(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】スピーカモジュール
(51)【国際特許分類】
H04R 1/30 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H04R1/30 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580978
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2022111196
(87)【国際公開番号】W WO2024016401
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】202210849600.X
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518131698
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】恵 燿
(72)【発明者】
【氏名】ユハ,バックマン
(72)【発明者】
【氏名】儲 宇芬
【テーマコード(参考)】
5D018
【Fターム(参考)】
5D018AE15
5D018AE16
(57)【要約】
【課題】本発明は、出音口が設置された携帯端末のためのスピーカモジュールを提供する。
【解決手段】スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、スピーカボックスは、側面発音のための音声出力開口を備え、スピーカモジュールは、音声出力開口に接続されたホーンをさらに備え、メガンは、中空でありかつ両端が開口し、ホーンの一端は、スピーカボックスの側面に接続されかつ音声出力開口と連通し、ホーンの他端は、携帯端末の出音口に接続するために用いられ、ホーンの出音方向に沿った断面積は徐々に変化し、ホーンに面積又は長さ及び幅が異なる変断面に設計してロフティングを行うことで、変断面の寸法がホーン各部分の音質に直接的に関連するようにし、ホーンは、伝送線ネットワーク理論に基づいてホーンの局部的なインピーダンスの結合を最適化することで、小型の多段共振を実現し、周波数帯域の範囲を広げることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出音口が設置された携帯端末に用いられるスピーカモジュールであって、
前記スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、
前記スピーカボックスは、側面発音のための音声出力開口を備え、
前記スピーカモジュールは、前記音声出力開口に接続されたホーンをさらに備え、
前記ホーンは、中空であり、かつ両端が開口し、
前記ホーンの一端は、前記スピーカボックスの側面に接続されかつ前記音声出力開口と連通し、
前記ホーンの他端は、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、
前記ホーンは、出音方向に沿った断面積が徐々に変化する、ことを特徴とするスピーカモジュール。
【請求項2】
前記ホーンは、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って間隔を隔てて設置される頂面及び底面と、それぞれ前記底面と前記頂面とを接続する2つの側面とを備え、前記底面及び/又は前記頂面は、曲面を呈する、ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項3】
前記ホーンは、前記音声出力開口に接続された第1セグメントと、前記第1セグメントの前記スピーカボックスから離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第2セグメントと、前記第2セグメントの前記第1セグメントから離れた一端から延在して形成された第3セグメントとを備え、前記第3セグメントは、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、前記第1セグメント及び前記第2セグメントに対応する前記底面は、いずれも平面であり、前記第1セグメントに対応する前記頂面は、第1円弧状面であり、前記第2セグメントに対応する前記頂面は、第2円弧状面であり、前記第3セグメントに対応する前記底面及び前記頂面は、それぞれ第3円弧状面及び第4円弧状面であり、前記第1円弧状面、前記第2円弧状面、前記第3円弧状面及び前記第4円弧状面は、弧度が互いに異なる、ことを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項4】
前記第1セグメントと前記第2セグメントとの接続部の屈曲半径は、最小波長の4倍よりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカモジュール。
【請求項5】
前記第1セグメントと前記第2セグメントとの接続部の内径は、半波長よりも小さい、ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカモジュール。
【請求項6】
前記スピーカボックスは、矩形状を呈し、前記音声出力開口は、前記スピーカボックスの短手方向の辺に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項7】
