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特表2024-529175動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/42 20060101AFI20240725BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20240725BHJP
【FI】
G01S15/42
G01S15/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509375
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 DE2022200194
(87)【国際公開番号】W WO2023036377
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021210082.1
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】スレイマン・ワッシム
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ケクド・アビシェーク
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AA02
5J083AB13
5J083AC29
5J083AD07
5J083AD13
5J083AD17
5J083AE06
5J083AF05
(57)【要約】
動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法
本発明は、動力車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって超音波シグナルが照射される動力車両のアシスタントシステムを用いた動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法(100)を提供する。この際、オブジェクトに反射された超音波シグナルのエコーが受信されるが、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が、割り出され、これらの振幅に基づいて、オブジェクトの高さの等級が、割り出される。本発明では、受信されたエコーに対して、超音波センサを基準とした該オブジェクトの方位角を考慮する各々の振幅補正ファクタが割り出され、各々の振幅が、対応する振幅補正ファクタを基準に補正されるが、該オブジェクトの高さの分級は、第一エコーの第一補正済み振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二補正済み振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出される。本発明は、更に、超音波センサと概方法(100)を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステムも提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって超音波シグナルが照射され、その際、オブジェクトに反射された超音波シグナルのエコーが受信されるが、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が、割り出され、これらの振幅に基づいて、オブジェクトの高さの等級が、割り出される、動力車両のアシスタントシステムを用いた動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法であって、受信されたエコーに対して、超音波センサを基準とした該オブジェクトの方位角を考慮する各々の振幅補正ファクタが割り出され、各々の振幅が、対応する振幅補正ファクタを基準に補正される、且つ、オブジェクトの高さの分級が、第一エコーの第一補正済み振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二補正済み振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出されることを特徴とする方法(100)。
【請求項2】
該振幅補正ファクタが、超音波センサの水平方向の放射パターンに依存していることを特徴とする請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
該方位角が、複数のエコー、即ち、時間的に第一エコーの前、並びに、第二エコーの前に受信されたエコーを用いた三辺測量によって、及び/或いは、車両の超音波センサ以外の周辺センサのシグナルに基づいて割り出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法(100)。
【請求項4】
該第一エコーと第二エコーが、時間的に連続するエコーであることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の間隔を有しており、該動力車両が、該オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合は、低いと分級され、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出された場合は、高いと分級されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
該オブジェクトの高さの等級が、第一分級変化と第二振幅変化との比較によって割り出され、該第二振幅変化が、第二エコーの後に受信される第三エコーの第三補正済み振幅、並びに、第二エコーの第二補正済み振幅とを、或いは、第二エコーの後且つ第三エコーの前に受信された第四エコーの第四補正済み振幅とを比較することによって割り出されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
