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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】耐塩性植物
(51)【国際特許分類】
   A01H 5/00 20180101AFI20240725BHJP
   A01H 6/46 20180101ALI20240725BHJP
   A01H 5/10 20180101ALI20240725BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20240725BHJP
   A01H 6/20 20180101ALI20240725BHJP
   A01H 6/54 20180101ALI20240725BHJP
   C12N 15/29 20060101ALN20240725BHJP
   C12N 15/52 20060101ALN20240725BHJP
   C12N 15/54 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
A01H5/00 A
A01H6/46
A01H5/10
C12N15/09 110
A01H6/20
A01H6/54
C12N15/29
C12N15/52 Z
C12N15/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531567
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2022072021
(87)【国際公開番号】W WO2023012312
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】2111268.5
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2111563.9
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524049055
【氏名又は名称】アロラ イノベーションズ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】524049066
【氏名又は名称】ヤング ルーク
(71)【出願人】
【識別番号】524049077
【氏名又は名称】ホーンビー ローリー ジェームス
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】ヤング ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ホーンビー ローリー ジェームス
(57)【要約】
本発明は、耐塩性である改変植物、これらの植物の作成方法、及びこれらの植物の使用を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改変植物であって、少なくとも3つの目的遺伝子を含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記改変植物が、前記ゲノム改変のない同種の植物と比較して耐塩性が増加している、前記改変植物。
【請求項2】
前記少なくとも3つの目的遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子であって、細胞膜イオントランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子であって、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(c)プロテインキナーゼをコードする遺伝子であって、プロテインキナーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子であって、液胞水素輸送ATPアーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子であって、液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(f)カリウムトランスポーターをコードする遺伝子であって、カリウムトランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び
(g)抗酸化物質をコードする遺伝子であって、抗酸化物質をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、
からなる群より選択される、請求項1に記載の改変植物。
【請求項3】
改変植物であって、少なくとも3つの目的遺伝子を含み、前記目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子、及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、
前記細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、かつ前記抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変植物。
【請求項4】
前記細胞内イオン濃度を制御する前記細胞膜タンパク質及び/または前記液胞膜タンパク質が、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、または水素輸送ピロホスファターゼである、請求項3に記載の改変植物。
【請求項5】
前記改変植物が、さらに、プロテインキナーゼをコードする遺伝子を含み、任意に、前記プロテインキナーゼが、セリン/スレオニンキナーゼである、請求項3または請求項4に記載の改変植物。
【請求項6】
前記抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質である、請求項2~5のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項7】
前記改変植物が、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの目的遺伝子を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項8】
前記抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質及び細胞質抗酸化物質を含む、請求項7に記載の改変植物。
【請求項9】
前記改変植物が、抗酸化物質をコードする少なくとも3つの目的遺伝子を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項10】
(a)前記細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり、及び/または
(b)前記細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3であり、及び/または
(c)前記プロテインキナーゼが、SOS2であり、及び/または
(d)前記液胞水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aであり、及び/または
(e)前記液胞イオントランスポーターが、NHX1であり、及び/または
(f)前記カリウムトランスポーターが、HKT1であり、及び/または
(g)前記抗酸化物質(複数可)が、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1である、請求項2~9のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項11】
(a)前記SOS1が、OsSOS1であり、任意に、前記OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)前記AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)前記SOS2が、OsSOS2であり、任意に、前記OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(d)前記VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(e)前記NHX1が、OsNHX1であり、任意に、前記OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(f)前記HKT1が、OsHKT1であり、任意に、前記OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
(g)前記SODA1が、OsSODA1であり、任意に、前記OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(h)前記SOD2が、OsSOD2であり、任意に、前記OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(i)前記SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、前記OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の改変植物。
【請求項12】
少なくとも4つの目的遺伝子を含む改変イネであって、前記目的遺伝子が、細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子、液胞イオントランスポーターをコードする遺伝子、カリウムトランスポーターをコードする遺伝子、及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、液胞イオントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、カリウムトランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、かつ抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項13】
改変イネであって、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項14】
改変イネであって、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、前記OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSODA1遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;かつOsSODA1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項15】
前記改変植物が、少なくとも7つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも7つの目的遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子であって、細胞膜イオントランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子であって、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(c)プロテインキナーゼをコードする遺伝子であって、プロテインキナーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子であって、液胞水素輸送ATPアーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子であって、液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(f)カリウムトランスポーターをコードする遺伝子であって、カリウムトランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び
(g)抗酸化物質をコードする遺伝子及び抗酸化物質をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている
を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項16】
前記改変植物が、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも8つの目的遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子であって、細胞膜イオントランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子であって、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(c)プロテインキナーゼをコードする遺伝子であって、プロテインキナーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子であって、液胞水素輸送ATPアーゼをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子であって、液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(f)カリウムトランスポーターをコードする遺伝子であって、カリウムトランスポーターをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(g)第1の抗酸化物質をコードする遺伝子であって、第1の抗酸化物質をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、
(h)第2の抗酸化物質をコードする遺伝子であって、第2の抗酸化物質をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、
を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項17】
(a)前記細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり、及び/または
(b)前記細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3であり、及び/または
(c)前記プロテインキナーゼが、SOS2であり、及び/または
(d)前記液胞水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aであり、及び/または
(e)前記液胞イオントランスポーターが、NHX1であり、及び/または
(f)前記カリウムトランスポーターが、HKT1であり、及び/または
(g)前記抗酸化物質(複数可)が、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1である、請求項15~16のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項18】
(a)前記SOS1が、OsSOS1であり、任意に、前記OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)前記AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)前記SOS2が、OsSOS2であり、任意に、前記OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(d)前記VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(e)前記NHX1が、OsNHX1であり、任意に、前記OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(f)前記HKT1が、OsHKT1であり、任意に、前記OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
(g)前記SODA1が、OsSODA1であり、任意に、前記OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(h)前記SOD2が、OsSOD2であり、任意に、前記OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(i)前記SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、前記OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、請求項17に記載の改変植物。
【請求項19】
改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;かつOsSOD2をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項20】
改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
前記OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;かつOsSOD2をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項21】
改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;かつOsSODCC1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項22】
改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、前記少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
前記OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;かつOsSODCC1をコードする前記遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項23】
前記改変植物が、さらに、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている少なくとも1つの追加の目的遺伝子を含み、(エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)前記少なくとも1つの追加の目的遺伝子が、
(a)シトクロムp450(P450)、及び/または
(b)酸素発生複合体、及び/または
(c)スクロースリン酸シンターゼ、及び/または
(d)ピロリンカルボン酸シンターゼ
であるタンパク質をコードする、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項24】
前記酸素発生複合体が、前記タンパク質PsbO、PsbP、及びPsbQから形成される、請求項23に記載の改変植物。
【請求項25】
前記酸素発生複合体が、前記タンパク質PsbO、PsbP、PsbQ、PsbU、及びPsbVから形成される、請求項23または請求項24に記載の改変植物。
【請求項26】
前記スクロースリン酸シンターゼが、スクロースリン酸シンターゼ1、スクロースリン酸シンターゼ2、またはスクロースリン酸シンターゼ3である、請求項23~25のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項27】
前記ピロリンカルボン酸シンターゼが、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1、またはデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2である、請求項23~26のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項28】
前記改変植物が、さらに、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されているOSK1をコードする目的遺伝子を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項29】
前記改変植物が、PERK13をコードする目的遺伝子を含有しないか、または前記目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されていない、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項30】
前記エンハンサーエレメントが、同じポリヌクレオチド配列を有するか、または前記エンハンサーエレメントが、異なるポリヌクレオチド配列を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項31】
前記エンハンサーエレメントが、野生型植物における前記目的遺伝子の前記発現レベルと比較して、前記目的遺伝子の前記発現レベルを変化させる、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項32】
前記植物の少なくとも1つの発育段階中の前記植物の少なくとも一部において、前記エンハンサーエレメントが、野生型植物における前記目的遺伝子の前記発現レベルと比較して、前記目的遺伝子の前記発現レベルを増加または減少させ、任意に、前記エンハンサーエレメントが、野生型植物における前記目的遺伝子の前記発現レベルと比較した、前記目的遺伝子の前記発現レベルを増加させる、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項33】
前記エンハンサーエレメントが、前記根、苗条、葉、種子、または茎における前記目的遺伝子の前記発現レベルを変化させる、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項34】
前記エンハンサーエレメントが、前記根における前記目的遺伝子の前記発現レベルを変化させる、請求項33に記載の改変植物。
【請求項35】
発芽中に、前記植物の成長時、前記植物の開花時、及び/または、前記植物の結実時に、前記エンハンサーエレメントが、前記目的遺伝子の前記発現レベルを変更させる、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項36】
前記エンハンサーエレメントが、少なくとも10、少なくとも20、または少なくとも30ヌクレオチドを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項37】
前記エンハンサーエレメントが、前記目的遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端の150~500ヌクレオチド以内にある、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項38】
エンハンサーエレメントが、根特異的プロモーターを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項39】
前記目的遺伝子の全てが、根特異的プロモーターを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、請求項38に記載の改変植物。
【請求項40】
前記エンハンサーエレメントが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項41】
前記目的遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、請求項40に記載の改変植物。
【請求項42】
前記エンハンサーエレメントが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせ由来のプロモーターエレメントの少なくとも6ヌクレオチドを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項43】
前記目的遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、またはオーキシンのプロモーター配列由来のプロモーターエレメントを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、請求項42に記載の改変植物。
【請求項44】
前記エンハンサーエレメントが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、もしくはCAATのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項45】
前記目的遺伝子の全てが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、またはCAATのプロモーター配列を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、請求項44に記載の改変植物。
【請求項46】
前記エンハンサーエレメントが、配列番号10~18のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項47】
(a)前記OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(b)前記OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(c)前記OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(d)前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(e)前記OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(f)前記OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(g)前記OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(h)前記OsSODCC1遺伝子が、配列番号17を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(i)前記OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項48】
改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、前記8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
前記OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;前記OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
前記OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、前記OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、かつ前記OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、前記改変イネ。
【請求項49】
各目的遺伝子が、別個のタンパク質をコードする、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項50】
前記改変植物が、被子植物である、先行請求項のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項51】
前記改変植物が、単子葉植物または双子葉植物である、請求項50に記載の改変植物。
【請求項52】
前記改変植物が、穀物である、請求項50または請求項51に記載の改変植物。
【請求項53】
前記改変植物が、トウモロコシ、イネ、ダイズ、サトウキビ、ヤエナリ、キヌア、オオムギ、オートムギ、ライムギ、モロコシ、またはコムギである、請求項52に記載の改変植物。
【請求項54】
改変植物が、改変イネである、請求項50~53のいずれか1項に記載の改変植物。
【請求項55】
前記改変植物が、野菜作物である、請求項50または請求項51に記載の改変植物。
【請求項56】
前記改変植物が、Brassica属、Glycine属、またはSoja属に由来する、請求項55に記載の改変植物。
【請求項57】
請求項1~56のいずれか1項に記載の改変植物の植物部位。
【請求項58】
前記植物部位が、細胞、種子、葉、苗条、茎、または根である、請求項57に記載の植物部位。
【請求項59】
前記植物部位が、種子である、請求項57に記載の植物部位。
【請求項60】
前記植物部位が、細胞である、請求項57に記載の植物部位。
【請求項61】
請求項60に記載の1つ以上の植物細胞を含む、多細胞構造体。
【請求項62】
前記多細胞構造体が、カルスである、請求項61に記載の多細胞構造体。
【請求項63】
請求項1~62に記載の改変植物、植物部位、または多細胞構造体の作成方法であって、前記方法が、
i)請求項1~56に記載の改変植物において定義される少なくとも2つのエンハンサーエレメントを、植物の細胞に導入するステップであって、前記エンハンサーエレメントが、前記目的遺伝子に作動可能に連結されているように、前記植物の前記細胞の前記ゲノムに組み込まれ、及び
ii)前記細胞を再生して、前記細胞から改変植物、植物部位、または多細胞構造体を形成するステップ
を含む、前記方法。
【請求項64】
前記エンハンサーエレメントが、微粒子銃、Agrobacterium媒介形質転換、またはプロトプラストトランスフェクションで前記細胞に導入される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記方法が、
(a)種子からカルス形成を誘導すること、
(b)請求項1~77に記載の改変植物において定義される前記エンハンサーエレメント、2つ以上のガイドRNA、及び1つ以上のヌクレアーゼをマイクロキャリア上に沈殿させること、
(c)微粒子銃を使用して前記マイクロキャリアで前記カルスを形質転換して、形質転換カルスを生成することであって、前記エンハンサーエレメントが、前記目的遺伝子に作動可能に連結されているように、前記改変植物、前記植物部位、または前記多細胞構造体のゲノムに組み込まれ、
(d)前記形質転換カルスを回収して、請求項61または請求項62に記載の多細胞構造体を生成すること
を含む、請求項63~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記多細胞構造体が、改変植物に再生される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記ポリヌクレオチド配列が、前記植物の前記ゲノムに安定して組み込まれる、請求項65または請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記ヌクレアーゼが、Casヌクレアーゼ、Cpf1ヌクレアーゼ、TALEN、またはジンクフィンガーヌクレアーゼであり、任意に、前記ヌクレアーゼが、Cas9またはCpf1である、請求項65~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記改変植物、前記植物部位、または前記多細胞構造体が、相同組み換えを含むプロセスで生成されない、及び/または本質的に生物学的なプロセスで生成されない、請求項1~62に記載の改変植物、植物部位、または多細胞構造体。
【請求項70】
請求項59に記載の種子から得られた小麦粉、全粒粉、デンプン、または他の生成物を生成する方法。
【請求項71】
動物飼料としての、または動物消費用飼料もしくはヒト摂取用食品を生成するための、請求項1~56のいずれか1項に記載の改変植物、請求項57~60のいずれか1項に記載の植物部位、または請求項61もしくは請求項62に記載の多細胞構造体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐塩性となるように設計される植物に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌塩類濃度は、干ばつを除いて、農業における最も深刻な問題の1つである。世界の耕作地の約20%及び灌漑地のほぼ半分が、塩類濃度により影響を受け、これは、世界中で植物の成長及び生産性を制限する農業生産に対する深刻な脅威となっている[1]。塩類土壌から過剰な塩類が吸収されると、根及び苗条の両方の成長が阻害され、生殖活動が低下し、植物の生存能力に影響を与える。その結果、塩類濃度は、世界的に作物栽培の地理的範囲における主要な制約のうちの1つであり、特定の作物の成長を妨げるものではないにもかかわらず、作物の生産性に大きな影響を与える。さらに、過剰な灌漑、不好適な排水、または回収される水の使用の結果として塩類の蓄積は、リスクのある既存の農業地域にあり、特に、気候変動が乾燥/半乾燥地域での灌漑需要を増加させる。
【0003】
過剰な塩類濃度は、植物に2つのストレス要因を課する:1つは土壌の浸透圧の上昇による水の入手可能性の低減から生じる浸透圧成分、及び、K+/Na+比の変化を引き起こし、細胞質内のNa+及びCl-の濃度を増加させる、溶質の不均衡によるイオンストレス。ナトリウム毒性は、主に、Na+及びK+イオンの植物のトランスポーター及び酵素との類似性により引き起こされる。植物細胞は、通常、細胞質内で高いK+/Na+比を維持し、比較的高いK+は、100~200mMのオーダーで、低いNa+は、約1~10mMである[1]。
【0004】
食用作物の自然な遺伝的変異により、交配方策による耐塩性の強化の機会が限られるようになる。ライムギ及びオオムギなどの比較的耐塩性のある作物であっても、塩類濃度閾値(EC)が海水などの塩水源よりもはるかに低い。交配されるべき植物種が、一般に同じ属または密接に関連した属に存在するはずであるので、生来耐塩性の植物のレパートリーの制限は、交配方策の適用可能性も制限する。
【0005】
プログラム可能なヌクレアーゼ、例えば、Casエンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9、CpfI)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、及びジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)が出現すると、植物種で正確なゲノム編集を行う能力が向上しているが、耐塩性を達成するための遺伝子編集の正確な遺伝子数及び同一性は、明確ではない。
【0006】
耐塩性のトランスジェニック植物を作成する以前の試みは、少数の遺伝子のみを発現する方策を採用している。例えば、EP3409105は、PERK13(プロリン富化エクステンシン様受容体キナーゼ13)の機能を阻害して耐塩性植物を生成することを示唆していた。Fan et al.は、Sesuvium portulacastrumのSOS1及びAHA遺伝子を、Arabidopsisに導入することにより、耐塩性を改善することを示唆していた[2]。SOS1遺伝子及びAHA遺伝子は、双方ともに、細胞膜タンパク質をコードする。それ故、この方策は、細胞膜タンパク質のみを用いて、細胞内イオン濃度を制御することに集中した。Khan et al.は、様々な耐塩性トランスジェニック植物について議論する[3]が、イオントランスポーターをコードする遺伝子のみを発現するように、これらを設計した。イオントランスポーターの発現を変化させることにより耐塩性植物を生成するさらなる例が、Hossain et al.(ナトリウム/水素アンチポーター遺伝子を含んでいたトランスジェニックタバコを生成した)により提供される[4]。
【0007】
当該技術分野では、例えば、海中で、高塩類濃度でも成長し得る耐塩性植物を提供することが求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明者らは、効率よく、耐塩性を改善している植物を設計及び生成している。塩類ストレスを制御するための複数の異なる機序を含有するように、これらの植物を改変した。これは、植物の塩類濃度に対する耐性を高める。結果として、耐塩性植物が本明細書で開示される。植物はトランスジェニック植物であってもよく、及び/またはエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている目的遺伝子を含んでもよい。導入遺伝子、及び/またはエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている目的遺伝子は、本明細書に開示されるような複数の機序に影響を与えることにより耐塩性の改善をもたらす。
【0009】
本発明は、少なくとも2つの目的遺伝子を含む改変植物を提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0010】
本発明は、少なくとも2つの目的遺伝子を含む改変植物も提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子及び細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0011】
本発明は、少なくとも3つの目的遺伝子を含む改変植物も提供し、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、改変植物が、該ゲノム改変のない同種の植物と比較して耐塩性が増加している。
【0012】
本発明は、少なくとも3つの目的遺伝子を含む改変植物も提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子、及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0013】
本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、目的遺伝子が、細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子、液胞イオントランスポーターをコードする遺伝子、カリウムトランスポーターをコードする遺伝子、及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、液胞イオントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、カリウムトランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0014】
本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOSAHA3をコードし、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0015】
本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0016】
本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsAHA3をコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0017】
本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし;OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOD2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0018】
本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOD2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0019】
本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし;OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODCC1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0020】
本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし;OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子はエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODCC1をコードする遺伝子はエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0021】
本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネも提供し、8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし;OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。そのような改変イネも提供され、この段落で定義された配列が、例えば、特定された配列のいずれかまたは全てが、特定の配列番号と少なくとも95%の配列同一性を有するように変化する。
【0022】
本発明は、本明細書に開示の改変植物のいずれかの植物部位も提供する。
【0023】
本発明は、請求項1~82に記載の改変植物、植物部位、または多細胞構造を作成する方法も提供し、方法が、以下を含む:
i)請求項1~77に記載の改変植物において定義される少なくとも2つのエンハンサーエレメントを、植物の細胞に導入するステップ(エンハンサーエレメントが、目的遺伝子に作動可能に連結されているように植物の細胞のゲノムに組み込まれる)、及び
ii)細胞を再生して、細胞から改変植物、植物部位、または多細胞構造を形成するステップ。本発明は、本明細書に開示の植物の種子から得られる小麦粉、全粒粉、デンプン、または他の生成物を生成する方法も提供する。
【0024】
本発明は、動物飼料として、または動物消費用飼料もしくは人間消費用食品を生成するための、本明細書に開示の改変植物または植物部位の使用も提供する。
【0025】
本発明者らは、効率よく、植物の塩類濃度に対する耐性を集合的に増加させる塩類ストレスを制御するための複数の異なる機序を含有する耐塩性を改善している植物を設計及び生成している。このアプローチは、上の段落で提示されるように、改変植物を用いて達成することができるが、以下の段落で提示されるように、トランスジェニック植物を用いて達成することもできる。これらのアプローチは、個別にまたは組み合わせて使用することができ、この全てが本明細書に開示される。例えば、導入遺伝子を定義する以下の実施形態は、改変植物における対応する目的遺伝子も定義し得る。本明細書に定義されるトランスジェニック植物は、本明細書にも定義されるエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている対応する目的遺伝子で置換された本明細書に定義される導入遺伝子のいずれか1つまたは複数を有し得る。
【0026】
本発明は、少なくとも2つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物を提供し、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする導入遺伝子及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質は、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、またはプロテインキナーゼであり得る。さらなる実施形態では、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、及び/または水素輸送ピロホスファターゼは、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び/または細胞膜水素輸送ピロホスファターゼであり得る。いくつかの実施形態では、細胞膜イオントランスポーターは、SOS1であり得る。SOS1は、OsSOS1であり得る。いくつかの実施形態では、OsSOS1導入遺伝子は、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞膜水素輸送ATPアーゼは、AHA3であり得る。AHA3は、OsAHA3であり得る。いくつかの実施形態では、OsAHA3導入遺伝子は、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0027】
イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、及び/または水素輸送ピロホスファターゼが、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び/または液胞膜水素輸送ピロホスファターゼであり得る。いくつかの実施形態では、液胞膜イオントランスポーターは、NHX1であり得る。NHX1は、OsNHX1であり得る。いくつかの実施形態では、OsNHX1導入遺伝子は、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。液胞膜水素輸送ATPアーゼは、VHA-Aであり得る。いくつかの実施形態では、VHA-Aは、OsVHA-Aであり得る。いくつかの実施形態では、OsVHA-A導入遺伝子は、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロテインキナーゼは、セリン/スレオニンキナーゼであり得る。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンキナーゼは、SOS2であり得る。SOS2は、OsSOS2であり得る。いくつかの実施形態では、OsSOS2導入遺伝子は、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質であり得る。トランスジェニック植物は、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの導入遺伝子を含み得る。例えば、トランスジェニック植物は、ミトコンドリア抗酸化物質及び細胞質抗酸化物質を含み得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、抗酸化物質をコードする少なくとも3つの導入遺伝子を含む。特定の実施形態では、抗酸化物質(複数可)は、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1を含む。SODA1は、OsSODA1であり得る。いくつかの実施形態では、OsSODA1導入遺伝子は、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。SOD2は、OsSOD2であり得る。いくつかの実施形態では、OsSOD2導入遺伝子は、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。SODCC1は、OsSODCC1であり得る。いくつかの実施形態では、OsSODCC1導入遺伝子は、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0030】
本発明は、少なくとも2つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物も提供し、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、及び細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、または細胞膜水素輸送ピロホスファターゼであり得る。いくつかの実施形態では、細胞膜イオントランスポーターは、SOS1であり得る。SOS1は、OsSOS1であり得る。いくつかの実施形態では、OsSOS1導入遺伝子は、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞膜水素輸送ATPアーゼは、AHA3であり得る。AHA3は、OsAHA3であり得る。いくつかの実施形態では、OsAHA3導入遺伝子は、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質は、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、または液胞膜水素輸送ピロホスファターゼであり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、液胞膜イオントランスポーターは、NHX1であり得る。NHX1は、OsNHX1であり得る。いくつかの実施形態では、OsNHX1導入遺伝子は、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み得る。液胞膜水素輸送ATPアーゼは、VHA-Aであり得る。いくつかの実施形態では、VHA-Aは、OsVHA-Aであり得る。いくつかの実施形態では、OsVHA-A導入遺伝子は、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、さらに、プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子及び/または抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、プロテインキナーゼは、セリン/スレオニンキナーゼであり得る。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンキナーゼは、SOS2であり得る。SOS2は、OsSOS2であり得る。いくつかの実施形態では、OsSOS2導入遺伝子は、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質であり得る。特定の実施形態では、抗酸化物質は、SODA1、SOD2、及びSODCC1のいずれか1つを含む。SODA1は、OsSODA1であり得る。いくつかの実施形態では、OsSODA1導入遺伝子は、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。SOD2は、OsSOD2であり得る。いくつかの実施形態では、OsSOD2導入遺伝子は、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。SODCC1は、OsSODCC1であり得る。いくつかの実施形態では、OsSODCC1導入遺伝子は、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0035】
本発明は、少なくとも3つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物も提供し、トランスジェニック植物が、該ゲノム改変のない同種の植物と比較して耐塩性が増加している。
【0036】
本発明は、少なくとも3つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物も提供し、少なくとも3つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、及び抗酸化物質をコード化する導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質及び/または液胞膜タンパク質は、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、または水素輸送ピロホスファターゼであり得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、さらに、プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子を含む。プロテインキナーゼは、セリン/スレオニンキナーゼであり得る。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンキナーゼは、SOS2であり得る。
【0037】
本発明は、少なくとも4つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、少なくとも4つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする導入遺伝子を含む。本発明は、少なくとも4つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネも提供し、少なくとも4つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする導入遺伝子を含み、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも7つの導入遺伝子を含み、少なくとも7つの導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子、液胞水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする導入遺伝子、カリウムトランスポーターをコードする導入遺伝子、及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物が、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、少なくとも8つの導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子、液胞水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする導入遺伝子、カリウムトランスポーターをコードする導入遺伝子、第1の抗酸化物質をコードする導入遺伝子、及び第2の抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細胞膜イオントランスポーターは、SOS1であり得る。特定の実施形態では、SOS1は、OsSOS1であり得る。さらに特定の実施形態では、OsSOS1導入遺伝子は、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞膜水素輸送ATPアーゼは、AHA3であり得る。特定の実施形態では、AHA3は、OsAHA3であり得る。さらに特定の実施形態では、OsAHA3導入遺伝子は、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、プロテインキナーゼは、SOS2であり得る。特定の実施形態では、SOS2は、OsSOS2であり得る。さらに特定の実施形態では、OsSOS2導入遺伝子は、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、液胞水素輸送ATPアーゼは、VHA-Aであり得る。特定の実施形態では、VHA-Aは、OsVHA-Aであり得る。さらに特定の実施形態では、OsVHA-A導入遺伝子は、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、液胞イオントランスポーターは、NHX1であり得る。特定の実施形態では、NHX1は、OsNHX1であり得る。さらに特定の実施形態では、OsNHX1導入遺伝子は、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、カリウムトランスポーターは、HKT1であり得る。特定の実施形態では、HKT1は、OsHKT1であり得る。さらに特定の実施形態では、OsHKT1導入遺伝子は、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗酸化物質は、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1である。特定の実施形態では、SODA1は、OsSODA1であり得る。さらに特定の実施形態では、OsSODA1導入遺伝子は、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、SOD2は、OsSOD2であり得る。さらに特定の実施形態では、OsSOD2導入遺伝子は、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、SODCC1は、OsSODCC1であり得る。さらに特定の実施形態では、OsSODCC1導入遺伝子は、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0040】
本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードする導入遺伝子を含む。さらなる態様では、本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードする導入遺伝子を含み;OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0041】
本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードする導入遺伝子を含む。別の態様では、本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードする導入遺伝子を含み;OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、さらに、少なくとも1つの追加の導入遺伝子を含み、少なくとも1つの追加の導入遺伝子が、シトクロムp450(P450)、酸素発生複合体、スクロースリン酸シンターゼ、及び/またはピロリンカルボン酸シンターゼであり得るタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、酸素発生複合体は、タンパク質PsbO、PsbP、及びPsbQから形成することができる。他の実施形態では、酸素発生複合体は、タンパク質PsbO、PsbP、PsbQ、PsbU、及びPsbVから形成することができる。他の実施形態では、スクロースリン酸シンターゼは、スクロースリン酸シンターゼ1、スクロースリン酸シンターゼ2、またはスクロースリン酸シンターゼ3であり得る。いくつかの実施形態では、ピロリンカルボン酸シンターゼは、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1、またはデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2であり得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、さらに、OSK1をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、PERK13をコードする導入遺伝子を含有しない。
【0043】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子の全てが、プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、少なくとも10、少なくとも20、または少なくとも30ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、導入遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端の150~500ヌクレオチド以内にあり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、根特異的プロモーターであり得る。特定の実施形態では、導入遺伝子の全てが、根特異的プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含み、任意に、導入遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含むプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせ由来のプロモーターエレメントの少なくとも6ヌクレオチドを含み、任意に、導入遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、またはオーキシンのプロモーター配列由来のプロモーターエレメントを含むプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、もしくはCAATのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含み、任意に、導入遺伝子の全てが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、またはCAATのプロモーター配列を含むプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロモーターは、配列番号10~18のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、各導入遺伝子は、別個のタンパク質をコードし得、すなわち、トランスジェニック植物に導入された各タンパク質が、別個の導入遺伝子にコードされる。
【0045】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、被子植物であり得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、単子葉植物または双子葉植物であり得る。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、穀物であり得る。さらに特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、トウモロコシ、イネ、ダイズ、サトウキビ、ヤエナリ、キヌア、オオムギ、オートムギ、ライムギ、モロコシ、またはコムギであり得る。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、トランスジェニックイネであり得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は,野菜作物であり得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、Brassica属、Glycine属、またはSoja属に由来し得る。
【0046】
本発明は、本発明によるトランスジェニック植物の植物部位も提供する。いくつかの実施形態では、植物部位は、細胞、種子、葉、苗条、茎、または根であり得る。特定の実施形態では、植物部位は、種子または細胞であり得る。本発明は、本発明による1つ以上の植物細胞を含む多細胞構造も提供する。いくつかの実施形態では、多細胞構造は、カルスであり得る。
【0047】
本発明は、本発明によるトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造の作成方法を提供し、方法は、以下を含む:i)本発明によるトランスジェニック植物において定義される少なくとも2つの導入遺伝子を植物の細胞に導入するステップ(導入遺伝子が、植物の細胞のゲノムに組み込まれる)、及び、ii)細胞を再生して、細胞からトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造を形成するステップ。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、微粒子銃、Agrobacterium媒介形質転換、またはプロトプラストトランスフェクションで細胞に導入される。いくつかの実施形態では、方法は、以下を含む:(a)種子からのカルス形成を誘導すること;(b)ポリヌクレオチド配列、ガイドRNA、及びヌクレアーゼをマイクロキャリア上に沈殿させることであって、ポリヌクレオチド配列が、本明細書に記載の少なくとも2つの導入遺伝子を含む);(c)微粒子銃を使用して、マイクロキャリアでカルスを形質転換して、形質転換カルスを生成することであって、ポリヌクレオチド配列が、トランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造のゲノムに組み込まれ;(d)形質転換カルスを回収して、本発明による多細胞構造を生成すること。いくつかの実施形態では、多細胞構造は、トランスジェニック植物に再生される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、植物のゲノムに安定して組み込まれる。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、Casヌクレアーゼ、Cpf1ヌクレアーゼ、TALEN、またはジンクフィンガーヌクレアーゼであり、任意に、ヌクレアーゼが、Cas9またはCpf1である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、RNA、DNA、またはプラスミドであり、任意に、ポリヌクレオチドが、DNAである。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明によるトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造は、相同組み換えを含むプロセスにより生成されず、及び/または本質的に生物学的なプロセスで生成されない。
【0049】
本発明は、本発明による種子から得られる小麦粉、全粒粉、デンプン、または他の生成物を生成する方法も提供する。本発明は、動物飼料として、または動物消費用飼料もしくはヒト摂取用食品を生成するための、本発明によるトランスジェニック植物、その一部、または多細胞構造の使用も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】切断部位及び遺伝子挿入の位置を含む、Cpf1(Cas12a)の機序。インサートは、オーバーハングに対応する配列と、選択された遺伝子の発現を指示する所望のプロモーターベースの配列を含む。
図2】2,4-D及びBAPの濃度が異なるイネ異種TH3-5、Truong Giang、MHC2、及びHa Phat3のカルス誘導率。各処置における濃度が、表12にまとめられる。
図3A】Java long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroaのイネ品種の分析。発芽したJava long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroaイネ品の品種由来の種子の割合を示す。
図3B】Java long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroaのイネ品種の分析。2,4-D及びBAPの濃度が異なるイネ品種のカルス誘導率を示す。各処置における濃度が、表12にまとめられる。
図3C】Java long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroaのイネ品種の分析。同じ処理を行ったイネ品種の苗条の発育を示す。バーの順序は、左から右で、Jaca long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroaの繰り返しであり、各セットの間にスペースがある。
図4】2,4-D及びBAPの濃度が異なるイネ品種「ハヤユキ」のカルス誘導率。各処置における濃度が、表13にまとめられる。
図5A】本発明による改変植物のqRT-PCR分析。葉における4つの目的遺伝子の発現を示す。
図5B】本発明による改変植物のqRT-PCR分析。根における4つの目的遺伝子の発現を示す。WTは、野生型植物を表す。遺伝子型1、6、9、及び10は、本発明による4つの異なる改変植物であり、目的遺伝子は、NHX1、SOS1、HKT1、及びSODA1である。バーの順序は、左から右で、NHX1;SOS1、HKT1、及びSODA1の繰り返しであり、各セットの間にスペースがある。
図6】DNAインサートの5’末端及び3’末端に追加された配列。5’インサート内のプロモーター配列は、下線が引かれている。
図7】植物のライフサイクル全体にわたるホルモンの分布。特定のホルモンの存在は、色付きのボックスで示される。
図8】収量対塩類濃度(ECe)プロットの例。
図9A】本発明による改変植物におけるOsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2の遺伝子発現を示す棒グラフである。遺伝子発現は、参照遺伝子であるアクチン-3と野生型植物の両方に対するものである。正値は、発現の上方調節を示し、負値は、遺伝子発現の下方調節を示す。改変植物毎にグループ化された正規化された遺伝子発現を示す。データは、グループ化されていない。バーの順番は、左から右で、以下の通りである:植物A(Os-VHA-A、SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物B(NHX1、Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物C(SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物D(NHX1、Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物E1(Os-VHA-A、SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物F(Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2、space、Plant G-Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物I(SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物1(Os-VHA-A、SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物9(Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、野生型(NHX1;OsVHA-A;SOS1;SOD2;OsAHA3;HKT1;SODA1;及びOsSOD2)。
図9B】本発明による改変植物におけるOsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2の遺伝子発現を示す棒グラフである。遺伝子発現は、参照遺伝子であるアクチン-3と野生型植物の両方に対するものである。正値は、発現の上方調節を示し、負値は、遺伝子発現の下方調節を示す。改変植物毎にグループ化された正規化された遺伝子発現を示す。データは、生物学的試料毎にグループ化されている。バーの順番は、左から右で、以下の通りである:植物A(Os-VHA-A、SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物B(NHX1、Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物C(SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物D(NHX1、Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物E1(Os-VHA-A、SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物F(Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2、space、Plant G-Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物I(SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物1(Os-VHA-A、SOS1、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、植物9(Os-VHA-A、SOS2、OsAHA3、HKT1、SODA1、OsSOD2)、スペース、野生型(NHX1;OsVHA-A;SOS1;SOD2;OsAHA3;HKT1;SODA1;及びOsSOD2)。
図9C】本発明による改変植物におけるOsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2の遺伝子発現を示す棒グラフである。遺伝子発現は、参照遺伝子であるアクチン-3と野生型植物の両方に対するものである。正値は、発現の上方調節を示し、負値は、遺伝子発現の下方調節を示す。目的遺伝子毎にグループ化された正規化された遺伝子発現を示す。対応する目的遺伝子を含む改変植物が表8にまとめられる。バーの順序は、左から右で、植物A、植物B、植物C、植物D、植物E1、植物F、植物G、植物I、植物1、植物9、及び野生型の繰り返しである。
図10A】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Aの散布図である。
図10B】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Bの散布図である。
図10C】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Cの散布図である。
図10D】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Dの散布図である。
図10E】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物E1の散布図である。
図10F】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Fの散布図である。
図10G】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Iの散布図である。
図10H】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物Gの散布図である。
図10I】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物1の散布図である。
図10J】野生型植物(WT)に対する本発明による改変植物の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変植物9の散布図である。対応する目的遺伝子を含む改変植物が表8にまとめられる。
図11】塩類培地で成長した野生型(WT)及び改変イネ植物の画像。対応する目的遺伝子を含む改変植物が表8にまとめられる。
図12A】塩類培地で成長した野生型(WT)及び改変カルスの画像。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図12B】塩類培地で成長した野生型(WT)及び改変カルスの画像。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図12C】塩類培地で成長した野生型(WT)及び改変カルスの画像。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図13】本発明による改変カルスにおけるOsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2の遺伝子発現を示す棒グラフである。遺伝子発現は、参照遺伝子であるアクチン-3と野生型植物の両方に対するものである。正値は、発現の上方調節を示し、負値は、遺伝子発現の下方調節を示す。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。バーの順序は、左から右で、SOS1;SOD2;HKT1;NHX1;OsAHA3;OsVHA-A;及びSODA1の繰り返しであり、各セット間にスペースがある。
図14】0、2、4、6、8、10、12.5、及び15g/Lの塩化ナトリウムを含む培地中で成長した場合の野生型カルスにおける、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2の遺伝子発現を示す棒グラフである。遺伝子発現は、参照遺伝子であるアクチン-3と野生型植物の両方に対するものである。正値は、発現の上方調節を示し、負値は、遺伝子発現の下方調節を示す。バーの順序は、左から右で、HKT1;NHX1;OsAHA3;OsVHA-A;SODA1;SOS1;及びSOD2の繰り返しであり、各セットの間にスペースがある。
図15A】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15B】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15C】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15D】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15E】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15F】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15G】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15H】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15I】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15J】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15K】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15L】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15M】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15N】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図15O】野生型植物(WT)に対する本発明による改変カルスの正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。プロットの設定は、倍率変化の閾値2.00を含み、各試料は、2つの複製を含有する。改変カルスの目的遺伝子は、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、及びOsSOS2である。
図16A】種子を生成している3つの改変イネの画像。改変植物は、以下の目的遺伝子:OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1またはOsSOD2のいずれかを含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。(A)画像の左側の大きな植物は、Troung Giangイネ品種である本発明による改変植物であるが、右側の2つの植物は、ハヤユキイネ品種由来の本発明による改変植物である。
図16B】種子を生成している3つの改変イネの画像。改変植物は、以下の目的遺伝子:OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1またはOsSOD2のいずれかを含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。(B)ハヤユキイネ品種の2つの改変イネの詳細画像である。
図16C】種子を生成している3つの改変イネの画像。改変植物は、以下の目的遺伝子:OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1またはOsSOD2のいずれかを含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。(C)ハヤユキイネ品種の改変イネの穂及び種子を示す画像である。
図16D】種子を生成している3つの改変イネの画像。改変植物は、以下の目的遺伝子:OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1またはOsSOD2のいずれかを含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。(D)Troung Giangイネ品種の改変イネの画像である。
図16E】種子を生成している3つの改変イネの画像。改変植物は、以下の目的遺伝子:OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1またはOsSOD2のいずれかを含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。(C)Troung Giangイネ品種の改変イネの穂及び種子を示す画像である。
図17】実生13及び14のOsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、OsSODCC1、及びOsSOD2の遺伝子発現を示す棒グラフ。実生13及び14は、ハヤユキイネ品種の改変イネから採取された種子から成長した。これらの実生は、野生型イネと比較して正規化された、本発明による改変植物から得られた種子から成長させた。
図18】野生型イネに対して正規化された実生13及び14の正規化された遺伝子発現をマッピングする散布図。バーは、遺伝子発現の4倍の増加を表す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
定義
別途具体的な明示のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者(例えば、細胞培養、分子遺伝学、植物分子生物学、タンパク質化学、及び生化学)により一般に理解されるのと同じ意味を有するものと解釈されるべきである。
【0052】
本明細書で使用される場合、「培地」という用語は、一般に、植物を成長させるために使用することができる固体、半固体、または液体の形態の天然または人工の物質を指す。本開示で使用することができる好適な種類の培地の例としては、土壌、人工、または非土壌の鉢植え混合物、水(例えば、水耕栽培形式用)、及び寒天が挙げられる。
【0053】
本明細書で使用される「塩類濃度」は、一般に、土壌または水中の可溶性塩の尺度を指す。本明細書で使用される「塩」は、一般に、カチオン、例えば、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、マグネシウム(Mg2+)、またはカルシウム(Ca2+)と、アニオン、例えば、塩化物(Cl-)、重炭酸塩(HCO3 -)、炭酸塩(CO3 2-)、または硫酸塩(SO4 2-)から構成される任意の分子を指す。塩化ナトリウム(NaCl)は、地下水及び土壌に最も一般的な塩類である。土壌(または別の成長培地)の塩類濃度は、(a)グラム/リットル(g/L)単位の培地の塩類濃度として、または、(b)電気伝導度(EC、デシジーメンス/メートル(dS/m)もしくは同等の単位のミリモース/センチメートル(mmhos/cm)もしくはミリジーメンス/センチメートル(mS/cm))の単位で、表すことができる。土壌の場合、塩類濃度は、植物の根域から採取され、時間と深さで平均化された飽和土壌ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)の単位で測定することができる。土壌ペースト抽出物は、水分飽和点まで引き上げられた土壌試料である(例えば、USDAを参照)。塩類及びアルカリ性土壌の診断及び改善。Agriculture Handbook No.60.(1954)(参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、電気伝導度は、飽和土壌ペースト抽出物から真空抽出され、濾過された水抽出物について測定される。
【0054】
USDAの塩類濃度検査室によれば、「塩類濃度」は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)が4dS/m以上である培地として定義することができ、「軽度の塩類濃度」(または培地)は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)が4~8であるものとし定義することができ;中等度の塩類濃度は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)が8~16であるものとして定義することができ;重度の塩類濃度は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)が16より大きいものとして定義することができ;海水の塩類濃度が30g/Lであり、ECが50dS/mであってよい。しかし、4dS/m未満の塩類濃度レベルでは、植物に影響が生じ得;いわゆる感受性の高い植物は、0.75~1.5dS/mで成長の問題を示し得;多くの植物は、それでもなお、1.5~3.0dS/mで成長速度の低下を経験し得る。
【0055】
耐塩性は、塩類ストレス、例えば、イオンストレス(例えば、LiCl濃度に対する耐性の増加により、試験することができる)及び/または浸透圧ストレス(例えば、ポリエチレングリコール濃度に対する耐性の増加により、試験することができる)を引き起こすように組み合わせる個々の物理化学的ストレスに対する耐性により明示することができる。塩類濃度が植物に及ぼす一般的な影響は、成長速度の低減であり、それにより、葉が小さくなり、背丈が低くなり、葉の数が減り、及び/または収量が減少する。従って、いくつかの実施形態では、耐塩性は、植物全体の収量、質量、長さ、もしくは成長速度を参照することにより、または、植物の特定の部分(例えば、根、葉、苗条、及び/または種子)の収量、質量、長さ、もしくは成長速度により、評価することができる。例えば、植物の耐塩性は、塩類濃度の範囲にわたる収量の低下の関数として記載することができる。他の実施形態では、植物の耐塩性は、2つのパラメータ、閾値(ECt)、最大予想収量(Ymax)の初期の大幅な低減を引き起こすことが予想される電気伝導度、及び傾き(複数可)を使用して記載することができる。図8は、収量 対 塩類濃度プロットの例の図を示し、これは、塩類濃度閾値(ECt)、Ymax、及び傾き(複数可)を示す。ECtに関しては、ECtが0.9dS/m以下の植物は、塩類感受性があると考えることができ、ECtが0.9より大きく最大1.4dS/mの植物は、中等度の感受性があると考えることができ、ECtが1.4より大きく最大2.5dS/mの植物は、中等度の耐性があると考えられることができ、ECtが2.5dS/mより大きい植物は、中程度の耐性があると考えることができる。他の実施形態では、耐塩性は、収率が50%低減する(C50)飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)の単位で表すことができる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結されている」という用語は、一般に、プロモーター配列内の調節エレメントが、ポリヌクレオチド配列の調節活性に影響を与え得るように、プロモーター配列またはエンハンサー配列が、転写可能または翻訳可能ポリヌクレオチド配列(すなわち、導入遺伝子または目的遺伝子)に対して位置していることを意味する。例えば、転写プロモーター活性を有するプロモーターは、任意の距離に、例えば、遺伝子の近傍に、または遺伝子から最大数千ヌクレオチド離れて、及び遺伝子の上流または下流に配置することができ、これは、最小のプロモーターエレメント、及び転写されるべきポリヌクレオチド配列であり得、依然として、コードされたレポーター分子の発現レベルに対して検出可能な影響を発揮する。
【0057】
別途指示のない限り、本発明で利用される組み換えタンパク質、細胞培養、及び免疫学的技術は、当業者らに周知の標準的な手順である。そのような手法は、以下の出典の文献全体に記載及び説明されている:J.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning,John Wiley and Sons(1984),J.Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989),T.A.Brown(editor),Essential Molecular Biology:A Practical Approach,Volumes 1 and 2,IRL Press(1991),D.M.Glover and B.D.Hames(editors),DNA Cloning:A Practical Approach,Volumes 1-4,IRL Press(1995 and 1996),and F.M.Ausubel et al.(editors),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience(1988,including all updates until present),Ed Harlow and David Lane(editors)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,(1988),及びJ.E.Coligan et al.(editors)Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons(現在までの全ての更新を含む)。
【0058】
「及び/または」、例えば「X及び/またはY」という用語は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると理解されるものとし、両方の意味またはいずれかの意味を明示的にサポートすると解釈されるものとする。
【0059】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、反対の記載がない限り、指定値の±10%、±5%、±1%、または±0.5%を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、「含む」という動詞及びその活用形は、その単語に続く項目が含まれるが、特に、言及されていない項目が除外されることを意味する非限定的な意味で使用される。さらに、「からなる」という動詞は、必要に応じて、本明細書で定義される生成物が、具体的に特定されたもの以外の追加の構成要素(複数可)を含んでもよく、該追加の構成要素(複数可)が本発明の固有の特徴を変更しないことを意味する「から本質的に構成される」で置き換えられ得る。さらに、本明細書で定義される方法は、具体的に特定されたもの以外の追加のステップ(複数可)を含んでもよく、該追加のステップ(複数可)は、本発明の独特の特徴を変更しない。加えて、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈上、エレメントが1つだけ存在することを明確に要求しない限り、複数の要素が存在する可能性を排除しない。従って、不定冠詞「a」または「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
