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特表2024-529166マイクロニードルデバイス、及びマイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法
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  • 特表-マイクロニードルデバイス、及びマイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】マイクロニードルデバイス、及びマイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A61M37/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508791
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2022070788
(87)【国際公開番号】W WO2023020785
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021121528.5
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ヘイダリ,ダストジェルディ,マラル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA72
4C267BB23
4C267BB39
4C267BB40
4C267BB62
4C267CC01
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、マイクロニードルデバイス(10)、特に手動で適用されるマイクロニードルデバイス(10)に関する。マイクロニードルデバイス(10)は、マイクロニードルアレイ(12)及びマイクロニードルアレイ(12)に連結されているセンサデバイス(14)を備えている。センサデバイス(14)は、マイクロニードルアレイ(12)に作用する少なくとも1つの力を検出するように構成されている。本発明は更に、マイクロニードルアレイ(12)に連結されているセンサデバイス(14)を使用して、マイクロニードルアレイ(12)に作用する少なくとも1つの力を検出するための方法に関する。本発明は更に、マイクロニードルアレイ(12)を適用するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロニードルデバイス(10)、特に手動で適用されるマイクロニードルデバイス(10)であって、
マイクロニードルアレイ(12)、及び
前記マイクロニードルアレイ(12)に連結されているセンサデバイス(14)
を備えており、
前記センサデバイス(14)は、前記マイクロニードルアレイ(12)に作用する少なくとも1つの力を検出する、特に測定するように構成されている、マイクロニードルデバイス。
【請求項2】
前記センサデバイス(14)は、適用力(24)を検出する及び/又は反力(26)を検出するように構成されている、請求項1に記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項3】
前記センサデバイス(14)は、少なくとも1つの力センサ(16)、特に少なくとも1つの圧電式力センサを有している、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項4】
前記センサデバイス(14)は、2つの力センサ(16)を有している、請求項3に記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項5】
前記センサデバイス(14)は、特に筒状の支持構造体(18)を有している、請求項1~4のいずれか1つに記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項6】
2つの対向する力センサ(16)が前記支持構造体(18)に連結されている、請求項5に記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項7】
前記センサデバイス(14)は、前記マイクロニードルアレイ(12)の後側に特に二次元的に連結されている、請求項1~6のいずれか1つに記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項8】
検出された少なくとも1つの力を評価するための処理デバイス(28)を更に備えている、請求項1~7のいずれか1つに記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項9】
前記処理デバイス(28)は、検出された少なくとも1つの力を目標力と比較する、及び/又は力の適用期間、特に力の時間的な経過を検出するように構成されている、請求項8に記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項10】
前記処理デバイス(28)は、前記マイクロニードルデバイス(10)を使用した前記マイクロニードルアレイ(12)の適用に関するフィードバックを人に提供するように構成されている、請求項8又は9に記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項11】