動力車両がオブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的に振幅増加が、第二振幅変化として、経時的に振幅減少が割出された場合に、該オブジェクトが、低いと分級されることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、該動力車両が、該オブジェクトに接近する場合において、該オブジェクトが、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅減少が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、低いと分級されることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項9】
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、該動力車両が、該オブジェクトに接近する場合において、該オブジェクトが、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、高いと分級されることを特徴とする請求項6から8に記載の方法(100)。
【請求項10】
振幅変化の比較が、振幅変化の差、及び/或いは、その比を基にしていることを特徴とする請求項6から9に記載の方法(100)。
【請求項11】
補正済み振幅の比較が、補正済み振幅の差、及び/或いは、その比を基にしていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項12】
付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの等級が割り出されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項13】
該閾値が、その時点の速度、及び/或いは、動力車両の周辺の温度、及び/或いは、動力車両の周辺の湿度、及び/或いは、動力車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められることを特徴とする請求項12に記載の方法(100)。
【請求項14】
本方法が、サポートされた、及び/或いは、半自動の、及び/或いは、自動の駐車プロセスに用いられることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項15】
超音波センサと先行請求項のうち何れか一項に記載の方法(100)を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって超音波シグナルが照射される動力車両のアシスタントシステムを用いた動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法に関する。この際、オブジェクトに反射された超音波シグナルのエコーを受信し、制御手段を用いて受信したエコー各々の振幅を割り出すが、オブジェクトの高さの等級は、該振幅に基づいて割り出される。本発明は、更に、超音波センサと概方法を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
超音波センサ類は、一般的に、空気中を約340メートル毎秒の音速で伝播する超音波シグナルを照射する送信手段を包含している。その際通常、超音波センサのメンブレンが、対応する変換エレメントによって機械的に振動される。超音波シグナルは、周辺部のオブジェクトでエコーとして反射し、超音波センサの受信手段によって検出される。送信時点と受信時点との間の走時差から、超音波シグナルの伝播速度を考慮し、オブジェクトまでの間隔、言い換えれば、距離を割出すことができる。この際、反射した超音波シグナルの振幅、乃至、エコーの振幅を割り出すことができる。
【0003】
通常、超音波センサ類は、車両用としては、約7メートル以内の範囲の周辺捕捉のために使用される。特に半自動の乃至自動の運転マヌーバ、何よりもパーキング用途関連において、例えば、駐車距離測定、駐車スペースサーチ、乃至、駐車において超音波センサ類は、大きな役割を果たしている。その際、動力車両は、通常、オブジェクトに対して相対的に動くが、動いている間、予め定められている時点において、各々一回の測定サイクルが実施される。各測定サイクルにおいては、超音波センサから超音波シグナルが照射される。従来の技術からは、既に、ドライバーに、超音波センサ類を用いて動力車両の周辺部に関する様々な情報を提供し、動力車両を運転する際に、特に、駐車スペースの位置確認、及び、該駐車スペース内に該動力車両を駐車する際にサポートする方法及びこれに対応するアシスタントシステムが既知である。例えば、駐車スペース位置特定機能を備え、且つ、動力車両の直接的周辺部に駐車スペースが存在しているか否か、乃至、存在している駐車スペースが、該動力車両が駐車できるために十分に大きいか否かをドライバーに示すことができるアシスタントシステムが存在している。この様なアシスタントシステムは、正確に駐車スペースの位置と寸法を割り出すために、動力車両の周辺部に存在している、例えば、駐車している車両、縁石、壁や垣と言ったオブジェクトに関する情報を必要としている。
【0004】
オブジェクトまでの該動力車両の距離に加え、一般的には、該オブジェクトの高さも重要である。高さは、あるオブジェクト、乃至、障害物を乗り越えることができるか否かを判定するために重要なファクタである。特に、該動力車両が、超音波センサの測定を基にして少なくとも半・自律的に運転されている場合、捕捉されたオブジェクトの高さを割り出すことは、望まれている。
【0005】
高さの割出しは、自動車業界において一般的に用いられている一次元(1D)超音波センサ類、即ち、距離を割り出すための超音波センサ類を用いる場合、物理的な制限から、非常に難しい。この様な超音波センサ類を用いる場合、オブジェクトの高さは、直接的に測定できない。高さを割り出すためには、例えば、付加的にカメラを用い、2D画像に基づいて高さを推定する方法、或いは、複数のセンサ類を用い、三角測量を応用して高さを推定する方法が、用いられる。しかしながら、カメラ乃至複数のセンサ類を基にした方法は、1D超音波センサのコストと堅牢性という観点からの長所を活かしていない。
【0006】
