(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】バスコンデンサ及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240730BHJP
H01G 4/232 20060101ALI20240730BHJP
H01G 4/224 20060101ALI20240730BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240730BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
H01G4/232 Z
H01G4/224
H01G4/224 100
H01G4/30 513
H02M7/48 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577863
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 CN2022109057
(87)【国際公開番号】W WO2023020260
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110945614.7
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼冰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼信
(72)【発明者】
【氏名】何永斌
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼瑞▲興▼
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
5H770
【Fターム(参考)】
5E001AC05
5E001AF06
5E001AG01
5E082AA11
5E082AB03
5E082BB03
5E082FF05
5E082FG24
5E082FG26
5E082FG32
5E082GG08
5E082JJ03
5H770AA05
5H770AA21
5H770BA02
5H770DA44
5H770JA10X
5H770QA06
5H770QA22
(57)【要約】
バスコンデンサ及び自動車を提供する。バスコンデンサは、バスコンデンサの厚さ方向に沿って積層された複数のコンデンサ層と、隣接する2つのコンデンサ層の間に充填された誘電と、を備え、複数のコンデンサ層は、複数の正極コンデンサ層及び複数の負極コンデンサ層を含み、バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第1孔が設けられ、第1孔は、複数の正極コンデンサ層を貫通し、第1孔内に第1導電部材が設けられ、第1導電部材は、複数の正極コンデンサ層が電気的に接続されるように、複数の正極コンデンサ層と接触し、バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第2孔が設けられ、第2孔は、複数の負極コンデンサ層を貫通し、第2孔内に第2導電部材が設けられ、第2導電部材は、複数の負極コンデンサ層が電気的に接続されるように、複数の負極コンデンサ層と接触する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスコンデンサ(1000)であって、前記バスコンデンサの厚さ方向に沿って積層された複数のコンデンサ層と、任意の隣接する2つの前記コンデンサ層の間に充填された誘電体(300)と、を備え、前記複数のコンデンサ層は、複数の正極コンデンサ層(100)及び複数の負極コンデンサ層(200)を含み、
前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第1孔401が設けられ、前記第1孔は、前記複数の正極コンデンサ層を貫通し、
前記第1孔内に第1導電部材(400)が設けられ、前記第1導電部材は、前記複数の正極コンデンサ層が電気的に接続されるように、前記複数の正極コンデンサ層と接触し、
前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第2孔(411)が設けられ、前記第2孔は、前記複数の負極コンデンサ層を貫通し、
前記第2孔内に第2導電部材(410)が設けられ、前記第2導電部材は、前記複数の負極コンデンサ層が電気的に接続されるように、前記複数の負極コンデンサ層と接触する、ことを特徴とするバスコンデンサ(1000)。
【請求項2】
前記第1導電部材は、前記第1孔内に挿入される第1導電ロッド(402)を含み、前記第2導電部材は、前記第2孔内に挿入される第2導電ロッド(412)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項3】
前記第1導電部材は、前記第1孔の内壁に塗布された第1導電層(403)を含み、前記第2導電部材は、前記第2孔の内壁に塗布された第2導電層(413)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項4】
前記複数の正極コンデンサ層と前記複数の負極コンデンサ層とは、前記厚さ方向に沿って交互に積層され、
前記第1孔は、さらに前記負極コンデンサ層を貫通し、前記負極コンデンサ層は、任意の隣接する2つの正極コンデンサ層の間に挟まれ、前記第1導電部材は、前記第1孔が貫通した負極コンデンサ層から離間され、
前記第2孔は、さらに前記正極コンデンサ層を貫通し、前記正極コンデンサ層は、任意の隣接する2つの負極コンデンサ層の間に挟まれ、前記第2導電部材は、前記第2孔が貫通した正極コンデンサ層から離間される、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項5】
前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる複数の前記第1孔と、その厚さ方向に沿って延びる複数の前記第2孔とが設けられ、前記複数の第1孔内の複数の前記第1導電部材は、前記複数の正極コンデンサ層の異なる部分を電気的に接続するように、異なる位置に分布し、前記複数の第2孔内の複数の前記第2導電部材は、前記複数の負極コンデンサ層の異なる部分を電気的に接続するように、異なる位置に分布する、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項6】
前記複数の正極コンデンサ層は、第1正極層(110)及び第2正極層(120)を含み、前記第1正極層の厚さは、前記第2正極層の厚さより大きく、前記複数の負極コンデンサ層は、第1負極層(210)及び第2負極層(220)を含み、前記第1負極層の厚さは、前記第2負極層の厚さより大きい、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のバスコンデンサ。
【請求項7】
正極入力端子(500)、負極入力端子(510)、正極出力端子(520、520a)及び負極出力端子(530、530a)をさらに含み、
前記正極入力端子は、前記第1正極層と接触することで前記第1正極層に電気的に接続され、
前記負極入力端子は、前記第1負極層と接触することで前記第1負極層に電気的に接続され、
前記正極出力端子は、前記複数の正極コンデンサ層と接触することで前記複数の正極コンデンサ層に電気的に接続され、
前記負極出力端子は、前記複数の負極コンデンサ層と接触することで前記複数の負極コンデンサ層に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のバスコンデンサ。
