C-8), 47.1 (CH, C-14), 53.6 (CH, C-9), 63.2 (CH, C-5), 67.4 (CH, C-13), 120.0 (2 × CH, C-17 + C-24), 127.1 (2 × CH, C-18 + C-23), 127.8 (2 × CH, C-19 + C-22), 141.3 (2 × CC-20 + C-21), 143.6 (C, C-15), 143.7 (C, C-26), 156.0 (C=O, C-11), 174.6 (C=O, C-3), not observed (C=O, C-27)。HRMS-ESI: m/z [M + Na] calcd fまたは[C2325NOS + Na] 466.1295 ; found 466.1297.
【0124】
(R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ-3-((2-(ブチリルオキシ)エチル)チオ)プロパン酸(3b):
[α]
【化24】
+ 8.1 (c 0.019, CHCl); H NMR (400 MHz, CDCl): δ= 0.93 (t, J = 7.6 Hz, 3H, CH, H-1), 1.63 (dq, J = 7.2, 14.8 Hz, 2H, CH, H-2), 2.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H, CH, H-3), 2.78 (t, J = 6.4 Hz, 2H, CH, H-7), 3.04-3.22 (m, 2H, CH, H-9), 4.23 (t, J = 6.8 Hz, 2H, CH, H-6), 4.42 (d, J = 6.8 Hz, 2H, CH, H-14), 4.66 (d, J = 6.4 Hz, 1H, CH, H-15), 5.72 (d, J = 7.6 Hz, 1H, CH, H-10), 6.07 (BrS, 1H, NH), 7.31 (t, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-18 + H-25), 7.40 (t, J = 7.2, 2H, 2 × CH, H-19, H-24), 7.60(d, J = 6.4 Hz, 2H, 2 × CH, H-17 + H-26), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-20 + H-23)。13C NMR (100 MHz, CDCl): δ = 13.6 (CH, C-1), 18.3 (CH, C-2), 31.3 (CH, C-7), 34.4 (CH, C-9), 36.0 (CH, C-3), 47.1 (CH, C-15), 53.5 (CH, C-10), 63.1 (CH, C-6), 67.4 (CH, C-14), 120.0 (2 × CH, C-17 + C-26), 125.1 (2 × CH, C-18 + C-25), 127.1 (2 × CH, C-19 + C24), 127.8 (2 × CH, C-20 + C-23), 141.3 (2 × C, C-21 + C-22), 143.6 (2 × C, C-16 + C-27), 156.0 (C=O, C-12), 173.8 (C=O, C-4), 174.1 (C=O, C-28)。HRMS-ESI: m/z [M + Na] calcd fまたは[C2325NOS + Na] 480.1451 ; found 480.1434.
【0125】
(R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ-3-((2-(ウンデカノイルオキシ)エチル)チオ)プロパン酸 (3c):
H NMR (400 MHz, CDCl): δ = 0.87 (t, J = 6.4 Hz, 4H, CH + CH of CH, H-1 + H-2), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 1H, CH of CH, H-2), 1.24 (s, 10H, 5 × CH, H-4 + H-5 + H-6 + H-7 + H-8), 1.58-1.64 (m, 2H, CH, H-3), 2.29 (t, J = 7.2 Hz, 2H, CH, H-9), 2.78 (t, J = 6.0, 2H, CH, H-13), 3.04-3.16 (m, 2H, CH, H-15), 4.22 (q, J = 6.9 Hz, 2H, CH, H-12), 4.42 (d, J = 6.8 Hz, 2H, CH, H-20), 4.66 (d, J = 6.4 Hz, 1H, CH, H-21), 5.54 (BrS, 1H, NH), 5.71 (d, J = 7.2 Hz, 1H, CH, H-16), 7.31 (t, J = 7.6, 2H, 2 × CH, H-24 + H-31), 7.40 (t, J = 7.6, 2H, 2 × CH, H-25 + H-30), 7.60 (d, J = 6.8 Hz, 2H, 2 × CH, H-23 + H-32), 7.76 (d, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × CH, H-26 + H-29)。13C NMR (100 MHz, CDCl): δ = 14.1 (CH, C-1), 18.3 (CH, C-2), 22.6 (CH, C-13), 24.9 (CH, C-15), 29.1 (CH, C-3), 29.2 (CH, C-4), 29.4 (CH, C-5), 31.2 (CH, C-6), 31.8 (CH, C-7), 34.2 (CH, C-8), 34.4 (CH, C-9), 47.1 (CH, C-21), 53.5 (CH, C-16), 63.1 (CH, C-12), 67.4 (CH, C-20), 120.0 (2 × CH, C-23 + C-32), 125.1 (2 × CH, C-24 + C-31), 127.1 (2 × CH, C-25 + C-30), 127.8 (2 × Ch, C-26 + C-29), 141.3 (2 × C, C-27 + C-28), 143.6 (2 × C, C-22 + C-33), 155.9 (C=O, C-18), 161.6 (C=O, C-34), 174.1 (C=O, C-10)。HRMS-ESI: m/z [M + Na] calcd fまたは[C3039NOS + Na] 564.2390 ; found 564.2381
