(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電池パック、車体及び車両
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240730BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20240730BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20240730BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240730BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240730BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240730BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240730BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240730BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240730BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20240730BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240730BHJP
H01M 50/24 20210101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
B60K1/04 Z
B62D25/20 E
B62D25/20 F
H01M50/249
H01M10/613
H01M50/289 101
H01M50/293
H01M10/625
H01M10/6556
H01M50/271 B
H01M10/6554
H01M50/55 101
H01M50/242
H01M50/298
H01M50/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577516
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2022110298
(87)【国際公開番号】W WO2023011593
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110902937.8
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】衣本▲鋼▼
(72)【発明者】
【氏名】▲閻▼▲軍▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲でぃあお▼▲義▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】廉玉波
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB06
3D203BB12
3D203BB22
3D203CA04
3D203CA25
3D203CA37
3D203CA73
3D203CB09
3D203DB05
3D235AA02
3D235BB03
3D235BB17
3D235BB18
3D235BB36
3D235CC14
3D235DD35
3D235FF09
3D235FF12
3D235FF37
3D235HH26
3D235HH42
5H031AA09
5H031EE00
5H031HH08
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA07
5H040AA28
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC01
5H040CC20
5H040DD01
5H040DD07
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA05
5H043AA13
5H043CA21
5H043DA08
5H043LA22D
(57)【要約】
電池パック、車体及び車両を開示し、該電池パックは、上から下へ蓋板、セル及び冷却板を含み、冷却板を電池パックの底板として電池パックの封止を実現する。セルは、蓋板に接着され、重量が蓋板によって支えられるため、冷却板がセルを支えて破壊されることがなく、それにより、冷却板は、セルに対する熱管理を実現するだけでなく、電池パックに対する封止を実現することができ、統合が実現される。電池パックの蓋板を車体フロアとして形成することにより、部品の数を減少させ、製造コスト及び車両重量を減少させる一方で、電池パックの地上高がより大きくなり、電池パックの配置空間がより大きくなり、電池パックの損傷確率を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル(220)と、蓋板(210)と、フレーム(300)と、冷却板(240)とを含み、
前記セルは、前記蓋板に接続され、
前記蓋板は、前記フレームに接続され、前記セルは、前記フレーム内に位置し、
前記冷却板は、前記フレームに封止接続されることにより、前記蓋板と前記冷却板と前記フレームとの間に前記セルの収容空間が形成される、ことを特徴とする電池パック(200)。
【請求項2】
前記蓋板と前記セルとの間に構造用接着剤が設置され、前記セルは、前記蓋板に接着される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記冷却板の前記セルに近接する側は、平面として形成され、前記平面と前記セルとの間に熱伝導性接着剤が設置され、前記冷却板の前記セルから離れた側には、冷却流路(241)が形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
