(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】湾曲および平坦基板上のアンテナアレイ
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/08 20060101AFI20240725BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20240725BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20240725BHJP
H01Q 23/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01Q21/08
H01Q3/26 Z
H01Q13/08
H01Q23/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508810
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022040044
(87)【国際公開番号】W WO2023018860
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524055953
【氏名又は名称】キョーセラ・エーブイエックス・コンポーネンツ・(サン・ディエゴ)・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・パジョナ
(72)【発明者】
【氏名】ウサマ・ヒウアス
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・キャネヴァ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA04
5J021AA07
5J021AB06
5J021DB02
5J021DB03
5J021DB06
5J021HA05
5J045DA10
5J045HA04
(57)【要約】
本開示の一実施形態例に係るアンテナシステムは、複数のアンテナ素子を有することができるアンテナアレイを含むことができる第1の基板を含むことができる。アンテナシステムは、第1の基板から離間させることができ、かつアンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能とすることができる無線周波数回路を含むことができる、第2の基板をさらに含むことができる。第1の基板は、複数のアンテナ素子の少なくとも1つを第1の基板の曲面に配置できるように第2の基板に対して湾曲構成を有することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを備える第1の基板と、
前記第1の基板から離間され、かつ前記アンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能な無線周波数回路を備える第2の基板とを備え、
前記第1の基板が、前記複数のアンテナ素子の少なくとも1つが前記第1の基板の曲面に配置されるように前記第2の基板に対して湾曲構成を備える、
アンテナシステム。
【請求項2】
前記湾曲構成が、1つもしくは複数の凸曲線構成または1つもしくは複数の凹曲線構成の少なくとも1つを備える、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記第1の基板が端部分および中央部分を備え、かつ前記端部分と前記第2の基板の表面との間の第1の距離が前記中央部分と前記第2の基板の前記表面との間の第2の距離未満である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記複数のアンテナ素子がレーザダイレクトストラクチャリングで画成のアンテナ素子である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
1つまたは複数の制御装置をさらに備え、前記1つまたは複数の制御装置が、
前記アンテナアレイの放射パターンの主ローブが第1の方向から第2の方向に向けて調節されるように前記放射パターンを調節するためにビームフォーミング動作を実装するように動作可能であり、
前記主ローブが前記第1の方向における第1の利得および前記第2の方向における第2の利得と関連付けられ、かつ前記第2の利得が前記第1の利得にほぼ等しい、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記第1の方向が前記第2の基板上の中央点から略垂直方向にあり、前記第2の方向が前記第2の基板上の前記中央点から約45度の方向にある、請求項5に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記無線周波数回路が、
前記第2の基板の第1の側に配置される無線周波数給電回路と、
前記第2の基板の第2の側に配置され、前記第2の側が前記第1の側の反対である、接地面とを備え、
前記接地面が1つまたは複数のスロットを備え、かつ前記無線周波数給電回路が、前記1つまたは複数のスロットを介して前記複数のアンテナ素子の1つまたは複数に前記無線周波数信号を結合するように動作可能である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第1のスロットが第1の方向に延び、前記1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第2のスロットが第2の方向に延び、かつ前記第1の方向が前記第2の方向に略垂直である、請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記複数のアンテナ素子が複数のパッチアンテナの複数の放射素子である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記複数のアンテナ素子の1つまたは複数が、セルラ通信プロトコルを介して、1つもしくは複数の信号を通信するようにまたは前記1つもしくは複数の信号の通信をサポートするように動作可能である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
第1の基板に、複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを形成するステップと、
第2の基板に、前記アンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能な無線周波数回路を形成するステップとを含み、
前記第1の基板が前記第2の基板から離間され、かつ前記複数のアンテナ素子の少なくとも1つが前記第1の基板の曲面に形成されるように前記第2の基板に対して湾曲構成を備える、
アンテナシステムを製造する方法。
【請求項12】
前記第1の基板に、前記アンテナ素子を有する前記アンテナアレイを形成する前記ステップが、
前記第1の基板に、レーザダイレクトストラクチャリングプロセスを使用して前記アンテナ素子を形成するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の基板に、前記アンテナアレイを介して通信するために前記無線周波数信号を伝達するように動作可能な前記無線周波数回路を形成する前記ステップが、
前記第2の基板の第1の側に無線周波数給電回路を形成するステップと、
前記第2の基板の第2の側に1つまたは複数のスロットを備える接地面を形成するステップであって、前記第2の側が前記第1の側の反対である、ステップとを含み、
前記無線周波数給電回路が、それが前記1つまたは複数のスロットを介して前記複数のアンテナ素子の1つまたは複数に前記無線周波数信号を結合するように動作可能であるように、前記第2の基板の前記第1の側に形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第1のスロットが第1の方向に延び、前記1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第2のスロットが第2の方向に延びるように前記第2の基板の前記第2の側に前記1つまたは複数のスロットを備える前記接地面を形成するステップであって、前記第1の方向が前記第2の方向に略垂直である、ステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記湾曲構成が、1つもしくは複数の凸曲線構成または1つもしくは複数の凹曲線構成の少なくとも1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
1つまたは複数のプロセッサによって、アンテナアレイを使用して無線周波数信号を通信するステップであって、前記アンテナアレイが、第1の基板から離間される第2の基板に対して湾曲構成を有する前記第1の基板に配置される複数のアンテナ素子を備え、前記第2の基板が、前記アンテナアレイを介して通信するために前記無線周波数信号を伝達するように動作可能な無線周波数回路を備える、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記アンテナアレイと関連した放射パターンの主ローブを第1の方向から第2の方向に向けて調節するステップとを含み、
前記複数のアンテナ素子の少なくとも1つが前記第1の基板の曲面に配置される、
アンテナシステムを構成する方法。
【請求項17】
前記主ローブが前記第1の方向における第1の利得および前記第2の方向における第2の利得と関連付けられ、かつ前記第2の利得が前記第1の利得にほぼ等しい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の方向が前記第2の基板上の中央点から略垂直方向にあり、前記第2の方向が前記第2の基板上の前記中央点から約45度の方向にある、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記放射パターンの前記主ローブを前記第1の方向から前記第2の方向に向けて調節する前記ステップが、
前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記複数のアンテナ素子の1つまたは複数への前記無線周波数信号の電力または位相の少なくとも一方を調節するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記アンテナアレイを介して、かつ約24ギガヘルツから約86ギガヘルツの周波数帯範囲での多入力多出力モードまたはダイバーシチモードの少なくとも一方でセルラ通信プロトコルを介して、1つもしくは複数の信号を通信するために、または前記1つもしくは複数の信号の通信をサポートするために前記無線周波数信号に少なくとも部分的に基づいて前記複数のアンテナ素子の1つまたは複数を動作させるステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、出願日が2021年8月13日の、米国仮特許出願第63/232,837号に基づき、その優先権を主張するものであり、同仮出願が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、セルラ通信システムに使用されるアンテナシステムなどの、ワイヤレス通信システムに使用されるアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
