(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】人工知能を用いた効率的なゲーム監視
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240730BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20240730BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240730BHJP
A63F 3/00 20060101ALI20240730BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20240730BHJP
G07C 1/22 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G06Q50/34
G06T7/20 300A
G06T7/00 660Z
A63F3/00 E
A63F9/00 513
G07C1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575432
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 AU2022050581
(87)【国際公開番号】W WO2022256883
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】シャラ サバッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォ ニャット ディン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォ デュク ディン ミン
(72)【発明者】
【氏名】グラハム ラクラン
(72)【発明者】
【氏名】クイン ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ディアス マテオ
【テーマコード(参考)】
3E138
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
3E138LA04
5L050CC54
5L096AA09
5L096BA02
5L096CA04
5L096FA06
5L096FA69
5L096HA11
(57)【要約】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための方法及びシステムに関する。例示的な方法は、コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、第1の画像及び一連の画像のうちの第1の画像の直前直後の画像の画像データをアップストリームコンピューティングデバイスへ送信することと、を備え、イベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において第1のゲームオブジェクトを検出することを備え、第1のゲームオブジェクトは、一連の画像のうちの第1の画像より前に撮影された画像では検出されていない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム監視のための方法であって、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、
ゲーム監視開始イベントを識別することに応じて、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像の画像データの、アップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始することと、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することであって、第2の画像は、第1の画像に続いて撮影された画像である、決定することと、
決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、
ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データの送信を終了することと、
を備える、方法。
【請求項2】
第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において第1のゲームオブジェクトを検出することを備え、第1のゲームオブジェクトは、一連の画像における第1の画像の前に撮影された画像において検出されていない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像においてディーラのジェスチャを検出することを備え、ディーラのジェスチャは、ゲームの開始を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において人間又は人間の一部を検出することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2のイベントトリガ指標を決定することは、第2の画像においてゲームオブジェクトの不存在を検出することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2のイベントトリガ指標を決定することは、第2の画像においてディーラのジェスチャを検出することを備え、ディーラのジェスチャはゲームの終了を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ゲーム環境の一連の画像を撮影することを更に備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
一連の画像の各画像は、可視スペクトルカメラ、又は赤外線スペクトルカメラ、又は深度センシングカメラ、又はニューロモルフィックカメラ、又はAIカメラ、又はイベントカメラ、又はピクセル処理カメラの1つ以上を含むカメラを用いて撮影される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
カメラは、コンピューティングデバイスと同じゲームテーブル位置にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アップストリームコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの位置から遠隔にある、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
アップストリームコンピューティングデバイスは、クラウドコンピューティング環境におけるリモートサーバを備える、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の各々において関心領域を決定することを更に備え、
アップストリームコンピューティングデバイスに送信される画像データは、決定された関心領域の画像データに限定される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
関心領域は、ゲームオブジェクト又は人間の一部を描写する画像における領域である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ゲームオブジェクトは、ゲーム価値オブジェクト、又は現金、又はトランプ、又はサイコロ、又は位置マーカの1つ以上を含む、請求項2、5及び13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイスは、ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置されたゲーム環境コンピューティングデバイスである、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ゲーム環境は、ゲームテーブルを含み、撮影された画像は、ゲームテーブル面を備える、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像を人工知能モデルに提供することを備える、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することは、第2の画像を人工知能モデルに提供することを備える、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
人工知能モデルは、人工ニューラルネットワークである、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
ゲーム監視のための方法であって、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、ゲーム環境におけるゲーム環境コンピューティングデバイスから、ゲーム環境で撮影された画像の画像データ及び撮影された画像の各々についてのタイムスタンプ情報を受信することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、受信した画像データを処理して、画像データにおいてゲームオブジェクトを識別し、また、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像データの画像領域を識別することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像領域を処理して、識別されたゲームオブジェクトのゲームオブジェクト属性を決定することと、
を備える方法。
【請求項21】
ゲームオブジェクトは、複数のトークンオブジェクトを含み、複数のトークンオブジェクトについて決定されたゲームオブジェクト属性は、複数のトークンオブジェクトの価値推定値並びに複数のトークンオブジェクトの位置指標を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
位置指標は、ゲーム環境におけるゲームテーブル上の複数のトークンオブジェクトの位置を示す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
複数のトークンオブジェクトは、スタックで配置される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
複数のトークンオブジェクトの価値推定値は、
複数のトークンオブジェクトに対応する画像領域においてエッジパターン領域を検出することと、
エッジパターン領域を処理して、夫々のエッジパターン領域において符号化されたトークン価値指示を決定することと、
トークン価値指示に基づいて、複数のトークンオブジェクトの価値を推定することと、
により決定される、
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
ゲームオブジェクトの検出は、第1のオブジェクト検出ニューラルネットワークによって実行され、
エッジパターン領域の検出及びトークン価値指示の決定は、第2のオブジェクト検出ニューラルネットワークによって実行される、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1のオブジェクト検出ニューラルネットワーク及び第2のオブジェクト検出ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワークを用いて実施される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ゲームオブジェクトは、ゲームカードを含み、ゲームカードのゲームオブジェクト属性は、ゲームカード識別子を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
ゲーム監視のための分散システムであって、
ゲーム環境において配置され、ゲーム環境の画像を撮影するカメラと、
ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置されるゲーム環境コンピューティングデバイスであって、コンピューティングデバイスは、カメラと通信する、ゲーム環境コンピューティングデバイスと、
コンピューティングデバイスと通信するアップストリームコンピューティングデバイスと、
を備え、
ゲーム環境コンピューティングデバイスは、
ゲーム環境コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像の各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、
ゲーム環境コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、
ゲーム監視開始イベントを識別することに応じて、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データの、アップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始することと、
ゲーム環境コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、
ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データの送信を終了することと、
を備える方法を実行するように構成され、
アップストリームコンピューティングデバイスは、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、ゲーム環境におけるゲーム環境コンピューティングデバイスから、ゲーム環境において撮影された画像の画像データ及び撮影された画像の各々のタイムスタンプ情報を受信することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、受信した画像データを処理して、画像データにおけるゲームオブジェクトを識別し、また、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像データの画像領域を識別することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像領域を処理し、識別されたゲームオブジェクトのゲームオブジェクト属性を決定することと、
を備える方法を実行するように構成されている、
分散システム。
【請求項29】
ゲーム監視のための分散システムであって、
ゲーム環境において配置され、ゲーム環境の画像を撮影するカメラと、
ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置されたコンピューティングデバイスであって、コンピューティングデバイスは、カメラと通信可能である、コンピューティングデバイスと、
コンピューティングデバイスと通信するアップストリームコンピューティングデバイスと、
を備え、
コンピューティングデバイスは、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成され、アップストリームコンピューティングデバイスは、請求項20乃至27のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている、
分散システム。
【請求項30】
ゲーム監視のための方法であって、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像においてイベントトリガ指標を決定することと、