保護板(270)をさらに含み、前記保護板は、前記冷却板の前記セルから離れた側に設置されるとともに前記フレームに接続される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記蓋板から前記冷却板への方向において、前記フレームの延在長さは、前記セルの延在長さ以上である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記フレームの前記蓋板に近接する側の表面から前記冷却板までの距離は、前記セルの蓋板に近接する側の表面から前記冷却板までの距離以上であり、前記フレームの前記冷却板に近接する側の表面から前記蓋板までの距離は、前記セルの前記冷却板に近接する側の表面から前記蓋板までの距離以上である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記フレームは、順に接続された第1フレーム(330)、第2フレーム(310)、第3フレーム(340)及び第4フレーム(320)を含み、前記第1フレームは、前記第3フレームに対向して設置され、前記第2フレームは、前記第4フレームに対向して設置され、前記セルの前記第1フレーム又は前記第3フレームに向かう側には、タブ(221)が設置されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記第1フレームの前記第3フレームから離れた側は、外向きに延在して突起部(333)を形成し、前記フレームは、組立板(332)をさらに含み、前記組立板は、前記突起部の前記第3フレームから離れた側に接続されて、前記突起部と前記組立板との間に配電キャビティ(334)が形成される、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記組立板は、前記突起部に取り外し可能に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記フレームは、縦梁をさらに含み、前記縦梁は、前記フレーム内に設置されるとともに、前記第1フレームから前記第3フレームへの方向に沿って延在し、前記縦梁内に配線空間が形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項11】
前記蓋板から前記冷却板への方向において、前記縦梁の延在長さは、前記セルの延在長さに等しい、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記フレームは、接続横梁(400)をさらに含み、前記接続横梁の両端は、前記第2フレームと前記第4フレームとの間に接続されて、前記フレームを複数のサブフレームに分け、前記セルが複数設置されて複数のセル列を形成し、複数の前記セル列は、複数のサブフレーム内に対応して設置される、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項13】
前記セル列は、複数の前記セルを含み、複数の前記セルは、前記第2フレームから前記第4フレームへの方向に沿って配列する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記フレームは、縦梁をさらに含み、前記縦梁は、前記フレーム内に設置されるとともに、前記第1フレームから前記第3フレームへの方向に沿って延在し、前記縦梁内に配線空間が形成され、前記接続横梁には、前記縦梁が通過することができるようにする逃げ溝が設置される、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
車体フレームと、請求項1~14のいずれか一項に記載の電池パックとを含む車体であって、
前記車体フレームには、切欠部(101)が形成され、
前記フレームは、前記車体フレームに接続され、前記蓋板は、前記切欠部を閉鎖して車体フロアを形成する、ことを特徴とする車体。
【請求項16】
前記車体フレーム(100)は、車体の幅方向に沿って対向して設置された第1シルビーム(110)及び第2シルビーム(120)を含み、車体の幅方向において、前記切欠部は、前記第1シルビームから前記第2シルビームに延在し、前記フレームの両側はそれぞれ、前記第1シルビームと前記第2シルビームに接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の車体。
【請求項17】
シート横梁(410)をさらに含み、車体の幅方向において、前記シート横梁は、前記第1シルビームと前記第2シルビームとの間に接続されるとともに、前記電池パックに接続される、ことを特徴とする請求項16に記載の車体。
【請求項18】
請求項15~17のいずれか一項に記載の車体を含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両の技術分野に関し、特に、電池パック、車体及び車両に関する。
【0002】
本願は、2021年8月6日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202110902937.8で、名称が「電池パック、車体及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、車体には、通常、フロアが設置され、フロアの下方に電池取付横梁が設置され、電池パックは、電池取付横梁により車体に取り付けられるが、フロアと電池パックとの間に隙間があるため、車両の鉛直方向における寸法が大きくなる。
【0004】
従来の電池パックは、上から下へ順に設置された蓋板、冷却板、セル及びトレイ底板を含み、部材が多く、重量が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決するために、電池パック、車体及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1実施例に係る電池パックは、
セルと、蓋板と、フレームと、冷却板とを含み、
前記セルは、前記蓋板に接続され、
前記蓋板は、前記フレームに接続され、前記セルは、前記フレーム内に位置し、
前記冷却板は、前記フレームに封止接続されることにより、前記蓋板と前記冷却板と前記フレームとの間に前記セルの収容空間が形成される。
【0007】
一実施例では、前記蓋板と前記セルとの間に構造用接着剤が設置され、前記セルは、前記蓋板に接着される。
【0008】