セルラネットワークを通じた通信を促進するために、パッチアレイアンテナシステムなどのアンテナシステムを様々な種類の電子デバイス(例えば、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、IoT(モノのインターネット)デバイス等)に結合できる。ブロードバンドセルラネットワークのための第4世代(4G)技術標準に従って動作するセルラネットワークが大量に使用されており、近時、大領域にわたって安定した信頼ネットワークで音声通信と共に中高データレート伝送を提供するように進化した。通信システムは、ブロードバンドセルラネットワークのための第5世代(5G)技術標準に移行している。
【0004】
5Gネットワークは、実質的により高いデータレートおよびより低い待ち時間を提供でき、音声、データ、およびIoT用途のために適用可能とすることができる。5G通信プロトコルは、例えば、多入力多出力(MIMO)通信および/またはより高い周波数帯(例えば、約24ギガヘルツ(GHz)から約86GHzの範囲における周波数帯)での通信を促進するように構成されるアンテナアレイを使用して実装できる。これらのアンテナアレイの各々は、複数のアンテナ素子(例えば、放射素子)を含むことができる。アンテナ素子は、MIMOモード(例えば、4×4MIMOモード)で信号(例えば、無線周波数(RF)信号)を通信するように通信および/またはアンテナシステムの1つまたは複数の制御装置によって個別におよび/または集合的に制御できる。これにより、ワイヤレス通信において、より高いデータレートおよびより低い待ち時間を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の態様および利点は、以下の説明に一部を述べることになる、または説明から知られ得る、または実施形態の実施を通じて知られ得る。
【0006】
本開示の一実施形態例に係るアンテナシステムは、複数のアンテナ素子を有することができるアンテナアレイを含むことができる第1の基板を含むことができる。アンテナシステムは、第1の基板から離間させることができ、かつアンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能とすることができる無線周波数回路を含むことができる、第2の基板をさらに含むことができる。第1の基板は、複数のアンテナ素子の少なくとも1つを第1の基板の曲面に配置できるように第2の基板に対して湾曲構成を有することができる。
【0007】
本開示の一実施形態例に係るアンテナシステムを製造する方法は、第1の基板に、複数のアンテナ素子を有することができるアンテナアレイを形成するステップを含むことができる。方法は、第2の基板に、アンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能とすることができる無線周波数回路を形成するステップをさらに含むことができる。第1の基板は、第2の基板から離間させることができ、かつ複数のアンテナ素子の少なくとも1つを第1の基板の曲面に形成できるように第2の基板に対して湾曲構成を有することができる。
【0008】
本開示の一実施形態例に係るアンテナシステムを構成する方法は、1つまたは複数のプロセッサによって、アンテナアレイを使用して無線周波数信号を通信するステップを含むことができる。アンテナアレイは、第1の基板から離間させることができる第2の基板に対して湾曲構成を有することができる第1の基板に配置される複数のアンテナ素子を含むことができる。第2の基板は、アンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能とすることができる無線周波数回路を含むことができる。方法は、1つまたは複数のプロセッサによって、アンテナアレイと関連した放射パターンの主ローブを第1の方向から第2の方向に向けて調節するステップをさらに含むことができる。複数のアンテナ素子の少なくとも1つは、第1の基板の曲面に配置できる。
【0009】
本開示の様々な実施形態のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照しつつ、より良好に理解されることになるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、その一部を構成しており、本開示の実施形態を例示し、説明と共に、本開示の関連原理を説明する役目をする。
【0010】
当業者を対象とする実施形態の詳細な説明を本明細書に述べつつ、添付の図への参照を行う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従ってアンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を促進できる非限定的なアンテナシステム例の斜視図である。
【
図2】
図1の非限定的なアンテナシステム例の横断側面図である。
【
図3】
図1の非限定的なアンテナシステム例の非限定的な基板例の上面図である。
【
図4】平坦な平行基板を有するアンテナシステムを実装することによって得ることができる放射パターン例の概要図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態例を実装することによって得ることができる非限定的な放射パターン例の概要図である。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム例の横断側面図である。
【
図7】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム例の横断側面図である。
【
図8】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム例の横断側面図である。
【
図9】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム例の横断側面図である。
【
図10】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム例の横断側面図である。
【
図11】本開示の1つまたは複数の実施形態例に従ってアンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を促進するために本開示の非限定的なアンテナシステム例の1つまたは複数と関連付けることができる非限定的な制御回路例のブロック図である。
【
図12】本開示の1つまたは複数の実施形態例を製作するために実装できる非限定的な方法例のフロー図である。
【
図13】本開示の1つまたは複数の実施形態例を動作させるために実装できる非限定的な方法例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および添付の図面における参照符号の反復使用は、本開示の同じまたは類似の特徴または要素を表すように意図される。
【0013】
ここで実施形態への参照を詳細に行うこととし、その1つまたは複数の例が図面に例示される。各例は、実施形態の説明として提供されており、本開示を限定するものではない。実際、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく実施形態に様々な修正および変形を行うことができることが当業者に明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示または記載される特徴が別の実施形態と使用されて、なおもさらなる実施形態をもたらすことができる。そのため、本開示の態様はそのような修正および変形を包含するように意図される。
【0014】
特記しない限り、本明細書で使用される場合、「ほぼ」、「実質的に」および/または「約」などの近似の用語は、明記される値から10パーセント(%)の誤差の範囲内にあることを指す。本明細書で言及される場合、用語「略垂直」は、垂直から約10度(°)以内にあることを指す。本明細書で言及される場合、用語「または」および「および/または」は、一般に包括的であるように意図される(すなわち(換言すれば)、「AまたはB」または「Aおよび/またはB」は、各々「AまたはBまたは両方」を意味するように意図される)。本明細書で言及される場合、用語「第1」、「第2」、「第3」等は、1つのコンポーネントを別の1つから区別するために相互交換可能に使用でき、個々のコンポーネントの位置または重要性を示すようには意図されない。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「結合する(couple)」、「結合する(couples)」、「結合される(coupled)」および/または「結合している(coupling)」は、化学結合(例えば、化学接合)、通信結合、電気および/もしくは電磁結合(例えば、容量結合、誘導結合、直接および/もしくは接続結合等)、機械結合、動作結合、光学結合、ならびに/または物理結合を指す。本明細書で言及される場合、用語「エンティティ」は、人間、ユーザ、エンドユーザ、消費者、コンピューティングデバイスおよび/もしくはプログラム(例えば、プロセッサ、コンピューティングハードウェアおよび/もしくはソフトウェア、アプリケーション等)、エージェント、機械学習(ML)および/もしくは人工知能(AI)アルゴリズム、モデル、システムおよび/もしくはアプリケーション、ならびに/または本明細書に記載され、添付の図面に例示され、かつ/もしくは添付の特許請求の範囲に含まれるように本開示の1つもしくは複数の実施形態を実装できる別の種類のエンティティを指す。
【0016】
本開示の態様例は、アンテナシステムを対象とする。5Gネットワークに使用できかつ/または5G通信プロトコルを実装できる、パッチアレイアンテナシステムなどの既存のアンテナアレイシステムは、一般に、第1の平坦基板に配置されるアンテナ素子のアンテナアレイ(例えば、放射素子のパッチアンテナアレイ)、および第1の平坦基板に結合される第2の平坦基板に配置されるRF回路を含む。RF回路は、アンテナ素子を介して通信するRF信号を伝達するように動作可能である。そのようなパッチアレイアンテナシステムはまた、一般に、アンテナアレイと関連した放射パターンの主ローブがある方向から別の方向に向けて調節されるように放射パターンを調節するためにアンテナ素子の一部または全てを使用してビームフォーミング動作を実装するように動作可能とすることができる1つまたは複数の制御装置を含み、かつ/またはそれらに結合される。ビームフォーミングは、特定の方向(例えば、基地局の方向)に信号強度を増加させて通信リンクを強化する異なるアンテナビームの組合せを指す。