前記ホーンは複数あり、複数の前記ホーンの複数の前記第1セグメントは、前記スピーカボックスの幅方向に沿って並設され、複数の前記ホーンの複数の前記第2セグメントは、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記ホーンの複数の前記第3セグメントは、前記スピーカボックスの長さ方向に沿って並設される、ことを特徴とする請求項6に記載のスピーカモジュール。
【請求項8】
前記第2セグメント及び/又は前記第3セグメント内には、吸音材料が充填される、ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の技術分野に関し、特にスピーカモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気音響変換技術の発展に伴い、コンピュータ、携帯電話、MP4、PDAなどの端末電子装置に応用されている。電子業界及び科学技術の継続的な進歩と発展に伴い、聴衆はスピーカの響性能に対しても必然的に高い要求を出し、スピーカモジュールは、様々な端末装置において広く応用されている。
【0003】
関連技術のスピーカのホーンでは、端末装置の厚さ方向での天井面と下底面は、いずれも平面であり、天井面は、端末装置の上ケース面と平行であり、下底面は、端末装置の下ケース面と平行であり、ホーンは、端末装置の厚さ方向とホーンの長さ方向に垂直であり、ホーン口からホーンのスロートまで延在する。それにより、端末装置の厚さが薄いという制約の前提の下で、マイクロスピーカとホーンを結合することで、その共振周波数F0が低く、ラウドネスが大きくなるという目的を達成した。
【0004】
しかしながら、関連技術のホーンの体積が大きく、形状拡張に対する要求が高く、退避空間を柔軟に形成することができず、共振効果が低い。
【0005】
したがって、上記問題を解決するために、新たなスピーカモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、体積が小さく、柔軟な退避空間、多段共振の効果が高く、周波数帯域の範囲を効果的に拡大できるスピーカモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明は、出音口が設置された携帯端末のためのスピーカモジュールを提供し、前記スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、前記スピーカボックスは、側面発音のための音声出力開口を備え、前記スピーカモジュールは、前記音声出力開口に接続されたホーンをさらに備え、前記ホーンは、中空でありかつ両端が開口し、前記ホーンの一端は、前記スピーカボックスの側面に接続されかつ前記音声出力開口と連通し、前記ホーンの他端は、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、前記ホーンは、出音方向に沿った断面積が徐々に変化する。
【0008】
好ましくは、前記ホーンは、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って間隔を隔てて設置される頂面及び底面と、それぞれ前記底面と前記頂面とに接続された2つの側面とを備え、前記底面及び/又は前記頂面は、曲面を呈する。
【0009】
好ましくは、前記ホーンは、前記音声出力開口に接続された第1セグメントと、前記第1セグメントの前記スピーカボックスから離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第2セグメントと、前記第2セグメントの前記第1セグメントから離れた一端から延在して形成された第3セグメントとを備え、前記第3セグメントは、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、前記第1セグメント及び前記第2セグメントに対応する前記底面は、いずれも平面であり、前記第1セグメントに対応する前記頂面は、第1円弧状面であり、前記第2セグメントに対応する前記頂面は、第2円弧状面であり、前記第3セグメントに対応する前記底面及び前記頂面は、それぞれ第3円弧状面及び第4円弧状面であり、前記第1円弧状面、前記第2円弧状面、前記第3円弧状面及び前記第4円弧状面は、弧度が互いに異なる。
【0010】
好ましくは、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの接続部の屈曲半径は、最小波長の4倍よりも大きい。
【0011】
好ましくは、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの接続部の内径は、半波長よりも小さい。
【0012】
好ましくは、前記スピーカボックスは、矩形状を呈し、前記音声出力開口は、前記スピーカボックスの短手方向の辺に設置される。
【0013】
好ましくは、前記ホーンは複数あり、複数の前記ホーンの複数の前記第1セグメントは、前記スピーカボックスの幅方向に沿って並設され、複数の前記ホーンの複数の前記第2セグメントは、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記ホーンの複数の前記第3セグメントは、前記スピーカボックスの長さ方向に沿って並設される。
【0014】
