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特表2024-529191低圧における液体水素の貯蔵のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-02
(54)【発明の名称】低圧における液体水素の貯蔵のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/34 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
B65D90/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500085
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 US2022036449
(87)【国際公開番号】W WO2023283400
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/249,205
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/219,548
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520215979
【氏名又は名称】プリロード クライオジェニックス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メータ、サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リーマン、エリック、ティー.
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA03
3E170AA08
3E170AB30
3E170DA01
3E170DA05
3E170JA01
3E170MA01
3E170MA04
3E170NA02
3E170NA03
3E170QA05
3E170RA20
3E170VA01
(57)【要約】
1次容器101、断熱部106、2次容器108、及び圧力解放特徴112を含む、低温液体貯蔵システム100、200が、提供される。1次容器101は、金属側壁及び金属ドームを含む。別法として、1次容器101は、複合材料から構築され得る。1次容器101は、液体水素を保持するように構成され得る。断熱部106が、1次容器101を覆う。2次容器108は、1次容器101及び断熱部106のそれぞれを覆う複合材料を含む。圧力解放特徴112が、1次容器ドーム104、断熱部106、及び2次容器ドーム110のそれぞれを通して配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側壁及び1次ドームを含む1次容器であり、前記1次容器が、低温液体を保持するように構成された、前記1次容器と、
前記1次容器を覆う断熱部と、
2次側壁及び2次ドームを含む、2次容器と、
前記1次容器ドーム、前記断熱部、及び前記2次容器ドームのそれぞれを通して配置された圧力解放特徴と
を備える、低温液体貯蔵システム。
【請求項2】
前記2次容器が、前記1次容器及び前記断熱部のそれぞれを覆う複合材料を含む、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項3】
前記1次側壁が、炭素鋼材料、ステンレス鋼材料、及びその組合せのうちの1つを含む、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項4】
前記1次容器及び前記2次容器が、同一の複合材料を使用して、構築される、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項5】
前記断熱部が、真空パーライト粉を含む、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項6】
前記真空パーライト粉が、80.09kg/m(5lb/ft)から144.16kg/m(9lb/ft)のパーライト密度を有する、請求項5に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項7】
断熱基部をさらに含む、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項8】
前記断熱基部が、セルラ・ガラス断熱材を含む、請求項7に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項9】
前記2次容器が、前記2次容器の内表面及び外表面のうちの1つに配置された鋼製ライナを有するプレキャスト、プレストレスト・コンクリート材料を含む、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項10】
前記低温液体が、液体水素である、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項11】
断熱部の下に配置された2次底部をさらに含む、請求項1に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項12】
前記2次底部が、前記2次容器から独立した前記2次底部の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手を含む、請求項11に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項13】
