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特表2024-529233安全が強化された密封二重ドア連結装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】安全が強化された密封二重ドア連結装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 13/10 20060101AFI20240730BHJP
   G21C 13/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F16J13/10 B
G21C13/02 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576195
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 FR2022051091
(87)【国際公開番号】W WO2022258926
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】2106197
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511107784
【氏名又は名称】ゲティンゲ ライフ サイエンス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・モティエ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー・オーギャン
【テーマコード(参考)】
3J046
【Fターム(参考)】
3J046AA13
3J046AA20
3J046BB10
3J046BC07
3J046DA04
3J046DA10
(57)【要約】
二重ドア連結システムのための密封連結装置であって、第1のフランジ(6)と、第1のフランジ(6)を閉鎖する第1のドアと、を備え、第1のフランジ(6)が、物体の連結のためのバヨネット連結手段(32)を備え、物体が、第2のドアによって閉鎖される第2のフランジを備え、第2のフランジが、第1のフランジ(6)のバヨネット連結手段と係合することを目的とするn個のラグを備え、第1のフランジ(6)が、バヨネット連結手段(32)における第2のフランジのラグの正しい組付けのためのn個の検出器を備え、各検出器(46)が、ラグの存在を検出するように構成される、密封連結装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重ドア連結システムのための密封連結装置であって、第1のフランジ(6)と、前記第1のフランジ(6)を塞ぐ第1のドア(10)と、を含み、前記第1のフランジ(6)が、物体のためのバヨネット連結手段を含み、前記物体が、第2のドア(11)によって塞がれる第2のフランジ(9)を含み、前記第2のフランジ(9)が、前記第1のフランジ(6)の前記バヨネット連結手段と協働することを目的とするn個のラグ(33)を備え、前記第1のフランジ(6)が、前記バヨネット連結手段における前記第2のフランジ(9)の前記ラグ(33)の正しい組付けのためのn個の検出器を含み、各検出器(46)が、ラグ(33)の存在を検出するように構成される、密封連結装置。
【請求項2】
前記第1のフランジ(6)が、各ラグについて、連結位置で前記第2のフランジ(9)の回転を止めるように構成された回転止め部(42)を含み、各検出器(46)が、前記第1のフランジ(6)上への前記第2のフランジ(9)の連結の方向において前記回転止め部(42)の上流にある、請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
各検出器(46)が、前記ラグ(33)の存在によって動かされるように構成された要素(48)と、前記要素(48)の動きを検出するセンサ(52)と、を含む、請求項1または2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記要素(48)が、径方向に摺動可能なロッドであり、前記ロッド(48)の一方の長手方向端部(48.1)が、前記ラグによって径方向に外方に向けて押し戻され、前記ロッド(48)の他方の長手方向端部(48.2)が、前記センサ(52)によって検出され、弾性復帰手段が前記要素(48)上に径方向に内方に向けて応力を及ぼす、請求項3に記載の連結装置。
【請求項5】
