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特表2024-529162閉鎖型ループ流体循環及び地熱抽出のための地熱井を確立する方法及び装置
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  • 特表-閉鎖型ループ流体循環及び地熱抽出のための地熱井を確立する方法及び装置 図1
  • 特表-閉鎖型ループ流体循環及び地熱抽出のための地熱井を確立する方法及び装置 図2
  • 特表-閉鎖型ループ流体循環及び地熱抽出のための地熱井を確立する方法及び装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】閉鎖型ループ流体循環及び地熱抽出のための地熱井を確立する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 43/00 20060101AFI20240725BHJP
   E21B 21/12 20060101ALI20240725BHJP
   E21B 21/00 20060101ALI20240725BHJP
   E21B 21/08 20060101ALI20240725BHJP
   E21B 31/00 20060101ALI20240725BHJP
   E21B 33/10 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E21B43/00 C
E21B21/12
E21B21/00
E21B21/08
E21B31/00
E21B33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024508766
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 IB2022057563
(87)【国際公開番号】W WO2023017485
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,693
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523398732
【氏名又は名称】リールウェル・エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスタヴィク,オラ
(57)【要約】
【課題】地熱井の建設に、改良された方法と装置を提供する。
【解決手段】入れ子式の掘削/打ち込みストリングを使用して、坑井(10)を確立する方法が提供される。入れ子式の掘削/打ち込みストリング(D)は、外側パイプ(13)内に入れ子式に配置された内側パイプ(14)と、入れ子式掘削ストリング(D)の端部に配設されたフロークロスオーバー(16)と、フロークロスオーバー(16)の片側に配設された掘削ビット(18)とを含む。掘削流体(22)は、内側パイプ(14)と外側パイプ(13)との間の第1の環状空間(12)を通って坑井に送り込まれ、掘削ビット(18)によって生じた掘削くずは、内側パイプ(14)内を通って、地表に戻される。坑井(10)に打ち込みを行うために、(i)環状空間(12)内の流体をより低い導電率の流体で置換するか、又は(ii)環状空間を排気するかのいずれかを行う。加熱される流体(26)は、坑井(10)と入れ子式掘削ストリング(D)の外部との間の第2の環状空間(11)を通って圧送され、地熱で加熱された流体は、内側パイプ(14)を通って地下から地表に移動される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井を掘削して打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式掘削ストリングを少なくとも部分的に使用して前記坑井を掘削することであって、前記入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配設された内側パイプと、前記入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、前記フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含み、内側パイプと外側パイプとの間の第1の環状空間を通って掘削流体が前記坑井内に圧送され、前記掘削ビットによって生じた掘削くずは、前記内側パイプを通って地表に戻される、前記掘削すること;
(i)前記第1の環状空間内の流体をより低い導電率の流体によって置換することか、又は(ii)前記環状空間を排気することかのいずれか;及び
前記坑井と前記入れ子式掘削ストリングの外部との間の第2の環状空間を通して下流に流体を圧送し、加熱された流体を前記内部パイプを通して戻すことにより、地下地層から地表に地熱を抽出すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記坑井を掘削する間に、前記坑井と前記入れ子式掘削ストリングの外部との間の前記第2の環状空間を、前記掘削流体よりも高い密度を有する流体で満たすステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
