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特表2024-529211エアロゾル発生媒質製造システム、エアロゾル発生物品製造方法、エアロゾル発生物品、及びエアロゾル発生システム{SYSTEM FOR MANUFACTURING AEROSOL GENERATING MEDIUM、METHOD FOR MANUFACTURING AEROSOL GENERATING ARTICLE、AEROSOL GENERATING ARTICLE AND AEROSOL GENERATING SYSTEM}
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  • 特表-エアロゾル発生媒質製造システム、エアロゾル発生物品製造方法、エアロゾル発生物品、及びエアロゾル発生システム{SYSTEM  FOR  MANUFACTURING  AEROSOL  GENERATING  MEDIUM、METHOD  FOR  MANUFACTURING  AEROSOL  GENERATING  ARTICLE、AEROSOL  GENERATING  ARTICLE  AND  AEROSOL  GENERATING  SYSTEM} 図1
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  • 特表-エアロゾル発生媒質製造システム、エアロゾル発生物品製造方法、エアロゾル発生物品、及びエアロゾル発生システム{SYSTEM  FOR  MANUFACTURING  AEROSOL  GENERATING  MEDIUM、METHOD  FOR  MANUFACTURING  AEROSOL  GENERATING  ARTICLE、AEROSOL  GENERATING  ARTICLE  AND  AEROSOL  GENERATING  SYSTEM} 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】エアロゾル発生媒質製造システム、エアロゾル発生物品製造方法、エアロゾル発生物品、及びエアロゾル発生システム{SYSTEM FOR MANUFACTURING AEROSOL GENERATING MEDIUM、METHOD FOR MANUFACTURING AEROSOL GENERATING ARTICLE、AEROSOL GENERATING ARTICLE AND AEROSOL GENERATING SYSTEM}
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/12 20060101AFI20240730BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20240730BHJP
   A24B 15/28 20060101ALI20240730BHJP
   A24D 1/04 20060101ALI20240730BHJP
   A24D 3/10 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A24B15/12
A24B3/14
A24B15/28
A24D1/04
A24D3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564516
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 KR2023002894
(87)【国際公開番号】W WO2023249201
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0076684
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、タエ キュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ キュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、インス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン タエ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BB16
4B045BC12
4B045BD05
(57)【要約】
様々な実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムは、製造空間を形成するチャンバ、前記製造空間に配置される媒質原料部、前記媒質原料部から転移物質を放出させるために前記媒質原料部を加熱する加熱部、前記転移物質を循環させるための循環部及び前記転移物質に転移する転移部を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生媒質を製造する製造システムであって、
製造空間を形成するチャンバと、
前記製造空間に配置される媒質原料部と、
前記製造空間に配置され、前記媒質原料部から放出した転移物質が吸着される転移部と、
を含み、
前記転移部からエアロゾル発生媒質が製造される、
エアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項2】
前記媒質原料部から転移物質の放出を活性化させるために、前記媒質原料部を加熱する加熱部をさらに含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項3】
前記転移物質を循環させるための循環部をさらに含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項4】
前記チャンバは前記製造空間を密閉させ、前記転移物質が前記製造空間の外部に放出しない、
請求項1に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項5】
前記転移部が安着する保管空間が形成された保管部をさらに含む、
請求項4に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項6】
前記保管部の一面は開放され、他面は穿孔され、前記保管空間は前記媒質原料部と連通し、前記保管部はプラスチック材質を含む、
