(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】細胞外小胞、分泌型生体分子、及び/又は馴化培地を含む組成物、並びにそれを製造及び使用する方法
(51)【国際特許分類】
C12N 5/071 20100101AFI20240730BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20240730BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240730BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240730BHJP
A61K 35/36 20150101ALI20240730BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20240730BHJP
【FI】
C12N5/071
A61K8/98
A61Q19/00
A61P17/00
A61K35/36
A61K35/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577754
(86)(22)【出願日】2022-07-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 US2022038967
(87)【国際公開番号】W WO2023009874
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・クリストファー・ロイ
(72)【発明者】
【氏名】シャーベル・ブエズ
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ヒューバート
【テーマコード(参考)】
4B065
4C083
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065BC41
4B065CA44
4B065CA50
4C083AA071
4C083AA072
4C083BB51
4C083CC02
4C083EE12
4C083EE13
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB48
4C087BB64
4C087MA63
4C087NA14
4C087ZA89
(57)【要約】
本開示は、分化上皮細胞培養から採集された1)馴化培地、2)分泌型生体分子/有機分子の組合せ、及び/又は3)分泌型細胞外小胞/エクソソームを含む新規の組成物、並びにそのような組成物の作製及び使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞外小胞及び担体を含む組成物であって、
前記細胞外小胞が、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養された分化上皮細胞から採集された馴化培地に由来する、組成物。
【請求項2】
分化上皮細胞から採集された馴化培地由来の細胞外小胞と担体とを含む組成物であって、
前記分化上皮細胞が、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養される、組成物。
【請求項3】
CD9陽性細胞外小胞の集団を含む組成物であって、
前記集団中で検出されるCD63のCD81に対する比が、少なくとも約0.2:1、好ましくは少なくとも約0.5:1、より好ましくは少なくとも約1:1、更により好ましくは少なくとも約1.5:1、最も好ましくは少なくとも約2:1であり、
CD63及びCD81が、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出され、
CD9が、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて前記小胞が馴化培地から単離された後に、酵素結合免疫吸着アッセイによって捕捉され、
CD63及びCD81の相対濃度が、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて決定される、組成物。
【請求項4】
分化上皮細胞が、部分的分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
分化上皮細胞が、完全分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
分化上皮細胞が、平均して少なくとも2個の生細胞層、好ましくは平均して少なくとも5個の生細胞層、より好ましくは平均して少なくとも10個の生細胞層を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
分化上皮細胞が、平均して1~8個の生細胞層、好ましくは平均して5~8個の生細胞層、より好ましくは平均して6~7個の生細胞層を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
分化上皮細胞が、基底層、有棘層、顆粒層、及び/又は角質層を含む1つ以上の細胞層を形成する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
分化上皮細胞が、少なくとも約2μm、好ましくは少なくとも約10μm、より好ましくは少なくとも約25μm、更により好ましくは少なくとも約50μm、最も好ましくは少なくとも約70μmの生細胞層の厚さを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
分化上皮細胞が、約2μmから約141μm、好ましくは約2μmから約135μm、より好ましくは約2μmから約130μm、更により好ましくは約2μmから約125μm、最も好ましくは約2μmから約120μmの生細胞層の厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
分化上皮細胞が、約70μmから約141μm、好ましくは約70μmから約135μm、より好ましくは約70μmから約130μm、更により好ましくは約70μmから約125μm、最も好ましくは約70μmから約120μmの生細胞層の厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
分化上皮細胞が、約2μmから約70μm、好ましくは約2μmから約60μm、より好ましくは約2μmから約50μm、更により好ましくは約2μmから約45μm、最も好ましくは約2μmから約40μmの生細胞層の厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
分化上皮細胞が、約3μmから約70μm、好ましくは約10μmから約70μm、より好ましくは約20μmから約70μm、更により好ましくは約50μmから約70μm、最も好ましくは約65μmから約70μmの生細胞層の厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
分化上皮細胞が、先代哺乳類ケラチノサイトを経て分化したものであり、好ましくは前記分化上皮細胞が、先代ヒトケラチノサイトを経て分化したものである、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
分化上皮細胞が、少なくとも1日間、好ましくは1~35日間、より好ましくは2~25日間、更により好ましくは4~15日間、最も好ましくは5~7日間培養される、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
分化上皮細胞が、化学的組成が既知の培地において多孔質基質上で少なくとも3時間培養され、約36℃から約38℃の温度、約4%~6%のCO
2、及び約40%から約100%の湿度でインキュベートされる、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記細胞外小胞を含む前記馴化培地が、前記細胞外小胞を担体と合わせる前に、濃縮され、濾過され、及び/又は精製される、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記細胞外小胞が、前記細胞外小胞を担体と合わせる前に、前記馴化培地から単離される、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記細胞外小胞が、許容される担体と合わせる前に溶解される、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、前記集団中で検出されるCD63のCD81に対する比が、少なくとも約0.2:1から約2.8:1、好ましくは約0.3:1から約2.5:1、更により好ましくは約0.7:1から約1.7:1、最も好ましくは約0.9:1から約1.3:1であり、CD63及びCD81が、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出され、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて前記小胞が前記馴化培地から単離された後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9が捕捉され、CD63及びCD81の相対濃度が、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて決定される、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記細胞外小胞が、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含み、前記小型細胞外小胞の前記大型細胞外小胞に対する比が、約1:1から約30.5:1、好ましくは約1:1から約20:1、より好ましくは約1:1から約10:1、更により好ましくは約1:1から約5:1、最も好ましくは約3:1から約5:1の範囲であり、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、前記小型細胞外小胞を前記馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する、及びa)TFFによって前記大型細胞外小胞を前記馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、又は酵素から選択される少なくとも1種の追加の成分を更に含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
細胞外小胞と担体とを合わせる工程を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、前記細胞外小胞が、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養された分化上皮細胞から採集された馴化培地に由来する、方法。
【請求項24】
請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に適用する工程を含む、処置の方法。
【請求項25】
請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に適用する工程を含む、表皮細胞を増殖させる方法。
【請求項26】
請求項1から5、7から8、12から14、又は16から22のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に適用する工程を含む、線維芽細胞の増殖を促進させる方法。
【請求項27】
請求項1から5、7から8、12から14、又は16から22のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に適用する工程を含む、ケラチノサイト成長因子の分泌を増大させるための方法。
【請求項28】
請求項1から5、7から8、12から14、又は16から22のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に適用する工程を含む、ケラチノサイト成長因子の分泌を誘導するための方法。
【請求項29】
化粧品としての請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項30】
医薬としての請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項31】
請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に適用する工程を含む、使用の方法。
【請求項32】
治療薬としての使用のための請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
皮膚状態の処置における医薬における使用のための請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
皮膚状態の処置用の医薬の製造における請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全内容が参照により本明細書に援用される、2022年7月29日に出願された米国特許出願第17/877,814号、2021年7月30日に出願された米国仮特許出願第63/227,744号、及び2021年9月6日に出願されたFR2109323に対する優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本開示は、組成物、分化上皮細胞によって製造される馴化培地から組成物を作製する方法、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ケラチノサイトは、皮膚の最外層である表皮の主要の細胞型を表し、そこの細胞の最大で約90パーセントを構成する。これは、表皮の最深層である基底層に由来し、成熟するに従い、皮膚の最終障壁層である角質層まで移動する。ケラチノサイトが完全に成熟したとき、角質層中に無核の扁平で且つ高度に角化された扁平上皮細胞を形成する。ケラチノサイトの主要機能は、熱、UV放射、水分損失、病原菌、菌類、寄生生物、及びウイルスによる環境被害に対する障壁の形成である。そのため、ケラチノサイトは、加齢、日焼けからの保護、及び免疫応答の調整を含めた多数の生理的過程において重要な役割を果たす。ケラチノサイトは、これらの過程において役割を果たす様々な生体分子を分泌する。そのような生体分子の採集は、様々な状態の処置に役立つことができる。
【0004】
しかしながら、これらの生体分子の生物学的に有用な量及び組合せの採集は、ケラチノサイト源が理由で妨げられている。一部の場合では、三次元(3D)で増殖する細胞とは対照的に、細胞株は、単層として又はビーズ上で増殖する。その他の場合では、細胞は、マトリックス中に埋め込まれるか又は三次元の形式で細胞を支持する濃縮培地等の培地中に懸濁される。例えば、米国特許第8,138,147号を参照されたい。単層として又はビーズ上で増殖した細胞株によって作製された従来の馴化細胞培養培地は、通常、廃棄される。分化上皮層、例えば基底層、有棘層、顆粒層、及び角質層(in vivoで見られる)を有する組織からの培養培地の採集は、当該技術分野において開示されてきていない。そのため、現在、本明細書に記載の方法を用いて調製される馴化培地中に見られる様々な生体分子を含有する組成物は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Rheinwald J.G.、Green H.: Serial cultivation of strains of human epidermal keratinocytes: The formation of keratinizing colonies from single cells. Cell. 6(3):331~43、1975年
【非特許文献2】Methods For Preparation of Media, Supplements and Substrate For Serum-Free Animal Cell Culture Alan R. Liss、New York (1984)
【非特許文献3】Cell & Tissue Culture: Laboratory Procedures、John Wiley & Sons Ltd.、Chichester, England 1996
【非特許文献4】Cold Spring Harbor Conferences on Cell Proliferation、9巻、Satoら、eds.、(1982) Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor, N.Y.
【非特許文献5】Barnesら、Anal. Biochem. 102、255 (1980)
【非特許文献6】BioWhittaker 1999/2000 catalog、42~51頁
【非特許文献7】Barnes、Serum-Free Animal Cell Culture、BioTechniques 5(6):534~42
【非特許文献8】Freshney、Culture of Animal Cells、第3編、Wiley-Liss、New York, N.Y.、1994
【非特許文献9】Rosdy M.、Terminal epidermal differentiation of human keratinocytes grown in chemically defined medium on inert filter substrates at the air-liquid interface. Dermatology 95(4)、409~414頁(1990年10月)
【非特許文献10】Green H.、Kehinde O.、Thomas J.、Growth of cultured human epidermal cells into multiple epithelia suitable for grafting. Proc. Nat. Acad. Sci. USA 76:5665~5668頁(1979年)
【非特許文献11】Rheinwald J.G.、Green H.: Epidermal growth factor and the multiplication of cultured human epidermal keratinocytes. Nature 265:421~424頁(1977年)FDA Cosmetics Handbook、U.S. Food and Drug Administration
【非特許文献12】Handbook of Cosmetic and Personal Care Additives、Ash and Ash編集、1994、Chemical Publishing、New York, N.Y.
【非特許文献13】Bennett's Cosmetic Formulary、1993、Chemical Publishing Co.
【非特許文献14】Harry's Cosmeticology、第7版、Wilkinson & Moore1982及び第8版、Rieger、2000、Chemical Publishing
【非特許文献15】Cosmetic Bench Reference-2001、Allerud Publishing Corp.
【非特許文献16】CTFA Compendium of Cosmetic Ingredient Composition、Nikitakis and McEwen編集、1990、Cosmetic、Toiletry、及びFragrance Association、Washington, D.C.、Surfactant Encyclopedia、第2改訂版、Rieger、1996、Allured Publishing
【非特許文献17】The Chemistry and Manufacture of Cosmetics、第2版、De Navarre、Van Nostrand、Princeton, N.J.
【非特許文献18】Encyclopedia of Common Natural Ingredients Used in Food, Drugs, and Cosmetics、Leung、1996、John Wiley
【非特許文献19】A Consumer's Dictionary of Cosmetic Ingredients、第5版、Winter、1999、Three Rivers Press、New York, N.Y.