【0126】
(R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ-3-((2-(ピバロイルオキシ)エチル)チオ)プロパン酸 (3d):
[α]
【化25】
+ 6.4 (c 0.02, CHCl); H NMR (400 MHz, CDCl): δ = 1.19 (s, 9H, 3 × CH, t-Bu), 2.78 (d, J = 2.8 Hz, 2H, CH, H-6), 3.04-3.16 (m, 2H, CH, H-8), 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 1H, CH of CH, H-5), 4.22 (q, J = 7.2 Hz, 1H, CH of CH, H-5), 4.41 (d, J = 6.8 Hz, 2H, CH, H-13), 4.65 (d, J = 6.0 Hz, 1H, CH, H-14), 5.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H, CH, H-9), 7.31 (t, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × CH, H-17 + H-24), 7.39 (t, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-18 + H-23), 7.60 (d, J = 6.4 Hz, 2H, 2 × CH, H-16 + H-25), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-19 + H-22)。13C NMR (100 MHz, CDCl): δ = 27.1 (3 × CH, t-Bu), 31.3 (CH, C-6), 34.4 (CH, C-8), 38.8 (C, C-2), 47.0 (CH, C-14), 53.6 (CH, C-9), 63.1 (CH, C-5), 67.4 (CH, C-13), 120.0 (2 × CH, C-16 + C-22), 125.0 (CH, C-17), 125.1 (CH, C-24), 127.1 (2 × CH, C-19 + C-22), 127.7 (2 × CH, C-18 + C-23), 141.3 (2 × C, C-30 + C-31), 143.6 (C, C-15), 143.7 (C, C-26), 155.9 (C=O, C-11), 174.2 (C=O, C-3), 178.6 (C=O, C-27)。HRMS-ESI: m/z [M + Na] calcd. fまたは[C3133NOS + Na] 494.1608 ; found 494.1596.
【0127】
(R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ-3-((2-(ベンゾイルオキシ)エチル)チオ)プロパン酸 (3e):
[α]
【化26】
+ 9.7 (c 0.01, CHCl); H NMR (400 MHz, CDCl): δ = 2.92 (d, J = 4.4 Hz, 2H, CH, H-10), 3.09-3.21 (m, 2H, CH, H-12), 4.22 (t, J = 6.8 Hz, 1H, CH of CH, H-9), 4.40-4.69 (m, 3H, CH of CH + CH, H-9 + H-17), 4.68 (t, J = 4.8, 1H, CH, H-18), 5.23 (BrS, 1H, NH), 5.74 (d, J = 7.2, 1H, CH, H-13), 7.29 (t, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × CH, H-22 + H-27), 7.38 (t, J = 7.2 Hz, 2 × CH, H-21 + H-28), 7.41 (t, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-4 + H-2), 7.54 (t, J = 7.6 Hz, 1H, H-3), 7.59 (d, J = 6.8 Hz, 2H, 2 × CH, H-20 + H-29), 7.74 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × H, H-23 + H-26), 8.02 (d, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × H, H-1 + H-5)。13C NMR (100 MHz, CDCl): δ = 31.3 (CH, C-10), 34.5 (CH, C-12), 47.1 (CH, C-18), 53.6 (CH, C-13), 63.7 (CH, C-9), 67.3 (CH, C-17), 111.0 (2 × CH, C-20 + C-29), 125.1 (C, C-6), 127.1 (2 × CH, C-23 + C-26), 127.7 (2 × CH, C-22 + C-27), 128.4 (2 × CH, C-4 + C-2), 129.7 (2 × CH, C-1 + C-5), 133.2 (CH, C-3), 141.3 (2 × C, C-24 + C-25), 143.6 (2 × C, C-19 + C-30), 155.9 (C=O, C-15), 171.3 (C=O, C-7), 173.7 (C=O, C-31)。HRMS-ESI: m/z [M + Na] calcd fまたは[C2725NOS + Na] 514.1295 ; found 514.1283.