請求項5に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項7】
前記媒質原料部はpH処理される、
請求項1に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項8】
前記媒質原料部は、炭酸カルシウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)又は酸化カルシウム(CaO)のうち少なくとも1つの成分を含む、
請求項7に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項9】
前記媒質原料部は、タバコ微粉やタバコ葉粉を含有する副産物、板状葉、葉タバコ、又はニコチンを含有する湿式顆粒のうち少なくとも1つを含み、前記転移物質はフリーニコチンである、
請求項7に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項10】
前記転移部は、アセテート成分を含む、
請求項1から9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生媒質製造システム。
【請求項11】
エアロゾル発生物品を製造する製造方法であって、
製造空間を形成するチャンバに媒質原料部を提供する媒質原料部提供段階と、
前記媒質原料部から転移物質を放出させるために前記媒質原料部を加熱する加熱段階と、
前記転移物質を循環させる循環段階と、
前記転移物質を転移部に転移させる転移段階と、
前記転移部を加工してエアロゾル発生物品を加工する、加工段階と、
を含む、
エアロゾル発生物品製造方法。
【請求項12】
前記加工段階は、
前記転移物質によって転移した転移部を切断する切断段階を含む、
請求項11に記載のエアロゾル発生物品製造方法。
【請求項13】
前記加工段階は、
前記切断段階後に、前記切断された転移部にフィルタを結合させるフィルタ結合段階をさらに含む、
請求項12に記載のエアロゾル発生物品製造方法。
【請求項14】
エアロゾル発生物品であって、
媒質セグメントを含み、
前記媒質セグメントは、ニコチンを含む媒質原料部から放出したフリーニコチンが吸着された転移部を切断して製造される、
エアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記媒質セグメントの下流に配置されるフィルタセグメントをさらに含む、
請求項14に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生媒質製造システム、エアロゾル発生物品製造方法、エアロゾル発生物品、及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統的なシガレットの欠点を克服する代替物品に関する需要が高まっている。例えば、シガレットスティックを電気的に加熱することによってエアロゾルを発生させる装置(e.g.シガレット型電子タバコ)に関する需要が高まっている。これにより、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用されるシガレットスティック(又はエアロゾル発生物品)に関する研究が盛んに行われている。例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、非燃焼型香味吸引器、香喫味源ユニット及び霧化ユニットを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施例による目的は、安価な原料からエアロゾル発生媒質を製造することができる、エアロゾル発生媒質製造システム、及びこれによって製造されたエアロゾル発生物品、ならびに、エアロゾル発生システムを提供することである。
【0004】
一実施例による目的は、比較的早い時間内にエアロゾル発生媒質を向上させることができる、エアロゾル発生媒質製造システム、及びこれによって製造されたエアロゾル発生物品、ならびに、エアロゾル発生システムを提供することである。
【0005】
一実施例による目的は、エアロゾル発生物品を加熱しないエアロゾル発生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムは、製造空間を形成するチャンバと、前記製造空間に配置される媒質原料部と、前記媒質原料部から転移物質を放出させるために、前記媒質原料部を加熱する加熱部と、前記転移物質を循環させるための循環部と、前記転移物質に転移する転移部と、を含むことができる。
【0007】
前記チャンバは、前記転移物質が前記製造空間の外部に放出しないように製造空間を密閉することができる。
【0008】
前記転移部を保管するための保管空間が形成された保管部をさらに含むことができる。
【0009】
前記保管部は、前記保管空間が前記製造空間と連通するように一側が開放形成されることができる。
【0010】
前記保管部は、プラスチック材質を含むことができる。
【0011】
前記媒質原料部は、pH処理されることができる。
【0012】
前記加熱部は、前記媒質原料部を40度以上50度以下の温度に加熱し、前記転移物質は、フリーニコチンであることができる。
【0013】
前記媒質原料部は、炭酸カルシウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、又は酸化カルシウム(CaO)のうち少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0014】
前記転移部は、アセテート成分を含むことができる。
【0015】
前記転移部は、ライオセル成分を含むことができる。
【0016】
様々な実施例に係るエアロゾル発生物品製造方法は、製造空間を形成するチャンバに媒質原料部を提供する媒質原料部提供段階と、前記媒質原料部から転移物質を放出させるために、前記媒質原料部を加熱する加熱段階と、前記転移物質を循環させる循環段階と、前記転移物質を転移部に転移させる転移段階と、前記転移部を加工する加工段階と、を含むことができる。
【0017】
前記加工段階は、前記転移物質によって転移した転移部を切断する切断段階を含むことができる。
【0018】
前記加工段階は、前記切断された転移部に加香フィルタを結合させるフィルタ結合段階をさらに含むことができる。
【0019】
様々な実施例に係るエアロゾル発生物品は、上述したエアロゾル発生物品製造方法によって製造することができる。
