(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素
(51)【国際特許分類】
F16B 37/00 20060101AFI20240730BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20240730BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20240730BHJP
B22F 1/08 20220101ALI20240730BHJP
F16B 33/02 20060101ALI20240730BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240730BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240730BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20240730BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240730BHJP
B23K 15/00 20060101ALI20240730BHJP
C22C 45/10 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
F16B37/00 F
B22F10/28
B22F1/00 K
B22F1/08
F16B37/00 X
F16B37/00 G
F16B33/02 Z
B33Y80/00
B33Y10/00
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K15/00 501B
C22C45/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577290
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2022068367
(87)【国際公開番号】W WO2023285174
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520131303
【氏名又は名称】ヘレウス アムロイ テクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【氏名又は名称】来間 清志
(72)【発明者】
【氏名】キリック,ベイツラー ヤシン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーガー,ロナルド アラン
(72)【発明者】
【氏名】ワクター,ハンス ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ビエン,エレナ
(72)【発明者】
【氏名】グレーザー,ティム
【テーマコード(参考)】
4E066
4E168
4K018
【Fターム(参考)】
4E066CB08
4E066CB10
4E066CB11
4E066CB12
4E168BA35
4E168BA81
4E168BA82
4E168BA87
4K018AA02
4K018BA01
4K018BB07
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
4K018KA01
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、付加製造によって製造された雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素、及び雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素を製造する方法に関する。
ねじ山要素は、本体と、本体の内壁を画定する開口部と、ねじ山を有するねじ山部とを備える。本体は、第1の端部及び第2の端部を備える。開口部は、本体の第1の端部から第2の端部に向かって少なくとも部分的に延在する。ねじ山部は、開口部の内壁に形成され、内壁は、ねじ山部を横断する少なくとも1つの凹部を有する。ねじ山部の表面は、5~50μm、特に10~25μmの範囲の粗さR
zを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造によって製造された雌ねじを有する金属を含む、又はその金属からなるねじ山要素(1)であって、
本体(10)と、
前記本体(10)の内壁(14)を画定する開口部(13)と、
ねじ山(21)を有するねじ山部(20)と、を備え、
前記本体(10)が、第1の端部(11)及び第2の端部(12)を備え、
前記開口部(13)が、前記本体(10)の前記第1の端部(11)から前記第2の端部(12)に向かって少なくとも部分的に延在し、
前記ねじ山部(20)が、前記開口部(13)の内壁(14)に形成され、
前記内壁(14)が、前記ねじ山部(20)と交差する少なくとも1つの凹部(30)を有し、
前記ねじ山部(20)の表面が、2.5~60μm、特に10~25μmの範囲の粗さR
zを有する、ねじ山要素(1)。
【請求項2】
前記ねじ山(21)の外径(28)が少なくとも0.5mmである、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項3】