前記2次底部が、前記1次容器の下の砂層及び前記2次容器の下の滑り軸受を含む、請求項12に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項14】
前記砂層、前記滑り軸受、及び前記伸縮継手のそれぞれが、前記2次底部が前記2次容器から独立して動くことを可能にする、請求項13に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項15】
前記滑り軸受の上に配置されたスケッチ・プレートをさらに含み、前記スケッチ・プレートが、漏れた低温液体が前記低温液体貯蔵システムを出ることを阻止する方向に作用するように構成された、請求項14に記載の低温液体貯蔵システム。
【請求項16】
低温液体貯蔵システムを組み立てる方法であって、
1次容器を所望の位置に配置することと、
断熱材で前記1次容器を覆うことと、
複合材料で前記1次容器及び前記断熱材のそれぞれを覆って2次容器を形成することと、
前記1次容器、前記断熱部、及び前記2次容器のそれぞれを通して圧力解放特徴を配置することと
を含む、方法。
【請求項17】
基部に前記1次容器を配置することをさらに含み、前記基部が、前記低温液体貯蔵システムの断熱部より下の2次底部を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記2次底部が、前記2次容器から独立した前記2次底部の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
砂層、滑り軸受、及び前記伸縮継手が、前記2次底部が前記2次容器から独立して動くことを可能にする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記低温液体貯蔵システムにおいて低温液体を貯蔵することをさらに含み、前記低温液体が、液体水素である、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月8日に出願した米国仮出願第63/219,548号、及び2021年9月28日に出願した米国仮出願第63/249,205号の利益を主張するものである。前述の出願の全開示が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して貯蔵システムに関し、より詳細には、低温液体貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本項は、必ずしも先行技術ではない本開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
水素は、使用するための広範囲にわたるオプションを所与とするクリーン・エネルギ移行の重要な構成要素である。多数の産業が、持続可能に(再生可能エネルギから又は従来の方法に加えた炭素回収を通して)生産されるときにエンド・ユーザにおいて炭素を含まない排出物を生み出す燃料としての水素の使用法を開発している。水素研究、パイロット、及びビジネス事例が、高荷重に耐えられる輸送、発電、鉄鋼生産及びアンモニア合成などの産業用途において、並びに環境に優しい暖房用燃料としても、開発されている。まだ注目されていない研究の1つの重要なエリアは、貯蔵の問題である。水素は、液体又は気体の形で貯蔵され得る。
【0005】
気体水素の貯蔵のための最も単純な方法は、地下岩塩空洞においてである。しかしながら、この方法は、地理的制限を有し、しばしば、地質学的形成並びに容易にアクセス可能なローカル市場の近くに生産資源が位置することを必要とする。代わりに、水素ガスの貯蔵のための多数の小さな容器が、構築された。しかしながら、商用アプリケーションのために必要な大規模な貯蔵のためには、水素ガス貯蔵は、それの非常に低い密度が理由で、非常に不経済になる。摂氏20度における1000バール圧力での圧縮の後でも、水素ガスの密度は、49.92kg/m(3.11lb/ft)に過ぎない。水素は、最も小さな原子半径を有する最も軽い元素であり、様々な貯蔵容器の金属格子構造を容易に通り抜け得る、ということにも留意されたい。水素脆化の現象はさらに、環境温度における水素ガスの適切な貯蔵から多数の金属を除去し、この方法をさらに高価にする。
【0006】
液体水素は、圧縮された気体水素よりも高い物理エネルギ密度を有するので、液体形態における水素の貯蔵は、魅力的な代替を提供する。また、液体水素の体積低減は、それをトラック、列車、又は船による積み荷配送に対して魅力的にする。さらに、水素の液化は、確立された技術である。水素ガスの金属浸透性の検査は、昇温でのみ実行されたが、浸透性が温度の低下で、特に気圧における液体水素の貯蔵に関連する低温温度において、有意に低減されるという明確な証拠が存在する。したがって、液体形態における水素の貯蔵は、多数の利点を有する。
【0007】
液体水素の相対的に小さな体積の貯蔵及び輸送のデュワが、1957年以降に使用されている。NASAはまた、宇宙発射システムを支えるためにケネディ宇宙センタに液体水素の貯蔵のための球体を構築した。しかしながら、技術は、液体水素の拡張性のある商用の貯蔵向けにはまだ開発されていない。
【0008】
アンモニア又はメタノールへの水素の変換は、高純度水素にアクセスするための貯蔵媒体及びリフォーム・プロセスを作り出すために水素が化学変換を介する高密度液体キャリア形態に変換される、貯蔵オプションを提供する。しかしながら、これらの貯蔵方法の利益は、変換及びリフォームのために必要とされる追加プロセスによって、減じられる。
