(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】閉ループ自動詰まり検出方式の非接触型超音波ノズルクリーナ
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20240730BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240730BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05C11/10
B05C5/00 101
B05D3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579037
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022034850
(87)【国際公開番号】W WO2022272028
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】シュッチ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガーヴィン ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ルイス アラン
(72)【発明者】
【氏名】ダガン アロン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AC71
4D075AC94
4D075AC95
4D075AC96
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4D075BB91Z
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4F042BA19
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4F042CB08
4F042CB11
4F042CB26
4F042CC04
4F042CC08
4F042DH01
4F042DH09
(57)【要約】
コーティングシステムを作動させたり洗浄したりするシステム及び方法が開示される。材料を基板に塗布する方法は、アプリケータを用いて材料を基板上に定量分配するステップを含み、アプリケータは、材料を受け入れてこの材料をアプリケータから基板に向かって吐出するよう構成されており、本方法は、アプリケータを介して吐出されている材料のパラメータを測定するステップと、パラメータが所定範囲内にあるかどうかを判定するステップと、パラメータが所定の範囲内にない場合、基板上への材料の定量分配を停止させてアプリケータを洗浄し、パラメータが所定の範囲内にあるようにするステップと、アプリケータの洗浄後、材料の定量分配を再開するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングシステムで材料を基板に塗布する方法であって、前記方法は、
アプリケータを用いて前記材料を基板上に定量分配するステップを含み、前記アプリケータは、前記材料を受け入れて該材料を前記アプリケータから前記基板に向かって吐出するよう構成されており、
前記アプリケータを介して吐出されている前記材料のパラメータをセンサで測定するステップを含み、
前記測定パラメータを基準値と比較するステップを含み、
前記比較に基づき、前記基板上への前記材料の前記定量分配を停止させて前記アプリケータを洗浄し、その結果、前記パラメータが所定の範囲内にあるようにするステップを含み、
前記アプリケータを洗浄した後、前記材料の定量分配を再開するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記材料の前記パラメータを測定する前記ステップは、前記材料の流量、前記材料の温度、及び前記材料の圧力のうちの少なくとも1つを測定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パラメータを測定する前記ステップは、第1のパラメータを測定するステップ及び第2のパラメータを測定するステップを含み、
前記方法は、前記測定した第1のパラメータを前記測定した第2のパラメータと比較するステップをさらに含み、
前記パラメータが前記所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップは、前記測定した第2のパラメータが前記第1のパラメータと比較して所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記アプリケータは、前記定量分配ステップが実施されているときに作動位置にあり、前記方法は、前記パラメータが前記所定の範囲内にない場合、前記アプリケータを洗浄位置に動かすステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記アプリケータを洗浄する前記ステップは、前記アプリケータを洗浄材料と所定の期間にわたって接触させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記洗浄材料は、溶剤から成る、請求項5記載の方法。
【請求項7】
超音波変換器を作動させて前記洗浄材料を撹拌し、それにより前記洗浄材料中にキャビテーション気泡を生じさせるステップをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記超音波変換器から電子フィードバックを受け取り、そして前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節するステップをさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節する前記ステップは、前記超音波変換器をその共振周波数で作動させるステップを含む、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記洗浄材料の流体レベルを測定するステップと、
前記測定した流体レベルを所定の値と比較するステップと、
前記測定した流体レベルが前記所定値未満であるという判定に応答して、洗浄材料を追加し、前記洗浄材料の前記流体レベルを前記所定値以上に上昇させるステップとをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項12】
前記基準値は、下しきい値と上しきい値との間に定められる所定の値域であり、前記比較ステップは、前記測定したパラメータが前記所定範囲内にあるかどうかを判定するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記定量分配を停止させる前記ステップは、前記コーティングシステムに指示して前記比較ステップの完了直後に前記定量分配を停止させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記定量分配を停止させる前記ステップは、前記コーティングシステムに指示して前記比較ステップの完了後、所定の時間が経過した後に前記定量分配を停止させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
定量分配アプリケータを含むコーティングシステム内の詰まりについて将来の発生を予測する方法であって、前記定量分配アプリケータは、材料を基板上に定量分配するよう構成され、前記方法は、
前記定量分配アプリケータ内の前記材料の第1のパラメータを第1の時点で少なくとも1つのセンサにより測定するステップと、
第1の詰まり条件の存在をコントローラにより識別するステップと、
前記コントローラで前記第1のパラメータと前記第1の詰まり条件との関連性を見いだすステップと、
前記材料の前記第1のパラメータを前記第1の時点後の第2の時点で前記センサで測定するステップと、
前記第2の時点における前記測定した第1のパラメータ及び前記見いだした関連性を使用し、第2の詰まり条件についての将来の発生を前記コントローラで予測するステップと、を含む、方法。
【請求項16】
前記第2の詰まり条件の前記将来の発生を予測する前記ステップは、前記第1のパラメータについての所定の制御値を用いるステップを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記所定の制御値は、制御所定値範囲を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ユーザに前記第2の詰まり条件の前記予測した将来の発生を知らせるステップをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記第2の詰まり条件の前記予測した将来の発生が生じる前に洗浄プロセスを作動させるステップをさらに含み、前記洗浄プロセスは、堆積している材料を前記定量分配アプリケータから除去するステップを含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記第1のパラメータは、前記コーティングシステムの作動パラメータ及びコーティング材料パラメータのうちの少なくとも一方を含み、前記コーティングシステムの前記作動パラメータは、前記定量分配アプリケータのサイズ、前記材料の見分け、及び前記基板の見分けのうちの少なくとも1つを含み、前記コーティング材料パラメータは、前記コーティング材料の圧力、前記コーティング材料の流量、前記コーティング材料の温度、コーティング作業の持続時間、先のアプリケータ洗浄からの経過時間、コーティングされている基板の量、及び前記先のアプリケータ洗浄以来の基板のコーティング量のうちの少なくとも1つを含む、請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記先のアプリケータ洗浄以来の前記経過時間と前記第1の詰まり条件との関連性を見いだすステップを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
複数の関連性を見いだすステップをさらに含み、前記第2の詰まり条件についての将来の発生は、前記複数の生じさせた連携の一部分を識別して前記複数の生じさせた連携の一部分を利用して前記第1のパラメータと将来の第2の詰まり条件の予測関連性を外挿するステップを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
材料を基板上に定量分配する定量分配アプリケータを洗浄する方法であって、前記方法は、
前記定量分配アプリケータが定量分配位置にあるとき、前記定量分配アプリケータと関連したパラメータをセンサで測定するステップを含み、前記定量分配位置では、前記定量分配アプリケータは、前記材料を前記基板上に定量分配するよう構成され、
前記測定したパラメータがコントローラによって定められた所定のしきい値を超えた場合、前記コントローラにより前記定量分配アプリケータを前記定量分配位置から洗浄位置に動かすステップを含み、前記洗浄位置では、前記定量分配アプリケータは、前記材料を前記基板上に定量分配するよう構成されておらず、
前記定量分配アプリケータを前記洗浄位置で洗浄装置により洗浄するステップを含む、方法。
【請求項24】
前記パラメータを測定する前記ステップは、前記パラメータを第1の反復時に測定するステップ及び前記パラメータを第2の反復時に測定するステップを含み、前記方法は、前記第1の反復時での前記測定パラメータを前記第2の反復時の前記測定パラメータと比較して前記第1の反復時の前記測定パラメータと前記第2の反復時の前記測定パラメータの差が所定のしきい値を超えているかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記パラメータを測定する前記ステップは、第1のパラメータ及び第2のパラメータを測定するステップを含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記第1のパラメータは、前記材料の温度を含み、前記第2のパラメータは、前記材料の流量を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記第2の反復時における前記材料の測定温度が前記第1の反復時における前記測定温度と比較して、前記所定のしきい値を超えていない場合かつ前記第2の反復時における前記材料の前記流量が前記所定しきい値を下回っている場合、前記方法は、前記定量分配アプリケータを前記定量分配位置から前記洗浄位置に動かして前記定量分配アプリケータを洗浄するステップを含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記洗浄ステップは、前記定量分配アプリケータを洗浄材料に接触させるステップを含む、請求項23記載の方法。
【請求項29】
前記洗浄材料は、溶剤を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記洗浄ステップは、超音波変換器を有する前記洗浄装置を作動させて前記洗浄材料内に超音波を発生させ、それにより前記洗浄材料を加工して前記キャビテーション気泡が生成されるようにするステップを含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記超音波変換器から電子フィードバックを受け取り、そして前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節するステップをさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節する前記ステップは、前記超音波変換器とその共振周波数で作動させるステップを含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記洗浄ステップ後に前記パラメータを測定するステップをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項35】
前記洗浄ステップ後に前記パラメータを測定する前に、前記定量分配アプリケータを前記定量分配位置に動かし、そして前記定量分配アプリケータを介して前記材料を定量分配するステップをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項36】
前記洗浄ステップ後に前記パラメータを測定する前に、前記定量分配アプリケータをパージ位置に動かし、そして前記定量分配アプリケータを介して前記材料を定量分配するステップをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項37】
材料を基板上に定量分配するコーティングシステムであって、前記コーティングシステムは、
コーティング材料源からコーティング材料を受け取るよう構成されたアプリケータを含み、前記アプリケータは、出口を有し、前記材料は、前記出口を通って、前記基板に向かって流出するようになっており、
前記アプリケータからの前記材料の定量分配を生じさせるよう構成された定量分配組立体を含み、
前記アプリケータに作動可能に連結されていて、前記アプリケータを定量分配位置と洗浄位置との間で動かすよう構成されたアプリケータ位置決め組立体を含み、
前記アプリケータから残留材料を除去するよう構成された洗浄組立体を含み、
前記アプリケータが前記定量分配位置にあるとき、前記アプリケータは、前記洗浄組立体と接触状態にはなく、前記アプリケータは、前記材料を前記基板上に定量分配するよう構成され、前記アプリケータが前記洗浄位置にあるとき、前記アプリケータは、前記洗浄組立体と接触状態にあり、前記アプリケータは、材料を定量分配するよう構成されておらず、そして前記洗浄組立体によって洗浄されるよう構成されている、コーティングシステム。
【請求項38】
前記アプリケータ内にある前記材料を加熱するよう構成されたヒータをさらに含む、請求項37記載のコーティングシステム。
【請求項39】
前記コーティングシステムの作動を制御するよう構成されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、複数のセンサ及びプロセッサを含む、請求項37記載のコーティングシステム。
【請求項40】
前記複数のセンサは、以下のセンサ、すなわち、温度センサ、流量センサ、及び圧力センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項39記載のコーティングシステム。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記複数のセンサから信号を受け取り、そして前記受け取った信号をメモリ内に記憶させるよう構成されている、請求項39記載のコーティングシステム。
【請求項42】
前記プロセッサは、前記複数のセンサのうちの少なくとも2つからの前記受け取った信号を互いに比較して詰まり条件が存在するかどうかを判定するよう構成されている、請求項39記載のコーティングシステム。
【請求項43】
前記プロセッサは、前記複数のセンサからの前記受け取った信号を所定の制御信号と比較して詰まり条件が存在するかどうかを判定するよう構成されている、請求項42記載のコーティングシステム。
【請求項44】
前記プロセッサは、第1の反復時に前記複数のセンサから信号を受け取ると共に、前記第1の反復後における第2の反復時に前記複数のセンサから信号を受け取るよう構成され、前記プロセッサは、前記第2の反復時の前記受け取った信号を前記第1の反復時の前記受け取った信号と比較して詰まり条件が存在するかどうかを判定するよう構成されている、請求項42記載のコーティングシステム。
【請求項45】
前記信号は、前記材料の温度及び流量を含み、前記プロセッサは、前記第1の反復時の前記温度及び前記流量を前記第2の反復時の前記温度及び前記流量と比較し、前記第2の反復時の前記温度が前記第1の反復時の前記温度と比較して所定のしきい値内にありかつ前記第2の反復時の前記流量が前記第1の反復時の前記流量と比較して所定のしきい値を下回っている場合、前記プロセッサは、信号を前記アプリケータ位置決め組立体に送って前記アプリケータを前記洗浄位置に動かすように構成されている、請求項44記載のコーティングシステム。
【請求項46】
前記コーティングシステムの作動を制御するよう構成されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、視覚システムを含む、請求項37記載のコーティングシステム。
【請求項47】
前記視覚システムは、前記アプリケータに搭載された状態で又は前記アプリケータの下流側に位置決めされている、請求項46記載のコーティングシステム。
【請求項48】
前記視覚システムは、前記材料を前記アプリケータから定量分配させるノズルの画像を捕捉するよう構成されたカメラを含む、請求項46記載のコーティングシステム。
【請求項49】
前記カメラは、前記ノズルに設けられた開口部の像を捕捉するよう構成されている、請求項48記載のコーティングシステム。
【請求項50】
前記コントローラは、1つ以上の信号を生じさせ、それにより、
前記カメラを作動させて前記ノズルの前記像を捕捉し、
前記像を処理して前記ノズル上の前記残留材料に基づいて第1の値を生じさせ、
前記第1の値を所定の値と比較し、
前記第1の値が前記所定値について設定された公差から外れているという判定に応答して、前記アプリケータ位置決め組立体を作動させて前記アプリケータを前記洗浄位置に動かし、
前記洗浄組立体を作動させて前記アプリケータから前記残留材料の少なくとも何割かを除去するよう構成されている、請求項48記載のコーティングシステム。
【請求項51】
前記コントローラは、さらに、1つ以上の信号を発生させ、それにより、
前記アプリケータからの前記残留材料の少なくとも何割かを除去するための前記洗浄組立体の前記作動に続き、前記アプリケータ位置決め組立体を作動させて前記アプリケータを前記定量分配位置に動かし、
前記カメラを作動させて前記ノズルの第2の像を捕捉し、
前記第2の像を処理して前記ノズル上の前記残留材料に基づいて第2の値を生じさせ、
前記第2の値を所定の値と比較し、
前記定量分配組立体を作動させて前記アプリケータからの前記材料の定量分配を生じさせるよう構成されている、請求項50記載のコーティングシステム。
【請求項52】
前記視覚システムは、定量分配されている前記材料の流体パターンの像を捕捉するよう構成されたカメラを含む、請求項46記載のコーティングシステム。
【請求項53】
前記コントローラは、1つ以上の信号を発生させ、それにより、
前記カメラを作動させて前記流体パターンの前記像を捕捉し、
前記像を処理して前記流体パターンの実際の流体パターン情報を生じさせ、
前記実際の流体パターン情報を前記流体パターンについての流体パターン情報と比較し、