【0017】
そのような既存のパッチアレイアンテナシステムに関する問題は、そのようなビームフォーミング動作の間、1つまたは複数の方向に略等しい利得値を維持することが困難であることである。例えば、上記したように平坦基板に配置されるアンテナ素子(例えば、放射素子を有するパッチアンテナアレイ)を有する既存のパッチアレイアンテナシステムを使用してビームフォーミング動作を行うとき、主ローブを方位方向に操縦しつつ、入力電力を変更することなく、Y方向に(例えば、Y軸に沿って)略等しい利得値を維持することは困難である。すなわち、例えば、アンテナ素子が配置されるそのような平坦基板には、全ての方向に略等しい利得を提供するための隣接アンテナ素子と関連した低利得値の補償の余地がない。
【0018】
本開示の様々な実施形態例によれば、パッチアレイアンテナシステムなどのアンテナシステムは、複数のパッチアンテナを有するパッチアンテナアレイを含むことができる第1の基板を含むことができる。これらの実施形態において、アンテナシステムは、第1の基板から離間され、かつパッチアンテナアレイを介して通信するRF信号を伝達するように動作可能なRF回路を有する第2の基板をさらに含むことができる。そのような実施形態において、第1の基板は、複数のアンテナ素子の少なくとも1つが第1の基板の曲面に配置される(例えば、湾曲構成を有する第1の基板の一区間の曲面に配置される)ように第2の基板に対して湾曲構成を有することができる。
【0019】
例えば、本開示の1つの実施形態例によれば、第1の基板の湾曲構成は、第2の基板に対して凸構成として形成でき、第2の基板は、略平坦構成を有することができる。この実施形態例において、第1の基板は、端部分および中央部分を有することができ、端部分と第2の基板の表面との間の第1の距離が中央部分と第2の基板の表面との間の第2の距離未満である。他の実施形態例において、第1の基板は、湾曲構成が1つもしくは複数の凸曲線構成および/または1つもしくは複数の凹曲線構成を含むことができるように形成できる。本開示の一部の実施形態例において、複数のパッチアンテナの1つまたは複数を、第1の基板の曲面上の(例えば、湾曲構成を有する第1の基板の一区間の曲面上の)そのようなパッチアンテナの少なくとも1つの形成を提供するためのレーザダイレクトストラクチャリング(LDS)プロセスを使用して第1の基板に形成できる。
【0020】
一部の実施形態において、本開示の実施形態例に係るパッチアレイアンテナシステムは、アンテナアレイの放射パターンの主ローブが第1の方向から第2の方向に向けて調節されるように放射パターンを調節するためにパッチアンテナの一部または全てを使用してビームフォーミング動作を実装するように動作可能とすることができる1つまたは複数の制御装置を含むことおよび/またはそれらに結合することができる。本明細書で言及される場合、「主ローブ」は、最高利得と関連した放射パターンのローブを指す。例えば、上述の実施形態において、主ローブは、第1の方向における第1の利得および第2の方向における第2の利得と関連付けることができ、第2の利得は、第1の利得にほぼ等しくなる(例えば、第1の利得から約20%以内にある)ことができる。これらの実施形態において、第1の方向は、第2の基板上の中央点から略垂直方向にあってもよく、第2の方向は、第2の基板上の中央点から約45度(°)の方向にあってもよい。
【0021】
上記のビームフォーミング動作を促進するために、本開示の様々な実施形態例に係るパッチアレイアンテナシステムは、第2の基板の第1の側に配置されるRF給電回路、および第2の基板の第2の側に配置される接地面をさらに含むことができ、第2の側は、第1の側の反対とすることができる。これらの実施形態において、接地面は、1つまたは複数のスロットを有することができ、RF給電回路は、1つまたは複数のスロットを介して複数のパッチアンテナの1つまたは複数にRF信号を結合するように動作可能とすることができる。一実施形態例において、1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第1のスロットが第1の方向に延びることができ、1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第2のスロットが第2の方向に延びることができ、第1の方向は、第2の方向に略垂直である。この例では、RF給電回路は、RF信号を1つまたは複数のスロットに結合でき、これがRF信号を伝搬させてパッチアンテナの1つまたは複数を励振でき、これが次いでRF信号を通信できる。一部の実施形態において、パッチアンテナの1つまたは複数を、パッチアンテナアレイを介して、かつ約24GHzから約86GHzの周波数帯範囲でのMIMOモードおよび/またはダイバーシチモードでセルラ通信プロトコル(例えば、5Gプロトコル)を介して、1つもしくは複数のRF信号を通信するためにおよび/または1つもしくは複数のRF信号の通信をサポートするために使用できる。
【0022】
本開示の態様は、多数の技術的効果および利点を提供する。例えば、本開示の実施形態例に係るアンテナシステムは、アンテナアレイ(例えば、パッチアンテナアレイ)がいかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できるようにアンテナアレイ(例えば、アンテナアレイの表面)に対して1つまたは複数の方向にアンテナアレイの利得を増加させるために使用できる。一部の実施形態において、アンテナシステムは、セルラネットワークの1つまたは複数のコンポーネントに実装されて、ビームフォーミング動作の間アンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できる。例えば、1つの実施形態例において、アンテナシステムは、5G基地局などの、5Gネットワークの1つまたは複数のコンポーネントに実装されて、ビームフォーミング動作の間アンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できる。この例では、そのような5Gネットワークにおけるアンテナシステムの実装は、RF信号の信号強度および/または速度を増加させて、5Gネットワークにわたる、より高いデータレートおよび/またはより低い待ち時間を提供できる。この例では、そのような5Gネットワークにわたる増加されたデータレートおよび/またはより低い待ち時間は、5Gネットワークの1つまたは複数の通信および/またはコンピューティングコンポーネント(例えば、モバイルデバイス、プロセッサ、サーバ、メモリデバイス等)と関連した改善された性能および/またはより低い運用コストを促進できる。
【0023】
追加または代替の実施形態例において、複数のアンテナ素子(例えば、放射素子)の1つまたは複数をLDSプロセスを使用して上記の第1の基板に形成できるので、本開示の様々な実施形態例に係るアンテナシステムは、ビームフォーミング動作の間アンテナアレイから突出するいかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できるアンテナシステムの簡略化された作製プロセスをさらに備えることができる。これらの実施形態において、そのような簡略化された作製プロセスは、セルラネットワーク(例えば、5Gネットワーク)にかつ/またはセルラプロトコル(例えば、5Gプロトコル)に従ってアンテナシステムを製造および/または実装することと関連したコストを削減できる。
【0024】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従ってアンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を促進できるアンテナシステム100の非限定的な実施形態例の斜視図を例示する。
図1に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナシステム100は、第1の基板102の表面106(例えば、上面)に配置できるアンテナアレイ104を有することができる第1の基板102を含むことができる。この実施形態例において、アンテナアレイ104は、複数のアンテナ素子104a、104b、104c、104N(「104N」はアンテナ素子の総量を指す)を含むことができる。この実施形態例において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nは、表面108a、108b、108c、108N(「108N」は表面の総量を指す)をそれぞれ有することができる。一部の実施形態において、第1の基板102は、例えば絶縁基板を使用して形成できる。例えば、一部の実施形態において、第1の基板102は、難燃4(FR-4)材料などのガラス強化エポキシ積層材料を使用して形成できる。
【0025】
単一のアンテナアレイ104が第1の基板102の表面106に配置されるものとして、かつ4つのアンテナ素子104a、104b、104c、104Nを有するものとして
図1に描かれるが、本開示はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、本開示の範囲から逸脱することなく、1つまたは複数の追加のアンテナアレイ104を第1の基板102の表面106に配置でき、そのような1つまたは複数の追加のアンテナアレイ104が、より多くのまたはより少ないアンテナ素子104a、104b、104c、104Nを各々有することができることを理解するであろう。
【0026】
図1に描かれる実施形態例において、アンテナシステム100は、第1の基板102から離間させることができる第2の基板110をさらに含むことができる。この実施形態例において、第2の基板110は、第1の基板102に結合(例えば、通信的に結合、電気的に結合、電磁的に結合、動作的に結合等)できる。
図1に例示されないが、一部の実施形態において、第2の基板110は、アンテナアレイ104を介して通信するRF信号を伝達するように動作可能とすることができるRF回路を含むことができる。例えば、下記されかつ
図3に例示されるように、一部の実施形態において、第2の基板110は、それに形成されるRF給電回路(図に例示せず)および/または接地面を含むことができ、接地面は、1つまたは複数のスロットを有することができ、RF給電回路は、1つまたは複数のスロットを介してアンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にRF信号を結合するように動作可能とすることができる。この例では、そのようなアンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数へのRF信号の結合に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイ104および/またはアンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つもしくは複数はRF信号を通信できる。一部の実施形態において、第2の基板110は、例えば絶縁基板を使用して形成できる。例えば、一部の実施形態において、第2の基板110は、FR-4材料などのガラス強化エポキシ積層材料を使用して形成できる。