前記要素(48)が、金属であり、前記センサが、誘導センサである、請求項4に記載の連結装置。
【請求項6】
各検出器が、固定支持部を含み、前記固定支持部には、前記センサが取り付けられ、前記固定支持部内を摺動することができる前記ロッドが取り付けられる、請求項4または5に記載の連結装置。
【請求項7】
前記検出器(46)および関連の電気接続手段が、前記第1のフランジ(6)の内部容積(30)に収容される、請求項1から6のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項8】
第1の閉容積を画定し、請求項1から7のいずれか一項に記載の密封連結装置を含む、チャンバであって、前記連結装置(D)が、前記チャンバの壁(4)内に取り付けられる、チャンバ。
【請求項9】
前記検出器(46)が接続された制御ユニットを含む、請求項8に記載のチャンバ。
【請求項10】
前記制御ユニットに接続された、前記第1のドア(10)の電動ロック/ロック解除手段と、前記第1のドア(10)の電動開放手段と、を含み、前記制御ユニット(UC)が、前記第2のフランジ(9)が前記第1のフランジ(6)に取り付けられるとき、n個の検出器がそれぞれラグの検出の信号を前記制御ユニットに送った場合、前記電動ロック手段および前記電動開放手段を制御するように構成される、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項11】
前記制御ユニット(UC)が、前記検出器(46)のうちの1つが、ラグの検出の信号を送らなかった場合、アラートメッセージを発するように構成される、請求項9または10に記載のチャンバ。
【請求項12】
前記物体が、容器または可撓性バッグである、請求項8から11のいずれか一項に記載のチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全が強化された二重ドア連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの産業分野、特に、原子力、医療、薬剤および農産食品(agri-food)の分野では、いくつかのタスクを、例えば、放射能、毒性などから環境を保護するために、密封雰囲気中で実行すること、あるいはその反対に、これらのタスクを無菌または無塵雰囲気中で実行できること、あるいは最終的に、これらの両方が同時に必要でありまたは望ましい。
【0003】
装置または製品を、1つの閉容積から別の閉容積に、これらの容積のそれぞれの外部に対する密封状態をいかなるときにも損なわずに移送することは、解決が困難な問題を呈している。この問題は、二重ドア連結装置により解決され得る。
【0004】
複数の安全手段(security)を含む制御装置を備えたこのような二重ドア装置は、例えば、特許文献1から既知である。各容積が、フランジに取り付けられたドアにより閉鎖される。各ドアはそのフランジにバヨネットリンク(bayonet link)によってか、ヒンジおよびロックシステムによってかのどちらかでしっかりと連結され、2つのフランジは、互いに対してバヨネットリンクによりしっかりと連結されることが意図されている。
【0005】
例えば、閉容積の一方はアイソレータにより形成され、他方の容積は密封移送バッグとも呼ばれる可撓性容器により形成される。
【0006】
慣用的に、アイソレータにより担持されている連結部はアルファ部と称され、容器により担持されている連結部はベータ部と称される。
【0007】
ジョイントは、連結容積間の密封を確実にするようにアルファ部上およびベータ部上に設けられる。
【0008】
ベータ部は、ベータドアによって閉鎖されるベータフランジを含む。ベータフランジおよびベータドアは、バヨネットリンクによって互いに協働する。アルファ部は、アルファドアによって閉鎖されるアルファフランジを含む。アルファドアは、ヒンジによってアルファフランジに連接されている。ベータフランジとベータドアとの間の密封は、ベータフランジ内に収容されたジョイントによって確実にされる。
【0009】
移送バッグとチャンバとの間の連結は、バヨネットタイプのリンクによってベータフランジとアルファフランジとの機械的協働によって行われる。この機械的協働は、機械的なしっかりとした連結をもたらすだけでなく連結の密封ももたらす。
【0010】
密封連結サイクルは以下の通りである。
【0011】