【0009】
化学貯蔵が望ましくない又は貯蔵のための地質学的特徴が利用不可能な市場エリアでは、制限されたエネルギ貯蔵容量を有する圧縮された水素ガス・タンクのみをオプションとして含む、貯蔵技術におけるギャップが存在する。高利用事例のための市場を促進するために、手頃な液体水素貯蔵オプションが、開発される必要がある。高密度貯蔵がガス資源及び地下貯蔵から遠い領域において必要とされた1960年代及び1970年代に、液体窒素市場は、類似の困難に直面した、ということは注目に値する。現場で組み立てられるタンクの開発は、ピーク供給状況のために広大なパイプライン・インフラストラクチャを構築することは不経済だった、これらのエリアが、ローカルな、拡張性のある貯蔵を獲得するのを助けた。しかしながら、これらの液体窒素の現場で組み立てられるタンクは、液体水素貯蔵に固有のボイルオフ及び浸透性の問題点のため、液体水素貯蔵のために同方式で使用されるのには適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、商用の低温液体貯蔵システムが必要とされている。望ましくは、低温液体貯蔵システムは、液体水素を効率的に保持し得、経済的に構築され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示によれば、低温液体、たとえば、貯蔵システムの浸透性を低減することによる液体水素、を効率的に保持しながらより経済的に構築されるように構成された低温液体貯蔵システム及び方法が、驚いたことに、発見された。
【0012】
1次容器、断熱部、2次容器、及び圧力解放特徴を含む、低温液体貯蔵システムが、提供される。1次容器は、金属側壁及び金属ドームを含み得、低温液体を保持するように構成される。断熱部は、1次容器を覆い得る。2次容器は、2次容器壁及び2次容器ドームを含み得る。2次容器壁及びドームは、1次容器壁及びドーム及び断熱部のそれぞれを覆い得る複合材料を含み得る。圧力解放特徴は、液体貯蔵システムを通して配置され得る。特定の一実例において、圧力解放特徴は、1次容器ドーム、断熱部、及び2次容器ドームのそれぞれを通して配置され得る。
【0013】
低温液体貯蔵システムを組み立てる様々な方法が、提供される。いくつかの方法は、1次容器、断熱材、及び複合材料を提供するステップを含み得る。1次容器は、所望の位置に配置され得る。1次容器は、断熱材で覆われて断熱部を形成し得る。1次容器及び断熱材のそれぞれは、複合材料で覆われて2次容器を形成し得る。
【0014】
いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システムは、1次容器、断熱部、2次容器、及び圧力解放特徴を含み得る。1次容器は、金属側壁及び金属ドームを含み得る。別法として、1次容器は、複合材料から構築され得る。1次容器は、液体水素を保持するように構成され得る。断熱部は、1次容器を覆い得る。2次容器は、1次容器及び断熱部のそれぞれを覆い得る複合材料を含み得る。圧力解放特徴は、1次容器ドーム、断熱部、及び2次容器ドームのそれぞれを通して配置され得る。
【0015】
1次側壁は、炭素鋼材料、ステンレス鋼材料、及びその組合せのうちの1つを含み得る。1次容器及び2次容器は、類似の複合材料を使用して、構築され得る。いくつかの実施例では、断熱部は、真空パーライト粉を含む。具体的には、真空パーライト粉は、80.09kg/m(5lb/ft)から144.16kg/m(9lb/ft)のパーライト密度を有し得る。低温液体貯蔵システムは、断熱基部をさらに含み得る。断熱基部は、セルラ・ガラス断熱材を含み得る。2次容器は、プレキャスト、2次容器の内表面及び外表面のうちの1つに配置された鋼製ライナを有するプレストレスト・コンクリート材料、を含み得る。低温液体貯蔵システムは、そこに貯蔵された液体水素を含み得る。
【0016】
いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システムは、断熱部の下に配置された2次底部を含み得る。2次底部は、2次容器から独立した2次底部の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手を含み得る。2次底部は、1次容器の下の砂層及び2次容器の下の滑り軸受を含み得る。砂層、滑り軸受、及び伸縮継手のそれぞれは、2次底部が2次容器から独立して動くことを可能にし得る。いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システムは、滑り軸受の上に配置されたスケッチ・プレートを含む。スケッチ・プレートは、漏れた低温液体が低温液体貯蔵システムから出ることを阻止する方向に作用するように構成され得る。
【0017】
低温液体貯蔵システムを組み立てる方法は、1次容器、断熱材、及び複合材料を提供することを含み得る。1次容器は、所望の位置に配置され得る。1次容器は、断熱材で覆われ得る。1次容器及び断熱材のそれぞれは、複合材料で覆われて2次容器を形成し得る。圧力解放特徴は、1次容器、断熱材、及び2次容器のそれぞれを通して配置され得る。いくつかの実施例では、2次底部は、低温液体貯蔵システムの断熱材の下に配置され得る。2次底部は、2次容器から独立した2次底部の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手を含み得る。いくつかの実施例では、砂層、滑り軸受、及び伸縮継手は、2次底部が2次容器から独立して動くことを可能にする。いくつかの実施例では、低温液体は、液体水素を含み得る。