【0027】
本開示の様々な実施形態例によれば、第1の基板102は、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板102の曲面(例えば、第1の基板102の少なくとも1つの区画の曲面)に配置されるように第2の基板110に対して湾曲構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる。一部の実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つを、表面108a、108b、108cおよび/または108Nの少なくとも1つの対応する表面が第1の基板102のそのような曲面のものと同じ湾曲構成を有するように第1の基板102の曲面に形成および/または一体化できる。例えば、
図1に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数(例えば、全て)を第1の基板102の表面106に形成でき、表面106は、第2の基板110に対して凸曲面とすることができる。この実施形態例において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数(例えば、全て)が表面106のものと同じ凸湾曲構成を有することができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面106のものと同じ湾曲構成(例えば、凸、凹等)を有し、かつ表面106とほぼ同一平面上とすることができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数が表面106のものと同じ湾曲構成(例えば、凸、凹等)を有することができ、かつ表面106に隣接した平面(例えば、表面106に隣接した平行またはほぼ平行な平面)に配置されるように第1の基板102に形成できる。
【0028】
第1の基板102が第2の基板110に対して単一凸曲線構成および表面(例えば、表面106)を有するものとして
図1に例示される実施形態例に描かれるが、本開示はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、一部の実施形態において、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の基板102が、第2の基板110に対して1つもしくは複数の凸曲線構成および/もしくは表面、1つもしくは複数の凹曲線構成および/もしくは表面、1つもしくは複数の両凹曲線構成および/もしくは表面、ならびに/または1つもしくは複数の凹凸曲線構成および/もしくは表面として形成することおよび/またはそれらを含むことができることを理解するであろう。
【0029】
一部の実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数(例えば、複数のアンテナ素子104a、104b、104c、104N)がレーザダイレクトストラクチャリング(LDS)で画成のアンテナ素子を構成することおよび/またはそれらとして提供することができる。これらの実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数(例えば、複数のアンテナ素子104a、104b、104c、104N)を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板102の曲面(例えば、表面106)に配置されるようにLDSプロセスを使用して第1の基板102に形成できる。
【0030】
一部の実施形態において、アンテナシステム100は、パッチアレイアンテナシステムとして提供でき、アンテナアレイ104は、パッチアンテナアレイとして提供できる。これらの実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nは、RF信号を通信(例えば、RF信号を送信および/または受信)するように動作可能とすることができるそのようなパッチアンテナアレイの放射素子として提供できる。
【0031】
図1に例示される実施形態例に描かれないが、一部の実施形態において、アンテナシステム100は、1つまたは複数のアンテナ素子104a、104b、104c、104Nを、1つもしくは複数の信号(例えば、1つもしくは複数のRF信号)を通信する、そのような1つもしくは複数の信号の通信をサポートする、および/またはビームフォーミング動作を行うように構成するように動作可能とすることができる1つまたは複数の制御装置を有する制御回路をさらに含むことおよび/またはそれに結合することができる。そのような1つまたは複数の制御装置を有するそのような制御回路の非限定的な実施形態例が制御回路1100として下記されかつ
図11に例示される。
【0032】
本開示の実施形態例において、制御回路1100および/またはその1つもしくは複数の制御装置は、ビームフォーミング動作を実装するために使用できる。例えば、これらの実施形態において、アンテナシステム100は、アンテナアレイ104の放射パターンの主ローブが第1の方向から第2の方向に向けて調節されるように放射パターンを調節するためにビームフォーミング動作を実装するように動作可能とすることができる制御回路1100(
図11)および/またはその1つもしくは複数の制御装置をさらに含むことおよび/またはそれらに結合することができる。これらの実施形態例において、主ローブは、第1の方向における第1の利得および第2の方向における第2の利得と関連付けることができ、第2の利得は、第1の利得にほぼ等しくてもよい(例えば、第1の利得の約20%以内にあってもよい)。これらの実施形態例において、第1の方向は、第2の基板110上の中央点から略垂直方向にあってもよく、第2の方向は、第2の基板110上の中央点から約45°の方向または別の方向にあってもよい。
【0033】
上述の実施形態例に記載されるそのようなビームフォーミング動作を実装するため、制御回路1100および/またはその1つもしくは複数の制御装置は、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数に通信できる1つまたは複数の信号(例えば、1つまたは複数のRF信号)の電力および/または位相を調節するために本開示の様々な実施形態に従って使用できる。一部の実施形態において、制御回路1100および/またはその1つもしくは複数の制御装置は、遅延線を使用して通信される信号に時間遅延を導入する遅延線を使用してそのような1つまたは複数の信号に位相シフトを実装するために使用できる。他の実施形態において、制御回路1100および/またはその1つもしくは複数の制御装置は、移相器を使用してそのような1つまたは複数の信号に位相シフトを実装するために使用できる。
【0034】
本開示の様々な実施形態例によれば、
図1に描かれるアンテナシステム100は、セルラネットワークの1つまたは複数のコンポーネントに実装されて、ビームフォーミング動作の間アンテナアレイ104に対していかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できる。例えば、1つの実施形態例において、アンテナシステム100は、5G基地局などの、5Gセルラ通信ネットワークの1つまたは複数のコンポーネントに実装されて、ビームフォーミング動作の間アンテナアレイ104に対していかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できる。例えば、アンテナシステム100は、そのような1つまたは複数のコンポーネントに実装されて、アンテナアレイ104ならびに/またはアンテナ素子104a、104b、104cおよび/もしくは104Nがビームフォーミング動作の間アンテナアレイ104に対していかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できるように表面106および/または表面108に対して1つまたは複数の方向にほぼ等しい利得を提供できる。
【0035】
一部の実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数(例えば、各々)が、5Gセルラ通信プロトコルなどのセルラ通信プロトコルを介して、1つもしくは複数の信号(例えば、1つもしくは複数のRF信号)を通信するようにおよび/または1つもしくは複数の信号の通信をサポートするように動作可能とすることができる。一部の実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数(例えば、各々)が、MIMOモード(例えば、4×4MIMOモード)またはダイバーシチモードでセルラ通信を介してそのような1つもしくは複数の信号を通信しかつ/またはそれらの通信をサポートするように動作可能とすることができる。一部の実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数(例えば、各々)が、約24GHzから約86GHzの周波数帯範囲でのMIMOモードまたはダイバーシチモードでセルラ通信を介してそのような1つもしくは複数の信号を通信しかつ/またはそれらの通信をサポートするように動作可能とすることができる。
【0036】
図1に例示されるアンテナシステム100の実施形態例が第2の基板110を第1の基板102に対して平坦構成を有するものとして描くが、本開示の実施形態例はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、本開示の実施形態例に係る第2の基板110は、湾曲構成を有することができる。例えば、そのような実施形態例において、第2の基板110は、本開示の範囲から逸脱することなく第1の基板102のものと同じまたは異なる湾曲構成を有することができる。
【0037】
図1に例示されるアンテナシステム100の実施形態例が第1の基板102を第2の基板110に対して湾曲構成を有するものとして描き、そのような湾曲構成を2次元(2D)空間に関して湾曲できるが、本開示の実施形態例はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、本開示の実施形態例に係る第1の基板102および/または第2の基板110は、そのような基板の一方または両方が本開示の範囲から逸脱することなく3次元(3D)空間における湾曲構成(例えば、3D構成)を有するように形成できる。例えば、1つの実施形態例において、第1の基板102および/または第2の基板110は、一方または両方の基板がドーム形構成を有するように形成できる。
【0038】
図2は、