特に音響式及び/又は光学式及び/又は触覚式のフィードバックデバイス(30)を更に備えている、請求項1~10のいずれか1つに記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項12】
前記マイクロニードルアレイ(12)をユーザの少なくとも1本の指(102) によって手動で適用するための指適用面(38)を更に有している、請求項1~11のいずれか1つに記載のマイクロニードルデバイス(10)。
【請求項13】
マイクロニードルアレイ(12)に連結されているセンサデバイス(14)を使用して、前記マイクロニードルアレイ(12)に作用する少なくとも1つの力を検出するための方法。
【請求項14】
マイクロニードルアレイ(12)を適用するための方法であって、
前記マイクロニードルアレイ(12)を、特に手動で又は適用デバイスを使用して適用する工程、
請求項13に記載の方法を使用して、前記マイクロニードルアレイ(12)に作用する少なくとも1つの力を検出する、特に測定する工程、及び
好ましくは、検出された少なくとも1つの力を評価する、及び/又は検出された少なくとも1つの力に関するフィードバックを出力する工程
を有する、方法。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか1つに記載のマイクロニードルデバイス(10)を用いて行う、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロニードルデバイス、及びマイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば薬物の飲み込み又は薬物の注射などの典型的な形態の有効成分の投与に加えて、皮膚を介して有効成分を適用するための概念がある。これに関連して、マイクロニードルの使用に特に関心が寄せられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロアレイとも称されるマイクロニードルアレイは、一般的にはパッチ、プラスタなどの支持要素上に配置されているか又は支持要素に連結されている複数のマイクロニードルを有している。このようなマイクロニードルアレイは、多数のマイクロニードル、例えば1cm2 当たり100 ~600 のニードルを有している。ニードルの長さが短いため、ニードルが患者の皮膚に押し込められると、ニードルは、神経及び血管が可能な限りニードル先端と接しない程度しか皮膚に入り込まない。マイクロニードルは有効成分又は薬物を含む。対応する有効成分をニードルの表面に塗布してもよく、又はニードル内に含めてもよい。ニードルは、皮膚で溶解する材料で形成されていることが好ましい。
【0004】
マイクロニードルアレイの適用を成功させるため、特にマイクロニードルアレイを用いた薬物治療を成功させるために、マイクロニードルアレイを所望の皮膚層に正確に導入することが重要である。ここで、適用する際に十分な挿入深さに達することが特に重要である。
【0005】
独国特許出願公開第102014201605号明細書には、特定の接触圧力がかかると破裂して、適用の成功を示す着色液体を放出する容器を備えたマイクロニードルデバイスが記載されている。サイズ及び/又は構成のため、このような適用の指標が使用後にのみ見えることが不利である。
【0006】
マイクロニードルアレイの適用の成功の別の要因は適用時間である。そのため、有効成分を放出するために十分長い時間適用する必要がある。特に、挿入深さ及び適用時間の組み合わせは重要である、つまり、言い換えれば、適用が十分な挿入深さで十分な時間に亘って行われたか否かが重要である。
【0007】
更に、皮膚特有の要因が適用に関連し、特に最適な挿入深さ及び/又は適用時間に関連する。例えば年齢、皮質、病気、BMI などにより、夫々のユーザの特有の皮膚に大きな違いがある。これらの要因は、例えば挿入深さに達するために必要な力に影響を及ぼす。
【0008】
本発明の目的は、マイクロニードルアレイの適用の検査を改善することができるマイクロニードルデバイス及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、請求項1に係るマイクロニードルアレイ及び請求項13に係る方法によって達成される。
【0010】
本発明に係るマイクロニードルアレイは、特に手動で適用するためのマイクロニードルアレイである。ここで、手動とは、マイクロニードルデバイスのマイクロニードルアレイを、ユーザによって特に一又は複数の指又は手を使用して手動で適用し得ることを好ましくは意味する。マイクロニードルデバイスは、ユーザの親指を使用した適用のために構成されていることが好ましい。従って、適用のために適用デバイス、特に力を加える適用デバイスが必要ではないことが好ましい。他方では、マイクロニードルデバイスは、或いは特に力を加える適用デバイスを使用して適用されるマイクロニードルデバイスであってもよい。マイクロニードルデバイスはマイクロニードルアレイを備えている。マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを有している。マイクロニードルは、円錐形状、角錐形状又はオベリスク形状であることが好ましい。マイクロニードルは支持要素に、特に一体に連結されている。マイクロニードルデバイスは、マイクロニードルアレイに、例えば接着して連結されているセンサデバイスを更に備えている。センサデバイスは、マイクロニードルアレイに間接的に又は直接連結されている。センサデバイスは、後側とも称されてもよいマイクロニードルの先端の反対側に連結されていることが好ましい。