IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオコン・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-リラグルチドの精製 図1
  • 特表-リラグルチドの精製 図2
  • 特表-リラグルチドの精製 図3
  • 特表-リラグルチドの精製 図4
  • 特表-リラグルチドの精製 図5
  • 特表-リラグルチドの精製 図6
  • 特表-リラグルチドの精製 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】リラグルチドの精製
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/20 20060101AFI20240725BHJP
   C07K 14/605 20060101ALN20240725BHJP
   C07K 1/18 20060101ALN20240725BHJP
   C07K 1/34 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
C07K1/20
C07K14/605 ZNA
C07K1/18
C07K1/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508796
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 IB2022057409
(87)【国際公開番号】W WO2023017411
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202141036153
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506292941
【氏名又は名称】バイオコン・リミテッド
【住所又は居所原語表記】20th KM,Hosur Road,Electronic City,Karnataka Bangalore 560 100,India
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン,ガネシュ
(72)【発明者】
【氏名】パティル,ニティン ソパンラオ
(72)【発明者】
【氏名】サンタン,オンカー
(72)【発明者】
【氏名】サムバンダム,バラニードハラン ニャーナ
(72)【発明者】
【氏名】バスティコッパ,クルティ サティシュ
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA20
4H045BA18
4H045DA30
4H045EA20
4H045GA10
4H045GA15
4H045GA23
4H045GA25
(57)【要約】
本発明は、粗製のリラグルチド前駆体を密接に関係する不純物から精製するために、逆相-高速液体クロマトグラフィーにおいて選択的単位操作ステップおよび選択的pH勾配を使用する、リラグルチド前駆体の新規かつ改善されたリラグルチド前駆体精製プロセスを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗製の組換えリラグルチド前駆体を精製するための方法であって、方法が、以下:
a.その発酵ブロスをマイクロ濾過へ供すること;
b.ステップa)の産物を透析濾過へ供すること;
c.ステップb)の産物を可溶化し、これに続き遠心分離すること;
d.ステップc)の産物をデプス濾過ステップへ供すること;
e.ステップd)から濾過された上清が、陽イオン交換クロマトグラフィー精製ステップへ供されること;
f.ステップe)の産物を逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)へ供すること;および
g.精製されたリラグルチド前駆体を単離すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
マイクロ濾過が、pH 3.0~6.0にて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
透析濾過が、pH 3.0~6.0にて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
可溶化が、尿素の添加によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
移動相勾配が、3.0~5.0のpH範囲にある緩衝剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
緩衝剤が、グリシン-HCL緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤、クエン酸塩-リン酸塩緩衝剤、コハク酸塩緩衝剤、マレイン酸塩緩衝剤から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
粗製の組換えリラグルチド前駆体を精製するための方法であって、方法が、以下:
a.その発酵ブロスをpH 3.0~6.0にてマイクロ濾過へ供すること;
b.ステップa)の産物をpH 3.0~6.0にて透析濾過へ供すること;
c.ステップb)の産物を、尿素を使用して可溶化し、これに続き遠心分離すること;
d.ステップc)の産物をデプス濾過ステップへ供すること;
e.ステップd)から濾過された上清が、陽イオン交換クロマトグラフィー精製ステップへ供されること;
