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特表2024-529196伝熱性組成物、磁力組立体をシールする伝熱性封止要素、電力変換器組立体及び電気自動車
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  • 特表-伝熱性組成物、磁力組立体をシールする伝熱性封止要素、電力変換器組立体及び電気自動車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-05
(54)【発明の名称】伝熱性組成物、磁力組立体をシールする伝熱性封止要素、電力変換器組立体及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/22 20060101AFI20240729BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20240729BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20240729BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20240729BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20240729BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20240729BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01F27/22
H01F27/02 150
H01F30/10 S
H01F30/10 G
H01F37/00 S
H01F37/00 G
H01F30/10 J
H01F37/00 J
H01F30/10 M
C08L83/04
C08K3/34
C08K3/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553035
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2022054910
(87)【国際公開番号】W WO2022189177
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】21382200.0
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317005239
【氏名又は名称】プレモ エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】PREMO S.L.
【住所又は居所原語表記】Av.Severo Ochoa,47 E-29590 Campanillas(MALAGA)Spain
(74)【代理人】
【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文
(72)【発明者】
【氏名】カネテ カベツァ クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス カメロ パウラ
(72)【発明者】
【氏名】ロハス クエバス,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ナバッロ ペレス,フランシスコ エツェクイエル
【テーマコード(参考)】
4J002
5E050
5E059
【Fターム(参考)】
4J002CP031
4J002DE147
4J002DJ016
4J002FD137
4J002FD206
4J002GQ00
5E050JA03
5E059BB23
5E059LL13
(57)【要約】
【課題】 電力変換器組立体用の熱発散効率の良い伝熱性組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の伝熱性組成物は、第1充填剤と第2充填剤とシリコーン樹脂とを含有する混合物を含む。前記第1充填剤はセピオライトと追加の天然鉱物充填剤を含み、前記セピオライトは前記伝熱性組成物の全重量の最大1W%を占め、前記第2充填剤は水酸化アルミニウムを含む。前記追加の天然鉱物充填剤は、石英、珪岩、大理石、砂、葉状ケイ酸塩、炭酸カルシウムからなる群から選択された1つ又は複数の要素の微細粉末を含む。第1充填剤は伝熱性組成物の全重量の60-90W%を占める。水酸化アルミニウムは同全重量の1-5W%を占める。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1充填剤と第2充填剤とシリコーン樹脂とを含有する混合物を含む伝熱性組成物において、
前記第1充填剤は、セピオライトと追加の天然鉱物充填剤を含み、
前記セピオライトは、前記伝熱性組成物の全重量の最大1重量%を占め、
前記第2充填剤は、水酸化アルミニウムを含む
ことを特徴とする伝熱性組成物。
【請求項2】
