(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】液体インピンジャサンプリングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/02 20060101AFI20240730BHJP
C12Q 1/04 20060101ALN20240730BHJP
C12M 1/04 20060101ALN20240730BHJP
C12M 1/26 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
G01N1/02 A
C12Q1/04
C12M1/04
C12M1/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572597
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022034871
(87)【国際公開番号】W WO2023283064
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シャッロ, ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】レッキア, ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G052AA03
2G052AA04
2G052AA36
2G052AC13
2G052AC27
2G052BA17
2G052DA27
2G052FC06
2G052FC09
2G052GA29
2G052JA16
4B029AA09
4B029BB02
4B029BB06
4B029BB13
4B029CC01
4B029DB11
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4B029HA05
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4B063QQ05
4B063QQ18
4B063QS10
4B063QS39
(57)【要約】
液体インピンジャが開示される。この液体インピンジャは、内部に配置され、下部に取り付けられているノズルを備える。いくつかの態様において、この液体インピンジャは、ポリマー材料を含む。また、液体インピンジャを構成する方法であって、少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、それらを液体インピンジャとして組み立てるステップと、液体インピンジャを液体で充填するステップと、使用前に充填液体インピンジャを放射線に曝露して滅菌するステップとを含む方法が開示される。また、被験物質を含むガスを液体インピンジャ中で搬送し、その少なくとも一部をガスから含有液体に移動させることによって液体インピンジャを使用する方法が開示される。この方法は、被験物質をガスから液体に移動させた後、液体インピンジャから液体を取り出すことなく、液体中の被験物質の少なくとも一部の培養及び/又は検出を行うステップをさらに含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を有する容器と、
前記内部に配置され、前記下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して前記内部と流体連通しているガス入口であり、前記ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
前記内部と流体連通しているガス出口と、
前記内部に含まれている液体と、
を備える、液体インピンジャであって、
前記ガス入口、前記少なくとも1つのノズル、前記内部、及び前記ガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
前記ノズルが、前記ガス流路に沿うガスの搬送によって前記ガスが前記液体を通過するように構成されている、液体インピンジャ。
【請求項2】
ポリマー材料を含む、請求項1に記載の液体インピンジャ。
【請求項3】
前記ポリマー材料が、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、ポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項2に記載の液体インピンジャ。
【請求項4】
ベータ線に対して透明な材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項5】
前記液体が、放射線により滅菌されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項6】
前記液体インピンジャが、成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、加法製造、3次元印刷、減法製造、鋳造、成形、真空成形、押出、又はこれらの任意の組み合わせを含むプロセスにより生成され、任意選択として、前記プロセスが、前記液体インピンジャを形成するように一体接合された少なくとも3つの別個の構成要素を生成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項7】
少なくとも2つのノズル又は少なくとも3つのノズルを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項8】
各ノズル開口が、0.1mm~3.2mmの直径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのノズルが、円弧を含む形状を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項10】
前記円弧が実質的に、前記垂直軸と85°~95°の角度を成す平面内にある、請求項9に記載の液体インピンジャ。
【請求項11】
前記ガス入口が、前記内部において前記上部から前記下部まで延びている管によって、前記少なくとも1つのノズルに接続されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項12】
前記管が、前記垂直軸に沿って実質的に直線である、請求項11に記載の液体インピンジャ。
【請求項13】
前記ガス流路が、前記管と前記少なくとも1つのノズルとの間において、80°~100°の角度で屈曲している、請求項11又は12に記載の液体インピンジャ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのノズルが、0°~40°の水平角を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのノズルが、-40°~40°の垂直角を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項16】
前記下部が、実質的に前記垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている円筒壁を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項17】
前記下部と前記上部との間の少なくとも1つの拡張部であり、前記拡張部の最大拡幅点が、前記下部の最大拡幅点の内部断面積よりも大きな内部断面積を有する、少なくとも1つの拡張部をさらに備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項18】
前記拡張部が、実質的に球又は楕円の形状である、請求項17に記載の液体インピンジャ。
【請求項19】
前記拡張部と前記上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、前記少なくとも1つのテーパ部が、前記垂直軸に沿って、前記上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部をさらに備える、請求項17又は18に記載の液体インピンジャ。
【請求項20】
前記拡張部と前記テーパ部との間に少なくとも1つの実質的直線壁構成部をさらに備える、請求項17~19のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項21】
前記下部が、実質的に球又は楕円の形状を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項22】
前記下部と前記上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、前記少なくとも1つのテーパ部が、前記垂直軸に沿って、前記上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部をさらに備える、請求項21に記載の液体インピンジャ。
【請求項23】
前記下部が、側壁をさらに備え、前記ノズル開口が、前記側壁の10mm以内又は前記側壁と実質的に同一平面で配置されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項24】
前記液体インピンジャが、15mL~200mLの体積の前記液体で動作するように構成されている、請求項1~23のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項25】
前記液体インピンジャの少なくとも一部が、照射による前記液体(存在する場合)及び前記内部の滅菌を可能にするため、放射線に対して十分に透明な材料で構成されている、請求項1~24のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項26】
前記液体インピンジャの前記下部のねじ山に沿うねじ回し式の回転によって、前記下部が前記液体インピンジャに対して取り付けられ又は前記液体インピンジャから取り外されるように構成されている、請求項1~25のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項27】
ガス流のモニタリングに一度使用された後、廃棄されるように構成されている、請求項1~26のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項28】
前記液体が、消泡剤を含み、任意選択として、前記消泡剤が、0.001体積%~1体積%の濃度で前記液体中に存在する、請求項1~27のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項29】
前記容器が、前記容器の前記内部における前記液体への選択的なアクセスによって、前記容器中の前記液体のサンプリングを可能にするように構成されているサンプリングポートを備える、請求項1~28のいずれか一項に記載の液体インピンジャ。
【請求項30】
前記容器が、前記サンプリングポートを封止するための取り外し可能なキャップを備える、請求項29に記載の液体インピンジャ。
【請求項31】
前記キャップが、前記容器の前記内部を封止状態に維持しつつ、ニードルを受容して前記容器の前記内部からの液体の引き出しを可能にするように構成されている隔膜を備える、請求項30に記載の液体インピンジャ。
【請求項32】
被験物質を含むガスを液体インピンジャに流すステップであって、前記液体インピンジャが、
垂直軸、上部、液体を含む内部、及び内部基部を含む下部を有する容器と、
前記内部に配置され、前記下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して前記内部と流体連通しているガス入口であり、前記ノズルが、ノズル開口を含み、前記ノズル開口が、前記液体に浸漬されている、ガス入口と、
前記内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、前記ガス入口、前記少なくとも1つのノズル、前記内部、及び前記ガス出口が、ガス流路を順次規定している、ステップと、
前記ガスを前記液体と接触させるステップと、
前記接触に応答して、前記被験物質の少なくとも一部を前記ガスから前記液体に移動させるステップと、
を含む方法。
【請求項33】
前記被験物質が、粒子、分子被験物質、又はこれらの組み合わせである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記液体インピンジャが、少なくとも2つの構成要素を備え、前記方法が、前記用意するステップに先立って、前記少なくとも2つの構成要素の組み立ての前後いずれかに前記容器を前記液体で充填するステップをさらに含む、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記搬送するステップに先立って、組み立て形態及び/又は充填形態の前記液体インピンジャを放射線で照射することにより、前記内部の少なくとも一部及び前記内部に含まれる前記液体の少なくとも一部を滅菌するステップであって、前記液体インピンジャの少なくとも一部が、前記滅菌を可能にするため、前記放射線に対して十分に透明な材料で構成されている、ステップをさらに含む、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記被験物質の少なくとも一部が、生物学的粒子を含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記移動させるステップの後、生物学的粒子の成長を促進するのに十分な条件の下で前記液体を培養するステップであって、前記液体が、成長媒体を含む、ステップをさらに含む、請求項32~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記生物学的粒子が前記液体中に存在するかを検出するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記検出するステップが、(1)眼による視覚検査、光学検出器、撮像装置、紫外-可視、近赤外、赤外、若しくは蛍光分光法の使用のうちの少なくとも1つを含む光学検出、(2)前記液体中の酸素レベル若しくは二酸化炭素レベルの変化の認識、又は(3)任意選択としてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ヌクレオチド配列決定、ハイブリダイゼーション、制限断片長多型(RFLP)分析、フローサイトメトリ、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)、免疫学的同定、脂肪酸プロファイリング、代謝プロファイリング、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む分析室技術を用いた前記液体インピンジャから抽出後の前記液体の分析のうちの少なくとも1つを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記培養するステップ又は前記検出するステップの少なくとも一方が、前記容器からの前記液体の除去も前記液体インピンジャの分解もなく実行される、請求項36~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記充填するステップ及び前記滅菌するステップの組み合わせ実行が、人間の前記液体との接触を最小限に抑え、前記検出するステップにおける誤検出を低減する、請求項36~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記用意するステップ、前記搬送するステップ、前記移動させるステップ、前記培養するステップ、及び前記検出するステップの1サイクルの実行後、(1)前記液体インピンジャを廃棄するステップ、(2)前記用意するステップ、前記搬送するステップ、前記移動させるステップ、前記培養するステップ、及び前記検出するステップの第2のサイクルに備えて前記液体インピンジャを二度と滅菌しないステップ、又は(3)前記用意するステップ、前記搬送するステップ、前記移動させるステップ、前記培養するステップ、及び前記検出するステップの第2のサイクルを二度と実行しないステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項36~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つのノズルが、少なくとも2つのノズル又は少なくとも3つのノズルを含む、請求項32~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
各ノズル開口が、0.1mm~3.2mmの直径を有する、請求項32~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも1つのノズルが、円弧を含む形状を含み、前記円弧が実質的に、前記垂直軸と85°~95°の角度を成す平面内にある、請求項32~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つのノズルが、0°~40°の水平角を有する、請求項32~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記ガス入口が、前記内部において前記上部から前記下部まで延びている管によって、前記少なくとも1つのノズルに接続されている、請求項32~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記下部が、円筒、球、又は楕円の形状を含み、前記液体インピンジャが、
前記下部と前記上部との間の少なくとも1つの拡張部であり、前記拡張部の最大拡幅点が、前記下部の最大拡幅点の内部断面積よりも大きな内部断面積を有する、少なくとも1つの拡張部と、
前記拡張部と前記上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、前記少なくとも1つのテーパ部が、前記垂直軸に沿って、前記上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部と、
をさらに備える、請求項32~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記下部が、側壁をさらに備え、前記ノズル開口が、前記側壁の10mm以内又は前記側壁と実質的に同一平面で配置されている、請求項32~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記搬送するステップが、1L/分~20L/分の流量で実行される、請求項32~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記液体インピンジャが、ポリマー材料を含む、請求項32~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記ポリマー材料が、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、ポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記移動させるステップに応答して、前記容器の前記内部からサンプリングポートを介して前記液体のサンプルを取り出すステップを含む、請求項32~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
サンプルを取り出す前記ステップが、ニードルを前記サンプルポートの隔膜に挿入することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
任意選択として、前記少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、前記組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
前記内部に配置され、前記下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して前記内部と流体連通しているガス入口であり、前記ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
前記内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
前記ガス入口、前記少なくとも1つのノズル、前記内部、及び前記ガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
前記容器が、液体を前記内部に含むように構成されている、ステップと、
任意選択として、前記組み立て液体インピンジャの前記内部の一部を前記液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、前記充填液体インピンジャを放射線に曝露して、前記液体インピンジャの前記内部に存在する前記液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、前記曝露ステップの前後いずれかに、前記液体インピンジャの前記内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、前記充填液体インピンジャ又は前記充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法。
【請求項56】
充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
充填液体インピンジャを用意することを含む第1の用意するステップであり、前記充填液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
前記内部に配置され、前記下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して前記内部と流体連通しているガス入口であり、前記ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
前記内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