好ましくは、前記第2セグメント及び/又は前記第3セグメント内には吸音材料が充填される。
【発明の効果】
【0015】
関連技術に比べて、本発明のスピーカモジュールは、出音口が設置された携帯端末に用いられるものであって、スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、スピーカボックスは、側面発音のための音声出力開口を備え、スピーカモジュールは、音声出力開口に接続されたホーンをさらに備え、ホーンは、中空でありかつ両端が開口し、ホーンの一端は、スピーカボックスの側面に接続されかつ音声出力開口と連通し、ホーンの他端は、携帯端末の出音口に接続するために用いられ、ホーンの出音方向に沿った断面積は徐々に変化し、ホーンに面積又は長さ及び幅が異なる変断面に設計してロフティングを行うことで、変断面の寸法がホーンの各部分の音質に直接的に関連するようにし、ホーンの各部分のインピーダンスが十分に結合され、これにより、小体積の多段共振を実現し、周波数帯域の範囲を広げることができ、同時に、体積が小さく、柔軟な退避空間を有することで、異なる携帯端末のハウジングに適合しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明のスピーカモジュールの軸対称の構造を示す模式図である。
【
図2】本発明のスピーカモジュールの軸対称の左側面図である。
【
図4】
図1の第1セグメントの構造を示す模式図である。
【
図5】
図1の第2セグメントの構造を示す模式図である。
【
図6】
図1の第3セグメントの構造を示す模式図である。
【
図7】本発明のスピーカモジュールのオーバーラップ式マルチホーンの構造を示す模式図である。
【
図8】本発明のスピーカモジュールの吸音材料プラスホーン体積軸対称の構造を示す模式図である。
【
図9】
図8におけるA-A線軸対称の断面図である。
【
図10】本発明のスピーカモジュールの伝達周波応答のSPLグラフである。
【
図11】本発明のスピーカモジュールの音圧インピーダンス変化を示すグラフである。
【
図12】本発明のスピーカモジュールのマッチングSPLグラフである。
【
図13】本発明のスピーカモジュールに減衰材料が充填された時の音圧レベルSPLのグラフである。
【
図14】本発明のスピーカモジュールの音響性能試験結果を示すSPLのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明し、記述された実施形態は本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明における実施形態に基づいて、本発明が属する技術分野の当業者が創造的な労働をせずに得られる全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0018】
図1~9に示すように、スピーカモジュール100が提供され、出音口(図示せず)が設置された携帯端末(図示せず)に用いられ、前記スピーカモジュール100は、スピーカボックス1を備え、前記スピーカボックス1は、側面発音のための音声出力開口11を備え、前記スピーカモジュール100は、前記音声出力開口11に接続されたホーン2をさらに備え、前記ホーン2は、中空でありかつ両端が開口し、前記ホーン2の一端は、前記スピーカボックス1の側面に接続されかつ前記音声出力開口11と連通し、前記ホーン2の他端は、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、前記ホーン2の出音方向に沿って、前記ホーン2の断面積は徐々に変化する。ホーンに面積又は長さ及び幅が異なる変断面に設計してロフティングを行うことで、変断面の寸法がホーン2の各部分の音質に直接的に関連するようにし、ホーン2の各部分のインピーダンスが十分に結合され、これにより、小体積の多段共振を実現し、周波数帯域の範囲を広げる。同時に、体積が小さく、柔軟な退避空間を有することで、異なる携帯端末のハウジングに適合しやすい。
【0019】
好ましくは、携帯端末は、携帯電話、コンピュータ、タブレットなどであってもよい。スピーカモジュール100を携帯端末内に適応して、ホーン2を介してスピーカボックス1と携帯端末を組み付けて設置することによって、携帯端末の音響性能を向上させることができる。
【0020】
本実施形態では、前記ホーン2は、前記スピーカボックス1の厚さ方向に沿って間隔を隔てて設置される頂面及び底面と、それぞれ前記底面と前記頂面とに接続された2つの側面とを備え、前記底面及び/又は前記頂面は、曲面を呈する。
【0021】
その中では、スピーカボックス1内におけるスピーカは、振動膜を備え、当該側面に発音するスピーカボックス1において、振動膜の振動方向は、つまり、前記スピーカボックス1の厚さ方向である。ホーン2を、厚さ方向に間隔を隔てて設置される頂面及び底面とそれぞれ前記底面と前記頂面とに接続される2つの側面を含むように設計することにより、ホーン2の出音方向における断面が徐変効果を有し、多段共振が実現され、周波数帯域の範囲が広げられる。
【0022】