図1の非限定的なアンテナシステム例100の横断側面図を例示する。
図2に例示されるように、本開示の1つの実施形態例において、第1の基板102は、端部分202および中央部分204を含むことができる。この実施形態例において、端部分202と第2の基板110の表面206との間の第1の距離d
1は中央部分204と第2の基板110の表面206との間の第2の距離d
2未満とすることができる。
【0039】
第1の基板102が第2の基板110に対して単一凸曲線構成を有するものとして
図1および
図2に例示される実施形態例に描かれるが、本開示はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、一部の実施形態において、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の基板102が、第2の基板110に対して1つもしくは複数の凸曲線構成および/または1つもしくは複数の凹曲線構成として形成することおよび/またはそれらを含むことができることを理解するであろう。例えば、本開示の一部の実施形態例において、第1の基板102は、下記されかつ
図6、
図7、
図8、
図9、および
図10に描かれる実施形態例に例示される様々な湾曲構成の1つまたは複数として形成することおよび/またはそれらを含むことができる。
【0040】
図2に例示されるアンテナシステム100の実施形態例が第2の基板110を第1の基板102に対して平坦構成を有するものとして描くが、本開示の実施形態例はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、本開示の実施形態例に係る第2の基板110は、湾曲構成を有することができる。例えば、そのような実施形態例において、第2の基板110は、本開示の範囲から逸脱することなく第1の基板102のものと同じまたは異なる湾曲構成を有することができる。
【0041】
図2に例示されるアンテナシステム100の実施形態例が第1の基板102を第2の基板110に対して湾曲構成を有するものとして描き、そのような湾曲構成を2D空間に関して湾曲できるが、本開示の実施形態例はそのように限定的なものではないことを理解されたい。例えば、本開示の実施形態例に係る第1の基板102および/または第2の基板110は、そのような基板の一方または両方が本開示の範囲から逸脱することなく3D空間における湾曲構成(例えば、3D構成)を有するように形成できる。例えば、1つの実施形態例において、第1の基板102および/または第2の基板110は、一方または両方の基板がドーム形構成を有するように形成できる。
【0042】
図3は、上記されかつ
図1に描かれる非限定的なアンテナシステム例100の第2の基板110の上面図を例示する。本開示の様々な実施形態例に従って、第2の基板110は、それに配置される無線周波数(RF)給電回路(
図3に例示せず)および/または接地面302を含むことができる。これらの実施形態例において、RF給電回路は、第2の基板110の第1の側(例えば、下側、
図3に例示せず)に配置でき、接地面302は、第2の基板110の第2の側(例えば、上側)に配置でき、第2の側は、第1の側の反対とすることができる。これらの実施形態例において、接地面302は、1つまたは複数のスロット304a、304bを含むことができ、RF給電回路は、1つまたは複数のスロット304a、304bを介してアンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にRF信号を結合するように動作可能(例えば、制御回路1100を介して)とすることができる。これらの実施形態例において、
図3に例示されるように、1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第1のスロット304aが第1の方向に(例えば、
図3を水平に横断して)延びることができ、1つまたは複数のスロットの少なくとも1つの第2のスロット304bが第2の方向に(例えば、
図3を垂直に横断して)延びることができ、第1の方向は、第2の方向に略垂直であってもよい。
【0043】
図4は、平坦な平行基板を有するアンテナシステムを実装することによって得ることができる放射パターン400の例の概要図を例示する。例えば、放射パターン400は、
図4に描かれるアンテナシステム402を使用してビームフォーミング動作を実装することによって得ることができる。
図4に描かれるアンテナシステム402は、第2の平坦基板406から離間されかつ/またはそれに結合される第1の平坦基板404を含む。第1の平坦基板404は、パッチアンテナアレイなど、複数のアンテナ素子(例えば、パッチアンテナアレイの放射素子、
図4に例示せず)を有する、アンテナアレイ(
図4に例示せず)を含む。第2の平坦基板406は、アンテナアレイを介して通信するRF信号を伝達するように動作可能なRF回路(
図4に例示せず)を含む。RF回路は、RF給電回路および1つまたは複数のスロットを有する接地面を含み、RF給電回路は、1つまたは複数のスロットを介して複数のアンテナ素子にRF信号を結合するように動作可能である。
【0044】
アンテナシステム402を使用してビームフォーミング動作を行うとき、放射パターン400の主ローブ408が、第1の方向D
1から第2の方向D
2に、および/または第3の方向D
3に向けて調節される。第1の方向D
1は、第2の平坦基板406上の中央点から略垂直方向にあってもよく、第2の方向D
2および/または第3の方向D
3は、第2の平坦基板406上の中央点から角度θによって定められる方向にあってもよく、そのような角度θは約45°または別の適切な角度であってもよい。放射パターン400において、主ローブ408は、第1の方向D
1における第1の利得408a、第2の方向D
2における第2の利得408bおよび/または第3の方向D
3における第3の利得408cと関連付けられる。
図4に放射パターン400によって例示されるように、第2の方向D
2における第2の利得408bおよび第3の方向D
3における第3の利得408cは、第1の方向D
1における第1の利得408aに対して実質的に小さい。そのような欠陥を克服するために、アンテナアレイに対していかなる方向にも改善された利得均等を提供する、1つまたは複数のアンテナシステムおよび/または方法が添付の図を参照しつつ本明細書に記載される。
【0045】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態例を実装することによって得ることができる非限定的な放射パターン500の例の概要図を例示する。例えば、放射パターン500は、アンテナシステム100などの、本明細書に記載される1つまたは複数のアンテナシステムを使用して、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従ってビームフォーミング動作を実装する(例えば、
図11を参照しつつ下記される制御回路1100を介して)ことによって得ることができる。
【0046】
例えば本明細書に記載される1つまたは複数の実施形態例に従ってアンテナシステム100を使用してビームフォーミング動作を行う(例えば、制御回路1100を介して)とき、放射パターン500の主ローブ502を、第1の方向D
1から第2の方向D
2に、および/または第3の方向D
3に向けて調節できる。
図5に描かれる実施形態例において、第1の方向D
1は、第2の基板110上の中央点から略垂直方向にあってもよく、第2の方向D
2および/または第3の方向D
3は、第2の基板110上の中央点から角度θによって定められる方向にあってもよく、そのような角度θは約45°であってもよい。
図5に描かれる実施形態例において、主ローブ502は、第1の方向D
1における第1の利得502a、第2の方向D
2における第2の利得502bおよび/または第3の方向D
3における第3の利得502cと関連付けることができる。
図5に描かれる実施形態例において放射パターン500によって例示されるように、第2の方向D
2における第2の利得502bおよび/または第3の方向D
3における第3の利得502cは、第1の方向D
1における第1の利得502aにほぼ等しくてもよい。例えば、
図5に描かれる実施形態例において放射パターン500によって例示されるように、第2の方向D
2における第2の利得502bおよび/または第3の方向D
3における第3の利得502cは、第1の方向D
1における第1の利得502aにほぼ等しく(例えば、第1の方向D
1における第1の利得502aの約20%以内にある)てもよい。
【0047】
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム600の例の横断側面図を例示する。本開示の1つの実施形態例によれば、アンテナシステム600は、上記されかつ
図1に例示されるアンテナシステム100の非限定的な代替の実施形態例を構成することおよび/またはそれとして提供することができる。
【0048】
図6に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナシステム600は、第2の基板110に対して単一凹曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる第1の基板602を含むことができる。この実施形態例において、第1の基板602は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ材料(例えば、FR-4)を使用して形成できる。この実施形態例において、第1の基板602は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ機能性を含むことおよび/または提供することができる。
【0049】
上記されかつ
図1に例示される実施形態例を参照しつつ、
図6に描かれる実施形態例において、アンテナアレイ104(
図6に例示せず)および/またはアンテナ素子104a、104b、104c、104N(
図6に例示せず)の1つもしくは複数を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板602の表面604の湾曲区間に配置されるように表面604(例えば、上面)に配置(例えば、形成および/または一体化)できる。この実施形態例において、表面604は、第2の基板110に対して、第1の基板602のものと同じ凹湾曲構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる。この実施形態例において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にそれぞれ対応する表面108a、108b、108c、108N(