決定されたイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視イベントを識別することと、
第1の画像及び一連の画像のうちの第1の画像の直前直後の画像の画像データを、アップストリームコンピューティングデバイスに送信することと、
を備え、
イベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において第1のゲームオブジェクトを検出することを備え、第1のゲームオブジェクトは、一連の画像のうちの第1の画像の前に撮影された画像においては検出されていない、
方法。
【請求項31】
ゲーム監視のための方法であって、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理し、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することであって、第2の画像は、第1の画像に続いて撮影された画像である、決定することと、
決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、
ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、第1の画像から第2の画像までの一連の画像のうちの1セットの画像の画像データを、人工知能を用いた1セットの画像の遠隔画像処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスに送信することと、
を備える方法。
【請求項32】
ゲーム監視のための方法であって、
コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、
コンピューティングデバイスによって、ゲーム環境におけるゲームテーブルに関連する第1のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、
コンピューティングデバイスによって、第1のトリガイベントの決定後の時点で、ゲームテーブルに関連する第2のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第2のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、
を備え、
ゲーム監視開始イベントを識別したのに続いて、第1のイベントトリガ指標の時点で撮影された第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データを、人工知能を用いた1セットの画像の遠隔画像処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスへ送信することを開始し、ゲーム監視終了イベントを識別するのに続いて、画像データの送信を終了すること、又は
ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、第1のイベントトリガ指標の時点で撮影された第1の画像から第2のイベントトリガ指標の時点で撮影された第2の画像までの一連の画像のうちの1セットの画像の画像データを、人工知能を用いた1セットの画像の遠隔画像処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスに送信すること、
の1つを備える、
方法。
【請求項33】
ゲーム環境の一連の画像を撮影することを更に備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
一連の画像の各画像は、可視スペクトルカメラ、又は赤外線スペクトルカメラ、又は深度センシングカメラ、又はニューロモルフィックカメラのうちの1つ以上を含むカメラを用いて撮影される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
カメラは、コンピューティングデバイスと同じゲームテーブルの位置にある、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
アップストリームコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの位置から遠隔にある、請求項32乃至35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
アップストリームコンピューティングデバイスは、クラウドコンピューティング環境におけるリモートサーバを備える、請求項32乃至36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の各々における関心領域を決定することを更に備え、
アップストリームコンピューティングデバイスに送信される画像データは、決定された関心領域の画像データに限定される、
請求項32乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
関心領域は、ゲームオブジェクト又は人間の一部を描写する画像における領域である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
コンピューティングデバイスは、ゲーム環境において又はそれに近接して配置されたゲーム環境コンピューティングデバイスである、請求項32乃至39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
ゲーム環境は、ゲームテーブルを含み、撮影された画像はゲームテーブル面を備える、請求項32乃至40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
ゲーム監視方法であって、
エッジコンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、
エッジコンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、
決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、
ゲーム監視開始イベントを識別すること応じて、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データの、アップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、エッジコンピューティングデバイスから、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の各々の画像データ、並びに、第1の画像及び一連の画像のうちの複数の画像のタイムスタンプ情報を受信することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、受信した画像データを処理して、画像データにおいてゲームオブジェクトを識別し、また、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像データの画像領域を識別することと、
アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像領域を処理し、識別されたゲームオブジェクトのゲームオブジェクト属性を決定することと、
エッジコンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することであって、第2の画像は、第1の画像に続いて撮影された画像である、決定することと、
決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、
ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データの送信を終了することと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明される実施形態は、概して、ゲーム施設におけるゲーム活動を監視するためのコンピュータによって実施される方法及びコンピュータシステムに関する。実施形態は、画像処理及び機械学習処理を適用して、分散型コンピューティングシステムを用いて、ゲーム活動を監視する。特に、幾つかの実施形態は、ゲーム活動を監視するために、画像処理に人工知能を適用する。
【背景技術】
【0002】
カジノのようなゲーム会場は、幾人かの個人が様々なゲーム活動に従事する忙しい環境である。ゲーム会場は、ゲーム会場の様々なパートに多数の顧客を収容する大きな空間であり得る。幾つかのゲーム会場は、ディーラ又は運営者によって様々なゲームが行われるテーブル即ちゲームテーブルを備える。
【0003】
ゲーム環境の監視は、監視の責任を負う個々人によって実行され得る。ゲームの動的な性質、ゲーム環境を巡って自由に動き回れる充分な人数の個々人、及びゲーム会場のサイズにより、しばしば、個々人によって実行可能な監視の程度が制限される。ゲーム会場の運営者は、ゲーム会場におけるゲーム活動の自動監視から利益を得ることが可能である。ゲーム活動に関するデータは、ゲーム会場の運営及び管理を改善するための、又は例えばプレーヤロイヤルティボーナスを付与するためにプレーヤの格付けを決定するための、データ分析を容易にし得る。しかしながら、このような監視によって生成されるデータ量は膨大になり得、実際上の課題、記憶上の課題、及び/又は処理上の課題を生じ得る。
【0004】
本願明細書を通じて、単語「備える(comprise)」、又は「備える(comprises)」若しくは「備える(comprising)」のような変化形は、記載された要素、総体若しくはステップ、又は要素、総体若しくはステップのグループを含むことを意味するが、他の任意の要素、総体若しくはステップ、又は要素、総体若しくはステップのグループを排除することを意味しないと理解されるだろう。
【0005】
本願明細書において、ある要素が選択肢のリストの「少なくとも1つ」であり得るという記載は、その要素がリストされた選択肢の任意の1つであり得、又はリストされた選択肢の2つ以上の任意の組み合わせであり得ると理解されるべきである。
【0006】
本願明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、物品等に関する議論は、これらの事項のいずれか又はすべてが、本願の各請求項の優先日以前に存在した、本願開示に関連する分野における先行技術標準の一部を形成し、又は共通の一般知識であったことを認めるものとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための方法に関し、当該方法は、コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、ゲーム監視開始イベントを識別することに応じて、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像の画像データの、アップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始することと、コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することであって、第2の画像は、第1の画像に続いて撮影された画像である、決定することと、決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データの送信を終了することと、を備える。
【0008】
幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において第1のゲームオブジェクトを検出することを備え得、第1のゲームオブジェクトは、一連の画像における第1の画像の前に撮影された画像において検出されていない。
【0009】
幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像においてディーラのジェスチャを検出することを備え得、ディーラのジェスチャは、ゲームの開始を示すものである。
【0010】
幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において人間又は人間の一部を検出することを備え得る。
【0011】
幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガ指標を決定することは、第2の画像においてゲームオブジェクトの不存在を検出することを備える。
【0012】
幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガ指標を決定することは、第2の画像においてディーラのジェスチャを検出することを備え、ディーラのジェスチャはゲームの終了を示すものである。
【0013】
幾つかの実施形態の方法は、ゲーム環境の一連の画像を撮影することを更に備える。
【0014】
幾つかの実施形態では、一連の画像の各画像は、可視スペクトルカメラ、又は赤外線スペクトルカメラ、又は深度センシングカメラ、又はニューロモルフィックカメラ、又はAIカメラ、又はイベントカメラ、又はピクセル処理カメラの1つ以上を含むカメラを用いて撮影される。
【0015】
幾つかの実施形態では、カメラは、コンピューティングデバイスと同じゲームテーブル位置にある。
【0016】
幾つかの実施形態では、アップストリームコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの位置から遠隔にある。
【0017】
幾つかの実施形態では、アップストリームコンピューティングデバイスは、クラウドコンピューティング環境におけるリモートサーバを備える。
【0018】
幾つかの実施形態の方法は、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の各々において関心領域を決定することを更に備え、アップストリームコンピューティングデバイスに送信される画像データは、決定された関心領域の画像データに限定される。
【0019】
幾つかの実施形態では、関心領域は、ゲームオブジェクト又は人間の一部を描写する画像における領域であり得る。幾つかの実施形態では、ゲームオブジェクトは、ゲーム価値オブジェクト、又は現金、又はトランプ、又はサイコロ、又は位置マーカの1つ以上を含み得る。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置され得る。
【0020】
幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置されたゲーム環境コンピューティングデバイスである。幾つかの実施形態では、ゲーム環境は、ゲームテーブルを含み、撮影された画像は、ゲームテーブル面を含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することは、第1の画像を人工知能モデルに提供することを備える。幾つかの実施形態では、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することは、第2の画像を人工知能モデルに提供することを備える。幾つかの実施形態では、人工知能モデルは、人工ニューラルネットワークである。
【0022】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための方法であって、当該方法は、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、ゲーム環境におけるゲーム環境コンピューティングデバイスから、ゲーム環境で撮影された画像の画像データ及び撮影された画像の各々についての対応するタイムスタンプ情報を受信することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、受信した画像データを処理して、画像データにおいてゲームオブジェクトを検出して識別し、また、検出され識別されたゲームオブジェクトに対応する画像データの画像領域を識別することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像領域を処理して、識別されたゲームオブジェクトのゲームオブジェクト属性を決定することと、を備える。