本実施形態では、前記ホーン2は、前記音声出力開口11に接続された第1セグメント21と、前記第1セグメント21の前記スピーカボックス1から離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第2セグメント22と、前記第2セグメント22の第1セグメントから離れた一端から延在して形成された第3セグメント23とを備え、前記第3セグメント23は、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられる。前記第1セグメント21及び前記第2セグメント22に対応する底面は、いずれも平面4であり、前記第1セグメント21に対応する頂面は、第1円弧状面5であり、前記第2セグメント22に対応する頂面は、第2円弧状面6であり、前記第3セグメント23に対応する前記底面及び前記頂面は、それぞれ第3円弧状面7及び第4円弧状面10であり、前記第1円弧状面5、前記第2円弧状面6、前記第3円弧状面7及び前記第4円弧状面10は、弧度が互いに異なる。
【0023】
具体的には、スピーカボックス1の出音側に設置された音声出力開口11は、ホーン2に接続されて、スピーカボックス1から発された音声を伝送するために用いられ、それによりスピーカボックス1の音響性能を向上させる。前記ホーン2は、第1セグメント21、第2セグメント22及び第3セグメント23を備えるため、ホーン2に面積又は長さ及び幅が異なる変断面を設計してロフティングを行うことで、変断面の寸法がホーン2の各部分の音質に直接的に関連するようにし、ホーン2の各部分のインピーダンスが十分に結合され、これによって小体積の多段共振を実現し、周波数帯域の範囲を広げることができる。
【0024】
本実施形態では、前記第1セグメント21と前記第2セグメント22との接続部の屈曲半径は、最小波長の4倍よりも大きい。
図10~11に示すように、シミュレーションにより、屈曲半径が最小波長の4倍を超える場合に優れた音響伝送性能を実現することができることを示す。
【0025】
好ましくは、第1セグメント21と第3セグメント23の出音方向は、第2セグメント22によって90°折り曲げられているため、ホーンの体積が小さくされ、曲線経路の断面に従って設計することで、携帯端末のハウジングに適応することができ、退避効果に優れる。
【0026】
本実施形態では、前記第1セグメント21と前記第2セグメント22との接続部の内径は、半波長よりも小さい。ホーン2の半径が半波長未満である場合、高周波の音波が折り曲げ箇所で反転し、音声遮断現象が発生する。ホーン2は、半波長よりも小さい折り曲げ寸法を採用すると、その高周波遮断を改善し、帯域幅を広げることができる。伝送線モデルを理論的基礎とし、ホーン2の垂直方向を面積又は長さ及び幅が異なる変断面に設計してロフティングを行うことで、変断面の寸法がホーンの各部分の音質に直接関連するようにし、ホーン2の各部分のインピーダンスが十分に結合され、多段共振を実現することができる。
【0027】
本実施形態では、前記スピーカボックス1は、矩形状を呈し、前記音声出力開口11は、前記スピーカボックスの短手方向の辺に設置される。
【0028】
具体的には、携帯端末のハウジング穴に組み込まれた後、対称式ホーン2の周波応答曲線は、11.5kHzで極めて深いボトム値を生成し、
図12に示すように、該周波数は、スピーカの横軸方向に音圧節点が現れ、音声出力がピットボトムに存在し、縦軸方向に音声出力口を増加させ、横軸の両側の音圧強度を変更し、11.5kHzのボトム値を向上させ、音響性能が良好である。
【0029】
本実施形態では、前記ホーン2は複数あり、複数の前記ホーン2の複数の前記第1セグメントは、前記スピーカボックス1の幅方向に沿って並設され、複数の前記ホーン2の複数の前記第2セグメント22は、前記スピーカボックス1の厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記ホーン2の複数の前記第3セグメント23は、前記スピーカボックス1の長さ方向に沿って並設される。好ましくは、複数のホーン2は2つ、3つ、4つなどであり、具体的には実際の需要に応じて選択される。
【0030】
具体的には、スピーカを用いてホーン2を多層に重ね合わせ、単層ホーン2の幅が半波長よりも小さくするように制御し、ホーン2のカットオフ周波数を向上させ、音声伝送の平滑化を実現し、高周波性能を向上させる。第1段21及び第2セグメント22の2本ホーン2の断面を徐々に変化することにより、各ホーン2の共振ピークを結合し、高周波性能を向上させる。同時に、体積及び空間需要を減少させ、複数の第1セグメント21及び第2セグメント22の長さを延長し、共振周波数の数を増加させることができる。複数のホーン2の部分により多段共振を制御し、複数の周波数の高周波向上効果を実現することができる。
【0031】
好ましくは、ホーン2が3つである場合、3つのホーン2は、並列するか又は互いに交差して設置される。2つのホーン2が並列しながら、1つのホーン2が2つのホーン2のうちの一方と重ね合わせるかまたは2つのホーンの間に設置されるように構成されてもよい。複数のホーン2の部分により多段共振を制御し、複数の周波数の高周波向上効果を実現することができる。
【0032】
本実施形態では、前記第2セグメント22及び/又は前記第3セグメント23内には吸音材料が充填される。吸音材料を充填することにより、ホーン2のダンピングを増加させ、対称式ホーン2の応答曲線を補償し、高周波性能を向上させる。
【0033】
具体的には、