前記追加の天然鉱物充填剤は、石英、珪岩、大理石、砂、葉状ケイ酸塩、炭酸カルシウムからなる群から選択された1つ又は複数の要素の微細粉末を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項3】
前記第1充填剤は前記伝熱性組成物の全重量の60-90重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項4】
前記水酸化アルミニウムは前記伝熱性組成物の全重量の1-5重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項5】
前記セピオライトは前記伝熱性組成物の全重量の0.01-0.5重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の伝熱性組成物から得られ、前記シリコーン樹脂が硬化すると、磁力組立体を封止する
ことを特徴とする伝熱性封止要素。
【請求項7】
請求項6に記載の伝熱性封止要素によって封止された少なくとも第1と第2の巻線コイルを備えた磁気コア(12A、12B)を備える
ことを特徴とする電力変換器組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の電力変換器組立体は、金属製箱(15B)とカバー(15A)とを有し、前記金属製箱(15B)内に、前記磁気コア(12A、12B)を備えた複数の磁気ユニットと、巻線コイルとを有し、
前記金属製箱(15B)内は、伝熱性金属製の壁、焼結放電プラズマ製壁、又はナノグラファイト製の壁(16A,16B)で区分されている
ことを特徴とする請求項7に記載の電力変換器組立体。
【請求項9】
前記複数の磁気ユニットの磁気コア(12A、12B)の中心部分は、同じ高さであり、その結果前記電力変換器組立体の作動動作中に温度の等温勾配が生じる
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項10】
前記金属製箱(15B)は、アルミニウム、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製である
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項11】
前記壁(16A、16B)は焼結放電プラズマ製又はナノグラファイト製である
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項12】
前記金属製箱(15B)は、開口部(18)を備え、前記開口部(18)を介して放熱要素に向かう熱伝達を助ける
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項13】
請求項7に記載の電力変換器組立体を電気機器の一部として備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伝熱性又は熱伝導性(以下「伝熱性」と称する)組成物に関する。伝熱性組成物は、成形可能であり、硬化すると磁力組立体をシールするのに特に適した伝熱性封止要素を提供する。本発明はまた、伝熱性封止要素を備える電力変換器組立体及びこの電力変換器組立体を備える車両にも関する。
【背景技術】
【0002】
熱伝導を介して電磁気力装置の電気コイルから熱を除去すると、これらの装置はより高出力でより効率的に動作しより長い耐用年数を提供できることが実証されている。つまりこれらの電磁気力装置を効率的に使用するには、動作中に発生する熱を適宜に効果的に放散する必要がある。
【0003】
いくつかの伝熱性化合物が当技術分野で知られている。
特許文献1は、大きな気孔率と優れた伝熱性を有する粒子と、そのような粒子を調製する方法を開示している。この方法で実施される配合物は、繊維状セピオライト(fibrous sepiolite)、白色バーミキュライト(white vermiculite)、膨張黒鉛(expanded graphite)、タイヤ粉末(tire powder)、珪藻土(diatomaceous earth)、炭素繊維(carbon fiber)、発泡鉄粉(foam iron powder)、接着剤を含む。この特許文献1には、セピオライトも記載されてはいる。しかし特許請求の範囲に記載された組成物もその実施例も少なくともシリコーン樹脂とセピオライトを含む組成物は記載していない。
【0004】
【特許文献1】CN105650161A
【特許文献2】CN107793765A
【特許文献3】CN104496342A
【特許文献4】JP2008/195766A
【特許文献5】US2015/376588A1
【0005】
特許文献2はメチルビニルシリコーンゴム(methyl vinyl silicone rubber)製のシースを備えた伝熱パワーバンクを開示している。特許文献2はセピオライトをメチルビニルシリコーンゴム含有の伝熱性材料の一成分として開示している。しかしセピオライトは、強化充填剤として使われており、伝熱率向上剤としては使われていない。
【0006】