前記実際の流体パターン情報と前記流体パターン情報の比較に基づいて、前記実際の流体パターンが前記流体パターンについて設定された公差から外れていると判定し、
前記実際の流体パターンが前記流体パターンについて設定された公差から外れているという前記判定に応答して、前記アプリケータ位置決め組立体を作動させて前記アプリケータを前記洗浄位置に動かし、
前記洗浄組立体を作動させて前記アプリケータから前記残留材料の少なくとも何割かを除去するよう構成されている、請求項52記載のコーティングシステム。
【請求項54】
前記流体パターンの前記像は、第1の角度からの前記流体パターンの少なくとも1つの像及び前記第1の角度とは異なる第2の角度からの前記流体パターンの少なくとも1つの像を含む、請求項52記載のコーティングシステム。
【請求項55】
前記カメラは、前記第1の角度からの前記流体パターンの前記少なくとも1つの像を捕捉するための第1の位置と、前記第2の角度からの前記流体パターンの前記少なくとも1つの像を捕捉するための第2の位置との間で動くよう構成されている、請求項54記載の流体定量分配システム。
【請求項56】
前記コントローラは、前記像に基づいて前記流体パターンの三次元モデルを決定し、そして前記三次元モデルに基づいて前記流体パターンの前記実際の流体パターン情報を確認するよう構成されている、請求項53記載のコーティングシステム。
【請求項57】
前記定量分配ノズルから定量分配された前記材料の前記流体パターン中に光を放出するよう構成された光源をさらに含み、前記光源は、前記流体パターン中に放出された前記光を方向づけるために前記流体パターンに対面するよう位置決めされている、請求項52記載のコーティングシステム。
【請求項58】
前記洗浄組立体は、洗浄材料を受け入れるよう構成されかつ前記アプリケータが前記洗浄位置にあるときに前記アプリケータを受け入れるよう構成された洗浄装置を含む、請求項37記載のコーティングシステム。
【請求項59】
コントローラをさらに含み、前記コントローラは、
前記洗浄材料の流体レベルを測定し、
前記流体レベルを所定の値と比較し、
前記測定した流体レベルが前記所定値未満であるという判定に応答して、洗浄材料を追加して前記洗浄材料の前記流体レベルを前記所定値以上に上昇させるよう構成されている、請求項58記載のコーティングシステム。
【請求項60】
前記洗浄材料の前記流体レベルを測定するよう構成された流体レベルセンサをさらに含む、請求項59記載のコーティングシステム。
【請求項61】
前記洗浄材料を追加して前記洗浄材料の前記流体レベルを前記所定値以上に上昇させるよう構成された重力供給リザーバをさらに含む、請求項59記載のコーティングシステム。
【請求項62】
前記洗浄材料は、溶剤を含む、請求項58記載のコーティングシステム。
【請求項63】
前記洗浄装置は、前記洗浄材料を通る超音波を生じさせて前記洗浄材料を撹拌するよう構成された超音波変換器を有し、キャビテーション気泡が前記洗浄材料中に生じるようになっている、請求項58記載のコーティングシステム。
【請求項64】
前記超音波変換器からの電子フィードバックを受け取り、そして前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節するステップを実行するよう構成されている、請求項63記載のコーティングシステム。
【請求項65】
前記電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含む、請求項64記載のコーティングシステム。
【請求項66】
前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節する前記ステップは、前記超音波変換器をその共振周波数で作動させるステップを含む、請求項64記載のコーティングシステム。
【請求項67】
前記洗浄組立体は、前記洗浄装置に取り外し可能に取り付けられるよう構成された蓋を含み、前記洗浄材料は、前記洗浄装置と前記蓋との間に封入され、そして前記洗浄装置から前記蓋を越えて出るのが阻止されるようになっている、請求項58記載のコーティングシステム。
【請求項68】
前記蓋には、前記アプリケータを挿通状態で受け入れるよう構成された孔が設けられている、請求項67記載のコーティングシステム。
【請求項69】
材料をコーティングシステムで基板に塗布する方法であって、前記方法は、
アプリケータを用いて前記材料を基板上に定量分配するステップを含み、前記アプリケータは、前記材料を受け入れて該材料を前記アプリケータから前記基板に向かって吐出するよう構成されており、
視覚システムを用いて前記アプリケータの目視検査を実施するステップを含み、
前記アプリケータの前記目視検査に基づいて、前記基板上への前記材料の前記定量分配を停止させ、そして前記アプリケータを洗浄するステップを含み、
前記アプリケータの洗浄後、前記材料の定量分配を再開するステップを含む、方法。
【請求項70】
前記目視検査を実施する前記ステップは、定量分配されている前記材料の流体パターンを目視検査するステップを含む、請求項69記載の方法。
【請求項71】
定量分配されている前記材料の前記流体パターンを目視検査する前記ステップは、前記視覚システムのカメラにより、定量分配されている前記材料の前記流体パターンの像を捕捉するステップを含む、請求項70記載の方法。
【請求項72】
前記像を処理して前記流体パターンの実際の流体パターン情報を生じさせるステップと、
前記実際の流体パターン情報を前記流体パターンについての流体パターン情報と比較するステップと、
前記実際の流体パターン情報と前記流体パターン情報の比較に基づき、前記実際の流体パターンが前記流体パターンについて設定された公差から外れているということを判定するステップと、
前記実際の流体パターンが前記流体パターンについて設定された公差から外れているという前記判定に応答して、前記アプリケータを定量分配位置から洗浄位置に動かすステップと、
前記アプリケータから残留材料の少なくとも何割かを除去するステップと、をさらに含む、請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記流体パターンの前記像は、第1の角度からの前記流体パターンの少なくとも1つの像及び前記第1の角度とは異なる第2の角度からの前記流体パターンの少なくとも1つの像を含む、請求項71記載の方法。
【請求項74】
前記カメラを前記第1の角度からの前記流体パターンの前記少なくとも1つの像を捕捉するための第1の位置と前記第2の角度からの前記流体パターンの前記少なくとも1つの像を捕捉するための第2の位置との間で動かすステップをさらに含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
前記像に基づいて前記流体パターンの三次元モデルを決定し、そして前記三次元モデルに基づいて前記流体パターンの前記実際の流体パターン情報を確認するステップをさらに含む、請求項71記載の方法。
【請求項76】
光を光源を介して前記定量分配ノズルから定量分配された前記材料の前記流体パターン中に放出するステップをさらに含み、前記光源は、前記放出した光を前記流体パターン中に方向づけるために前記流体パターンに対面するよう位置決めされている、請求項71記載の方法。
【請求項77】
前記目視検査を実施する前記ステップは、汚染があるかどうかについて、前記材料を前記アプリケータから吐出させるノズルを目視検査するステップを含む、請求項69記載の方法。
【請求項78】
前記ノズルを目視検査する前記ステップは、前記視覚システムのカメラにより前記ノズルの像を捕捉するステップを含む、請求項77記載の方法。
【請求項79】
前記カメラは、前記ノズルに設けられた開口部の像を捕捉するよう構成されている、請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記像を処理して前記ノズル上の前記残留材料に基づいて第1の値を生じさせるステップと、
前記第1の値を所定の値と比較するステップと、
前記第1の値が前記所定値について設定された公差から外れているという判定に応答して、前記アプリケータ位置決め組立体を作動させて前記アプリケータを前記洗浄位置に動かすステップと、
前記アプリケータから前記残留材料の少なくとも何割かを除去するステップと、をさらに含む、請求項78記載の方法。
【請求項81】
前記アプリケータからの前記残留材料の少なくとも何割かの除去に続き、前記アプリケータを定量分配位置に動かすステップと、
前記ノズルの第2の像を捕捉するステップと、
前記第2の像を処理して前記ノズル上の前記残留材料に基づいて第2の値を生じさせるステップと、
前記第2の値を所定の値と比較するステップと、
前記材料を前記アプリケータから定量分配するステップと、をさらに含む、請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記目視検査を実施する前記ステップは、前記基板を目視検査するステップを含む、請求項69記載の方法。
【請求項83】
前記基板を目視検査する前記ステップは、前記視覚システムのカメラにより前記基板の像を捕捉するステップを含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記像を処理して前記ノズル上の前記定量分配材料に基づいて第1の値を生じさせるステップと、
前記第1の値を所定の値と比較するステップと、
前記第1の値が前記所定値について設定された公差から外れているという判定に応答して、前記アプリケータを前記洗浄位置に動かすステップと、
前記アプリケータから前記残留材料の少なくとも何割かを除去するステップと、をさらに含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記第1の値は、前記基板上への前記定量分配材料の配置及び量のうちの少なくとも一方を表している、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記アプリケータからの前記残留材料の少なくとも何割かの除去に続き、前記アプリケータを定量分配位置に動かすステップと、
前記基板の第2の像を捕捉するステップと、
前記第2の像を処理して前記ノズル上の定量分配材料に基づいて第2の値を生じさせるステップと、
前記第2の値を所定の値と比較するステップと、
前記材料を前記アプリケータから定量分配するステップと、をさらに含む、請求項84記載の方法。
【請求項87】
前記アプリケータは、前記定量分配ステップが実施されているときに作動位置にあり、前記方法は、前記アプリケータを前記アプリケータの洗浄中、洗浄位置に動かすステップをさらに含む、請求項69記載の方法。
【請求項88】
前記アプリケータを洗浄する前記ステップは、前記アプリケータを所定の持続時間にわたって洗浄材料と接触させるステップを含む、請求項69記載の方法。
【請求項89】
前記洗浄材料の流体レベルを測定するステップと、
前記測定した流体レベルを所定の値と比較するステップと、
前記測定した流体レベルが前記所定値未満であるという判定に応答して、洗浄材料を追加して前記洗浄材料の前記流体レベルが前記所定値以上に上昇させるステップとをさらに含む、請求項88記載の方法。
【請求項90】
前記洗浄材料は、溶剤から成る、請求項88記載の方法。
【請求項91】
超音波変換器を作動させて前記洗浄材料を撹拌し、それにより前記洗浄材料内にキャビテーション気泡を生じさせるステップをさらに含む、請求項88記載の方法。
【請求項92】
前記超音波変換器から電子フィードバックを受け取り、そして前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節するステップをさらに含む、請求項91記載の方法。
【請求項93】
前記電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
前記受け取った電子フィードバックに基づいて前記超音波変換器の作動を調節する前記ステップは、前記超音波変換器をその共振周波数で作動させるステップを含む、請求項92記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンフォーマルコーティング材料の塗布、特に、コンフォーマルコーティングアプリケータを洗浄してコンフォーマルコーティングアプリケータの詰まりの発生を減少させる機構及び方法に関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年6月24日に出願された米国特許仮出願第63/214,386号の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
コンフォーマルコーティングは、典型的には、誘電体を電子部品、例えばプリント回路、プリント回路板(PCB)、プリント回路板上に実装されたデバイス、及び/又はその他に塗布してこれを水分、カビ、ダスト、腐食、研磨、振動、化学薬品、錫ウィスカー、他の環境応力、及び/又はその他から保護するプロセスである。コンフォーマルコーティング材料は、溶剤の蒸発によって硬化する溶剤系材料から「100%固形」コンフォーマルコーティング材料までの範囲にわたる。ありふれたコンフォーマルコーティング材料としては、シリコーン、アクリル樹脂、ウレタン、エポキシ合成樹脂、種々のポリマ、及び/又はその他が挙げられる。PCBに塗布されると、溶剤が蒸発しているとき、又は溶剤フリー物資が硬化しているときに一様厚さの絶縁性樹脂膜が形成されるのが普通である。
【0004】
自動選択的コーティングシステムが知られている。かかるシステムは、材料を漸変被着精度で種々のパターンをなして定量分配し、しかも漸変厚さのコーティングを生じさせるコンフォーマルコーティングディスペンサを含む場合がある。作動中、コーティングシステムの幾つかの部分は、コーティング材料のうちの何割かを保持する場合がある。コーティングディスペンサのノズルは、コーティング材料それ自体の性状に起因して、特定用途プロセス及びパターンに起因して、しかも/或いはその他に起因してコーティング材料を堆積させる場合がある。堆積したコーティング材料は、硬化し、固まり、或いは違ったやり方で詰まり又は影響を受けたディスペンサノズルからのコーティング材料の連続定量分配を妨害する場合がある。
【0005】
堆積し又は残留したコーティング材料をノズルから洗浄して除去する幾つかの機構が当該技術分野において存在する。幾つかのやり方では、ディスペンサノズルが用いられていない場合、ディスペンサノズルは、ノズル上に堆積した未硬化コーティングがあればこれと相互作用し、そして未硬化コーティングが硬化しかつ/或いは凝固し、そしてノズルを詰まらせるのを阻止する溶剤を収容したリザーバ内に保管される場合がある。しかしながら、幾つかのコーティングやり方では、作動中にノズル上に被着された過剰のコーティング材料は、作動プロセスそれ自体の間に硬化して詰まりを形成し始める。かくして、ノズルを溶剤入りリザーバ内に保管するソリューションは、過剰材料がまだ硬化していないときに詰まりの生成を減少させるが、作動中に硬化する材料に起因して生じる詰まりを阻止する上では用をなさない。典型的には、材料が既に硬化した後にノズルを溶剤中に保管することは、過剰の材料をノズルから除去する上では効果が弱い。
【0006】
場合によっては用いられるもう1つの技術的解決策は、ノズルを適当なツールで機械的にクリーニングすることである。かかるやり方によれば、ユーザは、過剰材料をブラシがけし又は拭いてノズルから落とすことができる。ノズルは、過剰材料を除去するためのブラシに対して動かされるよう構成されているのがよい。しかしながら、この解決策の結果として、ブラシが経時的には過剰の材料を堆積させ、そして適正にクリーニングされ又は交換されなければ、次のクリーニング又は洗浄ステップにおいて、堆積した材料のうちの何割かをノズル上に被着させて戻してしまう。加うるに、幾つかのノズルは、ブラシの剛毛の機械的スクラビングによって損傷を受ける場合のあるデリケートな材料で形成されている場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、過剰コーティング材料をコンフォーマルコーティングディスペンサから洗浄する改良型機構及び/又はプロセスが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記要望は、開示するコーティング組立体及び関連方法の種々の観点によって満たされる。本開示の一観点によれば、コーティングシステムで材料を基板に塗布する方法は、アプリケータを用いて材料を基板上に定量分配するステップを含み、アプリケータは、材料を受け入れて該材料をアプリケータから基板に向かって吐出するよう構成されており、本方法は、アプリケータを介して吐出されている材料のパラメータを測定するステップと、測定パラメータを基準値と比較するステップとをさらに含む。本方法は、比較に基づき、基板上への材料の定量分配を停止させてアプリケータを洗浄し、その結果、パラメータが所定の範囲内にあるようにするステップを含む。本方法は、アプリケータを洗浄した後、材料の定量分配を再開するステップを含む。
【0009】
オプションとして、材料のパラメータを測定するステップは、材料の流量、材料の温度、及び材料の圧力のうちの少なくとも1つを測定する。
【0010】
オプションとして、パラメータを測定するステップは、第1のパラメータを測定するステップ及び第2のパラメータを測定するステップを含むのがよく、本方法は、測定した第1のパラメータを測定した第2のパラメータと比較するステップを含むのがよい。パラメータが所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップは、測定した第2のパラメータが第1のパラメータと比較して所定の範囲内にあるかどうかを判定するステップを含むのがよい。
【0011】
オプションとして、アプリケータは、定量分配ステップが実施されているときに作動位置にあるのがよく、本方法は、パラメータが所定の範囲内にない場合、アプリケータを洗浄位置に動かすステップをさらに含むのがよい。
【0012】
オプションとして、アプリケータを洗浄するステップは、アプリケータを洗浄材料と所定の期間にわたって接触させるステップを含むのがよい。
【0013】
オプションとして、洗浄材料は、溶剤から成るのがよい。
【0014】
オプションとして、本方法は、超音波変換器を作動させて洗浄材料を撹拌し、それにより洗浄材料中にキャビテーション気泡を生じさせるステップをさらに含むのがよい。
【0015】
オプションとして、本方法は、超音波変換器から電子フィードバックを受け取り、そして受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップをさらに含むのがよい。
【0016】
オプションとして、電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含むのがよい。
【0017】
オプションとして、受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップは、超音波変換器をその共振周波数で作動させるステップを含むのがよい。
【0018】
オプションとして、本方法は、洗浄材料の流体レベルを測定するステップと、測定した流体レベルを所定の値と比較するステップと、測定した流体レベルが所定値未満であるという判定に応答して、洗浄材料を追加し、洗浄材料の流体レベルを所定値以上に上昇させるステップとをさらに含むのがよい。
【0019】
オプションとして、基準値は、下しきい値と上しきい値との間に定められる所定の値域であるのがよく、比較ステップは、測定したパラメータが所定範囲内にあるかどうかを判定するステップを含むのがよい。
【0020】
オプションとして、定量分配を停止させるステップは、コーティングシステムに指示して比較ステップの完了直後に定量分配を停止させるステップを含むのがよい。
【0021】
オプションとして、定量分配を停止させるステップは、コーティングシステムに指示して比較ステップの完了後、所定の時間が経過した後に定量分配を停止させるステップを含むのがよい。
【0022】
本発明のもう1つの観点によれば、定量分配アプリケータを含むコーティングシステム内の詰まりについて将来の発生を予測する方法が開示される。定量分配アプリケータは、材料を基板上に定量分配するよう構成される。本方法は、定量分配アプリケータ内の材料の第1のパラメータを第1の時点で測定するステップと、第1の詰まり条件の存在を識別するステップと、第1のパラメータと第1の詰まり条件との関連性を見いだすステップと、材料の第1のパラメータを第1の時点後の第2の時点で測定するステップと、第2の時点における測定した第1のパラメータ及び見いだした関連性を使用し、第2の詰まり条件についての将来の発生を予測するステップとを含む。
【0023】
オプションとして、第2の詰まり条件の将来の発生を予測するステップは、第1のパラメータについての所定の制御値を用いるステップを含むのがよい。