冒頭に述べた種に属するアシスタントシステムの方法は、例えば、DE 10 2004 047 479 A1より既知である。その際、オブジェクトの高さを分級するために、動力車両が通過時に、該動力車両の脇にあるオブジェクトを、動力車両の超音波センサを用いて、超音波シグナルを照射し、該オブジェクトによって反射された超音波シグナルをエコーとして受信する。受信したエコーの振幅を基に、オブジェクトの高さの等級が、割り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE 10 2004 047 479 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明が解決しようとする課題は、動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための代案的な方法、並びに、それに対応した可能な限り低コストであるにもかかわらずオブジェクトの高さを信頼性高く分級できるアシスタントシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題は、請求項1及び並列独立請求項15の総合的な教えによって解決される。本発明の目的に適った実施形態と発展形態は、従属請求項並びに以下の明細書に説明されている。
【0010】
本発明に係る動力車両のアシスタントシステムを用いた動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法では、動力車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサ、特に好ましくは、1D超音波センサによって超音波シグナルが照射される。この際、オブジェクトに反射された超音波シグナルのエコーが受信されるが、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が、割り出され、これらの振幅に基づいて、オブジェクトの高さの等級が、割り出される。
【0011】
本発明では、受信されたエコーに対して、超音波センサを基準とした該オブジェクトの方位角を考慮する各々の振幅補正ファクタが割り出され、各々の振幅が、対応する振幅補正ファクタを基準に補正されるが、該オブジェクトの高さの分級は、第一エコーの第一補正済み振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二補正済み振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出される。
【0012】
この際、本発明は先ず、いずれにせよ取付けられている車両のセンサを用いれば、オブジェクトの高さの低コストな分級が可能になる、更に、他のセンサの、正確には他種のセンサの、特にカメラのセンサデータとの計算コストが高く且つエラーを伴いがちな融合を実施しなければ、特に低コスト且つ堅牢な分級も可能になると言う思案を起点としている。更に本発明は、超音波センサの放射パターンが、本質的に仰角及び方位角の関数であり、超音波センサから捕捉領域内のオブジェクトに放射される超音波シグナルのパワーが、その仰角、及び、超音波センサを基準としたオブジェクトの方位角に依存していると言う考察も基にしている。動力車両の超音波センサの取り付け高さよりも低い高さに存在している、即ち、特に、そのような高さを有しているオブジェクトであって、特に、該オブジェクトと動力車両、正確には、超音波センサとの間隔がある特定の距離以内である場合、仰角と、それに依存するパワーは、言い換えれば、反射された超音波シグナルの振幅は、動力車両乃至超音波センサとオブジェクトとの間の距離に依存している。特に、この事実は、オブジェクトの高さの等級を割り出すために用いられることができる。
【0013】
即ち本発明では、オブジェクトの高さの等級は、オブジェクトに対して相対的に動いている超音波センサ、特に好ましくは、1D超音波センサのセンサデータを基に割り出されるが、更に、受信されたエコーに対して、超音波センサを基準とした該オブジェクトの方位角を考慮する各々の振幅補正ファクタが割り出され、各々の振幅が、対応する振幅補正ファクタを基準に補正され、且つ、該オブジェクトの高さの分級は、第一エコーの第一補正済み振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二補正済み振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出される。
【0014】
本発明に係る形態は、低コストでありながら、例え、車両が動いている際に超音波センサに対するオブジェクトの方位角が変化したとしても、信頼性のあるオブジェクトの高さの分級を可能にする方法が提供されると言う長所を有している。
【0015】
特徴付けたいオブジェクトとは、地面、例えば、道路表面やその他の地表から突出し、本質的に鉛直に地面に対して伸びているオブジェクトであることができる。しかしながら、例えば、柵の横木など地面から突出していないオブジェクト、或いは、例えば、ランプなど地面に対して鉛直に伸びていないオブジェクトであることも可能である。
【0016】
超音波センサ、特に、1D超音波センサは、例えば、動力車両のバンパに配置されることができる。代案的に、超音波センサ、特に、1D超音波センサは、例えば、動力車両のドアなどボディ構成部品内乃至その後ろに配置されることも可能である。
【0017】
ただ一つの超音波センサ、特に好ましくは、一つの1D超音波センサを用いることも可能である。代案的には、複数の超音波センサ、特に好ましくは、複数の1D超音波センサを用いることも可能である。
【0018】
オブジェクトの高さの等級としては、特に好ましくは、二つの等級:「高い」と「低い」が用いられる。その際、オブジェクトは、少なくとも超音波センサの取り付け高さよりも上にある場合に、要するに特に、該オブジェクトが、少なくとも超音波センサの取り付け高さに相当する高さを有している場合に、「高い」と分級される。一方、オブジェクトは、超音波センサの取り付け高さよりも下にある場合に、要するに特に、該オブジェクトが、超音波センサの取り付け高さよりも低い高さを有している場合に、「低い」と分級される。
【0019】
方位角は、水平方向において、超音波センサに対するオブジェクトの位置を与える。受信されたエコーの振幅の各々の振幅補正ファクタを用いた補正によって、水平方向における超音波センサに対するオブジェクトの位置変化の影響が、補正される。
【0020】
振幅の補正は、対応する振幅補正ファクタに基づいて、好ましくは、振幅の値と対応する振幅補正ファクタとを乗算或いは除算し、振幅の値を特に好ましくはスケーリングすることによって実施されるが、乗算或いは除算の結果が、補正済み振幅となる。