【0023】
幾つかの実施形態では、ゲームオブジェクトは、複数のトークンオブジェクトを含み、複数のトークンオブジェクトに関連するゲームオブジェクト属性は、複数のトークンオブジェクトの価値推定値並びに複数のトークンオブジェクトの位置指標を含む。幾つかの実施形態では、位置指標は、ゲーム環境におけるゲームテーブル上の複数のトークンオブジェクトの位置を示す。幾つかの実施形態では、複数のトークンオブジェクトは、スタックで配置される。幾つかの実施形態では、このようなトークンオブジェクトのスタックは、単一のオブジェクトを含み得るが、他の実施形態では、トークンオブジェクトのスタックは、接触し少なくとも部分的に重なる配置の複数のトークンオブジェクトを含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、複数のトークンオブジェクトの価値推定値は、複数のトークンオブジェクトに対応する画像領域においてエッジパターン領域を検出することと、エッジパターン領域を処理して、夫々のエッジパターン領域において符号化されたトークン価値指示を決定することと、トークン価値指示に基づいて、複数のトークンオブジェクトの価値を推定することと、により決定される。
【0025】
幾つかの実施形態では、ゲームオブジェクトの検出は、第1のオブジェクト検出ニューラルネットワークによって実行され、エッジパターン領域の検出及びトークン価値指示の決定は、第2のオブジェクト検出ニューラルネットワークによって実行される。幾つかの実施形態では、第1のオブジェクト検出ニューラルネットワーク及び第2のオブジェクト検出ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワークを用いて実施される。幾つかの実施形態では、ゲームオブジェクトは、ゲームカードを含み、ゲームカードのゲームオブジェクト属性は、ゲームカード識別子を含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、ゲームオブジェクトは、ゲームカードを含み、ゲームカードのゲームオブジェクト属性は、ゲームカード識別子を含む。
【0027】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための分散システムに関する。当該分散システムは、ゲーム環境において配置され、ゲーム環境の画像を撮影するカメラと、ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置されるゲーム環境コンピューティングデバイスであって、コンピューティングデバイスは、カメラと通信する、ゲーム環境コンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイスと通信するアップストリームコンピューティングデバイスと、を備え得、ゲーム環境コンピューティングデバイスは、ゲーム環境コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像の各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、ゲーム環境コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、ゲーム監視開始イベントを識別することに応じて、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データの、アップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始することと、ゲーム環境コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データの送信を終了することと、を備える方法を実行するように構成され、アップストリームコンピューティングデバイスは、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、ゲーム環境におけるゲーム環境コンピューティングデバイスから、ゲーム環境において撮影された画像の画像データ及び撮影された画像の各々のタイムスタンプ情報を受信することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、受信した画像データを処理して、画像データにおけるゲームオブジェクトを識別し、また、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像データの画像領域を識別することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像領域を処理し、識別されたゲームオブジェクトのゲームオブジェクト属性を決定することと、を備える方法を実行するように構成されている。幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための分散システムに関し、当該分散システムは、ゲーム環境において配置され、ゲーム環境の画像を撮影するカメラと、ゲーム環境において又はゲーム環境に近接して配置されたコンピューティングデバイスであって、コンピューティングデバイスは、カメラと通信可能である、コンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイスと通信するアップストリームコンピューティングデバイスと、を備え、コンピューティングデバイスは、実施形態のいずれか1つのゲーム監視方法を実行するように構成され、アップストリームコンピューティングデバイスは、実施形態のいずれか1つのゲーム監視方法を実行するように構成される。
【0028】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための方法に関し、当該方法は、コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像においてイベントトリガ指標を決定することと、決定されたイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視イベントを識別することと、第1の画像及び一連の画像のうちの第1の画像の直前直後の画像の画像データを、アップストリームコンピューティングデバイスに送信することと、を備え、イベントトリガ指標を決定することは、第1の画像において第1のゲームオブジェクトを検出することを備え、第1のゲームオブジェクトは、一連の画像のうちの第1の画像の前に撮影された画像においては検出されていない。
【0029】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための方法に関し、当該方法は、コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理し、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、コンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することであって、第2の画像は、第1の画像に続いて撮影された画像である、決定することと、決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、第1の画像から第2の画像までの一連の画像のうちの1セットの画像の画像データを、人工知能を用いた1セットの画像の遠隔画像処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスに送信することと、を備える。
【0030】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視のための方法に関し、当該方法は、コンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、コンピューティングデバイスによって、ゲーム環境におけるゲームテーブルに関連する第1のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、コンピューティングデバイスによって、第1のトリガイベントの決定後の時点で、ゲームテーブルに関連する第2のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第2のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、を備え、ゲーム監視開始イベントを識別したのに続いて、第1のイベントトリガ指標の時点で撮影された第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データを、人工知能を用いた1セットの画像の遠隔画像処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスへ送信することを開始し、ゲーム監視終了イベントを識別するのに続いて、画像データの送信を終了すること、又はゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、第1のイベントトリガ指標の時点で撮影された第1の画像から第2のイベントトリガ指標の時点で撮影された第2の画像までの一連の画像のうちの1セットの画像の画像データを、人工知能を用いた1セットの画像の遠隔画像処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスに送信すること、の1つを備える。
【0031】
幾つかの実施形態では、方法は、ゲーム環境の一連の画像を撮影することを更に備える。幾つかの実施形態では、一連の画像の各画像は、可視スペクトルカメラ、又は赤外線スペクトルカメラ、又は深度センシングカメラ、又はニューロモルフィックカメラのうちの1つ以上を含むカメラを用いて撮影される。
【0032】
幾つかの実施形態では、カメラは、コンピューティングデバイスと同じゲームテーブルの位置にある。幾つかの実施形態では、アップストリームコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの位置から遠隔にある。
【0033】
幾つかの実施形態では、アップストリームコンピューティングデバイスは、クラウドコンピューティング環境におけるリモートサーバを備える。
【0034】
幾つかの実施形態では、方法は、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の各々における関心領域を決定することを更に備え、アップストリームコンピューティングデバイスに送信される画像データは、決定された関心領域の画像データに限定される。幾つかの実施形態では、関心領域は、ゲームオブジェクト又は人間の一部を描写する画像における領域である。
【0035】
幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、ゲーム環境において又はそれに近接して配置されたゲーム環境コンピューティングデバイスである。幾つかの実施形態では、ゲーム環境は、ゲームテーブルを含み、撮影された画像は、ゲームテーブル面を含む。
【0036】
幾つかの実施形態は、ゲーム監視方法に関し、当該方法は、エッジコンピューティングデバイスによって、一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信することであって、一連の画像の各画像は、ゲーム環境の画像である、受信することと、エッジコンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定することと、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別することと、ゲーム監視開始イベントを識別すること応じて、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データの、アップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、エッジコンピューティングデバイスから、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の各々の画像データ、並びに、第1の画像及び一連の画像のうちの複数の画像のタイムスタンプ情報を受信することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、受信した画像データを処理して、画像データにおいてゲームオブジェクトを識別し、また、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像データの画像領域を識別することと、アップストリームコンピューティングデバイスにおいて、識別されたゲームオブジェクトに対応する画像領域を処理し、識別されたゲームオブジェクトのゲームオブジェクト属性を決定することと、エッジコンピューティングデバイスによって、一連の画像のうちの第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定することであって、第2の画像は、第1の画像に続いて撮影された画像である、決定することと、決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別することと、ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データの送信を終了することと、備える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】幾つかの実施形態のゲーム監視システム100のブロック図である。
【0038】
【
図2】幾つかの実施形態のゲーム監視システム100の一部200のブロック図を示す。
【0039】
【
図3】幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法のフローチャートを示す。
【0040】
【
図4】幾つかの実施形態のアップストリームコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法のフローチャートを示す。
【0041】
【
図5】幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法のフローチャートを示す。
【0042】
【
図6】ゲーム環境において提供される例示的なゲームテーブルの図である。
【0043】
【
図7】ゲーム環境におけるゲームテーブルの画像から得られるゲームオブジェクトに対応する例示的な画像領域を示す。
【0044】
【
図8】
図7の画像へのオブジェクト検出画像処理操作の後に得られるエッジパターン画像領域の周囲に規定されたバウンディングボックスを備える
図7の画像領域を示す。
【0045】
【
図9】様々な実施形態の例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【0046】
【
図10】幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法のフローチャートである。
【0047】
【