【0128】
(R)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ-3-((2-((4-(tert--ブチル)ベンゾイル)オキシ)エチル)チオ)プロパン酸(3f):
[α]
【化27】
+ 12.4 (c 0.017, CHCl); H NMR (400 MHz, CDCl): δ = 1.31 (s, 9H, 3 × CH, t-Bu), 2.91 (d, J = 5.6 Hz, 2H, CH, H-10), 3.16 (dd, J = 3.6, 15.6 Hz, 2H, CH, H-12), 4.22 (t, J = 6.8 Hz, 1H, CH of CH, H-9), 4.41-4.47 (m, 3H, CH of CH +CH, H-9 + H-17), 4.68 (d, J = 6.4 Hz, 1H, CH, H-18), 5.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H, CH, H-13), 7.34 (t, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × CH, H-21 + H-28), 7.38 (t, J = 7.2 Hz, 2H, 2 × CH, H-22 + H-27), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H, 2 × CH, H-4 + H-2), 7.59 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-20 + H-29), 7.74 (d, J = 7.6 Hz, 2H, 2 × CH, H-23 + H-26), 7.94 (d, J = 8.4 Hz, 2H, 2 × CH, H-1 + H-5)。13C NMR (100 MHz, CDCl): δ = 31.0 (3 × CH, t-Bu), 31.3 (CH, C-10), 34.5 (C, C-32), 35.0 (CH, C-12), 47.1 (CH, C-18), 53.6 (CH, C-13), 63.6 (CH, C-9), 67.3 (CH, C-17), 119.9 (2 × CH, C-20 + C-29), 125.1 (2 × CH, C-21 + C-28), 125.1 (C, C-6), 125.4 (2 × CH, C-23 + C-26), 127.0 (2 × CH, C-22 + C-27), 127.1 (2 × CH, C-2 + C-4), 129.5 (2 × CH, C-1 + C-5), 141.2 (2 × C, C-24 + C-25), 143.7 (2 × C, C-19 + C-30), 156.8 (C=O, C-15), 166.5 (C=O, C-7), 171.3 (C=O, C-31)。HRMS-ESI: m/z [M + Na] calcd fまたは[C3133NOS + Na] 570.1921 ; found 570.1917.
実施例2:モノ-S-脂質化ポリミキシンおよびビス-S-脂質化ポリミキシンの合成(23~60)
【0129】
化合物の合成(23~60)は、ポリミキシンとE2の合成(Xuら,2015)に基づいており、この合成の変形例は図1に示される。合成は、アミノ基の側鎖固定を介したFmoc-Dab-O-アリルによる塩化2-クロロトリイルChemMatrix樹脂の官能化から始まり、0.3mmol/gの負荷で4を得た。次いで、Fmoc除去のためにDMF中の20%ピペリジンを使用する標準的なFmoc SPPSサイクルによって、Fmocアミノ酸を導入した(2×5分)。脂質化ビルディングブロックを含む、入ってくるFmocアミノ酸のカップリングをHATU/DIPEAで20分間行った(図1)。樹脂結合ペプチド5a/5bを提供し、これをS-脂質化されたビルディングモジュール(3a~3f)と結合させて6を得た。その後、N-末端Fmoc保護基をBoc基に置換することにより、ヒドラジンを用いてLys-4/Dab-4からDde基を除去する際の潜在的な副反応を回避することができ、Fmoc基はこれらの条件に対して不安定である。線状樹脂結合ペプチド上のLys-4/Dab-4をFmoc-Thr(tBu)-OHでアシル化して7とし、PhSiHの存在下、Dab-9上のアリルエステルをPd(PPhで除去して8とした。
【0130】
Thr-10上のFmoc基は標準的なFmoc脱ブロック条件によって除去され、環状ペプチドはPyBOPおよびHOAtを使用した樹脂上の大環状化によって得られ、遊離アミンの不在についてはカイザーテストによって簡単にモニターされた。最後に、遊離環状ペプチドを樹脂から放出し、同時に全体的な側鎖保護基を除去した。環状リポペプチドを回収し、HPLCにより精製し、LC-MSにより構造を確認した。最終生成物の収率は、初期樹脂負荷量に対して1.1%~26%であり、多くの場合数mgが得られた。