【0021】
ある好ましい実施形態においては、該振幅補正ファクタは、超音波センサの水平方向の放射パターンに依存している。要するに、超音波センサを基準としたオブジェクトの方位角と超音波センサの水平方向の放射パターンに基づいて、受信されたエコーの振幅補正ファクタが割り出される。その際、該放射パターンは、方位角ごとに超音波センサから放射されている該超音波センサのパワーを表している。即ち、該放射パターンは、各方位角における超音波センサのパワー値を定義している。その際、実測された方位角用に、放射パターンから対応する超音波シグナルの該方位角に帰属している出力値が読み出され、続いてこれが、振幅補正ファクタとして、或いは、受信されたエコーの振幅補正ファクタを割り出すために用いられる。
【0022】
ある更なる好ましい実施形態においては、方位角は、複数のエコー、即ち、時間的に第一エコーの前、並びに、第二エコーの前に受信されたエコーを用いた三辺測量によって、及び/或いは、車両の超音波センサ以外の周辺センサのシグナルに基づいて割り出される。
その際、周辺センサは、レーダセンサ、ライダセンサ、及び/或いは、カメラとして形成されていることができる。
【0023】
ある更なる好ましい実施形態においては、該第一エコーと第二エコーは、時間的に連続するエコー、特に好ましくは、間髪なく時間的に連続するエコーである。
【0024】
ある更なる好ましい実施形態において該オブジェクトは、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の間隔を有しているが、動力車両が、該オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合に、低いと分級され、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出された場合に、高いと分級される。低いと言う等級は、特に、超音波センサの取り付け高さよりも低い位置にある、要するに特に、超音波センサの取り付け高さよりも低い高さを有するオブジェクトに対して割り出される。この様なオブジェクトは、例えば、縁石である。高いと言う等級は、特に、少なくとも超音波センサの取り付け高さの位置にある、要するに特に、少なくとも超音波センサの取り付け高さに相当する高さを有するオブジェクトに対して割り出される。この様なオブジェクトは、例えば、壁、柵、或いは、他の車両である。
【0025】
これは、少なくとも超音波センサの取り付け高さにあるオブジェクトにおいては、動力車両乃至超音波センサが、該オブジェクトに近づいていく際に、仰角が変化しないと言うことに基づいている。よって、パワー、言い換えれば、反射された超音波シグナル乃至エコーの補正済み振幅は、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、動力車両、正確に言えば、超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の間隔が小さくなる時に、大きくなる。一方、超音波センサの取り付け高さよりも下にあるオブジェクトの場合、仰角は、ある特定のオブジェクトと超音波センサとの間の間隔以下になると変化し、動力車両乃至超音波センサが、該オブジェクトに向かって動くにつれ、減少し続ける。その際、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、該動力車両乃至超音波センサが、そのようなオブジェクトに接近するにつれ小さくなる。実際、補正済み振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さくなればなる程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、総合的に小さくなる。
【0026】
ある更なる好ましい実施形態においては、該オブジェクトの高さの等級は、第一分級変化と第二振幅変化との比較によって割り出されるが、該第二振幅変化は、第二エコーの後に受信される第三エコーの第三補正済み振幅、並びに、第二エコーの第二補正済み振幅とを、或いは、第二エコーの後且つ第三エコーの前に受信された第四エコーの第四補正済み振幅とを比較することによって割り出される。要するにこの際は、二つの振幅変化が互いに比較され、これにより、オブジェクトの高さの分級の堅牢性が、より向上される。
【0027】
この際、ある更なる好ましい実施形態においては、動力車両が、オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的に振幅増加が、第二振幅変化として、経時的に振幅減少が割出された場合に、該オブジェクトは、低いと分級される。
【0028】
これは、超音波センサの取付高さよりも下にある、即ち、特に、超音波センサの取付高さよりも低い高さを有する、例えば、縁石と言ったオブジェクトであって、該オブジェクトが、特に未だ動力車両の近隣にない、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートルよりも遠い距離を有している場合、仰角は、少なくとも近似的に90°であると言うことを基にしている。よってここでは、パワー、言い換えれば、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、本質的に、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際先ずは、反射された超音波シグナル乃至エコーの補正済み振幅は、動力車両、乃至、超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の間隔が小さくなる時に、大きくなる。即ち、ここでは、第一振幅変化は、経時的な振幅増加として得られる。動力車両、乃至、超音波センサが、オブジェクトに更に接近し、その結果、該オブジェクトが、特に動力車両の近距離領域、好ましくは、動力車両の超音波センサまで二メートル以下の距離に入った場合、更なる接近により、仰角は変化するが、詳しくは、90°よりも小さくなり、更なる接近、乃至、距離の縮小により、逐次的に減少していく。その結果、反射した超音波シグナルの補正済み振幅も、更なる接近と共に、逐次的に小さくなる。実際、補正済み振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さくなればなる程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、総合的に小さくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、経時的な振幅減少として得られる。第一振幅変化と第二振幅変化との比較によって、第一振幅変化として、経時的な振幅増加、第二振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合、オブジェクトは、低いと分級される。
