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特表2024-529210挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 7/024 20060101AFI20240730BHJP
   B21D 45/08 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B21D7/024 A
B21D45/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563932
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2022019345
(87)【国際公開番号】W WO2024005282
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081385
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523390493
【氏名又は名称】大韓精密工業株式会社
【氏名又は名称原語表記】DAEHAN PRECISION INDUSTRY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】39, Eogokgongdan 4-gil, Yangsan-si Gyeongsangnam-do 50591 Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】523390507
【氏名又は名称】キム、オゴン
【氏名又は名称原語表記】KIM OhGon
【住所又は居所原語表記】5503-ho, B-dong, 145, Bunpo-ro, Nam-gu Busan 48515 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、オゴン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンジェ
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA04
4E063BC04
4E063MA02
(57)【要約】
本発明は、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置に関し、より詳細には、長さが所定の長さよりも短いフィッティングを折り曲げ、折り曲げ後にフィッティングの突出部との間にフィッティング折り曲げ装置が挟まれないように、フィッティングの固定及び分離状態を調節することのできる構造を有する、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口及び吐出口が所定の角度を有するようにフィッティングを折り曲げ、折り曲げたフィッティングを取り外せるように、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置において、
前記フィッティングの外周面が装着されるように所定の曲率を有する溝が所定の弧状に形成されるフィッティング装着部と、
前記フィッティング装着部の一側に配置され、フィッティングを折り曲げる工程中は固定し、前記フィッティングを折り曲げる工程後には折り曲げたフィッティングを取り外すための空間が設けられるように、フィッティング装着部の溝から離隔するように移送される、所定の固定及び分離構造を備える分離部と、
前記分離部が移送される経路を形成し、前記フィッティング装着部の溝を形成する弧を含む平面に垂直な方向に配置される移送軸と、
前記移送軸の上部に配置され、前記分離部の固定及び分離状態の切り替えを調節する調節治具とを含み、
前記フィッティングを折り曲げる工程中は外部から荷重が加えられてもフィッティングが動かないようにフィッティングの端部を固定し、
前記フィッティングを折り曲げる工程後には前記フィッティングの端部の固定を解除するように構成される、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置。
【請求項2】
前記分離部が、
前記フィッティング装着部の溝の一部分をなす延長溝が形成される装着延長部と、
前記装着延長部の上部に前記フィッティング装着部の溝とは独立した部品で設けられ、前記装着延長部に密着した状態で前記延長溝に対応する溝が形成される独立溝構造体とを含み、
前記移送軸が、
前記装着延長部の一側に固定される支持軸と、
前記支持軸に連結され、独立溝構造体に対して上向きに付勢力を加えるスプリングと、
前記独立溝構造体が移送軸から取り外されることを防止するフックとを含む、請求項1に記載の挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置。