【0131】
ビス脂質化化合物(35~42および49~57)については、Fmoc-Leu-OHまたはFmoc-D-Phe-OHを、適切な脂質化Fmoc-Cysビルディングブロック3aから3fまたはそれらのFmoc-D-Cys脂質化対応体で置換されていることを除いて、図1に示す方法と同様の方法が用いられた。実施例1によれば、Fmoc-D-Cys-OHを使用して、Fmoc--D-Cys脂質化のビルディングブロックを調製し、通常のスペクトル法によって特徴付けた。ビス脂質化合物(43-48)については、直交保護戦略を採用した手順を採用した(図2)。N末端のS-脂質化ビルディングブロックに代えてFmoc-Cys(Trt)-OH(Trt=トリフェニルメチル)を用い、Leu-7に代えてFmoc-Cys(Acm)-OH(Acm=アセトアミドメチル)を用い、樹脂結合9を得た。N末端Fmoc基をBocに置換し、Dab4上のDde保護基を除去し、Fmoc-Thr(tBu)でアシル化すると、10を得た。Thr-10からはFmocを除去し、Dab-9からはアリルを除去し、樹脂環化および樹脂開裂により12をえた。標準的なClipPA反応条件を用いてN-末端システインをS-脂質化し、モノ脂質化ポリコフィシン12を得た。Cys-7上のAcm基をAg(OAc)で除去して遊離メルカプタンを発現させ、これをS-脂質化してビス脂質化ポリミキシン(43~48)を製造した。Cysの代わりに組み込まれ得る他のチオールシャンクには、LおよびD-Cys由来のチオールシャンク、例えば3-メルカプト-D-バリン(ペニシラミン)が含まれる。
【0132】
N末端に異なるチオールハンドルを含む、および/または環外領域(-Thr-Dab)に異なるアミノ酸が存在するモノ脂質化ポリミキシン(58~60)の場合、図3に示すような通常の中間体16を調製し、所望の環外アミノ酸を組み込み、N末端チオール含有アミノ酸またはメルカプト酸を組み込んだ後、溶液でS脂質化する(図3)ことがより便利である。Cysの代わりに組み込むことができる他のチオールハンドルには、3-メルカプト-D-バリン(ペニシラミン)などの LおよびD-Cysに由来するものが含まれる。
【0133】
表1.ポリミキシンB S-リポペプチドの構造
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0134】
表1において、MPA=2-メルカプトアセチル、h-Cys=high-L-Cysである。表1において、基「Z」とは、Dabに結合したカルボキシルと側鎖(式(II)で示される)が結合したα-炭素原子を意味する。ここで、Zは式(II)中の「Cys」であり、Aは式(I)中のA1とn=1である。式(II)において、Cysのアミン基はJである。ここで、Zは式(II)中のMPA、Aは式(I)中のA2である。ここで、式(II)においてZはh-Cys、式(I)においてAはA2、n=1である。言い換えれば、式(I)におけるAは、
式(2)における
【化28】
に相当する。
【0135】
表2.S-脂質化ポリコフィシンの質量分析データ
【表2-1】
【表2-2】
実施例3:モノ脂質化ポリミキシンノナペプチドの合成(61~104)
【0136】
ポリミキシンノナペプチドは、Dab-1アミノ酸を欠くポリミキシンBの短縮型である。N末端に異なるチオールハンドルを含む、および/または環外領域(Dab-Thr-Dab)に異なるアミノ酸が存在する化合物(61~64および81~88)については、上記ポリムコフィシンの合成のために、図3に示すような共通の中間体16を調製することがより便利である。
【0137】
ポリミキシンBのS-脂質化類似体の合成には、Dannerらによって報告されているような改変された化学酵素法が用いられている(図4)。簡単に説明すると、市販の硫酸ポリミキシンBをパパインによって酵素的に脱脂して、中間体20を得た。これは、N末端トレオニンには影響を与えずに、残りのDab残基がBoc保護されている(化合物21)。システイニルチオールハンドルは、L-CysまたはD-Cysのチアゾリジン誘導体を使用してペプチドのN末端に導入された。これにより、導入中の潜在的なラセミ化が減少した。Bocは、ClipPA反応により、LまたはD-Cysハンドルを含むS-脂質化ポリミキシンBノナペプチド(65~80、89~104)を直接産生するシステイン化の原因となるポリミキシンBノナペプチド22a/bを脱保護した。
【0138】
表3.ポリミキシンB S脂質化ノナペプチドの構造
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【0139】