【0020】
様々な実施例に係るエアロゾル発生システムは、上述したエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生装置を含むことができ、前記エアロゾル発生装置は、液状組成物からエアロゾルを生成し、前記生成されたエアロゾルを前記エアロゾル発生物品に向かって放出する蒸気化器を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムは、エアロゾル発生物品の製造を単純化することができる。
【0022】
一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムは、エアロゾル発生物品の製造コストを低減することができる。
【0023】
一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムは、エアロゾル発生物品の品質を安定して管理することができる。
【0024】
一実施例に係るエアロゾル発生システムは安全性を確保することができる。
【0025】
一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システム、エアロゾル発生物品製造方法、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムの効果は、上記で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【0026】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明と共に本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムの構造を概略的に示す図である。
図2】一実施例に係るエアロゾル発生物品製造方法のフローチャートである。
図3】一実施例に係る加工段階のフローチャートである。
図4】一実施例に係るエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図である。
図5】一実施例に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
図6A】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
図6B】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
図7】一実施例に係る蒸気化器の構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、権利範囲はこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物又は代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0029】
実施例において使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0030】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0031】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0032】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0033】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0034】
図1は、一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システムの構造を概略的に示す図である。
【0035】
図1を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生媒質製造システム1は、エアロゾル発生媒質を製造し、これによってエアロゾル発生物品(例えば、図4のエアロゾル発生物品31)を製造することができる。例えば、エアロゾル発生媒質製造システム1は、媒質セグメント(例えば、図4の媒質セグメント311)を製造するのに使用されてもよい。一実施例において、エアロゾル発生媒質製造システム1は、チャンバ11、媒質原料部12、加熱部13、循環部14、転移部15、及び保管部16を含むことができる。
【0036】
一実施例において、チャンバ11は、エアロゾル発生物品31を製造するための製造空間111を形成することができる。製造空間111には、媒質原料部12、加熱部13、循環部14、転移部15、及び保管部16が配置されてもよい。一実施例において、チャンバ11は、後述する転移物質が製造空間111の外部に放出しないように製造空間111を密閉することができる。例えば、チャンバ11の一側には、開放可能な蓋が形成されてもよい。このような構造で、転移部15に転移物質を転移させる過程では、蓋が閉鎖されて製造空間111が密閉され、転移が終了すると蓋を開放して転移部15を製造空間111の外部に取り出すことができる。
【0037】
一実施例において、媒質原料部12は製造空間111に配置されてもよい。一実施例において、媒質原料部12が加熱されることによって、媒質原料部12から転移物質が放出することができる。
【0038】
一実施例において、媒質原料部12はニコチンを含有する材料を含むことができる。例えば、媒質原料部12は、板状葉、湿式顆粒、及び葉タバコのうち少なくとも1つを含むことができる。ただし、これは例示的なものであり、媒質原料部12の材料はこれに限定されるものではない。例えば、媒質原料部12は、微粉又は葉粉などの副産物を含むことができる。このような実施例では、媒質原料部12から放出する転移物質はフリーニコチン(free nicotine)であり得る。
【0039】
一実施例において、媒質原料部12は化学的に処理されてもよい。例えば、媒質原料部12は、塩基性を有するようにpH処理されてもよい。例えば、媒質原料部12は、炭酸カルシウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、又は酸化カルシウム(CaO)のうち少なくとも1つの成分を含むように処理されてもよい。したがって、媒質原料部12が相対的に低温に加熱されても多くの量のフリーニコチンが放出することができる。ただし、これは例示的なものであり、媒質原料部12の化学的処理方法はこれに限定されない。化学的処理方法は、媒質原料部12が加熱される温度、目標とするフリーニコチンの放出量などを考慮して調節できる。