一実施例では、前記冷却板の前記セルに近接する側は、平面として形成され、前記平面と前記セルとの間に熱伝導性接着剤が設置され、前記冷却板の前記セルから離れた側には、冷却流路が形成されている。
【0009】
一実施例では、前記電池パックは、保護板をさらに含み、前記保護板は、前記冷却板の前記セルから離れた側に設置されるとともに前記フレームに接続される。
【0010】
一実施例では、前記蓋板から前記冷却板への方向において、前記フレームの延在長さは、前記セルの延在長さ以上である。
【0011】
一実施例では、前記フレームの前記蓋板に近接する側の表面から前記冷却板までの距離は、前記セルの蓋板に近接する側の表面から前記冷却板までの距離以上であり、前記フレームの前記冷却板に近接する側の表面から前記蓋板までの距離は、前記セルの前記冷却板に近接する側の表面から前記蓋板までの距離以上である。
【0012】
一実施例では、前記フレームは、順に接続された第1フレーム、第2フレーム、第3フレーム及び第4フレームを含み、前記第1フレームは、前記第3フレームに対向して設置され、前記第2フレームは、前記第4フレームに対向して設置され、前記セルの前記第1フレーム又は前記第3フレームに向かう側には、タブが設置されている。
【0013】
一実施例では、前記第1フレームの前記第3フレームから離れた側は、外向きに延在して突起部を形成し、前記フレームは、組立板をさらに含み、前記組立板は、前記突起部の前記第3フレームから離れた側に接続されて、前記突起部と前記組立板との間に配電キャビティが形成される。
【0014】
一実施例では、前記組立板は、前記突起部に取り外し可能に接続される。
【0015】
一実施例では、前記フレームは、縦梁をさらに含み、前記縦梁は、前記フレーム内に設置されるとともに、前記第1フレームから前記第3フレームへの方向に沿って延在し、前記縦梁内に配線空間が形成されている。
【0016】
一実施例では、前記蓋板から前記冷却板への方向において、前記縦梁の延在長さは、前記セルの延在長さに等しい。
【0017】
一実施例では、前記フレームは、接続横梁をさらに含み、前記接続横梁の両端は、前記第2フレームと前記第4フレームとの間に接続されて、前記フレームを複数のサブフレームに分け、前記セルが複数設置されて複数のセル列を形成し、複数の前記セル列は、複数のサブフレーム内に対応して設置される。
【0018】
一実施例では、前記セル列は、複数の前記セルを含み、複数の前記セルは、前記第2フレームから前記第4フレームへの方向に沿って配置される。
【0019】
一実施例では、前記フレームは、縦梁をさらに含み、前記縦梁は、前記フレーム内に設置されるとともに、前記第1フレームから前記第3フレームへの方向に沿って延在し、前記縦梁内に配線空間が形成され、前記接続横梁には、前記縦梁が通過することができるようにする逃げ溝が設置される。
【0020】
本願の実施例では、電池パックは、上から下へ蓋板、セル及び冷却板を含み、冷却板を電池パックの底板として電池パックの封止を実現することにより、従来技術におけるトレイ底板が省略され、部材の数が減少し、重量が減少し、また、電池パックの高さが減少する。また、本願のセルは、蓋板に接続され、重量が蓋板によって支えられるため、冷却板がセルを支えて破壊されることがなく、それにより、冷却板は、セルに対する熱管理を実現するだけでなく、電池パックに対する封止を実現することができ、統合が実現される。
【0021】
本願の第2実施例に係る車体は、車体フレームと、上記電池パックとを含み、
前記車体フレームには、切欠部が形成され、
前記フレームは、前記車体フレームに接続され、前記蓋板は、前記切欠部を閉鎖して車体フロアを形成する。
【0022】
一実施例では、前記車体フレームは、車体の幅方向に沿って対向して設置された第1シルビーム及び第2シルビームを含み、車体の幅方向において、前記切欠部は、前記第1シルビームから前記第2シルビームに延在し、前記フレームの両側はそれぞれ、前記第1シルビームと前記第2シルビームに接続される。
【0023】
一実施例では、前記車体は、シート横梁をさらに含み、車体の幅方向において、前記シート横梁は、前記第1シルビームと前記第2シルビームとの間に接続されるとともに、前記電池パックに接続される。
【0024】
本願は、電池パックの蓋板を車体フロアとして形成することにより、車体フロアを追加的に設置する必要がなく、部品の数を減少させ、製造コスト及び車両重量を減少させる一方で、電池パックの地上高がより大きくなり、電池パックの配置空間がより大きくなり、電池パックの損傷確率を低減することができる。また、従来技術における、フロアが設置された車体に比べて、本願の実施例の車体は、フロアと電池パックとの間の組立隙間を保留する必要がなく、車両の空間利用率を効果的に向上させる。
【0025】
本願の第3実施例に係る車両は、上記車体を含む。
【0026】
本願の追加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、他の部分が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって、理解されやすくなる。
【0028】
【
図1】本願の実施例に係る車体の概略構成図である。
【
図3】本願の実施例に係る車体の第1シルビーム、第2シルビーム及び電池パックの断面図である。
【
図4】本願の実施例に係る車体の電池パックの分解図である。
【
図5】本願の実施例に係る電池パックのフレームの概略構成図である。
【
図6】本願の実施例に係る第1フレームの概略構成図である。
【
図7】本願の実施例に係る第1フレームを別の視点から見た概略構成図である。
【
図8】本願の実施例に係る冷却板の概略構成図である。
【
図9】本願の実施例に係るセルの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、以下、本願の実施例を詳細に説明する。
【0030】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解してはならない。
【0031】
本願の説明において、「複数」とは、2つ又は2つ以上を意味する。
【0032】
図1~
図9に示すように、本願の実施例は、電池パック200及び該電池パック200を有する車体1を提供する。
【0033】