センサデバイスは、支持要素に特に直接連結されていることが好ましい。センサデバイスは、マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するように構成されている。センサデバイスは、マイクロニードルアレイに対して実質的に垂直な方向にマイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するように構成されていることが好ましい。センサデバイスは、力を検出する代わりに又は力を検出することに加えて、マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの圧力を検出するように構成されている。センサデバイスは、特に様々な大きさの力の測定検出を行うようにマイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を測定するように構成されていることが好ましい。センサデバイスは、特にN(ニュートン)又はPa(パスカル)の単位の値として少なくとも1つの力を測定する。センサデバイス及びマイクロニードルアレイは、力が適合するように及び/又は形状が嵌合するように及び/又は結合するように連結されていることが好ましい。結合連結の場合、マイクロニードルアレイ及びセンサデバイスは互いに接着される及び/又ははんだ付けされる及び/又は溶接されることが好ましい。センサデバイス及びマイクロニードルアレイは、特に分離不可能に連結されている、つまり、好ましくは非破壊的な方法によって分離不可能である。従って、センサデバイス及びマイクロニードルアレイは、例えば鋸引き、フライス加工及び/又は破壊などの分離によってのみ分離可能であることが好ましい。センサデバイス及びマイクロニードルアレイは特に永続的に連結されている。センサデバイス及びマイクロニードルアレイは、好ましくはしっかりと互いに連結されている。
【0011】
センサデバイスは、適用力を検出する及び/又は反力を検出するように構成されていることが好ましい。検出される適用力は特に、マイクロニードルアレイを皮膚に適用するために、マイクロニードルアレイ、好ましくは支持要素にユーザによって間接的に又は直接適用される力である。反力は、特に適用力を打ち消す力である。反力は、皮膚からマイクロニードルアレイ、好ましくはマイクロニードルに作用する力であることが好ましい。特に反力は、適用対象の夫々の皮膚に左右される。一般的に、マイクロニードルアレイが皮膚に入り込むまで、適用中に反力が増加すると想定され得る。その後、マイクロニードルアレイが特に完全に適用されるまで、反力は減少する。適用力が適用されなくなると即座に、皮膚の反力によってマイクロニードルアレイが皮膚から押し出されると想定され得る。従って、本発明のマイクロニードルデバイスは、反力を検出することによって皮膚特有の状態を検出し、特に適用、好ましくは適用力を皮膚特有の状態に適合させることを可能にすることが有利である。
【0012】
センサデバイスは、少なくとも1つの力センサを有しているか又は好ましくは少なくとも1つの力センサによって形成されていることが好ましい。少なくとも1つの力センサが圧電式力センサであることが特に好ましい。特に、力センサは圧電ディスクである。圧電ディスクは、例えばEPZ-20MS64W 型であってもよい。圧電ディスクは円形状であることが好ましい。
【0013】
センサデバイスは2つの力センサ、特に2つの圧電ディスクを有していることが好ましい。1つの力センサが適用力を検出するように構成及び/又は配置されており、1つの力センサが反力を検出するように構成及び/又は配置されていることが好ましい。
【0014】
センサデバイスは支持構造体を有していることが好ましい。支持構造体は、特に筒状に構成されている。支持構造体の筒形状は、円形、楕円形、正方形、矩形又は三角形とすることができる。支持構造体は中空のシリンダであってもよいことが好ましい。支持構造体は、特に力を伝達するように及び/又は少なくとも1つの力センサを収容するように構成されている。支持構造体の筒形状の基部が支持要素の領域に実質的に対応する;支持構造体の筒形状の基部が少なくとも1つの力センサの領域に実質的に対応する;支持要素の領域が少なくとも1つの力センサの領域に実質的に対応するという条件の少なくとも2つ、好ましくは全てを満たすことが好ましい。力センサが支持構造体の基部に特に直接連結されていることが好ましい。特に支持構造体の他の基部がマイクロニードルアレイの支持要素に直接又は間接的に連結されていることが好ましい。支持構造体及び/又はセンサデバイスは特に実質的に回転対称に構成されている。
【0015】
2つの力センサが互いに対向して支持構造体に連結されていることが好ましい。ここで、2つの力センサは特に支持構造体によって間隔を空けて配置されている。力センサの一方が支持構造体の基部に特に直接連結されている一方、他方の力センサは支持構造体の他方の基部に特に直接連結されていることが好ましい。力センサの内の1つは、一側で支持構造体に連結されており、他側でマイクロニードルアレイ、特に支持要素に連結されていることが好ましい。
【0016】
センサデバイスはマイクロニードルアレイの後側に、特に二次元的に連結されていることが好ましい。特に、後側は支持要素の表面である。力センサ又は支持構造体が支持要素に連結されていることが好ましい。
【0017】