【0061】
定義されたポリペプチドに関して、上で提供されたものより高い同一性%の数値は、さらなる特定の実施形態を包含することが理解されるであろう。従って、適用可能な場合、最小同一性%の数値に照らして、ポリペプチドは、指定された関連配列番号と、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、少なくとも99.9%同一、または100%同一であるアミノ酸配列を含んでもよい。
【0062】
2つの配列間の類似性の程度は、配列同一性パーセントに基づくことができる。本明細書において「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチドまたはアミノ酸配列が不変である程度を意味する。「配列アラインメント」は、類似性の程度を評価する目的で、最大レベルの同一性を得るように2つ以上の配列を並べるプロセスを意味する。配列をアラインし、類似性/同一性を評価するための多数の方法、例えば、クラスター法が当該技術分野で既知であり、類似性が、MEGALIGNアルゴリズム、ならびにBLASTN、BLASTP、及びFASTAに基づいている。これらのプログラムのいずれかを使用する場合、最高の配列類似性がもたらされる設定が選択され得る。
【0063】
例示的な方法は、参考文献[5]のセクション7.7.18に記載されている。アライメントは、5または12のギャップオープンペナルティ及び2のギャップ伸長ペナルティ、62のBLOSUMマトリックスを用いたアフィンギャップ検索を使用するSmith-Waterman相同性検索アルゴリズムで決定され得る。Smith-Waterman相同性検索アルゴリズムは、参考文献[6]に開示されている。別の実施形態では、ポリペプチドの同一性パーセンテージは、ギャップ生成ペナルティ=5、及びギャップ伸長ペナルティ=0.3でのGAP(Needleman and Wunsch、1970)分析(GCGプログラム)で決定することができる。クエリ配列は、少なくとも150アミノ酸長であり、GAP分析は、少なくとも150アミノ酸の領域にわたって2つの配列をアラインする。クエリ配列は、少なくとも500アミノ酸長であってよく、GAP分析は、少なくとも500アミノ酸の領域にわたって2つの配列をアラインする。クエリ配列は、少なくとも750アミノ酸長であってよく、GAP分析は、少なくとも750アミノ酸の領域にわたって2つの配列をアラインする。クエリ配列は、少なくとも900アミノ酸長であってよく、GAP分析は、少なくとも900アミノ酸の領域にわたって2つの配列をアラインする。GAP分析は、2つの配列を全長にわたってアラインし得る。
【0064】
本明細書で名詞として使用される「植物」という用語は、植物全体を指し、植物界の任意のメンバーを指すが、形容詞として使用される場合、植物、例えば、植物器官(例えば、葉、茎、根、花)、単細胞(例えば、花粉)、種子、植物細胞などに存在するか、それから得られるか、それから由来するか、またはそれに関連する任意の物質を指す。苗木ならびに根及び苗条が出た発芽した種子も、「植物」の範囲に含まれる。本明細書で使用される「植物部位」という用語は、植物から得られ、植物のゲノムDNAを含む1つ以上の植物組織または器官を指す。植物部位は、栄養構造(例えば、葉、茎)、根、花の器官/構造、種子(胚、子葉、及び種皮を含む)、植物組織(例えば、維管束組織、基本組織など)、細胞及びそれの子孫を含む。本明細書で使用される「植物細胞」という用語は、植物からまたは植物内で得られる細胞を指し、プロトプラストまたは植物由来の他の細胞、配偶子生成細胞、及び植物全体に再生する細胞を含む。植物細胞は、培養細胞であってよい。「植物組織」は、植物内の分化した、または植物から得られた組織(「外植片」)、または未熟もしくは成熟した胚、種子、根、苗条、果実、塊茎、花粉、隆起組織、例えば、樹冠、培養中の植物細胞の様々な形態の集合体、例えば、カルスに由来する未分化組織を意味する。種子内または種子由来の例示的な植物組織は、子葉、胚、及び胚軸である。従って、本発明は、植物及び植物部位、ならびにこれらを含む生成物を含む。
【0065】
本明細書で使用される場合、「種子」という用語は、植物から収穫の準備ができているか、もしくは収穫されている、例えば、通常野外で商業的に収穫される植物の「成熟種子」、または、受精後、種子の休眠が確立される前、及び収穫前の植物で生じる「発育中の種子」を指す。
【0066】
エンハンサーエレメントは、野生型植物における目的遺伝子の発現レベルと比較して、目的遺伝子の発現レベルを変化させることが可能な調節エレメント(複数可)を含むか、またはそれらからなるポリヌクレオチド配列である。例えば、エンハンサーエレメントは、野生型植物と比較して、目的遺伝子の発現レベルを増加させ得る。エンハンサーエレメントは、常に、または植物のライフサイクルの1つ以上の段階で、例えば、植物が発芽する時に、目的遺伝子の発現レベルを変更し得る。エンハンサーエレメントは、野生型植物と比較して、植物内の異なる位置で目的遺伝子の発現をもたらし得る。
【0067】
エンハンサーエレメントは、植物ゲノムに天然に存在する調節エレメント(複数可)を含み得、または植物ゲノムに天然に存在しない調節エレメントを含有し得る。例えば、エンハンサーエレメントは、同じ種の植物細胞、または異なる種の別の植物細胞、または非植物源、または合成配列から得られるか、またはそれらに由来するポリヌクレオチド配列を含んでもよい。特定の実施形態では、エンハンサーエレメントは、対応する目的遺伝子について植物ゲノムに天然に存在するプロモーター配列ではない。
【0068】
エンハンサーエレメントは、遺伝子工学を含む植物形質転換法で植物のゲノムに組み込まれ、すなわち、エンハンサーエレメントは、本質的に生物学的な手段、例えば、交配、異種交配、または品種改良で植物のゲノムに組み込まれない。そのようなゲノム改変の結果として、改変植物は、関連野生型植物とは異なり、野生型植物に天然には見られない形質を有する。特定の実施形態では、エンハンサーエレメント(複数可)は、植物のゲノムに安定して組み込まれる。
【0069】
「目的遺伝子」、「遺伝子」、及び「遺伝子」という用語は、植物のゲノム内に天然に存在するポリヌクレオチド配列を指し、すなわち、それは、植物内の内因性遺伝子である。
【0070】
「導入遺伝子」という用語は、遺伝子工学を含む植物形質転換法により植物のゲノムに組み込まれているポリヌクレオチド配列を指す。すなわち、導入遺伝子は、本質的に生物学的な手段、例えば、交配、異種交配、または品種改良により植物のゲノムに組み込まれない。本明細書で使用される場合、「トランスジェニック」という用語は、導入遺伝子を含むことを意味し、例えば、「トランスジェニック植物」は、そのゲノム中に導入遺伝子を含む植物を指し、「トランスジェニック形質」は、植物ゲノムに組み込まれた導入遺伝子の存在により伝達または付与される特徴または表現型を指す。導入遺伝子は、同じ種の植物細胞、または異なる種の別の植物細胞、または非植物源、または合成配列から得られるか、またはそれらに由来するポリヌクレオチド配列を含んでもよい。そのようなゲノム変化の結果として、トランスジェニック植物は、関連する野生型植物とは異なり、トランスジェニック形質は、野生型植物には天然には見られない形質となる。
【0071】
トランスジェニック植物の導入遺伝子がトランスジェニック植物と同じ種の植物細胞から得られるか、またはそれに由来する場合、野生型植物と比較して遺伝子の余分なコピーが植物ゲノムに存在し、すなわち、トランスジェニック植物が、内因性遺伝子と、導入遺伝子である遺伝子の余分なコピーを含むことを、導入遺伝子の存在は意味する。遺伝子の追加のコピーは、内因性植物プロモーターまたは内因性プロモーターとは異なる人工プロモーターに作動可能に連結され得る。人工プロモーターが存在すると、野生型植物と比較した場合に異なる導入遺伝子の発現レベルまたは発現パターンが生じ得る。例えば、導入遺伝子の発現レベルは、野生型植物と比較して増加または減少し得る。遺伝子の追加のコピーが、植物のライフサイクルのある時点、例えば、植物が発芽する時に、遺伝子の発現の変更をもたらし得る。遺伝子の追加のコピーが、内因性遺伝子と比較して植物内の異なる場所で遺伝子の発現をもたらし得る。特定の実施形態では、導入遺伝子は、植物のゲノムに安定して組み込まれる。
【0072】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、導入遺伝子及びエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている目的遺伝子を含み得る。導入遺伝子または目的遺伝子は、本明細書に記載の任意の導入遺伝子または目的遺伝子であり得る。導入遺伝子または目的遺伝子は、同じタンパク質をコードし得るか、または異なるタンパク質をコードし得る。例えば、トランスジェニック植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする導入遺伝子、及び抗酸化物質をコードする目的遺伝子を含んでもよく、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0073】
本明細書で引用される全ての特許及び文献は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
発明の開示
本明細書に開示の改善された耐塩性は、本明細書に開示のトランスジェニック植物及び/または本明細書に開示の改変植物の作成を含む、多くの経路により達成することができる。改善された耐塩性は、本明細書に開示のように達成される、野生型と比較して増加した遺伝子及び/または導入遺伝子発現により提供することができる。例えば、野生型と比較して増加した発現は、本明細書に開示の導入遺伝子(複数可)及び/またはエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている目的遺伝子を使用することにより達成され得る。
【0075】
導入遺伝子及び目的遺伝子
本発明は、植物の耐塩性が増加するように、目的遺伝子に作動可能に連結されているエンハンサーエレメントを有するように特に設計された改変植物を提供する。例えば、本発明は、少なくとも2つの目的遺伝子を含む改変植物を提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0076】
導入遺伝子を挿入するよりも、目的遺伝子に作動可能に連結されているように、短いエンハンサーエレメントを植物のゲノムに挿入することが有利であることを、発明者らは確認している。本発明による改変植物を生成するためのこの方法は、ゲノムに挿入されるべきDNAのより少ない量しか必要とせず、これは、植物への侵襲性が低いことを意味する。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、本発明の改変植物で観察される耐塩性の改善が、植物ゲノムに挿入されているDNAの量の減少によるものであり得ると、本発明者らは考えている。さらに、導入遺伝子全体をゲノムに挿入するのではなく遺伝子編集されている植物は、より短期間の規制認可を要求する。
【0077】
本発明は、植物が耐塩性を増加させるように、導入遺伝子を含むように特別に設計され、遺伝子改変されているトランスジェニック植物を提供する。例えば、本発明は、少なくとも2つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物を提供し、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする導入遺伝子及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。
【0078】
本発明は、目的遺伝子に作動可能に連結されているエンハンサーエレメントを含み、その結果、植物が耐塩性を増加させるように、特に設計され、遺伝子改変されている改変植物も提供する。例えば、本発明は、少なくとも2つの目的遺伝子を含む改変植物を提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0079】
導入遺伝子を使用するアプローチとエンハンサーエレメントに連結されている目的遺伝子を使用するアプローチは、双方ともに、導入遺伝子及び/または目的遺伝子の発現を増加させるという同じ結果に至る経路であり得る。従って、本明細書に開示の導入遺伝子及び目的遺伝子にコードされるタンパク質は、同じであってよい。
【0080】
酸化防止剤
細胞内のナトリウム濃度が増加すると、ナトリウムイオンが、代謝反応を妨げ、過酸化水素、OH-、及び酸素などの活性酸素種及びラジカルの増加を引き起こす。これらの活性酸素種及びラジカルは、DNAを損傷するなどの細胞内に様々な悪影響を与え得る。抗酸化物質は、活性酸素種及びラジカルを生成する酸化を抑制する化合物である。過剰なレベルの塩化物イオンも、活性酸素種及びラジカルの増加につながり得る。本発明者らは、有利には、トランスジェニック植物において抗酸化物質をコードする少なくとも1つの導入遺伝子を発現させると、トランスジェニック植物の耐塩性が増加させることを確認している。本発明者らは、有利には、改変植物において抗酸化物質をコードする目的遺伝子にエンハンサーエレメントを作動可能に連結すると、改変植物の耐塩性が増加することを確認した。
【0081】
抗酸化物質は、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質であり得る。いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、スーパーオキシドジスムターゼ1(SODA)である。いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、スーパーオキシドジスムターゼ2(SOD2)である。いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、細胞質スーパーオキシダーゼジスムターゼ(SODCC1)である。
【0082】
いくつかの実施形態では、SODA1は、Oryza sativa SODA1(OsSODA1)である。OsSODA1は、Uniprotアクセッション番号Q43121または配列番号92のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、Q43121のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または導入遺伝子は、Q43121と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、配列番号92のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号92と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、SOD2は、Oryza sativa SOD2(OsSOD2)である。OsSOD2は、Uniprotアクセッション番号Q10PW4または配列番号93のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、Q10PW4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または導入遺伝子は、Q10PW4と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、配列番号93のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号93と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、SODCC1は、Oryza sativa SODCC1(OsSODCC1)である。OsSODCC1は、Uniprotアクセッション番号Q0DRV6または配列番号94のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子もしくは目的遺伝子が、Q0DRV6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q0DRV6と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、もしくは99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、配列番号94のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号94と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの導入遺伝子、少なくとも3つの導入遺伝子、少なくとも4つの導入遺伝子、または少なくとも5つの導入遺伝子を含み得る。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの導入遺伝子を含み得る。抗酸化物質は、ミトコンドリア抗酸化物質及び細胞質抗酸化物質であり得る。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、ミトコンドリア抗酸化物質をコードする導入遺伝子及び細胞質抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む少なくとも2つの導入遺伝子を含み得る。いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ及び/またはCuZnスーパーオキシドジスムターゼであり得る。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、2つの抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む少なくとも2つの導入遺伝子を含み得、2つの抗酸化物質が、SODA1及びSOD2;SODA1及びSODCC1;またはSOD2及びSODCC1からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、SODA1、SOD2、及びSODCC1をコードする導入遺伝子を含む少なくとも3つの導入遺伝子を含む。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、OsSODA1、OsSOD2、及びOsSODCC1をコードする導入遺伝子を含む少なくとも3つの導入遺伝子を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、改変植物は、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの目的遺伝子、少なくとも3つの目的遺伝子、少なくとも4つの目的遺伝子、または少なくとも5つの目的遺伝子を含み得る。特定の実施形態では、改変植物は、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの目的遺伝子を含み得る。抗酸化物質は、ミトコンドリア抗酸化物質及び細胞質抗酸化物質であり得る。特定の実施形態では、改変植物は、ミトコンドリア抗酸化物質をコードする目的遺伝子及び細胞質抗酸化物質をコードする目的遺伝子を含む、少なくとも2つの目的遺伝子を含み得る。いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ及び/またはCuZnスーパーオキシドジスムターゼであり得る。特定の実施形態では、改変植物は、2つの抗酸化物質をコードする目的遺伝子を含む、少なくとも2つの目的遺伝子を含み得、2つの抗酸化物質が、SODA1及びSOD2;SODA1及びSODCC1;またはSOD2及びSODCC1からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、改変植物は、SODA1、SOD2、及びSODCC1をコードする目的遺伝子を含む、少なくとも3つの目的遺伝子を含む。特定の実施形態では、改変植物は、OsSODA1、OsSOD2、及びOsSODCC1をコードする目的遺伝子を含む、少なくとも3つの目的遺伝子を含む。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0087】
細胞内イオン濃度を制御し得るタンパク質
細胞内イオン濃度を制御し得るタンパク質は、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、またはプロテインキナーゼを含む。
【0088】
植物は、低い細胞質ナトリウム濃度を維持するために2つの方策を使用する。ナトリウムは、細胞質からアポプラストまたは細胞外空間に排除することができる。あるいは、ナトリウムは、液胞に輸送され得、そこに蓄えられ、これは、ナトリウム区画化として既知である。細胞質ナトリウム濃度を低減させるための細胞膜及び液胞膜の両方の機序を利用すると、改変植物のストレス耐性を有利に増加させ得ることを、本発明者らは確認した。本発明は、少なくとも2つの目的遺伝子を含む改変植物を提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子及び細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0089】
本発明は、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質及び細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子を含む、少なくとも2つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物も提供する。
【0090】
イオントランスポーター
イオントランスポーターは、イオン勾配を介して、または様々な供給源(アデノシン三リン酸(ATP)、太陽光、及び他の酸化還元反応を含む)からのエネルギーを積極的に使用して、イオン、例えば、ナトリウムまたはカリウムを膜を越えて輸送し得る。本発明に使用されるイオントランスポーターは、活性イオントランスポーターであってよい。活性イオントランスポーターは、濃度勾配に逆らって植物細胞の細胞質からイオンを除去することが可能である。
【0091】
細胞膜に結合したナトリウム/水素アンチポーターは、細胞からナトリウムを排除するように作用する。SOS1(塩類過敏症1)は、細胞質から過剰なナトリウムを押し出す細胞膜のナトリウム/水素アンチポーターである。ここで、いくつかの種の研究は、SOS1が単子葉植物及び双子葉植物の両方を含む高等植物で保存されていることを示している[7]。SOS1は、また、植物の耐塩性に必須であることも以前に確認されている[8]。
【0092】
ナトリウムの区画化は、液胞またはアポプラストで生じ得る。植物の液胞は、植物のストレス応答において中心的な役割を果たす。植物細胞の総体積の80%超を占め得る中心液胞は、液胞膜により周囲の細胞質から分離されており、液胞膜は、幅広いポンプ、キャリア、イオンチャネル、及び受容体を通して細胞質へ、及び細胞質から無機及び有機溶質の通過を制御する[1]。NHX1(Na+/H+アンチポーター1)は、液胞膜(液胞)のナトリウム/水素イオンエクスチェンジャーである。
【0093】
いくつかの実施形態では、イオントランスポーターは、ナトリウム/水素アンチポーターである。いくつかの実施形態では、イオントランスポーターは、細胞膜ナトリウム/水素アンチポーター、例えば、SOS1である。いくつかの実施形態では、イオントランスポーターは、ナトリウム/水素イオンエクスチェンジャーである。いくつかの実施形態では、イオントランスポーターは、液胞膜ナトリウム/水素イオンエクスチェンジャー、例えば、NHX1である。エンハンサーエレメントを使用して細胞膜イオントランスポーターと組み合わせて液胞膜イオントランスポーターの発現を変化させると、ナトリウムが細胞質から排除され区画化され得るので、耐塩性を有利に高め得ることを、本発明者らは確認している。
【0094】
それ故、特定の実施形態では、改変植物は、少なくとも2つの目的遺伝子を含み得、目的遺伝子が、細胞膜ナトリウム/水素アンチポーターをコードする遺伝子、及び液胞膜ナトリウム/水素イオンエクスチェンジャーをコードする遺伝子を含み、細胞膜ナトリウム/水素アンチポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結され、液胞膜ナトリウム/水素イオンエクスチェンジャーをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。例えば、改変植物は、SOS1及びNHX1をコードする遺伝子を含んでもよい。
【0095】
特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも2つの導入遺伝子を含み得、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞膜ナトリウム/水素アンチポーターをコードする導入遺伝子及び液胞膜ナトリウム/水素イオンエクスチェンジャーをコードする導入遺伝子を含む。例えば、トランスジェニック植物は、SOS1及びNHX1をコードする導入遺伝子を含んでもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、SOS1は、Oryza sativa SOS1(OsSOS1)である。OsSOS1は、Uniprotアクセッション番号Q5ICN3;Uniprotアクセッション番号Q7XBF9;配列番号95;及び/または配列番号96のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、Q5ICN3及び/またはQ7XBF9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q5ICN3及び/またはQ7XBF9と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号95のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号95と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号96のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号96と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、NHX1は、Oryza sativa NHX1(OsNHX1)である。OsNHX1は、Uniprotアクセッション番号Q9SXJ8;Uniprotアクセッション番号Q6VVA7;配列番号97;及び/または配列番号98のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、Q9SXJ8及び/またはQ6VVA7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q9SXJ8及び/またはQ6VVA7と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号97のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号97と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号98のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号98と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0098】
高親和性カリウムトランスポーター(HKT)は、植物細胞の細胞膜を通過するカチオン輸送を促進する重要なクラスの膜内在性タンパク質に属する。HKT1(高親和性カリウムトランスポーター1)は、カリウム及びナトリウムを植物の木部から外へ輸送し、細胞の細胞質に戻す。HKT1は、わずかに大きな活性部位があり、これにより、ナトリウムの輸送により適するようになる。HKT1は、強力なナトリウムトランスポーターであるので、導入遺伝子または目的遺伝子であり得る。本発明の改変またはトランスジェニック植物にそれが含まれると、根のかなりの塩類レベルを固定し、植物の輸送系、それ故、植物の残部に塩類が入るのを防ぐことである。いくつかの実施形態では、イオントランスポーターは、高親和性カリウムトランスポーターである。特定の実施形態では、イオントランスポーターは、細胞膜高親和性カリウムトランスポーター、例えば、HKT1である。
【0099】
いくつかの実施形態では、HKT1は、Oryza sativa HKT1(OsHKT1)である。OsHKT1は、Uniprotアクセッション番号Q0D9S3または配列番号99のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、Q0D9S3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または導入遺伝子は、Q0D9S3と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号99のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号99と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0100】
プロテインキナーゼ
SOS1の機能は、SOS2(塩類過敏症2)で調節される。SOS2は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼである。SOS2の構成的発現は、SOS1を構成的に活性化し、細胞から外への継続的な塩類輸送を可能にし、耐塩性を高めることが示されている[9]。プロテインキナーゼがイオントランスポーターを活性化し得、これにより、耐塩性の向上がもたらされるので、エンハンサーエレメントを使用して細胞膜イオントランスポーターなどの少なくとも1つのイオントランスポーターの発現を変化させることと組み合わせて、エンハンサーエレメントを使用してプロテインキナーゼの発現を変化させることが有利であり得ることを、本発明者らは確認した。いくつかの実施形態では、プロテインキナーゼは、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ、例えば、SOS2である。いくつかの実施形態では、SOS2は、Oryza sativa SOS2(OsSOS2)である。OsSOS2は、Uniprotアクセッション番号Q69Q47または配列番号100のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、Q69Q47のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または導入遺伝子は、Q69Q47と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号100のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号100と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、SOS1及びSOS2をコードする少なくとも2つの導入遺伝子を含む。
【0101】
水素輸送ATPアーゼ及びピロホスファターゼ
pH勾配が細胞膜及び液胞膜にわたって存在することを確実にするので、改変またはトランスジェニック植物におけるナトリウム/水素アンチポーター及び水素輸送ATPアーゼ及びピロホスファターゼの発現を変化させることが有利であることを、本発明者らは確認している。ナトリウム/水素トランスポーターは、水素輸送ATPアーゼ及びピロホスファターゼにより生成されるpH勾配を利用して、細胞質から外にナトリウムを輸送する。それ故、このpH勾配は、細胞質から外へのナトリウム輸送を促進し、それにより改変またはトランスジェニック植物の耐塩性を向上させるのに役立つ。例えば、AHAファミリーは、細胞膜結合水素輸送ATPアーゼ(H+-ATPアーゼ)であり、これは、AHA1、AHA2、及びAHA3を含む。それらの主な機能は、水素イオンを細胞膜を越えて、細胞から外に輸送することである。これは、電気化学的プロトン勾配、最終的には、プロトンの推進力を生成する。このプロトンの推進力は、電池のように機能する-水素イオンが、細胞から外へ強制的に押し出され、細胞外の水素イオンを細胞内のナトリウムイオンと容易に交換するためのエネルギーを提供する電気化学的勾配を生じる。
【0102】
水素輸送ATPアーゼ及びピロホスファターゼは、植物細胞の液胞膜の主要成分である[1]。VHA-A(液胞H+-ATPアーゼサブユニットA1)は、ATPを分解して水素イオンを液胞内に輸送する液胞ATPアーゼである。これは、ナトリウムイオンと交換することができる液胞内の大量の水素イオンを増大させることにより、液胞膜全体でSOS1及びAHA3サイクルと同様の強力なプロトン推進力を生じる。これは、植物の耐塩性を有利に増加させると考えられる。
【0103】
いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御し得るタンパク質は、水素輸送ATPアーゼまたは水素輸送ピロホスファターゼである。いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御し得るタンパク質は、水素輸送ATPアーゼである。いくつかの実施形態では、水素輸送ATPアーゼは、液胞膜水素輸送ATPアーゼまたは細胞膜水素輸送ATPアーゼである。
【0104】
特定の実施形態では、細胞膜水素輸送ATPアーゼは、AHA3である。いくつかの実施形態では、AHA3は、Oryza sativa AHA3(OsAHA3)である。OsAHA3は、Uniprotアクセッション番号Q8L6I3または配列番号101のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、Q8L6I3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q8L6I3と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号101のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号101と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0105】
特定の実施形態では、液胞膜水素輸送ATPアーゼは、VHA-Aである。いくつかの実施形態では、VHA-Aは、Oryza sativa VHA-A(OsVHA-A)である。OsVHA-Aは、Uniprotアクセッション番号Q651T8または配列番号102のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、Q651T8の配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q651T8と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号102のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号102と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0106】
他の実施形態では、液胞膜水素輸送ATPアーゼは、VHA-Bである。いくつかの実施形態では、VHA-Bは、Oryza sativa VHA-B(OsVHA-B)である。OsVHA-Bは、Uniprotアクセッション番号Q7FV25または配列番号103のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、Q7FV25の配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q7FV25と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号103のアミノ酸配列を含むか、または、配列番号103と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0107】
特定の実施形態では、改変植物は、少なくとも2つの目的遺伝子を含み、少なくとも2つの目的遺伝子が、水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子及びイオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの目的遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子及び細胞膜イオントランスポーター(例えば、ナトリウムトまたはカリウムトランスポーター)をコードする遺伝子を含む。例えば、目的遺伝子は、SOS1及びAHA3をコードし得る。いくつかの実施形態では、遺伝子は、液胞膜水素輸送ATPアーゼ及び液胞膜イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードする。例えば、目的遺伝子は、NHX1及びVHA-Aをコードし得る。さらなる実施形態では、改変植物は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子、細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子、液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子、及び液胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子を含む。例えば、目的遺伝子は、SOS1、AHA3、NHX1、及びVHA-Aをコードし得る。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0108】
特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも2つの導入遺伝子を含み、少なくとも2つの導入遺伝子が、水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子及びイオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの導入遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子及び細胞膜イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードする導入遺伝子を含む。例えば、導入遺伝子は、SOS1及びAHA3をコードし得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、液胞膜水素輸送ATPアーゼ及び液胞膜イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードする。例えば、導入遺伝子は、NHX1及びVHA-Aをコードし得る。さらなる実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、少なくとも4つの導入遺伝子が、細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、細胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子、液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、及び液胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子を含む。例えば、導入遺伝子は、SOS1、AHA3、NHX1、及びVHA-Aをコードし得る。
【0109】
本発明の例示的な改変及びトランスジェニック植物
本発明は、少なくとも2つの目的遺伝子を含む改変植物を提供し、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。本発明は、少なくとも2つの導入遺伝子を含むトランスジェニック植物も提供し、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする導入遺伝子及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質は、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、またはプロテインキナーゼであり得る。いくつかの実施形態では、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質である。
【0111】
いくつかの実施形態では、改変植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子を含む、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上、8つ以上、9つ以上、または10以上の目的遺伝子を含む。特定の実施形態では、改変植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする6つ以上の目的遺伝子及び抗酸化物質をコードする2つ以上の目的遺伝子を含む、8つ以上の目的遺伝子を含む。この段落及びこのセクション全体の実施形態のそれぞれにおいて、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0112】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする導入遺伝子を含む、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上、8つ以上、9つ以上、または10以上の導入遺伝子を含む。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする6つ以上の導入遺伝子及び抗酸化物質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含む、8つ以上の導入遺伝子を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、改変植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする2つ以上の目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、(a)イオントランスポーター及び水素輸送ATPアーゼ;(b)イオントランスポーター及び水素輸送ピロホスファターゼ;(c)イオントランスポーター及びプロテインキナーゼ;(d)水素輸送ATPアーゼ及びプロテインキナーゼ;(e)水素輸送ピロホスファターゼ及びプロテインキナーゼ;(f)2つのイオントランスポーター、をコードする。特定の実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、イオントランスポーター及び水素輸送ATPアーゼ、またはイオントランスポーター及びプロテインキナーゼをコードする。例えば、導入遺伝子または目的遺伝子は、SOS1及びAHA3;SOS1及びSOS2;またはNHX1及びVHA-Aをコードする。特定の実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子は、OsSOS1及びOsAHA3;OsSOS1及びOsSOS2;またはOsNHX1及びOsVHA-Aをコードする。
【0114】
いくつかの実施形態では、改変植物は、細胞内イオン濃度を制御する2つの細胞膜タンパク質をコードする遺伝子を含む、2つ以上の目的遺伝子を含む。他の実施形態では、改変植物は、細胞内イオン濃度を制御する2つの液胞膜タンパク質をコードする遺伝子を含む、2つ以上の目的遺伝子を含む。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0115】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞内イオン濃度を制御する2つの細胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子を含む、2つ以上の導入遺伝子を含む。他の実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞内イオン濃度を制御する2つの液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子を含む、2つ以上の導入遺伝子を含む。
【0116】
細胞膜及び液胞膜の両方の機序を使用して、細胞質ナトリウム濃度を低減させると、植物の耐塩性を有利に高め得ることを、本発明者らは確認した。従って、本発明は、少なくとも2つの導入遺伝子または目的遺伝子を含む、改変及びトランスジェニック植物を提供し、導入遺伝子または目的遺伝子は、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードし、導入遺伝子または目的遺伝子は、細胞内のイオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0117】