【0040】
一実施例において、加熱部13は、媒質原料部12から転移物質を放出させるために媒質原料部12を加熱することができる。例えば、加熱部13が媒質原料部12を加熱することによって、媒質原料部12からフリーニコチンが放出することができる。例えば、加熱部13は、媒質原料部12を40度以上50度以下の温度に加熱することができる。ただし、これは例示的なものであり、加熱部13が媒質原料部12を加熱する温度はこれに限定されるものではない。
【0041】
例えば、加熱部13は、媒質原料部12の下部に配置されてもよい。このような構造では、媒質原料部12から放出したフリーニコチンが製造空間111の上部に移動する過程で、フリーニコチンの移動を妨げないことができる。ただし、これは例示的なものであり、加熱部13が媒質原料部12を加熱することができると加熱部13の配置はこれに限定されるものではない。例えば、加熱部13は、チャンバ11の外部で製造空間111に配置された媒質原料部12を加熱することもできる。
【0042】
一実施例において、循環部14は転移物質を循環させることができる。例えば、循環部14は、フリーニコチンが転移部15に効率よく転移するようにフリーニコチンを製造空間111で循環させることができる。例えば、循環部14はファン(fan)を含むことができ、ファンの回転によって転移物質が循環することができる。ただし、これは例示的なものであり、循環部14が転移物質を循環させる方式はこれに限定されるものではない。
【0043】
例えば、循環部14は転移部15の上部に配置されてもよい。したがって、媒質原料部12から放出して転移部15を通過して製造空間111の上部に移動したフリーニコチンを、再び転移部15に向かうように製造空間111の下部方向に移動させることができる。他の例では、循環部14は、転移部15を挟んで複数に配置されてもよい。このような構造では、転移部15の下部に配置された循環部14は、フリーニコチンを転移部15に向かうように製造空間111の上部方向に移動させることができる。また、転移部15の上部に配置された循環部14は、フリーニコチンを転移部15に向かうように製造空間111の下部方向に移動させることができる。
【0044】
一実施例において、転移部15は転移物質に転移することができる。例えば、媒質原料部12から放出したフリーニコチンが循環部14によって循環する過程で転移部15に転移することができる。例えば、転移部15はアセテート成分を含むことができる。ただし、これは例示的なものであり、転移部15の成分はこれに限定されるものではない。例えば、転移部15は生分解性の良いライオセル成分を含むことができる。これにより、エアロゾル発生物品31は環境にやさしく製造することができる。
【0045】
例えば、転移部15は媒質原料部12の上部に配置されてもよい。このような構造では、媒質原料部12から放出したフリーニコチンは上部に移動して転移部15を転移させることができる。ただし、これは例示的なものであり、転移部15が転移物質に効率よく転移することができると、転移部15の配置はこれに限定されるものではない。
【0046】
一実施例において、保管部16は、転移部15を保管するための保管空間161を形成することができる。このような構造では、転移部15は保管部16に保管された状態で製造空間111に配置されてもよい。例えば、保管部16はプラスチック材質を含むことができる。したがって、フリーニコチンに転移した転移部15からニコチンが再び放出する現象を減少させることができる。
【0047】
一実施例において、保管部16は、保管空間161が製造空間111と連通するように一側が開放形成されてもよい。例えば、保管部16の上面は開放されてもよい。例えば、保管部16の下面には複数の穿孔が形成されてもよい。このような構造では、製造空間111で循環するフリーニコチンが転移部15に接触することができる。ただし、これは例示的なものであり、保管部16が転移部15のニコチンからの転移を妨げないと、保管部16の構造はこれに限定されるものではない。
【0048】
一実施例において、加熱部13は、媒質原料部12を40度以上50度以下の温度で加熱することができる。媒質原料部12からフリーニコチンが放出すると、放出したフリーニコチンは循環部14によって製造空間111で循環することができる。フリーニコチンは、製造空間111で循環しながら転移部15との接触によって転移部15を転移させることができる。例えば、転移部15は、2日以上3日以下の期間中にフリーニコチンに露出することができる。
【0049】
転移部15が転移物質(例えば、フリーニコチン)に十分に転移すると、チャンバ11の外部に取り出すことができる。転移部15は追加の加工段階を経てエアロゾル発生物品31として製造することができる。加工段階の詳細は後述する。
【0050】
図2は、一実施例に係るエアロゾル発生物品製造方法のフローチャートであり、図3は、一実施例に係る加工段階のフローチャートである。
【0051】
図2及び図3を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生物品製造方法2は、エアロゾル発生物品(例えば、図4のエアロゾル発生物品31)を製造するのに使用することができる。一実施例において、エアロゾル発生物品製造方法2は、媒質原料部提供段階21、加熱段階22、循環段階23、転移段階24及び加工段階25を含むことができる。
【0052】
図2及び図3を参照してエアロゾル発生物品製造方法2を説明するにあたって、上述した内容と重複する内容はできるだけ省略する。
【0053】
一実施例において、媒質原料部提供段階21は、製造空間を形成するチャンバに媒質原料部(例えば、図1の媒質原料部12)を提供する段階であってもよい。一実施例において、チャンバは、転移物質が製造空間の外部に放出しないように製造空間を密閉させることができる。例えば、媒質原料部12はpH処理されてもよい。例えば、媒質原料部12は、炭酸カルシウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)又は酸化カルシウム(CaO)のうち少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0054】