図11】幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
ゲーム会場では、様々なテーブルをベースとするゲームがプレイされている。ゲームは、例えば、バカラ、ブラックジャック、ルーレット、及びクラップスを含み得る。このようなゲームは、プレーヤが賭けを行い得るランダム又は予測不能な結果を伴うランダムイベント又は一連のランダムイベントを含み得る。ランダムイベントは、カードのドロー若しくは配布、又はサイコロの投擲、又はルーレットホイールの回転を含み得る。プレーヤは、ゲームテーブルの特定の位置に、ゲームオブジェクトを配置することによって、ゲームに参加する。ゲームオブジェクトは、例えば、ゲーム会場によって発行されるチップ若しくはトークン、又は硬貨若しくは紙幣を含み得る。幾つかのゲームでは、テーブルは、ゲームの特定の結果に関連する規定されたゾーン又はエリアを備える。例えば、バカラゲームでは、ゲームテーブルは、プレーヤ及びハンカに対応するテーブル面におけるゾーン又はエリアを備える。ゲームにおける特定の結果又はランダムなイベントへのベットは、特定の結果に関連付けられた夫々のゾーン又はエリアにゲームオブジェクトを配置することによって、顧客によって行われてもよい。幾人かのプレーヤがゲームに参加し、幾人かは着席し他は着席しておらず、ペースの速いゲーム環境において各プレーヤが異なるゾーン又はエリアに賭金を置いている状態では、各プレーヤの活動を監視することは困難であり得る。加えて、プレーヤは、滞在の過程にわたって、会場内の様々なゲームテーブルを移動することがあり得、滞在の過程にわたって各プレーヤを監視することをより困難にする。
【0049】
ゲーム環境のダイナミックかつ速いペースの性質から、画像データを用いたゲームイベントの監視及び監督は、高度にコンピュータを集約するものとなり得る。妥当な程度の信頼性で、ゲーム環境においてオブジェクトを識別し又はイベントを識別するためには、多くの場合、高解像度の画像データが必要である。例えば、720p(1280×720)、1080p(1920×1080)、4MP(2560×1920)又はそれ以上の解像度の画像データが、毎秒25フレーム又はそれ以上のフレームレートで撮影されてよい。ゲーム施設は、非常に多数のゲーム環境を含み得る。例えば、ゲーム施設は、1000又はそれ以上のゲーム環境を含み得る。各ゲーム環境は、ゲームが行われ得るゲームテーブル又はゲームエリアを含み得る。各ゲーム環境は、カメラのような1以上のセンサを用いて監視されてよい。解像度1080p、毎秒30フレームで画像データを撮影するカメラは、2.5mbps(毎秒メガバイト)のレートで画像データを生成し得る。例えば、1000のゲーム環境を有するゲーム施設において、各ゲーム環境に2台のカメラが設置されている状態では、総画像データは、5gbpsのレートで生成され得る。幾つかの実施形態では、画像データは、肉眼では見えない画像スペクトル(例えば、赤外スペクトル)の画像を撮影するカメラからのデータも含み得る。幾つかの実施形態では、画像データは、深度センサ、又は深度カメラ、又はゲーム環境の深度若しくは3Dシーン情報を撮影する3Dカメラからのデータを含み得る。画像データの追加ソースは、ゲーム環境の監督から生成される画像データの量及び速度を更に増加させ得る。
【0050】
ゲーム環境を監視するセンサによって生成されるデータの充分な頻度及び量によって、画像データを効率的に処理し、撮影されたデータから洞察を得るために、特定の分散型コンピューティングアーキテクチャが必要とされる。ゲーム活動監視アプリケーションは、ゲーム活動の監視の応答時間又は待ち時間に関連する制約の下で動作され得る。例えば、ゲーム環境で行われたベットの価値を推定するゲーム監視動作は、例えば約2秒の応答時間で実行される必要があり得る。応答時間は、監視されたゲーム活動を描写する第1の画像がゲーム環境においてカメラによって撮影された時点を開始点として、測定され得る。ゲーム環境においてカメラによって撮影された画像は、分散型コンピューティングシステムを実施する様々なコンピューティングデバイスによって処理されて、撮影された画像に基づいてイベントを検出し、検出されたイベントに関連するパラメータ又は属性を識別又は推定する。実施形態の分散型コンピューティングシステムの様々なコンピューティングデバイスパートは、演算を可能にするための限られた処理能力及び限られたメモリを有してよい。実施形態の分散型コンピューティングシステムの各コンピューティングデバイスは、画像処理又は演算動作の一部を実行するように構成され、そのハードウェア構成及び協働して演算を実行する他のコンピューティングデバイスへの依存によって、特定の応答時間又は待ち時間の制約を受け得る。実施形態は、ゲーム環境においてゲーム活動を監視するための分散型コンピューティングシステムの別個のコンピューティングデバイスパートを用いた演算の実行を、所望の待ち時間及び/又はスケーラビリティの必要性を満たすように最適化する、分散型コンピューティングシステムを有利に提供する。
【0051】
また、ゲーム環境は、分散型コンピューティングシステムの配備に更なる制約を課す。例えば、処理能力を集中する処理を実行するため、ゲーム環境において(例えば、ゲームテーブルの近く又は下に)コンピューティングデバイスを配置すると、火災リスクのような安全上のリスクを生じさせる望ましくない量の熱を発生し得る。物理的なスペース、電力、及びセキュリティ上の制約を含むゲーム環境の厳しい制約の中では、ゲーム環境において適切な冷却能力を提供することが不可能であり得る。
【0052】
実施形態は、大きなゲーム環境を効果的に監視するコンピューティング能力を提供しつつ、ゲーム環境によって課される制約を満たすために、ゲーム施設内に配備される分散型コンピューティング環境内のコンピューティング動作の改良された分散を提供する。また、実施形態は、より大きな施設をカバーするようにスケーリングされた、又は施設内の占有率の変動に応じて動的にスケーリングされ得る分散型コンピューティングシステムを提供する。また、実施形態は、分散型監視システムによって実行される監視又は監督能力の程度を動的に変化させることを可能にする。例えば、追加の監視能力は、分散型コンピューティングシステムを用いて、ゲーム施設内の幾つか又は全てのゲーム環境にわたって、分散型監視システムによって効率的に配備され得る。また、実施形態は、分散型コンピューティングシステムのスケーリングを可能にし、複数のゲーム施設を監視する(例えば、複数のカジノを監視する)。
【0053】
実施形態は、分散型コンピューティングシステムを用いて、ゲーム施設においてゲーム活動を監視するコンピュータによって実行される方法及びコンピュータシステムに関する。幾つかの実施形態は、ゲームテーブルを含むゲーム環境の画像を撮影するように配置された1つ以上のエッジセンサ又はカメラを組み込む。1つ以上のカメラは、ゲームテーブルの画像、及びゲームに参加しているゲームテーブル近傍のプレーヤの画像も撮影するように配置される。実施形態は、オブジェクト検出、オブジェクト追跡、ポーズ推定、画像分割、及び顔認識を含む画像処理技術を組み込み、ゲーム活動を監視する。実施形態は、ディープラーニング技術を含む機械学習技術に依って、様々な画像処理タスクを実行する。幾つかの実施形態は、機械学習技術を用いて、リアルタイム又は略リアルタイムでゲーム監視タスクを実行し、ゲーム会場のオペレータがゲームの異常又は不正に迅速に対応するのを支援する。
【0054】
図1は、幾つかの実施形態のゲーム監視システム100のブロック図である。ゲーム監視システム100は、ゲーム施設又は会場110内の多数のゲーム環境120におけるゲーム活動を監視するように構成され得る。また、幾つかの実施形態は、複数のゲーム施設110におけるゲーム活動を監視するようにスケーリング可能であり得る。
【0055】
ゲーム環境120は、典型的には建物のエリア内にあるゲームテーブル123及び顧客のための座席エリア又は立席エリアを備えるゲームテーブル123に隣接するエリアを含み得る。また、ゲーム環境120は、ゲームを実施するために指定されたゲームルーム又はゲームエリアを含み得る。
【0056】
ゲーム監視システム100は、各ゲーム環境120において配備された少なくとも1つのカメラ又はエッジセンサ122を含み得る。カメラ122は、例えば、人間の目に視認可能なスペクトルの画像を撮影するカメラ、又は人間の目に視認不能なスペクトルの画像を撮影するカメラ、又は深度センシングカメラ、又はニューロモーフィックカメラを含み得る。幾つかの実施形態では、複数のカメラ122がゲーム環境に配備され得る。複数のカメラ122(例えば、複数のカメラ)を含めることによって、ゲーム環境に関連する追加の画像データの撮影が可能になり、ゲーム環境120のより包括的な監視を可能にし得る。各カメラ122は、ゲーム環境120において、ゲームテーブル123の面の画像を、異なる視点から撮影し得る。
【0057】
幾つかの実施形態では、カメラ122は、可視スペクトルカメラ、又は赤外線スペクトルカメラ、又は深度センシングカメラ、又はニューロモーフィックカメラ、又はAIカメラ、又はイベントカメラ、又はピクセル処理カメラであり得又はそれらの1つ以上を含み得る。
【0058】
カメラ122は、例えば、1280×720ピクセル又はそれ以上の解像度で画像を撮影し得る。カメラは、例えば、毎秒20フレーム又はそれ以上のレートで画像を撮影し得る。幾つかの実施形態では、カメラは、See3CAM 130、UVC規格のAR1335センサをベースとした13MPオートフォーカスUSBカメラを含み得る。幾つかの実施形態では、カメラは、AXIS P3719-PLEネットワークカメラを含み得る。
【0059】
カメラ122は、ゲーム環境120の実質的に遮られない視界を有する壁又は架台又はポールに配置され又は取り付けられ得、例えば、ゲームテーブル123のディーラ側123a(
図6)からプレーヤ側123b(
図6)に向かって見る方向に画像を撮影するように向けられ得る。
【0060】
また、ゲーム監視システム100は、カメラ122と通信しゲーム環境120において又はゲーム環境120に近接して設けられたコンピューティングデバイス即ちエッジコンピューティングデバイス124を備える。コンピューティングデバイス124は、カメラ122及びゲーム環境120における任意の追加のカメラと通信するように構成されている。コンピューティングデバイス124とカメラ122との間の通信は、例えば、ユニバーサルシリアルバスケーブルのような有線媒体を介して提供され得る。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス124とカメラ122との間の通信は、Wi-Fiネットワーク又は他の短距離、低電力の無線ネットワーク接続のような無線媒体を介して提供され得る。
【0061】
コンピューティングデバイス124は、監視されるゲーム環境120の近傍に配置され得る。例えば、コンピューティングデバイス124は、ゲーム環境120内のゲームテーブル123の下の閉じたチャンバ又はキャビティに配置され得る。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス124は、ゲーム環境120から離れて配置され得るが、有線又は無線通信リンクを介してカメラ122と通信するように構成され得る。
【0062】
幾つかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイス124は、エッジセンサ又はカメラ122と緊密に統合又は結合され得る。例えば、エッジコンピューティングデバイス124及びエッジセンサ122は、単一の物理的ユニットにおいて提供され得る。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス124は、カメラ122に緊密に統合された画像処理エンジン、画像処理ユニット(IPU)、又は画像信号プロセッサ(ISP)を備え得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、ゲーム監視システム100は、エッジコンピューティングデバイス124と通信する1つ以上のプレナムコンピューティングデバイス126も備え得る。プレナムコンピューティングデバイス126は、ゲーム監視システム100の様々なコンポーネントを接続する様々なケーブルが配置され得るゲーム施設110の天井又は床下のスペースに設けられたコンピューティングデバイスを備え得る。幾つかの実施形態では、ゲーム監視システム100は、必ずしもエッジコンピューティングデバイス124を含まなくてもよく、エッジコンピューティングデバイス124の1つ又は様々な機能及び動作は、プレナムコンピューティングデバイス126によって実行され得る。幾つかの実施形態では、ゲーム監視システム100は、必ずしもプレナムコンピューティングデバイス126を備える必要はなく、プレナムコンピューティングデバイス126の1つ又は様々な機能及び動作は、エッジコンピューティングデバイス124によって実行され得る。
【0064】
ゲーム監視システム100は、オンプレミス又はローカルネットワーク130を備える。ローカルネットワーク130は、ゲーム施設110に配備されたゲーム監視システム100の様々なコンポーネント間の通信を可能にする。幾つかの実施形態では、ローカルネットワーク130は、1つ以上のオンプレミスネットワークコンピューティングデバイス又はミッドスパンコンピューティングデバイス132を備え得る。幾つかの実施形態では、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132は、カメラ122によって撮影された画像データをオンプレミスサーバ134に送信する前に、画像処理動作を含む幾つかのコンピュータによる動作を実行するように構成され得る。幾つかの実施形態のゲーム監視システム100は、必ずしもオンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132を備える必要はない。
【0065】
ゲーム監視システム100は、カメラ122からの画像データ、又はエッジコンピューティングデバイス124、プレナムコンピューティングデバイス126、及びオンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132の1つ以上によって処理された画像データを受信するように構成された少なくとも1つのオンプレミスサーバ134を備える。幾つかの実施形態では、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132は、ゲーム施設110内の指定されたネットワークデバイスの位置に物理的に配置され得る。指定された位置は、電気及びネットワーク配線にアクセスするネットワーククローゼット又はネットワークルームを備え得る。オンプレミスサーバ134は、画像処理動作を実行し、画像処理動作の出力を、パブリックネットワーク140を介して、遠隔サーバ142又はクライアントデバイス144に送信し得る。幾つかの実施形態では、オンプレミスサーバ134は、ゲーム施設110の安全な部分に設けられたオンプレミスデータセンタに配置され得る。
【0066】
幾つかの実施形態では、ゲーム監視のための画像処理動作又は演算の幾つかの部分は、リモートサーバ142によって実行され得る。リモートサーバ142は、ゲーム施設110から離れて配置されたエンタープライズデータセンタに配置され得る。幾つかの実施形態では、リモートサーバ142は、ゲーム施設110から離れたクラウドコンピューティング環境に配置され得る。
【0067】