【0018】
適応性のさらなるエリアが、本明細書で提供される説明から明らかとなろう。本概要における説明及び具体的実例は、単に例示を目的として意図されており、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【0019】
本明細書で記述される図面は、すべての可能な実装形態ではなく選択された実施例の例示を単に目的としており、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本技術による、低温液体貯蔵システムの一実施例の概略図である。
図2】本技術による、低温液体貯蔵タンクの別の実施例の一部の概略図である。
図3】本技術による、低温液体貯蔵システムを組み立てるための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
技術の以下の説明は、1つ又は複数の発明の主題、製造、及び使用の本質における単に例示であり、本出願において又は本出願に対する優先権を主張して出願され得る他の出願において主張される任意の特定の発明或いはそこから発生する特許権の範囲、適用、又は使用を制限することは意図されていない。開示される方法に関して、提示されるステップの順番は、本質的に例示であり、したがって、ステップの順番は、いくつかのステップが同時に実行され得る場合を含む、様々な実施例において異なり得る。本明細書で使用される「一」(「A」及び「an」)は、項目の「少なくとも1つ」が存在するということを示し、複数のそのような項目が、可能であれば、存在し得る。別段の明確な指示がある場合を除いて、本記述におけるすべての数量は、「約」という言葉によって修正されるものとして理解されるべきであり、すべての幾何学的及び空間的記述子は、その技術の最も広い範囲を記述する際に「実質的に」という言葉によって修正されるものとして理解されるべきである。数値に適用されるときに「約」は、計算又は測定が値におけるいくらかの僅かな不正確性を許す(値における厳密性への何らかの近似を有する、値にほぼ又は合理的に近い、ほとんど)ということを示す。何らかの理由で、「約」及び/又は「実質的に」によって与えられる不正確性が、この通常の意味で技術分野において理解されない場合、そのとき、本明細書で使用されるものとしての「約」及び/又は「実質的に」は、少なくともそのようなパラメータを測定又は使用する通常の方法から生じ得る変形を示す。
【0022】
含む、包含する、又は有するなどを含む非制限的用語の同義語としての制限のない用語「備える」が、本技術の実施例を記述及び主張するために本明細書で使用されるが、実施例は、別法として、「から構成される」又は「から本質的に構成される」などのより制限的用語を使用して記述され得る。したがって、材料、構成要素、又はプロセス・ステップを列挙する任意の所与の実施例について、本技術はまた、特に、(から構成されるための)付加的材料、構成要素又はプロセスを除く及び(から本質的に構成されるための)実施例の有意な特質に影響する付加的材料、構成要素又はプロセスを除くそのような材料、構成要素、又はプロセス・ステップで構成される、或いは本質的に構成される、実施例を、そのような付加的材料、構成要素又はプロセスは本出願において明示的に列挙されていないが、含む。たとえば、要素Dは、除外されるものとして本明細書で明示的に記述されてないが、要素A、B及びCを具体的に列挙する合成又はプロセスの列挙は、技術分野において列挙されないことがある要素Dを除く、A、B及びCで構成される、及び実質的に構成される、実施例を想定する。
【0023】
本明細書では、範囲の開示は、他に指定のない限り、端点を含み、全範囲内のすべての別個の値及びさらに分けられた範囲を含む。したがって、たとえば、「AからB」又は「約Aから約B」の範囲は、Aを及びBを含む。値の開示及び特定のパラメータの値の範囲(たとえば、量、重量パーセンテージなど)は、本明細書で有用な他の値及び値の範囲を除外しない。所与のパラメータの2つ以上の特定の例示される値は、パラメータについて主張され得る値の範囲の端点を定義し得る、ということが想定される。たとえば、パラメータXが、値Aを有すると本明細書で例示され、値Zを有するとも例示される場合、パラメータXは約Aから約Zの値の範囲を有し得るということが想定される。同様に、パラメータの2つ以上の範囲の値の開示(そのような範囲がネスト化される、重複している、又は別個であろうとなかろうと)は、開示される範囲の端点を使用して主張され得る値の範囲のすべての可能な組合せを含める、ということが想定される。たとえば、パラメータXが、1~10、又は2~9、又は3~8の範囲の値を有すると本明細書で例示される場合、パラメータXは1~9、1~8、1~3、1~2、2~10、2~8、2~3、3~10、3~9などを含む他の範囲の値を有し得る、ということも想定される。
【0024】
要素又は層が、別の要素又は層「上」にある、「に嵌め込まれる」、「に接続される」、又は「に連結される」ものとして参照されるとき、それは、直接に他の要素又は層上にある、それに嵌め込まれる、接続される、又は連結される可能性があり、或いは介在する要素又は層が、存在し得る。対照的に、要素が、別の要素又は層「上に直接にある」、「に直接に嵌め込まれる」、「に直接に接続される」又は「に直接に連結される」ものとして参照されるとき、介在する要素又は層は存在しない可能性がある。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様の意味で解釈されるべきである(たとえば、「間に」対「直接に間に」、「隣接する」対「直接に隣接する」など)。本明細書では、「及び/又は」という用語は、関連するリストに記載された項目のうちの1つ又は複数の任意の及びすべての組合せを含む。