前記金属が、アモルファス合金及び/又は貴金属からなる群から選択される、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項4】
前記凹部(30)及び/又は前記ねじ山(21)が、前記本体(10)の前記第1の端部(11)及び/又は前記第2の端部(12)に面取り部(31)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項5】
前記ねじ山(21)が、複数のねじ山回転部(22)を備え、前記ねじ山回転部(22)が、10°~70°のフランク角(24)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項6】
前記ねじ山部(20)が、前記開口部(13)の長手方向軸(15)に対して円錐形状を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項7】
前記本体(10)の前記内壁(14)が、前記開口部(13)の前記第1の端部(11)から前記第2の端部(12)に向かって少なくとも部分的に延在する複数の凹部(30)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項8】
前記凹部(30)が、前記ねじ山部(20)に沿って螺旋状に形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項9】
前記凹部(30)が、前記ねじ山部(20)の前記ねじ山(21)とは反対方向に少なくとも部分的に形成された逆ねじ(34)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項10】
前記凹部(30)が、実質的に前記開口部(13)の長手方向に延在し、前記凹部(30)の部分が、前記開口部(13)の半径方向にオフセットされている、請求項1から6のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項11】
前記ねじ山回転部(22)のベース幅(26)が、前記ねじ(21)に沿って変化する、請求項1から6のいずれか一項に記載のねじ山要素(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素(1)を製造する方法であって、
前記ねじ山要素(1)が、
本体(10)と、
前記本体(10)の内壁(14)を画定する開口部(13)と、
ねじ山(21)を有するねじ山部(20)と、を備え、
前記本体(10)が、第1の端部(11)及び第2の端部(12)を備え、
前記開口部(13)が、前記本体(10)の前記第1の端部(11)から前記第2の端部(12)に向かって少なくとも部分的に延在し、
前記ねじ山部(20)が、前記本体(10)の前記内壁(14)に形成され、
前記内壁(14)が、前記ねじ山部(20)と交差する少なくとも1つの凹部(30)を有し、
前記ねじ山部(20)の表面が、2.5~60μm、特に10~25μmの範囲の粗さR
zを有し、
前記ねじ山要素(1)が、付加製造法を使用して製造されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記付加製造法が、選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的電子ビーム溶融法(SEBM)、レーザ金属堆積法(LMD)及び選択的レーザ焼結法(SLS)からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記凹部(30)が、雄ねじをねじ込む間にねじ山回転部(22)から余分な材料を受け入れるように設計されている、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造法を使用して製造される雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素、及び雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アモルファス金属という用語は、金属合金が原子レベルで結晶構造ではなく非晶質構造を有する場合に使用される。このような無秩序構造は、通常、溶融物の急速冷却によって達成される。「急速冷却」とは、原子又は分子が冷却中にもはや規則的なパターンで配列できないことを意味する。
【0003】
アモルファス金属合金及び/又は貴金属は、高い耐食性、等方性、高い透磁率及び生体適合性などの優れた機械的特性を示す。したがって、アモルファス合金及び/又は貴金属は、ハイテク用途によく適している。
【0004】
一般に、構成要素の雌ねじは、ねじ山を機械加工することによって、例えば切削又はフライス加工によって製造される。しかしながら、その硬度のために、アモルファス合金を含む構成要素は容易に機械加工することができず、これは、製造される雌ねじの不正確さ及び/又は技術的労力をもたらし得る。したがって、従来のプロセスを使用して複雑な内部構造を有するアモルファス合金から構成要素を製造することは非常に面倒である。貴金属からなる構成要素のための付加製造法の使用は、ねじ山を機械加工する間に生じる高価な廃棄物を回避することができるという利点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、単純化された方法によって製造することができる雌ねじを有する改良されたねじ山要素を提供することである。