坑井を掘削して打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式掘削ストリングを少なくとも部分的に使用して前記坑井を掘削することであって、前記入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配設された内側パイプと、前記入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、前記フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含み、内側パイプと外側パイプとの間の第1の環状空間を通って掘削流体が前記坑井内に圧送され、前記掘削ビットによって生じた掘削くずは、前記内側パイプを通って地表に戻される前記掘削すること;
前記入れ子式掘削ストリングを前記坑井から取り出すこと;
入れ子式打ち込みパイプストリングを、前記坑井に挿入することであって、前記入れ子式打ち込みパイプストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプを備え、前記外側パイプと前記坑井の間に、第1の環状空間を提供し、前記外側パイプと前記抗井との間に、第2の環状空間とを提供する前記挿入することと;
(i)前記第1の環状空間に熱伝導率の低い流体を配置することか、又は(ii)前記第1の環状空間を排気することかのいずれか;及び
前記第2の環状空間を通して前記坑井に流体を圧送し、前記圧送された流体を、前記内側パイプの内部を通して戻すことにより、前記流体を地熱により加熱すること、
を含む方法。
【請求項5】
前記坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
予め掘削された坑井に打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式パイプストリングを前記坑井に挿入することであって、前記入れ子式パイプストリングは、外側パイプに挿入された内側パイプを含み、それらの間に第1の環状空間を提供し、かつ前記外側パイプと前記坑井の間に第2の環状空間を提供し、前記第1の環状空間は前記入れ子式パイプストリングの全長に沿って実質的に連続している、前記挿入すること、;
(i)前記第1の環状空間に熱伝導率の低い流体を配置することか、又は(ii)前記
第1の環状空間を真空にすることかのいずれか;及び
前記第2の環状空間を通して前記坑井に流体を圧送し、前記圧送された流体を、前記内側パイプの内部を通して戻すことにより、前記流体を地熱により加熱すること、
を含む方法。
【請求項7】
前記坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記入れ子式パイプストリングが、前記第1の環状空間内に、熱放射バリア、熱対流バリア、及び熱伝導バリアのうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記坑井の、ケーシングがない部分に、透水バリアを設置するステップを更に含む、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記透水バリアが、ケーシング、化学コーティング、及び粒子コーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記外側パイプと前記内側パイプとが、同時に前記坑井に挿入される、請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記坑井が、前記入れ子式パイプストリングを用いて掘削される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記内側パイプ及び前記外側パイプのうちの少なくとも一方が、端部どうしを結合したセグメントを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の環状空間が、前記入れ子式パイプストリングの前記全長に沿って、実質的に水力学的に連続している、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地表下の地層に含まれる熱からエネルギーを生産する分野に関する。より詳細には、本開示は、地下地層に含まれる熱エネルギーを生産するために、地下地層を貫通する井戸を構築するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