電池パック200は、セル220、蓋板210、フレーム300及び冷却板240を含む。セル220は、蓋板210に接続され、蓋板210は、フレーム300に接続され、セル220は、フレーム300内に位置し、冷却板240は、フレーム300に封止接続されることにより、蓋板210と冷却板240とフレーム300との間にセル220の収容空間が形成される。
【0034】
本願の実施例では、電池パック200は、上から下へ蓋板210、セル220及び冷却板240を含み、冷却板240を電池パック200の底板として電池パック200の封止を実現することにより、従来技術におけるトレイ底板が省略され、部材の数が減少し、重量が減少し、また、電池パック200の高さが減少する。また、本願のセル220は、蓋板210に接続され、重量が蓋板210によって支えられるため、冷却板240がセル220を支えて破壊されることがなく、それにより、冷却板240は、セル220に対する熱管理を実現するだけでなく、電池パック200に対する封止を実現することができ、統合が実現される。
【0035】
本願のいくつかの具体的な実施例によれば、
図3及び
図4に示すように、蓋板210とセル220との間に構造用接着剤が設置されることにより、セル220が蓋板210に接着されるため、蓋板210とセル220とは、隙間なくより緊密に接続され、セル220の重量が蓋板210によって支えられることにより、空間利用率を向上させる。
【0036】
本願の実施例では、冷却板240のセル220に近接する側は、平面として形成され、平面とセル220との間に熱伝導性接着剤が設置され、セル220の配置のために平面を設置し、かつ熱伝導性接着剤により冷却板240とセル220との間の隙間を充填することにより、冷却板240とセル220との接続は、より緊密になり、熱伝導性接着剤の熱伝導係数は、空気の熱伝導係数より大きく、放熱に役立つ。冷却板240のセル220から離れた側には、冷却流路241が形成されている。一実施例では、該冷却流路241は、突出して設置される。このようにして、冷却板240は、セル220の温度を低下させて、セル220が過熱して動作効率を低下させることを回避することにより、セル220の動作特性を保証するとともに、セル220の耐用年数を延長することができる。
【0037】
具体的には、冷却流路241は、分流通路250と、複数の熱交換通路260とを含む。分流通路250は、冷却板240の対向する両側に設置され、複数の熱交換通路260は、冷却板240の対向する両側の間に設置されるとともに、一側から他側に延在し、各熱交換通路260の少なくとも一端は、分流通路250と連通する。
【0038】
具体的には、電池パック200が車体に取り付けられる場合、分流通路250は、車体の幅方向に沿って冷却板240の対向する両側に設置され、複数の熱交換通路260は、車体の幅方向に沿って延在する。
【0039】
例えば、冷却板240は、主板、ハーモニカ形状管及び分流板を含み、ハーモニカ形状管は、主板の下表面に取り付けられ、主板の上表面は、冷却板240のセル220に近接する側の表面として形成され、複数の熱交換通路260は、ハーモニカ形状管で形成されるか、又はハーモニカ形状管及び主板で形成される。分流板は、プレス成形されるとともに主板の下表面に溶接(例えば、ろう付け)され、ハーモニカ形状管の両端に加締め付けられ、分流通路250は、分流板及び主板で形成されるとともに、複数の熱交換通路260と連通する。
【0040】
冷却流路241内の冷却媒体は、複数の熱交換通路260内を蛇行流動する。このようにして、分流通路250は、分流板をプレス成形することで形成され、省スペース化を図ることができる。熱交換通路260は、ハーモニカ形状管を用いて形成され、重量及びコストを減少させることができる。本願のいくつかの具体的な実施例では、
図4に示すように、電池パック200は、保護板270をさらに含み、保護板270は、冷却板240のセル220から離れた側に設置されるとともにフレーム300に接続される。従来技術における保護板270は、トレイ底板の下方に設置される。
【0041】
本願の実施例では、保護板270と冷却板240との間に保温板280が設置されることにより、熱交換効率を向上させる。
【0042】
保護板270は、高張力鋼で製造されてもよく、保護板270の強度が保温板280の強度及び冷却板240の強度より高いため、保護板270は、保温板280及び冷却板240が損傷されるのを防ぐことができる。保温板280は、発泡板で製造されてもよく、冷却板240と外部環境との熱交換を低減し、冷却板240によるセル220の冷却の効率を向上させることができる。
【0043】
本願のいくつかの具体的な実施例では、
図5~
図7に示すように、蓋板210から冷却板240への方向において、フレーム300の延在長さは、セル220の延在長さ以上である。
【0044】
具体的には、フレーム300の蓋板210に近接する側の表面から冷却板240までの距離は、セル220の蓋板210に近接する側の表面から冷却板240までの距離以上であり、フレーム300の冷却板240に近接する側の表面から蓋板210までの距離は、セルの冷却板240に近接する側の表面から蓋板210までの距離以上である。即ち、フレーム300の上表面は、セル220の上表面より低くなく、フレーム300の下表面は、セル220の下表面より高くない。
【0045】
このように、水平方向から見ると、セル220全体は、フレーム300により遮蔽され、フレーム300内に完全に位置し、フレーム300によるセル220の外周面の保護がより完全になり、セル220の外周面と外部物体との干渉を回避する一方で、電池パック200の外周面が衝突を受けた場合にフレーム300上の力がセル220により均一に伝達できるため、セル220全体の応力が均一になり、セル220の破断確率を低減する。
【0046】
本願の実施例では、フレーム300は、第1フレーム330、第2フレーム310、第3フレーム340及び第4フレーム320を含み、第1フレーム330は、第3フレーム340に対向して設置され、第2フレーム310は、第4フレーム320に対向して設置され、セル220の第1フレーム330又は第3フレーム340に向かう側には、タブが設置され、即ち、セルは、第1フレーム330から第3フレーム340への方向に沿って延在する。
【0047】