【0029】
ある更なる好ましい実施形態において該オブジェクトは、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあるが、該動力車両が、オブジェクトに接近する場合、該オブジェクトは、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅減少が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、低いと分級される。即ち、ここでは、振幅減少の程度も考慮される。
【0030】
これは、超音波センサの取付高さよりも下にある、即ち、特に、超音波センサの取付高さよりも低い高さを有する、例えば、縁石と言ったオブジェクトであって、該オブジェクトが、動力車両の近隣にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートルよりも近い距離を有している場合、仰角は、動力車両乃至超音波センサが、更にオブジェクトに向かって進んでいる間、逐次的に減少すると言うことを基にしている。その結果、反射した超音波シグナル乃至エコーの補正済み振幅も、接近と共に、逐次的に小さくなる。実際、補正済み振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さくなればなる程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、総合的に小さくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、第一振幅変化の振幅減少よりも大きな経時的な振幅減少として得られ、その結果、オブジェクトは、低いと分級される。
【0031】
ある更なる好ましい実施形態において該オブジェクトは、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあるが、該動力車両が、オブジェクトに接近する場合、該オブジェクトは、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、高いと分級される。即ち、ここでは、振幅増加の程度も考慮される。
【0032】
これは、少なくとも超音波センサの取付高さより上にある、即ち、特に、少なくとも超音波センサの取付高さに相当する高さを有する、例えば、壁、柵、或いは、車両と言ったオブジェクトであって、該オブジェクトが、動力車両の近隣にあっても、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートルよりも近い距離を有している場合でも、仰角は、動力車両乃至超音波センサが、オブジェクトに向かって進んでいる間、変化しないと言うことを基にしている。よって、パワー、正確には、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナル乃至エコーの補正済み振幅は、動力車両、乃至、超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の間隔が小さくなる時に、大きくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、第一振幅変化の振幅増加よりも大きな経時的な振幅増加として得られ、その結果、オブジェクトは、高いと分級される。
【0033】
ある更なる好ましい実施形態においては、振幅変化の比較は、振幅変化の差、及び/或いは、その比を基にしている。
【0034】
ある更なる好ましい実施形態においては、補正済み振幅の比較は、補正済み振幅の差、及び/或いは、その比を基にしている。
【0035】
ある更なる好ましい実施形態においては、付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの等級が割り出される。この様にすることで、オブジェクトの高さの等級の割出しの信頼性が、更に向上する。付加的乃至代案的に、第二振幅変化が考慮されるある実施形態では、好ましくは、オブジェクトの高さの等級は、付加的乃至代案的に、第二振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、割り出される。
【0036】
ある更なる好ましい実施形態においては、その際、該閾値は、その時点の速度、及び/或いは、動力車両の周辺の温度、及び/或いは、動力車両の周辺の湿度、及び/或いは、動力車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められる。動力車両周辺の温度は、空気伝送音減衰に有意な影響を有していることから、温度は、対応するセンサによって捕捉し、閾値をそれに適応させることができる。尚、湿度も同様である。これにより、更に信頼性のあるオブジェクトの高さの分級を達成できる。
【0037】
ある更なる好ましい実施形態においては、本方法は、サポートされた、及び/或いは、半自動の、及び/或いは、自動の駐車プロセスに用いられる。
【0038】
更に、本件の発明は、超音波センサと制御手段を有するアシスタントシステムも包含している。その際、該制御手段は、本発明に係る方法を実施できる様に設計されている。
【0039】
尚、本発明に係る方法に対して記述された長所及び好ましい実施形態は、本発明に係るアシスタントシステムにおいても同様に有効である。
【0040】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいてより詳しく説明する。図の説明:
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、超音波センサの放射パターンを方位角に応じて示している放射チャート、
図2図2は、超音波センサの放射パターンを仰角に応じて示している放射チャート、