【請求項8】
絶縁ケース(600)をさらに含み、前記複数のコンデンサ層は、前記絶縁ケースの内部に設けられ、
前記正極入力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記正極入力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、前記負極入力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記負極入力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、
前記正極入力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する正極入力孔(501)が設けられ、前記負極入力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する負極入力孔(511)が設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項9】
絶縁ケース(600)をさらに含み、前記複数のコンデンサ層は、前記絶縁ケースの内部に設けられ、
前記正極出力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記正極出力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、前記負極出力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記負極出力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、前記正極出力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する正極出力孔(521)が設けられ、前記負極出力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する負極出力孔(531)が設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項10】
絶縁ケース(600)をさらに含み、前記複数のコンデンサ層は、前記絶縁ケースの内部に設けられ、
前記正極出力端子は、アーチ型シート状を呈し、前記負極出力端子は、アーチ型シート状を呈し、前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って貫通する取付孔(800)が設けられ、前記正極出力端子及び前記負極出力端子は、いずれも前記取付孔内に設けられ、前記正極出力端子及び前記負極出力端子は、前記取付孔の同じ側又は異なる側に位置する、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項11】
前記正極入力端子と前記正極出力端子とを結ぶ線と、前記負極入力端子と前記負極出力端子とを結ぶ線とは、互いに交差する、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項12】
前記複数の正極コンデンサ層は、複数の前記第2正極層を含み、前記複数の負極コンデンサ層は、複数の前記第2負極層を含み、前記第2正極層の層数と前記第2負極層の層数は等しい、ことを特徴とする請求項6に記載のバスコンデンサ。
【請求項13】
正極入力端子(500)及び負極入力端子(510)をさらに含み、前記正極入力端子は、前記第1正極層及び前記第2正極層に電気的に接続され、前記負極入力端子は、前記第1負極層及び前記第2負極層に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のバスコンデンサ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のバスコンデンサ(1000)と、パワーモジュール(700)と、を含み、
前記パワーモジュールに正極接続端子(710、710a)及び負極接続端子(720、720a)が設けられ、前記正極接続端子は、前記バスコンデンサの前記正極コンデンサ層に接続され、前記負極接続端子は、前記バスコンデンサの前記負極コンデンサ層に接続される、ことを特徴とする自動車(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年8月17日に中国国家知識産権局に提出された、名称が「バスコンデンサ及び自動車」である中国特許出願第202110945614.7号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、バスコンデンサ及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
炭化ケイ素(SiC)を代表とする第3世代半導体は、新エネルギー自動車の電気制御において優れた性能を有し、広いバンドギャップ、高い熱伝導率、高い融点、高い臨界破壊電場、高い飽和電子移動速度などの利点を有し、SiCで製造された金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET)は、低いオン抵抗、速いスイッチング速度、高温耐性、高電圧耐性などの優れた性能を有する。
【0004】
新エネルギー自動車のモータ駆動パワーモジュールにおいて、SiCで製造されたMOSFET素子をスイッチング素子とすることにより、損失を低減し、新しいヨーロッパの運転サイクル(New Europe Driving Cycle、NEDC)の航続距離を増加させ、体積を減少し、空間利用率を向上させることができる。現在、システムの浮遊インダクタンスを適切に制御することができないため、スイッチング時に浮遊インダクタンスにより引き起こされた衝撃電圧による素子への損傷を防止するために、スイッチング速度を低下させることによってしか、浮遊インダクタンスによる素子への衝撃を緩和することしかできない。しかしながら、スイッチング速度を低下させた後、MOSFETのスイッチング速度が速いという利点を十分に発揮することができない。より具体的には、MOSFET素子に使用されるSiCの性能を十分に発揮することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、浮遊インダクタンスを低減することにより、浮遊インダクタンスによる素子への衝撃を緩和して、MOSFETのスイッチング速度が速いという利点を十分に発揮し、すなわち、MOSFET素子に使用されるSiCの性能を十分に発揮することができるバスコンデンサ及び自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様は、バスコンデンサを提供する。バスコンデンサは、バスコンデンサの厚さ方向に沿って積層された複数のコンデンサ層と、任意の隣接する2つのコンデンサ層の間に充填された誘電体と、を備え、複数のコンデンサ層は、複数の正極コンデンサ層及び複数の負極コンデンサ層を含み、バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第1孔が設けられ、第1孔は、複数の正極コンデンサ層を貫通し、第1孔内に第1導電部材が設けられ、第1導電部材は、複数の正極コンデンサ層が電気的に接続されるように、複数の正極コンデンサ層と接触し、バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第2孔が設けられ、第2孔は、複数の負極コンデンサ層を貫通し、第2孔内に第2導電部材が設けられ、第2導電部材は、複数の負極コンデンサ層が電気的に接続されるように、複数の負極コンデンサ層と接触する。