f.ステップe)の産物を逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)へ供すること;および
g.精製されたリラグルチド前駆体を単離すること
を含み、ここで移動相勾配が、3.0~5.0のpH範囲にある緩衝剤である、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:
本出願は、2021年8月10日に出願された我々のインド特許出願IN 202141036153(これは参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、粗製のGLP-1類似体、とりわけ式-Iによって表されるリラグルチドの前駆体を精製するための方法に関する。
【化1】
式-I
【背景技術】
【0003】
本開示の背景および先行技術
リラグルチド(VICTOZA(登録商標))は、2型糖尿病の成人において血糖コントロールを改善するために食事療法(diet)および運動の補助として指示されるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストである。
リラグルチドは、天然に存在するヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7~37))の長時間作用型の類似体であって、前記類似体においてリシンが位置34にてアルギニンに置き換えられており、かつパルミトイル基がグルタモイルスペーサーを介してリシンへ位置26にて付着されている。
【0004】
Novo Nordiskによって開発されたリラグルチド(VICTOZA(登録商標))は、皮下注射液として2010年に合衆国おいて最初に承認された。
リラグルチドは、パルミトイル基に起因するその長いペプチド鎖および高い疎水性に起因して、精製するのが高度に困難である。
リラグルチドを包含するGLP-1類似体の精製に対する数種の試みが過去に報告されている。
【0005】
Journal of Medicinal Chemistry 43,1664-1669,2000は、シアノプロピルカラム(Zorbax 300SB-CN)および標準的なアセトニトリル/TFA系を使用する逆相-高速液体クロマトグラフィー(RP HPLC)によるリラグルチドの精製プロセスを開示する。
上に開示されるとおりの方法は、35%という低減した精製収率をもたらす。
【0006】
WO2013117135は、イソプロピルアルコール/TFA系を使用するRP HPLCによるリラグルチドの精製プロセスを開示する。
開示されるとおりの方法は、面倒なプロセスの3つのRP HPLC操作を伴う複数の精製ステップを伴う。
【0007】
GLP-1ペプチドは、合成アプローチまたは組換えアプローチのいずれかによって産生され、しばしばRP-HPLC上で分離するのが困難な、密接に関係する不純物を有する。これらの不純物は、異性体の不純物、または親分子のような同様の特徴を有する欠失/付加に基づく不純物のいずれかである。これらの密接に関係する不純物は、精製に課題を突き付ける。
RP-HPLCの使用によって、pKa値に大きなばらつきのある構成要素を有する複雑な混合物の分離および同定が限定的であることは周知である。よって、密接して溶離する不純物の分解は終始、クロマトグラフ精製の難易度が高い。
【0008】
また、リラグルチド前駆体が組換えアプローチによって産生されたときも、精製の課題は、前駆体からの細胞および発酵培地の構成要素の分離、宿主細胞のタンパク質および宿主細胞のDNAおよび関係する不純物、ヘキソース単位が付加された不純物および欠失不純物の除去を伴う。
上の該不純物の分解には、所望される純度を達成するための様々なステップを含む精製プロセスを必要としたことが、本発明において観察された。
【発明の概要】
【0009】
本発明の概要
本出願の側面は、リラグルチド前駆体の精製のためのプロセスを提供する。
本発明の一側面は、粗製の組換えリラグルチド前駆体を精製するための方法を開示し、その方法は以下を含む:
a.その発酵ブロスをマイクロ濾過へ供すること;
b.ステップa)の産物を透析濾過へ供すること;
c.ステップb)の産物を可溶化し、これに続き遠心分離すること;
d.ステップc)の産物をデプス濾過(depth filtration)ステップへ供すること;
d.ステップc)の産物をデプス濾過ステップへ供すること;
e.ステップd)から濾過された上清が、陽イオン交換クロマトグラフィー精製ステップへ供されること;
f.ステップe)の産物を逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)へ供すること;および
g.精製されたリラグルチド前駆体を単離すること。
【0010】
本発明の別の側面は、マイクロ濾過がpH 3.0~6.0にて実施される、リラグルチド前駆体を精製するための方法を開示する。
本発明の別の側面は、透析濾過がpH 3.0~6.0にて実施される、リラグルチド前駆体を精製するための方法を開示する。
【0011】
本発明の別の側面は、可溶化が尿素の添加によって実施される、リラグルチド前駆体を精製するための方法を開示する。
本発明の別の側面は、移動相勾配が3.0~5.0のpH範囲にある緩衝剤である、リラグルチド前駆体を精製するための方法を開示する。
【0012】
本発明の別の側面は、緩衝剤が、グリシン-HCL緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤、クエン酸塩-リン酸塩緩衝剤、コハク酸塩緩衝剤、マレイン酸塩緩衝剤から選択される、リラグルチド前駆体を精製するための方法を開示する。
【0013】