【0006】
この目的は、付加製造法を使用して製造される、雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素によって、及び独立請求項による、雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素を製造するための方法によって、達成される。有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項及び以下の説明に見出すことができる。
【0007】
本発明は、付加製造法を使用して製造される、雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素を含む。ねじ山要素は、本体と、本体の内壁を画定する開口部と、ねじ山を有するねじ山部とを備える。本体は、第1の端部及び第2の端部を備える。開口部は、本体の第1の端部から第2の端部に向かって少なくとも部分的に延在する。ねじ山部は開口部の内壁に形成され、内壁は、ねじ山部を横断する少なくとも1つの凹部を有する。ねじ山部の表面は、2.5~60μm、特に10~25μmの範囲の粗さRzを有する。
【0008】
本発明の利点は、ねじ山、特に、アモルファス合金及び/又は貴金属で作られたねじ山要素などのワークピースのセルフタッピング雌ねじを、多大な労力なしに製造することができることである。付加製造では、金属、例えばアモルファス合金及び/又は貴金属の粉末材料を層状に塗布し、選択的に溶融させることができるので、製造される雌ねじ及び/又はねじ山要素の事前定義された寸法及び/又は構造を問題なく製造することができる。このようにして、機能的な雌ねじを有する、金属、例えばアモルファス合金及び/又は貴金属で作られたねじ山要素を、エネルギー効率的かつ経済的な方法で製造することができる。本発明による、ねじ山要素の更なる利点は、製造されたねじ山要素の後処理がないことである。
【0009】
付加製造は、様々な異なる製造技術を包含する広義の総称である。これら全てに共通していることは、材料を一層ずつ凝固させることによって、ほとんどあらゆる複雑さのワークピースの製造を可能にすることである。
【0010】
付加製造法は、選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的電子ビーム溶融法(SEBM)、レーザ金属堆積法(LMD)及び選択的レーザ焼結法(SLS)からなる群から選択することができる。
【0011】
ねじ山要素は、金属材料を含むか、又は金属材料からなることができる。換言すれば、雌ねじを有するねじ山要素を製造するために、付加製造法を使用して、金属粉末材料が層状に塗布されて選択的に溶融される。
【0012】
本体の形状は、特定の設計に限定することはできない。本体は、例えば、医療技術、精密機械及び/又は航空宇宙での使用に適し得る複雑な輪郭を有することができる。ねじ山要素の本体は、例えば、円筒形、ブロック形状又は環状であり得る。
【0013】
本体は、本体の一端から本体の中心へと少なくとも部分的に延在する開口部を有することができる。開口部は、本体の長手方向軸に沿って、又は本体の長手方向軸に対して垂直若しくは斜めに形成することができる。開口部は、通路を形成するために、本体の所定の深さまでのみ、又は本体の第1の端部から第2の端部まで連続的に延在することができる。開口部は、円形、正方形、長方形、楕円形又は多角形の断面を有することができる。
【0014】
本体の内部に配置された開口部によって、本体は貫通する内壁を有することができる。したがって、内壁の断面は、開口部の断面と同じであり得る。ねじ山部は、本体又は開口部の内壁に形成され得て、複数のねじ山回転部を含み得る。
【0015】
既存の本体上に開口部及びねじ山部が製造されるねじ山機械加工とは対照的に、本発明による、ねじ山要素の本体、開口部、及びねじ山部は、付加製造法を使用して1つのステップで製造することができる。換言すれば、金属粉末材料は、ねじ山要素の本体及びねじ山部を製造するために、例えば電子ビーム又はレーザビームを使用して選択的に溶融することができる。したがって、開口部、凹部及び/又は溝は、粉末材料がビームに曝露されない箇所に形成することができる。凹部は、開口部の円周の少なくとも10%、又は少なくとも25%、又は少なくとも50%を構成してもよい。
【0016】
少なくとも1つの凹部は、実質的にねじ山部の長手方向に形成することができる。代替的又は追加的に、少なくとも1つの凹部は、実質的にねじ山部の円周方向に形成され得る。凹部は、ねじ山部を分割又は横断するように設計することができる。換言すれば、ねじ山部のねじ山回転部は、凹部によって遮られ得る。凹部は、付加製造プロセス中に生成され、特に雄ねじがこのねじ山にねじ込まれるときにねじ山回転部に付着する余分な粉末材料を受け入れる役割を果たすことができる。
【0017】
凹部は、任意の形状、特に三角形、長方形、(半)円形、又は多角形の断面を有することができる。凹部は、ねじ山部と同じ長さを有することができ、又はねじ山部を部分的にのみ横断することができる。本発明によれば、凹部の深さも更に限定されない。