【0025】
第1の、第2の、第3のなどの用語が、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又はセクションを別の領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用され得る。本明細書で使用されるとき、「第1の」、「第2の」、及び他の数的用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序又は順番を暗示しない。したがって、後述される第1の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、例示的実施例の教示を逸脱せずに第2の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと呼ばれ得る。
【0026】
空間的に相対的な用語、たとえば、「内部」、「外部」、「の下」、「より下」、「より低い」、「上の」、「上方」など、は、図に示されるものとしての別の要素又は特徴に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するための記述を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて使用又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図され得る。たとえば、図中のデバイスが、ひっくり返される場合、他の要素又は特徴「より下」又は「の下」として記述された要素は、それらの他の要素又は特徴の「上」に方向付けられることになろう。したがって、例示的用語「より下」は、上の及び下の向きの両方を包含することができる。デバイスは、他の方法で方向付けられ(90度又は他の向きで回転させられ)得、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0027】
本技術は、1次容器、断熱部、2次容器、及び圧力解放特徴を含む低温液体貯蔵システムに関する。1次容器は、金属側壁及び金属ドームを含み得る。別法として、1次容器は、複合材料から構築され得る。1次容器は、低温液体を保持するように構成され得る。断熱部は、1次容器を覆い得る。2次容器は、1次容器及び断熱部のそれぞれを覆い得る複合材料を含み得る。圧力解放特徴は、1次容器ドーム、断熱部、及び2次容器ドームのそれぞれを通して配置され得る。
【0028】
いくつかの実施例では、1次側壁は、炭素鋼材料、ステンレス鋼材料、及びその組合せのうちの1つを含み得る。1次容器及び2次容器は、類似の複合材料を使用して、構築され得る。いくつかの実施例では、断熱部は、真空パーライト粉を含む。具体的には、真空パーライト粉は、80.09kg/m(5lb/ft)から144.16kg/m(9lb/ft)のパーライト密度を有し得る。低温液体貯蔵システムは、断熱基部をさらに含み得る。断熱基部は、セルラ・ガラス断熱材を含み得る。2次容器は、プレキャスト、2次容器の内表面又は外表面のうちの1つに配置される鋼製ライナを有するプレストレスト・コンクリート材料、を含み得る。低温液体は、液体水素を含み得る。
【0029】
いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システムは、断熱層より下に配置される2次底部を含み得る。2次底部は、2次容器から独立した2次底部の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手を含み得る。2次底部は、1次容器の下の砂層及び2次容器の下の滑り軸受を含み得る。砂層、滑り軸受、及び伸縮継手のそれぞれは、2次底部が2次容器から独立して動くことを可能にし得る。いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システムは、滑り軸受の上に配置されたスケッチ・プレートを含む。スケッチ・プレートは、漏れた低温液体が低温液体貯蔵システムを出ることを阻止する方向に作用するように構成され得る。
【0030】
低温液体貯蔵システムを組み立てる方法は、1次容器、断熱材、及び複合材料を提供することを含み得る。1次容器は、所望の位置に配置され得る。1次容器は、断熱材で覆われ得る。1次容器及び断熱材のそれぞれは、複合材料で覆われて2次容器を形成し得、圧力解放特徴は、1次容器、断熱部、及び2次容器のそれぞれを通して配置され得る。いくつかの実施例では、2次底部は、低温液体貯蔵システムの断熱基部より下に配置され得る。2次底部は、2次容器から独立した2次底部の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手を含み得る。いくつかの実施例では、砂層、滑り軸受、及び伸縮継手は、2次底部が2次容器から独立して動くことを可能にする。いくつかの実施例では、低温液体は、液体水素でもよい。
【0031】