【非特許文献20】Cosmeceuticals: Active Skin Treatment、1998、Allured Publishing
【非特許文献21】Handbook of Cosmetic Science and Technology、Knowlton and Pearce、1993、Elsevier Advanced Technology、Oxford, UK
【非特許文献22】Personal-Care Formulas、1997、Allured Publishing;Beginning Cosmetic Chemistry、Scheuller and Romanowski、1999、Allured Publishing
【非特許文献23】Skin Permeation: Fundamentals and Application、Zatz、1993、Allured Publishing
【非特許文献24】Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Gennaro編集、1990、Mack Publishing
【発明の概要】
【0007】
概要
細胞外小胞及び化粧担体を含む組成物が、今や、驚くべきことに且つ予想外に開発された。一実施形態において、細胞外小胞は、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養された分化上皮細胞、先代ケラチノサイト、又はこれらの組合せから採集された馴化培地に由来する。一実施形態において、組成物は、分化上皮細胞培養から作製された馴化培地由来の細胞外小胞と化粧担体とを含み、分化上皮細胞は、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養される。
【0008】
一実施形態において、分化上皮細胞は、実質的にコンフルエント、例えば少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%コンフルエントである。
【0009】
別の実施形態では、分化上皮細胞は、平均して、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の生細胞層を含む。例えば、分化上皮細胞は、平均して1~8個の細胞層、平均して1~2個の細胞層、例えば2個の生細胞層、又は平均して3~5個の細胞層、例えば3~4個の生細胞層、又は平均して5~8個の細胞層、例えば6~7個の生細胞層、又は平均して7~8個の生細胞層、又は平均して8~9個の生細胞層、又は平均して8~10個の生細胞層を含むことができる。当業者は、層の平均数が、例えば、分化細胞の2D縦断面を調べ、断面中の細胞層の平均数を算出することによって決定することが可能であるという知見を得たと考えられる。個々の断面はそれぞれの発達において異なることがあるため、試料全体からいくつかの断面を取って平均することもできる。
【0010】
分化上皮細胞は、基底層、有棘層、顆粒層、及び/又は角質層を含む細胞層を形成することができる。
【0011】
一実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約11μm、少なくとも約12μm、少なくとも約13μm、少なくとも約14μm、少なくとも約15μm、少なくとも約16μm、少なくとも約17μm、少なくとも約18μm、少なくとも約19μm、少なくとも約20μm、少なくとも約21μm、少なくとも約22μm、少なくとも約23μm、少なくとも約24μm、少なくとも約25μm、少なくとも約26μm、少なくとも約27μm、少なくとも約28μm、少なくとも約29μm、少なくとも約30μm、少なくとも約31μm、少なくとも約32μm、少なくとも約33μm、少なくとも約34μm、少なくとも約35μm、少なくとも約36μm、少なくとも約37μm、少なくとも約38μm、少なくとも約39μm、少なくとも約40μm、少なくとも約41μm、少なくとも約42μm、少なくとも約43μm、少なくとも約44μm、少なくとも約45μm、少なくとも約46μm、少なくとも約47μm、少なくとも約48μm、少なくとも約49μm、少なくとも約50μm、少なくとも約51μm、少なくとも約52μm、少なくとも約53μm、少なくとも約54μm、少なくとも約55μm、少なくとも約56μm、少なくとも約57μm、少なくとも約58μm、少なくとも約59μm、少なくとも約60μm、少なくとも約61μm、少なくとも約62μm、少なくとも約63μm、少なくとも約64μm、少なくとも約65μm、少なくとも約66μm、少なくとも約67μm、少なくとも約68μm、少なくとも約69μm、少なくとも約70μm、少なくとも約71μm、少なくとも約72μm、少なくとも約73μm、少なくとも約74μm、少なくとも約75μm、少なくとも約76μm、少なくとも約77μm、少なくとも約78μm、少なくとも約79μm、少なくとも約80μm、少なくとも約81μm、少なくとも約82μm、少なくとも約83μm、少なくとも約84μm、少なくとも約85μm、少なくとも約86μm、少なくとも約87μm、少なくとも約88μm、少なくとも約89μm、少なくとも約90μm、少なくとも約91μm、少なくとも約92μm、少なくとも約93μm、少なくとも約94μm、少なくとも約95μm、少なくとも約96μm、少なくとも約97μm、少なくとも約98μm、少なくとも約99μm、少なくとも約100μm、少なくとも約101μm、少なくとも約102μm、少なくとも約103μm、少なくとも約104μm、少なくとも約105μm、少なくとも約106μm、少なくとも約107μm、少なくとも約108μm、少なくとも約109μm、少なくとも約110μm、少なくとも約111μm、少なくとも約112μm、少なくとも約113μm、少なくとも約114μm、少なくとも約115μm、少なくとも約116μm、少なくとも約117μm、少なくとも約118μm、少なくとも約119μm、又は少なくとも約120μmの生細胞層の厚さを有する。
【0012】
例えば、分化上皮細胞は、約2μm~約141μm、約2μm~約140μm、約2μm~約139μm、約2μm~約138μm、約2μm~約137μm、約2μm~約136μm、約2μm~約135μm、約2μm~約134μm、約2μm~約133μm、約2μm~約132μm、約2μm~約131μm、約2μm~約130μm、約2μm~約129μm、約2μm~約128μm、約2μm~約127μm、約2μm~約126μm、約2μm~約125μm、約2μm~約124μm、約2μm~約123μm、約2μm~約122μm、約2μm~約121μm、又は約2μm~約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0013】
別の例では、分化上皮細胞は、約70μm~約141μm、約70μm~約140μm、約70μm~約139μm、約70μm~約138μm、約70μm~約137μm、約70μm~約136μm、約70μm~約135μm、約70μm~約134μm、約70μm~約133μm、約70μm~約132μm、約70μm~約131μm、約70μm~約130μm、約70μm~約129μm、約70μm~約128μm、約70μm~約127μm、約70μm~約126μm、約70μm~約125μm、約70μm~約124μm、約70μm~約123μm、約70μm~約122μm、約70μm~約121μm、又は約70μm~約120μm、例えば約71μm~約120μm、約72μm~約120μm、約73μm~約120μm、約74μm~約120μm、約75μm~約120μm、約76μm~約120μm、約77μm~約120μm、約78μm~約120μm、約79μm~約120μm、約80μm~約120μm、約81μm~約120μm、約82μm~約120μm、約83μm~約120μm、約84μm~約120μm、約85μm~約120μm、約86μm~約120μm、約87μm~約120μm、約88μm~約120μm、約89μm~約120μm、又は約90μm~約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0014】
別の例では、分化上皮細胞は、約2μm~約70μm、約2μm~約69μm、約2μm~約68μm、約2μm~約67μm、約2μm~約66μm、約2μm~約65μm、約2μm~約64μm、約2μm~約63μm、約2μm~約62μm、約2μm~約61μm、約2μm~約60μm、約2μm~約59μm、約2μm~約58μm、約2μm~約57μm、約2μm~約56μm、約2μm~約55μm、約2μm~約54μm、約2μm~約53μm、約2μm~約52μm、約2μm~約51μm、約2μm~約50μm、約2μm~約49μm、約2μm~約48μm、約2μm~約47μm、約2μm~約46μm、約2μm~約45μm、約2μm~約44μm、約2μm~約43μm、約2μm~約42μm、約2μm~約41μm、約2μm~約40μm、約2μm~約39μm、約2μm~約38μm、約2μm~約37μm、約2μm~約36μm、約2μm~約35μm、約2μm~約34μm、約2μm~約33μm、約2μm~約32μm、約2μm~約31μm、約2μm~約30μm、約2μm~約29μm、約2μm~約28μm、約2μm~約27μm、約2μm~約26μm、約2μm~約25μm、約2μm~約24μm、約2μm~約23μm、約2μm~約22μm、約2μm~約21μm、約2μm~約20μm、約2μm~約19μm、約2μm~約18μm、約2μm~約17μm、約2μm~約16μm、約2μm~約15μm、約2μm~約14μm、約2μm~約13μm、約2μm~約12μm、約2μm~約11μm、約2μm~約10μm、約2μm~約9μm、約2μm~約8μm、約2μm~約7μm、約2μm~約6μm、約2μm~約5μm、約2μm~約4μm、又は約2μm~約3μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0015】
別の例では、分化上皮細胞は、約3μm~約70μm、約4μm~約70μm、約5μm~約70μm、約6μm~約70μm、約7μm~約70μm、約8μm~約70μm、約9μm~約70μm、約10μm~約70μm、約11μm~約70μm、約12μm~約70μm、約13μm~約70μm、約14μm~約70μm、約15μm~約70μm、約16μm~約70μm、約17μm~約70μm、約18μm~約70μm、約19μm~約70μm、約20μm~約70μm、約21μm~約70μm、約22μm~約70μm、約23μm~約70μm、約24μm~約70μm、約25μm~約70μm、約26μm~約70μm、約27μm~約70μm、約28μm~約70μm、約29μm~約70μm、約30μm~約70μm、約31μm~約70μm、約32μm~約70μm、約33μm~約70μm、約34μm~約70μm、約35μm~約70μm、約36μm~約70μm、約37μm~約70μm、約38μm~約70μm、約39μm~約70μm、約40μm~約70μm、約41μm~約70μm、約42μm~約70μm、約43μm~約70μm、約44μm~約70μm、約45μm~約70μm、約46μm~約70μm、約47μm~約70μm、約48μm~約70μm、約49μm~約70μm、約50μm~約70μm、約51μm~約70μm、約52μm~約70μm、約53μm~約70μm、約54μm~約70μm、約55μm~約70μm、約56μm~約70μm、約57μm~約70μm、約58μm~約70μm、約59μm~約70μm、約60μm~約70μm、約61μm~約70μm、約62μm~約70μm、約63μm~約70μm、約64μm~約70μm、約65μm~約70μm、約66μm~約70μm、約67μm~約70μm、約68μm~約70μm、又は約69μm~約70μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0016】
一実施形態において、分化上皮細胞は、先代ヒトケラチノサイトを経て分化したものである。
【0017】
一部の実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35日間、例えば1~35日間、2~34日間、2~33日間、2~32日間、2~31日間、2~30日間、2~29日間、2~28日間、2~27日間、2~26日間、2~25日間、2~24日間、2~23日間、2~22日間、2~21日間、2~20日間、2~19日間、2~18日間、2~17日間、2~16日間、2~15日間、2~14日間、2~13日間、2~12日間、2~11日間、2~10日間、2~9日間、2~8日間、2~7日間、3~16日間、3~15日間、3~14日間、3~13日間、3~12日間、3~11日間、3~10日間、3~9日間、3~8日間、3~7日間、4~16日間、4~15日間、4~14日間、4~13日間、4~12日間、4~11日間、4~10日間、4~9日間、4~8日間、4~7日間、5~16日間、5~15日間、5~14日間、5~13日間、5~12日間、5~11日間、5~10日間、5~9日間、5~8日間、又は5~7日間、培養してもよい。
【0018】
分化上皮細胞は、多孔質基質上で培養してもよい。例えば、分化上皮細胞は、少なくとも3時間インキュベートしてもよい。分化上皮細胞は、約36℃~約38℃でインキュベートしてもよい。分化上皮細胞は、約4%~6%のCO2でインキュベートすることができる。一実施形態において、分化上皮細胞は、約10%~約100%の湿度、好ましくは約20%~約99%、好ましくは約30%~約99%、好ましくは約40%~約100%の湿度、例えば約50%~約99%、例えば約60%~約98%、好ましくは約70%~約97%、好ましくは約45%~約80%、より好ましくは約50%~約70%、より好ましくは約55%~約65%、より好ましくは約92%~約97%、又はより好ましくは約94%~約96%の湿度でインキュベートする。
【0019】
一部の実施形態において、細胞外小胞を担体と合わせて組成物を形成する前に、細胞外小胞を含む馴化培地を濃縮し、濾過し、及び/又は精製する。細胞外小胞を担体と合わせて組成物を形成する前に、細胞外小胞を馴化培地から単離してもよい。細胞外小胞を担体と合わせる前に、溶解してもよい。
【0020】
一実施形態において、栄養培地は、化学的組成が既知の培地(chemically defined medium)である。分化上皮細胞は、バッチ培養中で培養してもよい。
【0021】
一実施形態において、細胞外小胞は、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含み、小型細胞外小胞の大型細胞外小胞に対する比は、約30.5:1以下、約30:1以下、約29.5:1以下、約29:1以下、約28.5:1以下、約28:1以下、約27.5:1以下、約27:1以下、約26.5:1以下、約26:1以下、約25.5:1以下、約25:1以下、約24.5:1以下、約24:1以下、約23.5:1以下、約23:1以下、約22.5:1以下、約22:1以下、約21.5:1以下、約21:1以下、約20.5:1以下、約20:1以下、約19.5:1以下、約19:1以下、約18.5:1以下、約18:1以下、約17.5:1以下、約17:1以下、約16.5:1以下、約16:1以下、約15.5:1以下、約15:1以下、約14.5:1以下、約14:1以下、約13.5:1以下、約13:1以下、約12.5:1以下、約12:1以下、約11.5:1以下、約11:1以下、約10.5:1以下、約10:1以下、約9.5:1以下、約9:1以下、約8.5:1以下、約8:1以下、約7.5:1以下、約7:1以下、約6.5:1以下、約6:1以下、約5.5:1以下、約5:1以下、約4.5:1以下、約4:1以下、約3.5:1以下、約3:1以下、約2.5:1以下、約2:1以下、約1.5:1以下、又は約1:1以下である。比は、例えば、a)例えば、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出すること、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出することによって決定され得る。任意の順序で又は同時に、小型及び大型EVを分離し、次いで検出することができる。分離された細胞外小胞は、ナノ粒子飛跡分析(NTA)及びELISAを含むが限定されない任意の手段を用いて検出することができる。
【0022】
一実施形態において、細胞外小胞は、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含み、小型細胞外小胞の大型細胞外小胞に対する比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約1:1~約30.5:1、約1:1~約30:1、約1:1~約29.5:1、約1:1~約29:1、約1:1~約28.5:1、約1:1~約28:1、約1:1~約27.5:1、約1:1~約27:1、約1:1~約26.5:1、約1:1~約26:1、約1:1~約25.5::1、約1:1~約25:1、約1:1~約24.5:1、約1:1~約24:1、約1:1~約23.5:1、約1:1~約23:1、約1:1~約22.5:1、約1:1~約22:1、約1:1~約21.5:1、約1:1~約21:1、約1:1~約20:1、約1:1~約19:1、約1:1~約18:1、約1:1~約17:1、約1:1~約16:1、約1:1~約15:1、約1:1~約14:1、約1:1~約13:1、約1:1~約12:1、約1:1~約11:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、約2:1~約20:1、約2:1~約19:1、約2:1~約18:1、約2:1~約17:1、約2:1~約16:1、約2:1~約15:1、約2:1~約14:1、約2:1~約13:1、約2:1~約12:1、約2:1~約11:1、約2:1~約10:1、約2:1~約9:1、約2:1~約8:1、約2:1~約7:1、約2:1~約6:1、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、約2:1~約3:1、約3:1~約20:1、約3:1~約19:1、約3:1~約18:1、約3:1~約17:1、約3:1~約16:1、約3:1~約15:1、約3:1~約14:1、約3:1~約13:1、約3:1~約12:1、約3:1~約11:1、約3:1~約10:1、約3:1~約9:1、約3:1~約8:1、約3:1~約7:1、約3:1~約6:1、約3:1~約5:1、又は約3:1~約4:1の範囲である。
【0023】
一実施形態において、組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、又は少なくとも約1:1、又は少なくとも約1.1:、又は少なくとも約1.2:1、又は少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2:1である。
【0024】
一実施形態において、組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、約0.2:1~約2.8:1、約0.2:1~約2.7:1、約0.3:1~約2.6:1、約0.3:1~約2.5:1、約0.4:1~約2.4:1、約0.4:1~約2.3:1、約0.5:1~約2.2:1、約0.6:1~約2.1:1、約0.6:1~約2.0:1、約0.6:1~約1.9:1、約0.7:1~約1.8:1、約0.7:1~約1.7:1、約0.8:1~約1.6:1、約0.8:1~約1.5:1、約0.9:1~約1.4:1、又は約0.9:1~約1.3:1の範囲である。比は、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイを用いてCD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出することによって決定することができる。