ベータ部を担持する容器がアルファ部に近づけられ、ベータフランジのラグがアルファフランジのノッチに貫入され、ベータドアのラグがアルファドアのノッチに貫入される。容器は例えば時計回り方向に枢動され、ベータフランジのラグがアルファフランジの溝内において枢動し摺動する。それと同時に、ベータフランジによって担持されるジョイントの摩擦により、容器の回転がベータドアの回転を引き起こし、それによってベータドアとアルファドアとがバヨネットリンクによって連結される。こうして2つのドアがしっかりと連結される。したがって、ベータドアの各ラグがアルファドアによって担持される円周方向止め部に当接する。
【0012】
アルファドア上の円周方向止め部に対するベータドアのラグの当接により、再び容器が枢動されると、容器の回転によりベータドアとベータフランジとの間の連結解除が引き起こされる。
【0013】
一方がベータフランジによって担持され他方がアルファドアによって担持されるジョイントにより、以下の代替実施形態が可能になる。
【0014】
アルファドアによって担持されるジョイントの摩擦によるアルファフランジの溝内におけるベータフランジのラグの枢動および摺動と同時に、ベータドアは、回転において不動のままとなり、ベータドアは、ベータフランジから連結解除される。したがって、ベータフランジの各ラグは、ベータドアによって担持される円周方向止め部に当接する。
【0015】
ベータドア上の円周方向止め部に対するベータフランジのラグの当接により、再び容器が枢動されると、容器の回転によりベータドアの回転が引き起こされ、それによってバヨネットリンクによるベータドアとアルファドアとの間の連結が引き起こされる。2つのドアは、こうしてしっかりと連結される。
【0016】
セルの内部から、アルファドアはロック解除され、2つのドアからなる組立体は、ヒンジの軸周りにセルの内部の方に向けて枢動され得る。
【0017】
2つの容積間の移送が行われ得る。
【0018】
連結解除サイクルは以下の通りである。
【0019】
2つのドアは、フランジ内の定位置に戻される。
【0020】
容器は、反時計回り方向に回される。ドア同士の摩擦により、ベータドアは回転において不動のままとなり、それによってベータドアおよびベータフランジの連結が引き起こされる。次いで、ベータフランジによって担持される円周方向止め部がベータドアの円周方向止め部に当接し、それによってアルファドアに対するベータドアの回転が引き起こされ、それらの連結解除が引き起こされる。容器はさらに、アルファフランジから連結解除される。こうして容器はフランジから取り外され得る。
【0021】
容器がアルファ部に不適切に連結されている間、いくつかの安全手段が、チャンバの開放の危険を制限するように実施される。複数の安全手段を含む制御装置を備えたこのような二重ドア装置は、例えば、特許文献2からも既知である。この装置は、ドアの開放のための手動制御部材と、4つのロックと、を含む。4つのロックのうちの2つは、容器のドアが存在していない限り、かつ容器のフランジがアルファフランジに完全に連結されているわけではない限り、あらゆる開放動作を阻止する。第3のロックは、制御部材が中間ロック位置を通過した後の、2つのフランジのあらゆる連結解除を阻止する。最後に、第4のロックは、ドアが開放されたときに、制御部材がその初期位置に戻ることを回避する。この二重ドア連結装置は、申し分のないものである。2つの第1のロックは、アルファフランジ上におけるベータフランジのラグのうちの1つの連結が検出されると、少なくとも部分的に停止状態にされる。アルファフランジの突出ロッドは、ベータフランジのラグによって押し戻され、それが2つのロックの停止状態に関与する。
【0022】
容器は、いくつかのゾーン間で移送され、落下するおそれがある。さらに、容器は、セル内に何度もドッキングされる。ベータフランジは、劣化、例えば変形し、または、操作の間、特にフランジの外方に向けて径方向に延在するアルファフランジの連結ラグを破壊することさえあり得る。
【0023】
本発明者は、容器の3つの他のラグのうちの、その存在が検出されない1つまたは複数のラグが、劣化、例えば破壊または変形しており、その存在が検出されたラグがロックの停止状態を保証するのに十分な状態にある場合、1つのラグの劣化または他のラグの劣化により連結が必ずしも確保されない間、セルドアのロックは停止状態にされ得ることに注目した。さらに、この部分的な劣化は、結果的に、アルファフランジに対するジョイントの不十分なプレスになり、したがって密封に不具合が生じる危険につながり、それによって閉じ込めの損失(loss of confinement)が引き起こされるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2695343号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2766121号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