坑井は、地下の地層から熱の形でエネルギーを取り出す目的で、そのような地層を貫通して掘削されることが知られている。熱は、冷たい流体(例えば液体)を地表から、浸透性地層を貫通する坑井に送り込み、流体が周囲の浸透性地層によって加熱された後に、その流体を地表に引き抜くことによって抽出することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1は、地熱エネルギー生産のためのよく知られた解決策、すなわち、このような地層Fに、2本の実質的に垂直な坑井P、Iを、掘削して打ち込む方法を示している。なお坑井Pと坑井Iとは、互いに横方向に距離Lだけ離れている。流体、例えば水は、注入抗井Iと呼ばれる一方の抗井から圧送され、加熱された流体は、生産抗井Pと呼ばれる他方の抗井から地層Fから生産される。流体は、坑井P、Iの間の地層Fを流れるときに、深部の岩石によって加熱される。このような地中熱に対する従来の解決法には、いくつかの課題がある:
1.流体は、しばしばスケーリングや腐食の問題を引き起こす、地層Fの鉱物を溶解吸収し得るが、それは、坑井の維持費や揚水コストを増加させ得る。
2.生産抗井Pではかなりの熱エネルギー損失がある。
3.地層Fに十分な透水性を持たせるために、場合によっては地層Fを破砕処理する必要が生じるが、これは地下水汚染、地震、環境悪化のリスクを高める可能性がある。
4.循環流体は、一般的に水の使用に限定される。
5.坑井のアニュラスで流体を還流させる、従来型の坑井P、Iの掘削と打ち込みは、坑口が高温になる可能性があり、特に北極圏では、坑口付近の土壌の不安定性を引き起こす可能性がある(永久凍土層を損傷するリスクなど)。
【0004】
離れて配置された縦型坑井を使用することに関する前述の問題を軽減する既知の解決策の1つは、深度で2つの坑井を接続する、高度に傾斜した坑井又は水平な坑井を掘削して打ち込み、それによって閉鎖型循環ループを構築することであるが、これは傾斜掘りという難題を意味する。
【0005】
図2は、代替的な閉鎖型循環ループ解決策を示し、例えば、ロングリーチ型水平坑井又は「入れ子式コンジット坑井(nested conduit well、NCW)」に、熱絶縁された、打ち込み用チュービングストリングTを設置することである。坑井の掘削部分にケーシングCを敷設し、ケーシングC内に断熱チューブTを入れ子状に挿入して、加熱された流体を地表に送ることができる。この場合、地熱は、水平坑井の地層Fから取り出される。このようなNCW坑井の建設は、困難であると考えられているが、それは、坑井の水平部分の掘削リーチが、流体損失、孔清掃、高トルク、抗力、等価循環密度(ECD)に関連する、著しい非生産的時間(NPT)にさらされる可能性があるためである。図2に示した解決策のコスト効率性は、水平セクションのリーチと、NCW坑井の掘削と打ち込みにかかると予想されるNPTによって制限され得る。図2に示すようなNCW坑井を建設する場合、従来の掘削パイプと掘削工具を使用して坑井を掘削し、掘削工具
を引き抜いた後にケーシングCを挿入することが、当技術分野で知られている。ロングリーチ型の水平坑井の建設に関連するその他のリスクに加えて、ケーシングCを意図した深さまで挿入できないリスクがあり、そのリスクは、掘削した坑井を完全に清掃できない、あるいは坑井の一部が崩壊する、あるいは坑井に沿って岩棚が存在するなどの理由から生じるものである。
【0006】
したがって、地熱井の建設には、改良された方法と装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、坑井を掘削し、坑井から流体を生産する方法である。この態様による方法は、入れ子式掘削ストリングを使用して、坑井を掘削することを含む。入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプと、入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含む。掘削泥水は、内側パイプと外側パイプの間の環状空間を通って坑井に送り込まれ、掘削ビットによって生じた掘削くずは、内側パイプを通って、地表に戻される。(i)環状空間内の流体を、より低い導電率の流体/気体により置換する、かつ/又は(ii)環状空間を排気する。更に、加熱すべき流体を、外側パイプと坑井との間の環状空間を通って地表から移動させ、加熱後に、内側パイプを通って地表に移動させる。
【0008】
いくつかの実施形態は、坑井と入れ子式掘削ストリングの外部との間の環状空間を、掘削流体よりも高い密度を有する流体で満たすことを更に含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、坑井の少なくとも一部は、実質的に水平である。
【0010】