マイクロニードルデバイスは、検出される少なくとも1つの力を評価するための処理デバイスを備えていることが好ましい。特に、処理デバイスはプロセッサを有している。処理デバイスはセンサデバイスに、特に情報を送信するように接続されていることが好ましい。処理デバイスとセンサデバイスとの接続は、有線及び/又は例えばBluetooth (登録商標)又はWiFi(登録商標)を介した無線であることが好ましい。処理デバイスがスマートフォンなどのモバイル機器の一部であることが可能である。
【0018】
処理デバイスが、検出された少なくとも1つの力を目標力と比較するように構成されていることが好ましい。目標力は、特に10N~100 Nである。特に、目標力は、適用に必要な、好ましくは所定の力である。目標力は、適用に少なくとも必要な最小の力であることが好ましい。或いは又は加えて、処理デバイスが、マイクロニードルデバイス、特にマイクロニードルアレイに力が加えられた時間を記録するように構成されることが好ましい。処理デバイスは、力が加えられた時間を適用のための目標時間、特に所定の目標時間と比較するように構成されていることが好ましい。特に、目標時間は3秒から300 秒である。処理デバイスが、適用力を経時的に記録して、好ましくは目標値と比較するように構成されていることが特に好ましい。特に処理デバイスは、検出された力によって目標力の達成時を検出する、及び/又は適用時間によって目標時間の達成時を検出するように構成されており、目標力の達成を目標時間に亘って検出することが好ましい。検出された力が目標時間までのある時間に亘って、特に少なくとも目標時間まで少なくとも目標力に相当する場合、目標時間に亘って目標力に達している。少なくとも目標時間に達するまで、検出された力が1つの時間間隔で、つまり連続的に又は全体で、つまり累積的な時間に亘って目標力に相当する場合、目標時間に亘って目標力に達することが好ましい。処理デバイスが、検出された力及び/又は時間を記録するように構成されていることが好ましい。処理デバイスが、適用力を反力と比較するように構成されていることが好ましい。このため、例えば、皮膚特有の特性を組み込むことが可能になる。処理デバイスが、反力に応じて適用力のための目標力を決定するように構成されていることが好ましい。
【0019】
処理デバイスが、マイクロニードルデバイスを使用したマイクロニードルアレイの適用についてフィードバックを人に送信するように構成されていることが好ましい。特に、人はユーザである。処理デバイスが、検出された力によって目標力に達したとき、及び/又は適用時間によって目標時間に達したときにフィードバックを送信するように構成されている。処理デバイスが、目標時間に亘って目標力に達したときにフィードバックを送信するように構成されていることが特に好ましい。目標時間及び/又は適用時間及び/又は目標力に達すると、1つの信号、特に音響信号及び/又は光学信号及び/又は触覚信号が目標時間に亘って出力されることが好ましい。
【0020】
マイクロニードルデバイスが、フィードバックを送信する、好ましくは出力するためのフィードバックデバイス、特に音響式フィードバックデバイス及び/又は光学式フィードバックデバイス及び/又は触覚式フィードバックデバイスを備えていることが好ましい。フィードバックデバイスは、例えばLED などの光デバイス及び/又はスピーカを有し得る。フィードバックデバイスは、例えば振動要素などのアクチュエータを更に有し得る。フィードバックデバイスは、適用が成功及び/又は失敗した場合にフィードバックを出力するように構成されていることが好ましい。特に、適用が成功した場合のフィードバック出力は、適用が失敗した場合のフィードバック出力とは異なる。フィードバックデバイスは処理デバイスに、特に情報を送信するように接続されていることが好ましい。処理デバイスとフィードバックデバイスとの接続は、有線及び/又は例えばBluetooth 又はWiFiを介した無線であることが好ましい。フィードバックデバイスがスマートフォンなどのモバイル機器の一部であることが可能である。
【0021】
マイクロニードルデバイスは、ユーザの少なくとも1本の指でマイクロニードルアレイに手動で適用するための指適用面を有していることが好ましい。指適用面は、親指を使用したマイクロニードルアレイの適用のための親指適用面であることが好ましい。特に、指適用面は、実質的に人間の指、好ましくは親指の大きさを有する。指適用面は、マイクロニードルデバイスの力センサの露出面と特に一体に連結されており、好ましくは前記露出面に相当することが好ましい。指適用面は平面状であることが好ましい。
【0022】
マイクロニードルデバイス、特にセンサデバイスは、適用力、例えば指適用面に適用される適用力がマイクロニードルアレイに均一に伝えられるように構成されていることが好ましい。
【0023】
更に、本開示は、マイクロニードルアレイに連結されているセンサデバイスを使用して、マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法に更に関する。検出される力は、特に適用力、好ましくはユーザの手動の適用力及び/又はマイクロニードルアレイに対する反力である。
【0024】
マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法を、上記のマイクロニードルデバイスの特徴の一又は複数を有するマイクロニードルデバイスを使用して行うことが好ましい。
【0025】