本願の実施例では、第1フレーム330の第3フレーム340から離れた側は、外向きに延在して突起部333を形成し、フレーム300は、組立板332をさらに含み、組立板332は、突起部333の第3フレーム340から離れた側に接続されて、突起部333と組立板332との間に配電キャビティ334が形成される。配電キャビティ334内に配電装置が設置されている。
【0048】
言い換えれば、第1フレーム330には、セル220の保護及び配電装置の収容の2種の機能が統合され、フレーム300自体のセル220の高さ方向における延在を利用して配電装置を収容し、第1フレーム330から第3フレーム340への方向において、配電装置の収容構造を追加的に設置する必要がなく、空間利用率を向上させることができる。また、組立板332と突起部333とは、ねじ締結具(ボルト又はねじ)又はリベットにより取り外し可能に接続され、組立板332と突起部333との間に、配電装置の点検及び交換を容易にするように、組立板332と突起部333との間の隙間を封止する点検用封止リングが設置されてもよい。また、突起部333には、突起部333の構造強度を向上させる補強リブがさらに形成される。
【0049】
一実施例では、電池パック200は、縦梁及び導電部材をさらに含む。縦梁は、フレーム300内に位置するとともに、第1フレーム330から第3フレーム340への方向に沿って延在し、縦梁内に配線空間が形成されていることにより、導電部材が配電キャビティ334内の配電装置に容易に接続される。
【0050】
本願の実施例では、蓋板210から冷却板240への方向において、縦梁の延在長さは、セル220の延在長さに等しく、縦梁のセルの高さ方向における延在を利用して配線空間を形成することにより、空間利用率が向上する。配電装置と車両のリアドライブモータとの電気的な導通を実現させることにより、電池パック200は、四輪駆動の車両に適用できるとともに、電池パック200の上下方向及び左右方向における構造的完全性を破壊することがなく、このように電池パック200は、電気的な接続の信頼性及び自体の構造強度を兼ねる。本願におけるセル220の高さ方向は、蓋板210から冷却板240への方向と一致する。
【0051】
本願のいくつかの実施例では、
図3に示すように、セル220は、複数設置され、複数のセルは、複数のセル列を形成し、フレーム300は、接続横梁400をさらに含み、接続横梁400は、第2フレーム310と第4フレーム320との間に接続されて、フレーム300を複数のサブフレームに分け、複数のセル列は、複数のサブフレーム内に一対一で対応して設置される。
【0052】
理解できるように、セル列は、複数のセル220を含み、複数のセル220は、第2フレーム310から第4フレーム320への方向に沿って配置される。接続横梁400には、縦梁が通過することができるようにする逃げ溝が設置される。
【0053】
いくつかの実施例では、接続横梁400は、複数設置されてもよく、複数の接続横梁400は、第1フレーム330から第3フレーム340への方向に沿って配置される。セル220の端部には、他の電気部品に接続されたタブ221が設置されるため、隣接する2つのセル列の間に隙間が存在し、接続横梁400を、第2フレーム310と第4フレーム320との間に支持するとともに隣接する2つのセル配列の間に配置する。
【0054】
本願の実施例の車体は、車体フレーム100と、上記電池パック200とを含み、車体フレーム100には、切欠部101が形成され、電池パック200のフレーム300は、車体フレーム100に接続され、蓋板210は、切欠部101を閉鎖して車体フロアを形成する。
【0055】
本願は、電池パック200の蓋板210を車体フロアとして形成することにより、車体フロアを追加的に設置する必要がなく、部品の数を減少させ、製造コスト及び車両重量を減少させる一方で、電池パック200の地上高がより大きくなり、電池パック200の配置空間がより大きくなり、電池パック200の損傷確率を低減することができる。また、従来技術における、フロアが設置された車体に比べて、本願の実施例の車体1は、フロアと電池パック200との間の組立隙間を保留する必要がなく、車両の空間利用率を効果的に向上させる。
【0056】
本願のいくつかの具体的な実施例では、
図4に示すように、車体は、封止部材500をさらに含み、上記封止部材500は、上記電池パック200と車体フレーム100との間に接続されることにより、電池パック200の蓋板210と車体フレーム100とが封止される。なお、本願の電池パック200が車体に取り付けられた場合、第1フレーム330から第3フレーム340への方向は、車体の長さ方向と一致し、第2フレーム310から第4フレーム320への方向は、車体の幅方向と一致し、蓋板210から冷却板240への方向は、車体の高さ方向と一致する。
【0057】
図3に示すように、車体フレーム100は、車体の幅方向に沿って対向して設置された第1シルビーム110及び第2シルビーム120を含み、車体の幅方向において、切欠部101は、第1シルビーム110から第2シルビーム120に延在し、電池パック200のフレーム300の両側はそれぞれ、第1シルビーム110と第2シルビーム120に接続される。
【0058】
このように、第2フレーム310と第4フレーム320との間に設置された接続横梁400は、車両の第1シルビーム110及び第2シルビーム120が衝突を受けた場合に、一部の衝突力を受けることができるため、電池パック200の構造強度が向上し、また、接続横梁400は、シート横梁410に接続された後、電池パック200のモード剛性及びねじり剛性を向上させることができるため、電池パック200の構造強度が向上する。
【0059】
また、
図3に示す実施例では、車体1は、シート横梁410をさらに含み、車体の幅方向において、シート横梁410は、第1シルビーム110と第2シルビーム120との間に接続されるとともに、電池パック200の蓋板210を貫通して電池パック200の接続横梁400に接続される。
【0060】
セル220が車体の長さ方向に沿って延在し、複数のセル220が車体の幅方向に沿って配置されることにより、第1シルビーム110及び第2シルビーム120が衝突を受けた場合に、セル220は、力伝達及び支持の作用を果たすことができ、セル220の応力がより均一になり、セル220の車両の側面衝突を抵抗する強度を向上させ、セル220の曲げによる短絡を効果的に防ぐことができる。