したがって、本発明の目的は、向上した安全レベルを提供する密封二重ドア連結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上述の目的は、密封二重ドア連結装置であって、セルフランジとドアとを含み、セルフランジが、連結されるべき物体のフランジと協働することを目的とするバヨネット連結手段を含み、物体のフランジが、そのバヨネット連結手段と協働するラグを含み、前記セルフランジが、連結されるべき物体のフランジの各ラグの存在の検出のための手段を含む、密封二重ドア連結装置によって達成される。
【0027】
本発明により、1つまたは複数の劣化したラグにより2つのフランジ間の連結が十分でない間に様々な安全手段がロック解除されるあらゆる危険が排除される。
【0028】
有利には、密封連結装置は、電動ロック解除手段を含み、したがって、すべてのラグの存在の検出は、ロック解除手段に対してそれ自体をロック解除する指令を生成する制御手段への信号の送信として現れる。逆に、ラグのうちの1つが検出されなかった場合、ロック解除は禁じられる。
【0029】
換言すると、アルファフランジのバヨネット連結手段内のすべてのラグの正しい組付けの網羅的な検出が行われる。
【0030】
例えば、各ラグの存在の検出は、誘導センサによって行われる。
【0031】
したがって、本発明の目的は、二重ドア連結システムのための密封連結装置であって、第1のフランジと、前記第1のフランジを塞ぐ第1のドアと、を含み、前記第1のフランジが、物体のためのバヨネット連結手段を含み、前記物体が、第2のドアによって塞がれる第2のフランジを含み、第2のフランジが、第1のフランジのバヨネット連結手段と協働することを目的とするn個のラグを備え、前記第1のフランジが、バヨネット連結手段における第2のフランジのラグの正しい組付けのためのn個の検出器を含み、各検出器が、ラグの存在を検出するように構成される、密封連結装置である。
【0032】
例示的な一実施形態では、第1のフランジが、各ラグについて、連結位置で第2のフランジの回転を止めるように構成された回転止め部を含み、各検出器が、第1のフランジ上への第2のフランジの連結の方向において回転止め部の上流にある。
【0033】
各検出器が、ラグの存在によって動かされるように構成された要素と、要素の動きを検出するセンサと、を含むことができる。要素が、径方向に摺動可能なロッドであってよく、ロッドの一方の長手方向端部が、ラグによって径方向に外方に向けて押し戻され、ロッドの他方の長手方向端部が、センサによって検出され、弾性復帰手段が要素上に径方向に内方に向けて応力を及ぼす。
【0034】
例えば、要素が、金属であり、センサが、誘導センサである。
【0035】
追加の特徴によれば、各検出器が、固定支持部を含み、固定支持部には、センサが取り付けられ、固定支持部内を摺動することができるロッドが取り付けられる。
【0036】
有利には、検出器および関連の電気接続手段が、第1のフランジの内部容積に収容される。
【0037】
本発明の他の目的は、第1の閉容積を画定し、本発明による密封連結装置を含む、チャンバであって、前記連結装置が、前記チャンバの壁内に取り付けられる、チャンバである。
【0038】
チャンバが、検出器が接続された制御ユニットを含むことができる。
【0039】
例示的な一実施形態では、チャンバが、制御ユニットに接続された、第1のドアの電動ロック/ロック解除手段と、第1のドアの電動開放手段と、を含み、前記制御ユニットが、第2のフランジが第1のフランジに取り付けられるとき、n個の検出器がそれぞれラグの検出の信号を制御ユニットに送った場合、電動ロック手段および電動開放手段を制御するように構成される。
【0040】
有利には、制御ユニットが、検出器のうちの1つが、ラグの検出の信号を送らなかった場合、アラートメッセージを発するように構成される。
【0041】
物体が、容器または可撓性バッグである場合がある。
【0042】
以下の説明および添付の図面から、本発明をより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】容器が連結されている密封連結装置を備えたチャンバの上面断面図である。