【0007】
いくつかの実施例において、第1導電部材は、第1孔内に挿入される第1導電ロッドを含み、第2導電部材は、第2孔内に挿入される第2導電ロッドを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、第1導電部材は、第1孔の内壁に塗布された第1導電層を含み、第2導電部材は、第2孔の内壁に塗布された第2導電層を含む。
【0009】
いくつかの実施例において、複数の正極コンデンサ層と複数の負極コンデンサ層とは、厚さ方向に沿って交互に積層され、第1孔は、さらに負極コンデンサ層を貫通し、負極コンデンサ層は、任意の隣接する2つの正極コンデンサ層の間に挟まれ、第1導電部材は、第1孔が貫通した負極コンデンサ層から離間され、第2孔は、さらに正極コンデンサ層を貫通し、正極コンデンサ層は、任意の隣接する2つの負極コンデンサ層の間に挟まれ、第2導電部材は、第2孔が貫通した正極コンデンサ層から離間される。
【0010】
いくつかの実施例において、バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる複数の第1孔と、その厚さ方向に沿って延びる複数の第2孔とが設けられ、複数の第1孔内の複数の第1導電部材は、複数の正極コンデンサ層の異なる部分を電気的に接続するように、異なる位置に分布し、複数の第2孔内の複数の第2導電部材は、複数の負極コンデンサ層の異なる部分を電気的に接続するように、異なる位置に分布する。
【0011】
いくつかの実施例において、複数の正極コンデンサ層は、第1正極層及び第2正極層を含み、第1正極層の厚さは、第2正極層の厚さより大きく、複数の負極コンデンサ層は、第1負極層及び第2負極層を含み、第1負極層の厚さは、第2負極層の厚さより大きい。
【0012】
いくつかの実施例において、バスコンデンサは、正極入力端子、負極入力端子、正極出力端子及び負極出力端子をさらに含み、正極入力端子は、第1正極層と接触することで第1正極層に電気的に接続され、負極入力端子は、第1負極層と接触することで第1負極層に電気的に接続され、正極出力端子は、複数の正極コンデンサ層と接触することで複数の正極コンデンサ層に電気的に接続され、負極出力端子は、複数の負極コンデンサ層と接触することで複数の負極コンデンサ層に電気的に接続される。
【0013】
いくつかの実施例において、バスコンデンサは、絶縁ケースをさらに含み、複数のコンデンサ層は、絶縁ケースの内部に設けられ、正極入力端子は、厚さ方向に沿ってバスコンデンサを貫通し、かつ正極入力端子は、厚さ方向において両側の2つの端が絶縁ケースの外部に露出し、負極入力端子は、厚さ方向に沿ってバスコンデンサを貫通し、かつ負極入力端子は、厚さ方向において両側の2つの端が絶縁ケースの外部に露出し、正極入力端子には、厚さ方向に沿って貫通する正極入力孔が設けられ、負極入力端子には、厚さ方向に沿って貫通する負極入力孔が設けられる。
【0014】
いくつかの実施例において、バスコンデンサは、絶縁ケースをさらに含み、複数のコンデンサ層は、絶縁ケースの内部に設けられ、正極出力端子は、厚さ方向に沿ってバスコンデンサを貫通し、かつ正極出力端子は、厚さ方向において両側の2つの端が絶縁ケースの外部に露出し、負極出力端子は、厚さ方向に沿ってバスコンデンサを貫通し、かつ負極出力端子は、厚さ方向において両側の2つの端が絶縁ケースの外部に露出し、正極出力端子には、厚さ方向に沿って貫通する正極出力孔が設けられ、負極出力端子には、厚さ方向に沿って貫通する負極出力孔が設けられる。
【0015】
別のいくつかの実施例において、バスコンデンサは、絶縁ケースをさらに含み、複数のコンデンサ層は、絶縁ケースの内部に設けられ、正極出力端子は、アーチ型シート状を呈し、負極出力端子は、アーチ型シート状を呈し、バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って貫通する取付孔が設けられ、正極出力端子及び負極出力端子は、いずれも取付孔内に設けられ、正極出力端子及び負極出力端子は、取付孔の同じ側又は異なる側に位置する。
【0016】
いくつかの実施例において、正極入力端子と正極出力端子とを結ぶ線と、負極入力端子と負極出力端子とを結ぶ線とは、互いに交差する。
【0017】
いくつかの実施例において、複数の正極コンデンサ層は、複数の第2正極層を含み、複数の負極コンデンサ層は、複数の第2負極層を含み、第2正極層の層数と第2負極層の層数は等しい。
【0018】
いくつかの実施例において、バスコンデンサは、正極入力端子及び負極入力端子をさらに含み、正極入力端子は、第1正極層及び第2正極層に電気的に接続され、負極入力端子は、第1負極層及び第2負極層に電気的に接続される。
【0019】
本願の第2態様は、自動車を提供する。自動車は、本願の第1態様のいずれか一項に記載のバスコンデンサ及びパワーモジュールを含む。パワーモジュールに正極接続端子及び負極接続端子が設けられ、正極接続端子は、バスコンデンサの正極コンデンサ層に接続され、負極接続端子は、バスコンデンサの負極コンデンサ層に接続される。
【発明の効果】
【0020】
本願に係るバスコンデンサによれば、バスコンデンサの複数の正極コンデンサ層は、バスコンデンサの厚さ方向に沿って延び、かつ該複数の正極コンデンサ層を貫通する第1孔内の第1導電部材を介して電気的に接続され、バスコンデンサの複数の負極コンデンサ層は、バスコンデンサの厚さ方向に沿って延び、かつ該複数の負極コンデンサ層を貫通する第2孔内の第2導電部材を介して電気的に接続される。このように、パワーモジュールが正極出力端子及び負極出力端子を介してバスコンデンサに接続される場合、各正極コンデンサ層とパワーモジュールとの接続距離が大幅に短縮され、各負極コンデンサ層とパワーモジュールとの接続距離も大幅に短縮されるため、浮遊インダクタンスを低減し、浮遊インダクタンスによる素子への衝撃を緩和して、MOSFETのスイッチング速度が速いという利点を十分に発揮し、すなわち、MOSFET素子に使用されるSiCの性能を十分に発揮することができる。
【0021】
本願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び説明において示される。本願の他の特徴及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0022】
本願の技術手段をより明確に説明するために、以下、発明を実施するための形態に使用する必要のある図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】浮遊インダクタンスの発生原理を示す概略図である。
【
図2】浮遊インダクタンスにより引き起こされた電圧オーバーシュートを示す概略図である。
【
図3】本願の一実施例に係るバスコンデンサの概略構成図である。
【
図4】
図3に示すバスコンデンサの別の視点からの概略構成図である。
【
図5】
図3のA-A線に沿ったバスコンデンサの断面図である。
【
図6】
図3のB-B線に沿ったバスコンデンサの断面図である。
【
図7】
図3に示す、第1導電部材及び第2導電部材が設けられたバスコンデンサの概略構成図である。
【
図8】バスコンデンサとパワーモジュールとの組み合わせの概略構成図である。
【
図9】本願の別の実施例に係るバスコンデンサの概略構成図である。
【
図10】
図9のC-C線に沿ったバスコンデンサの断面図である。
【
図11】本願のさらに別の実施例に係るバスコンデンサの概略構成図である。
【
図12】
図11に示すバスコンデンサとパワーモジュールとの組み合わせの概略構成図である。