一実施例において、加熱段階22は、媒質原料部12から転移物質を放出させるために、媒質原料部12を加熱する段階であってもよい。例えば、転移物質はフリーニコチンであってもよい。例えば、加熱段階22は、媒質原料部12を40度以上50度以下の温度に加熱する段階であってもよい。
【0055】
一実施例において、循環段階23は、転移物質を循環させる段階であってもよい。循環段階23で循環する転移物質は、転移部を転移させることができる。
【0056】
一実施例において、転移段階24は、転移物質を転移部に転移させる段階であってもよい。例えば、転移部は、アセテート成分を含むことができる。例えば、転移部は、ライオセル成分を含むことができる。
【0057】
一実施例において、加工段階25は、転移部を加工する段階であってもよい。一実施例において、加工段階25は、切断段階251及びフィルタ結合段階252を含むことができる。
【0058】
一実施例において、切断段階251は、転移物質によって転移した転移部を切断する段階であってもよい。切断段階251は、指定された形態に符合するようにフリーニコチンによって転移した転移部を切断する段階であってもよい。
【0059】
一実施例において、フィルタ結合段階252は、切断された転移部にフィルタを結合させる段階であってもよく、前記フィルタは加香フィルタであってもよい。例えば、フィルタ結合段階252は、加香液が噴射されたフィルタを結合させる段階であってもよい。例えば、フィルタ結合段階252は、加香液が塗布された別途の繊維をフィルタの内部に挿入させる段階であってもよい。また、フィルタ結合段階252は、フィルタの内部に少なくとも1つのカプセルを挿入させる段階であってもよい。ここで、カプセルは、香味を発生させる機能を行うことができる。例えば、カプセルは、香料を含む液体を被膜で包む構造であってもよい。カプセルは、球形又は円筒形の形状を有することができるが、これらに制限されない。
【0060】
他の例では、エアロゾル発生物品製造方法2において、フィルタ結合段階252は省略されてもよい。例えば、前記切断段階251の後に切断された転移部は、フィルタ結合段階252を経ずにタバコフィルタ(例えば、フィルタチップ)の形態でアルミニウムバッグに真空包装されてもよい。このとき、前記切断された転移部は、エアロゾル発生装置(例えば、図5、6A、6Bのエアロゾル発生装置32)にフィルタチップの形態で適用され、ニコチンを移行させることができる。
【0061】
このような構造では、エアロゾル発生物品31は最終的に媒質原料部12を含まなくてもよい。したがって、一実施例に係るエアロゾル発生物品31は品質が安定し、製造方法が単純化することができる。また、媒質原料部12は、転移物質を放出する役割のみを果たすので、安価の材料で形成することができる。例えば、媒質原料部12は、フリーニコチンを放出する副産物又は低価葉などで形成することができる。
【0062】
図4は、一実施例に係るエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図であり、図5は、一実施例に係るエアロゾル発生装置のブロック図であり、図6A及び図6Bは、一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図であり、図7は、一実施例に係る蒸気化器の構造を概略的に示す図である。
【0063】
図4図7を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生システム3は、エアロゾル発生物品31及びエアロゾル発生装置32を含むことができる。
【0064】
図4図7を参照してエアロゾル発生システム3を説明するにあたって、上述した内容と重複する内容はできるだけ省略する。
【0065】
一実施例において、エアロゾル発生物品31は、媒質セグメント311、フィルタセグメント312、及びラッパー313を含むことができる。
【0066】
一実施例において、媒質セグメント311は、図1図3を参照して説明した切断段階251で切断された転移部15であってもよい。一実施例において、フィルタセグメント312は、図1図3を参照して説明したフィルタ結合段階252で転移部15に結合された加香フィルタであってもよい。
【0067】
他の例では、エアロゾル発生物品31にはフィルタセグメント312が省略されてもよい。例えば、媒質セグメント311のみタバコフィルタ(例えば、フィルタチップ)の形態でアルミニウムバッグに真空包装されてもよい。このとき、フィルタセグメント312が省略された前記媒質セグメント311は、エアロゾル発生装置(例えば、図5、6A、6Bのエアロゾル発生装置32)にフィルタチップの形態で適用されてニコチンを移行させることができる。
【0068】
一実施例において、ラッパー313は、媒質セグメント311及びフィルタセグメント312を包装することができる。一実施例において、ラッパー313には外部空気が流入するか、内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。一実施例において、ラッパー313はPLA合紙で作製されてもよい。ここで、PLA合紙とは、紙層、PLA層、及び紙層を含む3重の紙を意味する。例えば、ラッパー313の厚さは、100μm~120μmの範囲内に含まれてもよい。また、ラッパー313の坪量は、80g/m~100g/mの範囲内に含まれてもよい。
【0069】
図5図7を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置32は、バッテリ321、制御部322、蒸気化器323、及び細長型空洞324を含むことができる。
【0070】
図6A及び図6Bに示すエアロゾル発生装置32は、本実施例に関する構成要素のみが示されている。したがって、図6A及び図6Bに示す構成要素に加えて、他の汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置32にさらに含まれてもよいことを本実施例に関する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。また、エアロゾル発生装置32はスティックの形態であってもよく、ホルダ(holder)の形態であってもよい。
【0071】