図2A】二重ドア連結装置のセルフランジの内側の詳細図である。
図2B】内部容積がカバーによって閉鎖されている、図2Aのフランジの図である。
図3】容器のフランジおよびそのドアだけが示されている、容器が連結されている連結装置の透視図である。
図4】ラグが取り付けられる径方向溝の内側を示す、図2Aのセルフランジの斜視図である。
図5図4の詳細図である。
図6】実施され得る検出器のうちの1つを示す、図2Aのセルフランジの斜視図である。
図7A】異なる状態にある、図6の検出器の上面図である。
図7B】異なる状態にある、図6の検出器の上面図である。
図8】容器フランジが取り付けられているセルフランジの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の説明において、表現「セルドア」および「アルファドア」は、同義であり、表現「容器ドア」および「ベータドア」は同義であり、表現「セルフランジ」および「アルファフランジ」は同義であり、表現「容器フランジ」および「ベータフランジ」は同義である。
【0045】
以下の説明において、ベータフランジは、容器の内部とセルの内部との間における物体の移送を目的として、アルファフランジに密封的に連結されることを意図する容器のフランジである。連結装置は、ベータフランジを装備する任意の物体の密封連結に適合され、例えばこれらは可撓性バッグ、グローブ、スリーブ、ハーフ防護スーツ(half-protective suit)などであり得る、ことを理解されよう。
【0046】
図1は、本発明による密封連結装置が実施され得る、二重ドア密封移送システムの線図を示す。
【0047】
一般に、二重ドア移送システムは、セルフランジの軸である軸X1周りに回転対称になっている。
【0048】
以下の説明において、連結が望まれる2つの閉鎖容積はそれぞれアイソレータ2またはセルおよび容器Cに相当する。この例では、容器は、剛性収容部を含む。あるいは、容器は、可撓性収容部を含む。
【0049】
チャンバ2は、密封容積を画定する壁を含む。4つの壁のうちの少なくとも1つは、例えば他のチャンバ、剛性容器またはバッグタイプの可撓性容器である、外部の密封されたシステムへの密封連結のための装置Dを含む。装置Dは、密封容積内に収容されている物体を保護するかつ/またはこれらの物体から外部環境を保護するために、チャンバの内部容積と外部システムの内部容積とを密封的に連結することを可能にする、かつ、2つの容積間の密封移送を可能することを目的としている。例えば、チャンバ2は、例えば製薬、農産食品または原子力産業において製品を製造するために用いられ得る、具体的にはアイソレータの閉じ込めゾーン(confinement zone)、無菌閉じ込めゾーンまたは放射能に関する閉じ込めゾーンであるアイソレータシステムの一部であり得る。
【0050】
密封連結装置の例は、特許文献1および2に記載されている。
【0051】
密封連結装置Dは、セルの壁4内に取り付けられ開口8を画定するセルフランジ6と、開口8を密封的に閉鎖することを目的としたドア10と、を含む。密封連結装置Dは、やはりまた開口を縁取る容器フランジ9およびこの開口を密封的に閉鎖するドア11を含む例えば容器Cである外部システムに対する連結手段も含む。セルフランジ6とフランジ9との連結手段は、例えばバヨネットタイプの連結手段である。各ドアは、バヨネット連結によってまたはヒンジによる枢動連結によってそのフランジに連結される。連結装置は軸X1の回転対称になっている。
【0052】
次に、容器をチャンバに密封的に連結する動作モードの一例を、図1を用いて簡単に説明する。チャンバへの連結前の閉鎖容器が破線で図示されている。容器は、チャンバ内への移送が望まれる、模式的に表された物体Oを収容している。移送システムは図示されない。
【0053】
容器フランジ9がチャンバのフランジ6にバヨネット連結により密封的にしっかりと連結される。それと同時に、容器のドア11とチャンバのドア10とがバヨネット連結により互いに密封的にしっかりと連結される。ドア10、ドア11の外面は容器の内部容積およびチャンバの内部容積に対して隔離され、互いにしっかりと連結された2つのドア10、ドア11によって形成された組立体は、それをその軸周りに枢動させてからチャンバ内へと動かすことによって退けることができ、それによって2つの容積間に通路が解放され得る。こうして、2つの容積は、密封的に連通し、2つの容積間の物体の移送がその通路を介して実行され得る。