例えば、改変植物は、細胞膜イオントランスポーター及び液胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子を含む2つ以上の目的遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変植物は、細胞膜イオントランスポーター及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子を含む2つ以上の目的遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変植物は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ及び液胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子を含む2つ以上の目的遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変植物は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子を含む2つ以上の目的遺伝子を含む。例えば、目的遺伝子は、SOS1及びNHX1;AHA3及びVHA-A;SOS1及びAHA3;またはNHX1及びAHA3をコードする。特定の実施形態では、遺伝子は、OsSOS1及びOsNHX1;OsAHA3及びOsVHA-A;OsSOS1及びOsAHA3;またはOsNHX1及びOsAHA3をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0118】
例えば、トランスジェニック植物は、細胞膜イオントランスポーター及び液胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子を含む2つ以上の導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞膜イオントランスポーター及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子を含む2つ以上の導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ及び液胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子を含む2つ以上の導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子を含む2つ以上の導入遺伝子を含む。例えば、導入遺伝子は、SOS1及びNHX1;AHA3及びVHA-A;SOS1及びAHA3、またはNHX1及びAHA3をコードする。特定の実施形態では、導入遺伝子は、OsSOS1及びOsNHX1;OsAHA3及びOsVHA-A;OsSOS1及びOsAHA3;またはOsNHX1及びOsAHA3をコードする。
【0119】
いくつかの実施形態では、改変植物は、該ゲノム改変のない同種の植物と比較して、改変植物の耐塩性を増加させる少なくとも3つの目的遺伝子を含み得、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、該ゲノム改変のない同種の植物と比較して、トランスジェニック植物の耐塩性を増加させる少なくとも3つの導入遺伝子を含み得る。
【0120】
改変植物またはトランスジェニック植物は、少なくとも3つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み得、少なくとも3つの目的遺伝子または導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群から独立して選択され得るタンパク質をコードする遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び液胞膜ATPアーゼをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び液胞膜イオントランスポーターをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び液胞膜イオントランスポーターをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜ナトリウムトランスポーター、液胞膜ナトリウムトランスポーター、及びカリウムトランスポーターをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及びプロテインキナーゼをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及びプロテインキナーゼをコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0121】
改変植物は、少なくとも3つの目的遺伝子を含み得る。特定の実施形態では、改変植物は、少なくとも3つの目的遺伝子を含み、少なくとも3つの目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子;細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子;及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含む。例えば、改変植物は、少なくとも3つの目的遺伝子を含み得、少なくとも3つの目的遺伝子が、細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子;液胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子;及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含む。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0122】
トランスジェニック植物は、少なくとも3つの導入遺伝子を含み得る。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも3つの導入遺伝子を含み、少なくとも3つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子;細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子、を含む。例えば、トランスジェニック植物は、少なくとも3つの導入遺伝子を含み得、少なくとも3つの導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子;液胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子;及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。
【0123】
改変またはトランスジェニック植物は、少なくとも4つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み得、少なくとも4つの目的遺伝子または導入遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群から選択することができるタンパク質をコードする遺伝子または導入遺伝子を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0125】
いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜ATPアーゼ、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0126】
特定の実施形態では、改変植物は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含む。特定の実施形態では、植物の目的遺伝子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、SOS1(細胞膜イオントランスポーター)、NHX1(液胞膜イオントランスポーター)、HKT1(カリウムトランスポーター)、及びSODA1(抗酸化物質)をコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含むイネ目的遺伝子を提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0127】
特定の実施形態では、改変植物は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜体イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、及び細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子を含む。特定の実施形態では、植物の目的遺伝子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、SOS1(細胞膜イオントランスポーター)、NHX1(液胞膜イオントランスポーター)、HKT1(カリウムトランスポーター)、及びAHA3(細胞膜水素輸送ATPアーゼ)をコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含むイネ目的遺伝子を提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsAHA3をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0128】
特定の実施形態では、改変植物は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、セリンキナーゼ、及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子を含む。特定の実施形態では、植物の目的遺伝子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、SOS1(細胞膜イオントランスポーター)、NHX1(液胞膜イオントランスポーター)、SOS2(セリンキナーゼ)、及びVHA-A(液胞膜水素輸送ATPアーゼ)をコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも4つの目的遺伝子を含むイネ目的遺伝子を提供し、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsSOS2、及びOsVHA-Aをコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0129】
特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、少なくとも4つの導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、少なくとも4つの導入遺伝子が、SOS1(細胞膜イオントランスポーター)、NHX1(液胞膜イオントランスポーター)、HKT1(カリウムトランスポーター)、及びSODA1(抗酸化物質)をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも4つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、少なくとも4つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする導入遺伝子を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子または導入遺伝子を含み、目的遺伝子または導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子または導入遺伝子を含み、目的遺伝子または導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び抗酸化物質をコードする。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子または導入遺伝子を含み、目的遺伝子または導入遺伝子が、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び抗酸化物質をコードする。
【0131】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、少なくとも4つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子または導入遺伝子が、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び液胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子または導入遺伝子を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、少なくとも5つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み得、少なくとも5つの目的遺伝子または導入遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群より選択され得るタンパク質をコードする遺伝子または導入遺伝子を含む。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び少なくとも1つの抗酸化物質をコードする。例えば、遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、及びSODA1をコードし得る。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。例えば、遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、SOS2、及びSODA1をコードし得る。いくつかの実施形態では、遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。例えば、遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、HKT1、NHX1、SOS2、及びSODA1をコードし得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、少なくとも6つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み得、少なくとも6つの目的遺伝子または導入遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群より選択され得るタンパク質をコードする遺伝子または導入遺伝子を含む。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。例えば、目的遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、SOS2、及びSODA1をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、カリウムトランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。例えば、少なくとも6つの目的遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、HKT1、NHX1、SOS2、及びSODA1をコードする。
【0135】
いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質をコードし得る。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、プロテインキナーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、及び抗酸化物質をコードする。
【0136】
いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。例えば、目的遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、SOS2、及びSODA1をコードする。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、カリウムトランスポーター、液胞膜イオントランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。例えば、6つの目的遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、HKT1、NHX1、SOS2、及びSODA1をコードし得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、少なくとも7つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み得、少なくとも7つの目的遺伝子または導入遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群より選択され得るタンパク質をコードする遺伝子または導入遺伝子を含む。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質をコードする。例えば、7つの目的遺伝子または導入遺伝子は、(a)SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、及びSODA1;(b)SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、及びSODCC1;または、(c)SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、及びSOD2をコードし得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、改変植物は、少なくとも8つの目的遺伝子を含み得、少なくとも8つの目的遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群から独立して選択され得るタンパク質をコードする。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。特定の実施形態では、目的遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、及び2つの抗酸化物質をコードする。特定の実施形態では、目的遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、SODA1、及びSODCC1をコードする。さらに特定の実施形態では、目的遺伝子は、OsSOS1、OsAHA-3、OsNHX1、OsVHA-A、OsHKT1、OsSOS2、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードする。代替の特定の実施形態では、目的遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、SODA1、及びSOD2をコードする。さらに特定の実施形態では、目的遺伝子は、OsSOS1、OsAHA-3、OsNHX1、OsVHA-A、OsHKT1、OsSOS2、OsSODA1、及びOsSOD2をコードする。この段落の各実施形態では、目的遺伝子は、本明細書に開示のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0139】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、少なくとも8つの導入遺伝子を含み得、少なくとも8つの導入遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群より選択され得るタンパク質をコードする導入遺伝子を含む。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。特定の実施形態では、導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、及び2つの抗酸化物質をコードする。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、SODA1、及びSODCC1をコードする。さらに特定の実施形態では、導入遺伝子は、OsSOS1、OsAHA-3、OsNHX1、OsVHA-A、OsHKT1、OsSOS2、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードする。代替の特定の実施形態では、導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、SODA1、及びSOD2をコードする。さらに特定の実施形態では、OsSOS1、OsAHA-3、OsNHX1、OsVHA-A、OsHKT1、OsSOS2、OsSODA1、及びOsSOD2。
【0140】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、少なくとも9つの目的遺伝子または導入遺伝子を含み得、少なくとも9つの目的遺伝子または導入遺伝子が、独立して、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、プロテインキナーゼ、及び少なくとも1つの抗酸化物質からなる群より選択され得るタンパク質をコードし得る遺伝子または導入遺伝子を含む。これらのコードされたタンパク質は、細胞膜タンパク質、細胞質タンパク質、または液胞膜タンパク質であり得る。特定の実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、及び3つの抗酸化物質をコードする。特定の実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS2、SODA1、SODCC1、及びSOD2をコードする。
【0141】
追加の目的遺伝子及び導入遺伝子
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、さらに、シトクロムP450(P450)、酸素発生複合体、スクロースリン酸シンターゼ、及び/またはピロリンシンターゼをコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。以下のセクションの実施形態のそれぞれにおいて、目的遺伝子は、本明細書に開示されるように、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0142】
シトクロムP450
シトクロムP450は、葉のワックス生成の律速段階を触媒する酵素である。この酵素の発現を増加させることにより、葉中のワックスのレベルを増加させることができる。このワックスの増加により、植物の葉の葉肉細胞と空気の間の水分の損失が防止される。塩類レベルの高い海洋空気と葉肉のエアポケット内の水ポテンシャルの間には浸透圧の差が存在する。それ故、シトクロムP450をコードする導入遺伝子を含めること、またはシトクロムP450である目的遺伝子を標的とすることにより、改変またはトランスジェニック植物が海洋などの高塩類濃度地域で有利に成長することができることがある。それ故、いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、さらに、シトクロムP450(P450)をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、P450は、Oryza sativa P450(OsP450)である。いくつかの実施形態では、P450は、UniProtアクセッション番号Q9FVS9または配列番号112を有するArabidopsis thaliana P450である。いくつかの実施形態では、導入遺伝子もしくは目的遺伝子が、配列番号112のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または導入遺伝子が、少なくとも75%、80%、85%を有するアミノ酸配列を含む。、配列番号112に対して90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%もしくは99.9%の配列同一性。
【0143】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物が、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びP450をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SOD2、及びP450をコードする導入遺伝子を含む。
【0144】
酸素発生複合体
細胞内の多くの場所に水素イオンを送り出すプロセスは、エネルギーを大量に消費し得る。光化学系2加水分解酵素から3つのサブユニット:PsbO、PsbP、及びPsbQを構成的に生成すると、植物細胞が利用できるエネルギー量が増加させることにより、トランスジェニック植物の耐塩性を向上させるのに役立ち得る。組み合わせて完全な酵素ユニットを形成する場合、これらのサブユニットが水分子を分解して、水素イオン、電子、及び酸素を生成する。PsbU及びPsbVは、また、完全な酵素により水の還元のみを可能にするために、このシステムで使用され得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、さらに、酸素発生複合体をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、酸素発生複合体は、タンパク質PsbO、PsbP、及びPsbQから形成される。いくつかの実施形態では、酸素発生複合体は、タンパク質PsbO、PsbP、PsbQ、PsbU、及びPsbVから形成される。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、PsbO、PsbP、及びPsbQをコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SOD2、PsbO、PsbP、PsbQ、PsbU及びPsbVをコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、PsbOは、Oryza sativa PsbO(OsPsbO)である。OsPsbOは、Uniprotアクセッション番号A5JV93または配列番号104のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、目的遺伝子もしくは導入遺伝子が、A5JV93及び/または配列番号104のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、A5JV93及び/または配列番号104と、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、もしくは99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、PsbPは、Oryza sativa PsbP(OsPsbP)である。OsPsbPは、Uniprotアクセッション番号XP_002876377.1;Q0KIW5;配列番号105のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、目的遺伝子もしくは導入遺伝子が、XP_002876377.1;Q0KIW5;配列番号105のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、XP_002876377.1;Q0KIW5;配列番号105と、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、PsbQは、Oryza sativa PsbQ(OsPsbQ)である。OsPsbQは、Uniprotアクセッション番号P83646または配列番号106のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、目的遺伝子もしくは導入遺伝子が、P83646及び/または配列番号106のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、P83646及び/または配列番号106と、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、もしくは99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、PsbUは、Oryza sativa PsbU(OsPsbU)である。
【0149】
スクロースリン酸シンターゼ
スクロース及びプロリンなどの浸透圧保護化合物の蓄積は、植物が高塩類濃度に適応するために重要である。スクロースは、UDP-グルコースピロホスホリラーゼ、スクロースリン酸シンターゼ、及びスクロースホスファターゼの複合活性を通してヘキソースリン酸から誘導される。スクロースリン酸シンターゼは、スクロース生成の主要な制御点であるように見える[10]。それ故、高レベルの塩類から保護するために、改変またはトランスジェニック植物においてスクロースリン酸シンターゼを発現させることが有利であることがある。
【0150】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、さらに、スクロースリン酸シンターゼをコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、スクロースリン酸シンターゼは、スクロースリン酸シンターゼ1、スクロースリン酸シンターゼ2、またはスクロースリン酸シンターゼ3である。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びスクロースリン酸シンターゼ1をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びスクロースリン酸シンターゼ2をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びスクロースリン酸シンターゼ3をコードする導入遺伝子を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、スクロースリン酸シンターゼ1は、UniProtアクセッション番号Q0JGK4または配列番号113を有するOryza sativaスクロースリン酸シンターゼ1である。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、Q0JGK4及び/または配列番号113のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、配列番号113と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、もしくは99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、スクロースリン酸シンターゼ1は、Oryza sativaスクロースリン酸シンターゼ1である。いくつかの実施形態では、スクロースリン酸シンターゼ2は、Oryza sativaスクロースリン酸シンターゼ2である。いくつかの実施形態では、スクロースリン酸シンターゼ3は、Oryza sativaスクロースリン酸シンターゼ3である。
【0153】
ピロリンシンターゼ
いくつかの植物は、高塩類濃度に応答して高レベルのプロリンを蓄積する。プロリンは、浸透圧保護剤として、酸化還元電位を調節するためのエネルギーの吸収源となることにより、または巨大分子を変性から保護する溶質として、作用すると考えられている。ストレス条件下では、プロリンの蓄積は、主に、デノボ合成によるものである。植物では、プロリンは、グルタミン酸またはオルニチンのいずれかから合成することができるが、塩類ストレス下では、グルタミン酸経路が主な経路である[11]。デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼは、プロリンの生合成の律速段階を触媒する。この酵素の2つの形態であるデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1またはデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2があり、これは、異なる細胞及び/または異なる細胞内位置に存在する。それ故、高レベルの塩類から保護するために、改変またはトランスジェニック植物においてデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼを発現させることが有利であることがある。
【0154】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、さらに、ピロリンカルボン酸シンターゼをコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、ピロリンカルボン酸シンターゼは、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1またはデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2である。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1をコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、目的遺伝子、またはSOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2をコードする導入遺伝子を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1は、Oryza sativaデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1である。いくつかの実施形態では、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2は、Oryza sativaデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2である。いくつかの実施形態では、Oryza sativaデルター1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1は、UniProt受託番号O04226または配列番号114を有する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子または目的遺伝子が、O04226及び/または配列番号114のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、配列番号114と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0156】
OSK1
OSK1は、スーパーオキシドジスムターゼ(例えば、SODCC1、SOD2、及びSODA1)の発現を調節する。それ故、高レベルの塩類から保護するために、改変またはトランスジェニック植物においてスーパーオキシドジスムターゼと組み合わせてOSK1を発現させることが有利であることがある。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、さらに、OSK1をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。特定の実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、スーパーオキシドジスムターゼ、例えば、SODCC1、SOD2、またはSODA1、をコードする目的遺伝子または導入遺伝子と組み合わせて、OSK1をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、及びOSK1をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SOD2、及びOSK1をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODCC1、SOD2、及びOSK1をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、AHA3、VHA-A、NHX1、HKT1、SODA1、SODCC1、SOD2、及びOSK1をコードする目的遺伝子または導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、OSK1は、Uniprotアクセッション番号Q9ZRJ1、Q0DGI1、Q9ZTF6、及び/またはQ852Q2のポリペプチド配列を有し得るOryza sativa OSK1(OsOSK1)である。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子が、Q9ZRJ1、Q0DGI1、Q9ZTF6、もしくはQ852Q2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、Q9ZRJ1、Q0DGI1、Q9ZTF6、及び/またはQ852Q2と、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性のアミノ酸配列を含み得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、OsPsbQは、配列番号107、配列番号108、配列番号109、及び/または配列番号110のポリペプチド配列を有し得る。いくつかの実施形態では、目的遺伝子または導入遺伝子が、配列番号107、配列番号108、配列番号109、及び/または配列番号110のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、または、導入遺伝子が、配列番号107、配列番号108、配列番号109、及び/または配列番号110と、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、もしくは99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、PERK13をコードする導入遺伝子を含有しない。いくつかの実施形態では、改変植物における目的遺伝子は、PERK13ではない。
【0159】
プロモーター及びエンハンサーエレメント
プロモーターは、トランスジェニック植物におけるその発現を制御するために、導入遺伝子に作動可能に連結することができる。プロモーターは、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、または少なくとも20ヌクレオチド、少なくとも30ヌクレオチド、少なくとも40ヌクレオチド、または少なくとも50ヌクレオチドを含み得る。プロモーターは、導入遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端から少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約125ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約350ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約450ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約600ヌクレオチド、少なくとも約700ヌクレオチド、少なくとも約800ヌクレオチド、少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチド以内に位置し得る。
【0160】
導入遺伝子に作動可能に連結されているプロモーターは、対応する遺伝子の植物ゲノムに天然に存在するプロモーター配列を含み得る-すなわち、導入遺伝子がOsSOS1の場合、プロモーターは、OsSOS1に対するイネのゲノムに天然に存在するプロモーター配列を含み得る。あるいは、プロモーターは、特に設計されたプロモーター及び/または人工プロモーターであり得る。プロモーターは、植物内で導入遺伝子の発現レベルを空間的と時間的の両方で制御することができる。例えば、プロモーターは、植物の苗条、葉、種子、または根において導入遺伝子を特異的に発現するように設計することができる。いくつかの実施形態では、プロモーターは、苗条特異的プロモーター、葉特異的プロモーター、種子特異的プロモーター、または根特異的プロモーターである。特定の実施形態では、プロモーターは、根特異的プロモーターであり得る。
【0161】
プロモーターは、植物の発芽時、植物の成熟時、植物の開花時、及び植物の結実時に、種子内で導入遺伝子を特異的に発育するように設計することができる。
【0162】
本明細書に記載のエンハンサーエレメントを内因性耐塩性遺伝子に作動可能に連結することにより内因性耐塩性遺伝子の発現を変化させ得るように、植物を改変することができることを、本発明者らは確認している。これは、耐塩性遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端にエンハンサーエレメントを挿入するか、または、内在性耐塩性遺伝子のイントロン内のオープンリーディングフレームの5’末端の下流にエンハンサーエレメントを挿入することにより達成することができる。エンハンサーエレメントは、改変植物における発現を制御するために、各目的遺伝子に作動可能に連結されている。エンハンサーエレメントは、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、または少なくとも20ヌクレオチド、少なくとも30ヌクレオチド、少なくとも40ヌクレオチド、または少なくとも50ヌクレオチドを含み得る。
【0163】
エンハンサーエレメントは、耐塩性遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端から少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約125ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約350ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約450ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約600ヌクレオチド、少なくとも約700ヌクレオチド、少なくとも約800ヌクレオチド、少なくとも約900ヌクレオチド、または少なくとも約1000ヌクレオチド以内に位置し得る。耐塩性遺伝子は、SOS1、AHA-3、NHX1、VHA-A、HKT1、SOS1、SODCC、及び/またはSOD2であり得る。これらの実施例はこれらの内因性耐塩性遺伝子の発現を変化させると、植物の耐塩性を改善し得ることを示す。いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントを内因性耐塩性遺伝子に作動可能に連結することは、(a)植物の種子からカルス形成を誘導すること;(b)微粒子銃を使用して、マイクロキャリアでカルスを形質転換すること;(c)形質転換カルスを生成することであって、ゲノムにエンハンサーエレメント配列を含む少なくとも2つの目的遺伝子がエンハンサーエレメント配列に作動可能に連結されているように、マイクロキャリアが、少なくとも2つの異なるDNA配列をそこに吸収させていることを含み得る。いくつかの場合では、DNA配列は、(i)少なくとも3つの耐塩性遺伝子のそれぞれの5’領域に対応する5’及び3’フランキング相同性アームまたはアダプター;DREB2A、またはETHもしくはAUXプロモーター配列を含むエンハンサーエレメント(またはエンハンサーエレメントからの少なくとも5、6、7、8、9、もしくは10ヌクレオチド)を含む内部配列、を含み得る。次に、そのような手順は、(c)形質転換カルスを成長培地中で回収して、耐塩性が改善された複数の改変植物細胞を含む多細胞構造を生成すること、を含み得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、マイクロキャリアは、目的遺伝子のオープンリーディングフレームの5’の上流領域または5’末端に近位のイントロン領域に対する特異性を有するプログラム可能なヌクレアーゼをそこに吸収させている。プログラム可能なヌクレアーゼは、目的遺伝子の5’上流領域または目的遺伝子のオープンリーディングの5’末端に近位のイントロン領域に対するガイドRNAと複合したクラスII、タイプIIまたはクラスII、タイプVCasヌクレアーゼを含み得る。プログラム可能なヌクレアーゼは、少なくとも3つの耐塩性遺伝子の5’領域、または目的遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端に近位のイントロン領域に対する特異性を有する転写活性化因子様(TAL)エフェクター及びヌクレアーゼ(TALEN)を含み得る。プログラム可能なヌクレアーゼは、少なくとも3つの耐塩性遺伝子の5’領域、または目的遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端に近位のイントロン領域に対する特異性を有するジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を含み得る。