プレナムコンピューティングデバイス126、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132、オンプレミスサーバ134、及びリモートサーバ142は、ゲーム環境から離れ、ゲーム環境の画像データを撮影するカメラ122から離れて配置されており、アップストリームコンピューティングデバイス又はアップストリームコンピューティングコンポーネントと総称され得る。プレナムコンピューティングデバイス126及びオンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132は、ルータ及び/又はスイッチ、又はルータ及びスイッチの組み合わせのようなネットワークデバイスを用いて、実施され得る。幾つかの実施形態では、プレナムコンピューティングデバイス126及びオンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132は、共通のコンピューティングデバイスを用いて、又は同じサーバシステムの一部として実施され得る。
【0068】
幾つかの実施形態は、プレナムコンピューティングデバイス126を含まなくともよく、プレナムコンピューティングデバイス126の様々な処理動作は、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132によって実行され得る。幾つかの実施形態は、オンプレミスサーバ134を含まなくともよい。このような実施形態におけるオンプレミスサーバ134の様々な処理操作は、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132及び/又はプレナムコンピューティングデバイス126によって実行され得る。オンプレミスサーバ134を含まない実施形態では、オンプレミスネットワーク130とパブリックネットワーク140との間の通信は、ルータ135を用いて容易に実行され得る。
【0069】
図2は、幾つかの実施形態のゲーム監視システム100の一部200のブロック図を示す。エッジコンピューティングデバイス124は、メモリ210及びネットワークインターフェース230と通信する少なくとも1つのプロセッサを備えるプロセッサ回路220(本願明細書では、便宜上、プロセッサ220と称する。)を備える。メモリ210は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を備え得る。ネットワークインターフェース230は、例えば、カメラ122のような他のデバイスとの通信、及びオンプレミスネットワーク130を介した通信を可能にし得る。
【0070】
メモリ210は、本願明細書で説明されるゲーム監視システム100の様々なコンピューティング能力を提供するための実行可能プログラムコードを記憶する。メモリ210は、少なくとも、オブジェクト検出モジュール212、ポーズ推定モジュール214、イベント検出モジュール216、イベントデータ送信モジュール218、及びゲーム環境メタデータ222を含む。
【0071】
オンプレミスサーバ134は、メモリ240及びネットワークインターフェース260と通信する少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサ回路250(本願明細書では、便宜上、プロセッサ250と称する。)を備える。メモリ240は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を備え得る。ネットワークインターフェース260は、ゲーム監視システム100内の他デバイスとの通信を可能にし得る。
【0072】
メモリ240は、本願明細書で説明されるゲーム監視システム100の様々なコンピューティング能力を提供するための実行可能プログラムコードを記憶する。メモリ210は、少なくとも、オブジェクト検出モジュール242、ポーズ推定モジュール244、オブジェクト属性決定モジュール246、及びゲーム環境メタデータ246を備える。
【0073】
プロセッサ220又はプロセッサ250による実行のためにメモリ210及び240に記憶された様々なモジュールは、ゲーム活動の監視に関連する様々なタスクを実行するために、機械学習をベースとするデータ処理モデル又は演算構造を組み込むか、又はそれらへの機能的アクセスを備え得る。特に、様々な実施形態のソフトウェアコードモジュールは、人工ニューラルネットワーク(ANN)を含む、ディープラーニングをベースとする演算構造を組み込んだ人工知能モデルへのアクセスを有し得る。ANNは、生物学的ニューラルネットワークに影響された演算構造であり、情報を処理するように構成又は学習された1つ以上の人工ニューロン層を備える。各人工ニューロンは、1つ以上の入力と、受信した入力を処理して1つ以上の出力を生成する活性化関数を備える。各ニューロン層の出力は、リンクを用いて、後続のニューロン層に接続される。各リンクは、情報がANNの複数の層を進行する際のリンクの強さを決定する、規定の数値重みを有し得る。学習フェーズでは、入力並びに入力に対する既知の出力を用いて、ANNを規定する様々な重み及びその他のパラメータが最適化され、学習済みANNを得る。最適化は、逆伝播を含む様々な最適化処理を介して実行される。ディープラーニング技術を組み込んだANNは、最初の入力層と最終の出力層の間に、幾つかの隠れニューロン層を備える。幾つかの隠れニューロン層により、ANNが、ゲーム監視システム100によって実行されるオブジェクト検出及びポーズ推定のタスクを含む、複雑な情報処理タスクをモデル化することが可能となる。
【0074】
幾つかの実施形態では、メモリ210及び240において実施される様々なモジュールは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の1つ以上の変形態様を画像処理の実行に組み込み、ディープニューラルネットワークのクラスを組み込み、ゲーム監視のための様々な画像処理動作を実行する。CNNは、入力層と出力層の間にある様々な隠れニューロン層を備え、様々な隠れニューロン層を介して、入力を畳み込んで出力を生成する。
【0075】
オブジェクト検出モジュール212及び242は、カメラ122によって撮影された画像又は画像の画像データにおいて特定のオブジェクトを検出するプログラムコードを備える。オブジェクト検出モジュール212及び242によって検出されるオブジェクトは、ゲーム環境120におけるゲームテーブル123の面610(
図6)上に置かれたチップ、現金、コイン又は紙幣のようなゲームオブジェクトを含み得る。また、オブジェクト検出モジュール212及び242は、ゲームオブジェクトが検出される又は検出可能なゲームテーブル123のエリア又はゾーンを決定するように学習され得る。オブジェクト検出モジュール212及び242によって実行されるオブジェクト検出処理の結果は、各識別されたオブジェクトが属するクラスに関する情報、及び識別されたオブジェクトが検出されたゲームテーブル123の位置又は領域に関する情報であり得、又はそれらを含み得る。識別されたオブジェクトの位置は、例えば、オブジェクトが検出された1つ以上の画像における検出されたオブジェクトを囲むバウンディングボックスの画像座標又はゲームテーブル123のエリアの識別子によって示され得る。また、オブジェクト検出の結果は、例えば、識別されたオブジェクトのクラスの精度の信頼レベルに関連する確率値を含み得る。また、オブジェクト検出モジュール212及び242は、画像において人間、顔、又は人間の特定の身体部位を識別するプログラムコードを備え得る。オブジェクト検出モジュール212及び242は、ゲームテーブル123の画像を処理してカメラ122によって撮影された画像においてゲームオブジェクトを検出するように学習されたゲームオブジェクト検出ニューラルネットワークを備え得る。また、オブジェクト検出モジュール212及び242は、画像を処理して画像において1人以上の人間、又は1人以上の人間の部位、例えば顔を検出するように学習された人間検出ニューラルネットワークを備え得る。オブジェクト検出モジュール212及び242は、検出された各オブジェクトの周囲に矩形のバウンディングボックスを規定する、処理画像における座標の形態の結果を生成し得る。複数のバウンディングボックスは、画像において互いに隣接して配置され又は部分的に重なっている複数のオブジェクトについて、重なり得る。
【0076】
オブジェクト検出モジュール212及び242は、例えば、領域をベースとする畳み込みニューラルネットワーク(R-CNN)、又は、例えば、高速R-CNN、若しくはFaster-R-CNN、若しくはMask R-CNNを含むその変形態様の1つを組み込んで、オブジェクト検出を実行し得る。R-CNNは、領域提案モジュール、特徴抽出モジュール、及び分類モジュールの3つのモジュールを備え得る。領域提案モジュールは、入力画像において、検出される可能性のあるオブジェクトの周囲に、1つ以上の候補バウンディングボックスを決定するように学習される。特徴抽出モジュールは、各候補バウンディングボックスに対応する入力画像の一部を処理して、各候補バウンディングボックス内の特徴量のベクトル表現を得る。幾つかの実施形態では、特徴抽出モジュールによって生成されたベクトル表現は、4096個の要素を備え得る。分類モジュールは、ベクトル表現を処理して、各候補バウンディングボックスに存在するオブジェクトのクラスを識別する。分類モジュールは、各候補バウンディングボックスに各クラス即ちオブジェクトが存在する可能性を示す確率スコアを生成する。例えば、各候補バウンディングボックスについて、分類モジュールは、バウンディングボックスが人間に対応するかゲームオブジェクトに対応するかの確率を生成し得る。分類モジュールによって生成された確率スコア並びに所定の閾値に基づいて、バウンディングボックスにおいて存在するオブジェクトのクラスに関する評価が行われ得る。幾つかの実施形態では、分類子は、実施されたサポートベクターマシンであり得る。幾つかの実施形態では、オブジェクト検出モジュール123は、画像からの特徴量抽出のために、事前学習されたResNetをベースとする畳み込みニューラルネットワーク(例えば、ResNet-50)を組み込み、オブジェクト検出動作を可能とし得る。
【0077】
幾つかの実施形態では、オブジェクト検出モジュール212及び242は、オブジェクト検出のためにYou Only Look Once(YOLO)モデルを組み込み得る。YOLOモデルは、入力画像を処理し、バウンディングボックス並びに各バウンディングボックスについてのクラスラベルを直接予測するように学習された単一のニューラルネットワークを備える。YOLOモデルは、入力画像をセルのグリッドに分割する。グリッド内の各セルは、YOLOモデルによって処理され、セルの少なくとも一部を含む1つ以上のバウンディングボックスを決定する。また、YOLOモデルは、各バウンディングボックスに関連する信頼度、並びに各バウンディングボックスについてのオブジェクトクラス確率スコアを決定するために学習される。続いて、YOLOモデルは、各セルから決定された各バウンディングボックス、及び夫々の信頼度、及びオブジェクトクラス確率スコアを考慮して、所定の閾値オブジェクトクラス確率スコアよりも高いオブジェクトクラス確率スコアを備える、オブジェクトの周囲の縮小されたバウンディングボックスの最終セットを決定する。
【0078】
幾つかの実施形態では、オブジェクト検出モジュール212及び242は、公開されたPCT明細書‘System and method for machine learning driven object detection’(公開番号:WO/2019/068141)又は‘System and method for automated table game activity recognition’(公開番号:WO/2017/197452)に記載された1つ以上の画像処理技術を実施し、その内容は参照により本願明細書に組み込まれる。
【0079】
ポーズ推定モジュール214及び244は、ゲーム環境におけるプレーヤの1つ以上の画像を処理して、1人以上のプレーヤのポーズを識別するために実行可能なプログラムコードを備える。識別された各ポーズは、プレーヤの特定の身体部位に対応する画像における領域の位置を含み得る。例えば、識別された身体部位は、左若しくは右手、左若しくは右手首、画像における左若しくは右の遠位手周辺部、又は顔を備え得る。
【0080】
ポーズ推定モジュール214及び244は、画像における人数の事前知識なしに、単一の画像における多数の人間のポーズを識別するように構成され得る。ゲーム会場は、幾人もの顧客が会場の異なるパートを移動するダイナミックかつペースの速い環境であるため、多数の人間を識別する能力は、ゲーム監視システム100の監視能力を向上させるのに役立つ。ポーズ推定モジュール214及び244は、入力画像における1人以上の人間の特定の部位に対応するキーポイントを推定するように学習されたキーポイント推定ニューラルネットワークを備え得る。ポーズ推定モジュール214及び244は、画像における1人以上の人間に関連するピクセルを人間の3D表面モデルにマッピングするように学習された3Dマッピングニューラルネットワークを備え得る。
【0081】
幾つかの実施形態では、ポーズ推定は、トップダウンアプローチを含み得、画像における人間が最初に識別され、次にポーズ又は人間の様々な部位が識別される。オブジェクト検出モジュール212及び242は、1人の人間に対応する画像の部分又は領域を識別するように構成され得る。ポーズ推定モジュール214及び244は、一人の人間に対応する画像の識別された部分又は領域に依拠し、画像の識別された各部分又は領域を処理して、人間のポーズを識別し得る。
【0082】
幾つかの実施形態では、ポーズ推定は、ボトムアップアプローチを含み得、画像における全ての人間の様々な身体部位が最初に識別され、様々な部位間の関係を確立する処理が続き、画像における各人間のポーズを識別する。オブジェクト検出モジュール212及び242は、例えば顔、手、肩、脚のような、人間の特定の身体部位に対応する画像の部分又は領域を識別するように構成され得る。特定の身体部位に対応する画像における各部分又は領域は、キーポイントと呼ばれることがある。ポーズ推定モジュール214及び244は、オブジェクト検出モジュール212及び242から、識別されたキーポイントに関する情報、例えば、各キーポイントの座標及び各キーポイントに関連する身体部位を受信し得る。この受信した情報に基づいて、ポーズ推定モジュール214及び244は、識別されたキーポイントを互いに関連付け、画像における1人以上の人間のポーズを識別し得る。
【0083】
幾つかの実施形態では、ポーズ推定モジュール214及び244は、ポーズ推定のためにOpenPoseフレームワークを組み込む得る。OpenPoseフレームワークは、信頼度マップの形態で画像における身体部位の位置を識別するように学習された第1のフィードフォワードANNを備える。信頼度マップは、画像の領域において識別された部位の識別子及び検出に関連する信頼度の確率の形態の信頼度レベルを備える。また、第1のフィードフォワードANNは、識別された部位の部位類似性フィールドベクトルを決定するように学習される。部位類似性フィールドベクトルは、信頼度マップにおいて識別された部位間の関連性又は類似性を表す。決定されたパーツ類似性フィールドベクトル及び信頼度マップは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)によって反復してプーリングされ、より弱い部位類似性を除去し、最終的に画像における1人以上の人間のポーズを予測する。ポーズ推定モジュール214及び244の出力は、画像において識別された各人間についての座標又は各部位(キーポイント)、並びに、各部位が属するクラス、例えば、識別された部位が手首であるか、又は手であるか、又は膝であるかの指標を備え得る。
【0084】