【0054】
容器のフランジ9は、チャンバのフランジ6の外面と接触するジョイントを担持する。このジョイントは、2つの容積間の通路の画定に関与する。
【0055】
手段(図示せず)は、ドア10およびドア11の開閉の制御を可能にする。これらの手段は、本説明の残りの部分においてより詳細に述べるように、手動または自動であってよい。
【0056】
容器フランジ9への容器ドア11の固定は、バヨネットリンクによって確実にされる。二重ドア密封移送システムは、セルフランジ6への容器フランジ9のしっかりとした連結およびセルドア10への容器ドア11のしっかりとした連結を可能にする、2つの他のバヨネットリンクをさらに備える。3つのバヨネットリンクは、セルフランジ6上への容器フランジ9のドッキング後に、容器Cのその軸周りの例えば時計方向における回転により、容器フランジ9とセルフランジ6とのしっかりとした連結、容器ドア11とセルドア10とのしっかりとした連結、および容器フランジ9からの容器ドア11の連結解除が達成されるように構成される。1つの動作モードでは、これらの後者2つの動作は、容器の開放が、二重ドアを形成するように容器ドア11がセルドア10にしっかりと連結された後にしか行われないように、連続的に実行される。
【0057】
セルフランジとセルドアとによって形成される組立体は、慣例的に「アルファ部」と称される。
【0058】
容器フランジ9、容器ドア11およびフランジ9上に取り付けられたジョイントにより形成され、フランジと容器ドア11との間だけでなくセルフランジ6と容器フランジ9との間の密封も確実にする組立体は、慣例的に「ベータ部」と称される。
【0059】
したがって、移送容器は、ベータ連結部および容器を含む。
【0060】
図2Aは、例示的な一実施形態によるセルフランジ6またはアルファフランジの内部容積30を示している。有利には、この容積30は、フランジ内に位置し、セルの外側の方に向いている。これは、保護カバー31(図2B)によって閉鎖される。したがって、以下に述べるように、検出器46および関連の電気接続手段58は、内部容積30に収容され、それらは、オペレータを煩わせる表面における追加のバルク(bulk)とならない。
【0061】
フランジ6は、容器フランジ9のラグ33と協働するように構成されたバヨネット連結手段32を含む。図3では、容器フランジ9の外側に向けて径方向に延在するラグ33が見える。この例では、容器フランジは、4つのラグを含む。別法として、容器フランジは、3つのラグまたは4つを上回るラグを含む。
【0062】
図4および図5では、セルフランジの中央通路の方に向けて径方向に開いた径方向溝36を含むバヨネット連結手段32が見える。径方向溝36は、2つの側壁36.1、36.2および底部36.3によって画定される。側壁は、セルフランジ6の軸に対して略垂直であり、底部36.3は、長手方向軸X1周りに軸方向に延在する。セルフランジへの容器フランジの挿入の方向に対して上流に位置する側壁36.1は、長手方向軸X1周りに角度方向に分配された径方向ノッチ38を含む。径方向ノッチ38は、溝内のラグ33の通行および溝へのそれらの挿入を可能にするように配置され、寸法設定される。
【0063】
径方向ノッチ38は、ラグ33のための軸方向止め部を形成する円形部40の弧部分によって互いに隔てられる。
【0064】
セルフランジはさらに、径方向溝36内に配置され、セルフランジ6内における容器フランジ9の連結の回転方向において軸X1周りのラグ33の回転の動きを制限する、回転止め部42(図4から図6)を含む。図示される好ましい例では、各回転止め部42は、連結段階においてそれに対して止まることが意図されるラグの下流に位置するように、各径方向ノッチ38の角度方向(angular)端部に配置される。
【0065】
セルフランジ6はさらに、内部容積30を画定し径方向溝36を囲繞する、軸X1を有する円形溝45(図6)を含む。溝36の底部36.3は、溝45の径方向内壁を形成する。
【0066】
セルフランジ6はさらに、溝36内における容器フランジの各ラグ33の存在についての検出器46を含む。
【0067】
したがって、セルフランジ6は、容器フランジのラグと同数の検出器46を含む。図示の例では、セルフランジは4つの検出器46を含む。各検出器46は、回転止め部42の上流においてセルフランジ上に取り付けられる。検出器46は、チャンバの外側に、セルフランジの内部容積30内に取り付けられる。
【0068】