有利には、低温液体貯蔵システムは、浸透性を低減すること、貯蔵システムの断熱材を強化することと、同時に、火事、ミサイル衝撃爆発などの外的危険に対する保護を提供することとによって、液体水素などの低温液体を効率的に保持する経済的に構築された容器を提供する。2次容器はまた、1次容器からの低温液体の不慮の漏れの場合に封じ込めを行うように構成され得る。
【0032】
実例
本技術の例示的実施例が、本明細書と含まれるいくつかの図を参照して提供される。
【0033】
図1に示すように、1次容器101、断熱部106、2次容器108及び圧力解放特徴112を含む、低温液体貯蔵システム100が、提供される。1次容器101は、金属を使用して少なくとも部分的にそれぞれ形成される、1次側壁102及び1次ドーム104を含み得、そこで、1次容器101は、低温液体を保持するように構成される。断熱部106は、1次容器101を覆い得る。2次容器108は、2次側壁109及び2次ドーム110を含み得る。2次容器108は、1次容器101及び断熱部106のそれぞれを覆い得る複合材料を含み得る。圧力解放特徴112は、1次ドーム104、断熱部106、及び2次ドーム110のそれぞれを通して配置され得る。
【0034】
1次容器101は、様々なタイプの材料によって実行され得るいくつかの機能性を有し得る。たとえば、1次容器101は、低温液体脆化、たとえば、水素脆化、による損傷に対して作用するように構成された材料から構築され得る。非制限的な一実例として、1次容器101の1次側壁102は、炭素鋼材料又はステンレス鋼材料或いは低温液体脆化による損傷に耐え得る任意の他の材料を含み得る。いくつかの状況では、図1に示すように、1次容器101は、1次側壁102及び1次ドーム104を含み得る。いくつかの状況では、1次側壁102は、本明細書に記載のように、2次容器108の構築に類似する複合材料を使用して構築され得る。
【0035】
断熱部106は、様々なタイプの材料によって実行され得るいくつかの機能性を有し得る。非制限的な一実例として、断熱部106は、真空パーライト粉から構築され得る。真空パーライト粉は、パーライト粉で断熱部106を満たすこと及び約10ミクロンの高レベルの真空を適用することによって、形成され得る。有利には、真空パーライト粉は、80.09kg/m(5lb/ft)から144.16kg/m(9lb/ft)のパーライト密度を有し得る。望ましくは、高密度断熱材及び空気分子の除去は、熱伝導のレートを実質的に減らし得、低温液体貯蔵システム100におけるボイルオフを低減し得る。
【0036】
いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システム100は、図1に示すように、動かない構成114において提供され得る。動かない構成114は、低温液体貯蔵システム100が断熱基部116をさらに含むことを必要とし得る。断熱基部116は、熱損失に対して作用する及び高い圧縮荷重に耐えることができる材料から構築され得る。非制限的な一実例として、断熱基部116は、オーウェンス・コーニング社(オハイオ州トレド)を通して市販されるセルラ・ガラス断熱材、たとえば、FOAMGLAS(登録商標)セルラ・ガラス断熱材、から構築され得る。断熱基部116は、セルラ・ガラス断熱材又は類似の断熱材の少なくとも121.92cm(4フィート)の厚さの基部から構築され得る。有利には、断熱基部116の増加した厚さはさらに、貯蔵される低温液体の熱損失に対して作用し得る。
【0037】
2次容器108は、様々なタイプの材料によって実行され得るいくつかの機能性を有し得る。たとえば、2次側壁109及びドーム110は、火事、ミサイル衝撃、及び大竜巻などの外的危険から1次容器101及び断熱部106を保護するように構成された材料を含み得る。2次容器108を構築するために使用される材料はまた、1次容器101が破壊される場合に低温液体を収容するように構成され得る。2次容器108は、システムの構造的完全性を強化する及び1次容器101の保護を提供するように構成された材料から構築され得る。いくつかの実施例では、図1に示すように、2次容器108は、2次側壁109及び2次ドーム110を含み得る。いくつかの状況において、2次容器108は、内表面又は外表面のいずれかに配置された炭素鋼ライナ126を有するプレキャスト・コンクリート・パネル128を含み得る。プレキャスト、プレストレスト・コンクリート材料は、所望の向きで複数のプレストレスト・ワイヤを配置すること及びショットクリート材料で複数のプレストレスト・ワイヤを封入することによって、形成され得る。プレストレスト・ワイヤは、1次容器101の周りに配置され得、張力を受けて1次容器101の周りにプレストレスト・ワイヤを配置することによってプレストレスを加えられ得る。
【0038】
プレストレスを加えることは、たとえば、2次容器108の一部がプレストレスト・ワイヤによって圧縮される場合を含み得る。2次容器108のプレキャスト部分が、組み立てプロセス(プレテンショニング)の間にプレストレスを加えられ得る、又は、2次容器108の部分が、完成するとストレスを加えられ得る(ポストテンショニング)。プレストレスト・ワイヤのプレストレスを加えることは、1次容器からの低温液体が1次容器101と2次容器108との間の環状空間に解放され得るときにもたらされる引張応力を補填し得る。したがって、2次容器108は、一般に、プレストレスト・ワイヤと併せて圧縮状態に留まり得る。プレストレスト・ワイヤの向きは、垂直向き、水平向き、又はその両方でもよい。いくつかの状況において、2次容器108が、内表面又は外表面のいずれかに配置された炭素鋼ライナ126を有するプレキャスト・コンクリート・パネル128を含む場合、炭素鋼ライナ126は、保護及び断熱の強化のためにショットクリートで覆われ得る。