エッジコンピューティングデバイスのイベント検出モジュール216は、エッジコンピューティングデバイス124によって受信された画像データに基づいて、ゲームイベントを識別するためのプログラムコードを備える。幾つかの実施形態では、イベント検出モジュール216は、オブジェクト検出モジュール212の出力及び/又はポーズ推定モジュール214の出力に基づいて、ゲームイベントを識別する。ゲームイベントは、ゲームの開始、又はゲームの終了、又はゲームの進行における特定の段階、例えば、ルーレットゲームにおけるゲームテーブル面610にゲームオブジェクトを配置する機会の終了に関連し得る。幾つかの実施形態では、ゲームイベントは、ゲーム環境120におけるゲームテーブル面610へのベットの配置に関連し得る。
【0085】
ゲームイベントは、1つ以上のトリガ条件に基づいて識別され得る。例えば、ゲームの開始を識別するために、トリガ条件は、ゲーム環境120におけるゲームテーブル面610に配置された第1のゲームオブジェクト(トランプ又はトークンゲームオブジェクト)の検出である。同様に、ゲームの終了は、ゲーム環境120におけるゲームテーブル面610からの最後のゲームオブジェクト又は全てのゲームオブジェクトの除去又は消失というトリガ条件に基づいて、識別され得る。オブジェクト検出モジュール212によって決定されたオブジェクト検出情報によって、イベント検出モジュール216は、オブジェクト検出情報に予め定められたイベントトリガを適用して、イベントを識別可能である。
【0086】
イベント検出モジュール216によって実行されたイベント検出に応じて、イベントデータ送信モジュール218は、検出されたイベントに関連する画像データを、さらなる処理のために、アップストリームコンピューティングデバイスに送信し得る。実施形態において、検出されたイベントがゲームの開始及び終了を含む場合、送信された画像データは、ゲームの開始の検出とゲームの終了の検出との間に撮影された画像に関連し得る。幾つかの実施形態では、送信された画像データは、撮影画像データのサブセットのみ、又はオブジェクト検出モジュール212若しくはポーズ推定モジュール214によって識別された1つ以上の関心領域の画像データを含み得る。
【0087】
図3は、幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法300のフローチャートを示す。方法300は、画像処理動作を実行し、ゲーム監視のために関心のある画像又は画像領域を識別する。幾つかの実施形態では、カメラ122は、ゲーム環境120の画像を連続的に撮影し得る。しかしながら、様々な期間において、ゲーム環境において関心のあるゲーム活動が発生しないことがある。関心のあるゲーム活動を含まない画像の保存及び送信は、ゲーム監視システムにおける演算、ネットワーク及びメモリのリソースの浪費を招来し得る。幾つかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイス124は、カメラ122によって生成された画像データのゲートキーパーとして機能し、アップストリームコンピューティングデバイスによって処理されて更なる洞察を識別し得る、関心のあるゲームイベントに関連する画像データを識別するのに必要な画像処理動作を実行する。
【0088】
310において、エッジコンピューティングデバイス124は、ゲーム環境の一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信する。一連の画像は、1つ以上のカメラ122によって撮影され得る。タイムスタンプ情報は、複数の画像の中から画像の時間的画像順序を決定するために用いられる。タイムスタンプ情報は、数的時間値及び/又は相対時間値若しくは時間的順序を示す値を備え得る。320において、エッジコンピューティングデバイス124は、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定する。第1のイベントトリガ指標は、第1の画像におけるオブジェクト検出モジュール212による1つ以上のゲームオブジェクト又は1人以上の人間の検出を含み得る。エッジコンピューティングデバイス124は、1つ以上の人工知能モデルを用いて、第1のイベントトリガを決定し得る。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工知能モデルは、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、完全畳み込みニューラルネットワーク、又は任意の他の適切なタイプの人工知能若しくはディープラーニングモデルであり得、又はそれらを含み得る。
【0089】
330において、エッジコンピューティングデバイス124は、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別する。ゲーム監視開始イベントは、ゲーム環境120におけるゲームテーブル123上のゲームの開始に関連し得る。ゲームイベントの開始を識別することに応じて、340において、エッジコンピューティングデバイス124は、第1の画像及び第1の画像に続いて撮影された一連の画像のうちの複数の画像の画像データのアップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始する。開始された送信は、実質的に連続した送信であり得、又は(第2のイベントトリガが決定されるまで)送信が実質的に連続しているように見える繰り返される頻繁な送信であり得る。
【0090】
350において、エッジコンピューティングデバイス124は、一連の画像における第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定する。第2の画像は、カメラ122によって撮影された一連の画像のうちの第1の画像に続いて撮影された画像である。エッジコンピューティングデバイス124は、1つ以上の人工知能モデルを用いて、第2のイベントトリガを決定し得る。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工知能モデルは、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、完全畳み込みニューラルネットワーク、又は任意の他の適切なタイプの人工知能若しくはディープラーニングモデルであり得、又はそれらを含み得る。
【0091】
360において、エッジコンピューティングデバイス124は、決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別する。ゲーム監視終了イベントの決定に応じて、エッジコンピューティングデバイス124は、340において開始された画像データの送信を終了する。
【0092】
図4は、幾つかの実施形態の1つのアップストリームコンピューティングデバイス又は複数のそれらの組み合わせによって実行可能なゲーム監視方法400のフローチャートを示す。方法400の各ステップは、アップストリームコンピューティングデバイスのうちの1つのコンピューティングデバイスによって部分的に実行され得、ステップの残りの部分は、アップストリームコンピューティングデバイスの残りによって完了され得る。本願明細書において、用語アップストリームコンピューティングデバイスは、多数のアップストリームコンピューティングデバイスを組み合わせたシステムを含むことを意図している。幾つかの実施形態では、様々なアップストリームコンピューティングデバイスは、方法400の様々なステップを実行するために互いに協働するように構成され得る。
【0093】
410において、アップストリームコンピューティングデバイスは、エッジコンピューティングデバイス124によって送信された画像データを受信する。420において、受信された画像データは、アップストリームコンピューティングデバイスによって処理されて、オブジェクト検出及び/又はポーズ推定を実行し、受信された画像データにおいてオブジェクト又はオブジェクトに関連する人間を識別する。また、420において、アップストリームコンピューティングデバイスは、ゲームオブジェクトに対応する受信データにおける画像領域を識別し得る。430で、アップストリームコンピューティングデバイスは、420で識別された画像領域、又は410で受信された画像を処理して、ゲームオブジェクト属性を識別する。ゲームオブジェクトは、複数のゲームトークン即ちゲームトークンオブジェクトを備える場合があり、各ゲームトークン即ちゲームトークンオブジェクトは、プレイされるゲームに関連する関連付けられた数値を有する。関連付けられた数値は、例えば、10、50、又は100の値のような整数値であり得る。複数のトークンオブジェクトに関連するゲームオブジェクト属性は、複数のトークンオブジェクトの各々及び/又は全ての価値推定値並びに複数のトークンオブジェクトの位置指標を備え得る。幾つかの実施形態では、複数のトークンオブジェクトの価値推定は、公開されたPCT明細書‘System and method for machine learning driven object detection’(公開番号:WO/2019/068141)又は‘System and method for automated table game activity recognition’(公開番号:WO/2017/197452)に記載された1つ以上の画像処理技術に従って実行され得、これらの内容は参照により本願明細書に組み込まれる。
【0094】
図5は、幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法500のフローチャートを示す。510において、エッジコンピューティングデバイス124は、ゲーム環境の一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信する。タイムスタンプ情報は、多数の画像の中から画像の時間的画像順序を決定するために用いられる。タイムスタンプ情報は、数的時間値及び/又は相対的な時間値又は時間的順序を示す値を含み得る。一連の画像は、カメラ122のうちの1つ以上によって撮影された画像であり得る。520において、エッジコンピューティングデバイス124は、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像においてイベントトリガ指標を決定する。第1のイベントトリガ指標は、例えば、第1の画像におけるオブジェクト検出モジュール212による1つ以上のゲームオブジェクト又は1人以上の人間の検出を含み得る。撮影された画像における他の選択された画像コンテンツが、イベント画像トリガ指標の決定をなし得る。
【0095】
幾つかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイスは、1つ以上の人工知能モデルを用いたデジタル画像処理によって、第1のイベントトリガを決定し得る。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工知能モデルは、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、完全畳み込みニューラルネットワーク、又は任意の他の適切なタイプの人工知能又はディープラーニングモデルであり得、又はそれらを備え得る。
【0096】
530において、エッジコンピューティングデバイス124は、決定されたイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視イベントを識別する。決定されたイベントトリガ指標に基づくゲーム監視イベントの識別は、メモリ210に記憶された1セットのトリガルールの中から少なくとも1つのトリガルールにマッチングすることに基づき得る。ゲーム監視イベントは、ベットの配置、ゲームの結果、ゲームオブジェクト即ちトランプの配置を含む、監視のために関心のあるイベントに関連し得る。ゲームイベントを識別することに応じて、540において、エッジコンピューティングデバイス124は、第1の画像及び第1の画像の直前直後の一連の画像のうちの複数の画像の画像データのアップストリームコンピューティングデバイスへの送信を開始する。直前直後の画像は、第1の画像が撮影された前後1秒以内、又は0.5秒以内、又は0.25秒以内、又は0.1秒以内に撮影された画像を含み得る。幾つかの実施形態では、直前直後の画像は、第1の画像の直前及び直後に撮影された1-10個の画像を含み得る。第1の画像を参照して追加の画像を送信することにより、一連の画像に基づく冗長な画像処理動作及びデータ融合を実行し、アップストリームコンピューティングデバイスにより、より正確なゲームオブジェクトの属性の決定が可能となる。
【0097】
図6は、カメラ122によって撮影された、ゲーム環境120に設けられた例示的なゲームテーブル123の画像600である。画像600に示されているのは、ゲームテーブル123のゲームテーブル面610である。ゲームテーブル面610上に置かれているのは、ゲームトークンオブジェクト613の例示的な形態で示される第1のゲームオブジェクトのスタック、並びに、カード611の例示的な形態で示される第2のゲームオブジェクトである。オブジェクト検出モジュール212又は242は、画像600のような画像を処理して、ゲームオブジェクト613及び/又はカード611に対応する画像領域を決定するように構成され得る。ゲームオブジェクト613及び/又はカード611に対応する画像領域の決定は、
図3のステップ320を参照して説明されたように、第1のイベントトリガとして機能し得る。
【0098】
図7は、ゲーム環境120においてカメラ122によって撮影された画像からの画像領域700を示す。画像領域700は、オブジェクト検出モジュール212又は242によって、ゲームオブジェクトのスタックに対応する画像領域として識別されたものであり得る。画像領域700に示されているのは、
図6に示されるような、ゲームオブジェクトのスタック613内の個々のゲームオブジェクトのエッジ領域に関連するゲームオブジェクトのエッジパターン710及び715である。オブジェクト検出モジュール212又は242は、画像領域700を処理して、画像領域700内の全ての識別可能なエッジパターンを決定又は識別するように構成され得る。エッジパターン710、715は、同一の種類のゲームオブジェクトの複数のカテゴリの各々について区別可能であり得る。エッジパターン710、715は、各ゲームオブジェクトに関連する値を示すものであり得る。ゲーム監視システム100は、例えば、PCT明細書‘System and method for machine learning driven object detection’(公開番号:WO/2019/068141)に記載の技術に基づいて、画像処理動作を実行して、各エッジパターンに対応する画像領域を検出するように構成され得る。
【0099】
図8は、同一のゲームオブジェクトスタック内の異なるゲームオブジェクトのエッジ領域上の夫々のエッジパターンの周囲に規定された2つの例示的なバウンディングボックス810及び815を備える画像領域700を示す。バウンディングボックス810及び815は、例えば、オブジェクト検出モジュール212又は242によって実行される画像処理動作に基づいて、識別されたエッジパターンについて決定され得る。
【0100】