【0025】
一実施形態において、組成物は、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、又は酵素を更に含む。
【0026】
細胞外小胞及び担体を含む組成物であって、細胞外小胞が、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養された分化上皮細胞から採集された馴化培地に由来する、組成物を作製する方法も開示する。
【0027】
開示した組成物を表皮細胞又は皮膚に適用する工程を含む処置方法も開示する。一実施形態において、特許請求項のいずれか一項に記載の開示した組成物を皮膚又は表皮細胞に適用する工程を含む線維芽細胞成長を促進させる方法を本明細書で開示する。一実施形態において、開示した組成物を皮膚に適用する工程を含むケラチノサイト成長因子の分泌又は放出を増加させる方法を本明細書で開示する。一実施形態において、開示した組成物を皮膚に適用する工程を含むケラチノサイト成長因子の分泌又は放出を誘導する方法を本明細書で開示する。組成物を皮膚に適用する工程を含む使用方法も、本明細書で開示する。
【0028】
前述の発明の概要及び以下の発明を実施するための形態の両方は、本開示の様々な実施形態を表し、特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供することを目的とすることを理解されたい。
図面の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】細胞培養17日目の再構築ヒト表皮の組織構造の染色縦断面図を示す。
【
図2】酵素結合免疫吸着アッセイを用いて測定した場合の、2Dケラチノサイトから採取された小型細胞外小胞(D)に対する、種々の時点(A~C)における分化上皮細胞の馴化培地から採取された小型細胞外小胞を含むCD9+上のEV表面マーカーの発現を実証する。タンパク質の免疫検出(検出の吸光度値のバックグラウンドに対する比)を、粒子の総量によって正規化する(A~C)。CD63のCD81に対する正規化免疫検出の比を、2Dケラチノサイト由来の細胞外小胞(D)と比較する。
【
図3】ELISAを使用して測定した場合の、分化上皮細胞の馴化培地(A~C)及び2Dケラチノサイトの馴化培地(D)由来の大型細胞外小胞上のEV表面マーカーの発現を実証する。タンパク質の免疫検出(検出の吸光度値のバックグラウンドに対する比)を、粒子の総量によって正規化する。
【
図4】酵素結合免疫吸着アッセイを用いて測定した場合の、分化上皮細胞の馴化培地から採取された小型細胞外小胞の内部マーカーの発現を実証する。タンパク質の免疫検出(検出の吸光度値のバックグラウンドに対する比)を、粒子の総量によって正規化する。
【
図5】酵素結合免疫吸着アッセイを用いて測定した場合の、分化上皮細胞の馴化培地から採取された大型細胞外小胞の内部マーカーの発現を実証する。タンパク質の免疫検出(検出の吸光度値のバックグラウンドに対する比)を、粒子の総量によって正規化する。
【
図6A-6D】小型細胞外小胞に曝露した後の正常ヒト皮膚線維芽細胞増殖を実証する。小型EVは、細胞培養3、6、及び17日目に分化上皮細胞の馴化培地の2つのバッチから得られる(
図6A~6C)。小型EVは、二次元ケラチノサイト培養の2つのバッチから得られる(
図6D)。小型EVは、二次元ケラチノサイト培養の2つのバッチから得られる。
【
図7A-7C】酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて測定した場合の、細胞を細胞外小胞に曝露した後の、正常ヒト皮膚線維芽細胞による、培地中へのケラチノサイト成長因子(KGF)分泌を実証する。
図7Aは、3、6、及び17日目の分化上皮細胞培養培地及び2Dケラチノサイト培養培地由来の1e
8個の粒子/mLの小型細胞外小胞への曝露後の線維芽細胞のKGF分泌を実証する。
図7Bは、3及び6日目の分化表皮細胞培養培地由来の高濃度小型細胞外小胞への曝露後の線維芽細胞のKGF分泌を実証する。
図7Cは、二次元細胞培養培地由来の高濃度小型細胞外小胞への曝露後の線維芽細胞のKGF分泌を実証する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
前述の及び以下の説明は、例示的及び説明的のみであり、請求されたいかなる主題も制限することを意図するものではないことを理解されたい。
【0031】
詳細な説明
本開示は、分化上皮細胞培養から採集された1)馴化培地、2)分泌型生体分子/有機分子の組合せ、及び/又は3)分泌型細胞外小胞/エクソソームを含む新規の組成物、並びにそのような組成物の作製及び使用方法に関する。作製方法は、ケラチノサイト並びに/又は分化上皮細胞に及び再構築表皮に成熟したケラチノサイトとしての、気液界面で培養された分化上皮細胞から、離散した時点で培地を採集する工程を含む。分化上皮細胞から作製された馴化培地及び細胞外小胞は、追加の成分(例えば、小分子、治療剤等)で補完されていてもよく、任意選択により、液体状態における凍結又は凍結乾燥を含めた様々な機構で保存され得る。
【0032】
ケラチノサイト
いずれのケラチノサイト源を使用してもよい。ケラチノサイトは、個体又はプールドナー、即ち複数のドナーから入手可能である。ケラチノサイトは、人体の様々な位置から単離された皮膚から入手することができる。ケラチノサイト源の非限定例としては、包皮、顔、胸部、腹部、及び大腿の表皮が挙げられる。様々な実施形態において、ケラチノサイトは、免疫応答のリスクを低減するための、ヒト、例えば原発性正常ヒトケラチノサイト(NHK)又は原発性正常ヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)であってもよい。
【0033】
ケラチノサイトは、当該技術分野において公知の任意の手段を用いて組織から分離することができる。一実施形態において、外科用皮膚試料を成人から採取し、Rheinwaldに記載の0.25%トリプシン真皮/表皮分離法に供して、正常ヒトケラチノサイト(NHK)の懸濁液を得ることができる。Rheinwald J.G.、Green H.: Serial cultivation of strains of human epidermal keratinocytes: The formation of keratinizing colonies from single cells. Cell. 6(3):331~43、1975年を参照されたい。
【0034】
本明細書に記載の細胞培養物は、低温保存(凍結)又は増殖性ケラチノサイトと共に植菌され得る。開示する培養物中で使用する前にケラチノサイトを増殖させる程度は、さまざまであり得る。
【0035】
馴化前培地
「馴化前」細胞培養培地は、任意の栄養培地、即ち、培養される細胞の栄養要求に十分対処する任意の細胞培養培地、例えば、ヒト又は動物の細胞又は組織のin vitroでの細胞培養に適した任意の培地であってもよい。
【0036】
一部の好ましい実施形態において、開示される細胞は、化学的組成が既知の培地、即ち、全ての化学成分が細胞又は組織のin vitroでの細胞培養に適していると知られる細胞増殖培地である栄養培地中で培養される。組成が既知の培地の例としては、これらに限定されないが、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ハムF12、RPMI 1640、イスコフ、マッコイ、及び当業者が容易に理解するその他の培地製剤が挙げられ、Methods For Preparation of Media, Supplements and Substrate For Serum-Free Animal Cell Culture Alan R. Liss、New York (1984)及びCell & Tissue Culture: Laboratory Procedures、John Wiley & Sons Ltd.、Chichester, England 1996に記載のものが含まれ、これらは両方とも参照によりそれらの全内容が本明細書に援用される。
【0037】
他の好ましい実施形態では、開示される細胞は、組成が未知の培地(undefined medium)、即ち、全ての化学成分が未知である細胞又は組織のin vitroでの細胞培養に適した細胞増殖培地である栄養培地中で培養される。
【0038】
好ましい実施形態において、馴化前培地は、血清非含有及び/又は動物性産物非含有である。血清非含有及び動物性産物非含有(場合によりタンパク質非含有と称することもある)培地は、他の供給業者の中でも、Life Technologies-GibcoBRL社(Rockville, Md.);Sigma-Aldrich社(Saint Louis, Mo.);又はBioWhittaker社(Walkersville, Md.)から市販されている。例示的な血清非含有培地としては: BioWhittaker社のUltraCULTURE(商標)、UltraDOMA(商標)及びUltraCHO(商標);Sigma-Aldrich社の血清非含有ハイブリドーマ培地(Serum-free Hybridoma Medium)、CHO血清非含有培地(CHO Serum-free Medium)、及びMDCK血清非含有培地(MDCK Serum-free Medium);並びにLife Technologies社のKeratinocyte-SFM(KSFM)、AIM V(登録商標)Media、StemPro(登録商標)-34 SFM、Human Endothelial-SFM、Macrophage-SFM、及びHepatoZYME-SFMが挙げられる。例示的なタンパク質非含有培地としては: BioWhittaker社のUltraDOMA-PF(商標);Sigma-Aldrich社の動物性成分非含有ハイブリドーマ培地(Animal Component-free Hybridoma Medium)、血清非含有及びタンパク質非含有ハイブリドーマ培地(Serum-free and Protein-free Hybridoma Medium)Hybri-Max(登録商標)、CHOタンパク質非含有培地(CHO Protein-free Medium)、化学的組成が既知のCHO培地(Chemically-defined CHO Medium)、及びMDCKタンパク質非含有培地(MDCK Protein-free Medium);並びにLife Technologies社の既知ケラチノサイト-SFM(Defined Keratinocyte-SFM)が挙げられる。当業者は、哺乳類細胞培養のための血清非含有培地の使用が十分に確立したものであることを理解し、他の場所の中でも、Cold Spring Harbor Conferences on Cell Proliferation、9巻、Satoら、eds.、(1982) Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor, N.Y.;Barnesら、Anal. Biochem. 102、255 (1980);BioWhittaker 1999/2000 catalog、42~51頁;Barnes、Serum-Free Animal Cell Culture、BioTechniques 5(6):534~42;及びFreshney、Culture of Animal Cells、第3編、Wiley-Liss、New York, N.Y.、1994に記載されている。
【0039】
培地は、開示されるケラチノサイト細胞/分化上皮細胞組織培養を支持する上で有用な又は必要な任意の成分で補完されてもよい。馴化前培地の成分としては、これらに限定されないが、アミノ酸(D及び/又はL-アミノ酸の両方)、例えばグルタミン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン並びにこれらの誘導体;酸可溶性部分群、例えばチアミン、アスコルビン酸、第二鉄化合物、第一鉄化合物、プリン、グルタチオン及び一塩基性リン酸ナトリウムが挙げられる。
【0040】
追加の成分としては、糖類、デオキシリボース、リボース、ヌクレオシド類、水溶性ビタミン類、リボフラビン、塩類、微量金属類、脂質類、酢酸塩類、リン酸塩類、HEPES、フェノールレッド、ピルビン酸塩類及び緩衝剤が挙げられる。
【0041】
他の成分は、当業者の特定の必要に応じて、当業者によって選択され得る。
【0042】
一実施形態において、馴化培地は、細胞培養(ケラチノサイトが播種される日から開始する)中、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35日ごとに、又はこれらの間の任意の時点で、馴化前培地と置き換えてもよい。
【0043】
三次元基質
好ましい実施形態において、三次元細胞培養は、細胞がその上で増殖する及び/又はそれに接着するための基質を含む。三次元「基質」又は「骨格」又は「支持体」又は「足場」は、本明細書では、(a)細胞をそれに結合させる(又は細胞をそれに結合させるために改変され得る)、及び(b)細胞を複数の層内で成長させる、任意の物質及び/又は三次元形状で構成される三次元材料を指す。本明細書で開示するように、基質にケラチノサイトを植菌して三次元生体組織を形成する。
【0044】
好ましい実施形態において、基質の構造は、メッシュ、スポンジ、膜、フィルム、フィルター、又はヒドロゲル等の多孔質増殖基質であってもよい。
【0045】
生分解しない材料、例えばナイロン(ポリアミド)、ダクロン(ポリエステル)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリビニル化合物(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオレチレン(PTFE:テフロン)、ポリスルホン、シリコーン Thermanox(TPX)、ニトロセルロース、エチレン酢酸ビニル、綿;及び生分解性材料、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、コラーゲン、コラーゲンスポンジ、腸線縫合糸、セルロース、ゼラチン、デキストラン、ポリアルカノエート等を含むがこれらに限定されない多数の異なる材料を使用して基質を形成することができる。これらの材料のいずれかは、例えば、三次元基質を形成する網状織物、ニット織物等であってもよい。
【0046】
例示的な実施形態において、基質は、光学的に透明であり且つ細胞に無害であるイオノマー樹脂フィルムであってもよい。ほんの一例として、ポリカーボネート、ポリスチレン、又はポリフッ素化ポリマー等の好適な非イオノマー樹脂を使用することができる。一部の実施形態において、0.33cm2の表面を含むフィルム等のポリカーボネートフィルム(Nucell、Nucleopore、及びTranswell、Costar、仏国)が使用される。
【0047】
好ましい実施形態において、基質は、ガス透過性及び/又は液体非透過性であり、例えば、ガス透過性、液体非透過性フィルム又は膜であってもよい。ガス透過性膜の厚さは、構造的完全性、ガス透過度、及びガスの移動速度を含み得るがこれらに限定されない所望の結果として得られる特性によって決まるであろう。ガス透過性膜は、当該技術分野において公知の1つ又は複数の膜で構成され得る。
【0048】
好ましい一実施形態において、開示される細胞は、三次元基質上の複数の層内で成長し、分化上皮細胞を形成する。
【0049】
気液界面の細胞培養
分化上皮細胞/ケラチノサイト先代は、当該技術分野において公知の任意の手段を用いて、(培養した細胞の片面が空気に曝露され、他面が栄養培地に曝露される)「気液界面」で培養される。好ましくは、細胞は、無菌処理及び取り扱いが可能な環境で培養される。
【0050】
好ましい実施形態において、細胞を少なくとも3時間インキュベートする。細胞は、例えば、約36℃から約38℃でインキュベートすることができる。また、細胞は、例えば、約4%~6%のCO2でインキュベートすることもできる。また、細胞は、例えば、約10%~約100%の湿度、好ましくは約20%~約99%、好ましくは約30%~約99%、より好ましくは約40%~約100%の湿度、例えば約50%~約99%、例えば約60%~約98%、より好ましくは約70%~約97%、より好ましくは約45%~約80%、より好ましくは約50%~約70%、より好ましくは約55%~約65%、より好ましくは約92%~約97%、又はより好ましくは約94%~約96%の湿度でインキュベートすることもできる。
【0051】
一部の実施形態において、開示される細胞は、バッチ培養中で培養される。
【0052】
一部の実施形態において、栄養培地は、例えば、気液界面で無菌大規模培養するための装置を使用して、大規模の細胞増殖を可能にする仕方で調整される(大規模馴化培地をもたらす)。
【0053】
分化上皮細胞の培養
細胞は、いくつかの細胞/組織培養技術を用いて、例えばRosdy M.、Terminal epidermal differentiation of human keratinocytes grown in chemically defined medium on inert filter substrates at the air-liquid interface、J. Invest. Dermatology 95(4)、409~414頁(1990年10月)に記載の技術を用いて、培養することができる。例えば、細胞培養は、Green H.、Kehinde O.、Thomas J.、Growth of cultured human epidermal cells into multiple epithelia suitable for grafting. Proc. Nat. Acad. Sci. USA 76:5665~5668頁(1979年)及びRheinwald J.G.、Green H.: Epidermal growth factor and the multiplication of cultured human epidermal keratinocytes. Nature 265:421~424頁(1977年)に記載の3T3フィーダ層技術を用いて開始することができる。
【0054】
一実施形態において、植菌された基質は、有用な場合、インキュベートの直後又は例えば24時間後にマウントすることができる。例えば、基質は、ステンレス製グリッド等のグリッド上にマウントし、次いで培養することができる。培養物の表面を大気に曝露しながら下からのみ細胞に供給させるために、馴化前培地を基質の下に配置してもよい。次いで、培養物を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、若しくは35日間、又はこれらの間の任意の時点、例えば1~35日間、2~34日間、2~33日間、2~32日間、2~31日間、2~30日間、2~29日間、2~28日間、2~27日間、2~26日間、2~25日間、2~24日間、2~23日間、2~22日間、2~21日間、2~20日間、2~19日間、2~18日間、2~17日間、2~16日間、2~15日間、2~14日間、2~13日間、2~12日間、2~11日間、2~10日間、2~9日間、2~8日間、2~7日間、3~16日間、3~15日間、3~14日間、3~13日間、3~12日間、3~11日間、3~10日間、3~9日間、3~8日間、3~7日間、4~16日間、4~15日間、4~14日間、4~13日間、4~12日間、4~11日間、4~10日間、4~9日間、4~8日間、4~7日間、5~16日間、5~15日間、5~14日間、5~13日間、5~12日間、5~11日間、5~10日間、5~9日間、5~8日間、若しくは5~7日間、インキュベートすることができる。
【0055】
