特表 2024-529201 イヤホンコア

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-08-06

(54)【発明の名称】イヤホンコア

(51)【国際特許分類】

   H04R 1/24 20060101AFI20240730BHJP

   H04R 9/06 20060101ALI20240730BHJP

【ＦＩ】

H04R1/24 Z

H04R9/06 A

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2022578983

(86)(22)【出願日】2022-07-26

(85)【翻訳文提出日】2022-12-21

(86)【国際出願番号】 CN2022107736

(87)【国際公開番号】W WO2024000707

(87)【国際公開日】2024-01-04

(31)【優先権主張番号】202221658267.6

(32)【優先日】2022-06-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】517409583

【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック（チャンヂョウ）カンパニー リミテッド

【住所又は居所原語表記】Ｎｏ．３ ｃｈａｎｇｃａｏ ｒｏａｄ， Ｈｉ－ＴＥＣＨ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｚｏｎｅ， Ｗｕｊｉｎ Ｄｉｓｔｒｉｃｔ， Ｃｈａｎｇｚｈｏｕ Ｃｉｔｙ， Ｊｉａｎｇｓｕ Ｐｒｏｖｉｎｃｅ， Ｐ．Ｒ． Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】100128347

【弁理士】

【氏名又は名称】西内 盛二

(72)【発明者】

【氏名】令狐 ▲榮▼林

(72)【発明者】

【氏名】▲張▼ ▲龍▼

(72)【発明者】

【氏名】董 献杰

【テーマコード（参考）】

5D012

5D018

【Ｆターム（参考）】

5D012BB01

5D012BB02

5D012DA04

5D012GA01

5D018AB16

(57)【要約】

【課題】本発明はイヤホンコアを提供する。
【解決手段】イヤホンコアは、フレームと前記フレームに固定された振動システム及び磁気回路システムとを備え、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜及び前記振動膜の前記磁気回路システムに向かう側に固定されたボイスコイルを備え、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨーク及び前記磁気ヨークに固定された第１磁性鋼を備え、前記イヤホンコアは、振動方向に沿って前記第１磁性鋼に固定されたＭＥＭＳスピーカをさらに備え、前記ＭＥＭＳスピーカ、前記ボイスコイル及び前記振動膜は、振動方向に沿って同軸に設置される。前記振動システム及び前記磁気回路システムは、低音及び中音効果を提供することに用いられ、前記ＭＥＭＳスピーカは高音効果を提供することによって、同軸高中低音組合せの軸方向の高さを効果的に低減することができる。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

イヤホンコアであって、
収容スペースを有するフレームと、前記フレームに固定された振動システム及び磁気ギャップを有する磁気回路システムとを備え、
前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記振動膜の前記磁気回路システムに向かう側に固定されたボイスコイルとを備え、
前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに挿設され、
前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークに固定された第１磁性鋼とを備え、
前記イヤホンコアは、振動方向に沿って前記第１磁性鋼に固定された高音ＭＥＭＳスピーカをさらに備え、
前記ＭＥＭＳスピーカ、前記ボイスコイル及び前記振動膜は、振動方向に沿って同軸に設置される、ことを特徴とするイヤホンコア。

【請求項2】

前記振動膜には、それを振動方向に沿って貫通する第１貫通孔が設置され、前記振動膜は、前記第１貫通孔を取り囲むように形成される内縁と、前記フレームに固定された外縁とを備え、前記内縁は、前記第１磁性鋼に固定され、前記ＭＥＭＳスピーカは、前記第１貫通孔を通って前記第１磁性鋼に固定される、ことを特徴とする請求項１に記載のイヤホンコア。

【請求項3】

前記磁気回路システムは、前記第１磁性鋼の前記振動膜に向かう側に固定されたポールプレートと、前記ポールプレートの前記第１磁性鋼から離れる側に固定された第２磁性鋼とをさらに備え、前記内縁は、前記第２磁性鋼に固定され、前記ＭＥＭＳスピーカは、前記貫通孔を通って前記第２磁性鋼に固定される、ことを特徴とする請求項２に記載のイヤホンコア。

【請求項4】

前記磁気ヨークにはそれを振動方向に沿って貫通する第２貫通孔が設置され、前記第１磁性鋼は、前記磁気ヨークに固定されかつ前記第２貫通孔を覆い、前記ＭＥＭＳスピーカは、前記第２貫通孔を通って前記第１磁性鋼に固定される、ことを特徴とする請求項１に記載のイヤホンコア。