本開示の別の側面による、坑井を掘削して打ち込みを行い、かつ坑井から地熱エネルギーを抽出する方法は、坑井を、少なくとも部分的に入れ子式掘削ストリングを用いて、掘削することを含む。入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプと、入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含む。掘削泥水は、内側パイプと外側パイプの間の第1の環状空間を通って坑井に送り込まれ、掘削ビットによって生じた掘削くずは、内側パイプを通って、地表に戻される。入れ子式掘削ストリングが、坑井から取り出される。入れ子式パイプストリングが、坑井に挿入される。入れ子式パイプストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプを備え、外側パイプと内側パイプと間に第1の環状空間を提供し、外側パイプと坑井の間に第2の環状空間を提供する。本方法は、(i)第1の環状空間に熱伝導率の低い流体を配置するステップ、又は(ii)第1の環状空間を排気するステップのいずれかと;第2の環状空間を通して坑井に流体を圧送し、圧送された流体を、内側パイプの内部を通して戻すことにより、流体を地熱により加熱するステップとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、坑井の少なくとも一部は、実質的に水平である。
【0012】
本開示の別の一態様は、事前に掘削された坑井から地熱エネルギーを生産する方法である。その方法は、入れ子式パイプストリングが、坑井に挿入される。入れ子式パイプストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプを備え、外側パイプと内側パイプと間に第1の環状空間を提供し、外側パイプと坑井の間に第2の環状空間を提供する。本方法は、(i)第1の環状空間に熱伝導率の低い流体を配置するステップ、又は(ii)第1の環状空間を排気するステップのいずれかと;第2の環状空間を通して坑井に流体を圧送し、圧送された流体を、内側パイプの内部を通して戻すことにより、流体を地熱により加熱するステップとを含む。第1の環状空間は、入れ子式パイプストリングの長さにわ
たって、実質的に連続している。
【0013】
抗井の少なくとも一部は、実質的に水平である。
【0014】
いくつかの実施形態では、入れ子式パイプストリングは、第1の環状空間内に、熱放射バリア、熱対流バリア、及び熱伝導バリアのうちの少なくとも1つを備える。
【0015】
いくつかの実施形態は、坑井の、ケーシングがない部分に、透水バリアを設置することを更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、透水バリアは、ケーシング、化学コーティング、及び粒子コーティングのうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、外側パイプと内側パイプとが、同時に坑井に挿入される。
【0018】
いくつかの実施形態では、坑井が、入れ子式パイプストリングを用いて掘削される。
【0019】
いくつかの実施形態では、内側パイプ及び外側パイプのうちの少なくとも一方が、端部どうしを結合したセグメントを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の環状空間は、入れ子式パイプストリングの全長に沿って、実質的に水力学的に連続している。
【0021】
その他の態様及び可能な利点は、以下の説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】横方向に間隔をおいて配置された2本の垂直抗井を使った、当該技術分野で知られている地熱エネルギー生産装置を示す図である。
図2】水平坑井を利用した、当該技術分野で知られている、地熱エネルギー生産装置を示す図である。
図3】入れ子式掘削パイプの掘削ツールアセンブリで掘削された水平坑井を使った、地熱エネルギー生産システム及び方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
Reelwell AS社(ノルウェー、ソラ)は、坑内トルク、抗力、地層圧制御に関して、ロングリーチの水平坑井で起こる特定の課題を軽減する、入れ子式コンジット(「デュアルチャネル」)掘削ストリングに基づく坑井掘削方法を開発した。このような坑井掘削方法は、例えば、Hogsetらに発行され、Reelwell AS社に譲渡された、米国特許第9,057,236号に記載されている。前述の方法の関連部分は、坑井の特定部分において、ヘビーオーバーライト(Heavy Over Light、HOL)で複数の掘削流体を使用することであるが、それはすなわち、坑井壁とデュアルチャネル掘削ストリング(入れ子式パイプストリング)の外壁との間の坑井アニュラスにおいて、デュアルチャネル掘削ストリング内部(入れ子式パイプストリング間のアニュラス空間又は内側パイプ内部のいずれであるかに関わらず)の流体密度よりも高い密度の流体を使用することである。米国特許第9,057,236号で開示されている方法は、従来の単一コンジット掘削ストリング技術を使用して到達可能な水平リーチを超えて、坑井を掘削し、打ち込みをさせることを可能にし、その結果、コスト効率を改善した閉鎖型ルー
プ式地熱井の建設を可能にし得る。
【0024】