表3において、MPA=2-メルカプトアセチル、h-Cys=high-L-Cysである。表3において、基「Z」とは、Dabに結合したカルボキシルと側鎖(式(III)で示される)が結合したα-炭素原子を意味する。ここで、Zは式(III)中の「Cys」であり、Aは式(I)中のA1およびn=1である。Cysのアミン基は、式(III)中、Jで表される。ここで、Zは式(III)中のMPA、Aは式(I)中のA2である。ここで、式(III)においてZはh-Cysであり、式(I)においてAはA2であり、n=1である。言い換えれば、式(I)におけるAは、
式(3)における
【化29】
に相当する。
【0140】
表4.S-脂質化ポリミキシンノナペプチドの質量分析データ
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
実施例4:本発明の化合物の抗菌試験
【0141】
一組のグラム陰性菌に対して、実施例2および3で調製された81の化合物すべてをスクリーニングし、細菌の増殖を阻害する能力を評価した。このデータは表5を参照する。中央値が示されている。
【0142】
一般的に、S-脂質化ポリミキシン類似体の多くは、大腸菌に対して優れた活性を維持し、ポリミキシンB3(0.25μg/ml)または1つの2倍希釈以内と同等の効力を示すことが判明した。Lys(23~28)をDab(29~34))に置換することによるポリミキシン大環状分子の拡張は、抗菌活性においてほとんど利点をもたらさなかったが、一般に忍容性は良好であったが、アシネトバクター・バウマニおよび緑膿菌にとっては有害であった。短いアルキル鎖または芳香族基によるS-脂質化は、ほとんどの種(26-29、32~34、38~40および43~48)に対して最も強力な類似体を提供し、すべて芳香族脂質を含む33、34、および47はより強力であり、コリスチン耐性大腸菌ATCC MS8345に対しては、ポリミキシンよりも優れていた。
【0143】
N末端のみ、またはN末端および位置6または7にS脂質化システインのビルディングブロックが設計された類似体は、いずれも効率的な類似体を提供するが、位置6は特定の修飾に対する耐性が低いように思われる(53~57)。有効なビスS-脂質化類似体39(0.5μg/ml、大腸菌)を採取し、N末端(49~52)にアシル化を導入し、システインハンドル(58~60)のプロピオニル脂質に対する有利な変化が、59および60を提供することを証明する。
【0144】
ポリミキシンノナペプチド類似体(61~104)では、L-Cysを含む化合物(65~73)がほとんど不活性であるため、N末端のD-Cysに対する明らかな優先性が認められた(74~80)。異なるチオールハンドルとプロピオン酸脂質を備えた3位にDap(81~84)またはD-Ser(85~88)を含む代替ノナペプチド足場を使用すると、D-Cys同族体(82および86)が大腸菌に対して最も活性を示した。
【0145】
N末端にD-Cysを持つPMBノナペプチドを使用して、さまざまなS-アルキル脂質を調べた(89~103)。ほとんどは、大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌に対して優れた活性を保持していが、アシネトバクター・バウマニおよび大腸菌ATCC MS8345に対しては効力が弱かった。
【0146】
表5.S-脂質化ポリミキシンおよびS-脂質化ポリミキシンノナペプチドのMIC(μg/mL)
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
【表5-6】
実施例5:選択されたClipPAポリミキシンの腎臓毒性
【0147】
ポリミキシンによる腎障害は、依然として最大60%の患者に発生することがある主要な用量制限因子である。メカニズムとしては、ポリミキシンは尿細管に蓄積し、ミトコンドリア損傷、小胞体ストレス、酸化ストレス、細胞周期の停滞を介してアポトーシスを引き起こす(Azadら,2019)。
【0148】
ヒト誘導多能性幹細胞由来の腎器官様物質を用いて、生理学的に関連するヒト腎組織(Soo等2018).)における選択されたポリミキシン類似体の細胞毒性を評価した。プロピル、デシルまたはフェニル脂質を含むモノ脂質化類似体29、31、33、プロピル、tert-ブチルまたはフェニル脂質をそれぞれ含むビス脂質化化合物35、38、39、およびNキャップされたビス脂質化(フェニル)49が選出された。
【0149】
対照化合物ポリミキシンBと7種類のClipPA類似体を、プロトコールの12日目にオルガノイドに一定範囲の濃度(Gallado-Godoyら.2016に基づく)を添加することによってテストし、前記のように、オルガノイド組織の最適な成熟度に対応する。陽性対照として、オルガノイドを、患者および腎臓オルガノイドに重度の腎臓毒性副作用を伴う化学療法薬である100μMシスプラチンで処理した。(表6)。