【0039】
圧力解放特徴112は、以下の態様を含み得る。圧力解放特徴112は、圧力の所定の閾値が超えた場合に低温ガスが低温液体貯蔵システム100から出ることを可能にし得る。いくつかの実施例では、圧力解放特徴112は、1次ドーム104、断熱部106、及び2次ドーム110を通して配置される圧力解放バルブを含み得る。
【0040】
たとえば図2に示される、いくつかの実施例では、低温液体貯蔵システム200の別の実施例は、2次底部208の伸張及び収縮に適合する能力を有するスライドする又は動かせる基部203を含み得る。低温液体貯蔵システム200は、1次容器101、第1の断熱部204、2次容器108、2次底部208、及び第2の断熱部210を含み得る。1次容器101は、1次底部201を有し得る。第1の断熱部204は、1次底部201より下に配置され得る。2次底部208は、第1の断熱部204より下に配置され得る。2次底部208は、伸縮継手214を有し得る。第2の断熱部210は、2次底部208より下に配置され得る。いくつかの実施例では、2次容器108は、炭素鋼ライナ126を含み得る。
【0041】
1次容器101、1次底部201、2次容器108、及び/又は2次底部208は、様々なタイプの材料によって実行され得るいくつかの機能性を有し得る。たとえば、1次容器101、1次底部201、及び/又は2次底部208は、ニッケル系鋼又はステンレス鋼を含み得る。ニッケル系鋼は、およそ9%のニッケルを含み得る。有利には、9%ニッケル系鋼及びステンレス鋼材料は、1次容器101及び1次底部201の構造的完全性を強化し得る。2次容器108は、鋼製ライナを有する、プレキャスト又は現場打ちのプレストレスト・コンクリート壁を含み得る。プレキャスト、プレストレスト・コンクリート壁は、壁の外面に位置する炭素鋼ライナ126と合成され得る。炭素鋼ライナ126の底部部分は、9%ニッケル系鋼から製造され得る。2次容器108壁全体が、ショットクリートに封入される高強度鋼ワイヤを使用して、周方向にプレストレスを加えられ得る。当業者は、本開示の範囲内で1次容器101、1次底部201、2次容器108、及び/又は2次底部208を構築するための他の適切な材料を選択し得る。
【0042】
第2の断熱部210が、図2に示すように配置される場合、第2の断熱部210は、低温液体が1次容器101又は1次底部201から漏れる場合、2次底部208によって有利には保護され得る。たとえば、低温液体が、低温液体貯蔵システム200内で漏れる場合、2次底部208は、漏れた低温液体が第2の断熱部210を水浸しにすることを阻止する方向に作用するように構成され得る。いくつかの実施例では、第2の断熱部210は、次いで、低温液体貯蔵システム200の下の土壌における温度の急激な変化を阻止する方向に作用する断熱バッファをさらに提供することになり、そこで、低温液体は、低温液体貯蔵システム200内で漏れる。
【0043】
2次容器108は、コンクリート材と複合的に形成された炭素鋼ライナ126を含み得る。炭素鋼ライナ126は、固定基部及びサーマル・コーナー保護(TCP:thermal corner protection)システムを有する既知の2次容器の壁の内面におけるそれの位置とは対照的に、コンクリート壁の外面に位置し得る。いくつかの実施例では、2次容器108は、プレキャスト・コンクリート・パネル128によって形成され得る。プレキャスト・コンクリート・パネル128は、炭素鋼ライナ126を有し得る。プレストレスト・ワイヤ220は、炭素鋼ライナ126の外表面に配置され得る。プレストレスト・ワイヤ220は、こぼれる低温液体の体積及び結果として生じる温度勾配によって生成される引張応力を補填するために、2次容器108を圧縮し得る。したがって、2次容器108及び炭素鋼ライナ126のある特定の部分は、一般に、プレストレスト・ワイヤ220と併せて圧縮状態に留まり得る。いくつかの実施例では、プレストレスト・ワイヤ220の向きは、垂直の向き、円周の向き、又はその両方でもよい。周方向に置かれたプレストレスト・ワイヤ220は、腐食に対する保護を提供するために、ショットクリートで封入され得る。垂直に置かれたプレストレスト・ワイヤ220は、コンクリート・パネルに組み込まれ得る。それぞれのプレキャスト・コンクリート・パネル128の間の接合部はまた、ショットクリートで満たされ得る。
【0044】
第1の断熱部204及び第2の断熱部210は、様々なタイプの材料によって実行され得るいくつかの機能性を有し得る。たとえば、第1の断熱部204及び第2の断熱部210は、熱損失に対して作用する及び高い圧縮荷重に耐えることができる材料から構築され得る。非制限的な一実例として、第1の断熱部204及び第2の断熱部210は、オーウェンス・コーニング社(オハイオ州トレド)を通して市販されるセルラ・ガラス断熱材、たとえば、FOAMGLAS(登録商標)セルラ・ガラス断熱材、から構築され得る。当業者は、本開示の範囲内で、第1の断熱部204及び第2の断熱部210を構築するための他の適切な材料を選択し得る。
【0045】