(発生生物学における)分化は、それほど特殊化していない細胞が成熟を経て形態及び機能においてより独特なものになる正常過程を指す。これは、細胞分化とも呼ばれる。分化は、細胞サイズ、形状、極性、代謝及びシグナルに対する反応性における変化に限定されず、前駆細胞がより特殊化し、より特異的役割を得ることを可能にする任意の分子変化を含み得る。
【0056】
そのため、「分化上皮細胞」は、本明細書では、その先代(又は前駆)ケラチノサイトを経て分化過程が進行している、三次元培養で成長するケラチノサイトであって、先代ケラチノサイトは、本明細書に記載の細胞培養物を植菌するために使用された、ケラチノサイトを指す。一実施形態において、分化上皮細胞は、一細胞が別の細胞の頂部で成長して三次元組織を形成するために必要とされる細胞間結合の形成を開始した。一実施形態において、分化上皮細胞及び/又はその子孫は、基底層、棘層、顆粒層及び/又は角膜層を形成することができる。
【0057】
「部分的分化上皮細胞」という用語は、本明細書では、約70μm未満の生細胞層の厚さを有する、三次元で成長したケラチノサイトの培養物を指す。
【0058】
「完全分化上皮細胞」という用語は、本明細書では、約70μm超の生細胞層の厚さを有し、顆粒層が存在する、三次元で成長したケラチノサイトの培養物を指す。
【0059】
「再構築表皮」という用語は、本明細書では、三次元で成長した多層表皮を指す。一実施形態において、再構築ヒト表皮は、第3週目の細胞培養中に形成され得る。例えば、正常ヒトケラチノサイトは、EPISKIN S.A.(www.episkin.com)によって製造されたSkinEthicTMモデル等の、本明細書で開示される三次元再構築ヒト表皮を形成することができる。
【0060】
好ましい実施形態において、分化上皮細胞層又は再構築表皮は、明確に視認できる基底層、棘層、顆粒層及び/又は角膜層を含むことができる。
【0061】
好ましい実施形態において、分化上皮細胞層又は再構築表皮は、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約11μm、少なくとも約12μm、少なくとも約13μm、少なくとも約14μm、少なくとも約15μm、少なくとも約16μm、少なくとも約17μm、少なくとも約18μm、少なくとも約19μm、少なくとも約20μm、少なくとも約21μm、少なくとも約22μm、少なくとも約23μm、少なくとも約24μm、少なくとも約25μm、少なくとも約26μm、少なくとも約27μm、少なくとも約28μm、少なくとも約29μm、少なくとも約30μm、少なくとも約31μm、少なくとも約32μm、少なくとも約33μm、少なくとも約34μm、少なくとも約35μm、少なくとも約36μm、少なくとも約37μm、少なくとも約38μm、少なくとも約39μm、少なくとも約40μm、少なくとも約41μm、少なくとも約42μm、少なくとも約43μm、少なくとも約44μm、少なくとも約45μm、少なくとも約46μm、少なくとも約47μm、少なくとも約48μm、少なくとも約49μm、少なくとも約50μm、少なくとも約51μm、少なくとも約52μm、少なくとも約53μm、少なくとも約54μm、少なくとも約55μm、少なくとも約56μm、少なくとも約57μm、少なくとも約58μm、少なくとも約59μm、少なくとも約60μm、少なくとも約61μm、少なくとも約62μm、少なくとも約63μm、少なくとも約64μm、少なくとも約65μm、少なくとも約66μm、少なくとも約67μm、少なくとも約68μm、少なくとも約69μm、少なくとも約70μm、少なくとも約71μm、少なくとも約72μm、少なくとも約73μm、少なくとも約74μm、少なくとも約75μm、少なくとも約76μm、少なくとも約77μm、少なくとも約78μm、少なくとも約79μm、少なくとも約80μm、少なくとも約81μm、少なくとも約82μm、少なくとも約83μm、少なくとも約84μm、少なくとも約85μm、少なくとも約86μm、少なくとも約87μm、少なくとも約88μm、少なくとも約89μm、少なくとも約90μm、少なくとも約91μm、少なくとも約92μm、少なくとも約93μm、少なくとも約94μm、少なくとも約95μm、少なくとも約96μm、少なくとも約97μm、少なくとも約98μm、少なくとも約99μm、少なくとも約100μm、少なくとも約101μm、少なくとも約102μm、少なくとも約103μm、少なくとも約104μm、少なくとも約105μm、少なくとも約106μm、少なくとも約107μm、少なくとも約108μm、少なくとも約109μm、少なくとも約110μm、少なくとも約111μm、少なくとも約112μm、少なくとも約113μm、少なくとも約114μm、少なくとも約115μm、少なくとも約116μm、少なくとも約117μm、少なくとも約118μm、少なくとも約119μm、又は少なくとも約120μmの生細胞層の厚さを有する。
【0062】
好ましい実施形態において、分化上皮細胞層又は再構築表皮は、約2μmから約141μm、約2μmから約140μm、約2μmから約139μm、約2μmから約138μm、約2μmから約137μm、約2μmから約136μm、約2μmから約135μm、約2μmから約134μm、約2μmから約133μm、約2μmから約132μm、約2μmから約131μm、約2μmから約130μm、約2μmから約129μm、約2μmから約128μm、約2μmから約127μm、約2μmから約126μm、約2μmから約125μm、約2μmから約124μm、約2μmから約123μm、約2μmから約122μm、約2μmから約121μm、又は約2μmから約120μm、及びこれらの間の任意の範囲、例えば約70μmから約141μm、約70μmから約140μm、約70μmから約139μm、約70μmから約138μm、約70μmから約137μm、約70μmから約136μm、約70μmから約135μm、約70μmから約134μm、約70μmから約133μm、約70μmから約132μm、約70μmから約131μm、約70μmから約130μm、約70μmから約129μm、約70μmから約128μm、約70μmから約127μm、約70μmから約126μm、約70μmから約125μm、約70μmから約124μm、約70μmから約123μm、約70μmから約122μm、約70μmから約121μm、又は約70μmから約120μm、例えば約71μmから約120μm、約72μmから約120μm、約73μmから約120μm、約74μmから約120μm、約75μmから約120μm、約76μmから約120μm、約77μmから約120μm、約78μmから約120μm、約79μmから約120μm、約80μmから約120μm、例えば約81μmから約120μm、約82μmから約120μm、約83μmから約120μm、約84μmから約120μm、約85μmから約120μm、約86μmから約120μm、約87μmから約120μm、約88μmから約120μm、約89μmから約120μm、又は約90μmから約120μm、更には、例えば約2μmから約70μm、約2μmから約69μm、約2μmから約68μm、約2μmから約67μm、約2μmから約66μm、約2μmから約65μm、約2μmから約64μm、約2μmから約63μm、約2μmから約62μm、約2μmから約61μm、約2μmから約60μm、約2μmから約59μm、約2μmから約58μm、約2μmから約57μm、約2μmから約56μm、約2μmから約55μm、約2μmから約54μm、約2μmから約53μm、約2μmから約52μm、約2μmから約51μm、約2μmから約50μm、約2μmから約49μm、約2μmから約48μm、約2μmから約47μm、約2μmから約46μm、約2μmから約45μm、約2μmから約44μm、約2μmから約43μm、約2μmから約42μm、約2μmから約41μm、約2μmから約40μm、約2μmから約39μm、約2μmから約38μm、約2μmから約37μm、約2μmから約36μm、約2μmから約35μm、約2μmから約34μm、約2μmから約33μm、約2μmから約32μm、約2μmから約31μm、約2μmから約30μm、約2μmから約29μm、約2μmから約28μm、約2μmから約27μm、約2μmから約26μm、約2μmから約25μm、約2μmから約24μm、約2μmから約23μm、約2μmから約22μm、約2μmから約21μm、約2μmから約20μm、約2μmから約19μm、約2μmから約18μm、約2μmから約17μm、約2μmから約16μm、約2μmから約15μm、約2μmから約14μm、約2μmから約13μm、約2μmから約12μm、約2μmから約11μm、約2μmから約10μm、約2μmから約9μm、約2μmから約8μm、約2μmから約7μm、約2μmから約6μm、約2μmから約5μm、約2μmから約4μm、約2μmから約3μm、その上、例えば約3μmから約70μm、約4μmから約70μm、約5μmから約70μm、約6μmから約70μm、約7μmから約70μm、約8μmから約70μm、約9μmから約70μm、約10μmから約70μm、約11μmから約70μm、約12μmから約70μm、約13μmから約70μm、約14μmから約70μm、約15μmから約70μm、約16μmから約70μm、約17μmから約70μm、約18μmから約70μm、約19μmから約70μm、約20μmから約70μm、約21μmから約70μm、約22μmから約70μm、約23μmから約70μm、約24μmから約70μm、約25μmから約70μm、約26μmから約70μm、約27μmから約70μm、約28μmから約70μm、約29μmから約70μm、約30μmから約70μm、約31μmから約70μm、約32μmから約70μm、約33μmから約70μm、約34μmから約70μm、約35μmから約70μm、約36μmから約70μm、約37μmから約70μm、約38μmから約70μm、約39μmから約70μm、約40μmから約70μm、約41μmから約70μm、約42μmから約70μm、約43μmから約70μm、約44μmから約70μm、約45μmから約70μm、約46μmから約70μm、約47μmから約70μm、約48μmから約70μm、約49μmから約70μm、約50μmから約70μm、約51μmから約70μm、約52μmから約70μm、約53μmから約70μm、約54μmから約70μm、約55μmから約70μm、約56μmから約70μm、約57μmから約70μm、約58μmから約70μm、約59μmから約70μm、約60μmから約70μm、約61μmから約70μm、約62μmから約70μm、約63μmから約70μm、約64μmから約70μm、約65μmから約70μm、約66μmから約70μm、約67μmから約70μm、約68μmから約70μm、又は約69μmから約70μmの範囲の生細胞層の厚さを有する。
【0063】
分化上皮細胞は、前述の二次元単層組織培養系よりin vivoで見られる生理学的条件に大きく近づく。例えば、
図1は、染色された縦方向の切片が、分化上皮細胞の構造がin vivoの正常ヒト表皮の構造と類似していたことを実証する実施形態を示す。一実施形態において、表皮の特徴的分化パターン(基底層、有棘層、例えば多くのケラトヒアリン顆粒を含有する顆粒層、及び例えば10個超の緻密細胞層を形成する無核角質層)が、分化上皮細胞によって再生され得る。そのため、開示される三次元細胞培養は、in vitroの細胞の成熟、分化、及び分離を支持し、in vivoで見られる対応物に類似する成熟表皮の成分を形成する。
【0064】
馴化培地の採取及び処理
「馴化培地」又は「調整上清」という用語は、本明細書では、細胞外タンパク質と、先に培養中の細胞増殖を支持した、培養細胞から分泌された細胞内代謝物と、を含有する細胞培養培地を指す。「馴化細胞培地」、「馴化細胞培養培地」、「馴化培養培地」、又は「馴化細胞及び組織培養培地」とも呼ばれる。「馴化前」細胞培養培地には、所望の細胞型の増殖を支持する任意の組成が既知の培地又は組成が未知の培地を挙げることができる。「抽出」という用語は、馴化細胞培養培地を参照して使用される場合、透析、分別、蒸留、相分離、ゲル濾過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、中空糸濾過、沈殿、濃縮等によって得られようが、馴化培地の任意の副成分又は画分を指す。
【0065】
馴化培地は、細胞培養中の任意の時間で、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35日、例えば1~35日、2~34日、2~33日、2~32日、2~31日、2~30日、2~29日、2~28日、2~27日、2~26日、2~25日、2~24日、2~23日、2~22日、2~21日、2~20日、2~19日、2~18日、2~17日、2~16日、2~15日、2~14日、2~13日、2~12日、2~11日、2~10日、2~9日、2~8日、2~7日、3~16日、3~15日、3~14日、3~13日、3~12日、3~11日、3~10日、3~9日、3~8日、3~7日、4~16日、4~15日、4~14日、4~13日、4~12日、4~11日、4~10日、4~9日、4~8日、4~7日、5~16日、5~15日、5~14日、5~13日、5~12日、5~11日、5~10日、5~9日、5~8日、又は5~7日の細胞培養で採集することができる。好ましい実施形態において、三次元細胞培養によって調整された培地は、細胞が、部分的分化上皮細胞を形成した後に採集される。いくつかの好ましい実施形態において、馴化培地が採集されたとき、上皮細胞は少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%コンフルエントである。いくつかの好ましい実施形態において、三次元細胞培養によって調整された培地は、細胞が、完全分化上皮細胞を形成した後に採集される。いくつかの好ましい実施形態において、三次元細胞培養によって調整された培地は、細胞が少なくとも2つの細胞層を形成した後に採集される。いくつかの好ましい実施形態において、三次元細胞培養によって調整された培地は、細胞が再構築ヒト表皮を形成した後に採集される。いくつかの好ましい実施形態において、三次元細胞培養によって調整された培地は、細胞が、基底層、有棘層、顆粒層、及び角質層を形成した後に採集される。
【0066】
少なくとも一部の実施形態において、馴化培地を更に処理する必要があり得る。採集したら、3D分化上皮細胞から放出された馴化培地及び/又は細胞外小胞及び/又は分泌型生体分子を、濃縮、凍結、冷凍乾燥/凍結乾燥、又は他の添加剤(限定されないが、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、又は酵素を含む)で補完することができる。
【0067】
一部の実施形態において、馴化培地を更に処理して、産物の単離及び精製を行い、例えば不要なプロテアーゼを除去してもよい。最適な生物活性が維持されるような産物の単離及び精製に用いられる方法は、当業者であれば容易に理解するであろう。そのような方法としては、これらに限定されないが、馴化培地の(セファデックス等のマトリクスを使用した)ゲルクロマトグラフィー、イオン交換、架橋アガロース等の不溶性マトリクスを用いた金属キレート親和性クロマトグラフィー、HPLC精製及び疎水性相互作用クロマトグラフィーが挙げられる。そのような技術は、上記のCell & Tissue Culture: Laboratory Proceduresでより詳細に記載されている。
【0068】
当然ながら、馴化培地及び/又はそれに由来する産物の所望の用途に応じて、無菌状態を維持するために適当な措置をとらなければいけない。或いは、滅菌が必要な場合があり、所望の生物活性を保つように注意しながら、例えば、加熱及び/又は濾過滅菌等の当業者に公知の方法によって達成することができる。
【0069】
細胞外小胞
本明細書で開示される馴化培地は、培養細胞から分泌される細胞外小胞(EV)を含むことができる。「細胞外小胞」又は「EV」は、本明細書では、細胞から自然放出され、細胞とは異なって複製できない任意の脂質層で区切られた小胞を指す。細胞外小胞は、直径が、最小の物理的に可能な単層リポソームのサイズ近く(ほぼ20~30ナノメートル)から10ミクロン以上の大きさまでの範囲である。EVは、親細胞から有機分子のカーゴを輸送する。本明細書で言及される溶解EVは、溶解脂質層及びカーゴを含む。
【0070】
サイズ、生物発生経路、カーゴ、細胞源、及び機能によって様々に規定された多種多様のEVサブタイプが提案されてきて、異種の命名法がもたらされてきた。エクソソーム、エクトソーム、微小胞、微粒子、オンコソーム、アポトーシス小体、エキソマー等の名称を有する種々のEVサブタイプが提案されてきた。これらのEVサブタイプは、大部分が生物発生(細胞経路、細胞又は組織同一性、起源の状態)に基づく様々な、重複することが多い定義によって規定されてきた。しかしながら、EVサブタイプは、サイズ、構成分子、機能、又は分離法によっても規定され得る。
【0071】
好ましい実施形態において、細胞外小胞を馴化培地から分離することができ、したがってEV及びEVカーゴを更に分析及び/又は精製することができる。分画超遠心分離、密度勾配超遠心分離、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、限外濾過、キャピラリー電気泳動、非対称フィールドフローフラクショネーション、マイクロ流体法、ポリマー法、抗体被覆マイクロ流体チップ、及び親和性/免疫親和性捕捉法を含めた様々な分離法を用いることができる。一部の実施形態において、タンジェンシャルフロー濾過及びサイズ排除クロマトグラフィーが使用される。一部の実施形態において、馴化培地が採集され、TFFを使用して小型細胞外小胞が分離されて取り出される。次いで、TFF分離された小型細胞外小胞を濃縮し、SECを用いて精製することができる。次いで、SECで精製された小型細胞外小胞は、任意選択により、5℃で長期貯蔵するために凍結乾燥してもよい。小型細胞外小胞は、脱イオン水等の溶液中で復元することができる。一部の実施形態において、SECは、TFFの前に実施される。一部の実施形態は、濃縮工程を要しない。一部の実施形態において、馴化培地が採集され、TFFを使用して大型細胞外小胞が分離されて取り出される。次いで、TFFにより分離された大型細胞外小胞を濃縮することができる。次いで、大型細胞外小胞は、任意選択により、5℃で長期貯蔵するために凍結乾燥してもよい。大型細胞外小胞は、脱イオン水等の溶液中で復元することができる。一部の実施形態は、濃縮工程を要しない。そのため、「小型細胞外小胞」及び「大型細胞外小胞」という用語は、本明細書では、SEC及びTFFを使用して前述の小型EV及び大型EV中の細胞外小胞が分離されて取り出されたと考えられる画分を指す。一実施形態において、大型細胞外小胞は150nm超の直径を有し、小型細胞外小胞は150nm以下の直径を有し、これらは200nmフィルターを使用して互いに分離されるが、大型EV及び小型EVは必ずしも任意の特定の直径を有するとは限らず、いずれかの画分中に存在し得る。
【0072】
好ましい実施形態において、馴化培地中の検出される小型細胞外小胞の検出される大型細胞外小胞に対する比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約30.5:1以下、約30:1以下、約29.5:1以下、約29:1以下、約28.5:1以下、約28:1以下、約27.5:1以下、約27:1以下、約26.5:1以下、約26:1以下、約25.5:1以下、約25:1以下、約24.5:1以下、約24:1以下、約23.5:1以下、約23:1以下、約22.5:1以下、約22:1以下、約21.5:1以下、約21:1以下、約20.5:1以下、約20:1以下、約19.5:1以下、約19:1以下、約18.5:1以下、約18:1以下、約17.5:1以下、約17:1以下、約16.5:1以下、約16:1以下、約15.5:1以下、約15:1以下、約14.5:1以下、約14:1以下、約13.5:1以下、約13:1以下、約12.5:1以下、約12:1以下、約11.5:1以下、約11:1以下、約10.5:1以下、約10:1以下、約9.5:1以下、約9:1以下、約8.5:1以下、約8:1以下、約7.5:1以下、約7:1以下、約6.5:1以下、約6:1以下、約5.5:1以下、約5:1以下、約4.5:1以下、約4:1以下、約3.5:1以下、約3:1以下、約2.5:1以下、約2:1以下、約1.5:1以下、約1:1以下である。