【0165】
植物ホルモン(植物ホルモンとしても既知)は、植物の成長及び発育を調節し得るシグナル伝達分子である。植物は、オーキシン、ジベレリン、アブシジン酸、サイトカイニン、サリチル酸、エチレン、ジャスモン酸塩、ブラシノステロイド、及びペプチドを含む多種多様なホルモンを生成する。いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントは、ホルモン応答性である。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードし、目的遺伝子は、ホルモン応答性エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、水素輸送ATPアーゼをコードし、目的遺伝子は、ホルモン応答性エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、水素輸送ピロホスファターゼをコードし、目的遺伝子は、ホルモン応答性エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、プロテインキナーゼをコードし、目的遺伝子は、ホルモン応答性エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、抗酸化物質をコードし、目的遺伝子は、ホルモン応答性エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0166】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、ホルモン応答性プロモーターである。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、イオントランスポーター(例えば、ナトリウムまたはカリウムトランスポーター)をコードし、導入遺伝子は、ホルモン応答性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、水素輸送ATPアーゼをコードし、導入遺伝子は、ホルモン応答性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、水素輸送ピロホスファターゼをコードし、導入遺伝子は、ホルモン応答性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、プロテインキナーゼをコードし、導入遺伝子は、ホルモン応答性プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、抗酸化物質をコードし、導入遺伝子は、ホルモン応答性プロモーターに作動可能に連結されている。
【0167】
ホルモン応答性エンハンサーエレメントまたはプロモーターは、アブシジン酸(ABA)、エチレン(ETH)、ジベレリン(GA)、及びオーキシン(AUX)、またはそれらの任意の組み合わせに応答し得る。いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントまたはプロモーターは、DREB2A、ETH、もしくはAUXプロモーター、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。エンハンサーエレメントまたはプロモーターは、DREB2A、ETH、またはAUXプロモーターからの少なくとも6ヌクレオチドを含み得る。DREB2A、ETH、及びAUXのシーケンスが表1に示される。
【0168】
いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、イオントランスポーターをコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、水素輸送ATPアーゼをコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、水素輸送ピロホスファターゼをコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、プロテインキナーゼをコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的遺伝子は、抗酸化物質をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0169】
特定の実施形態では、目的遺伝子は、SOS1をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、SOS2をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、NHK1をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、AHA3をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、HKT1をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、VHA-Aをコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、SODA1をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、SOD2をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、目的遺伝子は、SODCC1をコードし、目的遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0170】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、イオントランスポーターをコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、水素輸送ATPアーゼをコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、水素輸送ピロホスファターゼをコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、プロテインキナーゼをコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、抗酸化物質をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。
【0171】
特定の実施形態では、導入遺伝子は、SOS1をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SOS2をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、NHK1をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、AHA3をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、HKT1をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、VHA-Aをコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SODA1をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SOD2をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、導入遺伝子は、SODCC1をコードし、導入遺伝子は、アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、及びオーキシン、またはそれらの任意の組み合わせに応答するプロモーターに作動可能に連結されている。
【0172】
いくつかの実施形態では、ホルモン応答性エンハンサーエレメントまたはプロモーターは、一般的な転写促進エレメント(例えば、それからの距離が15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1ヌクレオチド未満)に近位に調節される。そのような一般的な転写促進エレメントは、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、またはCAAT配列を含むが、これらに限定されない。一般的な転写促進エレメントは、表1に概説された配列のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントまたはプロモーターは、DREB2A、GA、TAF-1、TATATA、TATA、ETH、ARE、E2F-1、CAAT、TGA、G-BOX、またはAUXCOMPの群から選択されるプロモーターエレメントのうちの1つ以上を含み得る。これらのエレメントの配列が表1に示される。エンハンサーエレメントまたはプロモーターで使用することができる他の可能なプロモーターエレメントは、PLACEデータベース[12]、及び参考文献[13]、[14]、[15]、[16]、[17]、[18]、[19]、[20]、[21]、[22]、[23]、[24]、[25]、及び[26]に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【表1】
【0174】
ホルモンの分布は、時間の経過とともに植物全体で空間的に変化する。図7は、特定のホルモンの分布が植物のライフサイクルを通じてどのように変化するかを示す。本発明者らは、植物内のホルモンの分布の変化が、目的遺伝子または導入遺伝子の発現を制御するために、利用することができることを見出している。例えば、植物全体の代わりに、特に、植物が塩類ストレスにさらされた場合の根において、目的遺伝子または導入遺伝子を発現するのが有利であることがある。その理由は、植物の残り、または植物の非塩類にさらされた部分における目的遺伝子または導入遺伝子の不必要な発現が、負のエネルギーコストを有することになるからである。
【0175】
例えば、オーキシンは、根の先端で非常に強く発現するが、発現は、根に向かってさらに減少する。オーキシンは、また、根の中心と比較して、根の外縁で多く発現する。このオーキシン分布を使用して、発明者らは、根の先端でSOS1機序(SOS1、SOS2、及びAHA3)の発現が最も活発になるように誘発し得ることを見出している。これにより、根が塩水を検出すると、ほとんどのSOS1が生成され、塩水浸漬では、一貫してSOS1が存在することを見出している。SOS1分布に沿って根の先端まで移動し、植物/茎の中心から離れるにつれて、それは、塩類が下に移動するための経路も作成する。いくつかの実施形態では、SOS1遺伝子、SOS2遺伝子、及び/またはAHA3遺伝子は、オーキシン応答性プロモーターエレメントを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、SOS1導入遺伝子、SOS2導入遺伝子、及び/またはAHA3導入遺伝子は、オーキシン応答性プロモーターエレメントを含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0176】
植物のライフサイクル全体にわたるホルモンの分布の変化を利用することができ、その結果、特定の酵素が必要ない時に、エネルギーを保存することができる。例えば、抗酸化酵素がジベレリンプロモーターに作動可能に連結されている場合、それらは、発芽から植物の成長の栄養部分及び開花部分を経て発現されるであろう。これは、塩類管理システムが確立されるまで、植物の生育初期から植物に保護をもたらす。
【0177】
複数の目的遺伝子、導入遺伝子は、確実に同時に発現されるように、同じまたは類似のエンハンサーエレメントまたはプロモーターに作動可能に連結させることができる。例えば、改変植物が抗酸化物質をコードする複数の目的遺伝子を含有する場合、各抗酸化物質は、確実にそれらの発現が遍在させるように、同じまたは類似のエンハンサーエレメントに作動可能に連結することができる。特定の実施形態では、目的遺伝子または抗酸化物質をコードする導入遺伝子は、GA、TATA、DREB2A、及びETHエレメントを含むか、または配列番号16~18の配列を含む同じエンハンサーエレメントまたはプロモーターに作動可能に連結されている。
【0178】
SOS1、SOS2、及びAHA3は、相乗効果群として一緒に機能する。従って、特定の実施形態では、改変植物は、SOS1、SOS2、及びAHA3をコードする目的遺伝子を含み、これらの目的遺伝子は、それらが確実に同時に発現されるように同様のエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。従って、特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、SOS1、SOS2、及びAHA3をコードする導入遺伝子を含み、これらの導入遺伝子は、それらが確実に同時に発現されるように同様のプロモーターに作動可能に連結されている。これら3つの遺伝子は、相乗的なグループで作用し、それ故、類似したエンハンサーエレメントまたはプロモーターを使用することが有利である。特定の実施形態では、改変植物は、OsSOS1、OsSOS2、及びOsAHA3をコードする目的遺伝子を含み;OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、OsSOS1、OsSOS2、及びOsAHA3をコードする導入遺伝子を含み;OsSOS1導入遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0179】
いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントは、配列番号10~18のいずれか1つと、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%同一性、少なくとも99%同一性を有する配列、または実質的に同一な配列を含み得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物がOryza sativaである場合、プロモーターは、配列番号10~18のいずれか1つと、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも99%の同一性を有する配列、または実質的に同一の配列を有し得る。特定の実施形態では、植物細胞が、Oryza sativaである場合、プロモーターは、配列番号10~18の配列を有する。
【0180】
特定の実施形態では、OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsVHAーA遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/またはOsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0181】
特定の実施形態では、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、及び/または、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号18を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0182】
いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントは、表2に列挙される配列番号82~91のいずれか1つと、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも99%の同一性を有する配列、または実質的に同一の配列を含み得る。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物が、Brassica種である場合、プロモーターは、表2に列挙される配列番号82~91のいずれか1つと、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも99%の同一性を有する配列、または実質的に同一の配列を含み得る。
【0183】
特定の実施形態では、BoSOS1遺伝子は、配列番号84を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoSOS2遺伝子は、配列番号85を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoAHA3遺伝子は、配列番号86を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoVHA-A遺伝子は、配列番号83を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoNHX1遺伝子は、配列番号82を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoHKT1遺伝子は、配列番号87を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoSODA1遺伝子は、配列番号89を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoSOD2遺伝子は、配列番号88を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、BoCuZn SOD遺伝子は、配列番号90を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/またはBoOSK1遺伝子は、配列番号91を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0184】
特定の実施形態では、BoSOS1導入遺伝子は、配列番号84を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoSOS2導入遺伝子は、配列番号85を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoAHA3導入遺伝子は、配列番号86を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoVHA-A導入遺伝子は、配列番号83を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoNHX1導入遺伝子は、配列番号82を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoHKT1導入遺伝子は、配列番号87を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoSODA1導入遺伝子は、配列番号89を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoSOD2導入遺伝子は、配列番号88を含むプロモーターに作動可能に連結されており、BoCuZn SOD導入遺伝子は、配列番号90を含むプロモーターに作動可能に連結されており、及び/またはBoOSK1導入遺伝子は、配列番号91を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【表2-1】
【表2-2】
【0185】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネを提供し、目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1遺伝子は、Q5ICN3またはQ7XBF9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、Q69Q47のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、Q8L6I3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、Q651T8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、Q9SXJ8またはQ6VVA7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、Q0D9S3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、Q43121のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、Q10PW4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0186】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1導入遺伝子が、Q5ICN3またはQ7XBF9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、Q69Q47のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、Q8L6I3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、Q651T8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む;OsNHX1導入遺伝子が、Q9SXJ8またはQ6VVA7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、Q0D9S3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、Q43121のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2導入遺伝子が、Q10PW4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号18を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0187】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネを提供し、目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1遺伝子は、Q5ICN3またはQ7XBF9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、Q69Q47のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、Q8L6I3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、Q651T8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、Q9SXJ8またはQ6VVA7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、Q0D9S3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、Q43121のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1遺伝子が、Q0DRV6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODCC1遺伝子が、配列番号17を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0188】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1導入遺伝子が、Q5ICN3またはQ7XBF9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、Q69Q47のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、Q8L6I3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、Q651T8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む;OsNHX1導入遺伝子が、Q9SXJ8またはQ6VVA7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、Q0D9S3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、Q43121のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1導入遺伝子が、Q0DRV6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号17を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0189】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネを提供し、目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0190】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも8つの導入遺伝子を含むトランスジェニックイネを提供し、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号12を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号13を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号14を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号11を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号10を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号15を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号16を含むプロモーターに作動可能に連結されており、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号18を含むプロモーターに作動可能に連結されている。
【0191】
改変植物、改変植物部位、及び改変多細胞構造、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物部位、及びトランスジェニック多細胞構造
改変及びトランスジェニック植物
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、被子植物であり得る。被子植物は、単子葉被子植物及び双子葉被子植物の両方を含む。単子葉植物の被子植物は、穀物、例えば、Zea mays(トウモロコシ)、Oryza sativa(イネ)、Saccharum属(サトウキビ)、Hordeum vulgare(オオムギ)、キビ、オートムギ(Avena sativa)、Secale cereale(ライムギ)、モロコシ属(モロコシ)、Triticum属(コムギ)、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。双子葉被子植物は、野菜作物、例えば、Brassica(例えば、Brassica oleracea、ケール)、グリシン(例えば、Glycine max-ダイズ)、Vigna radiata(ヤエナリ)、Chenopodium quinoa(キヌア)、Soja、またはSolanum(例えば、Solanum tuberosum-トマト)を含む。
【0192】
特定の実施形態では、改変植物は、改変イネである。特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、トランスジェニックイネである。本発明で使用することができる可能なイネ品種は、以下を含む:Agostano、Dichroa、Early Sutarsar、Hunan Early Dwarf、Java、Kendzo、Konosu#2、Kurumiwase、Kwanto Wase、Novelli Gigante、Okuro Mochi、Primanychskij、Sensho Tane、Venere Italian Black Rice、Zhe733、Cho Seun Zo Saeng、Se Zic、Daido、Mamoriaka、Duborskian、ユキヒカリ、ハヤユキ、Truong Giang、MHC-2、TH3-5、Ho Phat3。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、イネ品種ハヤユキ、TH3-5、Truong Giang、MHC2、及びHa Phat3、Java long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroaである。特定の実施形態では、改変イネは、イネ品種ハヤユキ改変植物である。特定の実施形態では、トランスジェニックイネは、イネ品種ハヤユキトランスジェニック植物である。
【0193】
上述の目的遺伝子または導入遺伝子は、任意の植物種に由来し得る。例えば、目的遺伝子または導入遺伝子は、イネ遺伝子、トウモロコシ遺伝子、サトウキビ遺伝子、オオムギ遺伝子、キビ遺伝子、オートムギ遺伝子、ライムギ遺伝子、モロコシ遺伝子、コムギ遺伝子、ケール遺伝子、ダイズ遺伝子、ヤエナリ遺伝子、キヌア遺伝子、またはトマト遺伝子であってよい。
【0194】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、トランスジェニック植物と同じ種に由来する導入遺伝子を含む。他の実施形態では、トランスジェニック植物は、トランスジェニック植物中に存在する導入遺伝子のオルソログなどのトランスジェニック植物とは異なる種に由来する導入遺伝子を含む。導入遺伝子が、トランスジェニック植物と同じ種に由来する場合、導入遺伝子としてのその挿入により、遺伝子の追加のコピーが植物内に存在することが可能になり、及び/または、導入遺伝子が、発現レベルまたはパターンが内因性遺伝子の発現パターンまたはレベルとは異なることを可能にする内因性プロモーターとは異なるプロモーターの制御下で挿入される。
【0195】
特定の実施形態では、トランスジェニック植物は、イネ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックイネである。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、トウモロコシ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックトウモロコシ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、サトウキビ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックサトウキビ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、オオムギ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックオオムギ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、キビ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックキビ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、オートムギ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックオートムギ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、ライムギ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックライムギ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、モロコシ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックモロコシ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、コムギ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックコムギ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、ケール遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックケール植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、ダイズ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックダイズ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、ヤエナリ遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックヤエナリ植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、キヌア遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックキヌア植物である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、トマト遺伝子である導入遺伝子を含むトランスジェニックトマト植物である。
【0196】
改変植物、植物部位、及び多細胞構造は、相同組み換えを伴うプロセスで生成されるものではない。本発明による改変植物、植物部位、及び多細胞構造、ならびに種子は、本質的に生物学的なプロセスで生成されるものではない。トランスジェニック植物、植物部位、及び多細胞構造は、相同組み換えを伴うプロセスで生成されるものではない。本発明によるトランスジェニック植物、植物部位、及び多細胞構造、ならびに種子は、本質的に生物学的プロセスで生成されるものではない。
【0197】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、約1グラム/リットル(g/L)、約2g/L、約3g/L、約4g/L、約5g/L、約6g/L、約7g/L、約8g/L、約9g/L、約10g/L、約11g/L、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、約16g/L、約17g/L、約18g/L、約19g/L、約20g/L、約21g/L、約22g/L、約23g/L、約24g/L、約25g/L、約26g/L、約27g/L、約28g/L、約29g/L、約30g/L、約32g/L、約34g/L、約36g/L、約38g/L、約40g/L、約42g/L、約44g/L、約46g/L、約48g/L、約50g/Lを超える塩類濃度を有する培地中で成長することが可能である。特定の実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、約10g/L、20g/L、または35g/Lを超える塩類濃度を有する培地中で成長することが可能である。さらに特定の実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、約35g/Lを超える塩類濃度を有する培地中で成長することが可能である。その理由は、海洋塩類濃度より高いためからである。
【0198】
本発明の改変及びトランスジェニック植物は、同じ種の野生型植物と比較して耐塩性を増加させ得る。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、野生型植物の成長速度と比較して、特定の塩類濃度またはECeを有する培地中で高い成長速度を有する。改変またはトランスジェニック植物が成長し得る培地は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)または電気伝導度(EC)が、少なくとも約1.7デシジーメンス/メートル(dS/m)、少なくとも約2dS/m、少なくとも約4dS/m、少なくとも約6dS/m、少なくとも約8dS/m、少なくとも約10dS/m、少なくとも約12dS/m、少なくとも約14dS/m、少なくとも約16dS/m、少なくとも約18dS/m、少なくとも約20dS/m、少なくとも約22dS/m、少なくとも約24dS/m、少なくとも約26dS/m、少なくとも約28dS/m、少なくとも約30dS/m、少なくとも約32dS/m、少なくとも約34dS/m、少なくとも約36dS/m、少なくとも約38dS/m、少なくとも約40dS/m、少なくとも約42dS/m、少なくとも約44dS/m、少なくとも約46dS/m、少なくとも約48dS/m、または少なくとも約50dS/mであり得る。いくつかの実施形態では、培地は、液体である(例えば、水耕栽培方策の場合)。いくつかの実施形態では、培地は、固体(例えば、土壌、砂)である。いくつかの実施形態では、培地は、半固体である。
【0199】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、塩類培地中では、非塩類培地中の成長速度と等しいか、またはそれを超える成長速度を有する。塩類培地が、「軽度の塩類濃度」(例えば、飽和ペースト抽出物(ECe)または液体ECの電気伝導度が4~8dS/mである)、「中等度の塩類濃度」(例えば、飽和ペースト抽出物(ECe)または液体ECが8~16dS/m)、または「重度の塩類濃度」(飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)または液体ECが16dS/m超であるものとして定義することができる)であり得る。非塩類培地は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)または液体ECが、4dS/m未満、3dS/m未満、2dS/m未満、1.7dS/m未満、または1.5dS/m未満であり得る。いくつかの実施形態では、塩類培地中の成長率は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、150%、200%以上である。
【0200】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、特定の閾値塩類濃度(ECt)、または高い閾値塩類濃度を有する。いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、閾値塩類濃度が、少なくとも約6dS/m、少なくとも約6.5dS/m、少なくとも約6.7dS/m、少なくとも約7dS/m、少なくとも約7.5dS/m、少なくとも約8dS/m、少なくとも約8.5dS/m、少なくとも約9dS/m、少なくとも約9.5dS/m、少なくとも約10dS/m、少なくとも約10.5dS/m、少なくとも約11dS/m、少なくとも約11.5dS/m、少なくとも約12dS/m、少なくとも約12.5dS/m、少なくとも約13dS/m、少なくとも約13.5dS/m、少なくとも約14dS/m、少なくとも約14.5dS/m、少なくとも約15dS/m、少なくとも約15.5dS/m、少なくとも約16dS/m、少なくとも約16.5dS/m、少なくとも約17dS/m、少なくとも約17.5dS/m、少なくとも約18dS/m、少なくとも約18.5dS/m;少なくとも約19dS/m、少なくとも約19.5dS/m、少なくとも約20dS/m、少なくとも約21dS/m、少なくとも約22dS/m、少なくとも約23dS/m、少なくとも約24dS/m、少なくとも約25dS/m、少なくとも約26dS/m、少なくとも約27dS/m、少なくとも約28dS/m、少なくとも約29dS/m、or少なくとも約30dS/m以上である。いくつかの実施形態では、上昇した閾値塩類濃度は、ゲノム編集のない同じ植物種または栽培品種と比較して評価される。いくつかの実施形態では、閾値塩類濃度は、少なくとも約1dS/m、少なくとも約2dS/m、少なくとも約3dS/m、少なくとも約4dS/m、少なくとも約5dS/m、少なくとも約6dS/m、少なくとも約7dS/m、少なくとも約8dS/m、少なくとも約9dS/m、少なくとも約10dS/m、少なくとも約11dS/m、少なくとも約12dS/m、少なくとも約13dS/m、少なくとも約14dS/m、または少なくとも約15dS/m以上上昇する。
【0201】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、収量対塩類濃度(ECe)プロットの特定の傾き(複数可)、または収量対塩類濃度(ECe)プロットの減少した傾き(複数可)を有する。いくつかの実施形態では、減少した傾きは、ゲノム編集のない同じ植物種または栽培品種と比較して評価される。いくつかの実施形態では、傾きは、dS/m当たり少なくとも約1%、dS/m当たり少なくとも約1.5%、dS/m当たり少なくとも約2.0%、dS/m当たり少なくとも約2.5%、dS/m当たり少なくとも約3.0%、dS/m当たり少なくとも約3.5%、dS/m当たり少なくとも約4.0%、dS/m当たり少なくとも約4.5%、dS/m当たり少なくとも約5.0%、dS/m当たり少なくとも約5.5%、dS/m当たり少なくとも約6.0%、dS/m当たり少なくとも約8%、またはdS/m当たり少なくとも約10%以上減少する。収量対塩類濃度(ECe)プロットの例が、図8に示され得る。
【0202】
いくつかの実施形態では、改変またはトランスジェニック植物が、成熟植物として特定のデンプン含有量を有するか、または、成熟植物の種子もしくは根が、特定のデンプン含有量を有し得る。いくつかの実施形態では、成熟植物の植物、根、果実、または種子は、少なくとも約20重量%のデンプン、少なくとも約25重量%のデンプン、少なくとも約30重量%のデンプン、少なくとも約35重量%のデンプン、少なくとも約40重量%のデンプン、少なくとも約45重量%のデンプン、少なくとも約50重量%のデンプン、少なくとも約56重量%のデンプン、少なくとも約60重量%のデンプン、少なくとも約65重量%のデンプン、少なくとも約70重量%のデンプン、少なくとも約75重量%のデンプン、もしくは少なくとも約80重量%のデンプン、またはそれ以上を有し得る。デンプンは、アミロースまたはその誘導体であり得る。
【0203】
改変及びトランスジェニック植物部位
本発明は、本発明の改変またはトランスジェニック植物の部位も提供する。例えば、植物部位は、細胞、種子、葉、苗条、茎、または根であり得る。特定の実施形態では、植物部位は、種子または細胞である。従って、種子などの植物部位は、改変またはトランスジェニック植物について上述したように、目的遺伝子または導入遺伝子の任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、種子は、少なくとも2つの目的遺伝子を含み、第1の遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードし、第2の遺伝子が、抗酸化物質をコードし、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。他の実施形態では、種子は、少なくとも2つの目的遺伝子を含み、第1及び第2の目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードし、第1の目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードし、第2の目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードし、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0204】
他の実施形態では、種子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、種子は、イネ種子であり、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。他の実施形態では、種子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、種子は、イネ種子であり、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsAHA3をコードし、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0205】
例えば、種子は、少なくとも2つの導入遺伝子を含み、第1の導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードし、第2の導入遺伝子が、抗酸化物質をコードする。他の実施形態では、種子は、少なくとも2つの導入遺伝子を含み、第1及び第2の導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードし、第1の導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードし、第2の導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする。他の実施形態では、種子は、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、種子が、イネ種子であり、導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする。