図9は、例示的なコンピュータシステム900を示す。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム900は、本願明細書において記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行する。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム900は、本願明細書において記載又は図示される機能性を提供する。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム900上で実行されるソフトウェアは、本願明細書において記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し、又は本願明細書において記載又は図示される機能性を提供する。特定の実施形態は、1つ以上のコンピュータシステム900の1つ以上の部分を含む。本願明細書において、コンピュータシステムへの言及は、適切な場合には、コンピューティングデバイスを包含し得、逆もまた同様である。コンピュータシステム又はコンピューティングへの言及は、適切な場合には、1つ以上のコンピュータシステム又はデバイスを包含し得る。エッジコンピューティングデバイス124、プレナムコンピューティングデバイス126、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132、オンプレミスネットワーク130、オンプレミスサーバ134、パブリックネットワーク140、クライアントデバイス144、及びリモートサーバ142は、コンピュータシステム900を参照して説明されたコンピューティングコンポーネントのサブセット又は全てを組み込んで、本願明細書において記載される機能性を提供し得る。
【0101】
本開示は、エッジコンピューティングデバイス124、プレナムコンピューティングデバイス126、オンプレミスネットワークコンピューティングデバイス132、オンプレミスネットワーク130、オンプレミスサーバ134、パブリックネットワーク140、クライアントデバイス144、及びリモートサーバ142の各々を実施するために、任意の適切な数のコンピュータシステム900を意図する。コンピュータシステム900は、埋込コンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)又はシステムオンモジュール(SOM)等)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ若しくはノートブックコンピュータシステム、インタラクティブキオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、サーバ、タブレットコンピュータシステム、又はこれらの2つ以上の組み合わせであり得る。適切な場合、コンピュータシステム900は、1つ以上のコンピュータシステム900を含み、一元型又は分散型であり、複数の場所に及び、複数のマシンに及び、複数のデータセンタに及び、又はクラウドに存在し、1つ以上のネットワークにおいて1つ以上のクラウドコンポーネントを含み得る。適切な場合、1つ以上のコンピュータシステム900は、実質的な空間的又は時間的制限なしに、本願明細書において記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し得る。例として、限定するものではないが、1つ以上のコンピュータシステム900は、本願明細書において記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを、リアルタイム又はバッチモードで実行し得る。1つ以上のコンピュータシステム900は、適切な場合、本願明細書において記載又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを、異なる時間又は異なる場所で実行し得る。
【0102】
特定の実施形態では、コンピュータシステム900は、プロセッサ回路902(本願明細書では、便宜上、プロセッサ902と称する。)、メモリ904、ストレージ906、入力/出力(I/O)インターフェース908、通信インターフェース910、及びバス912を含む。本開示は、特定の配置の特定の数の特定のコンポーネントを有する特定のコンピュータシステムを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切な配置の任意の適切な数の任意の適切なコンポーネントを有する任意の適切なコンピュータシステムを意図する。
【0103】
特定の実施形態では、プロセッサ902は、コンピュータプログラムを構成するような命令を実行するためのハードウェアを含む。例として、限定するものではないが、命令を実行するために、プロセッサ902は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ904、又はストレージ906から命令を検索し(又はフェッチし)、デコードしてそれらを実行し、そして、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ904、又はストレージ906に1つ以上の結果を書き込み得る。特定の実施形態では、プロセッサ902は、データ、命令、又はアドレスのための1つ以上の内部キャッシュを含み得る。本開示は、適切な場合には、任意の適切な数の任意の適切な内部キャッシュを含むプロセッサ902を意図する。例として、限定するものではないが、プロセッサ902は、1つ以上の命令キャッシュ、1つ以上のデータキャッシュ、及び1つ以上のトランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)を含み得る。命令キャッシュ内の命令は、メモリ904又はストレージ906内の命令のコピーであり得、命令キャッシュは、プロセッサ902によるこれらの命令の検索を高速化し得る。データキャッシュ内のデータは、プロセッサ902において実行され動作される命令のためのメモリ904又はストレージ906内のデータのコピー、プロセッサ902で実行される後続の命令によるアクセス若しくはメモリ904又はストレージ906への書き込みのためのプロセッサ902で実行された前の命令の結果、又は他の適切なデータであり得る。データキャッシュは、プロセッサ902による読み出し又は書き込み動作を高速化し得る。TLBは、プロセッサ902のための仮想アドレス変換を高速化し得る。特定の実施形態において、プロセッサ902は、データ、命令、又はアドレスのための1つ以上の内部レジスタを含み得る。本開示は、適切な場合、任意の適切な数の任意の適切な内部レジスタを含むプロセッサ902を意図する。適切な場合、プロセッサ902は、1つ以上の演算論理ユニット(ALU)を含み得、マルチコアプロセッサ(GPU、TPUS、VPUのような高度並列マルチコアプロセッサ、インメモリプロセッサ等を含む)であり得、FPGAであり得、又は1つ以上のプロセッサ902を含み得る。本開示は、特定のプロセッサを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切なプロセッサを意図する。
【0104】
特定の実施形態では、メモリ904は、プロセッサ902が実行するための命令又はプロセッサ902が動作するためのデータを記憶するためのメインメモリを含む。例として、限定するものではないが、コンピュータシステム900は、ストレージ906又は別のソース(例えば、別のコンピュータシステム900等)からメモリ904に命令をロードし得る。そして、プロセッサ902は、メモリ904から内部レジスタ又は内部キャッシュに命令をロードし得る。命令を実行するために、プロセッサ902は、内部レジスタ又は内部キャッシュから命令を検索し、それをデコードし得る。命令の実行中又は実行後に、プロセッサ902は、内部レジスタ又は内部キャッシュに、1つ以上の結果(中間結果又は最終結果であり得る)を書き込み得る。そして、プロセッサ902は、それらの結果の1つ以上をメモリ904に書き込み得る。特定の実施形態では、プロセッサ902は、(ストレージ906又はその他の場所とは対照的な)1つ以上の内部レジスタ、又は内部キャッシュ、又はメモリ904内の命令のみを実行し、(ストレージ906又はその他の場所とは対照的な)1つ以上の内部レジスタ、又は内部キャッシュ、又はメモリ904内のデータに基づいて動作する。1つ以上のメモリバス(各々がアドレスバス及びデータバスを含み得る)は、プロセッサ902をメモリ904に結合し得る。バス912は、以下に説明するように、1つ以上のメモリバスを含み得る。特定の実施形態では、プロセッサ902とメモリ904との間に、1つ以上のメモリ管理ユニット(MMU)が存在し、プロセッサ902によって要求されるメモリ904へのアクセスを容易にする。特定の実施形態では、メモリ904は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。このRAMは、適切な場合には、揮発性メモリであり得る。適切な場合には、このRAMは、動的RAM(DRAM)又は静的RAM(SRAM)であり得る。更に、適切な場合には、このRAMは、シングルポート又はマルチポートRAMであり得る。本開示は、任意の適切なRAMを意図している。メモリ904は、適切な場合には、1つ以上のメモリ904を含み得る。本開示は、特定のメモリを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切なメモリを意図する。
【0105】
特定の実施形態では、ストレージ906は、データ又は命令のためのマスストレージを含む。例として、限定するものではないが、ストレージ906は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。ストレージ906は、適切な場合には、取り外し可能な又は取り外し不能な(即ち固定)媒体を含み得る。ストレージ906は、適切な場合には、コンピュータシステム900の内部又は外部にあり得る。特定の実施形態では、ストレージ906は、不揮発性ソリッドステートメモリである。特定の実施形態では、ストレージ906は、読み取り専用メモリ(ROM)を含む。適切な場合には、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的書換可能ROM(EAROM)、又はフラッシュメモリ、又はこれらの2つ以上の組み合わせであり得る。本開示は、任意の適切な物理的形態をとるマスストレージ906を意図する。ストレージ906は、適切な場合には、プロセッサ902とストレージ906との間の通信を容易にする1つ以上のストレージコントロールユニットを含み得る。適切な場合には、ストレージ906は、1つ以上のストレージ906を含み得る。本開示は、特定のストレージを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切なストレージを意図する。
【0106】
特定の実施形態では、I/Oインターフェース908は、コンピュータシステム900と1つ以上のI/Oデバイスとの間の通信のための1つ以上のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。コンピュータシステム900は、適切な場合には、1つ以上のこれらのI/Oデバイスを含み得る。これらのI/Oデバイスの1つ以上は、人間とコンピュータシステム900との間のコミュニケーションを可能にし得る。例として、限定するものではないが、I/Oデバイスは、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、スチルカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、他の適切なI/Oデバイス、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。I/Oデバイスは、1つ以上のセンサを含み得る。本開示は、任意の適切なI/Oデバイス及びそれらのための任意の適切なI/Oインターフェース908を意図している。適切な場合には、I/Oインターフェース908は、プロセッサ902がこれらのI/Oデバイスの1つ以上を駆動することを可能にする1つ以上のデバイス又はソフトウェアドライバを含み得る。I/Oインターフェース908は、適切な場合には、1つ以上のI/Oインターフェース908を含み得る。本開示は、特定のI/Oインターフェースを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切なI/Oインターフェースを意図する。
【0107】
特定の実施形態では、通信インターフェース910は、コンピュータシステム900と1つ以上の他のコンピュータシステム900又は1つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケットをベースとする通信等)のための1つ以上のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。例として、限定するものではないが、通信インターフェース910は、イーサネット又は他の有線をベースとするネットワークと通信するためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)若しくはネットワークアダプタ、又はWI-FIネットワークのような無線ネットワークと通信するための無線NIC(WNIC)若しくは無線アダプタを含み得る。本開示は、任意の適切なネットワーク及びそのための任意の適切な通信インターフェース910を意図している。例として、限定するものではないが、コンピュータシステム900は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又はインターネットの1つ以上の部分、又はこれらの2つ以上の組み合わせと通信し得る。これらのネットワークの1つ以上の1つ以上の部分は、有線又は無線であり得る。例として、コンピュータシステム900は、無線PAN(WPAN)(例えば、ブルートゥースWPAN等)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、携帯電話ネットワーク(例えば、移動通信グローバルシステム(GSM)ネットワーク等)、又は他の適切な無線ネットワーク、又はこれらの2つ以上の組み合わせと通信し得る。コンピュータシステム900は、適切な場合には、これらのネットワークのいずれについても任意の適切な通信インターフェース910を含み得る。通信インターフェース910は、適切な場合には、1つ以上の通信インターフェース910を含み得る。本開示は、特定の通信インターフェースを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切な通信インターフェースを意図する。
【0108】
特定の実施形態では、バス912は、コンピュータシステム900のコンポーネントを互いに結合するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。例として、限定するものではないが、バス912は、アクセラレイテッドグラフィックスポート(AGP)若しくは他のグラフィックスバス、強化業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド相互接続、低ピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、ペリフェラルコンポーネント相互接続 (PCI)バス、PCIエクスプレス(PCIe)バス、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会ローカル(VLB)バス、又は別の適切なバス、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。バス912は、適切な場合には、1つ以上のバス912を含み得る。本開示は、特定のバスを記載及び図示するが、本開示は、任意の適切なバス又は相互接続を意図する。
【0109】