【請求項3】
前記調節治具が、
前記フィッティング装着部の上段に配置されて所定のヒンジで固定され、前記ヒンジを中心に回転可能な所定の長形に形成される調節本体4と、
前記調節本体4の回転時にフックと調節本体4が干渉しないように、調節本体4の底面に形成されるフックレールと、
前記調節本体4の一側に連結され、調節本体4が回転するように所定の動力を受けるレバーとを含み、
前記分離部が、
前記独立溝構造体に固定され、移送軸と平行な方向に延びるグリップと、
前記フックにより独立溝構造体が移送軸から取り外されることを防止するように独立溝構造体に形成されるフック通孔と、
前記独立溝構造体が上下方向に移動する際に、独立溝構造体が移送軸の軸方向以外の方向に揺れないように所定のガイド機能を果たし、前記フック通孔の下部に、フック通孔の内径よりも小さい内径を有するように形成されるガイド通孔とを含み、
前記移送軸が、所定のネジ状に構成され、
前記フックが、前記ネジの頭(Head)として機能するように支持軸の外径よりも大きい外径を有するように形成され、
前記ネジを前記装着延長部に締結または解除することにより、装着延長部に対するフックの高さを調節できるように構成される、請求項2に記載の挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置。
【請求項4】
前記装着延長部及び独立溝構造体にそれぞれ脱着可能に締結され、前記フィッティングの突出部が装着されるように所定の溝が形成される突出部装着部をさらに含み、
前記フィッティングの大きさに応じて突出部装着部を交換することにより、単一装置で異なる規格またはサイズのフィッティングを折り曲げることができるように構成される、請求項2に記載の挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置に関し、より詳細には、長さが所定の長さよりも短いフィッティングを折り曲げ、折り曲げ後にフィッティングの突出部との間にフィッティング折り曲げ装置が挟まれないように、フィッティングの固定及び分離状態を調節することのできる構造を有する、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧の流体を移送するパイプ/高圧ホースに連結され、所定の角度に折り曲げられて(ベンディングされて)パイプの方向を転換する高圧フィッティングは、その用途に応じて様々な規格/サイズ/大きさの製品が用いられる。
【0003】
高圧流体を移送するために、前記高圧フィッティングは所定の金属素材で製造されており、所定の強度を有するパイプを折り曲げる折り曲げ装置が用いられる。
【0004】
従来のフィッティング折り曲げ装置は、短いフィッティングを折り曲げる場合に、フィッティングの突出部とネジ山形成部などの間に折り曲げ装置のフィッティング装着部位が挟まれ、折り曲げ作業終了後にフィッティングを折り曲げ装置から分離することが非常に困難になるか、あるいは分離できなくなることがあった。
【0005】
フィッティングを折り曲げ装置から分離できる場合であっても、工程上において、フィッティングを迅速に分離できないことによる時間の損失があり、外力によりフィッティングを強制的に分離する際にフィッティング製品が変形/損傷する恐れがあるという問題がある。
【0006】
一方、フィッティングを折り曲げ装置から分離できない場合は、製造工法自体を変更し、フィッティングの両側端部(突出部)と折り曲げ部をそれぞれ別途に作製し、その後溶接などの工程を行って結合する方式で製造しなければならない。その場合、増大したリードタイム及び製造コストにより製品単価が高くなるだけでなく、溶接が不適切に行われると漏油により致命的な問題が生じるので、それを防止するための別途の気密試験過程が必要になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、前述したような従来のフィッティング折り曲げ装置の限界を改善するために、フィッティングを折り曲げ、その後フィッティングを装置から容易に取り外せるように、フィッティングの固定/分離状態を所望の状態に調節することのできる、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述したような従来のフィッティング折り曲げ装置の限界を改善するために、流入口及び吐出口が所定の角度を有するようにフィッティングを折り曲げ、折り曲げたフィッティングを取り外せるように、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置において、前記フィッティングの外周面が装着されるように所定の曲率を有する溝が所定の弧状に形成されるフィッティング装着部と、前記フィッティング装着部の一側に配置され、フィッティングを折り曲げる工程中は固定し、前記フィッティングを折り曲げる工程後には折り曲げたフィッティングを取り外すための空間が設けられるように、フィッティング装着部の溝から離隔するように移送される、所定の固定及び分離構造を備える分離部と、前記分離部が移送される経路を形成し、前記フィッティング装着部の溝を形成する弧を含む平面に垂直な方向に配置される移送軸と、前記移送軸の上部に配置され、前記分離部の固定及び分離状態の切り替えを調節する調節治具とを含み、前記フィッティングを折り曲げる工程中は外部から荷重が加えられてもフィッティングが動かないようにフィッティングの端部を固定し、前記フィッティングを折り曲げる工程後には前記フィッティングの端部の固定を解除するように構成される、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を提供する。
【0009】
また、前記分離部は、前記フィッティング装着部の溝の一部分をなす延長溝が形成される装着延長部と、前記装着延長部の上部に前記フィッティング装着部の溝とは独立した部品で設けられ、前記装着延長部に密着した状態で前記延長溝に対応する溝が形成される独立溝構造体とを含み、前記移送軸は、前記装着延長部の一側に固定される支持軸と、前記支持軸に連結され、独立溝構造体に対して上向きに付勢力を加えるスプリングと、前記独立溝構造体が移送軸から取り外されることを防止するフックとを含んでもよい。
【0010】
さらに、前記調節治具は、前記フィッティング装着部の上段に配置されて所定のヒンジで固定され、前記ヒンジを中心に回転可能な所定の長形に形成される調節本体4と、調節本体4の回転時にフックと調節本体4が干渉しないように、調節本体4の底面に形成されるフックレールと、調節本体4の一側に連結され、調節本体4が回転するように所定の動力を受けるレバーとを含み、前記分離部は、前記独立溝構造体に固定され、移送軸と平行な方向に延びるグリップと、前記フックにより独立溝構造体が移送軸から取り外されることを防止するように独立溝構造体に形成されるフック通孔と、前記独立溝構造体が上下方向に移動する際に、独立溝構造体が移送軸の軸方向以外の方向に揺れないように所定のガイド機能を果たし、前記フック通孔の下部に、フック通孔の内径よりも小さい内径を有するように形成されるガイド通孔とを含み、前記移送軸は、所定のネジ状に構成され、前記フックは、前記ネジの頭(Head)として機能するように支持軸の外径よりも大きい外径を有するように形成され、前記ネジを前記装着延長部に締結または解除することにより、装着延長部に対するフックの高さを調節できるように構成されてもよい。
【0011】
さらに、前記装着延長部及び独立溝構造体にそれぞれ脱着可能に締結され、前記フィッティングの突出部が装着されるように所定の溝が形成される突出部装着部をさらに含み、前記フィッティングの大きさに応じて突出部装着部を交換することにより、単一装置で異なる規格またはサイズのフィッティングを折り曲げることができるように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、高圧フィッティングを折り曲げた後に、フィッティングの突出部などとの間の空間に折り曲げ装置が挟まれる現象を防止することができる。
【0013】
また、様々な規格/サイズのフィッティングを用いることのできる折り曲げ装置を構成することができる。
【0014】
さらに、折り曲げ装置から折り曲げたフィッティングを容易に取り外せるので、フィッティングの変形や損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態による、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態による、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態による、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態による、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態による、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置の一部分を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態によるフィッティング製造方法によりフィッティングを折り曲げる過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。しかしながら、これは本明細書に開示される技術を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の実施形態の様々な変更(modifications)、均等物(equivalents)及び/または代替物(alternatives)が含まれるものと理解すべきである。図面の説明において、類似の構成要素には類似の符号を付す。