特許文献4は伝熱性と絶縁性を示す複合材料を記載している。この複合材料は樹脂素材中に分散した充填材を含む。いずれの場合も、セピオライトと樹脂との間の特定の相互作用は開示されていない。セピオライトは樹脂中に分散しているだけである。更にセラミックス製の膜が基材の表面を覆っている。
【0007】
特許文献3はケイ酸塩の断熱コーティングを開示している。断熱コーティングは、20-35%のセピオライト、1-5%の水酸化アルミニウム、10-30%のシリコーン樹脂を含む。しかしこの解決策の目的は絶縁組成物を得ることであり、その為組成物中のセピオライトの割合はかなり大きい。
【0008】
特許文献5は、伝熱性で熱ラジカル硬化シリコーン組成物(thermally conductive thermal radical cure silicone composition)の生成方法を開示する。この組成物は以下の成分を含む。
(I)クラスター化された官能性ポリオルガノポリシロキサン(clustered functional polyorganopolysiloxane)、
(II)シリコーン反応性希釈剤(silicone reactive diluent)(任意である)、
(III)伝熱性充填剤を含む充填剤、(III‘)充填剤処理剤(filler treating agent)、
(IV)ラジカル開始剤(radical initiator)。
この方法では、成分(I)と成分(II)は、成分(III)、(III‘)と(IV)に添加される前に、予め調製される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来から様々な解決策が挙げられているが、新しい伝熱性組成物即ち電力変換器組立体又は他の電子部品を封止しおよびカプセル化し部品の完全性を維持する伝熱性組成物が依然として必要とされている。これらの伝熱性組成物を封止材料およびカプセル化(包囲)材料として使用すると、封止された変圧器組立体の熱発散が増加する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決する為に、本発明の一態様によれば、本発明の伝熱性組成物は、第1充填剤と第2充填剤とシリコーン樹脂とを含有する混合物を含む。前記第1充填剤は、セピオライトと追加の天然鉱物充填剤を含む。前記セピオライトは前記伝熱性組成物の全重量の最大1重量%を占める。前記第2充填剤は水酸化アルミニウムを含む。
【0011】
前記追加の天然鉱物充填剤は、石英、珪岩、大理石、砂、葉状ケイ酸塩、炭酸カルシウムからなる群から選択された1つ又は複数の要素の微細粉末を含む。
【0012】
一実施例によれば、第1充填剤は伝熱性組成物の全重量の60-90重量%を占める。
一実施例によれば、水酸化アルミニウムは伝熱性組成物の全重量の1-5重量%を占める。
一実施例によれば、セピオライトは伝熱性組成物の全重量の0.01-0.5重量%を占める。
一実施例によれば、セピオライトは伝熱性組成物の全重量の0.1-0.15重量%を占める。
【0013】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の伝熱性組成物から得られる伝熱性封止要素(conductive potting)を提供する。この場合、シリコーン樹脂は硬化し、2.1W/mKの伝熱率と2.44x10-6の熱拡散率を示す。
【0014】
本発明の実施形態は、第3の態様によれば、(少なくとも)第1および第2の巻線コイルを有し、本発明の第2の態様の伝熱性封止要素によって封止された電力変換器組立体を提供する。
【0015】
一実施例では、電力変換器組立体はカバーを有する金属製箱を有し、その内部に磁気ユニットが配置される。この磁気ユニットは磁気コアおよび巻回コイルを具備し、金属製箱の内部は金属製伝熱壁によって区切られている。磁気コアはその中心部分が同じ高さになるように配置され、その結果電源変圧器組立体の動作中に等温の温度勾配が達成される。金属製箱は、さまざまな材料例えば伝熱率が70W/mK以上のアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金などで作ることができる。 他の実施例では、金属製伝熱壁は、700W/mK以上の伝熱率を有する焼結放電プラズマ(Sintered Spark Plasma)、PSPナノグラファイト(nano-graphite)で作製することができる。 同様に、金属製箱はその底部に開口部を備え、この開口部を介して隣接する位置に配置された放散要素/装置の方向に最適な熱伝達を可能にする。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、電気機器の一部として本発明の第3の態様による電力変換器組立体を備える車両特に電気自動車に関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】複数の磁気ユニットを含む本発明の電源変圧器組立体の展開斜視図。
図2図1の電力変換器組立体の磁気ユニットの1つの断面図。
図3】磁気ユニットを搭載する別の金属製箱の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、第1充填剤、第2充填剤およびシリコーン樹脂からなる伝熱性組成物を提供する。第1充填剤は特にセピオライトおよび追加の天然鉱物充填剤を含む。