前記ガス入口、前記少なくとも1つのノズル、前記内部、及び前記ガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
前記容器が、液体を前記内部に含む、第1の用意するステップと、
前記充填液体インピンジャを放射線に曝露して、前記液体インピンジャの前記内部に存在する前記液体の少なくとも一部を滅菌することにより、前記充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、前記曝露ステップの前後いずれかに、前記液体インピンジャの前記内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、前記充填液体インピンジャ又は前記充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法。
【請求項57】
前記第1の用意するステップに先立って、
組み立て液体インピンジャを用意することを含む第2の用意するステップであり、前記組み立て液体インピンジャが、前記液体を伴わない前記充填液体インピンジャを含む、第2の用意するステップと、
前記組み立て液体インピンジャの前記内部の一部を前記液体で充填することにより、前記充填液体インピンジャを生成するステップと、
をさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第2の用意するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、前記組み立て液体インピンジャを生成するステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記組み立てるステップに先立って、前記少なくとも2つの構成要素を形成するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
前記少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、前記組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
前記内部に配置され、前記下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して前記内部と流体連通しているガス入口であり、前記ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
前記内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
前記ガス入口、前記少なくとも1つのノズル、前記内部、及び前記ガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
前記容器が、液体を前記内部に含むように構成されている、ステップと、
前記組み立て液体インピンジャの前記内部の一部を前記液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
前記充填液体インピンジャを放射線に曝露して、前記液体インピンジャの前記内部に存在する前記液体の少なくとも一部を滅菌することにより、前記充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、前記曝露ステップの前後いずれかに、前記液体インピンジャの前記内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、前記充填液体インピンジャ又は前記充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法。
【請求項61】
前記パッケージングするステップが、実行され、(1)キャップを1つ又は複数のガス入口及びガス出口に取り付けること、(2)前記充填液体インピンジャ又は前記充填・滅菌液体インピンジャをコンテナに封入すること、又は(3)これらの組み合わせを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記形成するステップが、実行され、成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、加法製造、3次元印刷、減法製造、鋳造、成形、真空成形、押出、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項63】
前記形成するステップが、実行され、1つ又は複数のポリマー材料を前記少なくとも2つの構成要素として形成する、請求項60~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ又は複数のポリマー材料が、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、ポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも2つの構成要素が、3つの構成要素を含む、請求項60~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記放射線が、ベータ、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項60~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記液体が、成長媒体を含む、請求項60~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記充填するステップに先立って、前記少なくとも2つの構成要素、前記組み立て液体インピンジャ、又は両者を放射線で照射して滅菌するステップであり、前記放射線が、ベータ、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む、ステップをさらに含む、請求項60~67のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2021年7月9日に出願された米国特許仮出願第63/220,176号に対する優先権の利益を主張するものであり、そのすべての内容を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本発明は一般的に、粒子のサンプリング、収集、及び分析の分野におけるものである。本発明は一般的に、様々なクリーンルーム及び製造環境において生存する生物学的汚染物質の評価を含む用途に対して、空気及びプロセス薬品を含むガス中の粒子をサンプリングして特性評価するための装置及び方法に関する。
【0003】
[0003]生存する生物学的粒子を含む汚染物質の存在についてガス流をモニタリングすることは、医薬品及び生物学的製剤、食品及び飲料、並びに化粧品を含む多くの産業において重要である。これらの産業においては、ごくわずかなレベルであっても、粒子の存在が製造プロセス並びに製品の完全性若しくは品質に悪影響を及ぼし得る。さらに、規制条件及び業界標準には、関連するプロセス条件認証の要件に適合する低粒子レベルの確立及び維持を含む。例えば、医薬品及び生物学的製剤の製造において、生存する生物学的汚染物質から成る浮遊微粒子による汚染は、米国食品医薬品局(FDA)並びに他の外国の国際的な衛生規制機関により定められた厳しい規格の遵守を必要とする健康及び安全上の懸念から、治療薬をリスクにさらす。
【0004】
[0004]微粒子汚染の影響に対処するため、粒子及び他の汚染物質の存在及び量の能動的なモニタリング及び文書化がなされる多様な製造及び製作環境及び施設においては、クリーンルーム及びクリーンゾーンが一般的に採用されている。クリーンルームの粒子レベルの分類のための規格並びにコンプライアンスを確保する試験及びモニタリングのための規格は、ISO 14664-1及び14664-2により提供される。クリーンルーム及びクリーンゾーンにおける浮遊粒子汚染レベルの決定には、エアロゾル光学粒子計数器が一般的に使用され、プロセスガス中の粒子汚染レベルの光学的測定には、液体粒子計数器が使用される。医薬品及び生物学的製剤産業等において、微生物粒子が特別な関心を引く場合は、浮遊粒子数の定量化が重要であるのみならず、微生物粒子の生存性及び同一性の特性評価も問題となる。ISO 14698-1及び14698-2は、生物汚染物質に関するクリーンルーム及びクリーンゾーン環境の評価の基準を提供する。
【0005】
[0005]沈降板、接触板、表面スワビング、指先サンプリング、寒天充填ペトリ皿、インパクタベースのサンプラ、及び液体インピンジャ等、クリーンルーム用途でのガス流中の生存する生物学的粒子の存在に対する収集、分析、及びモニタリングのための様々な液体インピンジャ及び方法が知られている。これらの種類の生物学的粒子収集及び分析技術の場合は、効率的な収集、検出、及び分析の確保に対して様々な運用態様が重要となる。例えば、生物学的粒子がクリーンルームの空気中に存在することを検出できなければ、クリーンルーム環境が検出よりも高いレベルで汚染されている可能性があるため、収集効率が非常に重要になることがある。過小計数が発生したものと判定された場合は、これらの環境において作られた医薬品が所要の基準を満たしていないものと識別され、製品リコールとなって費用が発生する可能性もある。同様に、収集プロセスにおいて、収集された生物学的粒子の生存性を維持できない場合は、過小計数となる可能性がある。このような状況は、例えば、収集された生物学的粒子の収集及び成長に際しての破壊、損傷、或いは生存不能化によって、収集粒子が培養プロセスにおいて複製されず、後で識別不可能となる場合に発生し得る。
【0006】
[0006]正反対に、誤検出の発生によって、生物学的粒子の濃度が過大評価となる可能性もある。この性質の過大計数は、クリーンルームの空気からは収集されないものの、成長媒体と接触するように置かれた生物学的粒子が培養プロセスにおいて複製可能となり、クリーンルームの空気に由来するものとして不適切に識別される場合に生じる。誤検出に寄与する状況には、粒子収集に先立つ収集媒体及び収集システムの適正な滅菌の欠如と、粒子収集システムへの設置並びに/又は粒子収集システムからの取り出し及び培養器への搬入に際してのクリーンルーム担当者による成長媒体の不適正な取り扱いと、を含む。この場合も、医薬品が所要の基準を満たさないものと識別され得る。誤検出を識別するための十分な尺度がなければ、このような状況によって、医薬品が実際には所要の基準を満たすものの、クリーンルームの空気における生物学的粒子の濃度の過大評価によって破壊され、基準が満たされていないことを示す可能性がある。
【0007】
[0007]使い捨ての寒天充填ペトリ皿及び使い捨てのインパクタ等、いくつかの解決手段は、成長/培養ステップを通じて媒体の非接触を可能にする一方、検出又は認識については手動実行の場合が多く、人間の操作/介入による汚染の可能性があるため、誤検出が発生し得る。例えば、米国特許第10,345,200号に記載のような使い捨てのインパクタベースのサンプラは、完全に統合された構成での滅菌、サンプリング収集、及び/又は読み出しを可能にするように設計された使い捨てのインパクタベースの空気サンプラを提供するため、誤検出の影響を受けにくくなる。ただし、寒天ペトリ皿及び使い捨てのインパクタにおいてサンプリングされた微生物の培養又は成長に要する時間は通常、数日であるため、サンプリングと培養の結果の受け取りとの間に不要な遅延が生じ得る。
【0008】
[0008]液体インピンジャは、分子汚染のみならず、生物学的粒子をサンプリングするための汎用的なサンプリングプラットフォームを提供する。これらの装置は、液体吸収性材料等の吸収性材料にガス(例えば、空気、プロセスガス、又はガス混合物)を流し、設定時間にわたってガスに曝露した後に取り出して、培養後の検査並びに/又はPCR、質量分析、及び/若しくはクロマトグラフィ等の化学的方法によるガス中から吸収性材料に移動した汚染物質の識別、特性評価、及び/又は定量化等の外部試験を実行することによって機能する。例えば、米国特許出願公開第2021/0063349号は、一定の実時間基準を満たすことにより、ガスサンプル及び環境中の汚染物質のトリガ検出及び特性評価を可能にする実時間分析器を使用するインピンジャベースのサンプリングシステムを提供する。
【0009】
[0009]従来のインピンジャシステムは、様々な障害の影響を受けやすい。例えば、既知のインピンジャは通例、ガラスで構成されているため、消耗品(すなわち、使い捨て)ではない。繰り返しの各使用に先立って、洗浄及び滅菌を行う必要がある。この余分な洗浄及び滅菌のプロセスによって、特にこれが十分でない場合は汚染の可能性がある。さらに、既知の液体インピンジャは、大き過ぎるため、モニタリング点での理想的な配置が不可能となることも多い。大型の液体インピンジャでは、サンプリングプロセスによる蒸発を緩和するため、十分な体積の液体成長媒体を含むことが必要となるためである。
【0010】
[0010]したがって、生存する生物学的粒子の十分なサンプリングを実現し得るサンプリングシステム及び方法が依然として求められている。例えば、収集された生物粒子の生存性を維持しつつ高い粒子収集効率をもたらすクリーンルーム及び製造用途の粒子収集システムが求められている。また、誤検出事象の発生を抑えられるクリーンルーム及び製造用途の粒子収集システムが求められている。
【発明の概要】
【0011】
[0011]本発明は一般的に、粒子及び/又は分子被験物質等、ガス中の被験物質のサンプリング、検出、及び/又は特性評価を行うための装置及び方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、微生物等の生存する生物学的粒子及び分子汚染物質のサンプリング、収集、及び分析のための装置及び方法を提供する。本発明の装置及び方法は、クリーンルーム及び無菌環境等、汚染物質の低レベル化を必要とする製造環境における粒子及び/又は分子汚染物質等の被験物質の収集及び/又は分析のためのインピンジャ及びバブラーを含む。本発明の装置及び方法は、サンプリング、粒子成長、及び/又は分析プロセス中の汚染による誤検出の発生等、ユーザの取り扱いと関連付けられたリスクを最小化又は完全に排除するように、完全に統合された構成での充填、滅菌、使用、及び/又は読み出しを可能にする使い捨てのインピンジャ及びバブラーを含む。本発明の装置及び方法は、ポリマー材料(例えば、成型、押出、真空成形、3次元印刷、及び減法製造により製造可能なポリマー材料並びに/又は可視スペクトル領域において少なくとも部分的に光学的に透明なポリマー材料)を含む使い捨てのインピンジャ及びバブラーを含む。
【0012】
[0012]いくつかの態様において、本明細書には、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備える、液体インピンジャであって、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、液体インピンジャが開示される。
【0013】
[0013]一実施形態において、容器は、当該容器の内部における液体への選択的なアクセスによって、当該容器中の液体のサンプリングを可能にするように構成されているサンプリングポートを備える。一実施形態において、容器は、サンプリングポートを封止するための取り外し可能なキャップを備える。一実施形態において、キャップは、容器の内部を封止状態に維持しつつ、ニードルを受容して容器の内部からの液体の引き出しを可能にするように構成されている隔膜を備える。
【0014】
[0014]いくつかの態様において、本明細書には、
任意の先行態様に記載の液体インピンジャ又は
垂直軸、上部、液体を含む内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含み、ノズル開口が、液体に浸漬されている、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定する液体インピンジャを用意するステップと、
被験物質を含むガスをガス流路に沿って液体と接触するまで、任意選択として、液体中で搬送するステップと、
被験物質の少なくとも一部をガスから液体に移動させるステップであり、任意選択として、被験物質が、粒子、分子被験物質、又はこれらの組み合わせを含み、さらに任意選択として、いくつかの実施形態では、被験物質が、生物学的粒子を含む、ステップと、
を含む方法が開示される。
【0015】
[0015]一実施形態において、この方法は、移動させるステップに応答して、容器の内部からサンプリングポートを介して液体のサンプルを取り出すステップを含んでいてもよい。一実施形態において、サンプルを取り出すステップは、ニードルをサンプルポートの隔膜に挿入することを含む。
【0016】
[0016]いくつかの態様においては、液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
任意選択として、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、ステップと、
任意選択として、組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法が開示される。
【0017】
[0017]いくつかの態様においては、充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、ステップと、
組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法が開示される。
【0018】
[0018]いくつかの態様においては、充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
充填液体インピンジャを用意することを含む第1の用意するステップであり、充填液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含む、ステップと、
充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法が開示される。
【0019】
[0019]いくつかの実施形態において、本システム及び方法の液体インピンジャは、粒子及び/又は分子被験物質等の被験物質のためのサンプリング器、収集器、又は分析器である。いくつかの実施形態において、本システム及び方法の液体インピンジャは、粒子及び/又は分子被験物質等の被験物質をサンプリングするためのインピンジャ又はバブラーである。いくつかの実施形態において、この方法は、ガス中の被験物質のサンプリング、特性評価、及び/又はモニタリングのためのものであり、任意選択として、被験物質は、生物学的粒子若しくは非生物学的粒子等の粒子、又は、分子汚染物質、不純物、若しくはプロセス薬品等の分子被験物質、或いはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0020】
[0020]本明細書においては、如何なる特定の理論にも拘束されることなく、本明細書に開示の装置及び方法に関連する基本原理の考え又は理解についての議論が可能である。如何なる機構的説明又は仮説の最終的な正しさにも関わらず、本発明の一実施形態は、有効且つ有用となり得ることが確認される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ノズルが内部に配置されるとともに下部に取り付けられ、内部において上部から下部まで延びている管によってガス入口がノズルに接続されている液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示す図である。
【
図2】内部を通って延びる管ではなく、ガスを供給する管が液体インピンジャの底から近づいている点を除いて、
図1に類似する液体インピンジャのいくつかの態様を示す図である。
【
図3】例えば液体、拡張部、及びテーパ部を追加で備える点を除いて、
図1に類似する液体インピンジャのいくつかの態様を示す図である。
【
図4】例えば異なる形状の拡張部及び先細りがより緩やかなテーパ部を有する点を除いて、
図3に類似する液体インピンジャのいくつかの態様を示す図である。
【
図5】例えば異なる形状の下部を有し、下部の上方に拡張部が配置されていない点を除いて、
図4に類似する液体インピンジャのいくつかの態様を示す図である。
【
図6A】例えば内部基部の形状、ノズル構成、並びに/又はガス供給管と(1つ若しくは複数の)ノズルとの間の取り付け形状が異なる点を除いて、他の図に示す液体インピンジャに類似する液体インピンジャの一態様を示す図である。
【
図6B】例えば内部基部の形状、ノズル構成、並びに/又はガス供給管と(1つ若しくは複数の)ノズルとの間の取り付け形状が異なる点を除いて、他の図に示す液体インピンジャに類似する液体インピンジャの一態様を示す図である。
【
図6C】例えば内部基部の形状、ノズル構成、並びに/又はガス供給管と(1つ若しくは複数の)ノズルとの間の取り付け形状が異なる点を除いて、他の図に示す液体インピンジャに類似する液体インピンジャの一態様を示す図である。
【
図6D】例えば内部基部の形状、ノズル構成、並びに/又はガス供給管と(1つ若しくは複数の)ノズルとの間の取り付け形状が異なる点を除いて、他の図に示す液体インピンジャに類似する液体インピンジャの一態様を示す図である。
【
図7A】本明細書の他の箇所に記載の用語「水平角(horizontal angle)」の定義の理解に役立つノズル構成の一態様を示す図である。
【
図7B】本明細書の他の箇所に記載の用語「水平角(horizontal angle)」の定義の理解に役立つノズル構成の一態様を示す図である。
【
図8】本明細書の他の箇所に記載の用語「垂直角(vertical angle)」の定義の理解に役立つノズル構成の態様を示す図である。
【
図9】
図3に類似する液体インピンジャの詳細版を示す図である。
【
図11】液体インピンジャを生成するための方法のいくつかの態様のフロー図である。
【
図12】外形線がそれぞれ別個の構成要素を示す3つの構成要素から成る液体インピンジャを示す図である。
【
図13A】ノズルに対するガス入口及び管の例示的な角度配向を示す液体インピンジャの斜視図である。
【
図13B】ノズルに対するガス入口及び管の例示的な角度配向を示す液体インピンジャの斜視図である。
【