【0024】
オプションとして、所定の制御値は、制御所定値範囲を含むのがよい。
【0025】
オプションとして、本方法は、ユーザに第2の詰まり条件の予測した将来の発生を知らせるステップをさらに含むのがよい。
【0026】
オプションとして、本方法は、第2の詰まり条件の予測した将来の発生が生じる前に洗浄プロセスを作動させるステップをさらに含むのがよく、洗浄プロセスは、堆積している材料を定量分配アプリケータから除去するステップを含む。
【0027】
オプションとして、第1のパラメータは、コーティングシステムの作動パラメータ及びコーティング材料パラメータのうちの少なくとも一方を含むのがよく、コーティングシステムの作動パラメータは、定量分配アプリケータのサイズ、材料の見分け、及び基板の見分けのうちの少なくとも1つを含み、コーティング材料パラメータは、コーティング材料の圧力、コーティング材料の流量、コーティング材料の温度、コーティング作業の持続時間、先のアプリケータ洗浄からの経過時間、コーティングされている基板の量、及び先のアプリケータ洗浄以来の基板のコーティング量のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
オプションとして、本方法は、先のアプリケータ洗浄以来の経過時間と第1の詰まり条件との関連性を見いだすステップを含むのがよい。
【0029】
オプションとして、本方法は、複数の関連性を見いだすステップをさらに含むのがよく、第2の詰まり条件についての将来の発生は、複数の生じさせた連携の一部分を識別して複数の生じさせた連携の一部分を利用して第1のパラメータと将来の第2の詰まり条件の予測関連性を外挿するステップを含む。
【0030】
本発明のもう1つの観点によれば、材料を基板上に定量分配する定量分配アプリケータを洗浄する方法は、定量分配アプリケータが定量分配位置にあるとき、定量分配アプリケータと関連したパラメータをセンサで測定するステップを含み、定量分配位置では、定量分配アプリケータは、材料を基板上に定量分配するよう構成され、本方法は、測定したパラメータが所定のしきい値を超えた場合、定量分配アプリケータを定量分配位置から洗浄位置に動かすステップを含み、洗浄位置では、定量分配アプリケータは、材料を基板上に定量分配するよう構成されておらず、本方法は、定量分配アプリケータを洗浄位置で洗浄するステップを含む。
【0031】
オプションとして、パラメータを測定するステップは、パラメータを第1の反復時に測定するステップ及びパラメータを第2の反復時に測定するステップを含むのがよく、本方法は、第1の反復時での測定パラメータを第2の反復時の測定パラメータと比較して第1の反復時の測定パラメータと第2の反復時の測定パラメータの差が所定のしきい値を超えているかどうかを判定するステップをさらに含むのがよい。
【0032】
オプションとして、パラメータを測定するステップは、第1のパラメータ及び第2のパラメータを測定するステップを含むのがよい。
【0033】
オプションとして、第1のパラメータは、材料の温度を含み、第2のパラメータは、材料の流量を含むのがよい。
【0034】
オプションとして、第2の反復時における材料の測定温度が第1の反復時における測定温度と比較して、所定のしきい値を超えていない場合かつ第2の反復時における材料の流量が所定しきい値を下回っている場合、本方法は、定量分配アプリケータを定量分配位置から洗浄位置に動かして定量分配アプリケータを洗浄するステップを含むのがよい。
【0035】
オプションとして、洗浄ステップは、定量分配アプリケータを洗浄材料に接触させるステップを含むのがよい。
【0036】
オプションとして、洗浄材料は、溶剤を含むのがよい。
【0037】
オプションとして、洗浄ステップは、超音波変換器を有する洗浄装置を作動させて洗浄材料内に超音波を発生させ、それにより洗浄材料を加工してキャビテーション気泡が生成されるようにするステップを含むのがよい。
【0038】
オプションとして、本方法は、超音波変換器から電子フィードバックを受け取り、そして受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップを含むのがよい。
【0039】
オプションとして、電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含むのがよい。
【0040】
オプションとして、受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップは、超音波変換器とその共振周波数で作動させるステップを含むのがよい。
【0041】
オプションとして、本方法は、洗浄ステップ後にパラメータを測定するステップを含むのがよい。
【0042】
オプションとして、本方法は、洗浄ステップ後にパラメータを測定する前に、定量分配アプリケータを定量分配位置に動かし、そして定量分配アプリケータを介して材料を定量分配するステップを含むのがよい。
【0043】
オプションとして、本方法は、洗浄ステップ後にパラメータを測定する前に、定量分配アプリケータをパージ位置に動かし、そして定量分配アプリケータを介して材料を定量分配するステップを含むのがよい。
【0044】
本発明のさらにもう1つの観点によれば、材料を基板上に定量分配するコーティングシステムは、コーティング材料源からコーティング材料を受け取るよう構成されたアプリケータを含み、アプリケータは、出口を有し、材料は、出口を通って、基板に向かって流出するようになっており、コーティングシステムは、アプリケータからの材料の定量分配を生じさせるよう構成された定量分配組立体と、アプリケータに作動可能に連結されていて、アプリケータを定量分配位置と洗浄位置との間で動かすよう構成されたアプリケータ位置決め組立体と、アプリケータから残留材料を除去するよう構成された洗浄組立体とを含む。アプリケータが定量分配位置にあるとき、アプリケータは、洗浄組立体と接触状態にはなく、アプリケータは、材料を基板上に定量分配するよう構成され、アプリケータが洗浄位置にあるとき、アプリケータは、洗浄組立体と接触状態にあり、アプリケータは、材料を定量分配するよう構成されておらず、そして洗浄組立体によって洗浄されるよう構成されている。
【0045】
オプションとして、コーティングシステムは、アプリケータ内にある材料を加熱するよう構成されたヒータを含むのがよい。
【0046】
オプションとして、コーティングシステムは、コーティングシステムの作動を制御するよう構成されたコントローラをさらに含むのがよく、コントローラは、複数のセンサ及びプロセッサを含む。
【0047】
オプションとして、複数のセンサは、以下のセンサ、すなわち、温度センサ、流量センサ、及び圧力センサのうちの少なくとも1つを含むのがよい。
【0048】
オプションとして、プロセッサは、複数のセンサから信号を受け取り、そして受け取った信号をメモリ内に記憶させるよう構成されるのがよい。
【0049】
オプションとして、プロセッサは、複数のセンサのうちの少なくとも2つからの受け取り信号を互いに比較して詰まり条件が存在するかどうかを判定するよう構成されるのがよい。
【0050】
オプションとして、プロセッサは、複数のセンサからの受け取り信号を所定の制御信号と比較して詰まり条件が存在するかどうかを判定するよう構成されるのがよい。
【0051】
オプションとして、プロセッサは、第1の反復時に複数のセンサから信号を受け取ると共に、第1の反復後における第2の反復時に複数のセンサから信号を受け取るよう構成されるのがよく、プロセッサは、第2の反復時の受け取った信号を第1の反復時の受け取った信号と比較して詰まり条件が存在するかどうかを判定するよう構成されるのがよい。
【0052】
オプションとして、信号は、材料の温度及び流量を含むのがよく、プロセッサは、第1の反復時の温度及び流量を第2の反復時の温度及び流量と比較し、第2の反復時の温度が第1の反復時の温度と比較して所定のしきい値内にありかつ第2の反復時の流量が第1の反復時の流量と比較して所定のしきい値を下回っている場合、プロセッサは、信号をアプリケータ位置決め組立体に送るアプリケータを洗浄位置に動かすように構成されるのがよい。
【0053】
オプションとして、コーティングシステムは、コーティングシステムの作動を制御するよう構成されたコントローラをさらに含むのがよく、コントローラは、視覚システムを含む。
【0054】
オプションとして、視覚システムは、アプリケータに搭載された状態で又はアプリケータの下流側に位置決めされるのがよい。
【0055】
オプションとして、視覚システムは、材料をアプリケータから定量分配させるノズルの画像を捕捉するよう構成されたカメラを含むのがよい。
【0056】
オプションとして、カメラは、ノズルに設けられた開口部の像を捕捉するよう構成されるのがよい。
【0057】
オプションとして、コントローラは、1つ以上の信号を生じさせ、それにより、カメラを作動させてノズルの像を捕捉し、像を処理してノズル上の残留材料に基づいて第1の値を生じさせ、第1の値を所定の値と比較し、第1の値が所定値について設定された公差から外れているという判定に応答して、アプリケータ位置決め組立体を作動させてアプリケータを洗浄位置に動かし、洗浄組立体を作動させてアプリケータから残留材料の少なくとも何割かを除去するよう構成されるのがよい。
【0058】
オプションとして、コントローラは、さらに、1つ以上の信号を発生させ、それにより、アプリケータからの残留材料の少なくとも何割かを除去するための洗浄組立体の作動に続き、アプリケータ位置決め組立体を作動させてアプリケータを定量分配位置に動かし、カメラを作動させてノズルの第2の像を捕捉し、第2の像を処理してノズル上の残留材料に基づいて第2の値を生じさせ、第2の値を所定の値と比較し、定量分配組立体を作動させてアプリケータからの材料の定量分配を生じさせるよう構成されるのがよい。
【0059】
オプションとして、視覚システムは、定量分配されている材料の流体パターンの像を捕捉するよう構成されたカメラを含むのがよい。
【0060】
オプションとして、コントローラは、1つ以上の信号を発生させ、それにより、カメラを作動させて流体パターンの像を捕捉し、像を処理して流体パターンの実際の流体パターン情報を生じさせ、実際の流体パターン情報を流体パターンについての流体パターン情報と比較し、実際の流体パターン情報と流体パターン情報の比較に基づいて、実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差から外れていると判定し、実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差から外れているという判定に応答して、アプリケータを洗浄位置に動かし、洗浄組立体を作動させてアプリケータから残留材料の少なくとも何割かを除去するよう構成されている。
【0061】
オプションとして、流体パターンの像は、第1の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像及び第1の角度とは異なる第2の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像を含むのがよい。
【0062】
オプションとして、カメラは、第1の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像を捕捉するための第1の位置と、第2の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像を捕捉するための第2の位置との間で動くよう構成されるのがよい。
【0063】
オプションとして、コントローラは、像に基づいて流体パターンの三次元モデルを決定し、そして三次元モデルに基づいて流体パターンの実際の流体パターン情報を確認するよう構成されるのがよい。
【0064】
オプションとして、コーティングシステムは、定量分配ノズルから定量分配された材料の流体パターン中に光を放出するよう構成された光源をさらに含むのがよく、光源は、流体パターン中に放出された光を方向づけるために流体パターンに対面するよう位置決めされている。
【0065】
オプションとして、洗浄組立体は、洗浄材料を受け入れるよう構成されかつアプリケータが洗浄位置にあるときにアプリケータを受け入れるよう構成された洗浄装置を含むのがよい。
【0066】
オプションとして、本方法は、洗浄材料の流体レベルを測定するステップと、流体レベルを所定の値と比較するステップと、測定した流体レベルが所定値未満であるという判定に応答して、洗浄材料を追加して洗浄材料の流体レベルを所定値以上に上昇させるステップとを含むのがよい。
【0067】
オプションとして、コーティングシステムは、洗浄材料の流体レベルを測定するよう構成された流体レベルセンサをさらに含むのがよい。
【0068】
オプションとして、コーティングシステムは、洗浄材料を追加して洗浄材料の流体レベルを所定値以上に上昇させるよう構成された重力供給リザーバをさらに含むのがよい。
【0069】
オプションとして、洗浄材料は、溶剤を含むのがよい。
【0070】
オプションとして、洗浄装置は、洗浄材料を通る超音波を生じさせて洗浄材料を撹拌するよう構成された超音波変換器を有するのがよく、キャビテーション気泡が洗浄材料中に生じるようになっている。
【0071】
オプションとして、本方法は、超音波変換器からの電子フィードバックを受け取り、そして受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップを含むのがよい。
【0072】
オプションとして、電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含むのがよい。
【0073】
オプションとして、受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップは、超音波変換器をその共振周波数で作動させるステップを含むのがよい。
【0074】
オプションとして、洗浄組立体は、洗浄装置に取り外し可能に取り付けられるよう構成された蓋を含むのがよく、洗浄材料は、洗浄装置と蓋との間に封入され、そして洗浄装置から蓋を越えて出るのが阻止されるようになっている。
【0075】
オプションとして、蓋には、アプリケータを挿通状態で受け入れるよう構成された孔が設けられるのがよい。
【0076】
本発明のさらにもう1つの観点によれば、材料をコーティングシステムで基板に塗布する方法は、アプリケータを用いて材料を基板上に定量分配するステップを含み、アプリケータは、材料を受け入れて該材料をアプリケータから基板に向かって吐出するよう構成されており、本方法は、視覚システムを用いてアプリケータの目視検査を実施するステップと、アプリケータの目視検査に基づいて、基板上への材料の定量分配を停止させ、そしてアプリケータを洗浄するステップと、アプリケータの洗浄後、材料の定量分配を再開するステップとをさらに含む。
【0077】
オプションとして、目視検査を実施するステップは、定量分配されている材料の流体パターンを目視検査するステップを含むのがよい。
【0078】
オプションとして、定量分配されている材料の流体パターンを目視検査するステップは、視覚システムのカメラにより、定量分配されている材料の流体パターンの像を捕捉するステップを含むのがよい。
【0079】
オプションとして、本方法は、像を処理して流体パターンの実際の流体パターン情報を生じさせるステップと、実際の流体パターン情報を流体パターンについての流体パターン情報と比較するステップと、実際の流体パターン情報と流体パターン情報の比較に基づき、実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差から外れているということを判定するステップと、実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差から外れているという判定に応答して、アプリケータを定量分配位置から洗浄位置に動かすステップと、アプリケータから残留材料の少なくとも何割かを除去するステップとをさらに含むのがよい。
【0080】
オプションとして、流体パターンの像は、第1の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像及び第1の角度とは異なる第2の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像を含むのがよい。
【0081】
オプションとして、本方法は、カメラを第1の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像を捕捉するための第1の位置と第2の角度からの流体パターンの少なくとも1つの像を捕捉するための第2の位置との間で動かすステップをさらに含むのがよい。
【0082】
オプションとして、本方法は、像に基づいて流体パターンの三次元モデルを決定し、そして三次元モデルに基づいて流体パターンの実際の流体パターン情報を確認するステップをさらに含むのがよい。
【0083】
オプションとして、本方法は、光を光源を介して定量分配ノズルから定量分配された材料の流体パターン中に放出するステップをさらに含むのがよく、光源は、放出した光を流体パターン中に方向づけるために流体パターンに対面するよう位置決めされている。
【0084】
オプションとして、目視検査を実施するステップは、汚染があるかどうかについて、材料をアプリケータから吐出させるノズルを目視検査するステップを含むのがよい。
【0085】
オプションとして、ノズルを目視検査するステップは、視覚システムのカメラによりノズルの像を捕捉するステップを含むのがよい。
【0086】
オプションとして、カメラは、ノズルに設けられた開口部の像を捕捉するよう構成されるのがよい。
【0087】
オプションとして、本方法は、像を処理してノズル上の残留材料に基づいて第1の値を生じさせるステップと、第1の値を所定の値と比較するステップと、第1の値が所定値について設定された公差から外れているという判定に応答して、アプリケータを洗浄位置に動かすステップと、アプリケータから残留材料の少なくとも何割かを除去するステップとをさらに含むのがよい。
【0088】
オプションとして、本方法は、アプリケータからの残留材料の少なくとも何割かの除去に続き、アプリケータを定量分配位置に動かすステップと、ノズルの第2の像を捕捉するステップと、第2の像を処理してノズル上の残留材料に基づいて第2の値を生じさせるステップと、第2の値を所定の値と比較するステップと、材料をアプリケータから定量分配するステップとをさらに含むのがよい。
【0089】
オプションとして、目視検査を実施するステップは、基板を目視検査するステップを含むのがよい。
【0090】
オプションとして、基板を目視検査するステップは、視覚システムのカメラにより基板の像を捕捉するステップを含むのがよい。
【0091】
オプションとして、本方法は、像を処理して基板上の定量分配材料に基づいて第1の値を生じさせるステップと、第1の値を所定の値と比較するステップと、第1の値が所定値について設定された公差から外れているという判定に応答して、アプリケータを洗浄位置に動かすステップと、アプリケータから残留材料の少なくとも何割かを除去するステップとをさらに含むのがよい。
【0092】
オプションとして、第1の値は、基板上への定量分配材料の配置及び量のうちの少なくとも一方を表すのがよい。
【0093】
オプションとして、本方法は、アプリケータからの残留材料の少なくとも何割かの除去に続き、アプリケータを定量分配位置に動かすステップと、基板の第2の像を捕捉するステップと、第2の像を処理してノズル上の定量分配材料に基づいて第2の値を生じさせるステップと、第2の値を所定の値と比較するステップと、材料をアプリケータから定量分配するステップとをさらに含むのがよい。
【0094】
オプションとして、アプリケータは、定量分配ステップが実施されているときに作動位置にあり、本方法は、アプリケータをアプリケータの洗浄中、洗浄位置に動かすステップをさらに含むのがよい。
【0095】
オプションとして、アプリケータを洗浄するステップは、アプリケータを所定の持続時間にわたって洗浄材料と接触させるステップを含むのがよい。
【0096】
オプションとして、本方法は、洗浄材料の流体レベルを測定するステップと、測定した流体レベルを所定の値と比較するステップと、測定した流体レベルが所定値未満であるという判定に応答して、洗浄材料を追加して洗浄材料の流体レベルが所定値以上に上昇させるステップとをさらに含むのがよい。
【0097】
オプションとして、洗浄材料は、溶剤から成るのがよい。
【0098】
オプションとして、本方法は、超音波変換器を作動させて洗浄材料を撹拌し、それにより洗浄材料内にキャビテーション気泡を生じさせるステップをさらに含むのがよい。
【0099】
オプションとして、本方法は、超音波変換器から電子フィードバックを受け取り、そして受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップをさらに含むのがよい。