【
図13】本願の一実施例に係る自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。
【0025】
本願の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」などは、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順序又は優先順位を説明するものではない。本願の実施例がここでの図示又は説明以外の順序でも実施できるように、このように使用されたデータは、適宜入れ替えてもよく、かつ「第1」、「第2」などで区別される対象は、一般的に同じ種類であり、対象の数が限定されず、例えば、第1対象が1つであってもよく、複数であってもよいことを理解されたい。
【0026】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「接続」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、及び一体的な接続のいずれであってもよく、機械的な接続と電気的な接続のいずれであってもよく、直接的な連結と中間媒体を介した間接的な連結のいずれであってもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0027】
本願において、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表してもよい。
【0028】
図1は、浮遊インダクタンスの発生原理を示す概略図である。浮遊インダクタンスは、2つの部分からなり、一部はバスコンデンサCからパワーモジュール700の端子までの銅バーにより発生した浮遊インダクタンスであり、
図1におけるL
DC-Linkとして示され、他の一部はパワーモジュール自体の内部インダクタンスであり、
図1におけるL
modeとして示される。当然のことながら、パワーモジュール全体は、DC-ACコンバータのような、直流-交流(direct current to alternating current、DC-AC)変換モジュールであるということが理解されるであろう。パワーモジュール内に2つのMOSFET素子が設けられ、2つのMOSFETの間のノードAは、パワーモジュールの出力端子である。一般的に、
図1における上方に位置するMOSFET素子がオンにされた後にコンデンサCの正極に接続され、下方に位置するMOSFET素子がオンにされた後にコンデンサCの負極に接続され、上方のMOSFETと下方のMOSFETが交互にオンにされることにより、DCからACへの変換を実現する。
【0029】
図2は、浮遊インダクタンスにより引き起こされた電圧オーバーシュートを示す概略図である。
図2における左側の縦軸は、電流Iを示し、その単位がアンペア(A)であり、右側の縦軸は、電圧Uを示し、その単位がボルト(V)であり、横軸は、時間Tを示し、単位がナノ秒(ns)である。曲線L1は、電圧変化を示し、曲線L2は、電流変化を示す。
図2から分かるように、電源がオフにされた後の瞬時衝撃電圧は、ΔVであり、ΔVは、以下の式により計算される。
ΔV=(L
DC-Link+L
mode)*(di/dt) 式1
【0030】
式1において、ΔVは、MOSFET素子がオフにされた時の瞬時衝撃電圧であり、LDC-Linkは、バスコンデンサCからパワーモジュールの端子までの銅バーにより発生した浮遊インダクタンスであり、Lmodeは、パワーモジュールの内部インダクタンスであり、(di/dt)は、MOSFET素子のスイッチング速度である。式1から分かるように、浮遊インダクタンスLmodeが変化しないように保持する場合、浮遊インダクタンスLDC-Linkが大きいほど、瞬時衝撃電圧ΔVが大きくなる。浮遊インダクタンスLDC-Linkを低減することができなければ、瞬時衝撃電圧ΔVが過大になることを防止するために、MOSFET素子のスイッチング速度(di/dt)を低下させるように制御する必要がある。
【0031】
しかしながら、MOSFET素子のスイッチング速度を低下させると、MOSFET素子の利点(すなわち、スイッチング速度が速い)の十分な発揮が阻害される。より具体的には、MOSFET素子に使用されるSiCの性能を十分に発揮することができない。
【0032】
上記問題を解決するために、本願の実施例は、バスコンデンサを提供する。該バスコンデンサは、自動車の電気制御モジュールに用いることができ、該電気制御モジュールは、モータコントローラであってもよい。当然のことながら、該バスコンデンサは、一般的にパワーモジュール700(例えば、IGBT、SiC・MOSFET又はSi・MOSFETを含むパワーチップ)と合わせて使用されるということを理解されたい。
【0033】
図3~
図6及び
図8に示すように、
図3は、本願の一実施例に係るバスコンデンサの概略構成図であり、
図4は、
図3に示すバスコンデンサの別の視点からの概略構成図であり、
図5は、
図3のA-A線に沿ったバスコンデンサの断面図であり、
図6は、
図3のB-B線に沿ったバスコンデンサの断面図であり、
図8は、バスコンデンサとパワーモジュールの組み合わせの概略構成図である。本願の一実施例に係るバスコンデンサは、絶縁ケース600、複数のコンデンサ層及び誘電体300を含む。複数のコンデンサ層及び誘電体300は、いずれも絶縁ケース600の内部に位置し、複数のコンデンサ層は、バスコンデンサの厚さ方向(すなわち、Z軸方向)に沿って積層して設けられ、隣接する2つのコンデンサ層の間にいずれも誘電体300が設けられる。
【0034】
絶縁ケース600は、プラスチックで製造されてもよく、誘電体300は、マイカ、セラミック及び有機薄膜のうちの任意の一種であってもよい。絶縁ケース600は、コンデンサ層及び誘電体300を保護する役割を果たし、コンデンサ層及び誘電体300の水濡れなどを防止する。絶縁ケース600は、実際の需要に応じて、円柱状、直方体状、正方体状又は楕円柱状などに製造されてもよく、本願において限定されない。
【0035】
当業者に理解されたいこととして、バスコンデンサが最終的にパワーモジュール700に接続される必要があるため、端子をさらに含んでもよく、具体的には、バスコンデンサは、正極入力端子500、負極入力端子510、正極出力端子520及び負極出力端子530をさらに含む。正極入力端子500と負極入力端子510は、電気エネルギーの入力ポートとして、一般的に、銅バーを介してコントローラの内部の給電点に接続され、正極出力端子520と負極出力端子530は、それぞれパワーモジュール700の正接続端子と負接続端子に接続される。
【0036】
該実施例において、正極入力端子と正極出力端子が接続される正極コンデンサ層は、同じ正極コンデンサ層であるが、正極入力端子と正極出力端子が正極コンデンサ層の異なる部位に接続されることにより、正極コンデンサ層は、電気エネルギー伝送機能を兼ねるということを理解されたい。同様に、負極入力端子と負極出力端子は、同じ負極コンデンサ層の異なる部位に接続されることにより、負極コンデンサ層は、電気エネルギー伝送機能を兼ねる。
【0037】
該実施例において、複数のセットの出力端子が設けられてもよく、図に示すように、いずれも1つの正極出力端子520と1つの負極出力端子530を含む3セットの出力端子が設けられてもよい。各セットの出力端子は、1つのパワーモジュール700に対応して接続されてもよい。
【0038】
いくつかの具体的な実施形態において、設けやすくするために、正極入力端子500と正極出力端子520は、一列に分布し、負極入力端子510と負極出力端子530は、一列に分布する。