【0017】
本明細書において、「含む」、「含んでもよい」などの表現は、当該特徴(例えば、数値、機能、動作、部品などの構成要素)が存在することを示すものであり、他の特徴が存在することを排除するものではない。
【0018】
本明細書において、「Aまたは/及びBの少なくとも1つ」などの表現には、共に列挙した項目のあらゆる可能な組み合わせが含まれる。例えば、「AまたはB」、「A及びBの少なくとも1つ」には、(1)少なくとも1つのAを含むもの、(2)少なくとも1つのBを含むもの、(3)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBの両方を含むものが全て含まれる。
【0019】
ある構成要素(例えば、第1の構成要素)が他の構成要素(例えば、第2の構成要素)に「(機能的または通信的に)連結されている((operatively or communicatively) coupled with/to)」または「接続されている(connected to)」と言及される場合は、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接連結されてもよく、さらに他の構成要素(例えば、第3の構成要素)を介して連結されてもよいものと解すべきである。
【0020】
本明細書に用いる用語は、単に特定の実施形態について説明するために用いるものであり、他の実施形態の範囲を限定するものではない。単数の表現には、特に断らない限り、複数の表現が含まれる。
【0021】
技術的または科学的な用語をはじめとして、本発明に用いる用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解される意味で用いられる。本明細書に用いる用語のうち、一般に用いられる辞書に定義されている用語は、関連技術における文脈上の意味と同一または類似の意味で解釈されるものであり、特に断らない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されてはならない。場合によっては、本明細書において定義された用語であっても、本発明の実施形態を排除するように解釈されてはならない。
【0022】
本発明の請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者により様々な変形が可能であることは言うまでもなく、それらの変形は本発明の技術的思想や展望とは別個のものと解釈されてはならない。
【0023】
発明の説明において用いる「上部」、「上段」、「垂直」、「平行」などは、図面において定義したものであり、これらの用語により各構成の形状及び位置が限定されるものではない。
【0024】
本明細書に用いる用語において、単数の表現には、特に断らない限り、複数の表現が含まれるものと理解すべきであり、「含む」などの用語は、記載した特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせの存在または付加可能性を排除するものではないことを理解すべきである。
【0025】
本発明の実施形態によれば、流入口51及び吐出口51が所定の角度を有するようにフィッティング5を折り曲げ、折り曲げたフィッティング5を取り外せるように、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置において、フィッティング5の外周面が装着されるように所定の曲率を有する溝(フィッティング溝10)が所定の弧状に形成されるフィッティング装着部1と、フィッティング装着部1の一側に配置され、フィッティング5を折り曲げる工程中は固定し、フィッティング5を折り曲げる工程後には折り曲げたフィッティング5を取り外すための空間が設けられるように、フィッティング装着部1の溝から離隔するように移送される、所定の固定及び分離構造を備える分離部2と、分離部2が移送される経路を形成し、フィッティング装着部1の溝10を形成する弧を含む平面に垂直な方向に配置される移送軸3と、移送軸3の上部に配置され、分離部2の固定及び分離状態の切り替えを調節する調節治具4とを含み、フィッティング5を折り曲げる工程中は外部から荷重が加えられてもフィッティング5が動かないようにフィッティング5の端部を固定し、フィッティング5を折り曲げる工程後にはフィッティング5の端部の固定を解除するように構成される、挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を提供する。
【0026】
前述した「流入口及び吐出口」51は、フィッティング5の異なる2つの孔を区分するために用いた用語であり、フィッティング5を用いる際に流体が流れる方向により本発明の構成要素が限定されるものではない。
【0027】