【0206】
いくつかの実施形態では、改変イネ種子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし;OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0207】
いくつかの実施形態では、改変イネ種子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsAHA3をコードし;OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0208】
いくつかの実施形態では、改変イネ種子は、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsSOS2、及びOsVHA-Aをコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0209】
いくつかの実施形態では、イネ種子は、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0210】
特定の実施形態では、改変イネ種子は、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし;OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOD2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0211】
特定の実施形態では、イネ種子は、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし;OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0212】
特定の実施形態では、改変イネ種子は、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODCC1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0213】
他の実施形態では、イネ種子は、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、種子は、約1グラム/リットル(g/L)、約2g/L、約3g/L、約4g/L、約5g/L、約6g/L、約7g/L、約8g/L、約9g/L、約10g/L、約11g/L、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、約16g/L、約17g/L、約18g/L、約19g/L、約20g/L、約21g/L、約22g/L、約23g/L、約24g/L、約25g/L、約26g/L、約27g/L、約28g/L、約29g/L、または約30g/L、約32g/L、約34g/L、約36g/L、約38g/L、約40g/L、約42g/L、約44g/L、約46g/L、約48g/L、約50g/Lを超える塩類濃度を有する培地中で成長することが可能である。特定の実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、約10g/L、20g/L、または35g/Lを超える塩類濃度を有する培地中で成長することが可能である。さらに具体的な実施形態では、改変またはトランスジェニック植物は、約35g/Lを超える塩類濃度を有する培地中で成長することが可能である。その理由は、海洋塩類濃度より高いためからである。培地は、飽和ペースト抽出物の電気伝導度(ECe)または電気伝導度(EC)が、少なくとも約1.7デシジーメンス/メートル(dS/m)、少なくとも約2dS/m、少なくとも約4dS/m、少なくとも約6dS/m、少なくとも約8dS/m、少なくとも約10dS/m、少なくとも約12dS/m、少なくとも約14dS/m、少なくとも約16dS/m、少なくとも約18dS/m、少なくとも約20dS/m、少なくとも約22dS/m、少なくとも約24dS/m、少なくとも約26dS/m、少なくとも約28dS/m、少なくとも約30dS/m、少なくとも約32dS/m、少なくとも約34dS/m、少なくとも約36dS/m、少なくとも約38dS/m、少なくとも約40dS/m、少なくとも約42dS/m、少なくとも約44dS/m、少なくとも約46dS/m、少なくとも約48dS/m、または少なくとも約50dS/mであり得る。いくつかの実施形態では、培地は、液体である(例えば、水耕栽培方策の場合)。いくつかの実施形態では、培地は、固体(例えば、土壌、砂)である。いくつかの実施形態では、培地は、半固体である。いくつかの実施形態では、種子は、少なくとも約20重量%のデンプン、少なくとも約25重量%のデンプン、少なくとも約30重量%のデンプン、少なくとも約35重量%のデンプン、少なくとも約40重量%のデンプン、少なくとも約45重量%のデンプン、少なくとも約50重量%のデンプン、少なくとも約56重量%のデンプン、少なくとも約60重量%のデンプン、少なくとも約65重量%のデンプン、少なくとも約70重量%のデンプン、少なくとも約75重量%のデンプン、もしくは少なくとも約80重量%のデンプン、またはそれ以上を有し得る。デンプンは、アミロースまたはその誘導体であり得る。
【0215】
多細胞構造
本発明は、本発明の1つ以上の植物細胞を含む多細胞構造を提供する(すなわち、多細胞構造は、改変またはトランスジェニック植物について上述された目的遺伝子または導入遺伝子の任意の組み合わせを有し得る1つ以上の植物細胞を含む)。多細胞構造は、本明細書に記載される1つ以上の植物細胞を含む植物全体、植物組織、植物器官、植物部位、植物生殖材料、または培養植物組織であり得る。多細胞構造は、本明細書に記載の1つ以上の植物細胞を含む、葉、苗条、種子、カルス、苗木、花、またはin vitroで培養された芽であり得る。本明細書で使用される場合、「カルス」という用語は、一般に、胚形成カルスなどの再生可能な植物組織を含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「苗木」は、一般に、珠芽として使用される若いまたは小さな植物を含む。苗木は、組織培養または細胞培養で無性的に生成され得る。本明細書で使用される場合、「in vitro培養された芽」は、一般に、in vitroで増殖させた頂端芽及び腋生芽を含む。植物の頂端芽及び腋生芽は、花、葉、または苗条に発育し得る維管束植物の茎にある小さな末端または側方の突起である。植物の芽は、分裂組織から生じ、重なり合った未熟な葉または花弁で構成され得る。多細胞構造は、本明細書に記載の植物に由来する葉、苗条、種子、カルス、苗木、花、またはin vitro培養された芽であり得る。多細胞構造は、本明細書に記載の植物に由来する植物全体、植物組織、植物器官、植物部位、植物生殖物質、または培養植物組織であり得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0217】
いくつかの実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsAHA3をコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0218】
いくつかの実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsSOS2、及びOsVHA-Aをコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0219】
いくつかの実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0220】
特定の実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列であり;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOD2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0221】
特定の実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0222】
特定の実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列であり;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODCC1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0223】
他の実施形態では、多細胞構造は、1つ以上の植物細胞を含み、1つ以上の植物細胞が、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。
【0224】
改変植物の生成方法
本発明は、本発明による改変植物、植物部位または多細胞構造を作成する方法を提供し、方法は、i)本明細書に記載の少なくとも2つのエンハンサーエレメントを植物の細胞に導入するステップであって、エンハンサーエレメントが、目的遺伝子に作動可能に連結されているように、植物の細胞のゲノムに組み込まれ、及びii)細胞を再生して、細胞から改変植物、植物部位、または多細胞構造を形成するステップ、を含む。いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントは、微粒子銃、Agrobacterium媒介形質転換、またはプロトプラストトランスフェクションにより細胞に導入される。特定の実施形態では、エンハンサーエレメントは、微粒子銃で細胞に導入される。
【0225】
プログラム可能なヌクレアーゼ、例えば、Casエンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9、CpfI)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、及びジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、正確なゲノム編集が行われることを可能にする。それ故、特定の実施形態では、本発明による改変植物、植物部位、または多細胞構造を作成する方法は、以下を含む:
(a)種子からカルス形成を誘導するステップ、
(b)マイクロキャリア上、本明細書に記載のエンハンサーエレメント、ガイドRNA、及び1つ以上のヌクレアーゼ(複数可)を沈殿させるステップ、
(c)微粒子銃を使用してマイクロキャリアでカルスを形質転換して、形質転換カルスを生成するステップであって、エンハンサーエレメントが、目的遺伝子に作動可能に連結されているように、改変植物、植物部位、または多細胞構造のゲノムに組み込まれ、
(d)形質転換カルスを回収して、少なくとも2つの目的遺伝子を含む多細胞構造を生成するステップであって、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている
【0226】
いくつかの実施形態では、多細胞構造は、本明細書に記載の1つ以上の植物細胞を含む、改変植物、植物組織、植物器官、植物部位、植物生殖材料、または培養植物組織に再生される。特定の実施形態では、多細胞構造は、改変植物に再生される。いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントは、植物のゲノムに安定して組み込まれる。
【0227】
いくつかの実施形態では、エンハンサーエレメントは、RNA、DNA、またはプラスミドである。特定の実施形態では、エンハンサーエレメントは、DNAである。DNAが細胞外と、細胞質及び核内の両方で安定性が高く、製造中にエラーが発生しにくく、Cas切断部位の修復中にエラーが発生しにくいので、RNAではなくDNAが使用され得る。DNAがゲノムへの安定した組み込みを提供するので、プラスミドではなくDNAが使用され得る。DNAは、多くの場合、より小さな挿入で組み込まれ得る、何世代にもわたって検出ないままで、それにより、新しい生物及びその後の世代の永続的な特徴となることが可能になる。CRISPR関連(Cas)酵素と組み合わせると、DNA挿入は、挿入を宿主ゲノムに安全に組み込み、任意のビヒクルDNA、プラスミドDNAの組み込み、または切断がゲノムで行われたことを示す任意のサインが顕著に存在しない。はるかに大きなプラスミド構造とは対照的に、これらの小さなDNA挿入を使用する安全性は、細胞へのプラスミドDNAの導入のいくつかの予測不可能な結果と比較して、挿入/影響を受けた遺伝子の正確な意図された出力を生成する正確及び精密な挿入をもたらす。
【0228】
いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、Casヌクレアーゼ、Cpf1ヌクレアーゼ、TALEN、またはジンクフィンガーヌクレアーゼである。特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、Cpf1である。
【0229】
いくつかの実施形態では、改変植物、植物部位、または多細胞構造は、相同組み換えを含むプロセスにより生成されず、または本質的に生物学的なプロセスで生成されない。
【0230】
トランスジェニック植物の生成方法
本発明は、本発明によるトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造を作成する方法を提供し、方法は、i)本明細書に記載の少なくとも2つの導入遺伝子を、植物の細胞に導入するステップであって、導入遺伝子が、植物の細胞のゲノムに安定して組み込まれ、及び、ii)細胞を再生して、細胞からトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造を形成するステップ、を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、微粒子銃、Agrobacterium媒介形質転換、またはプロトプラストトランスフェクションで細胞に導入される。特定の実施形態では、導入遺伝子は、微粒子銃で細胞に導入される。
【0231】
プログラム可能なヌクレアーゼ、例えば、Casエンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9、CpfI)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、及びジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、正確なゲノム編集が行われることを可能にする。それ故、特定の実施形態では、本発明によるトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造を作成する方法は、以下を含む:
(a)種子からカルス形成を誘導するステップ、
(b)マイクロキャリア上にポリヌクレオチド配列、ガイドRNA、及びヌクレアーゼを沈殿させるステップであって、ポリヌクレオチド配列が、本明細書に記載の少なくとも2つの導入遺伝子を含み、
(c)微粒子銃を使用してマイクロキャリアでカルスを形質転換して、形質転換カルスを生成するステップであって、ポリヌクレオチド配列が、トランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造のゲノムに組み込まれ、
(d)形質転換カルスを回収して、少なくとも2つの導入遺伝子を含む多細胞構造を生成するステップ。
【0232】
いくつかの実施形態では、多細胞構造は、本明細書に記載の1つ以上の植物細胞を含むトランスジェニック植物、植物組織、植物器官、植物部位、植物生殖材料、または培養植物組織に再生される。特定の実施形態では、多細胞構造は、トランスジェニック植物に再生される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、植物のゲノムに安定して組み込まれる。
【0233】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、RNA、DNA、またはプラスミドである。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、DNAである。DNAが細胞外と、細胞質及び核内の両方で安定性が高く、製造中にエラーが発生しにくく、Cas切断部位の修復中にエラーが発生しにくいので、RNAではなくDNAが使用され得る。DNAがゲノムへの安定した組み込みを提供するので、プラスミドではなくDNAが使用され得る。DNAは、多くの場合、より小さな挿入で組み込まれ得る、何世代にもわたって検出ないままで、それにより、新しい生物及びその後の世代の永続的な特徴となることが可能になる。CRISPR関連(Cas)酵素と組み合わせると、DNA挿入は、挿入を宿主ゲノムに安全に組み込み、任意のビヒクルDNA、プラスミドDNAの組み込み、または切断がゲノムで行われたことを示す任意のサインが顕著に存在しない。はるかに大きなプラスミド構造とは対照的に、これらの小さなDNA挿入を使用する安全性は、細胞へのプラスミドDNAの導入のいくつかの予測不可能な結果と比較して、挿入/影響を受けた遺伝子の正確な意図された出力を生成する正確及び精密な挿入をもたらす。
【0234】
いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、Casヌクレアーゼ、Cpf1ヌクレアーゼ、TALEN、またはジンクフィンガーヌクレアーゼである。特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、Cas9またはCpf1である。
【0235】
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造は、相同組み換えを含むプロセスにより生成されず、または本質的に生物学的なプロセスで生成されない。
【0236】
改変植物及びトランスジェニック植物の使用
別の実施形態では、本発明は、種子から得られる小麦粉、全粒粉、デンプン、または他の生成物を生成する方法を提供し、方法は、a)本発明の種子を取得するステップ、及び、b)小麦粉、全粒粉、デンプン、または他の生成物を抽出するステップ、を含む。
【0237】
別の実施形態では、本発明は、米を加工する方法を提供し、方法は、a)本発明の種子を得るステップ、b)殻を除去するステップ、c)脱穀米を精米して、ぬか層を除去するステップ、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、米を白くするステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、米を精米するステップを含む。
【0238】
別の実施形態では、本発明は、動物飼料として、または動物消費用飼料もしくはヒト消費用食品を生成するための、本発明の改変植物またはその一部の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、動物飼料として、または動物消費用飼料もしくはヒト消費用食品を生成するための、本発明のトランスジェニック植物またはその一部の使用を提供する。
【0239】
発明を実施するための様式
以下の実施例は、例示のみを目的として提供されており、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0240】
実施例1-改変イネの遺伝子インサートの生成
Cas9及びCpf1ヌクレアーゼを使用して、イネのゲノムにエンハンサーエレメントを安定して導入するように、遺伝子インサートを設計した。これらのエンハンサーエレメントは、異なる機能を有する様々なタンパク質(細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質を含む)をコードする目的遺伝子に作動可能に連結されているように導入される。
【0241】
各目的遺伝子に使用されるガイドRNA(gRNA)が表3に示される。エンハンサーエレメント及び対応する目的遺伝子の概要が表4に示される。表5にまとめたように、Cas9相同アームを、いくつかのインサートの5’及び3’末端に追加した。エンハンサーエレメントを2つの目的を持つように設計した:1つ目は、塩類ストレスを即座に軽減するために目的遺伝子の発現を増加させることである。2つ目は、他のストレス誘発遺伝子の遺伝子発現を弱めることである。弱められるストレス誘発遺伝子は、ストレス下にある時に、植物の成長を妨げ、植物の代謝が完全に機能するのを妨げる集合的なグループである。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、ストレス誘発遺伝子の効果的な発現を弱めることにより、これは、その初期効果が弱めるが、植物への目的遺伝子の発現の増加により、公平で有益な塩類分布が確立されるはずである。
【0242】
抗酸化物質をコードする目的遺伝子は、確実に同時に発現されるように同じポリヌクレオチド配列を有するエンハンサーエレメントに作動可能に連結されていた。植物の寿命及び組織全体にわたって高められたベースラインレベルも提供しながら、活性酸素種を「浄化」するために、植物の発育における重要な瞬間に、確実に抗酸化物質を発現させるように、抗酸化物質のエンハンサーエレメントを設計した。抗酸化物質のベースライン発現は、エンハンサーエレメント内のTATAボックスの存在により達成され、これは、構成的且つ遍在的に発現されるモチーフであり、植物全体の発現を促進する。抗酸化物質のエンハンサーエレメントは、ジベレリン酸応答性エレメントも含む。ジベレリン酸(GA)は、初期発育段階での発現を促進し、表皮根の抗酸化遺伝子の発現に集中させる。エンハンサーエレメントにエチレン応答性エレメントが存在すると、植物の後期発育段階を通じて抗酸化遺伝子が発現し、開花期及び果実発育期に特異的に発現する。抗酸化物質のエンハンサーエレメントは、エチレンと反応するストレス誘発プロモーターエレメントであるDREB2Aエレメントも含有していた。
【0243】
オーキシンは、最初の発芽後、主に茎と根の両方の軸方向の位置(根冠及び中心根)で発現し始める。それは、植物のライフサイクルを通して発現し続け、開花及び果実の発育段階で、エチレンによりサポートされる(図7を参照)。オーキシンが、根の末端、特に、根が成長し始める場所、で多く発現するので、ジベレリンではなく、SOS1/SOS2/AHAグループのエンハンサーエレメントで、オーキシンエレメントを使用した。これは、これらの重要なタンパク質の一貫した生成を生じさせるために利用することができ、これは、その後、成長するにつれて根の細胞膜に導入することができる。経時的に、これらの根の成長は遅くなり、発現の強さは、根に沿って先端からさらに奥への勾配を生じるであろう。これは、塩類を根の先端に移動させ、根から外に押し出す勾配を確立させることができる。
【表3】
【表4】
【表5-1】
【表5-2】
【0244】
実施例2-改変植物の生成
ステップ1-カルスの誘導
手でまたはピンセットを使用して、種子の殻を取り除いた。次に、種子の表面を75%のエタノールで1分間、続いて、2.5%の次亜塩素酸ナトリウムで15分間滅菌し、その後、蒸留水で8回洗浄した。次に、種子の殻を、オートクレーブ処理した。次に、種子を、イネカルス誘導培地上に置いた。この培地の構成成分は、以下の表6に示される。種子を暗所、25℃で14時間インキュベートした。これにより、白または黄色がかった、コンパクトで結節状の構造を有する胚形成カルスが生成された。
【表6】
【0245】
14日後、胚形成カルスを種子から切り取り、さらに、直径5mmほどの等しい断片に分割した。これらのカルスを、新鮮なイネカルス誘導培地に移し、同じ条件(25℃で24時間暗所)で4日間インキュベートした。
【0246】
ステップ2-微粒子銃
微粒子銃を使用して、実施例1で設計されたDNAインサートをイネに形質転換した。各微粒子銃は、衝突毎に最大4つのDNAインサートで構成される。それ故、胚カルスに8つのDNAインサートを衝突させるには、複数セットの衝突が必要とされた。胚形成カルスに、以下のDNAインサートのセットを衝突させ、DNAインサートのセットは、以下の表にまとめられるような改変植物を生成するための表5に記載の配列を含む。胚形成カルスを作成するために使用されたイネの品種も表に示される。
【0247】
実験1
【表7】
【0248】
実験2
セット1:NHX1、SOS1、AHA3、及びHKT1
セット2:VHA-A、SOS2、SODA1、及びSOD2
表8-各イネで標的とされる目的遺伝子の組み合わせ。使用されたイネ品種も示される。
【表8】
【0249】
DNAインサートがゲノムに安定して組み込まれるためには、表3に示すように、プログラム可能なヌクレアーゼ(Cas9またはCpf1)及び少なくとも1つのRNAガイドを組み合わせて衝突させる必要がある。Cas9は、植物ゲノムにエンハンサーエレメントを含むDNAインサートを安定して挿入するためのcrRNA及びtracrRNAという2つのRNAガイドを必要するが、Cpf1は、単一のガイドRNAのみを必要とする。ヌクレアーゼ酵素対RNAガイド対遺伝子DNAインサートの比は、遺伝子毎に1:1:2であった。DNA/酵素混合物を、以下に概説されるように作成した。
【表9】
【0250】
金粒子をDNA/酵素混合物、スペルミジン、及び塩化カルシウムと混合することにより、DNA/酵素混合物を金粒子上に沈殿させた。得られた混合物を、氷上で10分間インキュベートした。DNAでコーティングされた粒子を遠心分離し、上清を除去して、75%のエタノールに置き換え、金粒子を再懸濁した。
【0251】
胚形成カルスを、衝突を行う前に、イネ浸透圧培地の入ったペトリ皿上に4時間置いた。イネ浸透圧培地の構成成分が、以下の表9にまとめられる。あるいは、カルスを、Whatman(商標)濾紙に移し、暗所、25℃で24時間乾燥させた。次に、カルスを遺伝子銃システムに移し、少なくとも-5Hgの真空圧下で、調製されたDNA被覆金粒子10μlを、少なくとも1100psiで焼成した。
【0252】
衝突後に、カルスを、暗所で26℃のイネ浸透圧培地上に16時間~20時間置いた。次に、カルスを、イネカルス誘導培地に移し、暗所、25℃で7~14日間インキュベートした。
【表10】
【0253】
ステップ3-胚形成カルスの再生
次に、カルスを、氷再生培地I(RRMI)に移し、明条件下で(25℃で、明所で16時間、暗所で8時間)1~3週間インキュベートした。約7日後、いくつかのカルスに緑色の斑点が現れ始め、発育して、苗条及び根が成長して、苗木を形成した。3週間後、または苗木が移植するには大きくなりすぎる前に、苗木及び残りのカルスを、イネ再生培地II(以下の表10に記載)に移植し、明条件下で(25℃で16時間明所:8時間暗所)インキュベートした。
【表11】
【0254】
より多くの根組織の成長を生じさせるために、苗木を、イネ根増殖培地(RRPM)(表11に記載)に移し、根の質量が健康な植物の成長を保証するのに十分になるまで、明条件下で(25℃で、明所で16時間:暗所で8時間)インキュベートした。
【表12】
【0255】
実施例3-カルス誘導率の最適化
実施例3に記載の方法を使用して、異なるイネ品種のカルス誘導率を試験した。カルス誘導率に対するホルモン2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)及び6-ベンジルアミノプリン(BAP)の様々な濃度の影響を調査した。
【0256】
4つの異なるイネ品種:TH3-5、Truong Giang、MHC2、及びHa Phat3を試験した。カルスを、実施例3のステップ1に記載されているように誘導した。イネカルス誘導培地中で試験された2,4-D及びBAPの濃度が以下の表12にまとめられる。図2に示されるように、カルスを、4つのイネ品種全てから効率よく生成した。2mg/Lの2,4-D及び0.1mg/LのBAPを含む培地は、最高の誘導率を生じた。
【表13】
【0257】
さらに、5つのイネ品種(Java long、Se Zic、Agostano、Hunan、及びDichroa)におけるカルス誘導率を試験した。図3aは、各米品種の発芽率を示し、図3bは、カルス誘導の割合を示す。これらのデータは、試験された全ての品種からカルスを生成することができることを示す。図3cは、これらの誘導カルスからの苗条の発育も、試験された全品種で生じ得ることを示す。これらのデータは、様々な植物品種に対するカルス誘導法の有用性を示す。
【0258】
イネ品種「ハヤユキ」についてもカルス誘導率を測定した。実施例3のステップ1に記載されているように、カルスを誘導した。イネカルス誘導培地中で試験された2,4-D及びBAPの濃度が以下の表13にまとめられる。図4は、試験された処理の全てが、ハヤユキのカルス誘導をもたらしたことを示す。3mg/Lの2,4-D及び0.1mg/LのBAPの組み合わせが、最も高い誘導率を生じた。
【表14】
【0259】
実施例4-再生された改変植物の分析
野生型植物と比較して特定の遺伝子の発現レベルを決定するために、実施例2で生成された改変植物を、qRT-PCTを使用して分析した。
【0260】
RNA抽出
根(5~10mg)及び苗条(約15mg)組織を、実施例2の実験1から再生した植物から収集し、液体窒素中で急速冷凍し、必要になるまで-80℃で保存した。さらに、実施例2の実験2から再生された改変植物全体からの組織を含有した試料を収集した。これらの試料は、主に、葉の組織を含有していた。
【0261】
続いて、これらの試料を、液体窒素を使用して乳鉢及び乳棒で粉砕した。製造者のプロトコールに従って、GeneJet Plant RNA精製キットまたはQiagen Plant RNEasyキットを使用して、全RNAを抽出した。NanoDrop OneC微量紫外可視分光光度計を使用して、RNAの濃度を分析した。260/230比が2.0を超える(2.01~2.14)全ての抽出RNAを下流プロセスに使用した。RQ1 RNaseフリーDNaseで37℃で30分間処理することにより、試料からDNAを除去した。次に、混合物を65℃で10分間インキュベートすることにより、DNaseを不活化した。
【0262】
qRT-PCR解析
qRT-PCRを使用して、改変植物内の様々な耐塩性遺伝子の遺伝子発現を分析した。2セットのプローブ/色素セットを試験した。両方のセットは、対照として機能するハウスキーピング遺伝子アクチンの5番目のプライマー/プローブを含んでいた。
セット1:NHX1、SOS1、AHA3、及びHKT1
セット2:VHA-A、SOS2、SODA1、及びSOD2/SODCC1
【0263】
各遺伝子に結合したプローブは、以下であった:FAM:NHX1及びVHA-A;SUN:SOS1及びSOS2;ROX:AHA3及びSODA1;ならびにCy5’:HKT1、SODCC1、及びSOD2。12.5μlのiTaq反応混合物、0.5μlのiScriptリバース、5×1μlの各目的遺伝子のフォワード及びリバースプライマーのそれぞれ(表Xで提示)、5×0.8μlの蛍光プローブ、及び1μlのRNAを、以下のサイクルのPCT装置内に置いた:1サイクルの50℃で30分間、1サイクルの94℃で2分間、40サイクルの94℃で15秒間、59℃で15秒間、68℃で15秒間、1サイクルの68℃で5分間。各目的遺伝子に使用されたプライマーは、以下である:
NHX1 TGCAATTGGAGCCATCTTTTCTGCG(配列番号50)
VHA-A AATGCCTGCGGATAGTGGTTACCC(配列番号51)
SOS1 TGTTACATTCCCTCAGGTGCTTCGTG(配列番号52)
SOS2 TGTCACCAGCAACCTTTCGAACATCA(配列番号53)
AHA3 TGGCAATTGGAAAAGAAACAGGGCG(配列番号54)
HKT1 TGGGAATGTAGGGCTATCCACTGGT(配列番号55)
SODA1 CCAAAATCCTCATCAATGGCCCAGC(配列番号56)
SODCC1 ACTGGGCCACACTACAATCCTGC(配列番号57)
SOD2 ACTACAACTCACAGGATGCAGCAGC(配列番号58)
【0264】
Bio-Rad CFX Maestroソフトウェアを使用して、プローブの蛍光を分析した。野生型植物におけるCq値と比較して、再生された独立事象イネ植物における遺伝子の相対的転写物存在量を分析した。試料毎に2つの技術的繰り返しを使用して、全ての反応を実施した。まず、ΔCt値を取得するためのイネゲノム配列に基づく設計により、アクチン及び/または25SリボソームRNA(25S rRNA)ハウスキーピング遺伝子と比較して転写レベルを分析した。次に、再生された独立事象イネにおける相対的な倍率変化遺伝子発現を、ΔΔCt値を計算することにより野生型と比較して分析した。
【0265】
図5a及び5bは、改変イネの苗条または根のいずれかにおけるNHX1、SOS1、HKT1、及びSODA1のRNA発現レベルが、野生型イネと比較して有意に高かったことを示す。これらのデータは、NHX1、SOS1、HKT1、及びSODA1のRNA発現レベルが野生型植物と比較して増加していることを示す。目的遺伝子の発現レベルは、根と苗条の間で異なっていた。例えば、NHX1は、根と比較して、葉でより高いレベルの発現を有していた。
【0266】
図9a、9b、及び9cは、改変植物全体から得られた組織におけるNHX1、SOS1、AHA3、HKT1、VHA-A、SOS2、SODA1、SOD2及びSODCC1のRNA発現レベルを示す。これらのデータは、これらの遺伝子が、野生型植物と比較して改変植物において差次的に発現されたことを示す。この違いは、さらに、図10a~10jの散布図で評価される。図9及び10に見られる、異なる改変植物間のこれらの遺伝子の発現の変化は、各改変植物から収集された組織の種類の違いによるものであり得る。上述されたように、目的遺伝子の発現は、植物全体で空間的に異なり得る。例えば、HKT1は、植物の維管束構造内でのみ発現され、それ故、収集された試料が、維管束構造を含有していない場合、HKT1発現は、ほとんど~全く観察されないであろう。試験された多くの改変植物では、SOD2の発現が低減している。この発現減少の考えられる理由は、対照として使用された野生型植物が、改変植物と比較して異なる年齢であったことであり得る。
【0267】
実施例5-改変植物の耐塩性
実施例2の改変植物の耐塩性は、最初に0gの塩類を含む水耕培地に苗木または植物の根を部分的に浸すことにより試験した。
【表15】
【0268】
次に、水耕培地の塩類濃度を、完全な海洋塩類濃度である45g/Lまで段階的に増加させた。塩類濃度の段階的な変化と、各変化の間の間隔は、品種の性能に応じて変更されやすい可能性がある。苗条と根の両方の成長速度を監視し、植物の全体的な健康状態及び葉の色を分析した。
【表16】
【0269】
実施例6-改変植物の耐塩性
実施例2の改変植物の耐塩性を、塩化ナトリウムが補充されている培地中で植物を成長させることにより試験した。実施例2の改変植物A、B、C、D、E1、F、G、H、及びIを、最初に、8g/LのNaCl、後に、16g/Lに増加させたNaClが補充されたRRMII培地に直接置いた。改変植物は、このような高塩類濃度条件下でも成長を続けた。野生型植物を、最初に2g/LのNaClが補充されたMS培地に置いた。塩類濃度を、NaCl 10g/Lになるまで、2日毎に2g/Lずつ増加した。
【表17】
【0270】
図11は、実験最終日の改変及び野生型植物の画像を提示する。図11の画像は、全ての野生型植物が葉の少なくとも半分に顕著な黄変を示すことを示す。葉の先端から始まり、多くの場合、葉の全長全体に広がる。この黄変は、改変植物では観察されない。目的遺伝子に作動可能に連結されるようにエンハンサーエレメントを挿入すると、物理的なストレスの兆候を示さずに、改変植物により高濃度の塩類に対し耐性があることを可能にしている。データは、本発明による改変植物が野生型植物と比較して耐塩性が増加していることを示す。
【0271】
改変植物のいくつかは、白く見える(A&H)。これらの植物は、再生後のライフサイクル全体を通じてこの色を示している。任意の特定の理論にも束縛されることを望まないが、本発明者らは、クロロフィル生成の低減を引き起こす遺伝子発現の実質的な増加によるものであると仮定している。これらの植物は、依然として、緑色の対応物と同様に行動している。
【0272】
野生型対照は、根及び葉の量の大幅な低減を示す。それらの構造は、また、薄く、独力で植物の重量を支えることができない。これらの特徴は、塩類濃度の増加が、野生型植物の健康に影響を与えていることを示す。対照的に、改変植物は、これらの特徴を示さず、さらに、ゲノムに行われている編集により、植物が生存することを可能にするだけでなく、野生型イネが成長できない高塩類環境でも生き延びることが示唆される。この改善は、複数のイネ品種で見られ、発明者らの設計が、様々なイネ品種に適用することができることを示す。
【0273】
全体として、これらのデータは、特定の目的遺伝子に作動可能に連結されているエンハンサーエレメントを有するように改変されている植物が、高塩類でも成長し得、それにより、野生型植物と比較して耐塩性が向上していることを示す。
【0274】
実施例7-遺伝子インサートの設計の改良
編集効率を向上させ、良好な編集を行う必要があるDNAの量を最小限に抑えるために、遺伝子インサートの設計を変更した。この改良された設計の主な焦点は、Cas9が以前に使用されたゲノム配列内に切り込みを入れるために、Cpf1(Cas12a)を使用することである。Cas9は、任意の量のDNAを効率的に編集してゲノム配列に挿入するために、大きな相同性アーム(遺伝子インサートを含む約125塩基)を必要とする平滑末端切断を行い、DNAのこのセクション全体が、植物に組み込まれ、遺伝子毎に約120塩基対の編集が得られる。比較すると、Cpf1は、互い違いの切断を使用して、図1に示されるように、センス鎖のPAM部位の19塩基対後ろ、アンチセンス鎖のPAM部位の23塩基対後ろに切り込みを入れる。Cpf1編集は、相同性アームを必要とせず、代わりに、図1で太字で見ることができる4~5塩基対のオーバーハングに依存する。
【0275】
これらのオーバーハングは、図6の配列を使用して、より小さなDNA片をゲノムに組み込むことを可能にするために、遺伝子インサートの末端に含まれていた。遺伝子の正常な機能が変更されないように、編集部位を設計して、発現強度及び発現位置パターンのみを変更する。この更新された設計では、目的遺伝子VHA-A、SOS2、AHA3、及びSODA1は全て、Cas9ではなくCpf1に適応するように変換されている。更新されたガイドRNA(gRNA)、及び関連するオーバーハング配列を含む更新されたフォワード及びリバースインサート配列が表14及び図6に示される。
【0276】
これらのデータは、実施例1と組み合わせると、様々なヌクレアーゼを使用して、エンハンサーエレメントを植物のゲノムに組み込むことができることを示す。Cpf1ヌクレアーゼは、改変植物を生成するより効率的な方法となるので、エンハンサーエレメントをゲノムに組み込むために使用され得る。
【表18】
【0277】
実施例8-改変カルスの生成
実施例3に記載されるように、カルスを生成した。これらのカルスに、ゲノム配列内に切り込みを入れるためだけに、Cpf1ヌクレアーゼを使用する実施例7に記載のDNAインサートを衝突させた。4つの目的遺伝子(OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1及びOsSOS2)ならびにそれらの配列を標的としたDNAインサートが、図6で提供される。OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0278】
再生改変植物と比較した生理機能、ホルモン、及び転写因子の存在量の違いを考慮して、カルス内で発現される可能性が最も高いので、これら4つの目的遺伝子を選択した。それらが相乗的に機能して任意の植物細胞内で塩類の排除及び分離を促進して、耐塩性を促進するように、この目的遺伝子のセットも選択した。
【0279】
実施例9-カルスの耐塩性
2g/Lの塩化ナトリウムが補充されたイネカルス誘導培地にカルスを移すことにより、実施例8の改変カルスの耐塩性を試験した。2日毎に、カルスをより高濃度の塩類に移した。試験された濃度を、以下に示す。
【表19】
【0280】
カルスが、植物全体と比較して最適な働きが予想されないので、最大15g/Lの塩化ナトリウムは、海洋塩類濃度の50%をわずかに下回る。しかし、15g/Lで成長し得るカルスは、現在商業的に使用されているイネ品種の耐性をはるかに超え、メコン川の水田の塩類濃度をはるかに超える、非常に高い耐塩性を有するであろう。成長速度;色;質感;及び構造的完全性を含む全体的なカルスの健康状態も記録されるであろう。
【0281】
図12a~cは、改変カルスが、最大15g/Lの塩化ナトリウムを含有していた培地中で成長することが可能であったが、野生型カルスが、同じ条件下では成長することができなかったことを示す。カルスの健康状態の識別子は、色(黒ではなく白/黄色がかった)及び質感(もろい及び柔らかくない)を含んでいた。図12a~cの画像は、一般に、改変カルスが、WTよりも白く見え、より明確なエッジを有することを示し、これは、これらのカルスがより高い耐性を有することを示す。
【0282】
実施例4に記載されているように、改変カルスに対して、q-RT-PCRを実施した。図13は、改変カルスにおけるSOS1、SOS2、HKT1、NHX1、AHA-3、VHA-A、及びSODA1の遺伝子発現を示す。図13は、改変カルスの大部分が、15g/Lの塩化ナトリウムで成長させる場合に、野生型カルスと比較して、SOS1、SOS2、HKT1、NHX1、AHA-3、VHA-A、及びSODA1の発現が増加していることを示す。この違いは、さらに、図15a~15oの散布図で評価される。これらのデータは、衝突プロセスが、目的遺伝子に作動可能に連結されているように、エンハンサーエレメントを植物のゲノムに効率的に取り込ませ、これにより、改変カルスが、野生型と比較して増加した塩類ストレス下でも成長できるようになったことを示す。
【0283】
以前の研究では、イネカルスは、8.7g/LのNaClで新鮮重の急激な減少を示すことが観察され[27]、本発明者らの形質転換カルスは、15g/LのNaClまで継続的な成長を示すので、カルスの耐塩性の大幅な増加が観察されている。0、2、4、6、8、10、12.5、及び15g/LのNaClで採取された野生型カルスに対して、qRT PCR分析を実施した。図14に見られるように、8g/Lと10g/Lの間の間隔では、NHX1、OsAHA3、OsVHA-A、SODA1、SOS1、及びSOS2の発現に劇的な変化があり、これは、カルスがそのような高濃度のNaClに耐えられなくなる同様のシフトを示す。全体として、データは、塩類中で成長させたカルスの文献で観察された物理的特徴と類似している。
【0284】
実施例10-改変ケール(Brassica oleracea)の遺伝子インサートの生成
Cpf1ヌクレアーゼを使用して、ケールのゲノムにエンハンサーエレメントを安定して導入するように、遺伝子インサートを設計した。これらの目的遺伝子は、異なる機能を有する様々なタンパク質(細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、液胞膜イオントランスポーター、カリウムトランスポーター、プロテインキナーゼ、及び抗酸化物質を含む)をコードする。
【表20-1】
【表20-2】
【0285】
実施例11-改変植物のゲノムシーケンシング
衝突後に、目的遺伝子が植物に効率的に導入されているかどうかを決定するために、実施例2で生成された改変植物のゲノムDNAをシーケンシングした。
【0286】
Wizard(登録商標)ゲノムDNA精製キットを使用して、ゲノムDNAを単離及び精製した。要約すると、40mgの主要物質を、対象植物からが採取した。葉組織を液体窒素中で凍結し、乳棒及び乳鉢を使用して微粉末に粉砕した。600μlのNuclei Lysis Solutionを試料に添加し、1~3秒間ボルテックスした。次に、試料を65℃で15分間インキュベートした。3μlのRNase溶液を、細胞溶解物に添加し、チューブを2~5回反転させて混合した。混合物を、37℃で15分間インキュベートした。試料を、室温で5分間冷却し、その後、200μlのタンパク質沈殿溶液を添加した。試料を、高速で20秒間激しくボルテックスし、13,000~16,000xgで3分間遠心分離した。沈殿したタンパク質は、堅いペレットを形成した。上清を、室温のイソプロパノール600μlを含有するチューブに移した。チューブを反転させることにより試料を混合し、次に、室温で13,000~16,000×gで1分間遠心分離した。室温の70%のエタノール600μlを添加し、チューブを数回穏やかに反転させてDNAを洗浄した。次に、試料を室温で13,000~16,000×gで1分間遠心分離した。エタノールを除去し、DNAを含有するペレットを15分間風乾した。100μlのDNA再水和溶液を添加し、試料を65℃で1時間インキュベートした。Nanodrop分光光度計を使用して、各DNA試料の濃度を測定した。得られたDNAを、Eurofins Genomics labでシーケンシングした。
【0287】
実施例12-エンジニアリングプラントにおける耐塩性の安定した継承
ハヤユキ及びTruong Giang品種の改変イネを、実施例2に記載されるように生成した。これらの改変イネは、以下の目的遺伝子、OsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsHKT1、及びOsSODA1またはOsSOD2のいずれか(各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)を含んでいた。これらの改変イネを、種子を生成するように成長させて成熟させた。図16a~eは、穂及び種子を示すこれらの改変イネの画像である。