【0018】
一実施形態では、移行部が、凹部とねじ山部のねじ山との間に配置することができる。移行部は、凹部に対して角度を有することができ、角度は、好ましくは90°~270°である。
【0019】
更に、ねじ山部は、付加製造法を使用することによって、形成された雌ねじの特定の表面特性を有することができる。したがって、ねじ山部の表面、特に雄ねじなどの嵌合要素との接触面として機能するねじ山回転部の表面は、ある程度の粗さを有することができる。粗さRzは、ねじ山部の粗さプロファイルにおける個々の粗さ深さからの平均値とすることができ、粗さは、DIN EN ISO 1302:2002-06に従って測定することができる。したがって、ねじ山部の表面は、少なくとも2.5μm、特に少なくとも10μmの範囲の平均粗さを有することができる。ねじ山部の表面は、最大75μm、特に最大50μm、特に好ましくは最大25μmの範囲の粗さRzを有する。
【0020】
一実施形態では、ねじ山の外径は少なくとも0.5mmである。ねじ山部のねじ山の外径には、更なる上限はない。しかしながら、ねじ山の外径は、本体の内壁上にねじ山部を確立することができるように、ねじ山要素の本体の直径よりも小さくすることができる。ねじ山の外径は、M12ねじを受け入れることができるように、例えば12mmとすることができる。
【0021】
一実施形態において、金属は、アモルファス合金及び/又は貴金属からなる群から選択される。300以上、特に400以上の範囲のビッカース硬度HV5を有するアモルファス合金が特に好ましい。換言すれば、ねじ山要素は、アモルファス合金及び/又は貴金属を含むか又はそれらからなる金属粉末材料を選択的に溶融することによって製造することができる。
【0022】
アモルファス金属合金は、優れた機械的特性、高い耐食性、等方性、高い透磁率、及び良好な生体適合性を示す。したがって、アモルファス合金及び/又は貴金属は、ハイテク用途によく適している。貴金属は、とりわけ、高い耐食性及び良好な生体適合性を有する。
【0023】
しかしながら、その硬度及びその高い弾性伸びのために、アモルファス合金を含む構成要素は容易に機械加工することができず、これは、製造される雌ねじの不正確さをもたらし得る。付加製造法は、アモルファス合金及び/又は貴金属を含むか又はそれらからなる金属で作られた雌ねじを有するねじ山要素のエネルギー効率の良い経済的な製造を可能にする。
【0024】
アモルファス合金は、固体状態で金属結合特性を有し、同時に少なくとも1つの非結晶相を有することができる。結晶相が存在しないことは、XRDを使用して判定することができる。回折においてピークが明らかでない場合、相は非晶質であると考えられる。特定の実施形態において、アモルファス合金はまた、少なくとも1つのナノ結晶相を有するものとして理解されるべきである。したがって、アモルファス合金はバルク金属ガラスと呼ぶことができる。アモルファス合金は様々な元素をベースとすることができる。この文脈における「ベース」とは、それぞれの場合に指定された元素が合金の重量に対して最大の割合を占めることを意味する。このような合金のベースを形成することが好ましい成分は、例えば以下から選択されてもよい。
A.周期表のIA族及びIIA族の金属、例えば、マグネシウム、カルシウム。
B.IIIA族及びIVA族の金属、例えばアルミニウム又はガリウム。
C.IVB族からVIIIB族までの前期遷移金属、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン。
D.VIIIB、IB、IIB族の後期遷移金属、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、パラジウム、白金、金、銀、亜鉛。
E.スカンジウム、イットリウム、テルビウム、ランタン、セリウム、ネオジム、ガドリニウムなどの希土類金属。
F.ホウ素、炭素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、硫黄などの非金属。
【0025】
バルク金属ガラス中の元素の好ましい組み合わせは、以下から選択される。
●後期遷移金属及び非金属(後期遷移金属がベース)、例えば、Ni-P、Pd-Si、Au-Si-Ge、Pd-Ni-Cu-P、Fe-Cr-Mo-P-C-B。
●前期遷移金属及び後期遷移金属(両方の金属がベースであってもよい)、例えば、Zr-Cu、Zr-Ni、Ti-Ni、Zr-Cu-Ni-Al、Zr-Ti-Cu-Ni-Be。
●希土類金属を含むB族の金属(金属Bがベース)、例えば、Al-La、Al-Ce、Al-La-Ni-Co、La-(Al/Ga)-Cu-Ni。
●後期遷移金属を含むA族の金属(金属Aがベース)、例えば、Mg-Cu、Ca-Mg-Zn、Ca-Mg-Cu。
【0026】
バルク金属ガラスを形成する合金の他の特に好ましい例は、Ni-Nb-Sn、Co-Fe-Ta-B、Ca-Mg-Ag-Cu、Co-Fe-B-Si-Nb、Fe-Ga-(Cr,Mo)(P,C,B)、Ti-Ni-Cu-Sn、Fe-Co-Ln-B、Co-(Al,Ga)-(P,B,Si)、Fe-B-Si-Nb、及びNi-(Nb,Ta)-Zr-Tiからなる群から選択される。特に、バルク金属ガラスは、Zr-Cu-Al-Nb合金であってもよい。好ましくは、ジルコニウムに加えて、このZr-Cu-Al-Nb合金は、23.5~24.5重量%の銅、3.5~4.0重量%のアルミニウム、及び1.5~2.0重量%のニオブを含み、これらの重量パーセントは合計で100重量%となる。