前記「所定の曲率を有する溝(フィッティング溝10)」は、折り曲げるフィッティング5の外周面が装着されるように、フィッティング5の外径よりも所定の大きさだけ大きい曲率を有するように形成される。
【0028】
フィッティング装着部1の「所定の弧」の中心角は、60度~180度になるように構成される。前記中心角に応じて、フィッティング5の折り曲げ角が90度の製品(「L」字型フィッティング5)や、180度の製品(「U」字型フィッティング5)を適宜製造する(折り曲げる)ことができる。
【0029】
フィッティング装着部1の反対側(前記所定の弧の中心点を基準に向かい側)には、荷重支持部12が形成される。荷重支持部12は、折り曲げ工程においてフィッティング5を介してフィッティング装着部1に加えられる荷重に耐える機能を果たす。より具体的には、フィッティング装着部1に加えられる荷重によりフィッティング装着部1が連結された地点に加えられるモーメントの大きさを小さくするので、機器の破損を防ぐことができ、より大きな荷重での折り曲げ工程を可能にする。
【0030】
あるいは、荷重支持部12に前記所定の曲率を有する溝(第2のフィッティング溝)を形成し、フィッティング装着部1に形成される所定の曲率を有する溝(第1のフィッティング溝10)とは異なる曲率を有するように設けることにより、1つの装置で異なる外径を有するフィッティング5を折り曲げることができるように構成されてもよい。ただし、その場合、本発明の構成要素である分離部2、移送軸3、調節治具4などを荷重支持部12にも同様に備えなければならず、前記構成要素が互いに干渉しないように構成要素を適切に配置しなければならない。このような構成は本発明の説明を参照して容易に実施できる範囲であるので、具体的な説明は省略する。
【0031】
また、分離部2は、フィッティング装着部1の溝の一部分をなす延長溝110が形成される装着延長部11と、装着延長部11の上部にフィッティング装着部1の溝とは独立した部品で設けられ、装着延長部11に密着した状態で延長溝110に対応する溝が形成される独立溝構造体21とを含み、移送軸3は、装着延長部11の一側に固定される支持軸30と、支持軸30に連結され、独立溝構造体21に対して上向きに付勢力を加えるスプリング31と、独立溝構造体21が移送軸3から取り外されることを防止するフック32とを含む。
【0032】
装着延長部11は、半円形の断面を有するフィッティング溝10において、1/4円形(中心角が90度の弧)の断面を有する一部分(下部)のみ延長されるように形成されてもよく、そのような形状の部材を付け足して構成されてもよい。
【0033】
前記構造によれば、フィッティング5はフィッティング溝10に装着(半分が半円形の溝に挿入)され、フィッティング5の端部は装着延長部11により1/4の部分のみ装着される。
【0034】
それに対して、独立溝構造体21が装着延長部11の上部に密着すると、フィッティング5の端部の残りの1/4の部分が装着され、フィッティング5の端部は装着延長部11と独立溝構造体21間に固定(装着)される。
【0035】
支持軸30は、スプリング31と並列または直列に連結される。本発明の図1ないし図6には、支持軸30とスプリング31が並列に連結された状態(スプリング31の内側に支持軸30が挿入された形態)の実施形態を示す。支持軸30とスプリング31が直列に連結される実施形態においては、後述する支持軸30の螺合によるフック32の高さ調節機能は備えられない。
【0036】
また、調節治具4は、フィッティング装着部1の上段に配置されて所定のヒンジで固定され、前記ヒンジを中心に回転可能な所定の長形に形成される調節本体4と、調節本体4の回転時にフック32と調節本体4が干渉しないように、調節本体4の底面に形成されるフックレール40と、調節本体4の一側に連結され、調節本体4が回転するように所定の動力を受けるレバー41とを含み、分離部2は、独立溝構造体21に固定され、移送軸3と平行な方向に延びるグリップ22と、フック32により独立溝構造体21が移送軸3から取り外されることを防止するように独立溝構造体21に形成されるフック通孔211と、独立溝構造体21が上下方向に移動する際に、独立溝構造体21が移送軸3の軸方向以外の方向に揺れないように所定のガイド機能を果たし、フック通孔211の下部に、フック通孔211の内径よりも小さい内径を有するように形成されるガイド通孔212とを含み、移送軸3は、所定のネジ状に構成され、フック32は、前記ネジの頭(Head)として機能するように支持軸30の外径よりも大きい外径を有するように形成され、前記ネジを装着延長部11に締結または解除することにより、装着延長部11に対するフック32の高さを調節できるように構成される。
【0037】
前記「長形」とは、所定の長さを有する形態、または/及び所定の偏心を有する形態を意味する。例えば、楕円形、長方形(図面に示す実施形態)の断面を有する部材や、カムの形態であり、円形や正方形の断面を有する部材であっても、ヒンジに連結される地点(回転軸)が図心から離隔していれば「長形」とみなされる。