図14A】液体インピンジャのノズルの例示的な角度配向を示す上面図である。
【
図14B】液体インピンジャのノズルの例示的な角度配向を示す上面図である。
【
図15B】液体インピンジャの側方切り欠き図である。
【命名規則に関する記述】
【0022】
[0036]一般的に、本明細書に使用の用語及び表現は、それぞれの技術で認識された意味を有し、当業者が把握している標準のテキスト、ジャーナル参考文献、及び背景の参照により見出すことができる。以下の定義は、本発明の背景におけるそれぞれの具体的使用を明確にするためのものである。
【0023】
[0037]本明細書における使用の場合、「被験物質(analyte)」は、サンプリング、検出、モニタリング、及び/又は分析の対象となる1つ又は複数の種、組成物、又は材料を表す。被験物質は、原子、イオン、クラスタ、及び分子種を表す場合もあるし、粒子(生物学的粒子及び非生物学的粒子を含む)を表す場合もある。いくつかの実施形態において、被験物質は、液体、気体、又はこれらの任意の混合物の微量成分、不純物、及び/又は汚染物質等、気体の微量成分、不純物、及び/又は汚染物質であり、水、空気、溶媒、溶液、プロセス液体薬品、プロセスガス、製造及び/又は処理環境又はプロセスからの気体又は液体を含む。一実施形態において、被験物質は、モニタリングを受けるサンプル、プロセス、又は環境(クリーンルーム又はクリーンゾーン環境等)からの気体又は液体等、モニタリングを受けるガス中に存在する。一実施形態において、被験物質は、粒子であり、任意選択として、生存する生物学的粒子等の生物学的粒子である。一実施形態において、被験物質は、分子被験物質である。
【0024】
[0038]用語「粒子(particle又はparticles)」は、汚染物質として扱われることが多い微小物体を表す。粒子としては、例えば2つの表面が機械的に接触し、機械的な移動がある場合に、摩擦の作用で生成される任意の材料が可能であるが、必ずしもその必要はない。粒子は、単一成分も可能であるし、塵埃、塵芥、煙、灰、水、煤煙、金属、酸化物、セラミックス、鉱物、或いはこれら又は他の材料若しくは汚染物質の任意の組み合わせ等、材料の集合体での構成も可能である。また、「粒子(particle)」は、生物学的粒子(例えば、細菌、真菌、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物を含むウイルス、胞子、及び微生物)を表す場合もある。生物学的粒子としては、粒径が0.1~20μmの微生物が挙げられるが、これに限定されない。生物学的粒子には、例えば成長媒体内での培養に際して再生可能な生存する生物学的粒子を含む。例えば、いくつかの実施形態において、生物学的粒子は、0.1~15μmの範囲、任意選択としていくつかの用途では、0.5~5μmの範囲のサイズ寸法(例えば、有効径)を特徴とする。粒子は、インピンジャ、インパクタ、バブラー、又は粒子計数器等の粒子サンプリング器、収集器、又は検出器による収集、検出、特性評価、及び/又は識別が可能な微小物体を表す場合もある。粒子は、光を吸収又は散乱するために光学粒子計数器で検出可能な任意の微小物体を表す場合もある。本明細書における使用の場合、「粒子(particle又はparticles)」は、キャリアガス又はサンプル媒体(例えば、水、空気、プロセス液体薬品、プロセスガス、窒素、酸素、二酸化炭素等)の個々の原子又は分子を除くことが意図される。いくつかの実施形態において、粒子は最初、微細加工施設における工具表面又は医薬品製造施設における生成表面等の表面上に存在し、表面から解放された後、ガス中で分析される場合もある。本発明のいくつかの実施形態では、50nmより大きい、100nm、1μm以上、又は10μm以上のサイズを有する材料の集合体を含む粒子のサンプリング、収集、検出、サイズ規定、及び/又は計数が可能である。いくつかの実施形態において、粒子には、50nm~50μmから選択されるサイズ、100nm~10μmから選択されるサイズ、又は500nm~5μmから選択されるサイズを有する粒子を含む。
【0025】
[0039]本明細書における使用の場合、用語「粒径(particle size)」は、文脈から明らかなように、粒子の平均若しくは有効径、粒子の平均若しくは有効長さ、粒子の平均若しくは有効幅、粒子の等価球径(等価体積の球の直径)、又は粒子の最大寸法を表す。
【0026】
[0040]表現「分子被験物質(molecular analyte)」は、原子、イオン、クラスタ、及び分子種を含む被験物質を表す。分子被験物質は、分子汚染物質、不純物、プロセス薬品、微量成分等を含む。一実施形態において、分子被験物質には、HF、HCl、HBr、HNO3、H2SO4、H3PO4、HCOOH、及びCH3COOH、又はこれらの任意の組み合わせ等、1つ又は複数の酸を含む。一実施形態において、分子被験物質には、NH3、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、及びN-メチル-2-ピロリドン、又はこれらの任意の組み合わせ等、1つ又は複数の塩基を含む。一実施形態において、分子被験物質には、CH3OH、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、及びヘキサメチルジシラザン、又はこれらの任意の組み合わせ等、1つ又は複数の揮発性有機化合物を含む。
【0027】
[0041]本明細書における使用の場合、「インピンジャ(impinger)」は、ガスを受容するためのコンテナ、通路、又は容器を表し、ガス中の被験物質のインピンジャ媒体との接触によって、被験物体の捕捉、収集、及び/又は変換を行う。本システム及び方法に有用なインピンジャは、1つ又は複数の液体(溶液を含む)、ゲル、及び/又はゾルを含む被験物質の捕捉、収集、及び/又は変換のための様々なインピンジャ媒体を収容或いは内蔵する場合もある。いくつかの実施形態において、インピンジャは、例えばガスがインピンジャを流れることにより溶液又は溶媒等の液体を攪拌又は気泡化する装置である「バブラー」である。いくつかの実施形態において、インピンジャは、液体、溶液、ゾル、及び/又はゲル材料の層、膜、液滴、又はマトリクスを含むインピンジャ媒体を含む。インピンジャは、インピンジャ自体又はその構成要素から生じるイオン、分子、又は粒子等、収集、捕捉、又は変換がなされた被験物質のその後の検出及び/又は分析を妨げ得る種の発生を低減するため、反浸出性材料により製造される場合もある。
【0028】
[0042]表現「粒子のサンプリング(sampling a particle)」は、例えばモニタリングを受ける環境からのガス流中の粒子の収集を広く表す。この背景におけるサンプリングは、ガス流中の粒子の収集器、収集媒体及び/若しくは成長媒体(例えば、インピンジャ若しくはバブラーの液体媒体)、又はインパクタの衝撃面への移動を含む。或いは、サンプリングは、例えば光学的検出及び/又は特性評価のため、ガス中の粒子を粒子分析領域で搬送することを表す場合もある。サンプリングは、サイズ(例えば、直径、有効径等の断面寸法)、粒子種別(生物学的若しくは非生物学的、生存可能若しくは生存不可能等)、又は粒子組成等、予め選択された1つ又は複数の特性を有する粒子の収集を表す場合もある。サンプリングは、任意選択として、例えば後続の光学的分析、撮像分析、又は視覚的分析による収集粒子の分析を含む場合もある。サンプリングは、任意選択として、成長媒体を含む培養プロセスにより、サンプルのための生存する生物学的粒子の成長を含む場合もある。サンプリング器は、粒子及び/又は分子被験物質等の被験物質をサンプリングするための装置を表す。
【0029】
[0043]表現「粒子の検出(detecting a particle)」は、粒子の検知、有無の識別、及び/又は特性評価を広く表す。いくつかの実施形態において、粒子の検出は、粒子の計数を表す。いくつかの実施形態において、粒子の検出は、直径、断面寸法、形状、サイズ、空気力学的サイズ、又はこれらの任意の組み合わせ等、粒子の物理的特性の特性評価及び/又は測定を表す。いくつかの実施形態において、粒子の検出は、粒子の視覚化、視覚的計数、及び/又は光学的撮像を表す。粒子計数器は、ガス中又はガス体積中の粒子の計数のための装置であり、任意選択として、例えばサイズ(例えば、直径若しくは有効径等の断面寸法)、粒子種別(例えば、生物学的若しくは非生物学的)、又は粒子組成に基づく粒子の特性評価も可能にし得る。光学式粒子計数器は、粒子による光の散乱、放出、又は吸収を測定することにより粒子を検出する装置である。
【0030】
[0044]用語「ポリマー材料(polymeric material)」は、共有結合により連結された反復構造単位で構成された高分子又は1つ若しくは複数の単量体から成る重合生成物を表し、大きな分子量を特徴とすることが多い。用語「ポリマー材料」には、ホモポリマーすなわち単一の反復単量体サブユニットから本質的に成るポリマーを含む。また、用語「ポリマー材料」には、例えばランダム、ブロック、交互、セグメント、グラフト、テーパ、及び他のコポリマー等のコポリマーすなわち2つ以上の単量体サブユニットから本質的に成るポリマーを含む。本明細書における使用の場合、用語「ポリマー材料」には、ガラスもセラミックも含まない。
【0031】
[0045]「ポリマー(polymer)」は、共有結合により連結された反復構造単位で構成された高分子又は1つ若しくは複数の単量体から成る重合生成物を表し、大きな分子量を特徴とすることが多い。ポリマーという用語には、ホモポリマーすなわち単一の反復単量体サブユニットから本質的に成るポリマーを含む。また、ポリマーという用語には、例えばランダム、ブロック、交互、セグメント、グラフト、テーパ、及び他のコポリマー等のコポリマーすなわち2つ以上の単量体サブユニットから本質的に成るポリマーを含む。有用なポリマーには、非晶質、半非晶質、結晶、又は部分的結晶状態が考えられる有機ポリマー又は無機ポリマーを含む。単量体鎖が連結された架橋ポリマーは、いくつかの用途に対して特に有用である。上記方法、装置、及び構成要素において使用可能なポリマーとしては、プラスチック、エラストマー、熱可塑性エラストマー、エラストプラスチック、熱可塑性プラスチック、及びアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なポリマーとしては、アセタールポリマー、生分解性ポリマー、セルロースポリマー、フルオロポリマー、ナイロン、ポリアクリロニトリルポリマー、ポリアミド-イミドポリマー、ポリイミド、ポリアリレート、ポリベンゾイミダゾール、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー及び変性ポリエチレン、ポリケトン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、スチレン樹脂、スルホン系樹脂、ビニル系樹脂、ゴム(天然ゴム、スチレン-ブタジエン、ポリブタジエン、ネオプレン、エチレン-プロピレン、ブチル、ニトリル、シリコーンを含む)、アクリル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
[0046]用語「水平角(horizontal angle)」(θ)は、(1)垂直軸に沿って見た場合のノズル方向の水平成分と(2)ノズル方向の水平成分が側壁と交差する場所での接線との間に形成された角度を表す。ノズル方向には、その水平成分しか含まない。言い換えると、ノズルが垂直軸に沿って上下いずれかに角度付けられている範囲においては、そのような垂直成分が水平角の決定に際して考慮されない。
図7Aを参照することは、「水平角」(θ)の意味を理解するのに有用である。この点、ノズル方向の水平成分717は、(
図7Aに示すように)上部から下部への視点で垂直軸に沿ってノズルを見るとともに、ノズル開口の中心を通る垂直軸と垂直な仮想面(すなわち、水平面)を置き、この水平面において、ノズル方向の水平成分を表す線を引くことによって決定される(特徴717)。また、この水平面が側壁を通過する位置は、接線718を決定するための側壁の関連部分であって、垂直成分又はガス速度を考慮すると、ノズル方向が実際に側壁と交差する位置ではない。この水平面におけるノズル方向の水平成分717と接線718との間の角度が水平角θである。この定義は、球状、円筒状、楕円状、及び他の湾曲状の側壁の場合に適する。側壁が多角形等の異なる形状である状況においては、
図7Bに示すように、多角形等の形状に収まる最小の円に対して接線が決定される。
図7Bのその他の特徴は、
図7Aと同じである。
図7A及び
図7Bは、「水平角」の概念の理解には有用であるものの、数学的に正しく描写していないため、接線等の特定の特徴が必ずしも完璧な接線として示されないことから、一例に過ぎないものと捉えるべきである点に留意するものとする。
【0033】
[0047]用語「垂直角(vertical angle)」(φ)は、垂直軸と垂直な平面(すなわち、水平面)と垂直軸及びノズル方向と垂直な方向から見た場合のノズル方向との間に形成された角度を表す。
図8は、垂直角(φ)の理解に有用である。
図8は、下部803、ノズル808、ノズル開口809、垂直軸801、及び垂直軸801と垂直な水平面820を示している。垂直角の詳細をより明らかにするため、
図8は、ノズル/ノズル開口及びノズル方向を拡大して示している。ノズル808は、垂直軸801及びノズル方向819と垂直な方向から見ている。この視点から見た場合の平面820とノズル方向819との間に形成された角度(φ)が「垂直角」(φ)である。正の垂直角は、ノズル方向が上部(すなわち、水平面の上方)に向いていることを示し、負の垂直角は、ノズル方向が上部から離れる側(すなわち、水平面の下方)に向いていることを示し、0°の垂直角は、ノズル方向が水平面内にある(すなわち、上部も上部から離れる側も向いていない)ことを示す。
図7A及び
図7Bと同様に、
図8の特徴は、数学的に正しく描写していないため、一例に過ぎないものと捉えるべきである。
【0034】
[0048]「流体連通(fluid communication)」は、ある物体から別の物体へのガスの搬送、通過、又は流通を可能にする2つ以上の物体の構成を表す。例えば、いくつかの実施形態において、2つの物体間にガス流路が直接設けられている場合、これら2つの物体は相互に流体連通している。いくつかの実施形態において、2つの物体間に1つ又は複数の他の物体又は流路を含む場合等、2つの物体間にガス流路が間接的に設けられている場合も、これら2つの物体は相互に流体連通している。例えば、一実施形態においては、ガス入口、ガス出口、内部、ノズル、管、流れが制限された開口、圧力センサ、流れ生成装置のうちの1つ又は複数等、粒子インピンジャの構成要素が相互に流体連通している。一実施形態において、ガス中に存在する2つの物体は、流路等に沿った第1の物体から第2の物体へのガスの引き込み、通過、及び/又は流通がなければ、必ずしも相互に流体連通してない。
【0035】
[0049]「流量(flow rate)」は、粒子インピンジャ又はバブラーの吸気口又はガス出口等の規定点又は規定エリアを通って流れるガスの量を表す。一実施形態において、流量は、質量流量すなわち規定点又は規定エリアを通って流れるガスの質量を表す。一実施形態において、流量は、体積流量すなわち規定点又は規定エリアを通って流れるガスの体積を表す。
【0036】
[0050]本明細書において数値(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)を開示する場合は、通常、このような数値の後に「上記各数値の前後には、用語『約~』、『少なくとも~』、『少なくとも約~』、『~未満』、又は『約~未満』を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である」という文が続く。この文は、前述の数値それぞれを単独で使用することも可能であるし(例えば、4)、単語「約(about)」の前置き(例えば、約8)、表現「少なくとも約(at least about)」の前置き(例えば、少なくとも約2)、表現「少なくとも(at least)」の前置き(例えば、少なくとも10)、表現「未満(less than)」の後置き(例えば、1未満)、表現「約~未満(less than about)」の前後配置(例えば、約7未満)、又は範囲を規定するための前後の単語若しくは表現のいずれの有無も問わない任意の組み合わせでの使用(例えば、2~9、約1~4、少なくとも3、8~約9、8~10未満、約1~約10等)も可能である。さらに、「約X以下(about X or less)」として範囲が表される場合、この表現は、別の方法での「約X(about X)」及び「約X未満(less than about X)」の組み合わせである範囲と同じである。例えば、「約10以下(about 10 or less)」は、「約10又は約10未満(about 10,or less than about 10)」と同じである。本明細書においては、このように置き換え可能な範囲記述も考えられる。本明細書においては、他の範囲フォーマットを開示している場合もあるが、このフォーマットの差異は、実質的な差異の存在を暗示するものと解釈すべきではない。
【0037】
[0051]本明細書における使用の場合、用語「約(about)」は、記載値からのわずかな変動であれば記載値と実質的に同じ結果が得られることを意味する。この定義を適用できない状況又は適用が極めて難しい状況において、用語「約」は、記載値からの10%の逸脱(正負いずれか)を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0052]以下の説明においては、本発明の正確な特質を十分に説明するため、本発明の装置、構成要素、及び方法について多くの具体的詳細を記載する。ただし、これらの具体的詳細がなくても本発明を実施可能であることが当業者には明らかとなるであろう。
【0039】
[0053]本明細書に開示の液体インピンジャ及びバブラー液体インピンジャ、システム、及び方法は、様々な利益を提供する。例えば、液体媒体の使用により、少ない取り扱いで(したがって、少ない人間の接触による汚染のリスクで)微生物等の粒子のより容易な検出のほか、培養ステップにおけるこのような微生物のより高速な成長が可能となる。また、滅菌された閉じた装置(使い捨てであってもよい)の使用によって、誤検出が最小化又は防止される。さらに、液体インピンジャの設計及び使用方法では、高速ガス流で微生物が破壊されず、サンプリング中の液体の損失が最小限に抑えられるため、液体インピンジャの寸法を最小限に抑えつつモニタリング時間を長くすることができる。例えば、複数のノズルを使用することにより、ガス流全体を大きくすることができる一方、各ノズルのガス速度は低下するため、微生物の死又は生存途絶を防止可能となる。さらに、いくつかの態様においては、ノズルの角度及び寸法等、ノズルの特定の特徴によって、ガス流の水平速度成分を大きく、垂直速度成分を最小化することで液体に渦を生じさせ、ガス/液体相互作用時間を最大化することにより、比較的大量の粒子をガスから液体に移動させる。また、いくつかの態様においては、ノズルの設計単独又は液体インピンジャの壁の設計と併せて、蒸発による液体の損失を抑えることにより、液体インピンジャの動作中の液体の仕事量を小さくすることができるため、液体インピンジャの全体サイズがより小さくなって、スペースに限界があるサンプリング場所での配置が容易となる。
【0040】
[0054]いくつかの態様において、本明細書には、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、液体インピンジャが開示される。
【0041】
[0055]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な材料で構成されている。いくつかの態様において、材料は、少なくとも1つのポリマー材料を含むか、少なくとも1つのポリマー材料から成るか、又は少なくとも1つのポリマー材料から本質的に成る。いくつかの態様において、ポリマー材料には、非晶質、半非晶質、結晶、又は部分的結晶状態が考えられる有機ポリマーを含む。架橋ポリマーは、いくつかの用途に対して特に有用である。上記方法、システム、液体インピンジャ、装置、及び構成要素において使用可能なポリマーとしては、プラスチック、エラストマー、熱可塑性エラストマー、エラストプラスチック、熱可塑性プラスチック、及びアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なポリマーとしては、アセタールポリマー、生分解性ポリマー、セルロースポリマー、フルオロポリマー、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリイミド-イミドポリマー、ポリイミド、アクリル、ポリアクリレート、ポリベンズイミダゾール、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー及び変性ポリエチレン、ポリケトン、ポリ(アルキル)(アルキル)アクリレート(ポリ(メタクリル酸メチル)等)、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン(例えば、熱可塑性ポリウレタン)、透明ポリスチレン(例えば、BASFから入手可能なポリスチロール(Polystyrol)(商標))、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、スチレン樹脂、スルホン系樹脂、ビニル系樹脂、ゴム(天然ゴム、熱可塑性ゴム、スチレン-ブタジエン、ポリブタジエン、ネオプレン、エチレン-プロピレン、ブチル、ニトリル、シリコーンを含む)、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、ポリマー材料は、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、BASFから入手可能なポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン(例えば、熱可塑性ポリウレタン)、ゴム(例えば、熱可塑性ゴム)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、液体インピンジャには、ガラスもセラミックも含まない。いくつかの態様において、液体インピンジャは、ガラス又はセラミックを含む材料では構成されていない。いくつかの態様においては、液体インピンジャの少なくとも一部がガラス又はセラミックを含む。