【0027】
別の特に好ましい実施形態では、バルクガラス形成合金は、ジルコニウム、チタン、銅、ニッケル、及びアルミニウムの元素を含有するか、又はこれらの元素からなることができる。別の特に適切な合金は、組成Zr52.5Ti5Cu17.9Ni14.6Al10を有し、ここで指数は、合金中のそれぞれの元素のモル%を示す。
【0028】
一実施形態では、凹部及び/又はねじ山は、本体の第1の端部及び/又は第2の端部にベベルを備える。ねじ山部は、開口部が設けられた本体の少なくとも第1の端部に第1のベベルを有することができる。本体の開口部が、通路が形成され得るように本体の第1の端部から第2の端部まで延在する場合、ねじ山部は、本体の第2の端部に別のベベルを更に有することができる。
【0029】
ベベルという用語は、ワークピースの角縁部を除去することができるように、ワークピースの自由縁部が面取りされることを意味すると理解することができる。したがって、本体の第1の端部及び/又は第2の端部における鋭い縁部を回避することができ、同時に、ボアにねじ込まれる雄ねじなどの嵌合要素をより容易に挿入することができる。
【0030】
一実施形態では、ねじ山は、10°~70°のフランク角を有する複数のねじ山回転部を備える。ねじ山は、本体の長手方向軸の周りに形成することができる。ねじ山は、本体の第1の端部から第2の端部まで少なくとも部分的に延在する複数のねじ山回転部を有することができる。フランク角という用語は、ねじ山回転部又は2つの隣接するねじ山回転部の対向するフランク間の角度を意味すると理解することができる。ねじ山回転部のフランク角は、一定に保たれて得、又はねじ山に沿って変化し得る。
【0031】
一実施形態では、ねじ山部は、開口部の長手方向軸に対して円錐形状を有する。ねじ山部は、ねじ山要素の本体内で円錐形とすることができる。言い換えれば、ねじ山部のフランク直径、外径及び/又はコア直径は、開口部の長手方向軸に沿って徐々に増加又は減少させることができる。代替的に、長手方向軸に沿ったねじ山回転部の高さは、ねじ山部のねじ山の外径を変更することなく、減少又は増加することができる。
【0032】
一実施形態において、本体の内壁は、開口部の第1の端部から第2の端部に向かって少なくとも部分的に延在する複数の凹部を有する。凹部は、本体の内壁に沿って開口部の第1の端部から第2の端部まで延在することができる。凹部は、好ましくは、内壁からねじ山部の半径方向に配置される。凹部は、開口部の円周方向に互いに距離を置いて配置することができる。凹部は、開口部の円周の少なくとも10%、又は少なくとも25%、又は少なくとも50%を構成することができる。このようにして、凹部はねじ山部を横断し、ねじ山部の経路を遮ることができる。付加製造法に由来し、ねじ山回転部に付着する余分な金属粉末は、凹部に収容され得る。
【0033】
一実施形態では、凹部は、ねじ山部に沿って螺旋状に形成される。螺旋状凹部は、ねじ山部のねじ山と実質的に同じ方向に、本体の内壁に沿って配置することができる。しかしながら、螺旋状凹部は、本体の内壁に沿って、ねじ山部のねじ山と実質的に反対方向に配置され得る。しかしながら、凹部は、ねじ山回転部を備えることができない。
【0034】
凹部の幅は、ねじ山回転部の先端の間の距離に対応するねじ山のピッチよりも著しく大きくすることができる。更に、凹部の直径は、ねじ山の外径よりも著しく大きくすることができ、その結果、凹部は、ねじ山部よりも更に本体を内壁から貫通する。このようにして、凹部はねじ山部を横断し、ねじ山部の経路を遮ることができる。付加製造法に由来し、ねじ山回転部に付着する余分な金属粉末は、凹部に収容され得る。
【0035】
一実施形態では、凹部は、ねじ山部のねじ山に対して少なくとも部分的に反対方向に形成された逆ねじを備える。換言すれば、凹部は、逆ねじと共に第2のねじ山部を形成することができ、第2のねじ山部は、第1のねじ山部の第1のねじ山と反対方向に配置される。すなわち、互いに交差する2つの対向するねじ山部を本体の内壁に形成することができる。付加製造法に由来し、ねじ山回転部に付着する余分な金属粉末は、凹部に収容され得る。この実施形態の1つの利点は、右ねじ及び左ねじの両方を雌ねじにねじ込むことができることである。この場合、他方のねじ山は凹部として機能する。
【0036】
一実施形態では、凹部は実質的に開口部の長手方向に延在し、凹部の部分は開口部の半径方向にオフセットされる。凹部は、開口部の第1の端部から第2の端部に向かって延在する細長い形状を有することができ、細長い形状は複数の部分を備えることができる。凹部の各部分は、凹部の特定の部分と開口半径方向にオフセットされるように、凹部の特定の部分と開口部の長手方向軸との間に異なる距離を有することができる。このようにして、凹部はねじ山部を横断し、ねじ山部の経路を遮ることができる。付加製造法に由来し、ねじ山回転部に付着する余分な金属粉末は、凹部に収容され得る。
【0037】