【0100】
オプションとして、電子フィードバックは、電流フィードバック及び位相フィードバックのうちの少なくとも一方を含むのがよい。
【0101】
オプションとして、受け取った電子フィードバックに基づいて超音波変換器の作動を調節するステップは、超音波変換器をその共振周波数で作動させるステップを含むのがよい。
【0102】
本願は、添付の図面と関連して読まれると、一層深く理解される。本発明の内容を説明する目的で、本発明の例示の諸観点が図面に示されているが、ここに開示する発明の内容は、開示した特定の方法、特定の装置、特定のシステムには限定されない。図面に関する簡単な説明は次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【
図1】本発明の一観点としてのコーティング組立体システムの略図である。
【
図2】本発明の一観点としてのコーティング組立体システムのプロセッサのメモリの略図である。
【
図3】本発明の一観点としての洗浄組立体システムの一部の斜視図である。
【
図4】
図3の洗浄組立体システムの一部の別の斜視図である。
【
図5】
図3の洗浄組立体システムの一部の別の斜視図であり、本発明の一観点にしたがって洗浄組立体システム内に配置されたアプリケータを示す図である。
【
図6】本発明のもう1つの観点としての洗浄組立体システムの一部の斜視図である。
【
図7】
図6の洗浄組立体システムの一部の別の斜視図であり、本発明の一観点にしたがって洗浄組立体システム内に配置されたアプリケータを示す図である。
【
図8】本発明のさらにもう1つの観点としての洗浄組立体システムの側面断面図である。
【
図9】本発明の一観点としての詰まり検出プロセスを表す流れ図である。
【
図10】本発明のもう一つの観点としてのコーティング組立体の略図である。
【
図11】本発明の一観点としての機械学習ユニットの略図である。
【
図12】本発明の一観点としての
図11の機械学習ユニットの学習モジュールの略図である。
【
図13】本発明の一観点にしたがって、詰まり条件についての将来の発生を予測するプロセスを表す流れ図である。
【
図14】本発明の一観点としてのコーティングシステムのノズルを通って1つ以上の基板に被着される材料の流量を較正するプロセスを表す流れ図である。
【
図15】本発明の一観点にしたがって定量分配ノズルを目視検査するプロセスを表す流れ図である。
【
図16】本発明の一観点にしたがって流体パターンを目視検査するプロセスを表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
次に、前図を参照して本発明の諸観点につき詳細に説明するが、図中、上述の参照符号は、別段の指定がなければ、図面全体にわたって同一の要素を指している。
【0105】
図1を参照すると、例示のコンフォーマルコーティングシステム10がコンフォーマルコーティングアプリケータ又はディスペンサ、以下アプリケータ20を含む状態で図示されている。アプリケータ20は、1つ以上のコンフォーマルコーティング材料50を材料源54から受け入れるよう構成されている。アプリケータ20は、アプリケータ先端部24を有し、アプリケータ20は、このアプリケータ先端部24を通って受け取った材料50を1つ以上の基板30上に定量分配するよう構成されている。材料50の定量分配は、アプリケータ20内に設けられると共に/或いはアプリケータ20に作動可能に連結された1つ以上の定量分配組立体42によって制御されるのがよい。定量分配組立体42は、稼働弁、弁部品、及び/又はその他を含むのがよく、この定量分配組立体は、弁又は例えばソレノイドによって具体化できる弁部品の運動を生じさせるためのアクチュレータを含むのがよい。コーティングシステム10は、コーティング材料50を加熱するよう構成されたヒータ36を含むのがよい。ヒータ36は、材料源54、アプリケータ20、又はコーティングシステム10内のどこか他の場所に隣接して設けられるのがよい。幾つかの観点では、コーティングシステム10は、複数のヒータ36を含むのがよい。
【0106】
基板30は、コンフォーマルコーティングを被着状態で受け取るよう構成されたプリント回路、プリント回路版(PCB)、別の電子部品、及び/又はその他を有するのがよい。幾つかの観点では、1枚以上の基板30がバッチモードでコーティングされるのがよい。基板30のうちの1枚以上は、例えばコンベア(図示せず)によってアプリケータ20を越えて連続的に動かされるのがよい。幾つかの観点では、アプリケータ20は、基板30に対して動かされるのがよい。アプリケータ20は、アプリケータ位置決め組立体34に作動可能に連結されるのがよい。アプリケータ位置決め組立体34は、アプリケータ20を基板30に対して、1本、2本、又は3本の方向軸線に沿って並進させるよう構成されているのがよく、これら方向軸線は、各々が他の軸線のうちの任意のものに対して直交している。幾つかの観点では、アプリケータ位置決め組立体34は、アプリケータ20を1本、2本、又は3本の方向軸線回りに回転させるよう構成されているのがよい。アプリケータ位置決め組立体34は、別個独立に制御可能なモータ(図示せず)に既知の仕方で結合された駆動装置を含むのがよい。アプリケータ位置決め組立体34は、アプリケータ20を基板30に対して迅速に動かすよう構成されている。アプリケータ20の運動により、アプリケータ20が所望の向きに基づいて基板30と整列することができる。幾つかの観点では、アプリケータ位置決め組立体34は、アプリケータ20を作動位置と洗浄位置との間で動かすよう構成されているのがよい。作動位置では、アプリケータ20は、材料50を基板30上に定量分配するよう構成されている。アプリケータ20は、作動位置にあるとき、基板30に対して動くことができるのがよい。洗浄位置では、アプリケータ20は、基板30から間隔をおいて配置されるのがよく、このアプリケータは、材料50を基板30上に定量分配するのが阻止される。
【0107】
コンフォーマルコーティングシステム10は、信号を送信すると共に/或いは受信してコンフォーマルコーティングシステム10の1つ以上のコンポーネントの作動を指図するよう構成された1つ以上のコントローラをさらに含むのがよい。システムコントローラ100が、データ及び/又は信号をコンフォーマルコーティングシステム10の1つ以上のコンポーネントに送ると共に/或いはかかる1つ以上のコンポーネントから受け取ってコンフォーマルコーティングシステム10の作動を制御するよう構成されているのがよい。コントローラ100は、コンフォーマルコーティングシステム10の1つ以上のヒータ36及び/又は他のコンポーネントを作動させるよう構成されているのがよい。コントローラ100は、コーティングシステム10の種々のパラメータを検出して測定するよう構成された1つ以上のセンサを有するのがよく、或いはかかる1つ以上のセンサに作動的に接続されるのがよい。
【0108】
引き続き
図1を参照すると、コントローラ100は圧力センサ108を含むのがよく、或いはこの圧力センサに接続されるのがよい。圧力センサ108は、材料50が材料源54からアプリケータ20に向かって動かされているときに材料50の圧力を流路に沿う1つ以上の箇所で検出すると共に測定するよう構成されているのがよい。コントローラ100は、流量計112を有するのがよく又はこの流量計に接続されるのがよく、流量計112は、材料50が材料源54からアプリケータ20に向かって動かされているときに材料50の流量を流路に沿う1つ以上の箇所で検出すると共に測定するよう構成されているのがよい。コントローラ100は、温度センサ116を有するのがよく、又はこの温度センサに接続されるのがよく、温度センサ116は、材料50が材料源54からアプリケータ20に向かって動かされているときに材料50の温度を流路に沿う1つ以上の箇所で測定するよう構成されている。幾つかの観点では、コーティングシステム10は、複数の圧力センサ108、複数の流路計112及び/又は複数の温度センサ116を含むのがよく、本開示は、記載する種々のセンサ及び計器の特定の数量又はそれぞれの配置によって限定されることはない。理解されるべきこととして、上述のコンポーネントの特定の配置は、任意適当な配置にしたがっていてもよく、この特定の配置は、選択した個々のコンポーネントの寸法形状、選択したコンポーネントの数量、製造上の制約、及び/又は当業界において共通してみられる他の検討事項で決まるのがよい。
図1の略図に示された配置は、例示であり、したがって、説明するコンポーネントの相対的位置決めの観点において本発明を限定するものではない。
【0109】
コントローラ100は、圧力センサ108、流量計112、及び/又は温度センサ116から信号を受け取るよう構成されたプロセッサ120を有するのがよい。加うるに、コントローラ100は、信号を作製・調整するためにアナログ・デジタル変換器、デジタル・アナログ変換器、少なくとも1つのフィルタ、及び/又はその他を有するのがよい。受信した信号は、材料圧力、材料流量、及び/又は材料温度のそれぞれの測定値を含むのがよい。プロセッサ120は、当業者には理解されるように、本明細書において説明する機能を実行することができるプログラマブル論理制御装置(PLC)、マイクロプロセッサ型コントローラ、強化パーソナルコンピュータ、又は他の従来型プログラマブル制御装置を含むのがよい。プロセッサ120は、1つのディスクリート物理的状態と次のディスクリート物理的状態を区別すると共にこれら状態を変化させるスイッチング素子の操作により1つのディスクリート物理的状態から次のディスクリート物理的状態に移行することによって必要な演算を実行することができる。スイッチング素子としては、一般に、2つの2進状態のうちの一方を維持する電子回路、例えばフリップフロップや1つ以上の他のスイッチング素子の状態の論理結合に基づいて出力状態を提供する電子回路、例えば論理ゲートが挙げられる。これら基本的なスイッチング素子は、より複雑な論理回路を作るよう組み合わされるのがよく、かかるより複雑な論理回路としては、レジスタ、加減算器、算術論理演算ユニット、浮動小数点演算ユニット、及びその他が挙げられる。
【0110】
プロセッサ120は、測定値を受け取って記憶するよう構成されたメモリ124と結合すると共に通信するよう構成されているのがよい。メモリ124としては、コーティングシステム10のコントローラ100及び/又は別のコンポーネントを始動すると共に/或いは作動させて情報をコーティングシステム10の種々のコンポーネントとデバイス相互間で伝送するための基本的ルーティンを記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又はコンピュータ可読記憶媒体、例えばリードオンリーメモリ(ROM)又は不揮発性RAM(NVRAM)が挙げられる。メモリ124は、また、コーティングシステム10のコントローラ100及び/又は他のコンポーネントの作動に必要な他のソフトウェアコンポーネントを記憶するのがよく、他のソフトウェアコンポーネントとしては、オペレーティングシステム、プロセス170を実行するソフトウェア、機械学習ユニット200を実行するソフトウェア、学習モジュール208を実行するソフトウェア、及び/又はその他が挙げられる。プロセッサ120は、情報、例えばプログラムモジュール、データ構造、又は他のデータを記憶したり検索したりするためにコンピュータ可読記憶媒体を含むのがよく、或いはコンピュータ可読記憶媒体に接続されるのがよく、或いは違ったやり方でコンピュータ可読記憶媒体と通信状態にあるのがよい。当業者には理解されるべきこととして、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的データの記憶を可能にすると共にプロセッサ120にアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよい。一例を挙げると、コンピュータ可読記憶媒体としては、揮発性及び不揮発性記憶媒体、一時的コンピュータ可読記憶媒体、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、及び任意の方法又は任意の技術で具体化されるリムーバル及び非リムーバル媒体が挙げられるが、これらには限定されない。コンピュータ可読記憶媒体としては、RAM、ROM、消去可能プログラマブルROM(“EPROM”)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(“EEPROM”)、フラッシュメモリ又は他のソリッドステートメモリ技術、コンパクトディスクROM(“CD‐ROM”)、デジタル多用途ディスク(“DVD”)、高解像度デジタル多用途ディスク(“HD‐DVD”)、BLU-RAY 、又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、他の磁気記憶装置、又は所望の情報を非一時的に記憶するために使用できる任意他の媒体が挙げられるが、これらには限定されない。
【0111】
図2を参照すると、メモリ124は、測定データ128及び制御データ132のためのリポジトリを含むのがよい。測定データ128は、圧力センサ108、流量計112、温度センサ116、及び/又はコーティングシステム10の別のコンポーネントのうちの1つ以上から受け取った測定値を含むのがよい。加うるに、測定データ128は、収集時間、他の環境データ、及び/又はその他を含むのがよい。制御データ132は、コーティングシステム10の作動に先立ってプロセッサ120にあらかじめプログラムできる既定の情報を含むのがよい。動作において、プロセッサ120は、測定データ128を制御データ132と比較するのがよく、これについては、以下に詳細に説明する。
【0112】
プロセッサ120はまた1つ以上の信号をコーティングシステム10の1つ以上のコンポーネントに送るよう構成されているのがよい。幾つかの観点では、プロセッサ120は、1つ以上の信号をコーティングシステム10の外部に位置するコンポーネント、例えばワイヤード接続、ワイヤレス接続、ネットワーク接続、クラウドネットワーク接続(図示せず)、及び/又はその他に送り、或いはかかる接続を介して送るよう構成されているのがよい。
【0113】
再び
図1を参照すると、圧力調整器104を含むのがよく、圧力調整器104は、材料源54とアプリケータ20との間を流れる1つ以上の箇所の材料50の圧力を調整するよう構成されている。圧力調整器104は、1つ以上の弁及び/又は1つ以上の圧送機構体を有するのがよい。圧力調整器104を作動させると、材料50の圧力を選択的に増減することができる。プロセッサ120は、1つ以上の信号を圧力調整器104に送り、それにより圧力調整器104が材料50の圧力を変化させると共に/或いは材料50の流量を違ったやり方で調節することができるようになっている。材料50の圧力が高ければ高いほど、コーティングシステム10内における材料50の流量をそれだけ一層高くすることができ、これとは逆に、材料50の圧力が低ければ低いほど、コーティングシステム10内における材料50の流量をそれだけ一層低くすることができる。プロセッサ120は、圧力調整器104を制御して材料50の所望の圧力を維持するよう構成されているのがよい。圧力センサ108により測定される材料50の圧力が所定の圧力範囲から外れている場合(例えば、所定範囲の上しきい値を上回っている場合又は所定範囲の下しきい値を下回っている場合)、プロセッサ120は、信号を圧力調整器104に送って材料50の圧力をそれぞれ減少させ又は増大させることができ、その結果、測定した圧力が所定の圧力範囲内におさまるようになっている。幾つかの観点では、ある範囲の値ではなく、むしろ単一の圧力値(例えば、上しきい値か下しきい値かのいずれか)を参照するのがよい。幾つかの観点では、所定の範囲及び/又は所定の値は、コーティングシステム10の他のパラメータ、例えば温度、流量、作動持続時間、又は他の作動特性に応じて変更が加えられるよう構成されているのがよい。
【0114】
幾つかの観点では、流量計112によって測定されるコーティングシステム10内の材料50の流量が所定の流量範囲から外れている場合、プロセッサ120は、圧力調整器104がそれに応じて圧力を増大させ又は減少させ、それにより流量をそれぞれ増大させ又は減少させるようにすることができ、その結果、測定流量が所定の流量範囲内におさまるようになっている。理解されるべきこととして、これとは異なり、所定の流量範囲がある範囲の値ではなく、単一の所定の流量値であるのがよく、また、コーティングシステム10は、所定の流量値超、未満、又はこれに等しい測定流量値に応動するよう構成されているのがよい。幾つかの観点では、所定範囲及び/又は所定の値は、コーティングシステム10の他のパラメータ、例えば温度、圧力、作動持続時間、又は他の作動特性に応じて変更が加えられるよう構成されているのがよい。
【0115】
流量調節は、一般に、特定の用途に合わせることができるように適当な手段によって達成できる。非限定的な例を挙げると、流量を較正する代表的なシステム及び方法が共通所有者の米国特許第11,185,879号明細書に記載されており、この米国特許を参照により引用し、全ての目的に関してその開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0116】
非限定的な例を挙げると、
図14は、コーティングシステムのノズルを通って1枚以上の基板に被着される材料の流量較正する例示のプロセス1400の流れ図を示している。プロセス1400を少なくとも一部は、コントローラ18によって実行することができる。一般に、プロセス1400は、ノズルを通る材料について受け取った標的流量及び圧力と流量の関係(すなわち、コーティングシステムの作動圧力とノズルを通る材料の流量との関係)に基づき、コーティングシステム1410の第1の作動圧力を計算して設定する流量制御ルーティン(ステップ1402~1414)を含むのがよい。求めた作動流量と受け取った標的流量の差が所定の制御範囲外にある場合(例えば、標的流量の±所定百分率)、プロセス1400は、1枚以上の追加の基板をコーティングする前に、コーティングシステムの作動圧力を第2の作動圧力に調節するのがよい。
【0117】
プロセス1400のステップ1402では、コーティングシステムは、ノズルを通る材料について標的流量を受け取るのがよい。例えば、オペレータは、標的流量をHMI装置にエンタするのがよい。標的流量をプロセス1400で用いるためにコントローラのメモリに記憶させるのがよい。本発明の諸観点によれば、コーティングシステムによって受け取られた標的流量をコーティングシステムの受け取り作動パラメータに応じて、手動で又は自動的に計算することができる。受け取った作動パラメータは、例えば、材料の標的コーティング厚さ、材料の標的コーティング幅、材料の固形分百分率、及びコーティングシステムのアプリケータの速度を含むのがよい。作動パラメータを、例えば、オペレータによってHMI装置に入力するのがよく、そして標的流量の自動計算のためにコントローラのメモリに記憶させるのがよい。
【0118】
標的流量の計算は、以下の標的流量方程式を手動で又は自動的に解くステップを含むのがよい。
【0119】
標的流量方程式において、“T”は、材料の受け取り標的コーティング厚さ、“W”は、材料の受け取り標的コーティング幅、“P”は、材料の受け取り固形分百分率、“S”は、アプリケータの受け取り速度、“FR”は、計算済標的流量である。また、方程式を解く場合、必要に応じて、当業者であれば容易に理解されるように、入力作動パラメータ相互間の単位不一致があればかかる不一致を標準化するための単位変換を行うのがよい。標的流量を自動的に計算する場合、コントローラは、メモリに記憶された作動パラメータを再現するのがよく、そしてこれら作動パラメータを利用して標的流量方程式をFRについて、すなわち、ノズルを通る流体に関する計算済標的流量について解くことができる。したがって、計算済標的流量は、プロセス1404で利用されるステップ1402のところで受け取られる標的流量に一致するのがよい。
【0120】
本発明の諸観点によれば、オペレータによって入力された作動パラメータを用いて計算した標的流量がコーティングシステムの所定の流量能力範囲外にあるということが判定可能である。コーティングシステムの所定の流量能力範囲は、コーティングシステムによって高信頼度で達成できる流量範囲であるのがよく、この流量範囲は、当業者であれば容易に理解されるように、コーティングシステムの能力及び/又はコーティング材料の特性の関数であるのがよい。計算済標的流量が所定の流量能力範囲外にあるという判定に応答して、アプリケータ作動パラメータの速度を調節し、それにより計算済標的流量を所定の流量能力範囲内におさめるのがよい。標的流量方程式にエンタされる、コーティング特性(すなわち、材料の標的コーティング厚さ、標的コーティング幅、材料の固形分百分率)に影響を及ぼす残りの作動パラメータを一定に保ちながらアプリケータ作動パラメータの速度を調節することにより、オペレータの所望するコーティング特性を変えないで、所定の流量能力範囲内で計算済標的流量を所定の流量能力範囲内におさまるよう調節することが可能である。アプリケータ作動パラメータの速度の調節は、反復プロセスの結果であるのがよい。例えば、アプリケータ作動パラメータの速度を繰り返し調節すると共に再エンタするのがよく、ついには、標的流量方程式から計算される標的流量が所定の流量能力範囲内におさまるようになる。