【0039】
別のいくつかの具体的な実施形態において、正極入力端子500と正極出力端子520は、対角線上に分布し、負極入力端子510と負極出力端子530は、対角線上に分布し、上記正極入力端子500と上記正極出力端子520とを結ぶ線と、上記負極入力端子510と上記負極出力端子530とを結ぶ線とは、互いに交差する。これにより、正極電流と負極電流とを交差して分布させることができ、インダクタンスを低減することができる。
【0040】
内部で接続される場合、正極入力端子500及び正極出力端子520は、正極コンデンサ層100に接続され、負極入力端子510及び負極出力端子530は、負極コンデンサ層200に接続される。
【0041】
具体的には、複数の上記コンデンサ層は、複数の正極コンデンサ層100及び複数の負極コンデンサ層200を含む。より具体的には、複数の上記正極コンデンサ層100は、第1正極層110及び第2正極層120を含み、上記第1正極層110の厚さは、上記第2正極層120の厚さより厚く、複数の上記負極コンデンサ層200は、第1負極層210及び第2負極層220を含み、上記第1負極層210の厚さは、上記第2負極層220の厚さより大きい。
【0042】
いくつかの具体的な実施形態において、上記正極入力端子500は、上記第1正極層110と接触することで上記第1正極層110に電気的に接続されるように設けられ、上記負極入力端子510は、上記第1負極層210と接触することで上記第1負極層210に電気的に接続されるように設けられる。
【0043】
上記正極出力端子520は、複数の上記正極コンデンサ層100と接触することで複数の上記正極コンデンサ層100に電気的に接続されるように、すなわち、第1正極層110及び第2正極層120のいずれにも接続されるように設けられる。上記負極出力端子530は、複数の上記負極コンデンサ層200と接触することで複数の上記負極コンデンサ層200に電気的に接続され、すなわち、第1負極層210及び第2負極層220のいずれにも接続されるように設けられる。
【0044】
すなわち、正極入力端子500は、第1正極層110のみに接続され、負極入力端子510は、第1負極層210のみに接続され、正極出力端子520は、第1正極層110以外、第2正極層120にも接続され、負極出力端子530は、第1負極層210以外、第2負極層220にも接続される。これにより、第1正極層110と第1負極層210との間で負荷電流を伝送することができ、第2正極層120及び第2負極層220は、リップル電流のみを流し、負荷電流の伝送に関与しない。
【0045】
一般的に、負荷電流がリップル電流よりはるかに大きいため、第1正極層110及び第1負極層210は、厚く設けられることで、負荷電流をうまく伝送することができ、第2正極層120及び第2負極層220は、薄く設けられることで、資源を節約し、バスコンデンサの厚さを低減するとともに、リップル電流をうまく流すことができる。
【0046】
該実施例において、第1正極層110及び第1負極層210は、主に電流伝送の作用を担い、両者の厚さ及び層数が実際に伝送する必要がある負荷電流に応じて設計されてもよい。第2正極層120及び第2負極層220は、主な容量値を提供する部分として、容量要件を満たすために、複数設けられてもよい。
【0047】
他のいくつかの具体的な実施形態において、正極入力端子500は、第1正極層110に接続されるだけでなく、第2正極層120にも接続されるように設けられてもよい。それに対応して、負極入力端子510は、第1負極層210に接続されるだけでなく、第2負極層220にも接続されるように設けられてもよい。これにより、正極入力端子500及び負極入力端子510も負荷電流の伝送に関与することにより、バスコンデンサの負荷を増加させることができる。
【0048】
いずれの接続方式においても、第1正極層110と第1負極層210は、層数が等しく、いずれも1層設けられてもよく、2層以上設けられてもよい。第2正極層120と第2負極層220は、層数が等しく、いずれも1層設けられてもよく、2層以上設けられてもよい。
【0049】
複数のコンデンサ層は、第1正極層110及び第1負極層210が最上層又は最下層に設けられる形態、第1正極層110及び第1負極層210が中間層に設けられる形態など、いずれ形態で積層されてもよいということが理解されるであろう。以下、いくつかの形態を挙げる。第1の形態として、上から下へ順に第1正極層110、第1負極層210、第2正極層120、第2負極層220、第2正極層120、第2負極層220、第2正極層120、第2負極層220が積層される。第2の形態として、上から下へ順に第1負極層210、第1正極層110、第2正極層120、第2負極層220、第2正極層120、第2負極層220、第2正極層120、第2負極層220が積層される。第3の形態として、第1正極層110、第1負極層210、第1正極層110、第1負極層210、第2正極層120、第2負極層220、第2正極層120、第2負極層220が積層される。第4の形態として、上から下へ順に第1正極層110、第1負極層210、第2正極層120、第2正極層120、第2負極層220、第2負極層220、第2正極層120、第2負極層220が積層される。以上、いくつかの形態のみを挙げ、他の類似する形態は挙げない。
【0050】
第1正極層110、第1負極層210、第2正極層120及び第2負極層220は、厚さ及び層数について、いずれも実際の需要に応じて設けることができ、本願において限定されない。
【0051】
図7に示すように、
図7は、
図3に示す、第1導電部材及び第2導電部材が設けられたバスコンデンサの概略構成図である。該実施例において、浮遊インダクタンスを低減するために、上記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第1孔が設けられ、上記第1孔は、複数の上記正極コンデンサ層100を貫通し、上記第1孔内に第1導電部材400が設けられ、上記第1導電部材400は、複数の上記正極コンデンサ層100が電気的に接続されるように、複数の上記正極コンデンサ層100と接触する。上記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第2孔が設けられ、上記第2孔は、複数の上記負極コンデンサ層200を貫通し、上記第2孔内に第2導電部材410が設けられ、上記第2導電部材410は、複数の上記負極コンデンサ層200が電気的に接続されるように、複数の上記負極コンデンサ層200と接触する。
【0052】
上記から分かるように、該実施例において、複数の正極コンデンサ層100は、第1導電部材400を介して電気的に接続することができ、複数の負極コンデンサ層200は、第2導電部材410を介して電気的に接続することができる。これにより、パワーモジュール700が正極出力端子520及び負極出力端子530を介してバスコンデンサに接続される場合、各正極コンデンサ層100とパワーモジュール700との接続距離が大幅に短縮され、各負極コンデンサ層200とパワーモジュール700との接続距離が大幅に短縮される。銅バー又は接続ワイヤなどを使用する従来の方式と比較して、バスコンデンサと正極出力端子520及び負極出力端子530との距離が大幅に短縮されるため、浮遊インダクタンスを低減し、浮遊インダクタンスによる素子への衝撃を緩和して、MOSFETのスイッチング速度が速いという利点を十分に発揮し、すなわち、MOSFET素子に使用されるSiCの性能を十分に発揮することができる。
【0053】