一実施例において、バッテリ321は、エアロゾル発生装置32が動作するのに用いられる電力を供給することができる。バッテリ321は、エアロゾル発生装置32に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0072】
一実施例において、バッテリ321は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリ321であってもよいが、上述した例に限定されない。例えば、バッテリ321は、酸化リチウムコバルト(LiCoO2)バッテリ、チタン酸リチウムバッテリ、及びリチウムイオンバッテリなどが該当することができる。
【0073】
例えば、バッテリ321は、直径が10mmであり、長さが37mmである円柱状であってもよいが、これに限定されない。例えば、バッテリ321の容量は、120mAh~250mAhの範囲を有することができるが、これに限定されない。また、バッテリ321は充電可能なバッテリであってもよく、使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ321が充電可能である場合、バッテリ321の充電率(C-rate)は10C、放電率(C-rate)は10C~20Cであってもよいが、これに限定されない。また、静的な使用のために、バッテリ321は充/放電が2000回進行した場合でも、全容量の80%以上が確保できるように作製することができる。
【0074】
一実施例において、制御部322はエアロゾル発生装置32の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部322は、バッテリ321、蒸気化器323だけでなく、エアロゾル発生装置32に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部322は、エアロゾル発生装置32の構成のそれぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置32が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0075】
一実施例において、制御部322は少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行することができるプログラムが貯蔵されたメモリの組み合わせで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを本実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0076】
一実施例において、蒸気化器323はエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルが細長型空洞324に挿入されたエアロゾル発生物品31を通過するように、生成されたエアロゾルを挿入されたエアロゾル発生物品31に向かって放出することができる。したがって、エアロゾル発生物品31を通過したエアロゾルにタバコ香味(tobacco flavor)が加味されることができ、ユーザは、エアロゾル発生物品31の一端を口で吸入し、タバコ香味が加味されたエアロゾルを吸入することができる。一実施例によって、蒸気化器323はカトマイザ(cartomizer)又は霧化器(atomizer)と称することができる。一実施例によって、蒸気化器323は、入れ替え可能にエアロゾル発生装置32に結合されていてもよい。
【0077】
一実施例において、細長型空洞324にはエアロゾル発生物品31が収容されてもよい。
【0078】
一方、エアロゾル発生装置32は、バッテリ321、制御部322、蒸気化器323、及び細長型空洞324の他に汎用的な構成をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置32は、検出部325、出力部326、ユーザ入力部327、メモリ328、及び通信部329を含むことができる。
【0079】
検出部325は、エアロゾル発生装置32の状態又はエアロゾル発生装置32の周辺の状態を感知し、感知された情報を制御部322に伝達することができる。制御部322は、前記感知された情報に基づいて、喫煙の制限、エアロゾル発生物品31(例えば、シガレット、カートリッジなど)の挿入如何判断、通知表示などの様々な機能が行われるようにエアロゾル発生装置32を制御することができる。
【0080】
検出部325は、温度センサ3251、挿入感知センサ3252、及びパフセンサ3253のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されない。
【0081】
温度センサ3251は、エアロゾル発生物品31の温度を測定することができる。温度センサ3251は、バッテリ321の温度をモニタリングするようにバッテリ321の周囲に配置されたものであってもよい。
【0082】
挿入感知センサ3252は、エアロゾル発生物品31の挿入及び/又は除去を感知することができる。例えば、挿入感知センサ3252は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含むことができ、エアロゾル発生物品31が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を感知することができる。
【0083】
パフセンサ3253は、気流通路3234又は気流チャンネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ3253は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、及び圧力変化のいずれかに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0084】
検出部325は、前述したセンサの他に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は省略することができる。
【0085】
出力部326は、エアロゾル発生装置32の状態に関する情報を出力してユーザに提供することができる。出力部326は、ディスプレイ部3261、ハプティック部3262及び音響出力部3263のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されるものではない。ディスプレイ部3261とタッチパッドがレイヤー構造を成してタッチスクリーンで構成される場合、ディスプレイ部3261は出力装置以外に入力装置としても使用することができる。