4つの検出器46が同様であるだけでなくセルフランジ内におけるそれらの取り付けも同様であるので、それらのうちの1つだけを詳細に述べることにする。
【0069】
この例において、検出器46は、ボア50内に取り付けられるロッド48によって形成される検出要素を含む。ロッド48は、一方の端部48.1が径方向溝36内で終端し、他方の端部48.2が円形溝45内で終端する。この例では、溝50は、径方向に向いている。ロッド48は、ボア50内において摺動するように取り付けられる。休止状態、すなわちラグがない状態では、第1の長手方向端48.1は、径方向溝36内へと突出している。
【0070】
ロッド48の第1の端部48.1は、容器フランジ9のラグ33の径方向外端部と接触することが意図され、感知器(feeler)を形成する。好ましくは、感知器48.1は、ラグ33と協働しやすくする斜面49を有する。斜面49は、その回転中にラグと接触する前縁49.1を有する。休止状態では、前縁49.1は、径方向溝の底部36.3と同一平面にある。
【0071】
ロッド48の第2の端部48.2は、円形溝45内に通じており、セルフランジの円形溝45内に固定されたセンサ52によって検出されることが意図される。図示の例では、センサは、ロッドに対して略垂直に配置される。端部48.2は、センサによって検出されない休止位置(図7A)と、センサによって検出される検出位置(図7B)と、の間を動く。センサ52およびロッド48の他の相対的な向きは、本発明の文脈を逸脱することはない。端部48.2は、有利には、誘導センサ52の方に向き円筒の母線ではない平坦面をもたらす、誘導センサ52の方に向く平坦セクションを含む。
【0072】
この例では、センサ52は、誘導センサであり、ロッド48または少なくともその第2の端部48.2は、誘導センサによって検出可能な金属材料から作られる。ロッドの端部48.2がセンサと向き合うと(図7B)、センサによって生成される磁界が変更され、この変更が検出される。
【0073】
図示の例では、センサ52は、セルフランジ6上に固定される固定支持部54に取り付けられ、ロッド48も固定支持部54内で摺動するように取り付けられる。この例では、固定支持部54は、全体的にL字形状を有し、Lの一方の分岐部がセンサを担持し、他方の分岐部がロッド48を担持する。固定支持部54は、例えば、ねじ56によってフランジに固定される。センサとロッド48とをしっかりと連結する固定支持部54の実施は、例えば一条ねじによる、フランジ6上へのセンサ52およびロッド48の同時かつ簡単な取り付けを可能にする。さらに、それらの相対的な配向は、固定支持部によって設定される。
【0074】
休止位置への弾性復帰手段が設けられる(図示せず)。それらは、例えば、固定支持部内または固定支持部54と径方向溝36の底部との間に取り付けられるつる巻きばねによって形成される。
【0075】
上述の検出器は、それらが単純であることから、頑丈である。それらは、単一の可動要素しか含まないので、故障の危険が低減する。
【0076】
図示の例では、センサ52は、ケーブル58によって電力供給源Gおよび制御ユニットUCに電気接続されており、制御ユニットUCは、センサによって発せられる信号を受信し使用する。
【0077】
別法として、ケーブルは、電力供給のためだけに使用され、信号は、例えば電波である、無線手段によって送信される。
【0078】
別法として、センサ52は、電気スイッチ、例えばバリア(barrier)または探知(detection)レーザ検出を実施する光学センサである。
【0079】
別法として、検出は、機械的検出のみであり、その場合、ベータ容器の定位置への正しい配置から生じるロッド48の動きによってセルドアの機械的なロック解除が引き起こされる。ドアの開放は、他の場所で制御される。ロッドリンケージシステムは、すべてのロッドの動きを元に戻し必要に応じてそれらをロック解除動作へ変えることを可能にする。
【0080】
非常に有利には、センサは、ロッドの検出またはロッドの検出無しに従って照明状態を変える、光インジケータ60を含む。好ましくは、光インジケータは、ロッドが検出されると照明される。
【0081】
有利には、オペレータに見える光は、接続状態を示す。非常に有利には、センサしたがってラグと同数の発光体があり、それによって、情報の正確さが向上し、ラグの位置または検出されないラグの位置を知ることが可能になる。
【0082】
4つのセンサは、互いに対して90°に配置される。3つのセンサが実施される場合、それらは、一般的に、互いに対して120°に配置される。容器フランジのn個のラグを検出するために実施されるn個のセンサは、容器フランジのn個のラグと同じ角度配置を有する。