なお、コンデンサ層が多少抵抗を有してもよいため、伝送された電気エネルギーに損失をもたらすことがあり、それで、複数の正極コンデンサ層100が第1導電部材400を介して電気的に接続され、複数の負極コンデンサ層200が第2導電部材410を介して電気的に接続されるように設けられることにより、等価直列抵抗を低減することもできる。具体的には、電気エネルギーが薄いコンデンサ層の間で伝送される場合、薄いコンデンサ層の抵抗が大きく、伝送された電気エネルギーに大きな損失をもたらすが、第1導電部材400により薄い第2正極層120と厚い第1正極層110が接続され、第2導電部材410により薄い第2負極層220と厚い第2正極層120が接続されることにより、電流が薄い第2正極層120及び第2負極層220を流して伝送される場合、一部が厚い第1正極層110及び第1負極層210に分流して伝送され、一方、厚い第1正極層110及び第1負極層210の抵抗が小さいため、電気エネルギーの伝送際の損失も小さく、電気エネルギー伝送過程における等価直列抵抗を低減することに相当する。
【0054】
例示的に、第1導電部材400の数が1つであってもよく、2つ以上であってもよく、複数の第1導電部材400は、複数の正極コンデンサ層100の異なる部位を接続することにより、薄い正極コンデンサ層100の各部位の等価抵抗を効果的に低減するように、異なる位置に分布してもよい。同様に、第2導電部材410の数が1つであってもよく、2つ以上であってもよく、複数の第2導電部材410は、複数の負極コンデンサ層200の異なる部位を接続するように、異なる位置に分布してもよい。これにより、薄い負極コンデンサ層200の各部位の等価抵抗を効果的に低減することができる。
【0055】
第1導電部材400及び第2導電部材410は、様々な形態が可能である。いくつかの具体的な実施形態において、上記第1導電部材400は、上記第1孔401内に挿入される第1導電ロッド402を含み、上記第2導電部材410は、上記第2孔411内に挿入される第2導電ロッド412を含む。第1導電ロッドは、第1孔内に注入された導電性液体により形成されてもよく、導電性材料により予め製造された後に第1孔内に挿入されてもよく、無電解銅めっきプロセスにより製造されてもよく、該実施例において限定されない。第2導電ロッドは同様であり、説明は省略する。このような第1導電部材400及び第2導電部材410は、電気的接続の安定性が高く、加工しやすい。
【0056】
別のいくつかの具体的な実施形態において、上記第1導電部材400は、上記第1孔の内壁に塗布された第1導電層を含み、上記第2導電部材410は、上記第2孔の内壁に塗布された第2導電層を含む。すなわち、第1孔の内壁に導電性材料を塗布して第1導電部材400を形成し、第2孔の内壁に導電性材料を塗布して第2導電部材410を形成する。これにより、第1導電部材400及び第2導電部材410は、電気的接続の安定性が高く、消費する材料が少なく、加工しやすく、バスコンデンサの軽量化設計に役立つ。
【0057】
上述したように、複数の上記正極コンデンサ層100と複数の上記負極コンデンサ層200とは、上記厚さ方向に沿って交互に積層されてもよい。この場合、第1孔は、正極コンデンサ層100を貫通すると、隣接する2つの正極コンデンサ層100に挟まれた負極コンデンサ層200をも貫通する。第1孔内の第1導電部材400と負極コンデンサ層200との接触による短絡を防止するために、上記第1導電部材400を上記第1孔が貫通した負極コンデンサ層200から離間することができる。具体的には、第1孔が負極コンデンサ層200を貫通する位置に孔位置が形成され、該孔位置を大きく設け、すなわち、該孔位置の孔径を第1孔の孔径より大きくすることができ、この場合、第1孔内に位置する第1導電部材400は、該負極コンデンサ層200から離間される。
【0058】
同様に、第2孔は、さらに任意の隣接する2つの負極コンデンサ層200の間に挟まれた正極コンデンサ層100を貫通し、第2孔内の第2導電部材410と正極コンデンサ層100との接触による短絡を防止するために、上記第2導電部材410を上記第1孔が貫通した正極コンデンサ層100から離間することができる。具体的には、第2孔が負極コンデンサ層200を貫通する位置に孔位置が形成され、該孔位置を大きく設け、すなわち、該孔位置の孔径を第2孔の孔径より大きくすることができ、この場合、第2孔内に位置する第2導電部材410は、該正極コンデンサ層100から離間される。
【0059】
該実施例において、正極入力端子500の具体的な構成として、上記正極入力端子500は、上記厚さ方向に沿って上記バスコンデンサを貫通し、かつ上記正極入力端子500は、上記厚さ方向において両側の2つの端が上記絶縁ケース600の外部に露出する。負極入力端子510の具体的な構成として、上記負極入力端子510は、上記厚さ方向に沿って上記バスコンデンサを貫通し、かつ上記負極入力端子510は、上記厚さ方向において両側の2つの端が上記絶縁ケース600の外部に露出する。上記正極入力端子500には、上記厚さ方向に沿って貫通する正極入力孔501が設けられ、上記負極入力端子510には、上記厚さ方向に沿って貫通する負極入力孔511が設けられる。
【0060】
該実施例において、正極出力端子520の構成として、上記正極出力端子520は、上記厚さ方向に沿って上記バスコンデンサを貫通し、かつ上記正極出力端子520は、上記厚さ方向において両側の2つの端が上記絶縁ケース600の外部に露出する。負極出力端子530の構成として、上記負極出力端子530は、上記厚さ方向に沿って上記バスコンデンサを貫通し、かつ上記負極出力端子530は、上記厚さ方向において両側の2つの端が上記絶縁ケース600の外部に露出し、上記正極出力端子520には、上記厚さ方向に沿って貫通する正極出力孔521が設けられ、上記負極出力端子530には、上記厚さ方向に沿って貫通する負極出力孔531が設けられる。
【0061】
このような構成の正極出力端子520及び負極出力端子530に対して、パワーモジュール700の正極接続端子710は、パワーモジュール700に形成された正極端子孔であり、パワーモジュール700の負極接続端子720は、パワーモジュール700に形成された負極端子孔である。バスコンデンサとパワーモジュール700とを接続する場合、1つの導電締結ロッド730を正極出力孔521及び正極端子孔内に挿入する。正極端子孔がネジ孔であって、導電締結ロッド730が、ネジ孔内に締め付けられることによりパワーモジュール700とバスコンデンサとを接続する締結ボルトであってもよい。同様に、もう1つの導電締結ロッド730を負極出力孔531及び負極端子孔内に挿入する。負極端子孔がネジ孔であって、導電締結ロッド730が、ネジ孔内に締め付けられることによりパワーモジュール700とバスコンデンサとを接続する締結ボルトであってもよい。これにより、機械的接続を実現するとともに、電気的な接続を実現することができ、かつパワーモジュール700とバスコンデンサとの間の接触距離がゼロであるため、浮遊インダクタンスを低減することにより、浮遊インダクタンスによる素子への衝撃を緩和して、MOSFETのスイッチング速度が速いという利点を十分に発揮し、すなわち、MOSFET素子に使用されるSiCの性能を十分に発揮することができる。
【0062】
図9及び
図10に示すように、
図9は、本願の別の実施例に係るバスコンデンサの概略構成図であり、
図10は、
図9のC-C線に沿ったバスコンデンサの断面図である。本願の別のいくつかの実施例に係るバスコンデンサと上述した実施例におけるバスコンデンサとの相違点として、上記正極出力端子520aは、アーチ型シート状を呈し、上記負極出力端子530aは、アーチ型シート状を呈し、上記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って貫通する取付孔800が設けられ、上記正極出力端子520a及び上記負極出力端子530aは、いずれも取付孔800内に設けられる。また、上記正極出力端子520a及び上記負極出力端子530aは、上記取付孔800の同じ側に位置する。