いくつかの実施例では、図2に示すように、低温液体貯蔵システム200は、漏れた低温液体が2次容器108の温度を急速に変化させる場合に2次容器108の伸張/収縮に適合するための手段を含み得る。たとえば、2次底部208の伸縮継手214は、2次容器108から独立した2次底部208の伸張/収縮を可能にするように構成され得る。2次底部208は、1次容器101より下に配置された砂層222と2次容器108より下に配置されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)滑り軸受224とを含み得る。いくつかの実施例では、砂層222、滑り軸受224、及び伸縮継手214のそれぞれは、2次底部208が2次容器108から独立して自由に動くことを可能にする。いくつかの実施例では、2次底部208が、漏れた低温液体が原因で急速に引っ込む場合、2次底部208の自由運動は、2次容器108も低温液体貯蔵システム200の中心に向けて内部へ急速に動くこと、それによってまた潜在的に2次容器108に亀裂を引き起こすこと、を阻止する方向に作用し得る。いくつかの実施例では、砂層222は、コンクリート層と置き換えられ得る。
【0046】
2次底部208が、2次容器108から独立して自由に動き得る場合、2次容器108は、2次底部208が2次容器108に接する場所の近くで低温液体貯蔵システム200の構造的完全性を強化するための手段を含み得る。たとえば、2次容器108の底部、外端は、スケッチ・プレート226を含み得る。スケッチ・プレート226は、漏れた低温液体が低温液体貯蔵システム200から出ることを阻止する方向に作用するように構成された鋼のより厚い部分を含み得る。いくつかの実施例では、スケッチ・プレート226は、およそ9%のニッケルを含み得る。スケッチ・プレート226は、滑り軸受224及び/又は軸受パッドの上に配置され得る。当業者は、本開示の範囲内で、2次底部208が2次容器108に接する場所の近くで、低温液体貯蔵システム200の構造的完全性を強化する他の適切な手段を選択し得る。
【0047】
いくつかの状況において、低温液体貯蔵システム200は、低温液体が低温液体貯蔵システム200内で漏れる場合に定常温度で第2の断熱部210の下の土壌を維持する手段を含み得る。たとえば、低温液体貯蔵システム200は、第2の断熱部210の下の土壌内に配置された熱素子228をさらに含み得る。熱素子228は、一定温度で低温液体貯蔵システム200の下の土壌を維持するように構成され得る。低温液体が、低温液体貯蔵システム200内で漏れる場合、熱素子228は、土壌が温度を急速に変化することを阻止する方向に作用するように構成され得る。
【0048】
任意の高度において又は1次底部201において1次容器101から低温液体がこぼれる場合、低温液体は、2次底部208又は内面上のプレキャスト・コンクリート・パネル128に接することになる。結果として生じる温度勾配は、プレキャスト・コンクリート・パネル128の内表面における亀裂を引き起こし得るが、炭素鋼ライナ126の構造的完全性及び蒸気気密を維持することになる。したがって、低温液体貯蔵システム200からの蒸気損失は、1次容器からこぼれる低温液体の高さ及び体積にかかわらず、低温液体がこぼれる場合に防がれることになる。
【0049】
スライドする又は動かせる基部203の3つの構成要素、伸縮継手214及びそれの位置、第2の断熱部210及びそれの位置、並びにプレキャスト・コンクリート・パネル128の外面に位置する炭素鋼ライナ126は、完全な封じ込め又は低温液体貯蔵システム200を組み立てる新しい手段をともに構成する。いくつかの状況において、環状空間230が、1次容器101と2次容器108との間に作り出され得る。有利には、環状空間130は、低温液体の温度が2次容器108に伝導することを阻止する方向に作用し得る。
【0050】
図3は、低温液体貯蔵システムを組み立てる方法300を示す。図3に示すように、ステップ302において、1次容器101、断熱部106、及び複合材料が、提供される。1次容器101は、ステップ304において所望の位置に配置され得る。ステップ306において、1次容器101は、断熱材で覆われて断熱部106を形成し得る。ステップ308において、断熱部106は、複合材料で覆われて2次容器108を形成し得る。方法300は、1次容器101、断熱部106、及び2次容器108のそれぞれを通して圧力解放特徴112を配置するさらなるステップ310を含み得る。
【0051】
いくつかの実施例では、2次底部は、低温液体貯蔵システム100の断熱層より下に配置され得る。2次底部208は、2次容器108から独立した2次底部208の伸張及び収縮を可能にするように構成された伸縮継手214を含み得る。いくつかの実施例では、砂層222、滑り軸受224、及び伸縮継手214は、2次底部208が2次容器108から独立して動くことを可能にする。いくつかの実施例では、低温液体は、液体水素を含み得る。
【0052】
本開示が、完全になり、当業者に範囲を十分に伝えることになるように、例示的実施例が、提供される。特定の構成要素、デバイス、及び方法の実例など、多数の特定の詳細が、本開示の実施例の完全な理解を実現するために、明記されている。特定の詳細が用いられる必要はないということと、例示的実施例は多数の異なる形で実施され得るということと、どちらも本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではないということとが、当業者には明らかとなろう。いくつかの例示的実施例において、よく知られているプロセス、よく知られているデバイス構造、及びよく知られている技術は、詳細に記述されていない。いくつかの実施例、材料、合成、及び方法の同等の変更形態、修正形態及び変形形態が、実質的に類似の結果を有して、本技術の範囲内で行われ得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】