【0121】
変形例として、アプリケータ作動パラメータの速度の調節は、設定した標的流量を用いてアプリケータ作動パラメータの速度について標的流量方程式を解くと共に他の全ての作動パラメータを一定に保つ計算の結果であってもよい。設定する標的流量は、例えば、所定の流量能力範囲の外側境界であるのがよく、或いは変形例として、所定の流量能力範囲内の任意の流量であってもよい。非限定的な数値の例として、例示のコーティングシステムの所定の流量能力範囲は、0.1mL/分~10.0mL/分であるのがよい。オペレータによって入力された作動パラメータを用いた標的流量を計算して12.0mL/分にした場合(すなわち、所定の流量能力範囲外にある場合)、標的流量を10.00mL/分(すなわち、例示のコーティングシステム10の所定の流量能力範囲の外側上限)に設定するのがよい。アプリケータ作動パラメータの速度を調節するには、設定した標的流量を用いてアプリケータ作動パラメータの速度について標的流量方程式を解くと共に他の全ての作動パラメータを一定に保つことによって調節できる。すなわち、標的流量方程式を書き直すと、以下の調節済速度方程式をアプリケータの速度について解くことができる。
【0122】
調節済速度方程式では、“T”は、材料の受け取り済標的コーティング厚さ、“W”は、材料の受け取り済標的コーティング幅、“P”は、材料の受け取り済固形分百分率、“FR′”は、設定済標的流量、“S′”は、アプリケータ16の調節済速度である。また、この方程式を解く場合、必要に応じて、当業者であれば容易に理解されるように、入力作動パラメータ相互間の単位不一致があればかかる不一致を標準化するための単位変換を行うのがよい。アプリケータ16の調節後速度を例えば自動的に計算するのがよく、それにより、コントローラは、メモリに記憶された作動パラメータ及び設定済み標的流量を再現するのがよく、これらを利用すると、調節後速度方程式をS′について、すなわち、アプリケータの調節後速度について解くことができる。したがって、コーティングシステムをアプリケータの調節済速度及び設定済標的流量で作動させることができる。設定済標的流量は、ステップ1402で受け取った標的流量に一致するのがよい。
【0123】
ステップ1404では、コーティングシステムの第1の作動圧力を計算するのがよい。コーティングシステムは第1の作動圧力をノズルを通る材料についての標的流量及び圧力と流量の関係に基づいて計算するのがよい。加うるに、コーティングシステムの作動圧力を第1の作動圧力に設定するのがよい。例えば、コントローラのコマンド下、加圧液体供給源のポンプの作動を調節すると、アプリケータに供給される材料の作動圧力を増減してコーティングシステムを第1の作動圧力に設定することができる。
【0124】
圧力と流量の関係は、ノズルの構造とノズルを通過する材料の特性の関数であるのがよい。圧力と流量の関係を用いると、例えば、コーティングシステムの作動圧力(例えば、第1の作動圧力)を求めることができ、この作動圧力は、ノズルから放出される材料の特定の作動流量(例えば、標的作動流量)を達成し、その結果、オペレータによって所望されるコーティング特性(例えば、標的コーティング厚さ)を達成するよう予測される。諸実施形態では、圧力と流量の関係をオペレータによってHMI装置にエンタされるのがよく、そしてプロセス1400で使用可能にコントローラのメモリに記憶させるのがよい。
【0125】
変形例として、圧力と流量の関係を計算してもよい。例えば、コーティングシステムが第1の較正圧力で作動している間、材料をノズルから放出して、例えば、容器中に導入するのがよく、そしてノズルから放出される材料の第1の流量を求めるのがよい。材料がノズルから放出されているとき、材料の放出量及び材料の放出時間を測定するのがよく、これらは、第1の流量を求めるために使用できる。例えば、材料が加圧液体供給源から流れてアプリケータを出ているとき、流量計は、この流量計を通過している材料の各固定量についてのカウント又は電気パルスをコントローラに伝送するのがよい。もう1つの例として、材料の放出量を加圧液体供給源内の残りの材料の重量差にしたがって測定することができる。さらにもう1つの例によれば、容器内に収集された材料の量を測定することができる。材料の量を体積についてかつ/或いは重量について測定することができる。コントローラは、例えば、材料を放出する全時間を測定することができる。材料の第1の流量を、当業者には容易に理解されるように、材料を放出した測定時間にわたって放出された材料の測定量から求めることができる。
【0126】
コーティングシステムの作動圧力を第1の較正圧力とは異なる(すなわち、これよりも高い又は低い)第2の較正圧力に調節するのがよい。コーティングシステムは、コーティングシステムが第2の較正圧力で作動している間、材料をノズルから放出することができ、また、ノズルから放出された材料の第2の流量を求めることができる。すなわち、材料をノズルから放出しているとき、材料の放出量及び材料を放出する時間の長さを測定することができ(例えば、上述の技術のうちの任意のものにしたがって)、これは、第2の流量を計算するために使用できる。
【0127】
圧力と流量の関係を第1の較正圧力、第1の流量、第2の較正圧力、及び第2の流量に基づいて計算することができる。第1及び第2の較正圧力及び対応の第1及び第2の流量に加えて、圧力と流量の関係を例えば、第3、第4、... 第nの較正圧力及び対応の第3、第4、... 第nの流量に基づいて計算することができ、これは、上述の第1及び第2の流量に類似した仕方で算定できる。圧力と流量の関係を当業者には容易に理解されるように、較正圧力及び対応の流量に基づいて、例えば、単回帰分析として計算することができる。単回帰分析モデルを予測関数として使用することができ、それにより既知の流量/圧力に基づいて圧力/流量を計算することができる。したがって、単回帰分析モデルは、ステップ1402のところで受け取った標的流量に基づいてコーティングシステムの第1の作動圧力を計算することができ、そして、コーティングシステムの作動圧力を第1の作動圧力に設定することができる。
【0128】
ステップ1406では、基板、又はその一部分を材料でコーティングするのがよい。すなわち、コーティングシステムを第1の作動圧力で作動させている間、基板の少なくとも一部にノズルを通って流れる材料を吹き付けるのがよい。
【0129】
ステップ1408では、材料の作動流量を求めるのがよい。例えば、基板のコーティング中、コーティングシステムを通って流れる材料の作動流量を現場で求めることができる。すなわち、基板を材料でコーティングしているとき、材料の量を測定した時間の長さにわたって測定することができる。例えば、材料が加圧液体供給源から流れてアプリケータを出ているとき、流量計は、測定した期間にわたって流量計を通過している材料の各固定量についてカウント又は電気パルスをコントローラに伝送するのがよい。もう1つの例として、基板に塗布された材料の量を加圧液体供給源内の残りの材料の重量差にしたがって測定することができる。材料の量を体積についてかつ/或いは重量について測定することができる。
【0130】
変形例として、基板に材料を吹き付けた後、コーティングシステムが第1の作動圧力で動作している間、材料をさらにノズルから放出して、例えば、容器に導入することができ、そして、ノズルから放出された材料の作動流量を求めることができる。例えば、材料が加圧液体供給源から流れてアプリケータを出て、容器中に流れているとき、流量計は、測定した期間にわたって流量計を通過している材料の各固定量についてカウント又は電気パルスをコントローラに伝送するのがよい。もう1つの例として、基板に塗布された材料の量を加圧液体供給源内の残りの材料の重量差にしたがって測定することができる。さらにもう1つの実施例によれば、容器内に集められた材料の量を測定することができる。材料の量を体積についてかつ/或いは重量について測定することができる。コントローラは、例えば、材料を放出する全時間を測定することができる。材料の作動流量を、当業者には容易に理解されるように、材料を吹き付け/放出した測定時間にわたり材料の測定量から求めることができる。
【0131】
ステップ1410では、ステップ1408で求めた材料の作動流量を受け取り済標的流量と比較するのがよく、求めた作動流量が所定の制御範囲外にあるかどうかを判定することができる。所定の制御範囲は、例えば、標的流量の±5%以内にあるのがよい。もう1つの実施例では、所定の範囲は、標的流量の±1%の範囲内にあるのがよい。求めた作動流量と標的流量の差が所定の制御範囲外にある場合、プロセス1400はステップ1412に進むことができる。しかしながら、求めた作動流量と標的流量の差が所定の範囲内にある場合、プロセスは、直接ステップ1414に進むことができる。
【0132】
ステップ1412では、コーティングシステムの作動圧力を第2の作動圧力に調節するのがよい。例えば、コントローラのコマンド下、加圧液体供給源のポンプの作動を調節すると、アプリケータに供給される材料の作動圧力を増減してコーティングシステムを第2の作動圧力に設定することができる。1つの実施例では、コーティングシステムの作動圧力を第1の作動圧力から第2の作動圧力に求めた作動流量と標的流量の求めた差に比例して、増大させ又は減少させるのがよい。非限定的な数値実施例として、求めた作動流量が標的流量よりも2%高い場合、第2の作動圧力は、第1の作動圧力よりも2%低いのがよい。
【0133】
もう1つの実施例では、コーティングシステムの作動圧力とノズルを通る材料の流量の圧力との間に成り立つ圧力と流量の関係を計算し、又は再計算して、標的流量を達成するのに必要な第2の作動圧力を算定することができる。すなわち、代替的に又は求めた作動流量と標的流量の差が所定の制御範囲外にあるという判定に加えて材料の特性(例えば、粘度)とノズルの構造(例えば、温度の上昇に起因した膨張)のうちの少なくとも一方がコーティングシステムの作動中に変化したかどうかを判定することができる。その結果、コーティングシステム10の作動圧力とノズルを通る材料の流量との間に成り立っていて、ステップ1404で利用された圧力と流量の関係は、材料/コーティングシステムをもはや代表してはいないといえ、圧力と流量の関係を上述の技術のうちの任意のものにしたがって再計算し又は再較正するのがよい。
【0134】
流量制御ルーティンの完了時、ステップ1414において、追加の基板を材料でコーティングするのがよい。プロセス1400のステップのうちの少なくとも幾つかは、反復プロセスであるのがよい。例えば、追加の基板がステップ1414においてコーティングされているとき、これは、ステップ1406においてプロセス1400を再開するものとみなされる場合があり、それにより、ステップ1406~1414の流量制御ルーティンは、コーティングシステムが追加の基板をコーティングしているなどをしているとき、該当する場合、そして、ステップ1410,1412のところで説明したようにコーティングシステムの圧力を反復的に調節し続けるのがよい。
【0135】
プロセッサ120は、上述したように、圧力及び/又は流量を自動的に調節するよう構成されているのがよい。変形例として、プロセッサ120は、圧力及び/又は流量がこれらのそれぞれの所定の範囲外にあるという判定を行ってユーザにヒューマンマシンインターフェースによりコーティングシステム10について警告するよう構成されていてもよい。ユーザは、すると、ヒューマンマシンインターフェースを介してプロセッサ120にコマンドし、又は違ったやり方で制御して信号を圧力調整器104に送ってコーティングシステム10内の材料50の圧力を増減するのがよい。ユーザは、ヒューマンマシンインターフェース、例えば、コーティングシステム10に作動的に連結されたユーザ入力/出力組立体140を介して1つ以上のコマンドをプロセッサ120に送るのがよい。プロセッサ120は、1つ以上の信号(例えば、圧力及び/又は流量がこれらのそれぞれの所定範囲外にあるということを表す)を入力/出力組立体140に伝送するのがよい。幾つかの観点では、入力/出力組立体140は、プロセッサ120からの信号を視覚的に描出するよう構成されたディスプレイ(例えば、LCDスクリーン、プロジェクタ、又は他の出力装置)を含んでもよい。入力/出力組立体140は、プロセッサ120からの信号を聴覚的に生じさせるオーディオ装置(例えば、スピーカ)を含んでもよい。入力/出力組立体140は、ユーザによって作動可能な1つ以上の入力装置、例えば、ボタン、レバー、スライダ、タッチスクリーン、マイクロホン、キーボード、マウス、タッチパッド、電子スタイラス、及び/又はその他を含んでもよく、ユーザは、かかる入力装置を介してコマンドをプロセッサ120に入力したり送ったりすることができる。入力/出力組立体140は、コーティングシステム10に物理的に接続されるのがよく、或いは、変形例として、1つ以上の既知のワイヤレス伝送プロトコル、例えばWi‐Fi、Bluetooth(登録商標)、NFC、赤外通信法、無線通信法、又は他の適当なワイヤレス通信法を介してワイヤレス接続されてもよい。コーティングシステム10は、複数の入力/出力組立体140を含むことができる。
【0136】
作動中、コーティングシステム10は、アプリケータ20の種々の詰まり条件を検出するよう構成されているのがよい。具体的に説明すると、プロセッサ120は、生じた詰まりの発生、詰まりの形成及び/又はアプリケータ20内における詰まりの形成が生じやすい条件を検出すうよう構成されているのがよい。本開示の目的上、詰まりをアプリケータ20上、例えば、アプリケータ先端部24上の材料50の残留部分の堆積、凝固、及び/又は硬化という場合がある。
【0137】
材料50の粘度は、材料50の温度によって影響を受ける場合がある。温度の変化により、粘度及び/又はその他の変化が生じる場合があり、それにより、流量の変化が生じる場合がある。材料50の温度が低くなると、粘度が増大する場合がある。プロセッサ120は、コーティングシステム10内の温度センサ116から受け取った測定温度値、圧力センサ108から受け取った測定圧力値、及び/又は流量計112から受け取った測定流量値を利用して詰まり条件が満たされているかどうかを判定するよう構成されているのがよい。コーティングシステム10は、材料50が保たれることが望ましい所望の所定の温度範囲を含むのがよい。所定の温度範囲は、下しきい温度値、及び上しきい温度値と下しきい温度値との間の全ての温度値を含むのがよい。幾つかの観点では、所定の温度は、ある範囲の値ではなく、単一の温度値を含むことができる。所定の範囲及び/又は所定の値は、コーティングシステム10の他のパラメータ、例えば圧力、流量、作動持続時間、又は作動特徴に応じて変更するよう構成されているのがよい。
【0138】
プロセッサ120は、圧力センサ108、流量計112、及び温度センサ116のうちの1つ以上からの連続又は間欠的結果を受け取るのがよい。理解されるように、受け取った測定値の特定の頻度は、コーティングシステム10の作動パラメータ、利用される材料50の種類、利用される基板30の種類、製造上の制約、オペレータの好み、及び/又はその他に応じるのがよく、本開示は、それぞれのセンサからのデータ収集に関する特定の頻度又はパターンには限定されない。
【0139】
上記において列挙した1つ以上のセンサから受け取った結果をプロセッサ120のメモリ124、例えば、測定データセクション128に記憶させるのがよい。データの格納は、反復的であるのがよく、その結果、次々のデータ値の各々は、先行するデータ値の後に順次記憶されるようになっている。プロセッサ120は、特定データ値を受け取りかつ/或いは違ったやり方で得た時点に基づいて上述のセンサのうちの1つ以上からの複数の測定データ値をデータセットの状態で記憶するのがよい。例えば、第1の時点P1で受け取った測定圧力、測定流量、及び/又は測定温度値を第1のデータセットD1の状態で記憶するのがよく、第2の時点P2で受け取ったその後の測定圧力、測定流量、及び/又は測定温度値をメモリ124に第2のデータセットD2の状態で記憶させるのがよい。このように、第1のデータセットD1中の値を第2のデータセットD2中の値と比較するのがよい。プロセッサ120は、複数の圧力値P1,P2,... ,Pn、複数の流量値F1,F2,... ,Fn、及び/又は複数の温度値T1,T2,... ,Tnを記録するよう構成されているのがよく、添え字は、上記に置いて列挙したそれぞれのセンサからの別々の連続的又は間欠的データ値収集に対応している。プロセッサ120は、受け取った値を複数のデータセットD1,D2,... ,Dnにグループ分けすると共に記憶するのがよく、この場合、値P1,F1及び/又はTn1は、データセットD1に対応し、値P2,F2,及び/又はT2は、データセットD2に対応し、値Pn,Fn,Tnは、データセットDnに対応している。
【0140】
プロセッサ120は、受け取った値を他の受け取った値とかつ/或いはあらかじめプログラムされた制御値と比較するよう構成されているのがよい。プロセッサ120は、1つのデータセットの値、例えば、値P2,F2,T2を含む第2のデータセットD2を別のデータセットの値、例えば、値P1,F1,T1を含む第1のデータセットD1と比較するのがよい。幾つかの観点では、メモリ124は、制御値を受け取ると共に記憶するよう構成された制御データセクション132を含むのがよい。制御値は、コーティングシステム10を作動させる前ユーザによってプログラムされるのがよい。変形例として、制御値は、コーティングシステム10を作動させる前に工場でプログラムされてもよい。制御値は、圧力、流量、及び/又は温度に関する値を含むのがよい。例えば、制御データセクション132は、制御圧力値PC、制御流量値FC,及び/又は制御温度値TCを含む制御データセットDCを格納するのがよい。プロセッサ120は、測定データセクション128のデータセットD1,D2,... ,Dnのうちの任意の1つを制御データセクション132内の制御データセットDCと比較するよう構成されているのがよい。
【0141】
プロセッサ120は、D1,D2,... ,Dnの任意のデータセットをデータセットD1,D2,... ,Dnの1つ以上とかつ/或いは制御データセットDCと比較するよう構成されているのがよい。比較結果は、十分な材料流量を表し、詰まりの形成を表し、かつ/或いはその他を表すことができる。値、例えば圧力、流量、及び/又は温度に関連づけられた測定値及び/又は制御値の比較では、これら値のうちの1つがこの1つの値を比較するもう1つの値からの許容可能な偏差内にあるかどうかを計算するのがよい。比較目的上、値の許容可能な範囲(及び/又は個々の値)をユーザによって、又はコーティングシステム10のプログラムによってプロセッサ120中にあらかじめプログラムされるのがよい。各範囲は、比較値を下回る下しきい値及び比較値を上回る上しきい値によってさだめられる。下及び上しきい値は、コーティングシステム10の作動パラメータ、用いられる材料50の種類、コーティングシステム10の環境、製造上の制約、及び/又は所望の値を定める他のパラメータ(例えば、圧力、流量、及び/又は温度値)に基づいて決定されるのがよい。下及び上しきい値は、それぞれ、比較値から減算され又は比較値に加えられる許容可能な偏差値によって定められてもよい。所定の値を本願全体を通じて値域として説明するが、理解されるべきこととして、所定値は、変形例として、数によって表された値域ではなく、単一の値又は複数の値を含んでもよい。
【0142】
測定値が許容可能な範囲内にある場合、プロセッサ120は、第1の信号を示し、例えば、問題が存在していないということを示し、作動を続行し、かつ/或いはユーザに比較結果に関して警告を与えることができる。測定値が許容可能な範囲外にある場合、プロセッサ120は、第1の信号とは異なる第2の信号を示し、例えば、動作上の異常、コーティングシステム10の作動パラメータの変化を示し、かつ/或いはユーザに比較結果に関する警告を出すのがよい。例えば、制御温度値TCが21℃であり、許容偏差値が2℃である場合、下しきい値が、19℃であり、上しきい値が、23℃であり、許容可能範囲が9℃から23℃までの範囲にあるといえる。制御温度値TCが20℃の第1の温度値T1についての比較値として用いられる場合、20℃の第1の温度値が許容可能な範囲内にあるといえ、プロセッサ120は、第1の信号を出すのがよい。第1の温度値T1が18℃である場合、第1の温度値T1は、許容可能な範囲外にあり、プロセッサ120は、第2の信号を出すのがよい。幾つかの観点では、プロセッサ120は、測定値が許容可能範囲からどれほど外にあるかを求めるのがよい。値域ではなく、単一の所定の値又は複数の所定の値を示す諸観点では、上述のステップは、測定値が1つ以上の所定の値を超え、かかる1つ以上の所定の値よりも小さく、又はこれらに等しいかどうかを判定するステップを含むのがよい。理解されるように、上記例は、説明目的であるにすぎず、本開示は上述の特定の値には限定されない。