【0063】
具体的には、正極出力端子520aと負極出力端子530aは、いずれもU字形を呈してもよい。図における方向を基準として、その開口が上向きであり、かつ一側が取付孔800の側壁に接続され、該取付孔800の側壁は、上述したコンデンサ層及び誘電体300が取付孔800に露出するように形成される。当然のことながら、短絡を防止するために、取付孔800の側壁における正極出力端子520aとの接続箇所に正極コンデンサ層100のみが露出し、負極出力端子530aとの接続箇所に負極コンデンサ層200のみが露出するということを理解されたい。
【0064】
このような構成のバスコンデンサがパワーモジュールに接続される場合、パワーモジュールには、対応して正極接続端子及び負極接続端子を有する挿入ロッドが設けられ、該挿入ロッドは、取付孔800内に挿入され、かつ正極接続端子が正出力端子に当接し、負極接続端子が負出力端子に当接することにより、バスコンデンサとパワーモジュールとの電気的な接続距離がゼロであることを実現して、浮遊インダクタンスを低減することができる。
【0065】
上記正極出力端子520a及び上記負極出力端子530aは、上記取付孔800の同じ側に位置し、それに対応して、正極接続端子及び負極接続端子は、バスコンデンサの取付孔800の同じ側の方向、すなわち図における上記バスコンデンサの幅方向に沿って分布することができる。これにより、正極出力端子520a及び負極出力端子530aを配置しやすい。
【0066】
図11及び
図12に示すように、
図11は、本願のさらに別の実施例に係るバスコンデンサの概略構成図であり、
図12は、
図11に示すバスコンデンサとパワーモジュールとの組み合わせの概略構成図である。本願のさらに別のいくつかの実施例に係るバスコンデンサにおいて、上述した実施例に係るバスコンデンサとの相違点として、上記正極出力端子520a及び上記負極出力端子530aは、上記取付孔800の異なる側に位置し、図から分かるように、正極出力端子520aは、取付孔800の右側に位置し、負極出力端子530aは、取付孔800の左側に位置する。これに対応して、正極接続端子710a及び負極接続端子720aは、バスコンデンサの取付孔800の両側方向、すなわち、図における上記バスコンデンサの長さ方向に沿って分布してもよい。これにより、正極出力端子520a及び負極出力端子530aは、パワーモジュール700の挿入ロッドを固くクランプし、機械的接続と電気的な接続を実現することができ、構造が簡単で信頼性が高く、安定性が高い。
【0067】
図13は、本願の一実施例に係る自動車の概略構成図である。いくつかの実施例において、自動車は、上述したバスコンデンサと、該バスコンデンサに結合される少なくとも1つのパワーモジュールとを含む。該パワーモジュールに正極接続端子及び負極接続端子が設けられ、正極接続端子は、バスコンデンサの正極コンデンサ層に接続され、負極接続端子は、バスコンデンサの負極コンデンサ層に接続される。なお、
図13は、自動車におけるバスコンデンサとパワーモジュールとの組み合わせを例示的に示すものに過ぎず、本願において、バスコンデンサの他のタイプの構造に基づいて、自動車におけるバスコンデンサとパワーモジュールとの他の組み合わせ形態を得ることができ、ここでは説明を省略する。
【0068】
以上、本願の実施例を詳細に説明し、本明細書において具体例を用いて本願の原理及び具体的な実施形態を解説したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその主旨の理解を助けることができる。
【符号の説明】
【0069】
1000 バスコンデンサ
100 正極コンデンサ層
110 第1正極層
120 第2正極層
200 負極コンデンサ層
210 第1負極層
220 第2負極層
300 誘電体
400 第1導電部材
401 第1孔
402 第1導電ロッド
403 第1導電層
410 第2導電部材
411 第2孔
412 第2導電ロッド
413 第2導電層
500 正極入力端子
501 正極入力孔
510 負極入力端子
511 負極入力孔
520、520a 正極出力端子
521 正極出力孔
530、530a 負極出力端子
531 負極出力孔
600 絶縁ケース
700 パワーモジュール
710、710a 正極接続端子
720、720a 負極接続端子
730 導電締結ロッド
800 取付孔、
2000 自動車
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスコンデンサ(1000)であって、前記バスコンデンサの厚さ方向に沿って積層された複数のコンデンサ層と、任意の隣接する2つの前記コンデンサ層の間に充填された誘電体(300)と、を備え、前記複数のコンデンサ層は、複数の正極コンデンサ層(100)及び複数の負極コンデンサ層(200)を含み、
前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第1孔401が設けられ、前記第1孔は、前記複数の正極コンデンサ層を貫通し、
前記第1孔内に第1導電部材(400)が設けられ、前記第1導電部材は、前記複数の正極コンデンサ層が電気的に接続されるように、前記複数の正極コンデンサ層と接触し、
前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる第2孔(411)が設けられ、前記第2孔は、前記複数の負極コンデンサ層を貫通し、
前記第2孔内に第2導電部材(410)が設けられ、前記第2導電部材は、前記複数の負極コンデンサ層が電気的に接続されるように、前記複数の負極コンデンサ層と接触する、ことを特徴とするバスコンデンサ(1000)。
【請求項2】
前記第1導電部材は、前記第1孔内に挿入される第1導電ロッド(402)を含み、前記第2導電部材は、前記第2孔内に挿入される第2導電ロッド(412)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項3】
前記第1導電部材は、前記第1孔の内壁に塗布された第1導電層(403)を含み、前記第2導電部材は、前記第2孔の内壁に塗布された第2導電層(413)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項4】
前記複数の正極コンデンサ層と前記複数の負極コンデンサ層とは、前記厚さ方向に沿って交互に積層され、
前記第1孔は、さらに前記負極コンデンサ層を貫通し、前記負極コンデンサ層は、任意の隣接する2つの正極コンデンサ層の間に挟まれ、前記第1導電部材は、前記第1孔が貫通した負極コンデンサ層から離間され、
前記第2孔は、さらに前記正極コンデンサ層を貫通し、前記正極コンデンサ層は、任意の隣接する2つの負極コンデンサ層の間に挟まれ、前記第2導電部材は、前記第2孔が貫通した正極コンデンサ層から離間される、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項5】
前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って延びる複数の前記第1孔と、その厚さ方向に沿って延びる複数の前記第2孔とが設けられ、前記複数の第1孔内の複数の前記第1導電部材は、前記複数の正極コンデンサ層の異なる部分を電気的に接続するように、異なる位置に分布し、前記複数の第2孔内の複数の前記第2導電部材は、前記複数の負極コンデンサ層の異なる部分を電気的に接続するように、異なる位置に分布する、ことを特徴とする請求項1に記載のバスコンデンサ。