【0073】
更に好ましい実施形態において、馴化培地中の検出される小型細胞外小胞の検出される大型細胞外小胞に対する比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約1:1~約30.5:1、約1:1~約30:1、約1:1~約29.5:1、約1:1~約29:1、約1:1~約28.5:1、約1:1~約28:1、約1:1~約27.5:1、約1:1~約27:1、約1:1~約26.5:1、約1:1~約26:1、約1:1~約25.5::1、約1:1~約25:1、約1:1~約24.5:1、約1:1~約24:1、約1:1~約23.5:1、約1:1~約23:1、約1:1~約22.5:1、約1:1~約22:1、約1:1~約21.5:1、約1:1~約21:1、約1:1~約20:1、約1:1~約19:1、約1:1~約18:1、約1:1~約17:1、約1:1~約16:1、約1:1~約15:1、約1:1~約14:1、約1:1~約13:1、約1:1~約12:1、約1:1~約11:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、約2:1~約20:1、約2:1~約19:1、約2:1~約18:1、約2:1~約17:1、約2:1~約16:1、約2:1~約15:1、約2:1~約14:1、約2:1~約13:1、約2:1~約12:1、約2:1~約11:1、約2:1~約10:1、約2:1~約9:1、約2:1~約8:1、約2:1~約7:1、約2:1~約6:1、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、約2:1~約3:1、約3:1~約20:1、約3:1~約19:1、約3:1~約18:1、約3:1~約17:1、約3:1~約16:1、約3:1~約15:1、約3:1~約14:1、約3:1~約13:1、約3:1~約12:1、約3:1~約11:1、約3:1~約10:1、約3:1~約9:1、約3:1~約8:1、約3:1~約7:1、約3:1~約6:1、約3:1~約5:1、約3:1~約4:1の範囲である。限定されないがナノ粒子飛跡分析(NTA)及びELISAを含めた任意の手段を用いて、分離された細胞外小胞を検出することができる。
【0074】
分泌型生体分子
本明細書で開示される馴化培地は、成長因子、代謝産物、及び更にはオルガネラを含めた、炭水化物、ペプチド/タンパク質、核酸、脂質、又はこれらの組合せ等の様々な分泌及び排泄された有機分子/生体分子を含むことができる。「有機分子」という用語は、「有機物」又は「有機材料」とも呼ばれ、本明細書では、他の元素及び/又は他の炭素原子と結合する炭素原子を含む任意の分子を指す。「生体分子」又は「生物学的体分子」という用語は、細胞及び生体によって産生される多数の物質のいずれかを指す。有機分子及び生体分子は、成長因子、代謝産物、及び更にはオルガネラを含めた、炭水化物、ペプチド/タンパク質、核酸、脂質、又はこれらの組合せを含み得る。「バイオマーカー」は、本明細書では、いくつかの現象を示す存在となる生体分子を指す。
【0075】
「培養物由来」という用語は、本明細書では、細胞の培養及び細胞への栄養供給のために使用される出発細胞培養培地中に存在しないが培養細胞によって産生されて培地に入る馴化細胞培養培地の成分、例えば開示される生体分子を指す。また、培養物由来は、馴化前培地中に最初に存在するが培養過程の間にその濃度が増加する化合物であることも該用語の意味の範囲内である。
【0076】
開示されるケラチノサイト細胞及び再構築ヒト表皮は、有機分子/生体分子を含み得る、エクソソーム等の細胞外小胞を分泌する。
【0077】
馴化培地を、分泌型生体分子の存在について試験してもよい、又は今後の試験に向けて約-20℃から-80℃の温度範囲で凍結してもよい。また、その生体分子カーゴを評価する前に、本明細書で開示する通りに細胞外小胞を単離することもできる。
【0078】
「成長因子」という用語は、一般に、細胞によって産生され、細胞自体及び/又は様々な他の隣接若しくは遠隔の細胞に影響し得る、任意のタンパク質、ポリペプチド、又はポリペプチドの複合体(サイトカインを含む)を指す。
【0079】
好ましい実施形態において、馴化培地は、テトラスパニンタンパク質CD9(CD9)、テトラスパニンタンパク質CD63(CD63)、及び/又はテトラスパニンタンパク質CD81(CD81)等の少なくとも1種のテトラスパニンを更に含む。「テトラスパニン」は、膜貫通4スーパーファミリー(TM4SF)タンパク質とも呼ばれ、4つの膜貫通アルファヘリックス及び2つの細胞外領域[1つの短鎖(小型細胞外領域又はループ、SED/SEL又はEC1と呼ぶ)及び1つのより長い、典型的には100個のアミノ酸残基(大型細胞外領域/ループ、LED/LEL又はEC2)]を有する。
【0080】
「セクレトーム」という用語は、本明細書では、生体によって発現され、細胞外空間内に分泌される一連のタンパク質を指す。一部のプロテオームは、例えば、サイトカイン、成長因子、細胞外基質タンパク質及び調整剤、並びにシェッド受容体(shed receptors)を含み得る。
【0081】
当業者は、適当なアッセイを実施することによって特定の生体分子が分泌されたかを決定することができるであろう。例示的なアッセイとしては、適当なマーカー、規格、及び/又は市販のキットを必要に応じて使用する、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ウエスタンブロット法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、HPLC等が挙げられる。適当な市販のヒト成長因子ELISAキット(Quantikine(登録商標)Immunoassays、R & D Systems(ミネソタ州ミネアポリス))を使用した免疫測定を実施して、馴化培地の一調合物中の様々な成長因子、テトラスパニン及び他のタンパク質の濃度を定量化することができる。馴化前培地を、陰性(バックグラウンド)対照として並行して検査してもよい。
【0082】
いくつかの好ましい実施形態において、馴化培地組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、少なくとも約1:1、又は少なくとも約1.1:1:、又は少なくとも約1.2:1、又は少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2:1の範囲である。
【0083】
更に好ましい実施形態において、馴化培地組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、約0.2:1~約2.8:1、例えば約0.2:1~約2.7:1、例えば約0.3:1~約2.6:1、例えば約0.3:1~約2.5:1、例えば約0.4:1~約2.4:1、例えば約0.4:1~約2.3:1、例えば約0.5:1~約2.2:1、例えば約0.6:1~約2.1:1、例えば約0.6:1~約2.0:1、例えば約0.6:1~約1.9:1、例えば約0.7:1~約1.8:1、例えば約0.7:1~約1.7:1、例えば約0.8:1~約1.6:1、例えば約0.8:1~約1.5:1、約0.9:1~約1.4:1、約0.9:1~約1.3:1の範囲である。
【0084】
化粧及び医薬組成物
好ましい実施形態において、馴化細胞培地及び/又はその分泌物を、医薬の調製及び化粧用途において使用することができる。
【0085】
特定の用途において、例えば、組成物は、皮膚の基底構造に影響し得、皺の深さを低減し得、及び/又は光酸化の効果若しくは皮膚の老化を低減若しくは改善し得る。
【0086】
組成物は、様々な実施形態において、スキンケア製品、ヘアケア製品、及びサンケア製品として特に有用であり得る。
【0087】
本明細書で開示される組成物はまた、薬効又は薬物のような利益をもたらす「医薬組成物」でもあり得る。
【0088】
特定の実施形態において、組成物は、リポソーム、シクロデキストリン、ポリマー系、又はヒアルロン酸若しくは関連の化合物のうちの少なくとも1つを含む送達システムを含む。組成物は、美容的に許容される担体を含む。当業者は、局所適用に適した薬学的に許容される担体又は製剤が、典型的には美容的に許容される担体又は製剤にもなることを理解するであろう。
【0089】
局所的化粧若しくは医薬用軟膏、ローション、又はゲル組成物は、典型的には、薬用クリーム基剤、水中油型エマルション、油中水型エマルション、ゲル等の美容的に許容される担体(医薬的に許容される担体であってもよい)中で約1~99%、約5~95%、約20~75%、又は約5~20%の濃度の、馴化培地又はその抽出物を含む有効成分を含有する。局所使用のための様々な組成物としては、馴化培地又は抽出物及び適当な担体を含有する点滴薬、チンキ剤、ローション、クリーム、サルヴェ、セラム、溶液、及び軟膏が挙げられる。
【0090】
特定の実施形態において、開示される組成物は、ローション、クリーム、ゲル(ヒドロゲルを含む)、粉末、セラム、サルヴェ、ファンデーション、フェイシャルマスク、口唇ケア製品、日焼け止め剤、ヘアケア製品、皮膚洗浄剤、角質除去剤、コンパクト製剤等の形態である。各組成物中の馴化培地又は抽出物の最適なパーセンテージは、組成物の配合及び所望の治療効果に応じて変動する。
【0091】
当業者は、本発明の組成物の適当な担体が、典型的には、化粧品分野において典型的に見られるもの:油、ワックス若しくは他の標準脂肪物質、又は従来のゲル化剤及び/若しくは増粘剤;乳化剤;保湿剤;皮膚軟化剤;日焼け止め剤;親水性若しくは親油性活性剤、例えばセラミド;遊離基抑制剤;殺菌剤;金属イオン封鎖剤;防腐剤;塩基性化若しくは酸性化剤;香料;界面活性剤;充填剤;天然物若しくは天然物の抽出物、例えばアロエ若しくは緑茶抽出物;ビタミン;又は着色材料等の成分を含有するであろうことを理解するであろう。これらの様々な成分の量は、組成物の使用及び所望の美容又は医薬効果に応じて変動する。
【0092】
美容的に許容される成分及び製剤の考察は、とりわけ、FDA Cosmetics Handbook、U.S. Food and Drug Administration;Handbook of Cosmetic and Personal Care Additives、Ash and Ash編集、1994、Chemical Publishing、New York, N.Y.;Bennett's Cosmetic Formulary、1993、Chemical Publishing Co.;Harry's Cosmeticology、第7版、Wilkinson & Moore1982及び第8版、Rieger、2000、Chemical Publishing;Cosmetic Bench Reference-2001、Allerud Publishing Corp.;CTFA Compendium of Cosmetic Ingredient Composition、Nikitakis and McEwen編集、1990、Cosmetic、Toiletry、及びFragrance Association、Washington, D.C.、Surfactant Encyclopedia、第2改訂版、Rieger、1996、Allured Publishing;The Chemistry and Manufacture of Cosmetics、第2版、De Navarre、Van Nostrand、Princeton, N.J.;Encyclopedia of Common Natural Ingredients Used in Food, Drugs, and Cosmetics、Leung、1996、John Wiley;A Consumer's Dictionary of Cosmetic Ingredients、第5版、Winter、1999、Three Rivers Press、New York, N.Y.;Cosmeceuticals: Active Skin Treatment、1998、Allured Publishing;Handbook of Cosmetic Science and Technology、Knowlton and Pearce、1993、Elsevier Advanced Technology、Oxford, UK;Personal-Care Formulas、1997、Allured Publishing;Beginning Cosmetic Chemistry、Scheuller and Romanowski、1999、Allured Publishing;並びにSkin Permeation: Fundamentals and Application、Zatz、1993、Allured Publishingで確認することができる。薬学的に許容される成分及び製剤の考察は、とりわけ、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Gennaro編集、1990、Mack Publishingで確認することができる。
【0093】
「美容処置」(及びその文法的変化形)は、外見を改善又は回復するために処置することを意味する。
【0094】
「医薬的処置」(及びその文法的変化形)は、本明細書では、良好な健康状態のための少なくとも1つのバイオマーカーを改善することを指す。
【0095】
「局所適用」という用語(及びその文法的変化形)は、本明細書では、本開示の組成物を、皮膚等のケラチン基体上に適用することを指す。
【0096】
本明細書において、開示される組成物を表皮細胞又は皮膚に適用する工程を含む処置方法を開示する。開示される組成物を表皮に適用する工程を含む、表皮細胞を成長させる方法も開示する。一部の実施形態において、開示される組成物を皮膚又は表皮細胞に適用する工程を含む、線維芽細胞成長を促進させる方法も開示する。一部の実施形態において、本開示による組成物を皮膚に適用する工程を含む、ケラチノサイト成長因子の分泌又は放出を増加させる方法も開示する。一部の実施形態において、本開示による組成物を皮膚に適用する工程を含む、ケラチノサイト成長因子の分泌又は放出を誘導する方法も開示する。
【0097】
例示的な実施形態
以下の開示される主題の例示的且つ非限定的な好ましい実施形態を企図する。
【0098】
第1の実施形態(1)によれば、開示される組成物は、細胞外小胞及び許容される化粧担体を含んでもよく、ここで、細胞外小胞は、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養された分化上皮細胞、先代ケラチノサイト、又はこれらの組合せから採集された馴化培地に由来する。
【0099】
第2の実施形態(2)によれば、実施形態1又は80の実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%コンフルエントである。
【0100】
第3の実施形態(3)によれば、実施形態1、2又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の生細胞層を含んでもよい。
【0101】
第4の実施形態(4)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して、1~2個の細胞層、例えば2個の生細胞層を含んでもよい。
【0102】
第5の実施形態(5)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して3~5個の細胞層、例えば3~4個の生細胞層を含んでもよい。
【0103】
第6の実施形態(6)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して5~8個の細胞層、例えば6~7個の生細胞層を含んでもよい。
【0104】
第7の実施形態(7)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して1~8個の生細胞層を含んでもよい。
【0105】
第8の実施形態(8)によれば、実施形態1~3、6~7又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、基底層、有棘層、顆粒層、及び/又は角質層を含む細胞層を形成することができる。
【0106】
第9の実施形態(9)によれば、実施形態1~8又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約11μm、少なくとも約12μm、少なくとも約13μm、少なくとも約14μm、少なくとも約15μm、少なくとも約16μm、少なくとも約17μm、少なくとも約18μm、少なくとも約19μm、少なくとも約20μm、少なくとも約21μm、少なくとも約22μm、少なくとも約23μm、少なくとも約24μm、少なくとも約25μm、少なくとも約26μm、少なくとも約27μm、少なくとも約28μm、少なくとも約29μm、少なくとも約30μm、少なくとも約31μm、少なくとも約32μm、少なくとも約33μm、少なくとも約34μm、少なくとも約35μm、少なくとも約36μm、少なくとも約37μm、少なくとも約38μm、少なくとも約39μm、少なくとも約40μm、少なくとも約41μm、少なくとも約42μm、少なくとも約43μm、少なくとも約44μm、少なくとも約45μm、少なくとも約46μm、少なくとも約47μm、少なくとも約48μm、少なくとも約49μm、少なくとも約50μm、少なくとも約51μm、少なくとも約52μm、少なくとも約53μm、少なくとも約54μm、少なくとも約55μm、少なくとも約56μm、少なくとも約57μm、少なくとも約58μm、少なくとも約59μm、少なくとも約60μm、少なくとも約61μm、少なくとも約62μm、少なくとも約63μm、少なくとも約64μm、少なくとも約65μm、少なくとも約66μm、少なくとも約67μm、少なくとも約68μm、少なくとも約69μm、少なくとも約70μm、少なくとも約71μm、少なくとも約72μm、少なくとも約73μm、少なくとも約74μm、少なくとも約75μm、少なくとも約76μm、少なくとも約77μm、少なくとも約78μm、少なくとも約79μm、少なくとも約80μm、少なくとも約81μm、少なくとも約82μm、少なくとも約83μm、少なくとも約84μm、少なくとも約85μm、少なくとも約86μm、少なくとも約87μm、少なくとも約88μm、少なくとも約89μm、少なくとも約90μm、少なくとも約91μm、少なくとも約92μm、少なくとも約93μm、少なくとも約94μm、少なくとも約95μm、少なくとも約96μm、少なくとも約97μm、少なくとも約98μm、少なくとも約99μm、少なくとも約100μm、少なくとも約101μm、少なくとも約102μm、少なくとも約103μm、少なくとも約104μm、少なくとも約105μm、少なくとも約106μm、少なくとも約107μm、少なくとも約108μm、少なくとも約109μm、少なくとも約110μm、少なくとも約111μm、少なくとも約112μm、少なくとも約113μm、少なくとも約114μm、少なくとも約115μm、少なくとも約116μm、少なくとも約117μm、少なくとも約118μm、少なくとも約119μm、又は少なくとも約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0107】