【0143】
プロセッサ120は、データセットをこれらのそれぞれの温度及び流量と比較して詰まりが存在しているかどうか、条件が詰まりを形成しやすいかどうか及び/又はその他を判定することができる。この比較プロセスは、コーティングシステム10の作動中、連続的に又は所定の間隔で反復的に実施されるのがよい。比較は、測定データ128及び制御データ132中の値相互間、かつ/或いは測定データ128の次のデータセット相互間で行われるのがよい。例えば、比較は、第1のデータセットD1と第1のデータセットD1の後に測定される第2のデータセットD2との間で実施されるのがよい。かかる比較中、プロセッサ120により第2のデータセットD2の第2の測定温度値T2が第1のデータセットD1の第1の測定温度値T2に対して許容可能な範囲内にあるが、第2の流量値F2が第1の流量値F1について定められた許容可能な範囲の下しきい値を下回っている場合、かかる結果は、詰まりの形成を指示する場合がある。すなわち、プロセッサ120は、材料50の流量が減少している間、材料50の温度が同一のままであった(許容範囲内にあった)かどうかを判定するよう構成されているのがよい。この段階では、プロセッサ120は、詰まり又は詰まりを形成しやすい条件の識別と関連した第1の信号を送るのがよい。変形例として、プロセッサ120の判定により第2の測定温度値T2が第1の測定温度値T1に対して下しきい値を下回っていて、かつ第2の流量値F2もまた、第1の流量値F1について定められた許容範囲の下しきい値を下回っている場合、かかる結果は、コーティングシステム10内の材料50の圧力の減少を指示する場合がある。これは、第1の測定圧力値P1と第2の測定圧力値P2の比較によって裏づけ可能である。かかる場合、プロセッサ120は、第1の信号と異なっていて、圧力が減少したことを指示する第2の信号を送るのがよい。
【0144】
幾つかの観点では、第2の信号は、材料50の圧力を増大させるために圧力調整器104に送られる信号を含むのがよい。理解されるように、コーティングシステム10内の材料50の温度値及び流量値の比較結果に応じて、プロセッサ120は、材料50の圧力を減少させるために圧力調整器104に信号を送るのがよい。
【0145】
第1の信号は、入力/出力組立体140及び/又は別の通信装置のうちの1つ以上を介するユーザへの警告の送信を含むのがよい。第1の信号はまた、コーティングシステム10の作動パラメータを変化させるための信号、例えば、コーティングシステム10を通る材料50の移動、圧力調整器104を介する圧力の調節、定量分配組立体42を介するアプリケータ20からの定量分配の調節、アプリケータ20に対する基板30の導入又は運動の制御及び/又はアプリケータ位置決め組立体がアプリケータ20を動かすようにすることを含むのがよい。
【0146】
幾つかの観点では、第1の信号は、アプリケータ20を作動位置から洗浄位置に動かすためのアプリケータ位置決め組立体34に対する命令を含むのがよい。第1の信号は、洗浄作業を実施するためのアプリケータ位置決め組立体34への命令をさらに含むのがよく、これについては以下にさらに説明する。
【0147】
プロセッサ120は、上述したように値の比較を続けるのがよい。アプリケータ20が洗浄を必要として洗浄位置に動かされた場合、プロセッサ120は、別の比較プロセスを実行してもう1つの第1の又は第2の信号を送るのがよい。アプリケータ20が洗浄位置にあり、かつプロセッサ120が詰まりのないことを表す第2の信号をおくることができる場合、第2の信号は、アプリケータ20を洗浄位置から作動位置に動かすためのアプリケータ位置決め組立体34に対する信号をさらに含むのがよい。
【0148】
アプリケータ20を作動位置と洗浄位置との間で動かすことは、ユーザによって入力/出力組立体140のうちの1つ以上を介して手動で実施できる。
【0149】
洗浄位置では、アプリケータ20は、洗浄装置内に配置されるのがよい。
図3~
図8を参照すると、洗浄装置60がアプリケータ20の一部分を受け入れるよう構成されたリザーバ64を備えるのがよい。リザーバ64は、
図3に示すように洗浄材料80を受け入れてこれを保持するよう構成されているのがよい。幾つかの観点では、洗浄装置60は、洗浄材料80及びアプリケータ20を受け入れるよう構成されたカップ、ボウル、又は別の適当な入れ物もしくは容器であるのがよい。洗浄材料80は、溶剤を含むのがよい。理解されるように、溶剤は、アプリケータ20上の材料50の一種の堆積部分を溶解させるのに適した化学組成を有するよう選択されるのがよい。幾つかの観点では、アプリケータ20の先端部64は、リザーバ64内に取り外し可能に設けられるよう構成されているのがよく、その結果、アプリケータ先端部64の少なくとも一部分を洗浄材料80内に浸漬させることができるようになっている。アプリケータ20を洗浄装置60中に配置して洗浄材料80と接触状態に置かれると、洗浄材料80は、アプリケータ20上、例えばアプリケータ先端部24上に堆積した材料50を除去することができる。
【0150】
洗浄装置60は、洗浄材料80を撹拌するよう構成されたアクチュエータ72を有するのがよい。洗浄材料80の撹拌により、キャビテーション気泡を生成させ又は違ったやり方で生じさせることができ、キャビテーション気泡は、アプリケータ20及びアプリケータ20上の堆積材料50に接触することができる。キャビテーション気泡とアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24の接触により、アプリケータ20上の堆積材料50を部分的に脱落させ、除去し、かつ/或いはばらばらにすることができる。幾つかの観点では、アクチュエータ72は、超音波を発生させるよう構成された超音波変換器を有するのがよい。超音波は、上述したように洗浄材料80中を伝搬してキャビテーション気泡を生じさせることができる。アクチュエータ72の作動は、アクチュエータコントローラ76によって制御されるのがよく、アクチュエータコントローラ76は、アクチュエータ72に作動的に連結されるのがよい。アクチュエータコントローラ76は、超音波発生器を含むのがよい。アクチュエータコントローラ76は、プロセッサ120又はコーティングシステム10に接続された又はこの外部に位置する別の適当なプロセッサに作動的に連結されるのがよい。幾つかの観点では、プロセッサ120は、信号をアクチュエータコントローラ76に送ってアクチュエータ72をターンオンしたり、アクチュエータ72をターンオフしたり、アクチュエータ72を所定のオンオフパターンで作動させたり、かつ/或いはアクチュエータ72の1つ以上の作動パラメータ(例えば、超音波変換器の変更強度、持続時間、又は別の適当なパラメータ)を変更したりするよう構成されているのがよい。ある幾つかの観点では、電子フィードバック(例えば、電流フィードバック及び/又は位相フィードバック)は、アクチュエータ72から(例えば、超音波変換器から)受け取られるのがよい。電子フィードバックに応答して、アクチュエータ72及び/又は超音波変換器の作動(例えば、アクチュエータ72の作動パラメータのうちの1つ以上)を調節することができる。かかる作動の調節は、一般に、受け取った電子フィードバックに基づいて行われ、そして、一般に、アクチュエータ72(例えば、その超音波変換器)をその共振周波数で作動させることを狙いとしている場合がある。これは、例えば、電圧と電流信号との間の相追跡及びシステムを共振時に駆動するための駆動周波数及び電力の調節を利用して達成できる。
【0151】
かかる構成の一利点は、生じたキャビテーション気泡がアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24上の付着材料に物理的に接触し、かくして付着材料がアプリケータ20から(具体的には、アプリケータ先端部24から)分離されるということにある。加うるに、洗浄材料80全体中における気泡の発生により、洗浄装置60内の洗浄材料80が洗浄装置内に挿入されたアプリケータ20の部分及び/又はアプリケータ先端部24に対して動く。かかる運動は、アプリケータ20上の堆積材料50中へのかつこの周りへの洗浄材料80の良好な侵入を可能にすると共に、堆積材料50を良好に脱落させるための堆積材料50とアプリケータ20との空間中への侵入を可能にする。かくして、発生した気泡は、「スクラビング」作業を効果的に実施して堆積材料50をアプリケータ20から物理的に除去する。しかしながら、気泡の接触は、一般に、研磨性ではなく、したがってアプリケータ20を損傷させることはない(例えば、材料をこすり落とすための剛毛付きのブラシを用いるのとは異なる)。加うるに、アクチュエータ72による気泡の発生によって引き起こされる洗浄材料80の運動により、洗浄材料80は、洗浄プロセス中に、アプリケータ20それ自体の小さなクレビスや開口部に良好に入ることができ、例えば、アクチュエータ72による洗浄材料80の撹拌により、洗浄材料80は、アプリケータ20内に良好に入り込むことができる。例えば、洗浄材料80は、アプリケータ先端部24の開口部26を通ってアプリケータ先端部24に入ることができ、コーティング材料50は、コーティングシステム10の作動中、開口部26を通って吐出されるのがよい(
図8参照)。
【0152】
本明細書において説明したように洗浄材料80を通って伝搬する超音波の使用により、幾つかの観点では、洗浄材料80の蒸発が生じる場合がある。したがって、生産シフトにより、洗浄物質80の流体レベルは、所望レベル未満に減少する場合がある。洗浄材料80の流体レベルの低下又は減少により、超音波を用いて洗浄する最適頻度の変化が生じる場合がありかつ/或いは流体レベルは、洗浄されるべきアプリケータ20の部分(例えば、ノズル)が洗浄材料80と接触状態にあるレベル未満になる場合がある。洗浄材料80の上述の蒸発に取り組む技術的労力において、洗浄材料80の流体レベルを測定するのがよい。洗浄材料80の流体レベルを定期的に(例えば、生産シフトの際に)又は連続的に測定するのがよく、そして任意適当な手段によって測定してこれを所望の用途に合わせるのがよい。非限定的な例を挙げると、「能動型」補給システムレベルでは、流体レベルセンサを採用するのがよく、流体レベルセンサは、洗浄材料80の流体レベルを測定するよう構成されている。さらに非限定的な例を挙げると、「受動型」補給システムでは、重力供給(又は重力送り)リザーバを採用するのがよく、重力供給リザーバは、洗浄材料80を追加するよう構成されている。一般的に言って、洗浄材料80を流体レベルが所望のレベル(すなわち、所定値)以上であるように追加し又は補給するのがよい。所望レベル又は所定値は、一般に、超音波を用いて洗浄するための最適頻度を有害には変更しない最低流体レベルに対応するのがよく、かつ/或いはこの最低流体レベルにおいて、洗浄されるべきアプリケータ20の部分(例えば、ノズル)は、洗浄材料80と接触状態にある。洗浄材料80が追加されるべきか補給されるべきかを判定するため、洗浄材料80の流体レベルを上述したように監視し又は測定するのがよい。しかる後、洗浄材料80の測定流体レベルを所望レベル又は所定値と比較するのがよい。洗浄材料80の流体レベルが所望レベル又は所定値未満であると判定された場合、追加の洗浄材料80を加え又は補給して洗浄材料80の流体レベルを所望レベル又は所定値以上に上昇させるのがよい。
【0153】
幾つかの観点では、プロセッサ120が上述の比較プロセスに応答して第1の信号を送信する場合、第1の信号は、アプリケータ20が洗浄位置に動いたときにアクチュエータ72をターンオフするためのアクチュエータコントローラ76への命令を含むのがよい。プロセッサ120は、アクチュエータ72の作動を停止させるための命令をアクチュエータコントローラ76に送るのがよい。アクチュエータ72を停止させる命令は、上述した第2の信号の一部であるのがよい。プロセッサ120は、命令を送って所定の時点でアクチュエータ72の作動を停止させるよう構成されているのがよい。例えば、幾つかの観点では、アクチュエータ72の作動を停止させるための命令は、プロセッサ120により1つ又は複数の測定値が許容可能な範囲外にあると判定された実質的に直後に送られるのがよい。他の観点では、アクチュエータ72の作動を停止させるための命令は、プロセッサ120により1つ又は複数の測定値が許容可能な範囲外にある判定された後の所定の持続時間後に送られるのがよい。これにより、詰まりがそれ自体なくなることができ、かつ/或いはユーザが別の手順を開始することができる。
【0154】
アクチュエータ72の作動の持続時間をあらかじめ決定してアクチュエータコントローラ76及び/又はプロセッサ120にあらかじめプログラムするのがよい。上述したように値の比較の結果としてアプリケータ20が洗浄位置に動かされた場合、プロセッサ120は、アクチュエータ72の作動の設定持続時間後に、或いは、変形例として、アクチュエータ72の設定された作動回数後に値の次の比較を実施するよう構成されているのがよい。例えば、第1の比較結果としてプロセッサ120が第1の信号を送り、それによりアプリケータ位置決め組立体34がアプリケータ20を洗浄位置に動かした場合、プロセッサ120により、アクチュエータコントローラ76は、所定の持続時間の間、アクチュエータ72をターンオフすることができる。アクチュエータ72が所定の持続時間の間(又は、多数回分の所定の持続時間の間)作動した後、プロセッサ120は、アクチュエータ72をターンオフするための命令をアクチュエータコントローラ76に送るのがよい。次に、プロセッサ120は、第2の比較を実施して上述の詰まり条件が依然として満たされているかどうか、或いは詰まり条件が洗浄装置60及びアクチュエータ72の洗浄プロセスによって改善されたかどうかを判定するのがよい。第2の比較結果として値が所定の範囲内に収まっている場合、プロセッサ120は、第2の信号を送るのがよく、第2の信号は、アプリケータ20を作動位置に戻す内容を含むのがよい。第2の比較結果として値が所定の範囲外にある場合、プロセッサ120は、第1の信号を再び送るのがよく、第1の信号は、アクチュエータ72を再びターンオフするための命令をコントローラ76に送ってアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24のもう1回の洗浄プロセスを実行する内容を含むのがよい。上述のステップをプロセッサ120が詰まりのないことを指示する第2の信号を送るまで繰り返すのがよい。幾つかの観点では、上述のステップを所定の最大回数にわたって繰り返すのがよい。最大回数後、プロセッサ120が依然として第2の信号を送らない場合、プロセッサ120は、ユーザに計画を出すための命令をユーザに入力/出力組立体140のうちの1つ以上に送るのがよい。この時点で、プロセッサ120は、ユーザが例えばアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24の手動洗浄及び/又は交換後に入力/出力組立体140のうちの1つ以上から作動を開始させるまでコーティングシステム10の作動を終了させるのがよい。
【0155】
上述の洗浄が詰まりを除去し又は減少させる上で効果的であったかどうかを判定するため、コーティングシステム10は、材料をアプリケータ中に通して、そしてその変数(例えば、温度、流量、圧力、及びその他)を測定するのがよい。この判定は、アプリケータ20が作動位置にあるとき、洗浄位置にあるとき、又は別の位置にあるときに実施されるのがよい。幾つかの観点では、アプリケータ20は、上述の判定がなされているときにパージ位置に設けられてもよく、パージ位置は、作動位置及び洗浄位置とは異なっている。アプリケータ20がパージ位置にあるとき、パージ材料をアプリケータに通して流すのがよく、それによりコーティングシステム10は、流れと関連した温度、圧力、流量、粘度、及び/又は他の変数を測定することができる。パージ材料としては、材料50、洗浄材料80、及び/又は別の適当な流動性の材料が挙げられる。洗浄後にコーティングシステム10により詰まりを十分に除去し又は減少させなかった場合、上述の洗浄ステップを繰り返すのがよい。アプリケータ20を洗浄位置から遠ざけて作動位置又はパージ位置に動かす観点では、アプリケータ20を洗浄位置に戻すのがよい。
【0156】
幾つかの観点では、上述の洗浄装置60に利用される洗浄材料80のタイプ又は形式は、迅速に蒸発する溶剤を含むのがよい。かかる蒸発により、望ましくない煙がコーティングシステム10内又はその周りに生じる場合があり、かかる煙は、コーティングシステム10の付近にいるユーザにとって有害な場合がある。溶剤が迅速に蒸発するので、洗浄装置60には追加の溶剤を頻繁に補給する必要がある。
図6~
図8に示すように、洗浄装置60は、洗浄装置60に取り外し可能に取り付けられるよう構成された蓋68を有するのがよく、蓋68は、リザーバ60の少なくとも一部を包囲するよう構成されている。蓋68は、任意適当な材料、例えばシリコーンから成ることができる。理解されるように、洗浄装置60及び蓋68の材料は、劣化、さび付き、及び/又は洗浄材料80及び/又はコーティング材料50により洗浄装置60及び/又は蓋68に対する他の化学的又は構造的損傷を制限するよう利用される洗浄材料80及びコーティング材料50の形式と適合性があるべきである。
【0157】
蓋68を貫通して孔70が設けられるのがよい。孔70は、アプリケータ20が洗浄位置に動かされたときにアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24が孔70を通過することができるようにするほど十分に寸法決めされるべきである。幾つかの特定の実施例では、孔70は、アプリケータ先端部24を挿通させることができるほど十分に寸法決めされるべきである。孔70はまた、十分に小さく寸法決めされるべきであり、つまり、アプリケータ20が孔70内に設けられたときにアプリケータ20と蓋68との間で孔70内に存在する隙間は、リザーバ64内の相当な量の蒸発溶剤が孔70を通ってリザーバ64から出るのを制限するのに足るほど十分に小さいようにすべきである。幾つかの観点では、蓋68は、変形するよう構成された弾性材料から成るのがよく、孔70は、アプリケータ20(例えば、アプリケータ先端部24)よりも僅かに小さいのがよく、その結果、アプリケータ20が孔70中に挿入されると、アプリケータ20は、蓋68を変形させるようになっている。かかる観点では、蓋68は、孔70内に位置するアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24の大部分、又は全てと接触するよう構成されているのがよく、かくして、蒸発溶剤は、アプリケータ20が孔70内に挿入されると、孔70を通ってリザーバ64から出るのを制限する。
【0158】
例示の洗浄プロセス170が
図9に示されている。
図9に示すと共に上述したプロセス170は、本明細書において説明したように任意の1つ以上の他の特徴、コンポーネント、配置、及び/又はその他を含むのがよい。注目されるべきこととして、プロセス170の諸観点は、本明細書において説明した観点と一致して異なる順序で実施できる。加うるに、注目されるべきこととして、プロセス170の幾つかの部分を本明細書において説明した観点と一致して異なる順序で実施できる。さらに、プロセス170は、本明細書において開示した種々の観点と一致してこれよりも多い又は少ないプロセスとなるよう改造可能である。1つの観点では、プロセス170は、プロセッサ120によって制御可能である。1つの観点では、プロセス170は、プロセッサ120により実行されるソフトウェアによって具体化できる。当初のステップ172では、プロセッサ120は、洗浄が必要であるかどうかを判定するのがよい。プロセッサ120は、上記において詳細に説明したように、詰まりが存在しているか、詰まりが形成中であるか、及び/又は条件が詰まりを形成する上で熟しているかどうかを判定することができる。プロセッサ120により洗浄が必要であることが判定された場合、プロセッサ120は、第1の信号をコーティングシステム10の1つ以上のコンポーネントに送るのがよく、プロセッサ120により洗浄が必要ではないと判定された場合、プロセッサ120は、第2の信号を送るのがよい。
【0159】
洗浄が必要とされない場合、プロセス170は、ステップ182に進むことができ、ステップ182では、コーティングシステム10の作動が本明細書において説明したように任意のあらかじめ設定されたパラメータごとに続行する。
【0160】