図6に例示せず)の1つまたは複数が表面604のものと同じ湾曲構成を有することができる。例えば、一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面604のものと同じ湾曲構成を有し、かつ表面604とほぼ同一平面上とすることができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面604のものと同じ湾曲構成を有することができ、かつ表面604に隣接した平面(例えば、表面604に隣接した平行またはほぼ平行な平面)に配置されるように第1の基板602に形成できる。
【0050】
図6に描かれる実施形態例に例示されるように、第1の基板602は、端部分606および中央部分608を含むことができる。この実施形態例において、端部分606と第2の基板110の表面206との間の第1の距離d
1は中央部分608と第2の基板110の表面206との間の第2の距離d
2より大きくすることができる。
【0051】
図7は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム700の例の横断側面図を例示する。本開示の1つの実施形態例によれば、アンテナシステム700は、上記されかつ
図1に例示されるアンテナシステム100の非限定的な代替の実施形態例を構成することおよび/またはそれとして提供することができる。
【0052】
図7に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナシステム700は、第2の基板110に対して単一凸および単一凹曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる第1の基板702を含むことができる。この実施形態例において、第1の基板702は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ材料(例えば、FR-4)を使用して形成できる。この実施形態例において、第1の基板702は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ機能性を含むことおよび/または提供することができる。
【0053】
上記されかつ
図1に例示される実施形態例を参照しつつ、
図7に描かれる実施形態例において、アンテナアレイ104(
図7に例示せず)および/またはアンテナ素子104a、104b、104c、104N(
図7に例示せず)の1つもしくは複数を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板702の表面704の湾曲区間に配置されるように表面704(例えば、上面)に配置(例えば、形成および/または一体化)できる。この実施形態例において、表面704は、第2の基板110に対して、第1の基板702のものと同じ単一凸および単一凹曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる。この実施形態例において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にそれぞれ対応する表面108a、108b、108c、108N(
図7に例示せず)の1つまたは複数が表面704のそれと同じ曲線構成を有することができる。例えば、一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面704のものと同じ曲線構成を有し、かつ表面704とほぼ同一平面上とすることができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面704のものと同じ曲線構成を有することができ、かつ表面704に隣接した平面(例えば、表面704に隣接した平行またはほぼ平行な平面)に配置されるように第1の基板702に形成できる。
【0054】
図8は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム800の例の横断側面図を例示する。本開示の1つの実施形態例によれば、アンテナシステム800は、上記されかつ
図1に例示されるアンテナシステム100の非限定的な代替の実施形態例を構成することおよび/またはそれとして提供することができる。
【0055】
図8に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナシステム800は、第2の基板110に対して単一凹および単一凸曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる第1の基板802を含むことができる。この実施形態例において、第1の基板802は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ材料(例えば、FR-4)を使用して形成できる。この実施形態例において、第1の基板802は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ機能性を含むことおよび/または提供することができる。
【0056】
上記されかつ
図1に例示される実施形態例を参照しつつ、
図8に描かれる実施形態例において、アンテナアレイ104(
図8に例示せず)および/またはアンテナ素子104a、104b、104c、104N(
図8に例示せず)の1つもしくは複数を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板802の表面804の湾曲区間に配置されるように表面804(例えば、上面)に配置(例えば、形成および/または一体化)できる。この実施形態例において、表面804は、第2の基板110に対して、第1の基板802のものと同じ単一凹および単一凸曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる。この実施形態例において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にそれぞれ対応する表面108a、108b、108c、108N(
図8に例示せず)の1つまたは複数が表面804のものと同じ曲線構成を有することができる。例えば、一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面804のものと同じ曲線構成を有し、かつ表面804とほぼ同一平面上とすることができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面804のものと同じ曲線構成を有することができ、かつ表面804に隣接した平面(例えば、表面804に隣接した平行またはほぼ平行な平面)に配置されるように第1の基板802に形成できる。
【0057】
図9は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム900の例の横断側面図を例示する。本開示の1つの実施形態例によれば、アンテナシステム900は、上記されかつ
図1に例示されるアンテナシステム100の非限定的な代替の実施形態例を構成することおよび/またはそれとして提供することができる。
【0058】
図9に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナシステム900は、第2の基板110に対して単一凸および二重凹曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる第1の基板902を含むことができる。この実施形態例において、第1の基板902は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ材料(例えば、FR-4)を使用して形成できる。この実施形態例において、第1の基板902は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ機能性を含むことおよび/または提供することができる。
【0059】
上記されかつ
図1に例示される実施形態例を参照しつつ、
図9に描かれる実施形態例において、アンテナアレイ104(
図9に例示せず)および/またはアンテナ素子104a、104b、104c、104N(
図9に例示せず)の1つもしくは複数を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板902の表面904の湾曲区間に配置されるように表面904(例えば、上面)に配置(例えば、形成および/または一体化)できる。この実施形態例において、表面904は、第2の基板110に対して、第1の基板902のものと同じ単一凸および二重凹曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる。この実施形態例において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にそれぞれ対応する表面108a、108b、108c、108N(
図9に例示せず)の1つまたは複数が表面904のそれと同じ曲線構成を有することができる。例えば、一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面904のものと同じ曲線構成を有し、かつ表面904とほぼ同一平面上とすることができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面904のものと同じ曲線構成を有することができ、かつ表面904に隣接した平面(例えば、表面904に隣接した平行またはほぼ平行な平面)に配置されるように第1の基板902に形成できる。
【0060】
図10は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って非限定的なアンテナシステム1000の例の横断側面図を例示する。本開示の1つの実施形態例によれば、アンテナシステム1000は、上記されかつ
図1に例示されるアンテナシステム100の非限定的な代替の実施形態例を構成することおよび/またはそれとして提供することができる。
【0061】
図10に描かれる実施形態例に例示されるように、アンテナシステム1000は、第2の基板110に対して単一凹および二重凸曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる第1の基板1002を含むことができる。この実施形態例において、第1の基板1002は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ材料(例えば、FR-4)を使用して形成できる。この実施形態例において、第1の基板1002は、
図1を参照しつつ上記した第1の基板102のものと同じ機能性を含むことおよび/または提供することができる。
【0062】
上記されかつ
図1に例示される実施形態例を参照しつつ、
図10に描かれる実施形態例において、アンテナアレイ104(
図10に例示せず)および/またはアンテナ素子104a、104b、104c、104N(