第10の実施形態(10)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約2μm~約141μm、約2μm~約140μm、約2μm~約139μm、約2μm~約138μm、約2μm~約137μm、約2μm~約136μm、約2μm~約135μm、約2μm~約134μm、約2μm~約133μm、約2μm~約132μm、約2μm~約131μm、約2μm~約130μm、約2μm~約129μm、約2μm~約128μm、約2μm~約127μm、約2μm~約126μm、約2μm~約125μm、約2μm~約124μm、約2μm~約123μm、約2μm~約122μm、約2μm~約121μm、又は約2μm~約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0108】
第11の実施形態(11)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約70μm~約141μm、約70μm~約140μm、約70μm~約139μm、約70μm~約138μm、約70μm~約137μm、約70μm~約136μm、約70μm~約135μm、約70μm~約134μm、約70μm~約133μm、約70μm~約132μm、約70μm~約131μm、約70μm~約130μm、約70μm~約129μm、約70μm~約128μm、約70μm~約127μm、約70μm~約126μm、約70μm~約125μm、約70μm~約124μm、約70μm~約123μm、約70μm~約122μm、約70μm~約121μm、又は約70μm~約120μm、例えば約71μm~約120μm、約72μm~約120μm、約73μm~約120μm、約74μm~約120μm、約75μm~約120μm、約76μm~約120μm、約77μm~約120μm、約78μm~約120μm、約79μm~約120μm、約80μm~約120μm、約81μm~約120μm、約82μm~約120μm、約83μm~約120μm、約84μm~約120μm、約85μm~約120μm、約86μm~約120μm、約87μm~約120μm、約88μm~約120μm、約89μm~約120μm、約90μm~約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0109】
第12の実施形態(12)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約2μm~約70μm、約2μm~約69μm、約2μm~約68μm、約2μm~約67μm、約2μm~約66μm、約2μm~約65μm、約2μm~約64μm、約2μm~約63μm、約2μm~約62μm、約2μm~約61μm、約2μm~約60μm、約2μm~約59μm、約2μm~約58μm、約2μm~約57μm、約2μm~約56μm、約2μm~約55μm、約2μm~約54μm、約2μm~約53μm、約2μm~約52μm、約2μm~約51μm、約2μm~約50μm、約2μm~約49μm、約2μm~約48μm、約2μm~約47μm、約2μm~約46μm、約2μm~約45μm、約2μm~約44μm、約2μm~約43μm、約2μm~約42μm、約2μm~約41μm、約2μm~約40μm、約2μm~約39μm、約2μm~約38μm、約2μm~約37μm、約2μm~約36μm、約2μm~約35μm、約2μm~約34μm、約2μm~約33μm、約2μm~約32μm、約2μm~約31μm、約2μm~約30μm、約2μm~約29μm、約2μm~約28μm、約2μm~約27μm、約2μm~約26μm、約2μm~約25μm、約2μm~約24μm、約2μm~約23μm、約2μm~約22μm、約2μm~約21μm、約2μm~約20μm、約2μm~約19μm、約2μm~約18μm、約2μm~約17μm、約2μm~約16μm、約2μm~約15μm、約2μm~約14μm、約2μm~約13μm、約2μm~約12μm、約2μm~約11μm、約2μm~約10μm、約2μm~約9μm、約2μm~約8μm、約2μm~約7μm、約2μm~約6μm、約2μm~約5μm、約2μm~約4μm、約2μm~約3μmの生細胞層の厚さを有する。
【0110】
第13の実施形態(13)によれば、実施形態1~3又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約3μm~約70μm、約4μm~約70μm、約5μm~約70μm、約6μm~約70μm、約7μm~約70μm、約8μm~約70μm、約9μm~約70μm、約10μm~約70μm、約11μm~約70μm、約12μm~約70μm、約13μm~約70μm、約14μm~約70μm、約15μm~約70μm、約16μm~約70μm、約17μm~約70μm、約18μm~約70μm、約19μm~約70μm、約20μm~約70μm、約21μm~約70μm、約22μm~約70μm、約23μm~約70μm、約24μm~約70μm、約25μm~約70μm、約26μm~約70μm、約27μm~約70μm、約28μm~約70μm、約29μm~約70μm、約30μm~約70μm、約31μm~約70μm、約32μm~約70μm、約33μm~約70μm、約34μm~約70μm、約35μm~約70μm、約36μm~約70μm、約37μm~約70μm、約38μm~約70μm、約39μm~約70μm、約40μm~約70μm、約41μm~約70μm、約42μm~約70μm、約43μm~約70μm、約44μm~約70μm、約45μm~約70μm、約46μm~約70μm、約47μm~約70μm、約48μm~約70μm、約49μm~約70μm、約50μm~約70μm、約51μm~約70μm、約52μm~約70μm、約53μm~約70μm、約54μm~約70μm、約55μm~約70μm、約56μm~約70μm、約57μm~約70μm、約58μm~約70μm、約59μm~約70μm、約60μm~約70μm、約61μm~約70μm、約62μm~約70μm、約63μm~約70μm、約64μm~約70μm、約65μm~約70μm、約66μm~約70μm、約67μm~約70μm、約68μm~約70μm、又は約69μm~約70μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0111】
第14の実施形態(14)によれば、実施形態1~13又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、先代哺乳類ケラチノサイトを経て分化したものである。
【0112】
第15の実施形態(15)によれば、実施形態1~14又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、先代ヒトケラチノサイトを経て分化したものである。
【0113】
第16の実施形態(16)によれば、実施形態1~15又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35日間、例えば1~35日間、2~34日間、2~33日間、2~32日間、2~31日間、2~30日間、2~29日間、2~28日間、2~27日間、2~26日間、2~25日間、2~24日間、2~23日間、2~22日間、2~21日間、2~20日間、2~19日間、2~18日間、2~17日間、2~16日間、2~15日間、2~14日間、2~13日間、2~12日間、2~11日間、2~10日間、2~9日間、2~8日間、2~7日間、3~16日間、3~15日間、3~14日間、3~13日間、3~12日間、3~11日間、3~10日間、3~9日間、3~8日間、3~7日間、4~16日間、4~15日間、4~14日間、4~13日間、4~12日間、4~11日間、4~10日間、4~9日間、4~8日間、4~7日間、5~16日間、5~15日間、5~14日間、5~13日間、5~12日間、5~11日間、5~10日間、5~9日間、5~8日間、又は5~7日間、培養してもよい。
【0114】
第17の実施形態(17)によれば、実施形態1~16又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、多孔質基質上で培養してもよい。
【0115】
第18の実施形態(18)によれば、実施形態1~17又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも3時間インキュベートしてもよい。
【0116】
第19の実施形態(19)によれば、実施形態1~18又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約36℃から約38℃の温度範囲でインキュベートしてもよい。
【0117】
第20の実施形態(20)によれば、実施形態1~19又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約4%~6%のCO2でインキュベートしてもよい。
【0118】
第21の実施形態(21)によれば、実施形態1~20又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約40%~約100%の湿度、好ましくは約50%~約99%、好ましくは約60%~約99%、好ましくは約70%~約99%、好ましくは約80%~約99%、好ましくは約85%~約99%、約90%~約98%、約92%~約97%、又は約94%~約96%の湿度でインキュベートしてもよい。
【0119】
第22の実施形態(22)によれば、実施形態1~21又は80のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞を許容される担体と合わせて組成物を形成する前に、細胞外小胞を含む馴化培地を濃縮し、濾過し、及び/又は精製してもよい。
【0120】
第23の実施形態(23)によれば、実施形態1~22又は80のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞を許容される担体と合わせて組成物を形成する前に、細胞外小胞を馴化培地から単離してもよい。
【0121】
第24の実施形態(24)によれば、実施形態1~23又は80のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞は、許容される担体と合わせる前に溶解してもよい。
【0122】
第25の実施形態(25)によれば、実施形態1~24又は80のいずれか1つの一実施形態において、栄養培地は、化学的組成が既知の培地であってもよい。
【0123】
第26の実施形態(26)によれば、実施形態1~25又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、バッチ培養で培養してもよい。
【0124】
第27の実施形態(27)によれば、実施形態1~26又は80のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞は、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含んでもよく、小型細胞外小胞の大型細胞外小胞に対する比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約30.5:1以下、約30:1以下、約29.5:1以下、約29:1以下、約28.5:1以下、約28:1以下、約27.5:1以下、約27:1以下、約26.5:1以下、約26:1以下、約25.5:1以下、約25:1以下、約24.5:1以下、約24:1以下、約23.5:1以下、約23:1以下、約22.5:1以下、約22:1以下、約21.5:1以下、約21:1以下、約20.5:1以下、約20:1以下、約19.5:1以下、約19:1以下、約18.5:1以下、約18:1以下、約17.5:1以下、約17:1以下、約16.5:1以下、約16:1以下、約15.5:1以下、約15:1以下、約14.5:1以下、約14:1以下、約13.5:1以下、約13:1以下、約12.5:1以下、約12:1以下、約11.5:1以下、約11:1以下、約10.5:1以下、約10:1以下、約9.5:1以下、約9:1以下、約8.5:1以下、約8:1以下、約7.5:1以下、約7:1以下、約6.5:1以下、約6:1以下、約5.5:1以下、約5:1以下、約4.5:1以下、約4:1以下、約3.5:1以下、約3:1以下、約2.5:1以下、約2:1以下、約1.5:1以下、約1:1以下である。
【0125】
第28の実施形態(28)によれば、実施形態1~27又は80のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞は、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含んでもよく、小型細胞外小胞の大型細胞外小胞に対する平均比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約1:1~約30.5:1、約1:1~約30:1、約1:1~約29.5:1、約1:1~約29:1、約1:1~約28.5:1、約1:1~約28:1、約1:1~約27.5:1、約1:1~約27:1、約1:1~約26.5:1、約1:1~約26:1、約1:1~約25.5::1、約1:1~約25:1、約1:1~約24.5:1、約1:1~約24:1、約1:1~約23.5:1、約1:1~約23:1、約1:1~約22.5:1、約1:1~約22:1、約1:1~約21.5:1、約1:1~約21:1、約1:1~約20:1、約1:1~約19:1、約1:1~約18:1、約1:1~約17:1、約1:1~約16:1、約1:1~約15:1、約1:1~約14:1、約1:1~約13:1、約1:1~約12:1、約1:1~約11:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、約2:1~約20:1、約2:1~約19:1、約2:1~約18:1、約2:1~約17:1、約2:1~約16:1、約2:1~約15:1、約2:1~約14:1、約2:1~約13:1、約2:1~約12:1、約2:1~約11:1、約2:1~約10:1、約2:1~約9:1、約2:1~約8:1、約2:1~約7:1、約2:1~約6:1、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、約2:1~約3:1、約3:1~約20:1、約3:1~約19:1、約3:1~約18:1、約3:1~約17:1、約3:1~約16:1、約3:1~約15:1、約3:1~約14:1、約3:1~約13:1、約3:1~約12:1、約3:1~約11:1、約3:1~約10:1、約3:1~約9:1、約3:1~約8:1、約3:1~約7:1、約3:1~約6:1、約3:1~約5:1、約3:1~約4:1の範囲である。
【0126】
第29の実施形態(29)によれば、実施形態1~28又は80のいずれか1つの実施形態において、組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含んでもよく、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、少なくとも約1:1、又は少なくとも約1.1:1:、又は少なくとも約1.2:1、又は少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2:1である。
【0127】
第30の実施形態(30)によれば、実施形態1~29又は80のいずれか1つの実施形態において、組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含んでもよく、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、約0.2:1~約2.8:1、約0.2:1~約2.7:1、約0.3:1~約2.6:1、約0.3:1~約2.5:1、約0.4:1~約2.4:1、約0.4:1~約2.3:1、約0.5:1~約2.2:1、約0.6:1~約2.1:1、約0.6:1~約2.0:1、約0.6:1~約1.9:1、約0.7:1~約1.8:1、約0.7:1~約1.7:1、約0.8:1~約1.6:1、約0.8:1~約1.5:1、約0.9:1~約1.4:1、又は約0.9:1~約1.3:1の範囲である。
【0128】
第31の実施形態(31)によれば、実施形態1から30又は80のいずれか1つの一実施形態において、組成物は、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、又は酵素を更に含んでもよい。
【0129】
第32の実施形態(32)は、細胞外小胞と許容される美容担体とを合わせて組成物を形成する工程を含む、組成物を作製するために開示された方法を含み、ここで、細胞外小胞は、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養された分化上皮細胞、先代ケラチノサイト、又はこれらの組合せから採集された馴化培地に由来する。
【0130】
第33の実施形態(33)によれば、実施形態32の実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%コンフルエントであってもよい。
【0131】
第34の実施形態(34)によれば、実施形態32又は33の実施形態において、分化上皮細胞は、平均して、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の生細胞層を含んでもよい。
【0132】
第35の実施形態(35)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して1~2個の細胞層、例えば2個の生細胞層を含んでもよい。
【0133】
第36の実施形態(36)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して3~5個の細胞層、例えば3~4個の生細胞層を含んでもよい。
【0134】
第37の実施形態(37)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して5~8個の細胞層、例えば6~7個の生細胞層を含んでもよい。
【0135】
第38の実施形態(38)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、平均して1~8個の生細胞層を含んでもよい。
【0136】
第39の実施形態(39)によれば、実施形態32~34又は37~38のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、基底層、有棘層、顆粒層、及び/又は角質層を含む細胞層を形成することができる。
【0137】