プロセッサ120により洗浄が必要とされていると判定された場合、プロセッサ170は、ステップ174に進むことができ、ステップ174では、アプリケータ20を作動位置から洗浄位置に動かすのがよい。これは、上述したように、アプリケータ位置決め組立体34を作動させて上述したようにアプリケータ20の運動を引き起こすことによって実施できる。
【0161】
アプリケータ20が洗浄位置にあるとき、アプリケータ20をステップ176で洗浄するのがよい。洗浄は、上述した洗浄方法及び機構のうちの任意のものを含むのがよい。洗浄ステップ176では、アプリケータ20(例えば、アプリケータ先端部24)を洗浄装置60中に配置して洗浄材料80がアプリケータ20の少なくとも一部分(例えば、アプリケータ先端部24)のところで接触するようにする。また、洗浄ステップ176では、信号をアクチュエータコントローラ76に送ってアクチュエータ72を作動させ、アクチュエータ72は、洗浄材料80を通る超音波生じさせる超音波発生器を含むのがよく、かくして、洗浄材料80を撹拌して洗浄材料中にキャビテーション気泡を生じさせるのがよい。ステップ176は、上述したように所定の持続時間にわたって、かつ/或いは所定の繰り返しを続行するのがよい。
【0162】
洗浄プロセスを完了した後、プロセス170は、ステップ178に進むことができ、ステップ178では、プロセッサ120は、もう1回の試験を実施してそれ以上の洗浄が必要であるかどうかを判定するのがよい。プロセッサ120は、例えば、詰まりが存在しているかどうか、詰まりの形成が開始したかどうか、かつ/或いは条件が詰まりが発生する上で熟しているかどうかを判定するために互いに異なる値を比較することによって、主として、ステップ172の場合と同一又は類似の仕方でこの決定を行うことができる。ステップ178の実施中、材料は、アプリケータ20を通って流されて流れ関連変数、例えば流量の測定を可能にする。材料は、コーティング材料50、洗浄材料80、及び/又は別の適当な材料を含むことができる。幾つかの観点では、ステップ178の実施中、アプリケータ20を洗浄位置から作動位置に動かすのがよく、作動位置では、材料をアプリケータ20中に流して詰まりの存在の判定が行われる。変形例として、上述したように、アプリケータ20を洗浄位置からパージ位置に動かしてもよい。
【0163】
ステップ176における洗浄が好結果であった場合、プロセッサ20は、それ以上の洗浄が必要ではないという判定を下すことができ、そして、プロセッサ170は、ステップ180に進むことができ、ステップ180では、アプリケータ20を洗浄位置から作動位置に動かす。アプリケータ20がいったん作動位置にあれば、コーティングシステム10は、所定の作動パラメータごとにステップ182において洗浄作業を開始し又は再開するのがよい。ステップ178の実施中、アプリケータ20を作動位置に動かしてそれ以上の洗浄が必要であるかどうかを判定する場合、ステップ180において、アプリケータ20は、作動位置のままであるのがよい。
【0164】
プロセッサ120によりステップ178においてそれ以上の洗浄が必要とされることが判定された場合、プロセスは、ステップ176を繰り返し実施してアプリケータ20を再び洗浄するのがよい。ステップ178においてアプリケータ20を洗浄位置から遠ざけた場合(例えば、作動位置又はパージ位置に動かした場合)、アプリケータ20を再びステップ174で洗浄位置に動かすのがよい。ステップ178,176(そして、必要ならばステップ174)は、所定回数にわたってループをなすのがよく、ついには、プロセッサ120によりステップ178においてそれ以上の洗浄がもはや必要ではないと判定されるか或いは、繰り返しの反復回数が所定のしきい値に達するかのいずれかの状態が生じる。
【0165】
幾つかの観点では、プロセス170は、ステップ184を含むのがよく、ステップ184では、ステップ176,178の所定の繰り返し回数の実施後、プロセッサ120は、依然として、アプリケータ20がそれ以上の洗浄を必要であると判定し、信号がヒューマンマシンインターフェース及び/又は入力/出力組立体140経由でユーザに送られる。信号は、警告信号であるのがよく、この信号は、アプリケータ20から除去することができない詰まり又はプロセッサ120における故障を表すエラー条件をユーザに知らせるのがよい。警告は、ユーザによって知覚できる視覚的、聴覚的、触覚的、かつ/或いは他の指示が挙げられる。また、ステップ184では、ユーザが作動を再開するまでプロセッサ170の作動及び/又はコーティングシステム10の作動を停止させるのがよい。
【0166】
幾つかの例示の観点では、コーティングシステム10は、経時的に詰まりがいつ生じるようになる場合があるかを学習するよう構成されているのがよい。この学習は、上述したように測定値及び/又は制御値の比較、用いられるコーティング材料50、コーティングされる基板30、アプリケータ20のパラメータ、及び/又はコーティングシステム10の他の作動パラメータに基づくのがよい。かかる学習は、コーティングシステム10が詰まりの生じる時期を予測してかかる詰まり条件が満たされる前にアプリケータ20を機先を制して又は事前に(preemptively)洗浄するのを助けることができる。これは、洗浄が行われている間にコーティングシステム10の必要な洗浄時間及び/又は関連の作動停止時間を減少させるのに役立ち得る。これはまた、アプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24を十分に洗浄する上で必要な繰り返し回数を減少させることができる。もし上記のような構成になっていない場合に生成した詰まりの除去が困難であれば、研磨洗浄手段によらざるを得ないが、これを行うとアプリケータ20及び/又はアプリケータ先端部24に対する損傷が生じるが、事前洗浄を行えば、かかる損傷を減少させることも可能である。
【0167】
図10~
図12を参照すると、コーティングシステム10のプロセッサ120は、機械学習ユニット200を含むのがよい。
図10~
図12に示すコーティングシステム10は、本明細書において説明した他の特徴のうちの任意の1つ以上を含むのがよい。機械学習ユニット200は、変数観察モジュール204、学習モデル208、行為モジュール212及び/又はその他を含むのがよい。変数観察モジュール204は、上述したようにコーティングシステム10の種々の測定かつ検出値を受け取るよう構成されているのがよい。変数観察モジュール204は、プロセッサ120のメモリ124に記憶させることができるコーティングシステム10の測定圧力値P
1,P
2,... ,P
n、測定流量値F
1,F
2,... ,F
n、測定温度値T
1,T
2,... ,T
n、及び/又は他の測定パラメータのうちの任意の1つを受け取るのがよい。変数観察モジュール204はまた、コーティングシステム10のコーティング作業の持続時間に関する値、コーティング材料50に関する情報、例えば材料50の種類、基板30に関する情報、コーティング中の基板30の枚数、及び/又は任意他の作動パラメータを受け取るのがよい。変数観察モジュール204は、プロセッサ120により詰まりが形成され、詰まりが形成中であり又は条件が詰まりの形成にとって熟したことが判定された時点の指標をさらに受け取るのがよい。
【0168】
機械学習及び/又は人工知能はサイバネティックス・脳シミュレーション、記号シミュレーション、認知シミュレーション、論理型知能、反論理型知能、知識型知能、サブシンボリック知能、具現化知能、計算知能、及び知能・ソフトコンピューティング、機械学習・統計学、及びその他のうちの1つ以上を含む任意の数のアプローチを利用することができる。
【0169】
学習モジュール208は、変数観察モジュール204で受け取った変数を利用するよう構成されているのがよく、それにより変数相互間の関連性を見いだすことができるともに、上述の変数のうちの幾つか又は全てに基づいて詰まりが生じるおそれのある時点を予測するための予測方程式を立てることができる。学習モジュール208は、
図12に示すような変数関連性モジュール220を含むのがよく、変数関連性モジュール220は、上述の変数の2つ以上の関連性及び/又は3つ以上の関連性を生じさせるよう構成されているのがよい。種々の関連性を生じさせることができる。例えば、コーティング作業の持続時間とコーティング材料50のパラメータとプロセッサ120による詰まりの検出とかつ/或いはその他との間の関連性を生じさせることができる。コーティング作業の持続時間とコーティング材料50のパラメータと測定流量と測定温度と測定圧力と詰まりの検出とのもう1つの例示の関連性を生じさせることができる。理解されるように、上記実施例は、本発明を限定するものではなく、測定値及び/又はコーティングシステム10のあらかじめプログラムされたパラメータに基づいて任意他の適当な関連性を生じさせることができる。
【0170】
学習モジュール208は、詰まりが生じるおそれのある、又は生じ始める時点、又は各種条件が詰まりを生じさせるのに期を熟する時点を予測するために変数の1つ以上の関連性を利用するよう構成された予測モジュール224をさらに含むのがよい。例えば、コーティング作業の持続時間と詰まり条件の検出との関連性を利用すると、予測モジュール224は、コーティングシステム10が詰まりの検出される可能性がある前にどれほど長く作動できるかどうかを推定することができる。一般に、予測モジュール224は、上述の種々の変数のうちの任意のものを利用して、これら変数及び変数の組み合わせに従ってコーティングシステム10が作動している間に、結果としての詰まりの検出時期を求めることができる。予測モジュール224は、次に、変数関連性モジュール220で生じた変数関連性に基づいて詰まり条件の将来の事例を推定することができる。予測モジュール224は、複数の変数関連性モジュール220を利用することができ、変数関連性としては、互いに異なる変数相互間の関連性、同一変数の繰り返し相互間の関連性、又はこれら両方が挙げられる。
【0171】
幾つかの観点では、予測モジュール224は、コーティングシステム10の作動の瞬時作動パラメータを受け取るのがよい。かかる瞬時作動パラメータを変数関連性モジュール220で生じた種々の関連性と比較するのがよい。正確な一致が変数関連性モジュール220に存在する場合、予測モジュール224は、変数関連性モジュール220における関連性に基づいて詰まり条件の将来の発生を予測することができる。正確な一致が変数関連性モジュール220に存在しない場合、予測モジュール224は、受け取った瞬時作動パラメータの最も近くに位置する多数の関連性を利用するのがよい。予測モジュール224は次に、受け取った作動パラメータ及び変数関連性モジュール220からの複数の関連性に基づいて将来の詰まり条件が起こりうる時期を数学的に外挿することができる。
【0172】
機械学習ユニット200は、プロセッサ120と通信するよう構成されているのがよい行為モジュール212をさらに含むのがよい。将来の詰まりの予測が学習モジュール208の予測モジュール224で得られた後、行為モジュール212は、差し迫った詰まり条件に関する命令をプロセッサ120に伝えるのがよい。行為モジュール212は、コーティングシステム10の作動パラメータを監視することができ、そして、パラメータが予測モジュール224により得られる予測に達したとき、行為モジュール212は、洗浄プロセス、例えば上述のプロセス170を開始することができる。幾つかの観点では、行為モジュール212は、変数観察モジュール204で受け取った1つ以上の作動パラメータが予測モジュール224で得られた予測から所定のばらつき内に収まっている場合に洗浄プロセスを開始するのがよい。例えば、予測モジュール224により詰まり条件がコーティング作業のn分後に起こることが予期されることが指示された場合、行為モジュール212は、n‐5分の時点で洗浄プロセスを開始するための命令をプロセッサ120に伝えるのがよい。これにより、詰まり条件が満たされる前にアプリケータ20を事前に洗浄することができる。理解されるように、上述の実施例は、作動時間を利用しているが、特定の所定のばらつきは、何らかの十分なばらつきであってよく、特定変数(例えば、流量、圧力、温度、作動時間、及び/又はその他)のうちの任意のものに当てはまってもよく、かつ/或いは他の作動パラメータ(例えば、コーティング材料50,洗浄材料80、基板30、基板の枚数、作動時間、コーティング作業速度、アプリケータ20の寸法、アプリケータ20から吐出されるコーティング材料50のパターン、アプリケータ先端部24の形式又は構成及び/又は他の作動パラメータ)を利用してもよい。
【0173】
図13は、詰まり条件が存在する前にコーティングシステム10がアプリケータ20をあらかじめ洗浄することができる例示のプロセス250を示している。
図13に示すと共に以下に説明するプロセス250は、本明細書において説明する1つ以上の他の特徴、コンポーネント、構成、及び/又はその他を含むのがよい。注意されるべきこととして、プロセス250の諸観点を本明細書において説明した諸観点と一致して異なる順序で実施することができる。加うるに、注目されるべきこととして、プロセス250の幾つかの部分を本明細書において説明した観点と一致して異なる順序で実施できる。さらに、プロセス250は、本明細書において開示した種々の観点と一致してこれよりも多い又は少ないプロセスとなるよう改造可能である。1つの観点では、プロセス250は、プロセッサ120によって制御可能である。1つの観点では、プロセス250は、プロセッサ120により実行されるソフトウェアによって具体化できる。ステップ252では、機械学習ユニット200は、変数観察モジュール204における種々の作動パラメータ、例えば上述した作動パラメータを受け取るのがよい。作動パラメータは、コーティングシステム10のあらかじめ設定されたパラメータ(例えば、アプリケータ20の寸法、コーティング材料50のパラメータ、基板30のパラメータ、基板30の量、コーティング速度、コーティングのパターン、及び/又はその他)を含むのがよい。作動パラメータは、コーティングシステム10の作動中における値の測定値(例えば、コーティング材料50の圧力、流量、及び/又は温度、作動持続時間、最後の洗浄からの時間、基板30のコーティング量、最後の洗浄からの基板30のコーティング量、及び/又はその他)をさらに含むのがよい。作動パラメータは、詰まりの検出、詰まりの形成、及び/又は詰まりの形成にとって熟した条件(ひとまとめに、「詰まり条件」)をさらに含む。
【0174】
ステップ254では、学習モジュール208の変数関連性モジュール220は、ステップ252で受け取った種々の作動パラメータ相互間の関連性を生じさせる。関連性は、あらかじめ設定されたパラメータのうちの1つ以上と測定値のうちの1つ以上と検出された詰まり条件との間の関連性であるのがよい。理解されるように、詰まり条件は、あらかじめ設定されたパラメータ及び/又は測定値のうちの任意の1つ又は多数のあらかじめ設定されたパラメータ及び/又は測定値の組み合わせに依存するのがよい。
【0175】
ステップ256では、予測モジュール224は、ステップ254で生じた1つ以上の関連性を利用して将来の詰まり条件を予測するのがよい。予測は、変数観察モジュール204で受け取ったあらかじめ設定されると共に/或いは測定した値及び/又はメモリ124に記憶された値(例えば、測定データ128及び/又は制御データ132)に基づくのがよい。予測ステップ256では、受け取った値を生じさせた関連性の値に合致させると共に/或いは複数の関連性を用いて詰まり条件の予測された将来の発生を外挿するのがよい。将来予測は、1つ以上の測定可能な条件、例えば作動時間、流量、温度、圧力、材料粘度、及び/又はその他に基づくのがよい。例えば、予測モジュール224は、詰まり条件がn分の経過後、コーティング材料50の測定流量がFnであるとき、コーティング材料50の測定温度がTnであるとき、コーティング材料50の測定圧力がPnである場合、n枚の基板30をコーティング材料50でコーティングした時点、及び/又はその他において詰まり条件が起こるということを予測することができる。理解されるように、予測は、監視できる1つ以上の変数として表示されるのがよい。
【0176】
ステップ258では、行為モジュール212は、ステップ256で得られた予測を受け取るよう構成されている。行為モジュール212は、プロセッサ120と情報のやり取りをして得られた予測及びコーティングシステム10の測定作動パラメータに基づいてアプリケータ20の前もった洗浄を開始するのがよい。例えば、前もった洗浄は、上述したようにプロセス170を具体化することができる。コーティングシステム10の1つ以上の作動パラメータが指示予測変数に達したとき、行為モジュール212は、洗浄プロセスの実施の必要があることをプロセッサ120に伝えるのがよい。プロセッサ120は、上述したようにプロセス170と関連したかかる洗浄プロセスを開始することができる。
【0177】
理解されるように、プロセス250において他のプロセスを実施することができ、しかも本明細書において説明するステップを互いに対して異なる順序で実施することができる。1つ以上のステップを連続して又はプロセス250中のどこか他の部分で繰り返すことができる。
【0178】
アプリケータにより定量分配される物体の測定パラメータ(例えば、流量、温度、圧力)と基準値との比較に基づいてアプリケータを洗浄する上述の観点に加えて、又はこれら観点と代替して、他のパラメータ又は方法を採用してアプリケータが洗浄されるべきことを検出し又は判定することができる。例えば、ある幾つかの観点では、アプリケータ(例えば、アプリケータのノズル)の汚染により、定量分配及び/又はコーティング上の品質に関する問題、例えば望ましくない被覆又は配置精度を生じさせる場合があり、しかも材料特性(例えば、流量、温度)を測定しても、詰まり条件が起こるまではかかる汚染を検出することができない。ある幾つかの観点では、かかる詰まり条件の存在に先だってかかる汚染を検出することが望ましい場合がある。
【0179】
ある幾つかの観点では、視覚システムを採用するのがよい。視覚システムは、詰まり条件が存在する前であっても、アプリケータを洗浄する必要性をより容易かつ迅速に検出することができる場合がある。視覚システムは、特定の用途に合うよう所望に応じて任意適当な視覚システムであってよい。非限定的な例を挙げると、視覚システムは、搭載型視覚システム(例えば、アプリケータに詰め込まれた状態で位置決めされている)であってもよく、或いは、下流側の視覚システム(例えば、コーティングプロセスにおけるアプリケータの下流側に位置決めされる)であってもよい。視覚システムを用いると、アプリケータの目視検査を実施することができる。本明細書において説明するようにアプリケータの目視検査に基づいて、アプリケータからの材料の定量分配(例えば、1枚以上の基板上への)を停止させることができ、そしてアプリケータを本明細書において説明するように洗浄することができる。アプリケータの洗浄後、材料の定量分配を再開することができる。
【0180】
一般に、視覚システムは、1つ以上のカメラを含むのがよい。かかるカメラは、アプリケータが洗浄されるべきであるかを判定する際に使用される1つ以上の像を捕捉するよう構成されているのがよい。例えば、視覚システムのカメラは、材料を定量分配させるノズル、定量分配されている材料の流体パターン、及び/又は材料を定量分配する基板の1つ以上の像を捕捉するよう構成されているのがよい。
【0181】
1つの観点によれば、材料をアプリケータから定量分配するノズルを目視検査するのがよい。例えば、カメラは、ノズルの1つ以上の像を捕捉するのがよい(例えば、材料の定量分配中及び/又は定量分配後)。ある幾つかの観点では、カメラは、ノズルの特定の部分(例えば、ノズルに設けられた開口部)の1つ以上の像を捕捉するのがよい。次に、捕捉した像を処理してノズル上の残留材料に基づいて第1の値を生じさせるのがよい。次に、第1の値を所定の値と比較するのがよい。かかる比較に基づいて、第1の値が所定の値について設定された公差外にあるかどうかを判定することができる。第1の値が所定の値について設定された公差外にある場合、本明細書において説明したように、アプリケータを定量分配位置又は作動位置から洗浄位置に動かすのがよい。洗浄位置では、残留材料のうちの少なくとも何割かをアプリケータから除去するのがよい。アプリケータからの残留材料の少なくとも何割かの除去に続き、アプリケータを定量分配又は作動位置に動かすのがよい。幾つかの観点では、ノズルの追加の像を捕捉するのがよい。次に、追加の捕捉した像を処理してノズル上の残留材料に基づいて第2の値を生じさせるのがよい。次に、第2の値を所定の値と比較するのがよい。かかる比較に基づき、第2の値が所定の値について設定された公差外にあるかどうかを判定することができる。第2の値が所定の値について設定された公差外にある場合、アプリケータをさらに洗浄するのがよい。これとは逆に、第2の値が所定の値について設定された公差内にある場合、アプリケータからの材料の定量分配を再開するのがよい。
【0182】