【請求項6】
前記複数の正極コンデンサ層は、第1正極層(110)及び第2正極層(120)を含み、前記第1正極層の厚さは、前記第2正極層の厚さより大きく、前記複数の負極コンデンサ層は、第1負極層(210)及び第2負極層(220)を含み、前記第1負極層の厚さは、前記第2負極層の厚さより大きい、ことを特徴とする請求項
1に記載のバスコンデンサ。
【請求項7】
正極入力端子(500)、負極入力端子(510)、正極出力端子(520、520a)及び負極出力端子(530、530a)をさらに含み、
前記正極入力端子は、前記第1正極層と接触することで前記第1正極層に電気的に接続され、
前記負極入力端子は、前記第1負極層と接触することで前記第1負極層に電気的に接続され、
前記正極出力端子は、前記複数の正極コンデンサ層と接触することで前記複数の正極コンデンサ層に電気的に接続され、
前記負極出力端子は、前記複数の負極コンデンサ層と接触することで前記複数の負極コンデンサ層に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のバスコンデンサ。
【請求項8】
絶縁ケース(600)をさらに含み、前記複数のコンデンサ層は、前記絶縁ケースの内部に設けられ、
前記正極入力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記正極入力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、前記負極入力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記負極入力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、
前記正極入力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する正極入力孔(501)が設けられ、前記負極入力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する負極入力孔(511)が設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項9】
絶縁ケース(600)をさらに含み、前記複数のコンデンサ層は、前記絶縁ケースの内部に設けられ、
前記正極出力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記正極出力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、前記負極出力端子は、前記厚さ方向に沿って前記バスコンデンサを貫通し、かつ前記負極出力端子は、前記厚さ方向において両側の2つの端が前記絶縁ケースの外部に露出し、前記正極出力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する正極出力孔(521)が設けられ、前記負極出力端子には、前記厚さ方向に沿って貫通する負極出力孔(531)が設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項10】
絶縁ケース(600)をさらに含み、前記複数のコンデンサ層は、前記絶縁ケースの内部に設けられ、
前記正極出力端子は、アーチ型シート状を呈し、前記負極出力端子は、アーチ型シート状を呈し、前記バスコンデンサには、その厚さ方向に沿って貫通する取付孔(800)が設けられ、前記正極出力端子及び前記負極出力端子は、いずれも前記取付孔内に設けられ、前記正極出力端子及び前記負極出力端子は、前記取付孔の同じ側又は異なる側に位置する、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項11】
前記正極入力端子と前記正極出力端子とを結ぶ線と、前記負極入力端子と前記負極出力端子とを結ぶ線とは、互いに交差する、ことを特徴とする請求項7に記載のバスコンデンサ。
【請求項12】
前記複数の正極コンデンサ層は、複数の前記第2正極層を含み、前記複数の負極コンデンサ層は、複数の前記第2負極層を含み、前記第2正極層の層数と前記第2負極層の層数は等しい、ことを特徴とする請求項6に記載のバスコンデンサ。
【請求項13】
正極入力端子(500)及び負極入力端子(510)をさらに含み、前記正極入力端子は、前記第1正極層及び前記第2正極層に電気的に接続され、前記負極入力端子は、前記第1負極層及び前記第2負極層に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のバスコンデンサ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のバスコンデンサ(1000)と、パワーモジュール(700)と、を含み、
前記パワーモジュールに正極接続端子(710、710a)及び負極接続端子(720、720a)が設けられ、前記正極接続端子は、前記バスコンデンサの前記正極コンデンサ層に接続され、前記負極接続端子は、前記バスコンデンサの前記負極コンデンサ層に接続される、ことを特徴とする自動車(2000)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
当業者に理解されたいこととして、バスコンデンサが最終的にパワーモジュール700に接続される必要があるため、端子をさらに含んでもよく、具体的には、バスコンデンサは、正極入力端子500、負極入力端子510、正極出力端子520及び負極出力端子530をさらに含む。正極入力端子500と負極入力端子510は、電気エネルギーの入力ポートとして、一般的に、銅バーを介してコントローラの内部の給電点に接続され、正極出力端子520と負極出力端子530は、それぞれパワーモジュール700の正極接続端子と負極接続端子に接続される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
なお、コンデンサ層が多少抵抗を有してもよいため、伝送された電気エネルギーに損失をもたらすことがあり、それで、複数の正極コンデンサ層100が第1導電部材400を介して電気的に接続され、複数の負極コンデンサ層200が第2導電部材410を介して電気的に接続されるように設けられることにより、等価直列抵抗を低減することもできる。具体的には、電気エネルギーが薄いコンデンサ層の間で伝送される場合、薄いコンデンサ層の抵抗が大きく、伝送された電気エネルギーに大きな損失をもたらすが、第1導電部材400により薄い第2正極層120と厚い第1正極層110が接続され、第2導電部材410により薄い第2負極層220と厚い第1負極層210が接続されることにより、電流が薄い第2正極層120及び第2負極層220を流して伝送される場合、一部が厚い第1正極層110及び第1負極層210に分流して伝送され、一方、厚い第1正極層110及び第1負極層210の抵抗が小さいため、電気エネルギーの伝送際の損失も小さく、電気エネルギー伝送過程における等価直列抵抗を低減することに相当する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
このような構成のバスコンデンサがパワーモジュールに接続される場合、パワーモジュールには、対応して正極接続端子及び負極接続端子を有する挿入ロッドが設けられ、該挿入ロッドは、取付孔800内に挿入され、かつ正極接続端子が正極出力端子に当接し、負極接続端子が負極出力端子に当接することにより、バスコンデンサとパワーモジュールとの電気的な接続距離がゼロであることを実現して、浮遊インダクタンスを低減することができる。
【国際調査報告】