図3図3は、仰角を図2に係る超音波センサのあるオブジェクトからの距離の関数として表すグラフ、そして、
図4図4は、動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
互いに対応する部分は、全ての図において常に同じ符号がつけられている。
【0043】
図1には、超音波センサの放射パターン1を方位角に応じて示している放射チャートが示されている。ここでは、超音波センサの放射パターン1が、方位角の関数であり、要するに、超音波センサによって検出範囲内のオブジェクトから放射される超音波シグナルの出力、つまり、オブジェクトによって反射される超音波シグナル、又は、エコーのパワー、言い換えれば、振幅は、方位角に依存している。
【0044】
例えば、オブジェクトが、超音波センサに対して30°の方位角にある場合、オブジェクトから反射された超音波シグナル、乃至、エコーのパワー、言い換えれば、その振幅は、オブジェクトが、超音波センサに対して60°の方位角にある場合よりも大きくなる。
【0045】
図2には、超音波センサの放射パターン2を仰角に応じて示している放射チャートが示されている。これから明らかなように、超音波センサの放射パターン2は、仰角の関数である、即ち、超音波センサから捕捉領域内のオブジェクトに放射される超音波シグナルのパワーは、その仰角に依存している。
【0046】
あるオブジェクトが、仰角90°、即ち、少なくとも動力車両の超音波センサの取り付け高さにある場合、動力車両が、正確には、該超音波センサが、オブジェクトに接近しても、仰角は変化しない。該パワー、言い換えれば、反射された超音波シグナル乃至エコーの振幅は、超音波センサとオブジェクトとの間の距離にだけ依存している。よって、反射された超音波シグナルの振幅は、該動力車両乃至超音波センサが、高いオブジェクトに接近するにつれ逐次的に大きくなる。
【0047】
動力車両の超音波センサの取り付け高さよりも低い高さを有しているオブジェクトの場合は、車両乃至超音波センサとオブジェクトとの間の距離に依存して、仰角が、それに伴って、反射された超音波シグナルのパワー乃至振幅も、変化する。動力車両乃至超音波センサが、オブジェクトに接近する場合、仰角は、逐次的に減少し、該超音波センサが、オブジェクト間近に達すると近似的に0°に至るまで小さくなる。
【0048】
図3は、仰角を図2に係る超音波センサのあるオブジェクトからの距離の関数として表すグラフを示している。その際、該オブジェクトは、動力車両に取付けられた超音波センサの取り付け高さよりも40cm低い高さを有している。ここでは、該オブジェクトは、縁石として構成されている。
【0049】
グラフからは、オブジェクトが、未だ動力車両の近傍にない場合、特に、動力車両の超音波センサまで二メートル以上の距離がある場合、仰角は、近似的に90°であることが解る。要するに、この領域においては、反射された超音波シグナルのパワー、正確には、振幅は、本質的に、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナルの振幅は、動力車両、乃至、超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の間隔が小さくなる時に、大きくなる。
【0050】
動力車両、乃至、超音波センサが、オブジェクトに更に接近し、その結果、該オブジェクトが、動力車両の近距離領域、特に、動力車両の超音波センサまで二メートル以下の距離に入った場合、更なる接近により、仰角は、逐次的に有意に減少して行く。その結果、反射した超音波シグナルの振幅も、更なる接近と共に、逐次的に小さくなる。実際、振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さくなればなる程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの振幅は、総合的に小さくなる。
【0051】
図2と3と関連して説明した関係は、超音波センサに対するオブジェクトの方位角が、車両の移動中、本質的には変化しないことを前提としている。しかしながら実際には、車両が移動する際、オブジェクトの超音波センサに対する方位角は、変化するような状況もしばしば起こり得るため、本発明では、この変化を、オブジェクトの特徴付けの際に、オブジェクトの超音波センサに対する方位角を考慮するための振幅補正ファクタを割り出し、これを用いることにより、考慮している。この様にすることで、図2と3と関連して説明した関係を、例え、車両の移動中に超音波センサに対するオブジェクトの方位角が、変化したとしても、オブジェクトの高さの分級を割り出すために用いることができる様になる。
【0052】
図4は、動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法100のフローチャートを示している。その際、該動力車両は、制御手段と、動力車両の前のバンパに配置され、図1及び2に係る放射パターンを有する1D超音波センサを備えたアシスタントシステムを包含している。該動力車両は、2.5メートルの距離から、その前方をオブジェクトに向けて徐々に接近し、その際、該超音波センサが、連続的に超音波シグナルを放射する。ここで言うオブジェクトは、動力車両内の超音波センサの取り付け高さよりも約40cm低い高さを有する縁石である。
【0053】
ステップ101では、第一エコーが受信され、第一エコーの第一振幅が割り出される。加えて、超音波センサに対するオブジェクトの最新の方位角は、時間的に第一エコーよりも前に受信されたエコーによる三辺測量によって割り出され、実測された方位角と、図1に示す超音波センサの水平方向の放射パターン1に基づいて、第一エコー用の振幅補正ファクタが、割り出される。そのために、実測して割り出された方位角用に、後に振幅補正ファクタを割り出すために用いられる、超音波シグナルの該方位角に帰属されている出力値が放射パターン1から読み出される。続いて、第一振幅が、振幅補正ファクタを基にして、特に好ましくは、第一振幅の値と振幅補正ファクタとを乗算或いは除算し、第一振幅の値のスケーリングにより、補正される、要するに、スケーリングの、特に好ましくは、乗算或いは除算の結果が、第一補正済み振幅となる。
【0054】