【0042】
[0056]いくつかの態様において、少なくとも1つのポリマー材料を含むか、少なくとも1つのポリマー材料から成るか、若しくは少なくとも1つのポリマー材料から本質的になる液体インピンジャ、又は、少なくとも1つのポリマー材料により形成された液体インピンジャとは、様々な利益が関連付けられる。このような利益には、例えば(1)液体インピンジャの内部の少なくとも一部(及び/若しくは、内部に含まれる任意の液体の少なくとも一部)の滅菌を目的とする放射線に対するポリマー材料の透明性、(2)例えば大量生産を可能にする成型、押出、加法製造、若しくは減法製造により製造される液体インピンジャの能力のほか、例えばノズルの位置及び構造に関する生成された液体インピンジャの細部、(3)ポリマー材料の不活性(例えば、ガスから液体に移動する如何なる生物学的粒子に対する有害な影響もなければ、生物学的粒子の死滅もない)、(4)液体インピンジャの使い捨て可能性(例えば、リサイクル若しくは埋立処分による)、(5)費用対効果(例えば、ポリマー材料の購入及び/若しくは成型等による液体インピンジャへの形成と関連付けられるコストは、ガラス若しくはセラミック並びに関連するノズルによって所望の詳細で適当な位置にガラス若しくはセラミックを所望の形状で形成するのに必要なプロセスよりも安価である)、又は(6)これらの任意の組み合わせを含む。いずれにせよ、いくつかの態様においては、液体インピンジャがガラス及び/又はセラミックを含む。
【0043】
[0057]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な量のポリマー材料を含む。いくつかの態様において、液体インピンジャは、50、55、60、65、70、75、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100の量(質量%)のポリマー材料を含む。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、液体インピンジャは、少なくとも50、75~98、少なくとも90、又は65~88の量(質量%)のポリマー材料を含む。
【0044】
[0058]いくつかの態様において、液体インピンジャは、液体をさらに含む。いくつかの態様において、液体は、液体成長媒体である。いくつかの態様において、液体は、水を含むか、水から成るか、又は水から本質的に成る。いくつかの態様において、液体(例えば、液体成長媒体)は、トリプティックソイブロス(TSB)、オイル、鉱物油、SKC,Incから入手可能なVIATRAP、HIMEDIAから入手可能なR2Aブロス、又はこれらの任意の組み合わせであるか、これらの液体を含むか、これらの液体から成るか、又はこれらの液体から本質的に成る。いくつかの態様において、液体は、添加剤をさらに含む。いくつかの態様において、添加剤は、界面活性剤、消泡剤、又はこれらの組み合わせであるか、又は、これらの添加剤を含む。いくつかの態様において、添加剤は、レシチンであるか、又は、レシチンを含む。いくつかの態様において、添加剤は、消泡剤であるか、又は、消泡剤を含む。いくつかの態様において、液体は、消泡剤を含む。いくつかの態様において、消泡剤は、C16-C18エトキシル化プロポキシル化アルコール(例えば、Silitex、SRLからのCAS# 68002-96-0又はCPL2908)である。いくつかの態様において、消泡剤(例えば、C16-C18エトキシル化プロポキシル化アルコール)は、0.001体積%~1体積%(例えば、0.001体積%~0.01体積%、0.01体積%~0.1体積%、0.1体積%~0.5体積%、又は0.5体積%~1体積%)の量で液体中に使用される。いくつかの態様において、界面活性剤は、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせである。いくつかの態様において、界面活性剤は、TWEEN 80等のTWEEN、ポリソルベート20、40、60、80等のポリソルベート、又はこれらの任意の組み合わせである。いくつかの態様において、液体は、SKC,Incから入手可能なVIATRAPを含む。いくつかの態様において、液体は、TSB、レシチン、及びTWEEN 80を含む。いくつかの態様において、液体は、R2Aブロスを含む。いくつかの態様において、液体インピンジャは、(例えば、液体での充填に先立つ製造、出荷、及び/又はエンドユーザへの販売に際して)液体を含まない。
【0045】
[0059]いくつかの態様において、液体インピンジャに採用される液体は、ガスがガス流路に沿って液体インピンジャを通過する場合(例えば、当該液体を通るガス(例えば、空気又はサンプルガス)を気泡化する場合)にエマルジョンを形成しない。いくつかの態様においては、1つ又は複数の界面活性剤及び/又は消泡剤の使用によって、エマルジョンの形成を防止可能である。
【0046】
[0060]いくつかの態様において、液体インピンジャが液体を含む場合等には、少なくとも1つのノズルが液体に浸漬され、ガス流路に沿ってガスを搬送することにより、ガスが液体を通過する。いくつかの態様においては、液体インピンジャの下部における少なくとも1つのノズルの配置によって、粒子を含むガスの液体インピンジャを通る流路が最大化され、ガス/液体相互作用時間が最大化されることにより、ガスから液体に移動する粒子の量も最大化される。いくつかの態様において、ガスは、粒子を含む。いくつかの態様において、粒子は、少なくとも1つの微生物又はウイルスを含む。いくつかの態様において、粒子は、細菌、胞子、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、(例えば、内部基部、側壁、又はこれらの組み合わせを介して)下部に取り付けられている。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、下部に直接取り付けられておらず、例えば管等の特徴を介して、下部に間接的に取り付けられている。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、下部に取り付けられていない。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、下部に取り付けられておらず、ガス入口は、内部において上部から下部まで延びている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、下部に取り付けられておらず、ガス入口は、内部に配置されている管ではなく、側方又は下方から下部に近づいている管を介して、少なくとも1つのノズルに接続されている。
【0047】
[0061]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適なプロセスにより生成される。いくつかの態様において、液体インピンジャは、成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、加法製造、3次元印刷、減法製造、鋳造、成形、真空成形、押出、又はこれらの任意の組み合わせを含むプロセスにより生成され、任意選択として、プロセスが、当該液体インピンジャを形成するように一体接合された少なくとも3つの別個の構成要素を生成する。いくつかの態様において、プロセスは、射出成型を含む。いくつかの態様において、プロセスは、3次元印刷等の加法製造を含む。いくつかの態様において、プロセスは、射出成型及び加法製造を含む。
【0048】
[0062]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意の構成要素を備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、当該液体インピンジャを形成するように一体接合された少なくとも3つの別個の構成要素を備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、3つの構成要素(例えば、下部、基部、及び上部を含む第3の構成要素)を備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、4つ、5つ、6つ、又は7つの構成要素を備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、ガス入口及びガス出口それぞれに取り付けられるように構成された1つ又は複数のキャップを備える。いくつかの態様において、1つ又は複数のキャップは、ガスサンプリングのための液体インピンジャの使用の前及び/又は後に、ガス入口及びガス出口の適所にあって、不要な空気からの汚染が液体インピンジャに入らないようにする。
【0049】
[0063]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な方法で2つ以上の構成要素から組み立て可能である。いくつかの態様において、液体インピンジャの下部のねじ山に沿うねじ回し式の回転によって、下部が当該液体インピンジャに対して取り付けられ又は当該液体インピンジャから取り外されるように構成されている。いくつかの態様において、2つ以上の構成要素(例えば、下部を含む)は、(例えば、滑合を構成する)摺動、スナップ嵌合、クリック嵌合、又はその他任意の好適な方法によって液体インピンジャに取り付けられるように構成されている。いくつかの態様において、このような取り付けの後には、熱(例えば、溶融)、接着剤、又はこれらの組み合わせによって、構成要素をそれぞれの取り付け構成にて固定する。
【0050】
[0064]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な数のノズルを備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、少なくとも1つのノズルを備える。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、少なくとも2つのノズル、少なくとも3つのノズル、少なくとも4つのノズル、少なくとも5つのノズル、少なくとも6つのノズル、又は少なくとも7つのノズルを含む。いくつかの態様において、液体インピンジャは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つのノズルを備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、3つのノズルを備える。
【0051】
[0065]いくつかの態様においては、ノズルが任意好適なサイズのノズル開口を有し得る。いくつかの態様において、ノズル開口は、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.5、又は5の直径(mm)を有する。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、ノズルは、0.1~3.2、0.05~2.8、又は2.6未満の直径を有する。液体インピンジャが複数のノズルを有する場合、各ノズルは、同じ直径を有することも可能であるし、異なる直径を有することも可能である。ノズル開口が円形ではない事例において、上記数字は、開口を含む最小円の直径を表す。
【0052】
[0066]いくつかの態様において、ノズルは、任意好適な形状を有し得る。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、円弧を含む形状を含む。いくつかの態様において、ノズル形状は、液体インピンジャの内部におけるノズルの形状を表す。例えば、いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、内部において上部から下部まで延びている管に取り付けられており、ノズルの形状は、管からノズル開口まで延びているノズルの部分の形状を表す。いくつかの態様において、ノズルの形状は、垂直軸に沿って見た場合に決定される。いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、円弧を含む形状を含み、円弧は実質的に、垂直軸と85°~95°、80°~100°、約90°、又は90°の角度を成す平面内にある。いくつかの態様において、円弧の形状のノズルは、ノズル開口から出るガス流が(例えば、90°又は80~100°の角度で)側壁に直接強く衝突することを回避し、むしろ内部における液体の旋回運動を促進して、ガス流を比較的浅い角度で側壁に衝突させる。いくつかの態様において、平面がこれらの角度のうちの1つ又は複数を満たす場合は、ガス流の垂直成分が最小化され、液体の表面又は内部基部に向かってガス流に角度が付くのではなく、液体の旋回及びガス/液体相互作用時間の延長が促進される。
【0053】
[0067]いくつかの態様において、ガス入口は、任意好適な様態で少なくとも1つのノズルに接続されている。いくつかの態様において、ガス入口は、内部において上部から下部まで延びている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている。いくつかの態様において、ガス入口は、内部において上部から下部まで延びていない管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている。例えば、いくつかの態様において、ガス入口は、下部に近づいている管又は下部に取り付けられている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されているが、このような管は、液体インピンジャの内部に配置されていない。いくつかの態様において、ガス入口は、液体インピンジャの下部の直下、側方、又は両者に配置されている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている。
【0054】
[0068]いくつかの態様において、管は、任意好適な形状(例えば、直線、曲線、螺旋、実質的に直線、実質的に曲線、実質的に螺旋、又はこれらの任意の組み合わせを含む)を有し得る。いくつかの態様において、管の形状は、垂直軸に対して相対的である。いくつかの態様において、管は、垂直軸に沿って実質的に直線である。いくつかの態様において、管は、垂直軸に沿って実質的に螺旋である。いくつかの態様において、管は、実質的に曲線である。
【0055】
[0069]いくつかの態様において、ガス流路は、管と少なくとも1つのノズルとの間において、任意好適な角度で屈曲している。例えば、いくつかの態様において、ガス流路は、管と少なくとも1つのノズルとの間において、X°の角度で屈曲しており、X(°)は、75、80、85、90、95、100、又は105である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、ガス流路は、管と少なくとも1つのノズルとの間において、80°~100°、75°~105°、又は少なくとも85°の角度で屈曲している。
【0056】
[0070]いくつかの態様において、ノズル開口は、任意好適な形状を有する。いくつかの態様において、ノズル開口の形状は、円形、長円形、三角形、長方形、五角形、六角形、多角形、星形、又は不規則形状である。液体インピンジャが2つ以上のノズルを採用している場合、各ノズルは、同じ形状のノズル開口を有することも可能であるし、異なる形状のノズル開口を有することも可能である。例えば、いくつかの態様において、液体インピンジャは、2つ以上のノズルを備え、2つ以上のノズルの各ノズル開口は、同じである(例えば、円形状である)。いくつかの態様において、液体インピンジャは、2つ以上のノズルを備え、2つ以上のノズルの各ノズル開口は、異なる(例えば、あるノズル開口が長円であり、あるノズル開口が多角形である)。本明細書においては、ノズル形状のすべての組み合わせが考えられる。
【0057】
[0071]いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、任意好適な水平角(θ)を有する。いくつかの態様において、水平角(θ)(°)は、0、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、45、46、48、又は50である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、水平角(θ)(°)は、0~40、45未満、4~24、又は10~30である。いくつかの態様において、複数のノズルが存在する場合、各ノズルは、前述の水平角のいずれかを独立して有し得るため、同じ水平角を有することも可能であるし、異なる水平角を有することも可能である。
【0058】
[0072]いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、任意好適な垂直角(φ)を有する。いくつかの態様において、垂直角(φ)(°)は、-45、-44、-42、-40、-38、-36、-34、-32、-30、-28、-26、-24、-22、-20、-18、-16、-14、-12、-10、-8、-6、-4、-2、0、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、又は45である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、垂直角(φ)(°)は、-40~40、0、-10~0、0~10、8~18、又は-6~6である。いくつかの態様において、複数のノズルが存在する場合、各ノズルは、前述の垂直角のいずれかを独立して有し得るため、同じ垂直角を有することも可能であるし、異なる垂直角を有することも可能である。
【0059】
[0073]いくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、水平角(θ)及び垂直角(φ)の任意好適な組み合わせを有する。本明細書に開示の任意の垂直角及び本明細書に開示の任意の水平角によって、組み合わせを構成可能である。例えば、いくつかの態様においては、水平角(°)が0~45且つ垂直角(°)が-40~40、水平角(°)が0~30且つ垂直角が-10~10、又は水平角(°)が4~34且つ垂直角が0~12である。
【0060】
[0074]いくつかの態様において、下部は、側壁をさらに備える。いくつかの態様において、側壁は、本明細書の他の箇所に記載の円筒、球、楕円、又は多角形状である。いくつかの態様において、下部は、側壁をさらに備え、ノズル開口は、側壁の好適な距離内に配置されている。いくつかの態様において、下部は、側壁をさらに備え、ノズル開口は、側壁と実質的に同一平面で配置されている。本明細書における使用の場合、側壁との「同一平面(flush)」は、ノズル開口を規定する表面が下部の側壁と共有されている状況を表す。したがって、側壁と「実質的に同一平面」のノズル開口は、この「同一平面」の状況を含む一方で、極めて短くて有意ではない距離だけノズル開口が側壁から分離されている態様も含む。いくつかの態様において、ノズル開口は、側壁のXの距離(mm)内に配置され、Xは、0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、16、17、18、19、又は20である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、距離(mm)は、0~10、0~5、1.5~12.5、10未満、又は8未満である。いくつかの態様において、下部は、側壁をさらに備え、ノズル開口は、側壁の10mm以内又は側壁と実質的に同一平面で配置されている。
【0061】
[0075]いくつかの態様において、液体インピンジャの下部は、任意好適な形状を含み得る。例えば、いくつかの態様において、下部は、実質的に垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている円筒壁を備える。いくつかの態様において、下部は、円筒状である。いくつかの態様において、下部は、実質的に球又は楕円の形状を含む。いくつかの態様において、下部は、電球又は丸底の形状を含む。いくつかの態様において、下部は、多角形状を含む。いくつかの態様において、下部は、実質的に垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている多角形状を含む。
【0062】
[0076]いくつかの態様において、内部は、内部基部を含む。いくつかの態様において、内部基部は、任意好適な形状を有し得る。いくつかの態様において、内部基部は、垂直軸と垂直な方向において、平坦又は実質的に平坦である。いくつかの態様において、内部基部は、凸状、凹状、球状、又は楕円状である。いくつかの態様において、内部基部は、四角錐状である。
【0063】
[0077]いくつかの態様において、液体インピンジャは、下部と上部との間の少なくとも1つの拡張部であり、当該拡張部の最大拡幅点が、下部の最大拡幅点の内部断面積よりも大きな内部断面積を有する、少なくとも1つの拡張部をさらに備える。いくつかの態様において、少なくとも1つの拡張部は、実質的に球又は楕円の形状である。いくつかの態様において、少なくとも1つの拡張部は、(垂直軸と垂直な方向又は垂直軸に沿う方向から見た場合に)三角形又は多角形の形状を有する。いくつかの態様において、拡張部の内部断面積は、下部から上部までの垂直軸に沿う方向において、大きくなった後に小さくなる。いくつかの態様においては、少なくとも2つ又は少なくとも3つの拡張部が存在する。いくつかの態様において、少なくとも1つの拡張部は、蒸発する任意の液体の少なくとも一部が衝突し、凝縮し、液体インピンジャの下部において液体に戻り得る表面を生じる。いくつかの態様において、少なくとも1つの拡張部は、蒸発を抑止する表面を生じる。いくつかの態様において、少なくとも1つの拡張部は、蒸発を抑止するとともに、出口に向かって流れる気泡を破壊する表面を生じる。いくつかの態様において、少なくとも1つの拡張部は、(上部の方向において)下部の直ぐ上方にあり、下部に接続されている。
【0064】