本開示は、マイクロニードルアレイを適用するための方法に更に関する。本方法は、マイクロニードルアレイを患者の皮膚に適用する工程を有する。適用を、特に手動で又は適用デバイスを使用して行う。更に、本方法は、マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための上記の方法により、マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出する、特に測定する工程を有する。検出される力は、特に適用力、好ましくはユーザの手動の適用力及び/又はマイクロニードルアレイに対する反力である。任意に、本方法は、検出された少なくとも1つの力を評価する更なる工程を有する。評価する際、特に検出された力を、適用のための好ましくは予め定められた目標力と比較する。本方法の別の任意の工程は、検出された少なくとも1つの力に関するフィードバックを出力することである。フィードバックの出力を、検出された力が目標力に達したら即座に、特に目標時間に達するまでの期間に亘って行うことが好ましい。フィードバックの出力は、触覚式及び/又は光学式及び/又は音響式であることが好ましい。
【0026】
マイクロニードルアレイを適用するための方法を、上記のマイクロニードルデバイスの特徴の一又は複数を有するマイクロニードルデバイスを使用して行うことが好ましい。
【0027】
以下に、添付図面を参照して好ましい実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】適用中の本発明に係るマイクロニードルデバイスの実施形態を示す側断面略図である。
図2】本発明に係るマイクロニードルデバイスの別の実施形態を示す側断面略図である。
図3】本発明に係るマイクロニードルデバイスの別の実施形態を示す側断面略図である。
図4】本発明に係るマイクロニードルデバイスの別の実施形態を示す側断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面には、同様又は同一の部品又は要素が同一の参照番号又はその変形例(例えば16及び16’,16”)で特定されている。特に明瞭性を向上させるために、好ましくは既に特定されている要素は、全ての図面に参照番号が記載されていない。
【0030】
図1は、適用中のマイクロニードルデバイス10を示す側断面略図である。
【0031】
マイクロニードルデバイス10は、パッチなどの支持要素20を有するマイクロニードルアレイ12を備えており、複数のマイクロニードル22が支持要素20に特に一体に連結されている。
【0032】
センサデバイス14が、この場合には支持要素20の表面に対応するマイクロニードルアレイ12の後側40に、例えば接着して連結されている。センサデバイス14は、1つの力センサ16を有している、特に1つの力センサ16で構成されているように図示されている。特に、力センサは圧電式力センサ16である。圧電式力センサ16は圧電ディスク、特に円形のディスクであることが好ましい。
【0033】
マイクロニードルデバイス10は、ユーザ、例えば患者又は医療従事者の手100 の親指102 によって、例えば患者の皮膚104 に適用されるように図示されている。ここでは、親指102 によってマイクロニードルデバイス10の適用面38に(矢印24によって示されている)適用力が適用されることにより、マイクロニードル22が皮膚104 に挿入される。適用力24は、例えばマイクロニードルアレイ12が更に押されるようにある時間に亘って適用され得る。
【0034】
適用力24は、力センサ16によって検出される、特に測定されることが可能である。
【0035】
皮膚104 は、マイクロニードルアレイ12に対する(矢印26によって示されている)反力で挿入に対して作用する。
【0036】
マイクロニードルアレイ12及び/又はセンサデバイス14は、特に円形状、楕円形状、矩形状又は正方形状の基部を有している。好ましくはマイクロニードルアレイ12及び/又はセンサデバイス14、特に好ましくはマイクロニードルデバイス10は対称的であり、特に回転対称である。
【0037】
図2は、本発明に係るマイクロニードルデバイス10の別の実施形態を示す。
【0038】
センサデバイス14は、2つの、特に圧電式の力センサ16’,16”を有するように図示されており、これらの力センサは中空の筒状の支持構造体18によって間隔を空けて配置されている。特に、支持構造体18は円形状の基部を有している。
【0039】
反力26は、マイクロニードルアレイ12に直接連結されている力センサ16”を介して検出され得る一方、適用力24は、適用面38に特に一体に連結されている力センサ16’を介して検出され得る。
【0040】
適用中、例えば親指102 からの適用力24がマイクロニードルアレイ12に作用する。この適用力24は、特にマイクロニードルアレイ12が皮膚104 に入り込む目標力に至るまで増加する。その後、この力、つまり、特に目標力以上の適用力24が、例えば親指102 によってある時間(保持時間)に亘って維持される。皮膚104 は、マイクロニードルアレイ12に対して、ひいては例えば親指102 に対しても反力26を及ぼし続ける。この反力26は、マイクロニードルアレイ12が皮膚104 に入り込むまで増加する。その後、反力26は減少する一方、マイクロニードルアレイ12は更に入り込む。適用が終了又は中止されたとき、例えば親指102 が外されたとき、特に反力26が最終的に存在する。特に反力26は、特に適用対象の夫々の皮膚104 に左右される。2つの力センサ16’,16”を有するセンサデバイス14は、適用力24及び反力26を検出し得ることが好ましい。このため、適用の最適な評価及び/又は適応が可能になる。
【0041】
図3は、マイクロニードルデバイス10の別の実施形態を示し、この別の実施形態は図2の実施形態に実質的に基づいている。