図10は、幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法1000のフローチャートを示す。方法1000は、画像処理動作を実行して、ゲーム監視のために関心のある画像又は画像領域を識別する。幾つかの実施形態では、カメラ122は、ゲーム環境120の画像を連続的に撮影し得る。しかしながら、様々な期間、ゲーム環境において関心のあるゲーム活動が発生しないことがあり得る。関心のあるゲーム活動を含まない画像の保存及び送信は、ゲーム監視システムにおける演算、ネットワーク及びメモリのリソースの浪費を招来し得る。幾つかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイス124は、カメラ122によって生成された画像データのゲートキーパーとして機能し、アップストリームコンピューティングデバイスによって処理されて更なる洞察を識別し得る、関心のあるゲームイベントに関連する画像データを識別するために必要な画像処理動作を実行する。
【0110】
1010において、エッジコンピューティングデバイス124は、ゲーム環境の一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信する。一連の画像は、1つ以上のカメラ122によって撮影され得る。タイムスタンプ情報は、複数の画像の中から画像の時間的画像順序を決定するために用いられる。タイムスタンプ情報は、数的時間値及び/又は相対時間値若しくは時間的順序を示す値を備え得る。1020において、エッジコンピューティングデバイス124は、一連の画像のうちの第1の画像を処理して、第1の画像において第1のイベントトリガ指標を決定する。第1のイベントトリガ指標は、第1の画像におけるオブジェクト検出モジュール212による1つ以上のゲームオブジェクト又は1人以上の人間の検出を含み得る。
【0111】
1030において、エッジコンピューティングデバイス124は、決定された第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別する。ゲーム監視開始イベントは、ゲーム環境120におけるゲームテーブル123でのゲームの開始に関連し得る。幾つかの実施形態では、ゲーム監視開始イベントを決定することに応じて、エッジコンピューティングデバイス124は、ローカルハードドライブ(図示せず)等に、第1の画像に続いて撮影された画像を記憶し得る。また、エッジコンピューティングデバイス124は、タイムスタンプ情報のような、撮影された画像の各々に関連付けられた1つ以上の画像メタデータを記憶し得る。
【0112】
1040において、エッジコンピューティングデバイス124は、一連の画像における第2の画像を処理して、第2の画像において第2のイベントトリガ指標を決定する。第2の画像は、カメラ122によって撮影された一連の画像のうちの第1の画像に続いて撮影された画像である。1050において、エッジコンピューティングデバイス124は、決定された第2のトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別する。幾つかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイス124は、第1の画像、第2の画像、及び第1の画像の後だが第2の画像の前に撮影された1つ以上の中間画像を含む1セットの画像を記憶したまま、撮影された画像の記憶を停止し得る。1060において、ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、エッジコンピューティングデバイス124は、1セットの画像及び関連するメタデータを、アップストリームコンピューティングデバイスに送信する。
【0113】
図11は、幾つかの実施形態のエッジコンピューティングデバイスによって実行可能なゲーム監視方法1100のフローチャートを示す。方法1100は、画像処理動作を実行して、ゲーム監視に関心のある画像又は画像領域を識別する。幾つかの実施形態では、カメラ122は、ゲーム環境120の画像を連続的に撮影し得る。しかしながら、様々な期間、ゲーム環境において関心のあるゲーム活動が発生しないことがあり得る。関心のあるゲーム活動を含まない画像の保存及び送信は、ゲーム監視システムにおける演算、ネットワーク及びメモリのリソースの浪費を招来し得る。幾つかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイス124は、カメラ122によって生成された画像データのゲートキーパーとして機能し、アップストリームコンピューティングデバイスによって処理されて更なる洞察を識別し得る、関心のあるゲームイベントに関連する画像データを識別するために必要な画像処理動作を実行する。
【0114】
1110において、エッジコンピューティングデバイス124は、ゲーム環境の一連の画像及び一連の画像のうちの各画像の撮影時間のタイムスタンプ情報を受信する。一連の画像は、1つ以上のカメラ122によって撮影され得る。タイムスタンプ情報は、複数の画像の中からの画像の時間的画像順序を決定するために用いられる。タイムスタンプ情報は、数的時間値及び/又は相対的な時間値若しくは時間的順序を示す値を含み得る。
【0115】
1120において、エッジコンピューティングデバイス124は、第1のイベントトリガ指標を決定する。第1のトリガイベント指標は、ゲーム開始イベントが最近発生したこと又は発生し得ることを示すものであり得、又はゲーム開始イベントを識別する処理を開始するためのエッジコンピューティングデバイス124への指示であり得る。第1のトリガイベント指標は、ゲームテーブルに関連し得る。
【0116】
幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガ指標は、手動トリガであり得る。手動トリガは、ゲームテーブル及び/又はディーラにおいて又は近くに位置するボタン、スイッチ、レバー、タッチスクリーン、又はその他の入力装置から送信される信号のうちの1つ又は複数を備え得る。また、手動イベントトリガは、アップストリームコンピューティングデバイス又はエッジコンピューティングデバイス124と通信している他のコンピューティングデバイスから送信され得る。手動トリガは、ゲーム監視開始イベントが発生したこと又は発生し得ることをエッジコンピューティングデバイスに示し、分析及び/又は決定のために画像を撮影することを開始するように構成され得る。幾つかの実施形態では、手動イベントトリガは、監視されるべきゲームから、監視されるべきでないゲームをフィルタリングするために用いられ得る。幾つかの実施形態では、アップストリームコンピューティングデバイスから受信された手動トリガイベントは、アップストリームコンピューティングデバイスが新規又はそれ以上のデータを受信するために待機していることを示し得る。
【0117】
幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガは、周期的なイベントトリガであり得、1つ以上の所定の時間フレームで、にわたって、又はに従って、エッジコンピューティングデバイスに通信されるように構成され得る。例えば、エッジコンピューティングデバイス124と通信しているアップストリームコンピューティングデバイス及び/又は他のデバイスは、1日の開始、ディーラシフトの開始、特定のゲームテーブルがプレーヤにオープンされていなかった後にプレーヤに最初にオープンされたとき、所定回数のゲームの経過後、及び/又は所定時間の経過のうちの1つ又は複数で、周期的な第1のイベントトリガを通信するように構成され得る。
【0118】
幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガは、システムステータストリガであり得、特定のシステム要件が満たされたとき、閾値が超過されたとき、又は任意の他のシステムが基準若しくは状況に関連したときに、エッジコンピューティングデバイス124に通信され又はそれによって決定されるように構成され得る。例えば、システムステータスの第1のイベントトリガは、エッジコンピューティングデバイス124が画像データの送信を完了したとき、又は所定時間にわたりエッジコンピューティングデバイス124からデータを受信していないという、アップストリームコンピューティングデバイスからの指示を受信したとき、又は一定レベルの処理動作及び/又は熱蓄積に達した及び/若しくはそれらを所定時間維持したと、エッジコンピューティングデバイスが決定したときに、決定されるようにされ得る。幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガは、ゲームオブジェクトがエッジコンピューティングデバイス124によって検出されたことの指標であり得る。
【0119】
1130において、エッジコンピューティングデバイス124は、第1のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視開始イベントを識別する。ゲーム監視開始イベントは、監視されるべきゲーム、複数のゲーム、又は他のゲーム関連アクティビティが開始されたことを示す指示及び/又は命令であり得る。ゲーム監視開始イベントは、エッジコンピューティングデバイス124による、ゲームテーブル上でゲームオブジェクトが検出されたとの決定を備え得る。幾つかの実施形態では、第1のイベントトリガ指標は、ゲーム監視開始イベントが発生した又は発生するであろうことを示す指示を含み得、エッジコンピューティングデバイス124は、トリガ指標からゲーム監視開始イベントを識別する。
【0120】
1140において、エッジコンピューティングデバイスは、第2のイベントトリガ指標を決定する。第2のトリガイベント指標は、ゲーム終了イベントが最近発生したこと又は発生し得ることを示すものであり得、又はゲーム終了イベントを識別する処理を開始するためのエッジコンピューティングデバイス124への指示であり得る。第2のトリガイベント指標は、ゲームテーブルに関連し得る。
【0121】
幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガ指標は、手動トリガであり得る。手動トリガは、ゲームテーブル及び/又はディーラにおける又は近くに位置するボタン、スイッチ、レバー、タッチスクリーン、又はその他の入力装置から送信される信号のうちの1つ又は複数を備え得る。また、手動イベントトリガは、エッジコンピューティングデバイス124と通信するアップストリームコンピューティングデバイス又は他のコンピューティングデバイスから送信され得る。手動トリガは、ゲーム監視終了イベントが発生したこと又は発生し得ることをエッジコンピューティングデバイスに示し、画像撮影処理を終了する準備をするように構成され得る。幾つかの実施形態では、手動イベントトリガは、監視されるべきゲームから、監視されるべきでないゲームをフィルタリングするために使用され得る。幾つかの実施形態では、アップストリームコンピューティングデバイスから受信された手動トリガイベントは、アップストリームコンピューティングデバイスが処理及び/又は記憶容量に達し、追加の画像データを受信する能力がないことを示し得る。
【0122】
幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガは、周期的なイベントトリガであり得、1つ以上の所定の時間フレームで、にわたって、又はに従って、エッジコンピューティングデバイスに通信されるように構成され得る。例えば、エッジコンピューティングデバイス124と通信するアップストリームコンピューティングデバイス及び/又は他のデバイスは、1日の終了、ディーラシフトの終了、特定のゲームテーブルがプレーヤにオープンされた後にプレーヤにクローズされたとき、所定回数のゲームの経過後、及び/又は所定時間の経過のうちの1つ又は複数で、周期的な第2のイベントトリガを通信するように構成され得る。
【0123】
幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガは、システムステータストリガであり得、特定のシステム要件が満たされたとき、閾値が超過されたとき、又は任意の他のシステムが基準若しくは状況に関連したとき、エッジコンピューティングデバイス124に通信され又はそれによって決定されるように構成される。例えば、システムステータスの第2のイベントトリガは、エッジコンピューティングデバイス124が一定のレベルの処理動作及び/又は熱蓄積に達した及び/若しくはそれらを維持したとき、又は処理及び/若しくは記憶容量に達したという指示をアップストリームコンピューティングデバイスから受信したときに、決定されるようにされ得る。幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガは、1つ以上の所定の期間、エッジコンピューティングデバイス124によってゲームオブジェクトが検出されなかったことを示すものであり得る。
【0124】
1150において、エッジコンピューティングデバイスは、決定された第2のイベントトリガ指標に基づいて、ゲーム監視終了イベントを識別する。ゲーム監視終了イベントは、監視されるべきゲーム、複数のゲーム、又は他のゲーム関連アクティビティが終了したことを示す指示及び/又は命令であり得る。ゲーム監視終了イベントは、ゲームオブジェクトが1つ以上の所定の期間にわたってゲームテーブル上で検出されなかったという、エッジコンピューティングデバイス124による決定を備え得る。幾つかの実施形態では、第2のイベントトリガ指標は、ゲーム監視終了イベントが発生した又は発生するだろうことを示すものを備え得、エッジコンピューティングデバイス124は、第2のトリガ指標からゲーム監視終了イベントを識別する。
【0125】
1160Aにおいて、エッジコンピューティングデバイスは、ゲーム監視開始イベントを識別した後の任意の時点で、アップストリームコンピューティングデバイスへの画像データの送信を開始し得る。エッジコンピューティングデバイス124は、ベットのラウンドの終了の決定、ゲームの終了の決定、所定の時間の経過の決定、所定の数のゲームの経過の決定、及び/又は送信のための命令の受信のような、1つ以上の送信トリガによって送信を開始させられ得る。
【0126】
1160Aに代えて、1160Bにおいて、エッジコンピューティングデバイスは、ゲーム監視終了イベントを識別することに応じて、画像データをアップストリームコンピューティングデバイスに送信し得る。
【0127】
ここで、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体又は複数の媒体は、適切な場合には、1つ以上の半導体をベースとする若しくは他の集積回路(IC)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは特定用途向けIC(ASIC)等)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスク、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード若しくはドライブ、他の任意の適切なコンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体、又はこれらの2つ以上の任意の適切な組み合わせを含み得る。コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体は、適切な場合には、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性との組み合わせであり得る。
【0128】
当業者によって、本開示の広範な一般的範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多数の変形及び/又は改良がなされ得ることが理解されるだろう。従って、実施形態は、全ての観点から、例示的であり制限的ではないと考えられるべきである。
【国際調査報告】