【0038】
レバー41及びグリップ22は、工程に投入される作業者が手で操作するようにしてもよく、自動化装置などにより自動で動作するようにしてもよい。
【0039】
作業者が手で操作する場合は、グリップ22を手で握って押し込んだ状態でレバー41を操作することにより、固定及び分離状態を切り替える。
【0040】
フック32の外径は、フック通孔211の内径よりも所定の大きさだけ小さく形成され、支持軸30の外径は、ガイド通孔212の内径よりも所定の大きさだけ小さく形成されることが好ましい。
【0041】
フック通孔211及びガイド通孔212を貫通して上下に動く調節本体4は、上段のフック32がフック通孔211とガイド通孔212間の地点に形成される突起に係止されることにより、上段の高さが制限される。
【0042】
あるいは、フック通孔211とガイド通孔212が同じ内径を有し、フック通孔211とガイド通孔212間に所定の突起が形成されるように構成されてもよい。図4に示す実施形態は、前述したようにフック通孔211とガイド通孔212が同じ内径を有する実施形態である。
【0043】
また、装着延長部11及び独立溝構造体21にそれぞれ脱着可能に締結され、フィッティング5の突出部52が装着されるように所定の溝230が形成される突出部装着部23をさらに含み、フィッティング5の大きさに応じて突出部装着部23を交換することにより、単一装置で異なる規格またはサイズのフィッティング5を折り曲げることができるように構成されてもよい。
【0044】
突出部装着部23は、装着延長部11の端部の側面と、独立溝構造体21の側面に、所定のネジ/ボルトなどにより脱着可能に締結される。
【0045】
突出部装着部23は、フィッティング5の突出部52のいずれかを装着/固定するように形成され、ボルトヘッドのように所定の多角形状の突出部52を装着するために、突出部52に対応する所定の多角形状に形成される。図2には、六角形状の突出部52を有するフィッティング5を装着するために、所定の台形状の突出部装着部23が形成される実施形態を示す。
【0046】
前記構造によれば、フィッティング5の外径がフィッティング溝10より小さい場合も、フィッティング5の中心軸と平行な接線部分がフィッティング溝10に密着して折り曲げられるので、フィッティング装着部1に支持/固定されてベンディングダイから荷重を受けることができる。
【0047】
また、このような挟まれ防止機能を備えたフィッティング折り曲げ装置を用いたフィッティング製造方法において、フィッティング5のネジ山53にブッシュを結合するステップと、フィッティング5をフィッティング装着部1に装着するステップと、調節治具4を用いてフィッティング5を固定するステップと、フィッティング5の一側に固定軸を挿入するステップと、前記ブッシュにクランプを接触させるステップと、ベンディングダイを回転させ、前記固定軸により固定された部分に対してブッシュが結合された部分が折り曲げられるように荷重を加えるステップと、前記固定軸及びクランプを後退させるステップと、調節治具4を用いてフィッティング装着部1からフィッティング5を分離するステップと、前記ブッシュをフィッティング5から分離するステップとを含むフィッティング製造方法を提供する。
【0048】
前記クランプは、フィッティング5のいずれかの突出部52を支持する第1のクランプと、ブッシュを支持する第2のクランプとを含み、第1のクランプ及び第2のクランプを固定した状態でベンディングダイを回転させることにより、フィッティング溝10の中心を基準にフィッティング5を折り曲げることができる。
【0049】
以下、図6を参照して、折り曲げ過程について説明する。
【0050】
まず、図6の(a)に示すように、グリップ22を用いて独立溝構造体21を装着延長部11に密着させた状態でレバー41により調節本体4を回転させ、独立溝構造体21を固定する。ここで、フック32がフック通孔211に沿って調節本体4の内側に収容される。
【0051】
次に、図6の(b)に示すように、ブッシュを結合したフィッティング5をフィッティング装着部1に装着する。装着した状態でクランプを前進させ、ブッシュ及び他端に位置する突出部52、またはフィッティング5の本体を固定する。
【0052】
次に、図6の(c)に示すように、フィッティング5を固定した状態でクランプのいずれかが連結されたベンディングダイを回転(前記「所定の弧」の中心点を中心とする回転である)させることにより、フィッティング5が折り曲げられるように所定の荷重を印加する。折り曲げ終了後に、クランプを元の状態に後退させる。
【0053】
最後に、図6の(d)に示すように、フィッティングを容易に分離できるように分離部2を動作させる。フィッティング装着部1から折り曲げたフィッティング5を取り出す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】