[0078]いくつかの態様において、液体インピンジャは、拡張部と上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、当該少なくとも1つのテーパ部が、垂直軸に沿って、上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部をさらに備える。いくつかの態様においては、少なくとも2つ又は少なくとも3つのテーパ部が存在する。いくつかの態様において、少なくとも1つのテーパ部は、蒸発する任意の液体の少なくとも一部が衝突し、凝縮し、液体インピンジャの下部において液体に戻り得る表面を生じる。いくつかの態様において、少なくとも1つのテーパ部は、蒸発を抑止する表面を生じる。いくつかの態様において、少なくとも1つのテーパ部は、蒸発を抑止するとともに、出口に向かって流れる気泡を破壊する表面を生じる。いくつかの態様において、少なくとも1つのテーパ部は、(上部の方向において)少なくとも1つの拡張部又は実質的直線壁構成部の直ぐ上方にあり、少なくとも1つの拡張部又は実質的直線壁構成部に接続されている。いくつかの態様において、テーパ部は、徐々に先細りしているが、いくつかの態様においては、急速又は急峻に先細りしている。
【0065】
[0079]いくつかの態様において、液体インピンジャは、拡張部とテーパ部との間に少なくとも1つの実質的直線壁構成部をさらに備える。例えば、実質的直線壁構成部は、垂直軸に対して実質的に直線である。いくつかの態様において、少なくとも1つの実質的直線壁構成部は、実質的に円筒状である。いくつかの態様においては、少なくとも2つ又は少なくとも3つの実質的直線壁構成部が(例えば、垂直軸の長さに沿って)存在する。いくつかの態様において、少なくとも1つのテーパ部は、(上部の方向において)少なくとも1つの拡張部又は実質的直線壁構成部の直ぐ上方にあり、少なくとも1つの拡張部又は実質的直線壁構成部に接続されている。いくつかの態様において、実質的直線壁構成部の最大拡幅点は、下部の最大拡幅点の断面積よりも小さな(又は、大きな)内部断面積を有する。
【0066】
[0080]いくつかの態様において、液体インピンジャは、棚部又は屋根部をさらに備える。いくつかの態様において、棚部又は屋根部は、ガスの通過を可能にする1つ又は複数の開口と併せて、垂直軸と垂直な表面を含む。いくつかの態様において、棚部又は屋根部は、断面積が異なる液体インピンジャの部分間の遷移部に配置されている。いくつかの態様においては、棚部又は屋根部が液体インピンジャを1つ又は複数のセグメントに分割し、2つのセグメントが同じ断面積又は異なる断面積を有する。いくつかの態様においては、拡張部と実質的直線壁構成部との間の遷移点に棚部又は屋根部が存在する。
【0067】
[0081]いくつかの態様において、液体インピンジャは、実質的に垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている円筒壁を備える下部と、拡張部(例えば、実質的に球状又は楕円状)と、実質的直線壁構成部と、テーパ部と、を順番に備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、実質的に垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている円筒壁を備える下部と、拡張部(例えば、実質的に球状又は楕円状)と、テーパ部と、を順番に備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、実質的に球又は楕円の形状を含む下部と、拡張部(例えば、実質的に球状又は楕円状)と、実質的直線壁構成部と、テーパ部と、を順番に備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、実質的に球又は楕円の形状を含む下部と、拡張部(例えば、実質的に球状又は楕円状)と、テーパ部と、を順番に備える。
【0068】
[0082]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な体積の液体で動作するように構成されている。いくつかの態様において、液体インピンジャは、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、又は200の液体の体積(mL)で動作するように構成されている。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、体積(mL)は、30~200、150未満、20~100、20~150、25~120、又は15~200である。
【0069】
[0083]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な体積の液体を含む。いくつかの態様において、液体の体積(mL)は、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、又は200である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、体積(mL)は、30~200、110未満、60~80、20~150、25~120、15~200、30~100、又は180未満である。
【0070】
[0084]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適なレベルまで液体で充填されている。例えば、いくつかの態様において、液体は、下部の少なくとも一部を充填する。いくつかの態様において、液体は、下部(例えば、拡張部(存在する場合)の底部)の頂部の1cm以内まで下部を充填する。いくつかの態様において、液体は、下部全体を充填する。いくつかの態様において、液体インピンジャは、実質的に垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている円筒壁を備える下部と、拡張部と、を順番に備え、下部全体を充填する一方、拡張部の如何なる部分も充填しない液体を含む(いくつかの態様において、液体は、下部全体及び拡張部の少なくとも一部を充填する)。
【0071】
[0085]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な高さ、すなわち、垂直軸に沿い、如何なるホースも他のアタッチメントも含まない長さを有する。いくつかの態様において、高さ(cm)は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、又は50である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、高さ(cm)は、5~20、10~20、30未満、15~18、又は25~44である。
【0072】
[0086]いくつかの態様において、液体インピンジャは、任意好適な幅、すなわち、垂直軸と垂直で、如何なるホースも他のアタッチメントも含まない寸法を有する。いくつかの態様において、幅(cm)は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、幅(cm)は、3~8、10未満、又は5~15である。本明細書における使用の場合、幅は、文脈から明らかなように、液体インピンジャの最大拡幅点(例えば、下部、拡張部、直線壁構成部、ガス出口、又はガス入口が可能である)、拡張部(存在する場合)若しくは下部における液体インピンジャの幅、又はガス出口における幅を表し得る。
【0073】
[0087]いくつかの態様において、液体インピンジャの少なくとも一部は、照射による液体(存在する場合)及び内部の滅菌を可能にするため、放射線に対して十分に透明な材料で構成されている。いくつかの態様において、材料は、本明細書の他の箇所に記載のポリマー材料である。いくつかの態様において、材料は、ポリマー材料とは異なる。いくつかの態様において、放射線は、ベータ線、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、放射線は、ベータ線、ガンマ線、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、放射線は、イオン化放射線を含む。いくつかの態様において、放射線は、短波放射線を含む。いくつかの態様において、放射線は、高強度放射線を含む。いくつかの態様において、放射線は、ベータ線、ガンマ線を含むイオン化、短波、高強度放射線、又はこれらの組み合わせを含む。
【0074】
[0088]いくつかの態様において、液体インピンジャは、使い捨てとして構成されている。いくつかの態様において、液体インピンジャは、ガス流のモニタリングに一度使用された後、廃棄されるように構成されている。いくつかの態様において、液体インピンジャは、ポリマー材料で構成し、ガラスでは構成しないことにより、使い捨てとして構成されている。
【0075】
[0089]いくつかの態様において、液体インピンジャは、当該液体インピンジャのテストのためのポートを備える。いくつかの態様において、液体インピンジャは、当該液体インピンジャのテストのためのポートを備えない。
【0076】
[0090]いくつかの態様において、本明細書には、
液体インピンジャを用意するステップであり、前記液体インピンジャが、
垂直軸、上部、液体を含む内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含み、ノズル開口が、液体に浸漬されている、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定している、ステップと、
被験物質を含むガスをガス流路に沿って液体中で搬送するステップと、
粒子の少なくとも一部をガスから液体に移動させるステップであり、任意選択として、被験物質が、粒子、分子被験物質、又はこれらの組み合わせを含み、さらに任意選択として、いくつかの実施形態では、被験物質が、生物学的粒子を含む、ステップと、
を含む方法が開示される。
【0077】
[0091]いくつかの態様において、これらの方法に採用される液体インピンジャは、本明細書の他の箇所に記載の液体インピンジャと同じである。結果として、これらの方法に採用される液体インピンジャに関しても、液体インピンジャに関する本明細書の他の箇所に記載の開示内容を等しく適用可能である。
【0078】
[0092]いくつかの態様において、粒子、分子被験物質、又は両者を含むガスは、任意好適な組成を含む。いくつかの態様において、ガスは、サンプルガスを含むか、サンプルガスから成るか、又はサンプルガスから本質的に成る。いくつかの態様において、サンプルガスは通常、粒子を含むが、いくつかの態様においては、特に大気が粒子なし又は実質的に粒子なしとなるような汚染されていない理想的な条件下で動作しているクリーンルーム環境に由来する場合、粒子なし又は実質的に粒子なしである(例えば、標準的なクリーンルーム粒子検出技術では検出できない)。いくつかの態様において、サンプルガスは、キャリアガス又はサンプル媒体(例えば、空気、プロセスガス、窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、又はこれらの任意の組み合わせ)を含む。いくつかの態様において、サンプルガスには、クリーンルーム、アイソレータ、アクセス制限バリアシステム(RABS)、又は製造施設(例えば、半導体又は医薬品製造施設)の内側の空気等、サンプリング対象の環境に存在する空気を含む。いくつかの態様において、サンプルガスは、サンプリング対象の環境からの空気(任意の粒子を含む)から成る。いくつかの態様において、環境中の空気は、上記方法の移動ステップ前又は移動ステップ中に、追加の空気、プロセスガス、窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、又はこれらの任意の組み合わせ等のキャリアガスと混合されるが、このような場合、サンプルガスは、サンプリング対象の環境からの空気をキャリアガスとの組み合わせで含む。いくつかの態様において、サンプルガスは、キャリアガスを含まないが、このようなサンプルガスは、サンプリング対象の環境中に存在する空気(粒子を伴う)から成る。
【0079】
[0093]いくつかの態様において、液体インピンジャは、少なくとも2つの構成要素を備え、上記方法は、用意するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素の組み立ての前後いずれかに容器を液体で充填するステップをさらに含む。いくつかの態様において、液体インピンジャは、少なくとも2つの構成要素を備え、上記方法は、用意するステップの後、少なくとも2つの構成要素の組み立ての前後いずれかに容器を液体で充填するステップをさらに含む。いくつかの態様において、液体インピンジャは、少なくとも2つの構成要素から組み立てられた後、液体で充填される。いくつかの態様において、液体インピンジャは、少なくとも2つの構成要素の組み立てに先立って、液体で充填された後、少なくとも2つの構成要素から組み立てられる。組み立ては、本明細書の他の箇所に記載の通りに実行可能である。いくつかの態様において、組み立て及び充填(任意順序)は、液体インピンジャのエンドユーザへの提供に先立って実行される。いくつかの態様において、組み立ては、液体インピンジャのエンドユーザへの提供に先立って実行され、エンドユーザが液体で容器を充填する。いくつかの態様においては、エンドユーザが液体インピンジャを組み立てて充填する。
【0080】
[0094]いくつかの態様において、上記方法は、搬送するステップに先立って、組み立て形態及び/又は充填形態の液体インピンジャを放射線で照射することにより、内部の少なくとも一部及び内部に含まれる液体の少なくとも一部を滅菌するステップであって、液体インピンジャの少なくとも一部が、滅菌を可能にするため、放射線に対して十分に透明な材料で構成されている、ステップをさらに含む。いくつかの態様においては、内部に含まれる液体の全体が滅菌される。いくつかの態様においては、内部全体が滅菌される。いくつかの態様においては、液体インピンジャ全体がこのような透明材料で構成されている。いくつかの態様においては、液体を含む液体インピンジャの下部の少なくとも一部がこのような材料で構成されている(例えば、下部の側壁がこのような材料で構成されている)。いくつかの態様においては、液体インピンジャの下部全体(例えば、内部基部を含む)がこのような材料で構成されている。いくつかの態様において、液体インピンジャの下部は、例えば側壁に、このような材料の少なくとも1つの窓を含む。いくつかの態様において、下部は、このような放射線に対して透明ではない。例えば、いくつかの態様においては、内部の少なくとも一部及び内部に含まれる液体の少なくとも一部の滅菌を可能にするため、拡張部が放射線に対して十分に透明である。
【0081】
[0095]いくつかの態様において、被験物質の少なくとも一部は、粒子、分子被験物質、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、被験物質の少なくとも一部は、生物学的粒子、任意選択として、生存する生物学的粒子を含む。例えば、いくつかの態様において、被験物質の少なくとも一部は、ウイルス、胞子、微生物、細菌、真菌、古細菌、原生生物、単細胞微生物、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0082】
[0096]いくつかの態様において、上記方法は、移動させるステップの後、キャップ、ストッパ、又は他の障害物をガス入口及びガス出口に配置することにより、培養及び/若しくは検出ステップ前又は培養及び/若しくは検出ステップ中に液体が粒子等の汚染物質に曝されないようにするステップを含む。例えば、クリーンルーム環境からガスがサンプリングされた後は、ガス入口及び出口へのキャップの配置によって、サンプリング期間外(例えば、培養及び/又は検出のための場所にインピンジャを搬送する間)の汚染物質の収集を防止する。
【0083】
[0097]いくつかの態様において、移動させるステップは、任意好適な時間にわたって実行される。例えば、いくつかの態様において、移動させるステップは、10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、又は500の時間(分)にわたって実行される。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、時間(分)は、10~500、10~200、20~80、少なくとも10、少なくとも35、30~90、115未満、又は60~90である。
【0084】
[0098]いくつかの態様において、上記方法は、移動させるステップの後、生存する生物学的粒子の成長を促進するのに十分な条件の下で液体を培養するステップであって、液体が、成長媒体を含む、ステップをさらに含む。好適な成長媒体については、本明細書の他の箇所に記載する。いくつかの態様において、生存する生物学的粒子の成長を促進するのに十分な条件には、成長媒体の温度を室温より高くする(例えば、25、26、28、30、32、34、36、37、38、40、42、44、又は45の温度(℃)まで高くする)ことを含む。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、培養の温度(℃)は、少なくとも25、26~38、30~42、又は少なくとも30である。
【0085】
[0099]いくつかの態様において、培養は、任意好適な時間にわたって実行される。例えば、いくつかの態様においては、培養の時間(分)が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、又は500であり、或いは、時間(時間)が1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22、24、30、36、42、48、50、55、60、65、70、72、75、80、85、90、95、100、105、110、115、又は120である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、培養の時間は、2分~120時間、2分~30分、30分~12時間、少なくとも4時間、48時間未満、24時間~120時間、36時間~100時間、又は24時間~48時間である。いくつかの態様において、培養の時間は一般的に、分析に用いられる技術によって決まる。
【0086】
[0100]いくつかの態様において、上記方法は、生存する生物学的粒子等の汚染物質が液体中に存在するかを検出するステップをさらに含む。いくつかの態様において、検出するステップは、(1)眼による視覚検査、光学検出器、撮像装置、紫外-可視、近赤外、赤外、若しくは蛍光分光法の使用のうちの少なくとも1つを含む光学検出、(2)液体中の酸素レベル若しくは二酸化炭素レベルの変化の認識、又は(3)任意選択としてPCRを含む分析室技術を用いた液体インピンジャから抽出後の液体の分析のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの態様において、検出するステップは、光学検出を含む。いくつかの態様において、検出するステップは、酸素レベル、二酸化炭素レベル、又は両者の変化を認識することを含む。例えば、酸素レベル、二酸化炭素レベル、又は両者の変化を認識することは、液体への溶解若しくは液体からの放出がなされているこのようなガスの検出、又は、液体に添加された指標化学物質(例えば、滴定)によるこのようなガスの検出含む。いくつかの態様において、検出するステップは、分析室技術を用いた液体インピンジャから抽出後の液体の分析を含む。いくつかの態様において、このような分析室技術には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ヌクレオチド配列決定、ハイブリダイゼーション(例えば、遺伝子プローブ)、制限断片長多型(RFLP)分析、フローサイトメトリ、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)、免疫学的同定(例えば、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA))、脂肪酸プロファイリング、代謝プロファイリング、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0087】
[0101]いくつかの態様において、培養するステップ又は検出するステップの少なくとも一方は、容器からの液体の除去も液体インピンジャの分解もなく実行される。例えば、いくつかの態様において、移動させるステップの後は、培養ステップ及び検出ステップの全体を通して、液体が液体インピンジャに残っている。いくつかの態様においては、培養中に液体が液体インピンジャに残っているものの、検出ステップに先立って、液体インピンジャからの取り出し又は液体インピンジャの分解が行われる。いくつかの態様においては、培養に先立って液体インピンジャから液体が取り出されるため、培養及び検出ステップは、液体が液体インピンジャの外側にある状態で実行される。培養及び/又は検出のために液体が液体インピンジャの外側にあるこのような態様においては、液体を注意深く取り扱うことにより、粒子等の汚染物質で液体を汚染しないようにして、上記方法の移動ステップにより液体中に存在する粒子のみを検出するのが望ましい。
【0088】
[0102]いくつかの態様において、充填するステップ及び滅菌するステップの組み合わせ実行は、人間の液体との接触を最小限に抑え、検出するステップにおける誤検出を低減する。いくつかの態様においては、培養及び検出ステップ中に液体インピンジャから液体を取り出さないようにすることでも液体との人間の接触が最小限に抑えられ、誤検出が減少する。このため、いくつかの態様において、液体との人間の接触を最小限にして誤検出を抑えることは、用意するステップに先立って、搬送ステップの前に容器を液体で充填し、組み立て形態及び/又は充填形態の液体インピンジャを放射線で照射することにより、内部の少なくとも一部及び内部に含まれる液体の少なくとも一部を滅菌し、移動ステップを実行した後、(容器から液体を取り出すことなく)培養及び検出ステップを実行することにより実現される。
【0089】