【0086】
ディスプレイ部3261は、エアロゾル発生装置32に関する情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル発生装置32に関する情報は、エアロゾル発生装置32のバッテリ321の充/放電状態、エアロゾル発生物品31の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置32の使用が制限される状態(例えば、異常物品感知)などの様々な情報を意味することができ、ディスプレイ部3261は前記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部3261は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部3261はLED発光素子の形態であってもよい。
【0087】
ハプティック部3262は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換してエアロゾル発生装置32に関する情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部3262は、モータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含むことができる。
【0088】
音響出力部3263は、エアロゾル発生装置32に関する情報をユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部3263は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0089】
ユーザ入力部327は、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力することができる。例えば、ユーザ入力部327は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあり得るが、これらに制限されるものではない。また、図5には示されていないが、エアロゾル発生装置32は、USB(universal serial bus)インターフェースなどの連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどの連結インターフェースを介して他の外部装置に連結して情報を送受信するか、バッテリ321を充電することができる。
【0090】
メモリ328は、エアロゾル発生装置32内で処理される各種データを貯蔵するハードウェアであって、制御部322で処理されたデータ及び処理されるデータを貯蔵することができる。メモリ328は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、ラム(RAM、random access memory)SRAM(static random access memory)、ロム(ROM、read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの貯蔵媒体を含むことができる。メモリ328は、エアロゾル発生装置32の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに関するデータなどを貯蔵することができる。
【0091】
通信部329は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含むことができる。例えば、通信部329は、近距離通信部3291及び無線通信部3292を含むことができる。
【0092】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)3291は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)3292、WLAN(Wi-Fi(登録商標))通信部、Zigbee(登録商標)通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi(登録商標) Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。
【0093】
無線通信部3292は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。無線通信部3292は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置32を確認及び認証することもできる。
【0094】
一実施例において、エアロゾル発生装置32は、ユーザがエアロゾル発生装置32の機能を制御することができる少なくとも1つの入力装置(例えば、ボタン)及び/又はクレードルと結合される端子を含むことができる。例えば、ユーザはエアロゾル生成装置100の入力装置を用いて様々な機能を実行することができる。ユーザが入力装置を押す回数(例えば、1回、2回など)又は入力装置を押している時間(例えば、0.1秒、0.2秒など)を調節することによって、エアロゾル発生装置32の複数の機能のうち、所望の機能を実行することができる。ユーザが入力装置を作動させるにつれて、エアロゾル発生物品31が挿入される空間を掃除する機能、エアロゾル発生装置32が作動可能な状態であるかを点検する機能、バッテリ321の残量(可用電力)を表示する機能、エアロゾル発生装置32のリセット機能などを実行することができる。しかし、エアロゾル発生装置32の機能は、上述した例に限定されない。
【0095】
一実施例において、エアロゾル発生装置32は、パフ感知センサ、温度感知センサ及び/又はエアロゾル発生物品31、挿入感知センサ3252を含むことができる。また、エアロゾル発生装置32は、エアロゾル発生物品31が挿入された状態でも外部空気が流入/流出することができる構造で作製できる。
【0096】
一実施例によれば、エアロゾル発生装置32は、図6Aに示すように、直列に配列された蒸気化器323及び細長型空洞324を含むことができる。他の実施例によれば、エアロゾル発生装置32は、図6Bに示すように、並列に配列された蒸気化器323及び細長型空洞324を含むことができる。また、エアロゾル発生装置32のバッテリ321、制御部322、蒸気化器323、及び細長型空洞324の配列形態は、図6A及び図6Bに限定されず、様々な形態であってもよい。