このような地熱坑井の掘削に使用されるデュアルチャネル掘削ストリングは、坑井の水平セクションの掘削が終了した後、デュアルチャネル掘削ストリングを、熱的に絶縁された打ち込み用コンジットに変換する方法を提供することもできる。このようなストリングの用途変換を実行するために、デュアルチャネル掘削ストリングの内側環状空間(すなわち、例えば前記’239特許の図1に符号4で示されているデュアルチャネル掘削ストリングにおける、内側の入れ子式導管と外側の導管との間の環状空間)内の流体を、この方法以外の場合にこのような内側環状空間に存在する掘削流体よりも、低い熱伝導率を有する液体又は気体によって置換するか、又は、例えば真空ポンプを使用して、内側環状空間を密閉して排気することができる。デュアルチャネルストリングは、坑井掘削終了後、専用の打ち込み用ストリングとして使用することができる。あるいは、内部の熱損失を回避するように設計されたデュアルチャネル掘削ストリングは、このようなデュアルチャネル掘削ストリングを使用して坑井を掘削した後、断熱された打ち込み用パイプストリングに直接、用途を変換することができる。こうすることで、坑井を、水平方向に長い距離にわたって掘削し、打ち込みをさせることができる一方で、掘削終了後に坑井打ち込み用パイプを通す際に、坑井が崩壊したり、意図した深さに到達できなかったりするリスクを最小限に抑えることができる。上述した配置と手順により、地熱坑井の掘削と打ち込みとを、従来の解決策よりもコスト効率よく行うことができる。
【0025】
図3は、地表で掘削リグRを用いて掘削される、高傾斜又は水平の坑井10を示す概略図である。高傾斜又は水平の坑井10は、デュアルチャネル掘削ストリングDを使用して、地表ケーシング又は中間ケーシングCの下の深さから掘削することができるが、その際、デュアルチャネル掘削ストリングDは、その下端で掘削ビット18を、回転させつつ軸方向に付勢する。デュアルチャネル掘削ストリングDは、外側パイプ13の内側に入れ子式に配置された、内側パイプ14を備える。掘削流体(「泥水」)22は、地表から、デュアルチャネル掘削ストリングDの外側パイプ13と内側パイプ14との間の環状空間(「アニュラス」)12を通して圧送される。泥水22は、アニュラス12からフロークロスオーバー16を通って、掘削ビット18に移動され、泥水22は、最終的に掘削ビット18を通って排出されて、掘削ビット18を冷却し、潤滑し、坑井10から地表に掘削くずを持ち上げる。フロークロスオーバー16は、坑くずと戻り泥水の流れを、内側パイプ14の内部に移動させるが、この内側パイプ14は比較的内径が小さいため、坑くずを含んだ戻り泥水に比較的高い流速を与え、坑くずの沈降とその結果としての坑井10の「パックオフ」を最小化又は排除することができる。
【0026】
坑井アニュラス11内の流体、すなわち、デュアル掘削ストリングDの外側(すなわち、外側パイプ13の外側)の環状空間、坑井10の壁内及びフロークロスオーバー16/掘削ビット18の上方の流体は、符号26で示す地表から、圧送され得るが、デュアルチャネル掘削ストリングDの内側の流体すなわち泥水22と比較して、異なる密度及び流体特性を有し得る。前述の方法は、ECD、並びにトルク及び抗力を、排除するか又は大いに低減することを可能にし、それによって、坑井10の水平方向への到達距離を、従来の掘削及び打ち込みの能力を超えるものとすることを可能にする。
【0027】
坑井10が掘削された後、デュアルチャネル掘削ストリングDを所定の位置に残して坑井10に打ち込みを行うことができる。図3に概略的に示すように、デュアルチャネル掘削ストリングD、又は同等の入れ子式デュアルパイプストリングは、断熱された生産ストリングに変換することができ、そのためには、デュアルチャネル掘削ストリングDのアニュラス12を閉鎖し、アニュラス12内に存在する流体を、ガスなどの熱伝導率の低い流体で置換するか、アニュラス12を排気させる。坑井10がそれを貫通して掘削される地下地層によって加熱される流体は、符号26に示すように、地表から坑井アニュラス11
を通って移動され得る。このような流体が坑井アニュラス11内を移動するにつれて、流体は、坑井10の外側の岩層Fによって加熱される。このようにして岩層Fによって加熱された流体は、図3に矢印で示すように、内側パイプ14の内部に移動され、地表まで流れ得る。その間、内側パイプ14が、アニュラス12内の熱伝導率の低い流体(又は真空)によって外側パイプ13からは断熱されているため、外部環境、より具体的には地表の坑口への熱損失が低減され得る。
【0028】
坑井10が所望の深さまで掘削された後、ケーシングCの底部より下に配設された坑井10の「開孔」部分(ケーシング又はライナーを有しない部分)の地層表面は、露出した岩層(複数可)Fの壁面に透水バリア30を設置することによって、流体の流れに対して不透水性にすることができる。透水バリア30は、例えば、坑井掘削中に露出した地層にフィルターケーキを形成する際に使用されるような粒子又は化学物質、あるいはそのような化学物質又は粒子の組み合わせでコーティングすることによって設置することができる。このような透水バリア30は、坑井10の機械的安定性を向上させることもできる。坑井10の開孔部分を、そこに追加のケーシング又は金属/複合膜もしくは「スキン」を挿入することによって隔離して、上記の機械的安定性と透水バリアを提供し、効率的な閉鎖型ループ循環を可能にすることも、本開示の範囲内である。また、岩層(複数可)Fは、上記で説明したように、循環流体への熱の伝達を可能にする一方で、流体の流れに対して実質的に不透過性であり得るので、いかなる形態の別個の透水バリアも不要となることが理解されよう。