[0103]いくつかの態様において、液体インピンジャは、使い捨てとして構成されている。いくつかの態様において、上記方法は、用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの1サイクルの実行後、(1)液体インピンジャを廃棄するステップ、(2)用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの第2のサイクルに備えて液体インピンジャを二度と滅菌しないステップ、又は(3)用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの第2のサイクルを二度と実行しないステップのうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの態様において、上記方法は、用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの1サイクルの実行後、液体インピンジャを廃棄するステップをさらに含む。いくつかの態様において、上記方法は、用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの1サイクルの実行後、液体インピンジャ内の任意の液体を滅菌するのに十分な放射線で液体インピンジャを滅菌しないステップをさらに含む。いくつかの態様において、上記方法は、用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの1サイクルの実行後、用意するステップ、搬送するステップ、移動させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの第2のサイクルを実行しないステップをさらに含む。
【0090】
[0104]本明細書の他の箇所に記載の通り、いくつかの態様において、これらの方法に採用される液体インピンジャは、本明細書の他の箇所に記載の液体インピンジャと同じである。結果として、これらの方法に採用される液体インピンジャに関しても、液体インピンジャに関する本明細書の他の箇所に記載の開示内容を等しく適用可能である。例えば、上記方法のいくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、少なくとも2つのノズル又は少なくとも3つのノズルを含む。上記方法のいくつかの態様において、各ノズル開口は、0.1mm~3.2mmの直径を有する。上記方法のいくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、円弧を含む形状を含み、円弧が実質的に、垂直軸と85°~95°の角度を成す平面内にある。上記方法のいくつかの態様において、少なくとも1つのノズルは、0°~40°の水平角を有する。上記方法のいくつかの態様において、ガス入口は、内部において上部から下部まで延びている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている。上記方法のいくつかの態様において、下部は、円筒、球、又は楕円の形状を含み、液体インピンジャは、下部と上部との間の少なくとも1つの拡張部であり、当該拡張部の最大拡幅点が、下部の最大拡幅点の内部断面積よりも大きな内部断面積を有する、少なくとも1つの拡張部と、拡張部と上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、当該少なくとも1つのテーパ部が、垂直軸に沿って、上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部と、をさらに備える。上記方法のいくつかの態様において、下部は、側壁をさらに備え、ノズル開口は、側壁の10mm以内又は側壁と実質的に同一平面で配置されている。いくつかの態様において、この液体インピンジャは、ポリマー材料を含む。いくつかの態様において、ポリマー材料は、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、BASFから入手可能なポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0091】
[0105]いくつかの態様において、搬送するステップは、任意好適な流量で実行される。例えば、いくつかの態様において、ガス入口に入る流量及び/又はガス出口から出る流量(L/分)は、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、又は20である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、ガス入口に入る流量及び/又はガス出口から出る流量(L/分)は、1~20、1~4、3~5、少なくとも2、少なくとも3.5、8未満、5.5~18、10~20、8~15、又は3.5~9である。
【0092】
[0106]いくつかの態様において、ノズルから流れ出るガスの速度は、任意好適な速度である。例えば、いくつかの態様において、ノズルから流れ出るガスの速度(m/s)は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、又は120である。上記各数値の前後には、単語「約~」、「少なくとも~」、「少なくとも約~」、「~未満」、又は「約~未満」を付けることができ、上記数値はいずれも、単一点又はオープンエンドの範囲を表すために単独で使用することも可能であるし、複数の単一点又はクローズエンドの範囲を表すために組み合わせて使用することも可能である。例えば、いくつかの態様において、ノズルから流れ出るガスの速度(m/s)は、10~120、70~80、80未満、85未満、少なくとも40、45~120、80~110、又は50~85である。いくつかの態様において、液体インピンジャに2つ以上のノズルが採用されている場合、各ノズルは、本明細書に開示の任意の速度を独立して有する。いくつかの態様において、液体インピンジャに2つ以上のノズルが採用されている場合、各ノズルは、開示の任意の速度から選定される同じ速度を有する。いくつかの態様において、速度は、微生物、ウイルス、又は存在し得る他の生物学的粒子の生存可能性を維持する(例えば、死滅も複製不能化も起こさせない)ように選定される。いくつかの態様において、速度は、下部内の液体の旋回を促進するように選択される。例えば、いくつかの態様において、速度は、下部内の液体の旋回を促進することによって、ガス中の気泡滞留時間が長くなり(例えば、最大化され)、気泡から液体への移動が改善されるように選択される。
【0093】
[0107]いくつかの態様においては、液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
任意選択として、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、ステップと、
任意選択として、組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法が開示される。
【0094】
[0108]いくつかの態様においては、充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、ステップと、
組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法が開示される。
【0095】
[0109]いくつかの態様においては、充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
充填液体インピンジャを用意することを含む第1の用意するステップであり、充填液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含む、ステップと、
充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法が開示される。
【0096】
[0110]いくつかの態様において、液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法に採用される液体インピンジャは、本明細書の他の箇所に記載の液体インピンジャと同じである。結果として、このような方法に採用される液体インピンジャに関しても、液体インピンジャに関する本明細書の他の箇所に記載の開示内容を等しく適用可能である。また、液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法には、液体インピンジャの使用のための本明細書の他の箇所に記載の方法ステップの種々態様を適用可能である。例えば、充填するステップ、照射/滅菌/曝露するステップ、及びキャップ/ストッパを配置するステップをここで等しく適用可能である一方、構成する方法に関しては、本明細書の他の箇所に記載の任意の方法又は方法ステップを適用可能である。
【0097】
[0111]いくつかの態様においては、任意選択としての規定の有無を問わない任意のステップを含む任意の方法ステップについて、実行の有無が問われない。例えば、いくつかの態様においては、組み立てるステップが実行される。いくつかの態様においては、充填するステップが実行される。いくつかの態様においては、曝露するステップが実行される。いくつかの態様においては、パッケージングするステップが実行される。いくつかの態様においては、これらステップの任意の組み合わせが実行される。例えば、いくつかの態様においては、形成するステップ及び組み立てるステップが実行される。いくつかの態様においては、形成、組み立て、及び充填が実行される。いくつかの態様においては、充填するステップ及び曝露するステップが実行される。いくつかの態様においては、組み立てるステップ、充填するステップ、及び曝露するステップが実行される。いくつかの態様においては、形成するステップ、組み立てるステップ、充填するステップ、及び曝露するステップが実行される。いくつかの態様においては、形成するステップが任意選択である。いくつかの態様においては、形成するステップが実行されず、組み立てるステップが実行される。いくつかの態様においては、形成するステップが実行されず、組み立てるステップ及び充填するステップが実行される。いくつかの態様においては、形成するステップが実行されず、組み立てるステップ、充填するステップ、及び曝露するステップが実行される。いくつかの態様においては、形成するステップが実行されず、充填するステップ及び曝露するステップが実行される。
【0098】
[0112]いくつかの態様において、組み立てるステップは、液体インピンジャの様々な構成要素の任意好適な様態での取り付け又は接続によって実行される。
図12を参照することは、組み立てるステップの一態様を理解するのに有用であり、この図は、外形線において示された構成要素1201、1202、及び1203を含む3つの構成要素から成る液体インピンジャを示している。例えば、いくつかの態様においては、構成要素1201の小径管を構成要素1202の大径管に当接又は楔入する位置1204、並びに、構成要素1201及び1202を一体的にねじ込む位置1205、という2つの取り付け点を介して、構成要素1201が構成要素1202に取り付けられる。いくつかの態様において、構成要素1202は、構成要素1201の大径管に当接又は楔入される小径管を有する。いくつかの態様において、このような位置1204及び位置1205における接続は、例えば摩擦、接着剤、熱溶融、ねじ込み、又はこれらの任意の組み合わせによって、任意好適な様態で一体的に独立して保持され得る。
図12においては、構成要素1203が構成要素1202に取り付けられているが、これらの構成要素は、例えば摩擦、接着剤、熱溶融、ねじ込み、又はこれらの任意の組み合わせによって、任意好適な様態で一体的に保持され得る。
【0099】
[0113]いくつかの態様において、充填するステップは、任意好適な様態で実行され得る。例えば、いくつかの態様において、充填するステップは、例えば出口により、上部を通じて液体インピンジャの内部に液体を追加することにより実行される。いくつかの態様において、充填するステップは、下部を含む構成要素(例えば、
図12の構成要素1202)が上部を含む構成要素(例えば、
図12の構成要素1201)から分離される液体インピンジャにおいて実行される。このような態様において、充填するステップは、所望のレベルまで下部を液体で充填した後、(例えば、ねじ込みによって)上部及び下部を含む構成要素を組み立てることを含む。いくつかの態様において、充填は、ピペットにより実行される。
【0100】
[0114]いくつかの態様において、上記方法は、第1の用意するステップに先立って、
組み立て液体インピンジャを用意することを含む第2の用意するステップであり、組み立て液体インピンジャが、液体を伴わない充填液体インピンジャを含む、第2の用意するステップと、
組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
をさらに含む。
【0101】
[0115]いくつかの態様において、組み立て液体インピンジャは、完全又は部分的に組み立てられており、充填するステップは、完全又は部分的組み立て液体インピンジャにおいて実行される。いくつかの態様において、完全又は部分的組み立て液体インピンジャは、内部に液体を含むように構成されている。いくつかの態様において、組み立て液体インピンジャが部分的組み立て液体インピンジャである場合は、充填するステップが実行された後、部分的組み立て液体インピンジャが完全に組み立てられる。いくつかの態様において、組み立て液体インピンジャが部分的組み立て液体インピンジャである場合は、充填するステップが実行された後、部分的組み立て液体インピンジャが完全に組み立てられ、その後、曝露するステップが完全組み立て液体インピンジャにおいて実行される。いくつかの態様において、組み立て液体インピンジャが部分的組み立て液体インピンジャである場合は、充填するステップが実行された後、充填された部分的組み立て液体インピンジャにおいて曝露するステップが実行され、その後、部分的組み立て液体インピンジャが完全に組み立てられる。
【0102】
[0116]いくつかの態様において、上記方法は、第2の用意するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップをさらに含む。いくつかの態様において、少なくとも2つの構成要素は、3つの構成要素、4つの構成要素、5つの構成要素、6つの構成要素、又は7つの構成要素を含む。
【0103】
[0117]いくつかの態様において、上記方法は、組み立てるステップに先立って、少なくとも2つの構成要素を形成するステップをさらに含む。いくつかの態様において、形成するステップは、成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、加法製造、3次元印刷、減法製造、鋳造、成形、真空成形、押出、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0104】
[0118]いくつかの態様において、形成するステップは、1つ又は複数のポリマー材料を少なくとも2つの構成要素として形成する。いくつかの態様において、1つ又は複数のポリマー材料は、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、BASFから入手可能なポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。他の好適なポリマー材料については、本明細書の他の箇所に記載する。
【0105】
[0119]いくつかの態様において、放射線は、ベータ線、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0106】
[0120]いくつかの態様において、液体は、成長媒体を含む。
【0107】
[0121]いくつかの態様において、上記方法は、充填するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素、組み立て液体インピンジャ、又は両者を放射線で照射して滅菌するステップであり、放射線が、ベータ線、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む、ステップをさらに含む。このような放射線としては、曝露ステップと同じものも可能であるし、異なるものも可能である。いくつかの態様において、上記方法では、任意のステップの前、最中、又は後に放射線を使用して、内部の少なくとも一部、内部の少なくとも一部を構成する任意の構成要素、内部に含まれる任意の液体、又はこれらの任意の組み合わせを滅菌することができる。
【0108】
[0122]いくつかの態様においては、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャがパッケージングされる。いくつかの態様において、パッケージングするステップは、曝露ステップの前に実行される。いくつかの態様において、パッケージングするステップは、曝露ステップの後に実行される。いくつかの態様においては、パッケージングするステップが実行され、(1)キャップを1つ又は複数のガス入口及びガス出口に取り付けること、(2)充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをコンテナに封入すること、又は(3)これらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、コンテナは、バッグ(例えば、プラスチックバッグ)である。いくつかの態様において、コンテナ(例えば、バッグ)は、液体インピンジャを使用する方法が検出するように構成されている範囲のサイズを有する粒子又は汚染の液体インピンジャへの侵入を効果的に防止して誤検出を回避するように、このような粒子に対して非透過性又は半透過性である。いくつかの態様において、パッケージングするステップは、液体インピンジャを1層のパッケージング(例えば、コンテナ又はバッグ)に封入することを含む。いくつかの態様において、パッケージングするステップは、例えばクリーンルーム又は他の無菌ゾーンに入る際の適正な取り扱いを可能にするため、液体インピンジャを少なくとも2層のパッケージングに封入することを含む。また、任意好適なパッケージング材料が用いられるようになっていてもよい。例えば、いくつかの態様においては、ポリプロピレン又はポリエチレン等のプラスチックがパッケージング材料として用いられるようになっていてもよい。
【0109】
[0123]以下の非限定的な図面によって、本発明の態様がさらに理解され得る。
【0110】
[0124]
図1は、液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示している。液体インピンジャ100は、垂直軸101、上部102、下部103、ガス入口104、ガス出口105、内部106、内部基部107、ノズル108、ノズル開口109、管110、及び側壁113を備える。下部103は、内部基部107を含む。ガス入口104は、内部106に配置され、下部103に取り付けられているノズル108を介して内部106と流体連通している。ノズル108は、内部基部107に取り付けられたものとして示しているが、下部103内の如何なる場所にも取り付け又は配置可能である(例えば、側壁113に取り付け可能である)。ガス入口104は、内部106において上部102から下部103まで延びている管110によって、ノズル108に接続されている。ガス出口105は、内部106と流体連通している。ガス入口104、ノズル108、内部106、及びガス出口105によって、ガス流路が順次規定されている。ガス流路は、管110とノズル108との間において、80°~100°の角度で屈曲している。下部103は、実質的に垂直軸101の少なくとも一部に沿って延びている壁を備えるが、このような壁としては、円筒状が可能である。ガス出口105は、上部102に配置されている。液体インピンジャ100は、拡張部もテーパ部も液体も含まない。
【0111】
[0125]
図2は、液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示している。
図2の液体インピンジャ200は、内部を通って延びる管ではなく、ガスを供給する管が液体インピンジャの底から近づいている点を除いて、
図1の液体インピンジャ100に類似する。液体インピンジャ200は、垂直軸201、上部202、下部203、ガス入口204、ガス出口205、内部206、内部基部207、ノズル208、ノズル開口209、管211、及び側壁213を備える。下部203は、内部基部207を含む。ガス入口204は、内部206に配置され、下部203に取り付けられているノズル208を介して内部206と流体連通している。ノズル208は、内部基部207に取り付けられたものとして示しているが、下部203内の如何なる場所にも取り付け又は配置可能である(例えば、側壁213に取り付け可能である)。ガス入口204は、液体インピンジャ200の下方から下部103に近づいている管211によって、ノズル208に接続されている。ガス出口205は、内部206と流体連通している。ガス入口204、ノズル208、内部206、及びガス出口205によって、ガス流路が順次規定されている。ガス流路は、管210とノズル208との間において、80°~100°の角度で屈曲している。下部203は、実質的に垂直軸201の少なくとも一部に沿って延びている壁を備えるが、このような壁としては、円筒状が可能である。ガス出口205は、上部202に配置されている。液体インピンジャ200は、拡張部もテーパ部も液体も含まない。
【0112】
[0126]
図3は、液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示している。
図3の液体インピンジャ300は、例えば液体、拡張部、及びテーパ部を追加で備える点を除いて、