図13に示すように、図において、oriのSPL曲線とori+内部インピーダンス1100Pa*s/m+拡張空間のSPL曲線を比較し、スピーカの横軸方向の出音側から装置音声出力開口11までの対称式ホーン2は、高周波位置でピットボトムを生成し、小チャンバを用いて減衰材料を充填してパイプのダンピングを増加させて、高周波SPL曲線が平坦化することができる。局部体積を増加させることにより、音響容量を変更し、さらに共振周波数点への制御を実現する。
【0034】
本実施形態では、前記第1セグメント21は、前記音声出力開口11に係合当接する第1開口211、前記第2セグメント22の一端に接続された第1開口212、及び前記第1開口211から前記第1開口212に延在して形成された第1側壁213及び第2側壁214を備え、前記第1開口211の両端は、前記第1開口212の方向に向かって徐々に減少して延在して前記第1円弧面5を形成する。音声出力開口11によりスピーカボックス1の音声を、第1開口211を介して第1開口212に伝送し、前記第1開口211の両端が前記第1開口212の方向に向かって徐々に減少して延在して前記第1円弧面5が形成され、第1セグメント21の底面が平面4であり、頂面が第1円弧面5であるため、ホーン2の第1セグメント21の断面を徐々に変化させ、ホーンの音声品質を向上させる。
【0035】
ここで、ホーンの一端の開口は、第1開口211であり、第1開口211は、前記ホーン口9であり、音声出力開口11に接続するために用いられる。
【0036】
本実施形態では、前記第1開口211の長さは、前記第1開口212の長さよりも大きく、前記第1開口211の幅は、前記第1開口212の幅よりも小さい。これによって、音声出力開口11から出力された音声を収集しやすく、音質効果が高い。
【0037】
本実施形態では、前記第2セグメント22は、前記第1開口212と係合する第3開口221、前記第3セグメント23の一端に接続された第4開口222、並びに、前記第3開口221から前記第4開口222へ折り曲げて延在して形成された第3側壁223及び第4側壁224を備える。第3開口221は、第1開口212から出力された音声を第4開口222に伝達し、第4開口222を介して音声を出力するために用いられる。第1セグメント21及び第2セグメント22の断面構造が異なるとともに、上記第1開口211、第1開口212及び第4開口222の厚さが段階的に増加することによって、音声を多段共振させ、周波数帯域の範囲を広げることができる。
【0038】
本実施形態では、前記第3開口221の厚さは、前記第1開口212の厚さと同じである。
【0039】
本実施形態では、前記第4側壁224は、前記スピーカボックス1の厚さ方向に平行な断面が半円形構造である。製造しやすい。
【0040】
本実施形態では、前記第3側壁223と前記第4側壁224との間は、垂直に設置される。これによって、第2セグメント22を折り曲げやすく、装着空間を節約する。
【0041】
本実施形態では、前記第3セグメント23は、前記第4開口222と係合する第5開口231、前記第5開口231から前記第4開口222から離れた方向に延在する第5側壁233と第6側壁234、及び、前記第5側壁233と前記第6側壁との間に接続される第6開口232を備え、前記第1側壁213、前記第3側壁223及び前記第5側壁233は共に前記退避位置3を囲む。様々なハウジングに適合することができる。
【0042】
ここで、ホーンの他端の開口は、第6開口232であり、第6開口232は、ホーンのスロート10である。
【0043】
本実施形態では、前記第3セグメント23は、それぞれ前記スピーカボックス1の厚さ方向に平行な両側に向かって突出して前記第3円弧面7及び第4円弧面を形成する。
【0044】
本実施形態では、
図14に示すように、従来の側発音モジュール2の同一周波数における感度は、いずれも多段ホーンプラス出音口マッチングモデル1、初版2段ホーン3、初版2段ホーンプラス吸音材料4、多段変断面ホーン5、多段変断面ホーンプラス吸音材料6、及び大後チャンバモジュール正発音7の感度よりも低い。したがって、上記試験結果から分かるように、従来の側発音モジュール2と比較して、各種類のホーン付きの技術案は、いずれも高周波数帯域の向上を図り、ここで、多段ホーンマッチングプラス出音口マッチングモデル1は、周波数帯域幅及び周波応答浮動がいずれも他の技術案よりも高い。
【0045】
関連技術に比べて、本発明によるスピーカモジュールは、出音口が設置された携帯端末に用いられ、スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、スピーカボックスは、側面発音のための音声出力開口を備え、スピーカモジュールは、音声出力開口に接続されたホーンをさらに備え、ホーンは、中空でありかつ両端が開口し、ホーンの一端は、スピーカボックスの側面に接続されかつ音声出力開口と連通し、ホーンの他端は、携帯端末の出音口に接続するために用いられ、ホーンの出音方向に沿った断面積は徐々に変化し、ホーンに面積又は長さ及び幅が異なる変断面に設計してロフティングを行うことで、変断面の寸法がホーン各部分の音質に直接的に関連するようにし、ホーンの各部分のインピーダンスが十分に結合され、これにより小体積の多段共振を実現し、周波数帯域の範囲を広げることができるとともに、体積が小さく、柔軟な退避空間を有することで、異なる携帯端末のハウジングに適合しやすい。
【0046】
以上は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】