図10に例示せず)の1つもしくは複数を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板1002の表面1004の湾曲区間に配置されるように表面1004(例えば、上面)に配置(例えば、形成および/または一体化)できる。この実施形態例において、表面1004は、第2の基板110に対して、第1の基板1002のものと同じ単一凹および二重凸曲線構成として形成することおよび/またはそれを含むことができる。この実施形態例において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数にそれぞれ対応する表面108a、108b、108c、108N(
図10に例示せず)の1つまたは複数が表面1004のものと同じ曲線構成を有することができる。例えば、一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面1004のものと同じ曲線構成を有し、かつ表面1004とほぼ同一平面上とすることができる。一部の実施形態において、表面108a、108b、108c、108Nの1つまたは複数は表面1004のものと同じ曲線構成を有することができ、かつ表面1004に隣接した平面(例えば、表面1004に隣接した平行またはほぼ平行な平面)に配置されるように第1の基板1002に形成できる。
【0063】
図11は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従ってアンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を促進するために本開示の非限定的なアンテナシステム例の1つまたは複数と関連付けることができる非限定的な制御回路1100の例のブロック図を例示する。例えば、本開示の様々な実施形態例において、制御回路1100は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従ってアンテナアレイに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を促進するためにアンテナシステム100、600、700、800、900および/または1000の1つまたは複数と関連付けることができる。本開示の実施形態例において、制御回路1100は、そのようなアンテナシステムに含められかつ/または結合されて、その1つまたは複数のアンテナアレイを、1つもしくは複数の信号(例えば、1つもしくは複数のRF信号)を通信する、そのような1つもしくは複数の信号の通信をサポートする、および/またはビームフォーミング動作を行うように構成できる。
【0064】
図11に描かれる実施形態例に例示されるように、制御回路1100は、第1のアンテナシステム1100aおよび/または第2のアンテナシステム1100bに結合できる。この実施形態例において、第1のアンテナシステム1100aおよび/または第2のアンテナシステム1100bは、
図1を参照しつつ上記したアンテナシステム100のものと同じ構造、材料および/または構成を含むことができる。追加的または代替的に、
図11に描かれる実施形態例において、第1のアンテナシステム1100aおよび/または第2のアンテナシステム1100bは、アンテナシステム100のものと同じ機能性をさらに含むことおよび/または提供することができる。
【0065】
図11に描かれる実施形態例において、第1のアンテナシステム1100aおよび第2のアンテナシステム1100bは、それぞれ第1のアンテナアレイ1102aおよび第2のアンテナアレイ1102bを含むことができる。この実施形態例において、第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bは、
図1を参照しつつ上記したアンテナアレイ104のものと同じ構造、材料および/または構成を含むことができる。追加的または代替的に、
図11に描かれる実施形態例において、第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bは、アンテナアレイ104のものと同じ機能性をさらに含むことおよび/または提供することができる。
【0066】
図11に描かれる実施形態例に例示されるように、第1のアンテナアレイ1102aおよび第2のアンテナアレイ1102bは、
図1を参照しつつ上記したアンテナ素子104a、104b、104c、104Nのものと同じ構造、材料および/または構成をそれぞれ含むことができる複数の(例えば、8つの)アンテナ素子(
図11に注釈せず)を各々含むことができる。追加的または代替的に、
図11に描かれる実施形態例において、そのような複数のアンテナ素子は、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nのものと同じ機能性をそれぞれ含むことおよび/または提供することができる。
【0067】
図11に描かれる実施形態例において、制御回路1100は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bを構成できる。例えば、制御回路1100は、本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bを、1つもしくは複数の信号(例えば、1つもしくは複数のRF信号)を通信する、そのような1つもしくは複数の信号の通信をサポートする、および/またはビームフォーミング動作を行うように構成でき、第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bは、それぞれ第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bに対していかなる方向にもほぼ等しい利得を提供できる。
【0068】
図11は、5G通信プロトコルを含むことができる第1から第Nのプロトコル(「第N」はプロトコルの総量を指す)を複数のアンテナ素子(例えば、8つ)を有する第1のアンテナアレイ1102aでサポートできる実施形態例を例示する。この実施形態例において、複数のアンテナ素子(例えば、8つ)を有する第2のアンテナアレイ1102bは、2次機能(例えば、MIMO、ダイバーシチ等)を行うように構成されるまたはビームフォーミング動作を行うように構成されることによって第1のアンテナアレイ1102aの通信をサポートするために使用できる。
【0069】
本開示の実施形態例に係る制御回路1100は、第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bのアンテナ素子を、2次機能をサポートすることとビームフォーミング動作をサポートすることとの間で構成するように動作可能とすることができる。
【0070】
図11に描かれる実施形態例に例示されるように、第1から第Nのトランシーバ1104(「第N」はトランシーバ1104の総量を指す)を、5G通信プロトコルを含むことができる第1から第Nのプロトコルに従って信号を処理するために第1のアンテナアレイ1102aと関連付ける(例えば、結合する)ことができる。本開示の実施形態例においてトランシーバ1104によってサポートできる他のプロトコルには、2Gプロトコル、3Gプロトコル、4Gロングタームエボリューション(LTE)プロトコルおよび/または別のセルラ通信プロトコルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0071】
図11に描かれる実施形態例にさらに例示されるように、第(N+1)から第(N+M)のトランシーバ1106を、5G通信プロトコルを含むことができる第1から第Nのプロトコルの1つまたは複数と連動して本来意図された機能を行うために第2のアンテナアレイ1102bと関連付ける(例えば、結合する)ことができる。本開示の実施形態例においてトランシーバ1106によってサポートできる他のプロトコルには、2Gプロトコル、3Gプロトコル、4G(LTE)プロトコルおよび/または別のセルラ通信プロトコルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0072】
図11に例示される実施形態例に描かれる制御回路1100は、第1の切替コンポーネント1108および第2の切替コンポーネント1110を含むことができる。この実施形態例において、第1の切替コンポーネント1108および第2の切替コンポーネント1110は、移相コンポーネント1112を介して互いに結合できる。この実施形態例において、移相コンポーネント1112は、ビームフォーミング機能性を実装するために第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bのアンテナ素子間で通信される信号間の多重位相シフトを提供するように構成できる。例えば、この実施形態において、移相コンポーネント1112は、第1の切替コンポーネント1108および/または第2の切替コンポーネント1110を使用して1つまたは複数のアンテナ素子に選択的に結合できる遅延線としての役目をすることができる異なる電気長の複数の伝送線を含むことができる。追加および/または代替の実施形態において、移相コンポーネント1112は、移相コンポーネント1112を介して通信される信号に位相シフトを実装するように構成される1つまたは複数の移相器を含むことができる。
【0073】
図11に描かれる実施形態例の第1の切替コンポーネント1108は、第1のアンテナアレイ1102aの個々のアンテナ素子を選択的に移相コンポーネント1112に結合するように構成できる複数の第1のスイッチ(例えば、トランジスタまたは他のスイッチングデバイス)を含むことができる。
図11に描かれる実施形態例の第2の切替コンポーネント1110は、第2のアンテナアレイ1102bの個々のアンテナ素子を選択的に移相コンポーネント1112に結合するように構成できる複数の第2のスイッチ(例えば、トランジスタまたは他のスイッチングデバイス)を含むことができる。この実施形態例において、第1の切替コンポーネント1108は、ブロック1114によって表されるように、開放される、接地される、またはシステム内のコンポーネントもしくはモジュールに短絡されるべき経路を含むことができる。
【0074】
図11に例示される実施形態例に描かれる制御回路1100は、トランシーバ1104の1つまたは複数を一定時間の間第1のアンテナアレイ1102aの個々のアンテナ素子に結合されるように選択するように構成できるモジュール1116を含むことができる。この実施形態例において、モジュール1116は、第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第1の切替コンポーネント1108に信号を提供することの間で選択するように構成できる電力結合器および/または分割器1118に結合できる。この実施形態例において、制御回路1100は、トランシーバ1106の1つまたは複数を一定時間の間第2のアンテナアレイ1102bの個々のアンテナ素子に結合されるように選択するように構成できるモジュール1120を含むことができる。
【0075】