図1の液体インピンジャ100に類似する。液体インピンジャ300は、垂直軸301、上部302、下部303、ガス入口304、ガス出口305、内部306、内部基部307、ノズル308、ノズル開口309、管310、液体312、側壁313、拡張部314、テーパ部315、及び実質的直線壁構成部316を備える。下部303は、内部基部307を含む。ガス入口304は、内部306に配置され、下部303に取り付けられているノズル308を介して内部306と流体連通している。ノズル308は、内部基部307に取り付けられたものとして示しているが、下部303内の如何なる場所にも取り付け又は配置可能である(例えば、側壁313に取り付け可能である)。ガス入口304は、内部306において上部302から下部303まで延びている管310によって、ノズル308に接続されている。ガス出口305は、内部306と流体連通している。ガス入口304、ノズル308、内部306、及びガス出口305によって、ガス流路が順次規定されている。ガス流路は、管310とノズル308との間において、80°~100°の角度で屈曲している。ノズル308は、液体312に浸漬され、ガス流路に沿ってガスを搬送することにより、ガスが液体312を通過する。液体312は、下部が拡張部につながる点の近くまで下部を充填している(ただし、いくつかの態様において、液体は、下部全体及びいくつかの態様においては拡張部の一部を充填することも可能であるし、充填する下部の領域を小さくすることも可能である)。下部303は、実質的に垂直軸301の少なくとも一部に沿って延びている壁を備えるが、このような壁としては、円筒状が可能である。液体インピンジャ300は、下部303と、拡張部314(実質的に球状又は楕円状)と、実質的直線壁構成部316と、テーパ部315と、を順番に備える。テーパ部315は、比較的急速又は急峻なテーパを有する。ガス出口305は、上部302に配置されている。動作時、ガスは、ガス入口304に入り、管310に沿ってノズル308を通り、ノズル開口309から出て液体312を通り、拡張部314、実質的直線壁構成部316、テーパ部315を経由して内部306を通り、ガス出口305から出る。いくつかの態様においては、ガスを液体インピンジャで搬送することにより、下部303において液体312が旋回する。
【0113】
[0127]
図4は、液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示している。
図4の液体インピンジャ400は、例えば当該液体インピンジャ400の拡張部がいくつかの点で異なる点を除いて、
図3の液体インピンジャ300に類似する。液体インピンジャ400は、垂直軸401、上部402、下部403、ガス入口404、ガス出口405、内部406、内部基部407、ノズル408、ノズル開口409、管410、側壁413、拡張部414、テーパ部415、及び実質的直線壁構成部416を備える。下部403は、内部基部407を含む。ガス入口404は、内部406に配置され、下部403に取り付けられているノズル408を介して内部406と流体連通している。ノズル408は、内部基部407に取り付けられたものとして示しているが、下部403内の如何なる場所にも取り付け又は配置可能である(例えば、側壁413に取り付け可能である)。ガス入口404は、内部406において上部402から下部403まで延びている管410によって、ノズル408に接続されている。ガス出口405は、内部406と流体連通している。ガス入口404、ノズル408、内部406、及びガス出口405によって、ガス流路が順次規定されている。ガス流路は、管410とノズル408との間において、80°~100°の角度で屈曲している。液体を示していないものの、液体が存在するのであれば、ノズル408は液体に浸漬され、ガス流路に沿ってガスを搬送することにより、ガスが液体を通過することになる。下部403は、実質的に垂直軸401の少なくとも一部に沿って延びている壁を備えるが、このような壁としては、円筒状が可能である。液体インピンジャ400は、下部403と、拡張部414(三角形状)と、実質的直線壁構成部416と、テーパ部415と、を順番に備える。テーパ部415は、比較的緩やかなテーパを有する。ガス出口405は、上部402に配置されている。動作時、ガスは、ガス入口404に入り、管410に沿ってノズル408を通り、ノズル開口409から出て液体(存在する場合)を通り、拡張部414、実質的直線壁構成部416、テーパ部415を経由して内部406を通り、ガス出口405から出る。いくつかの態様においては、ガスを液体インピンジャで搬送することにより、下部403において液体(存在する場合)が旋回する。
【0114】
[0128]
図5は、液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示している。
図5の液体インピンジャ500は、例えば当該液体インピンジャ500の下部の形状が異なる点を除いて、
図3の液体インピンジャ300及び
図4の液体インピンジャ400に類似する。具体的に規定されていない
図5のすべての特徴が
図3及び
図4と同じである。液体インピンジャ500は、垂直軸501、上部502、テーパ部515、実質的直線壁構成部516、下部503、及び内部基部507を備える。下部503は、球又は楕円の形状を含む。内部基部507は、平坦なものとして示しているが、本明細書の他の箇所に記載の通り、球状、凹状、又は凸状等、任意好適な形状を採用可能である。本明細書に開示の方法に従う液体インピンジャ500の動作は、
図3及び
図4等、本明細書のその他の図面に記載のものに類似する。
【0115】
[0129]
図6A~
図6Dは、液体インピンジャのいくつかの態様を示している。例えば、
図6A~
図6Dは、液体インピンジャの下部における様々なノズル構成を示している。
図6Aは、下部の側壁に取り付けられた管を介してノズルにガス流が供給される液体インピンジャの下部の構成を示している。ノズルの方向は、図の紙面と垂直である。
図6Bは、下方から下部に近づいている管を介して2つのノズルにガス流が供給され、下部の内部基部が凹状、球状、又は楕円状である液体インピンジャの下部の構成を示している。ノズルの方向は、図の紙面と垂直であるか、又は、側壁に向かって上方に角度が付いている。
図6Cは、液体インピンジャの内部に配置されている管を介して2つのノズルにガス流が供給され、ノズルが内部基部及び任意選択として側壁に取り付けられている液体インピンジャの下部の構成を示している。ノズルの方向は、図の紙面と垂直である。
図6Dは、液体インピンジャの内部に配置されている管を介して2つのノズルにガス流が供給され、ノズルが任意選択として内部基部に取り付けられている液体インピンジャの下部の構成を示している。ノズルの方向は、図の紙面と垂直であるか、又は、側壁に向かって角度が付いている(ただし、側壁と垂直ではない)。
【0116】
[0130]
図7A及び
図7Bは、ノズル構成の態様を示している。特に、
図7A及び
図7Bは、垂直軸に沿って上部の方向から見た場合の液体インピンジャの下部の内部基部709を示している。各図には3つのノズル708が存在しており、各ノズルは、ノズル開口709を備えるとともに、円弧を含む形状を含む。円弧は実質的に、垂直軸と85°~95°の角度を成す平面内にある。特徴721は、ガス入口からのガス流を供給する管が配置される位置を特定する。
図7A及び
図7Bの他の特徴については、用語「水平角(horizontal angle)」の定義の理解を補助するため、本明細書の他の箇所に記載している。
【0117】
[0131]
図8については、用語「垂直角(vertical angle)」の定義の理解を補助するため、本明細書の他の箇所に記載している。
【0118】
[0132]
図9は、液体インピンジャ、特に、ガスをサンプリングするための液体インピンジャのいくつかの態様を示している。液体インピンジャ900は、垂直軸901、上部902、下部903、ガス入口904、ガス出口905、内部906、内部基部907、ノズル908、ノズル開口909、管910、側壁913、拡張部914、テーパ部915、及び3つの実質的直線壁構成部916を備える。下部903は、内部基部907を含む。ガス入口904は、内部906に配置され、下部903に取り付けられているノズル908を介して内部906と流体連通している。ガス入口904は、内部906において上部902から下部903まで延びている管910によって、ノズル908に接続されている。ガス出口905は、内部906と流体連通している。ガス入口904、ノズル908、内部906、及びガス出口905によって、ガス流路が順次規定されている。ガス流路は、管910とノズル908との間において、80°~100°の角度で屈曲している。液体を示していないものの、液体が存在するのであれば、ノズル908は液体に浸漬され、ガス流路に沿ってガスを搬送することにより、ガスが液体を通過することになる。下部903は、実質的に垂直軸901の少なくとも一部に沿って延びている壁を備えるが、このような壁としては、円筒状が可能である。液体インピンジャ900は、下部903と、拡張部914(実質的に球状又は楕円状)と、実質的直線壁構成部916と、断面積がより小さな実質的直線壁構成部916への遷移を可能にする棚部924と、テーパ部915と、別の実質的直線壁構成部916と、を順番に備える。テーパ部915は、比較的急速又は急峻なテーパを有する。ガス出口905は、上部902に配置されている。動作時、ガスは、ガス入口904に入り、管910に沿ってノズル908を通り、ノズル開口909から出て液体(図示せず)を通り、内部906を通ってガス出口905から出る。いくつかの態様においては、ガスを液体インピンジャで搬送することにより、下部903において液体(図示せず)が旋回する。特徴923は、ねじ山を示しており、本態様においては、これらのねじ山に沿う回転によって、液体インピンジャの組み立て及び分解が可能となる。特徴922は、液体インピンジャのテストのための任意選択としてのポートである。
【0119】
[0133]
図10は、
図9の液体インピンジャの外部図である。液体インピンジャ1000は、垂直軸1001、上部1002、下部1003、ガス入口1004、ガス出口1005、側壁1013、拡張部1014、テーパ部1015、及び3つの実質的直線壁構成部1016を備える。特徴1022は、液体インピンジャのテストのための任意選択としてのポートである。
【0120】
[0134]
図13A及び
図13Bは、ノズルに対するガス入口及び管の例示的な角度配向を示す本発明の液体インピンジャの斜視図である。
図14A及び
図14Bは、この液体インピンジャのノズルの例示的な角度配向を示す上面図である。
【0121】
[0135]
図11は、液体インピンジャを生成するための方法又は充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法のいくつかの態様のフロー図である。これらの方法のいくつかの態様には、液体インピンジャの少なくとも2つの構成要を形成するステップ1101と、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップ1102と、組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填して充填液体インピンジャを生成するステップ1103と、充填液体インピンジャを放射線に曝露して液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップ1104と、を含む。いくつかの態様において、この方法は、
図11に示すように、曝露ステップ1104の前後いずれかに実行されるステップ1105をさらに含む。いくつかの態様においては、
図11に示すいずれかのステップを実行することも可能であるし、実行しないことも可能である。例えば、いくつかの態様においては、すべてのステップが実行され、ステップ1105がステップ1104の前後いずれかに実行される。いくつかの態様においては、形成ステップ1101が実行されず、組み立てステップ1102及び充填ステップ1103が実行される。いくつかの態様においては、形成ステップ1101が実行されず、組み立てステップ1102、充填ステップ1102、及び曝露ステップ1103が実行される。いくつかの態様においては、形成ステップ1101及び組み立てステップ1102が実行され、充填ステップ1103、曝露ステップ1104、及びパッケージングステップ1105が実行されない。いくつかの態様においては、形成ステップ1101、組み立てステップ1102、充填ステップ1103、及び曝露ステップ1104が実行される。ステップのすべての可能な組み合わせが考えられ、任意のステップを実行することも可能であるし、実行しないことも可能であり、また、実行の有無を問わず、その他の任意ステップと組み合わせ可能である。
【0122】
[0136]
図12については、液体インピンジャの様々な構成要素の相互の取り付けの方法(液体インピンジャの組み立ての方法を含む)の理解を補助するため、本明細書の他の箇所に記載する。
【0123】
[0137]ここで
図15A~
図15Cを参照して、これらは、液体インピンジャ1300の一例を示している。液体インピンジャ1300は、サンプルポート1360及びキャップ1350を具備する。サンプルポート1360は、容器の内部に含まれる液体への選択的なアクセスを提供するように構成されている。キャップ1350は、隔膜1355を含む。隔膜1355は、インピンジャの内部と周囲環境との間のバリアを維持しつつニードルの貫通を可能にするゴム又は類似の材料で構成可能である。
【0124】
[0138]いくかの実施形態において、インピンジャは、成型、組み立て、液体媒体での充填、キャッピング、滅菌の後、エンドユーザに提供されるようになっていてもよい。そして、エンドユーザは、ガス流を液体インピンジャでサンプリングした後、隔膜を注射器で貫通することにより、液体サンプルを抽出するようにしてもよい。このように、サンプリングポート及び隔膜により容易化された封止サンプリング動作によって、誤検出を低減可能である。
【0125】
(実施例)
[0139]以下の非限定的な実施例によって、本発明の態様がさらに理解され得る。
【0126】
[0140]実施例1:液体インピンジャ
【0127】
[0141]本実施例は、液体インピンジャ、特に、1回だけ使われて捨てられる使い捨ての液体インピンジャのいくつかの態様を示す。
【0128】
[0142]使い捨てのインピンジャは、(1)液体媒体が存在するアンプル、(2)液体中で空気を膨張させる入口カニューレ、(3)真空接続部、(4)真空接続部のキャップ、(5)入口カニューレのキャップ、(6)プラスチック(例えば、ポリマー材料)で構成されたすべての材料、といった構成要素/特性を有する。
【0129】
[0143]液体インピンジャの生成及び使用のためのステップには、(1)成型による構成要素の構成、(2)ベータ照射による滅菌、(3)アンプルの媒体での充填及び装置の組み立て、(4)ガンマ照射による滅菌、(5)顧客への出荷、(6)サンプリング点への配置、真空源及び入口プローブの接続、(7)サンプリング、真空の付与、(8)サンプリング点からの装置の取り外し、入口及び真空接続部のキャップによる閉鎖、並びに(9)液体中の細菌の検出を含む。
【0130】
[0144]使い捨ての液体インピンジャの利点としては、(1)より少ない取り扱いで液体中の細菌を容易に検出できること、(2)使い捨ての閉じた装置の滅菌によって誤検出を最小化又は防止できること、(3)その特別な設計によりサンプリング中の液体の損失を最小化して、モニタリング時間の延長及び寸法の最小化を図れることがある。
【0131】
[0145]本明細書に開示の液体インピンジャ及び方法は、既知のサンプリング器の多くの問題を解決する。例えば、クリーンルーム環境における実際の一般的な微生物検出は、ペトリ皿を用いて実行されることが多い。使い捨ての寒天充填ペトリ皿等のいくつかの解決手段は、成長/培養を通じて媒体の非接触を可能にする一方、検出/認識のステップについては依然として手動であり、人間の操作/介入による汚染の可能性がある。また、寒天ペトリ皿における培養/成長に要する時間は、数日(例えば、2~3日)である。ただし、液体媒体においては、培養/成長の高速化が可能であり、PCR等の検出技術との組み合わせによって、少ない取り扱いでの使用を可能にする複数の方法が存在する。液体インピンジャによるモニタリングの提供が可能である一方、既知のインピンジャは通常、ガラスで構成されているため、消耗品(すなわち、使い捨て)ではない。繰り返しの各使用に先立って、洗浄及び滅菌を行う必要がある。さらに、既知の液体インピンジャは、大き過ぎるため、モニタリング点での理想的な配置が不可能となることも多い。
【0132】
[0146]例えば
図3及び
図9には、本実施例に記載の使い捨ての液体インピンジャの態様を示す。
【0133】
[0147]付加的な態様としては、以下が挙げられる。
【0134】
[0148]態様1.垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、液体インピンジャ。
【0135】
[0149]態様2.当該液体インピンジャが、ポリマー材料を含む、態様1に記載の液体インピンジャ。
【0136】
[0150]態様3.ポリマー材料が、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、ポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、態様2に記載の液体インピンジャ。
【0137】
[0151]態様4.当該液体インピンジャが液体を含む場合、少なくとも1つのノズルが、液体に浸漬され、ガス流路に沿ってガスを搬送することにより、ガスが液体を通過する、態様1~3のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0138】
[0152]態様5.液体をさらに備える、態様1~4のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0139】
[0153]態様6.当該液体インピンジャが、成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、加法製造、3次元印刷、減法製造、鋳造、成形、真空成形、押出、又はこれらの任意の組み合わせを含むプロセスにより生成され、任意選択として、プロセスが、当該液体インピンジャを形成するように一体接合された少なくとも3つの別個の構成要素を生成する、態様1~5のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0140】
[0154]態様7.少なくとも1つのノズルが、少なくとも2つのノズル又は少なくとも3つのノズルを含む、態様1~6のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0141】
[0155]態様8.各ノズル開口が、0.1mm~3.2mmの直径を有する、態様1~7のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0142】
[0156]態様9.少なくとも1つのノズルが、円弧を含む形状を含む、態様1~8のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0143】
[0157]態様10.円弧が実質的に、垂直軸と85°~95°の角度を成す平面内にある、態様9に記載の液体インピンジャ。
【0144】
[0158]態様11.ガス入口が、内部において上部から下部まで延びている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている、態様1~10のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0145】
[0159]態様12.管が、垂直軸に沿って実質的に直線である、態様11に記載の液体インピンジャ。
【0146】
[0160]態様13.ガス流路が、管と少なくとも1つのノズルとの間において、80°~100°の角度で屈曲している、態様11又は12に記載の液体インピンジャ。
【0147】
[0161]態様14.少なくとも1つのノズルが、0°~40°の水平角を有する、態様1~13のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0148】
[0162]態様15.少なくとも1つのノズルが、-40°~40°の垂直角を有する、態様1~14のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0149】
[0163]態様16.下部が、実質的に垂直軸の少なくとも一部に沿って延びている円筒壁を備える、態様1~15のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0150】
[0164]態様17.下部と上部との間の少なくとも1つの拡張部であり、当該拡張部の最大拡幅点が、下部の最大拡幅点の内部断面積よりも大きな内部断面積を有する、少なくとも1つの拡張部をさらに備える、態様1~16のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0151】
[0165]態様18.拡張部が、実質的に球又は楕円の形状である、態様17に記載の液体インピンジャ。
【0152】
[0166]態様19.拡張部と上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、当該少なくとも1つのテーパ部が、垂直軸に沿って、上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部をさらに備える、態様17又は18に記載の液体インピンジャ。
【0153】
[0167]態様20.拡張部とテーパ部との間に少なくとも1つの実質的直線壁構成部をさらに備える、態様17~19のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0154】
[0168]態様21.下部が、実質的に球又は楕円の形状を含む、態様1~15のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0155】
[0169]態様22.下部と上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、当該少なくとも1つのテーパ部が、垂直軸に沿って、上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部をさらに備える、態様21に記載の液体インピンジャ。
【0156】