【0097】
図6Bを検討すると、エアロゾル発生装置32内の気流通路3234を介して、蒸気化器323によって生成されたエアロゾルは細長型空洞324に流入してエアロゾル発生物品31を通過することができる。したがって、エアロゾル発生物品31を通過したエアロゾルにタバコ香味(tobacco flavor)が加味されることができ、ユーザは、エアロゾル発生物品31の一端を口で吸入して、タバコ香味が加味されたエアロゾルを吸入することができる。
【0098】
一実施例において、エアロゾル発生装置32は、エアロゾル発生物品31を加熱する別途のヒーターを含まなくてもよい。媒質セグメント311が転移物質に転移した転移部を含むので、エアロゾル発生物品31が加熱されなくてもエアロゾルの通過のみで転移物質がユーザに吸入されることができる。例えば、エアロゾルが媒質セグメント311を通過することによって媒質セグメント311からフリーニコチンが放出し、ユーザに吸入されることができる。
【0099】
図7を参照すると、一実施例に係る蒸気化器323は、液体貯蔵部3231、液体伝達手段3232、加熱要素3233、及び気流通路3234を含むことができる。蒸気化器323の各構成は、ポリカーボネートの素材で構成されてもよいが、これに制限されない。
【0100】
一実施例において、液体貯蔵部3231は、加熱時にエアロゾルが生成できる液状組成物を貯蔵することができる。一実施例によれば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、他の実施例によって、液状組成物は非タバコ物質を含む液体であってもよい。また、液状組成物は0.1~2.0mL容量の液体を貯蔵することができるが、これに制限されない。また、液体貯蔵部3231は蒸気化器323内で入れ替え可能に結合されていてもよい。
【0101】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、又はビタミン混合物を含むことができる。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物香成分などを含むことができるが、これらに制限されない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供することができる成分を含み得る。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものであってもよいが、これらに制限されない。さらに、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含み得る。
【0102】
一実施例において、液体伝達手段3232は、液体貯蔵部3231の液状組成物を加熱要素3233に伝達することができる。一実施例によって、液体伝達手段3232は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックなどのウィック(wick)になり得るところ、毛細管現象を用いて液体貯蔵部3231の液状組成物を加熱要素3233に伝達することができる。
【0103】
一実施例において、加熱要素3233は、液体伝達手段3232によって伝達される液状組成物を加熱するための要素であるところ、金属熱線、金属熱板、セラミックヒーターなどになり得る。また、加熱要素3233は、ニクロム線などの伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段3232に巻き付けられる構造で配置されてもよい。加熱要素3233は、電流供給によって加熱されることができ、加熱要素3233と接触された液体組成物に熱を伝達して液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されることができる。
【0104】
一実施例において、気流通路3234は、生成されたエアロゾルが挿入されたエアロゾル発生物品31に向かって放出するように配置されてもよい。すなわち、加熱要素3233によって生成されたエアロゾルは、気流通路3234を介して放出することができる。
【0105】
一実施例において、制御部322は、加熱要素3233に供給される電流を制御して、加熱要素3233の温度を制御することができる。したがって、制御部322は、加熱要素3233に供給される電流を制御して、液状組成物から生成されるエアロゾル量を制御することができる。また、制御部322は、ユーザのパフ感知時に、既に設定された時間中に加熱要素3233に電流を供給するように制御することができる。例えば、制御部322は、ユーザのパフを感知したときから1~5秒間加熱要素3233に電流が供給されるように制御することができる。
【0106】
一実施例において、制御部322は、気流通路3234の開閉状態を制御して蒸気化器323から放出するエアロゾルの量を制御することができる。具体的には、制御部322は、気流通路3234の空隙の大きさを大きくして、蒸気化器323から放出するエアロゾル量を増加させることができ、気流通路3234の空隙の大きさを小さくして、蒸気化器323から放出するエアロゾル量を減少させることができる。例えば、制御部322は、ダイヤル方式を用いて気流通路3234の空隙を制御することができる。
【0107】
一実施例において、制御部322は、液体貯蔵部3231の液状組成物が既に設定された量よりも少ない場合、振動モータ又はディスプレイを通じてユーザに液状組成物が不足しているという情報を知らせることができる。
【0108】
上述した実施例についての説明は例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、それから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められるべきであり、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲の全ての相違点は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0109】
前述した任意の実施例の特徴及び様態は、明らかな技術的衝突という結果をもたらさない限り、他の任意の実施例の特徴及び様態と組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】