【0061】
電池パック200は、車両に適用される場合、異なる車種に適応するように、車体フレーム100の長さ寸法に応じて車体フレーム100の長さ方向において複数のセル220が設置されてもよい。車体フレーム100の幅方向において、セル220の数を増加又は減少させることにより、電池パック200の総電力量を変更することができる。車体フレーム100の幅方向においてセル220をできるだけ多く配置するために、複数のセル220を緊密に配置することができ、このように、電池パック200は、車体フレーム100の幅方向において力を受ける場合、各セル220が力伝達に参加することを保証し、構造強度を増加させるとともに、電池パック200内の空間利用率を向上させることができる。複数のセル220を車体フレーム100の幅方向に沿って配列させることにより、車両の走行過程において、路面の障害物が車両の底部に衝突する場合、セル220の損傷の数を大幅に減少させることができるだけでなく、電池パック200の空間利用率を向上させることができ、セル220全体の体積が増加するため、セル220全体の体積が電池パック200の体積を占める割合が増加し、即ち、電池パック200のエネルギー密度を向上させることができる。
【0062】
一実施例では、セル220とフレーム300との間に断熱板230が設置されている。このように、フレーム300とセル220との直接的な接触を防止することにより、フレーム300に最も近接するセル220がフレーム300により外部と熱交換することを回避し、複数のセル220の間の温度がほぼ近いことを保証し、複数のセル220全体の動作特性を最適化することができる。また、断熱板230は、保温できるだけでなく、絶縁効果を有するとともに、セル220とフレーム300との間の組立隙間を吸収することができる。
【0063】
具体的には、第1シルビーム110と第2シルビーム120にいずれもエネルギー吸収空間130が形成され、第1シルビーム110のエネルギー吸収空間130と第2シルビーム120のエネルギー吸収空間130内にいずれもシル補強ビーム140が設置されて、車体の幅方向において電池パック200を保護する。
【0064】
車両が側面衝突を受けた場合、エネルギー吸収空間130は、エネルギー吸収作用を果たし、第1シルビーム110及び第2シルビーム120から電池パック200に伝達される衝突力を緩和することができる。また、シル補強ビーム140の設置により、第1シルビーム110及び第2シルビーム120の構造強度を向上させることにより、第1シルビーム110及び第2シルビーム120は、より大きい衝突力に耐えることができ、シル補強ビーム140もエネルギー吸収及び力伝達の作用を果たし、電池パック200に伝達される力を減少させるだけでなく、衝突力の伝達を案内することができ、電池パック200を効果的に保護し、側面衝突事故が発生した場合の安全性を向上させる。
【0065】
例えば、シル補強ビーム140は、金属アルミニウム又はアルミニウム合金で製造されてもよく、このように、シル補強ビーム140は、質量が軽いだけでなく、より複雑な構造に製造されやすく、シル補強ビーム140の平坦度がより高い。このように、本願の実施例に係る車体1は、空間利用率が高く、構造強度が高く、安全性が高いなどの利点を有する。
【0066】
本願のいくつかの具体的な実施例では、
図1~
図3に示すように、各シル補強ビーム140内には、少なくとも1つのエネルギー吸収キャビティ141が形成され、エネルギー吸収キャビティ141は、シル補強ビーム140の長さ方向に沿って延在する。
【0067】
このように、シル補強ビーム140は、エネルギー吸収キャビティ141により、衝突エネルギーを吸収して、第1シルビーム110及び第2シルビーム120の衝突力に対する耐性を向上させることにより、衝突力が電池パック200に伝達されることを効果的に回避することができる。各シル補強ビーム140は、横断面内の上下方向及び左右方向において、いずれも複数のエネルギー吸収キャビティ141が配置され、このように、シル補強ビーム140の衝突エネルギー吸収能力がより高くなり、第1シルビーム110及び第2シルビーム120の衝突力に対する耐性が向上し、また、シル補強ビーム140は、上下方向においても左右方向においても、衝突力を複数回吸収することができ、シル補強ビーム140の横断面におけるエネルギー吸収キャビティ141の占める割合がより大きくなり、シル補強ビーム140の局所が衝突を受けた場合に該衝突力がエネルギー吸収キャビティ141を通過しないことを防ぐことにより、衝突力が電池パック200に伝達されることをより効果的に回避する。
【0068】
具体的には、シル補強ビーム140は、所在するエネルギー吸収空間130の内側壁及び頂壁に少なくとも接続され、即ち、シル補強ビーム140の左側面及び右側面のうちの少なくとも一方及びその上表面は、エネルギー吸収空間130の内壁に接触する。このように、シル補強ビーム140は、左右方向及び上下方向のいずれにおいても固定され、シル補強ビーム140の位置安定性がより高い。
【0069】
本願のいくつかの具体的な実施例では、
図3に示すように、シル補強ビーム140の上表面は、電池パック200の上表面より高く、シル補強ビーム140の下表面は、電池パック200の上表面より低い。即ち、水平方向から見ると、シル補強ビーム140と電池パック200とは、部分的に重なる。
【0070】
このように、車両の左側又は右側が衝突を受けた場合、シル補強ビーム140と電池パック200とは、必ず互いに力を伝達することができ、シル補強ビーム140による電池パック200の保護を保証することができ、また、電池パック200は、第1シルビーム110のシル補強ビーム140と第2シルビーム120のシル補強ビーム140との間に力を伝達することができる。
【0071】
本願のいくつかの具体的な実施例では、