【0288】
種子を、これら3つの植物(ハヤユキ1、ハヤユキ2、及びTruong Giang)から採取し、発芽させて実生にした。実施例4で実施されたように、耐塩性が効率よく継承されたかどうかを観察するために、qRT-PCRを使用して、子孫植物の葉における遺伝子発現を分析した。
【0289】
実生13及び14は、ハヤユキ植物1から採取された種子から成長させた2本の実生である。図17は、これらの実生におけるOsNHX1、OsVHA-A、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsSODA1、SODCC1、及びOsSOD2のRNA発現レベルが野生型イネと比較して有意に高かったことを示す。これらのデータは、これらの遺伝子が、野生型植物と比較して後代で差次的に発現されたことを示す。この差異を、さらに、図18に提示される散布図で評価する。2つの実生で観察された遺伝子発現は、親植物(ハヤユキ1)及び本発明による他の改変イネで観察された遺伝子発現と類似している。これらのデータは、本発明の改変植物に形質転換された耐塩性形質が効率よく遺伝されることを示す。
【0290】
本発明は、以下の番号付けされた実施形態を提供する。
【0291】
1.トランスジェニック植物であって、少なくとも2つの導入遺伝子を含み、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする導入遺伝子及び抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む、トランスジェニック植物。
【0292】
2.細胞内イオン濃度を制御するタンパク質が、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、またはプロテインキナーゼである、実施形態1に記載のトランスジェニック植物。
【0293】
3.イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、及び/または水素輸送ピロホスファターゼが、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び/または細胞膜水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態2に記載のトランスジェニック植物。
【0294】
4.細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり、及び/または、細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3である、実施形態3に記載のトランスジェニック植物。
【0295】
5.(a)SOS1が、OsSOS1であり、任意に、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態4に記載のトランスジェニック植物。
【0296】
6.イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、及び/または水素輸送ピロホスファターゼが、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び/または液胞膜水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態2に記載のトランスジェニック植物。
7.(a)液胞膜イオントランスポーターが、NHX1であり、及び/または
(b)液胞膜水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aである、実施形態6に記載のトランスジェニック植物。
【0297】
8.(a)NHX1が、OsNHX1であり、任意に、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態7に記載のトランスジェニック植物。
【0298】
9.プロテインキナーゼが、セリン/スレオニンキナーゼであり、任意に、セリン/スレオニンキナーゼが、SOS2である、実施形態2~8のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0299】
10.SOS2が、OsSOS2であり、任意に、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態9に記載のトランスジェニック植物。
【0300】
11.抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質である、実施形態1~10のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0301】
12.トランスジェニック植物が、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの導入遺伝子を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0302】
13.抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質及び細胞質抗酸化物質を含む、実施形態12に記載のトランスジェニック植物。
【0303】
14.トランスジェニック植物が、抗酸化物質をコードする少なくとも3つの導入遺伝子を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0304】
15.抗酸化物質(複数可)が、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0305】
16.(a)SODA1が、OsSODA1であり、任意に、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)SOD2が、OsSOD2であり、任意に、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態15に記載のトランスジェニック植物。
【0306】
17.トランスジェニック植物であって、少なくとも2つの導入遺伝子を含み、少なくとも2つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、及び細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子を含む、トランスジェニック植物。
【0307】
18.細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質が、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、または細胞膜水素輸送ピロホスファターゼであり、任意に、細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり、及び/または細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3である、実施形態17に記載のトランスジェニック植物。
【0308】
19.(a)SOS1が、OsSOS1であり、任意に、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態18に記載のトランスジェニック植物。
【0309】
20.細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質が、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、または液胞膜水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態17~19のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0310】
21.液胞膜イオントランスポーターが、NHX1であり、及び/または、液胞膜水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aである、実施形態20に記載のトランスジェニック植物。
【0311】
22.(a)NHX1が、OsNHX1であり、任意に、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態21に記載のトランスジェニック植物。
【0312】
23.トランスジェニック植物が、さらに、プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子、及び/または抗酸化物質をコードする導入遺伝子を含む、実施形態17~22のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0313】
24.プロテインキナーゼが、リン/スレオニンキナーゼであり、任意に、セリン/スレオニンキナーゼが、SOS2である、実施形態23に記載のトランスジェニック植物。
【0314】
25.SOS2が、OsSOS2であり、任意に、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態24に記載のトランスジェニック植物。
【0315】
26.抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質である、実施形態23~25のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0316】
27.抗酸化物質が、SODA1、SOD2、及びSODCC1のいずれか1つを含む、実施形態23~26のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0317】
28.(a)SODA1が、OsSODA1であり、任意に、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)SOD2が、OsSOD2であり、任意に、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態27に記載のトランスジェニック植物。
【0318】
29.トランスジェニック植物であって、少なくとも3つの導入遺伝子を含み、トランスジェニック植物が、該ゲノム改変のない同種の植物と比較して耐塩性が増加している、トランスジェニック植物。
【0319】
30.トランスジェニック植物であって、少なくとも3つの導入遺伝子を含み、少なくとも3つの導入遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする導入遺伝子、及び抗酸化物質をコード化する導入遺伝子を含む、トランスジェニック植物。
【0320】
31.細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質及び/または液胞膜タンパク質が、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、または水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態30に記載のトランスジェニック植物。
【0321】
32.トランスジェニック植物が、さらに、プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子を含む、実施形態30または実施形態31に記載のトランスジェニック植物。
【0322】
33.プロテインキナーゼが、リン/スレオニンキナーゼであり、任意に、セリン/スレオニンキナーゼが、SOS2である、実施形態32に記載のトランスジェニック植物。
【0323】
34.トランスジェニックイネであって、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、少なくとも4つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする導入遺伝子を含む、トランスジェニックイネ。
【0324】
35.トランスジェニックイネであって、少なくとも4つの導入遺伝子を含み、少なくとも4つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードする導入遺伝子を含み、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、トランスジェニックイネ。
【0325】
36.トランスジェニック植物が、少なくとも7つの導入遺伝子を含み、少なくとも7つの導入遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、
(c)プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする導入遺伝子
(f)カリウムトランスポーターをコードする導入遺伝子、及び
(g)抗酸化物質をコードする導入遺伝子
を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0326】
37.トランスジェニック植物が、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、少なくとも8つの導入遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする導入遺伝子、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子、
(c)プロテインキナーゼをコードする導入遺伝子
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする導入遺伝子
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする導入遺伝子
(f)カリウムトランスポーターをコードする導入遺伝子、及び
(g)第1の抗酸化物質及び第2の抗酸化物質をコードする導入遺伝子
を含む、実施形態1~36のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0327】
38.(a)細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり;及び/または
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3であり;及び/または
(c)プロテインキナーゼが、SOS2であり;及び/または
(d)液胞水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aであり;及び/または
(e)液胞イオントランスポーターが、NHX1であり;及び/または
(f)カリウムトランスポーターが、HKT1であり、及び/または
(g)第1及び第2の抗酸化物質が、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1である、実施形態36~37のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0328】
39.(a)SOS1が、OsSOS1であり、任意に、OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)SOS2が、OsSOS2であり、任意に、OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(d)VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(e)NHX1が、OsNHX1であり、任意に、OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(f)HKT1が、OsHKT1であり、任意に、OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
(g)SODA1が、OsSODA1であり、任意に、OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(h)SOD2が、OsSOD2であり、任意に、OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(i)SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態38に記載のトランスジェニック植物。
【0329】
40.トランスジェニックイネであって、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードする導入遺伝子を含む、トランスジェニックイネ。
【0330】
41.トランスジェニックイネであって、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードする導入遺伝子を含み、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2導入遺伝子が、配列番号93と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、トランスジェニックイネ。
【0331】
42.トランスジェニックイネであって、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードする導入遺伝子を含む、トランスジェニックイネ。
【0332】
43.トランスジェニックイネであって、少なくとも8つの導入遺伝子を含み、少なくとも8つの導入遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードする導入遺伝子を含み、
OsSOS1導入遺伝子が、配列番号95及び/または96と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2導入遺伝子が、配列番号100と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3導入遺伝子が、配列番号101と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A導入遺伝子が、配列番号102と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1導入遺伝子が、配列番号97及び/または98と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1導入遺伝子が、配列番号99と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1導入遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1導入遺伝子が、配列番号94と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、トランスジェニックイネ。
【0333】
44.トランスジェニック植物が、さらに、少なくとも1つの追加の導入遺伝子を含み、少なくとも1つの追加の導入遺伝子が、
(a)シトクロムp450(P450)、及び/または
(b)酸素発生複合体、及び/または
(c)スクロースリン酸シンターゼ、及び/または
(d)ピロリンカルボン酸シンターゼ
であるタンパク質をコードする、先行実施形態のいずれか1つに記載のトランスジェニック動物。
【0334】
45.酸素発生複合体が、タンパク質PsbO、PsbP、及びPsbQから形成される、実施形態44に記載のトランスジェニック植物。
【0335】
46.酸素発生複合体が、タンパク質PsbO、PsbP、PsbQ、PsbU、及びPsbVから形成される、実施形態44または実施形態45に記載のトランスジェニック植物。
【0336】
47.スクロースリン酸シンターゼが、スクロースリン酸シンターゼ1、スクロースリン酸シンターゼ2、またはスクロースリン酸シンターゼ3である、実施形態44~46のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0337】
48.ピロリンカルボン酸シンターゼが、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1、またはデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2である、実施形態44~47のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0338】
49.トランスジェニック植物が、さらに、OSK1をコードする導入遺伝子を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0339】
50.トランスジェニック植物が、PERK13をコードする導入遺伝子を含有しない、先行実施形態のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0340】
51.導入遺伝子の少なくとも1つが、少なくとも1つのプロモーターに作動可能に連結されており、任意に、導入遺伝子の全てが、少なくとも1つのプロモーターに作動可能に連結されている、先行実施形態のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0341】
52.少なくとも1つのプロモーターが、少なくとも10、少なくとも20、または少なくとも30のヌクレオチドを含む、実施形態51に記載のトランスジェニック植物。
【0342】
53.少なくとも1つのプロモーターが、導入遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端の150~500ヌクレオチド以内にある、実施形態51または実施形態52に記載のトランスジェニック植物。
【0343】
54.少なくとも1つのプロモーターが、根特異的プロモーターであり、任意に、導入遺伝子の全てが、根特異的プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態51~53のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0344】
55.少なくとも1つのプロモーターが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含み、任意に、導入遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含むプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態51~54のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0345】
56.少なくとも1つのプロモーターが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせ由来のプロモーターエレメントの少なくとも6ヌクレオチドを含み、任意に、導入遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、またはオーキシンのプロモーター配列由来のプロモーターエレメントを含むプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態51~55のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0346】
57.少なくとも1つのプロモーターが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、もしくはCAATのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含み、任意に、導入遺伝子の全てが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、またはCAATのプロモーター配列を含むプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態51~56のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0347】
58.少なくとも1つのプロモーターが、配列番号10~18のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態51~57のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0348】
59.各導入遺伝子が、別個のタンパク質をコードする、先行実施形態のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0349】
60.トランスジェニック植物が、被子植物である、先行実施形態のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0350】
61.トランスジェニック植物が、単子葉植物または双子葉植物である、実施形態60に記載のトランスジェニック植物。
【0351】
62.トランスジェニック植物が、穀物である、実施形態60または実施形態61に記載のトランスジェニック植物。
【0352】
63.トランスジェニック植物が、トウモロコシ、イネ、ダイズ、サトウキビ、ヤエナリ、キヌア、オオムギ、オートムギ、ライムギ、モロコシ、またはコムギである、実施形態62に記載のトランスジェニック植物。
【0353】
64.トランスジェニック植物が、トランスジェニックイネである、実施形態60~63のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物。
【0354】
65.トランスジェニック植物が、野菜作物である、実施形態60または実施形態61に記載のトランスジェニック植物。
【0355】
66.トランスジェニック植物が、Brassica属、Glycine属、またはSoja属に由来する、実施形態65に記載のトランスジェニック植物。
【0356】
67.実施形態1~66のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物の植物部位。
【0357】
68.植物部位が、細胞、種子、葉、苗条、茎、または根である、実施形態67に記載の植物部位。
【0358】
69.植物部位が、種子である、実施形態68に記載の植物部位。
【0359】
70.植物部位が、細胞である、実施形態68に記載の植物部位。
【0360】
71.実施形態70に記載の1つ以上の植物細胞を含む多細胞構造。
【0361】
72.多細胞構造体が、カルスである、実施形態71に記載の多細胞構造体。
【0362】
73.実施形態1~72に記載のトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造の作成方法であって、方法が、
i)実施形態1~66によるトランスジェニック植物において定義される少なくとも2つの導入遺伝子を植物の細胞に導入するステップ(導入遺伝子が、植物の細胞のゲノムに組み込まれる)、及び
ii)細胞を再生して、細胞からトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造を形成するステップ
を含む、方法。
【0363】
74.導入遺伝子が、微粒子銃、Agrobacterium媒介形質転換、またはプロトプラストトランスフェクションで細胞に導入される、実施形態73に記載の方法。
【0364】
75.実施形態73~74のいずれか1つに記載の方法であって、方法が、
(a)種子からカルス形成を誘導こと、
(b)ポリヌクレオチド配列、ガイドRNA、及びヌクレアーゼをマイクロキャリア上に沈殿させることであって、ポリヌクレオチド配列が、実施形態1~72のいずれか1つに従って定義される少なくとも2つの導入遺伝子を含み、
(c)微粒子銃を使用してマイクロキャリアでカルスを形質転換して、形質転換カルスを生成することであって、ポリヌクレオチド配列が、トランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造のゲノムに組み込まれ、
(d)形質転換カルスを回収して、実施形態71または実施形態72による多細胞構造を生成すること
を含む、方法。
【0365】
76.多細胞構造が、トランスジェニック植物に再生される、実施形態75に記載の方法。
【0366】
77.ポリヌクレオチド配列が、植物のゲノムに安定して組み込まれる、実施形態75または実施形態76に記載の方法。
【0367】
78.ヌクレアーゼが、Casヌクレアーゼ、Cpf1ヌクレアーゼ、TALEN、またはジンクフィンガーヌクレアーゼであり、任意に、ヌクレアーゼが、Cas9またはCpf1である、実施形態75~77のいずれか1つに記載の方法。
【0368】
79.ポリヌクレオチドが、RNA、DNA、またはプラスミドであり、任意に、ポリヌクレオチドが、DNAである、実施形態75~78のいずれか1つに記載の方法。
【0369】
80.トランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造が、相同組み換えを含むプロセスで生成されず、及び/または本質的に生物学的プロセスで生成されない、実施形態1~72に記載のトランスジェニック植物、植物部位、または多細胞構造。
【0370】
81.実施形態69に記載の、小麦粉、全粒粉、デンプン、または種子から得られる他の生成物を生成する方法。
【0371】
82.動物飼料として、または動物消費用飼料もしくはヒト摂取用食品を生成するための、実施形態1~66のいずれか1つに記載のトランスジェニック植物、実施形態67~70のいずれか1つに記載の植物部位、または実施形態71もしくは実施形態72に記載の多細胞構造の使用。
【0372】
83.導入遺伝子の1つ以上が、本明細書の開示されるように、任意に、以下の実施形態のどこかに開示されるように、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている対応する目的遺伝子で置換されている、任意の先行実施形態で定義されるトランスジェニック植物。
【0373】
本発明は、以下の番号付けされた実施形態も提供する。
【0374】
1.改変植物であって、少なくとも2つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御するタンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変植物。
【0375】
2.細胞内イオン濃度を制御するタンパク質が、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、水素輸送ピロホスファターゼ、またはプロテインキナーゼである、実施形態1に記載の改変植物。
【0376】
3.イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、及び/または水素輸送ピロホスファターゼが、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び/または細胞膜水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態2に記載の改変植物。
【0377】
4.細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり、及び/または、細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3である、実施形態3に記載の改変植物。
【0378】
5.(a)SOS1が、OsSOS1であり、任意に、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態4に記載の改変植物。
【0379】
6.イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、及び/または水素輸送ピロホスファターゼが、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、及び/または液胞膜水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態2に記載の改変植物。
【0380】
7.(a)液胞膜イオントランスポーターが、NHX1であり、及び/または
(b)液胞膜水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aである、実施形態6に記載の改変植物。
【0381】
8.(a)NHX1が、OsNHX1であり、任意に、OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態7に記載の改変植物。
【0382】
9.プロテインキナーゼが、セリン/スレオニンキナーゼであり、任意に、セリン/スレオニンキナーゼが、SOS2である、実施形態2~8のいずれか1つに記載の改変植物。
【0383】
10.SOS2が、OsSOS2であり、任意に、OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態9に記載の改変植物。
【0384】
11.抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の改変植物。
【0385】
12.改変植物が、抗酸化物質をコードする少なくとも2つの目的遺伝子を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の改変植物。
【0386】
13.抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質及び細胞質抗酸化物質を含む、実施形態12に記載の改変植物。
【0387】
14.改変植物が、抗酸化物質をコードする少なくとも3つの遺伝子を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の改変植物。
【0388】
15.抗酸化物質(複数可)が、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の改変植物。
【0389】
16.(a)SODA1が、OsSODA1であり、任意に、OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)SOD2が、OsSOD2であり、任意に、OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態15に記載の改変植物。
【0390】
17.改変植物であって、少なくとも2つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子及び細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子を含み、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変植物。
【0391】
18.細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質が、細胞膜イオントランスポーター、細胞膜水素輸送ATPアーゼ、または細胞膜水素輸送ピロホスファターゼであり、任意に、細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり、及び/または細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3である、実施形態17に記載の改変植物。
【0392】
19.(a)SOS1が、OsSOS1であり、任意に、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態18に記載の改変植物。
【0393】
20.細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質が、液胞膜イオントランスポーター、液胞膜水素輸送ATPアーゼ、または液胞膜水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態17~19のいずれか1つに記載の改変植物。
【0394】
21.液胞膜イオントランスポーターが、NHX1であり、及び/または、液胞膜水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aである、実施形態20に記載の改変植物。
【0395】
22.(a)NHX1が、OsNHX1であり、任意に、OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態21に記載の改変植物。
【0396】
23.改変植物が、さらに、プロテインキナーゼをコードする遺伝子及び/または抗酸化物質をコードする遺伝子を含む、実施形態17~22のいずれか1つに記載の改変植物。
【0397】
24.プロテインキナーゼが、リン/スレオニンキナーゼであり、任意に、セリン/スレオニンキナーゼが、SOS2である、実施形態23に記載の改変植物。
【0398】
25.SOS2が、OsSOS2であり、任意に、OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態24に記載の改変植物。
【0399】
26.抗酸化物質が、ミトコンドリア抗酸化物質または細胞質抗酸化物質である、実施形態23~25のいずれか1つに記載の改変植物。
【0400】
27.抗酸化物質が、SODA1、SOD2、及びSODCC1のいずれか1つを含む、実施形態23~26のいずれか1つに記載の改変植物。
28.(a)SODA1が、OsSODA1であり、任意に、OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)SOD2が、OsSOD2であり、任意に、OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態27に記載の改変植物。
【0401】
29.改変植物であって、少なくとも3つの目的遺伝子を含み、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、改変植物が、該ゲノム改変のない同種の植物と比較して耐塩性が増加している、改変植物。
【0402】
30.改変植物であって、少なくとも3つの目的遺伝子を含み、目的遺伝子が、細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子、及び抗酸化物質をコードする遺伝子を含み、
細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、細胞内イオン濃度を制御する液胞膜タンパク質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変植物。
【0403】
31.細胞内イオン濃度を制御する細胞膜タンパク質及び/または液胞膜タンパク質が、イオントランスポーター、水素輸送ATPアーゼ、または水素輸送ピロホスファターゼである、実施形態30に記載の改変植物。
【0404】
32.改変植物が、さらに、プロテインキナーゼをコードする遺伝子を含む、実施形態30または実施形態31に記載の改変植物。
【0405】
33.プロテインキナーゼが、リン/スレオニンキナーゼであり、任意に、セリン/スレオニンキナーゼが、SOS2である、実施形態32に記載の改変植物。
【0406】
34.改変イネであって、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、各目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0407】
35.改変イネであって、少なくとも4つの目的遺伝子を含み、少なくとも4つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsNHX1、OsHKT1、及びOsSODA1をコードし、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0408】
36.改変植物が、少なくとも7つの目的遺伝子を含み、少なくとも7つの目的遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子(細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子(細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(c)プロテインキナーゼをコードする遺伝子(プロテインキナーゼをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子(液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子(液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(f)カリウムトランスポーターをコードする遺伝子(カリウムトランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、及び
(g)抗酸化物質をコードする遺伝子(抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)
を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の改変植物。
【0409】
37.改変植物が、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、
(a)細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子(細胞膜イオントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子(細胞膜水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(c)プロテインキナーゼをコードする遺伝子(プロテインキナーゼをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(d)液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子(液胞水素輸送ATPアーゼをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(e)液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子(液胞ナトリウム/プロトントランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(f)カリウムトランスポーターをコードする遺伝子(カリウムトランスポーターをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
(g)第1の抗酸化物質をコードする遺伝子(第1の抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、及び
(h)第2の抗酸化物質をコードする遺伝子(第2の抗酸化物質をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)、
を含む、実施形態1~36のいずれか1つに記載の改変植物。
【0410】
38.(a)細胞膜イオントランスポーターが、SOS1であり;及び/または
(b)細胞膜水素輸送ATPアーゼが、AHA3であり;及び/または
(c)プロテインキナーゼが、SOS2であり;及び/または
(d)液胞水素輸送ATPアーゼが、VHA-Aであり;及び/または
(e)液胞イオントランスポーターが、NHX1であり;及び/または
(f)カリウムトランスポーターが、HKT1であり、及び/または
(g)第1及び第2の抗酸化物質が、SODA1、SOD2、及び/またはSODCC1である、実施形態36~37のいずれか1つに記載の改変植物。
【0411】
39.(a)SOS1が、OsSOS1であり、任意に、OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(b)AHA3が、OsAHA3であり、任意に、OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(c)SOS2が、OsSOS2であり、任意に、OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(d)VHA-Aが、OsVHA-Aであり、任意に、OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(e)NHX1が、OsNHX1であり、任意に、OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(f)HKT1が、OsHKT1であり、任意に、OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
(g)SODA1が、OsSODA1であり、任意に、OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(h)SOD2が、OsSOD2であり、任意に、OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、及び/または
(i)SODCC1が、OsSODCC1であり、任意に、OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、実施形態38に記載の改変植物。
【0412】
40.改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOD2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0413】