本発明の別の側面は、粗製の組換えリラグルチド前駆体を精製するための方法を開示するが、その方法は以下を含む:
a.その発酵ブロスをpH 3.0~6.0にてマイクロ濾過へ供すること;
b.ステップa)の産物をpH 3.0~6.0にて透析濾過へ供すること;
c.ステップb)の産物を、尿素を使用して可溶化し、これに続き遠心分離すること;
d.ステップc)の産物をデプス濾過ステップへ供すること;
e.ステップd)から濾過された上清が、陽イオン交換クロマトグラフィー精製ステップへ供されること;
f.ステップe)の産物を逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)へ供すること;および
g.精製されたリラグルチド前駆体を単離すること。
ここで移動相勾配は、3.0~5.0のpH範囲にある緩衝剤である。
【0014】
本発明の利点:
1.リラグルチド前駆体は細胞外に発現されるが、そこにはリシス(lysis)が伴わない。
2.ブロスの当初体積は、マイクロ濾過/透析濾過操作の利用のおかげで大幅に(3.5~4倍)低減される。
3.捕捉(capture)クロマトグラフィー、つまり陽イオン交換クロマトグラフィーステップにおいて溶媒は何ら使用されず、よってプロセスは経済的である。
4.精製された前駆体は>98%の純度を有し、これをアシル化用に取り上げる。
5.前駆体精製までのプロセスの全収率は有意に高く、経済的に実行可能、つまり45%である。アシル化リラグルチド精製の収量もまた高く、>60%であり、純度が>99.5%である。
本明細書に開示のプロセスの各ステップは、記載される多重ステップの順番という文脈においても、個々においても企図される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図の簡単な記載
本開示が容易に理解され得、かつ実用化され(put into practical effect)得るために、添付の図を参照して説明されるとおりの例示の態様が直ちに参照されるであろう。図は下の詳細な記載と一緒に、本明細書の一部に組み込まれこれを形成するものであって、それら態様をさらに説明し、かつ本開示に従って様々な原理および利点を明らかにするために役立つが、ここで:
【0016】
図1】図-1: 例1に従って調製された陽イオン交換クロマトグラフステップの分取プロファイルを説明するものである。
図2】図-2: 例2に従って調製された、RP-HPLC Iステップの分取プロファイルを説明するものである。
図3】図-3: 例2に従って精製された前駆体までの異なる単位操作にわたる比較純度プロファイルを与えるSDS-PAGE画像を説明するものである。
【0017】
図4】図-4: 例4に従って調製された、RP-HPLC IIステップの分取プロファイルを説明するものである。
図5】図-5: 例5に従って調製された、RP-HPLC IIIステップの分取プロファイルを説明するものである。
図6】図-6: 例6に従って最終的に精製された原体(銀染色)のSDS-PAGE画像を説明するものである。
図7】図-7: 例6に従うCEXペレット vs RPペレットの全イオンクロマトグラム(TIC)のオーバーレイプロファイルを説明するものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の詳細な記載
本発明の態様はさらに、特定の例を使用して下文に記載される。例は、本発明のある態様のより良好な理解のために提供されるが、形はどうあれその範囲を限定するために提供されるものではない。実行可能な修飾および等価物は、本記載の教示を使用する当業者にとっては明白であり、本発明の分野における一般的な技術もまた本明細書の一部を形成するものであって、その範囲内に包含されることが意図される。
【0019】
例:
例1:
0.4g/Lの力価を有する530kgの発酵ブロスを、MFおよびDFへ、これに続き尿素可溶化および遠心分離へ供した。遠心分離の終了時に決定された前駆体のHPLC純度は8%であった。次いでこれを、予め平衡化された陽イオン交換(CEX)カラム上にロードし、洗浄およびpHベースの溶離をそれに続けた。CEX画分のプール純度は70~75%であることが見出された。CEX画分のpHを3.5~5.5へ調整することで、CEXペレットが生産された。検出波長を280nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは図1に示されるとおりである。
【0020】
例2:
次いで、例1から得られたCEXペレットをRP-HPLC-I上、2.4L C8カラムを使用して精製した。結合した前駆体を、移動相(A: 酢酸塩緩衝剤; B: ACN)のステップ勾配を使用して溶離した。検出波長を280nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは図2に示されるとおりである。純度>97%を有する画分を真空下で濃縮し、等電点沈殿をこれに続けた。懸濁液を遠心分離することで、精製された前駆体の沈殿物が生産された。沈殿物を水で洗浄して遠心分離し-20℃にて保管したが、>98%のHPLC純度を有していた。図3に示されるSDS-PAGE画像は、精製された前駆体までの異なる単位操作にわたる比較純度プロファイルを与える。
【0021】
【表1】
【0022】
例3:
例2から得られた98.3%の純度を有する59gの精製された前駆体を、アシル化ステップへ供した。アシル化収率は>70%であり、得られた粗製リラグルチドは>65%のアッセイを有し、77%のHPLC純度であった。
【0023】
例4:
アシル化粗製物を、2.0~4.0のpHを有する平衡化緩衝剤に溶解し、2.4L 予め平衡化されたC8カラム上にロードした。結合した産物を、勾配(A: 平衡化緩衝剤; B: ACN:IPA)を使用して溶離し、HPLC純度および産物含量について分析した。画分のpHを、リン酸塩緩衝剤を使用して希釈し、2~8℃にて保管した。最終的に画分をプールしたが、プール純度は≧99%を達成し、ステップ収率は75~80%であった。検出波長を215nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは図4に示されるとおりである。
【0024】
例5:
RP-HPLC-II溶離プールを逆相高圧クロマトグラフィー(RP-HPLC-III)によってさらに精製した。RP-2プールのpHを6.5~8.0へ調整して希釈し、予め平衡化された2.4L、C8カラム上へロードした。結合した産物を、勾配(A: 平衡化緩衝剤; B: ACN)を使用して溶離し、HPLC純度および産物含量について分析した。検出波長を215nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは図5に示されるとおりである。
【0025】
画分のpHを、クエン酸塩緩衝剤を使用して希釈し、2~8℃にて保管した。最終的に画分をプールしたが、プール純度は≧99.5%を達成し、ステップ収率は>90%であった。プールを遠心分離してペレットを分離し、水洗浄をこれに続け、精製されたペレットが単離された。単離されたペレットを凍結乾燥することで、精製されたリラグルチドが生産された。
【表2】
【0026】
例6:
0.4g/Lの力価を有する12170kgの発酵ブロスを、マイクロ濾過(MF)および透析濾過(DF)へ、これに続き尿素可溶化および遠心分離へ供した。遠心分離の終了時に決定された前駆体のHPLC純度は8%であった。次いでこれを、予め平衡化された陽イオン交換カラム上にロードし、洗浄およびpHベースの溶離をそれに続けた。CEX画分のプール純度は68~73%であることが見出された。CEX画分のpHを3.5~5.5へ調整することでCEXペレットが生産されたが、これは78~80%の純度を有していた。検出波長を280nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは、図1に示されるのと同様であった。次いでCEXペレットをRP-HPLC-I上、18L C8カラムを使用して精製した。結合した前駆体を、移動相(A: 酢酸塩緩衝剤; B: ACN)のステップ勾配を使用して溶離した。検出波長を280nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは、図2に示されるのと同様であった。純度>93%を有する画分を真空下で濃縮し、等電点沈殿をこれに続けた。懸濁液を遠心分離することで、精製された前駆体の沈殿物が生産された。沈殿物を水で洗浄して遠心分離し-20℃にて保管したが、>98%のHPLC純度を有していた。CEXペレットおよびRPペレットを、不純物の正体(identity)を理解するために高分解能質量分析(HR-MS)によって分析した。CEXペレット vs RPペレットの全イオンクロマトグラム(TIC)のオーバーレイプロファイルは、図7に示されるとおりである。CEXペレットのHR-MSプロファイルに基づき、ヘキソース単位(モノ-ヘキソース、ジヘキソース、トリヘキソース、テトラヘキソース)の添加を0.90RRT(TICで12.50分)にて、いくつかの欠失不純物を1.03~1.16RRT(TICで14.2分~16分)にて、および高分子量タンパク質(HMWP)不純物を1.24~1.39RRT(TICで17~19.2分)にてした。これらの不純物のほとんどはRP-HPLC Iステップにおいて分解され、少ないレベルの欠失不純物のみがRP-HPLCペレットに存在するが、これは>98%純粋であった。
【0027】
例7:
例6から得られたRP-1ペレットをアシル化ステップへ供した。アシル化収率は60%であり、得られた粗製リラグルチドは70%のアッセイを有し、>80%のHPLC純度であった。次いでこのアシル化粗製物を18L C8カラム上で精製した。アシル化粗製物を2.0~4.0のpHを有する平衡化緩衝剤に溶解し、予め平衡化されたC8カラム上にロードした。結合した産物を、勾配(A: 平衡化緩衝剤; B: ACN:IPA)を使用して溶離し、HPLC純度および産物含量について分析した。画分のpHを、リン酸塩緩衝剤を使用して希釈し、2~8℃にて保管した。最終的に画分をプールしたが、プール純度は≧99%を達成し、ステップ収率は80~85%であった。検出波長を215nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは、図4に示されるのと同様であった。
【0028】
例8:
例7からの溶離プールのpHを6.5~8.0へ調整して希釈し、予め平衡化された18L、C8カラム上へロードした。結合した産物を、勾配(A: 平衡化緩衝剤; B: ACN)を使用して溶離し、HPLC純度および産物含量について分析した。検出波長を215nmにて保った。クロマトグラフの温度を25℃にて保った。分取クロマトグラムは、図5に示されるのと同様であった。画分のpHを、クエン酸塩緩衝剤を使用して希釈し、2~8℃にて保管した。最終的に画分をプールしたが、プール純度は≧99.5%を達成し、ステップ収率は93%であった。プールを遠心分離してペレットを分離し、水洗浄をこれに続け、精製されたペレットが単離された。単離されたペレットを凍結乾燥することで、精製されたリラグルチドが生産された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】