【0029】
地熱エネルギー生産のための坑井の掘削と打ち込みは、このような地層に限定されるものではないが、本書で説明するように掘削され、打ち込みがなされる坑井は、流体の浸透性が低いか、あるいは流体の浸透性が実質的にない岩層を通して掘削される可能性があるということが理解されよう。本開示によれば、加熱される流体を地層中に移動させ、加熱された流体を地表に戻すために、単一の表面出入口のみを有する坑井を使用することができる。
【0030】
このような実施形態に限定されるものではないが、同じデュアルチャネル掘削ストリングD を使って、地層Fを掘削し、打ち込みを行い、地層Fから地熱を取り出すことによって、掘削から打ち込みまでの間の坑井10へのリスクを減らすことができ、同時に坑井10を地熱エネルギー生産のための状態にするために掘削リグRが費やす時間を減らすことができる。坑井掘削終了後、いくつかの実施形態では、デュアルチャネル掘削ストリングDを、坑井10から取り外し、入れ子式パイプストリングを坑井10に挿入してもよいということが当業者には理解されよう。入れ子式パイプストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプを備えていてもよく、すなわち、デュアルチャネル掘削ストリングDと構造的に類似していてもよいが、フロークロスオーバー16及び掘削ビット18を省略していてもよく、その代わりに、内側パイプ及び環状空間内の流体の排除と、それに続く、断熱体として機能しうる環状空間の流れに対する閉鎖(デュアルチャネル掘削ストリングDを参照して上で説明した様式での閉鎖)を可能にする流量制御装置(図示せず)を有していてもよい。従来の単管パイプを有する掘削システムを用いて、水平坑井のような横方向延長部を有する坑井を含む坑井を掘削することも、本開示の範囲内である。上述の入れ子式パイプストリングは、掘削終了後に、上に説明したように、地熱エネルギーの生産のために坑井に挿入することができる。従来の単一チャネルパイプを使用して坑井を掘削し、従来のケーシング又はライナーを使用して坑井に打ち込みを行うことも、本開示の範囲内である。ひとたびこのようなケーシングやライナーが坑井に設置されると、内側パイプ。
【0031】
また、説明された入れ子式パイプストリングは、地熱で加熱された流体が、内側パイプ内で地表に戻る際の熱損失を最小限に抑えるように設計されているということも理解され
よう。入れ子式パイプストリングは、例えば、内側パイプと外側パイプとの間に配設された、熱伝導率の低いスタンドオフ又はセントラライザーを備えていてもよい。入れ子式パイプストリングは、放射、伝導、対流による熱損失を最小化するために、外側パイプ内及び内側パイプの外に、追加又は代替の様々な形態のコーティング及び/又は断熱材を備え得る。
【0032】
本明細書において説明及び図示される原理及び例示的実施形態に照らして、例示的実施形態は、かかる原理から逸脱することなく、配置及び詳細において変更され得ることが認識されるであろう。前述の議論は、特定の実施形態に焦点を当てたものであるが、他の構成も考えられる。特に、本明細書において「一実施形態」において等の表現が使用されているとしても、これらの表現は、実施形態の可能性を一般的に言及することを意図しており、本開示を特定の実施形態の構成に限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、これらの用語は、同一の実施形態、又は他の実施形態に組み合わせ可能な異なる実施形態を指すことができる。原則として、本明細書で言及される任意の実施形態は、本明細書で言及される他の実施形態のいずれか1つ以上と自由に組み合わせることが可能であり、異なる実施形態の任意の数の特徴は、別途、そうではないと示されていない限り、互いに組み合わせることが可能である。以上、いくつかの実施例を詳細に説明したが、当業者であれば、説明した実施例の範囲内で多くの変更が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、このような変更はすべて、以下の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井を掘削して打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式掘削ストリングを少なくとも部分的に使用して前記坑井を掘削することであって、前記入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配設された内側パイプと、前記入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、前記フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含み、内側パイプと外側パイプとの間の第1の環状空間を通って掘削流体が前記坑井内に圧送され、前記掘削ビットによって生じた掘削くずは、前記内側パイプを通って地表に戻される、掘削すること、;