一実施形態では、ねじ山回転部のベース幅は、ねじ山に沿って変化する。代替的に、ねじ山に沿ったねじ山回転部は、ねじのフランク直径が長手方向軸に沿って変化するように異なる高さを有することができる。追加的又は代替的に、ねじ山ピッチは、ねじ山部に沿って2つの隣接するねじ山回転部の対向するフランク間で変化し得る。このようにして、凹部をねじ山部に一体化することができる。付加製造法に由来し、ねじ山回転部に付着する余分な金属粉末は、凹部に収容され得る。
【0038】
本発明は更に、雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素を製造する方法を含む。ねじ山要素は、本体と、本体の内壁を画定する開口部と、ねじ山部とを備える。本体は、第1の端部及び第2の端部を備える。開口部は、本体の第1の端部から第2の端部に向かって少なくとも部分的に延在する。ねじ山部は、開口部の内壁に形成され、内壁は、ねじ山部を横断する少なくとも1つの凹部を有する。ねじ山部の表面は、2.5~60μm、特に10~25μmの範囲の粗さRzを有する。ねじ山要素は、付加製造法を使用して製造される。
【0039】
一実施形態では、付加製造法は、選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的電子ビーム溶融法(SEBM)、レーザ金属堆積法(LMD)及び選択的レーザ焼結法(SLS)からなる群から選択される。
【0040】
このようにして、アモルファス合金及び/又は貴金属で作られた雌ねじを有するねじ山要素を製造することができる。一般に、アモルファス合金は、特に機械加工によってねじ山を切削する場合、その硬度及び高い弾性伸びのために機械加工することが困難である。しかしながら、アモルファス合金は、優れた機械的特性、高い耐食性、等方性、高い透磁率及び生体適合性を示す。したがって、アモルファス合金及び/又は貴金属は、ハイテク用途によく適している。
【0041】
付加製造によって、このような材料を問題なく使用して、複雑な構成要素を製造することができる。したがって、雌ねじ及び凹部を含むねじ山要素は、アモルファス合金及び/又は貴金属を含むか又はそれらからなる金属粉末材料の標的層塗布によって形成することができる。本発明による方法の更なる利点は、製造されたねじ山要素の後処理がないことである。
【0042】
一実施形態では、凹部は、雄ねじがねじ込まれるときにねじ山回転部からの余分な材料を受け入れるように設計される。このようにして、雄ねじが雌ねじにねじ込まれるときに、生成されたねじ山回転部に付着する金属粉末材料を、ねじ山を横断又は分割する凹部に収容することができる。したがって、特にねじ山がアモルファス合金から形成され、付加製造を使用して製造された場合、ねじ山要素の機能的な雌ねじ山部を製造することができる。
【0043】
一実施形態では、本方法は、以下のステップを更に含むことができる。
-アモルファス合金及び/又は貴金属を含むか又はそれらからなる原材料を溶融、噴霧及び分級することによって、金属粉末材料を提供するステップと、
-金属粉末材料を層状に塗布するステップと、
-付加製造法を使用した選択的溶融するステップ。
【0044】
付加製造法において、製造された粉末材料は、粉末を予熱することなく、例えば、SLM(選択的レーザ溶融)製造システムにおいて、層状に塗布され得る。1500~3000mm/秒の走査速度で100~200Wのレーザ出力を使用することができる。アモルファス合金の場合、個々の層の溶融ゾーンは非常に急速に凝固するので、溶融した合金の結晶化が防止され、合金は非晶質に凝固することができる。レーザ出力、走査速度及びハッチ距離は、層厚、粉末粒径及び合金タイプに応じて、合金の溶融物の冷却速度が、該当する材料の臨界冷却速度未満であるように選択されなければならない。付加製造の当業者は、本発明の技術を行使することなく、これらのパラメータを調整することができる。
【0045】
本発明の更なる特徴、利点、及び可能な用途は、以下の説明、実施形態、及び図面において見出すことができる。全ての記載された及び/又は図示された特徴は、個々の請求項、図面、文又は段落におけるそれらの表現とは独立して互いに組み合わせることができる。図面において、同じ参照符号は、同一又は類似の対象を表す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、ねじ山要素を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、ねじ山要素の平面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図6a】
図6aは、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図6b】
図6bは、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の平面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図9a】
図9aは、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【
図9b】
図9bは、本発明の別の実施形態による、ねじ山要素の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、雌ねじを有する、本発明によるねじ山要素1を示す。ねじ山要素1は、金属を含むか、又は金属からなる。ねじ山要素1は、付加製造法を使用して製造することができる。金属は、アモルファス合金及び/又は貴金属からなる群から選択される。付加製造法は、選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的電子ビーム溶融法(SEBM)、レーザ金属堆積法(LMD)及び選択的レーザ焼結法(SLS)からなる群から選択される。