第40の実施形態(40)によれば、実施形態32~38のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも約2μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約11μm、少なくとも約12μm、少なくとも約13μm、少なくとも約14μm、少なくとも約15μm、少なくとも約16μm、少なくとも約17μm、少なくとも約18μm、少なくとも約19μm、少なくとも約20μm、少なくとも約21μm、少なくとも約22μm、少なくとも約23μm、少なくとも約24μm、少なくとも約25μm、少なくとも約26μm、少なくとも約27μm、少なくとも約28μm、少なくとも約29μm、少なくとも約30μm、少なくとも約31μm、少なくとも約32μm、少なくとも約33μm、少なくとも約34μm、少なくとも約35μm、少なくとも約36μm、少なくとも約37μm、少なくとも約38μm、少なくとも約39μm、少なくとも約40μm、少なくとも約41μm、少なくとも約42μm、少なくとも約43μm、少なくとも約44μm、少なくとも約45μm、少なくとも約46μm、少なくとも約47μm、少なくとも約48μm、少なくとも約49μm、少なくとも約50μm、少なくとも約51μm、少なくとも約52μm、少なくとも約53μm、少なくとも約54μm、少なくとも約55μm、少なくとも約56μm、少なくとも約57μm、少なくとも約58μm、少なくとも約59μm、少なくとも約60μm、少なくとも約61μm、少なくとも約62μm、少なくとも約63μm、少なくとも約64μm、少なくとも約65μm、少なくとも約66μm、少なくとも約67μm、少なくとも約68μm、少なくとも約69μm、少なくとも約70μm、少なくとも約71μm、少なくとも約72μm、少なくとも約73μm、少なくとも約74μm、少なくとも約75μm、少なくとも約76μm、少なくとも約77μm、少なくとも約78μm、少なくとも約79μm、少なくとも約80μm、少なくとも約81μm、少なくとも約82μm、少なくとも約83μm、少なくとも約84μm、少なくとも約85μm、少なくとも約86μm、少なくとも約87μm、少なくとも約88μm、少なくとも約89μm、少なくとも約90μm、少なくとも約91μm、少なくとも約92μm、少なくとも約93μm、少なくとも約94μm、少なくとも約95μm、少なくとも約96μm、少なくとも約97μm、少なくとも約98μm、少なくとも約99μm、少なくとも約100μm、少なくとも約101μm、少なくとも約102μm、少なくとも約103μm、少なくとも約104μm、少なくとも約105μm、少なくとも約106μm、少なくとも約107μm、少なくとも約108μm、少なくとも約109μm、少なくとも約110μm、少なくとも約111μm、少なくとも約112μm、少なくとも約113μm、少なくとも約114μm、少なくとも約115μm、少なくとも約116μm、少なくとも約117μm、少なくとも約118μm、少なくとも約119μm、又は少なくとも約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0138】
第41の実施形態(41)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約2μm~約141μm、約2μm~約140μm、約2μm~約139μm、約2μm~約138μm、約2μm~約137μm、約2μm~約136μm、約2μm~約135μm、約2μm~約134μm、約2μm~約133μm、約2μm~約132μm、約2μm~約131μm、約2μm~約130μm、約2μm~約129μm、約2μm~約128μm、約2μm~約127μm、約2μm~約126μm、約2μm~約125μm、約2μm~約124μm、約2μm~約123μm、約2μm~約122μm、約2μm~約121μm、又は約2μm~約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0139】
第42の実施形態(42)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約70μm~約141μm、約70μm~約140μm、約70μm~約139μm、約70μm~約138μm、約70μm~約137μm、約70μm~約136μm、約70μm~約135μm、約70μm~約134μm、約70μm~約133μm、約70μm~約132μm、約70μm~約131μm、約70μm~約130μm、約70μm~約129μm、約70μm~約128μm、約70μm~約127μm、約70μm~約126μm、約70μm~約125μm、約70μm~約124μm、約70μm~約123μm、約70μm~約122μm、約70μm~約121μm、又は約70μm~約120μm、例えば約71μm~約120μm、約72μm~約120μm、約73μm~約120μm、約74μm~約120μm、約75μm~約120μm、約76μm~約120μm、約77μm~約120μm、約78μm~約120μm、約79μm~約120μm、約80μm~約120μm、約81μm~約120μm、約82μm~約120μm、約83μm~約120μm、約84μm~約120μm、約85μm~約120μm、約86μm~約120μm、約87μm~約120μm、約88μm~約120μm、約89μm~約120μm、又は約90μm~約120μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0140】
第43の実施形態(43)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約2μm~約70μm、約2μm~約69μm、約2μm~約68μm、約2μm~約67μm、約2μm~約66μm、約2μm~約65μm、約2μm~約64μm、約2μm~約63μm、約2μm~約62μm、約2μm~約61μm、約2μm~約60μm、約2μm~約59μm、約2μm~約58μm、約2μm~約57μm、約2μm~約56μm、約2μm~約55μm、約2μm~約54μm、約2μm~約53μm、約2μm~約52μm、約2μm~約51μm、約2μm~約50μm、約2μm~約49μm、約2μm~約48μm、約2μm~約47μm、約2μm~約46μm、約2μm~約45μm、約2μm~約44μm、約2μm~約43μm、約2μm~約42μm、約2μm~約41μm、約2μm~約40μm、約2μm~約39μm、約2μm~約38μm、約2μm~約37μm、約2μm~約36μm、約2μm~約35μm、約2μm~約34μm、約2μm~約33μm、約2μm~約32μm、約2μm~約31μm、約2μm~約30μm、約2μm~約29μm、約2μm~約28μm、約2μm~約27μm、約2μm~約26μm、約2μm~約25μm、約2μm~約24μm、約2μm~約23μm、約2μm~約22μm、約2μm~約21μm、約2μm~約20μm、約2μm~約19μm、約2μm~約18μm、約2μm~約17μm、約2μm~約16μm、約2μm~約15μm、約2μm~約14μm、約2μm~約13μm、約2μm~約12μm、約2μm~約11μm、約2μm~約10μm、約2μm~約9μm、約2μm~約8μm、約2μm~約7μm、約2μm~約6μm、約2μm~約5μm、約2μm~約4μm、又は約2μm~約3μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0141】
第44の実施形態(44)によれば、実施形態32~34のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約3μm~約70μm、約4μm~約70μm、約5μm~約70μm、約6μm~約70μm、約7μm~約70μm、約8μm~約70μm、約9μm~約70μm、約10μm~約70μm、約11μm~約70μm、約12μm~約70μm、約13μm~約70μm、約14μm~約70μm、約15μm~約70μm、約16μm~約70μm、約17μm~約70μm、約18μm~約70μm、約19μm~約70μm、約20μm~約70μm、約21μm~約70μm、約22μm~約70μm、約23μm~約70μm、約24μm~約70μm、約25μm~約70μm、約26μm~約70μm、約27μm~約70μm、約28μm~約70μm、約29μm~約70μm、約30μm~約70μm、約31μm~約70μm、約32μm~約70μm、約33μm~約70μm、約34μm~約70μm、約35μm~約70μm、約36μm~約70μm、約37μm~約70μm、約38μm~約70μm、約39μm~約70μm、約40μm~約70μm、約41μm~約70μm、約42μm~約70μm、約43μm~約70μm、約44μm~約70μm、約45μm~約70μm、約46μm~約70μm、約47μm~約70μm、約48μm~約70μm、約49μm~約70μm、約50μm~約70μm、約51μm~約70μm、約52μm~約70μm、約53μm~約70μm、約54μm~約70μm、約55μm~約70μm、約56μm~約70μm、約57μm~約70μm、約58μm~約70μm、約59μm~約70μm、約60μm~約70μm、約61μm~約70μm、約62μm~約70μm、約63μm~約70μm、約64μm~約70μm、約65μm~約70μm、約66μm~約70μm、約67μm~約70μm、約68μm~約70μm、又は約69μm~約70μmの生細胞層の厚さを有し得る。
【0142】
第45の実施形態(45)によれば、実施形態32~44のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、先代哺乳類ケラチノサイトを経て分化され得る。
【0143】
第46の実施形態(46)によれば、実施形態32~45のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、先代ヒトケラチノサイトを経て分化され得る。
【0144】
第47の実施形態(47)によれば、実施形態32~46のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35日間、例えば1~35日間、2~34日間、2~33日間、2~32日間、2~31日間、2~30日間、2~29日間、2~28日間、2~27日間、2~26日間、2~25日間、2~24日間、2~23日間、2~22日間、2~21日間、2~20日間、2~19日間、2~18日間、2~17日間、2~16日間、2~15日間、2~14日間、2~13日間、2~12日間、2~11日間、2~10日間、2~9日間、2~8日間、2~7日間、3~16日間、3~15日間、3~14日間、3~13日間、3~12日間、3~11日間、3~10日間、3~9日間、3~8日間、3~7日間、4~16日間、4~15日間、4~14日間、4~13日間、4~12日間、4~11日間、4~10日間、4~9日間、4~8日間、4~7日間、5~16日間、5~15日間、5~14日間、5~13日間、5~12日間、5~11日間、5~10日間、5~9日間、5~8日間、又は5~7日間、培養してもよい。
【0145】
第48の実施形態(48)によれば、実施形態32~47のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、多孔質基質上で培養してもよい。
【0146】
第49の実施形態(49)によれば、実施形態32~48のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、少なくとも3時間インキュベートしてもよい。
【0147】
第50の実施形態(50)によれば、実施形態32~49のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約36℃から約38℃の温度範囲でインキュベートしてもよい。
【0148】
第51の実施形態(51)によれば、実施形態32~50のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約4%~6%のCO2でインキュベートしてもよい。
【0149】
第52の実施形態(52)によれば、実施形態32~51のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、約40%~約100%の湿度、例えば約50%~約99%、例えば約60%~約98%、好ましくは約70%~約97%、好ましくは約45%~約80%、より好ましくは約50%~約70%、より好ましくは約55%~約65%、より好ましくは約92%~約97%、又はより好ましくは約94%~約96%の湿度でインキュベートしてもよい。
【0150】
第53の実施形態(53)によれば、実施形態32~52のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞を許容される担体と合わせて組成物を形成する前に、細胞外小胞を含む馴化培地を濃縮し、濾過し、及び/又は精製してもよい。
【0151】
第54の実施形態(54)によれば、実施形態32~53のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞を許容される担体と合わせて組成物を形成する前に、細胞外小胞を馴化培地から単離してもよい。
【0152】
第55の実施形態(55)によれば、実施形態32~54のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞は、許容される担体と合わせる前に溶解してもよい。
【0153】
第56の実施形態(56)によれば、実施形態32~55のいずれか1つの一実施形態において、栄養培地は、化学的組成が既知の培地であってもよい。
【0154】
第57の実施形態(57)によれば、実施形態32~56のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、バッチ培養で培養してもよい。
【0155】
第58の実施形態(58)によれば、実施形態32~57のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞は、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含んでもよく、小型細胞外小胞の大型細胞外小胞に対する比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約30.5:1以下、約30:1以下、約29.5:1以下、約29:1以下、約28.5:1以下、約28:1以下、約27.5:1以下、約27:1以下、約26.5:1以下、約26:1以下、約25.5:1以下、約25:1以下、約24.5:1以下、約24:1以下、約23.5:1以下、約23:1以下、約22.5:1以下、約22:1以下、約21.5:1以下、約21:1以下、約20.5:1以下、約20:1以下、約19.5:1以下、約19:1以下、約18.5:1以下、約18:1以下、約17.5:1以下、約17:1以下、約16.5:1以下、約16:1以下、約15.5:1以下、約15:1以下、約14.5:1以下、約14:1以下、約13.5:1以下、約13:1以下、約12.5:1以下、約12:1以下、約11.5:1以下、約11:1以下、約10.5:1以下、約10:1以下、約9.5:1以下、約9:1以下、約8.5:1以下、約8:1以下、約7.5:1以下、約7:1以下、約6.5:1以下、約6:1以下、約5.5:1以下、約5:1以下、約4.5:1以下、約4:1以下、約3.5:1以下、約3:1以下、約2.5:1以下、約2:1以下、約1.5:1以下、又は約1:1以下である。
【0156】
第59の実施形態(59)によれば、実施形態32~58のいずれか1つの実施形態において、細胞外小胞は、150nm超の直径を有する大型細胞外小胞及び150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞を含んでもよく、小型細胞外小胞の大型細胞外小胞に対する平均比は、a)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)との組合せを用いて、小型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)小型細胞外小胞の数を検出する場合、及びa)TFFによって大型細胞外小胞を馴化培地から分離し、次いでb)大型細胞外小胞の数を検出する場合、約1:1~約30.5:1、約1:1~約30:1、約1:1~約29.5:1、約1:1~約29:1、約1:1~約28.5:1、約1:1~約28:1、約1:1~約27.5:1、約1:1~約27:1、約1:1~約26.5:1、約1:1~約26:1、約1:1~約25.5::1、約1:1~約25:1、約1:1~約24.5:1、約1:1~約24:1、約1:1~約23.5:1、約1:1~約23:1、約1:1~約22.5:1、約1:1~約22:1、約1:1~約21.5:1、約1:1~約21:1、約1:1~約20:1、約1:1~約19:1、約1:1~約18:1、約1:1~約17:1、約1:1~約16:1、約1:1~約15:1、約1:1~約14:1、約1:1~約13:1、約1:1~約12:1、約1:1~約11:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、約2:1~約20:1、約2:1~約19:1、約2:1~約18:1、約2:1~約17:1、約2:1~約16:1、約2:1~約15:1、約2:1~約14:1、約2:1~約13:1、約2:1~約12:1、約2:1~約11:1、約2:1~約10:1、約2:1~約9:1、約2:1~約8:1、約2:1~約7:1、約2:1~約6:1、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、約2:1~約3:1、約3:1~約20:1、約3:1~約19:1、約3:1~約18:1、約3:1~約17:1、約3:1~約16:1、約3:1~約15:1、約3:1~約14:1、約3:1~約13:1、約3:1~約12:1、約3:1~約11:1、約3:1~約10:1、約3:1~約9:1、約3:1~約8:1、約3:1~約7:1、約3:1~約6:1、約3:1~約5:1、又は約3:1~約4:1の範囲であってもよい。
【0157】
第60の実施形態(60)によれば、実施形態32~59のいずれか1つの実施形態において、組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含んでもよく、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、又は少なくとも約1:1、又は少なくとも約1.1:1、又は少なくとも約1.2:1、又は少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2:1の範囲である。
【0158】
第61の実施形態(61)によれば、実施形態32~60のいずれか1つの実施形態において、組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含んでもよく、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、約0.2:1~約2.8:1、約0.2:1~約2.7:1、約0.3:1~約2.6:1、約0.3:1~約2.5:1、約0.4:1~約2.4:1、約0.4:1~約2.3:1、約0.5:1~約2.2:1、約0.6:1~約2.1:1、約0.6:1~約2.0:1、約0.6:1~約1.9:1、約0.7:1~約1.8:1、約0.7:1~約1.7:1、約0.8:1~約1.6:1、約0.8:1~約1.5:1、約0.9:1~約1.4:1、又は約0.9:1~約1.3:1の範囲である。
【0159】
第62の実施形態(62)によれば、実施形態32から61のいずれか1つの一実施形態において、組成物は、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、及び/又は酵素を更に含んでもよい。
【0160】
第63の実施形態(63)は、化粧担体及びCD9陽性細胞外小胞の集団を含む組成物を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、又は少なくとも約1:1、又は少なくとも約1.1:1:、又は少なくとも約1.2:1、又は少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2:1の範囲である。
【0161】