(i)前記第1の環状空間内の流体をより低い導電率の流体によって置換することか、又は(ii)前記環状空間を排気することかのいずれか;及び
前記坑井と前記入れ子式掘削ストリングの外部との間の第2の環状空間を通して下流に流体を圧送し、加熱された流体を前記内部パイプを通して戻すことにより、地下地層から地表に地熱を抽出すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記坑井を掘削する間に、前記坑井と前記入れ子式掘削ストリングの外部との間の前記第2の環状空間を、前記掘削流体よりも高い密度を有する流体で満たすステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
坑井を掘削して打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式掘削ストリングを少なくとも部分的に使用して前記坑井を掘削することであって、前記入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配設された内側パイプと、前記入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、前記フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含み、内側パイプと外側パイプとの間の第1の環状空間を通って掘削流体が前記坑井内に圧送され、前記掘削ビットによって生じた掘削くずは、前記内側パイプを通って地表に戻される、前記掘削すること;
前記入れ子式掘削ストリングを前記坑井から取り出すこと;
入れ子式打ち込みパイプストリングを、前記坑井に挿入することであって、前記入れ子式打ち込みパイプストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配置された内側パイプを備え、前記外側パイプと前記内側パイプとの間に第1の環状空間を提供し、かつ前記外側パイプと前記坑井との間に第2の環状空間を提供する、前記挿入すること;
(i)前記入れ子式打ち込み用パイプストリングの前記第1の環状空間に、熱伝導率の低い流体を配置することか、又は(ii)前記入れ子式打ち込み用パイプストリングの前記第1の環状空間を排気することかのいずれか;及び
前記入れ子式打ち込み用パイプストリングの前記第2の環状空間を通して、前記坑井内に前記流体を圧送し、前記圧送された流体を、前記入れ子式打ち込み用パイプストリングの前記内側パイプの内部を通して戻すことにより、前記流体を地熱により加熱すること、を含む方法。
【請求項5】
前記坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
予め掘削された坑井に打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式パイプストリングを前記坑井に挿入することであって、前記入れ子式パイプストリングは、外側パイプに挿入された内側パイプを含み、それらの間に第1の環状空間を提供し、かつ前記外側パイプと前記坑井の間に第2の環状空間を提供し、前記第1の環状空間は前記入れ子式パイプストリングの全長に沿って実質的に連続している、前記挿入すること、;
前記入れ子式パイプストリングを挿入した後に、(i)前記第1の環状空間に熱伝導率の低い流体を配置することか、又は(ii)前記第1の環状空間を排気することかのいずれか;及び
前記第2の環状空間を通じて前記坑井内に前記流体を圧送して前記流体を地熱により加熱し、前記第2の環状空間に沿って移動する前記圧送されている流体に、前記第2の環状空間の外側の地層から熱を移動させて、前記圧送されている流体を、前記内側パイプの内部を通じて戻すステップ、を含む方法。
【請求項7】
前記坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記入れ子式パイプストリングが、前記第1の環状空間内に、熱放射バリア、熱対流バリア、及び熱伝導バリアのうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記坑井の、ケーシングがない部分に、透水バリアを設置するステップを更に含む、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記透水バリアが、ケーシング、化学コーティング、及び粒子コーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記外側パイプと前記内側パイプとが、同時に前記坑井に挿入される、請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記坑井が、前記入れ子式パイプストリングを用いて掘削される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記内側パイプ及び前記外側パイプのうちの少なくとも一方が、端部どうしを結合したセグメントを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の環状空間が、前記入れ子式パイプストリングの前記全長に沿って、実質的に水