41.改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOD2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0414】
42.改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODCC1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0415】
43.改変イネであって、少なくとも8つの目的遺伝子を含み、少なくとも8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSODCC1をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODCC1遺伝子が、配列番号94のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSOS2をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsAHA3をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsVHA-Aをコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsNHX1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsHKT1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODA1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されており;OsSODCC1をコードする遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0416】
44.改変植物が、さらに、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている少なくとも1つの追加の目的遺伝子を含み、(エンハンサーエレメントに作動可能に連結されている)少なくとも1つの追加の目的遺伝子が、
(a)シトクロムp450(P450)、及び/または
(b)酸素発生複合体、及び/または
(c)スクロースリン酸シンターゼ、及び/または
(d)ピロリンカルボン酸シンターゼ
であるタンパク質をコードする、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0417】
45.酸素発生複合体が、タンパク質PsbO、PsbP、及びPsbQから形成される、実施形態44に記載の改変植物。
【0418】
46.酸素発生複合体が、タンパク質PsbO、PsbP、PsbQ、PsbU、及びPsbVから形成される、実施形態44または実施形態45に記載の改変植物。
【0419】
47.スクロースリン酸シンターゼが、スクロースリン酸シンターゼ1、スクロースリン酸シンターゼ2、またはスクロースリン酸シンターゼ3である、実施形態44~46のいずれか1つに記載の改変植物。
【0420】
48.ピロリンカルボン酸シンターゼが、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1、またはデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ2である、実施形態44~47のいずれか1つに記載の改変植物。
【0421】
49.改変植物が、さらに、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されているOSK1をコードする目的遺伝子を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0422】
50.改変植物が、PERK13をコードする目的遺伝子を含有しないか、または該目的遺伝子が、エンハンサーエレメントに作動可能に連結されていない、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0423】
51.エンハンサーエレメントが、同じポリヌクレオチド配列を有するか、またはエンハンサーエレメントが、異なるポリヌクレオチド配列を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0424】
52.エンハンサーエレメントが、野生型植物における目的遺伝子の発現レベルと比較して、目的遺伝子の発現レベルを変化させる、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0425】
53.植物の少なくとも1つの発育段階中の植物の少なくとも一部において、エンハンサーエレメントが、野生型植物における目的遺伝子の発現レベルと比較して、目的遺伝子の発現レベルを増加または減少させ、任意に、エンハンサーエレメントが、野生型植物における目的遺伝子の発現レベルと比較した、目的遺伝子の発現レベルを増加させる、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0426】
54.エンハンサーエレメントが、根、苗条、葉、種子、または茎における目的遺伝子の発現レベルを変化させる、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0427】
55.エンハンサーエレメントが、根における目的遺伝子の発現レベルを変化させる、実施形態54に記載の改変植物。
【0428】
56.発芽中に、植物の成長時、植物の開花時、及び/または、植物の結実時に、エンハンサーエレメントが、目的遺伝子の発現レベルを変更させる、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0429】
57.エンハンサーエレメントが、少なくとも10、少なくとも20、または少なくとも30ヌクレオチドを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0430】
58.エンハンサーエレメントが、目的遺伝子のオープンリーディングフレームの5’末端の150~500ヌクレオチド以内にある、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0431】
59.エンハンサーエレメントが、根特異的プロモーターを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0432】
60.目的遺伝子の全てが、根特異的プロモーターを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、実施形態59に記載の改変植物。
【0433】
61.エンハンサーエレメントが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0434】
62.目的遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、実施形態61に記載の改変植物。
【0435】
63.エンハンサーエレメントが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、もしくはオーキシンのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせ由来のプロモーターエレメントの少なくとも6ヌクレオチドを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0436】
64.目的遺伝子の全てが、DREB2A、ジベレリン、エチレン、またはオーキシンのプロモーター配列由来のプロモーターエレメントを含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、実施形態63に記載の改変植物。
【0437】
65.エンハンサーエレメントが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、もしくはCAATのプロモーター配列、またはそれらの組み合わせを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0438】
66.目的遺伝子の全てが、TAF-1、TATA、E2F、G-BOX、またはCAATのプロモーター配列を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、実施形態65に記載の改変植物。
【0439】
67.エンハンサーエレメントが、配列番号10~18のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0440】
68.(a)OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(b)OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(c)OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(d)OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(e)OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(f)OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(g)OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(h)OsSODCC1遺伝子が、配列番号17を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、及び/または
(i)OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0441】
69.少なくとも8つの目的遺伝子を含む改変イネであって、8つの目的遺伝子が、OsSOS1、OsSOS2、OsAHA3、OsVHA-A、OsNHX1、OsHKT1、OsSODA1、及びOsSOD2をコードし、
OsSOS1遺伝子が、配列番号95及び/または96のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOS2遺伝子が、配列番号100のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsAHA3遺伝子が、配列番号101のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsVHA-A遺伝子が、配列番号102のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsNHX1遺伝子が、配列番号97及び/または98のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsHKT1遺伝子が、配列番号99のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSODA1遺伝子が、配列番号92のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み;OsSOD2遺伝子が、配列番号93のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、
OsSOS1遺伝子が、配列番号12を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOS2遺伝子が、配列番号13を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsAHA3遺伝子が、配列番号14を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsVHA-A遺伝子が、配列番号11を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsNHX1遺伝子が、配列番号10を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsHKT1遺伝子が、配列番号15を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSODA1遺伝子が、配列番号16を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されており、OsSOD2遺伝子が、配列番号18を含むエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている、改変イネ。
【0442】
70.各目的遺伝子が、別個のタンパク質をコードする、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0443】
71.改変植物が、被子植物である、先行実施形態のいずれか1つに記載の改変植物。
【0444】
72.改変植物が、単子葉植物または双子葉植物である、実施形態71に記載の改変植物。
【0445】
73.改変植物が、穀物である、実施形態71または実施形態72に記載の改変植物。
【0446】
74.改変植物が、トウモロコシ、イネ、ダイズ、サトウキビ、ヤエナリ、キヌア、オオムギ、オートムギ、ライムギ、モロコシ、またはコムギである、実施形態73に記載の改変植物。
【0447】
75.改変植物が、改変イネである、実施形態71~74のいずれか1つに記載の改変植物。
【0448】
76.改変植物が、野菜作物である、実施形態71または実施形態72に記載の改変植物。
【0449】
77.改変植物が、Brassica属、Glycine属、またはSoja属に由来する、実施形態76に記載の改変植物。
【0450】
78.実施形態1~77のいずれか1つに記載の改変植物の植物部位。
【0451】
79.植物部位が、細胞、種子、葉、苗条、茎、または根である、実施形態78に記載の植物部位。
【0452】
80.植物部位が、種子である、実施形態78に記載の植物部位。
【0453】
81.植物部位が、細胞である、実施形態78に記載の植物部位。
【0454】
82.実施形態81に記載の1つ以上の植物細胞を含む多細胞構造。
【0455】
83.多細胞構造体が、カルスである、実施形態82に記載の多細胞構造体。
【0456】
84.実施形態1~83に記載の改変植物、植物部位、または多細胞構造の作成方法であって、方法が、
i)実施形態1~77に記載の改変植物において定義される少なくとも2つのエンハンサーエレメントを、植物の細胞に導入するステップ(エンハンサーエレメントが、目的遺伝子に作動可能に連結されているように植物の細胞のゲノムに組み込まれる)、及び
ii)細胞を再生して、細胞から改変植物、植物部位、または多細胞構造を形成するステップ
を含む、方法。
【0457】
85.エンハンサーエレメントが、微粒子銃、Agrobacterium媒介形質転換、またはプロトプラストトランスフェクションで細胞に導入される、実施形態84に記載の方法。
【0458】
86.実施形態84~85のいずれか1つに記載の方法であって、方法が、
(a)種子からカルス形成を誘導すること、
(b)実施形態1~77に記載の改変植物において定義されるエンハンサーエレメント、2つ以上のガイドRNA、及び1つ以上のヌクレアーゼをマイクロキャリア上に沈殿させること、
(c)微粒子銃を使用してマイクロキャリアでカルスを形質転換して、形質転換カルスを生成することであって、エンハンサーエレメントが、目的遺伝子に作動可能に連結されているように、改変植物、植物部位、または多細胞構造のゲノムに組み込まれ、
(d)形質転換カルスを回収して、実施形態82または実施形態83による多細胞構造を生成すること
を含む、方法。
【0459】
87.多細胞構造が、改変植物に再生される、実施形態86に記載の方法。
【0460】
88.ポリヌクレオチド配列が、植物のゲノムに安定して組み込まれる、実施形態86または実施形態87に記載の方法。
【0461】
89.ヌクレアーゼが、Casヌクレアーゼ、Cpf1ヌクレアーゼ、TALEN、またはジンクフィンガーヌクレアーゼであり、任意に、ヌクレアーゼが、Cas9またはCpf1である、実施形態86~88のいずれか1つに記載の方法。
【0462】
90.改変植物、植物部位、または多細胞構造が、相同組み換えを含むプロセスで生成されない、及び/または本質的に生物学的なプロセスで生成されない、実施形態1~83に記載の改変植物、植物部位、または多細胞構造。
【0463】
91.実施形態80に記載の、小麦粉、全粒粉、デンプン、または種子から得られる他の生成物を生成する方法。
【0464】
92.動物飼料として、または動物消費用飼料もしくはヒト摂取用食品を生成するための、実施形態1~77のいずれか1つに記載の改変植物、実施形態78~81のいずれか1つに記載の植物部位、または実施形態82もしくは実施形態83に記載の多細胞構造の使用。
【0465】
追加の配列
配列番号92-OsSODA1-Q43121
MALRTLASRKTLAAAALPLAAAAAARGVTTVALPDLPYDYGALEPAISGEIMRLHHQKHHATYVANYNKALEQLDAAVAKGDAPAIVHLQSAIKFNGGGHVNHSIFWNNLKPISEGGGDPPHAKLGWAIDEDFGSFEALVKKMSAEGAALQGSGWVWLALDKEAKKLSVETTANQDPLVTKGANLVPLLGIDVWEHAYYLQYKNVRPDYLSNIWKVMNWKYAGEVYENATA
配列番号93-OsSOD2-Q10PW4
MAGKAGGLKGVALIGGAGGNSAVAGALHFFQDPSTGYTEVRGRVTGLAPGLHGFHIHSFGDTTNGCNSTGPHFNPHNKSHGAPSDDERHVGDLGNIVANKDGVADIFIKDLQISLSGPHSILGRAVVVHADSDDLGRGGHELSKTTGNAGARIGCGIIGLRSAV
配列番号94-OsSODCC1-Q0DRV6
MVKAVVVLGSSEIVKGTIHFVQEGDGPTTVTGSVSGLKPGLHGFHIHALGDTTNGCMSTGPHYNPAGKEHGAPEDETRHAGDLGNVTAGEDGVANIHVVDSQIPLTGPNSIIGRAVVVHADPDDLGKGGHELSKTTGNAGGRVACGIIGLQG
配列番号95-OsSOS1-Q5ICN3
MDNPEAEPDDAVLFVGVSLVLGIASRHLLRGTRVPYTVALLVLGVALGSLEFGTKHGMGKLGAGIRIWANINPDLLLAVFLPALLFESSFSMEIHQIKKCMAQMVLLAGPGVLISTFFLGSALKLTFPYNWNWKTSLLLGGLLSATDPVAVVALLKELGASKKLSTIIEGESLMNDGTAIVVYQLFYRMVLGRTFDAGSIIKFLSEVSLGAVALGLAFGIASVLWLGFIFNDTIIEIALTLAVSYIAFFTAQDALEVSGVLTVMTLGMFYAAFAKTAFKGDSQQSLHHFWEMVAYIANTLIFILSGVVIADGVLENNVHFERHGASWGFLLLLYVFVQISRILVVVILYPLLRHFGYGLDLKEATILVWAGLRGAVALSLSLSVKRASDAVQTHLKPVDGTMFVFFTGGIVFLTLIFNGSTTQFLLHLLGMDRLAATKLRILNYTKYEMLNKALEAFGDLRDDEELGPPADWVTVKKYITCLNDLDDEPVHPHAVSDRNDRMHTMNLRDIRVRLLNGVQAAYWGMLEEGRITQTTANILMRSVDEAMDLVPTQELCDWKGLRSNVHFPNYYRFLQMSRLPRRLITYFTVERLESGCYICAAFLRAHRIARRQLHDFLGDSEVARIVIDESNAEGEEARKFLEDVRVTFPQVLRVLKTRQVTYSVLTHLSEYIQNLQKTGLLEEKEMAHLDDALQTDLKKFKRNPPLVKMPRVSDLLNTHPLVGALPAAMRDPLLSSTKETVKGHGTILYREGSRPTGIWLVSIGVVKWTSQRLSSRHSLDPILSHGSTLGLYEVLIGKPYICDMITDSVVHCFFIEAEKIEQLRQSDPSIEIFLWQESALVVARLLLPMMFEKMATHELRVLITERSTMNIYIKGEEIELEQNFIGILLEGFLKTKNQTLITPPGLLLPPNADLNLFGLESSAINRIDYCYTAPSYQVEARARILFVEIGRPEIEADLQRSASLISQTLELPRTQSKEHSGLLSWPESFRKSRGAQNGASLTEIRDHPASFSARALQLSMYGSMINDMKSGQGQGQRRQRHRHTKASSNKAHSSSYPRVPSRSSNTQRPLLSVQSEGANMTTARQAAAAGASLPPEPEEAGRRRRRQRKAIEEDEDNSSDESAGEEVIVRVDSPSMLTFRQPSSAADR
配列番号96-OsSOS1-Q7XBF9
MDNPEAEPDDAVLFVGVSLVLGIASRHLLRGTRVPYTVALLVLGVALGSLEFGTKHGMGKLGAGIRIWANINPDLLLAVFLPALLFESSFSMEIHQIKKCMAQMVLLAGPGVLISTFFLGSALKLTFPYNWNWKTSLLLGGLLSATDPVAVVALLKELGASKKLSTIIEGESLMNDGTAIVVYQLFYRMVLGRTFDAGSIIKFLSEVSLGAVALGLAFGIASVLWLGFIFNDTIIEIALTLAVSYIAFFTAQDALEVSGVLTVMTLGMFYAAFAKTAFKGDSQQSLHHFWEMVAYIANTLIFILSGVVIADGVLENNVHFERHGASWGFLLLLYVFVQISRILVVVILYPLLRHFGYGLDLKEATILVWAGLRGAVALSLSLSVKRASDAVQTHLKPVDGTMFVFFTGGIVFLTLIFNGSTTQFLLHLLGMDRLAATKLRILNYTKYEMLNKALEAFGDLRDDEELGPPADWVTVKKYITCLNGLDDEPVHPHAVSDRNDRMHTMNLRDIRVRLLNGVQAAYWGMLEEGRITQTTANILMRSVDEAMDLVPTQELCDWKGLRSNVHFPNYYRFLQMSRLPRRLITYFTVERLESGCYICAAFLRAHRIARRQLHDFLGDSEVARIVIDESNAEGEEARKFLEDVRVTFPQVLRVLKTRQVTYSVLTHLSEYIQNLQKTGLLEEKEMAHLDDALQTDLKKFKRNPPLVKMPRVSDLLNTHPLVGALPAAMRDPLLSSTKETVKGHGTILYREGSRPTGIWLVSIGVVKWTSQRLSSRHSLDPILSHGSTLGLYEVLIGKPYICDMITDSVVHCFFIEAEKIEQLRQSDPSIEIFLWQESALVVARLLLPMMFEKMATHELRVLITERSTMNIYIKGEEIELEQNFIGILLEGFLKTKNQTLITPPGLLLPPNADLNLFGLESSAINRIDYCYTAPSYQVEARARILFVEIGRPEIEADLQRSASLISQTLELPRTQSKEHSETIQQLSGAQNGASLTEIRDHPASFSARALQLSMYGSMINDMKSGQGQGQRRQRHRHTKASSNKAHSSSYPRVPSSSSNTQRPLLSVQSEGANMTTARQAAAAGASLPPEPEEAGRRRRRQRKAIEEDEDNSSDESAGEEVIVRVDSPSMLTFRQPSSAADR
配列番号97-OsNHX1-Q9SXJ8
MGMEVAAARLGALYTTSDYASVVSINLFVALLCACIVLGHLLEENRWVNESITALIIGLCTGVVILLMTKGKSSHLFVFSEDLFFIYLLPPIIFNAGFQVKKKQFFRNFMTITLFGAVGTMISFFTISIAAIAIFSRMNIGTLDVGDFLAIGAIFSATDSVCTLQVLNQDETPFLYSLVFGEGVVNDATSIVLFNALQNFDLVHIDAAVVLKFLGNFFYLFLSSTFLGVFAGLLSAYIIKKLYIGRHSTDREVALMMLMAYLSYMLAELLDLSGILTVFFCGIVMSHYTWHNVTESSRVTTKHAFATLSFIAETFLFLYVGMDALDIEKWEFASDRPGKSIGISSILLGLVLIGRAAFVFPLSFLSNLTKKAPNEKITWRQQVVIWWAGLMRGAVSIALAYNKFTRSGHTQLHGNAIMITSTITVVLFSTMVFGMMTKPLIRLLLPASGHPVTSEPSSPKSLHSPLLTSMQGSDLESTTNIVRPSSLRMLLTKPTHTVHYYWRKFDDALMRPMFGGRGFVPFSPGSPTEQSHGGR
配列番号98-OsNHX1-Q6VVA7
MGMEVAAARLGPLYTTSDYASVVSINLFVALLCACIVLGHLLEENRWVNESITALIIGLCTGVVILLMTKGKSSHLFVFSEDLFFIYLLPPIIFNAGFQVKKKQFFRNFMTITLFGAVGTMISFFTISIAAIAIFSRMNIGTLDVGDFLAIRAIFPATDSVCTLQVLNQDETPFLYSLVFGEGVVNDATSIVLFNALQNFDLVHIDAAVVLKFLGNFFYLFLSSTFLGVFAGLLSAYIIKKLYIGRHSTDREVALMMLMAYLSYMLAELLDLSGILTVFFCGIVMSHYTWHNVTESSRVTTKHAFATLSFIAETFLFLYVGMDALDIEKWEFASDRPGKSIGISSILLGLVLIGRAAFVFPLSFLSNLTKKAPNEKRTWRQQVVIWWAGLMRGAVSIALAYNKFTRSGHTQLHGNAIMITSTITVVLWSTMVFGMMTKPLIRLLLPASGHPVTSEPSSPKSLHSPLLTRMQGSDLESTTNIVRPSSLRMLLTKPTHTVHYYWRKFDDALMRPMFGGRGFVPFSPGSPTEQSHGGR
配列番号99-OsHKT1-Q0D9S3
MTSIYHDFIHNKLQSFGRIGRYFVNFVVLAHRFIALHIHPFWIQLSYFLLISILGSVLLMFLKPSNPEFRPGYIDMLFLSTSALTLSSLITIEMEVLSSSQIVVITLLMLLGGEVFVSFLGLMLRLNHKHNPEFSGDKVSSVPIELDTINSASTVISCEELQLEAAIPEVPSSTIKDLKRSKRLRWFLGFVVFSYFVVIHVAGFLLVLWYISRVSSAKAPLKKKGINIALFSFSVTVSSFANVGLVPTNENMAIFSKNPGLLLLFIGQILAGNTLYPLFLRLLIWFLGKVTKLRELKLMIKNPEELQYDYLLPKLPTAFLASTVIGLMASLVTLFGAVDWNSSVFDGLSSYQKIINALFMAVNARHSGENSIDCSLIAPAVLVLFIILMYLPPSTTFALSNGDEKTANKKAKRKLGLVVQNLAFSQLACISVFVIVAFITERSRLRNDPLNFSALNMIFEIISAYGNVGLSTGYSCSRLQKLHPGSICQDKPYSLSGWWSDEGKLLLVFVMLYGRLKAFTKGTGEYWRLW
配列番号100-OsSOS2-Q69Q47
MGGEEGMAAGRKKRVGRYEVGRTIGQGTFAKVKFAVDADTGAAVAMKVLDKDTILNHRMLHQIKREISIMKIVRHPNIVRLNEVLAGKTKIYIILELITGGELFDKIARQGKLRENEARKYFQQLIDAINYCHSKGVYHRDLKPENLLLDSRGNLKVSDFGLSTLAQKGVGLLHTTCGTPNYVAPEVLSNNGYDGSAADVWSCGVILYVLMAGYLPFEEDDLPTLYDKITAGQFSCPYWFSPGATSLIHRILDPNPKTRITIEQIREDTWFKKTYVAIKRGEDENVDLDDVQAVFDNIEDKYVSEQVTHNDGGPLVMNAFEMITLSQGLDLSALFDRQQEFVKRQTRFVSRKPAKTIVATIEVVAETMGLKVHSQNYKLRLEGVSSNRMSPFAVVLQVFEVAPSLFMVDVRKVAGDTLEYHRFYKNLCNKMESIIWRPIEVSAKSALLRTATC
配列番号101-OsAHA3-Q8L6I3
MAEDKGGLDAVLKESVDLENIPIEEVFQNLKCCRQGLTSEEAQLRLQLFGPNKLEEKEESKFLKFLGFMWNPLSWVMEAAAIMAIALANGGGKPPDWQDFVGIITLLLINSTISFIEENNAGNAAAALMARLAPKAKVLRNGSWTEEEAAILVPGDIISIKLGDIIPADARLLEGDPLKIDQSALTGESLPATKGPGDGVYSGSTVKQGEIEAVVIATGVHTFFGKAAHLVDSTNQVGHFQKVLTAIGNFCICSIAVGMFVEIIVMYPIQHRPYRPGIDNLLVLLIGGIPIAMPTVLSVTMAIGSHRLSQQGAITKRMTAIEEMAGMDVLCSDKTGTLTLNKLTVDKNLIEIFERGVTQDQVILMAARASRTENQDAIDTAIVGMLADPKEARAGIQEVHFLPFNPTDKRTALTYIDSDGKMYRVSKGAPEQILNLAHNKTQIERRVHAVIDKFAERGLRSLAVAYQEVPDGRKESPGGPWRFVALLPLFDPPRHDSAETIRRALNLGVNVKMITGDQLAIGKETGRRLGMGTNMYPSSALLGQNKDESVAALPVDDLIEKADGFAGVFPEHKYEIVKRLQARKHICGMTGDGVNDAPALKKADIGIAVADATDAARSASDIVLTEPGLSVIISAVLTSRAIFQRMKNYTIYAVSITIRIVFGFMLLALIWEFDFPPFMVLIIAILNDGTIMTISKDLVKPSPLPDSWKLAEIFTTGVVLGGYLAMMTVIFFWAAYKTNFFPRIFHVESLEKTAQDDYQKLASAVYLQVSTISQALIFVTRSRSWSFIERPGFLLVFAFFVAQLIATLIAVYANWAFTSIKGIGWGWAGIVWLYNLVFYFPLDIIKFLIRYALSGKAWDLVIEQRIAFTRKKDFGKEERELKWAHAHRTLHGLQPPDAKPFPEKTGYSELNQMAEEAKRRAEIARLRELHTLKGHVESVVKLKGLDIDTIHQSYTV
配列番号102-OsVHA-A-Q651T8
MSYDRVTTFEDSEKESEYGYVRKVSGPVVVADGMGGAAMYELVRVGNDNLIGEIIRLEGDSATIQVYEETAGLMVNDPVLRTRKPLSVELGPGILGNIFDGIQRPLKTIAIKSGDVYIPRGVSVPALDKDQLWDFEPKKLGVGDAITGGDLYATVFENTLMKHHVALPPGSMGKISYIAPAGQYSLQDTVLELEFQGIKKQFTMLQTWPVRSPRPVSSKLAADTPLLTGQRVLDALFPSVLGGTCAIPGAFGCGKTVISQALSKYSNSEAVVYVGCGERGNEMAEVLMDFPQLTMTLPDGREESVMKRTTLVANTSNMPVAAREASIYTGITIAEYFRDMGYNVSMMADSTSRWAEALREISGRLAEMPADSGYPAYLAARLASFYERAGKVKCLGSPDRTGSVTIVGAVSPPGGDFSDPVTSATLSIVQVFWGLDKKLAQRKHFPSVNWLISYSKYSKALESFYEKFDQDFIDIRTKAREVLQREDDLNEIVQLVGKDALAESDKITLETAKLLREDYLAQNAFTPYDKFCPFYKSVWMMRNIIHFNTLANQAVERAANADGQKITYSVIKHRMGDLFYRLVSQKFEDPAEGEDVLVAKFQKLYDDLTTGFRNLEDEAR
配列番号103-OsVHA-B-Q7FV25
MGLVKDGAADLEEGTLEIGMEYRTVSGVAGPLVILDKVKGPKYQEIVNIRLGDGTTRRGQVLEVDGEKAVVQVFEGTSGIDNKYTTVQFTGEVLKTPVSLDMLGRIFNGSGKPIDNGPPILPEAYLDISGSSINPSERTYPEEMIQTGISTIDVMNSIARGQKIPLFSAAGLPHNEIAAQICRQAGLVKSLEKGKHAEGGEDDNFAIVFAAMGVNMETAQFFKRDFEENGSMERVTLFLNLANDPTIERIITPRIALTTAEYLAYECGKHVLVILTDMSSYADALREVSAAREEVPGRRGYPGYMYTDLATIYERAGRIEGRSGSITQIPILTMPNDDITHPTPDLTGYITEGQIYIDRQLHNRQIYPPINVLPSLSRLMKSAIGEGMTRRDHSDVSNQLYANYAIGKDVQAMKAVVGEEALSSEDLLYLEFLDKFERKFVTQGAYDTRNIFQSLDLAWTLLRIFPRELLHRIPAKTLDQYYSRDATH
配列番号104-OsPsbO-A5JV93
MAASLQAAATLMPAKIGGRASSARPSSHVARAFGVDAGARITCSLQSDIREVASKCAEAAKMAGFALATSALLVSGASAEGAPKRLTFDEIQSKTYMEVKGTGTANQCPTIDGGVDSFPFKAGKYEMKKFCLEPTSFTVKAEGIQKNEPPAFQKTKLMTRLTYTLDEMEGPLEVGADGTLKFEEKDGIDYAAVTVQLPGGERVPFLFTVKQLVATGKPESFSGPFLVPSYRGSSFLDPKGRGGSTGYDNAVALPAGGRGDEEELAKENVKNASSSTGNITLSVTKSKPETGEVIGVFERVQPSDTDLGAKAPKDVKIQGVWYAQLESN
配列番号105-OsPsbP-XP_002876377.1/Q0KIW5フラグメント
VVNASSSEASSDEKNVTRRRLALLGAGALATGLLKSSSAYAEEVPKNYKSYVDSKDGYSYLYPADWRDFDFLGHDSAFKDRNVALQCVRVGFIPTTKTDIRDLGPMDEAIFNLVNNVYAAPNQIPTVYDMQERTVHGKNYWT
配列番号106-OsPsbQ-P83646
MAQAMASMTGLSQGVQLPAGPRRAGGRSRLAVVRADAAAADVQTGRRAVLGLVATGIAGGALAQAALAEAAKPIKLGPPPPPSGGLPGTLNSDQARDTDLPLRERFYLQPLPPAEAAARAKESAQDIINLKPLIEKKQWPFVRDDLRLRASYLRYDLKTVINSKPKDEKKGLKDLTGKLFATIDGLDHAAKIKSPEEAEKYYTLTKSALGDVLAKLG
配列番号107-OsOSK1-Q852Q2
MEGAGRDGNPLGGYRIGKTLGIGSFGKVKIAEHILTGHKVAIKILNRRKIKSMEMEEKVKREIKILRLFMHPHIIRLYEVIDTPADIYVVMEYVKSGELFDYIVEKGRLQEEEARRFFQQIISGVEYCHRNMVVHRDLKPENLLLDSKCNVKIADFGLSNVMRDGHFLKTSCGSPNYAAPEVISGKLYAGPEVDVWSCGVILYALLCGTLPFDDENIPNLFKKIKGGIYTLPSHLSPLARDLIPRMLVVDPMKRITIREIREHQWFTVGLPRYLAVPPPDTAQQVKKLDDETLNDVINMGFDKNQLIESLHKRLQNEATVAYYLLLDNRLRTTSGYLGAEFHESMESSLAQVTPAETPNSATDHRQHGHMESPGFGLRHHFAADRKWALGLQSRAHPREIITEVLKALQELNVCWKKIGHYNMKCRWSPSFPSHESMMHNNHGFGAESAIIETDDSEKSTHTVKFEIQLYKTRDEKYLLDLQRVSGPQLLFLDLCSAFLTQLRVL
配列番号108-OsOSK1-Q0DGI1
MEGAGRDGNPLGGYRIGKTLGIGSFGKVKIAEHILTGHKVAIKILNRRKIKSMEMEEKVKREIKILRLFMHPHIIRLYEVIDTPADIYVVMEYVKSGELFDYIVEKGRLQEEEARRFFQQIISGVEYCHRNMVVHRDLKPENLLLDSKCNVKIADFGLSNVMRDGHFLKTSCGSPNYAAPEVISGKLYAGPEVDVWSCGVILYALLCGTLPFDDENIPNLFKKIKGGIYTLPSHLSPLARDLIPRMLVVDPMKRITIREIREHQWFTVGLPRYLAVPPPDTAQQVKKLDDETLNDVINMGFDKNQLIESLHKRLQNEATVAYYLLLDNRLRTTSGYLGAEFHESMESSLAQVTPAETPNSATDHRQHGHMESPGFGLRHHFAADRKWALGLQSRAHPREIITEVLKALQELNVCWKKIGHYNMKCRWSPSFPSHESMMHNNHGFGAESAIIETDDSEKSTHTVKFEIQLYKTRDEKYLLDLQRVSGPQLLFLDLCSAFLTQLRVL
配列番号109-OsOSK1-Q9ZTF6
MEGAGSDGNPLGGYRIGKTLGIGSFGKVKIAEHILTGHKVAIKILNRRKSMEMEEKVKREIKILRLFMHPHIIRLYEVIDTPADIYVVMEYVKSGELFDYDVEKGRLQEEEARRFFQQIISGVEYCHRNMVVRRDLKPENLLLDSKCNVKIADFGLSNVMRDGHFLKTSCGSPNYAAPEVISGKLYAGPEVDVWSCGVILYALLCGTLPFDDENIPNLFKNIKGGIYTLPSHLSPLGRDLIPRMLVVDPMKRITIREIREHQWFTVGLPRYLAVPPPDTAQQVKKLDDETQNDVINMGFDKNQLIESLHKRLQNEATVAYYLLLDNRLRTTSGYLGAEFHESMVSSLAQVTPAETPNSATDHRQHGHMESPGFGLRHHFAADRKWALGLQSRAHPREIITEVLKALQELNVCWKKIGHHNMKCRWSPSFPSHESMMHNNHGFGAASAMIETDDSEKSTHTVKFEIQLYKTRDEKYFLDLQRLSGPQLLFLDLCSAFLTQLRVL
配列番号110-OsOSK1-Q9ZRJ1
MEGAGRDGNPLGGYRIGKTLGIGSFGKVKIAEHILTGHKVAIKILNRRKIKSMEMEEKVKREIKILRLFMHPHIIRLYEVIDTPADIYVVMEYVKSGELFDYIVEKGRLQEEEARRFFQQIISGVEYCHRNMVVHRDLKPENLLLDSKCNVKIADFGLSNVMRDGHFLKTSCGSPNYAAPEVISGKLYAGPEVDVWSCGVILYALLCGTLPFDDENIPNLFKKIKGGIYTLPSHLSPLARDLIPRMLVVDPMKRITIREIREHQWFTVGLPRYLAVPPPDTAQQVKKLDDETLNDVINMGFDKNQLIESLHKRLQNEATVAYYLLLDNRLRTTSGYLGAEFHESMESSLAQVTPAETPNSATDHRQHGHMESPGFGLRHHFAADRKWALGLQSRAHPREIITEVLKALQELNVCWKKIGHYNMKCRWSPSFPSHESMMHNNHGFGAESAIIETDDSEKSTHTVKFEIQLYKTRDEKYLLDLQRVSGPQLLFLDLCSAFLTQLRVL
配列番号112-P450-Q9FVS9
MAMLGFYVTFIFFLVCLFTYFFLQKKPQGQPILKNWPFLRMLPGMLHQIPRIYDWTVEVLEATNLTFYFKGPWLSGTDMLFTADPRNIHHILSSNFGNYPKGPEFKKIFDVLGEGILTVDFELWEEMRKSNHALFHNQDFIELSVSSNKSKLKEGLVPFLDNAAQKNIIIELQDVFQRFMFDTSSILMTGYDPMSLSIEMLEVEFGEAADIGEEAIYYRHFKPVILWRLQNWIGIGLERKMRTALATVNRMFAKIISSRRKEEISRAKTEPYSKDALTYYMNVDTSKYKLLKPNKDKFIRDVIFSLVLAGRDTTSSVLTWFFWLLSKHPQVMAKLRHEINTKFDNEDLEKLVYLHAALSESMRLYPPLPFNHKSPAKPDVLPSGHKVDANSKIVICIYALGRMRSVWGEDALDFKPERWISDNGGLRHEPSYKFMAFNSGPRTCLGKNLALLQMKMVALEIIRNYDFKVIEGHKVEPIPSILLRMKHGLKVTVTKKI
配列番号113-Oryza sativaスクロース-リン酸シンターゼ1-Q0JGK4
MAGNEWINGYLEAILDSGGAAGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGVDPRSPAAGAASPRGPHMNFNPTHYFVEEVVKGVDESDLHRTWIKVVATRNARERSTRLENMCWRIWHLARKKKQLELEGILRISARRKEQEQVRRETSEDLAEDLFEGEKADTVGELAQQDTPMKKKFQRNFSELTVSWSDENKEKKLYIVLISLHGLVRGDNMELGRDSDTGGQVKYVVELARALAMMPGVYRVDLFTRQVSSPEVDWSYGEPTEMLTSGSTDGEGSGESAGAYIVRIPCGPRDKYLRKEALWPYLQEFVDGALAHILNMSKALGEQVSNGKLVLPYVIHGHYADAGDVAALLSGALNVPMVLTGHSLGRNKLEQIMKQGRMSKEEIDSTYKIMRRIEGEELALDAAELVITSTRQEIDEQWGLYDGFDVKLEKVLRARARRGVSCHGRFMPRMVVIPPGMDFSSVVVPEDTSDGDDGKDFEIASPRSLPPIWAEVMRFLTNPHKPMILALSRPDPKKNITTLVKAFGECRPLRELANLILIMGNRDDIDEMSAGNASVLTTVLKLIDKYDLYGSVAFPKHHKQSDVPEIYRLTGKMKGVFINPALVEPFGLTLIEAAAHGLPIVATKNGGPVDIKNALNNGLLVDPHDQHAIADALLKLVADKNLWQECRKNGLRNIQLYSWPEHCRTYLTRIAGCRIRNPRWLMDTPADAAAEEEEALEDSLMDVQDLSLRLSIDGERGSSMNDAPSSDPQDSVQRIMNKIKRSSPADTDGAKIPAEAAATATSGAMNKYPLLRRRRRLFVIAVDCYGDDGSASKRMLQVIQEVFRAVRSDSQMSRISGFALSTAMPLPETLKLLQLGKIPPTDFDALICGSGSEVYYPSTAQCVDAGGRLRPDQDYLLHINHRWSHDGAKQTIAKLAHDGSGTNVEPDVESCNPHCVSFFIKDPNKVRTIDEMRERVRMRGLRCHLMYCRNATRLQVVPLLASRSQALRYLFVRWGLSVGNMYLIVGEHGDTDHEEMLSGLHKTVIIRGVTEKGSEQLVRSSGSYQREDVVPSESPLIAFTKGDLKADEIMRALKEVTKAASGM
配列番号114-Oryza sativaデルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ1 O04226
MASVDPSRSFVRDVKRVIIKVGTAVVSRQDGRLALGRVGALCEQVKELNSLGYEVILVTSGAVGVGRQRLRYRKLVNSSFADLQKPQMELDGKACAAVGQSGLMALYDMLFNQLDVSSSQLLVTDSDFENPKFREQLTETVESLLDLKVIPIFNENDAISTRKAPYEDSSGIFWDNDSLAGLLALELKADLLILLSDVDGLYSGPPSEPSSKIIHTYIKEKHQQEITFGDKSRVGRGGMTAKVKAAVLASNSGTPVVITSGFENRSILKVLHGEKIGTLFHKNANLWESSKDVSTREMAVAARDCSRHLQNLSSEERKKILLDVADALEANEDLIRSENEADVAAAQVAGYEKPLVARLTIKPGKIASLAKSIRTLANMEDPINQILKKTEVADDLVLEKTSCPLGVLLIVFESRPDALVQIASLAIRSGNGLLLKGGKEAIRSNTILHKVITDAIPRNVGEKLIGLVTTRDEIADLLKLDDVIDLVIPRGSNKLVSQIKASTKIPVLGHADGICHVYIDKSADMDMAKHIVMDAKIDYPAACNAMETLLVHKDLMKSPGLDDILVALKTEGVNIYGGPIAHKALGFPKAVSFHHEYSSMACTVEFVDDVQSAIDHIHRYGSAHTDCIVTTDDKVAETFLRRVDSAAVFHNASTRFSDGARFGLGAEVGISTGRIHARGPVGVEGLLTTRWILRGRGQVVNGDKDVVYTHKSLPLQ
【0466】
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図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7
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図9A-1】
図9A-2】
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図17
図18
【配列表】
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【国際調査報告】