図11に描かれる実施形態例において、経路の選択および/または位相シフトを制御するために、コントローラ1122(例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、および/または1つもしくは複数のメモリデバイスに記憶されるコンピュータ可読命令を実行するように構成できる別の種類のコントローラ)を、第1の切替コンポーネント1108、第2の切替コンポーネント1110、移相コンポーネント1112、モジュール1116、モジュール1120ならびに/または電力結合器および/もしくは分割器1118などの、制御回路1100の様々なコンポーネントに結合できる。
【0076】
図11に例示される実施形態例に描かれる制御回路1100は、トランシーバ1104のうちの選択されたトランシーバを第1のアンテナアレイ1102aにおける1つまたは複数のアンテナ素子に結合するようにモジュール1116を制御することによって通信プロトコルを介して1つまたは複数の信号を通信するように素子を制御できる。この実施形態例において、通信プロトコルは、例えば5G通信プロトコルであることができる。この実施形態例において、第1のアンテナアレイ1102aにおけるアンテナ素子の1つまたは複数を、MIMOモードで通信プロトコルを介して信号を通信するように構成できる。
【0077】
図11に例示される実施形態例に描かれる制御回路1100は、第2のアンテナアレイ1102bにおけるアンテナ素子の1つまたは複数を第1のモードにまたは第2のモードに構成できる。この実施形態例によれば、第1のモードでは、第2のアンテナ素子の1つまたは複数が、通信プロトコルを介する第1のアンテナ素子の通信をサポートするために2次機能(例えば、MIMO、ダイバーシチ等)を提供するように構成される。
【0078】
より詳細には、
図11に描かれる実施形態例において、第2のアンテナアレイ1102bの1つまたは複数のアンテナ素子がMIMOまたはダイバーシチモードで使用されるとき、コントローラ1122は、第2のアンテナアレイ1102bのアンテナ素子の1つまたは複数をトランシーバ1106のうちの適切なトランシーバに選択的に結合するように第2の切替コンポーネント1110およびモジュール1120を制御できる。追加的または代替的に、この実施形態例において、コントローラ1122は、第1のアンテナアレイ1102aのアンテナ素子の1つまたは複数を選択的に(例えば、開放、接地、短絡等された)ブロック1114に結合するように第1の切替コンポーネント1108を制御できる。この実施形態例において、コントローラ1122は、さもなければ第1のアンテナアレイ1102aの1つまたは複数のアンテナ素子を第2のアンテナアレイ1102bの1つまたは複数のアンテナ素子から切り離すようにもコンポーネントを制御できる。
【0079】
図11に描かれる実施形態例において、第2のモードにあるとき、制御回路1100は、第1のアンテナ素子に行われるビームフォーミング動作をサポートするように第2のアンテナアレイ1102bおよび/または第1のアンテナアレイ1102aのアンテナ素子の1つまたは複数を制御できる。例えば、この実施形態例において、第1の切替コンポーネント1108および第2の切替コンポーネント1110は、第1のアンテナアレイ1102aおよび/または第2のアンテナアレイ1102bの2つ以上のアンテナ素子を結合するように移相コンポーネント1112に経路を接続するように、コントローラ1122によって制御できる。この実施形態例において、移相コンポーネント1112は、ビームフォーミング動作を行うためにアンテナ素子と関連した放射パターン間の位相シフトを構成することおよび/または行うように構成することができる。
【0080】
図12は、本開示の1つまたは複数の実施形態例を製作するために実装できる非限定的な方法1200の例のフロー図を例示する。例えば、方法1200は、アンテナシステム100、600、700、800、900および/もしくは1000ならびに/またはそのようなアンテナシステムの1つもしくは複数のコンポーネントを製作するために実装できる。
【0081】
図12に例示される実施形態例において、1202で、方法1200は、第1の基板(例えば、第1の基板102)に、複数のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子104a、104b、104c、104N)を有するアンテナアレイ(例えば、アンテナアレイ104)を形成するステップを含むことができる。一部の実施形態において、1202で、方法1200は、第1の基板(例えば、第1の基板102)に、アンテナ素子の少なくとも1つ(例えば、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つ)が第1の基板の曲面(例えば、表面106)に配置されるようにLDSプロセスを使用して、複数のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子104a、104b、104c、104N)を有するアンテナアレイ(例えば、アンテナアレイ104)を形成するステップを含むことができる。例えば、
図1を参照しつつ上記したように、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数をLDSで画成のアンテナ素子として設けることができる。これらの実施形態において、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの1つまたは複数を、アンテナ素子104a、104b、104c、104Nの少なくとも1つが第1の基板102の曲面(例えば、表面106)に配置されるようにLDSプロセスを使用して第1の基板102に形成できる。
【0082】
この実施形態例において、1204で、方法1200は、第2の基板(例えば、第2の基板110)に、アンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能な無線周波数回路を形成するステップを含むことができ、第1の基板は、第2の基板から離間され、かつ複数のアンテナ素子の少なくとも1つが第1の基板の曲面(例えば、表面106)に形成されるように第2の基板に対して湾曲構成(例えば、凹湾曲構成、凸湾曲構成等)を備える。
【0083】
図13は、本開示の1つまたは複数の実施形態例を動作させるために実装できる非限定的な方法1300の例のフロー図を例示する。例えば、方法1300は、
図11に例示される実施形態例を参照しつつ上記したように制御回路1100を使用してアンテナシステム100、600、700、800、900および/または1000の1つまたは複数を動作させるために実装できる。
【0084】
図13に例示される実施形態例において、1302で、方法1300は、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、コントローラ1122)によって、アンテナアレイ(例えば、アンテナアレイ104)を使用して無線周波数信号を通信するステップを含むことができ、アンテナアレイが、第1の基板から離間される第2の基板(例えば、第2の基板110)に対して湾曲構成(例えば、凹湾曲構成、凸湾曲構成等)を有する第1の基板(例えば、第1の基板102)に配置される複数のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子104a、104b、104c、104N)を備え、第2の基板が、アンテナアレイを介して通信するために無線周波数信号を伝達するように動作可能な無線周波数回路を備える。
【0085】
この実施形態例において、1304で、方法1300は、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、コントローラ1122)によって、アンテナアレイと関連した放射パターン(例えば、放射パターン500)の主ローブ(例えば、主ローブ502)を第1の方向(例えば、第1の方向D1)から第2の方向(例えば、第2の方向D2)に向けて調節するステップを含むことができ、複数のアンテナ素子の少なくとも1つは、第1の基板の曲面(例えば、表面106)に配置される。
【0086】
本開示の1つまたは複数の実施形態例に従って本明細書に記載されかつ/または添付の図に例示される方法(例えば、方法1200および/または方法1300)は、例示および考察の目的で特定の順に行われるステップを描く。当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、そのような方法のいずれの様々なステップも、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な仕方で適合され、省略され、再配置され、例示されないステップを含み、同時に行われ、かつ/または修正され得ることを理解するであろう。
【0087】
本発明の対象がその具体的な実施形態例に関して詳細に記載されたが、当業者には、上記の理解に達すると、そのような実施形態の変更、変形および等価物を直ちに生み出すことができることが認識されるであろう。したがって、本開示の範囲は限定としてではなく例としてのものであり、本開示は、当業者には直ちに明らかであろうが、本発明の対象へのそのような変更、変形および/または追加を含むことを排除しない。
【符号の説明】
【0088】
100 アンテナシステム
102 第1の基板
104 アンテナアレイ
104a、104b、104c、104N アンテナ素子
106 表面
108a、108b、108c、108N 表面
110 第2の基板
202 端部分
204 中央部分
206 表面
302 接地面
304a 第1のスロット
304b 第2のスロット
400 放射パターン
402 アンテナシステム
404 第1の平坦基板
406 第2の平坦基板
408 主ローブ
408a 第1の利得
408b 第2の利得
408c 第3の利得
500 放射パターン
502 主ローブ
502a 第1の利得
502b 第2の利得
502c 第3の利得
600 アンテナシステム
602 第1の基板
604 表面
606 端部分
608 中央部分
700 アンテナシステム
702 第1の基板
704 表面
800 アンテナシステム
802 第1の基板
804 表面
900 アンテナシステム
902 第1の基板
904 表面
1000 アンテナシステム
1002 第1の基板
1004 表面
1100 制御回路
1100a 第1のアンテナシステム
1100b 第2のアンテナシステム
1102a 第1のアンテナアレイ
1102b 第2のアンテナアレイ
1104 トランシーバ
1106 トランシーバ
1108 第1の切替コンポーネント
1110 第2の切替コンポーネント
1112 移相コンポーネント
1114 ブロック
1116 モジュール
1118 電力結合器および/または分割器
1120 モジュール
1122 コントローラ
d1 第1の距離
d2 第2の距離
D1 第1の方向
D2 第2の方向
D3 第3の方向
【国際調査報告】