力学的に連続している、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
地熱により加熱するステップが、前記第2の環状空間の外側の地層から、前記第2の環状空間に沿って移動する圧送された流体に、熱を移動させるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井を掘削して打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式掘削ストリングを少なくとも部分的に使用して前記坑井を掘削することであって、前記入れ子式掘削ストリングは、外側パイプ内に入れ子式に配設された内側パイプと、前記入れ子式掘削ストリングの端部に配設されたフロークロスオーバーと、前記フロークロスオーバーの片側に配設された掘削ビットとを含み、内側パイプと外側パイプとの間の第1の環状空間を通って掘削流体が前記坑井内に圧送され、前記掘削ビットによって生じた掘削くずは、前記内側パイプを通って地表に戻される、前記掘削すること;
(i)前記第1の環状空間内の流体をより低い導電率の流体によって置換することか、又は(ii)前記環状空間を排気することかのいずれか;及び
前記坑井と前記入れ子式掘削ストリングの外部との間の第2の環状空間を通して下流に流体を圧送し、加熱された流体を前記内部パイプを通して戻すことにより、地下地層から地表に地熱を抽出すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記坑井を掘削する間に、前記坑井と前記入れ子式掘削ストリングの外部との間の前記第2の環状空間を、前記掘削流体よりも高い密度を有する流体で満たすステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
予め掘削された坑井に打ち込みを行い、前記坑井から地熱エネルギーを抽出する方法であって:
入れ子式パイプストリングを前記坑井に挿入することであって、前記入れ子式パイプストリングは、外側パイプに挿入された内側パイプを含み、それらの間に第1の環状空間を提供し、かつ前記外側パイプと前記坑井の間に第2の環状空間を提供し、前記第1の環状空間は前記入れ子式パイプストリングの全長に沿って実質的に連続しており前記外側パイプと前記内側パイプとは同時に坑井に挿入される、前記挿入すること
前記入れ子式パイプストリングを挿入した後に、(i)前記第1の環状空間に熱伝導率の低い流体を配置することか、又は(ii)前記第1の環状空間を排気することかのいずれか
;及び
前記第2の環状空間を通じて前記坑井内に前記流体を圧送して前記流体を地熱により加熱し、前記第2の環状空間に沿って移動する前記圧送されている流体に、前記第2の環状空間の外側の地層から熱を移動させて、前記圧送されている流体を、前記内側パイプの内部を通じて戻すこと、を含む方法。
【請求項5】
前記坑井の少なくとも一部が、実質的に水平である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記入れ子式パイプストリングが、前記第1の環状空間内に、熱放射バリア、熱対流バリア、及び熱伝導バリアのうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記坑井の、ケーシングがない部分に、透水バリアを設置するステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記透水バリアが、ケーシング、化学コーティング、及び粒子コーティングのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記坑井が、前記入れ子式パイプストリングを用いて掘削される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記内側パイプ及び前記外側パイプのうちの少なくとも一方が、端部どうしを結合したセグメントを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の環状空間が、前記入れ子式パイプストリングの前記全長に沿って、実質的に水力学的に連続している、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
地熱により加熱するステップが、前記第2の環状空間の外側の地層から、前記第2の環状空間に沿って移動する圧送された流体に、熱を移動させるステップを含む、請求項4に記載の方法。
【国際調査報告】