【0083】
図示の例では、有利には、ドア10およびドア11のロック解除手段および開閉作動手段は自動化されている。ドアのロック解除手段および作動手段は、セルドアのロック/ロック解除を制御する第1の電気モータと、セルドアおよびセルドアのヒンジ周りにそれに固定される容器ドアを動かす第2の電気モータと、を含む。制御ユニットは、セルドアのロック解除を命令する信号を第1のモータに、および、ドアの開放を命令する信号を第2のモータに送る。これらの信号は、4つのセンサが4つのロッドを検出した場合にのみ送られる。少なくとも1つの検出信号が発信されない場合、ロック解除も開放も許可されない。容器ドアの存在も、この目的のために設けられる手段によって検出されることに留意されたい。
【0084】
次に装置の動作について述べる。
【0085】
オペレータは、容器フランジ9を軸方向にセルフランジ6の方に近づけ、容器フランジ9のラグ33をセルフランジ6の径方向溝36の側壁36.1に形成されたノッチ38に貫入させる。セルフランジの軸と容器フランジの軸とは整列される。
【0086】
次いで、オペレータは、容器フランジ9をその軸周りに時計回り方向に枢動させ、そうすることで、各ラグ33が回転止め部42に対して止まるまでラグ33が弧40の部分の後ろを通過する。回転止め部42への接近と同時に、容器フランジの各ラグは、感知器48.1に接触し、それによって感知器48.1が溝36の底部36.3内へと押し戻され、それによってラグ33は回転止め部42の方向へ枢動し続けることが可能になる(図8)。ラグの作用によるロッド48の動きの行程は、例えば約3mmである。ロッド48の摺動によって検出端部48.2はセンサ52と向かい合うようにして配置される(図7B)。センサは、ロッド48したがってラグの検出の信号を発し、それが制御ユニットに送られる。図8の断面図では、容器フランジが取り付けられたセルフランジを見ることができる。
【0087】
すべてのラグが完全である、またはそれらの状態が4つのロッドの摺動を引き起こすのに十分である場合、センサはロッドの動きを検出し、各センサが検出信号を制御ユニットに発信し(図7B)、制御ユニットが、ロックのモータにセルドアをロック解除するよう指令を発し、開放モータにドアを開放するよう指令を発する。
【0088】
これに対して、容器フランジが、壊れているまたは変形している1つまたは複数のラグを含みしたがってそれらが検出器のロッドを摺動させず(図7A)検出信号が発信されない場合、制御ユニットはセルドアのロック解除を許可しない。制御ユニットは、オペレータに対して故障信号を発信することができる。
【0089】
本発明は、フランジに欠陥があることにより密封雰囲気が壊される危険が回避されるので、高い安全レベルを提供する。
【0090】
1つまたは複数のラグが検出されない事象が起きた場合は、容器を廃棄するか、修理に出す。
【0091】
本発明はさらに、セルドアのロック解除ならびに/またはセルドアおよび容器ドアの開放が手動で行われるセルにも適用される。例えば、オペレータは、セルフランジ近くに配置されたグローブポートに取り付けられたグローブを用いてロックにアクセスする。この場合、センサによって発信される信号に従って、制御ユニットがロック解除を防止する止め部を解放することができ、次いで、オペレータがロック解除を行う。一代替実施形態では、オペレータが、検出器によって送られる情報に従ってセルドアのロック解除を決める。オペレータは、すべてのセンサがラグの検出信号を発信したことを発見した場合、セルドアのロック解除を決定し、そうでない場合は、その容器を廃棄または修理のために除去する。
【符号の説明】
【0092】
2 アイソレータ、セル、チャンバ
4 壁
6 セルフランジ
8 開口
9 容器フランジ
10 セルドア
11 容器ドア
30 内部容積
31 保護カバー
32 バヨネット連結手段
33 ラグ
36 径方向溝
36.1、36.2 側壁
36.3 底部
38 ノッチ
40 円形部、弧
42 止め部
45 円形溝
46 検出器
48 ロッド
48.1 第1の端部、感知器
48.2 第2の端部
49 斜面
49.1 前縁
50 ボア
52 センサ
54 固定支持部
56 ねじ
58 電気接続手段
60 光インジケータ
C 容器
D 装置
G 電力供給源
O 物体
UC 制御ユニット
X1 軸
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】