【請求項5】

前記磁気ヨークは、前記第１磁性鋼に固定された底壁と、前記底壁のエッジから前記振動膜に向かって折り曲げて延在する側壁とを備え、前記側壁と前記第１磁性鋼とによって取り囲んで前記磁気ギャップが形成され、前記第２貫通孔は、前記底壁に設けられる、ことを特徴とする請求項４に記載のイヤホンコア。

【請求項6】

前記フレームは、前記側壁に周回固定された第１固定部と、前記第１固定部のエッジから前記ボイスコイルから離れる方向に折り曲げて延在する第２固定部と、前記第２固定部の前記第１固定部から離れたエッジから前記振動膜に向かって折り曲げて延在する第３固定部とを備え、前記振動膜は、前記第３固定部に固定される、ことを特徴とする請求項５に記載のイヤホンコア。

【請求項7】

前記側壁には、それを振動方向に垂直な方向に沿って貫通する第３貫通孔が設置され、前記第１固定部には、前記第３貫通孔内に挿設されかつ前記側壁に固定された凸出部が設置される、ことを特徴とする請求項６に記載のイヤホンコア。

【請求項8】

前記振動システムは、前記振動膜に固定されかつ前記ボイスコイルを前記磁気ギャップ内に支持するボイスコイルボビンを備え、前記ボイスコイルボビンは、前記振動膜の前記ボイスコイルに向かう側に固定された第１支持部と、前記第１支持部から前記磁気ギャップ内に向かって折り曲げて延在する第２支持部と、前記第２支持部の前記振動膜から離れる一端から前記第１磁性鋼に向かって折り曲げて延在する第３支持部とを備え、前記ボイスコイルは、前記第３支持部の前記振動膜に向かう面に担持され、かつ前記第２支持部の前記第１磁性鋼に向かう面に貼り付けられる、ことを特徴とする請求項６に記載のイヤホンコア。

【請求項9】

前記振動システムは、前記振動膜に固定されたＦＰＣをさらに備え、前記ＦＰＣは、前記振動膜に固定された第１接続部と、前記第３固定部に固定された第２接続部と、前記第１接続部と前記第２接続部とを接続する、間隔をあけて設置された複数の弾性部とを備え、前記第１接続部は、前記第１支持部の前記振動膜から離れる面に固定される、ことを特徴とする請求項８に記載のイヤホンコア。

【請求項10】

前記第２支持部には、それを振動方向に垂直な方向に沿って貫通する第４貫通孔が設置され、前記ボイスコイルは、前記ＦＰＣと電気的に接続されたボイスコイルリード線を備え、前記ボイスコイルリード線は、前記第４貫通孔を通って前記第１接続部と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項９に記載のイヤホンコア。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、発音デバイスに関し、特にＴＷＳイヤホンに適用されるイヤホンコアに関する。

【背景技術】

【0002】

高品質のスマートフォンやＰａｄなどの携帯型電子製品のロスレス音楽が広く適用されるようになると、人々はそれと組み合わせて応用可能なイヤホンへの要求もますます高くなり、その体格が小型でありながら、様々な音響効果をリアルに再現できる高忠実度の音質性能が求められている。

【0003】

関連技術におけるイヤホンコアは、一般的に磁気回路システムが設けられており、それは中低音効果を提供するために用いられ、高音効果を同時に提供する必要がある場合、２つの同軸の磁気回路システムを設置する必要があり、それによって、イヤホンコアの軸方向の厚さを増加させ、従来のイヤホンの薄型化の発展傾向に不利となる。

【0004】

したがって、上記の課題を解決するために、新たなイヤホンコアを提供する必要がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上記課題に鑑みて、本発明は、厚みが薄くかつ低中高音の音響効果を同時に実現できるイヤホンコアを提供する。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するために、本発明は、イヤホンコアを提供し、当該イヤホンコアは、収容スペースを有するフレーム及び前記フレームに固定された振動システムと磁気ギャップを有する磁気回路システムを備え、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記振動膜の前記磁気回路システムに向かう側に固定されたボイスコイルとを備え、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに挿設され、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークに固定された第１磁性鋼とを備え、前記イヤホンコアは、振動方向に沿って前記第１磁性鋼に固定された高音ＭＥＭＳスピーカをさらに備え、前記ＭＥＭＳスピーカ、前記ボイスコイル及び前記振動膜は、振動方向に沿って同軸に設置される。