[0170]態様23.下部が、側壁をさらに備え、ノズル開口が、側壁の10mm以内又は側壁と実質的に同一平面で配置されている、態様1~22のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0157】
[0171]態様24.当該液体インピンジャが、15mL~200mLの体積の液体で動作するように構成されている、態様1~23のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0158】
[0172]態様25.当該液体インピンジャの少なくとも一部が、照射による液体(存在する場合)及び内部の滅菌を可能にするため、放射線に対して十分に透明な材料で構成されている、態様1~24のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0159】
[0173]態様26.当該液体インピンジャの当該下部のねじ山に沿うねじ回し式の回転によって、下部が当該液体インピンジャに対して取り付けられ又は当該液体インピンジャから取り外されるように構成されている、態様1~25のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0160】
[0174]態様27.ガス流のモニタリングに一度使用された後、廃棄されるように構成されている、態様1~26のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0161】
[0175]態様28.液体が、消泡剤を含み、任意選択として、消泡剤が、0.001体積%~1体積%の濃度で液体中に存在する、態様1~27のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0162】
[0176]態様29.容器が、当該容器の内部における液体への選択的なアクセスによって、当該容器中の液体のサンプリングを可能にするように構成されているサンプリングポートを備える、態様1~28のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ。
【0163】
[0177]態様30.容器が、サンプリングポートを封止するための取り外し可能なキャップを備える、態様29に記載の液体インピンジャ。
【0164】
[0178]態様31.キャップが、容器の内部を封止状態に維持しつつ、ニードルを受容して容器の内部からの液体の引き出しを可能にするように構成されている隔膜を備える、態様30に記載の液体インピンジャ。
【0165】
[0179]態様32.態様1~31のいずれか一態様に記載の液体インピンジャ又は
垂直軸、上部、液体を含む内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含み、ノズル開口が、液体に浸漬されている、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定する液体インピンジャを用意するステップと、
被験物質を含むガスをガス流路に沿って液体中で搬送するステップと、
被験物質の少なくとも一部を液体中に沈殿させるステップと、
を含む方法。
【0166】
[0180]態様33.被験物質が、粒子、分子被験物質、又はこれらの組み合わせである、態様32に記載の方法。
【0167】
[0181]態様34.液体インピンジャが、少なくとも2つの構成要素を備え、当該方法が、用意するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素の組み立ての前後いずれかに容器を液体で充填するステップをさらに含む、態様32又は33に記載の方法。
【0168】
[0182]態様35.搬送するステップに先立って、組み立て形態及び/又は充填形態の液体インピンジャを放射線で照射することにより、内部の少なくとも一部及び内部に含まれる液体の少なくとも一部を滅菌するステップであって、液体インピンジャの少なくとも一部が、滅菌を可能にするため、放射線に対して十分に透明な材料で構成されている、ステップをさらに含む、態様32~34のいずれか一態様に記載の方法。
【0169】
[0183]態様36.被験物質の少なくとも一部が、生物学的粒子を含む、態様32~35のいずれか一態様に記載の方法。
【0170】
[0184]態様37.沈殿させるステップの後、生物学的粒子の成長を促進するのに十分な条件の下で液体を培養するステップであって、液体が、成長媒体を含む、ステップをさらに含む、態様32~36のいずれか一態様に記載の方法。
【0171】
[0185]態様38.生物学的粒子が液体中に存在するかを検出するステップをさらに含む、態様37に記載の方法。
【0172】
[0186]態様39.検出するステップが、(1)眼による視覚検査、光学検出器、撮像装置、紫外-可視、近赤外、赤外、若しくは蛍光分光法の使用のうちの少なくとも1つを含む光学検出、(2)液体中の酸素レベル若しくは二酸化炭素レベルの変化の認識、又は(3)任意選択としてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ヌクレオチド配列決定、ハイブリダイゼーション、制限断片長多型(RFLP)分析、フローサイトメトリ、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)、免疫学的同定、脂肪酸プロファイリング、代謝プロファイリング、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む分析室技術を用いた液体インピンジャから抽出後の液体の分析のうちの少なくとも1つを含む、態様38に記載の方法。
【0173】
[0187]態様40.培養するステップ又は検出するステップの少なくとも一方が、容器からの液体の除去も液体インピンジャの分解もなく実行される、態様36~39のいずれか一態様に記載の方法。
【0174】
[0188]態様41.充填するステップ及び滅菌するステップの組み合わせ実行が、人間の液体との接触を最小限に抑え、検出するステップにおける誤検出を低減する、態様34~37のいずれか一態様に記載の方法。
【0175】
[0189]態様42.用意するステップ、搬送するステップ、沈殿させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの1サイクルの実行後、(1)液体インピンジャを廃棄するステップ、(2)用意するステップ、搬送するステップ、沈殿させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの第2のサイクルに備えて液体インピンジャを二度と滅菌しないステップ、又は(3)用意するステップ、搬送するステップ、沈殿させるステップ、培養するステップ、及び検出するステップの第2のサイクルを二度と実行しないステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、態様34~38のいずれか一態様に記載の方法。
【0176】
[0190]態様43.少なくとも1つのノズルが、少なくとも2つのノズル又は少なくとも3つのノズルを含む、態様32~42のいずれか一態様に記載の方法。
【0177】
[0191]態様44.各ノズル開口が、0.1mm~3.2mmの直径を有する、態様32~43のいずれか一態様に記載の方法。
【0178】
[0192]態様45.少なくとも1つのノズルが、円弧を含む形状を含み、円弧が実質的に、垂直軸と85°~95°の角度を成す平面内にある、態様32~44のいずれか一態様に記載の方法。
【0179】
[0193]態様46.少なくとも1つのノズルが、0°~40°の水平角を有する、態様32~45のいずれか一態様に記載の方法。
【0180】
[0194]態様47.ガス入口が、内部において上部から下部まで延びている管によって、少なくとも1つのノズルに接続されている、態様32~46のいずれか一態様に記載の方法。
【0181】
[0195]態様48.下部が、円筒、球、又は楕円の形状を含み、液体インピンジャが、
下部と上部との間の少なくとも1つの拡張部であり、当該拡張部の最大拡幅点が、下部の最大拡幅点の内部断面積よりも大きな内部断面積を有する、少なくとも1つの拡張部と、
拡張部と上部との間の少なくとも1つのテーパ部であり、当該少なくとも1つのテーパ部が、垂直軸に沿って、上部に向かってより小さな内部断面積となるように先細りしている、少なくとも1つのテーパ部と、
をさらに備える、態様32~47のいずれか一態様に記載の方法。
【0182】
[0196]態様49.下部が、側壁をさらに備え、ノズル開口が、側壁の10mm以内又は側壁と実質的に同一平面で配置されている、態様32~48のいずれか一態様に記載の方法。
【0183】
[0197]態様50.搬送するステップが、1L/分~20L/分の流量で実行される、態様32~49のいずれか一態様に記載の方法。
【0184】
[0198]態様51.液体インピンジャが、ポリマー材料を含む、態様32~50のいずれか一態様に記載の方法。
【0185】
[0199]態様52.ポリマー材料が、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、ポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、態様51に記載の方法。
【0186】
[0200]態様53.移動させるステップに応答して、容器の内部からサンプリングポートを介して液体のサンプルを取り出すステップを含む、態様32~52のいずれか一態様に記載の方法。
【0187】
[0201]態様54.サンプルを取り出すステップが、ニードルをサンプルポートの隔膜に挿入することを含む、態様53に記載の方法。
【0188】
[0202]態様55.液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
任意選択として、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、ステップと、
任意選択として、組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法。
【0189】
[0203]態様56.充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
充填液体インピンジャを用意することを含む第1の用意するステップであり、充填液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含む、ステップと、
充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法。
【0190】
[0204]態様57.第1の用意するステップに先立って、
組み立て液体インピンジャを用意することを含む第2の用意するステップであり、組み立て液体インピンジャが、液体を伴わない充填液体インピンジャを含む、第2の用意するステップと、
組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
をさらに含む、態様56に記載の方法。
【0191】
[0205]態様58.第2の用意するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップをさらに含む、態様57に記載の方法。
【0192】
[0206]態様59.組み立てるステップに先立って、少なくとも2つの構成要素を形成するステップをさらに含む、態様58に記載の方法。
【0193】
[0207]態様60.充填・滅菌液体インピンジャを生成するための方法であって、
液体インピンジャの少なくとも2つの構成要素を形成するステップと、
少なくとも2つの構成要素を組み立てることにより、組み立て液体インピンジャを生成するステップであり、組み立て液体インピンジャが、
垂直軸、上部、内部、及び内部基部を含む下部を含む容器と、
内部に配置され、下部に取り付けられている少なくとも1つのノズルを介して内部と流体連通しているガス入口であり、ノズルが、ノズル開口を含む、ガス入口と、
内部と流体連通しているガス出口と、
を備え、
ガス入口、少なくとも1つのノズル、内部、及びガス出口が、ガス流路を順次規定しており、
容器が、液体を内部に含むように構成されている、ステップと、
組み立て液体インピンジャの内部の一部を液体で充填することにより、充填液体インピンジャを生成するステップと、
充填液体インピンジャを放射線に曝露して、液体インピンジャの内部に存在する液体の少なくとも一部を滅菌することにより、充填・滅菌液体インピンジャを生成するステップと、
任意選択として、曝露ステップの前後いずれかに、液体インピンジャの内部への粒子又は汚染の侵入を防止するように、充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをパッケージングするステップと、
を含む、方法。
【0194】
[0208]態様61.パッケージングするステップが、実行され、(1)キャップを1つ又は複数のガス入口及びガス出口に取り付けること、(2)充填液体インピンジャ又は充填・滅菌液体インピンジャをコンテナに封入すること、又は(3)これらの組み合わせを含む、態様60に記載の方法。
【0195】
[0209]態様62.形成するステップが、実行され、成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、加法製造、3次元印刷、減法製造、鋳造、成形、真空成形、押出、又はこれらの任意の組み合わせを含む、態様60又は61に記載の方法。
【0196】
[0210]態様63.形成するステップが、実行され、1つ又は複数のポリマー材料を少なくとも2つの構成要素として形成する、態様60~62のいずれか一態様に記載の方法。
【0197】
[0211]態様64.1つ又は複数のポリマー材料が、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、透明ポリスチレン(例えば、ポリスチロール(Polystyrol)(商標))、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ゴム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、態様63に記載の方法。
【0198】
[0212]態様65.少なくとも2つの構成要素が、3つの構成要素を含む、態様60~64のいずれか一態様に記載の方法。
【0199】
[0213]態様66.放射線が、ベータ線、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む、態様60~65のいずれか一態様に記載の方法。
【0200】
[0214]態様67.液体が、成長媒体を含む、態様60~66のいずれか一態様に記載の方法。
【0201】
[0215]態様68.充填するステップに先立って、少なくとも2つの構成要素、組み立て液体インピンジャ、又は両者を放射線で照射して滅菌するステップであり、放射線が、ベータ線、ガンマ線、X線、電子ビーム線、又はこれらの任意の組み合わせを含む、ステップをさらに含む、態様60~67のいずれか一態様に記載の方法。
【援用及び変形例に関する記述】
【0202】
[0216]本願を通じてのすべての参考文献(例えば、発行済み若しくは特許済みの特許又は同等物を含む特許文献、特許出願公開、並びに非特許文献等の原資料)は、各参考文献が本願の開示と少なくとも部分的に矛盾しない範囲において、個別の援用であるかのように、それぞれのすべての内容を本明細書に援用する(例えば、部分的に矛盾する参考文献は、その部分的に矛盾する部分を除いて援用する)。
【0203】
[0217]本明細書において採用した用語及び表現は、説明の用語として使用され、何ら限定的なものではなく、また、このような用語及び表現の使用には、図示及び記載の特徴又はその一部の如何なる同等物の除外の意図もなく、一方、本発明の特許請求の範囲内で種々改良が可能であるものと認識される。このため、好適な実施形態、例示的な実施形態、及び任意選択的な特徴によって本発明を具体的に開示してはいるが、本明細書に開示の概念の改良及び変形が当業者により講じられ得ること、また、このような改良及び変形が添付の特許請求の範囲に規定のような本発明の範囲に含まれると考えられることが了解されるものとする。本明細書に記載の具体的な実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、当業者には、本明細書に記載の装置、装置構成要素、及び方法ステップの多くの変形を用いて本発明が実行され得ることが明らかであろう。当業者には明らかなこととして、方法及び本方法に有用な装置には、多くの任意選択的な構成、処理要素、及びステップを含み得る。
【0204】
[0218]本明細書における使用の場合、添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上の別段の明確な指示のない限り、複数形の参照を含む。このため、例えば「細胞(a cell)」という言及には、当業者が既知の複数の当該細胞及びその同等物を含む。また、用語「a」(又は、「an」)、「1つ又は複数(one or more)」、及び「少なくとも1つ(at least one)」は、本明細書において区別なく使用され得る。また、用語「備える(comprising)」、「具備する(including)」、及び「有する(having)」についても、区別なく使用され得る。表現「請求項XX~YYのいずれか一項に記載の(of any of claims XX-YY)」(XX及びYYは、請求項番号を表す)は、代替形態の多項従属請求項を提供するように意図され、いくつかの実施形態においては、表現「as in any one of claims XX-YY」と区別なく使用され得る。
【0205】
[0219]本明細書において、マーカッシュ群又は他の群が用いられる場合は、当該群のすべての個別要素並びに当該群に可能なすべての組み合わせ及び副組み合わせが開示内容に個々に含まれることが意図される。また、別段の指定のない限り、本明細書に開示の化合物のすべての同位体異形は、本開示での包含が意図される。例えば、開示の分子中の1つ又は複数の任意の水素は、重水素又は三重水素で置換可能であることが了解される。分子の同位体異形は一般的に、当該分子の分析並びに当該分子若しくはその使用と関連する化学的及び生物学的研究における基準として有用である。このような同位体異形を作製する方法は、当技術分野において既知である。化合物の具体名は、例示的なものである。当業者であれば、同じ化合物に別の名称を付与可能であることが知られているためである。
【0206】
[0220]本明細書に記載又は例示のあらゆる装置、システム、製法、成分の組み合わせ、又は方法は、別段の記述のない限り、本発明の実施に使用可能である。
【0207】
[0221]本明細書において、範囲(例えば、温度範囲、時間範囲、組成範囲、又は濃度範囲)が与えられている場合はいつでも、すべての中間範囲及び副範囲のほか、与えられた範囲に含まれるすべての個別値が本開示に含まれることが意図される。本明細書の記述に含まれる如何なる副範囲も、範囲又は副範囲内の個々の値も、特許請求の範囲からは除外され得ることが了解される。
【0208】
[0222]本明細書に記載のすべての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者の熟練度を示す。本明細書に引用の参考文献は、それぞれのすべての内容を本明細書に援用することによって、それぞれの公開日又は出願日の時点での従来技術を示しており、また、この情報は、必要に応じて本明細書に採用することにより、従来技術における具体的な実施形態を除外することができるものである。例えば、組成物を請求している場合、本明細書に引用の参考文献に実施可能な開示が提供された化合物を含めて、本出願人の発明に先立つ技術において既知且つ利用可能な化合物は、特許請求の範囲に係る組成物に含まれるものではないことが了解されるものとする。
【0209】
[0223]本明細書における使用の場合、「備える(comprising)」は、「具備する(including)」、「含む(containing)」、又は「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包含的すなわちオープンエンドであるため、付加的な列挙されていない要素も方法ステップも除外しない。本明細書における使用の場合、「~から成る(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素に指定されていない如何なる要素、ステップ、又は成分をも除外する。本明細書における使用の場合、「~から本質的に成る(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的且つ新規な特性に対して実質的な影響を及ぼさない材料もステップも除外しない。本明細書の如何なる場合も、用語「備える(comprising)」、「~から本質的に成る(consisting essentially of)」、及び「~から成る(consisting of)」はそれぞれ、その他2つの用語のいずれかと置き換え可能である。本明細書において例示的に記載の本発明は、本明細書に具体的に開示されていない(1つ又は複数の)要素、限定であれば、これらがなくても好適に実施可能である。
【0210】
[0224]当業者には当然のことながら、具体的に例示されていない出発物質、生物材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、検査方法、及び生物学的方法は、必要以上の実験を行うことなく本発明の実施に採用可能である。このような任意の材料及び方法に関して当技術分野で既知のすべての機能的同等物は、本発明での包含が意図される。採用した用語及び表現は、説明の用語として使用され、何ら限定的なものではなく、また、このような用語及び表現の使用には、図示及び記載の特徴又はその一部の如何なる同等物の除外の意図もなく、一方、本発明の特許請求の範囲内で種々改良が可能であるものと認識される。このため、好適な実施形態及び任意選択的な特徴によって本発明を具体的に開示してはいるが、本明細書に開示の概念の改良及び変形が当業者により講じられ得ること、また、このような改良及び変形が添付の特許請求の範囲に規定のような本発明の範囲に含まれると考えられることが了解されるものとする。
【国際調査報告】