ステップ102では、第一エコーに経時的に続く第二エコーが受信され、第二エコーの第二振幅が割り出される。加えて、超音波センサに対するオブジェクトの最新の方位角は、時間的に第二エコーよりも前に受信されたエコーによる三辺測量によって割り出され、実測された方位角と、図1に示す超音波センサの水平方向の放射パターン1に基づいて、第二エコー用の振幅補正ファクタが、割り出される。そのために、実測して割り出された方位角用に、後に振幅補正ファクタを割り出すために用いられる、超音波シグナルの該方位角に帰属されている出力値が放射パターン1から読み出される。続いて、第二振幅が、振幅補正ファクタを基にして、特に好ましくは、第二振幅の値と振幅補正ファクタとを乗算或いは除算し、第二振幅の値のスケーリングにより、補正される、要するに、スケーリングの、特に好ましくは、乗算或いは除算の結果が、第二補正済み振幅となる。
【0055】
ステップ103では、第一振幅変化が、第一補正済み振幅と第二補正済み振幅を比較することによって割り出される。本ケースでは、振幅増加が割り出される。なぜなら、測定時点において該オブジェクトは、未だ動力車両の近傍にない、即ち、動力車両の超音波センサまで二メートル以上の距離を有しているため、仰角は、近似的に90°である。その結果、この領域においては、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、本質的に、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際即ち、反射された超音波シグナルの補正済み振幅は、動力車両、乃至、超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の間隔が小さくなる時に、大きくなる。即ち、ここでは、第一振幅変化は、経時的な振幅増加として得られる。
【0056】
測定時点において該オブジェクトは、未だ動力車両の近傍になかったため、割り出された振幅変化を基にしたオブジェクトの高さの最終的な分級は、実施されず、方法100は、ステップ102に戻る。これにより、更なる、時間的に第二エコーに続く第三エコーが受信され、第三エコーの第三補正済み振幅が、割出される。
【0057】
続いて、ステップ103において、第二振幅変化が、第二補正済み振幅と第三補正済み振幅を比較することによって割り出される。この間、該動力車両が、オブジェクトの方向に前進し、更なる測定が実施された時点には、該オブジェクトが、動力車両の近傍に、即ち、具体的には、動力車両乃至超音波センサから0.5メートルの距離に入ったため、第二振幅変化として、振幅減少が割出される。これは、仰角が、この領域においては、90°よりも有意に小さく、そのため、反射された超音波シグナルの補正済み振幅が総合的に減少したことによるが、その結果として、第三エコーの第三補正済み振幅は、第二エコーの第二補正済み振幅よりも小さくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、経時的な振幅減少として得られる。
【0058】
ステップ104では、オブジェクトの高さの等級が割り出される。この際、第一振幅変化と第二振幅変化との比較が実施される。本件のケースでは、第一振幅変化として経時的な振幅増加が、第二振幅変化として経時的な振幅減少が割り出されたため、該オブジェクトは、低いと分級される。
【0059】
この方法100に基を用いれば、例え、車両が動いている際に超音波センサに対するオブジェクトの方位角が変化したとしても、オブジェクトの、このケースでは、路肩の高さを、安価且つ信頼性高く、分級することが可能である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
この方法100に基を用いれば、例え、車両が動いている際に超音波センサに対するオブジェクトの方位角が変化したとしても、オブジェクトの、このケースでは、路肩の高さを、安価且つ信頼性高く、分級することが可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
動力車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって超音波シグナルが照射され、その際、オブジェクトに反射された超音波シグナルのエコーが受信されるが、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が、割り出され、これらの振幅に基づいて、オブジェクトの高さの等級が、割り出される、動力車両のアシスタントシステムを用いた動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法であって、受信されたエコーに対して、超音波センサを基準とした該オブジェクトの方位角を考慮する各々の振幅補正ファクタが割り出され、各々の振幅が、対応する振幅補正ファクタを基準に補正される、且つ、オブジェクトの高さの分級が、第一エコーの第一補正済み振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二補正済み振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出されることを特徴とする方法(100)。
2.
該振幅補正ファクタが、超音波センサの水平方向の放射パターンに依存していることを特徴とする上記1に記載の方法(100)。
3.
該方位角が、複数のエコー、即ち、時間的に第一エコーの前、並びに、第二エコーの前に受信されたエコーを用いた三辺測量によって、及び/或いは、車両の超音波センサ以外の周辺センサのシグナルに基づいて割り出されることを特徴とする上記1又は2に記載の方法(100)。
4.
該第一エコーと第二エコーが、時間的に連続するエコーであることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の方法(100)。
5.
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の間隔を有しており、該動力車両が、該オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合は、低いと分級され、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出された場合は、高いと分級されることを特徴とする上記1~4のうち何れか一つに記載の方法(100)。
6.