【0150】
表6.腎臓オルガノイドに対するポリミキシンBおよび新規類似体の腎臓毒性の概要
【表6-1】
【表6-2】
n.d=未決定スコア:1=影響なし、2=軽度の悪化、3=重度の悪化、4=完全な悪化。-ve対照:水=1、+ve対照100μMシスプラチン=3
48時間後に、明視野画像で見える腎尿細管劣化の兆候について毒性をスコア化した(図示せず)。本発明のアッセイは、ポリミキシンBおよび化合物31、33、38~49、91~104で処理した後の用量依存性分解を明らかにしたが、化合物29、35、58~60、82~83および86で処理したオルガノイドは、1mmまでの組織損傷を実質的に示さなかった。
【0151】
アポトーシスを定量的に読み取るために、化合物で処理したオルガノイドパラフィン切片上のTUNEL+細胞を測定した。明視野イメージングで見られたのと同様の傾向が観察された。すなわち、ポリミキシンBと比較して、化合物29および35で処理したオルガノイドにおけるアポトーシス細胞のパーセンテージが有意に低かった(図5)。
【0152】
実施例7:ClipPAポリムコフィシンを用いた細胞毒性の研究
ClipPA修飾が新たな毒性を導入したかどうかを評価するために、VeroおよびHaCaT細胞株に対する阻害濃度を測定した。プロピオニル脂質を含む化合物29は、Vero細胞株に対する毒性がコムシンまたはポリコムシンBより約2.5倍低く(図6および表7)、HaCaT細胞株に対する阻害効果は同等である。各測定値の標準誤差が表示される。
【0153】
表7.VeroまたはHaCaT細胞株の化合物のIC50の計算値
【表7】
【0154】
N末端およびLeu-7にフェニル脂質を有する化合物39は、化合物29と比較して、両細胞株に対する毒性が約5倍高い。これは、29の毒性が有意に低い腎臓毒性の結果と同様である。両方の細胞株で試験されたポリミキシンの毒性が低いことを示す阻害作用(>500μg/mL)を引き起こすためには、依然として大量の化合物29が必要である。
実施例8:多剤耐性病原体に対する表現型抗菌薬感受性検査
【0155】
化合物29、35、および38に関連する有望な抗菌活性および低毒性を考慮して、これらの化合物は、臨床的に関連する多剤耐性グラム陰性病原体のセットを使用して、表現型抗菌感受性試験の次のラウンドを実施した。このパネルには、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、拡張スペクトルβ-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌、コリスチン耐性大腸菌、カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマニ(CRAB)またはカルバペネム耐性緑膿菌(CRPA)として表現型を特徴付けられる分離株が含まれていた。これらの分離株が選択されたのは、それぞれが臨床で使用されている複数の異なる抗生物質ファミリーに耐性があり、その結果、治療の選択肢が限られているが、重要になり、これらの病原体タイプはそれぞれ、世界保健機関(WHO)の新しい抗生物質の研究開発における優先病原体リストで「優先1:緊急」として認識されている。したがって、これらの病原体のいずれに対する抗菌活性も臨床的に重要であると考えられる。心強いことに、各化合物はこの試験パネルのメンバーに対して有望な抗菌活性を示したが、例外としてCRPAとコリスチン耐性大腸菌は3つの試験化合物すべてとポリミキシンB対照に耐性があった(表8)。しかし、実施例4で試験した化合物の多くがコリスチン耐性大腸菌に対して良好な活性を示したことが認められた。
【0156】
表8.臨床的に関連する多剤耐性病原体タイプに対する化合物29、35、および38のMIC
【表8】
ESBL=拡張スペクトルβ-ラクタマーゼ産生、CRE=カルバペネム耐性腸内細菌、CR=コリスチン耐性、CRPA=カルバペネム耐性緑膿菌、CRAB=カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマニ。
【0157】
3回の生物学的試験により、各病原体に対する各化合物の最小発育阻止濃度が2~8mg/Lの範囲内であることが明らかになった。ほとんどすべての場合において、観察されたMICは、ポリミキシンB対照で観察されたMICの2倍希釈の範囲内であり、3つの試験化合物のそれぞれについて、ポリミキシンBの抗菌活性プロファイルと同様の抗菌活性プロファイルを明らかに示している。
8.参考資料
【0158】
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】