【0007】

好ましくは、前記振動膜にはそれを振動方向に沿って貫通する第１貫通孔が設置され、前記振動膜は、前記第１貫通孔を取り囲むように形成される内縁と、前記フレームに固定された外縁とを備え、前記内縁は、前記第１磁性鋼に固定され、前記ＭＥＭＳスピーカは、前記第１貫通孔を通って前記第１磁性鋼に固定される。

【0008】

好ましくは、前記磁気回路システムは、前記第１磁性鋼の前記振動膜に向かう側に固定されたポールプレートと、前記ポールプレートの前記第１磁性鋼から離れる側に固定された第２磁性鋼とをさらに備え、前記内縁は、前記第２磁性鋼に固定され、前記ＭＥＭＳスピーカは、前記貫通孔を通って貫通孔第２磁性鋼に固定される。

【0009】

好ましくは、前記磁気ヨークにはそれを振動方向に沿って貫通する第２貫通孔が設置され、前記第１磁性鋼は、前記磁気ヨークに固定されかつ前記第２貫通孔を覆い、前記ＭＥＭＳスピーカは、前記第２貫通孔を通って前記第１磁性鋼に固定される。

【0010】

好ましくは、前記磁気ヨークは、前記第１磁性鋼に固定された底壁と、前記底壁エッジから前記振動膜に向かって折り曲げて延在する側壁とを備え、前記側壁と前記第１磁性鋼とによって取り囲んで前記磁気ギャップが形成され、前記第２貫通孔は、前記底壁に設けられる。

【0011】

好ましくは、前記フレームは、前記側壁に周回固定された第１固定部と、前記第１固定部のエッジから前記ボイスコイルから離れる方向に折り曲げて延在する第２固定部と、前記第２固定部の前記第１固定部から離れたエッジから前記振動膜に向かって折り曲げて延在する第３固定部とを備え、前記振動膜は、前記第３固定部に固定される。

【0012】

好ましくは、前記側壁には、それを振動方向に垂直な方向に沿って貫通する第３貫通孔が設置され、前記第１固定部には、前記第３貫通孔内に挿設されかつ前記側壁に固定された凸出部が設置される。

【0013】

好ましくは、前記振動システムは、前記振動膜に固定されかつ前記ボイスコイルを前記磁気ギャップ内に支持するボイスコイルボビンを備え、前記ボイスコイルボビンは、前記振動膜の前記ボイスコイルに向かう側に固定された第１支持部と、前記第１支持部から前記磁気ギャップ内に向かって折り曲げて延在する第２支持部と、前記第２支持部の前記振動膜から離れる一端から前記第１磁性鋼に向かって折り曲げて延在する第３支持部とを備え、前記ボイスコイルは、前記第３支持部の前記振動膜に向かう面に担持され、かつ前記第２支持部の前記第１磁性鋼に向かう面に貼り付けられる。

【0014】

好ましくは、前記振動システムは、前記振動膜に固定されたＦＰＣをさらに備え、前記ＦＰＣは、前記振動膜に固定された第１接続部と、前記第３固定部に固定された第２接続部と、前記第１接続部と前記第２接続部とを接続する、間隔をあけて設置された複数の弾性部とを備え、前記第１接続部は、前記第１支持部の前記振動膜から離れる面に固定される。

【0015】

好ましくは、前記第２支持部には、それを振動方向に垂直な方向に沿って貫通する第４貫通孔が設置され、前記ボイスコイルは、前記ＦＰＣと電気的に接続されたボイスコイルリード線を備え、前記ボイスコイルリード線は、前記第４貫通孔を通って前記第１接続部と電気的に接続される。

【発明の効果】

【0016】

関連技術に比べて、本発明によって提供されたイヤホンコアは、フレーム及び前記フレームに固定された振動システムと磁気回路システムを備え、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記振動膜の前記磁気回路システムに向かう側に固定されたボイスコイルとを備え、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークに固定された第１磁性鋼とを備え、前記イヤホンコアは、振動方向に沿って前記第１磁性鋼に固定された高音ＭＥＭＳスピーカをさらに備え、前記ＭＥＭＳスピーカ、前記ボイスコイル及び前記振動膜は、振動方向に沿って同軸に設置される。前記振動システム及び前記磁気回路システムは、低音及び中音効果を提供し、前記ＭＥＭＳスピーカは高音効果を提供することによって、同軸高中低音組合せの軸方向の高さが効果的に低減される。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明におけるイヤホンコアの斜視図である。