該オブジェクトの高さの等級が、第一分級変化と第二振幅変化との比較によって割り出され、該第二振幅変化が、第二エコーの後に受信される第三エコーの第三補正済み振幅、並びに、第二エコーの第二補正済み振幅とを、或いは、第二エコーの後且つ第三エコーの前に受信された第四エコーの第四補正済み振幅とを比較することによって割り出されることを特徴とする上記1~5のうち何れか一つに記載の方法(100)。
7.
動力車両がオブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的に振幅増加が、第二振幅変化として、経時的に振幅減少が割出された場合に、該オブジェクトが、低いと分級されることを特徴とする上記6に記載の方法(100)。
8.
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、該動力車両が、該オブジェクトに接近する場合において、該オブジェクトが、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅減少が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、低いと分級されることを特徴とする上記6に記載の方法(100)。
9.
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、該動力車両が、該オブジェクトに接近する場合において、該オブジェクトが、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、高いと分級されることを特徴とする上記6~8に記載の方法(100)。
10.
振幅変化の比較が、振幅変化の差、及び/或いは、その比を基にしていることを特徴とする上記6~9に記載の方法(100)。
11.
補正済み振幅の比較が、補正済み振幅の差、及び/或いは、その比を基にしていることを特徴とする上記1~10のうち何れか一つに記載の方法(100)。
12.
付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの等級が割り出されることを特徴とする上記1~11のうち何れか一つに記載の方法(100)。
13.
該閾値が、その時点の速度、及び/或いは、動力車両の周辺の温度、及び/或いは、動力車両の周辺の湿度、及び/或いは、動力車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められることを特徴とする上記12に記載の方法(100)。
14.
本方法が、サポートされた、及び/或いは、半自動の、及び/或いは、自動の駐車プロセスに用いられることを特徴とする上記1~13のうち何れか一つに記載の方法(100)。
15.
超音波センサと上記1~14のうち何れか一つに記載の方法(100)を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって超音波シグナルが照射され、その際、オブジェクトに反射された超音波シグナルのエコーが受信されるが、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が、割り出され、これらの振幅に基づいて、オブジェクトの高さの等級が、割り出される、動力車両のアシスタントシステムを用いた動力車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法であって、受信されたエコーに対して、超音波センサを基準とした該オブジェクトの方位角を考慮する各々の振幅補正ファクタが割り出され、各々の振幅が、対応する振幅補正ファクタを基準に補正される、且つ、オブジェクトの高さの分級が、第一エコーの第一補正済み振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二補正済み振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出されることを特徴とする方法(100)。
【請求項2】
該振幅補正ファクタが、超音波センサの水平方向の放射パターンに依存していることを特徴とする請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
該方位角が、複数のエコー、即ち、時間的に第一エコーの前、並びに、第二エコーの前に受信されたエコーを用いた三辺測量によって、及び/或いは、車両の超音波センサ以外の周辺センサのシグナルに基づいて割り出されることを特徴とする請求項1に記載の方法(100)。
【請求項4】
該第一エコーと第二エコーが、時間的に連続するエコーであることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項5】
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の間隔を有しており、該動力車両が、該オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合は、低いと分級され、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出された場合は、高いと分級されることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項6】
該オブジェクトの高さの等級が、第一分級変化と第二振幅変化との比較によって割り出され、該第二振幅変化が、第二エコーの後に受信される第三エコーの第三補正済み振幅、並びに、第二エコーの第二補正済み振幅とを、或いは、第二エコーの後且つ第三エコーの前に受信された第四エコーの第四補正済み振幅とを比較することによって割り出されることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項7】
動力車両がオブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的に振幅増加が、第二振幅変化として、経時的に振幅減少が割出された場合に、該オブジェクトが、低いと分級されることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、該動力車両が、該オブジェクトに接近する場合において、該オブジェクトが、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅減少が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、低いと分級されることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項9】
該オブジェクトが、動力車両の近傍にある、好ましくは、動力車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、該動力車両が、該オブジェクトに接近する場合において、該オブジェクトが、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、高いと分級されることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項10】
振幅変化の比較が、振幅変化の差、及び/或いは、その比を基にしていることを特徴とする請求項6に記載の方法(100)。
【請求項11】
補正済み振幅の比較が、補正済み振幅の差、及び/或いは、その比を基にしていることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項12】
付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの等級が割り出されることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項13】
該閾値が、その時点の速度、及び/或いは、動力車両の周辺の温度、及び/或いは、動力車両の周辺の湿度、及び/或いは、動力車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められることを特徴とする請求項12に記載の方法(100)。
【請求項14】
本方法が、サポートされた、及び/或いは、半自動の、及び/或いは、自動の駐車プロセスに用いられることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項15】
超音波センサと請求項1~14のうち何れか一項に記載の方法(100)を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステム。
【国際調査報告】