図3に示すように、第1シルビーム110及び第2シルビーム120のそれぞれは、サイドシルインナパネル150及びサイドシルアウタパネル160を含む。サイドシルアウタパネル160は、サイドシルインナパネル150の電池パック200に背向する側に接続され、サイドシルインナパネル150とともにエネルギー吸収空間130を画定し、例えば、サイドシルインナパネル150とサイドシルアウタパネル160とは、溶接されてもよい。シル補強ビーム140は、サイドシルインナパネル150及びサイドシルアウタパネル160のうちの少なくとも一方に取り付けられる。このように、車両の走行時にシル補強ビーム140がエネルギー吸収空間130内で揺れて騒音及び振動が発生することを回避することができ、シル補強ビーム140の位置安定性がより高くなり、それにより、車両の騒音、振動、ハーシュネス(Noise、Vibration、Harshness、NVH)の特性を向上させる。
【0072】
フレーム300は、第1シルビーム110及び第2シルビーム120に取り付けられ、フレーム300内には、少なくとも1つのクラッシュキャビティ301が形成され、クラッシュキャビティ301がセル220と第1シルビーム110との間、及びセル220と第2シルビーム120との間に位置するため、第1シルビーム110及び第2シルビーム120からセル220に伝達される力を効果的に吸収することができ、第1シルビーム110及び第2シルビーム120により伝達される力を効果的に減衰することにより、セル220の応力がより小さくなり、セル220が損傷しにくく、安全性がより高くなる。
【0073】
本願のいくつかの具体的な実施例では、
図3及び
図5に示すように、第2フレーム310は、第1シルビーム110とセル220との間に位置し、第2フレーム310には、第1ボス311、第1上部力伝達リブ312及び第1下部力伝達リブ313が設置され、第1ボス311は、第1シルビーム110の下表面に取り付けられ、第2フレーム310から第4フレーム320への方向において、第1上部力伝達リブ312は、下向きに傾斜して第2フレーム310のクラッシュキャビティ301内に延在し、第1下部力伝達リブ313は、第2フレーム310のクラッシュキャビティ301内に設置されるとともに、高さ方向において第1ボス311の位置に対応し、第2フレーム310から第4フレーム320への方向において、第1下部力伝達リブ313は、左から右へ上向きに傾斜する。例えば、第1ボス311は、第1シルビーム110に螺着される。
【0074】
第4フレーム320は、第2シルビーム120とセル220との間に位置し、第4フレーム320には、第2ボス321、第2上部力伝達リブ322及び第2下部力伝達リブ323が設置され、第2ボス321は、第2シルビーム120の下表面に取り付けられ、第4フレーム320から第2フレーム310への方向において、第2上部力伝達リブ322は、右から左へ下向きに傾斜して第4フレーム320のクラッシュキャビティ301内に延在し、第2下部力伝達リブ323は、第4フレーム320のクラッシュキャビティ301内に設置されるとともに、高さ方向において第2ボス321の位置に対応し、第4フレーム320から第2フレーム310への方向において、第2下部力伝達リブ323は、上向きに傾斜する。
【0075】
第1シルビーム110が電池パック200に力を伝達する場合、
第1シルビーム110が力をフレーム300の第1上部力伝達リブ312に伝達し、第1上部力伝達リブ312が力をクラッシュキャビティ301に伝達した後、クラッシュキャビティ301により減衰した力がセル220に伝達される、第1力伝達経路と、
第1シルビーム110が下側で力を第1ボス311に伝達し、第1ボス311が力を第1下部力伝達リブ313に伝達し、第1下部力伝達リブ313が力をクラッシュキャビティ301に伝達した後、クラッシュキャビティ301により減衰した力がセル220に伝達される、第2力伝達経路とがある。
【0076】
力が第2シルビーム120から電池パック200に伝達される力伝達経路は、力が第1シルビーム110から電池パック200に伝達される力伝達経路と類似し、本願は、説明を省略する。
【0077】
このように、第1シルビーム110は、第1上部力伝達リブ312及び第1下部力伝達リブ313により力をフレーム300の上部及び下部に伝達し、第2シルビーム120も第2上部力伝達リブ322及び第2下部力伝達リブ323により力をフレーム300の上部及び下部に伝達することにより、セル220に伝達された力がより分散し、局所の過大な応力による電池パック200の損傷が回避され、車体の安全性が向上する。本願のセル220は、側面衝突経路に位置し、車体の長さ方向に沿って延在するセルは、いずれも力伝達に参加し、力伝達面積が大きいため、セル220の力伝達方向において受けた圧力が減少し、セルが力伝達に参加できるとともにセル220の損傷可能性が低下する。また、第1シルビーム110が衝突を受けた場合に、電池パック200は、一部の力伝達及びエネルギー吸収の作用を果たすことができ、電池パック200と第1シルビーム110との間に隙間を保留する必要がないため、電池パック200の体積がより大きくてもよく、電池パック200の電力量を効果的に向上させる。
【0078】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る車両を説明し、車両は、本願の上記実施例に係る車体1を含む。
【0079】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例に係る車体1を利用することにより、空間利用率が高く、構造強度が高く、安全性が高いなどの利点を有する。
【0080】
本願の実施例に係る車体1及びそれを有する車両の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0081】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例に限定されるわけではない。
【0082】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 車体
100 車体フレーム
101 切欠部
110 第1シルビーム
120 第2シルビーム
130 エネルギー吸収空間
140 シル補強ビーム
141 エネルギー吸収キャビティ
150 サイドシルインナパネル
160 サイドシルアウタパネル
200 電池パック
210 蓋板
220 セル
221 タブ
230 断熱板
240 冷却板
241 冷却流路
250 分流通路
260 熱交換通路
270 保護板
280 保温板
300 フレーム
301 クラッシュキャビティ