第64の実施形態(64)は、化粧担体及びCD9陽性細胞外小胞の集団を含む組成物を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、約0.2:1~約2.8:1、約0.2:1~約2.7:1、約0.3:1~約2.6:1、約0.3:1~約2.5:1、約0.4:1~約2.4:1、約0.4:1~約2.3:1、約0.5:1~約2.2:1、約0.6:1~約2.1:1、約0.6:1~約2.0:1、約0.6:1~約1.9:1、約0.7:1~約1.8:1、約0.7:1~約1.7:1、約0.8:1~約1.6:1、約0.8:1~約1.5:1、約0.9:1~約1.4:1、又は約0.9:1~約1.3:1の範囲である。
【0162】
第65の実施形態(65)によれば、実施形態63又は64の一実施形態において、組成物は、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、及び/又は酵素を更に含んでもよい。
【0163】
第66の実施形態(66)は、組成物を作製する方法を含み、該組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、又は少なくとも約1:1、又は少なくとも約1.1:1:、又は少なくとも約1.2:1、又は少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2:1の範囲である。
【0164】
第67の実施形態(67)は、組成物を作製する方法を含み、該組成物は、CD9陽性細胞外小胞の集団を含み、該集団中で検出されるCD63のCD81に対する比は、酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81を、CD9を含み150nm以下の直径を有する小型細胞外小胞上で検出する場合、a)タンジェンシャルフロー濾過、次いでb)サイズ排除クロマトグラフィーを用いて小胞を馴化培地から単離した後、酵素結合免疫吸着アッセイによってCD9を捕捉する場合、並びに酵素結合免疫吸着アッセイを用いて、CD63及びCD81の相対濃度を決定する場合、約0.2:1~約2.8:1、約0.2:1~約2.7:1、約0.3:1~約2.6:1、約0.3:1~約2.5:1、約0.4:1~約2.4:1、約0.4:1~約2.3:1、約0.5:1~約2.2:1、約0.6:1~約2.1:1、約0.6:1~約2.0:1、約0.6:1~約1.9:1、約0.7:1~約1.8:1、約0.7:1~約1.7:1、約0.8:1~約1.6:1、約0.8:1~約1.5:1、約0.9:1~約1.4:1、又は約0.9:1~約1.3:1の範囲である。
【0165】
第68の実施形態(68)によれば、実施形態66又は67の一実施形態において、組成物は、小分子、生物製剤、治療剤、防腐剤、及び/又は酵素を更に含む。
【0166】
第69の実施形態(69)は、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物を皮膚に適用する工程を含む処置方法を含む。
【0167】
第70の実施形態(70)は、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物を表皮に適用する工程を含む、表皮細胞を増殖させる方法を含む。
【0168】
第71の実施形態(71)は、実施形態11~33、63~65、又は80の組成物を皮膚に適用する工程を含む、線維芽細胞成長を促進させる方法を含む。
【0169】
第72の実施形態(72)は、実施形態1~33、63~65、又は80の組成物を皮膚に適用する工程を含む、皮膚細胞からのケラチノサイト成長因子の放出を増加する方法を含む。
【0170】
第73の実施形態(73)は、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物を皮膚に適用する工程を含む、皮膚細胞からのケラチノサイト成長因子の放出を誘導する方法を含む。
【0171】
第74の実施形態(74)は、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物の化粧品としての使用を含む。
【0172】
第75の実施形態(75)は、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物の医薬としての使用を含む。
【0173】
第76の実施形態(76)は、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物を皮膚に適用する工程を含む使用方法を含む。
【0174】
第77の実施形態(77)は、治療において使用するための、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物を含む。
【0175】
第78の実施形態(78)は、皮膚状態の処置における医薬中において使用するための、実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物を含む。
【0176】
第79の実施形態(79)は、皮膚状態の処置用の医薬の製造における実施形態1~33、63~65、又は80のいずれか1つの実施形態の組成物の使用を含む。
【0177】
第80の実施形態(80)は、分化上皮細胞から採集された馴化培地由来の細胞外小胞と許容される化粧担体とを含む組成物を含み、該分化上皮細胞は、分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養される。
【0178】
第81の実施形態(81)によれば、実施形態1~33、63~65、76~77、又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、部分的分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養される。
【0179】
第82の実施形態(82)によれば、実施形態1~33、63~65、76~77、又は80のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、完全分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養され得る。
【0180】
第83の実施形態(83)によれば、実施形態32~62、66~72、又は75のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、部分的分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養され得る。
【0181】
第85の実施形態(85)によれば、実施形態32~62、66~72、又は75のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、完全分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養され得る。
【0182】
第86の実施形態(86)によれば、実施形態73、74、又は78のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、部分的分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養され得る。
【0183】
第84の実施形態(84)によれば、実施形態のいずれか1つの実施形態において、分化上皮細胞は、完全分化上皮細胞を形成するようにin vitroで細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たすのに十分な栄養培地において気液界面で培養され得る。
【0184】
本出願では、単数形の使用は、特に別段の規定がない限り、複数形を含む。そのため、「a」、「an」、及び「the」の用語は、複数形及び単数形を包含すると理解される。本出願では、「又は(or)」の使用は、別段の規定がない限り、「及び/又は(and/or)」を意味する。更に、「含めた(including)」並びに「含む(includes)」及び「含んでいた(included)」等の他の形の使用は、限定されない。また、「要素」又は「成分」等の用語は、特に別段の指定がない限り、1つの単位を含む要素及び成分並びに複数の単位を含む要素及び成分の両方を包含する。
【0185】
「及び/又は」という用語は、接続及び離接の両方を含むと理解すべきである。例えば、「防腐剤及び/又は酵素」は、「防腐剤及び酵素」並びに「防腐剤又は酵素」を意味し、他に関係なくいずれかの例を明確に含む。
【0186】
本明細書において使用される「少なくとも1つ(種)の」という表現は、1つ(種)又は複数を意味し、したがって個別の成分並びに混合物/組合せを含む。
【0187】
様々な実施形態によれば、操作例以外、又は別段の指示がある場合を除き、成分の分量及び/又は反応条件を表す全ての数は、全ての場合において、示される数の、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%以内等、10%の範囲内を意味する用語「約」によって修飾されていると理解すべきである(例えば、「約10%」は9%~11%を意味し、且つ「約2%」は1.8%~2.2%を意味する)。本明細書で開示する全ての数(比、濃度等を含む)は、存在の有無に関係なく、用語「約」を含むと理解される。
【0188】
本明細書において使用される場合、「の範囲」及び「の間」という表現は、列挙される範囲の端点を含む。
【0189】
本明細書において使用される場合、提供される全ての範囲は、所与の範囲内のあらゆる特定の範囲、及び部分範囲の組合せを含むことが意図される。したがって、1~5の範囲には、具体的には1、2、3、4、及び5、並びに2~5、3~5、2~3、2~4、1~4等の部分範囲が含まれる。本明細書で開示される全ての範囲及び値が含まれ、且つ組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載の範囲内に含まれる本明細書に記載の任意の値又は点は、部分範囲等を導き出すための最小値又は最大値として働くことができる。
【0190】
「含む(comprising)」(及びその文法的変化形)という用語は、本明細書では、「有する(having)」又は「含めた(including)」の包括的な意味で使用され、「のみからなる」の排他的な意味では使用されない。
【0191】
「実質的に含まない」又は「本質的に含まない」という用語は、本明細書では、組成物の総質量に対して、約5質量%未満の特定の材料が組成物に添加されたことを意味する。本開示の組成物は、成分を含まなくてもよい、又は前記組成物中に任意選択により含まれることが記載された成分を「実質的に含まない」又は「本質的に含まない」ことがある。それにもかかわらず、組成物は、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満の特定の材料又は成分を含んでもよく、又は特定の材料又は成分を全く含まなくてもよい。同様に、本明細書で使用される場合、成分の含有の「回避」又は「回避すること」という用語は、組成物の総質量に対して約5質量%未満、例えば約4質量%未満、約3質量%未満、約2質量%未満、約1質量%未満、約0.5質量%未満、約0.1質量%未満、約0.01質量%未満、約0.001質量%未満の特定の材料が組成物に添加されたか、又は全く添加されなかったことを意味する。
【0192】
別段明白に指定されない限り、本明細書に記載のいずれの方法も、その工程を特定の順序で実施する必要があると解釈することを決して意図しない。したがって、方法の特許請求の範囲が、その工程が従うべき順序を明白に列挙していない場合、又は工程が特定の順序に限定されることが、特許請求の範囲若しくは本明細書において別段具体的に記載されていない場合、いかなる特定の順序を暗示することも、決して意図されない。
【0193】
本開示の組成物及び方法は、本明細書に記載される本開示の必須要素及び制限事項、並びに、本明細書に記載される又はその他の有用なあらゆる追加若しくは任意選択の成分(ingredients)、成分(components)、又は制限事項を含んでもよく、それらからなっていてもよく、又はそれらから本質的になっていてもよい。
【0194】
本明細書で開示する全ての参考文献は、参照によりそれらの内容が援用される。
【0195】
上述してきたいくつかの実施形態は、実施例を参照することによってよりよく理解できる。以下の実施例は、例示のみを目的としたものであり、本発明の範囲を決して限定するものとは解釈すべきでない。
【実施例】
【0196】
実施例
以下の実施例は、本質的に非限定的であり且つ説明することのみを目的とする。
【0197】
(実施例1)
馴化培地の調製
SkinEthic(商標)RHE/再構築ヒト表皮(実施例において「RHE」と称す)を気液界面の培地中のポリカーボネートフィルター上で増殖させた。一部の組織を3、6、及び17日目に処理し、これらの時点で馴化培地を培養物から採取し、組織を固定し、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染料を使用して染色した。生細胞層の厚さを3、6、及び17日目に測定し、Table 1(表1)にまとめる。顆粒層を17日目に検出したが、3日目及び6日目には存在しなかった。
【0198】
【0199】
3、6、及び17日目に採取した馴化培地試料を凍結し、解凍し、以下の実施例に記載の方法を用いて分析して、それぞれの開示された時点での組成の違い及び/又は内容物を評価した。
【0200】
(実施例2)
細胞外小胞及びタンパク質の同定及び定量化
馴化培地を解凍し、遠心分離し、液体中のナノ粒子の直接リアルタイム可視化及び分析のためのナノ粒子飛跡分析(NTA)を用いて、小型細胞外小胞(「小型EV」)及び大型細胞外小胞(「大型EV」)と一致する粒子の濃度及びサイズ分布について分析した。定量化を、大型及び小型細胞外小胞の単離及び濃縮プロセス後、(1)馴化培地(Table 2(表2))上で及び(2)回収された液体画分上で実施した(データ図示せず)。結果を以下のTable 2(表2)に開示する。
【0201】
【0202】
上記のTable 2(表2)で実証したように、小型及び大型細胞外小胞と一致する粒子を、細胞培養3、6、及び17日目の分化上皮細胞由来の馴化培地中で特定した。
【0203】
タンジェンシャルフロー濾過及びサイズ排除クロマトグラフィーを用いて、馴化培地の試料から小型EV(≦150nm)及び大型EV(>150nm)と一致する粒子を単離し、濃縮した。タンジェンシャルフロー濾過を用いて、小型細胞外小胞を分離して取り出す。次いで、TFF分離された小型細胞外小胞を濃縮し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製した。タンジェンシャルフロー濾過を用いて、大型細胞外小胞を分離して取り出した。
【0204】
(実施例3)
細胞外小胞表面マーカーの同定及び定量化
単離した小型及び大型EV画分中の粒子を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて、EVに共通のマーカーとして機能するテトラスパニン、CD9、CD63、及びCD81の存在について試験した。CD81及びCD63テトラスパニンの相対発現が、酵素結合免疫吸着アッセイ(Hansabiomed Life Sciences社)を用いてCD9陽性小型細胞外小胞上で決定された。簡潔には、平板をマウス抗ヒトCD9抗体で被覆し、単離した小型又は大型細胞外小胞と一緒にインキュベートした。CD9抗体を使用して小胞が捕捉され、抗ヒトCD63又はCD81ビオチン化抗体を使用して定量化した。CD63+/CD9+小胞又はCD81+/CD9+小胞の検出を、HRPストレプトアビジン(Biorad社)を使用して実施した。全体を通して開示された正規化された結果は、発現されたバイオマーカー(例えば、テトラスパニン)の存在のバックグラウンドノイズに対する比として表現され、ELISA法において粒子の数によって正規化される。そのため、バイオマーカーの発現は、バイオマーカーの吸光度値のバックグラウンド信号に対する比に関連する。テトラスパニンの増加倍率値を、回収された細胞外粒子計数に対して正規化し、細胞外小胞当たりのテトラスパニンの相対数を概算した。全ての細胞外小胞試料は、バックグラウンドと比較してテトラスパニンの存在を実証し、培養条件にもかかわらず、小型EV画分中のEVの存在を示唆した。2Dケラチノサイト培養由来の馴化培地と比較したとき、CD9+小型EV間のCD63+/CD81+相対濃度比に上昇があり、3D RHE培養から採取されたEVを2Dのケラチノサイトから採取されたEVと比較したときの共通EVマーカーの発現パターンが異なることを示唆した。
図2(D)を参照されたい。
【0205】
大型EV画分中の粒子も、テトラスパニンについて分析し(ELISA)、EVが試料中に存在していたか否かを決定した。小型EVと同様に、テトラスパニンは、大型EV画分でも検出された。
図3(A~D)を参照されたい。
【0206】
(実施例4)
内部細胞外小胞バイオマーカーの同定及び定量化
小型EVを溶解し、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によってEVの共通の内部マーカー:ALG-2相互作用タンパク質X(ALIX)、腫瘍感受性遺伝子101(TGS101)、フロチリン-1(FLOT)、及び熱ショックタンパク質70(HSP70)の存在について分析した。
図4(A~D)を参照されたい。全ての小型EV試料は、ALIX、TSG101、FLOT、及びHSP70を含有していた。内部マーカー増加倍率値を、回収された粒子計数に対して正規化し、細胞外小胞当たりの内部マーカーの相対レベルを概算した。
【0207】
2Dケラチノサイト培地から採取された小型EVも溶解し、溶解物を酵素結合免疫吸着アッセイによって分析し、内部マーカーALIX、FLOT、HSP70、及びTSG101(データ図示せず)の存在を実証した。
【0208】
大型EVも溶解し、ELISAによって内部マーカーALIX、TSG101、FLOT、及びHSP70の存在について分析した。
図5(A~D)を参照されたい。全ての細胞外小胞試料は、ALIX、TSG101、FLOT、及びHSP70を含有していた。内部マーカー増加倍率値を、回収された粒子計数に対して正規化し、細胞外小胞当たりの相対的な内部マーカーを概算した。2Dケラチノサイト馴化培地由来の大型EVも、ALIX、TSG101、FLOT、及びHSP70(データ図示せず)の存在を示した。
【0209】
(実施例5)
小型EVに曝露した後の線維芽細胞の増殖の定量化
分化上皮細胞の馴化培地から単離された小型EVを、線維芽細胞の増殖を刺激するその能力について試験した。簡潔には、小型EVを、増強した濃度で、二次元培養皿に播種された正常ヒト皮膚線維芽細胞に添加した。培養下で72時間後、CyQUANT(商標)Cell Proliferation Assay(Thermo Fisher社)を使用して増殖を定量化した。完全培地を陽性対照として使用した。細胞培養3、6及び17日目それぞれにおける2つのバッチのRHE馴化培地及び2つのバッチの二次元ケラチノサイト培地由来の小型細胞外液に曝露した後の、正常時に対する細胞増殖のパーセント増加率又は刺激率を、
図6A~
図6Dに開示する。
【0210】
(実施例6)
小型EVに曝露した後のケラチノサイト成長因子(KGF)分泌の定量化
小型EVは、線維芽細胞からのケラチノサイト成長因子(KGF)の分泌を刺激する能力についても試験した。小型EVを、二次元培養皿に播種された正常ヒト皮膚線維芽細胞に添加した。培養下で72時間の後、馴化培地を採取し、ELISA(R&D Systems社)を用いて培地中のKGFの濃度を決定した。線維芽細胞は、3日目及び6日目のRHE馴化培地由来の小型EVに曝露した後、KGF分泌の濃度依存性増加を実証した。
図7A~
図7Cを参照されたい。
【国際調査報告】