【図2】本発明におけるイヤホンコアの分解斜視図である。

【図3】図１におけるＡ－Ａ線に沿った断面図である。

【図4】図３におけるＢ部を拡大して示す斜視図である。

【図5】本発明におけるイヤホンコアの振動膜の斜視図である。

【図6】本発明のイヤホンコアのＦＰＣの斜視図である。

【図7】本発明の他の実施形態におけるイヤホンコアの斜視図である。

【図8】図７におけるＣ－Ｃ線に沿った断面図である。

【図9】図７におけるイヤホンコアの底面図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

以下は図面及び具体的な実施形態を参照して、本発明の技術案を明確で、完全に説明する。

【0019】

図１～図６に示すように、本発明は、イヤホンコア１００を提供し、当該イヤホンコア１００は、収容スペース１０を有するフレーム１と、前記フレーム１に固定された振動システム２と磁気ギャップ３０を有する磁気回路システム３と、高音効果を提供するための高音ＭＥＭＳスピーカ４とを備える。

【0020】

前記振動システム２は、前記フレーム１に固定された振動膜２１と、前記振動膜２１の前記磁気回路システム３に向かう側に固定されたボイスコイル２２と、前記振動膜２１に固定されかつ前記ボイスコイル２２を前記磁気ギャップ３０内に支持するボイスコイルボビン２３と、振動膜２１に固定されたＦＰＣ２４とを備え、前記ＦＰＣ２４は、前記ボイスコイル２２を外部回路と電気的に接続し、前記ボイスコイル２２が通電した後、前記振動膜２１が振動方向に沿って振動して音を発生するように駆動する。

【0021】

前記磁気回路システム３は、前記フレーム１に固定された磁気ヨーク３１と、前記磁気ヨーク３１に固定された第１磁性鋼３２と、前記第１磁性鋼３２の前記振動膜２１に向かう側に固定されたポールプレート３３と、前記ポールプレート３３の前記第１磁性鋼３２から離れる側に固定された第２磁性鋼３４とを備える。具体的には、前記磁気ヨーク３１は、前記第１磁性鋼３２に固定された底壁３１１と、前記底壁３１１のエッジから前記振動膜２１に向かって折り曲げて延在する側壁３１２とを備え、前記側壁３１２と前記第１磁性鋼３２とによって取り囲んで前記磁気ギャップ３０が形成される。

【0022】

前記フレーム１は、前記側壁３１２に周回固定された第１固定部１１と、前記第１固定部１１のエッジから前記ボイスコイル２２から離れる方向に折り曲げて延在する第２固定部１２と、前記第２固定部１２の前記第１固定部１１から離れたエッジから前記振動膜２１に向かって折り曲げて延在する第３固定部１３とを備える。前記振動膜２１は、前記第３固定部１３に固定される。

【0023】

具体的には、前記振動システム２において、前記ボイスコイルボビン２３は、前記振動膜２１の前記ボイスコイル２２に向かう側に固定された第１支持部２３１と、前記第１支持部２３１から前記磁気ギャップ３０内に向かって折り曲げて延在する第２支持部２３２と、前記第２支持部２３２の前記振動膜から離れる一端から前記第１磁性鋼３２に向かって折り曲げて延在する第３支持部２３３とを備え、前記ボイスコイル２２は、前記第３支持部２３３の前記振動膜２１に向かう面に担持され、かつ前記第２支持部２３２の前記第１磁性鋼３２に向かう面に貼り付けられる。前記ボイスコイルボビン２３の前記第２支持部２３２及び前記第３支持部２３３が前記ボイスコイル２２を包むようにすることにより、当該２つの部分を前記振動システム２のドームと見なすことができ、前記振動システム２と前記磁気回路システム３で構成された中低音の発音ユニットの音響性能を向上させることができる。

【0024】

図４及び図６に示すように、前記ＦＰＣ２４は、前記振動膜２１に固定された第１接続部２４１と、前記第３固定部１３に固定された第２接続部２４２と、前記第１接続部２４１と前記第２接続部２４２とを接続する、間隔をあけて設置された複数の弾性部２４３とを備え、前記第１接続部２４１は、前記ボイスコイルボビン２３の前記第１支持部２３１の前記振動膜２１から離れる面に固定される。