310 第2フレーム
311 第1ボス
312 第1上部力伝達リブ
313 第1下部力伝達リブ
320 第4フレーム
321 第2ボス
322 第2上部力伝達リブ
323 第2下部力伝達リブ
330 第1フレーム
332 組立板
333 突起部
334 配電キャビティ
340 第3フレーム
400 接続横梁
410 シート横梁
500 封止部材
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル(220)と、蓋板(210)と、フレーム(300)と、冷却板(240)とを含み、
前記セルは、前記蓋板に接続され、
前記蓋板は、前記フレームに接続され、前記セルは、前記フレーム内に位置し、
前記冷却板は、前記フレームに封止接続されることにより、前記蓋板と前記冷却板と前記フレームとの間に前記セルの収容空間が形成される、ことを特徴とする電池パック(200)。
【請求項2】
前記蓋板と前記セルとの間に構造用接着剤が設置され、前記セルは、前記蓋板に接着される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記冷却板の前記セルに近接する側は、平面として形成され、前記平面と前記セルとの間に熱伝導性接着剤が設置され、前記冷却板の前記セルから離れた側には、冷却流路(241)が形成されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック。
【請求項4】
保護板(270)をさらに含み、前記保護板は、前記冷却板の前記セルから離れた側に設置されるとともに前記フレームに接続される、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記蓋板から前記冷却板への方向において、前記フレームの延在長さは、前記セルの延在長さ以上である、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記フレームの前記蓋板に近接する側の表面から前記冷却板までの距離は、前記セルの蓋板に近接する側の表面から前記冷却板までの距離以上であり、前記フレームの前記冷却板に近接する側の表面から前記蓋板までの距離は、前記セルの前記冷却板に近接する側の表面から前記蓋板までの距離以上である、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記フレームは、順に接続された第1フレーム(330)、第2フレーム(310)、第3フレーム(340)及び第4フレーム(320)を含み、前記第1フレームは、前記第3フレームに対向して設置され、前記第2フレームは、前記第4フレームに対向して設置され、前記セルの前記第1フレーム又は前記第3フレームに向かう側には、タブ(221)が設置されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック。
【請求項8】
前記第1フレームの前記第3フレームから離れた側は、外向きに延在して突起部(333)を形成し、前記フレームは、組立板(332)をさらに含み、前記組立板は、前記突起部の前記第3フレームから離れた側に接続されて、前記突起部と前記組立板との間に配電キャビティ(334)が形成される、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記組立板は、前記突起部に取り外し可能に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記フレームは、縦梁をさらに含み、前記縦梁は、前記フレーム内に設置されるとともに、前記第1フレームから前記第3フレームへの方向に沿って延在し、前記縦梁内に配線空間が形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項11】
前記蓋板から前記冷却板への方向において、前記縦梁の延在長さは、前記セルの延在長さに等しい、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記フレームは、接続横梁(400)をさらに含み、前記接続横梁の両端は、前記第2フレームと前記第4フレームとの間に接続されて、前記フレームを複数のサブフレームに分け、前記セルが複数設置されて複数のセル列を形成し、複数の前記セル列は、複数のサブフレーム内に対応して設置される、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項13】
前記セル列は、複数の前記セルを含み、複数の前記セルは、前記第2フレームから前記第4フレームへの方向に沿って配列する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記フレームは、縦梁をさらに含み、前記縦梁は、前記フレーム内に設置されるとともに、前記第1フレームから前記第3フレームへの方向に沿って延在し、前記縦梁内に配線空間が形成され、前記接続横梁には、前記縦梁が通過することができるようにする逃げ溝が設置される、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
車体フレームと、請求項1~14のいずれか一項に記載の電池パックとを含む車体であって、
前記車体フレームには、切欠部(101)が形成され、
前記フレームは、前記車体フレームに接続され、前記蓋板は、前記切欠部を閉鎖して車体フロアを形成する、ことを特徴とする車体。
【請求項16】
前記車体フレーム(100)は、車体の幅方向に沿って対向して設置された第1シルビーム(110)及び第2シルビーム(120)を含み、車体の幅方向において、前記切欠部は、前記第1シルビームから前記第2シルビームに延在し、前記フレームの両側はそれぞれ、前記第1シルビームと前記第2シルビームに接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の車体。
【請求項17】
シート横梁(410)をさらに含み、車体の幅方向において、前記シート横梁は、前記第1シルビームと前記第2シルビームとの間に接続されるとともに、前記電池パックに接続される、ことを特徴とする請求項16に記載の車体。
【請求項18】
請求項
15に記載の車体を含む、ことを特徴とする車両。
【国際調査報告】