【0048】
ねじ山要素1は、本体10と、本体10の内壁14を画定する開口部13と、ねじ山部20とを備える。本体10は、第1の端部11及び第2の端部12を備える。開口部13は、本体10の第1の端部11から第2の端部12に向かって少なくとも部分的に延在する。
【0049】
ねじ山部20は、開口部13の内壁14に形成されている。ねじ山部20は、複数のねじ山回転部22を有するねじ山21を備える(
図3も参照)。このようにして、ねじ山部20は、ねじ山要素1のねじ山21を画定する。ねじ山部20の表面は、少なくとも2.5μm、特に10μmの範囲の粗さR
zを有する。ねじ山部20の表面は、最大で75μm、特に50μm、特に好ましくは25μmの範囲の粗さR
zを有する。本体10の内壁14は、ねじ山部20と交差する少なくとも1つの凹部30を有する。凹部30は、雄ねじがねじ込まれるときにねじ山回転部22の間の領域から余分な材料を受け入れるように設計されている。
【0050】
図2に示すように、凹部30及び/又はねじ山部20は、本体10の第1の端部11及び/又は第2の端部12にベベル31を備える。更に、移行部32が凹部30とねじ山21との間に配置されている。移行部32は、典型的には、凹部30に対して9°~270°の角度を有する。本体10の内壁14は、開口部13の第1の端部11から第2の端部12に向かって少なくとも部分的に延在する複数の凹部30を有する。複数の凹部30は、ねじ山部20の円周方向に互いに離間している。
【0051】
図3は、ねじ山要素1の断面を示す。ねじ山要素1は、ねじ山21を有するねじ山部20を備え、ねじ山21は、複数のねじ山回転部22を備える。ねじ山部20は、本体10又は開口部13の長手方向軸15に沿って延在する。ねじ山21は、外径28及びフランク直径29を有する。ねじ山21の外径28は、例えば、少なくとも0.5mmであり得る。
【0052】
図4は、ねじ山部20の断面を示す。各ねじ山回転部22は、2つのフランク23、23’からなり、これらは集合的にフランク角24を画定する。フランク角24は、10°~70°とすることができる。更に、各ねじ山回転部22は、ねじ山回転部高さ25及びベース幅26を有する。更に、2つのねじ山回転部間の距離は、ねじ山ピッチ27と呼ばれる。
【0053】
図5は、ねじ山部20に沿って螺旋状に形成された凹部30を有するねじ山部20を示す。螺旋状凹部30は、本体10の内壁14に沿って、ねじ山部20のねじ山21と実質的に同じ方向に配置することができる。しかしながら、螺旋状凹部30は、本体10の内壁14に沿って、ねじ山部20のねじ山21と実質的に反対方向に配置され得る。しかしながら、この場合、凹部30は、いかなるねじ山回転部も備えない。
【0054】
図6aは、ねじ山部20のねじ山21に対して少なくとも部分的に反対方向に形成された逆ねじ34を備える凹部30を有するねじ山部20を示す。
図6bは、このねじ山部20を備えるねじ山要素1を示す。すなわち、互いに交差する2つの対向するねじ山21、34が、本体10の内壁14上のねじ山部20に形成される。
【0055】
図7は、実質的に開口部13の長手方向に延在し、その一部が開口部13の半径方向に変位している凹部30を備えるねじ山部20を示す。凹部30は、開口部13の第1の端部11から第2の端部12に向かって延在する細長い形状を有し、細長い形状は、複数の部分33を備える。凹部30の各部分33は、凹部30の特定の部分33と開口部13の長手方向軸15との間に異なる距離を有し、その結果、凹部30の部分は開口部13の半径方向にオフセットされる。
【0056】
図8は、ねじ山回転部22のベース幅26がねじ山21に沿って変化するねじ山部20を示す。代替的に、ねじ山21に沿ったねじ山回転部22は、ねじ山21のフランク直径29が長手方向軸15に沿って又は開口部13の円周に沿って変化するように、異なる高さ25を有することができる。追加的又は代替的に、2つの隣接するねじ山回転部22の対向するフランク23、23’’間のねじ山ピッチ27は、ねじ山21に沿って変化することができる。
【0057】
図9aは、開口部13の長手方向軸15に対して円錐形状を有するねじ山21を示す。したがって、ねじ山21は、開口部13の長手方向軸15に沿って徐々に減少又は増加することができる。代替として、ねじ山回転部高さ25は、ねじ山21の外径28を変化させることなく、長手方向軸15に沿って減少又は増加することができる(
図9b参照)。
【0058】
更に、「備える、含む(comprising)」及び「有する(having)」は、任意の他の要素又はステップを除外しないことに留意されたい。更に、上記の実施形態のうちの1つを参照して説明された特徴又はステップは、上記の他の実施形態の他の特徴又はステップと組み合わせて使用することもできることに留意されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定するものとみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0059】