アプリケータ上及び/又はアプリケータ内(例えば、アプリケータのノズル上及び/又はノズル内)の汚染の目視検査及び/又は測定を特定の用途に合う任意適当な手段によって達成することができる。非限定的な例を挙げると、代表的なシステム及び方法が共通所有者の米国特許第10,906,058号明細書に記載されており、この米国特許を参照により引用し、全ての目的についてのその開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0183】
非限定的な例を挙げると、
図15は、定量分配ノズルを検査する方法1500を示す流れ図である。方法1500のステップの各々をコントローラによって生じる1つ以上の信号に基づいて実施することができる。
【0184】
ステップ1502では、アプリケータは、材料を基板上に(例えば、ノズル経由で)定量分配するのがよい。コントローラは、所定の期間(例えば、約1~2定量分配時間)、所定のサイクル回数、及び/又は任意の数のメトリクスにわたって、定量分配ノズルの外面上における材料の蓄積量を推定するステップ1502を実施するのがよい。メトリクスの経過後、コントローラは、検査のためにステップ1504に進むのがよい。
【0185】
ステップ1504では、コントローラは、カメラを作動させて定量分配ノズル、例えば定量分配ノズルに設けられた開口部から弁の像を捕捉するのがよい。コントローラは、位置決め装置を作動させて定量分配ノズルを角度つきミラーと位置合わせするのがよい。像をグレースケールでカメラに捕捉することができ、それにより定量分配ノズル上に堆積した材料の量を処理して求めることができる。変形例として、像は、カメラによってカラーで捕捉してもよく、次に、これをグレースケールに変換して処理を容易にしてもよい。
【0186】
ステップ1506では、コントローラは、像を処理するのがよい。コントローラは、定量分配ノズルを示す像の所定のサブセットを捕捉することができ、そしてこのサブセットを処理して像の画素強度に基づいて値を生じさせることができる。幾つかの観点では、コントローラは、捕捉した像の1つ以上の画素を清浄な定量分配ノズルの像の1つ以上の対応の画素と比較して画素強度の変化を求めることによって、捕捉した像を処理することができる。画素強度変化は、材料によってコーティングされた定量分配ノズルの幾つかの部分が定量分配ノズルの対応の清浄な部分よりも暗いので、定量分配ノズル上にコーティングされた材料の量を指示することができる。比較により、画素強度変化のアレイが提供される。次に、コントローラは、このアレイを標準化して捕捉した像の画素強度の変化及び定量分配ノズル上に堆積した材料の量を表すスカラー量として値を生じさせることができる。
【0187】
清浄である(例えば、材料堆積のない)定量分配ノズルの像をコントローラによって処理すると、例えば、高値(例えば、0~100のスケール上の80~90)を生じさせることができ、それによりノズルが清浄な定量分配ノズルの像と同等であることを指示することができ、したがって、定量分配ノズルは、洗浄なしで引き続き定量分配することができる。数回の定量分配サイクル(例えば、定量分配ノズルの表面上における材料の蓄積量が最小限であるが、定量分配効率を低下させるほどのものではない)後の定量分配ノズルの像をコントローラで処理することができ、それにより比較的高い値(例えば、0~100のスケール上の60~70)を生じさせることができる。他方、表面上の相当多くの材料蓄積量(例えば、材料の堆積が定量分配ノズルの開口部を遮断して定量分配品質を許容できないほどのレベルに低下させる場合がある)を示す定量分配ノズルの量を処理するのがよく、かかる処理に基づいて、コントローラは、像を処理した時点での材料蓄積を検出し、そして例えば、比較的低い値(例えば、0~100のスケール上の9~18)を生じさせることができる。
【0188】
ステップ1508では、コントローラは、この値が、定量分配ノズルが十分に清浄であることを指示する所定の値に対してある範囲内にあるかどうかを判定するのがよい。例えば、所定の値は、清浄なノズルの所定の百分率(例えば、50%)であるのがよく、ステップ1508は、この値が、ノズルが清浄であることを指示する範囲内にあるかどうかを判定することができる。この値が、ノズルが十分に清浄であることを指示する範囲内にないと判定された場合(“NO”)、コントローラは、ステップ1510に進むのがよい。この値が上述の範囲内にあると判定された場合(“YES”)、コントローラは、ステップ1512に進むのがよい。
【0189】
ステップ1510では、コントローラは、アプリケータ(例えば、アプリケータの定量分配ノズル)を本明細書において説明したように定量分配又は作動位置から洗浄位置に動かして残留材料のうちの少なくとも何割かを定量分配ノズルから除去するのがよく、これについては本明細書においてさらに説明する。ステップ1512において定量分配ノズルを洗浄した後、コントローラは、ステップ1504に戻るのがよく、このステップでは、カメラは、定量分配ノズルの追加の像を捕捉する。定量分配ノズルをステップ1502における定量分配に十分に清浄であるようにするために追加の洗浄が必要である場合がある。
【0190】
ステップ1512では、コントローラは、アプリケータ(例えば、アプリケータの定量分配ノズル)を定量分配又は作動位置に動かすのがよい。次に、コントローラは、ステップ1602に進むのがよく、このステップでは、定量分配ノズルは、材料を基板上に定量分配する。
【0191】
もう1つの観点によれば、アプリケータから定量分配されている材料の流体パターンを目視検査するのがよい。例えば、カメラは、材料が定量分配されているときに流体パターンの1つ以上の像を捕捉するのがよい。次に、捕捉した像を処理して流体パターンの実際の流体パターン情報を生じさせるのがよい。次に、実際の流体パターン情報を流体パターンについての流体パターン情報と比較するのがよい。かかる比較に基づき、実際の流量パターンが流体パターンについて設定された公差外にあるかどうかを判定するのがよい。実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差外にある場合、本明細書において説明したように、アプリケータを定量分配又は作動位置から洗浄位置に動かすのがよい。洗浄位置では、残量材料の少なくとも何割かをアプリケータから除去するのがよい。
【0192】
アプリケータから定量分配されている材料の流体パターンの目視検査及び/又は測定を特定の用途に合う任意適当な手段によって達成することができる。非限定的な例を挙げると、代表的なシステム及び方法が共通所有者の米国特許第10,758,926号明細書に記載されており、この米国特許を参照により引用し、全ての目的についてのその開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0193】
非限定的な例を挙げると、
図16は、流体パターンを検査するプロセス1600を示す流れ図である。プロセス1600は、コントローラによって実施されるのがよい。プロセス1600は、ステップ1602で始まる。ステップ1602では、コントローラは、命令をアプリケータ及び/又は定量分配ノズルに転送して流体パターンを生じさせるようになった1つ以上のシステムパラメータに従って材料又は流体を定量分配するのがよい。1つ以上のシステムパラメータは、流体定量分配システムの作動に関連した任意のパラメータ、例えば定量分配ノズルに提供された流体の流体圧力、速度、及び/又は堆積、定量分配ノズルの水平方向及び/又は垂直方向位置、定量分配ノズルの回転配向状態、及び定量分配ノズルから定量分配された流体のパルスタイミング及び/又はパルス持続時間を含むのがよい。1つ以上のシステムパラメータは、基板に対する定量分配ノズルの運動の方向(例えば、水平方向)及び/又は速度(例えば、水平方向速度)又はこれらの逆の関係をさらに含むのがよい。次に、定量分配ノズルは、1つ以上のシステムパラメータに従って流体を定量分配するのがよい。定量分配ノズルによって定量分配されるストリーム又はスプレーは、意図した流体パターンに合致する場合があり又はそうではない場合がある実際の流体パターンを呈する場合がある。幾つかの観点では、コントローラは、命令をオペレータ入力の結果として転送するのがよい。
【0194】
ステップ1604では、流体パターンを示す流体のストリーム又はスプレーの像をコントローラによってカメラから受け取る。幾つかの観点では、カメラは、実際の流体パターンの像を所定の時間間隔で連続的に捕捉して転送するのがよい。例えば、コントローラは、実際の流体パターンのビデオストリームを受け取るのがよい。他の観点では、コントローラは、命令をカメラに転送して流体のストリーム又はスプレーの像を特定の時点で捕捉するのがよい。
【0195】
さらに他の観点では、カメラは、多数のアングルからの実際の流体パターンの1つ以上の像又はビデオストリームを捕捉するのがよい。例えば、第1のカメラは、第1のアングルからの実際の流体パターンの1つ以上の像又はビデオストリームを捕捉するのがよく、第2のカメラが第2の異なるアングルからの実際の流体パターンの1つ以上の像又はビデオストリームを捕捉するのがよい。第1のアングルは、第2のアングルに対して垂直であるのがよい。もう1つの実施例では、カメラ112は、実際の流体パターンに対する1つ以上の位置相互間で動き(例えば、実際の流体パターン回りに部分的に又はひと回り回転し)、それにより多数のアングルからの実施の流体パターンの1つ以上の像又はビデオストリームを捕捉するよう構成されているのがよい。多数のアングルからの実際の流体パターンを示す1つ以上の像又はビデオストリームは、次に、コントローラに提供されてこれによって受け取られるのがよい。
【0196】
ステップ1606では、コントローラは、実際の流体パターンについての実際の流体パターン情報を求めるのがよい。コントローラは、カメラから受け取った像に基づいて実際の流体パターン情報を求めることができる。実際の流体パターン情報は、実際の流体パターンの寸法のうちの少なくとも1つ(例えば、幅)、実際の流体パターンの形状、実際の流体パターンの水平方向又は垂直方向オフセット、実際の流体パターンの密度、実際の流体パターンの質、実際の流体パターンの液滴のサイズ、実際の流体パターンの回転方向配向状態、又は実際の流体パターンの他の特性を含むのがよい。実際の流体パターンのオフセットは、所望のアライメントからの実際の流体パターンの位置のオフセットを指す場合がある。例えば、実際の流体パターンは、所望の場所から2mm離れたところに中心があるのがよい。コントローラは、種々の像処理アルゴリズム、例えば高域フィルタリングに基づいて実際の流体パターン情報を求めて実際の流体パターンのエッジを決定するのがよい。
【0197】
幾つかの観点では、コントローラは、カメラから受け取った実際の流体パターンの像又はビデオストリームに基づいて実際の流体パターンの三次元モデルを定めるのがよい。三次元モデルを作るには、例えば、既知の技術を用いて実際の流体パターンの像の各々の中の境界及び/又は特徴を認識し、そして認識した境界及び/又は特徴のトライアンギュレーションを行って(かつ/或いは他のトモグラフィ方法を用いて)モデル内の実際の流体パターンの表示を作る。三次元モデルは、実際の流体パターンの表示を提供するので、上述の実際の流体パターン情報を三次元モデルに基づいて定めることができる。
【0198】
ステップ1608では、コントローラは、実際の流体パターン情報を1つ以上のシステムパラメータに対応した意図した流体パターンについての流体パターン情報と比較するのがよい。すなわち、観察した実際の流体パターン情報を1つ以上のシステムパラメータを用いて見込まれる流体パターン情報と比較するのがよい。流体パターン情報は、意図した流体パターンに関連した情報を除き、実際の流体パターン情報に対して上述したのと同種の情報であるのがよい。例えば、実際の流体パターン情報が実際の流体パターンの幅を表す場合、実際の流体パターンの幅を流体パターン情報で表された意図した流体パターンの所望の幅と比較するのがよい。幾つかの観点では、コントローラは、実際の流体パターン情報の重要度と流体パターン情報の差を計算するのがよい。他の観点では、コントローラは、実際の流体パターン情報と流体パターン情報の比を計算するのがよい。
【0199】
ステップ1610では、コントローラは、実際の流体パターン情報と流体パターン情報の比較に基づいて、実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差外にあると判定することができる。流体パターンについて設定された公差は、流体パターンの所望の幅、流体パターンの所望の形状、流体パターンの許容可能なオフセット、流体パターンの所望の密度、流体パターンの所望の質、流体パターンの液滴の所望のサイズ、流体パターンの所望の回転配向状態、又は流体パターンについての他の設計又はプロセス限度のうちの少なくとも1つを含むのがよい。例えば、コントローラは、特定の高さでの実際の流体パターンの幅が流体パターンの公差を超えていることを判定することができる。もう1つの実施例では、コントローラは、実際の流体パターン中の液滴の真球度が流体パターンの公差を下回っていると判定することができる。実際の流体パターン情報が流体パターンの公差外にあることによって示されることとして、アプリケータ(例えば、アプリケータの定量分配ノズル)が洗浄の必要があるということである。実際の流体パターン情報及び流体パターン情報に基づいて、コントローラは、本明細書において説明したようにアプリケータ(例えば、アプリケータの定量分配ノズル)を洗浄する命令を決定するのがよい。
【0200】
ステップ1612では、コントローラは、本明細書において説明したように、定量分配ノズルが定量分配性能を向上させるために洗浄される必要があるという命令をスプレーシステム及び/又は定量分配ノズルに転送するのがよい。
【0201】
幾つかの観点では、コントローラは、警告を流体定量分配システムのオペレータに転送するのがよい。警告は、実際の流体パターンが流体パターンについて設定された公差外にあることを指示するのがよい。警告は、本明細書において説明したように、アプリケータ(例えば、アプリケータの定量分配ノズル)が洗浄されるべきことを指示するのがよい。
【0202】
もう1つの観点によれば、材料を定量分配する基板を目視検査するのがよい。例えば、カメラは、基板上への材料の定量分配中及び/又は定量分配後に基板の1つ以上の像を捕捉するのがよい。次に、捕捉した像を処理して基板上の定量分配した材料に基づいて第1の値(例えば、基板上の定量分配材料の配置及び/又は量を表す)を生じさせるのがよい。次に、第1の値を所定の値と比較するのがよい。かかる比較に基づき、第1の値が所定の値について設定された公差外にあるかどうかを判定するのがよい。第1の値が所定の値について設定された公差外にある場合、アプリケータを本明細書において説明したように、定量分配又は作動位置から洗浄位置まで動かすのがよい。洗浄位置では、残留材料のうちの少なくとも何割かをアプリケータから除去するのがよい。アプリケータからの残留材料の少なくとも何割かの除去に続き、アプリケータを定量分配又は作動位置に動かすのがよい。幾つかの観点では、ノズルの追加の像を捕捉するのがよい。次に、捕捉した像を処理して基板上の定量分配材料に基づいて第2の値を生じさせるのがよい。次に、第2の値を所定の値と比較するのがよい。かかる比較に基づき、第2の値が所定の値について設定された公差外にあるかどうかを判定するのがよい。第2の値が所定の値について設定された公差外にある場合、アプリケータをさらに洗浄するのがよい。これとは逆に、第2の値が所定の値について設定された公差内にある場合、アプリケータからの材料の定量分配を再開するのがよい。
【0203】
基板の目視検査は、特定用途に合う任意適当な手段によって達成できる。非限定的な例を挙げると、かかる目視検査は、オハイオ州ウエストレイク所在のノードソン・コーポレイションから市販されている自動光学検査(AOI)システム及び/又はソフトウェアを用いることによって達成できる。
【0204】
種々の図の種々の実施形態と関連してシステム及び方法を説明したが、当業者であれば理解されるように、実施形態の広義の発明概念から逸脱しないで実施形態について変更を行うことができる。したがって、本開示は、開示した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって定められた本発明の精神及び範囲内に属する改造例を含むことが意図されている。
【0205】
リストが提供されている場合、別段の指定がなければ、このリストの各個々の要素及びこのリストのあらゆる組み合わせは、別個の実施形態であることは理解される。例えば、“A、B、又はC”と表されている実施形態のリストは、実施形態“A”、“B”、“C、“A又はB”、“A又はC”、“B又はC”、“A、B、又はC”を含むものとして解されるべきである。
【0206】
理解されるように、第1、第2などという用語が種々の要素を説明するために本明細書において用いられる場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために用いられているにすぎない。例えば、第1の要素は、第2の要素と呼ばれる場合があり、同様に第2の要素は、第1の要素と呼ばれる場合があり、このことは、本発明の範囲から逸脱しない。本明細書において用いられる「及び/又は」という語句は、関連の列挙したアイテムのうちの1つ以上の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含む。
【0207】
理解されるように、一要素、例えば、(一つの)層、(一つの)領域、又は(一つの)基板が別の要素「上」に位置し、又は「上に」延びると記載されている場合、この一要素は、別の要素上に直接位置する場合があり又は別の要素上に直接延びる場合があり、或いは、介在する要素もまた存在する場合がある。これとは対照的に、一要素が別の要素「上に直接」位置し、又は別の要素「上に直接(直に)」延びると記載されている場合、介在する要素が存在しない。同様に理解されるように、一要素、例えば一層、一領域、又は一基板が別の要素「の上方に」位置し、又は別の要素「の上方に」延びると記載されている場合、この一要素は、別の要素の上方に直接位置する場合があり又は別の要素の上方に直接延びる場合があり、或いは、介在する要素もまた存在する場合がある。これとは対照的に、一要素が別の要素「の上方に直接」位置し、又は別の要素「の上方に直接(直に)」延びると記載されている場合、介在する要素が存在しない。また、理解されるように、一要素が別の要素に「連結され」又は「結合され」ていると記載されている場合、この一要素は、別の要素に直接連結される場合があり又はこれに直接結合される場合があり、或いは介在する要素が存在する場合がある。これとは対照的に、一要素が別の要素に「直接連結され」又は「直接結合され」ていると記載されている場合、介在する要素が存在しない。
【0208】
相対的な用語、例えば、「下」、「上」、「上側」、「下側」、「水平」、「垂直」が図示のように一要素、一層又は一領域と別の要素、別の層、別の領域の関係を記載するために本明細書において用いられる場合がある。理解されるように、これらの用語及び上述の用語は、図示の向きに加えて、デバイスの種々の向きを含むものである。
【0209】
本明細書において用いられる用語法は、目的上、特定の観点を説明するためのものであるにすぎず、本発明を限定することを意図していない。原文明細書において用いられる単数形“a”、“an”、“the”は、文脈上、別段の明示の指定がなければ、複数形をも含むものである。さらに理解されるように、用語“comprises”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“comprising”、“ includes”(「~を含む」)、及び/又は“including”が原文明細書で用いられる場合、これらは、記載した特徴、記載した整数、記載したステップ、記載した操作、記載した要素、及び/又は記載したコンポーネントの存在を特定しているが、1つ以上の他の特徴、1つ以上の他の整数、1つ以上の他のステップ、1つ以上の他の操作、1つ以上の他の要素、1つ以上の他のコンポーネント、及び/又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではない。
【0210】
別段の規定がなければ、本明細書において用いられる全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明に属する当業者に一般的に理解される意味と同一の意味を有する。さらに理解されるように、本明細書において用いられる用語は、本明細書の文脈中及び関連技術におけるこれらの意味と一致した意味を有するものとして理解されるべきであり、しかも明示の上記のような規定がない場合、理想化され又は過剰に形式ばった意味に解されることはない。
【国際調査報告】