【0019】
セピオライトは伝熱性組成物の総重量の最大1重量%存在する。より具体的な実施例ではセピオライトは熱伝性組成物の総重量の0.01-0.5重量%存在する。さらにある実施例ではセピオライトは伝熱性組成物の総重量の0.1―0.15重量%存在する。
【0020】
追加の天然鉱物充填剤は、微細に粉砕された石英、珪岩、大理石、砂、層状ケイ酸塩(phyllosilicate)、炭酸カルシウム(calcium carbonate)又はそれらの組み合わせのいずれかである。第2充填剤は、所定量の水酸化アルミニウム又はその誘導体で構成することができ、これによりシリコーン樹脂の膨張係数が低下し伝熱率が増加する。
【0021】
本発明による層状ケイ酸塩(phyllosilicate)は、雲母(mica)、緑泥石群鉱物(chlorite group mineral)と粘土鉱物(clay mineral)を含む群から選択される。雲母(mica)の一例は白雲母(muscovite )、黒雲母(biotite mica)などである。粘土鉱物(clay mineral)の一例は、カオリナイト(kaolinite)、イライト(illite)、スメクタイト(smectite)、バーミキュライト(vermiculite)などである。
【0022】
伝熱性組成物は、シリコーン樹脂が硬化すると、(成形可能な)伝熱性封止要素を提供する。この封止は、他の電子部品の中でも特に電力変換器組立体を封止およびカプセル化するのに特に適したものである。
【0023】
以下の表は、2つの組成物、即ち本発明による組成物(組成物2)と、セピオライトを含まない比較対象組成物(組成物1)を示す。成分の割合は重量%である。
組成物1 組成物2
ビニル終端ポリジメチルシロキサン 18% 18%
(vinyl-terminated polydimetyl siloxane)
石英 68% 68%
水酸化アルミニウム含有耐炎剤 12% 12%
セピオライト 0% 0.5%
表1:本発明による組成物および比較組成物の例。
【0024】
次の表は、上記の2つの組成物のさまざまな特性を示す。セピオライトを有する本発明の組成物(組成物2)は比較例(組成物1)に対して顕著な効果を示す。
特性 組成物1 組成物2
伝熱性 1.8W/mK 2.1W/mK
熱発散性 1.701x10-6 2.44x10-6
粘性(25℃で) 40000-80000cps 40000-80000cps
硬度(hardness) 5-6 ショアD 6-7 ショアD
表2:本発明による組成物および物理的特性。
【0025】
図1図2に、本発明の電力変換器組立体1の実施例を示す。この実施例によれば、電源変圧器組立体1は複数の磁気コア12A、12Bを含む。磁気コア12A、12Bの周りに第1コイルおよび第2コイルが巻かれる。電源変圧器組立体1は単一の磁気コアのみを備えてもよい。電力変換器組立体1は、伝熱性封止要素10によって封止される。伝熱性組成物は制御された加圧によって電源変圧器組立体1内に注入されその後硬化する。
【0026】
この実施例の磁気コア12A、12Bは、金属製の箱である金属製箱15Bの複数の空洞内に配置される(金属製箱15Bの拡大図については図3も参照)。金属製箱15Bは、アルミニウム、アルミニウム合金、又はマグネシウム合金のいずれかから作られ、金属製伝熱壁16A、16Bと、カバー15Aを備える。金属製伝熱壁16A、16Bは、各磁気コア12A、12Bとそれに対応する第1コイルおよび第2コイルを囲う又は区切る。他の実施例では、金属製伝熱壁16A、16Bは焼結放電プラズマ、(SPS)ナノグラファイトシートで作ることができる。金属製箱15Bの材料は、特に70W/mKを超える伝熱率を有する。(SPS)ナノグラファイトを使用した場合伝熱率は70W/mKを超える。図1に示すように、電力変換器組立体1はストッパ11も含む。この実施例では、ストッパ11は、沿面/空間距離電気絶縁の制限内で、磁気ユニットの一次/二次巻線の接続を可能にするカプセル化された電気端子である。これにより、沿面距離/空間距離が短いギャップを埋める伝熱性組成物10の電気絶縁への依存を回避する。またストッパ11は、磁気コア12A、12Bを金属製箱15Bの各キャビティ内に確実に保持する。
【0027】
金属製箱15Bは、特注設計であり、巻き付け領域の公差に合わせて調整された1つ又は複数の開口部18を含むベースを備えている。この開口部18により、磁気コア12A、12Bが液体冷却放散プレート例えばアルミ・プレートに取り付けられる時に、巻線から冷却用アルミ・プレートまでの距離が最小になり、最適な熱の伝導/伝達が可能となる。これは熱伝達回路を最小限の厚さと最良の材料にした結果である。従って銅(巻線)で発生する損失は、より短い時間で最も効率的な方法で回避できる。 同様に、金属製箱15Bは内側に隆起した内側支持体17を具備する。これは磁気コア12A、12Bの均一な表面を収容するよう特別に調整されたものである。この内側支持体17は磁気コア12A、12Bと直接接触している。これにより、コア12A、12Bの電力損失によって発生する熱の放散を最大にできる。 熱は磁性材料から金属製箱15Bに直接伝達され、この金属製箱15Bは熱を液体冷却プレートに伝達する。 金属製箱15Bは自身を設置場所に取り付けるための取り付け穴20も含む。