【0025】

さらに、前記第２支持部２３２には、それを振動方向に垂直な方向に沿って貫通する第４貫通孔２３２１が設置され、前記ボイスコイル２２は、前記ＦＰＣ２４と電気的に接続されたボイスコイルリード線２２１を備え、前記ボイスコイルリード線２２１は、前記第４貫通孔２３２１を通って前記第１接続部２４１と電気的に接続される。

【0026】

具体的には、高音効果を提供するための前記ＭＥＭＳスピーカ４は、振動方向に沿って前記第１磁性鋼３２に固定され、前記ＭＥＭＳスピーカ４、前記ボイスコイル２２及び前記振動膜２１は、振動方向に沿って同軸に設置される。なお、本発明で提供されるイヤホンコア１００では、前記振動システム２及び前記磁気回路システム３によって形成された発音ユニットは、主に低周波及び中間周波数の音声を提供するために用いられ、前記ＭＥＭＳスピーカ４は、高周波の音声を提供するために用いられる。したがって、前記イヤホンコア１００では、低音及び中音を提供するための発音ユニットは、高音を提供するためのＭＥＭＳスピーカ４と同軸に設置され、これによって、同軸高中低音組合せの軸方向の高さを効果的に低減し、小型ＴＷＳイヤホン及び着用類消費電子製品における製品設計スペースを節約することができ、本発明によるイヤホンコア１００がより大きい適用スペースを有することを可能にする。

【0027】

本実施形態では、図５に示すように、前記振動膜２１には、それを振動方向に沿って貫通する第１貫通孔２１１が設置され、前記振動膜２１は、前記第１貫通孔２１１を取り囲むように形成される内縁２１２と、前記フレーム１に固定された前記第３固定部１３の外縁２１３と、前記内縁２１２と前記外縁２１３との間に設置された中間部２１４とを備える。ここで、前記内縁２１２は、前記第１磁性鋼３２に固定され、前記ＭＥＭＳスピーカ４は、前記第１貫通孔２１１を通って前記第２磁性鋼３４に固定され、具体的には、前記ＭＥＭＳスピーカ４は、前記第２磁性鋼３４の前記磁気ヨーク３１から離れる面に固定される。

【0028】

また、前記フレーム１と前記磁気ヨーク３１との間をよりよく固定するために、前記磁気ヨーク３１の前記側壁３１２には、それを振動方向に垂直な方向に沿って貫通する第３貫通孔３１４が設置され、前記第１固定部１１には、前記第３貫通孔３１４内に挿設されかつ前記側壁３１２に固定された凸出部１１１が設置され、前記凸出部１１１を設置することにより、前記第１固定部１１と前記側壁３１２との間の固定面積を増加させ、結合強度を効果的に向上させることができる。

【0029】

図７～図９に示すように、本発明の他の実施形態で提供されるイヤホンコア２００では、前記磁気ヨーク３１’の前記底壁３１１’にはそれを振動方向に沿って貫通する第２貫通孔３１３’が設置され、前記第１磁性鋼３２’が前記底壁３１１’に固定されかつ前記第２貫通孔３１３’を覆い、前記ＭＥＭＳスピーカ４’が前記第２貫通孔３１３’を通って前記第１磁性鋼３２’に固定され、具体的には、本実施形態では、前記ＭＥＭＳスピーカ４’が、前記第１磁性鋼３２’の前記振動膜２１’から離れる面に固定される。

【0030】

なお、本発明では、前記ＭＥＭＳスピーカ４の具体的な構造は、具体的に限定されず、高音周波数帯域の音響効果を発することができるＭＥＭＳスピーカであればよい。

【0031】

関連技術に比べて、本発明によるイヤホンコアは、フレーム及び前記フレームに固定された振動システムと磁気回路システムを備え、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記振動膜の前記磁気回路システムに向かう側に固定されたボイスコイルとを備え、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定された磁気ヨーク及び前記磁気ヨークに固定された第１磁性鋼を備え、前記イヤホンコアは、振動方向に沿って前記第１磁性鋼に固定された高音ＭＥＭＳスピーカをさらに備え、前記ＭＥＭＳスピーカ、前記ボイスコイル及び前記振動膜は、振動方向に沿って同軸に設置される。前記振動システム及び前記磁気回路システムは、低音と中音効果を提供することに用いられ、前記ＭＥＭＳスピーカは、高音効果を提供することによって、同軸高中低音組合せの軸方向の高さを効果的に低減することができる。

【0032】

上記したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、更に改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【国際調査報告】