1 ねじ山要素
10 本体
11 本体の第1の端部
12 本体の第2の端部
13 開口部
14 内壁
15 長手方向軸
20 ねじ山部
21 ねじ山
22 ねじ山回転部
23、23’、23’’ ねじ山フランク
24 フランク角
25 ねじ山回転部高さ
26 ベース幅
27 ねじ山ピッチ
28 ねじ山の外径
29 ねじ山のフランク直径
30 凹部
31 面取り部
32 移行部
33 凹部
34 逆ねじ
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造によって製造された雌ねじを有する金属を含む、又はその金属からなるねじ山要素(1)であって、
本体(10)と、
前記本体(10)の内壁(14)を画定する開口部(13)と、
ねじ山(21)を有するねじ山部(20)と、を備え、
前記本体(10)が、第1の端部(11)及び第2の端部(12)を備え、
前記開口部(13)が、前記本体(10)の前記第1の端部(11)から前記第2の端部(12)に向かって少なくとも部分的に延在し、
前記ねじ山部(20)が、前記開口部(13)の内壁(14)に形成され、
前記内壁(14)が、前記ねじ山部(20)と交差する少なくとも1つの凹部(30)を有し、
前記ねじ山部(20)の表面が、2.5~60μm、特に10~25μmの範囲の粗さR
zを有する、ねじ山要素(1)。
【請求項2】
前記ねじ山(21)の外径(28)が少なくとも0.5mmである、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項3】
前記金属が、アモルファス合金及び/又は貴金属からなる群から選択される、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項4】
前記凹部(30)及び/又は前記ねじ山(21)が、前記本体(10)の前記第1の端部(11)及び/又は前記第2の端部(12)に面取り部(31)を備える、請求項1又は2に記載のねじ山要素(1)。
【請求項5】
前記ねじ山(21)が、複数のねじ山回転部(22)を備え、前記ねじ山回転部(22)が、10°~70°のフランク角(24)を有する、請求項1又は2に記載のねじ山要素(1)。
【請求項6】
前記ねじ山部(20)が、前記開口部(13)の長手方向軸(15)に対して円錐形状を有する、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項7】
前記本体(10)の前記内壁(14)が、前記開口部(13)の前記第1の端部(11)から前記第2の端部(12)に向かって少なくとも部分的に延在する複数の凹部(30)を有する、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項8】
前記凹部(30)が、前記ねじ山部(20)に沿って螺旋状に形成されている、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項9】
前記凹部(30)が、前記ねじ山部(20)の前記ねじ山(21)とは反対方向に少なくとも部分的に形成された逆ねじ(34)を備える、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項10】
前記凹部(30)が、実質的に前記開口部(13)の長手方向に延在し、前記凹部(30)の部分が、前記開口部(13)の半径方向にオフセットされている、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項11】
前記ねじ山回転部(22)のベース幅(26)が、前記ねじ(21)に沿って変化する、請求項1に記載のねじ山要素(1)。
【請求項12】
請求項1に記載の雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素(1)を製造する方法であって、
前記ねじ山要素(1)が、
本体(10)と、
前記本体(10)の内壁(14)を画定する開口部(13)と、
ねじ山(21)を有するねじ山部(20)と、を備え、
前記本体(10)が、第1の端部(11)及び第2の端部(12)を備え、
前記開口部(13)が、前記本体(10)の前記第1の端部(11)から前記第2の端部(12)に向かって少なくとも部分的に延在し、
前記ねじ山部(20)が、前記本体(10)の前記内壁(14)に形成され、
前記内壁(14)が、前記ねじ山部(20)と交差する少なくとも1つの凹部(30)を有し、
前記ねじ山部(20)の表面が、2.5~60μm、特に10~25μmの範囲の粗さR
zを有し、
前記ねじ山要素(1)が、付加製造法を使用して製造されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記付加製造法が、選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的電子ビーム溶融法(SEBM)、レーザ金属堆積法(LMD)及び選択的レーザ焼結法(SLS)からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記凹部(30)が、雄ねじをねじ込む間にねじ山回転部(22)から余分な材料を受け入れるように設計されている、請求項12又は13に記載の方法。
【国際調査報告】