【0028】
特に、磁気コア12A、12Bはその中心部分が同じ高さ即ち水平位置にある金属製箱15Bの異なるキャビティ内に配置される。その結果、電源変圧器組立体1の動作中に等温勾配が達成される。
【0029】
「%」は特に断らない限り重量%である。図面の参照番号の示す部品名は全図において必ずしも同じではない。上記の説明は本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない(特許法施行規則24条の4及び様式29の2の「備考」14のロ)。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。「少なくとも1つ或いは複数」、「と/又は」は、それらの内の1つに限定されない。例えば「A,B,Cの内の少なくとも1つ」は「A」、「B」、「C」単独のみならず「A,B或いはB,C更には又A,B,C」のように複数のものを含んでもよい。「A,B,Cの内の少なくとも1つ」は、A,B,C単独のみならずA,Bの組合せA,B,Cの組合せでもよい。「A,Bと/又はC」は、A,B,C単独のみならず、A,Bの2つ、或いはA,B,Cの全部を含んでもよい。本明細書において「Aを含む」「Aを有する」は、A以外のものを含んでもよい。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0030】
10:伝熱性封止要素
12A、12B:磁気コア
15B:金属製箱
15A:カバー
16A、16B;金属製伝熱壁
17:内側支持体
20:取り付け穴

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1充填剤と第2充填剤とシリコーン樹脂とを含有する混合物を含む伝熱性組成物において、
前記第1充填剤は、セピオライトと追加の天然鉱物充填剤を含み、
前記セピオライトは、前記伝熱性組成物の全重量の最大1重量%を占め、
前記第2充填剤は、水酸化アルミニウムを含む
ことを特徴とする伝熱性組成物。
【請求項2】
前記追加の天然鉱物充填剤は、石英、珪岩、大理石、砂、葉状ケイ酸塩、炭酸カルシウムからなる群から選択された1つ又は複数の要素の微細粉末を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項3】
前記第1充填剤は前記伝熱性組成物の全重量の60-90重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項4】
前記水酸化アルミニウムは前記伝熱性組成物の全重量の1-5重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項5】
前記セピオライトは前記伝熱性組成物の全重量の0.01-0.5重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱性組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の伝熱性組成物から得られ、前記シリコーン樹脂が硬化すると、磁力組立体を封止する
ことを特徴とする伝熱性封止要素。
【請求項7】
請求項6に記載の伝熱性封止要素によって封止された少なくとも第1と第2の巻線コイルを備えた磁気コア(12A、12B)を備える
ことを特徴とする電力変換器組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の電力変換器組立体は、金属製箱(15B)とカバー(15A)とを有し、前記金属製箱(15B)内に、前記磁気コア(12A、12B)を備えた複数の磁気ユニットと、巻線コイルとを有し、
前記金属製箱(15B)内は、伝熱性金属製の壁、焼結放電プラズマ製壁、又はナノグラファイト製の壁(16A,16B)で区分されている
ことを特徴とする請求項7に記載の電力変換器組立体。
【請求項9】
前記複数の磁気ユニットの磁気コア(12A、12B)の中心部分は、同じ高さであり、その結果前記電力変換器組立体その作動動作中に温度の等温勾配となる
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項10】
前記金属製箱(15B)は、アルミニウム、アルミニウム合金又はマグネシウム合金製である
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項11】
前記壁(16A、16B)は焼結放電プラズマ製又はナノグラファイト製である
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項12】
前記金属製箱(15B)は、開口部(18)を備え、前記開口部(18)を介して放熱する
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器組立体。
【請求項13】
請求項7に記載の電力変換器組立体を電気機器の一部として備える車両。
【国際調査報告】