【0042】
図3では、力センサ16’及び力センサ16”は夫々、処理デバイス28に特に情報を送信するようにケーブル32及びケーブル34を介して接続されている。
【0043】
処理デバイス28は、特に力センサ16’,16”の検出値を評価するように構成されている。
【0044】
(線36で表されている)フィードバックが、処理デバイス28に接続されているフィードバックデバイス30を介してユーザに提供され得る。例えば、十分な適用力24が適用されると即座に、特に十分な適用力24が好ましくは所定の時間に亘って適用されると即座にフィードバックが提供され得る。
【0045】
フィードバックデバイス30は、例えばLED などのランプ、及び/又はスピーカ、及び/又は振動要素などのアクチュエータを有してもよい。
【0046】
センサデバイス14を処理デバイス28に有線接続する代わりに、例えばWiFi接続及び/又はBluetooth 接続などの無線接続が更に可能である。
【0047】
図4は、本発明に係るマイクロニードルデバイス10の別の実施形態を示し、この別の実施形態は図2及び3の実施形態に実質的に基づいている。
【0048】
外部の処理デバイス28及びフィードバックデバイス30を備えている図3に示されている実施形態とは対照的に、図4に示されている実施形態では処理デバイス28及びフィードバックデバイス30はセンサデバイス14に一体化されている。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロニードルデバイス、特に手動で適用されるマイクロニードルデバイスであって、
マイクロニードルアレイ、及び
前記マイクロニードルアレイに連結されているセンサデバイ
備えており、
前記センサデバイスは、前記マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出する、特に測定するように構成されている、マイクロニードルデバイス。
【請求項2】
前記センサデバイスは、適用力を検出する及び/又は反力を検出するように構成されている、請求項1に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項3】
前記センサデバイスは、少なくとも1つの力センサ、特に少なくとも1つの圧電式力センサを有している、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項4】
前記センサデバイスは、2つの力センサを有している、請求項3に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項5】
前記センサデバイスは、特に筒状の支持構造体を有している、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項6】
2つの対向する力センサが前記支持構造体に連結されている、請求項5に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項7】
前記センサデバイスは、前記マイクロニードルアレイの後側に特に二次元的に連結されている、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項8】
検出された少なくとも1つの力を評価するための処理デバイスを更に備えている、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項9】
前記処理デバイスは、検出された少なくとも1つの力を目標力と比較する、及び/又は力の適用期間、特に力の時間的な経過を検出するように構成されている、請求項8に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項10】
前記処理デバイスは、前記マイクロニードルデバイスを使用した前記マイクロニードルアレイの適用に関するフィードバックを人に提供するように構成されている、請求項8に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項11】
特に音響式及び/又は光学式及び/又は触覚式のフィードバックデバイスを更に備えている、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項12】
前記マイクロニードルアレイをユーザの少なくとも1本の指によって手動で適用するための指適用面を更に有している、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイス。
【請求項13】
マイクロニードルアレイに連結されているセンサデバイスを使用して、前記マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出するための方法。
【請求項14】
マイクロニードルアレイを適用するための方法であって、
前記マイクロニードルアレイを、特に手動で又は適用デバイスを使用して適用する工程、
請求項13に記載の方法を使用して、前記マイクロニードルアレイに作用する少なくとも1つの力を検出する、特に測定する工程、及び
好ましくは、検出された少なくとも1つの力を評価する、及び/又は検出された少なくとも1つの力に関するフィードバックを出力する工程
を有する、方法。
【請求項15】
請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイスを用いて行う、請求項13又は14に記載の方法。
【国際調査報告】